衆議院

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第10号 平成25年6月25日(火曜日)

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平成二十五年六月二十五日(火曜日)

    午後三時開議

 出席委員

   委員長 坂本 剛二君

   理事 うえの賢一郎君 理事 小里 泰弘君

   理事 林田  彪君 理事 原田 憲治君

   理事 平口  洋君 理事 吉田  泉君

   理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君

      井上 貴博君    伊藤 忠彦君

      泉原 保二君    大見  正君

      神山 佐市君    工藤 彰三君

      笹川 博義君    高鳥 修一君

      竹下  亘君    二階 俊博君

      林  幹雄君    藤丸  敏君

      古川 禎久君    松本 文明君

      務台 俊介君    湯川 一行君

      吉川  赳君    黄川田 徹君

      田嶋  要君    三日月大造君

      高橋 みほ君    宮沢 隆仁君

      濱村  進君    樋口 尚也君

      佐藤 正夫君    椎名  毅君

      高橋千鶴子君    小宮山泰子君

    …………………………………

   議員           井林 辰憲君

   議員           伊藤 忠彦君

   議員           小林 鷹之君

   議員           中谷  元君

   議員           二階 俊博君

   議員           林  幹雄君

   議員           林田  彪君

   議員           務台 俊介君

   議員           石田 祝稔君

   議員           上田  勇君

   議員           高木 陽介君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石川 晴雄君

    ―――――――――――――

委員の異動

六月二十五日

 辞任         補欠選任

  中川 正春君     田嶋  要君

同日

 辞任         補欠選任

  田嶋  要君     中川 正春君

    ―――――――――――――

六月二十四日

 防災・減災等に資する国土強靱化基本法案(二階俊博君外十一名提出、衆法第一八号)

 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(二階俊博君外十六名提出、衆法第二八号)

 首都直下地震対策特別措置法案(二階俊博君外十五名提出、衆法第四三号)

は本委員会に付託された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 防災・減災等に資する国土強靱化基本法案(二階俊博君外十一名提出、衆法第一八号)

 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(二階俊博君外十六名提出、衆法第二八号)

 首都直下地震対策特別措置法案(二階俊博君外十五名提出、衆法第四三号)


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     ――――◇―――――

坂本委員長 これより会議を開きます。

 二階俊博君外十一名提出、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案、二階俊博君外十六名提出、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び二階俊博君外十五名提出、首都直下地震対策特別措置法案の各案を議題といたします。

 提出者より順次趣旨の説明を聴取いたします。二階俊博君。

    ―――――――――――――

 防災・減災等に資する国土強靱化基本法案

 東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案

 首都直下地震対策特別措置法案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

二階議員 ただいま議題となりました防災・減災等に資する国土強靱化基本法案、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び首都直下地震対策特別措置法案につきまして、提出者を代表いたしまして、その趣旨及び概要を御説明申し上げます。

 まず、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案について申し上げます。

 一昨年の東日本大震災を経験して、私どもは、いかに脆弱な国土の上で日々の暮らしや経済活動等を行っているかということを改めて認識させられました。その後、切迫している南海トラフ地震、首都直下地震について、最悪の事態も含めた被害想定や対策の見直しが行われております。

 大規模災害から人命を守ることは、政治の重要な責務であります。しかし、これまでの防災対策のみでは対応が困難であり、大規模災害から人命を何としても守り、さらに、行政、経済社会も致命的な損傷を負わないためには、狭い意味での防災の範囲を超えて、国土政策、産業政策も含め、総合的な対応を、いわば国家百年の大計の国づくりとして行っていくことが必要であると考えております。

 事前防災、減災の考え方をさらに進めて、強くてしなやかな国づくりを、府省庁横断的に、地方公共団体や民間とも連携して、総合的かつ計画的に推進するために、本法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。

 第一に、国土強靱化の定義を、事前防災及び減災その他迅速な復旧復興並びに国際競争力の向上に資する大規模災害等に備えた国土の全域にわたる強靱な国づくりと定めるとともに、基本理念、国等の責務等、関係者相互の連携及び協力等について定めております。

