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第35号 平成14年5月14日(火曜日)

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平成十四年五月十四日(火曜日)
    午後零時一分開議
 出席委員
   委員長 鳩山 邦夫君
   理事 大野 功統君 理事 小坂 憲次君
   理事 米田 建三君 理事 小此木八郎君
   理事 馳   浩君 理事 高木 義明君
   理事 上田 清司君 理事 長浜 博行君
   理事 東  順治君
      伊藤信太郎君    左藤  章君
      竹本 直一君    林 省之介君
      福井  照君    三ッ林隆志君
      大石 尚子君    金子善次郎君
      手塚 仁雄君    三井 辨雄君
      丸谷 佳織君    都築  譲君
      児玉 健次君    日森 文尋君
      小池百合子君
    …………………………………
   議長           綿貫 民輔君
   副議長          渡部 恒三君
   議員           高木 義明君
   事務総長         谷  福丸君
    ―――――――――――――
委員の異動
五月十四日
 辞任         補欠選任
  上川 陽子君     左藤  章君
  桜田 義孝君     竹本 直一君
同日
 辞任         補欠選任
  左藤  章君     上川 陽子君
  竹本 直一君     桜田 義孝君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 川口外務大臣の瀋陽総領事館事件に関する報告についての発言及びこれに対する質疑に関する件
 議員鈴木宗男君の議員辞職勧告に関する決議案(熊谷弘君外九名提出、決議第三号)
 本日の本会議の議事等に関する件


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     ――――◇―――――
鳩山委員長 これより会議を開きます。
 まず、川口外務大臣から、瀋陽総領事館事件に関する報告について発言の通告が参っております。
 右の発言及びこれに対する質疑は、本日の本会議において行うことに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 なお、右の発言に対し、自由民主党の茂木敏充君、民主党・無所属クラブの中川正春君、公明党の上田勇君、自由党の土田龍司君、日本共産党の松本善明君、社会民主党・市民連合の植田至紀君、保守党の西川太一郎君から、それぞれ質疑の通告があります。
 質疑時間は、おのおの七分以内とするに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
 なお、質疑者の要求大臣は、お手元の印刷物のとおりであります。
    ―――――――――――――
 一、瀋陽総領事館事件に関する報告について
        外務大臣 川口 順子君
   質疑通告(各七分以内)
    総理、外務    茂木 敏充君(自民)
    総理、外務    中川 正春君(民主)
    総理、外務    上田  勇君(公明)
    総理、外務    土田 龍司君(自由)
    総理、外務    松本 善明君(共産)
    総理、外務、官房 植田 至紀君(社民)
    総理、外務    西川太一郎君(保守)
    ―――――――――――――
鳩山委員長 次に、熊谷弘君外九名提出の議員鈴木宗男君の議員辞職勧告に関する決議案を議題といたします。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大野功統君。
大野(功)委員 私は、自由民主党を代表いたしまして、鈴木宗男議員に対します議員辞職勧告決議案につきまして見解を表明させていただきたいと思います。
 まず、私が皆様にお願い申し上げたいのは、この決議案の本質は何だろうか、性格は何だろうか、こういうことでございます。
