衆議院

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第4号 平成18年11月21日(火曜日)

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平成十八年十一月二十一日(火曜日)

    午前十時四分開議

 出席委員

   委員長 木村 義雄君

   理事 小坂 憲次君 理事 谷  公一君

   理事 平井たくや君 理事 宮下 一郎君

   理事 土肥 隆一君 理事 長安  豊君

   理事 谷口 隆義君

      小川 友一君    小里 泰弘君

      岡本 芳郎君    鍵田忠兵衛君

      金子 恭之君    木原 誠二君

      坂井  学君    平  将明君

      高鳥 修一君    長島 忠美君

      丹羽 秀樹君    西村 明宏君

      馳   浩君    林   潤君

      平口  洋君    三ッ矢憲生君

      盛山 正仁君    森  英介君

      岡本 充功君    菊田真紀子君

      小平 忠正君    後藤  斎君

      松木 謙公君    遠藤 乙彦君

      古屋 範子君    高橋千鶴子君

      菅野 哲雄君    糸川 正晃君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       溝手 顕正君

   内閣府副大臣       平沢 勝栄君

   内閣府大臣政務官     谷本 龍哉君

   国土交通大臣政務官   吉田六左エ門君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   増田 優一君

   政府参考人

   (防衛庁運用企画局長)  山崎信之郎君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 津曲 俊英君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   鈴木 正規君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         宮島 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省労働基準局労災補償部長)       石井 淳子君

   政府参考人

   (中小企業庁事業環境部長)            近藤 賢二君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房官庁営繕部長)        藤田 伊織君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  門松  武君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  榊  正剛君

   政府参考人

   (国土交通省港湾局長)  中尾 成邦君

   政府参考人

   (国土交通省北海道局長) 品川  守君

   政府参考人

   (気象庁長官)      平木  哲君

   衆議院調査局第三特別調査室長           佐藤 廣平君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月十日

 辞任         補欠選任

  高橋千鶴子君     塩川 鉄也君

同月十五日

 辞任         補欠選任

  塩川 鉄也君     高橋千鶴子君

同月二十一日

 辞任         補欠選任

  長島 忠美君     鍵田忠兵衛君

  村田 吉隆君     木原 誠二君

  松本  龍君     松木 謙公君

同日

 辞任         補欠選任

  鍵田忠兵衛君     長島 忠美君

  木原 誠二君     村田 吉隆君

  松木 謙公君     松本  龍君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

木村委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る十五日、北海道佐呂間町における竜巻による被害状況等調査のため、北海道に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。

 派遣委員は、自由民主党の秋葉賢也君、金子恭之君、林潤君、平口洋君、民主党・無所属クラブの土肥隆一君、長安豊君、公明党の古屋範子君、日本共産党の塩川鉄也君、社会民主党・市民連合の菅野哲雄君、そして私、木村義雄の十名であります。

 まず初めに、去る七日の佐呂間町における竜巻災害により、とうとい生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対し衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。

 まず、佐呂間町の被災現場で献花を行い、同被災地を視察いたしました。

 九名の方々が犠牲となった新佐呂間トンネル工事のための事務所及び作業員宿舎があった敷地内では、後片づけがかなり進んでおり、多くの方々の御尽力により迅速な復旧活動が行われているのを目の当たりにしました。

 しかし、竜巻により壊された窓をビニールシートで覆い応急措置をされただけの民家、屋根が吹き飛ばされたままの住宅、外壁に穴があいたままの建物などが散見され、非常に痛々しい被災状況が見受けられました。佐呂間町若佐地区の被災現場から約十五キロメーターも離れたところまで、屋根のトタンなどの飛散物が点在したとのことであります。

 次に、佐呂間コミュニティセンターにおいて、山本北海道副知事及び堀佐呂間町長から、竜巻による被害状況の概要などについて説明を聴取し、竜巻発生後の北海道及び佐呂間町の対応、被災者への支援策などについて質疑応答を行いました。また、被災者生活再建支援制度の拡充、特別交付税による財政支援などについての要望がありました。

 佐呂間町の主な被害状況は、十四日現在、人的被害が、死者九名、重軽傷者二十六名、住家被害が、全壊十棟、半壊八棟、一部破損十九棟であります。

 なお、北海道は、去る七日に、佐呂間町へ災害救助法及び被災者生活再建支援法を適用しております。

 次に、十月の低気圧による北見市常呂町の被災箇所に立ち寄りました。豪雨による隈川のはんらんにより、畑などが水浸しになった現場を見てまいりました。

 以上が調査の概要でありますが、私どもは、この調査を通じまして、竜巻の猛威や今後の予知対策の重要性を改めて認識するとともに、被災地の一日も早い復旧復興がなされるよう力を尽くす決意を新たにしたところでございます。

 最後に、今回の調査に御協力いただきました皆様には心から御礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。

 この際、お諮りいたします。

 派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔要望事項は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

木村委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官増田優一君、防衛庁運用企画局長山崎信之郎君、総務省大臣官房審議官津曲俊英君、財務省主計局次長鈴木正規君、厚生労働省大臣官房総括審議官宮島俊彦君、厚生労働省労働基準局労災補償部長石井淳子君、中小企業庁事業環境部長近藤賢二君、国土交通省大臣官房官庁営繕部長藤田伊織君、国土交通省河川局長門松武君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土交通省住宅局長榊正剛君、国土交通省港湾局長中尾成邦君、国土交通省北海道局長品川守君及び気象庁長官平木哲君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平口洋君。

平口委員 おはようございます。自由民主党の平口洋でございます。

 きょうは、冒頭に質問をさせていただきまして、本当にありがとうございます。

 それでは、先般、私も木村委員長とともに現地に参りましたのですが、佐呂間町の竜巻の事故を中心に御質問をさせていただきたいと思います。

 その前に、九名の方が命を落とされました。また、多くの方が負傷され、住宅が大きな被害を受けたりしております。このほかにも現地に行くと本当に目を覆いたくなるような惨状がございましたのですが、被災者の皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 この佐呂間町では、ちょうど竜巻が起きましたのが十一月七日の午後一時三十五分ごろと聞いておりますけれども、ほんの十秒ぐらいの間に本当にひどい災害が発生したということであります。また、これをさかのぼること一カ月ぐらい前には、十月の低気圧の影響で雨が降って災害も起きてと、まさに泣きっ面にハチのような状態になったわけでございますけれども、これらの十月の低気圧の被災も含めて、竜巻災害とあわせて、今後この悲惨な地域に対してどのような援助あるいは支援の手を差し伸べられるおつもりか、お伺いをしたいと思います。大臣にお答えいただきたいと思います。

溝手国務大臣 今回の竜巻によりまして、死者が九名、負傷者二十六名の人的被害が出ておりまして、住家についても全壊十棟などの被害が発生しております。この災害については、現地で直ちに警察、消防が連携して救助に当たったほか、当日のうちに私を団長とする政府調査団が現地に入り、被害状況の把握に努めたところでございます。

 現地は厳しい冬を間近に控えておりまして、被災者への支援や速やかな復旧対策に万全を期する必要があると考えております。不幸にして亡くなられた方々の御遺族への災害弔慰金の支給や、被災者の住まいの確保など、できるだけの支援を行ってまいります。また、十一月九日には内閣府に復旧復興に関する相談をワンストップで受け付ける相談室を設置し、今後、被災者への支援や被災地への復旧を政府が一体となって支援する体制を整えたところです。

 引き続き、関係省庁と緊密に連携をとりながら、被災者の要望を踏まえ、政府一体となって誠心誠意対応してまいりたいと考えております。

平口委員 溝手大臣、大変ありがとうございました。

 大臣の御答弁にもありましたけれども、今回の災害に対して、政府の対応は非常に素早かったという評価が地元の方でもございました。町長の方も、あるいは道から来られた副知事の方も、大変そのことについて感謝をされておりました。ここにお伝えを申し上げたいというふうに思います。

 いずれにしても、大臣から大変前向きの積極的な御答弁をいただきましたので、そういう線に沿って、いろいろと難しい課題はあろうかと思いますが、努力をしていただきたいというふうに思うものでございます。

 そこで、この竜巻というものなんですけれども、私も、生まれてこの方、五十数年になるんですけれども、まだ竜巻というものは一回も遭遇したことはございませんし、大変失礼なんですけれども、よその出来事じゃないかぐらいの気でおりましたんですが、最近は九州の延岡で大変大きな竜巻による災害がございましたし、また、このたびは佐呂間町の方でやはり大変大きな災害がございましたので、この竜巻というものは一体どういう現象なのか、わかりやすく教えていただきたいと思います。

 また、竜巻といえばアメリカ合衆国なんですけれども、アメリカ合衆国の中部から南部にかけて大きな竜巻がたくさん起きるということはよく存じ上げておりますけれども、アメリカ合衆国なんかでいわゆるトルネードと言われる竜巻と日本で起きた竜巻は大体同じようなものと考えていいのかどうか。

 そしてまた、地元の町長さんあたりがおっしゃっていたのは、佐呂間区は昔は零下三十度ぐらいまでになったんだけれども、今は二十五度ぐらいまでしか下がらない。非常に暖冬なんかの影響もあって、どうも異常気象が原因でこういったようなことが起こるんじゃないかというふうな御指摘もあったようなんですけれども、こういったようなことと考えていいのかどうか。

 そしてまた、竜巻予測に、今北海道に四カ所ほどレーダーがあると聞いているんですけれども、このうちの一つだけがドップラー・レーダーという竜巻の予測ができるレーダーだというので、あとの三カ所もこのドップラー形式に変えてもらいたいというふうな御要望もあるようでございます。

 これらの問題点について、気象庁の方はどのようにお考えなのか、お答えいただきたいというふうに思います。

    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 竜巻とは何かというお尋ねでございますが、竜巻は、直径数十メートルから数百メートルの、じょうご状または柱状に非常に高速で空気が回転する渦巻きでございます。竜巻の発生メカニズムにつきましてはまだ十分解明されていないところでありますが、我が国におきましては、台風の周辺や寒冷前線などに伴う活発な積乱雲の下で発生することが知られております。

 それから、米国で発生するトルネードと日本で発生する竜巻につきましてのお尋ねですが、気象学的に申しますと同様のものでございますけれども、米国の竜巻は発生数が年間千個程度と多く、規模もまた大きい、そして寿命も数十分から一時間程度と長いという特徴がございます。一方、日本におきましては、年間二十個程度と発生数が少なく、規模も小さく寿命も数分と短いという違いがございます。

 それから、異常気象などとの関連があるかどうかというお尋ねでございますけれども、気象庁も参画して世界の有識者が知見を取りまとめました気候変動に関する最新の報告によりますと、地球温暖化に伴う竜巻発生数の長期変化傾向につきましては明らかではないとされております。

 それで、ドップラー・レーダーに更新するということが必要なのではないかという問題でございますけれども、ドップラー・レーダーで竜巻そのものを観測することは困難でございますけれども、竜巻をもたらす局地的な現象を監視するため、ドップラー・レーダー観測網をできる限り早期に構築できないか検討しているところでございます。

