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第15号 平成19年2月26日(月曜日)

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平成十九年二月二十六日(月曜日)

    午後四時開議

 出席委員

   委員長 金子 一義君

   理事 斉藤斗志二君 理事 実川 幸夫君

   理事 杉浦 正健君 理事 園田 博之君

   理事 萩山 教嚴君 理事 森  英介君

   理事 枝野 幸男君 理事 中川 正春君

   理事 赤松 正雄君

      安次富 修君    阿部 俊子君

      稲田 朋美君    小野寺五典君

      大島 理森君    大塚 高司君

      大野 功統君    河井 克行君

      北村 茂男君    倉田 雅年君

      佐藤 剛男君    笹川  堯君

      清水清一朗君    高鳥 修一君

      中馬 弘毅君    中野  清君

      西村 康稔君    野田  毅君

      馳   浩君    林   潤君

      牧原 秀樹君    増原 義剛君

      三ッ林隆志君    三ッ矢憲生君

      三原 朝彦君    宮下 一郎君

      山本ともひろ君    岩國 哲人君

      小川 淳也君    大串 博志君

      岡田 克也君    川内 博史君

      中井  洽君    原口 一博君

      馬淵 澄夫君    前原 誠司君

      江田 康幸君    大口 善徳君

      佐々木憲昭君    辻元 清美君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   財務大臣         尾身 幸次君

   経済産業大臣       甘利  明君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   環境大臣         若林 正俊君

   財務副大臣        田中 和徳君

   環境副大臣        土屋 品子君

   経済産業大臣政務官    高木美智代君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁長官) 望月 晴文君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  榊  正剛君

   政府参考人

   (環境省地球環境局長)  南川 秀樹君

   予算委員会専門員     清土 恒雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月二十六日

 辞任         補欠選任

  井上 喜一君     大塚 高司君

  臼井日出男君     林   潤君

  遠藤 武彦君     高鳥 修一君

  河村 建夫君     阿部 俊子君

  笹川  堯君     安次富 修君

  西村 康稔君     清水清一朗君

  深谷 隆司君     山本ともひろ君

  細田 博之君     北村 茂男君

  山本 公一君     牧原 秀樹君

  丸谷 佳織君     江田 康幸君

  阿部 知子君     辻元 清美君

同日

 辞任         補欠選任

  安次富 修君     笹川  堯君

  阿部 俊子君     河村 建夫君

  大塚 高司君     井上 喜一君

  北村 茂男君     細田 博之君

  清水清一朗君     西村 康稔君

  高鳥 修一君     遠藤 武彦君

  林   潤君     臼井日出男君

  牧原 秀樹君     山本 公一君

  山本ともひろ君    深谷 隆司君

  江田 康幸君     丸谷 佳織君

  辻元 清美君     阿部 知子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における会計検査院当局者出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 平成十九年度一般会計予算

 平成十九年度特別会計予算

 平成十九年度政府関係機関予算


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     ――――◇―――――

金子委員長 これより会議を開きます。

 平成十九年度一般会計予算、平成十九年度特別会計予算、平成十九年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般的質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 三案審査のため、本日、政府参考人として資源エネルギー庁長官望月晴文君、国土交通省住宅局長榊正剛君、環境省地球環境局長南川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

金子委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、短い時間ではございますが、喫緊の課題でございます地球温暖化対策について、私の方から質問をさせていただきたいと思います。

 地球温暖化問題につきましては、ここ数年、我が国でも、まれに見る大規模な風水害が頻発しております。また、深刻な被害も生じているわけでございます。

 先日、IPCC、気候変動に関する政府間パネルの第四次報告書が公表されましたが、地球温暖化は人の活動によって生じる温室効果ガスが原因であると断定するとともに、今世紀末には、平均気温は最大で六・四度C上昇、北極海の海氷が晩夏には完全に消滅して平均海面水位は最大五十九センチ上昇するということなど、予測をしておるわけでございます。