 風にあおられ、空気に流されて、この決議案に反対するのはまさに鈴木宗男議員を擁護するとか、そういう感情論に走った議論をしてはならないと思います。私たちが守らなきゃならないのは、何といっても議会制民主主義でございます。議会制民主主義、言うまでもありません、これは、国民によって、選挙によって選ばれた一人一人が、身分を保障された上で、自由濶達に自分の信念に基づいて政治活動をすることであります。したがいまして、本質を見誤って、議会制民主主義の安全弁を外すようなことは絶対にしてはならない、私はこのように思うわけでございます。
 切り口を変えて見れば、これは、少数の者を多数の者が、多数によって議員辞職を迫るようなことをやってはならない。
 もちろん、言うまでもございません、国会議員が身分を失うという場合は、法律によって限定列挙されております。憲法、法律によってきちっと決められている。念のためにもう一度申し上げますと、憲法上、例えば資格争訟あるいは除名処分、はっきり書いてあります。それから、法律によって公民権停止を受けた場合にはやはり国会議員は身分を失うということになっております。公職選挙法上も、これは政党間を移動した等の一定の場合には比例代表議員は身分を失うとはっきり書いてあるわけです。
 だからこそ、これまでの議員辞職勧告決議案は、この点に配慮をいたしまして、例えば、該当する本人が逮捕されるあるいは起訴された、これがあって初めて議員辞職勧告決議案が出てきたわけでございます。
 今回は、鈴木議員の場合におきましては、鈴木議員の逮捕も起訴もまだございません。そういう状態の中で、どういうわけか、この議員辞職勧告決議案が出てきた。やはり私たちは、もうちょっと本質というのを見きわめていかなきゃいけない、感情論に流されちゃいけない、こういうことをしっかりと、良識の府の一員として皆様にお訴え申し上げる次第でございます。
 もちろん、この議員辞職勧告決議案というものは拘束力はございません。拘束力はありませんから、仮に決議をいたしましても、これが議員が辞職しないとなれば、国会の権威にかかわることでございます。したがいまして、最終的に法律できちっと決められている場合を除けば、私は、国会議員の出処進退というのは、これは御本人の判断によるべきである、これが第一。
 そしてまた、選挙によって最後の審判を受ける、国会議員というのはやはり最高裁判所というのは選挙である、このことを申し上げたいと思います。
 もちろん、こういうことを申し上げることによって、私は、鈴木宗男議員の政治的道義的責任というものを完全に否定するのではありません。これは否定いたしません。また、本人にもみずからその点も考えてもらいたいと思っております。だからこそ、予算委員会におきましても参考人招致あるいは証人喚問をやりましたし、自民党の内部におきましても、御存じのとおり、政倫審で四回審議をいたしました。その後、党の党紀委員会で議論するという運びになったところで本人が自民党を離党されたことは御存じのとおりでございます。
 そういうふうに考えてまいりますと、国会議員が身分を失う場合、法的に限定列挙しているにもかかわらず、それ以外の場合に、例えば決議案を議論するということになれば、これは拘束力がありませんので、結局、先ほど申し上げましたような民主主義の根底を覆す、根底を揺るがすようなことをやりながら自己満足しかできない、こういうことになるわけであります。
 あるいは、そういう自己満足をとるのか、風の中で大変厳しい決断を下さなきゃいけない、判断をしなきゃいけないと思いますけれども、民主主義の根本である議会制民主主義、このことをきちっと守っていくのか、こういう選択になると思います。
 答えは明らかであります。良識ある府の一員として、私は、決議案そのものの性格に疑義を持っています、提出に問題ありと思っております。そしてまた、本会議上程には反対せざるを得ない、こういうことがございます。
 最後になりましたが、三月二十日に、この委員会でこの問題を議論いたしました。その前日の三月十九日に、自民党の臨時役員会で決定を確認いたしております。その確認事項によりますと、明白かつ重大な違法行為が明らかになれば本会議上程も可能にする、こういうふうに確認されております。私どもは、今回のことが、今の段階で、本人の明白かつ重大な違法行為があるとは思っておりません。
 以上申し上げまして、私の意見表明をさせていただきました。ありがとうございました。
鳩山委員長 上田清司君。
上田(清)委員 民主党の上田清司であります。
 民主党を代表して、意見を述べます。
 去る四月三十日に、議員鈴木宗男君の公設第一秘書が、北方四島人道支援事業をめぐる工事受注について、偽計業務妨害罪の疑いで逮捕されました。まさにこれは、議員鈴木宗男君が証人喚問での自民党浅野議員の質疑で証言した内容について明らかに異なっております。ますます偽証の疑いが濃厚になっております。