平口委員 お答えでは、アメリカ合衆国ほど大規模ではないけれども、やはり瞬間的にある特定の地域に限って大きな突風が吹くというところでは似たような性質のものじゃないかというふうに思います。

 ただ、日本の国は、やはり竜巻というものについてまだまだ経験が少ないんじゃないかというふうに思います。したがって、災害救助法とか被災者生活再建の支援法なんかも、どちらかというと災害の規模、面的な広がりのようなところに着目をして、こういうふうに局地的に非常に大きな災害が起きるようなものはどうも想定をしていないんじゃないかというふうな面もございます。したがって、今後はやはり竜巻というものを想定して、制度的にいろいろな対策を講じていかなくちゃいけないというふうに私は思うんです。

 このたびの十一月七日の日には、もう竜巻の発生一時間後ぐらいには、官邸の方も内閣府の方も、それぞれ連絡室ないしは情報対策室というようなものをつくられて、素早い対応をされたことは評価するんです。そしてまた、各省庁を集めていただいて、竜巻対策というものを考えていこうじゃないかというふうな方向にもあるやに聞いております。こういう点は評価できると思うんです。

 いずれにしても、私の考えでは、やはり竜巻の怖さを最も知っているのはアメリカ合衆国ですし、できるだけ早いうちに専門的な調査団を合衆国の方に派遣して、竜巻というのは一体どうやって起こるか、あるいは予測ができるのかどうか、あるいは一たん発生した後で、どういうふうな形で住民の方に伝達したらいいものかどうか、そしてまたそれを受けた住民の方はどういうふうに避難をすればいいのか、対応すればいいのか、そういったようなことをよく詳細に調べていただきたいと思います。

 そして、そのためには、常日ごろから住民の方々に対する教育とか啓蒙とか、例えば学校教育でよく、竜巻の仕組みとか、竜巻が起きたときにどうやって避難したらいいかとか、そういったようなことを教えたり、あるいは、場合によってはテレビやラジオ、そういったようなメディアを通じて避難の方法を伝達する、そういったようなことも考えられるんじゃないかと思うんです。

 こういったようなことを踏まえて、内閣府ではどのようにこの竜巻対策について今後進めていかれるおつもりなのか、御答弁をお願いしたいと思います。

平沢副大臣 竜巻等の突風災害につきましては、今御指摘ございましたように、大変に破壊力が大きく、人命のみならず住家、交通、ライフライン等に甚大な被害をもたらすわけでございますけれども、こうした局地的な突風災害につきましては、これまでは予測が困難でありまして、事前の避難等の対策がとりづらいものということで認識しているわけでございますけれども、今般の甚大な被害を踏まえまして、改めて被害を減らす何らかの方策を検討しなければならないと考えているところでございます。

 そこで、政府では今月十五日に関係省庁から成る竜巻等突風対策検討会を設置しまして、その第一回目の会合を開催したところでございまして、この検討会におきまして、突風災害による被害の特徴を明らかにしつつ、観測、予測技術の高度化、あるいはわかりやすい情報伝達、あるいは個人レベル、交通、ライフライン等の分野ごとにどういった対策がとり得るかといったことについて検討を行うことを申し合わせたところでございます。

 これを受けまして、今後は、過去の突風災害のデータの収集分析、それから当面実施すべき事項あるいは中長期的な課題について、いつまでにどのようなことに取り組むかを示す工程表の取りまとめ、それから竜巻等の突風に際しましてどのように行動すればよいかをわかりやすく伝える意識啓発パンフレットの作成、こういったことから始めることとしておりますけれども、今委員の御指摘にありましたように、竜巻の対策の先進国は何といってもアメリカでございますので、アメリカに行っていろいろと事例等の勉強もするということも踏まえて、今後検討を進めてまいりたいと考えております。

平口委員 力強い前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございました。

 それで、今回の竜巻災害なんですが、何といっても最大の犠牲者は亡くなられた方々御本人だろうと思いますけれども、この御本人あるいは遺族に対して、政府としてはどのような方策を講ぜられるのか。特に労働災害の問題もあろうかと思いますが、このような天災についてはなかなか労働災害として認めがたいというふうな情報を聞いたこともあるんですけれども、そこら辺について御答弁をお願いしたいと思います。

石井政府参考人 竜巻や地震などの天災地変につきましては、それ自体、業務とは直接関係がない自然現象でございまして、原則として労災補償の対象とはならないものでございます。しかしながら、その業務の性質や内容、作業条件、作業環境、事業所施設の状況などから見て、危険環境下にあることにより被災したものと認められる場合には、これは、業務上の災害ということで労災補償の対象となるもので、これまでもそのように取り扱ってきているところでございます。

 ちなみに、先ほど平口先生から宮崎県延岡市の竜巻災害についてお話がございましたが、ここで被災されました労働者に対して既に労災認定をしている例もございます。

 労災補償の事務処理に当たりましては、迅速適正な給付ということを心がけておりまして、今回につきましても適切に対応してまいりたいと考えております。

    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕

平口委員 それでは、そういう方向でひとつよろしくお願いをしたいと思います。

 次に、総務省の方にお伺いしたいんですけれども、この佐呂間町は、先ほども申し上げましたように、十月には大変な雨による災害がございまして、今回竜巻災害で泣きっ面にハチのような状態なんですけれども、それに対して特別交付税をしっかりと発行する方向でお願いしたいと思いますが、その点について御答弁をお願いしたいと思います。

津曲政府参考人 今般の竜巻で被災した北海道佐呂間町におきましては、応急対策や復旧対策などに財政負担が生じることが見込まれております。特別交付税につきましては、十一月一日から十二月三十一日までの間に発生した災害につきましてはその年度内の三月分で措置するということにしておりまして、今回の竜巻被害につきましては、その被害状況をよく把握した上で、平成十八年度内に三月分で適切に措置する所存でございます。

 総務省といたしましては、今後、関係地方公共団体の実情や要望を十分お聞きしまして、地方交付税、地方債による地方財政措置を講じ、その財政運営に支障が生じることがないように適切な算定に努めてまいる所存でございます。

平口委員 それでは次に、中小企業の方々の問題について御質問をしたいと思うんですが、十月災害も含めて、被害を受けた中小企業者の復興資金、この信用保証について温情ある措置をお願いしたいと思いますし、また、金融面でも何らかの適切な措置を講じていただきたいと思います。この点について御答弁をお願いいたします。

近藤政府参考人 お答えを申し上げます。

 先生御指摘のとおり、災害等によりまして被害を受けました中小企業者をしっかりと御支援することは、政策金融上、最も重要な役割だと思っております。

 中小企業庁といたしましては、佐呂間町に災害救助法が適用されたのを受けまして、被災中小企業対策といたしまして、速やかに北海道内の政府系中小企業金融機関や商工会連合会、主要商工会議所等に特別の相談窓口を設置いたしました。続きまして、政府系中小企業金融機関において災害復旧貸し付けの適用をいたしました。さらに、既往債務の返済条件の緩和、小規模企業共済災害時の即日貸し付けの適用といった措置を講じているところでございます。

 また、中小企業庁は、十四日と十五日の両日、現地佐呂間町に北海道経済産業局の産業部長を派遣いたしまして、直接被災者の方々からの御相談に応じるといったきめ細かな対策を講じているところでございます。

 先生から今、信用保証のお話もございました。北海道の信用保証協会に対しまして、被災した中小企業者の災害復旧資金の調達に支障が生じないよう弾力的な対応を要請いたしまして、信用保証協会から、保証枠や手続について、被災事業者が困ることのないよう弾力的に対応する旨の返答をいただいております。

 さらに、北海道の副知事に対しまして、北海道の制度でございますけれども、災害貸し付けに係るセーフティーネット保証の発動の要請もいたしました。十一月十日付でその制度も発動したという御報告をいただいているところでございます。

 中小企業庁といたしましては、引き続き、佐呂間町の早期復旧に向けて努力を重ねてまいりたいと考えているところでございます。

平口委員 次に、住宅建築物に対する対応策についてお伺いしたいのでございますけれども、ちょっと、時間の関係でポイントだけ御説明申し上げます。

 先ほど来、委員長あるいは大臣の方からも御指摘がありましたように、今回の竜巻では大体百戸ぐらいの被害がございまして、全壊も相当数ありました。また、十月の大雨の災害でも住宅建築物の災害が随分とございました。確かに、被災した住宅をどうするかというのは、災害が起きるたびに大変大きな問題だろうと思います。それで、個人の資産形成に対して国の金をそう簡単に投入するわけにいかぬというふうな方向だろうと思いますけれども、それはそれでいいんですが、貸付金の方をもう少しいろいろと工夫したらどうかというふうに思うわけでございます。

 金融の不安があったときには大きな資本注入が国費として投入されたわけですから、災害の場合も、やはり本当に同情に値することだということで、貸付金の方を国が中心になって、できれば国費で貸付金の制度をつくるというふうなことをやっていただきたいというふうに思います。特に、借入金については融資基準というようなものがあって、先行きどうも返済が不安な人には貸さぬというふうなそもそもの原則論があるものですから、そこをまずクリアできるような貸付金の制度にしなくちゃいけないんじゃないか、私はそのように思うんです。

 この辺を踏まえて、住宅あるいは非住宅について、どのような考え方で今回の復興を考えていこうとしておられるのか、これは内閣府の方からお答えいただければよろしいかと思います。

谷本大臣政務官 お答えをいたします。

 被災地は厳しい冬を間近に控えております。被災者の住まいの確保などの速やかな復旧対策に万全を期する必要があると考えております。

 このため、これまでに、災害救助法に基づく住宅の応急修理を実施するとともに、直ちに被災者が入居可能な住宅として公営住宅など合計四十戸の公的住宅を確保いたしました。また、被災者生活再建支援制度や住宅金融公庫による災害復興住宅融資の適用など、被災者の住まいの確保のために各般の施策を講じてきたところでございます。

 さらには、十一月九日に内閣府に北海道佐呂間町における竜巻災害に係る復旧相談室を設置し、ワンストップで速やかに政府一体となってこれを支援する体制を整えたところでございます。

 政府としては、被災者の支援に遺漏なきよう万全を期して対応してまいりたいと考えております。

平口委員 次に、被害に遭った、亡くなられた方のほとんどは新佐呂間トンネル工事関係者だったわけでございまして、いろいろと知識のある方が亡くなられたり、あるいはパソコンなんかが全くなくなったりというふうなことで、新佐呂間トンネルの事業の執行に大変支障を来しているんじゃないかというふうに思います。

 この新佐呂間トンネルの順調な推進ということと、いろいろと事業者の方で被害を受けておりますから、この辺についてやはり国としては十分な対応策を考えてもらいたいと思いますけれども、国土交通省の方ではこのことについてどのようにお考えなのか、御答弁をお願いしたいと思います。

