第4号 平成16年11月11日(木曜日)
平成十六年十一月十一日(木曜日)午前十時一分開議
出席委員
委員長 西村 真悟君
理事 佐藤 剛男君 理事 斉藤斗志二君
理事 三ッ林隆志君 理事 小平 忠正君
理事 小林 憲司君 理事 松原 仁君
理事 石田 祝稔君
伊藤信太郎君 江藤 拓君
大野 松茂君 小坂 憲次君
近藤 基彦君 左藤 章君
竹下 亘君 中西 一善君
中野 清君 西村 明宏君
林 幹雄君 原田 令嗣君
保坂 武君 宮下 一郎君
森 英介君 山本 拓君
吉野 正芳君 泉 房穂君
一川 保夫君 梶原 康弘君
黄川田 徹君 菊田まきこ君
五島 正規君 津村 啓介君
牧野 聖修君 村井 宗明君
和田 隆志君 渡辺 周君
赤羽 一嘉君 池坊 保子君
高橋千鶴子君
…………………………………
国務大臣
(防災担当) 村田 吉隆君
内閣府副大臣 林田 彪君
農林水産副大臣 岩永 峯一君
国土交通大臣政務官 中野 正志君
環境大臣政務官 能勢 和子君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 柴田 高博君
政府参考人
(金融庁総務企画局参事官) 大藤 俊行君
政府参考人
(総務省自治財政局長) 瀧野 欣彌君
政府参考人
(消防庁長官) 林 省吾君
政府参考人
(国税庁課税部長) 竹田 正樹君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局長) 小島比登志君
政府参考人
(農林水産省大臣官房政策評価審議官) 佐藤 正典君
政府参考人
(農林水産省農村振興局整備部長) 南部 明弘君
政府参考人
(経済産業省大臣官房地域中小企業対策統括官) 服部 和良君
政府参考人
(国土交通省河川局長) 清治 真人君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 谷口 博昭君
政府参考人
(国土交通省鉄道局長) 梅田 春実君
政府参考人
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長) 南川 秀樹君
衆議院調査局第三特別調査室長 五十島幸男君
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委員の異動
十一月二日
辞任 補欠選任
都築 譲君 高木 義明君
同月五日
辞任 補欠選任
高木 義明君 牧野 聖修君
同月十一日
辞任 補欠選任
三ッ矢憲生君 中西 一善君
岸本 健君 渡辺 周君
津川 祥吾君 梶原 康弘君
前田 雄吉君 津村 啓介君
白保 台一君 池坊 保子君
同日
辞任 補欠選任
中西 一善君 三ッ矢憲生君
梶原 康弘君 津川 祥吾君
津村 啓介君 前田 雄吉君
渡辺 周君 岸本 健君
池坊 保子君 白保 台一君
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十一月五日
被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(仙谷由人君外五名提出、衆法第五号)
は本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
災害対策に関する件
派遣委員からの報告聴取
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○西村委員長 これより会議を開きます。
災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、去る十月二十九日、平成十六年台風第二十三号による被害状況等調査のため、兵庫県に、また、去る十一月一日、平成十六年新潟県中越地震による被害状況等調査のため、新潟県に、それぞれ委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。
初めに、兵庫県への派遣についてでありますが、派遣委員は、自由民主党の佐藤剛男君、斉藤斗志二君、福井照君、民主党・無所属クラブの小平忠正君、小林憲司君、松原仁君、公明党の石田祝稔君、日本共産党の高橋千鶴子君、そして私、西村真悟の九名であります。
まず、今般の台風及び被害の概要についてでありますが、十月十三日、グアム島近海で発生した台風二十三号は、北西に進みながら超大型で強い勢力に発達し、十九日には南西諸島沿いに進み、二十日午後一時ごろ、高知県土佐清水市付近に上陸した後、近畿、中部、関東地方を通過して、二十一日午前六時ごろに鹿島灘に抜けました。
この台風は、本年最大の台風であり、また、本州付近に停滞していた前線を刺激し活動が活発になったため、西日本から東北地方の広い範囲で暴風、大雨、高波となり、全国各地で大きな人的、物的被害を発生させました。
兵庫県におきましては、河川堤防の破堤や土砂災害等により多くの方が亡くなるなど大きな人的被害が出たほか、住家、公共土木施設、農林水産関係、商工関係などに甚大な被害が発生いたしました。
兵庫県全体の被害状況は、十月二十八日現在で、人的被害が、死者二十四名、重傷者十六名、軽傷者六十四名、住家被害が、全壊六十七棟、半壊三百十九棟、床上浸水九千八百九十九棟、床下浸水一万千二百九十棟となっており、七百人以上の方が避難生活を送っております。
なお、兵庫県は、豊岡市など県内十八市町に対し災害救助法を適用するとともに、被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援制度を十八市町に適用しております。
また、政府においても、当該台風の被害が死者、行方不明者八十人を超えるなど全国的に非常に大きな災害となったことから、災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置しているところであります。
この災害によりとうとい命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様に対して衷心よりお見舞いを申し上げます。
それでは、調査の内容について御報告申し上げます。
まず、但馬空港内において、藤本副知事、中貝豊岡市長を初めとする関係者から、被害状況等の説明を聴取した後、激甚災害の早期指定、災害復旧事業、災害対策関連事業等に要する財源の確保、被災者生活再建支援法の充実等についての要望を受けました。
その後、日高町赤崎の円山川溢水現場を視察いたしました。
日高町赤崎は山沿いの六十戸ほどの集落でありますが、円山川の溢水により、十五戸が二階の天井まで浸水する被害を受けました。視察時にも、柱と屋根だけの状態となった家屋が何軒も見受けられました。また、近隣の農地にも大量の土砂が堆積しており、農地の早期復旧も被災地の大きな課題となっております。
次に、出石町鳥居の出石川堤防決壊箇所及び浸水被害現場を視察いたしました。
出石町鳥居では、出石川堤防が百メートルにわたって決壊したことにより、多くの浸水被害が発生いたしました。現地では、洪水流により土台が削られ傾いてしまった住宅を目の当たりにし、水害の恐ろしさを改めて実感いたしました。
なお、決壊箇所は十月二十五日に応急復旧が完了し、視察時には多数の関係者が本格的な復旧に向けて尽力されておられました。
最後に、豊岡市立野の円山川堤防決壊箇所を視察いたしました。
豊岡市では、内水はんらんに加え、円山川堤防の決壊等により、市中心部を含む広範囲で浸水被害が発生しました。
決壊箇所は関係者の必死の努力により十月二十六日に応急復旧が完了し、視察時には本格的な復旧工事が行われておりました。
今回の災害で、豊岡市では一年間のごみ排出量を超える災害廃棄物が発生しており、その処理に苦慮されておられるとのことであります。
また、豊岡市の地場産業であるかばん業者にも甚大な被害が発生し、豊岡鞄協会に加盟する約百二十社のうち約八割以上に被害が発生したとのことです。
地場産業の再生は地域の復旧復興に大きく影響するところから、早期の復旧復興支援が必要であると感じました。
以上が調査の概要でありますが、私どもは、この調査を通じまして、現地の一日も早い復旧復興がなされるよう、力を尽くす決意を新たにしたところでございます。
次に、新潟県への派遣についてでありますが、派遣委員は、自由民主党の佐藤剛男君、斉藤斗志二君、福井照君、三ッ林隆志君、民主党・無所属クラブの小平忠正君、小林憲司君、松原仁君、公明党の石田祝稔君、日本共産党の高橋千鶴子君、そして私、西村真悟の十名であります。
また、自由民主党の稲葉大和君、近藤基彦君、民主党・無所属クラブの菊田まきこ君、西村智奈美君が現地参加されました。
まず、今般の地震及び被害の概要でありますが、十月二十三日午後五時五十六分ごろ、新潟県中越地方を震源とするマグニチュード六・八の地震が発生したのを皮切りに、同日午後六時十一分ごろにはマグニチュード六・〇の地震が、同日午後六時三十四分ごろにはマグニチュード六・五の地震が発生いたしました。これらの地震により、新潟県川口町で阪神・淡路大震災以来の最大震度七が、小千谷市、十日町市等では最大震度六強が観測されました。その後も余震が続いております。
このため、中越地方を中心とした地域では、建物の倒壊や地震によるショック、長引く避難生活の過労、ストレス等により多数の犠牲者が出るとともに、電気やガス、水道などのライフラインが供給停止となり、住民の生活や地域経済に大きな影響を及ぼす甚大な被害が発生いたしました。
新潟県全体の被害状況は、十月三十一日現在で、人的被害が、死者三十六名、負傷者二千四百十一名、住家被害が、全壊三百二十六棟、半壊五百三十三棟、一部損壊六千二百六十二棟となっており、七万人近くの方が避難所で避難生活を送っておられます。
なお、新潟県は、小千谷市等県内五十四市町村に災害救助法を適用するとともに、被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援制度を新潟県全県に適用しております。
また、政府においても、被害の甚大性にかんがみ、災害対策基本法に基づく非常災害対策本部を設置しているところであります。
この災害によりとうとい命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対して衷心よりお見舞いを申し上げます。
それでは、調査の内容について御報告申し上げます。
まず、新潟県庁において、泉田新潟県知事から、被害状況の説明を聴取した後、自宅修理、生業再建等に対する公費負担、財政支援等に係る特別立法等についての要望を受けました。
その後、長岡市の栖吉町の被災現場を視察いたしました。
地震により道路に段差ができており、マンホールが突き出ておりました。段差は山の方向に数百メートルにわたって続いておりました。
次に、避難所となっている長岡市立柿小学校を訪問し、被災者の方々にお見舞いを申し上げるとともに、激励をしてまいりました。
また、校庭には、陸上自衛隊により仮設テントが設営されており、車内で寝泊まりして避難生活を送っておられる被災者に優先的に利用してもらっているとのことでした。
次に、長岡市内の上越新幹線脱線現場を視察いたしました。
最も脱線がひどかった最後尾の一号車は、車輪が一・四メートル外れて上り線側に大きくはみ出し、約三十度傾いてとまっておりました。
次いで、小千谷市に移動し、市内中心部の被災現場を視察いたしました。
斜めに傾いている家屋が多く見られましたが、中には、二階建ての一階部分が跡形もなく崩れ落ちた家屋もありました。被災住宅の二次災害を防止するため、危険は赤色、要注意は黄色と、住宅の応急危険度を示すステッカーが張られた家屋が随所に見られました。
その後、避難所となっている小千谷市立小千谷小学校を訪問いたしました。
この小学校には約千人の方々が避難しておりましたが、避難所に入らず、自家用車で過ごす被災者の姿も多く見られました。
次に、川口町の被災状況を視察いたしました。
倒壊したり傾いている家屋が至るところで見られました。倒壊は免れているものの、内部の損傷が激しい家屋も多くあるとのことでした。
最後に、関越自動車道の不通箇所を視察いたしました。
現場では、降雪期を控え、復旧工事が行われておりました。
以上が調査の概要でありますが、私どもは、この調査を通じまして、改めて直下型地震の恐ろしさと、それによりもたらされた被害の甚大さを強く認識いたしました。
現地の一日も早い復旧復興がなされるよう、力を尽くす決意を新たにしたところでございます。
最後に、今回の調査に御協力いただきました皆様に心からお礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。
この際、お諮りいたします。
各派遣地からの要望事項等につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔要望事項は本号末尾に掲載〕
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○西村委員長 この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官柴田高博君、金融庁総務企画局参事官大藤俊行君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、消防庁長官林省吾君、国税庁課税部長竹田正樹君、厚生労働省社会・援護局長小島比登志君、農林水産省大臣官房政策評価審議官佐藤正典君、農林水産省農村振興局整備部長南部明弘君、経済産業省大臣官房地域中小企業対策統括官服部和良君、国土交通省河川局長清治真人君、国土交通省道路局長谷口博昭君、国土交通省鉄道局長梅田春実君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長南川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○西村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。
○佐藤(剛)委員 ありがとうございます。自民党の佐藤剛男でございます。
私の後に地元の代議士の近藤基彦委員が質問をいたします。いろいろ一緒になってこの問題に取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
まず最初に、このたびの災害によりまして、七月の集中豪雨、そして、今回の地震を起因とします災害によりましてとうとい生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げます。被災者の皆様に対し、また心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。
過日、日曜日でございましたが、NHKで、各層の国民に対する本問題についてのメッセージが出されました。まさしく聞いておりまして、日本国民が皆泣いている、いわば、頑張ってねというような言葉で言っておりましたが、本当に日本人の優しさのあれがよく出ているなということを感じました。
この問題については、与党、野党を問わず、この災特委員会の誇りを持ってしっかりと取り組む必要があるんじゃないか。いろいろ過去におきます災害とちょっと違う点もございます。そういう意味で、これまでの法制というのがよろしいかどうかというような観点から含んで、必要なる立法操作というものも必要であると思っているわけでございます。
それでは質問に入らせていただきます。
それから、その質問に入る前に、委員長、御許可を得たいんですが、効率的な質疑をいたしたいと思いますので、三部の資料の配付の御許可をお願いしたいと思います。
一つは、現在、きょう時点ということで御理解いただいていいと思いますが、「新潟県大震災復興緊急要望」ということで平成十六年十一月の表紙がついておりますが、新潟県大震災復興緊急要望の会ということで、代表が新潟県商工会議所連合会会頭上原明ということで、三ページにわたるものを配らせていただきます。この三ページ目のところに、四角に囲みまして、今の新潟県の、県庁を含めました意味での要望というふうに御理解いただきたいということでございます。
実は、泉田知事と私は通産省で先輩、後輩の仲でもありまして、電話でいろいろと相談する機会があるんですが、くれぐれもよろしくおっしゃってください、委員の皆様方にということのメッセージを賜っておりますし、私自身、適当な機会に、新潟県の山古志村の村長さんを初め適当な人をこの委員会で参考人としてお招きいたしまして、それで直接いろいろな要望、いろいろな現状を聞くことが必要なんじゃないかと思っているわけでございます。
それから次に、福島県の旅館、ホテルの人たちで、もし、例えば新潟県の山古志村の人たち全部今避難しておるわけでありますが、非常にお疲れにもなっておられるということで、隣近所の非常に重要な人間関係ということを大切にしながら、旅館で百室以上の旅館というのがあるんでありますが、そういうようなところは隣組が隣の部屋というような感じで入っていきますと、そういう複雑な人間関係をつくらないで、すっきり小字単位といいますか村単位といいますか、そういうような形で温泉に入りながら避難といいますか、住宅が建つのを待つ、状況が変わるのを待つ、そういうようなことの意味を持ちまして調べてみました結果が一枚紙でございます。
参考にしていただきたいと思いますが、ちなみに飯坂温泉では、人数にいたしましても約五百人近くの人たちに対しまして提供できるということを言っておりますので、御参考までに供していただきたいと思います。私は質問の中でさわらせていただくつもりでございます。
それからもう一枚、今回、七月のときの集中豪雨のときもそうですが、この災害によりまして、工場の設備、機械、これが水につかって使い物にならなくなってくるというような非常に気の毒なケースが出ておるわけでありまして、実はこれについて、昔の中小企業事業団でありますが、今の独立行政法人の中小企業基盤機構というものの中に災害復旧高度化事業というのがあります。それでこれは、高度化事業をやっている人が被害を受けたケース、私が中小企業の部長のときに、郡山の食品団地とか機械鉄工団地ということでこれを適用いたしまして非常に喜ばれたものでございますが、これは八月に八号台風というのがあったときであります。
これに加えまして、今度は個々の企業が被害を受けた。この被害を受けた人たちが集まって、組合、組合というのは四人以上でできるんですが、組合をつくりまして行った場合に、制度としまして、無利子の資金、二十年間の償還期間、それから九〇%、例えば一億のものだったら九千万円まで融資する、こういう制度を当時私がつくったことがあるんでありますが、これの実行が可能でございますので、これについての一枚紙をお配りさせていただきます。これは後ほど質問をいたす中で使わせていただきます。
以上の資料につきまして、委員長、御了解をいただきます。
○西村委員長 どうぞ。
○佐藤(剛)委員 それでは次に、お呼びいたしております関係大臣、参考人の方々に引き続きましてお聞きいたしたいと思います。
昨年は、私、災害の担当の副大臣もやっておりましたが、宮城県の北部地震それから十勝沖地震、台風十号という大きな被害がありました。それで、ことしになって新潟、福島、福井と七月の集中豪雨があったわけであります。十個の台風が上陸いたしました。そして今回のあの新潟県の地震、これはもう量、質ともにはるかに上回っております。
中でも、台風二十三号とか新潟県の中越地震では大きな被害が出ておるわけでありまして、政府では、平成十二年の三宅村のあの噴火災害以来となります非常災害対策本部を設置して対応しておられます。寝ずに関係者が一生懸命やっておる姿、本当に心より敬意を表する次第でございますが、どうか、災害復旧がスムーズにいくように頑張っていただきたいと思っているわけでございます。
それについて、まず内閣府の防災担当大臣としての御見解を承りたいと思います。
○村田国務大臣 ことしの秋の直近まで佐藤委員には防災担当の副大臣としていろいろなお働きをしていただきまして、心から敬意を表したいと思います。そしてまた、新潟、あるいは累次の台風による被害を受けられました被災者の皆さん方に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
私が就任して以来、台風が相次いで三つ上陸をいたしました。それから地震も起こったわけでございますが、その中で、大変大きな被害をもたらした台風二十三号につきましては、非常災害対策本部を設けました。それから新潟県中越地震につきましても、同様に非常災害対策本部を設けまして、直ちに情報把握、救出、それから応急対策を含めて、それを経まして復旧復興に向けてのいろいろな対策を打っているわけでございます。
国政を預かる者といたしまして、国民の生命、財産、身体をお守りするというのは大変重要な課題でございまして、政府を挙げて被災者の皆さん方の生活が一刻も早くもとに戻るように努力をしたい、こういうふうに考えております。
そして、その中で、生活がもとに戻るということについては、住宅を初め、そうした生活のよりどころを復旧することについての御支援、それから、今度は働き場、産業面につきましても、農業あるいは中小企業を初めといたします地場産業、商業も含めますが、そうした産業自体が復旧していくことにもお力添えをしたい、こういうふうに考えております。
なお、生活がもとに戻るにつきまして一番大切なライフラインあるいは道路等の復旧についても、担当の役所あるいは地元の公共団体あるいは関係団体を含めまして、一生懸命努力しているところでございます。
なお、最後でございますが、こうした一連の災害を踏まえまして、こうした災害に対します我々の対策について逐一検証して、そして、将来の防災対策についてのこれからの改善の一つの経験として努力をさらに積み重ねていきたいと考えておるわけでございます。
○佐藤(剛)委員 大臣の非常に力強い御答弁を賜りました。ひとつよろしく。また、私ども政治家の非常に重要な責務だと思っております。国民の生命、身体、財産を確保しまして、そして、これを経験に、先ほど大臣が終わりの方でおっしゃられましたが、検証して、そして次に伝える。言うならば、限りない挑戦だろうと思っております。よろしくお願い申し上げます。
それから次に、国道十七号線、国土交通省の道路局長、来ておられますか。河川局長、ちょっと分けて質問いたします。
国道十七号線が開通はいたしておりますが、県管理の国道や地方道路というのはまだまだ不通区間が多うございます。それで、山古志村のところには、道路が、あれ国道ですよね、それがきちんと出ていれば離れ島にならない。しかし、その道が、国道でありながら行っていないということで、早急に国道に関するような点につきましては、技術的に困難な復旧事業もいろいろあるのかもしれませんが、これについては、財政的な支援でなくて、事業実施の面でも国が直轄で行うというようなことで、至急、とにかく一本なりも道がつながるということをしていただきたいと思います。
ですから、この問題について、今道路の問題、それから自然のダムという、台湾で自然ダムになっちゃったというわけですが、自然ダムになったというのも、これはきちんとした工事をやっていないから、今度雨が出ればまた土砂崩れが出るという可能性もあるわけでありまして、これについてどういうふうな対応をなさるのか。