 また、昨年十月に発表されました気候変動と経済に関するレビュー、いわゆるスターン・レビューでございますが、地球温暖化防止に向けて行動を今起こさない場合の被害損失は、少なくとも全世界のGDPの五%、最悪の場合には二〇%にも及ぶ、また、今行動を起こした場合の対策コストは全世界のGDPの一%で済むであろうと予測、また提言をしているわけでございます。

 このように、もはや地球温暖化問題というのは待ったなしの状況でございますが、今大胆な行動を起こすことが必要であると考えます。

 とりわけことしは、京都議定書の約束期間が始まる二〇〇八年を来年に迎えておりまして、いわゆるポスト京都の議論も本格化する年でございます。一方、我が国の温室効果ガスの排出量というのは、九〇年比で八%以上も増加してしまっておりまして、京都議定書における我が国の六%削減目標の達成に疑念を抱かざるを得ない状況でございます。

 現在、政府におきましても、京都議定書目標達成計画の見直しが進められていると思いますが、目標達成に向けた環境大臣の認識と決意をまずお伺いいたします。

若林国務大臣 江田委員は、かねて、地球環境問題、とりわけ温暖化の問題に熱心に取り組んでいただいてまいりましたし、また、公明党におきましても、環境部会長としてのお立場で非常に御理解をいただいてまいりました。

 御指摘のとおり、二〇〇五年の温室効果ガスの排出量速報値は一九九〇年度に比べて八・一%増加しておりまして、京都議定書での我が国の約束、六%削減の達成は、御指摘のとおり容易ではないという状況だと見ております。このような厳しい状況を踏まえれば、京都議定書目標達成計画で示された対策、施策の一層の加速化が必要となってまいります。

 さらに、来年度末までに行うこの計画の定量的な評価、見直しに当たっては、排出量の見通しと対策、施策の進捗状況を厳格に評価し、必要に応じて対策、施策を追加することにより、六%削減約束の確実な達成を図る必要があると考えている次第でございます。

江田(康)委員 今大臣から申していただきましたが、この京都議定書の目標達成計画の進捗というのは大変厳しい状況にあると私も実感しておるわけでございまして、やはり、対策の大胆な加速化がこれは必要であろうと。

 そこで、この目標達成計画に示されております幾つかの重要な施策につきまして質問をさせていただきます。

 まず、再生可能エネルギー、特に太陽光発電の導入加速化についてお聞きをしたいと思います。

 発電時に温室効果ガスを全く出さない無限のエネルギーでございます太陽光発電は、超薄型の軽量コンパクトパネル、また、こういう非常に薄いフィルム状でございまして、場所をとらずに、発電のピークが日中になるということもありまして、電力需要のピーク時の負荷の低減にも役立つ、すぐれものでございます。我が国の太陽電池の生産量は、皆様御存じのように世界ではトップシェアを占めておりまして、我が国の技術力を生かした世界展開が可能な分野でございます。

 私の地元の熊本県でございますけれども、昨年からことしにかけまして県内に二カ所の太陽電池生産拠点ができることを受けまして、ソーラー産業振興戦略というものを昨年の十一月に策定いたしました。熊本大学と産学官連携の推進協議会を立ち上げて、環境先進県として、広くアジアを視野に入れて、ソーラー産業の拡大と太陽光発電の普及に取り組んでいるところでございます。

 この京都議定書目標達成計画におきましては、二〇一〇年までに国内で四百八十二万キロワットという目標を立てておりますけれども、二〇〇五年は約百四十二万キロワットでございます。三割程度しかまだ進んでいない。対策の加速化が必要なわけでございますけれども、二〇〇五年になって国内累積導入量というのはとうとうドイツに抜かれてしまいまして、導入量の伸びは鈍化をしてしまっております。

 これにはさまざまな原因が考えられると思うわけでございますが、住宅用の太陽光発電に対する補助が二〇〇五年で打ち切られたことが大きく影響しているのではないかと私は考えます。どうしてこれは打ち切られたのか、経済産業省に説明をしていただきたいと思います。

