衆議院

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第4号 平成19年4月4日(水曜日)

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平成十九年四月四日(水曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 木村 義雄君

   理事 秋葉 賢也君 理事 小坂 憲次君

   理事 谷  公一君 理事 平井たくや君

   理事 宮下 一郎君 理事 土肥 隆一君

   理事 長安  豊君 理事 古屋 範子君

      江藤  拓君    小里 泰弘君

      岡本 芳郎君    金子 恭之君

      木原  稔君    北村 茂男君

      坂井  学君    平  将明君

      高鳥 修一君    長島 忠美君

      丹羽 秀樹君    西村 明宏君

      馳   浩君    林   潤君

      林田  彪君    平口  洋君

      保坂  武君    松本 文明君

      村田 吉隆君    盛山 正仁君

      森  英介君    安井潤一郎君

      内山  晃君    菊田真紀子君

      楠田 大蔵君    伴野  豊君

      村井 宗明君    鷲尾英一郎君

      高橋千鶴子君    日森 文尋君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       溝手 顕正君

   内閣府副大臣       平沢 勝栄君

   内閣府大臣政務官     谷本 龍哉君

   総務大臣政務官      土屋 正忠君

   厚生労働大臣政務官    菅原 一秀君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   増田 優一君

   政府参考人

   (総務省大臣官房総括審議官)           久保 信保君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 椎川  忍君

   政府参考人

   (消防庁次長)      大石 利雄君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           板谷 憲次君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         宮島 俊彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           御園慎一郎君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院首席統括安全審査官)         平岡 英治君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    加藤 文彦君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  榊  正剛君

   政府参考人

   (気象庁長官)      平木  哲君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   由田 秀人君

   衆議院調査局第三特別調査室長           田島 秀男君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十九日

 辞任         補欠選任

  伴野  豊君     小宮山泰子君

四月二日

 辞任         補欠選任

  小宮山泰子君     伴野  豊君

同月四日

 辞任         補欠選任

  小川 友一君     松本 文明君

  金子 恭之君     木原  稔君

  三ッ矢憲生君     北村 茂男君

  黄川田 徹君     内山  晃君

  小平 忠正君     楠田 大蔵君

  田村 謙治君     鷲尾英一郎君

  松本  龍君     村井 宗明君

同日

 辞任         補欠選任

  木原  稔君     金子 恭之君

  北村 茂男君     三ッ矢憲生君

  松本 文明君     安井潤一郎君

  内山  晃君     黄川田 徹君

  楠田 大蔵君     小平 忠正君

  村井 宗明君     松本  龍君

  鷲尾英一郎君     田村 謙治君

同日

 辞任         補欠選任

  安井潤一郎君     小川 友一君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

木村委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、去る二日、平成十九年能登半島地震による被害状況等調査のため、石川県に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私から調査の概要について御報告申し上げます。

 派遣委員は、自由民主党の秋葉賢也君、小坂憲次君、谷公一君、平井たくや君、宮下一郎君、民主党・無所属クラブの長安豊君、小宮山泰子君、公明党の古屋範子君、日本共産党の高橋千鶴子君、社会民主党・市民連合の日森文尋君、そして私、木村義雄の十一名であります。

 また、自由民主党の瓦力君、北村茂男君、馳浩君が現地参加をされました。

 去る三月二十五日午前九時四十二分ごろ、能登半島沖を震源とするマグニチュード六・九の地震が発生し、同県輪島市などで最大震度六強が観測されました。この地震により、同県を中心に、家屋の倒壊、水道などライフラインの供給停止、道路の崩壊など、住民の生活や地域経済に大きな影響を及ぼす甚大な被害が発生いたしました。

 この災害により亡くなられた方の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災者の皆様に対し衷心よりお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の概要について御報告申し上げます。

 まず、輪島市役所において、山岸石川県副知事、梶輪島市長を初めとする関係者から被害状況等の説明を聴取し、被災住宅の建築に対する支援、ライフラインや公共土木施設の早期復旧、激甚災害の早期指定などの要望を受け、高齢者に対する支援策、行政とボランティアとの連携のあり方等について質疑応答を行った後、北陸電力の松波副社長から、地震に係る志賀原子力発電所の対応について説明を聴取いたしました。

 同県の主な被害状況は、三月三十一日現在で、人的被害が、死者一名、負傷者三百名、住家被害が、全壊三百棟、半壊三百五十一棟、一部損壊千五百七十五棟となっており、千百二十一名の方々が避難生活を送っておられます。

 なお、三月二十五日に、同県は、輪島市など三市四町に災害救助法を適用するとともに、被災者生活再建支援法を県内全域に適用いたしました。

 次に、同市内の被災地を視察いたしました。

 まず、高齢者など約五十名の被災者の方々が避難されておられる輪島市ふれあい健康センターを訪問し、なれない避難生活を送っておられる被災者の方々にお見舞いを申し上げ、激励をしてまいりました。

 次に、門前町是清地区の知的障害者授産施設ふれあい工房あぎしを訪問し、地震の被害により不自由な生活を送られていた入所者の方々を激励してまいりました。

 次に、同町の道下地区、門前地区の被災現場を視察いたしました。

 市内でも門前町は特に被害が甚大で、激しい揺れで倒壊し瓦れきと化した家屋、大きく傾いた家屋など、痛々しい被災状況が至るところで見受けられました。

 以上が調査の概要でありますが、私どもは、この調査を通じまして、震度六強の地震の恐ろしさを改めて認識するとともに、現地の一日も早い復旧復興がなされるよう力を尽くす決意を新たにしたところでございます。

 最後に、今回の調査に御協力いただきました皆様に心から御礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。

 ありがとうございました。

 この際、お諮りいたします。

 派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔要望事項は本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

木村委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官増田優一君、総務省大臣官房総括審議官久保信保君、総務省大臣官房審議官椎川忍君、消防庁次長大石利雄君、文部科学省大臣官房審議官板谷憲次君、厚生労働省大臣官房総括審議官宮島俊彦君、厚生労働省大臣官房審議官御園慎一郎君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院首席統括安全審査官平岡英治君、中小企業庁次長加藤文彦君、国土交通省道路局長宮田年耕君、国土交通省住宅局長榊正剛君、気象庁長官平木哲君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長由田秀人君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

木村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

木村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村茂男君。

北村(茂)委員 自由民主党の北村茂男でございます。災害対策特別委員会における質疑の機会をお与えいただきまして、心から感謝を申し上げます。

 質疑に先立ちまして、一言申し上げておきたいと思います。

 去る三月二十五日の能登半島沖大地震に対しましては、当日直ちに溝手大臣、あるいは翌日には平沢内閣府副大臣、早速現地視察をしていただきまして、心から感謝を申し上げます。なおまた、去る二日の日には、災害対策特別委員会の木村委員長初め各党理事の皆さん、そして委員の皆さんを含めて、多数現地調査をしていただきました。心から感謝を申し上げますと同時に、被災者の一人としても、今後の対応について万全の対策を講じていただきますよう、この際改めて冒頭にお願いを申し上げておきたいと思います。大変ありがとうございました。

 それでは、早速質問に入らせていただきます。

 去る三月二十五日午前九時四十二分に発生をいたしました能登半島地震は、私ども石川県内における観測史上過去最大となるマグニチュード六・九、震度六強の大地震でありました。この地震によりまして、死者一名、負傷者約三百名、建物の損壊は、まだまだ十分把握されておりませんけれども、現在のところで二千六百棟と言われているわけでありまして、また、電気、水道等のライフラインの寸断や道路の崩壊など、極めて甚大な被害が発生しております。

 昨日現在の避難状況は、新聞報道等でも出ておりますけれども、当初避難された人たちは二千三百名と言われていたわけでありますが、昨日段階では何とか一千名を切って九百名段階に至っているというふうに聞いているわけであります。

 このようにして、残されたつめ跡は極めて大きく、我々被災者あるいはその地域に住んでいる者として、あの地震によって私たちが体験をしたあの恐怖心は、いまだ体の中から抜け去ることができない状況であります。

 私自身、当日自宅で、家内と訪れてくれた友人と統一地方選挙等の話をしておった最中でありました。これまで私の経験では地震は揺れるものという印象でありましたが、私は、今回の地震をして、揺れるというよりも、振り回される、振られる地震、そんな印象を受けたところであります。もちろん、逃げようなどと考える余裕すらありませんでした。うちの中のものは、もう倒れるというよりも飛んで歩くというような状況でありまして、私ごとでありますが、家内が飛んできた書棚に頭を打ちつけるというような事態も起こったわけでありまして、こんなことは生まれて初めての経験でありました。あのことを思うと、今もって我が身がおののくような、そんな気がいたします。

 間もなくやってきた二回目の余震、震度五ぐらいでありました。そのときには窓をあけてもう逃げる用意をしておりましたけれども、当初のときには、逃げようあるいは逃げられるなどということは考えませんでした。

 どういうわけか家内は、私の名前を呼ぶよりも、一度小さく家の中で飼っている犬の名前を呼んだことが、私にとっては、終わってみては余りいい印象ではありませんでしたが、そのことも全く後で気がついたというような状況でありまして、本当に、身のよだつというんですか、そういう思いでありました。

 そこで、今回の地震によって、一日現在で申し上げますと、家屋全壊は三百十六棟、半壊が三百五十七棟、一部損壊が千五百七十六棟、死者一名、重軽傷者は正確には二百七十九名、避難所二十七カ所に現在九百四十名ぐらいが避難をしているという状況だと聞いております。調査を終えた住宅七千五百四十八棟の応急危険度判定では、危険が千二百二十二棟、要注意が千五百六十一棟、問題なしが四千七百六十五棟という状況でありまして、四百七十世帯が依然断水しているという状況でもございます。また、気象庁の発表では、今後一カ月のうちには五弱程度の余震の可能性が十分あるということも言われているわけでありまして、まさしく気の抜けないこれからの日々を暮らさなければならないこととなっているわけであります。

 私どもも、早速翌日には、安倍総理に、県選出の国会議員四名全員でもろもろの対応策の要請をいたしましたし、昨日も実は、石川県知事と一緒に、安倍総理に今後の対応についてつぶさにお願いをいたしました。その際に、安倍総理には何とか時間を割いて能登入りをしていただいて、意気消沈をして失意のどん底にある被災者及び県民に対して直接励ましていただきたいということも強くお願いをしてきたところであります。

 さて、時間がありませんので、順次質問をさせていただきたいと思います。

 これまで地元市町村からは、この地震をぜひ激甚災害に指定をしていただきたいとの要請が各所から届けられているわけであります。既に大臣にもお願いをしているところでありますけれども、この激甚災害への早期指定について、その見通し、及び、激甚災害の指定を受ければこれまでの一般災害復旧事業とはどこがどのように違うのかというメリット等についても御説明をいただければありがたいと思います。よろしくお願いします。

溝手国務大臣 お答え申し上げます。

 激甚災害制度につきましては、適用の措置ごとに一定の基準がございます。したがいまして、通常は、地方公共団体からの被害報告を受けて、関係省庁において指定の前提となる復旧事業費等を把握することが手順として必要になるところでございます。

