衆議院

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第7号 平成23年12月5日(月曜日)

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平成二十三年十二月五日(月曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 中井  洽君

   理事 岡田 克也君 理事 笹木 竜三君

   理事 武正 公一君 理事 西村智奈美君

   理事 若井 康彦君 理事 若泉 征三君

   理事 石破  茂君 理事 小池百合子君

   理事 高木 陽介君

      石関 貴史君    打越あかし君

      江端 貴子君    小野塚勝俊君

      大西 健介君    逢坂 誠二君

      金森  正君    川内 博史君

      岸本 周平君    櫛渕 万里君

      小山 展弘君    近藤 和也君

      佐々木隆博君    橘  秀徳君

      中野 寛成君    仁木 博文君

      橋本 博明君    初鹿 明博君

      花咲 宏基君    藤田 憲彦君

      皆吉 稲生君    村越 祐民君

      室井 秀子君    山岡 達丸君

      山崎  誠君    山田 良司君

      横山 北斗君    和田 隆志君

      渡部 恒三君    赤澤 亮正君

      伊東 良孝君    稲田 朋美君

      小里 泰弘君    金子 一義君

      金田 勝年君    河井 克行君

      佐田玄一郎君    橘 慶一郎君

      野田  毅君    馳   浩君

      山本 幸三君    遠山 清彦君

      東  順治君    笠井  亮君

      佐々木憲昭君    阿部 知子君

      柿澤 未途君    山内 康一君

      下地 幹郎君

    …………………………………

   内閣総理大臣       野田 佳彦君

   総務大臣         川端 達夫君

   法務大臣         平岡 秀夫君

   外務大臣         玄葉光一郎君

   財務大臣         安住  淳君

   経済産業大臣       枝野 幸男君

   防衛大臣         一川 保夫君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     藤村  修君

   国務大臣

   (国家公安委員会委員長)

   (消費者及び食品安全担当)            山岡 賢次君

   国務大臣         蓮   舫君

   国務大臣

   (東日本大震災復興対策担当)           平野 達男君

   財務副大臣        五十嵐文彦君

   財務大臣政務官      三谷 光男君

   防衛大臣政務官      神風 英男君

   衆議院事務総長      鬼塚  誠君

   政府参考人

   (警察庁生活安全局長)  岩瀬 充明君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           田口 尚文君

   政府参考人

   (財務省理財局長)    田中 一穂君

   予算委員会専門員     春日  昇君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月五日

 辞任         補欠選任

  今井 雅人君     小野塚勝俊君

  川内 博史君     皆吉 稲生君

  岸本 周平君     櫛渕 万里君

  橋本 博明君     藤田 憲彦君

  馬淵 澄夫君     橘  秀徳君

  小里 泰弘君     河井 克行君

  馳   浩君     稲田 朋美君

  東  順治君     遠山 清彦君

  笠井  亮君     佐々木憲昭君

  山内 康一君     柿澤 未途君

同日

 辞任         補欠選任

  小野塚勝俊君     今井 雅人君

  櫛渕 万里君     岸本 周平君

  橘  秀徳君     初鹿 明博君

  藤田 憲彦君     橋本 博明君

  皆吉 稲生君     川内 博史君

  稲田 朋美君     馳   浩君

  河井 克行君     小里 泰弘君

  遠山 清彦君     東  順治君

  佐々木憲昭君     笠井  亮君

  柿澤 未途君     山内 康一君

同日

 辞任         補欠選任

  初鹿 明博君     馬淵 澄夫君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 予算の実施状況に関する件(政治とカネ等)


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     ――――◇―――――

中井委員長 これより会議を開きます。

 予算の実施状況に関する件について調査を進めます。

 本日は、政治とカネ等についての集中審議を行います。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として警察庁生活安全局長岩瀬充明君、総務省自治行政局選挙部長田口尚文君、財務省理財局長田中一穂君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

中井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

中井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。稲田朋美君。

稲田委員 おはようございます。自由民主党の稲田朋美です。

 民主党政権の政治と金の疑惑が後を絶ちません。鳩山元総理の巨額の子ども手当脱税疑惑、そして菅前総理の北朝鮮関連団体である市民の党への巨額の献金疑惑、そして前原元外務大臣、菅前総理、そして野田総理に対する外国人献金問題。どこが、クリーンでオープンな民主党、そして国民目線でしょうか。

 また、きちんと説明をなされておりません。中でも最大の疑惑が、小沢元代表の政治と金の問題です。民主党政権最大の功労者である小沢元代表のお金の疑惑を晴らさなければ、総理がそこに座っていらっしゃる、民主党政権の、そして野田政権の正統性が疑われています。

 九月に、小沢元代表の元秘書ら三名の有罪判決が出ました。その中で、岩手など東北の公共事業を天の声、すなわち小沢さんの一声で決めていた事実、また小沢元代表の天の声欲しさに業者が競って献金をしていたという事実が明らかになりました。

 今、国会で、東北の復興予算、十兆円以上の予算がつきました。小沢元代表の疑惑を晴らさなければ東北の正しい復興もできません。被災地の皆さんのための復興予算まで小沢元代表の天の声で決められたらたまりません。

 パネルを示してください。これは、小沢元代表の元秘書高橋嘉信さんの陳述書です。お手元にもお配りをいたしております。

 小沢元代表の秘書として天の声を発していた高橋嘉信さん、いつでも国会証人に応じて、国会で真実を話すとおっしゃっています。総理、元代表の小沢さん本人と高橋嘉信さんの証人喚問をして、国会で真実を明らかにすべきだと思います。民主党代表としての総理の御見解をお伺いいたします。

野田内閣総理大臣 小沢元代表の件については、現在公判中でありますので、その法廷の場できちっと御説明をされるべきものだと思いますし、その動きを注視していきたいと思います。

 今、証人喚問というお話、高橋さんも含めて出ましたけれども、これは国会で御議論いただければというふうに思います。

稲田委員 でたらめな言いわけや逃げはやめてくださいよ。

 総理は民主党の代表ですから、国会証人を決めて国対委員長に指示されれば、すぐに国会の証人尋問は実現するんです。また、裁判中とおっしゃいましたけれども、この天の声の問題は、今、小沢さんが被告人になっているその刑事事件とは関係がありません。ですから、逃げないで、クリーンでオープンとおっしゃるのであれば、すぐさま国会の証人尋問を求めます。

 委員長、小沢元代表本人と、そして高橋嘉信氏の証人喚問を求めます。

中井委員長 小沢さんについては、かねてから議論が続いております。高橋さんについては、今回、初めて御要求がございました。理事会で協議いたします。

稲田委員 総理、前沖縄防衛局長が不適切な発言を理由に更迭をされました。沖縄県民や女性に対する侮辱的な発言でした。その後に、一川防衛大臣が国会で、あろうことか沖縄少女暴行事件の詳細を知らないというあり得ない答弁をされました。沖縄県民だけでなく、日本国民全員が一川大臣に怒りを覚えています。

 総理、なぜ、このような事態になっているにもかかわらず、いまだに一川防衛大臣をかばい、更迭なさらないのですか。

野田内閣総理大臣 前沖縄防衛局長の発言は極めて不適切であり、今般の更迭は当然の措置であるというふうに思います。

 その上で、改めまして、沖縄県民の皆様の感情を大きく傷つけたことについては深くおわびを申し上げたいというふうに思います。

 その上で、一川大臣の発言でございますが、これは御本人に真意を確認していただければとは思いますけれども、詳細については知らないと申し上げたのは、恐らく、詳細をこういう場で語ることは適切ではない、あるいは不正確な記憶でしゃべることではないという御判断があったのではないかと私は考えております。

稲田委員 情けない言い逃れはやめてくださいよ。大臣が詳細を知らないとおっしゃったのは、本当に詳細を知らないとおっしゃったんですよ。その場で言うのがふさわしくないとかそういう問題ではなかったんです。

 しかも、官僚に責任をとらせて終わりですか。それが民主党のおっしゃっている政治主導ですか。部下に責任をとらせて御自分は保身を図る、それが政治主導ですか。政治主導というのは政治家が責任をとることですよ。

 一川大臣、御自分の部下には厳しく、そして自分には甘い、それで示しがつくんでしょうか。大臣、お答えください。

一川国務大臣 お答えいたします。

 今御質問の、私の発言のことがちょっと出ましたので、事実関係と私の思いを述べさせていただきますけれども、参議院の復興特別委員会の席で、佐藤委員の方からそういう質問がございましたときに、私は沖縄の問題というのはかねてから関心を強く持っておりましたし、いろいろなことはある程度は承知いたしておりますけれども、少女暴行事件の件について、急にそう言われたものですから、私はあの委員会の場でそれを詳細に説明するということは、余り事件の性格上よくないというふうな思いがございました。

 そういう中で、私の表現が非常に、そういう面では、いい表現では当然なかったわけでございますが、自分自身は、もう既に沖縄での少女暴行事件から十六年経過しておりますし、それがもとで、当然、沖縄県民の大きな当時の怒り、そういったものが米軍基地に対する整理縮小なり返還という運動に大きくつながってきた出来事であったことは、非常に痛ましい事件であったことは間違いないわけでございますので、それに基づいてのSACO合意というものがなされ、それからもう丸十五年経過している中では、今回のこの普天間問題にしっかりと負担軽減の内容を込めた、そういう措置を我々は誠心誠意これからも努力すべきであるというふうに思っておるところでございます。

 また、私の今回のこのことに対する責任は、当然、監督責任なり、また我々の思いが沖縄の出先の局長さんに十分浸透し切っていなかったという面の、そういう責任は当然あるわけでございますので、自分の大臣職としての給与の返納も含めて、私も大臣としてのしっかりとした対応はしてまいりたいと思っておりますし、また、御本人の処分についても、今検討中ではございますけれども、早急に結果を出してまいりたい、そのように思っておるところでございます。

稲田委員 大臣、しかも、大臣をかばっている総理、今の大臣の言いわけを信じる人はだれ一人いませんよ。あの国会の答弁の大臣の様子を見れば、本当に知らなかったんですよ。しかも、詳細を答えろと佐藤さんは言ったのではなくて、その概要とその影響を大臣の口から答えなさいということですよ。何をごまかしをおっしゃっているんですか。

 そして、給料の返納、お金の問題じゃないんです。防衛大臣、あなたは自分の役目がわかっているんですか。あなたの役目はこの国を守ることであって、あなたの身の保身を守ることじゃありませんよ。いいかげんにしてくださいよ。

 大臣、もう一度、これだけ混乱をさせて、官僚の責任じゃないんです、あなたの責任なんです。この混乱を、そして沖縄県民の怒りを自分が受けとめて、この場で辞任を表明されるべきだと思いますが、この場で表明をされませんか。

一川国務大臣 私は、二日に沖縄県知事さんの方にお会いをして、今回の前局長の発言の問題を含め、私の国会での発言の問題も含め、しっかりとおわびを申し上げてまいりました。

 そういう中で、県議会の議長さんにもお話をさせていただきましたけれども、これからしっかりと私たちは、この問題については沖縄県民の心の痛みというものを払拭するのには相当努力が必要だと思いますし、また、信頼回復は大変なことだろうとは思いますけれども、私なりにまた一生懸命この職務を全うしてまいりたいというふうに思っておるところでございます。

稲田委員 先ほどの、詳細は知っていたけれども適当ではなかったというような、そんな言いわけで沖縄県民に謝罪の気持ちが伝わったんですか。二日の日、大臣は知事に会われて、沖縄県民に謝罪をして、その謝罪は沖縄県民に伝わったんですか。もう一度お答えください。

一川国務大臣 知事さんからのお答えも含めて、もう大変厳しいものであったというふうに私も認識いたしております。

 私の今回のおわびだけで沖縄県民の皆さん方の理解が得られたというふうには私たちも思っておりませんし、これから引き続き努力はしてまいりたいというふうに思っております。

 沖縄県内には約七千人の、自衛隊を含めた職員もお世話になっておるわけでございますので、我が国の安全保障上問題が生じないように、しっかりと私なりにまた努力をしてまいりたいというふうに思っております。

稲田委員 何を甘い認識を言っているんですか。沖縄の皆さんは許していませんよ。日本国民も許していませんよ。知事も途中で退席なさったじゃないですか。県議会から抗議文を渡されたじゃないですか。あなたは公じゃなくて私を優先しているんです。そして、自分の保身を優先しているんです。そんな人にこの国を守れるわけありませんから。

 今の大臣の答弁を聞かれて、総理、それでも総理は一川防衛大臣を更迭しないで、そして一川防衛大臣を守るおつもりですか。

野田内閣総理大臣 大変沖縄の皆様の感情を傷つけた、これは本当に申しわけない気持ちでいっぱいでありますが、そのことも踏まえて、一川大臣におかれましては、これまで以上に襟を正して職責を果たしていただきたいと考えております。

稲田委員 そもそも大臣には公の気持ちというのがないと思います。ブータン国王の宮中晩さん会をキャンセルして、御自分の同僚のお金集めパーティーに行って、そして、ブータン国王の晩さん会よりもこっちの方が大事だ、そのようにおっしゃいました。それは、はしなくも大臣の本心を言われたと私は認識をいたしております。

 これだけじゃないんです。小松でF15の燃料タンクが落下をいたしました。そのとき、大臣は一週間後に小松におり立った。しかし、その現場を素通りしてどこへ行かれたか。やはり民主党の政治資金集めパーティーに行かれたんです。お金集めパーティーに行って、F15の燃料タンクが御地元に落ちて、そしてそれが、私は現地を視察しましたけれども、高速道路のすぐそば、民家のすぐそばの空き地に大きな穴があいている、ビルの屋上にも落ちている。そして、基地司令は、人身に事故が起きなかったのは奇跡だとおっしゃっている。

 こんな大変な事故が起きているにもかかわらず、大臣はなぜ、政治資金パーティーに行って、空港から五分もかからない現地に行かずに政治資金パーティーだけに行って、そちらを優先したんですか。

一川国務大臣 小松基地におけるF15の燃料タンク落下事故につきましては、F15にとっては初めての事故でもございますし、大変な厳しい、ゆゆしい事故でございました。これは、私は、地元に生活をし、あの周辺にいる人間でございますから、落下した場所は大変高速道路にも近い場所で、万一のことがあれば大惨事につながったであろうという面では、今先生御指摘のとおり、大変な事故であったという認識は持っております。

 ただ、私は、地元であるからこそ、自分がその原因究明の前に余り地元へ出入りをしてあいまいな格好で処理したくないということで、徹底的に省内において、この事故の原因究明、そして再発防止に全力を尽くすべきであるという思いでございました。ようやく、先般、事故調査委員会においてその原因の究明が明確になり、そして再発防止についても、新たにそれをつくり上げ、今、地元の自治体の方にその説明に入っているところでございます。そういう面で、私は、地元であるからこそそれなりに厳しく対応してきたということでございます。

 また、民主党石川県連のパーティーに顔を出したことは、確かに事実でございます。それは、前後のいろいろな日程の関係でそういう日程をとらざるを得なかったということでございました。

稲田委員 質問に答えていないんですよ。結局、今、いろいろ弁解しただけで、現地視察するよりもパーティーを優先した、そのことをおっしゃっただけなんですよ。弁解ばかりやめてください。そして、現地に行かなかった理由に何もなりませんよ。真っ先に行くべきなんです、御地元でもあるし、防衛大臣なんだから。そして、小松まで行ったんだから。

 いつもそうなんです。大臣は、事故後の十一日の記者会見で、防衛省の対応が遅過ぎる、国民目線じゃないと言って、また官僚に責任をなすりつけて批判をした、その御自分は結局行っていないんですよ。沖縄もそうです。どうして沖縄に事務次官を行かせて、御自分は行かなかったのか。なぜあなたは、御自分は行かずに官僚だけを行かせて、官僚の批判ばかりしているんですか。

一川国務大臣 今回の前沖縄局長の発言は、先週の月曜日の夜、マスコミとの懇談会の中で発言した内容が翌日の二十九日の新聞で報道されました。その後、私は二十九日の日に本人を直接東京に呼んで、そして事実を確認した上で更迭の発令をしましたけれども、そのことについて、翌日、三十日に事務次官を現地に行かせました。それは、私自身が、三十日にもう既に国会の日程が入っていたと思っているんです。そういう関係もあって、私は、申しわけなかったですけれども、事務次官に、現地に行って沖縄県知事にお会いをしておわびをしていただくということになりました。そういう状況でございまして、その後、いろいろな委員会の日程等もございまして、私が行くのが二日の日になったということでございます。

 沖縄県民の皆さん方には改めて心からおわびを申し上げたい、そのように思っております。

稲田委員 全く答えになっていませんよ。三十日、党首討論があった日、あなたは総理の後ろに座っていたじゃないですか。党首討論で席を暖める暇があったら、沖縄に行って、そしておわびをなさるべきなんです。小松もそうなんです。私は、現地の、小松の地元の方にお会いいたしましたけれども、烈火のごとく大臣の対応を怒っておられましたよ。沖縄県民も同じなんですよ。大臣は結局、何が大事かが全くわかっていないんです。そして、自分の国よりも、自分の保身だけなんですよ。部下に厳しくて自分に甘い、決して責任をとらない。

 不用意な発言が多過ぎる。素人だなどと発言をされました。総理、御自分のことを素人だなどと発言している防衛大臣を置いておくこと自体、国益に反しますよ。そんなおめでたい政府は世界じゅうどこにもありませんよ。防衛大臣が、自分は安全保障の素人だなどと言っている、そんな人を防衛大臣に据えている、そんなおめでたい国はどこにもなくて、世界じゅうからの笑い物ですよ。

 総理、今でも一川防衛大臣のことを適材適所だと思っておられますか。

野田内閣総理大臣 今の一川大臣の大臣就任直後のお話というのは、国民の目線で仕事をしていきたい、そういう思いでお話をされたものと思っております。

 私は、これまでの政治的な経験とか知見等々を踏まえて、一川大臣は必ずしも防衛畑をスペシャリストとして歩んできたわけではありませんが、ゼネラリストの政治家としての資質を考えて、適材適所で選ばせていただいたということであります。

稲田委員 笑わせないでくださいよ。国民目線と言うのであれば、素人を防衛大臣にしないでほしいというのが国民目線ですよ。

 そして総理、そもそもこの沖縄の問題は、鳩山元総理のできもしない空手形、国外、最低でも県外、そして自分には腹案があると言って、腹案はなかったんです。それが今沖縄の皆さんを苦しめている最大の原因です。

 総理、あなたが代表を務めている民主党の責任ですよ。沖縄県民そして国民に対して、鳩山元総理の、国外、最低でも県外、この発言が誤りであったことをこの場で認めて、謝罪してください。

野田内閣総理大臣 政権交代をした以降に、いわゆる県外移転の可能性を探り、そしてさまざまな検証をいたしました。その結果、現在の日米合意に基づいて、普天間の危険性を一刻も早く除去し、沖縄の皆様の負担を軽減するという基本姿勢に変わりました。

