衆議院

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第4号 平成26年10月23日(木曜日)

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平成二十六年十月二十三日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 梶山 弘志君

   理事 泉原 保二君 理事 林田  彪君

   理事 平口  洋君 理事 福井  照君

   理事 松本 文明君 理事 泉  健太君

   理事 山之内 毅君 理事 石田 祝稔君

      井林 辰憲君    井上 貴博君

      大岡 敏孝君    大野敬太郎君

      大見  正君    金子万寿夫君

      神山 佐市君    木内  均君

      工藤 彰三君    笹川 博義君

      清水 誠一君    高鳥 修一君

      武部  新君    冨岡  勉君

      藤井比早之君    藤丸  敏君

      船橋 利実君    務台 俊介君

      湯川 一行君    吉川  赳君

      大島  敦君    大畠 章宏君

      菊田真紀子君    中川 正春君

      吉田  泉君    今井 雅人君

      柿沢 未途君    椎名  毅君

      鈴木  望君    浮島 智子君

      濱村  進君    中丸  啓君

      西野 弘一君    山内 康一君

      高橋千鶴子君    小宮山泰子君

    …………………………………

   国務大臣

   (国土強靱化担当)

   (防災担当)       山谷えり子君

   内閣府副大臣       西村 康稔君

   文部科学副大臣      藤井 基之君

   国土交通副大臣     北川イッセイ君

   内閣府大臣政務官     松本 洋平君

   農林水産大臣政務官    中川 郁子君

   国土交通大臣政務官   うえの賢一郎君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   日原 洋文君

   政府参考人

   (警察庁長官官房審議官) 島根  悟君

   政府参考人

   (総務省大臣官房審議官) 渡辺 克也君

   政府参考人

   (消防庁国民保護・防災部長)           室田 哲男君

   政府参考人

   (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       尾池 厚之君

   政府参考人

   (国土交通省都市局長)  小関 正彦君

   政府参考人

   (国土交通省水管理・国土保全局長)        池内 幸司君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  深澤 淳志君

   政府参考人

   (観光庁観光地域振興部長)            吉田 雅彦君

   政府参考人

   (気象庁長官)      西出 則武君

   政府参考人

   (防衛省運用企画局長)  深山 延暁君

   衆議院調査局第三特別調査室長           石上  智君

    ―――――――――――――

委員の異動

十月二十三日

 辞任         補欠選任

  井上 貴博君     船橋 利実君

  武部  新君     大野敬太郎君

  吉田  泉君     大島  敦君

  柿沢 未途君     椎名  毅君

  鈴木  望君     今井 雅人君

同日

 辞任         補欠選任

  大野敬太郎君     武部  新君

  船橋 利実君     井上 貴博君

  大島  敦君     吉田  泉君

  今井 雅人君     鈴木  望君

  椎名  毅君     柿沢 未途君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件


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     ――――◇―――――

梶山委員長 これより会議を開きます。

 この際、松本内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。松本内閣府大臣政務官。

松本大臣政務官 国土強靱化担当、防災担当大臣政務官を拝命いたしました松本洋平でございます。

 東日本大震災等の震災、豪雨、土砂災害、火山噴火等の一連の災害によりましてお亡くなりになられました方々と御遺族に対しまして深く哀悼の意を表しますとともに、被災の方々に心からお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、十月十日に開催されました本委員会につきましては、御嶽山噴火に係る非常災害現地対策本部長といたしまして対応していたことによりまして欠席をさせていただき、失礼をいたしました。

 今後とも、これらの災害の復旧復興に向けた必要な対策を講じてまいりたいと存じます。

 国土強靱化担当、防災担当大臣政務官といたしまして、山谷大臣、西村副大臣、赤澤副大臣を補佐いたしまして、災害対策と強靱な国づくりに全力を尽くしてまいります。

 梶山委員長を初めといたしまして、理事そして委員各位の皆様方に、御指導、御鞭撻を賜りますよう、よろしくお願いをいたします。(拍手)

     ――――◇―――――

梶山委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官日原洋文君、警察庁長官官房審議官島根悟君、総務省大臣官房審議官渡辺克也君、消防庁国民保護・防災部長室田哲男君、外務省大臣官房地球規模課題審議官尾池厚之君、国土交通省都市局長小関正彦君、国土交通省水管理・国土保全局長池内幸司君、国土交通省道路局長深澤淳志君、観光庁観光地域振興部長吉田雅彦君、気象庁長官西出則武君及び防衛省運用企画局長深山延暁君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

梶山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

梶山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内均君。

木内委員 おはようございます。自由民主党、長野県の木内均です。

 本日は、御嶽山の噴火並びに二月の豪雪と、長野県を襲いました二つの災害対策につきまして順次質問をいたしてまいりますので、よろしくお願いをいたします。

 木曽地域は、ことし七月九日の台風八号による土石流災害で、中学生一名が犠牲となりました。また、今回は、九月二十七日に発生をいたしました御嶽山の噴火によりまして、死者が五十六名、行方不明者が七名という人的被害に見舞われ、大きな衝撃を受けております。犠牲となられました皆様に哀悼の誠をささげ、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 十月十六日をもって、阿部守一長野県知事の方針によりまして、大規模な捜索救助が終了となりました。御嶽山山頂には降雪があり、初冬を迎えております。自衛隊、警察、消防関係者の二次災害防止の観点からも、苦渋の選択、決定であったものと理解をいたしております。

 この間、政府の御嶽山噴火非常災害対策本部で指揮をとっておられました山谷大臣、西村副大臣に、現地にも足を運んでいただきまして、厚く感謝を申し上げるところでございます。特に、非常災害現地対策本部長として三週間にわたり長野県で御尽力いただきました松本洋平大臣政務官には、その労をねぎらうとともに、心から感謝を申し上げます。ありがとうございます。

 自由民主党長野県支部連合会といたしましても、地元の代議士でありまして、また県連会長であります後藤茂之代議士を先頭に、災害対策本部を設置し、対応いたしてまいりました。

 この木曽の御嶽山は、昭和五十四年、一九七九年の十月二十八日に、突然、水蒸気爆発を起こしました。これが有史以来の初めての噴火でありましたし、我々が子供のころは、活火山、休火山、死火山というような分類、カテゴリーを学んでおりましたけれども、その死火山である御嶽山が噴火をしたということで、当時、三十五年前、私は中学生でありましたけれども、やはり、同じ長野県人として、長野県に住む者として、大変な衝撃を受けました。

 当時は、不幸中の幸い、観光シーズンも最終盤で、人的な被害は出なかったわけでありますけれども、今回は、登山ブームですとか、古くからの信仰の山、さらには、七合目までロープウエーで行けて簡単に登山ができる、今回も小学生、中学生、高校生が犠牲になりましたけれども、ハイキングの延長で登山ができる山として親しまれておりましたし、紅葉のシーズン、昼ごろ、そういった条件が重なってしまいまして、大きな被害が出てしまいました。

 この災害に対しまして、松本政務官には長野県に張りついていただいたわけでありますが、現地の非常災害対策本部としてどういうお仕事をされたのか、そして、どういう点で御苦労されたのか、まずお伺いをいたしたいと思います。

松本大臣政務官 まずもって、今回の御嶽山の噴火に伴います災害によってお亡くなりになられた皆さんの御冥福をお祈り申し上げますとともに、被災をされた皆さんに改めてお見舞いを申し上げたいと思います。

 また、木内委員におかれましては、本当に、この発災以来、現地対策本部の活動に対しましても、いろいろと励まし、また御助言をいただきましたこと、心から感謝申し上げたいと思います。

 現地の対策本部でありますけれども、災害応急対策を被災地において機動的かつ迅速に行うために設置をしたものでありまして、今回は、長野県及び岐阜県を所管区域といたしまして設置いたしたところであります。

 現地対策本部長である私自身は、非常災害対策本部長である山谷大臣にかわりまして、政府の代表といたしまして、地元の要望、要請を受けとめ、関係省庁に対応を要請するなど、政府の各省庁、地方公共団体が一体となって対応できるように努めてきたところであります。

 今回の災害の特徴並びに私自身が大変心を砕いた点について、少しお話をさせていただきたいと思います。

 まず第一に、被災者が住民ではなくて多くの登山客であったことから、行方不明者の特定が非常に難しかったことが困難の第一点目として挙げられると思います。

 また、同時に、三千メートル級の火山の、それも噴火中の火山の山頂での救助捜索活動が中心になるということでありまして、降灰、また火山性ガス、さらには降雪という極めて過酷な環境の中で、救助隊員の安全確保に万全を期す必要がございました。三千メートルを超える山の上でありますから、当然空気が薄いわけでありまして、高山病の危険もさることながら、ヘリコプターの運用自体にも大変危険が伴う、そういう環境でありました。

 また、加えて、いざというときに、救助捜索に当たる隊員たちの避難誘導というものを考えたときに、片道約三時間ぐらいの安全確保をしなければならないという大変厳しい状況の中で、その安全確保のために、さまざまな方策をとるということに苦労をさせていただいたところでもあります。

 また、火山灰による土石流が発生しやすい状況下におきまして、山麓の居住地域への二次災害防止、ちょうど台風十八号、十九号が噴火の直後にやってきたということもございまして、これに対しまして万全を期す必要があったことなど、これまでの災害とは異なる難しい課題があったものと承知をしているところであります。

 具体的には、そうした厳しい状況の中におきまして、行方不明者の特定を進める作業、これは県であったり県警が中心になって行ったわけでありますけれども、こちらに関しましても、国としての助言の作業というものをさせていただきました。また、救助捜索隊員の安全確保のための活動基準の策定等もやらせていただいたところであります。

 また、同時に、救助捜索活動サポートのための情報収集と提供ということでありまして、例えば、火山性微動等が確認をされた場合には、実際に気象庁の火山専門家が、自衛隊の協力をいただきまして、ヘリで上空から確認をし、火口の状態に変化がないことを確認していく、こうした作業というものを積み重ねていって、できる限りの二次災害の防止というものに努めてきたところでもあります。

 また、ワイヤセンサーや監視カメラの設置、監視連絡体制の構築など、山麓の王滝村や木曽町といった自治体との連携を図ることによって、土石流による二次災害の防止に努める、こうした取り組みというものを進めてまいりました。

 関係省庁一体となって、また長野県を初めとする地元の取り組みを支援することによって、二次災害というものを発生することなく救助捜索活動を実施できたものと思います。

木内委員 今、松本政務官に御答弁いただきましたけれども、本当に厳しい条件の中で、救助隊の皆さんの二次災害も出さずに、よく現地で指揮をとっていただいたと思います。私も、テレビの報道等で、酸素マスクをした救助隊員の皆さんとか、高山病になってふらふらになりながらおりてきた救助隊員の皆さんの姿を見て、二次災害が出なければいいなというふうにお祈りをいたしておりました。

 今、松本政務官の答弁の中で、長野県ですとか木曽町とか王滝村と出てきました。

 政府の方も災害本部をつくっていただきましたし、現地には松本政務官が駐在をしました。さらに、長野県も災害対策本部をつくりましたし、王滝村も木曽町もそれぞれ災害対策本部をつくったんです。

 昔のことわざでは、船頭多くして船何とかというふうになるんですけれども、今回、それぞれの災害対策本部の連携はどうとられたのか。そして、連携に関して、もし今後の課題があれば、御指摘をしていただきたいと思います。

松本大臣政務官 二十八日の夜に、実際に私自身も現地対策本部長として長野県へと行ったわけでありますけれども、まず最初に、阿部守一長野県知事とお会いいたしまして、いろいろと御相談をさせていただきました。その一番最初の段階で合意をさせていただいたところが、国、県合同会議を定例開催し、以降、合同会議やトップ同士の会談にて情報共有、意思決定を図っていくということを決めさせていただきました。

 ですので、この現地対策本部が設置してある間は、常に互いの意思決定の場にお互いがいて、それに対して情報の共有を図っていくというような作業をすることによって、県の災害対策本部と国の現地対策本部、当然、テレビ会議等で随時山谷大臣とは情報共有を図っていたわけでありますけれども、こうした体制をとることによりまして、国と地元との間に意思決定というもの、そして情報の共有というものをさせていただいたところでもあります。

 また、岐阜県知事、高山市長、下呂市長、木曽町長、王滝村長の各首長とも直接電話にて会談をいたしまして、ホットラインを開設いたしまして連携を図ってきたところでもあります。

 また、岐阜県からも二名のリエゾンを派遣していただきまして、情報共有や広域的な調整を行ってきたところでもあります。

 こうした連携体制のもと、噴火リスク、火山性ガス、降雨に対する救助捜索隊員の安全確保、行方不明者の特定、降灰により発生リスクが高まっている土石流等による二次災害の防止など、災害応急対策を国及び地方公共団体が一体となって対応することができたと考えております。

 今回のような大規模災害対応については、国、県そして市町村が緊密に連携をし、一体となって対応していくことが大変重要なことであるということを私自身実感してまいりました。そのためにも、現地対策本部が政府の代表として求められる役割を果たすことが必要と考えております。

木内委員 引き続き、今後の対応につきまして、山谷大臣にお伺いをいたします。

 一昨日は風間辰一長野県議会議長が、そして昨日は阿部守一長野県知事が大臣のところへ伺わせていただきました。

 地元からは、火山観測体制の充実、情報提供の迅速化、砂防施設等の整備促進、そして登山者が噴火時に身を守るシェルターの国の設置の検討、もし自治体が設置をするのであれば財政支援をしてほしいという具体的な要望があったわけでありますけれども、今後の政府の対応につきまして大臣にお伺いをいたします。

山谷国務大臣 ありがとうございます。

 今、松本政務官から答弁がございましたように、東京の非常災害対策本部、そして現地の災害対策本部とは、もう連日のように情報を共有化して、そしてまた、関係省庁担当者が集まって、非常に連携がうまくいったというふうに思っております。

 そうした中で、苦渋の決断を県知事がなされ、きのうお会いしました。

 こちらの非常災害対策本部の方は、解散しないで、そのまま継続していきたいと思います。といいますのは、今後とも、農業や観光や産業や、もろもろのいろいろな課題があると思いますので、適切な対応を国、県、市町村、関係者の皆様と行うためにも、引き続き支援体制をつくり続けていきたいというふうに思っております。

 内閣府としましては、これまで、火山防災対策を進めるため、火山ごとに、関係する都道府県、市町村、関係機関などの連携による火山防災協議会の設置や火山ハザードマップの作成、避難計画の策定等を進めてきたところですが、いまだこれらの取り組みが進んでいない地域もあることから、その推進を図ってまいりたいと思っております。

 また、今回の御嶽山噴火から得られた教訓といたしまして、火山観測体制の強化、シェルターなど緊急避難施設等の整備、登山者や観光客への情報提供、火山防災教育や火山に関する知識の普及などの課題が指摘されております。

 それぞれの自治体からもいろいろと状況をお聞きしているところでございますけれども、やはり国としての大きな方向と支援の具体的な取り組みということが必要だろうと思っております。だらだらすることなく、まずやるべきこと、そして中期的にやることをしっかりと決めていきたいと思います。

 このため、中央防災会議のもとに火山防災対策推進ワーキンググループを設置し、これらの課題に関する検討を行い、今年度内を目途に総合的な対策を取りまとめることにいたしました。速やかに対応してまいりたいと思います。

木内委員 ありがとうございます。

 引き続き、砂防等についてもお聞きをしたいのですが、少し時間の関係もありますので、先に進めさせていただきます。

 一昨日の信濃毎日新聞では、これから信州大学と新潟大学の研究チームが、来春に向けて、土石流となる雪泥流やスラッシュ雪崩、こういったものが起きる可能性があるとして、融雪量の調査観測機器を山中に設置するという記事も出ておりました。ぜひ、国としても、来春に向けて、積極的な対応をしていただきたいと改めてお願いを申し上げます。

 そしてもう一つ、地元にとって大事なのは、風評被害の対策なんです。

 商工会の方でも、これから売り上げが大幅に減少するだろうという見方をされている事業者が七七%もあるんですね。この風評被害に対する対応につきましてお聞きをいたします。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、直接被害が発生いたしました御嶽山付近以外の地域におきましても宿泊やツアーのキャンセルが発生していると長野県、岐阜県から聞いているところでございます。また、キャンセルだけではなく、今後、被害が及んでいない地域への旅行が敬遠されるのではないかとの業界や地元の声もございます。

 このような風評被害を防止するためには、内外の旅行者や旅行予定者に対しまして、正確な情報の提供に万全を期すことが重要と考えてございます。

 このため、観光庁におきましては、第一に、被害発生直後から、関係団体などから頻繁に情報を収集しております。

 第二に、被災した地域の意向を踏まえました上で、観光庁ホームページにおきまして、現地に関する正確な情報を発信してございます。

 第三に、旅行業者に対しまして、正確な情報提供を図るよう指導をいたしました。

 第四に、訪日の外国人に向けましても、JNTO、日本政府観光局のウエブサイトを通じまして、御嶽山噴火に関する正確な情報を発信してございます。

 第五に、昨日でございますけれども、観光庁長官から、記者会見におきまして、報道機関に対して、現地に関する正確な情報発信について協力を要請いたしました。

 このような取り組みを通じまして、観光に関する風評被害の防止に努めているところでございます。

 また、今後、被災した地域の意向を踏まえました上で、影響を受けた地域が観光振興に取り組む際の支援を実施してまいります。

木内委員 ありがとうございました。

 それでは、ことし二月の豪雪災害について、三点まとめてお伺いをいたします。

 私の地域では、観測史上初めてという大雪に見舞われまして、ふだん、雪は少しは降るんですけれども、一メートルという積雪にはやはり対応できない地域でありました。

 そこで問題になりましたのが、道路管理者同士の連携がよくとれていないという課題が出ました。それから、除雪の応援体制、これも連携がとれておりませんでした。この教訓を境に、どういった道路管理者あるいは除雪の体制をしていくのかということを一点お伺いします。

