衆議院

メインへスキップ



第8号 平成23年4月14日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十三年四月十四日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 吉田おさむ君

   理事 糸川 正晃君 理事 梶原 康弘君

   理事 古賀 敬章君 理事 中根 康浩君

   理事 橋本 清仁君 理事 長島 忠美君

   理事 古川 禎久君 理事 石田 祝稔君

      網屋 信介君    石山 敬貴君

      今井 雅人君    打越あかし君

      大西 健介君    大西 孝典君

      岸本 周平君    小山 展弘君

      近藤 和也君   斎藤やすのり君

      空本 誠喜君    高橋 昭一君

      高邑  勉君    富岡 芳忠君

      畑  浩治君    皆吉 稲生君

      森本 和義君    山本 剛正君

      吉川 政重君    若泉 征三君

      江藤  拓君    小里 泰弘君

      小渕 優子君    梶山 弘志君

      谷  公一君    林  幹雄君

      森山  裕君    江田 康幸君

      高橋千鶴子君    重野 安正君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       松本  龍君

   内閣府副大臣       東  祥三君

   文部科学副大臣      笹木 竜三君

   農林水産副大臣      筒井 信隆君

   経済産業大臣政務官    中山 義活君

   国土交通大臣政務官    小泉 俊明君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官付参事官)           松島 浩道君

   政府参考人

   (総務省大臣官房地域力創造審議官)        門山 泰明君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  久元 喜造君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 石井 正文君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 冨田 浩司君

   政府参考人

   (外務省領事局長)    川田  司君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           尾崎 春樹君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           篠田 幸昌君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長) 中沖  剛君

   政府参考人

   (厚生労働省社会・援護局長)           清水美智夫君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         針原 寿朗君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            吉村  馨君

   政府参考人

   (水産庁次長)      宮原 正典君

   政府参考人

   (経済産業省大臣官房審議官)           内藤 伸悟君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院審議官)   黒木 慎一君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    豊永 厚志君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  川本正一郎君

   政府参考人

   (気象庁予報部長)    西出 則武君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   伊藤 哲夫君

   参考人

   (原子力安全委員会委員長代理)          久木田 豊君

   衆議院調査局第三特別調査室長           阿部  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十四日

 辞任         補欠選任

  竹下  亘君     小渕 優子君

同日

 辞任         補欠選任

  小渕 優子君     竹下  亘君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(東日本大震災による被害及び対策状況)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

吉田委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件、特に東日本大震災による被害及び対策状況について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、参考人として原子力安全委員会委員長代理久木田豊君の出席を求め、意見を聴取し、また、政府参考人として内閣府政策統括官付参事官松島浩道君、総務省大臣官房地域力創造審議官門山泰明君、総務省自治行政局長久元喜造君、外務省大臣官房審議官石井正文君、外務省大臣官房参事官冨田浩司君、外務省領事局長川田司君、文部科学省大臣官房審議官尾崎春樹君、厚生労働省大臣官房審議官篠田幸昌君、厚生労働省職業安定局高齢・障害者雇用対策部長中沖剛君、厚生労働省社会・援護局長清水美智夫君、農林水産省大臣官房総括審議官針原寿朗君、農林水産省農村振興局長吉村馨君、水産庁次長宮原正典君、経済産業省大臣官房審議官内藤伸悟君、中小企業庁次長豊永厚志君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院審議官黒木慎一君、国土交通省住宅局長川本正一郎君、気象庁予報部長西出則武君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長伊藤哲夫君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

吉田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

吉田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石田祝稔君。

石田(祝)委員 おはようございます。

 松本大臣、東副大臣、また政府参考人、御苦労さまでございます。時間をいただきましたので、質問をいたしたいと思います。

 まず、きょうは、ニュージーランドの地震につきまして冒頭お伺いをいたしたいと思います。

 このニュージーランドの地震につきましては、今回の東日本の大震災で皆様若干記憶から遠くなっているかもしれませんけれども、二月の二十二日に起きて、まだ二カ月たっていない地震でございます。つい先ごろ、日本人の最後の御遺体が確認をされた、こういうことでございますが、この経緯につきまして、外務省からお伺いをいたしたいと思います。それと、今後の遺族等へのバックアップについても、あわせて御説明をお願いいたします。

冨田政府参考人 お答えをいたします。

 まず、現在までに確認されました人的被害の状況でございますけれども、ニュージーランド警察の推定によりますと、推定死者数百八十一名、このうち百七十二名の身元が公表されております。その中には、倒壊したCTVビルの語学学校に通っていた二十八名の邦人の方が含まれておりまして、残念ながら、現在まで、全員の身元が確認されているところでございます。

 現地の状況でございますけれども、三月の十八日にニュージーランドの国家追悼式が行われまして、これを一つの区切りといたしまして、復興に向けた動きが本格化しているところでございます。

 同時に、ニュージーランド政府といたしましては、これまでの防災体制に対する検証作業も行われておりまして、例えば、CTVビルを含みます建築物の倒壊に関する調査委員会を設置し、来年四月をめどに最終報告を公表すべく調査を行っているところと承知しております。

 政府の対応でございますけれども、地震発生以来、国際緊急援助隊を派遣し捜索救助活動を行うとともに、現地及び外務省の緊急対策本部で情報収集、被災者、御家族への支援を行ってまいっているところでございます。引き続き、御家族への対応、CTVビル倒壊の真相究明等課題が残されておりますので、政府としてしっかりと対応してまいりたいと思います。

 遺族への対応については、領事局から御答弁いたします。

川田政府参考人 お答えいたします。

 二月二十二日の地震発生後直ちに、政府としましては、現地対策本部、本省に緊急対策本部を設置しまして、また二十四日には、外務省及び現地に家族支援チームを立ち上げ、家族ごとに連絡、相談のための担当官を配置しまして、また現地を訪問される御家族には外務省員が同行しまして、さらに現地では家族連絡会を開催するなど、できる限りの支援を行ってまいりました。

 先ほど申し上げましたけれども、倒壊しましたビル内で被災した二十八名の方につきましても、早期の身元確認をニュージーランド側に強く働きかけまして、四月四日までに全員の身元確認ができたところでございます。また、これまで、被災者の御遺体の搬送、だびに係る手続、それから御家族の方のCTVビル跡地の訪問等、御家族からの要望にこたえまして、できる限りきめ細かく対応してきたところでございます。

 今後とも、遺留品の問題とか、さらには補償の問題とか残っておりますので、こういった問題につきましても、御家族と緊密に連絡をとりながら、できる限りの支援を引き続き行っていきたい、このように考えております。

石田(祝)委員 また、これから、御遺族の方もなかなか落ちつくことはないと思いますので、ぜひとものバックアップもお願いをいたしたいと思います。

 ここで、海外での災害で被災をした場合に、今、バックアップもしていただいているということでありましたけれども、例えば金銭的なお見舞金のようなもの、これについてちょっとお伺いいたします。

 今回の東日本の大震災において、外国の方、日本の住民という認定を受けた方になるかと思いますけれども、国籍にかかわらず弔慰金が出る、こういうことをお聞きしておりますが、このことの確認と、例えば、邦人で今回のような海外での災害でこういう弔慰金的なものがあるのかどうか、このことについて御答弁をお願いします。

清水政府参考人 昭和四十八年に制定されました災害弔慰金の支給等に関する法律というものがございまして、この法律に基づいて災害弔慰金を支給するということでございますが、対象者は、その法律の第三条第一項の規定によりまして、自然災害により死亡した住民の遺族ということになってございます。

 住民とは、その市町村の区域内に住所を有する方でございまして、国籍は要件とされてございません。したがいまして、永住、定住の外国人の方など、日本国内に住所を有しているというふうに解される方は、この法律による災害弔慰金の支給対象となるものでございます。(石田(祝)委員「海外の方はどうですか」と呼ぶ)この法律は国内法でございますので、国内の災害についての対象ということでございます。

石田(祝)委員 この御答弁でもわかるように、日本国内の自然災害においては、国籍要件はない、住民であれば基準に従って弔慰金が出る。しかし、邦人であったら、海外での災害、自然災害については、何ら見舞金的なものはございません。

 これは松本大臣にお伺いをいたしたいんですけれども、今回、二十八名の方が、自然災害とはいえ、建物倒壊でお亡くなりになったわけです。しかし、バックアップはいろいろしておりますけれども、いわゆる法とか規則とか、そういうものに基づくものはないんですね。

 これについて、私は、少なくとも日本の国籍を持っている邦人、こういう方々、細かい規定も当然必要でしょうけれども、何か海外での自然災害に対して見舞金的なもの、そういうものをもうそろそろ考えていくべきではないかと思いますが、大臣の御所見をお伺いします。

松本(龍)国務大臣 二月の二十二日のニュージーランドの地震の直後から石田先生がそのことを御指摘になっておられること、私もお聞きをいたしました。

 実は、二十八名亡くなられましたけれども、当時、福岡の高校生が五十二人、語学研修でクライストチャーチにおりまして、彼らはすべて安全であることが確認されました。まさに、建物による、耐震によるものが非常に大きいなということを痛感したところであります。

 先生御指摘のように、海外において被災した邦人に対しては見舞金を支給してはどうかというお尋ねであります。

 私もそのような問題意識を持ってずっと考えてまいりましたけれども、この点につきましては、今厚生労働省が言いましたように、日本の弔慰金では国籍を問わないということがありました。

 ですから、そういう意味では、海外における邦人保護に関する一つの論点として、外務省あるいは厚生労働省等々とも相談をしていきながら、必要に応じて検討されるものと考えておりますし、私自身もこれから考えてまいりたいというふうに思っております。

石田(祝)委員 これはぜひ検討を進めていただきたいと思います。私もしっかりと取り組んでいきたいと思います。

 外務省に申し上げたいんですが、前回の災害対策特別委員会、私は原子力発電所の汚染水の問題を取り上げました。たしかこの委員会だったと思いますが、そのときに、汚染水の排出の前に各国に通知をした、こういう御答弁だったと思いますが、実は、通知の前に汚染水の排出がもう始まっていた、こういうことが昨日の委員会で明らかになったわけであります。

 このことは、ある意味では虚偽の答弁ですよ、ぜひ反省をしていただきたいと思います。私が確認をして、大丈夫かとお聞きをして、答弁をしていただきましたが、結果的には、排出が始まった後に通知があった、こういうことが明らかになったわけであります。

 このことは国会における院の権威をおとしめるものだ、このように私は思いますので、大いに反省をしていただきたいし、このことについては、また後刻、別の角度でもお話をさせていただきたいと思います。

 外務省はもう結構でございます。

 引き続きまして、被災者生活再建支援法についてお聞きをします。

 松本大臣は一昨日、土地の液状化の問題について、再建支援法の認定基準の検討をしたい、こういうことをお話しになったということが昨日の新聞に載っておりました。

 この液状化の問題は、千葉県とか新興住宅街で大きな被害が出ている。家そのものは見たら立派なお家だ、しかし、微妙に傾いて、住んでいると目まいがするだとか、そういうことが具体的に言われてきております。しかし、見た目がしっかりしているものですから、認定基準で全壊、半壊とかになかなかなりにくい、こういうことも言われております。

 松本大臣の発言の確認と、そして今後どのようにしていくのか、この御答弁をお願いします。

松本(龍)国務大臣 おととい、茨城県の各市長の方々が来られました。いろいろな写真を見せていただき、また模型も拝見させていただいて、見た目はそれほどでもないんですけれども、傾いて、下が液状化をしているという状況を報告いただきました。

 そういう意味では、茨城のその様子も、現地に防災担当を派遣してしっかり調査に当たらせる。私も時間があれば行きたいと思っているんですけれども、やはり、土台が緩んでいるということがどんな厳しい状況なのかということも、これから見てまいりたいというふうに思っております。そこから検討が始まると思います。

 いずれにしましても、被災者生活再建支援法等々、さまざまな問題があって、その全壊、半壊、一部損壊等々の基準がそのまま現行どおりでいいのかということも、私ども精査をしていきたいというふうに思っております。

 また、上記以外の場合であっても、液状化以外の損傷も含めて、住宅全体に占める損害割合を算定して、その割合に応じて、全壊、大規模半壊等の判定をできることとされています。

 こういった判定された被害の程度に応じて支援を受けることができるわけでありますけれども、現在の基準が今回の地盤の液状化による住宅被害の実態にそぐわないというおとといの御指摘もありましたので、液状化の状況、家屋の状況をよく調査して、基準の見直し等も含めて改めて勉強してまいりたいというふうに思っております。

石田(祝)委員 この再建法は、やはり何度か考え方が変わってきております。もともとは阪神大震災をきっかけにつくられたと記憶しておりますけれども、その後の全国各地の水害、そのとき、実際は柱はちゃんと立っている、残っている。家の形は残っているけれども、本当に水で洗い流されたようにして、いろいろな汚物等も流れ込んできている。実際は住めないんだけれども、柱が立っている、それで全壊、半壊にならないということで、相当そういうところも見直されてはきていると思います。

 ですから、この液状化という、ちょっと今までの考え方ではない災害で実際に困っているわけですから、これは、大臣も今御答弁のように、問題がある、検討しなくちゃならぬ、こういう問題意識をお持ちのようですから、ぜひ前向きに検討を進めていただきたい、このことをまずお願いいたしたいと思います。

 それで、この被災者生活再建支援法、今回、東日本の大震災で避難をされている方、もうそろそろ一カ月を過ぎて、生活ということを考えていかなきゃいけない。この基礎支援金というものが百万円出るわけですね。

 これは現実的に、今回お聞きをしているところによりますと、第一次補正予算で国の負担分約五百億円ですか、これが二分の一ですから、実際は一千億円の規模で基礎支援金を十万世帯分用意する、こういうことですが、現実には、お金を幾ら構えても、被災者の手元に届かないと意味がありませんし、また早く届かなきゃいけない。実際は、この事務をやっているところが、都道府県会館というところ一カ所だけなんですね。ですから、これから第一次補正でも予定されている十万世帯分をどうやってさばいていくのか。

 このことについて、どうやって早くお配りするか、お届けするか、これは御答弁いただけますか。どのようにしてやることを考えているのか。

松本(龍)国務大臣 被災者生活再建支援金、基礎の部分ですけれども、百万円というのをやはり早く支給しなければならないという認識は、私どもも石田委員と共通をしております。そういう意味では、頑張っておられる方々に少しでも光が見えてくるようなシステムをつくらなければならないと思っております。

 住宅の被害認定に関しては、津波により流失した住宅については、航空写真や衛星写真を活用して全壊と判定できることや、各部位の損傷を数値化して判定する従来の方式にかえて、外形を目視してイメージ図などを活用した判定方法をとることができること、そして、今言われましたように、津波浸水区域の四隅に立地する住宅のサンプル調査により、津波によりおおむね一階天井まで浸水したことが一見して明らかな区域については、当該区域内の住宅すべてを全壊と判定できることなどの簡便な方法を被災自治体等にお示ししたところであります。

 また、長期避難エリアということも考えまして、避難所におられる方々、また地域におられる方々の横横の関係も使っていきながら、早期に罹災証明が発行できるように、届けられるようにしたいというふうに思います。

 また、支援金の支給に当たる法人職員の増員のほか、私も知事会にも要請をいたしました、大変な作業がありますから、いろいろなところで、支給のときについては、あるいは申請のときについては、さまざまな御援助をお願いしたいというふうなことも申し上げました。そういう市町村への各県の積極的な協力もお願いをしているところであります。国としても、ここに大きくかかわっていかなければならないと思っています。

 いずれにしましても、被災者の方々が一日も早く安心して暮らせるよう、被災者生活再建支援金については、申請があれば速やかに支給できるよう、国として、事務処理体制の強化等に最大限の努力をしてまいりたいと思っております。

石田(祝)委員 速やかに支給をしたいということでありますけれども、申請書を受け取ってからどのくらいのめどでお払いするように考えていますか。

松本(龍)国務大臣 罹災証明あるいは住民票は簡素化、迅速化を、先ほど申し上げましたように、もう写真一枚で、罹災証明は要らないとかというところで、その辺、今まで一カ月かかるところをかなり迅速化できるというふうに思っております。

 いずれにしましても、いろいろなケースで、振り込み先の必要なときにも、いろいろなところでバックアップシステムをつくっていかなければなりませんし、銀行が流れてしまった、郵便局も流れてしまったというときにどうしたらいいか、そういうソフト面までも今詳細に調べておりますので、今まで二カ月あるいは半年かかったところをできる限り簡素化して、迅速化して、短期間でそれができるように努力をしているところであります。

石田(祝)委員 いや、大臣、私、きのう質問のレクでちょっとお聞きしたのですけれども、そんなこと言っていなかったですよ。明確に期間をおっしゃっていましたよ。これは、大臣のところに行っていないのか、政治主導を外れて官僚がしっかりやり出したのかわかりませんけれども、私は明確に聞いていますよ。聞いていますけれども、大臣からお答えいただきたいのであえて申し上げませんので、申請書を受理してからどのぐらいで振り込むか、これをはっきりお答えください。

