衆議院

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第3号 平成27年3月27日(金曜日)

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平成二十七年三月二十七日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 北川 知克君

   理事 熊田 裕通君 理事 助田 重義君

   理事 平井たくや君 理事 藤原  崇君

   理事 牧原 秀樹君 理事 田島 一成君

   理事 松田 直久君 理事 浮島 智子君

      赤枝 恒雄君    井林 辰憲君

      石川 昭政君    岩田 和親君

      小倉 將信君    大西 宏幸君

      勝沼 栄明君    金子万寿夫君

      小島 敏文君    笹川 博義君

      田中 和徳君    高橋ひなこ君

      福山  守君    前川  恵君

      簗  和生君    吉野 正芳君

      篠原  孝君    中島 克仁君

      福田 昭夫君    馬淵 澄夫君

      小沢 鋭仁君    篠原  豪君

      真山 祐一君    島津 幸広君

      玉城デニー君

    …………………………………

   環境大臣         望月 義夫君

   経済産業副大臣      高木 陽介君

   環境副大臣        北村 茂男君

   環境副大臣        小里 泰弘君

   環境大臣政務官      高橋ひなこ君

   環境大臣政務官      福山  守君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           池田 一樹君

   政府参考人

   (林野庁森林整備部長)  本郷 浩二君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           三又 裕生君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           吉野 恭司君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局次長) 篠原 康弘君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   鎌形 浩史君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (環境省総合環境政策局環境保健部長)       北島 智子君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  梶原 成元君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            三好 信俊君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  塚本 瑞天君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局次長) 山本 達夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十七日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     金子万寿夫君

  穴見 陽一君     大西 宏幸君

  堀井  学君     勝沼 栄明君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 宏幸君     岩田 和親君

  勝沼 栄明君     簗  和生君

  金子万寿夫君     小島 敏文君

同日

 辞任         補欠選任

  岩田 和親君     穴見 陽一君

  小島 敏文君     赤枝 恒雄君

  簗  和生君     堀井  学君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 環境の基本施策に関する件


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     ――――◇―――――

北川委員長 これより会議を開きます。

 環境の基本施策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として農林水産省大臣官房審議官池田一樹君、林野庁森林整備部長本郷浩二君、経済産業省大臣官房審議官三又裕生君、経済産業省大臣官房審議官吉野恭司君、国土交通省鉄道局次長篠原康弘君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君、環境省総合環境政策局長小林正明君、環境省総合環境政策局環境保健部長北島智子君、環境省地球環境局長梶原成元君、環境省水・大気環境局長三好信俊君、環境省自然環境局長塚本瑞天君、防衛省地方協力局次長山本達夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

北川委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 大臣所信に対する質疑ということで、機会をいただきました。

 まず冒頭、大臣、本日私は、温暖化対策の取り組みについてお尋ねをしたいと思います。

 重要な課題である温室効果ガスの排出抑制ということでありますが、大臣も所信では、「我が国の温室効果ガスの新しい削減目標と具体的な行動計画をできるだけ早期に策定します。」このように決意を述べられておるわけであります。

 しかしながら、ことしの年末にCOP21が予定をされているという中で、早急にこれを定めなければならないことは言うまでもありませんが、この二年間実は進んでいなかった。これは取り組んでこられたということでありますが、率直に申し上げて、この二年間の取り組みについてのおくれ、これについて大臣はどのようにお考えでしょうか。所感をお述べいただけますでしょうか。

望月国務大臣 我々は、できるだけ早くそういったものを決めて発信をしていきたいな、このように思っておるわけでございますけれども、この二年間のおくれと申しますか、何といっても我が国は東北の地震があり、福島等ございまして、そういう中でさまざま、やはりエネルギーミックス、ほかの国と違った状況になっているというのが現状でございます。

 そういう中であっても、我々も世界のさまざまな国々の皆さんとバイ会談等を通じて、日本はそういったものに打ちかって、一日も早く世界のそういったものに肩を並べてやってもらいたいという激励もいただきました。そういったことも含めてさまざま、このエネルギーミックスがなかなか決まらなかったということがございました。

 しかしながら、我が国のテクノロジーは世界一でございますので、そういう英知を集めて、今後できるだけ早く、この約束草案に向けて進めていきたい、このように思っております。

馬淵委員 おくれについては、原発の事故があった、震災の影響、これも私たちは政権時代に経験をしているわけですからよく承知をしております。

 今、いみじくも大臣おっしゃったように、環境省としては前向きに取り組もうとしてきても、一方で、温室効果ガスの排出削減ということについては、これは実に、我が国の全体の四割を占める最大の排出源、すなわち電力、この部門の排出量が大きく影響を及ぼすということ、きょう、今はっきりとおっしゃらなかったけれども、要はここが大きなボトルネックになっているということだと私は思っています。

 そこで、このボトルネックをいかに解消していくべきか。きょう私は、問題の指摘と同時に、本質論を議論したい。私は、ぜひ環境省に頑張っていただきたいんですよ。このことは、きょうこの後、私、経産委員会でもエネルギーの問題を議論します。この後すぐ行きますが、このエネルギーの問題に関しては環境省は表裏一体ということでありますから、ぜひここはしっかりとお答えいただきたいと思っております。

 さてそこで、質問させていただきますが、一昨年四月、関係大臣会合におきまして、国の温室効果ガスの排出削減目標、これを確実に達成できるようにということで、先ほど申し上げた四割を占める電力業界に対して、温暖化対策の枠組み構築、これを促してきたと。このように、国の目標達成、これに位置づけられるようにということで促してきたわけですが、その進捗状況はどうでしょうか。大臣、お答えいただけますか。

望月国務大臣 まず、シャドーキャビネットの環境大臣である馬淵先生にこういう御質問をいただくということは大変ありがたいことでございまして、今、東北の地震の対策についても、政権を持っていた民主党の皆さんが御苦労なさったんだということを、我々もこういう仕事をして本当にそういったことを知りまして、尊敬をさせていただいているところでございます。

 今の質問でございますけれども、この電力部門のCO2の削減は現在我が国のCO2の排出の約四割を占めている、御指摘のとおりでございまして、最大の排出源でございます。電力部門の地球温暖化対策を進めていくことは極めて重要なことだと我々も認識をしております。

 このため、国の削減目標を確実に達成できるように、電力業界に対しまして温暖化対策の枠組みの構築を促しているところでございます。国の目的達成の計画に位置づけることが、一昨年四月の関係大臣会合によって決まっております。

 しかしながら、現時点においては電力業界の枠組みは構築をされていないというのが現実でございまして、このため、二月に、既存の発電所も含めて、国の目標と整合する枠組みが構築できるように、環境省としても、環境政策としての枠組みのあり方を積極的に検討するように、事務方に私の方から指示をしたところでございます。

馬淵委員 まさにこれは、二年前の四月に、平成二十五年四月、関係大臣、内閣官房長官、外務大臣、経産大臣、環境大臣で決定した。何を決定したのかというと、お配りした資料一にありますように、電力業界全体の枠組みの構築を促すということで、自主的な枠組みの構築、これを位置づけたということなんです。しかし、これはその後進んでいないんですね。所管する経産省の問題であると私は思っていますが。

 これに対して、大臣はことしの二月二十四日に、資料二にお示ししましたが、「環境政策としての枠組みのあり方を積極的に検討するよう、事務方に指示」と。これは残念ながら事務方に指示なんですね。電力業界に指示ができない、所管されていないからということです。

 そこで、この事務方に指示ということでありますが、これは、環境省としては、電力業界が一向に進めようとしないわけですけれども、それに対して、ある種のひな形をつくって、それを使うかどうか業界の判断に委ねる、そういう程度のものにすぎないのか、それとも、環境省として、電力業界へのCO2の削減目標、これの義務づけなど一定の強制力を持った枠組みを検討するのか、いずれなのでしょうか。大臣、お答えいただけますか。

望月国務大臣 御指摘ございましたように、私が二月二十四日の会見で明らかにしました事務方への指示というのは、電力業界全体としてCO2排出削減に取り組む枠組みについて、業界に構築を促すだけではなくて、環境省としても積極的に検討するように指示した。今までは自主規制で、どうぞしっかりやってくださいということでございましたが、やり方というのはさまざまあると思います。

 ですから、そのことにつきまして、具体的な内容については先月の二十四日に事務方に指示したということでございまして、そのやり方はさまざまなことがございます、税であったり補助金であったりさまざまございますので、これをしっかりと今後議論していきたい、このように思っております。

馬淵委員 今、言葉を相当選んでおっしゃっておられますが、要は、電力業界は前向きに進めない、したがって、環境省としては、事務方の方で、どういうことでこの削減目標をつくっていくのかということのひな形、それを提示していこう、ここまでしかできないという状況である。これは私非常に隔靴掻痒の状況だとは思うんです。

 こうした状況で、それを事務方が検討して提示して、それを電力業界がどう受けとめるのかということになるのではないかと思いますが、一方で、では、電力業界は全く手をこまねいているのかということになるわけです。

 こうした中で、先ほど申し上げたように、二年前には、関係閣僚、経産大臣も参加した会合で自主的な枠組みということを決めているわけですね。そのことに対して、望月大臣は、二年前の関係閣僚会合で決めたことに対して、進んでいない、進んでいないから自分のところでひな形をつくろうと。

 努力はわかりますけれども、経産省に対して関係閣僚として何らかのお願いあるいは意見、対等ですよ、大臣同士ですから、それに対して何らかの働きかけを行うという御意思はおありでしょうか。いかがでしょうか。

望月国務大臣 今御指摘がございましたように、二年前にそういう取り決めというか話し合いをさせていただきました。それから、所管はそういった意味では経産省の所管になるかもしれませんけれども、我々も、CO2の削減というあり方にかんがえれば非常に関係が深いということでさまざま注視をしてきたところでございますが、業界の皆さんの自主的なものがなかなか進んでいないということで、今まではこういうことを多分出したことはないと思いますけれども、我々の方でこういうような形をとらせていただきました。

 でも、今御指摘ございましたように、経産省を初め関係省庁で話し合うということは、やはり意思疎通するということは非常に大切なことでございまして、委員の認識のとおりだ、私はこのように思います。

 私としても、地球温暖化対策推進本部における調整はもとより、常日ごろから宮沢経産大臣とは話し合いをしているところでございまして、今後ともしっかりと、より緊密に経産大臣と話し合いをしていきたい、このように思っております。

馬淵委員 事務方にちょっとお尋ねしますが、今大臣からは、官邸に設置された地球温暖化対策推進本部、これがあると。確かに、これが唯一、関係する経産省、大臣と話ができる場だということだと思いますが、それ以外には何か機関はございますか。これは事務方で結構です。

梶原政府参考人 地球温暖化対策推進本部以外のものとしましては、公式的なものとしては定型化されたものがございません。

馬淵委員 ないんですね。地球温暖化対策推進本部しかないんですよ。

 では、この地球温暖化対策推進本部、これが前回、前々回、開かれたのはいつでしょうか。また、定期的に開催されていますか。この二点について。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 前回の開催は、平成二十六年七月の一日でございます。前々回ということになりますと、平成二十五年十一月の十五日。さらに前になりますと、二十五年四月五日でございます。

 開催につきましては、それぞれ案件があるときに開催される、こういうふうに理解をしております。

馬淵委員 これは、今申し上げていただいたように不定期なんですよ。しかも年に一回程度です。その間に何をやってきたかというと、京都議定書目標達成計画の進捗状況についてということで、目標設定できていない状況の中で延々これを続けているんですよ。

 大臣、私が申し上げたのは、地球温暖化対策推進本部があるからでは、これは前に進まないんです。ここは強い決意を持って前に進めていくということで、その場の設定が必要なんですよ。

 ほかには、実は今局長からは大臣がかかわるものとしては挙げられませんでしたが、中央環境審議会の地球環境部会、この中には専門家の会合というのがございます。ただ、これはあくまでも専門家の技術部門の議論なんですね。

 やはりここは大臣、まずは大臣が率先して、事務方でひな形をつくらせるレベルじゃだめですよ、経産大臣と、まさに関係閣僚としての会合の場の設定が必要だと思いますが、大臣、これについてはいかがでしょうか。イエス、ノーでお答えいただければありがたいですが。

望月国務大臣 委員の提案の御趣旨を受けとめて、今後ともしっかりと宮沢経産大臣とも話し合いをしながら地球温暖化対策を前進させていただく。たまたま自民党の中でも私と宮沢大臣は同じ会派に属しまして、よく会話をしておりますので、こういったことも含めて、もちろん、個人的ということではなくて、大臣同士としてそういう機会を捉まえて水面下でよく話をし、それからまた委員の御指摘のような公式的なものもしっかりと大臣と話を進めるように今後やっていきたい、このように思います。

馬淵委員 これはバイで、同じグループですか派閥ですか、御一緒だからということかもしれませんが、その中で話しているレベルではないですよ。これは公の場の設定が必要です。後ほどまたそのことについて申し上げますが、これはぜひ前向きな検討ということで今意思を示していただきましたので、私はこの後経産委員会に出ますから、行って質問してきますよ。確認をとってきますから。お願いしますね。

 その上で、実は、私がなぜこのように経産省と環境省は表裏一体だということを申し上げているかというと、今、経産省で所管している電力業界、ベストミックス、エネルギーの電源構成を決めていく、この中で、原発の電源構成をどのような比率にするのか、あるいは一方、再エネ、省エネはどのような状況にしていくのかということが議論されているんです。これはあくまでも電力業界、エネルギー関連だということで経産省所管でありますが、まさに温室効果ガスの削減の表裏一体の目標になるわけですね。

 ここで、長期エネルギー需給見通し小委員会というのがございまして、そこで、二〇三〇年のエネルギーミックスの策定についての議論、これは三月十日に第四回の会合というのがございました。そこでは、実は再生可能エネルギーについては大変後ろ向きな議論を進められているんです。これは相変わらずでありますが、事務方のつくった資料というのは非常に恣意的である、私はそう思っております。

 こうした状況の中で、このままいくと、エネルギーミックスの策定、そして再生可能エネルギーの導入促進ということについて、政府として、本来ならば、温暖化対策の目標設定と表裏一体なわけですから、そこにしっかりと打ち込んでいかなければならないにもかかわらず、向こうでエネルギーの電源構成が決まってしまうと、おのずと目標設定が変わってしまう可能性があるんです。

 そこで、環境省が、二〇三〇年までの再生可能エネルギーの導入見込みについてということで、昨年十二月に開催された非公開の二〇五〇年再エネ等分散型エネルギー普及可能性検証検討会において再エネ導入の計算資料を提出したということで、これは予算委員会でも今井議員が指摘をされたところであります。

 そこで、資料三をごらんいただきたいと思います。これは三菱総研の資料でございます。

 これにつきまして、ここにありますが、改めて大臣の口からお答えいただけるのかということで確認させていただきますが、大規模水力を除く二〇三〇年時点で再生可能エネルギーの導入見込み量、どの程度の数値が示されているかということで、環境省としてお答えいただけますでしょうか。大臣、いかがでしょうか。

望月国務大臣 これは予算委員会でもちょっとお話が出たんですけれども、御指摘の試算というのは、委託先、これは三菱総合研究所でございますけれども、さまざまな前提や仮定を置いて試算したものでございます。そして、試行錯誤中の未成熟なものだということを私もそのときにお話をさせていただきまして、したがって、これは環境省としての試算ではまずないということでございます。

 そのときに申し上げたのは、そういう過程で三菱総研から、どなたかが見て、こういうものなのかなと出まして、我々が一番心配なのは、そういう未成熟なもので、まだ調べ、資料をやっている間にそういうものが出まして、そういう数字がひとり歩きすると困るなというような形で、そこでも発言をさせていただいたことを記憶しております。

 ただ、この委託先からの報告内容ももちろん参考資料の一つといたしまして、環境省としては、再生可能エネルギーの最大限の導入に向けて関係省庁とは連携してまいりたい、このように思っております。

馬淵委員 途中経過のものだからということで、この数字、この資料は、今お手元に配付させていただきましたが、これを環境省として見込みだということを申し上げることはできないということだと思います。

 これもごらんいただいたらわかりますように、低位、中位、高位という推計があります。導入見込み量として、太陽光と風力その他合わせますと、低位推計で二千三十二億、中位で二千五百三十六億、高位で二千九百五十二億、こういう数字が出ている。それぞれ、太陽光、風力、ごらんいただくように、太陽光は、低位六百七十五億、中位九百六十四億、高位一千百三十四億、風力が、低位が四百三十五億、中位が四百八十八億、高位が五百六十九億、それぞれキロワットアワーの目標数値、導入見込みということであります。