 この間にいろいろ曲折がございましたこと、そしてその間に沖縄の皆様に御迷惑をおかけしたことは、改めておわびを申し上げたいというふうに思います。

稲田委員 間違いなんです。そして、それは単に、沖縄県民の皆さん方の気持ちを傷つけた、もちろんそれは大きいです。それと同時に、日本国の安全も脅かしているんだという認識を持っていただきたいと思います。

 また、総理の、沖縄に関して、全力を尽くして解決したいとか、言葉だけじゃないですか、すべて。素人の防衛大臣やら外務大臣に任せっきりにして、一回もあなたは沖縄に行っていないじゃないですか。一体いつ沖縄に行くんですか。一刻も早く沖縄に行かれるべきだと思いますよ。

 今月の十二、十三日、南京大屠殺記念館の行事に合わせて中国に行かれるそうですけれども、土下座外交をする暇があったら沖縄に行くべきだと思いますが、いつ行くんですか。

野田内閣総理大臣 別に南京陥落の日に合わせて行くわけでもありませんし、土下座外交をするわけでもございませんので、今のお言葉は私は適切ではないというふうに思います。

 沖縄については、これは適切な時期に行けるようにしていきたいというふうに考えております。

稲田委員 適切な時期とは一体いつですかということを聞いているんですよ。一刻も早く行くべきだと私は思います。言葉だけなんですよ、総理がやっていらっしゃることは。

 いずれにいたしましても、一川大臣が防衛大臣でいる限り、絶対に沖縄基地問題は解決しません。もっと悪化する一方です。これ以上、沖縄県民の心を傷つけて、日本の危機を大きくし、外国から足元を見られることはやめていただきたい。即刻一川大臣を更迭し、一川大臣がこれほどまでに沖縄県民と国民を傷つけ、国益を損ねたことを自覚していただいて、大臣辞任だけでなく、私は議員辞職されることを勧告いたします。

 山岡大臣、山岡大臣に対する疑惑をパネルにいたしました。ここに書いただけでも八項目です。こんなにもあるんです。これはすべて委員会で明らかになり、しかも、総理が任命時に明らかになっていた疑惑ばかりです。疑惑のデパートどころか、大臣は疑惑がスーツを着て歩いているような人だと私は思います。

 この疑惑について、一つ一つ読み上げます。

 一つ目、マルチから三百九十九万円の献金を受領されています。

 また、選挙違反の疑惑。大臣の平成二十一年の選挙違反で、電話作戦運動員を買収した疑惑で告発をされ、現在捜査中です。国家公安委員長が告発をされ、捜査中ですよ。捜査のトップが捜査の対象だという、笑えない冗談のようなことが起きております。

 また、真岡市長選で秘書の給与肩がわりを要求して、六百万要求をして四百五万支払わせたという疑惑があります。これは、元真岡市長夫妻が、参議院の参考人招致を拒否されましたけれども、十二月一日に議員会館にお見えになりまして、私も直接御夫妻からお話をお伺いいたしました。御夫妻は、あなたと秘書がやってきて、そして秘書の給与肩がわり六百万を払えと言ってあなたのペーパーカンパニーに払わせた、これは裏献金の疑惑ですけれども、それを真岡市長夫妻はお話しになって、陳述書にもまとめておられます。

 また、マルチ企業違法献金疑惑。ペーパーカンパニーを通して裏献金。政治資金規正法違反です。

 また、反消費者保護疑惑。これは、消費者保護に取り組んでいる伊賀の社協に対して、あなたが会長をしているマルチを推進する民主党の国会議員の議連が圧力をかける抗議文を出しております。

 また、大臣自身がマルチ商法を勧誘して、当理事会でも大臣のDVDをごらんになったと思いますけれども、大臣がマルチ企業の会員集めパーティーに行って、そして、会員を集める、そんな講演をされております。また、大臣の二人の女性秘書がマルチ企業に入り、そして会員になり、勧誘をしておられ、トップセールスレディーだと大臣もその講演の中で自慢しておられました。また、真岡市長の奥さんは、議員会館に来られて、その女性秘書からマルチの商品を買わされたということもおっしゃっております。

 また、論文盗用疑惑。違法献金に利用をされております。

 また、不正改名疑惑。金子、藤野、山岡と、次々とお名前をお変えになった、そういう疑惑も、これはすべて当委員会でも明らかになっております。

 これらは、総理、総理が山岡大臣を任命されるときに、既に報道等で明らかになっている疑惑です。なぜ、これほどの疑惑のある人を、国家公安委員長そして消費者担当大臣に任命したのですか。総理、お伺いをいたします。総理に聞いております。

野田内閣総理大臣 今御指摘をいただいたようなことについては、これまでも国会審議の中で山岡大臣が直接御説明をされてきているというふうに思いますし、これからも必要があればそういう説明をさせていただければというふうに考えておりますが、いずれにしても、政治家としての経験、蓄積を踏まえて適任と判断をして、選任をさせていただきました。

稲田委員 私の質問は、任命されたときに、どうしてわざわざこういった、告発中そしてマルチ推進の疑惑のある人を国家公安委員長そして消費者担当大臣と笑えない冗談のようなそんな任命をされた、それを適材適所と思って任命をされた理由は何ですかという質問をしたと思います。

野田内閣総理大臣 政治家個人の問題として指摘をされていることでございましたが、御本人からは全部説明可能な話だというふうに私は承っておりましたし、それも国会の中でも御説明をされているというふうに思います。

稲田委員 総理の見識を疑いますね。これだけ疑惑のある人を、本人の話を聞いて、疑惑があるということだけで、国家公安委員長、消費者担当大臣に任命した途端、国民の信頼が失われて、野田政権の信頼性が揺らぐんですよ。なぜそんなことをされたのか、全く理解ができません。(山岡国務大臣「委員長」と呼ぶ)聞いておりません。質問しておりません。

中井委員長 僕は別に答えろと言っているわけではないから、そう興奮せずにやってください。

稲田委員 はい、そうですね。(山岡国務大臣「お答えします」と呼ぶ)聞いておりません。

 山岡大臣が推進しておられたマルチは、ネズミ講と本質的に同じです。ネズミ講と同じで、ビジネスにふなれな個人を販売員として勧誘して連鎖的に組織を拡大し、多額の紹介料などが入っておいしい思いができるのはピラミッド組織のトップクラスだけなんです。結局、もうかるのはほんの一部、大部分が損をして、被害者が連鎖的に被害者をふやす、被害者が加害者になる。だから、マルチは決して推進すべき取引ではありません。このようなマルチ取引は、ネズミ講同様、罰則をもって禁止すべきものです。

 総理、山岡大臣を消費者担当大臣兼国家公安委員長に据えるということは、野田内閣がマルチ商法を推進する立場に立ったというメッセージを国民に発信していることになるんです。これによって、マルチ商法被害が拡大するかもわかりません。一体、どこが国民の生活が第一ですか。口先だけじゃないですか。総理、いかがですか。

野田内閣総理大臣 当然のことながら、法令遵守で臨むべきであって、マルチ商法を奨励するような立場には全くございません。

稲田委員 総理のそういう認識がおかしいんですよ。適法だったらいいというんじゃないんです。消費者担当大臣というのは、法と法のすき間で苦しんでいる被害者を救うんです。適法だったらいいなんという考え方でマルチを推進している山岡さんを消費者担当大臣に適任だと思われたとすれば、総理の任命責任を問わなければならないと思います。

 山岡大臣、大臣は平成二十年、マルチ企業のC社からの献金、合計五十五万円を返金したそうですが、五十五万円はどのようにもらって、どのように返金をしたのか、質問通告をいたしておりますので、私の質問にのみ簡潔にお答えください。

山岡国務大臣 質問にのみ、質問にはお答えいたしますが、一方的にこういうふうに疑惑と称して、中身のないものを疑惑と。こうしたものは私の名誉にかかわりますので申し上げますが、この件はいずれも、三年前に、私が民主党の国対委員長、当時野党でありましたけれども、政権をかけての激しい戦いをやっているときに、自民党さんの方から持ち出され、週刊誌にそのことを書かれたというか書かせたというか、そういうものであるわけで、三年たった今日、全く同じことを今繰り返しているわけでございますが、いずれもそういう疑惑ではありません。

 まず第一に、この一番目の三百九十九万、正確な数字はわかりませんが、献金を受けたと。これはそのとおりで、この数字はわかりませんが、そのとおりでございますから、ですから、私は、消費者担当大臣になって以来、これは違法性はないんですが、誤解を受けたくないということで、自発的に全部今お返しをしているところでございます。

 二番目の……

中井委員長 山岡大臣、お気持ちはよくわかりますが、この資料につきましては、先ほど各党間で協議があり、幾つかのところへクエスチョンマークをつけて、資料そのものもどうだという論議をいたしましたが、理事会で了解をいたしております。

 あなたのお答えになりたい気持ちはわかりますが、この間も答えておられますから、稲田さんの御質問は、五十五万の献金問題を、どう受け取ってどう返したかということですから、それに端的にお答えをいただくように委員長から要請します。

山岡国務大臣 要請はよくわかりますが、こういう公式の会議ですから……

中井委員長 山岡さん、だめです、それは。五十五万のことについて答えてください。

山岡国務大臣 では、結論から申し上げて、こういう疑惑はありません。

 そして、この五十五万のことで、四十五万のことでございますけれども、これは、二〇〇八年にこういう問題を皆様方が国会で、今申し上げたとおり、私が国対委員長のときに、とにかく山岡の、何でもいいから洗い立ててやれという指示だったそうですけれども、そういうことで取り立てられたことがあるものですから、違法ではありませんが、私の国対委員長としての活動に誤解を受けてはいけない、こういうふうに思いまして、その年から、もうお受けするのはやめなさい、こういう指示を事務に出し、そして、その年に出てきた話ですから、少なくともその年のものは全部返還をしなさいと言ってお返しをしたものであります。

 そして、今日、消費者担当大臣になりましたから、その前もさかのぼって自発的に、誤解を受けないように、今判明しているものから自主的に返金をしているところで、違法であるから返金をしているわけではありません。

稲田委員 疑惑はありませんとおっしゃったけれども、疑惑はあるんですよ。だから、この委員会でさまざまな質問をし、真岡市長夫妻も参考人招致をしているわけです。

 また私の質問にお答えになっていないんですよ。C社からどのように献金があり、そしてそれをどう返したのか。質問通告しているんです。

 そして、新聞報道等でも、合計五十五万円だ、うち十万円は、株式会社ニューワールドに払ったものが返されてきたと新聞報道に出ておりますし、大臣は、弁護士を通じて、そのことについても回答されているじゃないですか。どうして今そのことをお答えにならないんですか。

山岡国務大臣 政治資金規正法というのは、先生は弁護士ですから御案内のとおり、それをいただくと無税になるものでございますから、純然たる政治活動に対していただくものでこの報告をしているわけでございまして、したがって、私がいただいたものに対しては返金をしている、そのほかのことについては、私は承知をしておりません。

稲田委員 具体的にお答えになりませんけれども、大臣は、C社から民主党栃木県第四総支部に月額五万円、一月から九月までの計四十五万円、そして株式会社ニューワールドに花代十万円、総合計五十五万円を受領し、返金したんです。このことは私は質問通告をいたしておりますから、今の抽象的な答弁ではお答えにならないんです。

山岡国務大臣 御通告のとおり、四十五万円は返金をいたしました。そして、もう一つのその十万円というのは、報道にどうあったかは知りませんが、私は承知をしておりません。

稲田委員 その点もまた虚偽の答弁をなさるわけですね、この期に及んで。

 四十五万円はお認めになりました。毎月五万円ずつ四十五万円振り込まれて、そしてそれをお返しになった。その両方とも全く収支報告書に記載されておりません。これは明らかな政治資金規正法違反です。

 この政治資金規正法違反の時効はまだ完成していませんし、しかも、実行行為者はあなたの秘書官ですよ。どう責任をとるんですか。

山岡国務大臣 もちろん、私の、その年にもらった分はすべてお返しをしろ、こういうふうに申し上げました。そして、その実務担当者は、そのことについては選管や会計士さんや弁護士さんと相談をして、適正に処理をしたというふうに報告を受けております。

稲田委員 しかし、収支報告書には不記載なんです。そして、その実行行為者は、今あなたの秘書官をされている。国家公安委員長の秘書官が実行行為者で、政治資金規正法違反が明らかに成立することを今大臣はお認めになったんです。しかも、故意ですよ、もらったことも返したことも御存じなんですから。

 この政治資金規正法違反について、まず責任をおとりになるべきだと思います。

山岡国務大臣 その年にもらったものをきちっと返せ、私はこういう指示をして、事務的には、ちょっと申し上げますが、それをしたのはその秘書官じゃありません、事務ですけれども、事務はきちっと選管とその対応を相談して、適正な処理をした、こういう報告を私は受けております。

稲田委員 それは、単に法律を知らなかったという答弁にしかなりませんよ。だって、今大臣は、もらったことも返したこともお認めになっているんです。

 その不記載、もらったことの不記載、返したことの不記載、一カ月ごとに成立をいたします。そして、そのときの会計責任者が今のあなたの秘書官ですから、その方が実行行為者なんです。あなたの収支報告書に会計責任者と書いてありますから、それが不記載の実行行為者なんですよ。

 また、山岡大臣、あなたの政治資金規正法違反はそれだけではありません。

 あなたは、平成十九年二月六日、賢友会主催の山岡荘八先生生誕百年を祝う会という政治資金パーティーを開催されました。このとき、ネットワークビジネス推進連盟からパーティー券代三十万円を受領されております。これまた収支報告書には未記載です。これも政治資金規正法違反です。時効にもかかっていません。この違法行為の責任は、どうとるんですか。

山岡国務大臣 そのパーティーは、七年に行ったものです。会費は三万円でございました。そして、このネットワークビジネスのグループから十人参加されるということで、三十万円のお金を事前に会費としてお持ちをいただいたので、三十万円の領収書をお渡しをしていたんですが、当日出席された方が六人であるということで、後ほど十二万円をお返しして、領収書を回収して、新たに十八万円の領収書をあちらにお届けをしております。

 そして、当方としては、二十万円以下ですから、二十万円以上のものは報告をいたしましたが、二十万円以下のものはそういうパーティーの扱いで表には出ていないようですけれども、ただ、あちらに対しては、三十万円のこのことは訂正をしていただきたい、こう申して、訂正をしているはずでございます。それを、あちらのこの報告書のその後のものをお調べいただきたいと思います。

 いずれにしても、私どもがいただいているのは、ここに領収書もありますけれども、十八万円でございます。

稲田委員 さまざまな弁解をされておりますけれども、明らかに収支報告書不記載の政治資金規正法違反は成立している犯罪が幾つもあるんです。実行犯は秘書官で、そしてその対象となっているのは国家公安委員長ですよ。もうあり得ないと思います。責任をおとりになるべきです、明らかな違法行為ですから。

 そして、総理、このマルチ献金は、山岡大臣だけじゃないんです。民主党にもあるんです。党ぐるみでマルチを推進されていたと思います。

 平成二十年十月二十日に、民主党は、ネットワークビジネス推進連盟から平成十六年にもらった百万円の政治資金パーティー券代を返金しています。なぜ返金したんですか。

野田内閣総理大臣 詳細は承知しておりませんけれども、平成二十年にネットワークビジネス推進連盟に百万円を返金した事実はございます。

 この返金は、平成二十年十月十六日に参議院の予算委員会質疑で取り上げられておりますけれども、平成十六年のパーティー券の販売に関して、先方の収支報告書に記載されており、民主党の収支報告書に記載がなかったという問題がありました。それを踏まえて当時の幹事長代理のコメントが出されており、それによると、販売、入金の記録がなく、しかし、先方の収支報告書に記載がある以上、党の取り扱い上に事務的なミスがあったものと判断して、返金をして、遺憾の意を表明したという経緯がございました。

稲田委員 不記載だったら返金する必要はないんです。マルチから献金をもらうのはよくないと判断をしたから返金をしたんです。

 パネルを見てください。

 同じ年に返金している民主党のパーティー券、ユナイテッド・パワー株式会社三百万円、在日本朝鮮青年商工会中央常任幹事会百万円です。ユナイテッド・パワーは業務停止を受けたマルチ企業、もう一つは朝鮮総連です。これらと同列にマルチ推進連盟があって、献金を受けるべきではないと。

 その直前に前田雄吉参議院議員のマルチの問題もあって、そして離党され、政治家をやめられた。そんなこともあって、マルチ企業から献金を受けるのはよくないので、民主党もお返しになったんです。

 民主党がマルチからお金をもらったのは、これだけではありませんよ。パーティー券を平成十七年七十万円、平成十八年七十二万円、平成十九年三十万円も、マルチ推進連盟から買ってもらっているんです。これらも返されるべきだと思いますが、いかがですか。

中井委員長 稲田さん、一つだけ、ごめんなさい。朝鮮総連百万と言われたが、三十万円です。後でお直しください。(稲田委員「はい。失礼しました」と呼ぶ)

野田内閣総理大臣 先ほども御説明したとおり、平成十六年の件については、先方の収支報告書には記載されているけれども私どもの方になかったということで、事務的なミスがあったものと判断をして返金したんです。それ以降のものについては、ちゃんと記載をしておりますので、返金をしておりません。

稲田委員 一体どこが国民生活が第一の政党ですか。政党ぐるみでマルチから献金をもらっているじゃないですか。

 そして、先ほど指摘をいたしましたように、山岡大臣には明らかな政治資金規正法違反が成立をしていることを、この場で大臣はお認めになったんですよ。法律を知らないだけで、故意なんです。そのことを踏まえて、即刻山岡大臣を更迭されることを求めまして、私の質問を終わります。

中井委員長 この際、河井克行君から関連質疑の申し出があります。稲田さんの持ち時間の範囲内でこれを許します。河井克行君。

河井委員 おはようございます。自由民主党の河井克行です。

 先ほどから、同僚の稲田朋美議員に対する、沖縄問題、野田総理大臣並びに一川防衛大臣の答弁を聞いていて、言い逃れと責任回避ばかりだ。こんな答弁しかできないような今の内閣、政権の姿勢、沖縄県民の皆さんは、けさの皆さんの答弁を聞いて余計に怒りが増していますよ。そして、国民もまさに失望を感じている。簡潔かつ的確にこれからの答弁をしていただきたい。

 先ほど一川大臣は、日程的に沖縄にすぐおわびに行くことができなかったとおっしゃったけれども、あなたにとって今、沖縄問題以外に、沖縄問題以上に重要な日程はほかにあるんですか。日米同盟の揺らぎ、在日米軍再編の停滞、その象徴が辺野古移設の難航じゃないですか。そのためにも、沖縄の県民がまさに怒りに怒っている、これをおわびに行って静めることがあなたの閣僚としての最重要課題だと思う。それが、日程的に行けないなんて、何を言っているんですか。

 これは、私が言っているだけではない。三日の新聞各紙電子版は一斉に、前原誠司民主党政調会長が防衛大臣を批判したことを報じた。例えば日本経済新聞は、勉強不足が過ぎるとあなたのことを厳しく批判した、前原氏は、過去の経緯くらいは勉強してほしい、そうでないと安全保障、米軍との関係の問題もうまくハンドリングできないのではないかと防衛大臣としての資質に疑問を呈したということです。勉強不足が過ぎるとは、批判の二重表現ですよ、これは。これ以上厳しい表現はない。

