第4号 平成17年3月17日(木曜日)
平成十七年三月十七日(木曜日)午前十時四十分開議
出席委員
委員長 西村 真悟君
理事 佐藤 剛男君 理事 斉藤斗志二君
理事 福井 照君 理事 三ッ林隆志君
理事 小平 忠正君 理事 小林 憲司君
理事 松原 仁君 理事 石田 祝稔君
伊藤信太郎君 江藤 拓君
大野 松茂君 小坂 憲次君
近藤 基彦君 左藤 章君
佐藤 勉君 竹下 亘君
中野 清君 西村 明宏君
浜田 靖一君 林 幹雄君
原田 令嗣君 保坂 武君
三ッ矢憲生君 宮下 一郎君
山本 拓君 吉野 正芳君
泉 房穂君 一川 保夫君
梶原 康弘君 菊田まきこ君
五島 正規君 下条 みつ君
津川 祥吾君 中野 譲君
前田 雄吉君 村井 宗明君
和田 隆志君 白保 台一君
丸谷 佳織君 高橋千鶴子君
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内閣府副大臣 林田 彪君
内閣府大臣政務官 江渡 聡徳君
衆議院調査局第三特別調査室長 五十島幸男君
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委員の異動
三月十七日
辞任 補欠選任
小坂 憲次君 佐藤 勉君
森 英介君 浜田 靖一君
黄川田 徹君 梶原 康弘君
岸本 健君 中野 譲君
赤羽 一嘉君 丸谷 佳織君
同日
辞任 補欠選任
佐藤 勉君 小坂 憲次君
浜田 靖一君 森 英介君
梶原 康弘君 黄川田 徹君
中野 譲君 岸本 健君
丸谷 佳織君 赤羽 一嘉君
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本日の会議に付した案件
災害対策に関する件
地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案起草の件
地震防災対策の推進に関する件
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○西村委員長 これより会議を開きます。
災害対策に関する件について調査を進めます。
地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。
本件につきましては、先般来理事会等で御協議を願っておりましたが、協議が調いましたので、お手元に配付いたしましたとおり委員長において起草案を作成いたしました。
本起草案の趣旨及び主な内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。
地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律は、昭和五十五年五月に災害対策特別委員会提出による五年間の時限立法として制定されたものであります。
その後、昭和六十年三月、平成二年三月、平成七年三月、平成十二年三月に本法律の有効期限を五年延長し、平成十七年三月三十一日までとなっております。
この間、発生の切迫性及び被害の甚大性が懸念される東海地震に備えまして、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業が今日まで二十五年間にわたり鋭意実施されてきたところでありますが、この法律は、本年三月三十一日をもってその効力を失うこととなっております。
しかしながら、地震対策緊急整備事業につきましては、用地買収の難航等の諸事情により、現行計画で執行できなかった事業及び現行計画に盛り込めなかったものの地震防災対策の推進上緊急に整備すべき事業がかなり存在しております。
さらに、平成十四年四月に新たに地震防災対策強化地域として指定された地方公共団体では、地域指定後三年程度しか経過しておらず、地震対策緊急整備事業は、まだ始まったばかりであり、今後も継続して実施する必要があります。
本案は、このような本法律に基づく地震対策緊急整備事業の実施状況及び地震防災対策強化地域における地震防災対策の推進を図る観点から、本法律の有効期限をさらに五年延長し、当該事業を引き続き実施し、東海地震対策の一層の充実強化を図るために提案いたしたものであります。
次に、本案の主な内容について御説明いたします。
第一に、本法律の有効期限を五年延長し、平成二十二年三月三十一日までとすることといたしております。
第二に、国の補助金等の整理及び合理化等に伴う児童福祉施設等の整備に要する経費の交付金化については、従前の国庫補助率のかさ上げの割合を参酌して、当該交付金の額を算定することといたしております。
第三に、この法律は、一部の規定を除き、公布の日から施行することといたしております。
第四に、その他所要の規定の整備を行うことといたしております。
以上が、本起草案の提案の趣旨及び主な内容であります。
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地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○西村委員長 本件について発言を求められておりますので、順次これを許します。松原仁君。