望月政府参考人 お答え申し上げます。

 太陽光発電につきましては、かつては非常に高価でございました。そのため普及がなかなか進まなかったわけでございますけれども、そのために、経済産業省といたしましては、量産化などによるコスト低減を目指しまして、平成六年度から平成十七年度までの十二年間、住宅用太陽光発電システムの設置費用の一部を助成してまいりました。

 住宅用太陽光発電のシステム価格は、需要の拡大と技術開発の成果によりまして、助成開始前の平成五年度は一キロワット当たり三百七十万円でございましたけれども、これが平成十七年度には、五分の一以下の一キロワット当たり六十六万円に下がった成果を上げているわけでございます。

 こうした価格の低下に合わせまして補助額も、助成開始当初の平成六年度には一キロワット当たり九十万円であったわけですけれども、これも徐々に低下してまいりまして、平成十七年度には一キロワット当たり二万円まで下げました。補助事業による価格の大幅な低下によりまして、住宅向け太陽光発電の補助事業は、所期の目的、すなわち、技術開発の成果によって価格を下げるという目的を達したものと考えまして、平成十七年度で終了いたしたわけでございます。

 今後は、低コスト化にさらに向けた技術開発や、RPS法による電気事業者への再生可能エネルギーの利用の義務づけ、公共分野における太陽光発電の普及促進によりまして、太陽光発電の導入の促進を図ってまいります。

 住宅向け以外の公共分野の大型なものにつきましては、引き続き、さらに価格低下の目的のために補助金の継続をしているところでございます。

江田(康)委員 今、望月局長から御答弁願いましたけれども、確かに、これまでの技術開発や普及努力によりまして、住宅用の太陽光発電システムの設置費用というのは、今申されましたように、九四年には、三キロワット、大体三キロワットが家庭用の太陽光発電システムでございますので、三キロワットが六百万円であったものが、二〇〇五年には二百万円と半分以下となっております。

 しかし、補助金もそれに合わせて削減されておりまして、設置者の自己負担額というのはこれは変わらないわけでございます。最近の五、六年間の動向を見ますと、これも二百万円前後で、これは下げどまり感が出てきている、そういう状況がございます。今は投資回収に恐らく二十年もかかっているような状況なんです。これでは、普及はできずに、目標は達成できないと私は懸念するわけでございます。

 今後、太陽光発電の導入を加速するためには、より短期間で元が取れて、地球にも財布にも優しい、そういうものとして太陽光発電の魅力を増すような、需要喚起の呼び水となる誘導策が必要であると思います。

 そこで、特に初期投資の負担緩和のための補助金制度を再開するということについてはどうでしょうか。また、リース制度の創設を初めとしまして、やはり大胆な誘導策を進めるべきと考えるが、いかが考えられますでしょうか。

 そしてさらには、初期投資の負担軽減だけではなくて、やはり、太陽光によって発電をすればするほど報われる、そういう仕組みづくりも大変重要と思います。私は、昨年、ドイツ、デンマークなどの先進国の取り組みを見てまいりましたけれども、これらの国では、太陽光や風力発電などの新エネルギーの導入が急速に進んでいるその要因の一つに、やはり、固定価格買い取り制度というのが大変重要な役割をしていることを実感いたしました。

 我が国におきましては、先ほど長官から言っていただきましたが、一定量の再生可能エネルギーの買い取りを電力事業者に義務づけるRPS制度というのはございます。しかし、一定の効果は上げていると私もこれは評価し、また期待するわけでございますけれども、発電すればするほどやはり経済的にも報われるというシステム、新しい固定価格買い取り制度、そういうものを導入すべきであると考えます。

 大臣の力強いリーダーシップを大いに期待しておりますけれども、大臣の見解を伺いたいと思います。

甘利国務大臣 発電をする方としては、価格が高ければ高いほどしやすいのでありますけれども、買い取る方としては、その価格をどこかにツケを回さなきゃならないということになります。そうすると、電気料金に加算をしていくと、買い入れれば買い入れるほど電気料金が高くなるということになりますから、電気料金を抑えつつ、なおかつ新エネを拡充していくという、市場原理が働く買い取り制度ということで研究した結果、RPS法という新しい制度をつくったわけです。

