衆議院

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第4号 平成18年3月24日(金曜日)

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平成十八年三月二十四日(金曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 岩國 哲人君

   理事 甘利  明君 理事 島村 宜伸君

   理事 村上誠一郎君 理事 平野 博文君

   理事 坂口  力君

      太田 誠一君    海部 俊樹君

      久間 章生君    古賀  誠君

      中山 成彬君    西銘恒三郎君

      葉梨 康弘君    平沢 勝栄君

      小沢 一郎君    川端 達夫君

      菅  直人君    大口 善徳君

      綿貫 民輔君    平沼 赳夫君

      堀内 光雄君

    …………………………………

   議員           永田 寿康君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十四日

 辞任         補欠選任

  久間 章生君     西銘恒三郎君

  田野瀬良太郎君    平沢 勝栄君

  森  喜朗君     葉梨 康弘君

  坂口  力君     大口 善徳君

同日

 辞任         補欠選任

  西銘恒三郎君     久間 章生君

  葉梨 康弘君     森  喜朗君

  平沢 勝栄君     田野瀬良太郎君

  大口 善徳君     坂口  力君

同日

 理事坂口力君同日委員辞任につき、その補欠として坂口力君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 議員永田寿康君懲罰事犯の件


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     ――――◇―――――

岩國委員長 これより会議を開きます。

 議員永田寿康君懲罰事犯の件を議題といたします。

 本日は、本人永田寿康君に対する質疑を行います。

 まず、理事会の合意に基づきまして、委員長から質疑を行います。

 去る二十二日の委員会で、御本人から身上弁明をいただきましたが、情報仲介者の特定につながるような氏名の公表については差し控えることといたしたいとの御発言がありました。本日の委員会では、各党からの質疑をお受けいただくことになっておりますが、それに先立って、まず、情報仲介者の氏名をここで明らかにされるお考えはありませんか。

永田議員 本日は、委員長初め、先輩議員の方々にきょうのような機会をつくっていただきまして、本当にありがとうございます。また、申しわけございませんでした。

 おとといの弁明までは情報仲介者の秘匿というものが大変大切だということで名前を伏してまいりましたが、やはり、にせものの情報をつかまされた、その情報源との間に友好な信頼関係はないものと考えました。本日、ここで情報仲介者の名前を明らかにしたいと思います。西澤孝さんとおっしゃる方でございます。既に報道などもされておりますが、私が取材を受けたデュモンという会社の役員でおられた方でございます。

 以上でございます。

岩國委員長 以上をもちまして、私からお尋ねすることは終わりました。

 次に、委員各位から質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平沢勝栄君。

平沢委員 おはようございます。自由民主党の平沢勝栄でございます。

 永田さんにはお疲れさまでございます。

 永田さんとはTVタックル等で何度も一緒させていただきまして、大変に好感を持ち、尊敬していたわけでございますけれども、今回こうした形で質問するようなことになりまして、大変残念に思っております。

 二月十六日に永田さんがこのにせメールに基づきまして質問してから、もう一カ月以上たっているわけでございまして、まあ国民の皆さんは、もういいかげんうんざりしているというか、早くこの問題にけじめをつけてほしいということであろうかと思います。にもかかわらず、まだこの問題が解決していないというのは本当に残念なわけでございます。

 永田さんはこの前、民主党と一緒に謝罪広告というのを出されました。その中で、傷ついたのはもちろん武部さん、そして武部さんの次男の方ですけれども、同時に傷ついたのは日本の政治、そして国会、そしてもちろん民主党、それから民主党を応援してくださる方も傷ついたわけでございます。

 ここに、民主党千葉県総支部連合会に国民の皆さんから寄せられたメールがあるんです。このメールを、永田さん、見られたことありますか。何て書いてあるか、知っていますか。この堀江メール問題で民主党には大変失望した、情けないとしか言いようがない、与党には厳しく自党には甘い体質も露見しました、こういったことがずっと書いてあるんです。これは一部なんですよ。

 ですから、民主党を支援してくださった方々も今の永田さんの対応に大変な失望をしているわけですから、今委員長の方から、仲介者の実名が出ましたけれども、きょうは真摯に、正直に答えていただきたいと思いますけれども、まず、その決意のほど、どうでしょうか。

永田議員 もちろん、民主党千葉県連にお声を寄せていただいた方のみならず、多くの国民の方々に大変な御批判を浴びていることは承知をいたしております。本件につきましては、私の調査不十分な質問、そして民間人の名前を国会であげつらい、根拠のない疑惑で誹謗中傷したこと、全くもって弁解の余地はないと思っております。

 平沢先生おっしゃいますとおり、このことによって国会が、国民が、民主党が大変大きく傷つき、そして政治そのものに対する信頼が損なわれてしまったことは、私も本当に責任を感じております。

 今、この懲罰委員会で、そのことも含めて審査、議論がなされることと思っておりますので、その審査にたえ得るよう、できるだけ丁寧に、真実を包み隠さずお話をしたいと思いますので、ぜひ、平沢先生におかれましても御協力をお願いしたいと思います。

平沢委員 永田さん、ありがとうございました。では、この後の質問にぜひ真摯にお答えいただきたいと思います。

 今回の問題で疑問点なのは、そもそも、このにせメールをつくったのはだれなのか。今、西澤孝さんという名前が出ましたけれども、西澤孝さんがつくったのか、その先に実際につくった人がいるのかどうか、この辺が一つの大きなポイントなんです。そして、そのにせメールを何の目的でつくったのか。そして、どういう目的で永田さんのところにこれが持ち込まれたのか。こういった一連の経緯は、今、西澤孝さんという名前は明らかにされましたけれども、一切明らかになっていないわけです。

 そこで、まず、永田さんにお聞きしたいと思いますけれども、このにせメールをそもそもつくったのは西澤孝さんだと思われますか。それとも、先にだれかがいると思いますか。それはどちらですか。

永田議員 現時点での結論を申し上げれば、メールの作成者がだれであるのかは、私にはいまだにわからないのであります。

 メールが持ち込まれたときの説明では、このメールは、ライブドアの社内で流通したメールであるという説明がなされました。堀江氏本人がこの受信者あてに発信したメールであると説明を受けました。

 そして、その後、質問をして、各方面から、これはおかしなメールではないかという指摘を受け、西澤さん本人に、本心はどうなのかというふうにお伺いをいたしましたが、説明はつじつまの合わないこともありまして、二転三転とは申し上げませんが、何度か説明が変わったのも事実でございます。

 そして、この西澤さんと非常に親しいやはりデュモンの会社の方、お名前は今は申し上げませんが、非常に親しい方、仮にSさんと申し上げたいのですが、この方もメールの作成にかかわったのではないかというお話を西澤さん本人からもいただいたことがあります。

 しかし、そのほかのことも含めまして、西澤さんの証言にはつじつまの合わないことが本当に多くて、私としても合理的な解釈をすることができない状態でございますので、現状において、メールの作成者がだれであるのか、私ははっきりしたことがわからないという状態でございます。

平沢委員 一番肝心なのは、このにせメールをつくったのがだれかということなので、これはまだわからないということなので、これは今後の課題だろうと思います。

 次に、では、このにせメールをつくった人は、当然のことながら何らかの目的、意図があることは明らかなんですけれども、その目的、意図は何だと思いますか。

 それは、考えられるのはいろいろありますよね。例えば、これを何らかの形で売り込んでお金を得よう、金銭目的ということも考えられるし、あるいは、このにせメールを何らかの形で国会で質問させて、武部さんあるいは自民党に大きなダメージを与えてやろう、こういった目的も考えられる。これは政治的な陰謀ですね。あるいは逆に、永田さんをはめてやろう、民主党にダメージを与えてやろう、こういった目的も考えられるし、いろいろな目的が考えられるんですけれども、このにせメールをつくった人、それから、それをいろいろな人が運んでいるわけですけれども、そのにせメールをつくった人のそもそもの目的は何だと永田さんは考えられますか。

永田議員 メールの作成者もだれであるのか私はわかりませんので、その作成者の意図というものもわからないわけであります。しかし、西澤氏がこのメールを作成したか、あるいは別人が作成したのか否かにかかわらず、西澤氏が私にこのメールを持ち込んだことは一〇〇%間違いのない真実であります。

 そこで、この西澤氏がメールを持ち込んだ意図ということを私なりの解釈で申し上げたいと思っておりますが、これは、最初に持ち込まれたとき、あるいはその以前も、西澤氏は私とのつき合いの中で、永田は大変気に入った、そしてできるだけ国会で功績を上げてほしいと言われました。このメール以外にも幾つか、IT関連、ライブドア関連のいわゆる疑惑について、かなり具体的かつ詳細な情報が提供されましたが、それについて国会で質問をしてほしいと言われたこともありました。それは、お断りを申し上げました。

 このメールが持ち込まれたときにも、国会で追及をしてほしいという話がありました。かつて、この西澤さんは大手の出版社に勤める記者であったとみずから名乗っていましたが、記者時代に調べたこと、それが今は誌面にして世に出すことができない、大変悔しい、だから永田さんに国会の追及の材料として使ってほしい、それは西澤氏本人の自己実現にもなるのだ、このような趣旨も説明されました。

 すなわち、要約すれば、西澤氏の自己実現、それから永田に国会で追及の材料として使ってもらって永田の功績にしてほしい、この二点が主たる動機であったと私は理解をいたしております。

平沢委員 そうしますと、西澤孝さん、その先に、この前のお話では元ライブドアの社員、これがいわば会社のパソコンのハードディスクのコピーをこういう話だったですけれども、西澤孝さんからその先がいるかどうかは別にして、永田さんは西澤孝さんとは、二月十六日の質問前、その後も頻繁に連絡をとっている、そういうことでよろしいんですか。

永田議員 質問をする前は確かに頻繁に、一日に何度も電話で話したり、あるいは対面で情報交換、意見交換をすることがありました。質問をした後しばらくたって、もちろん、このメールの信憑性などについてもう少し詳しい情報がもらえないかということで頻繁に連絡をとりました。しかし、あるとき民主党から、もうこれ以上連絡をとるのはやめなさいという指示がありまして、しばらくの間連絡が途絶えた時期がありました。

