衆議院

メインへスキップ



第2号 平成16年2月19日(木曜日)

会議録本文へ
平成十六年二月十九日(木曜日)

    午後零時二十分開議

 出席委員

   委員長 堀込 征雄君

   理事 河井 克行君 理事 河本 三郎君

   理事 福井  照君 理事 三ッ林隆志君

   理事 達増 拓也君 理事 都築  譲君

   理事 松原  仁君 理事 石田 祝稔君

      今井  宏君    今村 雅弘君

      岩屋  毅君    小野寺五典君

      大野 松茂君    大前 繁雄君

      金子 恭之君    谷  公一君

      西村 明宏君    萩野 浩基君

      原田 令嗣君    平田 耕一君

      保坂  武君    宮下 一郎君

      山本 明彦君    吉野 正芳君

      泉  房穂君    奥田  建君

      奥村 展三君    黄川田 徹君

      高山 智司君    土肥 隆一君

      中川  治君    増子 輝彦君

      三日月大造君    村井 宗明君

      若泉 征三君    白保 台一君

      高橋千鶴子君    山本喜代宏君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       井上 喜一君

   内閣府副大臣       佐藤 剛男君

   内閣府大臣政務官     森元 恒雄君

   衆議院調査局第三特別調査室長           五十島幸男君

    ―――――――――――――

委員の異動

二月十八日

 辞任         補欠選任

  高橋千鶴子君     塩川 鉄也君

同日

 辞任         補欠選任

  塩川 鉄也君     高橋千鶴子君

同月十九日

 辞任         補欠選任

  江藤  拓君     宮下 一郎君

  小沢 鋭仁君     高山 智司君

同日

 辞任         補欠選任

  宮下 一郎君     江藤  拓君

  高山 智司君     小沢 鋭仁君

    ―――――――――――――

二月三日

 火山災害に対応できるような被災者生活再建支援法改正に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第四五号)

 災害被災者の生活と住居・店舗再建の公的支援制度の改善に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第四六号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 災害対策に関する件(平成十六年度における災害対策の施策等)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

堀込委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 平成十六年度における災害対策の施策について、防災担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。井上防災担当大臣。

井上国務大臣 第百五十九回国会における御審議に当たりまして、災害対策に関する私の所信を申し上げます。

 昨年は、北海道、東北地方で相次いだ地震、梅雨前線豪雨、台風などにより、全国各地において被害が発生したところであります。また、この冬には、北海道東部を中心に豪雪による被害が出ております。さらに、三宅島では今なお大量の火山ガスの放出が続いております。

 これらの災害によりお亡くなりになられた方々とその御遺族に対し深く哀悼の意を表しますとともに、不安で不自由な生活を余儀なくされておられる被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。

 また、これらの災害につきましては、関係省庁と連携し、地元自治体に対する支援など、引き続きその対策に万全を期してまいります。

 我が国は、その自然的条件から各種の災害が発生しやすい国土となっており、歴史的にも大きな被害を受けてまいりました。防災は、国民の生命、身体、財産に直結する問題であり、片時もこれをおろそかにすることはできません。備えあれば憂いなしといいますが、防災は、国、地方自治体、個人が役割分担をして、それぞれが役割を果たさなければなりません。

 例えば、個人が耐震補強や家具の転倒防止を行い、地方自治体が避難地や避難路を整備し、国がこれらを支援するという役割分担をして準備をしていくことが必要です。訓練についても、国、地方自治体、住民がそれぞれの立場で参画し、より実践的に行う必要があります。最先端の科学技術を活用して観測を行い、被害を極小化することも国の重要な役割です。発災時に速やかに情報を収集、共有し、的確な判断やオペレーションができる体制も整える必要があります。

 防災は、さまざまな分野に横断的に関連する広がりを持った業務であります。防災担当大臣として、関係省庁と連携を図りつつ、防災対策を推進し、災害に強い国づくりのために職務に専念する覚悟であります。

 初めに、三宅島噴火災害について対策の状況を御報告いたします。

 三宅島噴火災害につきましては、島民の方々の避難生活が三年以上にわたっており、島民の方々に対しては、都営住宅の無償提供、被災者生活再建支援金の支給を初め、三宅島げんき農場等の雇用促進策など最大限の支援を実施するとともに、島内においては、道路等の基礎的インフラ整備や被害拡大防止のための泥流対策等を実施してまいりました。昨年三月には、脱硫装置を備え、三百人が滞在可能な住民用クリーンハウスが完成し、現在、これを活用した滞在型一時帰宅事業も実施しております。

 しかしながら、帰島のための判断材料を得るために設置した三宅島火山ガスに関する検討会の最終報告における長期的影響の目安に基づくと、現時点では、島の西部を中心として火山ガス濃度がおおむね安全なレベルまで低下している地点があるものの、依然として濃度の高い地点もあり、直ちに帰島して通常の生活を送れるような状況には至っておりません。

