第4号 平成26年3月11日(火曜日)
平成二十六年三月十一日(火曜日)午前八時四十分開議
出席委員
委員長 坂本 剛二君
理事 うえの賢一郎君 理事 北村 茂男君
理事 原田 憲治君 理事 福井 照君
理事 盛山 正仁君 理事 細野 豪志君
理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君
井林 辰憲君 井上 貴博君
伊東 良孝君 泉原 保二君
大見 正君 神山 佐市君
木内 均君 北村 誠吾君
工藤 彰三君 笹川 博義君
清水 誠一君 竹下 亘君
長島 忠美君 藤丸 敏君
務台 俊介君 湯川 一行君
吉川 赳君 寺島 義幸君
中川 正春君 吉田 泉君
鷲尾英一郎君 今井 雅人君
上野ひろし君 宮沢 隆仁君
濱村 進君 樋口 尚也君
杉本かずみ君 椎名 毅君
高橋千鶴子君 小宮山泰子君
…………………………………
国務大臣
(国土強靱化担当)
(防災担当) 古屋 圭司君
内閣府大臣政務官 亀岡 偉民君
衆議院調査局第三特別調査室長 清水 敦君
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委員の異動
三月十一日
辞任 補欠選任
黄川田 徹君 鷲尾英一郎君
同日
辞任 補欠選任
鷲尾英一郎君 黄川田 徹君
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本日の会議に付した案件
災害対策に関する件(平成二十六年度における災害対策の施策等)
派遣委員からの報告聴取
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○坂本委員長 これより会議を開きます。
議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。
本日で東日本大震災から三年を迎えます。
改めてお亡くなりになられた方々を悼み、深く哀悼の意を表しますとともに、被災地の一日も早い復旧復興を祈念いたします。
これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
全員の御起立をお願いいたします。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○坂本委員長 黙祷を終わります。御着席願います。
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○坂本委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、去る五日、大雪による被害状況等調査のため、山梨県に委員を派遣いたしましたので、派遣委員から報告を聴取いたします。福井照君。
○福井委員 去る三月五日、大雪による被害状況等調査のため、山梨県に委員派遣を行いましたので、参加委員を代表いたしまして、私から御報告申し上げます。
派遣委員は、坂本剛二委員長を団長として、自由民主党の北村茂男君、原田憲治君、民主党・無所属クラブの細野豪志君、日本維新の会の山之内毅君、公明党の石田祝稔君、みんなの党の杉本かずみ君、結いの党の椎名毅君、日本共産党の高橋千鶴子君、生活の党の小宮山泰子君、そして私、福井照の十一名でございます。
また、自由民主党の堀内詔子君、宮川典子君、みんなの党の中島克仁君が現地参加されました。
二月十四日から十五日にかけて、低気圧の接近、通過により、関東甲信地方を中心に雪が降り続き、山梨県などでは最深積雪を大幅に更新する記録的な大雪となりました。
この大雪により、山梨県内においては、多数の方々が亡くなられ、鉄道の運休や高速道路及び一般道での立ち往生や孤立集落等が多数発生するとともに、多くの建物や農業用ハウス等が損壊する甚大な被害が発生し、住民の方々の生活や経済活動に深刻な影響を及ぼしております。
この災害により、とうとい生命を失われた方々の御冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆様に対しまして、衷心よりお見舞いを申し上げます。
それでは、調査の概要につきまして御報告をいたします。
