衆議院

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第4号 平成18年1月19日(木曜日)

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平成十八年一月十九日(木曜日)

    午後一時開議

 出席委員

   委員長 大野 松茂君

   理事 秋葉 賢也君 理事 斉藤斗志二君

   理事 原田 令嗣君 理事 福井  照君

   理事 宮下 一郎君 理事 奥村 展三君

   理事 下条 みつ君 理事 石田 祝稔君

      小川 友一君    岡本 芳郎君

      木村  勉君    坂井  学君

      平  将明君    高鳥 修一君

      谷  公一君    長島 忠美君

      丹羽 秀樹君    西村 明宏君

      林   潤君    林田  彪君

      平口  洋君    三ッ矢憲生君

      御法川信英君    望月 義夫君

      盛山 正仁君    森  英介君

      山本  拓君    岡本 充功君

      黄川田 徹君    菊田真紀子君

      篠原  孝君    田村 謙治君

      松本  龍君    鷲尾英一郎君

      漆原 良夫君    丸谷 佳織君

      高橋千鶴子君    菅野 哲雄君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       沓掛 哲男君

   内閣府副大臣       嘉数 知賢君

   総務副大臣        山崎  力君

   国土交通副大臣      江崎 鐵磨君

   内閣府大臣政務官     平井たくや君

   防衛庁長官政務官     高木  毅君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   榊  正剛君

   政府参考人

   (防衛庁長官官房長)   西川 徹矢君

   政府参考人

   (防衛庁運用局長)    山崎信之郎君

   政府参考人

   (総務省自治財政局長)  瀧野 欣彌君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房文教施設企画部長)      大島  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         金子 順一君

   政府参考人

   (農林水産省政策評価審議官)           本川 一善君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議官)           吉田 岳志君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁資源・燃料部長)        近藤 賢二君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房総合観光政策審議官)     柴田 耕介君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  渡辺 和足君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  谷口 博昭君

   政府参考人

   (気象庁長官)      長坂 昂一君

   衆議院調査局第三特別調査室長           佐藤 廣平君

    ―――――――――――――

委員の異動

平成十七年十一月二日

 辞任         補欠選任

  伊藤信太郎君     江渡 聡徳君

  金子 恭之君     田野瀬良太郎君

  後藤田正純君     河井 克行君

  赤羽 一嘉君     漆原 良夫君

同月二十四日

 辞任         補欠選任

  江渡 聡徳君     岡本 芳郎君

  大村 秀章君     林田  彪君

  河井 克行君     平口  洋君

  田野瀬良太郎君    木村  勉君

  西銘恒三郎君     丹羽 秀樹君

平成十八年一月十八日

 辞任         補欠選任

  田中 和徳君     平  将明君

同月十九日

 辞任         補欠選任

  近藤 基彦君     御法川信英君

  小平 忠正君     菊田真紀子君

  松本  龍君     篠原  孝君

  谷口 和史君     丸谷 佳織君

同日

 辞任         補欠選任

  御法川信英君     近藤 基彦君

  菊田真紀子君     小平 忠正君

  篠原  孝君     松本  龍君

  丸谷 佳織君     谷口 和史君

同日

 理事大村秀章君平成十七年十一月二十四日委員辞任につき、その補欠として秋葉賢也君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

平成十七年十一月一日

 一、災害対策に関する件

の閉会中審査を本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(大雪による被害及び対策状況)


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     ――――◇―――――

大野委員長 これより会議を開きます。

 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に秋葉賢也君を指名いたします。

     ――――◇―――――

大野委員長 この際、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの大雪による被害によりまして、多くの方々がお亡くなりになっております。ここに、お亡くなりになられました方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。

 また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員御起立願います。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

大野委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

大野委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。

 本日は、特に大雪による被害及び対策状況について調査を進めます。

 政府から説明を聴取いたします。沓掛防災担当大臣。

沓掛国務大臣 今般、防災担当大臣を拝命いたしました沓掛でございます。委員長、理事初め、委員の皆様方の御指導をいただきつつ職務を遂行したく思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 今後とも、災害対策には全力を尽くしてまいりますので、嘉数副大臣、平井政務官ともども、大野委員長初め理事、委員各位の格別の御指導を賜りますようお願い申し上げます。

 それでは、この冬の大雪による被害状況につきまして御報告いたします。

 まず、今回の大雪により、不幸にして亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災者の方々に心よりお見舞い申し上げる次第であります。

 この冬は、十二月上旬以降、北極からの寒気が数回にわたって南下したため、日本各地で低温となり、日本海側の地域は暴風を伴った大雪に見舞われ、記録的な積雪となりました。秋田県、新潟県、福井県を初め全国の十六地点で、年間の最深積雪の記録を更新しております。

 これらの大雪によって、雪おろし中の転落や屋根からの落雪などで、全国で百二名の死者が発生しており、負傷者は千三百八十二名、全壊家屋九棟となっております。一方、雪崩につきましては、五十件発生しており、そのうち十六件が住家周辺で発生した集落雪崩です。また、道路に関しましては、国道四百五号線の一部区間で全面通行どめになったため、一時、新潟県津南町、長野県栄村の一部集落が孤立しましたが、現在、住民の通行は時間を限ってではありますが可能になり、孤立は解消しております。

 政府におきましては、総理の指示のもと、昨年十二月二十八日には寒波・雪害対策を取りまとめ、鋭意対策に取り組んできているところであります。また、一月七日には、私自身が新潟県の津南町、十日町市、長岡市の大雪による被災状況等の視察に行き、同月十日、十八日には、大雪に関する災害対策関係省庁連絡会議を開催し、被害状況や各省庁の対応状況について情報共有を図るとともに、各省庁連携して警戒に当たっております。

 今回の大雪では、記録的な積雪により除雪等が間に合わず、住宅の倒壊のおそれが高まっているため、住宅の除雪等に対する支援ができるよう、災害救助法の活用について都道府県に周知を図り、新潟県、長野県が災害救助法を適用しております。今後とも、災害救助法による救助の実施が適切かつ円滑に行われるよう、被害を受けている都道府県からの相談に応じ万全を期してまいります。

 また、長野県、新潟県、秋田県、北海道、群馬県の知事からの要請に基づき、自衛隊が高齢者世帯、孤立予想世帯、公共施設等の除排雪、緊急車両の通行確保のための除排雪などを実施しております。自衛隊においては、災害派遣要請に備えて地方公共団体との連絡を密にするなどし、即応できる体制を整えております。

 さらに、高齢者等の災害時要援護者宅の状況を消防機関と福祉関係機関との連携による巡回等により把握し、必要に応じ消防団、自主防災組織等が協力し除雪作業を行うことなどについて、地方公共団体に徹底をしております。

 また、道路の除排雪につきましても、道府県管理道路の除雪費の執行状況等を踏まえ、一月十三日に、二十六道府県、政令市を対象に事業費約百六十九億円を緊急配分することといたしました。さらに、臨時特例的に市町村道の除雪費を支援するため、除雪費等の実態を把握するための調査も実施しております。

 一方、先週十三日には、気温上昇に伴い雪崩、落雪等による被害が懸念されたため、国民の皆様に対し、被害の拡大を防ぐため、最新の気象情報の十分なチェック、危険な箇所には近づかないことなどの協力をお願いしたところであります。

 本日朝、開催されました閣議後の閣僚懇談会におきましても、私を初め関係大臣から対応状況を報告し、総理からも、ちょっとここ抜けていたので申しわけありません、総理からも、人命の被害は何としても防ぎたい、また、国民生活の安全と産業の円滑な活動のため、情報収集と事態への対処に遺漏なきを期してもらいたいとの指示がありましたので、今後とも、関係省庁と連携しつつ、政府一丸となって対応してまいる所存でございます。

 以上、報告させていただきます。ありがとうございました。

大野委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

大野委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官榊正剛君、防衛庁長官官房長西川徹矢君、防衛庁運用局長山崎信之郎君、総務省自治財政局長瀧野欣彌君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長大島寛君、厚生労働省大臣官房総括審議官金子順一君、農林水産省政策評価審議官本川一善君、農林水産省大臣官房審議官吉田岳志君、資源エネルギー庁資源・燃料部長近藤賢二君、国土交通省大臣官房総合観光政策審議官柴田耕介君、国土交通省河川局長渡辺和足君、国土交通省道路局長谷口博昭君及び気象庁長官長坂昂一君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大野委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。高鳥修一君。

高鳥委員 自由民主党新潟六区、高鳥修一でございます。

 私の選挙区は、昨今、報道等で連日取り上げられております新潟県津南町それから十日町市、妙高市、上越市を含みます日本で有数の豪雪地帯でございます。豪雪地の代表といたしまして質疑に立たせていただきます。

 質疑に先立ちまして、今次豪雪によりまして亡くなられた方々、また被害を受けられた方々に、心より弔意と、そしてお見舞いを申し上げたいと思います。また、沓掛防災担当大臣を初めとし、各省庁には、今次の豪雪に対しまして早期また真摯なる対応をしていただいておることにまずもって感謝を申し上げます。あわせて、豪雪地帯で対策に当たっておられる役場、警察、消防、自衛隊並びに関係各位の御努力、御苦労に対しまして、改めて敬意を表する次第であります。

 まず初めに、今次異常豪雪につきまして、政府の基本認識をお伺いいたしたいと思っております。

 「雪地獄父祖の地なれば住み継げり」。これは私の地元では有名な句でございます。まさに湯沢のトンネルを出ると別世界でありまして、東京はきょうのような穏やかな気候でございますが、この関東あるいは都市部で生活していると、とても今の雪国の状況は想像もつかないということであると思います。しかしながら、ぜひとも都市部選出の先生方にも、この大変な被害の状況を御理解いただきたいと思っております。

