衆議院

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第12号 平成27年9月11日(金曜日)

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平成二十七年九月十一日(金曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 北川 知克君

   理事 熊田 裕通君 理事 助田 重義君

   理事 平井たくや君 理事 藤原  崇君

   理事 牧原 秀樹君 理事 田島 一成君

   理事 松田 直久君 理事 浮島 智子君

      穴見 陽一君    井林 辰憲君

      石川 昭政君    小倉 將信君

      笹川 博義君    田中 和徳君

      高橋ひなこ君    武村 展英君

      福山  守君    堀井  学君

      前川  恵君    宮澤 博行君

      篠原  孝君    中島 克仁君

      馬淵 澄夫君    松本 剛明君

      小沢 鋭仁君    篠原  豪君

      真山 祐一君    島津 幸広君

      玉城デニー君

    …………………………………

   参議院議員        石井 正弘君

   参議院議員        末松 信介君

   参議院議員        水岡 俊一君

   参議院議員        清水 貴之君

   環境大臣         望月 義夫君

   環境大臣政務官      高橋ひなこ君

   環境大臣政務官      福山  守君

   政府参考人

   (水産庁漁港漁場整備部長)            高吉 晋吾君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術参事官)         下司 弘之君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            高橋 康夫君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  奥主 喜美君

   環境委員会専門員     石上  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

九月十一日

 辞任         補欠選任

  吉野 正芳君     宮澤 博行君

  福田 昭夫君     松本 剛明君

同日

 辞任         補欠選任

  宮澤 博行君     吉野 正芳君

  松本 剛明君     福田 昭夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第二二号)


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     ――――◇―――――

北川委員長 これより会議を開きます。

 参議院提出、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 発議者より趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員石井正弘君。

    ―――――――――――――

 瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

石井(正)参議院議員 ただいま議題となりました瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨及び内容の概要を御説明申し上げます。

 瀬戸内海は、古くからすぐれた自然景勝地であるとともに貴重な漁業資源の宝庫であるという恵まれた自然条件を有しております。しかし、その周辺に産業や人口が集中した昭和四十年代において、水質の汚濁が急速に進行したことなどを背景に、水質保全対策等を強力に推進することが要請されました。このため、昭和四十八年に瀬戸内海環境保全臨時措置法が制定され、さらに、昭和五十三年には赤潮等による被害に対する富栄養化対策を含む新たな施策が加えられた恒久法として瀬戸内海環境保全特別措置法に改正され、総合的に施策が進められてきました。

 こうした取り組みの結果、瀬戸内海の水質は総じて改善されるなど一定の成果を上げてきたものの、依然として、赤潮や貧酸素水塊等の発生、漁業生産量の低迷、藻場や干潟の減少などの課題が残っております。また、湾、灘ごと、季節ごとに応じたきめ細やかな水質管理の必要性も指摘されております。さらに、近年、漂流ごみや海底ごみの増加によってさまざまな悪影響が生じております。

 本法律案では、このような瀬戸内海の現状等に鑑み、瀬戸内海を豊かな海とするため、その環境の保全上有効な施策を一層推進しようとするものであります。

 次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。

 第一に、瀬戸内海の環境の保全に関する基本理念を新設し、瀬戸内海の環境の保全は、瀬戸内海を、人の活動が自然に対し適切に作用することを通じてその有する多面的価値及び機能が最大限に発揮された豊かな海とすることを旨とすること、また、その施策は、規制の措置のみならず瀬戸内海を豊かな海とするための取り組みの推進とあわせて講ずること、並びに、湾、灘その他の海域の実情に応じて行うこととしております。

 第二に、政府は、基本理念にのっとり、沿岸域の環境の保全、再生及び創出、水質の保全及び管理、自然景観及び文化的景観の保全、水産資源の持続的な利用の確保等に関する瀬戸内海環境保全基本計画を策定するとともに、おおむね五年ごとに基本計画に検討を加え、必要があると認めるときは、変更しなければならないものとしております。

 第三に、関係府県知事は、瀬戸内海環境保全府県計画を定めようとするときは、関係のある瀬戸内海の湾、灘等の海域の実情に応じたものとすべく、当該海域を単位として関係者により構成される協議会の意見を聞き、そしてその他広く住民の意見を求める等、必要な措置を講ずるものとしております。

 第四に、国は、地方公共団体による基本計画及び府県計画の達成に必要な措置が円滑かつ着実に実施されるよう、地方公共団体に対し、必要な援助を行うように努めるものとしております。

 第五に、具体的施策の追加等として、漂流ごみ、海底ごみの除去、生物の多様性、生産性の確保に支障を及ぼすおそれのある動植物の駆除、水産動植物の繁殖地の保護、整備等の施策の追加、貧酸素水塊の発生機構の解明等の施策の追加、自然海浜保全地区の指定に係る干潟の明記、環境大臣による環境状況の定期的な調査とその結果の反映の法定化等についての規定を整備しております。

