第5号 平成26年3月12日(水曜日)
平成二十六年三月十二日(水曜日)午前九時開議
出席委員
委員長 坂本 剛二君
理事 うえの賢一郎君 理事 北村 茂男君
理事 原田 憲治君 理事 福井 照君
理事 盛山 正仁君 理事 細野 豪志君
理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君
井林 辰憲君 井上 貴博君
伊東 良孝君 泉原 保二君
大見 正君 神山 佐市君
神田 憲次君 木内 均君
北村 誠吾君 工藤 彰三君
笹川 博義君 清水 誠一君
竹下 亘君 長島 忠美君
林 幹雄君 藤丸 敏君
宮川 典子君 務台 俊介君
湯川 一行君 吉川 赳君
黄川田 徹君 後藤 斎君
寺島 義幸君 中川 正春君
吉田 泉君 今井 雅人君
宮沢 隆仁君 濱村 進君
樋口 尚也君 中島 克仁君
椎名 毅君 高橋千鶴子君
小宮山泰子君
…………………………………
国務大臣
(国土強靱化担当)
(防災担当) 古屋 圭司君
内閣官房副長官 加藤 勝信君
内閣府副大臣 西村 康稔君
文部科学副大臣 西川 京子君
農林水産副大臣 江藤 拓君
防衛副大臣 武田 良太君
内閣府大臣政務官 亀岡 偉民君
総務大臣政務官 伊藤 忠彦君
国土交通大臣政務官 中原 八一君
政府参考人
(内閣府大臣官房審議官) 岩渕 豊君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 日原 洋文君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 青木 信之君
政府参考人
(法務省大臣官房審議官) 萩本 修君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 藤原 誠君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 原 徳壽君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 蒲原 基道君
政府参考人
(厚生労働省老健局長) 原 勝則君
政府参考人
(農林水産省大臣官房生産振興審議官) 西郷 正道君
政府参考人
(農林水産省大臣官房参事官) 高橋 洋君
政府参考人
(中小企業庁次長) 横田 俊之君
政府参考人
(国土交通省大臣官房建設流通政策審議官) 吉田 光市君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 森 昌文君
政府参考人
(国土交通省大臣官房技術審議官) 望月 明彦君
政府参考人
(国土交通省土地・建設産業局次長) 江口洋一郎君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 徳山日出男君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 井上 俊之君
政府参考人
(気象庁長官) 羽鳥 光彦君
政府参考人
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長) 梶原 成元君
衆議院調査局第三特別調査室長 清水 敦君
―――――――――――――
委員の異動
三月十二日
辞任 補欠選任
工藤 彰三君 神田 憲次君
長島 忠美君 宮川 典子君
吉田 泉君 後藤 斎君
杉本かずみ君 中島 克仁君
同日
辞任 補欠選任
神田 憲次君 工藤 彰三君
宮川 典子君 長島 忠美君
後藤 斎君 吉田 泉君
中島 克仁君 杉本かずみ君
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
災害対策に関する件
――――◇―――――
○坂本委員長 これより会議を開きます。
災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府大臣官房審議官岩渕豊君、内閣府政策統括官日原洋文君、総務省大臣官房審議官青木信之君、法務省大臣官房審議官萩本修君、文部科学省大臣官房審議官藤原誠君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長蒲原基道君、厚生労働省老健局長原勝則君、農林水産省大臣官房生産振興審議官西郷正道君、農林水産省大臣官房参事官高橋洋君、中小企業庁次長横田俊之君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官吉田光市君、国土交通省大臣官房技術審議官森昌文君、国土交通省大臣官房技術審議官望月明彦君、国土交通省土地・建設産業局次長江口洋一郎君、国土交通省道路局長徳山日出男君、国土交通省住宅局長井上俊之君、気象庁長官羽鳥光彦君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長梶原成元君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮川典子君。
○宮川委員 おはようございます。自由民主党の宮川典子でございます。
本日は、このように質問の機会を頂戴いたしまして、まことにありがとうございます。
今回の雪害については、山梨県のみならず、関東近辺で大変大きな被害が出ておりますが、古屋大臣、また西村副大臣を初め、災害特別委員会の先生方にも山梨県に視察に入っていただきました。先生方の視察が、本当に地元の住民にとっては大きな励みになりまして、今後、再建に向けて、一生懸命に頑張ってまいりたいと思っております。
そういう気力が少し戻ってきた段階で、さまざまな問題、また被害の状況というのが明らかになってまいりましたので、本日は、そのことについて質問をしたいと思っております。
まず、一点目であります。
今回の大雪というのは、未曽有の大雪、そして観測史上最大の積雪量ということで、年間、我が山梨県においては、除雪費というのが三億円から四億円でありますけれども、今回、県で五十億円、そして市町村合わせて三十五億円、全部合わせますと八十五億円の除雪費がかかりました。はっきり言って、今、この除雪費の数字を見て、これからの県の財政、どうなるんだ、小さい県でありますので、今後の財政運営にも大きな影響を及ぼすということで、かなり県も市町村も、この財政負担のことについて頭を悩ませているところであります。
例えば、大雪が降る雪寒地域に指定されているところであれば、国土交通省の社会資本整備総合交付金であるとかそういうもので、三分の二あたり、大きな補助をいただけるということがありますけれども、我が山梨県はここ十五年にわたって余り大きな積雪量がなかったということで、雪寒地域に指定されておりません。しかし、もしこの八十五億円かかった除雪費を自分たちで担うとすれば、これは今後の財政への大変大きな負担になってまいります。
雪寒地域の指定であるとか、また、これに準ずるような支援事業があるのであればぜひとも適用して、少しでも市町村並びに県の財政負担を減らしていきたいと存じますが、今後、雪寒地域の指定の見直しがあるのかどうか、それ以外に、除雪費用の支援をするような事業を考えていかれるのかどうか、御答弁をいただきたいと思います。
○徳山政府参考人 お答えを申し上げます。
先生御指摘のとおり、社会資本整備総合交付金における除雪費用、これはいわゆる雪寒法を根拠に支出をいたしております。したがいまして、その支出は、同法により指定された路線に限定しておりまして、山梨県及び県内市町村については補助対象外でございます。
このような恒常的な雪に対する除雪費のほかに、全国的な豪雪の年で、地方財政措置だけで間に合わないような場合には、国土交通省において、幹線市町村道の除雪費について、積雪地域であるかどうかにかかわらず臨時の特例措置を講じてきたという経緯がございます。ただし、この臨時特例措置は、都道府県道については措置を行った前例はない、こういうのが今までの経過でございます。
今般の大雪は、本当に、ふだん雪の降らない地域における大雪という、今までにないものでございまして、今年度はこの三月五日に、措置の検討に必要な降雪状況あるいは除雪費の執行状況を把握する調査を開始したところでございます。
今回の調査については、例年とは違いまして、市町村道のみならず都道府県管理道路も対象としておりまして、今後、調査結果を踏まえて検討することになりますが、恒常的な雪については、雪寒法の指定をどうしていくか、そして、こういう臨時の特殊な雪については臨時特例措置としてどうしていくか、こういうことを検討していくことになろうと思います。
○宮川委員 ありがとうございます。
ぜひとも、三月の五日から見直しをされている、いろいろな調査をされているというお話も伺っておりますので、少しだけでも、半分だけでも、三分の二とまでは言いませんけれども、何とか大きな支援をいただけるように検討をよろしくお願いいたします。
二点目も除雪に関してであります。
山梨県の場合は大雪が降らなかったということで、大きな除雪重機もない中、またロータリー車もない中、各地で建設業の方たちが一生懸命、ある機材で除雪を進めていっていただきました。地域によっては二週間にわたって除雪を行わなければいけないという状況がありましたけれども、その一方で、年度末でありますので、どうしても工事が立て込んでおりました。それに着手することができずに着工がおくれている、また工期が間に合わないというような大きな心配が出てまいりました。
山梨県の場合は、大きな建設業者ばかりではなく、本当に小さな地元に密着した業者が大変多くありますので、今後、もし工期が間に合わなかったりとか、出来高払いでこの年度末にお金が入らないことがあれば資金繰りに困ってしまうんじゃないかということで、業者の皆さん、日夜除雪にかかわってくださったにもかかわらず、今度は御自身の経営だとか、今後の工期のことについて大変心配をされております。
これまでに着工した工期の延長措置であるとか、また、それがどうしても年度を越えてしまうということでありますので、出来高払いの前倒し措置だとか、そういうものについてはどのような検討がなされているのか、御答弁いただきたいと思います。
○森政府参考人 お答えいたします。
建設業者の方々が除雪工事に応援をしていただいて、それがゆえに、もともと自分がやっている工事に対して不利益を与えるとか、あるいは御本人自身が不利益をこうむってしまうということのないように、私どもの方で一生懸命取り組んでいきたいと思っております。
このため、私たち国土交通省の方としましても、各地方整備局の出先機関に対しまして、除排雪作業で優先的に協力をされた方、これによって自分が今抱えている工事がなかなかできないとか、中断をしないといけない、あるいは工期を延長しないといけない、こういった対応に対して柔軟に対応してくださいということで、二月七日に文書で通知を発出しているところでございます。
また、私たち国土交通省の方からも、関係する自治体あるいは関係業団体に対しまして、しっかりと対応するようにという旨の連絡をさせていただいているところでございます。
例えば、山梨県等々におきましても、実際、今回の豪雪に対する現地対策本部みたいなものができ上がっております。こういったところには、当然、県、市町村の方にも参加していただいているわけでありまして、そういった場でも、私どもの担当の方から、この旨、あるいはこういう手続をとっていただきたいということの旨をお話しさせていただいております。
いずれにしましても、そういった方々がしっかりと地元の仕事もやりながら、そういう豪雪の除排雪にも御協力いただけるようにお願いをしているところでございます。
○宮川委員 御答弁ありがとうございます。
ただいまのお話は公共事業のことについてというふうに認識をしておりますけれども、もしこれが民間と契約をしていた場合、民間とトラブルがあった場合に何らかの措置をしていただけるのか、関連でお答えいただきたいと思います。
○吉田政府参考人 お答え申し上げます。
建設工事の工期につきましては、建設業法第十九条に、建設工事の請負契約の締結に際して、契約書の掲げる事項として規定しているところでございます。さらに、同条において、今回のような天災その他不可抗力による工期の変更も契約書において定めるということになってございます。
これを受けまして、中央建設業審議会において作成しております民間工事標準請負契約約款において、工事または工期の変更等に関する具体的な条項が設けられているところでございます。
民間工事につきましては、基本的には当事者間のこれら契約に基づき、協議、またその話し合いで解決していただくということになりますけれども、国土交通省では、建設業取引適正化センターを設けまして、建設業の取引に係る紛争の解決ですとかトラブルの防止に向けてのアドバイスなどを行わせていただいているところでございます。
いずれにいたしましても、工期の変更等が生じた場合は、受注者は、発注者に対して、その変更理由等をまずきちんと説明し、工期の延長等を提案することが肝要かというふうに考えているところでございます。
○宮川委員 ありがとうございました。
ぜひとも、除雪に協力をしていただいた方に不利益が生じないように、行政の方でも、また国の方でもサポートをお願いしたいと思います。
三点目であります。
今回、我が山梨県においても農業被害が大変多く報道されましたけれども、しかしながら、実は、中小・小規模事業者の皆さんにもかなりの経済負担、また損益が生じております。特に、三日間陸の孤島になったことで物流が完全にストップし、製造業であるとか食品加工業、また食品の販売業の方たちは本当に大きな損益を受けております。
中で聞けば、一日千五百万円の売り上げが四日、五日停止してしまったために六千万を超える負担を抱えている、今回どうすればいいのかということで、地元から心配の声も出ておりますけれども、例えば、こういう大雪の中で、不可抗力の中で生じてしまった企業の損益に対して何らかの支援策があるのか。
また、今回は、どうしても中小・小規模事業者の皆さんというのは立派な設備の中で経営をされている方たちばかりではないので、社屋とか倉庫が潰れてしまった、また、といがだめになってしまって、その後、雪解け水によって工場が全部浸水被害を受けているというようなケースもございます。
例えば、これに対して何らかの支援策があるのかどうか、御答弁いただきたいと思います。
○横田政府参考人 お答え申し上げます。
このたびの大雪につきましては、中小企業、小規模事業者にも多くの被害をもたらしております。建物被害だけでも、山梨県を含みます被災四県で約七百件の被害となっておりますほか、委員御指摘のように、営業ができなかったということに伴う被害も生じております。
このため、公的金融機関あるいは商工会議所、商工会に特別相談窓口八十三カ所を設置いたしまして、相談対応を行っております。これまで千二百件の相談を受け付けておりまして、災害復旧貸し付けあるいはセーフティーネット貸し付けで資金繰りの支援を行っております。既に五十件の融資を行っておりますほか、七十件の融資の申し込みもいただいております。
引き続き、経営指導員が個別に一社一社巡回訪問いたしまして支援をしてまいりたいと思っております。
○宮川委員 ありがとうございます。
ぜひとも、中小企業、小規模事業者の皆さんへの支援を手厚くお願いしたいと思います。
次に、二点、農業被害について質問させていただきたいと思います。
今回、農林水産省また環境省から、ハウスの再建または撤去について大変手厚い支援をいただきました。地元の皆さんもやっと希望の光が見えたということで、先週と今週を比べたら、もう本当に表情も明るくなって、意欲的に作業に取り組んでいらっしゃる方もいらっしゃいます。
しかし、ここで一つ問題になってきましたのは、ハウスの撤去をするといっても、ことしじゅうにできないという問題です。
例えば、手数が足りないとか、それだけの重機を持っていないとか、また、来月、四月になってしまいますと露地栽培が具体的に始まってしまいますので、もうハウスに構っている時間がない、そうすると、年を越えて、もしくは二年ぐらいのスパンでもう一度考え直さなきゃいけない、撤去を考えていかなきゃいけないということ。
また、再建をされる方も、三年ぐらいは、少し木が丈夫になるまでは露地栽培と同様に棚だけにして、三年後、これを露地でやるのか、それともハウスでやるのかを検討したいという方も出てきております。
これは、今回受けた災害のお金も返していかなきゃいけないということで、多重ローンになることをみずから防ぐという意味合いを持って皆さんそういう検討をされていますが、それについては、単年度の支援ではなくて、やはり三年ないし五年の長期運用が必要かと思いますけれども、農林水産省と環境省、このことについて御答弁を頂戴したいと思います。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
御指摘の果樹の被害の関係を含めて、今回の対策は、豪雪により産地が壊滅的な被害を受けていることに鑑み、早急に産地の復旧を図る観点から、特例的な措置を集中的に講じていこうというものでございます。
このため、果樹用ハウスなどの被災施設の再建、撤去を支援する被災農業者向け経営体育成支援事業においても、平成二十五年度及び平成二十六年度予算を活用して、復旧が速やかに行われるように支援していく必要があると考えております。
このように、平成二十六年度末までに行うのが基本と考えておりますが、これで対応できないことがあれば、その事情をよく伺った上で検討してまいりたいと考えております。
○梶原政府参考人 お答え申し上げます。
環境省におきましては、従来から、災害によりまして住宅等から発生いたしますいわゆる災害廃棄物につきまして、市町村が生活環境保全上の観点から行います収集、運搬、そして処分に対しまして、災害等廃棄物処理事業費補助金により支援を行わせていただいているところでございます。
今回の大雪によりまして倒壊いたしました農業用ハウス等の撤去につきましても、この補助金を活用するということで、今月三日にその支援策を公表させていただいているところでございます。
それと同時に、先日来から環境省の職員を山梨県等の被災地に派遣しまして、情報収集を行わせていただくとともに、例えば、昨日、山梨県で全市町村に呼びかけて説明会をさせていただくといったようなことで、この制度の周知徹底、あるいは今委員御指摘の事務手続等のやり方につきまして必要なアドバイスをさせていただいているところでございます。
被害の実態に合わせまして撤去等の処理が円滑に進む、これが一番大事なことであると考えておりますので、引き続き、関係省庁並びに被災地の地方自治体とも連携の上、必要な支援を行ってまいりたいというふうに考えております。
○宮川委員 ありがとうございます。
ぜひとも、長期的に農家を支援していただけるようにお願いしたいと思います。野菜とか花卉と違いまして、果樹というのはどうしても年数をかけないともとのとおりに戻らないというのが現状でありますので、どうかそこへの御配慮をお願いしたいと思います。
時間もなくなってまいりましたので、二点まとめて質問させていただきたいと思います。
一点は農林水産関係でございますけれども、先ほど、手厚い支援をいただいてやる気を取り戻した農家がいるというお話を申し上げましたが、やはり一方で、もうこれ以上再建はできないということで断念される決意をされた方もいらっしゃいます。
ここで、地元で一番何を危惧しているかというと、そこが完全なる耕作放棄地になってしまうこと、これは果樹の大きな産地として避けるべきではないかという声がかなり多くなってきております。
その中で、農業生産法人であるとか、また篤農家の方たちは、断念をした方たちの土地、農地を借り上げて、自分たちがそこに、若手の新規参入者、そういう希望を持っている人たちを中に入れて、どんどんもう一回再建をしていきたいというふうに積極的に考えていらっしゃる方がいます。
しかしながら、その方たちも今回の雪ではっきり言って大きな被害を受けているわけで、この土地の借り上げについてもし支援策があるのであれば、もっと積極的に考えて、大きな名高い産地として、もう一度自分たちの手でやり直しをしたいという方がいらっしゃいますけれども、この土地の借り上げについての支援策があれば、ぜひお伺いしたいと思います。
最後になりますけれども、もう一つは、今、さまざま交付金の話、また支援事業についてお話をしてまいりましたけれども、一番は、とにかく今回の緊急的なものを乗り越えた後、山梨県の人間が、そして今回被害を受けた人たちが自分たちの足で立つということが何よりも重要だと思います。それのスタートをぜひ支援していただいた後は、私も県民の皆さんと手をつないで、しっかりこの問題に取り組んでいかなければいけない、長期になる戦いに乗り込んでいかなきゃいけないと思います。
しかし、ここのスタートのところで、やはり財政支援、特別交付金の拡充であるとかそういうものが大変必要だと思いますので、ぜひとも手厚い御支援をお願いしたいと思います。
そのことについて御答弁いただいて、私の質問を終わりにしたいと思います。
○高橋政府参考人 農地流動化を進める画期的な手法として、都道府県段階に公的な機関として農地中間管理機構を整備することとして、関係法案を昨年の臨時国会に提出し、成立したところであります。
現実に今回の大雪で被災され、再建を断念された農業者の方が、自分でその農地の借り手を見つけるということは難しいと考えております。そこで、その農地を一旦農地中間管理機構が借り受けて、農業生産法人などの新たな借り手を探すということが有効と考えております。農業生産法人などの担い手にとっても、機構が間に入ることで、安心して農地を借りる条件が整うと考えております。
このように、この機構を活用することによって、今回の雪害により再建を断念した農地についても、担い手への集積を進めることができると考えております。
○青木政府参考人 お答え申し上げます。
山梨県を初め、今回の大雪で多大な被害が生じておりまして、地方団体にさまざまな財政需要が見込まれます。
まず、除排雪経費ですが、実際の所要見込み額が普通交付税における措置額を超える場合には、三月分の特別交付税により措置することとしておりますけれども、平年の積雪が少ない地域では、この普通交付税措置額が少額でございます。特別交付税によりしっかり措置してまいりたいと考えております。
また、農業用ハウス等の再建、修繕、撤去への助成に要する経費につきましては、農林水産省が補助制度を拡充しております。総務省としても、この制度に係る地方負担について、新たに特別交付税による措置を講じることとしております。
これらの経費を含めまして、今回の大雪による各地方団体の財政需要について、よく実情をお伺いし、多額の財政負担により財政運営に支障が生じるといったようなことがないように、特別交付税等により適切に対処してまいりたいと考えております。
○宮川委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○坂本委員長 次に、濱村進君。
○濱村委員 公明党の濱村進でございます。
質問に入る前に、このたびの豪雪被害でお亡くなりになった方々に哀悼の意を表するとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞い申し上げます。
