衆議院

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第5号 平成26年10月31日(金曜日)

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平成二十六年十月三十一日(金曜日)

    午前九時一分開議

 出席委員

   委員長 北川 知克君

   理事 石原 宏高君 理事 泉原 保二君

   理事 平井たくや君 理事 牧原 秀樹君

   理事 盛山 正仁君 理事 近藤 昭一君

   理事 河野 正美君 理事 斉藤 鉄夫君

      穴見 陽一君    井野 俊郎君

      井林 辰憲君    井上 貴博君

      伊藤信太郎君    石川 昭政君

      小倉 將信君    川田  隆君

      小林 史明君    末吉 光徳君

      助田 重義君    高橋ひなこ君

      福山  守君    藤原  崇君

      福田 昭夫君    吉田  泉君

      井上 英孝君    小熊 慎司君

      大熊 利昭君    新原 秀人君

      林  宙紀君    浮島 智子君

      田沼 隆志君    野間  健君

    …………………………………

   環境大臣         望月 義夫君

   復興副大臣        浜田 昌良君

   環境副大臣        小里 泰弘君

   環境大臣政務官      高橋ひなこ君

   環境大臣政務官      福山  守君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   鎌形 浩史君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            三好 信俊君

   参考人

   (東京電力株式会社代表執行役社長)        廣瀬 直己君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月三十一日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     末吉 光徳君

  井林 辰憲君     川田  隆君

  大熊 利昭君     井上 英孝君

  新原 秀人君     小熊 慎司君

同日

 辞任         補欠選任

  川田  隆君     井林 辰憲君

  末吉 光徳君     赤枝 恒雄君

  井上 英孝君     大熊 利昭君

  小熊 慎司君     新原 秀人君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案(内閣提出第五号)


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     ――――◇―――――

北川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、参考人として東京電力株式会社代表執行役社長廣瀬直己君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君、環境省総合環境政策局長小林正明君、環境省水・大気環境局長三好信俊君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

北川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。福田昭夫君。

福田(昭)委員 おはようございます。民主党の福田昭夫でございます。

 本日は、日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案等にかかわる問題について質問をいたしますので、望月環境大臣以下、官僚任せにせず、大臣、副大臣、それぞれ簡潔にお答えをいただきたいと思います。

 東京電力福島第一原発事故から三年七カ月がたちました。福島県の人口は八万人以上減少し、避難者は今も十二万人を超えております。福島の復興なくして日本の未来なし、放射性指定廃棄物の集中管理なくして日本の未来なし。福島の復興なくして日本の未来なし、放射性指定廃棄物の集中管理なくして日本の未来なし、そうした観点からきょうは質問してまいりますので、よろしくお願いを申し上げます。

 初めに、中間貯蔵施設等にかかわる対応について伺います。

 一つ目は、用地補償額についてであります。

 環境省、復興庁が本年八月八日以降に発表した「中間貯蔵施設等に係る対応について」の用地補償額については、公共用地の損失補償の基本的ルールのもとで、できる限り最大限の補償を行う、こう書いてありますけれども、今回地権者の皆さんに取引締結時での価格を提示したことは、最大限の補償を行うという考え方に沿っていますか。大臣からお答え願います。

望月国務大臣 福田先生のおっしゃったように、まさに福島の復興なくして我が国の再生はない。これは、我々、本当にそのことを心に重く受けとめてしっかり環境行政を頑張っていきたいな、このように思っております。

 ただいまの質問でございますが、土地価格については、公共用地補償のルールに基づいております。中間貯蔵施設という公共工事の実施でありますので、これは地権者の皆様方から御提供いただくことになる土地の価格を補償するということになります。

 この土地の価格でありますけれども、復興が完了した将来の姿も考慮しつつ、土地利用制限の期間や需給の回復程度等の価格形成要因を勘案して、契約時点での価格を、不動産鑑定士により、鑑定評価額を踏まえて算定をさせていただいているところでございます。

福田(昭)委員 とても最大限の配慮をしたとは思えないんですね。だから、地権者に対する説明会を行ったところ、反発が大きいわけでしょう。これから地権者の皆さんの御理解をいただかなくちゃならないのに。

 環境省がつくった公共用地の取得に伴う損失補償について、これを見ると、どうも、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱、この第三条のみ強調しているんですね。第三条はあくまでも基本的な原則をうたっているわけでありまして、「土地等の取得又は土地等の使用に係る補償額は、契約締結の時の価格によつて算定するものとし、その後の価格の変動による差額については、追加払いしないものとする。」これを前面に押し出しているんですね。これだけではだめだと思うんですね。

 第七条には、土地の補償算定の基本原則、第八条には、土地の正常な取引価格を参考にして、適正な補正を加えて正常な取引価格を算定する、こう書いてあるんですね。まさに、適正な補正はどんな補正をしたんですか。

小里副大臣 委員御指摘のとおり、公共工事の実施の場合は、その契約時点における正常な取引価格によって評価されます。また、御指摘のような補正を行うことになっておるところでございます。

 いろいろな考え方があろうと思いますが、まず、将来の復興を見越した価格等も勘案して、ここに定めております。その結果、事故がなかった場合の価格を基準とした場合、そのおよそ半分を国が補償する、そういう設定になっております。

 しかしながら、これではなかなか理解ができないという被災地の方々の心情に思いをいたしながら、県と連携して、交付金制度の活用によりまして、実質的に事故がなかった場合の価格を補償する、そういう設定になっているところでございます。

福田(昭)委員 私も承知しておりますけれども、今度新しく知事に当選された当時の内堀副知事の提案で、差額分を県が補填する、こういう話は聞いておりますけれども、それはあくまでも政治的な措置であって、政治的な対応であって、この公共用地の事業の補償基準に照らし合わせて二分の一にするという根拠がわからないんです。

 よろしいですか。第七条の三項にはどういうふうに書いてあるかというと、「第一項の場合において、土地を取得する事業の施行が予定されることによつて当該土地の取引価格が低下したと認められるときは、当該事業の影響がないものとしての当該土地の正常な取引価格によるものとする。」つまり、事故がなかったものとしてこれは考えないとだめなんですよ。

 そして、第八条の第二項では、「前項の場合において基準とすべき近傍類地の取引価格については、取引が行なわれた事情、時期等に応じて適正な補正を加えるものとする。」こう書いてあるんですよ。

 こうした補償の基準を、私、国土交通省に説明してもらいました。レクチャーを受けました。国土交通省はこういうふうに私に説明をしてくれました。土地の補償については、土地の価格は、取得に対して適正な財産権の保障を行うという観点から、契約締結時における正常な取引価格により算定することとなっており、具体的には、取引事例価格、公示価格、基準地価格、不動産鑑定評価額などをもとにして、適正に算定をするんだ。

 ですから、まさに適正な財産権の保障となっているのかどうか、そして、それは正常な取引価格に基づいているのか。事故が起きちゃった後で、正常な取引価格なんてないじゃないですか。ですから、本当に、事故後の価格で買収するという考え方は間違っていますよ。私は、福島県が補填するということは否定しませんけれども、これは間違っていますよ。

 しっかり見直ししないと地権者の方々から理解が得られないと思いますが、いかがですか。

小里副大臣 お答えします。

 御指摘のとおり、まさに国交省の方針にも沿うものでありますが、公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に、事業の施行が予定されることによって当該土地の取引価格が低下した場合は、事業の影響がないものとしての正常な取引価格によるものとすることが規定をされております。

 当該規定の趣旨は、今回のケースで申し上げれば、中間貯蔵施設が予定されていることによって周辺の土地価格が低下した場合に、その低下した土地価格に基づいて算定した価格で用地補償を行うことは不合理であることから、中間貯蔵施設の影響がなかったものとした場合の土地価格によって補償するというものであります。したがって、事故がなかった場合と事業が予定されなかった場合とは、また別の概念であります。

 したがって、原発の事故によって既に生じている土地価格の低下については、御指摘の規定が想定する中間貯蔵施設の整備の有無とは直接関係しないことから、事業の施行が予定されることによる当該土地の取引価格の低下には当たらないと承知をしているところであります。

 ただし、委員が御指摘のとおり、さまざま被災地の皆様のこの事故に伴う苦難、いろいろな思いに応えていく必要があります。したがいまして、県の方とよく協議をして、本当にいろいろ考え抜いた末の創意工夫の策として交付金があるということを御理解いただきたいと思います。

福田(昭)委員 結局、どういう説明をしようが、要するに、事故前の価格の二分の一にするというのは、これは絶対理解を得られないんですよ。

 ですから、全く、そこが根本にあるから、幾らちょっと補正をしてみても納得いただける価格にはならないということでありまして、そこを引き続き検討するように私からは要請をしておきたいと思います。これは、私が地元の人と話していてそういう話を受けているからこういう質問をしているのであって、中間貯蔵施設ができなければ福島の復興は進みませんから、ぜひしっかり見直しをするように要請をしたいと思います。

 それで、二つ目は、町の将来像についてでありますが、八月二十八日に復興庁が、「大熊・双葉ふるさと復興構想 根本イニシアティブ」、大げさに「根本イニシアティブ」なんて名前がついていますけれども、全くどこがイニシアチブなんだかわからないような構想でありますけれども。まさに、これは全く先が見えないビジョンとなっておりますが、どうして先が見えないようなビジョンになっているのか、復興副大臣、どうぞお答えください。どうしてこうなっちゃうんですか。

浜田副大臣 福田委員にお答えしたいと思っております。

 復興庁が福島県及び避難元市町村と共同で行っております住民意向調査によりますと、現時点で戻ると決めている方は必ずしも多くございませんが、判断に迷っている方々も一定程度おられます。今後、町の将来像や復興の見通しに応じて住民の意向も変わっていくのではないかと考えておりまして、こうした方々を含めまして、将来の見通しが立たない地域において、被災者の皆様が今後の生活に希望が持てるよう、中長期かつ広域的観点から、十二市町村の将来像をつくることは重要とまず考えております。

 現在、復興庁におきまして、県や市町村と連携のもと、その検討方針を今鋭意固めておりまして、この将来像の地域の再生の絵姿をなるべく早く示していきたいと思っております。現時点では検討すると方向は決めておりますが、この中身はこれから、今、検討していきますので、ぜひ御理解賜りたいと思っております。

福田(昭)委員 私は、やはり原発がちゃんと収束するのかどうかまだよくわからない。それから、大熊町、双葉町、両方は、人口の九六%が帰還困難区域に住んでいたんですよね。

 ですから、資料の一をごらんいただきたいと思いますけれども、大熊、双葉町、両町に限って言えば、昨年の十月の意向調査ですけれども、戻りたいという人は八・六%と一〇・三%、もう戻らないと決めている人が六七・一%と六四・七%ですよ。回収率を考えれば、もっと少ない。つまり、両町とも、戻りたいという人は今一割いないんですよ。そういう状況の中で、では、町をどんなふうに復興させるか。難しい話ですよ。

 先ほども、お話、答えにありましたけれども、今後、まさに十二市町村の地域の将来像を考えると言っていますが、私も、地元の人から、双葉郡で一つぐらいの町ができないか、実はこういう話し合いもしていると伺っています。

 ですから、そこは、これは環境省なんですけれども、帰還困難区域の除染のモデル実証事業をやりました、二十五、二十六と。その検証結果を踏まえてどうするかというのがいかにも曖昧なんですよ。十年後、二十年後、三十年後には戻れますという、そういうものが全くない。またもう一回除染するという話もない。そうなると、地元の人たちはどうしていいかわからないという人も出てくる。しかし、既に見切りをつけた人たちは、もう戻らない、こう言っているんですよ。

 そういうことを踏まえて、しっかり復興庁は取り組まなくちゃならないというふうに思っています。

 時間の関係で先に行きますけれども、次に、同じように苦しんでいるのが放射性指定廃棄物の最終処分場でありますので、その対応について伺いたいと思います。

 時間の関係で、最初の方は私の方から話をして、もし違っているところがあったら指摘をしてください。

 まず一つ目、福島県の場合でありますけれども、福島県の場合は、指定廃棄物を、富岡町の産業廃棄物の管理型の最終処分場を活用する計画でありましたけれども、地元の反対に遭ってまだ決まっていないというのが福島県。

 そして二つ目、茨城、群馬、千葉県の場合でありますけれども、茨城、群馬は、いまだ県独自の選定手法すら決まっていない。千葉については、県独自の選定方法が決まり、現在具体的な場所の選定に入っている。そして、群馬県の場合は、町村会は、県内に設置することに反対の決議をしている。群馬県の町村会は賢いですね。どこか県内に一つということになれば大体町村になりますから、群馬県の町村会は賢いですよ。

 三つ目は、宮城県です。宮城県は、栗原市、加美町、大和町の三カ所を選定したが、加美町から強く反対をされ、一カ所に絞り込むための詳細調査に入れない。

 今後、大臣、加美町に対して詳細調査を強行する考えがあるんですか。望月大臣、お答えください。

小里副大臣 処理施設につきまして、それぞれ御意見をいただきました。

 特に宮城県の場合は、一つだけですが、詳細調査に入っていないということでありますが、正確には、八月下旬から入っております。詳細調査もさまざまあり……(福田(昭)委員「まあ、いいですよ。ですから、強行するのかしないのかだけ」と呼ぶ)はい。ただ、ボーリング調査には入れていないという状況でございます。

 とにかく、被災地の皆様の不安に応えていくことが大事でありますから、しっかり意思の疎通を図っていきます。

福田(昭)委員 副大臣、余計なことをしゃべらないでくださいよ、時間がないんだから。四十分で終わっちゃうんだから。余計なことをしゃべらない。

 まず、四つ目、栃木県の場合でありますが、前回と今回の総合評価結果の違いであります。資料の二の一と二の二をごらんください。資料の二の一が今回の総合評価結果であります。そして、資料の二の二が前回の総合評価結果表であります。

 これを見ると、こんなでたらめな評価をされて、イエスと言う市町村などありませんよ。

 まず、今回の資料二の一を見ていただきますと、評価項目が四点になっておりますが、指定廃棄物の保管状況、これで、実は前回の候補地と今回の候補地が逆転するんですよ。よろしいですか。生活空間と水源で、前回の候補地を一点ずつ上回って、二点上回って、しかし、指定廃棄物の保管状況では〇・五点しか下回れないので、差し引き一・五の差がつくんですよ。

 しかし、次に資料の二の二をごらんください。二の二を見ていただければ、今回、塩谷町の候補地になった場所は、これはiの三なんですね。右から二番目ですね。これは、実は前回の評価では五番目でした。それが、今回は一番目に浮上するんですよ。

 なぜ浮上したかというと、今申し上げましたが、指定廃棄物の保管状況の重みを二分の一としたからこれは逆転したんですよ。さらにここに、自然的条件のうち、河川までの距離、これを入れたらまた逆転するんですよ。いいですか。さらに、水産業への影響を考えたら、また逆転する。ここの塩谷町の候補地の下流には、東古屋湖という釣りのメッカがあります。これは鬼怒川漁協のドル箱です。その上流につくるわけです。今回、河川との距離を省いちゃいましたから、これは点数にならないんです。

 ですから、こんなでたらめな評価で選んで誰が納得するんですか、これは。ですから、まずそのことを指摘しておきたいと思います。

 時間の関係で、その先へ行きます。

 次に、何か望月大臣の都合で、十一月の九日午後六時から、しかも日曜日、栃木県の市町村長会議を開くというんですが、一体何のために開くんですか、大臣。

望月国務大臣 これは、国の責任においてやる仕事でございます。今までも、さまざまな面で県あるいはまた市町村の皆さんと打ち合わせをして、いろいろこういう選定作業もやらせていただいてまいりました。

 やはり、我々の方針を常に御連絡をさせていただく、そういうことでございまして、七月に詳細調査の候補地を提示して以来、さまざまなことがあれからございました。いろいろな動きがございました。そこで、もう一度、この際、県内の全ての市町村の長に対しまして、国のこれまでの、その期間にいろいろなことがございましたので、取り組み、考え方を説明する必要があると考え、市町村会議を開催させていただくことになりました。

 ただ、我々は、できる限り全ての皆さんにお集まりいただきたい。やはり市町村の皆様はそれぞれお忙しいところでございますので、我々としてはこういうことを御説明したいということになりましたら、向こうでいつ幾日が一番いいということで、この日を選ばせていただいたわけでございます。

福田(昭)委員 誰がこの日がいいと言ったんですか。

 いいですか。私が県の市町村会に確認したら、過去十年間、土日に開いたことはないそうですよ。また、環境省がこのために開いた市町村長会議も、五回、土日に開いたことはないそうですよ。

 誰が日曜日の午後六時がいいと言ったんですか。言ってみてください。

望月国務大臣 我々はお願いをして、今ちょっとその誰がということはわかりませんけれども、市町村会の代表の皆さんからこの日がいいという御連絡がございましたので、お互いにもちろんいろいろ、こういう国会を開いているとかさまざまなことはございますけれども、やはり連絡を密にとりたいということで、我々は、お互いの日程を合わせさせていただいてこの日にさせていただいた、こういうことでございます。