 以上のほか、附則において、政府は、瀬戸内海における栄養塩類の減少、偏在等の実態の調査、それが水産資源に与える影響に関する研究その他の瀬戸内海における栄養塩類の適切な管理に関する調査及び研究に努め、その結果を踏まえ、法施行後五年を目途として、瀬戸内海における栄養塩類のあり方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。このほか、法施行後五年以内を目途として、新法の施行の状況を勘案し、特定施設の設置の規制のあり方を含め、新法の規定について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとしております。

 以上が、この法律案の趣旨及びその内容の概要であります。

 何とぞ、御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

北川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

    ―――――――――――――

北川委員長 この際、お諮りいたします。

 本案審査のため、本日、政府参考人として水産庁漁港漁場整備部長高吉晋吾君、国土交通省大臣官房技術参事官下司弘之君、環境省水・大気環境局長高橋康夫君、環境省自然環境局長奥主喜美君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

北川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。島津幸広君。

島津委員 おはようございます。日本共産党の島津幸広です。

 初めに、記録的な大雨で被災された方々に、心からお見舞いを申し上げます。日本共産党も、救援と復旧に向け、これからも全力で頑張る決意です。

 さて、議題となっている改正案について伺いたいと思います。

 最初に、瀬戸内海の環境が悪化した、さまざまな原因が複雑に絡み合って起こったものであると思いますけれども、発議者はこの原因をどう見ているのか、先ほど趣旨説明もありましたけれども、改めてお聞かせください。

清水参議院議員 お答えいたします。

 ただいま御質問をいただきました瀬戸内海の環境悪化の原因についてですが、瀬戸内海の環境については、高度経済成長期に急激に水質汚濁、水質の悪化というのが進みました。これは瀬戸内海だけではなく、当時の日本のほかの地域でも起きたことではありますが、工場排水や生活排水の流入が主な原因というふうに思われています。

 これを受けて、昭和四十八年に制定された瀬戸内海環境保全特別措置法に基づいて規制等の措置が講じられまして、総じて瀬戸内海の水質は改善をされてきました。その一方で、海の生物にとっての環境、これは生きる環境ですけれども、これは決してよくなったとは言えませんで、瀬戸内海の漁獲量はピークの三分の一にまで近年では減少しています。

 その漁獲量の減少については、燐、窒素といった栄養塩類の減少との関連を指摘する見解がある一方で、科学的データの蓄積が十分に得られていないこともあり、いまだ確たる結論は得られていません。また、藻場、干潟等の減少、漂流ごみ、海底ごみの問題といった課題、これも残っています。

 これらの課題に対応するためには、規制するだけではなく、これにあわせて、瀬戸内海を生物多様性、生産性が確保されるなどその価値、機能が最大限に発揮された豊かな海とするための取り組みを推進することが必要であると考えまして、本法律案を提出したものであります。

島津委員 ありがとうございました。

 今回、法案の基本理念に、生物多様性が保たれた豊かな海とあります。

 今回初めて入ったわけですけれども、環境が悪くなる前にはどのような生物が瀬戸内海にいて、環境の変化とともに生物がどのように減少したのか、簡潔でよろしいですので、お答えを願いたいと思います。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 瀬戸内海の環境保全上の大きな課題の一つといたしまして、生物多様性の確保が挙げられているわけでございます。

 平成二十四年に出されました瀬戸内海の環境保全、再生のあり方に関する中央環境審議会の答申におきまして、生物多様性が劣化した具体的な例といたしまして、広島県呉市における海岸小動物、ナマコ、ウニとかエビとかカニとかそういうものでございますけれども、この海岸小動物の種類数が昭和三十五年度から平成二年度にかけまして著しく減少した、あるいは干潟が消滅したことによってカブトガニが減少したことなどが具体的な例として挙げられているところでございます。

島津委員 そういう状況が進んでいるわけです。

 そして、今回、良好な環境の保全、再生、創出とあります。保全というのは今あるものをこれ以上壊さないということでしょうし、再生というのは失ったものをもとに戻すということだと思うんです。それでは、創出というのはどういうことを意味しているんでしょうか。

高橋政府参考人 本年二月に、豊かな瀬戸内海を目指すという新たな観点で、瀬戸内海環境保全基本計画の変更を閣議決定いたしました。

 その新しい基本計画の中では、沿岸域の環境の保全、再生、創出というのを大きな柱の一つとして位置づけまして、各種施策を進めることとされてございます。

 この創出につきましては、瀬戸内海において開発等に伴いまして多くの藻場や干潟が失われたという現状を踏まえまして、新たな藻場や干潟の造成等を通じて良好な環境をつくり出すという意味であるというふうに認識をしてございます。

島津委員 それでは、実際に、干潟や藻場の造成、整備など、環境改善を今していると思うんですけれども、この取り組みについてはどんなようなものなんでしょうか、お答え願いたいと思います。