品川政府参考人 このたびの竜巻によります災害におきましては、今御指摘にありました、トンネル工事の現場を熟知いたします関係者が多数被災されたところでありまして、また、現場事務所、宿舎が全壊したほか、工事関係資料の多くが散逸するなど、今後の工事継続に向けては多くの困難が生じてございます。

 工事に関する被害につきましては、工事契約においては、天災等の不可抗力により工事目的物に損害が生じました場合には、所定の手続を行うことによりまして、受注者は発注者にその費用の負担を請求することができるとされておるところでございます。

 現在、現地におきましては、被災された方々への対応や被災地の復旧などに全力が傾けられているところでございます。発注者として、被災状況の確認のため受注者と打ち合わせを始めたところでございますけれども、工事が円滑に実施されますよう、また早期に完成ができますように、今後とも受注者と十分協議するなど適切に対応してまいりたいと考えておるところでございます。

平口委員 どうもありがとうございました。ぜひともそのような方向でお願いしたいと思います。

 最後の質問でございますが、日本はやはり、災害列島と言われるように、ことしも大きな竜巻が二つもありましたし、また、台風の十三号の被害も大きかったですし、いろいろと各地で災害が起きているわけでございますが、こういう実情を踏まえて、補正予算をぜひとも組んでいただきたいというふうに思いますが、この点についていかがでしょうか。

鈴木政府参考人 今年度の補正予算につきましては、先般、総理から財務大臣に対しまして、財政健全化努力を継続する方針のもとで、災害対策等を中心に必要な経費に対応するよう編成の御指示があったところでございます。

 今後、災害の報告を収集しつつ、総理の御指示に従いまして、災害対策にしっかり対応すべく検討を進めてまいりたいというふうに思っております。

平口委員 以上で、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

木村委員長 次に、金子恭之君。

金子(恭)委員 おはようございます。自由民主党の金子恭之でございます。平口委員に引き続きまして、質問をさせていただきたいと思います。

 私も、先般、木村委員長のお供をいたしまして、竜巻災害に遭われました佐呂間町の現地視察に参加をさせていただきました。私自身、このような竜巻災害の現場を見るのが初めてでございましたので、自然の力、特に竜巻の脅威、あるいは、佐呂間町においても過去にこういう経験がないということでございましたが、予期していない中で突然襲ってくる竜巻の恐怖に驚くばかりでございます。

 改めて、お亡くなりになられました方々の御冥福をお祈りいたしますとともに、負傷された方々、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。

 先ほど平口委員より、現地において、北海道あるいは佐呂間町から、いろいろな支援についての要請がございました、それに基づき質問させていただいたわけでございますが、私からも、被災者、被災地に対する支援を強力に進めていただきますようにお願いをする次第でございます。また、何といっても、自然災害におきましては、早期予測、これは予知というのでしょうか、それと、それに伴う初動が大変重要であると認識しております。ぜひ、竜巻発生のメカニズムの調査研究、あるいは観測体制の強化につきましても重ねてお願いを申し上げる次第でございます。

 先ほど平口委員からもありましたように、これまでも全国各地で竜巻災害が発生をしております。特に、ことしの九月の十七日には宮崎県延岡市におきましても竜巻が発生し、死者、負傷者で甚大な被害があったのは記憶に新しいところでございます。

 先ほどの答弁を聞いておりますと、竜巻のメカニズムとか予知をするというのは非常に難しいということはよくわかるわけでございますが、近年こういうふうに竜巻が起こっている、つい先日の土曜日にも沖縄県の名護市で起きておりますが、どこでいつ起きても不思議でないような状況にあるわけでございます。今回、先ほど副大臣からお答えがございましたが、十五日に竜巻等突風対策検討会が設置されたということで、非常に、各省庁が連携をとってやるということは必要だと思いますし、大臣を初め皆さん方が一日も早い有効な対策を見つけ出すために努力をされていることには敬意を表する次第でございます。ぜひ、そういう難しい状況の中ではありますが、現時点でできることを速やかにおまとめいただきまして、自然災害に対する備えを万全にしていただきますように心よりお願いをする次第でございます。

 先ほど、検討会についても、竜巻等突風対策というふうになっております。当日は北海道でも竜巻が何件か起きておりますし、竜巻ではなく突風による被害も出ているというふうに聞いておりますし、北海道のみならず全国各地において非常に強い突風において被害が出たというふうに聞いております。

 私は、佐呂間町の件についても、先ほど申し上げましたように万全の体制をしいていただくことをお願いしたわけでありますが、この突風についてもぜひお願いをしたいということで、今回は突風災害における対応についての質問をさせていただきたいと思います。

 この佐呂間町で竜巻が発生したと同時刻に、新潟県において、聞くところによると最大瞬間風速三十四・七メートルを記録して、十一月の新潟県の観測史上では三番目の強風が吹き荒れたというふうに聞いております。

 この台風並みの強風下において、特定重要港湾でございます新潟東港のスーパーガントリークレーンが突風により倒壊するという事故が発生をいたしました。高さが四十メーター、重さが八百トンを超える巨大なクレーンが倒壊をしてしまい、オペレーターを含む三名の作業員がけがをされたというふうに聞いております。

 一日も早い回復をお祈りするとともに、全国各地にこのクレーンはあると思いますので、安全、安心という意味でもこのような対策もやっていかなければいけないと思っておりますし、人命のみならず今回の事故そのものが、新潟港は日本海側の物流の拠点としても大きな役割を果たしていらっしゃるというふうに聞いております、そういう意味では大変心配をするわけでございます。

 それと同時に、八月の十四日に、江戸川における送電線の損傷事故で広い地域において停電が発生をし、首都圏の交通や社会経済活動に大きな影響を与えたことは記憶に新しいところでございます。あの事故と今回の事故は根本的に違うわけでございますが、今回のガントリークレーンの倒壊とか江戸川の送電線の損傷とか、基本的なインフラがダメージを受けますと、広域かつ長期にわたりまして支障が及ぶ可能性があると思います。何よりも、公共インフラの安全性を確保し高めていくことが国の役割として重要であると私は考えております。

 そこで、今回のガントリークレーンの倒壊事故について、事故発生の状況とか、この大きなガントリークレーンが倒れたわけでありまして、その主たる原因をお聞かせいただきたいと思います。

中尾政府参考人 お答えいたします。

 十一月七日十四時十分ごろ、発達した低気圧の強風によりまして、新潟東港においてコンテナの積みおろしを行うガントリークレーンが倒壊いたしまして、三名の方が負傷されました。まずは、けがを負われた方の一日も早い御回復をお祈り申し上げます。

 事故当時、現場に立ち会っていました関係者の話によりますと、事故を起こしたガントリークレーンは、レール上を移動しまして、レール端部の車どめに衝突し、車どめ横の港湾関係者が休息する建物に向け倒壊したものと聞いております。

金子(恭)委員 今回の事故は大変まれなものだというふうに思います。全国には多くの港があり、ガントリークレーンが動いているわけでございますが、そもそも我が国には全国にどれほどのガントリークレーンが配置をされているのか、それが国内外のコンテナ需要に対応しているわけでありますけれども、このガントリークレーンの配置をされている数、それから、国際物流を支えるために重要な役割を担っているガントリークレーンが倒壊する事故というのが過去に発生をしたことがあるのか、教えていただきたいと思います。

中尾政府参考人 現在、全国の六十六港に三百十二基のガントリークレーンが配置されておりまして、国際貨物を中心としたコンテナの積みおろしを行っております。

 事故の例でございますけれども、過去に我が国では風によりガントリークレーンが倒壊した事故は発生しておりません。これまでに経験したことがない事故でありまして、国土交通省としても今回のガントリークレーンの倒壊を重く受けとめております。

 ただ、ガントリークレーンではございませんが、平成十五年十月に、茨城県の鹿島港におきまして、民間の製鉄所内で鉄鉱石などばら積み貨物を取り扱います大型クレーンが突風により倒壊して死傷者が出るという事故が発生しております。

金子(恭)委員 佐呂間町の竜巻災害同様に、このような事故においては初動の対応というのが非常に重要だというふうに思います。これまで国土交通省としてはどのような対応を行ってきたのか、お伺いしたいと思います。

中尾政府参考人 国土交通省の対応でございます。

 今回の事故発生の一報を受けまして、国土交通省では、事故当日に二名の担当者を現地に派遣いたしました。港湾管理者である新潟県とともに現地の確認及び調査を行いました。さらに、吉田国土交通大臣政務官が翌日の八日に現地入りいたしまして、直ちに現地視察を行ったところでございます。

 事故の発生した岸壁が新潟港の約七五%のコンテナ貨物を取り扱う重要施設でありますことから、吉田大臣政務官より、現地において、港湾管理者である新潟県と国が密接に連携を図り早期の復旧を目指すように指示いただきました。さらに、今回の事故を受けまして、全国のガントリークレーンに関する安全性の総点検を国として行うよう重ねて指示をいただきました。

 またその後、十一月十一日、十二日に、発達した低気圧に備えまして、今回の倒壊事故にかんがみまして、全国の地方整備局、港湾管理者に対しまして、メールなどによりまして、クレーンなど港湾施設、公共土木施設の管理運用に遺漏がないよう注意喚起したところでございます。

金子(恭)委員 ぜひできる限りの御努力をいただきまして、このような事故が起きないようにしていただきたいと思います。

 今、港湾局長のお話の中にありましたが、翌日、吉田大臣政務官がいち早く駆けつけていただいて、現場をつぶさに見ていただき、的確な指示を出していただいたというふうに聞きました。ぜひ、大変重要なことでありますから、これまで局長から答弁がございましたが、お尋ねしたことを踏まえて、今回の災害を教訓とした今後の対応について、国土交通省の見解を政務官からお聞かせいただきたいと思います。

吉田大臣政務官 御質問にお答えいたします。

 このたびの事故を教訓として、まさに委員のおっしゃるとおりでありまして、ガントリークレーン、大地に四つ足を踏ん張って、そして四十メートルにも天高く伸びるアーム、それこそ象とキリンを合わせたような丈夫な強力なものが、風による、強風による、台風によって倒れるなどということはどなたも想像し得なかったことであります。ですから、ガントリークレーンでさえも何か悪い条件が幾つも重なるようなときには倒壊することもあるんだという、このことをしかと教訓として受けとめなければならないと思っています。

 そして早速、国土交通省といたしましては、全国のコンテナターミナルの施設の維持や点検方法及び悪天候における管理運営について、国としての指導監査などの体制を強化していきたいと考えています。

 いろいろな情報やチェックポイントが、瞬時に発信し行き届く、そしてまた、現地の状態、それぞれが真っすぐにフィードバックできる、こうしたシステムを構築してこれに当たっていきたい、このように考えております。

金子(恭)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 全国の総点検を行うというようなお話があるわけでございますが、いつから行おうとされているのか、また、やるからには結果を取りまとめてということが必要でありますので、いつまでに結果を取りまとめようと思っていらっしゃるのか、国土交通省の所見をお伺いしたいと思います。