 しかし、今回の能登半島地震につきましては、被災の地方公共団体は多数の避難者の応急対策等に最優先で取り組んでいる状況であることから、新潟県で起きました中越地震の際と同様、地方公共団体の報告を待っていたのではらちが明かないというような判断をしておりまして、激甚災害の指定の可否の判断についてはできるだけ速やかに行う必要がある、このように考えております。

 そのためには、被害の推定額を、積み上げというより推定額を使用してその被害額というのを考えていきたい。また、国土地理院の地図や航空写真を利用してこれにかえていきたい。あるいは、本省や地方機関より職員を派遣しまして、これと地方公共団体と合同して作業を進めたい。等々の対応により、被害状況を一刻も早く、早期把握を行っているところであり、できるだけ速やかに激甚問題について決着をつけたい、このように考えているところでございます。

 激甚災害に指定されますと、地方公共団体が行う災害復旧事業への国庫補助率がかさ上げになる、あるいは中小企業に対する低利融資などの特別の財政措置が講じられることになる、これが激甚災害のメリットであろうと思います。なお、公共土木災害の場合は約一〇%程度のかさ上げになる、このように承知をいたしております。

北村(茂)委員 早期指定をぜひお願い申し上げたいし、地元も督励をして、状況把握が一刻も早く進みますように私どもも鋭意努力をしていきたいというふうに思っておりますので、速やかにお願いを申し上げたいと思います。

 次に、時間の関係があります、先を急ぎます。

 我が石川県でもあらゆる角度から地震対策を講じておりますし、当該市町等についても、それぞれ首長を先頭にして、すべてこの震災対策に取り組もうということで鋭意取り組んでいるわけであります。

 もちろん、自衛隊や隣県からの消防、警察等の応援もたくさん来ておられますし、ボランティアの方もたくさん入っていただいて、非常に感謝をいたしているところでもあります。

 しかし、何よりも、これらの復旧対策を講じようとすれば、どうしても地方自治体の役割というのが極めて大きいわけでありまして、私ども、地元輪島市あるいは七尾市、珠洲市、志賀町、穴水町というところは、いわゆる財政力の極めて弱いところでもあります。押しなべて財政力指数が〇・三未満というところばかりでありまして、ことしの当初予算編成も、それぞれが財政調整基金等を取り崩してどうにか予算を組むことができたというような状況の中での今回の大地震であるわけでありますので、これが対策を進めていくためには、どうしても国からの財政支援ということが極めて重要な問題になってくるわけであります。

 そこで、昨日の新聞にも出ておりましたが、菅総務大臣は、交付税の配分を、数カ月繰り上げてでも配分しようという特例の措置をとっていただいたという報道もあります。このような措置は非常にありがたいわけでありますけれども、特別交付税、いわゆるこういう災害等の出費に係る調整をしていただけると私ども理解しているわけでありますが、特別交付税の前渡し等々のようなことができないのかどうか。そのことによって市町村は非常に対策を進めることができると思うわけであります。

 普通交付税への反映ももちろんでありますけれども、特別交付税の前渡し等については可能性がないのかどうか、ぜひこういうことをやっていただきたいと思うわけでありますが、総務省の見解を伺いたいと思います。

椎川政府参考人 お答えいたします。

 まず、今回の大災害で、応急対策、復旧対策に係る財源、大変多額に上ると思っております。ただいま議論ありましたように、各省において国費の手当ても十分にしていただかなければなりませんけれども、地方負担分でありますとか国費で対応できない事業、多額の財政需要がございますので、そういったものを十分にお聞きして、私どもとしては、地方交付税や地方債によりまして万全の地方財政措置を講じまして、その財政運営に支障が生ずることのないように対処してまいりたいと思っております。

 ただいま御質問の特別交付税についてでございますけれども、災害による特別な財政需要につきまして、被害額、復旧事業費を調査いたしまして、それに基づいて算定し交付することといたしておりまして、現行の交付税法によりますと、十二月及び三月にその決定及び現金交付を行うこととされております。今回の地震につきましては、その被害状況をよく把握いたしまして、平成十九年度の十二月分の特別交付税において適切に対処してまいる所存でございます。

 ただ、今お話のありました当面の資金繰り対策ということが大変重要になってまいりますので、私どもといたしましては、被災団体における資金繰りを円滑にしていただくために、今回の災害により被害を受けました県内の三市四町、七団体に対しまして、六月に交付すべき普通交付税の一部、二十六億二千九百万円を四月十二日に繰り上げて交付することを既に決めておるわけでございます。

 なお、四月三日には、定例の四月分の普通交付税の概算交付、これらの七団体に対しまして八十七億七千七百万円を既に現金交付しておりますので、当面の資金繰りには十分対応できるのではないかと考えているところでございます。

北村(茂)委員 それでは、次に進みます。

 今回の地震によってライフラインがずたずたになったことは今ほど申し上げましたが、我々能登地域と金沢、県都を結ぶ基幹道路であります能登有料道路が、これまた数カ所で寸断されているという状況にございます。私も、被災を受けた当日の夜十一時半ごろ、どうしてもこの道が通れないので、翌日上京して総理にお会いするということになりましたので、下道を通って金沢まで出たわけであります。二時間十分ぐらいかかって町道、市道をつないで金沢まで出たわけでありますが、そんなことを考えると、通常一時間三、四十分で金沢までたどり着くことができるこの能登有料道路は、私どもにとって幹線道路となっているわけであります。その道路が今寸断されているわけでありますが、このように、いわゆる基幹的交通基盤、交通施設であります能登有料道路、あるいは能登島大橋、さらには能登空港も部分損壊を受けているわけであります。

 このようないわゆる基幹的施設に対して何としても早急に復旧をしていただきたいわけでありますが、そのときには、やはり国土交通省の高いレベルでの技術支援といいますかアドバイスといいますか指導といいますか、こういうことがどうしても強く望まれている、地元からは強く言われているわけであります。それは、東京におって指揮をするのではなく、できることならこういう技術支援を現地において直ちにしてあげるというようなことが復旧をしていく上で極めて重要ではないかと思うんですけれども、このようなことに対する取り組みは国交省で考えておられるのかどうか。

 また、昨年、中越地震の山古志村を長島先生と一緒に視察させていただきました。あそこでも感じたことでありますが、私どもには二百四十九号線という補助国道があるんですけれども、補助国道だから、国は側面支援をするから施行責任者は県でやりなさいというだけではなくて、場合によっては、この部分は技術的に困難だから国土交通省が直接施行してやろう、こういうような部分があってもいいのではないかということを考えるわけであります。いわゆる直轄施行というのか直接施行というのかわかりませんが、代行施行というのかもしれませんけれども、このような取り組みは可能なのかどうか、伺いたいと思います。

宮田政府参考人 お答え申し上げます。

 能登有料道路、それから能登島大橋、国道二百四十九号初め幹線道路の被害、非常に大きいものがございました。

 技術支援でございますが、そういった幹線道路の早期復旧のために、橋梁とか地すべりの専門家も当初から派遣をしております。また、復旧工法検討委員会というのが現地でできておりますので、そこにも専門家を派遣するなど、引き続き技術的な助言というのをやってまいりたいと考えております。

 それから、輪島市に北陸地方整備局が職員を七十五名出しておりまして、そういうもので、例えば、市町村の管理する道路の被災に対しまして被災状況調査、あるいは来週の十日より災害査定資料作成の支援を実施する予定でございます。

 国道二百四十九号、県が管理される国道一カ所で、洞門が大きな岩石の崩落によって倒壊をしております。非常に大きな災害で、なかなか現道復旧というのが難しいかなと。これは、検討委員会で施工方法も含めて十分今後本格復旧の検討がなされると思いますが、そういうものについて、施工計画を石川県の方で策定されるというふうに聞いております。そういう施工計画が出されるのを待ちまして、国交省としては、石川県と綿密に調整をして必要な支援をやってまいりたいと考えております。

北村(茂)委員 遺憾なきを期してやっていただきたいと思います。

 次に、今回の地震に伴う倒壊家屋等が、今精力的に地元では解体等を進めているわけであります。個人にかかわる支援制度はあるわけでありますが、別として、災害廃棄物と言われるようなものを、一般処分場に持っていけないので、部分的にあるところで仮置きをしている場所があるんですね。いずれこれは市町村、自治体がそれぞれ責任を持ってやらなきゃいけない、これが後々膨大な財政負担になるのではないかと言われているわけであります。

 いわゆる災害廃棄物の処理に対して、市町村、自治体に対する支援はどのようなことを考えておられるのか、あるいはもっと手厚い支援の制度が考えられないのかどうか、伺いたいと思います。

由田政府参考人 お答えさせていただきます。

 倒壊いたしました家屋の廃材を初めとしまして災害廃棄物の収集、運搬あるいは処分につきましては、被災市町村が民間事業者に委託をして処理いたしましたり、あるいは作業員を臨時に雇用するなど、特別な経費を必要といたしますために、災害等廃棄物処理事業費補助金というのを設けておりまして、これによりまして災害廃棄物の処理に要する費用の二分の一を補助いたしているところであります。また、国庫補助金以外の市町村が負担した費用につきましても地方財政措置が講じられているところであります。

 環境省としましては、関係府省と連携いたしまして、災害廃棄物の処理が円滑に進むようできるだけの支援に努めまして、一日も早い復興を目指して取り組んでまいりたいと思っております。

北村(茂)委員 万全を期してお願いをしたいと思います。時間がありませんので先に進みます。

 石川県では、今、輪島市で百十戸、穴水町で二十戸、合計百三十戸、きのうの発表によりますと、志賀町というところでまた加えて十戸の応急仮設住宅の建設を決定したと報じられております。

 今、九百数十名の一部避難の方々に対するいわゆる応急仮設住宅でありますが、この仮設住宅建設についてでありますけれども、どうしてもその地域のコミュニティーから隔離された別のところへ移るわけでありますので、お年寄りが多い今回の被災者の方々あるいは一部避難をしている方々のことを考えると、いわゆる仮設住宅においてもコミュニティーを壊さないでほしいというような声が強くあるわけであります。

 そこで、この仮設住宅の設置基準の中には、五十戸以上になったら談話室とか集会施設のようなものを設けていいよというような基準があるらしく聞いているのでありますが、もう少し基準を緩めて、例えば三十戸であっても二十戸であっても、みんなが寄り合って話し合えるような、そういう談話室とか集会所のようなものができないのかどうか、こういうことを強く地元の方では求めているわけでありますが、このことに対する取り組みについて伺いたいと思います。

宮島政府参考人 お答えいたします。

 仮設住宅、今委員からお話がありましたように、計百四十戸、今月中の入居へ向けて準備を進めております。増設についても、まだ今後早急に取り組まなければならないという状況にあろうかと思います。

