衆議院

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第5号 平成24年3月16日(金曜日)

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平成二十四年三月十六日(金曜日)

    午前八時四十分開議

 出席委員

   委員長 村井 宗明君

   理事 市村浩一郎君 理事 打越あかし君

   理事 大西 孝典君 理事 梶原 康弘君

   理事 古賀 敬章君 理事 長島 忠美君

   理事 古川 禎久君 理事 石田 祝稔君

      網屋 信介君    今井 雅人君

      江端 貴子君    笠原多見子君

      神山 洋介君    黒岩 宇洋君

      近藤 和也君    阪口 直人君

      高野  守君    高橋 昭一君

      高邑  勉君    玉置 公良君

      道休誠一郎君    富岡 芳忠君

      中林美恵子君    長尾  敬君

      野木  実君    橋本  勉君

      細川 律夫君    松本 大輔君

      三村 和也君    矢崎 公二君

      谷田川 元君    山本 剛正君

      秋葉 賢也君    江藤  拓君

      小里 泰弘君    梶山 弘志君

      竹下  亘君    谷  公一君

      林  幹雄君    森山  裕君

      稲津  久君    高橋千鶴子君

      石田 三示君    重野 安正君

      柿澤 未途君

    …………………………………

   国土交通大臣       前田 武志君

   国務大臣

   (防災担当)       中川 正春君

   内閣府副大臣       後藤  斎君

   国土交通副大臣      吉田おさむ君

   内閣府大臣政務官     郡  和子君

   総務大臣政務官      福田 昭夫君

   厚生労働大臣政務官    津田弥太郎君

   農林水産大臣政務官    森本 哲生君

   国土交通大臣政務官    津島 恭一君

   国土交通大臣政務官    室井 邦彦君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 米田耕一郎君

   政府参考人

   (総務省統計局長)    福井 武弘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           西藤 公司君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            新原 浩朗君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 本田  勝君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房建設流通政策審議官)     佐々木 基君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           渡延  忠君

   政府参考人

   (国土交通省国土政策局長)            小島愛之助君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  菊川  滋君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  松本隆太郎君

   衆議院調査局第三特別調査室長           仲川 勝裕君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十六日

 辞任         補欠選任

  金森  正君     野木  実君

  黒岩 宇洋君     長尾  敬君

  矢崎 公二君     近藤 和也君

  山本 剛正君     江端 貴子君

  吉川 政重君     松本 大輔君

  江田 康幸君     稲津  久君

同日

 辞任         補欠選任

  江端 貴子君     今井 雅人君

  近藤 和也君     矢崎 公二君

  長尾  敬君     谷田川 元君

  野木  実君     道休誠一郎君

  松本 大輔君     吉川 政重君

  稲津  久君     江田 康幸君

同日

 辞任         補欠選任

  今井 雅人君     山本 剛正君

  道休誠一郎君     金森  正君

  谷田川 元君     黒岩 宇洋君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(今冬期の大雪等による被害状況等)

 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案起草の件

 豪雪地帯対策の充実強化に関する件


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     ――――◇―――――

村井委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、今冬期の大雪等による被害状況等について政府から説明を聴取いたします。中川防災担当大臣。

中川国務大臣 おはようございます。

 平成二十三年からの大雪の被害状況及びその対応につきまして御報告をいたします。

 まず、この大雪により亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に対しまして、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。

 昨年末からの大雪により、三月十五日までに把握しているところでは、全国で死者百二十一名、重傷者七百八十八名、軽傷者が千三十二名の人的被害が生じております。このほか、三百六十一棟の住家被害、六百九十一棟の非住家被害、ビニールハウス等の損壊や樹木の枝折れ、野菜や花卉の損傷等の農林水産被害等が生じているところでございます。

 この大雪に対する政府の対応としては、二月二日に開催した大雪対策に関する関係閣僚会議における野田内閣総理大臣からの指示に基づき、除排雪体制の確保に向けた人的、物的支援や、社会資本整備総合交付金の追加配分及び特別交付税の一部繰り上げ交付等の財政的な支援など、さまざまな対策を政府一丸となって講じてきたところでございます。

 そして、二月二十一日に改めて第二回大雪対策に関する関係閣僚会議を開催し、大雪に対する政府全体の対応を平成二十四年大雪対策として取りまとめました。この中では、一、除雪費用等への財政支援、二、除雪体制の確保、三、被災者対策、生活支援、四、中小企業者、農林漁業者等に対する支援、五、ライフラインの確保、六、警戒体制の徹底について具体的な対策を掲げており、引き続き、平成二十四年大雪対策に基づく具体的な施策を、迅速かつ的確に実施してまいります。

 また、大雪対策の取りまとめに先立ち、被災地方公共団体における大雪の被害状況等を把握するため、現地調査を行いました。私も、二月十八日に山形県で現地調査を行い、山形県知事を初めとする地元地方公共団体の関係者から大雪による被害状況等について御説明をいただくとともに、農業施設等の被害状況を調査いたしました。今後とも、地域からの要望をしっかり受けとめ、迅速な対応を講じてまいります。

 今後、融雪期を迎えるに当たり、雪崩等によるさらなる被害の発生が懸念されます。三月九日には、中央防災会議会長から関係機関宛てに融雪出水期における防災態勢の強化について通知を発出し、防災態勢の一層の強化をお願いしました。引き続き、これらの被害についても警戒を怠らず、関係省庁とともに、的確かつ迅速に対応してまいる所存でございます。

 以上です。よろしくお願いします。

村井委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

村井委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房審議官米田耕一郎君、総務省統計局長福井武弘君、厚生労働省大臣官房審議官西藤公司君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長新原浩朗君、国土交通省大臣官房長本田勝君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官佐々木基君、国土交通省大臣官房審議官渡延忠君、国土交通省国土政策局長小島愛之助君、国土交通省道路局長菊川滋君及び防衛省運用企画局長松本隆太郎君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

村井委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長島忠美君。

長島(忠)委員 おはようございます。大臣初め皆さんには、朝早くから答弁においでをいただきまして、大変ありがとうございます。

 ただいま、大臣から大雪に対する報告をいただきました。特に、この大雪のことについて質問をさせていただきたいと思います。

 それにつけても昨年は、新燃岳の噴火に始まって大雪ということで、一年じゅうが災害に明け暮れて、けさもまたぐらっと地震があるということで、日本じゅうがやはり災害に対する意識、備えに対する思いを高くしている時期ではないかな、そんなふうに思うところであります。

 感じることは、私も雪国に住んでおります。実は、去年、新燃の被災地に行ったときに、火山灰を宿命として生きていらっしゃる皆さんが、火山の灰の降らないところに行きたいという言葉をいただいたこと、そして台風十二号、十五号の被災地を訪れたときに、台風が来ないところに行きたいなという思いを聞いたこと、そして我々のふるさとでは、雪は財産でもあるんだけれども、余りに続く豪雪の中で、雪のない中で暮らしたいという思いを吐露される方が大勢いらっしゃるんですが、そこを何とか生活できるように、そしてそこできちんとふるさとを守れるようにするのもやはり政治の大きな課題だ、私はそう思っています。

 ことしも、残念ながら百二十一名というとうとい命を雪によって奪われることになってしまいました。私は、自分で毎日雪と暮らしながら、どうしてこんなに多くの皆さんを犠牲にしてしまうんだろう、毎年雪と闘いながらそういう思いを受けています。

 実は、雪に対する備えの中でやはり、雪が場合によっては牙をむく自然だということをきちんと我々は伝えなければいけない、また備えなければいけないんだろうと思うんです。

 ことしも、かまくらをつくっていらっしゃる方が犠牲になったり、屋根の雪がおっこってきたところで犠牲になったり、また、屋根の上に上がって、落ちて命をなくしたり、そして雪崩によって命をなくされたという、例はいっぱいあると思うんですけれども、やはり、雪に対する危険性というのをきちんと認知していただくということも、この際、我々の大きな役割ではないかなと思います。

 中央防災会議があって、融雪に対することについては通知をいただいたようでありますけれども、雪に対する知識というものをきちんとやはり国民に、特にことしは、ふだん雪の降らないところでも大雪になったということでそういう被害が広がったということを考えたら、そういうことが大切ではないかなと思うんですが、大臣から所見をお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 確かに御指摘のとおりでありまして、雪国、雪の中で生活をしておられる、あるいはまた、そこで雪を克服していくという形の中でいろいろなことを模索しておられるという姿、これに対して、私たちも何ができるのかということをもっと真剣に考えていく必要があるんだろうというふうに思います。

 先ほどの、百二十一名の命がことしも失われたわけですが、これももう少ししっかりと分析をしていくということが大切なのかな。

 私も、現場に入ったときに指摘をされましたのは、一つは、非常に地域として老齢化が進んでいるということの中で、同じ雪かきをするにしても、屋根へ上って、昔のように体が思うようについていかない、そういう状況の中での雪かきというのをどうしてもやっていかなきゃいけないという状況がある。

 それからまた、それぞれ地域のコミュニティーが成り立たなくなってきている。普通であれば、消防団だとかあるいは青年団だとか、そういうものが媒体になって雪に対して闘っていくというような体制が昔はできていたんだろうけれども、その消防団そのものが老齢化をして、団員も集まらないというような状況の中で、村としてどう克服していったらいいんだというふうなことだとか、さまざまそういう社会的な背景というのがあって、恐らく、昔以上に、雪を克服していくことが難しくなってきているということがあるんだろう、こんなことを現場で指摘されまして、そんなことに対してどういう施策ができるのかということ、そんな観点からしっかり切り込んで分析をして、それで体制をつくっていくということが必要なのかな、そんな問題意識を今持っております。

 さらに、さまざまきめの細かい対応を考えながら、地方自治体の皆さんと一緒に政策を考えていくということで頑張っていきたいというふうに思っています。

長島(忠)委員 いみじくも、今大臣お触れになりましたけれども、雪国の暮らしというのは、しんしんと雪が降り積もって、屋根の雪のかさが毎日毎日ふえていく。それと同時に、雪国出身の方もいっぱいいらっしゃいますから、私も、夜寝ていると、うちが鳴くんですよ、ギシギシと。そうすると、高齢者であればあるほど、早く屋根の雪をおろしたいという一念に駆られて屋根に上がるということはあるんだと思うんですね。そうすると、今、大臣のおっしゃったように、かつて若いころとは違う、重い雪と格闘するうちに疲れて屋根から落下をしてけがをしたりということがあるんだと思うんです。

 そこで今回、法律案でも、やはり担い手、あるいはそういった高齢者の世帯の雪おろしを担ってくれるようなシステムだとか人材を確保しなければ、安心して高齢者が雪国で暮らせないという一面はあるんだと思うんです。

 その辺について、大臣、アイデアはありますか。

中川国務大臣 地方自治体によっては、いろいろなボランティア組織であるとか、あるいは、ふだん、特に建設関係の企業で人材を抱えているところなどを動員しながら、どうしても高齢者で雪かきができないようなところ、あるいは所得の低い家庭で雪かきが頼めないというふうなところ等々を対象にして、公共といいますか地方自治体がそれを発注しながら雪かきをしていく、そんな工夫をしているような自治体もあると伺っております。

 私が行ったところはちょうど団地でありまして、そこのコミュニティーが、日にちを決めてみんなで一緒に雪かきをしようということを始めて、それと市の方と両方協力をし合いながら、そこで落ちてきた雪を市の方が排雪するというふうなことでタイアップしていました。

 そんな中で、自治会長さんに聞いてみると、みんなで一緒に雪かきをすると、隣で高齢者がいて、自分のところができないんだというところを、お互いが助け合いながら一緒にやれるという雰囲気も生まれてくるんだというふうなことも聞かせていただいたりしましたけれども、そういうきめの細かい組織をつくっていく、あるいは組み合わせをつくっていくというふうなことをやっていくというのが一つの方法だと思います。

 それに対して、資金的にどう支援ができるかという工夫をあとはしていくことかなというふうな、今一つ漠然とした思いを持っているんですが、ほかにもいろいろな先進的な取り組みがあるかと思うので、そういうものもいろいろな形でまとめて、こんなやり方もできるんですよというのをまた皆さんにお知らせしていくということもあわせて、対応を考えていくことだというふうに思っております。

長島(忠)委員 昔、農村にもう少し人がいたころは、隣の父ちゃん、母ちゃんが高齢者のうちを担ってくれる、それこそ、地域の雪おろし、あるいは災害のときの担い手であったと思うんですね。

 ところが、今、過疎化が必要以上に進んでしまったために、農村が急激に高齢化をしてしまった。隣の父ちゃん、母ちゃんに頼みたくても、今、大臣がおっしゃった、一斉に雪おろしができるぐらいのところは多分いいんだと思うんです。毎日毎日雪と格闘しなければいけないところは、なかなか頼みにくい。

 自分のうちの雪おろしだけで大変な人になかなか頼みにくい状況が実は生まれていて、例えば、残念ながら空き家にして都会に出る人も、今までは、自分のうち、冬の間、雪おろしをしてくださいねと近所の人に頼みながら、それは費用負担をしながら出られた人が、自分のうちの雪おろしだけで大変な状況だというのがわかっているだけに、潰れてもやむを得ないかと泣く泣くの気持ちで、誰にも頼めず空き家にしておくという状況もやはりあるんだと思うんです。

 だから、地域としてそういったことを担うために、地域の父ちゃん、母ちゃんだけではもう対応できない状況もやはりあるんだと思うんです。建設業者もかなり疲弊をしているんですが、そこは何とか、市町村なりがそういう業界あるいはボランティアの団体と制度をつくって、雪おろしは一斉に危険性が増してくるわけなので、うちが鳴きながら待っているわけにいかないという気持ちを考えたら、やはりそういう制度を国が主導して市町村とともにつくっていっていただくことも大事なことかな。空き家対策にもなるんだろうと思うんですが、その辺について考え方があったらお聞かせをいただきたい。