道路局長、河川局長、それぞれ答弁願います。
○谷口政府参考人 お答えします。
委員御指摘のとおり、国土交通省としても、被害の甚大さ及び早期復旧の重要性を認識しております。国土技術政策総合研究所、独立行政法人土木研究所の地質や橋梁等の専門家を派遣するなど、県管理道路の早期復旧に向け、技術的な支援を実施しているところであります。
また、御指摘の山古志村の国道二百九十一号につきましては、県知事からの要請を受け、国土交通省が直轄事業として災害復旧事業を実施しているところであります。
市町村道につきましては、被災箇所が多いということがございまして、これも、県からの要請に基づきまして、地方整備局の職員等でございますが、延べ五百五十人を派遣して、小千谷市など五市町村で一千五百五十カ所の被災状況の緊急調査を実施したところでございます。さらに、県からの再度の要請に基づき、十一月の八日から約七十人の地方整備局職員を長岡市など十市町村に派遣し、災害査定の準備作業の支援を行っているところであります。
今後とも、県や市町村と連携を図りながら、県道、市町村道の早期復旧に向け、国として最大限の支援をしてまいりたいと思います。
以上でございます。
○清治政府参考人 今お話にありました芋川の自然ダムというようなお話がありましたが、天然ダムというような言葉がよく使われているようでございますが、これが五カ所ほど生じておりまして、そのうちの大きいものを二つ、これは技術的にも非常に難しいということもございまして、知事から国土交通大臣に対しまして、直轄事業の実施も含めて検討願いたいという要請がございまして、これを受けまして、関係機関に協議、調整を行いました結果、十一月五日の日に決定いたしましたが、大きいもの、東竹沢というところと寺野、この二カ所の天然ダムにつきまして、直轄砂防災害関連緊急事業という事業で実施することを決定いたしまして、現在鋭意事業を進めているところでございますが、とにかく雪の多いところでございますし、また、来年の春の融雪出水が懸念されるところでございますので、これに万全を期すよう直轄の事業としてしっかり取り組んでまいりたいというふうに思っております。
○佐藤(剛)委員 ありがとうございます。よろしく頼みます。
次に、よく自助、共助、公助と言うんですね。自分の家、自分の財産というのはできるだけ可能な限り守る。それから共助というのは、ともにですね。例えば保険なんというのはそれに該当すると思います、損害保険。それについて私は、この機会に損害保険の問題、今、地震保険というのは火災保険にくっついているわけです。今回の災害というのは火災がなかった。これは、大変な私は関西の教訓をみんな実施したことだと思います。あれで火災があったら大変なことになっちゃうわけですが。
この意味で、この機会に、火災についている火災特約じゃなくて、住宅及びその家財、それから工場及びその設備、こういうようなものについて、これを中心にして、これが、ハリケーンが来ようと豪雪でやられようと、あるいは地震であろうと、それから台風であろうと、あるいは、戦争なんて言っちゃいかぬですが、いろいろたたかれたり何したりというような、原因を問わず、こういうような問題について一つの大きなものを保険としましてとらえる。
それで、国としましては、現在、損害保険については、青色申告をやるときには三千円の税額控除なんです。私はこれは少な過ぎると思っています。生命保険が五万円になっているんですが、生命保険も少ないと思っていますが、生命保険は私は五万を十万にしろ、それから損害保険は、これは十倍ぐらいの感じですね、三千円を三万ぐらいにするような感じで、ひとつ僕は組み立てをこの機会に、来ていますか、金融庁。――金融庁が中心になって、損保業界と一緒になって研究会でもやって、そしてしかるべき結論を早く出していただきたいと思いますが、答弁願います。
○大藤政府参考人 地震保険等に関する質問でございますが、先生御承知のとおり、地震保険の特性といたしまして、地震の発生頻度や損害の規模が大数の法則に乗りにくいこと、地震災害が時として巨額の損害をもたらす可能性があること、あるいは、危険度の高い契約が時間的、地域的に集中するおそれが大きいことなどが挙げられております。
このため、損害保険会社が保険として成り立つように任意、独立に地震保険を開発することはなかなか困難であるというのが現状でございまして、現行の地震保険は、基本的に、官民一体の再保険の仕組みから成る地震保険制度によってカバーされているわけでございます。
地震関係につきまして、いずれにせよどのような保険商品を開発するか等につきましては、保険会社のノウハウや創意工夫に基づき、最終的には経営判断にゆだねられているところでございます。先生御指摘のような、地震を含むすべての災害をカバーする商品を保険会社が任意、独立に開発するということにつきましては、保険料率というものが、民間の保険、単独の保険ということでありますと、いずれにしても非常に高くならざるを得ないこと、それがかえって契約者の選択の幅を狭めることとなるといったような問題点があるというふうに私どもとして考えているところでございます。
それから、税制上の措置等についての御質問がございましたけれども、平成十七年、あの税制改正要望におきまして、金融庁といたしまして、日本損害保険協会からの要望も踏まえまして、異常危険準備金の積立率等の引き上げでありますとか、あるいは地震保険料控除制度の創設等を要望しているところでございまして、引き続き税務当局と折衝してまいる所存でございます。
○佐藤(剛)委員 真剣に考えてください。そしてまた、この問題は引き続き質問をさせていただきます。
それでは、時間が限られておりますが、最後に、先ほど配付いたしました福島市における温泉旅館等の、新潟県の泉田知事のところで借り上げて、そして一時的に、何をするにしても避難場所が要るわけですから、体育館であの寒い毛布でいるよりも、そういう百室あたりの、隣近所の人が一緒に来てやれるという旅館があるわけでありますから、どうかそういうようなものを一つの参考にして私は災害疎開協定をつくるべきだと思っておりますし、また、将来は個人も市町村ももみ殻備蓄を実施すべきだというようなことを言っている男ではありますが、そういうようなものを含めて、今後この問題について必要なれば立法もいたすような感じまで持って大きく本件に臨みたいと思うことを申し上げまして、委員長、これで終わりにしたいと思います。
ありがとうございました。
○西村委員長 次に、近藤基彦君。
○近藤(基)委員 自由民主党の近藤基彦でございます。
まず初めに、今回の新潟県大震災におきましてお亡くなりになりました方々へ心からお悔やみを申し上げますとともに、被災をされた方々にはお見舞いを申し上げたいと思います。
さて、十月二十三日の午後五時五十六分、地震が発生いたしましたけれども、村田防災大臣には、直ちに災害対策本部を設置していただきまして、翌日には県の対策本部並びに被災地を御視察いただき、そして、原田審議官をリーダーに国の対策チームを新潟県庁内に残していただき、その後、林田副大臣あるいは江渡大臣政務官を派遣していただきまして国との連絡をとるなど、大変素早い対応をしていただきまして、本当にありがとうございます。新潟県民の一人として感謝を申し上げますし、また、その後、総理あるいは各党の代表の方々、そして衆参の災害対策特別委員会の皆様方にも現地を御視察いただいたこと、被災者並びに新潟県として大変心強い思いでおります。大変ありがとうございました。
まず村田大臣に、二十四日の日、被災地を御視察いただいたときの御印象をお伺いしたいと思います。
○村田国務大臣 二十四日の早朝八時に市ケ谷を自衛隊機で出発いたしまして、途中、パイロットにお願いをいたしまして山古志村の上空を飛びました。ヘリコプターからは、本当に、地すべり、土砂災害のひどさというものを上空から目の当たりにいたしました。
それから、新潟空港を経まして長岡市それから小千谷まで行ってまいったわけでございますが、あの新幹線の脱線の現場も視察をいたしましたし、それから、小千谷市の横渡地区の大変大規模な土砂崩落現場も視察してまいりまして、本当に商店街が傷んでいる、そういうこともつぶさに拝見をいたしまして、今回の地震が本当に大変な震災であるということを痛感をした次第であります。
そして、被災者が避難しておられる学校も見学をいたしましたが、とにかく二十四日の午前のことでございましたので、物資もまだ届いておりませんでしたので、その中で特に食糧不足というものを痛感して、直ちに非常災害対策本部にも連絡をして、農水省の備蓄の九万食、それから、自衛隊の備蓄をしております四万食を被災地に送るように直ちに指示をいたしました。
とにかく、食、それから寝具、避難場所、それからライフラインの回復、道路の修復等々、人命等の救助のほかに、矢継ぎ早に、被災者の皆さん方のニーズを満たしていくために一丸となってやる体制を対策本部として整えたところでございますが、地元の県あるいは地方公共団体も、連絡を密にいたしましてさまざまなニーズに対応していく、そういうことについて素早く対応する必要性、これを痛感した次第でございます。
○近藤(基)委員 本当に素早い対応をありがとうございます。
ややもすれば、地方団体、いわゆる市町村、県、国との連絡が非常にこういった混乱の時期に起こりがちなんでありますが、国のチームを県庁内に残していただいたという御英断を大変心から感謝をし、その辺は大変スムーズにいったんだろうと思います。
今現在、まだ避難をなされている方もたくさんいらっしゃいます。きのう現在では、人的な被害で三十九名亡くなられまして、負傷者が二千七百六十一名、建物の被害が、全壊が八百八棟、半壊が千七百三十五棟、一部損壊が一万六千八十九棟、そして避難をなされている方が一万四千八百七十三名と、一万五千名余りの方々がまだ避難をなされております。
ライフラインに関しても、電気で最大約九万五千戸の停電があったんですが、現在二千三百戸。ガスにおきましては、最大五万六千八百戸が供給停止になったわけでありますが、現時点で約一万一千七百五十戸がまだガスの供給支障を起こしている。あるいは水道では、断水戸数が最大で十二万九千三百四十二戸が断水をしたんですが、今残る断水戸数は四千三十戸。電話におきましては、約四千五百回線が停止をしたわけでありますけれども、現在では、山古志村の全村避難をしている地域の千二百回線を除きすべて復旧をしたということで、いまだ悲惨な状況は続いておるところでありますけれども、その中でも徐々に再建の音が高まりつつあることも確かであります。
国としてもこれまでさまざまな支援を行ってきたわけでありますけれども、特にこれから冬場の状況を迎える中で、避難者あるいは被災者の生活の質の向上、あるいは被災者の住居の確保に関してこれまでも大変な御努力をしていただいてきたわけでありますが、これまでの御努力とともに、今後どのような支援策が国として用意ができるのか、お教えをいただきたいと思います。
○林田副大臣 近藤委員には現地でいろいろな情報あるいはサジェスチョンをいただきまして、本当にありがとうございました。
今委員御案内のとおり、地震の場合、時間的な経緯をとっていきますと、一分一秒を争ういわゆる初期対応というか、それが大事だと思いますし、そしてまた、あるいは一日二日、緊急的な対応、そしてまた、これも時間との日数に関係すると思いますけれども、応急的な対応、そして、今ちょうど応急から仮へ向かっていくし、当然その前提には、先ほど来話がございましたように、この復興という本復興に向かっての対応が必要かと思います。
そういう中で、今大臣が答弁いたしましたように、内閣府としては、各省庁それぞれ、先遣隊、県と一体となっていろいろなニーズにこたえてきたつもりでございます。
したがいまして、これからのという話になりますと、これは気象条件が二つございます、私の感じでは。
これは、いまだやまないいわゆる余震、ちょうどもう終わりかなと思ったころに、とてもじゃない、五弱とか五強の地震がまだ出てくる。それと同時に、これももう委員の方が御案内と思いますけれども、あと数日すればいわゆる降雪期、そして根雪になっていくという非常に限られた気象条件の中で進めていかなきゃいけない。そういう中で、いわゆる寒冷地対策でございますけれども、先ほど佐藤議員のお話にもございましたように、高齢者、要介護者と申しますか、の方々にはそれぞれ暖かい旅館と申しますか、それも用意しております。百三十施設、四百八十名ほどの収容能力があるということでございますけれども、なかなかこれも御利用の実績が上がっておらないのが現実でございますけれども、いつでもこれはそれぞれ介護人を付き添えていく態勢をとっております。
それから、長くなりますと、どうしてもプライバシーの保持と申しますか、その辺でいわゆる精神的なケア、この辺は、実は十年前の阪神・淡路大震災の復興といいますか復旧に関してのいろいろなノウハウが蓄積されておりますし、現実に兵庫県からのいろいろな応援が、ボランティアを初め、あるいはアドバイザーを初め、非常に助かったといいますか、経験を聞かせていただいておりますし、やっております。
そういう中で、特にこれからの、寒いということで、温かい食事とか、これはもう当然でございますけれども、いわゆる本当のニーズはこれから何だろうということで、これは実はゆきつばき隊という、何か県の花だそうでございますけれども、婦人警官を中心として、男性も当然入っておりますけれども、このゆきつばき隊に各避難所を回っていただいて直接のダイレクトなニーズをつかんでいただく、これに対してまた当然それにこたえていくというふうに考えておりますし、いろいろな面で、至れり尽くせりと言ったら失礼かと思いますけれども、とにかく要介護者、特にまだここには、年齢を超えたと申しますか、子供さんも非常におられますし、この辺は、いわゆる避難所で高齢者と子供と一緒になっておりますと、よく言われるインフルエンザの、媒介と言ったら失礼ですけれども、ウイルスのあれになりますので、早く学校を開校すべきだということで、きのう現在では、たしかもう長岡高専一校を除いて既に学校は始まっておるということで、世代を超えても復興に立ち上がったというのを如実に感じておるような思いをしております。
また、仮設住宅につきましても、これは、それぞれ市町村からの要望に不足ないように、我々政府として一体として対応していきたいというふうに考えております。
○近藤(基)委員 ぜひ、被災者の細かいニーズに気を使って、これからも御支援をいただきたいと思います。
物的支援も大変大事なこと、精神的ケアも本当に大事なことでありますが、しかし、それをするにも財政の裏づけが必要だということでありますが、激甚災害の指定に関して、これは査定がなかなか済まなければ指定ができないのはよくわかるのでありますが、ぜひ、推計値を使ってでも早期に指定ができますようにお願いしたいと思います。
これは、実は我が県、七・一三の水害、そして台風十五号を中心とした台風被害、そしてもし今回の新潟県大震災に激甚を指定していただきますと、七月以来、今回三回目の激甚指定ということに新潟県ではなります。
そういった意味で、激甚の指定はもとよりなんでありますが、それを超えた、阪神・淡路の大震災のときのような財政支援等にかかわる特別立法がぜひ新潟県としては必要で、そうでないと、三カ月の中で激甚の指定をしていただいた三つの大きな災害を乗り越えることがなかなかできないだろうという思いで今お願いをしているところであります。
これも、なかなか災害の今回の規模がまだ余震が続いている中でつかめないという状況もあるわけでありますけれども、ぜひこれはお願いをしたいというところでありますが、激甚災害の指定と特別立法、別々な質問となるだろうと思いますけれども、ぜひこの辺の状況をお聞かせいただけるとありがたいと思います。
○西村委員長 答弁はだれに。
○近藤(基)委員 大臣にお願いします。
○村田国務大臣 まず、激甚災の指定についての御質問でございますが、被災地の公共団体が本来ならば被害額を積み上げて、それを私どもが報告を受けて把握するということ、あるいは査定するということになりますけれども、震災の状況からとてもそういう状況にないということで、私ども対策本部で私が指示をいたしまして、こちらの国土交通省とか農水産省の職員を現地に赴かせまして国の方がみずから被害額を把握してくる、これでできるだけ激甚災の指定の時期を早めたい、こういうふうに考えておりまして、できるだけ早くと思っておりますが、できますれば今月中には指定をしたいと、こういうふうに考えております。
後者の特別立法をという話でございますが、県あるいは地元の公共団体の御要望に、復興事業についてどういう内容があるかということについて私どもまだ正確に把握していないところがございますので、そうした被害の状況、あるいは、それに対して復旧復興事業の内容等々について情報を得まして、当面のところは今あるいろいろな政策手段を組み合わせて、一生懸命対策を講じた上で今後の問題として検討してまいりたい、こう考えております。
○近藤(基)委員 地方行政が大変疲弊をしている中でありますので、財政の裏づけをぜひ早期に行っていただきたいと思います。
ほかにも、被災した住宅を建てかえるために借り入れた資金のローン返済に対する利子補給、あるいは宅地等の二次災害防止工事のための補助、あるいは、小千谷や山古志村の特産であるニシキゴイを輸送するための経費に対する補助、あるいは観光産業が、新幹線が停止しているあるいは余震が続いているということで大変今大打撃を受けているわけでありますが、そういうものへの対策等々、現在の行政の制度のはざまになっているにもかかわらず、被災者の方々のニーズが高いものがたくさんあります。
このようなニーズにきめ細かくこたえて行政の取り組みを補完するためにも、雲仙・普賢岳の噴火あるいは阪神・淡路大震災の例に倣って、地方みずからが機動的あるいは弾力的に被災者支援を行えるような復興基金を創設すべきだと思っております。
しかしながら、当時と同様な効果の基金を創設するには、現在の低金利状態、阪神・淡路のときの基金を積んだとしても逆ざやになりかねないような、運用益が出てこないというような状況で、もし阪神・淡路大震災の例に倣ってということになると、規模としてはその基金の十倍程度の規模が必要になると考えられます。
新潟県が復興基金をつくる場合に、利子補給も含めてどのような地方財政措置を講じられる可能性があるのか。これは地方財政ですので、総務省にお尋ねしたいと思います。
○瀧野政府参考人 今般の新潟県の中越地震の災害復旧復興につきましては、さまざまな行政ニーズに対しまして機動的、弾力的な対応が必要でございまして、現在、国といたしまして、先ほども御議論ございましたけれども、激甚災害の早期指定を初めといたしまして、各省庁連携して全力を挙げて取り組んでいるわけでございます。
これらの取り組みに加えまして、ただいま、基金の創設はどうかというお話がございました。雲仙あるいは阪神・淡路の際には、地方公共団体から基金への長期貸付金に対しまして地方債をまず許可する、それからその利子支払い額に対しまして普通交付税で対応する、こういう措置を講じたところでございます。
今回、こういった基金を創設することについて検討するためには、現在、国、各省庁で全力を挙げてやっておるわけでございますけれども、国の制度では措置できない、行政対応の必要なものはどういうものがあるかというものをまず詰めなければいけない、それから、財政負担がその場合にどの程度になるのか、それから、それに対応して基金の規模、今御指摘がございましたけれども、こういう低金利の時代でございますので、基金対応が効果的かどうか、そういった点につきましてよく伺わなければいけないというふうに考えております。
いずれにいたしましても、地方財政が非常に厳しい状況にございますので、財政運営に支障がないように我々も全力を挙げて対応してまいりたいと考えております。
○近藤(基)委員 ぜひ、よろしくお願いを申し上げます。
もう時間になりました。最後になりますけれども、いまだ余震が続いていて、避難者も多数残っております。今後の大臣のこの災害に対しての力強い御決意をお伺いして、質問を終わりたいと思います。
○村田国務大臣 避難所におられる方は、近藤委員もおられるように、ライフラインの復旧に伴いまして一万五千人を割るところまで参りました。当初、ピーク時の十万人を超える規模からすれば、大分安定してきたなというそういう感じを持っておりますが、なおかつ、震源地であります川口町、それから小千谷市、それから全村避難をいたしました山古志村、ここら辺がまだ避難者が大変多いということでございますので、そうした地域の対策をできるだけ進めていくということが一つ。
それから、下流の皆さん方にも大変心配を及ぼしております山古志村の天然ダムの問題ですね。これは、当面あのダムの堰堤が決壊するというおそれはないという専門家の意見がございましたが、これから雪が降って、将来融雪期にどういうことが起こるか、あるいはその後の梅雨の時期にどういう問題が起こるかということも考えて、見通して対策を練っていきたいと、こう考えております。
いずれにしても、豪雪地帯でありますので、我々の被災地の支援は雪との闘いになりますが、政府挙げて、地元の公共団体、県とも一緒になって万全の体制で支援を続けてまいりたいと、こう考えております。
○近藤(基)委員 最後の最後まで御支援よろしくお願いします。
ありがとうございました。
○西村委員長 次に、渡辺周君。
○渡辺(周)委員 民主党の渡辺周でございます。
私も限られた時間内で質問をさせていただきたいと思います。
ことし相次ぐ台風災害、あるいは、今も大勢の方々が避難生活を余儀なくされている新潟のこの中越地震、大きな被害を受けられました。すべての犠牲者、被害者の皆様方に、まず冒頭、心からお悔やみを申し上げ、また、御尽力されている関係各方面の方々の御努力に心から敬意を表したいと存じます。まずそのことを申し上げまして、質問に入らせていただきます。
きょうの委員の方々の御質問の中で、先ほど冒頭に説明のございました、視察地へ行かれました台風二十三号、兵庫県の大きな水害、そして新潟県のこの地震とございますけれども、実は、私の地元でございます伊豆半島も台風二十二号によって大きな被害を受けました。
この台風二十二号は、十月九日の午後四時ごろ伊豆半島に上陸をいたしまして、とりわけ、伊豆半島の東海岸にございます伊東市の宇佐美という地域に大きな被害をもたらしたわけでございました。十月の十二日だったでしょうか、早速に林田内閣府副大臣には、政府の調査団長としまして、関係省庁、十四省庁にまたがったんでしょうか、大変大勢の関係する方々を伴って現地入りをしていただきました。当日は、私、本会議がございましたので同行できませんでしたけれども、私の地元のスタッフが同行させていただきまして、邪魔にならぬようにいろいろと現場の方々の声、行政関係者の声をいただいてまいりました。
その早速の対応には心から感謝を申し上げるわけでございますが、水害、川がはんらんをしまして、そしてまた、台風の強い風によってなぎ倒された流木が、あるいは、土砂災害に伴って流出をしました雑木林で随分影響を受けました。木が流れ込んだことによって、自然のダムが、川がせきとめられまして、それによって川がはんらんをした。そして、そのあふれた水が家屋に入りまして、伊東市の宇佐美という地域には大変大きな影響がございました。特に、やはり住民の方々に後で聞きますと、大きかったのは、それも停電が続きました。この停電も、一番復旧のおくれたところでは一週間かかったわけでございます。
