第4号 平成27年6月4日(木曜日)
平成二十七年六月四日(木曜日)午前九時二十分開議
出席委員
委員長 梶山 弘志君
理事 大見 正君 理事 工藤 彰三君
理事 櫻田 義孝君 理事 高鳥 修一君
理事 務台 俊介君 理事 小宮山泰子君
理事 足立 康史君 理事 石田 祝稔君
池田 道孝君 今枝宗一郎君
加藤 鮎子君 金子万寿夫君
金田 勝年君 神山 佐市君
木内 均君 熊田 裕通君
今野 智博君 坂本 哲志君
笹川 博義君 新谷 正義君
鈴木 憲和君 谷川 とむ君
冨岡 勉君 藤丸 敏君
松本 文明君 三ッ林裕巳君
宮川 典子君 森山 裕君
八木 哲也君 泉 健太君
岡本 充功君 神山 洋介君
小山 展弘君 鈴木 貴子君
伴野 豊君 本村賢太郎君
今井 雅人君 河野 正美君
松田 直久君 濱村 進君
吉田 宣弘君 田村 貴昭君
堀内 照文君
…………………………………
国務大臣
(国土強靱化担当)
(防災担当) 山谷えり子君
内閣府副大臣 赤澤 亮正君
経済産業副大臣 山際大志郎君
内閣府大臣政務官 松本 洋平君
厚生労働大臣政務官 高階恵美子君
国土交通大臣政務官 鈴木 馨祐君
政府参考人
(内閣官房内閣審議官) 持永 秀毅君
政府参考人
(内閣府政策統括官) 日原 洋文君
政府参考人
(警察庁長官官房審議官) 島根 悟君
政府参考人
(総務省大臣官房審議官) 橋本 嘉一君
政府参考人
(総務省自治行政局公務員部長) 丸山 淑夫君
政府参考人
(消防庁国民保護・防災部長) 室田 哲男君
政府参考人
(文部科学省大臣官房審議官) 中岡 司君
政府参考人
(文部科学省大臣官房文教施設企画部長) 関 靖直君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 福島 靖正君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 福本 浩樹君
政府参考人
(厚生労働省大臣官房審議官) 木下 賢志君
政府参考人
(農林水産省生産局畜産部長) 原田 英男君
政府参考人
(中小企業庁次長) 小林 利典君
政府参考人
(国土交通省大臣官房官庁営繕部長) 川元 茂君
政府参考人
(国土交通省水管理・国土保全局長) 池内 幸司君
政府参考人
(気象庁長官) 西出 則武君
政府参考人
(海上保安庁警備救難部長) 秋本 茂雄君
政府参考人
(環境省大臣官房審議官) 奥主 喜美君
政府参考人
(原子力規制庁原子力規制部長) 櫻田 道夫君
政府参考人
(防衛省大臣官房審議官) 笠原 俊彦君
―――――――――――――
委員の異動
六月四日
辞任 補欠選任
池田 道孝君 宮川 典子君
今枝宗一郎君 八木 哲也君
小山 展弘君 本村賢太郎君
中川 康洋君 吉田 宣弘君
大平 喜信君 田村 貴昭君
同日
辞任 補欠選任
宮川 典子君 池田 道孝君
八木 哲也君 今枝宗一郎君
本村賢太郎君 鈴木 貴子君
吉田 宣弘君 中川 康洋君
田村 貴昭君 大平 喜信君
同日
辞任 補欠選任
鈴木 貴子君 小山 展弘君
―――――――――――――
六月三日
活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
四月三十日
被災者生活再建支援制度の抜本的拡充に関する請願(高橋千鶴子君紹介)(第九八〇号)
は本委員会に付託された。
―――――――――――――
本日の会議に付した案件
政府参考人出頭要求に関する件
活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第七四号)
災害対策に関する件
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○梶山委員長 これより会議を開きます。
災害対策に関する件について調査を進めます。
この際、口永良部島噴火に係る主な対応状況について政府から説明を聴取いたします。山谷防災担当大臣。
○山谷国務大臣 五月二十九日に発生した口永良部島噴火に係る主な対応状況につきまして御報告いたします。
今回の噴火により、身一つで島を離れて不便な避難生活を強いられている被災者の方々に対して、心からお見舞い申し上げます。
噴火直後、地元屋久島町から、全島に避難勧告、指示が発出され、警察、消防、自衛隊、海上保安庁等の関係機関が連携して、迅速な対応を行い、当日夕方までに在島者百三十七名全員の避難が完了しました。
政府としても、噴火直後から、関係省庁災害対策会議の開催、赤澤内閣府副大臣を団長とする政府調査団の派遣等により、避難状況を確認するとともに、屋久島町に政府現地連絡調整室を設置して、避難者支援の調整等を行っております。
六月一日には、緊急避難された島民の切実な要望に応えるため、屋久島町長の判断により、消防団員等による一時帰島が実施されましたが、政府としても、気象庁、火山専門家による助言、緊急時の避難、救出に備えた自衛隊等のヘリコプター、海上保安庁巡視船の配備などの支援を行い、安全確保に万全を期したところでございます。
依然として火山活動が高まった状態が続いており、避難生活の長期化も懸念されています。引き続き、火山活動をしっかり監視して、正確な情報提供を行うとともに、避難された方々の要望にできる限り応えられるよう、地元の自治体とも連携し、関係省庁一体となって、全力を尽くしてまいります。
○梶山委員長 以上で説明は終わりました。
―――――――――――――
○梶山委員長 この際、お諮りいたします。
本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官持永秀毅君、内閣府政策統括官日原洋文君、警察庁長官官房審議官島根悟君、総務省大臣官房審議官橋本嘉一君、総務省自治行政局公務員部長丸山淑夫君、消防庁国民保護・防災部長室田哲男君、文部科学省大臣官房審議官中岡司君、文部科学省大臣官房文教施設企画部長関靖直君、厚生労働省大臣官房審議官福島靖正君、厚生労働省大臣官房審議官福本浩樹君、厚生労働省大臣官房審議官木下賢志君、農林水産省生産局畜産部長原田英男君、中小企業庁次長小林利典君、国土交通省大臣官房官庁営繕部長川元茂君、国土交通省水管理・国土保全局長池内幸司君、気象庁長官西出則武君、海上保安庁警備救難部長秋本茂雄君、環境省大臣官房審議官奥主喜美君、原子力規制庁原子力規制部長櫻田道夫君及び防衛省大臣官房審議官笠原俊彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○梶山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