 そこで、まず一川防衛大臣御本人にお尋ねします。

 一、あなたは、少女暴行事件など沖縄の基地問題にかかわる過去の経緯はよく勉強していると思いますか。

 その前に、あなたは沖縄に謝罪に行く日の朝、会見で、少女暴行事件を少女乱交事件と言ったんですって。お答えください。

一川国務大臣 お答えいたします。

 今、最後に先生がおっしゃった、私は乱交事件という表現は使っていないつもりでした。乱暴事件という言い方を当時使っていたつもりなんだけれども、何か発音が悪かったのか、そういうことになったのかもしれませんけれども、いろいろな先輩の、沖縄県の国会議員の方々からも、当時の少女暴行事件は、少女ランコウ事件というような言い方でも当時言われていたというお話を聞いておりましたので、そういう表現を使ったというふうに思っております。

 また、日程の問題につきましては、先ほど御答弁しましたように、私自身は国会の本会議なり委員会の日程の中で、まず事務次官に事務的にしっかりと説明してもらうということで行っていただいたということでございますので、私は、日程的には金曜日の日に行く時間しかとれなかったという面では大変申しわけなかったというふうに思っております。

河井委員 いや、だから質問に答えなさいよ、大臣。過去の経緯をあなた自身がよく勉強していると思っているか否かと聞いているんです。答弁してください。

一川国務大臣 私自身は、個人的な問題ですけれども、約四十年前に沖縄県が本土に復帰した折に、実は国会議員になる前に沖縄県の仕事を担当した時代がございました。

 そういうこともあって、当時しょっちゅう沖縄に行っておりましたので、そういう面で私は、沖縄県のいろいろな課題の中では米軍基地の問題の負担を軽減するということが、大変沖縄県にとっては大事な課題であるという認識は当時から持っておりましたし、そういう面では、先ほど先生がおっしゃったようなことについては自分なりに関心を持ってきたつもりでございますけれども、詳細に物事がすべてわかっているというつもりではございませんけれども、しかし、今回の少女暴行事件というのは、沖縄県の米軍基地に対する沖縄県民の怒りが沸騰したという痛ましい事件であったということは間違いないわけでございますし、そういうことを受けての、今、普天間飛行場の返還の問題につながってきているというふうに承知をいたしております。

河井委員 昔の詳細な経緯ではなくて、それでは、つい最近あなたが仲井真知事と会ったときに知事から言われたことについて触れます。

 一年半前の名護市長選挙で、辺野古移設絶対反対の候補者が当選しましたね、大臣。この候補者を推薦した政党はどこですか。

一川国務大臣 名護市長選挙のときに、民主党が推薦したというふうに思います。(河井委員「思います」と呼ぶ)いや、民主党が推薦いたしました。(発言する者あり)県連ですね、済みません。

河井委員 そのことについて、あなたに県知事が会ったときに、民主党は辺野古移設に反対の候補者を応援し当選させた、この経緯について民主党として納得のいく説明をお願いしますと申し上げてきた。

 あなたはこれまでの経緯について勉強したとおっしゃったから、お答えください、この場で。納得のいく説明。なぜ民主党は、当時、辺野古移設絶対反対の候補者を推薦して今日に至っているのか、お答えをいただきたい。

一川国務大臣 当時、沖縄民主党県連がそういう対応をされたということは御案内のとおりでございますけれども、仲井真知事さんからも、当時の市長選挙において、民主党県連がこういうことで市長選挙に臨んでいたということでは、普天間問題については、やはり民主党の沖縄県連をしっかりと納得できるようにしてほしいというような趣旨のお話は、我々が行った折にもいろいろとやりとりがございましたし、今日まで民主党の石川県連の方々とも面談はいたしておりますけれども……(河井委員「石川じゃない、沖縄県連だ」と呼ぶ)ああ、沖縄県連、済みません。そういう面では十分まだ理解されていないというのが現実でございます。

河井委員 今、防衛大臣がおっしゃった、沖縄県連を納得させるようにまだ至っていないというこの言葉は後でまた生きてきますから、しっかりとテークノートしておきたいと思います。

 総理大臣にお尋ねしたい。

 前原政調会長が指摘した二点。一点目、一川大臣は沖縄の基地問題にかかわる過去の経緯をよく勉強していると思いますか。二、一川大臣は安全保障問題や米軍との関係を上手に対処していると思いますか。お答えください。

野田内閣総理大臣 先ほど一川大臣が御答弁されたように、沖縄の問題についてはずっと関心を持ち続けてきていたということは事実としてあるというふうに思いますし、日米関係の問題においても懸命に今努力をされているというふうに理解をしています。

河井委員 では、全く党内不一致じゃないですか、総理大臣。あなたを支える立場にある政権党の政調会長の意見と総理大臣自身が、閣僚の資質についてという最も重要な案件についてばらばらな表現をしている。これは普通、政権末期に見られる現象ですよ。

 何でこうまでして総理大臣が一川大臣をかばい続けなくちゃいけないのか。それは、一川さんにまだ使い道があるからなんでしょう。

 年内に辺野古移設に向けた環境影響評価書を沖縄に提出する作業がどうしても必要だ。でも、沖縄県知事も県議会も評価書の提出には強く反対をしている。もし沖縄の反対を無視して評価書の提出を強行するならば、時の防衛大臣とは今後一切話ができないと沖縄側が言ってくることは容易に想定できる。よって、どうせやめさせることになっている一川大臣に評価書の提出という泥だけかぶらせて、自分の政権は生き長らえようとしている。大体そんなところじゃないですか、総理の腹のうちは。いかがですか。

 総理大臣、あなたは、年内の評価書の提出を今の一川大臣に担当させるおつもりなのか、それとも別の他の人に担当させるおつもりなのか、お答えください。

野田内閣総理大臣 余りにもたくましい推理力にびっくりしましたけれども、私自身は、一川大臣には引き続き襟を正して職務を遂行していただきたい。それは、環境評価書の問題もありますし、FXの選定もありますし、さまざまな重要な課題がございますので、しっかり対応していただきたいというふうに考えております。

河井委員 確認します。環境影響評価書の提出も今の一川大臣に任せるわけですね。イエスかノーかお答えください。

野田内閣総理大臣 年内に環境影響評価書を提出する準備をしていますけれども、その担当大臣は一川大臣でございます。

河井委員 沖縄の人々は、一川大臣が大臣の席にいる限り、一切話に応じてくれませんよ。次から次へとさまざまな、感情を害するいろいろな問題発言ばかりをする。それでも、野田総理大臣が、環境影響評価書の提出は一川さんに任せるということを今明確におっしゃっていただいた。

 私は、この普天間基地の辺野古移設をめぐる一連の総理や担当閣僚の今までの国会での答弁をずっと聞いていて、何が何でも実現したいんだという気迫を全く感じることができないんですよ。その証拠に、せんだっての十一月三十日の外務委員会で、私は何度も玄葉外務大臣に、あなたは辺野古移設に担当閣僚の一人として政治生命をかけますかと聞いたけれども、明確な答えはとうとう返ってこなかった。それどころか、政治生命をかけるかという表現が適切かどうかなんて、あなたは私に対してうそぶいたほどである。

 玄葉大臣、確認をします。あなたは辺野古移設に政治生命をかけますか。簡潔にお答えください。

玄葉国務大臣 全力を尽くして、そしてまた、あのときも申し上げたと思いますが、死力を尽くしてこの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

河井委員 死力とか全力とか言うけれども、責任を伴う政治生命をかけるという表現は絶対しない。

 野田総理大臣にもお尋ねします。十二月二日の外務委員会でも私は質問をさせていただきました。もう一度確認します。総理は辺野古移設に政治生命をかけてお仕事をしていらっしゃるかどうか、お答えください。

野田内閣総理大臣 普天間の移設問題については、私も全力を尽くして責任を果たしていきたいというふうに思います。

河井委員 同じような答弁しか返ってこない。

 一川さんには私は質問しません、どうせやめていかれる方だと思いますから。

 結局、あなたたちは責任をとりたくない。政治生命をかけると言って、辺野古移設、普天間基地の移設、失敗したときの責任が問われるから。でも、それは保身なんですよ、政治家としての。いかに責任を回避するか、今の政権はそればかりにきゅうきゅうとしている。そういう、総理や閣僚が本気じゃない、真剣じゃないという姿、辺野古移設に政治生命なんかかけていないということを官僚は見抜いてなめている。だからあんな暴言が、移転の、沖縄における防衛省最高責任者、当事者から飛び出してくる。

 橋本龍太郎総理大臣初め、歴代の自由民主党の総理、外務大臣、防衛大臣、防衛庁長官、たくさんの関係してきた国会議員が、沖縄に行って、地元の皆さんと、ともに、時には泡盛を酌み交わしながら、真剣に地域の将来を語り合っていたころにこんなばかげたことは起きなかった。

 田中聡沖縄防衛局長の暴言の後半部分に、私は、今の関係する官僚たちの気分がよくあらわれていると思います。時事通信の十一月二十九日の配信記事によると、政治家にはわからないが、審議官級の間では、来年夏までに米軍基地の移設問題で具体的な動きがなければ辺野古移設はやめる話になっている云々。政治家にはわからないがと職員からばかにされてなめられている。今の政権の実態があの前防衛局長の言葉によく象徴されている。

 お役人が民主党政権の足元を見ているもう一つの理由に、民主党は普天間の辺野古移設に賛成するように身内も説得できていないという現状があるじゃないですか。話をする順序が逆なんですよ。沖縄県知事や沖縄県議会や名護市長や名護市議会に頭を下げに行く前に、まずは沖縄選出の民主党の国会議員、県会議員、県連、辺野古移設に賛成させるべきでしょう、総理。ただの一人の民主党国会議員、県会議員、県連含めて、辺野古移設に賛成の人が沖縄にいますか。総理、お答えください。

野田内閣総理大臣 今の政府の方針と、地域における党の県連全体の御意思とは、ずれがあるということは承知をしておりますので、その立て直しをしていかなければいけないという、まさに、知事初め沖縄の皆様の御意見はごもっともだと受けとめておりますので、そのための努力をしていかなければいけないと考えております。

河井委員 いや、ですから、今賛成している議員は一人でもいるんですか、沖縄で。お答えください。

野田内閣総理大臣 現時点では御理解をいただいておりません。

河井委員 その証拠がここにあるんです。パネルを用意してきました。民主党沖縄県連のホームページの表紙です。

 何と書いていますか、一番上。「民主党 沖縄県総支部連合会」と書いてある部分の上。「普天間基地は、県外・国外へ」と明記されている。拡大をしたものを次にお見せします。けさも、私はこの委員会に入る前に確認をしてきました。沖縄県連というクレジットの上に「普天間基地は、県外・国外へ」と。これはひどい。ホームページの一ページ目ですよ。しかも、この字句の上に、県連の字の上に書いてある。

 地元の皆さんのところには入れかわり立ちかわりいろいろな閣僚が辺野古移設認めてくれと頭を下げておいて、肝心の自分の党の沖縄県連の公式ホームページには「普天間基地は、県外・国外へ」。しかも、辺野古への移設を認めてくれと閣僚らが何度も頼みに行っている名護の市長は、移転絶対反対派を民主党がわざわざ推薦して当選させた人でしょう。総理、もう頭がおかしくなりそうだ。

 総理大臣、この事実を知っていましたか。ここに書いてあるという事実を知っていましたか。

野田内閣総理大臣 事実は知りませんでした。

河井委員 ちなみに、この辺から、先ほどから不規則発言で自民党はどうかという声がありますので、自由民主党の沖縄県連のホームページの表紙も、あくまで参考までですけれども、真っ白な沖縄の白い砂浜の上に真っ青な青い空と美しい海、これだけであります。

 総理、あなたが代表を務める民主党の地方組織が内閣の大方針と真逆の主張を白昼堂々と世間に公表している。この姿は適切なんでしょうか。総理大臣、お答えください。このホームページ、これに対してあなたはこれからどのような対応をしていくか、とっていくか、明確にお答えをください。

野田内閣総理大臣 だからこれは、民主党だけではなくて、沖縄の県全体として多くの皆様が県外移転を望んでいらっしゃるということは現実にあると思いますので、そのことも含めまして、御理解をいただけるように努力をしていきたいというふうに考えております。

河井委員 御理解、御理解でははっきりわかりません。

 もう一回言いますよ。政権党の沖縄の地方組織のホームページの一ページ目の一番上に、今でも堂々と、あなたが言っていることと違うことが載っているんですよ。この姿が正常ですか。これがおかしいと思うんだったら、この部分の削除を沖縄県連に求めて当然だと思う。明確な答弁をしてください。

野田内閣総理大臣 沖縄県民の思いというものを踏まえてこういう形で表示をされているんだろうと思います。沖縄県民の御理解をいただけるように、これから政府として努力をしていきたいと思います。

河井委員 今の答弁で国民の皆さんも沖縄県の皆さんもよくわかったと思いますよ。オバマ大統領に会ったときには、内閣を挙げて全力で普天間基地の移設を進める、進めると言っておきながら、自分の政党の現地、現場の沖縄県連のホームページには何もそれを言うことができない。「普天間基地は、県外・国外へ」という字句を積極的に削除するという答弁は今なかった。まさにこれは二枚舌じゃないですか、総理大臣。これから先、この問題について野田総理大臣を初めとする今の閣僚、政権、全く本気でない、真剣でないということがこれをもってよくわかった。

 橋本総理大臣が米側と合意して以来ずっと繰り広げてきた自民党あるいは公明党の関係する先生方の御苦労が水の泡になっていくのを見ると、全く涙が出てくる。本当に情けない気持ちでいっぱいであります。

 次は山岡賢次大臣、お尋ねをする。

 政権交代後、あなたはこれまで、政治的な圧力を政府にかけたことはありませんか。

山岡国務大臣 おっしゃっている意味がよくわかりませんが……(河井委員「いや、質問したとおりですよ」と呼ぶ)政治的圧力を……(河井委員「政府にかけたことがあるかないか」と呼ぶ)

中井委員長 勝手にそこで質疑をしないようにしてください。わからないならわからないで結構です。

山岡国務大臣 そういう覚えはありません。

河井委員 失礼しました。

 今、覚えがないということでした。

 では、特定の労働組合から何か政府に対して、政治的な圧力について依頼を受けたことはありませんか。

山岡国務大臣 何のことをおっしゃっているかよくわかりませんが、ないと思っています。

河井委員 ないとお答えがあった。

 山岡大臣は、JR総連推薦議員懇談会の代表をお務めですね。JR総連の構成団体であるJR東労組から、これまで政府に対して何か依頼は受けられたことはありませんでしょうか。

山岡国務大臣 数人の代表であることは確かでございますし、JR総連の候補者というのがたまたま栃木県の宇都宮出身者ということもあり、また、以前、北関東の候補者を御推薦いただいたということもありますので、前回の参議院選挙なんかでは、いろいろとできる御支援はしていたのは覚えております。

河井委員 いや、ですから、その御支援の結果として、何かJR東労組から政府に対しての特定の依頼などはお受けになったことはありませんか。

山岡国務大臣 記憶にありません。ないと思っています。

河井委員 山岡大臣は、今までJR東労組の定期大会にお行きになり、来賓あいさつなどをされたことはありませんか。

山岡国務大臣 大臣あいさつはしたことはありません。ただ……(河井委員「来賓、来賓あいさつ」と呼ぶ)来賓あいさつはしたことはあります。

河井委員 二〇一〇年六月十三日、東京ベイ幕張ホールでの第二十六回JR東労組の定期大会で間違いないですね、お答えください。

山岡国務大臣 正確な記憶はありませんが、選挙の応援で行ったというような覚えがあると思います。

河井委員 ここに、JR東労組のホームページから、その日の模様を打ち出してきました。来賓として、民主党山岡賢次副代表、ほかの議員も名前を書いていますが、きょうここでは言いません、副代表らから連帯のあいさつをいただきました。

 連帯のあいさつをいただいたということなんですが、どのような連帯のあいさつをされたんでしょうか、内容をお示しください。

山岡国務大臣 私は、連帯のごあいさつという言葉は使いません。そして、どのようなあいさつをしたかといいますと、選挙でございますから、あるいは選挙以外でも、まあ、偉そうなことを言うわけじゃありませんが、いろいろなところでいろいろなあいさつをしておりますから、特定のあいさつの記憶はありません。

河井委員 その中で、JR東労組から特定の依頼を政府に対して受けて、それに対して山岡副代表が答えたという趣旨の発言はしていらっしゃいませんか、お答えください。

山岡国務大臣 記憶にありません。

河井委員 記憶にありません、よくこの質疑でも出てくる常套句だと思いますが、記憶がないのでありましたら、思い出させてさしあげましょう。ここにそのメモがあります。

 あなたは、先ほどから一切否定ばかりしてこられた。いいですか。政権交代後、政治的な圧力を政府にかけたことはない、特定の労働組合から依頼を受けたこともない、JR東労組から何か依頼を受けたこともない、何もない、何もない。ところが、ここではこのようにおっしゃっている。

 自民党の同僚の栃木四区の佐藤勉さんが提出した質問主意書。その質問主意書というのは、革マル派によるJR総連及びJR東労組への浸透に関する質問主意書でありますが、これについて、先ほどお話があったが、内閣に対して質問主意書ということを出せるようになっているが、これは当然、JRさんへの攻撃であると同時に、私への攻撃でもある、そんなことは十分覚悟の上で、この対応についても内閣に対して強く抗議を申し上げた。何をやっているんだ、こういうふうに申し上げたら、何となく、ぼそぼそぼそぼそ答えていたが、その答えによれば、質問主意書というのはある程度機械的に処理をしており、警察がそれに対する担当としての答えを上げているんだと、しかし、内閣できちんと把握をしているんだろう、こう申し上げたら、最終的には、その扱う大臣、つまり警察を担当している大臣になるわけだが、特に名前は申し上げないが、西の方にいらっしゃる大臣さんであるわけでございまして、そういうことで、今後こういうことは十分注意するように、こういうふうに申し上げたと書いてあるんです。

 内閣の決定、すなわち閣議決定に自分自身が介入した、これは、自分が内閣に対して影響力があることを自慢している発言ですよ。

 山岡国家公安委員長、御自分の発言だとお認めになりますね。

山岡国務大臣 選挙中にいろいろなことは話すし、いつも申し上げておりますけれども、そこの趣旨なぞを解しながら話しておりますが、しかし、実際にそのことを政府に圧力をかけるだとか、また、影響力を及ぼすというようなことはしておりません。

 そして、私がそう申し上げたのは、この相手の佐藤勉さんという人は、ふだん質問主意書なぞは一回も出したことのない人でございまして、しかし、私がJRさんとおつき合いになっているということを誹謗中傷しようという趣旨でお出しになったのではないか、こういうことを申し上げたわけでございます。