東副大臣 今大臣が申し上げているとおり、できるだけ早くということで、市町村、都道府県レベルにおきましては二週間程度で、そして、先ほど御指摘のとおり、都道府県会館、ここでは事務処理をやっているわけでありますが、そこでも二週間程度で、できるだけ一カ月ぐらいをめどに支給できるようにということで取り組んでいるところです。

石田(祝)委員 一カ月ということが被災された方にどう受けとめられるかはちょっと私はわかりませんけれども、できるだけ早くということで、なお一カ月、こういうことですから、できるだけ縮めるように御努力をお願いいたしたいと思います。

 これは、基礎支援金の後に、当然、生活再建、お家の再建ということが出てまいりますから、それはその後の段階のこととして、また改めてお伺いをいたします。

 それで、今回、日本全国から多くの善意が寄せられて、日本赤十字社と中央共同募金会、ここに合わせて大体千四百五十九億円、こういう数字が新聞等にも出ております。これのまず第一次の配分の基準が決まった、八日に決めた、こういうことでありますが、具体的には、けさの新聞の報道によりますと、福島県に二百三十億円、第一次配分として送金した、こういうことも書かれております。

 これも一日も早く手元に行くように、善意が届くように、こういうことを私はお願いしたいのですが、これは、どういう形で早くやる、そういうバックアップ体制等はお考えになっているのでしょうか。

清水政府参考人 義援金につきましては、先週の金曜日に、義援金配分割合決定委員会で基準が決められたわけでございます。

 そこで、今後でございますけれども、被災県おのおので義援金配分委員会、これが立ち上がりまして、そこで具体的な配分基準が決められるという手続が必要でございます。その後、市町村を通じまして、事実が確定された被災者の方々に届けられるということになってございます。

 まだ先週の金曜日に中央での配分割合決定委員会の基準が決まったばかりでございますので、今、各県におきましては、配分委員会、既に立ち上げたところもございますが、今後、早急に立ち上げるという手続を進めているところでございます。

 具体的に、被災者の方々のお手元に届くまでには、先ほど内閣府副大臣からお話がございましたようなさまざまな手順ということが必要になるわけでございますので、私どもも、その都度その都度、必要に応じて支援等のことをやってまいりたいというふうに考えてございます。

石田(祝)委員 局長も、それから東副大臣は一カ月程度と、こういうお答えをいただきましたが、義援金の配分は厚生労働省の援護局がやるわけじゃないんでしょうが、ぜひバックアップ体制をつくって、これはもう発表されていますからね、八日の日に。そうすると、被災者の方は、ある意味でいえば着のみ着のまま出てきている、現金がない、その善意をぜひ早く受け取りたい、こういうことだろうと私は思いますから、これについてはぜひ総力を挙げて、一日も早く手元に届くようにやっていただきたい、このことを申し上げておきたいと思います。

 それと、今回、被災された方がいろいろなところに避難をなさっています。ですから、どこに行かれているかということがなかなかつかみにくい、こういうことがあると思います。

 それで、総務省が今回、全国避難者情報システム、こういうものを四月十二日に発表なさいました。しかし、これは、阪神・淡路大震災でいろいろと検討している方からすると、住所はつかめる、そしていろいろな情報は流せるんだけれども、現実的に、例えば義援金を受け取ったかどうかとか、それから基礎支援金を受け取ったかどうか、こういう大事な情報を盛り込むことができないという指摘もあります。

 そのものについては、被災者支援システムというのが、総務省の財団法人地方自治情報センターが既にシステムを開発して、オープンソースしている、こういうことをお聞きしておりますが、今回のこの全国避難者情報システムと被災者支援システム、これについてはどういう関係になるのか。これは、両方ともドッキングさせて、住所もつかめる、そしていろいろな情報もそれに盛り込んで、遺漏なきようにいろいろな支援の手が打てる、こういう形になるのかどうかということ。

 それから、被災者支援システムの導入について、どうも進んでいないようでありますけれども、これをこれから導入するに際しての財政的な支援、このことについてお伺いをいたしたいと思います。

 幾つか質問を一緒にしましたので、簡潔明瞭な御答弁をお願いします。

門山政府参考人 お答えいたします。

 まず、全国避難者情報システムでございますけれども、これは、住所地の地方公共団体の区域外に避難しておられる住民の方々の現況を把握するということの目的で、避難先の地方公共団体におきまして、御本人の了解を得て避難者の方の情報の収集を行いまして、これを住所地の地方公共団体などに提供するというものでございます。

 住所地の地方公共団体の方におきましては、この全国避難者情報システムを通じて得られた情報をもとに、いろいろな行政サービスに活用いたしますためのデータベースを構築する、そしてこういった情報を管理することが可能になるわけでございますが、その際、ただいま御指摘のございました阪神・淡路大震災の際に西宮市が開発したシステムでございますけれども、被災者支援システム、こういったシステムがございます。こういった被災者の方の支援のシステムなども活用いたしまして、生活支援をする行政サービスを円滑に提供していくことを期待しているわけでございます。

 このシステムにつきましては、これも先生から御指摘ありましたとおり、現在、財団法人地方自治情報センターが西宮市から管理を引き継いでいるわけでございますけれども、震災が発生いたしました以降の三月十八日に、これを普及しやすいようにということで、システムの改変をしてもいいということ、それからシステムをシステム業者の方々にも開放するという措置を実施したところでございます。

 したがいまして、システム自体は無償で提供されるものでございますので、こういったことを御活用いただいて、システムを円滑に動かして支援を速やかに行えるように総務省としても必要な支援を行ってまいりたいと思っております。

 以上でございます。(石田(祝)委員「いやいや、財政的な支援についても聞いたよ」と呼ぶ)失礼いたしました。

 このシステムにつきましては、ただいま申し上げましたとおり、プログラム自体、ソフトは無償で提供されるものでございますが、いずれにいたしましても、こういったものを動かすに当たりましては、特に、甚大な被害を受けた市町村につきましては、住民基本台帳システムですとか、そういった被災者の生活支援の基盤となりますシステム、それからネットワーク自体の早急な復旧ということがまず必要というふうに考えておりまして、まず、この点につきまして、一次補正予算において支援をできるようにということで今検討しているところでございます。

石田(祝)委員 この被災者支援システムというのは、震災前には、岩手、宮城、福島、この三県は導入団体はなかった。ですから、どこもこれを導入していなかった。その後、震災の後に支援システムの導入をしている。

 しかし、現実に、これはインプット、いろいろなデータを入力しなきゃいけませんから、今でさえ職員の数が足りないという状況の中ですから、これについて、いわゆる人的なものを含めて、また、外部に委託をするんだったら委託をする、そのときの財政支援をしっかりやっていただかないと、お金もない、人もいないところに、さらに被災者を応援するシステムを新たにやろうというわけですから、明確な財政支援が必要だと私は思いますが、いま一度御答弁をお願いします。

門山政府参考人 先ほど申し上げましたとおり、システムのソフト自体は無償で提供されるというのは、この被災者支援システムの場合はそういうことでございますけれども、入力に関しましてかかります人件費等、そういったものについてどういう扱いになるかということにつきましては、個々の団体の財政事情等を勘案いたしまして総合的に考えるものというふうに考えております。

石田(祝)委員 もう時間ですから終わりますけれども、余りそんなしゃくし定規なことを言わないで、被災者の支援のシステムをつくろうというわけですから、そんな財政事情なんというのは当然総務省が一番わかっているわけでしょう、財政力なんというのは。そういう中でさらに被害を受けているわけですから、そこで被災者を応援しようという、現実に役立つシステムを、これはオープンソースにしてくれたのはいいんですよ。しかし、現実にはデータを入力しなきゃいけないじゃないですか。そこの人手を外部に委託してもいいということにしているわけでしょう。そのお金を出してあげてくださいと言っているわけですよ。何か、はっきり言って、総務省はそういう地方団体を応援する気があるのかどうか、私はちょっとよくわかりませんね。

 時間がありませんので、きょうはこのぐらいにいたします。

 国土交通省、済みません、住宅局長に来ていただいたんですが、またの機会にということで、申しわけございません。

 では、終わらせていただきます。

吉田委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 初めに、松本大臣に伺います。

 震災から一カ月以上が過ぎ、復興会議とか復興基本法とかさまざまに報道されたり政府から発言がされている中で、被災者の心にはさざ波が立っております。立ち退きをするのに国が買い取ってくれるのか、農地はどうなるのか、住むところは決めてくれるのか、仕事がなければ暮らせないなど、いろいろ聞かれました。家も流され、仕事もないまま不自由な避難所生活を送り、仮設住宅さえまだ決まっていない被災者にとって、自分と遠いところで復興という言葉が叫ばれているのは、非常に置き去りにされているような気持ちで不安でたまらないのは当然だと思います。

 そこで、復興に当たっては、被災者自身が決めていくことだ、それが大前提だということを確認したいんです。その上で、地域のコミュニティーが守られる、農林漁業や地場産業、中小零細企業を含む地域の経済の復興が中心に据わることが基本だと思います。そのために必要な立法や財源措置は国がやるべきだ、上から青写真を描いて押しつけるべきではないということを確認したいんですが、いかがでしょうか。

松本(龍)国務大臣 今、喫緊の課題というのは、今おっしゃるとおり、避難所におられる方、あるいは自宅や御親戚のうちに身を寄せておられる方々に対する食料や医療や介護や福祉をしっかり厚くしていくというのが、私自身、喫緊の課題だというふうに思っております。

 そういう意味では、復興ということも大切でありますけれども、復興に当たっては、まさにきょう第一回目の復興構想会議が開かれますが、私は、今まで現地を見てまいりましたけれども、それぞれの地域がそれぞれ被害の状況も違いますし、いろいろな意味で一番大事なことはつながりやきずなだというふうに思います。

 しかも、そこには古くからの伝統や文化があって地場の産業があって、それぞれの復興の仕方はそれぞれの地域で違ってくるだろうという思いがあって、やはりそれぞれの復旧復興に関しては、それぞれの町づくりを住民が合意をしていきながら積み上げていく、下から積み上げていくのが正しい町づくりのやり方だろう。そこに、いわゆる政府が、こういう町づくりもありますよという青写真を示すというのも重要なことだというふうに感じているところであります。

 いずれにしましても、復興に当たりましては、地域の多様性を踏まえて、地元の方々の意見にじっくり耳を傾けて、そこからスタートをするべきだというふうに思っております。先ほども言いましたように、避難所におられる方々、避難されている方々に対する、きのうよりもきょう、きょうよりもあしたという手厚い手当てがまだまだ必要だというふうに感じているところであります。

高橋(千)委員 ありがとうございました。下から積み上げていくのだということでお話をいただいたと思います。そのためにも、被災者がばらばらにされないこと、また、避難所暮らしということで考える余裕がないという状況に長く置かれていないこと、それが非常に大事であるということを重ねて要望したいと思います。

 そこで、きょう質問したいのは、ばらばらにされた原発事故の避難者はさらに深刻で、町づくりどころか全く先が見通せない状況になっているということです。また、風評被害を含む農林漁業の影響は福島県内にとどまりません。

 そこでまず伺いたいのは、計画的避難区域、避難準備区域とは原子力災害対策特別措置法に規定はありません。法的拘束力はないと思いますが、いかがでしょうか。また、現時点では、二十キロから三十キロ圏の屋内退避はまだ生きていることになるわけですね。

中山大臣政務官 ただいまの御質問でありますが、法的な根拠というよりも、基本的には、現場の自治体、そしてまた被災をされた皆さんの混乱を招かないように、そこが一番配慮をするところではないでしょうか。私も、福島県の現場の本部長をやっておりまして一番気を使ったところは、官邸の発言が現場に混乱を招かないように、十分に協議をして十分に意思の疎通をして行っていただきたい、発表もそのようにしていただきたい、これは何回も要望したところでございます。

 なお、法的な根拠もありまして、原子力災害対策特別措置法第十五条第二項は、事態の推移に応じて区域の変更ができる旨を規定いたしております。また、その実効性を担保するため、国は、同法第十五条第三項、第二十条第三項に基づき、当該区域を管轄する地方公共団体の長等に対して避難や屋内退避の実施を指示することができる、こういうことでございます。

 なお、もし緊急時の避難準備区域が決まれば、当然そこには、屋内退避というものはまた考えなければならない時期に来るというふうに思います。そして、その扱いは、地方自治体、現場の皆さんとよく協議をして決めていくということでございます。

高橋(千)委員 中山政務官、なるべく答弁は簡潔にお願いいたします、時間がないものですから。

 今のお話を整理しますと、屋内退避は基本的にまだ生きているということが一つあると思うんですね。

 それから、原子力災害対策特別措置法十五条の第二項をお話しされましたけれども、今言われている計画的避難区域、緊急時避難準備区域というのはそこには入っていなくて、いずれ、特別措置法に基づく避難指示ですとかそういうことに移るという意味でしょう。そういうことを確認したんです。一言、イエスかノーかで。

中山大臣政務官 地元とよく協議をして話の食い違いがないように、大体、委員の言うとおりだというふうに思います。

高橋(千)委員 そういうことなんですよ。ですから、食い違いのないようにというのは、言っているそばから、皆さんはもうどうしていいかと思うわけですよ。直ちに避難しなければならないのかとか、そういうことが起きてくるということで確認をさせていただきました。

 緊急時避難準備区域というのはさらにわかりにくいわけですね。「保育所、幼稚園や小中学校及び高校は休園、休校されることになります。」と書かれております。子供は入っていけないのに、会社はどうなるのか。子供を避難させても、会社がある限り大人は通い続けることになりますと、家族が引き裂かれることになります。

 先日、山形で、南相馬市から避難をされてきた方がお話しされました。会社から解雇をされた、あんたが勝手に自主避難をしたと。つまり、自主避難という言い方ではこういうことが繰り返し起こるんですね。どう考えますか。

中山大臣政務官 お話しのとおり、南相馬なんかはもう生活の実態が生まれてきてしまいまして、そこを簡単に、生活をしてはいかぬというようなことも今の段階で言えるわけではございません。

 この二十キロの距離は、プラントに何かあったとき避難をするためにどうしても必要な距離でございまして、その外にある二十キロ―三十キロのところ、ここに生活実態が生まれてきているので、単純な話ではないと思うんです。

 お子さんはできる限り、やはり放射能や何かの影響がないところに計画的に避難をしてもらいたいという気持ちはあります。しかし、この地域はもともと屋内退避という地域でございますので、生活実態が生まれているので非常に複雑な部分があります。しかし、当然、その中には保育園や小さなお子さんの教育機関というのはできるだけ、できるだけというよりもつくらない、今は運営しない、こういうことになるかと思います。

高橋(千)委員 だとすれば、その期限を区切るべきだと思うんです。本当にそれが緊急時であって、収束が見えてくるというのであれば、家族がある程度引き裂かれても、子供はとにかく守るんだというのは必要なんです。ただ、それは今の時点で言えないでしょう。だったら、一月待ってくれ、そこで完全に判断をするんだ、そういう強い言い方が必要なんです。そのことを指摘しています。

 また、それによって、今それが言えないがために、今のような不利益が起きることは絶対ないと言っていただきたい。

 一年たてばどうなるかということが言われて、今回の計画準備区域などということがSPEEDIやモニタリングによって示されたわけなんですね。だから、今までの二十キロ―三十キロというのは根拠がないし、実は、これはもっと早く判断できるはずではなかったかという声があるのは当然なんです。まずは、屋内退避というやり方を完全にやめるべきだ、それから、あくまで短期間であるならばある程度効果もあるけれども、もう一月以上も過ぎているんだから、もうそれはなしにしてほしい。

 被災者生活再建支援法には長期避難という考え方がありますけれども、原子力災害対策特別措置法にはそういう長期避難の場合を想定していないのではないか。いないのであれば、法的なことも視野に入れながらきちんとした対策をとるというふうに組み立てなければ、現場は追いつかないわけです。いかがですか。

中山大臣政務官 今お話があったようなことは本当に現場で私たちも悩んできたことでもございますし、特別措置法においては避難の期間について特定の定めはないのでございますが、被災者の避難の期間に応じた支援策のあり方については、十分に地元と官邸とも連絡をとりながら、間に入った現場の本部長がしっかりやるべきだ、このように思っておりまして、なるべく今お話しになった意向に沿っていきたい、このように思っております。

高橋(千)委員 ありがとうございます。

 その際、先ほどからお話をしているように、ばらばらにされた避難者の皆さん、首都圏であり東北の各県であり、全国に避難をされているわけですけれども、例えば合併前の旧町の単位でありますとか、ある程度地域のコミュニティーを維持する形で、どうしても避難を今後もやらなければならないとすれば、そうしたことを考えなければならない。ばらばらでは、町の今後について話し合うチャンスもないわけです。町から情報も得られないわけです。その点について、いかがですか。