―――――――――――――
○梶山委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。木内均君。
○木内(均)委員 おはようございます。自由民主党の木内均です。
委員会冒頭、山谷防災担当大臣からも状況報告がありました、五月二十九日の金曜日午前十時ごろ発生しました鹿児島県口永良部島新岳噴火により全島避難を余儀なくされている皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。
今までの事例では、避難が長期化するおそれもあります。一刻も早く落ちついた生活に戻れるよう、お祈りをするところでございます。また、地元の森山裕先生、金子万寿夫先生初め、噴火対応に御苦労されている皆さんの労を改めてねぎらいたいと存じます。
本日は、防災、減災に対処する基本姿勢、公共施設の耐震化、さらには、長野県を取り巻く災害の状況等について、順次質問をしてまいります。
最初に、防災、減災に対処する基本姿勢について、地震、火山噴火の最近の状況と対策についてお聞きをいたします。
ここ最近では、箱根大涌谷が、噴火警戒レベル引き上げから一カ月がたとうとしております。また、鹿児島県の桜島は、五月三十日の土曜日で、ことし六百回目の爆発的噴火。これは、昭和三十年、一九五五年の観測開始以来の最速ということを伺っております。同じ五月三十日の土曜日の夜には、マグニチュード八・一、震源の深さ六百八十二キロメートルで小笠原西方地震が発生し、これは全四十七都道府県で震度が記録されました。
六月一日の月曜日には、これらの地震、そして噴火を受けまして、自民党でも、火山対策特別委員会、災害対策特別委員会合同の会議が開かれまして、口永良部島新岳噴火と小笠原諸島西方沖を震源とする地震についての現状並びに政府の対応についての説明を聴取いたしました。
また、私自身の地元長野県にも、選挙区内にも、常時監視体制となっております活火山、浅間山がございます。
これら最近の地震、火山噴火に対しまして、政府の取り組みについて、まずお伺いをいたします。
○日原政府参考人 お答えいたします。
災害の発生時におきましては、救助、救急、医療等、多岐にわたる応急対策を関係機関が連携して行う必要があると考えております。
昨年は、広島の土砂災害や御嶽山の噴火などの災害において、非常災害対策本部を設置するとともに現地対策本部を設置し、政府一体となって災害応急対策に取り組みました。
今回の口永良部島噴火におきましては、幸いにも重大な人的被害は発生しておりませんけれども、政府としては、噴火直後に、関係省庁災害対策会議の開催、赤澤副大臣を団長とする政府調査団の派遣、屋久島町における政府現地連絡調整室の設置等によりまして、屋久島町や鹿児島県と連携しながら被災者支援等を行っているところでございます。
今後とも、災害発生時には、政府一体となって、緊張感を持って効果的な災害応急対策ができるよう取り組んでまいりたいと考えております。
○木内(均)委員 山谷大臣を先頭に、政府におかれましては、それぞれの災害に対しまして、犠牲者が一名も出ないような対応を改めてお願い申し上げる次第でございます。
引き続き、防災、減災に対する哲学、基本的な姿勢についてお伺いをいたします。
平成二十五年の十月二十四日、台風二十七号の接近等による大雨や強風対応に関して、当時の古屋内閣府特命担当大臣・防災担当大臣は、
雨がいつどこでどれ位降るか、土砂災害がいつどこで起こるかを、正確に予測することは、困難です。
ですから、警報や土砂災害警戒情報が発表された時には、避難勧告が出なくても、もし、避難をした方がいいのではないかと自分で判断すれば、躊躇せずに避難をして下さい。
もし、結果的に、災害が発生しなければ、よかったと思って下さい。
今年の梅雨期以降の大雨では、これまでに、五十八名もの方々がお亡くなりになられています。
防災担当大臣としては、これ以上、一人も犠牲者を出したくないと、心から願っています。
台風第二十七号による被害が発生せず、今日、この国民の皆様への呼びかけが空振りに終われば、幸いだと思って下さい。
ですから、国民の皆様も、空振りを恐れず、積極的に自らの身を守る行動をとっていただくよう、重ねてお願いします。
このように国民に呼びかけました。
空振りを恐れず、国民の皆さんに訴えかけるこの姿勢、私は、古屋前担当大臣はすばらしい姿勢を持って取り組まれたと思っております。
そこで、山谷防災担当大臣にお伺いをいたします。
大臣の防災、減災における哲学、あるいは基本的な姿勢は、どういう姿勢で取り組まれるのか、お聞きをいたします。
○山谷国務大臣 我が国は、さまざまな災害に遭いやすいという特性がございます。教訓を得ながら、ハード、ソフトの組み合わせを積み上げて、一人も犠牲者を出したくない、被害の最小化を図るんだという決意で進んできております。
ただ、圧倒的な自然の力は、時に甚大な被害をもたらします。しかし、私たち人間には、生きたいという本能とすばらしい知性が備わっていると考えております。
英語で防災、減災というのは、ディザスター、災害のリスクを、リダクション、減らしていくということで、略してDRRと国連の世界会議などでも言われているんですけれども、DRR、ディザスター・リスク・リダクション。DRR・イズ・アワ・DNA、減災は私たちのDNAなんだ、そうした考え方を国際社会で、三月の国連防災世界会議で共有できたものと考えております。
国連の防災世界会議では、参加者が十五万人、そして二十五名からの首脳、百名を超える世界からの閣僚たちが参加をしてくれました。本当に、異常気象、また、都市化、グローバリゼーション、サプライチェーンの寸断などで災害リスクが高まっている、だからこそ対応能力を世界共通の問題として取り組まなければならないんだという問題意識が大変に高いということをまた改めて実感しているわけでございます。