 今御質問は、太陽光発電の補助金制度を復活せよということなんですが、これは、イニシャルコストを軽減するために補助金を出して量産効果を図った、その結果、今はキロワットアワー二十三円ぐらいですか、まで下がってきたわけなんですね。太陽光パネルの製作メーカーの方も、昔は屋根にふつり合いなものしかできなかったんですが、最近は、デザインも考えて、景観もよくなって違和感もなくなった、かなり当初の導入効果は上がってきたと思うんです。今、ドイツでは八十円ぐらいですから、これが電力料金に加算をされて、個々の電力負担が上がっているわけであります。

 幸い日本は、そういうユーザー負担をしないでうまいぐあいに量産効果を上げてくることができたし、見ばえの上でもいいものができてきたということで、これでかなり市場原理に乗ってきたというふうに思いますから、要は、政策は市場原理に乗るまでを後押ししてやる。市場原理に乗ったらメーカー間の競争ということが原則でありますし、その一方で、日本は、RPS法という市場と導入効果とがうまく整合性をとれる仕組みもつくっておりますので、こういう方向で進んでいきたいというふうに思っております。

江田(康)委員 大臣の太陽光発電に対する評価は私も共有するものでございまして、それはそれでよろしいんでございますが、経済産業省が本当に画期的な補助金制度を導入されて、やはり急速に太陽光発電の需要は上がってきたと思います。

 ただ、今までは、どちらかというと意識の高い方々、地球温暖化対策に貢献しようというような先駆的な方々が導入されてきたと思います。ここにおる大臣の皆様方にも、また委員の皆様方にも、多分、質問すれば、我が家に太陽光発電はそれほどないんじゃないか、そのくらい意識の、低いとは言いませんけれども、一般国民に広く普及していくことがこれから大変重要でございまして、そういう意味において、やはり国による補助金制度というのは大変重要な呼び水になる、そのように私は信じて疑わないわけでございます。これからさらに検討していただいて、その方向を見つけていただきたいと思うわけでございます。

 次に、住宅の省エネ対策についてお伺いをしたいと思っております。

 家庭部門からのエネルギー使用に伴う二酸化炭素の排出量というのは、九〇年から二〇〇五年にかけまして何と三七%もふえてしまっております。今後、二〇一〇年までに三千八百万トンもこれは削減しなければならない厳しい状況がございますが、太陽光発電の導入だけではなくて、二重窓にするとか、住宅のそういう断熱性の向上などが、省エネ化していく上で大変重要であると思います。

 特に、近年、住宅の長寿命化というか、寿命が延びておりまして、省エネ性能の悪い住宅を一たん新築してしまうと、それが長期にわたって悪影響を及ぼす、この住宅の省エネ化というのは、今から力を入れて、ビジョンを持って取り組まなければならない分野だと私は思うわけでございます。

 現在、省エネ法に基づいて、二千平米以上の新築及び大規模改修を行う住宅に対しては、省エネのために講じた措置を届け出る義務を課すなどの措置を講じているものと承知しておりますけれども、住宅対策の重要性にかんがみれば、届け出のみにとどまらずに、新次世代といいますか、省エネ基準の遵守を義務化すること、さらには、二千平米以下の住宅に対しても義務化することなども視野に入れた制度の強化が必要であると考えますが、いかがでしょうか。

 さらには、このような対策を加速化させるための誘導策、呼び水としましては、やはり、省エネ住宅の新築とか、省エネ化のための改修を行った場合の税制優遇措置と助成制度、そういうところも強化していくべきと考えます。

 このような住宅の省エネ化に向けた、より思い切った規制や、また誘導策を導入することにつきまして、冬柴大臣の力強い答弁を期待したいと思います。

冬柴国務大臣 民生部門におけるCO2排出量を抑制するために、住宅の省エネ化といいますか、そういうものの向上を推進するということは重要な課題、今、江田委員の御指摘のとおりだと思います。

