衆議院

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第9号 平成27年6月2日(火曜日)

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平成二十七年六月二日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 北川 知克君

   理事 熊田 裕通君 理事 助田 重義君

   理事 平井たくや君 理事 藤原  崇君

   理事 牧原 秀樹君 理事 田島 一成君

   理事 松田 直久君 理事 浮島 智子君

      穴見 陽一君    井林 辰憲君

      石川 昭政君    小倉 將信君

      大西 英男君    笹川 博義君

      田中 和徳君    高橋ひなこ君

      福山  守君    堀井  学君

      前川  恵君    宗清 皇一君

      吉野 正芳君    篠原  孝君

      中島 克仁君    福田 昭夫君

      馬淵 澄夫君    小沢 鋭仁君

      篠原  豪君    真山 祐一君

      島津 幸広君    玉城デニー君

    …………………………………

   環境大臣         望月 義夫君

   環境副大臣        小里 泰弘君

   環境大臣政務官      高橋ひなこ君

   環境大臣政務官      福山  守君

   政府参考人

   (内閣府大臣官房審議官) 兵谷 芳康君

   政府参考人

   (復興庁統括官)     熊谷  敬君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房総括審議官)         糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁次長) 高橋 泰三君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   鎌形 浩史君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  梶原 成元君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            三好 信俊君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  塚本 瑞天君

   環境委員会専門員     石上  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二日

 辞任         補欠選任

  赤枝 恒雄君     大西 英男君

  穴見 陽一君     宗清 皇一君

同日

 辞任         補欠選任

  大西 英男君     赤枝 恒雄君

  宗清 皇一君     穴見 陽一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案(内閣提出第五九号)


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     ――――◇―――――

北川委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官兵谷芳康君、復興庁統括官熊谷敬君、経済産業省大臣官房総括審議官糟谷敏秀君、資源エネルギー庁次長高橋泰三君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君、環境省地球環境局長梶原成元君、環境省水・大気環境局長三好信俊君、環境省自然環境局長塚本瑞天君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

北川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。吉野正芳君。

吉野委員 おはようございます。自民党の吉野正芳でございます。

 まず、私は福島県選出でありますので、望月大臣、小里副大臣、福山政務官の政務三役の皆様方には、除染問題から中間貯蔵施設からそしてまた指定廃棄物等々で多大なる御尽力をいただいております。本当に感謝を申し上げます。これからも、環境省があって初めて福島の復興がなされる、一丁目一番地、一番最初はやはり除染でありますので、本当に皆様方のお力におすがりを申し上げます。

 今度の法案、私も思い入れのある法案であります。特に、東日本大震災の災害廃棄物の処理に関しては、オール・ジャパンでできたこと、そして一廃業者も産廃業者も一体となれたこと、そして国と県と市町村、これまた一体となれたこと等々を私は評価をしているわけですけれども、大臣の御認識、評価はいかがなものなんでしょうか。

望月国務大臣 御指摘のとおりでございまして、未曽有の災害であった東日本大震災では、国が主導いたしましたが、もちろん県や市町村、さらに建設業者、物流関係事業者など、ふだんは廃棄物の処理に携わらない事業者が広く参画して、今先生の御指摘がありましたようにオール・ジャパン、そこから世界で有名になったというか、きずなという言葉が生まれて、国民の皆さん、全ての皆さんが協力していただいて廃棄物の処理が行われたということであります。

 ただ、災害発生後の初期の段階においては、自治体や事業者がそれぞれどのような役割を果たしたらいいのか必ずしも明確ではなかったということでございます。まさかということではないんですけれども、これだけの巨大な被害が出てくるということは想像もできないことでございましたけれども、そういうようなことで、役割分担が明確でなかった、必要な連携協力体制が迅速に構築できなかったという課題はあったと思います。

 このため、本法案におきましては、災害発生時はもとより、平時から、国や県や市町村そして事業者が適切な役割を果たすんだ、そういう相互に連携協力することの責務を明確に書いてございます。

 今後は、この法案の趣旨が現場の具体的な対応において実現されますように、環境省みずから積極的に関係業界、専門家のネットワーク化、そういうようなことを取り組むとともに、広範で多様な主体が参画する、これは地域ブロック協議会でございますけれども、環境省は全国八ブロックにそれぞれの事務所がございますので、地方事務所というものをしっかりとした位置づけをして、参加者間の協定締結などの取り組みなどをしっかりと支援していきたい、こんなふうに思っております。

吉野委員 実は、この法律は、我々、環境委員会の理事を前回、前国会で務めさせていただきました田中筆頭、そして泉原理事、盛山理事、そして環境部会長の佐藤信秋先生、このメンバーが中心となって、いわゆる東日本大震災で経験したこと、特に災害廃棄物の処理に関してすばらしいことを我が国はやったわけでありますので、それを一つの法律にしようという形で、我々は議員立法を目指しておったんです。

 ところが、環境省の方で、きちんと東日本大震災の災害廃棄物の処理について分析をして、そしてそれを法律にするという動きがございました。我々は、フレームワークは議員立法で、中身は閣法でという形で思いを持っていたんですけれども、二度手間になるという形で、閣法でという形で進んだと思います。

 ですから、私は、新しい法律、このような形で二法の改正案ではなくて、新法でいくのかなと思っていたんですけれども、どうして新法でなくて二つの法律の改正案になったのか、その辺のいきさつをお話ししていただければと思います。

鎌形政府参考人 今回の法案が、廃棄物処理法と災害対策基本法のそれぞれの改正で手当てするということについてのお尋ねでございます。

 東日本大震災の教訓、知見を後世に確実に引き継いでいくということは極めて重要と考えておりまして、このため、環境省といたしましても、新法の可能性も含め検討してまいりました。そして、最も適切な制度を設計するということで、専門家や自治体の意見も聞きながら、制度のあり方について検討してきたところでございます。

 その結果、二法の改正ということにすることといたしましたわけでございますが、その理由は大きく二点ございます。

 まず、一点目でございます。

 災害対策基本法、これは、大規模災害が発生した場合に適用される特例を横断的に規定しているということでございます。今回の法案で規定いたします環境大臣による廃棄物処理の代行も、そのような横断的な特例的措置の一つとして位置づけるということが適当であるということで、災害対策基本法での対応が必要というふうに考えたわけでございます。

 次、二点目でございます。

 他方、毎年起こり得る規模の災害により生ずる廃棄物の処理についてでございますが、廃棄物処理法に基づく平時の処理の延長線上にあるものとして、引き続き市町村による処理を前提としつつ、廃棄物処理法において、災害時の特例を新たに整備することが適当であるということでございます。

 この二点から、災害対策基本法と廃棄物処理法、それぞれ改正することにより今回対応することとしたということでございます。

吉野委員 私も同感です。

 廃掃法、そして災害対策基本法、これは長年の実績がございます。その中で、それをつかさどる省庁の、人的も含めて体制がきちんと整っているわけでありますので、事前は廃掃法、いわゆる災害が起こってからは災害対策基本法という形できちんと処理していった方が実務がとれるな、こう思いますので、新法だとこれは本当に大変ですし、そういう意味では改正案でいいのかなというふうに私も思います。

 一つ残念なことがあります。

 私たちは、災害廃棄物という一つの項目を定義づけして、一廃、産廃と今二つあるんですけれども、そこに災害廃棄物という一つの定義を入れたかったんです。でも、現実には、それは大きな意味で一廃の中にあるという形で整理をされてしまいました。

 要は、責任の所在なんです。今回、国も県も市町村も一体となってこれを処理したわけでありますけれども、最終的な責任が、災害廃棄物という定義を起こせばそれは国にある、一廃は市町村にあるという形で最終的な責任を負うわけであります。

 災害廃棄物という定義ができなかったということは非常に残念なんですけれども、その辺のところをお聞かせ願いたいと思います。

鎌形政府参考人 災害廃棄物につきまして、一般廃棄物あるいは産業廃棄物とは別の定義を置く考え方があったのではないかという御指摘でございます。

 まず、廃棄物処理法上の扱いでございますが、災害により生じた廃棄物は、事業活動に伴って生じた廃棄物ではないということで、一義的には廃棄物処理法に規定する一般廃棄物に該当し、市町村がその処理の主体となる、こういうたてつけになってございます。

 このことにつきましては、先ほどもございましたように、災害廃棄物との区分を設けるべきではないかという御指摘もございますが、東日本大震災の教訓を踏まえた場合、幾つか考えるべき点がございます。

 まず一点目でございますが、災害廃棄物の量、種類は、災害の発生場所や規模、種類によってさまざまな場合が想定されます。

 そして二番目でございますが、そういうことから、一定規模以上の災害時のみに適用される特別な仕組み、特別な災害廃棄物という区分、そういった仕組みを整備するよりも、既存の市町村の処理体制を最大限に活用し、災害の規模に応じて切れ目のない対応を行うことを基本とする方が、さまざまな災害に適切かつ柔軟に対応でき、また、平時の処理能力、処理体制の強化にもつながるということが考えられます。そういうことから、現行の法体系とは異なる災害廃棄物という新たな区分を設けることはしないということとしたことでございます。

 ただ、その上で、法案においては、既存の枠組みを活用、強化する視点から、廃棄物処理法の枠組みを活用した特例措置、こういったものを弾力的に講じることにより、御指摘のような責任の問題ということが生じないように、必要な制度的手当てを行うということとしていることでございます。

吉野委員 最終的なやはり責任の所在地、いわゆる市町村の責任では処理できないくらいの廃棄物が出るということで、もう市町村の能力を超えたところにこの災害廃棄物というところがあるんだと私は思うんですけれども、それを一般の廃棄物の中に組み込んで最終的には市町村の責任にしていくというのは、どうしても納得ができないということを申し上げておきたいと思います。

 さて、私が経験したことで、この法律でどう対応しているかという観点からお尋ねをしたいと思います。

 まず自動車なんです。津波で流されてめちゃめちゃに壊れちゃった自動車も、きちんと置き場に置いて、一台一台所有者確認をして、そしてそれからいわゆるスクラップ工場等々に持っていく、その手間暇がかかったわけなんですけれども、今度の法案の中ではどういう対応をしているのか、お聞かせ願いたいと思います。

鎌形政府参考人 自動車についてのお尋ねでございますが、東日本大震災が発生した直後は、御指摘のとおり、所有者に確認がとれないといったような理由で自動車をほかの場所に移動することができない事例があったということは承知してございます。

 このことにつきましては、発災後二週間足らずの時点でございますが、当時の政府の被災者支援特別対策本部長及び環境大臣の連名によって指針を出しました。この指針におきまして、外形上から判断して、自動車としての効用をなさない状態であると認められるものは撤去し、移動しても差し支えないとの考えを明確にしたところでございます。

 こういった指針に基づきまして、被災地における自動車の移動が迅速に行われるようになったというふうに承知してございます。

 今回の法案での対応でございますけれども、平時からの備えとともに、発災時にも国の方で処理指針を示していくということでございます。

 また、その処理指針のもとでさまざまなガイドラインもできてくると思いますけれども、今申し上げたような東日本大震災での整理というものを踏襲いたしまして、ここにございますように、外形上から判断して、自動車としての効用をなさない状態にあると認められるものは撤去し、移動しても差し支えない、こういった方針を引き継いで、しっかりと指針などの中に位置づけて対応してまいりたいというふうに考えてございます。

吉野委員 もう一つは、地震、津波で建物が本当に壊されてしまいました。それを撤去するときに、何か、地下構造物は対象にならないというおふれが最初に出ていまして、合併浄化槽や住宅の基礎、これを残したまま撤去しました。そして、一カ月か二カ月してから、もっと大分たってからですね、もう一回基礎をきちんとまた壊し始めたという形で二度手間がかかったんですけれども、そういう二度手間がかかるようなことを、今回、法案の中でどういう形で位置づけているのか。お願いします。

鎌形政府参考人 御指摘の建築物の基礎や浄化槽の扱いでございますが、確かに、東日本大震災の時点では、複数の施策、支援策の間で運用が異なっているということで、現場で混乱が生じたということはございました。基礎を残して処理するべきとか、あるいは、合併浄化槽については、例えばし尿などが入っているので、生活環境の保全上撤去した方がいいとか、そういった対応のばらつきがあったということは事実でございます。

 ただ、最終的には、市町村が、国の支援のもと、生活環境の保全と公衆衛生上の支障、これを防止するという観点から、建物の基礎や浄化槽の解体撤去を行えるというふうに対応したところでございます。

 こうした経験を踏まえまして、今後、この法律を制定後につきましても、指針などでそういったことをしっかり対応して、支援策も、東日本大震災の場合、最終的には、生活環境の保全と公衆衛生上の支障防止という観点で対応するという指針を示したわけでございますので、そういったものをしっかりとり続けて対応していきたいというふうに考えております。

吉野委員 解体のときに、バックホーでめちゃめちゃに建物を壊して、コンクリートも金属片も木片も一緒になって仮置き場といいますか分別場に運んでいる市町村もありましたし、私たちのいわき市は、手間暇かけて、木材は木材、コンクリートはコンクリート、金属片は金属片、全く手作業なんですね、建物の解体が。だからかなり時間がかかりました。費用もかかりました。だけれども、トータル的には、やはり全ての廃棄物がいわき市からなくなったというのは、最初に手間暇かけて分別解体した方が結局早かったわけです。トータル費用も安く上がったと思います。

 その辺のところを踏まえて、環境省としては、これから起こるであろう災害廃棄物に対してどういう対応をしていくのか、お尋ねをしたいと思います。

小里副大臣 分別についてのお尋ねでございます。再生利用とともに、非常に重要な課題であると考えております。

 御指摘のとおり、災害廃棄物であっても、再生利用等によってまず減量化を図っていくことが極めて重要であると考えております。また、有害物質が含まれる場合、被災地域の生活環境を保全する観点からも、適正な分別の上、処理が行われることが重要であります。

 このため、災害の規模によらず、可能な限り分別と再生利用を図るべく、措置を講じようとしておるところでございます。

 まず、このことを法案におきまして災害時の廃棄物処理の原則として明記をした上で、環境大臣が、関係省庁、都道府県等と協議した上で策定をする廃棄物処理方法の基本方針においてもその旨を明記いたします。また、環境省があらかじめ作成する対策指針において、具体的な方法を提示するところでございまして、また、実際に大規模災害が発生した後に策定する処理指針においても、その旨明記する予定でございます。

 加えて、大規模災害時に備えて地域ブロックが策定する行動計画におきまして、再生利用の徹底と再生資材の利用先の確保等について盛り込む等により、平時から再生利用する側の事業者と自治体間の連携を図る取り組みを進めてまいりたいと考えております。

吉野委員 ありがとうございます。

 きちんと原則に書いていただけるということで、感謝申し上げます。

 次に、災害廃棄物の再利用、リサイクル。東日本大震災のときはどういうリサイクルが行われていたのか、現状、そして、そのリサイクルを今度法案にはどういう形で示していくのか、その辺のところをお尋ねしたいと思います。

小里副大臣 まず、東日本大震災におきましては、処理量全体で三千百万トンという大規模な量に達したわけでございます。

 そういった中で、コンクリート瓦れきや廃木材のような災害廃棄物につきましては、八一%を再利用できました。また、津波により陸地に打ち上げられた海底のヘドロのような津波堆積物につきましては、九八%が再生利用できております。全体では八七%という高い再生利用率を達成したわけでございます。

 また、今後、法案等においてどう対応するかということでございますが、先ほど申し上げましたように、法案にまず基本原則として書き込んでおりますし、また、今後の処理計画、また実際に大規模災害発生後の処理指針等においても、重要な柱の一つとして、再生利用、分別等、しっかり対応してまいる所存でございます。

吉野委員 ありがとうございます。

 リサイクルは本当に大事なところですから、きちんと指針、原則等々に入れ込んでいただきたいと思います。

 再利用、リサイクルできなかったものは、そして、いわゆるサーマル利用、燃やすことのできなかった最終瓦れきは、やはり最終処分場に行くと思うんですけれども、最終処分場の残容量のポケット、この辺は十分に今あるのか。日本全体ではあっても、いわゆる災害が起こるであろう南海トラフ等々の地域でどういう形で確保されているのか。お尋ねしたいと思います。