そんな中で、日々の暮らしや開発に防災の主流化という考え方を入れていく、そしてまた、よりよい復興、ビルド・バック・ベターという考え方、また、行政、国だけではなくて、民間や企業やさまざまなボランティアグループ、老若男女、多様な主体が参画して被害の最小化を図っていくんだ、そうした考え方が共有できたと思います。
仙台防災枠組、今後十五年間の各国の具体的な項目も含めた取り組みも満場一致で採択されたところでございまして、そんな中で、技術立国であり、またさまざまな災害に遭ってきたこの日本が、そうした防災分野で貢献していくという期待もございますし、また、それを果たしていかなければならないという使命、宿命もあるんだと思っております。
たとえ自然災害そのものの発生をなくすことはできなくても、人間の生存本能と知性によって被害の最小化を図るということは可能であると思います。そのためにも、国民一人一人が、自然の脅威を正しく恐れて、事前にしっかりと備えて、空振りを恐れずに積極的に行動していくことが重要だと考えております。
防災担当大臣としまして、災害対策は、決してコストではなくて、未来への投資であるという認識のもとに、今後とも、安心、安全な暮らしを守るために全力で取り組んでまいります。
○木内(均)委員 山谷大臣からは、三月に行われました国連の仙台での世界防災会議を例に出していただきながら御答弁をいただきました。
また後ほどその世界防災会議については触れさせていただきたいと存じますが、大臣からは、国民の生命財産を守るところから始まって、世界へも発信をしていく、そういった基本的な姿勢をお伺いすることができました。ありがとうございます。
自然の力、自然の脅威というのは、よく言われていることなんですけれども、欧米社会では、人間は自然を征服できるんだ、そういう考え方。そして、アジアの皆さんは逆に、人間は自然を征服することはできない、自然に征服されてしまうんだ、そういう考え方。ところが、私たち日本人というのは、長い歴史、文化、伝統を誇っていて、自然と調和、協調していくんだ、そういった考え方を持っている。征服するべき対象でもなければ征服されるべき対象でもない、そういった調和を図れる国民だというふうに言われています。
災害を必要以上に恐れるのではなくて、自然と調和しながら暮らしていく、これが我々日本人の、この列島に住む宿命だというふうに思っておりますが、国民の生命財産を守るために、山谷大臣にはまた奮闘努力を改めてお願いするところでございます。
さて、引き続き、国土強靱化の推進につきましてお伺いをいたします。
過去の大災害を教訓にいたしまして、政府は、人命を守り、経済社会への被害を最小化して、迅速に回復することの重要性を認識し、今まで対策を講じられてきました。
昭和三十四年、多数の死者・行方不明者を出した伊勢湾台風を教訓として、我が国の防災対策の原点となりました災害対策基本法を制定しました。さらに、平成七年、大都市を直撃した阪神・淡路大震災を教訓といたしまして、耐震化、密集市街地対策や、自助、共助の大切さを学び、そして、平成二十三年、大規模津波による被害が発生いたしました東日本大震災を教訓といたしまして、ハード中心の対策の限界と防災教育の重要性、こういったことを改めて学ばせていただきました。
私が国会に出させていただいてからは、首都直下地震並びに南海トラフ巨大地震に備える特別措置法を、さらに、一つとして、人命の保護、二つ目として、国家及び社会機能の維持、三つ目として、国民の財産及び公共施設に係る被害の最小化、四つ目として、迅速な復旧復興を目的とした国土強靱化法を制定いたしました。その基本法のもとで、国土強靱化基本計画、さらには、都道府県や市町村には、それと調和をしていく国土強靱化地域計画が策定できるということになっております。
そこで、お伺いをいたします。
都道府県や市町村レベルで作成をしていく国土強靱化地域計画の進捗状況はどうなっておりますでしょうか。
○持永政府参考人 御説明させていただきます。
地域計画の策定状況でございますが、現在までのところ、三十四の都道府県、それから十三の市区町村で策定に向けた取り組みを公表となっております。このうち、計画の策定まで至ったもの、要は策定を終了したものということでございますが、これにつきましては、四つの道県、それから三つの市となっております。
○木内(均)委員 今御答弁いただきましたが、多いのか少ないのか、いろいろな評価はあろうかと思います。
市町村や都道府県も、ある意味、気の毒な面もあると思います。
というのは、市町村にとりましては、法定で義務づけられております総合計画といったものがありますし、都道府県も、任意ではありますけれども、ほとんどがそういった中期総合計画を策定していると思っています。そして、平成二十七年度、ことしは地方創生元年でありますので、それぞれが、人口減少に歯どめをかけて、若者や女性の皆さんを中心に雇用の具体的な数値目標化をしていく、そういった地方版の総合戦略もつくっていただきたい、こういうことをお願いしているわけでありますから、ある面、計画疲れという面もあるかもしれません。
しかし、国土強靱化に関しては、きょうも北海道で地震がありましたけれども、北海道から沖縄まで、どこで災害が起こっても不思議ではないのが今の日本列島の状況であります。そういった意味では、四十七都道府県、全ての都道府県、そして千八百ある市区町村全てが国土強靱化の地域計画を策定していくのが望ましいというふうに私自身考えております。
そこで、地域計画作成促進のために国はどういった具体的な支援をしていくのか、そのことにつきましてお伺いをいたします。
○持永政府参考人 御説明させていただきます。
まず、地域の強靱化でございますけれども、委員御指摘のとおり、住民の生命財産を守る、それから、地域の経済を元気にする、こういったことにもつながると考えておりますので、一日も早く、なるべく多くの自治体において策定していただきたいと考えております。
