衆議院

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第3号 平成26年10月10日(金曜日)

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平成二十六年十月十日(金曜日)

    午後一時四十分開議

 出席委員

   委員長 梶山 弘志君

   理事 泉原 保二君 理事 林田  彪君

   理事 平口  洋君 理事 福井  照君

   理事 松本 文明君 理事 泉  健太君

   理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君

      井林 辰憲君    井上 貴博君

      大岡 敏孝君    大見  正君

      金子万寿夫君    神山 佐市君

      木内  均君    工藤 彰三君

      笹川 博義君    清水 誠一君

      高鳥 修一君    武部  新君

      冨岡  勉君    中川 俊直君

      藤井比早之君    藤丸  敏君

      務台 俊介君    湯川 一行君

      吉川  赳君    大畠 章宏君

      菊田真紀子君    津村 啓介君

      中川 正春君    細野 豪志君

      井出 庸生君    鈴木  望君

      浮島 智子君    漆原 良夫君

      濱村  進君    中丸  啓君

      西野 弘一君    山内 康一君

      高橋千鶴子君    小宮山泰子君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       山谷えり子君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  藤山 雄治君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   日原 洋文君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議官)           磯谷 桂介君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房参事官)           金丸 康夫君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局次長)           小林 祐一君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           杉藤  崇君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        池内 幸司君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            吉田 雅彦君

   政府参考人

   (気象庁長官)      西出 則武君

   政府参考人

   (環境省大臣官房審議官) 中井徳太郎君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   鎌形 浩史君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石上  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月十日

 辞任         補欠選任

  武部  新君     中川 俊直君

  吉田  泉君     細野 豪志君

  柿沢 未途君     井出 庸生君

  濱村  進君     漆原 良夫君

同日

 辞任         補欠選任

  中川 俊直君     武部  新君

  細野 豪志君     津村 啓介君

  井出 庸生君     柿沢 未途君

  漆原 良夫君     濱村  進君

同日

 辞任         補欠選任

  津村 啓介君     吉田  泉君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件


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     ――――◇―――――

梶山委員長 これより会議を開きます。

 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官藤山雄治君、内閣府政策統括官日原洋文君、文部科学省大臣官房審議官磯谷桂介君、農林水産省大臣官房参事官金丸康夫君、農林水産省農村振興局次長小林祐一君、国土交通省大臣官房審議官杉藤崇君、国土交通省水管理・国土保全局長池内幸司君、観光庁観光地域振興部長吉田雅彦君、気象庁長官西出則武君、環境省大臣官房審議官中井徳太郎君及び環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長鎌形浩史君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

梶山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。泉原保二君。

泉原委員 私は、自由民主党、泉原保二でございます。

 まず、当委員会のトップバッターとして質問させていただくことを本当に感謝しております。また、今現在、歯の治療をしておりまして、非常に聞き取りにくいところがあれば、どんどん言ってください。お答えします。

 「木曽の御嶽さんはナンジャラホイ 夏でも寒いヨイヨイヨイ」と歌にありますように、我々の年代におきましては、木曽の御嶽といえば、本当にもう納涼の最たるものでございまして、ファンもかなりおるわけでございます。

 ところが、このたび、あっと一瞬に牙をむきまして、ファンというんですか、山にいそしむ皆さんの命を奪う。五十五名に今達しておりますが、あとまだ八名がおられるということでございます。だけれども、まだまだ出てくるんじゃないかということで、私は本当に危惧しておるわけでございます。

 我々の兵庫県におきまして、阪神大震災がございました。来年の一月十七日で、もう丸二十年になります。その体験もきっちりいたしまして、その上、最近では、台風の十一号、十二号におきまして、広島県、地元の我々の兵庫県の丹波地区、隣の京都の福知山、それから高知を初め四国の全県におきましても被害をこうむったわけでございます。もうこれで終わりかな、こう思えば、また十八号が来まして、横浜の方で崖崩れがあり、数名の方が亡くなったと聞いております。

 忘れたころに災害が来るという昔からの話がありますが、今は、本当に次から次へと災害が降り注いできます。今回の御嶽山も、この禍災によって亡くなった方に対して、また、被害をこうむった家族の皆さんに対しても、心よりお見舞いを申し上げる次第でございます。

 さて、これからもこういう災害が頻繁に起こるだろうということを、新聞紙上、またテレビでも放映されております。今回の御嶽山の被害に遭遇いたしました皆さんはもとより、こういう予想もしていなかったというようなことを聞いております。

 まずお聞きしたいのは、なぜこのような大惨事になったかということをお答え願いたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 今回、大変大惨事になったわけでございます。ただ、火山現象としての噴火レベルとしてはそれほど大きなものでなく、こんな大惨事になったというのは、やはり、登山客が大変多かったということと、噴火が突然というか唐突に起こったということだろうと思います。あわせまして、紅葉シーズンであったとか、天気がよかったとか、土曜日であったとか、昼食時であったとか、そういった意味での悪条件が重なったせいであろうというふうに考えております。

泉原委員 ところが、過日、元気象庁長官、並びに昨日のテレビの放送で、ニュースで見たんですが、名古屋大学の山岡耕春という先生、また北海道大学の岡田弘名誉教授がいろいろ申されております中に、既に九月の十一、十二日におきまして、その兆候があった、こう申されております。といいますのは、低周波地震といいまして、学問ではそういうふうに申すらしいんですが、それが如実にあらわれておった、だから、レベル1からレベル2を指示するべきであった、このようにおっしゃっております。

 これに対して、どういうふうに答えますか。

西出政府参考人 火山噴火の予測は、地震計による火山性地震や火山性微動の観測、傾斜計及びGNSSによる地殻変動の観測、遠望カメラによる噴気等の状況の観測を行いまして、これらの観測データを、過去の噴火の際の観測データをも考慮して、総合的に判断することにより行うものであります。

 今回の御嶽山の噴火につきましては、委員御指摘の九月十日から十一日にかけて火山性地震が増加しておりましたが、まず、地殻変動や噴気に変化が見られませんでした。また、火山性微動が発生しておりませんでした。さらに、火山性地震の回数が二〇〇七年のごく小規模な噴火のときと比べても少なく、また、十二日以降減少したこと、これらのことから、警戒レベルを引き上げる判断には至りませんでした。

 現在の火山に関する知見、予測の科学的水準では、今回のような水蒸気噴火については噴火の予兆の把握は極めて困難であります。また、一時的な火山性地震の増加は、噴火が起こらない場合でも数多く見られる現象であり、このことから、今回の御嶽山の噴火は、噴火警戒レベルの引き上げが難しい事例であったと考えております。

泉原委員 いろいろ述べられましたが、要するに、今、日本列島は、大きな地震、また津波、台風、水害、いろいろなことが起きておりまして、火山の爆発ということをちょっと一時的に怠っていたような感じが私はするわけであります。しかし、無理もないことでありますので、これ以上質問は控えたいと思います。

 ただいま、木曽の御嶽の噴火と、それから過日の広島市の土砂災害、これにおきましても七十四名という住民が犠牲になっております。また、兵庫県におきましても、丹波地域、西脇地域も水害に遭いました。福知山も町全体が水浸しになるような、非常に大きな災害でございました。過日の十八号では、横浜市においてもそのような山崩れがありまして、とうとい人命がなくなった、こう聞いております。

 今いろいろ、ことしに入ってからの災害に対しての進捗状態はどのようになっておりますか。

日原政府参考人 災害の発生状況ということでよろしゅうございましょうか。

 そういう意味では、ことしに入りましてから、主なもので申しますと、二月に関東甲信地方で大雪があり、梅雨どきにおきましては長野県の南木曽地区で土砂災害が発生し、その後、特別警報が出るような台風も参った後、先ほどの台風十二号、十一号と続きまして、高知県、徳島県を初め各地で大きな災害を引き起こしました。その後、広島県におきまして土砂災害が発生し、御嶽の災害、それから先ほどお話がございました十八号による被害というようなことで、次々とさまざまな災害が連続して起こっている状況にございます。

泉原委員 私が質問しているのは、今現在の、その災害に遭ったところのいわゆる復旧復興の状態がどうなっているかということです。

日原政府参考人 主なところで申しますと、やはり広島が一番中心になろうかと思いますけれども、広島地区におきましては、現在、復旧復興に向けまして、一つは、土砂の排除等を行うと同時に、砂防施設等の施設整備計画について策定中であるとか、あるいはまた、将来の町づくりをどうするかということについて市の方で検討している最中であるというふうに聞いております。

 国におきましては、激甚災害等の指定を行っておりますので、そういったものを活用しながら支援を行ってまいりたいというふうに考えております。

泉原委員 ありがとうございます。

 やはり、早急な復旧復興が求められる住民に対しての強い意思を持って、これからもやっていただきたいと思います。

 今、自衛隊、さらに警察官、地元の消防団、またボランティアで撤去の作業を手伝う皆さん、本当に御苦労さまでございます。御嶽山の噴火に際しましても、その灰が雨にぬれて、靴に対して山盛りになって、非常に重いということを聞いております。本当に御苦労をかけておると思います。これは、本当に国民全体で、この作業において、やはり自衛隊並びに関係者の皆さんに感謝申し上げることを忘れてはいかぬと私は思います。

 次にお聞きしたいんですが、噴火に対してのこれからの取り組み方について、ひとつ皆さんのお考えを聞きたいと思います。

山谷国務大臣 全国各地の火山防災対策でございますが、充実させていく必要があると考えます。

 火山災害は、火山ごとに特徴があり、周辺の複数市町村に及ぶ可能性があることから、火山地域ごとに火山防災協議会を設置し、関係する都道府県、市町村、関係機関などが連携して、火山ハザードマップの作成や噴火警戒レベルの設定、具体的な避難計画の策定等が進められております。

 しかしながら、平成二十六年三月末の時点で、気象庁による常時観測対象の四十七火山のうち、火山防災協議会が設置されているのは三十三火山でございます。火山ハザードマップが作成されているのは三十七火山でございます。具体的な避難計画が関係市町村全てで策定されているのは八火山にとどまっております。

 このため、今後全ての常時観測火山においてこれらの取り組みが行われますよう、国の職員が積極的に火山防災協議会に参画するなどして、取り組みを加速させてまいりたいと思います。

 また、今回の御嶽山噴火では、火山噴火に関する情報を登山者や観光客にどのように伝えていくかといった情報伝達の課題や、身を守るための装備が必要といった防災教育面での課題などが指摘されていると承知をしております。

 今後、学識経験者など専門家の御意見を聞きながら、火山活動の監視の強化のほか、噴火の予兆があった場合の火山防災情報の提供、登山届の活用など、登山者等の安全を図るための対応策について、総合的に検討し、速やかに講じてまいりたいと思います。

泉原委員 ありがとうございます。

 それでは、火山に対するいろいろな設備等をお聞きしたいわけですが、世間で今言われております避難棟といいましょうか、シェルターといいましょうか、これについてのお考え、今後これを設置するかせぬかをお聞きしたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 シェルターの設置につきましては、景観の問題あるいは設置費用など課題も指摘されておりますけれども、今回の火山噴火を踏まえれば、噴火による噴石から登山者、観光客等が一時的に避難し、身を守るために大変有効であるというふうに認識しております。

 現在、阿蘇山や浅間山を初め幾つかの火山でシェルターの整備が進められておりますが、その設置の場所、要するに、火口に近いところにあるのか麓の方にあるのか、あるいは収容人数はどれぐらいかなどなど、まだわかっておらない点がございますので、まずは全国的な整備状況について早急に調査をしてまいりたいと考えております。

 また、シェルターの整備に関します国の支援といたしましては、現在、活火山法に基づきます内閣総理大臣が指定した八火山につきましては設置費用の二分の一の補助、また、先ほど大臣からもお話がありました四十七火山につきましては三分の一以内の補助というような制度を設けておりますけれども、先ほど申しましたような実態調査の結果を踏まえまして、専門家の御意見を伺いながら整備促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

泉原委員 私からは、お願いしておきたいんですが、爆発するおそれがある、こういう火山に対して、シェルターというのを極力設置できるように考えていってほしいと思います。

 これまでいろいろお話を聞きますと、各自治体において非常に迅速な対応があったと聞いております。今までの東北震災、また阪神の大震災を捉えまして、自治体が本当に進んでこの取り組みをやっていると聞いております。

 それで、いっそのこと、自治体においてもできることとできないことがありますので、できるだけ国の方で補助をしてでもシェルターをつくるなり、また避難する場合の周知徹底、やはりこれをどうしてやるかということもこれからの課題だと思いますが、進んで国の方から指針を出して、各自治体に指示して、こうやっていきたいと言っていってほしいと思いますが、その点、どうでしょうか。

西村(康)副大臣 大変大事な御指摘だというふうに思います。

 それぞれの火山でハザードマップをつくったり、あるいは避難計画をつくったりということで進めておりますけれども、この避難計画は、マグマが盛り上がって、予兆があったときに、兆候があったときにどういうふうに逃げるのかという避難の計画でありまして、まさに突然起こったときにどうするのかというと、まだまだこれはできていないわけであります。

 今回のことを教訓としながら、その場合にどういうふうに避難してもらうのか、避難してもらうためのシェルターをどう整備していくのか、そしてまた、こういう兆候があったときにどういうふうに登山者に伝達をしていくのか、あるいは、登山者、何名の方が山に入られているのかをどういうふうに確認していくのか、こういったことを含めて早急に検討を進めて、ぜひ対応していきたいというふうに思っております。

泉原委員 そのように、できるだけ早いこと実現するように努力していただきたいと思います。

 さて、話題をかえまして、同じ災害のことですが、今回、災害時の放置車両について、所有者の同意なく撤去できるという法律を、基本法を改正するように聞いておりますが、これはどのような法律になるのでしょうか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 ことしの二月に起きました大雪でありますとか、あるいは昨年の年末に公表させていただきました首都直下地震の被害想定等を見ますと、災害発生時において、道路を通行する車両が渋滞を引き起こしまして、その渋滞を起こした車両自身が緊急通行車両の通行を阻害するということで、いざというときに消防や消火活動が進まない、救急活動が進まないというおそれがありますので、そういったものを排除できるような制度を設けたいということで、現在、政府において、災害対策基本法の一部改正をするための法律を準備中である、近いうちに国会に提出したいというふうに考えております。

泉原委員 過日の部会で私は質問させていただいたんですが、木とか竹とかという障害物を処分できるというような一項がありました。これについて、いわゆる廃掃法、廃棄物処理法と絡め合わせて、これが可能であるかどうかということをお聞きしたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 今回提出予定の法案におきましては、車を排除する際に、その車を排除する先として、主として沿道になると思いますが、沿道の土地を道路管理者が一時使用できるような規定を設けることとしております。その際、その土地の上に樹木等があった場合は、それを処分するということも認めるような規定を考えております。

 実際に、その処分されたものを廃棄物として処理するに当たりましては、廃掃法等の法律の規定に従って適切に行っていく必要があるというふうに考えております。

泉原委員 そこなんですね。要するに、災害対策の法律の中で、瓦れきだけが環境省の管轄になっております。これは、なぜそういうふうになったんでしょうか。

鎌形政府参考人 災害に当たりましては瓦れきなどが大量に発生するわけでございますが、それが不要物、廃棄物として認識されるということから、瓦れきなどは廃掃法で対処する、こういうふうになっていると認識してございます。

泉原委員 私はなぜこのような質問をしたかといいますと、阪神大震災のときに、ビルが倒れ、家が倒れ、道を塞いで、車ももろとも倒れて、その下敷きになっておるわけですね。だから、それを救済するための車が走るためにこの基本法ができる、こういうふうに聞いております。そうしたら、一番肝心な瓦れきの問題について、倒れたときに自動車がある、こういうような自動車の関係、いろいろな形の中で、これは複雑な問題がそこに発生するわけです。