鎌形政府参考人 最終処分場の容量についてのお尋ねでございますが、まず、我が国全体としての最終処分場残余容量につきましては、平成二十四年度の数値を基準といたしますと、一般廃棄物、産業廃棄物のそれぞれの施設合わせて約三億一千万立方メートルというのが現状の残余容量ということでございます。

 他方、御指摘ございました南海トラフ地震あるいは首都直下地震などにおいて発生すると予想される災害廃棄物でございまして、再利用などができなくて最終的には埋め立てが必要なものの量というのは、相当程度再生利用を図ったと仮定しても、合わせて八千九百万立方メートルに及ぶ可能性があると試算をしてございます。

 毎年我が国では、全国の合計で約千四百万トンの廃棄物の埋め立てというのが行われてございますので、今の八千九百万立方メートルというのは、その量の六倍超の膨大な量ということでございます。そのため、これをそのまま埋めていくということになれば、長期的な残余容量には大きな影響を及ぼす、こういうふうに考えているところでございます。

 こうしたことから、可能な限り災害廃棄物の減量化を図る必要がある、こういう観点でございまして、法案においてもそれを、廃棄物処理の原則ということで、災害廃棄物処理の原則として規定したということでございます。

吉野委員 ちょっと後先が逆になって済みませんけれども、最終処分に行く前には、やはり燃やせるものは燃やすということが一番大事、減容化にもなりますし。全国の自治体が持っている老朽化した焼却炉、これは、来るべく大災害に備えてやはり改修が必要であるというふうに私は思います。

 そういう意味で、その辺の改修予定、どのくらいの予算が行くのか、その辺のところも御答弁願いたいと思います。

福山大臣政務官 大規模災害時に災害廃棄物の処理を円滑かつ迅速に行うためには、処理施設そのものの災害対応能力の強化が図られる必要がございます。

 また、施設そのものの耐震化はもちろんのこと、例えば、大規模災害が発生しても一定期間で災害廃棄物の処理が完了するよう、広域圏ごとに一定限度の余裕を持った施設の能力を確保することが重要でございます。

 このため、環境省としては、平成二十六年度補正予算及び平成二十七年度当初予算に、大規模災害時の廃棄物処理システムの強靱化という新たな柱を設け、市町村が行う一般廃棄物処理施設整備への支援を充実させたところであります。

 今後、より一層重点的に支援してまいりたいと思っております。よろしくお願いいたします。

吉野委員 津波で流された地域を私は歩いてみると、仮設住宅に使うサッシが不足しております。津波で流された住宅からサッシを抜き取っている、ある意味の盗難なんですけれども、何をやっているんだいと聞くと、この家の持ち主から頼まれたんだと、それはうそなんですけれども、そんな言葉を言って、サッシの盗難がございました。

 宝石とか現金とか等々、大事なものがあると思いますけれども、その辺の盗難対策はこの法案でどういう形で書かれているのか、お尋ねしたいと思います。

鎌形政府参考人 宝石、金庫など有価物の扱いということでございます。

 東日本大震災におきましては、被災地域において津波により流された金庫、宝石等の有価物、これにつきましては遺失物という扱いにいたしまして、一時保管をした上で、所有者等が判明する場合には連絡に努める、あるいは引き渡すといったようなことについて、遺失物法に基づいて対応するというような考え方を示したところと承知してございます。

 この法案につきましては、遺失物の扱いそのものについて規定しているというところではございませんが、先ほど申し上げました東日本大震災における対応、有価物については遺失物法に基づいて対応していくということを徹底するということを考えてございます。

吉野委員 あとは、アルバム等々、結婚式の写真等々は、ごみなんですけれども、廃棄物なんですけれども、家族にとっては一番大事な思い出の品々になっていると思います。

 その辺のところを今度のこの法律でどう位置づけているのか、お尋ねします。

福山大臣政務官 東日本大震災においては、瓦れき撤去作業の過程で発見された位牌、アルバムなど、個人にとって価値があると認められるものについては、一律に廃棄せず、所有者に引き渡す機会を設けるように促す指針を出しました。

 これらいわゆる思い出の品については、災害の規模を問わず同様の対応がとられることが望ましいことから、環境省では、平成二十六年三月に策定した災害廃棄物対策指針においてもこのことを盛り込み、広く自治体に周知をしております。

 例えば、昨年度に発生した広島の土砂災害により瓦れきに埋もれた思い出の品について、広島市は、遺失物法により定められた期間が過ぎた後のものが廃棄されることのないよう、これを預かり、被災者が引き取りに来られるよう、専用の場所を設置して保管をしております。

 将来の災害においても広島市のような対応がとられるよう、今後も災害廃棄物対策指針を周知徹底することにより、各自治体に呼びかけてまいる考えでございます。

吉野委員 最後に、大臣にお伺いします。

 ネパールで大地震が起こりました。東日本大震災のこの経験を踏まえて、我が国もネパールに対して協力をせねばならないというふうに私は思っております。

 どのような協力ができるのか、大臣から一言御意見をいただきたいと思います。

望月国務大臣 まず初めに、ネパールの大地震において被災され、亡くなられあるいはまた被害を受けられた皆様方に心から哀悼の誠をささげたい、このように思います。ネパールの一日も早い復旧及び復興を心よりお祈り申し上げたい、このように思っています。

 ただいまの御質問でございますが、東日本大震災、これは国難というべきものでございます。しかし、これから得られたノウハウは国内外を問わず広くやはり利用されるべきものである、このように思っております。

 東日本大震災の我が国の取り組みは、特に災害の廃棄物を高い割合で再資源化できたということ、この経験は非常に有益だと考えておりまして、ことしの三月に開催された国連防災会議で御紹介して、大きな関心と高い評価を得たところであります。

 現在、ネパール政府及びUNEPにより、ネパールにおける破損した建物から発生したれんが、あそこは建物のほとんどがれんがでございまして、再生利用を中心とする災害廃棄物処理計画の策定に係る技術支援を求められております。環境省は、これに対して、専門家を派遣する、あるいはまた最大限の貢献を行うべく、準備をまずしております。

 今後は、ネパールへの協力に限らず、災害廃棄物対策の分野で、UNEPやJICA、こういったところとも連携しつつ、積極的に国際貢献を我が国の経験を踏まえてしていくべきだ、このように思っている所存でございます。

吉野委員 質問を終わります。ありがとうございました。

北川委員長 次に、馬淵澄夫君。

馬淵委員 民主党の馬淵でございます。

 きょうは、廃掃法並びに災対法の改正につきまして、私は、東日本大震災以降大きな問題となりました放射性廃棄物の扱いについて、まず冒頭、伺っていきたいというふうに思います。

 今回の法改正の中でも、法の趣旨として、災害により生じた廃棄物についての適正な処理ということで、これに関しては、平時の備えから大規模災害発生時の対応まで切れ目なくこの対策を実施、強化するための法整備だ、このように趣旨ではうたわれています。

 大規模災害に備えるという意味におきましては、我々は、東日本大震災、ここで発生した廃棄物、このことに目を向けなければなりませんし、最も大きな問題としては、放射性廃棄物、いわゆる福島第一原発事故における汚染された廃棄物、こういうことになるかと思います。

 そこでまず、冒頭には、確認事項でありますが、これは事務方で結構ですので、福島第一原発、この放射性物質による汚染度の高い特定廃棄物につきまして、処理に責任を負っている行政主体はどこになるか、事務方からお願いします。

鎌形政府参考人 放射性物質汚染対処特別措置法の中の特定廃棄物の処理の責任についてお尋ねでございます。

 特定廃棄物は、対策地域内廃棄物と指定廃棄物の二種類ございまして、対策地域内廃棄物は同法第十五条、指定廃棄物は同法第十九条において、それぞれ国がその処理を実施する責任を負う旨が規定されているところでございます。

馬淵委員 そうですね。これは、まさに特措法をつくって、先ほど吉野さんからの質疑にもありましたが、自治体のみならず国がということで、この特措法の中でもしっかりと定めたわけであります、国が責任を持つと。

 こうした状況がある中で、今回の廃掃法の改正ということになりますが、その趣旨としては、先ほど私が申し上げたように、平時から大規模災害、切れ目なくということです、切れ目なく災害対策を実施並びに強化する、このように挙げられているわけであります。

 そこで、大臣にお尋ねいたします。

 大規模災害が発生した場合に、放射性廃棄物が大量に生じた場合の対応、処理、これに関しては、この改正法で何か規定を置かれておられますでしょうか。お答えいただけますか。

望月国務大臣 今般の改正法でありますけれども、東日本大震災によって生じた災害廃棄物の処理でございますけれども、福島県の一部地域を除き昨年三月末までに完了いたしました。その経過、知見に基づいて、制度的な視点から今後必要になる対応について検討を行ってきたものを受けたことでございます。

 他方、今先生の御指摘にありました、東京電力福島第一原子力発電所の事故によって生じた放射性物質に汚染された廃棄物は、いまだ処理の途上であって、まだまだこれから、我々としては、非常に注視をし、また努力をしていかなくてはならないというところでございまして、現在行っている処理の結果を見きわめる必要がございます。まずその処理を完遂することがこの放射性廃棄物については重要だ、このように思っておりまして、このため、本法案は放射性物質に汚染された廃棄物については対象としておらない、そういうことでございます。

馬淵委員 まさに今、事態対処のさなかである、そして、処理を進めておられる中で得た知見によって今後検討していかねばならないということで、現時点においては、この法律改正の中ではこれは規定をされていない、こういう御答弁だというふうに受けとめます。

 これも、巨大地震発生時における災害廃棄物対策検討委員会、ここでの議事録の中でも、これに対しての取り扱いということで、環境省側として、これは平成二十五年の十月の四日ということでありますが、どういう対応をするかというのは織り込みづらいところもある、このように答えられております。とりあえず脇に置かせていただければ、こういうお話があったわけでありますが、脇に置くかあるいは前に先送りしているかは別としましても、いずれにしても、事態対処だから今はなかなか困難だ、まずは処理を進めることが先決だ、こういうお話だと受けとめます。

 しかしながら、こうした処理の現状ということを考えますと、果たして本当にそれでいいのかということになります。

 では、放射性廃棄物の処理の現状ということについて、これは端的にお答えいただきたいんですが、現状、指定廃棄物の行き先について地元自治体との交渉をやっておられる。これは後ほどまた同僚議員も質問されるかもしれませんが、これは非常に交渉が難航しているというふうに私は受け取られるというふうに思っています。こうした状況を踏まえて、環境省としては、今申し上げた、現状の指定廃棄物の行き先も含めて、どういう取り扱いになっていくかということについては今後どのように取り組んでいかれるのか、これを、大臣、ちょっとお答えいただけますか。

望月国務大臣 福島県や、指定廃棄物が多量に発生して保管が逼迫している宮城県、栃木県、千葉県といった県におきましては、国が必要な施設を確保するということによって指定廃棄物の処理を進める、こういうことにしているわけでございます。

 環境省としては、やはり、施設の必要性、それからまた安全性について、地元の皆さんに理解が得られるように丁寧に説明をしていく、これが何よりも重要でございます。こういったものは非常に、信頼関係とかさまざまな積み重ねで、そんなに簡単に、簡単というと言い方はおかしいんですけれども、これはさまざまなことがございますのですぐに進めるものとは思いませんけれども、しかし、やはり丁寧に皆さんにお願いをしていくということがそもそも大切だと思っております。

 こういった努力を引き続き続けることによって、指定廃棄物の処理が着実に進むように尽力をしっかりと進めていきたい、このように思っております。

馬淵委員 大臣の姿勢というものはよく伝わります。大変苦慮されておられることもよく承知をしております。我々も政権下での、その対応というのは大変に困難をきわめるということ、それに向かって取り組んできたわけです。

 しかし、現実的には、これは要は処理の見通しが現状なかなか立っていない、非常に厳しい状況である。困難が予想される中で今その事態に取り組んでおられるわけですから、なかなか軽々におっしゃれないのはよくわかるんですが、これは必ずしもスムーズにいっていないというふうに私は理解すべきではないかと思います。

 となりますと、現状、特措法で対処する中でもスムーズにいかない。つまりは、今回の立法趣旨である、平時から大規模災害に至るまで切れ目のない対処というこの立法趣旨、このことを鑑みても、甚だ不十分ではないかと問われてもいたし方ないんではないかと私は考えます。

 そして、現状、この法改正というものにつきましては、東日本大震災の教訓を踏まえたものでありますから、あの原発事故から四年が経過して、現在においても長期の管理施設が確保できない。こういう状況の中で、一方、私はこの委員会でも再三問いました。経産省は、政府は、エネルギーミックスの見直しを図り、そして昨日は、長期エネルギー需給見通しの中で、この原発比率というものを二〇から二二ということを確定させました。これからいわゆるパブリックコメントで一カ月かけて決まるんでしょう。少なくとも委員会としては決定をしたわけです。

 つまり、今後は原発の再稼働が進む、あるいは運転延長も含めて二割近い比率まで高めていく。また、地震も、あるいは噴火も含めて、非常に我が国における災害に対する危機感、不安感というのは国民の中に募っています。この状況の中で、南海トラフの大地震、こうした影響、可能性も十分に考えながら、今回この法改正、苦しんでおられるのはよくわかりますが、やはり事前の法整備を行っておく必要はあるのではないかという問題意識を私は持っております。

 そこで、大臣、改めて確認ですが、現在政府は再稼働や運転延長を含めた原発の比率を高めようということで取り組んでいかれます。つまり、廃棄物の処理のあり方については、法整備は本来ならばセットで行わねばならない。しかし、それはまずはおいておいて、先送り、どちらでもいいんですが、今は対処しているというお言葉でありますが、では、今後どういう方向、方針で検討されていかれるおつもりでしょうか。大臣、お答えいただけますか。

望月国務大臣 まず第一に、東京電力の福島第一原子力発電所のようなこういった事故が二度と起きないように、再び起きないようにしっかりと規制が行われること、まずはここが重要だと思っております。

 今後万が一事故が起きた場合の対応ということで先生の御指摘があったわけでありますけれども、災害対策基本法に基づく基本計画に、環境省を初めとした関係機関が必要な措置を講ずると位置づけられております。

 要するに、原子力災害対策の中にこれが位置づけられているということでありまして、環境省といたしましては、東日本大震災の経験も踏まえて適切に対応していきたい、このように思っております。

馬淵委員 原災法を含め、災害対策の中で措置が定められているということでありますが、ならば特措法は要らないんですよね。あの段階でも、やはり特別措置法を図って処理を進めなければならないと判断してきた。そして、現状においてはそれは脇に置く。いずれにせよ、私は、これは何らかの法的措置、特措法が必要だという状況が生まれてくるのではないか、このように考えます。

 改めて、大臣、重ねて質問ですが、そうはおっしゃっても、繰り返しますが、万が一大規模災害が発生をして放射性廃棄物の処理が必要となった場合には、では、現政権において特措法を制定するということになるんでしょうか。いかがでしょうか。

望月国務大臣 原子力発電所の事故につきましては、当該事故の規模や汚染の広がりなどの状況に応じて、どのような対応が適切であるか、これはその事故の状況によって変わってくるものでございまして、万が一事故が起きた場合には、事故の規模や状況、汚染の広がりなどを踏まえて適切な処置を講じていく、こういうことでございます。

馬淵委員 大臣、改めて伺いますよ。私は特措法が必要になってしまうのではないかということをお尋ねしているんです。

 では、大臣のお答えは、その必要はないということでしょうか。万が一今発生すれば、特措法の制定ということは、政府の責任者として視野に置かれるべきじゃないですか。いかがですか。

望月国務大臣 事故についてでありますけれども、やはり、事故の規模や汚染の広がりなどの状況が大切でございまして、こういったものがどういう状況でどれぐらいの汚染の広がりだとか、そういったものはなかなかまだ状況がわかりませんので、そういった状況に応じてどのような対応が適切かということは変わってくると思いますので、そういう認識のもとに我々は進めていきたいな、このように思っております。

馬淵委員 お立場は、私はよくわかっているつもりなんです。後ほど質問をされる福田さんも、まさにこうした放射性物質で汚染された廃棄物の問題、このことに心を砕かれておられる。同僚議員の質問の中でもさまざまな御意見があると思います。そして、今まさにそこは丁寧な説明をされているさなかですから、次の話ができないというのはよくわかるんですよ。