 そして、最近になってまた別の用事がございまして、これは小さな用事なんですが、そのことで民主党から連絡をとりなさいと言われたことがありまして、その後数度にわたって連絡をとりましたが、総じて最近の連絡状況は、頻繁にという話ではないと思います。ぽつぽつと連絡をしたことがあるぐらいの話です。

平沢委員 民主党の指示というのは、具体的には民主党のどなたからでしょうか。

永田議員 どなたというのは、しかるべきポストの人でありますが、要は、民主党の調査に協力をしてくれないかという依頼を本人に伝えてほしいという話でございました。

平沢委員 二月十六日以降も西澤さんとは頻繁に連絡をとっていると。ですから、永田さんは、西澤孝さん以外の方とは連絡はとっていないと思うんですけれども、そういうことでよろしいですね。

 それで、西澤孝さんとの連絡は、携帯で連絡をとっているんですか、住所を訪ねているんですか、それともどこかで会っているんですか。どういう形で連絡をとっているんですか。

永田議員 質問の前は、先ほど申したように、携帯電話そして対面で情報交換をすることが多かったと思います。質問をした後、一度か二度か、そのぐらい対面でお目にかかってお話をしたことはありますが、基本的には、携帯電話で連絡をとり合う関係でございました。

平沢委員 そうしますと、今でも西澤さんとは連絡はとれる、それから西澤さんの住所等はわかっている、そういうふうに理解してよろしいでしょうか。

永田議員 携帯電話でございますので、先方がその連絡手段を絶ってしまえば、私からは連絡をとるすべがなくなってしまうものであります。また、西澤氏がどこに居住しているのか、私は存じません。

 ただ、デュモンという会社の社長、役員をやっておられたということで、質問をするまでは、その会社の連絡先がわかれば、西澤氏の住所なども登記を見れば当然わかってまいりますし、そういうことで、いざとなれば連絡をとることは可能であると理解しておりましたが、現状においても、住所に訪ねていってお目にかかったことは一度もございません。

平沢委員 この西澤孝さんなんですけれども、きょう西澤孝さんのお名前を明らかにされたというのは評価したいと思いますけれども、なぜ今までこの西澤孝さんのお名前を言われなかったのか。

 永田さんは今まで、二回の謝罪会見、それからこの前の弁明、ここでも言われなかったんですよね。そして、その中で言われたのは、この方は情報源である、情報源の秘匿は党の生命であるというようなことも言われました。

 私自身は、これは情報源でも全くないと思いますし、その方に生命の危険が及ぶとも考えられないし、万々が一、百歩譲ってそんなことがあれば警察が守ればいいだけのことであって、なぜ守るのか、私にとっては極めて不思議だなという感じがしたわけです。

 きょう明らかにしたのは評価したいと思いますけれども、今までそこまで、これだけ永田さんがだまされたわけですよ、国政がこれだけ大きな混乱に陥ったんですよ、そのもとをつくったのは西澤孝さんじゃないですか。にもかかわらず、なぜ今日までその西澤孝さんを守り続けたのか。それはなぜなんですか。

永田議員 何も隠すことなどないではないかと言われれば、そのとおりなのかもしれません。私も頭がかたいのかもしれませんが、本当に、情報源の秘匿というものの重要性をある意味では過大に評価していたのかもしれません。

 私は、各種の雑誌やメディアなどとおつき合いをする中で、やはりメディアの報道の自由というものは情報源の秘匿によって成り立っているという、そういう印象を強く持っておりました。最近も東京地裁の判決など、さまざま判決が出ているところであります。

 そして、もちろん、ちまたでは、永田は西澤さんと金銭のやりとりがあるのではないかなどという、それが隠す理由ではないかというふうに言われておりましたが、疑われるような金銭のやりとりはない、情報提供の見返りあるいは成功報酬としての約束、そんなものも一切ないということを申し上げたいと思います。

平沢委員 今、西澤孝さんのお名前が出たんですけれども、実は、西澤孝さんが代理人の弁護士を通じて、私あてに「ご通知」という書類を送ってきたんです。この書類を見ますと、「通知人」、通知人ということは西澤孝さんのことですけれども、西澤孝さんは、永田議員にメールを提供したことは一切なく、「当然、同議員から金銭の支払いを受けた事実もありません。」こういう連絡が私のところに来ているんです。これね。これは、当然のことながら、同じような趣旨のことはマスコミにも行っていると思うんです。

 ということは、今、永田さんは西澤さんの名前を明らかにされましたけれども、だとすると、西澤さん御自身がうそを言っているということでよろしいですね。

永田議員 金銭のやりとりがないという部分については事実であります。しかし、本件問題のメールが私にもたらされた、そのいわゆる情報仲介者が西澤さんではないという主張は、うそだと思います。これは、一〇〇%うそであります。私の政治生命をかけて申し上げます。これはうそです。

平沢委員 金銭の問題についてはまた別途御質問させていただきたいと思うんですけれども、西澤さんが取材に来られたのは、デュモンというこの雑誌ですね。(永田議員「はい、そうです」と呼ぶ)ここに表紙を飾っているわけですね。

 この前の弁明では、十月の十八日に取材に来られた、そしてその二日後の二十日に写真を撮りに来られたと。普通、取材というのは、取材に来てすぐ同時に写真を撮る、これが普通のパターンなんですよ。ですから、そもそもそこからしておかしいんじゃないかなという感じがします。そして、その後に永田さんのことが二ページにわたって大きく書かれているわけです。

 ですから、初めから西澤さんは何らかのねらい、目的を持って永田さんに近づいたとしか思えないんですけれども、それについてはどうお考えですか。

永田議員 十月十八日に取材をしたいという申し出は、その数日、まあ一週間ぐらい前かもしれませんが、何日か前に、私の事務所に対して、書面で依頼がありました。

 そして、そのときに、十月十八日の日に、西澤さん御本人からインタビューを受けました。同席をしていた、やはりデュモンの会社の社員も一人いらっしゃいましたし、それからカメラマンの方もいらっしゃいました。

 実は、平沢議員がおっしゃられるように、そのインタビューの最中にもカメラマンの方はシャッターを切っておりました。まさに、普通の取材はインタビューと同時に写真を撮るものだというのは事実であります。しかし、インタビューが終わった後に雑談をしている中で、永田さん、スタジオに入っていただけますかと言われました。これは写真撮影のためのスタジオ入りであります。

 私も、断る理由はないと思いましたし、また、インタビューの最中にシャッターを切っているのとスタジオで写真を撮るのでは、写真の質に違いがあるということも私は知っておりましたので、その場で、いいですよと応じて、直ちにカメラマンと私のスケジュール調整が行われ、その翌々日、十月二十日の日にカメラマンのスタジオに入りました。

 以上です。

平沢委員 この西澤さんが永田さんに近づいたというか、このメールを持ち込んだ動機なんですけれども、この前の弁明の中では、永田さんに功績を持たせたいというか、男にしたいというようなことを言われたということなんですけれども、これはとても信じられないわけでございまして、先ほどから強く、永田さんは金銭のやりとりについて否定されておられますけれども、この前の弁明の中で永田さんは、仲介者から金銭の要求もなく、この情報の対価としての金銭のやりとりは一切ない、こういう言い方をされておられるんです。

 ということは、今回の情報の対価としての金銭のやりとりはない、それ以外はあるということですか。それとも、それ以外も一切ないんですか。どちらですか。

永田議員 昨年、いわゆるデュモンの二号、私が取り上げられた雑誌が完成をして、やはりこの会社の社員の方が完成した本を国会の事務所に届けてくれました。そのことを私の後援会の方々にお話をしたところ、後援会員の中にはこの本を購入したいという希望があるだろうと。ですから、後援会として一たんこの本を購入して、そしてきちんと対価を取って後援会員の方々に販売をするのがよいのではないかという判断がなされまして、その後援会の資金で四百冊、本の定価は一千五百円でございますが、一千円の単価で四百冊、つまり四十万円プラス消費税で、四十二万円の支払いをしたのは事実でございます。

 それは、昨年の十一月から十二月にかけてのことだと思います。実際に本も納品されております。

 もちろん、この四十二万円のやりとりは本の対価ということだと私は整理をしておりまして、情報の見返りという性質ではないと平沢議員にも御納得いただけるかと思います。

 年が明けまして、一月の三十日か三十一日ごろ、ちょっと日付は不確かでございますが、西澤氏と個人的な会食をすることになりました。中目黒にある焼き肉料理店に行って、西澤さんと私と、それから西澤氏が親しい女性だと思いますが、女性と三人でお食事をし、その後もう一人合流をいたしましたが、その焼き肉を食べたというのも、西澤氏との関係の中では記憶されているところです。

 そして、このときの支払いでございますが、まず、国会で合流をしてからお店に行くまでのタクシー代、これは私は払っておりません。西澤さん御本人がタクシー代をお支払いになりました。それから、その会食が終わった後、終わったというか、十二時近くなって、私はもう帰りますと言ったときに、私はこの焼き肉の代金を払っておりませんので、恐らくは西澤さん御本人がお支払いになったものと推察はいたしておりますが、帰りのタクシー代は私がみずから払いました。

 金銭に換算できるようなやりとりは以上でございますので、ちまたに言われているような百万円のやりとりとか、そのようなものは一切ないと申し上げたいと思います。

平沢委員 永田さんの事務所にこのデュモンという雑誌がうずたかく積まれていたという証言は数多くの人からいただいているわけですけれども、それは別にしまして、私自身も、何らかのやりとりはあったんじゃないかということを申し上げさせていただきました。そして、ある情報誌には、ガセを金で買った民主党と。その中にはっきり、国対費から百万円支払っていたのだと、これは断定しているんですよね、ある情報誌ですけれども。

 ですから、今の永田さんのお話を聞くと、これは事実は全くないということですよね。そうだとすれば、こういう形で断定したところも含めて、法的措置をとられたらどうですか。

永田議員 もちろん、そういう誌面になっている部分についても問題があると思います。その情報誌を私は見ておりませんが、しかし、大手の夕刊紙も似たような報道をしたやに聞いております。平沢議員みずからも、テレビなどで、一般論と断りながらも、やりとりはあったはずだと繰り返し断言をなさっていました。率直に申し上げて、この一連の言われようは私にとってはまことに不本意で、こんなにひどい言い方はないと思います。