 それと、地域に住んでいる皆さん、私も缶詰にされてしまったんですけれども、コミュニティーFMとかCATVというのは非常に大事なんですね。大きなテレビ局ですと、軽井沢地域、佐久市はどうなっているというのはありますけれども、軽井沢地域のどこ、佐久市のどこが今どういう状況になっているかという細かい情報が欲しいわけです。そういった意味では、コミュニティーFMそしてCATVの役割、それから市町村との連携というものについてどう考えておられるのか、二点目をお伺いします。

 そして三点目は、ビニールハウスの大きな被害があったわけでありますけれども、農林水産省は早速、国、市町村、県合わせて九割補助という大きな補助を組んでいただきました。しかしながら、年度内にこのパイプハウスを全て完成させるわけにはまいりません。次年度以降の支援につきましてもお伺いをいたします。

 以上三点、よろしくお願いいたします。

深澤政府参考人 お答え申し上げます。

 私の方からは、道路管理者間の連携につきましてお答えしたいと思います。

 二月の大雪では、委員御指摘のように、ふだん雪が少ない地域における記録的な降雪となりました。そのため、道路管理者の除雪対応能力を大きく超過したため、各地で通行どめやあるいは大規模な立ち往生が発生いたしまして、社会的に大変御迷惑をおかけしました。

 現場では、道路管理者間で、通行どめの事前情報など連絡を密にして対応してきたところですけれども、特に降雪期前における道路管理者間の連携体制の確認など、備えにつきまして不十分なところもございました。

 このため、各地におきましては、二月の教訓を踏まえ、大雪に備えた連携体制の強化の取り組みを行っております。特に長野県内におきましては、新たに幹線道路連絡会議及び除雪連絡会議を設置いたしまして、あらかじめ、除雪優先路線、大型車待機スペースの確保など、より実践的な対応につきまして関係機関で確認を行うこととしております。

 これから降雪期を迎えるに当たりまして、冬期道路交通の確保を適切に図るように努めてまいりたいと思います。

 以上です。

渡辺政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のとおり、コミュニティーFM及びケーブルテレビは、ともに地域に密着した放送メディアでございまして、地域住民に対してきめ細やかな情報を提供できる、災害時においても極めて有用なメディアだというふうに認識してございます。

 また、御指摘のとおり、災害時におきまして、自治体と連携した情報提供を図ることは極めて重要なことというふうな認識をしてございます。

 そういった観点から、情報提供を円滑に行うため、コミュニティーFM、ケーブルテレビの多くは、自治体と災害放送の協定というのを結んでいただいているところでございます。具体的には、コミュニティーFMに関しましては、二十五年十一月段階で、二百七十七局、約九割の局が自治体と災害協定を結んでございます。また、ケーブルテレビに関しましては、自治体直営のものを含めて、全体の約七割が災害放送の協定を締結しているという状況でございます。

 また、特に、先ほど御指摘のコミュニティーFMに関しましては、極めて小規模な事業者が多いということもございまして、業界団体に対しまして、災害協定のいわゆるひな形というのをつくっていただきまして、そこら辺が円滑に運ぶように対応等を図っているところでございます。

 総務省としましては、今後とも、コミュニティーFM、ケーブルテレビが、地元の自治体と連携して、地域の活性化だけではなくて、災害の軽減においてもその役割を果たせるよう、引き続き対応してまいりたいというふうに考えてございます。

中川大臣政務官 二月の豪雪被害に係る被災農業者向けの経営体育成支援事業についてお尋ねをいただきました。

 平成二十五年度の大雪に対する被災農業者向け経営体育成支援事業は、早急に産地の復旧を図るために、平成二十五年度及び二十六年度の予算を活用して、特例的な措置を講じているものであります。平成二十六年度末に行うことが基本と考えています。

 このため、被災農業者の一日も早い経営再建が図られるよう、まずは年度内の事業完了に向けて、市町村、県などの関係機関が連携して、事業に取り組んでいただく必要があるというふうに考えています。

 しかしながら、現在、パイプハウスの撤去、再建の再建割合でございますが、長野県は五割ということであります。農業者の皆様方も、大変御心配のことというふうに思います。最大限の努力をしていただいても、資材や人員の事情により、二十六年度中に対応できないということも考えられますので、この場合には繰り越しといった措置が考えられるところでございます。

 このことによって、農業者の皆さんの営農意欲がそがれることのないよう、対応してまいりたいというふうに存じます。

木内委員 引き続きの災害対応をお願いしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、濱村進君。

濱村委員 おはようございます。公明党の濱村進でございます。

 本日は、災害対応に関する一般質疑ということで質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

 さきの八月十六日から十七日にかけて、私の地元であります兵庫県におきましても、丹波市において大変な大雨の被害があったわけでございます。私は、十七日の昼過ぎにはもう既に丹波市に行かせていただきまして、土砂崩れや床上床下浸水の状況を確認させていただいたり、地元の市会議員と一緒になって、被害に遭われた方々の御意見を聞いて回りました。

 そうする中で、必要な対応をさまざま検討してきたわけでございますけれども、一番被害が大きかった地域、市島町というところがございます。この市島町におきまして、八十を超えているであろうお父さんがいらっしゃいまして、お一人で住まわれていらっしゃる、耳も遠い、そんな中で、なかなかどうすればよいかわからなかったというようなお声も伺いました。

 実際、その方の家のすぐ裏には山がありまして、その山から大きな石が落ちてきておりまして、それがあと三十センチずれていると家にぶつかっていたであろう、それがすんでのところで被害は起きなかったという状況ではありました。

 そしてまた、前に川が流れておりまして、当日、その川も非常に水量がふえて、大きな音を出している。実は、丹波市におきましては防災用のラジオを市民の皆さんに配っているという状況でありましたが、ラジオの音も聞こえなかったというふうにおっしゃっておられました。

 その川と御自宅の間に小学校があります。小学校は、実は避難所として指定されておったわけですけれども、この小学校も水浸しになっておりまして、小学校のプールなんかはもう本当に土砂が敷き詰められている、そういう状況でありました。

 こんな中で、その男性の方は、逃げることもできなかった、家から一歩も出ることができなかった、それは怖くてできなかったというようなことをおっしゃっておられました。

 こうした高齢の方で、なかなか避難が自力では難しいという方々においても、きめ細やかに避難の声をかけていく、そういった地域力というものが必要だなということを改めて感じたわけでございました。

 また、委員会派遣といたしまして、九月十八日には広島市にもお伺いをいたしました。その広島市におきましては、土砂災害の被害状況を見ますと、警戒区域の方々、まあ、ちょっと警戒区域の話はいろいろありますけれども、これは時間をかけて移住を行っていただくということも解決策の一つではないかということに考えが及んだわけでございます。

 そこで、ちょっとお伺いしたいところがあります。

 憲法二十二条にこのようにあります。「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」とあります。この居住の自由との整合性についてどのように理解をするべきなのか、お尋ねをしたいと思います。

池内政府参考人 お答えいたします。

 土砂災害警戒区域は、警戒避難体制を整備する区域でございます。区域が指定されますと、市町村地域防災計画におきまして、土砂災害に関する情報の収集、伝達や避難に関する事項を定めることが求められます。

 また、土砂災害特別警戒区域は、開発行為、それから建築を制限する区域でございまして、区域指定がなされますと、宅地分譲等の開発行為については許可が必要になるほか、居室を有する建築物については、土砂災害に対して安全な構造とすることが求められます。

 このように、区域の指定は、土砂災害からの住民等の安全を確保するためのものでございまして、住居を移転しなければならないというものではございません。したがって、憲法二十二条に規定しております居住の自由を侵害するものではないというふうに考えております。

 以上でございます。

濱村委員 私が直接お伺いしたかったのは、今後、防災のためには住居を移していただくことが非常に効果的なのではないかという前提を持ってちょっとお伺いしたかったということがございますが、さらにこの点、お伺いしたいと思います。

 警戒区域を指定することによって資産価値が下がるとか、そういう声があって、なかなか指定しにくいという議論がございました。この点についても、憲法二十九条に「財産権は、これを侵してはならない。」というふうにあるわけでございますけれども、この財産権との整理についてはどのように理解するべきか、お尋ねいたします。

池内政府参考人 お答えいたします。

 土砂災害防止法は、住民等の安全を確保するため、土砂災害のおそれのある地域を明らかにし、その中で警戒避難体制を整備いたしますとともに、開発や建築に対する規制を行うものでございます。

 土砂災害警戒区域や土砂災害特別警戒区域における規制は、その土地が自然に持っている危険性に着目して、住民等の生命身体を守るために課せられる、必要かつ合理的なものでございます。したがって、土砂災害警戒区域等の指定は、憲法第二十九条に規定する財産権の侵害には当たらないと考えております。

 以上でございます。

濱村委員 少し深掘りできればと思っておったんですが、またこれは引き続きお伺いしてまいりたいなというふうに思います。ちょっと国交省の方から答えをいただきにくいお話かもしれませんので、少しまた深めていければなというふうに思っております。

 その上で、住居の移住ということに関しまして、さらに御質問をさせていただきます。

 平成二十六年八月一日に施行されたばかりでありますけれども、都市再生特別措置法等の改正がございました。居住誘導区域を設けて居住を誘導し、人口密度をコントロールするということを掲げておるわけでございます。

 これは、地方創生においても、コンパクトシティーとネットワークという視点からも、非常に大事な取り組みであるというふうに考えているわけでございますけれども、国交省の二〇五〇年グランドデザインにおかれましても議論がなされているわけで、一方で、視点を変えますと、防災対策としても、誘導をしていくということは非常にメリットがあるのではないかというふうに考えるわけでございます。

 土砂災害防止法の警戒区域だけではなくて、河川の氾濫に関する危険性も含めて、災害リスクが高いというところはさまざま指定されるわけでございますけれども、こういうところに対して、居住を誘導しながらコンパクトシティーあるいはネットワークを張りめぐらしていくということが必要であるというふうに考えますけれども、いかがでございましょうか。

小関政府参考人 お答え申し上げます。

 急激な人口減少や少子高齢化が進む中で、コンパクト・プラス・ネットワークという考え方に立って町をつくり直していくため、さきの通常国会におきまして、委員御指摘のとおり、都市再生特別措置法を改正させていただきまして、本年八月一日から施行させていただいております。

 今後、コンパクトな町づくりを進めていく中で、土砂災害特別警戒区域に限らず、災害の発生のおそれのある区域につきましては居住誘導区域を定めないようにするなど、災害の危険のあるエリアにはできるだけ人が住まないような町づくりを目指してまいります。

濱村委員 ぜひ、今後、居住の誘導ということは進めていただきたいなというふうに思っているわけですけれども、誘導していくというのは、一方で、間違えると少し危ない話でもありますので、うまく国民の皆様の理解を得ながら進めていくことが大事なのかなというふうに思っております。

 全然違う視点でいいますと、人を誘導するという意味では、ナッジ理論というのがあります。

 これはどういう理論かというと、男性の方はわかるかと思うんですけれども、新幹線に乗られると、新幹線の小便器のところに的があるんですね。これは、オランダで最初に、ハエのシールをつけた。ハエのシールをつけることによって、男性がそこにおしっこを当てるというようなことがありました。これによって尿漏れを防ぐというようなことがあって、これは実はナッジ理論といって、ちゃんと理論的に、学問的に検証されているというものであります。

 これをどこまで政治の世界で使えるんだろうということは思いつつも、防災対策としてぜひ使っていっていただきたいなという思いを持っている次第でございます。

 これまでの議論を通しまして、防災のため居住を誘導していくということは非常に大事であるというふうに私は考えておるわけですけれども、国交大臣とか地方創生担当大臣とかとの連携も含めまして、山谷防災担当大臣の御所見をお伺いしたいと思います。

山谷国務大臣 我が国は、国土が急峻で、河川の氾濫域の限られた平野部に人口や資産が集中しており、都市部周辺では崖の近くまで開発が進んでしまっているというのが実態であります。

 そうした状況において、自然災害の危険性の高いところになるべく住まないようにすることについては、住民の理解や移転先などの課題が多いものの、基本的には、委員御指摘のとおり、大変重要な課題だというふうに考えております。

 そのため、このたび、中央防災会議に設置することとした総合的な土砂災害対策検討ワーキンググループにおいて、土地利用のあり方についても、重要な論点の一つとして御議論いただこうと考えております。非常にいろいろな角度から問題を御議論いただく中で、よい方向を見つけていきたいと思っております。

 また、浸水想定区域や土砂災害警戒区域のように、その土地の災害リスクを明示することによって、住んでいる方々にしっかり認識していただくとともに、避難経路や避難場所の周知や訓練の実施等により、災害が発生した場合にも適切な避難行動をとっていただくようにすることも重要だというふうに考えております。

濱村委員 ありがとうございます。さまざまな災害リスクの観点から、国民の皆さんを守っていくという視点で、大臣にはぜひリーダーシップを発揮していただきたいというふうにお願い申し上げます。

 続きまして、地区防災計画の策定についてお伺いをしたいと思います。

 地区と申し上げているのは、地域防災計画というのは都道府県あるいは市町村ごとに策定されるわけでございますけれども、例えば先ほどの丹波市の例にもありますとおり、市内においても、とるべき対応はさまざま違うことを私は感じました。川の増水が危険な地域があって、それ以外は大丈夫そうな地域、あるいは、土砂崩れも気をつけなければいけない地域、少し周りの地域から水が集まってくるような地域で、床下床上浸水を気にしなければいけない地域、地域の特性に応じてさまざま対応の仕方が変わるかというふうに考えたわけでございます。

 こういうことを考えたときに、きめ細やかな対応が必要であるというふうに感じました。市全体で、オールで考えるわけではなくて、地域の特性に合わせた地区の防災計画の策定が必要と考えますけれども、いかがでございましょうか。

日原政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、災害につきましては、やはり地区ごとにそれぞれ、どういう被害が生ずるかということはさまざまでございますし、また、地区の防災ということになりますと、行政もさることながら、地域の住民の方に積極的に活動していただくということが重要だと考えております。

 そのため、昨年度に災害対策基本法を改正いたしまして、地区防災計画の仕組みを取り入れまして、本年四月から施行されたところでございます。

 また、そのために、本年三月に内閣府におきまして、地区防災計画ガイドラインというものを策定いたしまして、その際には、まず、地域の自然特性を把握して、地域における過去の災害事例を踏まえて、想定される災害をよく検討するようにというようなことを示しております。

 具体的には、もちろん文献調査というものもありますけれども、防災まち歩きみたいなことを住民の方にやっていただくというようなことも重要ではないかということを示しているところでございます。

 こういったことを通じまして、地区防災計画の普及を進めたいというふうに思っております。

濱村委員 ぜひ、地区で地区ごとに防災計画が策定されるように、私自身もしっかり取り組んでまいりたいなというふうに思いますし、地方議員の皆様ともしっかり連携をとって推進してまいりたい、このように決意するものでございます。

 その上で、地区防災計画というのは、市民あるいは地区の方に徹底されなければいけないというふうに思うわけでございます。計画があっただけでは何の役にも立たない。

 一応準備をしておくというのは非常に大事なことでありまして、先ほどの丹波市の例でも、防災ラジオを配っている。実は、私がお伺いした高齢の男性の方、少し耳が遠いから聞こえなかったのかと思っていたら、よくよく見ると、そのラジオ、ぴかぴかと何か点滅しているんです。何が点滅しているのかというと、電池切れだったんです。結局、ラジオを配っていても、電池がないことによって、いざ発報していても何も伝わっていなかったという状況に陥っているということが起きているわけです。

 こうした細かいことまで含めると、それをどうやって徹底するんだということを考えたときに、非常に難しいところはあるんですが、ラジオだけに頼らず、二重三重の取り組み、枠組みが必要になってくるのではないかというふうに思うところでございます。そしてまた、地域の住民の皆様には、日ごろから防災意識を保っていただくことが必要なのかなというふうに思います。

 そういう意味においては、この地区防災計画、いざ災害が起きそうなときに自分が何をすればいいのか、日ごろから目に接するようなところに、どう行動すればいいかというものを目に見えるところに置いておくというのが大事なのかなというふうに思っておりまして、例えば、冷蔵庫に張れるマグネットのような形で、防災計画がぺたっと張れるというような形にしておけば、しょっちゅう見るかなというようなことも考えられます。

 あるいは、こうした工夫をしていくのも大事なんですが、さらに言うと、人が横横で声をかけ合えるかどうかというのが大事だと思います。

 そのときには、地区の方に徹底するのであれば、やはりその地区の有力者の方に言っていただくのが一番大事なのかなというふうに思っております。自治会の自治会長さんとか、あるいは区長さんとか、こうした方々に、誰々さん、しっかりこうやって逃げるんやで、僕らも助けに行きたいと思うけれども行かれへんかもしれぬ、だから、こういうときはこうするんやでということを徹底して話をしてもらうということが地区において非常に重要であるというふうに思っております。