 それこそ、今丁寧な交渉をしている過程の中で、いやいや、そのときは特措法をつくるんだ、では、また違うところに持っていくことも含めてそんなことを検討しているのかということで、今の交渉がそれこそ前に進まなくなるかもしれない、そういう懸念を持たれることは、私は政府の立場としてよく理解はしますが、一方で、これは法整備なしで、現行ある制度の中で措置を行うなどということでは済まないはずなんです。それができなかったからこそ特措法ができた。

 大臣、私は、この委員会の中で大臣御自身が、そういう場合には政治家として断固たる決意、覚悟を持って取り組むというその姿勢は示すべきだと思いますよ。少なくとも、必要な法制上の措置を含むこうしたことに対する取り組みを置き去りにするのではなくて、政治家として、不作為による無責任の連鎖を自分は絶対に許さないんだという決意はお述べになられるべきじゃないですか。

 私は、現状の処理について丁寧な取り組みをされていること、このことを言っているわけではありません。今回こうした法律を改正しようとするならば、そのことはしっかりと発言されるべきじゃないですか。大臣、いかがですか。

望月国務大臣 これはやはり、放射性物質の場合には、事故の規模だとかあるいは汚染の広がりなどから、なかなかそんなに簡単に決めることができるようなものではございません。

 そういったことで、要するに、災害瓦れきの量とかそういうものではなくて、これはもう非常にセンシティブな問題になってくると思いますので、放射性物質に汚染された廃棄物の処理については、対応を決めておくということはなかなか困難だ、このように思っております。

馬淵委員 もうきょうは答弁のラインを決めておられるので、多分それははみ出さないようにされているのだと思いますが。

 私は、大臣、御苦労もされていることはよくわかるので申し上げているんです。これはきっちり議事録に残していかないかぬことですから。少なくとも、そのことに対して十分なお気持ちを持っておられることを、もう私もこれ以上聞きませんよ、この委員会の質疑で議員の皆さんお聞きになっておられるわけですから。重要な課題だとして認識していただくということを改めて申し上げておきたいと思います。

 その上で、このように、今すぐにでも大規模災害が起きた場合には、こうした危機的な状況の中でどう対処したらいいかということがやはり問題になるような現時点の状況なんですね。

 そこで、先ほど申し上げたエネルギーミックスの話でありますが、二〇から二二というこの原発比率を政府は一方で決めてきた。これは、新増設やリプレース、こういったものを想定しない限りにおいては、極めて不透明な状況のままエネルギーミックスの電源構成を決めていると私は思っています。

 そして、こうした状況で、不透明な見込みについて、実現性の乏しい、環境省として所管をするCO2の削減目標というものが実は出てきてはいないかということ、これは前回も質問の中で、私は一般質疑でちょっと取り上げさせていただきました。これに関連して少し、前回の積み残しということも含めて質問させていただきたいんです。

 そこで、大臣、改めての確認なんですが、平成二十一年当時、これも以前にもこの委員会で確認しましたが、麻生政権下で環境省は、二〇五〇年の温室効果ガスの削減、これは何%をビジョンとして打ち出しておられましたでしょうか。

望月国務大臣 二十四年四月二十七日に閣議決定されたこれにつきましては、二〇五〇年八〇%削減という長期目標がまだ維持されている、このように思います。

馬淵委員 これは、八〇%削減ということで麻生政権で決定をし、その後も、これに関しましては、我々も民主党政権時で第四次の環境基本計画策定、このときの閣議決定、二〇一二年四月二十七日でありましたがこれを行って、二〇五〇年に八〇%削減というのは踏襲をしております。これは当時は二〇〇五年比だったんですね。二〇〇五年比の八〇%削減ということでありました。

 今、大臣からは、現時点におきましても環境省としてはこの目標は維持している、こういう御答弁もいただきました。

 そこで、この八〇%削減ということでありますが、この目標の数値の持つ意味ということを少しお伝えさせていただきたいんですが、二〇〇九年当時、これはG8のラクイラ・サミットでも主要先進国が支持をした数値でもあります。先進的な、野心的な取り組みとしての国際的な評価をいただいた。

 そして、二〇三〇年に一定の数値をということで、今回、政府は、まさに環境大臣のお立場で、二〇三〇年に二〇一三年度比二六%、これを目標として定められた。

 私は、八〇%二〇五〇年、そして二〇三〇年の二六%、この乖離の問題について少しお尋ねをしたいと思います。

 今回の望月大臣が所管として決められた二六%、これは二〇一三年度比です。実は、ほとんど数値的には、二〇〇五年度と二〇一三年度というのは、二〇〇五年度と比較しますと一三年に〇・八%上がっておりますのでほとんど変わらない状況ではありますが、おおむね八割と呼びましょう。約八割として、二〇三〇年二六%削減すれば、その後の二十年で五四%減らす、約ですから約五四%と称しましょう、こういう計算になります。

 これは、単純計算で考えても、今日までのペースで、二六%という目標を掲げていますが、残りの二十年で五四%も減らすというのは、これは大変な数値なんですね。私はこれはなかなか達成困難ではないかという状況の中で、もちろん我々はそれでもより高いところを目指せということを申し上げてきましたが。

 これに対してどういう具体的な、見通しを含めて、大臣はお考えになっておられるのか。この目標値を掲げている中で、二〇五〇年八〇%削減という目標に対して、二〇三〇年以降、急速に削減が進むという具体的な見通しというのをどのようにお持ちでいらっしゃるのか。これについてお答えいただきたいと思います。

望月国務大臣 二〇五〇年を見据えた中長期的な温室効果ガス排出削減については、今後の技術水準、それからまた社会経済構造の変化も大きく作用してくると思います。十年前の状況を見ると、車一つとっても考えられないような発展をしてきておりますし、我々が考えられないような、LEDにおきましても技術革新がなされておりまして、世の中が非常に大きな変化をしてくると思います。

 このため、二〇五〇年に向けた大幅な削減の道筋は、やはり複数存在すると思います。こういったものが技術革新でできる、こういう社会構造になる、そういったことの道筋はいろいろ幾つかあると思います。

 それから、二〇一三年という年数でございますけれども、やはりこれから、我が国は今から現実的なものを積み重ねてそこに目指していく、そういうことで、二〇〇五年も二〇一三年もそれほど割合が、数%変わるというような状況でないという数字でございます。

 今般お示しした二〇三〇年に二〇一三年度比二六%減という目標水準であれば、我が国が将来にわたって低炭素技術の開発、普及や社会構造の低炭素化など、この施策をとっていけば、二〇五〇年までに温室効果ガス排出を八〇%削減するという長期目標の達成に支障を来すものではない、我々はそのように思っております。

馬淵委員 変わらなく、そして技術革新ということでお話しいただきました。

 お手元に資料を配付させていただきました。これは、麻生政権下における、八〇%削減に向けた、当時の斉藤環境大臣のもとで出された資料の一つであります。

 ここには、当時ですが、二〇五〇年八〇%削減に向けたパス、このように書かれていますが、ごらんいただきますとわかりますように、これは若干ずれ込んでいるといいますか、少なくとも、当時、この八割を目指す過程の中においては、二〇三〇年には三割から四割の削減を見込むような状況、これを一つの経路として取り組んでこられた。

 今回、二六%、まあ、これは誤差の範囲だとおっしゃるのかもしれませんが、少なくともこのパスをもう変更が必要だという状況にあるのか、いや、このパスの中にあるという前提なのか、これを大臣、お答えいただけませんでしょうか。

望月国務大臣 御指摘のビジョンでありますけれども、当時の斉藤環境大臣のイニシアチブによって、我が国も適切な政策を行うことで八〇%の削減が十分に可能であることを示されたものだと私は理解をしております。

 一方、ビジョンに示された八〇%削減を実現するための社会の姿あるいは対策でありますけれども、最近のエネルギーの需給状況や社会経済構造の変化を踏まえて、見直すべき点がある、このように考えております。

 どちらかといいますと、当時は、原子力発電所、安全神話の上に見込んでおりまして、今現在の二倍程度は原子力発電を見込んでいたと思います。ただ、先ほど申しましたように、技術的にはトヨタの燃料電池車は見込んでいなかったとか、そういうさまざま、やはり見直すべき点がある、我々はこのように考えております。

 こういったビジョンを参考にしつつ、最近の低炭素技術の開発及び普及状況や社会構造を踏まえて、改めて、二〇五〇年に向けてどのように排出削減を実現していくかを検討してまいりたい、このように思っております。

馬淵委員 社会環境も若干変わった、おっしゃるとおりだと思います。

 ただ、二〇〇九年の段階でも、お手元の資料、当時の麻生政権下におきましては、もちろん原発の状況は変わったかもしれませんが、大量のCO2を発生する火力、これをどのような形で吸収させていくかということも含めて、ここに幾つかの施策というものが書かれております。

 そこで、これは事務方の方に確認をさせていただきますが、今大臣もおっしゃった技術革新の中で、とりわけこの削減幅を大きくできるものとして見込まれている技術、これは何なのでしょうか。事務方の方からお答えいただけますか。手短に、端的にお願いします。

梶原政府参考人 中長期に大幅な温室効果ガスを削減するためには、大胆な省エネとか再生エネルギーの最大限の導入に加えて、斉藤ビジョンの際に入れていたものとしましては、火力発電所等への二酸化炭素回収、貯留技術、いわゆるCCSの導入などを位置づけているところでございます。

馬淵委員 CCS、これはお手元の資料2に書かせていただきました。これは御存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、二酸化炭素を陸上のプラントで抽出して回収をし、地層深くに封入をするという技術。カーボンダイオキサイド・キャプチャー・アンド・ストレージということで、CCS技術。これが実はかなめではないか、このようにもこの技術の専門の方々の中では言われている、私もそう理解をしています。

 我々も、宮沢経産大臣にエネルギーミックスについての提言というものを出させていただきました。そのときには、火力、少なくとも化石を使う発電というものも今後一定程度、これはゼロにはいきなりできない、LNG等々はあるかもしれませんが、その場合にはこのCCSというものを強力に推進する、前倒していかねばならないということを提言の中にも書かせていただいたところであります。

 そこで、大臣、CCSというものに対する開発の現状等、今後これをどの程度の時間で見ていくのかということ、これについてお答えいただきたいんです。先ほどおっしゃったように、少しパスはずれてきています。おくれているんですね。これを解消していくためにどの程度の時間軸で進めようとされているのか、これについてお答えいただけますでしょうか。

望月国務大臣 このCCSでありますけれども、二酸化炭素回収、貯留は、これは先生御指摘のように、我々も極めて重要である、こういう提案をしていただくことは大変ありがたいことだなというふうに思っております。

 このため、一昨年の四大臣会合で確認されたように、このCCSの技術開発や二酸化炭素貯留の適地の調査、こういったものにしっかりと取り組んでおり、今予算化もしておりまして、商用化を前提に、二〇三〇年までに石炭火力にCCSを導入するということ、これを検討しております。さらに、火力発電所において将来CCSを実施するためにどのような準備をするか、こういうような検討もさせていただいております。

 また、環境アセスメントの中で、事業者に対しまして、CCSの実用化に向けた技術開発を含めて、革新的な排出削減対策の検討を進めているところでございます。

 これから、CCSの導入に向けては、技術面だけではなく、これは技術面だけではなかなかそう簡単にいくものではございません。制度面、経済面、それからまた社会面の課題に取り組む必要があるということから、やはりそういった必要な施策、これを専門家の意見も踏まえて検討してまいりたい、このように思っております。

馬淵委員 我々としても、これは極めて重要な技術だと見ております。二〇二〇年代に商用ベースに乗せていくという目標を掲げておられる。

 ただ、これは一概に比較するのは難しいかもしれませんが、かつて地熱の対応に関しましても、これはリードタイムがやはり長くなってしまう。もちろん、環境を守るという観点からのアセスも含めて、リードタイムが延びてしまうというような状況も、事態も発生をしました。

 このCCSにおいては、また違った技術でありますから、必ずしも一致はしない、比較すべき対象ではないということかもしれませんが、私は、このリードタイムが延びてしまわないように、そうしなければこの八〇%という目標達成は困難になります。

 少なくとも、環境省として、エネルギーミックスやあるいは今まで進めてこられたCO2削減ということに対するこの裏表のことに対しては、前回も私は申し上げましたが、三菱総研のような試算を、みずからがそれこそ企画し、それを実行し、そして提言として用いようとして取り組んでこられた役所なわけですから、私は、ここはぜひとも前向きに全力で取り組んでいただきたいということを改めて申し上げたいと思います。

 その上で、やはり環境省が、今、三菱総研の試算のお話も少し触れましたが、前回のあるいはその前の三月のときの質問もそうでしたが、環境省として、やはり経産省は裏表であるにもかかわらず、十二月にあの三菱総研試算が一部外に出た、漏れたと言うべきか、あるいは不用意に説明をされてしまったのかもしれませんが、その状況の中で予算委員会で取り上げられ、やがて、あれは環境省としてはあくまでも参考程度ということで、経産省の中での重要な試算としての位置づけにならない状況になってしまった。

 私は、これは実は事務方の皆さん方もじくじたる思いがあるのではないかというふうに受けとめています。なかなかお立場上それはおっしゃれないかもしれませんが、やはりここは環境省がしっかりと本来の役割を担うという強い決意を持っていただかねばならない、私は再三このことを申し上げてきたわけです。

 しかし、大臣はお気持ちがあっても、なかなかそれが前に進まない。なぜか。実はそれは、検討、体制の問題があるのではないかということを、これも繰り返し私は申し上げてきました。

 お手元の資料3をごらんください。これは国会の調査室で作成をいただいたものです。恣意的なものは入れておりません。立法府における調査室という中で、我々民主党政権のときに行ったいわゆるエネルギーあるいはCO2、表裏一体でありますから、これをどのように考え、判断していくかということの体制あるいはそのときの検討状況です。そして4は、現状の安倍政権におけるエネルギーミックス、長期需給見通し、イコールこれはCO2の発生に大きくかかわる。

 これをごらんいただきますとおわかりいただけるかと思いますが、手前みそで申し上げるわけではありません、あえて申し上げますよ、ここでもあるように、まず、政府は、エネルギー・環境会議というものを官邸のもとに、これは議長は国家戦略担当大臣です、そしてそこには、経産大臣、環境大臣の副議長、国交大臣や農水大臣等々、関連する大臣が名前を連ねて、そして、多様な省庁の意見が反映される仕組みというものをつくってきた。

 地球温暖化対策の検討は、この左の箱にありますように、内閣官房と環境省、経産省が、三閣僚があるいは三つの役所の事務方が集ってこのことに対しての議論を行い、原子力政策に関しては、文科、経産、そしてNPTのこともありますから、核の不拡散の問題もありますので、外務省。

 つまり、関係する省庁が一堂に会しながら、しかも決定は総理官邸がしっかりとグリップをする、こういう仕組みで来たんです。

 一方、この4をごらんいただきますとおわかりいただけるように、経産省は、その中の総合資源エネルギー調査会基本政策分科会の中の、長期のエネルギー需給の見通しという小委員会の中でだけの議論になっている。これは、民間企業や経済団体のヒアリングを繰り返されている。しかし、そこで出てくるのは、当然ながら、民間企業、経済団体は経済を重視しますから、一円でも安い電気代、電気料金にしてほしいということになります。となりますと、再生可能エネルギー等々は、これも系統の問題に難があります、インフラの整備も出てきます。お金がかかるとなれば、おのずと原発の方に導かれてしまう。

 この経路一つ見ても、明らかに、余りにも短絡的な、そして重層性のない検討の体制と言わざるを得ないんですよ。

 大臣、これをごらんになられていかがですか。大臣の感想をお述べいただけますか。

望月国務大臣 地球温暖化問題を初めとする環境行政の推進に当たっては、日ごろから、関係閣僚の議論を含めて、環境省と関係省庁がしっかりと話し合うことが重要であるということは、先生の認識のとおりだ、私はこのように思います。

