衆議院

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第4号 平成26年10月28日(火曜日)

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平成二十六年十月二十八日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 北川 知克君

   理事 石原 宏高君 理事 泉原 保二君

   理事 平井たくや君 理事 牧原 秀樹君

   理事 盛山 正仁君 理事 近藤 昭一君

   理事 河野 正美君 理事 斉藤 鉄夫君

      赤枝 恒雄君    穴見 陽一君

      井野 俊郎君    井林 辰憲君

      井上 貴博君    伊藤信太郎君

      石川 昭政君    小倉 將信君

      小田原 潔君    神田 憲次君

      小林 茂樹君    小林 史明君

      笹川 博義君    助田 重義君

      高橋ひなこ君    中村 裕之君

      福山  守君    藤原  崇君

      細田 健一君    八木 哲也君

      福田 昭夫君    吉田  泉君

      小熊 慎司君    大熊 利昭君

      新原 秀人君    林  宙紀君

      浮島 智子君    田沼 隆志君

      野間  健君

    …………………………………

   環境大臣         望月 義夫君

   環境副大臣        小里 泰弘君

   環境大臣政務官      高橋ひなこ君

   環境大臣政務官      福山  守君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 時澤  忠君

   政府参考人

   (国土交通省道路局次長) 黒田 憲司君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局次長) 篠原 康弘君

   政府参考人

   (環境省大臣官房長)   森本 英香君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            三好 信俊君

   政府参考人

   (原子力規制庁原子力規制部長)          櫻田 道夫君

   参考人

   (京都大学環境科学センターセンター長・教授)   酒井 伸一君

   参考人

   (福島県トラック政策推進協議会会長)

   (公益社団法人福島県トラック協会会長)      渡邉 泰夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十八日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     小田原 潔君

  穴見 陽一君     細田 健一君

  井野 俊郎君     笹川 博義君

  井上 貴博君     中村 裕之君

  大熊 利昭君     小熊 慎司君

同日

 辞任         補欠選任

  小田原 潔君     赤枝 恒雄君

  笹川 博義君     小林 茂樹君

  中村 裕之君     井上 貴博君

  細田 健一君     八木 哲也君

  小熊 慎司君     大熊 利昭君

同日

 辞任         補欠選任

  小林 茂樹君     井野 俊郎君

  八木 哲也君     神田 憲次君

同日

 辞任         補欠選任

  神田 憲次君     穴見 陽一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)


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     ――――◇―――――

北川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 これより質疑に入ります。

 本日は、本案審査のため、参考人として、京都大学環境科学センターセンター長・教授酒井伸一君、福島県トラック政策推進協議会会長・公益社団法人福島県トラック協会会長渡邉泰夫君、以上二名の方々に御出席をいただいております。

 この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、酒井参考人、渡邉参考人の順に、それぞれ二十分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。

 それでは、まず酒井参考人にお願いいたします。

酒井参考人 ただいま御紹介いただきました京都大学の酒井でございます。

 本日は、日本環境安全事業株式会社法の一部改正法に関しまして、中間貯蔵事業とPCB処理との関係ということで意見を述べさせていただきます。

 お手元に資料をお配りさせていただいておりますが、主に、中間貯蔵施設の機能と留意点、それと、日本環境安全事業のPCB処理事業の特徴と中間貯蔵事業への展望ということでお話を申し上げます。

 なお、私どもの所属、経歴に関しましては、資料の一ページ下のスライドに書いてございますので、またごらんいただければと思います。専門は環境工学で、廃棄物管理、循環型社会形成を主たる研究フィールドとして研究を進めている者でございます。

 それでは、一枚繰っていただきまして、二ページの方の、中間貯蔵施設の機能と留意点ということでお話を申し上げます。

 まず、この中間貯蔵施設の必要性ということに関します認識でございますけれども、福島県下数万カ所の仮置き場、現場で保管されていると伺っております。かつ、仮置き場を置いた後の道筋がなかなか見えないということ、また、仮置き場自体の設置が直近では進まないということで、なかなか除染が進まないという現状があると伺っております。

 このような観点から、除染した土壌を集中的かつ安定的なコントロール下に置く中間貯蔵施設は極めて重要であって、今後の復興のためにも不可欠という認識を持ってございます。

 そういった中で、私どもでございますが、二〇一三年六月から環境省の中間貯蔵施設安全対策検討会の座長を務めさせていただきました。これは、約五回にわたりまして審議をいたしまして、また別途、環境省の方が行われましたボーリング調査等の現地調査の結果等の評価も進めさせていただきました。

 この検討会での検討と、それと同時に並行開催されておりました環境保全検討会での検討結果、現地調査の結果も踏まえまして、二〇一三年十月に報告書を取りまとめ、報告をさせていただきました。この報告を踏まえて、国におかれましては、中間貯蔵施設の案を取りまとめ、二〇一三年の十二月に、福島県あるいは地元の町に対して施設の受け入れの要請を行ったと承知をしております。

 検討会の中での中間貯蔵施設の配置と構造に関します議論でございますけれども、この現地、提示されました候補地でございますけれども、基本的には、物理的に施設を設置できる、そういう地形にあるということ、地層であるということを確認させていただいております。

 そして、配置の具体例といたしましては、放射性セシウム濃度が高濃度、十万ベクレルを超えるというような焼却灰を貯蔵する貯蔵施設などに関しましては、地震、津波等の影響を受けにくい丘陵地に配置するといったようなことも検討の中で進めさせていただきました。

 また、土壌等の、あるいは廃棄物等の溶出試験の結果を踏まえまして、放射性セシウム濃度が八千ベクレル以下ということで比較的低いものに関しましては地下水汚染のおそれがないと考えられる、こういう土壌に関しましては特別の遮水機能のない施設に貯蔵することができると判断する一方、八千ベクレルを超える土壌に関しましては、基本的には遮水シートで浸出水と地下水の接触を絶つ遮水機能を有する貯蔵施設に置こう、こういう基本方針を定めたところでございます。

 四ページの方に参りまして、具体的に溶出試験の結果の一例を示してございます。途中にセシウム濃度合計ということで示してございますが、約三万ベクレル・パー・キログラムという濃度でもってアンモニウムイオンが共存した場合でも溶出はしないという確認をとってございます。そういうことで、先ほどの八千ベクレルという数字の確認をとったということでございます。

 そういうことの中で、中間貯蔵施設の、貯蔵施設のイメージといたしましては、土壌等に関しては、四ページの下のこの図のような形で、表層にも覆土等を置いて遮水機能を持たせること、そして、廃棄物等に関しましては囲いを置いて遮蔽機能を持たす、こういうような構造を検討させていただいたわけでございます。

 こういう構造も非常に重要なのでございますけれども、その次、五ページに参りまして、基本的に、維持管理と安全対策ということの視点も非常に重要になってまいります。

 すなわち、構造に加えまして、停電の場合あるいは災害の場合の緊急対応としての十分なマニュアルの整備、あるいは訓練、そして緊急連絡網、連絡体制等の整備を行うこと、これは極めて重要であろうと認識をいたしました。また、施設内の空間線量率、あるいは周りの地下水、周辺水域などのモニタリングを十分に実施して、常に安全性を確認することも肝要と認識をしております。さらに、緊急事態として考えられます地震、津波、集中豪雨等に関しましても、それぞれへの対応というものも議論をさせていただきました。

 そして、もう一点重要なポイントが、五ページの下の、土壌等の輸送の観点でございます。

 安全対策検討会におきましては、基本的な方向といたしまして、安全かつ確実な輸送が必要であろう、それを短期間かつ円滑に行うこと、そして、それを国民あるいは関係機関の理解と協力のもとで行うという基本原則を議論させていただきました。

 その後、別途、中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る検討会を別に立ち上げ、検討中と承知をしております。

 いずれにいたしましても、輸送物を完全に全数管理を行うこと、かつ、人口集中地域あるいは時間帯等に十分に配慮したルート選定を行うというような、地域の理解を得て輸送を行うことが重要と認識をしております。

 六ページの方に参りまして、その結果でございますが、中間貯蔵施設で管理をすることでもってその地域全体の放射線線量の低減が図られるかどうかということも検討会の中で一定の試算を行いました。表面土壌を除去するというような準備工、あるいは覆土によります遮蔽効果、あるいは相対的に放射能濃度の低い搬入土壌というような効果、こういうものでもって、施設設置前に比べまして最低でも四割程度の線量低減が図られるのではないかという見通しを立ててございます。

 ということで、こういう中間貯蔵におきます今後の放射線線量の制御効果というのは十分に期待できるのではないかというふうに思っております。

 そしてもう一点、この六ページの下でございますが、施設の運営と情報公開という点も非常に重要なポイントと認識をしております。

 今回の事業、基本的には、失敗あるいは中断の許されない大事な事業というふうに認識をしております。そういった意味で、地域の方々を初めとするさまざまな主体の方々とのコミュニケーション、あるいは情報公開を積極的に行っていただき、常日ごろから信頼関係を構築することを第一にしてその運営管理というものを行っていただくことが重要かと認識をしております。

 こういうコミュニケーション、情報公開の基本的な姿勢といたしましては、継続性、双方向性、透明性、信頼性の確保、この辺の要件が重要ではないかということで、提示をさせていただきました。

 そして、地域の方々あるいは地元自治体への定期的な見学、報告会等の実施、住民参加型を志向した委員会の設置、地元自治体との連携、研究開発等への取り組み、これを推進するということを盛り込ませていただきました。

 さて、後半に入らせていただきます。

 この日本環境安全事業株式会社の方では、PCB処理事業を推進されておられます。この事業の特徴と、今回の中間貯蔵事業への展望という視点でございます。

 七ページの下の表は、二〇〇一年、平成十三年にPCB廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法を立法いただきましたが、ここまでのPCBの経緯でございます。

 二十世紀の半ばにPCBは開発をされ、そして、その後絶縁体等で多く使われ、その後カネミ油症事件が発生、そしてこのPCB廃棄物を保管するということが続けられてきたわけでございます。その処理への打開を図るために、このPCBの特措法が成立したというふうに承知をしております。

 次、八ページの方で、当時PCB処理が求められた背景ということで、ポイントを整理させていただきました。

 当時、大気環境を初めさまざまな環境で、PCBは微量ながらあらゆる環境媒体で検出をされておりました。中でも、極地、北極に近いイヌイット族の方々の母乳からPCBが検出される。イヌイット族の方々自身はPCBは使われておりません。中緯度地域の国で発生したPCBが移動をして、そして極地で濃縮をし、そしてそこの魚等の食事からこういう人体汚染につながったというふうに考えられております。

 そして、当時、約一万一千台程度、全部で三十五万台程度の調査でございましたが、その一万台程度が紛失、不明であるということがわかった。

 そして、二〇〇一年でございますけれども、PCBを含む残留性有機汚染物質、これを国際的に規制する国際条約が成立したということも、当時、こういうPCB処理が求められる背景にあったかと思っております。

 そして、二〇〇三年にPCB廃棄物の処理基本計画が、第一次のものが定められまして、その場で、当時の環境事業団を活用して速やかに処理施設の整備を図ること、そしてその後、北九州、豊田、東京、大阪、北海道の各PCB処理事業が推進されていったというふうに承知をしております。九ページの上のこのグラフのような地域割りで各五つの事業が進められているというふうに理解をしてございます。

 JESCOのPCB処理事業におけます特徴でございますが、まず一つ目は、輸送に関する特徴でございます。

 大きく三点整理をしておりまして、基本的には、PCBを持っておられる事業者の方々あるいはその地元の自治体の方々と十分な計画の調整等を行っておられるということ。それから二点目といたしまして、GPSシステムを用いたリアルタイムでの運行の監視、管理でございます。そして、受け入れ時は、綿密な受け入れ管理の徹底ということ。この三点が、PCB処理事業における輸送の特徴というふうに認識をしております。

 十ページの方に参りまして、もう一点非常に重要な点は、PCB処理というのは、地球環境でのPCBの移動を守るという点の環境制御という側面と、それを防ぐための労働者の方々がPCBにいかに暴露をされないかという、この二点、人の健康保護と環境を守るという、この両者を同時達成しなければならない、そういう事業でございます。

 労働環境を整備して、そして個人保護具を十分に使って個人をお守りする。それとともに、環境そして地球を守るために環境排出制御をしなければならないという、この両者の同時達成という意味で、相当に難しい事業を推進いただいているというふうに理解をしております。

 それは、それぞれまたその物質をきっちりとはかっていくという点で、十ページの下の表のような整理をしてございます。

 環境モニタリングをすることでもって、多くの異性体のあるPCBをはかる。そして、労働者の方々の血中PCB濃度もモニタリングしながら、そのPCB濃度が上がらないということの確認をしながら事業運営をいただいているというふうに理解をしております。

 これは、今回の放射性物質としてのセシウムに対しますモニタリングとも相当相通ずるところがあるのではないかというふうに認識をしております。

 そして、十一ページのところから若干専門的にはなりますが、これまでのPCBという物質とそれから今後対象にいただく放射性セシウム、そのセシウムの物理化学的な特性の比較という表を持ってまいりました。

 一つが蒸気圧というもの、もう一つが水への溶解度というものでございます。

 蒸気圧というのは、基本的に、蒸気圧が高ければ気相、大気の方に移動しやすいという性格を持っているものでございまして、今回のセシウム化合物の蒸気圧というのは、PCBよりも相当低うございます。セシウムは、気体で気中に移動していくことは極めて少ない。ということは、セシウムは、作業環境では揮発する可能性は極めて低く、そして、セシウム化合物が付着している粉じんに対する注意を十分に図らねばならない、こういう整理になっていこうかと思います。

 ということは、今のPCBというのは相当気中に移動しやすい物質でございまして、それがゆえに、労働者の管理を十分にしながら、労働者の保護をしながら慎重に事業を進めなければならないという意味での難しさを持っているということが言えようかと思います。

 その一方、セシウムの水への溶解度というのは相当高うございます。PCBに比べても相当高いということが言えます。

 十一ページの下のスライドの方で、そういう溶解度の高い物質の例をそれぞれ並べさせていただきましたが、塩化ベリリウム、シアン化カリウム、あるいは1・4ジオキサンといったような、規制されているような物質と同等レベルでございます。

 溶解度は高いんですけれども、幸い土壌への吸着等も期待ができますので、そういう意味で、制御しながらの管理はできようかと思います。

 それから、十二ページ、最後のページに参りまして、PCBとセシウムの残留性を比較させていただいております。

 御存じのように、セシウムの137というものの放射性核種の半減期は約三十年でございます。PCBの中にも、同族体によりましたら三十年以上の半減期、半減期というのはその物質が半分に減るまでの期間ということでございますけれども、相当長い半減期、長い期間、環境の中に残留するということでございます。

 そういうことで、こういう残留性という意味でも、この両者の物質というのは相当類似したものであろうかと思っております。

 本日、参考人として陳述させていただくに当たりまして、要点三点を最後のスライドでまとめさせていただきました。

 中間貯蔵施設というのは、その長期保管、減量化処理、移動輸送過程を管理状態に置くことによりまして、放射性物質の影響を低下させる効果があるものというふうに考えております。

 そして、これまで日本環境安全事業が取り組まれましたPCB分解処理事業は、環境保護、これは地域と地球と両方になりますけれども、その環境保護と労働者の保護の両立を同時達成を目指した事業であるということが言えようかと思います。

 そして、PCBとセシウムというのは、それぞれ物理化学特性、先ほどの蒸気圧とか水への溶解度で若干相違する点はございますけれども、基本的な安全管理原則、あるいは情報公開、地域とのコミュニケーションのあり方についての共通点は多いというふうに認識をしております。

 若干時間が余っておろうかと思いますが、これで私の意見陳述にかえさせていただきます。

 どうもありがとうございました。(拍手)

北川委員長 ありがとうございました。

 次に、渡邉参考人にお願いいたします。

渡邉参考人 御紹介いただきました渡邉でございます。

 私の方からは、協会、輸送を担当する業界を代表して、そちらに絞って意見を申し上げたいと思います。

 最初に資料をお配りしましたけれども、これは、九月の十八日に環境省において。中間貯蔵施設への除去土壌等の輸送に係る基本計画の概要版でございます。最初、これに基づいて意見、要望を述べさせていただいて、後半、委員長からも忌憚のない御意見ということもございましたので、近々の福島県の中間貯蔵施設に係る諸問題を各議員の皆様にお話をして、御理解と御協力をお願い申し上げたいと思ってございますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。

 最初に、この概要版にも書いてあるとおり、安全かつ確実に輸送を実施すること、短期間かつ円滑に輸送を実施すること、三つ目に、国民及び関係機関の理解と協力の下、輸送を実施することと三つうたってございますけれども、これは当たり前のことでございまして、まさにこれに尽きると考えてございます。

 その実現に向けた個別の課題が取り上げられておりますが、まず一つ目の重要課題として、輸送実施主体、そして輸送の役割分担の中に市町村と国の役割が整理されておりますが、他方、市町村が担当する除染実施区域のうち、積み込み場からの輸送については国が輸送するとしています。国が関与することを明確にしていただきたいと思ってございます。

 基本原則実現には、しっかりと国が関与した輸送スキームをつくることが大前提と考えてございます。その上で、私どもトラック運送事業者が連携して協力体制を築くことが好ましい姿と受けとめております。

 基本方針にもありますが、事故への万全の備えと対応として、交通事故防止に向けた安全運転の研修や運転マナー向上、放射線知識の習得など、輸送に関する研修、教育について、国としても責任を持って実施すべきと考えており、その上に立って、事業者のみならず、業界団体と積極的に取り組みをしてまいりたいと思ってございます。

 また、実輸送を担当する立場で申し上げますと、高速道路の積極的な利用に係り、輸送従事車両の高速道路の無料化をぜひぜひお願いしたいと思ってございます。

 現在、常磐自動車道の富岡以北は、総理大臣がおっしゃいましたけれども、富岡―浪江間、その北の方は十二月に開通するわけですが、この区間は来年のゴールデンウイーク前に開通する予定と聞いております。中間貯蔵施設の建設予定地はこの富岡インターと浪江インターの中間にございます。環境省が発表した、十トンダンプで二千台フル稼働で三年かかるという数量を運び込むのには、一般車両と併用してのあれは無理だと思ってございます。ついては、今工事中でございますので、この浪江と富岡インターの中間に、仮設あるいは臨時のトラック専用のインターをつくることが重要かとも考えてございます。

 次に、最も困難な状況なんですけれども、輸送車両の確保でございます。

 先ほどダンプ二千台という環境省のお話を申し上げましたけれども、現在、福島県トラック協会には八百五十六社の加盟社がございますけれども、それが保有している車両台数というのは二万台でございます。復興需要等から、かなり稼働率も高くなっておりまして、人手不足も深刻でございますので、この車の確保にも相当の努力が求められると考えております。

 当然、私ども福島県の事業者だけでカバーできないということから、私たちの上部に全日本トラック協会というのがございますので、そこを窓口にして、ほかの、近隣県はもとより、応援を頼まなければ、とてもとても対応できる問題ではないと考えてございます。

 その場合、瓦れき輸送のケースでも取り扱われた、貨物自動車運送事業の事業用自動車の運転者の勤務時間及び乗務時間に関する基準、これは十三年、国交省が告示第千三百六十五号で勤務時間等基準告示ということがありますけれども、運転者は百四十四時間以内に一度、所属営業所に戻すという必要性があります。各県から応援を得た場合には、とてもとても、行ったり来たりするだけで時間がかかりますので、被災地における業務を中断させることのないようにするには、この辺も一考をしていかなきゃならないと思っていますし、休息やら宿泊施設等の設備も重要かと考えております。

 私ども、大震災、この原発事故でも延べ三千八百七十六台の車両を提供して救援に当たったわけですけれども、今後も地元の復興促進には尽力をしていきたいと考えてございます。

 ここからは、今申し上げたことに補足をしながら、近々の福島県の状況等々をお話ししたいと思ってございます。

 まず、御案内のとおり、おととい、福島県の知事選挙が行われまして、言葉は悪いですけれども、与野党相乗りの内堀さんが大差で当選をされて、来月の十二日から新知事に就任されるということになりました。彼は八年間の副知事の実績もありますので、相当県内の情勢には詳しいんですけれども、私も、縁がございまして、当選した当日九時半ころ本人とお会いしまして、この委員会に出席するということを申し上げましたら、私はこの中間貯蔵施設に運び込むことについては重大なことだ、重要案件だと認識していると。そこで彼が強く言うのには、私は現場主義でまいります、こういうお話をしておりました。

 先ほどもお話ししたとおり、有識者会議で理想的な案件、こういう条件は出てきましたけれども、やはり、今まで経験したことのないことをやるので、現場主義でやりますよということを強くおっしゃっていましたので、各議員の皆様もその辺を頭に置いていただきたいと思います。

 なおかつ、今問題の大熊町というのは、私の地元の会津若松市というところに役場機能も持ってきてございまして、そこにおいでになっていますので、渡辺さんという町長さんなんですが、その方ともお話し申し上げましたところ、この中間貯蔵施設、御案内のとおり、福島県も大熊、双葉両町もやっと一月半ぐらい前に受け入れを表明したところでございますけれども、いまだ、元大臣の、最後は金目でしょうという発言もございまして、地元の反発は非常に強いものがございます。