中川国務大臣 自助、共助、公助とまさにいいますけれども、さまざまな地域で取り組みがある事例を一度整理しまして、その中で、一つのモデルになっていくようなものを組み込みながら、国として、このモデルで一つやる場合には、新たな地方自治体を中心にした支援というのがあるというような、そういうモデルと支援のプログラムを組み合わせて対応していくということ、こんなことをぜひやっていきたいというふうに思います。

長島(忠)委員 そこで、一つ大臣にお願いです。

 うちの方は雪おろしと言わないで雪掘りと言うんですね、雪から掘り出すので。もともと、それぐらい雪が降ったところなんですが、今は、住宅が自然落雪になったり、屋根の雪おろしからは少し解放されつつ、それは費用はかかりますけれども、克雪住宅に対する支援等をやって少しずつ解消されています。

 そこで問題になるのが下の排雪なんですよ。うちの周りに山のように積まった雪の排雪、これに対してやはり手当てがない。

 今、地域地域では、機械除雪、こんな飛ばすものじゃとても間に合わないので、ちょっと大型のブルとかを借り上げて、集落で共同で、費用負担を、ちょっと市から助成をもらったりしながらやっていく。それは、そこに残っているいわゆる現役世代の人がその役割を担う。機械に対する補助と燃料費を少し見てもらって、高齢者のところも自分のところも、全体的な自治会なり集落の排雪に努めているということがあるんだと思うんですね。

 だとすると、いわゆる集落自助の観点に立ったら、行政が手を入れるのは最終手段、そして機械に補助をしてやることができて、それで自分たちが集落でお互いに自助ができるんだったら、そういう考え方も私はあると思うんですけれども、どういうふうに考えられますか。

中川国務大臣 まさに御指摘のとおりだと思います。

 それに対して国がどう関与していくかということだと思うんですが、私は、資金的には、なるべく自由に使える、自治体が優先順位を自分のところでつくりながら、地域の事情に合わせながら、自由に使えるような資金供給というのを組み込んでいくというのが一番いいんじゃないかというふうに思うんですね。

 これまで方式だと、一つ一つ細かいメニューをつくって、これとこれはいいけれどもこれはだめだと国は言いがちなんですけれども、恐らくそういうことではなくて、地域の事情に応じた形の資金を国の方から一定供給するというふうなシステムを考えていくということだと思います。

長島(忠)委員 ぜひ、雪によって集落の自治が、きずな意識が壊れることのないように、高齢者の守りはそこに残っている現役世代がやっていくんだ、一義的にはそれが自治の原点、自助の原点だと思うので、そういうことが成り立つように、例えば、現役世代の人が高齢者の見回りができるように支援をしてあげることをぜひ考えていただきたいなというふうに実は思います。

 ちょっと観点を変えて、先ほど大臣からお聞きをしましたが、融雪災害のことについて、残念ながら既に新潟県上越市板倉で、去年地震で揺られた地域でもありますので、融雪がそのことを助長したということになるのかもわかりませんけれども、大規模な地すべりが発生をいたしました。そして、それによって住宅がかなり被災をしております。

 そんな状況の中で、これから本格的な雪解けを迎えればますます被害が広がることも想定をされますが、そのことの一義的な対策について少しお聞かせをいただきたい。大臣の方でしょうか、国交省かどこか。

吉田副大臣 長島委員にお答えを申し上げます。

 今の融雪の話ですが、いわゆる地すべりという形で、三月七日、新潟県上越市板倉区国川地区で発生をいたしております。三月十五日現在、住戸四戸、非住戸七戸に被害が生じ、上越市二十一世帯八十人に避難勧告、五世帯二十人に避難準備情報を発令しております。

 現在、新潟県による二十四時間体制の監視観測が続けられるとともに、地すべりの移動をとめるための水抜きボーリングの掘削やポンプ排水、人家への被害の拡大を防ぐための大型土のうや異形ブロックの設置、土堤を設ける等の応急対策が進められているところであります。

 私ども国土交通省といたしましても、県からの要請を受けまして、土木研究所からの地すべり対策の専門家、そして国交省本省、北陸地方整備局からTEC―FORCEという形で緊急災害の派遣隊の派遣をいたしまして、監視観測及び応急対策への技術的指導を進めているところであります。また、機材等もさまざま応援、支援をしているところであります。

 国土交通省といたしましては、早期に地域の安全、安心が確保されるよう、引き続き新潟県の取り組みに対して強力に支援をしてまいります。

長島(忠)委員 ぜひ、被害が広がらないようにお願いをしたいのと、時間がないので要望だけにしておきますが、全国、ことしの大雪の後、やはり春の融雪被害というのがかなり心配をされます。ですから、ぜひ見回りを強化していただきますようにお願いを申し上げさせていただきたいと思います。

 農水省からも来ていただいているんですが、この大雪で雪解けがかなり遅くなることが実は予測をされております。いわゆる田地、畑地の融雪については農水省もお考えいただいているようでありますけれども、そこに行く農道がなくてなかなか作業に行けないというようなことも実はありまして、春除雪について考えてくださいという要望がかなり私どもの地元等からはあるんですが、農水省として、その辺はどう配慮をしていただけますでしょうか。

森本大臣政務官 長島委員には大変御心配をいただいております。ありがとうございます。

 今の国土交通省に関することでも、私ども、国営の水路関係が影響を受けておりますので、ここのところにもしっかり対応しなければならないということと、そして農道についても、非常に今、雪解け時を心配しています、地すべりがかなり出るということを我々もキャッチしておりますので。

 ここのところは交付税のことになるんですけれども、ここを総務省にもお願いしながら、しっかり現地で対応していく、そのことを今も確認させていただいているところでございます。精いっぱい頑張りますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

長島(忠)委員 多分、農道除雪が年度をまたぐ、新年度になるので、その辺だけは少し、交付税の配慮についてもぜひお願いをしたいと思います。四月以降の除雪になるところがかなりあると思いますので、どうぞよろしくお願いをしたいと思います。

 きょうは、欲張って厚生労働省さんからも来てもらっているんです。

 雪のときに、やはり高齢者世帯の見守りというのが非常に、これから特に農村部、過疎の地域においては必要なのではないかなと思うんです。情報が伝わらないまま不安の中でいることと、きちんと情報をいただきながら信頼をして待てるという状況ではかなり心の負担が違うと思うんですが、豪雪地帯において、高齢者の見回り等について特段配慮をいただけることがあったら、少しお聞かせをいただきたいなと思います。

津田大臣政務官 長島委員にお答えを申し上げます。

 私も長野県に住んでおりますので、御指摘いただいている点は大変心配な点であるというふうに思っております。

 特に、高齢者あるいは障害者の方々についてどう配慮ができるか。これは地域の中で、民生委員の方々に特に御配慮をお願いして、家が潰れるような豪雪の場合には救助対策を行っていただくようにお願いをしたい。あるいは、雪おろしの対策につきましても、高齢者や障害者のようにみずから除雪ができない方々については、災害救助法を適用した上で自治体が行うことができる。その費用は全て対応できるようになっております。

長島(忠)委員 ぜひ要望させていただきたいと思うんですけれども、高齢者、先ほど言ったように、特に雪の深いところでは、担ってくれる人たちがいないと思ってじっと待っている人たちが実はいるんです。だから、自分の方から出したくても声を出せなくている人たちに、行政がやはり積極的に働きかけて、困った状況を聞いてあげる体制というのも大事だと思うので、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 最後に、国交省さんに少しお聞かせをいただきたいと思うんです。

 実は、除雪の経費についてはいろいろ御配慮をいただいているところでありますけれども、特に、このように豪雪が続くと、生活形態や仕事の形態が多様化したために、夜遅くなって帰ってくるお勤めの皆さんがいらして、なかなか除雪経費が回らないので、中山間地においては夜間除雪まで実は手が回りません。そのために、泣く泣く引き返したり、途中まで来て上がれなくて帰ってしまったり、そして、そのことを待っているお父さんやお母さんは、いつまでも道路に出て待っていたりというような状況が実はあちこちで見られるんです。

 私は、夏にうちの方に来てもらうと、立派な道路ですねとよく言われるんですよ。冬に来てもらうと、あの道路はどこに行ったんですかと言われるんですね。実は、周りに雪の置き場がないものだから、雪を周りに積んじゃうから、ふだん二車線が一車線以下になってしまうような状況になるんです。

 だから、BバイCということはあるのかもわかりませんけれども、雪においては、やはり冬期間、安心してすれ違いのできるような道路を確保してもらうことが、そこに勤めながら若い人たちをとどめられる大きな一つの要因であると思うので、その辺の配慮については、BバイCもあるかもわからないけれども、やはり地域を守るという観点から特段の御配慮をいただきたいなというふうに思っていますが、国土交通省として、少しお考えをお聞かせいただきたい。

吉田副大臣 長島委員の御質問にお答えをいたします。

 多分これは、一つは、道路をつくる段階での堆雪幅という形で、雪を置く場所を確保しようということであるかと思います。

 昭和五十七年より、道路構造令におきまして、除雪を勘案して幅を決めるということが定められております。積雪地域において新たに道路を整備する際には、本規定に基づき、堆雪幅等を適切に確保していくとともに、既存の道路におきましても、今御指摘ございました交通状況や降雪状況を踏まえ、雪寒事業という形で堆雪幅等の整備を行っているところでございます。

 委員御指摘のとおり、冬期における円滑な、防災的観点もございますし、生活道路という観点もございます、積雪地域の道路につきまして、除雪、堆雪を考慮することは重要であるということを認識しておりますし、今後とも、積雪地域の道路において十分な堆雪幅の確保など努めてまいりたいと思っております。

長島(忠)委員 時間がそろそろ参ります。

 総務省からもわざわざおいでをいただいておりますので、今冬の追加配分、どれぐらいされたのかについて少しお聞かせをいただきたいと思います。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 追加配分だけでよろしいですか。(長島(忠)委員「はい」と呼ぶ)追加配分といいますか、要するに前倒しですね。これは、百四十七市町村に対して百五十五億円を繰り上げ交付いたしております。

長島(忠)委員 私も村長をしていたのでわかるんですけれども、豪雪対策、除雪費は必ず国から後できちんと来るんだと信じていながら、途中で予算が尽きてしまうと非常に不安になるものなんです。ですから、ぜひ次年度以降、前倒し配分等を含めて、より積極的に市町村に渡していただくことを要望させていただきたいなと思います。

 最後に、大臣にお聞かせをいただきたいと思います。

 今回、豪雪地帯特別措置法が期限切れになります。大臣、政府もあちこち御視察をいただいて、我々もそれなりに視察をさせていただいて、問題点は種々見てきたつもりであります。国としてできること、自治体としてできること、そして集落としてできること、そして何よりも、そこで生き生きと暮らす人たちがきずなを失わないような関係を持ちながらやっていけるように対処することがこの法律の趣旨でもあると私は思うんですが、大臣からぜひ力強く、これから日本じゅう、豪雪地帯においても、きちんと雪を克服しながら春を待てる環境だけは整えていきたいということを、一言メッセージとして承れればありがたいと思います。

中川国務大臣 厳しい社会的背景の中で雪を克服していくということ、これは、それこそオール・ジャパンとして、国全体としてしっかりと取り組むということが大事だというふうに思います。

 今回、法律を延長していただくという段取りをしていただいておるのと同時に、雪を逆に活用して、その地域で生かしていくというふうな考え方もその中に取り入れていただいているということを聞いております。そういう意味でも大事な法律だと思います。

 よろしくお願いをしたいと思います。

長島(忠)委員 私も、豪雪地帯に生まれ育って今日まで生きてきました。私が生まれて一番最大積雪は七メートル四十センチでした。それでも、私は、ふるさとを嫌いになったことは一回もないし、離れたいと思ったことは一回もありません。春、フキノトウが雪の下から芽を出す、それを見ただけで雪の苦しみを忘れられる民族であるとも思っています。

 でも、そのことをそういうふうに思わせるのは、やはり政治の力も大きな役割を果たすことができるのではないかなと思いますので、政府にはより一層の取り組みをお願いして、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

村井委員長 次に、谷公一君。

谷委員 自由民主党の谷公一でございます。

 きょうは、三十分時間をいただきました。大きく三点に分けて、大臣以下、御質問をさせていただきたいと思います。

 一つは、災害対策法制の見直し、二つ目は、お手元の資料にございます、いわゆる中川私案についての大臣のお考え、三点目は、豪雪の特別措置法であります。

 二番目から入ります。

 お手元に、朝日新聞の三月九日、先週の金曜日の、「三週間後つまずき―幻の復興法案」という大臣の記事があります。この記事によれば、当時予算委員会の中川筆頭理事、大臣が、これは何とかしなきゃならない、恐らく、政府に任せていてもなかなか思い切ったことができないだろうということで、民主党内のどういうメンバーかよくわかりませんが、三月末にいろいろな復興の骨子をまとめた。しかし、原案が報じられると、各閣僚たちからいろいろ批判があり、与謝野大臣は、国債のいわゆる日銀引き受け、現在では法律で禁止されている、こんなものは絶対認められない、この報道によると、防災復興府というのは屋上屋を架すようなものだということで潰れた、封印されたと報じられております。

 大臣、この報道は間違いございませんか。

中川国務大臣 東日本大震災の発生直後というのは、各省庁、現実対応に追われておりまして、なかなかその次を見通して政策を打っていくという体制が難しいだろう、そんなことがありました。私も予算委員会の筆頭として国対に参加をしておったものですから、次から次へと議員を通じて……(谷委員「簡単にお願いできますか」と呼ぶ)はい。情報が入ってきました。

 我々ができることとすれば、一つ、議員の中で、その法案についてのたたき台ですか、それをつくって準備をしておくということ、これができるんじゃないかということで、国対との相談の中でそういうチームを発足しました。実は、隣の後藤副大臣も、そのチームで中心になって頑張ってやっていただいたんです。

 ただ、途中でこうした形で報道が出たものですから、それが何か成案のような形で報じられたということがありまして、そのことによって次のステップを踏めなかったといいますか、そこで成案に持っていくような議論をするところまでいかなかった。同時に、キャビネットといいますか政府の方も、体制が立ち直ってきて、そこからさまざまな法律議論も始まってきましたので、そこを見て、次のステップは任せていこうということで、私の私案どまりになってしまったということでございます。