 今回のエネルギーミックスと温室効果ガス削減目標案の検討につきましても、閣僚レベルの調整を含めて、関係省庁と十分に議論をして、我々とすれば、そういったところで風通しよく議論を積み重ねてきたつもりでございまして、約束草案の要綱の取りまとめに至ったところでございます。

 さらに、きょう、本日でございますけれども、総理を本部長として、閣僚全員が出席する地球温暖化対策推進本部を開催して、約束草案の政府原案を取りまとめたところでございます。

 私といたしましても、地球温暖化対策推進本部における調整はもとより、日ごろから、公式、非公式を問わず関係大臣としっかりと話し合って進めていきたい、こんなふうに思っております。

馬淵委員 大臣、お言葉ですが、それじゃだめなんですよ。

 幾ら関係閣僚でやっても、宮沢大臣、ここでも、私は質問で答えを受け取って、お話もしましたよ。宮沢大臣は経産省で決めるとおっしゃっているんです、エネルギーに関しては。裏表のCO2の協議に関しては、公式な会談の場もなく、十回の事務方の会議があったと言いますが、そして、決まったことをきょうおっしゃった。政府の中での、地球温暖化の環境の問題に対しての決定をされただけじゃないですか。

 大臣、私は、もう決まったんだから今さら何を言っているんだということを思われているのであれば、少しそこは違いますよと申し上げたい。

 昨日、長期需給の委員会で最終決定しました。その中でも反対の委員がいらっしゃったんです。そして、委員長は、その中で、取りまとめの中では、今ここで決めたからといってこれが未来永劫続くわけではないんだと。これは、エネルギー基本計画にも定められ、エネルギー基本法にも定められていますが、こうしたベストミックス、エネルギーミックスは、今後三年ごとに見直されるという仕組みになっているんですよ。

 エネルギー基本計画は昨年の四月に決められました。つまり、あと二年足らずで見直しがまた入るんです。つまりは、あと二年間、それまで政権がどういう状況か、私はそれは予測はしませんが、今から取り組まなければ二年後も同じことが起きるんですよ。経産省がエネルギーを決めるというその道筋をつくられたときには、全部後追いになるんです。

 繰り返し申し上げる。私は、何回も言っているように、環境省に頑張っていただかねばならないと言っているんです。再生可能エネルギーもまだまだ不十分だ、この中で役所一つだけが頑張っても、小さな役所であるお立場の中では、政府を巻き込む全体の構造をつくっていかなければならないんですよ。民主党のまねをせいなんということを言っているわけではありません。

 もう時間がありませんけれども、この中でも、この図表を見ていただければわかるように、国民的議論も全く足りない。コール・フォー・エビデンスといって、我々は、国民、専門家、事業者、NGOからの情報提供、パブリックコメント、いわゆるDP、デリバレーティブポールと呼ばれる討論型の世論調査、さらには意見表明、アンケート、こうしたことを繰り返し繰り返しやりました。これは今の、これは経産省の話ですが、ヒアリングとパブコメ一カ月で終わりですよ。

 国民の意見も聞かずに、関係閣僚との調整も官邸主導で行わずに、最も重要なこのCO2の問題とエネルギーの問題、環境省としてそれを見過ごしていいんですか。

 大臣、最後にお願いします。

 二年後なんですよ。今からやらなければ、こういうことはすぐにはできません。済んだから終わりの話じゃないということを私は申し上げている。

 大臣、もう時間もありませんので、最後にお願いします。

 今私が申し上げたこうした提言に対して、大臣、真摯にお考えになって、安倍総理にしっかりと提言いただくようなその御決意、いただけませんか。いかがでしょう。

望月国務大臣 馬淵先生の熱い思い、これはもう、与野党問わずに私たちは地球の環境を守っていかなくてはならない、そういった熱い思いを我々は真摯に受けとめて、これからも進めていかなくてはならないな、こんなふうに思っております。

 今、それぞれ見直しの期間等さまざまありますけれども、我が国としては、しっかりと約束草案を、世界に約束したことを守っていく。

 きょうも記者会見でお話ししたんですけれども、我々のところの二六%、マスコミは最初二〇%ぐらいがやっとだろう、それからまた二三%ぐらいにいけばいい方かなと。ところが、何とか我々は二六%。ただ、さまざまな御意見があって、それが三〇%、四〇%、さまざまな御意見がございます。

 ただ、我々は、約束したことは必ず、現実ある今の技術だとかさまざまなことで守っていく。そして、これをいち早くその約束のものが実現できたら、またそれはその都度新たな方向に向かって進んでいく。こんなことでおりますので、さまざまな閣僚の皆さんにも我々としてはしっかりと環境省としての意見を言っていく、こういうことでございます。

馬淵委員 しっかりと決意を持って取り組んでいただきますことをお願い申し上げて、私の質疑を終わります。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、福田昭夫君。

福田(昭)委員 民主党の福田昭夫です。

 東日本大震災で発生した大量の瓦れきなどを処理した環境省を初め、被災を受けられた自治体、御協力いただいた自治体の皆様の御尽力、これには本当に御苦労さまでしたと申し上げたいと思います。瓦れきの処理について全国の自治体にお願いをした一人として、私からも感謝を申し上げたいと思います。

 その上で、今回の法改正と未解決の課題について、政府の対応をただしてまいりたいと思いますので、ぜひ簡潔にお答えをいただきたい。

 まず、廃掃法及び災基法の一部改正についてであります。

 一つ目は、「災害時の廃棄物対策に係る計画・指針等関係図(改正案)」の足りないものについてであります。

 皆さんのお手元に資料の一を、環境省がつくりました今回の資料を提示してあります。先ほど我が党の馬淵委員からも指摘がありましたけれども、今回、まさに放射性物質の対処特措法は、今回の東京電力福島第一原発事故由来の放射性物質の対応しか実は適用されないわけでありますから、ぜひ、万一の事故に備えて法律に明記しておくべきだと私も考えておりますが、先ほど、今はちょっと先に置いてという話ですが、改めてもう一度お答えをいただきたいと思います。

小里副大臣 大臣からお答え申し上げましたように、まずは、事故を再び起こさないように、しっかりと規制を行い、原子力防災を図っていくことが肝要であると思います。

 また、今後、万一事故が起きた場合の対応につきましては、災害対策基本法に基づく防災基本計画に、環境省を初めとした関係機関が必要な措置を講じるべく位置づけられているところでございます。

 今後とも、東日本大震災の経験を踏まえて適切に対応してまいります。

福田(昭)委員 ぜひ、早急な検討をお願いしたいと思います。

 二つ目でありますが、二つ目は、使用済み核燃料と高濃度に汚染された核廃棄物の最終処分場はどうするのか、お答えをいただきたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 使用済み核燃料につきましては、我が国の方針といたしましては、再処理をいたしまして再利用することとなっておりますけれども、その結果出てまいります高レベル放射性廃棄物につきましては、現に廃棄物が存在している以上、将来世代に先送りせず、現世代の責任として解決すべき重要な課題と認識してございます。

 ただ、二〇〇〇年に最終処分法が施行されて以来現在まで、処分地の選定の最初のプロセスであります文献調査にも着手できない状況にございます。こうした状況を反省いたしまして、一昨年から最終処分政策の抜本的な見直しにつきまして検討を行いまして、今般、最終処分法に基づく基本方針を七年ぶりに改定いたしたところでございます。

 新たな基本方針では、これまでのいわゆる自治体から手を挙げていただく方式から転換をいたしまして、国が前面に立ちまして科学的有望地を提示するなどの方針を定めたところでございます。

 今後は、まずこの新しい方針に基づきまして国民あるいは地域の理解を得ていくことが重要だと考えておりまして、国として、全国各地を訪問する、あるいは地域の方々や自治体に対する理解活動を積極的に展開する予定でございます。

 シンポジウムあるいは説明会の開催等を通じまして、地層処分の必要性、あるいは今後の進め方につきまして、国民あるいは地域の方々の御理解を得てまいりたいと考えてございます。

福田(昭)委員 それはあくまでも最終処分場の場所を確保するための方法論ですよね、基本的に。

 最近、先ほども指摘がありましたけれども、台風、竜巻、大雪、地震、火山爆発など自然災害が頻発をしております。日本学術会議によれば、もともと日本列島は太平洋プレートなど四つのプレートの上に乗っておって、火山列島、地震列島です。したがって、核廃棄物などの影響がなくなる何万年も先まで安定している地層は我が国にはどこにもないそうであります。したがって、地層処分をする適地がないそうでありますから、これ以上、やはり、使用済み核燃料などをふやすということはやめるべきじゃないかなというふうに思います。

 そういう意味では、今回、エネルギーミックスの計画の中では原発にかなり、二割から頼るというような話でありますが、これは一日も早くやめる方向を打ち出して、使用済み核燃料などをこれ以上ふやさない、そういう方策が必要だと思いますが、いかがですか。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 高レベル廃棄物の地層処分につきましては、長年の研究の成果も含めまして、我が国におきましても、それに適当な地層があるというこれまでの研究の成果がございます。

 現在、私どもの専門家のワーキングチームにおきまして、地層処分にすることに、地球科学的観点、社会科学的な観点から適性のある地域についての基準、要件について検討をいただいているところでございます。

 もとより、核燃料の最終処分につきましては国民の理解を得ながら進めていくということが大変重要だと思っておりますので、既に使用済み燃料が発生している現状におきまして、私どもとしても、この取り組みについては、これまで以上に丁寧に取り組みを進めてまいりたいと考えてございます。

福田(昭)委員 政府が依頼をしている専門家の意見が正しいのか、それとも日本学術会議からの提言が正しいのか。学術会議は、御承知だと思いますけれども、今のところ適正に処理する方法がないんだから、技術開発ができるまでの間、原発の敷地に保管をしておくほかないんじゃないか、そのような提言をしていると思いますが、ぜひ、そういった意味では、どちらが正しいのか、なかなか難しい判断でありますが、学術会議の提言というのもしっかり踏まえた対応が必要なんじゃないかなと私は思っております。

 次に、放射性廃棄物の真の解決策について、再び政府と議論をしたいと思います。

 私も、大臣初め副大臣あるいは環境省を非難するつもりはないんです。これを本当に真剣に解決するのにはどうしたらいいかということを本当に腹を割って議論しないと、本音で議論しないと、実は解決しないから私は申し上げているのであって、ぜひ、先ほど我が党の馬淵委員からもありましたけれども、特に、大臣初め副大臣、政務官、政治家の皆さんが決断しなければこの問題は解決しませんよ。そのことを申し上げて、これから質問に入りたいと思います。

 まず一つ目は、放射性指定廃棄物の六県の現状と打開策についてであります。

 今回、環境省がアンケートをとりました。私も必要な部分だけコピーをとらせていただいて読ませていただいておりますけれども、ぜひ、それぞれの県ごとに現状と打開策をお答えいただきたいと思います。

 まず、宮城県であります。宮城県についての現状と、そしてどうやって打開策を見つけていくのか、大臣からお答えをいただきたいと思います。

小里副大臣 個別には、特に私が担務しておりますので、お答えしたいと思います。

 宮城県につきましては、御案内のとおり、一市二町を詳細調査の候補地として選定いたしまして、今作業を進めつつあります。

 ただ、残念ながら、詳細調査には入っておりますが、現地調査には入れていない現状にありまして、まずはしっかりと、それぞれの地域の皆様を初め説明を尽くして、理解をいただけるように努力をしてまいりたいと思います。

福田(昭)委員 何か副大臣、変な言葉遣いをしましたけれども、詳細調査には入ったけれども現地調査には入れていない、こういう話であります。

 しかし、宮城県の三市町の話を聞くと、加美町が詳細調査を受け入れない、こう言っているんですよ。そうしたらば、三市町一体じゃないと栗原も大和も受け入れないと言っているんですね。しかも、このアンケートでは、栗原も加美も大和町も、反対だと言っていますよ。国がちゃんとどこか一カ所に集約して、特に加美町の町長などは、福島へ集約しろ、こういうことまで書いていますね。

 ですから、残念ながら、まだ詳細調査に入れていないというのが本当なんじゃないですか。

小里副大臣 正確には、詳細調査は、文献調査に対してまた現地調査がございます。文献調査はそれぞれ進めたところでありまして、現地調査はまだこれからということです。

福田(昭)委員 そういう区分けをしているんですね。

 では、文献調査には入ったということでありますが、現地はどこも受け入れる考えは全くないというのが今の宮城県の現状だということであります。それは確認しておきたいと思います。

 そうした中で、宮城県の考え方が少し変わってきました。宮城県の村井知事は、当初は、環境省だけに任せずに俺が決めるんだと言って頑張ってやってまいりました。それで、三カ所、候補地を選定したんですね。宮城県の場合は、津波が来た市町村は除くということでやりましたから、当然山側になったわけですね。そうすると、その山側になった栗原市と加美町については、宮城県沖地震で地すべりを起こした地域を候補地に選んだ、そして大和町は、自衛隊の演習基地の緩衝地帯を選んだということで、いずれも適地ではないわけです。ですから、三市町とも反対をしているわけであります。

 しかも、さらに、候補地になっただけで、もう風評被害が発生してしまって、宮城県の米どころの、まさに大崎平野のお米が、もう買わないぞと大阪の問屋からは今から脅されている。そういうことで、絶対反対運動が起きているわけであります。

 そうした中で、宮城県の最大会派の自民党の県議会の皆さんが、やはりこれは福島集約論でまとめるべきだ、そういう考え方をしてまいりました。そうした中で、今、村井知事まで考え方が変わってきた。

 つい先日、これは日本農業新聞に出ておりましたけれども、この三市町の、反対をする宮城県民連絡会が三万人以上の署名を集めて知事のところへ行ったら、知事は何と言ったかというと、県外処分を求める方向で、気持ちは皆さんと一緒だ、その要望は国にしっかり伝えたい、こういうふうに実は宮城県の知事が答えるようになっちゃったんですね。ですから、要するに、宮城県でもにっちもさっちもいかなくなっちゃっているということなんです。

 こうしたことについて、皆さんはどう考えておりますか。

小里副大臣 県外処分を行うべきという要望は、知事からはいただいておりません。したがって、従来の方針に沿って一カ所に集約するべく、知事においても努力をいただき、また協力をいただいていると認識をしております。

福田(昭)委員 いや、これは五月二十六日の話ですから、つい先日の話です。

 それで、宮城県からのアンケートを読んでみると、ここに、宮城県の知事も、今までの考えにはないような、基本方針の見直しの可能性についても検討すべきではないかというのが先に書いてありますよ。見直しの可能性について検討すべきではないかとこのアンケートに書いてありますが、そのことについてはどう受けとめていますか。

小里副大臣 基本方針を見直すべきとの御意見も、知事からはいただいておりません。従来の方針に沿ってしっかりやっていきます。

福田(昭)委員 副大臣、アンケートを読んでいないんですか。アンケートを読みましたか。

小里副大臣 詳細は見ておりません。

福田(昭)委員 とんでもないですよ。何のためにこのアンケートをとったんですか。

 では、誰か事務局で、ちゃんと答えてください。

鎌形政府参考人 特措法の附則に基づく施行状況の点検に伴う検討会の検討に資するために各自治体にアンケートをとったものでございますが、宮城県からでは、例えば、「指定廃棄物は県内各地に分散して保管され、ひっ迫している状況が続いており、地域の大きな負担となっているため、国の体制を強化し、国の責任で処理を加速化させるべき。」などの意見をいただいているところでございます。

福田(昭)委員 途中。省略しちゃだめじゃないですか。では、私が読みますか、本当に。

鎌形政府参考人 失礼いたしました。

 「加速化させる方法の一つとして、宮城県以外の指定廃棄物を含めて、他県に集約して処理を行うことが可能となるよう基本方針の見直しの可能性についても検討するべき。」ということでございますが、「基本方針の見直しを行わないのであれば、現行の基本方針に従って一日も早く処理を進めるべき。」、このような御意見をいただいてございます。