高吉政府参考人 お答え申し上げます。

 藻場や干潟は、水産生物の産卵場、生育場として重要な役割を担っていると認識しております。

 このため、水産庁としましては、水産基盤整備事業によりまして、着定基質の設置等による藻場の整備や、覆砂等による干潟の造成の取り組みに対して支援を行っているところでございます。

 これまで、漁港漁場整備長期計画等に基づきまして、昭和五十一年度から平成二十三年度までの数値でございますが、全国で約二万二千ヘクタールの藻場、干潟を整備してまいりました。

 今後とも、水産生物の生育環境の改善に向け、必要な支援を行ってまいりたいと考えております。

下司政府参考人 お答え申し上げます。

 国土交通省では、海域環境の改善は重要であると認識しております。

 このため、港湾整備に際し発生するしゅんせつ土砂等を有効活用した干潟、藻場の造成や、深掘り跡の埋め戻し、生物との共生に配慮した構造物の整備等に取り組んでまいりました。

 今後とも、瀬戸内海を豊かな海とするため、国土交通省といたしましても、港湾整備に際し、海域環境の改善にも資するよう取り組んでまいる所存でございます。

島津委員 そうした取り組みがあるわけですけれども、創出事業について、決していい面ばかりじゃない。とりわけ環境団体の環瀬戸内海会議の人たちは、この取り組みについてかなり否定的な意見を持っておられます。

 例えば広島県尾道市の百島では、砂を持ってきて人工干潟をつくったんだけれども失敗した。十年、十五年ぐらいはよかったんですけれども、結局、上の砂が流されて泥の層がむき出しになってしまった。よそから持ってきても、結局長期的に見れば失敗する、こういう例もあるわけです。

 今回、瀬戸内海環境基本計画では、沿岸域の環境の保全、再生、創出は、良好な環境を回復させる観点から努めるもの、こう明記されています。これは、今ある干潟や藻場では足りないから、新しくふやして環境改善するということで、しかし一方で、新しくつくったからかわりに別の干潟や藻場を潰す、こういうことはしてはいけないわけで、これはそうしないということでよろしいんでしょうね。

高橋政府参考人 御指摘のとおり、瀬戸内海で多くの藻場や干潟が失われているという現状を踏まえまして、良好な環境を回復させるという観点で、現存する藻場や干潟等を保全しつつ、再生、創出を進めていこうというものでございます。

島津委員 新しくつくる、今あるものはこれ以上壊さないという答弁だったと思います。これはぜひそうした方向でしていただきたいと思います。

 次に、参議院の審議で我が党の市田議員が質問した遊休埋立地の問題です。

 藻場や干潟がなくなるなど、今までにさんざん埋め立てられてきたことが瀬戸内海にダメージを与え続けているわけです。原則埋め立ては禁止にして、これ以上埋立地をふやさない、これが大切と思うんです。

 同時に、使われていない遊休地を活用するということも求められています。例えば、瀬戸内海の環境団体の皆さんは、今ある造成地、遊休地、この遊休地を中に削り込んで、緩い傾斜をつけておく、そうすれば、自然の力で砂がたまり、浜やいそができて、ゴカイや貝類が帰ってくる、こういう提案をしています。

 これは、先ほどいろいろな創出の取り組みがあったわけですけれども、私、事前に聞きましたところ、国土交通省が生物共生型港湾構造物の整備ということで、護岸の前面を階段状にして干潟にしていくという整備があるというふうに伺いました。これは、垂直護岸ということよりも、なだらかにしておけば、やはり自然の力で砂も戻ってくるし、生物も戻ってくる、こういう考え方でやっていると思うんですけれども、これは環境団体の皆さんが提案していることにもつながると思うんです。

 環境省としては、こういう遊休地の活用というのは検討するつもりはないのでしょうか。これは、ぜひ大臣に考えをお聞かせ願いたいと思います。

望月国務大臣 今の先生の御指摘は、未利用地の活用ということになりますけれども、これは中央環境審議会で、答申において、景観や生物多様性の保全に配慮しつつ、自然再生に向けた検討が必要である旨の指摘がしっかりとなされておりますので、今後、国土交通省や、今先生の御指摘のあったようなさまざまな工法とかやり方があると思いますので、そういったものを、あるいはまた、関係府県等と連携して、地元の御意見もよく聞きながらということになりますが、遊休埋立地の実態をまず把握していかなくてはいけない。この間も参議院の方でそんな答弁をさせていただきましたが、把握するとともに、環境省としても遊休埋立地の活用の可能性について検討していきたい、このように思います。

島津委員 法案の理念で、環境の保全上の支障の防止だけじゃなくて、瀬戸内海を豊かな海にするための取り組みをあわせて行う、総合的、計画的に推進すると言っています。

 今も大臣お答えになりましたけれども、埋め立てによる自然海岸の減少が藻場や干潟の減少となって、水質の自然浄化、生物の生息などに影響しているわけですから、遊休地の垂直護岸をそのままにしておくよりも、確実に豊かな海にしていくことに資すると思うんです。