 今次の豪雪の特徴は、一言で申し上げまして降雪期が早いということでございます。

 こちらにパネルを用意させていただきましたが、ちょっとごらんいただけるかどうかということでありますが、この赤い線が平年値でございます。そして、昨年は新潟県は十九年ぶりの豪雪と言われましたが、この青い線でございます。そして、ごらんいただいたとおり、ことしは既に十二月で一年分の雪が降ってしまったということでございます。一月の初めに、豪雪と言われた去年のレベル、三メートル、これは新潟県十日町市のデータでございますが、豪雪と言われた昨年の、もう一月初旬でピークに達してしまったということでございます。

 そして、なぜ今回の豪雪が異常豪雪かと申し上げますと、本来ならば雪が降るピークというのはこれからなんです。一月の二十日から二月の半ばにかけてが通常は最大積雪を記録いたします。これだけ雪が降ったというのは、敗戦の年、昭和二十年に津南町で七メーター八十という記録があるそうであります。地元の方に聞きますと、恐らくそのときに匹敵をするような降り方をしているのではないかということでございます。

 そして、全国の死亡者が昨日現在で百二名ということでございます。重軽傷者は千三百八十二名。これがこの二日間で死者も七名ふえているということでございます。近年では、昭和五十九年に百三十八名が亡くなられたということでありますが、これから雪の本番を迎えるということを考えますと大変心配な状況でございます。

 豪雪地帯にとって雪が降るということは、例えば土砂が崩れる、あるいは雨も集中的に降りますと集中豪雨で災害ということになりますが、雪が災害であり、豪雪地帯が被災地であるという認識をお持ちであるかどうか、お伺いをしたいと思います。防災担当大臣、お願いします。

沓掛国務大臣 ただいま高鳥委員から、自分の選挙区でもある津南町などを頭に置きながらいろいろなお話がございました。

 今回の積雪は本当に異常な状態でございまして、私も、この一月七日に現地を視察すべく、朝八時二十四分の新幹線に乗るつもりで行ったんですが、朝から新幹線がたたないためにホームにはもう旅客があふれておりました。皆さんどうするかということだったんですが、ともかく立ってでも行こう、はってでも行こうということで、みんな無理に無理を重ねて、かつて、終戦直後のような満杯の状態で参りました。今、越後湯沢から津南町、十日町そして長岡を視察させていただきました。本当に積雪のすさまじさは、今高鳥委員のおっしゃられたとおりでございます。

 死者につきましては、高鳥委員、一冬全体の死者数をおっしゃられましたけれども、ちょうど今の一月のこの時期において、過去における最大の記録的な死者数というのは、昭和三十八年の七十七名でございました。一月二十八日の死者数が昭和三十八年で七十七名というのが過去この時期における死者数の記録でございましたが、それを今、十八日において既に百二名と大きく上回っているという状態でございます。

 その理由については、今高鳥さんいろいろおっしゃられました。私なりに申し上げれば、やはり異常な豪雪であったということ、そしてその豪雪が予想以上に早く去年の暮れから来たということ、そしてまたいわゆる核家族化が進みましたので雪の一番降るところには高齢者世帯が大変多いということ、などなどのことが今回の多数の死者を出したことではないかなというふうに思っております。それに対応すべく、今政府としても全力を挙げてやっておるところでございます。

 施策については、自衛隊の派遣を要請しようと。秋田県、新潟県、長野県それからもう一県どこでしたっけ。それから、災害救助法の適用についてもいろいろ問題がありますが、雪おろし等にも適用してもらうようにお願いして、災害救助法については新潟県そして長野県でこの適用の決定をいたしております。そのほか、特別交付税などなどについてもいろいろ配慮をお願いしているところでございます。

 しかし、何といってもまだこれからが本番という時期でもございますので、政府としても注意をしながら、都道府県その他とも一体となりながら、まず何としても人命を失わないようにすることが第一番であり、またそれに続いて国民生活が安定していけるような対策を適切に打っていくことが必要だと思っております。

 本日の臨時閣議におきましてもこの問題が取り上げられまして、小泉総理から、今申しましたように、何としてもこれ以上の人命の損失を防ぐように全力を挙げること、それから国民の生活の安定の面で、物価その他についても十分各省庁連携して対応するという御指示をいただいたところでもございます。

 政府挙げてこれからも頑張っていきたいと思っておりますので、また委員初め皆さんからのいろいろな御指導も賜れればありがたいと思います。特に高鳥さん、地元でもございますので、これからいろいろな面での情報等いただければありがたいと思います。

 以上です。

高鳥委員 大臣におかれましては、人命の損失を何としても食いとめる、あるいは生活の安定に危機感を持って取り組んでくださるという御答弁であったと思います。ぜひとも、雪が降るということ自体が災害であるという認識に立って、これからも御指導いただきたいと思う次第であります。

 次に、財政的な支援についてお伺いをいたします。

 異常豪雪に伴う特別交付税の増額について各自治体から要望が出ております。今回の異常豪雪は、先ほども申したように、降雪が非常に早かったということでありまして、いずれの自治体も豪雪地帯は年間の除雪予算をこの一月の初旬でほぼ使い切ってしまった、そういう状況でございます。予算がないから今後は除雪を控えます、こういうわけにはいかないわけであります。直ちにこれは人命にもかかわる大事な問題でございます。これにつきまして、総務省自治財政局の方の御答弁をいただきたいと思います。

瀧野政府参考人 地方公共団体の除排雪経費につきましては、従来から普通交付税で、基準財政需要額の算定の中で寒冷補正という形で、積雪の度合いに応じました所要額を措置しているところでございます。

 今回のように、豪雪によりまして除排雪対策に要する経費が多額に上るような団体が出る場合には、こういった普通交付税措置では足りない場合が出てくるわけでございますので、今御指摘のように特別交付税により所要の措置を講ずるということにしておるところでございます。

 今年度の特別交付税については、現在、三月交付ということで作業中でございますけれども、各地とも豪雪によりまして除排雪経費が多額に上っているという状況は、我々も現段階の情報はそれなりにつかんでいるつもりでございますけれども、さらにその情報をきちんとつかみまして、地方団体の財政運営に支障が生じないように、きちんと算定に反映してまいりたいというふうに考えております。

高鳥委員 大変心強い御答弁、ありがとうございます。

 関連をいたしまして、道府県管理道路の除排雪、また市町村道の除排雪に対する特別補助について、国土交通省の方に御答弁をお願いしたいと思います。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、また先ほど来防災大臣のお話にもございましたが、ことしの冬は例年よりも早く十二月の中旬ごろから日本海側を中心に大雪に見舞われ、全国平均で、データ的に申し上げますと、累加降雪深が一月十八日時点で二百九十二センチということで、過去十カ年の平均の百二十四センチに対して二・四倍というようなことになっております。記録的な降雪ということが言えるかと思います。

 道府県の管理の道路につきましては、一月の十三日にことしの降雪状況及び除雪費の執行状況等を踏まえさせていただきまして、二十六道府県、政令市を対象に、事業費で百六十九億円、国費で百十三億円を緊急配分させていただいたところでございます。

 今後の降雪状況等を踏まえ、さらに必要な支援措置を講じてまいる考え方でございます。

 市町村道の除雪費につきましては、通常二つの交付税により措置されているということでございますが、降雪の著しい土地で地方財政の措置だけでは間に合わないような場合には、昨年も同様でございましたが、国土交通省が市町村に補助する措置を講じさせてきていただいておるところでございます。

 ことしの冬は非常に厳しい状況でございますので、一月の十日に私どもの大臣から指示を受けまして、市町村道の除雪費や積雪状況に関する調査を実施させていただいておるところでございます。これまでに回答のございました、八百五十六のうち既に約七割の五百八十四市町村から報告があったところでございます。残りの約三割の市町村につきましても、引き続き確認、集計を急いでおるところでございます。

 報告のあった五百八十四の市町村で申し上げますと、ことしの一月十日までの除雪費は合計で三百七十六億円ということになっておりまして、平年の同時期に比べて二・二倍というようなことになっているわけでございます。一月十日までの除雪費が平年の三月末までの除雪費よりも多くなっている市町村は、五百八十四のうちでございますが、百六十三というようなことになっているわけでございます。

 今後早急に調査を取りまとめさせていただきまして、関係省庁との調整を踏まえて、市町村を含めてでございますが、必要な措置を講じてまいりたいと考えておるところでございます。

高鳥委員 ぜひとも昨年を上回る補助をお願いしたいというふうに思います。

 関連をいたしまして、全国における危険な国道、また高速道路の抜本的な改良についてお伺いをしたいと思います。

 地方にとりまして道路というのは、まさに食料あるいはエネルギー、また万が一のときには、病人、けが人が出た場合にはこれを輸送する重要な生命線であるということでございます。

 報道等によりまして全国に今知られております国道四〇五号線、これは津南町とそれからお隣の長野県栄村も関係をいたしておりますこの地域は、秋山郷として一体の地域でございます。小坂文部科学大臣の選挙区でもございまして、大臣も大変心配をなさっていたというところでございます。例えばでありますが、この道を例にとりますと、これは豪雪だけではありませんで、夏季においても対向車とすれ違いに支障が生じる、そういう狭隘なところがございます。やはり地方の道路を整備する抜本的な対策をとっていただきたい、これが一点であります。

 また、なぜこの四〇五号が通行どめになったかということを多少説明を申し上げますと、片側が大変急斜面でございます。そして、そこに道路がありまして、反対側が断崖絶壁、がけになっているわけであります。そして、急斜面に雪屁が多くできております。とても通常の地元の業者が除雪するには危険で怖くて入れないということであります。こういう危険地帯におきまして自衛隊の方々が、これは危険であるということは民間人も自衛隊も同じであるわけでありますが、手作業でその雪屁を落としていただいたということに対して、心から感謝と敬意を表する次第であります。

 あわせまして、雪崩防止さくを増設する、あるいはスノーシェードに危険な箇所は改良する、このようなことについていかがお考えになっているか。

 また、関連しますので続けて御質問いたしますが、高速道路でも、これは各地に危険な箇所がまだあるのではないかというふうに思います。例えば、上信越自動車道、長野県信濃町インターチェンジから上越ジャンクションの区間三十七・四キロでありますが、高速道路にもかかわらず対面通行になっているわけであります。暫定二車線の対面通行であります。これが冬季の事故の誘発の要因となっているということであります。