今回の豪雪被害が起きているときに、二月十五日、十六日、私は、地元の兵庫県におりました。その状況を、山梨県のような被害状況を知ったのは、移動中に車の中で携帯でフェイスブックを見ているときに初めて知ることとなりました。そのフェイスブックで書かれていることが本当に事実なのかどうか、これすら確認できなかったというのが実態でございました。ラジオをつけても確認できない、そしてまた、帰宅してテレビを見てみてもなかなか確認することができませんでした。今回の第一報として私が知り得た情報は、フェイスブックが最初であったという状況でございました。
これと同じようなことが政府でも起きていないかというふうに危惧するわけでございます。行政サイドが被害状況について情報をなかなか入手でき得なかったのではないかというふうに思うわけでございます。
例えば、中央道が通行どめになった後に、大月市あるいは北杜市の国道二十号に大変多くの車が流れ込んできたというふうになりまして、これが立ち往生する結果となりました。このことによって、除雪作業が大変難航したというふうに伺っておるわけです。
通行どめを判断するということは、非常に困難な判断であるというふうに思います。早い段階で通行どめをして、集中的な除雪を先にやることが大事と太田国交大臣もおっしゃっておられるんですけれども、一方では、早目に通行どめをすることによって、十分車が走ることができる状態が続くと、なぜ通行どめにするのだというような御批判を受ける懸念もございます。
いずれにしましても、第一報を素早く捉えて、その上で、状況を正確に判断し、対応を決断していく必要があるというふうに考えます。情報共有のあり方について、特に被災者救援、救済の観点からどのような改善をなされるおつもりでしょうか。大臣にお答え願います。
○古屋国務大臣 委員御指摘のように、やはり速やかに正しい情報を共有する、あるいは双方向というんですか、インタラクティブでやるということも含めて、極めて大切ですね。これはもう災害に限らず、全てにおいて情報の速やかな共有とそして伝達というものが大切だと思います。
今回の例で見ますと、山梨県では、十四日金曜日の夜に、県とか警察本部、陸上自衛隊、あるいは国交省の国道事務所等々で構成される対策会議を設置して、そして、各機関から山梨県にリエゾンを派遣して県庁内で情報交換を行って、十五日の朝には、県庁において第一回の雪害の対策会議をやったり、あるいはその情報交換をしていた。一応、県と出先機関は当初からそういう対応をしていました。
内閣府においても、十四日の昼に警戒会議を内閣府設置法四条に基づいて立ち上げまして、全省庁に情報の共有と広域的な支援体制の指示は私からもさせていただいております。その後、山梨県知事とすぐ携帯電話等で連絡をとって、積雪の状況とか、あるいは県の対応のやりとりは確認をしました。
それからもう一つ、地域選出の議員さん、先ほど質問になった宮川議員もそうでしたけれども、私の携帯やフェイスブックで連絡をいただきました。非常に具体的でしたね。四百十一号とか百四十号の何とかがどうなっているとか。これは対策会議をやっていましたので、もうそこですぐ指示して、ぱっとできる。だから、そういう情報は速やかに入れるというのは極めて大切ですね。数時間の間に対策ができました。
あとは、やはりフェイスブックも開設をして、積極的な情報発信に努めました。
しかし、内閣府のホームページ自身は、二月十四日に省庁の警戒会議を開く、そしてその中身はしっかり対応しました。でも、実際に頻繁な更新をしたかというと、残念ながらそれはできていませんでしたので、やはりこれは反省点ですね。いかに情報発信をしていけば国民の安心、安全につながるか、我々は今検討しております。
今回の情報の収集や共有に関する課題として、まず一点が、これはもう早速検討を始めていますが、大雪についての、いわゆる注意報、警報、特別警報でございますね。これはどうしても国民の皆さんとちょっと乖離があるんですね。特別警報というのは気象学的には正しいんですよ。ただし、国民の皆さんとの乖離があるので、では、これをどう提供していくか。
それから、今御指摘のあった放置自動車。立ち往生した車が多かったものですから、これの撤去作業に本当に時間がかかった。場合によって、どういう要件のもとで強制撤去ができるのか、これは雪の被害だけではなくて地震のときにはもっと深刻な状況になると思います。こういった検討はもう早速進めております。
それから、やはり、政府と自治体、マスコミによる国民への情報提供、これは非常に大切なので、まあNHKは御承知の放送法百八条に災害対策の場合は報道するということも記されていますので、NHKを初めとする報道関係者にも災害発生の初期段階から頻繁に報道していただく。そのためにも、内閣府とか、あるいは県、メディア関係者が会って、どういう形で報道していったら一番正しく伝わるんだろうか、こういうようなこともしっかり検討したいというふうに思っております。
やはり、こういう災害というのは、常に教訓を得て一つ一つブラッシュアップしていく必要がありますので、今委員御指摘のように、情報の共有、発信、速やかな、正確な情報の伝達、こういったものについて総合的に対応していきたいというふうに考えております。
○濱村委員 大臣、大変丁寧な御答弁をありがとうございました。
情報発信をいかにしていくのか、これが本当に大事であるというふうにおっしゃっておられましたけれども、また、マスメディアとどのようにコミュニケーションをとっていくか、内閣府からどう情報を伝達していくのか、この点についてもぜひ改善をいただきたいというふうに思います。
次の質問に移りたいと思います。
特別警報について質問いたします。
特別警報については、伊豆大島の集中豪雨による土砂災害のときにも質問をさせていただきました。しかしながら、今回も特別警報は発令されませんでした。この特別警報、先ほど大臣もおっしゃっていたとおり、気象学的には正しいところがございます。そこの観点と国民の皆様がどうお感じになっているかという点もすり合わせをしていかなければいけないんじゃないかなというふうに思うわけでございます。
今回の豪雪被害について言えば、発令基準としましては、都道府県程度の広がりをもって五十年に一度の積雪深となり、かつ、その後も警報級の降雪が丸一日程度以上続くと予想される場合ということでございました。
この基準が適切なのかどうか、気象学的にどうかという話と国民の皆さんに向けて発信をするという意味ではまた観点が違うかもしれません。そういった意味でも、基準自体を、過去の豪雪地域においての基準という点と、あるいは太平洋側における基準というものを立て分けて考えていく必要もあるのではないかというふうに思います。
こういった基準を地域ごとに見直す、あるいは国民に発信するために見直していくといった観点も必要かと思いますけれども、どのようにお考えでしょうか、お伺いしたいと思います。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
先生の御指摘は、気象庁が発表する注意報、警報、さらには特別警報、一連の防災気象情報がございますが、これにつきまして、気象現象の状況に応じて危機感をいかに迅速かつ効果的に国民あるいは関係する防災機関にお伝えするかという課題であると認識してございます。
このため、気象庁では、今回の大雪事例を教訓としまして、先ほどの一連の防災気象情報について、まずは予測技術の向上に努めるということが重要と考えてございますが、その適切な発表や自治体等の対策、さらには国民の受けとめ方という観点では十分な調査を行って改善を進めていきたいと考えています。
その際、特に重要な点は、古屋大臣からも御指摘がございましたが、自治体や住民の方々に注意報や警報の段階から早目早目の対応をとっていただくということがポイントであろうと考えていますので、このことについて十分自治体等とも連携して周知啓発に努めていきたいと思います。
このため、今回の事例につきましては、気象庁の内部の調査、検証にとどまるのではなく、やはり、科学的、技術的な見地からの検討は当然やりますが、自治体等の関係機関における対応状況の調査、さらには災害対策の見地から自治体から御意見を伺って検証していく必要があると考えてございます。
以上でございます。
○濱村委員 ありがとうございます。
気象庁だけでなくというところが非常に大事なポイントかなと思いました。
警報が出る、あるいは注意報が出る、さまざまな段階によってどのような対応をとるべきか、スピード感を持って対応できるように、日ごろからの訓練あるいは知識の共有というところが非常に大事かなというふうに思いますので、ぜひ適切に見直しをしていっていただきたいというふうにお願い申し上げるわけでございます。
このたびの災害におきましても、農水省、総務省、国交省、政府からのさまざまな支援措置がございました。このこと自体は非常に高く評価しているわけでございますけれども、昨日、発災後丸三年を迎えました東日本大震災でございますけれども、ここにおかれましても、さまざまな措置が講じられたわけでございます。
その一つが、災害援護資金貸付金の償還免除要件に関する特例措置でございます。
今、私の地元でありまして、そしてまた西村副大臣の御地元でもあります兵庫県の各市におきましては、平成二十六年三月三十一日に履行期限が迫ってきているという状況でございます。既に八年間の延長をお認めいただいてきたわけでございますけれども、市から県、県から国、償還期限をさらに二年間、延長をお願いしたいというふうに思うんですけれども、いかがでございましょうか。
○西村副大臣 お答えを申し上げます。
御指摘の災害援護資金の貸し付けでありますけれども、御指摘のとおり、これまで、五年、三年の、国費の償還期限を延長、再延長と行ってきたわけであります。
兵庫県、神戸市等からも要望をいただいておりまして、現在の償還の状況を勘案しながら、財務省初め関係機関と今検討を行っているところでありますけれども、基本的には、償還期限をさらに三年間延長する方向で調整を行っております。
○濱村委員 ありがとうございます。
知事等から二年間何とかというところを、三年間と言っていただいて、本当に感謝申し上げるわけでございます。
この点につきまして、さらにちょっとお願いがございます。
東日本大震災につきましては、支払い期日到来後十年経過して、無資力またはこれに近い状態で、かつ、償還金を払うことのできる見込みがない場合にも、償還免除要件を拡大しておるわけでございますけれども、阪神・淡路大震災の方々についても、同等の取り扱いの適用をお願いできないでしょうか。
○西村副大臣 御指摘のとおり、東日本大震災に関しましては、特別法がございまして、支払い期限到来から十年経過をして、その時点で無資力またはこれに近い状態に借り受け人があるという場合に、償還免除を行うことができる規定がございます。
阪神・淡路大震災におけます災害援護資金貸し付けの償還免除に関しては、このような規定はないんですけれども、仮に、先ほど申し上げた償還期限の再延長を行えば、最初の支払い期日到来から十年を経過することになりますので、その場合については、国の一般法であります国の債権の管理等に関する法律というのがございまして、ここの三十二条の規定によって、履行延期の特約等を行ったそうした債権については、東日本のケースと同様の取り扱いをすることになります。
ただ、これは、まだ過去に例がなく、初めての適用になりますので、具体的に手続をどうしていくのかとか、あるいは、阪神・淡路の場合には、困難な状況の中でも既に無理をしてでも返済に努力をしてきた方々がおられますので、その方々との不公平感が出ないように配慮してもらう必要もございます。
こうした点を具体的に整理しながら、その取り扱いについては検討を進めていきたいというふうに思っております。
○濱村委員 大変にありがとうございます。
ぜひしっかりと整備をお願いしたいというふうに思うわけでございます。
続きまして、BCPについて質問をさせていただきたいと思います。
皆様のお手元にも資料をお配りさせていただきました。この資料は、先日、読売新聞あるいは日本テレビ、帝国データバンクが共同で行った調査でございますけれども、災害時の事業継続計画を策定している企業、これが全体で一四・四%にとどまっているというような報道がございました。資料のとおりでございます。二枚ありますので、ぜひ裏面も見ていただければ、どういった業種が策定済みで策定が薄いかというのがわかるわけでございます。
この策定している状況自体、まず、民主党政権時代に、内閣府の調査が平成二十四年三月に行われたわけですけれども、大企業で四六%、中堅企業で二一%が策定済みという結果になっているわけでございます。これは、母数が違うためなのか、少し乖離があるなというふうに見受けられるわけでございます。
中堅企業とおっしゃっているところも、中小企業ではなくて、中堅企業と定義されておられますので、これは大企業に属する会社のうちで資本金十億円未満のことを指すのかなというふうに思っておるわけですけれども、今回、民間で行った直近のデータの方が幅広く調査を行っているのかなというふうにも見受けられます。
こういった背景のもと、平成二十四年七月三十一日の閣議決定の日本再生戦略、これは前政権ですけれども、企業のBCP策定率、二〇二〇年までに大企業で一〇〇%、中堅企業で五〇%の目標を掲げられておりましたけれども、これはまだ有効なんでしょうか。達成目標を五〇%としている中堅企業とは、どのような企業を想定しているのか。あるいはまた、その中堅企業がBCPを策定するため、政府としてどのような支援策に取り組まれようとされているのか。お答えいただければと思います。
○亀岡大臣政務官 まさに委員が今言われたとおり、なかなかBCPの普及率というのは少ないところでありますけれども、今、中堅企業の定義というお話がありましたが、これは業種によって変わりまして四つに分類されております。
例えば、製造業においては、資本金三億を超え十億円未満かつ常用雇用者が三百一人以上の企業を対象としています。これは、卸売業とか小売業とかサービス業に分かれております。
ということで、できる限り中堅企業、これは大企業と中堅企業と中小企業になりますけれども、なるべくきちんと、余裕のあるところ、しっかり対応できるところから普及活動をしていこうということで、今やっております。
その中で、特に、昨年の八月に事業継続ガイドラインを改定しまして、BCPの経営戦略上の位置づけを明確化し、サプライチェーンの確保の観点から連携の重要性をしっかりと見直しを行ったところであります。この改定のガイドラインを、経営者向けの普及啓発を図るためにいろいろ今活動しております。
サプライチェーンの重要性を念頭にしっかりとPRするとともに、実は大企業は大体今策定してきていただいておりますので、その大企業の関連会社と系列を含めて、しっかりと策定のできているところに中堅企業へのアプローチをお願いしまして、一緒になって啓発活動を今進めているところであり、社会全体として事業継続の強化がしっかりと結果として見られるように、今取り組んでいるところであります。
○濱村委員 ありがとうございます。
BCPのガイドラインを見直したというだけではなくて、中小企業に対しての取り組みが一番負荷が大きいのかなというふうに思いますので、ぜひさらなる御支援を賜りたいというふうに思います。
時間が参りましたので以上で終わりますけれども、国連防災会議も明年ございますので、しっかりと、この点についてもぜひ取り組んでいただければと思います。
時間がないので質問を終えようと思いましたが、大臣が御発言いただけるのであれば、ぜひお願いいたします。
○古屋国務大臣 来年の国連防災会議の質問でございますけれども、これは十年に一遍の会議で、ポスト兵庫行動枠組の後継の枠組みでございますので、我々はしっかり対応していきたいと思っています。世界から四万人以上の関係者が来ますので、やはり日本の東日本震災の教訓をしっかり生かしていくということが大切。あとは、フレッシュな、いろいろな新たな関係者に参加していただきたい。
一つの例を申し上げますと、過日、ポストクエイク・イノベーション・フォーラム、PIF、これは高校生が実行委員長、全部高校生だけで取り組んでいました。すばらしい中身でしたよ。私、行ってきました。総理夫人の安倍昭恵さんも参加して、パネルに参加するなどしておられましたけれども、「日本発・グローバルに展開する減災産業の振興」これを具体的に提案しているんですね。こういう取り組みをどんどん世界に紹介していきたいと思います。
ぜひ御党におかれましても、何か前向きな提案がありましたら、これは全ての政党、対決する話じゃありませんので、よい提案がありましたら、世界防災会議の中にもしっかり反映できるように対応していきたいと思います。
○濱村委員 ありがとうございました。質問を終わります。
○坂本委員長 次に、後藤斎君。
○後藤(斎)委員 時間がありませんので、早速質問に入らせていただきます。
大臣、連日お疲れさまでございます。
まずは、冒頭、農水省にお尋ねをしたいと思います。
二弾にわたって、農業対策の、復旧復興に向けていろいろな施策を講じていただきました。十分かどうかというのをこれからちょっと御議論させていただきますが、昨日、今回の豪雪の被害額が一千二百億円を超えるというふうなことを農水省は出しました。その中で、私は、豪雪の後の農水委員会も含めて、いろいろな指摘というか、御要望も含めてさせてもらったんですが、きょうは二つだけ議論させてもらいたいんです。
一点は、壊れたビニールハウスの撤去については、当初三分の一の国費負担を二分の一に拡充していただいて、その後、地方の負担を、山梨の事例でいえば、県が二割、市町村が二割、そして農家の方が一割という形なんですが、実は、一割しか農家の方はコストがかからないのかなと思う一方で、定額制という仕組みを導入しました。
これから業者の方に頼んだりして、十アールで二十九万円ということですから、二十五日の災害対策委員会でも御議論させてもらったときの、撤去には十アール百万円かかったり二百万円かかるんだよということから比べると、この二十九万円という数字は私は非常に過少ではないかなというふうに実は思っているんです。
もっと言えば、去年までは、それぞれの地域で、特に雪が降らないところですから、劣化をしたりした撤去で、二十九万円までに入ったのかもしれませんけれども、ことしはそれを百倍、二百倍上回るような撤去の作業というものが業者さんにありますから、当然、人が足りませんから、資材やその人工賃も上がっていくということになるんです。
まず、江藤副大臣にちょっとお尋ねをしたいんです。
例えば、二十九万円の定額制の部分で、通常のパイプハウス、五十万円請求をされたら、国費、県費を含めて二十九万円投入されても、では二十一万円というのは誰が払うのかということになります。一方で、支援事業の要綱では、農業者の負担とならないような定額制という一つの項目を出していますけれども、その点、江藤副大臣、どういうふうに整理をすればよろしいんですか。
○江藤副大臣 先生の御地元も大変な被害を受けられまして、お見舞い申し上げます。
二十九万円が決して過少だとは私も思っておりません。この件については、大臣の御指示をいただいて、過去の事例も含めて検証を重ねてまいりました。決してハウスの撤去費が二十九万ということではなくて、ガラスだったら百二十万、鉄骨であれば八十八万、パイプであれば二十九万ということであって、私のところも台風がいっぱい来るところですから、過去のこういう事例を踏まえた上で、二十九万という数字を定額で出させていただきました。
これはもともと、撤去費については見ないというのが、先生御存じのとおり前例で、それを三分の一、二分の一と引き上げて、さらには定額ということで、基本的には農家の負担がかからないということでありますので、仮に五十万請求されれば、残りの金額は農家負担ということになりますけれども、私は、言葉を選ばずに申し上げれば、この機に乗じて農家からむしり取ってやろうというふうな業者さんはいないというふうに信じたいと思います。
○後藤(斎)委員 いや、江藤副大臣、そうじゃなくて、それを上回った場合は、どういう負担割合で、どういう形で処理をなさるんですかということです。
○江藤副大臣 定額ですから、上回った場合は農家の負担ということになります。
○後藤(斎)委員 そうであれば、それをきちっと明確に言っていくべきだと思うんです。副大臣、これからの第三弾があるかどうかは別としても、そこは遅いかどうかは別としても、今、県が市町村に対して今回の全体の施策を周知している作業の途中なので、それはぜひ明確にしていただきたいと思います。
時間がないので、あわせて、果物農家については、野菜農家とは違って、一回だめになった果樹を植えかえするというのもいろいろな支援の仕組みが当然あって、それについては現行制度を踏襲しながら対応が進められようとしています。
一方で、これも何度か御指摘をさせていただいているんですが、いわゆる果樹については、未収益期間の分についてどう対応されるか、実は果樹農家の方、特にハウスで加温しながらできるだけいいものを早く出していこうという農家の方からは、この未収益期間の補助率、今は十アール当たり五万円ということで対応していますし、果樹棚もその一つの対象に入れてもらったことについては大変ありがたいと思っているんですが、四年間という限定つきですし、やはりもう少し未収益期間の補助率を上げてほしいという強い希望がございます。
いろいろな施策をどういう優先順位でやるかということは、当然、一方の整理としては必要だと思うんですが、これも繰り返し御発言をさせてもらっていますけれども、果樹農家の方々が、この機にやめてしまうのではなくて、もっと頑張っていこうという部分について、この未収益期間の部分の補助率のかさ上げについてはぜひ農水省においても優先順位を高めてほしいということを、大臣も含めてお願いをしてまいりましたので、現状について、どのように今整理をされているのか、江藤副大臣から御答弁をお願いしたいと思います。
○江藤副大臣 先ほどの件について若干補足をさせていただきますと、定額を超えても全然構わないということになるとモラルハザードもあり得ますので、きちっと周知はいたしますけれども、この枠内におさめていただく努力をしていただくことがまず一義的には大事だと思います。
未収益期間のかさ上げについては、与野党の垣根を越えてたくさんの御要望をいただきました。先生からもいただきました。昨日は、大臣のところに直接足も運んでいただいて、きちっとした御要請をいただいたことも承知をいたしております。
ですから、この部分、未収益期間はとても大事で、この際に離農するということを防がなければなりませんので、これは対策を打たねばなりませんが、これまでの対応をしている方々に対する不公平感とか不平等感が起こってはなりませんので、ここをさわるのはやはり今の段階では難しいとお答えせざるを得ません。
しかし、プラスアルファのメニューで、こちらの方で倒れてしまった、折れてしまった、こっちは防除しなきゃいけない、こっちの木は生きている、その未収益期間も含めて改植までの期間、ちゃんと防除して、かかり増し経費がかかりますねということも現実にありますので、この部分については五万円から十万円、これもお支払いをさせていただくようなメニューを、新聞の方にも若干もう報道されているようでありますけれども、プラスのメニューで出させていただくことといたしております。