中山大臣政務官 私たちも、いろいろな学識経験者からも聞いておりますが、計画避難区域にしても、単純に線量のことで町が分断されるとか村が分断されるとか、そういうことについては十分に気を使ってやっていくべきであるというような報告もいただいておりまして、今お話しのようなことを十分考慮しながら今後ともやっていかなければいけないというふうに私は考えておりますし、そういうふうに申し上げてまいりました。

松本(龍)国務大臣 今おっしゃったことは大変重要な指摘だと思います。

 今、避難所におられる方の一番のニーズは住まいと仕事だというふうに思いますけれども、阪神・淡路の例でいえば、十年たったら、つながりというのが一番上の項目になりました。まさに、地域のつながり、コミュニティーが一番大事だというふうに思います。

 発災後一週間ぐらいして、南相馬の皆さんは、とにかくバスに乗って自主避難をしよう、山形県の長井市、ここは私の同級生がおりますけれども、彼も受け入れの本部長で、受け入れました。新潟に行ったり、そして山形に行った人でも、ちょっと親戚のうちに行ってくると言って青森に行かれた方々もおられました。そういうつながりをしっかり追っていきながら、将来的にも必ずみんなが一緒に暮らせるようなコミュニティーみたいなものを目指して、総務省を中心にしながら、そのつながりをしっかりしようということで、今私どもも取り組んでいるところであります。

高橋(千)委員 ありがとうございました。しっかりお願いしたいと思います。

 最後に、筒井副大臣に一言だけお願いいたしたいと思います。

 海産物の漁業被害、風評被害の問題ですけれども、汚染水を海に放出した件についても、全漁連が、「海で生計を立てている全国の漁業関係者は、無責任な対応に計り知れない強い怒りを抱いている。」と抗議文を提出しました。本当にその思いは伝わってきます。

 きのうも塩竈に行ってきたのですけれども、きょう、地震後初のマグロ船が入ってくるということで、本当に、まだ復旧は終わっていないんだけれども、開いているというメッセージを出したいという心意気を感じました。しかし、そのマグロ船、大変遠回りをしなければならないということでありました。

 現場では、物が動かない、売ってくれと言われたが販売できない、自粛と言われた、量販店が三陸の魚は買うなと言われている、こうしたことが言われております。市場に出回っている魚は安心と言うためには、その体制を、水産庁としてしっかりと、農水省としてしっかりと、人も財政的にも担保をするべきです。そして、量販店に対しても指導をするべきですが、いかがですか。

筒井副大臣 先生がおっしゃるとおりだと思いますが、海へ放出した件に関しましては、鹿野農水大臣も正式にかつ公然と抗議したことは、先生も御存じのことだと思います。

 それから、海、魚の問題に関しましては、暫定基準値を決めてモニタリング調査がされているわけでございますが、それらに関して全面的に農水省が協力をしながらやっていること、コウナゴ一種類について暫定基準値を超える結果が出ましたが、それ以外もっと何十倍も、百以上も調査している魚に関しては全部基準値以下であった、その結果について、今水産庁としても農水省としても最大限周知徹底を図っているところでございます。

 さらには、卸売市場、加工流通業者、それから農水省のホームページを通じてそれらの情報を広げると同時に、科学的知見に基づいた対応をして、風評に惑わされないようにしていただきたい、これらの通知を書面においても、また場合によっては口頭においても、それらの作業をやっているところでございます。

高橋(千)委員 終わります。どうもありがとうございました。

吉田委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野安正です。

 まず、被災地における学校はどうなっておるんだろうか。時あたかも新しい学期が始まる、また入学シーズンである、そういう点を考えたときに大変気になるところでございます。

 そこで、被災地における学校の状況がどうなっておるのか。特に高等学校の場合は、交通機関を利用して通学する生徒もたくさんいるわけで、そういうインフラが壊滅状態にある、そういう状態の中でどうなっているんだろうかと大変心配しておりますが、その辺をひとつ教えていただきたいと思います。

尾崎政府参考人 お答え申し上げます。

 被災三県でございますけれども、まだ始業式を迎えていない学校はございますけれども、おおむね再開の予定は立ってございます。

 具体的に申し上げますと、御指摘の県立高校を中心に申し上げたいと思いますが、岩手県では、県立高校は多くが四月十五日までに再開をしてございます。一番遅い陸前高田市の高校で五月二日の予定ということでございます。

 宮城県につきましては、県立高校は四月二十一日を標準として再開の予定ということでございます。

 福島県におきましては、多くの県立高校が四月八日に再開してございます。ただ、沿岸周辺地域等の高校では、協力校を設けまして、他の協力校の空き教室などを使って、もともとの在籍校の先生が授業を行うサテライト方式というような工夫を取り入れて行う予定であるというような状況でございます。

重野委員 そういうことを聞いて、今、私もほっといたしました。子供たちは一番弱い立場にある方々ですから、その辺は、より以上、いろいろな意味で配慮した対策を講じていただきたい。

 二つ目に、保安院と安全委員会の発表に差があるという点であります。

 一昨日、福島第一原子力発電所の国際原子力事象評価尺度をこれまでの五から七に引き上げる、こういう発表が行われました。事故レベルを引き上げた理由が外部への放射性物質の大量放出にあるということですが、今回のレベル見直しで、推定されている放射性物質の量が、保安院では三十七万テラベクレル、一方、原子力安全委員会は六十三万テラベクレル。特に、セシウム137では六千テラベクレルと一万二千テラベクレル。沃素換算では二十四万テラベクレル。倍の差がある。

 私は専門家じゃありませんからよくわからぬのですけれども、何でこんな大きな差があるんだろう、なぜこうした差が生まれているんだろうと素朴に思うんですね。

 私は、勘ぐった見方じゃありませんが、保安院はまたこの事故を小さく見せようとしているのではないか、そういう作為があるのではないかといううがった見方をするのでありますが、その点を明確にしていただきたいと思います。

黒木政府参考人 お答え申し上げます。

 保安院と安全委員会の放出の計算した結果が余りにも違うのではないかという質問でございます。

 私ども保安院の計算の方法と、それから原子力安全委員会の評価、計算の方法がまず違うということでございます。

 私ども保安院の計算は、今回の事故があった原子炉の炉心の内部から、発生源の方からどういうふうに出てくるかという形で評価をしております。これに対しまして、原子力安全委員会の方は環境の方から、現在、環境中の放射性物質のモニタリングをやっておりますので、その環境の方から得られたモニタリングデータを逆算して、どれだけの放射性物質が大気中に原子炉から出てきたのかという評価をしているということで、計算に差異があるわけでございます。

 しかしながら、私どもの方法、それから安全委員会の方法、現時点で事象がよく詳細にわからない中で、オーダーとしては大体同程度だということでございますので、INESの評価でレベル七ということで発表しようということになった次第でございます。

重野委員 専門家の方はそういう説明で、ああ、そうかというふうに受け取ると思うんですね。しかし、全く素人の国民から見たら、一体どっちが本当なんだ、そんな素朴な疑問を持ちますよ。私だって、なぜこんなに違うのかなと。やはり数字の高い方に目が行きますね。

 しかも丁寧に、これはチェルノブイリの一割程度、こういう説明もついているんですね。何でチェルノブイリの一割ということを言わなきゃならないのか。それは非常にやはり作為的に思いますよ。チェルノブイリというのは印象が強いですからね。その一割前後だ、だから皆さん、そう心配することはありませんよと言わんばかりの言い方じゃないですか。

 チェルノブイリの一割というのは、どういう根拠を持って一割というふうに言っているんですか。

黒木政府参考人 お答えいたします。

 現在、事象をできるだけ正確に、かつ、得られているデータの中で明確にしようということで評価値を公表したところでございます。

 チェルノブイリ原子力発電所では五百二十万テラベクレルだということがIAEAなどの評価で判明しておりまして、これに対しまして、先ほどの保安院の評価、安全委員会の評価は、おおむね一割程度になるということでございます。

 チェルノブイリの事故は、発電所が爆発的な状況になり、放射性物質が相当に放出されたということでございますので、そういう状況ではないということを明確にするためにも、チェルノブイリとの差を明示して公表させていただいたところでございます。

重野委員 七というレベルは最高のレベルですよね。七というレベルは認めている。ところが、今の説明を聞くと、同じ七でもチェルノブイリと福島は違うんだ、こういうことですよね。どこがどう違うんですか。専門家はそういうことがわかると思う。だけれども、今、風評とか心配とかいうのは、みんな国民ですよ。国民から見て、ああ、そうかというわかりやすい説明をしてしかるべきじゃありませんか。

 もう一度やってくださいよ、一割というのはどういうことなのか。

黒木政府参考人 御説明いたします。

 チェルノブイリ原子力発電所で大気中に放出された放射性物質に対しまして、今回の私どもの計算は、その総量の一割、ほぼ一〇%程度であるという試算になったということでございます。

 チェルノブイリ原子力発電所は、反応度事故で暴走した後、水蒸気爆発、水素爆発で火災もその後に起こり、大量に放射性物質が飛散したものでございます。それに対しまして、福島第一原子力発電所につきましては、現時点においても発電所に東京電力の職員、技術者がとどまって安定化の対策を行っているということでございます。

 その違いについて、私どもしっかりと説明していきたいと考えております。

重野委員 今の説明でもまだわかりませんね。

 では、なぜ七なんですか。五が六になり、六が七になる。なぜ七なんですか。

黒木政府参考人 お答えいたします。

 INES、国際評価尺度は、IAEAにおきまして、どういうものについては六なのか七なのかということが決められております。

 その七の基準につきましては、放出された放射性物質の放出量が約五万テラベクレル以上の場合は七にするということでございますので、私ども保安院の計算結果、安全委員会の計算結果とも今回五万以上でございましたので、レベルの七という形にしたところでございます。

重野委員 時間が来ましたからこれ以上言いませんけれども、今言う、七にした理由と、そして現実はその一割なんだ、だからチェルノブイリと違うんだ、この説明は、我々素人、国民は大部分素人ですから、わかりませんよ。もっと丁寧な説明を今後とも求めていきたいと思います。

 終わります。

吉田委員長 次に、斎藤やすのり君。

斎藤(や)委員 宮城二区、仙台市選出の斎藤やすのりでございます。

 きょうも被災地を代表いたしまして、被災地の声をもとに質問をさせていただきます。

 震災から一カ月たちました。避難している方の数はピーク時が五十五万人で、十一日の段階でまだ十五万人です。まだ十五万人もの方が避難所生活をされている。

 私は、震災後、避難所を回ってヒアリングをしております。避難所の声をなるべく国に上げるようにしているわけなんですけれども、ここに来てすごく目立つのが高齢者の方の疲労です。疲れ切っています。昼間から布団をかぶって寝ている人の姿が大分目立つようになってまいりました。

 医師会の先生から聞きますと、このままだと、長時間動かないことで気力と筋力がなえて動けなくなってしまう、生活不活発病というのがあるそうなんですけれども、そういう生活不活発病のリスクが高まってくるという話を聞きました。

 避難所も、一部大変劣悪な環境の避難所もございます。

 一枚目の写真、これは石巻の湊中学校という避難所なんですけれども、これは地震が起きてすぐの画像ではありません、きのうの画像です。車とか船だとかさまざまなものが中学校に突っ込んだままになっていて、突っ込んだままの中学校がまさに避難所になっている、そういう状況でございます。

 においは伝わってきませんけれども、石巻というのは港町ですから、魚も大量に流れ込んでいる、物すごい猛烈なにおいがする、そういう話でございました。道路の瓦れきを撤去しただけ、そういう状況でございます。

 一カ月たったのに、ライフラインが全然通っていないんです。電気も水もガスも通っておりません。自家発電しているんですけれども、燃料不足で、朝夕に二時間稼働するだけ。一カ月たって、そんな状況なんです。

 さらにひどいのがトイレです。トイレの画像を皆さんもぜひ見ていただきたいんですけれども、これはどういうふうに排せつしているのかといいますと、便器におむつパッドを敷いて用を足して、新聞紙にくるんでトイレのわきに置きます。それをボランティアの方が回収して、ビニール袋に入れてごみ置き場に捨てていく。一カ月たっても、まだこんな状況なんです。

 ここで避難している方の要望は、トイレも劣悪なんですけれども、とにかく畳の上で寝たいというんですね。まだ体育館の床の上で、ブルーシートの上で寝ているというんですよ。

 これは要望と質問なんですけれども、このライフラインすら通っていない避難所に優先的に電気を通す、発電機を設置するというのはできないんでしょうか。

 これはあくまでも石巻市の市町村マターである、宮城県マターであるというふうに言われるかもしれませんけれども、やはり国民の生活を守るというのが政治の役割だというふうに私は思います。もし手が回らないのであれば、これをぜひ国がバックアップしてやっていただきたいんですけれども、要望と質問です、よろしくお願いします。

内藤政府参考人 お答え申し上げます。

 電気の復旧につきましては、通常は、東北電力が自治体と連携しながら、特にこのような被災の場合は、避難所、病院、警察、消防といった送電が急がれる施設を優先して対応しております。

 御指摘の石巻の湊中学校につきましては、東北電力の配電設備は復旧して電気を送れる状況にはなっています。ただし、同中学校の受電設備、いわゆるキュービクルが水没等により損傷しているために停電しているという状況と聞いております。

 経済産業省といたしましては、東北電力に対して、石巻市、あるいは市が無理な場合は避難所とよく連携して、できるだけ早く復旧できるように指導してまいりたいと思っております。

斎藤(や)委員 受電設備がいかれているということなんですが、だったら、その受電設備を全力をもって復旧するというのが、やはり行政の役割であり国の役割であると私は思います。受電設備がないからできないんだ、それだと、避難所で寒さに凍えている方は一体どうすればいいんでしょうか。

 本当に、石巻の赤十字病院にはたくさんの方が今緊急搬送されています。赤十字病院に搬送される緊急患者は、このところ通常の二倍以上ということです。ほとんどが避難所の方で、胃腸炎や肺炎といった病気が目立つ、そういう報告も入っています。つまりノロウイルスです。高齢者の方が多くて、そして避難所生活で疲れて抵抗力がなくなっているところに劣悪な環境になっている。

 読売新聞が災害拠点病院などに取材したところによると、もう既に、岩手、宮城、福島では、避難所から搬送された方の二百八十二人の方が亡くなられている。これは二次災害じゃないですか。いわゆる震災関連死です。この震災関連死のスピードというのは、阪神大震災や中越地震と比べ物にならないぐらい多くなっている、そういう情報があります。

 これは政治の責任だというふうに私は思います。政治と行政で一体となってこの危機的な状況を回避するべきだと私は思いますし、受電設備がいかれているから電気が通せないなんというのは、これはどうしようもない。一刻も早く避難所の方の命を守っていただきたいというふうに思います。

 避難所の方の命を守るためには、抜本的に解決するためには、パーソナルスペースの確保、つまり仮設住宅の確保、これが私は重要だというふうに思います。仮設住宅建設のスピードがやはりここでも遅くなっている。震災から一カ月の段階で完成したのは、陸前高田市分の四十軒弱。阪神大震災では、一カ月後には九百軒完成していた。

 阪神大震災に比べてこれだけ仮設住宅の建設のスピードが遅いのはなぜなのか、ちょっと見解を聞きたいと思います。よろしくお願いします。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 今回の震災につきましては、御案内のとおり、被災地域が極めて広範で、被災規模も大きかったということ、そういうことから、被災者の救助や救難といったことに大変時間を要しました。また、被災をした市町村の行政機能自体が一時的に麻痺をしたというようなこともありまして、仮設住宅の発注を行います被災各県の対応というものがおくれたということが、スタートがおくれた最大のポイントではないかというふうに思っております。

 国土交通省では被災直後から、これについては応急仮設住宅の供給を早くしなきゃいかぬということがありまして、大臣の御指示で、三月十四日、月曜日でございますけれども、みずから、住宅生産団体連合会に対しまして、おおむね二カ月で三万戸程度の供給の準備をしてくれという協力の依頼をしたところでございます。

 ただ一方で、実際の発注は、被災地の多くが津波で被害を受けまして、応急仮設住宅をつくれる用地の確保というところに手間をとったということがあって、スタート自体が、最初の着工が三月十九日ということで、おくれたものでございます。

 ただし、四月十三日現在では、建設の着手または着手予定が百二十七地区一万七百七十六戸ということで、一週間前に比べますと大体四千五百戸ぐらいふえてまいりました。ようやく軌道に乗ってきたというふうに考えております。

 ただ、一昨日には余震がございまして、仮設住宅の建設予定地、もう着工していたところもあったわけでございますが、地割れが生じてストップせざるを得ない事案もございます。

