衆議院

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第4号 平成18年1月27日(金曜日)

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平成十八年一月二十七日(金曜日)

    午前十一時三十三分開議

 出席委員

   委員長 佐田玄一郎君

   理事 田野瀬良太郎君 理事 遠藤 利明君

   理事 田村 憲久君 理事 松本  純君

   理事 江渡 聡徳君 理事 宮澤 洋一君

   理事 中川 正春君 理事 三井 辨雄君

   理事 大口 善徳君

      あかま二郎君    大塚 高司君

      亀岡 偉民君    清水鴻一郎君

      清水清一朗君    鈴木 恒夫君

      中山 泰秀君    萩生田光一君

      渡部  篤君    小宮山泰子君

      鈴木 克昌君    笠  浩史君

      高木美智代君    穀田 恵二君

      日森 文尋君

    …………………………………

   議長           河野 洋平君

   副議長          横路 孝弘君

   議員           田野瀬良太郎君

   議員           宮澤 洋一君

   議員           宮路 和明君

   議員           山本 公一君

   議員           渡辺 博道君

   議員           河村たかし君

   議員           園田 康博君

   議員           細野 豪志君

   議員           大口 善徳君

   議員           西  博義君

   事務総長         駒崎 義弘君

    ―――――――――――――

委員の異動

一月二十五日

 辞任         補欠選任

  穀田 恵二君     吉井 英勝君

同日

 辞任         補欠選任

  吉井 英勝君     穀田 恵二君

同月二十七日

 辞任         補欠選任

  松浪 健太君     鈴木 恒夫君

  石関 貴史君     笠  浩史君

  津村 啓介君     小宮山泰子君

  寺田  学君     鈴木 克昌君

同日

 辞任         補欠選任

  鈴木 恒夫君     松浪 健太君

  小宮山泰子君     津村 啓介君

  鈴木 克昌君     寺田  学君

  笠  浩史君     石関 貴史君

    ―――――――――――――

一月二十五日

 国会議員互助年金法を廃止する法律案(河村たかし君外七名提出、衆法第一号)

同月二十六日

 国会議員互助年金法を廃止する法律案(宮路和明君外六名提出、衆法第二号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 国会議員互助年金法を廃止する法律案(宮路和明君外六名提出、衆法第二号)

 国会議員互助年金法を廃止する法律案(河村たかし君外七名提出、衆法第一号)

 本会議における議案の趣旨説明聴取の件

 本日の本会議の議事等に関する件


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     ――――◇―――――

佐田委員長 これより会議を開きます。

 まず、宮路和明君外六名提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案及び河村たかし君外七名提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案の両法律案を一括して議題といたします。

 提出者から順次趣旨の説明を聴取いたします。宮路和明君。

    ―――――――――――――

 国会議員互助年金法を廃止する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

宮路議員 自由民主党の宮路和明でございます。

 自由民主党及び公明党提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。

 議員年金のあり方については、国民より厳しい批判が寄せられ、各般の検討が重ねられてきましたが、与党としては、国民世論を真摯に考慮し、これを来年度から直ちに廃止するという結論に至りました。このため、廃止後の措置の詳細について野党側と折衝を続けてまいりましたが、残念ながら最終的合意に至らず、与党の責任として今般法案を提出したものであります。

 以下、その主な内容について御説明いたします。

 本案は、本年四月一日から現行国会議員互助年金法を廃止し、廃止に伴う所要の経過措置を講じようとするものであります。これにより、四月以降は、現職議員が納めている納付金はなくなり、在職期間も加算されません。

 廃止に伴う経過措置として、まず第一に、廃止前の既受給者等については、年金の支給を継続するものの、議員OBのうち、昭和五十六年四月以降の退職者については、四%から最大一〇%減額するとともに、所得に応じた年金の支給停止措置も、全額停止を含め、現行より大幅に強化いたします。

 なお、現在支給されている遺族の年金については、これまでどおりといたします。

 第二は、現職議員についてであります。

 廃止法の施行日前日までに在職十年以上である議員は、既に現行法第九条により年金の受給資格があるため、退職後に年金を受給できることとします。しかし、その年金額は、OBを上回る一五%削減した上で、高額所得による年金の支給停止措置もOB同様に強化するものであります。また、年金の受給にかえ、納付金総額の八割に相当する額を退職時に一時金として受給することもできることとしています。

 廃止の時点で在職十年未満の議員については、現行制度廃止に伴い、納付金総額の八割を退職時に一時金として受給することとしています。

 以上が、本案の趣旨及び内容であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

佐田委員長 河村たかし君。

    ―――――――――――――

 国会議員互助年金法を廃止する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

河村(た)議員 総理をねらう男、河村たかしです。民主党の河村たかしでございます。

 民主党提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案の提案理由を御説明いたします。

 思えば、五年前に一人で議員年金廃止を言い始めたころは、私は変人扱いをされました。しかし、やがてよき理解者が一人また一人とあらわれ、彼ら心ある同志たちの力で賛同者は党の過半数を超え、今回四度目の法案提出に至りました。まずは、昨年の選挙で議席を失った多くの同志を含め、これまで支えてくださったすべての民主党同志に心から感謝申し上げます。