河井委員 答えてください、山岡大臣。

 今の発言は御自分のものと認めるかどうか。イエスかノーか。

山岡国務大臣 選挙中のあちこちでの発言については記憶しておりません。

河井委員 そう思って、きょうは、ここに、その日の模様を録音したCD―ROMを持ってまいりました。聴衆の拍手や笑い、そして山岡さん自身の息遣いまでもが聞こえる大変生々しい物です。

 先ほど、西の方の方で警察を所管する大臣というのは、予算委員長ですね。

中井委員長 はい。

河井委員 今、予算委員長から御答弁がありました。

 平成二十二年八月三日、衆議院予算委員会で平沢勝栄議員の質疑に答えて、当時の中井国務大臣、国家公安委員長は、このようにおっしゃっている。

 この質問主意書について、「このとおり、私どもは、JR総連、JR東労組と革マル派の関係については、革マル派が相当浸透していると認識しているのは事実でございます。」その後、「私は、このまま閣議にお出しをするという決心を固め、党にも伝えたわけでございます、こういう方向であると。」云々とお答えになったことがちゃんと議事録に載っている。

 つまり……(山岡国務大臣「委員長」と呼ぶ)質問していない。つまり、間接的に、当時の中井国家公安委員長、今あちらに座っていらっしゃる衆議院予算委員長は、党からさまざまな働きかけがあったということをこの御答弁でおっしゃっている。

 委員長、これは事実なんです。先ほど大臣は記憶にないとおっしゃった。私が言っていることは事実なんです。どっちが正しいか。だから、ここにCD―ROMがありますから、これはしっかりテープを聞いて照らし合わせてもらいたい。どちらが事実なのか。

中井委員長 私にお尋ねの部分だけお答えいたします。

 答弁についてはそのとおりでありますが、党にも申し上げたというのは、私から、こういう質問主意書に対する答弁をする予定ですということを申し上げたのでありまして、党から何か言われたわけではありません。

河井委員 しからば、これは全くもって、山岡大臣が、何も仕事をしていないのに、仕事をしたふりをした疑いも出てきたわけですよ。今、予算委員長、しっかりとうなずいていらっしゃる。これは予算委員長の名誉にもかかわる問題ですよ。このメモにはちゃんと書いてある。

 もう一回言いますよ。その扱う大臣、つまり警察を担当している大臣、特に名前を申し上げないが、西の方にいらっしゃる大臣さんであるわけでございまして、今後そういうことは十分注意するようにと、こういうふうに申し上げておいた。

 お答えください。

山岡国務大臣 申し上げた記憶はありません。

河井委員 ですから、このテープを、しっかりとこれ、ちゃんとやってくださいよ。ちゃんと理事会で聞いてください、委員長。理事会で聞いて、私の言っていることは事実なんだから。私の言っていることと大臣の言っていることと、どっちが正しいか、きちんと照合していただきたい。

中井委員長 テープは聞かせていただきますが、山岡大臣は間違っているとは答えていません。記憶にないと答えているだけです。

河井委員 その記憶を思い出させて確かなものにしてあげるために、この証拠の物があるわけですよ。

 後刻、理事会でしっかりと協議をして、これを再生して聞いてくださいよ。

中井委員長 はい、理事会で協議いたします。

河井委員 五月十一日に、当時の鳩山由紀夫内閣総理大臣から衆議院議長あてに答弁書が送られてきました。そしてその後、さっき言ったJR東労組の大会は六月十三日です。ここで、そのとき鳩山内閣で政府がJR東労組をどのように認識していたかということについて紹介をしたいと思います。

 先ほど言いました、同僚の佐藤勉議員は、「政府においては、JRという公共交通機関の労働組合に、過激派・革マル派が浸透している事態を看過することなく、国の治安維持のために取り組みを強化すべきであると考える。」よって、「JR総連・JR東労組には、現在も革マル派が相当浸透し、同派幹部が多数存在しているとみてよいか。」といった質問主意書でありました。

 それに答えて、平成二十二年五月十一日、内閣総理大臣鳩山由紀夫から衆議院議長横路孝弘殿あて、このように答えています。大事なところですので、朗読をいたします。

  日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派(以下「革マル派」という。)は、共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団であり、これまでにも、火炎びんの使用等の処罰に関する法律違反事件や対立するセクトとの間での殺人事件等、多数の刑事事件を引き起こしている。革マル派は、将来の共産主義革命に備えるため、その組織拡大に重点を置き、周囲に警戒心を抱かせないよう党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っており、全日本鉄道労働組合総連合会(以下「JR総連」という。)及び東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している。今後も、革マル派は、組織拡大に重点を置き、党派性を隠して基幹産業の労働組合等各界各層への浸透を図っていくものと見られる。

 総理大臣、総理大臣の革マル派に対する認識は、この鳩山内閣の答弁書と同一と考えていいですね。

野田内閣総理大臣 政府の答弁と同一でございます。

河井委員 では、山岡大臣にお尋ねをいたします。

 あなたの御認識をお聞かせください。

山岡国務大臣 革マル派というのはそういうものだと思っております。政府の認識と同じです。

河井委員 いや、革マル派とはだけじゃなくて、もう一回言いますよ。JR総連及びあなたが推薦議員団の代表を務めている東日本旅客鉄道労働組合内には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透していると認識している、あなたも同じ認識ですね。

山岡国務大臣 そういう情報があるということは聞いております。

河井委員 いや、情報があるじゃないんですよ、大臣。民主党がつくった鳩山内閣総理大臣時代も、この答弁書は閣議決定をしている。今、現職の野田佳彦総理大臣も政府の答弁と同じだと答弁された。あなたは違うんですか。情報があると認識しているは全然違いますよ。この政府答弁書どおりの認識で間違いないですね、国家公安委員長殿。

山岡国務大臣 政府の一員として、そのとおりでございます。

河井委員 あら、またどこかで聞いたような、この前、平岡法務大臣が在日米軍再編で、岩国で聞いたようなことですね。

 政府の一員としてということは、個人では違うということですか。一人の政治家としては、この認識、自分とは違うということですか。お答えください。

山岡国務大臣 率直に言って、私は実態がどうなのかということを正確に認識しているわけではありません。ただ、政府がこういうことですから、そうであるということでございます。

 しかし、そのJR総連の候補者については、連合さんが推薦し、党の公認候補の、その大会でございます。

河井委員 あなたは、単なる国務大臣の一人じゃないんですよ、今のお立場は、この質問に答える立場は。あなた、主管大臣ですよ。警察の、全国の警察組織、公安も含めて、そのすべてを統べる立場にある国家公安委員長として今答弁されたんですか。

 もう一度はっきりと言っていただきたい。革マル派とあなたが推薦議員懇談会の代表をしている、そして来賓のあいさつで連帯のあいさつをしたと向こうが言っている、東日本旅客鉄道労働組合との関係、はっきりとお答えいただきたい。

山岡国務大臣 繰り返しお答えを申し上げますが、国家公安委員長としては総理のおっしゃったとおりの認識でございます。

 ただ、委員は、個人としてはとお聞きになったものですから、私の個人としては過去においては正確にそういうことを見分けることができたわけではありません、こう申し上げたのであります。

河井委員 もう一度お尋ねをしますよ。

 そういった今までのいろいろな、JR東労組のおつき合いを含めて、今あなたが座っているいすは国家公安委員長ですね。国家公安委員長として明確に、総理も今言ったじゃないですか、JR東労組の中には、影響力を行使し得る立場に革マル派活動家が相当浸透している、その認識で違いはないですねと聞いているんです。イエスかノーかしかないんですよ、これは。

山岡国務大臣 何度もお答えしておりますが、国家公安委員長として、イエスです。

河井委員 野田総理大臣は、山岡国家公安委員長が革マル派との関係を鳩山内閣の答弁書で認めたJR東労組の大会で来賓あいさつをした事実を、閣僚任命前、御存じでしたでしょうか。

野田内閣総理大臣 閣僚任命前には知りません。

河井委員 これはだれでも読めるホームページですよ、さっき言った、来賓あいさつしたというのは。平岡法相のときと全く同じじゃないですか。朝鮮総連の支配下にある東京小平市の朝鮮大学校創立祝賀宴会で祝辞を言ったことを御存じでしたかと言ったら知らなかった。一体、この内閣は、閣僚になる前に、何をそれぞれの候補者の検査をしているんですか。

 しかも、もう一度言うけれども、警察が一生懸命仕事をしているその対象の一つなんですよ、革マル派というのは。その革マル派が相当浸透しているJR東労組の定期大会に、あなたが任じようとする人が行ったということを知らない。これは目が節穴だということじゃないですか。

 総理大臣、あなたは、こんな圧力をかけた、閣議決定をする答弁書の内容をねじ曲げようとした人物を閣僚に任じた。しかも、よりによって、極左暴力集団を取り締まる警察組織のトップに据えたんです。

 この事実が明らかになった今、総理大臣、今後はどうしますか。こんな前科のある国家公安委員長は、即刻罷免をすべきだと思いますが、それについての答弁をしていただきたい。

中井委員長 河井さん、前科という言葉は後で御訂正願います。(河井委員「はい」と呼ぶ)

 野田佳彦大臣。もう時間がありませんから。

野田内閣総理大臣 前科は明確に取り消してください。(河井委員「はい」と呼ぶ)

 その上で申し上げますけれども、先ほど鳩山政権における閣議決定した答弁書は、当然我々も共通認識であります。

 その上で、JR総連の大会に党を代表して副代表が出るということは、これは別におかしな話ではありません。連合の傘下の一つの組合であって、その関係から、我が党から副代表が出てあいさつをするということは別におかしい話ではありません。矛盾しません。

河井委員 前科は前歴に、明確に否定をさせていただきます。

 その上で、閣議決定の文書にある、革マルによる各界各層への浸透を総理が結果的に許すということになるんですよ。

中井委員長 河井さん、時間が来ています。

河井委員 そのことについて御答弁をいただきたい。

中井委員長 時間がありませんので、ここで打ち切らせていただきます。

 これにて稲田君、河井君の質疑は終了いたしました。

 次に、遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 私、公明党沖縄方面議長をさせていただいておりまして、この十年間、沖縄県那覇市に事務所を置いて、参議院議員として、また現在は衆議院議員として活動してまいりました。

 私も、きょう、これまでお二人の同僚議員が質疑をされた一川防衛大臣の責任問題につきまして取り上げたいと思っております。

 その前に、総理に一言、今までのやりとりを聞いて、申し上げたいことがございます。それは、本会議のTPPの代表質問でも私は申し上げましたけれども、沖縄県民の皆様は、二年前の政権交代の後に、時の総理が最低でも県外とおっしゃったことを受けまして、野党の党首が言うならまだしも、時の総理がそこまで言うならということで、辺野古への移設反対ということで、現在は、各種世論調査で示されておりますとおり、八割以上の沖縄県民が辺野古への移設を反対と明確に示しているわけでございます。

 私は、このことを、ことわざをかりまして、覆水盆に返らずになった、このように表現をさせていただいております。つまり、辺野古への移設という水は、もうお盆の上には載っていないということでございます。ですから、お盆の上に載っていない水を、済みません、過去に過ちがありました、どうか飲んでくださいと、民主党の今の閣僚の皆さんが低姿勢で沖縄に何度行かれても、載っていない水は飲めないんだ。

 そして、これは野田総理よく御存じのとおりです。まだ日米合意、二〇〇六年の自公政権時代に合意をしたロードマップという合意は、アメリカ政府から見るとお盆の上に載っている。だから、アメリカ政府は、野田総理とオバマ大統領が会えば、お盆の上に載っている水を早く飲んでくださいと。野田総理がそれに対して、環境影響評価書を年内に提出するということで進捗状況を示したい、こういう大変苦しい状況にあるわけでございます。しかし、それは歴代の民主党内閣が招いた自業自得の結果なんです。そうでしょう。

 そういう状況の中で、もう更迭されましたけれども、田中前沖縄防衛局長の暴言が出ました。

 総理、この次の話も、御存じないかもしれませんので、はっきり申し上げますが、沖縄のマスコミの中で政権交代後に言われていることは、米軍基地問題をめぐる沖縄県と日本政府の相克というものは今に始まったことではありません。自公政権時代も正直ありました。しかし、自公政権時代にこの米軍基地の問題をめぐって、差別という表現は沖縄のマスコミは控えてまいりました。

 ところが、私も出席をいたしましたけれども、二〇一〇年の四月に読谷村で開かれました野外集会、仲井真沖縄県知事も出席をした、普天間の県外、国外移設を求める県民大会、この後の報道記事では、差別という言葉が沖縄のマスコミで恐らく初めて堂々と使われたわけでございます。

 つまり、これは何を意味しているかといいますと、単なる安全保障の問題ではなくて、日本の中央政府がこの沖縄の基地の問題を扱うところの姿勢の中に、沖縄県民に対して差別的な姿勢を持っているのではないか、こういう受けとめ方をする人がふえたということなんです。

 そういう文脈の中で、今回の、女性を冒涜するような表現で、野田総理がある意味先頭に立ってやろうとしているこの環境影響評価書のことを、オフレコ懇談の場とはいえ、地元のトップである防衛局長が表現するなんていうのは、まさに沖縄県民が差別を受けているという感情がそのとおりと証明するような話じゃないですか。だから怒っているんですよ。

 総理、この点について、まず所感をいただきます。

野田内閣総理大臣 決して沖縄に対する差別の意識を持っているわけではなく、米軍基地が全体の七四%が沖縄に集中をしているこの現状を、できるだけこの負担を軽減していきたいという思いを強く持っているということはぜひ御理解をいただきたいと思いますけれども、今回の発言については、これは弁解の余地はございません。極めて不適切であり、極めて遺憾であります。

 本当にこのことについては沖縄の皆様には深くおわびを申し上げたいというふうに思いますし、誠心誠意御説明をすると言ってきたことが徹底していなかったこと、本当に痛恨のきわみに思っておる次第でございます。

遠山委員 防衛大臣、先ほどの河井自民党議員とのやりとりの中で一つ気になる御発言がありましたので、確認をさせていただきます。

 先ほど私が後ろでメモをとった限りで申し上げますと、大臣は仲井真知事とお会いをした際に、民主党県連を説得してほしいという話があったという趣旨の御発言をされましたが、それはそのとおりですか。

一川国務大臣 私と仲井真知事さんとは公式というか非公式にもお話をさせてもらったことはありますけれども、確かに、私が先ほどの答弁でお話ししましたように、民主党沖縄県連の方々をこの問題で理解させることが皆さん方は先決じゃないですかというような趣旨はお聞きしました。

遠山委員 これは防衛大臣、ちょっとおかしいんですよ。というのは、仲井真知事は辺野古移設反対なんですね。沖縄の民主党県連も、さっき河井さんがホームページを示していたように、辺野古への移設反対なんですよ。辺野古移設反対同士の片方がもう片方を説得してくれなんということは言うはずないですよ。同じ結論なんだから。

 それはどういう意味ですか。

一川国務大臣 我々、政府は今民主党政権が中心となってやっているわけですけれども、そういう中で、民主党、今この野田内閣としましても、普天間飛行場を辺野古方面に移設、移転したいという日米合意の線に基づいて、いろいろな折衝事を始めようとしているわけでございますが、そういうことであれば、沖縄県の民主党県連の皆さん方にもそのことをしっかり理解させることが大事であるというような趣旨のことを知事さんが我々におっしゃったというふうに思っております。

遠山委員 大臣、違うんだよ。それ、大事だなんてことは絶対知事は言わないよ。

 要するに、知事は皮肉を込めて、我々沖縄県に来て辺野古をお願いしますと言う前に、あなた方の家の中をまとめてから来なさいと言っているわけで……(発言する者あり)そうでしょう。だったら、今の答弁はおかしいじゃないか。おかしいよ。沖縄県知事が民主党の県連の理解を得ることが大事なんですか、大事なんて言わないよ。

 微妙な表現だと思うかもしれないけれども、沖縄で、私、何度も知事と会っていますよ。それは知事は皮肉で言っているんだよ。あなた方に説得しろなんて言わないですよ。まず家の中を何とかしてから外に来た方がいいんじゃないですか、そういう意味で知事はおっしゃったんでしょう。県連の説得をすることが大事なんてことを知事が言うわけないですよ。そういうところを知らないということが、民主党、だめなんだよ、沖縄問題。だめなんだよ、大臣。(発言する者あり)よくわからないじゃないんだ。

 では、質問をかえますよ。

 今回の田中前局長がああいう発言をされたということを初めて聞いたときに、大臣はどう思われましたか。

一川国務大臣 あの発言が翌日報道された、その紙面のコピーを見させていただいて、大変私はショックに思いました。そういう面では、これまで我々もそれなりに一生懸命努力をして、沖縄県民の皆様方の信頼を向上させようということでいろいろなお話し合いをさせていただきましたけれども、あの発言で、これは大変なことになったなという思いが第一印象でございました。

遠山委員 それで大臣は局長を更迭された。そして、沖縄県に先日みずから行かれて知事とお会いになったわけでありますが、知事とお会いになった後、また知事以外の沖縄県民と大臣がお話しされたのかどうか、私は詳細は知りませんけれども、防衛大臣として、今この基地問題を担当している大臣として、沖縄県知事、また沖縄県民から信用されているか、信頼をされているか、御自身でどう思いますか。

一川国務大臣 私自身が信用されているかどうかというのは、それは定かではありませんけれども、ただ私は、沖縄県知事さん、それから、たまたま県議会開催中でございましたので、県議会の議長さん、副議長さん、それから米軍の関係の特別委員会の委員長さんとお会いをして、いろいろな意見等を拝聴いたしました。

 知事さんは、今回の田中前局長の発言は沖縄県民の尊厳を傷つける、心を傷つける大変な発言であるという趣旨の発言があり、この発言の中で、これから沖縄県民の信頼を向上させるには大変な努力が必要になってきたという面で、そういう面では、皆さん方もそれをしっかりと心得て対応するようにというような趣旨のことが知事さんとのやりとりであったというふうに思っておりますし、私自身も大変重く受けとめてまいりました。

 それからまた、県議会の皆さん方はより具体的に、いろいろな決議書の読み上げがありましたけれども、そういう後も、一九七二年以降においても米軍にまつわるいろいろな刑事的な事件というのは五千七百件を超える事案があったという実態の中で、今回の田中前局長の発言なり、そういう問題で沖縄県民の心を傷つけ、また人権問題にかかわるような発言というのはとんでもないというような御趣旨の、いろいろな厳しい御意見をいただいてまいりました。

 私自身も、それをしっかりと受けとめて、これからの信頼向上に向けて最大限努力をしてまいりたいという気持ちで帰ってまいりました。

遠山委員 大臣、沖縄県民は本当に傷ついて、あきれていますよ。知事がおっしゃった、大変な努力がこれから必要だというその第一歩は、大臣、あなたが、部下の発言、暴言ではあるけれども、潔く責任をとって辞任をすることだと思いますが、辞任する気ないんですか。