 まだ予断を許しませんが、私ども、県をできるだけ支援いたしまして着工を急がせたいというふうに考えております。

斎藤(や)委員 スタートがおくれたという話でございますけれども、それであるならば、やはりそのおくれた分を取り戻す、そういうスピード感が私は必要だと思います。避難所の方にいると、そのスピード感というものが全然見えない、一体行政は何をやっているのかというおしかりの声を受けることが大変多くなります。

 これは国政だけではなくて、宮城県も仙台市も、私の場合は宮城県です、仙台市です、宮城県の場合の仮設住宅のスキームというのは、市町村が発注して、そして県がプレハブ建築協会に委託している。仙台市が仮に用地の準備をして、市が独自で資材を準備できても、県のゴーサインが出ないと進めないスキームになっている。

 ですから、これを柔軟に、例えば政令指定都市で独自でやれるならばやれる、そういうスキームをぜひこれは国が自治体に指導してやっていただきたいというふうに思いますし、もし、用地確保がなかなかできないのであれば、これは私のプランですけれども、例えば二階建てだっていい、それからトイレやふろは共同でもいい、浄化槽がなくても仮設トイレでバキュームカーが来ればいいじゃないかと思います。

 とにかく、雨風がしのげて、自分たちの空間が確保できて、メンタル的なプレッシャーから解放される、心身の健康が担保される、そういう空間が私は仮設住宅だと思いますので、今の建設のスキームにこだわらずに、もっと柔軟にアイデアを使って建設を進めなければいけないんじゃないかなというふうに私は思います。

 今すぐに仮設住宅を建設する、スピードアップする具体的な方法を避難所にいる方に、こんなのがありますよということをぜひ示していただきたいと思います。

 それから、一カ月、三カ月でどれだけ建設するかという目標設定を明確にしているんでしょうか。明確な目標設定と、建設を早めるための具体的な施策をぜひ教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

川本政府参考人 お答えを申し上げます。

 まず第一点、応急仮設住宅の供給主体なんですが、災害救助法で各県がやるということになっております。市町村に委任はできるようなんですけれども、これは、実は厚生労働省が災害救助全体という形で所管をいたしております。

 県と市町村でお話し合いをいただいて、厚労省と協議をして決めていただく。お話は承りましたので、厚労省の方にも話をしておきたいと思います。

 それから、仮設住宅のバリエーション、もっと柔軟でいいのではないかという御指摘がございました。私どもも、バリエーションは当然認められるものというふうに考えております。

 今、いろいろ資材の調達をやっておりますが、浄化槽ということになりますと足りない部分も出てくるだろうということで、お話がありましたようなバキュームカー対応というようなことも当然視野には入れておるところでございます。

 ただ一方で、二階建てということになりますと、実は、家を二階にいたしますと基礎をかなり強く打たなきゃいかぬ、かえって時間がかかるような場合もございます。各現地での状況を見ながら、適切に対応していくことが必要ではないかというふうに思っております。

 供給に関しましては、実は、二カ月でおおむね三万戸、その後三カ月で三万戸という目標を立てて、国土交通大臣の方から業界の方に協力を求めているところでございますが、資材の面でいいますと、大きなネックにはなりそうもない、おおむね資材調達はできそうだという報告を受けております。

 一番のポイントは用地の方でございまして、用地につきましてはこれまでも、国有地等使える用地は国の方でリストアップしまして各県に提示をいたしました。国交省、東京都や兵庫県、大阪府といった各県の職員、それから都市再生機構の職員なども、それぞれ岩手、宮城、福島の三県に派遣をしまして用地取得の支援業務をやっております。

 さらに、各県からは、用地を取得した後の設計についてもいろいろ手伝ってくれという要請もまた来ておりますので、こういったものにつきましても支援をやらせたいというふうに思っております。

 さらに、民有地や農地というものも、既に民有地はかなり使い始めています、そういったものも活用するということで、とりあえず、まず用地確保を急いでもらう、そこの支援をしっかりやることによりまして建設の促進を図ってまいりたい、このように考えております。

斎藤(や)委員 どうもありがとうございます。

 私は、民有地の借り上げというのをやらなければ進まないというふうに思いますので、一日も早く、できるところから建設を進めていただかなければ、本当に命を救えないと思います。県、市、省庁の壁なんて取っ払って、命を守るためにやっていただきたいというふうに思います。

 今、県外に仮設住宅をという話も、けさNHKのニュースで見ましたけれども、私は反対です。先ほど松本防災大臣が、地域のつながりが大事だということを言いました。実際に、私の選挙区である仙台市若林区荒浜の方なども、部落、集落みんなで一緒に避難するんだったら避難する、仮設住宅はみんなで一緒に住む、これがその集落を守るための一番の方法だということも言っておりますので、そのあたりもぜひ耳に入れていただきたいというふうに思います。

 きょうは、二次災害、そういう話を中心にしておりますけれども、もう一つの二次災害がやはり放射能のことだというふうに思います。

 今、被災地東北では放射能の恐怖とも闘っております。住民の方には相当不安が充満しております。不安が充満しているので、さまざまなデマが飛び交うんです。子供を持つ親の間、私の妻もそうですけれども、チェーンメールが回ってきます。どういうチェーンメールが回ってくるのかというと、きょうは日本列島がすっぽりと放射能に覆われているから外で遊ばせてはいけません、そういうチェーンメールが届きます。

 そのチェーンメールには画像が添付されています。どういう画像が添付されているのかというと、こちらです。皆さんの手元にもあると思いますけれども、こちらの色がたくさんついているカラフルなデータですが、これはノルウェーの気象研究所の放射能予測でございます。皆さんも、もしかしたらインターネットなどで見たことがあるかもしれません。

 これを見たら、うわっ、西日本、放射能たくさん飛散しているじゃないか、こんな日本になんて、とてもじゃないけれども行けないよね、ええっ、西日本にもこれだけ放射能があるんだったら、もう怖くて外に出せないわ、こういうふうになるに決まっております。

 気象庁に質問です。

 このデータのもとになっているのは、日本の気象庁が実は配信しております。この予測のもとになっている放射能の観測値、初期値はどこから来ているのか。それから、これは通告になかったんですが、これを使っていることに対して気象庁はどういう見解を持っているのか。予報部長、お願いします。

西出政府参考人 お答え申し上げます。

 世界各国の気象機関の間では、風、気温、気圧といった気象の観測データは交換しております。しかし、放射能につきましては、気象庁自身、観測も行っておりませんし、放射能の観測値や初期値を提供しているという事実はございません。

 ノルウェーの機関については、この予測を行っている事実はお伺いしたとおりでございますけれども、どういう位置づけで業務を行っているかというところについては把握してございません。

斎藤(や)委員 それでは、この放射能のデータというのはどこから来ているんでしょうか。

西出政府参考人 お答え申し上げます。

 ノルウェーの機関がどのようなデータを用いて予測を行っているか、もとになる条件等につきましては、残念ながら関知してございません、承知してございません。

斎藤(や)委員 ノルウェーだけじゃなくて、ドイツの気象庁も出されている。

 それから、気象庁はIAEAにもデータを出されているという話を聞いたんですけれども、では、そのデータはどこから来ているんでしょうか。

西出政府参考人 お答え申し上げます。

 IAEAにつきましては、気象庁がIAEAの要請に基づいて予測情報を提供してございますけれども、条件につきましては、放射性物質の放出の時間でありますとか放出の高さ、放出する量というものを、IAEAに指定された条件に基づいて計算するということを行ってございまして、必ずしも、福島第一原子力発電所の事故の実態を反映しているものではないと考えてございます。

 なお、当庁のホームページで公表することに最近いたしましたけれども、その公表に当たっては、その旨を留意事項として明記して公表しているところでございます。

斎藤(や)委員 つまり、仮定のデータということですね。生データではないんです。仮定のデータなんです。初期値が仮定のデータなのに、それに風の予測をインプットしてこれをつくっているんです。この拡散予測はでたらめですよ、正直言って。つまり、でたらめの拡散予測を世界に配信している、そういうことになります。

 こんなのがネットの世界で世界じゅうに今飛んでいるんですよ。これが風評被害を呼んで、観光客が日本に来なくなっている。成田空港の外国人の入国者数は、震災後三週間で七割減りました。外人向けのはとバスツアーのはとバスに乗っていた方は、今二、三人しかいないそうです。それだけ風評被害が広がっています。

 ですから、私は何を言いたいのかといいますと、風評被害を防ぐためにも、子供を持って不安と闘っている方のためにも、SPEEDIの運用を再開させるべきだというふうに思っております。

 予測に必要な初期値は十分そろっているはずだと思います。先日、新たな避難区域を設定したときに、三月十二日から四月五日の外部被曝の積算線量を試算したということも見ました。ですから、こちらがそのSPEEDIの発表のスキームになっているわけですけれども、気象のデータは、当然風速の観測があります。スーパーコンピューター、スパコンにインプットできる。あとは、放射能の観測さえ入れればSPEEDIの情報がアウトプットできるわけです。

 積算情報もあるわけです。モニタリングポストも観測している。ということであれば、もう予測データの発表というのはできますね。できないなら、いつから発表できるのかというのをぜひ教えていただきたいと思います。よろしくお願いします。

久木田参考人 お答え申し上げます。

 SPEEDIでございますが、これは、原子力発電所から時間当たりどれだけの放射性物質の放出があるかということを入力いたしまして、大気中の放射性物質の濃度や被曝線量の予測を行うためのシステムでございます。

 しかしながら、今般の事故におきましては、原子炉から時間当たりどれだけの放射性物質が放出されているかということを直接測定できない状態が今日まで続いております。

 したがいまして、原子力安全委員会では、大気中の放射能濃度から逆に、原子炉施設から時間当たりに放出されている放射性物質の量を逆算いたしまして、その推定値に基づいて、例えば、三月二十三日には、小児の甲状腺の内部被曝の積算線量についての結果を公表いたしております。また、四月十一日には、三月十二日から四月五日までの外部被曝に関する積算線量の試算値を公表しております。

 これらは、これまでさまざまな試みを通じまして、積算線量については、実測されたデータ等と比較いたしまして、少なくとも、実測データの傾向を説明するための有用な参考情報になっているというふうに判断して、公表に至っているものでございます。

 しかしながら、こういった積算線量に比べまして日々の予測というのは、はるかに大きな不確かさを持つものでございます。その一つの原因は、現在、原子炉施設が安定化しているとはいいながら、私どもの試算によれば、やはり日々の変動がかなり大きいものがあるということで、現状におきましては、日々の予測といったものを技術的に意味のある形で公表するということは、まだ不可能であるというふうに考えております。

斎藤(や)委員 でも、積算しているわけですよね。積算しているわけですから、一日ごとのデータは観測しているわけじゃないですか。そのデータをインプットすれば、SPEEDIの予測データというのは出るんじゃないですか、どうなんですか。

久木田参考人 予測データではなくて、観測されたデータから後づけの計算を行うことは可能でございます。

斎藤(や)委員 それであれば、私は予測データをアウトプットできると思いますので、早目にSPEEDIの情報公開をしていただくことが、風評被害を防ぐこと、それから子供を持つ親の不安を取り除くことにつながると思いますので、最大限の努力をよろしくお願い申し上げます。

 済みません、時間もないんですが、最後に一問だけ。

 沿岸部の経営者の方が今大変困っております。最後の写真なんですが、これは笹かま工場です。沿岸部の企業が大変なことになっておりまして、宮城の名産であります笹かま工場は、十三の会社のうち五社が、製造工場が丸ごと流されました。これは名取市閖上の工場の写真です。

 従業員は十三の会社で千名いるんですけれども、二百名が解雇されてしまいました。仮に、加工工場や店舗が残ったとしても、船が流されてしまっているので魚を確保できない。船をつくろうとしても、造船所も被害を受けていてつくれない。魚があっても、冷凍冷蔵庫が機能しないために保存できない。保存できたとしても、加工設備が壊滅。

 ですから、今政府が一生懸命頑張って中小企業対策をやっていただいていますけれども、一部の企業に融資すれば何とかなるという状況ではなくて、地場の企業の設備投資、それから雇用全体に目配りしなければいけない状況になっています。

 そこで、既に出ている支援策ではなくて、積極的な支援策、例えば補助メニュー、被災した企業の設備投資に直接補助金を出すなどの支援策を一次補正で入れる構想はあるのかどうか、お聞きしたいと思います。よろしくお願いします。

豊永政府参考人 お答え申し上げます。

 中小企業にも甚大な被害が出ていると承知しております。私自身、三月末に石巻それから塩竈に行ってまいりました。

 中小企業庁といたしましては、資金繰りが大事と大胆な拡充を図ってまいりたいと思っておりますが、今先生御指摘のとおり、施設の復旧整備が同様に大変重要だと認識しております。

 このために、被災地域の中小企業が地域と一体となって整備するときには都道府県と一緒に補助金を出す、二つ目には、個別の企業の方々が設備を整備するときには技術的なサポートをするための専門家を派遣する、三つ目には、みずから施設を保有することが困難な方のためには仮設工場、仮設店舗などを提供していくといったことを補正予算で措置することも含めて、準備、検討しているところでございます。

 なお、既に、この準備のために、仮設工場や仮設店舗などの設置に向けた調整を行うために、先週末来、中小企業庁職員や中小企業基盤機構の職員など四十数名を現地に派遣しております。

 以上でございます。

斎藤(や)委員 ぜひ、一刻も早くお願いします。それから、告知も徹底的に地元でやっていただきたいというふうに思います。

 時間もありませんので最後ですが、政治が今できるのは、政治家が今できるのは、被災地へ行って、頑張ってという言葉じゃなくて、現金支給がこれだけあります、仮設住宅をこの日までに準備できます、そういう具体的な施策だと思います。本当に全力で、政府を挙げて被災者のために仕事を、私も含めてですけれども、党それから政府一体となってやらなければいけないというふうに思います。

 本当によろしくお願い申し上げます。命が落ちています。よろしくお願いします。

吉田委員長 次に、石山敬貴君。

石山委員 よろしくお願いいたします。宮城の石山敬貴でございます。三月二十八日に引き続きまして質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 今、斎藤委員の方よりもお話ございましたけれども、震災より一カ月以上がたっております。しかしながら、亡くなられた方、また行方不明者の方々を合わせますと二万八千人以上、いまだに避難所でお暮らしの被災者の方々が十四万人余りといったような状態で、傷跡がまだまだいえることがないといったのが被災地の現状です。

 それにあわせまして、断続的に続く余震。先般も、四月七日、十一日と強い余震がございまして、命を落とされている方もいます。さらに福島の原発といったことで、被災地はまだまだ予断を許さない状況にあります。

 私自身も、この一カ月余り、自治体にしまして約二十カ所以上、避難所を中心に回らせていただいておりました。きょうは、その避難所で、または被災の現場におきまして皆さんからいただきました意見というものを訴えさせていただきたいというふうに思っておりますが、先ほどからるる委員会をお聞きしておりますと、どうしても、どの法律がとか、または、できない理由というのだけが述べられているように強く感じます。

 しかしながら、今、被災地の現場というのは、そういう言葉を国会に、国に求めているのではなくて、一刻も早い、スピード感ある対処というものを求めておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、避難所の皆さんのことなんですが、確かに、皆様の御尽力にもよりまして、避難所には物資、食料等、被災初期段階で足りなかったものというのは随分と充実しているといった感が受けられます。しかしながら、逆に今問題となっているのは、被災者の方々の心の問題または健康の問題です。先ほど、斎藤委員の方からトイレの写真が皆様に配られておりますが、あれが避難所の実態でございます。

 ですから、まず第一点としまして、避難所の皆さんに対する今後の衛生的なケア、精神的なケアについてお聞きしたいとともに、もう一つ、この一カ月間、不眠不休で救助活動または行方不明者の捜索活動というものを行ってこられました自衛隊の方々、警察官の方々、消防士の皆さん、この方々も、御遺体というものにふだんから接しているわけではありませんので、やはり心に負っているものというのが、徐々に徐々にではありますが出てきているといったような声なき声もあります。

 ですから、その点も含めまして、先ほどと重複しますが、このような被災地でそれぞれ過ごしていられる方々への精神的なケアというものの方針をお聞かせください。お願いいたします。

篠田政府参考人 お答えを申し上げます。

 厚生労働省は派遣のあっせんの労をとらせていただきましたけれども、被災地の方に、心のケアチームということで何チームも派遣をしていただいております。このチームでございますけれども、精神科医の方を中心としたチームでございます。

 そういうことで、専門的な心のケアということをできるというふうに考えておりますけれども、実際には、避難所に保健師さんもいらっしゃいますので、そういう方々と連携をとっていただいて、避難所にいらっしゃる方、あるいは巡回をしていただいて、被災地にいらっしゃる方、そういう方のケアを申し上げているということでございます。

 そういった活動の中で、児童精神科医の方が入っておられるチームもございますので、お子さん、あるいは被害を受けた現地の市町村の職員の方々、そういった方々にも心のケアの活動を行わせていただいているというふうに承知をいたしております。大変、鋭意努力をいただいているというふうに考えております。