 私が言いたいのは、災害基本法にこれをみんな入れてもらったらどうかということがあるわけです。

 要するに、救済物資を運ぶ車が通行できるようにできても、その向こうが瓦れきで山になっておれば通れないでしょう。だから、私は、瓦れきを撤去できることを同時に何とか法律で決めてほしい。決めるべきだと私は思うんですよ。その点、どうでしょうか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 道路上に、例えば、沿道の建物が崩壊した場合でありますとか、あるいは廃車状態の車があるような、いわゆる瓦れきというものが存在する場合に、道路管理者は、瓦れきを撤去することは通常の道路の維持行為の中において可能であり、東日本大震災においてもそのような処理をしております。

 ただ、その処理をするに当たって、どけるという権限を持っているということと、それを処分するときのやり方については廃掃法の手続に従って処分しなければいけないということで、処分をすることは可能だけれども、やるに当たっては廃掃法の手続に従った処分をする必要があることになっているというふうに理解しております。

泉原委員 先ほど回答がございました、例えば木とか竹とか、障害物を処分できると。竹を切れば、木を切れば、これは一般廃棄物になるんですよ。それはおわかりですか。

鎌形政府参考人 災害で発生した廃棄物につきましては、いわゆる災害廃棄物につきましては、一般廃棄物ということとしております。

泉原委員 私が先ほど申しましたように、処分ができるという法律は、逆に、処分するには、する方法があるわけですね。

 だから、基本法に入れるのは、その処分ということについての言葉が適当じゃないのと違うかということを私は申し上げておるんです。そのことについてお答え願えますか。

日原政府参考人 まだ国会に提出していない法案のことなので、なかなかお答えしづらい部分もございますけれども、今検討中の案といたしまして、先ほど申しましたような土石、竹木等についての処分という言葉を入れる方向で検討しています。

 そこで言う処分というのは法律上の用語でございますので、例えば切ってしまうとか場所を移すとか、本来所有権者が持っている権限を、その部分をやってしまうというんでしょうか、そういう意味での処分という意味で使っております。

 ただ、そういう行為を行った結果として廃棄物が発生する場合がありますので、それに関します廃棄物の処分という意味におきましては、先ほど環境省からお話がございましたように、廃掃法の手続に従って行う必要があるというふうに考えております。

泉原委員 それ以上無理でしょうな、答えるのは。

 最後に、山谷大臣にお聞きしたいんです。

 震災が起きた、災害が起きたときに、その当事者には本当に悲しい出来事であり、亡くなった方、また被害者の方は非常に嘆き悲しむことであります。しかし、社会は常に動いているわけです。よく、震災に遭った方のことを忘れてみんなやっている、こんなようなことを、批判的なことをおっしゃいますが、私は、それこそ政治の役目であるし、政治家の役目であると思います。

 これからは、そのためにも、政治また政治家は一心不乱に、この救済に対して、また復旧復興に対して頑張るべきである、私はそのように考えております。

 それで、山谷大臣の見解はどうでしょうか。

梶山委員長 申し合わせの時間が過ぎておりますので、山谷国務大臣、簡潔にお願いします。

山谷国務大臣 委員おっしゃられましたように、災害は忘れたころにやってくるではなく、忘れる間もなくやってくるというような感じがしております。事前防災、減災、被害の最小化、また復旧復興のスピードを上げるにはいかにしたらよいか、総合的に取り組んでまいりたいと思います。

泉原委員 終わります。

梶山委員長 次に、漆原良夫君。

漆原委員 公明党の漆原でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず初めに、このたびの御嶽山の噴火によりましてお亡くなりになられました方々には、心よりお悔やみを申し上げたいと思います。また、いまだ行方不明の方々には、一刻も早い救出をお祈り申し上げます。

 連日、過酷な状況の中で懸命に救出活動に当たっておられる消防、警察、自衛隊の皆様にも心より感謝を申し上げたい、こんな思いでいっぱいであります。

 噴火の翌日の九月二十八日、木曽町の開田地区の農業被害の状況を調査するとともに、木曽町の対策本部が置かれております町役場を訪れました。

 原久仁男町長らに救援活動の状況などを伺いましたが、原町長は、救助活動の現状については、登山者の正確な数あるいは身元がわかっていないというふうに言われた上で、自衛隊と警察、消防関係が早く来てくれて助かっている、こう述べられて、関係省庁の素早い対応に感謝をしておられました。

 今後の問題としては、農業被害がかなり出そうだということを心配されており、さらに、観光面では、南木曽で起きました土石流災害がありましたが、それに伴う観光客の激減に噴火が追い打ちをかけるのではないかということで、大変懸念し、心配され、また、その面における政府の支援も求めておられたことを御報告申し上げたいと思います。

 その上で質問させていただきたいんですが、まず大臣にお伺いします。

 今回の噴火によって、五十五名の方の命が失われてしまった、戦後最悪の火山被害になってしまった、このことについて、こういう結果でございますけれども、山谷防災担当大臣としての御所見を、率直なお考えをお聞きしたいというふうに思います。

山谷国務大臣 今回の噴火において、多くの登山者に被害が生じ、死者五十五名となるなど、火山災害として戦後最悪の惨事となったことを大変痛ましく思っております。

 改めて、お亡くなりになられた方々に謹んで哀悼の意を表しますとともに、被災された方々に対して心からお見舞い申し上げます。

 御嶽山の現場では、三千メートルを超える高地という厳しい条件のもと、火山灰により足元が極めて悪い中、懸命の救出活動が行われています。いまだ連絡のとれない方々がおられますので、二次災害に留意しつつ、引き続き救助活動に全力を尽くしてまいります。

 また、今回の災害では、登山者、観光客といった住民以外の方への対策など、幾つかの課題があったと受けとめています。今後、火山活動の監視の強化のほか、火山防災情報の提供方法など、今回の災害において顕在化した課題についてしっかりと検証し、速やかに対策を講じていきたいと考えております。

漆原委員 ありがとうございました。

 続いて、気象庁にお尋ねしたいんですが、死亡者五十五名という戦後最悪の火山被害という現実と、気象庁火山部が出していた当日の御嶽山の噴火予測、噴火警戒レベル1、平常、この落差が私には余りにも大き過ぎて、容易に理解できないんです。気象庁、説明をしてもらいたい。

西出政府参考人 火山噴火の予測が難しいということを申し上げるしかないのでございますけれども、火山噴火の予測は、地震計による火山性地震、火山性微動の観測、傾斜計及びGNSSによる地殻変動の観測、遠望カメラによる噴気等の状況の観測を行いまして、その観測データを、この御嶽山における過去の噴火の際の観測データをも考慮して、総合的に判断しております。

 今回の御嶽山の噴火につきましては、九月十日から十一日にかけて火山性地震が増加しておりましたけれども、まず、地殻変動や噴気に変化がございませんでした。また、火山性微動が発生しておりませんでした。さらに加えて、その発生していた火山性地震の回数が、二〇〇七年のごく小規模な噴火の際に発生した火山性地震の回数と比べても少なくて、またさらに、十二日以降減少してしまったというようなことを総合的に判断して、警戒レベルを引き上げるという判断には至らなかった次第でございます。

 現在の火山に関する知見、予測の科学水準では、今回のような水蒸気噴火については噴火の予兆の把握が極めて困難でありまして、また、一時的な火山性地震の増加というものは、噴火が起きない場合でも数多く見られる現象であります。このことから、今回の御嶽山の噴火については、噴火警戒レベルの引き上げが非常に困難な事例であったというふうに考えております。

漆原委員 噴火レベル1、平常、この意味を教えてもらいたい。

西出政府参考人 警戒レベル1、平常という、レベルごとにキーワードを付してわかりやすくということで、皆様と御検討して決めたものでございます。

 この平常というのが、活火山、非常に活発な活動をしている火山の中で平常という意味で、火口周辺、火口内においては命にかかわるようなこともあり得るという意味を含めたものでございます。

漆原委員 これを一般の人が見たら、そうは見えない、思えない。

 気象庁の観測で、火山性の震動が十日と十一日に異常にふえた、これはわかる。だけれども、本文、主文みたいなものですね、本文の中に、一番上の方に、レベルが1だ、平常だというふうに書いてあれば、これは一般の人が見た場合には、火山性の地震の増加はあるものの、結果的には安心なんだ、平常ですから安心なんだ、むしろ、心配ないんだというふうに読むのが普通だと思うんですね。専門家はどう見ているか知りません。しかし、一般の人が見るということを考えれば、この表現はいかがかというふうに思うんです。

 突然聞いて申しわけありませんが、大臣、いかがでしょうか。

山谷国務大臣 今、漆原委員の考え方、御指摘、そして気象庁の答弁を聞いておりました。確かに、一般の人が理解できるような発信というのが重要だと思います。

 現在の火山に関する知見、予測の科学的水準では、今回のケースについて噴火警戒レベルの引き上げを行うことは難しいというのが複数の専門家の意見であるということではありますが、一方で、火山活動等についてこれまでの状態と異なっているということを伝えることは、その時点で噴火につながるとは言い切れないという場合であっても重要だと考えております。このような情報についても適切に伝達がされるように検討していきたいと思います。

漆原委員 大臣、まことにありがとうございました。全くそのとおりだというふうに思うんですね。

 十日、十一日に五十二回、八十五回という地震があったわけですから、それをきちっと、文書には書いてあるんですよ、だけれども、結果的に平常というふうになっていれば、結論は平常なんだというふうに国民は思います。

 したがって、そういう地震活動が、急変があったんだ、急激な増加があったんだ、注意をしてもらいたいという趣旨のことがきちっとわかるように発信されなければいけないというふうに思っております。今大臣がおっしゃったこと、本当にありがたいというふうに思います。

 先ほどの方も触れておられましたが、北海道大学の岡田名誉教授、この方は地震学の方でありますけれども、こうおっしゃっています。水蒸気噴火は前兆が乏しいことは常識です、火山性地震の増加を観測した時点でレベル2に引き上げるべきだったというふうに指摘をされております。さらに、観光シーズンだった地元への影響を懸念して引き上げなかったのではないかという指摘をされているんですね。

 もしそうだとしたら、これは大変なことになる。いかがでしょうか、気象庁。

西出政府参考人 気象庁では、いろいろな観測データを、あくまでも過去の噴火事例等に照らしまして純粋に科学的に判断してございます。それ以外の考慮はしてございません。

漆原委員 今気象庁のおっしゃったことを一〇〇%信じたい思いでいっぱいでございますけれども、事国民の命に関すること、国民の危険性に関すること、この判断にちゅうちょがあってはいけないと思うんですね。

 だから、観光シーズン、ストップしたら、2に上げたらなかなか観光客が来ない、地元が大変な思いをするかもしれない、そういう判断はしてはいけないんだ。ここはやはり、何が大事なのかということをしっかり確認した上で、認識した上で、国民の命を守ることが何よりも大事だというふうに思って、しっかりと今後とも対応していただきたいというふうに思っております。

 そこで、大臣にお尋ねしますが、自治体や登山者、国民に対する火山情報の発信のあり方、改善の必要があると思いますが、いかがでしょうか。また、どのように改善されていくというふうにお考えか、お聞かせ願いたいと思います。

山谷国務大臣 伝達方法に工夫、改善の余地はないかということでございますが、今回の御嶽山のような火山噴火から人的被害を防ぐためには、登山者に噴火に関する情報を速やかに伝達することが重要でありまして、携帯電話やスピーカーなど、緊急的な情報を登山者に直接伝える方策を検討していくことが重要であるというふうに考えております。

 また、先ほどもありましたが、今回の御嶽山の噴火のケースでは、どのような内容を伝えるかということも課題であったというふうに認識をしております。

 先ほどの、九月十日から始まった火山性地震の増加をどう伝えるかということでございますが、その時点で噴火につながるとは言い切れない場合であっても、やはりいかに伝えていくかということが重要でありまして、このような評価、分析していない生のデータは一般の登山者には判断しづらいということで、これらの情報が何に注意すべき情報なのか、また、どのように伝達することが適切なのかなどについては、有識者の方をお集めして意見を聞きながら、しっかりと検討してまいりたいというふうに思っております。

漆原委員 大変ありがとうございました。

 それでは次に、噴石の防止について聞きたいと思うんです。

 今回亡くなられた方々のほとんどが噴石による損傷死というふうに言われております。こぶし大、中には軽トラックぐらいの大きな石が飛んできたというふうに報道もされておりますけれども、時速三百キロのスピードで雨のように石が降ってまいる、こういう状況ですから、もう逃げようがないんですよね。

 そういう場合、やはり噴石被害の防止には、シェルターなどの避難施設の設置、あるいは少なくとも、二十四時間監視体制の活火山への入山について、登山者にはヘルメットの持参を求めることが私は有効だと考えますが、いかがでございましょうか。

山谷国務大臣 噴石の被害と防御対策についてでありますが、今回の御嶽山のように突発的な火山噴火による噴石から登山者、観光客等の身を守るためには、いざというときに一人一人が噴石等から防護したり避難したりできるようにすることが重要だと考えております。

 このため、特に登山者、観光客を対象に、火山噴火に対する留意点や、ヘルメットなどの身を守るための装備などについての防災教育を山岳関係団体等と連携して進めていきたいと考えております。

 また、シェルターの設置についてでありますが、噴石から登山者や観光客等が一時的に避難し、身を守るために有効であると認識をしております。

 現在、阿蘇や浅間山を初め幾つかの火山でシェルターの整備が進められていますが、全国的な整備状況については早急に調査をしたいというふうに考えております。その調査結果を踏まえまして、学識者などの専門家の御意見を伺い、景観等にも配慮しながら、シェルターの整備促進等に向けた検討を進めてまいりたいと思います。

漆原委員 今、教育という話が出ましたね。私も、教育は非常に大事だと思います。

 私どもが子供のころは、活火山と休火山と死火山があるんだというふうに聞いておりましたが、今は休火山がなくなったんですよね。だから、そういうことで、火山に対する国民の側の知識が少なくなっている。やはり、いつ爆発するかわからない、緊迫した状況じゃなくても活火山なんだということをしっかり頭に入れた上で山に登る、山に入るということも、国民の側もそういうふうに勉強をして、国民みずからも自分を守るんだということをしなければいけない。

 そのためには、小学校、中学校、場合によっては高校ぐらいのレベルで、しっかりと火山に対する教育といいますか知識といいますか、そういうものをやはり教える必要がある。そして、国民みずからも、防災という観点から何をどうしたらいいのかということを自分で判断して、自分でその危険を未然に防ぐ、そういうふうなレベルに行かなきゃいけない。

 国としてもそういう教育をぜひともしてもらいたいと思いますが、その点はいかがでしょうか。

山谷国務大臣 今回の災害において明らかになった課題、いろいろございますけれども、観測機器の増強やシェルター等の整備、そして登山者や観光客を対象とした火山噴火対策等々でありますが、特に、委員今おっしゃられました火山防災教育というのはまだまだだったというふうに思っております。

 火山防災教育や火山に関する知識の普及、こうしたことをしっかりと取り組んでまいりたいと思います。

漆原委員 ありがとうございました。

 観測体制の充実についてお尋ねしたいんです。

 今御指摘されているように、水蒸気噴火というのは非常に予測が難しい、こういうふうに言われております。しかし、わずかな前兆でも見逃すことのないように、観測機器の設置場所をもっとたくさんふやすとか、あるいは観測機器の研究だとか開発、こういう観測体制の充実に、ある意味では予算を使って努めるべきではないかと思うんですが、いかがでしょうか。

山谷国務大臣 委員御指摘のとおり、火山噴火を予測するための科学的知見、必ずしも十分ではなく、適切かつ迅速に火山防災情報を発出するためには、さらなる噴火予測に関する調査研究が必要ではないかというふうに考えております。

 調査研究の推進のためには、火山をさまざまな観測機器によって観測して多くのデータを蓄積していく、学者による分析の積み上げということが必要でございます。

 このため、今般の御嶽山の噴火を踏まえまして、現在の火山観測体制の強化充実や各機関の連携強化について、文部科学省、気象庁等の関係機関においてきちんと検討されるという予定であるとは聞いておりますけれども、内閣府としては、しっかりとこれらの取り組みが政府一体となって進んでいくように努めてまいりたいと思います。