福田(昭)委員 では大臣は、九日、必ず来るんですね。どうですか。

望月国務大臣 私は出席をする、国会によほどのことがない限りは、私は出席をするということに決めております。

福田(昭)委員 塩谷町で、多分きのう環境省へ来たと思いますけれども、白紙撤回の署名が何万人届いたか御存じですか。

望月国務大臣 十五、六万だったと思います。十七万ということでございます。

福田(昭)委員 大臣、そんなふうじゃだめですよ。

 いいですか。北海道から沖縄まで、塩谷町の白紙撤回の署名に十七万人を超える人が署名してくれたんですよ。そんなところへ九日にのこのこ行ってどうするんですか、大臣。火に油を注ぐだけですよ。しかも、自分の政治と金の問題もあるんじゃないですか。大丈夫ですか。

望月国務大臣 私は、大臣になってから、地元の皆さんの本当にさまざまな苦労というものを、やはり何といっても、そういう意味では信頼関係をつくらなきゃならないということで、何回か、時間のある限り訪問させていただきたいということで訪問をさせていただいているということでございまして、この町村会の皆様方、やはりそれぞれ選ばれた代表の方でございますので、それからまた、さまざまな事案がその都度起きておりますので、しっかりとした説明をさせていただきたい。

 まさに今、いろいろなことがあると思います、たくさんの、十七万人の皆さんの署名をいただいたわけでありますが、そこで混乱が起きるかもしれないということもさまざまあると思いますが、あえて我々は、説明をさせていただく機会があればできる限りさせていただきたい、そんなつもりでおります。

 そして、今……(福田(昭)委員「もういいですよ」と呼ぶ)はい。

福田(昭)委員 ちょっと弁明が長過ぎますよ。短く言ってください。

 それで、多分、そういう意味では、市町村長会も、市町村長さんも大変忙しい日曜日の午後六時だというので、本当に大変な、ブーイングも出ると思いますよ。

 それでは、次に、五つ目は時間があったらやることにして、六つ目に行きたいと思いますが、風評被害の恐ろしさについてであります。

 望月大臣は静岡県でありますけれども、静岡県もお茶っ葉が被害に遭っているんですけれども、風評被害というのはどんなに恐ろしいかというのを御存じですか。

望月国務大臣 今、福田先生がおっしゃったように、我々の静岡県、私は特に清水でございますので、お茶のことで、風評被害でお茶農家の皆さんが大変な思いをしたということは、私はしっかりと受けとめて、さまざま、そのことについては対策を農家の皆さんとやってきたことでございまして、先生もおっしゃるように、風評被害は大変なことでございまして、あってはならない、そういうふうに思っております。

福田(昭)委員 それでは、資料の三をごらんください。

 これは、まさに「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する指針について」ということでありますが、原子力損害賠償紛争審査会がその賠償の範囲を定めた指針であります。

 この真ん中を見ていただきますと、真ん中に「政府指示等の対象外地域等」ということで、5として、「いわゆる風評被害」ということで書いてあります。その下の方に行きますと、「農林漁業・食品産業、観光業、製造業等、輸出を類型化」して、その右の方に詳しく書いてあります。「いわゆる風評被害について」は、「専門委員による詳細な被害の実態調査結果を踏まえ、風評被害の範囲を明示」した。「「風評被害」の範囲」については、「類型化された業種(農林漁業・食品産業、観光業、製造業・サービス業等、輸出)」「類型化できない個別の被害について、一般的基準に照らし、個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められ得る」ものをここに述べたと書いてあります。

 ここにあるように、もう本当に他県にわたって、福島県を中心として、私の栃木県もそうでありますが、周辺の県が本当に大変な風評被害にいまだに悩んでいる。東電でもまだ損害賠償金を支払うのは終わっていない。特に山などはこれから始まる。山林の被害などはこれから始まる。そういう状況になっているわけであります。

 したがって、宮城県の方々や栃木県の方々が反対するのは当たり前です。特に、農山村地域を抱えている人たちは、その町の死活問題です。いいですか。農林漁業、そして農林漁業と商工業が一体で結びついています。さらにそこに観光業が加わります。ですから、これがなくなったら、その町の生きていくすべがなくなるんですよ。ですから、宮城県でもみんな反対している。農協や商工会の皆さんや観光業の皆さんが中心となって、反対している。そこに当然若いお父さんやお母さんなども入っているけれども、当然ですね。

 それはどこも同じです。塩谷町も同じです。いずれのところに聞いても、宮城県でも、既に、三カ所候補地に選ばれただけで、大阪の米問屋から、決まったら大崎平野の米は買わないぞ、こう言われている。塩谷町でも同じ。年間契約していた人から、米の契約は取り消しだと。そういうことがもう既に、候補地になっただけで言われているんです。

 ですから、副大臣は鹿児島だというのでわからないでしょうけれども、結局、大臣や副大臣や環境省の人が考えているほど、風評被害対策をすれば大丈夫だなんというのはうそですから、そう簡単に風評被害を取り除くということはできませんので、そこをよく承知しておいていただきたいと思います。

 そして、七つ目でありますが、七つ目は、指定廃棄物処分の基本的な考え方と責任者についてであります。

 指定廃棄物の最終処分については、特措法に基づく基本方針で各県処理となっていますが、それは私は間違いだと考えております。やはり処分の基本原則は排出者責任、そしてさらに、分散処分じゃなくて集中管理することだと考えております。ですから、汚染地域を拡大するような分散処理はやめるべきだと思いますけれども、大臣、いかがですか。

望月国務大臣 指定廃棄物が多量に発生して、特に、現在保管状況が逼迫している、そういう県においては、処理施設を確保すべく、やはり早急な処理が必要だ、このように思っております。

 環境省としては、関係地方公共団体とも協力して取り組みを進めているところでございまして、先生が今おっしゃったように、同法に基づく基本方針において定めた指定廃棄物の県内処理の考え方は、見直す予定は今のところございません。

 指定廃棄物は、放射性汚染対処特別措置法に基づき、国が責任を持って処理をするということになっておりまして、なお、処理に係る費用については、同法に基づきまして、今回の原子力事故を起こした事業者である東京電力に求償することになっておるわけであります。

福田(昭)委員 その費用を東京電力に求償するということであれば、きょうは東京電力の社長が来ておりますけれども、東京電力にも、私は、東京電力はまさに排出者責任とそれから原賠法に基づく損害賠償をする責任がある。そうすると、東京電力は、被害を受けた方々に賠償金を払うだけじゃなくて、出したものを引き取る責任もある。

 ですから、そこで社長に伺いますけれども、東京電力としてはそういう認識はありますか。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 今まさに大臣が御答弁されましたように、特別措置法に基づいて対処させていただきたいというふうに考えております。

福田(昭)委員 社長、それは余りにも無責任じゃないですか。特措法にはそんなこと書いてないんですよ。特措法に基づいて閣議決定した基本方針に各県処理と書いてあるだけであって、社長、特措法にはそう書いてないんですよ。どうですか。

廣瀬参考人 お答え申し上げます。

 指定廃棄物の処理につきましては、国が県や地元の自治体と御相談の上にお進めになるというふうに私どもは理解しております。

福田(昭)委員 社長、そういう考え方だと、今度はそっちの方で東京電力に損害賠償ということも行きますからね。

 では、その次の方へ行きますけれども、最後の、六県分の最終処分場の適地についてということでお話をしたいと思います。

 時間もなくなってきましたので、最終の方へ行きたいと思いますが、ぜひ皆さんは資料の四をごらんください。

 これを見ていただきますと、実は、東京電力の福島第一原発には、福島県も含めた六県分の指定廃棄物を最終処分する場所があるんですよ。大臣、御存じですか。

 この第一原発は三百五十町歩あるんです。ゴルフ場が三個半入るんです、これ。北の部分、左の部分になりますけれども、北の部分百町歩は今あいているんです。なぜあいているか御存じですか、環境大臣。わかりませんか。では、まあいいですよ。これは、実は、いいですか、原子力発電所の七号機、八号機の建設予定地なんですよ。

 今さら七号機、八号機を建設するという話はないでしょう。五号機、六号機まで廃炉を決めたわけですから。これだけの事故があって、今さら七号機、八号機をつくる理由は全くないわけですよね、根拠は。

 そういうことになりますと、この空き地をどう利用するかということが、実はこの指定廃棄物の最終処分場の解決方法になるんですよ。そう思いませんか、大臣。

望月国務大臣 まさに今、そういった土地があるというお話でございます。

 福島の中間貯蔵施設でございますけれども、原発事故によって大きく被害を受けて、今、先生が先ほどからお話がありましたように、復興、それからまた、さまざまな皆さん、決断に迷っている方、あるいはまたいろいろな方がいらっしゃると思いますけれども、帰還に向けて懸命な努力をしていらっしゃる皆さんがおります。

 その福島県に対して、他県の廃棄物を三十年もの間集約して引き受けるという負担を強いているということでございまして、そういったことを考えると、そのほかのものもまたそこにというようなことは到底理解が得られるような状況にないということをぜひひとつ御理解いただきたいなと思います。

福田(昭)委員 大臣、この周辺は環境省が予定している中間貯蔵施設ですよ、この色つきのところが。半分、この緑の線がありますが、左側の方が双葉町、右側の方が大熊町、これは十六平方キロですよ、両方合わせて。その真ん中に第一原発がある。

 十万ベクレルを超えるものは基本的にこの中間貯蔵施設。何かきのうの説明だと、栃木県なんかのもので、わらの焼却をしたら二十三万ベクレルになっちゃうものも栃木県の塩谷町の最終処分場へ埋めるんだなんということも環境省が答えたようですけれども、福島県の指定廃棄物も含めて六県分ここへ入れても、二十町歩あればできちゃうんですよ、大臣。百町歩のうち二十町歩使えば、福島県の富岡町に予定している指定廃棄物も含めてここへ全部入っちゃうんですよ、大臣。

 ここは誰もが納得する場所です。そう思いませんか。

望月国務大臣 この中間貯蔵施設、このことについては、本当に福島県知事も、これは苦渋の決断だということで決めていただきました、施設の建設については。

 今ここで我々がそういうような、先生はその一つの考え方であると思いますが、これは福島の県民が決して納得できるようなものではないというように、これ以上、我々としては、負担をここで福島のここに持っていくというようなことが言えるような状況でないということは、ぜひひとつ御理解をお願いしたいなというふうに思います。

福田(昭)委員 大臣、福島の人たちとちゃんと話し合っていないからそういうことになるんですよ。知事だとか町長さんなんかとしか話していないから。私は住民と直接話をしている。そうしたら、何と言っていると思いますか。いいですか。先ほどの意向調査にもありましたように、大熊町も双葉町も、戻りたいという人は一割いないんですよ。

 それで、富岡町の皆さん、富岡町にも帰還困難区域があるんですよ。この大熊町の南に帰還困難区域がある。この人たちなんかも、国が買ってくれるんだったら俺たちだって協力したっていいな、そういう話も出てきているんですよ。いいですか。

 ですから、知事や町長たちと話していたんじゃだめ。やはり、本当に地権者と腹を割って意見交換をしてみてください、これは。全く事情が違いますから、基本的に。

 それは、知事の気持ちはわかりますよ。知事としては、これだけの大きな被害に遭ったんだから、よその県のものなんか引き受けねえと言いたい気持ちはわかりますけれども、でもそれは感情論であって、ではほかの県の人に迷惑をかけていいのか、こういうことなんです。

 五県の人たちはそれで苦しむわけですよ。それがいいわけは全くないのであって、やはり政治家であったら、本当の解決方法は何だというのをしっかりと考えて決断する、これが政治家ですよ。そう思いませんか、大臣。

望月国務大臣 我々が今御相談して、また、このJESCO法を通させていただくという形の中では、いろいろな情報を集めてお話をさせていただく中では、まさに、ここに中間貯蔵施設を建設させていただく、そういうことに関しては大変な決断をしていただきましたので、福島県民の皆さん、さまざまな皆さんがいらっしゃると思いますけれども、そういう中では、今これ以上の御負担を強いるということはなかなか御理解を得られなくて、なお混乱になってしまうということもありますので、今のところはこういう形で進めさせていただきたい、このように思います。

福田(昭)委員 ですから、東京電力の第一原発の未利用地に置くことが、どうして福島県民に負担を与えるんですか。そんなことにならないじゃないですか。宮城県の加美町も、先週の環境委員会で伊藤信太郎先生が加美町の広報を配って、そこにもちゃんと書いてありましたよ、東京電力に引き取ってもらうほかないと。伊藤先生からも、基本方針を見直すべきときに来ているんじゃないか、そういう提案があったじゃないですか。私も全く同意見です。ですから、どこも引き受けるところがないということを基本的に考えて、もっと原点に返って、どうすれば一番いい方法なのか、それを考えないと。

 もし五県につくるということになったら、悪い前例をつくることになるんですよ。これは日本にとって恥です。あしき前例です。行政は御案内のとおり前例踏襲主義ですから、もし五県でつくったら、鹿児島・川内原発、再稼働するようですが、今度は、もし桜島でも爆発して、事故を起こしたら、はい、では熊本県、宮崎県、佐賀県、鹿児島県、それぞれ指定廃棄物の最終処分場をつくってください、こう自動的になっちゃうんですよ、大臣。こんなばかな、あしき前例は絶対につくってはなりません。

 時間が来ましたので終わりにしますが、環境省は環境を守る番人なので、ぜひ、明治時代の足尾鉱毒事件で天皇陛下に直訴した田中正造の言葉を贈って、終わりにします。

 真の文明は、山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず、人を殺さざるべし、こう言っています。

 環境省は、日本の環境を守る、その先頭に立つ役所ですから、ぜひしっかり考え方を改めてほしいということを要望して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、大熊利昭君。

大熊委員 維新の党の大熊利昭でございます。本日はよろしくお願いをいたします。

 まずは、これは広い意味では環境行政の一部分だろうと思うんですが、微生物資材、いわゆるEMと呼ばれる、これは菌ということになるんでしょうか、微生物なんでしょうか、資材なんでしょうか、この辺についてお伺いしたいと思います。

 福島県の発表ですと、これは、使うと川を汚すというような公式の見解も出ているようなんですが、一方、高橋政務官におかれましては、かつて、二〇〇八年なんでしょうか、かわさきエフエムというところで、この微生物資材、EMを活用する農家では、土には放射性物質が検出されても、作物には全く出ていない、EMがいろんなことに対応できるという最新情報は、EM関連企業やUネットのホームページで、イベントの告知が見られます、ぜひのぞいてほしいということを放送で、電波、ラジオを通じて言われていらっしゃいます。

 この趣旨について、どんなことなのか、お答えいただきたいと思います。

高橋大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 政務官としての答弁ですので、個人的見解は控えさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

大熊委員 よく私の質問を聞いてほしいんですね。これは環境行政の一環だと申し上げた。だから、政務官としてお答えください。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 政務官として、環境省としての見解ということでよろしいんでしょうか。(大熊委員「政務官としての見解、または環境省としての見解」と呼ぶ)それでは、環境省としてのEMに関する見解でよろしければ、それを申し上げたいと思います。それでよろしいでしょうか。(大熊委員「いや、後に政務官としての見解も伺います」と呼ぶ)

北川委員長 それぞれ質疑、指名してからの質疑にしてください。

高橋大臣政務官 はい。

 それでは、環境省としての見解を申し上げ、私は政務官としてそれをサポートする立場ですので、申し上げたいと思います。

 環境省として、一般論として、微生物の働きを使用して汚染物質を分解等することにより、土壌や地下水等の環境汚染の浄化を図る技術があることは承知をしております。御指摘のEMに関する件ですが、環境保全に役立つかどうかについては、科学的な検証によって判断されるべきものと考えております。

 私は、政務官としてこの立場をしっかりサポートするものと考えております。

 以上です。

大熊委員 それでは、放射性物質を取り除くという作用についてはどんな御見解なんでしょうか。環境省及びその政務官としてお答えください。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 環境省としては、それに関しましての問題に対しましては、御指摘のEMが環境保全に役立つかどうかについては科学的な検証によって判断するべきものと考えておりますので、そのように思っております。

大熊委員 繰り返しますが、放射性物質を取り除くということです。

高橋大臣政務官 お答えいたします。

 それに関しましては、環境省としては実際にデータを承知していないというところでございます。それに関するデータは承知をしておりませんということです。

大熊委員 承知していないということは、では、ラジオで言われたことは、これは違う、そういうことはないんだ、そういうことでよろしいですか、環境省あるいは政務官として。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 個人的見解と私、政務官になってからの環境省としての考え方は別でございますので、承知をしていないということでございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

大熊委員 いや、ですから、環境省として承知をしていない、それは結構です。したがって、では、放射性物質を取り除くということについては、環境省としては、そんなことはないんだ、こういうことでよろしいんでしょうか。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 実証データは承知していないということでございます。

大熊委員 だから、どうなんでしょうか。データを承知していないから、その先の結論はどうなんでしょうか。

高橋大臣政務官 ですので、科学的な検証によって判断するべきものと考えております。

 先ほど申し上げた繰り返しで恐縮でございます。

大熊委員 だから、その判断はどうなのか、判断の結果はどうなのかと。あるいは、判断ができていない、この放射性物質を取り除くということは発言されているけれども、これは全く事実無根なのである、現在の実証データを確認したところ確認できないんだ、こういうことでしょうか。