台風災害によって停電が起こる。それで、この台風の強い風によって電柱が傾きます。一本の電柱がなぎ倒されますと、当然つながっているわけですから、みんなかしいでしまうといいましょうか、ゆがんでしまいます。それによって停電をしたところ、あるいは、強い風で飛んできたさまざまなものがひっかかりまして電線が機能しなくなった、あるいは電線が切れてしまったということで、大変東京電力の方々が、東京でありますとか神奈川でありますとか、遠くは山梨の方からも復旧のために駆けつけていただいたんですけれども、結果的には、やはりあちこちで土砂崩れが起きていますから、そういった工事車両もなかなか到達できない。現地では状況がわからないので、まずどこから手をつけていいかわからないという中で大変に混乱が起きたわけでございます。
今さらながらに、そうした例えば電気でありますけれども、あるいは電話がつながらないとか、こういうことは、本当に起きてみないといかなることであるかということというのは、実感として認識できないことだなと本当につくづくと感じたわけでございます。
その中で私がやはり痛感しましたのは、どこの自治体も、あるいは国もそうですけれども、災害に強い国土づくり、災害に強い県土づくりということをどの自治体も訴えますし、また、国としてもそれを標榜されます。いろいろな施策は講じてきているんですけれども、やはり一つ大きな問題というのは、私は、電柱を地中化していくということが今回のようなことを見ますと本当に早急に求められるなということを実感として感じました。
そしてまた、地震でもそうでございましたけれども、特に阪神大震災のときに、電柱が倒れたことによって下敷きになった方もいれば、感電をするのではないかということでおいそれと近づけなかった、緊急車両の妨げになった、助かる命も実はそれによって助からなかったということが後になって大変問題視され、指摘されたわけでありますけれども、今、国土交通省にお尋ねしたいのは、無電柱化推進計画、本年度から五カ年計画で推進をされているということでございまして、説明もいただきました。二千二百七十八億円の予算で、五カ年で、市街地の幹線道路の例えば無電柱化を現在の九%から約倍増の一七%にするんだ、あるいは、町の顔となる道路、政令市や都道府県庁所在地では四八%から五八%に高めるということで取り組んでいらっしゃるというようなことは聞いておりますけれども、確かにこれはコストも安いものではございません、地元負担もかなりの額になりますが、電柱の地中化ということについては、今回の災害を契機にぜひとも国を挙げて推進をしていただきたい。これは国のみならず地元の自治体の長の方にもお願いをしていますけれども、この点の取り組みというのはどうなっているのか。
また、今回の災害を受けて、例えば防災計画、特に静岡県の場合は、予想される、想定される東海沖地震でありますとか、あるいは神奈川西部地震でありますとか、もっと言えば、首都圏の直下型地震だとかいろいろなことが言われております。そうした中で地中化ということについてどのようにこれから取り組んでいかれるのか。
町並み整備とか景観の中では、今、電柱の地中化を進めようという動きがあるとは聞いておりまして、これは一つの観光資源対策という意味では取り組まれておりますけれども、防災という観点についてはどうなっているのか。
その点について質問させていただきたいと思います。
○谷口政府参考人 お答えします。
委員御指摘のとおり、電線類の地中化は、防災対策、都市景観の向上、歩行空間のバリアフリー化等の観点から重要な課題であると認識しております。
平成七年の阪神・淡路大震災においては、地中化されたケーブル類の被災率が架空ケーブルの八十分の一の程度であったなど、地中化は防災対策の面で大きな効果を発揮しております。
昭和六十一年より、電線類地中化計画に基づき、関係省庁、関係事業者と連携して計画的に地中化を推進してきておりましたが、より一層の地中化を推進するための制度的枠組みとして、平成七年の三月に電線共同溝の整備等に関する特別措置法が制定されました。それによりまして、これまで約五千五百キロメートルを整備してきておるところでございます。
また、委員御指摘のとおり、本年四月に策定しました無電柱化推進計画においても、緊急輸送道路、避難路の確保と防災対策の観点からも、重点的に電線類の地中化を推進することとしているところであります。例えば宮古島においては、昨年の九月の台風十四号の被害等を踏まえ、約六・八キロメートルの電線類の地中化を実施することとしているところでございます。
以上でございます。
○渡辺(周)委員 今、宮古島の例を出されましたが、まさに台風の通り道で、これからも被害が想定されるところ。あるいは、地震の想定される、地元の話で申しわけないんですけれども、静岡県なんか、あるいは神奈川県もそうでございますけれども、これは、学識経験者から言わせると、間違いなく近い将来起こり得ると言われているところでございます。
この点については、地元負担もある話でございますので、地元の自治体といろいろ協議をされまして、電柱の地中化ということは、本当に、将来これによって命を救われる、あるいは物資の輸送がスムーズになるという点から、ぜひ積極的に取り組んでいただきたいなと。特に、防災計画の範囲内においては、防災計画を策定している地域におきましては、自治体とぜひ綿密に協議をしていただいて、この地中化というものを進めていただきたいなというふうに思います。
それから、今回の台風二十二号でこの伊豆半島の各地自治体にも私いろいろ伺いました。そうした中でやはり出てくる問題というのは、いろいろな、先ほど来申し上げた現場の復旧ということはもちろんでありますけれども、現場の復旧をした後に出てくる、何といいましょうか、災害廃棄物と言ったらいいのでしょうか、例えばそれは、当然一般家庭から出てくるいろいろなもう使い物にならなくなったものであったり、あるいは、先ほど来申し上げている、例えば倒壊した木であるとかあるいは看板類であるとか、あるいはさまざまな災害廃棄物が出るわけでございます。この廃棄物を撤去するコストというのは、これはなかなか大変なものがございます。
まずは、こうしたものに対して地元負担というのはなかなかこれは大変だ。しかも、これから別途さまざまな住民に対する生活支援をしなきゃいけない、あるいは公共施設の補修もしなきゃいけないということを考えますと、これは、こうした廃棄物の処理というだけでも大変なんです。その辺の国の支援制度というのはどうなっているんでしょうか。その点についてお尋ねします。
○南川政府参考人 お答えいたします。
災害廃棄物の分別、焼却あるいは埋め立て、そういった処理に要する費用でございますが、当該市町村に対しまして費用の二分の一をまず国庫補助することにいたしております。この中で、いろいろ市町村のニーズがございますので、その中に、例えば他の市町村への委託についても処理補助対象に含めるとか、あるいは、家庭ばかりでなくて、中小企業、零細企業から排出された廃棄物が一体となって集積された場合にも対応するということで、できるだけ地元市町村の期待にこたえた形で補助を行っているところでございます。
また、残りの五割の市町村裏負担につきましても別途地方財政措置が講ぜられておるということで、全体の約九割程度がそういった費用でカバーされておるということに承知しております。
○渡辺(周)委員 ということは、確認でございますけれども、地元負担というのは、そうしますと一〇%、一割ということで考えておいてよろしいんですね。
○南川政府参考人 地財措置の具体的な算定はわかりませんが、おおむね一割程度というふうに承知しております。
○渡辺(周)委員 ぜひそれは、自治体の中にもまだそういうことが理解されていないというか、なかなかまだうまく伝わっていないところもありますので、そういう制度があるんだということも、当然、財政当局の方々、担当部局とぜひ認識を一致させていただいて、そうした不安を早くに払拭していただきたいなというふうに思います。
時間がありませんので次々申し上げたいんですが、今回の台風二十二号においても、家を失った方あるいはもう住めない方が避難生活を余儀なくされました。それは公民館であったり学校であったりしたわけですけれども、幸いにして長期化をさほどせずに、新潟の方々に比べればですけれども、ただ、この避難生活というのが続きますと、これはもう大変な肉体的、精神的なストレスになってくる。これは先ほど来指摘されているとおりでございます。
そうした中で、私が今回の新潟の地震を見ていても思いますのは、一番痛い、つらい目に遭ったりした方々、恐怖の中で着のみ着のままで逃げ出して、そこでとにかくいつまで続くかわからない余震の中で生活をされる。そしてまた、中には親族を失った方もいらっしゃる、あるいは家族、財産を失った方もいらっしゃる、あるいは夢も希望も将来の展望も失った方々もいらっしゃるわけでございます。そうした一番痛い目、つらい目に遭っている人たちが、これはいつも思うんですけれども、なぜ学校の体育館の中に寝泊まりせないかぬのだろうか。もちろん御本人の希望もあると思います。家からほど近いところで自分の家屋敷が見えるところにいた方が、何かあったときにいつでも行けるという安心感もあるでしょうけれども。反面で、私いつもこれ思っていました、また大勢の方も同じ疑問を持っていると思いますが、なぜ、こういうときにあの公共施設というものがもっと開放されないんであろうかということです。
例えばあの新潟県には、グリーンピアというのが、南魚沼郡ですか、すぐ近くにございますね。例えばこういうところの利用状況というのは一体どうなっているのかと。例えばこういう年金施設なんか開放して、せめて夜露をしのげて寒さをしのぐことができる、車の中で寝泊まりをして、不幸にしてあのエコノミー症候群によって亡くなった方が何人もいらっしゃる、そういうことを考えた場合、例えばこうした公共施設はどのような形で利用されているのか。今、現状どう活用されているのか。
それと、もう一つあわせて伺えば、民間のホテルだとか旅館がございます。今回の新潟の地震では、影響を受けて越後湯沢の方で倒産されたおかみさんのお話をきのうテレビの何か番組の中でやっていましたけれども、例えば民間の施設に先ほども分散して疎開をさせるようなことはどうだという御提案もありましたけれども、例えばそうした形で災害協定を結んでいらっしゃるなら、そこを借り上げて、あるいは、そこに住んでいる人たちの滞在費は公費で見るという形でどれぐらい本当に活用されているのか。
もちろん、受け入れられないところもあると思います。しかし、受け入れられるのならば、例えば行政の職員なりが生活の面倒を見るとか、あるいは、全国から来られたボランティアの方にそういう身の回りのことはお願いするとかして、幾らでも可能なことはやっていけると思うんですけれども、その点はいかがでしょうか。お尋ねします。
○小島政府参考人 今回の新潟県中越地震におきましては、地震発生の翌日、二十四日に、避難所生活が必要となりました高齢者、障害者、それから妊婦、乳幼児、こういった要援護者の方々につきましては、旅館やホテル等を借り上げて避難所として活用するように新潟県の方に要請を行ったところでございます。新潟県では、こうした要請を受けまして、二十八日に実施要領が策定されました。
その結果、現在、新潟県下の民間ホテルそれから公共施設を含めて、百三十施設、四千七百七十八人のいわゆる部屋が確保されております。津南のグリーンピアからは、三百二十人までの受け入れを表明しております。
現在の実施状況でございますが、九日現在、三百八十人の方が旅館、ホテルを避難所として活用されておりまして、そのうち、グリーンピア津南では四十九人の方が避難所として利用されているという状況でございます。
○渡辺(周)委員 そうしますと、これは御本人たちの希望もあると思うんです。そうはいっても学校の方がいい、家の近くで親族が近くにいるところがいいという方もいらっしゃいますでしょうし、ただ、今回のことを見ていて、とにかく、これから寒い中、まだ震度五弱の余震が続くようなところで、いつまでこの中で生活をされるんだろうか。もうストレスも限界に来ているでしょうし、また、健康を害される方もこれから出てくるだろう。
そういう中で、これは、もちろん御本人の希望もありますから強制的にというわけにいかぬでしょうけれども、まさにこういうときに、こうした公共施設あるいは民間施設に対して協力を求める、あるいは積極的に開放する。よくニュース等を見ていますと、温泉といいますか公共の浴場なんかを開放して、いや、三日ぶりにおふろに入ってよかったよかったと、それは私に言わせれば当たり前のことでして、あんなものは真っ先にやると。一番痛い目、一番ひどい目に遭っている人たちに、やはり少なくともそうした避難生活だけでもいかに快適な思いをしていただけるかということを、やはり心の通ったことをやっていただきたいなというふうに思うわけでございます。
もう時間がありませんで、この問題をもうちょっとやりたいんですが、最後の質問に移らせていただきたいと思いますが、その点について何か御意見がありましたら、後ほど伺いたいと思います。
それで最後の質問は、ぜひ防災担当大臣にお尋ねをしたいんですけれども、今回、いろいろな災害が本当に就任以来立て続けに起きました。そうした中で、現場へ行くと、物資が不足している、あるいは、こういうものをもう少し準備しておけばよかったということがあったんだと思います。例えば簡易トイレにしても、あるいは夜間の照明にしても移動電源車にしても、必要だったのでないかということが先般の本会議で田中眞紀子議員から御指摘がありました。あるいは、汚水の浄化装置でありますとか仮設のトレーラーカーだとか、もっと言えば救助犬だとか、こういうものはどうなんだというようなことも先般新聞の中で佐々淳行さんがおっしゃっていましたけれども、この我が国のような地震国あるいは台風の影響を受ける国の中の担当大臣として、非常に大勢の被害者を出した今回の災害を受けて、どのようなものがこれから必要である、あるいはこういうものを早急に整備すべきだということをどれだけ今回の中で御認識されたか、そうしたことを最後にお尋ねをいたしまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
では最初に、もしあれでしたらどうぞ。
○小島政府参考人 長い避難所生活になりますとやはり体力が衰えてまいりまして、障害者の方、高齢者の方々、大分生活がきつくなります。そこで、現在では、約百名を超える保健師の方が健康相談で各避難所を今回っておりまして、そのときに、その状況を見ながら、ぜひ旅館、ホテル等を御利用になったらいかがですかというふうな相談も受け付けているわけでございます。
ただ、先生がおっしゃいましたように、家のそばがいい、それから、自分だけ抜け駆けしてというのはどうも気が引ける等々の理由がございまして、現在の利用は三百二十人余りにおさまっているわけですが、これから非常に厳寒期を迎えます。さらに利用がふえると思いますので、私どもとしては、こうした準備に万端を整えるとともに、相談体制をさらに充実してまいりたいというふうに考えております。
○村田国務大臣 今のお答えにちょっとつけ加えますと、私ども対策本部でいつも悩みの種は、我々が持っているキャパシティー、例えば自衛隊のテントでも、自衛隊では四千張り以上の用意があるんですね。というと、三万人近く分があるわけです。それからおふろの用意も、それから温かい御飯を提供する施設も、それから民間の要するにホテルにしても公営住宅にしても、我々の提供し得る、全国から集めて、あるいは自衛隊なんかの協力も得たり、その提供できるサービス等のキャパシティーは随分ある。だけれどもなかなか行き渡らない、ニーズを掘り起こせない。
そういう意味で私どもは、今回、ゆきつばき隊という警察のああいうグループも出ていただいてニーズの掘り起こしをやるということまでやりましたけれども、そのキャパシティーとニーズとのミスマッチが起こるということが大変悩みでございまして、ここはひとつ、今後とも広報の仕方を含めて改善をしていくことが必要ではないかということが一つ。
それから、一般論で申し上げますれば、七月の豪雨からずっとありまして、避難勧告等の情報伝達のあり方、それから、今回の地震でもそうですが、お年寄りが大変被害に遭われたので、そういうお年寄り対策はどうするのかと。これは検討会が始めていますので、できる限り早いうちに結果を出したいと思っています。
それから、今回の中越地震に関しましては、山奥で起こったと。要するに、通信の問題、夜に途絶えたところがあったということでありまして、通信の問題、あるいはお年寄りもおりますし、山奥で起こるそういう特有な災害の問題点等々を私ども把握いたしまして、今後の我々の防災対策のたゆみない改善に役立てていきたいと思って、これも、検討会、いろいろな衆知を集めて検討したいと、こういうふうに考えております。
○渡辺(周)委員 終わります。
○西村委員長 次に、泉房穂君。
○泉(房)委員 民主党の泉房穂です。
二十分という限られた時間ではございますが、生活支援法の改正を求める立場より担当大臣に対しまして所見を問うていきたいと思います。簡潔に質問していきますので、その質問の範囲に対しまして簡潔にお答えのほどをよろしくお願いします。なお、答弁は大臣のみに限らせていただきますので、よろしくお願いいたします。
お手元の方に資料をお配りさせていただいております。一枚目が、各都道府県における、この分野における支援策の一覧でございます。二枚目が、総理そして官房長官の発言でございます。三枚目が、これは、今回の春の改正が通った後の支援金の仕組みのものでございます。こちらのペーパーも事前にお渡ししておりますし、質問項目も事前に伝えておりますので、よろしくお願いします。
まず第一問ですが、一枚目のペーパーを見ますと、この春の改正、国の方は、平成十六年四月に、この春改正されましたが、その後を見ましても、一覧を見ましても、兵庫県以下、兵庫、福井、徳島、三重、新潟、それぞれで各県単独の支援策がとられております。こういった、国が法を改正した後になお都道府県が独自施策をとっている、この事実をまず大臣は積極的に評価するのか、それともこういうのは憂うべきことなのか、まずそのことを御質問いたします。
○村田国務大臣 各県等がその地域の独自の施策を講じているということについては私は存じておりますし、地域のそれぞれの発案によりましてそうした制度を設けている、こういうことを承知しております。
○泉(房)委員 表を見ていただいたら結構ですけれども、国と、あとほかの県、見ましたところに網かけをしております。何が違うか。国の方には住宅本体補修費が対象に含まれておりません。それに対しまして、今回の春の前から、鳥取、宮城、そして今申し上げた県につきましては、住宅本体そして補修費に対する支援を決めております。この事実を大臣は、この点に限り積極的に評価するのか、こんなことはするべきじゃないと言うのか、はっきりとお答えください。
○村田国務大臣 私は、それぞれの県の施策によりましてそうした措置、施策、政策がとられているというものと理解をしております。
○泉(房)委員 具体的に例えば兵庫県を見ていただいたらわかるんですが、兵庫県の場合、兵庫県の欄に「被災者生活再建支援法の限度額と支給金額との差額を支給」、つまり、国が不十分だから補完措置をとっているわけであります。また、ほかの都道府県も、国がしないからやむなく住宅本体補修費にお金を充てているわけです。しかも、国の制度は、都道府県から基金を拠出させて、三百億円もの基金を拠出した上で成り立っているわけであります。国がしっかりやれば都道府県がやる必要はありません。この点、改めて大臣。
しかももう一点、都道府県でしたとしても、災害は都道府県を選ぶわけじゃありません、またがるわけです。この制度のある県とそうじゃない県で不平等が生じます。こういった事実を含めて、再度、こういったことについては国が積極的にやるべきでないかと私は思いますが、大臣の所見を問います。
○村田国務大臣 さきの通常国会におきまして、今委員の御議論の被災者生活再建支援法というものが議論されて改正になったわけでございまして、私は直接その場におりませんでしたけれども、今委員がおっしゃるような同様の議論がいっぱいございまして、その結果、改正法案になりまして、そのぎりぎりのところで居住安定支援制度、こういう制度ができたと、こういうふうに私は承知をいたしております。
○泉(房)委員 今の大臣の承知の仕方自体が理解が間違っていると思いますが、その後にも都道府県で施策が行われている以上、少なくとも、法改正以後の動きも踏まえて再度検討すべきだと私は思いますが、次の質問に移ります。
大臣は、先月、十月二十六日、衆議院本会議におきまして大臣みずからがこう言っておられます。最後に、被災者生活支援法について改正の必要はないか、住宅本体への適用をやるべきではないかという質問に対してですが、「やるべきではないかということでございますが、私ども、通常国会におきます法改正の趣旨にのっとりまして、大規模半壊についての適用あるいは運用を弾力化いたしまして、そうした被災者のニーズにこたえてまいりたいというふうに考えております。」このように大臣は言っておられます。
ポイントは、住宅本体への支援に対する質問に対しまして、運用の弾力化をもってニーズにこたえたいという答弁でありますが、私は理解に苦しみます。運用を弾力化すれば住宅本体への支援が可能になるのか否か。可能になるのであれば、この答弁は間違いであります。その点、はっきりとまず、運用の弾力化で住宅本体への支援が可能か否か。可能ならば可能で結構です。可能じゃなければこの答弁は間違っています。
そのいずれか、お答えください。
○村田国務大臣 今ある法律の中で最大限被災者の支援をするという観点からいいますと、今の法律は住宅本体への支援はできないことになっておりますので、その中でこの前できた居住安定支援制度というものを十分活用できるようにするには、弾力的にその制度の運用を図る、そういう意味で私が答弁申し上げたわけでございます。
○泉(房)委員 再度簡単な質問をしますから、簡潔にお答えください。
運用の弾力化によって住宅本体への支援が可能になるのか否か、明確にイエスかノーかお答えください。
○村田国務大臣 ただいま既にお答えいたしましたように、住宅本体への支援は可能になるものではございません。
○泉(房)委員 といたしますと、衆議院本会議における答弁というものは極めて誤解を招く表現だと思います。マスコミ報道でも、政府の方は運用の弾力化という表現をたくさん使われますが、そのことによってできることとできないことがございます。
三枚目の方、カラーのペーパーを見れば明らかでありますが、この制度につきましては、運用の弾力化でできるのは、まさに二番目の対象世帯のところ、大規模半壊ないし全壊の認定の問題であります。そうではなくて、法改正を要するのは、対象経費、すなわち、どこに使っていいか否かの問題であります。明確に違う問題であります。
しかるに、官房長官の発言を見ましても、二枚目のペーパーの細田官房長官の発言を見ましても、最後の文章でありますが、既に弾力的適用はしているが、きめ細かく対応する必要がある、法改正が必要かも含めて検討すると。このような発言が出てくるのは、つまりこれは、明確に違う問題だからであります。