谷委員 大臣、まことに申しわけないんですけれども、時間は三十分です。お尋ねしたいことは、これはおおむね事実ですかということでしたので、簡潔にお答え願えれば大変ありがたいと思います。

 今のお答えですと、事実ということですね。そういうふうに受けとめさせていただきます。

 いや、私は、何も非難しているわけではないんです。我々議員として、いろいろな立場で復興のあり方を考えることは当然だし、また、この報道によれば、新たな司令塔をつくり、また増税も行い、思い切った被災地支援策も講じるべきであるという、まさにその後の歩みを先取りするかのようなあれだったと思います。そういう意味で、中川大臣なり、後藤副大臣も、黒幕かよくわかりませんが、敬意を申し上げたいと思います。

 ただ、この記事を読んでいて、いかにも民主党らしいと思いました。つまり、そういう発想がある人をどうして与党の中でまとめて、それを施策に生かすことができなかったのかなと。厳しく言えば、政党として体をなしているのかなと。与党ですから。責任を持たなければならない政党ですから。そういう意味では大変残念であります。

 さて、大臣に引き続いてお尋ねします。

 では、そうすると、この新聞によればまだあらあらの中川私案ではありますが、その施策の骨格と今政府が取り組んでいる骨格とは、細かなことをいろいろ言ってもあれでございますけれども、基本的には変わりませんか。変わっているのは、国債の日銀直接引き受けが今はされていませんので、違いというのはそれぐらいですか。

中川国務大臣 この私案というのは、でき上がったものじゃなくて、さまざまな選択肢をその中に入れたということで、さっきの日銀の直接引き受けも、それで決め打ちをしたわけじゃなくて、そういう議論もあるということの中で一つあったということなんです。

 そういう意味で、たたき台ということでありますので、この中から実現ができたことは、さっきのお話のように相当部分あったんだと思うんですが、そういう意味では、参考にしていただいたんだというようなところじゃないかと思います。

谷委員 相当取り入れられた、参考にしたというか、例えば復興庁では、私も復興委員会で修正協議にずっと携わりましたけれども、あれは我々がそうしたんですよ。政府の案は、今の内閣府と全く一緒で、いわば中身のないあれでございました。ただ、私は、大臣、正直な話、この中川私案なるものをよく知りませんので、そういったことを念頭に置いて修正協議に臨んだわけではありません。ありませんけれども、結果的に、我々といいますか自民党の復興への取り組みの考え方と、この中川私案というのは大変近いものがあると思います。

 では最後に、この中川私案について、現時点での思いをお聞きしたいんですけれども、なぜ政府は、こういう原案といいますか、それを柔軟に取り込む、あるいは、それらを封印というようなやり方ではなくて、うまく取り入れるようなあれは可能ではなかったんですか。大臣としてどう思われますか。

中川国務大臣 私が反省するとすれば、情報管理だったと思うんです。本来なら、議論の対象として、たたき台として生きていったんだと思うんですが、その前に、何か決め打ちで、新聞でぽんと出たということがいろいろな混乱と誤解を導いてしまったということでありますので、そこのところの難しさがあったんだと思うんです。

 ただ、あと、さっき申し上げたように、これを参考にしていただくところもあったということがあるとすれば、それは一定の意義があったというふうに思っております。

谷委員 少し私の認識と違います。

 大臣は情報管理と言われますけれども、私は、情報管理ではなくて、こういうようなすばらしい、先見性のある考えを生かすことができない政党なり政府というのに問題があったということだと思います、私の受けとめ方は。

 しかし、それは、実は今も尾を引いているところがあると思います。きょうは災害一般ですから、個別の東日本大震災についての質問はいたしませんけれども、それはいろいろな意味で、震災復興への取り組みにもちょっと影響しているのではないかと感じているところであります。

 さて、質問を次に移ります。災害対策法制の見直しということであります。

 十七年前、神戸で大震災があり、私も神戸でその復旧復興に当たらせていただきましたが、このたびの三・一一の災害は、文字どおり未曽有の災害であったかと思います。そういう中で、いろいろ取り組みを反省する中で、そもそも災害に対応する法制、これは今の法制でいいのかということを政府の方でも検討しておられます。その中の幾つかの論点について、現時点での大臣の考え方、今後の取り組みについてお尋ねをしたいと思います。

 まず、現在の基本法である災害対策基本法、一九六一年、伊勢湾台風の後つくられた法律でございますけれども、復旧、応急復旧、復旧という言葉はありましても復興の規定がない、復興のための国の体制、復興計画の位置づけなども何もありません。

 私はかねてより、学会の方もそういう要望は前からありますけれども、復興ということをきちんと法的に位置づけるべきではないかということも、この災害対策特別委員会でも質問したことがあります。名前は出しませんが、はい、しっかりと受けとめてといつも答弁しますけれども、正直なところ何もしていません、その後の推移を見れば。厳しく言えば、危機感もないというのが状況ではなかったかと思います。

 受けとめるだけ、言葉だけ、表面だけで、具体的に取りかかろうとしませんでしたが、さすがに今度は、これだけの大震災を受けて、今のままではとても対応できないということで先ほどの作業に入っているかと思うんです。

 大臣、復興という概念といいますか規定、そういったものをしっかり、新たな、もう一度見直す災害の対策法制の中に入れるべきだと私は思いますけれども、大臣の所見をお尋ねします。

中川国務大臣 結論から言えば、私もそう思います。

 谷委員が、以前からそうした御指摘をいただいて、この委員会でもその議論があったということ、私、改めてその議事録を読ませていただきました。それこそ、さっきのお返しのようなものですが、先見性を持って議論をしていただいたということで、敬意を表したいというふうに思います。

 実は、今やっております防災対策推進検討会議でもこのことが指摘をされておりまして、災害対策基本法に復興段階の制度的な枠組みがなく、その都度決定されるので時間がかかってしまうという問題点の指摘があります。それを受けて、次の大災害に備えて、東日本大震災においてとった制度上及び運用上の特別対策の効果、是非を検証して、有効な対策については直ちに発動ができる方策を確立すべきだというような指摘もありますので、今、災害対策基本法の見直しの枠組みの中にそれを入れて、具体的に検討を始めております。

谷委員 ほかにも幾つかお尋ねします。

 今回の三・一一で市町村が大分やられました。役場がやられ、市役所がやられ、また、市の職員、役場の職員も、高いところでは三割以上の方が亡くなるという大変悲劇的なこともございました。ただ、現行の災害対策基本法は、そもそも市町村を基本にした法体系ということです。そうしたら、市町村が機能を全く喪失してしまったということは、そもそも、それこそ想定外だ、少なくとも法律上の想定外だということになろうかと思います。

 この点は、大臣、どういう方向で検討していると受けとめればよろしいんですか。

中川国務大臣 そこのところも非常に大事な観点だと思います。

 いずれにしても、基本法制だけではなくて全ての計画を、今回の大震災の経験を徹底的に検証してそれを生かしていくということでありますが、その中でも、先ほど御指摘のあった、市町村そのものが機能喪失をしてしまったということ、あるいはまた、県の機能でさえ十分に発揮がされなかった、そういう指摘については、それをどう克服していくかということについて新しい枠組みを考えていくということだと思っております。

 先ほど申し上げました検討委員会でも、改めてそこのところの議論もございまして、中間報告が出ているんですけれども、大規模災害時における都道府県や国の調整による地方公共団体間の支援の仕組みを強化していくということ、それから、都道府県が広域避難に関する指示、調整を行うことができる仕組みを具体的に確立するということ、それから、被災地の要請がなくても物資を送り込むプッシュ型の制度の構築をしていくということ、こんなことも含めて具体的に指摘がされておりまして、改めて制度化をしていくことが大切だというふうに思っております。

谷委員 ありがとうございます。

 今の市町村の機能の喪失の問題は、大臣、少し気になるのは、この災害対策法制の検討会議のメンバーに市町村の方は入っていないでしょう、我が兵庫県も入っていますし、泉田知事も入っておられますけれども。ここはまた、最終報告をまとめるまでに、実際に市町村の機能が喪失したところの意見もぜひ聞いてほしいと思います。

 なぜかといいますと、とかく中央では頭で考えて、市町村がだめなら県がやればいい、県がだめなら国がやればいい、こういう発想をする方もいます。ただ、現場では、県の職員が市町村に行っても役には立ちません。現場のことを何も知らないから。

 だから、実際に即した、それこそ災害対応というのは理屈ではなくて、現実にさまざまなことが指示ができて、物が動いて、住民の方々が安全に安心してとりあえず避難できるようなことをするのが第一ですので、ぜひ、これは要望でございますけれども、現場の意見、喪失した自治体の現実の意見をよく聞いて最終報告をまとめていただくよう御要望をしたいと思います。

 さて、災害対策法制の見直しで、長期避難者への対応です。

 これはなかなか本当に、今でも続いていますけれども、放射能の問題もあったにせよ、我が国の歴史上初めてだと思います。こんなに広範囲に、ほとんど全ての都道府県に分散して避難をしている。非常に広域的だということ、そして極めて長期ということが予想されます。

 仮設住宅は、建前は二年となっています。こういう委員会のやりとりでは建前で二年なんという答弁も時々ありますけれども、現実問題、被災地に一歩行ってみれば、そんなことは空理空論だというのは大臣もよく御存じかと思います。

 ですから、広い範囲の避難者への対応をどうするのか、また、非常に長期間にわたるであろう避難者をどう支援していくのか。それは、災害救助法の見直しにも当然入るかと思いますけれども、その点について、大臣、どうでしょうか。

中川国務大臣 御指摘のとおりでございまして、とりあえずの避難ということと、そこが長期化していく問題、それから、さっき御指摘のあった広域避難、それに対する調整、これをしっかりとやっていく必要があるということを私も認識しております。

 その上で、今、同じように、この検討委員会の中でもこれは取り上げられて議論をしているというふうに認識をしておりますけれども、安全でライフラインが機能している場所への二次避難、被災者ニーズに応じた避難所の運営、生活不活発病の抑制、それから災害時要援護者へのさらなる配慮、これが当面の避難所でのさばきだというふうに思うんですが、これを今後の対応の方向性として指摘されております。

 さらに、救難救助、それから生活再建支援、自立の各段階での支援内容が必ずしも明らかでないということ、そういう課題があるということですね。

 それから、被災者支援関係諸制度の体系化、早い段階からの働く場の確保、コミュニティーの維持、再生、さらに広域、長期避難への対応や被災者支援制度の充実という観点から、トータルで広域的なシステムをつくるということも前提にしながら、こうした具体的な問題点を克服していくということだと思っておりまして、今、その検討を進めてまいりたいと思います。

谷委員 いろいろ、この点についてもなかなか難しいところもあろうかと思いますけれども、一歩一歩、ぜひ前に向くように進めていただきたいと思います。

 大臣、これは事務的にお聞きしていますと、今後のスケジュールとして夏ぐらいに最終報告という予定ですけれども、最終報告を待って法制化ということなのか、それとも、順次法制化できるものからやっていきたいという考えなのか。その辺、今後のスケジュール、取り組み方針といいますか、確認させていただきたいと思います。

中川国務大臣 既に中間報告も出ましたので、その中で具体化できるものというのは順次、できるだけ早く法制化をしていきたいというふうに思っております。

 最終段階で、夏に最終報告ということでありますが、また、その最終報告を受けた上でさらに具体化をしていかなきゃいけない議論もありますので、ここ一年かけて、でき得るところから順次やっていくという考え方で進めていきたいと思っております。

谷委員 わかりました。しっかり案を見せていただいて、不十分であれば、より手厚い中身の法案にまたさせていただきたいと思います。

 時間がだんだん少なくなってまいりました。

 豪雪特措法の関係で、きょうは総務省の自治財政局の米田審議官にも来ていただいております。お尋ねしたいと思います。

 除雪とか排雪の経費は特別交付税で措置するということは、関係の皆さんみんな知っておられる。私は、ことしの豪雪で青森に行き、秋田に、何も好きこのんで行ったわけではないんですけれども、党の仕事で行きました。また、この衆議院の災害対策委員会の視察で、長野そして新潟にも行きました。

 いろいろ聞いてみると、ひっかかるところがあったんです。つまり、除雪とか排雪のランニングコスト、人件費も含めて、各自治体が総務省に、これだけ特別な財政需要がかかったということで要求する、そして、今の地方財政措置は、普通交付税にも一定部分入って、それで賄えない部分は三月の特別交付税で見る、こういうスキームですけれども、しかし、自治体の防災体制の現状は十年前とかなり変わっています。

 つまり、地元の建設業者の数も減っている、資機材も減っている、パワーも減っている。それで、自治体が除排雪をお願いしても、機器を貸してあげないと現実にはできない。一機数千万もする機器を抱えるだけの余裕がなくなっている。それで、青森でも秋田でも新潟でも長野でも、たしか半分程度はレンタルしていると言われていました。市町村はまだそこまでいっていない、お金がかかることですから。

 では、そうなると、そういった経費を地方財政措置でどう見ているか。私が調べた限りは、どうも見ていないんじゃないかと思いますけれども、審議官、どうでしょうか。

米田政府参考人 お答えいたします。

 今も御指摘のとおり、地方財政措置におきましては、除排雪経費、普通交付税と特別交付税の二段構えで措置することとなっております。

 今御指摘いただきました資機材の購入費につきましては、私どもは、現在、普通交付税の中で措置をしているというふうに見ております。

 普通交付税の中では、購入費をそのまま見るという方法ではなくて、その償却額を基本的には毎年毎年普通交付税の中で算定している。具体的に申し上げますと、資材の償却分につきましては、地方公共団体が自分で除排雪をするということを前提として、資機材のリース、チャーター料、燃料費等の形で、資機材を地方公共団体がみずから所有しているか業者が所有しているかにかかわらず、一律にその中で算定をしているという形で入っているというふうに観念しております。