高橋大臣政務官 繰り返しの答弁で大変恐縮ですが、個人の私の考えと環境省の方での考えは違いますので、その点を御了承いただきたいと思います。

 私は、環境省は科学的検証によって判断されるべきものと考えており、この実証データは承知をしていないと環境省では考えております。

大熊委員 だから、環境省としてはどんな判断なんですかと繰り返し聞いているんです。

高橋大臣政務官 繰り返しで大変恐縮です。

 今後、科学的な検証によって判断されるべきものと考えております。

北川委員長 ただいまの質疑について申し入れがありますので、協議をさせていただきます。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

北川委員長 速記を起こしてください。

 高橋環境大臣政務官、明確に環境省としてのお答えをお願いいたします。

高橋大臣政務官 それでは、今後、科学的な検証によって判断をしていきたいと思っております。

大熊委員 では確認ですが、現時点ではしていないということ、したがって、環境省としては事実を確認できていないんだ、このような理解でいいですか。

高橋大臣政務官 お答え申し上げます。

 そのとおりでございます。

大熊委員 率直に最初から御答弁いただければ。

 そうしますと、これは個人としてはお答えにならないということなんですが、一部報道へ出ている、議員になっていらっしゃった時期だったんでしょうか、この、個人としての高橋政務官の御発言は、行政としては全く確認をできていないこと、あるいは事実として確認できていない、事実無根という表現が強いのかどうか、そういうものであるということが今確認をできたところでございます。

 続きまして、このEMの培養会社の関係。前回の質疑でも、御答弁、質疑があったかと思うんですが、このあーす合同会社という会社と、それから、政務官が代表を務めていらっしゃいます岩手一区選挙区ですね、金銭のやりとりについてこのように答弁されておられます。「お答え申し上げます。 同居は一切しておりません。」これは住所の関係だと思うんですね、これもちょっと後でお伺いしますが、その後、「金銭のやりとりは全くございません。」というふうに答弁をされていらっしゃいますが、これで確認させていただきますが、よろしいでしょうか。

高橋大臣政務官 私が支部長のときは、一切やりとりはございませんでした。

 先日の質疑では、御質問の趣旨を、今お話ししたように、私が岩手一区支部長になってからのあーす合同会社との関係に関するものと理解をしてお答えしております。

 私は、平成二十三年一月に支部長に就任いたしましたが、その前年、二十二年五月、六月にコピー機リース代、車両貸出料として、御指摘のような支出があったことが、二十二年分の収支報告書に記載されております。

 平成二十二年分の収支報告書につきましては、私が収支報告書提出時の支部長であったために、県の選管の指導で私の氏名が報告書の代表者として記載されておりますが、いずれの支出も私が支部長に就任するより前の支出でございます。この点、大変言葉足らずの答弁でございましたので、補足をさせていただきます。

大熊委員 これは、寛容に考えると補足ということなんでしょうが、議事録に残っているものではそのようになっておりませんで、金銭のやりとりは、例えば、ありませんとかということなら補足でいいんですが、全くというのがついているんですね。だから、支部長であったかどうか、そういうことと関係なく、全くという、余計なという、政務官からすると余計な、こちらからすると突っ込みどころのある、そういう言葉がついているわけでございます。だからこそ聞いているわけで。

 これで一応よしとするのかどうかあれなんですが、ちょっとそこのところは、全くということなので。この答弁、ここは補足じゃなくて、一応やはり訂正をされた方がよろしいんじゃないかなと思うんですが、いかがでしょうか。

高橋大臣政務官 大変言葉足らずで申しわけありません。この発言で訂正させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

大熊委員 わかりました。

 その次に、やはり同じ答弁で、あーす合同会社と政務官の御実家の住所が同じかどうかというところで、この後、「住所が御一緒という指摘ですが、登記上、四つの住所がありまして、別棟のところになっております。四つの場所で、駐車場、それから別棟のお宅、そして私がおります家というふうになっております。」こういうことになっておるんです。ところが、登記簿を見ますとそうはなっていないんです。これは当然政務官の方でも確認をされているんじゃないかと思うんですが、この点もやはり訂正された方がいいんじゃないかと思うんですが。

高橋大臣政務官 恐れ入ります。

 私がお聞きしているところでは、厳密には、同じ住所に四つの、ちょっと自信はないんですが、二百八十三の一だの二だの三だの四だのというのがありまして、その中の一つが貸し出しをしているものとお聞きをしております。

 ですので、同じ住所に最終的になっているように見えますが、厳密な、例えば、ちょっと私も書類を以前見せていただいたことがあるんですが、その四つの区間の細かい住所の中それぞれに、いろいろと貸し出しをしているというふうに伺っております。

大熊委員 そうすると、登記簿の方が間違いである、虚偽である、こういうことですか。

高橋大臣政務官 恐れ入ります。

 登記というのが、私が見せていただいたのは、市役所の中で細かく以前の住所のものを見せていただいたことがありまして、実際に住所としては同じになっておりますが、以前は、そこの部分に他のお宅もあり、四つの区分としての、役所での実際の登記簿というか、登録を見させていただいたことがございます。

大熊委員 登記簿上は、所在、盛岡市本町通二丁目二百八十三番地十三、二百八十三番地十四ということで、こんな四つに分かれていないんですね。ちなみに、これは登記簿ですから住所じゃなくて地番だと思うんですけれども、分かれていないんです。だから、答弁、これ、そのままですと、間違いか、登記簿自身が間違っているか、どちらかだと思うんですが。

高橋大臣政務官 ただいま言ってくださった二百八十三の十三とか十四というものと私は認識をしておりますが、それが私が分かれているというふうに思っていたものでございまして、登記していない部分に、多分ですが、駐車場などもございます。

 ですので、私、その辺は私の土地ではありませんので、確認をさせていただきたいと思います。

大熊委員 いや、二つじゃなくて四つに分かれているんですね。だから、登記簿がそうすると間違っているということになりますと、法務局に訂正を求めるということにすべきじゃないでしょうか。

高橋大臣政務官 恐れ入ります。

 私の土地ではありませんので、確認をさせていただきたいと思います。

大熊委員 高橋政務官の土地じゃないにしても、答弁で言われているんですよね、当委員会で。

 普通の方ならそれでいいと思うんですけれども、国会で答弁されているわけで、責任のあるお立場として、しかも、当委員会で答弁をされているので、それはこの場で訂正された方がいいんじゃないでしょうかね。

高橋大臣政務官 恐れ入ります。

 私、しっかりその点について確認をさせていただきたいと思います。

大熊委員 では、百歩譲ってということで、しっかりと確認をしていただいて、この答弁が不適切ということであれば訂正をされた方がいいのではないかと思います。

 最後、数分、これもやはりお役目でございまして、望月大臣にお伺いをしなければならないわけでございます。政治とお金の問題でございます。

 いろいろ出ております、賀詞交歓会の支出ではなかった費用が計上されていたというところで、この費用は実は保存期間を過ぎているので何だかわからない、こういうような理解をしているところでございますが、一方では、安倍総理は、国民に対して最大限の説明義務を負っている、しっかりと説明をするという趣旨のお話を繰り返しされていらっしゃいます。

 したがって、その趣旨からすると、大臣としては、何になったかわからないということですと、この総理の要請に必ずしも応えることができていないんじゃないかというふうに思うんですが、いかがでしょうか。

望月国務大臣 この問題につきましては、今、保存期間が過ぎてしまっているので、我々は、それでも、さまざまな関係者に話を聞いてまいりました。引き続きこのことについてはしっかりと努力をしていきたいな、こんなふうに思っております。

大熊委員 ぜひその方向でお願いしたいというふうに申し上げつつ、これまでの大臣のいろいろなところの発言ですと、保存期間を過ぎてしまって、ないというような趣旨、これはお話しされたんでしょうか。そうだとすると、今後努力をするというときに、どんな努力をするのか。なくしてしまった、あるいは処分してしまったら、これはもう見つからないわけでございますから、努力のしようがないという可能性もどうなのかなと。

 そうなると、総理が言われている最大限の説明義務ということを果たすことができない可能性があるんじゃないかな。総理の指示の説明義務を果たせないということは、これはいかがなことなのかなというふうに、野党の身分ながら申し上げなければならないところなんですが、そのあたり、いかがなんでしょうか。どのような努力をされるということなんでしょうか。

望月国務大臣 私も、選挙に落選をして、その前、そのときにもう、ちょうどそのころのことでございまして、関係者のほとんど、やめていただいたわけでございます、そのときに。ですから、そういう皆さんに、書類はもちろん保存期間というのは過ぎておりますけれども、さまざま努力をしてそこら辺を聞いてみたいなというような形で、今までもそういう努力をしてまいりましたが、今後とも、できる限り皆さんにお知らせすることができるように、そういった努力をさせていただきたいな、こんなふうに思っております。

大熊委員 では、一言、その努力の結果、結果を出す、つまり、何に使われたか明らかにするんだ、これで総理の言われる最大限の説明義務を果たすんだ、こういう御決意で一言お願いいたします。

望月国務大臣 しっかりと努力をしていきたいな、このように思います。

大熊委員 結果を出されるということでよろしいですね、明らかにするということでよろしいですね。

望月国務大臣 何しろ、保存期間が過ぎておりまして、そういった領収書等がもうありませんので、でも、それだからといってなしということではなくて、今までそういう努力をしてきたわけでございまして、関係者の皆さんにそれぞれ話を聞いて努力をしていきたいな、こんなふうに思っております。

大熊委員 それでは、以上で終わりますけれども、政務官におかれましては、先ほどの答弁の違い、虚偽答弁の可能性、こういった状況にありますので、後日、当委員会に報告をお願いしたいと思います。

 以上で終わります。

北川委員長 次に、小熊慎司君。

小熊委員 維新の党の小熊慎司です。

 大熊議員に引き続き、小さい熊ですけれども頑張っていきたいというふうに思います。

 今回のJESCO法、これまでの過日の委員会での質疑、またきょうの質疑、やはりまず前提は、これは民主党政権時代、また自民党にかわってからも、信頼がなければこれは進められないところであります。

 さはさりながら、三年七カ月が過ぎて、県内各地で、私は地元は会津で、福島県の中でも一番原発から遠い地域で、ちなみに、先ほど質疑された福田委員のところよりも線量なんかもほとんど出ないようなところではありますけれども、それでも自主的に町村が除染をしたりして除去土壌等が発生をしておりますので、これがどこに持っていけるのかというのが、今持ち出せないということでありますから、中間貯蔵はしっかり設置をして、除染を進めていかなければいけないというところであります。

 ただ、三十年後に県外に持っていくというところが、ここが信頼がなされていないというところもありますし、これをどうやって構築していって、県民の信頼をかち取りながらこの事業を進めていくのかというのが本当に大きな鍵というふうになってきます。

 そこで、まず、過日、福島県内では知事選が行われましたけれども、前の副知事の内堀さんが当選をされて、十一月の十二日から着任をされます。現佐藤雄平知事、十一月の十一日に退任されますけれども、佐藤雄平知事の苦渋の決断で受け入れを建設容認したんですけれども、その際に五つの条件を言って、受け入れの条件を示していますね。

 県外最終処分の法案の成立と、中間貯蔵施設等に係る交付金の予算化、自由度、国による搬入ルートの維持管理など及び周辺対策の明確化、施設及び輸送に関する安全性、福島県及び大熊町、双葉町との安全協定案の合意という五条件を示しましたけれども、この五条件について、国としてはどのようにこれを守っていくのか、まずお伺いをいたします。

望月国務大臣 この中間貯蔵施設の建設に当たっては、佐藤知事には本当に苦渋の決断をしていただいたということでございまして、今お話がございましたように、五つの条件といいますか、それをしっかりとというような形で申し入れを我々は受けております。

 ですから、今回のJESCO法がまさにこういうことでありまして、この中でしっかりと国の責任を位置づけて、三十年以内にというようなこと、あるいはまた、協定を結んだり、搬入の問題、それから自由度の多い補助金とか、そういったさまざまな要望をこの法律の中にしっかりと位置づけさせていただいて、国の責任はしっかり明確にして、そしてお願いをしていく、こういうことでございます。

小熊委員 今の、国の責任の明確化、これは非常に大事です。

 過日も、この委員会で参考人をお呼びしたときに、私の地元のトラック協会の会長さんをお呼びしたときに、搬入に係るいろいろな整備が必要になってきます。高速道路を使っていくということもあるんですけれども、各市町村ごともやっていますから、積み込み場をどこかに、その町村エリアにつくってやる場合も、その積み込み場の周辺住民の理解も得なければならないところはありますし、また、これは高速道路以外の道路もいっぱい使います。この維持管理をどうしていくんだ、拡幅をどうするんだということもあります。

 これは、市町村、地元自治体に負担をかけることなく、そういったものも国として一〇〇%やっていくということでよろしいですか。確認させてください。

福山大臣政務官 ただいまの質問についてお答えをさせていただきます。

 輸送については、まず輸送基本計画を策定し、その後、関係機関と連携しつつ、具体的な輸送に向けた輸送実施計画を策定することとしております。

 まずは、おおむね一年程度、比較的少量の除去土壌などのパイロット輸送を行うことで、本格的な輸送に向け、安全かつ確実な輸送を実施できることを確認していくこととしております。

 また、その中では、輸送車両の安全かつ円滑な通行を確保し、輸送車両の集中による一般交通への影響の抑制を図るため、部分的な道路の改良などの道路、交通対策を行うこととしております。

 このように、輸送基本計画や輸送実施計画の策定、パイロット輸送の実施に向けた調整などを通じて、しっかりと輸送ルートの安全対策などを行い、地元の理解を得てまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

小熊委員 これは市町村道でも、その輸送経路の中にこれがあるとすれば、予算を国で面倒を見るということですか。端的に答えてください。国でお金をちゃんと財政措置するということですか。

三好政府参考人 お答え申し上げます。

 中間貯蔵施設への搬入のために必要な周辺道路の整備につきましては、国の方で責任を持って対応するという考えでございます。(小熊委員「財政的に」と呼ぶ)はい、財政的に。実際は、やり方は道路管理者と御相談をする必要があるというふうに考えております。

小熊委員 そのあたりの積み込み場のところの住民説明会も、これは市町村が主体になるのかどうかわかりませんけれども、これもだから国が責任を持って説明しなきゃいけないんですよ。そうですよね。それもちゃんと、国が率先して、地元住民への理解の説明会なりなんなりをするということでもいいですか。

小里副大臣 積み込み場については、地域の方からいろいろ不安の声をいただいているということは承知をしております。例えば、仮置き場のように、そこが長期に置かれるんじゃないかといったような御心配をいただいております。

 そこで、まずは、積み込み場を使う必要がないように、直接大型トラックが仮置き場まで伺う、そのための道路改良等をしっかりやっていく必要もあろうと思います。あるいはまた、積みかえるために必要な時間もなるべく短くて済むように、スムーズな積みかえのための努力も必要であろうと思いますし、また、施設の安全性も含めて、積みかえ場の安全性も含めて、しっかりと地域の皆さんに説明をし、御理解をいただいていきたいと存じております。

小熊委員 これも、だから、国がしっかり、市町村に任せて説明会を開かせるんじゃなくて、やっていかなきゃいけないわけですから、しっかりお願いしたいと思いますし、今の答弁で、この間の参考人の質疑のときにも、なるべくトラックが直接行く。行けないところもいっぱいあるんですよ。だって、個人の住宅の除染をやったところは個人の裏庭に今埋めちゃっていて、そんな集落のところに入っていけないんですよ、ダンプも何も。やはり、ある程度の小さい車で運んできてやるしかないんですね。

 これも参考人のトラック協会の会長さんのアイデアでしたけれども、これはこの後の質疑に持っていきますけれども、大体二千二百万立米ですね、東京ドームにすると十七、八個分ですよ、これをやるのに、三年間でやれば延べ一日二千台と言っていますけれども、それはまさに現地から施設まで二千台ということですよ。

 でも、実際、よくよく考えてみると、三つに分かれるんですね。今保管しているところから積み込み場までの輸送。積み込み場から、搬入は来年一月から始めるわけですよね、まだ中間貯蔵ができていないのに。そこに運び込む。今度、中間貯蔵ができれば、とりあえず今の仮に置いてある敷地から完成したところに運ぶという、三つ必要になってくるんですね。

 そうすると、トラックが全然足りなくなるという話もあるんですけれども、そうしたことがありますから、直接持っていけるところはそれは直接持っていって、積み込み場を使用することがないといっても、やはり、ある程度これはちゃんと計算が成り立つはずなんですよ、今の除染しているところであれば。なるべくとかじゃなくて、本当はもう見えているはずなんですよ。見えていないということであれば、これは環境省がちゃんと計算していないということですよ。そんなざっくり感で言っているから、本当にどうなるのと、具体的なものが見えないから福島県民も不安になるんですよ。

 まして、フレコンバッグの放射線に対する不安だけではなくて、騒音とか振動とかということもありますから、しっかりこの地元説明会は、市町村だって通常業務で大変忙しいわけですから、これは国がちゃんとやること。

 道路も、市町村道であればそれは道路管理者は市町村ですし、県道であれば県でありますけれども、こうした拡幅事業とかなんとかの説明、地元の御理解というのは、だから、これは国が率先するとやっているんですから、肝心なところは出ていかないで、負担ばかり市町村で、格好いいところで国が前面に立つと言っているのが今の福島県の復興の状況ですよ。そんなことではなく、ちゃんとそういうのもやってくださいよ。どうですか、これは。