福田(昭)委員 それが正解ですよね。

 ですから、見直しの可能性も検討するべきだと。それが、見直した結果、だめなときには現行の基本方針に従って一日も早く処理を進めるべきということで、宮城県の知事は今まで自分が言っていたことを、ここでやっと言っているんでしょう。今までだったらこんな、見直しも検討するべきなんて宮城県の知事は言いませんよ、今までだったら。だって、環境省だけに任せないで俺が決めると言っていた人ですからね。そのことに対して宮城県民から多くの批判を受けて、宮城県の知事は態度を少しずつ変えてきているんですよ。だからこういう文章になっているということを、やはりしっかり踏まえる必要があると思います。

 それでは次、栃木県に行きますが、栃木県の現状と打開策をどう考えていらっしゃるのか、お話をいただきたいと思います。

小里副大臣 栃木県につきましても、市町村長会議を踏まえまして、塩谷町を詳細調査の候補地として選定いたしました。その後、詳細調査を進めるべく努力をしているところでございますが、地域の方々の懸念の声を背景にしながら、今、丁寧に説明を尽くすべく努力をしているところであります。

福田(昭)委員 塩谷町の皆さんは、もう白紙撤回を求めておりまして、詳細調査の現地調査は絶対受け入れないということで反対をしておりまして、今度のアンケートの中でも、帰還困難区域を国の直轄地にして放射能処分特区としてぜひ福島に集約しろ、こういうことを言っております。

 さらに、栃木県でも、栃木県の知事の態度が変わってまいりました。今までは、環境省の言うとおり、栃木県に一カ所つくるんだと言っておりました知事でありますけれども、しかし、知事が少し変わってきて、先日の記者会見では、福島集約論について国会で議論すべきだ、各県処理がだめだというのであればどうすべきか、国会の場で大いに議論して、やりとりについて県民がわかるように、対応をぜひ国にお願いしたい、こういうふうに記者会見で、栃木県の知事も変わってきましたよ。これはどう思いますか、どう評価しますか。

小里副大臣 今まで申し上げてきたことでございますが、仮に福島県へ他県の分を集約しようということになりますと、福島では、量的にも濃度的にも大変深刻な廃棄物処理に追われておりまして、多大な御負担をおかけしております。また一方では、浪江町の実証栽培を初め、それぞれの復興にかけた懸命の努力が行われているところでございまして、そこにこれを持ち込むということは到底不可能であると考えているところでございます。

福田(昭)委員 申しわけないけれども、副大臣は全く現状を認識していないんじゃないですか。先日の私の環境委員会での質問を聞いておりましたか。

 栃木県を初め五県の指定廃棄物の量は、福島県の中間貯蔵施設で貯蔵すると予定されている最大二千二百万立米の〇・一%にしかならないんですよ、量的には。これは全く量的には本当に微々たるものなんですよ、五県のものは。実は、指定廃棄物も福島県のものが八割です。福島県のものが十三万トンぐらいあって、全体の六県、福島県も含めると六県分の指定廃棄物のうち、福島県の分が占める割合は八三%です。五県のものはほんのごくわずかです。ですから、福島の人たちに負担をかけるような量では全くありません。

 ですから、副大臣、それは認識が全く違いますよ。その量的なものはどうですか。

小里副大臣 福島の量が莫大なものでありますだけに、どうも我々はえてして感覚を失いがちであろうと思いますが、宮城県、栃木県等にしましても、それぞれ二千万トンとか三千万トンとか、大量の量でございまして……(発言する者あり)失礼しました。二千トンとか三千トンとか。失礼しました。二千トン、三千トンの大変な量でございます。

 したがって、五県ともそれぞれ難航しておるところでございますが、その量の多寡にかかわらず、福島の方々にはこれ以上の負担を強いることは到底できないと考えております。

福田(昭)委員 量の認識も全くなくして、そういう言い方はないですよ、副大臣。申しわけないけれども、これは副大臣失格ですよ。全く真剣に考えていない証拠だ。

 では、副大臣の地元へ持っていきますか、どうですか。

小里副大臣 私は、就任当初、御指摘のようなことを考えたことがございました。仮に、私の地元の私の先祖伝来の山にこれを持ち込めばどうだろうかなということを考えたこともございました。現実に、物理的にそれができるかどうかは別として、まずは、やはり地域の皆様にしっかり説明して理解をいただく努力が必要であろうな、そんなことも考えたところでございました。

 また、先ほどは、二千トン、三千トンというのは単なる言い間違えでございますので、いかにも、それぞれの五県にとって大量な量の処理するべき放射性物質汚染廃棄物があるという思いで申し上げたわけでございます。

福田(昭)委員 まあ、じゃ、言い間違いは言い間違いとして認めるとして。

 これは、ほかの県はわかりませんが、栃木県には、地元の新聞に、こうして指定廃棄物の処理について環境省がPRしております。これは事務方でいいけれども、大体何回PRしたんですか、一面広告を。

鎌形政府参考人 昨年候補地を指名した前後くらいだと思いますけれども、地元の新聞あるいは全国紙に対しての広報をやったことは事実でございまして、正確な回数は今ちょっと数字を持ち合わせておりませんが、五回、六回とか、そういう回数は出しているというふうに思います。

福田(昭)委員 新聞の一面広告、これは一面幾らかかると思っているんですか。

鎌形政府参考人 具体的な金額は覚えておりませんけれども、一面広告を出すのは栃木県でいいますと下野新聞という地元紙ということでございまして、全国紙に出すのに比べればそれほど大きな額はかかっていないかと思っております。

福田(昭)委員 いや、これは、少なくとも一枚三百万かかりますよ。五回出したとすると、五掛ける三百万ということですよ、基本的に。

 こうしたPRをして、五月の十四日に県民説明会をやりましたけれども、県民説明会の内容はどうでしたか。反対意見ばかりだったんじゃないですか。

鎌形政府参考人 五月の十四日に、宇都宮で県民全体向けの説明会を開催いたしました。二百名程度の御出席をいただけたかと思います。私どもの方から、施設の必要性なり安全性なりをよく御説明させていただきまして、さまざまな疑問についての御質問、御意見があったということでございまして、それに対して丁寧に説明をさせていただきました。

 もちろん、長期管理施設の設置に関して御疑問を呈する意見があったことも事実ではございますが、丁寧に説明させていただいたところです。

福田(昭)委員 まあ、丁寧に説明したということでありますが、しかし、五月十四日は、肝心の塩谷町は反対同盟の皆さんは出てこないで別な場所で、政府がやった説明会は新聞報道によると百七十九人、塩谷町は別な場所で何と千百人集めてシンポジウムを開いたんですよ。これで効果があったんですかね、どうですか。

鎌形政府参考人 私どもが説明会を開催したと同じ日に、塩谷町におきましての集会があったということは承知してございます。

 いずれにいたしましても、私どもとしては、住民の方々あるいは県民全体の方々に丁寧に説明するということが大切だと思っております。

 同じ日に行われたことによりまして塩谷町の方の御出席が仮に少なくなったとすれば、それは残念なことでございますが、いずれにいたしましても、私どもとして、施設の安全性なり必要性をしっかりと説明してまいりたい、その一環としての説明会だったということでございます。

福田(昭)委員 それでは次に、茨城県に入りますけれども、茨城県は、新聞報道によると、市町村ごとに一時保管しているのを認めたという報道がありますけれども、これは、認めたとしたらどうして認めたんですか。これは副大臣ですか。

小里副大臣 市町村長会議において、候補地として検討すべき対象として挙がっておられる市町村でまず検討していこうということになったわけでありますが、これは分散保管を認めたというわけではありませんで、それも一つの選択肢として検討していかれることになろうと思っているところでございます。

福田(昭)委員 それでは、各県処理を諦めたわけじゃないんですね。各県で一カ所に処理するという方針を諦めたわけじゃないんですね。

小里副大臣 各県ごとにまず処理する、一カ所に集約するということは基本的な方針でございます。

 ただ一方で、選定の経緯として、市町村長会議において、その意向を重視しながら進めてきておりますので、そういった分散保管についての選択を排除するものではないということであります。

福田(昭)委員 それでは、時間がなくなりますので、先に行きたいと思います。

 茨城県のアンケートを読んでみますと、大変なえんきょく的な表現を使っておりますけれども、県は、指定廃棄物を国が引き取れ、こういうふうに言っているように私は受け取れます。

 次に、群馬県でありますが、群馬県は、町村会は県内に一カ所設置することに反対決議をしておりまして、県独自の選定方針すら決まっていないような状況になっております。

 群馬県について、何か打開策を考えているものはあるんですか。

小里副大臣 これからのことでございますが、二回の市町村長会議を群馬県においては開催いたしておりまして、こういったことを通じて、さまざまな御意見をいただいております。

 引き続き、県や市町村との丁寧な意見交換を行っておりますし、さらに重ねてまいりたいと思います。

福田(昭)委員 それでは、福島県であります。

 福島県は、富岡町にある民間の産廃の管理型の最終処分場に処分することに反対されておりますが、どうして反対されているか、わかっておりますか。

鎌形政府参考人 福島県の指定廃棄物でございますが、十万ベクレル以下のものについては既存の産業廃棄物処分場を活用して処理を進めていく、こういう方針を御地元にもお願いしているというところでございます。

 これまで、国の考え方を御説明した上で、関係の町は富岡町、楢葉町になりますので、それぞれでの議会の全員協議会、そして住民説明会を積み重ねてまいりました。そこでもさまざまな意見が出てまいりました。

 既存の管理型処分場を活用することについての御疑問に関しましては、例えば、高線量地区に新たに施設を設置すべきではないか、こういう意見もあったところでございますが、私どもとしては、高線量地区に置くことの困難さについて御説明しているところでございます。

福田(昭)委員 今、一つ答えがありましたけれども、反対している理由は二つだと思いますよ。

 一つは、今回の管理型の最終処分場がある場所は、帰還困難区域じゃないんですよね。ですから、居住制限区域だから、いずれ帰れる地域だ。いずれ帰れる地域に設置するということはとんでもないというのが一つだと思いますし、もう一つは、やはり、栃木県初め五県に設置する計画の最終処分場と構造が大幅に違うではないか、なぜ福島県だけ差別するんだ、こういう反対だと思いますよ。

 そうした中で、今局長からは、高レベルのあれでできないと言っているけれども、中間貯蔵施設はみんな帰還困難区域じゃないですか、同じじゃないですか。どうなんですか。

鎌形政府参考人 富岡町にございます既存の処分場を活用するということの案に対しての御意見として、町内、町の中での高線量地区につくったらいいのではないかという御意見は確かにございました。

 これにつきましては、例えば、新たにつくることについての時間的な、長期にかかるという問題、それから、物理的に、富岡町の帰還困難区域、施設を設置するにはなかなか面積の部分でも難があるというようなこと、あるいは、大熊町に隣接した地域ということでございますので、そういった隣接の町に対する配慮、こういった問題からなかなか難しいということを申し上げてきているところでございます。

福田(昭)委員 局長、今局長が言ったことは全部否定できます。

 私が聞いている話では、富岡町内の帰還困難区域で民間の土地があって、もし、それこそ国がここに指定廃棄物の最終処分場をつくってもいいということになれば、協力してもいいという地権者がいるそうです。用地の面積は十分あります。ですから、そうしたことを承知していないんじゃないですか。今も、時間的にどうのこうのと言いましたけれども、五県ともどこも全く進まない状態の中で、それこそ急がば回れという言葉がありますけれども、これは、急がば回る、回らなくちゃならないやり方が必要なんですよ。

 ですから、本当に理解が得られる地域を選ぶということが大事であって、富岡町にはそういう場所があるというんですよ、聞いていないですか。

鎌形政府参考人 富岡町の中で、帰還困難区域で、具体的に地権者として、私どもの方に、使ってくれというようなお話はございません。

 ただ、私どもといたしましては、施設をつくる上で必要な面積、平たんな土地とか、幾つか条件がございます。農地などにもなかなかつくりにくいということでございますので、そういったことを踏まえますと、なかなか面積が足りないのではないか、こういうことでございまして、それも、議会に対しても御説明させていただいているところでございます。

福田(昭)委員 そうすると、町から環境省にそういう情報は入っていないということですね。もし、これを私が地元の人と話をまとめて持ってきたら、どうしますか。

鎌形政府参考人 具体的にどこの地権者の方かという情報は特にいただいてございませんけれども、いずれにいたしましても、私どもといたしましては、既存の処分場を活用して処理を進めていくということが効率的で早く進むということで考えていまして、できる限り地元の御理解を得るべく議会や住民の方々によく説明してまいりたい、このように考えてございます。

福田(昭)委員 それでは、局長、また違った角度から聞きますけれども、株式会社エコテックセンターの大株主は誰ですか。

鎌形政府参考人 今、手元に資料がございませんので、把握してございません。役所の方では把握しているつもりでございます。

福田(昭)委員 それでは、局長、ぜひこの株主もしっかりはっきり把握をしてください。それで、私のところへ説明に来てください。それで、もし富岡町で、福島県の分も含めてほかの五県の分も全部引き受けてくれるという場所があったら、考え方を見直すかどうか。

鎌形政府参考人 他県の分も含めて福島に集約するということに関しましては、これまでも国会におきまして総理あるいは環境大臣から再三お答えいたしておりますように、各県処理という考えは見直さずに進めていくという考えでございます。

福田(昭)委員 だって、特措法に書いてあるじゃないですか、特措法の附則に。施行状況を見てその状況を検証して、特措法も見直すと書いあるじゃないですか。それなのに、見直さないということはあり得ないじゃないですか。今、そのための検討会も開いているんでしょう。何のために検討会を開いているんだかわからないじゃないですか。

 では、時間も来ますので、その次の質問に入ります。

 そうしたことで、実は、福島県も含めてどこも決まりそうもない状態なんですが、今後どうして解決をしていこうとしているのか、大臣、お答えを願いたいと思います。

望月国務大臣 これは、どこの地区においても、大変苦難の道筋であると我々は思っております。これはまさに、丁寧に説明をして、御理解を得て、そしてこれを進めていく、そういうことに尽きるのではないかな、このように思います。

福田(昭)委員 だから、その答えでは解決しないと言っているのに、全く大臣は理解していないようですね。

 今後、では、全部、この放射性物質汚染対処特措法施行状況検討会に任せるのか、検討会に任せるとすると、スケジュールが大変タイトです。七月中に、例えばですけれども、宮城、栃木、千葉の全候補地を視察して、地元の首長や住民の方々と意見交換をする、少なくともそういう機会をつくるべきだと思いますが、いかがですか、大臣。大臣です。

北川委員長 では、先に事務方が答えて、大臣に。

鎌形政府参考人 特別措置法の点検の検討会でございますけれども、先ほどから話題になってございますアンケート調査、これを地方自治体に対して送りまして御回答いただいたということでございますので、地方自治体の意見については、そのアンケートの調査をまとめることにより、検討会に報告して検討いただきたいというふうに考えているところでございます。

望月国務大臣 検討会というのは、特措法の施行状況というのをしっかりとやっていくというような形でございまして、実際に、指定廃の現地調査とか、そういうものは我々の方でさまざま、地域の皆さんが決めていただいたことについて、要するに、知事初め市町村長会議、そういった皆さんの決めていただいた選定方法によって決めたことに沿って我々は進めていきたい、このように思っております。

福田(昭)委員 これは多分、副大臣も読んでいないし、大臣もアンケートを読んでいないんだと思います。指定廃棄物のことについて、ほとんどの自治体が触れていませんよ。こんなことで何がわかるんですか。

 いいですか。ですから、しっかり、やはり足を地につけた議論をしないと解決策は見つかりませんよ。

 大臣、そろそろ時間がなくなってきたので大臣の答弁を求めたいと思いますが、先ほど私が申し上げましたが、もし富岡町で、福島県の指定廃棄物も含めて六県分引き受けるという地権者、土地があったらどうしますか。

望月国務大臣 ちょっと我々もそういう情報を得ておりませんけれども、あくまでも仮定の話でここで答弁するということは、なかなか答えができないところでございます。

 ただ、我々は現在、福島においてはさまざまなことを、苦難の道を通って中間貯蔵施設をつくっていただきました。内堀知事からは、指定廃棄物については政府で決めていただいたとおりにやっていただきたいと。今そういうことで進んでおりますので、これがもしも、先ほど先生の方から、量が多い、少ない、さまざまございました、これくらいの量ならどうだろうと。ただ、そういうことではなくて、そういうことによって信頼関係が一瞬にして潰れてしまった場合には、全てがだめになってしまうというような状況も生まれてくるところがございます。