 一方、本格的帰島に向けては、安全確保対策や被災者支援策等各種の対策を講じる必要があることから、昨年十月には、内閣府、東京都及び三宅村で三宅島帰島プログラム準備検討会を設置し、本年三月を目途に報告を取りまとめ、帰島に向けた準備を進める予定であります。関係省庁、東京都及び三宅村と連携し、引き続き、三宅島噴火災害への対応を推進してまいります。

 次に、中央防災会議の審議状況について御報告いたします。中央防災会議においては、専門調査会を設置して、さまざまな課題について鋭意検討を進めております。

 まず、東海地震につきましては、専門調査会における議論を踏まえ、昨年五月に、東海地震対策のマスタープランとなる東海地震対策大綱を決定いたしました。また、昨年七月に東海地震緊急対策方針を閣議決定し、人命に密接に関連する耐震化等を強力に推進することといたしております。さらに、昨年十二月には東海地震応急対策活動要領を決定し、発災後の各段階における広域的な応急対策活動を迅速かつ的確に実施できるよう準備を進めてまいります。

 今世紀前半にも発生する可能性が指摘されております東南海・南海地震につきましては、津波防災体制の確立が重要であり、また、極めて広域にわたる防災体制の確立が必要であります。このため、昨年十二月に、東南海・南海地震対策のマスタープランとなる東南海・南海地震対策大綱を決定するとともに、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づき、著しい被害が生ずるおそれがあり、防災対策を推進する必要のある地域として、二十一都府県六百五十二市町村を指定いたしました。

 今後は、本年度中に推進基本計画を策定し、観測体制の強化や防災基盤施設等の整備を推進してまいります。

 関東大震災から八十年を経過し、人口のみならず、政治、経済の中枢機能が集中している首都の防災対策は、国全体として戦略的に対応する必要があります。このため、首都直下地震像の把握や経済的影響も含めた被害想定を行うとともに、首都機能の確保対策を初めとする首都地域の防災体制の総点検と体制確立について検討を行ってまいります。

 日本海溝、千島海溝周辺においては、過去にも、宮城県沖地震や三陸地震などマグニチュード七から八クラスの地震が頻発し、被害が発生しております。このため、地震の特徴や揺れの強さ、津波の高さ等のこの地域の地震像を明らかにするとともに、防災対策を的確に進めるため、被害想定等の検討を行ってまいります。

 防災部門においても、市場のスピード、民間の活力を導入していく必要があります。このため、企業等が連携して日常的に防災活動に参画する防災町づくり、商品等の防災性能や企業の防災への取り組みが市場で評価される仕組みづくり、企業のリスクマネジメント等について検討し、民間と市場の力を生かした防災力向上のための施策を推進してまいります。

 我が国は、幾多の災害に見舞われながらも、これを乗り越えてまいりました。災害対策を講ずる上で、こうした国民の経験と知恵を後世に継承していくことが必要です。このため、過去の歴史的な災害について、被災の状況、政府の対応、国民生活への影響などをまとめた報告書を順次作成し、今後の防災行政に生かしていく考えであります。

 次に、その他の防災対策について御報告いたします。

 基幹的防災拠点の整備につきましては、有明の丘地区、東扇島地区に整備をする東京湾臨海部基幹的広域防災拠点の整備基本計画を本年一月に決定し、今後、平成十九年度一部供用開始に向けて具体的な調整を行ってまいります。また、京阪神都市圏における基幹的広域防災拠点については、昨年六月に基本構想を策定いたしました。さらに、名古屋圏においても、中核的な広域防災拠点の必要性等に関する基礎的な検討調査を行っており、今年度末を目途に結論を得る予定であります。

 富士山の火山対策については、被害予測範囲や各種防災情報を盛り込んだ火山防災マップ作成の検討を進めており、今年度中を目途に取りまとめを行い、今後、これに基づき必要な各種防災対策を講じてまいります。

 実践的な防災訓練を実施することも重要であります。本年一月二十三日には、九月の総合防災訓練に加え、新たに決定した東海地震応急対策活動要領に基づき、大規模な図上訓練を関係省庁及び地元九都県市と合同で実施いたしました。訓練の成果は今後の応急対策に反映させるとともに、今後とも実践的な訓練に取り組んでまいります。

 国際防災協力につきましては、昨年十二月の国連総会で、阪神・淡路大震災から十年となる平成十七年に、兵庫県で国連防災世界会議を開催することが決定されました。会議では、阪神・淡路大震災の総括検証を行い、その教訓を世界と共有していくとともに、二十一世紀における世界的な防災戦略の策定に貢献していきたいと考えております。

 最後に、被災者生活再建支援制度の拡充についてであります。

 被災者の住宅再建支援につきましては、阪神・淡路大震災以来の検討課題であり、種々の議論が行われてまいりました。こうした中で、昨年、全国知事会において、都道府県が新たに資金を拠出して住宅再建支援制度を創設することが決議されました。これを受け、平成十六年度予算編成過程を通じて検討を行ってまいりましたが、財務大臣との折衝の結果、住宅再建等に係る費用について最大二百万円を支援する居住安定支援制度の創設が認められたところであり、今国会に所要の法律案を提出いたしております。