漆原委員 ぜひとも強力にお進めいただきたいというふうに思っております。

 それから、登山届でございますけれども、御嶽山では登山届が義務づけられておりませんね。したがって、木曽の対策本部でも、誰が入山しているのか、何人の方が御嶽山に入っているのか、非常にその掌握に御苦労されておられたことを記憶しております。

 この登山届の提出は、現在のところ、登山者の判断に委ねられているようでございます。しかし、少なくとも、御嶽山を含む二十四時間監視体制の活火山に入る場合には登山届を義務づけてもいいのではないかという考えを私は個人的に持っておりますが、大臣、いかがでございましょうか。

山谷国務大臣 富山や群馬などではその義務づけがされていると聞いております。また、岐阜も十二月にはやろうと計画していたというふうに聞いておりますけれども、今回の教訓を踏まえまして、委員御指摘のあり方を含めて、総合的に検討を進めるように考えていきたいと思います。

漆原委員 ありがとうございました。ぜひともお願いいたしたいと思います。

 最後に、農業被害についてお尋ねしたいんです。

 私が訪れた九月二十八日は、開田地区、開田高原というところに行ったんですけれども、御嶽野菜がブランドなんですね、ちょうど御嶽野菜の出荷時期と重なっておりました。

 白菜に灰が入ります。葉っぱがいっぱいある、その間にみんな灰が入るんですね。したがって、業者の方はそれを一個一個水洗いして出荷している。しかも、一つの段ボール箱には六個入るんです、六個入って二千四百円なんです、だけれども、灰をかぶったということで千五百円にしかならないんです。そういう意味では、業者の皆さんは、本当に大きな被害をこうむるというふうに頭を抱えておられました。

 今回の噴火によって、農水省、どのくらいの被害を把握されているのか、今後どういうふうな農業被害に対する対策を考えておられるのか、お尋ねしたいと思います。

金丸政府参考人 お答えいたします。

 今回の御嶽山の噴火に伴う降灰による農作物への影響につきましては、現在、地元の自治体において調査中でございますが、現段階で、影響を受けたものにつきましては、木曽地域の白菜等の一部にとどまっているとの報告を受けております。なお、現場では、先生おっしゃいましたように、降灰を受けた白菜につきましては、洗浄して出荷しているという状況でございます。

 また、降灰によります農作物等の被害防止に向けまして、予防措置、収穫後の取り扱い、農作業安全等の留意事項を内容といたします通知を九月二十九日に発出しているところでございます。

 この中で、例えば、土壌が火山灰によって酸性化するというようなことが起こる可能性がございますので、火山灰のpHあるいは成分、このようなものを分析いたしまして、もし酸が強いというような場合には、それが茶園である場合などを除きまして、石灰等アルカリ資材を土壌に施用しまして中和するというようなことを指導しているところでございます。

 今後、調査の進展によりまして、被害が判明してまいりますれば、地元の関係自治体と連携いたしまして、被害への迅速的確な対応を図ってまいりたいと考えております。

漆原委員 今、石灰の話が出ましたが、これは本当に土壌が酸性になってしまって次の耕作ができない、こういう心配をされておりました。

 ただ、石灰をまいて中和することなんですけれども、開田地区、木曽地域は海抜が高いですよね。十一月の半ばごろになると凍結しちゃう。したがって、まいても、耕作ができなくなりますので、そういう必要があるのであれば、ぜひとも十一月の半ばごろまでに実施できるように御判断願いたいということが、現場から特に要望がありましたので、お伝えをしておきたいというふうに思います。

 もう一つ、木曽町の町長さんが心配されておられましたように、観光被害がやはり心配ですよね。

 南木曽での土石流被害があって大変だった、それに加えての今回の噴火、いつ噴火がおさまるか、今のところわからない、こういう中で、ちょうど今、紅葉が本当にきれいな時期なんですけれども、残念ながら紅葉を見ることができないんだろうなというふうに思います。

 この観光被害について、どのくらいの調査をされているのか、どう掌握されているのか、今後の対策をどうするのか、これは観光庁ですかね、お聞きしたいと思います。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 御嶽山噴火によります観光への影響についてお尋ねがございました。

 今般の御嶽山噴火により、周辺地域におきましては、宿泊やツアーのキャンセルが発生していると承知をしております。

 宿泊につきましては、長野県内の四十一施設におきまして、十月三日時点でございますけれども、千三百二名、高山市内におきまして、十月一日時点でございますけれども、約千五百名のキャンセルが出ていると関係の自治体から報告を受けてございます。このほか、下呂温泉の宿泊施設におきましてもキャンセルが生じていると承知をしております。

 ただし、宿泊団体に確認をしましたところ、通常でもある程度のキャンセルが生ずるとのことでございまして、これらキャンセルが全て噴火を理由としたものか否かは不明ということでございました。

 また、御岳ロープウェイが運休中のため、同ロープウェイを組み込んだツアーにつきましては、代替ルートでのツアーを実施しておりますけれども、業界団体からは、現在までに二千名以上のキャンセルが生じているという報告を受けてございます。

漆原委員 昭和五十四年でも、大きな噴火があって、被害があったわけでありますけれども、その当時は観光あるいは農業についてどのような対応をされたのか、最後にお聞きしたいと思います。

金丸政府参考人 昭和五十四年の噴火のときは、ちょっと記録を確認いたしませんとはっきりいたしませんけれども、火山灰に対する農業被害への対策がとられたというふうに考えております。

吉田政府参考人 五十四年のことは確認いたしますけれども、観光庁といたしましては、観光面での風評被害を防止するために、内外の旅行者、また旅行予定者に対しまして、正確な情報の提供に万全を期してまいりたいと考えております。

漆原委員 大きな被害が出て大変な損害になることを地元が大変懸念されておりますので、しっかりとした対策、対応をとっていただきたいことを最後にお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 まず、広島の水害、そして御嶽山の噴火、さらには、その他各種災害においてお亡くなりになられた方々に御冥福をお祈り申し上げますとともに、被害に遭われた方々へのお見舞いと、また御遺族へのお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 私たち民主党も、今、党には常に災害対策本部を置いて、あらゆる災害に対応できるようにさせていただいているところであります。

 さて、きょう予定をしていた質問ですけれども、順番を少し変えさせていただきまして、冒頭、副大臣にお伺いをしたいというふうに思います。

 今回の御嶽山の件でありまして、先ほどの方の質問でもございましたけれども、いわゆる活火山法という法律がございます。現在、日本には、活火山は百十、そして四十七の常時監視火山があって、先ほどからあるように、シェルターの話がございます。

 このシェルターの整備については、まだ件数が少ないということとともに、きょうは資料を一枚お配りさせていただいていますが、大きな写真が写っているところの裏面、左下に二つ写真が用意されているものを持ってまいりましたけれども、「山小屋について」ということで内閣府の方から資料を提供いただきました。

 ここでは、山小屋については、さまざまな所有のケースがあるということと、設置については許可が必要である、しかし、いわゆる強度等の安全基準はない、こういうことになっておりまして、今回も、避難小屋、そして山荘、いろいろな表現がありましたが、相当、登山者は混乱の中で、さまざま、とにかく少しでも隠れられるようなところに一生懸命逃げたというような実情でありまして、中には、山荘そのものが大きな石で穴があくというようなこともあったわけであります。

 そういった意味では、こういう安全基準が一つ必要ではないかというような御提言を申し上げたいということと、そして、まさに御嶽を活火山法における今後の避難施設緊急整備地域に指定するということを内閣府としてお考えいただいているかどうか、この確認をしたいと思います。

西村(康)副大臣 大変大事な御指摘をいただいたと思います。

 まさに御指摘のとおり、噴煙で真っ暗になる中、噴石が飛んでくる。岩陰に身を隠して難を逃れた方もおられますし、多くの方が被害に遭われていますし、また、山荘に逃げられた、その山荘にも噴石が飛んできたという形跡を我々も確認しているところであります。

 御指摘のとおり、こういう水蒸気性の噴火で、突然起こった場合に、身を隠す場所というのは非常に大事なことでありまして、御指摘のあったシェルターも、まだ整備が十何カ所かということで、しかも、火口付近ではなくて下の方にあったりするところもあるものですから、これもしっかり調査しながら、整備に向けて検討を進めたいと思いますけれども、あわせて、山小屋の建設基準も、御指摘のとおり、はっきりした基準がないというふうに承知をしておりますので、この点も御指摘を踏まえて検討を進めたいと思います。

 いわゆる活火山対策特別措置法に基づく避難施設緊急整備地域に指定された場合に、シェルター等の費用について二分の一の補助があるということであります。現在、御承知のとおり、桜島、阿蘇など八つの火山が指定されておりますけれども、御嶽山はなっていないという状況でありますので、今回これだけの被害が出たわけでありますし、まさに登山者、観光客の安全確保も念頭に置きながら、また専門家の御意見も伺って、この緊急整備地域の指定について、ぜひしっかりと検討を進めてまいりたいというふうに考えております。

泉委員 ぜひお願いいたします。

 そして、登山者が下山する姿を見ますと、オレンジ色のヘルメットを着用されている方が多くおられた。これは、恐らく山荘に常備されていたものだと思います。これがなければ、あの危険な状態で、とにかくおりようという判断もできなかったのではないのかなというふうに推測をするわけですね。

 そういった意味では、山荘におけるヘルメットの常備ということも、これからもぜひそういった基準の中で考えていただきたいということがまず第一点であります。

 そして、先ほども緊急通信のメール等々の話がありました。

 私も、自分のスマートフォンには、携帯会社の防災通報メールと、いわゆるヤフー災害対策というようなアプリ、この二つを入れておりますが、少なくとも、あの地域にいなかった私には、噴火情報等々はメールとしては入っておりません。

 では、あのとき、例えば高山市におられた方には、下呂市におられた方にはそういったメールが届いたのであろうか、山の上におられた方にはそういったメールが届いたのであろうかということを、もしおわかりであればお答えください。

日原政府参考人 お答えいたします。

 私どもの方で、今お話ししましたヤフージャパン及び携帯三社についてお問い合わせした結果でございます。

 まず、ヤフージャパンにつきましては、噴火レベルが4、または5に変わったときに全国を対象として配信を行うというルールになっておるので、今回はレベル3であったため配信は行っていないというふうな回答をいただいております。

 それから、携帯三社におきます緊急速報メールにつきましては、これは公共団体との契約に基づいて、公共団体から情報が出された場合に、それを契約に基づく配信エリアに対して発送するという中身になってございまして、長野県がその契約がございましたので、王滝村と木曽町に対して配信を行っております。ただ、時刻が、二十七日の十七時十五分に配信を行ったというふうに聞いております。

 それから、岐阜県側につきましては、下呂市、高山市ともに契約は結んでいるものの、今回は、下呂市につきましては、居住地域から火口が離れていること、あるいはレベル3であったということから配信は行わなかったと聞いております。また、高山市につきましては、登録された方に対する独自のメール配信サービスを持っておったため、配信はしなかったというふうに伺っております。

泉委員 今の状況をお聞きいただいたでしょうか。

 結果的には、そういった意味では、あの噴火が起こってから少なくとも数時間、ほとんどの方にはというか、ほぼ全ての方に情報は届いていないということになります。噴火をしたのは、火口周辺におられる方にとっては当然わかっていることではあります。しかし、その後一時間半、隠れたままでおられた方も含めて、多くの方が不安の中でお過ごしになられた、しかし何も情報が入ってこない、これが実は火口の現実だったということであります。

 改めて今のお話でいうと、例えば、きょう資料にまた持ってこさせていただいております御嶽山火山防災マップ、これは岐阜県が平成二十年度版としてつくられたものであります。その右側、実は、この防災マップそのものにも水蒸気爆発のことも全て書いてありまして、ある意味、想定は全部できていたということも言えると思いますが、しかし、想定はしていたけれども、準備ができていなかったというのが今回のことではないかというふうに思います。

 この右側の表をごらんいただきますと、よく出てくる「御嶽山の噴火警戒レベル」というものがあります。これをトータルしてみますと、問題点は、やはり住民を主体に考えていて、登山者の立場から考えているということについては少し足りなかったというふうに言わざるを得ないということであります。一応「住民等の行動及び登山者・入山者等への対応」と書いてあるんですが、少なくとも、レベル2とか3については簡単にしか書いていない。「火口周辺の立入規制等。」と書いてあって、既に入っている方々に対しては何もないんですね。

 やはりこういうところで、結果的には、先ほどお話があったように、ヤフーは、住民に避難が及ぶ段階じゃないとメールを配信しませんというような現在の状況になっていて、ですから、4と5のときにしかメールを配信しない。結果、気象庁がせっかくレベルを3に上げたけれども、残念ながら、高山市にその情報を判断して配信するということには、高山市自身がならなかったし、ヤフーもならなかったんですね。私も高山市に確認しましたが、ヤフーと同様、レベル4じゃないとメールの配信はしないということをおっしゃっておられました。

 登山者の立場でいえば、少なくともレベル2、ここから情報を発信しなければいけないというのが今回明白になったのではないかというふうに思います。

 このことも、ぜひ気象庁、これはかつて東日本大震災のときに、津波の警報がわかりにくかったということで見直しを行いました。学者そして報道機関を入れて勉強会、検討会というものをやって、そこで警報の見直しを行ったという経緯がありますので、改めて、レベル1から5と報道の連動あるいは発信の連動がどうなるのかということを、一番最後の情報を受け取る側の観点まで含めて、ぜひ検討いただきたいということをお願いしたいというふうに思います。

 さて、それで、もとの質問にというか、本来初めて質問するところに戻るわけですけれども、ちょっと大臣に改めて確認をしたいと思います。

 大臣、この噴火の報は、どちらでどういう形でお知りになられましたか。

山谷国務大臣 今般の御嶽山の噴火でございますが、第一報、九月二十七日午後、十二時三十九分、秘書官から一報を受けたところでございます。(泉委員「御自宅でということですか」と呼ぶ)

梶山委員長 大臣、もう一度お願いします。

山谷国務大臣 自宅でございます。

泉委員 ということは、噴火は十一時五十三分とか言われましたが、二分というのが今公式らしいですが、このときから三十九分までは情報は得ていなかったということでよろしいですか。

山谷国務大臣 第一報は十二時三十九分でございます。

泉委員 これも、皆さんどうでしょうね。

 噴火のニュースはすぐ伝わってきて、そして気象庁が初めて噴火警報というのを出すんですね。それが十二時三十九分です。レベルを1から3に上げたということでありますけれども、そのときに初めて連絡をしたということで役所の方はよろしいですか。

日原政府参考人 これにつきましては、委員御指摘のとおりというか、私どもに気象庁から第一報が入ったのが十二時三十九分のちょっと前、直前にメールで、十二時三十六分に気象庁から私どもの方に噴火警戒レベルを3に引き上げたという第一報が入りましたので、それを直ちに秘書官を通じて大臣に伝えたということでございます。

泉委員 では、内閣府にお伺いしますが、内閣府の事務方として噴火を知ったのはいつなんですか。それも三十六分ですか。

日原政府参考人 さようでございます。

泉委員 これはちょっと信じがたいですね。要は、十二時になる前までに現地の警察や消防には連絡が入って、そこから、当然ながら警察庁あるいは消防庁に連絡が入っております。気象庁がこの噴火警報を出すまで防災担当の部局が知らなかったというのは、これはとんでもないことですよ。おかし過ぎますよ。