中尾政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘の、全国の港湾管理者などに対する安全総点検、六十六港、三百十二でございますけれども、通知は既に先週の十一月十四日に行いました。また、それぞれの港湾管理者などによる調査期間はおおむね十日間程度を予定しておりまして、十二月の初旬ころには中間的な取りまとめを行いたいと考えております。

金子(恭)委員 ぜひ徹底的に総点検をしていただいて、めったに起きないことではあると思いますが、物すごく巨大なクレーンで起きたということは、もう本当に、亡くなられた方がいなかったのが不幸中の幸いのようなものだと思いますし、いろいろな施設とかを破壊してしまったときの影響力も非常に大きいと思いますので、ぜひ徹底的にやっていただきたいと思います。

 それから、事故が発生した岸壁というのは新潟港全体のコンテナ取扱量の七五%を占めるということを、先日、担当者からお聞きをいたしました。先ほども申し上げました新潟港というのは物流の拠点でございますので、新潟県のみならず、北陸、信越地域にとっても重要な役割を担っているのではないかと思います。

 今回のガントリークレーンの倒壊事故によりましてその機能が低下をいたしまして、単に物流のみならず地域経済への影響も大きいものがあると思います。厳しい状況下にあると思いますが、当面、このスーパーガントリークレーンが倒壊した中で、どのように岸壁を運用いたしましてこの影響を最小限に食いとめようとされているのか、お伺いしたいと思います。

中尾政府参考人 お答えいたします。

 ガントリークレーンの倒壊しました新潟東港西三号岸壁と呼んでおりますけれども、これは水深が十四メーターと、日本海側では最大の水深を有する公共岸壁でございます。

 東アジアの急速な経済成長に伴いまして、中国、韓国、東南アジアとの定期コンテナ航路が週七便に及んでおります。これにより、新潟港全体のコンテナ取扱量は、平成十三年から十七年の五年間で約一・五倍、十六万個に急増しております。この十六万個のうち十二万個をこの岸壁で取り扱っております。この主要なガントリークレーンが今回倒壊しましたことは、対アジア物流を中心とするコンテナ荷役に少なからぬ影響を与えることは否めません。

 このような状況の中で、港湾管理者の新潟県が中心となりまして、本岸壁に残る二基のガントリークレーンを効率的に運用するということとともに、岸壁の運用時間の弾力化を図るなど、コンテナ荷役作業への影響を極力少なくするように努めていくことにしております。

 今後とも、国土交通省といたしましても、港湾管理者である新潟県と連携いたしまして、復旧に努めてまいりたいと考えております。

金子(恭)委員 今お聞きすると、経済的にも大変影響が起こり得る状況の中で何とかやりくりをするしかないというのが現状だと思いますが、私は今たまたま新潟で起きたので新潟県のお話をしましたが、さっき答弁がありました六十六の港に三百十二基のガントリークレーンがあるわけでありまして、私の地元である九州やいろいろなところで起きる可能性がないとは言い切れないわけでございます。

 それが一度起きてしまうと人命やあるいは経済に対する影響力というのは非常に大きいわけでございますので、最悪の事態を考えて、先ほどお話があったようにいろいろな要因が重なって今回の事故が起きたわけでございますが、それが起きても耐え得るような体制をとっていただきますようにお願いを申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

木村委員長 次に、松木謙公君。

松木委員 民主党の松木謙公でございます。

 私の地元であります北海道佐呂間町を襲った竜巻に関して質問をさせていただきますが、冒頭、とうとい命を奪われた九名の方々、そして今、被災をされてまだまだ立ち直っていない方々、こういう方々に対して心からお見舞いを申し上げたいというふうに思っております。また、七日の十三時ごろ竜巻が発生して以来、不眠不休の復旧等に当たられた佐呂間町の役場の方、消防、警察、そして自衛隊、さらには地域住民の皆さん、ボランティアの方々、皆さん本当に尽力をされておりました。このことに対しても深く感謝を申し上げたいというふうに思っております。

 私は、七日の日に東京で竜巻の第一報を聞きましたんですけれども、すぐに自分の事務所の人間を、現場を見てこいということで現地に行かせました。そして、私自身も一番早い飛行機で現場に行ったわけでございますけれども、このときに溝手大臣も私と同じ飛行機だった。飛行機はいっぱいありませんので同じ時間になったわけですけれども、大臣みずからが二十二人の部下の方をお連れになって現地をすぐに視察していただいた、こういうことがございました。私は道民を代表している人間ではありませんけれども、しかし、あえて道民を代表させていただいて、そのことに関しては非常に力強く思っております。ぜひ、大臣、これからのいろいろな御指導もよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。

 町の一部が本当に消えてしまって、瓦れきと化した現場というんですか、それを見ますと、本当に竜巻の恐ろしさとかすごさとか、そういうものをつくづく思ったわけでございます。そして、倒壊した工事現場の宿舎、事務所の撤去作業なんかは重機を使ってもう既にそのときは行われておりました。佐呂間町の堀町長さん初め、復旧作業に取り組む皆さんや地域住民の皆さんとかなりお話をさせていただいたり、避難場所の武道館、そして佐呂間町の役場に設置された災害対策本部、そういうところを回らせていただく中で、私は、やはり地域力という言葉をかなり思い浮かべて、その重要性をつくづく感じたなということを思った次第であります。

 阪神・淡路大震災の経験以来、災害に対する取り組みや日本人の防災意識もかなり変化してきたんじゃないかなというふうに思っておりますが、当時、大都市である神戸と、淡路島側の対応が全く異なっていたということがありました。隣にだれが住んでいるかもわからない神戸というのがありましたですね。そして、どっちかといえば、淡路島というのは住民のつながりが強い。そういうことがありまして、神戸では犠牲者の救助や掌握に非常に手間取った、初動態勢のおくれがより死傷者を増大させたと当時の記録は物語っているわけですけれども、それに対して淡路島の側というのは、先ほど言ったとおり、地域の人たちとのつながり、人が少ないというのももちろんあると思うんですけれども、そういう人たちの協力がありまして迅速な復旧作業ができたというふうに聞いております。

 その結果、この地域力の差というのがその後の状況に決定的な差を与えたことがあったということも過去にあるわけでございます。淡路島では隣のおばあちゃんはこのあたりに寝ていたんだとかということまでよく知っているような、それがいいのかどうなのかという問題はもちろんありますし、大都会で隣のおばあちゃんが四畳半のあの部屋に寝ているはずだなんというのがわかるわけもありませんけれども、ある意味でそういう情報というものが非常に救助の役に立ったということがあったわけでございますね。

 そして、佐呂間町では、私が駆けつけた時点で、町長さん初め関係者の皆さん、団体の皆さん、一生懸命対応されている姿を拝見させていただいて、本当に頭の下がる思いをさせていただきました。

 そこで、災害現場をずっと歩かせていただきまして、これは本当にすごいものだなというふうに思いながら、国政に携わる者として幾つか感じたことについてこれから質問をさせていただきますので、よろしくお願いを申し上げます。

 まず、幾つか重複もしますけれども、せっかく呼びましたので気象庁の方にお伺いしたいんですけれども、近年、日本全国で起きた竜巻の発生と被害について、大まかなところを教えていただきたいと思います。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 日本では、年々によるばらつきは大きいですが、平均しますと年間二十個程度の竜巻の発生が確認されております。また、被害をもたらした竜巻につきましては、気象庁が調査を開始した昭和四十六年以降、平均すると年間十二個程度でございます。

松木委員 今回も含めて、竜巻に関しては、事前の予測ができなかったんでしょう、とは思いますけれども、できる可能性もなかったんでしょうね。非常に厳しいと思います。

 竜巻発生のメカニズムについて、その研究を進めていただきたいというふうに思っておりますが、特に竜巻の観測のため有効とされている気象観測レーダーのうち、ドップラーというのがあるようですけれども、配備状況がどのようになっているのか、あるいは、今後の更新や新規整備計画、こういうものはどういうふうになっているのか、これをもう一度お答えいただきたいと思います。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 ドップラー・レーダーの配備状況でございますが、平成十八年三月から、柏のレーダーをドップラー・レーダーとしております。それからまた、今年度中の運用開始に向け、名古屋市、仙台市、新潟県弥彦山にありますレーダーにつきましてドップラー化を進めております。さらに、平成十九年度につきましては、沖縄県糸数にございますレーダーをドップラー化すべく、現在、予算要求をしているところでございます。

松木委員 そのぐらいやっておけばかなり把握はできていくというお気持ちで今おりますか。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 ドップラー・レーダーでは竜巻そのものを観測することは困難でございますが、竜巻をもたらす局地的な気象現象を把握、監視するため、ドップラー・レーダー網ができる限り早期に構築できないか検討を進めているところでございます。

松木委員 もうちょっと予算が欲しいなという感じを持っているわけですね。どうですか。――まあ、お答えしづらいでしょうから、そこまではいいです。ぜひ少しでもたくさんのものを、やはり国民の命を預かるのが、行政の方もそうですし、我々政治家もそうなんですから、ぜひこういうことを早く整備していくように、予算づけも、大臣方もいますので、よろしくお願いをいたしたいというふうに思っております。

 それでは、内閣府にお伺いしますけれども、宮崎県の延岡市で竜巻被害の教訓を生かして防災訓練に取り組んだということを聞いておりますけれども、政府としてはこれまでどのように竜巻対策に取り組んできたかということをお聞かせ願えますでしょうか。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど来御答弁させていただいていますように、竜巻等の突風は、これは大変観測も難しゅうございますし、予測が難しいものでございます。したがいまして、これまでどちらかといいますと、予防的な対策というのはおくれておりまして、発生後の応急対策、それから被災地の復旧、被災者の支援という対策が中心でまとめてまいったわけでございます。

 ただ、これだけ竜巻被害が発生してまいりますと、やはりもう一度改めて、どのような予防的な対策ができるか、あるいはこれからも観測技術、予測技術が進んでまいりますので、そういった技術の高度化を踏まえて今どんなことができるか、将来どんなことができるかということをきっちりとまとめてまいりたいということで検討会を設けたわけでございますので、今後、各省連携して、しっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

松木委員 わかりました。

 それでは、これは質問の事項に入っていなかったんですけれども、新聞を見ていますと、藤田スケールというんですかね、何か竜巻の大きさをあらわす数値みたいのがあるそうなんですけれども、もし今ここで、細かいことがわからないというのであれば結構ですけれども、もしわかるのであれば、国民の皆さんもこの特別委員会というのはお聞きですので、ちょっとした御説明をいただければありがたいなと思います。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど御紹介いただきましたように、竜巻の強さをあらわすスケールとして、瞬間的な風速でございますが、その階級ごとにF0からF5までスケールがございます。詳細を申し上げることもございませんけれども、ちなみに、この藤田というのは、アメリカで研究をしておりまして、もうお亡くなりになりましたけれども、藤田博士が命名したものでございます。

 ちなみに、例えばF3というものは七十から九十二メートル毎秒の風が吹く、あるいはF5という最高のスケールは百十七メートルから百四十二メートルの風が吹くということで、非常に強い風でございますので、破壊的な現象が発生するというものでございます。