 確かにお年寄りの方が多うございますので、五十戸以下の応急仮設のそういうところでも談話室を設置するとか、あるいは仮設住宅に手すりやスロープなどを設置するというようなこと、あるいは被災地が寒冷地でもありますので厚い断熱材を使用するなど、いろいろ高齢者に配慮して、入居者が生活しやすいように、地元自治体からの相談にきめ細かく応じてまいりたいと思っております。

北村(茂)委員 時間が参りました。政府はもとより、当委員会においても、被災者に対して万全の対策を講じていただきますよう重ねてお願いを申し上げて、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

木村委員長 次に、谷公一君。

谷委員 谷公一でございます。

 まず、今回の地震によりましてお亡くなりになられた方の心からの御冥福と、被災された方にお見舞いを申し上げたいと思います。

 私も一昨日の委員会の現地調査に行かせていただきました。そういうことを踏まえて、以下、何点か質問をさせていただきたいと思います。

 まず、今回の地震は沿岸域に起きたということであります。これまで余り解明がされていない、そういう沿岸の活断層が動いたということでございますけれども、これは、阪神・淡路大震災以降、海上保安庁あるいは経済産業省などで調査が進められているということでございますが、沿岸の活断層の調査の現在の進捗状況、また、今回のこういう地震を踏まえて、今後どう取り組んでいくのかということについてお尋ねしたいと思います。

板谷政府参考人 お答え申し上げます。

 文部科学省には、関係省庁連携のもと、我が国の地震に関する調査研究を一元的に担う地震調査研究推進本部が置かれているところでございます。この関係省庁連携のもとに、これまで陸域の活断層を中心に調査、評価を進めてきたところでございます。

 御指摘の沿岸域におきましての調査でございますけれども、地震調査研究推進本部のもとで、海上保安庁さんと独立行政法人産業技術総合研究所が実施しているところでございます。これまでにも、大阪湾や伊勢湾などの活断層につきまして評価を実施してきたところでございます。

 今後とも、沿岸域の調査を推進し、それによって得られる新たなデータを収集するとともに、既存のデータもあわせて情報を集約し活断層についての評価を行うなど、関係機関連携のもと着実に地震調査研究を推進してまいる所存でございます。

谷委員 ぜひ今後とも、今回の地震を契機にして、陸はもちろんでございますけれども海底の活断層についても積極的な調査を、今まで以上に取り組んでいただきたいと思います。手元に週刊誌がありますけれども、見えざる犯人、海底活断層は能登だけではないというような記事も出ておりますので、ぜひ積極的な取り組みを強くお願いしたいと思います。

 もう一つ、今回の地震の性格でございます。

 河田恵昭、有名な地震学者でございますけれども、京大の防災研究所長あるいは神戸の人と防災未来センターのセンター長をされている方でございますが、河田先生が、今回の地震を踏まえて、我が国全体が地震の活動期に入っており、どの自治体も大きな地震が近くで起こることを想定しておくべきだとコメントされております。また、別の複数の専門家からも、西日本は本格的な地震の活動期にあるのではないかとの見方も出ております。

 気象庁にお尋ねいたします。

 今回の平成十九年能登半島地震が生じたことも加えて、現在の我が国は地震の活動期に入っている、そういうふうに認識しているのかどうかということをお尋ねしたいと思います。

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 中央防災会議東南海、南海地震等に関する専門調査会において、今世紀前半にも発生する可能性があるとされている東南海・南海地震につきまして、過去の事例によると、西日本の内陸では、東南海・南海地震の前後に地震活動が活発化する傾向が見られているという見解が示されております。今後、そのような活動期に入る可能性については否定できません。一方、過去百年近くの気象庁の地震観測を通じマグニチュード六以上の地震の発生状況について見たところ、特段顕著な変化は見出されておりません。

 いずれにしましても、気象庁は、被害をもたらすような地震はいつどこでも発生し得るものとして、迅速かつ的確な地震情報の発表に努めるとともに、地震の発生状況について注意深く監視してまいります。

谷委員 ありがとうございます。

 いつでもどこでも発生し得るということだけでは、国民はやや、緊張して準備をしないと思います。綿密な調査によって、どういう状況になるか、なかなか難しいところではございますけれども調査研究を進めていただいて、国民に情報を積極的に開示し、PRしていただくように要望をいたしたいと思います。

 次の問題に移ります。

 今回、私は現地調査に一昨日行きまして、能登半島北部という中山間地域、これから我が国全体が進むであろう高齢化の進展という事態を先に体現しているといいますか、そういう地域で地震は起こったわけであります。

 私自身の選挙区あるいは生まれ育った地域もそうでございますけれども、高齢化が進む中山間を多く抱える広島県の選出で市長経験もある溝手大臣に、こういう過疎の進む中山間地域で地震が起こった、では何に一番目配りしながらこういう地域での復興を進めていきたいというお考えなのか、大臣の決意をお伺いしたいと思います。

溝手国務大臣 中山間地域を襲った災害の復興を進めるに当たりまして何よりも大切なことは、地域のコミュニティーをいかに維持しながら高齢者を含めた住民の方々が安心して住み続けることができるか、その環境づくりというのが極めて重要であると考えております。

 私が拝見した限りにおいて、門前町の過疎化というのが数十年にわたって続いてきた中での災害ということで、その災害が高齢の居住者にとって決定的なダメージにならないようにいかに注意していくかということは極めて重要だろうと思います。

 まずは、住宅の自力再建というのは、経済的にも体力的にも年齢的にも非常に難しいという条件だろうと思います。その中でどのように住まいを確保するか、あわせて、農業、あるいは農業以外の生きていく糧の生業、あるいは商業、医療、福祉といったものをあの地域にどうやって残すことができるであろうかということを総合的に検討していく必要があるのではないかと思います。

 さきの例になりますけれども、中越地震の際、山古志村への帰村見込みがもとの世帯の七割程度にとどまるというようなデータが出ておりますが、私は、今回の門前町を中心とした災害は、もっと少なくなるのではないかという危惧を抱いております。中山間地における被災地の復興は極めて難しい問題であるという認識をいたしております。

 したがいまして、能登地域、能登半島の地震の復興対策に当たっても、さきの山古志村の例も十分に参考にしつつ、県市においては、被災者の声を十分聞いていただき、地域のコミュニティーが維持できるように十分配慮した対応策を推進していく必要があろうと考えております。

 政府といたしましても、これを懸命に、十分に支えてまいりたい、このように考えております。

谷委員 ありがとうございます。地域のコミュニティーの維持、まさに私も大臣のおっしゃられるとおりだと思います。

 私は今回現地に行きまして、危惧していることの一つは、人口減少による地域社会の崩壊ということ、そして地場産業、観光産業への打撃ということ、そして市町財政のさらなる悪化、こういうことを大変危惧しているわけであります。

 今大臣の答弁にありましたように、あの門前町の惨状、痛々しい光景、本当に悲しくやりきれない姿を見るにつけ、私は十二年前、神戸で阪神・淡路大震災に遭遇いたしましたけれども、そういうこととあわせて、人口流出それから地域の停滞をとどめるように我々政治家が最大限の努力をしなければならないと思っております。そういう観点から、現行の被災者生活再建支援法のあり方も、いま一度考えなければならないのではないかと思っております。

 平成十六年の改正により、住宅の解体や瓦れきの撤去などに上限二百万を支給する制度で、従来の生活必需品購入百万と合わせて上限三百万とされました。しかし、二百万の上限の住宅の解体や瓦れきの撤去などの実際の支給額はどうなっているか。どうなっているでしょう。

増田政府参考人 お答え申し上げます。

 今ちょうど見直しの検討会を進めておりまして、第一回の検討会で施行状況等につきまして御報告をさせていただきました。

 今委員御指摘がありました居住関係費、二百万上限ということでございますが、実施率でいいますと今のところ三割に満たないというような状況でございます。

谷委員 そうなんです。正確に言うと二八%ではないかと思うんです。

 これは住宅本体再建は対象外なので、せっかくの制度が生きていない、あるいは目的を十分に達成していないのではないかという声は根強いものがございます。業を煮やした被災自治体は、独自に住宅本体への支給を既に始めております。石川県も百万を限度で始めるということのようでございますし、新潟中越地震も新潟県はやりました。私の調べたところ、十一都府県、全国の人口でいいますと四分の一を超える、二六%ぐらいの人口を有する自治体が、既に独自の本体への支給を始めております。

 今統括官の方から答弁がございましたように、平成十六年の法改正時に四年後の見直しという附帯決議がありましたので、先月から検討会を設けたということでございますけれども、私はぜひ委員の方に被災地に行っていただきたいと思います。委員のメンバーを見ますと、私の尊敬する伊藤滋先生とか、室崎先生とか、重川先生とか、もちろんそういうプロの方もおられるんですけれども、それ以外の方もおられる。現場を見ずして地域というのはわからないと思います。被災地はわからない。現場の皆さんの声をじかに委員の方も聞いて、市長さん、町長さんの生の声を聞きながら、積極的に前向きにぜひ検討を進めていただきたいというふうに私は強く思っております。

 確かに、住宅本体への助成は、今の制度でありますと二百万ですから、それがすべて特効薬ではないかもわかりません。しかし、今までの実例から見ると、復興への有効な方策ではないかというふうに私自身は思っております。

 今回の中山間でのああいう被災の状況を見るにつけ、中山間の過疎地域に人が住んで生活を営んでこそ、我が国の国土は保全されて、環境は守られて、農林水産業などの一次産業は守られていくのではないか、私はそういう思いでこれからも努力していきたいと思いますが、溝手大臣の所見をお伺いしたいと思います。

溝手国務大臣 先ほど先生御指摘のとおり、現在までの法改正、被災者生活再建支援法につきましては施行後四年を目途としてこれを見直していこうということになっておりまして、附帯決議に沿いまして制度の検討をしていこうということで、現在、学識経験者や自治体関係者をメンバーといたしましてこれを進めているところでございます。

 まず、一つの問題点として考えておりますのは、今の制度が使いにくいということ、これを何とか頑張ろうじゃないかということが一点でございます。それからもう一点は、額の問題、これをどうするかということも大きな課題であろうと思います。さまざまな要望をお聞きしながら検討してまいりたいと考えております。

 もう一点御指摘の復興地への視察の問題でございますが、おっしゃるように、現地を見たいと御希望の方は御案内して、検討会の意見に取り入れたい、このように思っております。

谷委員 ありがとうございます。ぜひ積極的な見直しをお願いしたいと思います。

 一つ大臣に確認させていただきたいんですが、今回の検討会で見直すのは、幅広く見直すということだと思うんですけれども、言われましたように、対象の災害は今のままでいいのかとか、対象の世帯とか、受給者の収入とか年齢とかいろいろありますけれども、それはどの経費を対象にするかという対象経費も含めて検討する、そういう理解でよろしいでしょうか。

溝手国務大臣 今先生御指摘の点も含めて、見直ししてまいりたいと思います。特に枠にこだわらずに、とにかく使いやすい、せっかくつくるからには使いやすい制度にしていこうじゃないか、こういう観点でございます。