 第二に、基本方針として、人命の保護が最大限に図られること、国家及び社会の重要な機能が致命的な障害を受けず、維持され、我が国の政治、経済及び社会の活動が持続可能なものとなるようにすること、国民の財産等に係る被害の最小化に資すること及び迅速な復旧復興に資することを定めるほか、国土強靱化に関する施策の策定及び実施の方針として、既存の社会資本の有効活用等により、施策の実施に要する費用の縮減を図ること、施設等の効率的かつ効果的な維持管理に資すること、地域の特性に応じて自然との共生及び環境との調和に配慮すること、実施されるべき施策の重点化を図ること及び民間の資金の積極的な活用を図ることを規定しております。

 第三に、政府は、国土強靱化に係る国の他の計画等の指針となるべきものとして、閣議の決定を経て国土強靱化基本計画を定めるものとし、国土強靱化基本計画以外の国の計画は、国土強靱化に関しては、国土強靱化基本計画を基本とするものとしております。

 なお、都道府県または市町村において、国土強靱化に係る当該都道府県または市町村の他の計画等の指針となるべきものとして、国土強靱化地域計画を定めることができることとしております。

 第四に、国土強靱化に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、内閣に国土強靱化推進本部を設置することとし、国土強靱化基本計画の案の作成及び実施の推進に関することなどの事務をつかさどることとしております。

 なお、国土強靱化基本計画の案の作成に当たっては、国土強靱化推進本部が大規模災害等に対する脆弱性評価の指針を定め、これに従って脆弱性評価を行い、その結果に基づき、当該案を作成しなければならないこととしております。

 次に、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。

 南海トラフで発生する大規模な地震による被害については、これまでの政府による被害想定等から明らかなように、西日本を中心に、東日本大震災を超える甚大な人的、物的被害が発生し、我が国全体の国民生活、経済活動に極めて深刻な影響が生じる、まさに国難とも言える巨大災害になるおそれがあるものと想定されております。

 私どもは既に平成十四年に、議員立法によって、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法を全会一致で成立、施行させております。これまでこの法律に基づく対策が着実に進められてまいりました。このたびの政府の被害想定等により、これまでの想定をはるかに上回る甚大な被害が発生するとされた地域の人々の不安な思いを受けとめ、このような巨大災害に事前に対処すべく、早急に国が主導して効果的な予防対策を実施するため、本法律案を提出した次第であります。

 次に、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。

 第一に、法律の題名を南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に改めるとともに、南海トラフ及び南海トラフ地震について定義を定めております。

 第二に、南海トラフ地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、地震防災対策を推進する必要がある地域を南海トラフ地震防災対策推進地域とし、当該地域の指定に当たっては、内閣総理大臣が科学的に想定し得る最大規模の地震を想定して行うものと規定しております。

 第三に、この推進地域の指定があったときは、中央防災会議は、南海トラフ地震防災対策推進基本計画を作成することとしております。

 第四に、指定行政機関の長等は、防災業務計画において、地震防災上緊急に整備すべき施設等の整備に関する事項、津波からの防護、円滑な避難の確保及び迅速な救助に関する事項等を定め、これらの事項を南海トラフ地震防災対策推進計画とすることとしております。なお、市町村防災会議は、これらの事項に加え、津波避難対策緊急事業計画の基本となるべき事項を定めることができることとしております。

 第五に、関係指定行政機関の長等は、共同で、南海トラフ地震が発生した場合における災害応急対策等を相互に連携協力して推進するために必要な協議を行うための協議会を組織することができることとしております。

 第六に、内閣総理大臣は、南海トラフ地震防災対策推進地域のうち、南海トラフ地震に伴い発生する津波に対し、津波避難対策を特別に強化すべき地域を南海トラフ地震津波避難対策特別強化地域として指定することとしております。

 この指定があったときは、関係市町村長は、都府県知事の意見を聞き、内閣総理大臣の同意を得て、津波からの避難の用に供する避難施設等の整備に関する事業、集団移転促進事業、及び集団移転促進事業に関連して移転が必要と認められる施設であって、高齢者、障害者、乳幼児、児童、生徒等の要配慮者が利用する政令で定める施設の整備に関する事業について、津波避難対策緊急事業計画を作成することができることとしております。

 第七に、津波避難対策緊急事業に係る特例として、津波避難対策緊急事業に要する経費に対する国の負担または補助の割合の特例等の規定を設けることとしております。

 第八に、津波避難対策緊急事業計画に基づく集団移転促進事業に係る特例措置として、農地の転用の許可要件の緩和に関する農地法の特例、集団移転促進法の特例等を設けることとしております。