一川国務大臣 私は、今回のこういう厳しい局面ではありますけれども、沖縄県民の、また各自治体の皆さん方、県知事さんを初め、そういう皆さん方の思いをしっかりと受けとめさせていただいて、私なりに沖縄県内の懸案事項について責任を持って謙虚な気持ちで最大限努力させていただきたい、そのような気持ちでございます。

遠山委員 大臣、だめです。もう大臣の防衛大臣としての天命は尽きたということを申し上げさせていただいて、そして、総理に聞いても同じ答弁でしょうからもう聞きませんが、この問題、先へ進みませんよ。そのことははっきりと申し上げさせていただいて、次の質問に参ります。

 野田総理、きょうは政治と金の集中審議でございます。もう残り時間が限られておりますが、まず最初に、現在民主党所属の衆議院議員が十八年前にみずからの著作の中で書いた一節を読み上げさせていただきます。

 この節のタイトルは「一億二千万人の目で政治資金を監視」となっております。文章は以下のとおりでございます。「政治資金制度の改革と同時に、政治資金規正法違反者に対する罰則を強化し、政治腐敗防止制度を確立すべきである。具体的には、違反者を公民権停止処分にし、違反の言い逃れを封じるために連座制も強化する。 これは、他の刑罰とのバランスからいえば、重すぎることになるが、政治家が自らの重い責任を果たすために自分自身を厳しく律する自律・自浄の措置として実施すべきだと思う。政治資金の全面公開と同様に、政治家自身が責任と倫理を明確にする制度として確立すればよい。」

 十八年後の今日読みましても、非常に重要な指摘であり、共鳴できる改革だと思いますが、野田総理、これはだれが書かれた文章かわかりますか。

野田内閣総理大臣 わかりません。

遠山委員 これは、民主党元代表小沢一郎氏が「日本改造計画」の中で書いた文章でございます。小沢さんの問題は後で少し議論をさせていただきますが、今となっては全く皮肉な内容としか評価できないわけでございます。しかし、皮肉なことに、この主張の方向性は、今公明党が求めている政治改革と一致しているんです。

 公明党は、政治資金規正法改正案、政党助成金改正案関連法案を出しております。その最大の星は、肝は、政治家がお金の不祥事が起こるたびに全部秘書に押しつけているのをもうやめよう、政治家の秘書に対する監督責任を強化して、そして、その責任を果たさない場合には政治家も罰せられる、こういう改革案を出しているわけでございます。

 この我が公明党の改革案について、総理は、十一月一日の衆議院本会議の答弁で、党に協議に入るよう指示いたしますとおっしゃった。そして、その後、十一月二十五日の参議院本会議の答弁では、具体的に協議に入るよう党に指示をしておりますということで、一歩踏み込んでおっしゃったわけでございます。しかし、今日まで公明党側に民主党から協議の打診はない。また、この改正案は、倫選特におきまして一巡の質疑が終わっているわけでございますが、そちらの委員会でも全く動きがない。

 総理、総理御自身が具体的に協議に入るよう指示したというのは、一体、いつ、だれに指示をされたのか、ここで、御自身のことですから、明言をいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 御党の斉藤鉄夫議員から御質問をいただいた、いつというと、ちょっと正確を期さなければいけませんが、直後だったと思います。その直後に樽床幹事長代行に指示をしまして、それは平野国対委員長もその中身については理解をしているというふうに思います。

 改めて今回、そういうお話がありましたので、改めて指示はしておりますけれども、再度徹底はさせていただきたいと思いますが、これはあわせて、答弁でも申し上げましたけれども、我が党も企業・団体献金廃止に向けた政治資金規正法改正案というのを持っています。その協議もぜひお願いしたいということで、我々からも呼びかけますが、御党も積極的にその協議に臨んでいただきますようお願いを申し上げます。

遠山委員 総理、予算委員会で、国民の見ている前でおっしゃいましたし、今具体的に樽床幹事長代行と平野国対委員長の名前が挙がりましたので、私ども公明党は、そのお二人からこの政治資金規正法の改正について協議の打診があるという認識で待っておりますので、よろしくお願いをしたいと思っております。

 次に、小沢代表の問題でございますが、つい最近も、マスコミ各社から一斉に報道されました新たな問題が浮上しております。

 最初に総務省に伺いますが、この新たな問題というのは、昨年の六月十八日に、旧新生党の資金がプールをされている政治団体、改革フォーラム21から、小沢代表が代表を務めております民主党岩手県第四区総支部に一億円が寄附された。フォーラム21から政党支部にまず一億円寄附された。そして、この政党支部からその一億円が同じ日に、もう有名になりましたけれども、小沢氏の資金管理団体である陸山会に移されたということでございます。そして、この一億円プラスほかから来た二千五百万円ですか、合わせて一億二千五百万円が参議院選挙の候補者、名前が新聞に出ていますね、二十数名ですかに配られたということでございます。

 これは、一言で言えば迂回献金じゃないか。つまり、政党や政党支部以外の政治団体の間では、年間五千万円を超える額は移動しちゃいけないんですね。これは法律で禁止されています。違法行為です。だから、フォーラム21から陸山会に直接一億円やったら違法なんです。それを逃げるために、間に民主党の総支部を入れて一億を動かして、また一億そっちへやった。しかし、これは、我々みんな、総務省の発表文書で国民でもだれでもわかる話でございますが、明らかに法の規制を抜けるためにやっている迂回献金ですよね。

 総務省、これは違法性はどうなんですか。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 総務省といたしましては、個別の事案についてはお答えは差し控えさせていただきたいと存じますが、その上で、一般論として申し上げますと、政治資金規正法におきましては、政党、支部を含みますが、政党、政治資金団体以外の政治団体間の寄附については、御指摘ございましたとおり、同一の者に対して年間五千万円を超えることができないという規定がございます。

 一方、政党、政治資金団体以外の政治団体から政党支部への寄附、また、政党支部から政党、政治資金団体以外の政治団体への寄附につきましては、このような上限は設けられておらず、この制限内での寄附につきましては現行法上認められているものと考えてございます。

遠山委員 ということは、これはざる法だということだね。政治団体から政治団体への五千万円を超えるものはだめですよと言いながら、間に政治家の、我々の政党支部を入れれば幾らでも億単位で移動できる、こういうことですね。

 総理、どういう見解ですか。こういう迂回献金を認めるようなもの、これはもう変えた方がいいんじゃないですか。総理の見解を求めます。

野田内閣総理大臣 今総務省から御説明のあったとおりだと思いますので、すなわち、現行法上では直接問題が出るということではないということでございますけれども、これからどうするかという政治資金規制のあり方については、これは各党間でしっかりと議論をしていく必要があるのではないかと思います。

遠山委員 だから、小沢さんの問題というのは小沢さん個人の問題じゃなくて、今の法律に穴があるというのが、この委員室にいる人みんなわかるでしょう、国民だってみんなわかりますよ。だから、これは変えましょう。

 それから、次の問題ですが、十二月一日付の産経新聞の報道では、小沢元代表の関係政治団体で、陸山会ではない、誠山会という団体が、外貨預金を運用して、そして、今円高ですから、為替変動による含み損を損失金として政治団体の収支報告書に載せているんですね。百万ドル持っているという報道なんです。

 これは、一ドル百円のときに預けていれば一億円かかったんですね。ところが、今一ドル七十数円ですから、換金しなければ含み損は二千万円以上あるんですが、それを繰越総額が変わらないようにするために損失に載せている。産経新聞は、このことを裏金づくりじゃないかと。つまり、単なる含み損ですから、実損ではないわけですね。含み損をあえて損失として計上することで、実は別のお金をひねり出しているのではないかという趣旨で、それを表現すれば、円高便乗裏金づくりみたいな方法だという指摘がありました。(発言する者あり)いやいや、これは新聞がそう言っているんです。私が言っているんじゃない。ちょっと最後まで聞きなさいよ。

 私は、その後いろいろ調べました。必ずしも換金をしているわけではないけれども、時価総額が変わっているから、そういうふうに損失として計上しているというふうなことだったんです。

 しかし、政治資金規正法の趣旨を見ますと、国民の目から見て、政治家が政治活動に使うための資金を管理させている団体が投機性の高い運用をするということは、基本的にやめましょうとなっているわけなんですね。ただ、外貨の運用については普通預金であれば認められているということになっていますが、しかし、百万ドルというのは一億円でしょう。円高の変動の差によっては、差損も差益も大きいじゃないですか。これは今、こういう為替変動が激しくなってきますと、投機性が強まってくるわけでございます。

 ましてや与党にいて、安住財務大臣、きょうは答弁がないからちょっと体が冷えていると思いますが、伺いますが、財務大臣の政治団体がまさか億単位で外貨預金を持っていないですよね。ちょっとお答えください。

安住国務大臣 私は、全くそういうことは持っておりません。

遠山委員 では、総務省、もう一回聞きます。

 政治団体が外貨預金を持つことは、現行法上、どうなんですか。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 一般論として申し上げますが、現行の政治資金規正法第八条の三におきましては、政治資金の運用を金融機関への預金または貯金や国債証券等一定の方法に限定をいたしておりますが、同条に言いますところの預金には、文理上、外貨預金も含まれ、政治資金を外貨預金の方法で運用することは、現行法上、可能と解されてございます。

遠山委員 これは私も今勉強中でございますので確定的には申し上げませんが、国民から見て、日本の政治家の政治活動をするその資金管理団体が、外貨でお金を持つということの必要性というのは、私はゼロだと思いますよ。だからこの点も、これはまだ私個人のレベルにとどまりますが、国民目線でしっかり議論をしていきたいと思っております。

 それからもう一つ、小沢さんの件では不動産の問題があります。これは、平成十九年に法改正をしまして、不動産所有は法律で禁じられているわけでございますが、果たしてその後、法改正の後に小沢さんの団体は不動産を処分されたのかどうか、そういう観点で伺ってみたいと思いますが、総務省にまた伺います。

 平成二十二年に総務省に対して収支報告を行う義務のある政党本部を除く政治団体は総数で幾つあるのか。また、そのうち、現在現職の国会議員の関係政治団体で土地建物などの不動産を持っている団体は幾つあるのか、お答えください。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十二年分の収支報告書の提出義務がございます総務大臣届け出分の政治団体数は、政党本部を除きますと四千百十八団体となっているところでございます。また、平成二十二年分の収支報告書を提出した政党本部を除きます総務大臣届け出分の政治団体のうち、土地建物を保有する政治団体は十団体、うち国会議員関係政治団体は三団体で、うち現職国会議員の国会議員関係政治団体では一団体となっているところでございます。

遠山委員 その一団体の名前を言ってください。最後の一団体です。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 陸山会でございます。

遠山委員 つまり、総理、日本の中に約四千百強の政治団体、皆さん持っていますね、この部屋にいる人も。その中で、いまだに不動産を持っているのは小沢元代表の陸山会だけなんですよ。ですから、こういうところが民主党の自浄能力というものがないんじゃないかということなんです。これは小沢元代表以外の政治家がこういう状況であれば、民主党の執行部はすぐ手を打たれているんじゃないですか。

 野田総理、こういった新聞等で定期的に指摘される疑惑について、小沢元代表から直接事情を聞くということはされないんですか。

野田内閣総理大臣 さまざまな御指摘があるならば、基本的には御本人が政治家個人として御説明をすべきものであって、私が直接その調査をするとか説明を聞くということではないというふうに思います。

遠山委員 野田総理御自身はクリーンな政治家と聞いております。しかし、今のような姿勢では、野田総理の信頼も、この政治と金ということについては落ちてしまうと思いますよ。

 総理、時間がなくなってきましたのでお伺いしますが、総理は、この小沢元代表の問題を国会で聞かれると、必ず二つのことをおっしゃる。きょうもおっしゃっていた。それは一つは、小沢さんの問題は既に司法手続に入っているから、政治が動いて司法の判断に影響を与えるのはいかがなものかということなんです。それからもう一つ、総理がよくおっしゃるのは、国会で証人喚問するかどうかというのは国会の中でお決めをいただきたい、こういう二つなんですね。総理、今もこの考え方に固執されているのですか。

野田内閣総理大臣 固執というか、基本的には今御指摘のあった考え方を持っております。

遠山委員 総理、私、総理の過去の発言を調べさせていただきました。そうしたところ、二〇〇五年、今から六年前、ちょうど六年前ですね、十二月二十一日、総理が民主党の国対委員長だったときに、当時、国会では耐震強度偽装問題が大きなテーマになっておりました。そのときの記者会見で総理はこうおっしゃっているんですね。そのまま引用します。ちなみに、これは民主党のホームページでも、検索すれば出てきます。

 「国会も、司直が動き出したからといって」、司直というのは司法ですね、「手をこまねいて見ているのではなく、いささかも手を緩めることなく全容解明と責任の所在の明確化をしっかりと行っていくべき」と。「国権の最高機関」、すなわち国会です、「国権の最高機関が、司直が動いたからといって遠慮するというのはおかしい」「今までは、民間の方はどんどんと参考人や証人で国会に招いた」「政府絡みになってくると、」まさに今政府絡みですね、「或いは政治家が絡んでくると、急に参考人や証人喚問に否定的になってくるというのは、これは不自然だとしか思えない」「政府や政治家こそ、説明責任を果たすべきである」、こう堂々とおっしゃっております。非常に正論だと思っております。

 しかし、総理、総理は、与党になって、そして今総理大臣になって、このお考えを捨てたんですか。捨てたんだったら、国民に今はっきりと、捨てましたと言ってください。捨てていないんだったら、どうして過去の発言と今の発言がこう違うのか、御説明をいただきたいと思います。

野田内閣総理大臣 基本的には、そういったことは、私は今も原則としてはそう思っています。

 ただ、今回の小沢一郎議員の問題というのは、検察が相当期間いろいろと検討した中でも起訴しなかった中で、検察審によって強制起訴になった、そういう一つのケースであることと、司直が動き出したという段階じゃなくて、今は裁判、訴訟が進行中であるという段階の話も含めて、私は、先ほど来申し上げているとおり、これは司法の動きを今は注目すべきであるという基本的な立場でございます。

遠山委員 時間がなくなりました。

 世論調査だけがすべてではありませんけれども、国民の圧倒的多数が小沢元代表の議員辞職を求めております。その理由は、間違いなく政治倫理の問題、お金の疑惑の問題だと思っております。そして、司直が動いているといっても、国会は国権の最高機関として十分な説明責任を求めていくんだという立場から、委員長に、私からも改めて、小沢元代表の当委員会への証人喚問を求め、私の質疑を終わりたいと思います。

中井委員長 引き続き協議いたします。

 これにて遠山君の質疑は終了いたしました。

 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 日本共産党の佐々木憲昭でございます。

 初めに、一川防衛大臣の問題についてでありますが、総理は直ちに防衛大臣を更迭すべきであります。同時に、やめさせたらそれで済むという話でありません。問題は、政府が県民の意思を踏みにじって新基地建設を進めようとしているところにあります。環境アセスを初め、新基地建設に向けた動きを直ちに中止するということを初めに強く求めておきます。

 さて、本題の政治と金に入りたいと思います。

 十一月三十日に二〇一〇年分の政治資金収支報告書が公表されました。その中で、企業・団体献金についてマスコミでも注目が集まっております。そこで、初めに総務省に、民主党の企業・団体献金について確認をしたいと思います。

 総務省と都道府県選管に届けられた民主党本部と支部、党の政治資金団体の企業・団体献金は幾らか、二〇〇九年、二〇一〇年の総額を示していただきたい。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 政党、政治資金団体に対します法人その他の団体からの寄附金額、いわゆる企業・団体献金につきまして、総務大臣分と都道府県選管分を合計したところ、平成二十一年分でございますが、全政党等では百十五億八千五百万円、うち民主党関係につきましては、民主党本部に百二万円、民主党の政治資金団体である国民改革協議会に一億二千二百三十七万円、民主党の支部に十二億六千六百四十八万円の寄附があり、総額では十三億八千九百八十七万円となっているところでございます。

 平成二十二年分につきましては、都道府県選管分は集計中でございますため、総務大臣届け出分に限って申し上げますと、全政党等で二十億六千五百六十五万円、民主党関係では、民主党本部はゼロ、国民改革協議会に六百三十一万円、民主党の支部に二億六千三百万円の寄附があり、総額は二億六千九百三十一万円となっているところでございます。

佐々木(憲)委員 今の報告は企業・団体からの寄附でありますが、そのほかに政治団体からの寄附というのがありますね。それを合わせますと年に約三十億円、これが民主党に出されている企業・団体献金の総額であります。大変大きな金額です。

 総理にお聞きしますけれども、マニフェストに、民主党は、企業・団体による献金、パーティー券購入を禁止する、こういうふうに書きました。ところが、実態は、今報告があったように、そうはなっておりません。企業・団体献金の禁止という政策は取り下げたんでしょうか。

野田内閣総理大臣 取り下げておりません。

 企業・団体献金の上限額を段階的に引き下げて三年後に全面禁止するとともに、個人献金についての税制上の優遇措置を拡充する、そういう法案をまとめていて、各党の御理解をいただくべく努力をしているところでございますが、ただ、その制度改正がまだ行われていないという中で、今の現実的な対応があるということでございます。

佐々木(憲)委員 制度改正は確かにまだ行われていないんですけれども、マニフェストで禁止と掲げた以上、みずから自粛するというのは当然だと私は思うんです。本部では自粛していると聞いていますけれども、ところが、今言ったように、支部の方は野放し状態であります。

 もともと、リクルート事件の後、十七年前の細川内閣のときに、政治家個人に対する企業・団体献金を禁止したんです。しかし、政党と党の財布である政治資金団体が受け取るのは禁止しなかった。それが問題であります。政党には党支部も含むということにされたために、今度は、政治家が党支部をたくさんつくって企業・団体献金を受け取る、こういうことになった。党支部が政治家個人の財布のように使われるようになっている。

 総理にお聞きしますけれども、民主党には、企業・団体献金を受けられる支部というのは幾つあるんでしょうか。

田口政府参考人 申しわけございません。突然の御質問ですので、手元に資料がございません。

佐々木(憲)委員 我々が調べたところによると、総務省に届けられているだけで、民主党は六百二十七の支部、これが政治献金を受け取ることができる支部なんですね。ちなみに、自民党は七千三百五十二。これだけの支部が企業・団体献金を受け取れば、莫大な金額になるわけです。

 そもそも、企業・団体献金というのは、個人献金とは本質的に違うものなんです。主権者は国民であります。その国民が、支持する政党に、その活動に期待をして献金する、政治献金の自由というのが個人にあります。これは主権者が政治参加をする場合の手段であり、権利でもあります。しかし、企業はどうか。企業というのは、利益を求める、そういう存在でありますから、主権者でもありませんし、選挙権ももちろんありません。その企業が政治家や政党に金を出して、政治に影響を与えて自分の利益を図れば、これは主権者、国民の基本的権利を侵害するということになるわけです。だからこそ、企業・団体献金の禁止というのが求められているわけですね。