○松原委員 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、意見の表明を行います。
言うまでもなく我が国は、世界にもまれに見る地震多発国であります。政府の地震調査研究推進本部が行った海溝型地震長期評価によりますと、最も発生が切迫しているとされている東海地震以外につきましても、根室沖などの千島海溝、宮城県沖などの日本海溝、東南海・南海地震などの南海トラフ、日向灘及び南西諸島海溝等におきまして、近い将来にマグニチュード七クラス以上の大地震が発生する可能性が懸念されているところであります。また、活断層に起因する地震につきましても、まだ各地に存在の知られていない未知の活断層が散在している可能性も重ね合わせますと、まさに日本全国、いつ、どこで、どのような規模の大地震が発生するのか全く予測ができないところであります。
本法は、大規模地震対策特別措置法に基づく地震防災対策強化地域におきまして、各種公共施設の整備、補助率のかさ上げ、地方財政措置等を行うことを規定したものであります。しかしながら、皆様御案内のとおり、大規模地震対策特別措置法が予知を前提とした法律であるために、本法の対象となっている地域につきましては、現在のところ、東海地方を中心とする八都県二百四十九市町村のみとなっているところであります。
もとより、これらの地域におきましては、東海地震の発生が切迫していることから、地震防災に係る各種整備を緊急に進めなければならないことは明らかであり、そのような観点から本法の意義に何ら異を唱えるものではありません。しかしながら、前述のとおり、我が国において、いつ、どこで、どのような規模の大地震が発生するのか予測ができないところであり、全国あまねく地震防災の備えを万全なものにしなければならないことは明らかであります。内閣府の説明によれば、予知を前提として大規模な地震の発生により著しい被害の生じるおそれがあることから、本法による措置の必要性が認められているとしておりますが、予知の可能性と地震防災対策の必要性は、関連こそすれ、基本的には別々に取り扱うべきであると考えます。
図らずも、来年三月末に、全国を対象とした地震防災対策特別措置法における補助率かさ上げ措置が期限を迎えます。その際には、本法及び地震防災対策特別措置法のあり方について検討が行われ、地震防災対策強化地域以外の地域における整備に要する経費に係るものも含め、全国の地震防災に係る財政支援のあり方について一体的な見直しが行われるよう、強く要望するところであります。
以上をもちまして、地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する意見の表明を終わります。
○西村委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋委員 ただいま議題となりました地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案の起草に関し、日本共産党を代表し、一言意見を表明します。
本案は、地震防災対策強化地域として指定された地域に係る地震対策緊急整備事業を推進するに当たって、当該地方公共団体に対する国の財政負担に関し、補助率かさ上げなどの財政措置を講じようというものであり、期限の延長は当然であり、起草案には賛成であります。
地震財特法の前提とされている強化地域の指定は、現状ではいわゆる想定東海地震地域のみですが、政府自身が、いつ起きてもおかしくないとその対策の緊急性を強調してきたものであります。政府の専門調査会は、最大で死者約九千二百人、建物全壊約二十六万棟などとする被害想定結果を公表していますが、問題は、被害をいかにして減らすかです。
また、阪神・淡路大震災を契機にして、それまでの予知を前提にした対策のあり方が反省され、日本列島のどこで起きてもおかしくない現状を直視し、被害の拡大を防止するとともに、被害を最小限に抑えるための防災対策の必要性が強調されてきました。
こうした点に照らして、現状は、大規模地震に対する備えとしては極めて不十分だということを指摘せざるを得ません。
第一に、大規模地震の発生を政府自身が指摘しているにもかかわらず、地震動や津波被害が想定されている海岸や軟弱地盤地域に人口や建築物、危険物施設が集中するなど、開発行為に対する実効ある防災上の規制が行われていないということであります。これらは、地震による被害を減らすどころか拡大することにほかなりません。だからこそ、当初、「五箇年で達成されるような内容のものでなければならない。」とされた地震対策緊急整備事業は、開発行為の後追いをするように新たな事業実施が必要となり、延長を繰り返さざるを得ないのではないでしょうか。