 これは多少数字を申し上げますと、この五年間で死者十一名、そして重軽傷者が九十五名出ておりまして、地元では殺人道路というふうに言われております。このような危険箇所を放置しておれば、いずれは国の責任を問われる事態になるということを御指摘したいと思います。

 これらについて、国土交通省から御答弁をお願いします。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 二つ御質問いただきましたが、まず一点目の国道四百五号でございます。

 委員の方から御紹介がございましたが、これは、長野県に入る場合には、冬期は新潟県が管理している区間から入るということでございます。この状況につきましては詳細にお話ございましたが、一月の八日から、雪崩発生のおそれのため、津南町見玉から津南町大赤沢間、延長約十キロメートルでございますが、この区間が通行どめになりました。

 百九十三世帯、五百人が孤立したということでございますが、今お話ございましたように、新潟県において、自衛隊の協力も得て除雪作業を行い、現在は時間を限定して集落関係者等の車両に限って通行を許可しているという状況でございます。現地は引き続き雪崩監視の強化や、防止のための雪処理が必要な状態であり、国交省としても最大限の支援をしてまいりたいと考えておるところでございます。

 津南町の国道四百五号の整備状況でございますが、道路の拡幅整備、待避所の設置、あわせて雪崩危険箇所において雪崩防止さく等の雪崩対策施設の設置を実施してきているところでございますが、今回の事態を踏まえまして、新潟県ではさらに、スノーシェード、幅員の確保等、雪に強い道路に配慮した道路整備計画を策定するということを考えておられるということを聞いております。我々としましても、県の計画がまとまれば必要な措置を講じてまいりたいと考えておるところでございます。

 もう一点の高速道路上信越道の暫定二車線の問題でございます。

 関越自動車道と接続する藤岡ジャンクションから豊田飯山インターチェンジ間までは四車線で整備を供用しておりますが、豊田飯山インターチェンジから上越ジャンクション間五十キロメートルにつきましては暫定二車線区間となっておるところでございます。このうち豊田飯山インターチェンジから信濃町インターチェンジ十三キロメートルにつきましては四車線化で事業を進めさせていただいているところでございます。

 暫定二車線となっております区間につきましては、現在、昨年の十月から会社になっておりますが、東日本高速道路株式会社において、冬季の安全対策として、降雪時におけるチェーン装着の強化を図っているほか、除雪作業の迅速化、他の管理事務所からの応援態勢の強化、道路情報板による注意喚起などに努めさせていただいておるところでございます。

 また、当該区間につきましては、先ほど委員から御指摘ございましたが、平成十六年に大きな事故があったということで、十六年度以降につきましては、凹凸型の路面表示、注意喚起のLED標識、自発光式のポストコーンなど、集中的に設置するなどの対策を講じてきているところでございまして、一定の効果が上がってきているということでございます。引き続き、今回のような豪雪、除雪というようなことも含めまして、暫定二車線区間の安全対策の強化に努めさせていただきたいと考えておるところでございます。

高鳥委員 凹凸型の防止装置ということでありましたが、滑り出したらどれだけ効果があるのか、私は大変疑問に思っておりますので、ぜひとも真剣に、また前向きに御検討を進めていただきたいというふうにお願いいたします。

 あわせまして、歩道を含めた堆積スペースを確保するような道路改良もお願いをしたいと思います。時間の関係で御答弁は結構でございます。

 次に、災害救助法適用の地域指定についてお伺いをさせていただきます。

 平成の大合併によりまして、結果的に災害救助法の適用がおくれたという例を聞いているのでございます。上越市は、十四市町村が合併をいたしましたために海岸線が非常に長くなりました。旧町村単位であれば、例えば中郷村単位であれば指定が受けられたのでありますが、海岸線が広くなったために平均の降雪が低くなったということでありまして、このようなことがあったというふうに地元では言われております。

 災害救助法の適用地域指定についてお伺いをしたいと思います。厚生労働省、お願いいたします。

金子政府参考人 災害救助法の適用についてでございますけれども、今委員から御指摘がございましたように、災害救助法の指定に当たりまして、一部解釈といいますか、そういった点につきまして行き届いていなかった点もあるやにも聞いておりますけれども、災害救助法の適用につきましては、今回は住家の損壊というようなことではなくて、こうしたことを放置しておきますと住民の生命身体に危害を受け、また受けるおそれが生じた場合ということで適用しているわけでございます。

 この場合、市町村の一部の地域が豪雪のため、そしてそれ以外の地域との適用関係ということになるわけでございますが、一部の地域が豪雪によって影響を受けているといった場合に、その他の地域につきましてもそういったおそれがあるということであれば市町村全体に法を適用するということで進めておるところでございまして、こうした考え方で適切に運用することによって地域指定を弾力的、速やかに進めることができるのではないかと考えているところでございます。

 なお、厚生労働省といたしましては、去る一月十一日に災害救助法の適用につきまして改めて通知を都道府県に発出いたしまして、また都道府県からの御相談にも応じて弾力的、機動的に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

高鳥委員 ぜひとも、合併によって災害時に不利益が生じることのないように対応をお願いしたいと思います。

 続きまして、空き家、廃業旅館等の除排雪費に対する災害救助法の適用についてお伺いをいたします。

 実際に人が住んでいるところは、小まめにそこに住んでいる人が除雪をする、あるいは何らかの心配をするわけでありますが、実は、町の中に、もうそこに所有者がいない、あるいは所有者が不明である、あるいは既にもう廃業によって廃棄されているような建物がございます。そういうところはどうしても目が届かないということで、その建物の除雪がおくれがちである。また、それが倒壊することによって他の建物あるいは道路に被害が出るという可能性があるわけでございます。

 こういうものに対して、例えば当該除雪費に救助法の適用ができるように要望を申し上げるとともに、市町村で、倒壊前に、これはどうしても必要な場合でありますが、撤去の代執行権を付与するということを御検討いただきたいと思います。厚生労働省、お願いします。

金子政府参考人 災害救助法によります空き家等の除雪の関係でございます。

 こちらにつきましては、災害救助法は被災者が現実に応急救助を必要としている場合に適用されるという考え方をとっておりますので、空き家につきましては基本的に応急救助を要しないということなものですので、こうした考え方からは災害救助法に基づく住宅の除雪は対象にならないということになるわけでございます。

 しかしながら、今委員からも御指摘がありましたように、空き家等がその管理者が除雪をしないことによって倒壊したような場合、隣接しております住家に被害が生ずる可能性がある場合などにつきましては、まさに住民の生命または身体に危害が生ずるおそれがあるものといたしまして、災害救助法による除雪の対象に含めることは可能ではないかと考えているところでございます。

 今後とも、関係自治体からの相談に適切に応じまして、対応してまいりたいというふうに考えております。

高鳥委員 ぜひとも、そのように前向きに対応をお願いしたいと思います。

 続きまして、高齢者の冬期の住みかえ等、生活サポート体制の確立についてお伺いをいたします。

 資料の八ページをごらんいただきたいと思うのでありますが、今回、この異常豪雪によって亡くなられた方、このグラフでは七十歳以上が五三%でございます。しかし、これを六十五歳以上にしますと、実は七割近い比率を占めるのでございます。後ろに、亡くなられた方のそれぞれの状況の資料もございますが、もう時間の関係で省略をいたしたいと思いますが、八十九歳、九十歳という高齢の方が除雪作業中に雪の下敷き、あるいは池に落ちて亡くなっているわけであります。

 除雪というのは大変な重労働でありまして、このような高齢になってもまだ、なお腰を曲げながら厳しい冬の寒さの中で作業をし、その結果として冷たい雪の下敷きになっている。何とも痛ましいと言わなければならないというふうに思います。なぜこういう状況を放置されているのか。何か不条理なものを感じてならないわけであります。

 若いころに戦争があって苦労され、その後祖国の復興に尽力をされ、くわを握って田畑を耕し、農村を守ってきた方々であります。一つは核家族化という話が今大臣の方からございましたが、もう一点、若い人が農林業の将来に明るい希望を持てない、その結果として町に職を求めて出ていく、こういう背景もあるわけであります。

 しかし、残された高齢者が地方の田畑を守って、おかげで農地や里山が維持されているわけであります。この方々が何でこんなひどい目に遭わなきゃならないのか。高齢者というのは国の宝ではないんでしょうか。この犠牲を食いとめなくて日本は道義国家と言えるのか。私は声を大にして申し上げたいと思います。

 高齢者、障害者に対する住宅の除雪を支援、徹底すること。それと一方で、冬期の間だけ、豪雪地帯といえども町中は比較的雪が少ないわけでありますから、例えば町中のアパートに住みかえを行える、そういう制度の創設をする必要があるのではないかというふうに思っております。

 今の災害救助法との関係において、答えられる範囲で結構ですが、答弁をお願いいたします。

金子政府参考人 今委員から大変基本的な問題について御指摘をいただいたわけでございますが、災害救助法の適用という観点から御答弁を申し上げたいと思います。災害救助法は、やはり災害に対して応急的に実施するという性質のものでございますので、例えば冬期にわたって要援護者の方を毎年恒常的な形で退避させるというようなものへの対応ということはなかなかできないわけでございます。

 しかしながら、現にそこに救助の必要となった方がおられるということで災害救助法が適用になりますと、避難所の設置でありますとか食品等の給与などの支援が行われることになるわけでございます。また、避難所の設置に当たりましては、特別な配慮を必要とする高齢者や障害者を対象とした福祉避難所でありますとか、医療救護班の設置、相談窓口の設置等も行うことが可能になっているところでございます。