谷委員 ありがとうございます。

 確かに大臣が言われるように、使いやすい、あるいは別の観点から見れば、例えば仮設住宅であれば建設費、解体費で四百万円ぐらいかかります。同じ金を使うのならば、仮設住宅には入らないよ、しかしちょっと住宅への支援をしてちょうだいという方にはそういう支援をするというような方策も含めて幅広く検討をしていただいて、年内にまとめるということでございますけれども、積極的な見直しをぜひお願いしたいと思います。

 最後に、被災自治体への支援の話でございます。

 先ほど、被災地輪島の北村先生から熱い思いの質問がございました。それに加えて、特別交付税、地方債の財政支援はぜひとも私も願っているわけでございますが、あわせて、今後石川県なりあるいは被災自治体、市とか町の復興計画が恐らくつくられると思うんですけれども、それに盛り込まれた事業を、例えば今年度総務省が新たに取り組もうとしている頑張る地方応援プログラムにのせて支援するというような新たな財政支援方策もぜひ検討していただきたいと思います。

 と申しますのは、十二年前の阪神・淡路大震災はけた違いでしたので、九千億の復興基金もつくった。それで自治体の裁量で比較的いろいろな支援策ができた。また、中越地震も復興基金ができた。そして、それについて総務省の財政支援もあった。そういうこともあわせ考えるならば、ぜひ総務省としての新たな支援方策も検討していただきたいと思いますけれども、答弁をお願いします。

久保政府参考人 私ども総務省といたしましては、関係地方公共団体の実情を十分お聞きいたしまして、災害復旧復興について地方財政措置を講じて、財政運営に支障が生じることのないように適切に対処してまいりたいと考えております。

 とりわけ、委員御指摘がございました頑張る地方応援プログラムでございますけれども、これは御案内のように、独自のプロジェクトをみずから考え前向きに取り組む地方公共団体に対して地方交付税措置を主として講じようとするものでございまして、御指摘がございました被災自治体の復興に向けた取り組みにつきまして、地方公共団体が創意工夫を凝らして独自のプロジェクトを策定し、具体の成果目標を掲げて住民に公表したといったものでございますと、国庫補助の対象外となる事業も含めて、この頑張る地方応援プログラムの支援対象になり得ると考えております。

谷委員 前向きの答弁、ありがとうございました。

 それでは、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。

木村委員長 次に、村井宗明君。

村井委員 民主党の村井宗明です。

 きょうは、能登半島地震についての質問をさせていただきます。よろしくお願いします。

 私は、大学時代、阪神大震災のときに、ちょうど関西の方に下宿をしていました。そのときに、よし、ボランティアで手伝おうと思って、避難所の方に行って、小学校の体育館に二カ月間寝泊まりしながらボランティア活動をしました。それが今の私の政治の原点です。そして、そんな中で、まさしく先日地震が起こったとき、もちろん私の富山県もかなり揺れました、すぐにそれでも能登半島へ行こうと思って、行ってきました。被災者の現場を見ました。

 そんな中で、きょうは二つのお話をしたいと思います。一つは、避難所の皆さんの暮らし、もう一つは、去年マスコミから耐震設計についていろいろな質問や注目をされたマンションが被害を隠しているのではないかという話です。

 さて、一点目の避難所生活の話なんですが、私もすぐに行って、ああ、これは阪神大震災のときと一緒だ、それから中越地震のときも一緒だというふうに思いました。それは、体育館のところに毛布がでかいとあって、そこに敷き詰められているところにいろいろな人が寝ている。もちろん、パンや水はどんどんどんどん来るんです。しかし、その生活がパンと水だけで一カ月、二カ月となっていくと、当然、栄養の偏りもあるわけです。

 そんな中で、野菜などのビタミン類などを十分に避難所の方々に補充していく対策などはどのようになっておられますでしょうか。よろしくお願いします。

菅原大臣政務官 まず、このたびの能登半島地震におきまして亡くなられた方に心から御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げるところでございます。

 御質問の、野菜等のビタミン、万全かというお話でございますが、災害救助法に基づきます食事の提供は各市町に委任されておりまして、各避難所の状況を踏まえて行われているところでございます。食事は、被災者の方々の健康の維持において最も大切なものであると考えております。

 厚生労働省といたしましては、石川県に対しまして、避難の長期化に対応して、メニューの多様化、あるいは適温食の提供、そして栄養バランスの確保、高齢者や病弱者に対する配慮等を行うように通知をいたしたところでございます。

 これを受けまして、被災地の各避難所におきましては、栄養士のアドバイスを受けまして、野菜を取り入れた栄養に偏りのない食事を提供するなど、可能な限り工夫をいたしてもらっているところでございます。さらに、現地では自衛隊による炊き出しが行われておりまして、煮物等、いわゆる野菜の入った副食を提供してもらうような対応をとっているところでございます。

 今後とも引き続き、避難所での食事については、避難者の状況や要望を踏まえまして、地元の自治体と相談しながら十分に対応をしてまいりたいと考えております。

村井委員 もう一つ、避難所の方に要望をしたいことがあります。それは、おふろやシャワーなどの面です。

 私も、二カ月間避難所に暮らしていたときに、もちろんたまに、一カ月に二回ぐらいは自衛隊の炊き出しのふろがあるんですが、それ以外は基本的にシャワーやおふろに入れない。私はそのときに、一週間ぐらいたつと頭がかゆくなるので、川に行って、流れている川でシャンプーをして頭を洗った覚えがあります。ただ、一般の人がそういうことをできるかといえば、なかなかできない。

 おふろやシャワーなど、衛生面も非常に気遣ったサポートを避難所の人たちにするべきだと思うんです。その辺の対策を要望しますが、どうでしょうか。

菅原大臣政務官 ただいま村井委員の大変貴重なお話を聞きまして、大変敬意を表する次第でございます。

 現地の避難所におけるおふろやシャワーの設置につきましては、現在、災害救助法に基づく避難所の費用として対応できる旨石川県に対しまして周知を図っているところでございまして、県において簡易シャワーを設置したり、近隣の温泉施設や宿泊施設を利用すべく、その送迎なども行っているところでございます。さらに、今お話のございましたように、現地におきまして自衛隊による仮設ぶろの設置が行われております。

 今後とも引き続き、被災状況や被災者の方々の要望などを聞きながら、自治体と相談しつつ、被災者の生活環境の改善に努めてまいりたいと考えております。

村井委員 その話の続きで、関連なので政府参考人でも結構なんですが、できればさらに要望したいことがあります。それは、小学校などの大きな避難所にはそうやって炊き出しだとかおふろとかは来るんですが、それ以外にも、公民館などを初めとして小さな避難所にはなかなかそういったサービスが行き届かない。特に人数の少ないようなところに対してしっかりとサポートをしていただきたいと要望させていただきたいんですが、どうでしょうか。

菅原大臣政務官 おっしゃられるように、学校の体育館等は、スペースもございますし、またそうした対応がしやすい環境にあると思いますが、公民館等については、そうした災害時における環境という意味では、まだまだ不十分であります。

 御指摘、また御提言の趣旨を踏まえまして、しっかり考え、また対応していきたい、このように考えております。

村井委員 次に、本当は仮設住宅の質問を要求していたんですが、その前に、ちょっと順番を入れかえたいと思います。

 きょう私は、資料を皆さんに配らせていただきました。「能登半島地震について」という内閣府の四月二日十八時の被害状況の紙をちょっと抜粋して、手書きの部分は私が書きました。そこで、それぞれの県の被害状況が書いてあるんです。石川県では、全壊三百二十一、半壊三百五十七、一部損壊千八百八となっていますが、富山県内の住宅の被害状況はどのようになっておられますでしょうか。

土屋大臣政務官 お答え申し上げます。

 被害の状況の第一次的把握は市町村が行い、それが都道府県を経由して国に来るわけであります。現在のところ、経由して私ども総務省消防庁に上がっている報告では、ゼロということになっております。

村井委員 それでは、消防庁の方にお聞きしたいと思います。

 内閣府が取りまとめた「平成十九年能登半島地震について」のうち、住家被害の状況における半壊や一部損壊の定義はどのようになっておられますでしょうか。

大石政府参考人 お答えいたします。

 半壊とか一部破損の定義でございますが、消防庁の方で災害報告取扱要領というものを定めておりまして、この中で定義をいたしております。

 半壊は、住家の居住のための基本的機能の一部を喪失したもので、具体的には損壊部分がその住家の延べ床面積の二〇%以上七〇%未満、こういった要件になっております。それから一部破損でございますが、半壊には至らない程度の破損でございまして補修を必要とする程度のもの、ただし軽微な補修については除くということにいたしております。

村井委員 その定義なのに、富山県内の一部損壊それから半壊がゼロとなっています。

 さて、皆さん、思い出してください。去年、耐震偽装の問題で、地震と住宅について私たちは国会で随分と議論をしてきました。その中で、一つにはヒューザーさん、もう一つは某アパマンションさんが大きな話題となったわけです。村井さん、富山県では、アパマンション、あの耐震偽装、偽装かどうかはわからないんですが、耐震性で問題があると多くのマスコミなどから注目されたアパマンションさんがあるよね、あれは大丈夫だったんですかという声がよく聞かれます。それでも内閣府は、富山県内の地震の住宅の損害は今のところゼロと報道しています。

 さて、そこで次のページを見ていただければと思います。

 富山県内では、今こういう話になっています。一個だけ住宅は大きく損壊したところがあるんだ、唯一損壊したところがあるんだけれども、そこの場所は今のところ被害を報告していない、もしくは被害を隠ぺいしている状態になっていると言われています。どことは言わないんですが、そのマンションが、もちろん被害はゼロだ、被害はゼロだというふうに言っているんですけれども、そこには今、写真を撮ってまいりました、これが二枚の写真なんです。

 一個目が、余りにも危ないのでもうバリケードをつけてしまっています。富山県内の某マンションです。これが自分らでつけたものですね。その横につけたのが、これは、危険ですから近づかないでくださいという張り紙。調べたところ、十四階のフロア全部にこの張り紙をつけていました。危険ですから近づかないでくださいと張り紙をしておいて、その入居者に配った資料を見ますと、能登半島地震により損傷が発生しています、「危険ですからバリケードの外側には絶対に出ないで下さい。」と書いてあるんです。

 さて、本当にこの地震で、耐震性で問題視をされたアパマンションなんですが、地震の被害はなかったんでしょうか、どうでしょうか、お答えください。

大石政府参考人 お答えいたします。

 私どもといたしましては、県の方から市の被害について御報告を受けるという立場であるわけでございますが、御報告上は被害はゼロということになっているわけでございます。

村井委員 そのアパマンションなんですが、京都では耐震性を調べてアウトになりました。埼玉でも耐震性を調べてこれもアウトになりました。

 さて、富山のこのアパマンションは調べられたんでしょうか、どうでしょうか。耐震性をチェックされたんでしょうか、お答えください。どなたでも結構です。

土屋大臣政務官 消防庁の所管事項ではございませんが、今の件につきましては、委員長とも御相談申し上げ、後刻、所管のところから御報告をさせていただきたいと存じますが、それでよろしゅうございましょうか。