 これは中間のものだからお答えいただけないということでありますが、ただ、こうしたものが、委託をされているわけですから、当然出てくるわけですね。出てきたときに、これをもってどのような政策判断をしていくかということなんです。

 そこで、大臣、私、これも会見でおっしゃった言葉が気になっておるんですが、二月の二十四日の大臣の会見録で、この問題についてこう述べられています。「委託先からしっかりしたものが出たら、報告内容も検討材料の一つにして、環境省として再生可能エネルギーの最大限の導入に向けて、経産省を含め関係省庁と連携して、調整を図ってまいりたいと考えております。」このようにおっしゃっておられます。

 これは確認なんですが、経産省と調整を図るというのは、経産省の意向を受けるという意味でしょうか。いかがでしょうか。

望月国務大臣 まず、先ほどから申し上げましたように、この委託業務の報告書は、現在委託先で精査を行っておりまして、年度末の三月三十一日にこの委託業者から環境省に納品される予定です。これは公に、毎年そうなんですが、今回もそういったものを我々精査して出させていただくことになっております。

 そういう形の中で、やはり我々としても、経産省の方にもぜひひとつこういったものも参考にしていただきたい。もちろん、経産省は経産省の考え方でそういうものを構築していくと思いますが、我々は、こういった数値をいただき、そしてまた環境省の中でしっかりとそれをもんで世の中に公表していく、こういうことでございます。

馬淵委員 経産省に参考にしていただきたいというふうにおっしゃいますが、ここはちょっと重要なところなので、後ほど言いますが、では今、大事なことを一点伺います。

 三月三十一日、年度末で当然この報告書というものは受託先三菱総研が納品をされるということになるわけですね。この結果というのがいつごろの公表になるのかということを私は気になっておるんです。

 というのは、これはちょっと前ですが、二月二十一日の毎日新聞の報道では、これに関しては、環境省は六月ごろに公表する予定ということで報じられています。六月ごろというのは、これは大変遅いんですね。

 今、経産省では、このベストミックス、長期エネルギー需給見通し、コスト検証ワーキンググループ等々行っております。この議論が、恐らくは四月いっぱい、五月には間違いなく出てくるわけです。もうコンクリートされたものとして出てきます。

 繰り返し言いますよ、二年間前に進まなかった。その上で、この三菱総研、今こうした取り組みを、大臣は就任されて、事務方にも指示をし、計算もさせ、提示をしようとしているけれども、年度末、三月三十一日に決まったときに、すぐこれを出して議論の俎上にのせられるんですか。これは報道では六月となっていますが、どうですか、いつ出されますか。

望月国務大臣 これはやはり、先生の御指摘のように、一日も早く出していかなくてはいけない、コンクリートされてからでは遅いという御指摘がございました。

 我々としては、四月上旬にはいただいて出せるようにしていきたい、このように思います。

馬淵委員 これは納品したらすぐ出せるはずです、検収も含めて、事務方が既に中身はチェックしているはずですから。箇所づけなんかは、御案内のように、予算が決まったらその段階ですぐ出てくるわけですから、もう既に準備はされているんです。三月三十一日、年度末で納品されれば、四月一日に提出すべきですよ。公表して、それを突合させなきゃなりません。

 大臣、重ねての質問ですが、いかがでしょうか。

望月国務大臣 委託先から我々の方にこういった資料が出てきまして、その委託先から来たものをそのまま出すということではなく、我々としても、今まで我々のやってきたことと整合性等ありますので、もちろんこれは数字を変えるということはないと思いますが、環境省としてもチェックをする期間がございます。だからといって六月とかということではなくて、四月上旬、なるべく早く我々の方も公表させていただきたい、このように思います。

馬淵委員 大臣のお気持ちは、すぐにでも出したいということだと私は受けとめていますので、これは俎上にのせないかぬです。

 その上で、繰り返し申し上げますが、今もう経産主導で進んでいるんですよ。温暖化対策に関しては、環境省の設置法の最も重要な、排出抑制として定められた所管の業務なんですね。大臣の権限があり、かつ責任がおありです。だから、これは単純に、エネルギーの長期需給見通しや、あるいは経産省の基本政策部会などでプレゼンテーションで終わるような資料であってはならないんです。

 大臣、そこで、私繰り返し申し上げますが、関係閣僚の、これは私はもうバイでいいと思っているんですが、場合によっては官房長官が参加というのも出てくるのかもしれません。民主党政権時代は、我々は官邸にエネルギー・環境会議というのを設置していたんです。ここにおいて、各省が違う議論、違うデータを出すことは何ら問題ではないんですよ。

 先ほど申し上げた三菱総研の資料をもって閣内不一致だなどという批判も一部にありましたが、私はそれは当たらないと思っている。なぜなら、議論のプロセスの段階で違うものが出てきていいんです。しかし、政府はそれを突合させながら最終的に判断をしていく必要がある。だから、これは関係の閣僚会議、場の設定が重要なんです。

 これも不肖私のことで恐縮ですが、私が国交大臣をさせていただいたときに、実は不動産業の証券化のスキームの問題がありました。不動産市場をいかに活性化させるか。もちろん、不動産業務は国交省の所管であります。しかし一方で、証券化となるとこれは金融商品になっていく。そこで、金融庁が当然そこではみずからの所管、テリトリーだとして声を上げられる。前に進まないんです。内閣府で宙ぶらりんになっていく。

 どうしたか。事務方での調整やあるいは副大臣、政務官の調整などは、これを置いていては前に進まないとして、私は当時の担当の自見大臣のところに参って、そこで大臣同士で話をして、具体的に、では事務方で、次官以下、局長以下の会議体をつくろうということで確認をした。それが動きました。

 大臣、これは本当に重要なんですよ。バイで、あるいはさらにプラスアルファがあってもいいが、余り大きな会議はだめです。地球温暖化対策推進会議などのようなものではだめですよ。このような本部のものではだめです。むしろ、この問題は、環境大臣として、あなた、歴史に名を残せるか、あるいは名を汚すか、それぐらい大きな岐路に立っていますよ。

 だから、ここは私繰り返し申し上げる。場の設定が必要なんです。大仰な会議体でなくてもいい。大臣みずからが宮沢大臣としっかりとそのことを調整する場というものを、少なくとも事務方も交えて定期的に行おうと。本当に繰り返し言いますよ。

 あと何カ月ですか、残されている時間。一カ月か二カ月あるかないかですよ。連休前までには固まってしまいますよ。環境省が設置の目的として掲げてきた温暖化対策、これは最大の眼目じゃないですか。そのことに全力を尽くすべきなんです。

 大臣、重ねてのお願いですが、いかがでしょうか。私の提案についてお答えください。

望月国務大臣 委員の日ごろの活動といいますか、国交大臣の経験とか、大変いい御提案をいただきました。

 委員の御提案の趣旨を受けとめまして、今後ともしっかりと宮沢大臣とも話し合いをしながら、地球温暖化対策、ちょうどターニングポイントに来たと思いますので、しっかりと我々も前進させるようにしていきたい、このように考えております。

馬淵委員 民主党政権のときには、今申し上げたように、さまざまなトライアルをしました。もちろんうまくいかなかったこともありましたが、私は、役所が役所のメンツを保って、いわゆる大臣同士はしゃんしゃん会合しかやらないなんというものを全部変えてきたと思っています。ですから、これはぜひ前向きに取り組んでいただきたい。

 そしてもう一つ、これは少しテクニカルに過ぎるかもしれませんが、環境省というのは予算が小さい、その中で、温暖化対策を初めエネルギーの問題、これは極めて重要だということで、民主党政権時代には、石石税、石油石炭税の課税の特例として、地球温暖化対策税、これは最大で積み上がって二千六百億、これを用意したわけです。

 これは、言い方は気をつけなければなりませんが、財源はあるんです。関係省庁を含め、経産省とはバイでやるぐらいの覚悟が必要だと思いますが、それ以外も含めて、この問題に対して応援団をつくっていかなければなりませんよ。私は、こうした、何か財源を持っているから何だと言うと嫌らしく聞こえるかもしれませんが、この霞が関の文化の中では、政治がリーダーシップを持って動かせる大きな、極めて重要なこれはトリガーになるんです。

 ぜひその辺もよく考慮して、加味していただいて、繰り返し、最後にお尋ねいたしますが、宮沢大臣とよく連携をしてということでありますが、関係閣僚という意味では、バイでのしっかりとした、まさに公の立場での会合というものを設置する、場の設定を行うということの明言をいただけますでしょうか。いかがでしょうか。

望月国務大臣 委員の御提案をしっかりと受けとめていきたいな、このように思っております。

馬淵委員 私は応援団ですから、しっかり頑張ってください。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、田島一成君。

田島(一)委員 民主党の田島一成でございます。

 二年ぶりの登壇でございますので、気合いを入れて質問させていただきたいと思いますので、明快な答弁をよろしくお願い申し上げます。

 久しぶりに古巣に戻ってきたような印象を実は持っております。しかしながら、この二年間、我々が政権を自民党に引き渡してから、環境政策はどれほど充実をしてきたか、どれほど私たちの期待に応えられているかを、きょうここでもう一度検証させていただかなければならないと思っています。

 先ほど馬淵委員が、地球温暖化の政策課題を通じて、その二年間を検証していただきました。まだまだ足りない、まだまだおくれているということは大臣自身もしっかりとお認めになられたことでありますが、もう一つ、まだまだおくれている、手がつけられていない問題をきょうは私の方から提案させていただきたいと思います。

 経済最優先、これも結構でしょう。しかしながら、規制官庁であります環境省は、そのあおりを食らって、ますます元気がないように世間では受け取られております。本当に元気がないのか。その一つを今回紹介させていただきます。

 今国会で環境省が関係する内閣提出法案はわずか三本であります。一体いつ出てくるのだろうとずっと期待をしておりましたのが、容器包装リサイクル法の見直し改正案であります。

 覚えていらっしゃいますでしょうか。二〇一一年八月、衆議院の環境委員会さらには参議院の環境委員会、両委員会で、容器包装リサイクル法の見直しとツーR促進を求める国会請願が全会一致で採択されました。このときの紹介議員は、私ももちろんその一人でありますが、ここにいらっしゃいます自民党の吉野先生、田中先生、さらには環境大臣も経験された小池百合子さん、公明党の斉藤鉄夫さん、さらには伊吹文明議長までもが紹介議員に名を連ねていらっしゃいます。国会請願が採択されるというのは十年ぶりの快挙であったと、当時、請願された方々は大変な喜びようであったことは記憶に新しいところであります。

 そして、その年十月に、容器包装リサイクル法の役割分担を見直す緊急院内集会が開催をされました。その場へお越しになられていた当時の環境省森下リサイクル推進室長は、容リ法の見直しは二〇一三年四月であり、審議会がいつから始まるか決まっていない、関係省庁ともまだ具体的なイメージは持っていないが、何もしないわけではない、しっかりと準備はしていきたいとおっしゃいました。

 見直しの二〇一三年四月はもうとうに過ぎています。あれから三年半、環境省は一体何をしてきたのか。三年半、しっかり準備をするといいながら、どうしていまだに何も出てこないのか。請願を採択した国会の意思というものを踏みにじっている。これはまさしく国会軽視ととられても仕方がないのではないかと私は思います。恐らく、自民党の吉野先生も同じ思いでしょう。田中前副大臣も同じ思いで、もう今席を立たれていますよ。こうした状況。

 その議論の土台になります実際の審議会、開催自体がずっとおくれています。この審議会の開催のおくれ、今日まで空白期間がずっとあったという事実を、環境省、そして、きょうお忙しい中、高木副大臣、経産省からお越しいただきましたが、それぞれ両省から、どういう事態になっているのか、この事態を受けとめての感想、思いをお答えください。

福山大臣政務官 容器包装リサイクル法については、環境省の中央環境審議会と経済産業省の産業構造審議会の合同審議会で見直しの審議が進められております。

 直近では昨年九月に開催されたところですが、容器包装リサイクル法は、市町村や事業者など、多様な関係者により運用されている制度であります。これまでの御審議を踏まえて、施策の方向性をお示しすべく、現在、議論の集約の検討にお時間をいただいております。

 御心配をおかけいたしておりますが、速やかに、建設的な意見を積み上げ、取りまとめに向かえるよう、しっかりと準備をした上で臨みたいと考えております。

 以上でございます。

高木副大臣 ただいま環境政務官からもお話がありましたように、容リ法の見直しにつきまして、経産省の産構審と環境省の中央環境審議会合同会議、このワーキンググループで、二〇一三年九月から十四回にわたって審議をしてまいりました。しかしながら、今現在、このワーキンググループが行われていないというのが現実でございます。

 ただ、これまでの間に、関係者のヒアリング、パブリックコメント等を実施、特定事業者、または地方公共団体、市民団体等の関係者の意見を踏まえて、随時論点を整理してまいりました。

 ただいま政務官の方からもお話がございましたように、これまで挙げられた論点を踏まえまして、多様な関係者の意見を聞きながら、しっかりと検討を進めてまいりたい、このように考えております。

田島(一)委員 見直しの時期を無視してまだ議論が続いていると今言いわけをおっしゃいました。

 実際、おくれているんですね。何がこの審議会が開かれていない原因なのかを本当に明確にしていかなければならないところであります。

 経産省と環境省、それぞれ産構審と中環審、二つの審議会の合同ですから、手間をとるのは想像できます。しかし、どっちかがブレーキをかけているんじゃないかとさえ疑ってしまう状況が続いているわけであります。

 どちらかの審議会の座長が開くと言えば、それは開ける状況にあると考えますが、そこはお約束できますか。全く議論が外に出てきていないんですよ。開けるとお約束できますか。お答えください。

鎌形政府参考人 御指摘の審議会でございますけれども、中央環境審議会と産業構造審議会の合同で開催しているということでございます。それぞれの座長の権能によって会議を招集するということでございます。

 いずれにいたしましても、容器包装リサイクル法の見直しの論点は大きく三つございまして、ツーR、あるいは分別収集、選別保管のあり方、再商品化のあり方がございまして、さまざまな関係者の御意見がございますので、議論の集約する方向性をお示しした上で、できるだけ審議会における方向性を収れんさせるという議論を行っていくための準備をしっかりと行ってまいりたいと思います。

田島(一)委員 経産省の方はどうですか。やる気はあるんですか。

高木副大臣 今、環境省側からもお話がございましたように、論点をしっかり整理して、関係事業者または自治体、さらには市民団体等さまざまな関係者がございますのでそれぞれの御意見があると思います、そういう整理をしっかりした上でこれをやっていくのは当然でございますし、今委員のお話しになられた請願の話もございます。そういった部分では、しっかりと国会の意思を体しながら私どもも取り組んでまいりたい、このように考えております。

田島(一)委員 そう言いながら、改正の法案が二年たっても出てきていないのが現実です。恥を知るべきだと私は思います。しっかりとそこのところを肝に銘じて省にお持ち帰りいただいて、審議会の開催が一日も早くできるように絶対努力をしてください。心からお願い申し上げます。

 次に、レジ袋の削減対策についてお伺いします。

 先ほども引用させていただいた請願の内容を少し御紹介させていただきます。

 今回のこの請願には、容器包装リサイクル法の役割分担を見直し、分別収集、選別保管の費用負担のあり方を検討すること、リデュース、リユース、ツーRを促進するため、レジ袋等の使い捨て容器包装の発生抑制等の課題への対応をすること、製品プラスチックのリサイクルを進める仕組みのあり方について検討することが掲げられています。先ほども申し上げましたが、紹介議員は民主党だけではなく、自民党も公明党も、全ての政党の議員でありました。

 このレジ袋の削減について、環境省ではどのような対策を打ち出そうとしているのか、お答えください。

福山大臣政務官 レジ袋削減対策は、誰しもがみずからの行動により直接的に行えるリデュースの取り組みであり、環境問題に関心を持っていなかった方にも取り組みを促すきっかけを提供する観点からも、重要な取り組みであると認識をいたしております。