 民主党の国会対策委員会の費用で西澤さんにお金を払ったという報道でございますが、恐らく、私の知る限り、現在においても、西澤氏ときちんと接触ができる民主党の議員は私だけだと思います。デュモンに取り上げられたほかの議員たちも、ひょっとしたらある程度の接触はできるかもしれませんが、少なくとも、本件メールに関しまして接触をしたのは私だけでありまして、それゆえ、国対費からお金が出ていれば、私が関知しないはずはございません。私は全く関知しておらないので、国対費からも出ていないし、私からも出ていないということでございます。

平沢委員 それじゃお聞きしますけれども、永田さんは民主党の関係者にもいろいろ話を聞かれたと思いますけれども、民主党の関係者に金銭のやりとりをにおわせたことはないですか。

永田議員 全くございません。やりとりが実現しないというか、そういうことはあり得ない話でございますので、民主党の議員ににおわせたことはないと。

 さらに、済みません、法的措置のお話が先ほどありましたので。

 さまざま法的な措置をとったらいいのではないかというアドバイスは私のところにも寄せられておりますが、現段階においては、法的措置をとるかとらないかの判断もいたしておりません。もうしばらく検討してから、そのことを判断したいと思っております。

平沢委員 結局、永田さんがいつまでも事実関係を明らかにしないからいろいろな憶測が生まれてくるわけで、事実関係を明らかにして、いずれにしろ、これは永田さんだけじゃなくて、当然のことながら西澤さんにも聞いてみないとわからない話かなという感じがしないでもありません。

 そこで、今回の一連の流れを見てみますと、永田さんはその西澤さんという方に全幅の信頼を置いていた、そういうことのようなんですよね。ですから、これについて余り裏づけをしなかったんじゃないかという感じがするんです。

 ここにメール、民主党公表のこれがあるんですけれども、この前、永田さんは、「問題があるようだったら」、それからここのアットマーク、こんなところは私は消す必要ないと思うけれども、これは、消さないと情報源の特定につながるというようなことを信じたと。

 それから、この部分は別に、ちょうどここに書いてあるいわば受信の日時と同じですから、削る必要は全くないところなので、そんなところも含めて、こんなことを削ると西澤さんが言ったなら、おかしいじゃないかと、永田さんもそういう道の専門家ですから、言うのが普通じゃないですか。これがなぜ情報源の特定につながると言われたのか。

 こちらに別途、永田さんが見られた、私が独自に入手したメールがありますけれども、これを見られているわけでしょう。ですから、こんなところは削る必要、全然ないわけですよ、この上のところ。それで、「問題があるようだったら」とかアットマークとか、これなんかも別に特定につながるとは全然思えないんですけれども、これはなぜなんですか。

永田議員 それは今の段階でも、私、率直に申し上げまして、よくわからないところであります。

 確かに、「問題があるようだったら」という言葉は本当に普通の日本語でありまして、消す必要性は全く感じられません。しかし、この西澤氏は、ここを黒く塗ると主張したときに、ここは堀江前社長がよく使う符号のようなもので、ここを明らかにすると受信人が数名に特定される可能性が高いという説明を受けましたので、受信人に、あるいは情報源の方に迷惑がかかってはいけない、あるいは、仮に情報源の方にこれを国会で取り上げることを拒否されたら私としても残念だと思いましたので、言われるままに黒塗りの部分を追加した次第でございます。

平沢委員 ちょっと今のは不自然なんですけれども、時間の関係で次に進ませていただきます。

 永田さんは、二月十六日の質問のときに、聞きますけれども、西澤さんが持ち込まれたメールだけで質問されたのか、それなりに必要な裏づけ調査をやられて質問したのか、どちらですか。

永田議員 裏づけという点においては全く不十分だったということは、私も既に認めているとおりでございます。

 ただ、西澤氏と話をする中でさまざまな周辺情報が出てきました。それは、情報源の方と西澤さんの人間関係とか、あるいはメールがもたらされた経緯でありますとか、このメールの取り扱いをする上で必要な注意点であるとか、そういったことがもたらされ、それが非常に具体的で、しかも現実的なお話でありましたので、一つは、このメールが一定程度信憑性のあるものだと思いました。

 そして、当然、銀行口座のやりとり、銀行口座に関する情報というものも必要だと思いましたので、十六日の質問の前には必ずこの情報を手に入れて私に一部なりとも教えていただきたいという話をして、質問に臨んだ次第でございます。

平沢委員 二月十六日の質問の際に永田さんは、武部さんの次男に三千万円を振り込め、そういう指示がなされている、さまざまな調査をしましたが、この事実関係は間違いない、さまざまな証言が裏づけています、こういうふうに言われているんです。

 そこでお聞きしますけれども、さまざまな調査をしましたがと、このさまざまな調査というのは何なんでしょう。それから、さまざまな証言がこれを裏づけています、こう言われていますけれども、これは何なんですか。

永田議員 今となっては、やや誇張し過ぎた言葉だったかもしれません。この西澤氏の持ち込んだ、西澤氏本人の証言、そして西澤氏がもたらしてくれたほかの人の証言ということで、このさまざまというのはちょっと誇張し過ぎたと思いますが、調査の一環として私は認識をいたしました。

 その上で、この指示が出た、その指示を堀江氏が撤回した形跡も見られないし、指示をされた社員がこの指示に従わなかったという形跡も見られないということは、合理的に考えれば送金は実行されたのではないかと推察されるというふうに質問をいたしましたし、その後の会見などでも同じことを申し上げたつもりでございます。

平沢委員 要するに、さまざまな調査とか、あるいはさまざまな証言が裏づけていますというけれども、具体的なことは何もやっておられないんじゃないですか。要するに、ただ西澤さんを信頼したから、西澤さんの言われるとおりにそのまま質問してしまったということではないかなと思います。

 では次の、金融関係情報について御質問させていただきたいと思いますけれども、同じ二月十六日に、永田さんは、出元の口座、それから行った先の口座、これは武部さんの次男の方の口座ですね。私は情報を得ています、振り込みの期日の情報も得ています、こういうような話をされているんですね。

 ちなみに、武部さんの次男の方、法人の口座、個人の口座、全部洗ったんですよ。そんな入金の記録というのは一切ないんです。調べればすぐわかることなんです、こんなことは。一切ないんです。

 それから、この前の弁明の中で、振り込み口座は大手都銀の六本木支店、振り込み先口座は大手都銀の銀座支店ということを永田さんは言われましたけれども、これはちょっと私の入手している情報とは違うんですけれども、大手都銀の銀座支店、これには武部さんの次男の方は、法人、個人を含めて、一切口座は持っていないんですよ。にもかかわらず、こういうことを言われたということは、永田さんはそういう口座があるのかどうかを調べられたんですか、どうですか。

永田議員 銀行口座について、やや込み入ったお話でございますが、正確を期すために、少し説明をしたいと思います。

 最初、質問をした時点で私にもたらされていた情報は、振り込み元の口座、ライブドア側の口座は、名前を出しましょうか、みずほ銀行の六本木支店ということでございました。そして、受け手の口座は、東京三菱銀行の銀座支店ということでございました。

 しかし、その後に、質問をした後、詳しく口座情報を聞くに当たり、この振り込み元の口座については、連絡ミスと申しますか、私のところに西澤氏がその話をしてくる上でミスがございまして、訂正がなされました。三井住友銀行の渋谷駅前支店ということで、訂正がなされました。

 懲罰動議は二月の十七日に出されておりますし、その経過、弁明を説明する上では、おとといの話ですね、当時の私が持っていた情報を申し上げるのが正しい道だと思いましたので、大手都銀の六本木支店という言い方をいたしました。

 そして、武部氏の次男、武部幹事長の御次男の方が東京三菱銀行の銀座支店に口座を持っておられないということは、まさしく、この疑惑そのものが根拠がございませんので、西澤氏の話についても信憑性はございませんので、当然あり得ることかなというふうに現在は思います。

 このようなことで、いわれのない疑惑を持たれてしまった武部幹事長の御次男、武部幹事長、そして自民党に対しても、改めまして謝罪を申し上げたい次第でございます。本当に申しわけありませんでした。

平沢委員 もう時間がありませんから、簡単に聞きますけれども、今回の一連の中で、永田さんは西澤孝さんに完全にだまされたわけですね。永田さん自身は、ある意味ではこんな大騒動を起こして、政治的にもいわば大変な危機に瀕しているわけですけれども、被害者と思っておられますか、加害者と思っておられますか、どう思われますか。

永田議員 西澤さんにだまされたのではないかという質問は、メディアの方からもたくさん受けました。そして、そのたびに、私はすべての責任を、みずからの責任において質問をしたのですから、西澤さんに対して特別な感情は持っていないと申し上げました。

 しかし、率直に申し上げて、私は今、だまされたと思っております。だまされたわけですから、そこは被害者ですが、しかし、同時に加害者でもあることは間違いありません。そこは、私は弁解をすることもありませんし、西澤氏に責任を転嫁するつもりもありません。加害者である側面は一切否定いたしません。これは私の責任でございます。

平沢委員 この前の弁明、そしてきょうの、これは後も質問は続きますけれども、これで、事実関係はまだ明らかにならないところがいっぱいあるように思いますけれども、永田さん御自身はけじめがついたと思われるかどうか。

 けじめをつけるということは、国民の皆さんから、早くこの問題を終えて、早く本来の国会のあり方に戻ってほしいということなんです。ところが、事実関係はまだ明らかになっていない。一番肝心な、だれがメールをつくったのか、何の目的でつくったのか、これは全然明らかになっていないでしょう。ですから、まだまだこの問題はその辺のけじめをつけなければならないと思いますけれども、永田さんにとってこの問題のけじめというのは何なんでしょうか。これをちょっと教えてください。

永田議員 私は、今回、このような本当に大きな迷惑をさまざまな方にかけました。ですから、そのことに対して責任が発生するのは当然でございます。過日、民主党からも処分を受けました。そして、本日懲罰委員会でも御審議をいただき、いつの日かその結論が出るものと思っております。

 しかし、国民的な視点から見れば、やはり事実関係の調査究明というものは当然待たれるものと思います。私自身、なぜこのようなメールが作成され、西澤氏がなぜ私に持ち込み、そしてなぜこのような騒動になったのか、本当にわからないこともたくさんありますので、できる限り私も調査をしたいと思いますし、各方面の方々の御協力もその点ではいただきたいと思っておりますが、私にとってのけじめというものは、これからさらに身を正し、心を入れかえ、そして政治家として国民の信頼が政治に戻ってくるように日々努力をし、それが実現した日にけじめはつくものだと思っております。

