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第16号 平成23年12月9日(金曜日)

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平成二十三年十二月九日(金曜日)

    午後一時十二分開議

 出席委員

   委員長 小平 忠正君

   理事 松野 頼久君 理事 山井 和則君

   理事 笠  浩史君 理事 田名部匡代君

   理事 糸川 正晃君 理事 鷲尾英一郎君

      稲富 修二君    太田 和美君

      岡田 康裕君    川内 博史君

      西村智奈美君    水野 智彦君

      向山 好一君    森山 浩行君

      佐々木憲昭君    中島 正純君

    …………………………………

   議長           横路 孝弘君

   副議長          衛藤征士郎君

   事務総長         鬼塚  誠君

    ―――――――――――――

委員の異動

十二月九日

 辞任         補欠選任

  相原 史乃君     向山 好一君

  坂口 岳洋君     稲富 修二君

  浜本  宏君     西村智奈美君

同日

 辞任         補欠選任

  稲富 修二君     坂口 岳洋君

  西村智奈美君     浜本  宏君

  向山 好一君     相原 史乃君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 閉会中審査に関する件

 各委員会からの閉会中審査申出の件

 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(第百七十四回国会、内閣提出)の閉会中審査に関する件

 本日の本会議の議事に関する件


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     ――――◇―――――

小平委員長 これより会議を開きます。

 開会に先立ち、自由民主党・無所属の会、公明党、社会民主党・市民連合の所属委員に理事をして出席を要請いたしましたが、いまだ出席されておりません。やむを得ず議事を進めます。

 まず、本日外務委員会の審査を終了した経済上の連携に関する日本国とペルー共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、経済上の連携の強化に関する日本国とメキシコ合衆国との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の両件について、委員長から緊急上程の申し出があります。

 この際、発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 私は、日本・ペルー、日本・メキシコのEPA、経済連携協定改正議定書の両案を緊急上程することに反対の意見表明を行います。

 けさ十時十二分に外務委員長から緊急上程の申し出があったと言われましたが、現場ではそうなっておりません。本日の外務委員会は、臨時国会の最終日に、理事会において最終的に与野党の合意もなく、タイムテーブルも合意されていない中で、開催が強行されたのであります。このことに厳しく抗議するものです。

 十月二十日に召集された臨時国会の会期は五十一日間もあったのであります。政府・与党がそれほど重要な案件というなら、落ちついた状況のもとでしっかりした審議を行う機会は、これまでに幾らでもあったではありませんか。

 ところが、会期末のどさくさに、与党内からも異論が出て採決を欠席する議員が相次ぐような原発輸出のための四つの原子力協定を強行した上、またも、会期末処理のための各委員会が一斉に開かれ、日程が窮屈で、与党の委員すら差しかえを繰り返さなければならない状況のもとで、どうしてしっかりした審議ができるでしょうか。

 しかも、外務委員会で、各党の質疑時間の割り振り、時間割りも提示されないまま、質疑しようにもできない状況をつくったのは、挙げて与党の責任と言わなければなりません。けさの開会について、合意がないもとで、質疑通告のしようもなく、しっかりした答弁、質疑もできない状況だったのであります。

 相手国がある、国益を損なうなどと言って、こんなやり方で強行しようとすることこそ、対外的な信用も、国民の利益も損なうものと言わなければなりません。与党だけで強行するなら、議会制民主主義は壊されてしまいます。

 今からでも遅くはありません。緊急上程の強行はきっぱり断念することを強く求めるものであります。

小平委員長 両件は、本日の本会議において緊急上程するに賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小平委員長 次に、本日、北方領土返還促進に関する請願が、沖縄及び北方問題に関する特別委員会において採択すべきものと決定しております。

 本請願は、本日の本会議において緊急上程するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小平委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。

 国会法等改正に関する件

 議長よりの諮問事項

 その他議院運営委員会の所管に属する事項

以上の各件につきまして、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小平委員長 次に、各委員会からの閉会中審査申出の件についてでありますが、国家基本政策委員会及び懲罰委員会を除く内閣委員会外十四常任委員会並びに災害対策特別委員会外九特別委員会から、お手元の印刷物のとおり閉会中審査の申し出が参っております。