 そういうところからして、今の防災の体制はおかしいのではないかということをまず指摘しておきたいというふうに思います。

 では、大臣、十二時三十九分に連絡がありました。どのような連絡があり、それに対して何かお聞きになられましたか。

山谷国務大臣 噴火警戒レベルが3という入山規制に引き上げられたという内容でございます。

 いろいろ情報収集のためにきちんと対応するようにということを指示いたしまして、一時半に、重傷者が一名ということで、関係省庁担当者会議の開催を指示いたしました。この関係省庁担当者会議というのは、警察、消防、防衛省、国交省、気象庁、内閣官房、内閣府でございます。二時半に、複数の負傷者がおられるということでございまして、関係省庁災害対策会議の開催を指示いたしました。そして、十五時半に、多くの方々が山小屋に残されているということで、情報先遣チームの派遣を指示いたしまして、十五時五十五分、役所で内部会議を行いまして、十六時四十分、御嶽山噴火に係る関係省庁対策会議を開き、出席いたしております。そして、十七時には臨時閣議及び御嶽山噴火に係る全閣僚会議を開き出席をし、十八時、長野県知事と電話で現状の確認、意見交換をいたしました。

泉委員 大臣、もう一回お伺いしますよ。

 十二時三十九分に噴火警報を聞いて、そしてそのときに、第一報を聞いて、何か部局に対しては質問されましたか。そして、なぜすぐに内閣府に行こうと思わなかったんですか。

山谷国務大臣 ただいま申しましたように、現場はどうなっているかというような情報収集をするようにということで、いろいろなやりとりをいたしました。

 それで、必要な報告を受けまして、それぞれ、関係省庁担当者会議の開催を一時半に指示し、二時半には関係省庁災害対策会議開催の指示をいたしまして、十五時半には情報先遣チームの派遣を指示いたしまして、必要な報告を受けながら必要な指示を行える体制を確保してきたと考えております。

泉委員 ちなみに、大臣は、そうしますと御自宅におられる間にはほかに何か情報はとられましたか。例えばテレビ、例えばインターネット、情報をとられましたか。

山谷国務大臣 テレビ、携帯、インターネット等で情報収集もいたしておりました。

泉委員 いいですか、少なくとも一時五十分現在の段階での内閣府の報告では、そのときに人的被害はもう出ています。要救助者も複数名ありとなっております。そして、情報を、いろいろな、もしテレビなどで得ていたということであれば、NHKでは、その時点で多くの方々が山頂におられて、外にも倒れている人がいて、複数名がけがをしている模様、そういう報道がなされております。それでも大臣は御自宅におられ続けているわけです。

 なぜ内閣府に来ないんですか。大臣は、どんなときであれば内閣府に来ようというふうに思っていたんですか。

 私は、これは当然、こういう噴火で、NHKは実は、二百人が山の上に登っている、そういう報道も流れているんですよ。そういう状況で、それは、大臣であれば、近くの内閣府に上がっていくのは当然じゃないですか。そこで来ずに、なぜ指示だけして家でテレビを見ているんですか。教えてください。

山谷国務大臣 必要な報告を受け、必要な指示を整える体制を確保しておりました。

 また、二十八日には、午前九時四十分に登庁し、午後、十二時五十分過ぎには西村副大臣を政府調査団として派遣いたしました。また、午後一時から関係省庁災害対策会議に出席し、被害状況を踏まえながら、午後五時には平成二十六年御嶽山噴火非常災害対策本部を設置し、午後七時から第一回本部会議に出席するとともに、現地対策本部を立ち上げるため松本政務官を現地に派遣し、午後八時過ぎに退庁いたしました。(泉委員「委員長、これ、答えていないですよ。とめますよ、こんなだったら。答えていないですよ。家で何をしていたんですかと聞いているんです」と呼ぶ)

梶山委員長 泉健太君、もう一度。

泉委員 家で何をしていたのか、なぜ来なかったと聞いているんです。

山谷国務大臣 繰り返しになりますけれども、情報を収集しながら、必要な報告を受け、必要な指示をしておりました。

泉委員 いいですか、防災大臣ですよ。被害者が出ていて、多くの方が山の上に残っているという状態は、あなた、本当に情報収集していたんですか。していたんだったら、当然わかっているはずですよ。わかっているはずですよ。わかっていてなお、内閣府に来ない、家におられる。何をしていたのかと聞いているんです。それとも、家で何か用事があったんですか。

山谷国務大臣 午後二時半ごろには、複数の負傷者がいる模様との報告を受けまして、直ちに登庁することといたしました。

泉委員 これはまずいですよ、内閣府。内閣府がまずいのか、これは相当まずいですよ。一時五十分の段階で政府の出している資料で、重症一名、中等症七名、要救助者が複数名ありと出しているんですからね。二時半じゃないですよ。

 きょう、内閣官房は来られていますか。

 政府にはいろいろ非常事態ということへの対応が準備されていて、平成十五年にも閣議了解があると思います。その閣議了解でいうところの非常事態の場合には各閣僚が対応するということになっているわけですが、今回の御嶽山でいうと、非常事態ということになっているんですか。もしなっているとすれば、それはいつからなっているということなんでしょうか。

藤山政府参考人 今のお尋ねに関連しまして、まず官邸の動きから申し上げますと、当然ながら、我々危機管理部局というのは、危機管理センターというのを官邸に持っておりますので、噴火以降、気象庁などから情報はもらっている。そういったものを受けまして、一時二十三分、我々の方では、官邸に情報連絡室というのを設置しております。ですから、それによって、その時点で、これは情報収集を強化すべき事態であるというふうに考えたということです。

 御指摘のとおり、平成十五年の閣議了解におきましては、閣僚については緊急事態の場合にはそれぞれの省庁に参集せよということになっているわけですが、これは閣僚が参集するような大きな事態ということを想定しているということでございまして、基本的に、それぞれの事態においてそれぞれの閣僚がとるべき対応につきましては、それぞれの閣僚においてきちんと判断をしていただけるものというふうに考えております。

泉委員 とんでもないですよ、それは。おかしいですよ。

 これは、ちょうど二〇一〇年、民主党政権のときにいわゆる韓国への砲撃事件がありました。そのときに自民党の小野寺五典さんが質問されているんですね。そのときには、私が外務副大臣をさせていただいたときには、各省庁に三十分以内に集まり対応するようにというふうに、政権にいたとき指示をいただきましたと。これは、第一次安倍内閣のときにそういう指示をいただいたということを小野寺議員が言っていることがあります。

 そして、きょうは資料でお配りをしておりますが、平成十五年十一月二十一日閣議了解の紙があります。二という数字のところにありますが、「参集場所について」「各閣僚は、緊急事態の発生を了知した場合には、速やかに所属する省庁に参集する。」と書いてあるんです。

 大臣、防災大臣に任命されて、こういうことは聞いていなかったんですか。

山谷国務大臣 平成十五年十一月二十一日のこの閣議了解というのは承知しております。

 今、官邸の情報連絡室設置、十三時二十三分ということでございますが、これは情報収集のための、緊急事態に対する初動対処の体制ということでありまして、緊急事態、この閣議了解の緊急事態とワードは同じなんですが、レベルが、非常に緊急事態のレベルが大きくて、この閣議了解の緊急事態という言葉の使い方とは違います。

 自然災害時の防災担当大臣の参集基準でございますけれども、地震の場合は、閣議了解により、東京二十三区内で震度六強以上の場合には全閣僚が官邸の危機管理センターに自動的に参集することになっていますが、内閣府の内規においては、防災担当大臣は、東京二十三区内で震度五強以上、その他の地域で震度六弱以上の場合には参集することになっています。

 また、火山災害、今回の場合でございますが、噴火警戒レベルが4以上となった場合、すなわち、居住地域に重大な被害が発生すると予想される場合には参集することとなっております。

 いずれにせよ、必要な報告を受け、必要な指示を行える体制の確保というのはいつの場合も重要だと思っております。

泉委員 防災大臣ですよ。御自宅におられて、どんどん被害の情報が入っていて、参集基準がそうだから行かないんですか、大臣は。それが不思議で仕方がないんです。大臣は、そういう参集基準だから、私は行きません、行かなくていいんですねと言っているとしたら、それは私、歴代防災大臣の中でもそういう大臣はおられないと思う。

 みんな、災害が起きたらやはりまず心配するわけですよ。そして、情報収集だけじゃなく、駆けつけるんですよ。そして、陣頭指揮をとるんですよ。なぜかといえば、防災の要諦が何か。最悪の事態を想定するというのが共通なんです、防災の世界では。今から何が起こるかわからない、でも、それは、上がってくる情報を待つのではなくて、みずから進んでその情報が集まる場所に行き、そこで判断をしなきゃいけないんです。あなたはそれができていない。

 もう一度聞きますよ。なぜ自分から役所に行かずに、来てくださいと言われたかどうかわかりませんが、なぜこれだけ被害が拡大しているとわかっているのに来なかったんですか。なぜ来なかったかの理由をお答えください。

山谷国務大臣 先ほども、繰り返しになりますけれども、午後一時半には、必要な関係省庁、警察、消防、防衛省、国交省、気象庁、内閣官房、内閣府、関係省庁担当者会議開催を指示しております。(泉委員「なぜ来なかったんですか。理由ですよ。答えていない。だめだ、答えていない。家で何をしていて、なぜ来られなかったのかを聞いているんです」と呼ぶ)情報収集をして……(泉委員「ちゃんと言ってくださいよ。これはだめですよ、こんなのは。全然聞いていない。答えていない」と呼ぶ)

梶山委員長 ちょっと速記をとめてください。

    〔速記中止〕

梶山委員長 速記を起こしてください。

 一回とめてください。ごめんなさい、とめてください。

    〔速記中止〕

梶山委員長 では、もう一回、速記を起こしてください。

 山谷国務大臣。

山谷国務大臣 自宅で情報収集と必要な報告を受け、必要な指示をしていたということでございますが、その後もいろいろな用事は入っておりましたが、全てキャンセルして、複数の負傷者がいるということで、午後二時半に直ちに登庁することといたしました。

泉委員 二時半に登庁することにいたしましたって、役所に着いたのは三時五十五分ですよね、違いますか。内閣府から車が出たのが二時半ですよ。着いたのは三時五十五分ですよ。

 繰り返しになりますが、内閣府の出している、私が持っている、少なくとも一時五十分時点の情報で、もうけが人は複数出ています。それよりもっと早い情報では、当然、山頂にはたくさん人がいるという、その報道が流れています。

 大臣は、部局からの正式な説明がないと動かないんですか。まだまだ情報が入らないさなかで、これは地震でも何でもそうですよ、被害がひどければひどいほど最初の情報は入らないんですよ。それが災害なんですよ。あなたはそういうことがわかっているんですか。最初、情報が入らなくて、けが人が出たのがわかったから来るんですか。御嶽山がどこにあって、登山可能な山かどうか確認をしたら、それはいずれこういう被害になるんじゃないかという想定ができるはずじゃないですか、大臣。あなた、それができないんだったら、やめた方がいいですよ。お答えはありますか。

山谷国務大臣 次の日も、朝早くから夜までおりまして、そして今も、警察、消防、自衛隊、千四百人体制で、連日、救助捜索活動に当たっております。そしてまた、こちらの災害対策本部と現地対策本部をテレビ会議でつなぎまして、常に情報交換をしております。

 あした、私も現地に参りたいと考えております。

泉委員 これは、ぜひ心がけを変えていただかなきゃいけないと思いますよ。災害に対して、待ちの姿勢ではだめですよ、大臣。自分で判断して、それはどんな基準があるかわかりませんが、自分から役所に行かなきゃだめなんですよ、この仕事は。そういう仕事なんです。(発言する者あり)そういうことなんですよ。それは間違えちゃいけない。それを歴代の防災の政務三役がそうやってきているんですから。そこは絶対にそういうふうに考えなきゃいけない。

 内閣官房にもう一回聞きますが、内閣官房でいうところの閣議了解の非常事態と、各役所の非常事態の定義が違うんですか、言葉遣いが。それは問題じゃないですか。

藤山政府参考人 一言に緊急事態と申しましても、かなり重いものから軽いものまでございます。したがって、そういったものを一くくりにして使うということは実は非常に難しい問題でありまして、今回の閣議了解につきましても、そういった意味では、当然ながら、閣議了解では、非常に重い緊急事態を想定した文書をつくっているということだと思います。ただ、それぞれの省庁でつくっている文書の中で出てくる緊急事態というのは、重いものを想定したもの、あるいは軽い場合を想定したもの、それぞれあると思いますので、それぞれ使い方によって重さが違うということはあるんだろうというふうに考えております。

泉委員 きょうは、もう時間がないので指摘はこれでおしまいになりますけれども、今資料でお配りした閣議了解のところ、緊急事態の発生を了知した場合には、速やかに所属する省庁に参集するんです。

 重い緊急事態、軽い緊急事態とおっしゃいましたが、今回の件を軽い緊急事態だと思っているのであれば大間違いですよ。そんなことはあり得ませんよ、大臣。(発言する者あり)それはないでしょう。それはないから言っているんですよ。ないから、閣議了解で決められたように、了知したらすぐ内閣府に来るんですよ、大臣は。あなたは大きく間違っているということを指摘して、私の質問を終わります。

梶山委員長 次に、井出庸生君。

井出委員 維新の党、信州長野の井出庸生です。本日、よろしくお願いをいたします。

 今、泉先生からの御質問、私も大変重い気持ちで聞かせていただいておりましたが、先ほどの公明党の漆原先生のように、次の日に現地に入られた方もいらっしゃる。私も実は、次の日、現地の災害対策本部の方には様子を見に行っております。先ほどの泉先生のやりとりを聞いておりますと、やはり、そういう主体的なお気持ちを持って取り組んでいただいているのか、そういうところだと思いますので、あす、また現地に行かれると先ほどお話がありましたが、引き続き全力でやっていただければと思います。

 私の方からまず質問をさせていただくのは、現在の捜索の状況と、捜索の今後の予定です。

 まだ行方がわからない方が少なくとも八人いらっしゃる。ただ、その一方で、最近の地元、信濃毎日新聞の報道を見れば、捜索隊に高山病の症状が出ている人が複数名出た日もあったと。また、腰のあたりまで火山灰につかってしまって、地元紙の新聞の写真では、灰にまみれて両脇を捜索隊に抱えられながらヘリをおりる、そういう捜索隊の姿も出てきております。

 そういったところを踏まえて、今後の捜索の予定について、まずお聞かせください。

山谷国務大臣 御嶽山の捜索救助活動につきましては、当初は、生存者の救出を進めるとともに、登山道や山小屋を中心として、主に目視により発見できた方の搬送を行ってきました。その結果、十月四日までに五十一名の方を搬送いたしました。

 しかしながら、その段階でも行方不明者が十二名残されていたことから、台風第十八号通過後の十月七日からは、第二段階として、捜索活動の範囲を広げまして、登山道から外れた場所や急な斜面を含む山頂付近一帯を金属探知機や探査棒を活用して面的に捜索する計画に着手して、新たに四名の方を発見、搬送いたしました。

 本当に、雨が降りましてセメント状になる、高山病の方もおられるというような非常に厳しい状況の中で活動を行っておりまして、この面的な捜索でございますが、本日、七割程度終わっているというところでございます。

 今後は、非常に急峻なところが残されているということで、これからも懸命に努めてまいりたいと思います。

 この面的な捜索の範囲は、同行者の証言や目撃情報などから、行方不明者が存在するであろうと推定される場所を全て含んでおり、この範囲を徹底して捜索すべく取り組んでいるところでございます。

 御嶽山では、委員も御承知だと思います、例年十月中旬ごろには初降雪、雪が降ります。雪の前でも、日によっては寒さが厳しくなってきております。朝は凍結状態ということでもございます。救助隊員の安全確保に万全を期しながら、一日も早く行方不明者の方々を発見できるように、全力を尽くしてまいります。

井出委員 これから冬になって雪が降る。現場は、朝の時間帯は既に凍結が始まっていると聞いておりますが、私も地元長野の議員として、ずっとこの厳しい状況を見守ってきているんですが、今やっている面的な捜索、また、その後のことを考えたときに、捜索というものをいつまでやっていくのか、私も申し上げるのが大変つらいんですが、その捜索をやはり終えなければいけないような時期もあるのではないかと思っております。