 厚生労働省といたしましては、応急救助という法の趣旨を踏まえつつ、これが適切かつ円滑に実施されますよう引き続き適切に対応してまいりたい、このように考えております。

高鳥委員 ぜひとも今後の課題として御検討いただきたいと思います。

 もう時間がなくなりましたので、簡潔に、あと数点お伺いをしたいと思います。

 観光業について、風評被害が出るということは心配はないのか。その対応について、国土交通省、お願いいたします。

柴田政府参考人 お答え申し上げます。

 今般の大雪によりまして、交通機関の遮断等、宿泊施設のキャンセル等が一部地域で発生しているということについては十分承知しております。先生御指摘の豪雪地域の一部地域につきまして、問題がないにもかかわらずこうした風評被害が発生するということは大変問題である、残念なことであるというふうに思っております。

 これまでのいろいろな経験にもかんがみまして、今後大きな風評被害が発生することのないよう、関係事業者、地元自治体及び旅行業界の協力を得ながら、適切な対応を図ってまいりたいというふうに考えてございます。

高鳥委員 時間がなくなりました。最後に沓掛防災担当大臣に一言お言葉をいただきたいと思います。

 豪雪地帯は日本有数の米どころでもあります。一部に、都会の税金を今後一円たりとも地方に渡さないという声もありますが、地方が水もエネルギーも食料も人材も都市部に供給をし、都市部を支えているわけであります。

 これから本格的な降雪期を迎える被災地の住民には不安が高まっております。ぜひとも大臣より、国が責任を持って今回の豪雪対策に取り組むという決意をお示しいただきたい、そして被災地の住民に勇気を与えていただきたいと思います。大臣、お願いいたします。

沓掛国務大臣 このたびの豪雪対策につきましては、政府一丸となって全力を挙げて対応してまいります。

 以上でございます。

高鳥委員 どうもありがとうございました。

 終わります。

大野委員長 次に、鷲尾英一郎君。

鷲尾委員 民主党北陸信越ブロックの代表といたしまして、質問させていただきたいと思います。

 まず、今回お亡くなりになった皆様、そして被災した皆様方に心から弔意とお見舞いを申し上げたいと思います。

 私、実は先日、雪の上で滑って転んでしまいました。おかげでギプスをすることになってしまったんですが、やはり、雪国育ちの者であっても、季節外れの雪というのは大変に予想外の事態を引き起こすということを思いますと、豪雪地帯で、そして高齢者の皆さんが一人家の中に取り残される、その事態に思いをはせまして、大変心苦しく、また、何とか災害救助の目を、その光を届かせたい、そういう一念でございます。

 さて、質問に入らせていただきたいと思います。

 今回の雪害では、自衛隊の皆さんに大変多大なる協力をいただいたということを現地の皆さんから聞いております。ただ、自衛隊の皆さんに御協力いただいたのは、あくまでも公道、そして公民館や小学校など、そういった公共施設の除雪について協力していただいたということを聞いております。ただ、緊急に行うべきものとしては、そういった公共施設ばかりではなく、広域の農道でしたり、そして個別の民家であったりということも、これまた被災地の事実でございます。

 そこで、自衛隊の今の除雪に対する訓練のあり方、例えばこういった豪雪地帯に派遣される自衛隊の隊員さんたちはそういった訓練を受けているのかどうか、こういうことについてまず副大臣に御答弁願いたいと思います。

高木長官政務官 お答えを申し上げます。

 今回本当に大変な雪でございまして、私も福井でございますので、大変よく気持ちは拝察をいたしておるところでございます。

 ただいま自衛隊の、いわゆる自衛官が日ごろこういった除雪ということに対して訓練をやっているのかという質問かと思いますけれども、実は私、先般も私の地元でございます鯖江にございます陸自の施設中隊へ行きましたけれども、そのときもちょうどその訓練を拝見いたしました。しっかりと重機、ダンプあるいはまたショベルローダー等を使いまして除雪の訓練もやっておりますし、また、当然、人力が必要ないわゆるショベルを使ってのそういったような訓練等につきましてもしっかりやっております。

鷲尾委員 ありがとうございます。

 それでは、先ほども申し上げましたけれども、民間の民家ですとか、例えば農道ですとか、その地域に住まう皆様方の交通の便に資するような道路、これは公共の道路だけではないと思うんですが、これについて自衛隊が現地に入って除雪作業ができるかどうか、この点についてもお答え願いたいと思います。

高木長官政務官 自衛隊によります除雪は、いわゆる自衛隊法第八十三条災害派遣に基づいて実施しているわけでございますけれども、例えば、今般長野県でも活動させていただきましたけれども、もちろん公道であります、そういったところの緊急車両の通行確保のための除雪、それとあわせて孤立予想世帯あるいは高齢者世帯の、そういったうちの雪の排除というものも行っております。これは一例でございますが、ほかにもそういったことをやっております。

鷲尾委員 それは、自衛隊の皆さんが現地に入ったときに、現地の自衛隊員の方が、ある意味個別的に判断しながら機動的に動けるような体制になっているという理解でよろしかったでしょうか。

高木長官政務官 もちろん、それは機能的にあるいはまた柔軟性を持って対応させていただいておりますけれども、基本的にはやはり地元の自治体との調整の中でそういったようなことを実施させていただいております。

鷲尾委員 それでは、もう一つ自衛隊に関連して申し上げたいことがございます。

 それは、今、現地では人手はあるけれども除雪機械、機材については非常に不足しているという現実がございます。特に、今回のような季節外れの豪雪では、全国で機械をつくっている工場がもうキャパシティーを超えて新たな発注に対処できなくなっているという現実がございまして、これについて、例えば自衛隊が通常所持されている除雪機材というのを各自治体に貸すということは可能なんでしょうか。

高木長官政務官 お答え申し上げます。

 自衛隊が災害派遣された場合に、緊急に必要があるときには、災害の応急復旧を行う者であれば、民間であっても自衛隊が保有する除雪のための機械器具を貸し出すことは、いわゆる物品の無償貸付及び譲与等に関する法律第二条、及び防衛庁の管理に属する物品の無償貸付及び譲与等に関する内閣府令第十三条に基づき、それは可能でございます。

鷲尾委員 例えば今の法律によって、自衛隊員の皆さんが派遣されていなくても、機材だけお貸しするということは可能なんでしょうか。

高木長官政務官 決して不可能ではないというふうに思いますが、ただ、先ほど申し上げたとおり、緊急に必要があるときということでございますので、ですから、言うならば冬期間あるいは雪が降る、積もる期間ずっとそれを貸し出すというようなことは、これはいかがなものかなというふうに思いますが、要請があれば、緊急性があればそれを一時的に貸し付ける、緊急性があるときに貸し付けるということは可能だというふうに思います。

鷲尾委員 自治体との調整によって、緊急性を協議した上で貸し出すことができるという理解でよろしかったですね。

 では続きまして、今回、一月の十日でしたか、済みません、さっき十三日と言われたか記憶がちょっと定かではないんですけれども、積雪寒冷特別地域における道路交通の確保に関する特別措置法ということで、除雪に関する費用が緊急配分されました。我が新潟県にも二十五億ほどの予算が緊急配分されたところでございます。今、国全体の総額が百六十九億円ということで記憶しておるところでございますが、これはどういった計算で百六十九億円という金額が算出されたのかということについて、副大臣の答弁をお願い申し上げます。

江崎副大臣 まず、鷲尾委員にお答えを申し上げる前に、今回の豪雪で百二名というとうとい人命が失われました。心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、千名を超すけが人も出ております。いっときも早い回復と同時に、特に御家族、御遺族に対して心からお見舞いを申し上げる次第であります。

 特に、きょう、この災害特別委員会、雪の深いところの選出の議員さんも多数お出かけになっておりますが、先ほどの委員の御質問、委員も新潟であられますが、今回の緊急配分、これは全く想像もできない、去年の十二月から日本海側を中心に大雪に見舞われました。全国平均の累加降雪深が何と一月十八日時点で二百九十二センチ、これは過去十年平均の百二十四センチに対し約二・四倍となったわけであります。このため、道府県管理道路の除雪補助費については、一月十三日に二十六道府県、政令市を対象に事業費百六十九億円、先ほど国費、実は百十三億円を緊急配分いたしたところであります。緊急配分に当たっては、この冬のこれまでの降雪状況や各道府県における一月十二日までの除雪の執行額等を踏まえた配分であります。引き続き、今後の降雪状況等も踏まえ、さらに必要な支援を講じなければならないと考えております。

鷲尾委員 先ほど自治体の降雪状況、除雪の執行額ということでお答えいただいたことでございますが、実際、今、津南町の予算の状況を見ますと、例年六・五億円のところ、今年度、これからも含めまして、三月までに二十五億円という金額を見込んでいるものでございます。例年に比べると四倍近い金額でございますので、この点についてぜひ特段の配慮をお願いいたしたいと思います。

 続きまして、特別交付税についてお伺いしたいことがございます。

 この除雪費用ということで特別交付税、前年の交付税額の百分の六ということで三月末に支給されるということでございますが、除雪だけではなく、豪雪地帯には当然農業被害というのもございます。そしてまた、今回は特に、現場に入っておりますと、風評被害という意見が多々ございました。そういった意味で、風評被害、農業被害も含めて、ぜひこれは特段の配慮をすべきだというふうに考えておるんですが、副大臣の方はどういうふうに考えておられますでしょうか。

山崎副大臣 お答え申し上げます。

 今の御質問は特別交付税の中身、算定の内容についてということになろうかと思いますが、その辺につきましては一応ある程度のルール化されたものがございまして、今の御質問の風評被害であるとか農産物等の被害に関しましては、これは、その被害というものを現地の地方自治体等が計上して、今回の雪の被害であるというような形で認定した後の状況の判断というふうになろうかと思っております。

鷲尾委員 特別交付税のそのルールはわかっておるのでございますけれども、特別交付税の交付に当たって、今回の豪雪の状況というのを勘案するお気持ちというのはあるのかどうかというところだけお聞かせ願いたいと思います。

山崎副大臣 御承知のことと思いますが、雪に対しての交付税の考え方と申しますのは、総務省といたしましては、もともと普通交付税におきましても基準財政需要額である程度の積雪の度合いに応じて寒冷地補正という形で増額しているということがございます。