 議員年金特権のまず一つは、議員はダブル受給であり、議員年金が廃止になっても年金がなくなるのではなく、国民の皆様と同じ年金があることです。

 次に、納付金月額十万三千円についても、調べてみますと、歳費アップの一部を納付金に充てており、実際には全額税金のお手盛りそのものです。しかも、この納付金には社会保険料控除があります。

 議員は、国民の皆様と同じ生活をする。議員は、国民の皆様と同じ年金で生活する。繰り返します。議員は、国民の皆様と同じ生活をする。議員は、国民の皆様と同じ年金で生活する。この極めて当たり前のことが今までなされてこなかったのです。

 議員が国民の皆様と同じ生活をするからこそ、国民の皆様についてのルールを定めることができるのです。

 私たちの法律案は、議員が国民の皆様の税金で生活させていただいている公僕、パブリックサーバントとしてごく当たり前のことを憲政史上初めて高らかに宣言するものであります。

 小泉総理は、一週間前の所信表明演説において、吉田松陰の心構え、すなわち、志ある人はしかばねをさらしても構わないと常に覚悟していると紹介しました。しかし、与党案は、引退後も考え、しかばねをさらさないという案であり、自民党総裁の意向と矛盾するものであります。

 また、格差社会の広がりも現代日本の最大問題です。

 小泉総理は、数字によると格差社会は認められないと力んでいます。しかし、議員年金は、国民の皆様と同じ年金をもらった上に、さらに税金一〇〇%の超特権年金を議員のみが受けるものです。与党案は、まさに格差社会のシンボルを温存、存続させるものです。

 繰り返しますが、最大のモラルハザードは、国民の皆様の年金を決定し、負担増を強いた張本人である国会議員が、国民の皆様と同じ年金のほかに超優遇年金をもらっているということです。これでは、憲法四十三条が宣言する全国民を代表する国会議員とは、とても恥ずかしくて言えないのではないでしょうか。

 議員年金の廃止は、年間三十億円に限られた話ではありません。廃止によって、議員みずからが国民の皆様と同じ年金になって初めて、四十兆円規模の公的年金すべてについて不公平のない一元化が始まるのです。

 昨年末、都議会民主党は、我が国初めてとなる地方議員共済年金の廃止を求める意見書を取りまとめました。残念ながら、賛成は民主党と生活者ネットのみ、他のすべての会派の反対多数で採択されなかったそうです。

 本日の議員年金廃止法案の審議が、日本の全議員が公僕、パブリックサーバントであること、そして、議員は国民の皆様と同じ生活をするからこそ国民の皆様のことを決める権利と義務があるんだという当たり前のこと、政治の原点を日本が取り戻す歴史的な第一歩となることを国民の皆様に力強く約束したいと思います。

 以上、まさに民主党が先んじて与党を動かした国会議員互助年金法を廃止する法律案の趣旨、本質を御説明いたしました。

 御可決いただきますよう心よりお願い申し上げます。

佐田委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木恒夫君。

鈴木(恒)委員 自由民主党の鈴木恒夫でございます。

 自由民主党と公明党を代表して、与党案について一問、民主党案について一問。私に理事会で決定いただいておる質問時間は十七分でございますけれども、きょうは国会日程が非常にタイトと聞いておりますので、簡潔に質問もいたし、簡潔な御答弁をいただいて、時間を節約したいと考えます。お許しをいただきます。

 まず、与党案について伺います。

 私は、議運の筆頭理事をしておりましたころに、現行議員年金制度への批判の最大のポイントが、国庫負担率が七二・七%、公的年金に比べて際立って優遇されているということに端を発した議論から、両院議長のもとに調査会を設置していただいて、現行制度を廃止して、緊急是正として、国庫負担率を五〇%として総支給額も現行より大幅に削減する暫定年金にとりあえず移行をし、その後、一元化を初めとする年金の整備に伴って、その段階で議員年金も考え直すという案を一たんは検討いたしました。

 今回提案された与党案は、来年度以降直ちに現行制度を廃止としているために、現職の納付金はなくなり、結果的に国庫負担が一〇〇%と当面はなります。しかし、現在受給資格のございます、配偶者も含めて九百数十人、並びに既に受給資格を持っている方々がすべて今度の与党案によって受給を終えるには恐らく四、五十年かかると思いますけれども、最終的には国庫負担率はゼロになる。これは考え方でございまして、私は、年金制度の廃止、一つの案であろう、こう考えますけれども、こうなった政策判断の基本認識について伺いたい、これが一点。

 もう一点は、国会議員の生活は、皆様もう既に御存じのとおり、配偶者も含めて極めて厳しい生活を強いられるものであります。また、国のために自己を犠牲にすることも多々ございます。一般国民と同じと河村さんはおっしゃいますけれども、そのハードさは物の比較になりませんし、プライドも持っておりますし、また、一番問題は、ある程度生活を保持できる、そうした条件が整わない限り、志だけでこの世界に入ってこようとしている方、それを阻害することになる。国会議員になれるのは、大金持ちか、これは支障があるかわかりませんが、世襲か、名誉欲の権化か、権力欲か、そうした者しか国会に集まらない劣化現象につながったらえらいことだと私は考えます。