このため、政府といたしまして、地域計画を策定するためのガイドラインの作成でありますとか説明会の開催、それからモデル調査の実施による計画サポートなどに取り組んできております。
さらに、計画をつくるだけではいけませんので、実施についてということで、計画の実施をサポートするために、関係省庁の交付金、補助金を活用して支援していくということについても政府の中で合意をし、取り組んでいくことにしております。
いずれにいたしましても、地域計画がどんどん策定されるように、地方自治体への支援の強化に取り組んでまいりたいと考えております。
○木内(均)委員 ぜひ、政府の方でも、それぞれの地方自治体に対しての積極的な支援を改めてお願いいたします。
平成二十六年、昨年の十二月に内閣官房の国土強靱化推進室では、「レジリエンス・ジャパンを世界へ発信! 〜強くて、しなやかなニッポンへ〜」という冊子を公開しております。
私が所属をしております志帥会では、実はあす、国土強靱化海を渡る、これをテーマといたしまして講演会を予定いたしております。
冒頭、大臣からも、仙台での第三回国連防災会議にも触れていただきました。この中で、二階総務会長も参加をされて、十一月五日、これは津波防災の日として指定をされているわけですけれども、世界津波防災の日にというような呼びかけもいたしました。
これは、一八五四年、安政南海地震のときに、浜口梧陵が、収穫をした稲に火を放って、暗闇の中で逃げおくれていた村人を高台へ避難させた、この日が十一月五日である。「稲むらの火」で有名なわけでありますけれども、この日にちなんでおります。
この浜口梧陵の地元であります、自民党国土強靱化総合調査会長を務めております二階俊博総務会長は、国土強靱化の知見を海外に広める重要性を説いております。
激甚化した災害が多く、発生リスクも高い近隣のアジア各国の方々が致命的な被害に遭われないようにすることが大事だ。例えば、近隣の国で災害が起こった場合、日本として、準備していなかったので応急復旧支援ができなかったでは話にならない。平時から日本とアジア各国が連携をして、災害に対処できる準備を進めておく必要がある。
具体的には、御自身が経済産業大臣のときに提唱をし、中国や韓国など十六カ国の協力を得て二〇〇八年に設立した東アジア・アセアン経済研究センター、通称ERIAをフル活用していきたい。ERIAは主にアジアの経済について政策研究、提言を行っているが、今後は防災、減災もテーマに加え、国土強靱化の知見をアジア各国に広めていきたい。
国土強靱化の必要性を一人でも多くの方々に理解していただく努力を続けていきたい。例えば、東日本大震災を受けて、津波対策推進法で十一月五日が津波防災の日と定められた、この津波防災の日を契機に、それぞれの地域や職場で防災訓練などを通じて防災に対する意識を少しでも高めてもらいたい。この際、十一月五日を国際的な津波防災の日として国際社会の常識となるよう世界に呼びかけたい。こういった発信を行っております。
そこで、国土強靱化を世界発信するための政府の取り組みはどうなっているのか、お伺いをいたします。
○持永政府参考人 御説明させていただきます。
まず、国土強靱化の取り組み、それからノウハウを海外と共有していくということ、これは御指摘のとおりでございまして、大変重要なことであると考えております。
このような観点から、政府におきましては、国土強靱化についてのさまざまな英文の資料をつくっての情報発信、それから、昨年七月には日米のワークショップの開催、ことしの四月には、今ERIAのお話が出ましたけれども、ERIAと協力いたしまして、インドネシアで国土強靱化のシンポジウムということでやらせていただいております。
それから、津波防災の日を世界へというお話でございます。
国連防災世界会議での御提案を受けて、議長を務めた山谷大臣からも、世界津波の日ということの重要性について、スピーチの中で言及をなさっておるところでございます。
この国連防災世界会議を受けまして、政府といたしましては、世界津波の日の制定に向けて、これを国連に提案すべく、現在、各国の理解と賛同をいただけるよう働きかけを行っているところでございます。
今後とも、世界津波の日を含めまして、国土強靱化の世界発信に努めてまいりたいと考えております。
○木内(均)委員 日本の経験を世界へ伝えていくということは、とうといことでありますので、私たちも積極的に後押しをさせていただきたいと存じます。
二つ目の大きな項目といたしまして、公共施設の耐震化についてお伺いをいたします。
まず、小中学校の耐震化の現状と課題についてです。
一昨日、六月二日に、文科省は公立学校施設の耐震改修状況調査を公表しました。これによりますと、公立小中学校の耐震化率は九五・六%、まだ耐震性不十分な建物は五千二百十二棟残されております。
平成二十七年度、今年度中の耐震化完了は困難とあります。年度末には約九八%までの進捗というふうに伺っております。特に、西日本エリアでの地震への危機管理意識の薄さ、また北海道における財政再建のための後回し等があるというふうに指摘をされております。
文科省にお伺いをいたしますけれども、年度内の完了目標は未達成との見通しでありますが、今後の取り組みについてお伺いをいたします。
○関政府参考人 公立小中学校の耐震化につきましては、今年度中の完了を目指し取り組んできたところでございまして、今年度予算による事業実施後の耐震化率は約九八%と、おおむね完了することを見込んでいるものの、今お話ございましたように、学校の統廃合や震災の影響、改築により時間がかかるなどの各市町村の個別事情によりまして、約二千四百棟残る見込みでございます。
このため、取り組みがおくれている市町村に対しまして一層積極的な取り組みを要請するため、一昨日、六月二日に、文部科学大臣から、耐震化事業の前倒し実施などを求める書簡を発出したところでございます。
文部科学省といたしましては、引き続き、市町村に対し必要な財政支援を行うとともに、個別の市町村に対する耐震化事業の前倒しの働きかけや技術的指導助言の実施、また、都道府県主催の市町村向け講習会に参りまして一層の取り組みを個別に要請するなどの取り組みを通じ、児童生徒等の安全を確保しつつ早急に耐震化が完了するよう努めてまいりたいと考えております。