 そして、今回のように特段大きな雪による費用がかかるということに、特に除排雪等にかかるということに関しては特別交付税で措置することになっておりまして、その辺のところの計算式、細かいところは事務方の方から説明させても結構でございますけれども、そういったことで、毎年平均すると二百億程度はその除排雪という形で特別交付税の中で算定されておりますし、昨年度はちょっと雪が多かったこともあって、十六年度は二百七十七億円を雪対策、除排雪対策という形で特別交付税の中に含ませているところでございます。

鷲尾委員 もう時間もございませんので最後に発言させていただきたいと思いますが、除排雪のみならず、今回については、農業被害も当然多々ございますし、さらに風評被害というものもございます、その点について御勘案いただけたらと思います。

 これで私の質問を終わらせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

大野委員長 次に、篠原孝君。

篠原委員 民主党の篠原孝でございます。

 十五分間で五省庁の方においでいただいていますので、一省庁三分ぐらいになります、端的に質問させていただきまして、端的にお答えいただきたいと思うんです。

 まず、積雪量というのが盛んに出てくるわけですけれども、今回のニュースを聞いておりまして非常に疑問に思ったことがあります。いつも、先ほど鷲尾委員のところにも出てまいりました津南町というのが豪雪地帯でございます、津南町が三メートル九十六とか出てくるんですが、その次に飯山市が二メートルとか出てきて、栄村が登場いたしましたのは、四〇五号線が閉鎖されてからなんですね。これはなぜかということを調べてみますと、そこにアメダスの観測地点がないということでオミットされておるということ。これが非常に後々尾を引いてまいります。

 私の資料の一ページを見ていただきたいんですが、先ほど総務省の方からもお答えいただきました、地方交付税、普通交付税の算定の中に、これはちょっと見にくいのですが、私のところの山ノ内町のところを見ていただきたいのですが、市町村道というのが真ん中にあります。それから、積雪度というのがあります。それで、後ろの方を見ていただきたいのですが、二ページ目ですけれども、積雪度のところに1とか2と書いてあるところを見ていただきたいのですが、この大事な市町村道の除排雪費の算定に積雪量が重要な役割を演じているわけです。これをもって算定される。

 三ページ目を見ていただきたいのですが、ちょっと見にくいかと思います、世界一の豪雪地帯の地図でございます。中野市、山ノ内町、木島平村、野沢温泉村、飯山市、栄村、津南町と、このあたりでございますけれども、こういったところに観測地点があると全然積雪量が違うわけです。あと、めくっていただきまして、後ろから二枚目ですけれども、飯山市、栄村、津南町の積雪比較表、これは数字であらわしたものでございますけれども、これでごらんのとおり、飯山市の岡山、羽広山というところの地点ですけれども、飯山市が独自に設けているところが四メートル五十一センチ。しかし、これはニュースにも何も出てまいりません。次のグラフを見ていただくともっとおわかりだと思います。

 こういったことは非常に大事になってくるわけですけれども、気象庁にお伺いしたいわけですけれども、どういった観点で観測地点を選んでいるのかということ。そして、総務省の方に聞いている時間がないわけですけれども、これは大事なことでして、適切な積雪量をちゃんと把握していただいて、みんなに流れるようにしていただきたいと思っておるのですが、その点いかがでしょうか。

長坂政府参考人 お答え申し上げます。

 気象庁におきましては、各地の気象台、さらには、今先生から御指摘のありましたアメダス、こういった設置地点におきまして、豪雪地帯を中心としまして、おおむね二十数キロメートル間隔で積雪のかさを常時観測いたしているところでございます。

 また、加えまして、気象衛星、気象レーダー等から成ります総合的なネットワークによりまして、雪雲の動きあるいは降雪域の広がりぐあい、こういったものを監視いたしまして、これらをもとに雪に関する注意報、警報、こういったものに代表されます防災気象情報の発表に努めているところでございます。

 ところで、降雪につきましては、ただいま委員御指摘のように、局地性もあることから、気象庁といたしましては、こういった当庁の観測データに加えまして、長野県等各地で実施されておりますような、地方自治体の関係機関が保有いたします雪に関する観測データ、こういったものにつきましても、従前も活用いたしておりますが、引き続き気象情報においてこういった情報も積極的に活用する、こういうことを進めてまいる所存でございます。

 以上でございます。

篠原委員 ちゃんとした答えになっていないとは思いますけれども、飯山市とか栄村のところで調べているわけですから、この資料をごまかすわけじゃないわけですから、そういった資料もどんどんアメダス等の資料と同じように使っていただきたいということです。これが第一の質問でございます。

 次に、自衛隊の出動ですけれども、これは本当に助かりました。先ほどの高鳥委員の質問の中にもありました四〇五号線、がけっ縁です、こんなところは一般の人はとてもできません。私は、十二月二十七日、ボランティアの方々が雪かきが終わった後、カーブミラーが見えなくなっていると、そこまで手当てできないので、それを見られるようにしているという人たちのところへ真っ先に伺いました。それから、一月八日、一月十五日と、三回参りました。物すごいところでございます。自衛隊の皆さんにやってもらわなかったらだめなんだと思いますけれども。

 現地の声ですけれども、十日ぐらいで帰ってもらっては困るんだ、今雪の降り始めで、これからもずっと続くんだ、何か、いてもらっていると安心だし見ていただきたい、こういう声があるわけですけれども、その点はそういうことができるのでしょうか。防衛庁にお伺いいたします。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 防衛庁の災害派遣の仕組みといいますものは、先生御承知のように、基本的には地方自治体からの要請に基づいて出るようにいたしております。

 今般に当たりましても、非常に寒波、豪雪が来ました時点で各部隊が関係機関と連携をして情報収集態勢をまず強化いたしまして、一月の六日に松本にあります一三普通科連隊から長野県庁の方に連絡員を派遣いたしまして、よく調整の上に、同日二十三時ごろに長野県知事から災害派遣要請を受けた。これにつきまして、主要道路の啓開とか高齢者の住居におきます雪おろし等の除排雪活動を実施いたしましたところでございますが、地方自治体の長野県の知事の方から、大体の除排雪が終わったということで一月の十三日に撤収の要請を受けたところでございます。

 先生御指摘のように、地方自治体の方を通じて仮にやはりもう少し自衛隊のお手伝いが必要であるということの御要請を受ければ、我々としては、即応して災害派遣に出動するということについてはやぶさかではないというふうに考えております。

篠原委員 その今の答弁で皆さん安心されるかと思います。これからは残雪ですね、雪崩、これは非常に大変ですので、引き続き災害派遣の点はお願いいたします。

 それから、次でございます。今のこの算定基準の関係なんですが、これを見ながら考えていただきたいんですが、これは道路というときに農道とかが入っていないんです。御存じのとおり、農林水産省が手厚いことをしている関係もありまして、農道の方が普通の市町村道よりか立派になっているところもありますし、生活道路になっているところがあるわけですけれども、これがなぜかしら算定基準に入っていないわけです。細かな資料はつけておりませんけれども、問題の特別交付税の積雪度のチェックですけれども、そういったところに小学校、中学校の校舎とか人数とかが算定基準の中に入っているんですが、農道とかは入っていないんです。

 長野の北の方になりますと、田んぼだけだったらいいんですけれども、果樹園になりますと大変でして、雪の日の降り始めにリンゴの枝やブドウの棚のところの雪をおろしておかなくちゃいけないんです。除雪が行われているところの両側の樹園地はそれができるわけですけれども、一キロ先になる、農道が立派なのがある、除雪がされていないと、そこはもうめためたでして、現地に行きましたところ、遠くからしか見られないわけです。写真で見る限り、三本立てにリンゴがなっているわけです。枝がほとんど全部折れているわけです、雪の重みで。ブドウは、二メートルぐらいの棚が、一メートル七、八十センチの棚は完全にすっぽり埋まってしまっているわけです。これがだんだんだんだん、二月、三月になるとずしずしといって棚が全部全滅してしまうわけです。ですから、農道も除雪の対象になってもいいんじゃないかと思いますけれども、総務省の方はこの点についてどのようにお考えでしょうか。

瀧野政府参考人 農道に対します除排雪経費についてのお尋ねでございます。

 除排雪経費につきましては、普通交付税におきましては、御指摘のように農道につきましては算定対象の中に入っていないということでございます。

 しかしながら、実際のところは生活道路になっている部分もあるということでございますので、特別交付税におきましては、地方公共団体が管理しておりますものでありますれば、農道につきましても一般道路と同じように特別交付税の対象にしてまいりたいというふうに考えておりまして、そういったことも含めまして、地方団体の財政運営に支障がないようにきちんと算定してまいりたいというふうに考えております。

篠原委員 わかりました。それも非常に前向きな答弁で、そのことを徹底していただきたいと思います。困っている点では同じですので。

 それから次に、この点は既に鷲尾委員等も聞いておりますけれども、災害救助法、それから自衛隊の派遣というときにどの範囲でやるかというのが問題になってくるわけです。

 これは高鳥委員も質問されましたけれども、市町村合併でばかでかくなっている。長野の例で言いますと、皆さんがよく御存じなのでは、戸隠村、鬼無里村というとんでもない山の中ですけれども、長野市に合併されております。それで、これが激甚災害法とかあるいは局地激甚災害とか、そういったことに関係してくるわけですけれども、市町村単位ですべて行われているわけです。ですから、法体系を全部変えなくちゃいけないんだろうと私は思うんですが、こういった手当てはなされておるんでしょうか。

 つまり、三ページの地図なんか見ていただくとわかるんですが、一里一尺で全然雪の量が違うんです。私は長野県中野市というところで生まれて育ちました。ここのところはまあそこそこ住めるところで、こんなこと言っちゃ悪いですけれども、一メートル五十センチぐらいしかないわけです。ところが、飯山市へ行くと二メートル五十センチ、飯山市の北に行くと四メートル、栄村へ行くと三メートル五十センチとか、こういうふうになるわけです。同じ飯山市でも、地図の右側の方を見てみると、左側は飯山市で右側は中野市なんです。中野市の一部は飯山と同じになっているわけです。