 以上、所管行政について申し述べましたが、今後とも災害対策に全力を尽くしてまいる所存でありますので、堀込委員長を初め、理事、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようお願いを申し上げます。

 どうもありがとうございました。(拍手)

堀込委員長 引き続き、平成十六年度における防災関係予算の概要につきまして、政府から説明を聴取いたします。佐藤内閣府副大臣。

佐藤(剛)副大臣 防災担当の副大臣の佐藤剛男でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 御高承のとおり、日本は、その自然的条件から各種の災害が発生しやすく、これまでも大きな被害が発生いたしております。

 昨年は、北海道、東北地方で発生しました地震、それから梅雨前線豪雨、台風などによる被害が相次ぎました。また、全島避難から三年半ばが過ぎました三宅島噴火災害につきまして、依然として帰島のめどが立たない状況にあります。さらに、この冬には、北海道東部を中心に豪雪による被害が出ております。

 私も、十勝沖地震、九月二十六日でありますが、地震と北海道豪雪の被災地を視察いたしました。つぶさに被害の状況を調査してまいりました。災害によりお亡くなりになりました方々とその御遺族に対しましては深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に心からお見舞い申し上げます。

 副大臣といたしまして、井上大臣を補佐いたしまして、これからの災害対策に全力を尽くしてまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。堀込委員長を初め、理事、委員各位の御指導、御鞭撻をお願いする次第でございます。

 それでは、お手元に御配付いたしております資料に基づきまして、平成十六年度におきます防災関係予算の概要につきまして御説明をさせていただきます。

 まず、一ページをお開きいただきたいと思います。

 一ページが総括表になっております。二ページ以降が分野ごとの具体的な内容となっているわけでございます。

 それで、一ページの左に省庁名があります。それから、右に四つの分類、恒例の分類でございますが、科学技術、災害予防、国土保全、災害復旧等という形でありますが、これは、防災関係予算を内閣府において取りまとめたものでございます。

 科学技術の研究の欄、上からずっとごらんいただきまして、一番下の平成十六年度合計の三二六七三という数字がございます。約三百二十七億円。それから、災害予防が九千百四十七億円になります。それから、国土保全関係が約一兆五千二百四十三億円。それから、災害復旧等関係予算ということで約二千四百十六億円となっているわけであります。これらを合計いたしますと約二兆七千百三十二億円になります。

 次に、主要なものを御説明申し上げさせていただきます。

 二ページ、三ページ、続けて御説明させていただきます。

 第一は、科学技術の研究に関する経費でございます。

 文部科学省におきまして、地震に関する調査研究の推進、経済産業省では、原子炉施設の耐震信頼性の実証、国土交通省では、測地的方法によります地殻変動調査などに要する経費、それぞれ計上いたしておるところでございます。

 それから第二に、四ページをお開きいただきます。これは災害予防に関する経費でございます。

 内閣府におきまして、中央防災無線網の整備、それから総合防災情報システムの整備、消防庁では、緊急消防援助隊関係機材の整備、それから消防施設整備が計上されているわけでございます。

 五ページをお開きいただきます。

 文部科学省では、公立学校の改築や耐震補強、厚生労働省では、災害拠点病院の整備が計上されております。

 六ページをお開きいただきたいと思います。

 農林水産省では、漁港漁村の防災対策施設の整備、経済産業省では、原子力施設等の防災対策、国土交通省では、住宅市街地の防災性の向上の推進、それから、安全で信頼性の高い道路網の整備が計上されております。

 七ページをお開きいただきます。

 気象庁で、気象観測施設の整備などに要する経費が計上されております。その他、国連防災世界会議の開催、これが神戸で開かれる予定になっておりますが、その予算を関係省庁でそれぞれ計上いたしております。

 八ページをお開きいただきます。国土保全に関する経費でございます。

 農林水産省におきまして、治山事業、それから農地防災事業、国土交通省では、河川事業、砂防事業などに要する経費でございます。

 それから、最後に九ページでございますが、災害復旧等に関する経費であります。

 内閣府におきましては、被災者生活再建支援金の支給、財務省では、地震の再保険、農林水産省では、農林水産業の施設災害復旧事業、国土交通省では、河川等土木施設復旧事業などに要する経費であります。

 以上の予算案につきまして、内閣府といたしましては、関係省庁との連携のもと、災害予防、応急対策、復旧復興の各段階にわたります総合的な災害対策を推進することにより、国民が安心して暮らすことのできるそういう国づくりを進めてまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。

 以上で説明を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)

堀込委員長 以上で説明は終わりました。

 この際、森元内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。森元内閣府大臣政務官。

森元大臣政務官 内閣府大臣政務官の森元恒雄でございます。よろしくお願いを申し上げます。

 御承知のように、我が国は、台風の常襲地帯でございますし、また、地震列島とも言える自然状況から、これまでも多くの災害が発生し、大きな被害が生じてまいりました。

 防災は、人の命、身体あるいは財産を守る極めて重要な任務でございます。井上大臣、佐藤副大臣を補佐し、任務を全うしたいというふうに考えております。

 委員長さんを初め、理事、委員の諸先生方には、御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

堀込委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時三十九分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.