松木委員 気象用語じゃないですけれども、例えばマグニチュードだとか、結構いろいろな言葉というのがありますよね。何か国民に細かく知らせるようなことを一度お考えになってみたらいいと私は思うんですね。

 震度一から震度六とかいうと、揺れ方でわかりやすいものですから、何となくわかるんですけれども、マグニチュードだとかああいうのは、わかるようでわからないところがありますよね。藤田スケールもそうだと思うんですけれども。そういうことも含めて、一度気象庁の方でそういう用語の説明のものを、子供でもわかるような、そういうものをおつくりになってみたらいかがかなというふうにお話をさせていただきます。

 それでは、今回、災害対策本部の設置とか災害救助法の適用など必要な措置を迅速にかなり行ったわけですけれども、内閣府として、この経緯と効果についてどのように御自身で評価をされているか、お聞かせをいただきたいと思います。

増田政府参考人 今回の佐呂間町で起きました竜巻につきましての内閣府の対応、政府の対応についてお答え申し上げます。

 七日に発生した竜巻によりまして甚大な被害が出たわけでございますが、現地では直ちに警察、消防が連携をいたしまして救助活動に当たったわけでございます。政府も直ちに関係省庁連絡会議を開きまして、情報の共有、それから現地では自衛隊の派遣要請を知事が行いましたし、法適用といたしましては、できるだけ早期にということで災害救助法及び被災者生活再建支援法の適用など、各般にわたる対策を講じたわけでございます。それから、先ほどございましたように、溝手防災大臣を団長とする政府調査団がその日のうちに入りまして、翌日にかけてつぶさに調査を行ったわけでございます。

 現地では、確かに、住宅の被害が大変でございまして、速やかな住宅の手当てというのが一番大きな課題ということでございまして、災害救助法に基づきます住宅の応急修理を実施するとともに、被災者が入居可能な住宅を四十戸ほど現地で手配して、現在調整を行っております。さらには、本格的な再建に向けまして、住宅金融公庫による災害復興住宅融資の適用も決めたわけでございます。

 ただ、いろいろな要望が地元にございますので、内閣府では、そういった地元の要望をワンストップで受け付ける窓口も開設したところでございます。

松木委員 よくわかりました。本当によく頑張っていただいているんじゃないかなというふうに思っております。

 それでは、既に北海道や佐呂間町から国に対してかなり切実な要望がなされているというふうに思っておりますけれども、中でも、被災者生活再建支援制度については、住宅本体の建設費、補修費が対象となっていないはずですね。これについて、ちょっと困っているなというのもあるんですけれども、制度の拡充をぜひ図ってほしいというものが随分私のところにも陳情として来ております。そして、特別交付税などの財政支援の要望に関しての対応、こういうものもこれからどのようにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思います。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 被災者生活再建支援法に基づく居住安定支援制度につきましては、さまざまな議論がこれまでもございまして、特に、現在、住宅本体の建設費や補修費は対象になっておりません。これをどういうふうにこれから進めるかというお尋ねでございます。

 これは、十六年の抜本改正でこの制度が導入されたわけでございますが、その際の基本的な考え方は、やはり典型的な個人財産であります住宅の再建は自助努力を基本として、一部公的に支援をしようじゃないかということでこの支援制度ができたわけでございます。その中でも、特に生活基盤に著しい被害を受けた者であって、経済的理由あるいは高齢理由等によってなかなか自立した生活の再建のスタートができない、こういうことについて、何とか、つまり生活再建の基盤は住宅でございますので、住宅の再建の支援が一部でもできないかということで制度が組まれたわけでございまして、なかなか本体が無理であればということで、住宅の解体撤去費、ローン利子、賃貸住宅に入居する場合の家賃等々、居住関連の経費を対象として、制度を、これは最高額二百万ということで組んだわけでございます。

 ただ、御指摘のように、さまざまな御意見がありますので、これは法改正の際の附帯決議もいただいておりますので、今後、さまざまな方から御意見もいただきながら、実態も調査して検討を進めてまいりたいと考えております。

松木委員 ということは、改正がされて、そういうものを対象として使ってよくなる可能性も大いにあるというふうに考えてよろしいですか。

増田政府参考人 この制度ができましたのは十六年でございまして、その後、十五の災害にこの制度が適用されております。現在、その適用の支給実績を調査しておりまして、どういったものに今使われているかということを分析しております。そういった調査を踏まえ、あるいはまた、そもそも法律の際に議論がありました、典型的な個人住宅資産についてどこまで公的な支援をするかという、多分哲学的な整理も必要になってまいりますので、そういったことを関係者を集めて検討した結果次第によっては、また御議論いただければというふうに考えております。

松木委員 ということは、可能性があるということで考えておいてよろしいですね。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 まさにこれから検討するということでございまして、ただ、限度額、住宅関係でいうと二百万でございますので、二百万がどういう形で使われるかということも踏まえて、つまり支給の実績もよく踏まえませんと、本体まで直ちにいくのがいいのかどうかという議論もあると思いますので、その辺の検討も必要だと思っております。

松木委員 個人がやられて一番がっくり来ているわけですので、ぜひそのような方向を模索していただきたいなと。そうすると国民の皆さんを助けることになるわけですから、ぜひその方向を十分考えていただいて。何も二百万で、予算のこともありますから余りいいことばかり言うわけにもいきませんけれども、もっとふやすということを考えてもいいわけですし、ぜひそこら辺を何とか、国の温かい配慮を強くここで要望しておきたいと思いますので、もう一度ちょっと。わかりましたというお言葉をいただきたいと思いますね。

増田政府参考人 法改正の際にもこの委員会から附帯決議もいただいておりますので、重く受けとめまして、検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

松木委員 ありがとうございます。かなり前進をしたお言葉をいただいたんじゃないかなというふうに思っております。

 それでは、関連して、佐呂間町と北見市を結ぶ国道三百三十三号線において新佐呂間トンネルがあったんですね、それをおつくりになっていたんですけれども、その関係者がこうなってしまった。防災対策上重要な事業なんですよね、このトンネルは。工事の再開の見込みやトンネルの完成時期の見通しについて、ちょっとお聞かせをいただきたいというふうに思います。

宮田政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、新佐呂間トンネルは、土砂崩れの危険性の極めて高い区間を延長四・一キロのトンネルでバイパスする、安全で信頼性の高い道路交通を確保する重要な事業だと考えております。

 今回の竜巻被害によりまして、新佐呂間トンネルの工事現場におきましては、現場を熟知した九名の技術者を失ったほか、現場事務所、宿舎が全壊、あるいは工事関係資料の多くを散逸するなど、継続的な工事の実施に多くの困難が生じております。

 しかしながら、先般、国土交通大臣が現地を視察した際、北海道知事、佐呂間町長より、工期どおりの供用について要請をいただいております。

 国土交通省といたしましては、現在、被災地の復旧支援に全力を傾けているところでございますが、本事業に対する地域からの大きな期待を踏まえまして、工事再開に向けて技術的な支援体制の構築などの準備を早急に進め、予定どおり平成二十年度内の供用を目指して全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。よろしくお願いいたします。

松木委員 わかりました。なるべくおくれのないように、地域の需要の高いところですので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいというふうに思っております。

 先ほど、地域力という話を私はしましたけれども、警察、消防、役場、そして自衛隊、自衛隊の方々も一生懸命今回頑張っておられました。そういった行政の立場の方々が統一的に対応していくというのは、災害本部が的確なリーダーシップを発揮すると同時に、やはりボランティア作業だとか、我々もさせていただいたんですけれども、すべて行政だけに頼りっ放しでいくのは実はいけないわけでして、阪神・淡路大震災の際には、家屋の下敷きになった人たちの多くは隣人、近くの人たちの手によってかなり救出されている。災害時には地域力というものの結集がやはり必要なんです。

 そこで、こういう行政とボランティアの皆さんの間に、もう少し専門的な訓練をされた、民間の防災士という制度があるというふうに私は聞いておりますが、私自身も大変関心を持っているんです。内閣府としては当然このことに関して掌握されているというふうに思いますけれども、これについてどのような評価をお持ちでございますでしょうか。

平沢副大臣 委員御指摘のとおり、阪神・淡路大震災のときには、要救助者の約八割は近隣住民等によって救出されたということで聞いております。

 したがいまして、地域に、防災についての専門的な研修を受けているとか、あるいは専門的な防災についての知識とかあるいは技能を備えた人材、こうした人がおられるということは、万が一不幸にして災害等が発生したときに被害を最小限に食いとめる、あるいは社会の防災力を向上する観点から、極めて重要であるということで考えております。

 したがいまして、内閣府としましては、防災についての知識、技能を有する方々がふえていくことは、国民による自助、共助の推進にも資することとして高く評価しているところでございます。

松木委員 溝手大臣、本当に北海道にすぐ行っていただいて、ありがとうございました。

 大臣も、この防災士のことに関しては御存じですね。はいかいいえで結構です。

溝手国務大臣 いろいろと御評価をいただきまして、感謝をしております。いろいろ、これを経験に、ますます内閣府としては頑張っていかなくてはいけないと思っております。

 そのNPO法人の問題でございますが……(松木委員「簡単でいいですよ、知っていたら知っているでオーケーです」と呼ぶ)はい、存じ上げておりますし、これからどんどん育てていきたいと思っております。

松木委員 大変、大臣からも、前進の、いいメッセージをいただきました。副大臣からもいただきました。

 地域力の結集ということで、地域住民の中にそうした防災士の人がたくさんいれば、かなりまた対応が違ってくる、変わってくるというふうに私は思っておりまして、全国で今一万五千人ぐらい防災士という方がおられるというふうに私聞いておるんですけれども、これは実は最低でも三十万人は必要だぞというお話もあるんですけれども、そうした社会貢献への意欲を持った防災士の養成には政府としてもぜひ積極的に取り組んでいただきたいというふうに私は思っているんですけれども、この点について、平沢副大臣、政府のお考えをもうちょっと深めてお答えをいただきたいと思います。

平沢副大臣 先ほど申し上げましたように、地域に、防災についての専門的な研修を受けている、あるいは専門的な知識、技能を有する人材がおられるということは、万が一の際の地域の防災力の向上に大変に役立つわけでございまして、私たちもそのための取り組みを急いでいかなければならないわけでございます。

 地域で防災についてのいわば知見を有する方というのは、もちろん防災士の方もおられますし、あるいは消防団の方とかいろいろな方がおられるわけでございまして、防災士の方々はその中のいわば一つのジャンルに入る方々でございまして、今委員がおっしゃられたように、いずれにしましても、そうした方々が地域に一人でも多くおられるということは、地域社会にとっても大変に心強い限りでございまして、防災士の方に限らず、消防団その他いろいろなジャンルの方々がおられるわけでございますけれども、そうした方がふえるように私たちも積極的にその環境整備に取り組んでまいりたいと考えております。