 そのあたりの厳しい御判断というものは今どのようにお考えなのか、また、その御判断は大臣御自身がされるということでよろしいのか、お聞かせください。

山谷国務大臣 次の日から千四百人体制でやっておりまして、きのうも機動隊が百名投入されて、懸命にやっているところでございます。

 あした、私、現地に参りまして、現地の状況の把握と、県知事や木曽町あるいは王滝村の関係者とお会いして、首長にお会いしてお聞きしたいというふうに思っております。

 状況把握に努めながら、政府として一体となって判断を、どのような状況の変化に応じて、どうしていくかということを考えていきたいと思います。

井出委員 捜索が長期化すれば、こういう厳しい現実とも向き合っていかなければいけないと思いますので、また、あす現地に入られるということで、そういったところの面も、丁寧に地元に向き合っていただければとお願いをいたします。

 次に、質問通告を幾つかしておりましたが、ちょっと順番を変えさせていただきまして、今回の現地の災害対策本部の設置のあり方、予定では四つ目に聞く予定だった質問からさせていただきます。

 今回の御嶽山の噴火で、まず、国の方が東京に政府非常災害対策本部を設けた。そして、地元長野県ではどうだったのかといえば、まず、県庁に現地の対策本部が国から人員を派遣されてつくられ、また、県庁内に阿部知事、県警本部長を筆頭とする災害本部もできた。そして、では前線はどうだったのかといえば、県の合同庁舎のある木曽地方部に県の現地対策本部が一つ、そして王滝村と木曽町にそれぞれ災害対策本部ができました。

 まず、国の現場を、東京と県庁、県庁というのは今回の現場からはかなり遠いんですが、私はそれなりの理由があって置いていただいていると思うんですが、それがどのように連携、しっかりと機能することができたか、そのあたりのお考えを大臣に伺いたいと思います。

山谷国務大臣 井出委員におかれましては、視察で現場スペースのことについていろいろお考えくださっていると聞いております。

 市町村災害対策本部を含め、災害対策本部は、災害応急対策を的確かつ迅速に実施するための臨時の組織として、関係部局間の縦割りを排して、情報共有を図り、機動的に意思決定を行う目的で設置されるものであります。

 したがって、災害対策本部事務局を置く場合には、通常の部局ごとの執務室ではなく、関係部局の職員が間仕切りのない大きな部屋にて一堂に会して、一体的に執務することが理想的な姿であると認識をしております。

 内閣府においても、中央合同庁舎八号館内に、緊急災害対策本部事務局として、関係省庁の職員を最大約二百三十名収容できるスペースを確保し、大規模災害時には関係省庁一体となって災害応急対策に当たることとしております。

 中央防災会議においては、地方団体など防災関係機関の災害対策の標準化を推進するため、本年七月に、防災対策実行会議のもとに災害標準化推進ワーキンググループを設置したところであります。今後、同ワーキンググループにおいて、市町村災害対策本部の組織、運営のあり方についても議論を行い、必要に応じて指針となるものを示してまいりたいと考えております。

 なお、先ほども申しましたけれども、今、中央の災害対策本部と現地の対策本部とで、テレビ会議で結びまして、連日テレビ会議を行っているところであります。

井出委員 連絡、情報収集、各機関の連携という意味におきましては、大臣から今お話がありましたように、広いスペースを確保して、はっきりと申し上げれば、被災地からの距離によらず、そういった機能的な場所を確保していくということは非常に重要だと思います。

 今回は、そうだったのかなと思うのですが、私は、現地に入りまして、特に王滝村の役場に行ったときに、もともと小さな自治体ですので、役場自体も小さい。私が行ったとき、正直、一階のスペース、靴を脱いで置くようなスペースもないほど、靴を脱いで中に上がっていくときに、靴だらけで足の踏み場もないような状況で、私も村長さんとそんなに長い時間お話はしなかったんですが、聞けば、その二階には自衛隊、警察、消防がぎゅうぎゅうになって作戦を立てているんだという話があって、私はそのお話を聞いたときに、前線本部として、もう少し、その前線本部の場所、役場が本当にふさわしいのか、近くの公民館がふさわしいのか。もっと言えば、被災地に行く自衛隊、消防の部隊は近くのスポーツ公園にテントを張ってしっかりとスペースを確保していたんですが、その王滝村の災害対策本部が狭いということは村長さんからも伺いました。

 そういったところの情報というのが上がっていて改善の検討とかがなされたのかというところが疑問でして、そこのところを伺いたいと思います。

山谷国務大臣 王滝村は、現状の中でそのような形でしか立ち上げることができなかったということであるんだろうと思いますけれども、今後、災害標準化推進ワーキンググループにおいて、立地場所、スペース等も含めまして、市町村災害対策本部の組織、運営のあり方についても議論を行い、必要に応じて指針となるものを示してまいりたいと思っております。

井出委員 またどこか別のところでこういった火山の噴火、高い山の頂上付近で大きな災害があったとすれば、やはりその周辺の自治体というのは、恐らく高い山であればどこの自治体も、小さい規模の自治体があって、小さい役場があって、そういう場所を確保するのに苦労すると私は現地に行って感じたんですが、それをひとつ今回の教訓として生かしていただきたいということをお願いさせていただきます。

 次に、登山者の防災の対策について伺いたいのですが、さきの先生方からもいろいろ御質問がありました。

 例えば、シェルターの設置。シェルターの設置というものは、今のところ各自治体などの努力によって進められているのかと思うのですが、私の地元長野県小諸市、浅間山がありますが、この小諸市が平成十九年にシェルターを工事で設置した事業のときは二千八百四十二万円かかった、そういう記録があります。

 先ほどの先生方のお話でも、登山者のカードの話がありました。大臣からは、岐阜で十二月に登山カード義務化の条例を出すというお話も出ておりましたが、長野県はまだそういう状況に至っておりません。

 登山カードに関して言えば、私は、県境をまたぐ、自治体をまたぐような山のときに、まず国の助言指導というものが必要かと思いますし、シェルターに関して申し上げれば、王滝村という村の年間の予算、一般会計というものは十六億一千万円程度なんですね。この自治体がシェルターを自発的にやっていくとなると、それは、東京都が高尾山にシェルターをつけるとかそういうものとはどだい話が全然違ってきておりまして、それは何としても国の指導、県の指導をいただきたいところだ、自治体からすればそういう思いは当然あると思うんですが、そのあたりを含めて、登山者に対する防災対策について御見解をいただきたいと思います。

山谷国務大臣 本当に、今委員おっしゃられましたように、登山者カード、シェルター等々、いろいろな課題があると認識しております。

 今回の御嶽山噴火では、火山噴火に関する情報を登山者や観光客にどのように伝えていくかといった情報伝達の課題や、身を守るための装備が必要といった防災教育面での課題などが指摘されておりますが、登山者カード等の登山届については、先ほど言いましたように、幾つかの自治体において届け出が義務づけられると承知しておりまして、火山噴火に関する情報伝達の観点からも、その活用方法についてさらに検討していきたいというふうに考えております。

 また、シェルターの設置でございますけれども、噴石から登山者や観光客等が一時的に避難し、身を守るために有効であると認識しております。今後、早急に行います全国的な整備状況に関する調査の結果を踏まえまして、学識者などの専門家の御意見を伺いながら、景観等にも配慮しながら、予算のこともございます、シェルターの整備促進に前向きに検討を進めていきたいと思います。

井出委員 日本に今、常時監視の火山が四十七あることを考えれば、これはきっと御嶽だけの問題ではないと思いますので、今お話があったように、そのお言葉どおり前向きに進めていただきたい、それをお願いいたします。

 次に、風評被害のことをちょっと伺いたいのです。

 私も、漆原先生と同じように、翌日に現地、王滝村、木曽町に入ったんですが、そうやって災害対策本部は人がごった返している、また時折、自衛隊のヘリコプターや救急車のサイレンといったもの、そういった本当に大変な状況もある一方で、王滝村や木曽町の役場のあたりから、本当に大きな被害が出ている御嶽山の山頂というものは大分距離がありまして、そういった災害対策本部の緊急事態を除けば、私は、町の様子というものはふだんと変わらない状態であったと思っております。

 ただ、しかしながら、先ほどほかの先生方からも御指摘がありましたが、例えば木曽町でいえば、発生直後に十月の宿泊予約がかなりキャンセルになった宿もあれば、休日は毎年大阪や名古屋から大型バスで訪れるような施設もキャンセルがあった。また、さらに言えば、御嶽山から遠く離れている長野県の諏訪地方などでもそういうキャンセルが相次いでいるといったことが、あの噴火の後、報道されております。

 私は、そこのところ、正確な情報の発信というものを、大丈夫なところは大丈夫なんですというところをもっともっと多くの方に伝えていっていただきたいと思いますが、この風評被害について、きょうは、観光庁ですか、来ていただいているので、答弁を求めます。

吉田政府参考人 御指摘のとおり、御嶽山の周辺地域、あるいは長野県内、高山市内、下呂温泉でも宿泊やツアーのキャンセルが発生していると承知をしております。そしてまた、御指摘のとおり、今回の御嶽山噴火に伴う災害に関する観光面での風評被害を防止するために、内外の旅行者、または旅行予定者に対しまして、正確な情報の提供に万全を期すことが重要であると承知をしております。

 このため、観光庁におきましては、まず第一に、被害発生直後から、関係団体などから頻繁に情報を収集してございます。第二に、被災した地域の意向を踏まえまして、現地に関する正確な情報を発信してございます。第三に、旅行業者が正確な情報提供を図るよう指導いたしております。第四に、訪日外国人に向けましても、JNTO、日本政府観光局のウエブサイトを通じまして、御嶽山噴火に関する正確な情報の発信をしております。

 以上のような取り組みを通じまして、観光に関する風評被害の防止に努めていきたいというふうに考えてございます。

井出委員 ありがとうございます。

 次に、農業被害のことをちょっと伺いたいと思います。

 先ほど漆原先生からも、白菜の件、御質問がありました。私も、その発生翌々日ですか、地元の新聞で大きく報道されたのを見ておりますし、灰が風に乗って山梨県ですとかそういったところまで届いたといった情報も、噴火の直後はありました。しかし、その後、その被害が一体どうなったのか、どれぐらいになったのか。

 私の地元は、南佐久の野辺山というところで灰が来たという話が一回インターネットで出回ったんですが、私が農家に聞いてみれば、いや、そんなに対策をするまでもないようなものだったという話もあります。

 被害が懸念される、実際被害が出ているという局所的な報道がかなりあったかと思いますが、今回、時間がたって、農業被害、きちっと対応しなければいけないものがどれだけあったとお考えか、農水省に伺いたいと思います。

金丸政府参考人 今回の御嶽山の噴火に伴います降灰による農作物への影響につきましては、現在、地元自治体において調査中でございますが、現段階では、影響を受けたものは木曽地域の白菜等の一部にとどまっているという報告を受けております。なお、現場では、降灰を受けた白菜は洗浄して出荷している、こういうような状況でございます。

 今後、調査の進展によりまして被害が判明いたしましたら、関係地元自治体と連携いたしまして、被害への迅速的確な対応を図ってまいりたいと考えております。

井出委員 依然として噴煙は出ておりますので、今後も注意して見守っていただければと思います。

 農業被害の話をしましたので、ちょっと御嶽山の話とかわるのですが、災害特でお話をさせていただく機会をいただきましたので、二月の大雪被害に関する農業被害についてここで伺っておきたいと思います。

 これも、私の地元長野県佐久市を中心に大きな被害が出ておりまして、県の発表によれば、その総額は九十二億円ぐらいではないか、特に、豪雪でビニールハウスが一万五千八百六十三棟被害を受けたと。そのとき農水省の方にかなり資金的な対策を早急に打っていただいた、そのことには大変感謝をしておるのですが、その状況について、ちょっと私が聞いておりますところ、復旧予定のめどが立っているのが一万一千五百三十七棟だと。

 地元を回れば、私も夏ずっと、その後どうなりましたかということで聞いてきたんですが、一番心配されているのは、お金がいついただけるのか、まだお金が全然入ってこないんだけれども、それはいつ入るのですかと。あともう一点は、どこの農家も、十年かけて、二十年かけて、ハウスを一つ二つとふやしてきた、それを、幾ら予算は単年度だからといって、十年、二十年かけてやってきたものを全部一年でやってくれというのは、特に中山間地においては無理があるということははっきり言われております。

 そういう意味で、今後の予算執行の見通しと、あと、どうしても年度をまたがざるを得ない農家さん、自治体、地域も出てくると思いますが、そこへの対応について、農水省のお話を伺いたいと思います。

金丸政府参考人 お答えいたします。

 御質問の事業は、平成二十五年度の大雪に関する被災農業者向け経営体育成支援事業。この実施に関しましては、現在、早期の営農再開が図られるように、本年八月末までに、県から国に提出されました市町村の事業計画については、既に県に予算の配分をしているというところでございます。

 この事業は、早期に産地の復旧を図るため、平成二十五年度及び平成二十六年度の予算を活用いたしまして特例的な措置を講じているものでございまして、平成二十六年度末までに行うことが基本と考えております。

 このために、被災農業者の一日も早い経営再建が図られるように、まずは、年度内の事業完了に向けて、市町村、県等の関係機関が連携して事業に取り組んでいただく必要があると考えております。

 なお、最大限努力していただいても、資材や人員等の事情によりまして二十六年度中に対応できないということも考えられ、この場合には繰り越しといった措置が考えられるところでございます。

井出委員 ありがとうございます。引き続きよろしくお願いをいたします。

 御嶽山の方に話を戻したいと思います。

 これからの火山活動の予知、火山災害の予防、減災というところを伺いたいのですが、今回、もう多くの方が指摘をされて、きょうの委員会でも出ましたが、九月の間にあったわずかな動きが自治体には伝わっていた。しかし、私自身も、その情報が登山をされる方に伝わっていなかったというのはやはり問題なのではないかなと思いますし、恐らく、そういったことを念頭にきのう大臣も所信を述べられたのかなと思うのですが、今後の火山活動、登山者への周知という点を一点伺いたいのと、あと、きょう来ていただいている文部科学省に火山の研究についても、それぞれ伺いたいと思います。

西出政府参考人 登山者に対する情報提供の改善についてのお尋ねでございます。

 気象庁が発表する火山の状況に関する解説情報でありますとか噴火警報などの火山情報は、報道機関、地元自治体、気象庁ホームページを通じて国民の皆様に提供しております。これらの情報は、火山の現在の状況や今後の見通しについてお知らせするものであり、国民の皆様に対して、できるだけわかりやすく提供する必要があると考えております。

 そのため、気象庁においては、まず、気象庁ホームページを見直し、各火山ごとの情報によりアクセスしやすいようワンストップ化を図ります。また、内容も、最新の火山情報等、安全に関する情報をまずごらんいただけるよう改善いたします。

 また、火山情報の伝達には、地元の自治体や火山防災協議会の協力が大変重要であります。そのため、まず、最新の火山情報が気象庁のホームページに掲載されていることを周知することについて、もう一つは、発表された火山情報の住民や登山者の皆様への周知について、この二つについて地元の自治体でありますとか火山防災協議会に協力を求めてまいりたいと考えております。

 気象庁としても、火山の活動状況をより丁寧に地元の自治体に伝えてまいります。これらに加えて、登山者や旅行者に対し、いかにわかりやすく効果的に火山情報を提供するかという観点から、情報提供の改善策についても検討してまいります。

磯谷政府参考人 お答え申し上げます。

 火山観測研究につきましては、現在、噴火現象の解明、予測、降灰といったような災害誘因の予測のための研究の三本柱で、関係機関、大学等においての研究を進めてございます。

 今回の御嶽山の噴火を踏まえまして、火山研究につきましては、災害の軽減を図るための課題が多くあることが改めて認識されたところでございます。

 本日十日に有識者による会合を開きまして、今後重点的に進めるべき火山観測研究の考え方を整理しつつ、災害の軽減に貢献するための研究の充実強化、研究人材の育成方策などについて、早急に審議をいただくこととしてございます。年内には基本的な考え方を取りまとめ、文部科学省として、関係機関や大学等と協力し、火山研究の充実強化に努めてまいりたいと考えております。

