第8号 平成26年8月28日(木曜日)
平成二十六年八月二十八日(木曜日)午前八時三十分開議
出席委員
委員長 坂本 剛二君
理事 うえの賢一郎君 理事 北村 茂男君
理事 原田 憲治君 理事 福井 照君
理事 盛山 正仁君 理事 細野 豪志君
理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君
穴見 陽一君 井上 貴博君
伊東 良孝君 神山 佐市君
川田 隆君 河井 克行君
神田 憲次君 木内 均君
北村 誠吾君 工藤 彰三君
小島 敏文君 笹川 博義君
竹下 亘君 長島 忠美君
藤丸 敏君 三ッ林裕巳君
務台 俊介君 湯川 一行君
吉川 赳君 黄川田 徹君
寺島 義幸君 長島 昭久君
吉田 泉君 井坂 信彦君
椎名 毅君 三木 圭恵君
斉藤 鉄夫君 濱村 進君
樋口 尚也君 上野ひろし君
中丸 啓君 杉本かずみ君
高橋千鶴子君 宮本 岳志君
小宮山泰子君
…………………………………
国務大臣
(防災担当) 古屋 圭司君
内閣官房副長官 加藤 勝信君
内閣府副大臣 西村 康稔君
厚生労働副大臣 土屋 品子君
国土交通副大臣 高木 毅君
内閣府大臣政務官 亀岡 偉民君
経済産業大臣政務官 田中 良生君
国土交通大臣政務官 土井 亨君
環境大臣政務官 牧原 秀樹君
防衛大臣政務官 若宮 健嗣君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 藤山 雄治君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 日原 洋文君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 時澤 忠君
政府参考人
(消防庁国民保護・防災部長) 室田 哲男君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文教施設企画部長) 関 靖直君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 谷内 繁君
政府参考人
(厚生労働省医政局長) 二川 一男君
政府参考人
(厚生労働省職業安定局長) 生田 正之君
政府参考人
(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長) 藤井 康弘君
政府参考人
(国土交通省大臣官房建設流通政策審議官) 吉田 光市君
政府参考人
(国土交通省都市局長) 小関 正彦君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 池内 幸司君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局砂防部長) 大野 宏之君
政府参考人
(国土交通省道路局長) 深澤 淳志君
政府参考人
(国土交通省住宅局長) 橋本 公博君
政府参考人
(気象庁長官) 西出 則武君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 小川 晃範君
政府参考人
(環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長) 鎌形 浩史君
政府参考人
(防衛省運用企画局長) 深山 延暁君
衆議院調査局第三特別調査室長 石上 智君
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委員の異動
八月二十八日
辞任 補欠選任
井林 辰憲君 川田 隆君
泉原 保二君 穴見 陽一君
大見 正君 神田 憲次君
清水 誠一君 小島 敏文君
長島 忠美君 河井 克行君
中川 正春君 長島 昭久君
今井 雅人君 三木 圭恵君
椎名 毅君 井坂 信彦君
樋口 尚也君 斉藤 鉄夫君
宮沢 隆仁君 中丸 啓君
高橋千鶴子君 宮本 岳志君
同日
辞任 補欠選任
穴見 陽一君 三ッ林裕巳君
川田 隆君 井林 辰憲君
河井 克行君 長島 忠美君
神田 憲次君 大見 正君
小島 敏文君 清水 誠一君
長島 昭久君 中川 正春君
井坂 信彦君 椎名 毅君
三木 圭恵君 今井 雅人君
斉藤 鉄夫君 樋口 尚也君
中丸 啓君 宮沢 隆仁君
宮本 岳志君 高橋千鶴子君
同日
辞任 補欠選任
三ッ林裕巳君 泉原 保二君
―――――――――――――
六月二十日
一、災害対策に関する件
の閉会中審査を本委員会に付託された。
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本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
災害対策に関する件(平成二十六年八月豪雨による被害状況等)
――――◇―――――
○坂本委員長 これより会議を開きます。
議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。
このたびの平成二十六年梅雨期からの大雨等による被害でお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。
また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。
これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。
全員の御起立をお願いいたします。――黙祷。
〔総員起立、黙祷〕
○坂本委員長 終わります。御着席願います。
――――◇―――――
○坂本委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、平成二十六年八月豪雨による被害状況等について政府から説明を聴取いたします。古屋防災担当大臣。
○古屋国務大臣 平成二十六年の梅雨期以降に発生した大雨等による主な被害状況及びその対応につきまして御報告を申し上げます。
まず、これらの災害によりお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族に対し、深く哀悼の意を表します。また、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げます。
本年は、梅雨明け前の七月上旬に台風八号が日本に上陸し、台風による特別警報が初めて沖縄県で発表されたほか、長野県、山形県など全国各地で局地的な集中豪雨をもたらしました。
七月下旬から、台風十二号及び十一号では、前線の影響もあり、高知県で総雨量が二千ミリを超えるなど、西日本から北日本の広い範囲で豪雨となりました。また、栃木県等では竜巻などの激しい突風が吹きました。
さらに、八月十五日からは、兵庫県、京都府、岐阜県などで局地的な大雨となりました。
これらの台風、前線に伴う集中豪雨などにより、長野県で中学生が土石流の犠牲になるなど死者十四名の人的被害、一万棟以上の住家等への浸水被害、道路、鉄道などの交通インフラ、電気、水道などのライフライン、農地、農業用施設等の被害が生じました。
政府といたしましては、災害警戒、対策のための関係省庁会議を週末をも含め適時開催するなど、対応をしてまいりました。また、被害が生じた地域に対しては、被害状況を迅速に把握するため政府調査団を派遣し、地元の意見を丁寧にお聞きしながら、関係省庁一体となって復旧の支援に努めております。
さらに、広島県における土砂災害についてですが、八月二十日未明に広島県で局地的に猛烈な雨が降り、広島市北部において多数の土砂災害が発生し、八月二十七日時点で死者七十一名、行方不明者十五名の甚大な被害が発生をいたしました。
政府といたしましては、総理指示を踏まえ、直ちに関係省庁災害対策会議の開催、政府現地災害対策室の設置を行ったほか、私自身が政府調査団の団長として現地に赴き、知事、市長と意見交換の上、災害応急対策に当たっての国、県、市の連携を強化するため、合同会議を立ち上げました。
さらに、八月二十二日は、災害対策基本法に基づき、私を本部長とする非常災害対策本部を設置するとともに、広島県に非常災害現地対策本部を設置することといたしました。
これまで、警察、消防及び自衛隊の部隊を連日三千人を超える規模で投入し、国土交通省のTEC―FORCEとも連携をして、二次災害にも留意しながら、救命救出活動に全力を挙げています。
二十五日には、現地を視察された総理の指示により、被災者支援チームを現地対策本部に設置し、被災者の健康管理や入浴サービス提供などの避難所の生活環境整備、応急住宅確保など、被災者の生活支援に集中的に取り組んでいます。
また、道路等に堆積した土砂及び瓦れきの処理等を迅速かつ包括的に進めるため、国、県、市による連絡会議を設置して、対応の加速化を図っているところであります。
現在も避難所に避難されている方が多数おられますので、被災者の方々が早く安心した生活を送ることができるように、引き続き、関係地方公共団体と連携を密にして、政府一丸となって対応に万全を尽くしてまいります。
また、八月二十四日には、北海道礼文島においても、犠牲者を二名出す土砂災害が発生しました。離島ならではの特性を踏まえながら、自治体との連携を密にしつつ、政府としてしっかりと対応してまいります。
なお、昨年の伊豆大島の災害以来、人命最優先の立場から、空振りを恐れずに早目の避難勧告等を発するように自治体に要請するなど、国民、自治体への的確な情報提供、事前の避難支援について取り組んでまいりました。
台風十二号及び十一号への対応時には、近畿、東海地方を中心に全国で二百七十万人に避難勧告等が発令をされており、早目の積極的な避難の呼びかけが浸透してきたと考えています。しかしながら、今回の広島県での災害では、避難勧告の発令や土砂災害防止法に基づく区域指定について課題が指摘をされていることから、今回の教訓を踏まえて、今後の災害対応に生かしてまいります。
また、住民の自主的な避難を促すため、早目の避難の呼びかけや気象情報が確実に住民に到達するような精度の高いシステムのあり方についても検討をしてまいります。
以上であります。
○坂本委員長 以上で説明は終わりました。
―――――――――――――
○坂本委員長 この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤山雄治君、内閣府政策統括官日原洋文君、総務省大臣官房審議官時澤忠君、消防庁国民保護・防災部長室田哲男君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長関靖直君、厚生労働省大臣官房審議官谷内繁君、厚生労働省医政局長二川一男君、厚生労働省職業安定局長生田正之君、厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長藤井康弘君、国土交通省大臣官房建設流通政策審議官吉田光市君、国土交通省都市局長小関正彦君、国土交通省水管理・国土保全局長池内幸司君、国土交通省水管理・国土保全局砂防部長大野宏之君、国土交通省道路局長深澤淳志君、国土交通省住宅局長橋本公博君、気象庁長官西出則武君、環境省大臣官房審議官小川晃範君、環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君及び防衛省運用企画局長深山延暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○坂本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○坂本委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河井克行君。
○河井委員 自由民主党、河井克行です。
被災を受けました広島市安佐南区、安佐北区から選出をされ、幼いころより数え切れないほどこの地区をずっと歩き回っておりました。つい先週、こんなに悲しくて、つらくて、そして悔しい質問をこの場でするようなことになるとは夢にも思っておりませんでした。
人数がまたふえ、内閣府によりますと、現在、死者七十一名、行方不明十五名ということであります。
初めに、お亡くなりになられた、余りにも多過ぎる方々のみたまに対し心からお悔やみを申し上げ、同時に、一日も早く行方不明の方が無事救出されますよう、そして、被災された、今この瞬間も避難所で将来への不安を抱えながら身を寄せ合っている数多くの被災者の方々にお見舞いを申し上げます。
そして、安倍内閣総理大臣、古屋圭司防災担当大臣、西村康稔副大臣を初めとする政府諸機関、何よりも、日夜を分かたず懸命の捜索活動に二十四時間携わっていただいている自衛隊、警察、消防の皆さん、そしてボランティアの皆さん方に感謝と敬意を申し上げます。
安倍総理には、二十四日と二十五日、二日間にわたり現地視察のために予定をあけ、月曜日、現地にお越しをいただき、異例な速さで激甚災害の指定を表明されましたことに、心から感謝をしております。
お許しをいただき、私自身が撮ってまいりました幾つかの写真をお見せしながら、質疑を続けていきます。
まず、これは八木三丁目の緑丘県営住宅の模様であります。次は、緑井の八丁目であります。
今回の災害、私は、役所の先導や案内をつけず、自力でずっと歩き回り、またいろいろな方からの生の情報を伺う中で、二つの課題があると考えております。
一つは、土砂災害防止法の立法者の意図が結果として顧みられなかったということ。二つ目は、行方不明者捜索現場以外の被災地では統率がとれず、地方自治体の役割が機能していないということです。
まず初めに、土砂災害防止法。
十五年前、六月二十九日、広島県で死者三十一名、行方不明者一名、うち安佐南区と安佐北区では九名の死者が出ました。何の落ち度もないのに突然命を奪われたあの現場を、私は初当選直後でありましたが、歩き、強い衝撃を受けました。以来、毎年地元で営まれている慰霊祭には欠かさず参列をし、二度と再び同じことが起きてはいけない。
まさに、そのとき古屋防災大臣が、土砂災害防止法、自民党における作業部会プロジェクトチームの座長としていろいろと力を尽くしていただきました。
被災があってダムをつくる、被災があってダムをつくるという繰り返しでは、もう切りがないんだ。それぐらい、あの地区は厳しい環境、そして土壌。宅地開発、昭和四十年以来、急速に出てきた。よって、事後対策から、ここは危ない地区ですよということを法律で定めて、地方自治体、都道府県が責任を持って調べて住民の方にお知らせする事前対策へと発想と政策を切りかえなきゃいけない、それが十五年前のあの教訓だったはずなんです。それでできたのが、この土砂災害防止法なんです。
ところが、その後の広島県の実績と現状、本当に残念だ。危険箇所数が三万一千九百八十七カ所、うち基礎調査が完了した率が三八%にとどまっている。毎年千カ所から千二百カ所しか調査をしていないんです。計算するだけで、はなから三十年以上かかって完了する計算。ちなみに、今年度の調査費は、わずか三億九千万円。国費が三分の一補助されているにもかかわらず。
長年にわたる県の、あえて言います、無策により、安佐南区と安佐北区で今回発生した土石流、現在判明しているのは七十四カ所。まだふえるでしょう。うち、警戒区域指定はわずか十三カ所。大勢の方が亡くなった場所も含めて、八木、緑井は指定ゼロなんです。
一方で、全国を見ると、十七都県では一〇〇%基礎調査が終了している。隣の島根、山口、一〇〇%終わっています。全国一多いのが広島、二位が島根、三位が山口。島根、山口、いずれも二万二千カ所ずつ調査が済んでいる。山口県は、これまで六十五億九千四百万円を投じて調査をしてきた。片や、危険箇所数が山口県のおよそ一・四倍あるにもかかわらず、広島県は総予算額で劣っているんです。
古屋大臣にお尋ねをします。
あの法案を与党で取りまとめていただいたのが、ちょうど古屋圭司先生でした。全国を見て、県によって責任感と危機感とそして結果が異なっている今の土砂災害防止法の現状についての御認識、まずお聞かせをいただきたいと存じます。
○古屋国務大臣 今、河井委員が御指摘のように、河井委員が初当選をされて間もないころ、あの一九九九年、広島で、同じ地域ですね、一山越えて隣の地域ですよ、災害が起きて、三十名の方々が犠牲になりました。
私もこの問題を深刻に捉えて、そして、当時、当選されて間もない河井議員にも相談をして、事務局長になっていただきました。実は、国交省、当時は建設省といっていたかな、と相談をして、この土砂災害防止法、私たちはイエローゾーン・レッドゾーン法案と言っていますが、当時はまだ横文字で法案をつくることが法制局も認められていませんでしたので、警戒区域、特別警戒区域ということにしました。
この目的は、ハードでしっかり対応をするということももちろん大切なんですが、やはり住民にしっかり意識を持っていただく、そして、指定をする都道府県知事、首長にもそういう危機意識を持っていただこう、このことが結果として人の命を救うことになるだろうという気持ちで私も取り組ませていただいた。もう十五年も前のことですが、よく覚えております。記憶に新しいです。
今御指摘のように、残念ながら、都道府県によってその指定の比率が大きく差があります。私も、都道府県知事にもぜひこの場をかりてお願いを申し上げたいことは、できるだけ早くこの指定をしていただきたいということです。
指定をすることによって、その地域に住む住民は、ああ、自分たちはある意味で、大きな雨が降ったときには危険な地域なんだということを認識することになります。結果として、早目の避難を自主的に行うことになっていくからであります。避難は、避難場所に行くことだけではありません。垂直避難と言われることも含めて、そういう認識ができてくる。ですから、今回の災害を教訓として、しっかり全国でそういった取り組みが進むことを私も期待をいたしております。
七十一名の方が犠牲になられて、まだ行方不明の方もいらっしゃいます。改めまして、私からも御冥福を心からお祈り申し上げるとともに、この大きな犠牲をしっかり教訓にしていく、防災担当大臣としてもそんな気持ちで取り組んでいきたいと思っています。
○河井委員 現地を歩き回って、実際見聞きし、感じた二番目の課題、それは、このような大規模かつ同時多発の土砂災害におきましては、基礎的な自治体である市、そして県、これが十分に機能していないということ。
実例を三件挙げます。古屋大臣、そして現場に駐在をしていらっしゃる西村副大臣らから、この実例への認識、そして国が実際に打ってきた対策などについて、簡潔にお答えください。
まず一つは、土砂や瓦れきの除去は、七日目、八日目になっても、被災住民やボランティアがスコップと手作業で行っている実態があった。
この写真です。緑井七丁目の八敷公園。二十三日付の読売新聞では、住民が土のうで水路を新設した、住民やボランティアらが土のうを積んだり、道路に堆積した土砂をスコップで削る作業に追われたと、あたかも美談のように報じられている。
皆さん、これは美談でも何でもないですよ。本来だったら、市や県がもっと早く現場に行って、そして重機を入れて、捜索現場以外のところにおいては積極的な姿勢を示さなきゃいけなかった。住民からは、市役所、県庁の職員の姿は一人も見ていないとか、自費で排水ポンプを買ったとか、同じ町内会で自費で重機を入れてしゅんせつを行った企業、そういう話ばかりだ。少なくとも私が現認した二十六日の午前中までは、住民、ボランティアの姿しか、この住民がつくったと言われる水路では見かけることはできませんでした。
ほかにも、緑井八丁目と八木三丁目の境のアパート、フレグランス彩の前の道路、緑井八丁目の椋木神社付近の道路の水浸し、八木四丁目八木ケ丘団地上の斜面、この写真ですが、八木四丁目八木ケ丘、そして八木八丁目細野神社、こちらの写真であります、などなど、これらは私が実際見聞きしたほんの一例にすぎないんです。ほかにもたくさん同じ場所はある。安佐南区ですらそうですから、安佐北区はもっと市や県の存在が薄かったと思います。
なぜ捜索現場以外での被災現場一つ一つの街路の現状などを自治体が把握することができなかったのか、掌握できなかったのか。本当に残念でたまりません。
二つ目は、住宅確保。
当初、市営、県営住宅の空き家百五十七戸しか自治体は発想していなかった。遠く離れた別の区にある公営住宅では、地域社会から分断される。ましてや学童世帯、同じ小学校区内で探すべきなんです。初めから民間住宅の借り上げを行うべきだった。しかも、この安佐南区と安佐北区は、大量の空き家が発生しているのが社会問題になっている地域なんです。視察されたときの総理そして古屋防災担当大臣が強い指導力を発揮していただいて、ようやく民間住宅借り上げ方針が打ち出されるまで、それが出てこなかった。
三点目、八木用水のしゅんせつです。
完全に土砂で埋まりました。この排水機能が回復しないことには、山から流れ落ちた水が行き場がないままたまる。そして、そのすぐ脇を通っている生活道路が通行不能のままでは、復旧作業は全く進まないんです。これも、視察されたときの総理や古屋大臣の指導力、そして西村副大臣がいろいろと働きかけていただいて、ようやく六日目の二十五日午後から重機が、国が直接入れたんです。
このような大規模かつ同時多発の土砂災害が発生すると、政令市でも対処できない。これは、広島市、広島県に固有の問題なのか、ほかの政令市や県でも同じ問題なのか、私はここで情報を持ち合わせていませんけれども、土砂や瓦れきの撤去と運搬を、街路ごとにきちんと指揮者を派遣して、総合調整まで国が直接出かけていかないことには、今でもスコップや手作業のままだったかもしれない。
以上のことについての実例を申し上げました。御認識と、そして対策をお聞かせください。
○西村副大臣 お答えを申し上げます。
河井議員におかれては、現場を本当に細かく歩かれまして、私も、現地に赴任した後、さまざまな情報、御指摘、御提案をいただき、ありがとうございました。
そのことも踏まえてお答えを申し上げたいと思いますけれども、私が現地に入った二十二日の時点では、二十日の発災でありましたので、捜索活動をもちろん第一優先でやっておりましたから、そうでない、捜索をしていない地域についてもまだ重機を入れるべきでない、そういう雰囲気が全体として関係者の中にあったように思います。
河井議員から御指摘もいただき、私も、捜索活動に支障があってはいけない、しかし、捜索活動を行っていない地域とか、差し支えない範囲は早く土砂を撤去しないと復旧がおくれるということで、いち早くそのことに着手をして、今お話のあった八木用水についても、二十三日の段階で、農水省と相談をして、国の査定を待っておっては時間がかかりますので、事前着工、査定前着工を認めて、工事をするということで、農水省、国交省、相談をして、役割分担をして、事業を発注し、作業に入ったところであります。
実際、調査をやらないと、あるいは捜索活動、救助活動に影響があるかどうか、そうした判断もあったと思いますので、具体的には、その後一日、二日、実際に重機が入ったのは時間がかかったかもしれませんけれども、そのような対応をとらせていただいたところであります。
家庭内に入ってきた土砂撤去についても、当初、やはり現場で混乱が見られて、せっかく車が来ても土砂の部分を撤去してくれないとか、さまざまな声を聞きまして、これは環境省の担当者と市の当局とで相談をして、市の環境局で一元的にそれを全て撤去する、これを加速していくということで、打ち合わせをして進めたところでございます。
それ以外の地域についても、まさに、国のTEC―FORCEが技術支援をしながら県、市と一体となって緊急調査をしようということで、派遣をして今進めておるところですし、できるところから着手をしようということで、もう既に着手を幾つかのところでしているところでございます。
それから、いわゆる住宅の確保が今避難されている方にとっては今後最も心配になって、不安になってくる点だと思います。
これも河井議員から御指摘をいただいて、民間がこの地域はたくさんあるからそれを活用したらどうかという御提案をいただいて、これは二十二日の夜だったと思いますが、すぐに国、県、市と連絡をとり合いながら、民間の活用、あいている民間賃貸住宅の借り上げをやるということで方針を打ち出して、調整を進めているところでございます。
御指摘もあって、既に県、市と国で四百五十戸の住宅は提供することになっておりますけれども、御指摘のとおり、同じ地域にあるのは数が限られております。お子さんをお持ちの方々は、やはり同じ校区内で移りたいという方が多いと思いますので、この民間賃貸住宅の活用を急ぎたいと思います。何より、小学校が避難所になっておりますので、九月から、本来なら八月の終わりから学校が始まるのを、今おくらせているところもございます。新学期ができるだけスムーズに早く開始できるように、住宅の確保に全力を挙げて取り組んでいきたいというふうに思います。
○河井委員 以上の課題を踏まえまして、これから大変長期で、そして広域な対策が必ず必要になってきますけれども、当面考えるべき事柄を幾つか申し上げたいと存じます。
その際に申し上げたいことは、大臣、三度目は絶対に阻止をしなきゃいけない。三度目は起こしちゃだめです。ありとあらゆる手だてを講じて、前例にとらわれない対策をぜひ政府を挙げて打っていただきたいことを初めにお願い申し上げます。
一つは、土砂災害防止法改正をぜひ秋の臨時国会中になし遂げていただきたいということです。
きのう、自民党におきましては、土砂災害防止法についての作業部会、プロジェクトチームが発足をし、その座長を仰せつかりました。今後は、政府・与党一体となって改正案をつくり上げ、できるだけ国会の中において幅広い合意形成を目指すべきだというふうに私は考えております。
