衆議院

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第7号 平成17年6月16日(木曜日)

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平成十七年六月十六日(木曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 西村 真悟君

   理事 佐藤 剛男君 理事 斉藤斗志二君

   理事 福井  照君 理事 三ッ林隆志君

   理事 小平 忠正君 理事 小林 憲司君

   理事 松原  仁君 理事 石田 祝稔君

      伊藤信太郎君    宇野  治君

      江藤  拓君    小坂 憲次君

      近藤 基彦君    左藤  章君

      高木  毅君    竹下  亘君

      中野  清君    西村 明宏君

      葉梨 康弘君    林  幹雄君

      原田 令嗣君    保坂  武君

      三ッ矢憲生君    森  英介君

      山本  拓君    吉野 正芳君

      一川 保夫君    黄川田 徹君

      菊田まきこ君    岸本  健君

      下条 みつ君    津川 祥吾君

      前田 雄吉君    村井 宗明君

      和田 隆志君    赤羽 一嘉君

      太田 昭宏君    白保 台一君

      高橋千鶴子君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       村田 吉隆君

   内閣府副大臣       林田  彪君

   内閣府大臣政務官     江渡 聡徳君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   柴田 高博君

   政府参考人

   (金融庁総務企画局審議官)            鈴木 勝康君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 久元 喜造君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (消防庁長官)      林  省吾君

   政府参考人

   (法務省大臣官房審議官) 深山 卓也君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           山中 伸一君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      大島  寛君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   岩橋 理彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           新島 良夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房参事官)           松本 義幸君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           宮坂  亘君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局整備部長)         南部 明弘君

   政府参考人

   (水産庁漁港漁場整備部長)            田中 潤兒君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            鈴木 正徳君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総合観光政策審議官)     鷲頭  誠君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           和泉 洋人君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局次長)         日尾野興一君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  清治 真人君

   政府参考人

   (国土交通省海事局長)  矢部  哲君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  岩崎 貞二君

   政府参考人

   (国土交通省航空局次長) 鈴木 久泰君

   政府参考人

   (気象庁長官)      長坂 昂一君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   南川 秀樹君

   衆議院調査局第三特別調査室長           杉山 博之君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十八日

 辞任         補欠選任

  竹下  亘君     竹本 直一君

同日

 辞任         補欠選任

  竹本 直一君     竹下  亘君

六月十六日

 辞任         補欠選任

  大野 松茂君     高木  毅君

  宮下 一郎君     宇野  治君

  赤羽 一嘉君     太田 昭宏君

同日

 辞任         補欠選任

  宇野  治君     葉梨 康弘君

  高木  毅君     大野 松茂君

  太田 昭宏君     赤羽 一嘉君

同日

 辞任         補欠選任

  葉梨 康弘君     宮下 一郎君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(三宅島噴火災害の復旧状況等)


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     ――――◇―――――

西村委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 本日は、特に三宅島噴火災害の復旧状況等について調査を進めます。

 この際、去る四月十八日に実施いたしました三宅島噴火災害の復旧状況等調査につきまして、その概要を私から御報告申し上げます。

 当日の視察委員は、自由民主党の佐藤剛男君、福井照君、三ッ林隆志君、竹本直一君、民主党・無所属クラブの小林憲司君、松原仁君、泉房穂君、公明党の白保台一君、日本共産党の高橋千鶴子君、そして私、西村真悟の十名であります。

 御承知のとおり、三宅島火山活動に伴う有害な二酸化硫黄を含む火山ガスの放出により、島民の方々は、四年以上の長期にわたる避難生活を余儀なくされてきました。このような中で、本年二月には、避難指示が解除され、火山ガスとの共生を踏まえた本格帰島が開始されたところです。

 本委員会は、これまでに四回現地の視察を行いましたが、今回の視察は、本格帰島後の島民の方々の安全対策、生活支援対策、農林水産業対策等について議論するためにも、いま一度、被災現場に立ち、被害状況や復旧復興事業の進捗状況について調査することが重要であるとの認識に基づき、実施したものであります。

 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。

 視察委員は、市ケ谷の防衛庁からヘリコプターに搭乗し、三宅島空港に到着した後、島を周回する都道に沿って視察を開始いたしました。

 初めに、三池地区において家屋の被害状況を視察いたしました。この地区は、火山ガスによる被害を最も大きく受けた地区の一つで、現在、高濃度地区に指定されており、島民の居住が禁止され、建物の修繕等で一日四時間以内の滞在のみ認められております。火山ガスの影響で周辺の木々は白く立ち枯れており、屋根や壁がはがれ落ちたままの住宅が残っていました。また、家電製品等の災害廃棄物が所々に集積されておりました。

 次に、中央診療所を視察いたしました。ここは、現在、村で唯一の診療施設であり、医師、看護師等十七名で運営されているとのことでした。避難指示解除後、一日当たり二十名程度の患者の診察に当たるとともに、重病の患者については、ヘリコプターにより都立広尾病院へ搬送する体制が整っているとのことでした。

 次に、村営埼玉住宅を視察いたしました。ここは、住宅が被災した島民の方々が入居することができるように新設されたものであります。三宅村全体では、新設、建てかえ及び補修により二百十戸の村営住宅が設置されるとのことでした。

 その後、伊豆避難施設へ向かいました。同施設は、平成十五年三月に完成し、島民の方々が一時帰島する際の宿泊施設として活用されていました。本格帰島後は、高濃度の火山ガス発生時の島民等の最終的な避難場所として位置づけられております。

 次に、三宅支庁において、東京都の渋井総務局三宅島災害復興対策担当部長、三宅村の平野村長等から、これまでの復旧復興状況等の説明を聴取いたしました。噴火前の村の人口は約三千八百人でありましたが、帰島者数は、本年三月末現在の推計で約千二百人とのことでした。その後、視察委員との間で、火山ガス警報のあり方、漁業の再開状況、観光振興対策等について意見交換を行いました。

 次に、三宅小学校を視察いたしました。噴火当時は小学校が三校ありましたが、火山ガスによる影響や児童数を考慮し、当面、この小学校の校舎を使用して、小学校三校の合同体制により、四月十一日から児童数五十人で授業が再開されているとのことでした。校舎には、脱硫装置、火山ガス濃度の表示計等が設置され、児童の安全確保対策が講じられているとのことでした。

 その後、伊豆老人福祉館へ向かいました。ここは、三宅島災害・東京ボランティア支援センターの現地本部として活用されております。ボランティアの方々は、避難指示解除後、島民の帰島に伴う引っ越し作業、家屋内外の清掃作業等に当たっておられ、参加者は四月十五日までに延べ二千人を超えているとのことでした。

 次に、阿古漁港を視察いたしました。漁港では、イセエビ、サザエ、カツオが水揚げされておりました。漁業は三宅村の主要産業の一つであることから、漁協関係者の方々を激励してまいりました。

 最後に、坪田地区の民宿おしどりを視察いたしました。観光産業も三宅村の主要産業の一つであることから、民宿経営者の方を激励するとともに、施設内に設置された脱硫装置の稼働状況を視察いたしました。

 今回の視察を通じて、火山ガスとの共生を踏まえた島民の方々の生活再建はまだ始まったばかりであり、島の再生に向けて、生活面、産業面でのきめ細かい支援策が引き続き重要であると改めて認識した次第であります。

 以上が調査の概要であります。

 なお、今回の視察に御協力いただいた政府、東京都、三宅村、陸上自衛隊第一ヘリコプター団等の関係者各位に心からお礼申し上げ、報告といたします。

    ―――――――――――――

西村委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官柴田高博君、金融庁総務企画局審議官鈴木勝康君、総務省大臣官房審議官久元喜造君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、消防庁長官林省吾君、法務省大臣官房審議官深山卓也君、文部科学省大臣官房審議官山中伸一君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長大島寛君、文化庁文化財部長岩橋理彦君、厚生労働省大臣官房審議官新島良夫君、厚生労働省大臣官房参事官松本義幸君、農林水産省大臣官房審議官宮坂亘君、農林水産省農村振興局整備部長南部明弘君、水産庁漁港漁場整備部長田中潤兒君、中小企業庁事業環境部長鈴木正徳君、国土交通省大臣官房総合観光政策審議官鷲頭誠君、国土交通省大臣官房審議官和泉洋人君、国土交通省土地・水資源局次長日尾野興一君、国土交通省河川局長清治真人君、国土交通省海事局長矢部哲君、国土交通省航空局長岩崎貞二君、国土交通省航空局次長鈴木久泰君、気象庁長官長坂昂一君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長南川秀樹君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤剛男君。

佐藤(剛)委員 佐藤剛男でございます。

 まず委員長から、このたびの三宅村の視察についての御報告がございました。私も三宅村には二回ほど行ってまいりました。一つは、防災担当の副大臣といたしましていわば離島命令を解除していく、それで自己責任のもとで帰島をなさる、こういう決定の過程に関与させていただきました。そしてこのたび、委員長御報告のとおり、視察いたしてまいったわけでございます。

 まずもちまして、この四年余りにわたる避難生活を余儀なくされました村民の方々、本当に大変だったと思います。心より御心痛また御苦労を察しまして、私ども政治家としまして、できるだけのことをやらなきゃいかぬと思いをいたしているところでございます。

 また、政府それから平野村長さん、東京都、それから、いろいろ輸送等におきまして御貢献していただいております自衛隊関係者の皆さんに、この機会に感謝を申し上げる次第でございます。

 私、きょうは限られた時間でございますが、その中で、他日、ただいま委員長の報告がありました後からの時点、現時点どうなっているかということをちょっとお話をお聞きいたしたいと思っています。

 避難指示の解除というのが二月一日に行われたわけであります。それで、二月から四月が本格的な帰島期と位置づけられましょう。村民の帰島が進んだわけであります。しかしながら、村民の中には、依然として放出いたしております火山ガスの中で安全に暮らしていけるか、こういう不安感をお持ちでございます。あるいはまた、帰りましたが、三宅村で生計を立てていけるのか、こういう感じをお持ちで、ためらっている世帯がおられるわけでございます。

 いよいよ東京都議選も六月二十四日に告示されるわけでございまして、帰島している人それから帰島していない人、あるいは有権者の状況、それから不在投票がどうなるかということはかなり緊密な関係を持っておるわけでございまして、特に帰島された方にとりましては、この都議選でいろいろな希望、期待を持っておられることかと思います。

 そのあたりにつきまして、内閣府それから総務省、申し上げました現状、帰島の進捗状況とそしてその有権者の状況、ここら辺を明らかにしていただきたい。できれば、不在投票というのはどのぐらいになるのかということをお聞きいたしたいと思っております。

柴田政府参考人 三宅島につきましては、二月一日から、約四年半ぶりに避難指示が解除されまして、順次住民の帰島が始まりました。また、五月からは、火山ガスの高感受性者の帰島と観光客の受け入れが開始されました。

 三宅村が実施いたしました悉皆調査によりますと、五月十日現在で、帰島世帯数九百六十九世帯、帰島人数千六百六十八人となってございます。住民基本台帳によりますと、二月一日現在で三千百九十一名が人口というぐあいになってございますので、帰島割合は、これと比べますと五二・三%でございます。その後は悉皆調査は行われておりませんが、電気の通電工事実績をもとにした三宅村の推計によりますと、六月十三日までに約百世帯強がふえていると見込まれておりまして、順調に帰島が進んでいるというぐあいに思われます。