 ただでさえ、今世間を騒がせている事件を考えれば、私たち国会議員が率先してこの日本の精神文明の劣化に歯どめをかける大きな役割を担うべきことを考えますと、私は何とかして、この案はこの案として認めますけれども、将来的に、国会法にある退職金制度も含めて、与党案を中心に議員生活を整備すべきであろう、こう考えておりますが、この点について、まず与党の御答弁をいただきたい。

田野瀬議員 ただいま鈴木委員より、与党に対しまして、中身で言うならば三種類、言いかえれば三問あったかと思います。それにつきまして、一つずつお答え申し上げていきたいと思うのです。

 まず、国庫負担一〇〇%となる基本的政策判断でございますけれども、与党提出の法案によれば、来年度以降は、廃止に伴う経過措置により、現在の受給者、有資格者のみが年金を受けるだけでありますが、御指摘のとおり、国庫負担は一〇〇%となります。

 しかしながら、これは制度解消に伴う当然の帰結でありまして、短期的には、現職議員が退職時に納付した納付金の返還給付を受けるために、一時的に財政支出が相当額ふえることになります。しかしながら、現行制度を続ける限り永遠に国庫負担が生ずるのに対しまして、この案では、将来必ず制度消滅に至るものであって、国庫負担は逓減しながらゼロになるということを申し上げたいと思います。

 国会議員の待遇制度と退職金の規定についてでございますけれども、お説のとおり、議員年金は、退職後の所得保障により、在職中、後顧の憂いなく国政活動に邁進できるという機能を果たすもの、いわば民主主義のコストであると言われております。しかしながら、国民を取り巻く依然厳しい社会経済状況も踏まえ、この際、議員年金を廃止することといたしたのが与党案でございます。

 御案内のとおり、議員には退職金制度はなく、これにかわるものが現行互助年金制度でございますが、残された退職金規定についてどうするのかはもとより、今後、議員全員を加入者として厚生年金制度を適用するのかなど、国会議員の公的年金制度における位置づけも含めた、国会議員の職責にふさわしい待遇はいかにあるべきかなどといった全般にわたる事柄について幅広く協議を行うべきと考えております。今後、必要があれば、議会制度協議会などの適切な場で御協議をいただくべきことである、そのように認識をいたしておるところでございます。

 以上でございます。

鈴木(恒)委員 民主党案について一問だけ、河村さんにお伺いをしたい。

 河村さんは、冒頭、総理をねらうとかおっしゃいましたが、そういう気概があられると何度も聞いておりますから、あえて河村さんを指定して質問いたします。

 河村さんは、既に十二年九カ月の議員歴をお持ちで、年金の受給有資格者であります。そこにいらっしゃる方でただ一人であります。民主党の中の、現職議員で既に受給資格を持っていらっしゃる方は、私の調べでは、衆議院で三十一人、参議院で二十七人、河村さんも含めて五十八人いらっしゃいます。

 民主党案は、既受給者九百人、奥様は別ですから、御当人五百人は三割カットだ。これも明らかに財産権の侵害で、とても訴訟にたえるものではないと思いますが、それはそれとして、この与党案は、本日のこの委員会、あるいは本会議を経て、参議院で年度内に恐らく成立するでしょう。そうすると、四月一日施行になるはずであります。

 さて、河村さん、そこであなたにお伺いいたします。

 他の法律案その他と違って、この法律案は、議員個人にかかわる問題であります。そこで、河村さん、配偶者がいらっしゃるかどうか私知りませんが、配偶者も含めて、一時金なり、納付金の還付金ですね、あるいは年金は、まさかお受け取りにならないでしょうね、法律が施行されても。

 同じように、もう一問。

 この民主党の案は党議決定されておりますから、この五十八人の方々もあなたと同じように、還付金も年金もお受け取りになりませんね。それを党議で決めますね。この点だけお答えください。そうじゃないと、ポピュリズムになりますよ。

 以上です。

河村(た)議員 私の個人のことは、私の責任で答えさせていただきたいと思います。

 私はかねがね、非常に孤独な闘いでしたけれども、議員年金というものは、先がた言いましたように、議員は国民と同じ年金で生活すべきだと言っておりましたから、仮に廃止できなかった場合は全額寄附すると……(鈴木(恒)委員「寄附はできないです」と呼ぶ)いや、退職していますから、当然、議員年金をもらうときには。退職してからのことですから、それは間違いなんです。そう言っておりました。

 今回の場合は、まだ私たちの案がかかっておりますので変なことは申し上げられませんが、納付金につきましても、これは先ほど言いましたように全額税金でございますし、加えて、これは既に所得税三〇%それから住民税一三%の社会保険料控除があるのですね。それをもらうということは、私は潔しとはいたしません。