といたしますと、少なくとも、官房長官やまた総理も、上の答弁を見ましても、民主党の提案に対しまして検討していくと答えております。担当大臣も法改正を含めて検討していくのは当然だと思いますが、お考えをお聞かせください。
○村田国務大臣 総理のお考えも官房長官のお考えも、私の考えと全く同じであると私は理解しております。
○泉(房)委員 では、再度確認します。
担当大臣としても被災者生活再建支援法の改正も含めて検討していく、そのように理解してよろしいですね。イエスかノーかお答えください。
○村田国務大臣 委員は法律家でございますから、対象経費について非常に厳格な解釈をしております。
しかし、うちを再建するケースにおいては、建物を除去しなきゃいけない、そういうたぐいの出費もあるわけでございます。それで、家を建てた後、仮に借金をすれば、それについてのローンの支払いもあるわけでございまして、そういう意味で、前回の通常国会では、個人の資産に対しての税金の使用をするということはやらないけれども、ぎりぎりのところでそうしたローンの利子の支払いに充てることもできるし、かつまた、住宅の撤去費用等にも使うことができるものとして制度を拡充したのではないかと私は理解しております。
家を建てるについては、家本体のもちろん費用も要るでしょうけれども、その前段階あるいはローンの費用等まで含めましてそうしたことが今度の改正でもってできるようになったということは、私は大変な前進ではないかと理解しております。
○泉(房)委員 今のは答えになっていません。法改正によって周辺経費が出たことを評価する、別に評価します。
ただ問題は、それでは足りないからこそ、法改正の後も各都道府県が独自施策をしているわけであります。多くの国民の声でもあります。毎日新聞の最近の直近の世論調査でも、国民の八割がこういった住宅本体や補修費への支援に対しまして賛成の意を示しております。国民世論は、公的支援でもって住宅本体、補修費をやれという世論であります。阻む理由は全く理解できません。
もし阻むものがあるとすれば、それは何なのか。明確にお答えください。
○村田国務大臣 一つの哲学といたしまして、個人の財産の形成に税金を使わない、こういうことで今まで政府の施策は原則として動いてきたわけでございまして、そこが要するに一つの哲学としての境になっているというふうに私は思います。
○泉(房)委員 今の答弁に対しまして、では確認します。
これまでのその哲学とやらですが、では、個人資産の形成に対して支援された例はこれまでないのですか、あるのですか。お答えください。
○村田国務大臣 私の担当します防災の範疇では、これまで、住宅本体ということに限れば私はないと承知しております。
ほかの点についてはまた御調査をいただきたいと思います。
○泉(房)委員 今の答弁は誤りであります。
これまでも農地や農業施設の災害復旧には公的支援がなされております。また、解釈が分かれるかもしれませんが、預金保護、預金者保護の見地から公的資金も注入されております。
また、今回の周辺経費につきましても、当初、財務省は、それすらも個人資産の形成だからだめだという立場でありました。この周辺経費、家賃や利子、これだって個人資産の形成であります。
あるじゃないですか。どうして周辺経費がよくて住宅本体がだめなんですか。どうして農地や農業用施設がよくて被災者はだめなんですか。お答えください。
○村田国務大臣 それぞれ私が御答弁する立場にないところもございますけれども、例えばローンの利子につきましても、住宅本体に対しての直接的な出費について税金を使うものではない、こういうふうに私は理解しております。
○泉(房)委員 納得のできない答弁でございますが、確認でございますが、二つ前ぐらいの質問に答えていないので、再度確認します。
哲学ということですが、その哲学は財務省の哲学じゃないですか。担当大臣は御出身は財務省とお聞きしますが、財務省の御意向よりも当然被災者の気持ちを大事にされると思います。とした場合、少なくても、検討していく、被災者生活再建法の法改正を今しろと言いません、聞きません、改正について検討するぐらいは言ってしかるべきじゃないかと思いますが、御発言をお願いします。
○村田国務大臣 例えば、こういう議論を私も参議院の方でいたしました。
一つは、施策として、先ほどもこの場で議論がありましたけれども、地震保険というのがございます。多分、民主党の議員の皆さん方も地震保険の拡充のいろいろな運動をされていると思いますが、こうした形で被災に遭った場合に、もしその地震保険ではなくてこうした政府の施策によってうちが建てられるということになったら、恐らく地震保険を掛ける人は少なくなると思います。
それから、借家の人間はそもそも住宅がないのでございますから、要するに、借家の人に対してはそうした住宅本体についての税金の使用というのは認められないということになります。あるいは、百万円支援してもらえば建てられる人もあるし、一千万円支援してもらわなければうちが再建できないという人もありますので、泉委員のそうした公平感についての御意見をどうか整理をしていただきたいと私は思います。
それで、なお、この法律につきましては附帯決議がございまして、四年後に見直すという規定がありますので、そのときにまた議論があろうかと、こういうふうに思います。
○泉(房)委員 質問に対して答えが合っていません。極めて賢明な大臣でしょうから、質問に対して明確にお答えください。
法改正について検討するか否か、まずイエス、ノーでお答えください。
○村田国務大臣 法律は一たん制定されて絶対に改正しないということでもありませんし、この法律は本来議員立法でもありましたので、そうした意味で、法律改正の可能性は私は否定するものではございません。
○泉(房)委員 今の答弁で法改正の可能性を示唆したと受けとめますが、法改正については、住宅本体のみならず、支給金額につきましても、今の三百万で足りるかという議論もございます。
支給要件について、表に戻りますが、マル・バツが入っているところでありますが、国の方は年齢や収入要件でかなり厳格でございます。バツというのは、これは逆に要件がないという意味で、いい意味でありますが、鳥取や宮城や福井や徳島につきましては、そういった要件をなくして、すべての被災者に対しまして手厚い支援をしております。
こういったことも含めて、支給金額の問題、支給対象経費の問題、それから金額の問題、そして要件の問題、この三点とも検討が必要と思いますが、この三点につき検討を要するという理解でよろしいか、お答えください。
○村田国務大臣 将来の、もし皆さん方の御意見があって、そしてまた政府としても必要があって改正が必要だという段階になったときに、こうした項目についても皆さん方の意見をお聞きする、こういうことにはなるのではないかと思っております。
○泉(房)委員 それがまさに今ではないんでしょうか。法改正が春になされ、その後、なおかつ都道府県で独自施策がなされ、もう次々に緊急アピールも出され、まさに法改正を望んでいる声であります。
すぐに検討すべきだと考えますが、いかがですか。
○村田国務大臣 附帯決議の趣旨を政府としては尊重したいと、こういうふうに考えております。
○泉(房)委員 確認でありますけれども、まず法改正につきましては、確かに立場によっていろいろな議論があり得ることは理解します。例えば、支給金額を三百万円から五百万に上げる、また支給要件を緩和する、そうすると財源論の問題が生じてまいります。その点はわかります。
しかしながら、対象経費の問題、周辺経費のみならず、住宅本体や補修費に充てるということにつきましては、特に財源論における否定論はないと思います。まさに哲学のみの問題、価値判断、えいやあの問題だと思います。そこはそれでよろしいですね。
つまり、住宅本体、補修費に対してするか否かの問題について、それに対して消極に働く部分は哲学以外にないという理解でよろしいですね。
○村田国務大臣 政策論だと思いますが、そのもとにはやはり哲学論というのもあるのではないかと思います。
○泉(房)委員 少なくても、財源論などにおける消極的要素はないというのは明らかであります。まさに哲学、哲学とおっしゃるのであれば、これまでの哲学を、この一連の大きな台風または新潟の震災、そういったことも踏まえて、改めてそういった考え方を検討し直すべき時期だと思います。
同じ質問をしても答えてもらえませんので、再度この部分について読み上げて、同じ考えだということの確認をします。官房長官が、既に弾力的に適用はしているが、きめ細かく対応する必要がある、法改正が必要かも含めて検討する、この官房長官のお考えと担当大臣の考えは同じですね。
○村田国務大臣 官房長官あるいは総理がお答えになっている趣旨と私も考え方が同じだと思っております。
○泉(房)委員 引き続き、この問題につきましては野党三党で改正案を提出しております。速やかに審議し、そして法改正をしていきたいと思います。この問題につきましては、何党ではございません。被災者の立場に立つのか、そうではなくて古き財務省の哲学に従うのか、その問題でございます。
そのことを強調して、質問を終わらせていただきます。また延長戦をやります。お願いします。
ありがとうございました。
○西村委員長 次に、五島正規君。
○五島委員 民主党の五島でございます。久しぶりにこの災害特で質問をさせていただきます。
今回、新潟中越大地震によってその被害が余りにも大きいということで、世論の中では若干もう隠れてしまっている状況にありますが、今年度は非常に台風がたくさん押し寄せてまいりました。高知県の関係のあった台風だけでも約九つということで、とんでもない状況でございました。中でも問題でございますのは、台風二十三号によりまして、きょうは国土交通省の蓮実副大臣には出てくれと言っていたんですが、おいでになっていないようですが、彼も、その災害の後、現地を視察に来ておられました。それで、この問題について少しお伺いしたいと思います。
実は、今回の台風二十三号の高波によりまして、波高が二十四メーターの高波が室戸に押し寄せてまいりました。八階建てのビルと同じ高さの波でございます。これによりまして防潮堤が三十メートルにわたって吹っ飛ばされたということのみならず、その周辺の地域における舗装道路が、ちょうど二十四トンの重量物が上から落ちてきたのと同じですから、完全に舗装面が粉砕され、それが押し流されています。大変大きな被害でございました。
こうした被害が発生したわけですが、問題は、これが、既に危険性がわかっていたけれども放置されていたという事実が明らかになっています。
十一月五日のこれは読売新聞でございますが、高知には載らなくて全国版に載っているんですが、二年前に東南海・南海地震の津波対策として調査を行っている。その結果、約七百十三キロを千五百九十地点に分けて安定性と劣化について評価し、問題がなかったというところはわずか五%、その安定性にも劣化についても大いに問題ありというところが五%、そして、劣化はしていないが、安定性は低く、転倒などの被害発生の危険度が高いというところが九〇%という数字が既に出されていました。
問題は、この改修工事。高知県は非常に貧しい県でございまして、財政難で、問題のある防潮堤を県単独で改修するのは困難だった。そのために、この調査結果も内部資料なので住民には知らせなかった。その結果、今回の災害が発生いたしました。
県としては、南海大地震の起こる可能性というのはまだ十年、二十年先だろうということでこういう措置をとってしまったんだと思うわけですが、やはり、そこのところが高波に襲われた途端にこういう結果が出てしまった。しかも、今回の高波の結果、防潮堤が崩壊していないところにおいても、さらに防潮堤のすき間の部分があいてしまったり、非常に問題が起こってきている。
それで、こうした災害を未然に食いとめていくために必要な措置というのが、現在においてはそれぞれの自治体の単独事業に任されている。そして、災害が起これば、それが大きな激甚災害などに指定されると、それに対しては国の方の補助金が出てくるという仕組みになっています。
そこでお伺いします。
災害の予測というものが、科学的に、この後、国土交通省と県とももう一度やっているわけですが、科学的にその危険性が証明された場合、それでも、被害が出ないとそれに対する対策を国としてはとらないのかどうか、また、今回の室戸災害のように、堤防の崩壊した地域は一部であるけれども、それに引き続きさらに一段と防潮堤が安定性を低下させ劣化を進めたという場合は、そういうものについては対策の中に入れていくのかどうか、その点についてお伺いしたいと思います。
○中野大臣政務官 被災状況の御検分などで、五島委員、大変御活躍をいただいておりますこと、本当に御苦労さまでございます。
台風二十三号による被災の状況、今委員からもお話をいただきました。観測史上最大の高波が発生をしまして、室戸市の菜生海岸において海岸堤防が約三十メートルにわたって倒壊をしたと。ここから海水が流入して家屋十三戸が被災し、市営住宅に入居の三名のお年寄りの方が亡くなられた。私たちも心からお悔やみを申し上げたいと思います。
ただいまの詳しい事情も後で申し上げたいと思いますけれども、基本的に、高知県が管理をする海岸でございまして、高知県の管理によって、私たち国土交通省が、例えば今お話しをいただいたようなことがあったとすれば、そのときにはしっかりと補助ということで臨む、こういうことになっておりますので、一義的には、都道府県、いわゆる今回の場合は高知県、こういうことで御理解をいただいておきたいと思います。
○五島委員 到底御理解できないからお伺いしているわけです。
基本的に、七百十三キロの海岸、護岸堤防においてその九五%が安全性に問題あり、そのことを県としては到底財政的に手がつけられない、だけれども、住民に知らせると大変なパニックになるだろうと。
今回の高波も、皆さん方はどうお考えか知りませんが、一発の波ですべてが粉砕されたんですよ。すなわち、高波がどれぐらいの高さになるかというのは、地形によってまいります。室戸というのは非常に高波が起こりやすい地形があって、よそでは、例えば東京湾では、津波で何メートルという津波が襲ってくる可能性はありますが、高波がそんなに二十四メートルなんというようなことは絶対あり得ないわけですね。
そういうふうな地形にある中において、荒い波の中で、しかも三十年前の堤防がつなぎ目その他が劣化をし、構造的にも三十年前の構造のために安定性に問題がある、そういうふうな事実が調査の結果わかった、これは第一義的に県の責任だと。確かに法律の建前はそうです。そう言われても手の打ちようがないというのが現状なんです。小泉内閣は、何か公共事業は全部だめ。私も要らぬ公共事業はやめたらいいと思っていますけれども、国が国民の生命を守るために必要な措置ができないような内閣は、そんなもの続く必要ないわけです。
国土交通省にしても、私に言わせれば、新幹線も高速道路も、この際少々その建設のスピードを落としてでも、やはりここまで来れば、安全性に対する対策というものを優先してやらないといけないんじゃないか。そうでない限りこの問題は、今回の経験をもとに毎年毎年高知の県民は大変な不安におびえながら暮らしていかないといけない。
それについて、中野政務官並びに、知らぬ顔しておられるけれども、村田大臣も防災担当大臣です。どうお考えかお伺いします。
○中野大臣政務官 委員御指摘のように、この倒壊は、まさに設計を上回る外力、すなわち波の力により生じたもので、重大な問題として対処していかなければならないと考えています。
十一月六日に、高知県と共同で学識経験者から成る委員会を設置いたしまして、被災原因の究明、また復旧対策の検討、及び、ハード、ソフト両面での減災対策の検討を行っているところであります。
なお、今回の災害の教訓を無にすることなく、御指摘をいただきましたように、土佐湾のみならず、全国の必要な海岸堤防について総点検を行いまして、必要に応じて補強対策を講じていかなければならないと考えております。
既に、私ども国交省を初めとして、海岸省庁の担当部局で事務的な打ち合わせにもう入っておりますことも申し添えさせていただきます。
○村田国務大臣 今、中野大臣政務官がお答えになりましたように、不断に、いろいろな防災基準あるいはハードあるいはソフトを含めまして点検をして、改めるところは改めていかなければいけない、こういうふうに考えております。
特にことしの台風被害につきましては、これまでにないとか、これまでに災害が余り訪れなかった地域もかなり被災しているという状況にかんがみて、いろいろな防災対策は過去の経験値に乗って備えられているということが多いと思いますので、今お答弁なさいましたように、不断に点検をしていくということがまことに防災対策には緊要であろうかと、こういうふうに思っております。
○五島委員 村田大臣は瀬戸内海に面しておられるので、こういうふうな状況についてどうも実感のないような御返事ですが。
中野政務官、調査されるのは結構です、研究されるのも結構です。その結果に基づいて対策をとるということ、そこのところが政治の決断。今までもいろいろ調査をしてみたけれども、その調査の結果に基づいて対策をとるのに、県としては金がないから、結果に対して、その調査の結果を県民にも公表しないというふうなことが続いてきたわけです。その結果の被害者です。
そうしたことを考えた場合に、ぜひ、そうした国土交通省と専門家の間、県も入っての検討会の中の結論に基づいた具体的な措置をお願いしておきたいと思います。
もう一点、私は今回質問をさせていただきます。
今回の台風は、四国全体で被害という形で見たときに、六つ、七つの被害がございました。そうした中で、JR四国に対して、一つ一つの被害としてはいわゆる現在の鉄道軌道整備法による災害復旧補助に該当しないけれども、この夏の一連の台風の被害総額を足してみると大変な被害になったという事実がございます。
これに対して、その復旧についてはそれぞれ一個ずつの被害で従来見ていくというのを原則にしていたんですが、一連のこの夏の台風被害によってJR四国全体が、いわゆるその他の基準、例えば被害によって何%以上の収入がダウンするとか、そういうふうないろいろな基準がありますが、そういうふうなものに該当するということになった場合、補助をして、このJR四国を健全に四国の足として維持してもらえるかどうか。
もう一つは、このJR四国というのは、私に言わせたら、全国で一番放棄されたJR路線だろうと思っています。災害が来るたびに次々と事故が起こってくる。そういう意味では、災害復旧というのは原状復旧というのが建前です。しかし、原状復旧ではだめなんで、そういう意味においては、災害があったところに対して、基本的な機能は原状復旧で結構ですが、安全面、災害の防災面においては最新のやはり技術を使った水準で原状復旧をしていただきたい。そのことについてお伺いしたいと思います。
○梅田政府参考人 お答え申し上げます。
今回の一連の台風、これは七個ほどの台風でございます。これによりましてJR四国の鉄道施設は多大の被害を受けました。現在把握しております被害の額は約二十八億円に上っております。
それで、今先生御指摘の補助制度でございますが、鉄道軌道整備法に基づく補助制度でございまして、これは要件がございます。これは、災害復旧の事業費の額が当該路線の運輸収入の一割以上であるというのが一つの縛りでございます。そのほかにも赤字要件等がございますが、御指摘のとおりJR四国は営業的には赤字でございますので、そういう要件はクリアしております。
それで、従来、一個一個の被害に対して一個一個の台風を相対した算定の仕方をやってきておりますが、今回のように一連の台風による被害でございますので、私どもとしましては、この一連のものを一くくりにいたしましてこの補助制度を適用できないか、事業者の方とも今相談しながら、財政当局とも相談しながら検討しているところでございます。
なお、復旧に当たりましては、当然のことながら原状復旧が原則でございますが、特にJR四国につきましては、鉄道施設が非常に古うございます。したがいまして、復旧する際には、現状の基準に合わせて復旧させていただきますので、前の鉄道施設よりは格段施設的には丈夫なものができるというふうに思っております。
いずれにいたしましても、JR四国につきましては、経営的になかなか大変なところでございますので、私どもとしては、税とか、あるいは、そのほかいろいろな措置を講じながら支援をしてまいりたいというふうに思っております。
よろしくお願いいたします。
○五島委員 ありがとうございます。
JRに関しては、鉄道軌道整備法というものの解釈を若干拡大していただいてそういうふうにしていただけるということでございますが、同じく、例えば大きな国道とか生活道路、そうした問題についても、一つ一つの災害については実施の対象にならないとかいうのがあるわけですが、高知というのは余り道路の整備がよくなくて、それぞれがその道を通らないと住宅地から他の地域に行けないというところがたくさんあります。それが幾つかの村を越えて次々と災害を受けるということもこれまでもございました。
そういう意味においては、そうした道路なりそういうふうなものの生活圏という一体の中においてこの災害復旧というもの、JRでできるのなら道路だってできるはずだと、そういうことについてぜひ御検討いただきたい。その点、御要望して、今すぐいい返事が出るとは思いませんので、ぜひその点を御検討いただくということで私の質問を終わりたいと思います。
ありがとうございました。
○西村委員長 次に、津村啓介君。
○津村委員 民主党・無所属クラブの津村啓介と申します。
それでは、質問を早速始めさせていただきます。
まず、村田防災担当大臣にお伺いしたいと思いますが、八月末に襲来をいたしました台風十六号そして十八号等に関する激甚災害指定が、ようやくこの十一月の五日になって閣議決定されたと伺っております。九十名の死者、そして四人の行方不明者を出した台風二十三号、及び、その後に発生し、関連で亡くなった方を含めて約四十人の方の命を奪った新潟中越地震の激甚災害指定はまだなされておりません。一部には、新潟中越地震を月内に激甚災害指定するとの報道もございますけれども、台風二十三号も含めまして、今後の指定の見通しをお聞かせください。
○村田国務大臣 激甚災害にかかわる指定でございますが、先刻、台風十六号、十八号までの指定を行ったところでございます。その後、大変大きな台風が、二十三号という全国に被害をもたらした台風、そして、続いて新潟県中越地震というものが発生したわけでございます。
私どもとしては、こうした大きな災害につきましては、被災地の公共団体の状況を想像するときに、とてもとても被害額の御報告が素早くできるような状況ではない、こういうことにかんがみ、また、公共団体が復旧復興事業にできるだけ財政的な心配がないようにしてどんどん努力をしていただきたいというそういう気持ちから、できるだけ早く指定をしていきたい、こういうふうに考えております。
特に新潟中越地震につきましては、私が非常対策本部でできるだけ早くするようにということを伝えまして、現在、農林水産省あるいは国土交通省の職員が直接現地へ参りまして被害額の把握をしているということでございますので、できれば今月中にでも指定を行いたい、二十三号についても急ぎたい、こういうふうに考えているわけでございます。