松木委員 平沢副大臣、ぜひそのことはよろしくお願いを申し上げたい。

 いろいろなことで整備をするということは、お金もかかるということなのかもしれませんね。そこら辺も、今確かにお国にお金もそうない時代ですけれども、しかし、国民の皆さんの命、そして財産を守るというのが我々の第一の仕事であれば、こういうことにお金をかけていってもいいんじゃないかな、私はこういうふうにも思っておりますので、ぜひこの防災士のことはこれからもしっかりと頭に置いていただきたいというふうに思っております。

 私の北海道の話にちょっと戻りますけれども、北海道というのは本当にこれから寒い時期になります。私は実は札幌に昔住んでいたんですけれども、そこではマイナス十度になるということは今そうないんですけれども、サロマ湖のあたりはマイナス二十度以下になるときがあるんですね。ですから、これからの迅速ないろいろな対応、またここでぜひお願いを申し上げておきたいというふうに思っております。もう迅速に動いていただける溝手大臣ですから、私はすぐにいろいろなものをやっていただけるというふうに確信を持ちまして、ここで私の質問を終わらせていただきます。

 よろしくお願いを申し上げます。

木村委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 これまでの質問と若干重なる部分もございますが、確認の意味も込めて順次行ってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 初めに、このたびの竜巻災害で亡くなられた方々、そして遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方、被災者の皆様に対しまして、心からお見舞いを申し上げる次第でございます。

 溝手防災担当大臣におかれましては、災害発生当日七日に被災地に入られ、素早く手を打たれました。敬意を表したいと思います。また、災害の復旧に連日連夜取り組まれている関係の皆様に、心から感謝を申し上げます。

 私たち公明党も、この竜巻が発生をいたしました十一月七日、党内に直ちに災害対策本部を設置いたしまして、翌日八日には佐呂間町に調査団を派遣いたしました。冬柴国土交通大臣とともに被災現場をくまなく視察いたしました。また、翌日、調査団の報告に基づきまして対応策を検討し、冬柴大臣に対しまして、住宅支援などを求める要望も行ってまいりました。冬柴大臣からは、災害復興住宅融資制度の適用をいち早く決定するなど、素早い対応をとっていただいております。

 また、安倍総理あてに、新佐呂間トンネル工事関係者に対する労災認定への迅速な調査、そして住宅修理費用の支援や生活用品の給与、罹災証明の早期発行、また公営住宅への早期入居措置など、九項目にわたります要望を行いまして、スピードある対応を求めてまいりました。

 私たちは、遺族の方々に対する支援、また被災住民の生活再建支援など、可能な限り迅速に実施するため全力で取り組んでおります。

 日本は、別名災害列島とも言われております。地震を初め、台風、それに伴う水害など、災害大国であります。そこで、被災者に対する主な支援措置はどうなっているのか調べてみましたところ、多くの支援がありますけれども、それぞれ担当省庁が分かれております。今回も、私も要望を受けましたが、主なものだけでも、被災者生活再建支援制度は内閣府、中小企業に対する金融支援は経済産業省、竜巻発生のメカニズム調査研究は国交省、被害軽減策の研究は内閣府、総務省、国土交通省、そして、生活援護資金の貸し付けは厚生労働省と、大変支援の窓口が分かれているわけであります。

 また、関係法律の所管も似たような状況となっております。災害救助法は厚生労働省、また、被災者生活再建支援法は内閣府、中小企業信用保険法は経済産業省、また、天災融資法は農水省というふうになっております。

 これでは、実際、被害に遭われて大変な状況下にある自治体の方々は、幾つもの省庁に申し入れをします、折衝もしなければいけない、大変であるというふうに思います。今回の佐呂間町竜巻災害に関しまして、防災担当大臣のもとに総合的、迅速な対応ができるよう、その窓口を一本化すべきと考えますが、大臣の御所見をお伺いいたします。

溝手国務大臣 お答え申し上げます。

 全く御指摘いただいたとおりだと思っております。特に、被災地は厳しい冬を間近に控えておりますので、住まいの確保など、速やかな体制づくりが必要でございます。

 そのため、内閣府におきましては、十一月九日に、復旧復興に関する相談をワンストップで受け付ける、北海道佐呂間町における竜巻災害に係る復旧相談室を設置いたしまして、関係各省の皆さんにお集まりいただき、今後の進め方を協議いたしたところでございます。被災者への支援や被災地の復旧を政府が一体となって支援する体制を整えたものだと思っております。

 今後とも、引き続き関係省庁と緊密に連携をとりながら、内閣府がリーダーシップをとりまして被災者の要望にこたえて誠心誠意対応してまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 ワンストップで一本化をしてくださったということ、評価をしてまいりたいと思います。今後とも、こうした甚大な災害に関しまして、防災担当大臣、各省庁横断しての強力なリーダーシップをとっていかれるよう再度要望をしたいと思います。

 冒頭、本日も委員長から御報告がございました。私も、十五日に委員の皆様とともに佐呂間町を視察に行ってまいりました。若佐地区内のトンネル工事事務所の現場、また被災された住宅、そしてさらに先月水害に遭った北見市など被災現場を視察してまいりました。

 やはり、この現場に参りまして、竜巻の猛威というものも実感をしてまいりました。またさらに、この水害とあわせまして、佐呂間町では、相当量の廃棄物、ごみが出ている、四千五百トンというふうに町長がおっしゃっておりました。また、農地にはガラスやくぎなどが飛散いたしまして、酪農が中心でありますので、牛がこのくぎやその他のものを食べると胃袋に穴があくというようなことも聞いてまいりました。幸い、全壊した世帯は、教員住宅があいており、そちらへ急遽移られたということもお伺いをいたしましたけれども、ともかく、被災地の復旧復興へ向けた具体的な支援策が急がれております。

 先ほどから言われておりますけれども、災害に遭われた方々への支援が何といっても重要であります。現地では懸命な復旧作業が続いておりますが、十二日に初雪が降る、本格的な厳しい寒さを目の前にして、住宅、家財を一瞬のうちに失った方々、また、倒壊を免れた住宅についても、揺さぶられて狂いが生じ雨漏りがしているということであります。被災者生活再建支援法の適用は決まっておりますが、この法律は、住宅本体の新築、購入、補修の費用については支給対象としておらず、使い方は住宅解体や撤去などに限定をされており、この竜巻被害には十分な機能を発揮できない仕組みとなっております。すなわち、住宅本体の建設、修理に使えないなど制度の不備が指摘をされているところでございます。

 被災した住民は住み続けたいと願っているわけでありまして、その地域の将来を見据えれば、過疎地にこそ支援が欠かせないと思います。被災者の皆様が一日も早くもとの生活に戻ることができるよう、また地元で暮らし続けたいという願いをかなえるためにも、この住宅本体の建設費、補修費を対象とするなど、この生活再建支援制度の拡充が必要であると考えます。御所見をお伺いいたします。

増田政府参考人 お答えいたします。

 この被災者生活再建支援制度に居住安定支援制度を導入した際にもさまざまな議論がございました、典型的な個人財産であります住宅の再建は自助努力を基本としようと。自助努力といいますのは、例えば、事前の備えとして保険なり共済に入っていただく、その促進のための例えば税制支援等をやろう、それから、融資の際には、災害の際には公庫によります災害復興住宅融資という制度があるということで、住宅の再建本体は、やはり保険なり共済あるいは融資という自助努力を中心にした制度というものが仕組まれているということでございます。

 ただ、その上で、どうしてもなかなか自力では生活再建が難しい方につきまして、そういった自助努力を前提としても一定の支援をしようということで今の制度ができているというふうに承知をいたしております。

 したがいまして、今いろいろ御指摘がございましたが、これにつきましては、四年をかけて検討するということになっておりますので、御指摘を踏まえてさまざまな角度から検討を進めてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 被災者のためにも、さらに前向きな検討を何とぞよろしくお願いをいたします。

 次に、竜巻の進路に不運にも鉄骨のプレハブの工事事務所があったわけでございますが、私たちが行ったときには既にすべてが撤去されている状況でございました。

 今回の死者、九人全員、この建物にいらして竜巻の犠牲となられたわけであります。その事務所自体がかなり遠くに飛ばされたということで、全壊、跡形もないほどに壊れておりました。プレハブごと飛ばされ、現在も入院治療を受けていらっしゃる重傷の方々もいられます。これらの佐呂間トンネル工事関係者に対する労災認定について、ぜひとも迅速な調査を行い、早急に決定すべきと考えます。厚生労働省、前向きな御答弁をよろしくお願いいたします。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 竜巻などの天災地変につきましても、業務の性質や内容、作業条件、作業環境、事業所施設の状況などから見て、危険環境下にあることにより被災したものと認められる場合には労災補償の対象となるものでございます。

 厚生労働省としましては、今回の竜巻災害発生後、直ちに所轄の北海道労働局、そして北見労働基準監督署から労災担当職員を現場に派遣をし、情報収集を行っているところでございます。また、元請事業主に対しまして、下請の労働者を含めた労災保険給付請求に関する指導を既に実施したところでございます。

 今後、被災労働者あるいはその遺族の方々からの相談などに懇切丁寧に対応するとともに、労災請求が行われ次第、迅速かつ適正に対応してまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 ぜひとも前向きな検討を早急によろしくお願いいたします。

 時間も迫ってまいりましたので、次に、ドップラー・レーダーの観測拠点の設置についてお伺いをしたいと思います。

 北海道、また佐呂間町の要望にも、このドップラー・レーダーの設置ということがございました。アメリカではこのようなドップラー・レーダー網というのが配備をされているというふうに聞いておりますが、日本では非常に地形が複雑なためになかなか予測はしづらいということも伺っております。しかし、竜巻が非常に頻発をしているということを考えますと、道内の気象観測拠点にドップラー・レーダーを早急に設置すべきではないかというふうに考えます。また、全国の観測拠点におきましても設置を早急に検討すべきと考えますが、この点はいかがでございましょうか。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 ドップラー・レーダーでは竜巻そのものを観測することは困難でございますが、竜巻をもたらす局地的な現象を監視するために、ドップラー・レーダー網ができる限り早期に構築できないか検討を進めているところでございます。

古屋(範)委員 こうした竜巻被害に関しまして、最善の備えをしていくべきというふうに思っております。竜巻被害への早急な復旧を求めまして、以上で質問を終わりにいたします。

 ありがとうございました。

木村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 私自身は、十五日の佐呂間の竜巻被害調査に、ほかの委員会日程と重なったために参加することができませんでした。我が党としては、発生の翌日の八日に紙智子参議院議員が現地入りをして、地元の議員団と連携をして要望活動に取り組んできたところであります。また、私は、九月には延岡市の調査に参加をし、竜巻の破壊力のすさまじさに圧倒されるとともに、一瞬で人生が変わったという被災者の声が忘れることができません。

 佐呂間は既に雪が降り、まさに復興は時間との勝負であります。何よりも、繁雑な事務や認定、査定などが障害とならないように特別な体制が求められると思いますが、この点で内閣府の考えを伺います。