井出委員 ありがとうございます。

 引き続き、御嶽山の方の捜索の進展と、安全に行われることをお祈りいたしまして、終わりにさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

梶山委員長 次に、中丸啓君。

中丸委員 次世代の党、中丸啓でございます。

 きょう、御嶽山のお話をたくさん出していただいていると思うんですが、八月の二十日にありました広島の土砂災害、この地域は、前回、閉会中も御質問させていただきましたけれども、私が選挙をさせていただいている地域でありますので、申しわけありませんが、地元のことを優先してやらせていただきます。

 まず、私は、災害のあったその日から現地に入らせていただきまして、当時の古屋大臣それから西村副大臣ともお話をさせていただきまして、いろいろやらせていただきましたが、それからほぼ毎日、私はこっちへ来たりがあるので、地元のスタッフに交代でいろいろなボランティア活動に参加してもらいながら、現地を確認してまいりました。

 その中で、一つ御提案させていただきたいことがございます。

 今回、安佐南区、安佐北区の福祉センターを使ってボランティアの受け付けをやってまいりました。行政の職員さんの対応、これは別に非難しているわけでも何でもなくて、非常に多くの方が駆けつけていただいた、本当にありがたいことで、感謝しかないんですけれども、保険等の手続も含めてなかなか処理し切れなかった。遠くから来ていただいたんですが、二時間、三時間、私が聞いた知り合いの中では、最大四時間待ったあげくに、活動が中止になって、そのままお帰りいただいた、こういうことも実際にあったりしたわけでございます。

 そういった中で、行政の窓口ではなく、東日本大震災のときも含めて、実際に別の場所で独自にキャンプといいますか拠点をつくってやっているNPO法人の団体の代表の方ともヒアリングをしてまいりました。

 その中で、自分のところにはもう少し人がいるのに、今、人が足りないということもあったりしたわけです、発信力の問題として。片や余っている、片や足りない。

 では、こういう共有を、毎日、朝、連絡をとったりでしているんですかという質問をしたら、基本的にそういうことはやっていないというのが現状でございました。

 それで、一つ御提案でございます。

 こういった災害に対するボランティア、こういう団体を、登録されていることもあるんだと思いますので、そういうのが現地に入りますので、それを、基地局といいますか、情報ネットワークをちゃんと持って、そういう人のやりくり、物資のやりとりだったり、こういった情報共有をする仕組みをぜひ今後のためにも考えていただきたいと思うんですが、きょう、参考人、厚労省からも来ていただいていると思いますし、政府参考人の方も、内閣府の統括官も来ていただいていると思いますので、その御検討ありや否か、お答えをいただければと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 広島の土砂災害におきましては、大勢のボランティアの方に現地にお入りいただきまして、土砂の排除でありますとか、あるいは被害に遭われた家屋の清掃だとか、御活躍いただいたところでございます。委員御指摘のとおり、一時期、ボランティアセンターに大変大勢の方がボランティアに来ていただきました。

 一方で、まだ地区には大分、道路も含めて土砂が残っていて、どこを排除するかという、その立ち入りできる区域、できない区域があったり、あるいは、ちょっと二次災害のおそれがあって、雨が降ってというようなこともあったりして、かなり混乱が生じて、調整がうまくできなかったことがあったのは事実でございます。そのために、ボランティアセンターを支援するボランティアという方もおられまして、そういった方にお入りいただいて大分うまく回るようになってきたというような話も承知しております。

 いずれにいたしましても、今委員から御指摘ございましたように、今回のボランティアセンターの運用状況をまずよく把握いたしまして、その上で、情報の共有とか、情報を有効活用するための課題につきまして再度検討いたしまして、ノウハウを蓄積し、それをまた発信するというようなことをして、今後のボランティアに生かしていきたいというふうに思っております。

中丸委員 ありがとうございます。

 ぜひとも、積極的に、上手に活用していただきたいと思います。

 次の質問、ちょっと順番を変えます。

 一つ申し上げておきたいのは、報道とかもそうなんですが、いろいろな会議、大臣とか皆さんの御発言の中で、こういうときに、警察、消防、自衛隊の皆様には大変頑張っていただいているとかいうお話があるんですけれども、私は、この順番を聞くたびにちょっと疑問を感じていまして、自衛隊が現地に入れば、基本的に、自衛隊、警察、消防ではないかと。普通、他国であれば、通常はこういう順番になろうかと思います。しかし、現在の法律、それから現在の憲法の中には非常事態に関する項目はございませんので、こういう状況になっているんだと思うんです。

 先ほどの、例えば大雪のときの車の移動、今回も、広島でも実際に、そういった車両、それから瓦れき、もっと言えば、余りこれは報道にも出ませんが、人の住んでいるところだけではなくて、例えば墓所、こういった墓所が流れたときに、この墓石はどうするんだ、個人で全部処理するのか、その遺骨の入っていたものはどうするのか、こういう問題も実際に現場では起きております。私だけではなくて、与党、広島のほかの自民党の先生方、それから自民党の地方議員の皆様と連携しながらやらせていただいていますけれども、こういった問題も実際現場では起きてきます。

 では、それをどうするのか。今、広島の災害対策本部の市の職員の方が中心になってそういうこともやっていただいていますし、現地との了解を得たりとか、こういうのも、我々も参加させていただきながらやっているんですけれども、やはり、今までの規定どおりしか、特に、予算のかかるものに関しては使えない。多分、処理の仕方一つとっても、そうですね。

 現地ですり合わせをしながら、この作業の道路をつくるのは、後で住民の皆さんとか関係者の皆さんと、うまくいくような調整もしたい。いろいろな声があるわけです。そういった、しゃくし定規でなくて、ぜひ臨機応変に、本当に地元の要望に耳を傾けていただきたい。特に、市役所だけでできないものに関しては、農水省だったり国交省とかいろいろなところに、場所によって出てきます。

 現場にずっと入っていただきました西村副大臣にお尋ねします。

 今回、実際に見ていただいて、総括として、ぜひ住民の皆様に対して、そういった地元の要請にしっかりと耳を傾けていくんだというお言葉を頂戴できればと思うんですが、いかがでしょうか。

西村(康)副大臣 大変大事な御指摘であります。

 私も現地の本部長として広島におりました折も、市の当局はやはり予算を心配して、事業が後回しになりがちでありましたので、私からは、予算のことは考えずに、住民の目線に立って、住民の立場に立って、やれることは全てやってください、その上で、国の方でしっかりと財政的なことも含めて対応したい、特に、補助、国の支援制度もできるだけ柔軟にやりますということを市長そして知事にも申し上げて、そのように対応していただいたというふうに思っております。

 例えば環境省の補助も、しゃくし定規にやると、なかなか、家を壊す費用なんかはどうするんだと。ですけれども、その場で、木材とそれ以外の金属と、いろいろなものを分別するという視点でやれば補助も使えるとか、いろいろな工夫をしながら支援の柔軟性を発揮するように、各省にもお願いをしながら進めてまいりました。

 そういう意味で、改めて、今なお、まだ再建途中で、復旧の途上でありますので、住民の立場に立って、今最前線で市の方で対応してくれておりますので、そのことを優先してやっていただいて、国の方はしっかりとそれをバックアップするという引き続きの姿勢で復旧復興を支援していきたいというふうに思います。

中丸委員 よろしくお願いいたします。

 山谷大臣にちょっとお尋ねします。

 今、台風十九号も近づいておりますし、今のお話を聞いていただいて、実際に広島にもお越しいただいたので御理解いただいていると思うんですけれども、先ほどから申し上げますように、警察、消防、自衛隊で、実際に現地でテントを三つ並べて張りながら、朝、打ち合わせをしたり、情報共有しながら、結局、指揮命令で、現場で緊急な場合に誰が発令するのかというと、警察は警察、消防は消防、自衛隊は自衛隊なわけですよね、当然。

 では、トータルとして、ここぞというときに誰が決めるのか。

 例えば、災害現場で、崖崩れの中から行方不明者、安否不明者を捜索しているときに雨が降ってきました、風が吹いてきました。では、どこが危険ラインなのか。警察、消防、自衛隊というのは装備が違うわけですよ、それぞれ。やってこられた訓練も違う。役割も違うわけです。

 そういう中で、普通は、先ほどから何回も言いますけれども、自衛隊、警察、消防という考え方でする方が私はうまくいくと思うんですけれども、そういう意味ではいろいろなことがあると思いますが、大臣、いかがでしょうか。

山谷国務大臣 私、広島に行きましたときも、いきなりすごいどしゃ降りになりました。

 今、委員御質問の件でございますが、大規模災害が発生した場合には、さまざまな組織、機関が連携して応急対策に取り組む必要があります。

 救助活動を行う警察、消防、自衛隊等の各部隊は、それぞれの指揮命令系統を有していますが、おのおのの特性や能力、知見を踏まえ、相互に補完し合い、全体として最も効果的な活動がなされることが重要だというふうに考えております。

 例えば、今回の御嶽山の現場では、自衛隊の大型ヘリコプターにより、警察、消防も含めた隊員を山頂まで輸送することにより、効率的な捜索活動を確保しております。

 また、王滝村役場の中に各部隊の調整機能を置きまして、捜索活動に関する調整を行っているところでございます。

 このように、警察、消防、自衛隊等の各部隊が緊密に連携を図っているほか、国、県、合同本部においても必要な調整を行っているところであります。

 さらに、非常災害対策本部長である私からも、必要に応じまして、関係各省庁に対して指示を行っております。

 今後とも、異なる機関間の調整が円滑になされ、効果的な活動ができるように努めてまいりたいと思います。

中丸委員 現状であれば、そういう調整をしていくということしかおっしゃられないというのは重々承知の上で言わせていただきますと、ですから、現場でその都度調整するということ自体が、緊急事態の対応としては、フレキシブルな、スピーディーな対応ができないということになってくるわけですよ。

 ですから、やはり、指揮命令の一本化というのをつくるために法律も変えないといけないですし、私どもは、次世代の党としては、国家安全保障基本法というのを考えて、その中に非常事態法というのを入れて、厳密に言えば、個人の財産権、それから行動の自由、これに対する制約も、当然、命令として出さないと、例えば避難命令というのも考えていかないといけないわけですから、そうすると、最終的には、憲法も含んで、これは絶対に国民的議論として考えないといけないと思うんですけれども、いかがですか、大臣。

山谷国務大臣 今、ざっくりお聞きしたところで、明確な答弁はできないところでありますが、さまざまな視点からいろいろな国民的議論があると考えております。

中丸委員 我が党も分党して人数が減ったので、時間も短くなりまして、あっという間に時間がなくなったんですけれども、済みません、ちょっと一つ、西村副大臣にお答えいただきたいことがあります。

 今回、今後の二次災害防止も踏まえ、今後の防災対策、治山ダムとか砂防ダムとかを今後つくっていくわけでございますけれども、地元の土木建築業者の皆さんからいろいろヒアリングをしました。

 一億、二億、三億ぐらい、大体そのぐらいで今まで砂防ダムとかをやってきたという中で、一番の問題は、掘ってみて下からでっかい石が出てきたりすると、そのぐらいの小さな予算の仕事だと、掘って追加が出たときに、追加予算が出ないから赤字になるケースが非常に多くて、今回たくさんつくっていただくのはいいんですが、ちょっと、びびっていると言うとあれですけれども、引きぎみになっている業者さんの声が結構あるんです。

 こういうことを含めて、特に今回なんかは、先ほどおっしゃっていただいたように、現場での対応というのをお考えいただけるかどうか、教えてください。

西村(康)副大臣 具体的な発注は、国交省なりあるいは県を通じてやることになると思いますが、地元のそういう事業者の方々の意見、あるいはその土地土地のそれぞれの状況、地区地区によって状況も違いますので、そうしたことをよく踏まえながら、しっかりとした事業をやっていただけるように、そのあたりは、よく声を聞きながら進めたいというふうに思います。

中丸委員 本当に、よろしくお願いいたします。

 入札の仕事で追加というのは非常に難しいんですよね。なので、ぜひとも対応していただきたいと思います。

 時間になりそうなので、最後に、山谷大臣にお伺いしたいと思います。

 防災意識、垂直避難も含めて、やはり個人個人がその意識を持つことは非常に大事です。そして、訓練も非常に大事なんですが、例えば、水かさが上がったときに避難する場所と土砂崩れのときに避難する場所と避難場所が違うんですが、避難訓練で一回しみついたものというのは、お年寄りの方は、特に今回もあったんですが、初めに訓練した場所にいて、そこで被災された方もおられました。

 そういうのも含めて、自分の身は自分で守る、こういう意識が一番大事だろうと最終的には思います。その啓蒙について、今後、何かお取り組み、考えがあれば、最後にお聞かせください。

山谷国務大臣 本当に、土砂災害等では、二階に上がるだけで助かったという方もおられると聞いております。自分の身は自分で守るという今後の啓発活動は非常に重要だと思っております。そのような考え方に立って適切な避難行動をとっていただけますように努めてまいりたいと思います。

 具体的に、住民の避難が適切に行われるためには、ハザードマップの作成等を通じて地域のどこにどのような危険があるか等について平時から住民にきちんと周知すること、また、災害の発生のおそれがある際に状況に応じてどのような避難行動をとるべきかについて必要な知識と情報を提供すること、また、気象情報や避難勧告等の情報について一人一人に適切にきめ細かく確実に届けることが重要であるというふうに考えております。

 平成二十六年四月に改定されました避難勧告等の判断・伝達マニュアル作成ガイドラインにおいては、自宅等にどの災害のリスクがあり、避難勧告等が発令された場合にどのような避難行動をすべきかについてあらかじめ認識してもらうための災害・避難カードについて提案をしております。

 このような取り組みを通じ、防災に対する認識と行動が全ての国民に浸透するよう、関係省庁及び自治体等と連携し、取り組みをさらに推進してまいりたいと考えております。

中丸委員 時間になりました。ありがとうございました。

梶山委員長 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一です。

 今国会から災害対策特別委員会の委員としてお世話になります。よろしくお願いいたします。

 まず最初に、内閣府と国交省に同じ質問をさせていただきます。

 ことしの八月の広島の大雨による土砂災害で多くの被害者が出ました。つい先ほどまでその議論がなされていたわけですが、二カ月ほどたった今、応急対応が少し落ちついてきて、次の災害に備えるための教訓を引き出す、あるいは冷静に検証するには、ちょうどよいタイミングではないかと思います。

 こういった広島の今回の大きな災害を踏まえて、今後の対策、どういった教訓が得られたか、どういった対策をとっているのか、それについて、内閣府と国交省それぞれに質問します。

西村(康)副大臣 お答え申し上げます。

 本当に大変な被害が出た土砂災害でありましたけれども、さまざまな教訓を私も感じましたし、現地の広島県の皆さんも感じられたと思います。それをしっかりと受けとめて、検証をしっかりして、防災対策というものを進化させていく、そういう心構えで引き続き臨んでまいりたいと思います。

 具体的には、幾つか申し上げたいと思いますが、やはり、避難勧告、避難指示が遅かった。夜中でもあり、間に合わなかった。この夜中の避難勧告、本来なら夕方の時点でやっておけばよかったんですけれども、そういったこと。

 あるいは、夜中に突然雨が降り出した場合に、お年寄りの方は真っ暗な中でどうやって避難するか。こういったことも課題として残りました。

 それから、そもそも、土砂災害防止法に基づく区域指定が行われていなかったという点。これは、今回、この国会で法律改正も国交省の方でなされるというふうに伺っておりますので、ぜひ、教訓としながら、改善できればというふうに思います。

 それから、情報伝達のあり方。これは、まず避難するときの情報伝達もそうですし、それから、避難された後、今後、どうなっていくのか。避難場所におられた方、それから、やがて避難所に移られての、その後のお一人お一人への情報提供。やがて二次的な場所に移られていく、公営住宅等に移られていく、あるいは民間の借り上げた住宅に移られていく、そうすると、ばらばらになってしまいますので、それまでだったら避難所に連絡をしていればよかった、情報伝達していればよかったのが、個別にしていかなきゃいけない。被災者台帳のようなものを整備しながら個別にそれぞれの生活再建を支援していく、そうしたあり方。