 そういう意味で、現在、御指摘のとおり、特別交付税においては、除排雪に直接関係する経常経費のみを対象といたしまして、この資機材の購入費については対象としていないという実態がございます。申し上げますと、購入費を単年度で措置するということではなくて、資機材の耐用年数に分割をして措置しているということで御理解をいただいているというふうに理解しております。

谷委員 今答弁がありましたけれども、もう一つすっきりしません。

 現実に、それぞれの自治体ごとにそういうのが、しっかり交付税ということで手当てできているのかどうかというのを今後もよく検証していただきたいと思います。

 要は、それは中途半端な金額でないからです。一台数千万円もするんです。それをいっぱい、数十台、豪雪の県は買わざるを得ない。今までは業者が持っていただいていましたけれども。

 だから、そういうお金というのは、私が見るところ、特別交付税の要望の中にも入れていないし、普通交付税も、何か理論的には入っているかのようなことを言われますけれども、どうも十分だとは思えませんので、きょうはこれ以上申しませんけれども、総務省の方でしっかりと、その点についてまたじかに話をよくお聞きして、改善を目指して頑張っていただきたいと思います。

 時間が参りました。これで終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

村井委員長 次に、稲津久君。

稲津委員 おはようございます。公明党の稲津久でございます。

 通告に従いまして、以下、順次質問をさせていただきます。

 きょうは、豪雪特措法に関してさまざま、確認の意味も含めて、政府参考人の方々にも多数お越しをいただきまして、それぞれ順次質問をさせていただきたいと思っています。

 まず、先ほど大臣からも、ことしの冬の豪雪の被害状況についての御報告がありました。昨年の冬の期間も含めて、二年連続して大変な豪雪に見舞われたという状況でございます。特に、予算措置をしっかり各自治体でしていたんですけれども、新潟県や青森県初め全国の各自治体で、もう一月の末の時点で除排雪等の予算が底をついてしまって補正の予算を組まなければならない、こういう状況になりました。

 私の住んでおります北海道もことしの冬は大変な豪雪に見舞われまして、とりわけ、岩見沢市、三笠市というところにおきましては、観測史上最高の積雪を記録しました。交通網はほとんどストップしてしまうような状況でございまして、加えて、除排雪がほとんど追いつかないということで、自衛隊の出動、支援をいただいたところでございます。家屋の倒壊、それから、農業用のビニールハウスも数多く倒壊しまして、今後、これらの被害にどう対処していくのかということが非常に懸念されております。

 こうした中で、私ども公明党におきましても、現地の視察ですとか、それから、二月に関係団体からの要望をいただいて、去る二月八日の日には、政府に対して豪雪被害に関する緊急提言をさせていただきました。その後、プロジェクトチームもつくりまして、さまざま対応してきたところでございます。

 それから、この緊急提言を、結果として受ける形というのはちょっと言い方はあれかもしれませんけれども、先ほどの質疑の中にもありましたけれども、政府としては、特別交付税の繰り上げということで早速措置をしていただきまして、これは関係者の方々も大変ほっと安堵しているという状況でございまして、ありがたく思っております。

 もう一方で、きょうはこれが一つのテーマになりますけれども、自治体によっては、豪雪対策としての自治体独自のさまざまな取り組みをしているところが数多くあります。例えば、仙台市などは町内会などが除排雪の機械を購入する経費を補助している、あるいは、北海道の深川市では、町内会が民間業者に除排雪を委託する場合に、ではここにも一部補助をつけましょうとか、そういう取り組みを各地でしております。

 私は、こういう背景には何があるかというと、やはり、除排雪の対策には、かゆいところに手が届くような、そういった迅速でかつきめ細やかな対応がなければいけない、また、それぞれの自治体がその地域に合った除排雪対策の事業をしっかり丁寧にやっていくということがあるがゆえに、さまざまな独自の取り組みがあると思うんです。

 そこで、まず大臣にお伺いしますけれども、こうした自治体等のバックアップの仕組みをつくって、自治体等に対して国としてしっかり支援をしていくということが豪雪対策の一番根本にあることだと私は思うんですね。したがいまして、大臣にまず、この豪雪対策において、国の自治体支援の考え方についてお伺いしたいと思います。

中川国務大臣 私も現場に入りまして、それこそ地域のコミュニティー、自治会長さんだとか、あるいは民生委員さんを含めてお話を聞いたり、あるいは市長さんのお話を聞いたりしましたが、まさに御指摘のとおりで、それぞれの地域に応じた、本当にきめ細やかな支援体制と、もう一つは、自助で、そのコミュニティーがつくり上げているシステムというのを、うまく自治体と連携しながら対応していくというような体制をつくっていくということ、これが非常に大事な観点だというふうに理解をさせていただいています。

 それだけに、国の方が市町村に対してどういう形でそれを支援していったらいいかということになるわけですが、今は、それこそ使い勝手のいい資金ということになると、特別交付税で、特交で見ていくということがあるじゃないかということなんだろうと思うんですね。

 しかし、本当にそれだけでいいのかということをちょっといろいろ工夫して考える必要があるんじゃないか。その要因というのは、やはり、その地域自体が高齢化してきているということと、それから、社会構造が変わってきている、特に土木関係の事業所というのが縮んできているというようなこともあって、非常に組み立てが難しくなってきているだけに、さらなる国としての工夫も必要なのかなという思いを持っております。

 さらに検討しながら、何が対応できるかというのを考えていきたいというふうに思います。

稲津委員 ありがとうございました。

 大臣から今、特に自助、共助の話から触れていただいたんですけれども、私は、共助という考え方は非常に大事だと思っているんですね。先ほども、町内会の除雪機の購入に対する自治体の補助の話がありました。こういう、町内会で独自に丁寧に共助という形で除排雪をやっていく。それから、これはもう御案内かと思いますけれども、営利を目的としない団体、いわゆるNPO法人ですとかボランティアの団体等による除排雪の協力を受けている自治体もあるというふうに承知をしております。

 私は、今後、こうした団体が除排雪の担い手として御活躍をいただくということは大変重要であって、かつ、これからそういうことをしっかり推進していくことがむしろ必要だろう、こう考えております。今後、NPOまたボランティア団体等による除排雪に係る、さまざま当然これは費用がかかりますので、これに対する市町村の補助、これは交付税云々という話になるのかもしれませんけれども、国として、財政上の措置、支援を私はすべきと思うんですけれども、これがどうかということについて確認させていただきたいと思います。

中川国務大臣 NPOに対する事業の委託といいますか、そういう形というのは、除排雪に限らずさまざまな分野で今広がりつつある、あるいは、それを活用して、私たちの言う新しい公共の分野というのを担っていただくということ、これが大切なことだというふうに思います。

 そういう観点から、除排雪をうまく組み込んでいってシステムをつくるという、そんな工夫も、御指摘のようにあるんだと思いまして、しっかり考えていきたいというふうに思っております。

稲津委員 先般、積寒協、全国積雪寒冷地帯振興協議会の会長の泉田新潟県知事から、ことしの豪雪の状況の説明と、それから要望をいただきました。その中で、私が非常に印象深く思っていたのは、新潟県が独自に行っている雪処理担い手確保スキームというのがありまして、この中に、雪処理の担い手として、ボランティア団体、これをスコップ隊ということで、御案内かもしれませんけれども、十年前から募集をしていまして、現在約千名の方がノミネートしていただいている。中には埼玉県から来る方もいらっしゃって、県外からの参加者も数多くいるようです。このスコップ隊の皆さんは全員手弁当で、もちろん交通費もそうですし、宿泊費とか、全部手弁当でやっていただいていると、知事も大変な感謝をしておりました。

 しかし、もう一方で、県としてもこういった方々への何らかの支援をしなきゃいけないなということも言っておりまして、私、今、大臣からの答弁をいただきましたけれども、ぜひそういったことについて今後御検討いただきたいと思っております。

 さて、社会資本整備総合交付金について、これは確認でお伺いしたいと思うんですけれども、この社会資本整備総合交付金は除排雪等々に場面によっては非常に使えるというふうに認識していますけれども、平成二十二年度は四兆四千九百億円。二十三年度、対前年度比八〇%で三兆五千八百億円。さらに、二十四年度は八三%の二兆九千五百億円ですね。

 私は、こういう状況であれば、これは非常にゆゆしき問題だと思うんですけれども、この減額している理由について御説明いただきたいと思います。

本田政府参考人 お答えを申し上げます。

 御指摘のとおり、社会資本整備総合交付金自体は、二年にわたって対前年約八割という形で推移しておりますが、その事情といたしましては、まず第一、厳しい財政事情のもと、公共事業予算が削減されておること、もう一点は、この財源を活用させていただきながら、年度間、地域間の変動あるいは偏在が小さい事業につきましては地域自主戦略交付金へ移行させていただいたためにこういった形で減額になっております。

 ちなみに、平成二十四年度予算として計上させていただいておる分につきましては、全国防災枠を活用させていただき、かつ、今申し上げました地域自主戦略交付金に移行した分を含めますと、大体平成二十三年度並みの予算を確保させていただいておる、こういった状況でございます。

稲津委員 地域自主戦略交付金、それから防災の枠というお話がありました。

 そういう意味はわかるんですけれども、しかし、この除雪、排雪、豪雪対策の根幹をなすような予算を切り込んでいくというのは、私はどうしても納得いかないですね。

 地域自主戦略交付金の中には、後ほどまたちょっと触れますけれども、空き家対策についての予算も入っておりまして、私は、これは少し自分の主張をさせていただきますけれども、やはりこの総合交付金についてはしっかり予算を維持していくということが大前提である、こう思っておりますので、そのことは主張させていただきます。

 さて、今度は空き家対策について伺っていきたいと思うんです。

 ことしの冬の豪雪で家屋の倒壊が相次いでいるということで、私の地元の北海道の空知地域というのがありますが、ここでは、この冬、三月十四日の末時点で、住宅や公共施設など八十一棟が倒壊しました。これは、人口が三十万ちょっとぐらいの地域ですから、しかも、この八十一棟の倒壊というのは、先ほど紹介させていただきました岩見沢市とか三笠市、こういったところに集中していますので、大変甚大な被害でございます。

 その中には、持ち主のいない、あるいはまた不明な空き家も少なくない状況でして、先般、私は、この岩見沢市の商店街で、雪の重みで倒壊した、持ち主が不明な空き店舗を視察させていただきましたけれども、市の職員の方から、解体撤去にかかる費用が約百五十万ほどかかる、これも市の持ち出しになってしまうと説明がありました。

 総務省の調査によりますと、平成二十年度の全国の空き家の戸数というのは七百五十七万戸、十年間で百八十一万戸ふえている。そのうち、居住世帯が長期にわたって不在な住宅、それから建てかえのために取り壊す予定になっている住宅、こういったものが二百六十八万戸ある。十年間で何と八十五万戸も増加している。これらの空き家の中には、持ち主がいないとか、また不明な空き家というのも多く存在する状況で、私は、この空き家対策というのは非常に重要な問題になっていると思っています。

 そこで、これらの空き家の除排雪や危険な状況をなくすことが必要なことであるから、空き家の除排雪や撤去規定を盛り込んだ自治体の条例、これを今、全国各地で制定する動きが始まってまいりました。

 そこで伺いますけれども、豪雪による空き家の危険性をどう認識されているのか。また、空き家対策への自治体支援などをどう考えているのか。この点についてお伺いしたいと思います。

後藤副大臣 先生御指摘のとおり、全国で、豪雪地帯のみならず、空き家対策というのは、国土政策上も大きな課題だというふうに思っています。特に、先生御指摘のとおり、豪雪地帯における空き家、先ほど来御議論があるように、やはり所有者がいない、そして、所有者がいてもなかなかいろいろな形ですぐ市町村の要望に応じてくれないと。

 いろいろな課題がある中で、雪が降ってからの対策としては、先生も御案内のとおり、災害救助法で空き家の除雪というのが、国と都道府県の負担で除雪が対応できるという仕組みと、先ほどもお話があったように、通常時の空き家の撤去というのは、社会資本整備総合交付金を活用して、自治体の取り組みをサポートする仕組みがございます。

 いずれにしても、先ほど来の、自助、共助、公助という形で、どの方がというよりも、まずはもちろん所有者の方がみずからの意思で危険なものはできるだけ撤去をしていただく、そして所有者の方が、自分の家であればみずから除雪をしてもらうということは、まず一義的であると思いますが、やはりそれでできないような高齢化、過疎化というのが、特に豪雪地帯では進んでいるというふうな認識のもと、何がこれから国として支援できるかということは、関係省庁と連携をしながら検証、そしてこれからのあり方を、昨年の十二月にも、大雪に対する防災力向上方策検討会提言中間とりまとめというものもございますので、そういうものも参考にしながら鋭意検討してまいりたいというふうに思っています。

稲津委員 撤去等の費用負担についてもさらにお伺いしようと思ったんですけれども、今一部御答弁がありましたので、そこは質問いたしません。

 その上で、この空き家のことについて再度お話を申し上げたいと思うんですけれども、空き家に対しての雪の被害をどうするかという、除排雪等の問題がありますね。

 それともう一つは、今御答弁ありましたように、空き家で存在していること自体が非常に危険なので撤去しようと。そこは社会資本整備総合交付金の中の空き家再生等推進事業で対応していくという話なんですけれども、この空き家再生等推進事業については、対象となっているところが、産炭地域、かつて炭鉱のあった地域ですね、それからもう一つは過疎地域というふうに、一応限定されているんですね。

 実際に、空き家の状況はどうなっているかというと、先ほど私が申し上げましたように、北海道の岩見沢市という、人口十万もある町の繁華街の中に空き家が幾つも存在していて、ですから、そう考えていくと、この空き家再生等推進事業というのは少し使い勝手が悪くなっているのかなという気もいたします。

 きょうは、その見直し等についてもここで要望だけさせていただきますけれども、そういったことで今後の対策をぜひ講じていただきたいということを申し上げたいと思います。

 次は、これは一点だけ確認ですけれども、雪をどのようにしてエネルギー資源として活用するかということなんですが、これは再生可能エネルギー等のテーマもあって大変関心が高まっていると思います。実際に、幾つかの事業に先進的に取り組んでいる、そういう地域もあると承知していますけれども、雪冷熱エネルギーの活用促進の取り組みの状況について、確認の意味でお伺いしたいと思います。