小里副大臣 今の御指摘いただいたところをしっかり心得て頑張ってまいります。

 積み込み場は、ある程度はやはり必要でありますから、それをどう克服してつくっていくのか、しっかりとまず説明で申し上げる必要があろうと思います。また、直接輸送も大きく捉えていきますが、いずれにしましても、我々が現地にしっかりお伺いをしながら、責任を持って取り組んでまいります。

小熊委員 我々というのは、これは政務三役含めてですね。技術的なことは環境省の職員ですけれども、冒頭に行って、一つ頭を下げるということで、これがまさに被災者、福島県民に寄り添うということになりますから、少しこれは丁寧にぜひやっていただきたいと思います。

 実は、この五条件以外にも、今、信頼という言葉を最初に言いましたけれども、さっきのEM菌の話もありましたけれども、私のところにも震災直後は何十と、こうやれば消えますよなんという、本当に眉唾みたいな話がいっぱい来て、混乱もしていましたけれども、とにかく確実なものをしっかりやっていかなきゃいけないわけです。

 この五条件を、きょうも、実は県内の町村会の役員の方々と、隣の吉田委員も参加していましたけれども、県内の福島県の国会議員との意見交換会があって、いろいろ御意見を賜ってきましたけれども、この大熊、双葉ではないんですが、そのまた隣町の浪江町で、今、ADR、これは直接所管大臣じゃないから、しっかり連携をとってやってくださいという意見にとどめますけれども、ADRの和解案を東電は蹴っているわけです。今までこれは何とかしてくれと言っていたのが、多分、近々にゼロ回答を出されるようだということを浪江町長の馬場さんにきょう聞きました。

 こういうことも含めて、こんなことがあると、国に対する信頼、国がつくったADRですよ、紛争解決。東電がその和解案を拒否しているわけですよ。こういうことも乗り越えて解決をしないと、いろいろな意味で信頼醸成がなされないということですから。

 これは文科大臣が所管ですから、ぜひ環境大臣としても、こういう中間貯蔵を進めるためにも、周辺環境整備のためにも、国が前面に立つと言っていながら、ADRと東電のやりとりに何も口を出さないでいるわけですよ。これはもう解決しようよとやってくださいね。大臣、ちょっとありますか、何かこの件について。担当ではないけれども、ちゃんと文科大臣と地元の意向を踏まえて、こういうことも解決して信頼を得ていきましょうとやるかどうかですよ。

望月国務大臣 我々環境省は、さまざまなことを福島初めさまざまな皆さんに頭を下げてお願いするだけの立場だ、こんなふうに思っております。信頼関係をつくるためには、我々も言うべきことはしっかりと言わせていただきたいなと。

 話でございますけれども、最初の閣議のときに総理の方から、全ての大臣が復興大臣になったつもりで、お互いに連絡をとってよくやりなさいという御下命をいただいております。先生がおっしゃられたことを旨にして、しっかりと進めていきたい、このように思います。

小熊委員 大臣、そうした前向きな答弁をいただきましたので、ぜひ、文科大臣が、この和解案に対して東電が拒否していることに関して近々にコメントが出ることを私は期待したいと思います。大臣が言っていただいたおかげで文科大臣がこれについて言及してくれることを待っています。なければ、また違うところで質疑をさせていただきます。

 そうした中で、最大のものは、このJESCO法に関して、これは天下り会社ですからJESCOがどうだというのもあるんですけれども、最大のやはり眼目は、先日の吉田委員の質疑にもありましたけれども、三十年後に県外に持っていくということが、福島県民、願っている人も多いけれども、でも、本当にそれが三十年後県外に持っていけるというふうに信じている人はほとんどいないというふうに思います。今、三十年後に持っていくと法制化しますよといっても、それは本当に、その法制化したものが結実するのかというのは誰も信じていません。

 まして、ここにいる我々も、平均余命を考えれば三十年後はいない人たちも、私も含め、いますし、大臣は健康そうだから百歳まで、ただ、最近、大分何か心労がたたってストレスがたまっているようでありますけれども、環境省の官僚の人も含めて、三十年後に、ああ、出ていきましたねと見届けられる人がほとんどいない中で、三十年後約束しますというのは、信頼してくださいといっても、それは言葉だけです。

 まして、先ほどの質疑にあったとおり、県外の指定廃棄物の最終処分場も各県でできていないんですよ。福島県のものの最終処分場よりは多分ハードルが低いはずなんですよ。それすらも今解決できていないのに、三十年後というのは、これは幻想ですよ。私も、県外に持っていけるなら持っていってもらいたいし、これは福島にあった原発ですけれども、受益と負担を考えれば、本当は関東の人が受益なんですから。

 最初に確認しますけれども、県外に三十年後に持っていくというのは、県外というのは北海道から沖縄まで全部対象になるわけですか。持っていく対象になりますか。まず確認させてください。

望月国務大臣 県外ということでございますので、さまざまな、全ての場所を含める、このように思います。

小熊委員 全てのですね。いろいろな条件をちゃんとつくって、その条件に合致したところは、北海道であれ、九州であれ、沖縄であれ、関西であれ、東京であれ、合致するところがあればそれは全て対象になる、選択肢になるということでよろしいですか。(望月国務大臣「はい」と呼ぶ)

 それで、この間の吉田委員の質問で、大体約二千二百万立米、減容化をすれば二百万立米ぐらいになるという話でしたけれども、では、減容化にどれだけの時間がかかるかということをこの間の参考人質疑で京都大学の酒井教授に聞いたら、これはそんなすぐに二千二百万が二百万になるわけじゃないんですよ。この作業もいっぱいかかるということであれば、これは工程表をきちっと書かなきゃいけないんですね。

 来年一月からカウントすると私は環境省から確認しています。中間貯蔵ができてからの三十年後じゃないです。とりあえずあの敷地内に運ぶ来年からカウントが始まるんですね。そこから三十年後ということは、けつは決まっている、ゴールは決まっているわけですよ。

 それを追っていくと、減容化の作業としてどのぐらいの時間がかかるのかが見えますし、土地を選定して環境アセスをやって設計してと、いろいろなことを考えると、早くても、五年、十年ぐらい手前で決めておかなければ、決まらなければ、三十年後にきれいさっぱりなくなるということにはならないんですよね。

 この時間感覚というのはお持ちですか、大臣。三十年後に決めればいい話じゃないんです。もっと手前に決めなきゃいけないんですよ、土地の選定は。

望月国務大臣 今のお話のように、やはり、物理的減衰とかさまざまございますし、それからまた、技術的な面もこれから研究開発をして、一日も早くそういったものが少量化していくような形、あるいはまた、そういうことによって、さまざま、公共事業に使えるようなものとかを分けていくことをやはり決めていかなくてはならないと思います。

 現実的で具体的なロードマップの検討に当たっては、ただいまお話ししましたように、減容化、再資源化等により、最終処分量や濃度がどの程度になるのか、そしてまた、処分地の構造や必要面積がそれによってまた決まってくると思いますけれども、どうなっていくのか、ある程度の見通しが立つことがまず必要だ、このように思います。

 そのためには、まず、減容化等に関する研究とか技術開発、それからまた、減容化、再生資源化等の可能性を踏まえた最終処分の方向性の検討にしっかりと取り組んでいきたい、このように思います。

 取り組みを決める中で、現在の八つのステップを可能な部分から順次具体化してまいりたいと思っております。その具体的な取り組み内容と実施時期を段階的にお示ししていく。全てここで決まっているということではございませんので、できるところからやっていって、段階的にお示しをしたい、このように思っております。

小熊委員 これは、今言ったとおりでは実はだめなところがあって、三十年後というゴールが決まっているわけですよ。減容化はまだしっかり確立していない部分もあるし、どうやるかというのがありますし、取り除いてきれいになったものといっても、例えがいいのか悪いのかわからないけれども、例えば、下水処理場の水がきれいになって飲めるようになりましたといったって、これを水道水で飲むわけじゃないんですよ。

 きれいになった残土を、建設、用意するといったって、風評被害みたいなことを考えれば、人の心理を考えれば、そんなものは使ってほしくないという言葉も出てくるかもしれない。科学的にはきれいだけれども、それを使った住宅地に住んでくださいと言ったら、いやいやとなりますよ、これは。

 そこまで考えると、二千二百万が二百万になって、二千万は有効活用できますといって、では、大臣の地元でそれを埋め立てにして使ってくださいと想像してみてくださいよ。いや、それでいいよという人もいるかもしれないけれども、やはり心理的に嫌だねという人が出てくるのも想像できるじゃないですか。

 減容化できたら二百万で済むから簡単だなと思っていること自体も浅い。まして、減容化が成ればこうなりますよといって、今も三十年後というゴールが決まっているんですから、そこまでの住民説明会、指定をして、環境アセスなりなんなりをやって。今だって、県外のものだって決まっていないんですから、ここに決めますと言ったら、すぐ、うんなんて言う市町村もないですよ。そう考えたら、減容化の技術がどうであろうと、土地の選定は、三十年後の前の十年前には決めましょうねとか、十五年前に決めましょうねというのが出てこなきゃいけないんです。全部技術的に整ってから、はい、選定しました。

 確かに、二百万持っていくのか一千万立米持っていくのかでは違うんですけれども、地元の御理解とかを考えれば、もう十年前には決めておかなきゃいけないということを決めて、その時点で、一千万だったら一千万を運び込むという計算をしてやらなきゃいけないんじゃないんですかということを言っているんです。最大限減容化するということに焦点を当てれば、ずるずるずるずるいきますよという話なんです。

 そういう考え方に対しての見解を求めます。

望月国務大臣 先生今おっしゃったように、そういった、簡単にそれを受け入れてくれるというようなこと、先ほどの福田先生のお話のように、風評被害等を考えてみても、誰でも、はい、わかりましたと受け入れていただけるような状況になることはそう簡単じゃないと思います。

 もちろん、この福島の問題については、我々国が責任を持ってやっていかなくてはならないことですけれども、全国民の皆さんがこのことには心配をして、注視をしていることでございますので、風評被害はもちろんでございますけれども、そういった内容についても、御理解を得られるようなことをしっかりと皆さんに広めていかなくてはならないな、こんなふうに思っております。

 今先生がおっしゃったように、そういうことについては、今三十年後のことを決めるということはなかなか難しい問題であります。我々が亡くなっても国というものは存在しますので、そういうところで、今回のこの法律でしっかりと明確に責任を持つということがこの法律をつくるということでございますので、ぜひひとつ、そういった意味でよろしくお願いしたいな、こんなふうに思っております。

小熊委員 私、別に御指導できる立場じゃなくて、一緒に復興をやっていかなきゃいけないのであれなんですけれども、このテーマは時間内にもう一度触れますが、ちょっと先に細かな点で。

 輸送のことでも、今明確になっていない。先日の参考人質疑の中でも、地元のトラック協会に具体的に相談がなかったと。そんなことで、輸送実施計画があったとしても、これは絵に描いた餅ですよ。

 輸送するトラックの確保ですね。感覚的に言えば、ダンプではなくて、いわゆる上に屋根のついたウイング車の方がいいわけです。雨が降ったときもそこにかからないわけですし、まして我々福島県内は、吉田委員のところは余り雪が降らないですけれども、山沿いは雪も降るということを考えれば、やはり有蓋車の方がいいんですね。これがちゃんと確保できるのかという点と、誰が確保するのかということ。

 参考人も言っていましたけれども、今、アベノミクス効果なのかわからぬですけれども、都会にいろいろ集中して物資が足りなくなって、トラックをオーダーしても一年後にやっと来るような状況というところで、この確保をどうするのかということと、三年間でやったら延べ二千台ですけれども、先ほど言ったとおり、積み込み場までの間のトラックも必要、あと、とりあえず今運んでおくところから、また中間貯蔵が完成したときに運ぶためのトラックも必要、フォークリフトも必要、クレーンも必要、足りるのかという話。

 あとは、それを使った後どうするかですよ。輸送会社に買わせて、それはそれの資産ですから、勝手に処分といっても、はっきり言って使いたがらないですから、ほかのものに転用なんかできないですから、これは国が買い上げて公売でも何でもしてもらうか、中古トラックを集めるかして、後は廃棄するか。

 こうしたトラックのあり方については、今のところ、どういう方向でいきますか。

小里副大臣 輸送車両の調達は大変重要な課題であると認識をしておるところでございまして、福島県のみならず、全国からの輸送車両の調達が必要になろうと考えております。

 安全かつ効率的な輸送を実施することで極力必要台数を抑えるとともに、市場の動向を踏まえた関係機関また関連団体との連携が必要であろうと思っております。最大限努力してまいります。

 とりあえずパイロット輸送を行いますけれども、輸送後の本格的利用時、ピーク時があるということを想定した調達が必要であると考えております。

 特にまた、御指摘をいただきましたウイング車等についても選択肢の一つであると考えておりまして、輸送基本計画にもこれが例示をされているところでございます。

 輸送対象の大部分を占める、放射能濃度が高くない除去土壌等の輸送においては、フレキシブルコンテナや大型土のうに詰めた上で荷台をシートで覆うことで、十トンダンプトラックでの輸送が可能と考えております。

 その他、御指摘いただいたような点を踏まえて、しっかり、必要に応じた十分な調達ができるように対応してまいります。

小熊委員 使用後のトラックはどう処分するんですか。トラック業者も、それは、はい終わりました、除染しました、違うものを運びますとなかなかできないですよという話です。

小里副大臣 使用後のトラックでございますが、除染で使用した車両についても特別な措置を講じているわけではなく、現時点では買い取るといった対応は考えておりませんけれども、車両確保の観点から、長期かつ継続的な使用を促すなど、現場の状況等を踏まえて適切に対応してまいりたいと存じます。

小熊委員 全然それじゃだめですよ。それだからだめなんですよ。

 一点は、まず、想像してみてくださいよ。福島県内に住んでいて、目の前を毎日トラックが走っていく。有蓋車ならいいけれども、シートをかぶせればいいと言ったけれども、雨が降ったら、そこから流れてくるんですよ、荷台から。科学的には何でもない、漏れていないといっても、その心理状態を考えてください。

 ウイング車が選択肢の一つではなくて、それが一番優先順位ですというのは言わなきゃいけないし、使用後、それを、はい、長期使用、だけれども、それを請け負う業者はここでも減りますよ。あなたのところで買って、これで仕事をしてもらって、その後資産になるんだから、どんどんほかの仕事に使ってくださいといったって、使えないんですって。

 この間の参考人質疑でも、トラック協会の会長が言っていましたけれども、震災のときの救援物資を運んだローリー車は、国が買い上げて公売にかけたんですよ。

 それはちょっと、対応を改めてもらわなきゃいけないです。ちょっと方向性を変えてください。

小里副大臣 お答え申し上げます。

 委員の御指摘、それぞれ大変参考になっております。除染の経験も踏まえながら、しっかりと検討を進めてまいります。

小熊委員 だから、科学的に除染してオーケーでも、これは風評被害の話と一緒で、人間の心理的なものがありますよ。そこも踏まえて処理を考えていただかなきゃいけない。はい、ピピッとはかって、出ません、大丈夫なトラックですといってもだめですよという話。

 ちゃんとしたデータはありませんけれども、一部の、こういうのをしゃべるとまた風評被害みたいに広がるから本当はしゃべりたくないけれども、例えば、福島ナンバー、いわきナンバー、会津ナンバーがついている中古が全国的に売れない、どこかに飛ばして、例えば大臣の地元の静岡ナンバーとかにつけかえてオークションにかけるとかやっている話も聞きますよ。何のこともない車ですよ。売れないんですもの。建設関係の人も重機を売ろうと思えば、福島県のものは引き受けないとか、あるんですって。

 科学的に大丈夫でも、そういう状況ですよ、だから、風評被害払拭とかそういうのを科学的知見に基づいて、国民の理解、国外の理解、やらなきゃいけないけれども、それがゼロにならない限り、そんな処分の仕方では負担になってしまいますという話。

 まして、ウイング車みたいなものは食品を運んだりもできるトラックですよ。それを運んだ後、はい、ジュースを運びました、野菜を運びましたと、商売をやる方からすれば、やはりそれはできないな、このトラックは廃棄した方がいいなとなりますって。

 そういう心理的な状態を、そんなさらっと。小里さんも政治家なんだから、役人じゃないんですから、その心理を、トラック、輸送する側の心理を考えたら、さらっと、はい、除染してなんて、科学的根拠でなんて言うだけじゃ済まないということはわかるでしょう。十分に、今すぐ、こういうふうに国がやりますと言えないかもしれないけれども、そこを前提に検討すると言ってくださいよ。

小里副大臣 御指摘のとおり、心理、また安全性の確保、そしてまた使用後のことも考えると、調達をいかにスムーズに進めていくかに直結をする問題だと思います。

 よく委員の御指摘を勘案しながら、今後、政治的に判断しながら進めてまいりたいと存じます。

小熊委員 これは私の考えじゃなく、この間のトラック協会の参考人も同じことを言っていますから、まさにこれは政治判断でしっかり決めていただきたいというふうに思います。