 以上でございます。

久元政府参考人 ただいま内閣府からお答えがありましたように、五月時点での帰島者の割合は五二・三%ということになっておりますので、これ以外の方が現時点では島外におられるということで、これらの方々につきましては、不在者投票という方法で投票していただくことになると理解をしております。

佐藤(剛)委員 どれだけの人たちが不在者投票になるのか、私はかなりの数に上るんじゃないのかなと思っております。

 そういう状況で、これから都政、都議会選ですね、それから国政の選挙も続いていくわけでありますが、そこら辺の見通し、今、私の推定では四割ぐらいが不在投票になるんじゃないか、こう見るわけでありますが、そこら辺、総務省は具体的な推計などはやっておりますか。

久元政府参考人 これから不在者投票に必要な手続に入ることになりまして、具体的には、不在者投票を希望される方は、普通であれば、不在者投票に必要な書類を個々に請求していただくことになるわけですけれども、三宅村におかれましては、島外に滞在しておられる方を大体把握しておられますので、そして、それらの方にこの不在者投票に必要な書類を添付いたしましたパンフレットを個々に送付をしていただいておりますので、そういうような便宜を図りながら、円滑な不在者投票が行われるように配慮がなされているということですから、不在者投票の見込みというのは、これからの進捗状況によってということになろうかと思います。

佐藤(剛)委員 お願いしておきます。帰島していない村民が投票しやすいような工夫、いろいろな工夫を考えてください。

 それでは次に、気象庁いらっしゃいますか。

 一番大きな一つの課題というのは、ガスの放出状況でございます。今後の火山ガス放出の状況、それから、どのように静まっていくか、そういうことにつきまして見通しをお答えいただきたいと思います。

長坂政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十二年八月に大規模な噴火が発生しました三宅島では、ほぼその当初から火山ガスの発生が見られ、その後現在に至るまで、山頂火口から二酸化硫黄を含むガスの放出が続いております。

 二酸化硫黄の放出量についての推移を申し上げますと、平成十二年秋以降ゆっくり減少してまいりましたが、平成十五年以降今日に至るまで、ほぼ横ばい傾向が続いているところでございます。住民の方々が帰島され始めました今年二月以降につきましても、一日当たり二千トンないし五千トン程度の放出量が観測されているところでございます。

 三宅島の火山活動につきましては、全体といたしましては目下のところ大きな変化はなく、火山ガスの放出は当分継続するものというふうに考えられます。

 以上でございます。

佐藤(剛)委員 私どもも、他日の視察でいろいろ、三宅村はこれからどうやって発展していくのか、このつらい気象状況の中で、農林漁業あるいは観光といろいろあるわけでありますが、そういう話を意見交換してまいりました。私個人としましては、一番の可能性があるのが観光ではないかと思っているわけでございます。

 世界の中で、ああいう火山爆発によりまして、木が、亜硫酸ガスの影響でございましょうが、ああいう真っ白な形のものというのはシシリア島に行って見たぐらいで、ほとんどない。その意味におきましては、火山爆発が起きたときの一つの大きな研究材料というか、あるいは関係者がそこに来まして、そして、いろいろなことを、地球のことを話し合う、こういう格好の場所ではないかと思うわけでございます。

 御承知のように、野鳥はおりますし、それから海はきれいでございますし、釣り人のあこがれの地域、あるいはダイバーのあこがれの地域だと言われているわけでございます。問題は、三宅村にどれだけの人を呼ぶか、こういう課題ではないのかなと思うわけでございます。

 そこで、これはいろいろな面で国土交通省を中心にお願いいたしたいんですが、アイデアを地元の平野村長さんそれから東京都と連携を保って出していくことが、私はこの三宅村に対する対策そのものではないかと思っているわけでございます。一つのアイデアを出してみますので、検討していただきたい。十分なお答えは必要ございません。

 アジアに豪華船というのがないんですね。五万トンとか六万トンとかそういう豪華観光船、こういうようなものが、あのすばらしい三宅村、もちろん母港開発というのが必要でございますけれども、一つの、係留をしながらアジアそれから世界の観光、今、小泉内閣では、千万人の、今は五百万人だったんですね、向こうに訪問する人と同じぐらいだ、これが去年はふえました。そして、一千万人に倍増計画をしようということでございます。そういう意味で、この観光の面についていろいろなことを考えていく。いろいろ国際的な、船についての母港づくり、あるいはリースをしましてオペレートするとかいろいろなやり方があるかと思うんですが、そういう面についてもひとつ国土交通省、検討をしていただきたいと思います。これについては、アイデアの段階でございますから、お考えはいろいろあると思いますが、私がここで申し上げたということを一つの題材にして検討していただきたいと思います。

 次に、これに関連しましてお聞きいたしたいのは、観光客を島まで送るためには、航空便の早期復旧というのが不可欠でございます。これについての、国土交通省、航空便の復旧の見通しについてどのようにお考えか、お知らせいただきたい。

鈴木(久)政府参考人 航空便の見通しにつきましてお答えさせていただきます。

 三宅島空港は、火山の噴火等に伴う施設の損壊等は特段生じておりませんので、現在も使用可能な状況にございます。ただ、空港地域が火山ガスの高濃度地区に指定されておりますので、現在は、復興のための物資輸送のみに限って使用されておる状況にございます。したがいまして、民間航空機の運航が停止されているわけでございますが、空港を管理しております東京都においては、このガスの状況を十分見きわめながら運航再開の時期を判断したいと報告を受けております。

 また、従来、羽田―三宅島線を運航しておりましたANAグループの方からは、乗客、乗員あるいは空港職員の安全が確保されることを大前提に、そういう環境が整い次第、所要の準備を行った上で運航を再開したいという報告を受けてございます。

佐藤(剛)委員 帰島された方々にとって一番気になるのが、火山ガスの問題だろうと思います。その火山ガスの最近における警報の発令状況といいますか、そういうようなものがどんなような状況になっているのか。

 それから、特に高齢者の方々がお帰りになった方で多いと思うんですが、そういう方に対する情報伝達あるいは避難の体制ということが配慮しなければならない課題だと思うわけでございます。そこら辺は内閣府の方できちんと対応していただきたいと思っておりますし、また、事実関係を教えていただきたいと思います。

 そして、最後に大臣から、この三宅島の噴火災害の復旧復興に対します政府の考え方、方針、こういうようなものについてしっかりとした御答弁を賜りたいと思います。

 以上です。

江渡大臣政務官 佐藤先生の方にお答え申し上げます。

 火山ガスの警報につきましてですけれども、この二月から五月末日までなんですけれども、注意報が二百六十三回、警報が十一回発令されております。そのうち、高濃度地区以外で発令されたものは、注意報が六十二回、警報が三回という状況でございます。

 また、火山ガスが高濃度になったときの村民への情報伝達についてのお問い合わせですけれども、現在、島内四十三カ所に屋外拡声子局を設置しておりまして、そのうち十四台においては、レベルごとにおいての回転灯というものもつけさせていただいて、目でもわかるような状況にさせていただいております。

 また、各家庭の方に対しまして一台ずつ戸別受信機を配付いたしておりますし、また、高感受性者に対しては、現在、携帯受信機ということで、百五十二名の方に百五十二台配付ということになっております。

 また、避難体制についてでございますけれども、注意報、警報が発令された場合におきましては、脱硫装置を備えた伊豆避難施設を避難所として開設するとともに、村職員により当該発令エリアを巡回し、各戸への声がけを実施しているところでございます。またさらに、警報の発令時におきましては、村営バスを避難用臨時バスとして出動させているところでございます。

 特に、高齢者等の高感受性者に対しましては、各世帯に小型脱硫装置の貸与を実施しておりまして、これは、高感受性者は百五十二名いますけれども、百八世帯でございますので、百八台貸与しているというところでございます。

 特に、避難に当たりましては、村職員が声がけをするとともに、避難の援助を行うなど、万全な態勢で行っているところでございます。

村田国務大臣 委員長を初めこの委員会の委員の皆さん方には、今回、三宅島に対しまして、避難勧告、避難指示の解除の後にその復旧の状況を視察いただきまして、本当にありがとうございました。

 政府といたしましては、これまでも、村民の安全対策それから基盤整備、これもかなり進んでいると、皆さん方もごらんになっていただいたというふうに思います。それから、生活再建支援のためのさまざまな対策を講じてきたわけでございますが、島民が帰り始めまして、いよいよ、農業とか漁業とか観光業とか、生活をしていくためのいろいろななりわいにかかわることの再建に支援をしていかなければいけないということであります。

 漁港につきましては、漁港に関します岸壁等の復旧工事については今年度内にも完成しよう、それから農業につきましても、十一月末までに、もう既に査定が終わっているものについては工事を完了する予定と、こういうふうに聞いております。観光業も、本年の五月中に四千六百人が島を訪れたというそういう数字も私聞いておりまして、農業、漁業、観光業等々、これから本格的に島民の収入を支えるそうしたものについても、政府は、一生懸命、村当局、あるいは都、あるいは関係省庁と協力しながら支援をしていきたいと、こういうふうに考えております。

佐藤(剛)委員 時間でございますので、これをもちまして終わりにします。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、斉藤斗志二君。

斉藤(斗)委員 斉藤でございます。

 本日は、三宅村視察へ、その後の委員会ということでございますが、それに先立ちまして、このところ、災いの年と言われるように、大変多くの災害に私ども見舞われたわけでありますが、そんな中で、この委員会の中でも議論をしてまいりました、また、私どももしっかりと検討をお願いしてきたというのが被災者生活再建法にかかわる問題でございまして、例えば、物品購入などの生活関連費の扱いにつきまして余りにも細か過ぎるのではないか等々、こういったことについて御検討いただきたいということをかねてから申し上げてきてまいりましたけれども、その検討状況につきまして、今どのぐらいのところまでいっているんだというようなことを政府の方からお聞きしたいというふうに思います。

村田国務大臣 被災者生活再建支援法につきましては、これまでも、水害に関しましての住宅の被害認定を弾力的に行うということも講じましたし、それから、手続上、領収書の徴求に関してもこの領収書の提出を廃止したとか、こういうことで被災者の便宜を図ってきた、こういうふうに努力をしてきたわけでございますが、当委員会あるいは予算委員会等ほかの委員会でも、この被災者生活再建支援法につきまして、さらにいろいろな要するに被災者のための手だてを講ずるべきではないか、こういう御意見がございまして、改善を図るという総理の御発言もあり、私も何回もそういうことも発言をしてまいりました。

 それで、実は明日、閣議で政令案を決定してもらいたいというふうに思っておるわけでございますが、今度は、運用改善をさらにしようということで、物品購入などの生活関係費、今、最大百万円でございますが、これについて細かな経費区分がございました。これをすべて廃止するということにいたしましたことが一点。

 二点目は、概算払い、前払いでございますが、これについても限度額がございまして、百八十五万という前払いについての限度額がございました。これを撤廃しよう、こういうことでございまして、したがって、最大三百万円までは前払いを受けることができるということをいたしまして、所要の政令改正を明日の閣議で決定いたしたいということで作業を進めているところでございます。