    ―――――――――――――

  第百七十九回国会各委員会閉会中審査申出案件

 内閣委員会

  一、行政機関の保有する情報の公開に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第六〇号)

  二、国家公務員法等の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第七四号)

  三、国家公務員の労働関係に関する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第七五号)

  四、公務員庁設置法案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第七六号)

  五、国家公務員法等の一部を改正する法律等の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第七七号)

  六、地方自治法第百五十六条第四項の規定に基づき、管区国家公務員局及び沖縄国家公務員事務所の設置に関し承認を求めるの件(内閣提出、第百七十七回国会承認第六号)

  七、地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案(井上信治君外三名提出、第百七十三回国会衆法第一一号)

  八、死因究明推進法案(下村博文君外五名提出、第百七十四回国会衆法第三〇号)

  九、国家公務員法の一部を改正する法律案(井上信治君外六名提出、第百七十四回国会衆法第三二号)

  一〇、国家公務員法等の一部を改正する法律案(河野太郎君外六名提出、第百七十六回国会衆法第五号)

  一一、幹部国家公務員法案(河野太郎君外六名提出、第百七十六回国会衆法第六号)

  一二、国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(野田毅君外二名提出、第百七十七回国会衆法第三一号)

  一三、内閣の重要政策に関する件

  一四、栄典及び公式制度に関する件

  一五、男女共同参画社会の形成の促進に関する件

  一六、国民生活の安定及び向上に関する件

  一七、警察に関する件

 総務委員会

  一、国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第七八号)

  二、東日本大震災による被害を受けた合併市町村に係る地方債の特例に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第九号)

  三、一般職の国家公務員の給与の改定及び臨時特例等に関する法律案(平井たくや君外四名提出、衆法第一号)

  四、行政機構及びその運営に関する件

  五、公務員の制度及び給与並びに恩給に関する件

  六、地方自治及び地方税財政に関する件

  七、情報通信及び電波に関する件

  八、郵政事業に関する件

  九、消防に関する件

 法務委員会

  一、裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第七九号)

  二、検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第八〇号)

  三、裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出第一二号)

  四、刑法等の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)(参議院送付)

  五、薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律案(内閣提出第一四号)(参議院送付)

  六、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(高市早苗君外三名提出、第百七十三回国会衆法第五号)

  七、児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(辻惠君外二名提出、第百七十七回国会衆法第二三号)

  八、裁判所の司法行政に関する件

  九、法務行政及び検察行政に関する件

  一〇、国内治安に関する件

  一一、人権擁護に関する件

 外務委員会

  一、国際情勢に関する件

 財務金融委員会

  一、財政に関する件

  二、税制に関する件

  三、関税に関する件

  四、外国為替に関する件

  五、国有財産に関する件

  六、たばこ事業及び塩事業に関する件

  七、印刷事業に関する件

  八、造幣事業に関する件

  九、金融に関する件

  一〇、証券取引に関する件

 文部科学委員会

  一、教育公務員特例法の一部を改正する法律案(下村博文君外三名提出、第百七十四回国会衆法第四号)

  二、東日本大震災に対処するための私立の学校等の用に供される建物等の災害復旧等に関する特別の助成措置等に関する法律案(参議院提出、第百七十七回国会参法第二一号)

  三、文部科学行政の基本施策に関する件

  四、生涯学習に関する件

  五、学校教育に関する件

  六、科学技術及び学術の振興に関する件

  七、科学技術の研究開発に関する件

  八、文化、スポーツ振興及び青少年に関する件

 厚生労働委員会

  一、国民年金法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)

  二、労働安全衛生法の一部を改正する法律案(内閣提出第一六号)

  三、国等による障害者就労施設からの物品等の調達の推進等に関する法律案(田村憲久君外五名提出、第百七十三回国会衆法第一二号)

  四、アレルギー疾患対策基本法案(江田康幸君外二名提出、第百七十七回国会衆法第三二号)

  五、厚生労働関係の基本施策に関する件

  六、社会保障制度、医療、公衆衛生、社会福祉及び人口問題に関する件

  七、労使関係、労働基準及び雇用・失業対策に関する件

 農林水産委員会

  一、農業等の有する多面的機能の発揮を図るための交付金の交付に関する法律案(加藤紘一君外四名提出、第百七十四回国会衆法第三五号)