 それから、衛生管理の方でございます。

 これも、先生の方から御指摘ございましたとおり、場所にもよるかとは思いますけれども、長期になってまいりますと、感染症の問題でありますとか健康の問題でありますとか、いろいろ問題が出てくることもあろうかと思います。こちらにつきましても、保健師さんの御指導というものを現地でいただいておりますし、また、基本的なことかとは思いますけれども、衛生の面で御留意いただくということで、いろいろな掲示であるとか資料の配布であるとか、そういうことをさせていただいております。

 今後とも、きめ細かい配慮ということで対応させていただければと思っております。

石山委員 しっかりとその辺はやっていただかなければならないと思っています。

 特に、石巻市の河北町の大川小学校、児童が百八名おったわけですが、七十四名の方が死亡・不明者といったようなことで、本当にかわいそうなことをした。避難のときに、北上川の橋のたもとまで、少し高くなっていたようで、そこに向かって歩いていたときに前から津波が北上川をあふれてやってきた。

 登校日のときに、その生き残った子供たちは、友達同士、本当によかったよかった、また会えたねといったふうに、泣きながら抱き合っていた。でも、この子たちは、友達を亡くしたといった部分での傷というものを、この震災のショックというものをやはり引きずっていってしまうんじゃないか。私は、それが怖いんです。ですからこそ、しっかりとそのようなケアというものを行っていってもらいたいということを述べさせていただいています。

 そしてもう一つ、避難所の方々、被災地の方々のことに関してですが、とはいいましても、震災一カ月たちまして、やはり復旧復興というものに動き出している。また、動き出していただきたいというふうに考えています。

 昨日も、農林水産委員会が開催された折に筒井副大臣の方から、漁業者または農業者の方々には、港や田んぼとかに瓦れきが散乱している、その瓦れきの撤去というものに従事していただきながら、生活再建の第一歩にといったような話をしていただきました。

 実際、被災地におきましてさまざまな仕事が、被災者の方々でも健康であって働ける方々であるならば、山積みになっております。例えば、行政機能が麻痺した行政のサポートをする仕事、経験者の方もいらっしゃると思いますし、または、避難所においての老人の方々の介護といったような仕事。

 私は、生活再建ということを行っていく上でも、まず、被災者の方々で働ける方々から、きちんと収入を得る仕事を持って、そして働いていくということが再建の一歩につながっていくというふうに強く感じております。ですから、このためにも、ぜひとも国が、その賃金も含めてフォローアップしていくといったような体制をとっていただきたいと思っておりますが、この点に関しての御答弁をお願いいたします。

中沖政府参考人 今回の震災によりまして仕事をなくされた方々のために雇用の場をつくることが大変重要であることは、先生御指摘のとおりでございます。

 このため、私どもの小宮山副大臣を座長といたします被災者等就労支援・雇用創出推進会議におきまして、先般、「日本はひとつ」しごとプロジェクトの第一弾として、雇用に関します当面の緊急対策をまとめております。

 この中で、国からの交付金で都道府県に基金を造成する事業でございます重点分野雇用創造事業がございますが、これにつきまして、震災対応分野を追加するなど、事業の実施要件の緩和を行ったところでございます。

 こうした事業の活用によりまして、例えば、先ほど先生御指摘になりましたように、役場の事務補助を行う、あるいは避難所における高齢者に支援を行うといった事業もございますし、また安全確保のためのパトロールなどさまざまな事業が可能でございますので、こうした事業に自治体が直接被災者を雇っていただくことをお願いしております。

 こうした基金の活用によりまして、復興を進めるとともに、雇用に取り組んでいただくことをお願いしているところでございます。

石山委員 ありがとうございます。

 次に、少し、瓦れきの撤去のお話、また仮設住宅のお話をさせていただきたいんです。

 今回の復旧復興に向けて、まず瓦れきの撤去ということが重要であるということ。もちろん、あと、先ほど斎藤委員の方からもお話ありましたとおり、被災者の方々は一刻も早い仮設住宅ということを求められているわけなんですが、意外とこの瓦れきの撤去に関しての周知徹底というのがなされていない。

 昨日も、私も、地元の市の方から問い合わせがあったときに、ちょうど環境省さんの方からこのような災害廃棄物処理事業のQアンドAというものをいただきまして、かなりクリアにはなってきてはいるんですが、例えば、まず基本的なところから、本当に、解体、瓦れきの撤去、国が全額なのかといったようなことや、または、個人での瓦れきの撤去を業者さんが受注した場合はどうなのかといったような、事細かな部分でのインフォメーションというのが伝わり切れていないという部分がございます。

 改めまして、瓦れきの撤去の部分、手順、そのようなことに関して、費用も含めて明確にしていただきたいということと、やはり仮設住宅、スピーディーにやっていくために、県市間ということじゃなくて、待ち切れなくて自治体がもう住宅を注文したというところもあるんです。ですから、こういう部分においてもきちんと国のフォローアップがなされるのかといったような質問も来ておりますので、この部分に関してのお答え、よろしくお願いいたします。

伊藤政府参考人 瓦れきの撤去におきます国庫補助につきましては、今回、補助率のかさ上げ、さらには、裏負担分について全額地方財政措置とするということを明らかにしております。これは今後も徹底していきたいというふうに考えております。

 それから、今お話ありました、個人が民間の業者に依頼して瓦れきを撤去した場合の費用負担ということについては、昨日、QアンドAを発して地方公共団体にお知らせしたところではございますけれども、個人が災害廃棄物を撤去した場合でも、被災市町村が必要と判断した場合など一定のものについては災害等廃棄物処理事業費補助金の対象となる。こういったことについては徹底してまいりたいというふうに思っております。

清水政府参考人 応急仮設住宅についてのお尋ねでございますが、応急仮設住宅の設置は都道府県が行うということが原則で、責任を明確化してございます。

 しかしながら、都道府県庁と市町村役場との間で所要の調整が行われて合意が得られますならば、市町村が設置した応急仮設住宅について、都道府県設置のものと同様に取り扱って、その費用を災害救助法による国庫負担の対象といたすことにいたしております。

石山委員 その辺、自治体が主体的に動いた場合でもよろしくお願いいたします。

 むしろ、スピードということを求めていくのであれば、宮城県にしても、今回の震災、広域にわたっていますから、すべてに回っていない。ですから、被害が比較的軽微だった自治体は自分たちで自助的にやろうといった動きが見られるわけです。ですから、後からの質問にもつながっていくわけですけれども、そのような自治体の主体性というものを、今回は、ぐっと、使えるところは使っていただいて、働いていただいてということをお願いしたいなというふうに思っております。そのような指導をお願いしたいなというふうに思っております。

 ここで、少し農業の方の質問をさせていただきたいんですが、私も、自分自身も米農家なんですが、作付の準備に農家は入っております。しかしながら、塩害被害または放射能の被害以外にも、実は、宮城県の内陸部におきましては、農業設備、例えば用水路であったりとかパイプライン、ため池に対する被害というのが随分出ています。私のところのある土地改良区にも、検査、調査をした結果、ため池百カ所、また揚排水機場百カ所の被害が出ているといったような報告をいただきました。

 このような農業設備への被害と、今回の作付に対する農水省の方針というものを端的にお願いいたします。

吉村政府参考人 石山委員御指摘のとおり、今回、津波被害はもちろん大きかったわけですけれども、それ以外に、内陸部でも、地下水が振動して砂が地表に表出するような液状化による湛水ですとか、それから、おっしゃいましたような水利施設の破損で影響をこうむった水田が非常に多い状況で、現在もまだ全容の把握はできておりませんが、それに努めているところでございます。

 今後の復旧に向けてですけれども、まず、今期の作付が可能な農地の復旧、これを優先するということでございます。また、復旧に向けてどうしても必要になる瓦れきの除去、これも必要なので、こういったことには既に着手しております。

 その際、査定前着工という制度もありますので、これを活用しながら復旧工事に着手したところでありまして、今後とも、農家の皆さんとも十分に相談しながら対応していきたいというふうに考えているところでございます。

石山委員 今局長から、査定前着工、つまり、平時と違いまして、査定官の方々が見て、どうだと言ってから申請とかじゃなくて、あらあらやっていくと。ぜひとも、その部分を充実させていただきたいというふうに思うんですね。

 例えば、いろいろと、内陸部のあたりの、単体の土地改良区にもよりますけれども、大きいところでは九億の被害じゃないかというふうに見積もられている部分もありますし、二億、三億ぐらいの被害というものも結構出てきているようです。ですから、待ったなし、作付という時間を決められた喫緊の状況になってきているわけです。

 しかしながら、そのようなフォローアップがあるのか、金銭的なフォローアップがあるのか。または、通常どおり、平時と同じように、そのような査定を終えてからということになっていきますと、どうしてもスピード感が出てこない。スローな、いつまでたっても復旧できないといったような状況になってきているというのも、非常にお話としていただいております。

 また、各自治体さんにおきましても、特に内陸部ですが、道路の亀裂であったりとか、そのような建物、公共施設の破損であったりとかという部分に関して手をつけていきたいというふうに考えていても、総務省の方で地方交付税の前倒しというようなことはやっていただいたようでございますけれども、なかなか資金的なものが難しく、手がつけられないといったような状況です。

 今、宮城県で言わせていただくと、内陸部の市町村に住んでいる方々は、早く自分たちも日常に戻って、そのひどかった沿岸部のバックアップに入りたいんだといったような気持ちでいるわけです。ですから、直せる、立ち上がっていただけるところからどんどん自助的に立ち上がっていただくということも、復旧復興を早めていく一つの方策であると思うんですが、現実的には、そのような資金というもの、費用というものがないといえば、なかなか手がつけられないというのが状況だと思うんですね。

 ですから、ぜひともお願いしたいのは、地方自治体にしても今例を挙げた土地改良区さんにしても、ある程度の市民権を得ている自治体、団体でございますので、そこは信頼関係で、国がまず概算金を前払い的に出していただいて、そして、きちんとした詳細な被害損金を後から査定していくといったような、平時とは前後逆かもしれない、超法規的なことかもしれませんが、そのようなこともぜひとも考えていただきたいというふうに思っております。これに関してどのようにお考えか、ちょっと御答弁お願いいたします。

吉村政府参考人 これについては、先ほども申しました査定前着工の制度、これを使うということも可能でございますので、その際、自治体、それから土地改良区の方々も相談したいことが多々あると思いますので、現在、そういったところにはもう国の職員が直接入って、相談をしながら実際に進めているところでございます。

石山委員 今のは別に、土地改良の話だけを強調したからかもしれませんが、自治体とかもそのように求められているので、ぜひとも、東副大臣、このことを御考慮いただければというふうに、現場の意見として心にとめていただきたいというふうに思います。

 次の質問に移らせていただきたいんですが、まず漁業関係の話をちょっとさせていただきます。

 まず一つとしまして、今もちろん、漁業を立ち直らせていくためにも、まず港の瓦れき、または沿岸の漁業水域の瓦れき撤去というものが必要になってきます。普通ですと、この場合、漁港の瓦れきはということがあって、沿岸の水域ですと瓦れき撤去はしないものだというのが今までだったような話を聞いたことがありますが、ちょっとこの辺に関しまして正確なところを教えてください。

宮原政府参考人 水産関係の瓦れき撤去でございますが、漁港の施設内の瓦れき撤去、これは、漁船の泊地ですとか航路、こういったところにつきましては、災害復旧事業といたしましても堆積物の撤去、処理が可能でございまして、既に対応し始めております。

 そのほかにも、もちろん、壊滅的な打撃を受けました漁業と養殖業の再生のためには、漁場、養殖場の瓦れきの撤去ということが大変不可欠になりますので、この面の瓦れきの回収、処理への支援もただいま早急に検討しているところでございます。

石山委員 当然、費用は全額国持ちですよね。お願いします。

宮原政府参考人 国の予算と地方財政措置ということでできる限りのことをしたいというふうに考えております。

石山委員 ぜひお願いいたします。

 そして、被災された漁業者の方々お一人お一人といろいろお話しさせていただきますと、やはり、自分たち漁業者は、とにかくまず船があれば、海に出て、もう一度生活を立て直していく準備に取りかかれるんだといったようなお話を聞きます。

 船といっても、そんなに大きな船じゃなくていいんです、船外機程度でいいというようなお話をいただきます。特に船外機関係は、今回の津波におきまして宮城県内においてもほとんど全滅、残っているのが一割あるかないかといったような状況になっております。もちろん、漁業者の方々は保険というものにかかっているといったことはあるにしても、それだけでは足りないといったような実情です。

 ですから、ここでまず被災者の方々に、生活再建ということを行っていく上でも、漁業者の場合ですと船の支援をしていくということが一つの早道、近道じゃないかというふうに考えておるわけですけれども、この辺の支援策に関してのことをお聞かせください。

宮原政府参考人 漁船につきましては、もちろん、なくなってしまった漁船を新しくつくるということと、それから、既にできていて、各地、ほかの被災していない地域にあります中古船、こういったものを取得することと二種類あるんですけれども、こういったもの双方について、被災された地域の漁業者の方々ができる限り早い段階で船を手に入れることができるよう、支援を考えているところでございます。

石山委員 ぜひ、復旧復興にかかわる重要なポイントだと思いますので、よろしくお願いいたします。

 さらに、それと同じように、東北というところは、首都圏と違いまして、鉄道網というのが発達しているわけではありません。仕事に行くにも、もちろん仕事自体も、または日々の生活にも本当に車が欠かせないわけです。今回の津波被害におきまして、十六万台の自動車が廃車ということになっています。東北において車がない生活というのはほとんどあり得ない状況、しかしながら、それが特に被災地におきましては出てきています。

 ですから、やはりこれも同様に、早い復旧復興を行っていくためにも、私は、被災された方々の車の購入に当たっては、何らかの支援というものを行っていってもらいたいというふうに思っているんです。例えば税金に関しまして、車を取得するときに、取得税であったり重量税であったり、または自動車税、このような税金の免除策でもよろしいかと思うんですけれども、この点、お願いしたいなというふうに思っております。この点に関して御答弁いただければ。

東副大臣 答弁させていただきます。

 被災地を回っておりますと、御指摘になりましたとおり、おびただしい自動車が不使用になっている、そういう光景に直面し、当然、今おっしゃったとおり、東北地方においては車がなければ日常の生活すら不自由にならざるを得ない、したがって、何らかの形で政府として支援することができないだろうか、それはもう当初から考えていたわけでありますが、なかなか、石山委員が思うほど、できるものというのはない。

 ただ、御指摘にありました、阪神・淡路大震災の際にはなかった措置でありますが、滅失あるいはまた損壊した自動車にかわる自動車を購入した場合、取得した場合に、自動車重量税、自動車取得税を非課税とする、こういう措置などを導入する方向で検討をしている、そういう方向になるだろうというふうに思います。

 以上です。

石山委員 ありがとうございます。

 今もちょっと副大臣からお話しいただきましたとおり、今回の震災というものは前例のないこと、少なくとも、私たちが、ここ百年ぐらいでは記録にないことが起こっているわけです。ですので、今まではこうだったからということではなくて、ぜひとも、さまざまな部分で超法規的な措置または特別措置をとっていただきたいというのが、これは本当に今、被災地の願いです。

 例えば、私の選挙区内に松島第一小学校というのがあります。ここの小学校の体育館、四十年間使っていて、クラックなんかもこれまで入っていた体育館で、やっと昨年、文科省の方から予算補助をいただいて、ちょうど建て直しを行っていて、コンクリートを流し込んでいたときにあの地震がやってきて、コンクリートがぐちゃぐちゃに固まってしまったらしいんです。

 そうした場合、今建設中の小学校の体育館などは、先ほどから言葉が何回も出ている災害救助法の対象にならないといったような回答を県の方から言われてしまって、これは国の方に今問い合わせ中なんですが、というようなことがあります。ちょっと常識的に考えると、それは違うんじゃないかといったようなことも出てきています。

 ですから、このように、本当に、今までの私たちの法律、そういうものを超えるようなことが現場では起こっていますので、それこそ政治マターで、一刻も早い被災地の復旧復興のためにも皆さんでいいお知恵を出し合っていただきたいということをお願いして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

吉田委員長 次に、古川禎久君。

古川(禎)委員 自由民主党の古川禎久でございます。

 一月二十六日の噴火以来、新燃岳は依然として活発な活動が続いております。これから雨の多い季節に入っていきますので、土石流の懸念もまた続いております。

 先日、東日本大震災発災後、高原町の日高町長は、高原町あてに送っていただいた救援物資を、自分のところよりも東日本だということで、みずから大汗をかきながらトラックに積み込んでおられました。また、降灰によって耕作物が台なしになった農家の皆さんも、東日本のことを思えば、自分たちは泣き言を言っておられない、そう言って、頑張ろう日本という合い言葉のもとに、力を合わせて頑張っていきたい、そういうことで頑張っております。