 これを政府としてどのように取り組みをされようとしているのか、御所見をお伺いしたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 地区防災計画を徹底するために、日ごろからの取り組み、地域の住民の方々の御理解ということが大事であります。委員御指摘のとおりでございます。

 まず、地区防災計画を策定する段階から、先ほど申し上げましたように、防災まち歩きみたいな形で、皆さんでお話し合いをしていただきながらつくっていただくということが重要だと思いますし、それを踏まえて、今度は防災訓練のようなものを日ごろからやって、取り組んでいただくということも重要だと思っております。

 また、委員御指摘のとおり、いざ災害が起きたときにどういう行動をとるべきかということについて、なるべく目立つような形でわかりやすく示すということは大変重要だと思っています。

 私どもは、避難勧告ガイドラインという中でも、いろいろな災害がありますので、どういう災害のときにどんなところに逃げたらいいのか、何をすべきかということを、災害・避難カードみたいな形でつくってはどうかというようなことも提案させていただいているところでございます。これにつきましても、普及していただいております。

 その中の具体的な例として、例えば京都市では、これは地震関係ではあるんですけれども、身近な地域の市民防災行動計画というのを策定しておりまして、その中で、地域の集合場所を周知するためのシールみたいなものを消防局でつくって全戸配布して、ぺたっと張っていただくみたいなことも取り組んでおられるところでございます。

 また、実際の取り組みにつきましては、まさに人と人とのつながりというのは大変重要でございますので、そういったことも重要だと考えております。

 地区防災計画の普及を図るために、私どもとしては、現在、モデル地区を策定して、計画段階から専門家に入っていただいて、どんな取り組みをしたらうまくいくのかみたいなことを進めていこうと思っておりまして、その中で得られた優良事例につきまして、またこれを広く外へ周知するというような形で、うまい形で仕組みが転がっていくような、そういう取り組みをやっていきたいというふうに考えておるところでございます。

濱村委員 時間が参りましたので質問を終えますけれども、本当にさまざまな、防災まち歩き、あるいはカード、シール、こういった取り組みを踏まえて、地域の防災力を上げていくことが必要だと思います。ぜひ、私も一緒になってやってまいりたいと思いますので、どうかよろしくお願いします。

 以上で終わります。ありがとうございました。

梶山委員長 次に、山内康一君。

山内委員 みんなの党の山内康一です。

 きょうは、来年の三月に予定されております国連防災世界会議について質問させていただきます。

 最初に、山谷大臣に質問させていただきます。

 今回の第三回世界防災会議、これは日本政府がホストをする国際会議、国連主催の会議ですけれども、この会議の議長を山谷大臣がお務めになることと承知しております。ぜひ日本のイニシアチブでいい方向にこの会議を持っていただきたいという期待を込めて、質問させていただきます。

 仙台で防災の国際会議が開かれるということは、当然、東日本大震災の教訓を踏まえたものにするためだ、そういうふうに理解しております。

 東日本大震災では、もう御承知のとおり、多くの地域のボランティアあるいはNPO、そういった市民の皆さんの力で、緊急対応から復興にかけて大きな市民の力が発揮されたということがあったと思います。東日本大震災ぐらい大きな災害になりますと、行政だけではどうしても対応できない。そういう市民の力、企業の力、NPOの力、こういったものが大事であるということが言えると思います。

 今回開催予定の仙台市、仙台市も非常にこの国際会議のために準備、努力されているようですけれども、国連から防災のロールモデル都市ということで指定されております。仙台市がロールモデル都市に選ばれた理由というのは、市民協働の取り組みと市民力で防災をやっていこう、そういう姿勢が国際機関からも評価されているということです。

 そういった意味も含めて、来年三月の防災世界会議では、国連というと、基本的には国と国との関係というか、国が主体になることが多いんですけれども、国だけではなく、あるいは国際機関だけではなく、NPO、特に日本のNPOにぜひ積極的に参加していただいて、そして被災者の声を代表して、国際社会に対して発信をしてもらいたいと思います。

 そういうNPOを、どういうふうにこの世界会議、国際会議に参加してもらうか、取り込んでいくか、あるいはNPOの声、市民の声、被災者の声をどうやって反映させていくか、そういった方針について、議長である山谷大臣にお尋ねしたいと思います。

山谷国務大臣 山内委員が、貧困や環境保全や、また災害復興、救助活動など、国際的なさまざまな活動の場面で長くリーダーシップをとってこられたことに敬意を表します。

 防災の世界では、政府だけでなく、NPOや民間企業等、多様な主体が連携協力して対策を推進することが重要との認識が定着しており、これまでも、NPOや市民社会組織等が国際的な防災の議論において重要な役割を果たしてきたと思っております。

 来年三月開催の仙台での第三回国連防災世界会議にも、各国閣僚や国際機関代表に加え、NGO等、多様な主体が参加し、活発な議論が展開される予定であり、私は、本世界会議の議長として、できるだけ多くの主体が参画できるよう努めてまいります。公式のプログラムの中にもしっかりと位置づけていきたいというふうに考えております。

 先月、私自身も、国連、ジュネーブの場でいろいろな方々と意見交換をしてきたところでございますので、取り組みを進めてまいりたいと思います。

山内委員 ありがとうございます。

 次に、この国連防災世界会議に関しては、恐らく、準備会合がずっといろいろなところで、世界各地で開かれていると思います。その中で、日本の政府として、内閣府なり外務省なりがどのような形で事前の準備段階においてNGOやNPOと対話をしているのか、それについて聞きたいと思います。

 例えば、横浜で開かれましたアフリカ開発会議、TICADの場合は、かなり丁寧に外務省とNGOとの対話の機会などが設けられておりました。TICADの場合は日本政府主催なので、比較的、日本の好きなようにやれると言うとあれですけれども、かなり日本が頑張ればやれることは多いけれども、今回、国連の会議であるということで多少制約はあるかと思いますが、それにしても、やはり、日本で開催する会議ですから、日本のNPO、特に、国際協力の分野のNPOだけじゃなくて、東北の被災地のNPO、こういった人たちの声を反映させていくことが大事だと思います。

 そういった取り組みについて質問します。

日原政府参考人 お答えいたします。

 ただいま大臣からもお答えさせていただきましたように、国連防災世界会議の準備におきまして、NPOなどの多様な主体の声を取り入れることは大変重要だと考えております。

 国連におきましては、まず、政府だけでなく、NPOあるいは市民社会組織、CSOというふうに訳しているものがございますけれども、こういったもの、あるいは民間企業などなど、多様な主体が連携協力して対策を推進することが重要だということで、七月にジュネーブで行われました第一回の政府間準備会合でも、数多くのNPO等に参加いただき、御意見が表明されたということでございます。

 また、我が国におきましては、準備プロセスとして、国内準備会合というものを組織して対応しているわけでございますけれども、その中で、そういったNPOあるいはCSOの集まりであるところの二〇一五防災世界会議日本CSOネットワークという組織がございまして、そちらをメンバーとして加えまして御意見を拝聴しているところでございます。今、さらに具体的な、NPO等との意見交換会をどういうような形で進めるかということにつきましても、同ネットワークと調整をいたしているところでございます。

 また、日本で行われます会議でございますので、そういった公式の国際会議とあわせて、シンポジウムとか展示会とかの関連事業、実態上はかなり一体として行われますので、本体事業と関連事業というのは一般参加者から見ると余り区別がないんですけれども、そういった関連事業につきましては日本側がイニシアチブを持って対応できますものですから、そういったものにつきましては、NPOや地域団体等を対象にして、広く参加の募集を行っているところでございます。

 こうしたことにいろいろ取り組みまして、引き続き、NPO等の多様な主体の声を取り入れてまいりたいというふうに考えております。

山内委員 これまでも日本のCSOネットワークなどと協議をされているということですが、そういった取り組みも、引き続き、より頻繁にやっていただきたいと思います。

 あわせて、本体は国連なのでなかなか自由にはなれないけれども、そのほかのイベントは日本政府のイニシアチブを発揮しやすいということですが、本体会議にも一部のNGOは出ることができます。それは、国連で認定されたNGOであるとか、あるいは、今回の国際会議のために特別な認証を受けた、スペシャルアクレディテーションというそうですけれども、特別な認証を受ければ日本のNPOでも参加できるというふうに聞いています。

 ただ、この国連の特別な認証を得るためには、申請書も全部英語で書かなきゃいけない。となると、東北で地域に密着した普通の日本のNPOには、国連本部に英語の申請書を出すなんということはなかなか簡単なことではありません。そういう参加のためのハードルがちょっと高過ぎるんじゃないかということが言えると思います。

 ですから、ジュネーブでNPO、NGO、CSOと対話しましたといっても、ジュネーブに来ているNGOというのは大体、欧米の、ジュネーブにオフィスのある、大きな、ワールド・ビジョンとかセーブ・ザ・チルドレンとか。日本のNGOで、そこまで人を派遣する資金力があるところは余りありませんので。日本で国際会議をやるのに、活躍しているのは欧米の大きいNGOばかりというのはあんまりだと思います。

 そういった意味では、もっと日本のNPOが参加しやすいように、ハードルを下げるように、これは外務省なり内閣府なりが何らかお手伝いできることはあるんじゃないかと思います。

 例えば、国連に出す申請書なんというのは、なれていればすぐ書けるんですけれども、なれていない人には物すごく難しい。そういうところでは、外務省にもちゃんと民間援助連携室というNGOを支援するための専門の部署があるわけですから、そういう部署の人が申請のお手伝いをやるとか、あるいは、一括して日本の政府が窓口になって国連にまとめて申請書を出すとか、いろいろなやり方で、日本のNPOが参加しやすい状況を整えられると思うんですね。

 せっかく仙台でやったのに、大体アメリカかヨーロッパのNGOばかり発言している、そういう事態は余りいいことではないと思いますので、ぜひ、そういう日本のNPOに対するハードルを下げるための具体的な措置をお願いしたいと思います。

 それについて、政府のお考えを聞きたいと思います。

尾池政府参考人 お答えを申し上げます。

 委員御指摘のとおり、外務省といたしましても、第三回国連防災世界会議におきましては、東日本大震災の被災地支援の経験のある日本のNGO等の団体が参加をし、その経験と知見を世界と共有することは非常に重要であると考えております。

 一方、国連主催ということでございますので、主として英語で議論が行われるメーンの会場でのセッションへの参加を希望する団体の参加登録につきましては国連事務局が行っておりまして、したがって、英語での参加認証申請が必要となっております。

 第三回国連防災世界会議に向けては、NGOの方々とは対話の機会を設けているところでございますけれども、このような機会の活用や、あるいは、場合によっては個別の相談を通じまして、NGO側の意見も聞きながら、政府としてどのようなサポートができるか、検討していく所存でございます。

 以上でございます。

山内委員 私も、国連だから英語じゃないといけないのはわかるんですが、それでも、それは通訳を使ったりとか、本体会議であれば同時通訳も入れられるでしょうから、そういった意味でも、サイドイベントばかりじゃなくて、本体のイベントに日本のNGOがちゃんと参加できるようにするために、手伝った方がいいんじゃないですか、何かできることがあるんじゃないですかと聞いているわけですから、今の仕組みを説明されても、余りかみ合っていないなという気がしますし、そんなに難しいことじゃないと思います。

 本気で本体会議に出たいというNPOがそんなに多くいるかどうかもわかりませんし、全ての日本のNPOが出る時間のこまもないと思います。ただ、せめて、東北三県だったら一県当たり一つぐらい日本を代表するNPOが出ていって、ちゃんと発言できるようにしないと、国際会議で日本以外の先進国ばかりが発言しているというよくあるパターンにならないように、外務省、ぜひ頑張っていただきたい。

 お金も出しているんですよ。それから、費用の相当部分を今回日本政府が出すことになると思いますが、お金も出すんだから口も出さなきゃいけない。それは、日本政府もちゃんと口を出さなきゃいけない。大臣もしっかりやっていただきたいと思います。

 同時に、日本の国民、日本の市民もちゃんと発信できるようにしないと、日本の納税者に対して申しわけが立たないと思いますので、そういう予想の範囲内の答えではなくて、より前向きに、せっかく外務省には民間援助連携室という専門の部署があって、室長がいて、首席事務官がいて、ちゃんとフルタイムのスタッフがいるんですから、もうちょっと頑張ってもらってもいいのかなということを申し上げまして、次の質問に行きたいと思います。

 防災世界会議の正式のパブリックフォーラムとは別に、サイドイベントが予定されております。公式サイドイベントの企画というのは、これも国連機関中心になされていると聞いております。国連の会議ですから国連機関中心になるのはやむを得ないところがありますけれども、やはりもっと企画の段階からNGOやNPOの声を反映させていくことが大事だと思います。

 それに対して、NGOの、日本のNPO、CSOの皆さんから言われているのは、もうちょっと外務省が国連防災戦略事務局に対して、もっとNGOの参加の機会をつくれと申し入れてほしいということを聞いております。

 そういった意味でも、公式サイドイベントの国連の企画に関して外務省として何かできることはないか、それについてもう一度お伺いしたいと思います。

尾池政府参考人 お答えを申し上げます。

 現在、ワーキングセッション等の公式のサイドイベントのテーマにつきましては、政府間の準備プロセスで検討されております。近々、国連は、全加盟国、国際機関、NPO等の多様な主体に対してテーマを公表して、その企画、準備について幅広く関心表明を受け付けるというふうに承知をいたしております。

 第三回国連防災世界会議にNPOやCSOなどが参加をすることは非常に重要でございます。日本国内のNPOなどに対しましても、ぜひとも積極的にワーキングセッションの企画、準備に手を挙げていただきたいと我々も考えております。政府といたしましても、関連情報の周知などを通じまして支援を行ってまいります。

 委員御指摘のとおり、我々も全力を尽くしたいと思います。どうぞ御支援をよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

山内委員 ぜひ、日本の外務省がバックアップして日本のNPOを売り込む、それぐらいのことをやっていただきたいと思うんです。

 実際、ヨーロッパの国というのは結構やっていると思います。金も出す。それから、例えば、現地でプロジェクトをやっているときに、そのNGOが属する国の大使館が後ろ盾になって、国際機関に相当プレッシャーをかけるみたいなことをよくやっています、現場のレベルでは。

 日本の外務省はどちらかというと、NPOは市民の団体で自立的にやられていますからどうぞやってくださいという、そういう何かちょっと突き放したような対応をとられることが非常に多いんですけれども、結構、ヨーロッパの国あたりは、自分の国のNGOの案件を国連に何とかとらせるためにかなりプレッシャーもかける、お金を出しているんだから口も出すぞみたいな感じで、非常に熱心にやっています。

 今回、日本は相当お金を出しているんですから、口ももっと出すべきだし、日本の国民の知恵とか地域のコミュニティーの防災の知恵、そういったもので国際社会に貢献するためにも、日本のNGOが言葉の壁、ただの英語力という壁で阻まれるのは余りにももったいないし、残念だと思いますので、もっと日本のNPOを売り込むのが外務省と内閣府の担当の仕事だというぐらいのお気持ちを持って、ぜひ、国連にも、ちゃんとお金を出しているんだから口も出して、プレッシャーをかけていただきたいというふうに思います。

 次の質問に移ります。

 東日本大震災の中でも、今でも大きな影響を残しているのが福島第一原発事故だと思います。

 福島というと、もはや国際社会で通用する言葉になってしまいました、残念ながら。原発事故といえば福島というふうに国際社会でも有名になってしまいましたが、一方で、原発事故があったがゆえに、日本は恐らく、原発事故のときの対応、避難計画、あるいは予防、それから除染、そういった、よその国が全く持っていないようなノウハウをたくさん持っていると思います。

 そういう原発の事故を防ぐための方法、あるいは、原発災害と言ってもいいと思いますけれども、そういう原発災害が起きたときの緊急の対応のやり方、そういったことに関しては、日本は国際社会に自分たちの事故を教訓として貢献していける、そういう重要なテーマじゃないかと思います。

 原発問題に関しては、脱原発派と推進派と非常に越えがたい溝がありますけれども、原発の安全対策に関しては、そういう推進派であろうと反対派であろうとやらないといけないことだと思いますし、それから、国際社会に貢献できる重要なテーマだと思います。

 原発災害に対する対応を今回の防災世界会議でも重要なイシューと位置づけて、日本としても貢献すべきだと思います。それについて、政府の対応をお伺いしたいと思います。

山谷国務大臣 第三回国連防災世界会議は、福島の原子力災害を含め、東日本大震災等を通じて得た我が国の教訓や知見、被災地の復興の取り組み等を世界に発信する重要な機会だというふうに思っております。

 自然災害に起因するテクノロジカルハザード、複合災害というのも、この会議の中の議題として含まれていると考えております。

 本世界会議で取り扱われる議題については、現在、政府間の準備プロセスで検討されており、来月にジュネーブで行われる政府間準備会合で決定される予定であります。

 私は開催国の議長といたしまして、本世界会議において、我が国の経験を含め、世界の防災に関する教訓が広く共有され、防災の主流化、世界の災害被害の最小化につながるように、新たな国際防災枠組みが策定されていきますように最大限尽力していきたいと思います。