 レジ袋削減対策は、使い捨ての容器包装の削減に関する消費者の十分な理解、レジ袋の無料配布の中止などの小売事業者の取り組みの両方の観点が重要であります。

 レジ袋削減対策の現状については、消費者の理解については、世論調査によれば、レジ袋の削減は重要と考える消費者の割合は増加傾向にございます。小売店における取り組みについては、無料配布の中止などの取り組みを行う業態が一部に限られております。引き続き消費者の皆様の理解を得つつ、取り組みを行う業態を広げることが課題であると認識をいたしております。

 このため、さらなるレジ袋の削減のために、消費者と小売事業者の双方が参画するモデル事業を通じた地域ぐるみの取り組み、小売業界全体による自主的な取り組みを通じた取り組みの横展開を促してまいりたいと思っております。

田島(一)委員 このレジ袋のプラスチック容器包装の削減、これをさらに進めていくための制度として、定期報告制度というものがございます。これは実は環境省ではなく経産省の所管になるわけでありますが、この定期報告制度をどのように活用されているのか。実際に、報告は容器包装の使用量が年間五十トン以上の小売業者には義務づけられているわけでありますけれども、残念ながら、その集められた定期報告書がホームページにすらアップされていないという非常に情けない状況。経産省、本当におかしいなと私は思うんですね。

 加えて、この報告制度を生かして削減目標を設定させることぐらい、私はもっと積極的にやるべきだと思うんですが、何もしていないという事態は、経産省が非常に腰が引けているとしか受けとめられません。

 これについてどうお考えか、今後どのようにされるのか、お答えください。

高木副大臣 今御指摘ございましたように、容器法に基づいて、定期報告制度、これは、事業者の容器包装廃棄物の排出抑制を促進するため、年間五十トン以上の容器包装を用いた事業者に対して、毎年、容器包装を用いた量等の提出を求める制度でございますが、現在、コンビニエンスストアやスーパー等々七百六十社に上ります。これらについて、まず、審議会においては議論は行わせていただいております。

 また、これまで発表していなかった、こういう現実もございますけれども、昨年の審議会において、九月の二十四日でございますが、この結果について、事業者全体の容器包装の利用状況等について報告されて、ホームページにおいても公表させていただきました。

 具体的には、コンビニやスーパーの容器包装の削減に向けた取り組み、これは差がございます。小売業の形態別に法律上の削減目標を設定すべきとの御意見、または、小売業界には自主的に削減目標を設定し着実に実行しているとの意見、これは審議会でもございました。

 こうした意見を踏まえまして、引き続き審議会で議論をしていかなければいけないと思いますが、ただ、先ほど申し上げましたように、全体の容器の廃棄物の量というものを発表させていただいています、またその種類によってもさせていただいていますが、この報告、具体的な会社名等々を挙げる、懲罰的な部分もございます。そういった点はどのように考えていくのか、これらはしっかりと審議会でも議論を重ねていただいて、御理解をいただく中で結論を出していくべきもの、このように考えております。

田島(一)委員 守らなきゃならない秘密も当然あるでしょう。しかしながら、公表せずして報告だけ義務づけているという現実からすれば、報告する側のモチベーションにも影響が出てまいります。努力をしてもそれが正当に評価されない、社会から認められないということであっては、真面目に頑張る人たちの努力は水の泡であります。

 その意味で、公表のやり方について検討しなければならない課題はあると思いますが、やる気があるのかないか、それだけお答えください。

高木副大臣 こういった、業務報告を公表する、公表することによる影響等々、さまざまな部分というのは勘案しなければいけないと思います。

 ただ、委員が御指摘のように、廃棄物を減らしていく、こういう目的感を持ってやるには、これはしっかりと取り組んでいかなければいけないものであろう。ただし、先ほど申し上げました、さまざまな小売の業態が違う中で、個別の問題を、個別事業者を特定した方がいいのかどうか、これらは、公表の仕方ということは議論の余地のあるところだと思います。

 ただ、今御指摘のあったように、削減をしていくという目標に関しては、しっかりと環境省、経済産業省、そしてまたそれぞれが所管している審議会を含めまして、しっかり議論を重ねていくということはやっていかなければいけない、こんなふうに考えております。

田島(一)委員 副大臣、もうそういうへ理屈みたいな言いわけはやめましょうよ。本当に、政治主導でやるかどうかにかかっているんですね。今のこのごみをどう減らしていくか、容器包装リサイクル法の問題点を今追求しよう、問題点をしっかりと洗っていこうという状況なんですね。やる気を本当にお持ちなのかどうかが非常に疑わしい今の御答弁でありました。

 そして、これは、所管は経産省ですけれども、環境省も全く知らぬ顔というわけにはいかない課題なんですね。まさしく合議です。そこのところをやはりしっかりと地域ぐるみで進めていただかないと解決にはなりませんので、そこのところをもう一度、少しでも議論を加速化していただいて、皆さんの努力がしっかりと報われるよう、また実質減らすことができるような取り組みをしていただきたいと思っています。

 次に、請願内容の一つ、製品プラスチックのリサイクルを進める仕組みのあり方の検討状況についてお伺いをしたいんです。

 とあるリサイクル業者の方からお伺いをした話なんですけれども、硬質系の製品プラスチックを容器包装プラスチックに入れ込んで車のバンパーをつくるというリサイクルがあると聞いております。硬質プラスチックを容リプラスチックに入れ込むことで経済的に非常に価値の高いリサイクルが行えるという事実、経産省の方は認識していらっしゃいますか。お答えください。

三又政府参考人 お答えいたします。

 製品プラスチック、容器包装以外のプラスチックについての御質問だと承知しておりますが、そうしたものも含めて、プラスチックのリサイクルについては価値を生むものがあるというふうに、一般論としてそうであるというふうに認識はしております。

田島(一)委員 認識があるというお答えでありましたけれども、それだったら、なぜ市町村において製品プラスチックも一括して回収するということを認めてこないんですか。見解をお答えください。

三又政府参考人 お答えいたします。

 製品プラスチックの取り扱いにつきましても、これまでの御質問の中でるる触れられております産業構造審議会と中央環境審議会の下での合同会合におきまして、論点として、この製品プラスチックの取り扱いについて挙げられているところでございます。

 その合同会議の議論、あるいはそのもとで行われておりますパブリックコメントの中には、今先生御指摘のような、製品プラスチックも容器包装リサイクル制度の分別収集の対象に加えるべきだとする御意見と、いや、容器包装リサイクル制度の対象とすべきではないという御意見の両方の御意見がございます。

 また、一般廃棄物全体に占めるプラスチック製の容器包装の比率は容積比で三二・四%でございますけれども、それに対して、製品プラスチックの割合というのは五・〇%と比較的低いという事実がございます。

 その一方で、製品プラスチックは、品目や素材が複雑であり、例えば金属が不可分な一部として用いられているというようなケースもあるなど、手間とコストがかかってリサイクルに適さないというような御指摘もあるところでございまして、リサイクルにかかる社会的コストがふえ、消費者による分別の負担も大きくなるという側面もあることを考慮する必要があるというふうに考えてございます。

 いずれにいたしましても、製品プラスチックのリサイクルのあり方につきまして、こうしたさまざまな御議論も踏まえつつ、今後の合同会議、審議会において引き続き検討してまいりたいと考えております。

田島(一)委員 今、再商品化のコストが上昇するということもおっしゃいました。

 それでは、経産省の方で、再商品化製品の経済価値が上がるのかどうかの検証というのはされたんですか。実際、どれだけの費用が増加して、どれだけ価値が上がるのかどうかという検証データもお持ちですか。したかどうかだけ教えてください。

三又政府参考人 お答えいたします。

 ただいま申し上げましたような御議論を今していただいているところで、定量的なデータの分析というのはまだ行っておりません。

田島(一)委員 議論があることはもう承知しています。

 その中で、その両方ある議論をそれぞれ検証しているのか、データをちゃんと集めているのかということをお伺いしたら、データも何も集めていない。それでは、議論が分かれているというところでとまっているということじゃないですか。明らかに停滞ですよ。国会で請願を採択した、議員がみんな賛成をしたということに対しても、皆さんは何も行動を起こしていないというあかしの答弁ですよ。

 ここまで国会がばかにされて黙っていられるのかどうか、与党、自民党、公明党の皆さん、よくお考えください。この二年間、何一つ進まなかった。そして加えて、法改正すら出てこなかった。もうあきれて物が言えないというのが私の本音であります。

 もう時間がなくなりました。もうこれ以上このテーマについてはきょうは申し上げませんけれども、今、皆さんの対応の不備がはっきりと明らかになってきたところであります。これから先、まだまだこのネタについては質問を繰り返させていただきますので、どうぞ覚悟をしておいてください。

 最後に、残り五分になりましたので、水俣病について環境大臣にお伺いをしたいと思います。

 御承知のように、ことしは新潟水俣病の公式確認五十年という節目にも当たります。水俣病の救済特措法に基づいて、被害に遭われた方々をあとう限り救済するという覚悟で今日まで取り組んで、そして、訴訟の原告団と和解をしたり、また救済に当たってきた、その一人が私であります。

 あとう限りの救済といいながら、まだまだ救われていない、そんな被害者が次々に出ています。訴訟を起こされている件数もなお増加している状況にあります。

 先月の新潟水俣病の第五次訴訟で、これまで国が存在しないと説明をしてきた工場排水の分析結果などの証拠書類を提出されました。

 正直申し上げて唖然といたしました。五十年たった今なぜ開示をされたのか、当時この分析結果をもとにどんな検討を重ねられてきたのか、当時三役にいた私たちには何一つ説明すらなかったことなど、疑問は次々に出てまいります。多くの被害者、また訴訟を起こす原告団も、同様の怒りの声を上げていらっしゃいます。

 責任逃れのためにこの資料の存在が意図的に隠蔽されたとしたならば、これは決して許されるものではありません。かつてともに救済に飛び回ってきた私と環境省との間の信頼関係も、今損なわれようとしています。

 加えて、今、患者会、被害者の会の皆さんは口々におっしゃいます、環境省には心がないと。信頼関係を築いてきたはずのものが、たった二年で心がないとさえ言わしめている。問題は一体どこにあるのでしょうか。心がない役所、心がない対応、本当に残念です。

 大臣、大臣も、昨年でしたか、水俣には一度いらっしゃったと思います。まだ一回だけですね。回数が問題ではありませんが、どれほど心を通わせていらっしゃったのか。にもかかわらず、心がないとさえおっしゃる方がいるんですが、大臣の耳には届いておりませんでしょうか。いかがですか。

望月国務大臣 先生が長い間この水俣のことで御苦労なさってきたということ、本当に敬意を表したい、このように思います。

 水俣病は、まさに地域が破壊され、それからまた大変多くの方が健康被害に苦しまれてきたということで、我が国の公害あるいはまた環境問題の原点だ、このように我々は思っております。

 そしてまた、今御指摘がございましたが、環境大臣に就任後、水俣条約一周年フォーラムの機会に胎児性それから小児性患者の皆様ともお会いをいたしまして、お話を直接させていただきました。今おっしゃったように本当にやはり信頼関係が必要ですし、我々ももっともっと、何回も訪問してお話し合いをさせていただかなくてはいけない、そういうことでございますけれども、回数よりも内容が、信頼関係が必要だというのは先生おっしゃるとおりでございます。

 しかしながら、こういうお話を聞かせていただいて、我々も本当にさまざまなことを思い知らされたといいますか、思いに至ったわけでございますが、この患者の皆さんの声をお聞きして、これからも安心して暮らしていけるような、そういう緊張感を何しろ持って対応していかなくてはならないということを強く思いました。

 先生のおっしゃるとおり、今なお公健法の認定申請をなされる方や、それからまた訴訟を提起する方がおられるという点については、しっかりとこれは受けとめなくてはいけないな、こんなふうに思います。

 環境省としては、県や市町村、地域も、お話を聞く中では、地域がさまざまな意味で分断されてしまったということや、水俣に来ていただけるというのは、普通の町と違ってその名前を聞いただけで来てもらえないのだよとか、さまざまな声も伺っております。

 市町村と二人三脚で、地域の人々が地域の中で、そういった感情的にそごをしてしまっているということもございますので、安心して暮らしていける社会を実現するというのは我々の本当に思うところでございますので、総合的な取り組みを確実に、着実に実行していきたい、このように思います。

田島(一)委員 何度も、安心して暮らしていけるようなというフレーズを引用されました。

 実際、まだ安心して暮らせないんですね、暮らしていらっしゃらないんです。だから、大臣の手元にも要望書だとかさまざまな意見、声が届いているはずだと思います。かかわってきた者として、本当に残念な今現状だと私は思います。

 私のときは、それこそ大臣以下三役は三人しかいませんでした。しかし、今、副大臣も政務官も二人ずついらっしゃるんですね。役所にいて職員からのいろいろな相談も受けられるようなそういう政治主導で環境を整えていただきたいし、もっともっと現場に飛び回って、いろいろな現場の生の声を聞いて回る努力もしていただきたい。そういう意味で、本当に今の政務三役は汗をかいているのかどうかを私は問いたいと思います。

 よその省では、政務官の非常に破廉恥な行動が週刊誌をにぎわせました。情けない限りです。私たちはそんなことをする暇も本当にない政権当時でありました。どうぞ、もう一度三役の皆さんがそれぞれ気持ちを入れかえて、現場の被害者、惨状に向き合う覚悟と決意をお持ちいただきたいと思います。

 とりわけ、人々の命にかかわる問題は、政治主導でなければ動きません。政治家が、大臣以下三役が腹をくくるかどうかによって大きく変わるのです。その決意がなければ、環境省はあっても意味がありません。隣接する省庁等の数の力、予算の規模の力でないがしろにされてしまう状況にある、そこを踏ん張れるかどうかが大臣以下三役の力にかかっているんです。どうぞ、そのことを十分に肝に銘じていただいて、これからしっかり私も見守らせていただきます。

 そのことを皆様に申し上げて、きょうの質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、小沢鋭仁君。

小沢(鋭)委員 維新の党の小沢鋭仁でございます。

 大臣所信に対する質疑を行わせていただきます。

 先ほど来から大変有意義な議論が続いているというふうに、聞かせていただいております。望月大臣におかれましては、私も、精いっぱい環境政策を応援する、そういう思いで質疑をさせていただきますので、ぜひ、こういった答弁、何とかやり過ごしたという話ではなくて、建設的な議論をさせていただきたいとまず冒頭、申し上げたいと思います。

 さて、きょうは、主に気候変動問題について御質問をさせていただきます。

 所信の中にも、ことしは大変重要な年と大臣が述べられていますね。COP21でいわゆる京都議定書にかわり得る新しい枠組みができるかどうか、それが、ある意味では可能性も高まっている、そういう年だ、こういうふうに思っています。私も、この問題にずっと携わってまいりましたから、本当に、まさにことしのパリのCOP21は大変期待もしているし、重要な年だ、こういうふうに認識をしています。

 問題は、先ほど来、話が出ていますように、安倍内閣という中で、そういった認識、その重要性に対する認識、それが本当にしっかりあるのかどうかということだと思いますね。先ほど馬淵議員から、望月大臣と経産大臣のいわゆるバイの議論をもっとやってくれ、こういう話がありましたが、やはり、政権の中枢である安倍総理を含めて、そういった全体像が見えないんですね。

 地球儀を俯瞰する外交、こういうふうに安倍総理はおっしゃっていますけれども、どちらかというと、それは、ある意味では紛争に対する安全保障論、こういうことがメーンであって、いわゆる地球全体が今大変な危機にある、こういう認識、そういった意味では、まさに地球儀を俯瞰する外交という話であれば、この気候変動問題を初めとする地球環境問題にさらに日本はしっかりと取り組んでいく、この姿勢こそが大変重要ではないかというふうに私は思っています。

 たまたま今、NHKのBSで、危機の時代を生きるという連続のシリーズの放映がなされていますね。これもまさに、紛争を初めとする安全保障ではなくて地球環境の安全保障、そういったシリーズがなされているわけでありますが、その意識が大変希薄であるというふうに思わざるを得ません。

 ぜひ、そういった意味では、環境大臣望月大臣に頑張っていただきたいというふうに思うわけであります。

 そこで、国民に危機の認識をしてもらうのに大変有用な話として、環境省は、私の手元にあるのはことしの二月の新聞報道でありますし、それから、きのう、実は最終案の中央環境審議会の意見具申というのをいただきましたけれども、温暖化被害に対するペーパーをおまとめになっていますね。これが国民の皆さんたちになかなか伝わっていないんですね。例えば集中豪雨、これも毎年大変な事態が起こっています。