 またインフラ整備の方に戻りますけれども、この間も知事選があったので、私、久々にいわきの方も行ってみたら、大渋滞をしていて、今、六号線とか常磐道も整備しています。それだけでは輸送はしないから、各県道、市町村道も整備するとかしていくんですけれども、今、いわゆる原発の避難計画というのを各自治体でつくっているわけです。

 福島県は、第一原発は全基廃炉、第二原発も廃炉と、今の知事も新しくなる知事も言っていますし、これは県議会でも全党挙げて決議しているし、私も、第二原発も含め廃炉だと言っているんですけれども、一応原発施設ですから、何かまた、津波が来た、地震があったといったら避難しなきゃいけないので、それぞれ自治体では避難計画があるんですけれども、これも、今の状態の避難計画ですから、これからトラックがばんばんばんばんあの地域に集中していくことを考えれば、これも見直してもらわなきゃいけない瞬間が出てくるんですね。

 そうしたことも丁寧に今地元自治体と連携をとれていますか。この避難計画のインフラ整備、これはトラックがいるために逃げる計画が変わるんですよ、そうですね。これは避難を想定して、何台車が通る、人が通るということを考えて避難計画をつくっていますけれども、その前提がトラックの通る交通量によっては変わってくるんです。

 そうなると、これはつくりかえてもらわなきゃいけないし、まして、今原発収束のために作業員もいっぱい行っていますけれども、この輸送をする人たちの安全確保といった意味でも、これの書きかえが必要になってきます。負担を求めなきゃいけないんですね。そこを環境省はわかっていますか。

小里副大臣 それぞれ御指摘ごもっともであると思います。

 実施計画を作成する段階で、しっかり勘案して対応してまいります。

小熊委員 その場合にも、輸送経路のインフラ整備、国が面倒を見ると言っていただきました。あわせて、この輸送のために避難路を新たに整備しなければいけない、市町村でやらなきゃいけない場合も、これは国でやるべきですよ、国のせいでそういうふうになるんですから。そうですね。そこまで含めて、首をかしげているけれども違うんだ、政治判断だからいいんですよ、どう思いますか、大臣。

望月国務大臣 避難計画は、一義的には、県の方でつくっていただくことになります。

 しかし、こういうような輸送計画、実施計画ができまして、やはり道路あるいはまた地域住民の健康被害とか、そういったもの、さまざまございますので、その面については、県の方とよく連絡をとりながら、我々としても対処をしていきたいな、このように思っております。

小熊委員 だから、輸送路が決まって、なおかつ、輸送路の状況によっては避難経路を新たに確保しなきゃいけないというものが出てくれば、これは国がきっちり責任を持って、そこは協力をしていただきたいというふうに思います。大臣からもそういう方向性を示していただいたので、しっかり、ここは考えておかなきゃいけないんですよ。トラックの人たちも逃げるといったときの不安にもなっているわけですから。何かあったときにどうやって逃げるの、これだけ混んでいるのにというのがあるわけです。今でさえ、いわきは大混乱ですから。そこはしっかり対応してください。

 最終処分場に立ち戻りますけれども、今、法制化されたとしても、いわゆる地元基礎自治体の理解がないとこれはつくれませんね。これはある意味で市町村長の手挙げ方式ですよ。そんな市町村長、私のところはいいよという人はいないと思うんですね。では、国が強制執行するような最終処分場の法律を書くのかといったら、多分書かないんですね。そうすると、ずっと押し問答。ここにつくってください、いやいや、つくってください、いやいやとなるのが関の山なんです。

 これは本当に、三十年後、ああ、必ず出ていくなというような最終処分場の法制化というのはできるんですか。どんな形でそれの信頼を得ようと思っていますか、大臣。

望月国務大臣 三十年以内に県外処分を実現することができるかという形になってまいりますが、どちらにいたしましても、先ほどからお話ございますように、物理的減衰だと放射性セシウムの濃度が四割まで低減することが見込まれていく。あるいはまた、その物理的減衰のみで、技術的には、覆土を適切に行って、公共工事等で再生利用が可能なレベルになるとか、さまざまなことを実は考えて、我々としてはこれをお願いしていきたいな、こんなふうに思っております。

 こういったことをやはり十分に国民に説明して、理解を得ながら、福島県外で最終処分を完了する、そういうことを政府を挙げて全力で取り組んでいきたい、このように思います。

小熊委員 だから、一生懸命やりますよというのは誰も否定しません。だけれども、今、県外のものも結果が出ていない。先ほど言ったとおり、減容化したとしても、これは大丈夫なものがどこかに持っていけるのかどうかということも検討してもらわなきゃいけないんですよ。科学的には大丈夫なものでも、基準値以内のものでも、先ほど言ったとおり、下水処理場の水、飲める水ですよと言ったって飲む人なんかいないように。

 そういうところも考えれば、二千二百万立米を二百万立米にして、この二千万、どこかに持っていきましょうと言っても、この行き先も実は見つからないかもしれない。拒否される可能性もあるんですよ。それも含めて考えなきゃいけない。地元の理解というのはなかなか得られないです。逆に、大臣が、ちょっとこっちを見て想像してください。地元の静岡県内のどこかの首長になって、はい、それはもう科学的に大丈夫だから、うちの町で引き受けますよと言う首長になれますか。

 私は、ほかの委員会で、だから、こんなのは絵に描いた餅だと。本当に私は、持っていけるなら持っていってもらいたいですよ。まして、受益者だった関東の人に引き受けてほしい、東京に引き受けてほしいと思いますよ。でも、実際無理だなと思うから、中間貯蔵なんていいかげんなことを言わないで、これは本当は、断腸の思いで、福島県にずっと置く可能性もありますよと正直に言った方が信頼をかち得られるという話もしたら、与党席からも大分やじが、おまえ、ひどいことを言うなと。だったら、自分たちの選挙区に持ってこいぐらい言う政治家がいないのかという話なんですよ。いないでしょう。今いないんだよ、誰も。三十年後にそんな政治家も出てこない。

 大臣、責任を持つと。まず、では自分の選挙区から。そんな発言ができないのもわかる、私も。環境省の職員の皆さんも三十年後はいないでしょうと言ったら、いや、退官しても福島のためにやりますと言ったら、いやいや、福島のためにやるんだったら、地元に帰って町長でもやって、うちに誘致しますと言ってくれよと。そういう私も相手に対しては失礼なことも言っているし、生意気言っているし、詮ないことを言っているなと思っています。でも、その詮ないことをこれからやらせるんですよ、どこかにつくるということであれば。

 それは、福島県からすれば、最終処分場は県外に持っていくと言わなければ中間貯蔵もつくれない状況もあった。でも、何で信頼がないか、法制化しても本当にできると思っているかといえば、自分が持ってこられる立場になれば、これは容認できないなということを福島県民も感じているからですよ。

 ここは真剣に考えなきゃいけないです、本当に、これから。三十年後、今この中で生きている人もいるかもしれない。はい、ごめんなさい、責任をとります。責任をとるってどういうことですか。金ですか。頭を下げるだけですか。時間は返ってこないんですよ。だったら最初からちゃんと示して、新しい人生を始めましょう、新しい町づくりを始めましょうと言った方が早いんだ。

 大臣、責任を持ちますと言ったって、三十年後、いないでしょう。やると言うのであれば、本当は、パフォーマンスでもいいですよ、自分の選挙区内、まず候補地で一番目に手を挙げますよなんて言えますか、大臣。言えますか。答えてくださいよ。これは手挙げ方式でやるんだから、各自治体の。国の強制執行じゃないんだから。言えますか。

望月国務大臣 さまざま我々の方もお願いをして、そして、何としても御理解をいただけるような、そういう形をいろいろ、手挙げ方式、さまざま我々も研究をさせていただいて、そしてお願いをしていく。最大限の努力をしてそういう形に持っていく。

 福島の復興のためには、中間貯蔵施設を初め、そういったさまざまなものが必要でございますので、我々はしっかりとお願いをしていく、そういうことに尽きると思います。

小熊委員 先ほど言ったように、北海道から沖縄まで全部対象です。環境的に条件が合致すればどこでも対象になると言いましたよね。仮定の話だから答えられないかもしれないけれども、大臣の地元の選挙区内で合致する地域があれば、積極的に誘致に関して努力しますか、どうですか。

望月国務大臣 仮定の話ですので、今、その発言は控えさせていただきたいと思います。

小熊委員 だからだめなんですよ。そこの覚悟がないから、我々は信頼できないんだ。

 我が党の橋下徹は、この中間貯蔵の最終処分場じゃなくて、使用済み核燃料の処分問題がある、これは新設なんかをしなくても、今の五十何基分、いずれ処分しなきゃいけない、我が維新の党の国会議員は、次の選挙で、自分の地元にこの使用済み核燃料の最終処分場をつくってもいいぐらいの覚悟をして引き受けて、選挙をやってみようというぐらいの人ですよ。ある意味、普通に考えたら、そんなのはおかしな話ですよ。だけれども、そのぐらいの覚悟がないとこれはできない事業なんです。

 もうこれで終わりますけれども、そのぐらいのことですから、通り一遍の優等生みたいに、頑張っています、汗をかいています、地元の理解を得られますといったって、進まないというのを県民がわかっているから信頼が醸成されないということなんです。

 これは大臣だけじゃない、私も含めてだけれども、きょうお越しの委員、ほかの国会議員全部含めて、自分の地元に福島県のこの中間貯蔵の最終処分場を持ってこられるかどうか、考えてみてください、想像してみてくださいよ。三十年間うるかすんですか。本音でやらない限り、犠牲になるのは被災者であり、福島県の人たちです。

 ある意味、本音でしゃべることが厳しいことを福島県民に突きつけることになるかもしれない。でも、そうでなければ本当の復興はなり得ないし、それが政治でしょう。それが政治なんですよ、本来の。ぜひその本音の議論ができるように、これから環境省としては努めていただきたいというふうに思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

北川委員長 次に、林宙紀君。

林(宙)委員 維新の党の林宙紀でございます。

 引き続きまして、我が党に割り当てられた時間内で質疑をさせていただきたいというふうに思っております。

 きょうはこの法案について主にお伺いをしていきたいというふうに思っておりますが、まず、それに先立ちまして、ここまでの質疑を聞いていて、私もさんざん思うことがあります。

 思うことがある中で、先ほど福田委員から御質問があった、栃木県の塩谷町の方々が、方々を含めて署名を持ってきた、何万人だったかわかりますかと。私だって知っていましたよ、これは。それは関心が高いからと言われればそうかもしれません。だけれども、これは、所管する省庁のトップ、あるいは副大臣、政務官も含めて、知っておくべきことだったんじゃないんですかね。そんなことも知らずに、住民の皆さんに寄り添ってなんてよく言えたものだと思いますよ、私は。

 私のようなたかだか一回生議員、皆さんに比べれば若輩もいいところですよ。そんな人間が、普通の日本の社会だったら、目上の人々にこんなことを申し上げるのは甚だ失礼千万なんです。わかっています。だけれども、報道にだって普通に出ていたじゃないですか、全国紙に、ぽっと。このぐらいのことはやはりフォローしておいていただきたいんですよね、日々お忙しいと思いますけれども。

 そういうものを全部考えて、あとは、役所の皆様、日々大変な思いをされていると思うから、余り私も、そこは敬意を表しますし、厳しいことは言いませんけれども、だけれども、やはりそのぐらいはお耳に入れておいてさしあげるぐらいのことはあってもよかったんじゃないでしょうかねということを思うわけです。そういうところから、ぜひまた気持ちを新たにしてやっていただきたいんですよ。

 大臣は就任されてもうすぐ二カ月というところだと思うんですけれども、やはりここまでずっと携わってきた人に比べればそれは時間的な不利はあると思うんですけれども、やはりそこを挽回する、そういう気持ちがあって初めてこういう問題は前に進むものだと思いますので、ぜひそこはお願いしたいと思います。

 それで、きょうは、今我が党の小熊議員が私の思っているところも随分後半の方で代弁していただいたなと思っていますので、それに続いてという形ではないんですけれども、まず、きょう、福田先生がいろいろ資料もつけてお出しいただきました。私自身も、大体、原則論として、リスクのあるものというのは分散すべきじゃないと思っています。集中して管理する、これがリスク管理の大原則だと思うんですよ。

 それを今回あえて政治判断という名のもとに、これは前の政権のときの決定事項ですからというふうに言うかもしれませんけれども、それでもやはりそれを引き継いで今進めていかれるということは、それでいいと思っているからだと思うんですね。

 この東京電力の福島第一原子力発電所の未利用地、先ほどお示しいただいた百ヘクタールございます。やはり、最終的には私はここに、指定廃棄物の話ですけれども、宮城県ですとか含めて五県にまたがる廃棄物は、もうそこに持っていくしか最終的に結論は出ないんじゃないかなと思っていますよ。

 私自身も地元宮城県でいろいろと話を聞いていて、今候補地三つ、今から詳細調査、ボーリング調査をやるとおっしゃっていますけれども、私自身は、自分自身でこの目で見て、足で踏んで歩いて調査した結果として、こんなところには到底無理でしょうという場所なんです、私が思うには。それは政府がどう判断されるかわかりません。恐らくいいと思っておられるんでしょう。でも、そういうことを考えると、ここに持っていくしかないんじゃないかなというふうに思っています。

 ただ、それは指定廃棄物の問題なので、きょうは時間が余れば少しお伺いしたいなと思いますけれども、法案に関してちょっと戻りますが、今回、最終処分の場所というのを福島県外であるというふうに、これは閣議決定等々で決まっているわけなんです。この理由ですね、何で福島県外じゃなきゃいけないんですかというところを改めて問いたいと思います。簡単にお答えください。

三好政府参考人 お答え申し上げます。

 最終処分の場所が福島県外でなければならない理由でございますけれども、東京電力福島第一原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染が最も深刻な福島県においては、住民が既に過重な負担を負っていること等を踏まえ、総合的に判断した結果、例えば、先生も御紹介いただきました閣議決定がございますけれども、福島復興再生基本方針において、中間貯蔵施設に貯蔵する除去土壌等については、「中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずる。」としたものであると承知をいたしております。

    〔委員長退席、石原(宏)委員長代理着席〕

林(宙)委員 そうなんですよね。それで、やはり福島県の皆さんに過重な負担をこれ以上と。それはお気持ちはもうよくわかりますよ。そういう気持ちはよくわかる。だけれども、それでも私はやはり、リスクのあるものをこんな分散して、しかも五県。五県に分散するんですよ。こんなことをやってはいかぬと思うんですね。

 おまえは宮城県の人間だからそういうことが言えるんだと言うかもしれませんが、私は七歳まで福島県で育っています。友人もたくさんいるんです。それでもなお、やはりそうすべきだと思いますよ。何だったら、別に福島県に今から移住したっていいと思うぐらいですよ、東北ですし。

 そのぐらい思いながら今回の法案を見詰めると、結局、先ほど小熊議員もおっしゃっていましたけれども、要は、では、最終処分を行うということに当たって、やはり、今回の指定廃棄物のように、選ぶ段になったら絶対に地元で物すごい反発が起きて、その結果、物すごい時間がかかる。こんなのはもう今の段階からよくわかることなんですね。もう予想できること。となると、ではそこを、誰が責任を持って最終処分場を決めていくんですか、場所を。

 今だったら、宮城県ですとか栃木県の指定廃棄物の最終処分場については、前の石原大臣を含めまして政務の方々、今でしたら望月大臣を初めまして政務の方々が一生懸命やっているわけです。なんだけれども、では、三十年後までにそこを決めるときに、誰が責任を持つんですかねという話になると、国が責任を持つという、そこしかないんですね。そこが多分、やはり野党側は気持ち悪いんです。

 それは、今大変だと思いますよ。大変だと思います。この法案を通しました、いや、三十年後までに最終処分場を決めましょう、福島県外に。ここまででも大変な努力だと思いますよ、恐らく。

 だけれども、三十年後までに最終処分場を決めるときに、今度、別の人が同じことをやらなきゃいけないんですよ。そのときに、自民党さんの政権かもしれません、あるいは、今野党をやっているほかの政党の政権になっているかもしれません。そのときにみんな絶対思うんです。あのときに何でこんなふうにしたのかなと思う人、一人や二人絶対いますよ、その閣内においたって。(発言する者あり)まあ、ちょっと控え目に今一人や二人と言いましたけれどもね。

 となると、私、実はこの件について先週質問主意書を出したんです。つい先ほど、九時過ぎにいただきましたので、どういう内容だったかというと、誰が責任を持つのかという意味においては、将来、何年後になるかわかりません、十年後か二十年後かわかりません。最終処分場の場所を選定する際に、今の閣僚、例えば望月大臣ですとかが、その時点においてどんなお仕事をされているかわかりません。もしかしたら政治家を引退されているかもしれない。どんな役職、どんな職にあろうと、少なくとも最終処分場の場所として候補地に挙がったところには環境省の皆さんと説明に赴く、そういう義務を課すぐらいのことをやってもいいんじゃないですかということをここに書いたんです。

 そうしたら、答弁が、言うところの明確に責任を負う仕組みというのが何を指しているか定かではないがと。定かではないじゃないんですよ。だって、私書いているんですから、具体的に、行けと。今だったら望月大臣ですよという話ですね。こういう返答しか返してこない。一体どういう責任のとり方をしたいんですか。