村井委員 はい、結構です。

 何件かにおいては、耐震性をアパマンションで調べて、耐震偽装もしくは耐震不十分ということになりましたが、さて、このアパが何個かある富山において、今少なくてもこの写真のような状況になっていて、非常に危険な状況になっている。しかし、今のところ住宅被害はゼロだと報道されているわけです。

 さて、そこでまず、どのように被害状況を調査されたんでしょうか。さっきは市町村からの報告というふうに聞いていますが、本当にすべてのところで、市町村はどのように被害を把握しようとしたんでしょうか、お答えください。

大石政府参考人 お答えいたします。

 個々の市町村の被害状況の把握の仕方について私どもの方から指導するような立場にあるわけではございませんが、一般的には、消防機関、これは消防団も含めまして、被害状況をつぶさに把握をしております。そういう中で、住民の方々からの御報告等も聞きながら、市当局の方に状況について把握してほしいということで訴えかけることもあろうかと思います。その結果の取りまとめとして県を通じて消防庁の方に報告がなされる、こういうことでございます。

村井委員 少々難しい問題だったかもしれませんが、こういった形も含めて、被害状況をもう一度、例の問題となっているアパマンション以外も含めて、被害状況をもっと正確にするために、全体として調べ直すつもりはありますか、どうでしょうか。

大石政府参考人 昨日の質問の御通告のとき以来、先生から今件につきましては御指摘をいただいておりますので、実は、富山県を通じて富山市の方に、状況についてつぶさに調べた方がいいのではないかというようなことも私どもから申し上げております。改めてまた確認をしてまいりたいと思います。

村井委員 このアパマンションさんはいろいろなところで問題となりました。ただ、マスコミの報道では、安倍晋三首相の後援会の副会長などと報道されているところです。これは私は本当かどうかよくわからないで、週刊誌のものなので、何とも発言できませんが。

 被害状況が隠ぺいされているとしたら問題だし、たまたまだれも発見できなかったんだったらそうですし、その辺の状況については、後日また調べていただいて、損壊があったんだったらちゃんと公開するべきで、一部破損ゼロということはないと思います。少なくても、こんなにたくさん大きな被害が出ていて、しかも入居者にこうやって損害状況についての説明の紙までしっかり配っておいてゼロというのは、しかも「危険ですからバリケードの外側には絶対に出ないで下さい。」などと配っていて被害ゼロというのはどうなのかなというふうにちょっと疑問に思いました。

 さて、次の質問に戻りたいと思います。

 仮設住宅の話へ入りたいと思います。

 さて、仮設住宅の一戸当たりのコストは、それから予定建設数は昨日ファクスでいただきましたので、コストはどのようなものでしょうか、お願いします。

菅原大臣政務官 お尋ねの応急仮設住宅の一戸当たりのコストでございますが、災害救助法に基づく一般基準として支出できる費用は一戸当たり二百三十四万二千円以内とされております。

村井委員 さて、私がそこで質問したいのは、仮設住宅をつくるのと、民間の宿泊施設を借り上げるのと、どちらがトータルコストで安くなるかという話なんですが、中越地震においての仮設住宅の平均利用期間は大体どのぐらいでしょうか。

菅原大臣政務官 新潟の中越地震の応急仮設住宅の平均的な供与期間でございますが、実は、応急救助の実施主体でございます新潟県においてもすべて把握できていないところでございます。しかし、災害救助法の応急仮設住宅の供与期間は最大二年間となっておりまして、さらに、さきの中越地震は特定非常災害と指定をされておりますゆえに、その期間が延長されているところでございます。このため、中越地震の応急仮設住宅の平均的な供与期間は、他の災害と比べると長期になっていると考えられております。

 なお、応急仮設住宅の供与の対象となる者につきましては、住家が全壊または流失し、居住する住家がない者であって、みずからの資力では住家を得ることができないとされているところでございます。

 以上でございます。

村井委員 さてそこで、私がちょっと提案したいなと思うのは、仮設住宅を二百三十万もかけてつくる、その後撤去する費用もかかるかもしれませんが、そのかかるコストと民間の宿泊施設を借り上げた場合と、どちらが安くなるかという話をしたいと思うんです。

 もちろん、二人暮らし、三人暮らしの世帯の場合は、多分仮設住宅の方が場合によっては安くつくのかなという気がする反面、ひとり暮らしの場合は、二百三十万、例えば一泊六千円から七千円だとすれば、半年以上楽に住める、場合によっては、安いところだと一年以上住めるわけです。地元の、現地の宿泊施設の方がはるかに暮らし心地もいいわけなんですが、さて、どちらが、民間宿泊施設と仮設住宅とひとり暮らしの場合のトータルコストを比較して、もしかしたら民間宿泊施設を借りる方が安いんではないかと思うんですが、どのように考えられますでしょうか。

菅原大臣政務官 御指摘の民間の宿泊施設を借り上げた場合、ざっと計算いたしまして、いわゆる仮設住宅の最大の二年間ということで計算しますと、一人当たり三百五十万円という金額が算出をされます。既に、この能登半島地震においては、国の方から県に対しまして、旅館やホテルを借り上げて避難所として活用するように要請をしているところでございまして、実際にどれだけの期間でどれだけの経費がかかるか適切にまだ調査しておりませんが、今申し上げたようにざっと二年間で三百五十万、あわせて、委員が指摘されるいわゆる平均の額、あるいは中越地震のときは四百七十四万、五百万近くかかっておりますから、その辺をよく比較しながら適切な対応を考えるべきであると認識をいたしております。

村井委員 今おっしゃられたように、最大期間で計算すれば、それは仮設の方が安くつくのは当たり前なんですが、平均期間で見れば決してそうじゃない。阪神大震災のときも、一年以上仮設という方はそれほどいなかったし、途中で自力で行かれる方も非常に多かった。それなのに、どうも、その辺ちゃんと考えた方が、地元にお金を落とせるんです。民間の、例えば宿泊施設、本当のホテルみたいな温泉施設だと高うつくかもしれませんが、温泉旅館ぐらいだと借り上げた方が、そこにお金も落ちると、地元の景気もよくなるし、復興によりつながると思うんです。

 ぜひそういったところを調査していただけませんでしょうか、どうでしょうか。

菅原大臣政務官 おっしゃるように、地元における、これは景気という言葉は適切じゃないかもしれませんが、地域へのいろいろな意味での還元もあろうかと思います。ただ、生活の場ということを考えますと、長期にわたってそうした民間の宿泊施設に居住をするとなりますと、例えば、本当は自炊して御飯をつくって食べたいというようなことですとか、あるいは、実際の旅館やホテル、当事者の経営とか営業とかそういったこともかかわってまいりますので、やはり応急仮設住宅をしっかり建設して対応すべく努力をしていきたい、こう考えております。

村井委員 次に、避難所に暮らしておられる方の要介護者の数、それからケアについてお聞きしたいと思います。

菅原大臣政務官 実は、三月三十日付で厚生労働省の方から各自治体の方に、避難所に避難をされている方々、要介護高齢者について、介護サービスが必要な方の数やあるいは介護サービスの需要を把握して、かつ介護サービスが必要な方に対しましてどの程度対応できるか調査をし、また、対応できない場合には周辺の市町村と連携をしてその体制を整えるように依頼をしたところでございます。

 そうした中で、現時点で避難所のございます三市町、輪島市、志賀町、穴水町、ここにおける要介護、要支援認定を受けてケアプランを策定した高齢者で避難所にいる方の数でございますが、現在二十三名という報告を受けております。

村井委員 そういった避難所にいる方の要介護者へのしっかりとしたケアを要望したいと思います。

 さて、もう一つ、今被災者生活再建支援法の話に変わりたいと思うんです。

 被災者生活再建支援法で自民党と民主党との間で毎回、私も毎回この委員会で言わせていただいている論争があります。それは、解体費用だけにお金の出すことを限定するのか、それとも解体費用を含めた住宅周辺費用だけに限定するのか、それとも本体にだってお金を出してもいいんじゃないかという民主党で、意見が食い違っています。そのことを前提にした上で、解体費用を請求できるという場合、今の法律の枠組みの場合、解体する前の写真などの証拠は必要でしょうか。ない場合でも罹災証明書があれば解体費用が出ると聞いているんですが、罹災証明書は今どのぐらい発行されておられますでしょうか。

谷本大臣政務官 お答えしたいと思います。

 まず、一点目の被災者生活再建支援法での解体費用に写真などの証拠が必要かという点ですけれども、まず基本的に、この被災者生活再建支援制度で支援金を受ける場合は、幾つか証明書が必要です。本人確認のための住民票、あるいは、今言われました罹災を、被災したという証明になる罹災証明書、あるいは、所得の要件等がありますから所得証明書、こういったものがいろいろ必要です。

 その中で、解体費用の部分について必要な書類というのは、どのような工事なり撤去なり解体なりが行われて幾らかかったかという撤去、解体の契約の写し、このものがあればこれは証明されたということになりますので、あえて写真等のものは必要はないということになっております。

 そして、二点目の、では罹災証明書が現在どれぐらい今回の能登半島地震で発行されているかという点ですが、現在、この被災状況というのは刻々と変わっておりますけれども、昨日の十七時三十分現在消防庁の調べでは、全壊が三百六十三棟、そして半壊が四百三十一、少しふえてきております。そして、一部損壊が二千六百七十八棟ということになっておりますが、これらに対して罹災証明書がどのように出ているか、これは、委員御案内のとおり、市町村の自治事務でございますので、それぞれの市町村が適切に今対応しているということで、石川県等に確認をしましたが、県として今は全体を逐次把握はしていないということでございます。

村井委員 この質問をした理由は何かといいますと、罹災証明書が出る前に、例えば、崩れたブロック塀などを業者に頼んで撤去したりしてしまって、後で罹災証明書が出ない、それから、それに伴って被災者生活再建支援法のお金が出ないというふうなことがないようにお願いしたいと思って、言わせていただきました。そこを強く要望させていただきます。

 そして次に、義援金のお話をしたいと思います。

 今私は、中越地震のことはすごくよかったと思っています。しかし、阪神大震災のときの義援金は非常にいただけないと思っています。それは何かというと、阪神大震災のときの義援金は、一月十七日に地震が起こったにもかかわらず、義援金を配ったのは六月だったからです。もちろん、お金が全部集まって被害者数で割り算しなければ配れないからといっておくれた、これは仕方のないことかもしれませんが、中越地震のとき、私もこの災害対策特別委員会で、義援金、早う配ってくれ、早う配ってくれと要望させていただきました。非常にすばらしいタイミングだったようで、中越地震の場合は約一カ月で義援金の配付をして、そして第二回、第三回と配分されました。

 さて、今回の義援金の配るスピードについても、早く、できるだけ一カ月以内に配っていただきたいと思うんですが、どのように対応されるおつもりでしょうか。

菅原大臣政務官 義援金の配分につきましては、御案内のとおり、配分委員会というものを県に設置いたしまして、それによって配分をするところでございます。

 お話ございますように、大変国民の熱い思い、理解をいただいた義援金でございますので、そのお気持ちに沿うべく、県の方に、できるだけ早く、速やかに配分できるような助言を行っているところでございます。