 今月の二十三日に環境省の副大臣が福島県においでになりまして、いろいろお話ししまして、あちこちで説明会を開きましたけれども、既に、これからは説明会はしない、各個人の地主の方と買い上げ、借り上げの説明と現地での買収交渉に入るというお話でございますけれども、なかなか、先ほど申し上げたとおり、いろいろな状況の中で、スムーズに用地の確保というのが難しいというふうに思われます。

 短期間かつ円滑に輸送を実施することということになっておりますけれども、東京オリンピックまで、果たして福島県、先ほどもお話は数万カ所と言いましたけれども、五万カ所に貯蔵されておりますこの汚染物質をどう運び出すかということに問題がございます。

 今の段階で環境省が言っているのは、各市町村が持っている、各個人の家庭にも保管しているものを大型車で運び出す場所までは確保して、そこまでは市町村が出してくださいよ、そこからは国が責任を持って中間貯蔵施設まで運びます、こう言っているんですが、各市町村においては、冗談じゃない、そんな民家のいっぱいあるところの広い土地を確保して、今各家庭やらあちこちに置いてあるものを集めるなんということは不可能ですよというような御意見が各市町村の現状でございます。

 それから、先ほど、中間のインターという話をしましたけれども、私もここに来る予定がありませんでしたけれども、輸送の長として、実は高速道路の建設現場に視察に行ってまいりました。

 一番びっくりしたのは、先々日新聞にも発表になりましたけれども、第一原発の二号建屋の井戸水から四十六万ベクレル、過去最高の数字を出した地下水がくみ上げられたということで問題になってございましたけれども、高速道路の現場で、人がいない場所に、イノブタ、イノシシが異常に繁殖してございます。これが建設機械にぶつかって死亡する、これをはかると、何と、このイノシシが持っている放射能の数字が五十万ベクレルというイノシシの死骸なんですね。この死骸を片づける人が現実にはいないというんですね。どうしたらいいんでしょうと。高速道路は開通になる、車も通るよ、でも、この野生のイノシシとかそういうものの事故対策もしなきゃいけないでしょうねということも言っておりました。

 なおかつ、今、六千人強の方々がこの建設現場で働いているんですが、間もなく給食センターというのができます。そこの作業をしている方に温かい御飯を提供するために、六千人分の給食を毎日提供するというんですね。

 私どもも輸送に当たっては、全国から応援をいただいたときには、先ほども申し上げたとおり、宿泊設備なり休憩設備を設けていただかないと、なかなか短期間での輸送というのは難しいんじゃないかと思ってございます。

 なおかつ、人手不足。原発で働いている方が二十ミリシーベルトになると現場から一旦離れなきゃならないということになってございます。我々、輸送したときにどのぐらいの放射線を浴びるのかわかりませんけれども、お金の話をしますと、今、建設現場、この高速道路で道路工事をしている人たちの人件費が一日四万円だそうです。三万円が日当で一万が危険手当。原発事故のあった原発の方に近づいていくと、遠いところで五万円、原発の敷地内に行くと八万円ですよ。福島県は、一・四一というぐあいに有効求人倍率は高いですけれども、それでも、今言った金額のようでそちらの方に人手がどんどん行っちゃって、果たしてトラックの車の確保、人の確保というのがスムーズにいくんだろうかと非常に疑問視しております。

 最後に、トラックですけれども、ここにも書いてあるとおり、十トンダンプという言葉がひとり歩きしておりますけれども、十トンダンプというのは、御存じのように、鉄製であれだけ狭い車の面積のボディーでございますので、今、主に扱っているトンバッグという、フレコンバッグに入っているものは六個か七個しか積めません。これがダンプの現状ですね。

 それから、平ボディーといって、平らなボディーの大きなトラックがございます。これは、十袋から十二袋ぐらいまでは積めると思います。

 それから、最終的には、それは無蓋車といって屋根がかかっていない車ですから、それを積んでシートをかけて走ったとしても、恐らく積んでいるものの放射線は若干飛散するんだと思います。だから、地元の住民としては、これは問題だねということになってございます。

 私どもには、そのほかに、皆さんも、よく高速道路なんかでこういうアルミの箱車の車が走っていますけれども、あれは通称箱車、ウイング車といって、両脇がこうもり傘のようにばっと開くような形になっています。あおりも切れます。これはフォークリフトの作業になりますが、フレコンバッグを積んで遮蔽すれば飛散も防げるだろう、こういう状況もございます。

 ということは、車の種類もダンプ先行じゃなくいろいろ検討をしていただきたい、そんなふうにも思っているところでございます。

 いずれにしても、いろいろな話、有識者会議で先行はしておりますけれども、我々実輸送者に意見を聞くというような場面はいまだございません。先ほどの現場主義ではございますけれども、ぜひぜひ、いろいろな会議の中で我々現場に携わる者の意見を集約していただいて、それを現実の法律なりに生かしていただいて、スムーズな輸送ができることをお願いして、御協力することをお約束して、私の話にさせていただきます。

 御清聴ありがとうございました。(拍手)

北川委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

北川委員長 これより参考人に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。牧原秀樹君。

牧原委員 おはようございます。

 この通称JESCO法の一部改正につきまして、今お二人の参考人から大変貴重なお話をいただきまして、まずは御礼を申し上げます。本当にありがとうございます。

 そして、渡邉参考人からもお話がございましたけれども、一昨日、福島の県知事選がございました。新しく次期知事に就任をされるということが決まりました内堀雅雄氏には、祝意を申し上げるとともに、大変困難なお仕事が待っているということで、国としても支えていかなければいけない、こういう思いがいたしたところでございます。また、佐藤雄平現知事には、大変な困難な時期に知事を務められたことに改めて敬意と、本当に御礼を申し上げなきゃいけない、こういう思いでございます。

 私は一年間、環境大臣政務官を務めてまいりまして、直接の担当は同僚の浮島政務官でありましたけれども、その浮島政務官、そして井上副大臣、また石原大臣、そして職員の方が、中間貯蔵に関してされている仕事というものを見させていただいてきました。本当にいろいろな難しいこと、そして何よりも、これを受け入れるという側の現地の皆様の思いというものはいかほどかということに常に思いをはせるときに、非常につらいという思いを私も共有させていただきました。

 受け入れをするという決断をしていただいた佐藤知事、そして双葉町の伊沢町長、大熊町の渡辺町長を初め、現地の皆様には大変な苦渋の決断だったということで、敬意を表するとともに、先ほど渡邉参考人もおっしゃっていましたように、現地の皆様は、受け入れということで先祖代々の土地を手放さなければいけないかもしれないということで、これからがまさに大変なことだと思います。このことについても心より敬意と、そして国としても応援しなきゃいけないという決意を申し述べる次第でございます。

 私は、もとは弁護士でございまして、やはりちょっと実務面のことでお伺いをしたいということをまず最初に申し上げます。

 酒井参考人の方からお伺いしたいと思いますけれども、この施設をつくるに当たっては、当然、安全確保というものが一番重要になると思います。想定外であったということは許されませんので、ありとあらゆる可能性を検討して安全を確保しなきゃいかぬということになりますけれども、最初に、安全の逆、つまり危険ですね、この施設をつくるに当たって一番こういうことが危険だということを教えていただけますでしょうか。

酒井参考人 非常に難しい御質問ではございますけれども、やはり中間貯蔵をしたセシウムの高濃度物が環境中に再度飛散なりあるいは排出されるという状況が一番危険な状況ではないかというふうに認識をしております。

牧原委員 そうすると、一番危険の可能性が大きいという、つまり、放射性物質、汚染された土壌等が飛散をするということですけれども、それをどのように防ぐかということについては、どう考えていらっしゃるでしょうか。

酒井参考人 きょうの資料で、中間貯蔵施設のイメージということで、四ページの下の図で、それぞれ、土壌、廃棄物の貯蔵の構造イメージということでお示しをさせていただいておりますけれども、基本的には、水の方に、地下に移動するのを防止するための遮水機能、シート等、それとともに、上部にも、キャッピングのための土壌でありあるいは覆蓋でありというものを設けるということで、飛散をまず防止する、そういう構造になっているということがあろうかと思います。

 それにあわせまして、いわゆる維持管理という中で、基本的には、その周辺をきっちりはかりながらそういう意味では運営をしていただくということの中で、周辺の異常がないかということを確認しながらやっていくことでもって防止の機能が果たせるのではないかというふうに認識をしております。

牧原委員 わかりました。

 今のはいわゆる施設での飛散ということですけれども、さっき渡邉参考人からもございましたように、もう一つ懸念されるのは、福島に行くと、誰がどう見てもぱっと目につくのが、汚染された土壌のいわゆるフレコンバッグというのが物すごい数置いてあるわけですね。あれはもう恐らく三年も吹きさらしになっていて、その上に土壌が、ほこりが重なっている場合もたくさんあると思いますし、袋が弱っちゃっている場合なんかもあり得ると思います。

 それから、トラックががたんがたんと揺れるということも輸送中には十分懸念されますけれども、このような、輸送中の、今先生がおっしゃった飛散の危険性の防止、この辺については、どのようなことを今対策として考えられているんでしょうか。

酒井参考人 御指摘のとおり、輸送中の飛散の可能性、その防止ということに関して、技術的な側面の検討というのは、私どもがかかわった検討会の中では十分に当時はできておりません。その中では基本原則としての考え方を取りまとめさせていただいたところでございまして、その後、除去土壌の輸送に係る検討会、先ほど渡邉参考人の方から御紹介いただいた検討会の方で詳細に検討されるというふうに伺っております。私自身、その点に関して詳しくございませんので、ここでの発言は控えさせていただきます。

 もう一点申し上げるとすれば、今、仮置き場あるいは家庭等での保管という状況が分散して起こっていることと、そこに起こるいろいろな、そういう意味では風水害というところとの関係ということを考えますと、やはり、現状での保管ということと、それと、次、運んできっちり管理状態に置くことという、この二つを考えますと、やはり、よりしっかりとした管理状態に持っていくことの方が望ましいのではないか、そういう認識を持ってございます。

牧原委員 済みません、今の点、渡邉参考人にもぜひお伺いしたいと思います。

 現実には、五万カ所という場所に行って、そうすると五万台、あれは人間じゃとてもじゃないけれども持てないので、持ち上げる機械を用意して、そして人が手伝いながらあれをトラックの上に載せていくということになりますので、やはり、破れたり、あるいはそのときに飛散したりという危険性があるような気がしますけれども、その点について、もし今参考人の方でこういうことをやってくれというようなことがございましたら、教えていただきたいと思います。

渡邉参考人 先ほども申し上げたとおり、ダンプカー、平ボディーの場合は、雨の日なんかは雨がかかります。そうすると、車の脇から滴が垂れます。当然、放射性物質を含んでございます。ですから、私先ほど申し上げたとおり、有蓋車、ウイング車というのが有効だろうという話をしました。

 御案内のとおり、既に今使用しているフレコンバッグは、放射性物質を外に飛散させないという材料でできたフレコンバッグを使用しているわけですね。そうすると、このトラックの内側に、これは素人考えですけれども、一番安全なのは鉛を張りつけるのが一番なんでしょうけれども、そんなことはできませんから、そういうような方法を考えて、内張りにそれを張りつけていただければ飛散も防げるし、雨が降ったときも雪が降ったときも、囲ってありますから、外には飛散がないんじゃないかな。

 先ほど申し上げたとおり、積み込む場所まで持ってくるのはその市町村の仕事だと言っておりますけれども、はっきりしませんけれども、我々としては、箱の車に積むのには、いわゆる行ったり来たりできるパレットの上にこのフレコンバッグを載せまして、フォークリフトで車に積み込む。おろし場所に行ったらば、フォークリフトでおろして、フレコンバッグを外して、またパレットは持ち帰って、そのパレットに積んでいただく、こういうようなことが現実的には効率的なことではないかと考えております。

牧原委員 貴重な御意見をありがとうございました。

 今教えていただいたように、さっきの、イノシシですら被曝しているという話を私も初めてお聞きしましたので、こういう二次被害というか被曝を絶対防がなきゃいけないという点で、この積み込み、運送のときの安全性の確保というのは、ぜひ渡邉参考人の御意見も参考にしながら考えていかなきゃいけないなという思いをいたします。

 酒井参考人にもう一度お伺いしたいんですが、JESCOという機関が運営の機関としてやるということで、先ほどPCBとの関連性をお話しいただきましたけれども、今回JESCOを選定するに当たっては、いろいろな機関を検討の上やはりJESCOだったということなのか。もう専門家から見ると、ぱっと見てこれは、やはりJESCOがPCBの経験もあるということだったのか。その辺について、改めて、JESCOがベストなんだということについて、専門家としての御意見を伺いたいと思います。

酒井参考人 今現在日本でPCB処理事業をしている機関ということでいきますと、濃度の低いPCBは相当多くの環境大臣さんの認定の事業者が事業をされていると理解しておりますが、いわゆる高濃度、あのパーセント以上PCBを含んでいるような高濃度のPCBに関しては、JESCOが唯一だというふうに認識をしております。

 そういう中で、受け入れの管理からその技術の管理、その中で労働者の管理、そして環境への排出等を相当緻密に積み重ねてこられた事業体としては、私は適切なのではないかというふうに思っております。

 ただ、PCBと、今後は中間貯蔵が相手にする放射性セシウムというものとの物質的な違いがやはり相当あるのではないかと思いまして、最後の方に幾つか資料をきょうのためにちょっと準備をさせていただいた、そういう次第なんですが、物理化学的にはお互い違うところもあるんですけれども、やはり基本的に、環境を保護する、そして労働者を保護する、それで、環境保護ということはそのまま地域社会の保全ということもありますので、そこを考えますと、その両者、相当相通ずるところがあるのではないかという意味では、JESCOが担っていただくことは適切ではないかというふうに私は認識をしております。

牧原委員 ありがとうございました。

 私もやはり、JESCOがPCBという非常に困難な物質をこれまで扱ってきたノウハウ、知見というのは生きるのかなと思っておりますけれども、それに加えて、今回この歴史的な大事業を背負うということになりますと、当然、今までの人員とか、あるいは今までの予算、体制だけでは足りなくて、新しい人員体制が必要になるということになると思います。

 それは、今おっしゃったように、こういう経験があるという人は現実にはなかなかいないわけですから、どういう人を新しく入れたらいいのかというまた難しい問題があると思いますので、この点についてもぜひ安全性の専門家である酒井先生の御知見を賜りたく存じます。

 また、輸送については、私、先ほど申しましたとおり、やはり一番困難な点は輸送なんじゃないかという気がしております。渡邉会長が持っていらっしゃる知見、あるいは福島県の、八百七十六社とおっしゃいましたか、トラック業界の皆様が一番現場にもお詳しいし、あるいは道路のインフラなんかも、ここがだめだとかここはもたないとかいう御知見もたくさんお持ちだと思いますので、そういうことも、私たちも聞いていかなきゃいけないし、ぜひ積極的に教えていただきたいと思います。

 以上を申し上げて、私からの質疑は終わらせていただきます。ありがとうございました。

北川委員長 次に、吉田泉君。

吉田委員 おはようございます。

 お二人の参考人の先生、きょうはお忙しいところありがとうございました。

 三年ぐらいかかって、この中間貯蔵施設の建設、地元と国、県も入っていろいろなやりとりがありました。ようやくといいますか、やっとこの法改正の時期を迎えたということで、私も地元の出身の議員として非常に感慨深いものがございます。

 先ほど酒井先生もおっしゃいましたけれども、福島復興という歴史的な事業をなし遂げる上で、この中間貯蔵施設というのは必要不可欠の施設だと私も思います。何とかこの施設を使って、中間貯蔵という事業を三十年間いかに無事に、安全にやり遂げるかというところが最大の肝でございますが、その観点から幾つかお尋ねしたいと思います。

 まず、酒井先生、先ほども牧原委員からも出ましたけれども、運搬中の飛散の問題です。直接の御担当ではないということですが。

 私も、環境省から、トラックにシートをかぶせて運搬するんだという話を聞いたときに、おや、ちょっと、その程度でいいのかなという気持ちにはなったことはありました。

 それで、施設に入れば、先生がおっしゃったように、三種類の分類をする。遮水工を置くもの、置かないもの、ボックスといいますか建屋に入れるもの。運搬のときも、みんなシートだというんじゃなくて、線量によってはがっちりした有蓋車というんですか、ウイング車に入れるとか、何かそういうことも検討する必要があるように思うんですが、先生の立場からはいかがでしょうか。

酒井参考人 大変申しわけないんですが、十分な知見を持ち合わせておりません。

 基本的に、車の周りの空間線量率を確認しながら、そして、基本的には、高い線量率にならないような構造あるいは管理ということの現実的な姿を今後見きわめていくべき、そういうふうに思っております。

 以上です。

吉田委員 それでは、続けて先生にお願いします。

 資料の六ページ、中間貯蔵施設による制御の効果というところで、準備工による表面土壌の除去とか覆土による遮蔽効果、さらには、よそから相対的に低いものが来ますので全体的に薄まるということで、施設の設置前に比べて十割から四割ぐらい実は線量は下がるんだと。一般的にはこれは迷惑施設ではあるんですけれども、逆にその施設をつくることによって線量は下がるんだというデータですよね。

 それで、どういうときに十割ということを達成できるのか、どういうときは四割程度にとどまるのか、その辺をちょっと教えていただけますか。

酒井参考人 明確な、十割と四割のときの条件の違いというのは今記憶できておりませんけれども、効果として書かせていただいております、上の、覆土による遮蔽効果といったようなところ、これの程度によりまして線量というのは差が出てくるというふうに認識をしております。

 そういう意味では、いい遮蔽等々を考えますと、ほぼ十割に近いところまで、九割九分とかそういうところまでいけるのではないか、そういう試算結果が出ております。

 ただ、先ほどお聞きいただきました輸送過程のことは、ここは考慮に入れた試算になっておりませんので、このあたり、また非常に仮定等も難しゅうございますので、まだまだできていないということは、ここで申し上げておきたいと思います。

吉田委員 続けて先生にお願いします。

 三十年以内に、国の責務としてこれを県外に持ち出す、そういう必要な措置をとるという法律になっているわけですが、三十年後に、中間貯蔵したものを全部外に持ち出した、その後そこは広大な空き地になるわけなんですが、地元として、ここをいずれ土地利用しようというときに、中間貯蔵施設跡だったということであるがゆえに何か制限されるようなことというのはあるんでしょうか。もしくは、全て持ち出して、ある程度の覆土をすればほとんど自由に使えるはずだというふうに考えたらいいのか。その辺は、先生、いかがでしょうか。

酒井参考人 これは極めて難しい御質問でございまして、そのときの状態をなかなかイメージできないというのが正直なところでございます。

 ただ、そういう状況での跡地ということの利用を図るといたしますれば、当然のことながら、非常に綿密な、放射性核種濃度の分析あるいは空間線量率の確認等々をしていきながら、その場がどういう利用用途に適するのかということは、知見を積み重ねていく話になろうかと思いますので、そういう中で議論をされていく話ではないかというふうに認識をしております。

 今、その状態をすぐイメージして、どの程度何をしなければならないかということを具体的に申し上げるということは、ちょっと私の力ではできかねますので、この程度にさせていただければと思います。

吉田委員 ありがとうございました。

 渡邉会長に、運搬の関係でお願いいたします。

 この基本計画案の概要版というところにも明記されておりますが、高速道路を積極的に利用するんだと。これは、安全上も、それから沿道への影響等からいってもこれがいいんだということになっております。私もそう思います。

 そこで、ちょっとお尋ねしたいのは、例えば、県北地域、福島市ですね、相当なフレコンバッグがあるわけですが、これを高速道路を使って現地に運ぼうとすると、東北道で下がってきて、磐越道で横へ行って、今度は常磐道で上がる、いわば四角形の三辺を通るような格好になるわけですよね。もう一つ考えられるのは、福島から浪江ですか、例えば百十四号線で横に行く一般道路、国道がありますけれども、この方が距離的にははるかに近いというふうに思います。

 そのときに、今申し上げた安全とか沿道への影響と距離とどちらを重視しながらルートを決めるのかという悩ましい問題があると思うんですが、御意見があれば、お願いします。

渡邉参考人 先ほど、まず車の問題で、沿道に放射性物質が飛散しないようにということでウイング車という話をしましたけれども、汚染されている物質は、土壌あり、枝葉、芝生ありで、いろいろなものがございますので、それは先ほど言った車の種類を有効に活用するのが一番だと思ってございます。

 今、吉田議員からの質問、当然だと思いますけれども、やはりコスト、時間が若干かかっても、沿線住民の方、あるいは大きな車が一日何千台も走るということになれば他の車両との事故等も考えれば、やはり人家の少ない高速道路を利用することが一番安全かと考えてございます。

 なお、百十五号回りで、相馬回りで回る道もありますので、これからやはり通行量等を調べて、なおかつ、我々業者は夜間に走れとか、夜間の間はストップにして放射性物質を積んで走るんだよ、いろいろ課題、考え方はございますけれども、昼夜を通して走るのであればやはり高速道路を利用するのが一番かと思ってございまして、そういう意味でも、福島県内の高速道路の我々営業ナンバーの無料化をお願いしたいという御意見も先ほど申し上げたところでございます。