○津村委員 二十三号について大体のめどでも結構なので、お答えください。
○村田国務大臣 二十三号につきましては、津村委員の御地元に大変かかわるわけで、大変大きな被害が出たわけでございます。二十三号につきましても、今月中に指定ができたらということで準備を進めているところでございます。
○津村委員 今月中ということで御答弁いただいたことを評価したいと思いますが、私は、地元のことだけを申し上げているつもりはなくて、九十名の死者、四人の行方不明者を出したというこの災害の規模の大きさをぜひよくお考えいただきたいと思います。
関連いたしまして、激甚災害指定のそもそものあり方でございますが、今大臣の方から、中越地震に関連して、中央省庁からも現地を支援して被害額の算定を急いでいるというお話がありました。私の手元にございます、これは報道ですけれども、これを見ましても、従来自治体に任せていた被害見込み額の算定について、中央省庁から専門家を直接現地に派遣して代行し、二、三カ月かかっていた指定決定を迅速化する、そういうことを始める、その第一号として中越地震に適用するというようなそういう表現の報道を手にしておるんですけれども、これは、これからこういった早期化、迅速化というものが制度として確立すると思ってよろしいんですか。それとも、中越地震のみのことでしょうか。
○村田国務大臣 今回、新潟県中越地震並びに二十三号につきましてできるだけ早期の指定ということを行いますのは、被災地の地方公共団体が先ほど申しましたように同時に大変な被害を受けておりまして、そうした作業に支障を来しているというそういう我々の判断からでございまして、特別の措置でございます。
将来、今後どうするのかということでございますが、その被害の状況に応じて、要すれば、我々が被害額の把握につきまして直接手を出さなきゃいけない場合もあるでしょうが、被害の状況を考えながら指定を行っていきたい、こういうふうに考えております。
○津村委員 新潟中越地震につきましては、被害の規模も大変大きいこともありまして、大臣及び内閣府の方々がそういった問題意識を持たれる一つのきっかけになったとは思うわけですけれども、しかし、台風二十三号あるいはそれ以前の台風を見ても、当然、現地では被害額の算定というのはどうしても二番目、三番目の仕事になりがちで時間がかかってしまうというのは、これは中越地震に限らない一般的な傾向だと思います。
今回、こういった問題点がいわばショッキングな形で明らかになったわけですから、これは、今後の課題として、ぜひ制度として確立するように努力をしていただきたいと思います。
関連いたしまして、激甚災害指定の指定のあり方について伺いたいと思います。
今回、台風が十号、十一号と七月からあったわけですけれども、その後、十六、十八、二十一、二十二、二十三と、まさしく相次いで台風が襲来をいたしました。
これまでの枠組みでは、一つ一つの気象現象は別のものとして扱うということで、一連の台風を一括して激甚災害の対象にするということは余りなされていないようですけれども、今回の災害は一連性がいろいろな部分で見られると思います。一括して指定するというそういう枠組みを御検討される考えはありませんか。
○村田国務大臣 ことしの台風は大変特異な本土への襲来の状況でございまして、一つの台風が本土に接近あるいは上陸しているときにもう一つが待っているというような状況もございまして、その連続性というものが今委員の指摘されるように問題とされる場合もある、こういうふうに私も思います。事実、台風十号、十一号では一つの災害として一緒に指定をしたわけでございます。
しかし、原則は、災害ごとに指定をするというのが原則でございまして、ただ、非常に災害が近づいて発生しているという場合において、同一の気象現象によってこの二つの災害が起こっているかどうか、あるいは関連する気象現象によるものかどうかということについて判断をいたしまして指定を行う、こういうことでございます。そういう観点に立って、十号、十一号では関連する現象だということでやってまいったわけでございます。
ただ、激甚災害制度の母法でございます公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法等に基づく災害復旧事業に当たりましては、個別の災害ではなくて、一年間の災害復旧事業費の総額と地方公共団体の財政力をもとに補助率を算定している、こういうことでございまして、結果的には、そういう形で地方公共団体の財政負担というものを国としても支援している、こういうことであります。
○津村委員 現在の制度で、今回、例えば台風十号と十一号は何か一日違いで来たから関連性が認められるとか、あるいは、台風十六号と十八号は中三日はあいているからこれは関連が認められないとか、随分しゃくし定規な印象を受けるわけです。
台風と台風がそれぞれに違う名前がついているわけですから、そういう意味で別の気象現象であるというのは気象学的にはそのとおりかもしれませんけれども、今回の一連の台風直撃をつぶさに現地で見てまいりますと、やはりそれは一連性があるんではないかと思われるケースが幾つかございます。
きょうは私、中国地方及び北四国の委員がほかにいらっしゃいませんので、そのあたりのことを中心にお話しさせていただくんですけれども、岡山市の、これは私の地元ですが、久々井という地域では、台風十六号の高潮によって堤防が流されてしまった。そして、それこそ一週間後に来た台風十八号で、その十八号の方が波の高さというのは低かったんだけれども、しかしその堤防がなくなっていますから、言うならば丸裸の状態になっているところに波が来た。そしてまた浸水をしたと。これは、もう災害としては十六号の上に十八号の災害が成り立っているわけですから、まさしく一体の災害だと思います。
またあるいは、これは不幸にして五人の方が亡くなった玉野市の土砂崩れの事例では、玉野市というところは、私ども、岡山県は晴れの国という言い方をよくするんですけれども、それは大臣よく御案内だと思いますが、年間降雨量が大変少ない地域でございます。全国で一、二を争う晴れの日が多い県なわけでありますけれども、その玉野市において、年間降雨量に匹敵するか、あるいはそれ以上の雨がこの十八号から二十三号までのわずか一カ月弱の間に集中して降った、その結果として山が大変多量な水分を含んで、最終的に、二十三号、最後の台風で土砂崩れが起きた、少なくとも地元ではそういう理解をしております。
こういうことを考えますと、単に台風の名前が違うから、あるいは何日か置いてまた降ったからこれは別のものだということでは、なかなか被災者感情あるいは国民感情からすれば見当違いな印象になるのかなと思います。
少し御答弁を先取りして一つ申し上げると、いろいろ指定の仕方はあっても、最終的に公平性を期してそこはしっかりとその手当ては後々するんですよというような御説明を時々いただきます。お役人の方の御答弁としては大変誠実な、ごもっともなお答えだと思うんですが、私は、この激甚災害指定というものが、単にお金の問題ではなくて、やはり国が全面的にフルサポートするんだ、やれる努力はもう即座にするんだという姿勢を、単に現地に行って視察をしてパフォーマンスするだけじゃなくて、そこでしっかりと最大限の措置をとれるんだということを具体的なメッセージとして発することに大きな意味がある、アナウンスメント効果に大きな意味があると、そういうふうに考えておりまして、そういう意味では、現行の激甚災害制度を前提に事務方の方が御説明してくださるのはそれはよくわかるんですけれども、政治家として大臣が、まさしく政治家大臣を任命されているこれはゆえんだと思いますので、しっかりとメッセージを発していただくべきチャンスでもあり、逃してはならない機会であると思いますが、その辺の御見識をお聞かせください。
○村田国務大臣 被災された地域の皆さん方、あるいは、その復旧復興事業に大変なお金を使って努力をしている地方公共団体の皆さん方が、お金がないから復旧ができないとか復興ができないという形には国の責務としてできないわけでございまして、そういう意味で、私ども防災を担当するそういう部署といたしまして、そして担当大臣といたしまして、地方公共団体のそうした努力をサポートするそういう力になりたいと思っておりますので、最後まで、そうした財政措置も含めまして一生懸命努力をしたいというふうに考えております。
○津村委員 ぜひ努力していただきたいと思います。
それでは、林消防庁長官にお伺いいたします。防災行政無線の整備率向上についてでございます。
今回、まさしく瀬戸内海、西日本は、こうした災害を余り過去経験していないこともありまして、こうした防災無線の整備率が低かったことがその地域での被害を大きくしたとも言われております。
事務方の方から資料をいただきましたけれども、防災無線の整備率というものを見ますと、同報系、移動系という、そのほかにも地域防災系というのがあるようですけれども、移動系というのは、広報車で、もうすぐ避難してくださいというようなことをやるようですが、実際、今まさに台風が来ようなんというときに広報車のその音をなかなか聞いている余裕もなければ、すごいスピードで走っているとよく聞こえないというようなこともあるようです。
そういった意味では、同報系というものの方が今回の場合では効果が高かったように聞いておりますけれども、全国でこの同報系防災無線が五〇%以下の整備率になっている県が九県ございます。秋田、山形、栃木、京都、兵庫、岡山、山口、香川、福岡ということのようですけれども、こういった地域的な偏りが災害にもつながるということであれば大変ゆゆしきことでありますけれども、消防庁として計画的な整備を進めることをお考えでしょうか。資金的な手当てについてもお聞かせください。
○林政府参考人 お答えを申し上げます。
御指摘の消防防災行政無線でございますけれども、今回全国で相次ぎました災害の際にも、この防災行政無線を備えておられる地域と備えておられない地域で被害の程度が異なったということを、私ども事実として認めているところでございます。災害時におきまして被災地の情報を収集するためにも、無線という手段が大変重要だと考えております。
現在のシステムは、国と都道府県を結ぶシステム、それから都道府県内の県と市町村を結ぶシステム、それから、お触れになりました、市町村が地域内の住民の方々に情報を伝えるいわゆる同報系の無線、こういう段階を経て整備をされているわけでありますけれども、現在、国と県を結び、県と市町村を結ぶ無線は一〇〇%整備されております。
しかし、御指摘の、市町村内におきます同報系の無線につきましては、全国平均でまだ六七・八%という整備水準になっておりまして、五〇%を切る県がまだたくさんあるのは御指摘をいただいたとおりでございます。
ただ、私ども、今回の災害にかんがみましても、やはり住民の方全員に一斉に情報を伝える同報系の防災行政無線の整備は災害対応として最も重要なものであると考えておりまして、その整備を急ぐ必要があるということで、全国の市町村にその整備を強く要請をいたしているところでございます。御心配いただきました財政上の問題もあろうかと思いますけれども、私ども、今年度の場合、補助制度とそれから単独事業の制度を用意させていただいておりますが、御要望がございました県はすべて採択をするという基本的な方針で臨んでおります。
いずれにいたしましても、全国すべての地域におきましてこの同報系の無線が整備されるよう私ども強く地方団体にお願いをしてまいりたい、また、そのための財政的な支援は精いっぱいさせていただきたいと考えております。
○津村委員 関連いたしまして、自主防災組織の支援について消防庁長官にお伺いしたいと思います。
現在、全国で市町村合併が進んでいるわけですが、市町村合併が進んで、例えば町が二つ、三つと合併をすれば、当然、量的には行政サービスの低下ということも懸念されるわけであります。そういった意味で、地域コミュニティー、例えば連合町内会とかコミュニティー協議会、あるいは自主防災組織というものがこの行政を補う役割も期待されるわけですけれども、高い意識を持った連合町内会、そういった自主防災組織が創意工夫を持って災害対応を進めているという現実があると思います。
先週、私どもの党の岡田代表に私どもの地元岡山に来ていただきましたけれども、ある学区、操明学区というところですが、十一月三日に自主防災訓練というものを行いました。従来であれば、こういう防災訓練は基本的に地震等の災害を想定しているケースが多いんですが、今回の反省を踏まえて、土のうを積むとかあるいはバケツリレーとか、そういった水害対応の自主防災訓練を、これは地域コミュニティーが主催で行って、これを市の消防当局等が側面からサポートする、こういった取り組みが、岡田代表も見ていただいたんですけれども、ございます。
こういった自主防災組織をこれからどうやって活用していくかというのは、市町村合併を進めるとともに重要な取り組みだと思うんですが、実は、いただきました資料で、平成十五年度、これは消防庁の取り組みと思いますけれども、自主防災組織結成マニュアル「自主防災組織の結成に向けて」というCD―ROMを各自治体にお配りになったということを御説明いただきました。
しかし、CD―ROMを自治体に配ったということは一つの努力と思いますけれども、実際に現場で伺ってみても、いや、そんなものは見たことがないよ、今回は自分たちで本当に自主的にやったんだよというような声をよく聞きます。実際、投げてしまってそれで終わりではなかなか成果が上がっていかないと思いますが、この辺、さらなる努力をお願いしたいんですけれども、いかがでしょうか。
実は、もう一つ御質問があるので、簡潔にお答えください。
○林政府参考人 私ども、今回の相次ぐ災害の実態をつぶさに勉強させていただきましたけれども、やはり、地域における自主防災組織の役割は大変重要になってきている、今後ともその充実強化を図っていかなければならない、特に、今回の災害で高齢者のような要援護者の方々に対する対策を考えますときに、消防団あるいは自主防災組織、あるいは婦人防火クラブ、このような組織による地域における自助、共助的な活動がますます重要になってくるものと思っております。
そのために、消防庁としてもできるだけの御支援等をさせていただかなければならないと考えているわけでありまして、これまでも、活動拠点施設とか資機材の整備に対する助成であるとか、あるいは研修、訓練の実施に係る地方財政措置、交付税措置でありますけれども、そのような措置もさせていただいておりますし、何よりも大切なのは、先ほどお触れになりましたように、我々マニュアル的なものをお配りしておりますけれども、それが活用されるような、また、その自主防災組織の活動が重要なんだということを皆さんに理解をしていただけるような環境をつくるということだろうと思います。
そのために、防災知識の啓発とか、あるいは優良な事例の表彰なども行いながら自主防災組織の活性化を図っていきたいと思っておりまして、特に今年度は、私ども、安心安全ステーションと申しまして、例えば小学校単位、これは、小学校が大体二万四千ぐらいございます、それから消防分団の数も大体そのぐらいの数でございますので、コミュニティーに着目をいたしまして、小学校単位で安心安全ステーションのような拠点をつくっていただき、そこでその消防団、自主防災組織が一緒になって、地域の各組織が連携をしながら要援護者の避難訓練等々を行うような活動をやっていただきたいと思って、この考え方を全国に広げることができないかなと思ってお願いをいたしております。
今年度、とりあえずモデル事業から始めておりますけれども、そのような優良事例を紹介しながら、自主防災組織の充実強化を図っていきたいと考えております。
○津村委員 御丁寧で具体的な答弁をありがとうございました。
最後に一つだけ、能勢環境政務官に聞かせてください。災害ごみに対する市町村への支援についてでございます。
災害が発生した直後というのは、いろいろなところが、マスコミが報道したりしていろいろとサポートが比較的手厚いのかもしれませんが、一カ月、二カ月たってごみがまだまだ残っていても、しかし、当事者以外はちょっとその災害のことを忘れてしまうということがありまして、今、例えば倉敷市では、台風十六号、もう二カ月半前の台風のごみがいまだに一万トン以上山積みになっているというようなところもございます。
こういった市町村に聞きますと、やはりその財政の見通しが立たない、補正予算の議論もおくれている、そういう中でなかなか前向きな取り組みに力が入らないという声も聞くわけですけれども、環境省としての支援の取り組みをお聞かせください。
○能勢大臣政務官 私どもがそのようにかつて経験しないほどの大きな大型の台風、地震等々によりまして膨大な今の災害廃棄物が出てくることは承知いたしておりまして、とても被災地だけでは対処できないことはよく承知いたしております。そこで、被災しました市町村が災害廃棄物を処分するための特別な経費を必要とした場合は、環境省ではその費用の二分の一を保障するということであります。
それでは少ないんじゃないかという御質問だと思いますが、それにつきまして、また、市町村が負担する分につきましてもその八割を特別交付金として出しておるわけでありますから、だから、災害市町村の負担額というのは、単純に計算しますと一割弱になるんじゃないかというふうに思うわけです。必ずしも末端まで一割ということはありませんけれども、こういう状況でありますから、その被災地の被害というのはほぼカバーできていくんじゃないかなというふうに考えております。
さらに、環境省といたしましては、引き続き、関係省庁と連絡を密にいたしまして、そうした地域へ十分な支援をしていきたいというふうに考えています。
よろしくお願いします。
○津村委員 終わります。
○西村委員長 この際、暫時休憩いたします。
午後零時二十三分休憩
――――◇―――――
午後一時二十八分開議
○西村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。
質疑を続行いたします。梶原康弘君。
○梶原委員 民主党の梶原康弘です。
台風二十三号で、兵庫県北部、特に但馬、丹波地方に大きな被害が出ましたけれども、私の出身地でございます。豊岡、水没した町、写真でごらんになった方が多いと思いますけれども、豊岡市の世帯の九五%に避難指示が出されました。そして、三千八百戸余りが床上浸水、そして四千三百戸余りが床下浸水、市街の八割が水没したとこう言われております。
まず、住民への避難指示、避難勧告のあり方についてお伺いをしたいと思います。
豊岡市内で、ひどいところは二メートルから三メートルも水没をしてしまったということでありまして、家屋はもちろん、工場から何から、自動車も、すべてが水没したわけでありますけれども、住民の声は、やはりもっと早く情報が入らなかったか、あるいは、情報があっても危険だという実感がなかった、こういうものでございました。四万三千人の市民に避難指示が出されたわけでありますけれども、実際に避難をしたのは三千人だったとこう言われております。市の警告のそのタイミングもあったかと思いますけれども、住民にどういう伝わり方をしたのか、検証されるべきではないか。
例えば避難指示、避難勧告、これがどう違うのかということも不明確ではないかというふうに思いますし、国土交通省と気象庁が出す洪水警報というのも、日ごろ私たちが耳にしている気象庁から出される天気予報の大雨洪水注意報とか警報というのとは全く別のものだということのようであります。また、どういう基準で避難勧告や指示が出されるのか。
こうした情報が生かされていかないといけないし、国民が共有できるようなそういった意識というか認識が必要ではないかというふうに思っておりますが、その点についてお伺いしたいと思います。
○柴田政府参考人 七月の梅雨前線豪雨以来、一連の台風等の災害の対応につきまして、避難勧告等の防災情報の伝達のあり方等が問題になってございます。これにつきましては、政府といたしましても非常に大きな問題意識を持っておりまして、有識者等によります検討会を立ち上げて検討いたしてございます。
御指摘のように、市町村長さんが避難勧告、避難指示を出すということになっておるわけでございますが、毎年毎年そんなに被害が来るわけではございませんので、市町村長さんにつきましても、その避難勧告、避難指示の出し方、それからまたその基準がどうなっているんだろうかと、なかなか御不明な問題もたくさんあるだろうというぐあいに考えてございます。これらにつきまして、市町村長さんにある的確な意思決定についてどういうぐあいな情報提供等をしてあげればいいのか、あるいは、どういう状況でそういう行動を起こせばいいかというような客観的な判断基準をつくっていくべきだというぐあいに考えてございます。
また、御指摘の、住民への情報伝達方法、あるいは、住民がそれらの避難勧告、避難指示等を受けてもなかなか行動をしないというケースもあるわけでございまして、それらの住民の方の問題点と、全体的に、この防災情報の伝達のあり方、それの受けとめ方、これらにつきまして現在検討を進めておるところでございます。
今回、先進的な自治体との意見交換なども踏まえつつ、検討を深め、年内に骨子を取りまとめ、速やかにマニュアルを作成したいというぐあいに考えてございます。
○梶原委員 市町村にそんな専門家が数多くいるとも思えないわけでありますから、国としてしっかりとしたその指針を示していただきたいというふうに思っております。
続いて、これは通告していないんでありますけれども、被災者生活再建支援法について少し触れさせていただきたいというふうに思います。
先ほども、住宅本体への支援ということで民主党案が提出されているわけでありまして、それはぜひお願いしたいと思っておりますけれども、決してすりかえということではなくて、その要件緩和のところで少し申し上げたいというふうに思います。
特に高齢者の世帯であるとか低所得者の世帯、豊岡の場合は、やはり二メートルぐらいの浸水をしたわけでありますから、家そのものに大きな損傷がなくても、家財道具一切をもう処分しなくちゃいけない、こういう状況になっているわけであります。豊岡の場合は、それこそ二階まで床上浸水をしたというところもありまして、家財道具の一切を失ったという家もあるわけであります。それで、現金収入があればいいわけですけれども、高齢者とかあるいは低所得者には、家財道具も一切ない、これで、また頑張ってやってくださいよということも言えるのかなと。ぜひ、そういったところまで要件を緩和する対象に含めていただくようなことを考えていただきたい。
また、豊岡市の場合は、これは特殊な事情かもしれませんが、かばん産業がありまして、いずれもが、もう二人、三人の家内工業的な工場が多い、内職も含めて二台、三台のミシンを使いながらつくっている、そういったところが千数百軒あるとこう言われております。そういったところは一階が工場で二階が住居というところも多いわけですけれども、まさしくその生活を支える仕事であるわけでありますから、そういったところが大きなダメージを受けているということで、そういったところにもぜひ緩和をするようなことを検討いただきたいなというふうに思っております。
もしお答えいただければ、お願いしたいと思います。