平沢委員 時間が来ましたので終わりますけれども、きょうの朝の時点でも、永田さんのホームページを見れば、その中に、クリックしますと「武部幹事長の問題は、党を挙げて追及」、こういったようなものが出てくるんです。ですから、もし本当に永田さんが謝罪しておられるのであれば、これは早く削除すべきじゃないですか。

 ですから、こういったことも含めて、この問題はまだ全然けじめがついていないんです。ですから、これは民主党も今一生懸命やっておられると思います。しかし、国会でやるのがいいのか、あるいは事実関係を全部明らかにするためには司法当局に任せた方がいいのか、その辺について、最後に永田さんのお考えをお聞かせいただけますか。

永田議員 ホームページの問題は、手が回っておりませんで大変申しわけございません。私自身、これから本件疑惑を追及するつもりは一切ございません。直ちに削除の指示を出したいと思います。

 そして、司法の手にゆだねるべきではないかというお話でございましたが、先ほど申しましたとおり、法的措置をとるか否かも含めて、今後、落ちついたところで検討をし判断をしたいと思っておりますので、今のところは判断はしていないということを申し上げたいと思います。

 本当に申しわけございません。

平沢委員 では、時間が来たので終わります。ありがとうございました。

岩國委員長 以上で平沢勝栄君の質問は終了しました。

 次に、葉梨康弘君。

葉梨委員 自民党の葉梨康弘でございます。永田さん、よろしくお願いを申し上げます。

 非常に残念でございます。私自身も、役所の経験を持ち、官僚の限界を感じて政治の世界に飛び込みました。そして、民主主義を信奉する者として、党派は違うけれども非常に尊敬もしておりました。部屋も、私の隣が民主党の馬淵議員、そして一つ置いて隣が永田議員で、大変近うございますので、こんな際物の件で質問をしなければいけないということを残念に思っております。

 そこで、質問に入ります前に一つ永田議員の見解をお願いしたいのですけれども、二月十六日の質問の後、二月十七日にこの懲罰動議が出されました。しかしながら、通常、懲罰動議といいますのは、その後取り下げられるというような件も多いんですが、いろいろな形の対応、民主党さんの対応あるいは永田さんの対応、強気の対応もございまして、結果的に、三月の本会議上程、そしてきょうということになったわけですけれども、永田さんの弁明も、大体二月十六日の経緯ということでお話を主にされていたというふうに思いますが、その後の件についてもしっかりと真摯に答えていただけるということをお約束願えますでしょうか。

永田議員 もちろん、本日はこの懲罰の審査に必要な説明をいたすことを目的としてこの場におりますので、包み隠さず私の知り得ることをお話ししたいと思います。

 しかし、一つだけ申し上げたいのは、質問をした直後から、私はマスコミの注目を浴びることになり、率直に申し上げて外を出歩くことができませんでした。かなり長い間ホテルに滞在をし、そしてその後は入院をするということにもなりました。そんな中で、民主党からもたらされる情報、民主党の内情などについて、私は非常に限定された情報しか持っておりません。ですから、お答えが不十分になることもあるかもしれませんが、可能な限り真摯にお答えしたいと思っております。

葉梨委員 知っている範囲で結構でございますが、先ほどの平沢議員との質疑の中で、それでも、途中でまたさらに聞きたいなというのがとまっているところがあります。

 質問後になりますけれども、民主党からあるとき、西澤さんと接触しなくていいんだ、しかるべき人から言われたと。あるときというのはいつごろで、そのしかるべき人というのはどなたなんでしょう。

永田議員 大変な重圧の中で過ごしていた時期でございますので、時期は定かではございませんが、二月十六日に質問をして、一週間ぐらい、いや、そんなことはないですね、週が明けたころ、二十、二十一ぐらいの時期だったかもしれません。民主党の国会対策委員会の委員長である野田先生から、別の関係者を通じて指示がありました。

 その内容は、西澤氏とこれ以上接触をするなということでございまして、その理由は、西澤氏の情報、西澤氏の言うことが非常に、何と申しましょうか、党の調査を振り回すといいましょうか、つじつまの合わないことがたくさん出てきて党の調査などが混乱をするので、もうこれ以上意味のある情報はとれないと判断をした、ですからもう接触をする必要はないということでございました。

葉梨委員 その西澤氏との関係で、先ほど平沢議員との質疑で、住所は知らないというふうにお答えになりましたけれども、贈答品、金銭ではなくて、例えばお歳暮とかお中元、そういったようなやりとりはございますか。

永田議員 事務所の記録を確認してみないと確たることは申し上げられませんが、ないと思います。

 加えて、ないと言えば、デュモンの雑誌に掲載をされれば、場合によってはいわゆる掲載料というか、多少の謝礼があることも世の中では普通に行われていますが、現在に至るまでその謝礼が払われたという記録もございませんので、金銭のやりとりは本当に、先ほど申したとおり、それ以外はないということでございます。

葉梨委員 さらに続けます。

 その西澤さんについて、民主党の中で責任持って接触できるのは私だけであるというような御答弁がございました。しかしながら、先般のこの委員会の弁明では、西澤さんと知り合った経緯は民主党の同僚議員の秘書を介してであるというような形での弁明を行われたので、ちょっとそこのところ、私は腑に落ちません。ほかの方の方が西澤さんと親しいというようなことはないのでございましょうか。

永田議員 もちろん、可能性としてはあると思います。しかし、本件メールにつきましては、西澤さんが私に対して永田の功績にしてほしいということで持ち込んだものでございまして、ほかにもライブドアの関係の調査をしていた議員はおりますが、西澤氏ともちろん面識のある人もほかにいらっしゃると思いますが、少なくとも、本件メールに関してきちんとお話ができるのは私だけだと思っております。

 それは、ほかにいて私が知らないだけかもしれませんが、とにかく、党から西澤氏に対して接触をしたいという依頼があるときにはたびたび私に依頼がありましたので、私以外のチャンネルは事実上生きていないものというふうに私は認識をいたしております。

葉梨委員 ちょっとそこのところは、メールの問題ではとにかく永田さんということで、ほかの件については、ちょっとそこのところはまだ確証までということではないということだと思います。

 それでは、本件本題に入らせていただきたいと思いますが、事実関係の確認でございます。

 これはもう簡単に、そうですと答えていただければいいんですが、二月の十六日の質問以前、これは野田さん、当時の国対委員長も、経緯を説明した講演の中で、極秘裏に永田さんが調査をするというようなことを言われて、新聞報道もされていますけれども、この関係の調査は民主党の中では永田さんだけが行われたということでよろしいんでしょうか。

永田議員 本当に知らないこともありますので、私の認識というふうに申し上げますが、私だけだというふうに思っております。ほかにももちろんこのことについて質問で触れた方々もいらっしゃいますが、基本的な情報は、私が一回目の質問をするまでは少なくとも私だけが扱っていたものと思っております。

葉梨委員 それで、予算委員会の質問です、ですから、これは党を代表しての質問ということになろうかと思います。

 質問を行う前に、先般の弁明では、メールを、写しですけれども、野田国対委員長、さらには前原代表、そして弁護士経験の議員の方々、そこに見せた、ただ、コピーは渡していないというような弁明だったと思いますけれども、それ以外の情報、つまりどういうような調査をしているんだというような内容を、質問以前に、野田国対委員長あるいは前原代表に対してどのような報告をされていたんでしょう。

永田議員 野田委員長に対しては、専ら、西澤氏から聞かされた情報を、しかし詳しく丁寧に御説明申し上げたところでございます。そして、私がこのメールを真正のもの、真実のものと理解をする根拠などについても私なりに御説明をいたしました。

 前原代表には、あるテレビ番組の収録の際にたまたま一緒になりましたので、このメールを見せて、今度予算委員会で取り上げる見込みがありますということを申し上げましたが、野田委員長に御説明をしたほど詳しい説明はいたしておりません。

 その後におきましても、基本的には、野田委員長あるいはその関係のいわゆる調査チームに属する方々にはお話をいたしておりますが、前原代表以下の方々が持っていた情報というのは、私から国対関係者に説明をしたものが行ったのだと思います。

葉梨委員 そして、野田委員長に対して説明をされた内容というのは、本日の質疑でおっしゃられた内容、そして前回弁明でされた内容と同一ということでよろしいんでしょうか、信じた経緯ということで。

永田議員 さまざまな説明がありましたので、先日の弁明あるいは本日の説明だけではもちろん言い足りないこともあると思います。西澤氏とのつき合い、あるいは西澤氏の身の上と申しましょうか、彼の生い立ちなどについても、彼に聞かされているとおりのことを申し上げました。そして、当然、デュモンという雑誌の取材の関係で知り合った方だということも多分申し上げたと思います。

 それから、メールを見て、外見的にこのメールはメーラーソフトから直接プリントアウトされたものと見て特に矛盾はないということ、あるいは、なぜ黒塗りの部分が存在するのかということ、そして、いわゆる私を陥れる動機が西澤氏の言動の中に一切見られないということ、つまり、それはメールが真正のものであるから持ち込まれたんだという印象を私が持った経緯のことでありますが、これももちろん説明をいたしました。

 それから、私を陥れるためにつくられたメールであれば、これは、そのためにするには必要のない情報も含まれている、必要のない情報があるということは、その部分の真贋を問われたときにこのメールの信憑性が落ちるということになりますから、極力必要のない情報は削った方が陥れる上では有利だと思いますが、そのような作為も見られないなどのお話をしたというふうに思っておりますが、ほかにも言い漏れたことがあるかもしれませんし、今申し上げたことで、ひょっとしたら現場で言っていなかったこともあるかもしれません。大体、このようなお話でございます。

葉梨委員 それにしては、私、ちょっと腑に落ちない点があります。

 例えば、せんだっての弁明の中で、西澤さんから、ハードディスクをコピーして、その二百のメールを、自分が、西澤さんがその一つを選んで、すぐれたものを永田さんに渡したというような話がございました。こちらの民主党公表のメールのコピーを見ていただいてもわかりますけれども、ここに、「前回、振り込んだ口座と同じでOK」というような記述があります。これはもう当然のことながら、黒ではなくても、前回も同様のメールがあるんだろう、なぜそのメールの提示を求めないんだといった点についても大変私は疑問に思っています。