吉田委員 わかりました。

 それから、先ほどの会長のお話で、高速道路を優先的に使うに当たって、新しいインター設置が必要だ、富岡と浪江の間ということになりますかね。

 これはまことに私もそのとおりだと思いますが、一方では、高速道路を積極活用はするんですけれども、インターまでは一般道路で行くしかないですよね。場合によっては一般道路の改良といいますか、さらには、もう時間的に間に合わないかもしれませんが、何か新規の一般道の設置、新規の道路の建設ということも考えないと二千台のトラックが回せるのかというような御意見もあるんですが、その辺いかがでしょう、新規道路建設の必要性というところ。

渡邉参考人 御案内のとおり、福島県は大変広うございます。ですから、インターまでの新しい道路を設備するということは甚だ難しいんじゃないか。

 ただ、中間貯蔵施設に最終的に運び込むに当たっては、先ほど申し上げたとおり、仮設のインター、現地でNEXCO関係の方に聞けば、来年のゴールデンウイークまでは工事をしている。開通しちゃってから新たにインターをつくるとうたわれても、資材の面から何からいってもまた大変だ、今は工事中ですので、来年のゴールデンウイークまでにつくれということであれば、より短期間にスムーズにできるだろうという話でもございました。

 今、新たな道路という御質問には、県内各地からこの中間貯蔵施設に持っていくに当たって、インターをおりて、近くに広い仮置き場をつくっていただいて、そこから新たな中間貯蔵施設までは道路をつくっていただいて、直接道路をつくっていただいて、中間貯蔵施設と仮置き場はピストン輸送する、こういう形が一番効率的で理想的なのではないかと考えております。

吉田委員 ありがとうございました。

 もう一問だけ、では、酒井先生にお願いします。

 三十年以内にこの中間貯蔵物をよそへ持っていく。そのための非常に大きなポイントが、二千二百万立米と言われていますが、そのうちどのぐらいを再生利用して、最終貯蔵へ持っていく分をどのぐらい減らせるのかという技術開発も含めて、そこがポイントであるように感じておるんですが、環境省の方でも、再生利用の目標値を一千万立米から二千万立米という数字も出しているようなんですけれども、そうしますと、上手にやればほとんど再生利用できるという可能性もあるように思うんですが、再生利用していかにその量を減らすかということに関する、その可能性についての先生の御意見をお願いしたいと思います。

酒井参考人 再生利用に向けての技術開発ということでございますが、大きく分けて、現在進められておりますのは、分級でございますね。粒子の大きさ別にいかにきれいに分けていくか。その微小の粒子の方にセシウムは濃縮をしやすい、そういう性質を用いた分級。それから、物理化学的な処理でございますね。一定の酸、アルカリ等を使った分離。それから、熱化学的な原理を使った技術。

 このあたりのところが日夜開発されているというふうに伺っておりますので、このあたりのところがうまく機能してくれば、一千万立米、二千万立米の相当部分を濃度の低い方に持っていくことができる。そして、高濃度のものをきちっと管理をするという状況に持っていくということは、技術的には相当見通しは立ってくるのではないかというふうに思っております。

吉田委員 ありがとうございました。終わります。

北川委員長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 維新の党の小熊慎司です。

 本日は、酒井、渡邉両参考人におかれましては、お忙しい中おいでいただきまして、本当にありがとうございます。

 また、渡邉参考人におかれては、私の地元の尊敬する高校の先輩ということで、公私ともに御指導いただいていることを、この場をおかりして御礼申し上げます。

 今も牧原、吉田委員からの質疑がありましたけれども、いろいろな科学的知見に立ってしっかりと安全に輸送して管理をするということは、これはもう当たり前のことでもあります。

 ただ一方で、福島県民が非常に不安に思っているのは、これは三年間と環境省も言っているんですけれども、先日も事前に説明を受けたんですが、三年間だと延べ二千台で運ばなきゃいけないですけれども、三年間というのもまだ決まっていないみたいなことを言うんですね。

 先ほど渡邉参考人からもあったとおり、二千台というのは本当に現実可能で確保できるのかといえば、私は難しいと思いますし、高速道路を中心に輸送しますけれども、先ほど渡邉参考人からあったとおり、広い県土です。酒井参考人からは、なるべく人口集中地域は通らないといっても、実際は通らざるを得ない。

 高速道路以外のところは人口が密集していますし、また、子供たちの通学路を避けるべきだといっても、もう福島県は高齢化していますから、もちろん子供の安全も確保しながらも、農村部に行けば、狭い道路をお年寄りが自転車に乗ったりバイクに乗ったりシニアカーに乗ったりしていますから、これは子供の通学時間じゃなくても道路の安全確保をしなきゃいけない。

 夜、人が通らないといっても、今度は動物が通る。夜暗い中でそれなりの交通量もあるところもあるということであれば、二十四時間しっかり管理して輸送しなければいけないということであれば、今の福島県の道路状況を考えれば、高速道路以外、縦軸はそれなりにありますけれども、特に中通りから浜通りにかけての一般道は、これはもう本当に狭い。国道という名前がついていますけれども、非常に狭隘な、また曲がりくねった道が多いということで、私は、多少のインフラ整備を、多少というかしっかりとインフラ整備をした中でやらないと難しいんじゃないかなというふうに思っています。

 そういう意味では、国においても、おおむね三年間と言っていて二千台というのを出しているんですけれども、三年というのは確定している話じゃありませんから、しっかりこれは国が方針を示して、三年と言ったものが五年になったじゃないか、また国はそんないいかげんなことを言ってとなりかねないので、ここはしっかりした政府の方針が出るべきであると思いますし、それに従っていろいろな体制も整えなきゃいけないというふうに思っています。

 いろいろなトラックの話もありましたけれども、まず渡邉参考人にお聞きいたしますが、二万台を県内で保有していると言いましたけれども、これもいろいろな種類ですよね。いろいろな種類、それもざっくり言うと、無蓋車が大体どのぐらいでウイングがどのぐらいかというのを、ざっくりとした感じでまずお示しください。

渡邉参考人 現実には、正確ではございませんけれども、先ほど申し上げたウイング車というのが大体六五%ぐらいですね。ダンプカーが二千台ぐらいですから一割ぐらいですね。残りの車が平ボディーということになろうかと思ってございます。

 それから、一般道路の問題ですが、これも、一番有効なのは、中通りから原発に近い中間貯蔵施設というのは国道二八八、二百八十八号線ですね。沿線の警察署の関係者も、通ってくれるな、事故が心配だという話もございますし、おっしゃるとおり、拡幅をしないと、とてもとても大型のトラックあるいはトレーラーが頻繁に通れるというような状況にもございませんので。

 これは国交省の管轄になるんでしょうけれども、その辺も早急に皆さんに動いていただけないと、福島の復興なくして日本の復興なしという大きい声で総理大臣も言っているわけですから、お金のかかることは別にしても、早急に対応をしないと、オリンピックまでには間に合わないような気がいたします。

小熊委員 フレコンバッグも、よくよく考えてみると、国の直轄のところは大きく仮置き場にまとまって置いてありますけれども、市町村でやっているものは、先ほど参考人からもありましたとおり、人家であればその家の裏庭に埋めて、五十センチ、また客土して置いてあるわけです。その人家というのは、大きい道路に隣接していなければダンプも入れないような地域も、私も現地調査をしてきましたけれども、これをまた取り出して、周りには土もついています、これをまたトラックに載せる。

 となると、やはり県民感情からいえば、無蓋車で運ぶというのは心理的に非常に不安が生じて、科学的にはそれは大丈夫ですよ、ちゃんとカバーしているから大丈夫ですよといっても、多分県民の意識のほとんどは、これはウイング車で運ぶのが当然で、そうじゃないと不安を払拭できないというのが今の現状だというふうに思います。そうすると、これはなかなか用意できないわけです。

 あと、これは環境省の説明も、延べ二千台というのは点から点なんですね。スタートからゴールでやって二千台なんですけれども、先ほどおっしゃったとおり、一旦ある程度のところにまとめてそれを高速道路で運ぶということならば、ここの、現地からまず最初に集積していくところへのトラック。なおかつ、来年から搬入が始まるんですけれども、中間貯蔵施設はできていません。けれども、その敷地に置くんですね、とりあえず。中間貯蔵ができたら、その敷地内の仮置き場からまた持っていくということになれば、これは三つ必要になってくるんですよ。そうしたら、二千台どころじゃないんですね。

 ざっくり言えばその倍以上必要になってくるということであれば、本当にこれはそろいますか。今の現状でいえば、会長の立場でいえば、今の福島県内の保有台数また隣県からの協力体制があったとしても、三段階も輸送しなきゃいけないということも踏まえて、一日延べ何台ぐらいだと現実的に用意できるでしょうか。推定で結構です。

渡邉参考人 地元の議員ですからその辺詳しく御存じだと思いますけれども、今、一般家庭でその裏庭に置いてあるというようなものを運び出すときには、当然、先ほど申し上げたフォークリフトなんかも入れない場所もありますので、クレーン車を持っていって、裏から屋根越しにつり上げて持ってくるというようなことも必要になってきます。大変コストがかかります。当然、そのときには、小さな二トンのダンプとか二トン車のようなものに積んで仮の集積所まで持ってくるというようなことになってまいりますので、我々トラック協会はグリーンナンバーの営業車でございますけれども、これだけでは当然間に合わない。

 おっしゃるとおり、二千台、十トンダンプで三年間というのが、先ほども申し上げたとおり、その数字だけがひとり歩きしていて、現実問題になると、議員がおっしゃったとおり、幾重にもいろいろな種類の車を使わなきゃならないというのが現状なので、正直申し上げて、今ここで何台確保できますとか何日でやれますなんというようなことは、とてもとても申し上げられる段階ではございません。申しわけありません。

小熊委員 また、今フォークリフト、クレーンの話も出ましたけれども、これも多分足りなくなってくる、確保できるのかという問題もあります。

 あと、本当に震災当時、今大分、風評といったものもある程度はおさまってきている部分もありますけれども、福島ナンバー、会津ナンバーをつけている、いわきナンバーをつけているというだけで嫌われましたし、また、国内外からさまざまな救援物資をいただいたことは本当に感謝しなきゃいけないんですけれども、救援物資が県境まで来て、あとは県内の人で運んでということも本当にありましたし、私も東京で会津ナンバーに乗っていて、震災当時、唾を吐きかけられたこともありました。

 トラックですね、仕事ができますから、トラック協会、それぞれの会社としては、仕事がふえるから、ではトラックを買ってふやそうか、そういう方向に行くのか、それとも今の台数でとにかくやるのか。

 三年、四年、五年、何年かかるかわかりませんけれども、使った後のトラックを、これまた普通の輸送のトラックとして、感覚的には使えたとしても、実際、会社を経営されて、また協会の代表として、これは使う気にはなれないと思うんですけれども、その辺はどうですか。

渡邉参考人 おっしゃるとおりでございます。

 これも例ですけれども、三年七カ月前の原発事故のときに、福島県でガソリン、油が非常に不足をしました。全国各地からローリーが油を積んで福島県に参りました。小熊議員おっしゃるとおり、宇都宮でとまったローリーもありますし、郡山でとまったローリーもありました。

 出したローリーの会社の方は、そのころまだ原発、放射能というのが広く知れ渡っておりませんでしたから、車の受け取りを拒否しました。たしか四十数台だったと思いますけれども、これは国と県が調整して、業者から買い上げをしました。二年ほどそのまま郡山に放置しておきまして、科学的に放射線がないからということで、四十数台のローリーを入札をかけて売却したという経過があります。

 今おっしゃるとおり、我々、協力すると言っていますので、今の車では間に合わないから増車しなさいということであれば、いろいろな補助制度やら何やらをつくっていただければ、大いに車もふやすことも可能でございますけれども、使用し終わって、果たしてそれに食料品を積んだり一般のものを積めるかというとそうはいかないと、現実問題であるとございます。

 今例に挙げましたローリーのことも考えますと、一日だけのことで引き取り拒否したわけですから、我々、何だ、福島県の福島、会津、いわきナンバーの車、これ、放射性物質を運んだ車でねえかと言われる可能性は大ですからね。やはり限定した車で運んで、最終的にはその車は国が責任を持って処分をお願いしたいというのが本音の考えでございます。

小熊委員 ありがとうございます。確保の問題、人員確保もありますし、車両の確保の問題、保有のあり方の問題というのも明らかになりました。本当にありがとうございます。

 また、酒井参考人にお聞きしますけれども、我々、三十年後に最終処分場に持っていく、これは国も約束して、これから法制化をするとは言っていますけれども、これは県民の願いです、出せるものなら出したいです。だけれども、県民の願いはそうですけれども、現実、本当に持っていけるのかという疑いを持っている県民がほとんどです。

 どこから三十年後だといったら、来年、年明けに仮の敷地に運び出した時点から三十年後というんですね。三十年後からまた最終処分に運び出しを始めるんじゃないです、三十年後には完了していなきゃいけないです。

 減容化をする技術、これから多分開発されていくだろうということをおっしゃられましたけれども、その作業の時間もかかるわけですね。そこからまた運び出し、また渡邉会長にお世話になって、またどこかに運び出し、また道路も何かしなきゃいけないということを考えれば、これは、完全に三十年後に運び出しを完了する、どれだけ減容化、東京ドーム何十個分がどのぐらいまでなるかわかりませんけれども、して運び出すと決めなきゃいけないのは三十年後ではないんですね、今言ったとおり。そこで完了ですから。

 となると、来年から始まるとしたら、何年後ぐらいには決まっていないと、減容化の作業もある、そこからの運び出しの作業もあるということを考えれば、何年後には決まっていなきゃいけないというふうに、ざっくりで結構です、推定できますか。

酒井参考人 その時間的なスケジュールのところまで十分に頭をめぐらせていなかったというところは、私個人的なところ、正直なところでございます。

 ただ、今議員おっしゃられたとおり、現実に、三十年後にそれが完了だということの具体的な時系列の計画ということを考えていくといたしますれば、少なくとも、減量化の関連の技術に関しては、極力早く使える状態というのをやはりつくり上げねばならないというふうに思います。

 それを具体的に、何年ということを今、私の頭でなかなか計算できませんので、何年ということの回答はちょっと控えさせてください。申しわけございません。

小熊委員 こういう状況ですから、これからの運搬に関しても、最終処分場の話もぼわっとしていて、本当にそういう不安の中で福島県民は暮らしている中で、それでも負けないで、これから復興に向かって県民は一丸としてやっていくわけですけれども、しっかりとこの国会の中でも議論して、方向性をしっかり出して、具体策を出してやっていきたいというふうに思いますので、両参考人におかれては、またそれぞれの立場で御指導賜りますようお願い申し上げて、質疑を終わります。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、浮島智子君。

浮島委員 おはようございます。公明党の浮島智子でございます。

 本日は、両参考人におかれましては、本当にお忙しい中お越しいただきまして、また、貴重な御意見を賜り、心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございます。

 また、私も約十一カ月間、政務官として携わらせていただいてまいりました。本当に苦渋の決断をしていただいた皆様方には、心から敬意を表させていただきたいと思っているところでもございます。

 また、先ほど来から輸送の件に関していろいろお話がありましたけれども、進めていくために、しっかりと前向きで議論をしていかなければいけないと私は思っているところでもございます。

 また、先ほど来、渡邉参考人の方からも、安全運転のマナー等、また、車の車種を有効に使っていく等々のお話がございました。高速道路の利用等がありましたけれども、このほかに、輸送時の安全は本当に重要な課題だと思っております。

 ほかに、さらに重要な点でこういうことが考えられるということがありましたら、さらに教えていただきたいということと、あと、実施に当たり、私は、やはり住民の御理解をいただくことが一番重要だと思っております。先ほど来も現場第一主義というお言葉もありましたけれども、その現場のお声を聞いていくことが一番重要だと思っておりますけれども、どのようなことが必要であるかということをお伺いさせていただきたいと思います。

渡邉参考人 まず、今は、議論の中で、乗務員の安全、放射能の汚染がどのくらいになるのかということが話題になってございません。沿線住民とかそういう方の安全しかなっておりません。

 我々も、安全のためには、人手不足の折、従業員も今、二十ミリシーベルトを原発の敷地内でも浴びると交代させなきゃならないという現実があるわけですけれども、どの程度の期間で交代させなきゃいけないのか、わかっておりません。まず、これに従事する乗務員の安全確保を重要な課題だと思ってございます。

 現地の住民の方の御理解を得るということは、どのルートを通るかということを決定していただいて、やはり国、自治体がより説明を果たして、こういう車で、こういう状況で、こういうふうに運びますので安全ですよというようなことを説明することが肝要かなと思ってございます。

浮島委員 ありがとうございます。

 次に、酒井参考人にお伺いをさせていただきたいと思います。

 中間貯蔵施設で、土壌や廃棄物を貯蔵する施設、とても重要だと思いますけれども、複数の構造にされた理由。先ほども牧原さんの方から、危険なことはという質問もございましたけれども、この複数にされた理由をまずお伺いさせていただきたいと思います。

酒井参考人 中間貯蔵の対象が、まず、放射性物質の濃度で相当にばらつきがあるといいますか、高いものから低いものまであるということ、それと、対象の廃棄物の種類もいろいろ、そういう意味ではございます。焼却灰的なものもございますれば土壌に近いものもある、あるいは有機物を含むようなものもある。そういうことの中で、そういう区分けを図って管理をすることが合理的であろうということの中での判断であったというふうに理解をしております。

浮島委員 ありがとうございます。

 引き続き酒井参考人にお伺いしたいんですけれども、今、渡邉参考人の方からも、人手不足のこともそうですけれども、従業員のこと等々、輸送に関してありましたけれども、具体的に安全対策検討会でどのような議論がなされたのかということをちょっと詳しく教えていただきたいと思います。

酒井参考人 まず、安全対策検討会の中での輸送に関する議論というのは、基本的に原則論のところでとどまってございます。

 その原則論という意味では、基本的にどんなスタンスでこれを運んでいただければいいのかということで、安全かつ確実であること、それと、時間的にやはり短期間でかつ円滑な輸送、もう一つはやはり、理解がなければ進まぬだろう、こういうようなところからその原則を立てるところで議論をまとめまして、その後の輸送に係る検討会の方に引き継いでいただいた、そういう状況でございます。

浮島委員 あともう一点お伺いをさせていただきたいんですけれども、酒井参考人の五ページ目にあります中間貯蔵施設の維持と管理の安全対策のところに、緊急事態として、地震動に対してはということで、多少の変位、変形ということがございます。

 この件に関しましては、本当に住民の方は敏感で、とても心配をなさっていることだと思うんですけれども、多少の変位、変形といっても一般の人には多少というのがどのくらいなのか、専門家であればわかると思うんですけれども、一般の方には、私にもちょっと詳しくはわからないんですけれども、具体的に、この安全性の考え方について、どのようなことかということを御確認させていただきたい。具体的にお話を、御説明をいただけたらと思います。

酒井参考人 五ページのこの部分の表現につきましては、想定をいたしましたのは、東日本の大震災規模の災害が発生するということを前提にした議論でございます。そういった意味で、地震動のみならず津波に関しましても、当時の遡上高さ等々を反映した形での整理ということになってございます。

 それともう一つ、やはり注意いたしましたのは、最近よく発生いたします集中豪雨でございます。非常に激しい雨になってきておりますので、それが起こった場合の対応をどうするかという基本的な考え方は、当時議論をさせていただきました。

浮島委員 住民の方には、本当に、少しのことでも心配なさると思うので、私は情報の開示というか情報を伝えていくことがとても大切だと思っております。

 この輸送にもそうですけれども、設計、配置等、全てに係っての安全に対しての住民への情報公開が必要なんです。中間貯蔵で、この検討会で情報公開センターを設置するとありましたけれども、検討会ではどのような議論をなされて、どのように取り組みを進めていくべきかというふうに議論をなされたのか、教えていただきたいと思います。

酒井参考人 きょう準備させていただきました六ページ目の下の資料のところでの二つ目の丸、三つ目の丸のところが当時の検討会の議論の要点でございます。

 情報公開をするときの基本的な考え方ということでどういう要件が要るんだということ、これは、そういう意味で、余り共通認識また経験もないところでございましたので、継続性、それから双方向であること、一方的にならないということと、それと情報は透明であること、それから信頼性を十分構築していく、こういう基本的な方向性というのを議論させていただいたということでございます。

 今回、日本環境安全事業で推進されるというところに関しましては、やはりPCBという化学物質に関しましても、国民の方々、特に地元の方々の関心というのは非常に高いといいますか、心配される物質でございますので、ここは相当、ここで示しているような考え方に近い状態で、現実、五つの事業所は運営されているというふうに認識をしております。

 PCB濃度も同時に公開をされておりますし、そして、定期的に地元の監視委員会等々も開きながらやってこられておりますので、そういった意味では、透明性という面での経験というのは今回のJESCOで相当蓄積してきていただいているのではないかという期待を持ってございます。

浮島委員 ありがとうございます。

 また、先ほどもちょっと最終処分のお話がございました。これも酒井参考人にお伺いさせていただきたいんですけれども、直接的にこの検討会では課題ではなかったと認識をいたしておりますけれども、最終処分を進めていくために、技術的にどのような課題があって、どのように取り組んでいくべきであるかということをお伺いさせていただきたいと思います。

酒井参考人 今、一千万立米とも二千万立米とも対象の中間貯蔵の量が言われておりますけれども、この量をどのように減量できるかというところも一つ非常に重要なポイントになってくるのではないかというふうに思っております。