まず、山梨県庁におきまして、横内山梨県知事から、農業被害の復旧のための補助事業等の充実と迅速な活用、県管理道路の除雪費への国の補助、中部横断自動車道、中央自動車道の整備推進、冬期の降雪時における除雪体制の強化、豪雪の影響により売り上げ等が減少している中小企業者を対象としたセーフティーネット保証四号の早期の地域指定等について要望を受けました後、前山梨県総務部長から、被害状況等について説明を聴取いたしました。
その後、国や都道府県による大規模災害に対処するTEC―FORCE等実動部隊の活用のあり方、被災農家の再建等に対する山梨県の支援策、住宅の周囲にある雪を除去するために災害救助法に基づく障害物の除去等を積極的に活用する必要性、被災した工場等への災害等廃棄物処理事業の適用の必要性等につきまして意見交換を行いました。
次いで、山梨市において、被災したJAフルーツ山梨山梨支所共選所を視察いたしました。
望月山梨市長から、ブドウの出荷に間に合わせるための改築の支援、また、この周辺のビニールハウスで栽培されるブドウが壊滅的な被害を受けており、その復旧のための手厚い支援を願いたいとの要望がございました。
なお、雪により共選所の屋根が崩落したものの、桃の糖度等を光センサーで判別する高額の選果機は幸いにも被災を免れたとのことでした。
最後に、甲州市塩山下萩原地区のブドウ用ビニールハウスの倒壊現場を視察いたしました。
雪の重みで骨組みがゆがんで押し潰されたハウスが立ち並んでおり、被害の深刻さがうかがわれました。
中村甲州市産業振興課長から、市内のブドウ用ビニールハウスの約九割が被害を受けており、棚をつくり、植えかえを行って収穫ができるまでに最低でも五年を必要とし、その後にハウスを建てることになる実情を考慮して、ハウスの再建等復旧に必要な期間は継続して支援を願いたいとの要望がございました。
以上が調査の概要でありますが、この調査を通じまして、雪にふなれな地域において、想定外の大雪により、鉄道や道路の交通網等で大きな混乱が発生し、また、農業等に甚大な被害が発生したことを踏まえ、警報等を含めた大雪に関する気象情報の自治体や住民への周知、災害時における集中的、効率的な除雪体制の強化と早い段階での通行規制、国や都道府県レベルでの広域支援体制の構築の必要性を改めて認識するとともに、農業等の被害に対する復旧対策を迅速に推進し、被災農家の営農の継続、経営の再建等を図ることが急務であると痛感した次第でございます。
最後に、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げまして、報告とさせていただきます。
○坂本委員長 これにて派遣委員からの報告は終わりました。
この際、お諮りいたします。
派遣地からの要望事項につきましては、これを本日の委員会議録に参照掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
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〔要望事項は本号末尾に掲載〕
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○坂本委員長 引き続き、災害対策に関する件について調査を進めます。
平成二十六年度における災害対策の施策等について、国土強靱化担当及び防災担当大臣から所信を聴取いたします。古屋国務大臣。
○古屋国務大臣 国土強靱化担当、防災担当大臣の古屋圭司でございます。
第百八十六回国会における御審議に当たりまして、災害対策に関する私の所信の一端を申し上げます。
我が国は、その自然的条件から、各種の災害が発生しやすい特性を有しております。こうした我が国の特性を踏まえ、防災は、国家の基本的かつ極めて重要な任務であるとの認識に立ち、災害に強く、しなやかで強靱な国づくりを進めてまいる所存です。
発災から三周年となる東日本大震災を初め、昨年から今年にかけても、台風や豪雨、竜巻、豪雪等による災害が発生しております。
今冬期の豪雪については、三月十日時点で九十名の方が亡くなられ、各地で大きな被害が発生しております。また、孤立集落や車両の立ち往生なども多数発生いたしました。
これらの災害により亡くなられた方々とその御遺族に対し、深く哀悼の意を表しますとともに、全ての被災者の方々に心からお見舞いを申し上げます。
特に、先般の豪雪では、政府として、降雪前の十四日から関係省庁災害警戒会議を開催するなど、関係省庁と連携して対応してまいりましたが、十八日には、集落の孤立が三日を超え、長期化する事態となり、さらなる降雪の予報もあったことから、関係省庁による会議を災害対策基本法に基づく豪雪非常災害対策本部へと格上げして、政府一丸の対応をさらに加速させました。