山内委員 今回の国際会議でも、恐らく、原発事故も含めて、リレーテッド・テクノロジカル・ハザードというセッションがあると聞いています。そういう意味では、原発事故だけじゃなくて、産業災害なども含めた技術的な災害についての議論も始まると聞いています。

 伝統的に国連というのは自然災害だけをやってきたんですけれども、やはりこれだけ原発が世界じゅうでふえていると、特に、こういう言い方をするとちょっと傲慢ですが、日本でさえ事故が起きるんだから、ましてや、アジアの途上国でこれから導入する国というのは、恐らく原発事故が起きるリスクは日本以上だと思います。

 私もJICAの職員として途上国への技術協力をやってきましたけれども、この国で原発は大丈夫かなという国がたくさんあるのは本当に事実です。特定の国名は出しませんが、そういう国でどんどん原発がふえていくということは、原発事故の、原発災害のリスクがどんどんふえていく、大きくなっていくということですから、これからは、原発災害が起きたときの国際的な対応のスタンダードをつくったり、マニュアルをつくったり、そういったことを国際社会の重要なイシューとしてやっていかなくてはいけないと思います。それができるのは日本政府。日本こそが率先して、そういうみずからの過ちをほかの国が繰り返さないように、真剣にやっていくべきだと思います。

 そういう期待を述べまして、時間が来ましたので、質問を終わります。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、小宮山泰子君。

小宮山委員 生活の党の小宮山泰子でございます。

 先週、時間に限りがあったものですから、先週に引き続いて質問をさせていただきたいと思います。

 山谷大臣におかれましては、国土強靱化の担当大臣でもあるということでございます。六月に、国土強靱化基本計画、国土強靱化アクションプラン二〇一四が決定されるとともに、国土強靱化地域計画策定ガイドラインが策定されております。残念ながら、まだ委員会の方ではこれに関しましての質疑はほとんど行われていないというのも現実だと思いますが、現在の国土強靱化としての取り組みについて御説明をお願いいたします。

山谷国務大臣 国土強靱化についてでございますが、本年六月に、国土強靱化基本計画、国土強靱化アクションプラン二〇一四を決定するとともに、国土強靱化地域計画策定ガイドラインを策定、公表しまして、今、本格的な推進段階に入ったというところでございます。

 現在、関係府省庁と連携し、基本計画やアクションプランの着実な推進を図っているほか、国内外への広報活動の実施等を通じ、国民一人一人や民間事業者等に幅広く理解を深めていただくよう努めております。

 さらに、国土強靱化地域計画策定モデル調査を実施し、専門家の派遣等を通じて、地方公共団体による地域計画の策定をしているところでございます。

 今後とも、施策の重点化、優先順位づけ、そしてハード、ソフトの対策を適切に組み合わせていきながら、国、地方、民間が一体となって、効率的かつ効果的に国土強靱化を進めてまいりたいと思います。

小宮山委員 大臣には、その優先順位等、やはりそれは価値観の問題もあるかと思います。特に大臣の価値観というのがありますので、それは本日の最後に、決意として伺わせていただきたいと思います。

 さて、これも先週に引き続きなんですけれども、感震ブレーカーの設置の普及についてお伺いしていきたいと思います。

 前回質問した際に、感震ブレーカーの性能等、消防庁、経産省等と共同で研究会を立ち上げ、年度内をめどにガイドラインを作成されるとの答弁がございました。

 質疑の二日後には、電気火災の危険を訴え続けてきた室崎神戸大学名誉教授が、耐震化や市街地整備に多額の税金が投入される一方、感震ブレーカーに補助金がないのはおかしい、電気が火災につながるという意識を広めながら補助を充実する必要があると指摘されるなど、新聞記事になっておりました。

 また、一昨年感震ブレーカー設置に対する補助金制度をスタートさせた横浜市では、補助対象となる木造住宅密集地域三十四万棟に対して、昨年度の申請は、本年の九月ごろまでで百件ほどにとどまっているようであります。

 首都直下地震の被害想定では、火災の犠牲者が最大となる冬の夕方で風速八メートルの場合、感震ブレーカーを取りつけるなど電気による火災防止策を講じれば、一万六千人の死者は九千人に減るとの試算も出されております。

 このことからも、感震ブレーカーの設置普及をするために補助金制度を創設することは、効果も高く、減災の観点からも必要と考えます。大臣の御見解をお教えください。

山谷国務大臣 感震ブレーカーでございますが、委員御指摘のとおり、地震のときの出火を抑制する効果があると考えております。

 このため、内閣府におきましては、消防庁、経済産業省と連携して、大規模地震時の電気火災の発生抑制に関する検討会を開催し、市販されているさまざまな種類の感震ブレーカー等について、性能評価の考え方や設置に当たっての留意点等を取りまとめまして、年度内を目途にガイドラインを作成することとしております。

 私も、さまざまなタイプのブレーカーを見させていただきました。感震ブレーカーの普及に当たっては、まずは、地震火災の主たる要因は電気によるものであることについて、国民の理解の促進ということが重要であり、その上で、現在検討を進めているガイドラインに基づいて、各種感震ブレーカーの製品の認証を進め、製品の信頼性を高めることで、消費者がみずからの住宅の特性やニーズに即した製品が選択できる環境を整えることが重要であるというふうに考えております。

 補助制度を設けたらどうかということでございますが、一部の自治体で設置費用の補助を行っている例もありますが、国で検討を進めているガイドラインの作成及び公的な機関における製品認証の取り組みは、このような自治体の動きを後押しする効果があるものと期待しており、こうした動きを見きわめながら、必要な施策について引き続き検討してまいりたいと思います。

小宮山委員 参考ではございますけれども、横浜市の事例でございます。分電盤タイプでは、費用の三分の二、上限五万円として補助を出されておりますし、また、コンセントタイプであれば、費用の二分の一で上限五千円ということですので、ある意味、これも本当に、さまざま、どこに置くかにもよりますし、コンセントが何口あるのかによっても違いますけれども、大変有効な手段であるということ。

 やはり、防災に対する意識を高めるという意味においては、その広報、これからガイドラインをできるだけ早急につくっていただき、震災、首都直下などに関してはもう待ったなしで準備ができるように、ぜひ、大臣におかれましても、推進のためにお力をかしていただければというふうに思います。

 さて、ビジット・ジャパン・キャンペーンなど、国土交通省、観光庁が中心となっての外国人観光客の来日人数拡大への取り組みもありますし、また、円安も関係あるかと思いますが、昨年は訪日外国人が一千万人を突破し、さらに多くの方が日本を訪問していただき、さまざまな日本の文化にも触れていただいております。

 二〇二〇年東京オリンピックも含めて、観光などでの訪日外国人への対応として、観光案内板や道路標識、公共交通機関などの案内看板で、外国語表記、さらに多国語表記への見直しや、設置が進められているところであります。

 東日本大震災のときも、避難所等で必要な情報を得られるか、情報に到達できるか否かというのは大きな問題であり、今後の避難計画等をする中での大変な課題であると認識しています。また、この点でいえば、障害者や難病をお持ちの方も支援の情報を得るのが大変難しかったと聞いております。

 こういった問題におきまして、また、先月発生いたしました御嶽山噴火で指摘されたことの一つとして、登山者の特定や総数の確認が難しいということがございました。また、当該地域の地方自治体においても、噴火災害に対して、自治体住民の避難計画を立てていても、居住者でない一時的滞在者である観光客、登山者については、十分な計画検討ができないままになっている例も見られます。観光客など居住者でない方の把握については、火山の噴火災害に限らず、全国のどんな災害の場合においても考えられることでもあり、また、対応していかなければならないことだと思います。

 防災計画などを検討する際の前提条件として、一時的な来訪者の把握、対策をどのように想定しているのか、まずその実態をお聞かせください。

松本大臣政務官 観光地における来訪者の安全の確保につきましては、防災基本計画や南海トラフ地震対策の基本計画などにおいて位置づけがなされております。駅、観光施設、旅館など、観光客が利用する施設の管理者が避難誘導に係る計画の作成及び訓練の実施に努めること、また、現地の地理に不案内な観光客に対するパンフレットの配布、避難誘導看板の設置など、避難場所や避難経路などについて広報を行うこと、こうしたところを位置づけているところであります。

 また、各地域の防災計画は、これらの防災基本計画等に基づきまして、観光客などの一時的な来訪者の対策も含め、作成されることとなっております。

 今後とも、地方公共団体、関係省庁等と連携しつつ、観光地における来訪者の安全確保に努めてまいりたいと思います。

小宮山委員 今御指摘がありましたけれども、多くの方にぜひ対応していただきたいと思いますし、また、松本政務官におきましては、被災地での噴火災害に対応していただいたこと、心から敬意を表させていただきたいと思います。

 さて、火災時には、避難場所、交通や支援物資の情報などの入手は難しくなるということは指摘させていただきました。ましてや、日本語にふなれな外国人であればなおさらだと考えます。

 そこで、訪日、在日外国人の方々への緊急時の避難、行政などの情報をどのように提供するのか、国の取り組みについて現状をお聞かせいただけないでしょうか。

 あわせて、地方自治体の取り組みも含めて、把握している範囲で、まず現状の点に関しましてお伺いをさせていただきたいと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 観光立国ということで今取り組んでおりますので、そういった中で、自然災害の多い日本におきまして、外国人観光客が安心して旅行できる環境というのは大変重要だと思っております。

 基本的な考え方は今政務官の方からお答えされたようでございますけれども、例えば、JNTO、日本政府観光局でございますけれども、そこでセーフティーチップスというような形で、日本の防災に関しますいろいろな情報をまとめた、ホームページの中にそういった安全関係の取り組みをいろいろ書いていまして、例えば、地震が起きたときにはどういう行動をとるべきかとか、津波についてどうするかとか、あるいは火事の場合は広域の避難場所に逃げるようにとか、そういったようなことをわかりやすく、これは英語を初めとする各国語で示したページを用意しております。そういったものであらかじめ学習していただくというようなことをまずやっております。

 それから、防災上のアプリケーションとして、今言ったように、地震のときにどうするんだとか津波のときにどうするんだといっても、実際どういう状況かわからないといけないので、最近スマートフォンが普及しておりまして、外国人観光客も持っていることが多いものですから、防災アプリのような形で、緊急地震速報あるいは津波警報につきまして、アプリケーションの中で外国人でもわかるように流す、そういうようなソフト開発、これは観光庁がやはり監修しながらつくっているというような状態にございます。

 それからあと、地方公共団体の取り組みということでございますが、地方公共団体としては、同じようなアプリケーション、これは地方公共団体ごとにいろいろなところがつくっておるわけでございます。ただ、地方公共団体ごとになると、観光客は動くたびにアプリをいろいろ入れなきゃいけないので、こういうことで、これはちょっとまだ国内向けではあるんですけれども、国土地理院と内閣府と一緒になりまして、避難関係の防災情報が集約されているような、全国どこでも持って歩けるような、そういったアプリケーションの開発につきまして一般公募を行いまして、現在、選定して、そこにおいて開発していただいております。こういったものもぜひ多言語化を図っていただければいいかなというふうに思っております。

 それから、やはり、外国人ですと、文字を読むといっても時間もかかりますし、わかりにくいということで、東京オリンピック、一九六四年のオリンピックのときにピクトグラムが取り入れられたわけでありますけれども、二〇二〇年に向けましても、さらにそれの発展系ということで、現在、その標準化等々につきましての方針を検討いたしているところでございます。

 いずれにいたしましても、さまざまな形で、外国人の方々が安心、安全に避難いただけるような仕組みに取り組んでまいりたいというふうに思っております。

小宮山委員 先ほど、ホームページ等で安全対策を事前に学習をということでありました。事前に学習であれば問題がないと思うんですが、先般、うちの埼玉県内でも、やはり台風のときに緊急警報のようなものがエリアメールで来たときに、多くの方が、ホームページで詳細を見てくださいと書いてありまして、見ようと思ったらサーバーダウンして見られなかったという現実も伺っております。

 こういうことが全国で起きていることを考えると、観光に来て、事前にその地域の防災情報と逃げ方を観光する方が見ることはまずめったにないかと思いますので、そういったことから見ますと、今御指摘がありましたピクトグラムというものは、言語に頼らないために、東京オリンピックから普及され、そして世界じゅうに広がってきたというものでありますので、それも今さらにいろいろ強化されるということで、この点に関しましては大変いい策なのではないかというふうに思っておりますので、活用していく必要はあるかと思います。

 それでも、そういったピクトグラムがあったところで、では、それが、何となくわかるけれども、本当に皆さんわかるのかなという思いをいたすところでもあります。

 平常時には、防災マップをどんなに配られても、ホームページで公開をされても、スマートフォンでアプリがあっても、観光客は見ることが余りないかと思います。そうなれば、多くの訪日観光客が見込まれる地域においては、NPOや民間団体などが観光マップやパンフレットを自主的に作成する際に、避難場所の情報や多言語表記、またピクトグラムも含めて、災害マップの要素も兼ね備えた観光兼防災マップというものを普及させるということは大変重要かと思っておりますし、また、それであるならば、必ず多くの観光客の方が入手をされている、兼用することができるという意味では、大変有効な手段かと思っております。

 こういった観光兼防災マップというものの作成に対して助成制度を設けること、また支援をするということは、これからの観光振興、また防災、減災等の効果というものを期待できることから必要かと考えますが、御所見をお伺いいたしたいと思います。

山谷国務大臣 観光立国実現のためには、自然災害の多い日本においても、訪日外国人旅行者が安心して旅行することのできる環境を整えることは非常に重要であります。

 例えば奈良市では、観光者向けに英語版、中国語版、韓国語版の避難所マップをホームページで公表しておりまして、私も見ました。また、スマートフォンを活用した同種のアプリも各地で提供されています。

 委員御指摘の観光兼防災マップについても、地域の実情に応じたきめ細かな取り組みの一つであり、工夫をしていくということは大切であると思います。

 内閣府としては、訪日外国人旅行者への情報提供のあり方について、こうした各地域の取り組みが広がっていきますように、関係省庁と連携をしっかりとしてまいりたいと思います。

小宮山委員 関係省庁、そして各自治体とをつないでおります総務省も含めまして、この点に関しましては速やかに進めていただきたい。特に、来年度予算等を各自治体もやっておりますので、そういうところに間に合うような、そういった迅速な対応をしていただければと思っております。

 そういう意味において、最後に大臣にお伺いしたいと思います。

 前回、最後の質問として、今後重視していく課題についてお伺いさせていただきました。大臣の御答弁は、責任を重く受けとめ、安全、安心、日本づくりのために、行動する担当大臣として頑張ってまいりたいと思いますという大変模範的な回答をいただいたところでありますが、私自身が聞きたかったことは若干意味合いが違いました。

 それは、もちろん、この決意も必要なことではありますけれども、全国を回られ、恐らく大臣は多くの関心を持ち、ごらんになられた、そして国土強靱化及び防災担当大臣をお受けになられたのだと推察しております。

 例えば、未曽有の自然対策に対してとか、また前大臣のもとでのアクションプランや計画策定ガイドライン、また概算要求も含めて、もうある程度決まったところではあるかもしれませんけれども、例えばミッシングリンク解消に避難道路をもっと早く確保することであったりとか、具体的には、ライフラインをもっと早くきちんと整える。今、一カ月と言われる、首都直下での交通網が寸断されるという状況、これをやはり早めるんだとか、何がしか優先順位というものが大変必要になると思います。それを何に決めるかといえば、やはり大臣の価値観というものが大変かかわってくるんだと思います。

 ですので、いま一度、改めて、山谷大臣が防災大臣そして国土強靱化担当大臣として特に重点的に取り組まれる施策、対策についてお伺いします。

山谷国務大臣 日本というのは、本当にさまざまなタイプの災害に遭う国土、気象条件にあるというふうに思っております。台風、地震、豪雪、また火山の噴火等々でございます。

 さらに、近年は、忘れる間もなく災害がやってくるというようなこと、大規模化、そして頻度も非常に多いということを考えておりまして、このために、やはり平時からの事前防災と、災害時の被害の最小化、そして復旧復興のスピードを上げていくということが大事だというふうに思っております。そのためにも、さまざまな顕在化した課題について検討を急いで、そして、予算づけも含めて対応を考えていかなければならないというふうに思っております。

 我が国は、経済的な力も、また科学技術の力も非常に高うございます。来年の三月に国連防災世界会議が仙台で行われますのも、やはり防災の主流化、そして事前防災、被害の最小化、そして復旧復興のスピードアップ化ということを、リーダーシップをとってくれということを世界が求めているというような状況も、私、先月、国連で関係者とお会いする中で非常に強く感じてまいったところでございます。

 しなやかで強い国土の強靱化、そして、経済成長の基盤であり、産業競争力の強化にもつながる防災の主流化ということを、まず日本で検討して、具体的な方針をしっかりと国際社会に向けても発信できるように、そして、それがすなわち国内での防災対策の強化につながっていくと思いますので、スピードを持って取り組んでいきたいと思います。