この点について、今、自分自身が考えていることは二つです。
一つは、警戒区域と特別警戒区域の指定を促進させるために、国の関与を一層強めるべきであると考えます。
二つ目は、今回の被災地を念頭にし、特別警戒区域の上に、さらに重要特別警戒区域というものを新設していただきたい。
といいますのは、現行法制定以来、危ないということで家屋の移転の勧告、調べていただきましたら、行ったのが全くないんです。法律には書いてあるのに、それは実際には行われていない。家屋の移転を行いやすくするような見直しを特にこの地域においては考えていくべきだ、また、場所によっては、将来、集団移転も選択肢の一つに加えるべきだ、そのようにも考えております。
まず、この土砂災害防止法改正についての大臣の問題意識と解決に向けた御決意をお聞かせください。
○古屋国務大臣 河井委員がこのたび党の土砂災害防止法の見直しの座長になられたと私も報告を受けております。適役だと思います。
その上で、十四年前にこの法律が施行されたときに、やはりできるだけ都道府県知事がしっかり調査をして、みずからの責任において指定をしていってほしいという思いで法律をつくりました。河井委員も当時のことをよく御承知だと思います。
しかし、指定をしていくには、財源の問題だけではなくて、やはり地域の住民の合意形成とか、もし指定をすると土地の値段が下がってしまうのではないか、こんなような懸念から、なかなか進んでいないというところもあります。
しかし、全国を見れば、一〇〇%指定をしている地域もあるわけであります。では、現実に、そういう地域は土地の値段が下がったかというと、これは、県だけではなくて市も協力をして、例えばそういうところはのり面の工事をしたりとか等々で対応して、ある意味で、危険を克服して安全な地域にしていく。これは、住民の皆さんと、そして県、市町村が、もちろん国も支援をしていますが、連携をして、そういう環境をつくり上げたという例もございます。やはりそういった取り組みが私は必要だと思うんです。
そのために、私もメディアを通じまして、今回、土砂災害防止法の改正を視野に入れた、その中身は、やはり都道府県知事がしっかり指定をしやすくなるような、背中を押してあげるようなルール改正をしていく必要がある、こういうふうに申し上げました。ぜひ、与党においても、どういった取り組みが一番いいのかを真摯に検討していただきたいというふうに思います。私ども政府としても、そういった御提案をしっかり受けとめて、スピード感を持って対応していきたい、こんなふうに考えております。
○河井委員 もう一つ、これから打っていただきたいこと、それは、次なる大規模災害の発生を防ぐということであります。
三点申し上げます。
一つは、砂防ダムを当該地域に緊急かつ大量に建設していただきたい。
今回の災害で、砂防ダムは大きな効果を発揮しました。国の直轄砂防事業、大町第七号堰堤はほぼ完成をしていたんです。私は、この大町地区を歩いたときに、八木、緑井から少し離れておりますけれども、土石流を捕捉して下流の家々を守ったという話を地元の町内会長さんから聞きました。調べたところ、この写真は、今回の災害の直前、六月の写真であります。そして、次の写真が、今回の災害発生後の写真。まさに土石流をきちっと捕捉して、下流の百四十三戸を守ってくれました。それによりまして、これは大町地区の空中からの写真ですけれども、点線で引かれていた家々が大きな被害を受けることを今回減じたわけであります。
そして、八木地区と八木西地区、国が計画中の九基だけでは決して足りません。
そして、計画がなかった緑井地区、安佐北区可部東地区、大林地区、桐原地区、三入南地区にも新たに建設が必要になってきます。といいますのは、この次の写真、これは、ちょうど総理が陸上自衛隊のヘリから視察をされたときに私が横から撮影しました三入南です。もうほとんど山頂付近、九合目、八合目あたりから土石流が発生した跡が幾筋も見えるんです。
さらには、既に計画されていた広島西部山系直轄砂防事業も前倒しで進める必要があります。
現行の砂防予算を二割や三割程度増額するだけでは賄えない事業量になることは必至なんです。集中かつ緊急の投資を強く求め、この事業を進めるために、現地に国の広島市北部豪雨災害復旧事務所を設置していただきたい。それが一つ目。
二つ目は、広島西部山系土砂災害危険箇所、この際、緊急一斉点検を、時間を限って行っていただきたい。もう県、市に任せるんじゃなくて、国が中心に行っていただきたい。
三点目は、避難勧告が出ている地区の人から、今、毎晩避難所をずっと回っています、異口同音に言われるのが、もし大雨が降った後、学校避難所は徐々に解消されていきます、どこに逃げ込んでいったらいいんでしょうかと。現場の国交省の人に聞きましたら、いわゆる簡易型の砂防ダムが完成するのが来年の六月ごろだ。それまでの間、どうやって、この不安の中で、少しでも雨が降ったときに、どこに避難したらいいのか。もう近所の集会所とか、そういう数じゃないんです。大規模な公的な一時退避所、これをどのようにお考えになっていらっしゃるか。
それぞれ所管のところからお答えをいただきたいと存じます。
○土井大臣政務官 ただいま御指摘がございました、新しく復旧事務所を設けよというお話でございました。
現在、安佐南区及び安佐北区を含む広島西部山系の直轄砂防事業につきましては、中国地方整備局太田川河川事務所が担当いたしております。一日も早い被災地域の復旧復興に向け、まずはこれらの既存の体制を最大限に活用するとともに、その強化を検討してまいりたいと思っておりますし、砂防堰堤を緊急的に整備し、次の大規模災害の発生を防ぐための対策を集中的に実施いたしてまいります。そのためにも、県と市を初め関係機関と連携し、全力で取り組んでまいります。
次に、現在、土砂災害専門家やTEC―FORCEが、周辺の渓流も含め、広い範囲の渓流調査を実施いたしております。これらの調査結果を踏まえ、渓流に残った土砂が今後の出水により下流に流下し、土砂災害を及ぼすおそれが高い渓流につきましては、緊急的、集中的に砂防堰堤などの対策を講じてまいります。
また、広島西部山系全体についても、今回のような大雨に対して各流域の危険度を評価いたしまして、さまざまな調査を実施し、土砂災害危険箇所を点検して、その対策に全力で努めてまいりたい、そういう形で今頑張っております。
○古屋国務大臣 今後、大規模な災害が出た場合に、住民の安全が確実に確保できるような、そんな取り組みをすべきではないか、そういう趣旨の御提案だと思いますけれども、こういった災害が出た場合には、やはりソフト、ハード一体の取り組みが必要です。
特に、ソフト面の取り組みというのは極めて重要なんですよね。ですから、やはり県とか市がしっかり一体となって、避難勧告を出したりとか、それから、実際どこが一番避難するに適切な場所なのかということをあらかじめしっかり開示をして、そういった避難のマニュアルを整備して、整備するだけではなくて、ふだんから訓練をして、住民の皆さんにそういった認識を持ってもらうこと、こういったことが大切です。そのためにも、やはり土砂災害のイエローゾーンとかレッドゾーンの指定というのは、住民自身がそういった認識を持っていただけることになりますので、それも極めて大切だというふうに思います。
いずれにしても、関係の地方自治体や、あるいは国、そして今回の場合は現地の対策本部がしっかり連携をとって、今後の、今この災害の二次災害の防止も含めて、住民の安全が確実に確保できるよう取り組んでいくことが極めて大切だというふうに思っております。
また、新たに大きな避難場所をつくるというようなことになれば、これは国土強靱化の視点にも入ると思いますが、やはり、平時活用、有事機能発揮という視点が極めて重要でございますので、そういうことも考えつつ、今後は、県が国土強靱化基本計画の地方版をつくっていただくことになりますので、そういった中にもそういう考え方を反映させていくことも必要かなというふうに思っております。
○河井委員 質疑終了時間がやってまいりました。
わざわざお見えいただきました若宮防衛大臣政務官、本当に自衛隊の皆さん、言い尽くせぬ感謝の気持ちでいっぱいです。あの厳しい、足場のない、重機を上げるのが難しいところで、どろどろになりながら頑張っていただいている。ぜひ、政務官から現場の皆さんに、この国会の委員会において感謝があったということをお伝えください。
そして、きょうはお越しいただいておりませんが、全国の警察、そして消防の皆さんにも心から深い感謝をいたします。
大臣、もう三度目が決してないように、ぜひ強い指導性を発揮していただいて、この問題の処置、そして対処、力を尽くしてください。どうか助けてください。お願いいたします。
終わります。
○坂本委員長 次に、斉藤鉄夫君。
○斉藤(鉄)委員 公明党の斉藤鉄夫でございます。
まず初めに、広島を初めとする一連の豪雨でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の方に心から哀悼の意を表するものでございます。
また、被災された方々が一日も早く昔の生活を取り戻されるように我々も全力を挙げるということをお誓い申し上げて、質問に入らせていただきます。
私も現地に入らせていただきまして、まず感じましたのは、あれだけの雨が狭いところに集中的に降れば、こういう災害は全国どこでも起こり得るということでございます。
よくテレビ報道等で、今回は広島の土質がもたらした特殊な災害というような観点もございました。つまり、花崗岩が風化して、いわゆる表層が真砂土になっている、だから土石流が起きやすいというような論調もございました。しかし、八木四丁目の現場に行きますと、もちろん泥もたくさん流れておりましたけれども、特徴的なのは、大きな石、また丸っこい石、岩の方が体積的には多いんじゃないかと思われるぐらい岩が流れておりました。いわゆる堆積岩のところでも今回は土石流が起きたということでございまして、そういう意味では、全国で起こり得る。ですから、国民の命を守るために、今回の教訓をしっかり生かしていかなきゃいけないということを感じた次第でございます。
まず、土砂の撤去について最初に質問をさせていただきます。
膨大な量の泥、流木、そして石、岩石でございます。現在は、応急復旧そして生活再建のために、この地域の土砂撤去こそ急がなくてはならないのではないか。住民の皆さんの要望も、まさにまず第一にここにあるわけでございますけれども、非常に坂道の多い狭い道、急峻な坂、こういう状況の中で、この大量の土砂をどう撤去するのか、またどう処分するのか。これは、国土交通省そして環境省の問題だと思いますけれども、まずこの点について質問をいたします。
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
環境省といたしましては、発災直後から担当官が現地に入りまして、二十五日には環境省の現地対策本部も設置いたしまして、市、県などによる今後の対応に当たっての支援を行っているというところでございます。
現地では、御指摘のとおり、岩石等がまざった大量の土砂が発生しているところでございます。これらの災害廃棄物の収集、運搬につきましては、急傾斜地といった地元の特性を踏まえて、小型の重機なども活用しながら、市が順次開始しているところでございます。
道路、住宅等から撤去された災害廃棄物につきましては、市内七カ所に仮置き場を設置いたしまして、順次受け入れを開始しています。
ただ、小型の重機さえ入ることができないエリアというところもございますので、まずは道路上の土砂及び災害廃棄物の撤去作業を実施するということが大切でございます。この点につきましては、国土交通省と連携して対応していくということにしてございます。
それから、その後でございますけれども、災害廃棄物の破砕選別処理、これも今順次始まったところでございますが、処分につきましては、広島市におきまして港湾エリアなどを想定されておりまして、環境省としては、その調整に当たっているところでございます。
引き続き、市、県からの情報収集、要望聴取を行うとともに、関係省庁とも連携して、一日も早い処理が進むように、円滑に取り組んでいきたいというふうに思っております。
○大野政府参考人 瓦れきの処理につきましては、現在、三十班を導入いたしまして、TEC―FORCEを中心に、その排除にいそしんでおるところでございます。
出てきました瓦れきの処理につきましては、環境省さんともよく相談して対応して、一日も早くそういったものの除去に取り組んでまいりたい、このように考えておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 この問題が生活再建にとって一番大きな問題だと思いますので、国がリーダーシップをとって進めていただきたいと思います。
それから、被災者の方から次のようなお話を伺いました。道路そして家の周りの泥、石、瓦れきは公共またはボランティアの人たちの力もかりて処分することができるけれども、床下に入った泥に困っていると。特に、泥は、いろいろなものがまじって不衛生で、においもする、これをどうするのか。実際に家に住むには床下に入った泥を撤去する必要がある、これに困っている、こういう話を実際に伺いましたけれども、ここに対して我々が何ができるのか、お伺いをいたします。
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
床下の泥などについてのお尋ねでございますけれども、これまでの水害や土砂災害の事例に照らしませば、床下に入った泥につきましても、専門業者によって、例えば一階部分の畳とか床を撤去した上で泥の撤去、清掃を行っていくということで、対処は可能と承知してございます。まず、被災者の皆様のニーズをしっかりと把握して、関係省庁と連携して対応していきたい、こういうふうに考えております。
環境省といたしましては、先ほど申し上げました現地対策本部などを通じまして、これまで蓄積した技術的ノウハウに基づく助言等を行っておりますし、さらに、技術的、専門的事項について、本日から、東日本大震災において技術的な助言等を行ってきた廃棄物の処理の専門家を派遣してそういった対応に当たってまいりたい、こういうふうに考えているところでございます。
○亀岡大臣政務官 今、環境省からお話がありましたけれども、実は、市の方で、全地区に十四チームの民間委託業者を契約しておりまして、その業者が全家庭を、泥の撤去を含めて、道路の土砂も含めて撤去作業を始めております。
そのときに、申告していただければ、これは国の、環境省の支援策の一環として、全部運ぶように指示をしておりまして、ほとんどのごみに関しては全部撤去するということで指導してありますので、国が頭になって連絡チームをつくりまして、国と県と市が共有しながら全部撤去作業にきのうから入っておりますので、これは早く進むと思います。
○斉藤(鉄)委員 すぐそれを、私も現地の方に伝えたいと思います。よろしくお願いいたします。
先ほど国交省からTEC―FORCEの話が出ました。
被災直後から全国から参集して現地を調べ、警察の方、消防の方、自衛隊の方が働いていただく、その安全性についてのチェックということで、今回、このTEC―FORCEが非常に活躍している、このように私は率直に思ったところでございます。
しかし、まだまだ、あれだけの災害について、もう少しTEC―FORCEの力があればと感じたのも事実でございます。そういう意味では、今後、この機能をより充実させるべきではないか、このように率直に感じたんですけれども、この点についての政府の認識を伺います。
○大野政府参考人 委員御指摘のとおり、発災直後から広島市にリエゾンを派遣しますとともに、発災当日には中国地方整備局、国総研からTEC―FORCE十六名を派遣、その後、北陸、中部、四国、九州の各地方整備局、国総研、土研の隊員も加えまして、総勢百十四名を現地へ派遣いたしております。
今回の土砂災害の現場では、警察、消防、自衛隊が行う救命救助活動の支援といたしまして、捜索活動時の二次災害の防止のための監視における留意点をまとめて配付、説明いたしました。また、捜索活動開始前に安全確認も実施いたしております。この留意点につきましては、警察、消防、自衛隊にも活用していただいておりまして、TEC―FORCEとして重要な役割を果たしているものと考えております。
このような役割を果たしますTEC―FORCEの充実強化でございますけれども、これは重要な課題と認識しておりまして、全国からTEC―FORCEの隊員と災害対策機械を被災地に迅速に派遣するため、関係機関と連携した広域実働訓練や研修を行うとともに、災害対策機械等の装備の充実、こういったことも図ってまいりたいと考えておるところでございます。
今後とも、被災した自治体の支援のため、TEC―FORCEの充実強化にしっかりと努めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 次に、先ほど河井議員の質問にもございました土砂災害防止法について、私が感じました問題点等も含めて質問させていただきたいと思います。
土砂災害防止法は、先ほども出ましたけれども、一九九九年の屋代川の土砂災害を契機にしてつくられました。この屋代川というのは、今回起きた阿武山の西側を流れる川でございまして、前回は今回の山より一つ西側の山で土砂災害が起きたわけでございます。
この土砂災害防止法で、現在、全国で、土砂災害危険箇所として五十二万五千三百七カ所、そのうち、先ほどもございました警戒区域に指定されているのが三十五万四千七百六十九カ所、全体の六八%。また、そのうち特別警戒区域に指定されているのが二十万五千六百五十七カ所、全体の三九%ということになっております。
ここで、危険箇所、警戒区域、特別警戒区域、この三者の関係を簡潔にわかりやすく説明していただきたいと思います。
○大野政府参考人 お答えいたします。
土砂災害危険箇所は、土石流の危険がある渓流などの、土砂災害の発生するおそれのある箇所を都道府県が調査、抽出したものでございまして、全国で約五十二万五千カ所ございます。
次に、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域でございますけれども、これは、土砂災害防止法に基づきまして、住民等の生命及び身体に危険が生じるおそれがある区域を土砂災害警戒区域として、また、そのうち生命身体に著しい危害が生じるおそれがある区域をさらに土砂災害特別警戒区域として指定しております。
したがいまして、土砂災害危険箇所は法に基づく指定ではございませんが、土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域は、法に基づいて県知事が指定を行っているということでございます。
○斉藤(鉄)委員 その三者の関係はわかりました。
広島県に限って言いますと、危険箇所が三万二千カ所、警戒区域そして特別警戒区域、これはほとんど同じで、一万二千カ所ということで、二万カ所近くがまだ警戒区域になっていなかったということですけれども、いろいろお聞きしますと、危険箇所を調査して、それが警戒区域にならないことはほとんどないということなんですね。つまり、既に調査して危険箇所となっているところは、調査すれば、ほぼ確実に警戒区域になるわけです。かつ、この危険箇所についてはこのような土砂災害が起こり得る可能性があるという地図までほとんどの場合用意されているということを聞きました。
そういう意味で、もう既に調査して危険箇所となっている地域については、これを何らかの形で住民に知らせて、それなりのソフト対策ができるようにすべきではないか、このように率直に思うわけでございます。
広島県の場合を聞きましたら、ホームページでは公開していると。だから、知ろうと思う人は知れるけれども、一般の人には積極的にそれを広報していない。もちろん、土砂災害防止法の根本的な欠陥について、今後十分検討をして、直すべきところがあったら法改正すべきだと思いますけれども、この点については、まずここを改めるべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○古屋国務大臣 今国交省の事務方から説明がありましたように、危険箇所が五十二万で、そこから、法律に基づいて、生命に危害を加えるおそれがあるところはイエローゾーン、著しい危害を加えるところはレッドゾーン、こういうことですけれども、現実に、今委員御指摘のように、危険箇所は恐らくイエローゾーンあるいはレッドゾーンに入ってきますよね。
ですから、私も先ほど来答弁申し上げているように、法律に基づいてやるわけですから、イエローゾーンにすれば、避難の訓練だとか通知だとか、法律に基づいてそういう取り組みができるわけですので、ぜひこのイエローゾーン、レッドゾーンの指定はできるだけ早くやっていただきたい、こう思います。
そのためにも、やはり都道府県知事が指定をしますので、都道府県知事の背中を押せるようなルール改正も含めて早急に取り組んでいく必要があるというふうに認識をいたしております。
○斉藤(鉄)委員 今回被災をした地域で、可部東地区、ここは警戒区域になっておりましたけれども、いわゆる八木地区については、危険箇所として挙げられてはおりましたけれども、警戒区域にはなっていなかったということでございます。
危険箇所である、かつ土砂災害が起きたらこういう区域が被災をするという地図まで実は県のホームページには載っかっている。それを何とかうまく使えないか。もちろん警戒区域をどんどんこれから指定していくということが本筋だと思いますけれども、こういうことも法改正のときに考えるべきではないかと思いますので、我々も一緒になって考えていきたいと思います。
それから、警戒区域と特別警戒区域の指定は、現状では、住民に直接のメリットがないため理解を得るのは容易ではなく、自治体としても、基礎調査や住民説明会など人的、財政的に大きな負担になっているという指摘も自治体から上がっております。そういう意味で、指定をスピードアップするためにも、住民にインセンティブを与える制度を考えるとか、基礎調査、住民説明会に係る国の財政支援を考えられないかという声を聞いたところですが、この点についてはいかがでしょうか。
○大野政府参考人 土砂災害警戒区域に指定いたしますと、ハザードマップの整備それから警戒避難体制の整備など、住民の安全の確保を目的といたしまして実施されるものでございますので、住民の安全を確保、こういったことがされるという、このような趣旨を住民の方々に御理解いただくことが重要であると考えております。
また、都道府県が行います基礎調査には、防災・安全交付金によりまして財政支援を行っているところでございます。
既に区域指定の先行しています、例えば一〇〇%進んでいるような都道府県の取り組み状況、こういったものも検証しまして、幅広く支援の必要性については検討してまいりたいと考えております。
○斉藤(鉄)委員 それで進むのかどうか、ちょっと、もう少し熱意のある前向きな答弁はできないんですか、大臣。
○古屋国務大臣 私、防災担当大臣が、具体的な土砂災害防止法の指定のあり方の、予算も含めての答弁をするというのは余り適切ではないと思いますけれども、しかし、今委員が御指摘のように、やはりできるだけそういう支援をやりやすくするような環境整備をしていくということは必要でしょうね。
だから、知事の背中を押すということを言ったのは、強制的にやらせるという意味合いだけではなくて、むしろ、いろいろな総合的な対策が必要だよということを私は申し上げたかったわけで、ぜひ国交省においてもそういったことも含めて検討していただけるものと期待をいたします。
防災担当大臣でございます。この程度の答弁でお許しをいただきたいと思います。
○斉藤(鉄)委員 我々からも太田国土交通大臣にしっかりと話をしたい、このように思っております。
それから、指定後において、警戒避難体制を確立、強化するということが重要でございまして、防災訓練などによって住民の防災意識を日常的に高め、維持していく必要があると思います。
先ほど申し上げました、危険箇所に挙げられているということも含めて、もう少し地域住民にそれを知らせる、そして地元の防災リーダーの育成と避難計画の実施、それから土砂災害ハザードマップの作成の促進などについても支援が必要ではないか、このように考えますが、いかがでしょうか。
○大野政府参考人 都道府県が土砂災害警戒区域を指定しますと、市町村は、区域ごとに、情報伝達等の警戒避難体制を地域防災計画で定め、ハザードマップの作成、周知、こういったことを行うという仕組みになってございます。
国土交通省としましては、土砂災害警戒避難のガイドラインを作成、周知するなど、さまざまなことを行ってきたわけでございますけれども、今後とも、各地域の実情に応じて、ハザードマップの作成とか地域の防災リーダーの育成、こういったことにつきましても、情報提供、助言などを行いながら、市町村と一緒になりながら市町村を支援してまいりたい、このように考えておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 次に、住宅の問題について質問させていただきます。
安佐北区の三入南二丁目地域、ここは、土砂崩れでお一人が亡くなった地域でございます。この地域を見舞ったときに、裏山が崩れて家が全壊したお宅がございました。幸い、この御家族は全員無事で、今近所の御親戚に身を寄せられているとのことでございましたけれども、この方から次のような相談がありました。ちょっと個別具体的な相談みたいなんですが、普遍的な問題も含んでおりますので、質問させていただきます。