  二、農業の担い手の育成及び確保の促進に関する法律案(宮腰光寛君外六名提出、第百七十七回国会衆法第一〇号)

  三、農林水産関係の基本施策に関する件

  四、食料の安定供給に関する件

  五、農林水産業の発展に関する件

  六、農林漁業者の福祉に関する件

  七、農山漁村の振興に関する件

 経済産業委員会

  一、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十四回国会閣法第四九号)

  二、特定多国籍企業による研究開発事業等の促進に関する特別措置法案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第二六号)

  三、経済産業の基本施策に関する件

  四、資源エネルギー及び原子力安全・保安に関する件

  五、特許に関する件

  六、中小企業に関する件

  七、私的独占の禁止及び公正取引に関する件

  八、鉱業等に係る土地利用の調整に関する件

 国土交通委員会

  一、交通基本法案(内閣提出、第百七十七回国会閣法第三三号)

  二、北海道観光振興特別措置法案(佐田玄一郎君外四名提出、第百七十四回国会衆法第一一号)

  三、離島の振興に関する施策の拡充のための離島振興法等の一部を改正する法律案(武部勤君外四名提出、第百七十四回国会衆法第三三号)

  四、離島航路航空路整備法案(武部勤君外四名提出、第百七十四回国会衆法第三四号)

  五、地下水の利用の規制に関する緊急措置法案(高市早苗君外十三名提出、第百七十六回国会衆法第一七号)

  六、国土交通行政の基本施策に関する件

  七、国土計画、土地及び水資源に関する件

  八、都市計画、建築及び地域整備に関する件

  九、河川、道路、港湾及び住宅に関する件

  一〇、陸運、海運、航空及び観光に関する件

  一一、北海道開発に関する件

  一二、気象及び海上保安に関する件

 環境委員会

  一、地球温暖化対策基本法案(内閣提出、第百七十六回国会閣法第五号)

  二、低炭素社会づくり推進基本法案(野田毅君外四名提出、第百七十四回国会衆法第七号)

  三、気候変動対策推進基本法案(江田康幸君提出、第百七十四回国会衆法第一五号)

  四、環境の基本施策に関する件

  五、地球温暖化の防止及び低炭素社会の構築に関する件

  六、循環型社会の形成に関する件

  七、自然環境の保護及び生物多様性の確保に関する件

  八、公害の防止及び健康被害の救済に関する件

  九、公害紛争の処理に関する件

 安全保障委員会

  一、国際平和協力法案(中谷元君外四名提出、第百七十四回国会衆法第二四号)

  二、国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案(中谷元君外四名提出、第百七十四回国会衆法第二五号)

  三、自衛隊法の一部を改正する法律案(小野寺五典君外七名提出、第百七十四回国会衆法第三一号)

  四、国の安全保障に関する件

 予算委員会

  一、予算の実施状況に関する件

 決算行政監視委員会

  一、平成二十一年度一般会計歳入歳出決算

    平成二十一年度特別会計歳入歳出決算

    平成二十一年度国税収納金整理資金受払計算書

    平成二十一年度政府関係機関決算書

  二、平成二十一年度国有財産増減及び現在額総計算書

  三、平成二十一年度国有財産無償貸付状況総計算書

  四、平成二十二年度一般会計歳入歳出決算

    平成二十二年度特別会計歳入歳出決算

    平成二十二年度国税収納金整理資金受払計算書

    平成二十二年度政府関係機関決算書

  五、平成二十二年度国有財産増減及び現在額総計算書

  六、平成二十二年度国有財産無償貸付状況総計算書

  七、平成二十二年度一般会計経済危機対応・地域活性化予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百七十七回国会、内閣提出)

  八、平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百七十七回国会、内閣提出)

  九、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百七十七回国会、内閣提出)

  一〇、平成二十二年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百七十七回国会、内閣提出)

  一一、平成二十二年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)(第百七十七回国会、内閣提出)

  一二、平成二十二年度特別会計予算総則第七条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百七十七回国会、内閣提出)

