衆議院

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第5号 平成19年11月9日(金曜日)

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平成十九年十一月九日(金曜日)

    午前十一時開議

 出席委員

   委員長 鈴木 恒夫君

   理事 江藤  拓君 理事 佐田玄一郎君

   理事 土屋 品子君 理事 早川 忠孝君

   理事 望月 義夫君 理事 松原  仁君

   理事 松本 剛明君 理事 高木美智代君

      新井 悦二君    小川 友一君

      小野 次郎君    大前 繁雄君

      坂井  学君    平  将明君

      高鳥 修一君    谷本 龍哉君

      徳田  毅君    長島 忠美君

      丹羽 秀樹君    林   潤君

      林  幹雄君    林田  彪君

      原田 憲治君    平口  洋君

      三ッ矢憲生君    村田 吉隆君

      盛山 正仁君    岡本 充功君

      小平 忠正君    近藤 洋介君

      田村 謙治君    筒井 信隆君

      西村智奈美君    村井 宗明君

      赤羽 一嘉君    桝屋 敬悟君

      高橋千鶴子君    日森 文尋君

      糸川 正晃君

    …………………………………

   参議院議員        高橋 千秋君

   参議院議員        森 ゆうこ君

   参議院議員        加治屋義人君

   参議院議員        神取  忍君

   参議院議員        西田 実仁君

   国務大臣

   (防災担当)       泉  信也君

   衆議院調査局第三特別調査室長           吉宮 孝治君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月九日

 辞任         補欠選任

  梶山 弘志君     谷本 龍哉君

  御法川信英君     小野 次郎君

  石田 祝稔君     赤羽 一嘉君

同日

 辞任         補欠選任

  小野 次郎君     御法川信英君

  谷本 龍哉君     梶山 弘志君

  赤羽 一嘉君     石田 祝稔君

    ―――――――――――――

十一月八日

 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(高橋千秋君外四名提出、参法第九号)(予)

同月九日

 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第九号)

は本委員会に付託された。

十一月九日

 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(萩生田光一君外四名提出、衆法第二号)

は委員会の許可を得て撤回された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(萩生田光一君外四名提出、衆法第二号)の撤回許可に関する件

 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案(参議院提出、参法第九号)


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     ――――◇―――――

鈴木委員長 これより会議を開きます。

 この際、お諮りいたします。

 萩生田光一君外四名提出、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案につきまして、提出者全員より撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

     ――――◇―――――

鈴木委員長 本日付託になりました参議院提出、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案を議題といたします。

 発議者から趣旨の説明を聴取いたします。参議院議員加治屋義人君。

    ―――――――――――――

 被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

加治屋参議院議員 おはようございます。

 ただいま議題となりました被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案につきまして、その提案の趣旨及び主な内容を御説明申し上げます。

 被災者生活再建支援法は、平成七年に発生した阪神・淡路大震災を契機とし、平成十年に議員立法により制定されたものであります。その後、平成十六年に、被災者の居住の安定の確保による自立した生活の開始を支援するため、居住関係経費の支給等の措置を講ずる改正が行われ、その際、衆参の災害対策特別委員会における附帯決議において、「居住安定支援制度等の充実を図るため、本法の施行後四年を目途として、制度の施行状況等を勘案し、制度の見直しを行うなどの総合的な検討を加えること。」とされております。

 これを踏まえて、政府においても、被災者生活再建支援制度に関する検討会を設置し、検討が進められておりますが、本制度の使い勝手の悪さ、支給要件の複雑さ等が指摘されており、その結果、居住関係経費の支給率が三割に満たず、被災住宅の再建を初めとする被災地の速やかな復興が必ずしも十分になされているとは言いがたい状況にあります。

 本法律案は、こうした認識のもと、立法府の責務として思い切った制度改善を早急に行い、被災者の居住の安定の確保による生活の再建等に向けた一層の支援を図るため、提出したものであります。

 以下、本法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。

 第一に、支援金の支給制度の充実を図ることに伴い、法律の目的を、「自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた者に対し、都道府県が相互扶助の観点から拠出した基金を活用して被災者生活再建支援金を支給するための措置を定めることにより、その生活の再建を支援し、もって住民の生活の安定と被災地の速やかな復興に資すること」に改めることとしております。