 そういうような疑問点があるにもかかわらず、野田さんも前原さんも信じてしまったということであれば、永田さん自身の御報告の中に相当な誇張というのがあったんじゃないかというふうに思うんですけれども、それについて簡単に御見解をお願いしたいと思います。

永田議員 今思えば、それは誇張といえばそう言える部分があったのかもしれないと思っています。しかし、当時の私は、これが真正のものであると本当に信じ切っておりました。にせものであるとは、つゆほども思っておりませんでした。

 そして、「前回、振り込んだ口座と同じでOK」という本当に気になる表現、これについても西澤氏に問いただしました。その結果、彼が伝えてきたのは、もちろん、前回、つまり以前にも振り込みの事実はありますよ、ただ、その期日など、金額などについてはわからないので、それに関する周辺情報として申し上げれば、この三千万円の振り込み以降に二件の振り込みがあったと。それは、金額も日付も私に具体的に伝えられました。その趣旨も具体的に伝えられました。

 そのような具体的な情報は、本当に作り話でお話ができることとは思いませんでしたので、そのまま信じてしまったというまことに浅はかなお話で、恥ずかしい限りであります。

葉梨委員 その、前に二件、具体的な情報というのを西澤さんから得たのはいつですか。

永田議員 いいえ、前にではなくて、三千万円の振り込みの後に行われた二件ということであります。

 これは、期日については記憶は定かでございませんが、二月十六日の質問の前であることは間違いありません。

 以上です。

葉梨委員 それで二月十六日、質問されたんですけれども、私、聞いていまして、やはり相当、弁明もそうですけれども、信じ込まされた理由、理由ということで、ずっと言いわけを言われているようにしかちょっと聞こえないんです。

 二月十七日以降、永田さん自身は、情報仲介者、西澤さんと何回か接触されたということですけれども、このメールの真贋について、二月十六日以前と比べて新たな情報を得ることはできましたか。

永田議員 謝罪記者会見をするまでの間に、目立った何か目ぼしい情報があったわけではありません。むしろ、何も情報がないから、このメールは真正のものではないのではないかという心証が強く形成されたのであります。

 そして、質問をしてから謝罪記者会見までの間は、基本的には、このメールの原本を電磁的な記録のまま、つまりハードディスクやメモリーカードなどの状態で手に入れること、これがもう最優先の課題でございまして、私といたしましては、調査というよりはその方向に向けた努力を重ねておりましたが、ついにその努力は実りませんでした。よって、このメールはにせものであり、私はだまされたものと思っております。

葉梨委員 ちょっと一日戻ります。二月十六日の質問ですけれども、その質問内容について、事前に民主党内でどなたかからチェックを受けたりしたことはございますか。

永田議員 民主党の体制としては、質問の内容を細かくチェックをするということに余りなっておりませんので、特に予算委員会のような重要な質問のときには、その関係者の間で、質問項目のチェック、あるいはその順番などについてみんなで討議をするということはありますが、どちらかというと、チェックというよりは、皆さんで質問内容を議論するというような体制だと思っております。

 私の質問につきましても、基本的にはそのような体制でおりましたが、しかし、このメール問題につきましては、非常に、ある意味隠し球的な使い方をしたいという思いも私が持っておりましたので、極めて限られた関係者に対して質問の相談をし、そしてアドバイスを受けたという状態でございますので、通常の予算委員会の質問の内容を討議する、議論するという体制はとられなかったというふうに思っております。

葉梨委員 その関係者というのは、どの範囲でございましょうか。

永田議員 国対委員長、国対委員長代理、それから予算委員会の理事、あるいは弁護士の資格を持っている先輩議員の方々及び民主党の顧問弁護士などであります。

葉梨委員 先ほど、永田さん、誇張があるんじゃないかということを申し上げたんですけれども、もし、誇張がなくて、我々が聞いている範囲の話をそのまま報告をされたということであれば、そのチェック体制というか、そこら辺の問題というのはかなりあるんだろうという感じがいたします。

 私、ここで問題とするつもりはございませんけれども、二月二十二日の前原代表の国家基本政策委員会における質疑で、武部幹事長の御次男に対してお金が渡ったという、送金されたという、精査したものもありますが、確証がありますと。永田議員の質問、二月十六日のものを精査してみますと、指示についてははっきり言っているんですけれども、お金の流れについては明言を避けているんです。ところが、代表に、これは当然もう今議事録削除の要求もあると聞いておりますので問題にするつもりはございませんけれども、確証がある、精査している、そこまで言わせてしまったというのは、永田議員の責任は相当私は重いと思うんです。

 西澤さんからだまされた、だまされたというふうに言われていますけれども、実は、その限りにおいては、永田さんが、愛する民主党をだましてしまったんじゃないか、そういうような感じを私は持っているんですけれども、御見解をお願いしたいと思います。

永田議員 だます意図はありませんでした。(葉梨委員「結果的に」と呼ぶ)本当に私はこのメールは真正のものであると信じておりましたし、率直に申し上げて、問題の大きさからいって、相当な高揚感というか、やや興奮する状況に心境があったのは事実であります。そんな中で、先輩議員の方々にお話をするときに、やや強い口調でこのメールの信憑性あるいは周辺情報などについても、西澤氏に関する情報についても、今思えば考えられないぐらいの、考えられないとは申しませんが、今考えれば、やや強い口調で申し上げたのは事実だと思います。

 その結果として、このような、代表に至るまでの質問の流れができてしまったことは、私も本当に申しわけなく思っておりますし、民主党をだましたんではないかと言われれば、そういった要素は全くないとは言えないと思います。

葉梨委員 そして、二月二十三日には辞意表明というふうに報道されたわけですけれども、永田さん自身、当日、実際に辞意を表明されたんでございましょうか。

永田議員 もちろん、進退につきましては、民主党本部とお話を限られたチャンネルでさせていただいておりましたので、当然そういう話題はあるわけでございますが、公式に辞意というものを認めた、つまり、辞職届を実際に議長にお届けをするとか、あるいはマスメディアからの取材に、確かに私は辞職をするというようなお話をしたことも一切ありませんので、公式には認めていないということだと思います。

葉梨委員 最近はとまったようですけれども、最近まで民主党の大物議員の方が、私だったらやめているというような発言をマスコミで繰り返されておりました。永田さんは、この発言についてどのようにお感じになるでしょうか。

永田議員 そのような発言をおっしゃりたい気持ちも私は十二分に理解をいたしております。そういう気持ちがあるということと、発言をするということはまた別のことだとは思いますが、しかし、そのようなことをおっしゃる気持ちも私にはよくわかるわけであります。

 ただ、先ほど、平沢議員からの質問で申したとおり、私のけじめのつけ方というものは、党からの処分、そして懲罰委員会での懲罰、そしてさらに、政治の信頼を回復できるように何とか全力を尽くして、そしてその結果を出すこと、これが私なりのけじめのつけ方だと思っております。

葉梨委員 そこのところは今の質疑でも完全に明らかにすることはできませんでしたけれども、今のお話を聞いていると、まず民主党の中でも相当に永田さんのお話には誇張がある、結果としては相当だましたということにもなるんでしょう。そこの責任のとり方。あるいは、民主党のわきの甘さというのも、もしかしたらあるかもわかりません。しかしながら、そこら辺しっかり総合的に勘案をしていただきたいなというふうに思うところでございます。

 政治姿勢の話について、最後、残りの時間を利用して幾つか御質問をさせていただきたいと思います。

 実は私も、うちに毎日帰りますと、うちの家内から、あなたは自分の好きなことばかりやって、うちのことを顧みない、自分勝手な人間であるというふうに言われているので、余りこういうお話はしたくないんですけれども、議員の政治姿勢あるいは政治家の資質という観点から幾つかお話をしたい。

 つまり、前回の弁明も、真正なものであると信じ切ってしまった、そういうような弁明なわけです。しかしながら、真正なものと信じ切ってしまったから、ああいったことをしても、ああいう形で質問してもいいんだろうかという感じもいたします。

 そこで、まず一つお伺いしたいんです。

 二月の十六日までに信じ切ってしまったという経緯は、一つわかりました。しかしながら、二月十六日の晩に、自民党は一生懸命やりました。武部幹事長の御次男の口座も全部洗い出しました。そして、証言もしっかり聞きました。弁護士も介して聞きました。全くないということがわかった。そして、ライブドアの方も送金した事実はないと言っている。そして、二月十六日には東京地検もそういったメールはないと言っている。そして、堀江に接見した弁護士も、ないと言っている。

 そういうような事実を具体的に逢沢幹事長代理が二月十七日の予算委員会の質疑で摘示して、私はこれは、白の捜査というのは大変難しい捜査ですから、相当な立証になっているというふうに思うんですけれども、それを、当事者の一方的な事実無根という一言だけだ、そういうふうに決めつけられた理由をお聞かせ願いたいんです。

永田議員 別に事実無根と決めつけたわけではありませんで、例えば、堀江氏が弁護士を通じて、そのようなメールは送ったことがないというふうにおっしゃいましたが、当時の私の心境といたしましては、堀江氏は数々の犯罪行為についてすべて否定をしているということでございましたので、私の指摘したメールの事実だけを認めるというのも普通はないであろう、当然否定するものだというふうに思っておりました。

 それから、東京地検の次席検事でしたか、このメールは把握をしていないというお話をされましたが、これにつきましても、把握をしていないというのは、ないということではないのでありまして、まさに白の捜査は難しいと葉梨議員おっしゃいましたけれども、把握をしていないというだけだというふうに、私は当時は理解をいたしておりました。

 ただ、今振り返ってみれば、相当重い調査がなされ、指摘もなされていたわけでございますので、その後、私がこのメールの内容に信憑性があると信じ続けたことは、もう恥じ入るほかないと思っております。

葉梨委員 お答えの中になかったのは、自民党が公党としてしっかりと公平な目で調査をしたにもかかわらず、一切そのことを顧みていただかなかったということは、極めて残念のきわみでございます。