 そして、この措置は、昨年起こった災害に遡及して適用しようということでございますので、その意味で、被災者の便宜に大いに資することを期待しているわけでございます。

斉藤(斗)委員 ただいま、大臣から、明日の閣議を前にその方針を御説明いただきました。特に、昨年度よりも適用になるということでございますので、私ども、大変明るい話をお聞きしたということで厚く御礼申し上げたいというふうに思います。

 さて、三宅村でございますが、御案内のように、佐藤委員からも言及がございました。時間の関係があるので、個々の問題に突っ込んでいきたいというふうに思っております。

 先ほど、国土交通省の方から空港の問題の御答弁がございました。空港そのものは使用可能であるけれども、有毒ガス高濃度地区につき現在閉鎖中、使用はできない状況だということでございます。一方、気象庁長官からは、このガス発生はもっともっと続くだろう、継続中の見通しという格好が報告されたわけであります。

 したがいまして、空港はかなり長い間使えないというふうに私理解するわけでありますが、こういう状況では、観光客にたくさん来ていただく、また、緊急避難等々について空港が役に立たないということを考えたときに、私は、高濃度地区とは別個の、また、そういう被害に遭いにくい地区に新たな飛行場をつくるそういう時期に来ているんじゃないか。佐藤委員は確かに豪華船の話をされました、それも一つの考え方かと思いますが、私は、飛行場をもう一つつくって、もっと観光振興それから人的交流を加速させるべきだというふうに思っておりますが、これはどなたが答弁していただけますか。

鈴木(久)政府参考人 先ほども答弁させていただきましたように、現在の空港が使えないわけではございませんで、緊急物資の輸送等には今使用してございます。ただ、民間航空機の再開には、まだ、この高濃度地区の指定の解除というのが必要でございますので、そこの判断を今待っておるという状況にございます。

 また、先生御指摘の新しい空港という点につきましては、ここは、三種空港、東京都の設置、管理の空港でございますので、東京都とも十分相談してまいりたいと思っております。

斉藤(斗)委員 ぜひ、さっきアイデアということの話が出ましたけれども、その中の一つで、新しい空港建設、設置ということをよく御協議いただきたいというふうに思っております。

 それに関連して私は少し質問を幾つか用意してきたんですけれども、また、宝くじのことも御質問しようかと思ったんだけれども、時間が余りないということでございます。御案内のように、阪神・淡路大震災、新潟県の中越地震など、災害復旧の目的に宝くじが発行されていまして、かなりの金額がその支援に回っているわけでございます。この三宅島噴火災害については、たしか三宅島対策の宝くじというのは発行されていないんじゃないかな、そんな印象があったものですから、そういう面からでも支援がやはりあってしかるべきだと。これは何か聞くところによりますと、東京都という大きな枠組みの中だということではありますけれども、やはり、そういう人々の注意を喚起するという意味もございまして、そういったことの三宅島の関係の発行につきましてぜひとも御検討いただきたい。これは要望にとどめておきたいというふうに思います。

 実は一昨日、防災白書が閣議で決定をされまして、私どもに公になったところでございます。そんな中で幾つか御質問をさせていただきたいわけでございます。

 減災目標という新たな目標を掲げられました。これを、社会全体で協力して、さらに、行動する国民運動の展開ということが提唱されているわけですね。実際、この防災白書の最初のページには「迫りくる巨大地震と「備え」を実践する国民運動の展開」と書いてあって、迫りくる巨大地震、本当に逼迫度が高いんだとひしひしと感じるわけなんですよね。

 そこで私は、キーワードとしては、防災力の向上という、国民一人一人が、そして企業一社一社が、また自治体一つ一つが全体でやるということが大事だというふうに思っておりますが、それに加えまして、さらに、学校教育における防災教育という観点からもまだまだ足らないんじゃないかというふうに思っております。

 この十七ページを拝見させていただきますと、「稲むらの火」という記述がございます。何とこの記載は、昭和十二年から十年間小学校でもう使われておったというそういう歴史もあるんですよね。こういう大事な話をもっと全国的に子供たちにしっかりと学校の場でも教えていく、そしてさらに、防災力向上のために社会全体として取り組んでいく、こういったことについて、大臣、または政府委員でも結構でございますが、お答えいただきたいというふうに思っております。

柴田政府参考人 御指摘のとおりでございまして、学校教育の場におきまして防災について教えていくということは、非常に重要であるというぐあいに考えております。家庭に帰ってそれが話題に上りまして、家族全員の問題意識の向上を通じて国民運動の展開にも資するという点もございます。

 議員御指摘の「稲むらの火」につきましても、ことしの春からの小学校五年、六年の副読本において採用されるなど、教育の場で活用されているということになってございまして、極めて適切な取り扱いではないかと考えております。

 今後とも学校の場において防災教育が行われることはぜひとも必要であり、我々としましても、優良な防災教育事例についての情報提供、防災教育に活用できる教材のホームページの紹介等を行っておりますが、今後とも、文部科学省とも連携いたしまして、防災教育の支援あるいは充実というものに努めてまいりたいと考えております。

斉藤(斗)委員 時間が参りましたので終わります。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、村井宗明君。

村井(宗)委員 民主党の村井宗明でございます。

 本日は、三宅島の復興と被災された住民の支援について、村田防災担当大臣や内閣府、関係省庁に質問させていただきます。

 さて、三宅島の災害から約五年が経過しました。五年もある間にいろいろなほかの災害が起こり、だんだん三宅島の記憶が薄れようとしています。しかし、現場の皆さんはそうではありません。災害に遭われた皆さんは、いまだに、有毒な火山ガスが排出し続けていること、その他いろいろな状況で困っています。私たちはその問題に対してしっかりと忘れずに対応をしていかなければなりません。噴火そのものは小康状態となり、火山ガスの噴出は減っていても、しかし、三宅島の人たちの暮らしはもとどおりになっていないわけです。

 さて、この災害対策委員会では、与党、野党、常に議論していましたが、もう毎回議題となるパターンは、二つに決まっています。与党と野党の違いは二つだけです。

 一つ目は、皆さんも御存じのように、住宅をちゃんと再建しようという野党と、そうでない与党、もう二つ目は、義援金を素早く配ろうという野党側と、半年後に配り方を決定して、その後配ろうという与党、いつもその二点に分かれて、毎回の災害のたびに議論させていただいているわけなんですが、義援金の方は、ふだん、大体パターンとして、阪神大震災や中越地震などのパターンでも、半年後に大体配り方が決定して、配り出して、野党側、我々はもっと早く配ってくれと言うのがパターンなんですが、この三宅島の災害の場合、そうではない。もうさすがに五年もたっているので、八、九割の義援金はちゃんと配られているというので、二つ目の論点は今回は差し控えさせていただきまして、問題となる、我々、与党と野党の違いである住宅の面についてポイントを当てて議論をさせていただきたいと思います。

 そして、まず基本的なところからお聞きしますが、今現在わかっている三宅島の住宅の被害状況、特に、火山ガスによる特有の被害実情と、長期間にわたって火山ガスを浴びてしまった住宅への影響をお伺いいたします。

柴田政府参考人 三宅島の住宅の被害状況についてでございますが、現在、三宅村において調査中でございますが、調査件数四百六十棟のうち、全壊三十四棟、大規模半壊百七十九棟、半壊七十二棟となっております。

 こうした住宅被害につきましては、長期にわたる避難期間中に、火山ガスの影響によりまして屋根等が傷み、また、住宅の中に雨水が入って腐食したケースのほか、住宅の中に泥流が入り込んで生じたケースなどがあるものというぐあいに、そういう状況になってございます。

村井(宗)委員 見た目はしっかり建っている建物でも、五年以上火山ガスを浴び続けた住宅は、内部構造が弱くなり、建築物としての耐久性は急速に劣化をするのではないかと思います。

 そこで、国交省にお聞きいたします。

 火山ガスによる住宅の屋根や壁の腐食、シロアリの被害など、火山ガスの長期化に伴いこれらの被害が深刻化することが心配されますが、どう見ておられますか。また、今後帰島した人たちが住宅を再建していくとき、建物の構造や建材などに技術的に火山ガスの対策が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

和泉政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のとおり、三宅島では、火山ガスによる屋根や壁の腐食が進んでいると聞いております。

 三宅島では、従来から、地震対策として、軽量のトタン、いわゆる亜鉛鉄板屋根等が広く用いられているが、噴火による火山れき等の飛来により表面の塗装や亜鉛メッキに傷がついたことや、さらに、それが避難期間中長期にわたって放置されたこと等から、中の金属が二酸化硫黄等を含む火山ガスと化学反応を起こし腐食したものと聞いております。

 今後、再建する住宅については、火山ガスによる屋根等の腐食を防止するために、トタン屋根の塗料を小まめに塗りかえることや、あるいは耐候性のある材料で屋根を覆うことなどが考えられます。

 今後、公共団体と連携しつつ、三宅島の実態等をよく調査し、必要な対策等について検討してまいりたいとこう考えております。

村井(宗)委員 ありがとうございました。

 今、そういったように、三宅島特有の、火山ガス特有の住宅再建というものをしっかり進めていただかなければならない。それに伴い、民主党のいつも提出させていただいています住宅再建支援法をさらに検討していただければと思っております。

 さて、その中で、三宅島に帰った人たちの住宅再建の支援はどのぐらい進んでいますでしょうか。これまでの実績と今後の取り組みをお伺いいたします。

柴田政府参考人 帰島されました住民の住まいの確保につきましてでございますが、自宅に居住することが困難で、公営住宅に居住することを希望される方のために、村営住宅の新たな建設あるいは復旧によりまして、二百十戸の村営住宅の整備が終わってございます。現在、二百十戸中百八十九戸が既に入居済みになってございます。

 また、自宅を再建されようとされる方につきましては、住宅金融公庫による災害住宅復興融資ということで、通常の融資よりも低利の融資制度がございます。また、被災者生活再建支援法による支援金の支給を行っているところでございます。

 被災者生活再建支援法につきましては、御存じのとおりでございますが、全壊世帯に対しましては、住宅の解体撤去費、再建のためのローン利子等についての最大二百万円、大規模半壊世帯に対しては、住宅の一部除去費、補修のためのローン利子等について最大百万円の支援を行っております。

 なお、住民が帰島される際には、引っ越し等の費用について最大七十万円の支援を行ったところでございます。

 今後とも、帰島した住民の生活再建に向けて必要な支援を行ってまいりたいと思っております。

村井(宗)委員 それでは、まだ島に帰っていない方々、それから、これから先帰島を検討している方々の住宅についてお伺いいたします。

 五年以上にわたって無人のまま放置されている住宅なわけです。そして、その五年間の間、火山ガスにさらされ続けているわけなんですが、早く補修や修繕の手当てをしないと、時間がたつほどに傷んでいくことは明白です。

 この、まだ帰島されていない方々の住宅、この先島に帰ってまた住むことになる可能性のある住宅の補修や維持管理についてはどのように取り組んでおられますでしょうか、内閣府にお伺いいたします。

柴田政府参考人 住宅の補修、維持管理の問題でございますが、これは、これまでもそうでございますが、住宅の補修や維持管理につきましては、住民の皆様が適切に行っていただくのが原則だというぐあいに考えてございます。これまでも、定期的に日にち等を決めまして、住民の皆様が帰島の前に村にお帰りになりまして維持管理を行われたケースがございますが、そういうようなことで適切に行っていただくのが原則と考えてございます。