 ですから、まさにこれを決めるときには、細野大臣が民主党政権のときにこの形を決めていただきましたので、そのときも大変苦しい思いをして決めたと思います。我々はそういったものを、その積み重ねの上に今この苦難の道を歩んでいるところでございまして、ぜひひとつその点を御理解をお願いしたいな、このように思います。

福田(昭)委員 特措法どおり各県処理をやれと言っているのは、これはアンケートの中で福島県知事だけですよ。ほかの首長は誰もそんなこと書いてありませんよ。

 ですから、それはやはり冷静な議論が必要であって、今後、このことについては、今度決算行政監視委員会の中でまた引き続き質問をさせていただきます。きょう、予定した質問は本当に三分の一ぐらいしかできませんでしたので、この次、決算の中でまた引き続き質問をさせていただきます。

 ぜひこれは、本当に真剣に解決するのには皆さん方しかないんですよ。事務方には、申しわけないけれども解決はできません。だって、総理大臣だって、質問をされたときにどう答えていいかわからなくて、後ろの秘書が出した環境省がつくった文書を読んだだけですよ、各県処理をやります、変えませんと答えたのは。いいですか。私はちゃんとそれを見ていた。

 ですから、全くこれは、現状をしっかり踏まえた上で、どうすることが解決策につながるんだということをやはり政治家が真剣に判断しなきゃだめですよ。そのことを申し上げて、きょうの質問を終わります。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、松田直久君。

松田委員 維新の党の松田でございます。

 二十分という限られた時間でございますので、ひとつどうぞよろしくお願いをいたします。

 東日本の大震災では、甚大な被害とともに膨大な災害廃棄物が発生をいたしました。また、今後起こり得る南海トラフ巨大地震と都市直下型地震など、本法案では、起こってほしくはありませんけれども、しかししっかりと想定をしなければいけない災害の対策について、その災害によって発生してしまった廃棄物の処理がいかに円滑に、そして迅速に行われるかを示すこととなる今回の廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法は、環境政策としては新たなリスクの観点の視点を持った重要な改正案だというふうに認識をしておるところでございます。

 東日本の震災でいろいろな教訓を得られたと思います。先ほどもいろいろな御質問が出ましたけれども、いろいろな形でこの教訓を今回のこの法案にどういうふうに生かされているのか、まずお聞きをしたいと思います。

 そして、都道府県と各市町村が連携してやっていくということですけれども、都道府県の中には最終処分の逼迫等々の課題を抱えているところもあり、現状の都道府県が作成をする廃棄物処理計画は本当にうまく、こういう言い方はちょっとおかしいかわかりませんけれども、うまく適用、運用されているのか。

 さらに、今回の改正においては、これからの新たな非常災害時の備えを追加しているわけですから、廃棄物処理計画作成の中で、都道府県の課題を踏まえて、本当に実現が可能な災害廃棄物の処理計画が盛り込まれる計画であるのかどうかということをあわせて御質問させていただきたいと思います。よろしくお願いします。

望月国務大臣 ただいま、東日本大震災の教訓をどのように生かしているか、そういう御指摘がございました。

 このことにつきましてですが、具体的には二つほど重要な問題がございます。

 まず第一は、これは、円滑、迅速な処理を実現するために、やはり事前の備えが不十分だったかなと。これだけ大きな災害が起きて、これだけの量が出るというようなことは考えられなかったというような、やはりそういった意味では非常におくれをとったということがございます。

 こういった中で、国のリーダーシップ、あるいはまた、国、地方自治体、民間事業者等の関係者が連携するように役割分担をやはり明確化していかなくてはいけない。そういったものが、それぞれ町で今までやったからそれでいいじゃないか、あるいはまた県がどうだ、国がどうだということでございましたが、そこの連携を、こういう場合にはどうだというものを、地震の大きさとかさまざまな量によって判断をできるようなものを事前につくっていかなくてはならない。

 それから、適正処理の確保に向けた指針あるいはまた仕組みが不十分であって、大規模災害の発生後、適正に処理と再生利用を確保する、基本方針でこれを明確化していかなきゃいけないということで、切れ目のない災害対策を実施するための仕組みを整備する必要、これが教訓としては大切だということが今回わかったわけでございます。

鎌形政府参考人 都道府県の廃棄物処理計画についてのお尋ねがございました。

 御指摘の現行の都道府県廃棄物処理計画におきましては、廃棄物の発生量や処理量の見込み、また、廃棄物の減量その他適正な処理に関する基本的事項、一般廃棄物の適正な処理を確保するために必要な体制に関する事項、産業廃棄物の処理施設の整備に関する事項、これを定めるということが決められてございまして、各都道府県において、それぞれ地域における実情を踏まえて廃棄物対策に関する方針が定めてございまして、これらに基づき必要な対応がとられて、本計画が適切に機能しているのではないかと考えているところでございます。

 ただ、災害対応につきましては廃棄物処理計画の規定事項ではございませんでした。そこで、都道府県により任意で同計画に規定しているというものにとどまってございますが、この法案によりまして、必須の規定事項ということで規定させていただいているところでございます。

 かつ、御質問の中で、それはまた現実に実現できるようなそういった計画になるのかというお尋ねがございましたが、各都道府県を含めて、地域ごとにブロック協議会で市町村あるいは関係事業者と平時から災害対応について協議をするというようなことを進める中で、実際のニーズに即したそういった災害時の計画というものができ上がってくる、そのようにしてまいりたいという考えでございます。

松田委員 今大臣からもお答えをいただきましたように、しっかりと、国がどういうことをするかということを、県、市町村にやはり方向性を決めてあげるということが非常に大事だ。

 今ほど答弁にもありましたように、各都道府県、事情はそれぞれ違います。県によって、まあまあ受ける能力のあるところと、もう逼迫していて、今であっぷあっぷしているところもたくさんあるわけで、その辺のところをやはりしっかりと認識を持っていただかな、この計画は前へ進まへんのとちゃうかなというような気がするんですね。

 そこで、次に、実際に災害廃棄物が発生した場合、この災害廃棄物を収集、保管、処理するという一連の流れにおいては、これは市町村の役割としては大変重要なんですね。

 本改正法案でも、市町村の責務となる第六条、一般廃棄物処理計画についても、都道府県と同様、含める非常災害により生ずる廃棄物を想定して計画を策定することを求めるのですが、市町村に対して、国は、非常災害により生ずる廃棄物が、どんな廃棄物が発生し、どれほどの量が廃棄物として発生し、どのような処理をしていくなど、地震による災害、そして水害による災害を想定するための基準などはつくってあるのか、まず伺いたいと思います。

 また、市町村が策定をする、災害廃棄物を加えた一般廃棄物処理計画の策定について、国または都道府県の支援するべき内容と支援をする体制についてはどのようになっているのかということをお聞きしたいと思います。

 今、ブロック会議なんというものが出ましたけれども、そういう意味で一遍御答弁をいただきたいと思います。

福山大臣政務官 災害としては、地震のほか、竜巻、豪雨、豪雪など、さまざまな種類のものを想定しております。

 他方、発生する災害廃棄物の種類としては、木くずなどの可燃性廃棄物、腐敗性廃棄物、有害物質を含んだ廃棄物、コンクリート瓦れきなどの典型的なものに大別できると考えております。

 これらが災害の種類や被災地域の状況に応じて割合を変えたり複雑に混在することとなりますが、種類ごとの処理方法はどのような災害であっても基本的には同様となるため、国としては廃棄物の種類に応じた処理方法の選択肢をあらかじめ具体的に示すこととしております。

 国は、平時においてはこれら共通事項についての指針を示すほか、災害が発生したときには、その被災市町村にとって最適な災害廃棄物の処理の方法と処理フロー、処理スケジュールを決定することができるよう、職員、専門家などを派遣し、市町村が円滑、迅速に処理することができるよう支援してまいる考えでございます。

松田委員 何にしても、しっかりと今、市町村の支援をしていくというお話をいただいたわけなんですね。先ほども答弁にありましたように、地域ブロック会議などを設置してというようなお話もいただきました。

 この地域ブロック会議というものが、今答弁の中にいただきましたけれども、具体的にどんなことをしているのか、どういうふうな会議をしているのか、お聞きをしたいと思います。

鎌形政府参考人 地域ブロック協議会ないし連絡会という形で、環境省の地方環境事務所の単位で、都道府県、市町村、あるいは廃棄物処理に携わる事業者、その他の関係事業者にお声がけをいたしまして、国、自治体、民間事業者が一緒になって災害廃棄物について情報交換をし、対応について議論するという場として設定しているというところでございます。

 具体的には、まず立ち上げをしてきたというところでございまして、ようやく今動き出したというところでございますが、例えば、今回の法案の動きなどを御説明したり、あるいは、災害対策についての私どもの指針をつくってございますけれども、そういったものを共有して、今後どういうふうに対応していくかについて今議論を積み重ねてきているというところでございます。

 法案成立後は、こうしたところが関係者の連携のかなめになってくるというふうに考えているところでございます。

松田委員 まず立ち上げたところだということで、何か先制を打たれたような応答なんですけれども。

 地方環境事務所というのが各エリアに、大臣、あるんですよね。それで、公園の管理とかいろいろなことをしているんですけれども、果たしてこれがどう機能しているのかな、また、これに対して、地方ブロックとしてどういったリーダーシップがとれるのかなということを、ちょっと僕はいろいろな方に聞いてみたり、いろいろなことをしたんですけれども、今の答弁にあるように、まだ歴史が浅いということもあって、なかなかまだ県やら市町村に物を言えるといいましょうか、指針を示すというところまで実はいっていないんですね。

 だけれども、私も以前、ごみの問題といいましょうか、こういう廃棄物の問題で本当に苦労したんですけれども、やはりこれは並大抵の話じゃないです。地域があって、それぞれ住んでいる方があって、いろいろな問題でこの問題というのは非常に難しい問題。ですから、どうしようも詰まってしまったときには、僕は、誰かがどこかで仲介に立ったりリードしたり、または情報を流したり、そういうものが必要だと思うんですね。

 ですから、まさしく地方環境事務所、維新の党は、国の出先はいいか悪いかとか、いろいろな形で言われていますけれども、僕は、残すものは残して、しっかりと育てるものは育てていかなあかんというふうに実は思っているんです。ですから、僕は、何とか地方環境事務所をしっかりとした組織として、情報発信ができる、リードできるような組織にしていただきたいと思うんですけれども、もし御所見があったらおっしゃっていただければと思います。

望月国務大臣 先生がおっしゃったことは非常に大事なことでございまして、廃棄物というのは、一廃だとかあるいはまた産廃とか、いろいろなことがございますけれども、少なくとも、これは一廃というような形になっていくと思いますけれども、地震が起きたりいろいろな災害が起きた場合には、これはもう完全に広域になりますので、こういったところにまとめ役がやはりどうしても必要になります。

 今、地方ブロックというのは八つ全国にございますが、東日本大震災においても広島のあの豪雨のときも、地方環境事務所が対策本部というのをつくって、ここでやってみたんですが、これは非常に好評でございまして、やはりこういったものは必要だなと。それはもう先生御指摘のとおりでございまして、やはりこういったものを我々はこれからしっかりとつくって位置づけをして、そして、先ほども申しましたように、広域だとか、あるいはまた危険物だとか、いろいろなものがございまして、手に負えないものをここを中心にして、それからまた、そういった廃棄物を処理していくのにどこが受けとめてもらえるのかというようなことも含めて、この事務所をしっかりと活用していきたい。

 ことしも若干人をふやしましたけれども、来年度につきましても予算をいただいて、しっかりと機能するようにしていきたい、このように思っています。

松田委員 人的なことをお聞きしようと思ったんですけれども、大臣からしっかりとお答えをいただきましたので。ぜひ期待しています。県や市もやはり何か期待していますので、ぜひ前向きに頑張っていただきたいというふうに思っています。

 それと、今、地方に対する支援というお話をいただきました。

 ここに、一般廃棄物等々の予算で、焼却炉なんかが主なんですけれども、大体毎年一千二百億円以上ぐらいの要望が地方から、これだけ逼迫しているし、ハードの面でも弱っているし、傷んでいるから頼みますというような要望を出させていただいているんですけれども、もし間違っていたらあれですけれども、本年度、二百八十億円の補正を含めて七百六十億円、六割ぐらいなんですよね。また、これは補正対応で何とか六割になっているということなんです。

 これはやはり、今までの一廃から、災害がまたふえるということであれば、こんなに逼迫している状況で、本当に基本的、基礎的なものの整備をきちっと整えなくてはいけないというふうに思うんですけれども、その辺の予算措置、これでいいのか、いやいや、もう一歩踏み込むかというような、少し御答弁をお聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

望月国務大臣 ダイオキシン対策で二十年前に、駆け込みといいますか、そういった各処理施設、焼却場と申しますか、そういったものをつくりまして、今ちょうどその更新期でございまして、先生が本当に調べていただいたように、各地区から、二十年たって、今まさに、これは焼却場の場合には、市民生活にとって一日たりともとめることができませんので、大切な事業だということはもうおっしゃるとおりでございます。

 ただ、そういった予算取り、ちょっと今数字があれですけれども、今、補正と、それからまた新年度予算で多分一千億くらいのものを用意して、大体、全国から出てきたものは対応できるような形にしております。ただ、まだまだ、どういう形かちょっと予断はできないんですけれども、そういうつもりでかかっております。

 ただ、こういったものはやはり、財務省あたりと折衝するのにも、こういった形で、災害に対しての強靱化と申しますか、耐震性だとか、あるいはまた余裕を持ってという、そういうことを考えると、新規につくるというような形の中ではこれは大変影響が強い法案でございまして、こういったことによって、各地区の処理施設をしっかりとできるような形を我々もとっていきたい、こんなふうに思っております。

松田委員 大臣から直接お答えをいただきました。

 各市町村は、なるべく早く、こういう問題は先に先に計画を立てていくということもあって、いつも補正対応でということでなくて、もう少し早く市町村に方向性とかいうものを示していただけるようにさらに努力をしていただければ、こう思います。

 続いて、ちょっと時間がないので、はしょって質問させていただきますが、今回の改正法案の実質的な要素となります各主体の災害時における連携及び協力の、特に民間業者の役割についてちょっと御質問させていただきます。

 改正法の第四条の二には、事業者その他の関係者という表現があるんです。事業者その他の関係者とは誰を指すのか。特に、関係者とは、収集運搬業者、処理業者の方を想定しているのかなとは思うんですけれども、さらに、災害廃棄物は一般廃棄物の区分になることを踏まえて、非常災害時における民間事業者の役割とは具体的にどんなものを想定しているのかということを一遍教えていただきたい。

鎌形政府参考人 法案による改正後の廃棄物処理法第四条の二になります連携協力規定におきます事業者でございますけれども、いわゆる民間事業者全般を想定してございます。

 具体的には、平時から廃棄物処理にかかわる民間事業者はもとより、その他、解体業者、運送業者など、廃棄物の収集、運搬、処分に関与し得る事業者、あるいは公衆衛生対策に関与し得る事業者、幅広く想定してございます。例えば、東日本大震災におきましては、通常時の廃棄物関係の業者という意味ではないんですが、セメント業界からも再生処理に大きな御協力をいただきました。こういう広範な民間事業者を想定しているということでございます。

 こういった多様な事業者が、国、地方自治体などの関係者と適切に役割分担し、相互に連携協力することが不可欠というのが、今回の法案の趣旨でございます。

 この民間事業者につきましては、例えば、地元自治体との間で資機材の提供等についての災害協定を締結することでありますとか、災害廃棄物処理の支援を目的として専門家や民間事業者が連携するネットワークに参画して、平時から関係を構築していくことなどなど、あるいは、先ほどから話題になってございますブロックごとの協議会に参画するとか、そういった役割が期待されているところでございます。