小宮山委員 また、その大臣の計画が決まりましたら、教えていただきたいと思います。

 以上で終わります。ありがとうございました。

梶山委員長 次に、大島敦君。

大島(敦)委員 民主党の大島です。

 ことしは、桜島が大正時代に大噴火を起こしてからちょうど百年となります。手元に桜島火山活動対策議会協議会の資料がありまして、ちょうど百年前の桜島の大正大噴火では、噴火等による被害状況、死者・行方不明者が五十八人、全焼家屋が二千百四十八戸ということで、非常に大きな噴火でした。

 桜島の火山活動の今後の見通しとして、京都大学火山活動研究センターによると、姶良カルデラ下のマグマの蓄積は、二〇二〇年代には大正噴火が起こる前のレベルまでほぼ戻ると推定され、大正噴火級の大噴火に対する警戒を要する時期に入ったとの見解が示されております。きょうは、この点について何点か質問をさせていただきます。

 まず、文部科学省に対して。

 桜島火山の特性に応じた火山活動研究関連予算の十分な確保を図ることが必要だと思います。研究基盤の強化、整備を図るべきと考えますが、文科省の御見解についてお聞かせください。

 特に、文科省にお願いしたいのは、今後の、どの程度の噴火が起こるのか、その予測のための準備が必要だと思いますので、その点も踏まえての御答弁をお願いいたします。

藤井副大臣 文部科学省におきましては、「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画の推進について」というレポートに基づきまして、全国の火山噴火メカニズムや火山噴火予測等に関する研究の支援を行っているところでございます。

 今先生の御指摘がありました桜島火山に関しましても、これまでも地下構造の探査等を実施してきたところでございますけれども、本計画におきましては、総合的な研究として優先して推進するべき対象として位置づけておりまして、今年度から、これらの計画に沿った課題の研究を実施しているところでございます。

 また、現在、桜島火山の観測研究の基盤となる観測機器、システム、そして、加えまして新たな観測坑道の整備を進めているところでございます。

 さらに、今回の御嶽山の噴火も踏まえまして、専門家の検討会をつくらせていただきまして、今後の火山観測研究のあり方等についての検討を行っているところでございまして、年内には基本的な考え方を取りまとめていただく予定となっております。

 文部科学省としましては、これらを踏まえまして、関係機関等とも協力して迅速に対応して、火山観測研究の充実に努めてまいりたいと考えます。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 このマグマのたまりぐあいを調べるためには、坑道といって、二百メートル程度トンネルを掘って、その先に計測機器を備えつけている。今まで二本あったところ、平成二十五年の補正予算でもう一本つくって三本の体制で、精度が上がってくるかと思います。特に、地元の方、周辺の方、桜島にも五千人の方が住んでおります。ですから、大噴火になると非常に大きな被害を及ぼすものですから、その点も踏まえて文科省には対応をお願いいたします。

 続きまして、国土交通省にお伺いをさせていただきます。

 桜島については、大規模噴火に対する警戒を要する時期に入ったとの意見もあります。先ほど私が述べたとおりでございます。その点についての気象庁の見解をまずは問いたいと思います。

 また、これを踏まえて、桜島の火山観測体制及び情報発表体制の現状、そして、今後どうするのかについても御答弁をお願いいたします。

西出政府参考人 桜島につきましては、火山噴火予知連絡会において、昭和火口及び南岳山頂火口からおおむね二キロメートルの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒する必要があると評価されております。そのため、気象庁においては、噴火警戒レベル3、入山規制を発表しているところでございます。

 現段階では、大規模噴火の今後の見通しについて申し上げることはできませんが、気象庁としては、桜島が噴火警戒レベル3であることを認識した上で、火山活動の変化をしっかりと監視してまいりたいと考えております。

 桜島は、全国でも最も活動が活発な火山の一つでありまして、気象庁を初め、大学等関係機関が、地震計、空振計、遠望カメラ、GNSS、傾斜計などの観測機器を整備しております。気象庁では、これらから得られる観測データ等に基づき、火山活動を常時監視しております。

 また、昨年十二月には、桜島の地下構造を解明し、噴火のより正確な予測を行うため、京都大学など全国九つの大学と協力して桜島の火山体構造探査を実施いたしました。本年十二月にも実施する予定であります。

 情報発表体制については、気象庁では、火山の状況に関する解説情報や噴火警報などを火山活動の状況に応じて発表しています。この情報は、報道機関、地元自治体、気象庁ホームページを通じて国民の皆様へ提供しています。

 今後も、桜島の火山活動の変化をしっかりと監視していくとともに、適時適切な火山情報発表に努めてまいります。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 北川国土交通副大臣におかれましては、気象庁と砂防を御担当と伺っておりますので、質問させていただきます。

 桜島における噴石の飛散、火砕流の流出等に関する観測研究の拡充を行う必要があると考えますので、その点についての御所見をお願いいたします。

北川副大臣 実は、私の親戚が桜島で、高免町というところでミカン農家をやっておりまして、その者からも、しょっちゅう、しょっちゅうというよりも毎日噴火し、また煙を上げて、十年に一遍、二十年に一遍、あるいはまた三十年に一遍、大変大きな噴火もあるということで、非常に危険なんだという話はしょっちゅう聞かされております。

 そういう過去の大規模な噴火の事例を踏まえますと、噴石の飛散それから火砕流の流出を含め、観測研究ということの強化、そういうものは非常に重要であるということで常日ごろから認識をいたしております。

 噴石の飛散に関しましては、現在は、桜島を含め全国の火山に対し、降灰の及ぶ範囲を降灰予報として発表しております。来年三月からは、これをコンピューターシステムなどの開発によってさらに高度化をし、降灰の量や小さな噴石の落下する範囲も含めて、量的降灰予報として発表を開始する予定をいたしております。

 それから、火砕流の流出などに関しましては、監視カメラなどにより、火砕流の流出も含めた火山活動状況などの監視観測に努めてまいりたいというふうに思っています。

 それから、御嶽山では大変大きな教訓をいただいたわけでございますけれども、火山に関する観測研究というのは、国民の安全、安心の観点から大変重要であります。そのため、桜島を含め、火山の観測監視を引き続いてしっかりと行ってまいります。

 また、気象庁では本年四月に気象研究所に火山研究部を整備し、研究体制のさらなる強化を図ってまいりたいというふうに思っております。

 今後も、大学などの研究機関とも連携しつつ、御指摘の噴石の飛散、火砕流の流出も含め、火山に関する観測研究を進めてまいります。

 以上でございます。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 桜島、その周辺に住んでいらっしゃる鹿児島市、垂水市、霧島市、鹿屋市の皆さんは、毎日のニュース、気象情報で、どちらの方向に風が吹くかというのが結構気になっているそうです。それによって、きょうは洗濯をするとかしないとかということを常に気にしながら生活しているのが鹿児島、桜島を中心とする域内に住んでいる方ですので、その点についての御配慮をお願いしたい。

 それとともに、きょうは藤井文科副大臣にもちょっとお願いしたいんですけれども、ずっと降り積もっているものですから、グラウンドでも、駆ける円周の部分は掃くことができる。真ん中のサッカーとかをやる芝生の部分にどんどん積もっていくと、グラウンドと芝の部分が三十センチぐらい差ができて非常に危険な状態なので、その点についても、役所に戻られてからちょっと担当の方に聞いてみてください。よろしくお願いいたします。

 続きまして、内閣府に質問をさせていただきます。

 大規模火山災害対策への提言に基づく大規模な降灰対策の研究に当たっては、先ほど申し上げましたとおり、大正噴火から百年を迎え、現在も活発な活動を続けており、近い将来の大噴火への警戒時期に入ったと言われております桜島を、富士山を初め全国の活火山のモデルケースとして取り上げて検証すべきだと考えますが、いかがでしょうか。

山谷国務大臣 有識者による広域的な火山防災対策に係る検討会により、平成二十五年五月に大規模火山災害対策への提言が取りまとめられ、大規模な降灰対策の必要性について示されたところであります。

 この提言を受けまして、内閣府では、現在、降灰の影響に関する基礎的な調査として、降灰がインフラ施設、経済活動や社会活動へ影響を及ぼした事例の収集と要因分析等を行っているところであります。

 桜島においては、日常的に降灰に見舞われ、大変苦労をされているところでございますが、同時に、全国で最も降灰被害や対応に関する知識経験が豊富なところでもございます。内閣府の実施している調査の中でも、桜島の降灰被害について地元の関係機関へのヒアリング等を行っているところであり、貴重な事例として収集、分析させていただいているところでございます。

 今後、内閣府としては、この基礎的な調査の結果をもとに、実際の地域において、大規模降灰の影響の評価等について、御指摘の点、勘案しながら、検討してまいりたいと思います。

大島(敦)委員 最後の質問となります。

 大正噴火級の大噴火を想定し、風下側となった場合の大規模な降灰による人や建築物、ライフライン、交通への被害及びこれらが複合的に及ぼす市民生活、都市機能、地域産業、地域経済への影響についてシミュレーションを行い、その結果をもとに被害の軽減、応急対応、復旧復興策を検討すべきと考えますが、いかがでしょうか。御答弁をお願いします。

山谷国務大臣 大規模な降灰による影響については、高度に開発が進んだ現代の都市が大規模降灰に見舞われた経験が他国の事例においてもなく、不明な部分が多い状況であります。このため、関係機関が連携して、降灰の影響や対策に関する幅広い調査研究を推進していくことは必要と考えております。

 今後、内閣府といたしましては、現在実施している基礎的な調査をもとに、現代の都市が大規模降灰に見舞われた際に生じる事態の想定や影響の評価及び降灰下で住民等がとるべき対応、応急的な除灰作業の実施方法等について検討してまいりたいというふうに思います。

大島(敦)委員 ありがとうございました。

 各府省の対策をお願いいたしまして、私の質問を終わります。

 どうもありがとうございました。

梶山委員長 次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 本日は、災害時におけるヘリの運用ということについて質問させていただきたいというふうに思います。

 まず、政務官、通告はございませんけれども、本当にお疲れさまでございました。恐らく、御嶽の現地でも、政務官御自身がヘリに乗られたかどうか私はわかりませんけれども、報道のヘリも含め、頻繁にヘリは出てきていたのではないかなと思います。もしよろしければ、そのときの状況を、ヘリという観点で何か感じたことがあれば、お教えいただければと思います。

松本大臣政務官 御質問にお答えをさせていただきたいと思います。

 実際に私もヘリに乗りまして、被災地、御嶽山山頂付近の現状を上空から視察させていただいたところでもあります。

 最初の木内委員からの質問の中でもちょっと触れさせていただきましたけれども、今回、ヘリの運用に関しましては、大変難しい環境の中の作業でありました。噴火中の山頂付近をヘリで飛行するということのリスクがございましたし、また同時に、高地におけるヘリ運用は、空気の薄さから、非常に危険性が高まるというような状況がございました。また、ヘリのエンジン、ローター等に火山灰が入ってきた場合には、エンジンの出力が落ちて大事故につながりかねない、そういう状況もあったわけであります。加えて、雨が降りまして山頂の火山灰が泥濘化をすることによりまして、重量のあるヘリが着陸をした際に抜け出せなくなってしまうかもしれない、そういうリスク等々もあったところであります。

 よくよく現場部隊と相談をしながら、二次災害の防止に努めまして、このヘリの運用というものを実施させていただいたというような状況であります。

泉委員 大変現場の臨場感が伝わるというか、本当に過酷な状況がわかりました。ありがとうございます。

 私は、東日本大震災のときにも、まさに津波が襲ってくる、それを防衛省なり国土交通省なり警察、消防のヘリが空撮をしている状態で、本当に町が波にのまれていく映像、これを今も思い出すわけです。災害時にヘリがどのように円滑に使われるのかということは、ヘリというものが高度な技術だからこそ、それを活用する価値というのは非常に高いと思いますし、これまでもドクターヘリ等々が大分浸透してきまして、遠隔地における救急患者の搬送等々も含めて、とてもいいように活用されているというふうに考えております。

 そういう中で、阪神大震災のときにも、そのときにはまだまだヘリについてのさまざまなルールが共有されていなくて、副大臣も御承知かもしれませんが、報道関係のヘリが通る、それがルール化されていない、あるいは周波数が合わさっていない等々で相当混乱をしたというさまざまな経験がありました。

 あるいは新潟の原発の、柏崎のときなんかにも、報道ヘリの騒音が、まあ報道ヘリに限定するわけじゃありませんが、ヘリの騒音が実は防災のアナウンスの音を聞こえなくしたんじゃないかということも含めて、その離発着のルールというものも必要になってまいりました。

 そういう中で、さまざまな提言がなされて、JAXAの方で随分と研究をされてきました。今回、JAXAが研究を進めてまいりまして、小林さんという研究員が中心になって研究をしてきたわけですが、災害救援航空機情報共有ネットワーク、D―NETというものの開発がずっと続けられてきて、改善もされてきたわけですが、そのシステムの運用がいよいよ、さらに改善を踏まえて開始されたということの報道がことしの四月、これはまず総務省消防庁の方で運用を開始するということが決まったようであります。

 このシステムというのは、同時多発的にさまざまな機関が飛ばすヘリについて、そのヘリがどういったヘリなのか、またどこを飛んでいるのか、燃料をどれぐらい搭載できるのか等々を含めて、どこに離発着したらいいかということを総合的に管理できるというか、管制できるような仕組みでありまして、これは、物資の輸送や救急患者の搬送、あるいは管制という意味で非常に効果を上げているというふうに伺っております。

 総務省消防庁にまずお伺いしたいんですけれども、四月に採用された段階で、消防防災ヘリ七十六機中四十一機に搭載されているとなっていますけれども、現在、最新の状況と今後の整備計画がどうなっているか、お答えください。

室田政府参考人 大規模災害発生時には、全国から緊急消防援助隊のヘリが被災地に出動いたしまして消火、救助、救急、情報収集など多様な任務を遂行いたしますことから、多数のヘリを効果的に運用する必要がございます。このため、委員御指摘のJAXAが開発いたしましたD―NETシステムを取り入れたヘリコプター動態管理システムにより、ヘリの位置をリアルタイムに把握いたしまして、それをもとに効率的な運用調整を行うこととしております。

 消防庁におきましては、平成二十年度以降、ヘリの大規模な機体整備時期、あるいは新機体への更新時期に合わせまして順次導入を図ってきたところでございます。

 現在は、消防防災ヘリ全七十六機のうち四十一機に導入されておりますが、今年度、八機導入予定でございます。今年度末の整備機数は四十九機となる見込みでございまして、今後、できるだけ早期に全機に導入できるよう努めてまいりたいと存じます。

泉委員 ぜひ着実な整備をお願いしたいと思います。ちなみに、たしか、私がいろいろと見ている中では、自治体もそのリアルタイムの状況を把握できるというところも大変メリットであるというふうに伺っております。

 さて、D―NETの搭載、もちろん、その本体というかマザーの方の設備もありますから、なかなか切り出しにくいかもしれませんが、一機搭載当たりの予算というのは大体どれぐらいを見ているんでしょうか。

室田政府参考人 このシステム一機当たりの予算額といたしましては、ヘリの機体に搭載いたします位置情報の送受信システムが千七百万円、それに、この装置の機体への取りつけ、あるいは航空局の承認検査に要する改修工事あるいは検査費用が約二千五百万円、それに、ヘリの位置情報をリアルタイムに表示いたします地上装置が約六百万円、合計四千八百万円となっております。

泉委員 ぜひともその予算も確保して、引き続き着実な整備をお願いしたいと思います。

 先ほど冒頭にお話をしましたように、これは今、総務省消防庁で相当進めていただいているわけですけれども、ヘリは消防だけが飛ばすわけではないわけでありまして、先ほどお話しした自衛隊、そして警察、願わくばというか、民間のヘリもございます、あるいは、先ほどお話をしたドクターヘリもあるわけですけれども、改めて、各機関でこのD―NETをそれぞれ搭載すれば、まさにその情報は一括して共有されるということになっていくわけであります。ぜひそういう状態を着実につくっていけないだろうかということをきょうは提案を申し上げたくて、この質問をさせていただいております。

 まず、警察庁にお越しをいただいておりますけれども、警察庁は、このD―NETのシステムについて現在どのような状況か、また、このシステムの採用についてどんな方針を持っておられて、あるいは計画を持っておられるのかということをお答えください。

島根政府参考人 警察におきましては、大規模災害等発生時には、警察庁及び管区警察局の調整のもと、ヘリコプターの必要な機数が確保できるよう、広域的運用を行っております。また、このような場合には関係機関から多数の応援派遣がなされることから、被災地に集中する多数の航空機の安全を確保しつつ効率的な運用がなされるよう、警察としても、平素から、防災訓練等を通じた自衛隊、消防等関係機関との連携に努めているところであります。

 お尋ねの、消防庁において導入されたヘリコプターの位置確認機能等を有するシステムにつきましては、今後、具体的内容を確認しつつ、さまざまな点について勉強させていただきたいと考えております。

泉委員 同じく、防衛省にお越しいただいていますけれども、防衛省はいかがでしょう。

深山政府参考人 お答えいたします。

 防衛省・自衛隊におきましても、災害時のヘリコプターの運用については、安全に運用することが極めて重要であると考えておりまして、日ごろから、先ほど御指摘のありました御嶽山の災派においてもそうでございましたが、関係機関と密接に連絡をとって、細心の注意を払っております。