 集中豪雨に関しては、アメリカの副大統領であったゴアさんが「不都合な真実」で、二〇〇七年の初版ですけれども、集中豪雨が起こるという話を明快に書いていますね。先進国の中でこれだけ社会インフラが麻痺するような集中豪雨が起こるということは、その問題の程度に対する認識と、それから社会インフラの整備状況が合っていないということです。

 これも完全に温暖化における影響だと思いますけれども、温暖化による集中豪雨、こういう話をまだ、この中央環境審議会の答申でも認め切れていませんよね。これについての見解をいただきたいと思います。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生御指摘のように、中央環境審議会におきましては、日本への気候変動の影響の評価につきまして検討を重ねておりまして、今月の十日にその報告書が意見具申として取りまとめられたところでございます。

 この意見具申の中につきましては、国内外の五百を超える文献をもとにしまして、現在並びに将来の日本における気候変動の影響を、七分野、そして三十の大項目、五十六の小項目に分けまして、その重大性、緊急性、確信度について評価をいたしたものでございます。

 例えば、今先生がおっしゃられた洪水に関して言えば、将来、洪水を起こし得る大雨の頻度や強度の増加が予測されており、この影響は重大性が特に大きく、緊急性も高い分野というふうに評価されております。

 また、土砂災害につきましても、大雨の強度や総降雨量の増加によりまして、崖崩れや土石流等の頻発、深層崩壊等による影響の長期化等が予測されておりまして、こちらも重大性が特に大きく、緊急性も高い分野という形で評価がされております。

 ゲリラ豪雨と言われるような短時間に集中的に降る降雨につきましては、その強度が過去五十年間で増大をしているという現状の報告もございます。しかしながら、この傾向が直ちに気候変動によるものであるという十分な科学的根拠は得られていないという評価も、あわせてされております。

 いずれにいたしましても、二十一世紀末には、地球温暖化に伴いまして、このような短時間強雨の発生頻度が全国的に増加するというふうに予測をされているところでございます。

小沢(鋭)委員 科学的知見というのは大変大事だと思っていますから、今、梶原さんがおっしゃった後半部分のゲリラ豪雨に関しては、直ちに温暖化が原因となかなか言えない部分がある、こういう話は科学的知見としてはわかるんです。

 ただ、大臣、これだけの人命を損なうようなまさに集中豪雨がこんなに頻繁に起こっている。だから、環境大臣としては、これはまさに温暖化対策が極めて重要だという話を明快に言って、そしてそれに対する対応が必要だということをもっと政治的にアピールすべきだと思いますが、大臣の見解はいかがですか。

望月国務大臣 小沢先生は、我々の大先輩でございます。環境大臣経験者ということで、非常に今の御意見等も我々は重く受けとめなくてはいけないな、こんなふうに思いますし、環境省の中でも本当に御苦労なさって、それからまた功績が非常にあるという話を聞いております。それぞれ参考にさせていただきたいな、このように思います。

 ただいまのお話でございますけれども、私も、COPに行ったとき、ニューヨークの会談でしたか、今先生の御指摘のように、地球の温暖化、要するに気候変動は今世紀最大の大量破壊兵器だ、そういうお話をした方がございました。まさに今、さまざまな災害、あるいはまたさまざまな変動によって、雨が降らなくて、農地の水が足りなくて、たくさんの皆さんが餓死するだとか、さまざまなことは、やはり、なるほどなと思うようなところがございます。

 やはり我々は、そういったことに対して、それを所管する大臣として、国民の皆さんあるいはまたそれぞれの皆さんにそういったものをしっかりと発信していかなくてはいけない、こんなふうに思っております。

小沢(鋭)委員 さらに加えて、大臣、その決意は結構ですが、先ほど、安倍内閣全体にそういう危機の認識がないのではないか、こういう話を申し上げました。総理に、地球儀を俯瞰する外交だったらまさに環境外交をしっかりやれという話を言うつもりはございませんか。

望月国務大臣 昨年、ニューヨークで国際会議がございました、そのときに総理がしっかりとそういったものを、さまざまな意味で、今ちょっと資料は、また後ほど御質問があるかもしれませんけれども、提言をさせていただきました。

 我々としても、安倍内閣の一員として、総理がそういった気持ちを持っているというもとにこの環境行政をしっかりやっていかなきゃいけない。私が閣僚に、環境大臣になったときも、これは安倍内閣でも大変重要な問題を抱えた省庁なのでしっかりやってもらいたいということでございまして、総理みずからがこの環境問題には非常に内閣の重要課題として覚悟して邁進していくというものを我々は認識をして仕事をさせていただいているところでございます。

小沢(鋭)委員 大臣がそういうふうにお感じになっているのは、それはそれで結構ですが、我々にはなかなか、野党あるいはまた国民にはその思いが伝わってこないということを申し上げて、さらに大臣の奮起を促したい、こういうふうに思います。

 それで、時間も大分たっておりますので、幾つか問題を飛ばしながらやらせていただきたいと思っています。

 ことしのCOP21、大変重要な会合になります。そこで、大変注目する発表、これは、国連総会は皆さん御案内のように、総会の前に大体テーマを決めてそれなりの会合をやりますが、昨年の九月の国連総会の前のテーマは気候変動サミットで、五年ぶりでした。二〇〇九年から五年ぶりの気候変動サミット。そこでは正直言って大した話はなかった、こう私は思っておりますが、いずれにしても、その後の十一月の北京のAPEC、この席で、アメリカが新しいCO2排出に対する目標、それから、中国が同時に、ピークアウトの設定、この二つを二人並んで共同発表したんですね。これは私は極めて重要な話だと思っています。

 私どもがやっていたときも、一生懸命アメリカ、中国を説得していましたが、アメリカと中国の排出量が圧倒的に多くて、その二つが京都議定書の中で、アメリカは入っていない、中国はいわゆる義務国になっていないということの中で、どうしてもこの二つの国が本気にならなければ地球温暖化問題は解決しない、こう思っていて、そして、何とかアメリカを説得しようと私もアメリカにも行きましたし、やらせていただきましたが、なかなかできなかった。いよいよそれが、あの二つの国が、初めて、それも共同で記者会見をやったんです。

 大臣のこれに対する所感を聞かせてください。

望月国務大臣 まさに、小沢先生初めいろいろな方々が今まで努力して、なかなかアメリカあたりも、経済界が強くてこういったものに参加をできなかったんですけれども、こういう形で出てきたというのは、そういう御努力のたまものだということを感じます。

 それから、この米中というのは世界の二大排出国でございまして、CO2の世界の放出の約四割を占めているということで、やはりこういったものでは、この二国が参加するかしないか、そういう数字を出すか出さないかというのは、気候変動に対しましては非常に重要なポイントではないかな、このように思っております。

 米中が協調して二〇二〇年以降の削減目標を発表したということは、ことしの暮れにCOP21がパリで開かれますが、この合意する新たな国際枠組みの議論の促進につながるものとして、我々は本当に歓迎をしたいし、これで相当拍車がかかるな、こんなふうに認識をしております。

小沢(鋭)委員 この二つの国を含む新しい枠組み、まさに京都議定書にかわり得る枠組みをどうつくるかという話が一つの大きなポイント。それから、その枠組みの中で、世界の排出量をどれだけ減らしていくか、その中では日本の排出量もどうするか、こういう数値目標をどうするか。この二つのテーマがあるんだろうと思うんですね。

 大臣におかれましては、ことしのCOP21に向けて、まずこの枠組みに対してはどういう提案を考えていらっしゃいますか。

望月国務大臣 ことしのCOP21でございますけれども、京都議定書は、まさに京都という名前がついておりまして、気候変動のCO2に対する大変重要な会議でございましたが、これはどちらかというと、先進国だけがそういった義務を背負うという、あるいはまた、アメリカや主要国が参加していなかった、そんなこともございます。

 今回は、我々が皆さんとお話をするのは、全ての国、あらゆる国が参加をする、それからまた公平でなくてはいけない、それから、数字を出すだけでなくて、それがしっかりと実行されていく、それぞれの国々の考え方、立場があると思いますが、それを実行していく、そういった枠組みを構築するということが極めて重要だと思っております。

 昨年私が出席したCOP20でございますけれども、例えば、議長国のペルー、それからCOP21議長国のフランス、あるいはまた、たまたまでございますけれども、中国など七つの国、地域の環境大臣や、それから国連の事務総長であります潘基文事務総長といった皆さんとお会いして、バイ会談をさせていただきました。

 例えば、中国も、実を言いますと、私とバイ会談をする時間帯に、国連の全ての皆さんがそろっている、ステートメントをすることになっていたんですけれども、そちらをキャンセルして私とお会いをしていただいた。我々の方もちょっとびっくりしたんですけれども。

 それはもちろん、潘基文事務総長もお話をしておりましたが、日本のテクノロジーは世界一である、だからこそ日本がこのCOP21に向けて世界に貢献する声をしっかりと出していただきたいと。

 ただ、そういう中で、我々に対して、思いやりとかいうものもございました。

 イギリスでも、ちっとも出さないじゃないか、日本はおくれているんではないかと、これは非公式ではございますけれども、そういう話がございました。

 ただ、我が国は、東北の大地震で福島でああいう原発の事故があった。そういうものを乗り越えて必ず日本は、あのときはそういう批判の仕方をしたけれども、日本はそれを乗り越えて、必ず我々と一緒になってこのCOP21の成功に向けて参加してくれると我々は信じているからしっかりやってもらいたい、日本の国の事情はよくわかっています、そういうお話もございました。

 合意に向けて、鍵となる多くの方々と率直にお話ができまして、大変よかったなと思っております。

 そういうことで、COP21に向けて各国がより一層連携して取り組んでいくことで一致しましたし、各国から、日本が気候変動対策をリードすることへの強い期待が示されたところでございます。

 先ほど、アメリカや中国で世界の四割と言いましたが、日本も主要排出国の一つでございますし、ただし、すぐれた炭素技術、テクノロジーを持っておりますので、二〇二〇年以降の国際枠組みを採択できるよう引き続き積極的に議論を進めていきたい、このように思っております。

小沢(鋭)委員 二つ具体的に質問します。

 今のお話を承って、アメリカの名前が落ちているんですね。アメリカとはどういうふうな話を誰とされていますかというのが第一問。

 それから第二問は、ことしのCOP21に対して、日本がいわゆるイニシアチブをとるためには、今大臣の答弁の中にもありましたが、日本の目標とかいうものをしっかり明示しないと説得力がないですよね。その数値目標に対してはどのように考えていらっしゃるか。

 その二問をお願いします。

望月国務大臣 COP20のとき、あるいはまたさまざまな機会にアメリカともお会いしたかったんですけれども、アメリカとは私自身はバイ会談ができなかったのは非常に残念と思っていますが、もちろん事務方はしっかりとアメリカとは打ち合わせをしているという話は、その都度、話は聞いております。

 それから、目標でございますけれども、これは今、エネルギーミックス等を、中環審ですか、産構審ですか、そちらと何回も会合を重ねる中で我が国の目標値をしっかりと構築していくという、今、一日も早く出すということで、その目標に向かって進めているところでございます。

小沢(鋭)委員 まず、国際交渉に関しては、これは私の意見ですけれども、アメリカがしっかりやらないと、中国は、アメリカの足元を見ていますから、やらないんですよ。ですから、そのアメリカをしっかりとつかまえておくという話が極めて重要だと思っています。

 これの担当者は、固有名詞を挙げると伝わるといけませんから言いませんけれども、大変しぶといですよ。ですから、もうずっとやっているんです、共和党の時代から。そうでしょう。環境省はよく知っていますよね。なかなかしぶといんですよ。ここをしっかりつかまえないと中国は本気になりませんよ。ですから、ぜひそれを申し上げておきたいということ。

 それから、いわゆるエネルギーミックスに関しては、今お話があったわけですが、先ほど馬淵議員からも質問がありましたので、一問だけ聞きます。

 この三月までに、可能な限り、いわゆる各国は数値目標を出すという話が全体の流れになっているわけですが、エネルギーミックスの話は、先ほどの話があるように、まだまだ議論の途中ですよね。これを経産省はどう思っているんですか、どっちでもいいと思っているんですか。

吉野政府参考人 お答えいたします。

 エネルギーミックスの議論に関しましては、この一月から開始をしております。これまでのところ、エネルギー基本計画の論点、それからエネルギー関係のさまざま情勢を振り返っていただきながら、安定供給、コスト、それから温暖化対策、さらには安全性といった、三つのEとSなどのミックスを検討いただくための基本的な視点について議論をいただいております。

 また、その第二回、第三回と進めてきておりますが、エネルギー需要の見通し、省エネルギー対策、三月十日の第四回目には、再生可能エネルギーの導入拡大についても議論をいたしております。

 この後さらに、原子力、それから熱利用、コジェネといったところに関する論点を検討してまいりますけれども、私どもも、COPにかかわりますスケジュールは認識をしております。なかなか中身のある議論でございますので、スケジュールありきとは申せませんけれども、何とかできるだけ早くミックスについてもお答えを出していきたいというふうに考えているところでございます。

小沢(鋭)委員 気候変動に関する国際交渉というのは環境省が、大臣が主役。だけれども、国際交渉は外務省。それから、国内問題、エネルギーに関しては経産省。この三省が中心になっていきます。

 大臣がしっかりしませんと、経産省はこれまた手ごわいですよ。なかなかこれは大変なんですから。本当にそれは心構えをしっかり持っていただいて、望月大臣が主の担当大臣ですから、その思いでぜひ頑張っていただきたいし、私も吹き飛ばされそうになりながら踏ん張ったつもりですよ。ぜひ頑張っていただきたい、こういうふうに申し上げます。

 最後に、時間がなくなりましたので、一問だけ、我々の提案の質問をさせていただきたいんです。

 環境委員会に、いわゆるごみ屋敷禁止法案というのを維新の党として出させていただいています。正式名は、廃棄物の集積又は貯蔵等に起因する周辺の生活環境の保全上の支障の除去等に関する法律案。これを出していて、自民党の、そちらにいらっしゃる田中さんたちとも相談をさせていただいてやってきていたんですが、この間の解散で廃案になっちゃいました。もう一回出し直したいと思っています。

 これは、生活環境の中で、いわゆるごみ屋敷と呼ばれる話があちこちにある。頑張っている自治体もあるんですが、国がきちっとした指針を示さないのでなかなかやりづらい、こういう話があって、私が中心になって維新の党でつくらせていただいて、提案させていただきました。今、廃案になっちゃっているんですけれども、ぜひ委員の皆さんには御協力もいただきたいと思います。

 この法案に似ている話として、空き家対策の法案があって、これは与党の提案だったので環境省じゃありませんけれども、ちゃんと成案になっているんですね。野党の提案だからといってだめだという話ではなくて、いいものはいいという形で、ぜひとも。

 これは、地域環境という意味では同じですけれども、ごみ屋敷は人が住んでいる話です。空き家対策は、人が住んでいなくて地域環境に悪影響を及ぼす。このごみ屋敷の場合は人が住んでいる話なので、さらに難しいんですけれども、そういった法案を出しています。

 最後に、これに対する役所の見解をちょっと聞かせてください。与党は、役所がどう言うかというのを一番気にしているんですよ。役所と地方。地方は大体了解をとりましたから、あとは環境省が、大いにやってくれと一言言ってくれればいいんですよ。お願いします。

鎌形政府参考人 いわゆるごみ屋敷の問題でございますけれども、私どもとしては、悪臭や害虫、火災など、生活環境保全上の支障を及ぼし得るもの、こういうふうに承知してございます。

 しかしながら、個人の住宅に集積されたものでございまして、例えば占有者の意思など、廃棄物に該当するかどうかというところの判断に課題がございまして、廃棄物処理法では、廃棄物と捉えて対応するというのが難しいところでございます。

 そういうことで、一部の自治体では、生活環境保全上の支障ということに着目して、調査、指導、勧告、命令、代執行などのできるような条例を制定して対応している、こういうふうに承知してございます。

 私どもといたしましては、生活環境の保全を図る、こういう観点から必要な対応を検討してまいりたいというふうに考えてございます。

小沢(鋭)委員 答弁はまあまあですね。

 今も鎌形さんから話がありましたが、生活環境、こういう意味でも、身近な環境問題という意味では、我々がこの法案を出したときに、たまたまある放送局がその報道をされたときに、当時、一番反応が大きかったテーマなんですね。