まさに、この三入南二丁目、そのすぐ近くに雇用促進住宅がある。二十戸のうち二戸しか住んでいない。家賃を払ってもいいから、ここに入りたい。もちろん有期で、家を新築するまでだ。仕事の関係で、遠くの住宅を指定されても行けない。すぐ近くにあるこの雇用促進住宅を見に行ったら、私もその住宅を見に行きました、多少の補修は必要ですけれども、まだ十分住めるような感じでございました。
この場合、雇用促進住宅をいわゆる被災者住宅として活用できるんでしょうか。
○亀岡大臣政務官 今委員の質問のとおり、地元からそういう要望が上がっております。
生活者支援チームが行きまして、今名前が変わっていますけれども、高齢・障害・求職者雇用支援機構の方と話をさせていただいて、現実に補修に入っていただいております。住める環境づくりということで、すぐ対応していただいておりますので、これは入れます。ただし、住める環境にする補修は全部こちらの方でやっていただけるということになっております。
○斉藤(鉄)委員 そこで、問題は、その三入南二丁目にある雇用促進住宅、実際の山崩れの現場からは遠く離れ、見ても安全な地域なんですけれども、避難退避区域になっておりまして、そういう区域の住宅には入れないというまた一つの規制。避難を勧告する地域にあるところに入居させるということは、論理的には確かにおかしいんですが、現実には入居できる状況にある。安全であるというふうに私も感じました。
かつ、今回住宅を求めていらっしゃる方は、やはり近くに住みたいと。今は、公営住宅の抽せんにしましても、避難退避勧告区域外の公営住宅ですから、みんな遠くなんです。遠くにはなかなか住めないということで、まさにそこに入りたい、こういう問題点がございます。
だから、勧告が解除されればすぐ入れるようになるんでしょうけれども、この点も考慮いただきたいということを申し上げておきます。
広島市内には、雇用促進住宅、安佐南区に一棟ございます。広島市内に七カ所ございます。厚生労働省が来ていただいておりますので、この現状と、できるだけ早く補修して使うようにしていただきたいという質問をさせていただきます。
○生田政府参考人 お答えいたします。
雇用促進住宅につきましては、廃止の方針が閣議決定されておりますけれども、被災者の方については提供するという考え方で対応しております。
広島市内におきましては、安佐南区に七戸、それから安芸区に十九戸、西区に二十四戸、中区に十八戸、合計七住宅、六十八戸ございまして、これにつきましては、補修すべきものは補修して、提供できるように今準備をいたしておるところでございます。
○斉藤(鉄)委員 よろしくお願いいたします。
最後に、時間がなくなりましたので、三つ質問をさせていただきます。それぞれ御答弁いただきたいと思います。
一つが、中小企業に対する災害復旧資金の長期低利の資金の供給でございます。政府系金融機関の貸し付け条件、担保などの弾力的運用をお願いしたいということでございます。県は、一般の金融機関を通じての融資しかないので、リスクを考えて、どうしても消極的になりがちということで、政府系金融機関の弾力的運用、これをお願いしたい。これが一点。
それから、避難所で避難生活をされている方々、多くの方から聞きました、空き巣が怖いと。昼間、家の近くで復旧作業をしていても、明らかに不審な人が、例えばバールなんかを持ってうろうろしている。そういう人たちに、やはり声はかけられないというんですね。窓ガラスが割れて、簡単に家に入れるところもあって、避難生活をしていてもこれが一番不安だ、これを何とかしてほしいという声がありました。
そして最後に、携帯電話の話ですけれども、避難所ではコンセントが少なくて、携帯電話の充電ができない。充電中ずっとその場にいないと、またすぐ外されてしまう。携帯電話は避難所では命の綱だ、何とかならないかと。もちろん市や県には伝えましたけれども、国としても何か考えられることがあれば、御答弁をいただきたいと思います。
○田中大臣政務官 政府系金融機関の弾力的運用についてお答えいたします。
まず、広島県におきまして、八月二十日に災害救助法が適用されたことを踏まえまして、同日中に日本政策金融公庫、商工中金、また信用保証協会、商工会、商工会議所に相談窓口を設置いたしました。そして、被災事業者への支援を今行っているところでございます。
具体的には、日本政策金融公庫及び商工中金におきまして、災害復旧貸付制度、これを活用いたしまして、担保の有無、信用状況にかかわらず長期低利の資金供給、今これを行っているところでございます。それ以外にも、返済猶予等の既往債務の条件の変更、こうしたものにも対応しております。
被災事業者の状況をきめ細かく把握いたしまして、一日も早い復旧復興に努めてまいりたいと思います。
○古屋国務大臣 国家公安委員長としてお答えいたします。
空き巣の被害は、当初そういう報告がございまして、警察の方でもパトロールの徹底をさせていただきまして、昨日の災害対策本部の報告でも、二十二日以降、その被害は報告をされていないというふうに承っております。
引き続き、警戒の徹底を警察に督励してまいりたいと思います。
○日原政府参考人 避難所におきます携帯電話の充電のためのコンセントが不足しているという御指摘でございました。
昨日、そういった御指摘をいただきましたので、現地の対策本部に確認いたしましたところ、早速、市の方におきまして、御要望のあった佐東公民館に対しまして、テーブルタップ五十個を購入し、対処したということでございます。その経費につきましては、避難所運営経費として、国の補助対象となります。
また、そのほかの避難所におきましても、被災者支援チームが順次巡回しながら要望を承ってまいりますので、要望があり次第、対応したいというふうに思っております。
○斉藤(鉄)委員 今回、広島だけではなく、京都の福知山、兵庫県の丹波、そして北海道礼文島、また全国各地で災害が起きております。今の気象条件の中で、集中豪雨が起きるということ自体はなかなかこれから防げないかと思いますが、我々が、ソフト対策等、政治の分野でできることはできるだけして、これを防いでいかなくてはいけないという決意を申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
○坂本委員長 次に、長島昭久君。
○長島(昭)委員 民主党の長島昭久です。おはようございます。
このたびの災害、気象庁は平成二十六年八月豪雨、こういうふうに名づけたそうでありますが、今回の災害でお亡くなりになられました全ての方々の御冥福を改めてお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様方に深く哀悼の意を表し、また、被災された全ての皆様方に心よりお見舞いを申し上げたいというふうに思います。
古屋大臣、また西村副大臣、亀岡政務官、本当に、精力的に発災から動いていただいていること、改めて敬意を表したいというふうに思います。
今斉藤先生の方からも御指摘がありましたように、今回、広島が直近で最大の災害になりましたけれども、京都、兵庫、高知、徳島、北海道と、かなり広範囲にわたってこの八月豪雨災害というのは展開をしているわけでありまして、広島のみならず、他の地域の皆様方の生命財産というものもきちっと守っていかなきゃならない、これがこの委員会の大事な務めであろう、このように思います。
私も、副大臣が入られた日、八月二十二日に広島の安佐北地区、南地区に入らせていただきました。救助に当たっている皆様方になるべく御迷惑がかからないように、私ども、自力で現地を見て回らせていただいて、さまざまな声を聞いてまいりました。本当に大変な災害になったということを改めて感じさせていただきました。
いつのときも、こういう大きな災害が起こったときには、初動というものが大変問題となるわけでありますが、きょう加藤副長官にお見えいただきましたのは、官邸の危機管理体制につきまして、まず冒頭、少し質問をさせていただきたいというふうに思います。
今回の初動というのは、総理が既に夏休みに入っておられたということもあって、官邸と鳴沢村というのはちょっと距離が遠隔ということで、かなり変則的なオペレーションになったんじゃないかというふうに思っているんですが、別に私はゴルフを云々するつもりは全くありません。ただ、どうしても腑に落ちない点が一点ございまして、それは、総理指示が六時三十分に出されたわけでありますが、それを公表したのが約二時間後の八時三十分ごろなんですね。NHKの速報が打たれたのが八時四十六分。こういうふうに認識をしているんですけれども、多少官邸の中で混乱があったんじゃないかというふうに私は推測しているんです。
加藤副長官にまずお尋ねしたいのは、土砂災害が発生したのが当日の未明、三時二十分ごろ、こういうふうに言われておりますけれども、その前後の官邸の状況。緊急参集チームはまだ到着をしていない時間帯かもしれませんが、一時間後に連絡室が設置されました。そして、その当時の状況がどのように鳴沢村の総理のもとに伝えられていたのか。この二点、御説明いただければありがたいと思います。
○加藤内閣官房副長官 長島委員にお答えをさせていただきたいと思います。
今お話がございましたように、当日の四時二十分に大雨に関する情報連絡室が設置をされたところでございますが、そうした中で、今回の土砂災害に関する第一報の報告は、当日の八月二十日六時十五分に総理秘書官を経由して総理の方に報告がなされたところでございまして、そして、同日六時半には「早急に被害状況を把握するとともに、政府の総力を挙げて、被災者の救命・救助等の災害応急対策に全力で取り組むこと」等を内容とする総理指示が発出された、こういうところでございます。
○長島(昭)委員 最初の六時十五分の総理への報告の内容はどんなものだったんでしょうか。
○加藤内閣官房副長官 最初の内容は、大雨により、土砂崩れ、川の氾濫が発生をして、子供二名が行方不明だ、こういう第一報を受けたということでございました。
○長島(昭)委員 広島県が四時三十分に大雨被害の第一報を出しています。「安佐南区において土砂崩れにより人が下敷きになっている模様」。そして、その後、六時に気象庁が警戒態勢に入って、六時六分にNHKで速報が打たれていまして、広島市で土砂災害、二人不明、七人と連絡とれずと。今のお話ですと、七人と連絡とれずというところがちょっと抜けているような気がしたんですが、そのことはよしといたしまして、この報告を受けて、総理の指示が十五分後に発せられるわけですけれども、その総理指示はどのように連絡されたのでしょうか。
○加藤内閣官房副長官 総理秘書官を経由して内閣危機管理監に電話にて伝えられ、官邸危機管理センターから関係省庁に対して伝達されたということでございます。
○長島(昭)委員 そのとき、内閣危機管理監は官邸にもう入っておられたんでしょうか。
○藤山政府参考人 先ほど御指摘のとおり、四時二十分の時点で情報連絡室を立ち上げておりますけれども、この時点で、危機管理監はまだ官邸には入っておらないという状況でございました。
したがって、連絡を受けて、そのような総理からの指示を受けたという形になっております。
○長島(昭)委員 四時二十分で連絡室を立ち上げたときにはまだ入っておられなかったと。しかし、六時十五分、六時半の総理指示の段階では、危機管理監はどちらにおられたんでしょうか。
○藤山政府参考人 総理指示の段階、この時点では、申しわけありません、詳しい検証、ちょっと私は手元にございませんが、官邸に向かっている、ないし官邸に着いたというような、そういった時間帯ではなかったかというふうに記憶をしております。
○長島(昭)委員 ということは、六時十五分の総理への報告というのは、危機管理監はどのように関与したんでしょうか。
○藤山政府参考人 総理への報告あるいは総理からの報告というのは総理秘書官を通じてということで私どもは行いますので、そういった形で、総理と我々危機管理部局との間のやりとりについて、危機管理監にも報告がなされて、承知をされているという形をとっております。
○長島(昭)委員 ということは、当時、まだ危機管理監は官邸におらず、官邸の事務方と総理のそばに仕えている秘書官との間で連絡をとって、そして総理指示を決めて、そして、その総理指示はどのように伝達をされたんでしょうか。
○藤山政府参考人 総理からの指示につきましては、受領次第、速やかに口頭において関係省庁に伝えられているという状況でございます。
○長島(昭)委員 普通は、総理指示が出た場合に、この総理指示の中身には「関係省庁が緊密に連携し、」と書いてありますから、当然、関係省庁に連絡をされる。同時に、普通は、ピンナップといいますけれども、公表されなければおかしいと思うんです。そこはいかがですか。
○藤山政府参考人 お答えいたします。
御指摘のとおり、ピンナップがなされなければならないということなんですけれども、今回におきましては、それは我々事務方の全くのミスでありまして、マスコミへのいわゆるピンナップが、事務に忙殺される中で時間的におくれてしまったというような実態でございます。
○長島(昭)委員 今、率直にミスだというふうにお認めになられましたので、これ以上申し上げませんけれども、副長官、やはりこのクライシスマネジメントというのは、もちろん対処も大事ですけれども、クライシスコミュニケーション、我々も三・一一の大震災のときに経験させていただきましたけれども、この総理指示の中にも「国民に対し、大雨等に関する情報提供を的確に行うとともに、」というくだりがありますね。
つまり、これだけ国民的、もちろん早朝ですよ、早朝ですけれども、ニュースはみんな速報を打っている時間帯ですから、やはり国民の関心もある、それから、現地でもう救命救助に当たっている、政府の機関も頑張っている、そして、肉親の行方がわからないで困っておられる方もいらっしゃる、こういう中で、六時半に総理指示が出た。そして、こういうことを関係機関にきちっと周知徹底させるようになっている。
ある意味で、安心してくれ、国はちゃんと動いているということを一方で国民に知らせるということは、やはり大事なクライシスマネジメントの一環だというふうに私は思いますので、ぜひ、そこは教訓というか反省をしていただきたいと思いますが、一言いかがですか。
○加藤内閣官房副長官 今の御指摘のように、総理指示からマスコミへの周知、今回は早朝ということで、通常はピンナップでありますけれども、各社にファクスで連絡した、こういうふうには承知をしておりますけれども、いずれにしても、初動の被害状況等の把握等でいろいろばたばたしていたというようなこともあって、結果的にそうした事務のおくれがあったということは、今委員御指摘のように、さまざまな状況、そして政府の対応、これを的確に国民にお知らせするということは大変重要な要素でありますので、今後、そうした対応がしっかりとれていけるようにさらに改善を図っていきたい、こう思っております。
○長島(昭)委員 それでは、広島の被害について二つの観点から、一つは避難誘導という観点、それからもう一つは土砂災害防止法、先ほど来お話に出ておりますけれども、その改正の方向性について少し議論させていただきたいというふうに思います。
最初に申し上げたいのは、これだけ異常気象が続く、気候変動が原因だと思いますけれども、もはや異常と言っていられないというか、こういう気候だということを前提として、本当にもう一度、これまでの想定とか、あるいは行動基準、あるいは訓練や対処マニュアル、これは自治体にある意味で任せてあるわけですけれども、こういうものはやはり国が多少出張っていって総点検をしていかなきゃならない局面を迎えていると私は思うんですが、防災大臣として、この点、どうお考えでしょうか。
○古屋国務大臣 確かに、委員御指摘のように、この数年、観測史上初めてとか、そういった報道が躍っていますね。現実にそういう被害状況になっているということです。
ですから、やはり災害対策、そしてリスクマネジメントのあり方も、そういうかつては余り起きなかった災害が頻繁に起きる可能性があるんだということを想定して、避難マニュアルを初め、あるいは対処方針をつくり上げていく必要があるというふうに私も強く認識をいたしております。
例えば、住民の皆さんへの勧告やアドバイス、あるいは地方公共団体の対応も非常に大切でございますので、ガイドラインなんかもことしの四月に改定をいたしまして、そういった中身を反映させてガイドラインを改定させていただいておりますが、今後とも、今回の災害の教訓はもとより、全国で起きた事例というものをしっかりと詳細に分析して、絶えずブラッシュアップしていく必要がある。防災担当大臣としても、そういう認識に立って取り組んでいきたいと思っています。
○長島(昭)委員 少し具体的にお伺いしたいと思います。
やはり、人命を守るという観点からすると、避難勧告、避難指示というのは死活的に重要だというふうに思います。その点で、今回、広島でも北海道でも、実は問題があったのではないかというふうに思っています。
広島市では、もちろん、先ほど来出ております十五年前のあの大災害がございましたので、独自の避難基準雨量というのを設けて、これから降ってくる雨量を計算し、また土の中に含んでいる水分なども計算をして、この新しい基準を中心に避難勧告を出すような仕組みを準備していたにもかかわらず、その都度その都度の判断がちゅうちょしたというふうに防災部長さんはおっしゃっていましたけれども、そういうことで判断がおくれて、結局、肝心な土砂災害警戒情報が出てから実際に避難勧告が出るまでに約二時間半かかってしまった。これが広島市ですね。
それから、北海道の礼文町では、そもそも避難勧告が出せなかった。北海道庁から再三にわたって、もう出した方がいいんじゃないですかという勧告を受けていながら、町役場ですから、百人ぐらいの人数なのでマンパワーが足りなかったのかもしれませんが、浸水対策に追われて、結局、避難勧告ができずに、住民の方が被害に遭われた。
こういうことでありますから、私は、ここは、もう一段本腰を入れて、国がしっかり指導していただかなきゃいかぬと思っているんです。
今大臣御指摘のガイドライン、避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインを改定していただきまして、ようやく今周知徹底を全国で図ろうというそのやさきに今回起こってしまったというふうに思うんです。
その一番のポイントは、さっき申し上げた、土砂災害警戒情報と避難勧告を直結させる、ここが肝だ、こう言われておりますけれども、実際は、国土交通省が昨年の三月に全国調査をしたところ、この二つ、この情報と避難勧告を直結させている自治体、特に土砂災害警戒区域のある自治体、これが実に四%に満たなかった、こういうデータがあるわけです。
しっかり周知徹底させますという先ほどの大臣の御答弁はよしといたしますが、具体的に、実際どういうふうに、この自治体、特に、さっき河井委員もおっしゃっていましたけれども、基礎自治体、ちょっと力量不足のところが当然あります、今回も広島市ですらそういうところが見られた、こういう状況の中で、とにかくただ周知徹底しますと言うだけでは、なかなか、自治体を本格的に動かしていくことは難しいと思うんですが、具体的な方策、どんなことを考えておられますでしょうか。
〔委員長退席、北村(茂)委員長代理着席〕
○日原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、避難勧告ガイドラインを周知するということは大変重要なことと考えております。
四月に避難勧告ガイドラインを出した後、特に土砂につきましては、先ほど委員御指摘のとおり、土砂災害警戒情報を基準とするということで、発令基準が明確であること、それから、人命に直結する危険な災害であるということを踏まえまして、ガイドラインそのものは二年ぐらいかけてブラッシュアップを図りながらというようなことも伝え、言っておるんですけれども、特に土砂に関しては、早急に各公共団体の避難勧告の基準を見直すようにという通達を五月に出しているところでございます。
あわせまして、各首長さん、あるいは防災職員に対します研修の充実ということを進めております。
迅速かつ的確な災害対応というもののためには、防災担当職員の知識と経験というところが大きいというふうに判断いたしまして、防災の経験がある職員の増加、あるいは災害時における相互補完を目指した、危機事態に迅速、的確に対処できる人材、国、地方のネットワークを形成できる人材の育成ということを目標に掲げておりまして、昨年度より、有明の丘基幹的広域防災拠点施設を活用した防災研修を実施しております。
平成二十六年度には、その内容を充実させまして、地方公共団体の職員等約千人を対象といたしまして、災害対策本部運営の中枢的役割を担う職員を対象とした総合管理研修、警報避難や被災者支援等個別課題の対応に専門的に従事する職員を対象とした個別課題研修、それから、防災部門への新任職員を対象とした防災基礎研修を実施する予定としております。さらに、受講者の拡大を目指しまして、全国九カ所で、地方公共団体の職員等四百五十人に対して研修を実施しているところでございます。
こうした中で、避難勧告ガイドラインについても鋭意周知しているところでございます。
また、予想できない事態も起こり得る大規模災害発生時には、やはり第一線の陣頭指揮をとる首長さんが大変重要でございます。このために、平成二十五年度から、全国市長会及び全国町村会が主催する会議の場を活用いたしまして、特に今年度は、消防庁と共催によります全国防災・危機管理トップセミナーというものを開催いたしまして、首長さんを対象といたしました心得のようなものを周知したところでございます。
今後とも、そうしたことを通じて周知してまいりたいと思っております。
○長島(昭)委員 この研修は本当に大事だと思います。首長さん、それから防災担当者、職員の研修、私は非常にいいプログラムだというふうに思います。
例えば、報道ベースですけれども、熊本県なんかは、早目早目に避難勧告を出すようにと。大臣がよくおっしゃっている、空振りを恐れずという、こういうところ、全国でいろいろ先進的に取り組んでいる自治体の情報を共有しながら、情報を平準化するといいますか、どんなに立派なマニュアルをつくっても、広島市がまさにそうだと思いますが、その都度その都度の判断の基準をそれぞれの職員が持っていなければ、結局、ちゅうちょしているうちにどんどん事態が悪くなる、こういうことでありますから、ぜひこの研修制度はしっかり運用していただきたいというふうに思います。
もう残り少なくなりましたが、今度は土砂災害防止法に伴う問題についてちょっと議論したいんです。
もちろん行政の役割も大変大事でありますが、ここまで災害が多くなると、自助、共助、公助といいますが、自助、自分がどういうところに住んでいるのかということの認識、これがやはり非常に大事だというふうに思いました。
特に、私は現地へ行かせていただいて、率直に思わせていただいたのは、本当にこういうところに宅地が造成されてきてよかったのかということを実は感じました。
さっき真砂土の話がありましたけれども、切り立った崖のようなところにずっと集落が展開しているという、ここは本当に、もう一段国が一歩前へ出て、警戒区域の指定、せっかく古屋大臣が先頭に立ってつくられた法律でもあるわけですから、この運用、場合によっては改正、こういうところも考えなきゃいけないと思います。
私がたまたま現地で聞いたお話ですけれども、ことし三月にマイホームを建てた、外見は本当にきれいなお宅でした、しかし、それが一階部分は全部土砂で流されてしまった、こういうことです。その方は、こんな危険なところに住んでいる自覚はなかった、こういうふうにおっしゃったんです。
土砂災害防止法は、危険箇所を警戒区域、特別警戒区域に指定して、そして住民の注意喚起、あるいは、場合によっては、そういう地区に対しては土地利用規制をするとか、こういう枠組みですよね。しかし、先ほど来議論があるように、諸般の事情でなかなかその指定が進まない。実際、広島市はそういう状況だった。
私は、もちろん、さっき斉藤先生が御示唆されていたように、そのプロセスを促進することも大事だと思いますけれども、特別警戒区域、警戒区域に指定されなくても、ここは危険な箇所ですよということはわかっているわけですから、それを単にホームページで掲載するだけじゃなくて、やはり一歩アクション、アクティブに出ていって、住民の皆さんにそういうことを知らせて、もちろん居住移転の自由がありますから強制することはできないまでも、ふだんからそういう自覚を、認識を持っていただくことが、避難勧告、避難指示に対するレスポンスにもつながっていくというふうに思うんです。
その点の具体的な、つまり、警戒区域指定をするしないという以前に、危険箇所がわかっているんだから、実際の住民の皆さんへの周知徹底について大臣としてどんなお考えがあるか、伺わせていただきたいと思います。
○古屋国務大臣 こういう多くの災害が発生する時代になると、やはり住民の皆さんも、あるいは首長さんも、意識改革する必要というのはすごく大切だと思いますね。
土砂災害の危険区域は五十二万五千カ所ですけれども、これを通知して、いろいろ訓練をしなさいという法律上の強制力はないわけですけれども、一方では、イエローゾーン、レッドゾーンが指定されるまでの間に、今委員が御指摘のように、幅広く通知をしてそういう認識を持ってもらうということは極めて大切かもしれません。そういうことが、結果として、イエローゾーン、レッドゾーンを指定していくハードルを低くしていくことになるかもしれませんね。ですから、そういった取り組みを総合的に実施していくということが極めて重要だというふうに思っています。