増田政府参考人 今、関係省庁と連携をとりまして、現在、被害状況の把握、それから政府として、それぞれの省庁で対応できることのまとめをして、関係省庁において鋭意取り組んでいただいていると思います。

 それに加えて、先ほど来ございますように、相談窓口をワンストップで設けておりますので、今後、地元の要望、要請を伺いながら、政府一体として連携して取り組んでまいりたいと考えております。

高橋委員 先ほど来紹介されているワンストップの相談窓口、今回これが初めて設置をされたということで、先ほど指摘をさせていただいたように、時間との勝負だという点で各省庁との調整が円滑にいくように、相談が来たらたらい回しにされるということがないように、内閣府がその中心となる役割を果たすということに大いに期待をしたいと思います。残念ながら、きのうの時点でまだ相談がないということでしたので、逆に大いに宣伝をさせていただいて、円滑に動くようにしていただきたいということをお願いしておきたいと思います。

 竜巻は帯のように細長く被害をもたらします。大変局地的であるがゆえに、私は、むしろ思い切って重点をかければ早く復興が可能なんだということを考えています。延岡に行ったときも確信を持って考えたことでありますが、まずは災害救助法に基づく応急修理制度、これが非常に有効ではないかとも考えました。

 そこで、延岡での竜巻被害による住宅の応急修理制度の実績を教えてください。また、佐呂間においても同じように活用するべきと思いますが、いかがでしょうか。

宮島政府参考人 お答えします。

 災害救助法に基づく応急修理、これは、建物が半壊で、そのままでは住めないので、応急修理すれば住居可能という場合に資力の少ない方に行うという整理になっております。

 延岡の場合は、半壊した世帯、三百六十五世帯のうち、応急修理件数は百七十二世帯となっております。佐呂間のケースにおきましても、厳しい冬を迎えておりまして、半壊は今のところ八ぐらいと聞いております。住宅の応急修理の実施に努めたいと思っております。

高橋委員 きのう伺った数字では、延岡百九十九と聞いておりますけれども。

宮島政府参考人 少しはしょって申しわけありません。

 延岡の場合は、全壊という基準に該当するんですが、全壊でも応急修理を行えば住居可能なケースがあったということで、二十七世帯についてはそういう扱いを行いまして、二十七世帯は全壊でも応急修理の対象としたということで、先ほどお答えした百七十二世帯に二十七を加えて百九十九世帯ということでございます。済みません。

高橋委員 ありがとうございました。

 今、全壊でも修理の対象となったというお話だったと思います。これは新潟でも中越地震のときにやった経験でありまして、たとえ全壊であっても修理をすれば住めるんだ、それが住民の非常に強い要望であったということを踏まえて実施がされた。県単の制度があって、セットで、タイアップで一定の再建ができたという経験がございましたので、それが生かされたということは非常に重要なことではないかと思います。ぜひ佐呂間でもそうしたことが可能であるようにお願いしたいと思います。

 佐呂間町では、今月十七日の臨時町議会で、最大三百万円の独自支援策を全会一致で可決をしたと聞いております。その内容は、一部損壊家屋に補修費二十万円、全壊家屋に最大三百万円の、先ほど来話題になっている本体支援も含む建築費にも補助をするというものであります。また、店舗や倉庫、空き住居、物置、車庫なども、解体撤去費に限りますけれども対象となる。これらは国の支援法にないために町独自で決めた支援策でございます。また、所得制限もありません。

 やはり、私、非常に重要だと思うんですね。これらの要望は、繰り返し全国の被災地や被災者団体から要望されてきたことと合致するものだと思うんです。内閣府として、こういう佐呂間町の独自の支援策の意義をどう考えるか、伺いたいと思います。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 災害対策、これは予防から始まりまして、発災時の応急対策、それから被災地の復旧、被災者支援ということであるわけですが、そのいずれの分野におきましても、公助、共助、自助の連携した対策というのをバランスよくとっていくことが必要だと思っております。

 その際、やはり、例えば住宅ということであれば、先ほど来申し上げましたように、一つ基本は自助だと。ただ、自助だといっても、非常に大変な被害を受けた方について地元の公共団体がいかなる対策をとるかという、地元公共団体が何らかの公的な支援をどのように行うかという問題が次に出てまいると思います。ただ、地元公共団体を超えるような一定規模以上の甚大な被害について、国としてどういう公的な支援を政策的にとるかというような流れでやはり考えていく必要があると思いますので、今、先生御指摘あったことは、そういったバランスの中で、今後、災害対策として、公助、特に国の支援というものをどういうふうに位置づけるかということで検討をしていきたいというふうに考えております。

高橋委員 今、国の支援について見直せという話はこれからしますけれども、まずは、町としてこうやって独自に踏み切ったということについてどう思いますか、評価していただけますかということを伺っています。

増田政府参考人 地元公共団体としてさまざまな公的支援をとることは、災害対策としても非常に重要だと思っておりますし、内閣府としても高い評価をしているところでございます。

高橋委員 ありがとうございます。

 私、この問題は繰り返し指摘をしてきましたけれども、どんな問題でも、地域で初めに必要性に迫られて取り組んだことが、全国でどんどん広がっていき、国の制度になっていく、この間の被災者生活再建支援法が九八年に成立をする契機もまさにそうではなかったかと思うんです。このことを非常に大事にしていただく必要があるのではないか。

 佐呂間町は、雪が降り、時間との勝負ということで決断をされた。このことは、二〇〇〇年の十月、鳥取県の地震のときの独自の制度、これは発災から十一日後に支援を決めた、あのときの決断と同様の早さだと思うんですね。そのときに片山知事が早い段階でメッセージを出したことが、住民の流出を防ぐことができた。そのことは、やはり政府も認識できているのではないかと思います。

 大臣は、九日の本委員会でも、また本日もお話しされておりますけれども、被災者の皆さんがどういう形で住まいを見つけていただけるかということが最大の課題と述べておられました。〇四年、法改正時からこの二年間、豪雨、台風、地震、豪雪、そして竜巻と、災害が日本列島を襲いました。そのたびに地方から被災者生活再建支援法の見直しを求める要望が上がってきたと思います。全国知事会も今要望をまとめていると聞いております。国会が四年後の見直しまであと一年ちょっとであります。改めて、支援法の見直しについて大臣の決意を伺いたいと思います。

溝手国務大臣 お答え申し上げます。

 きょう、各党、各先生方からその点についていろいろ質問を受けております。統括官が何とも言えない返事をしておりますが。見直しはすることになっておりますから、これはやらなくちゃいかぬ。検討はそんな短期間で済む問題ではないと思いますから、それはすぐにでもかからなくちゃいけない、検討しなくてはいけないだろうと思っております。検討するからには後ろに下がることはないと思っております。

 以上でございます。

高橋委員 心強いお言葉と受けとめたらよろしいのでしょうか。検討するからには後ろには下がらないということでしたので、それは本当にお願いをしたいと思います。

 中越地震から二周年が過ぎ、仮設住宅で三年目の冬を迎えようとしている方たちがまだ大勢残されています。新潟日報が精力的にこの間特集記事を書いてまいりましたが、ことしの二月二十八日、本委員会にも多数出席されております地元の選出の国会議員の皆さんの調査なども載せておりまして、どなたも、どなたもと言えば語弊がありますが、与野党問わず多くの方が住宅本体への支援が必要だと述べていらっしゃいました。

 また、野中広務元自民党幹事長が同紙のインタビューに答えて、支援法は住宅本体を再建できるようにするべきかとの問いに対し、「そうだ。」と。「被災者の息遣いに心を傾注して、その中から方法を考えていけばいい」と述べております。支援法の成立にかかわった与党の代表の方として、やはり今それが問題だと指摘をしていると思いました。

 また、当時、内閣府の防災担当企画官、〇四年の支援法改正にかかわった渋谷氏は、六月十九日の新潟日報の中で、「家庭や生業、地域を再建する道のりは長い。そのスタート時に住宅本体への支援などで背中をポンと押してあげる政策があってもいい」と述べております。

 だれしもが……

木村委員長 申し合わせの時間が過ぎておりますので、御協力をお願いいたします。

高橋委員 これが見えませんでした。ごめんなさい。

 だれしもが、本体だということをよくわかっている。それで、それが終わってから、自分の任が解けてからそうだと言うのでは困るということで、今の大臣の決意をしっかりとやっていただきたい、こうした声にこたえていただきたいということを要望して、終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

木村委員長 次に、菅野哲雄君。

菅野委員 社会民主党の菅野哲雄でございます。

 北海道佐呂間町を襲った竜巻被害でお亡くなりになられた九名の方々に、そして御遺族の皆様方に対して、心から哀悼の意を表したいと思います。また、負傷された方々を初め、被害に遭われた方々に対し、お見舞い申し上げる次第でございます。

 住宅被害に直面し、厳しい冬をどう乗り切るのか、不安を抱えている方々に対しては、佐呂間町や北海道はもちろんですが、何よりも政府が万全の対策を講じていくよう冒頭お願い申し上げておきたいというふうに思っています。

 竜巻事故は今回にとどまらず、私も視察に行ってまいりましたが、九月には宮崎県の延岡市で発生しております。また、昨年十二月にはJR羽越線で突風による列車の脱線事故もありました。竜巻被害は、局地的とはいえ、一たん発生すれば列車さえ横転させてしまうような衝撃ですから、木造やプレハブ建築物では被害を防ぎようがないのも事実だと思います。それだけに、竜巻の発生原因をしっかりと分析し、竜巻の予測技術を向上させていくことが今問われていると思います。延岡市や佐呂間町での竜巻事故を受けて、政府として今後原因究明をどのように進めていくおつもりなのか、簡単に説明願いたいと思います。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 本年九月の宮崎県延岡市での竜巻、それから十一月の北海道佐呂間町での竜巻の被害の後、気象庁は速やかに地元気象台の職員及び気象研究所の専門家等を現地に派遣しまして、竜巻による突風の実態把握のための現地調査を実施したところでございます。

 我が国で発生します竜巻は、極めて寿命が短く、規模が小さく、発生頻度が少ないという条件がございますので、気象庁におきましては、発生の都度事例解析を進めまして、竜巻の発生と周囲の気象条件との関係につきまして解明するべく研究を引き続き進めていく計画でございます。

菅野委員 先ほどからも議論になっておりますけれども、やはりドップラー・レーダーの配置というものがウエートを占めていくというふうに私は思っています。全国の配置状況や今後の計画については先ほどの議論でわかりました。ただ、ドップラー・レーダーの配置というのが不十分なゆえに、データ蓄積が不十分だというふうに私は思うんです。

 それで、今後の取り組みを、原因究明やどう対応していくのかということは、気象観測網をしっかりとした整備をしていかなければ今後の対応というものに結びついていかないんだというふうに私は思うのですね。そういう意味において、このドップラー・レーダーの配置計画をどう考えていくのか、異常気象とも言える延岡や佐呂間町での竜巻発生を受けて、しっかりとした観測網を整備すべきだというふうに私は思うんです。