 いろいろ聞きましたら、遊休地の活用というのはハードルがあるそうなんですけれども、試験的にでもやってみるということも含めて、結果が見られれば本格的に進めるということも含めてやっていくことも一つの方法だと思うんですけれども、ぜひ環境団体の皆さんも提案している方法について検討していただきたいと思うんです。再度、大臣、どうでしょう。

望月国務大臣 先生も、我々も静岡県の同じ地域で、非常に海に面している、あるいはまた川、それから浜名湖といったようなさまざま水に面しているところですけれども、一回そういった自然を失うということになりますと、なかなかもとに戻るのが難しい。

 我々も、海岸を埋め立ててバイパス等をつくって、その当時は経済の発展のためにやろうと。ところが、それはまたもう一度、バイパスは残して自然景観だとか海浜を取り戻そう、そういったときに、やはり、砂を持ってきてそこへ置いてもなかなかそういったものが再生できないということがございます。これは非常に技術的にも難しい問題がございます。かといって、手をこまねいているわけにもまいりません。

 先ほど申しましたように、学者の皆さんの、中央環境審議会等のそういった御意見もしっかり踏まえ、また、今さまざま、地元の方がよく地元のことをわかっておりますので、そういう皆さんの、過去に歴史のあったすばらしさ、こういうものがあったというものも聞きながら、また、さまざまな、NGOを初めそういう皆さんの御意見があればそういったことも参考にさせていただいて、再生に努めていきたいな、こんなふうに思っております。

島津委員 ぜひいろいろな、とりわけ環境団体の皆さんを含めて意見を聞いて検討していただきたいと思います。

 次に、海砂を掘った後の穴がそのままにされていて、貧酸素水塊あるいは青潮、こういう原因になっているわけです。それを埋め戻すことも想定していると思うんですけれども、先ほど国交省からは、しゅんせつ土砂で埋め戻すという説明もありました。

 これは、埋め戻す際に、間違っても鉄鋼スラグやあるいは陸地の建設残土などを使うことがないように、海の環境を悪化させるこういう危険なものは使用しないということが大事だと思うんですけれども、この点は、使用しないということでよろしいんでしょうね。

高橋政府参考人 御指摘のとおり、安全性は大変重要かと思っております。

 一方で、どういう材料を使うかにつきましては、土砂のかわりにさまざまな材料、例えば鉄鋼スラグを使うというような提案もされているのも事実でございます。

 そのため、環境省といたしましては、過去に、環境技術の実証事業というものがございまして、その中で、鉄鋼スラグを用いた、これは藻場の造成でございますけれども、それの安全性の評価をしてございます。その際には、その実証事業に使用するスラグの溶出試験を行うとともに、スラグを設置した後のその実海域における影響、pHの上昇とかがないかというようなことも確認をしてございます。

 いずれにしても、埋め戻し材や藻場、干潟造成に用いる材料につきましては、水環境に悪影響を与えないということがしっかりと担保されることが重要だというふうに考えてございます。

島津委員 安全性が確保されればいいという問題じゃなくて、やはり鉄鋼スラグそのものが大変大きな、いろいろな問題があるわけで、これはぜひ使わないでいただきたいというふうに思うんです。

 同時に、いろいろな加工品だとかを使っていくということの方向もあるようなんですけれども、これまでも、廃棄物のリサイクルだといって、いろいろ基準を満たしていろいろなところに使われてきた。しかし、それが結果的に環境汚染を引き起こしたという例があちこちで見られます。実証試験で安全となっても、そのまま品質が担保されないと大変な事態になるわけです。

 仮に、実験をして安全性が確保されたということになって使うにしても、その後その安全性が担保されるというのは保証がないわけで、ですから、万が一、仮に使う場合でも、安全性がずっと担保されるというチェック機能を厳しくしていくことが非常に大事だと思うんですけれども、この点はどうでしょう。そういうふうにしていくということでいいんでしょうか。

高橋政府参考人 御指摘のとおり、長期的な影響についてもモニタリングしていくということは重要かと思っております。

島津委員 問題の鉄鋼スラグそのものを使うというのは非常に問題ですので。これは安全上非常に問題であるということを厳しく指摘しておきたいと思います。

 最後に、時間がありませんので。

 私は、この法案の審議の前に小豆島に行ってきました。行っていろいろ見て驚いたんですけれども、稜線までかかる大規模な採石、石をとった後の現場、かつてあった道路がなくなって、新しい道路ができて、無駄に山を削る。ある島では、島の半分ぐらいが、小豆島以外の島ですけれども、採石で山の形が削られるというぐらいになっちゃっている。

 小豆島に行って、私が聞いて、見て、こんなに山が削られると島がなくなっちゃうんじゃないですかと心配したら、皮肉まじりに、そのかわりに面積がふえていますということで、埋め立てしているところを見せてもらったんですけれども、こういう形で非常に深刻な事態が進んでいます。