 御指摘のD―NETシステムは、システムとしての有用性はあると認識しております。他方、率直に申し上げますと、現時点においてはこのシステムを自衛隊のヘリコプターに導入する具体的計画はございませんが、今お話のありました消防庁等の取り組み等を我々も注視してまいりたいと考えております。

泉委員 今お聞きいただいたとおりでありまして、スケールメリットと言うと変ですが、やはり共有化することの意味というのはあると思うんですね。

 このD―NETを使わない場合どうしているかというと、もちろん各機関である程度管制はされるわけですけれども、無線で連絡を受け、緊急時ですので、ホワイトボードにさまざまな位置を書きながらなんということも現場では行われているというふうに認識をしております。

 そうすると、いわゆる人的なミスということもあり得るわけでありまして、いろいろな意味で、やはり災害時だからこそ非常に有効であるヘリ、このヘリを使った情報収集や人命の救助というものは非常に有効であるというふうに思っておりまして、まさにそこを国家全体として共有していく、効率的に運用していくということが次なる災害に向けた備えであろうというふうに私は思います。そういった意味では、ぜひともこれを統合的に運用していただきたいと思います。

 D―NETの普及において課題となっていることは何かということを総務省消防庁にもお伺いしようというふうに思っていたわけですけれども、改めて、政務三役、大臣、副大臣、政務官、これはどこが音頭をとるかということもありまして、今は総務省消防庁が最も先行してこれを導入しておりますので、そちらからの声かけになるのかもしれませんけれども、やはり防災ヘリの統合運用という意味合いからも、ぜひ内閣府としてもこの問題に御関心を持っていただきまして、そして、ヘリがしっかりと効率的な運用がされるように、予算の確保ですとか、あるいは、防衛省のヘリも、恐らく、新しい機材を搭載することの難しさというのはあると思うんですね。本来目的は防衛のためのものでありますので、それを他の機関で集中的に管制することそのものが果たしてあり得るのかということも当然ございます。

 そういったさまざまな壁はあると思いますが、警察その他の機関を含めて、できるところからやっていくということが、せっかくのこういった共有システムがあるということの意味であろうかなというふうに思いますので、ぜひともそこについてはお取り組みをいただければと思います。

 最後に、大臣、もし何かコメントがあればお願いしたいと思います。

山谷国務大臣 泉委員の問題提起、ありがとうございました。

 そして、消防庁の取り組み、今後どのようにまたそれが整っていくかということも見ながら、総合的に考えてまいりたいと思います。

泉委員 終わります。ありがとうございました。

梶山委員長 次に、西野弘一君。

西野委員 次世代の党の西野弘一でございます。

 少し通告と順番を変えて質問をさせていただきますが、お許しをいただきたいと思います。

 まず冒頭ですが、山谷大臣の防災担当大臣として見ておられるというか担当されているエリアというのは、当然、日本の領土全てに及ぶというふうに私は思っておりますが、この中に北方領土、竹島、尖閣諸島は入っておりますでしょうか。

山谷国務大臣 北方四島は、いまだかつて一度も外国の領土となったことがない、我が国固有の領土です。

 また、竹島は、歴史的事実に照らしても、かつ国際法上も、明らかに我が国の固有の領土でございます。

 尖閣諸島については、歴史的にも国際法上も疑いのない、我が国固有の領土であります。

西野委員 つまり、北方領土、竹島、尖閣も、当然、大臣が防災の対策を打っていかなければいけないところだということでよろしいんでしょうか。

山谷国務大臣 事実といたしまして、気象庁において、気象レーダーや衛星等の観測網をこうした島々については活用しておりまして、気象観測を実施しているものと承知しております。

西野委員 当然、領土であります。ただ、残念ながら、まだこの三つのところには、北方領土にも竹島にも尖閣にも、日本人は今住んではおりませんが、いずれ、恐らく、住むことになるわけであります。そのときに、そのことを踏まえた上で、もう今の段階からしっかりと、気象であっても継続的に観測をしていくということが大事だというふうに思います。

 また、国民がそこに住むということまでに時間がかかったとしても、それまでにも、例えば尖閣であれば、周りで漁をしている漁師さんが、突然天候が変わって尖閣に避難したりということもこれは想定されるわけでありますから、常に気象を観測して、そういうデータであるとかというものを集積しておくということは大事だと思うんですが、現段階で、こうした北方領土であったり竹島であったり尖閣の気象観測の体制はどのようになっていますか。気象庁に伺いたいと思います。

西出政府参考人 先ほどの山谷大臣の御答弁と重なりますけれども、気象庁では、気象レーダーや衛星等の観測網を活用いたしまして、北方四島、竹島、尖閣諸島における気象観測を実施しているところでございます。

西野委員 レーダーとか衛星で観測をしているということではありますが、例えば雨であっても、どれだけの雨が降るのかなということを予測するのには、実際に衛星からいろいろな観測をしたりレーダーで観測をしているのとあわせて、過去にそういう同じような状態であったら、何時間後にどれだけの雨が降ったとか、どれだけの量の雨がどれだけの時間降ったとかということを、その実際の降雨量とかというものもしっかりはかって、それを何年も何年も蓄積していることによって、予測であったりということの精度がより上がってくるんだというふうに私は思っております。

 残念ながら、実効支配というか、支配権が実際に及んでいるのは今尖閣だけでありますが、せめてこの尖閣にぐらいは、例えば降雨量をはかるような観測装置というか、そういうものを備えておくということは、僕は必要だと思います。

 また、大臣は、これまでもこの領土の問題は議連の活動等を通じてすごく一生懸命頑張っておられた。僕はもうすごく尊敬をしている大臣なんです。ですから、その大臣だからこそ、きょうはこの質問を聞きたいんですが、ぜひ、尖閣にそういった観測の装置を置くということについて、大臣から、この政権の間に行動に移していただきたいな、実現をしていただきたいなと思うんですが、いかがでしょうか。

山谷国務大臣 政府として、領土、領海、そして国民の生命を守る、そして、安全、安心な国づくりをしていくというのは当然のことだというふうに思います。

 今御質問の件でございますが、政府全体として検討していくべき問題と考えております。

西野委員 大臣は、例えば天気予報をちゃんとやりなさいということも、今まで、大臣になられる前から議員の活動としてされていたということは、すごく僕は強烈に印象に残っているんですけれども、その大臣だからこそ、大臣として、この尖閣には必ず私が大臣の間にせめて観測装置を置くぐらい何でもないことなので、これは必ず私の責任でやりますよということをぜひ御答弁いただきたいんですが、いかがでしょうか。

山谷国務大臣 政府全体として検討していきたいと考えております。

西野委員 検討はもうずっとやっていると思うんですよね、当然のことですから。

 ですから、政権の中で私が先頭を切ってこの声を大きく上げていくということをぜひおっしゃっていただきたいんですが、それも無理でしょうか。

山谷国務大臣 繰り返しになりますけれども、政府全体として検討していただくべき問題だと考えております。

西野委員 では、防災担当大臣として、尖閣にそうした観測装置を置く必要性はあるという御認識はあるのでしょうか。

山谷国務大臣 島々については、気象庁において、気象レーダーや衛星等の観測網を活用し、気象観測を実施しているところでございます。

西野委員 気象庁に伺います。

 レーダーとか衛星で、いろいろな雲の動きとかそういったものの観測を当然されます。その後、その雲が、どれだけの雨を降らせたのか、どれだけの時間、雨を降らせたのかということの実際のデータを集めていると思います。これは、両方があって初めて精度の高いいろいろな気象の予測ができると思いますが、両方あった方がいいか、必要性がないのか、お答えいただけますでしょうか。

西出政府参考人 北方四島、竹島、尖閣諸島における気象状況を把握し、監視するというレベルにおきましては、新たな観測施設を設置する必要は、現状のところないと考えております。

西野委員 では、尖閣は領土だけれども、通常の観測で使っているような、通常の気象の予想、予測、つまり、これは防災上とても大切なことでありますけれども、例えば、尖閣以外の地域で行っている水準じゃなくても、今は人も住んでいないからいいということでしょうか。もう一回、気象庁に伺います。

西出政府参考人 現状、必要な監視レベルにおいては必要ないと考えております。

西野委員 現状必要ないと判断されるのは、なぜそのように判断されるんでしょうか。気象庁に伺います。

西出政府参考人 海上等の警報を発表するに当たっては、気象レーダーや衛星等の観測網を活用して発表してございますので、そのレベルにおいて、必要ないというふうに判断しております。

西野委員 海だけでなくて、現状そうというふうにおっしゃっているんですが、私は、尖閣にもいずれ日本人が住むという前提で、ぜひここは議論をしたいと思っているんです。いずれ住むという前提に立てば、きょうからでも、実際のデータというものの蓄積を始めなければ、スタートしなければいけないと思うんです。

 逆に言うと、今からその観測を始める、現場に、尖閣に観測装置を置くということで、これは近いうちに、そこに国民が住むんだ、そこでいろいろな活動をするんだということの前提に立っているというあかしになるからこそ、まして、山谷大臣とだからこそ、私はこの議論をぜひさせていただきたいなと思ったんです。

 政府全体で検討をされるということでありますが、もう既にこんなものは検討していると思います。だけれども、それを大臣として、もっと言えば、政治家山谷先生としてそういうことを示すことが、観測装置を置くことによって、ここにいつでも日本人が住むことができるんだということを示すということが僕は大事だと思うんですけれども、その必要性があるという認識はございますでしょうか。

山谷国務大臣 今、気象庁からの考え方の説明もございました。また、政府内の関係省庁、例えば総務省や国土交通省等々、関係府省庁のいろいろな意見を聞きながら、政府全体として検討いただくべき問題だと考えております。

西野委員 尊敬する大臣をこれ以上、答弁もしにくいでしょうから、もうあれですが、ただ、大臣の今までの政治活動というのは本当に僕はすばらしいなと思って、僕も国会に来ることができたら大臣のように活動したいなというふうに、僕は大変、心から尊敬を申し上げてきた。

 今、御答弁をすぱっとなかなかされにくいかもわかりませんが、でも、今までずっとそうだったんですよね。ずっとそうだったんです。いろいろな活動をされていて、大臣になられる前はすぱすぱっとおっしゃっているんですが、大臣という立場になって、やっとそれができるポジションにつかれた途端に何かふにゃふにゃっとなっちゃうんですよね。今までずっとそうだったんです。だから、大臣にはそういう今までの、どなたとは言いませんけれども、今までのそういった方々と同じようなことはしてほしくないなというふうに思っています。

 これは、必要なことはもうわかっているわけでありますから、必要なことを踏まえた上で、政府全体で検討いただけるということでいいでしょうか。それとも、今の状況では全くこれは要らないんだという前提に立って、要らないけれども、いずれ要るかもわからないということで検討をされるのか。すごく大事なことだと思うんです。今既に必要なんだ、必要なんだけれども、周りのいろいろな状況を鑑みながら検討するということなのか。いや、今すぐには必要ではないけれども、将来は必要になるかもわからないねということで検討されるというのか。いずれでしょうか。

山谷国務大臣 繰り返しになりますけれども、政府内の関係府省庁のいろいろな話を聞きながら、政府全体として検討していただくべき問題だと考えています。

西野委員 すごく僕は残念で、必要性があるかないかといえば、僕は、大臣だったら必要性はあるという認識をお持ちだと思っているんですが、そのことぐらいは御答弁いただけないでしょうか。もう全く、本当に必要がないと思われているんでしょうか。

山谷国務大臣 繰り返しになりますけれども、先ほどの気象庁の考え方もございました。関係府省庁のお話をよく聞きながら、政府全体として考えていくべき問題と考えています。

西野委員 本当に残念ですね。自民党の先生方も今、繰り返し繰り返しというふうに、答弁を後押しするようなことを発言されていましたけれども、すごく残念ですね。

 これは、検討するで終わってしまうと、政府全体で検討するというこの御答弁で終わってしまうと、今までと全く一緒じゃないですか。全然、何の前進もしないじゃないですか。先生がすごく一生懸命取り組んでおられたことを少しでも前進させるには、この御答弁で、必要性はわかっているよ、当然わかっている、だけれども、それはいろいろな状況を鑑みながら検討を政府全体でしていきますよ、でも、必要性は私は当然わかっていますよと答えていただいたら、ちょっとでも動くじゃないですか。

 その動くか動かないかってすごく大事なことだと僕は思うんですけれども、いかがですか。

山谷国務大臣 それぞれの所管というものがございますので、それぞれの関係府省庁のお話を聞きながら、政府全体として検討していただくべき問題だと思います。

西野委員 本当に、こういうことをしつこく繰り返してやるのも、僕も本意ではないんですが、では、必要なのか必要ではないのかだけ、いずれか、お答えいただけますでしょうか。

山谷国務大臣 本日は災害対策特別委員会で、私は防災担当大臣でございますので、それに対する答弁というのは控えるべきではないか。ただ、先ほども申しましたように、政府全体として検討いただくべき問題だと考えております。

西野委員 そうではなしに、置くか置かないかではなしに、実際に置くか置かないかをお聞きしているのではなくて、今から観測装置を尖閣に置くことが防災上必要なのか必要ではないのかだけを、いずれかを防災担当大臣としてお答えいただきたいんです。

山谷国務大臣 これは、本当に、関係府省庁のそれぞれの考え方、見方、そしてこれまでの経緯がございますので、政府全体として検討いただくべき問題だと考えています。

西野委員 防災上必要か必要でないのか。防災上は必要だ、私はそう思いますよ。ただ、いろいろな状況を考えたときに、政府全体で、それは、置くのか置かないのかは結論は出しますということを僕は御答弁をいただきたかったんですが、恐らくそういう答弁をいただけないんだろうなという判断で、僕はもう、きょうはこれで質問を終わらせていただきます。

 再度、重ねて申し上げますが、僕は、先生の活動は本当に今まですばらしいなと思って、こういう政治家になりたいなと思って、先生の活動をすごく勉強させていただいておりました。その大臣ですから、きょうは御答弁いただけなかったですけれども、その志というか思いというのは全然曲げておられないというふうに、僕はそう信じておりますので、ぜひ、この問題を一つの突破口にしていただいて、ひいては、尖閣に安心して我々国民が自由に出入りして、また、そこに住むこともできるような状況を早くつくっていっていただきたい、そのための突破口をぜひ切り開いていただくことをお願いいたしまして、質問にかえさせていただきたいと思います。

 ありがとうございます。

梶山委員長 次に、今井雅人君。

今井委員 維新の党の今井雅人でございます。

 初めに、ことしも、御嶽の噴火、そして数々の台風等の水害がございまして、たくさんの方がお亡くなりになり、そして被害に遭われました。お悔やみを申し上げるとともに、お見舞い申し上げたいというふうに思います。

 十五分という時間ですので、少し問題提起と、確認をいろいろさせていただきたいというふうに思います。

 まず、大臣にちょっとお伺いしたいんです。

 今回、広島の台風の災害に関しても、一部の専門家で、やはり森林の整備がきっちりできていないということが問題であるという話が出ておりました。

 防災という観点で、コンクリートでいろいろ固めていくということも必要ですが、緑の防災というのも当然必要なわけで、そういうものを総合的にやっていくということになると思うんですけれども、今回、実は、このことを大臣にお話をしたいと事務方に話しましたら、これは農水省に言っていただけますかというふうに言われました。

 私は、これは本当に縦割りの弊害だ、防災としての森林整備をしているのに農水省に聞いてくださいというのは、余りにおかしいと思うんですね。

 今、地方創生を、石破大臣が、省庁をまたいで俯瞰的に全体的にやるとおっしゃっておられる。ぜひやっていただきたいと思うんですけれども、防災に関しても、やはり担当大臣が、各省庁にまたがって、そういうところはしっかり見ていくんだ、森林の整備のところもあわせて私のところでしっかり見ていきます、そういう気概をぜひ持っていただきたいというふうに思うんですけれども、その辺のお考えをまずお伺いしたいと思います。

山谷国務大臣 森は本当に大切です。我が国は、国土の約三分の二を森林が占め、世界でも有数の森林国です。

 森林は、多様な生物が育まれる場所であるとともに、洪水の緩和や土砂災害の発生抑制といった防災機能など、多様な役割を有しています。中でも災害の防止機能については、内閣府が平成二十三年に行った世論調査においても、森林に期待する働きとして最上位となるなど、国民の期待の高さがうかがい知れます。

 しかしながら、森林が適切に管理されずに荒廃が進みますと、森林の保水力が弱まり、豪雨の際に、雨水が短時間で下流域に流れ出し、洪水や土砂災害等を引き起こすおそれがあります。

 内閣府といたしましては、本年八月の広島市の土砂災害及び昨今の局所的な豪雨の発生状況を踏まえ、また、国土強靱化推進の観点も含め、総合的な対策を検討するため、中央防災会議に専門家や関係省庁から成る土砂災害対策検討ワーキンググループを設置して、政府一体となって土砂災害対策を推進することといたしました。今週の月曜日のことでございます。

 本ワーキンググループにおいて、森林等の管理対策や防災情報の適切な伝達等についても、重要な検討テーマとして挙げてまいりたいと思っています。

 ハード、ソフト一体となった総合的な土砂災害対策について推進していきたいと思います。

今井委員 事務方の答弁を読まれるのは結構ですが、ぜひ、気概を持って、私が主担当なんだという思いで、農水省だけに任さないでやっていただきたいということを、まずお願いしておきたいというふうに思います。