そのためには、やはり首長さんがそういう重要性を認識していただく。住民の皆さんは、そんな余計なことを言わないでくれと言う方もいらっしゃるのは事実だと思いますよ。一生のローンをして高い住宅を買って、そうしたらここが危険地域だった、ふざけるなよというようなこともあるかもしれません。しかし一方では、そういったことをしっかり認識して、その上で対策を講じていくことによって、自分の命を守れるし、トータルとしては、その地区の、要するに地価も含めた全体的な評価が上がっていくということになるので、やはりそういう意識改革をみんなでしていく必要があろうというふうに思います。
○長島(昭)委員 今回の広島の事例で私が悩ましいなと思ったのは、危険箇所が認定されて、そして警戒区域になれば、そこを市街化することはなかなか難しくなってくる、こういう順番であればいいんですけれども、今回の災害の起こったあの地区は昭和四十六年から造成が行われた。つまり、危険箇所であるかないかの判定の前に既に市街化されているんですね。しかも、県営住宅まであるわけですよ。つまり、近所の人から見れば、県営の住宅もある場所ですから、ここがとても危険な場所という認識はなかなか抱きにくいと思うんですよ。
それをさかのぼって規制することはなかなか難しいというスキームだと言われていますので、ここも、一旦市街化した地区も含めて、これはまさに土砂災害防止法改正の世界ですけれども、ここも含めて、やはり抜本的にこの法体系というものを見直していく必要があろうかと思うんですが、この点、いかがでしょうか。
○古屋国務大臣 委員の御指摘、ごもっともだというふうに思います。
そこで、与党におきましても土砂災害防止法の改正を視野にプロジェクトチームを立ち上げられましたので、しっかり与党とも連携をとりながら、速やかな対応を私どもも図っていきたいというふうに思います。
○長島(昭)委員 私も民主党の防災担当でもありますので、与党も野党もなくこの問題については取り組んでいきたいというふうに思いますし、先ほど国交省の答弁、少しちゅうちょがあったようなニュアンスを私は聞いたんですけれども、これだけの災害があって通達で済ますなんということは絶対無理ですから、やはり、国民に対してのメッセージを出すという意味で、法改正にしっかり踏み込んでいく時期が来たというふうに私は思っておりますので、これはしっかりお互い取り組んでいきたいと思います。
最後、残された時間で、瓦れきの廃棄について、斉藤先生と少し重複いたしますけれども、伺いたいと思います。
それは、これも私が現地で聞いた声なんですが、特に、特定しますと安佐北区の可部地区、これは大臣、副大臣よくやっていただいた。
私たちが行った二十二日の段階では、可部地区は全く、公的機関、入っていただいていなかったんです。やはり救命救助が大事だということで、もうほとんどの精力が八木地区を中心とした安佐南区に集中していたんですね。しかし、あのときはまだぬかるんでいて、重機も上げられないような状況だった。線路際にずっと自衛隊の重機が並べられていた時期があったんですね。ですから、これを持っていって、可部地区は別に真砂土で下がぬかるんでいるという状況じゃなくて、住宅街の道路が流木で完全に塞がれている状況だったので、早くこちらをやってくれればいいなという話を大臣の方に提案させていただいたんですけれども、既にちゃんと動いていただいているというので、その点はいいと思うんですが、一つあったのは私有地。
公的空間は、公的にばあっとやっていただける。しかし、自分の家に、先ほど汚泥の話がありましたけれども、こんな岩が庭先にごろごろしているわけです。流木もたまっているわけです。ですから、私有地の中でも公的機関がしっかり廃棄を進めていただけるんだろうかというのが私たちに寄せられた疑問だったんです。
その点は環境省としてどう取り組まれるのか、最後に伺いたいと思います。
○鎌形政府参考人 お答え申し上げます。
広島市におきましては、大規模な土砂が発生した地区におきまして、宅地内の堆積土砂などを直接市が撤去する方針で今進めているところでございまして、その撤去された災害廃棄物につきましては、市内七カ所に仮置き場を設置して、順次受け入れを開始している、こういう状況でございます。
環境省といたしましては、発生した災害廃棄物の処理につきましては、市に対して、災害等廃棄物処理事業費補助金というものにより財政支援を行うこととしておりまして、他省庁も財政支援制度はございますが、そういうものと連携してしっかり対応していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○長島(昭)委員 災害対策に与党も野党もない、こういう姿勢で、一日も早い復旧とそして皆様の生活再建が進むように我々も努力していくことをお約束いたしまして、質疑といたします。
ありがとうございました。
○北村(茂)委員長代理 次に、井坂信彦君。
○井坂委員 十九年前に被災地としてお世話になりました、神戸から参りました井坂信彦です。
冒頭、一連の災害により亡くなられた方の御冥福をお祈りし、御遺族に深く哀悼の意を表します。また、被災された方々には心よりお見舞いを申し上げます。
先週、地元兵庫の丹波市に視察一日と泥かきボランティアを一日、行ってまいりました。現地では、下水が土砂で詰まっているのに水を使ってしまって逆流したり、また、工事車両と行政やボランティアの車が誘導もないまますれ違えなくなったりと、さまざまな身近な問題も起こっておりました。こうしたなれない被災地の自治体運営についても国の支援をお願いするところであります。
さて、質問ですが、まず端的に、広島で避難勧告がおくれた経緯について、国として、検証して全国の運用改善に生かす考えはあるのかないのか、まず大臣にお伺いをいたします。
○古屋国務大臣 私も二十日、二十一日に現地を視察しました。もちろん現場には御迷惑がかかるので踏み込みませんでしたが、関係者と綿密な意見交換をしてまいりました。やはり避難勧告、指示がおくれてしまったということは、市の当局者もおっしゃっていましたね。それは事実だと思います。
やはりいろいろな要因があると思いますよ。夜だったとか、あるいは空振りとなることを恐れてしまったとか、そういったことがあると思いますので、こういった問題は常に検証していくものでございますので、国としても、しっかり地元の実情を聞きながら、検証はしていきたいというふうに思っております。
四月に改正をいたしましたいわゆるガイドラインでも、夜間でもちゅうちょなく避難勧告を発令してくださいというふうになっていますけれども、これは、夜間で暗くて外に避難できない場合は垂直避難も含んでいるわけでありまして、今回のケースでもほかのケースでも、やはり土砂災害の場合は、一階より二階、二階でも谷側から遠い方にいれば命が救えたケースが多いというのは現実でございますので、そういった意識を住民の皆さんにも持っていただく必要があるというふうに思っております。
私が空振りを恐れずということを首長さんに指示させていただいた背景は、昨年の十月の大島のあの悲劇があるわけでございまして、早目早目に避難勧告を出して、そして結果的に空振りに終わったら、ああ幸いだった、こう思ってもらう、この意識改革が極めて重要でございますし、また、そのためにも地元の自治会等々を初めとする皆様方にそういう意識を徹底すること、あるいは防災担当者として研修を経てさらに高度な知識をしっかり得ていくこと、こういった取り組みもしっかりしていきたいというふうに思っています。
〔北村(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
○井坂委員 ありがとうございます。
続きまして、先ほど来議題になっております土砂災害警戒区域の指定について、幾つかお伺いをいたします。
社会資本整備重点計画では、二十八年度末までにこの区域指定を全国四十六万カ所にするという明確な数値目標が掲げられております。
本日一枚だけ資料をお配りいたしましたが、今各都道府県で実際どうなっているか。この白い土砂災害危険箇所のうち、黄色い、いわゆる土砂災害警戒区域、どこまで各都道府県がしっかり指定ができているかというグラフを配らせていただきました。
この白いところが多い県、実際に数字を申し上げますと、この一年間で、例えば、北海道は二百九件しかしていない、秋田県は二百三十件、千葉県は三百四十九件、そして愛媛県二百六十八件、さらに宮崎県三百二件。二百件程度しか指定していないこれらの県が、今後、毎年千件、二千件指定するペースにならないと、到底目標達成は難しいという状況になっております。
ちょっと時間の問題で一問飛ばしますが、この区域指定のおくれは都道府県の予算が足りないのも一因だという話が先ほどありましたが、都道府県への交付金には区域指定のための基礎調査費用が含まれているというふうにも伺っております。国民の生命を守るためと冒頭に明記してある土砂災害防止法の趣旨に鑑み、特に指定作業がおくれている県に対して、基礎調査または区域指定の件数も努力目標を課すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○土井大臣政務官 今回の広島における土砂災害につきましては、土砂災害警戒区域の指定がなされていなかったということなど多くの課題があるというふうに承知をいたしておりまして、重く受けとめております。
その上に立ちまして、今回の災害を踏まえて、土砂災害対策全般をまずは検証いたしまして改善方法を検討する必要があると認識をいたしております。
都道府県の基礎調査及び区域指定におきましても計画的な進捗が図られるようにしっかりとした方策を検討し構築をしてまいりたい、そのような大臣の指示もございますので、全力で取り組んでまいりたいと思っております。
○井坂委員 重ねてお伺いをいたしますが、この土砂災害警戒区域を自治体、都道府県が指定する際に、法律では不要とされている住民同意、住民合意が、指定手続をおくらせたり、あるいは自治体が指定をちゅうちょする一因になっているとも聞きます。
この住民同意がないことを理由に都道府県が区域指定をおくらせることがないように国として強く指導をすべきだと考えますが、いかがでしょうか。
○土井大臣政務官 ただいま御指摘をいただきましたとおり、土砂災害警戒区域の指定に当たりましては、住民の同意は法律上は不要とされております。しかしながら、実際には、各都道府県におきまして、住民説明会を開催するなど、地域住民の方の理解を得ながら指定を進めていると承知をいたしております。一方で、住民の理解を得るために時間を要しているとも聞いております。
市町村長や住民に対して、土砂災害から命を守るという法律の趣旨を十分にこれからも説明をいたしてまいり、指定に向けた手続を少しでも早める努力や工夫をしていくことが大変重要と考えております。
国土交通省といたしましても、このような考え方を都道府県に十分周知をするとともに、既に指定を終えた地域等における住民の理解を得るための工夫や実施体制等の先進事例の共有を図るなど、幅広く支援をしてまいりたいと考えております。
○井坂委員 もちろん地元の方への説明、理解を得ることは一定必要ではありますが、しかし一方で、この法律の趣旨、生命を守るという趣旨でありますから、では、反対があればいつまでも指定できない、法律上もまた実際上もそうではないというふうに思いますから、ぜひ徹底をよろしくお願いいたします。
次に、移転勧告制度について伺います。
土砂災害の特別警戒区域、いわゆるレッドゾーンにおいては移転勧告という制度がありますが、その対象となるかどうかの調査件数、また実際に勧告をした件数、そしてそれによって移転に至った件数、まず数値をお答えいただきたいと思います。
○池内政府参考人 お答えいたします。
調査件数につきましては把握しておりませんが、移転勧告については実績はないというふうに都道府県から聞いております。
○井坂委員 調査をした結果、移転する必要がある家がなかったのであれば、これは勧告がなくても仕方ないと思うわけでありますが、もちろんそうではないというふうに思うわけであります。
この法律に書かれている移転勧告制度がいわば全く機能していないわけでありまして、これが機能するように、まずは対象となるかどうかの調査件数をふやす必要があると思います。
また、移転については、現状の融資や、あるいはがけ地近接等危険住宅移転事業の利子補給、こういった制度にとどまらず、さらなる補助制度を創設すべきではないかと考えますが、まず調査をするということ、この制度があるんですから、制度を使わなければいけない家屋があるのかないのか、調査はこれは必須だと思います。そしてその上で、やはり移転というのは大変重いことでありますから、さらなる支援策が必要だと思いますが、御見解を伺います。事前に政務にお願いをしているものです。
○土井大臣政務官 ただいま御説明をさせていただきました調査につきましては、その方法がどういうものがあるかということをしっかりと検証して進めてまいりたいというふうに思います。
また、移転につきましては、御指摘をいただきましたように、現在、がけ地近接等危険住宅移転事業というものがございます。しかしながら、この制度は、平成十三年以降、約六十件の実績があるということで進んでおりますが、まだまだ数的には少ない。そういう意味で、まず当該制度の周知を徹底することにより、特別警戒区域からの移転を希望される方をしっかりと支援してまいりたい、そのことに全力で取り組んでまいりたいと考えております。
○井坂委員 後段の、制度の周知徹底により、希望する方はもちろん使っていただくのがいいと思うんですが、やはりこの法律の、もともとはっきり書いてあることは、移転の勧告、危ないですから移転をしてくださいという勧告がまずあって、そして、そのためのサブとしての支援策でありますから、本来の勧告について、また勧告の前段階の調査について、これはやらなければまさに意図的に法律を使わないということになってしまいますので、ぜひやっていただきたいというふうに思います。
最後に、大臣にお伺いをいたします。
本日もおっしゃっておりますが、区域指定の要件の緩和といったこと、また、本日御答弁でも、都道府県が指定をしやすくなるように背中を押す法改正、こういう発言をされておられますが、背中を押す、あるいは緩和ということで、私はぴんとこない部分があります。
先ほど申し上げたように、むしろ努力目標を課して、ここまでやってくださいよ、こういうことがあってしかるべきだというのが私の見解でありますが、大臣のおっしゃる緩和あるいは背中を押す、そういう優しいタイプの働きかけについて、もう少し具体的に、どういう方向性の法改正をお考えなのか、お伺いをいたします。
○古屋国務大臣 まず、土砂災害防止法に基づくイエローゾーン、レッドゾーンの指定は、警戒避難体制の整備を進めるためにも、また住民の皆さんが意識をしっかり持っていただくためにも、極めて重要な制度であるという認識をいたしております。したがって、できるだけ多く指定をしていただきたいとは思っているんですが、現実の数字は委員提出の資料のとおりなんです。
対象地域が多くて予算が足りないとか、あるいは資産価値の低下を懸念する住民がいらっしゃるとか、そういったいろいろな複合的な要素、それによって時間がかかるという現実はあろうかと思いますが、しかし一方で、私も何度も申し上げているように、やはり住民の皆さんも意識改革が必要なので、そういう取り組みをしっかりやっていく。と同時に、今委員が御指摘した、数値目標というのも一つの考え方かもしれませんね。
ですから、そういったことを総合的にどういうルールにしていけばこの指定が推進をされていくのかということを、国交省あるいは与党の中で真剣に議論していただいて、速やかに対応していただきたい。そういう意味で、私は、知事の背中を押すような政策をしてほしい、対策を講じてほしいということで、防災担当大臣としてそう申し上げたわけでございます。
いずれにしても、速やかな対応が必要だという認識をいたしております。
○井坂委員 大臣、ありがとうございます。
現政権は、国民の生命を守るという言葉を常々発しておられます。そうであるならば、やはり都道府県にしっかり区域指定をさせる、また、移転勧告制度もきちんと機能させる、こういう初歩的な問題を放置せずに、国としてしっかり取り組んでいただくよう強く求めまして、私の質問を終わります。
どうもありがとうございました。
○坂本委員長 次に、三木圭恵君。
○三木委員 日本維新の会の三木でございます。
まず初めに、八月豪雨災害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、遺族の方々には心よりお悔やみを申し上げます。また、被災された方々にはお見舞いを申し上げます。
広島を初め福知山、丹波市など、今回の豪雨により大変多くの地域が被災をいたしました。
昨今の局地的な豪雨、従前では考えられなかった短時間での大量な雨量、また、山の治水能力、保水能力というものが低下しているのではないか、そのようなさまざまな要因がこの災害を大きくしていると私は被災地を見て感じてまいりました。山裾の集落に土砂と泥水が山から流れ込んで、まず道路の側溝を埋めて、行き場がなくなった泥水、土砂が道路を川のように流れていく、そのような状況が山裾の集落の筋々で見られたところでございます。
このような環境が大きく変化していっている現在の災害に対する対策を見直して、被害を少しでも小さくしていくために与野党の枠を超えて真摯に取り組んでまいりたい、そのように考えております。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
また、復旧の初動には、先ほど河井議員がおっしゃったように、重機が必ず必要になってまいります。私の選挙区は丹波市でございまして、被災した次の日から私も何回も被災地の方に入らせていただきましたが、土砂、岩、そして流木などを撤去するのにまず重機が必要ということでございますので、市、県、国を挙げてそういった連携がとれるように今後もよろしくお願いを申し上げたいな、そういった対策を今後も考えていかなければならないんだなというふうに深く考えております。
日本維新の会では、この豪雨災害に対して災害対策本部を立ち上げまして、結いの党と合同で兵庫県と京都府の現地調査を行ってまいりました。
丹波市では、十六日から十七日の豪雨で多数の大規模な土砂崩れが起きて、二十一日の時点で、死者一名、重傷一名、軽傷二名、全壊十六棟、半壊二十一棟、一部損壊十六棟、床上浸水が百六十七棟、床下浸水が千百十三棟という、丹波市においては初めてじゃないかなというぐらいの被害をもたらしました。
また、断水が続いている地域もございますし、今でも大雨洪水警報が発動されますと避難勧告が出されまして、市島地区の皆様方はライフピアに避難をされているというような状況、緊迫した状況が続いているのが現状でございます。
ありがたいことに、ボランティアの方が多数丹波市入りしてくださいまして、泥水の撤去などに御協力いただいているところではございますけれども、まだまだ住めるような状態に復旧していない家がたくさんあるというのが現状でございます。
また、丹波市は、約五百平方キロメートルと大変広い市域を抱えております。その上、山林が非常に多いので、今まだ把握されていない部分で山崩れが見つかる可能性も非常に多いんじゃないかなというふうに考えております。
そこで、まず一点目でございますけれども、報道によりますと、八月豪雨は一体として激甚災害の指定を行うとなっておりますけれども、丹波市についての検討状況と見込みはどうなっているのか、また、丹波市全域を局地激甚に指定していただきたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○亀岡大臣政務官 丹波市を含めて、本当にお見舞いを申し上げたいと思います。
これは、激甚災害の指定については、八月の二十五日に総理から発言があったように、台風十一号、十二号及び今回の前線による一連の災害については、激甚災害ということで、大至急、全容の解明を急ぐようにということで今やっております。
御指摘の地域の災害についても、八月十五日からの大雨により大きな被害を受けたということで、今現在、各関係省庁においてこれらの災害の被害状況の把握を急いでおります。その結果を受けて迅速かつ適切に指定をするということになっておりますので、ここは大至急やらせていただきたいと思います。
なお、市町村を対象とした激甚災害について、いわゆる局激、これについては、一定の基準がありますので、被害状況の結果が出ないとどうしようもありませんので、この結果を踏まえて、基準に照らし適切に対応してまいりたいと考えております。
○三木委員 できれば早急に指定をしていただきたいと思っておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
次に、要望を一点お伝えさせていただきます。
国道百七十五号線で八日市橋というのがあるんですけれども、そちらの方が落橋をしております。これは資料をお配りしておりますけれども、このAの方がその橋でございます。この橋が国道百七十五号線沿いにかかっておりまして、この橋が落橋していることによって、迂回を余儀なくされているという状況が今続いております。
復旧にはやはり二年ぐらいかかるというふうに言われているのでございますけれども、この復旧をできればもっと急いでしていただきたいということと、今、NEXCO西日本の方が舞鶴若狭自動車道の春日インターから福知山インターの間を、午後四時以降、車種限定せずに無料で通行させてくれているということでございます。
丹波市と福知山市は隣の市でございまして、非常に生活圏が密着しておりますので大変ありがたい措置なのでございますが、八日市橋が一日も早く復旧することをお願いしたいことと同時に、八日市橋が復旧するまでこの措置を経過措置としてとっていただきたいと思うんですけれども、そちらの方、いかがでございましょうか。
○池内政府参考人 まず、委員の御指摘の国道百七十五号の八日市橋につきましては、八月十六日から十七日の大雨によりまして、前山川の洪水によって右岸側の橋台が洗掘されておりまして、橋梁が大きく傾き、通行不能になっており、現在、近接する市道、県道を迂回路として利用しております。
道路管理者である兵庫県におきましては、現在、被災の原因や被災状況の調査に着手しておりまして、再度災害防止のための復旧工法の検討を行い、来年夏までに復旧を完了させる予定であるというふうに聞いております。
国交省といたしましても、早期復旧に向け、技術的助言を行いますとともに、災害復旧事業費の査定の迅速化を図るなど、県の意向を十分にお伺いしながら、しっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
以上です。
○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
舞鶴若狭自動車道の無料措置の件でございます。
今回の無料の措置は、並行する一般国道百七十五号が八月の十五日からの降雨災害により通行どめになっていることを受けまして、兵庫県及び京都府からの要請に基づきまして、NEXCO西日本が八月の二十六日の十六時より緊急的に措置しているものであります。
終了時期につきましては、今後の通行どめやあるいは迂回路の状況、これらを踏まえまして、兵庫県それから京都府及びNEXCO西日本において調整の上、最終的にNEXCO西日本において決定することになります。
以上でございます。
○三木委員 NEXCOの方はぜひとも国交省の方からもお力添えをいただきたいなというふうに思っております。
ちょっと時間が少なくなってまいりましたので駆け足になりますけれども、丹波市の方では、TEC―FORCE、国交省の方から派遣をしていただいて、被害状況の把握などに努めていただいているとは思うんですけれども、土砂災害については、丹波市の方で想定していなかったような災害だということで、大変戸惑いもございます。
住民の方々も、土砂を撤去していく過程において、だんだん自分の家がもとどおりになっていくのを見ているんですけれども、果たしてこのままこの住宅、住居に住み続けることができるのか、今度土砂災害が起こったらどうなるのか、そういったことを大変不安に思っていらっしゃる方も多いというふうに聞いております。
丹波市の方から、土砂災害や土砂災害からの復興について専門家の知識が欲しい、そういう要員を派遣してほしい、また、国からそういう適切な指導助言が欲しいというふうに聞いておりますが、いかがでしょうか。
○池内政府参考人 お答えいたします。
兵庫県からの要望に応じまして、現地から要請がございましたら、土砂災害の専門家を派遣するよう講じてまいりたいというふうに考えております。
○三木委員 ありがとうございます。
それから、先ほどから土砂災害防止法のことが議論の場に出ているんですけれども、集団移転がもし希望であった場合、東日本大震災の被災地において実施されている防災集団移転促進事業は、補助限度額の引き上げや戸数要件の緩和特例などがございます。
今般の大雨の被災地についても、ここはもう住めないんじゃないかというような地域に関しては同様の特例措置を講じるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○小関政府参考人 お答えいたします。
東日本大震災の復興における防災集団移転促進事業におきましては、小規模なコミュニティー単位で被災した地域が多数存在したこと、住宅団地を高台に造成する必要があり造成経費が多額となることなどを踏まえまして、戸数要件の緩和や補助限度額の引き上げ等の措置を講じているところでございます。