 しかしながら、今後帰島される人につきましても、被災者生活再建支援法では、避難指示解除後三十七カ月までの間、平成二十年の二月末まででございますが、に帰島され申請される場合には、被災者生活再建支援制度の活用もできることになってございます。

村井(宗)委員 次は、住宅ローンについて金融庁にお伺いいたします。

 住宅ローンを利用されている場合、その返済を継続しながら、新しい住宅の購入や建築についても新たにローンを組まなければならなくなります。島に帰って建てる場合も、島に帰らず別の土地に建てる場合もあると思います。ところが、噴火の前までは担保としての価値があった土地も、噴火の後はどうでしょうか。民間金融機関が担保とするのは考えにくい状況です。もちろん、売ろうとしてもなかなか買い手がつきません。

 さて、そこで質問させていただきます。

 この三宅島噴火災害の被災者に対する住宅ローン等の金融支援についてはいかがお考えでしょうか、金融庁にお伺いいたします。

鈴木(勝)政府参考人 御質問にお答えさせていただきます。

 金融庁といたしましては、三宅島の異変に伴いまして、関東財務局において、日本銀行と連名で関係金融機関等に対しまして、今御指摘のあった災害関係の融資につきましては、その災害の状況、応急資金の需要等を勘案して、審査手続の簡便化ですとか貸し出しの迅速化ですとか貸出金の返済猶予等、災害被災者の便宜を考慮した適時適切な措置を講ずることを要請しているところであります。

 なお、今御指摘いただきました、金融機関が住宅ローン等地域の復興資金の需要に関しどのように対応するか、これはそれぞれ各金融機関の経営判断に関することではありますけれども、一般論といたしまして、こういった要請をいたしております上で、金融機関が利用者たる被災者のニーズに応じた対応をすることは望ましいと考えられます。また、復旧支援におきましても、それぞれの経営判断のもとでさらに積極的な支援が行われることを期待しております。

 以上でございます。

村井(宗)委員 そういった住宅ローン等についても、しっかりと個別の対応をしていただくことをお願いしたいと思います。

 島に帰ることをあきらめた人の気持ちを思うと、本当に気の毒な気がしてなりません。特にお年寄りの方々、生まれ育ってそこにおられた方々、美しい島、美しい花、そして新鮮な海の幸がとれる港など、そのふるさとに帰られなくて困っておられる方がたくさんおられます。そういった場合でも私たちはしっかりと対応していかなければならないと思うんです。

 特に、たとえ半分以上の方が帰られたとしても、帰られない方がたくさんおられる。そして、そういった方々の家や土地はそのままになってしまいます。なかなか国の方でそれを買い取るというのは難しいというのは十分わかるんですが、そのまま放置されてしまうような不動産、土地、建物、そういったものについても、我々は今後対策を議論していかなければならないのではないかということを申し上げたいと思います。

 さてそこで、住宅についてのお話は終わらせていただきます。

 火山ガスは建物や住宅に降り注ぐだけではなく、当然ですが、田畑や山、林、河川、そして海にも降ってきます。そこで懸念されるのは、火山ガスによる三宅島の環境汚染です。三宅島の空気環境だけではなく、三宅島の水や土壌も心配です。三宅島でとれる農産物、海産物の安全性は確保できるのでしょうか。農業、漁業は、観光部門と並んで、島に残された貴重な働き口です。これまで三宅島の人々の暮らしを支えてきた産業です。

 そこで、厚生労働省にお聞きします。

 この火山ガス、二酸化硫黄による食品の影響について、主に農産物などの安全性の確保についての取り組みをお伺いいたします。

松本政府参考人 東京都におきましては、昨年、三宅島で生産される農産物でありますアシタバについて、安全性を確認するため、火山性ガスの成分である二酸化硫黄の調査を行い、その結果、アシタバからは検出されなかったと承知しております。

 厚生労働省といたしましては、東京都からの要請があった場合には、農産物の安全性確認に適切な協力をしてまいりたいというぐあいに考えております。

村井(宗)委員 その農産物の安全性について確認していただいた後、やはり、きちんと安全だということを皆さんに公開していかなければならない、私はそのように思うんです。仮に、我々が調べて安全だということが明らかになったとしても、やはり、三宅島産ということでいろいろな風評被害が出てしまっている。今回、厚生労働省が調べて安全だということを、より多くの国民の方に知っていただくことによって、私たちは三宅島の農作業面での再建というものにも取り組んでいけると思っております。何とぞその点、よろしくお願い申し上げます。

 さて次に、三宅島の子供たちの将来についても気になりますので、文部科学省にお聞きいたします。

 三宅島で被災した児童生徒の教育の支援体制、そして、今後の進路、進学や就職についての指導はどのようになっておりますでしょうか、取り組みをお伺いいたします。

山中政府参考人 三宅島の災害に際しまして被災しました児童生徒に対しましては、文部科学省、東京都教育委員会、あるいは子供が在籍します区市町村の教育委員会、こういうところでさまざまな支援を行ってきたところでございます。

 文部科学省では、学用品の給与などの就学援助に関する補助でございますとか、前日本育英会、現在は日本学生支援機構でございますけれども、この奨学金の貸与などを行ってきたところでございます。

 また、東京都の教育委員会におきましては、被災あるいは島を離れて学ぶといった子供たちの心理的ケアのためのスクールカウンセラーの配置でございますとか、都立の高校の授業料や入学料等の免除、あるいは高校生に対する奨学金、大学等入学準備金の貸与などを行っているところでございます。また、進学、就職といった進路指導でございますけれども、これも、職場体験を行ったりあるいは面接指導を行ったりという形で、一人一人に対しきめ細かな配慮を学校の方でも行っているというふうに承知しているところでございます。

 引き続き、必要な協力支援、関係する教育委員会等と連携しながらやっていきたいというふうに考えております。

村井(宗)委員 次に、三宅島の中小企業についてお聞きいたします。

 三宅島においても、経営者個人の所有している土地、建物を担保に融資を受けていた中小企業もあったと思います。当然、社長さんが個人で連帯保証になっている場合もあったはずです。これは中小企業だけではなくて、農家の方は農協から、漁業の方は漁協から融資を受けていることがあったと思います。その担保の土地が噴火によって大幅に毀損してしまったわけです。加えて、事業そのものも途絶しています。経営ができない状態です。

 そこで、中小企業庁にお聞きいたします。

 三宅島の中小企業の支援策、どのように取り組んでおりますでしょうか、お伺いいたします。

鈴木(正)政府参考人 お答え申し上げます。

 被災されました中小企業の方々への対策でございますけれども、まず、政府系中小企業金融機関、これは三機関ございますけれども、この金融機関からその災害の発生前に貸し付けておりました既往の債務につきましては、元本の返済猶予を行っております。また、自治体と共同いたしまして、この既往の債務について利子補給を行っているところでございます。

 あわせまして、中小企業金融三機関によりまして災害復旧貸し付けを行っておりまして、その金利を引き下げ、また、売り上げが前年に比べまして五割以上減少されている場合には、利子補給を行っているところでございます。

 あわせまして、信用保証協会によりましてセーフティーネット保証、これを行いまして、特別の枠の保証を行っておりまして、例えば、担保が足りない場合にはこの保証を使っていただく、そういう措置も講じているところでございます。

 私ども、本年二月から帰島が開始されたことを踏まえまして、本年三月末に措置を継続し、現在も適用しているところでございますけれども、今後とも、地元の自治体と協力いたしまして、被災されました中小企業の方々にきめ細かい支援をしていきたいと思っております。

村井(宗)委員 しっかりと仕事の面でもサポートしなければなりません。結局人間は、その場で生きている、そのためには住宅があって食べ物があるだけじゃだめで、やはり、仕事や収入、そういったものを再建してこそ初めて三宅島そのものの生活を取り戻すことができるわけです。ぜひ、中小企業庁の皆さんにも、その三宅島に対するサポート、今おっしゃられた、元本の返済の猶予その他の施策をしっかりととっていただければとお願い申し上げます。

 さて、帰島された方の三人に一人は六十歳以上です。その皆さんの健康管理にも十分な配慮が必要だと思います。

 厚生労働省にお伺いいたします。

 帰島された高齢者の方々の医療、介護における利用者負担に対する支援策をお聞きいたします。

新島政府参考人 お答えいたします。

 高齢者への医療、介護における利用者負担についての支援策でございますけれども、まず、老人医療制度におきましては、災害が発生した場合に、その被害状況にかんがみまして、一部負担金の減免を行うことができるとされておるところでございます。三宅島噴火災害の被災者に対しましてはこの措置が適用されておりまして、三宅島に帰島した高齢者に対しても引き続きこの措置が適用できるものと考えております。

 また、介護保険でございますけれども、これにつきましても、災害が発生した場合、その被害状況を踏まえまして、介護サービスの利用料減免を行うことができるとされておりまして、その場合、国が、特別調整交付金によりまして減免額の一定割合を交付するということになっております。

 三宅村におきましては、噴火災害後、平成十三年度から利用料の減免を行ってきておりますし、国も支援を行ってきておるところでございますが、引き続き、村において減免を実施する場合には、特別調整交付金による支援を行ってまいりたいと考えております。

村井(宗)委員 次に、今後、再噴火や大規模な火山ガスの発生が絶対にないと言い切れるわけではございません。そこで、万一に備えた危機管理、緊急対応についてどんな取り組みをしておられるか、内閣府にお聞きいたします。

柴田政府参考人 三宅島では、まず、三宅村の火山ガスに対する安全確保に対する条例というものをつくってございまして、それに基づきまして、火山ガスの危険性に応じて立ち入り規制区域等を設定しております。

 火山ガスについては、島内十四カ所の観測点で常時濃度を観測し、高濃度になったときに注意報、警報を発令する体制をとっております。二月から五月末まで、注意報二百六十三回、警報十一回、そしてまた、高濃度地区以外で注意報六十二回、警報三回となってございます。

 また、警報発令時の避難体制については、脱硫装置を備えました伊豆避難施設に避難所を開設、また、村営バスの出動、村職員の巡回等により島民の避難に万全を期す態勢が整えられております。高感受性者に対しましては、各世帯に小型脱硫装置の貸与を実施しているという状況で、万全の対応をとってございます。

 三宅島の火山活動の問題でございますが、気象庁が島内に設置しております地震計、火口監視カメラ等の観測装置により常時観測いたしてございます。異常が発見された場合は、火山情報により注意喚起をいたしてございます。昨年の十二月二十七日に、三宅島の本格帰島が始まるというので、火山活動に関する火山噴火予知連絡会の拡大幹事会というのが、気象庁のものでございますが、見解が出されました。今後も小規模な噴火の可能性はあるものの、現段階では、大規模な噴火につながる兆候は認められないものとされております。

 しかし、万一の場合には、政府におきましても、東京都、三宅村と緊密な連携をとりながら、状況に応じて適切かつ迅速な対応ができるように努めてまいりたいというぐあいに考えております。

村井(宗)委員 最後に、村田大臣にお聞きいたします。

 今、いろいろな角度から質問してまいりました。住宅の件を中心にしてその他の面、いろいろなことも質問させていただきました。共通して言えることは、官僚の皆さん、役所の職員では限界があるということだと思います。従来の枠組みでは対応し切れない未曾有の大災害が発生した場合、やはり、大臣が政治家としてお力を発揮していただかなくてはならないと思います。