 ですから、一円もみずからのものにはいたしません、絶対に。それだけはここで、せっかくのチャンスが与えられましたので約束しておきます。

鈴木(恒)委員 もう一分いただきます。

 党議決定された法案ですよ。それが否決されたとしても、モラルとして、政治家のあるべき姿として、政党のあるべき理想の姿として、ポピュリズムの批判をはね返すためにも、党議決定すべきじゃありませんか、民主党は全員権利を留保すると。

 以上、質問を終わります。

細野議員 民主党の廃止法案を出している我々からすると、鈴木委員の今の御質問というのは大変心外でございまして、我々のものが廃止法案で、それを今御審議いただいて可決を目指しているわけでございます。

 そもそも自民党の案というのは、十年以上の議員の方が、これはもう納付をされないということを前提に、実際に年金を受給するか、もしくは一時金をもらうかという選択をできるわけですね。ということは、結局、払う方は確かに廃止になるけれども、鈴木委員自身がお答えをいただいているとおり、これは四十年から五十年給付は続く、実質的には議員年金の存続がなされるという案でございまして、廃止というのは名前ばかりでございまして、我々は、与党案というのは廃止案ではないというふうに考えております。ここは議員年金の廃止法案を議論する場所でございますから、良識を持っていらっしゃる委員の皆さんでございますので、私どもは、民主党の案が可決をされるものというふうに考え、御懸念は無用かと思います。(発言する者あり)

 以上です。

佐田委員長 不規則発言は控えてください。

 次に、笠浩史君。

笠委員 民主党の笠浩史でございます。

 ただいま、鈴木委員の方から、質問の中で、精神文明の劣化をとめるためにもという話がありましたけれども、まさにそのためにも、私は、本当の議員年金の廃止こそ我々がやらなければいけない最初の出発点であると。まさしく私どもも、民主党の中でこの法案を取りまとめてきたときに、我々、特に若い世代の議員が中心になって、老後のことを心配して政治家になる人が果たしてこの国をしっかりと引っ張っていくことができるのかと。

 国民は見ているわけです。生活は大事です。しかし、恐らくここにお集まりの皆様も、老後のために政治家になったわけじゃないわけですから、私は、それだけの覚悟を持って、これは与党も野党もなく、それぞれの議員が活動していると。そして、その姿勢こそが今国民がまさに注目をしているのではないか。みずからが律するところから始めていかなければ、政治の信頼というものを取り戻すことはできないということを冒頭に申し上げます。

 まず最初にお伺いをしたいことは、この議員年金廃止の動きが確かに急展開しました。我々は、二年前の参議院選挙でも、昨年の総選挙でも、マニフェストとして掲げました。これを小泉総理が、昨年の総選挙の後に、議員年金を廃止しようということをおっしゃった、私はこれは英断だと思っております。

 ただ、十二月の七日でしたか、このときに、さらに小泉総理は一たん踏み込んで、まさに民主党の案じゃないと廃止法案じゃないじゃないか、与党案では選択制、この部分が残る限りは、これは廃止とならないのじゃないかということをおっしゃっていた、見識だと思っております。それが、一夜明けて、突然のように方針が変わって、今回出されております与党案というものが出てきたわけです。

 私は、小泉さんの考えの方が正しいと思う。それがどうして一夜にしてこういうふうな形に変わってきたのか、まず与党のこの法案提出者の方に経緯をお伺いしたいと思います。

宮路議員 今、笠委員御指摘のそういう総理の御発言があったということは、報道で我々承知をいたしておるわけでありますが、直接私自身は総理にお会いしておりませんので、つまびらかなことは承知をしておりません。

 しかし、いずれにしましても、その後、与党の責任ある者が総理に会いまして、法案の中身をしっかりと説明申し上げ、総理もそのことを御了解されて、そしてそれを受けて我々もこの法案を提出させていただいておる、こういうことであります。

笠委員 それでは、お伺いをいたしますけれども、我々の民主党案、きょう審議をいただいております民主党案の一番の問題点、なぜ民主党案ではだめなのかということをお答えいただきたいと思います。

宮路議員 民主党案を拝見いたしますと、議員年金が特権的であるというその一言をもって、今既に受給をされておられる、そういう方のもとの年金額やOB議員の現在の生活に与える影響といったものを無視されて、一律にOB議員の場合については三割もカットされる。また、既に受給資格が発生しておられる議員歴十年以上の現職の人についても、これをすべて一時金五割というものにするということでありますので、これは憲法二十九条にうたわれている財産権の保障という面から見ても行き過ぎたものではないか。また、特にOBの議員の皆さんの生活の安定という面から見ても、これは許しがたいものではないか、かように思っておるところであります。

笠委員 今、宮路議員の方からの説明の中で、憲法の財産権の侵害に当たるという話があったわけでございます。

 例えば、与党案にしても、OB議員についても四から一〇%の減額、あるいは現職一五%の減額ということも含めて、我々はより踏み込んでおりますけれども、同じように減額をしているということについては、まさに五十歩百歩。減額をするということについて、もしそれであれば、この与党案も憲法の財産権の侵害に当たるということになるわけですけれども、そうではないところで、この憲法の財産権という議論ではなくて、やはりこれはすべてこれまで税金で賄われている話ですから、この廃止をするに当たってなるべく国庫負担というものを減らしていかなければならない、そうしなければ国民の皆様は納得しない、そういうことで、より民主党案というものは踏み込んでいるわけでございますけれども、その点についてはいかがでしょうか。