○柴田政府参考人 被災者生活再建支援法の対象となりますのは、家が全壊したという家庭、あるいは、大規模な半壊をいたしまして、非常に大規模な修理がなければ住めないというような家庭に対しまして支援をしようとするものでございますので、そこは変えられないわけでございますが、地震の場合には、非常に被害認定が、非常にというかわかりやすいわけでございますが、水害の場合に、床上浸水をしたときの被害の認定が非常に困難であるということを我々いただいてございましたので、先般、床上浸水したときの基準の認定の仕方につきましてかなり具体的に公共団体の方にお示しをいたしました。これらによりまして、床上浸水でも、こうこうこういう場合には全壊あるいは大規模半壊に当たるケースもあるというようなことをお示ししたわけでございます。
できるだけこの被災者生活再建支援法を積極的に御活用いただきたいという意味で弾力的な運用をいたしたところでございますので、ぜひそれに基づいて、認定は市町村長でおやりになりますので、適切な認定作業に入っていただきたいと思っております。
また、今御指摘のように、二階が住居だけれども、一階がお店だとか工場で、一階がつぶれてしまって、二階がどさっとなって二階が住めなくなったというような場合には、当然、状況から見て、例えばそういう場合には全壊に当たるとか大規模半壊に当たるというような認定になるものだというぐあいに考えております。
○梶原委員 いずれにしても、被災者が勇気を出せるような、地方は高齢者のひとり暮らしというのが多いわけでありますし、ぜひ、そういった方々に勇気を与える意味でも、幅広く支援をいただきたいというふうに思っております。
続いてごみの問題なんですけれども、もう既に御承知かと思いますけれども、豊岡だけでも二メートルの水がつかったわけですから、物すごいごみが出ていると。豊岡市内だけで四万三千五百トン、市の二年分のごみに相当するとこう言われておりまして、また、豊岡を含めて周辺部で八千台の車がオシャカになっちゃっている。廃車になっているわけです。
車についても、これは大変な処理の費用といいますか、基本的には個人のものだということになるかもしれませんが、こうした大量の廃棄物の処理についてぜひ支援をいただきたいということと、こうした大規模な災害の場合には、とても豊岡市だけでは処理し切れないわけでありまして、ぜひ広域で処理をするというようなシステムを事前につくっておくということも必要ではないかなというふうに思っておりまして、その辺についてお願いしたいと思います。
○南川政府参考人 今回、豊岡市で約二年分のごみが災害廃棄物として発生したわけでございます。また、車につきましても、八千台の車がほとんど使えなくなったというふうに伺っております。現在、豊岡市で逐次ごみ処理が行われておりますけれども、当然、ごみはその後も日常的に出てまいりまして、大変御苦労されておるというふうに伺っております。
それで、当然、豊岡市のみでは処理は不可能でございます。これにつきましては、兵庫県が全体の県内の他の処理施設での処理を調整しておりますけれども、兵庫県としても、県だけでは不可能ということで伺いました。
私ども、したがいまして、例えば今回で申しますと、大阪府に対しましても処理の支援というものをお願いしたところでございます。そして、こういった費用につきましては、環境省から二分の一の国庫補助、さらに、残りにつきましての裏負担の約八割を特別交付税ということで支援をするということで考えておるところでございます。
なお、車につきましては、原則として、車両保険に入っておられますれば、保険会社に電話すればとりに来るということであろうと思います。例えばことしの福井の場合ですと、平均として約八十万円が車両保険で各人に支払われたと聞いておりまして、それによる対応が中心かと思っております。
○梶原委員 続いて農水省の方にお伺いしたいと思うんですが、まず、激甚指定については早く対応するということでおっしゃっていただいておりまして、よろしくお願い申し上げたいと思います。
それで、その災害復旧の事業についてということなんですが、被災地の現場ではもう大変な状況であろうと思います。市の職員も、自分の家が被災しながら、当初は救助に当たる、被害の状況を調べる、応急の対応をする、もう昼夜を分かたず頑張ってくれているんじゃないかなとこういうふうに思うわけですが、農水省の災害復旧の流れというペーパーがここにあるんですけれども、このペーパーによると、まず、災害発生から最終の事業成績書の提出というところまで、二十六項目というか、二十六工程のいろいろ作業手順というか書いたものがありまして、それぞれ事業主体から知事、農政局、書類のやりとりがあるわけですよね。しかもこれは膨大な書類ではないか。
これは、一枚のペーパー、多分目次みたいなところだと思うんですが、この書類も百三十ページあるということなんです。現場では、その百三十ページを見ながら一つ一つその書類をつくっていく。また、このやりとりですよね。知事へ上げて、農政局へ行って、あるいは事業主体へ戻ってきて、そのやりとりを二十六回繰り返さないといけない、こういうことでありまして、幾ら激甚の指定を急いでいただいても、この処理をしていたのではなかなかその事業が進んでいかないんではないかというふうに思います。
まず、この事務の簡素化をしていただきたい。平時であればともかく、こんなときにここまでやらなくちゃいけないのかということと、もしどうしてもやらなくちゃいけないんであれば、人的な応援をしていくということでなければとてもスムーズな事業執行ができないというふうに思います。その点についてお尋ねをしたいと思います。
○南部政府参考人 農地、農業用施設の災害復旧につきましては、先生おっしゃいますようにさまざまな事務手続がございます。
ただ、今年につきましては非常に全国で災害が多うございまして、できるだけ早期にかつ簡素にというようなことで考えておりまして、特に手続につきましては、農政局、本省というような、私どもの段階では二段階あるわけですが、それを、本省の人間を農政局なりなんなりに派遣いたしまして、そこの二段階を全部一段階でやるというようなことも考えております。
それから、被災地については非常に人的なマンパワーが要るわけでございまして、この人的支援につきまして、二次災害の防止でありますとか応急対策というようなために、できるだけ、私どもの担当官でありますとか農業工学研究所の専門家を現地に派遣して対応させておるところでありますけれども、早い復旧ということを考えますと、その書類の作成でありますとか、そういうことがかかわってまいります。
これにつきましては、被災県から要請があれば、速やかに他の道県から技術者の応援が派遣できるような体制を整えているところでございまして、今後とも、県や地元等と私ども緊密に連携を図って、早期に、効率的に災害復旧というようなものに取り組めるよう努めようというところでございます。
○梶原委員 私たちは地方分権ということを考えているわけでありますが、本当に、まずは災害についてできるだけ簡素化をお願いしたいというふうに思います。
最後の質問なんですけれども、農地についてお伺いをしたいと思います。
私たち、この但馬、丹波という地域は農村地帯でありまして、河川の決壊現場、これはもう物すごい泥がたまってしまったままになっている。谷合いの村というのもたくさんあるわけですが、土砂とともに水が流れ出してきたために、田畑でも、かなりの部分で石であるとか流木であるとかそのまま放置されている。寒村でありますから高齢化も進んでいるし、地元の方に聞くと、農地を放棄せざるを得ない、こういうような声が聞こえてくる。
また、もちろん、小さな河川であっても相当傷んでいますから、周りの田んぼまでどんどん土砂を削っていくというようなことがあちこちで見られるわけです。こうした農地をきちっとしていかないと、もうそれこそ農地を放棄せざるを得ない。
また、高齢化している地域でありますから、産業といって特にない地域でありますから、村そのものが衰退をするというか、もう消えていかざるを得ないような状況になるんではないか、そういうことを心配をしているわけであります。
特に但馬は、豪雪地帯、これから十二月になると大変な雪が降りまして、三月ぐらいまで積もっているわけでありますけれども、今からほうっておいたら、春になってさあ何かしようと思っても、雪が解けたらまた泥が積もっている、これでは意欲もそがれるというふうに思いますので、ぜひ早急な対応をしていただきたい。ぜひその寒村にまで目を向けていただきたいということをお願い申し上げたいと思います。
農地に対する対応についてお聞かせください。
○南部政府参考人 農地に対する対応でございますが、農地の災害復旧につきましては、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律というものに基づいて災害復旧事業が行われているところでございます。
この事業につきまして、限度額等もあるんですけれども、復旧費用が四十万円以上というような制限がございまして、ただ、その採択要件につきましては、被害が百五十メートル以内の間隔で連続しているものというようなものを一カ所というふうにみなしております。
それから、農地への土砂の流入ということでございますが、これにつきましては、通常の耕作に支障が出ないような程度の数センチメートル程度の土砂の流入を除きまして、災害復旧事業として採択されるようなこととなっております。
また、来年の作付等の話もございますが、作付時期までに復旧するような緊急を要する場合につきましては、先ほどの査定でありますとかそういう手続を経ないで、非常に簡易な申請手続で工事に着手できる査定前の着工という制度もございますので、そのようなことで私ども対応を図っていきたいと考えておるところでございます。
○梶原委員 よろしくお願いします。
以上で終わります。
○西村委員長 次に、松原仁君。
○松原委員 民主党の松原仁であります。
ことしは特に災害が多い年でありまして、たび重なる台風被害、また新潟県中越地震の被害、本当に、このたび重なる災害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の皆様にお見舞いを申し上げたいと思っております。
今回、それぞれの被災地をこの災害対策特別委員会の委員派遣で私も拝見をしてきたわけでありますが、災害というのは常に厳しい環境でありますし、そこにおられる皆様は途方に暮れているのはどこでも同じ姿であって、何とかしなければいけないと、そのたびに我々は痛感をするわけであります。
しかし、今回は、特にこの新潟に関してはまた違う側面を私は非常に強く感じたわけであります。それはどういうことかといえば、継続する災害、災害が終わったというのではなくて、現在進行形で継続しているということを新潟においては痛切に感ぜざるを得なかったわけであります。
もちろん、その場で知事が、いわゆる住宅本体に対しても支援をしていただきたい、そういうふうに法改正をぜひともお願いしたいというふうなことを、参議院、衆議院の両災害対策特別委員会委員長に対してそういった書面を渡されたことも重く受けとめなければいけないし、また、こういう表現だったと思いますが、きょうの六千万は一週間後の一億よりも重いぐらいの、スピーディーにそういった財政的な措置を講じてほしいと、こういったことも県知事は言っていたわけであります。
しかし、こういう中で、新潟の中越地震、大変に被災が現在進行形で続いております。直接的な一番大きな災害が起こった後、被災者の方々が、言ってみれば避難をした後に何人かの方がお亡くなりになっているわけであります。
このことに関して、私は、大変にこのことは我々が災害対策を考える上で重要なことだと思っております。直接のその災害ではなく、災害から発生することにおいて死者が発生をしたということは、これは、極めて我々の災害対策に対して現状がいいのかどうかということの疑問を投げかけることであろうというふうに思っておりますが、大臣におかれましては、このいわゆる災害本体ではなくて、その災害から被災し避難している方々において災害後においてそういった犠牲者が発生したことについて、どのようにお考えかをまずお伺いいたしたいと思います。
○村田国務大臣 今回の新潟県中越地震におきまして、直接の土砂災害でお亡くなりになった方、あるいは住宅に押しつぶされてお亡くなりになった方もありました。それで、今御質問は、その後に亡くなった方、すなわち、震災のショックで亡くなられた方もありましたし、それから、長く自動車の中に避難をされておって、それでエコノミー症候群ということで亡くなられた方もあったわけでございまして、私どもは、そうした震災後の死者というものをできるだけ少なくしたいということで、医療チームを派遣し、かつまた、できるだけ居住環境の向上をしなきゃいけないということでいろいろな策を講じたわけでございます。
非常災害対策本部の中で今度はプロジェクトチームをつくりまして、その中に、住宅の再建PTとか被災者の居住環境の向上PTとか、あるいは地場産業対策PTとかいろいろなものをつくりました。今申しましたように、被災者の居住環境向上PTという中では、何とかして車の中にいつまでもおられる方をもうちょっとお休みになりやすい、スペースの広いところにお移し申し上げたいということで、自衛隊にもお願いをしテントを張り出してもらう、それから、温泉にも行っていただいてそうやって体を休めていただくとか、あるいは民間の賃貸住宅の借り上げとか、あるいは、公営住宅あるいは公務員住宅とかいろいろな休めるところを探し出すとか、いろいろなことをやってきたわけでございまして、そういう対策が届かないで、いろいろな意味で地震後に亡くなられた方には大変お気の毒だと思います。
しかし、今後も、今三十九名でございます、お亡くなりなった方が。私どもは、この三十九名をこれ以上ふやさないために、これから寒さに向けて、山古志村の皆さん方を初めとして、やや避難が長期化する方、あるいはお年寄りの方も多いものですから、そういう意味で、医療支援チームあるいはPTSDのチーム等々を含めまして対策を一生懸命やってまいりたいというふうに考えております。
○松原委員 今、大臣からの話でありますが、この災害後に、今お話があった、車で生活をしているという中で亡くなったとか、私は、これはやはりあってはいけないことだろうというふうに思っているわけであります。強制的に車の外に出ろ、出て休みなさいということが今のさまざまな法律の中でできないのであるならば、またこれをどうするかというのを考えなければいけないし、しかも、今後こういった部分でさらなるそういう方が発生しないということが保証できるかどうかということもこれはあると思うので、こういったことについて事務方として、統括官、どういう御認識でどういうふうな見通しを立てておられるか、お答えいただきたいと思います。
○柴田政府参考人 大臣の方からお話ししたとおりでございまして、我々といたしましても、せっかくあの大きな災害から命の被害がなかった方々が車の中等の避難によりましてその後お亡くなりになるというのは、大変な問題であるということは痛感いたしております。
いろいろな手を打っております。警察のパトロール隊等を活用しましてできるだけテントに入っていただくとか、あるいは、プライバシーを守れるような、六人の自衛隊のテントでございますので、そういうところに入っていただけるとか、あるいは避難所に入ってくださいというようなことをお願いしたり、あるいはビラをまいて、こういうところにおられればそういう病気になりますよ、病気にならないためにこういう体操をしてくださいと、いろいろなきめの細かい対応をとっておるわけでございまして、何とかこれらの対応によりまして次の犠牲者が出ないように対策をとっていきたいというぐあいに我々も強く思っております。
○松原委員 現在でも車の中で避難生活を続けている方はたくさんおられると思うわけでありまして、この方々については、車の中における避難生活を現状でまだ続ける方向なのか、その辺、もし答えられたらで結構でありますが、通告しておりませんので、お答えいただきたいと思います。
○柴田政府参考人 車の中の調査も行ってございますが、我々も車の中で生活されている方が何人おられるのかつかみたいと思って県の方とも連携をとっているんですが、車の中の方は、ここにおられたかと思ったら、次の瞬間また別のところへ行かれたりして、なかなかつかまえるのが難しいという事情もございます。
ただ、そうはいっても、できるだけ早く車の中から出ていただきたいと。そのための仮設住宅の建設だとか、あるいは避難所に入っていただくだとか、いろいろなことをやっているところでございますので、今後とも頑張っていきたいと思いますが、いろいろ聞いてみますと、やはり家がそばにあるからそこを離れられないという方だとか、やはり車が一番いい、私は車の中が一番安心できる、プライバシーが一番守れるというような方、あるいは、いろいろな荷物を持っているので、車の中だとトランクだとか車の中に置けるから一番安心だ、いろいろな理由があられるようでございますが、決して健全な姿ではないというぐあいに我々は思っております。
○松原委員 次に、災害で先ほどから激甚のこともいろいろと議論されているわけでありますが、この激甚指定の時間が、なかなか積み上げ方式ですからかかるというふうな議論が行われておりました。
そういう中で、よく我々は、今回も被災地に行ってみて痛切に感じたことは、通常、この激甚指定の積み上げ方式をやったり、さまざまな災害に対して行動する例えばその町の職員であるとかもしくは市の職員であるとか、この職員の方々も同時に被災者であるというのが大体こういう災害における大きな特徴であろうと思っているんです。つまりは、彼らは彼らの家の問題、彼らの家庭の問題、家族の問題、そういうまず自分自身のまさに居住している部分に関しての問題をこれ解決しながら、同時に、他の市民や町民、そういった地域の方々のために行動しなければいけないということであって、私は、極めてこれはその負担として余りにも厳しいものがあるのではないかというふうに思っているわけであります。
そういう中で、先ほど我が党の議員から話があったように、二十六項目のを何回も出さなきゃいけないというようなことがあると、これは、激甚指定が早期にというのと裏腹に、どんどんおくれてしまうのはむべなるかなというふうに思っております。
そこで私は思うわけでありますが、先ほどの議論の中で、例えばこれからは、中央からそういう激甚指定の積み上げ等には職員を派遣するというふうな議論もあったわけでありますが、むしろこの際は、例えばある町が災害に侵された場合、隣の町まで広域にやられている場合もありますが、隣の町が健全に機能している場合は隣の町がその被災者の被災の地域に対してすぐにバックアップ体制をできるような、そして、例えばその二つの地域が両方とも被災したような場合はその隣の地域がすぐそこにフォローに入るというふうな、そういう連動するような仕組みというのをやはりこの際は思い切って考えていかないと、緊急に、また元気な人が対応するような災害に対する措置が私はなかなかできないんじゃないかというふうに思うわけでありますが、大臣、この辺はいかがお考えでしょうか。御所見をお伺いいたします。
○村田国務大臣 先ほども同様の質問が出まして、大体大規模な災害の場合には、おっしゃるように、地元の要するに公共団体の職員も被災しているということで、被害額の把握というのもなかなか困難が伴うじゃないかと、こういうことでございますが、本当に本激になるような大規模な災害の場合には、こちらからも、大体、大きな被害であって、これは激甚災の指定に当たる、しかも本激に当たるというようなときは見積額でやっていくと。
それも、いろいろな方法を駆使してやっていくわけでありまして、これは、空からやってみるとか、そんな方法も講じているわけでございまして、最後は、もっと早めるためには本省から職員が行って直接把握する、こんなことでやってまいりまして、できるだけ被災地の公共団体の財政負担に対する御不安というものを解いていくという努力を私どもしているわけでございますが、今後の問題としてどういう方法があるのか、特に大規模な場合にはどういう方法になるのか、松原委員の御提案も含めまして、今後とも引き続き検討をしてみたいと考えております。
○松原委員 今大臣は、迅速なさまざまな予算づけの部分の議論になろうかと思います。それは非常に大事なことだと思いますから、ぜひともお願いしたいわけでありますが、私が言った趣旨のもう一点は、被災地の職員の方々はもう疲労こんぱいである、みずからが被災している。山古志村なんかの場合は全員もう避難民になっているわけでありますが、そういう場合には、全く地政学上の状況を把握していない人間が行っても、これは空をつかむような話かもしれません。
しかしやはり、隣接の町が被災をしていなければそこが応援に行く、そこも被災しているんだったらその隣、もしくは、ある程度になったら広域のところがどこか出るという、それを、災害が発生する前にシステムとして、ここがだめだったら隣のここが行くよ、そこがだめだったらどこかが行くよというふうな、そういう危機対応の仕組みをそれぞれの公共の職員の中で取り決めをあらかじめしておくということは極めて私は重要ではないかと。
被災した職員が行って頑張ろうと言ったって、本人も頑張ろうと自分に言い聞かせながら頑張ろうになってしまうわけで、そういった意味では、そういういわゆる町村相互の連携を災害対策の一つの考え方としてやはり考えていくべきではないかと思うんですが、これは事務方の――では、大臣。
○村田国務大臣 私、災害額の把握のことでお答えを申しましたけれども、一般的に、公共団体同士でそういう災害が起きたときに協定をあらかじめ結んでおいて助けに行くという、そういう約束をあらかじめ結んでおくという動きはもう既にあるようでございまして、今回の場合も、具体的な町はもし事務方が知っておったら御披露すると思いますが、そういうことは既に動いていると私は理解しております。
○松原委員 であれば、そういうのは自発的な動きもあろうかと思いますが、やはり、国がある程度リーダーシップをとってこういう部分に関して私はやはりこの際やっておく必要があるだろうというふうに思います。どうぞ事務方、統括官。
○柴田政府参考人 役所というのは通常ベースで組織ができておるわけでございまして、こういう非常事態になったときには大変な苦労をいたします。職員の皆さん、被災を受けまして、大変筆舌に尽くしがたい御苦労をされているものというぐあいに思っております。
そういう中で、必要があれば国の方から支援をしていく、近隣の公共団体から支援を出していく、あるいは今御指摘のような、通常から、常日ごろからそういう災害協定を結んでお互いに助け合っていくというのは非常に重要なことであるというぐあいに考えておりまして、内閣府としましても、そういうことを進めていきたいというぐあいに思っておるところでございます。
○松原委員 前向きな御答弁を大臣と統括官からいただきましたので、これについてはぜひとも前向きに、この災害というのは、特にことしこれだけ多かったということは、来年さらに多くなる可能性もありますから、そういった意味では備えをきちっとすると。備えあれば憂いなしというのはまさにこういったことだろうと思っておりますので、よろしくお願いします。
それで、あとは激甚の指定の問題になってくるわけでありますが、先ほど、我が党の津村議員から話があったこの部分の議論であります。