 次に、御嶽山のことについてお伺いしたいと思います。

 予算委員会でも少し申し上げましたけれども、私は、御嶽山の麓、岐阜県側ですが、下呂温泉というところで生まれ育ちました。御嶽山から流れてくる水というのは非常に冷たくてきれいな水で、その恩恵も受けておりましたし、オオサンショウウオとか、こういうのがいまだにすんでいるんです。下呂温泉も、ある意味、御嶽山のマグマのもとで生まれている温泉ですから、そういう意味では、御嶽に育てられたという身として、今回のいろいろな被害には大変心を痛めておるんです。

 地元の皆さんと今いろいろお話をしています。風の向きというのもあり、それから、岐阜県側というのは険しいので、なかなか向こうから登らないので、ほとんど長野県から登っておられますから、岐阜県側は被害が少なかったというのは実際はあるんですけれども、いろいろと市役所の皆さんあるいは地元の皆さんとお話ししておりまして、少し御要望があったので、ここでお話しさせていただきたいと思います。

 まず、今後の情報提供の体制についてなんですけれども、これは気象庁になると思います。

 今回、九月十日、十一日に、火山性の地震が、たくさん、一日に八十回ぐらいあったんですかね。二〇〇七年の噴火のとき以上の回数があったわけですけれども、その後鎮静化しましたから、結果的には気象庁さんはレベルを1のままにしておられたということがあって、これは、果たしてそのままでよかったのかという議論が今あります。

 ただ、一度レベルを上げてしまうとなかなか下げにくいのでその判断も難しいというふうに伺っているんですが、自治体の皆さんがいろいろ対応されるに当たっては、この気象庁のレベル、これを見て、レベル1ならこう、レベル2ならこう、こういう対応をしておられるところがほとんどなんです。

 そうすると、今までの答弁、経緯を拝見しておりますと、今後、いろいろなものを情報開示していきます、できるだけ皆さんに伝えるとおっしゃっていますが、明確に、例えば、レベル幾つ、こういうときはこうしていただきたいということをしっかりと示していただかないと、情報だけ出しました、あとは各自治体の皆さんが御自分で判断してください、こういうふうになると、自治体がどういう対応をしていいかわからなくなってしまうんですね。

 ですから、今後、今御検討なさっていると思いますけれども、自治体が余り混乱しないようなはっきりとした指示をしていただく、あるいは、そういう情報提供をしていただくということが必要なんだと思うんですけれども、その点について気象庁はどういうお考えか、教えていただきたいと思います。

西出政府参考人 地元の自治体は、地域の住民等への情報提供について重要な役割を担っており、御指摘のとおり、地元の自治体に対してわかりやすい情報の提供が必要であると認識しております。

 これまでも、気象庁では、地元自治体に対して、火山の状況に関する解説情報や噴火警報等を専用回線やインターネットを通じて提供しているほか、火山活動に異常が見られる場合には、気象台から直接、地元自治体に対して、火山活動の状況を説明するとともに、今後の火山活動の推移等に関する注意喚起を行ってきたところであります。

 一方で、気象庁が発表する火山に関する情報が地元自治体の具体的な対応に結びつくものであることは、重要であると認識しております。このため、火山噴火予知連絡会の下に、学識経験者や自治体、登山者団体で構成される、火山情報の提供に関する検討会を設置し、検討を進めることとしております。

 委員御指摘のような点も含めて、気象庁が発表する火山に関する情報が、わかりやすく効果的なものとなるよう、十一月中に緊急提言として取りまとめてまいる予定でございます。

今井委員 ぜひ、やっていただきたい。

 では、もう一度確認ですけれども、今回、八十回の火山性の地震があってもレベルを引き上げなかったということ、これに関しては、適切であったかどうかということは、今、まだ検討段階にあるということでよろしいんですか。

西出政府参考人 今回の、レベルを上げなかった、上げるかどうかの判断につきましては、一番重要な点は、七年前の二〇〇七年の噴火との比較をしながら、各種観測データを見て、二〇〇七年と比べて、地震回数が少ないでありますとか、回数が減ったでありますとか、微動が発生していない、地殻変動がない等いろいろなことがございまして、結果的に、上げるという判断には至らなかった。これは、できることはやったという認識でございます。

今井委員 私は専門家じゃないので、ちょっとここはよくわからないんですけれども、ともかくもう一度、そういう検討会ができているということですから、今回の判断があれでよかったのか、今後どうするのか、それを明確に決めていただいて、ぜひ自治体が対応しやすいようにしていただきたいというふうに思います。

 次に、風評被害についてなんです。

 御嶽が噴火して、その後、テレビで岐阜県の下呂市のとか高山市のとかいうのが随分と報道されたものですから、宿泊のキャンセルが相次いでおります。

 下呂の方に聞くと、少しおさまったというふうにおっしゃっていましたけれども、高山市の方がどうなっているかといいますと、九月二十七日の噴火以降、十月の一日時点で、高山市内の旅館ですけれども、キャンセルが千四百八十一件、それから、十月九日になると三千百四十八件というふうになっております。

 先日、市長さんともお話をしておりましたら、大体、並べてみると、高山市の月のキャンセル件数というのは五百件ぐらいらしいんですけれども、この噴火以降、五千件ぐらいになっているんだそうです。十倍でありまして、ちょうど同じ時期に台風も何個か来たので、必ずしも噴火の影響だけではないということでありますけれども、恐らくその影響も出ているんだろうなということであります。

 ちょっと、具体的な名前を出すとまた影響が出るといけませんから、御嶽山に近いところにある、ひなびたというか、割と秘境のような温泉のところは、本当に今、誰もお客さんが来られないという状態で、もうこのままだと旅館を閉じなきゃいけないというような状態になっておるわけです。自治体の方も今非常に一生懸命PR活動をしていただいておりますけれども、これは、ぜひ観光庁の皆さんにも協力をいただきたいということなんですね。

 ホームページで安全ですというのを打つのも、これではみんなになかなか見てもらえませんし、実は悩ましい問題で、かといって、安全です、安全ですと、余りそういうことだけを言い過ぎると、実は安全じゃないんじゃないかと逆に疑われてしまうというのもあるので、なかなかやり方は難しいと思うんです。

 でも、極力、例えばそういうときは、そういうところのPR、安全と言うよりは、そういうところが今こういう楽しいことをやっていますよというようなPRをするとか、違う面での支援もあると思いますから、そういう状況をちょっとうかがいながら、風評被害対策というのをぜひ観光庁もしっかり力を入れていただきたいというふうに思うんです。

 今どういう御検討、対応をされているか、教えていただきたいと思います。

吉田政府参考人 お答え申し上げます。

 委員御指摘のように、今般の御嶽山噴火によりまして、直接被害が発生した御嶽山付近以外の地域においても宿泊やツアーのキャンセルが発生していると、長野県、岐阜県から聞いているところでございます。

 また、このような風評被害を防止するためには、委員御指摘のように、内外の旅行者や旅行予定者に対しまして、正確な情報の提供に万全を期すことが重要と考えてございます。

 このため、観光庁におきましては、まず第一に、被害発生直後から、関係団体などから頻繁に情報収集をいたしております。

 第二に、被災した地域の意向を踏まえました上で、観光庁ホームページにおきまして、現地に関する正確な情報発信をいたしております。

 第三に、旅行業者に対しまして、正確な情報提供をお客様に図るように、指導の文書を出してございます。

 第四に、訪日の外国人に向けまして、JNTO、日本政府観光局のウエブサイトを通じまして、御嶽山噴火に関する正確な情報を発信しております。

 第五に、昨日、十月二十二日でございますけれども、会見におきまして、観光庁長官から報道機関に対しまして、現地に関する正確な情報発信について協力を要請いたしました。

 このような取り組みを通じまして、観光に関する風評被害の防止に努めているところでございます。

 今後とも、被災した地域の意向を踏まえました上で、連携して、旅行者や旅行予定者が現地に関する正確な情報を入手できるように努めてまいりたいと考えております。

今井委員 ぜひよろしくお願いをしたいと思います。

 時間が参りましたので、最後に、御嶽山で捜索に当たっていただきました皆様に感謝を申し上げまして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

梶山委員長 次に、椎名毅君。

椎名委員 おはようございます。椎名毅でございます。

 災害対策特別委員会は久しぶりですけれども、どうぞよろしくお願いいたします。

 まずもって、御嶽山の噴火でお亡くなりになられた方、それから広島の土砂災害等でお亡くなりになられた方々を含めまして、御冥福を申し上げたいというふうに思います。

 私は、政治の世界に入る前に国会事故調というところで仕事をしていたわけですけれども、国会事故調の提言の中で、政府危機管理体制の見直し、指揮命令系統の一本化という提言を出させていただいています。

 災害対策というのは、事前のリスクコントロール、それから災害時のクライシスマネジメント、そして事後の応急復旧と復興、こういう時系列とフェーズに分かれている、恐らくそういう仕事なんだと思います。

 平時においては、省庁横断的にそれぞれ防災政策の立案とか、それから対応状況の評価とか、有事においては指揮命令系統の一本化というのが必要であるというふうに私も常々感じていて、従来から何度か、日本版FEMAとか日本版非常事態省とか、名前はとりあえずさておき、要は、非常事態の対応を一本化する官庁の必要性とか複合災害への対応という観点から、オールハザードを一括で対応するそういうアプローチを考えた方がいい、多様な災害に対しても、なるべくやることをシンプルに、共通化して、一本化してやっていくというようなことをたびたびこの委員会で提言させていただいてまいったわけでございます。

 現在、関係副大臣会合というのが開かれているようでございまして、西村副大臣には従前からこちらに参加をされているようでございますけれども、こういったオールハザードアプローチだとか日本版FEMAとか、こういったところに関する、特に複合災害への対応という観点と、それから危機対応の一本化という観点からどのようにお考えになっているのか、御所見を伺いたいというふうに思います。

西村(康)副大臣 委員には、しばしば、この災害特初め内閣委員会ほかさまざまな機会で、災害対応、特に危機管理のあり方について、組織のあり方について、いろいろ御提言、御提案もいただいておりまして、ありがとうございます。

 まさに、御指摘がありましたとおり、さまざまな機会で、特に東日本大震災のときの対応を踏まえて、さまざまな機関からも御提案をいただいておりまして、大規模な災害が発生した場合における政府の危機管理体制、対応のあり方、これについて、そうした御指摘を踏まえて、現在、このあり方に関する関係副大臣会合を開いて、そこで議論を進めているところでございます。

 御指摘のとおり、オールハザードアプローチというのは、どんな災害であろうと、結局は、避難したり、けが人、負傷者に対してどう対応するかというようなことでありまして、やることはそんなに変わりないわけでありますので、考え方は非常に、理解するところ、共有できる点があるわけです。

 現在、日本政府、内閣においては、どんな災害、どんなことが起こった場合でも、危機が起こった場合にも、危機管理監というところで、官邸で立ち上がって、そこでまず全体の情報収集、各省庁に指示を出しながら対応していくことになっております。自然災害であれば内閣府の防災が担当する、事故であったりテロであったりするとそれぞれの関係省庁が対応する、中心になってやるということであります。

 こうした日本のあり方と、それから、海外で、アメリカのFEMAのように、緊急時にとにかく一元的にそこで対応するというふうなあり方もございます。

 こうした各国のあり方も踏まえながら、特に大規模な複合災害が起こった場合にどういうあり方がいいのかというところの検討を進めておりまして、年度内にはぜひまとめたいと思っておりますし、途中段階でも論点を整理して、方向性を早い段階で出しながら、最適な危機管理体制のあり方についてぜひ検討を深めていきたいというふうに考えております。

椎名委員 ありがとうございます。

 ポーズとしてというか、要は、検討していますと言って、でも結局、既存の組織を温存するということでは実は余り意味がないわけでして、他方で、別に他国を褒めそやすつもりも毛頭ないわけです。

 あくまでも、基本的には、危機が起きないようにするためにどのように災害を減らすかということと、危機が起きたときにどのように国民の命を最大限守っていくかということから考えることなんだろうと思います。

 何が最適なのかというのは、恐らく、時代によっても変わるし、想定する何かによっても変わるんだと思います。

 ただ、現状の組織においては、基本的には、災害というのを一定程度リストアップした上で、それに対して、災害に対する対応方法、誰が主語になって、誰が主役になって指揮命令をするのか、そういう一対一対応みたいな形で恐らくやっているんだと思います。でも、東日本大震災、それから福島の事故のように、想定外ということが起きるわけですね。だから、一定程度抽象化をして共通化をするというこの考え方自体は、結構意味があると思っているんです。

 現在、内閣府防災担当は、恐らく九十人以上百人以下ぐらいの、しかも、プロパーではなく、各省からの出向の方々ばかりだと思います。これに対してFEMAは、基本的には七千人ということで、やはり組織規模もかなり違うんだと思います。

 もちろん、国土規模も違うので、その規模が適切かどうかというのはありますけれども、組織規模という意味でいうと、九十人から百人ぐらいの間の、さらに言うと、各省からの出向の方々が集まっているこの防災担当という場所は、やはり、もうちょっと充実してもいいと思うんですね。

 僕は、常に、災害対策というのは、実は委員会は時々開かれるわけですけれども、何か災害が起きて、それで、災害が起きた地元の人が質疑に立って陳情するみたいな形になる、そういう委員会になることはほとんど意味がないと正直思っているんですね。

 そうじゃなくて、やはり、事前の予防と、事前の予防のための制度設計、それからソフトとして何をやるか、これを議論することに意味があるんだと僕は思っています。だからこそ、こういった議論をしていきたいなというふうに思っておるわけでございます。

 何が言いたいかというと、結局は、要は、頑張ってくださいとしか言いようがないんですけれども。

 特に、防災担当という組織そのものを、もう少し、事前の制度設計の中で、先ほど今井委員からも泉委員からも省庁縦割りの話が恐らくあったんだと思いますが、予算づけの話、それから防災政策の話も、結局最後は、では農水省、消防庁はやっているけれども防衛省はどうこうとか、そういう話にどうしてもなっちゃうんですが、それを、防災という観点から、予算づけと、それから政策の方向性を立てるという意味で、ここの組織の機能充実というのはやはりやるべきなんだろうというふうに思います。なので、ぜひ御検討いただきたいというふうに思います。

 次に参りたいというふうに思います。

 御嶽山の火山噴火等に関連してですけれども、現在、監視対象となっている火山が日本全国で四十七あるというふうに思います。この現状を幾つか確認していきたいと思います。時間の許す限り確認していきたいと思います。

 四十七のこの火山について、周辺地域が、火山の噴火警戒レベルと、それから避難の計画、これがどのように連動して実際に避難計画が整備されているのか、そして、実際に警戒レベル3までは基本的には余り周知がされないというのが今の実務の運用のようでございますし、だからこそ、御嶽山の噴火のときにも、警戒レベル3ということで余り周知がなされなかったということのようですけれども、要するに、警戒レベルと、それから周辺への周知の連携の関係と、それから周辺の住民の避難、その避難計画の整備という観点で、この四十七火山について、どのような状況なのか教えていただければと思います。

山谷国務大臣 平成二十六年三月現在、常時観測対象の四十七火山のうち、噴火警戒レベルが設定されているのは三十火山、関係市町村全てで地域防災計画等に具体的な避難計画が定められているのは七火山にとどまっておりまして、まだまだという状況だというふうに思います。

 一つ一つの火山には、それぞれの特徴がございます。

 阿蘇山では、火口周辺にサイレンが設置され、速やかな情報周知が可能となっていると承知していますが、今回の御嶽山噴火を受け、防災行政無線やサイレン等の情報伝達手段の全国的な整備状況についても、まだ十分な把握がなく、現在、調査中でございます。

 これらの状況や調査結果を踏まえまして、中央防災会議のもとに設置することとした火山防災対策推進ワーキンググループにおいて、監視観測体制、防災情報の伝達、適切な避難方策、防災教育や火山に関する知識の普及、火山専門家の知見の活用、育成等について検討し、今年度内を目途に取りまとめを行うこととしております。官房長官からも総理からも、きちんと取りまとめを急ぐようにという御指示をいただいております。

 ワーキンググループの検討結果をもとに速やかに対応策を講じていくとともに、国の職員の各火山防災協議会への積極的な参画を通して、引き続き各地域の火山防災対策を推進してまいりたいと思います。

椎名委員 ありがとうございます。

 時間もないので、ちょっと次に行きます。

 御嶽山のように、日本の名山と呼ばれるようなこういうすてきな山だと、登山をする人というのはいるわけですよね。やはり、登山者の保護という観点というのは、どんな火山においても必要なんだろうというふうに思います。避難シェルターの整備という観点からすると、この御嶽山というところには基本的にはなされていなかったのかなというふうに理解をしています。

 活動火山対策特別措置法という法律があるんだと思います。これによると、避難施設緊急整備地域の指定というのが行われるものについては累次いろいろな対策が打たれていくということなのかなというふうに思いますが、引き続き、四十七火山において、この活動火山対策特別措置法における指定と、それから避難シェルターの整備の状況、そして今後の方針等を含めて、確認させていただければと思います。