新原政府参考人 経済産業省としましても、御指摘の雪冷熱エネルギーでございますけれども、エネルギーの地産地消、未利用エネルギーの有効活用といった観点から重要であると認識をしております。

 このために、平成十四年に新エネルギー法施行令というものの改正を行いまして、雪冷熱エネルギーを新エネルギーとして明確に位置づけを行いました。そして同年から、雪冷熱エネルギーを利用した設備の導入補助を実施してきております。これまでに二十二件の施設に対して補助を行ってきておりまして、このような活動によって認知度が高まりまして、私どもの調査によれば、今全国で百四十の施設に雪冷熱エネルギーが導入されているところでございます。この百四十の全事例について、後の方の参考にしていただくべく、雪冷熱エネルギー活用事例集というものを作成して普及活動に当たっております。

 今後も、設備導入補助や先進事例の紹介を通じまして、雪冷熱エネルギーのさらなる利用拡大に努めてまいりたいと考えております。

稲津委員 ありがとうございました。

 既に各地で、雪室ですとかそういう簡単なものから、さらに、野菜とか農産物を雪の冷熱エネルギーで長期保管するとか、取り組みがあります。ぜひ予算も、微増みたいな状況だと思うんですけれども、拡充も含めて検討していただいて、この取り組みを進めていただきたいと思います。

 次は、これも確認ですけれども、自衛隊の災害派遣のことです。

 ことしの冬の豪雪、道、県の要請によって自衛隊の災害派遣が幾つかありました。全国で三市一町、合計四回ということを伺っております。大雪により道路の除排雪が追いつかなくなって、市民生活に大きな影響が出た。自治体の住民からは、自衛隊の出動に大変安堵、喜びの声をいただいたところでございます。

 今回の自衛隊の出動は、青森県横浜町の立ち往生している車の運転手等に対する安否の確認、それから北海道の道路の除排雪等の支援でございました。

 そこで、確認ですけれども、このような自衛隊の出動については、都道府県からの要請によって、所管の自衛隊の部隊が緊急性などを考慮して出動する、こういうふうに承知しております。

 道路等の除排雪をしていただいて、先ほど申し上げましたように、住民の方々は大変喜ばれたんですけれども、もう一方では、例えば、危険な家屋の雪の撤去ですとか、屋根の雪おろしとか、こういうこともあわせて、一部のところでも結構だからやっていただければな、こういう声もありました。

 聞くところによると、道路の除排雪等が基本で、そういう屋根等の雪おろしというのは具体的にはされていないんだ、こんな話も聞きますけれども、自衛隊の出動による、家屋の屋根の雪おろし等の出動はあり得るのかどうかということについて、確認です。よろしくお願いします。

松本政府参考人 お答え申し上げます。

 自衛隊の災害派遣は、今先生から御指摘がありましたように、都道府県知事等からの要請に基づきまして、事態やむを得ない場合に、緊急性、非代替性、公共性という三つの要件を総合的に勘案して実施しております。

 御指摘の屋根の雪おろしにつきましては、今申し上げました三つの要件のもと、実はこれまでも、孤立した高齢者等の個人住宅の屋根からの雪おろしなどをやってまいりました。また、そのほかにも、先ほど先生から御指摘もありましたけれども、立ち往生した自家用車の救助もやっております。そういった意味で、可能な限りきめ細かな雪害に係る対応を実施してきております。

 今後とも、私ども、降雪の状況でありますとかあるいは地元の要請に対して、より的確に対応できるよう努力してまいりたいと考えております。

稲津委員 ありがとうございました。

 時間が大分迫ってまいりましたので、次に移ります。

 次は、地方自治体が国道、県道、市町村道の一体的な除排雪を担うことの制度、それから財政的な措置、これがどうなっているのかということについてお伺いしたいと思います。

 一般的に、道路の除排雪というのは、国道は国、県道は県、そして市町村道は市町村、こういうわけでございますけれども、一部の地域では、効率化を図る観点から、地方自治体が県道、市町村道の一体的な除排雪を担って実施をしている、こういう事例があります。

 私の地元、北海道の奈井江町と浦臼町というところですけれども、ここでは、北海道から市町村への権限移譲に向けたモデルケースとして、北海道の道道の維持、除排雪の業務委託を受ける形で実施をしております。

 こうした事業が進められることの必要性を私は考えるんですけれども、このことに関しての所見というか、財政的な措置も含めてお伺いしたいと思うんです。

 私は、今後はできる限り、こういったところは可能性があれば進めていくことが、効率化、あるいは地域住民に直接サービスを具体的に提供できるという意味では有効かなと思うんですけれども、この点についての確認をさせていただきたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 今先生から御指摘ありましたように、北海道におきまして、これは平成十九年からのようでございますけれども、一部、道道の除雪業務を奈井江町などに委託をして、町道と一体となった除雪作業、夏場の維持作業もやっているようでございますが、こういったことを試行的に実施しているというふうに聞いております。

 こういった委託の場合でございますけれども、例えば除雪の場合、道と町で除雪の出動基準が違うとか、そういったところの調整とか、あるいは管理者間の協議等ありますけれども、町道と道道の除雪を一体的に行うことで、作業効率の向上とか、あるいは地域に密着した迅速な対応が可能となる、こういった業務の効率化やサービス向上といった効果があるというふうに聞いております。

 地域の道路につきましては、自治体間で調整を図りまして、協力して効率的な除雪作業が行われる場合にこういった取り組みというものを推進すべきであるというふうに考えております。

稲津委員 ありがとうございました。

 地域の住民の方にとってみると、国道であろうが県道であろうが市町村道であろうが、道路には変わりなくて、よくあることなんですけれども、市町村道の除排雪は早いのに県道が遅いとか、そういう話がよくあって、私は、こういった取り組みというのは、今後やはり十分検討して、必要であればこれを後押しするような、そういう取り組みをぜひお願いさせていただきたいと思います。

 最後の質問になりますけれども、克雪住宅の整備についてということでお伺いしたいと思います。

 豪雪地帯は、まさに冬になると雪との闘いになっていきますね。特に、今、高齢化が進んでいる時代ですから、ひとり暮らしのお年寄りとか、高齢者の夫婦のみの世帯というのもどんどんふえてまいりました。こうしたことから、雪国に合った克雪住宅をしっかり整備していこうということがございまして、私は、一層の整備が必要だろうというふうに思っています。

 そこで伺いますけれども、克雪住宅整備に関する税制上の優遇措置、それから補助金制度の現状と今後の考え方を最後にお伺いいたしまして、質問とさせていただきます。

渡延政府参考人 お答えいたします。

 ただいま御指摘がありましたとおり、雪おろしの負担、それからそれに伴う危険の軽減を図る観点から、住宅の克雪化に取り組むことが大変重要だと考えております。

 このために、地域にお住まいの方々が、雪を落とす、あるいは雪の重みに耐える、さらには雪を解かすといったさまざまな形式の克雪住宅を整備しようとされる際に、地方公共団体におきましては、雪害に強い公営住宅の整備等とあわせまして、そうした住民の皆さんの取り組みに、社会資本整備総合交付金等により国は支援を行っておるところでございます。

 また、これに加えまして、特別豪雪地帯等において積雪対策のために建築される高床式の住宅につきましては、固定資産税及び不動産取得税の軽減措置を講じているところでございます。

 こうした制度、補助あるいは税制につきまして、周知に努め、各自治体における取り組みと相まちまして利活用がなされますように、引き続き取り組んでまいりたいと考えております。

稲津委員 終わります。ありがとうございました。

村井委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 最初に、昨日の質問の続きを一問だけさせていただきます。申しわけありません。

 大震災では、原発事故からの避難者も多く、各地の旅館、ホテルなどが避難所として協力をいただきました。ところが、中越地震のときは一日五千円だった、この参考価格が発表されまして、それが事実上の基準になってしまったわけです。

 そこで、五千円というのは消費税も込みの値段であります。それで三食提供するわけですから、旅館側では、かなり採算をとるのは厳しいということで、例えば、避難されてきた御夫婦が同室を要望されても、当然それはできないということになって、女性は女性、男性は男性、そして、しかもなるべく相部屋でたくさんの方を入れるということになるわけですね。そうすると、フロアで、体育館式の避難所というのも大変苦痛でありますけれども、ある程度閉鎖された空間でありながら幾つもの世帯がずっと共同生活するという、これもまたなかなかきつい、しかも夫婦は別々である、こういう状態が起こっていたということがありました。

 そこで、一日五千円という、これは別に決まりでもないし、地域特性も考慮してこれを上回っても構わないということを確認したいんです。それから、やはり消費税は自腹にさせるというのはおかしい、外出しにすべきではないでしょうか。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 ホテルや旅館を避難所として活用し、被災者を受け入れた場合には、その費用は災害救助法による国庫負担の対象としているところでございます。この取り扱いにつきましては、被災地でない都道府県を含め、全都道府県に対し周知し、積極的な被災者の受け入れを要請してきたところでございます。

 その際、私どもで発出いたしました課長通知におきましては、「民間の旅館、ホテル等を借り上げることにより避難所として活用することも可能であるので、積極的に検討されたい。なお、この場合、地域の実情に応じて避難所の設置のため相当な経費は国庫負担の対象となるので留意されたい。」としておりまして、その際、あわせて参考として、新潟中越地震の際に、一日当たり日額五千円としたことをお示ししております。この価格は参考としてお示ししておりまして、実際の費用につきましては、地域における実情、被災者の家族構成などによりさまざまであると想定されますので、各都道府県において、これらを勘案して定めることができるものでございます。

 なお、消費税の取り扱いにつきましては、私ども、一般的に災害救助の基準としてお示ししている額については、基本的には消費税込みの価格でございますので、そこで消費税を内、外ということで混乱が生じないよう、消費税込みの価格で考えるのがよろしいのではないかというふうに考えております。

高橋(千)委員 ここは指摘しておきます。込みだとするのであれば、それを含んだものでやっていかなければならないわけです。災害というのは本当に自治体の事務量が膨大になりますから、やはり基準らしきものに頼って仕事をせざるを得ないんですね。特に厚労省が参考としたものが、結局、観光庁が五千円であると断定的な通知を出したということでこれがコンクリートされてしまったという経過がございました。

 鳴子温泉がある大崎市などは、消費税分を自治体として補助しておりました。こういうこともありますので、ぜひ、これは基準ではないのだ、当然認めていいのだということで、今後につながることですので、しっかりと徹底、また柔軟に対応していただきたいということを要望したいと思います。

 次に、大雪被害のことなんですけれども、果樹やハウスなどの農業被害が深刻であります。先月の二十六日には、鹿野農水大臣も、青森県内三市のリンゴ園地やハウスなどの視察をしていただきました。七日の青森県の発表で、ハウスだけでも三百四十二棟、約一億一千万ということで、記録が残っている一九八九年以降、最悪の被害と言われております。ただ、リンゴについては、まだ深い雪の中で、被害状況は詳細にわかっておりません。

 それで、急がれるのは、まずリンゴのふもとまでたどり着くことですよね。そして、解かしてなるべく下枝を出していくということが求められています。県でもそのように指導して、市町村でも融雪剤への独自補助などを始めています。

 このような取り組み、つまり、農道の除雪や融雪剤の散布などに対しても国として支援が必要だと思いますが、いかがでしょうか。

森本大臣政務官 高橋委員にお答えをいたします。

 確かに、大変御心配をいただいておりまして、ありがとうございます。

 私どもも、しっかりこの調査をしなければならないんですが、とにかく雪解けを待たなければ本当の原因がわからないというようなことで、そのように認識をさせていただいております。

 ハウスもかなり傷んでおりますし、リンゴなんかは幹割れなんかもあるわけでございますので、ここのところは、総務省が交付税算入もしていただくということの中で、私たちは、融雪剤、そうした対応をしっかりやっていくということで、県、市町村にお願いをしておるところでございます。

 そしてまた、雪崩防止施設や農道の路面等に水を流す消雪パイプ等については交付金の方で対応していただくということになっておりますので、そうした事業も、予算も紹介しながら、今頑張っておるところでございますので、よろしくお願い申し上げます。

高橋(千)委員 言ってみれば、総務省にお願いをする、一言で言うとそういうことになるのかなと思うんですけれども、それもありがたいことなんですが、やはり、そこの間に入って、自治体が取り組んでいる、頑張っていることを農水省もしっかりと応援していく、その上で、お願いをしていただいて、しっかりと特別交付税なりで担保していただきたいということをお願いしたいと思います。

 その先の話を、もう一つなんですけれども、当然、枝折れが激しい場合、改植などという形で次の復旧、再生を図っていかなければなりません。ただ、そうしますと、いわゆる収入のない期間があるということで、昨年スタートしました果樹、茶の未収益期間に着目した経営緊急対策が今回の災害でも活用できるのではないか、これが期待をされているわけです。

 そのことをまず一点確認したいのと、その上で、とはいっても、改植といえば、園地の被害は均一ではないために、全部やられたというわけではないのだ、では、それは難しいのかな、対象にならないのかなという不安もございます。面積要件を緩和するなどして、この災害で対応できるように柔軟にやっていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

森本大臣政務官 このことについては、高橋委員のほかに、皆さん方、非常に御尽力いただいて、御心配いただいておるところでございますので。

 五アールという設定が実はあります。これは、普通ですと十アールというような設定で我々としては臨んでおったんですが、ここは五アールと、少しでも狭くしながら、細かく対応していきたいというふうに私どもも考えております。

 このことについては、皆さん方の御尽力で、私どもの農林水産省の職員もそのことをしっかり現地で聞き取りさせていただいて、私の方からも、そうしたきめ細かな災害対応、そして、これからの育成についてやるようにと指示を出しておりますので、細かい点については、また御質問がございましたらお答えさせていただきます。