 三宅島の復興と島民の生活再建に取り組む御決意を大臣にお伺いいたします。

村田国務大臣 私も、先般の連休中に三宅島に行ってまいりました。昨年、私が就任直後に行ったときと比べまして、少しずつ、もちろん村民が帰島いたしましたので、いろいろな意味で活気がついているなとこういうふうに思いました。住宅等につきましても整備が進んでおって、受け入れ態勢はできている。何よりも島民の安全対策については、これは一番注意をしなければいけない、力を入れなければいけないところでございますので、その状況も見てまいりまして、三宅村の対応を含め、今後ともいろいろ努力をしながらなお万全を期さなければいけない、こういうふうに思いました。

 それで、今委員もおっしゃいましたように、安全対策あるいは道路等の生活に必要な基盤対策ができて、それから住宅等の、病院も、あるいはいろいろな社会福祉施設もございますけれども、そういうものができた上で、今度は生活というか収入の面でございまして、漁業それから農業それから観光業、観光業につきましては先ほども答弁させていただきましたけれども、五月中の段階で船に乗られて三宅島を訪れた方が四千六百人ある、こういう数字をもらっておるんですが、噴火前はこれが七千六百人あったということなので、そういう意味ではまだまだ十分ではないわけでございまして、我々としては、観光も三宅島にとりまして大変重要な産業でございますので、今後とも、農業、漁業とあわせまして支援を続けていきたい、こういうふうに考えております。

村井(宗)委員 大臣には、ぜひ今後も三宅島を常に見続けていただく、そして温かい御支援をお願い申し上げ、私の質問にかえさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

西村委員長 次に、松原仁君。

松原委員 民主党の松原仁であります。

 三宅帰島が本格化をし、現在約千九百人ということでありまして、過半の三宅島民が戻っている、こういった状況であります。

 長い間三宅島から離れておられた方々が勇躍三宅島に戻ることができるようになった、このことを私は心から喜ぶ一人でありますが、逆に、その中で今度は、待ち構えていた過酷な現実にいかにして島民の皆さんが対処なさるのか、それに対して行政はいかなるバックアップができるのか、これが問われることになろうと思います。

 せっかく三宅島民の方々が戻って、そして数年したら、実は戻ったけれども、そこに戻って思うように進まないということで、結局また内地に戻らざるを得ない、内地じゃないと生活できないというふうな判断を多くの島民がするようなことになるならば、それは私は極めて不幸なことだというふうに思っております。

 そういう中でお伺いしたいわけでありますが、避難指示が解除されて、三宅島民が三宅島に戻ることになったわけであります。この三宅島帰島が行われているわけでありますが、その際、今は高濃度地区というところがあるわけでありまして、高濃度地区に関しては、高濃度地区に住んでいる島民の方々は自分の建物に戻って生活することはできないということでございますでしょうか。まず第一に聞きたい。

柴田政府参考人 三宅村におきましては、濃度が非常に高くて居住するのが危険な地域あるいは立ち入りが危険な地域につきましては、条例でもって立ち入り制限あるいは居住の制限というのを加えておりますので、そこの地域には住むことはできないということになってございます。

松原委員 つまり、高濃度地区に住居のある島民の方々にとっては、島に対する避難指示は解除されたけれども、自分の住まいに対してはそれはできない、こういうことになるわけであります。

 そういった方々の帰島は今どんなふうになっているか、お伺いいたします。

柴田政府参考人 全体で高濃度地区は百四十一世帯でございますが、そのうち九十四世帯が帰島済みという調査結果になってございます。

松原委員 この九十四世帯が帰島なさっておられる、こういった皆さんは帰島した後自分の住まいに住むことができない、こういうことであります。大体、この高濃度地区というものの分布というんですか、エリアが変わらない限りはこの状況は残るということになろうと思うんですが、ちょっとここでお伺いしたい。

 人体に有害であるという高濃度地区のこの判断の基準というのはどんなところにあるのか、お伺いいたします。

柴田政府参考人 まず、高濃度地区の居住九十四世帯、帰島済みでございますが、七十二世帯は村営住宅にお入りになってございます。それ以外は、実家や借家、あるいは不明の部分もあるという状況でございます。

 それから判断でございますが、火山ガスの人体に対する影響につきましては、平成十四年の九月に東京都及び内閣府で設置しました三宅島ガスに関する検討会で検討いたしました。それで、平成十五年三月に報告書を取りまとめました。

 この報告書によりますと、まず感受性の高い人、これは、呼吸器系や心臓に疾患のある人や、新生児、乳児、妊婦など影響の受けやすい人でございますが、ガスの濃度が〇・二ppmで健康への影響が考えられる、〇・六ppmで健康に重大な影響を及ぼす可能性があるとされております。また、一般の人は、二ppmでせきが出たり目がちかちかしたりする可能性がある、五ppmで健康に重大な影響を及ぼす可能性があるとされております。

 こうした人体への影響が懸念されることから、三宅村におきましては、現在、この基準等に基づきまして、火山ガスの監視及び注意報、警報の発令が行われてございます。そういう状況でございます。

松原委員 この場合、三宅島のいわゆる高濃度地区の指定というものは、これは、見直しというのはどのぐらいの頻度で行われるのかということですね。ちょっとこれをお伺いいたします。

柴田政府参考人 高濃度地区の条例による指定でございますが、現在、帰島が始まってまだ数カ月でございますし、人体への影響等の安全性の問題等もございまして、現段階で、村の方でこれを変更するというような話は伺っておりません。

松原委員 つまりこれは、村の方が意思決定権者として、人体に悪影響があるという高濃度地区についてのこのエリアを、ここはこれから高濃度地区から外しましょうとか、ここは新たに高濃度地区になりますとかいうふうなことを判断する、同時に、その判断を変えるタイミングについても、これも村の方で決める、こういう認識でよろしゅうございますでしょうか。

柴田政府参考人 村が条例でもちまして規制区域を決める場合には、村独自では専門的な判断ができないものでもございますので、専門家、学識経験者等の意見を伺いまして、それに基づいて決定されております。

松原委員 例えばマスクをしますよね、防毒というか、ガスに対するマスクをした場合に、マスクで高濃度地区において活動するということは、技術的というんですか、現実には不可能なのかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。

柴田政府参考人 規制されております高濃度地区が常に濃度が高いわけではございませんで、自分のうちの住宅を補修するとか維持管理するということで立ち入られる場合がございますが、こういうものは条例に基づきまして届け出が必要となっております。あるいは場合によりましては、条例に基づく許可をいただいて、その中でいろいろな作業をするというようなことになってございます。

 濃度が高くなると、これはなかなか、ガスマスクといいますか、このマスクをつけているだけでもなかなか大変かと思いますが、通常の場合は、そういうようなきめの細かい対応をとって、健康管理、住民の安全に努めているということでございます。

松原委員 例えばあそこの民宿の中には、脱硫装置をつけた部屋を確保している民宿もありました。私は前のこの災害特でも申し上げたんですが、各戸に脱硫装置、コンパクトな安いものをつけるということによって、また、ガスマスクを携帯することによって、この高濃度地域において、リスクはもちろん高濃度地域ではないところよりも高いわけでありますが、既に、帰島自体の決断もそういうリスクをしょっての決断だったと私は思っておりますので、どこかのタイミングで、そういった例えば家庭に脱硫装置を設置し、しかもガスマスクを携帯している場合は高濃度地域も活動可、もちろん、今おっしゃったように、高濃度地域は常に高濃度ガスが流れているわけではありませんし、こういう判断の可能性というのはいかがでしょうか。

柴田政府参考人 まず、ガスマスクにつきましては、全住民にガスマスクが提供されております。注意報等が発令した場合にはそれをつけるようにということで、条例の方ではしているわけでございます。

 今、いろいろな御提言がございましたけれども、村の方としましても、やはり、帰島するに当たりまして住民の生命の安全というものを第一に考えておられると思いますので、今のようなことができるかどうかというのは、今後、多分村の方も、経験等を踏まえられてまたお考えになるものではないかと思っております。

 我々のところでは、それについてどうすべきだこうすべきだというのは、状況の判断材料を今持っておりません。

松原委員 これは、議論として先ほどもあった飛行場の問題も絡んでくると思うんですよね。要するにあの三宅の空港というのは、東京からですと羽田から頻繁に昔は飛行機が飛んでいたわけでありまして、やはり島の復興を本気でやるならば、それは船舶だけではなくて、飛行機が飛ぶというのは、これは大前提でなければいけないわけであります。したがって、飛行場が高濃度地区にあるということでありまして、ただ、その高濃度地区の飛行場が常に高濃度が流れているわけではない、もしかしたら、あそこを通常のように飛行機が一日に何便か往復する間使ったとして、人体に対する影響を含めての被害が発生しない可能性も私は極めてあると思うんですよね。

 そこは非常に難しい議論になるわけですが、そうしたときに、例えばこの間の災害特の視察は、あれはあの飛行場に行ったんじゃないかな、違ったかな。たしか私の記憶では、あの飛行場を使ったと思うんですよ。そういったことを考えると、私は、あの飛行場の使い方も考え、つまりは、第一弾としては、島民は、火山ガスとの共生という人類史上初めてのテーマに立ち向かって現在帰島が始まった、行われている。第二弾としては、少なくとも平常な島の生活ということを考えるならば、この飛行場を使う、そして同時に、避難指示が出続けているいわゆる高濃度地区に関しても、今言ったような条件つきの、脱硫装置を各戸に一部屋設けるとか、そういったことをしてやはり踏み込んでいかなければいけないんじゃないかと思うわけでありますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

村田国務大臣 要するに、民間航空機を定期的に飛ばすということになりますと、村民に対する場合とまた格別違った観点が入ってくるというふうに思うんですね、一般人でございますから。

 したがいまして、そういう状態のもとであの高濃度地区の中に常時定期便を乗り入れるということが、果たして乗客の安全対策上可能かどうか、あるいは望ましいかどうかということは、改めて考えていかなければいけないというふうに思いますが、あの飛行場を運営しておる都、あるいは村民、あるいは専門家の御意見なんかも検討されて、もちろん、村民の日常的な生活並びに観光の面でも、航空便が前のように離発着するという状態が一番望ましいわけでございますから、先ほど統括官も御答弁申し上げたように、これまでの経験あるいはこれからの経験を踏まえて、都あるいは村でもって判断をされる、こういうふうに思います。

 その際、私どももできる限りの助言は差し上げたいというふうに思っております。

松原委員 飛行場はそういうふうなことで、これもちょっと今は質問を続けたいわけですが、私は、もう一点申し上げた、高濃度地区に居住を従来していた人たちが脱硫装置つきの部屋を確保するなりして戻ることの可能性、高濃度地区といってもランクがあると思うんですよ。本当にリスクが高いところと、高濃度地区とそうではないところの境界線のところとか、さまざまなレベルがある中で、やはり、徐々にそれを解除しながらそのときの条件設定をするということは、私は、現実的な島の復興、全体の復興のためには必要だと思うんですよね。