 それから、先ほど来議論になりました現地対策本部。私どもは、当初、県につくり、その後、市の事業が多いものですから市役所に移して、広い場所を確保してできたんですけれども、広島市の現地対策本部は、最前線は区役所、安佐南区の区役所と安佐北区の区役所に最前線があり、実は、市役所自体は、そこからさらに、うまくいって三十分ぐらい、ひどい渋滞がありましたので四、五十分かかる。市役所に市長がおられるわけですね。さらに、消防局は、そこからまた五分か十分離れたところに消防局があって、そこに本部をつくられている。こういうちょっと分散をした体制の中でやっておられましたので、そのあたりの体制がどうだったのか。

 こういったことも、先ほどの各市町村の現地本部の話もありましたけれども、あり方についても、今後、我々も標準化のそうしたガイドラインみたいなものをつくるべく検討を進めてまいりますけれども、このあたりもぜひ検証してまいりたいというふうに思います。

 いずれにしましても、たくさんの課題、教訓として、二度とこういうことが起こらないように、万全を期して防災対策を進化させていきたいというふうに思います。

池内政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、今回の広島土砂災害から得られました教訓を生かしまして、土砂災害対策の充実強化を図っていくこととしております。

 まず、この強化に当たりましては、土砂災害の危険性のある区域を住民の方々にできるだけ早期にお示しすることが大事であると考えておりまして、基礎調査結果を速やかに公表することにしたいというふうに考えております。

 また、いざというときに住民の方々が適切な避難行動をとれるよう準備を進めていくことも重要でございまして、避難場所や避難経路を防災計画にきちんと具体的に記載することなどによりまして避難体制の充実強化を図ってまいりたいというふうに考えております。

 また、今回の災害では、砂防堰堤等によって守られた地域もございます。こういったことも踏まえまして、さらに、人命を守る効果の高い箇所等を優先いたしまして、砂防堰堤の整備等も計画的に進めてまいりたいというふうに考えております。

 このように、今回の災害の教訓を生かしまして、土砂災害から人命を守ることを最優先に、ソフト、ハード両面から土砂災害対策をしっかりと進めてまいりたいと考えております。

 以上です。

山内委員 西村副大臣、丁寧な御答弁をありがとうございました。

 国交省にお尋ねします。今お話のあった土砂災害防止法に関して質問します。

 その中で、土砂災害警戒区域等の指定状況というのは、今、都道府県によってばらばらで、完了した県がある一方で、全く進んでいない県もたくさんある。広島も余り進んでいない方なのかもしれません。

 本来、最初に土砂災害防止法ができたときの当時の議論では、五年ぐらいあれば大体指定が完了するんじゃないかと言われていたと聞いていますが、実際には、十年以上たってもまだまだ完了していない都道府県が多い。

 この背景と、その今の状況を改善するためにどのような措置が考えられるのか、質問したいと思います。

池内政府参考人 ただいまの委員の御指摘のとおり、非常に県によって大きなばらつきがございます。進んでいる県はもう既に完了しておりますし、おくれている県もあるということでございます。

 そこで、土砂災害警戒区域等の指定を促進するためには、まずは、その前提条件となります基礎調査の促進を図ることが重要であるというふうに考えております。

 このため、促進策の一点目といたしましては、国が都道府県ごとの進捗状況を把握して公表するということ、二点目としては、防災・安全交付金による積極的な支援を行っていくということ、三点目といたしましては、国が所有しております地形データ、こういったものを提供することによって基礎調査の負担軽減を図っていくということ、四点目といたしましては、先進的な取り組みを行っておられる事例、こういったものも情報提供していく。

 こういったさまざまな取り組みによりまして都道府県の方を御支援させていただきまして、基礎調査の促進を図り、そして土砂災害警戒区域の指定の促進を図ってまいりたいというふうに考えております。

山内委員 ありがとうございました。

 今回、法改正の中でも基礎調査の促進ということが項目で入っていると思いますが、ぜひ早目に完了していただくようにお願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。

 今回のような土砂災害が起こりそうな場所に住んでいる方がいらっしゃる場合、砂防ダムをつくったりするのも一つの手ですが、場合によっては、引っ越してもらった方がより安全、あるいは、よりコストがかからないといったケースも十分考えられると思います。

 そういった意味では、今既にある事業として、がけ地近接等危険住宅移転事業というのがあるようですが、この今の実施状況、あるいはこの問題点についてお尋ねしたいと思います。

杉藤政府参考人 お答えいたします。

 がけ地近接等危険住宅移転事業は、災害危険区域や土砂災害特別警戒区域といったような建築制限が課されている区域におきまして、災害の未然防止という観点から、区域外への移転を促進するために、危険住宅の除却や、安全な地域における住宅の建設、購入、こういったことに必要な費用の一部につきまして、国の交付金として交付する制度でございます。

 御指摘のとおり、本事業、制度が創設されたのは昭和四十七年でございますけれども、これ以降、年間数百件程度を支援してまいりましたが、近年は、年間三十件程度の活用状況にございます。

 本事業は、地元の要望を踏まえながら実施してきたということではございますけれども、委員御指摘のとおり、この事業、危険な住宅を移転するというのは非常に大切なことですし、これを促進する上で重要なものというふうに考えてございます。

 そこで、今般の土砂災害で得られました教訓を踏まえまして、土砂災害特別警戒区域等の指定の促進を図る、こういったこととあわせまして、今後この事業が積極的に活用されますように、砂防部局と私ども建築部局がよく連携をして、地方公共団体を通じて十分な制度の周知を図り、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。

山内委員 公共事業も、右肩上がりでどんどんふえるという時代でもありませんので、なかなか砂防の方も、どんどん予算がふえていくということも考えにくいと思います。そういった意味では、コンクリートの構造物でどうしてもコストがかかってしまう事業よりも、こういう個人の住宅の移転を促す、こういったこともこれからはもっと積極的に目を向けていく必要があるのではないかと思います。ぜひ、より使いやすい制度になるように、あるいは周知徹底がなされるように、お願いしたいと思います。

 次の質問に移ります。

 まず最初に、内閣府にお尋ねをしたいと思います。

 広島の土砂災害の被災者の方々の中には、もとの場所に住むのはちょっと怖い、そういう犠牲者の出た場所にもう一度住宅再建するというのも、なかなかそうはいかないという人も、心理的にも、あるいは実際に生命の危険という意味でも、そういうふうに思う人が必ずいると思います。

 そういう人たちに対しては、引っ越しのための支援、住宅再建のための支援というのが必要だと思いますが、それについて、現状、どのような状況にあるのか、あるいは、特に今回の広島の災害の件に関して既にそういう動きがあるのか、お尋ねをしたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 広島市の土砂災害につきましては、被災者生活再建支援法の適用を平成二十六年の八月二十日に行っているところでございます。

 生活再建支援制度の創設当初におきましては、生活必需品の購入ということで使途が限られておりまして、領収書を持ってこいみたいな話もしておったんですけれども、平成十九年に法律が改正されまして、使途を限定しない、いわゆる見舞金的な性格を有するものとなっております。

 したがいまして、支援金は、基礎支援金が全壊の場合ですと百万円であり、それから、住宅を再建すれば再建のための支援金が二百万円あるんですけれども、これらにつきましては、自己の判断に従って使用することが可能です。

 また、住宅を建て直す場合に、別にもとの場所に建て直す必要はなくて、いずれの場所に建てた場合でも、全壊の場合には二百万円の支援金が適用されるというふうになっております。

山内委員 通告していた質問が、ちょっと積み残しもありますが、以上で質問を終わります。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 御嶽山の噴火災害や広島の土砂災害を初め、この間の連続した災害で犠牲になられた方々に心から哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様にお見舞いを申し上げます。

 また、何度も活動の中断を余儀なくされる中、奮闘されている救助捜索隊の皆さんに心から敬意を表したい、このように思います。

 さて、世界の活火山の七%に当たる百十の活火山が分布する我が国において、それにふさわしい人員など、観測体制は確保されているのでしょうか。

 一九六五年から地震予知計画、また、一九七四年から火山噴火予知計画が、科学技術・学術審議会測地学分科会の建議に基づき実施されてきましたけれども、二〇〇八年の建議からは、地震及び火山噴火予知研究の観測研究計画の推進について、つまり、地震予知と火山噴火予知の研究を統合した観測研究が開始をされてきました。

 その後、二〇一一年の東日本大震災を踏まえ、昨年出された建議は、どういう特徴を持っているでしょうか。

磯谷政府参考人 お答え申し上げます。

 地震、火山に関する研究につきましては、御指摘のとおり、科学技術・学術審議会の建議による研究計画に基づきまして、関係機関、大学等において実施されてきているところでございます。

 平成二十三年三月の東日本大震災を踏まえ、それまで地震及び火山噴火予知のための観測研究計画として実施されてきた研究観測計画について、より防災、減災に貢献する研究活動を重視すべきであるとの指摘を踏まえまして、地震や火山噴火の現象を理解し、地震や火山噴火の発生を予測するほかに、災害の直接的な原因の発生、推移を予測し、防災、減災に貢献することといたしております。

 本計画に基づきまして、現在、噴火現象の解明、噴火の事前予測、降灰や溶岩噴出などの即時予測のための研究の三本柱で関係機関や大学等において研究を進めておりまして、文部科学省としましては、今回の御嶽山の噴火も踏まえまして、関係機関等と協力しつつ、火山観測研究の充実強化に努めてまいりたいと考えてございます。

高橋(千)委員 今、より防災、減災という言葉を強調されていたと思います。

 昨年一月の「東日本大震災を踏まえた今後の科学技術・学術政策の在り方について」、この建議の中で、「今般の大地震発生やそれに伴う巨大な津波の発生の可能性を事前に国民に十分伝えられなかったことが、被害の深刻化を招くこととなった。」このように明記をした上で、今後は、研究は研究ではなくて、やはりその成果を防災、減災に貢献できる体制にするというふうにまとめられたということは、非常に意義のあることではなかったかと思っております。

 そういう点でも、今回の御嶽山の噴火災害も、また一つ教訓になったのではないか、残念ながら、生かされなかったことがあるのではないか、このように思っております。

 そこで、二〇〇〇年の、きょうも少し先ほどの議論の中で出ておりましたけれども、北海道の有珠山噴火のときは、北海道大学有珠火山観測所が百四十四時間以内に噴火をすると予告をして、随時会見を行いました。結果として、周辺一万人以上が避難をして、百四十三時間目に噴火をするわけですけれども、犠牲者をなくした、そういう成果があったわけですね。

 このときにテレビに出ずっぱりだった岡田弘北大名誉教授が、いろいろなところでコメントをしておりますけれども、九月三十日付の室蘭民報の中で、御嶽山は気象台や名古屋大学が観測をよくやっていると評価をしています。

 その上でおっしゃっているのは、「近年、国が合理化を進め観測現場を縮小する方向にあり、本来あるべき現地主義、現場主義が失われていると感じている。多くの人が入山しているシーズンであり、社会的リスクが高まっていましたから、群発地震があった時点で安全策としてレベル2に引き上げるべきでした」と指摘をしています。

 確かに、過去の経験則ではレベルを引き上げるのは無理だったと、さっき長官はおっしゃったと思うんです。でも、それだけではない、さまざまな要因、登山客が火口の付近までいるんだよ、そういうことを全部考えて引き上げるべきであったというコメントをしているわけですね。やはりそこは非常に、連携という点でも、あるいは絶えずそこを見ているという点でも、教訓的なものがあると思うんです。

 ここで岡田名誉教授が指摘しているのは、一つの火山に対してホームドクターのような専門家がやはり必要なんじゃないかなと。

 そういう体制が望ましいなと思いますが、いかがでしょうか。

磯谷政府参考人 お答え申し上げます。

 人材育成あるいは研究者の支援ということも含めまして、御指摘の点も含めて、文部科学省におきましては、先ほど御紹介いたしました災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画に基づきまして、全国の火山噴火メカニズムあるいは火山噴火予測等に関する大学、関係機関等の研究について支援を行うとともに、人材育成につきましては、本計画の中で、複数の教育・防災業務機関が連携し、観測研究を生かした教育活動を継続して、若手研究者や防災業務に携わる人材などを育成することとされており、その推進に努めているところでございます。

 また、これに関しまして、火山研究は地震研究との共通の科学的背景を持つことから、地震分野との研究計画を一体的に進めることとしておりまして、これにより、先生御指摘のような意味での研究人材の裾野も広がるものと考えているところでございます。

 また、今回の御嶽山の噴火を踏まえまして、災害の軽減を図るためのさまざまな課題が多くあることが改めて認識されたことから、まずは科学技術・学術審議会測地学分科会地震火山部会において検討することといたしまして、本日、一回目の会合を開催することといたしております。先生に御指摘いただいた事項も含めて、この有識者の会合において検討をお願いしたいと考えております。

 年内には研究の充実強化、人材の育成などに関する基本的な考えを取りまとめまして、文部科学省として、関係機関や大学等と協力しつつ、火山観測研究及び人材育成の充実強化に努めてまいりたいと思っております。

高橋(千)委員 よろしくお願いしたいと思います。

 日本は、大学で火山観測研究に従事する研究者は四十名程度だと言われています。さっき言ったように、百十活火山があるわけですよね。それで四十名というのは非常に厳しいわけで、活火山が八つしかないイタリアと比べても数十倍の開きがあるわけです。今お話しした北大の有珠山研究所も、当時は五人だったのが、今、二人になっているということであります。

 そういう意味では、今回御嶽山を重点観測に加えるという報道もありましたけれども、それだけではやはり済まないわけであって、今裾野を広げるとお話ししていただいたと思うんですが、やはり、予算も当然なんですけれども、活躍の場をきちっとつくって、ポスドクの手当てということもあるわけですけれども、しっかり育てていくという体制をぜひつくっていただきたい、このように思います。

 そこで、次に、気象庁に聞きたいと思うんです。

 資料の一枚目に、これは気象庁がつくっていただいた資料なんですけれども、二十四時間体制で監視している火山ということで、百十の活火山を地図に落としてあります。そのうち赤のところが、二十四時間体制、常時観測火山。四十七あります。

 そのほかに、四カ所で火山監視・情報センターというのがあって、あとは、連絡事務所というのが左の方に書いてある、このような体制になっているわけですけれども、この火山監視・情報センターの定員がどのように推移してきて、どのような役割を果たしているのか伺います。

西出政府参考人 火山監視・情報センターは、平成十三年十月一日に、気象庁本庁及び札幌管区気象台、仙台管区気象台、福岡管区気象台にそれぞれ設置しており、当初の定員は六十一名です。その後、これまでに火山活動監視体制の強化等を図ってきたところでありまして、現在の定員は七十七人であります。

 また、気象庁本庁には火山業務の運営管理を行う職員を、気象研究所には火山の研究を行う職員を、地方気象台には火山防災情報の利用促進を図るための職員などを配置しており、火山監視・情報センターを含めた火山業務に携わる職員は、気象庁全体で百五十三人です。

高橋(千)委員 そこで、資料の二枚目に定員の推移というものをつけておいたわけですけれども、六十一人でずっと推移していたのが、若干ふやしていただいた。ただ、二〇一二年以降は、定員管理がかかって漸次削減をされている、そういう状況にあるわけです。

 ですから、二十四時間監視といっても、二十四時間そこに張りついているわけではなくて、そこに地震計があったり傾斜計があったり、そういうもののデータをここの四カ所のセンターで監視をしている、情報の集約をしている、そういう関係になっているわけですよね。

 ですから、今回の御嶽山のときも、地震が事前にあったというふうな話も、解説情報という形では出しているんですけれども、それを本当にどう使うかという点では、それは自治体は、入山規制一ですよとなれば、それ以上はならないというさっきの議論になっていく。そういう意味でも、やはり現場に近いところでの観測体制が必要なのではないか。