 それから、もう一つ見て驚いたのは、ダムがあるんです。内海ダム、新内海ダムといいまして、御承知のように、瀬戸内海国立公園に指定されて、しかもその中の、指定第一号、寒霞渓というのがあるんですよね。これを源流にして内海湾に注ぐ川があります。このわずか約四キロ、三千九百九十六メートルのこの川にダムをつくる。ダムがつくられたところの川幅は六・六メートルから七メートルほど、そこに川の全長の一五%に及ぶ堤の長さ四百四十七メートルのダム。高さは四十二メートル。利水、治水目的というんだけれども、実際には、小豆島の水源は、一九九九年から吉田ダムから供給されて、今では渇水どころか給水制限も起きていない。

 このダムの貯水量、四国の水がめと言われている早明浦ダムのわずか三百分の一にすぎないものです。こういうのが、行ってダムを見て、そんな巨大なダムでどんなに大きなダム湖だろうと思ったら、本当にため池ぐらいな水しかたまっていない。こういうダムだったんです。

 こういう無駄な事業が行われているわけですけれども、陸地の景観を破壊している、こういうことだけじゃなくて、こういうことによって、山が持っている栄養分が川を伝って海に流れ込む、こういう循環を破壊しているわけです。

 こういう点について、採石で景観が悪くなるということも、今度の法案では景観をやはり保全していくということも入っていますし、豊かな海をつくっていく点では、海の問題だけじゃなくて、陸の環境をよくしていくということも非常に大事だと思うんです。この点での大臣のお考えをお聞かせ願いたいと思います。

望月国務大臣 御指摘の点は、平成二十四年に閣議決定されました生物多様性国家戦略において、森、里、川、海のつながりを確保するということ、これが重点的に取り組むべき基本戦略の一つとして掲げられているところであります。

 このため、陸域における土地利用でありますけれども、川を通じて影響が海へ及ぶことを念頭に置きながら、適切に実施する必要がある、こんなふうに考えております。

 環境省としても、この法案の基本理念にある豊かな海を目指して、引き続き、関係省庁や関係府県などと連携した取り組みをしっかりと進めてまいりたい、こんなふうに思っております。

島津委員 時間が来たので終わりますけれども、いずれにしても、環境を悪化させた原因の究明、そしてその反省の上に立って、瀬戸内海を豊かな海とするように実効ある対策がとられることを強く求めて、質問を終わります。

 ありがとうございました。

北川委員長 次に、玉城デニー君。

玉城委員 生活の党と山本太郎となかまたち、玉城デニーです。

 きょうは、少し質問も重複するかと思いますが、瀬戸内海環境保全法の一部を改正する法律案について質問させていただきます。

 質問の前に、記録的な大雨で甚大な被害をこうむりました関東、東北地方の皆さんにお見舞いを申し上げますとともに、まだ救助を待っていらっしゃる方もいるというニュースも聞いております。一刻も早い救助と、全庁挙げての対応をとっていただきますよう、政府の方にもお願いを申し上げたいと思います。

 さて、では質問に入らせていただきます。

 今回の改正案、基本理念が新設となっております。この基本理念、人の活動と適切な自然への作用の関係から形成された美しい自然、生物多様性と生産性の確保等、多面的価値、機能が最大限に生かされた豊かな海とする、いわゆる里海ですね、その豊かな海とすること、さらに、規制の措置のみならず、里海づくり活動など地域の多様な主体による活動を含め、藻場、干潟その他沿岸域の良好な環境の保全、再生、創出等、豊かな海とするための措置を講じて、総合的かつ計画的に推進すること、湾や灘その他の海域ごとの実情に応じて行うことなどが規定されております。

 では、環境省に、まずこの理念についてお伺いいたします。

 これらの基本理念を具体化していくために、現状がどのような影響によってもたらされてきたか、水質、底質、生態系、水産資源の状況の推移等、瀬戸内海の現状の調査研究を行い、その上で具体的な施策へ取り組んでいくべきであるというふうに本員は思料いたしますが、その見解についてまずお伺いいたします。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 瀬戸内海では、瀬戸内海環境保全特別措置法等に基づく取り組みの結果、一定の水質改善が見られる一方で、生物多様性や生物生産性の確保といった課題への対応が求められていると認識をしてございます。

 環境省といたしましては、これまでも瀬戸内海の水質や底質などのモニタリング等によりまして水環境の状況把握を行っておりますけれども、今年度から新たに、瀬戸内海における豊かな海という観点からの調査も開始をしてございます。

 このような調査を着実に進めまして、委員御指摘のような科学的な知見を蓄積していくということが大変重要だというふうに考えてございます。

玉城委員 基本理念では、藻場、干潟その他の沿岸の良好な環境の保全、再生、創出等を、豊かな海にするための取り組みとして挙げています。今答弁をいただいたその内容の中に織り込まれていると思います。