今回はたび重なる災害があって、台風については二つの台風がほとんど同時に来たということで、一括してそれを被災の量として見て、それを激甚にするかどうかというこういう話になるわけでありますが、私は、やはり彼が言ったように、例えば、雨がどんどん降ってがけに水がしみ込んでいって、それが乾く前に次々に来れば、その台風のこれとこれは全く違う台風であるというふうにみなすべきものであっても、被害を発生させるという原因から考えれば、同じ一つの、一連の連動したものとしてみなすことができるというふうな話であります。先ほどだれかが言っていたように、津波が来て防波堤が崩れ、防波堤が崩れた後に今度また津波が来たら流された、別々にこれは解釈するべきではないと。
例えは悪いですが、大阪冬の陣で攻めてきて、言ってみれば、堀を埋めて夏の陣で全部滅ぼされたというのと同じような話でありますから、これは、そういったものは一括して、大阪冬の陣と夏の陣で違うんだということではなくて、一括してやはりこれは災害として認知をし、積み上げ方式でそれは激甚として後で指定するということが、私は、むしろ被災者の心理または被災の原因を考えるならば当然のことだと思っておりますが、これについてはいかがでしょうか。
○柴田政府参考人 激甚災害制度の関係でございますが、そもそもの一般的な災害復旧でございますね、公共土木施設の災害復旧事業費国庫負担法等に基づいてやって災害復旧に当たっているわけでございますが、この根っこの法律は、今委員が御指摘のとおりでございまして、年間の被害額総額と地方公共団体の財政力を比べまして、大きな割合の場合には補助率を高く上げていくということになってございます。
激甚災害につきましては、特に大きな災害が来た、それによって地方の財政を支援しようというものでございますので、一つの気象現象かどうかとか、複数の気象現象が相互に密接に関連するかどうかというようなことを一つ置いているわけでございまして、我々といたしましても、御指摘のこともわかるわけでございまして、できるだけ一緒にできるものは一緒にしていきたいということに今まで努力もいたしているところでございますが、物の考え方はそういうことであるということで御理解いただきたいと思います。
○松原委員 今おっしゃったような激甚以外の部分ではそういう既に方式になっていますが、私が言っているのは、激甚についても、やはりそういった方式を、まさにそれが一つの励みになるということでぜひとも検討いただきたいということであります。
最後に、時間が参りましたので一つだけ申し上げますが、今、大規模半壊という概念が、これはもう事実上全壊と同じとみなす、こういうふうな話になっているわけでありますが、統計上はこれは半壊なんですよ。半壊の方に入る、全壊ではない、しかし予算措置上は全壊と同じ扱いにすると。これは極めて概念として、私は、それだったらもう大規模半壊というのは全壊であるというふうに統計上も概念を移していく必要があろうと思いますが、この大規模半壊というもののコンセプトの説明と、今言った部分についてのお考えをお伺いいたしたいと思います。
○柴田政府参考人 被災者生活再建支援法の対象になるのは、住宅が全壊または大規模半壊となった世帯でございます。
今委員御指摘の全壊、半壊等の統計というのは、これは、消防庁の方が、それぞれの災害の場面にどれだけ全壊があったか半壊があったかということを消防庁が調査をして出していただいているものでございます。これと、この支援法に基づく全壊認定、大規模半壊認定は別のものでございます。
全壊の場合にはどういう基準、あるいは大規模半壊の場合にはどういう基準かということにつきまして内閣府の方で詳細な基準をつくってございまして、それに基づきまして各市町村が全壊あるいは大規模半壊の認定をされているということでございます。そういうことでございます。
○松原委員 質問は終わりますが、こういった言葉と実態をやはりなるべく同じように常にしておくことが必要だと思うので、ぜひともそういう全体像をもう一回見つめ直していただきたいと思います。
以上であります。
○西村委員長 次に、赤羽一嘉君。
○赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。
まず本日は、質問に先立ちまして、台風二十三号を初めとする数多くの台風、風害、豪雨災害、そして新潟中越地震でお亡くなりになられました皆様方に対しまして、まず心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、今般の一連の災害で被災に遭われました皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
また、村田大臣、林田副大臣におかれましては、就任後早々未曾有の災害の連続で、まさに東奔西走、現地に足をお運びいただきまして献身的に指揮をとっていただいておりますことを、まず心から感謝申し上げたいというふうに思っております。また、柴田政策統括官を初め役所の皆様方も、本当に昼夜を惜しんで全力で今回の対策をとられていただいておりますことを、心から感謝を申し上げる次第でございます。
きょうは限られた時間でございますので、何点かに絞らせていただいて質問させていただきますが、まず、被災者生活再建支援法のいわゆる弾力的な運用ということについて御質問させていただきたいと思います。
どうも被災者生活再建支援法という言葉が踊っていて、率直な感想で言いますと、これは私は別にオールマイティーの法律ではないと。しかし、被災者生活再建支援法、これが弾力的に運用されると何か大変な効果があるというようなことを思われている方がたくさんいらっしゃるというのは、私は多少正確ではないのかなというふうに思っております。かなり制限のある中での限られた立法だったというふうに思いますが、ここで、要するに今回の台風災害があって、弾力的な運用という話を聞いたときに、全壊、半壊しか適用されない、それが床上浸水ならば弾力的に運用されるのだろうと勘違いされた方も数多かった。実はこの床上浸水も、これまでの被災者生活再建支援法の対象であった。しかし、このことについて、なかなか水害というのは、床上浸水というのは判定がしにくい、ですから認定基準についても非常にわかりやすく例示をしようと。
これは、十月二十六日に私が国土交通委員会で質問をさせていただきましたときに、内閣府の防災担当柴田政策統括官からも、各都道府県にわかりやすいような形で文書として出したい、そういった御答弁をいただいて、翌々日の十月二十八日付の全国各地へのこの発布された書類になったというふうに思っております。
そういった意味では、この書類の中にも「被災者生活再建支援法の弾力的な運用を図ることにより、被災者生活再建支援法の積極的活用を図る観点から、下記のとおり示すこととした。」この文章書いてあって、統括官も御説明いただいたのは、結局は、市町村で柔軟に、非常に語弊がありますけれども、積極的に活用してください、こういう趣旨ですよというそういった思いであったというふうに私は受けとめましたが、こういったものは、残念なことに、文書として国から県に行き、県から各市町村に行くと、こういったガイドラインを守れみたいな受けとめ方をする向きがないわけでもない。そういう心配はやはりあるわけですね。
例えば兵庫県でいうと、西宮市が最初にガイドラインを出して検査にかかろうとした。その後、兵庫県がこのペーパーをもとに基準を出してきたりして、もう一回やり直さなきゃいけないみたいなそんな変な話になっている。
ですから、こういったことについては、その真意というのがやはり届かないと、何か余計煩瑣なことが、煩わしいことが結果としてもたらされるというのでは、せっかく内閣府として英断した御決断が、そういった効果が出ないというのは大変残念なことだと思いますし、午前中の答弁を聞いていても、弾力的な運用というのを相当勘違いされている方もいるようでありますから、僕は、今までも床上浸水は対象になっていたんだ、しかし、今回はこの弾力的な運用でどうしていくんだということを、この場をもってもう一度その思いというかねらいを端的にお答えいただければというふうに思います。
○柴田政府参考人 本年の一連の豪雨、台風、洪水の災害におきましてかなりの家屋の浸水被害が出ております。特に床上浸水がかなりの数出ております。
この中で、被災者生活再建支援法につきましては、地震の場合には基準がわかりやすいのだけれども、床上浸水等については、なかなか水がつかっただけでわかりにくいという、それらについてのわかりやすい基準を明確化していただきたい、あるいは、もう少し弾力的な対応をしてもらわないとなかなか使いづらいという御要望、御意見がございました。それを踏まえまして、また、新潟、福井の水害の後、中央防災会議で総理大臣の方からも積極的な活用を図れという御指示もいただいておりましたので、弾力的な運用についての基準をつくったわけでございます。
具体的にはその通知の中に書いてございますが、浸水によりまして畳が吸水し膨張した場合、床はそれほどでもないのかもしれませんけれども、そういった場合に例えばどう扱うのかといった場合に、そのときには床の損傷として扱うというぐあいな弾力的な運用をやっていただくとか、浸水の水位が低位であっても、壁内部のパネルや断熱材の吸水によりまして壁の全面が膨張している場合には内壁全面の損傷として取り扱うというような等々の、弾力的な規定をつくったわけでございます。
内閣府の気持ちとしては、委員御指摘のとおりでございまして、この法律をできるだけ積極的に御活用いただきまして、本当に、被災を受けた被災者の皆様にこの法律の適用があり支援ができればということでございます。
文書だけ出したわけでございますが、県、市町村、特に県を通じて丁寧な御説明にも努め、誤解がないように、また、これが積極的に御活用できるように努めてまいりたいというぐあいに考えております。
○赤羽委員 豊岡市の例でいいますと、今度、罹災証明書を出すのは十一月二十日からぐらいだ、そういった段取りになっておると。そうすると、やはりもう一月ぐらいたちますので、現実、細かい話をすると、どうなっているかわからない。畳ももうほとんど全部搬出されておりますし、壁も、ぐちゃぐちゃになっているけれども、随分乾いているといったところもあるし、本当に細かいことを言ったら切りがなくて、私は、この被災者生活再建支援法の立法のときにこの国会に籍を置いていた一人として思うことは、別に被災者の中で線を引くというのがこの目的ではなかったはずなんですね。議員立法として私有財産に対してどれだけの支援ができるかという、こういった状況の中でぎりぎりの議員立法というのがこの被災者生活再建支援法のまずつくられた心だったというふうに思いますし、まさに柴田さんも、阪神・淡路大震災直後に兵庫県に出向されていて、そういった痛みというのは一番よくわかっていらっしゃるお一人だというふうに思いますので、ぜひ行間を伝えていただいて、宝の持ちぐされにするな、こういったことをオフレコでどんどん言っていっていただきたいなと。そして、一人でも多くの被災者にこの法の適用が受けられるようにしていただきたいというのをぜひお願いしたいと思います。
このことで、いろいろなあるものはどんどん使えばいいじゃないかということで、今般、災害救助法の中で住宅の応急修理ということが、これも十一月二日付の厚生労働省のペーパーで、新潟県に対して発出されたものだと思いますこの通知で、災害救助法の応急修理、当初は一世帯あたり五十一万九千円以内、これが六十万円というふうに修正されて適用されるという報道がございました。
これに対して兵庫県も、実は先ほどからの御質問もあったように、また、大臣も足をお運びいただいてよく御存じだと思いますが、二階建てのうちの一階建て部分が泥と水で埋まっている、いまだに一階部分は全く使い物にならない、二階で仮住まいしている、早く家を修理したい。円山川についても、正常堤防というか、本来つくってほしい堤防にはまだ十分じゃない、応急処置しかされていないので、また、新潟中越地震の場合は雪の心配があるかもしれないが、今回の兵庫県の各地域は、また同様の水害があることについて大変心配もしながら仮住まいをしているというような状況の中で、兵庫県からも、この災害救助法の住宅に対する応急修理を使わせていただきたいという要望が随分来ていると思います。私のところにも届いております。
これは内閣府にも厚生労働省にも届いているはずなんですが、これは、そもそも論としてこの災害救助法というのは非常によくわからない古い法律で、随分通達が繰り返されていて、私もこの「災害救助の実務」というちょっとこの分厚い本を読みましたけれども、なかなかわからないんですね。
それで、災害救助法を指定するときには、その被災された市町村から被害の状況が都道府県知事に届けられて、その都道府県知事が厚生労働大臣等に報告して、認定を都道府県知事のもとでするというようなお話だと思うんですが、災害救助法に認定されたということは、そこに載っかっている救助のメニューというのは自由に使えるのか。自由に使えるんじゃなくて、やはり、一つ一つの項目について使っていいかどうかということを厚生労働大臣が決裁するのか。その辺のこの法の仕組みを、まずこの場で改めて整理してお答えいただけますでしょうか。
○小島政府参考人 お尋ねの災害救助法の制度でございますが、災害救助法に基づく救助は地方自治法の法定受託事務とされております。それに基づきまして私どもは一般的な事務処理基準を策定しているということでございますが、一方でまた、災害救助法施行令では、国が定める一般的な基準によっては救助の適切な実施が困難な場合には、厚生労働大臣の同意を得た上で、都道府県知事は、特別な基準を定め、これに基づく救助を行うことができるということにされております。
それで、災害につきましては、その災害の種類あるいは規模、被災地、その季節等でさまざまな応急救助のニーズが生まれてまいります。ですから、もう一般的な基準では対応できないことがしょっちゅうはっきり言って起こってくるわけでございまして、その辺につきましては、都道府県知事は私どもと相談をしていただいて実際の実施を決めていくというふうな制度になっているわけでございます。
○赤羽委員 ですから、相談して決定されるということに何か私はちょっとわかりにくさがあるんですが、例えばこの兵庫県豊岡市とか出石町とか、床上浸水だけでも一万世帯近く、床下も入れると二万世帯、これは床上浸水の世帯が大半だと思いますが、「災害にかかつた住宅の応急修理」、六十万円ということではなくて五十一万九千円の従来あるメニュー、これの要望が出ていると思いますが、このことについて厚生労働省としてはどのような御判断をされるんですか。
○小島政府参考人 新潟県の場合には非常にまだ多数の方が避難をしておられる、それで、その方たちの生活環境の安定を図ることがこの冬を迎えるに当たりまして非常に大切だということで、応急修理制度を抜本的に活用したいというふうな新潟県の御意向がございました。
私どもはそれに相談をしまして、結果としまして、新潟県においては、対象者は、現に避難所等に避難している者であって、応急修理によって自宅に戻ることができる者。それから、災害救助法の大原則であります、自治体みずからが実施する現物給付ということがあるわけでございまして、建築業者を自治体みずからが組織化するなど指定しまして、多数の被災者に対して短期間のうちに集中的に応急修理を実施する体制を整える。こういうことを基本にいたしまして、今、新潟県で応急修理制度が発足しておるわけでございます。
それで、こういう基本的な枠組みの中で台風二十三号の被害に対しましてもこれを実施するかどうするか、具体的にどうしていくかというのは兵庫県知事の御判断であろうかと思いますが、現在、先生がおっしゃるように要望を受けておりますので、早急に私どもとしても実務的に詰めてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○赤羽委員 確かに、避難所暮らしをしている人は兵庫県の場合は新潟に比べて少ないんですが、それは、体育館でよりは、プライバシーの問題もありますし、とりあえず二階で住んでいる。しかし、これはもう仮居住と一緒ですので、避難的な居住だというふうに私は思いますので、避難所の数が少ないから適用しないというようなことは、ゆめゆめそういう御判断をしないでいただきたいと思いますし、まさに今、早く応急修理をすれば正式な居住ができるというふうに思っておりますし、私が読む限りでは、この災害救助法の「災害にかかつた住宅の応急修理」は、この今回の台風二十三号、兵庫県内の床上浸水を受けた被災世帯は当然受ける対象となり得るというふうに私自身はそう読んでおりますので、ぜひ決断をしていただきたい、こう強く要望しておきたいというふうに思っております。
きょうはもう時間が限られておりますが、自分の阪神・淡路大震災のときもそうでした、ずっと一連のときもそうなんですが、やむを得ない部分もありますが、被災となると被災者は体育館に寝泊まりをする。プライバシーも何もあったものじゃないと。私も、体育館みたいなところ、体育館よりももっとひどいところに実は神戸のときにはおりまして、まあこれは大変だなと。当時、十年前ですから私三十六歳で、もうあれだけ体重も十何キロ減ったぐらいのときで、まさに、この新潟の地域で高齢者の皆さんがああいう避難所暮らしをしているというのは、もう大変な御苦労があるということは私も被災者の経験者の一人として実感しているわけでございます。
そのことで、我が党としても政府に対して、周辺の旅館とかホテル、また福祉施設等々を利用させたらどうだろう、こういうことで提案もし、政府としても四千八百人分、百三十の施設に対して対象を決めたと。しかし、なかなか利用される数が少ないというふうに御報告も聞いておりますが、これはなかなか行政としてはやりにくいと思うんですよね。旅館に行きませんかとか、なかなか公平性を保ちにくいし、知恵の絞りどころだと思いますが、例えば山古志村の皆さんは全部この地域に避難してくださいと言って、ある旅館とかホテルのその地域を指定するとかそういうような形にでもしないと、なかなか田舎の人は、自分だけ申しわけないみたいなところもあったりしてできないと思うし、また、さっきの御答弁にもありました、自宅の近くにいたいというそういう心理も基本的にあると思いますけれども、しかしこのままいきますと、体育館で真冬をどうやって乗り越えるかというと、相当深刻な問題だし、病気の問題も出てくるでしょうし、こういったことを、どうもこの利用がなぜ少ないのかということをちょっと分析もしていただいて、せっかくつくった制度ですから、ぜひ前向きにこれが使われるようなことを考えていただきたいなと思いますが、林田副大臣、ぜひ、現地で御苦労いただいておりますので、御答弁のほどをよろしくお願いいたします。
○林田副大臣 赤羽委員おっしゃるとおりでございまして、実は、初日に四名しか申し込みがなかったということでございます。
私、先ほどの答弁で百三十施設、四千八百人を四百八人と言ったようでございますけれども、今委員おっしゃいましたように、百三十施設、四千八百人分が用意されたわけでございます。
それに対して初日が四名ということは、これはどうもやはりPR等々が不足しているんじゃないかということで、実は、県を挙げまして、例えばここにも持ってきておりますけれども、避難されている住民の皆さんへということで、ちょっと読んでみますと、どういう場合に利用できますかという、これはもう高齢者、乳幼児、結果的に車中泊を余儀なくされている方、そして家族一緒にいいですよということも言っているわけです。利用できるホテル、旅館はどこですか。これも、家族ごとにあるいは地域ごとに分けることもいいですよということも言っています。それから、いつまで宿泊できるんですか。これはもう一泊二日から、あるいは自分の仮設住宅ができる、あるいは自分の家の応急復旧ができて住めるまでの間。あるいは食事はどうなるんでしょうか。あるいは、そこに移動するための交通手段はどうなんでしょうか。これもちゃんと迎えに行きますよ。あるいは要看護者であれば、それなりの看護人をつけますよとか。そして一番気になるんでしょうけれども、宿泊費用はどうなんでしょうか。これも、一応救助法の対象になりますので無料ですよ。こういうチラシをつくりまして、それぞれ市町村、あるいは先ほど言いました警察関係、そしてまた、恐らく地域のコミュニティーということもあるんでしょうけれども、そこの区長さんとかあるいは老人会、その方々を通じて私はこれはもう徹底されたと思っております。しかし、現実には三百七十人で終わっています。
これはどういうことなんだろうということで、実際、私自身はあそこに詰めておりまして直接にはこのPRはしませんでしたけれども、その方々からの話を総合して、私の感じですよ、私の感じですけれども、要は、自分たちも被害者であるけれども、復興に携わりたいというか、要するに、言葉はちょっと適当じゃないかもしれませんけれども、邪魔者にしないでくれと。私の表現ですから適当じゃないかもしれませんが、要するに、これから復興に当たって、先ほど子供の学校の話も出ましたけれども、恐らく、いわゆるがま出し手、稼ぎ手はその復興と同時にそちらの方に頑張っていくだろうと。そうすると、子供が学校に行ったとき、あるいは子供たちが帰ってきたときその面倒は我々年寄りが見るんだとか、要するに家族一体となって、本当の社会の原単位である家族が一体となってこの復興に向かうんだ。その中で、単純にお年寄りあるいはちょっとぐあいが悪いからといって、別のそういう温かい、確かにそういう施設を用意することはいいんでしょうけれども、気持ちとして恐らくそういうのもあったんではなかろうかなと。これは、私の現場におっての率直な感じでございます。
○赤羽委員 もう時間もなくなりましたので、その点については、ぜひ現地の責任者として冷静な、的確な御判断をしていただきたいと。
また、大臣にもちょっときょうは質問ができませんでしたが、要するに、今回を通して例えば災害救援支援のボランティアがたくさん手を挙げている、そのことに対するシステムというのがまだまだやはりこれから考えなければいけないんじゃないかとか、また、災害対策の方も、災害対策基本法、災害救助法、被災者生活再建支援法と、これがそれぞれ所管も別ですし、議員立法だとか閣法だとかいろいろありますので、こういったことも、やはり一度これが落ちついたらぜひ整理されなければいけないんじゃないかというのが私の考えでございまして、ぜひ村田大臣、当面はそれどころではないと思いますが、当面の支援、復旧復興に御尽力をいただいた後、この災害対策に対する基本的な整理のほどをよろしくお願い申し上げまして、きょうは質問することができませんでしたけれども、私の質問を終わりにしたいと思います。
どうもありがとうございます。
○西村委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
私も、二十九日の兵庫、一日の新潟への委員派遣に参加をさせていただきました。何よりつらかったのは、体育館の避難所に足を踏み入れたときです。仕切りもない、毛布や布団が唯一の境界線となっているような中で、他人に家の中を丸ごとのぞかれているのと同じではないかと思いました。体が疲れ切っているだけでなく、気持ちの休まることがないだろう、そういう思いでいっぱいでした。