村井委員 そうしたら、最初の話にもう一回しっかり戻りたいと思います。大臣、副大臣は、何もお答えいただいていないので、詳しい話は多分自信がないと思うので、意気込みだけ聞かせていただきたいと思います。

 意気込みは何かというと、この話です。先ほどから問題となっている富山のアパマンションで相当な被害が出ている。こうやって写真もあるし、入居者には、絶対に外側には出ないでくださいなどと張り紙をしているにもかかわらず、被害ゼロで報告され、被害隠ぺいの疑惑が持たれていますが、これについてしっかり調べるつもりがあるかないかについて、お答えください。(発言する者あり)では、自信がないというのは撤回します。余り通告していなかったんですが。

平沢副大臣 今委員から御指摘いただきましたので、よく実態を調べて御返事させていただきたいと考えております。

村井委員 今回はたまたま、いろいろなマスコミの皆さんが、耐震偽装で疑惑が持たれたのでアパにだけ注目したので、アパの写真が随分撮られただけだと思うんです。もしかしたらほかにも同じように被害が出ているかもしれないけれども報道されていないというものもあるのかなという気もしています。

 そういった意味も含めて、私は、あれだけ揺れたのに富山県の地震の損害ゼロという報道はどうも納得いかない。アパ以外の部分も今後しっかりと調べられるつもりはありますでしょうか、どうでしょうか。

溝手国務大臣 今回感じましたことは、建物の被害というのはじわじわ出てくるんですね。これからいろいろな、富山県に限らず、さまざまな箇所から、我々の制度がありますね、被災者再建支援法等。そういう制度が周知徹底していないということも一つの理由になっているようだと思いますので、我々としては、決められた制度にのっとって適当な支援をしていきたいというスタンスは持っておりますので、これからしっかり出てくるのではないかと思っております。

村井委員 次の質問は通告していなかったので、消防庁の方に、どなたでも結構、政府参考人の方でも結構なんですが、こういったマンション、これは賃貸ではなく分譲マンションだったんですけれども、そういったものが崩れた今回の崩壊、崩壊といってもそこまで崩壊じゃなくて、一部損壊もしくは半壊の間ぐらいだと思うんですが、そういった場合でも被災者生活再建支援法のお金の適用はなりますか、なりませんか。

増田政府参考人 お答えを申し上げます。

 被災者生活再建支援法の対象になりますのは、戸建て住宅、集合住宅を問いませんし、持ち家、借家を問いません。居住という実態のあるものにつきまして支援法の対象になるということで御理解いただきたいと思います。

村井委員 その場合、支援法の対象になる、だけれども、今のところ被害はないという建前でずっといった場合は、それでも被害はないとアパマンションさんがもし言い続けた場合は、支援の対象になりますか、なりませんか。

増田政府参考人 あくまでも支援法は、申請書を出していただく、つまり、被災を受けた方が一定の要件を満たす申請を出していただいて初めてその審査になるということでございますので、こちらの方からということにはならないと思います。

村井委員 では、このように皆さん怖い思いをしてそっと廊下を歩いている、この分譲のアパマンションの住人の場合は、一人一人が申請を出すんでしょうか。それとも、アパマンションが全体として出さなければならないんでしょうか。分譲マンションの場合についてお答えください。

増田政府参考人 いろいろ御相談はあるのかもしれませんが、申請書はお一人お一人に出していただくことになるということでございます。

村井委員 今のところ、富山県は被害ゼロだと言っている、アパさんも被害はないと言っている。この状態がもし続いたとして、それでも住民一人一人がこうやって、賃貸の方はだめだと思うんですが、分譲で買った方の被災者生活再建支援法の申請があった場合は、どのように対応されますでしょうか。

増田政府参考人 先ほど来申し上げていますように、私どもの所管しております生活再建支援法は、全壊とそれから大規模な半壊等とかなり限定された、大きな被害を受けられた住宅ということになっておりますので、そういう被災の実態に合わせてその適否が審査されるというふうに考えております。

村井委員 さて、その場合、本館と南館があります。本館の方は、実は、この壊れた渡り廊下を通らなくても生活できるものですから、今回適用になるのはちょっと厳しいかなと思う反面、南館の人たちは、皆さん、この危険な高い渡り廊下を歩んでいかなければならない。

 そういう場合、今回、渡り廊下の崩壊だったんですが、自分の部屋が崩壊していなくて渡り廊下が崩壊している場合は被災者生活再建支援法の適用になりますか、なりませんか。

増田政府参考人 お答えを申し上げます。

 個別の被害実態をよく把握しないと、現時点で個別のものについてはお答えできませんが、今お話しされているぐらいの渡り廊下の損傷ということになれば、多分一部損壊、なって一部損壊だと思いますので、一部損壊はこの法律の対象にはならないというふうに考えております。

村井委員 その上で、では、個別の一人一人の、自分の部屋の人が申請しても、アパマンション自身は被害を否定している場合は、多分今回は難しいと思うんですが、特に面積を大きく占めているのは廊下その他の部分が大きな損壊だったものですから、もし仮に被害が面積として足りていた場合、アパマンション自身が申請すれば当然被災者生活再建支援法の適用になると思うんですが、その場合、分譲の場合、お金はどのように配られるんでしょうか。

増田政府参考人 お答えを申し上げます。

 先ほどもお話をさせていただきましたが、マンションであれ戸建てであれ、あくまでも一つ一つの住まい、居住実態に着目した制度でございますので、それぞれの方が、分譲マンションであれば、もちろん専用、持ち分のところがありますので、それの被災実態に応じて審査がされるということでございます。

村井委員 それでは、時間が来ましたので最後の質問にします。

 大臣にも御意見もしくは意気込みだけ教えていただければ幸いです。

 今回、富山県は被害がゼロだ、ゼロだと言っていたけれども、唯一、一個だけ損壊してしまった。しかもそれが、たまたま多くのマスコミから注目をされていたマンションだったということで、今のところ被害はゼロだという方向になりつつありますが、もし本人が否定されたとしても、そこには分譲で買われた方がたくさんおられるわけです。そういった場合、アパマンションさん自身が被害を否定したとしても、実態として被害があるとするならば、損壊に認めるつもりはありますかどうか。大臣に意気込みを聞かせてください。

溝手国務大臣 今まで統括官からいろいろ申し上げましたとおり、構成要件に該当していれば、それは当然、法の適用はある、このように考えております。

村井委員 それでは、質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

木村委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 初めに、このたびの能登半島地震でお亡くなりになられた方、御遺族の皆様に心からのお悔やみを申し上げますとともに、負傷された方、被災者の皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。

 溝手防災担当大臣におかれましては、災害発生当日の二十五日に現地に入られ手を打たれましたことに敬意を表したいと思います。また、災害の復旧に連日連夜取り組まれている関係者の皆様に、衷心より感謝を申し上げます。

 公明党といたしましては、地震が発生いたしました三月二十五日に、党内に災害対策本部を設置いたしまして、直ちに調査団を派遣、翌二十六日には、太田代表も輪島市を訪れまして、家屋倒壊などの被害を受けた被災者を励ますなど、精力的に調査活動を行ってまいりました。

 また、翌二十七日に、安倍総理に被災地の現状を報告しますとともに、被災者生活支援法の適用による被災者への早期支援策といたしまして、医療、福祉分野の支援や、仮設トイレ、シャワーなどの避難場所での生活に必要な設備の早期整備、また住宅が倒壊した被災者への仮設住宅の整備、被災住宅の建築、補修に対する支援、特に被災高齢者世帯に対する物心両面の手厚い支援、復旧事業への国庫補助率の引き上げなどを行う激甚災害制度の速やかな指定を求めたところでございます。被災した能登半島の温泉、旅館、また輪島塗など伝統産業への復興支援、また基幹的交通基盤の早期復旧、また被災自治体への財政支援などの早期実施を要望し、スピードある対応を求めてまいりました。

 そこで初めに、地震に対する事前の備えについて質問をしてまいります。

 今回、気象庁では、能登沖で発生した今回の地震で地震の初期微動を観測し、その後、大きな揺れが到達するのを知らせる緊急地震速報を出されました。震源地近くでは、揺れまでの速報が間に合わない直下型地震特有の弱点が浮き彫りになった、また極めて短時間の猶予しかない地域が多かったとの指摘もございますが、その内容はほぼ正確であったとのことであります。震度六弱を観測した能登町では五秒、震度五弱の富山市では約十二秒という極めて短時間ではありましたが、その機能が十分確認されたものと思われます。

 揺れまでに極めて短時間の間ですが、先行運用の現場では、交通機関をとめる、あるいは手術中の病院で危険な器具を患者から離す訓練も実施をされます。

 また、防災対策強化地域に指定されている小田急電鉄では、二十秒から三十秒程度の時間があればすべての電車を停止できる仕組みとなっており、走行中に被災するのと比べて被害を減らす、減災に役立つはずとおっしゃっています。たとえ五秒という短時間でも、危険なところから身を隠すなど、人命が助かる確率も高くなると予想することができます。

 これにつきまして、今後の実用化に向けての課題、対応またスケジュールについて、長官の御決意とともにお聞かせいただきたいと思います。

    〔委員長退席、宮下委員長代理着席〕

平木政府参考人 お答え申し上げます。

 緊急地震速報とは、今委員御指摘のとおり、地震が発生した際に、強い揺れが各地に到達する数秒から十数秒前に大きな地震の発生をお知らせするものでございます。この緊急地震速報は震源近くで得られた観測値を用いて作成されるため、震源に近いところでは、強い揺れの到達に情報提供が間に合わない場合もございます。

 この緊急地震速報の提供につきましては、利用に際して、情報の特徴や限界を十分理解した上で活用いただくことが重要なことから、列車の制御や工事現場の安全確保への利用等、混乱なく情報を利用することが可能な事業者等に対しまして、昨年八月に先行的な利用を開始したところでございます。

 広く国民の皆様へ対しましては、混乱なく情報を利用いただくため、情報の特徴や限界、情報を受けたときの利用の心得を政府一体となって十分に周知広報し、それを踏まえて、本年九月ごろに提供を開始する予定でございます。

古屋(範)委員 九月実施の予定ということでございます。ぜひ有効な活用、国民への広報、周知徹底をお願いしたいというふうに考えております。

 次に、順番を変えまして、国土交通省にお伺いをしてまいります。

 私も、委員長から報告がありましたように、二日、皆様とともに輪島市に入り、また門前町の被災現場等を視察してまいりました。非常に、想像以上に被害の実態は大きいということを感じました。

 現在、七百六十七名の方々が避難をしていらっしゃるというふうに伺っております。また、現地からの要望もございましたように、能登半島の大動脈、能登有料道路また国道二百四十九号線は大きな被害を受けております。