 それから、立証を、つまり、真実でないことを立証してくださいというような御発言が二月十七日の予算委員会でもございましたけれども、昨年、永田さんは、二月八日の予算委員会でございますが、我が党の馳議員が、永田さんのお父さんの主宰します後援会から、幾つかの政治団体を経由して、千五百万が一千万円、千葉県の永田さんの支部に振り込まれているというマネーロンダリング疑惑を追及いたしましたときに、永田さんは、それについては調べる立場にもないし、説明することもできないというような指摘で、もうそれ以降何の説明責任も果たされていないわけなんです。

 ところが、今回のメール事件については、白であるということを、ここまで二月十七日の段階で、自民党が明らかに調査をしたにもかかわらず、白であるということをさらに調査しなさいというふうに言われていますけれども、ここら辺の政治姿勢というのは相当矛盾があるとお感じになりませんでしょうか。

永田議員 ちょっと矛盾という言葉に当たるかどうかわかりませんが、少なくとも、去年の馳議員の指摘にありました、いわゆる一つの政治団体から間に複数の政治団体を通って、ずっと経由して私の総支部にお金が流れている、この事実はあるわけでございますが、それは公開されている文書によって確認はできますが、しかし、それぞれの政治団体は別々の主体性を持っておりますので、私の力でその内容について申し上げるのが非常に難しいというのもまた事実でありました。

 加えて、今マネーロンダリング疑惑というふうにおっしゃいましたが、マネーロンダリングというのは汚いお金をきれいにすることであります。しかし、私が思っておりますに、このお金の流れの出元になった部分は本当に善意の献金でありまして、あるいは善意のお金でありまして、それを洗濯する、きれいにする必要性など全くないというふうに感じております。ですから、マネーロンダリングという言われ方は、私は全く当たらないというふうに思っております。

 それから、今回のいわゆる白の証明でありますけれども、本当に自民党が手を尽くして説明をされたということ、それに対して、その後、まだまだ疑惑の余地があるのではないかというふうに言い続けたことについては、当時の私の質問あるいはその姿勢を正当化したいという気持ちがあったのは、否定はできないと思います。ですから、今思えば、本当に恥じ入る部分であったなというふうに思っております。

葉梨委員 疑惑ではないというふうにおっしゃられますけれども、私自身、当時の議事録、二月八日の議事録を見返してみて、今回は、その疑惑以前のあやふやな情報、全くガセの情報で白であることを証明しろ、証明しろということを執拗に迫ったわけでございまして、相当そこのところの考え方、つまり自分のことと人のこと、ここについては相当なギャップがあるんじゃないかということを私自身は思わざるを得ません。

 それから、二月十七日ですけれども、永田さんはネタ元について非常にかばった発言をされております。ネタ元の人がおびえている、苦しい思いをしながら身の危険を感じて今もおびえている、この風景を見たら、こんなところに引っ張り出されるのはかなわない、ネタ元の方が感じるのは当然じゃないでしょうか、ネタ元は民間人だから、そういう発言になった。私は議員だからということが次に続きます。武部幹事長の御次男も民間人なんですよね。

 その民間人の方を簡単に国会で魔女狩り的に呼び出そうということについての反省といいますか謝罪、そこら辺についての政治姿勢について御見解をお伺いしたいと思います。

永田議員 それにつきましても、多分記者会見などでも触れたことがあると思いますが、本当に、だまされたとはいえ、にせの情報をもって、反論する機会を持たない民間人の方を国会であげつらい、そして追及をした、誹謗中傷したということについて、私は、本当に質問の姿勢が間違っていたなというふうに認識をいたしております。強く反省をし、そして、今後このようなことがないように、本当に肝に銘じていきたいというふうに思っております。

 もちろん、このいわゆるネタ元、情報源の方をかばった発言をしたことにつきましても、これは本当に身の危険、物理的な命の危険まであるかもしれないという西澤さんの話を丸のみして信じてしまったということでございまして、その方に対して保護をしたいというふうに思ったわけでございますが、本当に民間人の方に御迷惑がかからないように、今後、肝に銘じていきたいと思っております。

葉梨委員 私も、民間人を軽々に国会に呼び出すということにはかなり慎重であるべきだと思いますが、ただ、本件は私は違うと思います。明らかに、西澤さんの言われることとそれから永田さんの言われることが食い違っている。そして、国民注視の問題でございます。

 本件については、やはり西澤さんをこの場で呼んでいただいて、しっかりと明らかに、正しいこと、あるいは黒白をつけていただくということを委員長にもお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。

 ありがとうございます。

岩國委員長 以上をもって葉梨康弘君の質問は終わりました。

 次に、平野博文君。

平野委員 民主党の平野博文でございます。

 永田議員と同じ党に所属する議員の立場として、本当に国民の皆さんに大変な御迷惑をおかけいたしましたことをまず心からおわびを申し上げますし、また、武部さん、また御次男さんの方につきましても、名誉を著しく傷をつけた、このことに対しましても、党を代表して心からおわびを申し上げたいと思います。

 そういう中で、きょうは、永田議員の席に座ったつもりで、私は一、二質問をさせていただきたいと思います。

 先ほど来からの永田議員の質疑に対する答弁の中で、また、今日まで永田議員の会見等々を含めて、謝罪の気持ちについては、私は十分わかったつもりであります。しかし、なぜこういう問題が、どういう原因でこういう過ちを犯したのか、この点について、永田議員、お述べになることがあれば述べていただきたいと思います。

永田議員 まず第一には、私の未熟さであると思います。調査が不十分で、そして、にせものだと見抜く力も持たずに、そして、国会で民間人の名前を挙げて誹謗中傷をし、追及をし、参考人招致まで求める、国政調査権の発動を求める。本当に、不確かな情報で質問をするにはやり過ぎたことだというふうに思っております。

 もちろん、確かな情報であったとしても、民間人の方の名前を出すことには極力慎重であるべきだという指摘も当然でございますが、そのことは、先ほどお話をしたとおり、肝に銘じていきたいと思っております。

 加えて、なぜこの質問を取り上げるに至ったかという点につきましては、やはり功を焦ったという自分の気持ちは正直に申し上げたいと思います。やはり、まだまだ修行が足りないといいますか、このようなことで自制心が働かなくなってしまうようでは、本当に未熟だなというふうに思っております。

平野委員 そういう中で、改めて、永田さんが国民の皆さんに、また地元の有権者の方々に、一番今話をしたいことは何なんでしょうか。

永田議員 もう何度も繰り返しになりますが、本当におわびのしようもないというのがまず第一であります。そして、やはり政権交代可能な二大政党制をつくらなければならないという思い、私も持っておりましたが、残念ながら、功を焦った、先走った活動によって、その国民の期待を大きくそいでしまったということも本当に申しわけなく思っております。

 そして、さらに、民主党が今国会で安全国会と名づけてさまざま提案をし、そして、いわゆる四点セットなどでの質問姿勢というものもあったわけですが、こうした勢いがそがれてしまったことは、ざんきにたえない、痛恨のきわみであります。これはもう残念だというよりは、本当に申しわけないと思っております。そういうところをおわびするのが、今本当に国民の皆様に申し上げたいことであります。

平野委員 民主党の立場でも、永田議員にこれまでの事情を聞いてきたところであります。本物のメールと思い込んできたわけであります。大事なことでありますから、改めてお聞きをいたします。先ほど来からも質疑にお答えいただいておりますが、大事なことですから、改めて確認をしたいと思います。

 西澤さんと、金銭のやりとりを含めて、国民に説明できないようなことはしていない、こういう御発言、金銭のやりとりはないということでありました。また、他の人を陥れよう、そういうような気持ちは一切なかった、こういうことも御発言の中にございました。改めてこのことがしっかりと断言できるかということを、党の立場で聞いておきたいと思います。

永田議員 もちろん、繰り返しになりますが、情報提供の見返りとしての金銭のやりとりあるいは成功報酬を約束するなど、一切の金銭関係というものはございません。そして、それ以外のお金の対価にならないようなことにつきましても、世の中から後ろ指を指されるようなつき合いは一切していなかったというふうに断言できます。

 そして、今回の質問においても、武部幹事長及びその次男、そして、この国会、自由民主党、そうしたものを私は本当に傷つけてしまいましたが、悪意があってやったわけではございませんで、反省するところはたくさんあります。本当によくないことをしたんだと思います。しかし、不器用だったとはいえ、本当に悪意があってやったことではないということは、ぜひ信じていただきたいなというふうに思っております。

平野委員 最後に永田議員が述べられた気持ち、よくわかりました。

 これで私の質問は終わります。ありがとうございます。

岩國委員長 次に、大口善徳君。

大口委員 公明党の大口でございます。

 私の方から質問させていただきます。

 まず、昨年の十二月の十八日、千葉県八千代市にある永田議員の事務所において国政報告会がありました。そこで、あなたは、耐震偽装問題に触れ、火事が起こって全焼しました、火災保険は出るのかって言ったら、出るんです、そうするとですね、住民は火をつけたくてしようがないんですよと発言。また、阪神・淡路大震災のことにも触れ、あの兵庫県で例の神戸地震が起こったときですね、被害者が少ないと激甚災指定が受けられないのです、みんな火をつけて回ったんですよ、それで本当に激甚災指定がとれたんですね、こういう発言をこの国政報告会というところでなさったか、御答弁願います。

永田議員 そのことにつきましては、スポーツ新聞にも報じられておりますので私も存じておりますが、今読み上げられた内容の発言があったのは事実でございます。しかし……

大口委員 このことについて参加者から抗議を受けられて、それで、あなたはすぐ取り消した。軽率な発言であった、こういうことですね。しかも、調査不足ですと。こういうことを、この阪神・淡路について、激甚災指定をとるために被災者の方が火をつけ回ったということを即座に取り消された。その理由が、調査不足であると。

 これは、国会議員として、国会報告会でこのようなことを、すぐに取り消すようなこと、また、本当に、ことし被災から十一年になるんですよ。そういう被災者の心、また亡くなられた方々の心を考えると、私はとんでもないことだと思うんですね。その一点からして、国会議員としてのあなたの発言がいかにいいかげんかということを証明できると思います。

 それで、神戸市長から、一月二十日、配達証明つきであなたに抗議がありました。これに対して、あなたはどういう対応をとりましたか。

永田議員 やはりちょっと一言趣旨を申し上げたいと思いますが、先ほど読み上げられたような発言が私の国政報告会の中で一部あったのは事実であります。しかし、国政報告会はもう百数十回を数える会でございまして、その中で、前後の脈絡などを考えれば、私がそのような発言をそのまま信じていたというわけではないというのは、これまた明白なことだと思っております。