 昨年の六月に住生活基本法が制定されました。これによりまして、今までの住宅の量の確保から、品質のいい住宅の確保ということに大きく政策転換をいたしたところでございまして、御指摘のように、今、木造建物であれば築後約三十年で壊してしまうというようなことで、日本では中古住宅市場というものが全く熟成していないわけでございます。

 しかしながら、新しい住生活基本法におきまして発想を大きく転換をいたしまして、いい住宅をつくって、そしてきっちり手入れをして、そして長く大切に使う、そのような思想に変更したわけでございます。したがいまして、現在の木造住宅でも四十年以上はもってもらおう、そういう方に政策転換をいたしております。そのことによって、住宅用廃材というもの、限られた資源というものが、住宅を壊すことによって大きなまた環境負荷が起こるわけでございますけれども、そのように命数を延ばすということ。

 それから、いい、高品質の住宅というものについては、この省エネ化というものが一つの大きなメルクマールでございますけれども、そのほかに、耐震性とかあるいはバリアフリー性とか、そのようないろいろなものがあるわけでございます。

 事省エネ性ということにかんがみますと、今までは何か暖房機の温度を、夏は上げる、冬は下げるというようなことで、温度調節によって省エネを図るというようなことが主だったわけですけれども、そうではなしに、今委員もちょっとおっしゃいましたけれども、例えば、天井材とか壁面材、床材についても断熱材を使うとか、あるいは気密材を使うとか、あるいは、直射日光が室内に入らないようにひさしとかブラインドをつける、あるいは、窓ガラス、開口部、大きいガラスが多いんですけれども、二重ガラスにするとか二重サッシにするということで驚くべき効果が上がるわけです。外気温と室内温、快適な室内温を維持する上においては、そのような省エネの推進は非常に重要だと思います。

 したがいまして、先ほど言われましたように、昨年の省エネ法、四月に施行されましたけれども、それによりまして、二千平方メートル以上の共同住宅につきましては省エネ措置を推進することを義務づけまして、それを所轄庁に届け出をさすということにしました。しかし、それ以外の住宅につきましては、これを努力義務ということにとどめまして、そのかわりに、そのような住宅を新築し、改築し、あるいは大規模修繕する場合にもし融資を受けるということになれば、公的融資につきましては、初年度五年間は〇・三%引き下げるという措置をインセンティブとしてとることによってそういうものを促進しようという政策をとっているところでございます。

 また、地方公共団体が公営住宅を建てるという場合には、その断熱改修をするというような場合には、まちづくり交付金、地域住宅交付金というもので大きく支援をしていこうという政策もとっておりまして、何としてもこの民生部門における負荷というものを緩和するように、今後も努力をしてまいりたいと思います。

江田(康)委員 大臣、大変丁寧な、また力強い御答弁をいただきましたが、やはり、民生、運輸というのが今CO2削減がなかなかできないところ、増加の一途をたどっているところでございますので、民生部門では、住宅が大変重要な対策が必要なところでございます。どうぞ、よろしくお願いをいたします。一緒になって、バリアフリー改修減税の次は省エネ改修減税という方向を模索して努力していかなければならないのではないかと思います。

 時間もあと少しでございますので、もう一つ、私の関心のあるバイオエタノールの本格的な導入について質問をさせていただきます。

 総理は施政方針演説で、バイオ燃料の利用率を高めるために工程表を作成すると表明をされました。環境大臣も所信の中で、本格的普及に向けて政府一体となって導入の加速化を進めると表明をなされました。

 しかし、幾つかただしたい点がございます。

 まず、二月十八日の朝日新聞の記事でございますが、石油業界の見解としまして、バイオエタノールの直接混合、E3ガソリンをつくる場合の直接混合は、水分がまざる危険性が高く、製造物責任を負えないとして直接混合に反対しており、環境省が進めている堺市におけるE3の実証事業についても、ガソリン調達やスタンド確保のめどが立っていないと報道がなされております。産業界から不協和音が聞こえてくるわけでございますが、このバイオエタノールの直接混合は普及に当たり本当に危険性があるのかどうか、お伺いをしたいと思います。