 第二に、現行制度の煩雑な手続、複雑な支給要件及び支給内容を見直すこととしております。

 具体的には、まず、支援金の支給方法について、使途を限定した上で実費額を精算支給する現行の実費積み上げ支給方式を改め、使途の限定をしない定額渡し切り方式とすることとしております。

 これによって、これまでの生活関係経費について、対象経費として三十品目だけ認められ、その物品や医療費等の項目ごとに申請並びに実績報告が必要とされていた手続を不要とし、全壊世帯に百万円、これまで支給対象外であった大規模半壊世帯に五十万円を罹災証明書ベースで一括支給することとしております。

 また、これまでの居住関係経費については、対象経費ごとに実費支給するのではなく、居住する住宅の再建の方法に応じて定額を支給することとし、居住する住宅を建設または購入する世帯については二百万円、補修する世帯については百万円、民間住宅を賃借する世帯については五十万円を支給することとしております。この改正によって、全壊で補修による再建を選択した世帯に対しても支援金が支給されることになります。

 次に、支援金の支給対象要件については、年齢・年収要件を撤廃することとし、被災者間の不公平感を是正するものとしております。

 第三に、住宅の敷地に被害が生じ、やむを得ない事由により住宅の解体に至った世帯を支援の対象として追加することとしております。

 第四に、この法律は、公布の日から起算して一月を超えない範囲内で政令で定める日から施行することとし、公布日以後に生じた自然災害に係る支援金の支給についても適用することとしております。

 また、平成十九年能登半島地震による自然災害、平成十九年新潟県中越沖地震による自然災害、平成十九年台風第十一号及び前線による自然災害、または平成十九年台風第十二号による自然災害につきましては、公布日以後に申請を行った場合の支援金の支給は、改正後の支援金の支給制度によることとしております。

 以上が、本法律案の提案の趣旨及び主な内容であります。

 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同いただきますようお願い申し上げます。

 ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 この際、本案に対し、発言の申し出がありますので、順次これを許します。佐田玄一郎君。

佐田委員 私は、自由民主党・無所属会を代表いたしまして、ただいま議題となっております被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案について賛成の立場から発言を行うものであります。

 現行の被災者生活再建支援法は、平成十年に議員立法により制定され、平成十六年には居住安定支援制度が創設されて、居住関係経費に最高で二百万円が支給されることとなりましたが、支給要件の複雑さや手続の煩雑さ等のために、居住関係経費の支給率が約三割にとどまっております。

 これらの問題点を解決するため、与党と民主党から改正案が提出され、このたび一本化されて、今国会で成立する運びとなりました。

 本案では、使途を限定せず、住宅の再建の方法に応じて定額を支給することで、被災者の生活再建の実態に即した制度に改善され、手続も簡素化されることになり、大いに評価できるものになっております。

 また、年齢要件、年収要件を撤廃することで、被災者間の不公平感も解消されることとなっております。

 特に、年収要件につきましては、与党案では八百万円としておりましたが、本案では、見舞い金的な形でお渡しする支援金を収入で区別することなく、収入要件を撤廃することで、被災により収入が減少するなど真に支援が必要な被災者に対して、実態に即した支給をすることにしております。さらに、家族にもさまざまな形態があるため、所得を合算すると八百万円を超えてしまうという場合があり、収入要件の撤廃は、こうしたことにも対応するものであります。

 また、本年発生した能登半島地震、新潟県中越沖地震等四つの災害については、公布日以後に申請を行った被災者については新制度による支援金を支給することとされております。

 これら四つの災害については、まだほとんど申請が出されていないこと、本年三月からの政府の検討会での制度の見直し開始以後に発生した災害であり、被災者の方々が大きな期待を寄せられていることをあわせ考えれば、特例的に救済措置を講ずることは妥当なものであると考えます。

 本案が、真に被災者の生活を第一に考えたものであり、その迅速な生活再建に資することになることを確信し、私の発言といたします。(拍手)

鈴木委員長 次に、西村智奈美君。

西村(智)委員 民主党の西村智奈美でございます。

 私は、民主党・無所属クラブを代表して、ただいま議題となりました被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案につきまして、意見の表明をいたします。