 そういったところでの、先ほど申し上げたような分級、物理化学処理、熱化学処理等々の技術開発等、それの実証また実現というところが一つのポイントになるのではないかと思っております。

 もちろん、そこから社会的な合意形成というところの議論というのはもう一つ難しいお話かと思いますけれども、その両者が基本ではないかというふうに思っております。

浮島委員 ありがとうございます。

 渡邉参考人にお伺いをさせていただきたいんですけれども、この福島の除染の推進、そして復興の加速化に向けましてまだまだ課題はたくさんあると思うんですけれども、この中間貯蔵の整備の運営に渡邉参考人としてどのようなことを期待されて、どのように進めていくべきとお考えか、教えていただければと思います。

渡邉参考人 中間貯蔵施設の運営等々に関しては、私どもは輸送を担当する業者ですから、今ここで御意見を申し上げる何物もございません。

浮島委員 最後に、酒井参考人にお伺いをさせていただきたいと思いますけれども、またこの五ページの下にあります中間貯蔵施設への土壌等の輸送のところに、一番下のポツですけれども、人口集中地区や通学時間帯を避けたとありますけれども、これに加えて、ほかに検討すべき事項があれば教えていただきたいと思います。

酒井参考人 先ほど、福島の地域のことを考えますと子供だけではないという御指摘をいただきまして、少し言葉足らずの資料になったなと思って反省をしております。

 通学時間帯等が結構幅広いというふうに考えますと、先ほど御指摘いただいたとおり、二十四時間配慮すべきところがあるということをきっちりと頭に置かねばならないというふうに再認識をした次第でございます。

 それから、その前半部分の全数管理というところなんですけれども、これはこれで非常に大変な仕事であろうというふうに認識をしておりますので、それに向けたシステムづくりというところは、ソフトもハードも、これは両方必要な、ある意味で大変な事業、仕事であろうと思っておりますので、そのあたりが最大のポイントではないかというふうに認識しております。

浮島委員 ありがとうございました。

 課題はさまざまございますけれども、本当に進めていくために、全員で前向きに議論していかなければならないことだと思っておりますので、今後とも、両参考人におかれましては御指導を賜りますよう心からお願いをさせていただき、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

北川委員長 次に、田沼隆志君。

田沼委員 次世代の党の田沼隆志でございます。

 両参考人、きょうはどうぞよろしくお願いいたします。

 いろいろ御説明、あるいは今までの質疑をお聞きしても、非常にこの問題は重要な問題であるということ、新たに思いをいたしました。

 それで、まずちょっと、酒井参考人に改めてという感じの質問なんですけれども、先生のお考えの中で、放射性物質廃棄過程での制御なんですけれども、仮の話で、もし、かなり無理にというか、かなり頑張らないといけないという認識を持っていまして、今回、それを無理に運び出さずに、その場で保管というやり方についてもあるのかどうか、お尋ねしたいと思います。

 あわせて、中間貯蔵施設に運び込むことのメリット。いただいた資料の一番最後のページに改めて要点として三点いただいて、特に一点目で、長期保管、減量化処理、移動輸送過程を管理状態に置くことで放射性物質影響を低下させる効果があるというふうに書かれておりますが、改めて、中間貯蔵施設に運び込むメリットについてお尋ねできればと思います。

酒井参考人 数万カ所あるいは五万カ所と言われる仮置き場という状況が、今後どのような形で維持をされるかということとの関係になっていくのであろうというふうに思いますが、五万カ所の管理ということ、それと集中管理ということでいけば、それぞれに投入できるいろいろな資源、管理する人であり、あるいはその予算でありといったところから考えますと、やはり、集中管理という方向に向かうことが全体としては利点は多いのではないかというふうに思っております。

 特に、分散型で、昨今のいろいろな災害等の状況を仮に連想いたしますれば、やはり相当厄介な場面というのが生じる可能性というのはあるのではないかというふうに個人的にも認識をしております。

田沼委員 ありがとうございます。

 というのも、私は千葉の出身なんですけれども、千葉では、本当は来年の三月末までに国の方で最終処分場、各県ごとにあれは処理しますので、千葉も最終処分場を県内に整備する予定だったんですが、決められないということで、今、一度、県営の手賀沼という処理場があるんですけれども、そこに一時保管しているんですね、そこに一部集まってきている指定廃棄物を、排出したもとである自治体に返すという決定になってしまいました。

 特に、千葉の左上の松戸と柏と流山が多いんですけれども、ここが三分の二ほどなんですが、ここに持ち帰るように、今年度末までにという伝達が先日なされました。自治体では、物が物ですから、一時保管も、また返ってくるのということで、運搬も含めて、保管も含めて、非常に困っている状況であります。

 福島では、中間貯蔵開始後三十年以内に今度は県外で最終処分を完了するということになっていますけれども、このことについて先生はどのように思われるか、お尋ねしたいと思います。

酒井参考人 県外最終処分というこの方針に関しましては、基本的に、その地域の方々の心情であり、そういうところを鑑みますと、こういう方針を立てていただくというところは一定やはり理解をしなければならないのかなというふうに思うところがございます。

 また、その一方、そこに向けての過程が非常に難しい過程であろうということも、それは想像ができるところでございますけれども、現時点の判断ということで、一歩先に進めるためにはこういう一つの意思決定というのもあるのではないかというふうに理解をさせていただいているところでございます。

田沼委員 ありがとうございます。

 県外最終処分という三十年先の話でありますけれども、この三十年先をやはりちゃんと具体的に考えておかなければ、今回のJESCO法でとりあえず一段落というふうになってはならないわけでありまして、将来的なビジョンについて私は大変関心を、まあ、次世代の党という名前ぐらいですので、持っております。

 先ほど小熊委員からも質問がありましたけれども、減容化について、ちょっと先生の専門と重ならないかもしれませんが、御教示いただければと思うんです。

 県外最終処分を実現させる、その実現可能性に関して、やはり、この減容化技術がちゃんと開発できていって、リサイクル材として活用ができていくことというのが非常に重要であると私は認識しております。

 そのスケジュールをという御質問がありましたが、聞くところによると、コストが非常にかかると聞いております、この減容化自体が。ちょっと私も専門家でないのであれかもしれませんが、一万立法メートルの処理に最大十億円ぐらいかかるという話をお聞きしました。これは二千二百万立方ですから、単純に計算すれば、二千二百万掛ける最大十億円だったら二兆二千億ですか。まあ、こんなべらぼうな額にならないとは思うんですけれども、計算上はそうなるのかなと。

 この減容化技術が特にコストの部分でどうなるのかに非常に関心を私としては持っておりまして、その辺のことに関して、先生の方で、御知見、御指導をいただければと思います。

酒井参考人 今の、減容化がポイントという御指摘の部分でございますけれども、制御の対象として考える放射性セシウムの性格ということを考えますと、基本的には三十年という半減期をどう管理していくかということが一つのポイント、いかにきっちりと時間をかけて減衰させるかということ。それと、減容化がポイントになりますのは、基本的にセシウムは消えてなくなるわけではありませんので、いかにうまく分離させるか、分離させて多くの再度使えるリサイクル材をつくるか。こういう物の考え方になっていくものであろうと思います。

 今おっしゃられました一万立米十億円というところ、ちょっと私、計算間違いしていないかどうか心配なんですけれども、一立米当たり十万円というあたりになろうかと思いますから、今の廃棄物処理の単価より少し高い単価であろうかと思いますけれども、今の放射性物質の管理をしながらこういう施設をつくっていくということを考えますと、今おっしゃられた程度のコストはやはり必要になってくるのかなというふうに思います。放射性のない、普通の廃棄物を処理するところで、やはり立米当たり数万円というところは必要でございますので、それから考えて、少し高目の価格かなという認識でございます。

 ちょっと計算間違いしておりましたらおわび申し上げねばなりませんが、今おっしゃられたのは、ほぼ妥当な計算じゃないかなというふうに思っております。

田沼委員 私も専門でないので、間違えがあってはいけませんのでこれぐらいにして、また勉強したいと思いますけれども、そのコストの見通しというのも非常に議論していかないといけないのかなという思いを新たにさせていただきました。

 あと、もう一つ、渡邉参考人の方にもお尋ねをさせていただきたいと思います。

 千葉の問題のときも、やはり運び込みでバリケードができちゃったんですね。二〇一二年の十二月のときに、地元の住民が絶対反対だということで、阻止しようという事態が起こりました。

 ちょっと素人の質問かもしれないんですが、もともと運び込むという約束で仕事を請け負ったときに、思わぬ想定外のバリケードとかがあった、運べなかったというときには、運搬費用としてはどうなるんでしょう。つまり、一回分になるのか。それとも、一回運ぶということで幾らということになっているのでしょうか。あるいは回数になっているのか。住民の反対で、もし運び出しとか運び込みができないときは時間がかかっちゃうと思うんですけれども、このような状態がもし起きたときにはトラック業界としてはどのように対応されるという方針なのか、お尋ねできればと思います。

渡邉参考人 悩ましい問題ですね。当然やってみなきゃわからないことですから、運賃・料金体制というのは、当然、国が主体性を持って運んでくださいということを申し上げているので、これから決めていただくことなので、私どもで今、途中で戻ったからこれは半分ねとか、時間がこれだけかかったからこれぐらいねなんというものは持ち合わせておりません。

 ただ、ついでにこの時間の問題で申し上げると、今新しい車を発注すると、ダンプカーで、納入するまで一年かかります。普通のトラックで約半年かかります。ぜひこれも各委員の方は頭に入れておいていただきたいと思っております。

田沼委員 それは知りませんでしたので、勉強になりました。

 ちょっと時間もあれなので、次に行きたいと思います。

 もう少しまた具体的に考えたときに、物が物ですから、運搬のときに事故があっては当然いけないと思うんですが、横転事故とか、あと荷崩れとか、先ほど、上にカバーをかけるというお話もありましたけれども、そういったこともやはり起き得るし、それに対する対応、教育ですとかマニュアル整備などが必要なのかなと思うんですが、その辺に関しての御方針をお聞きしたいと思います。

 あわせて、ちょっとこれも素人かもしれませんが、運転手さんも、マスクをしたりとか、特に、敷地の中に入っていくとかなり防備も必要だと思いますので、そういった装備に関しても何かしら特別なものが必要じゃないかと思うんですけれども、あわせてお聞きできればと思います。

渡邉参考人 先ほども最初に申し上げたとおり、事故への万全の備えと対応ということで、交通事故も含めてですけれども、新たに従事する乗務員に関しては、いろいろ研修なり講習会等を開いて万全を期していきたい、そんなふうに思っています。

 マスクの問題もそうですけれども、我々は素人ですから、どういうものを装着しなきゃいけないのか、皆目、今のところでは見当もつきません。これから関係省庁、行政の指導で、講習会、勉強会等を開いて万全を期したいと思っております。

田沼委員 非常に特殊な教育になったり装備になったりすると思いますので、ぜひ探求というか検討していただければと、私からもお願い申し上げたいと思います。

 あともう一つ、運搬が終わった後のトラック自体の除染もまた必要なんじゃないかと思うんですけれども、それはどのような予定なんでしょうか。

渡邉参考人 先ほども小熊議員の質問に申し上げましたけれども、除染は実施したとしても、風評といいますか、そういうものは必ず残ります。いわき、福島、会津という福島県のナンバーの車、これは汚染物質を運んだんじゃないの、こう言われちゃうと、いかに除染をしていても、現実の、食料品も含めて経済活動に、できるかというと、そうではない。ローリーの話もしたところでございますけれども、最終的には国の責任で買い上げていただくとか何かを考えなきゃいけないかなと思ってございます。

田沼委員 ありがとうございます。

 最後の質問です。

 会長、初めの御説明のときに、私たち協会との話し合いの場は全くなかったということで、これからはぜひというお訴えがありましたけれども、そういった、もちろん現場の皆さんとの協議の場ですとか意見交換というのは私もこれから国にも求めていきたいと思いますが、今回のJESCO法に関して、今まで言う場がなかったわけでしょうから、今何か言いたいというものがあられたら、お尋ねしたいと思います。

渡邉参考人 三十年後ということでございますので、私を含めて、ここにおいでの議員の皆さんを含めて、三十年後に果たしてどうなんだろうねというのが正直実感でありまして、何か正直申し上げて、先送りじゃないのというような感覚は持ってございます。

田沼委員 終わります。ありがとうございました。

北川委員長 次に、野間健君。

野間委員 無所属の野間健と申します。

 本日は、酒井先生、渡邉会長、貴重な御意見を賜りましてありがとうございます。

 まず、酒井先生にちょっとお伺いしたいんです。

 今、御意見の中でも出てきた話ではあるんですが、JESCOに中間貯蔵の運営やさまざまな業務を委託してやっていくということですけれども、そのJESCOにどうしてもさせなければいけないという理由、まあ、もろもろ業務の類似性等はあるんですけれども、PCBと放射性物質等の管理というのは、専門性とかもろもろ大きく異なる問題だと思いますし、また、これも、従来のPCB処理の業務とはある意味全く別種の、相当専門性の異なる高い分野であると思うんですが、もう一度、JESCOを活用する明確な理由というのを教えていただきたいと思います。

酒井参考人 PCBの処理事業が日本環境安全事業で進められた経緯をちょっと振り返ってみますと、当時もPCBの処理施設の立地がやはり日本国内でなかなか進まないという状況で、その一方、国際条約はできて処理が求められる、さあ、どうする、そういうような状況の中で、国が中心になって施設を整備し、そしてその運営にはJESCOが当たるという流れができていったのではないかというふうに見ております。

 そういった中では、今回の中間貯蔵も、社会的な流れという意味では、類似性は相当にやはりあるなというふうに認識しているのは事実でございます。

 今、対象物質が相当違うという御指摘、これは、きょう、私の方もそこは物理化学的に違うところがあるということは具体的なデータでお示しをしたところではございますが、それを管理する手法という意味では、運ぶときの管理であったり、あるいは、それをどうはかって、その情報を公開していくかというところであったりというところは、相当に近いのではないかというふうに思っております。

 だから、そういう意味で、ここ十年、十五年、あるいは二十年、蓄積されてきたこの国の経験をしっかりと生かしていくという方向は、日本としてはやはりぜひお願いをしたい、あるいは個人としてもお願いをしたいと思っているのは事実でございます。

野間委員 JESCOのことについてよくわかりますけれども、地元の県民の皆さんが一番不安に思っているのが、三十年間、管理をして、貯蔵して、もし事故が起きたり、また再び地震が起きたり、さまざまなことが考えられ、放射性物質が土壌に浸透したりとかいろいろな事故が考えられるわけですけれども、その際の責任問題ですね。

 確かに、国が全面的に負うということはたびたび発言もなされていますし、JESCOも全株国が保有するということになっておりますけれども、とはいえ、JESCOも株式会社でありまして、有限責任しかないわけですね。資本金が六億円ですか、売り上げが五百五十億、九十億ぐらい利益は出していますけれども。

 そのJESCOと国の責任、何か起きたときの責任をどういうふうに分担してやっていくのか、その辺がいま一つ見えないので、恐らく地元の皆さんも、本当に国が最終的に責任を持ってくれるのかという不安を抱えていると思うんですけれども、その辺の明確な責任の分担、あるいは、JESCOがどこまで何か起きたときの責任を負うのかというあたりについて、ちょっと御所見を伺いたいと思います。

酒井参考人 今御指摘の、事故とかいろいろな事象と起こってくる被害との関係、その原因等々、そういうことを個別個別に判断されていくんだろうと思いますけれども、やはり、その御心配に対する責任の体制の組み方という意味では、今の組織論的なところにあらわれているのではないかというのが私の認識でございまして、逆に言えば、もしこれ以外の方法が出ていれば、これまでに既に議論されたのではないかというような個人的な認識を持っております。

 この方向で、今の責任論というところも、そういう意味では、最も真摯に考えていただける体制ではないかという認識でおります。

野間委員 これは一つの経緯ですけれども、平成十五年にJESCOができた際のそういう責任問題について、当時の大臣は、監督責任はあるけれども、今おっしゃったように、個別の事故の状況に応じてどう責任をとるかというのは変わってくるということで、一義的なことが言えないということでありましたけれども、その辺、地域住民からすれば、何か国がきちっとバックアップしてくれていないのではないかという不安を抱かざるを得ないことになるのではないかということで、御質問をさせていただいたわけであります。

 次に、渡邉会長にお聞きしたいと思うんです。

 今、さまざまな厳しい状況を教えていただいたわけでありますけれども、これもやはり、横転事故という質問が今ありましたけれども、そういった際、通常の交通事故とかそれによる損害の賠償とか、そういうことについては通常のルールにのっとってされると思うんですけれども、それによって、いわゆるフレコンバッグが飛び出して飛散をしてしまったとかいう際に、また、別種の被害といいますか事故、そういう通常の運送業務を超える大きな飛散によって何か健康被害が起きるとかいう別種の事故が発生する危険性、可能性があると思うんですけれども、そのあたり、どのようにお考えでしょうか。

渡邉参考人 先ほども申し上げたとおり、車にはいろいろ種類があって、近距離の各家庭から持ってくる、各市町村から集荷場まで持ってくる車、あるいは高速道路を走る車等々、用途に分けて使ってくださいというお話を申し上げたところですが、有蓋車、ウイング車というのは屋根がかかったような形になっていますから、万が一横転事故が起きたとしても、積んでいる荷物が飛散するというようなことはないと考えております。

 もちろん、専用車のタンクローリーなんというのも、横転して、もうまるっきりひっくり返る、上に注入口がありますから、そういう構造になっておりますので、我々もそういう箱の中に入れて、しっかりその箱の中でワイヤでとめるなりロープでとめるなりして、万が一そういう事故があっても外には飛散しないというような対策をとっていきたいと思っております。

野間委員 ありがとうございました。

 十月十六日に日本経済新聞が、除染をした福島県内の市町村三十六市町村にアンケートをとっておりますけれども、その八割の自治体から、汚染土の輸送に不安を感じるということで、最も多いのが、市町村の事務量が非常にふえる。そしてまた、積み込み場の確保は困難だ、その辺が六六%。また、騒音、交通事故など生活環境の悪化、渋滞など道路交通への影響などが六〇から七〇%。不安の声が出ているわけです。

 これは、もちろん会長のお答えされることではないかもしれませんが、地元の事情に一番精通されている会長からして、自治体の方々を説得して積み込み場の確保とかをしていただかなきゃいけないわけですけれども、どういう手段、方法、財政的なことが大きくなるかと思いますけれども、住民の皆さんの納得をとりながらやっていくという非常に困難なことをまずしていかなければ、貯蔵施設への搬入も実現しないわけですけれども、どう現場、現地の事情を考慮されてお考えでしょうか。

渡邉参考人 先ほどから申し上げているとおり、市町村がどこまでやるのか、国がどこまでやるのか明確になってございません。なおかつ、除染の作業もそうですけれども、国直轄の除染は、言葉は悪いですけれども、大手ゼネコンにお願いをして、JVを組んで国が直轄でやっている。そうすると、それによる輸送等々も含めて、除染作業も含めていて、下請、孫請、ひ孫請なんというのが出てきて、健康管理の問題から事故の問題とか、いろいろ諸問題が起きています。

 国がやってくださいと言っても、先ほどおっしゃったように、六割強の市町村がそれは困難だなと言っておりまして、なおかつ、私どもトラック協会に相談事もないという話をしましたけれども、協力要請はございますけれども、具体的に、あなたたちやってください、市町村でも、あなたたちやってください、じゃ、ここの支部でやってくださいというような具体的な話がございませんので、きょうのところは、私は、トータルで、福島県のトラックの業者の代表としてお答えしているだけで、まだ、具体的にやってくださいと言われているわけではないですから、その辺の細かいお答えは控えさせていただきたいと思います。

野間委員 一刻も早く、そういう本当の現場、現地レベルの話が進んでいかないと、皆さんのお仕事も進まないかと思います。

 今、最初のお話にもあったかと思うんですけれども、今後やはり、あと、ドライバーの皆さんを、実際に健康管理とか、いろいろなことがこれまた必要、従来もそういうことがあったかと思いますけれども、そのあたりは、ドライバー、実際に従事される方の健康管理など、従来こんなことが行われていて、今後、なおかつこういうことが必要ではないか、国がやるべきじゃないかということがありましたら教えていただきたいと思います。

渡邉参考人 三年七カ月前に事故が起きたときにも、当然、乗務員で、いわき方面、浜通りに行く方面には、自分ではかれるカウンターを持たせてございますし、各福島県の我々会員事業所にはカウンターも配りましたので、今後も、そういうものに従事する者については、乗務員にそういうものを持たせて、自己管理も含めて万全を期したいと思ってございます。

野間委員 最後に、酒井先生にお伺いしたいと思います。

 先ほども質問が出ましたけれども、三十年後には、もう搬出ができる準備がされていなければならないということでありますので、どうなんでしょう、やはりそれまでに、二十五年あるいは二十年経過したぐらいからは、もう次の準備に、研究、減量化を含めてやっていかなければならないと思うんです。先ほども、ちょっと答えにくいということでありましたけれども。