 先ほども申し上げたように、地方自治体も大変期待をしてくれている法案でありますので、ぜひとも、改めて、この場をおかりして、与党の皆さん、委員長にもお願いを申し上げたいというふうに思います。法案がことしは余りありませんから、環境委員会は時間があるはずですから、時間がないということは言えないので、ぜひとも与党の皆さんに御協力をお願いしたいと思います。

 最後に、きょうの質疑を通じて、これからも地球環境問題、折に触れてやらせていただきたいと思っていますが、繰り返しになりますけれども、まさに安倍内閣、地球儀を俯瞰する外交という中の大きな柱にこの環境問題をしっかりと位置づけていただく、このことが重要だというふうに思います。

 そういうことをしてくれると、また支持率が上がっちゃって、野党にとっては痛しかゆしかもしれませんが、そういったちっちゃいことを言っているつもりはありませんので。これは本当に大事だと思います。ことしが、ある意味で物すごく重要な年だという話を安倍総理にもあるいは官房長官にもしっかり伝えていただいて、まさに、官邸がある意味では本気になってやるという動きをつくっていくのも大臣の仕事だというふうに思っているということをお願いしておきたいと思います。

 それからもう一つ、先ほどの議論を聞いていた中で私が感じていたことを申し上げると、いわゆるエネルギーミックスの話ですが、産業政策の話は重要なんですが、我々があの当時考えていたのは、いわゆる国民の日々の暮らしと地域の取り組み、そして産業政策、この三つ、分けて我々はこの地球環境問題を考えていました。

 産業政策は、経済界の皆さんはかなりやっている、こう言うんですよね。そのとおりだと思います。もちろんまだやれるところはあると思っていますが、国民にとっての日々の暮らしというのは、これはまだまだやれることはいっぱいあるんですよ。

 きょう、新聞をたまたま見ていたら、ブラジルのペトロブラスという石油公社が日本から撤退するという話がありましたけれども、ガソリンのE3、E10、バイオ燃料を入れた話というのは、環境省も推進したはずですよね。ペトロブラスが撤退するとどうなるのかなと思って新聞を読みましたけれども、こういう話もあります。

 それから、地域全体の取り組みというのは、これまたきょうの新聞を見ていたら、富士市と横浜市ですか、環境配慮都市ということで取り組みを進める、こういう話がありました。

 私がずっと言っている、例えばデンマークなんかでは、地域全体でいわゆる暖房を整える、こういう話がありますね。東京駅でも最近は出てきていますけれども、各個人の話から、それから地域の取り組み、ここの分野は幾らでもやりようがありますから。

 地域創生なんというのは、環境省が取ってかわるぐらいの気持ちでやったらいいんですよということを申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、松田直久君。

松田委員 維新の党の松田直久でございます。

 委員長のお許しをいただきましたので、大臣の所信表明に対して質問に入らせていただきたいと思います。

 先ほどから、大臣の応援といいましょうか、いろいろ厳しい御意見もあったわけですけれども、最後は、大臣、頑張ってくださいというようなエールだった、こう思うんです。

 私は、環境保全予算に関する予算を、一遍、初めて全体を見せていただきました。そうすると、全体が総額で一兆八千億ぐらいあるんですね。環境省の内訳というのが五四・七%なんですけれども、例の東日本の震災等々の予算を差っ引きますと三千二百億ぐらいである。これは、大臣、全体の二八・五%でしかないんですね。ですから、ルーチンのと言うとあれですけれども、そういうふうな形の中で全体の環境行政をリードしていただかなくてはいけないというところであります。

 先ほども質問がありましたように、年末のCOP21、また、二〇二〇年のオリンピックやパラリンピックでは、環境に優しい五輪、また環境都市東京という方向性をしっかりと出していくということであります。

 先ほども、経産省との表裏一体とか各省にわたってということで、いろいろ縦は、軸はあるわけですけれども、やはり環境行政というのは、環境省が、大臣が先頭を切っていただいて、要するに情報発信をやっていただかなくてはいけないと思うんです。そういう意味で皆さんが、応援をしますよ、こう言われているんだと思います。

 そういった中で、大臣、大臣の思いといいましょうか決意といいましょうか、俺はこうだ、大臣として、望月大臣はこういうふうに考えている、ほかの大臣と違うよ、こういうふうに考えているよというようなのがあれば少し御所見をいただければというふうに思います。

望月国務大臣 先生の前にもさまざまな皆さんの御意見を伺って、大変ありがたいなと思いました。さまざまな御意見の中で厳しいものもございましたが、ほとんどのものは、しっかりやりなさいと。さまざまな経験等を踏まえて、そういう御意見を承って、我々としても、本当にもっとしっかりやっていかなきゃいけないなというような思いをまたこの場で新たにさせていただきました。本当にありがたい御意見だったと思います。

 また、先生、環境省というのは、環境の保全に責任を持つ、そういう唯一の省庁でございますので、その役所としてみずから積極的に環境政策を行っていかなくてはいけない、行っているところでございます。

 また、今後とも、先ほどお話がございましたように、経済産業省、農水省、さまざまなところとやはり重なるところもございます。我々の意見というものは相当厳しくなるところもございますし、場合によってはなかなか参考にしてもらえない面もあるのかもしれません。ですから、そういうことがないように、もちろん、先ほどお話ししましたように、総理からは、非常に重い仕事なので、しかし環境問題はやはり内閣としてはしっかりとやっていかなきゃいけないのでしっかりやっていただきたい、やるようにという御下命を承っております。

 そういった意味で、さまざまな関係省庁としっかりと、縦割りということではなくて政策を行うとともに、政府全体の先頭に立ってリーダーシップを発揮していかなくてはならないというものが、今大変そういう意味では一つの大きなターニングポイントに来ておりますので、そういった責任を持って環境行政を推進していきたい、このように思っております。

松田委員 私は、日本でナンバーワンに環境の情報発信をされるのは大臣しかおみえでないというふうに思いますので、ぜひ思い切って自分の思いを国民の皆さんに示していただきたいな、このように思います。

 所信からなんですけれども、先ほども何人かの方々が質問をされました。少し通告とは順番を変えますけれども、再生エネルギーについて御質問をさせていただきたいと思います。

 東北の大震災がありました。本当に多くの犠牲者が出たわけで、国民の願いは、やはり原発に頼っておっていいんだろうかなというような思いをそれぞれが、私は国民の大半がそういうふうに持ってみえるんではなかろうかな、こう思っております。

 我々維新の党も、原発推進施策を廃止して、施設を廃止しまして、市場メカニズムを通じた原発フェードアウトを実現する、こういうふうな思いの中で少し質問をさせていただきたいと思います。

 電源の構成は、先ほど馬淵委員からも質問が出まして、なかなかまだ決まらないというような中なんです。その中で再生エネルギーの議論をするというのは少し厳しいところはあると思うんですけれども、私は、その再生エネルギーの中で、先ほども資料の提示もございましたように、その中で木質のバイオマスについて少し質問をさせていただきたい、こう思っています。

 まずはこの再生可能エネルギーについて、現在の取り組みがどういうものであるかということを少しお尋ねさせていただきたいと思います。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 木質バイオマスの活用につきましてでございますけれども、これは森林資源、地元の、地方の資源でございますけれども、それをエネルギーとして利用するということは、同時に、その分だけ化石燃料の使用を減らす、そしてCO2の削減につながるということで、温暖化対策としても重要なものだと認識をしております。

 環境省といたしましては、林野庁とも連携をいたしまして、先導的な技術を活用しつつ、原木の加工、チップ等の燃料の運搬、そして、発電、熱利用等を一体的に行う、そういったような先進的な事業に対して実証事業に取り組んでいるところでございます。

 こうした取り組みを通じまして、木質バイオマスを含めた再生可能エネルギーの導入を中長期的に着実に拡大いたしまして、低炭素社会の実現、ひいては地方創生に資するよう、しっかりとやってまいりたいというふうに考えております。

松田委員 今、いろいろな再生可能のエネルギーというのはあるわけです。例えば太陽光とか風を利用した風力なんというのもあるわけですけれども、一番の違いは、太陽光なんかは曇っていたらなかなかエネルギーを発生できない、また風力においても、風がとまってしまったら、なかったら電力を発生しないということなんです。また逆に、さんさんと太陽が、また風が強く吹いたらエネルギーが上がるということ。逆に言えば、アップダウンが非常にあるわけですね。

 するとこれは、例えば太陽光なんかは、一般の御家庭でいくと、電気代に賦課金という形で各家庭でその分を負担していただいておるわけなんですけれども、木質のバイオマスなんかだったら安定した供給ができるということで、もう少し力を入れた方が、逆に言ったら入れるべきだ、こういうふうに思うんですけれども、その辺のところはいかがでしょうか。

梶原政府参考人 今先生御指摘の再生可能エネルギー、さまざまなものがございますけれども、特徴といたしましては、地熱、それとこういうバイオマス、そして水力につきましては、変動性がないということで、非常に安定的な形でできる発電、再生可能エネルギーの電気だと思っております。

 また、バイオマスにつきましては、今申し上げましたほかのものと違いまして、これはバイオですからCO2の発生はないわけでございますけれども、燃料を使うといったような特徴も持っております。逆に、この特徴を持つことによって、人手がかかるということになりますので、雇用の増大といったようなプラスの側面を持っているところもございます。

 いずれにいたしましても、そういう木質バイオマスを集めてしっかり供給をして、それで安定的に事業を行うということが必要だと思っておりますので、実績をしっかりと重ねていきながら、関係省庁、特に林野庁、経済産業省とも協力しながら進めてまいりたい、こういうふうに考えております。

    〔委員長退席、熊田委員長代理着席〕

松田委員 材料が要るということだったんですけれども、例えば、森林だと間伐をして、その間伐をしたものを材料に使う。そうすると、もう一回森林が生き返ってくるという形で、材料は使うんだけれども、今言われたようにそこに雇用も発生しますので、僕は非常に循環とすればいい流れだと思っているんです。

 そこでお聞きをしたいんですけれども、この木質のバイオマスをするに当たって、私どもの三重県でもそうなんですけれども、その木質の材料を買いあさって、今非常に高騰化してきている事実ということは認識をしていただいておるでしょうか。

本郷政府参考人 お答え申し上げます。

 バイオマスに使われるような間伐材ということでございますけれども、これにつきましては、今まで未利用で山に放置されてきたというものを出してこられて、それがお金になっているという意味で非常にありがたいことだというふうに思っております。

 価格としては、今まで捨てられてきたものという意味でいえば、かなり価格を高めていただいているというふうに感じております。

松田委員 未利用のという今答弁をいただきました。

 この未利用の材木の中にもいろいろ種類がありまして、例えば、その未利用の中で、家具に行ったりとか、また違う、柱になったりとか、そういったものまでを、今値段が高騰して、いわゆる買い占めたりしている。逆に言えば、本末転倒みたいな形になっているわけなんですよ。

 これからも、木質バイオマスをどんどん進めることによって木材の価格というものがどんどん上がっていくというふうに思うんですけれども、どういった形かでやはり、ある程度の指導といいましょうか、そういうものが必要になってくると思うんですけれども、その点はどういうふうにお考えか、少しお聞きをさせていただきます。

    〔熊田委員長代理退席、委員長着席〕

本郷政府参考人 お答えいたします。

 農林水産省といたしましても、木質バイオマスのエネルギー利用は、国産材の大きな需要先となるだけではなくて、地域の活性化、そして雇用の創出など地方創生にも貢献できる分野というふうに考えております。

 今委員御指摘のことでございますけれども、燃料の安定供給、特に、枝葉あるいは端材を含む未利用間伐材の安定的、効率的な供給体制の構築が重要だというふうに考えておりまして、山からロットをまとめて出してくるというようにするために、路網の整備あるいは森林施業の集約化ということに対しての支援、木質チップ製造施設等のバイオマス関連施設の整備への支援を推進して、安定供給を図りたいというふうに考えております。

 また、木質バイオマスの発電施設の設置に当たっては、今お話ございましたような既存の用途にできるだけ影響を及ぼさない形で、地域における未利用間伐材の活用を推進するために、発電利用に供する木質バイオマスの証明のためのガイドラインというのを定めております。

 また、地域においてガイドラインに即した燃料の供給が確保されるよう、地方自治体と連携して、木材の安定的な確保について事前のチェック、そしてその後のフォローアップに取り組んでいるところであります。

 今後とも、関係府省と連携し、このような取り組みを通じて木質バイオマスのエネルギー利用を推進してまいりたいと考えております。

松田委員 木質バイオマス、先ほど言いましたように、非常に安定したエネルギーです。ですから、例えば風力とか太陽光とかいうエネルギーじゃなくて、今、電力だったら、電力がアッパーのところへ風力や太陽光のエネルギーが行って、いわば使われていないといいましょうか無駄遣いしているのが出てきている部分があるんと違うんかなと僕は思っているんです。数字はわかりませんよ、電力会社としてですよ。

 ですから、そうなってきたときに、もし余分に、エネルギーがもう目いっぱいなのに太陽光や風力で補ったという場合は、そのアッパーした部分はそれぞれの御家庭が賦課金という形で支払わなくてはいけない。値段が上がってしまうということであれば、やはりこういった安定した木質のバイオマスの再生可能エネルギーをもっともっと施策として重点に置いていくべきだというふうに思っております。

 時間がありませんのでこれは要望にとどめておきますけれども、大臣もちょっと聞いていただいていますけれども、その辺のところ、小さいとか言われるかわかりませんけれども、やはり、それぞれの御家庭の負担というのは環境を守るために、それぞれの国民の皆さんはある程度はわかってはいますけれども、なるべくそれを少なく抑えるというところが絶対必要だ、僕はこう思いますので、ぜひともこの安定したエネルギーについては推し進めていただきたいというふうに思いますので、よろしくお願いをいたします。

 少し時間がないので、次の質問に入らせていただきます。

 リニア中央新幹線についての質問をさせていただきます。

 この委員会でも何度か御質問されたみたいですけれども、二〇二七年の開業を目指すリニア中央新幹線であるわけでございます。これは、一民間がやるという、だけれどもビッグプロジェクトであります。ですから、一民間とはいうものの、やはり国がしっかりと見きわめていかないけませんし、事業の進捗もしっかりと報告を受けて推し進めていかなくてはならないと思います。

 私は、もちろんリニアに反対するものではありませんけれども、やはり一番、私も経験があるんですけれども、何か大きなプロジェクトを動かそうと思ったときに、どこかで何か問題があったときに、また逆戻りして、かえって時間がかかったり、糸がほつれてしまってぐちゃぐちゃになってしまって、時間的にも、もっと早く情報も開示しておけばこんなことはなかったのになとか、いろいろなことが想定されると思うんです。

 ですから、私は、反対の立場とかそういうことではなくて、この事業が順調に進むためには、しっかりとやはり地域住民の方にも説明をしなくてはいけないと思いますし、また、これは南アルプスの下をずっと通っていくわけですから、地下水も含めて、日本の国民の皆さんにもしっかりと工事の進捗も情報を流さなくてはいけない、こう思っています。

 例えば、この工事によって、今ちょっと大量の水、地下水というお話をしましたけれども、これが進むに当たっていろいろな事故というのが想定をされるのではないかな、こう思うんです。どういう事故とか、事故と言ったらあれですけれども、どういう案件をこの工事によって想定されているのか、少しお聞きをさせていただきます。

篠原政府参考人 お答えを申し上げます。

 今御指摘の水への影響でございますけれども、大深度など、トンネルを掘って工事を進めてまいります。そういう中で、関係する水系において水が減少する、その利水、治水に影響するといったような影響も懸念されますので、そのあたりをしっかりとモニタリングなどをしながら当たっていく必要がある、そういうふうに認識をしてございます。

松田委員 一緒に質問させていただいたらよかったんですけれども、例えば、トンネルを掘っていくのには、いわゆる残土というのが出てきます。地域の説明でいきますと、あるところでは一分間に一台ぐらいダンプが通るんですよという地元説明もあったように聞いておるんですね。毎日、一分間に一台ダンプが家の前を通られたら、これはどうなるんだろうなと。いろいろな病気をされている方や赤ちゃんがいる方は、それは本当に地域住民にとっては物すごく心配になることだと思いますし、今も申しましたように、工事の進捗、どんどん進んできたときに、例えば地下水に何かがあって川が枯渇してしまう、枯れてしまったり、そういった状況も想定をされると僕は思うんです。