 民主党は、現行の被災者生活再建支援法について、従来認められていなかった住宅本体部分への支援金適用を可能とすべきであるとの主張を続け、これまで四回にわたり議員立法を国会に提出してまいりました。今回、私たちの主張する趣旨が一定程度理解されたことにより、民主、自民、公明の共同提案による議員立法が提出され、ここに議論に付されるに至ったことについて感謝の意を表しつつ、三点にわたって意見を申し述べます。

 第一に、支援金の使途として住宅本体部分の再建が可能になることは、大きな前進と考えます。平成七年の阪神・淡路大震災以来、住宅の再建を公によりバックアップする制度が求められてまいりました。

 しかしながら、私有財産である住宅に公費を投入することはできないとの理由から、住宅本体部分についての支援金の適用は見送られたままだったのです。政府の主張する見解には疑問があり、直接法文に適用できる旨を書き込むことも可能だと私は考えますが、今回の共同提案にて、支援金を、使途を問わない渡し切りの定額制とすることによって、実質的に住宅本体部分の再建に用いることが可能となることは、大きな前進であると考えます。

 第二に、使い勝手が極めて悪いとされる本制度の運用が、大幅に改善される見通しです。これまで事細かに限定されてきた支援金の使途制限が一切撤廃され、煩雑な事務処理の負担も相当程度軽減されることが想定されます。また、支給に係る年収要件が撤廃されたことにより、災害により収入の道を断たれたにもかかわらず、前年の収入によって法の適用を受けられないなどといった不合理も解消されることは、大きな評価に値するものであります。

 第三に、ことし発生した四つの大きな災害を特定災害として指定することによって、本改正案の効力を実質的にことし初めにまで遡及できることは、被災者から大変歓迎されております。これらの災害については、今なお多くの被災者が生活再建のめどを立てることができておりません。改正法は、現実におられるこれら被災者の方々に、復興への手がかりとして今こそ必要なものであります。遡及によって立法府の責務を果たせるものと考えます。

 しかしながら、改正案においてなお積み残しの課題が存在しております。すなわち、一、被災世帯の範囲を半壊世帯まで広げること、二、支援金支給限度額を五百万円まで引き上げること、三、被害認定は適切に運用すること、四、国の補助割合を三分の二にすることについては、今後引き続き検討すべきと考えますので、状況を常に注視し、必要に応じて速やかに見直すことが必要と考えます。

 本改正案が被災者の復興意欲を大きく喚起できるような制度となることを願って、私の発言を終わります。

 ありがとうございます。(拍手)

鈴木委員長 次に、赤羽一嘉君。

赤羽委員 公明党の赤羽一嘉でございます。

 あの阪神・淡路大震災から間もなく十三年の月日の経過を迎えようとしております。たった二十二秒間の揺れで、六千四百有余名のとうとい命を奪い、十九万棟の住宅を全壊させるという、まさに悪夢の災害でありました。私は、一人の被災者として、また被災地選出の議員として、国は何もしてくれへんのかという悲痛な被災者の叫びに突き動かされながら、政党の垣根を越え、また多くの市民とも協調しつつ、実に三年以上の時間がかかりましたが、史上初めての公的支援の実現という形で制定された法律が、この被災者生活再建支援法でございました。

 ただし、残念ながら、当時は私も野党議員という立場であり、その法律の内容は被災地の理想からは遠く、被災者の生活再建の実態にも必ずしも沿ったものではありませんでした。

 以来、この被災者生活再建支援法を、被災者にとっても、また被災自治体にとっても、少しでも使い勝手のよい制度にし、速やかな被災者の生活再建に資する制度に改善することが、議員としての私の最重要の課題と位置づけてきたところでございます。

 本日、ここに、我が公明党案の内容がすべて盛り込まれ、被災者生活再建支援法の内容が劇的に変わる形で改正案が成立の運びとなりますことは、私自身、両肩に重くのしかかっていた宿題の重荷をおろすことができるという満足感でいっぱいでありますが、この実現に力を与えていただきました友党の自由民主党の皆様、そして民主党を初めとする各野党の方々へも、深い御理解と御協力に心から感謝を申し上げる次第でございます。