六千人余りの死者を出した阪神・淡路大震災は、発生後一年たった冬、九百人を超える被災者が、仮設住宅にも入れず、テントなどの旧避難所生活を強いられていました。また、仮設住宅に入った方も、雪と寒風の中で暖房にも事欠く生活。そして、最大四万八千人が入居した応急仮設住宅から最後の一人が出ていったのは、二〇〇〇年一月、五年後のことでありました。あの豪雪地帯の新潟で一年も避難所暮らしをさせられる、そんなことがあっては大変だ、どうか、一日も早く安心できる住まいを確保するためにできるすべてのことをしてほしい、このように思っております。
そこで質問の一点目は、仮設住宅の問題であります。
きのうの毎日新聞の一面に、自宅の庭先に仮設住宅という大見出しを見て、このことについては我が党の塩川議員が総務の委員会で取り上げて、地元の皆さんが大変望み、喜んでおられたということがありましたので、これが実現したと思いました。
ところが縦見出しを見ると、「避難所扱い」とありました。よくよく見ると、これは新潟県が独自に出した施策であり、県独自の住宅再建策を使って、自宅を修理する方たちなどが一時的に自宅の庭先で過ごす場所としてプレハブのユニットハウスを建てる。イメージとしては、工事用の詰所のようなイメージであります。これは、新潟県の文書の中にもそういうような表現がありますけれども、照明とコンセント、ストーブ以外は何一つない。そういう中で何日も過ごせるわけではありません。
もちろん、新潟県の知事の心情はよくわかります。当座をしのぎ、家の再建を目指すためにはそれも選択肢の一つだとして望む方がいれば、大いにそれは進めてよろしいかと思います。ただ、それでは冬を越せないというたくさんの方のためには、自宅の庭先にやはり耐雪型の応急仮設住宅を建設することは可能だということを確認してよろしいですね。
○小島政府参考人 先生御指摘の記事にある措置は、被災者の住宅の敷地内や住居近くの民有地にユニットハウスやテント等を避難所として設置し、被災者の自宅の修理完了や仮設住宅入居までの間、被災者に供与をするものでございます。この措置によりまして、自宅に近接して避難所を設置するものでありますから、住宅の修繕や片づけのため避難所と自宅を往復する負担を軽減するほか、地域コミュニティーの中での生活再建の促進に資するものであるというふうに考えております。
一方、応急仮設住宅でございますが、今三千戸余りが着工されております。冬季が間近に迫る中で迅速な対応が必要を迫られております。しかしながら、設置に対しては、できるだけ部落単位で入居できるようにするなど、コミュニティーの維持に十分な配慮を新潟県の方で行っているというふうに聞いております。入居される被災者の方々の状況に配慮した形で進められるよう、私どもも新潟県の方に伝えてまいりたいというふうに考えております。
○村田国務大臣 今厚生労働省の方からお答えいただきましたけれども、補足して御説明しますと、これは仮設住宅じゃないんですよ。(高橋委員「いえいえ、そんなこと聞いていません」と呼ぶ)いやいや、それで、仮設住宅じゃなくて避難所扱いにすれば、とにかくあれは素早く設置できますので、仮設住宅に入る前に例えばそこに来られて、それでうちの近くでうちを建てるのに役立つとか、あるいは仮設住宅に入るまでの応急措置としてかなり柔軟に使えるんじゃないかという措置をしてくれたわけでございまして、私は、希望者があればとてもいい措置だというふうに考えているわけでありまして、どうか誤解のないようにお願いをいたしたいと思います。
○高橋委員 誤解していません。ですから、新潟県の知事の言っていることはよくわかるから、それはそれで必要な人にやってくださいと言っているんです。
それとは別に、庭先に仮設住宅を建ててほしいという人に対して、建てることは可能ですねと確認しただけです。イエスかノーで答えてください。
○小島政府参考人 県、市町村でそういうふうに望まれれば、可能でございます。
○高橋委員 その一言でよかったんですよ。
仮設住宅、あるいは今おっしゃったようなプレハブの臨時避難所の中でも、必要な生活必需品の確保、今救援物資などが相当出ておりますけれども、これについても、例えばガスこんろ、例えば布団、掃除機でも、これが最も必要だという被災者の要望に対して、一定の予算の範囲内であれば災害救助法で現物支給ということでできますよね。これも確認です。
○小島政府参考人 災害救助法によりまして現物支給になるということでございます。
○高橋委員 必要なものを最大限現物給付できるように、これは周知徹底も含めてお願いをしたいと思います。
それで、先ほどの御答弁の中に、コミュニティーの中での再建に資するというお言葉がありましたけれども、そのことが今本当に大事になっているのかなと思っているんです。地域のコミュニティーを生かすということは阪神大震災の教訓でもあり、今回の中越地震でも強く提起された問題であります。
それで、やはり用地の確保においても、地域のコミュニティーを生かした仮設住宅ということもこれありと思うんですね。どこに仮設住宅を建設すればいいのかというのは、その地域の住民が一番よく知っています。ですから、住民にまず聞く。災害救助法には、土地の借り上げ料というのは想定されていませんよね、公共用地があるだろうと。しかし、身近で地域の皆さんがとても集いやすい場所が、ちょうどいい場所があるよといった場合に、借り上げ料も含めて用地を取得するということも検討するべきと思いますが、いかがでしょうか。
○小島政府参考人 この応急仮設住宅の建設地につきましては、私どもといたしましては、本来、災害に備えまして市町村あるいは県の方でその用地をあらかじめ確保していただくというのが最も望ましいというふうに考えております。
その建設用地といたしましては、原則として公有地を予定しておりますが、無償で提供されました民有地についてもこれに活用できるということで、現に新潟の場合でも、二カ所ほど民有地が無償で活用されております。
しかし、これを有償にすることにつきましては、災害発生直後の混乱期に価格交渉をしなければならないというようなことで大変手間取る可能性がありますので、災害時の緊急時にはなじまないんじゃないかというのが基本的な私どもの立場でございます。
○高橋委員 これは今後の検討をお願いしておきたいと思います。
次に、住宅再建支援法の問題で伺いたいと思いますが、先ほど来、弾力運用などについての解釈のことが言われていると思うんですね。七月の豪雨災害で、支援法のスキームで水害がフォローできるだろうかということが提起をされて、やむを得ない理由で、例えば、耐えがたい悪臭などのために解体をするという場合は適用できるというふうなことが、内閣府が指示を出し、八月にQアンドAも出されました。
今回は、浸水被害による住宅被害の認定についてということで十月二十八日付で改めてまた通知が出されて、読むとちょっと時間がかかるので、浸水の水位が低位だった場合でも、壁内部のパネルや断熱材の吸水により壁の全面が膨張している場合には内壁全面の損傷として扱うとか、衛生設備としての機能を損失する場合など、つまり、畳も壁も天井もだめというように損傷として認められる部分が積み上がっていった場合には、やむを得ず解体するとまではいかなくても全壊とみなす、こういう理解でよろしいですか。
○村田国務大臣 まず高橋千鶴子委員の御質問にお答えする前に、平成十六年十月二十六日の衆議院本会議におきまして、共産党の塩川鉄也議員から、一連の台風災害について、被災した住宅や事務所の土砂の除去、当面の生活のための建物の応急修理が緊急に求められているが、政府の対策はいかがかという御質問を受けておりましたので、この場をおかりいたしまして改めて御答弁させていただきたいと思います。
一連の台風災害につきましては、災害救助法が適用された市町村においては、同法に基づきまして、住宅の応急修理、住居またはその周辺の土石等の障害物の除去等の支援が講じられているところであります。また、被災者生活再建支援法に基づく被災者生活再建支援制度につきましては、さきの通常国会において、支給限度額の引き上げ、支給対象世帯の拡大、住宅の解体撤去費やローン利子の経費を支援する居住安定支援制度の創設等の制度の拡充を図ったところであります。
今後とも、被災自治体と十分に連携いたしまして、被災者生活再建支援法等を積極的に活用することによって、被災者の応急的な救助及び生活再建を推進してまいりたいと思います。
続きまして、ただいまの御質問にお答えいたしますが、そういう今の質問に対しましては、全壊または大規模半壊の適用がございますということでございます。
○高橋委員 こうしてこういう場合もあるということをきちんと言いながら、弾力的運用ということが言われてきた。そういうことは、つまり、平成十三年六月二十六日付の「災害の被害認定基準について」、内閣府政策統括官防災担当通知の中で全壊について言われているように、住家がその居住のための基本的機能を喪失している、このことが全壊認定の基本的な基準になる、そういうふうに言えるのではないかと思います。
川口町の町長さんは、柱は雪国仕様でしっかりしている、建物自体は建っていても、家の壁や内部はすべて壊れている、こうしたことを訴えておられましたけれども、このようなケースであっても、やはり基本的機能を喪失しているということで当然全壊として扱われると思いますけれども、いかがでしょうか。
○柴田政府参考人 地震関係の被害の認定でございますが、これらにつきましても、内閣府におきまして基準をつくってございます。その適用につきましてはそれぞれの市町村で認定をしていただくことになってございます。
これらの作業がこれから入ってまいりますので、内閣府といたしましても、九日の日に現地に内閣府の担当官を派遣いたしまして、地元の県及び市町村の担当官にお集まりいただきまして、被害認定のあり方等についての御説明をいたしたところでございます。個別具体的な認定作業は、それに基づいて市町村の方でやっていただくということになります。
○高橋委員 ですから、基本的機能を喪失している、このことが大事な基準になるということを確認してよろしいですね。
○柴田政府参考人 住宅が住むことができない、全壊しているということであれば、全壊認定ということになります。
○高橋委員 不安に思っている自治体の皆さんにそのことが理解されて励ましになるように、今、担当会議も行われるということでしたので、よろしく対応をお願いしたいと思います。
さて、適用の方はかなり中身が見えてきて、本当ならばこの支援法の適用になるんだろうということが見えてきたと思うんですが、一方、確かに今言ったように対象にはなるんだけれども、しかし、所得制限があるとか年齢でひっかかるとか、さまざまな問題がまだ依然として出ております。
先ほど、泉委員が資料で各県独自の支援策を紹介されておりました。その中に紹介されている宮城県で言えば、年齢も所得制限もなし、住宅の建設に百万円、補修に五十万円、それから中古住宅の購入費も対象になっております。この制度は、発足して以来期限は二年という利点がありますので、現在、二千五百二十八件決定をし、なお三千八百世帯が申請したいと言っております。ちなみに旧支援法の適用になっておりますけれども、こちらは三百十二件にとどまっております。
では、支援法改正後の中之島町の例があります。県単で床上浸水を含む制度に二カ月間で二百六十八戸、国はわずかに十二戸であります。国制度に対する申請は十二戸です。これでは、被災者を支援しない法だと指摘をされても仕方がありません。
このような、実際に、生活再建支援法といいながらも、県や町独自の制度と比べても使い勝手が悪いし利用者も少ない、こういう実態をかんがみて、制度をもっと使い勝手のいいものに改正をする必要を考えられませんか。大臣の見解を伺います。
○村田国務大臣 被災者生活再建支援法でございますけれども、災害によりまして生活基盤に大きな打撃を受けた人、そういう人の、もとの生活に戻りたいというそういう御要望に国としてこたえる制度として、真に支援が必要なもの、こういう観点から、経済的な理由とか年齢制限とか、あるいは所得制限というようなものが設けられる、こういうふうに承知をいたしております。
○高橋委員 大臣、でも、そういうふうに言っちゃうと、自治体の制度は支援が必要じゃない方にまで支援をしていることになりませんか。
○村田国務大臣 自治体は自治体として、それぞれの自治体の政策によりましてそうした支援の制度が設けられているのではないかと私は理解しております。
○高橋委員 先ほど来、理解という言葉しか出てこないので。
これは、まだまだ自治体の独自の施策が、具体的に例えば福井などがどれほど利用者が出てくるかとか、そういうのがもう少し時間がたてばもっとはっきりしてくると思うんですね。この点も大いに調査も国としてされて、何が一番求められているのか、本当に支援が必要とはどういうことなのかということをぜひ検討されていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
あわせて確認をしたいと思うんですが、事業所と自宅が一体になっている場合も支援法のスキームで適用ができると思いますが、いかがでしょうか。
○村田国務大臣 同法によりまして支援の対象になる全壊とか大規模半壊でございますけれども、今委員が御指摘のように、事業所と住宅が一体となった場合、併用住宅とこう言いますけれども、その居住部分が本質的には本来ならば支援対象となりますけれども、ただし、一階が事業所になっていて二階が住宅になっていた、それで一階部分が壊れてしまった、こういうようなケースが例えば想定されると思いますけれども、そういう意味では、一階部分の事業所がつぶれることによって構造的に二階部分が住めなくなるわけでございますので、居住のための基本的な機能を喪失した、こういう判定で適用がある、こういうふうに理解をしていただきたいと思います。
○高橋委員 ありがとうございます。
この点については、事業所だから適用にならないというふうに思っている方も大分多いですので、十分理解されて、利用できるところは利用していただくようにぜひ周知をお願いしたいと思います。
次に、国税局に伺いたいと思います。
災害減免法や所得税法による雑損控除などによって家財などの災害による損害分を減免できる仕組みがございます。ただ、問題は、その損害分をどれほどあるのかということを積み上げるのが、今の実態からいけば大変難しいと思います。そもそも、家に黄色い紙が張ってあって立ち入ることさえできない状態である。そういうときに、例えば、阪神、東海豪雨、三宅のときなどは、一定の算式と申しましょうか、に入れて計算をする簡便法というのを使ったということを聞きました。これが使えないかということであります。
具体的に運動の中でかち取った宮城県多賀城市の経験があります。八六年の水害、これは市議団が出した民報の中に還付された実例が書いてあります。Aさん、二階建て、床上浸水五十センチ、これで五十万円還付されております。Bさん、二階建て、床上四十センチ、保険金百万円出たけれども、さらに十五万九千円還付されております。あるいは、借家の一階建てに住まいをされていたDさんは、床上六十センチ、十五万五千円還付をされております。
ですから、今は首まで水が来たというような水害が続いていることから見ると、十分こういうのが適用されればかなりの還付が見込めるかなということもあります。七月の豪雨から始まってたび重なる被害に見舞われたということで、これらの被災者に対して簡便法を適用すべきと思いますが、いかがでしょうか。
○竹田政府参考人 個人の有する住宅、家財等につきまして災害等により損害が生じた場合には、雑損控除の適用が受けられるわけでございます。それで、その場合の損害額の計算につきましては、被害を受ける直前の資産の価額を基礎として損害の実額を計算することとされております。
これまで、大きな災害があった場合には、この雑損控除の適用をお受けになられる納税者の方々が多くおられる、そういうことに加えまして、また先生からもお話しございましたように、損害額を積み上げて計算するということが困難なケースも非常に多うございます。
このため、納税者の方々の便宜等の観点から、損害額の合理的な算定方法の選択肢といたしまして、一定の方式を作成して、これに基づいて算定された損害額によって雑損控除の適用を認めることとしているわけでございますけれども、したがいまして、今先生から幾つか御紹介ございましたような、阪神・淡路大震災等の災害の際にも、このような算定方式を作成いたしまして雑損控除の適用を行ったところでございます。
それで、本年の地震あるいは台風の災害につきまして、今先生から御指摘いただきましたような御意見がございましたことは承っておきたいと思いますが、いずれにいたしましても、私どもまずは、被災されました納税者の方々に対しまして、災害に遭われた場合の税制上の措置というものにつきまして積極的な広報に努めてまいりますとともに、来年の確定申告期において被災された方々が円滑に申告されることができますように、適切な対応を行ってまいりたいと考えております。
○高橋委員 申告の時期が近づいておりますので、少しでも明るい話題が提供できますように、ぜひこれを活用していただくように強く要請しておきたいと思います。
さて、先ほど佐藤委員に対し、道路局ですけれども、山古志村の県管理国道の復旧を国が代行することを今やっているとか、知事の求めに応じて市町村道の調査や復旧計画に国が人員を派遣して支援をしている、こういうふうな説明がございました。
私は、やはりこの災害という非常な事態の場合、鳥取県の知事なども指摘をしておりますが、ともかく市町村は、避難所の確保や住民との相談など、メンタルな部分も含めて非常に力を注がなければならないわけですし、道路が本当に無数に傷んでいるときに、それを復旧するためのスタッフも金もなかなかないというのが実情でございます。
片や国道などは、国直轄の部分では、先日も拝見させていただきましたが、四日間で用地買収も含めて迂回路がもう整備されている、そういうすばらしいスピードであります。そういう仕事を、要請があれば県道や市町村道にも国が積極的に対応する、そういうことがあってもいいと思いますが、お考えを伺いたいと思います。
○谷口政府参考人 お答えします。
国道につきましては、指定区間外、県知事が管理する国道につきましては、道路法の十三条三項の規定がございます。したがいまして、委員御指摘のとおり、山古志村の国道二百九十一号につきましては、県知事の要請を受け、国土交通省が直轄事業として災害復旧事業を実施することとさせていただいたところであります。
県道、市町村道につきましては、当該地方公共団体において災害復旧をするべきものと考えております。
今お話のございましたように、我々としては最大限の御支援を申し上げるということで、これも知事からの要請を受けまして、十月三十一日からは延べ五百五十人を派遣し、小千谷市など五市町村で一千五百五十カ所の被災状況の緊急調査を実施したところでございますし、さらに、さらなる要請に基づきまして、十一月八日から約七十人の地方整備局職員を長岡市など十市町村に派遣し、災害査定の準備作業の支援を行っているところであります。
今後とも、県、市町村と連携を図りながら、県道、市町村道の早期復旧に向け、国として最大限の支援をしてまいる所存でございます。
以上でございます。
○高橋委員 私が数えただけでも、今回の地震で震度五以上の記録をした市町村の中で、例えば長岡、小千谷、十日町、栃尾、山古志、川口など、十五の市町村が特別豪雪地帯に指定をされております。新潟県自体が豪雪地帯であります。
豪雪地帯特別措置法は、「積雪が特にはなはだしいため、産業の発展が停滞的で、かつ、住民の生活水準の向上が阻害されている地域について、雪害の防除その他産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策を樹立し、」ちょっと飛ばして、「産業の振興と民生の安定向上に寄与する」ということを目的にある法律でありますが、この中に特別豪雪地帯における基幹道路の整備の特例というのがございまして、市町村道に対しても県がかわってその権限を行うものとするという、第十四条でありますが、こういう規定もございます。
特別豪雪地帯であり、やはり特別な事情であるということをかんがみて、このようなこともあり得る、そして、それに対して国としても支援をしていくということを確認させていただきたいんですが。
○谷口政府参考人 お答えします。
委員御指摘のとおり、豪雪地帯対策特別措置法に基づく特例につきましては、基幹的な市町村道のうち、国土交通大臣が指定する道路の改築について、都道府県が、本来の道路管理者である市町村にかわり、豪雪地帯対策基本計画に基づき実施するということはございますが、災害復旧事業に関するものではございません。
したがって、先ほど答弁させていただきましたとおり、県からの要請に基づきまして、連携を高めながら最大限の支援を国としてやってきておるつもりでございます。
以上でございます。
○高橋委員 適用するかどうかではなく、そういう精神でやってほしいということでございます。
農業について一点だけ伺いたいと思っております。
やはり、農業の分野でも直接補償ということが本当に求められているのかなと思っているんです。機械が水で全滅した、そういう場合、やはり損害額が一千万近いということがあるわけで、ここを何とかしてほしいという声はあちこちで上がっているんですが、例えば福井市では、土砂流入などの被害を受けた農機具の修繕費用として最高五十万円、埼玉県では、自然災害で損失を受けた農家に対し、農薬や肥料購入費を助成しております。
こういう自治体独自の制度も幾つかあるわけですけれども、今本当に、農機具やあるいは農薬などこうしたものに対しても直接補償を検討するべきかと思いますが、いかがでしょうか。
○佐藤政府参考人 ただいま委員御質問の点でございますが、基本的に、農地とか農業用施設の基礎的なもの、それにつきましては、補助というような形で、これも、災害の場合、一般の場合も八割程度でございますが、激甚災等がかかれば九割程度の補助になります。
今御指摘のような農機具につきましては、基本的に低利の融資で対応するという考え方をとっております。
具体的には、農機具を修理するために必要な資金、これは農業経営維持安定資金というのがございます。また、新たに取得される場合には農林漁業施設資金ということで、いずれも長期、低利の制度資金ということで用意をしております。〇・八%から一・八%まで期間に応じてということでございますけれども、最長二十五年でお貸しできるような形になっております。
こうした資金の円滑な融通を通じまして、被災された農家の方々の経営の継続と再建を積極的に図ってまいりたいというふうに考えております。
○高橋委員 時間がなくなりましたので要望にとどめます。今の機械の問題は、中小企業の対策のときに、豪雨のときにもやりましたけれども、無料貸与なども含めて検討されることをお願いいたします。
阪神では、激甚災の指定をされたのは、一月十七日から八日後の二十五日ではなかったかと思います。先ほど来、激甚災の問題が出されて、今月中には何とかというお話がありましたけれども、もうだれが見ても激甚な災害であるときに、積み上げの細かい措置をしなくてもできるということがあったのではないかと思うのです。阪神でできたことが今回はできないということがないように、できるだけのこと、少なくともこれまでの経験でやってきたことはやれるように、そのことを強く要望して終わりたいと思います。
○西村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後三時五分散会