国土交通省といたしましては、土砂災害等の被害の状況に応じ、被災地からの復興が円滑に進められるよう、地方公共団体からの要望などを踏まえて適切な対応を図ってまいります。
○三木委員 先ほど申し上げましたように、日本の環境というものが大変大きく変わってきておりますので、こういった集団移転措置、集団移転の要件なんかも緩和していただくことを、これは要望としてお伝えさせていただきます。よろしくお願いいたします。
それから、最後の質問になりますけれども、災害拠点病院の認定に関してでございます。
維新の会・結いの党では、京都府の福知山市の方にも視察に行ってまいりました。福知山市民病院の件なんでございますが、拠点病院として指定をされているんですけれども、周りの市道が冠水をして六時間ほど救急車が入れなかったというふうに現地調査でわかりました。報道もそういうふうにされております。
盛り土があったので市民病院自体は無事であったんですけれども、災害拠点病院に指定される要件といいますか、それが、市道から病院に入れないような状態が続くような病院が災害拠点病院に指定されたままでいいのかどうかということと、あと、福知山市民病院の電源なんでございますが、二十四時間にわたって停電したと。その際に、自家発電にて急場はしのいだのでございますが、病院機能をフル稼働すると三時間から六時間しかもたない可能性が高かった。CTやMRIの使用停止や厨房機能も限定化したとの報告を受けております。
これを受けまして、災害拠点病院として福知山市民病院がふさわしいかどうかという調査を行っていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○二川政府参考人 災害拠点病院のことでございますけれども、災害拠点病院は、災害時の救命救急を行う高度の診療機能を有する病院として、都道府県が指定をしているものでございます。
指定の要件といたしましては、まず、二十四時間緊急対応し、災害発生時に傷病者等の受け入れ及び搬出が可能な体制を有すること、それから、設備面では、施設が耐震構造であることに加えまして、自家発電装置を有し、三日分程度の燃料を確保することとか、受水槽の保有等、飲料水や食料、医薬品を確保すること、それから、敷地内にヘリコプターの離着陸場を保有することなど、こういったことを要件としております。
また、今回はアクセスの面で問題があったということでございます。
今後、災害拠点病院の指定要件につきまして、災害時の病院へのアクセスの確保を追加すること、こういったことにつきまして検討してまいりたいというふうに考えております。
○三木委員 今、災害拠点病院の指定要件というものをお話しいただいたと思うんですけれども、二十四時間緊急対応し、災害発生時に被災地内の傷病者の受け入れ及び搬出を行うことが可能な体制を有すること、これがまず一番の条件でございますので、周りの市道が冠水して救急車が入れない病院が災害拠点病院に指定されていることはいかがなものかなというふうに思っております。また、災害時に地域の医療機関への支援を行うための体制を整えていることという要件もございますし、通常時の六割程度の発電容量のある自家発電機等を保有し、三日分程度の燃料を確保しておくこと、また、平時より病院の基本的な機能を維持するために必要な整備について、自家発電機等から電源の確保が行われていることや、非常時に使用可能なことを検証しておくことというような要件も含まれております。
これは福知山市民病院に限らず、ぜひ、全国の災害拠点病院をいま一度点検していただいて、いざというときに人命が失われるようなことのないようにお願いをしたいと思います。よろしくお願いを申し上げます。どなたか御答弁くだされば。
○二川政府参考人 今回の福知山市民病院の事案につきましては、都道府県を通じまして全国の災害拠点病院に情報提供をし、災害拠点病院また地方自治体におきまして、災害時の病院へのアクセスを確保する方策について十分に検討を行っていただく必要があるというふうに考えております。
○三木委員 質疑時間が終了いたしましたので、これで質問を終わらせていただきますが、市道からのアクセスの確保だけじゃなくて、電源の方もぜひともチェックしていただくようにお願いをいたします。
ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、中丸啓君。
○中丸委員 次世代の党、中丸啓でございます。
まず冒頭に、今回、豪雨による土砂災害によりお亡くなりになられました皆様に心より御冥福をお祈りし、また、御遺族の皆様に深く哀悼の意を表させていただきたいと思います。
今回広島で起きました災害の場所は、一昨年、衆議院選挙のときに、私が選挙活動で回らせていただいた地域であり、また、安佐南区は私の地元事務所のあるエリアでございます。
二十日にこの被害が起きまして、その日のうちに古屋大臣には現地入りをしていただき、意見交換会を開催していただきました。その席に、我が党から、私、当時沖縄におりましたもので、同じ広島県選出の坂元大輔代議士に意見交換会に参加してもらいました。
そして、翌日早朝から古屋大臣が御視察に回られるときに私も同行させていただきました。そのときに、古屋大臣は、非常に現地にお心配りをいただき、実際に被害のあった地域を間近で見られる民間のビルの屋上から御視察をされまして、現地に本当に混乱を起こすことなく、すばらしい御視察だった。この場をおかりして御礼を申し上げます。
今回のことを受けまして、ここまで各委員からさまざまな質問が出ておりますけれども、私は、まず、現地の広島県、広島市から要望書が総理を含め届けられていると思いますが、その中で、広島県、広島市の方から特にこの点を強調していただきたいということをお伝えさせていただきます。
既に適用済みとも言われておりますけれども、災害救助法及び被災者生活支援制度の適用だけではなく、円滑な運用、それから被災者の支援に対しての格段の配慮、これを改めてお願いさせていただきたいと思いますが、古屋大臣、いかがでしょうか。
○古屋国務大臣 御地元の被災ということで、心中お察しいたします。
もう既に、災害救助法及び被災者生活再建支援法は八月二十日に適用されていますけれども、やはり問題は、その制度の運用に当たっては、現地のニーズをしっかり的確に把握をした上で対応していかなきゃいけないということで、八月二十五日から災害救助法の責任者を現地に派遣させていただいておりまして、避難所の運営とか適切な救助の実施に対して県あるいは市に適切な助言を行うなど、積極的に対応させていただいております。
また、総理も二十五日には視察をしまして、被災者支援チームを設置するよう指示がございましたので、きめ細かな対応をさせていただいているところでございます。
○中丸委員 ありがとうございます。引き続き、よろしくお願いいたします。
日々刻々と、現地から、私の事務所にもそうですが、さまざまな細かな御要望、問題点をいただいております。この場は一つ一つのことを申し上げる場ではないと思いますので、都度、まとめまして現地の本部の方には御報告をさせていただきますので、優先順位をつけながら、ぜひ御対応をお願いしたいということを申し上げておきます。
次に、今回の土砂の災害が実際に起こって、多くの被害者が出た地域でございますけれども、実際に救助中に、広島の消防の政岡司令補が三歳のお子様を抱いたまま土砂に埋まり、身を賭しての救助活動むなしく御殉職されたということがございました。本当に、心より、職務を全うする姿勢に敬意を表させていただきたいと思います。
こういう二次災害が二度とないように、ぜひ、緊急、暫定的で構わないと思います、根本的な解決となる砂防ダム等も当然必要かもしれませんが、今まさに、まだ今から台風も来るでしょう、そういった中で活動している人たちの安全、二度とこういう殉職者の出ないようにするためにも、こういったものに対する対策、予算を考えていただきたいと思います。
現場作業者に向けてのそういった対策、土砂センサー、監視カメラ等、お考えになっておられると思いますけれども、その設置状況について御説明をお願いいたします。
○池内政府参考人 お答えいたします。
土砂災害が発生いたしました渓流を監視するために、八月二十四日に、広島市八木地区におきまして監視カメラを一基設置しておりまして、広島県、広島市等に映像を配信させていただいております。
また、捜索活動等における二次災害防止ですとか、あるいは工事の安全対策のために、土砂災害が発生した渓流のうち、昨日までに、国により十一渓流、県により二渓流において、土石流発生監視のためのワイヤーセンサーを設置させていただいております。このほか、五渓流におきまして、国と県によりワイヤーセンサーを早期に設置する予定でございます。
以上でございます。
○中丸委員 地元の企業さんからも、太陽電池とバッテリーで電源がなくて使える監視カメラというようなものの提供であるとか、そういった非常に前向きな御協力の姿勢もいただいているというふうに思いますので、ぜひとも、これでいいではなくて、一つでも多くそういった対応ができるようにしていただきたいと思います。
それから、先ほどから土砂の撤去の問題、もちろんこれが最優先でございますが、広島大学の大学院教授が算出したところによりますと、ざっと、大型ダンプで八万台、費用にして百億円を超えるのではないかというような土砂撤去に関する記事が地元の新聞に掲載されておりました。
こういった現場の声に対して、今後、どのようにお考えか、古屋大臣、お願いいたします。
○古屋国務大臣 発災当初においては、やはり人命救助、これが一番最優先でございますので、そこに徹底して取り組んでまいりました。
しかし、土砂撤去についても、極めて住民の皆さんからの御要望も強いということで、非常災害対策本部会議において生活再建のための重要課題ということで取り上げてきまして、八月二十六日には、土砂撤去を加速するための国、県、市連携による土砂災害応急復旧連絡会議を現地対策本部で設置いたしました。西村本部長のもとでしっかり取りまとめていただいてそれが設置できましたので、要するに、施設の管理主体の枠を超えて、道路等に堆積した土砂とか瓦れきとかの撤去と道路の応急復旧等の課題に今迅速に対応させていただいております。相当これはうまく稼働しているというふうに認識をいたしております。
具体的には、国交省のTEC―FORCE、県や市の技術者による緊急な現地調査の実施とか、その調査を踏まえた土砂、瓦れきの撤去、残土処分、処分地とか資材の確保、応急復旧の取り組み、こういったものを一元的に取り組んでいます。
また、個人の住宅とか敷地内に堆積している土砂等の処理についてもいろいろな要望がございましたので、これは現地対策本部で調整をしていただきまして、被災者の費用負担が生じないように、国、県の支援のもとで、市が一括して撤去、回収する体制をとらせていただきました。市内七カ所に設置された災害廃棄物等の仮置き場についても、いろいろな取り組みについて市に対して助言を行っております。
また、土砂等を運搬する車両、これについては、高速道路の無料化措置も実施をさせていただいております。
こういうような取り組みを通じまして、現地対策本部で一元的に調整をしながら、ニーズにしっかり適切に対応していきたいと思っています。
○中丸委員 ありがとうございます。
今の土砂の問題ですが、その仮置き場も既に五〇%以上、場所によっては七〇%以上がもう埋まっている状況で、仮置き場から先に持っていく、例えば埋め立て等で使うにしても、広島だけでは処理できない量だという御意見もありますので、ぜひ、他府県に対しても、協力要請も含めて、これはもう本当に政府の方にお願いしてまいりたいと思います。
それと、先ほどの二次災害防止についてもう一つあるんですけれども、現場の作業者だけではなくて、やはり住民の皆様にしっかりと届けていくのに、防災無線は確認できましたけれども、前回の避難に関しての連絡等も含めて、非常にオーソドックスではありますが、現地にはサイレンの鳴る仕組みがないんですね。こういったことも含めて、そういったサイレンに対する対応というのは、総務省さんの方はいかがでしょうか。
○亀岡大臣政務官 先ほど国交省から説明がありましたけれども、ワイヤーセンサー、十一カ所、設置が終わっています。それから、林野庁で二カ所終わっています。これは、住民にも聞こえるように、全部サイレンを鳴らすような形になっておりまして、住民の皆さんがすぐに危険が察知できるような環境にしてあります。
それと同時に、作業者のみならずボランティアの方々、住民の方々に、危険が生じた場合は連絡ができるような環境をもう全部つくってありますので、警察と自衛隊と一緒になって、連携をとらせていただいて、災害対策本部で危険緊急察知システムという形で今やらせていただいております。
○中丸委員 今の、土砂センサーにサイレンとパトライトがついているということは私も存じ上げております。ただ、実際、やはりサイレンの音の死角になる部分というのがかなりあるのではないかという現地からの声もありますので、その辺の精度アップを含めて、また取り組んでいただきたいとお願い申し上げます。
それから、ちょっと、マスコミの方もきょうはたくさん来られていたみたいではありますが、あえて苦言を一つマスコミの皆さんに申し上げさせていただくとすれば、一番初めの、初期救助の七十時間、この非常に大事な時間に、警察と消防、自衛隊、ヘリも導入していましたけれども、現場空域をマスコミの取材ヘリが非常にたくさん飛んでおりました。当日の夜、災害本部に行って内閣府の方とも打ち合わせをさせていただきまして、これはもうきちんとサイレントタイムを設けるべきだということを私も申し上げまして、現場でも対応していただいたというふうに思います。
取材ヘリのサイレントタイムだけではなく、今回の現場は、道を挟んだ反対側は、ほとんど大きな被害もなく、商店その他も普通に営業ができております。そういった中で、避難所にたくさん御援助もいただいております。しかし、そこのコンビニ等にある弁当類、これを現地のマスコミの皆さんが、もちろんおなかもすくと思いますが、買っていかれる、しかも大量に買っていかれる、それで地元の皆さんがコンビニで弁当を買えない、こういうことがあったわけです。
報道の自由は大事だと思います。しかし、被災者の皆さんに対する配慮、これは言われてやるんじゃなくて、日本人ですから、気配りしましょうよ。そして、それができないのであれば、こういったマスコミ、今回の広島だけではありません、そういったことに対して、ぜひとも、何らかの指導、通達が出るようにお考えいただきたいんですが、いかがでしょうか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
まず、サイレントタイムの関係でございます。
災害発生直後、救助ヘリ以外の現場での飛行を避けるということを求められております。発災当日の八月二十日の十時からの関係省庁対策会議においてもサイレントタイムについて議論いたしまして、その日の午後から、高度六百メートル以下の飛行を避けるように、発航自粛のノータムを出したところでございます。
また、今御指摘のありました、マスコミ等によりますコンビニでの買い占めみたいな話でございます。
被災地外から被災地に赴く場合には、被災者の支障とならないように自己完結型で活動するということが基本的に求められておりますので、今のようなことがあるというのは好ましいことだと思っておりません。
私どもといたしましても、マスコミ関係者と話し合う機会、あるいはいろいろな機会がございますので、そういった点につきまして、今のような声があったということをきちんと伝えてまいりたいというふうに思っております。
○中丸委員 よろしくお願いいたします。
それから、さまざまな、政府、それから県、市、行政の対応は当然重要でございますが、やはり、一九九九年に起こった場所と同じ広島市であっても、多少離れているだけで、自分のところは大丈夫、自分のところでは起きないという意識があったと言わざるを得ない部分はあると思います。
今後、そういった地域のコミュニティーも含め、住民の皆さんの意識向上、これが非常に大事だと思います。何かを適用する、法律を変える、それを決める、マニュアルをつくるだけではなくて、その意識に踏み込んで、これは非常に大きな課題で難しいことだと私は思いますが、今後、そういったことについて、大臣、どのようにお考えでしょうか。
○古屋国務大臣 やはり、被害からみずからの身を守るということは、意識改革も含めて極めて大切ですね。かつて、十二年前のアンケートと、ついことしの二月に内閣府が住民の皆様にとったアンケートでは、自助、共助、公助、この割合が、要するに、自助を主体にすべきである、むしろ公助は要望が三分の一ぐらいになっているんですね。ですから、みずからの身はみずからで守るという認識が確実に植えつけられつつあるということは事実だと思います。
それともう一つ、首長さんにおかれましても、空振りを恐れずに、できるだけ早く避難勧告を出してもらうということも大切ですね。住民の皆さんも、もし、結果として避難をしたことが空振りに終われば、幸いであったという認識を持っていただくということも極めて重要でございます。
それからもう一つは、こういった局地的な災害の場合は、非常にきめ細かな情報を対象の地区にいかに早く伝達していくかということも課題ですね。それは、いわばプッシュ型の情報ということで能動的にやる。そのためには、例えば防災無線のデジタル化だとか、あるいはXバンドレーダー等々を活用して、より細かいメッシュ、今、二百五十メーターメッシュで測定ができますので、そういったものを活用し、なおかつ伝達手段まで含めて対処していくという必要、改善していく必要があると思います。
それから、やはり平時にも、どういうところが危険で、どういう対応をすべきかということを、ふだんからの避難訓練を通じて、しっかりその意識を培っておく。そのためにも、平成二十六年四月にガイドラインを改定いたしましたので、この普及にしっかり取り組んでいきたいというふうに思っております。
やはり、個人も行政もそういう認識でこの災害対策、特にソフトウエアの部分の充実が極めて重要だという認識でおります。
○中丸委員 ありがとうございます。
先ほど来の質問でも出ていましたけれども、緊急用に住宅の借り上げ云々という話もありますが、これも、通達して、いついつ説明会をやりますから来てくださいという報道だけではなくて、これは広島市の方にも申し上げましたけれども、先ほど大臣がおっしゃられたプッシュ型で、戸数を把握できているわけですから、一軒一軒くまなく、ぜひとも、ショックを受けて、みずから立ち上がれない人にも積極的に手を差し伸べていただきたいと思います。
それから、今回、私が現地に入って非常に気づいたことで、大きな点が二つあります。
まず、広島県の災害対策本部は県庁の北館四階にございました。それから、広島市の災害対策本部は、そこから車で約十五分ぐらい離れた鷹野橋の消防署の中にございました。これは何で二カ所にあるんですかという話をしたら、市は市の方で消防署の中に通信系の機材も含めてそういう準備をしているということで、なかなか移動ができないということで二つありまして、私も実際、さまざまな現地の御要望等をお伝えしたり、情報をお伺いするのに、県庁に行き、こっちは市ですからと市に行き、現地を含めて三角形で動いていかないといけないという状況があって、今回、災害対策本部は広島市役所の方に移したというふうにお伺いしていますけれども。
それからもう一つ、現地の八木三丁目の近くのパチンコ店の駐車場に、自衛隊、消防、警察、それぞれが現地司令本部をテントで設営されておりまして、いろいろ話をされておりまして、現地の自衛隊の司令官の方等とお話ししまして、どうやって情報の調整をしているかという話をすれば、各司令同士が、その場で、現地で話し合いながら調整をしていると。では、打ち切りで避難する場合は、どこが、どこの情報を一番初めに受け入れるのか。こういった、今回のことだけでなく、消防、警察、自衛隊、それぞればらばらに、予算も含めて、ある組織でございます。
こういう非常事態が起こったときに、これを現地でどうするかとかではなくて、今後、非常事態法、土砂災害だけではなくて、さまざまな非常事態に対して、警察、消防、自衛隊が、明らかに指揮命令も含めてきちんと一本化して動けるような形になるための法改正も必要と思いますけれども、古屋大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。
○古屋国務大臣 今回、もう中丸委員も視察いただいたように、警察、消防、自衛隊、同じ敷地の中に隣り合わせでテントを張りまして、司令官はみんないましたよ。それで、それぞれこの三つの隊は、特別な訓練を受けている人間で、指揮命令系統もしっかりしていますから、横の連携がしっかりとれていると思います。
なおかつ、西村本部長が現地で、もし答弁が必要ならば本部長の方から答弁させますけれども、市に一元的にこの本部を集約して、そういった情報の共有に取り組んでおります。また、二次災害の防止のための対応も含めてやっておりますので、十分、これで今回のケースは対応ができているというふうに思います。
今後も、やはり、全国どこで災害が起きても、しっかり連携をしていくということが大切でございますので、ルールをつくることよりも、むしろ、こうやって実質的な連携強化を図っていくということが何よりも大切だというふうに思っています。
もしよかったら、副大臣、本部長から現地の状況を説明させますから。
○中丸委員 今、大臣の御答弁に対して、現地のことも含めて副大臣にもお尋ねしたいと思うんですが、確かに、現地の各職員の皆さん、司令、非常に鍛えられておりまして、非常に円滑に進んでいたと正直思います。ただ、最終的に何か責任問題が起きたときに、現地の迅速な判断が、調整ではなくて、本当にできるか。やはり法的根拠というのは必要だと私は思うんですが、その辺も踏まえて、副大臣、お願いいたします。
○西村副大臣 まず法制面での整理を申し上げると、災対法に基づいて非常災害対策本部が政府に立ち上がりましたので、この本部長は古屋防災担当大臣がなられまして、古屋大臣が各省を指示できる権限が災対法上あります。
私が現地対策本部長で指名を受けましたので、現地に入って、いわば古屋大臣の権限を代行するような形で現地で責任者として調整を行っておりますので、私のもとで、もちろん、自衛隊・防衛省もそうですし、警察、消防も入っていただいて、日々の、今後の活動についても連携をとりながら、情報を共有しながら進めているところであります。
また、もちろん、現場でのその場その場の緊急の判断もありますので、現場のこの実動の三部隊については、同じ敷地内の指揮所の中で常に連携をとりながら進めております。役割分担しながら、必死の救助捜索活動が行われているものというふうに思います。
もちろん、今後、常に防災の組織のあり方とか体制というのは進化をしていくものだと思いますので、別途、副大臣ベースで、東日本のときの経験あるいは今回の経験、こうしたものを検証、分析しながら、さらに進化をさせていく。どういう組織のあり方がいいのか、そういったことは引き続き検討していきたいと思いますけれども、まずは現地対策本部で、県、市とも連携をとりながらしっかりと対応していきたいというふうに思います。
○中丸委員 ありがとうございました。
今のこともそうなんですが、やはり、今回の土砂の中で、瓦れきも含めて、流された御自宅であるとか車、そういった個人の財産、資産、これは勝手に廃棄したりは当然できないわけでして、特に流された自動車等が現地の初動も含めて非常に、これは東北の震災のときも言われていたことではございますが、そういった個人財産、それから避難に、ある程度の、一定の強制力の要る場合もあると思うんです。そういう意味での個人の権利に対する制限、本当に、非常事態のときというのはこういうのが要るんです。
先ほど来申し上げていただいたように、現地のそういったチームは訓練と連携でしのげるところはありますけれども、そういったものも含めれば、特にこの個人財産や個人の権利に一定の制限をかけるとなると、これは法律だけではなくて、私は、戦後ずっと持ってきた日本国憲法、ここの部分を、非常事態、緊急事態にどうするのか、個人の権利、財産はどうなるのか、こういったことを含めて、これは憲法改正を本気で考えないといけない時期に来ているというふうに思いますし、もちろん、我が党は、自主憲法制定、これは党是でございますので、これだけに限らず推進してまいりますけれども、特にこの非常事態について、こういうことに関しては、これはやはり憲法に明確にうたうべきだと私は思います。
古屋大臣、御所見をお願いいたします。
○古屋国務大臣 御党が憲法改正、自主憲法制定を党是としていることはよく承知をいたしております。
その上で、今回の災害について申し上げますと、まず車ですね、これは、基本的に土に埋まれば瓦れきと同様に価値がありませんので、通常の管理行為の範囲内で除去することが可能です。
具体的には、例えば、道路で、埋まった車、仮にそれが若干の価値があるといった場合でも、応急措置を緊急に実施するために必要な場合は、市町村長がその応急措置の支障となる災害を受けた物件を除去することができるということが災害対策基本法の六十四条でも規定をされていますし、また、道路管理者が災害の現場で物件を処分することができるという、これは道路法の六十八条で規定をしておりまして、そういう対処が可能であります。また、私有地で、土砂に埋まった車両を他人が移動させ適切に保管をする行為は、車両の所有者が本来であれば当然とるであろう行為を法律上の義務がない者が他人のために行う民法上の事務管理に当たりますので、市町村がこういった行為を行うことが可能であります。