第二は、単純に期限を延長しただけでは不十分だということであります。例えば、災害が発生した際の避難所として指定されている公立小中学校の耐震補強をとっても、耐震補強の前提となる耐震診断そのものが進まず、各地方自治体の苦労は大きいものがあります。一体なぜでしょうか。耐震改修を含めた改築事業については二分の一から三分の二に補助率がかさ上げされていますが、そもそも、補助対象となる事業の範囲そのものが狭いという現実があります。耐震診断は、診断の結果補強工事を行う場合に限って補助の対象とされているのであり、補強工事は必要なしとなれば、あるいは補強工事は行わないという場合は補助の対象にはなりません。今回の期限延長に当たっても、関係自治体は、耐震診断そのものに対する財政支援や、幼稚園や高等学校を学校耐震化の対象とすることなど具体的な要望をされておりましたが、関係省庁の同意が得られず、単純延長とされた経緯があるということであります。実際に被害を軽減するために、現場が必要としている事業を必要とされる規模とスピードで進めることが求められており、各省庁が認める範囲の事業を計画にのせるあり方には限界があることを指摘せざるを得ません。
地震防災対策を実効あるものにする上で、地震や津波の観測、研究を強化し、住民への情報伝達や避難方法のあり方を見直すことはもちろん、住宅本体への支援を初め、店舗や中小事業所などを含めた被災者の生活と営業再建への公的支援を一刻も早く実現すること、住宅や建築物などの耐震化の推進や被害を拡大する開発行為の規制などを強力に進めることが不可欠であります。このことを指摘して、私の意見表明を終わります。
○西村委員長 これにて発言は終了いたしました。
この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。林田内閣府副大臣。
○林田副大臣 本法律案の提出に際しての議員各位の御努力と御熱意に対し深く敬意を表します。
政府としては、本法律案については特に異存はありません。
御可決いただきました暁には、その御趣旨を踏まえて、適切な運用に努め、東海地震に備えた地震対策緊急整備事業が速やかに達成されるよう、関係省庁と密接な連携をとりつつ、事業の一層の推進を図ってまいります。
○西村委員長 お諮りいたします。
地震防災対策強化地域における地震対策緊急整備事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しておりますとおりの起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○西村委員長 起立総員。よって、そのように決しました。
なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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○西村委員長 次に、地震防災対策の推進に関する件について決議をいたしたいと存じます。
本件に関しましては、各党間において御協議願っておりましたが、協議が調い、案文がまとまりました。
便宜、委員長から案文を朗読し、その趣旨の説明にかえたいと存じます。
地震防災対策の推進に関する件(案)
わが国では、昭和五十三年に成立した大規模地震対策特別措置法をはじめ、地震防災対策に係る法制度の整備に努めてきたところである。これまでの四半世紀を超える地震防災対策関係法律の施行状況を踏まえ、政府は、地震防災対策のより一層の推進を図るため、特に次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期するべきである。
一 地震防災対策の円滑かつ速やかな実施を図ることは、現下の緊急かつ最重要課題であり、建物の耐震化、津波対策等必要な施策の実施に万全を期すること。
二 地震防災対策の実施に当たっては、住民の防災意識の向上が重要であることにかんがみ、ハザードマップの整備、防災教育の普及等に努めること。
三 わが国は、全国どこでも地震が発生し得る地震国であることから、地震防災対策強化地域以外の地域を含めた地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備促進については、今後一年以内に検討が加えられ、その結果に基づいて必要な措置を講ずること。
右決議する。
以上であります。
お諮りいたします。
ただいま読み上げました案文を本委員会の決議とするに賛成の諸君の起立を求めます。
〔賛成者起立〕
○西村委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。
この際、本決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。林田内閣府副大臣。
○林田副大臣 本日の決議に関し、防災担当副大臣として、一言発言させていただきます。
政府においては、関係省庁と密接な連携をとりつつ、引き続き東海地震対策を着実に推進するとともに、我が国は全国どこでも地震発生のおそれのある地震国であることから、本日の決議を十分踏まえ、東海地震以外の地震を含めた地震防災対策の推進に最大限努めてまいります。
○西村委員長 お諮りいたします。
本決議の議長に対する報告及び関係政府当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午前十時五十六分散会