○木内(均)委員 耐震化優先とあわせて、実はもう一つ問題が出ておりまして、例えば、空調設備だとかトイレの改修、太陽光パネル設置、給食センターの改築などの事業が、平成二十七年度、不採択になっております。
私の地元であります埴科郡の坂城町からは、平成二十七年度公立学校施設整備事業の採択に関する緊急要望書が出されました。平成二十七年度公立学校施設整備事業に関しては、当初計画をしていた事業が大幅に不採択となったとあり、当町から要望しておりました太陽光発電施設整備事業及び屋外教育環境施設整備事業についても不採択となりました。坂城町の財政力指数は〇・六三であり、今年度に不採択となった事業を全て町の単費にて実行することは困難と訴えが寄せられております。
このように、各市町村等から、耐震化優先によってほかの施設整備事業に影響が出ているという訴えかけがあるわけでありますが、これに対して文科省はどのように対応をされていくのか、お聞きをいたします。
○関政府参考人 平成二十七年度の公立学校施設整備事業につきましては、地方公共団体の要望が予算を大きく上回る状況でございますが、子供たちの安全、安心を確保するための耐震化事業を中心に、緊急性の高い事業を優先する必要がございます。この結果、今御指摘のございましたように、地方公共団体から要望がございました事業でも、耐震化以外の、トイレ改修や太陽光発電、屋外教育環境整備等の事業につきましては、採択が困難なものが生じる見込みでございます。
文部科学省といたしましては、子供たちの教育環境の改善を推進する観点から、トイレ改修や屋外教育環境整備事業等、御指摘のありました耐震化以外の事業も含めて地方公共団体からの要望にできる限り応えていきたいと考えておりまして、具体的な要望を踏まえつつ、必要な支援に努めてまいりたいと考えております。
平成二十七年度の予算の執行に際しての入札減や事業取りやめ等による執行残を活用して、採択できていなかった事業を採択する等の財政的な支援、また、今後ということになりますが、平成二十八年度概算要求におきまして地方公共団体の要望を踏まえた要求を行うべく、しっかり検討してまいりたいと考えております。
○木内(均)委員 今文科省から答弁をいただきましたが、気の毒な面も実はあるんですね。
調査をさせていただきましたら、この事業の平成二十四年度からの予算のつき方、当初予算では一千二百四十六億円から一千二百七十一億円とほぼ横ばいなんですね。ただ、二十四年度は補正と予備費で二千六百億円余を上積みしているんです。さらに、二十五年度は補正で一千五百億円余と大幅な予算を獲得しているんですが、二十六年度は補正わずか四百八億円と、もう大幅ダウンとなっております。
私たち自身も、積極的に予算を獲得していかなければ耐震化のほかのニーズを満たしていかないということは承知をいたしました。こういったことをあわせて後押しさせていただきたいと存じます。
防災、減災の方に戻りまして、国立大学を含めた国所有、管轄の公共施設、こういった耐震化はどうなっているのか、お聞きをいたします。
○関政府参考人 国立大学施設についてお答えを申し上げます。
国立大学の施設につきましては、第三次国立大学法人等施設整備五カ年計画を作成いたしまして耐震化を計画的に進めておりまして、今年度中の完了を目指し、取り組んできたところでございます。
国立大学等の耐震化の状況につきましては、平成二十六年五月現在で九四・二%であり、平成二十七年度の予算による事業実施後は、病院再開発整備やキャンパス移転計画等やむを得ない事情により耐震化できないものを除きまして約九八%となる見込みでございます。
引き続き、耐震化の取り組みが残る大学に対しまして、着実な取り組みについて要請するとともに、必要な財政支援を行い、早期に完了するよう努めてまいりたいと考えております。
○木内(均)委員 最後に、長野県災害の現状と課題についてお伺いをいたします。
昨年、平成二十六年は、長野県にとりまして大変災害の多い年となりました。
二月は佐久・上田地方を中心とした豪雪災害、七月には木曽の土石流災害で中学生一名がお亡くなりになりました。
そして、九月の二十七日には御嶽山噴火で、観光シーズン真っただ中の、しかも日曜日のお昼ごろということでありまして、死者・行方不明者六十三名という大変多くの犠牲者を出してしまいました。
松本洋平大臣政務官におかれましては、現地対策本部長として陣頭指揮をとっていただいて、改めて感謝を申し上げます。
二次災害、二次遭難や、冬に向かうということで、十月十六日には長野県知事の判断で、大規模な捜索救助活動は終了となっております。御嶽山に関しましては、きのうの地元紙では、ドローンを使って御嶽山を上空から監視していく、これは昨年の十一月に続いて二回目の事業だというふうにありました。
それから、最後、十一月の二十二日、何とこれは衆議院解散翌日であったわけでありますけれども、長野県北部、白馬村を中心とした神城断層地震が発生をいたしました。
これにつきましては、地元の務台俊介先生、本当に解散翌日で大変であったわけでありますけれども、最前線に立たれていた姿をテレビ等で拝見いたしました。そして、この春になって、田畑の被害というものもだんだん明らかになってまいりました。
さらに、五月の二十三日、先週の土曜日には、千曲川・犀川総合水防演習が行われました。
こういった災害を通じて、あるいは大規模な演習を通じて、長野県災害の教訓、さらには課題と対策、そして演習等訓練の必要性について、政府のお考えをお聞きしたいと存じます。
○松本大臣政務官 広範にわたる御質問をいただきまして、ありがとうございます。
昨年九月の御嶽山噴火災害につきましては、今御紹介がありましたとおり、私も政府の現地対策本部長といたしまして活動をさせていただきました。救助捜索活動の支援を行うなど、政府一体となった対応を実施してきたところであります。
この災害におきまして、住民のみならず登山者や観光客を対象とした情報発信や避難対策を充実することが教訓の一つとして挙げられておりまして、登山者等も考慮した活動火山対策の強化を図るため、活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案を提出させていただいたところでもあります。