 それは、国というのは、今の時点と三十年後の時点では当然、国政を取り仕切っている方は違うわけですよね。ただ、そこは継続性、一体性を持って、それは随分前の人たちがこう決めたから、私たちは今大変かもしれませんけれども、国として責任を持ってやりましょう、これが国ですよ。それでいいと思います。いいと思うけれども、それだとどうしても、今の人が、では、あとはもう三十年後の人に任せましょう、こういう見え方にならざるを得ないんですよね。だから先ほどの小熊議員のようなお話になってくるんです。

 では、今予定されている最終処分、皆さん、私の地元で引き受けましょうと言えますか。多分言えないと思いますよ。私ですら、今、地元に指定廃棄物の最終処分場、それを見ていて、これはなかなか大変だと思いますもの。それでも、もしかしたらどこかの瞬間で、私の首と引きかえにそれをやると言いましょう、そういう首長さんが出てくるかもしれませんよね。私もそういうことを言わなきゃいけないかもしれない。でも、そのぐらいの覚悟を見せて初めて成り立つような話だと思うんです、こういうのって。

 と、長々と申し上げましたけれども、質疑通告の二番に入れたのは、大臣にお伺いしたいということで、今累々と申し上げたことについて、質問主意書に書いたのは、現在の内閣の閣僚が何らかの形で明確に責任を負う仕組みにすべきなんじゃないですかということ、質問主意書と一緒です。これについて大臣はどのようにお答えになりますか。

    〔石原(宏)委員長代理退席、委員長着席〕

望月国務大臣 林先生の覚悟のほどといいますか、今聞かせていただきまして、我々もそうなくてはならないなということを、気を引き締めているわけであります。

 それからまた、もちろん我々は今閣僚あるいはまた政務三役がおりますので、それぞれ、国会議員の皆様方も、これからJESCO法という大切な法律をつくっていただきますので、さまざま思いがあると思います。特に私は担当する大臣でございますので、これからも私はずっとこのことについては注視をしていかなきゃいけないと思っています。

 ただ、私、前にお話ししたことがありますけれども、これはもう与野党を問わず、実は私、今大臣をやって本当に、信頼関係をつくるためには皆さんに頭を下げるのはいといませんけれども、私の前の大臣、そしてまた前の大臣、特に原発の後、民主党の大臣の皆様方、今よりも相当混乱があって判断に苦しむ、福島県の佐藤知事ではないと思いますが、苦渋の決断をしながらこうやって決めてきていただきました。

 我々も、そういう皆さんの苦しい思いで決めたその礎の上で今この仕事をさせていただいている。我々が大変だけではなくて、今までも皆さんも苦労してきた。そういうことで我々は、今は、この法案を何としても通させていただいて福島の復興につなげていきたい、こういう気持ちでいっぱいでございます。

 最終処分場の確保につきましては、放射性物質汚染対策の特別措置法の基本方針によって、国が責任を持って行う、こういうことになっておりますので、政府が組織として継続性を持って取り組んでいく課題、我々が責任逃れするわけじゃなくて、ずっとその思いは持ちますけれども、国というものはこれからもずっと続きますので、そこにしっかりとした、この法律によって規定をつくって、そしてこの事業を進めていく、そういうことであると認識しております。

 どちらにいたしましても、最終処分は非常に重要な問題でありますので、幅広い意見を聞きながら、その実現に向けて総力を結集して取り組んでいきたい、このように思います。

林(宙)委員 今大臣をされているから望月大臣にこういうお話をさせていただいているわけですけれども。

 私にしてみれば、この特措法、今お触れになった特措法ですとか、その閣議決定をされたときに、それも与野党問わずです、それを通した、賛成をした皆さん、全員に覚悟を持っていただきたいと思っていますよ。

 私も当時は議員でも何でもないですし、一介の、地元、ふるさとなので、当時は東京で働いていましたけれども、そこに支援に行ってというような人間だったんです。

 今、政治と金の問題で、触れませんから大丈夫ですよ、いろいろ言われていますけれどもね、それで、与党の皆さんにも、もういいかげん政策を進めろと。進めたいです、私も。だけれどもね、あのときもそうだったんですよ。震災が起こって、半年間、やれどうやって進めていこうか、どうやってこの事態を収拾しようかと言っている、そこに力を注ぐべきときに、確かに不適切な発言とかあったかもしれませんけれども、何か、あなたが総理の間は協力しないとか言ってみたりとか、そんなので閣僚が何回も何回もかわって、地元は進まなくて。そういうことをやっていたんですよ。そういうことはよく考えていただきたいと思うんですね。

 そういう覚悟を持って復興あるいは原発事故の対応というのはやっていかなきゃいけない。

 先ほどの、申し上げたとおり、私は、福田先生がおっしゃった福島第一原発の未利用地およそ百ヘクタール、この中に指定廃棄物等々も含めて何とか管理できるんじゃないですかというふうに思っているところはあります。当然それは福島県の皆さんにこれ以上負担を強いるわけにはいかない、その気持ちもわかります。だけれども、原発というのはそういうものなんですよ、恐らく。

 何か事故が起こったとき、その立地している皆さんにそれだけのリスクをお願いしなきゃいけない、そういうものも全部含めて考えて今後の原発行政というのも考えていかなきゃいけないんだと、ここは環境委員会ですからこれ以上は言いませんけれども、そういうものだというのをぜひ考えていただきたいと思うんですね。

 それで、今回のこの法案を審議するに当たって、ちょっと私、不勉強だったものですから、一個、はっと気づいたことがありました。

 質問通告の五番から行きますよ。

 中間貯蔵施設に入るものというのは、私てっきり、今宮城県とかで言っているああいう牧草とか瓦れきのようなものも含めて、そういった類いのものなのかなと思っていたんです。しかしながら、違いますね。よく考えたら違いますよね。ほとんどが除染などで出た汚染された土壌ということですよね。

 そこではたと気づいたわけです。何に気づいたかというと、いや、私、原則論からいうと、宮城県ですか栃木県のその指定廃棄物というのは、今は、キログラム当たり八千ベクレルから十万ベクレル、この範囲にあるものは発生した県で処理をしてくれ、こういうことになっていますね。であれば、土壌も一緒じゃないかと最初思ったんです。

 土壌だって、確かに物質は違いますよ、そういう可燃物みたいなものと土壌というのは。やはり違いますけれども、しかしながら、そこから出てくる放射線というのは、八千ベクレルから十万ベクレルという範囲だったら、別に影響は一緒じゃないですか。

 だったら、福島県で出たその八千から十万ベクレルの土壌については、別に福島県で発生したんだからそこで処理すればいいじゃないかと思っていたんですよ、私。そうしたら、これは違うんですね。土壌は別なんですね、その理論からは外れている。その理論からは外れているというよりは、ある理由があって別にしているんだということなんですけれども、ちょっとこの別建て、別扱いになっている理由を改めて教えてください。

三好政府参考人 お答えをいたします。

 先生お尋ねの事項は、実は、私どもが放射性物質の汚染対処をしております、法律になっております放射性物質汚染対処特措法の関係の規定に関することでございます。

 実は、これは議員立法でお決めいただいた法律でございますが、政府といたしましては、廃棄物と土壌が二つ分かれているという理由に関しましては、もともと廃棄物につきましては廃棄物の処理及び清掃に関する法律というものがございます。一方、土壌につきましては土壌汚染対策法というものがございますので、それぞれ、従来、別の法制度のもとで取り扱われてきたということでございまして、そのことを踏まえて、放射性物質に汚染されている廃棄物と除去土壌につきましても、この特措法で条項が分けられているというふうに理解をしているところでございます。

林(宙)委員 そう、それで議員立法だから、政府としてはなかなか細かいことまでは答えられませんというのが、同じく、同じ質問主意書の中でそういうお答えをいただいています。今と同じことを聞きました。「議員立法の内容に関する事項であり、立法趣旨の詳細は必ずしも明らかではないが、」ということなんですね。

 私は一回生議員だから物を知らぬと思って御容赦ください。立法趣旨の詳細は政府は把握していない。そうなのかもしれません。では、その趣旨を把握していない法律に基づいて皆さんは政治、行政を行っているんですか。どういう答弁ですか、これ。私は政治経験が短いですから、いやいや、おまえの言っていることは非常識なんだ、政治的には。そうかもしれません。一般的にはこっちの方が正しいと思いませんか、と思われるわけであります。

 ということで、全くほぼ同じ内容できょうは質疑通告を実はしていますし、返ってきた答弁がこれだったということなので、ちょっと大臣、済みません、通告していなかったので細かいことは要らないです。今私が申し上げました、議員立法の内容でその詳細はよくわからないけれども、それに基づいて行政というのはやるべきものなんでしょうかということについて、大臣はどのようにお考えになりますか。

望月国務大臣 我々もさまざまな議員立法に携わってまいりました。やはり、議員の皆様方がつくっていただいている法律というものは、非常に国民の生活に深くかかわっているもので、大切なものでございます。これはもう十二分に我々は尊重していかなくてはいけない、そこでできた法律はしっかりと我々も遵守をしていかなきゃいけない、このように思っております。

林(宙)委員 まさに今大臣がお答えになったことが正しい姿勢だと思うんですよ、私も。

 であれば、質問主意書とはいえ、答弁にこのような形で、しかも文字に残してこんなふうに答えるというのはどういうことなんでしょうね。これは何も、大臣ですとか皆さんにここで追及したいとかそういう話じゃないんです。これは皆さんに考えていただきたいんですよね。だって、今後皆さんがよかれと思って議員立法した内容は、それが成立してもなお、政府の方はちょっと内容の詳細はわからないけれども、決まったからやるか、こういう扱いになる。これはおかしなことでしょう。私も立法する意欲がうせますよ、こんなんじゃ。これは大問題だと思うんですよね。

 こんなことをやっていたら、優秀な、俺、こういう法律をつくりたいんだ、頑張りたいんだと思う人が世の中にもう少しいるかもしれませんけれども、こんなことをやっていたら来なくなります、また。優秀な人材も来なくなります、この政界という場に。そして、何よりも国民に見放されますよ、こんなことをやっていたら。

 今、私が大臣に、すごく真っ当な正しい、正しいというか、ありがたい答弁をいただいたと思うんですよね。だから、これは皆さんにぜひ今後どうするか考えていただきたいんです、答弁書をつくるときに。だから、今大臣に御答弁いただいたので、今後こういう逃げ方をしたら、また私は言いますよということです、申し上げているのは。ぜひここはよく考えていただきたいと思うんですね。

 それで、話は戻りますけれども、土壌というのは、だから、もともとの立法根拠が違うので別扱いになっていますよということなんですね。それはそれでわかりました。しかしながら、危険度のレベルとしては同じものなのに、何でそういう分けたやり方をするのかな、それこそ議員立法で、土壌とそれ以外の廃棄物はもともと扱いが違うんだけれども、議員立法なんだったら、そこを一緒に扱えるようにしましょうよと何で当時しなかったのかなと私は今思いますが、それはきょうは問いません。

 その次の質問に行きます。

 そうすると、別のものだということは、今、宮城県で指定廃棄物の最終処分場をどうしましょうねと言っていますけれども、それが何らかの形で決着したとしますよね。そうすると、今度、ちょっと待て、こっちには汚染土壌がまだあるんだ、これはどうするんだという話になってくるんですね。

 そうなると、では、この汚染土壌はまた別の施設をつくるのか、あるいは、放射線のレベルによっては、一般廃棄物として扱われているのと同じで、例えばどこかの土地にすき込むとか、何かそういう扱いをするのかという方向になってくると思うんですけれども、環境省としては、今後どのようにそれについて進めようとされているんでしょうか。

三好政府参考人 先生の今お尋ねは、福島県以外で発生している除去土壌ということでございますけれども、これにつきましては、特措法に基づきまして、各市町村が除染を実施されておりますので、発生した除去土壌の処分につきましても、処分場所にかかわる判断も含めて、各市町村において対応していただくことになります。

 ただ、市町村が御判断いただくためには、処分基準をつくっていく必要がございます。これも特措法に基づいてつくってまいりますけれども、これは国の方でつくらせていただくということになっておりまして、今、その処分基準につきまして、鋭意検討しているところでございます。

 私どもといたしましては、除去土壌の処分が進むように、適切な最終処分基準をつくっていきたいということとともに、必要な財政的措置でありますとか技術的な支援を行ってまいりたいというふうに考えているところでございます。

林(宙)委員 ということで、この汚染土壌に関しては、それぞれの市町村でどうするかというのはまだ決まっていない、検討の段階だということなんですね。私も今回、初めてそういう状況だというのがわかりましたので、ただ、これは、それぞれの自治体の住民の皆さんは、もしかしたら認識していないんじゃないかなと思うんです。

 指定廃棄物の最終処分場でわあっとなっていて、今後、中間貯蔵施設から福島県外に運ぶときの最終処分場をどうするんだという不安があって、しかしながら、これはもう一個懸念材料がふえたということですよね、土壌をどうするんですかと。だって、まだ決まっていないんですもの、どうするか。その同じ指定廃棄物の最終処分場に入れられるんだったらまだ一カ所で済むからいいかもしれないけれども、そうではないということになる。

 福島県以外の汚染土壌については、調べてもらったら、今のところ三十万立方メートルぐらいだということなんですね。今後もしかしたらちょっとふえるかもしれませんが、今のところは大体このぐらいですよと聞いています。中間貯蔵施設に入る廃棄物等々、汚染土壌が、先ほどから触れられているとおり、推定二千二百万立米ですか。これに比べればかなり少ないということにはなりますが、今回のこの問題は、政務の皆さんも本当に感じていらっしゃると思いますけれども、これは量の多寡じゃないんですね。

 汚染されている、放射線を発するというものがたとえ微量でも身近にあるということがやはり不安を感じさせるわけで、どれだけ科学的に、セシウムは土壌の中をそう簡単には移動しないから、仮に何か漏れたとしても水源まで行くことはありませんという科学的な説明をされても、やはりなお不安なんですよね。

 となると、やはりこれは物すごく不安事項として今後残っていくと思うんですけれども、これについては今検討段階ということで、できるだけ早くこれは決めていただいて、もう並行して決めていただいた方がいいと思いますよ。じゃないと、後になってからまた、まだそんなのあったのかということになりかねませんから、これは御検討いただきたいと思います。

 大分時間が迫ってきてしまいましたので、残りの中の質問で、ちょっと一言、まずこれは言っておきたい、言っておきたいというか指摘しておきたいということなんです。

 今回の改正案の条文で第三条の二項というのがあります。ここにつらつらつらとございまして、最後の行が、「中間貯蔵開始後三十年以内に、」この「、」が大事なんです。「三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずるものとする。」と書いてあるんですけれども、これは、ここに点が打ってあると、私は最初、初見したときに、意味が違うんじゃないかと思ったんですよ。

 どういう意味に私が捉えたかというと、貯蔵を開始した三十年以内に、以内にですよ、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずる。つまり、最終処分、中身を運び出していなかったとしても、三十年たった時点で、だけれども、今後数年間のスケジュールでこういうふうに運び出していきたいと思いますというところまで決まっていれば、それすらも「最終処分を完了するために必要な措置を講ずる」という中に入ってくるんじゃないかと思ってしまったんですよ。

 だけれども、いや、そんなことはないですよ、常識的に考えろと言われればそうかもしれませんが、わかりません。将来どんな政権ができているかわからないんですから。この条文から読んだらそうなるとなってしまうと困るので、これはもう三十年以内に完全に中の貯蔵物を福島県外に運び出すという意味ですということなのかどうかを確認させてください。

福山大臣政務官 議員の質問にお答えいたします。

 三十年以内に県外最終処分を完了することとしており、このために必要な措置を講ずることとしております。

 以上でございます。

林(宙)委員 いいのかな。とにかく、ちょっと私は何となくはてながつきましたけれども。

 それは、完了させる、運び出すんですよということでいいんですよね。はい。ということで、この答弁をもちまして、議事録にも残りますので、将来のそういう憂いは消えたということになりますね。ぜひ、点を打つ位置とか、法律的にはすごく大事だと思うので、今後気をつけていただきたいと思うんですよ。

 なおかつ、これも確認しておきたいということなんですが、「中間貯蔵開始後三十年以内」の、この「開始」の定義ですね。何をもって開始とするのかというところ。

 今、その目途としては、平成二十七年、来年の一月からということで目指していらっしゃるということなんですが、いまだに現地の用地取得ですとか地上権の設定とかそういったところでまだ広く御理解がいただけてはいないんだろうなという中で、この二十七年一月、ここで開始できるのかどうかも含めまして、この「開始」は何を指すのかを教えてください。

福山大臣政務官 「開始」の意味するところでございますが、「中間貯蔵開始後三十年以内」の「開始」とは、除去土壌などを中間貯蔵施設に搬入し、保管を始めることを意味しております。

 具体的には、最初に除去土壌などを中間貯蔵施設に搬入した日を想定しております。

 平成二十七年一月からの搬入の目標については、日程的には大変厳しく、今後、用地取得が円滑に進むかなどの課題もあります。また、苦しい思いで生活をされている地元の方々の思いを踏まえていく必要もあります。