いずれにしても、そういったことは、非常災害対策本部、私が本部長でありまして、その指示のもとに、現地の対策本部、本部長も存在しておりますので、そういったところとしっかり連携をとって調整をしていくということで対応させていただいております。
○中丸委員 ありがとうございました。
おっしゃるとおり、現場での対応、時に、政府の御判断でやっていただかないといけないことがあることを、政治判断で行うというのは重々承知しておりますが、我々はやはり、次世代に対して、きちんと、この国の形はどうあるべきか、どなたが政権をとられてもできるような形にするには憲法改正からは離れられないということを一言申し上げまして、質問を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、杉本かずみ君。
○杉本委員 みんなの党の杉本かずみであります。
冒頭、皆さんおっしゃっておられますけれども、私も改めて、今回の八月豪雨と言われる、広島を初めとする災害で亡くなられた方々に謹んでお悔やみを申し上げ、また、被害を受けた方々にお見舞いを申し上げたく存じます。
我が党としても、先週本部を立ち上げ、そして、今週冒頭、月曜日に、亀岡政務官のところに要望を出させていただいております。
また、私も、この八月の豪雨という関連でいきますと、地元愛知県の一宮市周辺なんですが、丹羽郡扶桑町というところで、地元の高校球児がピッチャーマウンドで、雨の後、試合を再開したところで残念ながら落雷に遭ってしまって、命を失ったということがございました。本当に、天候不順という以上に異常気象という状況が毎年起きております。
そして、昨年は、十月でした、伊豆大島。ことしは、広島初め八月豪雨災害ということでございますので、寺田寅彦氏が言っていますけれども、天災は忘れたころにやってくるということよりは、毎年やってくるようになってしまっていることが大変残念でなりませんし、やはり、備えあれば憂いなしということで、冒頭、河井議員は、三度あってはならないということを言われましたけれども、本当に、今回のことを教訓に、ぜひとも政策を推進して、一人でも多く命を救うということができるような政治、行政であるように望んで、きょうは質問に立たせていただきます。そんな意味から、できる限り提案型で申し上げたく存じます。
まずはちょっと事実確認なんですが、冒頭、古屋大臣からお言葉がありましたが、行方不明者の数なんですが、二十七日時点で十五名ということをおっしゃられました。直近、朝の報道ですと、行方不明者は十一名というふうに聞いておりますが、この事実関係を確認できますでしょうか。
○古屋国務大臣 お答えいたします。
きょう九時現在なんですけれども、警察情報では、死者が七十二名、行方不明者が十名という報告を受けています。
○杉本委員 九時現在の数字を教えていただきました。七十二名亡くなられ、十名いまだ行方不明ということを確認させていただきます。
それで、私ども、現地には地元の連絡協議会というのがありまして、地方議員が代表を務め、そして党員の人間が幹事長ということで、その幹事長は被害が一番多かった八木地区の隣町に住んでいまして、日々情報を入れてもらっているんです。
ちょっとこれは、準備が整ったよという話かもしれませんが、要望だけ最初に申し上げますと、地元、避難されている方々の避難所で、プライバシー、緊急事態ということで、十分その御認識もいただいている中ですが、それでも、やはりプライバシーという意味で、パーティションを十分手配いただきたいということがまた入ってまいりましたので、かなりやっていただいているという認識は持っているんですけれども、改めて点検していただいて、できる限りのことをしていただきたいということを、地元の声を伝えさせていただきたく存じます。
それでは、ちょっとまた事実関係の確認ということなんですが、今回の天災というか、あるいは開発の問題というのもあったかもしれないんですけれども、長く住んでいる中で、どうしても逃げられなかったという方は多かったような気がいたしますけれども、本当に逃げられなかったのかどうかという点を確認したいんです。
けさも新聞にありましたが、垂直避難をして、お母様と長女、三女は助かったけれども、御主人が一階で、そして次女の方は山側のところで、残念ながら、家の中での避難がうまくできずに亡くなったということがありました。別の話で、新聞配達に出た方は助かったという話がございました。
もろもろあるんですけれども、この八木地区という点をちょっと取り上げてみた場合に、停電が起きてしまって、外に出て、豪雨であっても街路灯がついていれば逃げることができたのか、むしろ、停電は早くから始まってしまっていて、もう真っ暗で逃げられる状態ではなかったのかどうか、この点をちょっと、細かいことでございますが、確認させていただければと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
中国電力のホームページによりますと、八木地区においては八月二十日三時二十三分から停電になっていたというふうに承知しております。
その段階で外に逃げられたかどうかという点については把握しておりませんが、その前の午前二時半ごろには、雨の激しさに危険を感じたために逃げたという事例があった、あるいは、異様な前兆現象を把握して、これは時間はわかりませんけれども、逃げたというような報道がございますので、こういった事例については、少し落ちついた段階で、我々としても調査してまいりたいというふうに思っております。
○杉本委員 先ほど長島議員から、熊本のことをちょっとおっしゃっていて、これも報道ベースで恐縮ですけれども、熊本県では、二〇一二年七月、未明からの豪雨の犠牲者が出た反省から、ことし七月の台風八号に対して、自治体が前日の夕方から避難所を設け、自主避難を呼びかけて、県全域で五千人が実際に避難ができたということで、これは大臣がおっしゃっている空振りでもというお話だと思うんですが、そういった点から、今回の広島市の件というのは、やはり警戒の関係で避難勧告等が遅かったということがあったかと思うんです。
先ほど、井坂議員との質疑の中で、大臣は、検証していくよということを言われました。この検証ということについて、いかなる内容の検証をされるのか、そして、その検証結果について、いかなる御報告を出される可能性があるのかを、お立場で、もし差し支えなければ御答弁いただければと思います。
○古屋国務大臣 私は、いつも、空振りを恐れずに早目の避難勧告、指示を出してくださいということを常に申し上げております。それは、やはり人の命を守るためであります。
今回の例を見れば、土砂災害の警戒情報が出たのが夜中の一時半だったですかね、その後、数時間たってから後、実際に勧告が出ていますので、消防責任者からも、ちょっとこれはタイミングが遅かったというようなことは言及されておられますよね。
理由は幾つかあると思います。夜中、やはり真っ暗だったとか、それから、空振りになることを恐れてしまったとか、いろいろな要素があると思うんですね。
ですから、では、なぜそこがおくれたのかということをしっかり分析した上で、やはり今後は、避難のあり方、現実に、夜中に避難しろといっても、外が暗ければ逆に危ないかもしれない、だったら、先ほど委員も指摘があったように、垂直避難というのは、これは今、全国でそういう例がありますので、今回の例も含めて、詳細な分析をしていきたいと思っています。垂直避難がどれだけの効果があったかということは、各事例を詳細に分析して、そして、地方公共団体にも、ガイドラインの中にも、そういったデータはしっかり反映をしていきたいというふうに思っております。
ちょっとこれは、まず今、災害対策、そして行方不明者の捜索が最優先でございますので、そして、被災者がふだんの生活にできるだけ早く戻っていただく、これを最優先にした上で、そういった分析もしていきたいというふうに思っています。
○杉本委員 大臣が結びでおっしゃるとおりで、まだ行方不明の方がいらっしゃって、懸命の救助活動が続いているということは十分認識しておりますし、千二百人の方々がまだ避難をしている、それが長期化しそうでもある、こういう実態は十分認識しておりますけれども、今おっしゃっていただいたとおり、やはり教訓にしなければならないと思います。
ぜひとも、おっしゃっていただいた詳細な分析をしていただいて、そして、住民の方お一人お一人にきちっと、垂直避難であれ、あるいは、今ちょっと停電の時間を確認したら、三時二十三分というのは、もう土砂災害が起きて停電したのかなという時間帯だと思うので、事例としても、自主避難のできた方々がいらっしゃったということも今言われていましたので、そんな意味から、一人一人の思いを強めていただくということからも、国として、この詳細な分析、そして、その結果の周知を、市町村、個々人まで行き届くように、ぜひとも生かしていただきたいと思っております。
次に、いわゆる新指針、避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドライン、結構話が出ています。この四月から運用開始。正確に考えるとまだ四カ月だということであれば、周知期間としては十分時間はなかったかという部分もありますけれども、今回のガイドラインの新指針について、広島市はそれを参考にされていたか、あるいは、そうではなかったのか、現時点でおわかりになる範囲で教えていただければと思います。
○日原政府参考人 四月に改定いたしました避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインにつきましては、全国で説明会を開催しております。中国ブロックにおきましては、五月八日に広島市で開催しておりまして、その場には広島市の職員も出席いただいております。
したがいまして、内容について承知はされていると思いますけれども、それを参考にされたかどうかということについては承知しておりません。
○杉本委員 短期間、そんなに月日がたっていないということで、採用されていなかったというふうに私は推察させていただきます。
この新指針は、昨年の十月の伊豆大島を教訓としてつくられていますので、私は、これは法律ではなくてガイドラインであるわけなんですけれども、そして今、当局サイドは、一、二年をめどに徹底というか、あるいは場合によって見直しもというようなことを言っておられますが、このガイドラインをやはり生かす必要があると思うのです。
これから台風シーズンに入っていくわけなので、こんな点から周知徹底を各市町村にするべきではないかと思いますし、緊急で、むしろ自分たちで見直しをしていただきたいというようなことを流す必要があるのではないかと思うんですが、緊急的な措置をおとりになることは考えられないでしょうか。副大臣、お願いします。
○西村副大臣 大事な御指摘でありまして、今回の新ガイドライン、四月に策定しましたガイドラインによりますと、今回のように、大雨注意報が出ていたわけですけれども、それが警報に変わるということは、気象台から前の晩、九時台には市の方に連絡しておりますので、夜間に大雨警報に変わる、そういう場合にも避難勧告をする、避難準備をするように、そういうガイドラインになっておりますし、夜間であっても、ちゅうちょなく避難勧告を出すということも明記しております。
こうした点を市町村に、この前説明会をやってきておりますけれども、いま一度徹底をしてもらう、理解をしてもらうという意味で、できるだけ早期に、台風シーズンの前に、自治体の皆さんに御理解いただけるように、もう一度緊急的にガイドラインの趣旨を徹底させていただきたいというふうに思います。
○杉本委員 ありがとうございます。
大臣が先ほど言われたように、まだ救助活動の最中なんですが、しかし、次の災害に遭ってしまうというよりは、その中で、できる限り、一人でも多く命を救うという意味からも、このガイドラインの活用を、改めて、今御答弁を西村副大臣からいただきましたけれども、私の方からも、ぜひともそれを進めていただいて、できるだけ被災する方が少ないようにお願い申し上げます。
次に、土砂災害防止法、この効果の検証ということを考えると、ずっと質疑が出ていますし、資料配付等もございましたけれども、都道府県によって差が生じております。
古屋大臣の地元で、私のお隣の県で、私も比例で今回は議員をさせていただいていますので、岐阜なんかも、実はこの土曜日にも、山の中に入って、いわゆる水源地域の乱開発みたいな問題というのを確認してみてほしいというようなことを言われていたりするんですけれども、そんな点の中で、この配られていたデータによると、岐阜、長野あたりはかなり進んでいるということかと存じます。
一方で、今回残念ながら被災された地域というようなところはそうではないということなんですが、一体この差は、単に都道府県知事御自身の実行力とか行動力とかという問題だけなのか、それ以外に何か考えられることがあるのかどうか。この点、大臣でも副大臣でも、あるいはお役所の方でも結構ですので、御答弁いただけますか。
○高木副大臣 お答え申し上げます。
都道府県間で指定数に差が生じる理由ということでございますけれども、もちろん都道府県によって危険箇所数が多い少ない、いろいろあるわけでありますけれども、調査量というのは当然変わってまいりますので、その差が生じて、多い県は調査に時間を要するということもあろうかと思いますし、それから、基礎調査への予算の充当額あるいはまた業務に従事する職員数の違いなど、言うならば取り組みに対する温度差というんでしょうか、そういったものもやはり否めないというふうには思います。
それから、住民説明が必要でありますけれども、これをしっかりと丁寧にやるということになれば、時間がかかってその指定数に差が生じるということも考えられるのではないかなというふうに思っているところでございます。
○杉本委員 ありがとうございます。
今御答弁をいただきましたけれども、御答弁の中で基礎調査というお言葉がございました。
この基礎調査を終えたにもかかわらず、警戒区域、特別警戒区域の指定が、おっしゃっていた、説明会が十分できていないとかそういうような関係があると思うんですが、具体的な事実というか、数字の上でまた確認したいんですが、基礎調査を終えても指定ができていない箇所というのは一体今何カ所ぐらいあるという認識をすればよろしいでしょうか。
○池内政府参考人 お答えいたします。
基礎調査が完了し、土砂災害警戒区域の指定が行われていない箇所数は、平成二十五年十二月時点で約四万三千カ所でございます。
以上です。
○杉本委員 四万三千カ所と承りました。
それで、二番目の質疑者の斉藤先生が、土砂災害危険箇所についての開示、伝達みたいなことが大事なんじゃないかとおっしゃっていたと思うんです。ちょっと突拍子もない意見かもしれないですが、これは法的に縛りがあって、縛りがないという違いで、イエローゾーン、レッドゾーンがあるという政府側の違いの答弁もあったんですけれども、土砂災害危険箇所について、これは、法的縛りはないかもしれないんですが、色の名前がついているので、あえて言ったらホワイトゾーンなのかもしれないし、グレーゾーンだと言った方がいいかもしれない。
そういった、あえてグレーゾーンというような地域指定みたいなものをやんわりかけて、あなたの地域は少し危ないかもしれないんだ、それでチェックをしなきゃいけないんだ、いや、結構危ないのかもしれないんだ、こういう意味で、自主避難を促しやすくするために、グレーゾーンのような、土砂災害危険箇所をそういう形で改めて考える。
これは今後、土砂災害防止法の改正の中で議論する話だと思いますけれども、そんな点について、この問題の最高責任者の古屋大臣は、今、この私のグレーゾーンという提案に対してどんな感想を持たれたかどうかだけ教えてください。
○古屋国務大臣 今度は国交省あるいは与党を中心にこの見直しの作業に入っていきますけれども、今委員から御指摘のあった、土砂災害危険地域についても何らかのメッセージを出すということは、一つの考え方かもしれませんね。
今後、総合的に検討する中で、そういったものも含めて検討していっていただければなというふうに思います。
○杉本委員 ぜひ検討を、前向き検討で実行に移していただきたいとお願いを申し上げます。
次に、先ほど熊本のケースを言わせていただいたんですが、もう二つほど、土砂災害というか、崖崩れとか、そんな意味で先駆的な事例を、他県のケースを御紹介しますと、和歌山県では、二〇一一年の水害で死亡し行方不明になった方が六十一人以上いらした、この経験を生かして、避難勧告を出すためのモデル基準を作成、判断のおくれにつながる曖昧な表現である総合的判断とかといったものをやめて、累積雨量などの数値基準を超えたら原則勧告は出すんだというオートマティカリーな形に変えたという報道がございました。
研修を行って判断ができるように人をレベルアップするというのはソフトの問題でもあると思うんですが、やはり、客観的に、トリガーを引くという形で勧告がなされるような形に変えていくというのは一つの例だと思っていますので、こういったことも、他県のことを参考にする必要があるのではないかと思います。
次に、前岩手県知事の増田寛也さんから伺ったんですけれども、岩手県では移転について実行をしたことがあると。これは、がけ崩れ危険住宅移転促進事業ということで、平成十八年から始めて、移転の成功事例は直近で八地区十二戸ということで岩手県の方から伺っております。
費用の方は、この八年間で県が負担した分で、国の補助がたくさん入ってはいるんですが、県負担は八年で三千五百万。一年間で、推定ですけれども、ハードの公共事業では十億以上岩手県でもかかっていると思うんですが、桁が違うようなことの中で、成功例として、数は少なくても移転を成功させているということがあります。
今申し上げた岩手、あるいはさかのぼって和歌山、熊本、こういう先駆的な成功例があるんですけれども、こういった先駆的な事例をぜひとも各都道府県、市町村に情報共有していただいて防災に生かすということが私は重要かと思っています。
研修をされている、通達を出している、こういうふうに伺いました。ホームページにも掲載している、こういうふうに伺いましたけれども、例えば、ホームページにおいて特別のページを設けて、こういった事例で成功しているというような、そういった先駆的事例を紹介するような取り組みというのはお考えにならないかどうか、教えていただきたいと思います。
○亀岡大臣政務官 今お話にあったように、先駆的事例は物すごく大切であり、過去にもいろいろな事例で、突風のときも、すぐに避難した事例を紹介して、助かった例もあります。
まさに今、いろいろな、熊本の事例もありますので、ホームページだけではなくて、その中に防災ポータルサイトというのを立ち上げまして、今立ち上げてつくっている最中なんですが、多くの事例を集めて、多くの方々に見てもらう、関係自治体にはしっかりとそれを見てもらって、これらの取り組みを通じて防災に関する先進的な模範的な事例をしっかりと理解してもらい、対応してもらえればということで、今鋭意努力をしているところであります。
○杉本委員 ありがとうございます。
福島が地元でいらっしゃって、防災への意識というのは相当お高いと思いますので、今おっしゃっていただいたポータルサイトの事例といったことを大いに早く進めていただければと思いますし、お隣の高木副大臣ともしっかり連携をいただいて、お願いをしたく存じ上げます。よろしくお願いします。
さて、ちょっと時間がなくなってきたので、少し飛ばさせていただいて、避難所の呼び名の問題というのがあったかと思うんですが、避難場所の種類が混在していて、わかりにくくて、誤解して、別の場所に避難してしまったというような報道があったりしました。これも問題だと思っています。
そんな意味から、名称の明瞭化、明確化、呼び名の共有化といったことは全国共通で考えていく必要があると私は感じるんですけれども、津波避難場所、例えば津波、そして土砂災害避難場所、地震避難場所、この三つで済むかどうか私は定かではなくて、ちょっと勉強不足で恐縮でありますけれども、こういった名称を共有化して、国民の皆さんお一人お一人が、これについてはこの場で避難をするんだ、地震がぐらっと来たからこっちだ、いや、雨が降ってきたからこっちだ、こういうような意識を共有していく必要があると思うんですけれども、こういった検討を前向きにお願いするということはできないでしょうか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
平成二十五年に改正された災害対策基本法におきましては、災害の種別に応じまして逃げる場所を決めるというような、避難場所の規定を設けたところでございます。
現在、それがわかりやすく提示されるように、例えば、国土地理院の地図において、どういうものを対象とした避難場所であるかということを明示するような取り組みをしていただいておりますし、現地の誘導看板等につきまして、今、ピクトグラムをどういうふうに設定するかという勉強もさせていただいているところでございます。
今委員御指摘の、名称そのものをわかりやすくというのも貴重な御指摘だと思いますので、よく検討させていただきたいと思います。
○杉本委員 ちょっと繰り返しになりますが、毎年のように大災害が起きていますので、時間は待っていなくて、一刻も早く行うのが政治であるということを、財政的な制約があることもわかっていますけれども、財政の問題も含めて、社会保障の問題も含めて、いろいろなことをどんどん早く進めていく必要があるということをあえて申し上げさせていただきます。
次に、ちょっと気象庁の関係の提案をさせていただきたいんですが、野党の実務者の会議のときに気象庁の方から確認させていただいたかと思うし、党の方だったかもしれないんですが、特別警報というのが、市町村単位で通知はする、しかし、判断は県程度の規模の広さで判断を行ってということを聞いています。一方で、特別警報が出るまではまだ安全なんじゃないかというような国民の特別警報に対する意識というか、まだ周知徹底がされていないという実態があると思います。
そんな意味で、集中豪雨が起きるのと広域での特別警報というのは非常に誤解を招きやすいということを感じるんですけれども、特別警報は名前をつけたばかりでありますけれども、あえて広域特別警報と改めて、一極集中的な雨とは違う警報なんだということを国民の皆さんに知らせておく必要があると思いますけれども、この点については、気象庁として、改めるとかという可能性はないでしょうか。
○西出政府参考人 特別警報につきましては、昨年の八月三十日に運用を開始したばかりでございます。気象庁としては、地元の気象台長が県内全市町村長を個別に訪問してきめ細かい丁寧な御説明をしているところでございますけれども、議員御提案の広域特別警報と名前を改める件につきましては、まだ運用を開始して一年という状況でございますので、まずは普及啓発を最優先に進めてまいりたいと考えております。
○杉本委員 私は国土交通委員会で高木副大臣と一緒に仕事をさせていただいておりますので、国土交通委員会で、気象庁、管轄でございますので、改めて提案を申し上げて、本当に、説明をしている相手は、役所の人に説明していても国民一人一人には届かないので、国民に届くメッセージを出すということが政治であり行政であると思いますので、ぜひともそこは、行政の担当という意識を超えて、国民一人一人を支える気象庁だという意識で、私の言っていることが正しいかどうかは別として、いろいろな前向きな検討をしていただきたいとお願いを申し上げます。
最後、質問として、今回の八木地区八木三丁目の旧地名は蛇落地悪谷という名称であったと民間放送が報じておりましたけれども、旧地域名、溜池という名前があったり、あるいは御殿山という名前があったり、江戸時代の、あるいはもっと前の古い地図を見ると、非常に参考になる名称のつけ方がされて、それを参考に住宅を買われる方もいるというふうに私は感じております。
宅地建物取引業法の中で、宅地もしくは建物の売買、もしくは賃借、こういうたてつけがあって、重要事項を説明しなければならないとありますけれども、この重要事項説明がちょっと形骸化してしまって、重要な情報が伝わっていないと思うんです。旧地域名を例えば重要情報として伝えるとか、そういった工夫はできないのかどうか、これも提案させていただきたいんですが、これを結びとして質問を終わりますが、御答弁いただけますでしょうか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
過去の災害と地名との関係を研究した例というのは数多くございます。今御指摘の蛇落地悪谷というのもそういった事例の一つというふうに伺っています。
ただ、我が国では、地名の変更が大変多くてなかなかわかりづらいとか、あるいは、危険な地名と言われる箇所、いろいろな名称がございますけれども、ほとんど全国を網羅しているぐらいそういう箇所がございまして、そういったもので、それを直ちに使うということについては、少しちゅうちょするところもございます。
居住する地域の災害などの危険性を具体的に判断するためには、科学的なデータに基づいた知見をもとにすることが重要であるということから、今回の被災地につきましても、調査に基づき危険箇所に指定されるということ、そういうことをベースにきちっと伝えていく。重要事項説明においては、そういった災害危険箇所、土砂災害警戒区域等々については重要事項説明の対象となっているところでございます。