松田委員 この法案を見る限り、私が感じるのは、民間が何をしなければいけないというのがなかなか読み取りにくいんですよね。

 これはやはり、今御答弁いただいたように、民間というのは非常に大事な部分を持っていると僕は思いますので、例えば民間の工場なんかだったら、大きな駐車場をストックヤードにするとか、いろいろなことが早目に早目に市町村の計画として、都道府県の計画としてでも、こういう位置づけをきちっとしてあげれば、そういったことが行われるんだろうと僕は思いますし、また、特に災害時なんかは、建設関係の業者さんにどけてもらったり、いろいろな形で従事をしていただくんですけれども、どこまで踏み込んでいいのかということがなかなかこれだけではわからないし、市町村が計画するのにちょっと困ると僕は思うんですよ。

 だから、それはしっかりと、その辺の、民間の業者の役割分担というものをもう少し明確に、県やら市町村、また民間も示していただきたいというふうに思いますけれども、どうでしょうか。

鎌形政府参考人 今回、法律の改正によりまして、例えば、廃棄物処理法の、国が策定します基本方針といったこともございますし、その他、国として災害対策の指針などもつくっておりますけれども、こういったところに、民間事業者の役割ということについても、市町村や都道府県が例えば計画をつくりやすいように、しっかりと基本的な考え方は示してまいりたいというふうに考えてございます。

松田委員 最後に、再委託について少し質問させていただきたいと思います。

 非常災害時について、迅速に処理をするための手段として、現行法では禁止をされています一般廃棄物処理の再委託というのがあるわけです。災害廃棄物の特殊性を考慮して、東日本の災害では、平成二十六年三月三十一日までに特例措置として再委託を認めるという特例を実施してきた。

 災害発生時には、迅速な対応をするためにも適正な廃棄物処理の運用が原則ではありますが、東日本大震災で特例として行われた廃棄物処理の再委託でいろいろな問題があったと思うんですよね、現場は。その辺のところ、どういうふうな問題が起きたのか、また、起きた問題をどう認識して、それをどういうふうに生かして今度の再委託につなげていくのか、その辺のところを少し御答弁いただきたいと思います。

鎌形政府参考人 一般廃棄物の処理の再委託に関してでございますが、平時には、御指摘のとおり、再委託の禁止ということでございますが、東日本大震災に当たりましては、円滑な処理のために再委託の処理を可能といたしました。

 その緩和に当たりましては、例えば、受託者が欠格要件に該当しないことをきっちり確認することとか、あるいは受託を受けた再委託者みずから業務を実施する、つまり再々委託を禁止するでありますとか、あるいは再委託者の相手の名前まで明らかにした上で契約するとか、そういった担保措置を置いてございます。

 そういう意味で、これまでこの特例で問題点が生じたというところは、現在のところ、我々としては把握していないというところでございます。この特例の活用により、迅速な処理が進んだと評価しているというところでございます。

 今後でございますけれども、今後検討いたしまして、災害廃棄物処理に関する再委託に関して、今回、制度改正の一環として、施行令の改正によって、災害時に緩和するということを規定することを検討はいたしているところでございます。

松田委員 今、何の問題も起きていなかったと言われたんですよね、僕がちょっと聞こえなかったんですけれども。ごめんなさい。

鎌形政府参考人 特段の問題事例というのは把握していないということで申し上げたところでございます。

松田委員 そういう御認識であれば、少し申し上げますと、やはり、再委託した場合、その業者が例えば問題があったり、異臭のあるものを運搬したり、いろいろな形で市民の皆さんから、これは何とかここの場所じゃなくて違うところに置いておいてほしいよね、移動してほしいよねといっても、どこへその不満といいましょうか、行政だったら行政へ行けばいいわけですけれども、そういった、見えてこないという部分があって、その辺のところの問題があったというようなことは聞いているんですね。それは御認識いただいているんですかね。

 私はもう時間がないのでまとめますけれども、やはりそういうところで、再委託というのはそういう問題があると思うんです。責任の所在という意味でも、だったら誰が責任をとるんだ、また再委託をして、その下請という形で次に、次にということになってくると、だんだん責任の所在というのが薄れていくと思うんですね。

 だから、やはり市民の人の声が届くような、どこが主体でやっているのか、どこが責任でやっているかということを、この再委託の場合はしっかりとその辺のところを踏まえて、災害の対策に当たっていただきたいというふうに思っています。

 今回の法案は、いろいろな意味ででも、国だけではできません。県やら市町村が協力しなくてはならない。市やら県は、一番はやはり国がしっかりと指針を示してくれるということによって方向性が決まっていくわけですから、大臣、しっかりとここのところは本当にきめ細やかに市町村並びに県で情報収集していただいて、いろいろ協議をしていただいて、細かいところまで一遍詰めていただかな、なかなか現場というのは厳しい状況だ、このように思いますので、ぜひともそこのところをお願いいたしまして、質問を終わります。

北川委員長 次に、篠原豪君。

篠原(豪)委員 維新の党の篠原豪でございます。よろしくお願いいたします。

 限られていますので、幾つか短くお伺いしたいと思います。

 福島第一原発の事故に伴い拡散した放射性物質、関東にも幅広く飛来いたしました。私は横浜市から来ているんですけれども、横浜市上空に達しまして、水再生センター、これは雨とともに落ちて下水管に流れて、そしてその汚泥焼却、そこは処理するところなんですけれども、そこで、放射性物質が流入したため、放射性物質が圧縮されて非常に数値が高くなったということがありました。

 その中で、八千ベクレル以下であれば埋立処分していいというふうに国が日本独自の基準で決めたわけなんですけれども、資料を見ていただければと思いますが、それは、きのう、横浜市の南部汚泥焼却センターにいまだに残されている、いわゆる汚泥焼却灰でございます。これは、横浜市は今、通常の廃掃法の中で、百ベクレル以下で自主管理でやっています。そういった中で、自治体の独自のルールで、それ以上のものとなったため残しているということになります。

 今までは、改良土とか建設資材に使って一〇〇%再生利用されていたんですけれども、それができなくなってしまっている。こういうことになっているということはなぜかといえば、やはり市民の皆さんが不安に思われたこと、あるいは業界団体とかいろいろありまして、なかなか調整がこういったものというのは難しいんだろうというふうに考えております。

 私の地元選挙区には、実はそこは私のいるところでありまして、それを最終処分する、埋め立てするところというのはまた違う区なんですけれども、そこも私のところであって、そういった中で、横浜市会議員をやっていましたので、なかなか本当に苦労してきたなというのが実感です。この原点、こういったことがある中で、ほかの自治体もかなり苦労されているということを聞いています。

 そこで、まず、こういった八千ベクレル以下である、残されている自治体の数が全国で今どのぐらい、八千以上というのは今いろいろとお話しされていますけれども、それ以下のものでも、実際こういうふうに写真を見ていただければ、大量に積み残されているところがありますので。そして、こういった困っている自治体というものが現実的な問題としてある中で、大臣は今どういうふうにお考えか、お伺いいたします。

望月国務大臣 この八千ベクレルの廃棄物についてでありますけれども、これは、周辺住民及び作業者、こういったいずれの安全も実はもう確保されているという大原則でございまして、処理が十分可能であることが確認をされているわけであります。廃棄物処理法に基づいて、従来と同様の処理方法による処理が可能だということでございます。

 今御指摘ございましたように、地域の理解を得るのに大変苦慮しているという情報も聞いておりますが、多くの市町村、廃棄物処理業者等の努力によって、適正な処理がやっと進んできているというところでございます。

 具体的に言いますと、十六都県にアンケート調査を行った結果では、八千ベクレル以下の飛灰等を最終処分できずに一時保管している廃棄物処理施設の数は、回答のあった二百八十三施設のうち、平成二十三年度は四十を超えておりましたけれども、平成二十六年度は十カ所以下になっているという話を聞いております。

 今お話しの横浜市の問題、御地元で大変御心配なさったり、あるいはまたいろいろ御協力をいただいているということは大変ありがたいと思いますが、横浜市の下水汚泥焼却灰については、処理が難航した時期もあったものの、横浜市の尽力と住民の方々の御理解により、本年一月より最終処分場への試験埋め立てを開始した、このように伺っております。

篠原(豪)委員 ありがとうございます。

 横浜市はそういうふうに動き出したんですけれども、まだ困っていてとまっている自治体が実際にありますので、その辺もケアしていただければと思います。

 もう一問だけ伺いたいんですけれども、今回の法案、東日本大震災があって、教訓があって、そして、今回の法律でもっていかに、産業廃棄物、あるいは震災のとき、非常事態のときに出るごみを処理していこうかという話になっているときに、やはり積み残されているのは、こういった核の関係するごみのことであって、今回の法案にはこのことに一切触れられていないということであります。

 それを教訓としてやっていくということであれば、被災地の皆さんもそうですし、いまだに困っている自治体もある中で、こういったことというのはやはりきちっと法案としてこれからつくっていかなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。

 今の時点では残念ながら本法案で対処されていませんけれども、このことについて法整備を含め検討していくかどうか、これを最後に伺って、終わらせていただきます。

望月国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたけれども、放射性廃棄物、指定廃とかそういったものについては、まだ現在その作業の中途でございまして、まだこれがまとまっていない状況でこの法案の中に入れるというのはなかなか難しいな、そういったことで、災害廃棄物といいますか、一廃という形になるんですけれども。

 そしてまた、こういったものをしっかり、先駆けてこの法案をつくっていただくことによって、いざ起きたときにはそれをひな形にいち早くできる。やはり、これが反省点でもございましたので、今回この法案を通していただければ、非常にスムーズな形でできるということになると思います。

 放射性廃棄物につきましてはそういうことでございまして、今回の法案の中に入れ込むということはございません。

 ただ、これは、災害対策基本法に基づく防災基本計画に、「必要な措置を講じる」と位置づけられておりますので、そういった方向でいきたい、このように思っております。

篠原(豪)委員 ありがとうございました。

 ごみの処理というのは、人間がつくったものであるものを処理するのが一方で、自然のものというのもいっぱい出てきて、これから防災、減災を考えたときに、例えばグリーンインフラみたいな話も出てきていますので、その辺のことも含めて、連続性を持って、また次回以降お話をさせていただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

北川委員長 次に、真山祐一君。

真山委員 公明党の真山祐一でございます。

 今回、廃棄物処理法及び災害対策基本法の一部改正をする法律案につきまして、通告に従いまして質疑をさせていただきたいと思います。

 本法律案につきましては、もう既にさまざま御議論されておりますけれども、四年前に発生いたしました東日本大震災において発生いたしました災害廃棄物処理において浮き彫りとなりましたさまざまな課題に対しまして対応する改正となっておるわけでございます。

 そもそも、廃棄物処理法においては災害廃棄物ということを想定しておらず、東日本大震災の折には、平時の仕組みではなかなか対応できないような事例が多々発生した次第でございます。

 私も、当時福島県に住んでおりました。現在も住んでおりますけれども、当時の記憶をたどってみますと、災害復旧に当たって、災害廃棄物、その瓦れきの処理がおくれていることによって、やはり衛生面でのさまざまな苦情も思い出します。

 東日本大震災の折には、三月に震災が発災したわけでございますけれども、だんだん暖かくなってきて、梅雨の時期、六月ごろからハエが大量に発生するような状況なんかも目立つようになりまして、これは、津波によって、災害廃棄物の中に魚や水産加工品、こういった生ものが含まれていることによって、そういった二次災害的なことが仮置き場等で発生し、悪臭がひどくて窓もあけられない、そういった声も聞かれたことでございます。

 そうした観点からも、迅速な災害廃棄物の処理を促していく、徹底していくということが重要になるわけでございます。

 当時、公明党は野党でございましたけれども、自民党、公明党ほか野党四党で災害廃棄物処理特別措置法案を国会に提出する運びとなり、その後、政府から提出され、成立したわけでございます。

 災害廃棄物について、これまで何の対策もなかったわけではございません。阪神・淡路の際、そこで得た教訓をもとに、震災廃棄物対策指針、これも平成十年十月につくられたわけでございます。また、平成十六年の集中豪雨、台風に伴う水害を教訓といたしまして、水害廃棄物対策指針が平成十七年に策定されました。しかし、東日本大震災においては、広域的かつ甚大、複合的な被害によってその指針においても対応し切れない、そういった状況も生まれたわけでございます。

 通常の廃棄物処理法において、市町村、自治体にその責務があるわけでございます。しかし、今回の震災は、その膨大な被害によって、自治体が対処できる規模をはるかに超える災害でございました。それは量だけではなく質においてもそうであると認識しております。

 そうした経験をもとに、先述の二つの指針を取りまとめて、災害廃棄物対策指針が昨年三月に策定されました。この災害廃棄物対策指針がこれまでどのような経緯で改定等が実施されているのか。また、実際に災害廃棄物の処理を経験して得られた知見や技術を蓄積し、現場において過去の災害の教訓を踏まえた対応をとっていただく必要があると考えておりますけれども、どのような対策を講じているのか。まず初めに、環境省にお伺いいたします。

小里副大臣 御指摘をいただきましたように、東日本大震災において、いわゆる瓦れき処理特措法、私は自民党の責任者でありましたが、公明党さんを初め、野党の皆さんの協力をいただいて、これを議員立法で制定した経緯を思い出すところでございます。

 そういった過去の教訓を今後にしっかりと生かして、備えを万全のものにしていかなければならない、そういった観点から、今回の法制定もあるところでございます。

 この点で、災害廃棄物対策指針は、まさに東日本大震災の教訓を踏まえまして、御指摘の震災廃棄物対策指針及び水害廃棄物対策指針の内容の整理、充実を図るべく、平成二十六年三月に策定したものであります。この指針は、自治体における実効ある災害廃棄物処理計画の作成、改定を促し、着実な対策を進めていくためのものであります。

 そのため、本指針を広く地方自治体に周知して、発災前の自治体による災害廃棄物処理のための計画を策定すること、また、計画を実効あるものにするために、自治体における体制整備、関係者との連携強化等に活用いただいているところでございます。

 本法案による制度改正を踏まえまして、本指針の改定を図るとともに、今後とも、災害廃棄物の処理に係る知見や教訓を確実に引き継ぐべく、不断に情報収集や検証等を行い、本指針のより一層の充実を図ってまいる所存であります。

真山委員 ただいま答弁いただきましたけれども、やはりこれから、首都直下型地震、また南海トラフ、そういった大地震も想定されるわけでございますし、そのほか、竜巻、台風、今火山の問題もありますけれども、さまざまな災害が想定されるわけでございまして、そういった指針の不断の見直しというのはやはり必要なんだろうというふうに私も思っているところでございます。

 そして、そうした教訓、特に今回の東日本大震災の教訓を生かす取り組みとして一つ御質問させていただきますけれども、国土強靱化基本計画が昨年閣議決定されましたが、国土強靱化の議論において、大規模災害が発生した場合に起こってはならない四十五の事態というものが設定されておりまして、その一つとして、大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞による復旧復興がおくれる事態というのもこの四十五の中に含まれているというふうに認識しております。

 先ほども申しましたけれども、災害廃棄物処理がおくれることによって、災害復旧活動自体がおくれるとともに、衛生面においても大きな影響がございます。そうしたことから、震災当初、災害廃棄物、災害瓦れきの処理が進んでいくというその進捗ぐあいが一つの復旧のバロメーターであったように私は当時認識しておりました。

 その災害廃棄物処理がおくれる要因としてさまざま考えられるわけでございますけれども、大災害の折には、処理施設の破損、また運送路の寸断、また、事業者または地方自治体自体が被災してしまう、そういったことも現実的に起きたわけでございます。

 そうした状況下を想定しつつ、災害時における廃棄物処理システムの強靱化についてどのように検討されておるか、環境大臣にお伺いをさせていただきます。

望月国務大臣 国土強靱化計画でございますけれども、その中には、起きてはならない最悪の事態ということで、大量に発生する災害廃棄物の処理の停滞、先生がおっしゃったように復旧復興の足かせとなるこういう事態が挙げられておりまして、強靱な廃棄物処理システムの構築が実は求められております。

 今、我々、福島の中間貯蔵施設、これは何のためにつくるかといったら、福島に八万八千カ所フレコンバッグが、一つ一つじゃなくて幾つか、たくさんずつですが、八万八千カ所置いてある。こういう状況の中で復興復旧はできないだろう。そのためには何としても中間貯蔵施設を皆さんの御理解をいただいてやる。本当にそういう意味では、廃棄物の処理の停滞というのはやはり地域の復興復旧の妨げになる。先生がおっしゃるとおりでございます。