 そもそも議員鈴木宗男君は、同君の秘書が、コンゴ民主共和国の外交官へのID発行問題等に関与し、諸外国をして我が国の外交に重大な疑念を生じさせました。
 また、鈴木宗男君自身が北方四島人道支援事業を私物化し、北方領土返還政策をもねじ曲げるという挙に至っております。また、アフリカにおける我が国ODAと、同君への政治資金供与に係る疑惑等々、我が国外交政策への信頼を大きく失墜させております。
 しかも、同君をめぐる疑惑は、外務省に係る問題にとどまらず、在日ロシア大使館参事官をめぐる警察庁への圧力問題を初め、多くの省庁にわたっています。次から次に明らかになるこの事実は、驚くべき広がりと深みを持っています。国民の政治への信頼は、まさにこの点において、不信として極に達しています。
 本来ならば、みずから進んで議員辞職すべきところを、疑惑に対しても事実を明らかにせず、反省の意をあらわしておりません。
 よって、本院の権威を守るためにも、鈴木宗男君が今こそその責任を自覚し、議員を辞し、国民に陳謝し、みずからの政治的道義的責任を明らかにすることを強く求めるものであります。
 以上です。
鳩山委員長 東順治君。
東(順)委員 私は、公明党を代表いたしまして、鈴木宗男君の議員辞職勧告に関する決議案に対する意見を述べさせていただきます。
 公明党は、去る三月二十日の当委員会におきまして、野党提出の鈴木宗男君の辞職勧告決議案に対しまして、一つ、議員の出処進退は議員みずから決すべきものである、二つ、刑事訴追等を受ける明白かつ重大な違法行為があった場合は厳しい態度で臨む、そして三つ目として、議員に対する疑惑の段階で、数を頼んでの辞職勧告は慎重であるべきだとの基本認識に立ちまして、鈴木議員が、これまで当局の捜査や刑事訴追を受けておらず、いまだ疑惑にとどまっており、現時点で議員辞職を勧告するということは時期尚早である、このように考えて、本会議上程、質疑打ち切りの動議に反対をいたしました。
 しかるに、四月三十日、東京地検特捜部は、国後島緊急避難所兼宿泊施設、通称友好の家の建設工事をめぐりまして入札に不正があったとして、鈴木議員の宮野明公設第一秘書ら七人を偽計業務妨害の疑いで逮捕し、北海道釧路市の鈴木事務所などを強制捜査するという、これまでとは異なる新たな段階に事は至りました。鈴木議員の直接関与については今後の捜査の進展を見守る必要はあるものの、事は新たな事態に立ち至っております。
 政治家と秘書は密接不可分の関係であります。とりわけ、みずから関与してきた公共工事の入札に関し公設第一秘書が逮捕されたという事実は、極めて重たいものがあります。その監督責任は無論のこと、鈴木議員自身の政治的道義的責任というものは免れるものではございません。明白かつ重大な違法行為にも匹敵するものと私どもは考えまして、本決議案に賛成するものでございます。
 以上です。
鳩山委員長 都築譲君。
都築委員 自由党の都築譲です。
 私は、鈴木宗男君議員辞職勧告決議案の速やかな本会議上程に賛成の立場から意見を表明いたします。
 先般の鈴木宗男君の宮野公設秘書の北方四島支援事業に係る偽計業務妨害容疑による逮捕は、鈴木宗男氏自身の関与の疑いがより濃厚になったばかりでなく、政治活動をともにする秘書の監督責任も厳しく問われることになりました。秘書の犯罪と議員は違うという意見もありますが、それは秘書の関与を認めた主張でもあり、では、なぜ予算委員会証人喚問で秘書が関与していないと証言した鈴木宗男君を偽証告発しなかったのでしょうか。支離滅裂の議論と言わねばなりません。
 国民の政治に対する信頼は、一連の不祥事発覚によって地に落ちたままであります。辻元さん、加藤さん、井上さんに続いて、もう一人議員辞職をしたからといって、すべての信頼が到底回復するとは思えません。しかし、他のだれよりも多くの疑惑、問題を指摘されながら、自分は悪いことをしたつもりはないとうそぶいて、議員の座に居座り続けていることは、国会議員が罪を犯したというより、犯罪人が国会議員になってしまった友部達夫事件を思い起こさせます。
 同じく政治に携わる者が、それはおかしいとか目を覚ませとか忠告することすらできない与党の皆さんの状況に唖然とするばかりでなく、仲間の議員、仲間であった議員たちが直言した場合の後難を恐れておびえ遠ざかっているがごときは、実は、今の日本の政権政党を牛耳っているのは鈴木宗男君ではないかと背筋に薄ら寒さを覚えるものであります。