宮路議員 憲法二十九条で保障された財産権、その侵害というものがどこまで許されるかということにもなるわけでありますが、これは、その当該、この場合は互助年金の受給の権利、その権利の性質といいましょうか、その侵害する場合の侵害の程度、あるいはまたその侵害によってもたらされる公益、国益といいましょうか、そういったものも総合的に勘案し、そしてまた、当然既受給者の生活の安定ということもそこで考慮しなければならないわけでありますが、そういったもろもろの事情を考慮する中で、我が党が示したものはぎりぎりの二十九条の範囲内で許されるものではないか、そういう判断をさせていただき、そしてその中で、国費の支出の抑制というものにもこれは貢献する、その点も十分加味して、このような案とさせていただいているところであります。

笠委員 今、ぎりぎりのという話がありましたけれども、私は、その根拠というものが全く理解ができません。そして、まさしく議員年金の廃止法案といいながら、この与党案では、ことし四月一日以降であっても、在職十年以上の現職国会議員が退職すれば、減額をされるとはいえ年金を支給する、あるいは、この部分は選択ができるわけですね。この年金の支給が続くという、選択する余地がある限りは、どう考えても、やはり議員年金の廃止法案というにはふさわしくないのではないか、呼ぶに値しないと思っておるのですけれども、いかがでしょうか。

宮路議員 我々の案では、議員在職期間十年以上の方については、今御指摘のような選択、年金と一時金の選択をしてもらう、そういうことにいたしておるわけでありますけれども、十年以上の方は、申すまでもなく、現行法第九条によって年金資格が生じておるわけでありますので、これを無視するというわけにはまいらないということであります。そういうことで、この権利は一五%のカットをしながらも認めるということにいたしております。

 ただし、この法律が施行されれば、もう完全にこの法の施行によって新しく受給資格が生じることはないということになるわけでありますし、また、在職期間の加算も行われないということになりますので、したがって、現行制度そのものは廃止され、ただし、経過措置として今申し上げたような措置が残る、こういうことになるわけであります。

笠委員 今、現行制度の九条という根拠があるのだということをおっしゃいましたけれども、まさしくこの法律をつくったのも国会議員自身でございます。ですから、国会議員がつくった法律で縛られて、そして自分たちに都合のいい部分はその法律を守らなければいけないというのであれば、これはやはりお手盛り。

 我々がここで議論するのは、まさにそれがおかしいから変えていくのだ。例えば、OBの方については、今まで働いて、それで年金の掛金を納めてこられた、そこは区別をしたとしても、少なくとも現職の我々議員は、しっかりと廃止をしようということを法案でうたっているからには、廃止と呼べるような案にしなければならない。

 そうしなければ、まさにこれは、これこそ本当に、国会議員年金の偽装ではございませんけれども、きょうくしくも与党案も民主党案も国会議員互助年金法を廃止する法律案ということで今審議をしているわけです。同じ法案名でございます。しかし、私は、今までは、それぞれが掛金をきちっと払って、そしてそこを支え合うというものがあったけれども、ここで与党案が成立をするということになれば、まさに互助という文字がとれて、新たに国会議員年金法を創設する法律ということになるのではないかということを指摘いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

佐田委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山(泰)委員 民主党の小宮山泰子でございます。

 私も、国会議員互助年金法を廃止する法案、これはどちらも同じ法案名でございますが、自民党、公明党提出の法案に対しては反対、そして民主党提出の法案に対して賛成の立場から質問をさせていただきたいと思っております。

 私自身、自民党の県議会議員をさせていただいたときに、人生の先輩から、十年頑張れ、そうしたら年金がつくぞと現実に言われたことがございます。

 まず最初に聞かせていただきたい。イエスかノーかで、簡単で構いません。

 私たち衆議院、ここに集まっている者は、国民のために働こう、そう思って来ていると思いますので、まずその心意気といたしまして、当然、年金をもらいたくて来ている議員は各党いらっしゃらないと思います。その確認を一つさせていただきたいと思います。

大口議員 我々が議員になる目的は、やはり我々が目指そうとする政策を実現するために議員になったわけでございます。ですから、年金をもらうために政治家になったという方はいない、私はこう信じたいと思います。

小宮山(泰)委員 今答えがあったとおり、これは恐らく全員が同じことを思っていると思います。

 この議員年金、議員になる前は、ここにいるだれもが議員年金の対象者ではない、これも当然であります。それであるならば、やはり今いろいろな社会の問題、そして政治の中にもいろいろな問題が混在していて、今根本的に何のために法律や多くの基盤があるかということが問われる時代になっている。その中で、恐らく、議員自身が何をするべきであり、国民の中でどういった立場であり、先ほどプライドがあるとおっしゃられておりました、そういったプライドと兼ね合わせ、皆さんとともに日本をつくっていくのだということを示す、そういう時期に入っているのだと私は考えております。