 だけれども、今ずっと説明会の資料なんかを少し見せていただきますと、絶対安心だ、心配しなくてもいいよというような、終始そういった説明に至っているわけですけれども、本当にこれは心配しなくていいんですか。もし事故が何かあったときはどこが責任を持つのか。いろいろな想定で、工事だけのことじゃなくて、この事業に関することで、いろいろな事故が起きたときにどこが責任を持つのか、所在をはっきりしておかないけないと思うんです。

 今回の原発の話を引っ張って言うつもりはないんですけれども、もう、何か起きたときにばたばたして、お互いがボールを投げ合うようなことはしてはならないと僕は思うんですけれども、その辺のところはいかがでしょうか。

篠原政府参考人 お答え申し上げます。

 責任の所在でございますけれども、まず第一義的には、この工事を実施いたしますJR東海が責任主体ということではございます。ただ、私ども国土交通省も、JR東海の工事実施計画を認可し、また、認可の際に、国土交通大臣から直接JR東海社長に対しまして環境への保全に努めるようにと指示をいたしております。そういう意味で、国土交通省も、しっかりとJR東海を指導監督しながら、環境の保全に配慮した工事が行われるように努めてまいりたいと考えてございます。

松田委員 一つ、僕は、例えばどんな事故を想定されていますかということをお聞きさせていただきました。どんな事故を想定されているんでしょうか。いろいろなパターン、恐らく、何にも想定していなかったということになったら、こんな大きい事業が今から進んでいくんですから、そのときになったときに考えますわというようなことでは、決して地域住民の方はゴーは出さないと思うんですよね。その辺のところはいかがでしょうか。

篠原政府参考人 影響として想定されるものということでございますけれども、例えば水源につきましては、川の流量が減少するといったようなこと、あるいは水の質が悪化するといったようなことが想定はされます。それから、建設残土のお話がございましたが、この運搬に際しまして生活環境への悪影響といったことも懸念をされるところでございますので、その辺の配慮が十分必要だと思っております。

松田委員 今のお話を聞いて、想定内のいわゆる事故とかそういうものでしか今は考えていないというふうに私には、今の答弁を聞いたら、そういう感じがいたします。

 やはり、本当にもっといろいろ事故を想定していただいて、考えておいてもろうた方がいいと思いますよ。そのときにばたばたしても、本当に、かえって住民の方やら国民の方に不信をといいましょうか、そういうことを持ったら、せっかく名古屋まで行って、例えばそこから先、大阪までというときに、逆にそれがストップになったりとかいうことになると僕は思うんですよ。ですから、そこはしっかりと頑張っていただきたいと思います。

 また、これは工事がもうそろそろ、それぞれが発注をされていくと思うんですけれども、発注して、計画を立ててから、残土はここへ放りますよとかそういうことを全部済ませてから住民の方にお知らせをするんじゃなくて、その都度その都度、わかったときにきちっと説明をするべきだと僕は思うんですけれども、その辺のところ、指導していただけるんでしょうか、どうでしょうか。

篠原政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、いろいろなことを想定すべきだという点につきましては、今、いろいろな分野の専門家の方の知見も伺いながら、委員会もつくりながら、しっかりといろいろな分野の想定を広めて対応しておりますが、引き続き努めてまいりたいと思います。

 それから、住民の方への御説明でございますが、まさに私どもも事前に十分に説明をして丁寧に理解をいただくことが大事だと思っておりますので、今、これまでに、沿線自治体に五十一回の説明会、さらには自治会レベルでは百九十二回というふうな説明会を重ねております。必ず工事の前にしっかりと御説明ができるように、私どもも指導してまいりたいと考えてございます。

松田委員 責任の所在も、はっきりした御答弁はいただけませんでした。これは、お答えはいただきませんけれども、大臣、やはり国家的な事業ですから、環境という面では非常に皆さん関心がありますし、また、日本の南アルプスというのは一つの大きな財産ですから、その地下の水脈とかいうのは、これは初めての事業ですから、誰も見たことがない、やったことがないわけですから、逆に言ったら、いろいろなことを想定しなければいけないというふうに僕は思いますので、ぜひ、想定ができたりとか何かあったら、またきちっと住民の方にお示しをいただきたいと思います。

 あと二分ぐらいになりましたわけですけれども、今回、私、質問させていただくときに、一つ水のテーマをさせていただこうと思っておりました。

 私が県会議員のときに、NECの前の会長さんで関本会長さん、経団連の副会長をされていたと思いますけれども、いろいろ御指導いただいて、私どもの三重県に国際フォーラムを持ってきていただいて、知事と相談して、そういうフォーラムができました。

 そのときは、ちょうど前のソビエトの大統領でありますゴルバチョフ大統領も来ていただいて、アマコスト駐日大使とかマハティール首相とか、そういう方々が来ていただいたわけなんです。

 そのときに、私は、会食をしていたときにゴルバチョフさんと、雑談なんですけれども、これからやはり平和というのが一番大切ですね、大統領閣下はこれからの国際的なものをどういうふうに考えていますか、何が一体大事ですか、こういうふうな質問をさせていただきましたら、即座にゴルバチョフ元大統領が、水だ、こう言われました。水を制する者が国を制する、また、世界をリードできるというようなことを言われました。

 今回、私の質問は、リニアについても、これは地下水の問題も水環境、あります。山のバイオマスにしても、間伐をして、やはり循環型という形で川の水を守っていくというふうな意味もあります。その水というのを一つの軸として環境を考えていただくということも非常に大事ですし、この水を守るために、各地方いろいろなことで御苦労をされています。

 きょうは、ちょっと時間がなくてそこのところに入ることができませんでしたけれども、ぜひとも、もう一度、最初に申しましたように、大臣、皆さん、やはり環境省に頑張ってもらいたいな、そして、環境行政をやはりリードしていくのはこの省なんだという思いを皆さん持っておりますので、私も応援団として、微力ですけれども応援をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、島津幸広君。

島津委員 日本共産党の島津幸広です。

 私は、比例東海ブロックの選出ではありますが、住まいは望月大臣と同じ静岡市です。だからというわけでありませんけれども、ぜひ真摯な御答弁をお願いしたいと思います。

 環境行政にとって、産業廃棄物とリサイクルの問題は重要な課題です。きょうはこの問題を取り上げさせていただきたいと思います。

 初めに、基本的な認識について伺いたい。

 大臣は所信表明で、国民の健康と良好な環境の確保が環境省の原点であることを強調して、循環型社会の実現に向けて、産業廃棄物処理業の高度化や適正処理、高度なリサイクルの推進への決意を述べられました。

 廃棄物はできる限り排出を抑制し、また、必要な廃棄物処理は適正に行わなければならない。そして、適正に処分しなければならない廃棄物を、不法投棄など不適切な処分をするということは許されないと思いますけれども、大臣の認識をお聞かせください。

望月国務大臣 ぜひひとつ、地元が同じだということで、よろしくお願いいたします。

 先生の御指摘のとおり、不法投棄はあってはならないことでございまして、廃棄物処理法においても、これは十六条ですか、「何人も、みだりに廃棄物を捨ててはならない。」旨が規定されておるところでございます。

島津委員 大臣も言われたように、あってはならないことです。廃棄物処理法も、適切に処理することで、生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的にしています。

 また、農水と環境の共管で食品リサイクル法があります。この法律は、多量排出者が廃棄物の再生利用を促進し、排出の抑制を進めることで、生活環境の保全に寄与することを目的としていますが、これも、大臣、認識は同じですね。

望月国務大臣 委員御指摘のとおりでございまして、そういうことを認識しております。

島津委員 このリサイクルを進めるために、登録再生利用事業者という制度を定めています。登録されたリサイクル業者は、廃棄物処理法上や肥料取締法上の特例を受けられることになっています。

 この法律に基づき登録をしている事業者の数、そして食品製造業が排出する食品廃棄物の量、そのうち再生利用に回っている割合はどれほどでしょうか。お答えください。

鎌形政府参考人 食品リサイクル法の登録再生利用事業者の数は、昨日までの時点で百八十一でございます。

 また、食品製造業者から排出される食品廃棄物などの食品残渣の量は、平成二十四年度で約千五百八十万トンとなってございます。

 そして、食品製造業者から排出される食品残渣について、食品リサイクル法上の再生利用等実施率につきましては、平成二十四年度で約九五%となってございます。

島津委員 今お答えがあったように、これだけ多くの事業者が登録されてリサイクルが行われています。特例を与えている事業者ですから、当然、適正にリサイクル事業が行われているはずだと思いたいわけですけれども、しかし、現状はどうでしょうか。

 愛知県の方から訴えがあり、現場に行ってきました。愛知県田原市です。

 資料でお配りした写真一を見てください。

 ここはもともと田んぼでした。耕作放棄地になったところで、周りよりも低い土地でした。それが今では、写真のように三メートルほどの台地のようになっています。これが全部肥料だと言われています。もともとの土はもはやまざっていない。前に持ってきた肥料に新しく持ってきた肥料をまぜてこんなに高く積み上げている。

 これが一般的な肥料の使い方なんでしょうか。農水省、見解をお聞かせください。

池田政府参考人 お答えします。

 肥料の使い方についての御質問でございます。

 肥料につきましては、各都道府県が、適正な施肥量、あるいは施肥の時期、効率的に施肥を行うための基準等の情報について取りまとめて、いわゆる施肥基準として公表してございます。

 例えば、今お話のありました愛知県でございますれば、農作物の施肥基準というものを定めてございまして、肥料につきましては、例えば年間十アール当たりですと、二百五十キロから四千キロ程度というふうにされてございます。

 こういった年間の標準的な施肥量とされているわけですが、御指摘のように、肥料を三メートルということでございましたが、こういった形で高さで積み上げられるような使い方は、一般には想定しておりません。

島津委員 今お答えがあったように、本当におかしな使い方です。私と同行していただいた農家の方も、これでは育つものも育たない、こういうふうに言っていました。とても普通の使い方ではない。

 ここにその肥料の実物を実は持ってきたかったんですけれども、遠慮させていただいたんです。というのは、物すごい悪臭、異臭がするからなんです。ふだん肥料だとか畜産だとか、かがれている農家の方も、そういうにおいとは違うというふうに言っておられました。

 私が視察をした日は風も強くて、においはふだんの数分の一だ、こういうことでした。しかし、同行した人の中には、頭が痛くなったという人もいました。頭が痛くなるほどの悪臭を出す、これが肥料として認定されるんでしょうか。お答えください。

池田政府参考人 お答えします。

 肥料の登録についての御質問でございました。

 肥料に関しましては、肥料取締法に基づいて定められました、含有すべき主成分の最小量または最大量、含有を許されます植物にとっての有害成分の最大量などの規格はございますが、においの強弱についての規格はございません。

 したがいまして、においの強弱で肥料として認められるか否かが判断されるというものではございません。

島津委員 先ほども言いましたように、肥料の扱いになれている農家の方も、これは異常だ、これが肥料だといっても納得できない、このようにおっしゃっていました。

 田原市役所でお話を伺いました。そのときには、農水省が肥料であると認定していて、県も問題ないと言っているので困っている、このように市の担当の課長さんは率直に話してくれました。

 しかし、肥料の登録を受けていればどこに置こうと勝手だというわけではありません。

 二月に山梨県で、肥料を産廃処分業の許可がない業者にお金を払って引き取ってもらい、その業者が無計画に社有地に放置したという事案で、廃棄物処理法違反で逮捕された事件がありますね。確認したいと思います。

鎌形政府参考人 御指摘の事例でございますけれども、肥料と称した産業廃棄物に関しまして、静岡県と山梨県の産業廃棄物処理業者が、廃棄物処理法違反の疑いで本年二月十日に山梨県警に逮捕された事実であると承知してございます。

 静岡県の業者につきましては、肥料と称した産業廃棄物を無許可業者に委託した容疑で逮捕されたもの、山梨県の業者については、無許可であるにもかかわらず、静岡県業者から肥料と称した産業廃棄物を受託いたしまして、自社の敷地内に野積みしていた容疑で逮捕されたものと承知してございます。

島津委員 製品として認められていても、扱い方によっては廃棄物に当たるという判断もあるわけです。

 そこで、環境省にお聞きします。

 環境省通知「行政処分の指針について」を出されています。この通知を出された狙いを簡潔にお聞かせください。

鎌形政府参考人 御指摘の「行政処分の指針について」の通知につきましては、都道府県等による廃棄物処理法に基づく行政処分について、地方自治法に基づき、環境省からの技術的助言を示したものでございます。

 この通知は、廃棄物処理法の違反行為によりまして生活環境の保全上の支障を生ずる事態を招くことを未然に防止し、廃棄物の適正処理を確保することを目的とするものでございます。

島津委員 今お答えになったように、悪質な業者をきちんと取り締まるために出された通知です。

 悪質な業者の中には、これは廃棄物じゃなくて商品だ、こう言って言い逃れをするところもあります。フェロシルト事件もそうでした。それも踏まえて、通知では、廃棄物を有価物と称し、法の規制を逃れようとする事案において、有価物かどうかの判断基準を示しています。

 その基準の一つに、飛散、流出、悪臭の発生等の生活環境の保全上の支障が発生するおそれのないものという項目がありますね。これは確認です。

鎌形政府参考人 御指摘の通知におきましては、御指摘の物の性状に加えまして、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思などを総合的に勘案して、産業廃棄物の適正処理に関する指導監督権限を有する都道府県等において適切に判断することとされてございます。

 そして、御指摘のとおり、物の性状につきましては、飛散、流出、悪臭の発生などの生活環境の保全上の支障が発生するおそれがないということが含まれてございます。

島津委員 強烈な悪臭を発生させて、周辺の農家や住民の生活環境に支障を来しています。

 私、行っていろいろお話を伺ってきましたけれども、風向きによっては洗濯物が干せない、においが移っちゃうわけです。それから、そこに住んでいてにおいが体にしみついて、近所づき合いのときはいいんだけれども、例えば同窓会などがあったときにそこに出席したときに、自分のにおいが相手ににおわないか非常に気にした、こういう話も伺いました。子供たちは、鼻をつまんでこの積み上げられたところの横を走って通るそうです。こういう話ですが、本当にひどいにおいなんです。

 また、基準には、排出が需要に沿った計画的なものである、こういう項目もありますね。これも確認です。

鎌形政府参考人 御指摘の行政処分の指針におきましては、排出の状況につきまして、排出が需要に沿った計画的なものであるということが含まれてございます。

島津委員 写真でお見せしたように、肥料を必要以上に畑に積み上げる、そして、この畑とは別に、一時保管として野積みしている場所もありました。こういう状況は、需要もないのに廃棄物をどんどん受け入れて、肥料にして排出している、こういうことから起きるわけです。においの原因も、結局、処理をするときに十分な発酵期間を置かない、どんどん排出する、こういうことからも生まれているわけです。

 先ほどのこの事例というのは、排出が需要に沿った計画的なものである、こういう基準に抵触するのではありませんか。判断をお聞かせください。

鎌形政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、廃棄物に該当するかどうかの判断につきましては、物の性状、排出の状況、通常の取り扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思などを総合的に勘案して、産業廃棄物の適正処理に関する指導監督権限を有する都道府県等において適切に判断するということでございます。

 御指摘の事例につきましても、この行政指針を踏まえまして、関係自治体において適切に判断すべきものと考えてございます。

島津委員 食品リサイクルの基本方針に、次のように明記しています。「肥料化については、」「地域や市場における有機質肥料の需給状況や農業者の品質ニーズ等を十分に踏まえつつ、利用先の確保を前提とした上で実行していく必要がある。」このように書いてあるわけです。つまり、売れる見込みがないのにどんどん肥料をつくるというのは、この基本方針に反しているということです。

 望月大臣、この基本方針に照らしても、これまで紹介してきたこの事例というのは、環境省みずからが出した通知の趣旨に大きく背くものではありませんか。見解をお聞かせください。

望月国務大臣 今まで廃棄物・リサイクル対策部長からさまざま答弁したとおりでございますが、廃棄物処理法に関する行政処分の指針においては、廃棄物の該当性の判断に関して、排出の状況が需要に沿った計画的なものであることも判断の一つになっております。