 他方で、民間の市民ネットワークであります一九九〇年に設立されました環瀬戸内海会議は、一九九八年から取り組んできた瀬戸内海の状況調査と検証を行い、瀬戸内海の環境を回復させるべく取り組んでいるということの意見が寄せられています。二〇一四年六月には、約十万筆の署名を添えて、瀬戸内法の改正に関する意見等を添えた請願を国会へ提出しています。

 この請願の中で、一部引用させていただきますが、

  過去六十年余り、浅海の埋め立てが陸岸境界における底生生物を減少させ、赤潮と裏腹の関係にある底層の貧酸素化による底生生物の減少と相まって、海域全体としての浄化機能を衰退させてきた。その結果、栄養塩の負荷は減少しているにもかかわらず、「赤潮と貧酸素海域」の発生は減少せず、漁獲の減少の一因になってきたことが考えられる。つまり埋め立てによる干潟の消失により、貝類などプランクトン食性の生物が少なくなったことや、海底に落ちてくる有機物を食す底生生物が貧酸素化に伴い減少したという悪循環が関係しているのではないか

というふうに述べていらっしゃいます。

 この会議からは、人工干潟や藻場の再生事業などの多くは中長期的に見ると失敗に終わっており、むしろ、これまであった干潟の回復を中心にするべきと意見が付されておりまして、有害な重金属を含有した鉄鋼スラグの利用についても、この会議からは強い懸念が示されています。

 質問いたします。

 今後、瀬戸内海において良好な環境を回復させるという観点から、干潟や藻場をどのように回復し、再生させていくのか、その方針等を伺います。

高橋政府参考人 本年二月に、豊かな瀬戸内海を目指すという観点で、瀬戸内海環境保全特別措置法に基づきます瀬戸内海環境保全基本計画の変更が閣議決定されてございます。

 この新しい計画では、今御指摘のとおり、干潟や藻場の重要性というものに鑑みまして、干潟や藻場の再生を含めた沿岸域の環境の保全、再生、創出を大きな柱の一つとして位置づけまして、各種施策を進めていくこととされています。

 これを踏まえまして、環境省としても、瀬戸内海の藻場、干潟の分布の把握をきちんとする事業を今年度から開始いたしました。

 環境省といたしまして、美しく豊かな瀬戸内海を目指しまして、引き続き関係省庁や関係府県などと連携をした取り組みを進めてまいりたいというふうに考えてございます。

玉城委員 先ほども別の委員からの質問にありましたが、懸念が示されている鉄鋼スラグ、これを再生事業に利用するということで先ほども答弁がありましたが、重ねてお伺いいたします。

 環境省は、その影響、鉄鋼スラグ等を再生事業に利用する影響についてどのように評価し、検討しているのか、伺います。

高橋政府参考人 先ほども御答弁をいたしましたけれども、環境省では、過去におきまして、環境技術の実証事業、この中で、閉鎖性海域の水環境改善技術の一つとして、この鉄鋼スラグを用いた藻場造成という技術についての評価を行っております。

 この際には、実際に実証事業で使用いたしますスラグの溶出試験を行うとともに、スラグを設置した後の実海域における水質への影響がないかというようなことも確認をしてございます。

 なお、鉄鋼スラグなどによる藻場、干潟造成の実証事業などを行う際には、水環境に悪影響を与えないことがしっかりと担保されているということが重要だというふうに考えてございます。

玉城委員 瀬戸内海は、この間、さまざまな人工的な影響によってその環境が大きく損なわれてきております。それを保全し、再生するということについては、そこにある自然を最大限活用する、つまり、干潟を生かしていく、これ以上埋め立てをしないということを基本的に捉えて取り組んでいくべきものだというふうに思料いたします。

 さて次に、計画策定時における協議会の意見などについてお伺いしたいと思います。

 改正案には、各府県の環境保全計画の策定に際して、「当該湾、灘その他の海域を単位として関係者により構成される協議会の意見を聴き、その他広く住民の意見を求める等、必要な措置を講ずる」ことが規定されております。

 前出の環瀬戸内海会議の意見などのように、地域に住む人々が参画し、地域の特性に応じた施策並びに計画が位置づけられるなど、地域の声が反映されることは重要であり、かつ、成果も大きいものと考えます。

 そこで、提出者にお伺いいたします。

 この規定する趣旨及び期待される効果などについてお聞かせいただきたいと思います。

水岡参議院議員 発議者の参議院議員水岡俊一でございます。

 玉城委員にお答えをいたします。

 本改正案では、新たに設ける基本理念の第三項目として、瀬戸内海の環境保全に関する施策が海域ごとの実情に応じて行われなければならないとしているところであります。

 これを受けまして、本改正案の第四条第二項において、府県計画が関係のある海域の実情に応じたものになるよう、湾、灘その他の海域を単位として関係者により構成される協議会の意見を聞き、その他広く住民の意見を聞く等、必要な措置を講ずるものとしたところがその趣旨であります。