 その中において、国会議員の中で、議員互助年金法の廃止に関して、国民の信頼やプライドというものに対してしっかりと国民に示すということで、多くの皆さんがこの議員年金の廃止に対し賛同をし、今ここに法律が提出されているのだと私は考えております。

 そこで、質問させていただきますが、与党案の中にあります高額所得による年金停止の部分におきましては、普通退職年金と前年の互助年金外所得の合計額が七百万円を超える場合、超える額の二分の一は支給停止となっておりますけれども、国民の一年間の生活を考えれば、七百万円あれば十分ではないかと私は考えます。そして、十分に生活もできる。平均から考えてみてもその点は、国民年金をもらっている方から見ればもう十分過ぎるほどだと言われる不公平感があるという、そのことを耳にしているのも、恐らく皆さん同じだと思います。この点に関して、与党案、まずもってこの七百万円の設定についてぜひお聞かせください。

大口議員 民主党案では、合計額が七百万円を超える場合、超える額を全額支給停止にする、こうしているわけでございますが、これでは、OB議員が働いて収入を上げていった場合、その上がった収入の分だけ年金が停止されて、結果として七百万円を超えた場合はトータルで収入が変わらない、こういうことになってしまうわけでございます。そのように、民主党の案というのは、OB議員の働く意欲ということとの関係で、私は問題があるのではないかと。

 ただ、与党案におきましても、高額所得者になればなるほど、年金の停止額が大きくなるわけですね。そして最大限、年金がゼロになるということもあるわけでございます。そういう点で、七百万円を超えた額の二分の一を停止していく、そして最終的には、高額になってくればだんだんその額が減少し、そしてゼロになるということも御理解いただきたいと思います。

小宮山(泰)委員 それでは、現状といたしまして、これは本当に早急に始まる制度でもございます。与党案の中において、特に与党においてでしょうけれども、高額所得で減額されるという対象者はどのぐらい見込まれているのでしょうか。OBですのでその点は、改選がない限りは、生死はありますが、どのぐらいをOBの方で見込まれているのか。

大口議員 新たな受給者で六割ぐらいだと思います。

小宮山(泰)委員 大半がその対象者であるということでよろしいですか。もう一回、その説明をお願いいたします。

大口議員 新たに停止がかかるのが六割ということです。(小宮山(泰)委員「二分の一停止」と呼ぶ)はい。

小宮山(泰)委員 ということは、六割の方はある意味高額な所得を得ている方だということの認識になってよろしいわけですね。

大口議員 六割の方が七百万円を超えるということでございます。

小宮山(泰)委員 それでは、民主党に伺わせていただきます。

 この点に関しては、やはりこれから国庫負担になっていく。先ほど質問の方では四十年から五十年かかると言っておりましたけれども、国民に対し、この国庫負担の部分に関して民主党の案というのはどういったことで提出されているのか、説明をお願いいたします。

園田(康)議員 お答えをさせていただきます。

 民主党の案の場合は、ここで完全廃止という形にさせていただいておりますので、その後の年金に関する受給者、これはOB議員を除いたわけでありますけれども、現職議員に関しての国庫負担金は生じません。

 さらに申し上げさせていただくならば、今回私どもが完全廃止という形にさせていただいたものに関しては、いわば他の制度、先ほど議員生活が大変苦しいという御説明があったわけでありますけれども、今は御承知のようにOB議員の方々に対しても、大変な高額所得者の方々もまだまだいらっしゃるという形からすれば、生活に苦しいという言いわけは私は国民に対しては決して通じないのではないかということ。

 それから、今私どもは、国民年金あるいは共済年金、厚生年金の一元化を民主党としては目指させていただいているところでございます。そういう観点からすれば、議員たるもの、国民年金もしっかりとあるわけですから、抜本的な改正をするということであるならば、国民年金のしっかりとした一元化に向けて我々議員は努力をすべきではないかというふうに考えております。

小宮山(泰)委員 ありがとうございます。

 今、与党案に関しましては、十年以上の現職議員に対しましては、選択ができるという部分も設けているかと思います。これは、普通退職年金を支給する形か、一時金で支給いただく形かという選択ができるわけですが、選択によって支給額が見込みとしては大分変わってくるのではないかということは試算されたのでしょうか。

大口議員 これは試算はしておりませんが、個々の議員によって違うのです。ですから、個々の議員の条件によって違ってくると思います。

小宮山(泰)委員 個々の議員によって違うということを考えるならば、全員が一時金をもらう形もできますし、年金という形でもらうことも選択ができる。極端な例かもしれませんけれども、そういったことを考えると、結局のところ、十年以上の方にはなりますが、制度自体残ってしまう。そういう意味では、廃止という法案であっても、余り変わりがない。

 やはりその辺は、私は先輩の、年配のといったら失礼ですけれども、対象者の方の話とかをいろいろ聞きますと、やはりこれはなくしてほしくないよと大分前から言っている方の話も随分聞こえてきます。(発言する者あり)それは個人のプライバシーですので。