 その辺について、意思決定権者は三宅島であるということでありますが、大臣としての御所見をお伺いしたいということです。

村田国務大臣 私自身も感受性者、ぜんそく持ちでございますので、だから、それを考えたときに、私自身の経験を考えても、どういう状態が発生するかということは予測可能性がないことだろうと思います。

 いずれにしましても、健康第一、島民の安全あるいは来島されるお客さんの安全第一でございますので、そういうことを考えながら、村や都、あるいはみんなで経験を積んでいって判断をしていくことになるのではないかというふうに思います。

松原委員 では、ちょっと気象庁の方に聞いた方がいいですね。ほかの質問もあったわけですが、実際、この火山ガスの今後の推移はどのようになるのか、お伺いいたします。

長坂政府参考人 先ほど、佐藤委員からの御質問の際にも申し上げましたけれども、平成十二年の秋以降ゆっくり減少を続けていました火山ガスの発生量でございますが、十五年以降はおおむね横ばいでございまして、現在も一日当たり二千トンないし五千トンの量の放出が観測されております。それで、このような放出量は当分継続するというふうに考えております。

 なお、三宅島から放出されますガスの発生機構及びマグマの中にガスがどの程度あるか、こういうことは現在の技術レベルでは特定できておりません。したがいまして、いつまでこれが続くかということを明確に申し上げることは困難かと承知しております。

 以上でございます。

松原委員 ここが一つの決断というか難しいところになると思うんですよ。つまり、膠着状況の火山ガスの発生が続く中で、今言ったように、帰島というのは、それは、避難指示が解除されて帰島して、自分の家に戻れた人はこれは本当に帰島できているわけですよ。しかし、自分の家は高濃度地区だから戻れない人というのは、それは実際問題、意識の中では半分帰島みたいな感じですね。しかし、現実にはほとんどの日はガスがない。我々も何回か視察に行きましたが、ガスマスクを実際つけたことはないんですけれども、そういった状況にある。一回ありましたか、私はなかったような記憶がありますが。そういう中で、実際その飛行場も、そこが高濃度地区にあるけれども、使用できないような環境とも言い切れないというふうに私は思っているんですよ。

 その辺の判断をどこかで三宅村に判断をしろと言ったって、なかなかそれはもう重い判断ですから、東京都と国がやはりスポンサードして判断をするべきだろうというふうに思うわけでありますが、同時に、この飛行場の問題はまさに喫緊の問題でありまして、やはりどこかで期限を切って飛行場を再開するというふうにするべきだと私は思うんですが、この飛行場がない現状がいつまで続くのか。今の気象庁の話だと、これはずうっと同じ状況だから続くとなる。そうしたら、本当にこれが永遠に続いて、しかも、この飛行場に関してなかなか飛行機を行かせることはできません、こういうことだと、確かに先ほどの委員の質問にあったように、では別のものをつくれという話も出てくるわけですが、現実的には私は今のものは使えるような気が非常にしているわけです。

 この辺はなかなかお答えしづらいと思うんですが、しかし、飛行場がなくて本格復興なんというのはあり得ないので、これはもう災害の結果として飛行場は今閉鎖されているわけですよ。これに対して、大臣、少なくとも今の現島民だけはその飛行場を使ってもいいというような判断も含めてあり得るんですか。そういうのはないんですか。

村田国務大臣 三宅村として、本当に、これまで島民の不便を考えて、ベースにあります島民の健康の安全対策ということを考えて、四年間避難指示というものを維持してきたわけですね。そういう意味で、生命に問題が生ずるということはないということをこれまで確保してきたわけです。

 今後どうするかということでございますが、呼吸の問題というのは、なったことの経験のある人からいいますと、あれほど苦しいものはありません。そういう意味で私は、ぜんそく患者等が仮にたくさんあった場合に、それは非常に生命の危険性が高い病気でございますので、都や村あるいは我々も含めて、島民あるいは島を訪れる皆さんの健康、安全第一ということを考えるのがまずスタートではないかというふうに考えるわけです。

 その上で、経験を積んでデータも集まるでしょうし、気象庁の長官から先ほどお答え申し上げましたようなお答えも、この四年間で変わってきたわけでございますから、そういう事態を待ってから判断をされるべきではないかなというふうに思うわけであります。

    〔委員長退席、小平委員長代理着席〕

松原委員 これはなかなか難しい議論なんですが、要するにその二つなんですよ、私が一番三宅へ行って感じたのは。帰島している方の中で自分の家が高濃度地区で帰れない方の問題、飛行場の問題、これがやはり一番大きなテーマだと思うんですよ。これにどうやって立ち向かうか。それは、飛行場は別につくるということもあるだろうし、別の何か高速のそういった技術ある飛行機のようなものを飛ばすということもあるのかもしれないけれども、とにかくこれがなければいけない。

 それからやはり、それぞれの高濃度地区の人たちもそこに住めるようになるべくする。そのために私は極めて現実的な話だと思うんですよ。脱硫装置つきの部屋をつくれば戻っていいですよという判断をするとか、これは現実的な話だと思うんだ。逆に言えば、高濃度地区でないところだってガスマスクは携帯しているんですよ。高濃度地区じゃないところだってリスクはあるんですよ。

 だから、冒頭言ったように、この高濃度地区とそうじゃないところの区分けの線も、それは三宅島に対する検討会で平成十四年の九月に決めたとこういうことでありますが、この検討会の中身をここで云々するつもりはないですが、その辺は、要するにどちらにしてもガスマスクは持っているわけですよ。戻る人は、自己責任でリスクを持って、リスクは自分でヘッジして戻ってくださいよということで戻っているわけでしょう。僕は、だからそこの差というのは、非常に考え方の部分でいろいろとあるんだろうなという気がしているんですよね。

 だから、この二つの問題点について、やはりそういったものがきちっとその自己責任も、三宅の空港を使う人はもう初めからガスマスクを持っていくと。もちろん行くわけですよ。今も行くわけですよ。入る人はみんなガスマスクを持っているわけですよ。それで、ガスマスクを携行して行った場合に、高濃度地区に入ってガスマスクをしていたら、これは実際、大臣がおっしゃるとおり、ぜんそくの人の場合は厳しいんだ。ぜんそくの人は、それは行くのはちょっと我慢しなきゃいかぬですよ。それは船で行かなきゃいかぬかもしれない。しかしそうじゃない人は、ガスマスクで行って、そして高濃度のガスが出ている場合、ガスマスクをして飛行場におりていく、そのわずか二、三十分の間でそれが決定的な健康被害に私は結びつくとも思えないし、その辺の部分の判断というのはこれから大いに考えていただきたいと思うんですが、統括官、何かあったら発言してください。

    〔小平委員長代理退席、委員長着席〕

柴田政府参考人 大臣の方から御答弁いただいておりますので、私の方から申すものもないわけでございますが、住居の問題について、もう一度ちょっと私正確に、先ほどちょっと正確性を欠いたと思います。

 高濃度地区と規定されている地域の住宅世帯数は百四十一世帯でございまして、帰島済みが九十四世帯、村営住宅に七十二世帯、実家が三世帯、借家が九世帯、そのほか、東京都の支庁、役場の職員の住宅、教職員の住宅等にその他は入っておられます。

 そういうようなことで、住宅対策としては、あの高濃度地区以外の地域に建っております公営住宅あるいはいろいろな空き家等に入っていただく、それで、自分の住宅等については、時間を見つけて、その濃度が高くないときに届け出をして補修をしていくというような方向で行かれるという方向の対応をとっているわけでございまして、そういう方向を今後とも村の方も続けていかれることによって、自分が帰りたいということと、自分の家も維持管理したいということ等の折り合いをつけられているんではないかというぐあいに考えております。

松原委員 ちょっとこの辺の議論は、特に飛行場は問題でありますし、同時に、脱硫装置の部屋を例えばどこぞの民宿のように一部屋確保してというのは、極めて現実的だというふうに私は思っています。少なくとも、ガスマスクを携行して高濃度地区ではないところだって人間が活動していることを考えれば、そのようにする余地があるし、そうすることによって私はさらなる復興に弾みがつくと思っているわけでありますが、我が党は、前国会でも被災者生活再建支援法というのを提案しているわけであります。これは、従来から議論があったように、住宅本体に対して公のお金が使われるような仕組みをつくろうというふうなことで私たちは考えてきたわけであります。

 三宅に関しても、仮にその脱硫装置、脱硫装置の値段というのはこれは今は非常に高いというふうに聞いているんですが、前に東京都の方がこの災害特に来たときに聞いたら、たくさん数ができれば安くなるんじゃないかと、こんな話もあったわけであります。しかし、それにしても脱硫装置はやはりお金がかなりかかるわけですよね。そういったものをつけるときに、それに対しての補助をするというふうなことも含めて、特に三宅の場合はほかの地域との個体差がありますから、民主党が提案し、与党の中の方々もたくさん共鳴を実はなさっておられるところのこの被災者生活再建の枠組みというものを、私は、全国は別にしても、三宅ではこういったものを特例的に使う素地があるのではないかというふうに思っているわけでありますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

村田国務大臣 小型脱硫措置というのは大体三十五万円ぐらいするということなんですね。それで、国庫補助が五〇%、半額ついておりまして、これは平成十六年度の補正予算で措置をさせていただいたわけです。それで、その補助裏については都が支給するということになっておりまして、こういう小型脱硫装置をお宅につけるうちは本人負担はないということなので、被災者生活再建支援法の家具等の百万円をこれによって使うというそういう必要性はないというふうに私は聞いております。

松原委員 私が言っているのは、それは一つの例でありますが、そういったことも含めて、三宅のような特異な、災害の継続が行われているわけですよ、いわゆるかなり特異な事例ですから、災害が終わって復興しているんじゃなくて、災害が既に継続している状況の中で、特例的に、我々が提出したようなそういった被災者再建のあり方も適用する素地があるんじゃないかと。いや、今の脱硫装置のことは非常に結構であります、それは。逆に言えば、脱硫装置三十五万円というのを今初めて聞きましたが、もしそうであるならば、その脱硫装置つきの家に関しては、これは、家をつくれば、やはりそこにおいて若干のリスクを持ちながらも生活し得るという環境が整ってきたというふうに評価をし、さらに、村と都と国で相談をして、高濃度地区、いわゆる避難指示の問題の解除に向けて私はこれからアクションプログラムをつくるべきだと思います。

 私が言っているのは、この被災者再建の枠組みというものは、全国津々浦々ではなかなかさまざまな議論があるけれども、三宅においては、現在も被災が続いている中において検討に値するのではないかということを申し上げているわけです。

村田国務大臣 被災者再建支援法の申請期間というのは三十七カ月あるんですね。それでは、もう四年既に二月まででたっているんだからもう終わっちゃっているかというと、そうではなくて、避難指示の解除があった二月から三十七カ月のカウントをいたしますので、だからまだ三十カ月余その申請期間が残っているということであります。だから、そういう意味で十分この措置の利用をお願いをいたしたい、こういうふうに思っているんです。

 かつ、まだ条例によって避難指示が高濃度地区で解除されていないところは、解除の後からその申請の期間が始まるということなので、そういう意味では、私ども、この法律による生活再建支援、住宅等の家具とかあるいは撤去とかローンとかそういう費用でございますが、本体以外の費用につきましては、まだ御利用可能の余地が十分残っているというふうに考えております。