 もう少し踏み込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

西出政府参考人 火山の監視につきましては、委員御紹介のとおり、各火山に観測機器を整備するとともに、大学等研究機関や自治体、防災機関からの観測データの提供も受けて、さらには、全国の地震活動の監視のために、全国的に展開している地震のネットワークも集めまして、火山活動を各センターで二十四時間体制で、人を二十四時間張りつけて監視しております。これによりまして火山活動の異常の有無を把握できる体制となっております。

 以上のように、気象庁では、最新の技術を活用した適切な監視体制を整備し、今後も、必要な監視体制の確保を図ってまいりたいと考えております。

高橋(千)委員 最新の技術がどんなに蓄積されていっても、それを使うのは人なんだということを忘れてはならないのではないかと思うんです。

 資料の三枚目に、「測候所等の経緯」と書いてあって、経緯とは何かと思うかもしれませんが、これは、八年度の五カ所から始まって、これだけの測候所が廃止された数であります。そして、(3)とかと書いているのは、そこに働いていた人たちです。これは、全廃計画があってから、百あったのが九十六カ所廃止されて、五百七十一人の方が気象台などに集約をされるというふうなことをやってきたわけですね。

 きょう、ちょっと時間がないので紹介だけにとどめますけれども、昨年の伊豆大島の災害のときにも、測候所があればということが指摘をされました。さっき話をした、火山の連絡事務所が大島に残っているわけなんですね。この火山を監視するために二人の方が残っているんだけれども、一応気象庁のメンバーであるけれども、測候所はないし、情報は一緒にいる役場の人たちと同じレベルでしかないわけですね。そのことが非常に問題だったのではないかということで、元測候所職員の気象庁OBの声なども紹介されて、やはりあればよかったのになということが言われているのと同時に、廃止をしなかった奄美大島の名瀬測候所が地域の職員の方と連携をして重要な役割を果たしているということを紹介しています。

 これは、基本は同じだと思うんです。地方気象台に火山防災官が少し配置をされておりますけれども、本当に役割を発揮する点でも、この教訓を生かす必要があるのではないかと思っております。これは、ちょっと時間がないので、指摘にとどめます。

 最後に大臣に伺いたいんですけれども、先ほどから登山客の問題が指摘をされています。噴火の規模は小さいけれども、登山客がいたので、今五十五名ですか、大変甚大な被害になったということです。

 情報提供について随分議論がされました。ただ、避難計画にどう位置づけていくのかという、そもそもの問題なんですね。

 内閣府が出している避難計画の手引などには、登山客の数を把握しろ、その程度しか書いていません。あるいは、大規模火山の対策への提言を見ますと、周辺の住民がどう逃げるかという計画しか全然ないんです。登山客は眼中にないんですよ。

 そこがそもそも出発点として非常に足りなかったということを踏まえて、ぜひお言葉をいただきたい。

山谷国務大臣 避難計画に登山客をどう位置づけていくかということでございますけれども、内閣府等が開催した火山情報等に対応した火山防災対策検討会により平成二十年三月に取りまとめられた、噴火時等の避難に係る火山防災体制の指針においても、登山、入山規制の確実な実施など、登山者や観光客等を対象とした対応策の必要性が述べられています。

 しかしながら、今回の御嶽山噴火のように、大勢の登山者がいる中で突発的な噴火が起きるケースまで十分に考慮されていたというふうには言えない面がございます。

 そこで、今回の噴火を踏まえまして、国の職員が積極的に火山防災協議会に参画し、登山者等への情報伝達や、避難誘導を含む登山者や観光客等を対象とした対応策について、いま一度見直しを進めていきたいと思っております。

高橋(千)委員 その防災協議会があるのはまだ三十三火山にすぎず、十分動いているとも言えません。引き続いて提言をしたいんですけれども、また次の機会をぜひお願いいたします。

 終わります。

梶山委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。

 この臨時国会が始まって最初の災害対策特別委員会、また、山谷大臣には初めの委員会となりますので、よろしくお願いいたします。

 まず、質問に先立ちまして、さきに起こりました御嶽山で犠牲になられた皆様方、また、被害に遭われた方、御家族の皆様方には、心から、お悔やみと、そしてお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、本日も大変厳しい条件の中で救助活動に携わっていらっしゃいます警察、消防、自衛隊の隊員の皆様に、心から敬意を表させていただきたいと思います。

 きょうは本当に御嶽山のことが多くありますけれども、火山噴火に関しては、蔵王なども懸念されております。これからさまざまな状況もわかってくるかと思いますので、またぜひ、集中してなり、火山活動に関係する質疑の機会がありましたら、そこでさせていただきたいと思っております。

 さて、三年半前の東日本大震災を初めとして、近年は、さまざまな災害が起きております。この自然災害、本当に、従来の感覚からすれば、思いもしないほどに未曽有の状況というものが起きています。

 この特別委員会におきましても、昨年は大島、そして二月の豪雪、また、広島の災害被災地などにも視察もさせていただきました。

 本当に、これだけの大きな自然災害というのが話題にならない日はないと言っても過言ではない、そういった状況が今あるんだと思っております。

 災害対策への取り組みの重要性がますます高くなっている中、担当大臣に御就任されました山谷大臣には、ぜひとも御尽力をされていただきたいと思いますし、この任務に当たられる、職責に当たられる大臣には、やはり、安心して暮らし続けられる社会構築に向けて、とるべき施策というものに真摯に向き合っていただきたいと思います。

 ところが、災害対策の重要性が高まっている中ではありますけれども、前回この特別委員会で大臣からの所信を伺った後、残念ながらといいましょうか、緊急性のある審議が多くあったものですから。

 首都直下地震緊急対策推進基本計画や政府業務継続計画、南海トラフ地震防災対策推進基本計画が三月に決定されております。また、六月には、国土強靱化基本計画、国土強靱化アクションプラン二〇一四が決定されるとともに、国土強靱化地域計画策定ガイドラインも策定されております。これらは、やはりこの特別委員会で、さらなる取り組みについて、また、国会として、しっかりと、政府に対し、これは防災という観点からももっと真摯に議論を重ねるべきであると考えておりますので、ぜひ、委員長におきましては、委員会審議で取り上げていただければと思います。

梶山委員長 理事会において協議をしてまいります。

小宮山委員 ぜひお願いいたします。

 私自身は、埼玉の川越から、ほぼ連日、基本的には国会には電車で通わせていただいております。その中で、もし今首都直下が起きたら、本当に、帰宅難民の方々や、また、さまざまな首都機能というものは、大変危機的な状況になるんだというふうに実感をしております。

 首都直下に対しては、昨年十二月に首都直下地震の被害想定と対策についての最終報告が出され、人的被害では、死者数最大約二万三千人、建物被害は、倒壊や焼失棟数最大約六十一万棟、ライフラインなど施設等の被害、経済的な被害額は最大九十五兆円と、想定額も大変大きなものでありました。この点に関しても、もっともっと真摯に審議をしなければならないと思います。

 また、後ほど質問させていただきますけれども、防災の観点から対策をとれば相当数延焼が免れるというような提言も出ております。

 さて、そういった中で、大変大きな被害も想定される、そして現在も、自然災害において、多くの方、地域が大変苦労されている中で、大臣の昨日の所信を拝見させていただきますと、三月の古屋前大臣の所信とおおむね全体の構成や文言は同じということであります。

 基本的に職責は変わっているものではございませんので、引きずられているなという感がございます。文言上変わっているのは、直近の災害への対応ですね。昨年来は竜巻の案件が多々ございました。ことしは土砂災害、そういったものになっているということでありまして、文言も、途中、かなり一致をしております。そういった意味では、これは、つくられた原稿を格式高く大臣なりにお読みになられたのではないかという思いがございます。

 ここで、今回、国土強靱化、そして災害対策の担当大臣、防災担当の大臣となられました山谷大臣が、全国を回り、さまざまなことを御経験された中で、生の声で、御本人の生の声として、今後重視していく課題などはどのようにお考えになっているか、ぜひお聞かせください。

山谷国務大臣 私が防災担当大臣を拝命したとき、広島県で発生した痛ましい土砂災害対応の真っ最中でございました。

 その後も、この一月の間に、御嶽山の噴火、台風第十八号の上陸と、災害が相次いで発生しております。本当に我が国はさまざまな災害が発生しやすい特性を有しているというふうに感じております。

 私といたしましては、あらゆる災害に備える、そして被害の最小化を図る、復旧復興のスピードを上げながら、一人でも犠牲者を少なくしていくということが最大の使命だというふうに思っております。

 そのためにも、不断の見直し、そしてハードとソフトの対策の適切な組み合わせ、そして総合的な防災、減災対策、政府一丸となって取り組んでいくということが重要だというふうに考えております。

小宮山委員 何となく、熱意があるようなないような。ぜひ、もっと熱意のこもった、響くような生の声になられるのを期待しております。

 さて、その中で、首都直下地震対策への取り組みについてでございますけれども、本年三月に閣議決定がされました基本計画がもう半年経過しております。この首都直下の地震対策についての内閣の取り組みの状況について、まず御説明ください。

山谷国務大臣 首都直下地震対策についてでございます。

 本年三月に閣議決定した首都直下地震緊急対策推進基本計画及び政府業務継続計画に基づき、首都中枢機能の継続性の確保や、耐震化、火災対策等による、地震に強い町づくりに取り組んでいるところでございます。

 具体的には、本年五月に古屋前大臣と東京都知事が締結した協定に基づき、政府災害対策本部と東京都災害対策本部との緊密な情報共有、連絡体制の構築など、二〇二〇年オリンピック・パラリンピック東京大会開催を見据えた対策について、東京都と一体となって具体的な検討を進めているところでございます。

 また、首都直下地震対策の重要課題については、関係省庁と連携した検討を進めており、例えば、火災対策については、本年九月に大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会を立ち上げ、消防庁、経済産業省とともに、電気を起因とする出火の発生抑制方策を検討しています。

 また、渋滞対策についてでありますが、立ち往生車両や放置車両によって道路が閉塞してしまった場合に備え、放置車両対策の強化を図る災害対策基本法の一部を改正する法律案を今国会に提出する予定としております。

 今後とも、関係機関と緊密に連携しつつ、これらの取り組みを着実に推進し、いつ発生してもおかしくない首都直下地震対策に万全を期してまいりたいと思います。

小宮山委員 ありがとうございます。

 時間の関係で、申しわけないんですけれども、先に進ませていただきたいと思います。

 首都直下に関してでありますけれども、最近は、三日だけではなく、備蓄は一週間と。また、この発表では、起きれば、鉄道網も、地下鉄が一週間、JR、在来線と私鉄では一カ月ほどとまると言われております。ともかく自宅、オフィスなどに残り安全を確保するということも言われ始めている中で、ライフラインがとまる。さまざまな意味でエネルギーの確保というものは大変重要なことになるかと思っております。

 その中において、蓄電池施設の設置を伴った太陽パネルや地中熱の利用のように、幾らかでも自立してエネルギーを確保できるというような施設というのは大変重要かと思っております。今後、このような対策というのは内閣府として盛り込まれているのか、まずお聞かせいただきたいとともに、また環境省は、そういった施設等に対して、普及促進のために現在どのような支援策をされているのか、現状とともに、簡潔にお聞かせください。

西村(康)副大臣 委員御指摘のとおり、災害時において、電気、水道、ガスを初めとするライフライン、この確保は極めて重要であります。

 御指摘のとおり、首都直下地震対策としても、国、ライフラインの事業者においては、地震発生時にこれが寸断されることのないよう、耐震化、多重化、分散化等に取り組むということを推進基本計画の中で決めております。

 特に電気については、御指摘ありましたとおり、地域における自立分散型のエネルギー導入ということを促進することといたしております。

 後で環境省からあるかもしれませんけれども、こうしたことに対して、環境省の補助、それから本年度から国交省の補助もできましたので、独自電源をしっかり確保していただくべく、対応していきたいというふうに考えております。

中井政府参考人 環境省では、東日本大震災以降、防災拠点や避難施設への再生可能エネルギーの導入を推進するため、再生可能エネルギー等導入推進基金事業により、全国の地方自治体の支援を行っておるところでございます。

 その結果、今年度末までに、自治体庁舎、学校、警察、消防など、約三千の施設に太陽光パネルや蓄電池などの導入がなされる見込みとなっております。

小宮山委員 ありがとうございます。

 近年、新しい大規模ビルでは、既に自家発電など、さまざまな対応がされているかと思います。比較的小規模な建物、学校や自治会館や医院、また行政の出先機関など、さまざまなところで電線を頼ることなくエネルギーの確保ができる環境を整備することが、携帯とか情報ツールの充電ができたり、また、トイレなど、本当に、どれもこれも、最近は電気を使わないと動かないものが多くありますので、そういう意味において、やはり多数の小規模の避難の拠点ができるという発想に立つことが重要かと思います。未曽有の災害が続く中で、そういった拠点をつくることにもぜひ御尽力いただければと思います。

 時間が迫ってまいりましたので、どんどん先に行かせていただきたいと思います。

 首都直下地震緊急対策推進基本計画が出た中において、予防対策、応急対策で被害を大きく減少させることが可能であるという項目がございました。

 耐震化率一〇〇%で全壊棟数、死者数が約九割減、また、感震ブレーカー等の設置や初期消火の成功率の向上で、やはりこちらの方も、焼失棟数、死者数が九割以上減らすことができる。大変具体的な提案がなされております。

 こういったことをどんどん集中的にやることによって、昨年末に出た被害想定というのも劇的に下げることができる。そういった意味で、国土強靱化大臣も兼ねていらっしゃいますけれども、本当の意味で大規模災害に備える、そういった国のあり方というものが今望まれているのではないかと思います。

 もちろん、木造住宅など個人の持ち物に対しての支援ということになりますので、さまざまな論点もあるかと思いますが、それよりも、やはり延焼を抑える、倒壊を抑えることによって死者数を減らす、その理念の方が、この防災、減災という意味においては大変大きな意味もあると思います。

 そこは、やはり大臣の決断が必要かと思っておりますので、この点に関しまして、まず、感震ブレーカーや、そういった既に提案されていることに対しまして、現状どのような対応をされているのか、現在の取り組みと、またさらに、今後の取り組み、また予算措置などについても、簡潔にお聞かせいただければと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 委員御指摘のとおり、地震による火災の半数ぐらいは電気による火災だというふうに言われております。したがいまして、感震ブレーカーを設置し、配電盤あるいはコンセントにおきまして電気を遮断することによりまして地震時の発生を抑えるというのは、大変効果があるものと思っております。

 そのためには、さまざまな種類の感震ブレーカーが今世の中に出回っておりますので、それを適切に性能を評価して、あるいは設置に当たっての考え方、留意点を取りまとめることによりまして、安心して使っていただくということが必要かと思っております。そのため、消防庁、経済産業省と一緒になりまして、研究会を立ち上げ、年度内を目途にガイドラインを作成することとしております。

 どうも、火災イコールガスというイメージが世の中にありますので、その辺の、電気火災ということの重要性というんでしょうか、その防止の重要性をPRするとともに、今申しましたような製品認証の制度を活用いたしまして、PR、普及を進めてまいりたいというふうに考えております。

小宮山委員 最後になりますけれども、きょう、各委員、泉委員の質疑なども聞いておりまして、大臣には、ぜひ早く、原稿を読みながらでない答弁、また、自分の考えを述べていただける力強い大臣になっていただきたいと思うとともに、人命を預かるところでもあります、大変危険な中で作業をする方々の陣頭指揮に立っていただく、いち早く行動する大臣になっていただきたいと思います。

 改めて大臣の、防災担当大臣、国土強靱化担当大臣としての決意をお聞かせください。

梶山委員長 時間が来ておりますので、答弁は簡潔に願います。

山谷国務大臣 責任を重く受けとめ、安全、安心、日本づくりのために、行動する担当大臣として頑張ってまいりたいと思います。

梶山委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時四十九分散会


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