さらに、訓練等につきましては、箱根火山防災協議会が大涌谷周辺の観光客等の避難誘導マニュアルを作成し、訓練を実施、また、地元自治体におきましても、適切かつ迅速に立入禁止の措置をとることなどをしております。
また、口永良部島におきましては、昨年八月の噴火を踏まえまして緊急避難場所までの避難訓練を実施したことによりまして、今回、犠牲者を出さずに済んだこと。また、先ほど御紹介がありましたように、白馬村におきましては、住民同士で安否確認をする仕組みをあらかじめ備え、防災訓練をしていたことによりまして、迅速に救助活動を行うことができ、犠牲者を出さずに済んだことなどといったように、平時における備えが非常に有効であると考えております。
なお、災害時における観光等の地元経済への影響について、大きな課題であると考えておりまして、これに対しましては、例えば火山活動や立ち入り規制範囲などに関する正確な情報発信を行うなど、関係省庁が連携しながらそれぞれの取り組みを推進させていただいているところでもあります。
また、昨年の南木曽町や広島市における土砂災害被害を踏まえまして、土砂災害防止法を改正いたしましたほか、中央防災会議のもとに設置をいたしましたワーキンググループにおきまして、状況に応じた避難行動の考え方などにつきましての検討をしていただいておりまして、本日、取りまとめ結果を報告していただく予定となっております。
以上のとおり、関係省庁及び自治体等と連携をして実施しているところでもありまして、これからも木内先生にもいろいろと御指導いただきながら、引き続き災害対策に万全を尽くしてまいります。
○木内(均)委員 松本政務官から御答弁がありましたとおり、災害対策は経済的な面も本当に大事なんですね。そういったことを再度訴えかけさせていただきまして、質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○梶山委員長 次に、吉田宣弘君。
○吉田(宣)委員 おはようございます。公明党の吉田宣弘でございます。
先ほど、口永良部島噴火災害におきましては、山谷大臣、それから自民党の木内委員からもお見舞いのお言葉がございましたけれども、私からも、この噴火災害で避難を余儀なくされた被災者の皆様に、まず心からお見舞いを申し上げる次第でございます。
本日は、この災害に特化した形で私からは質問をさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
我が公明党は、この口永良部島新岳が噴火をした当日、口永良部島噴火災害対策本部を設置し、噴火が起こった二十九日から三十日にかけて調査団を現地に急行させております。二十九日に三名の鹿児島県議団、それから三十日には我が公明党、私の先輩議員が二人、現地に赴かせて、被災地の皆様のお声をお聞きさせていただきました。
その中に、例えば、島に戻りたいけれどもいつ島に戻れるのかわからないというお声や、豚や鶏が気がかりで一日も早く帰宅をしたいが、収入がなければ今後の見通しも生活の見通しもつかないという心配のお声、また、島に戻れなければ島のコミュニティーがなくなってしまうのではないかという御心配のお声等々をお聞かせいただき、噴火の終息について先の見通しが立たない状況の中で、縁故をたどって屋久島を既に離れて、また、今後離れる予定の方も少なくない状況で、着のみ着のままで避難をされた住民の生活支援及び生活再建について、多様なニーズが存在している。
そういったものを確認して、この調査結果を踏まえて、六月の二日に、首相官邸におきまして、菅官房長官に公明党から緊急要望を上げさせていただいたところでございます。
本日の私の質問もこの緊急要望に従う形でさせていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
大きく分けまして、二点ございます。避難住民の生活支援についてという項目、それから一時帰島の対応について、これから順次質問をさせていただきます。
先ほど申し上げましたとおり、避難住民の方が屋久島とその他にも避難をされている。鹿児島市や、遠くは大阪市の方に避難をされている方がいらっしゃるとお聞きしております。
こういった避難の方、これから国の方からもしっかりとした支援策というのがとられてまいるかと思いますが、やはり、この支援策等々が避難民の方にきちっと届かなければいけないわけでございまして、そういった意味におきましても、避難の住民の方がいつでも相談できるような相談窓口というものを常設していただきたい。
また、遠くに避難されている方にきちっとそういった連絡がつくような対応というのを国の方に求めたいと思いますが、当局の御見解をお願いいたします。
○山谷国務大臣 早速の現地調査を含め、いろいろな御要望をお聞きいただきまして、ありがとうございます。
災害時には、国、県など行政や関係機関がさまざまな支援制度を用意しておりまして、今回の災害においても、避難されている方々が住まいの確保や生活再建を円滑に行うことができるよう、支援に関する情報を円滑かつ的確に提供していくことが重要と考えております。
口永良部島の噴火に係る避難者への情報提供や相談対応につきましては、屋久島町において、三カ所全ての避難所に複数の町の職員が常駐し、避難者の相談等に丁寧に対応していると承知しております。
また、避難所以外に避難している方についても、島の外におられる方を含めまして、町が連絡先を全て把握し、全避難者に対して今後の住まいに関する希望調査等を行っているところであります。
避難者にとっても、今後、ますます支援策の周知が重要となってくると考えております。生活支援及び生活再建に必要な情報が避難者に迅速かつ的確に行き渡るように、相談窓口への支援も含め、県や町と協力して対応してまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
次に、被災者の方は公民館等に緊急避難という形で今避難をされているということでございますが、火山でございますので、これが長期化する懸念というのももちろんございます。