 五月十一日の毎日新聞によれば、鈴木宗男君はいまだに自民党北海道第十三選挙区支部長を務めているとのことであります。自民党を離党して責任をとったなど、まやかしの議論と思いましたが、実質的にはいまだに離党していない、そして自民党の支部長として権限を振るう立場にあるわけであって、改めてその責任を強く自覚すべきことを求めるためにも、この議員辞職勧告決議案を上程すべきことを求めるものであります。
鳩山委員長 児玉健次君。
児玉委員 私は、日本共産党を代表して、議員鈴木宗男君の議員辞職勧告決議案を本日の本会議に上程することを求めます。
 鈴木議員にかかわる一連の疑惑は、北方四島支援に始まり、国土交通省、防衛施設庁、文部科学省など、省庁横断的な様相を示し、その多くが鈴木議員への献金と深く結びついています。しかも、疑惑は、今日もなお新たな広がりを見せつつあります。
 日本共産党は、この間、鈴木議員が、外務省東郷和彦欧亜局長、当時ですが、その同席のもとに、ロシュコフ・ロシア外務次官との間に行った会談の記録を国民に提示し、鈴木議員が日ロ領土交渉で日本の国益を大きく損なう二重外交を進めてきたという重大な問題を明らかにしました。
 四月三十日、東京地検特捜部は、鈴木議員の公設第一秘書宮野明氏ら七人を偽計業務妨害の容疑で逮捕するに至りました。これをあくまでも秘書の行為であるなどとして鈴木議員をかばおうとする態度は、自民党政治の本性に発するものと言わなければなりません。
 自民党離党で幕引きは許されない、議員を辞職せよ、これこそが国民の声です。
 日本国憲法の前文が示すように、「そもそも国政は、国民の厳粛な信託によるもの」です。辞職勧告決議は、鈴木議員が、「国民の厳粛な信託」に背いたみずからの責任を自覚して、議員を辞職することを勧告するものです。本院が辞職勧告決議を可決したにもかかわらず、鈴木議員が決議を無視することがあれば、それは鈴木議員の政治的道義的退廃の深刻さを示すものであり、国民は決して許さないでしょう。
 辞職勧告決議案を本日の本会議に上程し議員一人一人の意思を深く問うことが国会の責務であることを述べて、私の意見表明といたします。
鳩山委員長 日森文尋君。
日森委員 社民党の日森文尋でございます。
 私も、鈴木宗男議員の辞職勧告決議案を速やかに本会議で採決することを求める意見を表明したいと思います。
 鈴木宗男議員の疑惑をめぐる問題は、公設秘書の逮捕という新たな事態を迎えました。我々は、こうした事態を予測し得たからこそ、三月二十日、鈴木議員の辞職勧告決議案を本会議で採決するよう求めました。しかし、残念ながら、与党の多数によってこれは否決をされました。
 その後も、鈴木議員にかかわる疑惑はますます深まっているにもかかわらず、予算委員会での再喚問及び議院証言法違反での告発も否決をされるなど、与党による疑惑隠しがまかり通る異常な事態が続いています。このことは、国会の自浄能力をみずから放棄した自殺行為に等しいと言わなければなりません。
 今回の公設秘書の逮捕は、鈴木議員が関与したとされる数々の疑惑を解明するその第一歩であり、その意味では、まさに氷山の一角にすぎないと言わなければなりません。
 佐藤優元外務省主任分析官が支援委絡みの背任容疑で東京地検から捜査をされるとの報道がありましたが、これに示されるように、新たな事実が明らかになることは容易に想像できます。したがって、鈴木宗男議員は、みずからの責任を自覚し、直ちに議員を辞職すべきものであるにもかかわらず、依然として居座りを続けています。
 我々は、院の総意として、鈴木議員の辞職勧告決議案を速やかに本会議で採決に付し、なおかつこれを可決することによって、多くの国民の疑問にこたえ、同時に、国会が厳しく政治倫理と向き合っていることを示すことで政治不信を払拭する第一歩としなければならないと考えています。
 委員各位の賢明なる判断を期待し、意見表明といたします。
鳩山委員長 小池百合子君。
小池委員 衆議院議員鈴木宗男君の議員辞職勧告決議案に対しまして、去る三月二十日、保守党としての意見を既に表明させていただいておりますが、さきの時点と同様に、鈴木宗男君の議員辞職勧告決議案に反対をいたします。
 理由の第一は、正当な選挙で選ばれた議員がその職を辞するか否か、これについては、みずからの行為の結果に基づいて、議員本人がその責任において判断すべきでありまして、多数の力により決すべきではないという基本認識を持っているからであります。