 金額はよろしいですね、おわかりでございますから。言いますか。(高橋(千)委員「どうぞ」と呼ぶ)そうですか。

 今、改植を言われました。これは、三十二万、これが十アール当たりですから、一反当たりこれだけの補助をして、下限が二アールということでございますので、計算していただいたらわかると思います。先ほど言われた未収益が五アール、ここが少し問題があるんだということなんですけれども、これは四年間五万円ということでございますので、かなり厚く我々は手当てをさせていただいたというふうに認識をいたしております。

高橋(千)委員 やはりリンゴというのは、リンゴに限らず果樹、この間ずっと、大雪被害だけではなく、台風、風雪、霜ですとか、さまざまな被害が繰り返し、毎年のようにありました。そういう中で、やはり地元の生産者や行政と要望を重ねてくる中で、価格安定制度ですとか、さまざまな制度が発展していって、そういう中で今、未収益期間の対応が昨年からスタートしたと。これは本当に歓迎したいし、地元でも使われているわけです。

 それで、今回の災害でもぜひうまく活用されて、生産や意欲がつながっていくように期待をしていますので、あとは細かい相談に乗って、きちんと対応できるように農水省の対応をお願いしたいということで……(森本大臣政務官「委員長」と呼ぶ)いや、ちょっと済みません、時間の関係がありますので。

森本大臣政務官 それでは短く。

 一軒の家で五アールという設定をいたしますので、一カ所で五アールという厳しい対応はとりませんので、その点は御理解いただきたいと思います。

高橋(千)委員 ありがとうございました。しっかりお願いしたいと思います。

 次に、除排雪の費用の問題を質問したいと思います。

 二月十六日の予算委員会で、私は、社会資本整備総合交付金で除雪補助の対象となる雪寒法の指定路線について、実態に合わないのではないかということを指摘いたしました。青森県市町村雪寒指定路線の延長は、除雪している道路の二六・四%にすぎません。昨日の本委員会でも、自民党の木村太郎委員が、指定の見直しの目途について質問をしました。

 そういう経過があったわけですけれども、そのときの答弁がはっきりしなかったということで、本日、理事会の場に、これは雪寒法に基づく五カ年計画の次の年度が平成二十五年度なので、そこまでに見直しをするのだという答弁書が提出をされたところです。それは、法律がそうなっているからわかっていることなんです。問題はそういうことではないんですね。

 地元の要望は、結局、その雪寒法の指定路線に基づいてお金が来るものですから、実態に合わないのじゃないか、それから生活道路が全然見込まれていないんじゃないかと。それに対して、二月二十七日の参議院の災害対策委員会で津島政務官が、きょうおいでになっていますけれども、見直すと言ったこと、その中身ですね、それは我々の期待に応えるものだと思っていたから、木村委員も昨日質問されたんだと思う。

 それは、結局中身は、通常の法改正の延長線上なのかなというのが今の受けとめなんです。津島政務官の真意を伺いたいと思います。

津島大臣政務官 高橋先生にお答えを申し上げたいと思います。

 まず、二月五日、政府派遣で私も青森を訪ねさせていただきました。先生もおいでになるかと思ってお待ちをしておりましたが、いらっしゃらなかったことは本当に残念だと思っております。

 そこで、今先生御指摘の雪寒法の見直しのことでありますけれども、近年、ことし、そして昨年は非常に大雪だったのも事実でありますが、その前は暖冬だったということもございました。その中で、雪国、特に豪雪地帯は非常に苦しんでいるというのも実情であります。これも私も十分承知をしております。

 そこで、この雪寒法の見直しでありますけれども、関係者の意見を幅広くお伺いしながら改正をしていくということでありますが、まさしく、今先生の御心配の向きは十分に理解をしておりますので、その点も十分に考慮しながら頑張っていきたい、こう思っておりますので、よろしくお願いいたします。

高橋(千)委員 今ちょっとお話にあったように、暖冬だからとか、そういうことを言っちゃうと、逆に指定路線が縮小される、そのことを指摘しなければならないんです。ですから、考え方をやはり変えなくちゃいけないんだということを言わなければならないと思うんです。

 ですから、指定路線に縛られて社会資本整備総合交付金が入っている、ここに自治体の悩みがあるわけですので、私は、思い切ってこの交付金と除雪費用は分ける、もとに戻す、これが必要だと思いますが、いかがでしょうか。

津島大臣政務官 除雪費の社会資本整備総合交付金でありますけれども、これは非常に幅広く使える、使い勝手がある、こういう制度でございますので、私は、そういった意味で、先生の御心配、御懸念には当たらないと思っておりますので、この辺も踏まえて、私どもの国土交通省もしっかりと対応してまいりますので、よろしくお願いいたします。

高橋(千)委員 これで終わりますが、幅広く使えるけれども枠は狭まっている、これではだめなんだということを指摘して、終わりたいと思います。

村井委員長 次に、重野安正君。

重野委員 社会民主党の重野安正でございます。

 昨日、通告をしていながら質問が残ったのがありますから、まず、それから入ります。

 自治体のマンパワー不足の問題についてですが、防災基本計画では、防災をめぐる社会構造の変化として、人口減少が進む中山間地域あるいは漁村等では、行政職員の不足云々が取り上げられています。

 私は、この指摘は的を得たものだと思っています。平成の大合併で基礎的自治体の数は大幅に減少いたします。それにあわせて、職員数も大幅な減少が続いている。九四年と二〇一〇年を比較いたしますと、総数で四十六万人強、一四%減、一般行政職では二十三万人、二〇%の減少となっている。さらに、二〇一二年度の地方財政計画では一万一千人の人員削減が盛り込まれている。

 今、被災地の役所では、復旧復興のために膨大な仕事が押し寄せている。例えばの話でありますが、気仙沼市の話でありますが、道路の復旧、災害復旧だけでも通常の年の百倍程度に上がっているということであります。こうした業務によって職員は疲労こんぱいの状態で、休職者も後を絶たず、増加の一途と聞いています。

 もちろん全国の自治体からの応援もありますが、しかし、それでは賄えていない、圧倒的に不足をしている。それが結果として復旧復興のおくれということになるわけであります。あるいは、組んだ予算の執行もとてもできないというようなこと。応援部隊を派遣する自治体自身が人手が足りないというような状態。

 防災基本計画では、行政職員の不足への対応として、防災ボランティア活動への支援などが挙げられていることは承知をしております。しかし、これだけで、現在、東北三県で発生している人手不足に質、量ともに対応できるはずもありません。

 そこで、大臣に伺いますけれども、防災、減災の観点から、現在の自治体のマンパワーの問題についてどのように受けとめておられるか、お聞かせください。

中川国務大臣 御指摘のように、被災地の自治体の職員が足りない、そんな中でいろいろな作業がおくれてきておるということも痛感をしておりまして、まずそれに対する対応をしていかなければならないというのが我々の思いであります。

 まずは、今のところできるとすれば、全国のネットワークの中で、被災自治体への職員派遣を促していくということだと思っておりまして、現在のところ、全国市長会それから町村会の協力による派遣スキーム、これで三百四十人、それから、国土交通省のあっせんにより、町づくり関係の職員で百六十人の派遣の申し出があります。

 防災基本計画の昨年の十二月の修正におきまして、災害の発生時には、その規模等に応じて、国、地方公共団体が連携して広域的な応援体制を迅速に構築するものとする、その場合に、被災市町村は、必要な場合、関係指定地方行政機関または関係指定公共機関に対し、職員の派遣を要請する。そのときの費用ですが、これを特別交付税によって全額措置するということを整理いたしました。

 また、任期つきの職員あるいは再任用職員の採用等々、さまざまな努力をしてもらいながら、復旧復興を進めるために必要な体制が確保されるようにしていきたいと思います。派遣する方も、必ずしも現職ということでなくて、OBとか任期つきの職員とか、弾力的に派遣ができるような体制というのも必要なのかなと思っておりまして、そういうことも含めて総合的に対応していくということで頑張っていきたいと思います。

重野委員 平成の大合併が進んで、十の町村が合併して一つになるとか、そういう事態が全国的に進んでいる。通常でも生活インフラのメンテナンスが滞っている、そういう現実が全国至るところにある。それに加えて、今回のような大きな災害が発生すると、もはや対応できない。だから、私は、この間進めてきた合併、そしてそれに伴う職員の減、そういう点について、もう一度立ちどまって政府は考える、そういうときが来ている、今回の災害はそのことを言っているんじゃないか、そのように考えますし、そこら辺について、大臣として大いに発信をしていただきたい、このように思います。

 次に進みます。交付金の決定率などについてですが、国土交通省に伺います。

 今回の豪雪被害に遭った各自治体から多くの要望書が出されております。その中で、新潟県から、国からの交付金の確保についての要望が出されている。道路の除排雪について、社会資本整備総合交付金の対象となっていますが、その決定率が至って低いという指摘が出されている。新潟県の資料によりますと、二〇〇五年度から二〇一〇年度で、補助対象事業費のうち、交付決定事業費は平均で六一%にすぎないということであります。しかも、年度によっては三三%、あるいは九二%、物すごく波がある。

 例えば、二〇〇五年度の道路除排雪の経費は、総額で百六億円、補助対象となる事業費が八十五億円で、そのうち、交付が決定されたのは七一%の六十億円というふうな話なんですね。ところが、二〇一〇年度は、総経費百三億円、補助対象八十四億円で、二〇〇五年度とほとんど同じであるにもかかわらず、実際の交付決定事業はわずか三三%、額にして二十八億円、こういうことなんですね。だから、倍以上の差が出ている。これは一体どういうことなんだろう。

 そこで、使い勝手がよいという鳴り物入りで導入された社会資本整備総合交付金がこのように現場のニーズとマッチしていない、こういう現実があるという点をどのように受けとめ、それはどのように是正されていくのか、そこら辺についてお聞かせいただきたい。

本田政府参考人 お答えを申し上げます。

 社会資本整備総合交付金自体は、地域における社会資本整備に当たって、各地域の実情に応じた柔軟な運用をするという趣旨で導入させていただいた交付金でございますが、まず第一、厳しい財政事情のもとで公共事業予算が削減される、そういった中で、総額についてはやはり限度がどうしてもあるという点が一つございます。

 それからもう一点、今先生から御指摘の除雪費という特性から考えますと、私ども、一応年度当初に一定金額を保留して、その年の降雪の状況に応じて柔軟に配分はいたしておりますけれども、まず、年によって全国的に降雪の状況に大きな変動がありますことと、地域別に見ても、その年々で随分変化がございます。

 したがって、どうしても結果的には年度ごとの配分に、かつ、県別で見ますと変動が出てしまう、そういう点は否めないと思いますが、ただ、除雪はやはりしっかりやってまいる必要がありますので、この制度を含めて、さらに適切な支援、そういったものをその年々でしっかり考えてまいりたいと思います。

重野委員 除雪という問題は、本当に交通の遮断につながる大きな問題ですね。そこら辺もひとつ弾力的に、あるいは優先的に対処していく、そういう基本的な考えで頑張っていただきたい、そのことを要請して、終わります。

村井委員長 次に、柿澤未途君。

柿澤委員 みんなの党の柿澤未途でございます。

 私も、二月十三日、本委員会の視察で、新潟県の十日町市、長野県の栄村の大雪被害の状況を視察に行かせていただきました。栄村は、かつて私もNHKの長野放送局の記者時代に、やはり三メートル超の積雪があって、取材に入ったことがありましたので、それ以来目の当たりにするこうした積雪の状況でありました。

 今もお話がありましたが、新潟県の泉田知事からお話を聞いたんですけれども、平成二十二年度の新潟県における除雪関係費の社会資本整備総合交付金の交付決定率が三三%という異例の低さだった、百三億円に対して八十億円県で負担しなきゃいけなかった、こういうことだったというふうにお聞きをしました。

 今御答弁もあったんですけれども、平成二十二年は、ふだん余り雪が降らない地域、鳥取県とか島根県で大雪が降って、そういうところにも薄く広く配分をする、薄まきで全国で配分をしたので、大幅にかかった新潟県の交付率が下がってしまった、こういう説明でありました。だとすると、今年度はどうなるのか、こういうことを危惧するわけであります。

 新潟県は、当初予算で積んだ除雪費をもう既に二月上旬の時点で全部使い切っちゃった、こういう状況なんだそうであります。この冬の豪雪被害も、豪雪被害が広範囲にわたっていることから、震災の影響もありますし、この交付金の交付決定率が前年同様の低さになる、こういう懸念があると思いますけれども、どのような見通しであるか、お伺いをしたいと思います。

菊川政府参考人 お答え申し上げます。

 ことしは全国的に平年を上回る大雪でございます。御承知のとおりでございます。

 道府県に対しましては、二月十日に、総合交付金の追加配分、除雪向けでございます、百一億円を追加配分いたしました。この際、今御指摘のありました新潟県にも十七億円という額を配分しております。

 さらに、その後も雪が相当降っておりまして、道府県から道路除雪費に関してさらなる追加的な支援といった要望もいただいております。

 国土交通省といたしましては、道府県からいただいています要望、大変財政負担も増しているということでございます、二月十日以降の降雪状況を勘案いたしまして、さらなる支援、さらなる追加措置について今検討しているところであります。

柿澤委員 この点については、各党各会派からかなり強い要望がこの委員会でも行われておりますので、それを留意していただきたいと思います。

 それで、雪庇処理の費用が社会資本整備総合交付金の交付対象になっていないということをたびたび苦情として聞きました。

 子供の通学路となっている道路の上に雪庇ができて大きくなっている、今にも崩れてなだれてきそうだ、だから地元の人を臨時雇用して雪庇落としをやっているけれども、しかしこれは道路除排雪の経費として国には見てもらえない、何でなんだ、それで県の独自負担がふえて、これが交付決定率の低さにもつながっているのではないか、こういう話がありました。

 なぜこの雪庇落としの費用というのはこうした交付金の対象にならないんですか。お伺いします。

津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 この社会資本整備総合交付金でありますけれども、これは委員御承知のように、国はあらかじめ、基幹産業だけではなくて、必要なソフト事業を含めて、効果的に発揮できる効果促進事業の仕組みも設けられているところであります。