 また、この本格的な導入に向けては、揮発油税等の二重課税の問題、すなわち、製油所からのガソリン出荷時に揮発油税等が課税されておりますけれども、ガソリンスタンドなどでバイオエタノールをまぜてE3をつくった時点で再び課税されてしまうという問題を回避しなければなりませんけれども、どのように対応されておるのか。今後のバイオエタノールの本格的な導入に向けまして、環境省と経済産業省のそれぞれ取り組み方針を伺っておきたいと思います。

若林国務大臣 バイオエタノールを混合したガソリンに水分が一定量混入しますと、エタノールが水とともにガソリンと分離する、いわゆる相分離と呼ばれる現象が生ずると言われております。しかし、この水分の混入防止に留意した管理を行っていけば、相分離という現象は十分に防止できるものと認識いたしております。

 我が国では、実際に行われてきた各地でのE3、つまり三%エタノール混入でございますが、この実証事業におきましても相分離現象の発生はありません。品確法においても、ガソリンへのエタノール三%を上限とする混合は認められているところでございます。

 また、多くの国では、直接混合方式により、E10、E20など、エタノールのガソリンへの高濃度の混合が行われておりますが、特に問題が生じているということは聞いておりません。

 こうしたことから、ガソリン品質を確保しながらE3を導入することは十分可能であるというふうに認識いたしております。

 なお、御指摘いただいておりますバイオエタノールの二重課税の問題でございます。これを回避するためには、現行の制度の中で未納税移出の手続がございます。この手続をとることが可能でございます。

 なお、非課税措置自身につきましては、昨年度、税制改正要望を行ったところでありますが、なお引き続き検討課題ということとして認識をしているところでございます。

 環境省としては、京都議定書目標達成計画における二〇一〇年度五十万キロリットルという多くのバイオ燃料の導入目標を定めておりまして、この目標の達成を目指して、リーダーシップを発揮しながら、経済産業省とも相協力をして、積極的にこの導入を図ってまいりたい、このように考えております。

金子委員長 高木経済産業大臣政務官、時間が参っておりますので、簡潔にお願いいたします。

高木大臣政務官 ただいま、相分離現象につきましては、環境大臣と同じ認識を経済産業省はいたしております。

 一方、石油業界におきましては、バイオエタノールの直接混合に比べまして、水と混和しにくく、燃料蒸発ガスを発生させない等の利点を有する、ETBEとして導入することを目指しております。

 経済産業省では、バイオエタノール直接混合ガソリンの実証事業等を引き続き実施するとともに、来年度からは、関係府省と連携し、沖縄県宮古島におきまして大規模な実証事業を予定しております。また、バイオエタノールをETBEとして導入する方式につきましても、来年度より、石油業界が行うETBE混合ガソリンの流通に関する大規模な実証事業への支援を予定しております。

 今後とも、関係府省との連携のもとで導入促進に積極的に取り組んでまいりたいと思います。

 江田委員を初め、公明党、力強い後押しをいただいてまいりました。今後とも、どうぞよろしくお願いいたします。

江田(康)委員 時間でございます。今後、総理が指示された二十一世紀環境立国戦略、これを、環境大臣も、また総理も策定されてまいります。しっかりとした、政府が一体となってやれる、そういう環境政策が大きく進みますように、どうぞ大臣、強いリーダーシップをとっていただきたいと思います。

 以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

金子委員長 これにて江田君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

金子委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 平成十九年度総予算審査のため、八個の分科会を設置することとし、分科会の区分は

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府、防衛省所管及び他の分科会の所管以外の事項

 第二分科会は、総務省所管

 第三分科会は、法務省、外務省、財務省所管

 第四分科会は、文部科学省所管

 第五分科会は、厚生労働省所管

 第六分科会は、農林水産省、環境省所管

 第七分科会は、経済産業省所管

 第八分科会は、国土交通省所管

以上のとおりとし、開会日時につきましては、理事会にて協議することとし、分科会審査を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会の分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合は、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人及び会計検査院当局の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

金子委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、明二十七日午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十四分散会


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