 先ほど総理は、マニフェストで、政治資金規正法を改正し、三年後に企業・団体献金を禁止する、こういうふうに掲げていて、それを目指しているというふうに聞きました。では、企業・団体献金の禁止という場合は、当然、政党本部はもちろんですけれども、政党の支部それから党の財布である政治資金団体、これをすべて対象にして初めて有効になると思うんです。これをどこか削ってしまうとしり抜けになってしまいますからね。その点はどのように考えておられますか。

野田内閣総理大臣 佐々木委員、先ほど、その前の質問の中にもお話ありましたけれども、九四年の政治改革のときというのは、基本的には政党活動を個人献金と政党助成金で支えていこう、政党助成金にも御党は否定的だとは思いますけれども、そういう理念のもとで法改正をして、企業・団体献金についてはなくしていく方向だったと思うんです。それを踏まえて、私どもは企業・団体献金を廃止していく法案をつくって、それをマニフェストで実現しようということでありますけれども、基本的にはやはりしり抜けがないようにしていくことが基本だというふうに思います。

 先ほど、ちょっと党本部と地方の扱いが違うじゃないかと。本部はそういうことで自粛をしていますが、地方においてはそれぞれの、やはり各地域における各政党間のまず財政力を基盤にしたいろいろな活動がございますので、その原資の扱いについてはそれぞれの地域にお任せをしているというのが現状であって、制度改正があれば、これは全部一体で対応していきたいというふうに思います。

佐々木(憲)委員 現に、党本部が自粛と言いながら支部は自由ですよというのでは、これは党としてはおかしいわけであって、きちっと全部規制する、これからそれを目指すというわけなんですけれどもね。

 今総理がおっしゃったように、やめるはずの企業・団体献金を受け取っているわけです、既に。それから、政党助成金も受け取っているんですね。これはもう二重取りになるわけですよ、趣旨からいえば。これは私は非常に許しがたいと思っているんですけれども、政党助成金について言いますと、赤ちゃんからお年寄りまで一人二百五十円、これに総人口を掛けまして約三百二十億円、こういう計算をして、それを政党本部に配分するというものですね。要するに、政党が税金を山分けするような仕組みなんです。

 総務省にお聞きしますけれども、制度の創設からこれまで、政党助成金は累計で幾ら支払われましたか。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 政党助成制度が創設されました平成七年から平成二十二年分までの政党交付金の交付実績と、平成二十三年分につきましては交付決定額、その十七年分の総額は、五千三百五十七億円余となっているところでございます。

佐々木(憲)委員 今このパネルで示しましたけれども、膨大な金額でありまして、五千三百五十八億円であります。

 では、どの党がこれを受け取ってきたのかということなんですが、それを示すと、ここにありますグラフになります。自民党は二千四百六十四億円、民主党千五百四十七億円、公明党三百九十七億円、社民党三百三十億円、国民新党二十二・五億円、みんなの党十九・一億円などとなっております。日本共産党は、この制度に反対をし、その廃止を主張してまいりましたので、受け取っておりません。

 総務省、この数字に間違いありませんか。

田口政府参考人 ただいまの質問、突然でございますので、今手元に資料がございません。

中井委員長 佐々木さん、私のおりました自由党とかそういう党が入っていないのは、これはどういう……。

佐々木(憲)委員 これは統合したときに……。

中井委員長 どこへ総合したんでしょうか。

佐々木(憲)委員 その他の中に入っております、六百十九億円。

中井委員長 ああ、その他へ。僕ら、書いてもらえないのやな。

佐々木(憲)委員 余り細かいところまで書くと煩雑になりますので、書きませんけれども。

 今手元にないと言ったけれども、これは通告を先ほど直前にやったものですからそうかもしれませんが、いずれにしても、総務省の統計でこういうことが出てきているわけであります。

 総理にお聞きしますけれども、政党助成金が導入された当時の議論でありますが、各政党に対する政党助成の上限枠というのが問題になったんです。当時、党収入の四〇%を上限とするという合意がありました。つまり、政党助成金に四割以上依存してはならない、こういうものでありますが、このことを御存じでしたか。

野田内閣総理大臣 これまでの個人中心であった政治活動、選挙活動を政党中心にしていこうという中で政党助成法の議論になったと思いますが、ちょっと今の数字の話までは記憶しておりません。恐縮です。

佐々木(憲)委員 これは、当時、細川総理と自民党の河野総裁が合意した内容なんです。税金を受け取るというわけですから、ちょっと後ろめたさがあったんだと思うんですが、それで最大限四割ぐらいにしておこうや、こういう合意をしたわけですね。その後の協議で、法律では、三分の二を上限とする、こういうふうに一度書き込まれたんです。ところが、制度が導入された九五年十二月にはこの歯どめさえ外れてしまったんですね。さらに、政党交付金の総額について五年後に見直しをするという規定がありましたが、これも外しちゃった。

 今、各政党の政党助成金の依存度というのはどんな形になっているかということですけれども、このパネルを見ていただきたいんですけれども、民主党の依存度は、これを見ますと八二・七%なんです。自民党は六七・四%等々でありまして、八割以上も税金に依存するとなると、これは事実上国営政党じゃないかと言われてもしようがないんですね。

 総理、この事実をどのように受けとめておられますか。

野田内閣総理大臣 改めてこうやって数字でお示しをいただくと、国営政党というか、本当に国民の皆様にお支えをいただいている国民政党としての自覚を持っていかなければいけないというふうに思います。

佐々木(憲)委員 私は、これは異常に高いと思いますね。

 政党助成金を受け取った各党は、それを今度は使い残して基金にため込んでいるという問題があるんですよ。このパネルを見ていただきたいんですけれども、合わせて約六十四億円近いため込みですけれども、そのうち民主党が基金にため込んでいるのは四十四億円で、全体の約七割を占めているわけであります。

 総務省に確認したいんですけれども、これは本部だけじゃなくて支部も含まれていますが、野田内閣の各大臣の政党支部の中で一千万円以上のため込みをしている大臣はだれでしょうか。

田口政府参考人 お答え申し上げます。

 平成二十二年分の政党交付金に係る使途等報告書を確認いたしましたところ、現内閣の閣僚が代表者を務めておられる政党支部のうち、支部基金残高が一千万円を超えている記載がありますのは、村田蓮舫大臣が代表者を務める民主党東京都参議院選挙区第三総支部と、平野達男大臣が代表者を務める民主党岩手県参議院選挙区第一総支部でございます。

佐々木(憲)委員 今報告がありましたように、蓮舫大臣、あなたが代表を務めている支部が一番基金が多いんです。政党助成金を幾ら受け取って、どのように使って、なぜ基金に二千五百万円もため込んでいるのか、説明をしていただきたい。

蓮舫国務大臣 お答えを申し上げます。

 まず、先ほど来委員が御指摘されている企業・団体献金は、私は一切受け取っておりません。

 その上で、私が代表を務める民主党東京都参議院選挙区第三総支部が、二〇一〇年、党本部から交付を受けた政党交付金は三千万円でございまして、そのうち支出総額は二千四百五十万円。これは、昨年は選挙の年でございましたので、主な使途は、備品や組織活動費や事務所費等でございます。この中身は、使途等報告書及び収支報告書で報告をしてございます。

 また、御指摘の二〇一〇年十二月末時点の総支部の政党基金は二千五百三十四万円でございますが、ため込んでいるという指摘ではなくて、これは財源が税金由来でございます。私が国会議員をやめるときに、この基金は取り崩して、そして総務大臣の返還命令にこたえて国庫に納付するべきためにも、大切に使って、なるべくここは無駄遣いと言われないように等しているところでございます。

佐々木(憲)委員 大切に使うのは当たり前なんです、税金ですからね。しかし、これは毎年毎年交付されているわけですから、その年に使い残した分は国庫に返還するというのが当たり前なんですよ。こういうことをやらないというのはおかしいと思います。政党助成金というのは、もともと私は仕分けの対象にすべきだと思っていますからね。

 復興担当大臣にお伺いしますが、二千四百万円を基金にため込んでいるということですけれども、今、復興財源の確保というのは大変難しい局面にあります。こういうときに、使い残したのは被災者に回すということをすべきじゃないんでしょうか。

平野国務大臣 議員の御提案も一つの考え方かというふうに思います。

 しかし、復興財源につきましては、もう委員十分御承知のように、さきに成立しました復興財源確保法におきまして、行政経費の削減、それから税外収入の確保、それから、大変申しわけございませんけれども、国民の皆さん方に御負担をいただくという形でその財源の確保がされるということに決まったところでございます。

佐々木(憲)委員 要するに、国民に負担させたから自分は使い残してもいい、こういう理屈は成り立たないと思いますよ。

 川端大臣に聞きますが、政党助成金の使い残しは党支部、本部合わせて六十四億円になっていますけれども、余った分というのは国庫に返還するよう命ずることができる、これが法の趣旨です。それができるのはあなたなんです。これを返還させて、被災者に回したらどうですか。

川端国務大臣 先生御案内のとおり、政党助成金においては、各年において支部政党交付金の残余があるときには、当該残余の額に相当する額の政党交付金を返還手続の対象とする旨の規定はございます。ただし、翌年に繰り越すために支部基金に積み立てた場合を除きというふうな規定でございます。

 そして、そういうふうに基金が返還の対象とされていないのは、政党活動においては年度間の変動があるということで、その変動を翌年に繰り越して使えるようなことで想定をされました。これをもし認めないと、あるんだったら全部使い切ってしまおうみたいなことになってもいけないという趣旨でございます。

佐々木(憲)委員 大切に使って、余ったなら返す、当たり前じゃないですか。国民の普通の感覚ですよ、これは。

 今の説明だと、基金にため込んだら返さなくてもいい。そういう理屈は通用しませんよ。返せる仕組みにすればいいんですよ。そういう姿勢だから、今、政治不信がこれだけ高まるわけです。

 私、昨年の二月に予算委員会で取り上げましたけれども、自由党の解党のときにも、政党助成金を含む公金を一円も国庫に返納せず、解党したその日に特定の政治団体に移動させて私物化したという、とんでもない例もあります。政党が一般国民から浄財を集める努力をしないで、税金で党財政を賄っている。こうなると、次第に感覚が麻痺して、庶民の痛みがわからなくなるわけですよ。

 総理、これだけ国家財政が大変だと言いながら、なぜ、政党助成金を半分にしましょうとか三分の一にしましょうとか、そういう話さえ出さないんでしょうか。

野田内閣総理大臣 政党助成金に対する評価、意義については各政党によっていろいろなお考えがあるというふうに思いますので、これは政党間で協議をしていただくテーマではないかというふうに思います。

佐々木(憲)委員 いや、政党間の協議より前に、総理の考え、どういうふうに思いますかと聞いているんです。

野田内閣総理大臣 私どもは、政党助成金の問題よりも、むしろ企業・団体献金廃止へ向けた政治資金規正法改正案をまとめていますので、その御理解をいただくべく努力をしていきたいというふうに思います。

佐々木(憲)委員 国民には一方で増税を押しつける、これから消費税を増税するんだ、こう言いながら、自分たちはその税金を懐に入れる、これは余りにも身勝手だと私は思います。汗水流して納めた血税が、国民から見ると、支持もしない政党に強制的に回されるような、これは強制献金のようなものですよ。国民は、支持する政党に献金する自由もありますけれども、献金をしない自由もあるわけです。政党助成金というのは、その自由を踏みにじるという性格を持ってしまうわけで、憲法で保障された国民の思想、信条の自由を侵害することになるというふうに言わざるを得ません。

 私どもは、この創設当初から、このような国民の血税を政党が懐に入れる、山分けする、こういう制度には反対をしてまいりました。一円も我々は受け取っておりません。この際、政党助成金は直ちに廃止する、企業・団体献金も全面的に禁止する、こういうことに政治は踏み出すべきだ。総理に、最後にその決意をお聞かせいただきたい。

野田内閣総理大臣 私の決意は、九四年の当時の政治改革のあの議論が原点であって、まさに政党助成金と個人献金を中心に政治活動を支えていくという方向性が正しいというふうに思っています。

佐々木(憲)委員 個人献金を中心に、国民、主権者の総意に基づいて政治を行う、それが政党の本来のあり方であります。企業からの献金は受け取らない、団体からも受け取らない、政党助成金は全面的に廃止する、こういう立場で我々はこれからも活動を続けていくことを決意申し上げまして、以上で終わらせていただきます。

中井委員長 これにて佐々木君の質疑は終了いたしました。

 次に、下地幹郎君。

下地委員 総理、沖縄県民は戦後六十六年間で、軍人軍属の数多い事件、事故が発生して、心が傷ついていることだけは間違いないんです。

 ただ、この一九九五年の少女暴行事件というのは余りにも悲惨な事件だけに、耐えがたい、そういう思いになっているんです。あえて申し上げますけれども、十二歳の小学生ですよ。三人の軍人です。しかも、拉致されて、テープで顔を覆われて、手を縛られている、そういうふうな状況で事件が起こったというようなことなんです。

 また、そのときに、この事件に絡んで二つのことが起こった。一つは、沖縄県警が証拠をしっかりと整えて三人の認定をした。しかし、日米地位協定で起訴前の逮捕ができずに、最後まで取り調べをすることができなかった。このことにも沖縄県民は怒っているんです。その後、アメリカの太平洋軍の司令官が、リチャード・マッキーという海軍大将が、レンタカーを借りるお金で女が買えた、こういうような表現をして、彼は一九九五年の十一月に更迭されているんです。そういうことを考えると、この事件というのは、沖縄県民にとっては物すごく深い傷を心に残している。

 だから、県民の間でも、この事件を話すときには、本当に気を使いながら僕は話をしていると思うんです。それだけに、官僚が話すときも、もちろん私ども政治家が話すときも、気を使うことは当たり前ですよね。私は、そういう意味で、防衛施設局長が犯すという表現を使ったということ、そして一川防衛大臣が詳細は知らなかったという発言をしたこと、これは許されるものではないというふうに思っているんです。

 それで、総理に、僕は客観的に解決してほしいんですよ。政府と沖縄県の間は、今亀裂は大きなものになっていますよ。

 間違いなく八分間しか仲井真知事は防衛大臣と会わなかった。県議会は、全会一致で一川防衛大臣に対する抗議決議をやっている。これから野田総理が、沖縄の基地問題を解決していきたい、沖縄との信頼関係をもう一回リセットしてしっかりとやっていきたい、そういうことをお考えになるならば、そして日本の安全保障、日米同盟のことも全部お考えになるならば、ここは一川防衛大臣を罷免した方がいいです。これは総理の決断なんです。

 今、辞任ではなくて、なぜ罷免なのかということは、今総理の姿勢がしっかりすることが、私は沖縄との信頼関係をもう一回構築することになると思うんです。総理は近いうちに必ず沖縄県を訪問して、総理が今お考えになられていることをお話をしなければいけない時期が来ると思います。そのときに、総理の決断があって、新しい沖縄との関係を構築したいという強い気持ちを総理が持って沖縄に行かれること。問責を待つとか辞任をするとか、そういうふうなものではなくて、今問われているのは総理の決断力なんです。それが日米同盟にとっても大事なことであって、私は、アメリカだって、そういう決断をして、もう一回再構築しようという総理を評価すると思いますけれども、本当に総理、決断するおつもりはありませんか。

野田内閣総理大臣 先ほど御指摘のあった沖縄少女暴行事件というのは、日米地位協定を見直していこうという、大きな県民の集会を開く一つの象徴的な端緒になった事件であったし、あらましについては委員の御指摘のとおりでございますが、多くのというか、すべての沖縄県民が大変心に深い傷を負った、そういう事件だったというふうに思います。それを想起させるような発言を沖縄の前防衛局長がしたということは、これまでも何度か御答弁をしてまいりましたけれども、極めて不適切な発言で、弁解の余地はないというふうに思います。改めて深くおわびを申し上げたいというふうに思います。

 そうした発言を受けて、一川大臣の対応でございますけれども、私は、厳しい御批判を今さまざまなレベルからいただいていることは間違いございませんが、その御批判を受けとめながらも、襟を正して職責を果たしていただきたいというふうに考えております。

下地委員 もう時間もありませんから一言ですけれども、総理、この決断は、永田町の論理でやってもだめですよ。政局観でやってもだめですよ。ここは、総理が沖縄県民の立場で決断をしたら、大きく沖縄の基地問題は変わってきますよ。その認識論を総理が持って決断することを望んでいます。

 この一週間でいろいろなことがあるかもしれませんけれども、今、本当に政治主導、内閣総理大臣の決断力、これを全国民が見ていますから、ここはきちっとやっていただいて、頑張っていただきたいと思いますから、よろしくお願いします。

 ありがとうございました。

中井委員長 これにて下地君の質疑は終了いたしました。

 次に、村越祐民君。

村越委員 民主党の村越祐民でございます。質問の機会をいただきましてありがとうございます。

 本日は、私は、自民党の土地不法占拠問題について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、このパネルをごらんいただきたいと思います。

 国民の皆さんは国会でこのような質問ばかりが取り上げられていることを望んでおられないというふうに思いますけれども、これは重大な問題でございますので議論をさせていただきたいと思います。

 まず、千代田区永田町一丁目十九の十三と十四という土地が、自由民主会館という自民党の本部が建っている土地でございますけれども、これは、かねてから両院で既に取り上げられていたように、年間八千九百七十万円の賃料を自民党が国に支払って借りている土地でございます。三千三百六・四八平方メートルの土地でございます。

 これに関しては、かねてから議論がされてきましたけれども、東京オリンピックの際に道路を拡幅するということで、自民党の本部が移動する際に、言ってみれば国会でお手盛りで政令を改正して、当時政党助成制度がありませんでしたので、政党が法人格を持てないということで、言ってみれば無理くり財団法人自由民主会館というものをつくって、そういうものを借り受けられるようにしたということで、これに関してはいずれ、いろいろな問題がありますので、後の議論に譲るとして、私は、本日は、この白い点線で囲まれている三角形の土地に関して主に議論をさせていただきたいというふうに思います。

 これは、千代田区永田町一丁目十九番二、千三百二十・〇二平方メートルの土地でありまして、これも同じく一九六四年から自民党が事実上、この写真のように、本部の土地の一部として使っているということであります。ところが、報道によりますと、賃料を一切払っておらずに一九六四年以来四十七年間自民党が使い続けているということでありまして、まさにこれは五五年体制の因習であろうというふうに思います。

 今、この国会で、復興をどうしていこうか、そのためにどうやって財源を捻出していこうかという議論をまさに与野党を超えて議論していかなければいけないときに、自民党の皆さんにおかれましては、まずやはり足元の問題からきちっとしてもらいたい。天下国家を論ずる以前の問題じゃないかというふうに私は思います。

 この問題に関して、まず、十一月の一日に石原自民党幹事長が役員会後の記者会見でおっしゃったことをちょっと読み上げたいというふうに思います。お手元にお配りをしていると思います。これは、ちなみに自民党のホームページからそのまま抜粋したものでございます。