 次に、首都直下地震対策特別措置法案について御説明申し上げます。

 首都圏におきましては、歴史上、関東大震災級の地震が発生以来、八十年ほどを経過すると、マグニチュード七クラス、まさに阪神・淡路大震災と同じクラスの直下型地震が何回か発生するという歴史を繰り返してきました。本年は、大正十二年に発生した関東大震災から九十年目に当たります。首都直下地震は、好まぬことではありますが、きょうこれから起きても不思議ではありません。

 戦後の我が国は、大きな地震を経験することもないまま、高度経済成長を背景に、さまざまなインフラ、高層建築、臨海部のコンビナート、高度情報ネットワークなどを首都圏につくり上げてきました。これらが大きな災害に見舞われたらどうなるか。その対策はまことに喫緊の課題であります。帰宅困難者等の安全確保を図るための措置、木造密集地域対策も大きな課題となっております。

 首都直下地震は、大規模な災害であるというだけではなく、我が国の政治、行政、経済等の中枢機能をいかに維持するかということが重要であります。首都中枢機能の維持を図るために必要なライフライン等の基盤の整備や管理を適切に行うなどの措置を講ずる必要があります。

 続いて、本法律案の主な内容を御説明申し上げます。

 第一に、内閣総理大臣は、首都直下地震が発生した場合に著しい地震災害が生ずるおそれがあるため、緊急に地震防災対策を推進する必要がある区域を首都直下地震緊急対策区域として指定するものとしております。

 政府は、首都直下地震緊急対策区域の指定があったときは、首都中枢機能の維持に関する事項、首都中枢機能維持基盤整備等地区の指定に関する事項等を定める緊急対策推進基本計画を定めなければならないこととしております。

 第二に、政府は、緊急対策推進基本計画を基本として、政府及び各行政機関の業務の継続に関する事項、行政中枢機能の一時的な代替に関する事項等について定める緊急対策実施計画を定めなければならないこととしております。

 第三に、内閣総理大臣は、緊急対策区域のうち、首都中枢機能の維持を図るために必要な基盤の整備及び滞在者等の安全確保施設等の整備等を緊急に行う必要がある地区を首都中枢機能維持基盤整備等地区として指定するものとしております。

 基盤整備等地区の指定があったときは、関係地方公共団体は、共同して、首都中枢機能の維持を図るために必要な事項及び滞在者の安全の確保を図るために必要な事項について定める基盤整備等計画を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができることとし、認定を受けた基盤整備等計画に係る特別の措置として、開発許可の特例、道路の占用の許可基準の特例等を定めております。

 第四に、関係都県は、緊急対策推進基本計画を基本として、石油コンビナート等の改築、補強、木造密集地域対策、帰宅困難者対策等について定める地方緊急対策実施計画を作成することができることとするとともに、関係都県の知事は、住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織のうち、被害軽減を図る上で効果的な活動を行うと認められるものを住民防災組織として認定することができることとしています。

 第五に、特定地方公共団体は、単独でまたは共同して、特定緊急対策事業推進計画を作成し、内閣総理大臣の認定を申請することができることとし、認定を受けた特定緊急対策事業推進計画に基づく事業に対する特別の措置として、建築基準法上の用途制限の緩和等について定めております。

 そのほか、地震観測施設等の整備、総合的な防災訓練の実施、広域的な連携協力体制の構築、財政上の措置等の規定を設けることとしております。

 以上が、防災・減災等に資する国土強靱化基本法案、東南海・南海地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び首都直下地震対策特別措置法案の趣旨及び概要であります。

 最後に、一言申し上げます。

 日本列島は、大規模な地震の活動期に入ったとの指摘もあります。大規模火山噴火、大規模水害・土砂災害等のリスクも高まっております。このようなリスクから国民の命を守るのが政治の最も重要な使命であります。一刻も早くこれら三法案を成立させ、対策を早急に実施することが、今何よりも必要なことなのであります。

 何とぞ委員各位の御賛同をよろしくお願い申し上げます。

 以上です。

坂本委員長 これにて各案についての趣旨の説明は終わりました。

 次回は、明二十六日水曜日午前九時三十分理事会、午前九時四十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後三時二十一分散会


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