 こういうふうになると、地域というのを特定するときに、市町村にとらわれないようにやっていただかないといけない気がするんですけれども、その点はいかがでしょうか。

榊政府参考人 お答え申し上げます。

 災害救助法の関係でいえば厚生労働省の方の答弁がより適切かと思いますが、例えば災害救助法で申し上げますと、現実の指定というのは倒壊の危険、おそれがあるということで指定をいたしておりまして、合併の一部地域が、何とか市の一部についてのみそういうおそれがあるので救助法を適用しないということはなくて、むしろ厚生労働省さんの方で前向きに相談に応じていただいて、それに、いわば合併の広さということには関係なく災害救助法の適用を市町村単位においてやっているというのが実情でございます。

 それから、私ども所管しております激甚災害といったようなところについても、実はこちらの方は法律の手当てがございまして、市町村の合併の特例等に関する法律に基づきまして、合併年及びこれに続く五年間につきましては合併が不利益とならないように措置をされているというようなことでございます。

篠原委員 今ちょっと聞きましたけれども、時間がないんでやめますけれども、合併した後五年間だけは面倒見るなんというのは、それはだめでして、もっと細かい配意でぜひやっていただきたいと思います。

 次に、被害、今専ら生活の観点からだけというか、道路とかが言われていますが、大被害は農林水産業だろうと思います。木の枝が全部折れる、果樹ですね。畑のはいいんですけれどもね。そうなると、これは大変なんです。まだ農林水産省は被害状況を把握していないと思います。農民もわからない。雪で下枝がみんな折れてしまう、価格が低迷している、高齢化が進んでいる、これじゃやっていけないということ。

 これは、今姉歯問題でいろいろやっていますけれども、あれも国がどれだけ援助するかという問題になるわけです。しかし、こんな害というのは農民の責めに帰すべきものではないわけですね。WTOでいろいろ議論されておりますけれども、災害のために生じた被害に対して補助するのは緑の補助金で、別に減らす必要もないわけです。ですから、こういった災害が生じた場合は、大々的にきちんと補助金をつけて援助してやるということをして中山間地域を元気づけるべきじゃないかと思いますけれども、農林水産省、いかがでしょうか。

本川政府参考人 農林水産省におきましては、今回の大雪に対応するために、これまで関係機関に対しまして資金の円滑な融通や償還猶予等の措置を要請するとともに、迅速かつ適切な損害評価とか、あるいは共済金の早期支払いについて指導させていただいております。それから、農作物被害の防止技術対策あるいは作業の安全対策について指導申し上げるなど、対応を進めてきておるところであります。

 御指摘のとおり、農作物の被害状況につきましては、雪解け時期に全容が判明してくるということになりますので、引き続き被害状況の早期把握に努めて、今後、被害の状況に応じて、各種制度資金や農業災害補償制度などの適切な対応によって、被害を受けた農林業者の方々への支援に万全を尽くしてまいりたいというふうに考えております。

篠原委員 一言だけ最後にお許しいただきたいと思います。

 今、既存のものを利用してということですけれども、これは余り知恵がない考えでして、災害が起きてしまったのを、災い転じて福となす、災害復旧ということに乗じて樹木を一斉に更新するとか樹園地を一斉に整備するとか、そうすると削減対象にもならないわけです。二度目の農林水産大臣を務めております中川昭一大臣はこれを御存じですので、ぜひこういったことをきちんとやっていただくことをお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。

大野委員長 次に、石田祝稔君。

石田(祝)委員 公明党の石田祝稔です。

 まず冒頭、お亡くなりになられた百二名の皆様、そしてけがをされた、約千四百名になろうかというふうに報告も聞いておりますけれども、心からのお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。また、関係者の皆様の大変な御労苦に対しましても、心から敬意を表したいと思います。

 それではまず冒頭、大臣に、今回の豪雪のいろいろな被害に対しまして、国としてどういう手当てをしていくか、この御決意をお伺いしたいと思います。

沓掛国務大臣 先ほども申し上げましたが、私、一月七日に現地に入りました。新潟県知事あるいは市町村長からの要請は幾つもございましたが、中心をなすものは二つでございました。

 一つは、ライフラインの確保、特にその中においても、いわゆる幹線道路や生活道路というものの確保が強い要請でございました。

 もう一つは、死者の多く、特に雪おろし等が原因でございますけれども、死者の七〇%を超える方々がいわゆる高齢者の方々でございまして、この方々の死因が主に雪おろし、それに関連したものでございますので、そういう高齢者等のいる家屋の雪おろし、そういうようなものに対する支援を強く求められました。

 そういう視点から、対策会議等においても各省庁に要請いたしまして、そして結果的には、私は、大きく分けて三つの形でやらせていただいているというふうに思います。

 一つは、それぞれの地元にある消防機関や福祉関係機関、そういうものと、その市町村あるいは県あるいは国も含めて連携して、巡回等を行いつつ、高齢者等の災害時要援護者宅の状況を把握すること、あるいは必要に応じて、消防団、自主防災組織等が連携協力のもとに除雪作業などを行っていくという、そのような雪害対策の徹底をしていくこと。

 それから二番目としては、先ほど来もいろいろお話がございましたが、災害救助法の適用を都道府県で決定していただく、そのための国のいろいろな支援をやっていただく。そのことで、災害救助法の適用が新潟県、長野県で決定されて、各市町村を指定したわけでございますが、それが動き出して、そういういろいろな面での貢献ができているというふうに思います。

 また、もう一つは自衛隊の災害派遣でございまして、この災害派遣も長野、新潟、秋田、北海道、群馬県等の知事からの災害派遣の要請に基づきまして、的確に対応しているというふうに思っております。

 それと同時に、先ほど来の幹線道路あるいは生活道路の支援については、やはりどうしても既に用意した資金が底をついているので、それへの支援というのは強い要請でございまして、これも国交省から先ほど来説明のありましたような形で支援させていただいているというふうに思っております。

 私自身も、石川県で生まれ育った人間ですから、雪のことはかなりよく知っているつもりですが、都会の方ではなかなか理解できないような多くの問題を抱えているところでもございますので、地元の方々の要請をよく聞き、そしてそれに的確に対応していくことが必要であるというふうに思っております。

 そういうこともありまして、けさほども臨時閣議を開いていただいて、各省庁、各大臣、ほとんどの方々からこれへの決意を出していただき、最後に総理大臣から、いわゆる死者を出さないように、死者をこれ以上ふやさないように、既に一月の十八日という、一月の半ばにすぎないのに、死者が百人を超えております、百二名でございます。過去の我が国の最大の記録が一月の二十八日で七十七名、これは三八豪雪というもので、それを大きく上回っているという状況でございますので、死者をこれ以上ふやさないように全力を挙げるということ、それから生活関係にいろいろ影響するものがございますので、そういうものへの対策を打って国民生活の安定を図っていくこと、これが総理からの指示でございましたので、各省庁挙げてこれに対応していくことになるというふうに思っております。

 以上です。

石田(祝)委員 それでは大臣、よろしくお願いしたいと思います。

 ちょっと個別の問題をこれからお伺いしたいと思うんです。

 一つは災害救助法のことですが、これにつきましては弾力的に適用していただいている、こういう御答弁が今までにもあったと思います。地元の方の御意見をいろいろ聞きますと、今回の雪害に対する災害救助法は大体十日間だ、こういうことが原則のようですが、大体いつまでこの救助法を適用し続けていただけるのだろうか、こういう御心配もあります。私は、できるだけ雪の心配がなくなるまで、こう思っておりますが、この点についていかがでしょうか。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 災害救助法に基づきます実施期間の問題でございますが、今委員から御指摘ございましたように、障害物の除去としては、十日間という一般基準が厚生労働大臣によって定められているところでございます。

 しかしながら、この一般基準によりがたい場合には、都道府県知事が厚生労働省と協議の上、特別基準を設定できるという仕組みになっておるところでございまして、住宅の除雪につきましては、実施期間の延長が必要だという場合には特別基準を設定していただいて、適切に対応していただければよろしいのではないかというふうに考えております。

 私どもといたしましては、こうした考え方に基づきまして、自治体からの相談に応じ、適切に対応してまいりたいと思っております。

石田(祝)委員 この点、よろしくお願いをしたいと思います。

 それから、いわゆる独居老人等の問題でありますが、今回も現地におじゃまをいたしまして、いろいろお話を聞きますと、高齢単独の方が多い。子供たちは都会に出ていっている、しかし、なかなか雪掘り、雪おろしには帰ってこられない。こういう中で、ギシギシと音を立てる屋根の音を聞きながら不安な一晩を過ごしている、こういう方もいるように聞いておりますが、こういう方々の雪おろし、雪掘りについてはどういう対応ができておりますでしょうか。

金子政府参考人 重ねての答弁になりますけれども、厚生労働省といたしましては、災害救助法の適用に当たって、雪おろしをしていただくということでございますが、その実施に当たりましては、都道府県におきまして、それぞれの地域で、独居の方ですとか要援護の高齢者の方、障害者の方、こういった方々がどこにおられるかというのを関係機関十分連携の上、把握した上で、雪おろし等の必要な措置を講じているものと承知をしておりますし、また、そうしたことが適切に行われるよう、私どもとしても、関係市町村、都道府県と協力しながら進めてまいりたいと思っております。

石田(祝)委員 続きまして、特別交付税についてお聞きします。

 現地のいろいろな要望を聞きますと、特別交付税の増額と、また前倒しということの御要望が大変多かったように私は思います。それで、その増額についてということと、時期ですね、早く出せないか、こういう点であります。ほとんどの市町村が予算を大体使い果たしてしまっている。そうすると、現に雪の作業の委託をしたところの業者への支払いもなかなかできない、これが現状だと思います。ですから、そういう点も踏まえまして、増額または前倒しはできないか、この点について御回答をお願いします。