 引き続き、東日本大震災に対する政府のお取り組みをお願いすると同時に、新燃岳に対してもまたお願いを申し上げておきます。よろしくお願いいたします。

 さて、原発由来の避難に関してでございますが、先日、十一日に避難区域の見直しが発表されました。計画的避難区域、それから緊急時避難準備区域ということだと思います。これまでの、原発から半径二十キロ、三十キロ、円を描いて画一的に、一律的にというものと比ぶれば、より実態に合ったものになったという意味で、私は改善されたと思います。評価をいたします。

 しかし一方で、いまだなお政府の指示のあり方にはあいまいな部分が残っておって、あいまいさが払拭されないので、問題があるという気がしてなりません。それは、最終的には、その当事者の自己判断にゆだねているということなんですね。住民の皆さんからすれば、正直なところ、本当にどの程度の危険なのかがわからない、本当に避難をしなければならないのかどうかがわからない、確証を持てないという状況の中で、政府からはあいまいな形での指示しか出てこないというわけでありますから、私は、これは大いに混乱を招くものだというふうに思えてならないんです。ここは住民の立場になってお考えいただきたいと思います。

 例えば、二十キロから三十キロのエリアはこれまでは屋内退避ということだったわけです。そして、指示がなされた後、ほとんど圏外に避難をされました。しかし、現在では、またほとんど戻っておられます。前回の委員会において、中山経産政務官は、スーパーもSSもまた稼働して、生活が回復しているということでありましたが、ただ、安心できる暮らしが取り戻せたというわけではないんだと思うんです。

 なぜならば、やはり避難をしてみたけれども、避難先の状況が余りにも過酷で、ストレスが余りにも多くて、それで、いたたまれずに、やむを得ず帰宅をしたということなんだと僕は思うんですね。

 そこで、ここに来て、やはり一カ月以内に避難をしてください、あるいは、妊婦、子供たち、要介護者は立ち入りを自粛してください、こういうことを言われたわけだけれども、安心して避難する場所がないからやむを得ず戻ってきておる状況において、安心して避難できる場所が担保されないまま、またこういう指示が出たということで、混乱、困惑を与えているのではないかというふうに思うんです。

 ですから、私は、前回も申し上げましたとおり、ここは政府がはっきりとした指示を出すべきだと。もしそれに法的な裏づけが要るのであれば、そこを検討するべきではないかというぐらいに思います。安心できる避難先の確保、あるいは生活支援に対する手だて、これはできる限りこういうことをしますということを、具体的なものを示しながら、明確な指示を出すべきではないかというふうに私は思うんですね。

 あるいはまた、これは三十キロ圏の外でしたけれども、放射線量の高いと言われている地域ですが、小さなお子さんのおられる若い御夫婦、お子さんのことを思えば避難をさせてあげたい、これは人の親として、私も、本当にせつないぐらいにその気持ちは理解できるわけなんです。しかし、年老いた両親は、この住みなれた土地から離れたくない、あんな避難所に行きたくないと。板挟みになった夫婦は、結局、避難を断念する。避難しても生活の見通しも立たないしというようなことになるわけですね。

 やはり子供を思う親の心を考えたときに、いたたまれないものがありますよ。親を思う心というのも、本当にせつないものがあります。あいまいな指示によって、こうやって人の心を苦しめるという場面があるとすれば、これは罪ではないか。ですから、政府の指示はもっと明確であるべきである。そして、安心できる避難先あるいは生活支援というものをもっと具体的に示すべきだ、私はそう思えてならないですね。

 避難指示というのは大変難しい判断であることはよくわかりますよ。住民の生活をとるのか、それとも安全をとるのかという、ある意味ぎりぎりの判断ですね。しかし、今回のケースにおいては、私だったら安全をとります。強目強目に安全をとります。そして、様子を見ながら、状況次第で徐々にそれを緩めていく、緩和していくというふうにするべきではないかなと私は思います。もちろん、それは住民の皆さんからもあるいは自治体からも相当な反発があるでしょう。けれども、それを、安全のためなんです、子供たちのためなんだ、そう言ってみずから説得して回るのが、例えば政務官ですとか政府高官の役割ではないかな、こう思うわけです。

 中山政務官にお尋ねいたしますが、政府の指示はもっと具体的、明確であるべきではないか。いかがでしょうか。

中山大臣政務官 大切なのは、明確な指示と、やはり地元の協力をいただかなければならないということでございまして、私も現地本部長をやっておりまして、地元から官邸に上げたのは、こういうことを言うと地元が混乱しますよ、または町や村を分断するというのは困りますよと、いろいろなお話をしてまいりました。

 その中の二つの考えをちょっと御説明したいと思うんですが、プラントからどうしても二十キロの距離は欲しいんです。皆さん御承知のように、まだあのプラントが絶対安全と言える状況ではございません。ですから、特別にあそこを準備地域として、いざとなったら避難をできる地域として指定をしておこうということがまず一つあります。

 もう一つは、線量から考えて、画一的な判断はよくないんじゃないかという考えがあります。しかし、それはあくまでも二十キロ圏外の話でございまして、そこでは、線量や何かによって、お子さんに将来大変な被害があってはいけないということから考慮しなければいけない。しかし、それも必ず地元の市町村そして県と官邸が同じ意見にならなければいけないので、官邸が強い指示をすることは大切でありますが、その前にちゃんと地元との調整をするわけで、私は少なくとも県の副知事さんとはいつも意見を共有してまいりました。その意見を官邸にも申し上げてきたところでございます。

古川(禎)委員 現場を担当しておられる政務官として、混乱を招かないように地元との調整を重視しておられるというその姿勢は、私はとうといと思います。しかし、私が申し上げておりますのは、やはりどこかで決断するべきところは決断をしないと、結果的に現場に混乱を招くということがあるということなんです。ですから、地元の意向を尊重しなきゃならないのは言うまでもないことですけれども、それをあえて承知の上で、一歩進んで、政府がもっと明確な指示を出すべきではないかと私は思うんですね。

 なぜならば、これは時間的猶予も余りないんです。刻一刻と被害が拡大をしているような事象なんですよ。住民のこと、国民のことを第一に考えて、どういう対処をするべきかということを考えていただきたいですね。

 三月十一日に地震があった。そして、この区域の見直しが四月十一日、一カ月後だったというわけですけれども、しかし、この原発の対処が長期化するということは、もうとっくにわかっているわけなんですよ。何もメモリアルに一カ月後ではなくても、もっと早くそういう見直しをするならするべきであったと私は思いますよ。それを、住民からすれば、何で今ごろと。では、今までは何だったんだということになるのではないでしょうか。

 これが政府への不信ということになってしまうと非常にまずいわけです。こういう場面は、やはり政府に対する信頼というものがかぎになると思いますから、そのためには、住民のことを一番に考えているんだという姿勢を見せていただきたいと私は思います。

 前回の委員会でも、吉野委員や空本委員からも指摘がありましたけれども、放射性物質の拡散予測の情報の公表、これも大変遅かったと。住民のことを第一に思うんだったら、もっと早く出されるべきだっただろうと思うんです。

 こういうところからしても、これは住民のことを第一に考えてくれていないんじゃないかというようなメッセージになってしまいかねないので、ですから、責任をとるべきところはとるという覚悟を持ちながら、踏み込んだ指示をきちっと出すべきだと私は思うんですね。

 政治は決断ですので、今回の事件は、原子力災害、これは人類が経験したことのないような事態なわけですから、多少踏み込んだことをやってでも、何としても住民の命を守るんだ、そういう姿勢を見せていただいた方がいいと私は思っています。

 どうですか、政務官。

中山大臣政務官 今のお話のとおりで、政府がしっかりとした考えを持つということが非常に重要だと思います。しかし、やはりそこには地元がありまして、例えば学者でも、余りにも線量にこだわって村や町を分断してはまずいぞというようなことも同時に書いてあるんですね。

 私たちは何を考えなきゃいけないのか。まずは、将来のある子供たちです。特に沃素の場合は、甲状腺がんなんかにもつながっていきますので、むしろ年配者よりも子供の学校とかそういうものに関しては決断をいたしました。二十から三十の中でも、保育園であるとか幼稚園であるとか小学校であるとか、こういうところはやっては困りますよというような指示をしっかり出してあるところでございます。

 ただ、先ほどから言いましたように、どうしてもプラントがまだ完璧な状況にありません。どうしてもこの二十キロというのは外せない半径だというふうに私は思っております。だから、その二十キロ―三十キロの間の南相馬で、もう御商売を始めたり生活実態が生まれたところに関しては、準備地域として、何かあったら避難はしてもらいますよ、しかし生活はそのまま容認していくということでございますし、今後、そういうような避難準備地域が指定されたときには、屋内退避は外すのか外さないかも同時に考えていく必要があるというふうに思っております。

古川(禎)委員 時間がなくなってまいりましたので、最後に、小泉国交政務官においでいただいておりますが、発災後、建築資材等々が入手できなくて現場が大変滞っておるという声が届いておると思いますが、現状をどのように認識しておられますか。

小泉大臣政務官 お答えさせていただきます。

 今回の震災におきます建築資材等の需給状況でございますけれども、全国の地方整備局等を通じ、建設業団体、資材団体等からの情報収集を行うとともに、先月、物流そして製造を担当しております経済産業省、農水省、そしてまた環境省とも連携をし、緊急調査等を行わせていただきました。

 現状では、震災による工場の被災等によりまして、合板、断熱材、電線ケーブル、塩化ビニール管等の一部の建築資材等について、全国的に入手が困難な状況、また、やや困難な状況になっていると報告をされております。

 このような状況につきまして、関係省庁で連絡会議を行いまして情報共有に努めるとともに、合板につきましては林野庁から、電線ケーブル、塩化ビニール管等につきましては経済産業省から、製造団体等に対して安定供給の要請等を行い、国交省からは、建設業団体に対し実需に基づく適切な発注等の要請を行っているところであります。

 また、四省庁で行いました住宅資材の緊急調査の結果から、合板は四月以降、そして断熱材は五月以降、電気配線は五月初頭に、震災前の生産量と供給量を確保できる見込みとなっております。

 今後とも、情報収集、提供等の強化に取り組むとともに、建築資材等の製造、流通を所管する関係省庁とも連携をして、適切な対応に努めてまいります。

古川(禎)委員 被災をしていない地域においても、産業活動が滞ることによって、これはひいては東日本の復興もままならなくなるということですので、その点、政務官、今回こういうことが起こって、この役割はこの部署ということが明確に決まっているわけではない、そういう事態が今起こっていると思うんですけれども、ぜひ全体を見渡して、ほかの省庁とも個人的にも連絡をとり合っていただいて、イニシアチブをとっていただいて、何とかそういう事態が起こらないように、未然に防いでいただくようにお願いをしたいと思います。

 以上、終わります。ありがとうございました。

吉田委員長 次に、梶山弘志君。

梶山委員 自由民主党の梶山弘志でございます。

 大震災が発生して一カ月が経過をいたしました。悲しみを乗り越えて、各地域において復旧復興が始まりつつあるわけでありますが、そのための議論を当委員会を初めとして各委員会でしているわけでありますけれども、どうしても法律や組織の壁を乗り越えられないような課題も出てきて、そのような答弁も出てきているということであります。未曾有の災害でありますから、新しい法律をつくる、新しい体制もつくるというような気迫を持って政府におきましては臨んでいただくことを、まず冒頭に切望いたします。

 現在進行形の災害もあるわけでございます。福島の原発問題であります。これまで、私も原子力発電所については推進の立場で活動をしてきました。ですから、自戒の念を持ちながら地域の声を聞き、また政府への要望もさせていただいております。

 先般、福島県の双葉郡の八町村、そしていわき市、田村市を訪問し、首長さん方のそれぞれの御意見、また避難の方々の悲痛な思いを伺ってまいりました。多くの方は、早く収束させてほしい、これに尽きると思うんです。そしてさらには、電力会社を信じたんじゃなくて、国がエネルギー政策として進めてきた、しっかりと国がバックアップしていくという前提で我々も原子力を信頼し、共生してきたつもりだ、だから国が何とかしてほしいという思いが切実に伝わってまいりました。

 ですから、そういう思いを持って、例えば事業者である東電がなかなか行動できないのであれば、国がとりあえずの肩がわりをしておく、行動もしておくというような思いを持って対応していただきたいと思います。

 そういう前提に立って、先週、四月六日の経済産業委員会において海江田大臣に質問をさせていただき、そして、避難者の方々の切実な当面の思いは、着のみ着のままで出てきた、そしてポケットには千円か二千円しか入っていないというような状況で来た。そして、市町村がそれぞれの避難者に対して一万円から五万円ぐらいの無利子の貸し付けをする、また社会福祉協議会が十万円ぐらいまでの貸し付けをするということですけれども、それも限界に達している。早く生活資金が欲しい、または一回地元に帰らせてほしいという思いを述べたわけであります。

 そして、生活資金について東電に払わせるという話もありました。でも、東電が手続して、出てくるのは五月過ぎですね、多分。では、どうするんだというときに、一カ月後の五万、十万よりも、今目の前の、四月の初め、子供さんたちが進級、進学をする、就職をする、そしてそのための費用が必要だというときの五万、十万をどう工面するかということが大きな問題となっていて、私の方から提案をさせていただいたのは、電源立地交付金を、従来ですと六月から申請が始まりますけれども、四月に前倒しをして、そして、ことしはもう目的がはっきりしている、被災者支援そして生活支援ということで、今までの従来の使用目途の壁を乗り越えて柔軟に運用もできまいかという質問をいたしました。それに対しまして、海江田大臣からは早速手続を始めるという回答をいただきましたし、また、その翌日の当委員会におきまして、我が党の吉野正芳委員からも同様の質問をし、田嶋政務官からも同様の回答をいただいたと思います。

 ですから、四月の頭に欲しいんだと。第一週、二週も終わって、半月が過ぎようとしております。こういった手続が迅速に行われているのかどうか、御回答をお願いいたします。

中山大臣政務官 前の梶山委員の質問からすぐに私ども省の人間を集めまして、迅速に対応しろと。本当に委員の言うとおりに、柔軟に立地交付金を活用できないか、またはこの申請についても簡略化しろ、こういうことも御提案のとおりやったところでございます。

 それと、双葉町なんかも埼玉県の方に今移っておりまして、実際そこに職員を行かせまして、御用聞きみたいな感じで、しっかりやらせました。それから、海江田大臣からも、その交付金について何かうまく活用する方法を考えろ、このように言われておりますので、今言われた提案を最大限生かしていきたい、このように考えているわけです。

 進捗はしっかりしております。ぜひチェックをしていただきたい、このように思うわけで、前向きに、必ず皆さんの気持ちどおりいけるように全力を尽くします。

梶山委員 先週お話ししたときは、避難者と一緒に役場ごと移転しているんですね。ですから、書類も何も持ってきていない、そして申請書もつくれないということですから、手とり足とりということで、例えば申請書を役所側でつくり、そして避難のところに持っていって、市町村長さんと出納責任者の判さえもらえばすぐにお金は使えるんだというような状況にしてほしいというお願いもさせていただいたんです。

 先週から一週間、行政にとっては一週間というのは非常に短い間かもしれませんけれども、もうお金が底をついた人にとっては、しかも四月の初め、生活がいろいろと変わる時期でもありますから、このときの一週間というのは本当に貴重な時間なんですね。

 それで、いつから払えるのか、手続がまだであれば、手続はもうほとんど終わっているのかどうなのか、そして、そういったことの流れをもう少し具体的に回答いただきたいと思います。

中山大臣政務官 お話のとおり、まさに今その手続をやっております。例えばヒアリングなんかも、もう細かいことをやめて、なしでやっていくように、提案どおりすべて私どもはやっているつもりでございます。

 とにかく、与野党関係なく、皆さんからいろいろな提案があって、いいことはその日からやるというのが我々の考え方でございまして、今言った省力化、簡略化についてできるだけ早くやっているところでございます。ますます何かあったらチェックをいただければ、そのとおりやります。

梶山委員 やっていますというのはよくわかるんですけれども、いつごろ支払いができるんだということが大切なんですよ。これは五月を過ぎちゃっては意味がないんですね。今の十万円が大切なんだ、五月の十万円じゃ、もう要らないよという人もいるかもしれない。ですから、四月の初めから使えるのであれば、年度が明けて電源立地交付金が使えるんじゃないかということで思いついたわけでして、これが六月になってしまったら従来と同じなんですよね。

 やっていますというのはわかります。では、いつからだということだけお答えください。

中山大臣政務官 当然四月から……(梶山委員「いつ支払いができるのか」と呼ぶ)自治体からのニーズもいろいろあると思いますので、それもしっかり考えながら、早期交付をするということが前提でやっております。四月中です。よろしくお願いします。