それと、加えまして、やはり過去の災害につきましては、先人たちがいろいろな形で、石碑だとか文献だとか、さまざまな形でそういった記録を残してございますので、そういうものを発掘し、それを共有することによりまして地域の防災力を高めていくということが非常に重要だというふうに考えております。二〇一二年の災害対策基本法におきましても、その趣旨が掲載されて改正されたところでございますし、そういった取り組みの充実を図ってまいりたいというふうに思っております。
○杉本委員 御答弁はいいんですけれども、ぜひ、政治の主導で、政府・与党がリードをとって、官僚の優秀な方々の知恵をうまく生かしていただきたいとお願いして、質問を終わります。
ありがとうございました。
○坂本委員長 次に、宮本岳志君。
○宮本委員 日本共産党の宮本岳志です。
ことし八月の台風被害を初めとする各地の豪雨と河川の氾濫、土砂災害は、日本列島に重大な被害をもたらしました。とりわけ広島県における八月十九日からの大雨と土砂災害では、既に死者七十二人、不明者十人という深刻な被害が出ております。
私は、犠牲になられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、不明者の一日も早い救出を心からお祈りをいたします。また、被災された全ての皆様に心からお見舞いを申し上げます。
私ども日本共産党は、八月の二十日、山下芳生書記局長を本部長とする二〇一四年夏・広島等豪雨災害対策本部を立ち上げて、国会議員団が、地元の地方議員とも連携をして、被害の実態をつかみ、現場にも入って、被災者の救援に全力を尽くしてまいりました。被災された方々からはもちろん、関係自治体からも、緊急に求められる御要望などもお聞きをしてまいりました。きょうは、そういったことを踏まえて質問いたします。
まずは、最も甚大な被害が出ている広島県でありますけれども、八月二十六日時点で、六百五十二世帯、千四百四十八名の方々が避難所生活を余儀なくされております。
災害の発生から五日目を迎えた二十四日、自宅が損壊した人を対象に公営住宅の入居の受け付けが始まりました。何戸の募集が行われたか、それに対してどれだけの申し込みがあったのか、同時に、他の公的住宅の活用はどうなっているか、内閣府にお答えいただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
広島県及び広島市におきまして、八月二十四日から二十六日の間に、被災者に対して、県営住宅七十七戸、市営住宅八十戸、合計百五十七戸について共同で入居募集を行いました。三日間で二百八十四件の申し込みがあったと伺っております。
また、これ以外に、国家公務員宿舎、雇用促進住宅等の公的住宅についても提供する方向で検討されていると伺っており、現在、関係機関と活用についての調整を行っていると伺っております。
〔委員長退席、北村(茂)委員長代理着席〕
○宮本委員 公的住宅という点では、UR賃貸住宅で賃貸可能な空き戸数が十戸、国家公務員合同宿舎のあきで四十九戸、雇用促進住宅で広島市内六十八戸、周辺地域で十四戸、合計百四十一戸も、要請があれば順次提供するという報告を受けております。
ただ、現場では、被災者にはまだ先行きを見通す余裕がない。もう怖くて戻れないという人もいれば、できればまた住みたいと、なれ親しんだ土地を追われた被災者の胸中はまさに揺れているというふうに報じられております。これからまだまだふえる可能性もあるわけですね。
公的な住宅の活用はもちろんでありますけれども、現場からは、自宅から遠いところや不便なところでは被災した自宅の片づけに通うこともできないとの声も寄せられております。先ほど答弁のあった公的住宅には、例えば広島市以外の周辺地域も含まれておりますし、大体、広島市と申しましても、市町村合併で、今や随分広大な地域になってしまっているわけですね。
それで、災害救助法では、避難所としてホテル、旅館、民宿の活用、これは可能になっているはずです。現に東日本大震災でも旅館やホテルが活用されておりますけれども、これは事実ですね。
○日原政府参考人 今回の広島市における土砂災害におきましては、避難生活の長期化が見込まれる一方で、小学校に設置した避難所を早く解消し、小学校の授業を開始するということも重要であることから、県及び市におきましては、御指摘のとおり、ホテル、民宿等を避難所として活用することも検討しているところでございます。現在、対象となるホテル等のリストアップ等を行っているというふうに伺っております。
○宮本委員 また、応急仮設住宅、いわゆるみなし仮設、これは民間賃貸住宅の活用が可能であるはずであります。
私はここに「被災者の公営住宅への一時入居について」という国土交通省の文書を持ってまいりましたけれども、東日本大震災では平成二十三年十月十三日時点で六万戸以上の民間賃貸住宅を応急仮設住宅として借り上げているということを紹介して、今後の災害においても被災者向けの仮住まいを確保する手法として有効だと述べております。
今回、民間賃貸住宅の応急仮設住宅としての借り上げは進められておりますか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
広島県におきましては、三つの不動産関係団体と、あらかじめ、大規模災害時においては当該団体から民間住宅の借り上げについての情報提供や円滑な住宅提供等についての協力をいただくような協定を結んでいるところでございます。今回は、その協定に基づきまして協力を要請しているところと伺っております。
また、民間賃貸住宅を借り上げるいわゆるみなし仮設につきましても、全壊等の住家の被害状況の確認、提供可能な近隣物件のリストアップや、貸し主と自治体との契約条件あるいはその契約準備等々、そういったことにつきまして準備を進めているというふうに伺っております。
○宮本委員 旅館、ホテルも活用できる、それから民間の賃貸住宅の借り上げということも可能である、こういう答弁でありました。その準備も進めつつあると。
問題は、この順序なんですね。
まずは公営住宅、次は、URや公務員宿舎、雇用促進住宅などの公的住宅、それで足りなければ民間借り上げ、旅館、ホテルなどというのは最後、こういうふうな対応では私は住民のニーズに応えられないと思うんですね。
これを選ぶのは、行政の都合ではなくて、やはり被災者の皆さんのニーズを第一にする必要があると思います。
高齢者や障害者など生活に困難のある方々は今すぐ旅館、ホテル、民宿などに入っていただく、それから、広島市外の雇用促進住宅にたとえあきがあっても、近くに民間賃貸があってそちらでなければと、自宅から離れるのは不安だとおっしゃる方がいらっしゃれば、直ちにその民間賃貸の借り上げということもしっかり進める、こういう被災者本位の対応が私は必要だと思うんですね。
政府は広島市役所に置いた非常災害現地対策本部に被災者支援チームを設置しておられますけれども、こういう被災者本位の精神で直ちにきめ細かな対応をとる必要があると私は思いますけれども、これは大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
○古屋国務大臣 被災者の住居の提供については、いわゆる公営の住宅、雇用促進住宅、UR等々、それから民間の借り上げというようなことで対応していますけれども、今御指摘のように、障害者の方々に対しては、きめ細かな対応の一環で優先的に割り当てるというようなこと、特に公営住宅の提供に当たってもそういう取り組みはさせていただいております。
例えば、階段の上りおりが不自由なお年寄りについては、一階部分を優先的に割り当てたりとか、エレベーター等々の昇降機能のある物件を提供するなど、きめ細かい対応を市や県に働きかけるということで、現地の対策本部からの指示でそういう取り組みをしているということでございます。
いずれにしても、ニーズに的確に、きめ細かにヒアリングして対応していくことが大切だと思っております。
○宮本委員 ぜひ、被災者の方々の実情に応じて、順序立ても機械的に公営住宅からということではなくて、民間賃貸も含めて、直ちに対策を講じていただきたいと思います。
さて次に、膨大な瓦れきの撤去であります。
現場で救援活動に当たっている人によると、例えば広島市内の可部東六丁目では、民家が道路の前のアパートに押し流され道路を塞いでいる、一刻も早く道路を復旧してほしい、こういう声が寄せられておりますし、道路はもちろんですけれども、家の敷地内に大きな岩が転がり込んでいる、あるいは、隣の家が家にのしかかっている、こういう状況があって、到底個人の力では復旧できない状況があります。敷地内は自己責任というのでは、到底いかないんですね。
そこで、個人の敷地内の瓦れき、それから、流木だけでなく、押し潰された自動車などの撤去も公的な支援がどうしても必要です。また、土砂はかき出したんですけれどもその処理に困っている、こういう声も届いております。これにどう対応するのか、これも大臣にお答えいただきたいと思います。
○西村副大臣 御指摘の点、現場で本当に皆さん困っておられる点でありますので、私から、市長との打ち合わせの中で、市長には、まず、予算のことを気にせずやってください、大きな岩とか膨大な泥、土砂が家の中に入り込んで、とても住民の力だけではできない、ボランティアの方々の力をかりてもできない、そうしたものについてやってください、後でどういう手当てができるか国の方でしっかり対応しますからということを申し上げました。
その後いろいろ調整を重ねながら、環境省が特に中心になって市と連携をしてくれておりまして、被災者の方の負担がない形で、しっかりと国も応援して、やれることになっております。現在、市の環境局が基本的に一元的に撤去するということで、これは加速をしております。各地域にチームをつくって、割り当ててやっております。
本当に、土砂の撤去を急ぎたいと思います。
○宮本委員 個人の力ではどうにもなりませんから、ぜひ、国と地方が力を合わせて個人宅の瓦れき、土砂の処理に総力を挙げていただきたいと思います。
それで、広島では、甚大な被害が出た二十日以降も強い雨が降ったりやんだりという天候が繰り返されておりまして、捜索活動もそのたびに中断または再開、こういう状況を繰り返しております。救助活動に当たっている方々や延べ二千二百人のボランティアが二次被害に巻き込まれることがないように、くれぐれも万全を期す必要があると思うんですね。
これは国土交通省に聞きますけれども、二次被害の対策はどのようになっておりますか。
○池内政府参考人 お答えいたします。
捜索活動等における二次災害防止ですとか、あるいは工事の安全対策のために、土砂災害が発生した渓流のうち、昨日までに、国により十一渓流、県により二渓流におきまして、土石流発生監視のためのワイヤーセンサーを設置させていただいております。このほか、五渓流におきまして、国と県によりワイヤーセンサーを早急に設置する予定としております。
また、捜索活動時の監視における留意点を国土交通省の土砂災害専門家が取りまとめまして、警察、消防、自衛隊に配付、説明をし、二次災害防止に努めております。
以上でございます。
○宮本委員 今御答弁のあったワイヤーセンサー、いわゆる土石流センサーでありますけれども、このサイレンの音が聞こえる範囲というのは半径二百から三百メートルで、音が風に流されたり建物に遮られたりする場合は聞こえないという指摘がございます。
危険の伝達には防災行政無線も活用できるんですけれども、スピーカーで屋外に放送できるタイプの防災無線は、広島市安佐南区の八木地区にはなくて、緑井地区にも消防署にあるだけで、安佐北区の被災地域には五カ所あるんだけれども、担当者は、近くの人にしか聞こえないと語っておられます。
また、雨が降った二十四日午後には、消防隊員らが住民らに避難を呼びかけて、車が通れる地域には消防車も回ったというんですけれども、しかし、自宅の中で土砂を除去していた住民は気づかず、わかっていたら避難した、どこにいても危険を察知できるようにしてほしい、こう語っているという報道があります。
二十五日に安佐南区で出水が発生した際は、市消防のヘリコプターが上空から危険を知らせたんですけれども、市民からは、ヘリの音が大きく、何を言っているかわからなかった、こういう声も寄せられております。
ある消防団員は、広範囲で活動するボランティアらに一斉に危険を伝える手段がないと避難がおくれてしまう、こういう不安の声を寄せておられるわけですね。
ですから、幾ら土石流センサーを設置しても、これが二千人を超えるボランティアや住民に伝わらなければ意味がありません。サイレンの音をぜひ大きくしてほしいと国土交通省には申し上げたんですけれども、サイレンの音を大きくするだけでなく、例えば、屋外に放送できるタイプの防災無線がないというのであれば、緊急にそういう放送設備を設置するなど、危険情報を一斉にボランティアや住民の皆さんに知らせる万全の体制の整備が求められていると思うんですが、これも古屋大臣にひとつ御答弁を。
○亀岡大臣政務官 今お話のあったように、二十五日までにいろいろ問題がたくさん出てきましたので、二十六日に実はボランティアも、警察の指揮下に入るということで、入らせていただきまして、ボランティアの入る区間を限定させていただきました。
それと同時に、先ほど副大臣が申し上げたように、十四の市の民間委託業者が瓦れきの撤去作業に入っておりまして、全部に警察官の目視を入れるということで、目視での不明者の捜索活動をあわせてやっていただいているんですが、全部消防と警察と一緒になって危険対策という見張りをつけることになっておりまして、その場合においては、すぐに危険を知らせる、それぞれが無線で知らせる、現場をそれぞれ区割りで担当しておりますので、そこですぐ知らせるという体制をとっております。最悪の場合には消防車のスピーカーでもう一度鳴らすという体制で、今、危険回避ということを最重点にやらせていただいております。
○宮本委員 ボランティアにはさまざまな方がいらっしゃるでしょうから、私は、警察の指揮下に単純に入るということを、それでよしとするものではないんですけれども、しっかりと、今申し上げたように、ボランティアが二次災害に巻き込まれることがないように、危険が伝わるような対策をとっていただきたいと思います。
広島の災害については、我が党の対策本部の事務局長を務める仁比聡平参議院議員が午後から参議院でも引き続き取り上げます。
今度の豪雨災害は広島ばかりではありません。近畿地方でも甚大な被害をもたらしました。
京都府福知山市では、十七日の午前五時五十分までの二十四時間降水量が三百三・五ミリという記録的な大雨となり、床上床下浸水被害は計二千四百棟以上になりました。局地的な大雨で市街地を中心に内水氾濫が起きたとされております。福知山市の和久市排水ポンプ場の一つが想定を超えた量の雨水で浸水して故障し、排水作業がとまったことが原因とされております。
しかし、その後、市のポンプだけでなく、国土交通省の排水ポンプも雷による停電でとまったことが明らかになりました。
きょうは、この地域のポンプ場の状況も資料でおつけをしたわけでありますけれども、この中にあります荒河という排水機場は毎秒五トンの排水ポンプの一台が六分、もう一台が十分、法川では毎秒四トンのポンプ三台のうち一台が十分間、そして弘法川では毎秒一・二五トンのポンプ四台全てが五十分間にわたって停止をしたということが既に八月二十二日付京都新聞に報じられておりますけれども、これは、国土交通省、事実ですね。
○池内政府参考人 お答えいたします。
国土交通省が管理しております弘法川救急排水ポンプ施設等三施設におきまして、落雷による停電等のため十分から五十分程度一時的に停止しております。
○宮本委員 これはなかなか大きな問題で、毎秒五トンの排水能力を持つポンプが十分間とまれば、三千トンということに計算上はなります。それから四基で五トンの弘法川が五十分間とまれば、これはもう一万五千トンという計算になります。ですから、わずか十分じゃないかとか五十分程度ということでは済まない問題なんですね。
聞きますけれども、国土交通省は、この三つのポンプの停止をいつ公表されましたか。
〔北村(茂)委員長代理退席、委員長着席〕
○池内政府参考人 お答えいたします。
報道機関からの問い合わせについては説明してまいりましたが、公表はいたしておりません。
○宮本委員 こういう重大な事実を公表しないということが不信を生んでいるわけですね。
私は、この問題は、事実の究明としっかりとした検証が必要だと思っております。
今回の内水被害が、観測史上最高という前例のない降水量の結果引き起こされたことは、もう言うまでもありません。福知山市の和久市のポンプ停止は、水没が原因だ、水につかってディーゼルエンジンがとまった、これはもうはっきりしているんですね。
しかし、国土交通省のポンプの故障ですけれども、これについて、故障原因はわかっているんですか。
○池内政府参考人 落雷による停電と聞いております。
○宮本委員 落雷による停電で最長五十分とまったということでありますから、事実をしっかり市民にも公表していただいて、しっかり検証して、今後の教訓にすることが大事でありますし、それから、台風シーズンはもう目前でありますから、直ちに緊急の対策をとらねばなりません、同じような落雷で同じ事態が起こったら困りますから。これもしっかり緊急の対策をとること。
それから、もちろん抜本的には由良川改修の早期完成というのが求められると思うんですけれども、この点について国土交通省の答弁を求めたいと思います。
○池内政府参考人 お答えいたします。
今御指摘ございました由良川におきましては、平成十六年の台風二十三号や昨年の台風十八号による被災を契機に、全川的に緊急的な治水対策を進めており、今後とも事業を推進してまいりたいと考えております。
○宮本委員 ぜひしっかりとやってくださいね。
福知山市では、企業、商店の被害に対する支援も重要です。融資だけでなく、直接財政支援を求める声が多数寄せられているんですね。
福知山市の商工会議所の調査によると、会員千百名中、三百から四百軒が被害を受けた。ある鉄工所は3Dの機械を入れたばかりで一億数千万円の被害を受けたという報告もありました。
福知山市が福知山城とセットで観光の目玉にしている「ゆらのガーデン」という施設がありますけれども、七軒のレストランやスイーツ、雑貨の店が福知山まちづくり株式会社から賃貸で出店しているわけですけれども、今回、全ての店が浸水し、だめになりました。
昨年九月の台風十八号でも七軒中三軒が浸水いたしまして、うち一軒は撤退をしてしまったんですね。昨年の被害で融資を受けて再開したあるレストランは、借金がまだ残っている、今回もまた浸水した、これ以上の借金はもう無理だ、やめるかどうかの選択が迫られている、こう率直に語っておられます。
市当局も、観光の目玉としてきたので、撤退されれば大きな打撃だ、財政支援をぜひともお願いしたいと、切実に要望しております。
こういう声に応えて、やはり、なりわい、生業の支援に踏み出すという必要があると思うんですけれども、大臣、ぜひ御所見を。
○西村副大臣 委員御指摘のとおり、私も、まさにそのお城の周りの観光スポット、市として非常に重点を置いている地域も歩かせていただきまして、その多くの店が、ほとんどの店が、今御指摘があったように、去年に続いてまた被災をし、今回も、去年以上により多くの土砂、水が来たということでありますので、大変な被害を受けております。
御指摘のように、融資等については、できる限りのことをするということで、災害復旧の制度を設けておりますし、相談窓口を設けて、既に三百七十件以上の相談があるようですので、そうしたところで個別に相談に乗っているところですけれども、私から、中小企業庁長官にも、商工会議所の事業とか商店街の事業とか、あるいは既存の予算でもこうした被災地に配慮して優先的な配分などができないのかということでお願いをしております。
できる限り、大変な被害を受けたところの復旧に向けて、全省庁、関係省庁と一緒に協力してまいりたいと思います。
○宮本委員 ぜひ、しっかりとやっていただきたいと思います。
私は、豪雨の災害の直後に兵庫県丹波市に入りまして、現地で、一人が亡くなった前山地区等々の被災の現場をこの目で見て、被災者の皆さんからお話をお伺いしてまいりました。
辻重五郎市長ともお会いをして、要望もお聞きをしてまいりました。辻市長からは、既に災害救助法や被災者生活再建支援法の適用は受けているんだけれども、激甚災害法に基づく激甚災害の指定が受けられるかどうか不安だ、ぜひとも激甚指定をしてほしいという要望をいただきました。
今回の八月豪雨とそれに伴う水害や土砂災害についてですけれども、これは広島はもちろんだと思うんですけれども、福知山、舞鶴、丹波市や高知、それから北海道、こういう地域も含めて激甚指定というものがされることになっておるんですか、大臣。
○古屋国務大臣 激甚災害の指定については、八月二十五日、総理が広島を視察した際に、台風十二号、十一号及び今回の前線による一連の災害について作業を急げ、こういう指示がございまして、今御指摘の丹波あるいは福知山、高知、北海道は、いずれもこれらの一連の災害により被害を受けた地域ということで考えております。
したがって、現在、関係省庁においてどれぐらいの被害状況なのかの把握を急いでおりまして、その結果を受けて適切に指定をしてまいりたいというふうに思っております。
○宮本委員 ぜひ急いでいただきたいと思います。
市長からは、同時に、国道百七十五号線の早期復旧、崩落した八日市橋の改修という要望が出されました。国土交通省に来ていただいておりますが、これらについては、どうなっておりますか。
○池内政府参考人 お答えいたします。
道路管理者でございます兵庫県では、現在、被災の原因や被害状況の調査に着手しておりまして、再度災害防止のための復旧工法の検討を行い、早期に、今の見通しでは百七十五号は秋ごろ、それから八日市橋については来年夏ごろまでに完了させる予定であるというふうに聞いております。
国土交通省といたしましても、早期復旧に向けまして、技術的助言を行いますとともに、災害復旧事業の査定の迅速化を図るなど、県の意向を十分にお伺いしながら、しっかりと支援してまいりたいというふうに考えております。
以上でございます。
○宮本委員 秋、そして橋については来年夏ということでありますけれども、現在、この国道被害に対応して、迂回路として舞鶴若狭自動車道の春日―福知山間は無料措置が始められております。
私は、この措置は、当然、橋の改修が終わる来年夏なら来年夏まできちっと続けるべきだ、こういうふうに思うんですけれども、少なくとも、県や市、NEXCOとの協議が調うまではきちっと続けていただける、これは大丈夫ですね。
○深澤政府参考人 お答え申し上げます。
今回の無料措置につきましては、並行する一般国道百七十五号の通行どめによりまして、兵庫県及び京都府からの御要請がありまして、NEXCO西日本が八月二十六日の十六時から緊急的に措置しているものであります。
その終了時期につきましては、今後の通行どめあるいは迂回路の状況等を踏まえまして、兵庫県それから京都府及びNEXCO西日本におきまして調整をした上で、最終的にNEXCO西日本の方で決定されると考えております。
以上です。
○宮本委員 ぜひ住民の声をしっかり踏まえていただきたいと思います。
農業被害も大変深刻なんですね。
きょうはお手元に、私自身が撮ってきた写真をおつけいたしました。資料の二枚目、これは、原っぱのように見えておりますけれども、近くに寄ってみますと、三枚目の写真のように、せっかくたわわに実った稲穂が土砂の間から顔を出しているという、もう本当に胸の潰れるような状況があります。このような状況がそこかしこに丹波市でも見られました。農業被害も極めて深刻です。
それで、激甚災害の指定がされれば農地については復旧のための支援がいろいろとされるというふうに思うんですけれども、こういった農業被害、農地被害、大臣、これはどういう形で進められるか、お答えいただけますでしょうか。
○古屋国務大臣 激甚災害については、基本的に、地方公共団体が行う公共の土木施設と、もう一つ、農地等の災害復旧事業に対する国庫補助率のかさ上げがございます。
農地等の復旧については、田畑の土壌の流出とかため池や水路、農道の破損等にかかわる災害復旧事業において、通常は六割から八割の国庫補助でございますが、激甚災害指定によってさらに一割から二割かさ上げをされる、こういう制度でございます。
○宮本委員 これからの課題だと思いますが、しっかりお願いいたします。
最後に文部科学省に聞いて、終わりたいと思うんです。
私は、丹波市の前山地区に入った際に、被災した前山小学校にも行って、校長先生からもお話を聞きました。校庭が土砂で埋まり、重機が入っておりましたが、そのときやっていた工事は、運動場の整備ではなくて、行政の要望で、ひとまずボランティアの方々のための駐車場に整備すると言っておりました。
広島でも東日本大震災でも、甚大な災害が起これば学校が避難所の設置など地域のために協力するのは当たり前でありますけれども、しかし同時に、間もなく、九月になれば子供たちの授業が始まります。ひとまず駐車場にすることはやむを得ないにしても、子供たちが安心して運動場を使うためには、下水のまじった水や泥が入った可能性がある以上、やはり、表土を削ったり新しい土を入れるなどの安全対策が必要です。
学校の復旧のために支援に全力を尽くしていただけるかどうか確認して、質問を終わります。
○関政府参考人 降雨等による土砂災害で土砂の流入等の被害を受けました学校施設についてでございますが、被災した公立学校施設の復旧につきましては、公立学校施設災害復旧費国庫負担法等によりまして国庫補助を行っております。