 その協議会については、関係する府県、政令市、中核市、国の関係行政機関を初め、漁業者、学識経験者、またNGO等により構成することを想定しているところであります。その協議会においては、関係者が当該湾、灘に関するさまざまな情報、つまりは、関係府県における多様な主体の取り組み、海域の状況、漁業の状況などを持ち寄って、その共有を図ることにより、当該湾、灘の実情を踏まえた意見が多く出されることが期待をされております。

 以上です。

玉城委員 ありがとうございます。

 私も、実は、この湾、灘という文言に当たって、瀬戸内海にどのぐらい湾や灘があるのかというのを見てみました。実に細かく入り組んでいる湾がたくさんあります。その中では、やはり赤潮で苦しめられている地域の方々、海そのものが苦しんでいるんですが、それによって生産性が著しく低下しているという原因もあります。さらに、それよりやや広い灘という海域もまた瀬戸内海には点在しております。

 そういう地域の皆さんからしっかり声を聞かせていただく。ぜひこの協議会が、いわゆる一般の方から受けとめられて、間違われることがないよう、利害関係者ということではなくて、さまざまな方々の参画が必要であるということをこれからもぜひしっかり実行していただきたいというふうに思います。ありがとうございます。

 では、続いて、計画推進のための援助についてお伺いいたします。

 改正案では、地方公共団体による基本計画及び府県の計画達成に必要な措置が円滑かつ確実に実施されるよう、地方公共団体に対して、必要な援助を行うよう努めるとされています。地域の実情に鑑み、法の趣旨を十分に踏まえた上で必要な援助を行うことは適切であり、実現性への効果も高いものと思います。

 他方で、必要性のない無駄な公共事業をふやすようなことのないよう、有効性や効率性なども精査した上で援助を行うことも重要なポイントとして押さえるべきであるというふうに思います。

 ここで、提出者にお伺いいたします。

 この、地方公共団体に対して行う財政措置を伴った援助を実施する場合のあり方についての見解をお伺いいたします。

石井(正)参議院議員 発議者の石井正弘でございます。

 お答え申し上げたいと思います。

 御質問の、国によります地方公共団体に対する援助の内容でございますが、必要な助言を行うということのほか、必要があると認められる場合におきましては財政上の援助も行われるもの、このように考えております。

 当時、私も岡山県知事といたしまして、瀬戸内海の環境保全、水産資源の回復に関しますさまざまな事業、例えば藻場、干潟の造成、整備とか、あるいはまた、漂流ごみ、海底ごみの除去、さらには、水産資源の回復をしていくための海洋牧場の整備等々の事業を関係省庁の助成を受けて行ってきたという経緯があるわけでございます。

 御質問の財政上の援助でございますが、地方公共団体によります計画達成に必要な措置が円滑かつ着実に実施されるという観点から、御質問でいただきました有効性や効率性、こういった御指摘の点も踏まえつつ、政府によって適切に行われるべきものである、このように考えているところでございます。

玉城委員 ありがとうございます。

 では、政府にお伺いいたします。

 この規定について、今、発議者からは、しっかりとその必要性なども踏まえて十分行うべきであるという意見がありましたが、この規定についてどのような姿勢で取り組まれるのかについてお伺いいたします。

高橋大臣政務官 環境省では、これまで、瀬戸内海の関係府県等に対して、水質モニタリングや藻場、干潟の分布状況の把握などの各種調査研究の実施、手引書の作成やホームページにおける情報提供等を通じて、技術的な支援に取り組んでまいりました。

 御質問の地方公共団体に対する援助については、引き続き、地域の実情を踏まえるとともに、その必要性、効率性、有効性等を精査した上で、適切な支援に取り組んでまいります。

玉城委員 ありがとうございます。しっかりとした支援をお願い申し上げたいと思います。

 では、やはり私は、この瀬戸内海の自然を保護するためには埋め立ての抑制がどうしても必要である、抑制といいますか、強く規制しなければならないというふうに考えておりますが、現行法第十三条では、関係府知事は、瀬戸内海における埋め立ての免許または承認については、瀬戸内海の特殊性につき十分配慮しなければならないとされています。また、この十三条に基づいて定められた埋め立ての基本方針では、瀬戸内海における埋め立ては厳に抑制すべきであるとして、抑制を求めております。

 瀬戸内海の水質環境が著しく悪化したのは、現在も続けられている埋め立てによって、干潟や藻場などの水質を浄化する自然海岸などが失われたことも大きいと先ほども申し上げたとおりであります。

 では、質問いたします。

 第十三条や基本方針の趣旨が埋め立ての抑制に反映されてきたか、現状に対する認識を伺います。

高橋政府参考人 埋め立ての抑制の現状でございますけれども、瀬戸内海環境保全臨時措置法が施行される以前は、昭和四十年から四十八年の約九年間におきまして、一万六千二百十五ヘクタールという面積の埋め立てが免許あるいは承認をされてございます。九年間を平均いたしますと、一年当たり千八百ヘクタール程度ということになります。