梶山委員 四月中ではちょっと遅いような気がするんですね。

 というのは、切実な思いとして、繰り返しになりますけれども、小学校、中学校に入学する子供さんたちがいる、そして高校に入学する人たちもいる。高校の場合は居所をはっきりしなければならない、場合によっては下宿に行ったりアパートを借りなくちゃならない。そういうお金が要だということを市町村長さんに言ったら、もう手持ちのお金がない、前に貸したもので大体もう底をついちゃったよ、新しい財源がない限りなかなかそういうことができないということで言ったわけですから。できるだけ早くといっても、もう四月の半ばということですから。

 では、払った事例は一つぐらいあるんですか。(中山大臣政務官「払った事例というのは」と呼ぶ)

吉田委員長 手を挙げてください。指名しておりません。

 中山政務官。

中山大臣政務官 済みません。梶山さんの顔ばかり見ていたものですから。

 できる限り早くということですが、まだ実施をしていないです。でも、本当にできる限り早くやらせます。けつをたたいて、すぐやれと、きょうまた、帰りましたら言います。

梶山委員 強い思いはわかりました。できるだけ、きょうの午後にでも入金ができたり、あしたにでもそれが使えたりというような努力をしていただきたいと思います。

 そして、次の課題に移りますが、四月四日の日に汚染水が一万一千五百トンほど放出をされました。そして、これは関係箇所に事前の連絡がなかったということで報道されております。

 先ほどの高橋委員の質問に対して、農水省の筒井副大臣からも強く抗議をしたという話がありましたけれども、どこに抗議したかはちょっとよくわかりませんけれども、この放水に当たっての責任の所在はどこにあるのか、お伺いいたしたいと思います。

黒木政府参考人 お答えいたします。

 議員御指摘の、四日の日の低レベル放射性廃棄物の放出の問題でございます。

 この日は、ピットの高レベル廃液の漏出がとまらない中で、一、二、三号機の高レベル廃液をどこかに移さないといけないということなどから、四日の日の朝、緊急やむを得ない措置として、比較的レベルの低い廃液を放出したいという話が東京電力より私どもの方にあったわけでございます。

 原子力保安院といたしましては、東京電力から、海洋放出が必要となる背景、環境への影響、放出の考え方などについて逐次連絡を受けつつ、大臣にも御報告し、了解をいただいたところであり、また、総理、官房長官にも御了承をいただいたところでございます。

 緊急の措置であったとはいえ、原子力災害対策本部の方から責任を持って一部関係省庁へしっかりと連絡すべきところ、これに不十分な面があったことから、今後、関係省庁との連絡を密にしていきたいというふうに考えております。

 また、地方公共団体への連絡でございますが、東京電力から発電所の所在する福島県等に通報連絡が行われていたものと承知してございます。このため、直接所在する地方公共団体のみであったということから、東京電力に対しまして、環境に影響を与える可能性のある放射性物質の放出に当たっては、所在する地方公共団体だけでなく、当該放射性物質が環境に影響を与える可能性のある範囲の地方公共団体にも事前に通報連絡を行うよう指示したところでございます。

梶山委員 今後、こういうことがあるという前提で、東電が皆さんに事前通報するということですか、それとも災害対策本部がするということですか。それとも保安院がするということになるんでしょうか。それとも、それぞれに役割分担で違う箇所にしていくということなんでしょうか。

黒木政府参考人 お答えいたします。

 まず、もちろんのこと、こういう緊急事態を回避するような措置とはいえ、基準値を超える放射性廃液を再度放出することがないように全力を挙げて取り組むことが第一だというふうに考えております。

 その上ででございます。何としても避けようというふうに努力いたしますが、万々が一、再度というようなことになった場合、政府内におきましては、原子力災害対策本部の事務局である私ども経済産業省の方から関係省庁にしっかり連絡するとともに、東京電力の方から、立地自治体のみにかかわらず、関係の自治体にも連絡をするようにということで対応を図っていきたいということでございます。

梶山委員 今の答弁ですと、各省庁には経済産業省からする、自治体には東京電力からしなさいということですけれども、平時であれば東京電力からでいいと私は思うんですけれども、災害対策本部までできてやっている中で、事業者である東電からしなさいというのはちょっとおかしいんじゃないですか。

 そうではないというのであれば、そうではないという返答で結構ですけれども、そういう区分になっているということであれば、その回答を明確にいただきたいと思います。

黒木政府参考人 申しわけございません。言葉が足りなかったと思います。

 廃液を放出する東京電力、こちらには当然責任があって連絡するわけでございますが、私どもの方からも関係の自治体にしっかり連絡していくということで対応したいと思っております。

梶山委員 それでは、地方公共団体、自治体には、東電と経済産業省から二重に連絡をするということなんですね。

 各省庁の連絡は、経産省がほかの省庁に連絡するということですから、外務省が国際社会に対する発信もするということになるわけですけれども、今回、事前にされていたという方もおいでになりますが、それもぎりぎりのところだったという話もあります。でも、国際社会に対しては大変大きな衝撃だったと思いますし、各国からの抗議が来ているということも、そのあらわれだと思っております。

 陸上で発生した廃棄物を海洋投棄することは国際条約、ロンドン条約で定められているわけでありますが、この条約に抵触するという可能性、また、各国からの抗議はあるんでしょうか。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 まず最初に申し上げますのは、事態が相当急激に動いたものですから、私どもの当初の連絡に当たっては至らないところがあったということは率直に反省をしております。その後、よりきめ細かい連絡を、特に近隣諸国を中心にやるべく努めておるところでございます。

 その上で、今御指摘のロンドン条約、ロンドン議定書でございますが、これは、今委員御説明ありましたように、陸上で発生しました廃棄物などを船舶などで海洋に出しまして処分する行為を規定しておる条約でございますので、今回のように、陸上から直接出るものについては規定をしておらないという理解でございます。

梶山委員 船舶で海洋に持っていって投棄することがこのロンドン条約に当たるということですけれども、陸上からこれだけの放射能の汚染水を流すことは国際社会に対して大変申しわけないことだと私は思うんですね。

 そして、当然抗議が来ていると私は思うんですけれども、その抗議については、今言ったように、陸上から直接水路を経由して流したんだから、これには当たらないという政府の立場でよろしいんですか。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 ロンドン議定書にかかわらず、国際法全体との関係についてのお尋ねだと思いますので、それについてまず申し上げたいと思います。

 ロンドン議定書の整理は先ほど申し上げたとおりでございますけれども、それ以外に、海洋法条約がございます。海洋法条約上は、いずれの国も海洋汚染を防止する一般的義務をまず負っております。その上で、このような一般的な義務のもとで、あらゆる発生源からの海洋汚染を防止、軽減、規制するために実行可能な最善の手段を用い、かつ、自国の能力に応じて海洋汚染の発生源からの放出などをできる限り最小にするための措置をとる、こういう義務を定められております。

 翻りまして、今回起こりましたこと、もちろん、これは低レベルとはいえそういう水が出たこと自身は残念なことでございますが、今回起こりましたことにつきましては、一応、より高い濃度の汚染水が海に出ることを防ぐための国内法に基づくやむを得ない措置というふうに理解をしておりますし、人の健康への有意な影響はないものというふうな説明を受けております。

 また、その後、原子力安全・保安院の方では、モニタリングであるとか拡散の措置であるとか、東電の方にいろいろ指示をされておると承知しております。

 こういうことを考えますと、先ほど私が御説明しました海洋法条約上の義務に反しているということではないのではないかというのが判断でございます。

梶山委員 外洋に行くまでには多分薄まっているということでしょうが、今沿海で海水のモニタリング調査をしていると結構高い濃度のセシウム等が出ているんですね。ですから、外交というのはそういうものかもしれませんし、自分から認めるところからは始まらないのかもしれませんけれども、よく政府部内での意見のすり合わせをしておいていただきたいと思います。

 次の質問に移らせていただきます。

 先ほどの四月四日の汚染水の放出ですけれども、一万一千五百トンと言われていますが、これですべて放出し終わったのか。ですから、タンクが空になったのかどうかということと、あとは、もう一つ、ピットから高レベル液が海に漏えいをしているということで、土木に使う水ガラスを使ってその漏えいを防いだという報道がありましたけれども、それでも映像を見ると、量が少し少なくなったというような映像しか流れていなかったんですけれども、この高レベルの廃液の漏えいはとまったのか。この二点について伺います。

黒木政府参考人 お答えいたします。

 まず、放射性廃棄物処理建屋からの基準値を超える廃液の放出でございますが、放出量は約九千トン程度であったということで、当初の見込みよりも少ない量であったということでございます。現在、実際に全部排水が終わったのかどうかという中の確認と、それから、放射線のモニタリングの結果の評価を行っているという状況でございます。

 それから二点目でございますが、ピットにおける排水がとまったかどうかという御質問でございます。

 御承知のことではございますが、なかなか漏えいがとまらなかったピットに水ガラス系の薬剤を入れて、四月六日の日にその漏えいが停止したということでございます。ただ、これが再度漏えいすることがないよう、止水を確実なものにするために、その漏えい箇所にゴムの板と治具で押さえつけるという操作を行うとともに、ピット内に水ガラス系の薬剤とセメントをさらに混入させて、周辺にピットの外側の地盤を強化するための水ガラスを注入しているということでございます。

 現在のところ、ピットからの漏えいについてはとまっておりますが、十分気をつけて監視を継続していくということでございます。

梶山委員 今後、海に漏えいすることのないように、ぜひ努力をしていただきたいと思います。

 このことに起因をして、漁業者が今出漁を控えているわけであります。茨城の十一の漁業組合が先般陳情に参りまして、大変困っている、出漁をとにかくさせてもらうような状況に持っていってほしいということと、当面の補償というか、これも先ほどの避難者の方々と同じように、毎日の生活資金が足りなくなってきた、これをぜひ考えてほしいという話がありました。今ちょうど、セシウムや沃素が発見をされたコウナゴ、そしてその次にはシラウオということで、結構いい値段で売れるものがシーズンなんですね。でも、ことしは多分無理だろうということであります。

 補償というよりも、補償の前段階で、日々の生活が大変苦しくなっている。震災、津波や地震を受けて、自力で何とかしようとしていたけれども、出漁停止では収入の手だてがなくなってしまったということでありますが、この補償、一時金みたいなものなんですか。仮払い、生活支援ということについては、政府はどうお考えなのか、回答をいただきたいと思います。

黒木政府参考人 補償につきましては、できるだけ対応すべく、鋭意検討を行っているところでございます。

梶山委員 鋭意検討している間に干上がっちゃうんですよ、漁業者は。おれたちの生活、どうしてくれるんだと。大体、小さな船一そうで漁業をしている人たちもいるんですよ。先ほど言ったように、生活者は四月初めのお金が必要だということで、電源三法交付金をいただくことにした。今回も、きょうあすの生活、家族が生活していくためのお金が、一週間以上漁に出ることができなくてお金が足りないということなんですね。これについて、鋭意検討していきますということで一カ月後か二カ月後ということになるのであれば、これは大変なことになると思うんです。

 もう少し国が前面に出て、先ほど言いましたように、国策でやってきたことなんだ、いざとなったら国が前面に出て、最終的には東電が払うかもしれませんけれども、皆さんの生活は支えますよと。一人一人生きているんですよ。ここで議論をしているようなことじゃなくて、自分たちの生活がどうなるかということで切実なわけですから、もう少し誠意のある回答をお願いしたいと思います。

吉田委員長 政務三役は答えないんですか。審議官が答えるんですか。だれですか。政府は質問を聞いていないんですか。

 中山政務官。

中山大臣政務官 御答弁申し上げます。

 原子力損害賠償法によって、一義的には原子力事業者である東京電力がその責任を負うべきものと考えておりますが、被害者の方々が適切な補償を受けられるよう、政府として万全を期していきたいというふうに思います。

梶山委員 原賠法の話は生活費の支援のときから言っているんですよ。そして、一義的には事業者である東電の責任だというのが政府の決まった答え、それはわかりますよ。でも、こういう事態に陥って、国が何も手を出さずに、ずっと傍観者でいるということでいいんですか。政治がそれで進むんですか。

 今まで立地を進めてきた人たちもいる。そして、それに賛同をして、信頼をして、共生をしてきた人たちもいる。でも、こうなったら、東電のせいだ、おれたちは知らないということで後ろを向いてしまう政府では、だれも頼りにしませんよ。

中山大臣政務官 中小企業の対策についても、できる限り、つなぎ資金みたいなもので何とかできないかどうか、貸し付けは一応お金が入りますので、そういうことも含めて、できるだけ早く手当てをできるように、中小企業庁も含めて考えていきたいというふうに思っております。

梶山委員 今貸し付けというお話がありましたけれども、貸し付けはこちらも考えたんですよ。でも、例えば、今まで信連からお金を借りている人たちがいる、それが返せないで滞っている、その人たちに信連がお金を貸すことができるか。金融庁のお達しがなければ、今まで返済を滞納している人たちには貸すことはできないということなんですよ。しかも、おれたちは全然悪くない、また金を借りろというのかという感情的な部分もある。ですから、それらを超えて何とかしてほしいという願いをずっと陳情しているんですけれども、毎回毎回同じ回答の繰り返しということなんです。

 ですから、先ほど申しましたように、もし法律の壁、組織の壁があるのであれば、それを乗り越える努力をしていくのが政治のあるべき姿だと思います。もうこれ以上回答は求めません。ぜひそういった姿勢で対応をお願いしたいと思います。

 ほかに、保安院と安全委員会からレベル七の報告があったということですけれども、時間がありませんので、これについてはまた後の機会にさせていただきます。

 茨城の問題で、今度、原子力とは少し離れますけれども、さきの地震において液状化現象というのが顕著にあらわれております。

 テレビ、新聞では、ディズニーランドがある浦安で、埋立地だからということでそういうのが出ておりますけれども、茨城県で水郷と呼ばれる鹿嶋、稲敷、神栖、潮来、そして千葉県の香取市、こういったところで顕著にこの現象が出ていて、そして土の中が動くわけですから、ライフラインをめちゃくちゃにしています。ですから、復旧ができないというのも、そういう理由があるわけなんです。

 被災者生活再建支援制度における罹災証明書の明確な判断基準が液状化にはないということで、ぜひこれを今回の震災で明確にしていただきたい。これは埋立地に限ったことじゃない。河川改修などをして、従来蛇行していた川が直線になって、その蛇行していた部分が田んぼや畑になっているところも液状化現象でいろいろと出ているわけですから、ぜひこういった基準を明確につくるということを断言していただきたいと思います。

東副大臣 極めて重要な御指摘だろうというふうに思います。

 まず、現在の基準においても、地盤の液状化による住宅被害であっても、一つは、外観による判定によって、建物の基礎の一部、建物は四方で固められているわけでありますが、その一辺が全部破壊している場合、あるいは……(梶山委員「中身は結構です。対応するということだけ言っていただければ」と呼ぶ)

 現在の基準を踏まえた上で、そこで足りない部分に関しては、梶山さんがおっしゃられるとおり、それは検討していかなくちゃいけないということなんだろうと思いますが、まず、現実の問題として、基準が一体どうなっているのか。それがわかっているというなら、もうあえて言いませんけれども、一つ一つの例を踏まえた上で検討させていただきたいというふうに思います。

梶山委員 幾つか質問を用意してきたんですけれども、笹木文科副大臣には大変申しわけございませんでしたけれども、時間切れということですので、また次の機会にさせていただきます。

 いずれにしましても、与野党を問わずに、しっかりと被災者の視点に立って応援をしていく、そういったことで取り組んでまいりたいと思います。

 質問を終わります。

吉田委員長 次に、谷公一君。

谷委員 自由民主党の谷公一でございます。きょうは、三十分の時間を与えられています。

 震災から一月が過ぎました。復興の道は大変遠いと感じます。行うべき施策がおくれおくれになっているということが大変気がかりでありますし、また、原発の問題もあり、被害が拡大しつつあるというのが現況ではないかと思います。

 衆議院で未曾有の災害を審議する、本来、災害対策委員会は頻繁に開かれるべきだと思います。その委員会に大臣もいない。なぜいないかというと、環境の委員会が開かれている、法案審議があるということであります。未曾有の災害について、前例のない対応ということが与野党共通して言われている。そのときに、専任大臣がいまだもってだれもいない、こんなことが許されていいのか。私は憤りさえ覚えます。

 委員長、この災害対策委員会で決議をすることを提案いたします。

 大臣の選任や内閣の定員増なんという、そういう次元の話ではなくて、未曾有の災害と言っているんですから、専任大臣を置くのは当たり前じゃないですか。十六年前の神戸で、三日後に置きましたよ、小里大臣を。

 今度は原発もあるにもかかわらず、いやいや、環境大臣と兼務です、いまだ兼務ですと。そういうことについて、政府の動きをじっと見ていましたけれども、原発担当大臣に細野さんとか、何か信じられないような動き。また……(発言する者あり)いやいや、細野補佐官を別に非難しているわけじゃないですよ。総理大臣が公明党のしかるべき方に何か個人的に電話をしたということ自身が信じられないというわけです。