そういった意味におきましては、今後、住むということ、生活するということに関して、やはり安心した環境の提供というのが非常に大切になってくると思うんですけれども、住まい、住むということに関して、質の向上をぜひ求めてまいりたいと思うんです。当局の御見解をお願いいたします。
○山谷国務大臣 現在、屋久島内の三つの避難所に約七十名の方々が避難しているところでありまして、なれない避難生活が少しでも緩和されるよう、間仕切りカーテン、仮設洋式トイレの設置、畳の提供などが行われております。今後も避難者の方々のニーズを適切に酌み取りながら、避難所の環境整備に努めてまいりたいと考えております。
また、噴火により避難された方々が、できるだけ早く公営住宅や仮設住宅などの安定した住居に移行し、安心した生活が取り戻せるよう、住まいの確保に努めていくことが重要だと考えております。
そうした思いを共有しながら、現在、鹿児島県及び屋久島町において、避難者の方々に対して住宅に係る意向調査等を実施しているところでございまして、国としましても、その結果なども踏まえて、県や町と緊密に連携しながら、災害救助法に基づく応急仮設住宅の提供も含め、避難者の方々の住まいの確保が迅速に図られるように努めてまいります。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
住まいの件に関しては、先日、太田国交大臣も五十戸の仮設というふうなことも申しておりますので、そういった点も踏まえながら、被災者の方が住むに当たって非常に安心だというふうなところまで持っていっていただければと思いますので、どうかよろしくお願いいたします。
次に移らせていただきます。
被災者の方というのは、これは緊急に来る避難の件でございますので、先ほども申し上げましたけれども、着のみ着のまま、本当にそのままの形で避難をされている。当然、避難に対して現金を用意するとか、そういった暇はないわけでございますね。そういった意味におきまして、手元の現金というのがないという被災者の方が多々おられると思います。そういった方に少しでも安心していただくためには、やはり多少の資金というものが手元に置いてある必要があるかとは思います。
この点、金融機関やゆうちょ銀行など、災害に配慮した取り組みというものを対応していただいているというふうにお聞きをしておりますけれども、ここでは一つ、義援金というものが今後集まってくるかと思います。そういった義援金を少しでも早く被災者の方の手元に届けていただきたい、そういった思いがございます。
ぜひ、その点に関する御認識を政府の方からお聞きさせていただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○日原政府参考人 お答えいたします。
国民の皆様からの善意により寄せられます義援金につきましては、国の法令等に基づくものではございませんけれども、被災者の方々の生活を支えていく上で大変重要な役割を果たしているというふうに認識しております。
今般の口永良部島の噴火に係る義援金につきましては、屋久島町に直接寄せられているほか、鹿児島県、日本赤十字社及び中央共同募金会におきまして、今月の二日より受け付けを開始したというふうに承知しております。
国といたしましては、国民の皆様から寄せられた義援金が被災者の方々のお手元に速やかに届けられるよう、配分方法や金額などの基本ルールを決定するために県が設置いたします義援金配分委員会、これの早期開催を働きかけてまいりたいというふうに考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
それから、避難者の方は高齢者の方が物すごく多いというふうにお聞きしております。高齢者の方のそういった支援に当たっている職員の方、町の役場の方ですけれども、やはり高齢者の方の健康、そういったものが大変に心配であるというふうなお声もお聞きをしております。
それを踏まえて、厚労省の方にですけれども、避難民の方の身体及び精神面の負担というのをぜひ少しでも和らげていただけるような、緩和していただけるような対応というものをしっかりとっていただきたいと私は求めたいと思いますが、その点に関する御認識をお伺いしたいと思います。
○福本政府参考人 お答えいたします。
先生御指摘のとおり、屋久島の島内では、三カ所の避難所が開設をされております。噴火時の島の滞在者百三十七名のうち七十一名の方、これは六月二日十八時現在の数字ですけれども、七十一名の方がその三カ所の避難所で避難生活を送られていると承知をしております。
現在、この三カ所の避難所に対しましては、医師と看護師、それから保健師の三職種から成るチームが毎日午前中に巡回をいたしまして、高齢者を含めます避難者の健康相談などの対応を行っているところでございます。
厚生労働省といたしましては、平成二十三年に、避難所生活を過ごされる方々の健康管理に関するガイドラインというものを作成いたしております。これは、食中毒とか、あるいは感染症、熱中症予防等々の、避難所での健康留意事項を取りまとめたものでございますけれども、これも鹿児島県に対して情報提供したところでありまして、今後とも、引き続き、地元自治体と連携協力をしながら、必要な支援を行ってまいりたいと考えてございます。
○吉田(宣)委員 ぜひよろしくお願いいたします。
さらに加えて、被災者の方、今、高齢者の観点から健康に配慮というふうに申し上げましたが、被災者の方には児童さんもいらっしゃるというふうにお聞きをしております。当然、口永良部島の学校には通えないわけで、今避難をしている屋久島の小学校それから中学校に通って勉学を続ける、そういった状況になっておるようでございます。
そういった意味におきましても、ここは、着のみ着のままで避難をされている児童さんが安心して勉強をしていただけるような、そういった環境はぜひ国の方としても整えていただきたい。