 そのときに、一部で言われているんですが、都道府県や市町村あるいは国との関係をどう関連づけていくのかというのも、大臣、これはしっかりとした方針を持って、気象庁とも連携をとって進めていく大きな課題だというふうに私は思うんです。ぜひ、異常気象下における気象観測体制をどう整えていくのか、その異常な暴風雨に対する観測網を整えていくためにはドップラー・レーダーが必要だというふうに言われておりますから、全国五十カ所ぐらいあれば、そして局地的な地域に対しても小さなレーダーを配置していく、そういう観測網を整えること、そしてデータを収集していくことから始めるべきだというふうに私は思うんですが、その状況について決意をお聞かせ願いたいと思います。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど先生御指摘のとおり、まず、ドップラー・レーダーは現在既に一基運用しておりますけれども、これから順次運用していき、データ蓄積を行って、そのデータ蓄積によって今後の監視を強めていくという計画がございます。

 それで、全国で気象レーダーは二十カ所ございますが、この二十カ所の気象レーダーの整備につきましては従来から気象庁が計画的に進めておりまして、今後これらをドップラー化すべく気象庁において計画しているところでございます。

 それで、さらに、竜巻をもたらす局地的な現象を解析するために、ドップラー・レーダー網ができる限り早期に構築できないか、検討を進めているところでございます。

菅野委員 北海道として、今回の状況を受けて、ドップラー・レーダーを早期に配備するとの報道もなされているわけですね。そうすると、国と都道府県、市町村の関係がどうなっていくんだろうというふうに思うんですけれども、その関係のあり方、連携のあり方をどう考えているのか、その辺もお聞きしておきたいと思います。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 レーダーの観測網につきましては、従来から気象庁が国として観測網を展開しているところでございます。それから、他の機関の保有しておりますデータも活用しているところでございます。

 それから、先ほどの地方公共団体のデータの利用ですが、現在、地方公共団体においてレーダーを運用しているところはございませんが、地上観測、雨量観測等でございますけれども、そういうデータは活用して進めておりますので、今後とも、データの活用につきましては、関係機関、地方公共団体とも協力して進めていきたいと考えております。

 以上です。

菅野委員 先ほどからも、この竜巻の予測とどう防いでいくかというのは、これは難しい問題だというふうに思っています。ただし、発生予測をどう迅速に予知するのかというのは、データの蓄積というものが大切なことだというふうに私は思います。そのためにも、データを蓄積していくための観測網をしっかりと計画的に迅速に整えていただきたい、強く要望しておきたいというふうに思います。

 そして、最後になりますが、先ほどもずっと多くの方々が議論されておりました被災者生活再建支援法の問題です。

 このことも、阪神・淡路大震災以降、多くの議論がなされてきて、今日までの法体系の整備にたどり着いているということも、私も当時から災害対策特別委員会で議論を行ってきて、今日までの経過は存じているつもりでございます。ただし、延岡に行っても、佐呂間町に行っても、大臣も委員長もそうなんですが、現地から言われるのは、被災者生活再建支援法を被災を受けた人が使いやすいようなものにしっかりと整えていただきたい、このことはどこでも強く要望されることなんですね。それくらい現在の被災者生活再建支援法というものは限定的な運用しかできていないんだ、住宅本体の再建に適用されないということに対する多くの不満が示されています。

 先ほど、高橋委員に対する大臣の答弁で理解いたしましたけれども、ぜひ早急な見直し検討を行っていただきたい。私の方からも強く要望しておきたいというふうに思いますが、大臣としての再度の決意を私の方にも示していただきたいと思います。

溝手国務大臣 御要望の趣旨については、今まで私なり統括官がお答えしてきたところでございますが、制度というのは、絶えず前に向いて、改善の方向で検討されるべきものと考えております。

菅野委員 早急な制度改正がなされることを強く要望して、私の質問を終わります。

木村委員長 次に、糸川正晃君。

糸川委員 国民新党の糸川正晃でございます。

 まず冒頭、十一月七日に佐呂間町で発生いたしました竜巻によりまして、九人の方が犠牲になられ、また家屋も、全壊十棟、半壊八棟、一部損壊十九棟という被害を受けられたということで、被害を受けられました方々に心からお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 まずは、昨年十二月からことしの三月にかけては豪雪、ことしに入ってからは、平成十八年七月の豪雨、台風第十三号、それから低気圧による暴風と大雨、相次ぐ竜巻被害など、災害が大変頻発をしておるわけでございます。このような災害現象が起こる原因の一つに、今のこの気候変動があるというふうに言われておるわけでございます。

 今回のこの竜巻は、発達した寒冷前線沿いに分厚い積乱雲が発生して、大気が極めて不安定になった、そういうことが原因だというふうに言われておるわけでございますが、竜巻の発生に先立ちまして、気象庁としてはどのような予報ですとか警報を発令されたのか、お聞かせいただけますでしょうか。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、低気圧に伴う強い寒冷前線の通過がございまして、十月七日に網走地方で雷などの発生が予想されましたので、網走地方気象台では、前日の六日十九時二十五分に雷注意報及び強風注意報を発表しまして、当日の突風等に関する注意を呼びかけたところでございます。

糸川委員 気象庁によりますと、日本での竜巻被害というのは、一九七一年から二〇〇五年の三十五年の間に四百八件ということでよろしいんでしょうか。北海道は二十八件と少なくて、佐呂間町を含む網走支庁管内では過去三十五年間で竜巻による被害が初めて発生したということでございます。こうしたことから、全国どこでも竜巻は発生するのかなというふうに懸念されるところであります。

 しかし、今現在の気象技術では、竜巻などの突風を起こすような強い積乱雲が前線上発生する可能性が高い、そういうことが予測できても、その積乱雲がいつどこで発生するかを予測することは困難であるというふうに言われているわけです。しかしながら、突風災害から国民を守るために、技術的な困難性は理解できるんですけれども、何らかの形で突風に関する情報の改善を図ることが必要だというふうに考えております。

 気象庁における今後の情報の改善に向けた具体的な計画について、お聞かせいただけますでしょうか。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のとおり、竜巻等の突風をもたらす現象そのものを予測することは非常に困難と考えておりますが、気象庁といたしましては、レーダー等のより有効な活用を図ることによりまして、竜巻を含む突風の発生可能性のある地域を予測する技術開発を進めているところでございます。この技術開発の成果によりまして、竜巻等の突風対策に利用できる情報の提供を目指しているところでございます。

糸川委員 そういう対策とともに、今度は建築物の安全性というものも求めていかなければならない。現行の建築基準法では、建築物の構造の安全性に関する基準として、建築物は積雪、風圧、水圧、地震の震動、衝撃等に対して安全な構造でなければならない、こういうことになっておるわけですが、竜巻被害が頻発する中でこの基準を見直す必要があるのかなと思うんですが、その辺はいかがでしょうか。

榊政府参考人 建築基準法では、御指摘のとおり、国民の生命、健康、財産の保護を図るために、建築物の構造について最低限の基準ということで定めております。

 風圧に関しての議論でございますけれども、地方における過去の台風の記録をもとに、暴風時の十分間平均風速に基づきまして、基準風速というのを市町村ごとに実は定めております。北海道佐呂間町の場合は三十二メートル毎秒というような形で定められております。

 ところが、今回、気象庁によりますと、今回発生した竜巻というのは、藤田スケールというもので見ますと二だということでございまして、風速が五十から六十九メートル毎秒以上ということになっております。別の新聞報道によれば、最大風速が八十三メートル毎秒にも達していた、こんなことになっております。したがって、こういったような極めてまれな局地的、瞬間的に発生する強風でございますけれども、建築基準法で採用している風圧力を超えている可能性が非常に高いというふうに考えております。

 ところが、こういったような大規模な竜巻に対する安全性を確保するために、それに大丈夫なような構造基準ということになりますと、実は木造一戸建て住宅がほとんど不可能になる、こういうような状態になっております。そういうことを規制するということ自体が、建築物に関する全国一律の最低の基準ということで基準を考えておりますので、ちょっと過大な要求に過ぎるかなということがございまして、現在、基準法での規制の可否については慎重な検討が必要というふうに考えるところでございます。

 以上でございます。

糸川委員 確かに、木造住宅に関しては、そうするともうほとんど建物が建てられなくなってしまうという現実があるということはよくわかっておるわけです。

 そうすると、今回の住宅に係る被害の認定について、災害の被害認定基準について、災害に係る住家の被害認定基準運用指針が作成されておるわけですが、同指針では、地震等の災害により被災した住宅の被害認定というものは、屋根ですとか柱、壁等の部位別の損傷の程度に応じた損害割合の合計等によって判定する、そういうことになっておるわけですけれども、今回のような竜巻によって屋根が吹き飛んだ、こういうような程度では、たとえ居住が困難だというふうになった住宅であっても、全壊または半壊世帯と認定されない可能性があるわけですね。

 今のように建築物の安全性という面から考えて建築基準法を見直すことができないというのであれば、やはり竜巻による被害の特性を考慮して現行の認定基準を柔軟に運用する、もしくは見直す必要があるんじゃないかなというふうに思うわけですが、いかがでしょうか。

増田政府参考人 お答えを申し上げます。

 住宅の被害の程度認定につきましては、災害の被害認定基準という統一的な基準で運用させていただいています。御指摘のように、竜巻、地震、水害、それぞれ被害の特性があるわけでございまして、私どもとしては、そういった災害特性を踏まえながら現場で被害認定ができるように、実際に被害認定するのは市町村でございますが、これまでも指導をしてきたところでございまして、竜巻による被害につきましても、今の御指摘を踏まえながら現場でしっかりと指導をしてまいったところでございまして、そういった被害認定も今回させていただいたところでございます。

糸川委員 もう時間もございません。最後に大臣にお尋ねをしたいんですが、これから厳しい冬が来るわけでございます。一刻も早く被害に遭われた方々に対して支援の手を差し伸べていただきたいというふうに思うわけですが、既に被災者生活再建支援法の適用を決めていただいておるわけでございますが、政府として早急に行われるべき被災者支援についてどのようにお考えになられているのか、最後にお尋ねして終わりたいというふうに思います。

溝手国務大臣 お答え申し上げます。

 今回の皆さん方の質問の中でも答えてきたんですが、寒くなりますので、私が訪れた翌日は震え上がるぐらいの寒さで、とても防寒着なしではいられないぐらいで、これは大変だな、東京で考えているのとはわけが違うなという大変厳しい思いをいたしました。したがいまして、住宅の確保ということが、最大限、最も急ぐ課題ではないかなというように受けとめております。あとのものはそれからついてくる、できるだけ一生懸命やっていこうと。まず暖かい住居を確保しようじゃないかという思いをいたしたところでございます。

糸川委員 ありがとうございました。終わります。

木村委員長 この際、申し上げます。

 去る九日、当委員会における岡本充功委員の質疑中、一部不適切な発言がございました。本人から取り消しの申し出があり、理事会において協議いたしました結果、委員長においてこれを削除いたします。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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