 この事態について、委員長、どうか理事会で協議してください。まず要求をいたします。

吉田委員長 理事会で協議をいたします。

谷委員 ありがとうございます。

 ぜひ、この委員会としての、立法府としての意思を政府に示さないとだめだと思います。

 じっと私も、我々自民党も、震災復興に全面的に協力するということで、言いたいことも抑えてずっとやってきました。

 私は、政府・各党実務者会議、毎日のように開かれているのをずっと自民党代表として十五回出てまいりました。これからも引き続き継続をいたしますけれども、とにかく専任の大臣を置いてください、そういう強い思いでございますので、ぜひ、理事会で前向きに御検討をお願いいたします。

 さて、質問をいたします。

 実は、その実務者会議で、公明党の石田委員も、公明党を代表されて、ずっと一緒でございましたが、与党も野党も、党派を超えて、共通して、いわば最大公約数的に一致することを政府に申し入れようということで、お手元の資料の八、九、十、十一と四つありますけれども、これは案となっておりますけれども、昨日申し入れをしました。それは、実務者会議からさらにいわば親会である、各党の幹事長、政調会長もあわせて、きのうは各党・政府震災対策合同会議ということでこの申し入れを行いました。

 そして、政府側から、松本大臣、それから原発については細野補佐官から、いろいろこれについてのコメントなり、政府の取り組みの考え方が示されたところであります。

 その中で、実は私は初めて知ったことがありました。この資料の一ページから四ページにありますいわゆる計画的避難区域及び緊急時避難準備区域、きょうの委員会でも何度か質問が出ました。

 四月十一日、枝野官房長官がこういう内容の記者発表をされた。各党の実務者会議でも資料の配付があり、説明がありました。我々は、当然、その日から時計は回っている、その日から一月をめどに、この計画的避難区域、そこに住んでおられる方々は出なきゃならないと思っていた。

 しかし、きのうの各党の幹事長、政調会長が集まった各党・政府震災対策合同会議で、細野補佐官は、いや、地域の指定をしていないんだ、これからなんだということを言われました。みんなびっくりした。与党の岡田幹事長もびっくりされていました。えっ、そんなことだったの。我々も、全然そんな説明を聞いていなかった。マスコミもそうだ。地域の方々もそうだ。それで、一時期、会議が紛糾いたしました。

 結論的に、政府の考え方はこうだというんです。月曜日、四月十一日の官房長官会見は、計画的避難区域そして緊急時避難準備区域の設定についての政府の基本的な考え方を示したものである。この考え方に基づいて、現在、関係市町村の理解を得るため説明を行っているところ。具体的に、計画的避難区域、緊急時避難準備区域、それの設定は総理大臣たる原子力災害対策本部長の指示で行う。告示か公示か、それをするということです。ですから、正式に原子力災害対策本部長の指示がなされれば、おおむね一カ月でこの該当区域の住民に計画的に避難していただくことをお願いすることになるというのが政府の説明でした。

 副大臣、こういうことを御存じでしたか、こういう物の考え方だということを。副大臣です。

東副大臣 質問通告にはありませんが、私は聞いておりません。初めて聞きました。

谷委員 それはそうです。この話は質問通告とかそういうレベルじゃないでしょう。だって、皆さん、手元の資料を、枝野官房長官の記者発表資料が一ページから四ページまでありますが、そのことは何も書いていないですよ。

 なぜ、最後に、文章は、言い方はともかく、こういう考え方に基づいて、これから市町村と協議して、それでその後、正式に告示する、内閣総理大臣の告示があると書くのは当たり前じゃないですか。何ですか、この考え方。私はよくわからない。本当に区域の住民の方を思ってこういう記者発表をされたのか。

 そもそも、計画的避難区域、緊急時避難準備区域のあり方は、先ほども質疑がありましたけれども、いろいろ問題がありますけれども、それはおいておきます。こういう発表の仕方について、これは中山政務官にお聞きすればいいんですか、どう思われていますか。十分ですか、これ、こんなペーパーで。

中山大臣政務官 ただいま御指摘のように、地元との調整がないうちに発表するということは確かに問題があるんですが、私、何回も官邸に申し上げまして、福山副長官が実際は飯舘村や何かに行って説明をしたそうでございます。

 ですから、本当に、今の先生の御指摘のように、私たちが地元、現場とよく調整をしてから発表するというのが筋だということはそのとおりだと私は思います。

谷委員 政務官は質問を取り違えています。そんなことを言っていないんです。

 私は、この四月十一日の官房長官の発表で、これでみんな、だって、計画的避難区域というのはもう新聞に出ているじゃないですか、ここのエリアだと。自分たちの地域は四月十一日から一月をめどに移動しなきゃならないとみんな思っていた。ですから、今、東副大臣、答弁ありましたように、政府の中でも多くの方がそう思っていた。各党もですよ、与党もですよ、岡田幹事長もそう思っていたんですよ。我々、各党実務者、あるいは幹事長、政調会長もみんなそう思っていたんです。

 それで、今の中山政務官の答弁は、そのことについて私はどう思うかと。こんな発表、不十分じゃないか、誤解を与えたんじゃないか。政府のやり方がいい悪いじゃなくて、こういう発表なら丁寧に、こういう考え方を新たに取り入れたので、これから地元に説明をして、説明を終わった後、正式に区域をきちんと指定しますということをなぜ入れなかったのか。なぜ入れなかったのか、その答弁を求めているんです。

中山大臣政務官 今の御指摘のとおりだと思います。

 地元にしっかり説明をしてから発表しますということを書き添えればよかったのかなと思いますが、今お話しのとおり、やはり地元と官邸の調整が必要だ、このように考えております。

谷委員 何か、一致するようでいて、すれ違うようですけれども、いやいや、地元との調整は必要だということはだれでもわかっているんです、そんなことは。

 何か、大変残念ですね。地元との調整の前に、政府としての考え方を丁寧に正確に言うというのが第一歩じゃないですか。それがなされていないから私は問題にしているんです。私だけが問題にしているんじゃないんですよ。本当は与党でもいっぱい言いたいと思いますよ、岡田幹事長でも。知らなかったんですから、こんなことは。こんなふうに、みんなもう時計が回っていたと思っていたら、いや、実はまだ回っていなかった。

 これは関係の地域の方々に対する侮辱ですよ。遊ばれている感じがすると思いますよ。何でそういう目配りができなかったのか。これだけ原発についてさまざま、さっきも放水の話が梶山先生の方からありましたけれども、事前の通告は農林水産大臣にも何にもない、漁協にも何にもない。そういう丁寧な地元への説明というのが、またしてもこれでもされていない。

 ぜひその辺を、政務官というよりも副大臣、これは原発だからとかいうことではなくてやはり政府の姿勢の問題です、またよろしく頼みます。

東副大臣 基本的に、今、谷先生の言われていることはもっともだなというふうに私自身は思います。ただ、それを私の方に振られても困るのでありまして、本当に今言われていることを知りたいというならば、それをちゃんとつくり、そしてそれを発表している人間をここに連れてきて質問しなくちゃいけない、そういう形を整えていただきたいというふうに思います。

谷委員 ですから、冒頭の話に戻るんです。大臣が出ていないでしょう、これは。環境委員会と兼務だと。未曾有の災害と言葉だけ言って、何かということですわ。まあ、それはいいです。そのことは、きのうの各党でも、政府にも強く申し入れていますから……(東副大臣「いや、違うんです。委員長」と呼ぶ)いやいや、もうよろしいです。答弁は求めていないです。

 ただ、もう一度、この資料に戻りますけれども、配付資料の二ページのところを見ていただきますと、「「計画的避難区域」と「緊急時避難準備区域」の設定について」、どこの資料か、何も書いていないんです。この辺も、そもそも姿勢としてよくないと思いますよ。原子力災害対策本部の決定なのかどうかさえもわからない。この辺について、しっかりとした目配りと、とにかく、この区域指定をすればだれが一番影響を受けるのか、そういう目線に立った取り組みをこれからぜひしていただくように強く要望いたします。

 それでは、それに関連して、原発事故はいつ収束するのか、収束の見込みについて、いつ発表されるんですか。お尋ねします。

中山大臣政務官 原発事故の収束の見込みについて、四月十三日の与野党合同会議における細野補佐官の発言の真意がどうか、こういうことだと思うんですね。

 あのときに収束という話をちょっと出したそうでございますが、これは、東京電力にも、収束についての考え方を早くまとめるようにというようなことは出しているそうでございます。

 しかしながら、私たちもプラントを日々見ていますと、一進一退で、なかなか確実なことが言えないというのが現状ではないでしょうか。とにかく、冷却装置が電力によってシステムとして動き出すということがまず第一歩だ、このように思っております。その時期をできる限り早く明確に出す必要があるというふうに思います。まずは、冷却システムが電力によって稼働するということだと思います。そこから始まることだというふうに私たちは考えております。

谷委員 政務官、私は何も細野発言を言うたわけじゃないんですよ。事前のレクチャーのときに、きのうの各党の会議のときに、細野補佐官が具体的に収束の見込みを発表するめどについて言われたから、その話をしただけです。

 ただ、何か政府の方も、細野補佐官がどういう立場であんな場で、こういう場だから内々の話として来週の末ぐらいまでには収束のめどを発表できるようにしたいと言ったのか、私はよくわかりません。

 中山政務官、あの細野発言は何か個人的な発言ですか。首相補佐官の細野さんが、来週末には収束のめどを発表できるように最大限努力したいという発言は、政府としての発言ですか、個人的な感想ですか。

中山大臣政務官 これは、与野党合同会議の席で話をしたそうなので、やはりそこでの発言は重いというふうに思います。

谷委員 何かよくわからないですね。細野補佐官の位置づけがよくわからないですね。

 では、大臣、副大臣、政務官と細野補佐官の関係について、政務官、説明をお願いできますか。原発担当の補佐官なんですか。

中山大臣政務官 原発を担当していることは間違いございませんが、ちょっと私、役職のことを答弁する立場にありませんものですから、ひとつ御勘弁いただきたいと思います。

谷委員 こういうこともみんなを混乱させていることなんです。前に、細野補佐官があと数カ月で安定した状態になるとか言われて、政府が何かその火消しに躍起になる。みんな収束の見込みというのを求めたいんです。政務官、その気持ちはわかりますね。

 こういう大部屋で、プライバシーもないところに寝泊まりするということがどんなに精神的に大きな負担になるのか、ストレスがたまるのか。お年寄りが病気になり亡くなりますよ、震災関連死で亡くなられた方も少なからず既にあるわけですから。

 もっと発言に、本当に慎重にというのか、言い方は失礼かもわかりませんが、考えて、熟慮の上で、政府高官の一言の発言がどういう大きな波紋を呼ぶのか考えて発言をしていただきたいと、答弁を求めませんが、要望をいたしておきます。

 それにしても、また発言が出ました。資料に添付させていただいておりますが、菅総理が、原発周辺、二十年住めないと発言をしたと松本参与が記者に言い、後で訂正をした。

 二十年住めないんですか。答弁を求めます。

中山大臣政務官 私のところではそういう話を聞いたことがないので、経済産業省にはそういう話があったということは承知をいたしておりません。

谷委員 いや、経済産業省じゃなくて、菅さんが言われたのか、松本参与が言われたのか知りませんけれども、二十年住めないというのは科学的に事実なのですかと聞いているんです。

中山大臣政務官 二十キロ圏内については、まだ調査も進んでおりませんし、そういうことを言える段階にないと思います。

谷委員 政務官の発言のとおりだと思います。

 ただ、そういう発言が、いや、総理じゃない、参与だとしても、こんな発言が官邸から漏れてくるということは、どう思われるんですか。

 きのう、テレビを見ていたら、飯舘村でしたか、村長さん、怒りで声が震えていましたよ。当たり前ですよ、こんなことは。政治家の発言とは思えない。いやいや、政治家じゃなくて参与だというならば、そういう人を参与に任命した方の識見を疑います。

 こういう発言について、被災地域の方々の、被災地域というか原発の周辺の方々の気持ちを思うと、情けない気持ちに私はなりますけれども、政務官の思いはどうですか。

中山大臣政務官 私、現場の本部長をやったときに、再三官邸に電話を入れて、現場の意見と官邸がぴったり合っていかないとうまくいきませんよという注意は何回もさせていただきました。

 現場の副知事さんも、いろいろなことを話をすると、大変見識の高い方で、いろいろ話しているうちにわかったのは、やはり現場の意見をまず上に上げるということが非常に大事だ。そして、そういう積み上げたものを官邸がある程度判断をしていく、そういうプロセスの方が大切ではないかと私は申し上げてまいりまして、今、谷委員からいろいろ御指摘があったことを官邸に申し上げ、私も言ったことでございますので、しっかり今後気をつけてもらいたいということを言おうと思います。

谷委員 ぜひお願いいたします。

 それは、二十年住めないとか、あるいは、三陸の被災地は、全くのもとどおりはなかなか難しいということはわかります。私も現地に行って、わかりますけれども、みんな高台に住め、漁業はやるな、その方が効率がいいとか、それが二十一世紀型の日本のモデルだとか、そういうちゃらちゃらした、地域の方々の思い、心情、心、そういうことを傷つける発言だから、絶対にしないようにまた強くお願いいたします。

 二度とこういうことがあれば、その方をやはりこの災害対策委員会の総意として呼ぶべきだと私は思います。所管でないとか、そんな次元の話じゃないと思います。そのことを強く思います。

 それでは、もう一度お手元の資料を見ていただきたいわけでありますけれども、各党・政府震災対策合同会議の要望、緊急事項を資料八ページから十一ページですか、まとめております。

 十五回にわたる会議を経て、既に実現したものもあれば、相当前に行っているものもあります。やはり、被災者対応をきめ細かく行うこと、二番目に住まいの確保、三つ目にガソリン、四つ目に中小企業、農林水産漁業者、五つ目に原発、そして被災自治体のバックアップ体制、七番目に今後の見通しであります。

 十六年前の神戸の地震に比べて、原発の問題はおいておいて、相当おくれています。すべてがおくれている。また、おくれているということについて、政府がしっかり危機感を持っているかどうか、私は疑っています。疑っているというのも、何も根拠がないわけではない。十五回ずっと会議に出て、答弁を聞いて、本当に危機感があるのかなと。

 先ほど、中山政務官は現場の声と言われました。十六年前と明らかな違いは、これは地方を広範囲に襲った大地震。そこで、ガソリンが命だということを政府はもっと早く気づくべきでありました。

 何といってもこのガソリンは、資源エネルギー庁の説明で、いや、そこそこ行き渡っている、相当回復している、そんなにひどいんですかという回答でありました。私は、会議で、余りにも認識にずれがあるので、思わず声を荒げて言いました。ガソリンの不足がどんなに深刻かわからなければ、この会議を仙台でやろうか、東京でやるから感覚がずれているんだ、仙台でやればすぐわかるんじゃないかと言って、やっと本格的に、もちろんその前から頑張っていただきましたが、政府を挙げて取り組んでいただいたように思います。ガソリンは、確かに相当改善はされてきたと思います。

 住宅、これも下手をしたら、言い方が適切でないかもわかりませんが、第二のガソリンになるかもわかりません。計画だけは着実にできる、しかし、現場では遅々として進まない。政府の対応をただすと、こういう計画です、着々といっていますと。現場では大きな乖離が出る。

 さて、復興住宅は何戸つくられるんですか。まず、そこからお尋ねします。

小泉大臣政務官 お答えさせていただきます。

 応急仮設住宅に関しましては、厚生労働省が補助することとなっておりますけれども、第一次補正予算に計上すべき戸数として、厚生労働省と財務省におきまして七万戸が調整されていると聞いております。

 これまで、岩手県で一万八千戸、宮城県からは三万戸、福島県では、本日一万戸追加の要請があり二万四千戸、そして栃木、千葉、長野県等を合わせ、七万二千二百九十戸の供給が要請をされているところであります。

 国土交通省におきましては、現在、住宅生産団体連合会に対しまして、当初、おおむね二カ月で少なくとも三万戸の工場からの出荷、そして、その後の三カ月で三万戸程度の出荷を行えるよう準備を進めるよう要請済みのところであります。

 今後、この要請済みの戸数を上回る分の供給も含めて、適切に対応できるよう取り組んでまいります。

谷委員 時間が終わりましたけれども、七万二千戸の要請ですか。一次補正は七万戸ということですか。三千五百億ということですか。額も、何かうなずいておられましたけれども、はい、わかりました。

 もう持ち時間が終了いたしましたので、これで質問を終えますけれども、いずれにしても、小泉政務官、現場の状況をよく見てくださいよ。本当に長い道のりになると思いますので、ぜひよく見ていただくことを要望いたしまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

吉田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十七分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.