松原委員 いや、三宅の場合は災害が継続しているんだから、それは私は違う判断があって当たり前だと思いますよ。

 ただ、私が言っているのは、本体にも使えるこういった措置を三宅は特例的に、全国津々浦々をやれと言ったってなかなか簡単にいかないかもしれないから、現実的に皆さんのお考えとしても。しかし三宅については、極めて異例な、歴史上人類始まって以来の火山ガスとの共生も行うし、その中で生活をして復興しようという大変これは大きなことをしているわけですから、そういう中では、実際多くの議員が絡んで検討してきた中身であるところの、公のものを住宅本体にも使うというこの被災者再建を三宅島では検討する素地があるんじゃないですかと聞いているんですよ。御答弁をお願いします。

村田国務大臣 ちょっと答弁を訂正させていただきますが、あの高濃度地区もそういう意味で避難指示を全部で解除いたしましたので、カウントは二月から始まっているということのようでございまして、それは訂正させていただきたい。

 それから、今、松原委員の御質問でございますが、被災者生活再建支援法という法律の目的が、要するに、災害によって生活再建をすることが極めて困難な者ということで法律が立てられているわけでございますので、法律の建前上は、特にその災害の種類に応じて、水害だからこうだとか火山だからこうだというふうな建前になっておりません。

 それは事実と申しまして、いろいろなケースがあるわけでございますので、私ども、明日政令改正をして、より使い勝手がいいように改善をする努力はいたしましたけれども、なお本法律について御議論がある、こういうことでありますれば、法律の附帯決議に見直し規定もございますので、国会で御議論をいただければ幸いであると思っております。

松原委員 もう時間ですから終わりますが、やはり、これからが勝負に入ってくる三宅島の復興に関しては、一段の前向きの取り組みをしていただきたいというふうに思いますし、災害は、この三宅に関しては現在進行形で続いているんだよという認識の中でやはり特段の配慮をするべきだというふうに思います。

 以上であります。

西村委員長 次に、太田昭宏君。

太田委員 公明党の太田昭宏です。

 二〇〇〇年の九月に全島避難がありましたときに私は現地に行きまして、三宅の人たちと一緒に船に乗ってこちらに来た記憶がありまして、本当に家族同様ですから、犬を連れたり鳥を、その鳥が船の中で逃げまして、私が鳥を捕まえたりして、そして、私は体が大きいですから、高齢の方の荷物を持って一緒に東京竹芝に上陸したということがございました。ずうっとそれから、東京の都営団地や八王子の地域やいろいろなところでどう生活しているかということについて、東京都の議員を初めとして、公明党としてバックアップ体制をとるということで全力を挙げてきました。やっと三宅に帰ることになったと。そして、きょう、こういう集中的な審議が行われるということが、歴史を画するといいますか、ある意味では、もう一段強化して復興ということに踏み込む、そういうときであろうというふうに思うんです。

 ところが、私のきょうの質問もそうなんですが、これを聞くとこれは環境省です、これを聞くと何々省です、もう後ろに座っているそういう人たちが次々出てくるという答弁なんですよね、結局は。おれがやるぞ、三宅の復興をやるぞという軸が今政府の中に私は見えない。この軸があって、さあ、三宅の今復興ということに力を注ぐぞという体制の中心に村田大臣にぜひともなってもらって、防災大臣かもしれないけれども、復興大臣であるということも含めて、政府の中での心の一致と闘いの軸を定めてもらいたいと私は思いますが、長い答弁は結構ですが、その決意だけまず伺います。

村田国務大臣 今、太田委員に御指摘をいただきまして、したがいまして、この三宅島の復興に対しましては私ども力いっぱい支援をいたしたい、こういうふうに思っているわけでございます。

 そういう意味では、今の法律あるいは役所の体系が、災害の段階では私ども各省庁を束ねて指揮していく、そういう体制になっておりますが、復興段階になりますと、個々の役所がそれぞれのメニューをそれぞれの役所の担当の中でやっていくという体系になっておりますが、もちろん、内閣府の防災担当部局も復興についてもそれぞれ意見を持ち各省を指示して動いている、こういうことでございますので、太田委員から御指摘されましたけれども、私どもの三宅島復興にかけます意気というものはそのとおりのつもりでこれからも努力をしていきたい、こういうふうに考えております。

太田委員 復興ということで一番大事なのは、今は農業というわけにもなかなかいかない。漁業ということも、後から申し上げますが、すぐというわけにいかない。まずこの一、二年ということでこれが生命線だというのは、観光だと思いますね。

 この観光ということについてはプラス要因がある。三十年代と同じぐらいの、生活排水がなくなっているということがあって、海がきれいになっています。それで、今までなかったサザエが山のようにという状況もある。イセエビが非常にふえているという状況がある。もともとトコブシというのがなかなか豊富な地域です。水がきれいで、観光そして海に飛び込むということもできる。こういう利点を、復興に力を入れると言うならば、そこでしっかりと踏まえて宣伝するということもまた大事なことだというふうに私は思います。

 タイのプーケットの日本人会の会長さんが来ると、いつも観光に来てもらいたいけれども、いつまでもいつまでも、日本のテレビを見ると、波がざばあっと来る、それで三宅島というとみんなガスマスクをしている、ガスマスクをしているような映像をいつまで撮っているのかと言う。きょうはマスコミの方がいるのかいないかわからないけれども、いたら、ぜひとも、今の三宅島がどういうふうに観光にとって大事なところであって、海がきれいになっていて、サザエも多いしイセエビも多い、こういう状況の生のそういうことを知らせるということが非常に大事だというふうに私は思っています。

 それで、足の確保ということについては、やはり高速艇の早期運航あるいは空港の早期再開、こういうことも含めて交通基盤の整備ということが極めて大事だと思うので、その辺の三宅のよさというものの観光的なものを訴えると同時に、足の確保ということに全力を挙げてもらいたいと思いますが、いかがですか。

村田国務大臣 先ほど、松原委員の方からも飛行場の問題について御指摘がございました。村の観光の回復のためには、やはり飛行場の再開というのがこれは一番かなめになるんだろうと私自身も思います。

 しかし、二月に避難指示が解除されたばかりなので、そういう意味では、村としても意向があるとこういうふうに思いますけれども、経験を積み重ねながらその可能性について模索をしていく、そういう段階ではないかというふうに思いますが、あの飛行場が観光回復のかなめになる、交通の足の確保という面では一番大事なキーポイントであるということは私も認識しております。

太田委員 単なる生活のためのインフラの整備の道路とか自然林とかいうことと同時に、それを超えて、やはり、野鳥が非常に珍しい野鳥も含めてきれいである、そういうことも観光資源としてあるわけですね。私は、インフラ整備というのは、これは国交省にもかかわるかもしれませんが、そういうような面まで踏み込んで、観光とかいろいろなことまでよく考えた上でのインフラ整備ということに力を注いでいただきたいということが一つ。

 それから、七月二十一日には観光協会主催のイベントがある。こういうようなイベントということについても、ここに限りません、いろいろな形で応援態勢をとるということが私は大事なことだというふうに思いますし、中心の方が向こうに行って参加するというようなことがあれば、テレビとかいろいろなことで現実が報道されるということもありますから、そういうことへの尽力というものについて、きょうはちょっと腹を固めていただいて、ちゃんとした答弁をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。

鷲頭政府参考人 お答え申し上げます。

 今、先生がおっしゃられましたその七月二十一日のイベントにつきましては、事務方ではまだ聞いていないということでございまして、そういう意味ではまだ進行中の話だと思います。

 ただ、いずれにせよ三宅島というのは、これまでも観光で非常に重要な産業としてやってまいりましたし、今後もやはり観光が基幹産業になるということは事実でございますので、その観光復興のための各種のイベントが行われる際には、私どもいろいろなツールがございます、マスコミの方々に広く知らせるようなこともできますし、財政的な御支援というのもできると思いますが、そういうのを含めて、都とかあるいは村とも密接に連絡をとりながらしっかりと対応してまいりたいというふうに考えております。

太田委員 今の答弁は大変現地は喜ぶと思いますね。

 港湾は、特にいろいろな交通アクセスの面でもそうだし、それから漁業ということでも大事であるし、それで観光という点でも非常に大事だということで、これが使い勝手のいいように、余り縦割りにならないで、しっかり総合的に港湾というものの整備というものをお願いしたいと思いますが、いかがですか。

鷲頭政府参考人 済みません、担当局長じゃないので。申しわけございません、本日来ておりませんで。

 三宅港には、今、五千トン級の船舶が就航できる岸壁が平成十五年度に完成したところでございます。観光旅客の受け入れ基盤としても重要な港でございますので、ただ、今、船が入港するとかあるいは旅客乗降時に多少波があるというようなことで使い勝手が悪い面もございますので、防波堤の整備を引き続き促進してまいるというふうに考えております。

太田委員 環境省が来ているかと思うんですが、自動車が捨てられていたとかいろいろなことをどういうふうに取り払うかというと、公明党として要請したり前進をしたりというこれまでの経過があるわけですが、グラウンドにごみが山積みになっているとか、あるいは瓦れきの処理、廃自動車、廃家電の処理、国が補助をするということなんですが、この辺は現状はどうなっているか。そして、しっかりさらにやってもらいたいということや、同時に、さっき私が申し上げました自然ということの中で野鳥とかそういうものが来るような形をとるということを、国交省やあるいは内閣府とよく連携をとって、環境省としても、これは観光という側面からも大事なので推進をしてもらいたいと思いますが、いかがですか。

南川政府参考人 お答えいたします。

 まず、災害廃棄物でございます。従来、この災害廃棄物の補助対象としまして廃自動車の処理を入れておりませんでしたが、三宅島の特異な状況にかんがみまして、特にその補助対象と加えたわけでございます。これにつきまして、三月二十九日に国庫補助金の交付を決定いたしましたが、四月以降の諸事業においても使用できるように、繰り越し手続を行いました。

 現在、廃家電あるいは廃自動車、それから粗大ごみを含めて保管所に集積し、島外への搬出が進められております。この費用、これについて一部都が無償でやっていただきますけれども、環境省として必要な支援をしてまいります。

 また、自然環境につきましても、例えばアカコッコのような貴重な鳥がいるとか、あるいは、島の相当部分が国立公園でございます。各省と連携をとりながら、その復興に向けて協力をしてまいりたいと思います。

太田委員 高齢者が火山ガスに影響を受けやすいということもあって、六百人ぐらいというわけですから、かなりの率です。脱硫装置六百台が国の半額補助を受け設置されたとこう聞いているわけですが、この辺について現地の声を聞きますと、かなり心配をしているという状況もあります。ショートステイ用の避難施設が伊豆地区にはあるわけですが、他の地区にも配置できるよう支援ができないかと考えるわけですが、これらの高齢者の安心安全確保対策と火山ガスの問題、こういうことについての対応をぜひともよろしくお願いしたいと思いますが。

林政府参考人 お尋ねのクリーンハウスの件につきましてお答えをさせていただきます。

 現在、島の北部の伊豆地区にクリーンハウスが整備されておりますし、また、お触れになりましたように、呼吸器疾患等のある方等の世帯を対象に小型脱硫装置が六百基整備されておりまして、現在の都がおつくりになられました計画におきましては、これで必要な安全確保対策は図られているとお聞きをしているところでありますけれども、今後新たにクリーンハウス等の退避施設が必要であり、また、それが計画に盛り込まれるようなことになりました場合は、私ども消防庁といたしましても、私どもの持っております補助制度等を通じて御支援が可能である、こういうふうに考えております。