また、災害復旧事業につきましては、国による現地調査を待たずに復旧工事に着手することも可能となっておりますので、文部科学省といたしましては、引き続き、的確な被害状況の把握に努めるとともに、被害のありました学校施設の早期復旧に向けて、支援に万全を期してまいりたいと考えております。
○宮本委員 ありがとうございました。
以上で終わります。
○坂本委員長 次に、小宮山泰子君。
○小宮山委員 今回、まずもって、最初に、平成二十六年、梅雨からの大雨、そしてこの平成二十六年八月豪雨により災害に遭われましてお亡くなりになられました皆様方に心からの御冥福をお祈りいたしまして、そして、被災された皆様に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
今回、この災害は本当に長期にわたるものでもございます。その間、お盆の前からではありますけれども、総理が、ゴルフは精神的にリフレッシュされるということで何度も行かれている。そういう中で、四国のときにもそうですけれども、リフレッシュされるのも大切でありますけれども、やはり、人命が失われた災害のときにはいち早く動いていただきたい、そういう思いがございました。
今回、広島の豪雨のときには、甚大な雨量というものが想定された中でもありました。最終的にはお戻りになられて、行ったり来たりという非常にわかりづらい行動もされましたが、何よりも心配になりますのは、総理の周辺に、今コースに出てゴルフをやっているときではない、早く官邸に戻れ、そういったようなことをおっしゃる方がいなかったのか。そういった環境に、外の意見やそういった心配をされる方が総理の周辺にいらっしゃらないということに非常に私は危機感を持ちますとともに、やはり、国民との、感じ方、そういったものに対して、危機感、対処するというところに、乖離を感じてなりません。
これからも、この点に関しまして、私ども、野党ではございますけれども、やはり、国民の命を守る、そういった対応におきましては、苦言ととられるかもしれませんけれども、しっかりと意見を述べさせていただく。日本国の総理、一人しかおりません。その対応をとっていただけるように、御忠告をさせていただきたいと思います。
さて、連日、若い御夫妻が避難できずに命を落とされたなど、本当に大変つらい報道がなされております。
その中において、少しほっとするような記事がございました。私が読みましたのは、毎日新聞の八月二十五日の記事でございます。広島の土砂災害で、殺処分寸前だった救助犬の夢之丞が御遺体を発見したという記事であります。
今回の広島市を初め、災害の現場においては多くの救助犬が活躍をしています。また、世界におきましても日本の救助犬が活動している。政府におきましても、海上自衛隊や、また航空自衛隊におきましても、補助犬というんでしょうか、犬というものが活用されております。
このような、人間にはわからない救助の仕方、活動ができる災害救助犬の現状について、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
いわゆる災害救助犬とは、地震などによる家屋崩壊現場での被災者捜索など、災害時における人命捜索活動等を行う犬のことであるというふうに認識しております。
我が国では、一部の警察犬等が災害救助に対応しており、その頭数は、警察犬が五十七頭、防衛省所属の警備犬が二頭となってございます。今回の広島市の災害におきまして、八月二十六日までに延べ二十六頭が活動しているところでございます。
また、さまざまな民間団体が救助犬の保有、認定、育成等を行っております。
手元の資料によりますと、各団体のホームページによりますと、例えば、ジャパンケネルクラブでは二百十三頭を認定し、災害救助犬ネットワークでは四十四頭を保有ですか、こういうような記載がございます。そのほかの団体もございます。
地方公共団体によっては、これらの民間団体と個別に協定を締結いたしまして、合同で訓練を行うなどの取り組みを行っております。
今回の広島市の災害におきましても、八月二十六日までに、民間のボランティア団体の救助犬延べ百八頭が活動しているところでございます。
○小宮山委員 多くの災害救助犬が活躍しているということでもありました。
先ほど御紹介いたしましたけれども、救助犬の夢之丞の記事でありますが、殺処分寸前だったところをNPOスタッフに引き取られて、訓練を重ねてきて、今回、初出動だったということでもあります。
この犬を飼われている方の言葉の中で大変印象的だったのは、命の大切さを知る夢之丞がその力になれればと、今回も、一刻も早く被災者の方々、そういった方を見つけてあげたいと活動に参加されたと聞いております。
このように、命をしっかりと助けるということ、これは多くの方々の同じ思いだと思っております。
現在も犬、猫など殺処分が行われている中で、このような第二の人生、新しい使命というものを帯びて、生きるということの大切さというのを教えてくれるこの災害救助犬のあり方。また、殺処分というものをゼロにするという運動は、今全国で広がっております。
この点に関しまして、政府としてどのような取り組みをされているのか、お聞かせいただければと思います。
○牧原大臣政務官 お答えをいたします。
動物の殺処分ですけれども、関係者の御努力によりまして、また、議員の先生方でも、先生を初め多くの皆様のお取り組みによりまして、平成十六年には三十九万五千頭殺処分されていたものが、平成二十四年度では十六万二千頭と、およそ六割減っているところでございます。
しかし、まだ十六万二千頭も殺処分をされている動物がいるということで、昨年の十一月、私のもとで、人と動物が幸せに暮らす社会の実現プロジェクトということで、殺処分をできるだけ減らしていこうと、そして、ことしの六月にそのアクションプランを発表させていただいて、殺処分ゼロを目指して取り組んでいこうという発表をさせていただきました。
この中で、さまざまモデル事業を取り入れたりということでいろいろな施策に取り組ませていただいていますが、一つの柱として、先進的な取り組みをみんなに紹介して一緒にやっていこうということがあります。
先生御指摘の災害救助犬の活躍というのは、やむなく保護された犬や猫が第二の人生という形で活躍をされた大変大切な事例だと思っておりますので、ひとつ全国に紹介をしていきたいというふうに思っておりますし、また、保護された犬や猫を活用していくというやり方、実はこのプランの中でもセラピードッグやプリズンドッグといったものは紹介しているんですけれども、災害救助犬というあり方も大変大切な活躍の場だということで、これを検討し、前向きに取り組んでいきたいと思っているところでございます。
○小宮山委員 牧原政務官のこの話は、実は埼玉で御一緒でございますので、御答弁もございましたし、私自身も、殺処分ゼロに向けての議員連盟のメンバーとして、これから活動させていただきたいと思います。
本当に被災地、特に東日本大震災のときにも、飼うことが困難になったということで、どうしても手放さなければいけないというような現実もございます。家を出てくるときに置いてきたペットたち、家族という動物たちというものをきちんと人間が責任を持って一生面倒を見る。当たり前のことかもしれませんが、それが今できていない現実。
しかし、第二の人生として、このような形での活用、また生き方というものもあるんだと思います。ぜひ、殺処分ゼロを目指して、政府一体となって、民間も含めまして一体となって活動していただくことをお願いいたします。
さて、また新聞記事からではございます。というのは、今回の被災地、本当に甚大な被害を受けております。私自身は、そういう意味では、まだ全体像がわからないという中でもございますので、落ちついてからしっかりと拝見をさせていただくのが筋かと思い、被災地に行くことは御遠慮させていただいておりますが、その中で、新聞記事というものも大変参考にさせていただいております。
この中の一つに、読売新聞の八月二十六日、北海道礼文島での記事が気になりました。それは、道が町に避難勧告を出すように促したにもかかわらず、町が、対応し切れないなどと、避難勧告の発令を見送っていたことがわかったという記事であります。
避難勧告を出すべきときだったのかもしれませんが、町の職員約百人の大半が午前中からの浸水被害の対応に追われていたということで、本当に、地域においてその対応ができない自治体が出てくるというのも現実だと思います。
東日本大震災のときもそうでありました。こういったときに、どうやって自動的にでも対応できるようにするのか。過疎地域、人口が少ないところでは、その地域だけでは、自治体だけでは対応できないということも現実に起こってきたということを、この記事を読みながら実感をしたところでございます。
このように、過疎地域、限界集落など、防災対応、災害対応が困難な地域について、この後どのように政府として対応されていくのか、どのような検討がなされているのか、お聞かせください。
○西村副大臣 大変重要な御指摘をいただいたと思っております。
礼文島、礼文町は職員が百五名と聞いておりまして、限られたそうした人的資源の中で、大きな災害が起こったときにどう対応するのか、防災力をどう強化していくのかというのは、大変重要な課題だと思っております。
もう御存じだと思いますけれども、災害対策基本法、災対法の中で、自治体間で相互応援業務、そういうものを強化していこうという規定を設けたり、あるいは、このケースでは道ですけれども、都道府県や国からの応援も行うという規定を設けているところであります。
もちろん、基礎自治体が防災対策の一番の最前線でやっていただかなきゃいけませんので、防災力の向上という観点から我々は研修も強化をしてきているところでありますけれども、小さい自治体で、しかも離島ということでありますので、すぐに対応しにくい状況だったと思います。
今回こうしたことも検証しながら、こうした大きな災害が起こったときの過疎地あるいは離島の対応についても、今後、しっかりと検討し、対応していきたいというふうに思います。
○小宮山委員 ぜひ、対応というか、検証もしっかりしていただきたいと思います。
また、各地域での協定、福島の被災のときにはそういった協定を結び、大変有効に支援物資が届けられたという話もございます。そういったことも奨励をする、後押しをするような制度、また、先日、野党九党におきましての防災の政策担当者の会議がございましたが、やはり、必要な法改正は私どもも提案をさせていただきたいと思います。
さて、土石流や水害を考える際に、海側であれば海からの津波、そして今回では、山の津波というような非常に大きなことが起きたんだと考えております。山際に近い住宅地におきましての建築構造について大変考えていかなければならないのではないかという思いもしております。
また、今回、土砂災害防止法ができたきっかけともなった広島での再度の災害でもございます。この点に関しましては、建築のあり方というものも大変重要かと思っております。
山が迫った地域での建物、また水際とかでは、ピロティー方式に準じるようなこと、力を分散させるというものも有効であったという話もございますし、また、日本建築学会東北支部長の、そういったピロティー方式の有効性というものも提言されたようでもあります。また、建築学会の方からも、一九九九年ですか、土砂災害防止法ができたときの教訓が生かされていなかったことが大変悔やまれるというようなコメントもあったかと思います。
そういった中におきまして、今後、このピロティー方式、建築というものが全国一律ということでは対応ができないという地域ができてきたんだということを、今回の災害を見ておりまして感じるところでもあります。
この点に関しまして、どのような検証がなされるのか、今後どのような対応をされていくのか、伺わせていただきたいと思います。
○橋本政府参考人 お答え申し上げます。
土砂災害に強い建築物の構造基準につきましては、土砂災害特別警戒区域内で想定される土砂災害の衝撃に対して建築物の破壊を生じさせないという観点から、建築基準法施行令等で具体的に定めておるところでございます。
この基準におきましては、居室を上階のみ、二階以上のみに配置する場合には、まず、土石流による力が作用する場所以上に居室があること、それから、柱、はり、基礎を鉄筋コンクリート造として、その寸法や鉄筋の量を土石流の力に耐えられるものとすること、それから、柱の中心間距離を四メーター以下とすることなどの措置を講じた場合には、議員が御指摘されておりますピロティー形式でも土石流に十分耐えられるものとして規定をしております。
これは、地域によりまして、例えば、土石流の圧力がどれぐらいのものになるかというのは個別に判断をしなければなりませんけれども、こういうピロティー形式の構造も含めて、今後、土砂災害に強い建築物の構造基準の周知を図ってまいる所存でございます。
○小宮山委員 ありがとうございます。
今回、これは広島の方から言われた言葉ではありますが、海の津波に対しての山の津波とも言えるような状況だという表現をいただきました。埼玉におりますので、なかなかその点は実感をするのは難しいところではありますが、本日、先ほども質疑の中で出てまいりましたが、その土地の持つ特性というものが地名になっていた、こういったことを忘れないということが今後も大切なのかなというふうに思いますし、また、土地によって避難の仕方というものが違うということも実感をいたします。
今回、特に夜間の豪雨ということで、暗い中での避難所への移動というのは大変厳しいものがあったのではないかという思いもしております。暗い中で、豪雨の中で避難をしろといっても、やはり、その中に出ていくということは危険を伴うということでもありますので、避難所に向かうというのは難しかったんだというふうに思っております。
また、豪雨の中では防災の放送などが聞こえづらいなど、問題点もあるかと思います。
さまざまなこの観点に関しましてさらに検証を加えていただくことによって、より安全に避難ができる体制というのを経験からしっかりと私たちは学ばなければならない。特に、今回のような山の津波であれば、さまざま記事にもありますが、二階以上への避難をすることなどというのも随分と提言もされているようでもありますし、そういった命を取りとめた方々の実例というのもあるかと思います。
こういったことも含めまして、ぜひ今回の災害を生かしていただくことを心から要望させていただきます。
さて、この点に関して、今、避難生活を送っている方がたくさんいらっしゃいます。その中においては、避難所での居住環境というものが、時間がたつにつれ、大変厳しいものになっているというふうにも伺っております。
広島では学校が八月二十八日ぐらいから普通は始まるとも聞いておりますが、そういった中でのプライバシーの確保であったり、また、床に直接布団、毛布を敷いている中でインタビューを受けている被災者の方々の映像というのを見させていただきますと、東日本大震災のときもそうでしたが、本当に、時間がたつとともに、家に戻れない、そういった精神的なつらさとともに、体にも大変大きな負担をかけている。これを少しでも取り除くということが政治の責務ではないかというふうに感じております。
私どもは、東日本大震災の中から、大きな犠牲を払いましたが、多くを学ぶこともしてまいりました。この知恵というもの、福島のビッグパレットでの、やはり個人を大切にする、そういった空間をつくるなど、建築家の坂さんが提供されたそういった施設なども今までもあり、一定の効果を得たということは聞いております。こういった、避難所の居住空間の改善への取り組みと精神的ストレスのケアが今後重要な課題となってまいるかと思います。
これまでの災害の事例を踏まえ、どのように取り組んでいかれるのか、お聞かせください。
○西村副大臣 御指摘のとおり、避難所にまだ約一千三百名の方が避難しておられまして、本当に苦しい中で生活をしておられる。その生活環境の改善も我々大きな課題だと思っておりまして、安倍総理が視察された後、御指示をいただき、被災者支援チームを立ち上げて、県、市と一体となって、そこで、さまざまなニーズ、避難所にあるニーズを全て吸い上げながら対応していくという動きを加速しているところであります。
具体的には、御指摘のあったプライバシーの観点からも、間仕切りの整備であるとか、それから簡易なベッドも幾つか入っておりまして、これもできるだけたくさん入れたいと思っておりますし、マットは、かなりの程度、もう確保しております。
それから、入浴サービスも、三十分離れたところに行かなきゃいけなかったところも、一番大きな梅林小学校で自衛隊が二カ所目の入浴支援を行ってくれておりますし、できる限り改善に努めているところであります。
今、避難所として旅館、ホテルが使えないかということで早急に調査、調整をしておりまして、できる限りよい環境で避難できるような体制を整えたいと思います。何より住宅の確保が大事でありまして、先ほど来お話しのとおり、もう既に公営住宅は申し込みもいただいておりますけれども、できるだけ早く住宅を確保して、将来が見えるような形にしていきたいというふうに思います。
いずれにしても、現地本部と政府の本部、それから県、市と、一体となって被災者のニーズにしっかりとお応えしていきたいというふうに思います。
○藤井政府参考人 精神的なケアにつきましてお答えをさせていただきます。
東日本大震災に際しましては、各都道府県、指定都市の心のケアチームが被災地の心のケアを担ってきたところでございますが、こうしたチームが広く災害全般に対応できますように、事前の体制整備といたしまして、被災地域の精神保健医療ニーズの把握でございますとか、あるいは被災者に対する専門性の高い精神科医療の提供等につきまして、被災自治体の派遣要請に基づいて行ってまいります災害派遣精神医療チーム、いわゆるDPATを各都道府県、指定都市に設けていただくように推進をしてまいっておるところでございます。
今回の広島県の土砂災害につきましては、広島市からの要請を受けました広島県の方がDPATを避難所ごとのニーズに合わせまして順次派遣をいたしまして、避難所の保健師の活動と連携をしながら希望者等への診察を行っているところでございます。
今後につきましては、過去の災害の経験等から申しますと、精神的なケアは中長期的な支援が必要だというふうに認識をしておりますので、厚生労働省といたしましては、引き続き広島県の方と密接な連携をとりながら、精神的なケアにつきましても必要な支援を行ってまいりたいと考えております。
○小宮山委員 ありがとうございます。
今回、精神科というんでしょうか、そういった専門のチームをつくって送られているということでもあります。大変重要なことでもありますし、今までの経験というものを生かされるんだと思います。これに関しましては、かなり長期になるかと思いますけれども、ぜひしっかりと県と、市もそうですけれども、対応していただきたいと思います。
先ほど西村副大臣の方からもございましたし、本日も何度も出ておりますが、また、私ども災害対策特別委員会で昨年行った埼玉県などの竜巻被害のときにも、被災した自分の家の近くにいたいということ、これの支援というものがなかなか、県の方の負担というのがあればできるわけですけれども、空き家の活用というもの、特に今回でいえば、もう既に空き巣被害が出たという中においては、できるだけ近くにいたいという思いは大変よくわかるものでございます。
やはり心配を少しでも減らすことが今後の復興のスピードにもつながってくるんだと思いますので、通告はしておりませんけれども、ホテル、旅館などは、災害協定等さまざまなことでいつも御協力を団体の方々にもしていただいておりますけれども、それとあわせて、不動産関係のところも御協力いただいているものですから、空き家を有効に、被災者の方に入っていただく、学区の問題もございます、この点に関しまして改めて御決意のところを聞かせていただければと思います。
○古屋国務大臣 あらゆる手段を尽くして被災者の支援をしていく。大切ですね。
実は不動産協会にも、災害対策本部、現地対策本部からも要請をさせていただいて、民間の借り上げ、そして、あいている住宅はできるだけ提供していただきたい、こんなきめ細かな取り組みもさせていただいておりますので、ぜひ御認識をいただきたいと思います。
○小宮山委員 御協力いただきます大家さんや協会の皆様に、本当に心から感謝申し上げます。
また、それが現実となって、一刻も早く被災者の方々が復興復旧される環境に入られるということを望んでおります。
さて、多くの方々が、今はまだ広島県の中だけということになっておりますけれども、ボランティアの方が入っていらっしゃいます。やはり、みずからの健康はみずから守る。いろいろな物質が浮遊している中でもあります。そういった心得なり、恐らく現地のボランティアセンターの受け入れの方々も大変御苦労されていると思いますので、その支援も含め、また、そういった方々に対しどのような情報提供をされているのかも含め、簡潔にちょっとお聞かせいただければと思います。
○谷内政府参考人 お答え申し上げます。
ボランティア参加者の二次被害、健康被害を未然に防ぐための対策等のお尋ねでございますけれども、活動を支援しております災害ボランティアセンター、これは市の社会福祉協議会が運営しておりますけれども、参加者の安全確保に最大限配慮しているところでございます。
具体的には、ボランティアの募集に際しまして、二次被害のおそれがある危険な地域に立ち入ることがないよう、各区のボランティアセンターで受け付けをしてから活動に参加する、また、活動に当たりましては、健康被害防止の観点から、マスク、軍手、長靴等を持参することなどをホームページで事前に呼びかけております。また、受け付けの際にも同様の案内を行っているところでございます。
また、ボランティア活動を行うに当たりましては、避難指示地域、避難勧告地域についてはボランティアを派遣せず、また、活動中に雨が降ったり落石があった場合には作業の中止を呼びかけることとしておりまして、二次被害防止の観点から、現場で活動する警察や消防の指示を受けつつ、安全確保を最優先に活動を行っていただいているところでございます。
以上でございます。
○小宮山委員 多くの方の善意そしてお力をおかりいたしまして早く復旧されるということ、一人ではないんだというその思いがボランティアの皆様とともに共有されることを願っております。
さて、最後になってまいりましたけれども、昨年、国土強靱化法をこの委員会におきまして通過させました。これは、大規模災害に対する教訓を生かし、そして未来につなげていくということで、生活の党も、法案の提案者であり、また賛同もさせていただきました。
しかし、最近なんですけれども、とある自民党の議員さんが、力の誇示というんでしょうか、こういう法案があればできるんだというような何か自慢話のようなことを大きな声でされていたというのを聞いた方が、大変おごりではないかという苦言を言っておりました。
私も、法案を提出した側としては大変残念でもありますし、このような法案の趣旨というものを理解されていない議員さんがいるんだということが大変悲しく思われました。
しかし、一方で、ばらまきという非難がつきまとうのも、この法案の現実でもございます。
今回わかったことは、全国的に見ても、土砂災害防止法があって、危険箇所が国交省の調査でも約五十二万カ所に上った上、三分の一はまだ未指定になっているということ。やはり、こういったことを早く解消する、そういったことが国土強靱化につながるんだと思っております。
また、指定されれば不動産価値が下がるという住人の懸念というのも理解はできるんですけれども、やはり、命にかえられるものではございません。
この点に関しまして、強靱化法に準じてとったんだと言われた議員がいるかもしれないけれども、予算案を見てたどっていったら誰々議員なんていうようなことのないように、しっかりと優先順位をつけ、見ていただかなければ、国会で多くの議員が党派を超えてこの災害に対して当たっているのに冷や水をかけるようなことになりかねません。
ぜひ、この点に関しましては、防災担当でもございますが、国土強靱化の担当大臣としても、今、概算要求に今回の八月豪雨の予算というものはなかなか入れられないかもしれませんが、組み替えも含め、さまざまな対応、あらゆる手段がとれるんだと思います。担当大臣としての今回の被害に対しての御決意をお聞かせいただき、午前中の最後とさせていただきます。
ありがとうございます。
○古屋国務大臣 日本は災害が多い国ですけれども、それに打ちかつことが重要ですね。
国土強靱化と防災というのは、ある意味で両輪だと思います。
基本法と、それから強靱化基本計画をつくりました。人の命を守る、致命傷は負わせない、被害を最小限に食いとめる、そして速やかに復旧をさせる、この四つの目的のためにソフト、ハード両面で政策に優先順位をつけて取り組んでいくということでございます。私は、これもまさしく防災と考え方は共通のものであるという認識をしております。
今回もいろいろな課題がございました。例えば、避難勧告が遅かったのではないかとか、あるいは気象情報が正しく伝わったのかどうか、それから、土砂災害の指定が、危険区域、いわゆるイエローゾーン、レッドゾーンの指定が遅かったのではないか、こういうような課題もございましたので、しっかり、こういった課題を一つ一つクリアをして、教訓として、さらに強い国土、そして地域、企業体をつくっていくということが私たちの責務だと思います。
委員のお考えもしっかり真摯に聞きながら、今後とも対応していきたいというふうに思います。
○坂本委員長 本日は、これにて散会いたします。
午後零時四十六分散会