今回の災害では、農業被害が大きかったことから、被災自治体等からの要望を踏まえて、農林水産省により被災農業者への新たな支援対策が講じられたほか、総務省により特別交付税の繰り上げ交付がなされるなどの対応をしてまいりましたが、今後とも、被災自治体からの御要望を丁寧にお伺いし、被災者の方々が一日も早く安心した生活に戻れるよう、被災自治体と連携を密にし、関係省庁一丸となって対応に万全を期してまいります。
今回は、ふだん雪が少ない地域に大雪が降り、従来と異なる雪害をもたらしました。今後、大雪についての注意報、警報、特別警報を含む一連の防災気象情報の発表やその提供のあり方、除排雪の支障となる放置車両排除のための方策及び政府などによる国民への情報提供等について関係省庁とともに検証し、今回の災害を今後の教訓として生かしてまいります。
なお、引き続き、降雪や雪崩等への警戒が必要なことから、緊張感を持って警戒監視に当たってまいります。
引き続きまして、防災対策の主な課題と取り組み方針について御説明をいたします。
まず、今後想定をされる南海トラフ地震や首都直下地震対策についてであります。
南海トラフ地震については、南海トラフ巨大地震対策検討ワーキンググループにおいて昨年五月に取りまとめた最終報告を踏まえ、昨年の臨時国会において議員立法により成立をした南海トラフ地震に係る地震防災対策の推進に関する特別措置法に基づき、推進地域や特別強化地域の指定、基本計画の作成等を行い、関係省庁や地方公共団体と連携して、津波避難対策を初めとするハード、ソフト両面の総合的な対策を強力に推進してまいります。
また、首都直下地震についても、首都直下地震対策検討ワーキンググループにおいて昨年十二月に取りまとめた被害想定及び最終報告を踏まえ、昨年の臨時国会で議員立法により成立した首都直下地震対策特別措置法に基づき、緊急対策区域の指定、基本計画や行政中枢機能の維持に係る緊急対策実施計画の作成等を行い、関係省庁や地方公共団体と連携して、首都中枢機能の維持や建築物の耐震化、火災対策を初め、巨大過密都市である首都の地震対策に万全を期してまいります。
次に、火山災害対策について申し上げます。
我が国は、多数の活火山を有する世界有数の火山国であり、最近でも桜島が活発な噴火活動を続けているなど、引き続き警戒が必要です。
昨年五月に有識者による検討会が取りまとめた大規模火山災害対策への提言を踏まえ、今後とも、関係省庁や地方公共団体と連携しつつ、火山の監視観測・調査研究体制の一層の充実、各火山地域における具体的で実践的な避難計画の策定や、これまで知見が限られていた大規模降灰の影響と対策に関する調査研究の推進など、火山防災対策に取り組んでまいります。
次に、竜巻対策については、昨年九月に発生した竜巻被害等を踏まえ、竜巻等突風対策局長級会議を設置し、予報情報の改善、災害情報等の伝達のあり方、防災教育の充実等の施策を同年十二月に取りまとめたところであり、今後は関係省庁と連携をして竜巻対策に取り組んでまいります。
続いて、水害対策については、大規模水害対策に関する専門調査会報告等に基づき、一昨年九月に、首都圏大規模水害対策大綱を中央防災会議において決定をいたしました。今後とも、同大綱を踏まえ、大規模水害の発生に備えた広域的な応急活動体制の強化や調査研究の推進など、大綱を踏まえた対策の推進に取り組んでまいります。
これらのさまざまな災害対策の推進に当たっては、公助のみならず、自助、共助の取り組みいずれもが重要であると考えています。こうした認識のもとに、地区防災計画制度の推進を初め、災害教訓の継承、国民の防災意識の啓発や防災ボランティア活動の環境整備、企業における事業継続の取り組みの普及等を進めてまいりますとともに、総合防災訓練大綱に基づき、国や地方公共団体において、防災の日や津波防災の日を中心に防災訓練を総合的かつ計画的に実施してまいります。
国際防災協力については、東日本大震災の際に諸外国から多大な支援を受けた我が国として、震災から得られた知見を国際社会に発信していくことも重要です。平成二十七年、二〇一五年三月に仙台で開催をされる第三回国連防災世界会議が成功するよう、国際連合、仙台市その他の関係機関との緊密な協力のもと、全府省庁一丸となって、外務省ほか関係機関とともに準備を進めてまいります。