 ということは、今からすぐにでも、減量化あるいは次を見つけていくということ、これは、政策的というか政治的なことは別としても、どういう地域であれば、そういう保管が可能な土壌とか自然条件とかあると思うんですけれども、そのあたりの議論なり研究というのはいかがなものでしょうか。これを最後の質問にしたいと思います。

酒井参考人 技術に対する開発なり研究というところは、現在進行形を含めて、相当期待していただいていいのではないかというふうに思います。

 その一方、立地論に対する研究という言葉自体が、そういう意味では成立するのかどうかということを疑問に思っておりますけれども、社会的な合意形成という方向に関しましては、やはり日本社会全体を挙げて取り組んでいかねばならない話というふうに認識をしております。

 若干中途半端な答えで申しわけございませんが、このあたりがちょっと精いっぱいでございます。御了承ください。

野間委員 どうもありがとうございました。

北川委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。

 酒井、渡邉両参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただき、また、委員の質疑に対しまして誠意あるお答えをいただきました。まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

    ―――――――――――――

北川委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官時澤忠君、国土交通省道路局次長黒田憲司君、国土交通省鉄道局次長篠原康弘君、環境省大臣官房長森本英香君、環境省総合環境政策局長小林正明君、環境省水・大気環境局長三好信俊君、原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

北川委員長 これより政府に対する質疑を行います。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。助田重義君。

助田委員 福井県出身の助田でございます。本日は、よろしくお願い申し上げます。

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受け、いまだ厳しい避難生活を余儀なくされている被災者の皆様に心よりお見舞いを申し上げますとともに、今般、中間貯蔵施設の建設受け入れに御理解と御協力をいただきました双葉町、大熊町、そして福島県の皆様に、この場をおかりしまして心より御礼を申し上げます。

 また、今回、このような質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。

 安倍総理は、所信演説の中で、六年後の東京オリンピックは復興オリンピックであると力強いお言葉を述べられました。

 そして、望月大臣は、除染は福島の復興にとって極めて重要であると御挨拶の中で述べられました。大臣は、就任直後から福島に五回足を運ぶなど、福島復興に強い思いを持って取り組まれていると認識しております。

 そこで、中間貯蔵施設の整備を初め、除染や廃棄物処理の推進に今後どのように取り組んでいかれるのか、また、復興についての思いをお聞かせ願います。

望月国務大臣 御質問にお答えします。

 大臣就任以来、福島を何度も訪れ、佐藤知事や市町村長、被災地の皆様とお会いをしまして、直接お話をいろいろ伺ってまいりました。

 その中で、除染、中間貯蔵施設の整備、廃棄物の処理促進等の国の責任で取り組まなければならない課題の解決のためには、第一に、何といっても地元との信頼関係、これが非常に大切であるということを痛感いたしました。

 今後とも、できる限り福島に足を運ばせていただき、信頼関係を構築していきたい、このように思います。また、被災者の皆様の立場に立って、これらの課題に対し、迅速かつ的確に対処してまいりたいと思っております。

 先生の方から先ほどお話ございました、福島の復興なくして我が国の再生なし、このことは本当に大切な言葉でございまして、福島の再生にこれからも全力で取り組んでまいりたい、このように思います。

助田委員 ありがとうございました。

 では、除染についてお伺いいたします。

 中間貯蔵施設というものは、除染の加速化にとって非常に重要なものでございます。「十一市町村のうち田村市、楢葉町、川内村及び大熊町並びに常磐自動車道では既に終了し、葛尾村及び川俣町においても住宅除染が終了しております。」とも大臣は御挨拶の中で述べられましたが、除染の効果についても確認させていただきたいと思います。お願いします。

三好政府参考人 除染の効果につきまして御質問がございまして、既に集計が終わっている分につきましてお答えをさせていただきたいと思います。

 先生お挙げになりました田村市に関しましては、宅地でございますけれども、空間線量率が毎時〇・六五マイクロシーベルトから毎時〇・四一マイクロシーベルトに低減いたしまして、およそ三六%の低減効果がございました。また、川内村の宅地では、同じく空間線量率が毎時一・〇一マイクロシーベルトから毎時〇・五六マイクロシーベルトに低減いたしまして、四五%の低減効果がございました。楢葉町の宅地では、空間線量率が毎時〇・七〇マイクロシーベルトから毎時〇・三八マイクロシーベルトに低減いたしまして、四六%の低減効果がございました。

 また、除染の効果が維持されているかどうか、事後のモニタリングをやっておりまして、それによりますと、除染の効果は維持されておりまして、空間線量率も除染の直後からはさらに低減しているというふうに認識しているところでございます。

助田委員 それでは、日本環境安全事業株式会社法、JESCO法の中身について何点かお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まず、国が責任を持って中間貯蔵施設の整備や運営管理を行い、会社がそれを支援するという体制の整備を図るということでございますけれども、国の役割、会社の役割は具体的にどのようなものか。また、会社に丸投げして事業を進めるということではないことを確認させていただきたいと思います。お願いします。

小里副大臣 御指摘のとおり、中間貯蔵施設の整備、運営管理等、全体として国が責任を持って取り組んでまいります。

 具体的には、国は、現地、すなわち福島県内に事務所を置きまして、職員を配置して、用地取得、施設の整備等を進めてまいります。

 一方、JESCOにつきましては、国の責任と指導監督のもとに、同社の専門性を生かすことができる業務の一部を委託するとしております。具体的には、施設の運営管理等を委託することとしております。

 このような役割分担のもとに国が責任を持ってJESCOを指揮監督するものでありまして、丸投げということでは決してございません。しっかりと事業に取り組んでまいります。

助田委員 ありがとうございました。

 では次に、与党から専門組織の活用について提言いたしましたが、独立行政法人の活用や新規法人の設立についても検討したのか。また、JESCOを活用することとした理由。そして、中間貯蔵事業という非常に規模の大きい事業を行うことになりますが、JESCOにおける人材の確保についてどのように考えていらっしゃるのか。三点お答え願います。

小林政府参考人 専門組織の活用につきまして、三点のお尋ねがございました。

 これに関しましては、与党からも、専門組織の活用ということにつきましてしっかり検討するようにというような御提言も何次かにわたっていただきました。また、いろいろな各界からの御提言もあったものでございます。

 まず、新規の法人あるいは独立行政法人の活用というようなことについてどうであったかということでございます。

 御承知のとおりでございますが、中間貯蔵施設の運営管理、これは大変大規模でもありますし、また、幾つかの複合的な機能を持つ複雑なものでございます。この実施体制については相当しっかりした体制が要るということで、こういった検討をしてきたわけでございます。まず、やはり、新しい事業を起こしますので、新規の組織の設立というようなことも含めまして、いろいろな可能性につきまして途中経過では検討してまいりました。

 新しい組織を立ち上げていくというようなことになりますと、これは、今、中間貯蔵施設につきまして、地元に説明に入りまして、地権者の皆様方にいろいろな御説明をしているところでございます。こういう中で、地元の合意が得られた後に、仕事としては、復興のために可能な限り速やかにやっていかなきゃいけない、しかもまた、安全、確実にやっていくということが重要でございます。

 そういう中で、急がれる事業をやっていく上で、新規の組織をゼロベースで立ち上げていくということになりますと、相当な時間もかかるということになります。むしろ、組織体としてノウハウ、経験を蓄積しているところを使っていきますと、即戦力として生かしていける。こういうようなことを考えまして、むしろ、新しいものというよりは、使えるところを極力生かしていく、こういう考えに至ったわけでございます。

 その際にも、いろいろなこういった専門組織の形態がございます。

 よくある独立行政法人というようなことにつきましても検討いたしましたが、これは通則法などにも示されておりますが、むしろ、国が中期の目標ですとかこういうものを示す、あるいはやってきた仕事については厳正な事後評価をするというようなことをいたしますが、性格としては、国から一定程度独立をして事業をさせる、そういうところに創意工夫を発揮させるというのが独立行政法人の趣旨でございます。基本的にそういう形で制度ができておりますので、国がきっちり管理していくということからしますと必ずしも適当ではないというようなことを考えました。

 一方で、特殊会社でございますと、包括的な国の指揮監督権というようなことがございます。

 そういうことで、独立行政法人あるいは特殊会社というような典型的な組織を比べました場合には、むしろ、特殊会社のように国がきっちり指導監督ができる、こういう組織がふさわしいというようなところに至ったわけでございます。

 それから、先生からまたお尋ねがございました、JESCOを活用することにした理由は何かということでございます。

 これは、きょうの参考人質疑の中でも、JESCOのやってきた仕事につきまして専門的立場からのお話などもあったわけでありますが、中間貯蔵事業は、繰り返しになりますが、かなり大量の放射性物質、これに汚染された土壌などをしっかり管理していくことが必要でございますし、その中で、地元住民の信頼を得てやっていくというようなことが必須であります。そういう意味で、国があくまでも責任を持ってやるわけでございますが、やはり専門的なところを活用していくということであります。

 その中で、JESCOは国が一〇〇%出資をしております特殊会社で、強い指揮監督権限がございます。国と一体となって事業をやるという意味では、組織の形態としては、さっきの独法、特殊会社の比較のところでも申し上げましたが、性格としてはふさわしいものがあるということでございました。

 それから、具体的にやってまいりました事業、これも先ほど来の審議の中でもございましたが、PCBの処理につきまして十年来努力をしてきておりまして、もちろんPCBと放射性物質の違いというのもあるのではございますが、ともに健康に影響を及ぼし得るということ、それから地域の住民の方が非常に厳しい目で見ていらっしゃる、こういう共通点がございまして、その管理、処理のノウハウには共通点があるというように見ているところでございます。

 具体的に申しますと、このJESCO、日本環境安全事業株式会社も、PCBの廃棄物というのは今、全国九万カ所ぐらいで保管をされております。これをしっかり運び込み、全国五カ所の処理工場で処理をしてまいります。そういう中で、運ぶことにつきましても処理の事業についてもそうでございますが、地域の住民の立場に立った説明、対話、納得を得るということが重要でありまして、これについては随分苦労もしてきておりますし、ノウハウもあるわけでございます。

 それから、各地にあるものを一元的に管理する中で運び込むということ、そして定められた場所で処理をするというようなこと、こういうことにつきまして、いざ何かあったときにどうかというような多重防護の思想なども含めまして、ノウハウを蓄積しているということでございます。そういう意味で、大いに使えるところがあるなというふうに考えたところでございます。

 もちろん、先ほど来出ておりますように、放射性物質という新しいものを扱います、また、中間貯蔵事業も新しい事業でございますので、放射線の専門家、こういうものを含めまして、しっかり新たな人材を採用して体制をつくっていくということは、これはどういう会社、組織がやる場合も同じでございますが必要なことでございまして、これについてはしっかり体制をつくっていく必要があると思います。

 当然、これは会社が責任を持って体制を整備していくことではございますが、環境省としても、この辺についてはしっかりバックアップをしていく。予算の確保というようなこともございますし、関係者の理解を得るというようなこともございますし、こういうことにつきましてもしっかりやっていく必要があるだろうというふうに考えております。

 そういうことを兼ね合わせていきますと、すぐに使えるような専門職員をしっかり、さまざまな企業とか研究機関がございますので、そういうところからの確保ということもやって、万全の体制をつくることができるのではないかというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

助田委員 それでは次に、中間貯蔵施設というものは安全であることが大前提でございます。国の責務として、施設の安全を確保する旨を規定しているところでございますが、地震、津波、台風などの自然災害に対して安全性を確保していく必要があると考えますが、どのような対策を講ずるのか、お聞かせ願いたいと思います。

三好政府参考人 中間貯蔵施設の安全性についてのお尋ねがございました。

 環境省におきましては、先ほど参考人の御質疑の中でございましたけれども、中間貯蔵施設の安全性の確保や環境保全対策につきましては、それぞれ専門の対策検討会をつくりまして、皆様に御議論いただいたところでございます。

 それから、福島県におきましての県の専門家会議を設けていただいておりまして、放射性物質あるいは津波、地震に関する施設の安全性につきまして御検討いただきまして、九月の一日の建設の御判断をいただいたときの、そういう御検討が前提になったというふうに考えております。この福島県に御検討いただきましたプロセスの中でも丁寧に御説明をさせていただいているところでございまして、このような御意見を踏まえまして、私どもの方で責任を持って管理運営をすることにしているところでございます。

 自然災害につきましてのお尋ねがございましたので、少し、各論でございますけれども、お答えをさせていただきます。

 まず、地震、津波についてでございますけれども、中間貯蔵施設の予定地におきまして、最大規模、すなわち東日本大震災クラスでございますけれども、地震動や津波に対して各施設の構造及び機能が維持されるように設計することで施設の安全性を確保することといたしております。

 例えば、十万ベクレルを超えます焼却灰を貯蔵する廃棄物貯蔵施設につきましては、かたい地盤を有し、津波が届かない場所に施設を設置するということでございますとか、その構造といたしまして、鉄筋コンクリートの建屋に専用ドラム缶に焼却灰を封入した形で貯蔵するということとしているところでございます。

 また、台風や集中豪雨など一時的かつ大量の雨水対策につきましても、施設の予定地における過去十五年間の年降水量、月降水量の最大値の雨量を想定いたしまして、各段階にわたりまして安全対策を講じてきているところでございます。

 具体的には、貯蔵施設の建設中におきましては、建設工事に伴って発生する放射性物質を含んだ濁水が施設外へ流入しないよう沈砂池を設けまして、適切に処理してから排水をするということでございます。それから、貯蔵施設に土壌搬入中は、貯蔵施設内でしっかりと雨水を貯留いたしまして、順次、水処理を適切に実施してから排水するということでございます。また、搬入完了後は、貯蔵している除染土壌が集中豪雨等で流出しないように覆土等を施すようなこととしております。

 このような対策をとりながら、引き続き、さまざまな御意見をいただきながら、安全性の確保に万全を期してまいりたいと考えております。

助田委員 中間貯蔵施設への輸送についても、どのように対応していくのか。極めて重要な問題でございます。お答え願います。

三好政府参考人 輸送に関してでございます。

 これは福島県内のほぼ全域から除去土壌等を大量に輸送するということになりますので、住民の健康、生活環境、一般交通に対する影響を最小化しつつ、安全かつ効率的に輸送を行うことが必要というふうに考えております。

 輸送に関する安全対策や円滑かつ効率的で安全な輸送のあり方につきましては、そのことを検討していただくために、先ほども御紹介ございましたけれども、有識者から成る検討会を設置いたしまして、先月の検討会におきまして、輸送の基本計画の案をお示しいたしたところでございます。

 これは案でございまして、何よりも地元の御理解を得るということが大事でございますので、まずは関係行政機関から成る輸送連絡調整会議というものを活用いたしまして、関係市町村の御意見も踏まえまして基本計画を取りまとめたいというふうに考えております。

 さらに、実際に輸送していくためには、より具体的な計画が必要でございまして、年内を目標といたしておりますけれども、輸送の実施内容を定める輸送実施計画を策定していきたいというふうに考えております。

 この輸送の実施計画で、まずは、私どもの考えといたしましては、おおむね一年程度、比較的少ない量のパイロット輸送を行うということで、本格的な輸送に向けまして安全かつ確実な輸送を実施できることを確認するとともに、本格的な輸送に向けまして、必要な箇所の道路の部分的な改良でございますとか、出入り口での効率性の確保でございますとかというようなことで、道路対策、交通対策を実施していきたいというふうに考えているところでございます。

助田委員 最後に、私の出身は、全国最多、四原発十三基、「もんじゅ」を含めますと十四基原発がございます。このような事故を二度と起こさないために、福島第一原子力発電所の事故分析はとても重要なことであると考えております。

 事故究明は今後も取り組むべき課題でございますけれども、現状と今後の取り組みについてお聞かせください。

櫻田政府参考人 東京電力福島第一原子力発電所の事故の究明についてお尋ねございました。

 この事故につきましては、これまで国会、政府等において事故調査報告書がまとめられて、基本的な事象の進展等については整理されてきております。

 この事故の継続的な分析は、原子力規制委員会の重要な所掌事務の一つでございます。技術的に解明すべき点について分析するための検討会を昨年設置しまして、まずは、国会事故調の報告書で未解明問題とされて、今後規制当局等による実証的な調査、検証が必要だとされていた事項に関しまして議論を進めてまいりました。去る十月八日に、この検討会での議論を踏まえて、原子力規制委員会において中間報告書を取りまとめたところでございます。

 今後とも、原子炉内の調査等、中長期にわたりますけれども、この状況も踏まえながら、引き続き、技術的に解明すべき課題について検討してまいりたいと考えているところでございます。

助田委員 ありがとうございました。質問を終わります。

北川委員長 次に、石川昭政君。

石川委員 自由民主党の石川昭政でございます。

 さて、本日は、日本環境安全事業会社法の改正について質問に立たせていただきます。望月大臣に質問させていただくのは今回が初めてでございますので、ぜひよろしくお願いいたします。

 内外の環境政策は、復旧復興、それから原発の再稼働、それと来年に控えますCOP21と非常に課題が山積をしておりますので、今後とも、望月大臣、小里副大臣、そして福山政務官におかれましては、積極果敢に攻めの環境政策に取り組んでいただきたいというふうに、まず冒頭、お願いを申し上げます。

 これまで、環境省としましては、福島の復旧復興、それから東日本大震災からの復興ということで、大変大きな役割を果たしてきたと私は思っています。その一つに、あの膨大な震災から発生した瓦れき処理をことし三月末までに完了させました。これは大変な評価を私はしているところでございます。

 そして今度、次なる課題でございますが、今回テーマとなります放射性物質汚染土壌の中間貯蔵施設の整備に移ってくるわけでございますけれども、本法の改正によりまして、汚染土壌等の仮置き状態、私も、自民党青年局あるいは個人でも現地を調査しまして、黒いフレコンバッグの山を何とか一日も早く解消しなきゃならない、そうすることによってやはり、物理的にも、福島の皆さんの精神的にも気持ちが復興に向かうのではないかな、このように考えているところでございます。

 そうした中で、今回の質疑に当たりましては、福島の皆さんの不安あるいは疑問を払拭できるような、そういう御答弁をぜひお願いしたいなというふうに思います。

 まず、そのような中、一昨日でございましたけれども、福島県知事選挙がございまして、内堀雅雄さんが当選をされました。望月大臣は、これから中間貯蔵施設整備に当たりまして知事との連携協力というのが非常に大切だと思いますけれども、まず冒頭お伺いしますが、新しく当選された知事との今後の信頼関係の醸成、こういったところをどのように取り組んでいかれるか、そのお考えを冒頭お伺いします。

望月国務大臣 御質問のございました、福島県知事選挙に前副知事である内堀雅雄さんが当選されました。福島県の中間貯蔵施設の建設受け入れに至る調整を内堀副知事は最前線で当時指揮された方でございまして、引き続き、信頼関係を保ちながら、福島県や、大熊町そしてまた双葉町とよく相談して進めてまいりたい、このように思います。

石川委員 ありがとうございます。

 この法律が成立いたしますといよいよ用地交渉に入るわけでございますけれども、先般小里副大臣も現地に入られて、双葉町、大熊町長から、地権者にもう少し丁寧に説明を尽くしてほしいというような申し入れ書があったというふうに承知をしております。用地交渉については後ほどまたお伺いしますけれども、ぜひ、福島県知事とも連携を密にとって、丁寧に対応していただきたいというふうに思います。

 また、そんな中ですけれども、私は、先週土曜日でございますが、茨城県の地元の選挙区から六号線を北上いたしまして、現地、双葉町、大熊町まで行ってまいりました。六号線は除染をいたしまして、帰還困難区域で今まで封鎖されておりましたけれども、いよいよ通行だけはできるようになりましたので、横道には入れませんでしたのでこの建設予定地の中はちょっと見ることができませんでしたけれども、実際見てまいりました。そんな中で、起伏は多少ありますけれども、大まかに言って平たんな土地であったなというような印象を受けたところでございます。

 また、政府が示した中間貯蔵施設の整備に関するロードマップによりますと、仮置き場への搬入開始から三年程度、つまり来年の一月から施設の供用を開始するよう政府として最大限努力するというふうにございます。

 本法改正の成立によりまして、来年一月からの搬入開始の目標達成が現実に、実際可能なのか、これについて大臣から御見解をお伺いしたいと思います。

望月国務大臣 搬入の目標でございますけれども、二十七年一月からの搬入の目標については、日程的には大変厳しいものがあると思います。しかし、先ほど答弁させていただきましたが、この中間貯蔵施設は福島の復興になくてはならない、必要不可欠なものでございます。目標に向かっては大変厳しいものがございますが、今後、用地取得がやはり円滑に進むかどうか、そういったもの等の課題もいろいろございます。

 ただ我々が日程を決めて、住民の皆さんにこの日程でやりますよと言うだけでは話がつくものではございません。ですから、そこに苦しい思いで生活をなさっている、要するに避難をしていらっしゃる方が十何万もおりますし、それからまた、一日でも早く帰還したいという方たちもおります。その土地への愛着というのは非常に深いものがあるということでございますので、地元のそういった皆様方の思いをしっかりと踏まえていく必要もあると思います。

 こうした点を踏まえつつ、できる限り早期に搬入を開始できるように最大限努力をしていきたい、このように思います。

石川委員 この中間貯蔵施設の整備に当たっては、いろいろな曲折もありましたし、説明会もるる開かれているようでございますけれども、やはり一日も早くこういった事業に着手できますように、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っております。