 それから、御指摘の事例に関してでございますが、排出の状況が需要に沿った計画のものであるかどうか、こういうものに対しては、行政処分の指針でございますが、関係自治体でそういう判断をしていただくということに実はなっております。

 これは愛知県という形で、法定受託事務でございますので、そちらの方で適切に判断していただくものだ、このように思っております。

島津委員 もう一つ紹介したいと思います。

 この肥料なるものが積み上がっているところなんですけれども、市民団体が検査したそうです。そうしたら、この肥料を入れた畑から最大で環境基準の五・二倍、一リットル中〇・〇五二ミリグラムの砒素が出たということです。当然、通知の基準にある環境基準等に適合していることに抵触すると思いますけれども、どうでしょうか。

三好政府参考人 お答え申し上げます。

 国の土壌環境基準の五倍を超える砒素が検出されたという報道があったことは承知をいたしております。

 この件につきましては、愛知県におかれまして、事実確認の観点から、この農地の六地点において土壌を採取し、公定法を用いて分析を行ったところでございまして、その結果によりましては、全ての地点で土壌環境基準に適合しており、その旨を愛知県におかれて公表されているものと承知をいたしております。

 環境省といたしましては、愛知県からの御相談に対し、引き続き適切に対応してまいりたいと考えております。

島津委員 今お答えになったように、確かに愛知県の調査では砒素が出ませんでした。しかし、市民団体は再調査をやりましたけれども、やはり基準値以上の数字が出たそうです。これはどちらが本当かということじゃなくて、どちらのデータもあるという事実が大事なんです。県も市民団体の調査結果を否定はしていないと聞いています。

 御承知のように、砒素というのは人体にとって非常に有害で、発がん性もあります。食物をその砒素が出た畑で生産し、誰かの口に入る、こういうことを考えれば、曖昧にはしていけない問題だと思います。

 やはり、安全を確認するために、県と市民団体、両者立ち会いのもとに再調査をすべきだと考えますけれども、どうでしょうか。

三好政府参考人 お答えを申し上げます。

 ことしの二月の三日に、新城の環境を考える市民の会の方々が、田原市に対しまして再調査の立ち会いを要請したと承知をいたしております。

 それで、市の方では、土壌汚染対策法の関連事務を所掌している愛知県庁が立ち会うならば可能であるというような回答をされたということでございますけれども、一方、愛知県に確認をいたしましたところ、市民の会の方からまだ愛知県に対してそのような要請がなされていないという事実関係と承知いたしております。

 引き続き、どのような動きになるか、環境省といたしましても注視をしてまいりたいと考えております。

島津委員 注視じゃなくて、やはり大事な問題ですから、市に申し出て、県は聞いていないという話なんですけれども、本当に安全にかかわることですから、ぜひ国も責任を持って、県待ちではなくて、必要な指導なり対応をしていただきたいと思うんです。市民の不安を取り除くために努力を行政が惜しむべきではない、このことを強く言っておきたいと思います。

 また、有価物かどうかの基準に有償譲渡という基準があります。つまり、お金を払って買う価値がある商品かどうかということです。そして、たとえその商品、製品が有償でも、運送などの諸経費を含めると排出側の支払いが多くなる、いわゆる逆有償の場合は廃棄物として扱われます。これは間違いありませんね。

鎌形政府参考人 行政処分の指針におきまして、廃棄物該当性の判断の要素の一つでございます取引価値の有無についてでございますが、占有者と取引の相手方の間で有償譲渡がなされており、なおかつ客観的に見て当該取引に経済的合理性があることが含まれてございます。

島津委員 写真の二と三をごらんいただきたいと思うんです。

 これは、問題の畑に搬入された肥料をすき込んでいるところの写真です。写真で見ておわかりのように、重機を使ってやっています。しかし、この重機はこの肥料をつくった業者のもので、工場がある豊橋市から田原市への運搬もすき込みも、農家ではなくてこの業者が自社のダンプや重機でやってくれる、こういう状況になっています。以前、この肥料を使っていた農家の方は、搬入からすき込みまでただでやってくれた、このように証言しています。有償取引に見せかけてそれ以上の便宜を図っている、こういうふうに認められるわけです。

 望月大臣、ここまで見てきても明らかなように、この事例というのは、リサイクル肥料と偽って畑に廃棄物を不法投棄している、こういう可能性が非常に高いと思うんですけれども、大臣、いかが思われますか。

望月国務大臣 御指摘の事案が不法投棄に該当するか否かということでございますけれども、これはまさに個別の事案でございまして、行政処分の指針を踏まえまして、これは関係自治体において適切に判断をするべきであると考えております。

島津委員 これまで述べてきたように、これほど地域住民や地元の行政も困らせている、こういうわけですから、国もこうした事態を掌握していると思います。

 この肥料の名称、取り扱っている事業者名、ぜひお答えください。

池田政府参考人 お答えいたします。

 議員のこれまでの御発言の内容からでございますと、お尋ねのございました業者名あるいは肥料の名称、これを特定することができませんので、お答えすることはできません。

島津委員 写真で重機が写っています。写真の三で、重機のところに、ボディーに業者名が書いてあります。タナカ興業という名前が読み取れるわけなんですけれども、実は、この業者の肥料が問題になるのは今回が初めてではありません。

 二〇〇三年に、静岡県が、このタナカ興業の肥料を受け入れた湖西市の農家の方から、肥料というけれども、ごみがまざっていて、作物も育たない、こういう訴えを受けました。そこで、静岡県が、二〇〇四年に調査の上、肥料になり得ない木くずや発酵していない汚泥が入れられていて、これは肥料じゃなくて産廃だ、このように結論づけて、撤去を命じています。

 肥料でなく産廃、このように十年も前に指摘されていながら、今も同じことを続けている、このような業者が取り締まれないのはおかしいとは思わないですか。大臣、どうでしょう。

望月国務大臣 廃棄物該当性の判断でございますけれども、先ほどからお話をしておりますが、行政処分の指針を踏まえ、それぞれの自治体で個別具体的に判断するものでございますが、やはりそういう中で、物の性状や取引価値の有無などの判断要素をもとに、それぞれ各地域における個別具体の事例に即して適切に判断をするものと考えております。

島津委員 先ほどの厳しい通知は何のために出したのか。先ほどもお答えがあったように、違法な業者をきちんと処分して、廃棄物の適正処理を進めるためではありませんか。

 しかし、現実として、この静岡県と愛知県の例にあるように、県によっては同じものが、廃棄物として認定されたり有価物として認定されたりしています。

 住む場所によって生活環境が守られるかどうかに差が出る、こんなことはあってはならないと思います。国は、日本のどこにいても住民が廃棄物の不適切な処理で困ることのないように、悪質な業者は許さない、こういう姿勢で、責任を持って環境行政に臨むべきです。

 しかし、悪質業者をなくすどころか、このタナカ興業は、愛知県の新城市に新しい工場の建設を計画しています。違法とも言えるような悪質な行為でもうけを上げて、それを元手に事業を拡大するなど、許されないことです。増産された肥料まがいのものがさらに多くの畑に捨てられることになります。

 愛知県新城市に進出をするわけですけれども、進出する予定地というのは、愛知県企業庁が開発した工業団地で、誘致企業は製造業、物流業を原則にしていました。ところが、団地内の企業の一つが倒産したため企業誘致の条件が緩められ、跡地の競売で高値をつけたこのタナカ興業が落札し、問題の処理施設がつくられようとしています。

 今、新城市では、違法な業者の進出に反対する住民運動が起きています。

 そのうちの一つ、子どもと環境を守るママの会、お母さんたちでつくる会です、こういう会で、私も直接訴えを聞きました。この建設予定地一キロメートル以内に小学校、中学校があります。こども園もある。子供たちが悪臭の被害を受けるとわかっていて、大人がそれを許していいのか。何としても子供の学び育つ場を、環境を、命を守らなければ、こうお母さんたちが懸命に署名を集め、運動を続けています。

 田原市の、先ほどの写真の横でハウス農業をされている方も、子供を泣かすようなことだけはしちゃいけない、このように言っておられました。

 適正にリサイクルされることはごみの減量につながりますが、リサイクルといって、本来処分場で適正に処理されるはずのものが畑で野ざらしにされているというのでは、本末転倒です。実際に、市民の生活環境を悪化させ、その結果、砒素が検出される、その畑で育った作物が出荷される、まさに見過ごせない状況があります。

 先ほどの田原市の担当者も、私が行きましたら、国に抜き打ち検査に来てほしい、このように言うほど困っていました。

 国は、現場である市町村の相談に乗り、対策を支援することで、そこに暮らす住民の生活環境を保全していく責任があると思います。望月大臣、どうでしょうか。

望月国務大臣 先生御指摘のように、廃棄物処理法の指導監督権限を有する愛知県とは、やはり我々としても随時情報交換を行っていかなくてはならないし、現在行っているところでございます。

 現在、本事案に関しては、愛知県が調査を継続しているということを承知しております。国としては、今後とも関係自治体との連絡を密にいたしまして、必要な助言等を行ってまいりたいと思います。

島津委員 廃棄物の処理、リサイクルをめぐっては、適正処分よりも安く済むからとリサイクルへ廃棄物を回す。しかし、その後をしっかり監視しないと、リサイクルではなくて不法投棄にもつながる、こういうおそれがあるわけです。現にそういう疑いが起きている。

 こういうことを許してはいけないというのは同じ思いだと思いますけれども、国が登録した再生利用業者なんですから、適正にリサイクルしているかどうか、これを国が責任を持って見届ける必要があると思うんですけれども、大臣、その点でもう一度、国の責任、改めてお聞かせください。

望月国務大臣 指導権限を有するのは法定受託事務を受けている県でございますので、それだからといって、我々がやはり環境を守っていくということではもちろん関係が深いものでございます。やはり、そういったところと随時情報交換をしっかりと行っていきたいと思いますし、また、必要な助言はしっかりと行っていく、こういうことをしていきたい、このように思っております。

島津委員 冒頭でも述べましたけれども、国民の健康と良好な環境の確保、これが環境省の原点なわけです。その先頭に立つ大臣なわけですから、ぜひ国の責任をきちんと果たしていただきたいと思うんです。

 この事例というのは、私も本当に、現場に行っていろいろ考えさせられました。これから、この廃棄物の処理、リサイクル、大きな課題になってきます。環境省を挙げて、国民の生活環境が守られる、そして廃棄物が適正に処理される、このようにしていかなければいけないと思っています。環境省は、ぜひとも、今後、各省とも連携し、適正に操業されるように責任を持って監督すべき、このことを改めて強く要求を申し述べて、質問を終わりといたします。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党と山本太郎となかまたち、玉城デニーです。

 きょうは、大臣所信に対する質疑で、低炭素社会の構築についてと、それから、人と自然が共生する社会の実現についてを質問させていただきます。

 まず、低炭素社会の構築についてですが、初めに、京都議定書における目標到達についてお伺いしたいと思います。

 京都議定書。一九九五年から毎年、気候変動枠組み条約の締約国会議、COPが開催されていますが、一九九七年に京都で開催された気候変動枠組み条約第三回締約国会議、通称COP3では、先進国の拘束力のある削減目標、二〇〇八年から二〇一二年の五年間で一九九〇年に比べて日本でマイナス六%、そして米国、EUなどで明確に規定した京都議定書に合意をいたしました。二〇〇二年に我が国もこの議定書を締結し、二〇〇五年二月に議定書が発効しております。

 まず、この京都議定書における目標の到達について、その経緯、評価などを御報告いただきたいと思います。

望月国務大臣 先生の御指摘の数値でございますが、京都議定書第一約束期間の温室効果ガスの排出量は、二〇〇八年度から二〇一二年度の五カ年平均で、基準年比八・四%の減少となりました。これは、先生御指摘がございました六%の削減目標を達成することとなったわけであります。

 これは、我が国は東日本大震災があり、あるいはまたそういう中で火力発電所の増加、あるいはまた温暖化対策に自主的なものとしては逆風が吹く中で、やはりこれは国民の皆さんがそれぞれ省エネの努力をしていただいたおかげであるということで、この場をもちまして本当に深く感謝申し上げたい、このように思っております。

 今後とも、こういったことを通しまして、また大胆な省エネや再生可能エネルギーの最大限の導入を進め、国際社会のまさに模範となるように、積極的に温暖化対策を進めてまいりたい、このように思います。

玉城委員 ありがとうございます。

 さらに、この年末のCOP21に向けて、二〇二〇年以降の気候変動対策、このことも取り組みとして目標が設けられるというふうに思います。その方向についての取り組みはどのようになりますでしょうか、お聞かせください。

梶原政府参考人 今先生がおっしゃられるように、年末のCOP21、パリで開催されますが、この会議に向けて、二〇二〇年以降の国際枠組みに合意をすべく、今国際交渉が進められているところでございます。

 我が国といたしましては、この国際交渉に向けて、具体的な何を皆さんの義務にして合意をしていくかといったような提案もさせていただいているところでございますけれども、ぜひ、この二〇二〇年以降の枠組みが採択できるように、引き続き積極的に議論に貢献してまいりたいというふうに考えておるところでございます。

 また、それに向けた対策ということでの御質問もございました。これにつきましては、二〇二〇年以降の目標につきまして、各国がそれぞれ削減目標を提出するということになってございます。現時点におきましては、スイス並びにEUが削減目標を提出しておりまして、米国そしてノルウェーも三月末までには提出する意向ということを聞いてございます。

 我が国におきましては、その検討を加速化すべく、昨年十月から、中央環境審議会そして産業構造審議会の合同専門家会合で、これまで五回検討を繰り返しているところでございます。さまざまな事項について検討しておるところでございます。

 これまでの条約の締約国会議、COPでの決定並びに今申し上げましたような各国の動向、そして将来枠組みに関する国際交渉の状況、エネルギー政策やエネルギーミックスに係ります国内の検討状況を踏まえて、新たな削減目標をできる限り早く取りまとめることを目指して、検討をさらに深めてまいりたい、かように考えておるところでございます。

玉城委員 ぜひ、我が国がリーダー的役割をしっかりと担いつつ、参加する各国全ての国がしっかり目標を定めて、それに取り組んでいただきたいと思います。

 先ほどの大臣の答弁でも、マイナス六%目標からマイナス八・四%、非常に国民の皆さんも努力をしているという評価をいただいております。そのことからしても、ぜひ、リーダーシップを持ってしっかり取り組んでいただきたいと思います。

 さて、生活の党は、脱原発エネルギーを目標として、あらゆるエネルギーの可能性をしっかりと探求し、それを速やかに実現させるべく、政府の方、国へと求めておりますが、「再生可能エネルギーの最大限の導入」という文言が今回の所信にも入っております。その「再生可能エネルギーの最大限の導入」に向けた具体的な計画とはどのようになっているかをお聞かせください。

梶原政府参考人 お答え申し上げます。

 低炭素社会の実現のためには、省エネルギーの推進とあわせまして、先生御指摘の再生可能エネルギーの導入を確実に拡大していくということが極めて重要な要素であります。

 こうした考え方のもとで、私ども環境省といたしましても、例えば、低炭素な町づくりに戦略的に取り組んでいただける自治体への支援、また、初期投資に必要な資金を確保するという意味で、民間資金を呼び込むような環境金融の拡大、そして、技術が将来を開くという考え方のもと、浮体式風力発電や潮流発電などといった新たな再生可能エネルギー源の開発支援、そして、風力発電等が円滑に進むよう、環境影響評価の迅速化といったような施策を戦略的に展開しております。そういったような施策を通じて、再生可能エネルギーの導入拡大に向けた取り組みを推進してまいりたい。

 こういった取り組みは、地域に存在します自然エネルギーを使うという視点もございます。そういう地域創生という視点も踏まえて、自立分散型のエネルギーを進めた低炭素社会の構築を進めてまいりたいというふうに考えております。

玉城委員 太陽光、風力、それから地熱、バイオマス、さらには、今御答弁にありましたとおり、潮流の発電などは、黒潮、親潮という潮流の流れを取り込む意味で、島国である我が国は非常に大きなエネルギー源を有しているというふうに私は思います。ぜひしっかり取り組んでいただくよう、あわせて要望させていただきたいと思います。