 こうした点を踏まえつつ、できる限り早期に搬入を開始できるよう最大限努力をしてまいります。

林(宙)委員 これも、とられ方によっては、一月と今言っているけれども、多分無理なんじゃないか。開始というのがどの時点かということによっては、例えば運び込むのがなかなか難しくて始められませんといって、ずるずるずるずると後ろに行くんじゃないかととられかねないということなんです。なので、これも明確に、しっかりと早く対応するということを御表明いただきたいんですね、早い段階で。

 あと時間が本当にわずかですので、最後にちょっとお話を伺いたいなと思うのは、またちょっと宮城県の話に戻って恐縮なんですけれども、指定廃棄物の最終処分場の候補地、なかなか、現地、今、詳細調査の受け入れが成っておりません。これについては、前回の質疑で望月大臣も、御自身が足を運ばれるということも含めて、今後どうやっていくか早く検討したいとおっしゃっていました。

 現実的なところでいうと、各候補地、十一月の半ばぐらいになると雪が降ってくる可能性がございます。残された時間はあと二週間か三週間なんです。そうすると、私自身は、大臣、ここが行きどころなんじゃないかなと実は思っていたりもしますけれども、最後、済みません、これは通告にありませんでしたが、大臣、それについてはどのようにお考えかというところだけお答えいただいて、最後にしたいと思います。

小里副大臣 先般来、加美町を初め、私の方で頻繁に接触をしております。いろいろ委員からも御指摘のあったとおり、現地からは、この施設について、また詳細調査について、懸念する声を大きくいただいております。

 そういった中で、詳細調査は実質的には八月下旬から進めてきておりますが、実際のボーリング調査はまだ入れないという状況でございます。何とか、地域の皆様にしっかりと説明申し上げながら、事を前に進めていきたいと思っております。

 いろいろ御心配をかけますが、とにかく意思の疎通が一番大事だろうということで、加美町に私も二度お伺いしましたし、また、他の現場にもお伺いをいたしました。また、栃木県の塩谷町もそうですが、町長さんもお越しいただいて、意見交換を行っております。そういった意思の疎通の機会をしっかりつくってまいりたいと思います。

望月国務大臣 どの時点で私が行ったらいいかなということは、さまざまな考え方があると思います。私が行くことによって混乱する場合もあれば、そうでない場合もございます。さまざまな諸事案を考慮して考えてみたいと思います。

林(宙)委員 ぜひ大臣にはベストなチョイスをしていただきたいというふうに思います。

 では、以上で質問を終わります。ありがとうございました。

北川委員長 次に、田沼隆志君。

田沼委員 最後になりました、次世代の党の田沼隆志でございます。

 このJESCO法、非常に重要な法案と私も思っておりますが、通告はありませんけれども、質問もしませんが、一方で、大臣、いろいろ、政治と金の問題、今でもまだ話題になっているわけであります。

 私や私の党、次世代の党は基本的に法案を優先するべきだと思っておりますが、まだまだ、きょうだったか、また何か記事をちょっと拝見した記憶がございます。賀詞交歓会の支出はあるけれども収入はないということで、大臣の御答弁も、いろいろ矛盾を指摘する声もありますので、ぜひみずから政倫審の方で疑惑を晴らしていただきたい、きちんと説明を果たしていただきたい。これは総理も言われていますので、改めて私からもお願いをさせていただいて、法案の方に入りたいと思います。

 それで、前回の参考人質疑のときに出してもよかったのかもしれないんですが、ちょっと通告の順番を変えます、七番目に通告しておった九月二十九日の、用地買い取りの問題ですね。

 中間貯蔵施設をつくるためには、当然、地権者さんに理解してもらって買わないといけないわけですけれども、この説明会が二十九日に開かれたという記事。

 ごめんなさい、きょうちょっとお持ちしていませんけれども、こちらにある、大体委員さんは御存じだと思うんですけれども、「福島・中間貯蔵施設 用地買い取り」という記事でございます。これはやはり非常に厳しい反応でして、初の地権者説明会ということですが、日経などだと、「話にならない」「判押せぬ」とか、「反発・落胆広がる」という言葉が出ていますね。

 ちょっと読んだ方がいいですかね。では、朝日が短いので。

 「福島県内の除染で出た汚染土を保管する中間貯蔵施設について、環境省は二十九日、候補地の大熊、双葉両町の地権者への説明会を始めた。」と。「国側は、東京電力福島第一原発事故がなかったとした取引価格」、つまり昔のときですね、「に対し、宅地と農地が五〇%、山林は七〇%とする考えで計算した金額を提示した。」あと、「事故による減額分は県が補填する」んですけれども、説明会では、非常に「「安すぎる」「わかりにくい」などの声が出た」と。

 かつ、その説明会自体もあれですけれども、地権者が特定できたところは、二千三百六十五件の所有地のはずなんですが、所有者で連絡がつくのは千二百六十九名、半分だと。所有者が明治時代のままだったりもして、なかなかつかないという現状があるというふうに報道がありました。

 これはやはり、このJESCO法、中間貯蔵事業自体を進めていくためには乗り越えていかなければならない、また一つの壁だと思いますけれども、どういうふうに理解を得ていくかも含めて、大臣の御見解をいただければと思います。

望月国務大臣 まず、この宅地の記事の問題でありますけれども、一番最初、大分混乱があったようでございました。半額で、どういうことだというような。ただ、そのときには、たしか一番最初のときには、県のそういった協力の上で補償するというものがなかったような気がします。それで大分、五割とは何事だというような話があったと思います。

 ですから、そういう話になりますと、地権者の皆様の声には無理からぬところがある、我々はこのように思いますが、福島県とも協力の上、国からの補償と福島県から交付される百五十億円の交付金の活用によって、実質的に事故がなかったとした場合の補償額と同じ金額、要するに全額措置される、こういうような形にして、いろいろ御説明をさせていただきました。

 ただ、さまざまな御意見がありましたけれども、その後は、一番最初のときのその新聞を見て、皆さん、大分お腹立ちになったときとは違う状況でございます。もちろん、全てがそれでおさまったということではなくて、さまざまな御意見がございましたので、そういったものをしっかりと生かさせていただいたということでございます。

田沼委員 一発目ですから注意した方がよかったと思いますし、大臣の御答弁でその後は何とかなるのかもしれませんが、引き続き地権者さんとの丁寧な交渉、きょうの委員会でもほとんど信頼関係の話がやはり中心となっていると思いますので、ぜひ丁寧に進めていただきたいと思います。

 そのスケジュールですとか体制ですとか、そういったことも関心はあるんですけれども、もし何か、地権者との交渉スケジュールですとか、あと、この記事だと、特に半数しか連絡がついていないということに関して、私はちょっとこれは大丈夫かという思いがありますので、今後のそういった取り組みの方法について御見解をいただければ。

三好政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、住民説明会に御参加いただきました住民の方は、延べの人数、複数回以上お越しになった方もおられますので、九百名ぐらいということでございます。

 それで、私ども、住所がある程度把握できていますのは一千三百名程度ということでございますが、さらに、わからないものも含めまして、現時点では二千三百件ぐらいということになります。先生御指摘のとおり、相続の関係で、現在の所有者の方がわかっておらない事例もございます。

 それで、説明会という形ではなかなか説明が行き届きかねる点もございますので、個別に御説明をさせていただきたいということで、両町からもそういう丁寧な説明を求められておりますので、そういうことで進めていきたいと思っております。

 なお、現在わかっておらないところにつきましては、関係の戸籍でありますとか住民票の除票でありますとかを集積いたしまして、できるだけ多くの方の所在地がわかるように努力をして、個別の説明に入ってまいりたいというふうに考えているところでございます。(田沼委員「スケジュールは」と呼ぶ)失礼いたしました。

 私ども、まずは、当面の目標といたしまして、二十七年一月ということでございますので、それまでにできるだけ丁寧な説明を心がけたいということでございますけれども、なお、住所のわからない方は引き続き残ると思いますので、ここは継続的にやっていくということで進めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

田沼委員 ちゃんとやってほしいという意味で質問しているんですけれどもね。

 一月までに全ての方ときちんと連絡をとり合って、買い取りをしないといけないんだと思いますので、これ以上はお答えがないのかもしれませんけれども、要は、千三百名ぐらい以外の方に対するアプローチがちょっとよくわからなかったので、頑張っていただきたいと思います。これは質問しませんけれども、頑張ってください。

 今度は、地権者の方とは別に、この法案説明資料にもありましたけれども、自治体の方への総額三千十億円の財政措置ということです。こちらの中の、特に中間貯蔵施設等に係る交付金ということで、これで千五百億円というのが計上されています。

 これは前もどなたか触れられていたかと思いますけれども、この中身がちょっとよくわからない。この趣旨とか使途とか、特に自由度、どういうふうな制度にしていくのかが、もう少し説明をいただければと思いますので、よろしくお願いします。

福山大臣政務官 お答えいたします。

 中間貯蔵施設の整備などや福島第一原子力発電所の廃炉などによる影響などに対応し、原子力災害からの福島の復興と地域の自立を確かなものとするため、総額三千十億円の新規かつ追加的な生活再建、地域振興などに係る財政措置を講じることとしております。

 このうち、新規に千五百億円を措置する中間貯蔵施設等に係る交付金は、生活再建を進めていくとともに、大熊町、双葉町を初めとする地域や県が主体的にしっかりと地域振興に取り組むための基盤を整えるものでございます。

 具体的には、中間貯蔵施設等に係る交付金においては、ふるさとの結びつきを維持するための事業、風評被害対策のための事業、生活空間の維持向上のための事業などに活用いただける極めて自由度の高いものとすべく、制度の詳細を検討しているところでございます。

田沼委員 自由度が高いというのはとてもいいと思いますけれども、本当に必要なところにお金を使っていただかないと、自由度が高過ぎても、何か単なるばらまきになってしまっては、そういうのはやはり見透かされると思うんですよね、地元の方にも。やはり信頼関係を築いていかなければならないわけですから、ぜひそういった信頼関係を培えるような使い方というのをお願いしたいと思います。

 関連してなんですけれども、これは福島、また両町ですが、私も千葉の出身なので、ほかの最終処分場がある自治体に関しての方の話も、これは、ちょっとごめんなさい、通告と順番が違いますが。

 これは五十億というお話がありました。五県なので、単純に五で割ると一県十億となるのかなと思いますが、そもそも、単純に割る五で、一県十でいいんでしょうか。では、ちょっとそれだけ、まず。

鎌形政府参考人 五県の指定廃棄物の処分場につきましての地域振興の予算についてのお尋ねでございます。

 地域振興につきましては、市町村長会議などの場でさまざまな御意見をいただいたことを踏まえまして、平成二十六年度予算において、指定廃棄物の処理施設を設置する場合の周辺地域振興等のための事業を支援する予算ということで、五県合計で五十億円ということで計上しているところでございます。

 これにつきましては、具体的に処分場の候補地が決まってきたところで、地元自治体の御要望をよくお聞きいたしまして対応していく、こういうことにしてございますので、今、内訳を決めているということではございません。

田沼委員 千葉なんか、処分場自体が決まっていませんからね。決まったところは決まったところで、いろいろ問題がありますからね。

 そもそも五十でいいんですか。これは何で五十なんでしたっけ。

鎌形政府参考人 五県の御要望に対応するべく、まず枠として五県五十億ということで計上したものでございます。

田沼委員 漠としたままではちょっとあれかと思いますので、今年度ということで。

 来年度の予定などはあるでしょうか。あるいは補正とかでも結構ですが、もし計画があるならお伺いします。

鎌形政府参考人 まず今年度予算として計上してございますので、その執行をどうするかということでございますけれども、来年度の扱いにつきましては、もちろん、予算編成過程においてよく検討していきたいと思います。

田沼委員 別に千葉にくれというわけじゃないんですよ、全然。そうじゃなくて、中身がいろいろ変わりますから、なかなか簡単に決められないことかなと思ったので御指摘したんです。

 それから、初めの大臣所信への私の質問でも、柏でも持ち帰りだけで四億円を超えた費用がかかっているということで、大臣からは、全部国が持つというふうに御答弁いただきましたけれども、まだまだ難航が予想されますので、ぜひ、慎重かつ納得のいくような決断をしていっていただければというふうに思います。

 それから、先ほど林委員だったですか、同じく加美町のこと、今度は決まった自治体の方の話で、千葉はまだ決まっていませんけれども、やはり座り込みがとても気になっています。副大臣も何度か行ったということで、これからも誠意を尽くすということですけれども、やはり、先発隊というか、先行自治体である宮城がこういう状況で行き違いがあるというのを見ると、今後大丈夫かなという思いも正直、千葉としてもございますし、千葉というか日本全体もそうでしょうから、この対応が非常に重要だと思っています。

 ちょっと確認ですけれども、先ほどの誠心誠意の努力という御答弁からすると、当然、強制的な、最終的には立ち退きとかをするということは選択肢には入るんでしょうか。

鎌形政府参考人 加美町の状況を挙げての御質問でございますけれども、これまで、加美町に対しましては、三市町、県、国による関係者会談でありますとか、町からいただいた質問書への回答、あるいは住民説明会の開催の打診など、私どもとして、丁寧な説明を行う努力をしてきているところでございます。

 ボーリング調査に係る作業の着手に当たりまして、加美町長からいただいた御意見を重く受けとめて、事前に三市町にお知らせをいたしましたが、今残念な状況になっているというふうな認識でございます。

 引き続き、地元の方々のお話を伺って、環境省としての考えを丁寧に説明していく、こういうことでボーリング調査に向かっていくというつもりでございます。

田沼委員 前回の質疑でも、私も、非常に、簡単なものではないということはわかっておりますし、ある意味、オール・ジャパンで解決しなくちゃいけない問題とは理解しておりますけれども、本当に特段の配慮をお願いいたしたい。これは宮城以降も続くわけでありますから、どうかよろしくお願いいたしたいと思います。

 これはずっと質問してもあれなんで、また同じような質問で、林さんが聞かれていましたけれども、この詳細調査のときに多分いろいろ重機ですとかが入ると思うんです。ボーリングと局長も言われましたけれども、そもそも積雪でも調査というのはできるんですか。

鎌形政府参考人 ボーリング調査につきましては、積雪状態でありますと支障がございますので、私どもとしては、積雪の前にボーリング調査は終わらせたいというふうには思ってございます。

田沼委員 わかりました。頑張っていただければと思います。

 このままだと、もし豪雪などもあったりして、詳細調査が今年じゅうに終わらないという可能性もあるかもしれませんので、改めて御努力をお願いいたしたいと思います。

 それから、今度は、JESCO自体のお話もちょっとお聞きしたいんです。

 先日の参考人質疑でも、京大の酒井先生が、JESCOがやるということは、ノウハウ、経験が今回の中間貯蔵事業に非常に生きるというふうに言われてはおりましたけれども、もう一息、どのように役立つのか、ちょっとわかりにくい。PCBをやっている会社ですよね。どうして役に立つのか、もう一息わからなかったんで、御説明いただければと思うんです。

小林政府参考人 先生も御承知のとおり、中間貯蔵施設の事業、大変規模も大きゅうございますし、また、いろいろな複合的な機能を持っていく必要がございます。そういう意味で、ぜひ、国がもちろん第一線の責任を持ってまいるわけでございますが、専門機関を使って、より万全な体制をつくりたい、こういうことでございます。

 そういう中でも、まず、法人の性格としていろいろな種類の法人がございますが、国がしっかりした指揮監督権限を持つということが重要でありまして、そういう意味で、JESCOは特殊会社であるというところが一つ大きな利点があると思っております。国と一体化して事業を進める上で有利だということでございます。

 具体的には、例えば毎年度の事業計画なども認可という形でチェックをいたしますし、それから、事業の実施全般に対しまして、随時監督命令などを出す権限もございます。また、一〇〇%国が株主ということで管理しておりますので、より幅広い管理が要る、そういう法人の性格としての強みが一つございます。

 それから、今、田沼先生も御指摘ありましたように、このJESCOという会社はPCB廃棄物の処理をこの十年来手がけてきております。これは、各事業者が、全国で九万カ所以上にわたりまして、健康への影響も懸念されるPCB廃棄物を保管しております。これも計画的に全国五カ所で処理していくということになります。

 そういう中で、輸送の管理、それから施設の運営を通じた安全な処理、そして外への影響がどうかというようなこと、それから作業者がどうかということも含めましたモニタリング、こういうことをしっかりやっております。

 そして、これも地域の御理解を得ませんと、こういう危ないものの処理というのは難しゅうございますので、地域住民との信頼醸成というようなことにつきましてノウハウを蓄積しておりますので、これを活用したいということでございます。

 少し具体的に申し上げさせていただきますと、中間貯蔵の場合には、福島県内で大量の放射性物質に汚染された土壌などを扱ってまいります。とにかく、第一番目は、地元の住民の御理解を得るということが一番重要でございますし、二番目には、長期に、かつ安全ということが大事だと思います。また一方で、ややこれと相反する面はございますが、復興のためには極力早くというような要請がございます。

 そういう中で、例えば輸送につきましては、PCBの廃棄物をいろいろなところから運び込んでまいりますが、GPSでトラックをしっかりリアルタイムで管理する。それから、一台一台、そういう意味でいうと全数管理するというようなことを心がけてきておりますので、こういうものは、物が違いますので、活用するという意味でございますが、大いに生かしていきたいと思っております。