○後藤(斎)委員 江藤副大臣、五万円から十万円というのは、それは品種、品目によって違うんですか。それとも地域によって、いわゆる十アール当たり五万円の未収益期間の部分のかさ上げが行われるんですか。その点については、品目ですか、それとも地域ですか。それによって五万円、十万円が違うんですか。
○江藤副大臣 基本的に、品目によって分けようというふうに考えております。
○後藤(斎)委員 江藤副大臣、いろいろな調整がこれからあるのはよくわかっていますが、ぜひ早目にそのメニューというものをきちっと提示していただきたい。これは野菜と違ってかなり時間がかかるものですから、どういう品目をこれから新しく植えかえていくのかということにも大きく関係してくるんですね。その点については、きちっと御議論をしていただいた上でで結構ですから、早目のメニュー提示というものをぜひお願いしたいというふうに思います。
国交省の方にちょっとお尋ねをしたいと思っています。
前回の予算委員会の分科会でもちょっと議論をさせてもらったんですが、いわゆる県道、市町村道で除雪の国の支援の仕方が違う。特別交付税や特例措置というものも、市町村道については特例措置を以前も適用したことがあるけれども、県道についてはその適用がないとか、いろいろ整理の仕方が違います。
除雪は、もちろん一カ月近くたつわけですからようやく終わりますけれども、県道と市町村道の除雪費用の契約単価というのが非常に違うというのを実は最近お聞きしました。除雪費用の単価というのはどういうふうに決まっているのか。そして、県道と市道が二倍近くも違うという事例が散見されています。契約単価が全部同じ金額であっていいということではありませんけれども、同じ地域で、隣接した県道と市道の除雪費が二倍違うというのはどう考えても不合理なんですね。ここをどう穴埋めしていくのか。
あわせて、国交省の方にお尋ねをしたいと思います。
○森政府参考人 お答えいたします。
私どもの方、こういう費用を算定する際には、全体的には標準歩掛かりという一般的な歩掛かりを決めておりまして、その中に、資材だとか人材だとか機材、それが一つの標準の作業当たりどのぐらいかかっているかというものを定めております。
ただ、今回、山梨県での豪雪の際には、一般的な除雪作業という形の機械を使っておりません。一般的な工事で使われているような機械を実際の除雪に使っておりますので、そういう意味では、今まで私どもの方が使ってきたものをそのまま現場に当てはめて積算をすることはできないということになっておりまして、実態としては、見積もりでどのぐらい実際かかったのですかということをお聞きして、歩掛かりを別途定めているという形になっております。
実際、簡単にサーベイした感じでは、さほど大きな開きはないというふうに聞いてはおるんですが、今委員から御指摘のありましたような、倍半分違っているということになりますと、それ自身は、実際に応援をしていただいた方が大きな不利益をこうむることになりますし、工事請負に際しましては、除雪のみならず、例外とならないように適正な価格の単価を設定してくださいということを要請しておりますので、今御指摘のありましたような事例が出てまいりましたら、私どもの方としても、そこは適切に対応をさせていただければと思っております。
以上でございます。
○後藤(斎)委員 実は、山梨の方では、県では、国に準じて今回の除雪及び運搬排雪単価というのをかなり細かくやっています。
例えば、除雪グレーダー、三・一メートルというので、昼間と夜、県で分けているんですが、昼間の部分だと一時間二万六千百円、ある市は、同じもので一万五千七百円という事例。普通作業員の人件費についても、時間当たり五百円以上違うという形になると、八時間働くと四、五千円違ってきちゃう。
この事例が実はあるので、ここは今調査を、それぞれ三月五日付で出していただいているものを、市町村間の単価の不平等感があるのかないのかということも含めて、きちっと見ていただきながら最終的な対策を講じていただきたいというふうに思うので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。
ちょっと時間がなくなってきました。
大臣にも二月二十五日に御指摘をさせてもらったんですが、二年前も、北海道、東北地方、かなり豪雪が降って、関係閣僚会議も含めて何度かやって、以前、大臣が検討しますという、要するにメニュー、農水省のメニュー、今の国交省の除雪に関する支援策、そして特別交付税も含めた支援策、いろいろなものを連携しながら国が地域や被災者の方を支えていくということは、どんな政権になってもこれは変わらないと私は思うんです。それが、二月十四、十五、一番雪が降ったときから数えてもう一カ月近くなるわけですから、そういう意味で、政府全体としてまとまったメニューをぜひ早急に出していただきたいと私は思うんです。
要するに、各省がやっている、やっているというのはよくわかるんです。ですから、まとまってやはりメニューを出していただかないと、何をやっているんだかわからないし、現場の市町村や農家の方も含めて、何がどうやって本当に使われるのかというのが、実は本当にまだ混乱しているんです。
ちょうど中川先生が防災担当大臣のときに、二週間くらいで大きなメニューをつくりながら順次対応していったので、ぜひ古屋大臣もそれ以上にやはり、スピード感を持ってというふうに二十五日もお答えいただいていますが、まだそれができていないので、ぜひ早急に全体の支援策のメニューを政府全体で出していただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○古屋国務大臣 後藤委員も、二月二十五日の委員会で、例えば、農水省と環境省の事業がある、やはり被災者の立場に立った対応が必要なんじゃないか、おっしゃるとおりですよね。
今回は、農水省と環境省のものを実質的にワンストップで対応できるシステムにしましたし、また、各省庁でいろいろなメニューがありますので、今、内閣府のホームページも、全省庁の支援事業を全部リンクして、そこでワンストップで見に行けるような対応に変えました。ぜひホームページをごらんになってください。そういうふうに内閣府のホームページも変えました。委員の御指摘を受けてそういうふうに変えていますし、また、やはり大切なのは、国のメニューだけではなくて、県や市町村のメニューも、そういうワンストップで、被災者の立場に立って、集約してわかりやすく情報発信することが大切だと思いますね。甲府市とか北杜市とか、山梨県においてはそういう対応をしていますので、そういったこと。
すなわち、申し上げましたように、被災者の立場に立ってわかりやすい情報を提供していく、これからも徹底していきたいと思います。
○後藤(斎)委員 以上で終わります。
○坂本委員長 次に、細野豪志君。
○細野委員 ここまでも各委員の皆さんから、二月の十四日以降の災害について具体的な質問がありました。
私も、現地に先週行かせていただきまして、深刻な被害の状況を見てまいりましたので、古屋大臣を初めとした政府の皆さんには、メニューのさらなる充実、さらには省庁の縦割りを超えた対応というのを求めたいというふうに思います。
災害から一カ月たちました。やはり直後は、具体的な被害の状況を把握したり、緊急対応ということで、皆さん大変御苦労されていましたので、経緯を検証するというのはちょっと時間を置いた方がいいだろうと思いましたので、控えてまいりました。ほぼ一月たちましたので、少し初動の部分について、本当に正しかったのかどうか、そこを私の質問の中で検証したいと思います。
まず、古屋大臣は、どうだったんだということがある中で、十四日には災害警戒会議をやっていて、その後も内閣府の方でしっかり対応したんだという答弁を再三されていますが、その認識は今もお変わりありませんか。
○古屋国務大臣 もう何度も私も答弁させていただいておりますが、二月十四日の昼の警戒会議から一連の流れについては、今委員が御指摘になったように、私たちは、法律と現地の状況に対応すべく、最大限の対応をさせていただいたというふうに思っております。
○細野委員 今回の災害対応の中で、私がやや姿が見えなかったなと思っているのは官邸なんですね。
きょうは、加藤副長官に来ていただきました。
資料を三枚配りましたが、横書きのポンチ絵、これをごらんいただきたいと思います。
一月の三十日に政府で検討された会議の中で、西川徹矢さん、私どもが政権を担当していたときの官房副長官補、防衛省からこちらに、内閣官房の方で仕事をしていた人でありまして、三・一一のときの副長官補ですから、私も危機管理を直接やりました。ですから、相当これは彼の実感に基づいたイメージだと思うんですね。
広域管理のときに、内閣官房がどこまでの役割をして、どこからが内閣府なのか、これが非常にわかりにくい。この図はそれを非常によくあらわしていると思います。
大規模災害が起こったときに、まず、内閣官房を中心に、緊急参集チーム会議を立ち上げたり、人命救助や緊急の輸送をしていく、そして時間がたって落ちついてきたら、内閣府の方で災害復旧や復興、さらには生活支援などをする、こういう図になっているわけですね。
まず確認したいんですが、今回の二月の十四日以降の対応の中で、内閣官房に何らかの緊急参集チームなりを立ち上げて対応したということがあるんでしょうか。副長官にお伺いします。
○加藤内閣官房副長官 今御指摘の室というものを立ち上げたということはございません。
○細野委員 長官御自身も官邸に入っておられませんし、ほかの動きも含めて周辺の記者などにも確認いたしましたが、ほとんど動いた形跡がないんですね。なぜあれだけの大災害だったのに官邸が動かなかったかなというのを少し私なりに検証してみたんですが、もう一枚の表をごらんいただきたいと思います。
これは、内閣官房でどういう事態にどう対応するのかというのを描いた図なんですが、内閣官房の緊急事態対応のそれぞれのカテゴリーとして大規模自然災害というのが入っているんですが、これを見ますと、具体的には、地震、風水害、火山となっておりまして、雪害は入っていないんですね。全部書くと切りがないということはあると思うんですが、例えば重大事件のところはハイジャック、人質等と入っていますから、この等が入っていると入っていないで全然違う。つまり、基本的には、内閣官房では、こういう雪害に対して対応する姿になっていないというのがここでもわかると思います。そこで、結局は、今回は内閣府でそれに対応するということになったわけですね。
先日、中島委員が委員会で質問をされたのを聞いておりまして、私が気になっていますのは、二月の十五日、内閣府の対応というのは空白の一日になっていたのではないかということです。
政府が出している資料をもとに私の方でつくった時系列の資料をお配りしておりますので、大臣、それをごらんいただけますか。
確かに大臣が再三答弁をされているとおり、二月の十四日には災害警戒会議というのが行われています。そして、十六日には災害対策会議というのが確かに開かれているんですね。ただ、十五日については政府関係の会議はやっていません。
別に私、会議はやらなくてもいいと思うんですよ、しっかり対応できていれば。ただ、見ていると、十五日というのは、オリンピックのフィギュアスケートで羽生さんが金メダルをとった日ですので、総理は電話をされている。これもいいでしょう。何か具体的な仕事をした姿はほとんど見えてこない。十六日も何もやっておられないので、夜、てんぷらを食べた、食べないがちょっと話題になりましたが、それも別にいいでしょう。その間も内閣府できちっと全て対応できていればいいんですよ。
まず、大臣、お伺いしますが、二月十五日は内閣府に入って陣頭指揮をとられましたか。
○古屋国務大臣 まず、その週、私、出張行事がありましたけれども、全部キャンセルいたしまして、東京にとどまっておりました。そして、私は、内閣府には行っておりませんが、議員会館から、御承知のように防災電話もございますし、もちろん携帯電話を通じて知事とも連絡をとっておりますし、官房長官、官邸とも連絡をとり合って、そして対応に当たらせていただいた。
ただ、御承知のように、情報をとるにはやはりヘリコプターというのが一番大切なんですが、ヘリコプターが飛べるようになったのは三時からなんですよ。だから、それは、NHKのニュースでも、オリンピックがあったから例えば災害の報道が流れなかったのではなくて、NHK自身も絵を撮れなかったという実情はどうもあるようですね。
ですから、我々としては、しっかり内閣府に対しても指示を出して、それから現地の都道府県、すなわち山梨県の知事とも連絡をとり合いながら対応をさせていただいたというのが現実でございます。
○細野委員 私、若輩で、古屋大臣と比べると人生経験は不足していますが、図らずも危機管理については相当の経験があるんですね。
そのときに大事なことは、きちっと担当者がコミットして責任感を持ってやること。しかも、意思決定ができる現場にできるだけしっかりいるということは大変重要です。ですから、二月十五日は、古屋大臣が会館なり東京におられたのであれば、本府に行って陣頭指揮をとられるべきだったと私は思います。
もう一度、時系列の表を見ていただきたいと思います。
二月十五日は、現場は大変だったんですね。群馬県や福島県や長野県は、それぞれ自衛隊に対する要請をしています。具体的に、夜には死者も出ています。ここでは埼玉県と群馬県のそれぞれお一人ずつ書いてありますが、これはこのときに明らかになっていた事実ですから、その後死者の数はふえていますので、このときに亡くなっていたわけですね。まさに十五日の昼から夜というのが、人命救助という点でも極めて大事なそのときだったんですよ。
先日、中島委員の質問について、こう答えています。これは政府委員ですが、昼間については職員が八名在庁していた。これは休日の通常の対応ですよね。緊急時に対応した姿ではありません。さらに十五日の夜、人々が寒さの中で凍えて、中にはお亡くなりになった方もいる、そのときに、コントロールタワーたる内閣府には五人の職員で対応したと答弁がありました。
これで十分な対応でしたか。大臣にお答えいただきたいと思います。
○古屋国務大臣 十四日には警戒会議を開いて、各省庁に対して、全省庁出席していただきましたので、しっかりそれぞれの省庁が現地と連絡をとり合って対応するように、私自身も指示をさせていただきました。あとは、全メディアにも御出席をお願いして、不要な外出を避けること、それから車は絶対に使ってほしくないといったことも含めて、私自身もそういう要請をメディアに対してもさせていただきました。
その後、十五日については、関係省庁、内閣府からも連絡がありましたし、特に、私は、やはり山梨県の知事と連絡をとって対応していくことが非常に大切だという視点に立って取り組んできました。
結果的に、私は内閣府に足を運んでおりません。それは事実ですから申し上げますけれども、では、そのことによって我々の内閣府としての対応に不備があったのかといったら、それは、私や内閣総理大臣が出ていった方がメディアには出るでしょう、しかし、現実的にはしっかりとした対応はさせていただいたというふうに思っております。
○細野委員 メディアに出るとか、そういうことを申し上げているのではないんですね。そのときにもう死者も出ているわけだし、現場では大変なことになっているわけです。そのときに、常にきちっと連絡がとれる体制が内閣府としてとれていたかということを言っているわけです。
知事と大臣が携帯でやりとりされるのもいいと思いますよ。でも、それは、言うならば、連絡の手段としては確かにトップ同士だから重要だけれども、本当の綿密な連絡というのは、実際に現場のルートで、内閣府なり山梨県なり各省庁なりでやらなければならないわけですから、そことの関係が重要なときにどうなのかということですね。
大臣、もう一つ指摘したいと思います。
夜間、五人とおっしゃいましたね。ちょっと気になる答弁があったんですね。五人のうち二名が職員で、三名が補助員。補助員というのは誰ですかということを聞かせていただきました。警備会社の社員さんだそうです。私の秘書の中にも警備会社出身がいまして、大事な仕事ですよ、しかし、警備会社の職員、警備員さんというのは、建物の巡回をしたり、もしくは、せいぜい代表電話からかかってくる電話対応をするということで、それはもう役割としては限界がありますから、実質二人で対応していたということじゃないですか。
あの十五日の夜に、コントロールタワーたる内閣府で、職員わずか二人で、増員もせずにやったという対応が適切だったというふうにお考えになりますか。
○古屋国務大臣 今の体制については、たしか数週間前の災害対策の委員会で、統括官から答弁をさせていただいたとおりだというふうに思います。
その際に、やはり内閣府においては確かに二人、プラス三人の補助員でございますが、みんな経験のある人間でございますので、現地からの連絡についてはしっかり受けた上で対応していたものと私は思いますが、御承知のように、山梨県においても相当混乱をしていた、めったに雪が降らない地域であって、そういう意味での混乱は非常にあったということは事実だというふうに思います。山梨県内においても正確な情報が入っていなかったというのは事実だと思う。
ただ、これは反省点ですよね。やはり今後、こういう災害があるたびに我々は不断の見直しをして、よりブラッシュアップをしていく。災害対策基本法も災害があるたびに五回の改正をして充実してきておりますから、我々は、そういったことも含め常に不断の見直しをしていくのは当然のことだというふうに思いますが、十五日については、そういった要員でできるだけの対応をしていたことは事実だというふうに思います。
○細野委員 状況が混乱しているとか現場が大変だということと、内閣府に二人しかいなかったことは全く別問題ですよね。把握できないからこそ、把握に努めるのにしっかり夜もやっておかなきゃならないわけでしょう。
大臣、今、質問に答えていませんよ。最も大切な十五日の夜に内閣府に職員が二人だけだったというのは不十分だったとは思いませんか、こう聞いているんです。
○古屋国務大臣 十五日の夜は一番雪が降っていたときですよね。(細野委員「十四日です」と呼ぶ)十四日の夜から十五日にかけて。十五日の夜は、三時からはヘリコプターが飛べるようになって、それでその連絡をもうしていたわけですよ。ですから、自衛隊、消防等々の広域的な支援というものを我々内閣府から全部関係省庁に出させていただきました。その上で、しっかり自衛隊なり消防なり警察が現地と連絡をとって、できるだけの対応をしろということの指示を私は出させていただいておりますので、そういう意味では、人員の問題と指示ができなかった問題というのは違うと思います。私は、できるだけの対応はしっかりさせていただいたというふうに御答弁をさせていただきます。(発言する者あり)
○細野委員 よしという声が聞こえましたけれども、ちょっとピントが外れていると思いますよ。ここは内閣府が責任を持ってやるんだから、きちっと対応すべきところに不備があったと私は思います。そのあらわれの一つが自衛隊の災害派遣だと私は思うんですね。
私も、地元に陸上自衛隊が大変多うございまして、災害対応は非常に難しい。三つの要件があるわけですね。公共性、緊急性、これは今回の雪害の場合には恐らく文句なく当たるでしょう。しかし、非代替性、すなわち自衛隊には国を守るという本業がありますから、これは極めて重要です。ですから、何でもかんでも自衛隊というのは控えなければならないというふうに思います。
ただ、今回の場合に関しては、雪害というのは判断が難しいんですね。確かに、雪害というのは、解けてしまえばそれで一応災害自体は終わりますから、命に別状がないように思えるんだけれども、実際には、そこに閉ざされて何日も連絡がとれないとか、食べ物が来ないとか、病院に行けないということになれば、命の危険がありますよね。その判断を今回は、それぞれの都道府県、市町村、さらには、実際は自衛隊に出てくれますかということを事前に打診しますから、それこそ、それぞれの駐屯地や自衛隊の皆さんの現場の判断に委ねたわけですね。私は、これが本当に正しかったかどうか、検証が必要だと思います。
そこで、防衛副大臣にきょうは来ていただいていると思うんですが、出すべきだったか出さないべきだったか、これはやや微妙な判断があります。ですから、そこは私、今の時点で断言はしません。ただ、少なくとも防衛省として、自然災害が甚大なので、十四日から十五日にかけて全国的にきちっと対応すべきだという判断の検討はしましたか、全国的にやるべきかどうかという検討を本省の中でしましたか。副大臣、お答えいただきたい。
○武田副大臣 検討もさることながら、すぐに各自治体に連絡員を派遣して、消防そして警察等の情報とも共有できる、そしてまた、自衛隊の態勢のあり方についても、どのようにすればいいかということを、即応態勢がとれる準備というものは怠らずにやってまいりました。
○細野委員 結果としては、この対応というのはそれぞれの現場に任せる形になっているんですね。埼玉県などでも、出すか出さないかで大変難しい判断があった。私の地元の御殿場でも、出すか出さないか、微妙な判断があったんですが、隣の小山町は出たけれども御殿場は出なかった、そういう対応がありました。
もう一度副大臣に聞きますが、その対応は間違っていなかったというふうにお考えになっていますか。
○武田副大臣 全力を挙げて対応させていただきました。
○細野委員 十六日前後の時点で、ちょっと防衛省から出ている資料を拝見しましたら、二百数十名、全国で出ています。
その後なんですね、問題は。もう一度この表をごらんいただきたいと思います。お配りした資料を大臣もごらんください。
二月の十七日になって防衛大臣が指示を出しているわけですね、九時五十五分。救援活動に当たっては、人命救助を第一としつつ、自治体からのニーズを踏まえて、効果的に活動を行うこと。十七日に出しているんですよ、副大臣。情報収集はしたけれども、十四、十五、十六については政府としてはしっかり検討はせずに、十七日という、これは相当時間がたってから判断しているんですよ。
さらにもう一つ申し上げると、総理はさらに遅い。二月の十八日に第一回目の本部会議を開いて、その中で、自衛隊の人員やヘリ等の装備の体制を大幅に強化する、具体的には、ここで千人体制にするという話まで出ているわけでしょう。十八日ですよ。
当初はそういう検討をせずに現場に任せて、後から防衛大臣や総理が出てきて、もっと出せという指示をしている。明らかに遅いじゃないですか。副大臣、どうですか。
○武田副大臣 ただいま、十七日に初めて大臣からの指示が出されたという御指摘でございましたけれども、十五日既に、現地状況を踏まえて、部隊に対し、自治体と協力して十分な対応を行うように大臣から指示が出ております。
○細野委員 時間がなくなりましたので、これで終わりますけれども、災害対応というのは、さっき当事者意識が大事だということを申し上げましたけれども、もう一つ大事なことがあって、それは、事態がどうなるかわからないときはやや広目に構えるんですよね。広目に構えて準備をして、大したことがなければ縮小すればいいんですよ。
今回の安倍政権の対応というのは全く逆。すなわち、小さいと見て初めは対応せずに、事態が深刻になると徐々に徐々に拡大をして何とか繕った、これが対応ですよ。