  一三、歳入歳出の実況に関する件

  一四、国有財産の増減及び現況に関する件

  一五、政府関係機関の経理に関する件

  一六、国が資本金を出資している法人の会計に関する件

  一七、国が直接又は間接に補助金、奨励金、助成金等を交付し又は貸付金、損失補償等の財政援助を与えているものの会計に関する件

  一八、行政監視に関する件

 議院運営委員会

  一、国会法等改正に関する件

  二、議長よりの諮問事項

  三、その他議院運営委員会の所管に属する事項

 災害対策特別委員会

  一、災害対策に関する件

 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会

  一、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出、第百七十六回国会閣法第四号)

  二、政治資金規正法及び政党助成法の一部を改正する法律案(大口善徳君提出、第百七十三回国会衆法第三号)

  三、政党助成法の一部を改正する法律案(林幹雄君外四名提出、第百七十四回国会衆法第二号)

  四、公職選挙法の一部を改正する法律案(村田吉隆君外四名提出、第百七十四回国会衆法第一八号)

  五、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する件

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会

  一、沖縄及び北方問題に関する件

 青少年問題に関する特別委員会

  一、青少年問題に関する件

 海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する特別委員会

  一、海賊行為への対処並びに国際テロリズムの防止及び我が国の協力支援活動等に関する件

 北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会

  一、北朝鮮による拉致問題等に関する件

 消費者問題に関する特別委員会

  一、消費者の利益の擁護及び増進等に関する総合的な対策に関する件

 科学技術・イノベーション推進特別委員会

  一、科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件

 郵政改革に関する特別委員会

  一、郵政改革法案(内閣提出、第百七十六回国会閣法第一号)

  二、日本郵政株式会社法案(内閣提出、第百七十六回国会閣法第二号)

  三、郵政改革法及び日本郵政株式会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(内閣提出、第百七十六回国会閣法第三号)

  四、郵政改革に関する件

 東日本大震災復興特別委員会

  一、東日本大震災復興の総合的対策に関する件

    ―――――――――――――

小平委員長 各件は、本日の本会議において閉会中審査の議決をするに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小平委員長 次に、厚生労働委員会の審査を終了した労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案の閉会中審査に関する件についてでありますが、佐々木憲昭君から発言を求められておりますので、これを許します。佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 労働者派遣法改正案の継続に反対の意見表明を行います。

 労働者派遣法改正案は、昨年、二〇一〇年四月六日、百七十四国会に鳩山内閣が提出し、同年四月十六日の本会議で重要広範議案として総理出席のもとで審議を開始し、続いて、厚生労働委員会で与野党一巡の質疑が行われただけであります。この中で、総理交代の政局のもとで委員会審議を中断し、以後、総理が二度交代し、三代の内閣、五国会にわたって継続審議の手続がとられてきました。

 この間、我が党は、徹底審議を求め、とりわけ派遣労働者の意見を聞くための参考人質疑開催を繰り返し要求しましたが、一度も実現しないまま、法案は、一年七カ月余りの間、たなざらしにされてきたのであります。

 ところが、今国会の会期末になって、突然、民主、自民、公明三党で合意したという修正案が提出され、十二月七日、わずか三時間の質疑で修正可決を強行したのであります。国会審議をないがしろにするやり方であり、言語道断であります。

 しかも、修正の内容は、製造業務派遣、登録型派遣の原則禁止という、法案の根幹部分を丸ごと削除し、骨抜きにするものであります。政府案にはもともと重大な抜け穴があり、不十分なものだと私たちは批判してきましたが、曲がりなりにも派遣労働への規制を強化しようという根幹部分を削除したのでは、法案の提案理由そのものの否定であり、断じて容認できません。

 そもそも、派遣法改正は、二〇〇八年のリーマン・ショック後、派遣切りが社会問題になる中、抜本改正を求める労働者、国民の声が高まり、政治課題となってきたものであります。〇九年総選挙で、民主党は、マニフェストの中心政策として労働者派遣法の抜本改正を掲げ政権交代をなし遂げ、その民主党政権のもとで、労政審で労使がぎりぎりの調整を経てつくったというのが政府案でありました。それすらも投げ捨てて恥じない態度は、労働者、国民の期待を真っ向から裏切るものと断じざるを得ません。