国土強靱化につきましては、昨年十二月、臨時国会におきまして、強くしなやかな国民生活の実現を図るための防災・減災等に資する国土強靱化基本法が成立し、施行されました。昨年のうちに国土強靱化推進本部の第一回会合を開催し、国土強靱化政策大綱を決定いたしました。本年は、基本法及び政策大綱に基づき、本格的に国土強靱化を進めてまいります。
具体的には、今年の五月をめどとして、基本法に基づく国土強靱化基本計画を策定するとともに、地方自治体が策定する地域計画の策定支援を進めてまいります。
また、国土強靱化施策を、ハード事業だけではなく、ソフト面も含めた総合的な対策として重点化、優先順位づけを行い、民間資金の積極的な活用等に留意しつつ進めてまいります。
以上申し上げましたとおり、東日本大震災や一連の災害からの迅速かつ円滑な復旧復興と、これらの災害を教訓とした災害対策の一層の充実を実現し、災害に強い強靱な国づくりを進めるため、大きな使命感と責任感を持って全力を尽くしてまいる所存です。
坂本委員長を初め、理事、委員各位の格別の御指導、御鞭撻を賜りますようにお願い申し上げます。
○坂本委員長 以上で大臣の所信表明は終わりました。
次に、平成二十六年度における防災関係予算の概要について、政府から説明を聴取いたします。亀岡内閣府大臣政務官。
○亀岡大臣政務官 ただいま紹介にあずかりました国土強靱化担当、防災担当大臣政務官の亀岡偉民であります。
東日本大震災以来、豪雨、台風、竜巻による風水害、大雪等の一連の災害によりお亡くなりになられた方々と御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。
災害から国民の生命、身体、財産を守ることは国政の最重要課題の一つです。国土強靱化担当、防災担当大臣政務官として、古屋大臣、西村副大臣を補佐し、一連の災害からの復旧復興、今後の災害対策に全力で取り組んでまいります。坂本委員長を初め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。
それでは、平成二十六年度の防災関係予算案の概要につきまして、お手元の資料により御説明を申し上げます。
まず、一ページをお開きください。この表は、関係省庁の施策のうち防災関係のものとして予算額を特定できるものについて取りまとめたものであります。
科学技術の研究関係が約百二十七億円、災害予防関係が約五千四百四十一億円、国土保全関係が約八千三十四億円、災害復旧等関係が約二兆五千三百五十七億円となっており、これらを合計すると約三兆八千九百五十九億円になります。
次に、主要なものを簡単に御説明申し上げます。
二ページからの科学技術の研究につきましては、文部科学省において、地震、津波に関する正確かつ迅速な情報提供等に資するため、地震・津波観測監視システム等を整備するほか、国土交通省、気象庁などでも、地震や津波、火山、気象に関する調査研究に要する経費を計上しております。
四ページからの災害予防につきましては、内閣府において、社会全体としての事業継続体制の構築等を、警察庁において、都道府県警察の災害警備活動に必要な救出救助資機材のための経費等を、消防庁において、緊急消防援助隊の活動に必要な施設及び資機材の整備のための経費を計上しております。
また、学校施設などの建築物の耐震化を関係各省庁において促進していくほか、厚生労働省における災害医療関係、国土交通省における災害に強いまちづくりなどのための経費をそれぞれ計上しております。
十一ページの国土保全につきましては、農林水産省及び国土交通省において、治山事業、治水事業や海岸事業などに要する経費を計上しております。
最後に、十二ページからの災害復旧等につきましては、内閣府において被災者生活再建支援金の支給、復興庁において東日本大震災からの災害復旧事業や東日本大震災復興交付金等、まちの復旧復興に要する予算等を計上しているほか、関係各省庁において所管施設の災害復旧事業に要する経費を計上しております。
以上の予算案に基づき、東日本大震災からの教訓も十分に踏まえつつ、政府一体となって総合的な災害対策を推進し、国民の安全、安心の確保に努めてまいる所存でございます。何とぞよろしくお願い申し上げます。
以上で説明を終わらせていただきます。
○坂本委員長 以上で説明は終わりました。
次回は、明十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
午前九時散会