 一方、この臨時措置法が施行されて以降、平成二十六年十一月までの四十一年間で見ますと、この面積が一万三千二百十五ヘクタールということで、先ほどの九年間よりは少ない数字になってございます。また、近年はさらに減少して、おおむね平均年間数十ヘクタールという程度になってございます。

 このように、数字で見ても、近年、埋め立ては相当抑制されているというふうには考えてございます。

 引き続き、第十三条や基本方針の趣旨を踏まえまして、埋め立ての免許、承認に関する権限を有する関係府県等におきまして適切に対処されるものというふうに考えております。

玉城委員 埋め立てを行った場合、その埋め立ては、当然、利用計画によって埋め立てが行われ、その土地が有効活用されるというふうに考えておりますが、瀬戸内海では、埋め立てられた後、長期間にわたって使用されていない土地が相当程度あると聞いております。埋め立てを抑制する観点から見ても、この使用されていない埋立地を、優先的かつ積極的に活用を図っていくことも必要であるというふうに思料いたします。

 瀬戸内海におけるこの遊休埋立地の面積や実情についての現状把握などの調査を行っておりますでしょうか。また、どのように把握しているのかお伺いいたします。

高橋政府参考人 瀬戸内海におきます遊休埋立地の実態につきましては、現状、まだ十分把握できておりませんので、今後、国土交通省とも連携いたしまして、実態の把握をしてまいりたいというふうに考えております。

玉城委員 実態の調査を国交省だけに任せるのではなくて、やはりそこは、省庁が連携して取り組む事業であれば、その把握に関しては、常に現状調査をしっかりと行った上で把握し、さらに、それをどういう方向性で活用していくのかということを広く一般に国民の皆さんにも公表し、あるいはまたその意見を募るなど、その努力をぜひとっていただきたいと思います。

 遊休埋立地の活用に関して、基本理念に盛り込まれた、地域の多様な主体による活動、いわゆる地域活動をしていらっしゃる方々ですね、その皆さんと連携して、関連して、総合的かつ計画的な推進をしていくために、国として、関係省庁の後押しで地方公共団体へも積極的に働きかけていくべきではないか、調査そして活用ですね、それを働きかけていくべきではないかと思いますが、その見解をお伺いいたします。

高橋政府参考人 遊休埋立地の活用を含めまして、瀬戸内海の環境保全を推進していくためには、国や地方公共団体はもちろん、NPO、漁業者、企業、地域住民の方々など、地域の多様な主体が連携をして取り組んでいくということが大変重要かと考えております。

 環境省といたしましては、先ほどの実態調査も含めまして、関係府県等に関連の情報提供を行う等、連携した取り組みを進めてまいりたいというふうに考えております。

玉城委員 ありがとうございました。

 以上で質問を終わりますが、実は、この瀬戸内海で岩を削ってつくられるいわゆる岩ズリという埋め立て用の岩石が、何と辺野古の基地の建設に使われるということになっている情報が新聞で報道されています。

 瀬戸内海の環境を壊し、今度は沖縄の環境を壊す。環境を壊す連携があっては絶対にいけません。このことを深く皆さんに考えていただくことを提起いたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。ニフェーデービタン。

北川委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

北川委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 参議院提出、瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

北川委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

北川委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、牧原秀樹君外五名から、自由民主党、民主党・無所属クラブ、維新の党、公明党、日本共産党及び生活の党と山本太郎となかまたちの共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。浮島智子君。

浮島委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。

 趣旨の説明は、案文を朗読してかえさせていただきたいと存じます。

    瀬戸内海環境保全特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の事項について適切な措置を講ずべきである。

 一 改正後の本法第四条の二第二項の規定に基づき地方公共団体に対して行う財政的措置を伴う援助については、法の趣旨を十分に踏まえ、その必要性、効率性、有効性等を事前に十分精査した上で行うこと。

 二 瀬戸内海における水質、底質、生態系及び水産資源の状況についてのこれまでの推移と現状を総括し、その要因に関する共通理解を得るための調査研究を進めるとともに、基本理念に掲げられた生物多様性の確保等を適切に行うために必要な施策についての調査研究及びその結果に基づいた具体的施策を推進すること。

 三 瀬戸内海の埋立て後長期間にわたって利用されていない未利用地について、現状把握のための調査を速やかに実施するとともに、埋立てを厳に抑制すべきものとした従来の方針に鑑み、未利用地や既存施設の活用が新たな埋立てに優先して行われることとなるよう、地方公共団体に対し情報提供等必要な措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

北川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

北川委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、政府から発言を求められておりますので、これを許します。望月環境大臣。

望月国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、環境省として、その趣旨を十分に尊重いたしまして、努力してまいる所存でございます。

    ―――――――――――――

北川委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

北川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

北川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時五十分散会


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