 そこで、地域ごとに計画的な廃棄物処理施設の更新をしていかなくてはいけないということ。やはり、耐震だとか、それからしっかりした、今もぎりぎりでやっているところもございますが、それ以上のものをやる。それからまた、地域の災害廃棄物処理の拠点となる廃棄物処理施設の整備。それからまた、広域的な処理体制。これは一つの市町村でどうしても大きな震災はできませんので、広域的にやはりやっていかなくてはいけない。それから、ストックヤード。やはり、その前に置き場所というもの、今、福島を初めあちらこちらで、指定廃棄物につきましてもストックヤードを借りるのも大変でございますので、そういった意味での確保というものを検討しております。

 加えて、これらの対策を実効性のあるものにするために、日ごろから各地域において人材育成それから防災訓練を行っていって、実効性あるものにしていきたい、このように思っております。

真山委員 今、福島の指定廃棄物の件にも触れていただきましたけれども、各地方自治体、被災県は岩手、宮城、福島とあるわけでございますけれども、岩手、宮城はある程度瓦れき処理が済んでおりますけれども、福島県にはこの指定廃棄物の問題もありまして、大臣御答弁いただいたとおり、まさに今それが復旧復興の足かせになっている。そういった意味での中間貯蔵施設の意義、それは非常に、大事な観点を持っていただいていることに感謝申し上げたいというふうに思います。

 また、さらに、やはり平時からの準備、先ほども質疑の中で処理容量の話もありましたけれども、やはり平時から、災害廃棄物が発生した場合にどう処理していくかという、そういった仕組みを検討していくことが今回の改正案の大きな柱ではないかというふうに私は認識しているところでございます。

 まず、今回の廃棄物処理法の改正についてお伺いをさせていただきます。

 本法律案では、第二条の三に、災害廃棄物について、「円滑かつ迅速に処理されなければならない。」と明確に規定がされております。その上で、国、都道府県、市町村及び民間事業者が相互に連携協力をしつつ、適切に役割を分担して取り組む責務を事前に明確にすることも規定されているわけでございます。

 現行法上、災害廃棄物は市町村が行うわけでございますけれども、東日本大震災のような大規模災害では、市町村が単独で処理することは大変困難でございます。また、自治体自体が被災して機能不全となることや、膨大な業務量に単独自治体では対応し切れない事態もございます。

 そうした経験から、今回の改正案では、事前の備えとして、国、県、市町村、民間事業者等の役割分担を検討することが規定されているわけでございますけれども、具体的にどのような責務となるのか、これも環境大臣にお伺いさせていただきます。

望月国務大臣 東日本大震災、これによって、災害廃棄物にかかわる関係者の連携というものが非常に大事だという教訓を我々は得ました。今回の改正で、国、都道府県、それからまた市町村及び民間事業者の関係者の連携協力の責務を今回の法律の中で定めさせていただいているわけであります。

 具体的に言いますと、まず国でございますけれども、やはり司令塔的な役目を担っていかなくてはならない。

 それからまた、都道府県でございますけれども、平時の備えと災害発災後の廃棄物処理の両方において、今まで以上に主体的、主導的にかかわっていただく。一廃ですと市町村だけというような形になっていましたので、最終的には国が司令塔的なんですけれども、県が何かどういう形なんだろうというようなことが、こうやって整備してみますと、なかなかはっきりしたことがなかったものですから、やはり、Aという町、Bという町を結びつける、そういうものは県でしっかりと今後やっていただく。

 それから、市町村におきましては、やはり災害の廃棄物の処理に責任を負う基礎自治体でありますので、これまで以上に円滑、迅速な処理の確保に努めていただくことを期待するわけであります。

 今回、民間事業者でありますけれども、特に廃棄物の収集、運搬及び処理に関与する解体業者や運送業者等に平時から地域の対策に積極的に参加していただく。これは、例えば、トラック業界だとか、今まで余り関係なかったんですが、例えばJRとか、そういった運送事業者も積極的にこういう会議の中に参画していただく。

 今まで、そういった声も余りかけない、そのときになってお願いしますという形だったんですけれども、逆に、大変ありがたいことに、我々はこういうことをしますよと言ったら、我々も積極的に参加させていただきたい、公共的な仕事をしているのでぜひというような話もあって、大変こういったことも重要だと考えております。

 環境省としては、先ほどお話がございましたけれども、地域ブロック協議会、こういったものを地域単位で関係者によるネットワークをしっかりやはりつくっていただいて、平時からブロック内での連携協力関係を推進して、発災時の広域的な処理に備えることが必要だと思っております。

 この法案の成立によって、ますます連携協力の責務が位置づけられる、こういう形になりますので、この各主体に期待される責務が災害時に円滑に実行されるよう、こういったものを通して一層取り組みを強化してまいりたい、このように思います。

真山委員 御答弁のとおり、事前にそういった責務を明確にしておくことで、やはり震災の折に、どこに問い合わせても答えが出ないということが多々見受けられたように私も思っているところでございます、そういった意味で、事前に責務が決まっている、役割が決まっている、そのことによって、大臣も御答弁いただいた連係プレー、ネットワークが機能するわけでございまして、平時の備えがいかに重要かということが今回の趣旨であると思います。

 それに関連しまして、次の質問をさせていただきます。

 この改正案の第五条の二及び五においては、廃棄物処理の基本方針または処理計画に非常災害時の備えを追記することとなります。基本方針は国が策定するわけでございますし、処理計画は都道府県が平時より定めることになっております。その中に非常災害時が位置づけられることによって、平時から災害時における廃棄物処理を考慮することが規定されることになります。

 そこで、お伺いさせていただきますけれども、平時における非常災害時廃棄物処理の検討に当たっては、具体的にどのような備えをするのか。また、各地方自治体が定める災害廃棄物処理計画の策定率は二割、三割というふうに聞いておるところでございますけれども、こうした大規模災害時においては、やはり主体となる市町村が基本であるわけでございまして、各地方自治体の計画策定を加速させる必要がありますし、また、想定する大規模災害や、その規模、そして処理計画をある程度国や県が共有しているからこそ、いざというとき、災害時に効果を発揮するわけでございます。この点について、環境省としての取り組み方針をお伺いさせていただきます。

小里副大臣 自治体における事前の備えとしまして、具体的には、防災部局等と連携した体制整備、災害廃棄物の処理に必要な仮置き場等の用地の確保、既存の処理施設における焼却処理や最終処分の可能量の把握と災害発生時の廃棄物処理の拠点の整備、地元の民間事業者も含めた広域的な連携体制の構築、あるいは仮設トイレ等の必要な資機材の備蓄の実施等を期待しているところでございます。

 しかしながら、御指摘のとおり、地方自治体による災害廃棄物処理計画の策定は約三割にとどまっているところでございまして、処理計画の策定を加速させていく必要があると強く感じております。

 そのため、全国八カ所の地域ブロック協議会等におきまして、参加している自治体に対して処理計画の策定の必要性を適切に説明をしますとともに、今年度は、円滑な策定が行われるように、専門家を派遣して、自治体における処理計画策定を支援することとしているところでございます。

真山委員 さらに関連してお伺いさせていただきますけれども、平時からの備えに関することでございます。

 膨大な災害廃棄物を処理するためには、あらゆる既存の施設、また仮設処理施設の新設も必要になるわけでございます。実際に、被災地では仮設焼却炉が新設されておりまして、私の住む福島県においては、放射性物質との特殊事情もございまして、計画がおくれ、つい最近になってその施設の火入れ式が行われたところもございます。

 そうしたことも踏まえて、一般廃棄物処理施設の設置における特例措置が今回の改正案の中で規定されるわけでございますが、この特例措置について、どのような趣旨で、どのような規定を置くことにしたのか、環境省にお伺いさせていただきます。

福山大臣政務官 災害廃棄物の迅速な処理に資するため、仮設の廃棄物処理施設を速やかに設置し、また、既存の施設の活用を図るとの観点から、次の二つの特例を新たに策定いたしました。

 一つ目は、市町村または市町村から災害廃棄物の処分の委託を受けた者が設置する仮設などの廃棄物処理施設の設置について、手続を簡素化いたしました。

 二つ目は、産業廃棄物処理施設において、瓦れきなど、同様の性状を有する一般廃棄物を処理するときの届け出の時期について、事前ではなく、事後でよいことといたしました。

 これらの規定を活用いただくことにより、災害廃棄物の円滑、迅速な処理を図ってまいりたいと考えております。

真山委員 ありがとうございました。

 やはり、施設に関しても、迅速な対応という意味では非常に重要な改正案だというふうに認識しております。

 さて、次に、災害対策基本法の改正についてお伺いさせていただきます。

 廃棄物処理法の改正がむしろどちらかというと平時に対応するものであると思いますけれども、実際の災害時の対応としてこの災害対策基本法の一部を改正するわけでございます。

 今回の改正においては、第八十六条の五第二項で、指定災害廃棄物処理に関する基本的な方針を環境大臣が定め、公表するものと規定されております。

 東日本大震災の折には、発災から二カ月を経て処理指針が策定されました。大規模災害の際には、各地方自治体、都道府県が、被災者支援や復旧活動等に膨大な業務をこなすわけでございまして、なかなか対応が難しくなる場合もございます。また、財源の観点からも、対応の決定がおくれがちになることが実際あるわけでございますけれども、そうした場合に、国が速やかに基本方針を発表し、イニシアチブをとることによって各地方自治体が機動的に動きやすくなる、そうした趣旨であると私は認識しております。

 そうした必要性から、今回の災対法の改正において、発災時に環境大臣は災害廃棄物処理に関する指針を策定するわけでございますけれども、具体的にどのような指針を定めることになるのか、お伺いをさせていただきます。

福山大臣政務官 災害発生後に環境大臣が策定する処理指針においては、その災害により生じた廃棄物についての要処理量の試算結果、被災地域の特性を踏まえた廃棄物の種類別の具体的な処理方法、特例的な措置、財政措置の方針、これらを踏まえた処理スケジュールなどを盛り込む予定でございます。

 国のリーダーシップを適切に発揮するため、発災後おおむね一カ月以内に処理指針を策定することを目指し、そのために必要な準備に万全を期してまいります。

 以上でございます。

真山委員 震災の折、二カ月後ということを考えれば、一カ月をめどにということは、格段のスピードアップにつながるわけでございます。

 当然、発災時の災害の規模、また災害自体によって分析が必要でございますので、時間は要するわけでございますけれども、ぜひ迅速に指針を発表していただいて、機動的に対応できる、そういった仕組みをつくっていただきたいというふうに思います。

 そしてまた、今回の改正案では、国による災害廃棄物の代行処理についても規定されます。

 震災の折には、第一義的には対応に当たる地方自治体がマンパワー不足で対応できなかったり、そもそも被災によって対応が難しいケースもございました。

 災害廃棄物の国による代行措置でございますけれども、被災地からの要請があり、一定の要件が勘案されるわけでございますが、この一定の要件とは何か、また、東日本大震災において対象となった百六十八市町村中この代行処理をしたのは四市町であったように認識しておりますが、その理由についてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。私はもっと活用されてもよかったのではないかと考えているわけでございますが、そういったことも含めて、また、今回の規定によってどのような効果が生まれるのか、お聞きしたいと思います。

福山大臣政務官 国による災害廃棄物の代行処理に関する要件として、法案では、市町村における災害廃棄物の処理の実施体制、災害廃棄物の処理に関する専門的な知識及び技術の必要性、災害廃棄物の広域的な処理の重要性を規定しております。

 東日本大震災の後に制度化された代行制度の適用実績の少なさの要因については、東日本大震災発生前は、自治体による廃棄物の処理がこれほど困難となるような事態を想定していなかったこと、代行が制度化されたときには既に発災から五カ月以上経過しており、多くの自治体においては、初期のころの混乱が収束しつつあり、処理事業の発注が進められていたことなどが考えられ、災害時の同様の制度が存立していれば、より多くの代行要請がなされたのではないかと考えております。

 法案により、国による代行処理という選択肢をあらかじめ規定しておくことで、今後、南海トラフ巨大地震のような大規模な災害が発生した場合には、必要に応じ、国による代行処理が速やかに講じられるよう取り組んでまいりたいと考えております。

真山委員 次の質問に入らせていただきますけれども、広域処理についてお伺いをさせていただきます。

 各自治体にとって、今回の東日本大震災においては、数十年分、または自治体によっては百年分にも相当する災害廃棄物が発生し、その処理に当たったわけでございます。それに関しては、完全に容量を超えており、そこで広域処理ということが重要視されたわけでございます。

 環境省では、先ほど来答弁ありますけれども、地域ブロックごとに大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動計画を策定することとしております。同計画の策定は義務づけられておりませんが、民間事業者も含めた広域での連携協力体制を確実にするために、環境省としてどう取り組むのか。

 また、こうした広域的な枠組みを事前に検討しておくとともに、各自治体にあっては、災害時における相互支援協定、災害時の職員派遣、物資等も含まれるわけでございますけれども、あらかじめ結んでおく自治体もあるように聞いておりますけれども、その現状はどうなっておりますか。また、この広げるためのさまざまな施策はどのように検討しておりますでしょうか。さらに申し上げますと、そうした取り組みは行政だけでうまくいくわけではございませんので、民間企業の協力を加えて、官民連携で広域処理の体制づくりを進める必要があると思いますけれども、この点に関しまして、環境省の考えをお伺いさせていただきます。

小里副大臣 大きく三つの御質問でございました。

 まず、環境省では、昨年度より地方環境事務所が中心となりまして、全国八カ所に地域ブロック協議会を立ち上げております。この協議会におきまして、まず、国、地方自治体、民間事業者等の地域ブロック内の関係者それぞれの役割分担を明確にした上で、処理体制の構築等の基本的な事項を定めて、段階的に地域における備えの充実を図ってまいります。

 また、協議会は、地域ブロックの自主性と地域の特性に応じた柔軟性を効果的に引き出すための場でありまして、地域の状況に応じて地域における備えを行動計画として具体化することを考えております。このことから、その策定を法律で義務づけることはしておらないところでございます。

 本法案の成立によりまして連携協力の責務が位置づけられることも踏まえまして、本年夏ごろに環境省にて策定予定の大規模災害発生時における災害廃棄物対策行動指針を活用して、行動計画の策定を促進してまいりたいと思います。

 また、協定による災害時の自治体間連携につきましては、従前から、二十大都市災害時相互応援に関する協定や全国都道府県における災害時等の広域応援に関する協定など、地方自治体により積極的に取り組まれているところでございます。

 さらに、東日本大震災の教訓を踏まえて、例えば、同一の災害で同時に大きな被害を受ける可能性の低い遠方に所在する地方自治体との協定を新たに締結する等の相互応援協定の見直しが行われるなど、自治体間連携が強化されているところでございます。

 一方、民間事業者との連携につきましては、十分と言えない状況であります。地元にある廃棄物処理事業者のほか、建設事業者、製造事業者等の民間事業者との地域ブロック協議会における協議等を通じまして、円滑な災害廃棄物処理に向けて、協力可能な内容を整理し、協定の具体化を図ってまいります。

 今後、地域ブロック協議会の中で優良事例等の情報共有を図りつつ、これらの協定に、より一層の充実を図っていく方針であります。

真山委員 時間となりましたので、もう一問考えておりましたけれども、そちらは割愛させていただきます。

 もう一問取り上げたかったことは、先ほど来議論がありました放射性物質の件でございます。私、福島県でございまして、これは現在進行形でございますけれども、初動の対応がやはり一番重要であるというふうに思っておりまして、それについてはまた別の機会に議論させていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

北川委員長 この際、先ほどの福田昭夫君の質疑時の答弁に関し、発言の訂正を求められておりますので、これを許します。小里環境副大臣。

小里副大臣 先ほど福田委員から、茨城県に関する質問の中で、お答えをしたところでございますが、詳細調査の候補地となり得る自治体でまず協議をするべくというような発言をしたかと思いますが、実際には、現に保管をされている自治体による協議がまず進められているということでございます。

 おわびの上、訂正を申し上げます。

北川委員長 次回は、来る九日火曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三分散会


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