 次に、三十年規定についてお伺いをしたいと思います。

 本法律案の三条の二項に「中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする。」という規定が置かれているところでございます。まず、その三十年という時間軸についてお伺いしたい。

 それと並行しまして、この県外最終処分ということになりますと、全都道府県に対しまして最終処分地を探すという作業も同時並行に行わなければ、これは絵に描いた餅になるのではないかなと思います。そこで、都道府県への説明と理解をどのように求めていくのか、現時点での政府のお考えをお伺いしたいと思います。

三好政府参考人 最終処分につきましてのお尋ねでございます。

 まず、三十年以内に県外で最終処分とした理由、特に三十年ということでございます。

 いろいろ経緯がございますけれども、まずは、福島県内で発生する除去土壌等が量が非常に膨大であるということで、直ちに最終処分の方法を明らかにしがたいという点がございます。一方で、この最終処分の方法につきましては、きょうも参考人との間で御議論もございましたけれども、効果的な分離、濃縮等の技術の発展によるところが大きいということがございまして、このあたりを総合的に勘案いたしまして、やはり三十年お時間をいただきたいということで示させていただいたものでございます。

 その上で、具体的に最終処分をどのように図っていくかということでございます。

 まず、先ほど量が膨大であるということを申し上げました。現時点での推計では、除染実施計画等に基づくものといたしまして、その土壌や廃棄物の量は最大で二千二百万立方メートル程度というふうに見込んでいるところでございます。そのうちの大半、二千万立方メートルを超えるものはいわゆる土壌でございまして、かつ半分程度は一キログラム当たり八千ベクレル以下のものというふうに見込んでいるところでございます。

 放射性物質につきましては自然減衰ということがございますので、物理的な減衰効果だけで貯蔵開始の時点から約四割程度にまで低減するということでございます。さらに、減容化技術によりましてさらに低減を図っていきたいということでございます。

 そういうことで、技術的には低濃度のものができて再利用が可能になるということでございますけれども、再生利用を図っていくためには国民の理解を得ていくことが必要であるということで、先生御指摘のとおりでございます。

 現時点ではなかなか具体的にはなっておらないところが多々ございますけれども、一応、八つのステップということで、最終処分の実現に向けて施策を進めていきたいということでございまして、まずは、研究、技術開発を行いまして、その減容化、再生資源化の可能性を踏まえた最終処分の方向性を検討していきたいということでございます。それで、直ちに減容化技術につきましての情報収集をいたしておりますし、それから、有用な減容化技術の探索に努めてまいりたいということでございます。

 こういう結果を踏まえまして、方向性の検討を行いまして、さらに、中間貯蔵施設内に研究施設を置かせていただきまして、国内外の知見を集めまして、具体的な研究、技術開発を進めていきたいというふうに考えております。

 こうした取り組みを踏まえまして、具体的な最終処分の必要量でございますとか、そのときの濃度というようなものを明らかにいたしまして、国民各界の御理解を得て、県外最終処分が実現できますように全力で取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

石川委員 ありがとうございます。

 今回の中間貯蔵施設の最大のポイントはやはり減容化にあろうかと思います。減容化が進みまして、濃度が高いものと低いもの、それぞれあると思いますけれども、これを分けて、低いものから公共事業などに利用していくということが必要だと思いますし、先ほど参考人のお話の中では、研究施設を中間貯蔵施設の内部に設置するということで、私はこれはぜひやってもらいたいですね。

 今、いろいろな研究機関や建設会社等でいろいろな減容化に関する研究が進んでいるところでございますけれども、なかなかこれが実用化レベルに達していない、また、ばらばらにやっていることで、基礎研究等で無駄が多分あるんだと私は思いますので、そういう研究者、研究機関を一カ所にまとめてやることで、これはやはり減容化に関する技術革新がどんどん進んでいくのではないかというふうに思います。

 その上で最終処分場をどこに持っていくかということもあろうかと思いますので、こういったところを環境省としてもリーダーシップをとって、ぜひ期待をしているところでございます。

 また、関連しまして、中間貯蔵施設への搬入が開始をされますと、今各市町村につくっている仮置き場が今度は不要になるわけです。先般、自民党青年局で現地視察に入りまして、川内村の村長とも意見交換をいたしましたら、やはり、搬入後の仮置き場、ではどうやって原状回復するかというような意見、要望も聞いてございますので、いろいろ計画はもう既にあると思いますが、これは答弁は結構ですので、そういったことに対しましてもぜひ丁寧に対応していただきたいなというふうに思います。

 それと、先ほど参考人質疑の中で、輸送計画がございました。年末までに輸送計画をまとめるという先ほどの参考人のお答えでございましたけれども、先ほどトラック協会の会長がちょっと気になることをおっしゃっていたのが、福島県のトラック協会に対しまして、輸送計画について意見陳述やあるいは協力の要請がまだ国からないんだというようなお話がございましたけれども、ちょっと、この辺のことについて、どういう対応になっているのかお尋ねをしたいと思います。

三好政府参考人 輸送の基本的な考え方についてでございますけれども、先ほど申し上げましたが、今、輸送基本計画の案というものを公表させていただいておりまして、地元と調整をさせていただきたいということでございます。

 まずは地元の行政主体でございます県、それから関係の道路管理者でございますとか、あるいは安全性もございますので警察でございますとか、そういうところと、まずは基本計画として具体的にどういう観点が必要かというようなことも意見交換をさせていただきたいというふうに考えておりますし、また、福島県全土、ほぼ全域から中間貯蔵施設に運び込むということでございますので、具体的には市町村御当局ともお話をしていかなければいけないということを考えておりまして、そのための連絡調整会議をまず設けさせていただきたいというふうに考えているところでございます。

 それで基本計画を取りまとめました上で、その基本的な考え方に基づきまして、具体的な輸送のルートでございますとか、先ほどございました輸送の時間帯の考え方でありますとか、そういうものを整理した実施計画を、これはできれば年内にということでございまして、作業を進めているところでございます。

 こういうプロセスの中で具体的な関係者の皆様からの御意見も聞くということは、当然必要なことというふうに考えているところでございます。

石川委員 ありがとうございます。ぜひ丁寧な意見聴取を行っていただきたいというふうに思います。

 汚染された土壌というのは、先ほどのお話だと、二千二百万立米あるということでございました。約八千ベクレルと、それから八千ベクレルから十万ベクレルの間のものに、大体約半分、半々に分けられるというふうに言われております。その上で、放射性物質の減衰を試算すると三十年後には大体この一千万立米ずつがどのぐらいになるのか。試算されていましたら、ちょっとその辺のことを確認したいというふうに思います。

 また、先ほどのお話でございました、公共事業への活用でございますけれども、しかし、これは基準値以下であっても、なかなか使途が限定をされるおそれがあるんじゃないかなと思います。これは、建設関係者、あるいは国土交通省、それから都道府県に対しましても、こういったものをぜひ使ってほしいという理解を求めるような、そういう取り組みが必要だと思いますけれども、今後の方針、お考えについてお尋ねしたいと思います。

三好政府参考人 除去土壌の放射性物質の自然減衰の見込みでございますけれども、先ほど、三十年でおおむね四割程度になるというふうに申し上げました。したがいまして、例えばでございますけれども、八千ベクレル以下のもので考えております一千万立米でございますと、これが全てが最大値の八千ベクレルとしたとしても、それは四割になりますので、三千二百ということでございます。

 実際には極めて薄いものから高いものまで、もちろん高いものは一万を超えるものも出てまいると考えておりまして、そういう意味で、土壌の貯蔵施設は二種類を考えておりますけれども、例えばの例でございますけれども、八千ベクレルとすると、そういった数字にございます。

 それで、今、再生利用につきましては、除去土壌につきましての基準はございませんが、例えば性状が類似する建設発生土につきましては、現状でも、キログラム当たりでございますけれども、三千ベクレル以下のものにつきましては、覆土するなど適切な管理のもと、例えば下層路盤材として再生利用が可能とされているところでございまして、そういう意味で、今申し上げました、例えば八千ということであれば三千二百ということでございますので、難しい点は多々ございますけれども、現実的な課題として対応できるものというふうに考えております。

 ただ、濃度が低いといたしましても、先生御指摘のとおり、抵抗感を感じる方がいらっしゃるということも事実でございまして、そういう懸念の払拭が再生利用の促進には不可欠であるというふうに考えております。

 これは、御指摘のとおり、実際に再生利用資材を使った事業に携わることとなります建設関係の関係省庁でございますとか、関係自治体、さらには関係の事業者の方の理解を得ていくことが必要でございまして、そういう幅広い関係者の理解が得られるように取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

石川委員 ありがとうございます。

 次に質問を進めたいと思います。三十年後の中間貯蔵終了後の跡地利用について、ちょっとお尋ねをしたいと思います。

 なかなか先の見通しはつかないというようなお話でございましたけれども、もう少し私は具体的なビジョンを示した方がいいとも思っております。

 また、用地確保に関しましては、地上権として認めることになったわけでございますけれども、こういった、地権者から国として買い上げたところと地上権として借りたところがありますと、跡地利用にもちょっと不都合な面が出てくるのではないかというふうに思います。

 それともう一つ、これから用地交渉に際しましては、復興庁が、防災集団移転事業の用地取得の際にも、地権者がいなくて、探して、なかなか大変だったという教訓がございます。その中で、用地加速化プログラムを策定したり、実務支援チームを編成したりして何とか加速化につなげたという前例がございますので、ぜひ環境省としてもこういった取り組みを参考にしたらどうかというふうに思いますが、御見解をお願いいたします。

小里副大臣 跡地利用、特に地上権設定の土地との混在の問題について、まずお尋ねでございます。

 中間貯蔵後の施設跡地につきましては、地域の活性化、振興に役立てる必要があります。そのために、魅力ある将来像を国と地元が一体となってつくっていく、その姿勢、また段取りが肝要であると考えております。

 また、御指摘のとおり、国が買い取る土地と地上権設定する土地が混在する場所が出てくると考えられます。

 地上権につきましては、住民説明会等での、先祖伝来の土地を手放したくない等々の強いそういった御意見、御要望を踏まえまして選択肢としたものであります。そのような住民の方々の思いも踏まえた跡地利用につきまして、県、町等とも相談をしながら、有効な利用方策について検討していく必要があると考えております。

 また、地権者の皆様が住所が確定できないといった問題も御指摘でございます。

 先般、両町の双葉町、大熊町の町長さんとお会いしましたときにもその辺のやりとりがあったところでございまして、二千三百名だったですか、そのうち半分弱が説明会に来られて、あとの方々は来られておりません。住所がわからない、また権利がかわってしまっておられる方もいらっしゃるわけでありまして、そういったところをしっかり特定する努力をしながら、進めていく必要があると認識をしておるところでございます。

石川委員 ありがとうございます。

 それでは、時間の関係で最後の質問にいたします。

 今回のJESCOの活用でございますけれども、これによって地域の方の雇用が生じる、あるいは地域の再生、地域活性化につながるという側面もあろうかと思いますので、これについての御見解。あわせまして、帰還困難区域内の復興に関しましては、やはりインフラでありますJR常磐線、常磐自動車道、そして国道六号線、こういったインフラの復興というのも非常に大事でございますので、この整備状況もあわせて政府から取り組みをお伺いしたいと思います。

福山大臣政務官 ただいま石川委員の方から御質問いただきました、中間貯蔵施設の整備等を通じて、地域活性化、地方創生という側面があるのではないかということでございます。

 中間貯蔵事業は、大規模な公共事業としての側面を持ち、同事業の実施により、御指摘のとおり、施設整備や輸送事業の実施に伴う新規雇用などの経済効果などが考えられます。

 今後、環境省としては、改めて、中間貯蔵施設事業が地域の活性化や地方創生にも資するものであるとの認識を持って、県、町とも御相談しながら、中間貯蔵施設に対する理解の促進と整備の推進に向けて取り組んでまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

篠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 JR常磐線の状況でございますけれども、被災をいたしましたいわき―岩沼間百三十三・七キロのうち、約五割の六十五キロにつきましては既に運行を再開しております。

 残り二区間はまだ不通でございますが、そのうちの一カ所、津波被害を受けました相馬―浜吉田間につきましては、今、駅、線路を内陸に移して、二〇一七年春ごろの開通を予定しております。

 また、もう一つの区間は竜田―原ノ町間でございますが、こちらは避難指示区域に当たっております。現在、JR東日本が被害状況の調査をした上で鉄道施設の復旧に向けた設計調査を行うということで準備を進めておりますし、あわせて、代行バスの運行も検討いたしているところでございます。

 以上でございます。

黒田政府参考人 常磐自動車道についてお答え申し上げます。

 常磐自動車道につきましては、現在、高速道路会社が、全線の開通に向けまして二つの区間の整備を鋭意進めているところでございます。

 一つは、福島第一原子力発電所に近い常磐富岡インターチェンジから浪江インターチェンジを経て南相馬インターチェンジに至る区間、もう一つが、福島県北部から宮城県にかけての相馬インターチェンジから山元インターチェンジの間でございます。

 その整備方針でございますが、浪江インターチェンジから南相馬インターチェンジの間及び相馬インターチェンジから山元インターチェンジの間につきましては、平成二十六年十二月六日の開通に向けまして、工事の最終段階に入ったところでございます。そして、残る常磐富岡インターチェンジから浪江インターチェンジの間につきましても、工事の際の線量の管理や被曝防護の措置を徹底しながら工事を進めておりますが、平成二十七年のゴールデンウイーク前までを目標に開通させる予定でございます。

 これらの開通によりまして、常磐自動車道の全線開通を実現し、復興の加速化につなげてまいりたいと考えております。

 以上でございます。

石川委員 ありがとうございました。

 以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。

北川委員長 次に、斉藤鉄夫君。

斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。

 初めに、今回の中間貯蔵施設建設の御了解をしてくださった福島県及び地元二町の皆さんに心から敬意を表します。その敬意の上に立って、日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。

 まず初めに、素朴な疑問なんですけれども、なぜ新法ではないのかという点でございます。

 これまで、東日本大震災復興にかかわるいろいろな法律、それから福島第一原子力発電所事故からの復興にかかわるいろいろな法律、特別措置法という形で新法をつくって対処してきた例が多いわけでございます。目的を書き、国の責務を書き、そして体制を書いていく、こういう法律です。

 今回、この中間貯蔵施設というのは、ある意味で福島復興の大きなマイルストーンになる事業でございます。そういう事業であるからこそ、目的を書き、この事業の意義を書き、国の責務を書き、三十年、最終処分での全面撤去ということも書き、そして附則に、そのためにJESCOを使う、こういうふうな法律になるのかなと予想していたんですが、今回、JESCO法の改正という、手段が目的を振り回しているような、手段と目的が逆転しているんじゃないかなと思うような法体系になったと素朴に感じました。

 この素朴な疑問に対しまして、大臣、どのようにお答えになりますでしょうか。

望月国務大臣 環境に最も詳しい斉藤先生の質問でございますので、我々もしっかりとお答えをさせていただきたいと思います。

 法案に盛り込む事項といたしましては、これまで順次、福島県や地元の町とも調整を進めてきました。その結果、JESCO法の改正を図ることにより、国の責務を明確に位置づける、その上で、中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な事項を講ずる旨規定することを明示して、九月一日に福島県知事から、建設受け入れを容認するという苦渋の決断をいただいたわけであります。

 ですから、地元の理解を得つつ、中間貯蔵施設を安全かつ確実に実施するためには、まず専門性を有すること、それから、かつ、国と一体となって事業を支援する組織が中間貯蔵施設の事業を行えるようにすることが必要であるということでございます。

 そのために、PCB廃棄物の処理を通じたさまざまなノウハウを長年蓄積してまいりましたJESCOの活用が必要であり、新法ではなくJESCO法の改正の中で、追加業務とともに国の責務についても一括して明確化することとした次第でございます。

斉藤(鉄)委員 なぜ新法でないのかということについて、ちょっとまだ明確でないなというような気もいたしますけれども、こればかり議論をしていても建設的ではありませんので、前へ進めます。

 JESCO法の改正の中に、先ほど私が申し上げた趣旨や国の責務、そういうものがしっかり書かれているということで、どっちみち新法をつくっても、附則でJESCOをこれに使うと書いても、JESCO法の改正は、当然、名前が変わったりしますからしなきゃいけないので、二つの法律案よりも一つにまとめた方がいいんじゃないかというような気がしないでもないわけですけれども、この点については今大臣の御答弁で了解をいたしました。

 では次に、これも素朴な質問なんですが、では、なぜJESCOなのかということでございます。

 放射性廃棄物の取り扱いだったら、例えば六ケ所村に低レベル放射性廃棄物を処分する事業をやっている日本原燃という会社もございます。また、独立行政法人として、日本原子力開発機構ですか、そういう独立行政法人もございます。そういうところにやらせないで、JESCO。

 JESCOはPCBの取り扱いでは専門の会社ですけれども、PCBという化学物質といわゆる放射性物質の取り扱いというのは、先ほど酒井先生からいろいろ、似ている点、異なっている点のお話がございましたが、根本的に違うような気もいたします。

 なぜ、例えば放射性物質の取り扱いになれた日本原燃ではなく今回JESCOなのか、こういう素朴な疑問を抱くんですが、いかがでしょうか。

福山大臣政務官 斉藤委員さんの御指摘のとおり、放射性廃棄物処理技術を有する民間会社や独立行政法人が存在することは承知をしております。

 しかしながら、民間会社は、JESCOのような特殊会社に対する強い指揮監督権を国は有しておらず、国が求める期間、法人の業務として中間貯蔵事業が継続されることが法律などにより担保されておりません。また、独立行政法人は、中期目標や厳正な事後評価により、国から一定程度独立して事務を行わしめることをその法人制度の基本的な性格としております。加えて、特殊会社のような包括的な国の指揮監督権もありません。このため、国が責任を持って行う中間貯蔵施設の整備、運用管理などの一部を行わせることは妥当ではないと考えております。

 一方、JESCOは、国が強い指揮監督権限を有する特殊会社でございます。また、これまで九万カ所以上に保管されているPCB廃棄物の処理を通じて蓄積されてきた輸送管理などのノウハウを活用することができます。このため、JESCOを活用することとしたところでございます。

斉藤(鉄)委員 特殊会社の方が国の言うことをちゃんと聞く。独立行政法人といえども、独立という名前がついているぐらいで、国の言うことを聞かない。逆に、これまで独立性を強調するような議論もございました。原燃に至っては、一〇〇%民間で、国の方針は届かないということであろうかと思いまして、その点はよくわかりました。

 私の二番目の質問、放射性物質を扱った経験のないところにさせるということに対しての答えはどうなんでしょうか。

小林政府参考人 先生も御承知のとおり、この中間貯蔵施設、本邦初公開の新しい事業を起こしていかなければなりません。事業の規模が大変大きいことはもう御承知のとおりでございますが、大変複合的なものでございまして、今これから用地を取得していくということが大変重要でございます。

 その中で、まず施設を整備し、それから、きょうも大変議論が出ておりました、輸送というものもございます。それから、その中で、燃えるものについては燃えるというようなこともいたしますし、また土壌の減容化というような新しい技術も開発し実施をしていくという、大変複合的なものでございます。

 そういう意味で、いずれにしても、国がこれは責任を持ってまいりますので、その中で専門組織といったものをいわば手足として使わせていただきたいということでございますが、建設をしっかり管理していくこと、輸送を管理していくこと、焼却ですとか減容化というものを維持していく、それから、最終的には三十年という長きにわたってしっかり天変地異の中でも安全性を確保していくという、大変複合的で難しい事業の集合体みたいなものでございます。

 そういう中でも、専門家も本当にさまざまな分野の専門家がいると思っております。その中には、確かに放射性物質についての懸念というのがございますので、要所要所に放射線の専門家をしっかり、これはどの組織であっても多分新たに来ていただいて、しっかり雇用関係を結んでいくということになると思いますが、そういう複合的なものをやるという中で、この法人の性格、それから経験、これから人的なものを培っていく。

 こういう全体像を見ましたときに、このJESCOというのは一番現実的で、しかも有効な経験、ノウハウが生かせる組織ではないかというような結論に至った次第でございますので、ぜひ御理解をいただければと思います。

斉藤(鉄)委員 専門家をこれから調えるということだろうかと思います。

 JESCOの株式ですが、これまでのJESCO法では、総株主の議決権の過半数、こういうふうに規定されておりましたが、今回の法改正で、会社の発行済み株式の総数。これまでは過半数を国が持っている、過半数を持っていれば基本的に国の指揮監督は十分届くと思うんですが、それをあえて今回、一〇〇%国が株主だ、こういうふうにしたのはなぜでしょうか。

小林政府参考人 今し方、福山政務官からもお答え申し上げましたように、中間貯蔵施設の整備を国が責任を持って行う、その信頼を得ていくということが一番重要でございます。そういう中で、この専門組織を活用してまいりますので、しっかり会社に対する指揮監督権限が及ぶ、それから、会社が安定した形で運営されていく、そういうものを担保するということが重要だろうというふうに考えているところでございます。

 そういう中で、もちろん、国が責任を持ってやっていくということにつきましては、第三条の中でしっかり責務規定も置くわけでございますが、体制の上でも、しっかり国がこれをグリップしていく、指揮監督していくということをあらわす上で、従来、法律上は過半数保有となっておりました株式を、総数保有ということにしております。