 この基幹的交通基盤の復旧につきまして、現状と見通しをお伺いしたいと思います。

宮田政府参考人 二百四十九号と能登有料道路の状況についてのお尋ねがございました。

 能登有料道路でございますけれども、金沢から穴水まで八十三キロの有料道路でございますが、現在、羽咋から穴水までが被害を受けておりまして、そのうち、羽咋市にあります柳田インターチェンジから穴水インターチェンジ、南側区間につきましては、三月二十九日午後三時に上下二車線で通行どめを解除しております。

 残るのは北側区間二十七キロでございますが、七尾市にございます徳田大津インターチェンジから横田インターチェンジ、ちょうど穴水との間ぐらい十一・一キロにつきましては、四月二十日に供用予定でございます。それから、横田インターチェンジから穴水インターチェンジ十五・九キロにつきましては、四月二十七日に通行どめを解除して全線での供用を目指すということを聞いてございますが、この区間で大きな崩落が三カ所ございます。一・二キロについて、現時点では一車線、片側交互通行での開放となっておるところでございまして、当該区間の早期二車線の確保に向けて技術的支援を行ってまいりたいと考えております。

 本格復旧につきましては、石川県それから石川県の道路公社におきまして、能登有料道路復旧工法検討委員会というのが三月二十六日に設置をされております。復旧工法について検討されておりますが、国交省からも専門家を委員として派遣しております。

 国土交通省といたしましても、一日も早い復旧に向けて技術的、財政的な支援を行ってまいりたいと考えております。

 二百四十九号でございますが、地震で三月二十五日、九カ所で通行どめになりました。九カ所のうち八カ所につきましては、二十九日までに応急復旧を完了しまして通行どめを解除しております。残る一カ所、これは輪島市の八世乃洞門というところの被害でございますが、推定一千トンの岩塊がその洞門を直撃いたして、その洞門が大きな変形をしているという状況でございます。

 現地は非常に地形も厳しいところでございますし、岩塊の除去もなかなか大変だということで、三月三十一日に主要地方道を使いまして、これは緊急復旧いたしまして、当面の迂回路は確保してございますが、通常より二倍の時間がかかっております。本格復旧が早急に必要であると認識しております。

 石川県におかれましては、専門家による検討会を三月三十一日に第一回を開催して、復旧工法を検討されております。国交省といたしましても、技術的、財政的な面で二百四十九号についても石川県を支援してまいりたいと考えております。

    〔宮下委員長代理退席、委員長着席〕

古屋(範)委員 次に、仮設住宅支援また高齢者に関する質問に移りたいと思います。

 避難所で、私も避難をされている方とお話をいたしましたが、体の調子がよくない、またよく眠れないなどの声も伺ったところでございます。

 特に、この地域におきましては、被災した二市二町で高齢化率四一・四%、新潟中越地震で被災した市町村の高齢化率二三・四%を大きく上回っているわけでございます。中でも、最も多く避難を抱える輪島市、人口の三人に一人が高齢者であり、このたび被災をされた門前町地区では六十五歳以上が半数を占めるという地区となっております。重傷者の多くが高齢者でいらっしゃいました。

 特に、家屋が全壊また半壊したひとり暮らしの高齢者の方にとって、住宅再建への不安ははかり知れないものがございます。仮設住宅の設置についても手厚い支援が必要であると思います。この件に関するお考えをお伺いいたします。

 また、今、心身両面にわたる疲れ、ストレスがたまっている、あるいは運動不足などもあるかと思います。この被災者の立場に立った、人々の心のひだに分け入ったソフト面での支援も重要かと思います。高齢の方々の心身両面にわたるケアにつきまして、その支援策をお伺いいたします。

宮島政府参考人 委員御指摘のとおり、今回被災された方の中には高齢者が大変多いということで、今現在、応急仮設住宅の建設を進めているところですが、この住宅におきましても、談話室の設置ですとか、あるいは手すり、スロープなど、高齢者に配慮した仕様にしたいというふうに考えております。

 また、心身両面の高齢者のケアの問題ですが、例えば避難生活に伴って廃用性症候群になるとかエコノミー症候群になるというようなことがありますので、厚生労働省からは、留意事項のお知らせを行ったほか、日本赤十字社の巡回診療あるいは国立病院機構金沢医療センターからの医療班や看護師の派遣、あるいは国立精神・神経センターから心のケアに関し専門家を現地へ派遣するなど、今後とも関係機関の連絡調整、情報交換などを行いながら、高齢者のケアに配慮してまいりたいというふうに考えております。

古屋(範)委員 高齢の方々への最大の支援、また配慮、よろしくお願い申し上げます。

 最後に、溝手大臣にお伺いをしてまいります。

 中越地震では、六十を超える集落が孤立をいたしました。また、政府の調査によりますと、地震で災害時に孤立するおそれのある集落は、全国で約一万七千に上るということが明らかになっております。日本の国土、七割が過疎、高齢化の中山間地域にありまして、今回のような大規模災害が起きれば、生活が困難となり、集団離村などの地域社会の崩壊につながるおそれもございます。また、西日本全体の地震活動が活発化をしているとの専門家の指摘もございます。

 そこで、世界でも有数の地震列島と言われる日本、この地震災害に対する、あらゆる場面において各国のモデルとなるような積極的な諸政策を進めていく必要があると思います。一たび地震災害が起きれば、国内はもちろん、諸外国に対しても真っ先に援助に向かえるような態勢づくりが求められると思います。大臣の御決意を伺いまして、質問を終わりにしたいと思います。

溝手国務大臣 御指摘のように、地震から国民の生命財産を守ることは政府にとりまして最も重要な責務の一つであり、地震防災対策の具体的な取り組みとしましては、まず、住宅や学校、病院等の公共施設の耐震化、市街地の面的整備などを含めた地震に強い町づくりを行うこと。次に、津波に対する堤防の整備とか堤防の耐震化、あるいは避難地、避難路の整備などを進めてまいっているところでございます。

 今回の能登半島地震では、高齢者等の災害時要援護者対策が改めて大きな課題となっております。今後とも、災害時の要援護者の避難支援ガイドラインを踏まえまして、まず第一として、避難所における要援護者用の窓口の設置、災害時における福祉サービスの継続、さらには要援護者避難支援連絡会議等の設置、あるいは要援護者一人一人の避難支援者を定めた避難支援プランの作成などを推進していくこととしております。

 さらに、我が国には全国で一万七千に上る孤立可能性のある集落が存在しております。これらについて、平成十七年八月に、中山間地等の集落散在地域における地震防災対策に関する検討会からの提言を発表しまして、内閣府から各都道府県にお知らせをするとともに、市町村への周知や孤立集落対策の地域防災計画への反映、提言を踏まえた地震防災対策の推進等を要請しているところでございます。

 今後とも、地震防災対策を政府一丸となって推進してまいる所存でございます。

古屋(範)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

木村委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 私からも、今般の能登半島地震において亡くなられた方の御冥福をお祈りするとともに、負傷された方々の一日も早い御回復をお祈りしたいと思います。

 二日の委員派遣に参加をさせていただきましたが、被害は予想以上に大きく、再建への道のりの困難さが思われました。被害の集中した門前では、高齢化率四九%にもなり、輪島市の梶市長が述べていたように、八十歳の老夫婦が今後どう生活を再建していくのか、こうした課題が突きつけられていると感じました。

 そこでまず、国土交通省に伺います。

 三十日までに被災建築物応急危険度判定が終了していると聞いております。現地でも赤紙が非常に目立ち、かなり対応が早かったということがうかがえました。ただ、避難所で会った男性が、自宅に赤紙が張られて立ち入りができなくなった、ボランティアが来ても片づけも頼めないと訴えられました。赤紙を張られたために、何をどうしていいかがわからなくて途方に暮れているのです。

 これまでの災害でも、この問題は随分混乱がありました。赤紙は全壊判定ではありません。むしろ中越のときは、赤紙が張られ地盤がずれてもいる、そういうのに半壊と認定されて何の支援も受けられない、こういう訴えもございました。

 不安をかき立てるだけで終わりではなく、間髪を入れずに、危険度判定から災害認定あるいは住宅再建への幾つかの選択肢があるというように、再建の道筋が示されるべきだと思います。金銭的なめどやさまざまな家族の条件を考慮するなどして、決断するまでには一定の時間も必要であります。

 そこで、危険度判定と住宅再建へのプロセスを被災者がよく理解できるようにどう援助していくのか、伺います。

榊政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、危険度判定でございますけれども、基本的には、地震後直ちに、自治体の職員やボランティアの建築士等が被災した建築物の調査をいたしまして、その後発生する余震などによる倒壊の危険性、外壁、窓ガラスの落下、附属設備の転倒などの危険性を判定いたしまして、人命にかかわる二次的災害を防止するという目的で行っております。このために、地震発生後速やかに自治体職員なりボランティアの建築士が危険を顧みず実施して、居住者はもとより、付近を通行する歩行者などに対してもその危険性について情報提供するということにしております。

 被災した住宅の再建に向けてはどうするかということでございますけれども、住宅の改修に関する相談につきましても、例えば穴水町におきまして、既に三月三十一日と四月一日の両日で、住宅金融支援機構及び地元の建築、住宅関係団体によりまして実施をいたしたところでございますし、輪島市におきましても同様に、四月四日から十五日まで住宅相談を実施するというようなことをやっておりまして、三月二十六日から、住宅金融公庫によりまして、災害復興住宅融資なり既往の公庫融資利用者による返済の特例措置を実施いたしておりますので、そういったことも含めて住宅相談を現地で実施しておるというところでございます。

 多分、この住宅相談を受けた形で、この後、皆さんがどういったような住宅再建をするとか、例えば災害復興住宅をつくるとか、そういった具体的な話になっていく、こういうことかと思っております。

高橋委員 二次的災害を防止するという点で非常に大事なことだと思っております。おっしゃるとおりだと思います。

 問題は、今お話をしたように、避難所で皆さんが途方に暮れている。やはり高齢化があることや資力の問題だとかいろいろな問題があるというときに、単線的に仮設住宅に入るか入らないかとか、そういうふうに選択が迫られるとどうしていいかわからなくなってしまう、そういうことがございますので、その点は十分に、選択肢は幾つかあるんだ、しかも時間は、一定ちゃんと猶予を与えるんだというメッセージを出していくことが大事だということを重ねて指摘したい。

 これは内閣府にも質問したいのですが、時間がないので要望にとどめます。これは踏まえていただいて、後の質問に答えていただければと思います。

 次に、環境省に伺いますが、水害のときも何度も問題になった災害廃棄物の問題ですけれども、土砂や泥まみれの家具、家電が大量に発生をして、自治体はこの処理に非常に苦慮するわけですが、それに対して、国の財政支援を受けて処理を何とかやってきたという経緯がございます。今回も、地域的な特徴、ぐしゃぐしゃになったかわらだとか土蔵のかけらだとか、非常にいろいろなものがございまして、やはり災害廃棄物処理対策としての支援が強く求められていますけれども、どのように考えていらっしゃるでしょうか。