 恐らく、今はもう言葉に出せなくなっていても、やはり思っている方はまだ随分いらっしゃるのではないか。やはり老後の心配というのは今、国民も同じです。皆さん、将来のことを心配しています。それは人間、同じであります。国民として、恐らく議員も同じだから、心配していると思います。しかし、この制度は、対象者が全部これをとったならば、制度として与党案では本当は変わらないのではないか、そういう心配がしてなりません。

 そして何よりも、先ほどから少しずつありますけれども、やはり鈴木委員の話もありましたけれども、ある程度生活が保持できるようにしてほしいといったことと、また、退職規定とかそういう全般にわたる制度を今後協議していく必要があるのではないかという答弁もございました。自民党は、与党ですけれども、この制度の中で、今後こういった退職金制度などを改めてまた復活させるようなことを考えているのではないか、そういったことが全くないのかどうか、最後にお伺いしたいと思います。

大口議員 まず、民主党さんが、要するに受給の方を選択されないのかどうかですね。まあいろいろあると思いますけれども。

 それはそれといたしまして、今後につきましては、現行制度を廃止した後の国会議員の退職時の処遇などにつきましては、例えば国会法三十六条の規定との関係、地方議員の年金制度の関係、それから地方公共団体の首長さん、これは四年間でかなりの金額の退職金をもらっておられますけれども、そういうもののあり方等、いろいろと議論しなければいけないことがあると思います。そういう点で、与野党ともにさまざまな議論があるかと思いますので、これは議会制度協議会などいろいろな場面で引き続き検討していきたいと考えております。

佐田委員長 もう時間が来ております。

小宮山(泰)委員 最後、よろしいでしょうか。

 ぜひこの辺、国民に負担をかけないような、そういったことで、しっかりと良識に沿って選んでいただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

佐田委員長 次に、穀田恵二君。

穀田委員 日本共産党は、国会議員互助年金制度について、国民から見て特権的な制度を抜本的に正すために、国庫負担を廃止し、本来の互助制度にすることを提案してきました。各党協議では、この提案を基本にしつつ、制度の廃止も含めて、特権的な制度の見直しを強く主張してきたところです。

 昨年十月、各党が現行制度の廃止で一致したもとで、我が党は、このことを評価しつつ、一、現行制度の廃止というなら、現職議員が特権的な年金を受給する道を残すべきでないこと、二、議員OBについても、合理的かつ国民の理解が得られるような受給削減をとるべきことを主張してきました。

 ところが、与党案は、在職十年以上の現職議員について、一、現行法による年金(金額は一五%削減)の支給と、二、納付金総額の八割の退職一時金の支給のどちらかを選択できることとしています。

 民主党案も、在職十年以上の現職議員について、納付金総額の五〇%の清算金を支給としながら、一たん落選して年金受給者になった後、再度当選した議員については、現行法による年金受給(金額は三〇%削減)ができるとしています。

 与党案、民主党案のいずれも、現行制度の廃止といいながら、現職議員に対して現行の特権的な議員互助年金を受給できる道を残しています。これでは、国会議員に対する特権の撤廃を求める国民の理解は得られません。よって、我が党は、両法案ともに賛成できません。

 さらに、国会議員互助年金制度の廃止という重要な問題が、十分な審議が尽くされないまま、与党と民主党がそれぞれ法案を提出し、短時間の質疑、採決で決着させられようとしていることは、極めて遺憾であることを表明します。

 以上です。

佐田委員長 次に、日森文尋君。

日森委員 社民党の日森でございます。

 私どもも、議員年金を廃止するということに合意したことについて大いに評価をいたしました。

 その際、私どもが主張してきたのは、一日も早く公的年金の一元化を実現する、そして、これに収れんをしていく。暫定的な措置として、経過措置として、これに収れんをしていく。つまり、今国民年金になっていますが、生活の最低保障としての、私どもの言葉で言うと基礎的暮らし年金、そして所得比例年金ということに収れんをしていくという主張をしてまいりました。もちろん、その際、経過措置であっても特権は徹底的に排除をするということを前提として、こういう提案をしてまいりました。

 しかし、今回法案が二つ提出されましたが、これらは、先ほどいろいろ意見が出たように、私どもも賛成できないのですが、こういうことを前提にするならば、もう一度本則に返って、直ちにというか、なるべく早い時期に、例えば社会通念上許容できる範囲の退職金制度をつくるとか、あるいは年金一元化に向けて、共済年金かあるいは厚生年金に加入をするような制度を設けていくということを早急に検討すべきであるということを意見として申し上げておきたいと思います。

佐田委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

 これより両案を一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木克昌君。

鈴木(克)委員 私は、民主党・無所属クラブを代表いたしまして、民主党提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案に対して賛成、自民党、公明党提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案に対して反対の立場から討論をいたします。