 報道の一部でそのような……(大口委員「短くしてください。本体のあれがありますから」と呼ぶ)ちょっと、非常に私の名誉にも関することなので、ぜひ申し上げたいと思いますが、私は、現在において、耐震偽装のマンションで被害に遭われた方々が自分のマンションに火をつけたいとか、そんなことがあろうと思っていません。全然思っていません。

 そして、神戸の被災者の方々にも、もちろん、激甚災害なんというのはあの災害であれば当然でありますし、そして、火をつけて回ったというのも当然ない話であります。私は、そのようなことは全く信じていないし、そうではないという認識を持っている。そして、加えて、民主党は、災害被害者支援法という法律を出していまして……

岩國委員長 永田君、簡潔にお願いします。

永田議員 はい。そういう被害に遭われた方々には、ぜひ一刻も早く、心身ともに、あるいは経済的にも立ち直っていただきたいという気持ちでいっぱいでございます。

大口委員 今発言があったことは、したことは事実と認められたですね。それで、神戸の市長さんから抗議を受けられた、これに対してどういう対応をしたんですか。

永田議員 今申し上げたとおり、発言があったことは事実ですと認めました。そして、その上で、しかし、前後の脈絡などを考えていただければ、私が申し上げたかったのはそういうことではないということはお伝えをしましたし、現に、何人かのその国政報告会の参加者の方々に、私、直接お伺いをしましたが、そのような趣旨ではとっておられないと、理解は、そういう趣旨ではとられていないということが確認をされましたので、そのことも、神戸市の市長室の多分秘書課の方だと思いますが、お話をさせていただきました。

大口委員 あなたは、この西澤さん、いつごろまで信用していましたか。

永田議員 いつごろというのは、本当に、徐々に心証が形成されていきますので、はっきりこの日から、うそつきと言っちゃいけないですね、それはよくわかりませんが、徐々にということです。

大口委員 二月二十八日の謝罪の会見のときはどうでしたか。

永田議員 もう謝罪記者会見の時点では、相当程度信用できない人だなというふうな印象が形成されておりました。

大口委員 ただ、あなたは、さらに調査すると、それから、情報仲介者、西澤さんですが、これについて、やはり信用していないということじゃなくて、信頼をまだしている、こういうニュアンスだったですが、どうですか。

永田議員 多分、自由民主党から公開質問状が来た件だと思いますが、要は、党の見解としてはメールはにせものだと思っているが、永田はまだまだ調査がある、残っていると言っているという部分だと思いますが、あの謝罪記者会見の中で私が触れたのは、このメールがなぜ私にもたらされたのか、西澤氏がなぜ私にこれで質問をさせようとしたのか、そういった部分につきまして、私個人として知りたいと思っていることがあるので、それを調べていく上で、このメールの内容のどこに真実があるのか、うそがあるのかということは、必然的にわかるであろうという意味で申し上げました。

 しかし、その後、それはつまり、その時点においても西澤氏の言うことには信憑性がないというふうに感じておりましたが、私としてはまだまだ知りたい、そのメールがもたらされた経緯を知りたいなと思った、そういうことを述べたわけであります。

大口委員 二月二十八日、記者会見で謝罪をするときに、明確にやはりここは謝ってほしかったです。それから、メールもにせものだった、事実無根だったとはっきり言うべきだったんです。それを言わなかったというところに、あなたの政治姿勢があると思うんです。

 それで、あなたは野田国対委員長に対して、この西澤氏についてどういう説明をしたか。野田国対委員長はこれについて、三月十九日の千葉県の講演でこういうふうに言っているんですね。

 情報提供者について永田議員は、今は出版社の経営をする元記者、長いおつき合いをした同志中の同志、自分の三十数年の人生経験、人物観に照らして、この人がうそをつくようであれば、自分の全人格を否定するような話だ、全幅の信頼を置いている、このようにあなたは野田国対委員長に説明しましたか。

永田議員 表現が全くそのとおりであったかどうか、私も詳しい記憶はございませんが、それに近いことは申したと思います。そして、現実に、私が信頼をしていた人物がにせのメールを持ち込んでいたということが判明した現在、私自身、本当に全人格を否定されたような気持ちになっておりますし、また、その分、深い反省をしておるところでございます。

大口委員 あなたは十月の十八日にこの人と初めて会ったと。それからまだ数カ月もたっていないのに、このように全幅の信頼を置いているということを野田国対委員長に話すこと自体おかしいんじゃないですか。

永田議員 信頼というのは主観の問題でございまして、期間が長くても信頼できない人もいれば、短くても信頼する人はいるのだと思います。

 彼との接触は、頻繁にと言っていいぐらいの接触がございました。そして、その中身についても、極めて濃厚な部分もございました。そんな中で、私は全幅の信頼を置いているとみずから感じ、その思いを率直にお伝えしたのが実態であります。

大口委員 あなたは、やはりこのメールの真贋性についてもっと検証すべきだったんです。

 ヘッダーというのがありますよね。郵便物の場合は、消印があって、そして直筆という場合もあって証拠能力があるわけです。ところが、メールのプリントアウトしたものというのは、これは証拠能力がないんですね。幾らでも偽造できるわけです。

 そういう点からいえば、いわゆる郵便物の消印に当たるヘッダー、これをしっかり確認して、そして使われているメールソフト、プロバイダー、それからサーバー、送信した地域や接続方法、こういうものを確認すべきだったんですね。これをしていない。ライブドアのサーバーに入っているというところも確認していない。これは、ITのことに詳しいあなたにとって、イロハのイも踏んでいないんじゃないですか。

永田議員 本当に、メールの真贋について調査が不十分だったと言われれば、全くおっしゃるとおりでございます。

 ただ、そのほかの周辺情報あるいは口座情報の、率直に申し上げて、確からしさ、らしいということですね、こうしたこともあって、真正のものと信じてしまったという経緯でございます。

 本当にこれは恥じ入るしかないと思っております。

大口委員 予算委員会という場で、しかも公党の幹事長や民間人の方を批判する、こういう場合はやはり物証がなきゃだめなんですよ、物的証拠が。

 あなたは、結局はこの西澤さんの話、これしかないわけですね。こんないいかげんなことで質問をするというのは、私は、これは免責特権の濫用だと思いますし、それから、これはテレビだとか記者会見でもやっていますから、名誉毀損に当たると思うんです。

 あなたは謝罪文を出したということで糊塗しようとしていますね。それはそうとしまして、もう一つ、この西澤さんとの唯一の窓口はあなただ、メール問題については。ところが、きょうも新聞に載っておりますけれども、野田国対委員長は、馬淵議員がホームページをつくっておりまして、今月の八日付で、「不易塾」日記、この中に、野田氏とのやりとりの中で、「イヤー、いろいろあったけど、墓場まで持ってくしかねぇなー。」こういうことを言っているわけです。

 そうすると、墓場まで何を持っていかなきゃいけないのか。これについて、どうですか。あなたはどう考えますか。

永田議員 包み隠さず申し上げておりますので、私の認識の中では、隠さなければならないものは一つもないのであります。御質問には極力誠実に答えているつもりでございますので、思い当たるものはございません。

大口委員 ということは、馬淵さんがわざわざこういうふうにホームページで出しているということですから、責任あるんですね、馬淵さんにも。また、野田国対委員長はこういうふうに言っているわけですよね。そうすると、野田国対委員長の認識とあなたは違うということですね、今、証言が。そういうことを指摘しておきたいと思います。

 あなたは、出身大学の学生のインタビューで、失敗した人間が責任をとるような当たり前の国にしたい、今の日本というのは責任をとらないような国になってしまった、こういうふうに答えているんですね。今回のこと、あなたは責任をとるべきだと思うんですね。

 しかも、やはり今までの流れを見ておりますと、余りにも、阪神・淡路の被災者に対してもそうですし、また、今回の民間人であります武部幹事長の次男に対しても、言われた、発言をされたことによって人権だとか人格だとか否定された人、その人たちの思いをあなたは全然感じていないわけですよ。

 私は、今、あなたの後輩に対して、失敗した人間が責任をとるような当たり前の国にしたいということからいえば、まずあなたは本当にやめるべきである、こういうふうに思うわけです。

 そこで、三月二十二日の弁明、それから本日の答弁、ここから、やはりメールの作成者がだれであったか、それからメールの目的は、作成した目的はわからない、こういうことでしたね。それから、日テレでも二月二十七日に、要するにこの西澤さんは代理人を通してどう言っているかというと、こういうメールを渡していない、こういうふうに言っているんです。平沢先生からも、代理人を通じて言っているわけですね、こういうメールはあなたに出していないと。それは、あなたがメールを西澤さんから受け取ったと言っていますけれども、西澤さんは、代理人を通じて、そういうのは出していない、事実無根だと。しかも、これは二月二十七日に日本テレビ放送でも放映されました。

 二月二十八日は、あなたが謝罪をした会見ですね。あなたは、こういうことを言っている西澤さんはうそつきだ、こう証言しましたよね。そうしましたら、二月の二十七日、こういうテレビで報道されたときに、西澤さんというのは信用できない人だ、こう思ったはずなんですね。それにもかかわらず、二月二十八日、明確に、これがにせものだ、事実無根だということを言わなかった。あなたの唯一の根拠は、この西澤氏の証言なんです。それが全くあなたの証言と真っ向から反する。あなたにメールを渡していない、こういうことを言っている人に対して、あなたはどう思われますか。これだけの食い違いがあるのであれば、やはり西澤さんにもこの委員会に出てきてもらうべきであり、本当に真相を解明することが、それがあなたの責任じゃないですか。どうでしょうか。

永田議員 私も真相が解明されることを強く望んでおります。

 しかし、この委員会で証人喚問などの手段が講じられるかどうか、それは、もちろん委員会が決定することでありますし、私が申し上げる筋のことではないと思っております。

大口委員 あなたは、最近、この西澤さんと接触するようになった、これは党の指示だ、小さなことだけれどもと、こう言いましたね。でも実は、今、民主党の検証チームの検証、調査というのは極めて大事なことなんです。あなたはちらっと、小さなことと言いましたけれども、非常に重要なことなんですよ。ですから、真相究明のために、あなたは、この西澤さんを首に縄をつけてでも引きずり出して、そして、本当に、あなたと真っ向から意見が違うわけですから、明確に、こういう委員会に出てもらう、そしてまた、民主党の検証チームの調査に対応させる責務があなたはあるんじゃないですか。どうでしょうか。