 これは、実態上は、御承知のとおりでございますが、従来も一〇〇%株式を保有しておりますし、これからまた新しい事業を起こしていく中でありましても、国が一〇〇%保有するという実態は変えないつもりでございます。

 斉藤先生はもう少し突っ込んだ意味でおっしゃっていると思いますので、やや細かい話になりまして恐縮でございますが、全く形式的に申しますと、一応過半数を握っておりましても、法制度上は、民間が一部株式を保有するという可能性が制度上は残るということになります。そうしますと、たとえ少数株主でありましても、株主総会の招集を要求したりとか、あるいは議題を提案するとか、そういう余地はあるわけでございます。

 もちろん、過半数を持っていれば否決は容易にできるわけでございますが、しっかりした体制をとるということを実態だけではなくて形の上でも示していきたいということで、今回、総数保有というような提案をさせていただいているところでございます。

斉藤(鉄)委員 その点はよくわかりました。

 国とJESCOの業務分担、責任分担はどのようになるんでしょうか。一〇〇%の国の指揮監督のもとに動くJESCOということで、国と一体となって動くということですが、その分担の基本的哲学、考え方だけお聞かせください。

小林政府参考人 繰り返しのお答えになりますが、重要な点でございますので。

 中間貯蔵施設の整備、それから運営管理につきましては国が責任を持って行う、これが一番重要な点だと思っております。これは実態上も、具体的には、国が現地に事務所をしっかり置きまして、それから職員も配置をして、特に用地の取得、施設の整備というようなところをしっかりやっていく体制をとるつもりでおります。

 そういう中でJESCOを活用してまいりますので、これは国の指揮監督のもとで、この会社の専門性あるいはノウハウ、経験を生かすことができるような業務を委託するという形で、しっかり国が指揮監督する中で使っていくということでございます。ですので、具体的に申しますと、施設の運営管理ですとか、輸送の管理というところを委託していくということを考えているところでございます。

 そういう意味では、さっきの、これから展開していきます事業の展開に合わせて申しますと、まず、用地をしっかり取得していきますが、これは住民の方に御理解をいただいてという、大変難しい仕事でございます。国がしっかり頭を下げ、納得を得て買っていくということが重要でございますので、国がしっかりやるということで、会社の動員というようなことは考えていないわけでございます。

 それから、施設の整備も国が責任を持ってやってまいりますが、運営管理、それから輸送のところは、PCB処理などでも、搬入のところについてかなり気を使ってやってきているという実績がございますので、そういうところにつきまして、こういう仕事をということに限定した形で委ねていこう、そういう大きな分担関係の中でやってまいりたいと思っているところでございます。

斉藤(鉄)委員 それでは、最後の質問になりますけれども、先ほど申し上げました、これまで放射性物質を扱ってこなかったJESCOが、これから放射性廃棄物処理技術の専門会社、ある意味では専門会社になるわけでございます。当然、ゼロからの体制の構築ということになりますけれども、この体制構築についての今後の方針についてお伺いをいたします。

小林政府参考人 この法制度を整備していただきました上は、JESCOの社内体制の整備、大変重要な課題であると思っております。

 当然、会社を使っていきます以上、JESCOみずからが、事業に必要な、確実に実施していけるという体制をつくっていく。そのための人員の確保ということも責任を持ってやってもらうというのが基本でございますが、特に放射線防護についての人員の確保、これは、放射線に大変お詳しい斉藤先生が最前から、その辺はしっかりというような御指示だと思っておりますので、即戦力になるような専門職員を、関連の企業ですとか研究機関ですとか、こういうプロがいるところから出向していただく、あるいは採用するというような形でしっかり確保していく必要があるというふうに考えております。

 もちろん、会社に任せるだけではありませんで、環境省としても、この事業の重要性、必要性というようなことももちろんでございますし、さまざまな関連の機関などに対しまして必要な情報を提供していくというようなことでこういったことが進むようにというふうに考えておりますし、こういう形で事業が進んでまいりますと、専門的な知識経験を有する方々の方からの問い合わせなどもあると思いますので、そういうものにもしっかり答えられる体制をつくっていくということで対応していきたいと思っております。

 その背景になる状況といたしましては、環境省としては、もちろん必要な予算を確保するということ、これも国会の御理解も得てしっかりやっていく必要があると思いますし、JESCOの方とタイアップをして、体制整備というものについては万全を期していきたいというふうに考えております。

斉藤(鉄)委員 中間貯蔵事業が住民の皆さんの信頼を得て進むように、我々もしっかり頑張っていかなくてはいけないということを表明して、質問を終わります。

北川委員長 この際、暫時休憩いたします。

    午後零時十三分休憩

     ――――◇―――――

    午後三時四十五分開議

北川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。吉田泉君。

吉田委員 民主党の吉田泉であります。

 早速質問に入らせていただきます。

 総理大臣から福島県に対して、中間貯蔵施設の県内設置、そして最終処分の県外実施ということが一番最初に打診があったのは、震災の年の八月でありました。したがって、もう三年余りたったわけですが、この間、いろいろなやりとりがあって、とうとうこの関係法改正の時期を迎えたと感慨ひとしおでございます。

 地元では、先祖代々の土地を手放さざるを得ないという地権者の苦悩、さらには、午前中も出ましたけれども、仮置き場が七百カ所ぐらいありますが、それ以外に五万カ所を超える現場保管場といいますか、これが県内にあって、それが生活圏にあるわけですから、それに囲まれて多くの県民が生活をしている、そういう苦痛。さらには、その両者の間で難しい選択を迫られてきた県、町村の苦渋。さらには、国の方では、来年の一月からの搬入開始を約束してきたわけですから、そういう責任もある。それらを全部踏まえて、今回さらにもう一歩踏み出そう、そういう法改正だと私は思っております。

 改正の肝は、やはり三十年条項ではないでしょうか。つまり、三十年以内に県外で最終処分を完了する、そのために必要な措置を講ずる、これが国の責務であると法律に明記されました。今後は、国がこれを実行していくという法的な責任があるということでございます。しかし、現実問題は、なかなか地元の方は、本当に三十年以内にそんなことができるのかという、まだこの条項を多くの住民が信じ切っていないという現実もございます。

 そこで、まず冒頭に大臣の方から、この三十年以内という条項を、どうやって国の責務を果たそうとされておられるのか、決意を伺いたいと思います。

望月国務大臣 吉田先生は、今の福島の皆様方、あるいはまた東北の皆様方に思いをはせて、最終処分場は福島の復興のためには何としてもやらなくてはならないが、三十年たったときどうなるのか、あるいはまた、その土地に対してさまざまな思いがあるのにしっかりできるかどうかというような御質問でございました。

 どちらにいたしましても、最終処分場は福島の再生のためには何としても必要欠くべからざるものであって、我々も、国が先頭に立ってこのことは解決をしていかなくてはならない、そういう並々ならない決意は持っているところでございます。

 福島の知事さんが、もとの佐藤知事が、本当に気持ちとしては非常に厳しいものがあるが、苦渋の決断でこれを決めさせていただいた、要するに建設の容認をする、そして、各町長に説明をしてもいいというような、するようにということを御下命いただきました。

 我々は、そういったさまざまな皆さんの、今までこの事故があって、地震があってから三年数カ月の間に、もちろんこれは与野党を問わず、一番最初の民主党の大臣の皆さんが、これは我々以上にもっと苦労したと思います。そしてまた、その後、我が党になりました。しかしながら、そういう今までの皆さんの御苦労の上に、今我々はなすべきことをしっかりとしていかなくてはいけない、そういう覚悟を持っております。そして、中間貯蔵施設をつくらせていただくのには、三十年以内に県外でしっかりと最終処分場をつくる、こういうものを法律に書かせていただいて、その決意のもとに我々はこの問題を進めていきたい、こんなふうに思っております。

 ただ、これからその三十年という期間におきましても、これは段階を踏んでいかなくてはならない。そういう形の中で八段階ぐらいの形というものをつくって進めていきたいなと思いますが、まず第一に中間貯蔵施設、これが進んでいかないと物事が始まらないということでございますので、ここについて、今後我々は、住民の皆様方初め、さまざま、市町村、県、そういった関係者の皆さんと我々も何回もこれから信頼関係を築いていって、そういう中でこれを進めていきたい、このように思っております。

吉田委員 ありがとうございました。

 そういう意気込みできょうからこの法案審議が始まったわけでございますが、何とその当日に、きょうの零時過ぎだったようですけれども、大臣の方で緊急記者会見をされたということです。

 ここで、この委員会の席でも、その記者会見の中身について何点かちょっと確認をさせていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 先ほど本会議場でも出た質問ですけれども、零時という時間に、場所は環境省だったようですが、緊急記者会見をされたと。時間も場所も私はちょっと常識を外しているように思うんですが、時間については先ほどの御答弁で、要するに、とにかく急いでいたんだ、たまたま零時になってしまったんだというお話でしたが、この場所ですね、大臣の政治家としての政治資金のいろいろな問題を説明する記者会見を環境省という役所で開かれた。ちょっと私はやはり違和感があるんです。やはり、これはホテルでもいいでしょうけれども、宿舎とか議員会館とか、そういった施設でやるべきではなかったのかなというふうに思うんですが、なぜ環境省になったんでしょうか。

望月国務大臣 まず、これはマスコミの皆さんにおわびしなきゃならないのは、一応、先ほど本会議の方でも話をさせていただきましたが、午前零時ということになって、皆さんお仕事でお忙しいし、お疲れのところ大変申しわけないなということで会見をさせていただきました。

 我々も、いろいろマスコミの皆さんから、こういうことはないんですかというようなさまざまな御質問を受けておりまして、なるべく早く調査をして、こういったものを皆さんに公表したいということを言っておりましたので、大体私たちのところで精査して、こういう形になったんだなと。ですから、マスコミの皆さん、全員の皆さんにお集まりいただいて言うことがいいのではないかな、一ところ、二ところの方たちに話をするのではなくて、これは一日も早く皆さんに、私の政治資金の問題、政治団体の問題でございますので、お話をした方がいいなという形でこれを発表させていただくことになりました。

 そして、時間的には、実は八時でも九時でも十時でもいいと思ったんですが、大体まとめるとそういう時間になって、お願いをしたら、マスコミの皆さんの方から、実は二時間ルールというのがあって、私もまだ大臣になって浅いものですから、それはよくわからなかったんですけれども、すぐに始めさせていただきたいということにしましたら、カメラとかそういう機材をいろいろ搬入したり、さまざまなことがあるので、これは二時間以上の時間をとっていただきたいと。我々の方は早く来ていただくのは結構ですから、それは結構ですけれども、早く来ていただいても結構です、そういう申し入れをしておきました。

 そして、そういう形になると大体十二時ごろかなというようなことで、では、お集まりになったところで始めますというような形で時間がそういうような形になってしまって、我々もそこら辺は大変申しわけないな、そういう時間になってということでございます。

 それから、いろいろお話を聞いてみると、非常にたくさんのマスコミの皆さんがお集まりになるようだと。こういう形の中で、それだけの皆さんが、ぶら下がりだとか、そういうことにもいきませんし、議員会館の中ではとても入り切れない。物理的なことを考えると、これは環境省の記者クラブのあの場所で皆さんにお集まりいただいて、その機材を、いつもの記者会見をするような形でやっていただければ一番やりやすいのではないかなということで、その場所で開かせていただいたということが事実でございます。

吉田委員 次に参ります。

 この記者会見の最初の部分で大臣の方から御説明があったわけですが、いろいろマスコミの指摘、質問があって、事務所で精査をしたところ、後援会の収支報告の一部に事実と異なる記載があった、それを御報告したいという大臣の文言、コメントがございます。

 事実と異なる記載ということですから、端的に言えば虚偽の記載、事実と異なる記載ですから、そういうふうに受け取っていいんじゃなかろうかと思うんですが、一方で、大臣が言っておられるのは、法令上違反しているとは思っていないんだ……(発言する者あり)

北川委員長 静粛に。

吉田委員 ということも言っておられます。

 なぜ、誤った記載をしたということが政治資金規正法の十二条に違反していないのか、そこがよくわかりません。

望月国務大臣 この記載についてはミスがあったということで、我々は記載ミスを訂正したい、そういうことでございます。

 それで、これについては、実は県の選管の方に記載ミスを直させていただきたいというお話をさせていただきました。そうしましたら、県の方では、既に五年たって、もうこれは、三年以上のものは残らないというような形でございまして、そういう形でミスを変えることができなかった。そういうようなことで、これは結局は不可能という形になりますので、我々としては、申し込んで、記載ミスをすぐに直させていただきたいということが実質的にはできなかった、そういうことでございます。

吉田委員 事実と異なる記載、もしくは記載ミス、いずれにしても虚偽の記載になってしまったから訂正をされようとしたのではないんでしょうか。虚偽の記載という認識は、どうして大臣にないんでしょうか。

望月国務大臣 事実と異なる記載がなされていたということでございますけれども、これについては、私は、大変遺憾であった、このようには思っております。

 しかし、現在の関係政治団体では適正に収支報告がされておりますが、当時のことを考えると、実は、私の家内が実質的に会計を担っておりまして、私の事務の者たちがそれを手伝っていたというような形で、そういう中で実は報告をさせていただいておりました。

 そして、その報告に記載ミスがあったということで、我々としてはすぐに県の方に、先ほど申し上げましたように、訂正を申し入れました。しかし、詳細を私の家内がつくっておったものですから、そういったことで、私としては、献身的な、私を三十五年以上ずっと支えてきてくれて、そして急逝をちょうどその年に、私が選挙に負けて野に下っていた年に亡くなりまして、そして、そのときに私たちの事務所のほとんどの人を解雇したということもございました。

 それで、私の家内が後援会のお金を後援会のために使っていてくれたというような形の中でありましたが、実際にはそこに記載ミスがあったということで、そのことについて、今、家内にそれは一体どういうふうだということが聞けることができないというのが実際でございまして、少なくとも、しかし、そういう記載ミスがあったとすれば私としては遺憾に感じるところでございまして、県の方にそういうような記載ミスを申し入れた、そういうことでございます。

吉田委員 大臣、記載ミスとおっしゃいますけれども、同じ記者会見の中で、当時、この種の支出、つまり賀詞交歓会とか新年会に関する支出というのが社会的に批判されていたこともあり、そのまま計上することを妻がはばかったという認識を大臣は示されておられます。はばかったということは、意図的にこの収入を載せなかった、もしくは意図的にこの支出を載せてしまった、何か意図的なところがあったという理解でよろしいんでしょうか。

望月国務大臣 今先生おっしゃったように、収支報告書に事実と異なる記載があったことは事務所の調査でわかりました。しかし、それ以上の調査は、経理をしていた家内が他界したため事実関係が確認できない、そういうことでございまして、私は、御質問の法令違反の成否については、よくわからないというのが事実でございます。

吉田委員 法令違反の是非についてはよくわからないという今お話だったですよね。

 もう一つ確認ですけれども、後援会が本来払っていない、本来ならば実行委員会の方で受け払いをしているお金を、後援会のお金として計上してしまったわけですよね。これが賀詞交歓会とかゴルフ場、四年分で七百四十二万円という合計額になります。

 そうしますと、私が聞きたいのは、後援会の毎年の繰越残高です。しばらく前の四年間で七百四十二万円、後援会が支出していないにもかかわらず支出してしまったと、帳簿上は、報告書上は書いたということは、実際のお金と帳簿のお金、報告書の繰越残高が、七百四十二万円だけ帳簿の方が低いんじゃないでしょうか。しかし、これは事実と違うわけですから、その四年間の後の年度に、ずっとその後も虚偽記載が、残高が間違っているという意味での虚偽記載が続いているというふうにも考えられるんですが、いかがでしょうか。

望月国務大臣 平成二十年、二十一年、このときの後援会、今の賀詞交歓会の問題でございますけれども、その後、先ほど申しましたように、私の妻が急逝いたしました。本当に、私、亡くなったときに、女性の力ってすごいなと思ったのは、私は通帳も判こもどこにあるか全然わからないというような状況で、しばらく全く銀行からもお金をおろせないというような大変なことで、そういったものも全て私の家内がやってくれていたという事実がございます。

 それで、その後、私が選挙を落選して、そして、その間も家内はずっと支えていてくれたんです。そして、その後急逝をいたしました。それが十二月の三十日に亡くなりまして、正月に私は葬式をやったわけでございますが、そして、そういう中で、私のところのもとの従業員もほとんどやめていただくというような形になりまして、その後、私が復活当選をして、その間に私の家内は亡くなりましたけれども、それから後は新しい人間がこれを全て経理をして、こちらの方ではそういう状況はないことは確認をしております。しかしながら、しっかり気をつけるようにという形で指導は今回しております。

 それで、そのときのことでございますので、私の家内がそういうような形の中で、支出が一体どうなったかということを聞くわけにはいきませんけれども、その手伝いをしていたというような従業員等に話を聞いたところ、実質的には後援会の活動費として、実は、会費だとか、それからまた会合費、そういったものは後援会の活動としては使えるわけでありますけれども、そういったことが二十年、二十一年の会計の中には、二十一年ですか、わかっているのは。二十一年はそれが計上されていないということでございました。

 ですから、その当時、社会的にそういう、国会議員が会合費とかそういうものに領収書を出すのはいかがなものかなということを多分おもんぱかって、ちょうどその賀詞交歓会のつけかえをして、そこで一括して上げてしまったというような金額とほぼ一致するものですから、実際には使った領収書を一つ一つ上げれば問題はなかったと思うんですけれども、そこに一括して上げてしまったということではないかなということが我々が調べた結果でございます。

 しかし、実際のところは、今さら家内に、どうしてこういうことになったんだということを聞くことができないので、実際にはわかりませんけれども、どうも調べてみるとそういうことだったんだなということで、これはやはりミスであったということで、私は選管の方にその申し入れをしたというような形でございます。

吉田委員 ちょっと繰越残高の件で質問をしたつもりだったんですが、次の論点に行きたいと思います。

 大臣は、この賀詞交歓会というのは実行委員会でやっているんだ、したがって収支報告の義務はないんだということを盛んに言っておられるんですよね。

 それで、ちょっと確認ですけれども、この賀詞交歓会の正式な名称、そして主催者はどなたなんでしょうか。

望月国務大臣 この名称は、望月よしお後援会新春賀詞交歓会というような名前を実行委員会が使ってやっております。そして、どうしてこういうことの名前になるかといいますと、これは、後援会以外の人の参加が多く見込まれるような会は、参加者から徴収した参加費で支出を賄うことになっております。この会は、大体千八百人から二千人近い方なんですけれども、そして二千円の会費をいただいて、実行委員会に聞くと、とんとんでやっているからというような話は聞いております。

 それで、望月よしお後援会新春賀詞交歓会とされておりますけれども、賀詞交歓会の性格上、後援会以外の者が多く見込まれるというような形になっております。ですから、参加者から徴収した参加費で支出を賄っていることから、有志による実行委員会が開催者となっております。

 なお、これについて、その形をどうしてとったんだという今お話がございますが、後援会以外の方が多く参加する、参加費を負担する会の収支を後援会に計上することは、後援会設立の目的外と指摘される可能性がありますので、こうした疑義を避けるためにも実行委員会で行うこととしていると承知をしております。

 いずれにしても、こういうような形、名称については実行委員会で決めていたものでありますけれども、今後、後援会の事業と誤解を受けないように実行委員会の方に注意を喚起したい、このように思っております。

吉田委員 望月後援会賀詞後援会という名称だと。そして、その主催者については、これは記者会見のときの大臣のコメントですけれども、どのような人たちが主催したんでしょうかという質問に対して、後援会の方ももちろん重なっている部分もあると思いますということをおっしゃっていますよね。

 きょうは総務省に来ていただいていると思いますので、ここでちょっとその確認ですが、ひょっとしたら、この賀詞後援会、実行委員会でやっているとおっしゃいますけれども、実態は後援会でやっていた可能性もある、私も断定はできませんが、可能性はあるんじゃないかというふうに思います。

 実行委員会ですと収支報告の義務はないですけれども、後援会なら政治団体としての報告義務がある。実態はそうにもかかわらず、実行委員会だと称して政治資金報告をしないというのは、ある意味じゃ、この法の趣旨を逸脱する、脱法的なことにつながらぬかなと思うんですが、実行委員会形式でいろいろな後援会の事業をやるということに関して、総務省の方の見解はいかがでしょうか。

時澤政府参考人 お尋ねの賀詞交歓会実行委員会あるいは後援会についての実態に関する判断も含めまして、個別の事案につきましては具体の事実に即して判断されるべきものと承知しておりまして、総務省としては、実質的な調査権を有しておりませんので、具体の事実関係を承知する立場にはございません。

 したがいまして、あくまでも一般論として申し上げますと、政治資金規正法におきましては、政治団体の会計責任者は、毎年十二月三十一日現在で、その政治団体に係るその年の全ての収入、支出、資産の状況等を記載した収支報告書を作成し、都道府県の選挙管理委員会または総務大臣に提出しなければならないとされているところでございます。

吉田委員 私は、実行委員会形式で形だけ整えれば収支報告しなくていいんだということが認められるとなると、これはほとんど法律で政治資金を規制する意味がなくなってしまう。あくまで法律上は、表面上は実行委員会でやったとしても、これはきちんと政治団体の報告の中に入れるべきだ、そういう何か法律解釈をした方がいいんじゃないかなと思います。