瀧野政府参考人 特別交付税についてお答えいたします。

 特別交付税につきましては、除排雪経費で、普通交付税で対応できない部分につきまして、実態に応じまして算定をしながら対応していこうというふうに考えておるわけでございます。

 特別交付税の交付は十二月と三月に行っておるわけでございますが、大体三分の一弱が十二月でございまして、多くのものが三月分にまだ留保されておりますので、全体としてはその中で対応できるのではないかな、まずそう思っております。それを雪の状況に応じまして傾斜配分していくということではないかなというふうに考えております。

 その際、三月まで待てないのではないかという御指摘かというふうに思います。この時期につきましては、基本的には今申し上げましたような時期でございますけれども、大規模な災害があります場合には、その所要額を参酌して特例を決めることができるという規定もございます。実際に雪で前倒ししたことはないのでございますけれども、昭和五十一年の山形県酒田市の大火とか、あるいは平成七年の阪神・淡路大震災とか、ああいう大規模な災害の場合には前倒しした例がございます。

 したがいまして、こういったことも念頭に置きながら、実際、それぞれの団体におきます財政状況を、資金需要をよくお聞きして、今後対応してまいりたいというふうに考えております。

石田(祝)委員 それで、この雪の問題は、実は私は高知県の出身なんですけれども、高知県という南国でもあるわけなんですね。そういう場合に、いわゆる財政需要額の算定基準に除雪費が入っていない、こういうこともあるわけですけれども、こういう地域でも、実はことしはもう予算額をオーバーした防雪の作業の委託をしている、こういう現状もございます。

 こういう、いわゆる財政需要額に入っていない防雪の費用、除雪の費用、こういうものについては特別交付税でしっかりと面倒を見ていただけるんでしょうか。

瀧野政府参考人 御指摘のように、現在、普通交付税におきましては、積雪に応じまして級地を設定いたしまして、除排雪経費を普通交付税の中に算入しているわけでございますが、例年余り雪の降らないようなところは級地の設定がない。したがいまして、普通交付税には除排雪経費が入らないという地域が当然あるわけでございます。

 しかし、そういった場合におきましても、その年の状況によりまして除排雪経費がかかるという場合には、もちろん、その費用につきまして我々の方に報告していただきまして、三月、あるいは前倒しした段階になるかもしれませんけれども、特別交付税の算定におきまして対応してまいりたいというふうに考えております。

石田(祝)委員 それでは、そういう地域もあると思いますので、ぜひよろしくお願いをいたしたいと思います。

 国土交通省関係で、道路の除雪費の特別補助と、それから融雪、消雪対策について、あわせてお聞きをしたいと思います。

 市町村道の除雪費に対する特別補助、これについては大変御希望が多い、要望が多いわけでありますけれども、これについても一月の十日に調査をされたというふうに聞いております。昨年はもうちょっと遅い時期に調査をされて、三月の半ばごろに補助を出された、こういうことでありますので、ことしは早く調査をして、相当必要性も認識をされていると思いますので、この特別補助について早期に出していただきたいということ、これについていかがかということ。

 それからもう一点は、融雪の問題でありますが、私も、雪の捨て場についてどうするか、こういう御相談もお聞きをしましたけれども、現実に、地元にお聞きをしますと、ここのところの温度が上がっているということで、雪を捨てた、それが障害となって小さな河川があふれている、床下、床上浸水も若干出てきている、こういう問題も指摘をされました。

 こういうこともあわせまして、なお雪も捨てなきゃならない、こういうことを含めて、雪の捨て場、融雪に対応してできるかどうか、この点もあわせてお願いをしたいと思います。

谷口政府参考人 お答えいたします。

 市町村道の除雪費に対する特別補助についてでございますが、市町村道の除雪は通常交付税により措置されているところでございますが、降雪の著しい年で地方財政の措置だけでは間に合わないような場合には、昨年もそうでございましたが、国交省が市町村に補助的措置を講じてきておるところでございます。

 ことしは非常に著しい降雪状況となっているということで、住民の安全、安心確保のため、地方自治体が不安なく的確に除雪できるよう大臣から指示を受けたところでございまして、一月十日に調査指示を受けて、現在調査をまとめているところでございます。既に七割の回答があったところでございますが、残る市町村につきましても、早急に調査を取りまとめさせていただきまして、関係省庁との調整を踏まえまして、必要な措置をしっかりと早期に講じてまいりたいと考えておるところでございます。

渡辺政府参考人 河川敷におきます雪捨て場の問題につきましてお答えをさせていただきます。

 私ども国土交通省では、信濃川でありますとか最上川でありますとか、国が管理しております豪雪地帯の大河川におきまして、公共団体からの要請を受けて、融雪時における河川水の流下を妨げない、河川管理上支障のない形で河川敷における雪捨て場の確保に積極的に努めているところでございます。

 しかしながら、十分な川幅がない中小河川におきましては、降雨や気温の上昇に伴う融雪出水によりまして、例えば新潟県内等の一部の河川におきまして浸水被害が発生しているところも事実でございます。これにつきましては、県の方で、河川巡視の強化、河川内の除雪等により閉塞防止に努めているというふうに伺っております。

 私ども国土交通省といたしましては、地域の生活支援のため、河川内の雪捨て場の確保に積極的に対応するとともに、河川内の雪捨て場確保に当たっては、県と協力しつつ、融雪出水等による災害の防止に万全を期してまいりたいと考えております。

石田(祝)委員 ちょっとオーバーしますが、あと少し、最後に申し上げて終わりたいと思います。

 一つは、ちょうど新学期が始まったばかりでありますので、通学路の確保とか雪庇の落下による雪害防止、こういう点についてはぜひ文部科学省の方でしっかりとお取り組みをいただきたいということ、これは御要望にしておきたいと思います。

 それから、最後になりますが、どなたかもお触れになりましたが、現に地元にいろいろとお聞きをしますと、実際は、スキーに来ていただいたり、また野外教室をやっていただきたい、こういう中で、報道が余りにも雪がすごいぞすごいぞと、こういうことでキャンセルが続いている。こういう、いわゆる一種の風評被害みたいな形にも今なってきている、そういうことの心配も今しています、こういう切実なお声もありましたので、こういう点もぜひ御高配をいただきたい、こういうことを申し上げまして、終わらせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

大野委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 記録的な豪雪、百名を超す犠牲者、集落の孤立など、雪害の怖さを見せつけられました。

 私も、八日、津南町と十日町市、十五日には秋田県の五城目町などに入りましたが、党対策本部としても、全国の地方議員と連携し、今月十日には災害救助法の積極活用、市町村道の特別補助や特別交付税配分などを大臣に申し入れたところであります。

 雪はこれからが本番です。例年より早いだけに、自治体は除雪費が尽きたと悲鳴を上げ、住民は連日の除雪作業に心身ともに疲れ切っています。被災地を励ます国の強い支援を求めるものです。

 さて、今冬の記録的な豪雪で、二十年ぶりに新潟県と長野県で雪害による災害救助法を発動しました。この災害救助法については、昨年三月の本委員会で発言をさせていただいておりますが、改めて、これ以上に被害を拡大させないために、また現実に救助を求めている住民の声にこたえるために、災害救助法の活用について二点伺いたいと思います。

 第一は、記録的な豪雪であり、短期間に集中して降っていること、一月十八日現在百二名という数字が、二百三十一人を失った三八豪雪に迫るものであるということ。こうした中で、現在適用されていない自治体でも、災害救助法を適用することは、知事さえ決断すればできるはずです。細々とした基準ではなく、実態で決断できると思いますが、そのことを確認したいと思います。

 あわせて、第二に、活用の中身ですが、高齢者世帯などの屋根の雪おろし、除雪作業を初め、孤立した集落へは灯油などの給与、中越地震でも活躍した応急修理などができるはずです。新潟県は除雪機の無料の貸し出しを決断しましたが、全国的に除雪機が不足している中、自治体が借り上げして住民を支援することもできると思います。

 積極活用について国は周知徹底すべきと思いますが、考えを伺います。

金子政府参考人 お答え申し上げます。

 災害救助法の適用につきましては、これまでも一月五日と十一日に都道府県の方に通知を出しまして、雪害への適用につきまして改めて周知を図ったところでございます。

 災害救助法の適用ということになりますと、これは一義的にはそれぞれの都道府県知事さんが御判断をされるということでございますけれども、私ども、都道府県からの相談に十分に応じまして、また積極的に情報提供に努めるなどによりまして、その適用について万全を期してまいりたい、このように考えているところでございます。

 また、災害救助法によりまして生活必需品の給与、支給等といったようなこともまた今後想定されるわけでございますが、御案内のとおり、品目といたしましては、身の回り品でありますとか日用品、炊事用具、光熱材料等々があるわけでございます。こういった制度になっておりますので、今後の状況を見据えながら、災害救助法が適切に実施されますよう努めてまいりたいというように考えているところでございます。

 災害救助法の適用につきましては、かねて委員から前にも御指摘をいただいたということで承知をしているところでございまして、私どもとしましては、都道府県におきまして適切な対応ができるよう、対応につきましては情報提供等に万全を期してまいりたい、このように思っております。

高橋委員 ありがとうございます。

 豪雪地帯の新潟でさえ二十年ぶりの適用ということでありますから、雪害における災害救助法についてどんなことができるのかというのは、大いに、まだ適用されていない自治体も含めて知らしめていくこと、可能な限り活用していくことが求められていると思いますので、今の御答弁をいただきましたので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。

 次に、雪による犠牲者については災害弔慰金あるいは障害見舞金制度が使えるはずと思います。昨年も実は八十八人亡くなっておりますが、制度適用がなかったと聞いています。屋根からの落下、あるいは屋根から落ちてきた雪による窒息死など、雪害そのものの犠牲者が圧倒的であります。