 記者の方から、こういう問いがあります。「一部報道で、自民党本部の駐車場に関する記事が掲載されていますが、今後の対応をお聞かせください。」という問いに対して、石原幹事長は、「一部報道があったことについて、私が調べてきたことで言いますと、使用に正当性があるのかないのか。使用が無償であることが合理的なのかどうかの二点だと思います。正当性については、従来からお話ししていますが、党本部側より衆議院事務総長に対する使用の申し入れがなされて、それに基づいて衆議院側が使用を認めて来ている。そして、衆議院議員がそこに車を止めているので、私は問題ないと考えています。有償、無償については、国会議員や諸官庁が駐車場として使用するのであれば、無償ということには合理性がつくのではないかと思います。私は、東京都連の会長も兼務していますが、東京都連の宣伝カーはそちらには絶対に止めないようにとの指示を、絶えず、きめ細かく出してきました。」それに対して、記者の方が「今後、この取り決めは継続するということですか。」石原幹事長は、それに対して「はい。」と答えておられます。

 私は、石原幹事長のこの発言というのは、事実と異なる内容を含んでいるんじゃないかというふうに考えています。きょうは、これを質問の中で明らかにしていきたいというふうに思います。

 まず最初にお伺いしたいのは、この三角形の当該土地に関してですけれども、国有財産ということで間違いがないんだと思います。

 それで、この三角形の土地の所管は衆議院の所管ということでよろしいんでしょうか。また、この当該土地は、国有財産法で言うところのいわゆる行政財産に当たるのかどうか。国有財産の最終監督権限というのは財務省にある、財務大臣にあるということで、その監督官庁たる財務省にまずお伺いをしたいと思います。

田中政府参考人 お答えいたしたいと思います。

 お尋ねの財産につきましては、衆議院が所管いたします行政財産であるということでございます。

村越委員 間違いなく、この三角形の土地は衆議院の土地だということであります。

 国有財産法の所管になるということですけれども、国有財産法の第十八条第一項によれば、よろしいですか、「行政財産は、貸し付け、交換し、売り払い、譲与し、信託し、若しくは出資の目的とし、又は私権を設定することができない。」ということになっています。

 それで、その国有財産法の同十八条の第二項、その一号から六号までその例外規定が書いてあるわけですけれども、主にこの例外規定の主体というのは、国だったり地方公共団体だったり、あるいは鉄道や道路、公共性の高いものに限られているわけでありまして、およそ政党が国の土地を貸し付けてもらうということはこの法律からは読み取れないわけであります。

 そこで、財務省に再びお伺いをしたいんですが、行政財産を政党の本部用地として使用許可をすること、あるいは無償で使用すること、そういったものを許可することというのが妥当かどうか、お伺いをしたいと思います。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 国有財産法第十八条第六項におきまして、「行政財産は、その用途又は目的を妨げない限度において、その使用又は収益を許可することができる。」とされておりますが、この場合、財政法第九条第一項の規定に基づき、法律に特別の定めがある場合を除いて、適正な対価の支払いが必要でございます。

 仮に、一般論でございますが、政党本部用地につきまして行政財産の使用を許可するとした場合には、法律に特別の定めがないことから、適正な対価の支払いが必要になるものと考えております。

村越委員 自民党の皆さん、今の理財局長の答弁をお聞きになりましたでしょうか。

 それで、肝心な部分でありますけれども、先ほど私が石原幹事長の会見の中身を読み上げました。石原幹事長は、衆議院がこの三角形の土地に関して使用を認めたというふうに会見でおっしゃっていますけれども、今度は衆議院にお伺いしますが、どのような経緯で自民党がこの土地を駐車場として利用するに至ったのか、お答えをいただきたいと思います。

鬼塚事務総長 お答え申し上げます。

 過去の国有財産使用許可書の交付状況を確認しましたが、自由民主党に対しまして、自由民主党の本部用地として使用許可が行われた事実は確認できませんでした。

村越委員 今、お聞きになりましたか。衆議院が使用許可をこの三角形の土地に関してしたことがないという答弁でした。もう本当に驚くばかりのお話だと思います。

 まさに自民党は、四十七年間にわたって、言ってみれば占有屋まがいのことをやってきた、不法占拠してきたことに文字どおりなるわけです。まさに、当時の政権与党の威光をちらつかせて、ただで使ってきた、そういうことですよね。

 さらにお伺いしますけれども、では、許可を衆議院がされていないということであれば、当然ながら、衆議院は自民党から、本部用地として賃料、貸していないんだから賃料という言い方はおかしいですけれども、使用料を受け取ったことがあるかどうか、衆議院にお尋ねをいたします。

鬼塚事務総長 お答えいたします。

 自由民主党の本部用地として賃料、使用料の支払いを受けたことはございません。

村越委員 つまり、自民党は事実上、繰り返しになりますけれども、無許可で、なおかつただで、一九六四年以来ずっとこれを使ってきたということがこれで白日のもとにさらされたわけであります。

 パネルの裏をお願いします。

 このパネルをごらんいただきたいと思います。これは表の通りからこの土地の撮影をしたものでございます。自民党の街宣車がとまっています。あさかぜ号というらしいですけれども、私が知る限り、報道でもこれは明らかになっていることですけれども、反復継続してこの街宣車がここにとめられています。恐らく、同僚、諸先輩議員の皆さんもごらんになったことがあると思います。

 先ほど私が読み上げた、石原幹事長は会見で、衆議院議員がこの土地に車をとめるのであれば問題ないというふうにおっしゃっていたわけですけれども、このように事実上、門が閉まっていて南京錠がかかっているんです。外から一切入れないようになっているわけです。

 最初の写真でごらんになったように、この自民党の財務省から借りている土地の門からでなきゃ行けないようになっていますし、白い線が地べたに引いてあって、車を奥に誘導するようになっています。つまり、衆議院の土地であるのにもかかわらず、自民党の関係者しかここは事実上利用できないわけです。

 例えば、衆議院議員であるけれども自民党員ではない不肖私のような人間が、登院をする際にこの駐車場にとめさせていただいて、帰りに自民党の並びのウナギ屋さんとかコンビニを使おうと思ったって、これはかなわないわけです。これはどう考えてもおかしいですよね、衆議院の土地なんですから。

 さらに、この「衆議院議員会館案内」というのを皆さんよくごらんになったことがあると思います。これはどの事務所にも配付をされているものですけれども、この中には、議員会館にまつわる駐車場の使用について幾つかのことが書いてあります。

 二十七ページ以降ですけれども、まず地下駐車場の使用方法について、仮設駐車場の使用について、臨時駐車場の使用について、溜池山王側待機車両等スペースの使用について、それから山王坂側玄関前車両スペースの使用について、幾つかの駐車場の利用方法に関して手引が書いてあるんですが、そのすべての項目に、宣伝車等の乗り入れ及び駐車はできませんと書いてあります。

 つまり、およそ衆議院の土地に街宣車をとめてくれるなという指針を出しているわけですけれども、そうだとすれば、この衆議院の三角形の土地にも街宣車をとめるというのは私はおかしいんじゃないかというふうに思います。まさにほかの駐車場と同様の運用がなされてしかるべきなんじゃないかというふうに思います。

 この土地の管理は衆議院の所管ということですから、衆議院にさらにお伺いをしたいんですけれども、この公用車以外の車両、あさかぜ号とか、あるいはお客さんの車とか、そういうたぐいが反復継続して駐車されている状況で、この土地が適切に管理されていると果たして言えるんでしょうか。また、街宣車や公用車以外の車を駐車すること、あるいはこの土地を何ら使わない、ほったらかしにする、何の目的にも供さないということが公的使用だと言い切れるんでしょうか。お答えいただきたいと思います。

鬼塚事務総長 お答えいたします。

 本件土地の管理に当たりましては、適正な管理に取り組んできたつもりでございますが、御批判はあろうかと思います。

 今後は、管理の適正化を図る観点から、どのような対応が可能か検討してまいりたいと思います。

村越委員 衆議院は、自民党に対して、十分かどうかは別として、注意をしてきたということですよね。

 私は、こういうことが明らかになった以上、自民党の皆さんは、過去にさかのぼってこの土地の賃料をお支払いになって、そして直ちにこの土地を返却するべきだと思います。

 一説によりますと、この四十七年分というのは、年間三千五百万円程度の値打ちがあるということですから、四十七年分にすると十六億円程度になるそうですけれども、今、この国は復興のためにお金を集めなければいけない状況です。ただでさえ自民党には借金がたくさんあるそうですから大変でしょうけれども、ぜひ、かつて栄華隆盛を誇った政権政党の矜持をここで見せていただきたいと思います。

 さらにお伺いをしたいんですが、仮に自民党の皆さんが殊勝にもそうして過去にさかのぼってこの土地の賃料を国にお支払いになろうとした場合、法律上どのような問題があるか、お答えをいただきたいと思います。

田中政府参考人 お答えをいたします。

 あくまで一般論として申し上げさせていただきますが、一般論としては、根拠となる事実が存在するということであれば、国有財産に係る使用料相当額を過去にさかのぼって徴収することにつきまして、これまでの使用実態ですとか当事者間のやりとりの経緯などを踏まえて判断する必要があるというふうに考えておりますが、いずれにしても、本件につきましては、衆議院の所管でございますので、衆議院において整理をされるべきものであると考えております。(発言する者あり)

村越委員 まさに今、当の自民党の皆さんからお声が上がりましたけれども、議運で最終的に議論がなされるべきだというふうに思います。

 本日、ここで、この土地に関して、自民党が法律に基づかないという意味で不法行為を行ってきたということが明らかになったわけですから、私は、これを踏まえて、石原幹事長はきちんと会見で以下の四点について御説明をいただきたいというふうに思います。

 まず第一に、衆議院が使用を認めたというふうに会見で石原幹事長はおっしゃったわけですけれども、実際はそのような事実はなかったわけですから、虚偽の説明をした経緯を御説明いただきたいと思います。

 第二に、事実上、この土地は財務省から賃借している土地と一体になって駐車場として運用されているわけでありまして、先ほど申し上げたように、自民党の関係者しかここに駐車できないわけであります。にもかかわらず、自民党が無償で利用することが合理的だ、合理性があるんだというふうにおっしゃったわけですから、どこが一体合理的なのか、再度御説明をいただきたいと思います。私は、盗人たけだけしいとはこのことだと思います。

 第三に、絶対に街宣車をとめないように絶えず細かく指示をしているとのことですけれども、実際にはほぼこうやって街宣車がとまっていたわけですから、かつて閣僚のポスト三つ分の絶大な権力があると自民党の幹事長は言われてきたわけですから、天下の自民党幹事長の御指示というのがそこまで軽いものなのかどうなのか、ぜひともお答えをいただきたいと思います。

 そして第四に、過去にさかのぼってこの土地の賃料をお納めになるおつもりがあるか、土地を返却するおつもりがあるかどうか。何でしたらこのパネルを石原さんに進呈しますので、ぜひとも会見で御説明をしていただきたいと思います。会見で御説明されないというのであれば、ぜひ、この場に参考人としてお出ましをいただいて、しっかりと説明していただくほかないと思います。

 先ほど御答弁がありましたとおり、この判断というのは最終的には議院運営委員会の御判断ということでありますから、速やかに議運で取り上げていただいて、このような不正が一刻も早く解消されることをお願い申し上げたいと思います。

 さて、財務省は、公務員宿舎を二五・五%削減するとおっしゃったり、本当に税外収入確保のために血のにじむような努力をされているというふうに思います。私は、いたずらに公務員の皆さんをたたくということはよろしくないと思いますけれども、こういう財政厳しき折、まさに身を切るという覚悟を財務省はお示しになっていると思います。

 国有財産の管理をまさに統括されているお立場から、財務大臣の御感想をお伺いしたいと思います。

安住国務大臣 財務省は、財務省所管の普通財産に関しては、貸し付けに関しては、必ず賃料は取らせて国庫に納めていただいております。

 ちょっと今聞いて思ったのは、それは自民党にも問題があるかもしれませんが、長年この問題について何ら対応をもししてこなかったとすれば、衆議院は相当重い責任をやはり背負っているのではないかと思います。行政財産を管理するだけの資格があるのかということもありますから、そういう点では、衆議院側は、今の御質疑の中で、議院運営委員会というよりも、事務方がしっかり適正にこういう問題に対してやはり対応していく。

 なお、高輪の宿舎、九段の宿舎等についても、空き地になったままでありますから、早急に対応をお願いしたいというふうに思っております。

村越委員 ありがとうございます。

 まさにこの土地は、差し当たって衆議院の所管でありますけれども、最終的には財務省、財務大臣の責任である、そういう趣旨の強い御答弁だったというふうに思います。

 総理にもぜひお伺いをしたいというふうに思います。

 大変財政が厳しき折に、さまざまな覚悟と勇気を持って今総理は国政の運営に当たられているというふうに思います。先日、捨て石になるという強い発言をされました。そして、前任の財務大臣としても、税外収入をきちんと確保しなきゃいけないんだと。まずは、国民の皆さんに御負担をお願いする前に、国としてもやるべきことがあるということだというふうに思いますけれども、ぜひともその御決意を国民の皆さんに向けて発していただきたいというふうに思います。お願いいたします。

野田内閣総理大臣 捨て石になるという発言は、私、していないんですよね。何となく報道だけ先走っていますけれども、そういう話はしていませんが、覚悟を持って、厳しい財政状況のときでございますので、まずは隗より始めよということを取り組んでいきたいと思いますし、今まで御議論があった国有財産については、これまで以上に適切な管理をしていかなければいけないということを、御質問を聞きながら改めて痛感した次第であります。

 ありがとうございました。

村越委員 ありがとうございました。

 そういうことでございまして、この土地の問題、しっかりと自民党の皆さんには決着をつけていただきたいと思います。ぜひ賃料をさかのぼってお支払いいただいて、そして迅速に国に返却をしていただくことを重ね重ね要求いたしまして、私の質問を終わります。ありがとうございます。

中井委員長 これにて村越君の質疑は終了いたしました。

 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。

    午前十一時五十九分休憩

     ――――◇―――――

    午後一時開議

中井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 質疑を続行いたします。阿部知子さん。

阿部委員 社会民主党・市民連合の阿部知子です。

 本日は、政治と金という議題で審議が進んでおりますが、最も大切なのは、立法府に身を置く者あるいは政党などなどが国民からどんな信頼を得ているか。政治は信なくば立たずでありますが、特に私ども議員、国民から直接選ばれて立法府に来ております。そういう意味で、政治の信頼の根幹ということにかかわりまして、同意人事を冒頭取り上げさせていただきます。

 思い起こせば、同意人事というのは、二〇〇七年の十一月、与野党が逆転をするかどうかというあたりから、極めて、政争の具というと変ですが、対立の火種になってまいりました。しかし、それでは本当に国民の声を聞くことができまいということで、各政党、努力し、さまざまなルールもできました。

 しかし、きょう私がお尋ねしたいのは、そうした全政党こぞっての努力が、いわゆる三党合意というものによって打ち消されてしまうのではないかという懸念があります。三党とは、すなわち自民、民主、公明であります。確かに、数の上では多い、そしてそこで合意すれば何でもいきますが、しかし、それで本当に民主主義だろうかという思いが根本にございます。

 提示したパネル、一枚目でございますが、これは、各政党の、超党派の御尽力で八月の二十六日、国会を通過、成立いたしました再生可能エネルギー促進法をめぐるやりとりで、八月の十一日に三党で合意された確認書であります。この三党とは、民主、自民、公明でありますが、再生可能エネルギーの固定価格、ある価格で買い取ることについて、これを特別の調整委員会をつくって国会に諮ろうということになって、いわゆる同意人事が行われることになりましたが、ここに、実は同意人事がスムーズにいくように、「人選にあたって、三党が誠意をもって対応する。」となっております。

 実は、同意人事というのは、政府が出されて、私たち立法府が国民の声を代表してチェックするという機関であります。三党は、実は連立も組んでおられませんし、政府の中にもおられません。

 これは官房長官にお伺いいたしますが、こういうルールを勝手に変えてまいりますと、やはり議会制民主主義、ルールを守ることで成り立っておりますから、これまでの長い同意人事のやり方が私はほごになってくると思います。特に、この場で、三党の実務者でお決めになって同意人事の推薦が行われたようですが、それが各党、民主や自民や公明の中にもどのように諮られたかが不透明でありますし、そして、もう出てきて、あすには本会議にかかろうかと言われているやに聞きます。

 手続上の問題について、こうやって三党で勝手に変えていいのかどうか、まず藤村官房長官に伺います。

藤村国務大臣 阿部委員おっしゃるとおり、国会同意人事というのは、まず政府が同意人事に諮るべき人選をし、そしてそれを、私が窓口になりますので、国会にお願いをし、国会における多数決での同意をいただく、こういう手続であります。

 このたびの件は、手続としては、エネ庁から経産大臣に上がり、経産大臣が決裁をされた。その他の国会同意人事も含めて、私の方で国会にお持ちをしてお願いをした経緯がございます。そして、今回のこの、特に今おっしゃっている再生エネルギーの件については、この法案が、今パネルでも出していただいているとおり、三党での法案修正をし、修正時の三党合意というものがございましたので、経産省、エネ庁での最初の人事を決めるときにはそういう御意見があったというふうには聞いておりますが、あくまでエネ庁、そして経産大臣が決定をされたものを国会に提出したものでございます。

阿部委員 藤村官房長官も議会に長くおられますから、その昔は、例えば、政府が提出されて、与党内でも約二週間すったもんだをしたものであります。こんなに簡単に、政府ではない、政権党ではない野党にまず人選を相談されて、そして、先ほど申しますように、では各野党が党内で論議ができるかと申しますと、これが実は、議運の場に内示されるまでは一切秘密でありますし、秘密であらねばならぬとやってきたわけです。結局、三党内の論議も妨げたし、私ども小政党にとっては全くそこに至るまで蚊帳の外になったと私は思います。

 私が伺いたいのは、こうやって勝手にルールは変えていいですかという一言です。こんなことが許されたら、この法案についてはこういう党でやりましょう、これで同意人事というふうに、どんどん手続が恣意的になり、しかし、そのことは、同意人事とは何かという、国民から見てどうであるかということであると私は思います。

 時間の関係で、もう一問追加したいですが、でもここはあきらめて、枝野大臣に伺います。

 枝野大臣もこの合意書、確認書をごらんになっていて、そして、三党、自民、公明、民主からおのおのエネ庁に上がった人選を、そこで大臣が御自身で考えて提出されたんだと思いますが、枝野さんは、こうやって三党だけで同意人事の素案をつくってしまうことについてはどうお考えか。

 そして、とりわけ枝野さんに伺いたいのは、実は、この確認書、私は三党の御尽力は多としますが、しかし、これにのっとって考えると、二番目、修正案十七条の軽減措置の対象となる者、これもこの法律で決めました。どういうことかというと、鉄鋼とか、電力をたくさん使う事業者には、経済も大変だ、今私どもの景気は悪いですから、何らかの配慮措置をいたしましょうということであります。ドイツでもありますから、いいと思います。

 でも、同時に、枝野さんが選ばれた人事の中には、まさにこの軽減措置の対象となる方が入れ込まれております。この機関は、修正の中で、中立でなくちゃいけない、第三者性がなくちゃいけないとされましたが、電力をたくさん使っているゆえに値引きされる方をそこに入れてしまっては、中立性の担保ができないと思います。