 もう一つ、別な点を伺います。

 先ほどから、亡くなった奥様のお話が出ておられます。この方が事務所の実質的な経理を担当されていたということでありますけれども、形上は、奥様はどういう立場だったんでしょうか。

望月国務大臣 形は、もちろん経理をさまざま実質的にやっていたということでございます。

 そのことについては、事務のさまざまな皆さんと、お話を聞いたりして、そして私の家内が実質的にそれをやっていたということでございます。

吉田委員 実質的にやっていられたということは、形式上は別な方が後援会の会計責任者になっておられて、そして収支報告書に判こを押したということだと思います。

 ただ、今のお話ですと、実質は奥様だとなると、その形式上の責任者は、単に、名義借りといいますか名義貸しといいますか、そういうことになるのではないかというふうにも思われます。その方の判こで報告書を出すということは、これはやはり法律違反の可能性があるんじゃないかと思うんですが、その点はいかがでしょうか。

望月国務大臣 実質的といいますか、経理の実務は家内がやっておりました。会計責任については、責任者の方、収支報告を確認した上で判こを押していただいているということになっております。

 ですから、そういうことで、非常に、実質的には見ておりますが、今回のことを、事態を重く受けとめ、昨日、辞任する、そういうような責任をとるといいますか、そういう形の中で辞任をさせていただくと。そういったものは見ておりましたけれども、そういうような道義的に責任を感じて辞任するとの申し出がなされておるところでございます。

吉田委員 私は、しばらく前の時代に、奥様が御存命で実質的な会計責任者でやっておられて、それで別な方が名前だけ、その後援会の会計責任者としての名義貸しをしていたんじゃなかろうかという質問でございます。

 いろいろ今お尋ねしましたが、結局、私は、政治資金規正法のやはり、ミス記載と大臣はおっしゃいます、誤った記載とおっしゃいますが、その法律に触れる記載をしてしまったというふうに思います。

 その罰則がこの第二十五条で決まっておりまして、これは、五年以下の禁錮、百万円以下の罰金、こういうことでございます。さらに、刑事訴訟法の方に行きますと、時効の問題ですね。時効がもう完成しているかしていないかという問題ですけれども、刑事訴訟法の二百五十条を当たりますと、この場合は長期十年未満の懲役または禁錮に当たる罪、こちらは五年以下ですが、これに該当するということでありまして、これは時効は五年だというわけです。

 そうしますと、先ほど、四年分のミス記載があったということですけれども、一番最初のミス記載が平成といいますか二〇〇八年ですよね。二〇〇八年、賀詞交歓会の最初の問題が出てきたのは二〇〇八年ですが、これは二〇〇九年に報告を出されているんでしょうから、そこから時効がスタートするとなると、二〇一四年、ことしの春ぐらいにはもう時効が完成しているというふうに思います。

 ただ、残りの三年分についてはまだ時効は完成していないと私は推定をいたしております。そうしますと、奥様は亡くなられましたけれども、会計責任者ないしは後援会の代表に対して刑事告発ということも場合によってはあり得る、まだ時効が完成しておりませんので、という状況だ、今現在は、そういうふうに思います。

 ここで問いたいのは、やはり大臣の責任問題でございます。

 後援会は全く別な人がやっているわけではありますが、これは大臣の後援会であって、そこのミス記載、誤った記載に対して刑事告発がなされるというようなことがあれば、その可能性があるということであれば、私は大臣の職にかかってくる責任問題ではなかろうかと思うんですが、いかがでしょうか。

望月国務大臣 あくまでもこれはミスということでございまして、我々は、県の選管の方に、ミスの訂正をさせていただきたいと。ところが、今時効の話がございましたが、ミスの記載という形でいきますと、三年以上の、それよりも先のものについてはこれは訂正のしようがないということで、不可能ということになりました。

 しかしながら、我々はそういう訂正のことには大変遺憾に感じておりますけれども、しかし、使途については、私の家内、我々も口を酸っぱくして、さまざまな問題でしっかりとした形でやっていこうというような形で全て任せてはおりましたけれども、実質的なものはやっておりましたけれども、私の家内が三十五年も、私が地方議員のときからずっと支えてきてくれた家内を信じて、そういうような形のことで不正なお金の使い方はしていないと信じておりますが、どちらにいたしましても、家内が他界をしてしまっていて、その内容については聞き及ぶことができません。

 そして、私は、後援会の方たちには応援をしていただいておりますが、私が会計責任者でないということでございまして、私自身がその責任ということになりますと、これは、皆さんもそれぞれ後援会をお持ちの皆さんでございますから、そういったことで、さまざま応援していただいている皆さんの期待を担って、この国政でそれぞれの皆さんが重大な仕事をしていただいているということでございまして、そちらについての責任については、我々は、自分自身では、ないと思っておりますし、今後とも、何としても、国政に送っていただいた以上はその責務を全うしていきたい。

 特に、環境省は、今、本当に重要な福島の問題それから東北の問題がございますので、一日も早く、皆さんの御協力をいただいて、これを一歩でも進めていきたい、そういう気持ちで頑張っていきたい、このように思っております。

吉田委員 ミスだった、任せていた、責任はないというようなお話がございましたが、私は、ちょっと大臣としては、この政治資金規正法を守るという遵法精神に著しく欠けているのではないかというふうに感じたところでございます。

 この問題はまた引き続き勉強してまいりたいと思いますが、ここで、資料請求ということで、何か記者会見でも出ていましたけれども、三年以上たっていますけれども、二〇〇九年の報告書も控えが事務所の方にあったというようなこともございますので、それも含めて、該当する年の後援会の報告書、さらには、法定の帳簿がつくられて、会計帳簿が、備えつけなければならないという帳簿があると思いますから、その帳簿、さらには、賀詞交歓会の案内状とか式次第、そういった関連の資料も委員会の方に提出を願えればと思います。

北川委員長 ただいま吉田泉議員から要求のありました資料等の提出につきましては、後日、理事会で協議をいたしたいと存じますので、御理解をいただきたいと思います。

吉田委員 それでは、ちょっと話は戻しますけれども、今回の法律の改正の肝が、三十年以内の県外最終処分ということでございます。

 きょう午前中に参考人質疑等もございました。やはりそこでも議論になりましたけれども、どうやって三十年以内に最終処分を目指すのかといった場合に、いかに技術開発をして、放射性物質を効果的に分離して、濃縮して、そして残りの土壌等を再生利用する、その技術にかかっているというようなお話もありまして、私も、まことにそのとおりだろうというふうに思います。

 今までも、環境省としては、除染技術実証事業等でいろいろ国内外の技術提案を受けてこられたと思うんですが、その技術を評価して採択するというときには、真っ当な科学的な知識そして公正な姿勢というのが当然ながら必要であります。余り偏った姿勢で環境技術に対応するということでは困ってしまいます。

 そこで、この環境技術に対する姿勢ということで、今度は高橋大臣政務官に何点かお尋ねしたいと思います。

 せんだって、高橋大臣政務官とEM研究機構グループが大変深い関係にあるという報道がなされました。

 私は、このEM菌自体の有効性については、学界の中ではいろいろ議論があるようですが、それに触れるつもりはございません。今申し上げたように、政務官としての環境技術に対する姿勢をきょうは確認したいということでございます。

 まず、高橋政務官とEMグループの関係を、これは事実関係をお伺いしたいと思います。

 その研究機構自体、もしくは関係する会社、NPO、いろいろなそういうEMのグループの中で、政務官のお立場は、過去、現在、どういうものであったのか、あるのか、お聞かせください。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 政務官としては、EM関係グループとは一切関係はございません。交流をしておりません。

 以上です。

吉田委員 質問をかえますが、政務官ということじゃなくて、高橋ひなこさん個人としてどういうお立場におられるのかという質問です。

高橋大臣政務官 ただいま政務官として環境行政をサポートするために邁進しておりますので、個人としての答弁は控えさせていただきます。

吉田委員 ちょっとよくわからないですけれども、私の質問の趣旨は、環境政務官として公平な環境技術に対する対応をしてもらわなくちゃいけない、それが眼目ですよね。それで、個人的であろうと何であろうと、今、現実問題、こういうことをやっておられるんだということは言っていただいていいんじゃないでしょうか。

高橋大臣政務官 お答えいたします。

 政務官としてそういう関係グループとの交流はございません。そして、立場を踏まえまして、慎重に対応をさせていただいております。

 以上です。

吉田委員 もちろん、政務官としてEMグループとおつき合いするということはないと思いますよ。ただ、例えば議員連盟の事務長さんもされているというふうに伺っておりますが、そういうことを言っていただければいいんじゃないですか。

高橋大臣政務官 微生物関係の議員連盟の事務局長をしておりますが、幹事長に事務局長を変更していただきたいという申し入れをしているところでございます。

吉田委員 ちょっと質問をかえますが、議員連盟の事務局長交代を。今までも事務局長、今現在はされておられるということですよね。

 議員連盟の事務局長ということは大変な重職だと思いますが、高橋さんとしては、このEM菌のどの部分を評価されておられるのか。いろいろあります、地球温暖化に有効だとか、農業の生産、食物の安全、いろいろ私も聞いてはおりますが、どの部分を評価して議員連盟の事務局長さんをされておられるのか、そこは言っていただけないですか。

高橋大臣政務官 お答えいたします。

 政務官としての活動をしておりますので、個人の見解は、恐縮ですが控えさせていただきます。

吉田委員 それでは、そういう御姿勢ですので、ぜひ政務官として、特定の、EM菌というのは、株式会社だと思います、会社として、営利企業としてやっておられるところですので、そこも十分に慎重に、ひとつ政務官として働いていただきたいということを申し上げます。

 それから、関連ですけれども、高橋さんが岩手一区の自民党の公認候補に数年前になられました。つまり、岩手一区選挙区の支部長になったというときに、岩手一区選挙区支部と、それからこのEMの関係会社、関連会社だと思いますが、あーす合同会社というのがあって、今もありますが、この二つが同じ場所に同居していたという事実がございます。これが三年か何年か、そのぐらい続いたと思います。

 そうしますと、そのときに、自動車だとかコピー機だとかは当然共用されたんだろうと思いますが、その共用についてのお金のやりとりはいかがだったんでしょうか。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 同居は一切しておりません。金銭のやりとりは全くございません。

 以上です。

吉田委員 今、二つのことをおっしゃいましたが、一つ目は、同居はしていないと。同じ住所にいたことはないということですか。

 私の方の調べですと、岩手県盛岡市の中央通でしたか、その二つの、今申し上げた組織の住所が同じ時期が三年ぐらい続いているように資料には書いてありますけれども、同居はしていないというのは、住所は同じではあるが同居はしていないということなんですか。そこをちょっと説明していただけますか。

高橋大臣政務官 住所が御一緒という指摘ですが、登記上、四つの住所がありまして、別棟のところになっております。四つの場所で、駐車場、それから別棟のお宅、そして私がおります家というふうになっております。

 ですので、一切、同居また同じ物の共有はございません。

吉田委員 一方で、これは何年か前の参議院選挙のときだったのですが、その「あーす」の自動車、コピー機に対して自民党の岩手の支部の方でお金を払っていますよね。選挙のときにお金を払っていませんか。ちょっと……

北川委員長 吉田泉委員、質問であれば、高橋政務官、答えますが。

吉田委員 選挙のときに、総支部から「あーす」へ使用料としてお金を払ったことはないんですか。

高橋大臣政務官 お答えいたします。

 ございません。

吉田委員 ちょっとその事実確認、我々も急な話で勉強したものですから、そこは、では、追って、よく確認した上で、また機会を見て御質問したいと思います。

 確認しますが、そうしますと、岩手一区支部とあーす合同会社は、同居したこともなく、自動車やコピーを共用したこともなく、金銭のやりとりをしたこともなかったということを確認してください。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 一切ございません。

吉田委員 ありがとうございました。我々も、引き続いて勉強したいと思います。

 いずれにしても、大臣に改めて御確認いたしますけれども、このEMだけじゃなくて、これからの環境行政、環境技術というのをどうやって評価して採択していくかという大きな問題がございます。高橋さんの状況については、ちょっときょうの質疑では明らかになりませんでしたけれども、一般論として、公平公正な環境技術政策をやっていくんだというお気持ち、決意を聞かせていただきたいと思います。

望月国務大臣 吉田先生の御指摘でございます。

 我が国は、高い競争力を持つ環境技術の水準をこれからまだまだ引き上げていかなくてはいけない。そういうことでございまして、環境研究、技術開発や環境技術の普及をより一層推進する必要がある、このように思っております。

 そのため、環境省では、環境技術の研究開発に当たっては、企業や大学などさまざまな主体から提案を公募しております。そして、第三者による厳正な技術評価を行うなどの方法をとっております。これにより、中立性、公平性を確保しつつ、しかし、研究開発内容の科学的妥当性を精査することとしております。

 環境省といたしましては、引き続き、こうした観点に留意しつつ、環境技術の研究開発をしっかりと進めていきたい、このように思っております。

吉田委員 それでは、JESCO法の方に入りたいと思います。

 今回の法改正で、JESCOの組織、人材を活用しようということでありますけれども、そのJESCOの役割の中に研究開発という文字も入っております。それ以外に、そもそもの、処理して保管することとか、そういうこともJESCOが当然、輸送についても統括センター的な役割を担うというふうに聞いておりますが、いろいろ役割が期待されておるところでございます。

 先ほど申し上げました減容化に関する技術開発、これが今後三十年間の一番の肝であろうというふうに私も思っているところなんですが、この技術開発を、これも当然、国が中心になって、JESCO、その他の関連機関と連携しながらやっていくということだろうと思うんですが、どういう具体的な体制をつくってやっていこうとされているのか、お伺いします。

三好政府参考人 お答え申し上げます。

 最終処分に向けましては、特に減容化の技術開発が非常に重要でございまして、これをしっかりと進めてまいりたいというふうに考えております。

 最終処分につきましては、地元と御相談をさせていただく中で、中間貯蔵施設受け入れの過程の中で八つのステップで進めていくということを明らかにしていまして、その中で、まず第一に、研究開発と技術開発を進めていくということをさせていただいているところでございます。

 まずは、内外の知見を集積いたしまして、最終処分に向けた方向性を明らかにしつつ、また、中間貯蔵施設内に具体的な研究施設を設けまして、具体的な研究を進めまして、一刻も早く技術を確立し、最終処分の具体的な方策を検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。

吉田委員 環境省の資料によりますと、資源化を目指す土壌及び焼却灰、約一千万立米から二千万立米という目標が掲げられております。全体として、多くてもこの中間貯蔵量が二千二百万なわけですが、そのうちの一千万から二千万は資源化するんだ、最終処分には持っていかないんだというふうに読み取れるんですが、そう読んでいいのか、どうしたか。

 つまり、最低でも一千万は資源化するぞ、できれば二千万ぐらい資源化して、残りの二百万程度を最終処分するんだ、こういうふうに読んでいいのかどうか。お願いします。

三好政府参考人 お答えをいたします。

 中間貯蔵施設への搬入見込み量でございますけれども、現在の除染実施計画等に基づくものといたしまして最大二千二百万立米を想定いたしております。これは大半が土壌でございまして、おおむね二千万立米ぐらいは土壌ということでございます。

 このうち一千万立米につきましては、最高値で八千ベクレル・キログラム以下ということでございますので、放射能の自然減衰を考えますと、三十年で四割程度に下がるということでございます。最大が八千ということでございますので、仮に全てのものがその最大値であったとしても、三千ベクレル程度には下がるということでございますので、これは当然有効に再生利用できるものだというふうに考えております。

 残り八千ベクレル以上のものにつきましても、技術開発を進めまして減容化をいたしますことによりまして、低レベルの土壌というものをつくり出すことによりまして、その部分も大宗は再生利用に向けたいということでございまして、そういう意味で、二千万立米を対象に減容化技術の開発を進め、最終処分の方向性を見出していきたいというふうに考えているところでございます。

吉田委員 そうしますと、最大目標二千万を再生可能ということであれば、二百万ぐらいしか最終貯蔵の必要がなくなる。二千二百万と二百を比べると、十分の一ぐらいになる。そういう事態になれば、福島県民も含めて、最終処分を県外へという可能性を実感できるというふうに思います。

 そのときの、その残った二百万立米の放射能の濃度はいかがでしょうか。

三好政府参考人 お答えを申し上げます。

 今、私ども、二千万立米を対象に減量化をしていきたいということで申し上げておりますけれども、まだその技術は、これまでも累次御答弁させていただきましたとおり、プロトタイプのものはございまして、午前中の酒井参考人も、技術としては有望性があるというお話でございましたけれども、それを実際に現実のものにして大量のものを具体的に減量化することによりまして、反面、濃度の濃い部分が出てまいるものですから、それが一体どれぐらいの量になって、どれぐらいの濃度になるかを現時点でお答えすることは難しい状況にございますので、その点、御理解をいただければというふうに考えております。

吉田委員 これも環境省の資料に書いてあったと思うんですが、片一方で、低レベル放射性廃棄物というのが、各原子力発電所から出てくるのがあります。これを今、埋却処分というんですか、土に埋めているということだと思うんですが、そういう処分をしていいという限度が一キログラム当たり一千億ベクレルだ、こういう報告を受けました。

 今の局長の答弁で数字は出てこなかったですが、この一千億ベクレルと、何かとてつもないような数字なんですが、我々が中間貯蔵で最終的に残るという二百万は、どういうオーダーなんでしょうか。数十万ベクレルというふうにも聞いておりますけれども。

三好政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず、大半は十万ベクレルを下回るというふうに考えておりますが、逆に言いますと、分級をしていって高濃度のものをつくり出すということでございますので、それはどのあたりまで技術が進むかということにもよります。

 ただ、今先生御指摘のとおり、例えば第二種廃棄物埋設の事業に係る規則の上での上限濃度は、セシウム137で一千億ベクレル・キログラムということでございます。ただ、実際上、日本原燃の方の事業の御申請は約四億ベクレル・キログラムということになっております。それで、この四億ベクレル、キログラム当たりでございますけれども、これよりは有意に低いという状況になるということは見込んでいるところでございます。

吉田委員 量的にも質的にもそういう状況が実現できるとなると、相当この感覚が、我々のイメージも変わってくる。ぜひそういう方向で努力を願いたいと思います。

 福山政務官でよろしいですか。土地の交渉が今後始まります。地権者が二千三百人余りおられる。そこで、説明会の案内を今出して、一通り説明会をやったわけですが、発送できない、つまり住所がわからない、もしくは相続手続が未了で誰に出していいかわからないという案件、件数が一千件あるというわけですね。地権者全体二千三百ですから、その四割ぐらいになりますか、の方が住所不明等で説明会の案内も出せない、つまり交渉ができないという状況だと思うんですけれども、面積を考えても相当な割合の方がなかなかつかまらないという状況だと思うんですが、その対策を今どう考えておられるか。

福山大臣政務官 吉田委員の御質問に答えたいと思います。

 現在、登記記録に記載されている所有者の戸籍簿や住民票などを取り寄せ、登記名義人が存命か否かを確認し、存命の場合は現住所の確認作業を進めているところでございます。権利者の方がお亡くなりになっていた場合には、さらにその相続人の方の戸籍簿などを取り寄せ、相続人を確定する作業を鋭意進めております。

 権利者の方が特定できたところから順次連絡をとり、戸別訪問などを含め、個別の地権者の皆様に丁寧に説明を行っていくこととしております。どうぞよろしくお願いいたします。

吉田委員 そろそろ時間ですので、もう最後にしますけれども、きょうは総務省にも来ていただいておりますが、住民票の問題です。

 もしその地権者が希望する場合は、現在の住民票をそのままにしてよろしいという措置がとられるということでありますが、これは法律でいうと、住んでいないところの現住所を認めるということですから例外的な扱いになるのかなというふうに思うんですが、どういう措置をとってそれを法的に保障していただけるのか、そこを聞かせてください。

時澤政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、大熊町、双葉町の住民の方でございますが、原発事故に伴い同町が帰還困難区域等に指定されておりますので、やむを得ず避難先の市町村において避難生活を送っておられる。これに基づきまして、同町に住み続けたいという意思が認められる方につきましては、同町が住める状態になれば戻るということを前提に、同町に住所がある、現在こういう取り扱いをしております。

 このような方々の中には、中間貯蔵施設の建設予定地内の土地に住所があるという方もあるわけでございまして、今回の住民票の取り扱いにつきましては、そうした方々が、当該土地が国へ売却された後にも基本的に従前と同様の避難生活を続けておられて、引き続き、大熊町、双葉町の町内で転居して住みたい、もとのところじゃなくて転居してもとのところに住みたいという意思がある、にもかかわらず、大熊町、双葉町が帰還困難区域に指定されて実際上は転居できないということでございますので、大熊町内、双葉町内の転居希望先に住める状況になればそこに転居するということを前提にいたしまして、当該転居希望先が帰宅困難区域等に指定されているまでの間、これにつきましては、その方の現在の住民票はそのままにしておけるという取り扱いにしようというものでございまして、この取り扱いにつきましては、現行制度を前提にした、運用上の、いわば解釈運用により行おうとするものでございます。

吉田委員 ありがとうございました。終わります。

北川委員長 次回は、来る三十一日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十七分散会


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