永田議員 もちろん、可能であれば、真相を究明し、そして民主党の調査にも協力をしてほしいと思っております。

 しかし、彼の所在が現在について私全くわからないことを考えると、首に縄をつけて連れてくるというのは、私の能力を超えることだというふうにも思っております。可能であれば、それは当然やりたいなというふうに思っております。

大口委員 もし、どこへ行ったかわからないということであれば、あなたは裁判すべきですよ。それで、あなたはだまされたと言っているのですから、まず加害者である、しかし、西澤氏との関係では被害者でもある。であれば、あなたは裁判をして、公の場で、証拠に基づいて、やはり白黒決着すべきじゃないですか。どう考えていますか。

永田議員 法的な措置が可能である、あるいはとるべきだというお話は、さまざまな方からアドバイスをいただいております。

 しかし、現時点においては、私は、この懲罰委員会で私に関する懲罰内容が決定されることがまず最優先課題でございまして、西澤氏に対する法的措置をとるのかとらないのか、そこまで頭が回る状況ではございません。現在においては、全く判断をしておらないという状況であります。

大口委員 真相を究明すべきですよ。前代未聞のことなんですよ、この件は。ですから、あなたは、努力すべきであるし、また、法的手続をとれるわけですから、それはやはりやるべきだと私は思います。

 そこで、この懲罰委員会におきましては、処分について意見を述べることになっております。もし、この懲罰委員会で、除名処分が相当だと委員会で出ましたら、本会議、三分の二の議決が要りますね、除名の場合。それを待たずにやめる、この懲罰委員会のレベルの決定に従う、そういう気持ちはありますか。

永田議員 私は、たびたび記者会見でも、懲罰委員会の決定に従うと申してまいりました。それは、自発的な辞職を促す同僚議員の声、あるいはマスコミの声、国民の声、さまざまございますが、そんな中でも、逆風を覚悟で、私は懲罰委員会の決定に従いたいと申してまいりました。ですから、除名であっても、それ以外の処分であっても、それに従うという姿勢は崩しておりません。

大口委員 本会議を待たずに従うということでよろしいですか。

永田議員 法的には、本会議で懲罰の内容が決定され、そして執行されるのだと思っておりますので、その手続になるのを待っております。

大口委員 もう言っていることが本当に違っているんですよ。

 私は、委員長にお願いしたいんです。

 やはり西澤氏に当委員会に来ていただいて、そして真相を明らかにするよう委員長に求めたい、こう思っております。

 以上で終わります。

岩國委員長 その件は理事会において諮らせていただきたいと思っております。

 以上をもって大口善徳君の質問は終わりました。

 次に、綿貫民輔君。

綿貫委員 国民新党の綿貫です。

 私は、現在、懲罰委員会の一員でありますが、衆議院議長を経験したことも踏まえて、私の考えるところを申し述べた上で、永田君に質問いたしたいと思います。

 議院の懲罰権は、明治憲法には規定がなく、議院法においてのみ定められていましたが、現在では、憲法五十八条二項において規定されております。その理由の一つは、戦後新たに向上した議会の地位にかんがみ、議院の自律権に基づき、議院みずからその秩序や品位を守るべきだとの理念であります。つまり、天皇の協議機関としての議会ではなく、国権の最高機関としてより高い位置づけがなされたことに伴い、議会の権威、品格は議会みずからが責任を持って守るべきだとの考えであります。

 しかしながら、今回のにせメール問題の一連の流れは、さまざまな点から見て、こうした理念に反し、議会制民主主義への信頼を失う結果になってしまったことは、まことに残念であります。

 まず、永田君の予算委員会での発言は、言論の府において言論をもてあそび、その結果、言論の府に対する信用を大きく失墜させたものであります。

 永田君は、記者会見の席で、あるいは本会議場で、また新聞においても、自民党や武部幹事長らに謝罪を述べました。一昨日も、身上弁明の席で同様の謝罪の意を表しました。しかし、永田君は、本来だれに謝るべきなのか。より広い視野に立てば、最も責任を感ずるべきことは、議会の権威や品位をおとしめ、議会政治への信用を損ねたことであります。その意味で、永田君がそもそも発言した場である予算委員会の委員長、そして議院を代表する衆議院議長に対して、報告と謝罪をすべきでありました。

 前原代表も、総理には何らかの謝罪をしたのをテレビで見ましたが、大きくその権威や品格を汚された議院に対しては、正式に報告や謝罪をしたのでしょうか。私は聞いておりません。

 物事の本質まで考えず、小手先の謝罪で糊塗しようとするのは、議会人としての姿勢としては認めることはできません。懲罰委員会での結論が出てから、その結論だけを議長に伝えるだけでいいとは思えません。今回の事件の問題点を改めて深く考えてもらいたいと思います。

 また、このメールがにせものであるとされ、懲罰委員会に永田君の動議が付託されてから、既に二十二日間も過ぎております。六年前の水かけ事件のときには、懲罰動議が委員会に付託されてから本会議に結果が報告されるまで、八日間でありました。

 与党は、真相解明のために証人喚問をしようと主張しているようですが、新聞報道等によれば、単に懲罰の審査を引き延ばしているようにも見えます。

 他方で、民主党内の調査も進んでおらず、民主党も、懲罰の審査を果たして積極的にやろうとしているのだろうかと疑われても仕方がない状況であります。

 仮に、党内の事情や与野党の駆け引きの中で懲罰の審査が進まないとしたら、懲罰の制度のあり方自体が議会の権威や品格を傷つけることになってしまいます。

 いずれにせよ、なぜかしら遅々として懲罰の審査が進展しない状況は、議会の権威や品格を守るべき懲罰委員会がかえって議会を傷つけることになってしまうという皮肉な結果を招きつつあります。

 さらには、小泉総理は、今回の永田君の懲罰について、除名は厳し過ぎると発言しましたが、総理が議会における懲罰の内容について、これはだめ、これはいいと発言することは、立法府と行政府との垣根がわかっていないのではないかと疑いたくなります。憲法で定められた議会の自律権に属する問題に行政府の長が容喙することは、明らかに越権行為であります。他人の家に土足で踏み込むような発言であります。と同時に、こうした発言を議会側が無批判に受けとめ、聞き流していることは、議会の権威を大きく損なうものであります。

 今回の問題では、永田君の委員会での発言があってから、日々、新聞やテレビで繰り返し報道され、国民の関心も非常に高いものがあります。今述べてきたように、永田君一人のみならず、これに関係した人々の対応に疑問を感じるものであります。その中心にある永田君は、懲罰委員会の決定を受け入れるとのことであります。世論調査では、辞職せよとの声も大きくなりつつあります。また、永田君は懲罰委員会の結論を待ってみずからの進退を決するとの報道もあります。信頼を失った野党が政府を追及し、ただすことができず、野党が機能しない議会は存在意義を失います。

 永田君は、このように議会の権威、品格、信頼を著しくおとしめた責任の重大さを真剣に受けとめ、不思議なほどに遅々として進まぬ懲罰の審査を待つことなく、これ以上生き恥をさらすこともなく、潔く、直ちにみずからの出処進退を決断すべきであります。それが議会を深く思う者のあるべき覚悟ではないかと信ずるのであります。

 そこで永田君に伺いたいが、議会の権威や品格をおとしめたことについては何で正式には謝罪しないのか、単に武部幹事長やその子息に対する名誉を毀損したことだけに謝ればいいのか、問題の本質はどこにあり、真剣に謝罪すべき相手はだれだと考えるのか、お答えください。

岩國委員長 綿貫委員より、前衆議院議長としての大変重みのある御意見を、懲罰委員会のあり方、また制度についていただきました。真摯に受けとめ、これから全委員で参考にさせていただきたいと思います。

 永田君。

永田議員 本当に、綿貫前議長におかれましては、大変その見識の高い御意見をいただきました。本当にありがとうございます。

 前議長のおっしゃるとおり、議長、そして予算委員長に直ちに謝罪すべきであったという点は、本当に私が思い至らぬ点でございました。可能な限り早くお時間をいただき、そのようなことも実現したいと思っております。

 そして、最初に謝罪すべきは何であるかといえば、それはまず何よりも国民であると思います。そして国民に謝罪して、そして、もう順番をつけるのは本当に難しいのですが、やはり国会そのもの、そして武部幹事長、御次男、そして自由民主党、もちろん民主党に対する謝罪もあると思います。本当にありとあらゆるものに対して心の底から謝罪をしたいというふうに思っております。

綿貫委員 永田議員は、今回の問題はすべて責任は自分にある、こうおっしゃっておりますが、みずからの出処進退、その責任につきまして、ほかにげたを預けてからというようなことでは、かえって国民の政治に対する信頼を失い、議会の名誉を汚すものではないかと思うのですが、これについてはいかがお考えでしょうか。

永田議員 多分、前議長の思いのとおりのお答えにはならないと思いますが、私は、やはり自分で傷つけた国会の権威、政治の権威というものを取り戻す作業に全力を尽くしたいと思っております。

 もちろん、多くの方から、そんなことは無理だ、できるはずもない、かえって迷惑だ、そう言われる方もいらっしゃいます。しかし、これは私の人生をかけた判断でございますので、どうか受けとめていただきたいなと思っております。

 申しわけございません。

綿貫委員 永田さんは、だまされたとか、あるいは悪意はなかったとか、先ほどの御発言を聞いておりますと、だから謝ればいいんだ、こういうようなふうに聞こえるんですが、幼稚園の生徒や小学校の子供じゃないんですから、一人前の国会議員として自覚を持って、冷静に、神の前でみずからをもう一度問い直して行動していただくように心から強く期待して、終わります。

岩國委員長 以上をもって綿貫民輔君の質問は終わりました。

 これにて本日の永田君に対する質疑は終了いたしました。

 永田君は御退席願います。

     ――――◇―――――

岩國委員長 この際、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴いまして、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任を行いたいと存じますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

岩國委員長 御異議なしと認めます。よって、委員長は、理事に坂口力君を指名いたします。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十二分散会


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