由田政府参考人 倒壊した家屋の廃材を初めとしましてさまざまな災害廃棄物が発生しておりますが、これの収集、運搬、処分につきましては、被災市町村が民間事業者に委託して処理をいたしましたり、あるいはその作業員を臨時雇用するなど、特別な経費を必要とすることになります。

 御指摘のように、災害等廃棄物処理事業費の補助金によりまして、災害廃棄物の処理に要する費用の二分の一を補助しているところであります。また、国庫補助金以外の市町村が負担した費用につきましても地方財政措置が講じられております。

 環境省としましては、関係府省とも連携をいたしまして、災害廃棄物の処理が円滑に進むようにできる限りの支援に努めてまいりたいと思っておりまして、一日も早い復興を目指して取り組んでまいりたい、このように考えております。

高橋委員 ありがとうございました。できる限りの支援と言っていただきました。

 やはり、私は、今回現地に行って、特徴として非常に感じたのは、家が傾いているということなんです。全部つぶれているわけではないけれども、やはり木造の家という特徴なのか、建ってはいるんだけれども猛烈に傾いているというところがございまして、そうなると、余震が今もずっと続いているということもあって、その余震の影響でいつ倒れるか、あるいは梅雨どきになって二次災害も起きるのではないかということが非常に心配されて、やはり一刻も早く解体撤去が必要なのではないかと思っております。

 それで、少なくとも、家も土蔵もかわらもごちゃごちゃに崩れているわけですから、撤去は廃棄物としてやっていただければいいなと。そこまでは自治体が判断をしてやっていって、その後の支援についてはやはり国も支援法を有効に活用できるというふうになるのがいいのではないかなと私は思っているわけです。

 それで、被災者生活再建支援法では解体撤去の費用が、全壊の場合最大で二百万円まで出ますけれども、所得制限や建てかえが前提であるために大変対象が狭まる、あるいは対象になっても、今回の場合は解体だけでどうも二百万いっちゃうんでないかという危惧も考えております。

 例えばこういう声が出ているんです。隣の家に倒れかかっている家を解体してもらおうと思って連絡したら、いつになるかわからないと言われました、隣の方に迷惑をかけたくありません、早くお願いしますとの声が、現地で何人かが寄せられております。内閣府はこういう声にどうこたえるべきか。個々が解体屋を呼んで、来ないななんと悩んでいるというところを、もう一歩押し出していって、自治体の裁量に応援をするということを考えるべきではないか。

 時間の関係で続けますけれども、そういう点で、石川県が独自の支援策をつくりました。資料として配ってございます。全壊の場合は上乗せの百万円。特徴は、半壊。これは支援法が対象外としている半壊も対象として、これによって、国の支援法とトータルによって最大で四百万円、対象外だと半壊は二百万円まで保障されることになります。解体撤去の問題、引っ越しの費用などが入ることや、本体支援までも入ることや、上乗せ分は所得制限がない、そうしたことも含まれていて、かなり前進したのではないかと思います。

 こういうのを踏まえて、大臣に、自治体のこういう取り組みをどう見るか、それを踏まえて、やはり今見直し作業に既に入っていますので、ここをどうやっていくのかということを伺いたいと思います。

溝手国務大臣 石川県の独自の制度については、先生がおっしゃったとおりでございますが、大変思い切った制度を提示されたと思っております。我々が管理しております被災者再建支援制度では、住宅の本体の建設費や補修費というのは支給対象となっていないのが現状でございます。

 そういった中で、被災者再建支援法につきましては、平成十六年の法改正の審議を行ったところですが、その施行後四年を目途として制度の見直しなど総合的な検討を行うということが附帯決議されております。そのため、先日、制度の実施状況を勘案しながら総合的な検討を行うため、学識経験者や自治体関係者などをメンバーとする検討会を設置したところでございます。

 第一回の検討会におきましては、委員からお話があった住宅本体の建築費や補修に充当すべきであるという御意見とともに、融資や保険などの総合的な住宅再建支援策の中で検討が必要だというような意見とか、さらには支給要件等が煩雑で使い勝手が悪いとか、さまざまな御意見がございました。

 我々といたしましては、被災者あるいは被災自治体が使いやすい制度をつくっていくというのは非常に重要なポイントであると考えておりまして、さまざまな意見をお聞きしながら、この検討会でさらに議論を進めていただきたい、このように思っております。

高橋委員 ありがとうございました。終わります。

木村委員長 次に、日森文尋君。

日森委員 社民党の日森文尋でございます。

 私からも、最初に、今回の地震でお亡くなりになりました女性の方の御冥福をお祈り申し上げたいと思いますし、同時に、負傷された皆さん、被災された皆さんに心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 私どもも、直後に社民党の石川県連合が現地の調査に入りまして、被災者の声、行政の声などを聞かせていただきました。これらを前提に政府の見解をお聞きしたいと思います。

 最初に、これは質問だったんですが、それぞれ各委員さんから質問が出されましたので、激甚災害指定、これを、総理もかなり積極的な姿勢を示されておりますし、それから、この間、手続も随分迅速化されたという報告もありますので、ぜひ急いで指定されるように御努力いただきたいということを要望しておきたいと思います。

 質問に入りますが、これも先ほど来質問に出ているんですけれども被災者生活再建支援法、今回の場合、高齢者が大変多いということも一つありまして、現在の支援法で本当に十分なのかどうなのかということについて改めて検証する必要がある。同時に、きょう長島先生がいらっしゃいますが、中越地震、一日ですか、避難指示が二年半ぶりに解除されたということになっていまして、これから山古志村の再建が本格的に始まっていくということなんですが、この中越地震の中でも、被災者生活再建支援制度がどの程度生活再建に役立ってきたのか、これも十分検証することが必要ではないかというふうに思っています。

 そこで、ことしの三月一日に検討会の第一回の会合が開かれました。先ほど大臣から、その中身について、住宅再建の方の意見なんかも出されましたということが報告ありましたけれども、来年の見直しに向けてさらに議論が進むということになると思いますが、支援拡充に向けて、かなりこれまでの、特に中越地震の総括などを踏まえて大胆に踏み込むべきではないのか、これを拡充していくために大胆な一歩を踏み込んでいくんだという決意がおありなのかどうなのか、お聞きをしたいと思います。

溝手国務大臣 私が考えますに、石川県で第一の問題は、再建支援法という法の構成も確かに問題があることはあると思うんですが、大きな問題は、被災者が大変高齢化しているということで、果たして、自分たちの住んでいた家を再建する意欲があるかどうか、能力があるかどうか、年齢的にそれがたえられるかどうかという、この法が想定していたのとは別の問題点がたくさんあるということで、非常に悩ましい問題があろうと思います。

 これが、例えば三百万が五百万になったからといって、そういった過疎地域の悩みが解決できる問題ではないだろうと思います。したがいまして、これは非常に悩ましい問題ですが、地元の自治体、県庁、それぞれとやはりしっかり協議をして国全体でバックアップする体制を考えないと、一被災者再建支援制度の中だけでは解決できない問題があるなという気持ちは持っております。

 そういったところも含めて、現地へ先生方にも派遣が可能なら行っていただきたいと思っておりますし、幅広い議論は当然やるべきだと思いますが、私としましては、できるだけの努力をしてまいりたいと思っているところでございます。

日森委員 ぜひお願いをしたいと思います。

 それから、平成十七年八月、中山間地等の地震防災対策に関する検討会が提言を出しておられます。これは、中越地震で明らかになった課題及び中山間地における、集落散在地域における実施すべき地震防災対策についてまとめたということになっていまして、具体的に申し上げますと、情報通信手段の確保であるとか、救助救援体制、それから自立のための備蓄等々に関する具体的な対策を、孤立集落対策として地域防災計画において明記しなさいという提言がなされているわけです。

 内閣府は、この提言が自治体の防災対策に生かされるために、具体化されるためにどのような指導、援助を行ってきたのか、これをひとつ明らかにしていただきたいのと、それからまた、その結果についてぜひお示しをいただきたいと思います。

増田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘ありましたように、新潟県中越地震の教訓を踏まえまして、中山間地域のいわゆる集落散在地域で孤立集落を発生させちゃいけないということで、十七年八月に、私どもは検討会を設けまして、提言をいただいています。これにつきましては、既に都道府県にお知らせをいたしまして、各市町村にも周知徹底を図っております。

 これを受けまして、各都道府県におきましては、ほとんどの都道府県におきまして、今先生御指摘の幾つかの点につきまして、地域防災計画を変更いただきまして、既に反映をしていただいています。さらに、例えば訓練でありますとかあるいは地域の周知のためのシンポジウムでありますとか、さまざまな形でそういった孤立集落対策というものに真剣に今取り組んでいただいているところでありまして、着実に成果が上がっていると思います。

 今回の能登半島地震におきましても、孤立集落の問題は大変大きな問題だったわけですが、石川県それから地元の市町におきましてはしっかり取り組んでいただきまして、大きな問題は出ていないというふうに承知しております。

日森委員 時間がありませんので最後の質問になると思いますが、原子力安全・保安院、あそこは志賀原発がございまして、この間、私も視察に同行させていただいたときに北陸電力から報告を受けました。その中でも、まだまだ調査をしないといけないような課題もあるようなんですが、原子力安全・保安院が、マグニチュード六・九という地震はちょっと予想を超えたものではないのかということもあったようです。

 そういう意味から考えると、先日の報告では安全性に問題はないということのようでしたが、しかし、実際、原子力発電所があるところでこれだけ大きな地震が発生をしたということになって、幾つか水がこぼれたとかいうこともあったようですから、周辺住民を含めて国民の中には大変不安が拡大しているということもまた事実だと思うんです。

 そういう意味では、今度の志賀原発で起きたような事態をどのように保安院は受けとめているのか。もちろん、自主的にいろいろ調査をしていくんでしょうけれども、しかし、今後保安院として、地震と原発の関係、全体もそうなんですが、どういう対策を講じていくのかということについてお伺いをしたいと思います。

平岡政府参考人 原子力発電所の耐震性の問題の御指摘でございますが、我が国の原子力発電所の耐震設計につきましては、原子力安全委員会の方で定めております耐震設計審査指針等に基づきまして、厳正な国の審査というものを行っております。

 具体的には、発電所の周辺の調査等を実施いたしまして、幅広くさまざまな地震を考慮して余裕のある基準地震動というものを設定し、そして発電所の建物等につきましては、基準地震動を上回ってもなお耐えることのできるような安全余裕というものを確保するようにしております。

 北陸電力の志賀原子力発電所につきましても、十分余裕のある耐震設計がなされているということは一点ございます。また、今回の地震後の点検の結果でございますが、安全上問題となるような異常は確認されておりません。したがいまして、現時点で志賀原子力発電所の耐震安全性が問題になるということはないと考えております。

 ただ、今回の地震につきましては、その影響がどうだったのかということについては、これは詳細な分析をする必要があると考えております。今、事業者の方で行っている観測記録の整理、分析等が進められておりますので、原子力安全・保安院としましては、この結果をきちんと報告を受けまして、その内容については厳正に確認をし、そして適切に規制当局としての対応を行っていくという所存でございます。

日森委員 ありがとうございました。

木村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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