 それから、やはり地域住民の理解というところは大変重要でございまして、特に情報交換の場を設けましたり、専門家も入れて場を設けるなど、いろいろなノウハウがございますので、地元とこれはよく御相談してだと思いますが、しっかりやってまいりたいと思っております。

田沼委員 充実した御答弁、ありがとうございました。

 ただ、私、いただいた資料ですと、JESCOさんというのは二百八十七人しかいなくて、資本金もたしか六億ぐらいですよね。これでこの壮大な中間貯蔵事業というのを本当にやり切れるのかなという不安もありますけれども。

 たしか、抜本的な強化をしていく、増資ですか、国の方で何十億かされると記憶していますけれども、体制に関しても今後の強化が必要なんだと思うんですが、この辺、大臣、どうお考えなのか、御答弁いただければと思います。

望月国務大臣 JESCOは、先ほどお話ございましたように、国が強い指揮監督権を有する特殊会社であって、除染を行う国と一体になって事業を行うことが可能である。そこで、今回、このJESCOを選ばせていただきました。

 特に、実はJESCOはPCBの処理の仕事をしておりますが、先日も私はこちらに伺ってしっかりと見てまいりました。その中で、やはり地域の住民としっかりと対話ができている。

 これは、実は民間企業にお願いしたんです。どこかこういう仕事をやってくれるところがないか、さまざまなところにお願いをしましたが、三十九戦三十九敗、どこもできませんでした。ところが、このJESCOの形になって、地域の住民としっかりとそういった話し合いができ、そしてまた、GPSを使って車がどこからどこまで今どうやって走っているのか、それから、ちゃんと出たものが入っているか全数管理、そういったさまざまな、まだ細かいことはたくさんございますが、そういったもので、地域の住民もこれならいいだろうという形で今事業を進めているわけであります。

 そしてまた、国が、本当に強い指揮権、今回、株は一〇〇%持ってそれを進めていくということで、今すぐに使える、そういうノウハウを持ったJESCOを使用するということが一番いいのではないかな、このように思っております。

 まさに、そういった意味で、充実させるためには、我々がしっかりとこの予算措置をしていかなくてはいけない、このように思っております。

田沼委員 まず、JESCOを選んだ理由はよくわかりました。三十九戦三十九敗と聞くと、ああ、なるほどな、非常に難しい選定だったんだと思います。

 質問は、どれだけ強化するのということです、これだけ壮大な事業で。

 では、御答弁ください。

小林政府参考人 お尋ねがございましたように、新しい事業を起こしますので、体制の強化は重要でございます。

 まず、人数的な面は、これは法案を通していただきましたらJESCOが責任を持って体制をつくっていくことにはなりますが、最初にパイロット的に動かしていく段階でも数十人、百人弱ぐらいの体制が要るかなと思っておりますし、ピークに達しますと、相当大規模に動いてまいりますので、具体的にJESCOに国のどういうところを分担させるかということも契約でやっていくわけでございますが、規模感でいいますと、今JESCOが持っているのと同等ぐらいの人数が要るということを視野に入れているところでございます。

 それから、出資の点。お尋ねがございましたように、当初は六億円でございますが、これも大きな規模で事業が動いてまいりますので、これはちょっとまた財政の方と御相談をしてですが、しっかり増資をしていくということもやってまいりたいと思っているところでございます。

田沼委員 もし最盛期、同じぐらいで、三百、三百ということで、新しい人が三百人ということになると、今のJESCOが持っているノウハウを全部移転というか共有しないといけないわけでしょうから、いろいろな御苦労もあると思いますけれども、その辺も注意していただきながら、能力とかノウハウの共有というのもぜひ留意していただければというふうに思います。

 それで、残りが十分ほどなので、また話ががらっとかわりまして、先日の参考人質疑の、トラック協会の渡邉会長への質問で印象的だったことで幾つかお尋ねしたいと思います。

 先ほど、これも小熊さんだったか、ちょっとどなたかあれですけれども、膨大な土壌の搬入ということで、そうすると、一度使ったトラックは、風評も含めて、もう使えなくなるということがあるという議論がありました。

 そうすると、非常にコストがかかるだろうなと。調達も、先ほど、買い取りは考えていないでしたか、副大臣が言われておりましたけれども、ちゃんと輸送できるのかということに、やはりまだちょっと一抹の不安がございます。

 どのような方針で輸送を実施していくのか、いろいろな課題があると思うんですけれども、御見解をもう一度お尋ねしたいと思います。

三好政府参考人 輸送についてでございます。

 福島の県内のほぼ全域から大量に輸送することになりますので、まずは、住民の健康でございますとか生活環境、あるいは一般交通に対する影響、これが一つの課題、大きな課題になります。これを最小化して、安全かつ、急ぐ事業でございますので、できるだけ効率的に輸送したいということでございます。

 課題というお話でございましたが、そういう意味では、私ども、専門家から成る検討会を設けさせていただきまして、基本原則といたしましては、今申し上げたことと重なる部分もございますけれども、まず、安全かつ確実に輸送を実施すること、それから、短期間かつ円滑に輸送を実施すること、それから、国民及び関係機関の理解と協力のもと実施することというような三つを示させていただいたところでございまして、この基本計画案を、今、県、市町村、地元に御相談させていただいているところでございます。十一月中にはこの輸送の基本計画を取りまとめたいというふうに考えております。

 それで、今後の、仮定ということでございますが、さらに、具体的な輸送に向けましては輸送の実施計画というのを策定したいというふうに考えております。今、基本計画で示しておりますのは、おおむね一年程度、比較的少量の除去土壌等のパイロット輸送を全県的に行ってみるということでございまして、ここで本格的な輸送に向けましていろいろな課題が出てまいると思いますので、そういうことをあぶり出しながら、対処方針をあわせて考えていって、本格的な輸送に備えたい、こういうことを考えているところでございます。

田沼委員 今ちょっと、聞き取ったのが間違いがなければですが、関係市町村との協議での実施計画ということですけれども、トラック協会さんは入らないんですか、答えてください。

三好政府参考人 お答えを申し上げます。

 トラック協会は、実は、輸送を担当していただくということになりますと、その事業を実施する主体という面もございますけれども、一方で、まさしく地域の道路の事情、それから輸送の事情をよく御存じであるという面もございます。

 私どもとしては、今申し上げました輸送の実施計画を策定していくというプロセスの中で、トラック協会に限らずでございますけれども、関係の方の御意見を聞きながら、計画を取りまとめていきたいというふうに考えているところでございます。

田沼委員 そういうふうに、幅広い、特に現場の方の御意見を踏まえないといけないと思いますし、先日の参考人の質疑の最後に渡邉参考人が、この法案をどう思いますかと質問したら、先送りだというふうに言われましたね。それはやはり、ちょっと心にぐさっと残っていますから。やはりそういうふうに見られないように、オール・ジャパン、オール福島で解決できるような声の集め方というのを御留意いただければというふうに思います。

 関連して、また、渡邉参考人だったかが言われた積み込み場。環境省が提示した積み込み場について、市町村が反発しているという話があったですね。これは、積み込み場の、一時的なでしょうけれども、必要性や設置にかかわる今後の取り組みというのはどのような計画なんでしょうか。

三好政府参考人 お答えをいたします。

 中間貯蔵施設には非常に大量の土壌を運び込む必要があるということでございまして、やはり、できるだけ大型車両で輸送していきたいということを考えております。そのことは、先ほど申し上げました基本計画案でもそういう方針が示されておりまして、そういう意味で、今、現場保管という形で、非常に小規模な形で保管をしていただいているところが現に数万カ所ございますので、これにどういうふうに対応していくのかということが大きな課題でございまして、やはり、大型車両を使うというためには、この積み込み場を確保していくということが不可欠ではないかというふうに考えております。

 除染につきましては、市町村に除染をお願いしている区域もございまして、こういう地域につきましての土壌の取り扱いにつきましては、やはり市町村が現場、非常によく御苦労いただいているところではございますけれども、よく御承知のことでございますので、そこの知見をおかりする以外には道がないというふうには考えております。

 ただ、反発という報道もあったわけでございますけれども、これは、新たに積み込み場をどこか別に確保することが基本というふうな受け取られ方があったということで、これが、私ども承知しているところでは、なかなか困難な面も多いという声はもう既にお聞かせをいただいているところでございます。

 例えば、既存で仮置き場がもうあるようなところにつきましては、むしろ、道路の部分的な改良などをいたしまして、大型車両が入れるようにするというようなことで、直接、中間貯蔵施設に搬入していくということも考えられるわけでございますので、そういうことをまずは、そういう声もいただいておりますので、今、先ほど十一月中に取りまとめたいと申し上げました輸送の基本計画の中に盛り込んでいきたいというふうに考えております。

 それから、実際には、積み込み場を確保していくということでございますので、市町村もそうでございますけれども、関係機関とよく調整して、現地の状況に即した積み込み場の要件となるように検討してまいりたいというふうに考えております。

田沼委員 千葉の場合は、一度持って帰る、最終処分場じゃないところ、排出元に。それでもお金がかかって、反発も起きたわけですから、今回は本当に中間貯蔵施設の方に持っていく途中での一時保管でしょうから、やはり、きちんとやってもらいたい。

 恐らく、ちょっとわかりませんが、市町村の反発は、積み込み場は基本的に市町村単位なんですよね、たしか。そうすると、その積み込み場をつくる、あるいはきちんとした整備をする、道路とか言われましたけれども、その費用が市町村持ちなのか、それとも国が持ってくれるのかというのが一つ大事なポイントかと思うんですけれども、そこはどうでしょう。

三好政府参考人 中間貯蔵施設は国の責任で整備をすることになっておりまして、その輸送にかかわる費用につきましても、国が責任を持って負担をするという基本的考え方でございます。

 したがいまして、積み込み場につきましてもそのように対応したいというふうに考えているところでございます。

田沼委員 わかりました。それは安心しました。

 最後ですか、あともう一つ参考人質疑の中で非常にインパクトを感じたのが、やはり減容化。これもどなたかがさきに質問されていたかもしれませんが、三十年以内の県外最終処分に向けては、土壌を二千二百万トンから十分の一ぐらいですか、とにかく減らすと。減容化は、そういう意味では非常に重要であると思います。このコストは非常にかかるというふうに酒井先生も言われておりましたね。私も非常にこれは心配している。もう巨大な額に膨らんでしまうかもしれない、今回のこの中間貯蔵事業自体が。

 なので、減容化に関してどういうふうに取り組みを進めていくのか。技術開発とかなんでしょうけれども、より具体的な進め方を教えていただきたいのと、それから、最終処分がちゃんとできるようになるのかという見通しもあわせて御説明いただきたいんです。

三好政府参考人 最終処分に向けての取り組みでございます。

 放射能は物理的に減衰するわけでございますけれども、やはり技術開発が基本になるというふうに考えておりまして、最初のステップでございます技術開発につきましては、減容化、それから、やはり再生利用ということを考えませんと、減容化しても、結局、最終処分に持っていく量は変わらないということになりますので、再生利用もあわせて並行的に検討を進めていきたいというふうに考えております。

 まず、減容化技術につきましてでございますけれども、現時点では、先生も御指摘のとおりで、処理能力と、それと裏腹でございますがコスト面で課題がございます。それで、今、国内に限らず国外の知見も集積をしたいというふうに考えておりまして、まずは実験レベルの検証でございますけれども、小規模なプラントレベル、実機レベルへと段階的に発展をさせていきたいと思います。

 技術の常でございますけれども、やはり、規模が大きくなりますとコストも下がってくるということでございますので、技術開発とあわせて、コストの問題も解消していきたいというふうに考えております。

 あわせまして、再生資源化。これも、これまでこの委員会でも御指摘いただいております。やはり、理解を得ていくという、なかなか難しい課題でございますけれども、並行して情報発信等に努めまして、全国民的な理解の醸成に努めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

田沼委員 余り具体的なことはわからなかったんですけれども、気持ちはよくわかりました。ぜひ大至急研究開発を推進していただいて、これがうまくいくかいかないかで、全然今後の最終処分の可能性、実現性が大きく変わると思いますし、あとコストもですね。ですので、もうこれは本当に改めてお願いを、英知を結集していただきたいというふうに思います。

 時間もあとちょっとなので、先ほどの積み込み場に関連して、除染自体、そういえばあと、ちょっと聞きそびれていたので、お聞きします。

 中間貯蔵施設に運び込む、そもそもの福島の中での除染の現状と今後の取り組み方針があれば、お聞かせいただければと思います。

三好政府参考人 福島県内の除染の状況でございます。

 先ほどちょっと、国で行っているところと市町村にお願いしているところがあるというふうに申し上げましたが、国で行っているところにつきましては、十一市町村のうち、田村市、川内村、大熊町、楢葉町の全体、それから葛尾村、川俣町の宅地部分及び常磐自動車道では、面的な除染を計画どおり終了しているところでございます。

 十一市町村の残りでございますけれども、復興の動きと連携して、除染の加速化、円滑化のための施策を総動員しまして、しっかりと事業を実施していきたいというふうに考えております。

 各市町村で状況が違いますけれども、一応、二十九年三月を全体の終了の時期というふうに考えているところでございます。

 それから、市町村が除染を行っている地域は、三十六市町村、計画に基づく除染が実施されておりますけれども、ここは着実に実施が進捗しているというふうに理解をいたしているところでございます。

 国といたしましては、引き続き、自治体に対して財政的な措置はもとより、技術的な支援を行って、市町村除染につきましてもしっかり支援をしてまいりたいというふうに考えているところでございます。

田沼委員 わかりました。順調に計画どおりということで、平成二十九年三月で終了ということでぜひ進めていただければと思います。

 ちょっと、あとまとまった質問があるんですけれども、もう時間もあれですので、これで私の質問を終わりとしたいと思います。ありがとうございました。

北川委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

北川委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 内閣提出、日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

北川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

北川委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、牧原秀樹君外四名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党、公明党及び次世代の党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。河野正美君。

河野(正)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 中間貯蔵・環境安全事業株式会社の事業継続を前提として、中間貯蔵開始後三十年以内に福島県外での最終処分完了を確実に実行することが政府に課せられた法的責務であることを十分に踏まえつつ、環境省を中心に政府は最終処分地の選定を検討し、除去土壌等の減容化技術の早期開発等、必要な措置の具体的内容と各ステップの開始時期を明記した工程表を作成するとともに、その取組の進捗状況について毎年、国会に報告すること。

   また、万が一、取組に遅れが生じるおそれがある場合においては、その原因を徹底的に究明するとともに対応策を講じ、本委員会において法定期間内での最終処分完了に国が責任を持つことを改めて明言すること。

 二 中間貯蔵施設の整備から福島県内除去土壌等の同施設への搬入、運営管理、福島県外での最終処分に至るまでの間、講じられるすべての施策について、国の責務規定の趣旨を踏まえ主導的に取り組むこと。また、中間貯蔵・環境安全事業株式会社に委託した事業において、万が一事故等が生じた場合には、国が責任を持ってその対処に当たること。

 三 中間貯蔵施設の整備に当たっては、地権者に分かりやすく丁寧に説明し、地権者の理解を得られるようにすること。

 四 中間貯蔵施設への福島県内除去土壌等の輸送ルートの設定など輸送計画策定に当たっては、福島県及び県内市町村等の意見を十分に聞いた上で、安全・安心に十分配慮したものとすること。

 五 中間貯蔵施設への福島県内除去土壌等の輸送に伴い生じる道路改良・維持修繕、交通安全施設の整備、粉じん・騒音対策、モニタリングなど、道路に係る様々な維持管理や、搬入に伴い生じるルート沿線住民に対する周辺対策に関する経費は、中間貯蔵施設の搬送ルートに基因するものであることから、政府において対応すること。

 六 中間貯蔵施設及び福島県内除去土壌等の輸送に関し、関係住民の安全・安心を確保するため、福島県及び大熊町・双葉町との協定を早期に締結すること。

 七 中間貯蔵施設設置に係る協議の中で福島県及び大熊町、双葉町に対し講じることとした、新規かつ追加的な財政措置については、地域の実情に配慮し、その適正な執行に十分留意しつつ、使途の自由度を高めること。また、今後も原子力発電所事故による極めて過酷な状況が継続することに鑑み、福島県の復興に係る財政措置については、県及び関係市町村と引き続き十分な協議を行うこと。

 八 本改正により中間貯蔵・環境安全事業株式会社に追加される中間貯蔵に係る事業を、福島県外での最終処分の完了に至るまでの間、国と一体となって滞りなく実施できるよう、同社の体制強化を速やかに行うこと。

 九 中間貯蔵に係る事業の追加を含む今回の法改正が特殊会社の延命との批判を受けることのないよう、中間貯蔵・環境安全事業株式会社に対して厳正な運営と人事管理に努めるとともに、ポリ塩化ビフェニル廃棄物処理事業及び中間貯蔵に係る事業の終了の際には、特殊法人改革の趣旨を踏まえ、廃止を含めた組織の見直しを迅速かつ適正に行うこと。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

北川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

北川委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。望月環境大臣。

望月国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、環境省として、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。

 どうもありがとうございました。

    ―――――――――――――

北川委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

北川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十三分散会


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