日原政府参考人 お答えいたします。

 四十七火山のうち、避難施設緊急整備地域が指定されたのは八火山でございます。御嶽山につきましては、指定されておらないという状況にございます。

 なお、指定されていないエリアにつきましても、シェルター、例えば代表的には浅間でございますけれども、設置されているエリアがございまして、それに対しても一定の助成は行われているという状況にございます。

椎名委員 ありがとうございます。

 結局は、最終的には、補助がつくかつかないかということなのかなというふうに思います。

 今の浅間山の話は、恐らく、いろいろな形で別の収入とかがあって自分たちで独自に整備ができるということなのかもしれませんけれども、そうではない部分というのがあるのかなというふうに思いますので、やはり、避難シェルターの整備ということを、引き続き火山対策ワーキンググループの中で検討していただければというふうに思います。

 では、最後だと思います。広島の土砂災害に関してです。

 土砂災害防止法の改正というのが、今般、恐らく国土交通委員会の中でも議論されることになると思いますが、役所の方々とお話をしていると、突き詰めて言うと、土砂災害防止法というのは、基本的には、危険なところにおいて何かかんかと建築制限をつけつつ、さらにいろいろな壁なりなんなりを準備して、危険なところにおいても何とか居住するための、それを可能とするための法律であるというふうに言っていたわけですけれども、これからの時代は、恐らくそうではなくて、危険なところから移転をしていく、コンパクトシティー化をするという方向性で政策誘導していくということが望まれるんだろうというふうに思います。

 なので、最後に、土砂災害対策検討ワーキンググループ、これから開かれると思いますけれども、このあたりについて御所見をいただければと思います。

山谷国務大臣 我が国においては、高度経済成長期に、都市部への人口集中に対応するため、山地、山の方に近接した土砂災害の危険性の高いエリアまで開発が進んだという実態がありまして、広島市もその典型的な例の一つです。

 一方、人口減少が見込まれる中で、町をコンパクトにつくりかえることによって行政コストを抑えつつ利便性を高めるという動きが見られております。そのことが、同時に、土砂災害の危険エリアから安全な地域に移転を促し、災害からの安全性を高めることも期待できると考えられ、現在、国土交通省において、コンパクト・プラス・ネットワークという考え方に立ちまして町づくりを進めていると承知しております。

 このたび中央防災会議に設置することとした総合的な土砂災害対策検討ワーキンググループにおいても、このように、土地利用のあり方、これを重要な議論の一つとして議論いただくということを考えております。

椎名委員 時間が来たので終わりますが、まさに省庁横断で考えていただくべきもので、防災組織の充実を含めて、大臣にはこれから考えていただければと思います。

 ありがとうございます。

梶山委員長 次に、高橋千鶴子君。

高橋(千)委員 日本共産党の高橋千鶴子です。

 質問に先立ちまして、本日、十月二十三日は、新潟県中越地震から十周年であります。二〇〇四年十月二十三日十七時五十六分、マグニチュード六・八、最大震度七の地震により、六十八名が死亡、重軽傷者は四千七百九十五名にも上りました。改めて、心からお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 中山間地での大地震という新たな課題を突きつけました。新潟県によると、震源地に近い地すべり危険箇所は二百九十九カ所指定しておりましたが、うち百九十五カ所、実に六五・二%が崩れたということに大変驚きます。

 多くの教訓を残し、制度の見直しにもつながりました。ぜひ、八月の広島土砂災害も含め、今後の防災、減災に生かしていくことができるように、強く求めたいと思います。

 さて、資料の一枚目を見ていただきたいんですけれども、国土交通省は、広島の土砂災害を受けて、「土砂災害危険箇所における警戒避難体制の緊急点検について」、これを九月二日に発出し、十七日に、ここにある、その緊急周知の実施状況を公表いたしました。

 これは、全国の市町村のうち、危険な場所の位置について九九・九%が周知している、しかし、避難経路については二四%しか周知していない、こういうふうに読めるわけですね。

 私、広島の被災地を歩いていた日にこの記事を見て、非常に驚きました。つまり、一〇〇%に近いくらいの人が知っている、でも、知っていても避難経路がわからないのなら、これは困ったことだ、どうなるのかということを思ったわけです。

 そこで、国土交通省に確認しますが、これは実は、知っているという意味ではなくて、周知を始めたという意味、あくまでも緊急点検でありますからね、どういう意味なのかを、具体的に、しかし簡潔にお願いしたいのと、これを今後どう活用するのか、伺います。

池内政府参考人 お答えいたします。

 今般の広島市での土砂災害を受けまして、危険箇所の周知を行うよう九月二日に都道府県に要請を行いました。

 その結果、土砂災害危険箇所もしくは土砂災害警戒区域を有する市町村のうち、九九・九%の市町村が危険な箇所の位置について住民への周知の取り組みを開始したとの報告を受けております。

 一方、避難場所、避難経路等の避難体制についての周知が十分でない市町村があることから、今回の結果を踏まえまして、危険箇所の位置の周知、避難体制等の充実について、引き続き都道府県に対して要請を行っていきたいと考えております。

 以上でございます。

高橋(千)委員 今、開始したというところに力を込めましたので、まだ、始まったんだ、九九・九%が知っているというわけではないということで、しかし、大事なことですので、住民に対する周知、下の方に書いているように、ホームページや回覧板、いろいろな手段を使ってやっていくんだというふうなこと、また、二枚目には都道府県別の内訳もつけておりますので、ここは徹底をお願いしたい、このように思います。

 さて、八月二十日未明の広島の土砂災害、七十四名が犠牲になり、土砂災害においては、過去三十年間で最大の犠牲となりました。

 これを受けて、本日この後の本会議で審議入りする土砂災害防止法の改正案が提出されておりますし、既に全国の自治体でも、さまざまな警戒区域の指定や計画の見直しなどが取り組まれていると思います。

 よく指摘されるのは、土砂災害危険箇所というのが全国五十二万五千三百七カ所あるのに対して、警戒区域、特別区域などに指定されているのがまだ三十五万四千七百六十九カ所にすぎないということが指摘をされ、広島でも、指定が非常におくれているということが言われているわけなんですね。

 しかし、それはなぜなのか。住民が抵抗するからなんだとか、そういう話だけにしてはやはりならないと思うんです。

 そこで、まず伺いますが、警戒区域指定に必要な基礎調査、これは砂防予算の中でどのくらい見ているのでしょうか。

池内政府参考人 お答えいたします。

 基礎調査につきましては、防災・安全交付金により措置しているところでございます。

 防災・安全交付金につきましては、個別事業ごとではなく、地方公共団体が策定されます計画ごとに予算を配分し、計画に位置づけられた事業の範囲内で地方公共団体が自由に交付金を充当することができる仕組みとなっております。このため、防災・安全交付金にかかわる計画の一部として実施されている基礎調査の予算については、切り分けられておりません。

 以上でございます。

高橋(千)委員 交付金になったことで使い勝手がよくなったとか、いろいろなことはあると思うんです。ただ、やはり、施策をするためには、どのように使われているのか、そこを把握しなければできないと思うんですね。

 資料の四枚目に、「砂防関係予算の推移」、これをつけておきました。砂防関係予算、左から、直轄、補助、計となっていて、二十六年度は九百五十五億五千百万円。しかし、これも、社会資本整備総合交付金にかかわる部分は外に出ているので、極端に減っているように見えるわけですよね。でも、実際は、そうではないということで。

 基礎調査の予算については、平成二十一年度は百三十二億まであったわけですけれども、その下がない。つまり、どのくらいになったかわからない。防災・安全交付金で出していることにはなっているんだけれども、実態は、つかまれていないということなんですね。

 今回、土砂災害防止法の改正案では、基礎調査の結果について公表することを義務づけております。しかも、それが芳しくなければ国が指導するとまで言っているんですね。なのに、実際にはどれだけかかっているのかがわかっていないというのはいかにも問題であるということで、基礎調査がどれだけできているのか、実態把握、目標を明確にして、また、それにかかわる財政支援も引き上げるべきだと思いますが、いかがでしょうか。

うえの大臣政務官 委員御指摘のとおり、基礎調査の実態というものを的確に把握し、目標を明確にする、その上で進捗管理を行うということは、極めて重要だと考えております。

 そのため、これまで、都道府県ごとの基礎調査の実施数を把握しておりましたけれども、今後は、さらに、その実施目標、それからその進捗状況につきまして、しっかりと把握し、公表させていただきたいと考えています。

 また、基礎調査を推進する都道府県につきましては、防災・安全交付金により、積極的に支援をしてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 積極的に支援と、具体的なことをおっしゃらなかったんですけれどもね。

 国庫負担割合については、私の手元にあるだけでも、広島市を初め、北海道釧路市、余市町、埼玉県議会、北海道議会などで、増額を求める意見書が出ております。

 また、平成二十三年七月の国土交通省水管理・国土保全局砂防部が出しております「今後の土砂災害対策の方向性」、この中でも、東日本大震災を踏まえて、観測体制などいろいろ書いている中で、「基礎調査等の迅速な実施のために一時的に財政負担が増大することを念頭に、被災地域における基礎調査に要する経費の地方負担の軽減に努める。」と明記をされているわけです、既に三年前に。

 この立場でやっていくんだということの確認をしたい。

うえの大臣政務官 基礎調査は非常に大事でございますので、その早期実施を促すという観点から、国として、できることをやるということで、まずは、所有する地形データの提供等々を行っていきたいと思います。

 財政支援のあり方につきましては、いろいろな議論があろうかと思いますが、一方で、既に実施をしていただいている都道府県とのバランス等も考慮しなければいけませんので、その点も含めまして、十分に検討してまいりたいと思います。

高橋(千)委員 これからは、義務づけになって、ますます自治体の責任が問われるわけですよね。それで、国は、それこそさっきも、口は出すけれどもという話がありましたけれども、市町村だけが責められることになってくるわけですよ。やって、公表したらしたで、どうしてくれるんだということになるし、しなければしないで、国からも責められる。そこを本当に進めるためには、もっと力強い支援が必要であります。

 八月二十六日付の北海道新聞、これは資料の三を見てください。「「警戒区域」ハードル検証」というふうにあるんですけれども、警戒区域の指定率が、北海道が全国で一番悪いんですね。一二%になっております。そして、危険箇所の多い順が載っているんですけれども、札幌を皮切りに、八月に死亡事故がありました礼文、そこも、危険箇所二百三十九のうち、指定はゼロなわけですね。

 下の方を読んでいっていただくと、調査が終了しながら指定に至っていない箇所も多いことや、費用や時間がかかり過ぎるということが、やはり大事な指摘だと思うんです。

 急遽聞き取りをしてみたんですけれども、例えば、一〇〇%だと言われている青森県は、危険箇所数の調査を、昨年を既に上回って、ことしの六百八十六カ所を足すと、一一七%基礎調査をやったことになります。新潟県も、今年度を足しますと、一一八%なんですね。

 ところが、広島県は、今年度の予定は千二百カ所もあるが、それでも五割にいかない。まして北海道は、二割にいかない。ようやく二割というところまでしかいかないんです。やはり、圧倒的に広くて多いということがあると思います。調査経費は百二十万、日数が二十日間かかっているということです。体制的にも、財政だけでなく、人的体制という点でも非常に大変だと思います。その上で、基礎調査を終了しているけれども、未指定が八百二十三件。広島では、二千五百五十九件残されております。

 なので、さっき言ったように、ここを支援していくと同時に、公表した後、円滑な指定に移行できなければさらに大変なことになるわけですが、どのように支援していくんですか。

うえの大臣政務官 委員御指摘のとおり、調査の後に警戒区域の指定ということになるわけでございます。現在、都道府県におきましては、住民説明会を鋭意開催していただきまして、地域住民の皆さんの御理解を得られるように努めているところでございますが、そのために、一方で、時間を要しているという面もございます。

 私どもといたしましては、市町村長さんあるいは住民の皆さんに、この法律の趣旨というものを十分に御説明いたしまして、区域指定を少しでも早められるように努力をしてまいりたいと考えています。

 そのため、区域指定がおくれております都道府県に対しましては、先進事例を幅広く提供したり、あるいは必要に応じて専門家を派遣して、そうした面で幅広く支援を行ってまいりたいと考えているところでございます。

高橋(千)委員 先ほど読み上げた国交省の資料の中でも、保全対象が五戸以上の土砂災害危険箇所に限ってみても、整備水準はまだ二割であるという点で非常におくれているけれども、財政的にもさまざまな困難があるということを指摘しております。ですから、住民の理解を得るということの前提に、やはり国として、本当に、危険箇所への理解を進めることや、あるいは移転の際の要件緩和、支援というのは、思い切って取り組むべきではないか。

 また、自治体の方からは、警戒区域に指定されたときの住宅の補強というふうな提案もされておりますけれども、そうしたことも総合的に議論をしていくことと、きょうは時間がないので言い切りにしますけれども、開発規制を厳格にすると同時に、開発者の任務をどう見ていくのか、そうした課題もしっかりと整理をして、何か住民が抵抗するからというだけの話にしないようにお願いをしたいと思います。

 次に、資料の五枚目、これはきのうの東京新聞ですけれども、会計検査院が初めてダムの維持管理について調査を行ったと。これは、十月二十一日、国土交通大臣に改善処置を要請した件について報じています。

 「防災ダム 治水低下」というふうにコメントがあるんですが、国直轄と補助ダムの二十三道県百六カ所を調査したときに、いわゆる百年間土砂が堆積しても大丈夫だということが基本で設計されていることになっているんですが、計画容量を大きく上回って、六十年でもうオーバーしているところが二十カ所以上あるというふうなことが報道されています。

 ただ、土砂のことだけではないんですね、今回点検したのは。実際の報告には、資料の六にその内訳をつけてありますが、どこが指摘されたのか、どこの県のどこのダムが指摘をされたのかということをつけてありますけれども、計測が三年以上もやられていないとか、修繕が三年以上やられていないとか、それから、先ほど来ずっと通報とか連携のことが議論されているにもかかわらず、ダム堤のところに備えられている地震計とダム管理者に情報が来る自動情報装置が接続されていないなど、いずれも、維持管理に重大な不備が指摘をされているわけです。そうすると、災害の大きさによっては、ダムが洪水調節機能を果たせないばかりか、逆に、被害を大きくする場合もあるということにならないでしょうか。

 国土交通省としての受けとめと、今後の対応を伺いたいと思います。

うえの大臣政務官 国土交通省が所管をいたしますダム、多目的ダムにつきましては、一般的に、洪水調節容量、利水容量、そして堆砂容量を確保しているところでございます。

 堆砂容量につきましては、原則、百年間で堆積すると見込まれる容量を確保しております。また、土砂が洪水調節容量の部分にも堆積することも考慮いたしまして、その洪水調節容量のところには、一般的には二割程度の余裕を見込んでいるところでございます。

 今般会計検査院の方から御指摘をいただきました、ダムの洪水調節容量内に堆砂があると指摘された百六のダム、議員御指摘のとおりでございますが、これにつきまして、現在、精査中でございます。

 ただ、今し方申しましたように、その洪水調節容量にはあらかじめ一定の容量を見込んでいるというようなこと、あるいは、既に堆砂対策を実施しているダムもあるというようなことがございますので、そうした点を考慮いたしますと、今後堆砂対策を新たに検討し着手すべきダムにつきましては、極めて限定的だろうというふうに認識をしているところでございます。

 いずれにいたしましても、先ほど御指摘のあった、会計検査院の指摘の中の維持管理の点での不備等につきましては、これは道府県管理のダムということになりますが、そうした面につきましても国交省としてしっかりと見ていきたい、そして促していきたいというふうに考えているところでございます。

高橋(千)委員 最後に、この問題で大臣に見解を伺いたいと思うんです。

 今答弁があったんですけれども、確かに、ダムの計画容量ということは、大概のところで、見込みが甘いんじゃないかとかいろいろな議論があります。ただ、今それを議論しているんではないんです。できることがあるだろう、指摘されていることをどう受けとめるのかということを言っているんですね。

 この新聞の絵を見てもわかるように、水につかっていない斜面のところからもう既に土砂が堆積していって、底から水平に上ってくるわけではないんだ、そうすると、見えているところを処理していけば、維持管理というのは、もっと楽に、お金をかけずにできるんではないか、こういうことも改めて思ったわけです。脇から攻められてきて容量が狭まっている、そういう指摘が今あったわけです。まして、計測は三年以上やっていないとか、そうしたことは非常に重大ではないかと思うんです。

 ですから、放置しておいては災害を大きくすることにもなるんだという視点で、今回は、国直轄と補助ダムという国土交通省所管の、極めて限定的で、かつ大きなダムが対象でありました。しかし、実際には、農水省所管ですとか電力会社のダムなど、さまざまなダムがあります。やはり、こういう視点で、全体に展開して点検、維持管理対策を強めるべきと思いますが、一言伺います。

山谷国務大臣 会計検査院が国土交通大臣に対しダムの維持管理に係る改善処置を要求したことは承知しております。

 ダムのような大規模構造物について適切に点検、維持管理がなされることは防災対策上重要と考えておりまして、農林水産省所管のダムや電力会社のダムなどについても同様だと考えております。

 このため、会計検査院の改善処置の要求の趣旨を踏まえ、これらのダムなどの点検、維持管理が適切になされるよう、関係省庁に働きかけてまいりたいと思います。

高橋(千)委員 終わります。

梶山委員長 次回は、明二十四日金曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時八分散会


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