 議員辞職勧告決議案は、法的拘束力はありませんが、院議で決めた以上は、政治的、社会的あるいは事実上の圧力が相当強く、対象となった議員もこれを簡単に無視することはできず、その意味では、除名と同様の効果があります。辞職勧告決議を行う方々の意図もそのような効果を期待されるからであります。したがって、その扱いについては慎重の上にも慎重でなければならないと考えます。
 現在、議員の身分は、憲法、国会法、公選法等におきまして手厚く保障されておりまして、議員の身分を失う要件は、任期の満了、辞職、被選資格の喪失、懲罰による除名など、憲法、法律において厳格に決められているところは御承知のとおりであります。これらを考慮いたしますと、議員辞職勧告という重大な決議を軽々しく取り扱うべきではないと考えます。
 第二に、さきに鈴木議員の公設秘書を含む七名が逮捕されましたが、現時点では、法的に鈴木議員本人が罪に問われているわけではありません。
 昭和五十八年二月の田中角栄元首相の議員辞職勧告決議案の提出以来、これまで衆議院、参議院におきまして十二件、六名に対する議員辞職勧告決議案が提出されております。それらはいずれも、求刑や起訴、有罪判決がなされるなど、司法当局等において一定の判断がなされたことを前提としております。鈴木議員の場合は、現時点では逮捕の事実もありません。対象議員がだれであれ、罪の明らかでない者に我々は何の資格があって議員辞職を求めることができるのか、厳しく問われるべきと考えます。
 第三は、明確な基準がないまま、多数決により議員の身分を失わせるということは、あしき先例をつくることとなり、民主政治の破壊につながりかねないということであります。政治的思惑によって、意見の合わない者、気に入らない者に対して、何らかの理由をこじつけて多数の力で議員辞職させることが可能となるわけです。これでは民主政治の否定であり、それを防ぐためにも、議員の身分は憲法や法律において手厚く保護されているものと考えております。
 第四に、議員辞職勧告決議を行い、それでも鈴木議員が辞職しなかった場合、院としての権威をどう確保するかということであります。我々は、平成九年四月、参議院本会議において、友部参議院議員辞職勧告決議を可決したにもかかわらず、本人が辞職せず、結果として参議院の権威を傷つけてしまった経験を忘れてはなりません。
 我々は、国政を預かる国民の代表として、情緒論、感情論に押し流されることなく、日本の未来を考え、健全な民主政治の発展を願うという立場に立って判断すべきことを強く申し述べまして、保守党の質疑にかえての意見表明といたします。
 以上です。
鳩山委員長 この際、長浜博行君から発言を求められておりますので、これを許します。長浜博行君。
長浜委員 民主党の長浜博行です。
 自由党、日本共産党、社会民主党・市民連合並びに民主党・無所属クラブを代表して、動議を提出いたします。
 ただいま議題となっております熊谷弘君外九名提出の議員鈴木宗男君の議員辞職勧告に関する決議案につきましては、この際、同決議案に対する質疑を終局し、討論、採決に付されることを望みます。
 なお、前議院運営委員長に関する本決議案につきましては、国民注視のもと、当委員会の権威にかかわることでもあり、議院運営委員会委員各位の良識に基づき御対応いただけますよう、切に、そして特に鳩山現議院運営委員長に要望いたします。
鳩山委員長 長浜博行君提出の動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の挙手を求めます。
    〔賛成者挙手〕
鳩山委員長 挙手十二名。
 念のため、反対の諸君の挙手を求めます。
    〔反対者挙手〕
鳩山委員長 挙手十二名。
 可否同数であります。それでは、委員長は、国会法第五十条に基づき、否と決します。よって、長浜博行君提出の動議は否決されました。
    ―――――――――――――
鳩山委員長 次に、本日の本会議は、午後零時五十分予鈴、午後一時から開会いたします。
    ―――――――――――――
鳩山委員長 次に、次回の本会議及び委員会は、追って公報をもってお知らせいたします。
 この際、休憩いたします。
    午後零時二十七分休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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