 地方公共団体におきましては、非常に使い勝手のいい、そういう制度だというふうに理解をしております。

 雪庇処理の費用につきましては、社会資本整備総合交付金の効果促進事業により実施していただくことができることになっております。ただ、市町村に対して、少し理解が足りないのかもしれませんので、そこを踏まえて、周知徹底ということも考えていきたい、こう思っております。

柿澤委員 現場の査定でそういうふうになっているんですか。泉田知事はこう言っています。大体、雪庇落としが交付対象外だというのは何なんだと。要するに、結局これは、国が使途制限をつけて金をおろす、前の補助金と何も変わらないじゃないか、こういうふうに現場からは見られているわけです。ここはしっかり予算の査定状況というのを精査していただいて、今御答弁をされたそのお言葉とそごのないようにしていただきたい、こういうふうに思います。

 除雪機械の一時間当たりの単価、ロータリー除雪車で五万円、除雪ドーザー、グレーダー三万円、出動のない場合の待機保証料二万円弱、結果として、新潟県だと、県出費で大体一億円、一日でかかるんだそうです。大雪が降るかどうか、除雪出動があるかどうかわからないのに、機械と人員を抱えているのは厳しいという声が民間会社からも上がっていると。

 こういうことを一つ一つ積算して、そして支払う、国が見る、こういうやり方には、私は限界があると思います。やはり、建設会社あるいはJVと年間契約をして、河川維持から道路管理から通年で包括的に担ってもらう、いわゆる地域維持型契約方式に移行していくのが望ましいというように私は思います。

 これは、都道府県レベルの試行は随分始まっているようでありますけれども、私は、むしろ本丸は市町村だというふうに思うんです。建設会社と市町村とがパートナーシップを結んで、地域全体の維持保全を進めていく。ある種、PPPの模範にもなり得る、こういうものだと思いますけれども、市町村への地域維持型契約方式の拡大、どうお考えになりますか。

中川国務大臣 御指摘のように、個々の企業が縮んできているだけに、包括的な契約というのは、非常に効果のある、そしてまたベースをつくっていくもとになっていくというふうに思います。

 市町村に対しても、御指摘のように、これが進められるように、私どもも環境を整備していきたいというふうに思います。

柿澤委員 現実に、豪雪法の対象市町村で、除雪等に関して地域維持型契約方式に移行したというケースはあるんでしょうか、お伺いをしたいと思います。

佐々木政府参考人 お答え申し上げます。

 実は、まだ市町村に対してまでは現時点で調査ができておりませんが、三月五日時点で、都道府県それから政令市を対象として調査を行いましたところ、七つの道府県それから札幌市、ここにおきましては、地域維持型契約方式を活用している、もしくはこれから活用する予定であるということを聞いているところでございます。

 地域維持型契約方式につきましては、昨年八月に指針を改正いたしまして、私ども国の方から地方公共団体に対しましてその活用を要請しております。それ以前から先行的な取り組みとして実施されていた地方公共団体もございますけれども、直近では、この二月に青森県が、除雪業務等の地域維持事業を新たに地域維持型契約方式で発注し、四月から実施される予定であると承知しているところでございます。

柿澤委員 市町村がこのような地域維持型契約を通年で行った場合、一つ一つの工事や作業を発注して契約する形態でないわけですから、これは国の交付金の対象事業になるのか、こういう問題があるように思います。現状、自主財源が乏しい中で、ここを国が見てくれないと、笛吹けど踊らず、こういうことになってしまうのではないかと思うんです。

 地域維持型契約の契約金額の一定割合を社会資本整備総合交付金等の対象とする、こういう仕組みをつくる必要があるというふうに思いますけれども、御見解を伺って、質問を終わりたいと思います。

津島大臣政務官 お答えを申し上げたいと思います。

 今、委員の御指摘の支援事業でありますけれども、事業の中身につきまして着目を行っているところでありまして、契約方式のいかんというのは、国の支援として行う際には問わないということになっております。

 したがいまして、地域維持型契約方式により実施される事業についても、交付対象事業であれば社会資本整備総合交付金による支援は可能だ、こういうことでございます。

柿澤委員 せっかくの交付金事業ですから、なるべくシンプルな、そして包括的なものとしてやはり認定し、交付の対象としていただく、このことが大事だと思いますので、申し上げまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

村井委員長 次に、石田三示君。

石田(三)委員 新党きづなの石田三示でございます。

 本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。

 時間も短いものですから、早速質問に入らせていただきます。

 豪雪対策について、平成十八年豪雪や昨年、そしてことしの冬の大雪と、近年、雪による災害は大変大きな問題となっております。

 議員立法で昭和三十七年に制定された豪雪地帯対策特別措置法も、その時々の社会状況に応じて改正されて、近日中にまた改正が予定されると承知しておりますが、その改正について、関連してお伺いをしたいというふうに思います。

 現在、豪雪地帯、まあ過疎地帯でありますけれども、その空き家の数というのは認識をされているんでしょうか。質問をさせていただきます。

福井政府参考人 統計局でございますが、私ども、住宅・土地統計調査におきまして、空き家、空き家率を把握してございます。市区及び現行の一万五千人以上の町村を集計単位として結果を作成してございます。

 一方、先生お尋ねの過疎地域自立促進特別措置法に基づく過疎地域でございますが、市町村の一部区域である場合や、市町村全域をカバーしておりましても人口が一万五千に満たないというところがございます。このために、私どもの住宅・土地統計調査からは、過疎地域全体の空き家の数というのは把握できない状況にございます。

 なお、平成二十年実施の住宅・土地統計調査によりますと、全国の総空き家数が約七百五十七万戸、空き家率が一三・一%になってございます。この内訳でございますが、市部の空き家の総数が約六百八十七万戸、空き家率は一三・一%になってございます。

 全体から市部を差し引きますと、郡部、町村部分でございますけれども、この空き家の総数が約七十万戸、空き家率が一三・六%ということで、全国の一三・一%よりやや高くなってございます。

石田(三)委員 後ほどまた質問させていただきますが、除排雪の担い手確保についてちょっと御質問させていただきたいんです。

 三月十二日現在で、百二十余名の方が亡くなられているわけでございますけれども、除排雪作業中の事故による死者が九十人のうち、約六七%である六十人が六十歳以上ということでございます。

 また、除排雪をお願いしている建設許可事業者でございますが、平成十一年度の六十万社をピークにして、今、二十二年には五十万になったということで、道路除雪や屋根の雪おろし作業の多くが民間の土木建築事業に委託しているということの中で、人口減少、高齢化に加えて、除排雪を行う担い手が不足しているという状況にあるというふうに認識しております。

 高齢者の除雪作業中の事故を防ぐための対策でありますとか、除排雪の担い手の確保また育成の必要があるというふうに思っております。これを解消するための具体的な取り組みについて、どうお考えか伺いたいと思います。

小島政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、豪雪地帯では、高齢化、過疎化が全国平均を上回るペースで進んでおりまして、雪おろしや除雪の作業が大きな負担になっているものと認識しております。

 このため、国土交通省におきましては、共助による地域除雪マニュアルの策定、普及などにより、地域コミュニティーで協力して除雪を行うなど、高齢者が無理なく除雪できる体制の整備を促進し、地域の防災力の向上に努めているところでございます。

 また、除雪作業の担い手でもある地域の建設業者を確保するため、除雪費用の積算の適正化を推進するとともに、一括契約や複数年契約など、包括的な契約を地域の建設共同企業体等と締結する地域維持型契約方式の活用を推進しているところでございます。

石田(三)委員 総合的な観点から、先ほどの質問にもありましたけれども、しっかり国が機会を見て、県に委託をするとか、いろいろな状況があるというふうに思いますので、いろいろな取り組みをしていただきたいというふうに思います。

 先ほどの空き家の続きでございますが、空き家の除雪問題についてということで、豪雪地帯の三六%、特別豪雪地帯の四六%で空き家等の除雪問題が発生しているということでございます。その中には、危険な空き家、空き家の倒壊事故、空き家からの落雪による物損事故、空き家からの落雪による人的被害の順で事故が発生しているという結果が出ております。

 そういった中で、本来は基本的には所有者の責務で除雪を実施すべきという意見ですとか、また、危険であるということで行政がこれを実施することもやむを得ないという意見もございます。また、自治体が空き家等の除雪を実施する場合、どういう条件の空き家まで行政側で対応してよいのか判断に迷うとか、所有者不明の空き家の解体等を可能にする法整備を希望する、そういった意見も見られます。自治体により条例を定めて空き家等の解体を行ったところもあるわけでございますけれども、所有者不明の空き家を解体する場合には、自治体が大変判断に迷うところがあるわけであります。

 空き家は今後ますます増加することが予想されますし、対策が必要となるというふうに思っておりますが、これは自治体の負担となることから、法整備を含め国による何らかの措置が必要ではないかと考えますが、対策をお伺いしたいと思います。

後藤副大臣 先生御指摘のとおり、豪雪地帯における空き家対策、先ほどもお話がありましたように、防災上の観点だけではなく、国土政策上の観点からも大変重要だというふうに認識しております。

 先生がお話をしていた部分で、今、先行事例として、基本的には所有者の方が責任を持って、みずから、平時であれば処分しなければいけないというのは言うまでもありませんが、いろいろな条例をつくっている地域が今急速にふえております。

 特に、今、行政代執行という観点で、秋田県の大仙市が三月五日から条例に基づいた代執行を実施しております。これは、所有者の方に費用請求をできるということになっております。

 ただ、ある意味では所有者の方の意に反して対応しているわけですから、法的なバックアップがどうできるかということも当然ありますが、やはり財産権の問題も含めて、特に、この大仙市の問題は、小学校に隣接した空き家、元事務所、物置、車庫という部分であったということと、小学校の生徒さんにまさかの被害があってはいけないというふうな幾つかの条件が設定されないと今の法的な部分では難しい部分もありますが、いずれにしても、今の法令に基づいた検証を十二分にしながら、何が国としてできるか、これからも鋭意、関係省庁とも連携しながら検討してまいりたいというふうに考えております。

石田(三)委員 ありがとうございました。

 多分、強制執行をされた側は、意にそぐわないということもあるかもしれませんが、実際、その費用を払えないということ、自分でできないということだろうと思いますので、多分、行政側は、その人に請求をしてもこれはなかなか取れないというのが現状だというふうに私は認識をしております。

 どんな建物を壊していいかというのは、しっかりとガイドラインをつくらなきゃいけない。大仙市の場合は、学校の子供たち、あるいは通学路、そういった危険が考えられるということでございますが、そういった一つのガイドラインを国がしっかり示してやることが、やはり地方にとって大変ありがたいことだなというふうに思っていますので、ぜひ、その辺を御検討いただきたい。

 また、財政的な部分も、これは今も言ったように、意にそぐわないわけでございますので、絶対取れないというのは誰が考えてもそうだなというふうに思っていますので、その辺も御検討いただきたいというふうに思います。

 どうもありがとうございました。

村井委員長 次に、矢崎公二君。

矢崎委員 民主党の矢崎公二でございます。

 きょうは、質問の機会をいただきましてありがとうございます。限られた時間ですので、簡潔に質問をさせていただきたいというふうに思います。

 先ほど来お話がありますけれども、ことしは日本海を中心に大変記録的な大雪が降り続きました。雪の多い少ないにかかわらず、毎年毎年多くの雪害による被害者の方が出ている、これは本当に悲しいことであるというふうに思います。ことしにつきましては、過去五年間の平均の雪の量の約一・五倍ということですけれども、これは、戦後二番目に死者数が多い平成十八年豪雪に迫る記録的な豪雪です。

 それと同時に、人的被害は深刻でございます。冒頭、中川大臣の方から被害状況の説明がございましたけれども、もう一度繰り返して私の方からも報告をさせていただきますが、消防庁の最新の資料によりますと、昨年の十一月から昨日までの死者数は百二十一人に及びます。これは、昭和五十六年以降、三番目か四番目に高い数字になります。重傷者は七百八十八人、軽傷者が千三十二人。このうち、亡くなられた方の内訳を見ますと、一番多いのが屋根の雪おろしあるいは除雪の作業中、九十人の方が亡くなっています。これは全体の七割になります。さらに、落雪による死者が二十三人、これが全体の二割ですから、ほとんど除雪作業中あるいは除雪中の事故でとうとい命をなくされるということでございます。

 こういった被害者の方を少しでも少なくする、本当はゼロにするというような意気込みで国の方も対策を立てていかなければならないというふうに思います。この状況は、毎年毎年、実は変わっていません。少ない時期もございますけれども、平均をすると一年当たり約四十人の方が亡くなっている。四十人という数字は非常に高い数字だと思います。

 改めて大臣にお伺いしますが、今冬の大雪被害に対する御認識と対応について、御答弁をお願いします。

中川国務大臣 御指摘のあるところで我々も問題意識を持ちながら対応しております。

 対応として、まず資金的な部分なんですが、社会資本整備総合交付金の追加配分それから特別交付税の一部繰り上げ交付等の財政的な支援、都道府県知事からの要請に基づく自衛隊の災害派遣、それから、除排雪体制の確保に向けた人的、物的な支援、こういう形で整理して国はやっているんですけれども、さっき御指摘のように、ふだん降っていないところが今回はどっと降って、そこでなれていない皆さんが除排雪に取り組んだ中での事故が起こったということであるとか、高齢化がますます進んでいくということであるとか、あるいは、地域のコミュニティーが機能すべきところがなかなか、崩れていっている、そういうそれぞれの要因というのをしっかり分析した上で、地方自治体がそれにきめ細かに対応できるような政策の取り組みというのをしなきゃいけないんだろうというふうに思います。

 そういう意味では、使い勝手のいい交付金を出していくということ、それが雪の対策としてしっかり確定されるということ、そんなことを目指して整理をしていきたいというふうに思っております。