ですから、残念ですけれども、今回の対応については合格点を出すことはとても難しいと思います。安倍政権の危機管理の体制がどうなのか、もう一回しっかり確認をしていただきたい、このことを申し上げて、質問を終わります。
○坂本委員長 次に、宮沢隆仁君。
○宮沢(隆)委員 日本維新の会、宮沢隆仁であります。よろしくお願いします。
ただいまの細野議員の質疑を聞いていまして、実はちょっと、私、考えていたことがあるんですが、私はもともと脳外科医であることは何回かここでお話ししましたが、我々のその当時の業界の緊迫した議論にちょっと似ているなと思いました。
というのは、今、細野議員が一つ大事なことをおっしゃったんですが、例えば、どんな被害でも、最悪の事態を全体で十として、それは手術のときでもこういう災害時でもあり得ると思うんですが、一か二しか起こっていないときに、頭の中で十を想像できるか、あるいは予測できるかという問題だろうと思うんですね。
それは、外科医の中でも危機感のセンスというのは意外とさまざまで、結局、僕らはアンティシペーションと言っているんですが、予測ができる外科医というのは名医なんですね。
やはり政治の世界でも、最初、余り大したことはないのかなと思うような現象でも、それをいかに先を予測して、こんなことが起こったらどうしようとか、こういうことまで、さっき言ったように、二が十になった時点のことを考えて今何をすべきかとか、そういう発想だろうと思うんですね。
そういう意味で、僕が一年ちょっと政治の世界にいて感じたのは、決断は時間単位か数十分単位でやられているなというのが私の印象です。僕ら外科医の世界では、分単位か、手術中は秒単位ですね。秒単位で判断して、次の手を打ち次の手を打ちとやって、例えば手術中に大出血したようなときは、それをいかにおさめるかということをやります。その大出血が起こり得る可能性をどれだけ予測できていたかで、結果が随分変わってきます。そういう意味で、ここで行われている議論は非常に似ているな、以前も同じようなことを言いましたが、それが私の感想であります。
今回の雪害につきましては、私も実は、二月十六日、私は長野一区選出なんですが、新幹線に閉じ込められまして、結局、長野へ行けなかったということがあります。新幹線の中で得た情報では、普通ではない積雪で除雪が間に合わないということが理由だったようです。私、子供のころから、東京との間は、新幹線の前は普通の特急で、最近は新幹線で行ったり来たりしているんですが、こういう雪は私自身も初めてですね。さすがの雪になれている長野県人もびっくりというのが正直なところです。
私、ことしから、政治を科学するというのを私自身のテーマにしておりますので、まずは、豪雪あるいは局所的な積雪、こういうのは気象学的にどこまで予測可能なのかというのを、今回、気象庁長官に来ていただいていますので、ちょっと簡単に概説をしていただければと思います。
ちなみに、資料二に、そちらから配られた資料があります。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
雪の予報についての御質問でございますが、雪につきましては、上空や地上の気温と深くかかわるということで、特に関東地方などの太平洋側につきましては、南岸の低気圧が通る位置によって、雪となるのか雨となるのか、予測が極めて難しい状況でございます。
今般の二月十四日から十五日にかけての大雪の予報につきましても、十三日の早朝の段階から、南岸の低気圧の接近に伴い、関東甲信地方を含め広い範囲で大雪になるという見通しは持っていましたが、十五日の朝方にかけては、南から温かい空気が流入し、次第に雪から雨に変わるだろうという予想をしてございました。しかしながら、低気圧が予測よりもやや南を通過して気温が低目に経過したということから、特に甲信地方や北関東を中心に大雪となり、結果として記録的な大雪ということになりました。
気象庁としましては、大雪等の現象の解明というのがまず重要なんですが、さらには、スーパーコンピューターを用いた数値予報モデルの改良、また、本年夏には次期静止気象衛星ひまわり八号を打ち上げる予定でございますので、こういった観測網の強化により、より一層の監視、予測技術の向上に努めたいと考えてございます。
以上です。
○宮沢(隆)委員 ありがとうございます。
ちょっと今の予測に関して具体的なお話をしますと、最初の十四、十五の積雪以前の週末の積雪のときに、たしかテレビで、一週間後にまた改めて積雪の可能性が大ですというようなことをキャスターが述べていたと思うんですが、それが豪雪になるとかならないとか、あるいは場合によっては雨か雪かとか、その辺の予測の精度はどこまで追求できるんでしょうか。
○羽鳥政府参考人 お答えいたします。
先生に配付いただいた資料でございますが、二月八日の段階で大雪になったということで、その段階で、一週間先にさらに南岸の低気圧が通過するというような予想が出てございました。ただ、実際上、これが雪をもたらすのか雨をもたらすのかという微妙なところにつきましては、例えば前々日あるいは前日という段階にならないと予測精度が上がらないという現状でございます。
さらに、今般のように、微妙に低気圧の通過位置が予想よりもずれるということになりますと、この予測精度が落ちるということもございます。
○宮沢(隆)委員 過去の蓄積されたデータをコンピューター処理して、なおかつ人工衛星からのデータを加味して判断されているということだろうと思うんですが、あとは結局、気象庁としての危機感というんですか、それをどれだけ先ほどの内閣府とかそういうところへ伝えるかということに尽きると思うんですね。その辺はもうお任せするしかないので、恐らく気象庁の判断が最初のかなめになるかと思いますので、ぜひ今後も努力して改善をしていただければと思います。どうもありがとうございました。
それから、今回の雪がどれだけ想定外、想定外という言葉は余り使っちゃいけないということになっているんですけれども、想定外かということを示すのが資料三ですね。これは、この間、三月十日に長野市を視察したときに長野県からいただいた資料なんですが、この上段のグラフ、横軸が日付、縦軸が積雪量ですが、この棒グラフの推移を見ればわかるように、矢印で示した十四日から十五日に至るまでの積雪の立ち上がり方がいかに速いかということで、最終的に二月十六日、そこに示してありますが、八時から九時の間に七十センチ。これは、昔、私、長野市で生活していた人間としても、せいぜい五十センチがマックスで、七十センチというのは経験したことがないですね。下段に書いてありますけれども、一日の降雪量では過去三番目となる三十五センチ、一日で三十五センチ降っちゃったんですね。最終的に七十センチを超えたということです。
結局、その七十センチという量もさることながら、我々が翻弄された理由はこのスピードだろうと思うんですね。ですから、政府としてはかなり努力をしていただいていたと思うんですが、これも結局そのスピードを、さっき最初にお話ししたように、予測するか否かということに尽きるだろうと思います。政府の対応については、私、今回余り申し上げませんが、スピード感、ぜひこれは今後も改善して身につけていっていただければと思います。
これから具体的な農家の被害についてちょっと質問させていただきます。
私は、三月三日に日本維新の会の議員団として群馬県の方を視察してまいりまして、群馬県は総額二百五十億円の被害と申しておりました。そのときも、ビニールハウスが潰れた様子、あるいは商店街のアーケードの真ん中がぼこんとへこんだ様子、これは前回ここで上野議員も示しておりましたが、そういうものを自分の目で見てまいりました。
それから、三月十日には、長野県の方、私の地元を視察してまいりまして、長野県全体では五十四億円の被害だったということであります。
先ほどもビニールハウス被害に対しての質問が幾つかありましたが、基本的なポリシー、ビニールハウスの被害に対する国、県、市町村間での補助金の割り当てと配付のポリシーについて、ちょっと概説していただければと思います。これは農林水産省にお願いしてあります。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
この冬の豪雪による農業被害を受けた農業者が今後とも意欲を持って農業を継続していただけるように、御指摘のように、農業用ハウスの撤去、再建に要する経費について、被災農業者向け経営体育成支援事業による支援を行うこととしております。
この支援については三月三日に追加対策を発表しておりまして、まず、ハウスの再建についての補助率ですが、国の補助率を十分の三から二分の一に引き上げております。残りの部分に対する地方公共団体の補助に関して、その七割について特別交付税措置を講ずることとしております。
お尋ねの、都道府県及び市町村のそれぞれの補助割合ですが、再建につきましては、現在、各地方公共団体で御検討いただいているところと認識をしておりまして、例えば、仮に地方公共団体の補助が都道府県と市町村合わせて十分の四となる場合には、国の補助が二分の一ですので、農業者の負担は十分の一となります。これがハウスの再建の関係です。
次に、ハウスの撤去ですが、農業者の負担がないように、これについては定額助成というやり方をしております。それで、国が定める定額の単価について、地方公共団体が二分の一相当を負担することを前提に、国が二分の一相当を補助いたします。これらを合わせて、撤去に要する費用としての国が定める定額、十分の十を補助いたしますので、農家負担はないように設計をしているというところでございます。
なお、こちらの撤去についての地方公共団体の負担分については、その八割について特別交付税措置を講ずることとしております。
○宮沢(隆)委員 今のが基本的方針ということで理解いたしました。
それでは、ちなみに、撤去は農家の負担はないと考えてよろしいですか。今のお話では、そういうふうに理解したんですが。
○高橋政府参考人 少し具体的に申し上げますと、ハウスにもいろいろございますが、例えば、被覆材がプラスチックで骨材が鉄骨ではない、いわゆるパイプハウスの撤去の場合は、今申し上げた定額助成の単価として、一平方メートル当たり二百九十円、十アール当たり二十九万円という単価を設定しております。この単価と撤去を行うために実際に支出した費用とを比較した上で、いずれか低い額を支払い額とすることとしております。
それで、農家負担がないというふうに申し上げましたのは、今申し上げた撤去費についての定額助成の単価は、農林水産省で把握している機械などのリース代、オペレーター代、廃棄物の運搬費などの標準的な経費をもとに算出したものでございます。その額の十分の十相当まで補助するということにしておりますので、これは農業者の自己負担が発生しないような水準として設定したものというふうに考えているところでございます。
○宮沢(隆)委員 細かいところまで追及するとかなり複雑になってくるようですが、地元の農家の方あるいは農協の方に伺ったところでは、一つは、国、県、市町村間で、補助金の比率等も含めて、よくわからないという声が結構あったんですね。
それで、これはこれから周知徹底していただけるものと思うんですが、ほかのことでもそうかもしれませんけれども、県を通してあるいは国の出先機関を通して市町村に徹底して、それがまたさらに農家に伝わるというプロセスをとると思うんですが、このプロセスがどこまで徹底されているかというのが、私にもちょっと見えないところがあるんですね。
国の方では伝えてありますということは言うんですが、では、それが例えば市町村の方々にどのぐらいの確率で届いているかとか、県がそれを完全にちゃんと伝えているのか、いわゆる連携あるいは連絡のあり方というのは、例えば今回、農林水産省の方でどこまでチェックをされているのかというのをちょっとお聞きしたいんです。
○高橋政府参考人 市町村への情報の周知につきましては、いろいろなやり方でやっております。対策を公表した際の報道各社への報道の依頼ですとか、今御指摘のとおり、地方農政局から都道府県を通じて市町村に伝達をするというやり方、あるいは農林水産省のホームページに掲載するというやり方で情報が行き渡るようにしております。
さらに、それに加えまして、先日から県レベルでの説明会を開き、県、市町村、JAなどの関係の方に直接来ていただいて、そこで本省の担当官が対策を説明するという機会を関係県で順次やっております。
そういう形で、市町村に対しては幾重にも情報が伝わるように努めているところでございます。
○宮沢(隆)委員 ぜひその努力は続けていただいて、できましたら、現場でどのくらい把握しているかというのは逐一確認していただければと思います。
次は、四番目の高齢者農家への配慮ということにつながるんですが、やはり高齢者ですので、片づけをしてすぐに営農を始められるかというと、そうでもない農家もありますね。場合によっては、二年とか三年というスパンが必要な場合もあると思います。そのときのいわゆる補助金の渡し方、例えば、二十六年度、二十七年度、場合によっては二十八年度まで少しずつ長いスパンで渡すとか、そういう発想というのは現時点でありますでしょうか。お答えください。
○高橋政府参考人 今回の対策につきましては、豪雪により産地が壊滅的な被害を受けているということに鑑みまして、早急に産地の復旧を図る観点から特例的な措置を集中的に講じようとしているものでございます。
このため、今回の豪雪による被災農業者への支援対策については、平成二十五年度及び平成二十六年度予算を活用して復旧が速やかに行われていくようにする必要があると考えております。
このように、平成二十六年度末までに行うのが基本と考えておりますけれども、これで対応できないということがある場合には、その事情をよく伺った上で検討してまいりたい、そのように考えております。
○宮沢(隆)委員 東日本大震災の場合も当然一年で終わることではないですし、こういう豪雪被害でもほかの被害でも、できるだけ数年にわたった補助というのを念頭に置いた上で最初の補助金額を考えるとか、そういう発想を常に持っていただけるようにお願いしたいと思います。
それから、せっかく資料をつくってきましたので、一番最初の写真ですが、私がビニールハウスを見学して、これは長野市の松代というところで拝見したものですが、連続して棟がつながっているようなビニールハウスはこういう状況で、全て全滅してしまった。かなり太いパイプを使っていたようなんですが、このようにひしゃげて、内部は、このようにビニール等は落ち込んでしまった。
この中にいろいろな苗があるわけですね。花の苗、そのほか野菜の苗とかあるわけですが、そういう種苗の被害に対しての補助というものを農林水産省の方ではどのように対応される予定か、ちょっと教えていただきたいと思います。
○西郷政府参考人 お答えいたします。
今回の豪雪被害におきまして、生産現場では野菜や水稲等の苗の確保に不安が生じていたということでございまして、既存事業でございますけれども、これに特例を設けまして、被災地域で必要な苗を確保するための苗の生産能力の回復、増強、あるいは被災地域への苗の融通といったことにつきまして、必要な資材費、輸送費等を支援しているところでございます。
なお、苗の確保に関しましては、三月四日から七日にかけまして、豪雪による被害の大きかった関東七県及び福島県に担当者を派遣して、苗の確保状況等について調査を行ったところでございます。
引き続き、関係自治体と連携いたしまして、産地の状況把握と種苗の確保に万全を期してまいりたいと思います。
○宮沢(隆)委員 もちろん、ビニールハウスそのものも、皆さん、気にしているんですが、今後、営農を続けていくためにも、苗の問題というのはかなり重要なようなので、ぜひ手厚い配慮をお願いしたいと思います。この中継は地元の方でもかなり見ていることになっていますので、ぜひお願いします。
次いで、先ほどのビニールハウスのパイプの方の話に戻りますが、群馬県でも長野県でも力説されたのは、ビニール再建用の鉄パイプの生産が追いつかないという話をよく聞きました。その辺の需給状態と今後の見通しについて、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○西郷政府参考人 お答えいたします。
今回の災害におきまして、三月七日現在でございますが、全国で二万五千二百八十七件のビニールハウスの損壊が報告されております。
今後、被害状況が明らかになるにつれて、さらなる増加があり得ますけれども、現時点でも、被害のあったハウスを全て再建するとした場合については、通常の年の年間の需要量と合算いたしますと、約二倍のパイプの需要が見込まれているという状況でございます。
このため、農林水産省では、国内の主要なパイプメーカーに、二月二十四日付でございますが、パイプ等の骨材の円滑供給について協力を要請したところであります。また、パイプメーカーにおかれましても、四月から六月にかけての需要に応えるべく、三月、四月は通常年の六割増の増産に御協力いただけるという見込みになってございます。
こうした増産分のパイプ等が現場に円滑に供給されるよう、農林水産省といたしましては、各県あるいは農協組織等を通じまして、可能な限り規格を統一していただいた早期の発注とか、優先的に調達すべき資材の特定等を要請しているところでございます。
今後とも、被害状況の詳細な把握に努めますとともに、パイプメーカーや被災県等と情報を共有することで、資材の円滑な供給に万全を期してまいりたいと存じております。
○宮沢(隆)委員 これもぜひお願いします。
今回の豪雪被害は広域ですので、恐らく資材は奪い合いになりますよね。その辺の秩序の維持というのも非常に重要なことだと思いますので、それは国が中心になってやっていただければと思います。
それから、輸入という手も少し考えておられるとは思うんですが、質の管理も含めてこれから検討されているようですので、ぜひ間に合うように、総合的なコントロールをお願いします。
時間もなくなってきましたので、ビニールハウスからは離れます。
先ほど、道路の除雪のお話がちょっと出ましたが、高速道路のことにフォーカスを当てたいと思うんです。
高速道路というのは、いわゆる県と県をまたぐ、あるいはその県に物を供給するとか、そういう意味で非常に重要なルートだと思うんですが、私がテレビの放映等で聞いている限りは、意外と早く閉鎖されちゃう。もちろん、安全のためにということだろうと思うんです。
今回、例えば、群馬県と長野県をまたいでいる十八号線で車がスタックして動かなくなって、結局、道路そのものが封鎖されたと同じ状況になっているというようなときに、そういうときこそ高速道路の除雪をして、除雪した雪を寄せるところもたくさんありますから、料金もフリーにして、さまざまな支援物資等を運搬するルートにする、そういう迅速な対応、そういうことがあってしかるべきかなと思うんですが、その辺の過去の経験を踏まえて、ちょっと国土交通省の方からコメントをいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○徳山政府参考人 先生御指摘のとおり、特に、高速道路あるいは国道などの幹線道路をとめるというのは大変大きな影響があるわけでございまして、私ども道路管理者間でネットワークになっておりますから、情報連絡を非常に密にして、これらの情報を持ちながら維持管理をしております。
特に、高速自動車国道につきましては、いつの段階でとめるのか、非常に悩ましい問題でございます。早目にとめ過ぎますと、それ自体が地域の物流をとめますし、ほかの道路への影響も甚大でございます。一方で、高速道路の場合、ある程度のスピードで走られる方が多うございますから、雪道の中で玉突き事故を起こして、大変な多重事故で、それ自体また大変になる上に、長時間高速道路をとめる、こういう二律背反の厳しい状況になっております。
今回も、上信越道などについては、そういう事故など立ち往生が起きる前に交通どめをいたしまして、その前には、市町村を含めて、いつからとめるよというような情報を流しておりました。逆に、東名などでは、先にもうスタックが起きてしまいまして、大変な延長にわたって立ち往生が生じたということでございます。
いずれにしましても、これらネットワークを構成しております道路につきまして、きちんとした情報連絡をしながら、一番適切なタイミングでとめるよう、今回の経験も対応も十分に分析をして今後の対応に生かしてまいりたいと考えております。
○宮沢(隆)委員 ぜひ臨機応変な対応をお願いします。
もう時間が来てしまいましたので、最後に、このたびの豪雪は、かなり広域、三県、四県にまたがって、なおかつ降雪のスピードも尋常じゃなかった、しかも、そこに水分が含まれて相当重くなってしまったということで、こういうさまざまな被害が起こったと思うんですが、今後、来シーズン、再来シーズン、同じことが起こると想定されると思うんです。
特に、雪になれていない県、今回だと埼玉県、山梨県等に対して、法制度の改正も含めて何らかの対応をしなければいけないと思うんですが、その辺のところを古屋大臣にちょっと総括していただければと思います。よろしくお願いします。
○古屋国務大臣 確かに、雪がふだん余り降らないところへの対応、これは大きな課題だと思います。今回も、この豪雪の教訓で幾つか我々も検討を始めていますけれども、そのうちの一つに、やはり雪にふなれな自治体でどういった対応をすべきか。
例えば、広域的に、豪雪地帯の皆さんに支援体制、広域支援チームをつくっていただいて、それも複数の地域で指定をしておく。そうすると、あらかじめそういった方がもう対応ができていますから、すぐ被災県から連絡をして応援をしていただく。では、それに対して財政的な支援はどうするのかという問題は検討課題でございますけれども、そういったことをしっかり検討していこうというふうに思っております。
それ以外にも、幾つかきょうの委員会でも出ましたけれども、例えば特別警報をどうすべきかということですね。それから、立ち往生の車両にどういう対応をするか。それは、強制的な排除の立法措置の可能性も含めての検討。それから、今、雪にふなれな地域はもう答弁させていただきました。そのほかにも、やはり発災直後における政府から国民の皆様への情報発信のあり方、これは指定公共機関であるNHK等々の御協力も得ながら、どういった形で報道していくのが一番いいのか、このようなことはもう既に検討に入っておりまして、やはり災害の教訓を常に不断の見直しにつなげていくという視点で取り組んでまいりたいと思います。
○宮沢(隆)委員 さまざまな観点からの検討をよろしくお願いします。
以上です。終わります。
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○坂本委員長 この際、お諮りいたします。
本件調査のため、政府参考人として厚生労働省医政局長原徳壽君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○坂本委員長 次に、中島克仁君。
○中島委員 みんなの党の中島克仁です。
前回の委員会に引き続きまして、きょうもお時間をいただきます。
昨日は、丸三年を迎えた東日本大震災の日でありました。私も医師でございまして、発災直後、医療支援者として東北に入って、自分の力のなさを痛感したことが本当にきのうのことのように思い出されます。そして、今回の大雪による災害。震災と雪害、改めて日ごろの備えと有事の際の災害対応について考えさせられるところであります。