 与党提出案に反対する最大の理由は、同法案が現職議員にとって極めて有利なものであり、実質的には現在の議員年金制度の延長にすぎないことです。与党案では、現職で既に年金受給権が発生している議員については、将来の年金受給が選択できる制度となっています。これでは、現職議員にとって何ら痛みがありません。また、今後四十年、五十年の長きにわたって現行制度に基づく年金給付が継続する可能性があり、その財源を国民の血税で賄うこととなります。議員の特権を廃して国民と同じ目線に立つこと、仮に、今後国民に痛みを求めるとすれば、まずはその前に、国会議員がそれに先んじてみずからを律することが議員年金改革の趣旨ですが、与党案は、現職議員の既得権益を守ることを最優先しており、この趣旨に全く合わないものであります。

 これに対して、民主党提出案は、現職議員に最も大きな痛みを求める内容となっています。このような国会の姿勢を国民に示すことが今の政治のあるべき姿勢であり、だからこそ、国民の政治に対する信頼性も確保できるのだと考えます。

 国会議員も国民と同じ目線に立つこと、隗より始めよで、国会議員こそがまずみずから痛みを伴う改革を断行すること、これらを通じて国民の政治に対する信頼を回復することこそが今回の改革のスタート地点であることを御認識いただき、各委員の見識ある御判断を確信して、私の討論を終わります。(拍手)

佐田委員長 次に、高木美智代君。

高木(美)委員 私は、自由民主党並びに公明党を代表して、ただいま議題となりました国会議員互助年金廃止法案について、与党案に賛成、民主党案に反対の立場から討論を行うものであります。

 公的年金制度の改革に伴い、国民から、現行の国会議員の互助年金制度の特権性が問題となり、その見直しのため、衆参両院の議長のもとに第三者機関を設置し、昨年一月に新しい議員年金制度の創設を御提案いただいたところでありました。しかし、国民から、一たん議員年金制度は廃止すべきとの声を受け、このたび、与党として廃止法案を提出したものであります。

 与党案は、既受給者の財産権や、在職十年を超え、現行法で年金有資格者の期待権にも配慮した上で、OBの年金は最大で一〇%、現職議員は一五%を削減し、さらに高額所得者については現行より厳しい年金停止措置を導入するなど、現今の国民世論に十分こたえつつ、万一訴訟が起きた場合にもたえ得る措置であると考えます。

 一方、民主党案は、OBの年金受給権を無視し、年金額や所得額など個々の事情を考慮せず、一律三割もの削減を唱え、また現職議員には納付金の五〇%しか清算金を返還しないなど、憲法で保障された国民の財産権を侵害するおそれすらある内容となっております。しかしながら、一たん議員年金を受けていた人が返り咲いた場合や、既裁定者は年金を受けることができることにしております。

 このように、民主党案は、極めて矛盾の多い、まさしく国民へのパフォーマンスという意義はあっても、およそ責任政党として容認できる内容とは到底言えないのであります。もし民主党案が成立するならば、今後の訴訟にたえ得るのか、極めて疑問と言わざるを得ません。

 最後に、与党案では、有資格の現職議員には年金受給の道と一時金受給の道を選択するようになっておりますが、民主党案では、年金受給は認められておりません。与党案が成立した場合、隗より始めよでございます、よもや年金受給を選ぶ民主党議員はおられないであろうと確信させていただき、私の討論とさせていただきます。(拍手)

佐田委員長 これにて討論は終局いたしました。

 これより採決に入ります。

 まず、河村たかし君外七名提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

佐田委員長 挙手少数。よって、本案は否決すべきものと決定いたしました。

 次に、宮路和明君外六名提出の国会議員互助年金法を廃止する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

佐田委員長 挙手多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

佐田委員長 次に、趣旨説明を聴取する議案の件についてでありますが、内閣提出の石綿による健康被害の救済に関する法律案、石綿による健康等に係る被害の防止のための大気汚染防止法等の一部を改正する法律案の両法律案は、本日の本会議において趣旨の説明を聴取し、これに対する質疑を行うことに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、右両法律案の趣旨説明は、小池環境大臣が行います。

 右両法律案の趣旨説明に対し、民主党・無所属クラブの長浜博行君、公明党の高木美智代君から、それぞれ質疑の通告があります。

 質疑時間は、おのおの十分以内とするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

佐田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、質疑者の要求大臣は、お手元の印刷物のとおりであります。

    ―――――――――――――

 一、趣旨説明を聴取する議案の件

  石綿による健康被害の救済に関する法律案(内閣提出)

  石綿による健康等に係る被害の防止のための

  大気汚染防止法等の一部を改正する法律案(内閣提出)

   趣旨説明 環境大臣 小池百合子君

   質疑通告     時 間  要求大臣

 長浜 博行君(民主)  十分以内 官房

 高木美智代君(公明)  十分以内 官房、環境、国交、厚労

    ―――――――――――――

佐田委員長 それでは、本日の本会議は、午後零時五十分予鈴、午後一時から開会いたします。

    ―――――――――――――

佐田委員長 次に、次回の本会議の件についてでありますが、次回の本会議は、来る三十日月曜日午後五時から開会することといたします。

 また、同日午後三時理事会、午後四時から委員会を開会いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十四分散会


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