 制度の活用について確認したいと思います。

金子政府参考人 雪害によります災害弔慰金等の支給に関するお尋ねかと思いますが、自然災害によります災害弔慰金の支給につきましては、法律におきまして、自然災害により死亡した住民の遺族または負傷された方に対しましてこの災害弔慰金等を支給することとされておるところでございます。自然災害に該当するかどうかということに相なるわけでございますが、これはそれぞれの個別のケースで支給いたします市町村が判断をするということでございます。

 制度的には、死亡または負傷した方の故意または重過失による場合におきましては支給の対象にはならないということにされておりますけれども、雪おろしその他でこういったようなことが認められるケースというのは一般的には少ないだろうと思いますので、そういった法の趣旨にのっとりまして、市町村におきまして、さまざまなケースがあり得ると思いますが、適切に判断をして災害弔慰金等の支給ということが進められるというふうに考えておるところでございます。

 厚生労働省といたしましても、都道府県を通じまして、市町村からの相談に十分に対応してまいりたい、こんなふうに考えております。

高橋委員 この点についてはぜひよろしくお願いしたいと思います。

 本当に、個人の過失というのは除くことになっておりますけれども、ほとんどの場合がやはり避けられない事故であり、たとえそれが何らかの疾患だったとしても、連日の雪の片づけによって大変な疲労が募っている、明らかに雪害だと思われる事情がほとんどではないかと思いますので、十分に考慮されたいとお願いいたします。

 最後に、大臣に伺います。

 自治体は今財政難で苦しんでおります。先ほど来特別交付税の話もありますが、全体として交付税削減が進んでいるという中で、今年度の特別交付税総枠が七百億円も減少していると聞いております。また、たとえ財政でめどがついてもマンパワーが足りないんだ、そのことで何とかして人手が欲しい、そういう声も上がっています。しかし、雪は、他の災害とは違って、今決断をすればこれ以上の被害を食いとめることができる特別な災害であります。

 そういう点では、防災担当を束ねる大臣としての決意を伺って終わりたいと思います。

沓掛国務大臣 先ほど来も申し上げましたように、本日の臨時閣議において、総理の強い決意で、この災害に対して、この雪害に対して対応していく、全省庁一丸となってやる、そういう決意を臨時閣議で皆さん発言され、また総理からもそのように指示されたのでございます。

 今簡潔に申し上げれば、時間も迫っておりますので、まず、こういうものへの対応としては、一つは、今の説明にありましたような災害救助法の適用を図っていくこと。さらに、自衛隊の災害派遣を要請してこれを活用していくこと。あるいは、今おっしゃったような特別交付税について、いろいろな、特別交付税ですから、その時々の需要の多い部門に多く配分していただけるというふうに思っております。

 さらに、道路等についても町村道の臨時特別補助金を今検討していただいているところでもございますし、地域では消防団とか福祉関係機関等がそれぞれ高齢者宅を巡回するとか、いろいろなそれへの需要に対応していくなどなど、全面的に今対応しているところでもございます。

 今までのことは今申し上げたとおりですが、これからもまださらに降雪がありましょうし、さらに、現在ある雪の上に雪が降りますと、表層雪崩が起きてきたり、あるいは雪庇が出てきたりというような問題、さらに、少し温度が上がるとすれば全層雪崩が出てくる、これによって交通関係の問題、あるいはそれぞれの住居の問題などなど、いろいろなことがこれからも出てくると思います。少しそれが続けば融雪洪水というような問題もございますので、これからの先も見ながら、全体として、これから亡くなる方がないよう、また生活の安定を図っていくように、全力を挙げてやっていきたいと思っております。

高橋委員 時間ですので終わります。よろしくお願いいたします。

大野委員長 次に、菅野哲雄君。

菅野委員 社民党の菅野哲雄でございます。

 昨日、私ども社民党の豪雪対策本部の調査団として、同僚議員が新潟県を視察してまいりました。帰ってきてその報告を伺ったんですが、今多く議論がなされておりますとおり、国の財政的な支援を本当に求めている声というのが非常に強く要望されてまいりました。このことにしっかりと対応していただきますよう、私の方からも政府に対して強く要請しておきたいというふうに思っております。

 質問に移りますが、新潟においては昨年に引き続いて二年続きの豪雪に見舞われました。

 十日町の状況なんですが、十二月の積雪深でいうと二メーター五十五センチ、これは過去最高。そして、十二月十日から一月の十三日の降雪深累計でいくと十メーター四十四センチ。冬期間の降雪累計のこれまでの平均が十一メーター七十センチという状況で、今後の予想として、過去最高を記録した昭和二十年豪雪の二十一メーター三センチに達するおそれがあるということで十日町では訴えております。

 心配しているというのが実情なんですが、昨年から、私は、異常降雨に見舞われている状況と思っています。この異常降雨をどのようにとらえているのか、根本原因をどのようにとらえているのか、気象庁にお伺いいたしたいと思います。

 私は、今後もこのような状況が続くのではないか、一過性のものではないんじゃないのかなというふうに思っているんですが、二年続きのこのような状況をどのように考えているのか、お伺いいたします。

長坂政府参考人 お答え申し上げます。

 今回の大雪を異常降雨の一環としてとらえるか、あるいは、さらにはそれにつながります地球温暖化との関係いかに、こういう御質問というふうに拝察いたします。

 昨年も集中豪雨がたくさんございましたけれども、雨につきましては、やはり、昨今の動向あるいはスーパーコンピューターによりますこの後の見通し等からまいりますと、地球温暖化に伴ってこういったものの頻度あるいは厳しさがふえるというふうに考えられております。

 一方、雪につきましては若干まだ解明が進んでいないところでございまして、単純に観測結果だけを申し上げますと、この二十年間ぐらいの間に、平均的に見ますと、降雪量の若干の減少傾向が見られるというところも一方でございます。しかしながら、例えば、今先生御指摘のように、ここ数年間におきましても非常に大きな降雪が見られておるところでございます。

 もともと降雪現象につきましては、基本的に年々の変動が非常に大きい、こういった特徴を持っているところでございます。この現象が地球温暖化とともにどうなるかというのはまだ解明の途上でございますが、いずれにいたしましても、雪に関しては年から年による変動が非常に大きい、こういうことは我々十二分に頭に入れて、雪に対する備えあるいは注意、こういうものが必要かというふうに考えております。

 我々としましては、大雪の抜本的な要因、さらには大雪の将来見通しにつきまして、地球温暖化との関連、こういったものを含めまして、気象庁としましても引き続き調査研究に当たってまいる所存でございます。

 以上でございます。

菅野委員 今長官からもお話があったとおり、地球温暖化の一つのあらわれであると私は考えておるんです。そうであるならば、今後もこの温暖化対策はしっかり国を挙げて取り組んでいかなければならない大きな課題だというふうに思ってもおりますので、省庁を挙げてしっかりと調査研究そして温暖化防止対策に取り組んでいただきたい、このことを強く求めておきたいというふうに思っています。

 そして、次に農産物や森林の被害状況なんですが、調査に行った人に聞いてきたら、まだ市町村段階では、豪雪によって、農作物被害や森林被害については、調査まで手は及んでいないと聞いております。ただ、現時点で農作物の被害の状況というのを見通しとしてしっかりとらまえておかなければ今後の対応というのができないんじゃないのかなというふうに思いますので、現時点での農作物や森林被害の状況をどうとらえているのか。そして、それに伴って生鮮野菜等が高騰している実態が生じております。これらについて今後どのような対策をとっていくのか。この二点についてお伺いいたします。

本川政府参考人 今回の大雪によります農作物などの被害につきましては、かんきつ類の雪やけでありますとかあるいは低温によります野菜の枯れ、こういったような農作物被害のほかに、園芸用のビニールハウスの倒壊でありますとかあるいは林地荒廃といった被害が現時点では約四十七億円報告をされております。

 これに対しまして、農林水産省におきましては、政府全体で一丸となって取り組む中で、関係金融機関に対する、資金の円滑な融通でありますとかあるいは償還猶予、こういったことを要請するとともに、迅速かつ適切な損害評価の実施なり共済金の早期支払いについての指導でありますとか、あるいは被害防止技術対策、作業の安全確保、こういったことに対しての指示でありますとか、そういったことに取り組んでおります。

 被害の全容につきましては、御指摘のとおり、雪解けを待たないと明らかになりませんが、引き続き被害状況の早期把握に努めて、今後の被害の状況に応じまして、各種制度資金でありますとかあるいは農業災害補償制度の適切な運用などにより、被害を受けた農林業者への支援に万全を尽くしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。

吉田政府参考人 生鮮野菜の価格の高騰の現状と対策についてのお尋ねでございますが、現在の生鮮野菜の主要出荷地帯は太平洋地帯でございますが、この地域におきまして、低温、干ばつによりまして野菜の生育がおくれております。また、一部では作物体の凍結なども見られております。こういった影響から、キャベツなど茎葉野菜類を中心にいたしまして卸売市場への野菜の入荷量が減少している状況にございます。

 こういったことを踏まえまして、農水省といたしましては、昨年末に全農に対しまして野菜の供給計画に基づく計画的な生産、出荷の徹底を要請したところでございます。また、主要産地に担当課長を初め担当官を派遣いたしますなどによりまして、生産、出荷状況を調査いたしますとともに出荷量の確保を要請しているところでございます。

 こういったこともございまして、平年を大幅に上回っておりました生鮮野菜の価格でございますが、落ちつきつつあるというふうに考えております。最新の卸売価格の状況を申し上げますれば、一月十七日で、ネギが平年と比べまして五割程度上回っておるんですけれども、キャベツあるいはレタスといったところで見ますと二割から三割程度、指定野菜、これは十四品目ございますが、これ全体では平年の一割強上回った水準というところにまで来ております。

 以上でございます。

菅野委員 以上で終わります。ありがとうございました。

     ――――◇―――――

大野委員長 この際、お諮りいたします。

 本委員会は、昨年の十一月十一日、平成十六年新潟県中越地震の復旧・復興状況等調査のため、新潟県に委員を派遣いたしました。

 派遣委員から報告書が提出されておりますので、これを本日の会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

大野委員長 本日は、これにて散会いたします。

    午後二時四十七分散会


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