大雪から一カ月が経過をいたしまして、地元の山梨県は、雪も解けてきたわけですが、倒壊したハウスのみが目立つような、そんな様相でもございます。週末には私も農業施設を歩いて回っておるわけですが、先週出されました農水省、環境省の救済支援内容でハウスの撤去までは一定のめどがつけられたということでございまして、農家の方々も少し安堵の様相を見せているところでもあります。
ただ一方で、これから、産地維持の問題、そして農業の種類によってはこれからどうやって未収益期間を乗り越えていくのかとか、さまざまな問題がまだ課題として残されておるところではないかなというふうにも感じております。
今回の雪害によって農業を諦めてしまう方がもしかしたら出てしまうんじゃないか、そういったことも懸念されるわけですが、農業従事者の方は御高齢の方も大変多いわけでございます。もう一度頑張っていこうと思えるような、弾力性のある制度の運用をぜひお願いしたいなということは冒頭に言わせていただきたいと思います。
私は山梨県ですが、きょうも、本県の関係国会議員の方々が農業支援対策については多く質問をされておるようなので、私からは、重複しないように、それ以外の質問をさせていただきたいと思います。
まず、先ほど細野委員からも御質問がございました初動の問題というのは、前回の質疑で私、取り上げさせていただいたんですが、今回、災害時の安否確認について御質問をさせていただきたいと思います。
今回の雪害は、山梨県においては、四日目に至っても孤立状態、四日目の時点でも二千二百人の方が孤立をしてしまった。山間部が多い山梨県でございますので、今回の大雪で道が寸断されて、孤立してしまった。停電になった地域もあったんですが、幸い、電話等は非常に開通もよくて、連絡はとれていた状態だったということですが、この山間部においては、高齢化率の高い地域でございます。なおかつ、疾病を中心に災害弱者の方々の安否が大変心配されていたわけであります。
きょうは内閣府の防災担当の方も来ていただいておりますが、今回も含めて災害時の安否確認は今どのような体制になっているのか、まずお尋ねしたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
まず、今回の孤立集落についての安否確認の状況でございますけれども、急病とか透析による搬送が必要なケースもございますので、まず孤立集落の安否確認を最優先といたしまして、市町村、警察及び自衛隊等が、電話あるいは戸別訪問、場合によってはヘリによって訪問されることも含めて実施しています。また、それも、一度ならず継続的な実施を行ってきたところでございます。
あわせまして、高齢者福祉施設、医療機関等に対しましても、自治体において、緊急的な対応が必要かどうかの確認をとっておりました。また、地域によっては、保健師さんなどが住民に対する健康相談を行っていたという状況にございます。
また、一般的な話といたしましては、要支援者に対します安否確認ということで、昨年、災害対策基本法を改正いたしまして、避難行動要支援者名簿というものの作成を市町村に義務づけてございますので、この名簿を活用いたしまして、平常時、発災時、それぞれについての避難支援に役立てていこうということでございます。
このため、避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針というものを策定させていただいたわけでございますけれども、その中で、そういった方々の安否確認を行う際にもこの名簿を活用するというようなことを盛り込んだところでございまして、引き続き、消防庁とも連携しながら、市町村に働きかけてまいりたいというふうに考えております。
〔委員長退席、福井委員長代理着席〕
○中島委員 これは今回のことだったと思うんですが、もともと、安否確認に関して、例えば事件、事故等では警察がやる。災害時は、今、いろいろ自治体の情報とか連携をとってということだったんですが、今回孤立集落が出て、なかなか安否が確認できないという方が多かったわけです。そういう中で、防災担当として、そこが司令塔となってやっておるという認識でよろしいんでしょうか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
基本的に、安否確認は市町村が中心になって行うわけでございますけれども、市町村の安否確認の状況はどうなっているか、その結果どれぐらいのところまで安否確認がとれたかという情報は、私どもで集約させていただいております。
○中島委員 そこで、今回、安否確認、そういう初動、動いていくかどうかのきっかけとなるところが、先ほど細野委員からもあった部分だと思うんです。
前回の質疑のときにも、十五日の時点で大雪が降っておったと。私は、十五日の朝、議員会館に来て、いろいろな地元からの情報を集約して、これは大変だぞということで、防災担当にも連絡をしましたと。そして、先ほど御質問にもあったように、そのときの人員体制、そのことはもう繰り返し言うことはないんですが、私、どうしても聞きたいのが、自治体も含めて、安否確認の必要性です。
今回、大臣も含めて、人命にかかわる災害だと認識したのはいつの時点だったんでしょうか。
○日原政府参考人 今回の災害におきまして、例えば落雪とかそういった形でお亡くなりになられた方、大変不幸にもおられるわけでございますけれども、例えば、医療的な手当てがおくれたために命をなくされたとか、あるいは物資が届かなかったために病気になったとか、そういう方については、いないものというふうに承知しております。
○中島委員 今のお答え、ちょっとよくわからないんですが。
要するに、前回の質疑で、私は、やはり十五日は空白の時期としても仕方ないというような、これは、例えば防災担当のホームページは、十四日の警戒会議の後に更新をされた後、次に更新されたのは十六日の午後。そして、今回SNSが大変活用されたということでしたが、防災担当のフェイスブックが開設されたのは、十六日の午後五時三十六分でしたか、その時点。
そう考えていきますと、前回は、NHKの報道も含めて、どの時点から今回の災害が非常に重大だというふうに認識したかということなんですが、今の安否確認も含めて、各市町村が、これは大変だと、災害弱者を含めて、これは例えば透析患者さんということも出てまいりましたが、そういう方たちを一刻も早く、透析患者さんであれば透析ができる施設へ搬送しなければならないとか、そういった意味も含めて、そういう危機意識は、もちろん警戒会議を開かれておるわけですから、何度もお聞きしません。
ただ、今回、やはり人命にかかわる災害だ、それを、司令塔である防災担当がしっかりと情報を発信していかないと、各市町村や、消防も含めてですが、安否確認に走れないということになると思うんですよね。その辺、いかがでしょうか。
○日原政府参考人 以前から大臣からもお話しさせていただいているように、十四日から警戒会議を開いておったわけですけれども、十五日の段階で、かなり大きな降雪になっているということは私の方にもいろいろなところから情報は入ってきておりましたので、特に、交通が非常に途絶しているという状況については把握してございました。
そういった意味で、安否確認というものが重要であるというふうには認識しておったところでございます。
○中島委員 ちょっと大臣に端的にお聞きしたいんですが、それをどうのこうの、遅かった早かったとかと言うつもりはないんですが、何度も申し上げるように、今回の大雪は、恐らく地元の方もこのような大雪は初めてだった。十五日の朝起きてみたら、家から出られない。そして、ハウスを見に行ったら、倒壊している。そんな中で、情報は、NHKのニュースを見ても余り広くは伝わらない、そして、防災担当のホームページを見ても全体像はわからない。これは地元でもそうでした。恐らく各地域の方もそうだったんだろう。
先日、報道のあり方についても御質問しましたけれども、大臣が今回、人命にかかわる災害だ、これは大変だと、もちろん警戒会議を開かれておりますから、雪に対する警戒をしましょうという危機意識は持っていたと思います。ただ、透析患者さんを含め、人命にかかわる、実際に、さっき細野委員の資料にもございましたが、十五日の晩には死者も出ております。そのような災害だと認識したのはいつだったんでしょうか。
○古屋国務大臣 この三年間、豪雪が続いていますよね。それで、現実に、二十四年も二十五年も、雪による犠牲者が残念ながら出ていますね。ことしも、もう既に九十人を超えていると思います。
ですから、こういった豪雪災害でも、犠牲になる可能性があるということは常に認識して対応しております。ですから、今回も、いつその認識をしたかというよりは、常にそういう危険性はあるんだという前提のもとで私たちは対応させていただいておる。
透析患者のお話は、これは、私は詳しく答弁するのは控えますけれども、警戒会議でも、そういった方々がいらっしゃる可能性があるのでその対応をしてくれということで、現実に、透析患者の方は、自衛隊の皆さんの搬送、あるいは、もう現場でよく御存じのように、厚生労働省が現地の医療機関とも連携をとって、透析患者に対する対応はさせていただいたというふうに認識をいたしております。
○中島委員 繰り返し聞きませんが、要するに、今回の大雪は、災害というのはいつもそうだと思います、想定外のことが起こってしまって、その油断から被害が広がってしまったりする。
今、大臣の御答弁にもございました。今までの例でも、雪害によって人命が失われる可能性がある、そういう認識であったけれども、私は、ホームページの更新も含め、十五日、先ほどの人員体制も含め、要するに、そこがいけない、いいとかという意味ではなく、やはり今後に生かしていただくために、しっかりと検証していただきたいなというふうに思うわけです。
先ほど安否確認ということもあったんですが、先ほど少し話もありましたが、私は医師でもございまして、東日本大震災のときも、実際に、要支援者、要介護者、要するに災害弱者、病気を持っている方も含めて、その情報を持っているのは介護支援専門員の方々なんですね。介護保険の中で、ケアマネジャーという方々は、そういう地理的な部分の情報も非常に持っている。私も自分で診療所もやっております。今回の雪害のとき、自分の持っている患者さんに関しては、まずケアマネさんに連絡をとって、すぐ安否確認しろ、今どういう状況にあるのか確認しろということを十五日の時点でやっておりました。
そのことを一つの事例として、安否確認というところは、先ほども言ったように、警察や消防を含めていろいろな機関がそれぞれでやるのではなくて、一括した中で、人命にかかわる災害イコール安否確認というのは一番大事な問題でございますので、ぜひ今後、各省庁も含めて、しっかりとした横断的な体制づくりに取り組んでいただきたいというふうに思います。
今、災害弱者、疾病を持っている方ということがございましたが、今回の大雪で、災害という意味で防災ヘリは非常に活用されたのではないかと思います。
一方で、ドクターヘリに関してちょっとお聞きしたいんですが、これはちょっと資料としては出していないんですが、十四、十五、十六日に至っては、ドクターヘリは、これは山梨県の場合ですが、ほとんど動いていないんですね。十五日の時点では、妊婦二名の搬送、破水疑い及び腰痛ということで、一件だけ動いておるわけです。
防災ヘリとの役割分担、他地域のドクターヘリとの連携体制とかは今現在どのようになっているのか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○原(徳)政府参考人 お答えいたします。
ドクターヘリというのは、急病や外傷とか、そういう場合に、医師がヘリに乗って現地へ行って、一定の処置をした上で搬送していく、そういうような目的で持っております。このため、例えば先ほどの透析患者さんなんかの場合は、単純に言えば搬送するだけが目的ですので、ドクターヘリの活用は今回はその面ではなかった、自衛隊ヘリや防災ヘリでやっていただいたというふうに聞いております。
このドクターヘリについても、災害時に活用することは当然考えられるわけでありまして、もともとは、救急体制ですので、消防機関からドクターヘリを持っている病院に連絡が行って、そこで動き出す、こういう仕組みでありますけれども、それだけでは災害時は大変だろうということで、知事の要請やあるいは私どもからの要請、それに対しても動けるようにということで、昨年の十一月に通知を出して、運航体制については、いろいろな要請元からの要請で動けるようになってきているということが一つであります。
それから、運航のための費用についてですけれども、費用につきましては、もともと私どもが出しております補助金の中でやっていただく分と、それから、特に災害のために出動したというものでありましたら、災害救助法が適用された場合には、災害救助費による支弁も行われ得るものと考えております。
○中島委員 冒頭にも言いましたように、山梨県は、山間部、山に囲まれた地域で、幹線道路が閉鎖されてしまうと、空路しかないんですね。
山梨県防災ヘリとドクターヘリということで、今、災害時のためにと言ったわけですが、実際に、私もドクターヘリの会社にも連絡しました。やはり、どう動いていいかわからないんですよね。一方では、空路でしか物資の搬送もできない。情報が不足していたため、救急患者さん、救急車も立ち往生している状況。
ドクターヘリは厚労省と国交省という管轄になると思いますが、これも今回を教訓にして、ドクターヘリ、先ほど補助金等についてということもございますが、そういったときのために、ぜひまた、体制整備をやっていただきたいなというふうに思っております。
次に、できるだけかぶらないようにということで、探すのが大変なんですが、今回の大雪、先ほど言ったように、農業被害ということは大きく伝えられております。同時に、障害福祉サービス、これにも多大な問題が起きているんですね。私も週末に視察に行っておりますが、就労支援A型、菌床栽培とか、ビニールハウスを使ってシイタケの栽培といったことをやっておるわけですが、今回の大雪で被害を受けてしまいました。
今回、農業救済という面ではさまざまな内容が盛り込まれておりますが、農業被害というよりも障害者支援。なぜかといいますと、就労サービスというのは、総合支援法から一日の給付費というのがあって、大きな社会福祉法人等では別ですが、NPOとか小さな株式会社がやっておるところでは、もちろん農業からの収入もなくなる可能性があるということと、一方ではサービス費が、サービス提供していないわけですから、事業そのものが成り立たなくなっている、そんなことが危惧されておるわけです。
そういった意味で、今回、災害に対する農業支援というよりは、障害者就労支援という観点からどのような取り組みがされておるのか、また、お考え等についてお聞かせ願いたいと思います。
○蒲原政府参考人 障害者の福祉サービスの関係についてお問い合わせがございました。
委員のお話にもございましたとおり、障害者総合支援法に基づきまして、サービス事業者がサービスを提供したときに報酬を払うということになっておるわけでございますけれども、事業者が当事者である利用者に対してサービスを提供した場合にその対価として払うという性格でございますので、その報酬自体は、いろいろな理由で事業が休止している場合については払うことはなかなか難しい、こういうことでございます。
ただ一方で、災害により被災した事業者の方々に対しては、例えば、独立行政法人の福祉医療機構というところがございまして、ここからいわば災害時などの一時的な資金需要に対する経営資金の融資というものを実施しております。
こうした支援方策などを活用して、ある時期は確かに収入が入らないんですけれども、事業自体が長期的に安定して運営できるように必要な支援を行っているということでございますので、こうしたことを積み重ねながら必要なサポートをしていきたいというふうに思っております。
○中島委員 大規模なところはそれぞれやっておるんですが、やはり小さい事業所ですね。例えば従業員の方が二十名以下で、知的障害、身体障害も含めたりとか、あとは従業員の方に支払う賃金もあるということでして、一方では、小さい事業所は借地でやっておるということもあります。現在では、借地であれば、その場ではなく違うところにある場合にはなかなか補助金がおりない、そういったことも現状としてあるようです。
先ほども言ったように、農業支援という観点ではなくて障害者就労支援ということですから、障害者の方々の職の確保という意味もございますので、その制度自体、これはまた厚生労働委員会の方でも取り上げさせていただきたいと思っておるわけですが、弾力的な運用、また、幅広い観点からの御支援をぜひよろしくお願いしたいと思います。
時間も過ぎておりますが、今回、雪害によって、山梨県ですが、ハウス農家、八割が倒壊してしまったということで、甚大な被害というふうに伝えられておるわけです。一方で、二割のハウス農家の方々は何とか維持できた。これは大変重要なことだと思うんです。もちろん、冒頭にも言いましたように、農業被害に対する救済というのは非常に大事だ、それは大前提なんですが、一方で、二割の方々がしっかりと維持できた。
これは、私も実際回ってきたわけですが、例えば、ビニールの形状であったり、ハウス自体の形であったりとか、一方では、そういったものに対して、警戒警報ではないんですが、ビニールを破って何とかパイプは守ったとか、そういったやり方、いろいろな工夫があったわけです。ただ、そういったことは、実際には、その守られた方々、今このような農業被害の中で、なかなか声を上げづらいということになっております。
そして、今回、いろいろな救済措置の中でこれから再建をしていくに当たって、私も話を聞いていると、さまざまなんですね。例えば、こういったことがあったときに守れるように、暖房器具は高いものを使用しようとか、要するに、雪国用のハウスとして再建をしようということになるわけです。
ただ、今回、山梨県の場合、観測史上初めて、もしかしたら百年に一回かもしれない。それのためにかなり高コストなものを備えるのか。これは、東日本大震災の防潮堤にも言えることかもしれません。もちろん、気象変動によって何が起こるかわからないということはあるかもしれませんが、やみくもに高コストなものを勧めて、一方ではばらまきみたいなことにならないように、政府として、国として、ハウスの再建に向けて、ただただ頑丈なものをつくればいいというよりは、守られた二割の方々の検証をしっかりとしていただいて、どうしたら守れたんだ、そういった調査を含めて、どのようにお考えになっているか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○西郷政府参考人 ハウスの強度その他についてのお尋ねでございますが、農林水産省では、これまで、施設整備の際に、毎秒五十メートル以上の風速あるいは一平米当たり五十キログラム以上の積雪荷重に耐える強度を有します災害に強い低コスト耐候性ハウス、こういうものの整備について支援し、普及を進めてきているところでございます。
また、こういった施設園芸の専門の団体でございます日本施設園芸協会というところがございますけれども、ここでは、雪対策として、要するに、施工業者さんに対しまして、この低コスト耐候性鉄骨ハウスを設置する際のマニュアルなどを作成して、施工についての技術指導、これをずっと行ってきておりまして、現在、私どもの支援では、大体全国で三百件ほどの導入がされているところでございます。
ただ、先生御指摘のとおり、今回の豪雪被害はいろいろなことが起きましたものでございますから、今のところ、現地に職員を派遣いたしまして被害状況の把握に努めているところでございます。
今後、倒壊の原因、あるいは、なぜもったかとか、なぜもたなかったかといったことにつきまして検証いたしまして、さらなる雪害対策あるいは技術対策に生かしてまいりたいと存じております。
○中島委員 時間ですので終わりますけれども、要するに、今回、百年に一回かもしれない、もしかしたらもうこういう雪は降らないかもしれない、ただ、わからない。気候変動もあって、寒冷化なのか温暖化なのか、そういう中で、やみくもに強いものをつくればそれでいいということではなくて、しっかりと、守られた二割の方々の意見を聞いて、そして、予防という意味で雪の警戒警報も含めてですが、そういった前向きな意見を取り入れていただいて、単なるばらまきにならないように十分注意をしていただきたいと思います。
そして、この委員会も災害対策特別委員会ということですので、もちろん被害を救済するということも大事だとは思うんですが、こういった事例を含めてしっかりと検証する場として、継続して災害対策特別委員会を開いて御討議していただけることを希望いたしまして、私の質問とさせていただきます。
ありがとうございました。
○福井委員長代理 次に、椎名毅君。
○椎名委員 結いの党の椎名毅でございます。
本日、災害対策特別委員会で三十分いただきましたこと、感謝を申し上げたいというふうに思います。
本日の皆様方の質疑、今まで拝聴してまいりましたけれども、非常に勉強させていただきました。災害対策というのは、事前のリスクマネジメント、すなわち、リスクコントロールだったり、リスクファイナンスだったり、インフラ整備、制度設計、こういった事前の対応と、それから災害時の危機対応、そして事後の応急復旧、それから復興、こういう時系列で物事を考えていく、そういう仕事なんだなということを改めて感じました。
細野委員それから中島委員の指摘は、災害時の危機対応というところに関する問題意識だったと思いますし、それから、最初の宮川委員、後藤委員等は、事後の応急復旧のところでつける補助金等についての問題意識だったかというふうに思います。こういった、時系列で考えていかなければならない問題意識ということを、私自身も本日、改めて感じさせていただきました。
本日は、この時系列の中で、特に事前のリスクマネジメントという部分について、国と民間の役割の分担という観点から質疑してまいりたいというふうに思います。
事前に通告していたところとちょっと順番を変えさせていただきまして、御質問させていただきたいというふうに思います。通告でいうと四というところから始めさせていただきたいというふうに思います。今冬期の雪害について質疑をさせていただき、時間の許す限り、通告一というところで、奥尻島に関する反省というところに戻っていきたいというふうに思っております。
私自身も、災害特の委員派遣ということで山梨県を視察させていただきました。山梨県を視察させていただきまして、先ほど来指摘のあるように、ブドウを初めとした八割のハウス農家が被害を受けていて、被害総額百七十三億という非常に大きな被害を受けている。特に、百年に一度という大雪で非常に被害を受けておるということだと思います。
それによって、農林水産関係ですけれども、非常に手厚い補助金のメニューが準備をされておるというふうに認識をしています。
農業用ハウスの再建、修繕への助成とか、それから共同利用施設への助成、特に果樹改植への助成等々、さまざまな形で支援がなされている。特に、従前と違うという意味でいうと、撤去の部分についても補助金のメニューがついたというところで、非常に手厚いなというふうに私自身思っております。