 では、次に、人と自然が共生する社会の実現について質問をさせていただきます。

 まず、絶滅危惧種の保全に対する取り組みについて伺います。

 環境省のホームページでも、絶滅危惧種情報ということで載っております。レッドデータブック二〇一四を公表しておりますが、来年度中にその二〇一四に対応したウエブサイトに改修いたしますということでコメントが載っておりますけれども、この間、非常に絶滅危惧種の保全に対しては積極的に取り組んでこられたその足跡が、非常に頼もしいといいますか、そういう方向性で保存していくんだということが環境省の思いとして伝わるのではないかと思います。

 まず、絶滅危惧種の保全に対する取り組みの状況について御説明をお願いします。

塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 環境省では、絶滅のおそれの度合いに応じまして、野生生物のカテゴリーを決めてレッドリストとして公表しております。平成二十四年度の公表、先生御指摘のレッドリストでは、三千五百九十七種を絶滅危惧種としております。

 これらの絶滅危惧種の保全に向けまして、生物多様性国家戦略二〇一二―二〇二〇などに基づき、昨年の四月に、絶滅のおそれのある野生生物種の保全戦略を策定いたしました。

 この戦略では、我が国に生息する絶滅危惧種の保全を全国的に推進することを目的として、基本的な考え方と早急に取り組むべき施策の展開を示しております。

 具体的な施策の展開として、絶滅危惧種保全カルテを作成し、保全の基礎となる情報や知見を充実すること、そして、絶滅のおそれのある野生生物種の保存に関する法律に基づく国内希少野生生物種を、当面二〇二〇年までに三百種追加することを目指すことを記述しております。

 このうち、国内希少野生生物種の指定につきましては、去る三月二十三日に中央環境審議会から、新たに四十一種指定するという答申をいただいたところでございます。

 こうした施策の実施に関しまして、科学的知見の充実や多様な主体の協働、連携なども非常に重要であると考えております。このような取り組みも含めまして、絶滅危惧種の保全施策を総合的に進めてまいりたいと存じます。

玉城委員 絶滅危惧種がすぐ身近にいるということ、教育や生活の中で広く国民の皆さんにそれを認知していただきたい、そういうことを考えますと、その指定をさせていただいた種、本当に貴重な種がこの我が国にはたくさんあるんだということを、ぜひもっと幅広く伝えていただきたいと思います。

 さて、実は、その環境省のレッドデータブックの作成にも協力をしていただいているユニークな団体がいらっしゃいます。日本鱗翅学会と申しまして、鱗翅というのは、いわゆる鱗粉のある羽を持った昆虫、つまりチョウやガの仲間のことなんですが、日本鱗翅学会は、このチョウやガを研究対象とする学術団体で、アマチュアから専門家まで幅広い層のメンバーが協力しながら活動しています。

 そして、実は、この日本鱗翅学会は、昭和二十年創立ということで、大変歴史のある団体なんですが、学術活動、自然保護活動、その中では、日本鱗翅学会版・日本産蝶類県別レッドデータ・リスト二〇〇二を作成するなど、環境政策に一生懸命取り組んでいらっしゃいます。

 実は、この日本鱗翅学会から、このたび要望書が出されております。

 この要望書の宛先は、防衛大臣中谷元様、沖縄県知事翁長雄志様、そして、東村村長、国頭村村長と、沖縄本島北部の二村長に宛てて出されているものでもあります。

 どういう内容かといいますと、この内容は、実は政治的な目的では全くありません。日本鱗翅学会が、本当に大切にしていただきたいという思いをしたためた要請書になっています。私の方からちょっと読み上げて紹介をさせていただきたいと思います。

  南北に長く亜熱帯から寒帯の気候帯を含む日本列島は、非常に豊かな昆虫相を形成し、現在、約三万二千種が記録されています。中でも、琉球列島は鹿児島県南部から沖縄県全域にかけての多数の島々からなり、“東洋のガラパゴス”とも呼ばれるほど固有かつ多様な生物が生息していることで知られています。琉球列島の昆虫相は、九州から南下した旧北区系要素、台湾から北上した東洋区系要素、あるいはインド・インドシナ北部や中国大陸に起源を持つ西部支那系要素など、由来の異なる分類群が複雑に入り混じり、それらが海水面の変動や島の隆起沈降に伴う分布域の分断、隔離によって多数の固有種や固有亜種に分化したと考えられています。このように複雑多岐な生物地理学的、地史的背景を持つ南西諸島は、日本だけでなく世界でも有数の生物多様性に富んだ地域となっています。

中略いたしまして、

  こうした中で、一九九六年、SACOの決定に日米が合意し、二〇〇六年、日本政府が沖縄県国頭郡の東村高江および隣接する国頭村安波に合計六つのヘリパッドを建設すると発表しました。二〇一四年までに高江の二つのヘリパッドが完成し、二〇一五年二月、沖縄防衛局はこの二か所を米軍に先行提供しました。高江や安波を含む「やんばるの森」の上空では、すでにオスプレイ等の米軍機が低空で飛行しています。

  この沖縄島北部にある「高江」および「安波」には、環境省レッドリストの準絶滅危惧種であるリュウキュウウラボシシジミが多く生息しています。このチョウは沖縄島の国頭村、大宜味村、東村および西表島の自然度の高い清流沿いに局所的分布を示し、個体数の少ない種です。ところが、高江と安波の両地域では本種の個体数が多く、現在知られている生息地の中では最大規模の個体群密度を維持し、本種にとっての「最後の楽園」と考えられます。幼虫も新川川沿いの林内で発生しており、その清流に強く依存しています。このため、ヘリパッド建設に伴う森林伐採や赤土の流出による生息地の衰退および消失、オスプレイを含む米軍機の低空飛行や離着陸に伴う爆風や高熱の下降気流による生息環境の悪化などの影響から、本種の存続に甚大な被害を及ぼし、絶滅する危険性が著しく高いと考えられます。

  さらに、「高江」および「安波」には沖縄固有種かつ準絶滅危惧種のリュウキュウウラナミジャノメが多産する他、準絶滅危惧種イワカワシジミ、沖縄県指定天然記念物のコノハチョウやフタオチョウも生息しています。国指定天然記念物および種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」の指定種ヤンバルテナガコガネを含む、多くのやんばる固有種・固有亜種もこの地で確認されています。つまり、わが国における生物多様性の保全上、極めて重要な昆虫類がヘリパッド予定地に多数生息しております。島嶼という閉鎖的で面積の限られた場所での開発等による攪乱は、大きな面積をもつ日本本土等に比べて、個々の生物や生態系へのインパクトの程度が極めて大きく、その影響は計り知れません。

  このような理由から、日本鱗翅学会は「高江」と、高江に隣接する「安波」における米軍ヘリパッド建設予定地とその周辺域の環境保全にあたり、すでに環境アセスメントの調査は終了しているものの、今後も昆虫類をはじめ動植物の関係学会の専門家を交えて、さらなる細部に渡る十分な検討を行ない、同島の生態系に及ぼす影響を最小限度に抑える努力が必要と考えます。

そこで、添付のとおり要望書を送らせていただきますということです。

 つまり、極めて学術的に、純粋に、その種の保存と、その種が育まれている地域は保全されなければなりませんよということを明確に、この要望書で、政治的な背景は抜きにして語っていらっしゃる、要望していらっしゃるわけです。

 沖縄本島北部陸域における生物多様性についてどのように取り組んでいるのか、環境省の見解を伺います。

塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 沖縄島北部は、豊かな生物多様性を有する地域であり、環境省では、奄美大島、徳之島、西表島とともに、奄美・琉球として世界自然遺産登録を目指した取り組みを進めている地域でございます。

 具体的には、世界自然遺産の登録に必要な、国が責任を持って管理することのできる国立公園等の保護地域の指定あるいは拡張、ヤンバルクイナなどの希少種の保護増殖、マングースなどの外来種対策などを積極的に推進しているところでございます。

玉城委員 沖縄本島北部は、沖縄本島はもちろんですが、石垣、西表も含めてぜひ自然遺産に登録すべき地域であるというふうに思います。

 皮肉なことに、沖縄本島北部は、戦後、米軍が金網で取り囲み、その自然をまるで保護するかのような形で、基地の訓練場として使われてきています。本当に皮肉なことなんですが、その基地あったがゆえに、開発の手から逃れられ、その種が保存されているという状況にあります。

 その一方で、今度は新しい基地をつくるためにその種の保存が脅かされているという非常に不条理な状況にあるということをぜひ国民の皆さんには御理解をいただきたい、わかっていただきたい。

 この基地が返還された後、果たしてスムーズにその陸域が自然遺産として登録できるかどうかは環境省の皆さんの努力にもかかっていると思いますので、ぜひ、日本鱗翅学会を初めたくさんの関係する団体の皆さんの知見も協力していただいて、しっかりと取り組んでいただきますようお願いを申し上げたいと思います。

 そして、今度は、委員の皆様のお手元にお配りいたしました地図の資料をぜひごらんいただきたいと思います。

 委員長の許可を得て、私は、この地図の資料のもとになった実際の写真を、写真といいますか、もともと、カラーコピーがちょっと色濃くなっていますので、本来の色、つまり、浅い海域はより浅く、下が砂地であるところはよりはっきりと見えることを皆様にお示しさせていただきたく、委員長の許可をいただいて、今ごらんをいただいております。説明は、お手元の資料をもって説明して、質問をしたいと思います。

 この大浦湾全体は、この地図の中にもありますとおり、ハマサンゴの群落、ユビエダハマサンゴの群落、それからアオサンゴ。「チリビシ」と書いてあるところが、実は、この丸く囲ってある地図のところがアオサンゴの群落の地域でございます。

 そして、この飛行場、いわゆる普天間の移設基地がつくられようとしているところが赤い色で示されております。ここが、埋め立てられる地域になっています。

 その周辺にはジュゴンの小さい姿が白く示されていますが、ここが、ジュゴンの寄る食草、はみ跡がたくさん見つかっているところです。

 実は、防衛省が行いました環境アセスメント以降もジュゴンがこの海域を餌場としているということは、それ以降も百本以上のトレンチ、はみ跡が見つかっていることからも、まさに生物多様性が息づいているところだというふうに思います。

 そして、「新基地建設内配置計画」と書いてある外側に黄色く囲ってあるところ、これが、実は今、沖縄県の翁長知事がここの地一帯を調査するために工事を一旦中止してほしいということを国に要請し、国はその要請に対してまた新たな要請をしているという、いわゆる水かけ論といいますか、地元の意見が全く反映されないという状況になっていますが、この青いカラーコピーからも見てわかりますとおり、この一帯は既に、生物多様性、サンゴを初めとする、その海域に生息している多くの生物がうかがい知れるということで、この地図を用意させていただきました。

 実は、黄色く囲ってあります現在の立ち入り制限区域のこの海底には、十トンから四十五トンのコンクリート製のトンブロックがアンカーとして沈められています。このフロートで示す区域に沿って三十七カ所、その区域の中に三十八カ所、合計七十五カ所のアンカーがここで使われるということになっておりますが、翁長知事が出しているのは、実はこのトンブロックによって、この示された地域以外の場所でサンゴが潰されている、自然環境が破壊されているという蓋然性が高いので、調査をさせてくれということを申し入れました。

 ところが、米軍が運用上の理由で突っぱね、それに対して国が協力をしなかったということで、では、工事を中止してください、我々は調査をしたいんですということを言っているわけですね。しかし、国は、防衛省は、その調査を望まないということで、こういうかかる事態になっているわけでございます。

 しかし、環境省は、サンゴ礁生態系保全行動計画を平成二十二年四月に策定して、サンゴ礁やサンゴ海域を守るさまざまな取り組みをするんだということが明確に出ています。

 そこで伺います。

 この大浦湾全体を含めた海域の保全に対する取り組みについて、特にこの件に関しては防衛省がアセスメントを行ったという経緯を踏まえて、防衛省に答弁をいただきたいと思います。

山本政府参考人 お答え申し上げます。

 普天間飛行場代替施設建設事業に係る環境影響評価におきましては、自然環境及び生活環境の有識者からの提言を踏まえ、大浦湾を含む事業実施区域周辺で環境調査を実施し、環境への影響を予測、評価するとともに、事業の実施に当たっては、事業者として最大限の環境保全措置を講じることとしております。

 具体的には、サンゴ類に関しては、埋め立てにより消失するサンゴ類を適切な場所に移植する。ジュゴンに関しては、工事に伴うジュゴンへの影響を避けるため、ジュゴン監視・警戒システムの構築などによりジュゴンの生息位置を確認する。ウミガメ類に関しては、埋め立てによりウミガメ類が産卵する海辺の一部が消失することから、他の海辺でウミガメ類の上陸、産卵に適した環境を整備するなどでございます。

 事業の実施に当たりましては、ジュゴンやサンゴ礁の環境への影響を最小限とするため、専門家の指導助言を得ながら、環境保全措置を精査しつつ実施するほか、事後調査等を行い、必要に応じて環境保全措置の改善を図るなど、できる限りの措置を講じてまいる所存でございます。

玉城委員 では、それと関連してもう一つ質問させてください。これは、また環境省の方にお伺いいたします。

 生物多様性の保存上重要度の高い海域、通称重要海域、この指定に関する取り組みが今行われていると思います。その推移、現状と、これからの動向について御説明をお願いいたします。

塚本政府参考人 お答え申し上げます。

 生物多様性の保全上重要度の高い海域につきましては、平成二十三年度に専門家による検討会を設置し、平成二十五年度までの三カ年をかけて、生物多様性の観点から重要海域の抽出作業を行っていたところです。

 現在は、抽出いたしました海域に附属する情報について、公表によって希少種や水産資源の密漁を誘引する内容がないか、専門家や関係する都道府県に照会するなど、公表に向け慎重に最終調整を進めているところでございます。

 早期の公表に向け、引き続き尽力してまいりたいと存じます。

玉城委員 では、お伺いいたします。

 この辺野古移設予定地であります大浦湾を含めた沖縄本島北部は、その重要海域指定のリストの中に入っていますでしょうか。

塚本政府参考人 リストの中に入っております。

玉城委員 このように、生物学上も、そして、これから守らなければならないという環境省の保存すべき地域としても、大浦湾を初めこの沖縄本島北部の海域は、陸域と連続性を持った地域として、自然遺産に本来なら登録されるべき場所であると思います。

 しかし、自然遺産との考え方と海域との考え方が方向性が違うということで、前の環境大臣でいらっしゃった石原前大臣は、この海域には、その考えに従うと、守るものはないという答弁をして、誤解を与えたということがあったと思います。

 しかし、今答弁にありましたとおり、守るべきものがあり、その計画があり、さらにはサンゴ礁生態系の保全行動計画などなど、環境省は一生懸命努力をしているということが本当にしっかり伝わってまいります。伝わってくるんですが、守られるものが守られない環境行政というのは何なのか。

 しっかりと国民の皆さんにもう一度考えていただきたいのは、つまり、私たちが、今生きている私たちだけではなく、未来に対して、種の保存をどうやって行っていくかということが一番大切なんです。

 それは、文化であり、言葉であり、食べ物だったり、あるいは着るもの、そういう社会生活の、文化の側面もあるかもしれませんが、しかし、サンゴは、その種類によって違いますけれども、一年で一センチ伸びるものもあれば五センチ伸びるものもあります。しかし、中国が大量に密漁を図ろうとしたいわゆる宝石サンゴ類は、五十年かけてやっと一センチ、二センチ伸びるかという。つまり、サンゴは骨格のかたさによっても成長が違うわけですね。

 そういうことを考えると、一度失った自然を取り戻すのに、私たちが生きている間では絶対に取り戻せない、そのぐらいの覚悟を持って、本来なら、この環境保全、生物多様性である我が国の環境、文化、生活そのものをトータルで守っていかなければならない、保全していかなければならないと思います。

 そのことについて、大臣からぜひ御所見をお伺いしたいと思います。

望月国務大臣 この重要海域の情報、こういったものをしっかりと踏まえまして、これは環境省だけの問題ではないと思います。そういうような形で、もちろん、環境省も主導的な役割をある意味では果たしていかなきゃならないということもございますが、関係省庁とも連携をして、海洋の生物多様性の効果的な保全、こういうものに努めてまいりたい、このように思います。

玉城委員 ありがとうございました。

 きょうは、お手元に資料も添付をさせていただいておりますけれども、どうぞ後ほどまたゆっくり、じっくりごらんになっていただいて、ここが本当に大切な地域だということを改めて委員の皆様にも御認識もお願いしたいと思います。

 以上で質問を終わります。ニフェーデービタン。

北川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三分散会


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