 以上、民主党が不十分な政府案すらも骨抜きにする修正を委員会で可決する態度をとるに至ったもとで、本法案の継続は到底認められません。

 以上であります。

小平委員長 それでは、本法律案は、本日の本会議において閉会中審査の議決をするに賛成の諸君の挙手を求めます。

    〔賛成者挙手〕

小平委員長 挙手多数。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小平委員長 次に、閉会中、各委員会から委員派遣承認申請書が提出されてまいりましたならば、議長において、議院運営委員長と協議の上、これを決定することに御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小平委員長 次に、今国会が閉会になりましても、本委員会に設置いたしました各小委員会は、いずれも引き続き存置することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、閉会中の理事、小委員及び小委員長の辞任並びに補欠選任につきましては、委員長に御一任願っておきたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小平委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

小平委員長 次に、本日の本会議の議事の順序について、事務総長の説明を求めます。

鬼塚事務総長 まず最初に、動議により、外務委員会の条約二件を緊急上程いたしまして、田中外務委員長の報告がございます。両件を一括して起立採決いたします。

 次に、動議により、本日委員会の審査を終了いたしました請願一件を議題といたします。全会一致でございます。

 次に、閉会中審査の件について議長からお諮りをいたします。採決は、お手元の印刷物にございますように八回となります。

 本日の議事は、以上でございます。

    ―――――――――――――

   閉会中審査の件の採決順序

 1 法務委員会から申出の

    裁判官の報酬等に関する法律の一部を改正する法律案(第百七十七回国会、内閣提出)

    検察官の俸給等に関する法律の一部を改正する法律案(第百七十七回国会、内閣提出)

       反対 自民、公明、共産、社民、みんな、日本

 2 環境委員会から申出の

    地球温暖化対策基本法案(第百七十六回国会、内閣提出)

              反対 自民、共産

 3 内閣委員会から申出の

    国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律案(第百七十七回国会、野田毅君外二名提出)

   総務委員会から申出の

    国家公務員の給与の臨時特例に関する法律案(第百七十七回国会、内閣提出)

    一般職の国家公務員の給与の改定及び臨時特例等に関する法律案(平井たくや君外四名提出)

   文部科学委員会から申出の

    教育公務員特例法の一部を改正する法律案(第百七十四回国会、下村博文君外三名提出)

   安全保障委員会から申出の

    国際平和協力法案(第百七十四回国会、中谷元君外四名提出)

    国際緊急援助隊の派遣に関する法律の一部を改正する法律案(第百七十四回国会、中谷元君外四名提出)

    自衛隊法の一部を改正する法律案(第百七十四回国会、小野寺五典君外七名提出)

              反対 共産、社民

 4 内閣委員会から申出の

    国家公務員法の一部を改正する法律案(第百七十四回国会、井上信治君外六名提出)

    国家公務員法等の一部を改正する法律案(第百七十六回国会、河野太郎君外六名提出)

    幹部国家公務員法案(第百七十六回国会、河野太郎君外六名提出)

   経済産業委員会から申出の

    私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律の一部を改正する法律案(第百七十四回国会、内閣提出)

   環境委員会から申出の

    低炭素社会づくり推進基本法案(第百七十四回国会、野田毅君外四名提出)

    気候変動対策推進基本法案(第百七十四回国会、江田康幸君提出)

   郵政改革に関する特別委員会から申出の

    郵政改革法案(第百七十六回国会、内閣提出)

    日本郵政株式会社法案(第百七十六回国会、内閣提出)

    郵政改革法及び日本郵政株式会社法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案(第百七十六回国会、内閣提出)

                 反対 共産

 5 内閣委員会から申出の

    地域住民等による安全で安心して暮らせるまちづくりの推進に関する法律案(第百七十三回国会、井上信治君外三名提出)

   法務委員会から申出の

    児童買春、児童ポルノに係る行為等の処罰及び児童の保護等に関する法律の一部を改正する法律案(第百七十三回国会、高市早苗君外三名提出)

                 反対 社民

 6 法務委員会から申出の

    裁判所法の一部を改正する法律案(内閣提出)

              反対 横粂勝仁君

 7 各委員会から申出の案件中1ないし6を除くその他の案件

                  全会一致

    ―――――――――――――

 8 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律等の一部を改正する法律案(第百七十四回国会、内閣提出)

       反対 自民、公明、共産、みんな

    ―――――――――――――

小平委員長 それでは、本日の本会議は、午後一時三十分予鈴、午後一時四十分から開会いたします。

 本日は、これにて散会いたします。

    午後一時二十二分散会


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