この時系列という意味でいうと、先ほど申し上げました応急復旧のタイミングにおいて、そのフェーズにおいて災害の被害を国費で填補していく、補助金をつけるということ、それ自体は非常に重要なことだというふうに私自身も思っておりますが、他方で、視察に行っても、現地の方々から話を聞いても、これこれの被害があるからこういう補助金をつけてほしい、さらには、ブドウについては、建て直しをした結果、五年間収入が得られないので、その間の、無収入期間の所得補償までしてほしい。
要するに、お金を欲しいという要望がたくさん出てくるということにどうしてもなってしまいがちですし、災害対応というと、どうしても、事後の応急復旧から復興にかけての補助金づけ、それから復興をどうしていくかという話に終始されてしまうことが多いと思うんですけれども、でも、実際、本当に国がやらなければならないことというのは、抜本的に災害に強い産業をつくっていくということなのではないかというふうに、私自身、やはり思っています。
農業について、きょうお話をさせていただければと思うので、農業についてちょっと言及すると、天災というリスクを負っているビジネスであるということは、農業に従事されている方であれば誰でも知っているし、農業に従事していない人間でも、天候リスク、それに伴う価格リスクや収量減少リスクといったリスクを負っているビジネスであるというのは当然認識されているものなんだと思います。これを、要は、誰がリスク分担していくかという観点から事前の準備をしていくことが必要なんだろうというふうに私自身思っています。
基本的には、やはり、事業者である自分が負い、かつ、それが価格転嫁されることによって消費者が負うというのが大原則なんだろうというふうに思いますし、それで賄うことができなければ、いわゆる保険のような形で、同じリスクをしょっている人たちが積み立てをし、そして、それを運用したお金でリスクシェアリングをしていくということがその次に考えられるべきことなのではないかというふうに思うんです。
事後の応急復旧のタイミングで手厚い補助金をするということは、先ほど中島委員も指摘していましたが、二割の自助努力で助かった方々、それから、被害は受けたけれども、高い保険料を今まで払ってきたからこそ、保険で自分で建て直しをすることができる方々、さらには、そこそこ体力のある人で、自社でというか自分でローンを引いて応急復旧することができるという方々と比べると、かえって不公平感があるのではないかというふうに思う次第でございます。
こういうモラルハザードの危険というのは非常にあるわけですけれども、改めて大臣にちょっと考え方を聞きたいんですが、災害に対する自助と共助と公助という、役割分担というか、哲学的な問いで大変恐縮ですけれども、伺えればと思います。
○古屋国務大臣 委員御指摘の自助、共助、公助、このバランスをとるというのは非常に大切ですよね。
実は、非常に興味あるアンケート結果が出ているんです。平成十四年に調査した結果と、つい先日、二月の十日前後だったと思いますけれども、発表した内閣府の調査で、公助に重点を置いた対応をすべきというふうに答えた方が、平成十四年では二五%近くいた。今度は八・三%、三分の一になったんですね。それより、むしろ、自助、共助、公助のバランスがとれた対応をすべきだという方が、三七%から五七%ということで、相当ふえているんですね。
だから、やはり国民の皆さんも、災害が起きるたびにそういう認識というのは非常に高まってきているというふうに思います。今御指摘の、例えばみずから保険をつける、これも自助の一つですよね。そういった取り組みをして、自助、共助、公助のバランスをいかにとっていくかということが、今後の災害対策、そして防災意識の高揚のためにも極めて重要だという認識でおります。
○椎名委員 ありがとうございます。
今のアンケート結果、おっしゃっていただきましたけれども、非常に興味深い結論だなというふうに思います。政府が何でもかんでもしてくれるというたてつけのもとに、困ったときにお金をもらう、そういう対応ではなくて、やはり事業者である農家の方々を初めとした、そういったところが自分でリスク負担をしていくための手当てをしていく、そのためのインフラづくりというのをしていくのが国の役割であり、自治体の役割かなというふうに私自身も思います。
きょう、江藤農水副大臣にいらっしゃっていただいておりますので、農業に関する自助であり共助の仕組みであります農業災害補償制度、農業共済ですけれども、いわゆる保険に相当するものについて、幾つか伺っていきたいというふうに思います。
今回の災害により、特にハウス農家について結構大きな損害が出ているということでございますが、原則としては、やはり自分の入っている保険で賄っていくということ、高い保険料を払い続けて、最後、被害があったときにこれで賄ってもらうということ、これが原則なんだというふうに思います。
しかし、現実、山梨県で、特にこの農業災害補償制度のうちの園芸施設共済事業、この事業の保険に加入している人というのは、山梨県のハウス農家のうちの三五%程度ということをお聞きしております。決してそんなに多くはないということなんだろうと思います。
本来、この共済保険に加入していない農家というのは、恐らく、雪だったり、台風だったり、大きな天災は起きないだろうとたかをくくってしまっていたと言ってしまうとあれかもしれませんけれども、結局、自己リスクをとるという決断をしたからこそ、保険に入らないということなんだと思います。
先ほどちょっと古屋大臣にも御指摘を申し上げましたけれども、結局、保険をみずから支払ってきて、その結果、今回の被害を受けて、保険によって支払いをしてもらうという自助の努力をしていた人と、そうではなくて、今回、さまざまな農水省の補助金メニューが、すばらしいメニューがたくさんあって、国が損害を填補してくれるということであれば、かえって、共済は入らなくてもいいんじゃないかというふうに考える人たちもふえてくるんじゃないかと思うんですけれども、こういったモラルハザードという観点から副大臣の御所見をいただければというふうに思います。
○江藤副大臣 お話はよくわかるんですが、まず、共済制度は入っている方と入っていない方がいる、これはもう経営判断ですよ。ただ、国費が二分の一ある、これはいわゆるリスクマネジメントの世界に入ると思うんです。
しかし、例えばハウスなんかは、共済に入って、初年度からだんだん償却率が減っていって、ですから、経年劣化していくと補償金額が下がっていく、そういうことも考える。
例えば梨農家やいわゆる果樹農家なんかでも、七年、八年に一回しか落果しない。そういう被害が起こらなければ、ならして計算したときには入らない方が得だという経営判断をされるわけですね。ただ、農水としては、二分の一の国費を入れて共済事業を運営しているわけですから、ぜひ入っていただきたいということを考えています。
今回のメニューは、委員も御指摘のように、全く予想もしていないような大雪が降ったわけでありまして、当然、雪に対する強度がない。中には、雪の被害に遭わなかった方が二〇%おられるというふうな御指摘もさっきあったようでありますけれども、それは、地形の問題もあるし、風向きの問題もありますし、確かに、ビニールを剥いで自分で努力をした方もおられたかもしれません。しかし、基本的には、これだけ大規模な災害があれば、この機会に離農してしまうというようなことは決していいことではありませんので、今回は、各党を超えた熱い御要望をいただいて、農水省としてはメニューを組み立てたわけであります。
モラルハザードという話がありましたけれども、共済に入っていれば、国が用意した補助事業にプラスして共済のお金も出るわけでありますから、やはり今回をきっかけに共済事業に入ろうというようなインセンティブが働けば、さらにいいのではないかというふうに考えています。
○椎名委員 ありがとうございます。
今御指摘いただいたこと、まさにそのとおりだと思っていて、まさに経営判断なんだと思います。特に、加入率が低いのにはそれなりのやはり理由があって、まさに副大臣が御指摘いただいたとおりでして、要するに、保険料を支払い続けてきたものを割引率か何かで計算して現在価値に引き直したものと、補償金額をリスクの掛け算をして比較すると、恐らく補償でもらう金額の方が少ないと直観的に思っているからなんだろうというふうに思います。
その原因として、まさに今副大臣が御指摘いただいたように、園芸施設共済においては、対象となる、カバレッジとなる被害についてはハウスと農作物、両方がカバーされるわけですけれども、ハウスの部分については、経年劣化を認めていって補償金額が年を経るごとにだんだん減っていく、そういうところがあるというお話です。これがまさにハウスの保険加入率を下げている要因の一つなのではないかというふうに思っています。
基本的な思想設計として、自分たちが災害なりなんなりで受ける被害は自分たちで守り抜くという大原則に事業者の方々が立っていただく限りにおいて、やはり保険なりなんなり、自分たちで手当てをしていただくことが原則だと思うんです。しかし、入れないというか、入っても意味がないと思っているということなんだと思います。
そういう意味で、今後、保険の加入率を上げていくための施策ということを考えていかなければならないのかなというふうに思います。
例えば米麦については、任意加入なのか強制加入なのかみたいな世界だと思いますけれども、ほぼ一〇〇%で共済保険に加入しているというふうに聞いておりますし、さらに家畜共済についても、乳用牛等については結構高い比率で保険に加入しているというふうに聞いています。
こういった形で、先ほど副大臣のおっしゃっていただいたとおり、園芸施設共済における補償金の支払い額について、例えば、減価償却して支払い額を減価させていくという対応ではなくて、その辺について少し見直しをしていくとか、米麦のように強制加入をしていくとか、さらに、保険料の支払いという意味でいうと、事業者負担と国費負担ということで今それぞれ半々なんだと思いますけれども、事業者負担の部分を減らすという意味で、逆に国費負担をふやすというような、要するにメニューの考え方というのがあろうかというふうに思います。
今後、そういったことについて御検討をしていただきたいなと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○高橋政府参考人 お答えいたします。
まず、園芸施設共済の加入率について御指摘がありましたが、こちらも地域差がございまして、例えば新潟県で約九五%、秋田県八八%など、そういう地域もある一方で、二割程度というところもございます。
その要因として、御指摘のように、これまで、雪害等の被害を受けることが少ない地域では、加入の必要がないと判断する農家が多かったというふうにも考えられます。
園芸施設共済の加入促進については、これまでも、掛金補助の対象となる共済金額の上限を引き上げるとか、あるいは、過去の被害の発生状況により、地域あるいは農業者を幾つかのグループに分けて、災害発生率の低いところは掛金を安くする、そういう危険段階別共済掛金率の設定というような仕組みも導入をしてまいりました。今回被害が大きかった地域においては、これらの措置も活用して、重点的な加入推進をやってまいりたいと考えております。
御指摘の補償水準を上げるという部分ですが、ここも、御指摘のように、経年減価部分を含む施設の再建築価格というところまで補償水準を上げるというのは、減価償却という税制上の扱いと異なるという点ですとか、あるいは掛金が増加するという難しい問題もございますし、また、掛金国庫負担の増額についても、これも委員御承知のように、既に二分の一を国庫負担しておるところでございますので、現在の財政状況を踏まえると、さらなる増加はなかなか難しい、そういう課題があろうかと考えております。
○椎名委員 ありがとうございます。
財政上の問題という意味でいうと、それはそのとおりだとは思うんですけれども、結局、災害が起きたときに一時金として補助金で支払う金額が減るのであれば、現状の財政状況であっても、要するに国庫負担分をふやすという発想自体はできなくはないんだろうというふうに思います。
共済金の支払い状況という意味で申しますと、平成五年の冷害のときに五千五百億ぐらい、トータルで共済金を支払っていますけれども、それ以外の年は平均一千億前後ぐらいの共済金を支払っているわけですね。こういうところを見ると、要するに、掛金という意味における国庫負担分についても、トータルの支払い額はこのぐらいということであるので、実際どのくらい運用しているのかというのはまたちょっと規模は違うと思いますけれども、トータルで最後、支払いの金額が減るのであれば、考えられないことではないんじゃないかというふうに、聞いていて思います。
さらには、減価償却の話なんですけれども、税制上の問題でいうとずれが生じるというのはそのとおりかと思いますけれども、他方で、今回の補助金等についても、一応、撤去それから再建等について補助金をつけるということをやっているわけですね。そうしたカバレッジという意味でいうと、同じような制度設計自体は不可能ではないんじゃないかというふうに思うんですけれども、ぜひ御検討していただきたいなというお願いだけさせていただいて、次に参りたいというふうに思います。
それで、最後にもう一個、保険に関連して、保険とリスクのシェアリングという観点で、少し、農政の本質みたいなところを伺いたいんです。
共済の話を伺っているときに、家畜共済事業について加入率は幾らですかと聞いたところ、豚については二五%ぐらいですというお話をいただきました。それは何でなんですかと聞くと、要するに、企業参入が結構盛んに行われているということだそうです。
農政についても、土地利用型と施設利用型と二つあって、それは二つきちんと分けて考えなきゃいけないとはもちろん思います。施設利用型については、企業の参入ということが比較的容易なのかなと思いますし、他方、土地利用型については、農地法の制約とかがあって、企業が参入する、特に土地所有という意味において、参入するというところまではなかなか難しいというのが現状なのかなというふうに認識をしております。
しかし、企業が参入すると、図らずも御指摘いただいたとおりですけれども、そこそこ大きな企業であれば、リスク耐力が高いということで、自社でリスクをとることができるので、補助金だったり共済だったりというもので手当てをする金額というのが相対的に減るんじゃないかというふうに思うんですね。
なので、土地利用型、それから施設利用型を含めて、災害に強い自立した農業を確立するという観点から、本格的に株式会社参入を認め、かつそれを促していくということまで将来的に検討していった方がいいのではないかというふうに私自身思うんですけれども、ぜひ御所見をいただければというふうに思います。
○江藤副大臣 確かに、大きな会社であればリスクに対する耐性は強い、それはよくわかります。
しかし、農政の根幹というお話を委員は最初にされましたけれども、我々がやはり考えているのは、国土の保全、それから景観、文化、いろいろなものをトータルパッケージで守っていくのが農政の根幹だと思っています。そして、国民に対して食料を安定的に供給する食料安全保障という観点も忘れてはいけないんだと思います。
他方、株式会社が何に対して責任を負っているかということをよく考えたときには、株主に対して、もちろん、社会に対する義務も負っておりますけれども、株式会社は、やはり株主に対する配当の義務というものを常に背負っている。やはり、目指すべき方向が若干違うと思うんですよね。だからといって、株式会社の参入はだめだと言っているわけでありません。
今回、機構で、いわゆる大きな企業であっても、農業生産法人、農事法人等、いろいろ形はありますけれども、農地をリースの形で利用することは可能ですし、私も、今、産業競争力会議で産業界の方々といろいろ農政改革の場面に接しておりますけれども、そういう方々も、所有という形ではなくて、バランスシート上、資産として農地を持つよりも、リースで安定的に貸していただけるのならば、リースの方が企業的にも経営合理性が高いという御意見もたくさんいただいておりますので、委員の御意見も参考にしながら、これからの農政についていろいろ考えてまいりたいと思います。
○椎名委員 ありがとうございます。
もちろん、農業において、副大臣も御指摘のとおり、要するに、通常のビジネスとは違うさまざまな役割を担っているというのは御指摘のとおりだと思いますし、だからこそ、それに向けて補助金等がついている、さまざまな措置が農政の中で講じられているというふうに理解をしております。
そういった観点を含めましても、やはり、株式会社を入れると、こういった災害のときにリスク耐力があるということがまざまざと認識できるかなというふうに思いますので、今後とも引き続き検討していただく課題として挙げていただきたいというふうに思います。
あと五分ぐらいということで、時間の許す限り、次に行きたいと思います。
資料を三枚ほどお配りしておきました。これは、奥尻島の状況についてです。
一九九三年七月に奥尻島で北海道南西沖地震が起きたわけですけれども、震度六、百九十八名が犠牲になったということで、九八年まで五年間で、町の予算の約二十年分ぐらいに相当する総額八百億円を投じて、防災の島がつくられてきたわけですね。例えば、集会施設として新生ホール青苗とか、それから災害復興住宅、そして四十二カ所の避難路、それから、漁師が港から陸地へ避難するための人工地盤、望海橋という代物、二枚目のところの写真に載っけております。さらには、二百十一億かけてつくった高さ十一メートルぐらいの防潮堤、全長十四キロにわたっています。
実際、では、奥尻島が、震災が終わって復興して、二十年たってどうなっているのかというと、若年人口の流出が激しくなっておりますし、一九九〇年代前半、震災の前ですけれども、四千五百人ぐらいいた人口が、二〇一〇年ぐらいに大体三千人前後ぐらいになってきています。そして、高齢化比率でいうと、大体三四%ぐらいということです。
奥尻島のメーンの産業は漁業と観光ということだったわけですけれども、掲げている資料の一枚目の下に表を出させていただいていますが、漁獲量と漁獲金額の推移、それから奥尻島、奥尻町の観光客の数という意味でいうと、それぞれ、一九九一年に大体六千トンを超えてとっていたのが、二〇一一年に二千八百トン、半減している。さらには、観光客受け入れの数でいうと、奥尻島、奥尻町が一九九一年には五万九千人受け入れていたのが、二〇一一年には二万二千人ということです。こういった形で産業もどんどん衰退してきているわけです。
その結果として、資料の二枚目にある青苗ホールというのと三枚目の施設をそれぞれ見ていただくとわかりますけれども、草ぼうぼうなんですね。要するに、メンテナンスをする費用を賄うことができていないということです。
復興予算のうちの三十億を町債発行で賄ったわけですけれども、これがすごく財政を圧迫していて、二〇〇六年の段階で起債許可団体というのに転落をしています。実質公債費率が二四%を超えている、こういう状況になっています。
こういう状況になっているけれども、防災という意味では非常に十分なものになっているという状況でございますが、こういった箱物を中心とした復興というものについて、大臣の奥尻島の復興に対する評価という意味で、さらには、今後の復興に向けてという意味ですけれども、ハード中心の復興をしてきた結果、今私がるる申し上げたようなさまざまな状態になっているこの奥尻島、奥尻町というところについてどのようにお考えか、御見解をいただければというふうに思います。
○古屋国務大臣 今、委員の御指摘は、奥尻島を一つの例に出して、今後の防災のあり方をどうすべきかという問題提起だというふうに思います。
奥尻島は、もう御承知のように、平成十年に復興宣言しましたよね。あのときの計画は、生活再建と防災と地域振興、この三つの柱だったですか、当時はそういうことでよかったんだと思います。しかし、やはり今の時代は、ソフト、ハード両面の対策を講じていく、それからもう一方では、今委員御指摘のように、復興するということだけではなくて、やはり、地域の振興、将来に対する展望、こういうものも全部パッケージにして考えていかなくてはいけない時代ですね。その場合には、やはり首長さんの指導力というのは、私は非常に大きいというふうに思います。
ちなみに、国土の強靱化の例でも、平時に活用できて有事にはその機能を発揮するソフト、ハード両面の取り組み、あるいは、民間資金の積極的な活用、そして、政策については、優先順位をつけて、できるだけ優先順位の高いものからやっていく、それからもう一つは、そういったことこそが成長戦略につながるんだ、こういう考えでやっていますので、やはりこれからの復興というのは、あるいは防災というのは、そういう視点が極めて重要になると思います。
全国ではいい知事もいらっしゃいます。例えば、高台移転だけではなくて、コンパクトシティー化をする、そして一方では、そこに産業集約をすることによって非常にコストが節約をされて、なおかつ住民の利便性が高まるなどということで、実際に、そういう前向きな取り組みをするからぜひ国は応援をしてくれ、こういう要請もあるわけでありまして、これはやはり、そういった首長さんのリーダーシップがあろうと思います。
いずれにしても、やはり、そういう時代のニーズにしっかり合致をした取り組みをして、我々がそのニーズに応えられるようなプログラムをつくっていくということが大切だと思います。
〔福井委員長代理退席、委員長着席〕
○椎名委員 時間も来ましたので終わりますが、まさに、過疎化した地域における産業振興ということを考えていかなければならないと思います。
引き続き、この問題についても取り組んでいきたいと思いますので、御指導よろしくお願い申し上げます。
○坂本委員長 次に、高橋千鶴子君。
○高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。
私も、五日の山梨への委員派遣に参加をさせていただきました。今回の関東甲信を中心とした大雪は、観測史上初など、雪の降らない地域での降雪でもあり、特例的な対応が求められていたと思いますし、各委員会でもかなりの委員の皆さんが発言をされて、先ほどの質疑にもあった農業施設への支援など、政府としてもさまざまな上乗せ施策をされてきたというふうには承知をしております。
ですから、一問目は確認的に伺いますけれども、道路の除雪費用についてであります。
五日の日に、県庁からは積雪寒冷地並みの除雪費用の支援が要請をされました。通常のスキームではこれは予算がつかないことになるわけですけれども、臨時特例措置、どのように考えているのか伺いたいと思います。
○徳山政府参考人 お答え申し上げます。
ただいま先生から御指摘のございましたとおり、社会資本整備総合交付金で除雪費用を支弁しておりますけれども、これはいわゆる雪寒法に基づいております。したがいまして、この法律により指定された路線に限定をしておりまして、山梨県等につきましては補助対象外となっておるわけでございます。
ただ、雪の降り方は毎年違いますものですから、全国的な豪雪の年で、地方財政措置だけでは間に合わないような場合には、国土交通省において、幹線市町村道の除雪費について、積雪地域であるかどうかにかかわらず臨時特例措置を講じてまいりました。特にこの三年間は豪雪年でございまして、この措置を講じております。