 二点、いかがでしょう。

枝野国務大臣 まず一点目でございますが、この確認書に基づいて、三党の皆さんには今回の同意人事についてそれぞれ御推薦をいただきました。ただ、三党で何か調整をされて今回の案が決まったということではなくて、各党から御推薦をいただいたのを踏まえて、私のもとで今回国会にお願いをしている人事案を提示しているものでございます。

 例えば今回は、この三党合意がございましたので、各党とも積極的に御推薦をいただきましたが、最終的に同意をいただく国会の皆様から、もし、例えばこういう人を入れるべきじゃないかとか、こういう人は入れるべきではないとかということは、一般論として申し上げても、いろいろと御意見があれば、それはそういったことをお聞きをした上で、その上で所管大臣が責任を持って案を国会に提示させていただくということでございますので、そうした意味ではルールが変わっているというふうには思っておりません。

 それから、後者についてでございますが、確かに、この中の候補者の一人はこの賦課金の減免制度の対象になる可能性のある企業の方でいらっしゃいますが、今回国会に同意人事をお願いしております委員会は、この減免措置についての権限は全くございません。これについては、この委員会とは関係なく、経済産業大臣が決めるということになっておりますので、そこについての利害関係者は直接の関係はなく、しっかりと国会での議論と法律の趣旨を踏まえて対応してまいります。

阿部委員 先ほど申しましたように、これは三党、例えば民主党内でも議論があるところであります。もちろん、自民党内、公明党内にもおありです。あるにもかかわらず、三党合意があるからという形で、よもよも、あした本会議にかけようなんということはないんでしょうね、枝野さんというのが一つです。

 私は、意見は十分聞くべきだと思います。まして、三党以外の私ども、ほとんどこの機会もございません。そして、立法趣旨を損なうじゃないかということが、特に、利益相反と申しまして、先ほど枝野さんは、鉄鋼業界です、たくさん電力を使うから値引きはあって当然と私は思います。だけれども、その方をこの価格決定の委員会に入れるということは、何度も申しますが、価格、これから非常に大事なパートであります、そもそも資格外なんだと思います。

 その減免対象であるかどうかはほかで審議すると言われましたが、しかし、参考人の御意見のときにも、この鉄鋼業界の方は、経常利益の九%がこれで食われちゃうんだというふうに発表されていた、非常に微妙なお立場におられる方です。ヒアリングをしたりはいいです。でも、価格決定の委員に入れるということは公正性を損ねます。

 枝野さん、お願いします。あした決めるということでなく、もっと国会の、国民の思いを聞くんですねということです。それは、枝野さんは大臣だから、国会がやることでしょうとおっしゃいますが、今、少なくとも枝野さんの答弁では、まだまだ御意見を伺う余地があるというお話でしたから、ぜひそのようにお願いしたいが、いかがでしょう。

枝野国務大臣 まず、先ほど御答弁申し上げたのは、一般論として、国会同意人事は、政府の中において国会に御推薦をお願いいたしますし、また、国会の方のルールで、あらかじめその人選の候補については国会に御提示するまでお示しをしないということになっていると承知をしておりまして、そうした、政府が案を決めるに当たって、それは国会の皆さんを初めとして、いろいろな御意見については、当然さまざま耳を傾けた上で決めていく。今回は、たまたま、より積極的にこの三党合意に基づいて、三党の方から御推薦をいただいたということを申し上げたものでございます。

 そして、国会同意人事の採決等については、これはまさに国会でお決めをいただくことでございまして、私が申し上げるべきことではございませんが、これは、まさにこの仕組みが一刻も早くスタートをすることが重要でございまして、そのためには、この価格についての委員会を早くスタートさせませんと、来年の施行と同時にこの買い取り価格制度をスタートさせられるかどうかということについても、非常に日程的にタイトな状況でございまして、できれば、できるだけ早く御同意をいただきたいとお願いを申し上げます。

阿部委員 この制度を本当に実らせるかどうかは急がば回れだと思います。国民の思いと、確かに、枝野さんがおっしゃるように、私たち国民一人一人が電気を使うから、私たちもある意味で利害関係者ですけれども、大量に使って値引きをされる相手とはやはり立場が違うわけです。そこを外して、本当に、私たちの制度設計、これからの再生可能エネルギーをつくるべきです。そういう意見がまだどこでも述べられていないし、その前の三党でのすり合わせにすぎないということです。

 そして、そもそも法案をつくるときの修正点、思い起こせば、電力、風力、水力、火力、小水力、バイオマス、おのおのに特性があります。初期投資の大きなもの、あるいは、初期は少ないけれども立地条件が大変整備されねばいけないもの、ばらばらなので、おのおのの特性を申し述べる時間がありませんが、個別の電源種ごとに価格を決めましょうということでありました。

 ところが、今回、五人のうち三人の方は、お一人は鉄鋼関係者、お二人は、この審議の過程で個別の価格買い取りに反対なさった、あるいは意見を異にした方々です。せっかく法案修正して、せっかく新しい同意人事のというか、ための委員会、価格調整委員会をつくったのに、どっちも骨抜きになるじゃないですか。個別価格で、その特性に応じて、小水力、水車ですね、そういうものも伸ばしたい、バイオマスも伸ばしたいと思ってやった審議ですよ。審議の内容と人事が全くそぐわない。もう一度出し直しを考えていただきたいが、どうでしょう。

枝野国務大臣 御指摘のような点について、この法律の制定過程でいろいろな御意見があったかというふうには思いますが、国会でお決めをいただいて、まさに発電設備の区分や、設置の形態及び規模ごとにこの買い取り価格は決めるということは明確に決まっておりますので、その調達委員会でこのことを覆すことはできません。

 さらに申し上げれば、法律上、特定供給者、つまり、再生可能エネルギーの発電をして売る方が適正な利潤を得られるように、さらには、附則では、施行後三年間は特定供給者が受けるべき利潤に特に配慮するものと国会でお決めをいただいております。この法律で決められている、つまり、再生可能エネルギーを推進するために、利潤もちゃんと乗っける、特に三年間はそこに配慮して、そしてそれぞれの発電の仕方ごとにきめ細かく価格を決めていくということは、法律で決まって、国会で決めていただいていることでございますので、調達委員会の委員の皆さんはこれに拘束をされます。以前にどういう意見をお持ちだったとしても、この法律の内容に御同意をいただいているから、今回、国会同意人事、国会にお願いをするに当たってお引き受けをいただいたものと思っていますので、この法律に沿って、これら委員の皆さん、国会で承認をいただいたら仕事をしていただきます。

中井委員長 阿部さん。時間が経過しています。

阿部委員 はい。後ろ向きな人ばかりを選出して、それが最適とは思えません。御再考をお願いいたします。

 終わります。

中井委員長 これにて阿部さんの質疑は終了いたしました。

 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 きょうは、政治と金の集中審議でありますが、あえて個人スキャンダルの質問は行いません。そのかわり、政治資金に関する構造的な問題をお尋ねしたいと思います。

 まず、一枚目のパネルを出してください。

 東電を初めとする電力会社からの民主党、自民党に対する献金の実態が書いてあります。

 二〇〇八年から二〇一〇年の三年間で、自民党には三億七千五百万円、民主党には九千八百六十六万円。民主党がやや少ないように感じるかもしれませんが、電力会社の労働組合やその上部団体の電力総連の政治活動費は、実に去年一年間だけで七億五千万円。七億五千万円ですよ。電力労組はもちろん民主党支持ですから、この七億五千万円は、ほぼ民主党及び民主党議員の支援活動に使われていると言っていいでしょう。政治献金とはこれは違いますけれども。

 しかも、これは先月末公表された二〇一〇年の政治資金収支報告書から判明した分だけであります。精査すればまだあるはずです。さらに、政治資金パーティーのパーティー券購入分は含まれておりません。政治資金パーティーの券の購入は東京電力だけで毎年五千万円に上る、こういう報道もあります。

 このように、言っちゃなんですけれども、自民党は経営陣から、民主党は労働組合から、要するに電力マネーに深く依存をしている、こういうことなわけであります。野田総理になってから、原発の再稼働について、来年の夏には再稼働できるものはしていかなければならない、こういういささか前のめりの発言をしておられるのと、このような電力マネー依存の実態は、やはり関係があるのではないですか。

 しかも、電力会社は、昭和四十九年から、公益事業であるとして企業としての献金を表向き自粛しているんです。東電を初めとする電力会社及び労組による企業・団体献金の実態についてどう考えるか。ましてや、東電は、原発事故の賠償をめぐって、交付国債を通じた資金支援を国から受けるような企業です。電力会社や労組からの献金は、この際、受け取りをやめたらいかがですか。お尋ねいたします。

枝野国務大臣 まず、野田内閣になってから原発の再稼働に前のめりという客観的な事実はございません。従来どおり、まず安全性についてしっかり確認をした上で、周辺住民の皆さんを初めとして、安心という観点からも御理解をいただいた上で、稼働できるものがあれば稼働するという姿勢、方針は、前内閣から全く変わっておりません。

 その上で、高い公益性を求められている電力各社においては、御指摘のとおり、昭和四十九年以来、政治献金は自粛をしております。

 その上で、役員等による政治献金については、純然たる個人としての献金でなく、自粛の趣旨を損なうような形で行われていたとすれば問題であります。この点については、電力会社を所管する大臣として、さらにきちっと徹底をしてまいりたいというふうに思っております。

 労働組合については、電力業界に働いている方の労働組合でありますので、電力会社とか電力行政というものとは直接関係するものではございませんので、同列、一律には扱えない。むしろ、労働組合としての結社の自由その他との関係で議論をされるべきものだというふうに思っております。

 電力会社がパーティー券を購入していることについては、これは、特に原発事故以降、私、就任しまして確認をいたしましたが、パーティー券購入費用はいわゆる総括原価方式の電力料金算定上の料金原価に含まれていないということを確認いたしておりますが、一方で、公益事業者として、政治献金自粛の趣旨を損なわないよう適切に判断されることが必要と考えております。

 特に東京電力につきましては、これは今御指摘のとおり、公的資金によって今支援を受けている状況でございますので、会社としてパーティー券を購入するということについては厳に自粛をしていると報告を受けておりますし、今後も、そういった状況の中ではパーティー券についても自粛をされるべきと思っております。

柿澤委員 総理にお尋ねをしております。

 民主党代表として、電力会社及びその労働組合、こうした関係団体からの献金の受け取りを自粛する、こういうことを指示すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

野田内閣総理大臣 先ほどの電力系労組政治活動費、全部合わせて七億五千万円がすべて民主党に流れているかのような表現がございましたが、これは余りにも乱暴な、不適切な表現だということをまず指摘させていただきたいと思います。

 その上で、献金をもらうのかもらわないのかというお尋ねでございますが、党本部としては、東京電力及び労働組合、関連団体からの寄附については受け入れておりません。また、党の支部に関しては、現行法規に従って、特に制限等の指示は行っていませんが、各支部がそれぞれ適切に判断すべきものと考えております。

柿澤委員 電力系の労組がいかに選挙を一生懸命やるかということについては私自身も知っています。人も金も出し、本当に頼りになる組織です。その電力労組が会社のかわりに原発推進を訴えた、こういうふうに新聞報道によると証言をしているというんですから、これは相当影響力があるだろうと思うんです。これで原発の再稼働に関して中立的な判断ができるのか、こういうふうにも思います。

 さらに、東京電力ですけれども、これは驚いたことに、原発のある三県の関係自治体に、年平均で二十億円もの予算を組んで総額四百数十億円の寄附をしているということが明らかになっております。福島県楢葉町では、幼保一体型のこども園をつくるために十億円の寄附をしたということです。さらに、Jヴィレッジ、これを百三十億円でつくって楢葉町に寄贈しております。楢葉町の一般会計の予算というのが大体五十億円規模でありますから、東電からのこの寄附の大きさというのがわかると思います。柏崎刈羽原発のある柏崎市、刈羽村にも百億円規模の寄附をしている。

 こうした寄附が原発をめぐる行政をゆがめてきたのではないかと思います。こういう寄附が行われている実態について、私は何らかの制限をかける必要があるのではないかと思いますが、見解を伺います。

枝野国務大臣 御指摘のとおり、東京電力からは、一九八九年から二〇〇九年までの約二十年間で、原発立地県等に対して約四百億円の寄附を行ってきたという事実の報告を受けております。

 ここから先が難しいんですが、電力は、規制料金で守られている規制部門と自由部門があります。少なくとも、この規制部門、つまりこれは総括原価方式で、公的に料金が一定の規制を受けているわけでありますが、なおかつ一種の独占的な状況にあるわけでございますが、この電気料金の原価については、本年十月に取りまとめられた東京電力に関する経営・財務調査委員会報告書においても、電力の安定供給に真に必要な費用に限定すべきとの指摘がなされておりまして、これを踏まえ、私のもとで有識者会議を設けておりまして、寄附金の原価算入の是非について鋭意議論を行っているところでございます。

 年明け以降可能な限り早期に結論を得ることといたしておりまして、有識者会議としての結論をいただいてはおりませんが、議論に私も直接参加しておりまして、有識者の皆さんの意見もほぼ一致をして、この原価に加えるということについては見直すべきであるという方向で議論を進めております。

柿澤委員 自治体への寄附金が今まで電力料金の算定における総括原価に組み込まれていた、そしてそれを見直す議論を今始めているということでありますけれども、今申し上げたように、こうした寄附を通じて原発立地自治体あるいは周辺自治体の原発に対する見方をある種ゆがめてきた、そういう懸念があると思うんです。

 その点、寄附について、量的制限かあるいは禁止かわかりませんけれども、いずれにしても何らかの制限をかける必要があると思いますが、見解はいかがでしょうか。

枝野国務大臣 ここは、御指摘のお立場、御趣旨というのは理解はいたしますが、例えば、純粋な民間企業でも、工場とかお店を立地する際に、地元の皆さんの御理解をいただくためにみずからが自由競争の中で得た利益の中から寄附等地域貢献をすることで理解を求めるということは、一民間企業としてはあり得ることだというふうに思っております。今までの電気の制度が総括原価方式と地域独占によって守られて、公益性が非常に高いということとの関係で問題が一つあるということ、ここについては先ほど総括原価の見直しをするということを申し上げました。

 そしてもう一点は、やはり原発政策が、これまで、三月十一日までの間は国として積極推進を電力会社と一体となってやってきた中で、国がそれに対する対応の措置を持ちながら電力会社もそれぞれにやってきたということとの組み合わせと、その実態をどう評価するかということでございます。

 これについては、まさにこうした大きな事故が生じて多くの国民の皆さんが御理解、御認識をされているように、まさにこれは国が責任を持って、原子力をどうするのかということは国民的議論の中でまずは今決めていこうと議論をしているところでございまして、その上で、原発をもし続ける場合の原発立地のあり方についてという議論になっていくんだと思いますが、まずは、原発そのものをどうするのかということを来年の夏までに議論してまいりたいと思っております。

柿澤委員 こうした寄附が一種のロビー活動になってしまっているんではないのかということを申し上げているわけでありますけれども、答弁は残念ながらすれ違いであります。

 二枚目のパネルを出してください。

 民主党マニフェスト二〇〇九における企業・団体献金の禁止方針であります。

 政策インデックスには、「企業・団体献金を禁止し、政治不信を解消します。」とはっきり書かれていますし、マニフェストにも、「政治資金規正法を改正し、その三年後から企業団体の献金及びパーティー券購入を禁止する。」こう書かれています。

 実態はどうでしょうか。去年の秋には、当時の岡田幹事長が、企業・団体献金の受け取りを解禁されました。そして、二〇一〇年に、民主党の政治資金団体が受け取った企業・団体献金六百三十一万円、野田総理が支部長の千葉県第四区総支部が受け取った企業・団体献金四百五十万円。総理自身が党のマニフェストの方針に率先して背いた形になっているわけです。

 民主党マニフェスト二〇〇九における企業・団体献金の廃止方針は今もなお変わっていないのか。そして、民主党マニフェストには個人献金の促進策を講じるとも書いてありますが、野田総理は、企業・団体献金を禁止し個人献金に一元化することで、透明性の高いクリーンな政治が実現できると思っていますか。お尋ねを申し上げたいと思います。

野田内閣総理大臣 マニフェストでは、政治資金面で個人献金と政党交付金によって国民一人一人が政党活動を支える、政治文化を変えていこうという九四年の政治改革の理念を踏まえて、企業・団体献金及びパーティー券の購入の禁止をうたっておりますし、現に、企業・団体献金の上限額を段階的に引き下げて、三年後に全面禁止するとともに、個人献金についての税制上の優遇措置を拡充するというのが民主党の考え方でありますし、法律をまとめさせていただいております。これはぜひ各党の御理解をいただきたいと思います。

 その上で、現実に企業・団体献金をどうしているかというと、党本部の方は今、保留をしている。私の御指摘もありましたけれども、地方の総支部等についてはそれぞれの地域の判断にゆだねているというのが現状でございまして、なぜならばというと、まだ制度改正が行われていないからです。制度の改正は提唱していますが、今現行法で当面対応するということは一つの対応だと思いますし、例えば、御党が歳費の削減を提案されたときに、制度は提唱しているけれども、周りがみんなやっていなかったら自分たちだけ歳費を返すということはやっていなかったと思います。同じことだと思います。

柿澤委員 個人献金中心の制度にする、こういうことも確かに重要かもしれませんが、それよりも、企業であろうと個人であろうと政治資金の見える化をしてから、あらゆる人が政治家に関するお金の流れをチェックできる、こういうふうにすべきであって、これが政治資金規正法の趣旨だというふうに思うんです。その意味でいうと、政治資金の公開は今もなお極めて全体像がわかりにくい、こういう形で行われていると思います。

 政治資金収支報告書はインターネットで公表されていますけれども、PDFファイルで開示されているため、すべての政治資金収支報告書を突き合わせてみないと、例えば電力会社から総額幾ら献金されているか、全体像がわかりません。

 きょうは、野田総理の民主党千葉県第四区総支部の収支報告書を手元に持ってきたんですけれども、これだけで三十六ページあるんです。政治団体は六万団体ありまして、そうすると、六万掛ける三十六ページで二百十六万ページになってしまうんです。これを一つずつ確認して、数字を拾って、冒頭のような電力会社から幾ら、こういうことがやっとわかる。マスコミはこういう途方もない作業を人海戦術でやっているわけです。物すごい労力とコストがかかっているんです。

 総務省届け出団体と四十七都道府県への届け出団体でばらばらに開示されております。こうした実態を一元化して、電子的にこれを集約して閲覧、ソート可能なものにしていく、こうしたことが政治資金の透明化に資するものだと思いますが、そうした改善を行う予定があるかどうか、お伺いをしたいと思います。

中井委員長 もう質問時間が超過をしております。答えはこれで終わらせていただきます。

 これにて柿澤君の質疑は終了いたしました。

 以上をもちまして本日の集中審議は終了いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時三十分散会


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