太田委員 質疑時間が終了しましたが、きょう、短い時間でしたが、いろいろ質問させていただいたりして、私としては、かなり前向きの答弁がいっぱいあったと思います。それを本当に、言ってくるまでやらないというんじゃなくて、積極的に私は応援をしていただきたいということを強く要望して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

西村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 私も、先日、三宅島の視察に参加をさせていただきました。最初に見た、あの高濃度地区の真っ白になった山を見て大変驚きました。根本から枯れて流れてくる大量の木や土砂をとめるための砂防ダムが建設中でありましたが、しかし、その砂防ダムがあっても、この山がよみがえることがあるのだろうか、あるいは、手前の廃墟のような集落がどうなるのか、大変考えさせられました。

 ガスマスクを常に携帯しなければならないという窮屈さがありますけれども、そういう中でも、小学校で見た子供たちの笑顔や診療所に集まるお年寄りの表情を見ていますと、やはり本当にこの村がいい、この村に住んでいたいという思いが伝わってまいりましたし、その皆さんの思いにこたえて、本格復興へ国会としても国としても全力で応援していきたい、このように思いを強くしたところであります。

 そこで私は、この後新潟の問題でも触れたいと思うんですけれども、改めて住宅の再建というのが求められているなということを思いを強くいたしました。

 二月一日に避難勧告を解除されたので、そこから被災者生活再建支援法の申請期間になるということで、先ほども数字でも若干報告がありましたけれども、全壊と大規模半壊を合わせて二百十三件という数字だったかと思いますが、そういう認定がされているということなんですけれども、帰島は四月から本格的に始まっており、集中しており、帰ってみて、改めて家の傷みのひどさに驚いている。ネズミに食べられている、雨漏りがずっと長く放置されていたために壁が傷んでいる、シロアリの入った床を全部起こさなければならない、そういう実態を見て、この家を修理する、補修するということがどんなに大変かということがあったり、また、さまざまな事情で、これから、例えば半年後とかに帰島するという方もおられるわけで、そういう方は全くこれからそういう実態と向き合わなければならないわけです。

 そういう方も含めて、この被災者生活再建支援制度を最大限受けられるための認定や申請に向けての体制がどうなっているのか、それから、水害や地震とも違うこれらの実態に即して、るるこれまで議論されてきた、居住機能が維持されているかどうかという観点から実態に即した認定が求められていると思いますが、その点の対応がどのようになっているのか、まず伺いたいと思います。

柴田政府参考人 住宅の復興関係でございますが、先ほど御答弁申し上げましたが、まず、住宅をなくされまして公営住宅等を希望される方には、村営住宅の建設、復旧ということでもう既に二百十戸村営住宅を整備いたしておりまして、百八十九戸がそこにお入りになっておりますし、自力により住宅再建を行うとされる方については、住宅公庫による通常よりも有利な融資を受けられます災害住宅復興融資、あるいは今御指摘の、被災者生活再建支援法による支援金の支給というものを行っているところでございます。

 中身については既に御承知のとおりでございますが、現在、支援金につきましては、引っ越し費用で最大七十万円、これにつきましては請求がございまして出してございますが、これから住宅の復興等、お帰りになった後本格化してまいるわけでございますので、居住安定制度の申請等も出てくるんではないかと考えております。

 また、先ほど、大臣の方がお答え申し上げましたが、支援法の運用に当たって使い勝手をよくしようということで、生活安定部分の百万円については、それぞれの項目の金額等を撤廃し、必要なニーズに応じて使用ができるということ、またあわせまして、三百万円の部分につきましては三百万円まで前払い制度ができるということ、これらを積極的に御活用されることによって被災者支援につなげていきたいというように考えております。

高橋委員 居住機能が損失しているということがこれまで水害のときも随分指摘をされてきて、弾力運用になるということも検討されてきたわけです。それから、私は、昨年の三月の本委員会でも、シロアリの被害と住宅の問題ということをお話をしたつもりであります。それで、そういうことが十分加味されて認定もされるし適用もされるということを確認したいということです。

柴田政府参考人 住宅の被害認定は、先ほど御答弁いたしましたように、避難指示、避難勧告が終わった段階で、村の調査に基づきまして行うものでございまして、長期に避難いたしておりました期間の火山ガスの影響やシロアリ等の被害についても、当然考慮することといたしております。

高橋委員 そこで、先ほど、使い勝手のいいようにということで今回省令改正を行うのだ、また、昨年の災害についても遡及適用するのだという御報告があったわけで、私は、やはりそういう形で、実態に即して弾力的な運用、省令の見直しということで要望にこたえていくということはいろいろできるんだろう、そういうふうに思うわけですね。ですから、今これから幾つか紹介いたしますけれども、そういう住民の実態にこたえて、できるところは大いに見直していくということをお願いしたいと思うんですね。

 三宅の場合は、東京都が単独で百五十万円までの三宅島被災者帰島生活再建支援金を創設したということが大変大きな力になっていると思っております。予想以上に長い、四年半という歳月を待たされ、その間、我が家の傷みを心配して、一時帰島などを生かして自力でこつこつと修理を行ってきた方が大変多うございます。そういう自力再建に対しても、支援法も、対象条件に本来合っているのであれば、後からでも適用できる仕組みを検討されたい、このように思います。これは、後の話ともつながりますので要望にとどめて、次に行きたいと思っております。

 今月の初めに新潟に行ってまいりました。雪が解けてからあらわれた地盤の被害を見るとともに、住民の皆さんと現地を見ながらいろいろ懇談をしてきたわけですけれども、その地盤災害の大きさと、また同時に、住宅再建に対する支援の要望というのが非常に大きいということを改めて実感しました。

 そこで、四月三十日現在、新潟県で被災者生活再建支援法の支給が決定されたのは、三百三十六件、二億二千百万円です。それに対して県単独の制度は、七千二件、三十四億二千三百万円であります。実に二十倍であります。大臣は先般の委員会で、雪が解けたら申請もふえるだろうとおっしゃっておりましたが、結果は歴然であります。もちろん若干はふえてはいますけれども、圧倒的に県制度が歓迎されている。

 ここを、なぜかということをしっかり検証して、必要な見直しが迫られていると思いますけれども、まず、これをお認めになるかどうか、大臣に伺いたいと思います。

林田副大臣 委員、従来よりこの問題については御熱心に論議していただいておるわけでございますけれども、国が持っておりますこの被災者生活再建支援法の根本は、いつも大臣が言っておりますように、被災を受けられた方で、みずから復興できない方を支えるということでございますものですから、新潟県独自の支援法との大きな違いは、いわゆる所得制限というか、これが入っているんではなかろうかと、この違いが大きく響いているんじゃなかろうかと思います。

 それにつきましても、斉藤委員の御質問に村田大臣が冒頭答弁いたしましたように、あしたになりますと正式になろうかと思いますけれども、委員も常々言っておられたことを極力加味したような形でこれの充実を図っていきたいというふうに考えておりますと同時に、それぞれ各党超えてのいろいろな要望がございます。我々も、これができ上がってから四年後には見直すというのをもう既に一年過ぎておりますし、そういう面では、いろいろな場面でそれぞれの委員の先生方が勉強していただいておると思いますので、それを受けて、内閣府としても誠意を持って取り組んでまいりたいというふうに思っております。

高橋委員 今、要因の一つに紹介されました所得制限の問題、これは大きいとお認めになりましたので、やはり、ここも一つ検討の余地があるだろうということをまず指摘しておきたいと思うんですね。

 実は、国制度でも大変活用されているのがございます。内閣府の所管ではございませんが、災害救助法に基づく応急修理制度と、これを活用して拡充した県単の被災者住宅応急修理事業補助金制度、これは、国制度の範囲でも五千九百八十八件、新潟で採用されております。三十二億三千九百万円です。県制度は八千五百九十三件、四十四億八千五百万です。これは、やはり新潟県の英断が非常に歓迎された証拠ではないかと思っております。

 ただ、あくまでも災害救助法の範囲でありますから、期限の問題などさまざまあります。ここに本当に学んで、本来なら住宅再建というのはこの支援法のスキームであるだろう、そう考えたときに、修理をすれば住めるという方に支援することは、やはり費用対効果という点でも大変すぐれておりますので、支援法の中にやはり半壊、一部損壊も含めて修理を入れるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

柴田政府参考人 今、災害救助法の応急修理の御説明がございましたけれども、災害救助法の応急修理につきましても、所得要件は被災者生活再建支援法の所得要件と同じでございます。件数がたくさん出ているのは、直ちに修理をしてそれに帰っていただくということもあるものですから、かなりの数が出たのではないかと考えております。

 被災者生活再建支援法はこれから本格的な復旧に入ってくるわけでございまして、三十七カ月期間があるわけでございまして、複数、何度も申請されることも可能でございますので、これからふえてくるのではないかというぐあいに考えてございます。

 また、県の単独の事業につきましては、半壊世帯まで対象にされているというふうなこともございます。

 それからまた、補修費用の問題でございますが、被災者生活再建支援制度については、これは法律の「目的」でもって、「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者」を対象といたしてございます。従来は住宅が全壊した世帯のみを対象といたしておりましたが、昨年の通常国会における法制度改正によりまして、大規模半壊となった世帯に対してもその対象とするところにいたしました。

 しかし、一部損壊ということにつきましては、法律の目的でございます「著しい被害を受けた」ということには言えず、この要件には当てはまらないというぐあいに考えております。

高橋委員 この問題も、検討をしていただきたいと要望にとどめておきたいと思っております。

 続けますけれども、解体撤去費が同じ場所に建てかえることを条件としていることは非常に不合理であるということが出されております。これまでも議論をしてきたんですけれども、改めて思ったのは、地すべりがあって、自分の家が前の家に接近して、このまま放置すると前の家をつぶしてしまう、そういう状況に置かれているんですが、そこの家の方は、もう自分はそこには住めないということで引っ越しを決意している、なのに解体撤去費用も出ない、こういう状況に支援法が使えないのはおかしいんではないかという声が上がっていますが、その点はいかがですか。

柴田政府参考人 被災者生活再建支援制度におきまして住宅の解体撤去費用が出る場合でございますが、住宅が全壊または半壊し、やむを得ない事由により解体する場合で、原則としてその宅地に住宅を再建設する場合に支給対象となりますが、今おっしゃいましたように、隣接する宅地が危険で住めず、やむを得ず移転する場合等は支給対象となります。

 しかしながら、隣接する宅地ががけ崩れ等により危険な場合には、それをやはり放置しているというのは問題でございまして、今回、がけ崩れの対策事業等の活用によりまして、擁壁等の復旧を公費で行うこともできる制度も拡充したわけでございますので、そういう制度を使っていただきまして、その隣接する宅地をまず修復していただくというのが原則ではないかと思います。

高橋委員 今回、今最後におっしゃいました、がけ崩れその他の事業でも救えない事例がいろいろあるということを実はこの後質問したかったんですが、残念ながら時間が参りましたので、引き続いてまた要望して、改善方をお願いしていきたいと思います。

 ありがとうございました。

西村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時九分散会


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