今年度におきましては、この三月五日に、措置の検討に必要な降雪状況や除雪費の執行状況等を把握する調査を開始したところでございます。特に今回の調査は、市町村道のみならず、都道府県管理の道路も対象に調査をしております。
今後、調査結果を踏まえて、臨時特例措置を検討したいと考えております。
○高橋(千)委員 今補足していただいたように、県道についても調査を行っているということです。これまでの臨時特例措置は、連続して発動はしているんだけれども市町村道に限られていたということで、その点は非常に大事なことかなと思いますので、早期の決断をお願いしたい、このように思っています。
そこで、社会資本整備総合交付金について、除雪費用として追加交付ということがこれまでもあったわけです。昨年、一昨年、大体百一億円追加交付されるというふうな、要するに、大雪で非常に需要が多いですよねということでやってきました。今回の見通しはどのようになっているでしょうか。
○徳山政府参考人 先生御指摘のとおり、積雪地域における道府県の管理道路に対する支援は社会資本整備総合交付金によって行っておりますけれども、特に道府県に対しましては、最初から交付をしてしまうのではなく、去年の例でいいますと、二月五日の時点で、各地域の降雪状況を踏まえて、その百一億円を雪の降り方に合わせて交付する、こういうやり方をしておりました。今年度は、そういう機動的な除雪に対応するための新たな補助をつくらせていただいておりまして、新たに除雪補助九十八億円を創設しております。
そういうことがございますので、今年度は、社会資本整備総合交付金は、年度当初に全てを、過去の積雪のデータに基づきまして既に配分しておりまして、ことしは新たな除雪補助金をもちまして、降雪状況を踏まえながら、今後、道府県に対して配分してまいりたいと考えております。
○高橋(千)委員 新たな補助の仕組みを考えたという答弁でありました。
二十五年度の降雪状況を見ますと、やはり雪寒地域ということの比較ですので、過去五年間を見ると、現時点では下回っている。過去五年間で見ても、かなり積雪深が深かったということとの関係では、まだ現時点では下回っているということでなかなか難しいのかなというふうに思っていたんですけれども、でも、そのことを踏まえて対応していただけるのかなと今受けとめました。
それで、私はこの間もこの問題を何度も質問しているわけですけれども、この算定根拠について、社会資本整備総合交付金の除雪費補助については雪寒法の指定路線でなければならないということで、これでは市町村が実際に除雪を行っている道路と指定されている道路との割合が乖離しているんだということで、見直しをすべきだということは繰り返し指摘をしてきたところなんですが、どのようになったでしょうか。
○徳山政府参考人 お答えを申し上げます。
いわゆる雪寒法に基づく雪寒指定道路でございますけれども、私ども、雪寒法の施行令で定めた基準によりまして指定をしてまいりました。
特に雪の方について言いますと、二月の積雪の深さの最大値の五年以上の平均、要するに過去五年以上を見て、二月に最大どのぐらい雪があるかというものをおはかりいただいて、それが五十センチ以上あるところ、要するに恒常的に積雪が厳しい地域を対象といたしまして、路線をその中から選定したわけでございます。
昨年十一月に見直しをするに当たりましては、前回の見直し以来二十一年間の状況、市町村の合併とか、あるいは日常生活圏が拡大してきております、そういう実情を反映いたしまして、二十一年ぶりに、国や自治体の管理する道路約十四万九千キロメートル、これは見直し前の一・三倍でございますけれども、これを指定したわけでございます。
さらに、先ほど申し上げましたが、こういう恒常的に降るところ以外につきましては、全国的な異常豪雪に対して臨時特例措置をもって対応する、こういう考え方でやっていこうとしております。
○高橋(千)委員 今お話の中にあるのかなと思ったんですが、市町村道が一・六五倍ということで、一番延びたのかなと思っております。それは、今説明の中にあった、雪の深さと寒さ、それプラス交通事情ということがあったと思うんですね。そこで、県道に比べると市町村道がやはり適用割合が少なかったということが事情としてあったのかと思うんですね。
それで二十一年ぶりの見直しをしてこうなったということは、それ自体は非常に感謝をしているんです。例えば青森市でいいますと一・八倍になったんですね。それでも、除雪延長千三百五十九キロに対して三百四十二キロです、指定されたのは。ちょうど四分の一であります。ですから、生活道路という点ではまだ評価がされていないということでは、これはきょうは要望にとどめたいと思いますので、引き続き見ていただければありがたいなと思います。
きょうは提案で一つ指摘をしたいと思うんですけれども、雪寒道路の指定ではない地域の交付金の活用ということを今後考えられないかということであります。
除雪費用については、今言ったように、臨時特例措置を設けて、実際は解けてしまってからですけれども、とにかくお金は出るということなんですよね。だけれども、やはり雪国がやっている備えというのはもっといろいろあるわけですね。除雪機械を、もともと小型のものを集落に備えておくですとか、融雪溝、流雪溝ですとか、あるいは個人のお宅の融雪機、屋根の融雪などに若干の補助をするですとか、暴風雪柵、一回きりではなく使える、そういう備えというものがあるわけです。
ですから、これは道路の除雪という観点ではなくて、防災町づくりとか何らかのプランをすることによって交付金の対象、そういうふうなことも今後考えたらいかがかと思うんですが、いかがでしょうか。
○中原大臣政務官 道路局長が答弁しましたように、積雪寒冷地域におきましては、雪寒法により道路を指定し、その道路における除雪費用に対して補助を行っており、指定路線に対しまして小型除雪機、融雪機、防風雪柵等の整備の補助が可能となっております。
今回、関東地方に記録的な大雪が降りましたけれども、恒常的には降雪が少ない地域におきましては、一般に除雪車や防雪柵を整備いたしましても、必ずしも毎年有効に活用できるとは限らないというところでございますので、大雪のときは、今回もそうでございましたけれども、国や他県からの除雪支援、応援や、通常の建設機械等の活用によって対応していただきたいというふうに考えております。
○高橋(千)委員 これだと予算委員会でやりとりしたのと同じなんですよね。別に山梨のようなふだん雪が降らない県が全部ロータリー車を備えろなんて、そういう質問をしているんじゃないんです。最初に言ったように小型の除雪機とかそういう、地域によってふさわしいものというのはあるだろう、雪国の備えをもっと活用したらいいんじゃないかということを言っているんです。
例えば、水の量が豊富なところ、しかも道路が狭隘で、いざ降ったらあっという間に麻痺するよというところに流雪溝をやったらどうかとか、それはもちろん、私が国からこうしろと言っているのではなくて、そういう提案があったら、ぜひ前向きに考えてもいいんじゃないかと。それは、町づくりという視点での交付金だってあるわけですよね。そういう発想に変えたらいいんじゃないかということを提案しているんです。もう一言、もしあれば。
○中原大臣政務官 先生の御提案でございますけれども、積雪寒冷地域とその他の地域によってかなり気象条件も違いますし、先生御提案の機械等につきまして、維持管理費用等にかなりの費用がかかるということもございますので、今後、費用対効果も含めまして慎重に検討してまいりたいと思います。
以上です。
○高橋(千)委員 ここはぜひ提案として持ち帰っていただきたいと思います。だって、実際に、それぞれの家庭がちり取り一つしか、除雪の道具さえないというのが実態なわけでしょう。そこにいきなり大型のブルドーザーを買えとか言っている議論じゃないんですよ、聞いていただければわかるように。雪国の備えを、少しは知恵を出し合って、まるで同じことをやれと言っているのではないのだということで提案をしたいと思います。
次の課題に進みたいと思います。
昨日は、三・一一東日本大震災から三年目の追悼式典が各地で開かれました。大臣も東京でされていて、見ましたけれども。私、仙台の式典に参加をしましたけれども、改めて、家族を失った皆さんが、あのときこうすればよかったと何度も悔やむ、そういう言葉に本当に胸が締めつけられる思いがいたします。
もう三年といっても、被災者にはとても長い時間でもあります。また、三年たった今だからこそしっかりやるべき課題があるという立場から、きょうは学校に焦点を当てて伺いたいと思います。
まず、文部科学省に伺いたいと思うんですけれども、東日本大震災における被災三県の小中高校生の死亡者数がどのようになっているのか、また、その死亡に至る状況がどのようなものだったのか調査分析をしているのか、お答えをお願いいたします。
○藤原政府参考人 お答え申し上げます。
お尋ねの被災三県における公立の小中高等学校の児童生徒の死亡者数でございますが、合計四百六十一名となっております。
また、どのような経緯で死亡したのかという点につきましては、被災三県の教育委員会の方から聞き取り調査をしておりまして、例えば、学校において児童を避難させている最中に津波の被害に遭ったと思われるもの、あるいは在宅中に津波の被害に遭ったと思われるもの、また下校の際の路線バスに乗車し、そこから下車した直後に津波の被害に遭ったと思われるもの、これらを初めとしてさまざまな状況について把握をしているところでございます。
○高橋(千)委員 今、教育委員会から聞き取りをして把握をしているという答弁でありました。きのうの夜はそういうものがないという答弁でしたので、急遽聞いていただいたのかなと思うんですけれども、これはしっかりとまとめていただきたいと思うんですね。
一律にしないということが大事なんですよ。一律ではない。単に帰したら、大川小学校のように、帰した子供だけが助かった場合もありますし、その逆もありますし、絶対一律にしていただきたくなくてこういう質問をいたしたんです。
文部科学省がまとめている被害状況、これは資料の一枚目につけているんですけれども、国立学校、公立学校、独立行政法人まで全部入って、しかも、下の方に内訳が書いてあるんですけれども、教職員も入っているんですね。そういうので合計すると、六百五十九名というのが出ております。その中で、さっき、あえて小中学校、高校生まで絞ってお聞きして、四百六十一名ということを確認させていただきました。
その上で、二枚目を見ていただきたいと思うんですけれども、宮城県の小中学校、公立の小中学校の生徒は二百六十一名亡くなっております。宮城教育大学の千葉保夫非常勤講師、みやぎ教育文化研究センター、宮城県教組が共同で調査をしたものです。
さっきちょっと紹介があった教育委員会の報告書というのがあります。これはかなりの部分が黒塗りなんですけれども、県教委とか地教委とかあるいはスポーツ振興センター、その書類を全部情報公開を行って、その黒塗りの報告書を丹念に読み込んで分類をしてこの資料に落とし込んでいったものです。
今お話しした大川小学校だけは、ちょっと数字が大きいので分けて書いてある。これも大事で、これは提訴に踏み切っていますので、公正な判決を望む立場から、きょうそのことは触れません。
この資料の中身について、九日に仙台で集いがあって、先生たちの報告を聞いてきました。本当にさまざまな状況が浮かんできたわけです。
例えば、子供一人と一家八人、つまり、両親のほかに、おばあちゃんとかおばさんとか、車三台に分乗して全員が犠牲になった。あるいは、学校はもう帰した、下校しましたよと言い、家庭は帰っていないと言う。つまり、下校途中に津波にさらわれたと思うんだけれども、いまだに見つかっていない子供もいます。
あるいは、引き渡した後に、保護者と浸水区域である自分のうちに戻って被災をしてしまった。あるいは、せっかく高台に避難をしたのに、お母さんを捜しに自宅に戻った、あるいは忘れ物をして戻ったという子供も犠牲になりました。近所の介護施設のお年寄りを避難させているのを、すぐ近所なのでお手伝いをしてあげた、それで亡くなった子供もいます。あるいは、保護者が迎えに来たんだけれども、保護者が目が見えないのでボランティアさんを付き添いに連れてきている、それでボランティアともども三人流されてしまった。本当に悔しい事例ばかりなんですね。このことをやはりちゃんと見ていく必要があります。
例えば、南房総市教育委員会では、引き渡し三原則というのを設けているんだそうですね。帰宅路が安全なのかどうか。自宅及び周辺が安全なのかどうか。海に向かっていくなんてとんでもないという話になるわけですね。そして今言ったように、保護者がちゃんと子供を保護できるのか。そういう三原則、シンプルなものを決めて、どうするかということをやるというふうなことがあるそうです。
こういうことも、大いにこの事例を深めていって、二度とこういう犠牲を生み出さないためにも、今後の対策に生かすことが求められると思いますけれども、お考えを伺いたいと思います。
○西川副大臣 高橋先生、本当にお久しぶりでございます。
きのう、東北大震災の三周年の追悼式、先生も出られたと思います。被災者の三名の方々のそれぞれの家族への思い、やはり、みんな涙なくしては聞いていられなかった状況があったと思います。まして、小さな小中学生、子供たちを亡くした親の気持ちというのは、本当に私たちの想像を超えるものだろうと思います。
そういう中で、今回の震災で、確かにその線引きというんでしょうか、子供を親御さんに引き渡した方がいいのか、学校で保護した方がいいのか、そういうことというのは本当にそのときの瞬間の判断だったんだろうとは思いますけれども、やはり今回の教訓を踏まえまして、しっかりとそれを、マニュアルというんでしょうか、きちんとした決め事をしていかなければいけない、そういう反省に立って文科省も対応させていただいております。
学校保健安全法においては、文部科学省として、各学校の参考となるように、平成二十四年三月に、学校防災マニュアル(地震・津波災害)作成の手引き、この冊子を作成いたしまして、全国の学校に配付済みでございます。
そういう中で、それぞれ地域の緊急地震速報を活用した訓練とか、学校防災アドバイザーの活用とか、あるいはボランティアの皆さんの推進、支援とか、いろいろなことがあるんですが、その中で特に、親にいつ、どういう形で引き渡したらいいのかという、保護者との間で手順やルールを決めてくださいということを要請しております。その中で、調査によりますと、この手順をきちんと決めている学校が全国では七〇%、そして小学校においては、今、八三%が手順を決めております。
そして、限られた時間で津波への対応が迫られた場合、児童生徒を引き渡す、あるいは引き渡さないで保護者とともに学校にとどまらせるとか、保護者の家庭が帰宅困難な状況のときには子供を家庭に帰さないで学校で保護するとか、そういうさまざまなマニュアルを決めていただくような冊子をつくっております。
平成二十五年三月には、全国の学校に学校防災参考資料というのを配付いたしました。学校の先生に研修のときに使用していただくようなテキストを配付させていただいておりまして、家庭や地域との連携を密にした地震後の引き渡しの訓練その他、しっかりと対応してまいりたいと思っております。
○高橋(千)委員 ありがとうございます。
さまざまなマニュアルや手順を決めるということに今取り組んでいるということだったと思うんですね。ただ、取り組みの途上で予想をはるかに超える大きな被害だったということでは、本当に反省すべきこと、教訓とすべきことがまだまだあったのではないかと思っています。
大臣にも、今のやりとりを聞いていただいて、感想を含めて答弁をぜひお願いしたいと思います。時間の関係で次の質問とあわせてお願いしたいんです。
昨年の六月二十一日に公布された改正災害対策基本法では、緊急時の避難場所と避難所を区別して、あらかじめ市町村長が指定するということを決めました。
学校現場では、今議論していますが、引き渡しというのは非常に悩ましい問題なんです。親は迎えに来ます。そして、帰さないと決めたといっても、なぜうちの子供を帰さないんだとけんかになる場合もあるわけですよね。そのことで先生方だって非常にためらう。だけれども、あっという間に地域住民は、避難所を目がけて、避難所として学校に集まってくるわけなんですね。そうすると、もうてんやわんや、大変な混乱の中で決断が迫られる。
こういう意味で、避難所を指定するということを考えたときに、学校はどうあるべきと考えていらっしゃいますか。
○古屋国務大臣 二点御質問いただきました。
今、西川副大臣の方から学校の対応についてはるる具体的な御説明がありましたけれども、やはり、児童生徒に被害が生じないように、平時からの備えが大切ですね。その大前提は、まず、正しく逃げること、これだと思います。具体的には、今、各市町村から配布されているハザードマップなどをもとに、平時から学校周辺における津波浸水区域の状況や避難場所の位置を確認した上で、津波避難計画を策定して、各地域におきまして、学校であるとか住民等による避難訓練を実施することが極めて大切ですね。
もう一点は、実際に今各市町村が地域防災計画で定められている避難場所の多くは、基本的に震災を念頭に、被災者が一定期間避難する、生活をする場所として定められておりますので、津波とか洪水であるような、そういった災害の危険が及ぶことが想定されている地域に立地をしていることもございまして、緊急避難場所としてはふさわしくないものも存在していることは事実です。
そこで、昨年、災害対策基本法を改正しまして、災害の危険が切迫した場合、住民の安全な避難先を二点の視点で、まず一点は安全な避難先を確保する観点から指定緊急避難場所、もう一つは災害の発生後に被災者が一定期間避難生活を送る場所としての指定避難所、これをそれぞれ実施して、四月から施行されるというふうになっております。
学校における防災対策を検討する際には、ハザードマップを参考に、まず立地条件をしっかり確認していただいて、指定緊急避難場所を確認して、津波等の災害に対しどのような避難行動をするのかを事前にしっかりと検討していく必要があると思います。また、そういった検討を踏まえて、地域住民と一体となって実践的な訓練、いわゆる防災訓練を実施する必要があろうというふうに思います。
いずれにしても、学校が指定緊急避難場所になる場合には、的確な避難誘導等が行えるよう、先ほど申し上げましたように、ふだんから発災時を想定した備え、訓練を行うことが極めて重要だというふうに認識しております。
○高橋(千)委員 今、立地条件のことをおっしゃったと思うんですけれども、立地条件のことは後でお話ししますけれども、そもそも、単なる箱ではなく、学校というのはやはり教育の場である、そこに着目してどうなのかということ、実は私の質問の趣旨はそういうことだったんですね。
改正災害対策基本法の概要の中には、学校などの一定期間滞在するための施設と区別してという表現があります。つまり、学校にいつまでもいてもいいのかということがまず問われるわけですね。
後で紹介をしますけれども、文部科学省が政府の専門家と一緒につくった、三月七日に出した報告書がございます。三枚目に、後で出てきますけれども、「災害に強い学校施設の在り方について」、この報告書の中で、学校が教育活動の場であることに配慮し、避難所としての機能は応急的なものであること、こういう表現があるんですね。やはりそういう立場に立つのかどうか。つまり、立地条件がよければずっといていいんだよということではないと思うんですけれども、そこら辺の整理ができているんでしょうか、それとも今後なんでしょうか、どうでしょうか。
○西川副大臣 確かに、緊急時に学校が地域の避難所になっていることは事実でございます。その中で、実は、それが長期にわたりますと、学校の、児童の教育自体に差しさわる、そういう問題もたくさん出てくるのは事実でございまして、学校に大きな負担が強いられる。そういう問題に対して文科省としても対応していかなければいけないと思っております。
そして、その中で、数多くの教職員の方々が避難所の運営に当たっていただいて、児童のことも避難所のことにも対応するということで、大変御努力いただいて、大変だったというお話は聞いておりますので、真摯に敬意を表したいと思います。
その中で、大震災などの災害発生時、学校は避難所として使用されますが、その際に、学校教育を行う上で必要最低限の場所を確保すること、被災地以外から派遣された職員が避難所の住民の方には対応するということで、少なくとも、避難所となっている学校の先生たちが学校教育に専念できるような環境を整える必要がある、それに対応するということ。
それから、避難住民の方々の生活を十分に考慮しつつ、やはり学校運営が円滑に行われなければいけないということで、その点、機会を確保していくということになっておりますが、地域防災マニュアルにおいて、実は、初期の段階、それから、もう少し住民が落ちついて生活をする段階と、四段階に分けまして、少なくとも仮設住宅に移動するということを前提として四段階に分けた学校現場のマニュアルを作成して配付しております。
以上でございます。
○高橋(千)委員 今どういうことが起こっているかというと、大臣に答弁を求めたつもりだったんですけれども、ちょっと答弁がなくて、それで西川先生が次の問いに関連する答弁だったのかなと思っています。
それで、ちょっと整理をしますと、今とても大事なことをおっしゃってくださったと思うんですね。資料の三枚目にあるんですけれども、これはさっき紹介した文部科学省がつくった学校施設の在り方に関する調査研究協力者会議の報告書なんです。避難所となった学校数、これが三月十七日の時点で六百二十二校、七月十一日の時点、四カ月たって九十二校なんですが、これは途中で切れていまして、ゼロになるのは何と十一月十日で、八カ月たっているんですね。八カ月間、学校は、避難所として使われていたところがあったという事実がございます。
それから、下の方を見ていただきたい。これはさっき私が紹介した県教組などが取り組んだ宮城県の資料なんですけれども、宮城県の公立小中学校で避難所になったのは三百五十六校なんです。児童生徒数が九万八千四百八十九人、職員が六千二百二十一人。それに対して、受け入れた避難者数は十八万九千三百十二人。これは単純計算しますと、子供がいたとして、三倍に膨れ上がったことになるわけなんですね。
それだけの人たちが来て、これは詳細な調査があるんですけれども、初日に市の職員とかが来てくれたというのは半分だそうです。二日目、三日目とこうやって、やはり職員は、実際には市の職員のかわりといいますか、防災担当のかわりとして避難所運営に当たらざるを得なかった。学校の運営をしながらも、かつ、連日泊まりをしなければならなかった。そういう大変な状態だったということなんです。
でも、その中で、先生方は本当に使命感に燃えて、地域に貢献するんだということで頑張ってくれた。そういうこともちゃんと評価をしつつ、避難所はどうあるべきかといったときに、備蓄とか、さまざま大事なことはあるんです。だけれども、人の確保をちゃんとしていかないとだめなんだよということで質問をいたしました。いいですか、もう一言あれば。