 具体的に、なぜ画期的な法改正であるかということについて申し上げます。

 まず、支援金の支給に際し、これまでの使途を限定した実費精算方式から、使途を限定せず、住宅の再建の仕方に応じての定額渡し切りで支給する方式に改めている点であります。また、被災者間の不公平感を引き起こしてきた年齢・年収要件の撤廃や、持ち家、借家の区別などの細かな政令事項をほとんどすべてなくしたことにより、より多くの被災者が簡素な手続で迅速に、そして公平な支給が受けられる制度に生まれ変わることになります。

 また、これまで支給対象外となっておりました、全壊で補修による再建を選択した世帯や、住宅の敷地に被害が生じ、やむなく解体に至った世帯にも居住関係経費が支給されることになり、被災実態により沿った制度になります。

 また、被災自治体にとりましても、煩雑な事務処理の省力化が実現するだけでなく、仮設住宅の建設戸数の減少や避難所開設期間の大幅な短縮なども期待できるところとなります。

 今回の改正が、被災者支援という点では百歩前進の大改革であると私は申し上げましたが、この百歩前進の大改革であることは、今回、特定四災害として新制度を適用することになりました能登半島地震、新潟県中越沖地震、台風十一号、十二号の被災者の方々が、まず実感していただけることと強く確信をしているところでございます。

 最後に、今回は議員立法という形でありましたが、本日の成立に至りますまで、影の立場で粉骨砕身の御尽力をいただいた内閣府防災担当の加藤政策統括官を初めとする内閣府の皆様方、財務省の岡田主査を初めとする主計局の方々、そして衆議院法制局の上妻副部長を初めとする衆参両院の法制局の皆様へ、事務方の具体的な名前を出しての感謝は異例ではありますが、その重みを心から感謝申し上げて、私、公明党を代表しての賛成討論とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 次に、高橋千鶴子さん。

高橋委員 私は、日本共産党を代表し、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に賛成の立場から発言します。

 一瞬にして人生を大きく変える災害から暮らしと生業を再建させること、とりわけ個人住宅本体への支援は、阪神・淡路大震災以来の悲願でした。被災地では、十二年たった現在でも孤独死が後を絶ちません。被災直後の援護資金の返済が、今なお精神的な負担となって生活再建の足かせとなっています。二〇〇〇年鳥取県西部地震、二〇〇三年宮城県北部連続地震では、県独自で住宅再建に支援金を支給し、被災者の生活再建を後押ししました。こうした被災自治体、全国知事会の要望などが、被災者の運動や国会の取り組みと相まって、二〇〇四年の居住安定支援制度創設へとつながりました。

 しかし、改正直後から、豪雨、台風や大規模地震、竜巻など、列島はたび重なる災害に襲われ、特に住宅再建支援をめぐり、制度の不備を指摘する声が相次ぎました。そのため、多くの被災自治体が単独で住宅支援に踏み切りました。二度も大地震に見舞われた新潟県のように、被災者の生活を一刻も早く再建することは、地域の維持、再建にとって不可欠であることも明らかになりました。

 日本共産党は、二〇〇四年の野党共同提出を初め被災者とともに繰り返し改正を求めるとともに、今度こそ与野党共同で改正が実現するよう、積極的に発言をしてきました。三党提案の本改正案は、実質的に住宅再建に使えること、年齢・年収要件の撤廃、地盤災害への適用など、被災者の要望を多く反映したものとなっており、率直に評価し、歓迎するものであります。

 その上で、さらなる見直しを期待するものとして、以下三点を述べます。

 第一に、対象世帯の範囲を半壊世帯にまで拡大することです。生業あっての生活であり、個人事業所や個人商店を含めることです。

 第二は、支給限度額を引き上げることです。住宅の公共性、地域社会再建への貢献度や、実際に住宅再建に要する経費からいっても、求められています。

 第三は、被害認定のあり方の見直しです。大規模半壊以上と認定されるかどうかで大きく明暗が分かれます。地盤や浸水被害を正確に反映した認定基準とすること、専門家による的確な認定作業とそのための体制の確保は不可欠であります。

 なお、せっかくの制度が熟知されず、被災者が救済されないということがないよう、わかりやすい制度の解説や広報、自治体担当者への援助を政府に要請します。

 本改正案が多くの被災者を励まし、生活再建へとつながることを期待するとともに、なお残された課題については引き続き検討することを政府と委員各位に呼びかけまして、発言といたします。(拍手)