矢崎委員 ありがとうございます。

 大臣御指摘のように、やはり高齢化ということが非常に大きな背景にあります。豪雪地域の特徴というのは、高齢化が進んでいて過疎地域である、そういう地域が非常に多いわけです。ことしの百二十一人の死者についても、その内訳を調べてみますと、六十五歳以上の高齢者は七十八人、実に六四%を占めます。そういう意味では、昨年も同様のようで、昨年の死者は百三十一人おりますけれども、そのうちの高齢者の方々は八十六人、実に三分の二の方々が御高齢の方でございました。こうした高齢者の犠牲者の方が多いというのは、繰り返しになりますが、豪雪地帯がいずれも高齢化が進んでいる地域と重なっているということだというふうに思います。

 二月にこの災害対策特別委員会で視察を行いましたけれども、視察をしました新潟県の十日町は高齢化率が三〇%でございます。津南町は三六%。私の出身の長野県の栄村、これは何と四六%という高齢化率でございます。そういう意味では、ひとり暮らしのお年寄りも多くて、一人で雪おろしをしていて屋根から転倒したり、あるいは転んだりして死亡するケースが非常に多いということです。

 地方では、雪おろしや雪かきというのは、お年寄りが一人でやっているというような状況が本当に多いんですね。こういったことにやはり対策を打たなければいけないというふうに思います。もちろん、建設業者の方々に委託するということもしておるんですけれども、その一方で、業者が不足しているというような状況もございます。

 その意味でお伺いをしたいんですけれども、除雪の体制維持に必要な国の支援の創設、あるいは、住宅の雪処理、担い手確保などに対する支援、そういったものがございますでしょうか。実際、どんなことをしているのか、国交省にお伺いします。

吉田副大臣 委員御指摘のとおりでございまして、過疎化、高齢化が、豪雪地帯では全国を上回るペースであります。雪おろし、除雪というのは、作業が大きな負担になっているということは言をまたないところでございます。

 このため、国土交通省におきましては、まずは、共助による地域除雪マニュアルの策定、普及という形で、雪かき道場でありましたり、またボランティアの方々という形で、しっかりと地域コミュニティーで協力して除雪を行うなど、高齢者が無理なく除雪できる体制の整備を促進し、地域の防災力の向上に努めているのが、まず一点目でございます。

 そして二点目。今委員御指摘のとおり、地域の建設業者の除雪作業の担い手の確保というものが非常に大きな状況になってきております。除雪費用の積算の適正化は変わらず推進するとともに、一括契約また複数年契約など、包括的な契約をすることにより、地域の建設共同企業体等と締結する地域維持型契約方式、この方法の活用も推進しているところでございます。

矢崎委員 ありがとうございます。

 ぜひ、共助、この御支援、そして地域維持型契約方式の採用をどんどん進めていただきたいというふうに思います。この契約方式については、二十三年度からですから、ことしはまだ本格的には始動していないという段階ですけれども、ぜひ次年度、前向きに取り組んでいただきたいというふうに思います。

 雪害対策として注目されているのは、共助という仕組みでございます。今お話がございましたけれども、雪害地域の自治体ではさまざまな工夫をされております。ボランティアや地域ぐるみで雪おろし作業をしていたりというようなことがあります。

 新潟県では、都会の若者からボランティアを募ったり、除雪の手伝いをするNPOも誕生しているというような状況でございますけれども、これは、いわゆる共助ということで、公助ではないということで、それぞれの自主性ですとか意欲ですとか、そういうものが頼りでございます。あるいは自治体の、要するに志とか、そういう意味では、財政的な支援が本当に不足しています。その財政的支援についても、今後検討をしていっていただきたいという要望をさせていただきます。

 一方で、長野県の栄村では、昭和五十二年から、雪害対策救助員を臨時雇用しまして、高齢者の住宅などの除雪をしています。ことしは十八人の雪害対策救助員がおりますけれども、この十八人のうち、現在八人が六十歳以上の高齢者の方々です。そういう意味では、村の方は、あと数年すると、雪かき救助員の後継ぎがいなくなってしまうという心配もしておりますので、こういう現状がある、現実であるということをぜひ御認識をいただいて、担い手の確保について積極的に取り組んでいただきたいというふうに考えております。

 さて、次の質問になりますけれども、こういった高齢化、過疎化が進む豪雪地域では、空き家の除雪も大きな問題でございます。先ほど石田先生も同じような質問をされていましたけれども、厚生労働省にお伺いします。

 二月に、青森、新潟、長野について災害救助法の適用を決定していただきました。要援護世帯や空き家の除雪に対する支援というものをそれによってしていると思うんですけれども、どのようなことを行っているか、御説明をお願いします。

西藤政府参考人 お答えいたします。

 今回の大雪では、長野県、新潟県、青森県の三県十九市町村におきまして災害救助法が適用され、各自治体において、積雪により倒壊のおそれのある住宅などの除雪などの応急救助が実施されております。

 厚生労働省といたしましては、これまでも降雪期の災害救助法の適用に関しましては周知してまいっておりますが、今回の大雪に関しましては、二月十七日に改めて通知を発出いたしまして、高齢者や障害者など、みずから除雪ができない方々への除雪でありますとか、あるいはまた、先ほど御質問がございましたが、空き家などの、管理者が除雪を行わないために倒壊し、隣接する住宅に被害が生ずるおそれがある場合などについては、災害救助法による除雪が可能であるという旨、通知をし、周知を図っております。

 そしてまた、被災県の資金需要に応えるために、二月二十四日に、予備費三億六千万円の使用を決定いたしまして、三月七日に、被災県に対しまして、災害救助費国庫負担金の交付決定をいたしております。

 今後とも、災害救助法における除雪の取り扱いにつきましては、さまざま機会を通じ周知を図るなど、各都道府県で適切な救助が実施できるよう、万全を尽くしてまいりたいと考えております。

矢崎委員 ありがとうございます。

 いわゆる災害救助費負担金の活用をされたということですけれども、障害物の除去についての基準額というのがございますね、一世帯当たり十三万四千二百円ということですけれども。この基準額、決められたものですけれども、地元あるいは現地の要望に沿って柔軟に対応をしていただきたいというふうに思います。これも要望ですので、よろしくお願いいたします。

 最後に、特別交付税についてお伺いをいたします。

 ことしの豪雪は、各地の自治体で除雪費用がかさみまして、財政を圧迫しているのは御存じのとおりです。

 国土交通省では、二月に、社会資本整備総合交付金百一億円を追加配分したと思いますけれども、それでもまだまだ不足しているというような状況でございます。

 総務省にお伺いをいたしますが、豪雪地域の自治体は、特別交付税の増額の配分を強く要望しております。要望にしっかりと応えることができるでしょうか。

福田大臣政務官 お答えをいたします。

 委員御案内のとおり、地方公共団体の除排雪経費につきましては、各年度の普通交付税の基準財政需要額の算定において、積雪の度合いに応じて標準的な所要額を措置しているところでございますが、実際の所要額がその措置額を超える場合には、三月分の特別交付税によりさらに対処をするということにしているところでございます。

 特に、今年度においては、記録的な豪雪により被害を受けた地方公共団体の資金繰りの確保の観点から、平成十七年度、平成十八年豪雪以来の措置として、去る二月二十日には、災害救助法適用団体など百四十七市町村に対し、三月分の特別交付税の一部、百五十五億円を繰り上げ交付したところでございます。

 さらに、特別交付税三月分については、現在、今月下旬の決定、交付を目途として算定作業中であります。例年よりも一カ月ぐらいおくれておりますのは、除排雪経費が例年に比して多額に上るものと見込まれることから、所要額をできる限り的確に把握して措置することにより、地方公共団体の円滑な財政運営に支障が生じないようにということで対処をしているところでございます。

矢崎委員 ぜひ的確にお願いをいたします。

 最後に、大雪というのは、洪水とか地震あるいは津波と同じように、災害としてきちんと捉えてその対策を講ずるべきだと思います。特に、高齢者、障害者、子供など、そういった弱者をどうやって守るか、そういう視点を大切にして雪害対策に取り組んでいただきたいというふうに思います。そのことを強調して、質問を終わります。

 ありがとうございました。

村井委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。

 防災担当大臣は御退席いただいて結構です。

     ――――◇―――――

村井委員長 この際、豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案起草の件について議事を進めます。

 本件につきましては、先般来理事会等で御協議を願っておりましたが、協議が調いましたので、委員各位のお手元に配付いたしましたとおり委員長において起草案を作成いたしました。

 本起草案の趣旨及び主な内容につきまして、委員長から御説明申し上げます。

 我が国の豪雪地帯は、国土の半分を占め、これらの地域では、冬季の恒常的な降雪、また、近年に見られるような豪雪により、地域住民の日常生活及び地域の社会経済活動は大きな影響を受けております。

 豪雪地帯対策特別措置法は、かかる豪雪地帯において、雪害の防除その他産業等の基礎条件の改善に関する総合的な対策を樹立し、その実施を推進することにより、産業の振興と民生の安定向上に寄与することを目的として、昭和三十七年に議員立法により制定されたものであります。

 その後、議員立法により、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の道府県代行事業による整備などの特例措置及び配慮規定等が追加され、これらの規定により、当該地域の雪害の防除や生活環境の改善等に多大な貢献がなされております。

 しかしながら、豪雪地帯においては、人口減少及び高齢化が進み、雪おろしや雪かきなど、地域の除排雪の担い手不足は深刻となっており、今冬期も、高齢の方を初め、多くの方が除排雪作業中に亡くなられております。また、空き家については、雪おろしがされないために倒壊する事案が発生するなど、近隣の住民にとって重大な問題となっております。

 さらに、新エネルギーという観点から、近年、雪冷熱エネルギーの活用促進が図られておりますが、我が国が現在置かれている状況及び将来のエネルギーのあり方を考えれば、このような取り組みをさらに進めることが強く求められております。

 このような状況に鑑み、豪雪地帯対策の一層の充実強化等を図るため、豪雪地帯に対する配慮規定等を追加するとともに、本年三月末に期限切れとなる特別豪雪地帯における特例措置の有効期限をさらに十年間延長することを内容とする本案を提案する次第であります。

 次に、本案の主な内容について御説明いたします。

 第一に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯の住民が安全に安心して暮らすことのできる地域社会の実現を図るため、建設業者の組織する団体その他の営利を目的としない団体等との連携協力体制の整備その他の地域における除排雪の体制の整備を促進するよう適切な配慮をするものとすること。

 第二に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯において、積雪による空き家の倒壊による危害の発生を防止するため、空き家について除排雪その他の管理が適切に行われるようにするために必要な措置を講ずるよう努めるものとすること。

 第三に、国及び地方公共団体は、豪雪地帯における雪の冷熱をエネルギー源として活用した施設の整備その他の取り組みが促進されるよう適切な配慮をするものとすること。

 第四に、特別豪雪地帯における基幹的な市町村道の改築を道府県が代行することができる期限を平成三十四年三月三十一日まで、また、特別豪雪地帯における公立小中学校等の施設等に対する国の負担割合の特例措置の適用期限を平成三十三年度まで、それぞれ延長すること。

 以上が、本起草案の提案の趣旨及び主な内容であります。

    ―――――――――――――

 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

村井委員長 この際、本起草案につきまして、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣の意見を聴取いたします。前田国土交通大臣。

前田国務大臣 本法律案の御提案に当たり、委員長及び委員各位の御見識に深く敬意を表するものであります。

 政府といたしましては、豪雪地帯の現状に鑑み、本法律案につきましては特に異存はないところでございます。

 この法律案が御可決、成立された暁には、関係省庁と連携を図りつつ、豪雪地帯対策の一層の推進に努めてまいる所存であります。

村井委員長 お諮りいたします。

 豪雪地帯対策特別措置法の一部を改正する法律案起草の件につきましては、お手元に配付しておりますとおりの起草案を委員会の成案とし、これを委員会提出法律案と決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

村井委員長 起立総員。よって、そのように決しました。

 なお、ただいま決定いたしました本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

村井委員長 この際、市村浩一郎君外六名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党、新党きづな、社会民主党・市民連合及びみんなの党の七派共同提案による豪雪地帯対策の充実強化に関する件について決議すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。長島忠美君。

長島(忠)委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。

 案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。

    豪雪地帯対策の充実強化に関する件(案)

  平成十八年豪雪の被害、また、平成二十二年度及び今冬の大雪被害に見られるように、近年、我が国における豪雪被害は、多くの犠牲者をはじめとする甚大な人的被害及び社会的、経済的被害をもたらしており、豪雪地帯における市民生活は極めて厳しい状況にある。豪雪地帯における安全で安心な市民生活を確保し、地域経済の発展を図ることは喫緊の課題であり、政府は、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期するべきである。

 一 豪雪地帯における生活は、地域が主体となり、住民の助け合いの精神によって営まれていることから、除排雪における町内会、自治会等の地縁による団体の果たす役割は極めて重要であり、除雪機械の購入費などを含む、かかる団体が実施する除排雪に要する費用に対する市町村による補助について、国としても必要な財政上の措置を講じること。

 一 道路の防雪施設整備については、地域の実情に応じて国による補助が行なわれており、また、雪崩の発生を予防するための雪庇の排除についても、費用の一部を国が補助できることとされているが、近年、大雪による道路交通の麻痺という問題が頻発していることから、地方自治体が交通を確保できるよう、また、雪崩の被害を未然に防ぐことができるよう、国として必要な財源を確保し、更なる制度の拡充を検討すること。

 一 農道は農作業のみならず、日々の生活のための道路としても利用されており、その除排雪は住民の生活にとって極めて重要であることから、豪雪地帯において地方自治体が行う農道の除排雪についても、地方の負担の軽減を図ること。

 一 近年の我が国の豪雪被害に鑑み、必要な施策を適時適切に行うために、豪雪地帯対策特別措置法による施策の効果について、三年後を目途として検証し、その結果を当委員会に報告するとともに、その結果に基づいて必要な措置を講じること。

  右決議する。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

村井委員長 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

村井委員長 起立総員。よって、本件は本委員会の決議とすることに決しました。

 この際、本決議に対し、政府から発言を求められておりますので、これを許します。前田国土交通大臣。

前田国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨を十分に尊重し、努力してまいる所存でございます。

村井委員長 お諮りいたします。

 本決議の議長に対する報告及び関係政府当局への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時二十六分散会


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