○西川副大臣 先生の御質問に正確な答えになるか、ちょっとあれですが、非常時災害対応を行った場合に、言うなれば、とにかくその分はきちんと手当でみようということで支給された特別手当というものがございます。教員特殊業務手当、これは支給要件が、非常災害時に児童生徒の保護等に従事、そして、休日八時間程度または平日勤務時間六時間程度従事した場合ということで、普通は六千四百円、管理職にもそれに見合う手当が支給されておりまして、岩手県では三千七百二十万円、宮城県、一億八千五百九十九万円、福島県、二千七百九十四万円と、大変な先生たちに対してせめてものということで、特殊の手当を支給しております。
○高橋(千)委員 やはり、手当も確実に払っていただきたいんですが、体制をきちっととっていただいて、例えば現業職員の法定化がされていないとか、さまざまな問題がございます。そこの体制をしっかりやっていただきたいということをお願いしたいと思うし、もう先生方、今、大きな災害にまた見舞われたときに迅速な判断ができるかと思ったら夜目が覚めちゃう、寝られない、そういうことをおっしゃっていて、五五%の方たちが不調を訴えている、そういう状況であります。そこをしっかり見ていただきたいということは、あとは要望にしたいと思います。
ここは最後の指摘ですけれども、大臣がさっき、少し話の中であったんですけれども、浸水区域の中に学校があるということ、まだまだあるということをおっしゃいました。本当にそうなんですね。
東北福祉大学の数見隆生教授がチームをつくって、東南海地震の浸水区域である七県八百十五校を調査した報告があるんですね。そうすると、海岸から一キロ、海抜五メートルの中に、そのうち半分の学校が入っていたということなんです。当然、浸水区域に入っているわけなんですけれども、ただ、マニュアルに、さっき言ったように津波がありません。だけれども、一方では、学校を指定避難場所にしているのは九割なんです。
だから、住民にしてみれば、とにかく真っ先に学校を目がけていくということになっちゃうわけです。そうすると、さっき言ったように子供をどうしようということと、子供をまず逃がさなきゃいけないのに住民が逃げてくる、そういうことになってしまうわけですから、これは一刻の猶予もできませんよね。
まず、津波のときは指定避難場所じゃないんだ、そこを整理してできるだけの対策をやっていくというふうなことが必要かと思いますが、もし大臣、一言あれば。
○古屋国務大臣 委員御指摘のように、先ほど私も答弁させていただきましたが、一部の地域は、洪水、津波の被害が想定される地域も避難場所として指定されているということです。
だからこそ、今後、こういった地域における津波災害への対応としては、まず速やかに避難をしていただくということが一番大切なんですね。
そのために、避難地とか避難路、避難施設等のハード整備だけではなくて、避難計画の策定、避難訓練をしっかりやること、そういったソフト対策を徹底していく、それからもう一つは防災教育の徹底、こういうものが大切だというふうに思います。
特に学校施設は、そういった意味でも、地域の皆さんとの連動の中でそういった取り組みをしていく必要があると思います。
ただ、長期的には、高台移転するとか、例えば南海トラフ巨大地震のときにそういう高台移転をしていこうという取り組みをしている市町村もありますけれども、それは中長期的な課題で、短期的にはそういうソフトの取り組みを徹底していくことが大切だと思います。
○高橋(千)委員 終わります。
○坂本委員長 次に、小宮山泰子君。
○小宮山委員 去る三月五日、大雪による被害状況視察のために私も山梨の方に伺わせていただきました。ハウス栽培のものが壊れていたり、被害の大きさというのは埼玉だけではないんだということを実感したとともに、この点に関しまして、初動の方は、きょうの委員会質疑においても、ややおくれがあったけれども、その分しっかりと対応していただきたいというふうに改めて要望させていただいて、質問に入らせていただきたいと思います。
さて、最初ですけれども、まずは、二月二十四日、予算委員会で、建物の設計基準の見直しの必要性などについて質疑を行いました。この後、国交省でも見直しのための作業部会を設置するなどと報じられておりますが、この経緯と内容、スケジュール感など、簡潔にお聞かせいただければと思います。
〔委員長退席、盛山委員長代理着席〕
○井上政府参考人 お答え申し上げます。
今回の大雪被害を、特定行政庁を通じた調査、それから大規模なものについては国交省の職員による調査を行いました。小規模なものでも人的被害が大きい、また大規模な屋根の崩落も起こっているということで、しっかりこれはやっていかなきゃいかぬという判断をいたしました。
おとといの社会資本整備審議会で、専門家から成るワーキングチームを設置しまして、きょう三時から始めることにいたしております。
内容は、原因の究明、それから積雪荷重のあり方、あるいは構造基準の改善の必要性、維持管理のあり方、予断を持たずにしっかりやっていきたいと思います。基準をつくる必要があれば、その後、できるだけ早期に対応してまいりたいと思います。
○小宮山委員 提案させていただいて、また答弁をいただいてからもそうですが、早急にこうやって作業部会を立ち上げていただいたことには感謝を申し上げます。引き続きしっかりと現場検証を行っていただくこと、そして、今後新しい設計基準に移行した場合には支援なども必要になるかと思います、当該市町村からも意見を十分聴取して取り入れていただくことを要望させていただき、次の質問に入らせていただきます。
また、同様、災害対策のための地籍調査というものが大変重要になってくるということは以前から指摘をさせていただいております。昨日の亀岡政務官からの平成二十六年度防災関係予算の概要説明などにおいても、地籍整備の推進ということが入っております。
南海トラフや首都直下など、この委員会でもたびたび質疑が出ておりますけれども、今後、この点をやるとなりますと、今地図が整備をされていない、そういった大変難しい地域になってくるかと思います。そして、この点に関してはかなりスピードアップをして、減災また復興というものに寄与する地籍調査、地図整備というものが大変ポイントになってくるかと思います。
この点について、スピード感を持って実施する必要があると思いますが、今後の取り組みと進捗の見込みについて改めてお聞かせください。
○江口政府参考人 お答え申し上げます。
地籍調査を推進して土地の境界の明確化を進めるということは、土地取引の円滑化、町づくりの推進、それから防災対策や被災後の迅速な復旧復興のために極めて重要であるというふうに考えております。
それからまた、今後、南海トラフ地震や首都直下地震等の大規模災害による甚大な被害が想定される中で、地籍調査推進の重要性はますます高まっているというふうに認識をしております。
しかしながら、地籍調査の進捗率は、平成二十五年三月末時点で申し上げますと、全国平均でいまだ五割程度にとどまっておりまして、さらなる努力が必要であるというふうに考えております。
このため、国土交通省といたしましては、平成二十五年度補正予算、それから平成二十六年度の当初予算案におきまして、地籍調査に関しまして前年度を上回る所要額を計上いたしております。
それから、大規模災害が想定される地域におきましては重点的に調査を実施するということで、地方公共団体とともに地籍調査のさらなる進捗に努めてまいりたいというふうに考えております。
○萩本政府参考人 法務省におきましても、登記所備えつけ地図の整備は極めて重要であると認識しておりますが、地図の整備の割合は、全国的に見ますと約五四%にとどまっておりまして、必ずしも十分な状況ではありません。
そこで、法務省におきましては、緊急に地図整備を必要としている都市部の地図混乱地域を対象として、平成二十一年度から平成二十八年度までの八カ年で合計約百三十平方キロメートルの地域について地図を整備するとの計画を策定し、この計画に基づいて地図の整備を実施しているところでございます。
平成二十六年度におきましても、計画に沿って、約十七平方キロメートルの地図を整備することを予定しております。
今後とも、地図整備事業の重要性に鑑みまして、計画的な整備に努めてまいりたいと考えております。
○小宮山委員 ぜひしっかり関係省庁と、また地方自治体も含めまして共同していただいて、この地図混乱を早急に解決するためにさらなる努力をしていただければというふうに思います。
さて、月曜日の夜なんですが、テレビを見ておりましたら、防潮堤の設置など無駄な復興予算が出ているという話が随分と盛り上がっておりました。この影響なのかわかりませんが、三月十一日の午前の官房長官の記者会見にも、防潮堤建設事業の見直しということが出ていたようであります。
当然、命を守る防潮堤のあり方、私自身も被災地を見せていただいたときに、その設置の仕方などは大変研究をされているということが話に出ておりました。そして、それが大切であることもわかっております。
また、別の視点でいえば、今までも国土強靱化などさまざまなときにおきまして、グレーインフラからグリーンインフラへの転換、森の防潮堤建設等さまざまなことを言っておりますが、自然を生かしたそういった災害対策というのも提案をしてきたところであります。
ただ、きょうはちょっと視点を変えさせていただきまして、入り江で平地が少ないそういったところに、海も見えなくなる、つまり引き潮も見えなくなるという意味では、安全の確保がこれによってとられるのかというのも、実はそのテレビを見ながら私も改めて不安に思ったところでございます。
そのときに思い出すのが、二〇一一年に国土交通委員会の視察でインドネシア・スマトラのあの地震の起きました現場であります、津波被災地であるバンダアチェを訪問させていただきました。筆頭も一緒に行かせていただきました。
そのときに、日本の無償資金協力による、津波からの避難用の建物、避難ビルディングと最初は言っていたものが三カ所に建築され、その後には、インドネシアの資金ももちろん入って、さらに二カ所追加されたそうですけれども、住宅街の中にあり、徒歩で五分から十分ぐらいのところで、何千人という方の命が救われるというような建物になっておりました。一階はバドミントン場、二階は展示会や結婚式、三階は事務所としてというのでしょうか、ヘリポートとして使えるように、地域に溶け込むような形で、今はコミュニティービルディングという名前で利用されているというふうに伺いました。
こういったことを考えますと、このような、日本が協力をして津波避難ビルなどを建てられた事例もございます、こういったものの活用というのは大変今後とも参考になるのではないか。地域の方々とともに新たな、そういう意味では津波被害を少しでも抑えるために現在どのように取り組まれているのか、現状をお聞かせいただくとともに、今後、東日本大震災の被災地に限らず、避難タワーなども、避難用だけではなく、展望台であったり、吹き抜けに波が通るようにつくっていますので、そこは多分漁業関係の方がお使いになるとか、さまざまな活用が考えられると思います。
こういった多機能の利用方法なども含めて、実施する地方自治体への交付金、補助金などの財政的支援も含めて現状を改めて伺わせていただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、津波避難のためのビルあるいはタワーというのは大変重要だというふうに思っています。
基本的に、マンションやホテルなど既存の建物を緊急時に所有者の御了解を得ながら避難に活用する避難ビルと、避難専用の建物として建設する避難タワーがございます。これらにつきましては、石巻市におきまして居室つきの避難タワーの計画がございますし、それ以外にも、東日本大震災以降、全国的にさまざまな取り組みがなされてございます。
現在、その実態につきまして内閣府で調査中でございまして、例えば既存のビルにつきましては、構造がどうなっているかとか、高さがどうかとか、想定される津波に対してどのような関係になっているのか、あるいは新たにつくられるものについては、さらにそれに加えて事業費でありますとか、そういったものについても調査することといたしてございます。いずれにいたしましても、そういったものを活用していただく。
それから、補助につきましては、特に南海トラフ関係におきましては、特別地域につきまして特別の補助制度等を設けているところでございます。
○小宮山委員 あわせまして、本日もお出ましいただいておりますので、西村副大臣からもぜひ、財政的支援などさまざまなことがあり得るかと思います、この点に関しまして御説明をいただければと思います。
○西村副大臣 ちょっと想定しておった、お聞きをしておった質問と中身が違うんですけれども。
私も、高知県へ視察に行きましたときに、南国市で津波避難タワーとして整備されているのを見てまいりました。ただ、これが我々の被害想定、新たにやり直して内閣府で示したものからすると足らないということで、新たに追加的に工事をして、六メートルぐらいさらに高くするというような工事もありました。
そうしたことについて、今後、南海トラフの、つくっていただいた法律に基づいて地域指定もしていきますので、さまざまな制度、特に国交省でいろいろな制度を用意していただいていますので、そうしたものを活用しながら、効果的な予算活用、予算の利用をしていただければというふうに思っております。
○小宮山委員 そうですね。ぜひ、新しい想定ができた中で、それに適さない、既につくった既存のものが既存不適格という状態、法律違反ではない、制度違反ではないけれども、そういったところを放置することなく、迅速に対応ができる、それをまた計画ができるような支援をぜひしっかりと副大臣にもお願いをしたいと思います。うんうんと大きくうなずいていただいているので。
○西村副大臣 もし補足があれば国交省から具体的な制度も御説明いただければと思いますけれども、津波タワーができていて、我々の最大規模の想定被害、想定される被害に対応していないものが近くにあったときに、それで大丈夫だと思ってそこに逃げられる、避難される可能性もありますので、そこは、今調査を行って、今後策定するガイドラインの変更の中でしっかりと、この津波タワーは最大規模のものには対応していないんだよということも周知をしなきゃいけませんし、それでは足らないというところにさらに高いものをつくる場合に、しっかりとできる限りの応援をしていきたいというふうに思います。
〔盛山委員長代理退席、委員長着席〕
○小宮山委員 ありがとうございます。
最後の質問の項目となりますけれども、ことしの一月二十日には、障害者の権利に関する条約がやっと批准書を寄託いたしました。本当に長年、この関係の先生方、また外務省を初め厚生労働省や内閣府の皆様にも本当に努力をいただいたものであり、それに向けて障害者の方からしっかりと声が上がり、国内法をきちんと整えてからの条約批准という、ある意味、大変理想的な日本の条約の批准の仕方だったのではないかなと誇りに思うところであります。
さて、災害の現場で見ますと、大変ショッキングなデータがございます。「東日本大震災 障害者の支援に関する報告書」という、日本障害フォーラムのまとめた冊子でございます。
この中には、二〇一一年九月十一日に、NHKの特集で「取り残される障害者」と題した番組で、自主的にNHKが被災自治体を対象に聞き取り調査、主要被災三県、岩手、宮城、福島沿岸部の二十七市町村から回答を寄せられたものによりますと、総人口に占める死亡率は一・〇三%であったのに対し、障害者の死亡率は二・〇六%となっております。
また、その後ですけれども、行政の調査としては初になったというふうに報告書にはございますが、二〇一二年三月二十九日の「東日本大震災に伴う被害状況等について」、宮城県が取りまとめられたものにおきますと、宮城県沿岸部の大震災による死亡率は、総人口比で〇・八%、障害者手帳所持者比で三・五%となっております。前述したNHKの調査で約二倍、宮城県の調査では約四・三倍と、障害をお持ちの方々の、被災をされ、そして命を守れなかったという現実がこの数字から浮かび上がってきたんだと思っております。
同じときに、この報告書のときですけれども、日本障害フォーラム制作のドキュメンタリー映画でございます、「生命のことづけ 死亡率二倍 障害のある人たちの三・一一」というドキュメンタリー、大体三十四分ぐらいかと思います。この中にありますが、私も見させていただくと、生の声がわかるし、何が大変だったのかというのが非常にわかりやすく見ることができました。
その中で痛感したのは、やはり当事者でなければわからないことがあるんだということ、また、この東日本大震災の後、今回ではなく、前の政権交代、民主党になったときの政権交代の後の障害者政策の中で一番大きかったのは、やはり、当事者がきちんとその政策策定の中に入るという方向性が出てきたというふうに実感をしております。これは、障害者の報告書の中にもありますが、本当に重要なことでありますし、当事者でなければわからないこと、本当に必要としていることを取り入れるということは重要かと思っております。
そこで、まずは、障害者自身がどうやって情報を入手するのかというところに問題もあるかと思います。この点に関しましても、大臣所信にも、竜巻被害など、さまざま災害情報の伝達のあり方にも言及をされております。この点に関しまして、いかに対策に取り組んでいらっしゃるのか、御所見を簡潔にお聞かせいただければと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
障害者などの要配慮者に対します情報提供につきましては、その障害の内容に応じた情報伝達手段を確保することは非常に重要であるというふうに考えております。
昨年八月に避難行動要支援者の避難行動支援に関する取組指針というものを策定させていただきました。それにつきましては、今委員御指摘のとおり、障害者の方々ということで、お話にあった日本障害フォーラムの方の御支援等もいただきながら策定させていただいたものでございます。
その中では、例えば、目の見えない方、あるいは耳の聞こえない方ということに合わせた、耳が不自由な方にはファクスでありますとか、あるいは別に携帯端末で伝えるとか、そういった多様な手段を用いることのほか、さまざまな工夫をすることとしております。
それに加えまして、昨年、法律改正によってつくられました避難行動要支援者名簿を活用して、そういった共助を利用した避難支援の仕組み、あるいは、平常時から構築された顔の見える関係を通じた住民の間での情報伝達など、そういった人間を使ったといいますか、ヒューマンな関係の情報伝達を含めて、確実な伝達が必要であるというふうに考えております。
引き続き、取組指針の周知等を徹底することによりまして、また先進事例を伝えることによりまして取り組みを促進してまいりたいというふうに思っております。
○小宮山委員 平常時から顔の見える体制を整えるというのは大変重要なことだと思います。
また、避難所などでは、障害や難病を持つ方への相互理解というものが大変重要になってくる。知的障害をお持ちの方は、被災地で不安なことから、どうしても声を抑えることができない。結局のところ、やはり皆さん、不安な中では一緒にいられないということで、崩れかけた自宅に戻らざるを得なかったりなんというお話も聞こえてまいります。
DPI女性障害者ネットワークかと思うんですけれども、三・一一の際に、避難所へ、そういった障害や難病をお持ちの方への対応マニュアルを印刷し、配付をして、大変効果があったというお話も伺いました。
不安を抱え、さまざまな状態、一つのところに長期にわたり滞在していることなど、皆様方、本当に配慮が必要なところ。だけれども、配慮だけではなく、そもそもの相互理解をすることで、お互いに我慢するのでなく共存ができるような形になることを願ってやみません。
そこで、日ごろから、やはりこの障害者対策というものに対して啓蒙啓発していくことが大変必要かと思っております。そうでなければ、たとえその場だけマニュアルを配っても、災害のときに実際には活用ができないんだという思いがございます。
この点に関しまして、今後、社会として、これも防災対策につながるかと思います、差別解消等、そういった法律も通りました、どのような対応をしていくのか、お聞かせいただければと思います。
○岩渕政府参考人 災害時を含めまして、全ての国民が障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会を実現するためには、広く国民の関心と理解を深めていただくことが不可欠であるというふうに考えております。
このため、昨年九月に閣議決定をいたしました第三次の障害者基本計画におきましては、国民の障害及び障害者に対する理解を促進するための取り組み、とりわけ、難病を含め、さまざまな障害特性や、その障害特性を踏まえた必要な配慮等に関する理解の促進を図ることを盛り込んだところでございます。
政府といたしましては、障害者基本法に定められた障害者週間、毎年十二月三日から九日まででございますが、ここにおきまして、内閣府を中心に、関係省庁、地方公共団体、障害者の関係団体、企業等の協力のもとで、全国各地においてさまざまな行事を集中的に実施するなど、積極的な広報啓発に取り組んでいるところでございます。
引き続き、国民の理解を深めていただくための取り組みを進めてまいりたいと存じます。
○小宮山委員 ぜひ、社会からの取り組み、内閣府におきましては、当事者の方の声もしっかりと受けとめていただき、一緒に共生する社会をつくらせていただければというふうに考えております。
さて、最後になりますけれども、今お話ありました、ともかく、やはり命を授かって生きている、その人たちを救うことも大切でございます。そして、命ある限りきちんと全うできるようにするということも必要かと思います。そういう意味においては、健常者も、障害を持っている方、難病を持っている方も、分け隔てなく、その機会はしっかりと与えられるようにするのが政治の使命だと思っております。
社会的弱者になりがちな、子供や身体的機能が低下する高齢者、障害者や難病を持った方々など、自力だけでは助からない可能性が高いと言われているそういった方々の保護、安全確保に対して、防災大臣として留意、大切にしている点を最後に伺わせていただきたいと思います。
○古屋国務大臣 今、委員御指摘のように、要支援者、要介護者あるいは子供、それから社会的弱者と言われる方々に対しては、きめ細かな配慮が絶対必要ですね。
昨年、法律改正をしましたので、避難行動要支援者に対して措置をしなさいということを義務づけたところですけれども、市町村もそういった名簿をしっかり、個人情報保護の壁を乗り越えてつくっていただくということになりました。
実は、南海トラフで数十メーターの津波が来るというところのある首長さんもこんなことを言っていました。どんな方であっても、住民には一人も避難放棄住民をつくらない、特に要支援者、要介護者の皆さんに対してはきめ細かな対応が必要である、そういった名簿も作成をいたしておりますと。これは一つのいい例だと思いますね。
そういったことをしっかり、ソフトウエアの対策という視点から、市町村長には、そして地方公共団体にはそんな取り組みをしていただくように、我々からも督励をしていきたいと思います。
○小宮山委員 ぜひ、自助、公助、共助、この三つのバランスをきちんと保ち、そして災害に備えていただければと感じております。
ありがとうございました。
○坂本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時五十七分散会