鈴木委員長 次に、日森文尋君。

日森委員 私は、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案について、賛成の立場から一言発言をさせていただきます。

 最初に、本案をまとめるに当たって、被災者の願いを真摯に受けとめ、法案成文化に御尽力をいただいた委員各位に対して、心から敬意を表したいと思います。

 このたびの被災者生活再建支援法の一部改正に当たり、被災者の長年にわたる運動の成果として、住宅本体の建設、購入にも支援が行われるようになった点や、支援金を受け取る際の被災世帯の世帯主の年齢及び収入に関する要件が廃止されたことを心から歓迎いたします。

 大きな懸案であり、最後まで議論されていた改正案の遡及適用についても配慮がなされており、当該被災者の皆様方にも一定の御理解を得られるものと思います。

 しかし、支援金の支給限度額、半壊世帯に対する支援等については、なお改善の余地があると思います。

 また、使い勝手の問題も、定額支払いが導入されたことにより大分改善されましたが、各種申請の具体的な運用段階においては、まだ幾多の問題点が指摘をされております。この点については、法が被災者の生活再建という視点から立法されていることを政府、自治体を初めとして関係者はよく理解し、被災者の目線に立った適切な対応をとることが望まれます。

 今後改正案が施行され、被災者の皆さんが適用を受ける中で、今回の改正が真に実りあるものであったかどうかが検証されていくことになります。その意味で、今後の法案の見直しについては、臨機応変に対応していくことが望まれると思います。

 被災した町の復興に当たっては、住む人の生活再建が第一の課題であるというのが被災者生活再建支援法の趣旨だと考えます。しかし、被災者の生活再建とは、住宅を再建するだけで事足りるというものではありません。被災によって発生しがちな雇用問題、高齢者の生活、さらには町のコミュニティーの再建と、被災地の復興は地域トータルの問題として考えなければなりません。

 その意味で、寄せ木細工のように各省庁の所管で運用されている多数の支援法を機動的に運用するシステムの構築を、今後視野に入れるべきではないかとも考えております。

 以上、申し述べて、社民党としての発言といたします。ありがとうございました。(拍手)

鈴木委員長 これにて発言は終了いたしました。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 本案につきましては、理事会の協議に基づき、質疑及び討論をいずれも省略することといたしておりますので、直ちに採決に入ります。

 参議院提出、被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手)

    ―――――――――――――

鈴木委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、佐田玄一郎君外六名から、自由民主党・無所属会、民主党・無所属クラブ、公明党、日本共産党、社会民主党・市民連合及び国民新党・そうぞう・無所属の会の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。村井宗明君。

村井委員 ただいま議題となりました被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案の附帯決議案につきまして、提出者を代表して御説明させていただきたいと思います。

 まずもって、与野党がそれぞれの違いを乗り越えて、本当に被災者のためにこうやって法案を成立できたのはよかったと思います。内容につきましては、各委員の皆様がよく知っておられると思いますので、案文を朗読することをもちまして説明をさせていただきたいと思います。

    被災者生活再建支援法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  自然災害による被災者がその被害から回復するためには、日常生活の再建とともに、その生活の基盤たる「住まい」の再建を欠かすことはできない。また被災地における住宅再建は、単に個人レベルにおける再建だけではなく、地域社会の迅速な復興のためにも極めて重要である。かかる見地から、政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。

 一 支援金の支給限度額については、被災者の住宅再建に対する意欲に十分応え得るよう、今後の実績等を踏まえ、引き続き検討すること。

 二 支援金支給等の前提となる住宅の被害認定については、浸水被害及び地震被害の特性にかんがみ、被害の実態に即して適切な運用が確保されるよう検討を加えること。

 三 支援金の申請及び支給状況等を勘案し、本法施行後四年を目途として、対象及び負担のあり方を含め、制度の見直しなどの総合的な検討を加えること。

 四 被災世帯の認定にあたり、各地域において、格差の生じないように、関係機関において必要な方法を講じること。

  右決議する。

以上でございます。(拍手)

鈴木委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

鈴木委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付すことに決しました。

 この際、泉防災担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。泉防災担当大臣。

泉国務大臣 ただいま議決になりました附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいる所存でございます。

    ―――――――――――――

鈴木委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

鈴木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

鈴木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時二十八分散会


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