具体的には、着のみ着のままですから、手元にあるべき教科書はないわけですね。そういったものであったりとか、また、ほかの教材、教具、そういったものもやはり手元にないわけで、そういったお子さん、児童さんが安心して学べるようにぜひ体制をとっていただきたいというふうにお願いをするものでございますけれども、文科省の方でどのような認識をお持ちであるか、お聞かせいただけますでしょうか。
○中岡政府参考人 今回の口永良部島の噴火に当たって、屋久島の小学校及び中学校に受け入れが決まった児童生徒への教科書の支給に関しましては、鹿児島県教育委員会に確認いたしましたところ、本年四月より使用されております教科書につきましては、六月二日に再給与されたところでございます。また、昨年度に給与された、複数学年で使用することとなっている教科書につきましても、本日、六月四日に再給与される見込みと承知しております。
また、学用品費等の御指摘もございましたが、学用品費等の一部につきましては、既に屋久島町教育委員会から児童生徒に対して給与されておりまして、今後も修学に必要な援助がなされるものと承知しております。
なお、教科書を含め、学用品等につきましては、災害救助法に基づきまして、必要な費用について都道府県が支弁することとし、その費用について国が一部補助をするという構えとなってございます。
今後とも、今回の噴火により屋久島等へ避難している児童生徒の学習に支障が生じないよう、教育委員会とも十分連携して対応してまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 ぜひよろしくお願いいたします。
次に、先ほどの住民の方のコメントにもございましたが、口永良部島には畜産業を営んでいる方もいらっしゃるわけで、島には牛や豚といった家畜が残されたまま、心配をしている。それをなりわいとしているわけで、収入もないという状況で大変に心配だというふうなお声もございました。
農水省におきましては、この支援施策、事業について、私もお聞かせをいただきましたので、その点については大変心強く思っておりますが、ここでは中小企業庁に一つお聞きしたいと思っております。
島では、こういった農林水産業だけではない事業というのももちろんございます。そういった方も、島での仕事というものが今できない状況で、今後どうしていったらいいのか、そういった先々の心配をされている事業者の方もたくさんいらっしゃるというふうに私は認識をしております。
今仕事ができない中小事業者の方々を、少しでも、やはり先々安心して仕事が続けられていっていただけるような支援策というのはぜひとっていただきたいと私は切に願うものでございます。
そういった支援策について、中小企業庁の方で、特段のメニューがございましたら、ぜひお教えいただければと思います。よろしくお願いいたします。
○小林政府参考人 お答え申し上げます。
今般の口永良部島の噴火に係る災害で被災された中小企業の方々あるいは小規模事業者の方々に対する支援、これに万全を期することは極めて重要であるというふうに認識をしております。
経済産業省中小企業庁といたしましては、鹿児島県熊毛郡屋久島町において噴火当日に災害救助法が適用されたことを踏まえまして、同日付で、県内の日本政策金融公庫、商工中金、信用保証協会及び商工会、商工会議所などに特別相談窓口を設置いたしまして、今般の災害の影響を受ける中小企業、小規模事業者への支援を行っているところでございます。
具体的には、日本政策金融公庫、商工中金及び信用保証協会におきまして、既往債務の返済条件緩和などの対応を行うほか、災害復旧貸し付けやセーフティーネット保証などを活用した資金繰り支援に万全を期しているところでございます。
引き続き、被災された中小企業、小規模事業者の状況をきめ細かく把握していくとともに、被災事業者の支援にしっかり取り組んでまいる所存でございます。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
きめ細やかな対応をと言っていただきました。ぜひとも、事業者の方が少しでも安心していただけるような対応というのをお願いいたします。
次に、一時帰島の対応についてお話をお伺いさせていただければと思います。
先ほども申し上げましたとおり、本当に着のみ着のままで避難をされてこられているわけでございます。被災者の中には、本当に、戸締まりも全くやらないまま避難をされてきて、昨今のこういった御時世でございますから、例えば、泥棒であったりそういったことに関して大変心配をされている方もいらっしゃる。また、先ほどの畜産業の方のお話で、牛や豚がいるということで、これは餌を食べないと死んでしまうわけでございまして、そういった対応をどうにかやりたいというふうな方がいるわけでございますけれども、その際に、やはり一時的に口永良部島に帰ってそういった対応をとる必要性がある。
先般、一時帰島が実際、実現をしております。これは、政府の方としても万全の安全対策をとっていただいた上で、住民の皆様も安心をして一時帰島して、しっかり家の戸締まりもできましたというふうなお声も聞いておりますし、牛や豚に対して、一週間分ですけれども何とか御飯を用意して、何とか生き延びられるような形で一時帰島の対応をした被災者の方もいらっしゃるとお聞きをいたしております。
この点ですけれども、今後もやはりこういったニーズというのはどうしても出てくる、これは私は間違いないところだと思っております。今後も、一時帰島、結局、避難生活がどこまで続くか、これは計算がつかない、予測がつかないわけでございまして、その中にあっても、やはり、いいタイミングで安全な状況で一時帰島をして、そういった最低限の対応というのを避難者の方というのは求めてくると思います。
その点を踏まえて、これは屋久島の町長さんからの要望なんですけれども、今あるヘリポートですね、ヘリコプターでの避難というのは極めて有効なことだと思うんですけれども、ヘリコプターが離着陸をするヘリポートでございますが、現在、町の設置されているヘリポートというのは、済みません、ちょっと説明が前後しますけれども、避難者の方は番屋ケ峰避難所というところに一時避難、みんな集まってそこから避難をしたということでございますが、この番屋ケ峰というところの避難所のそばではなくて、道路は、ヘリポートまで行くために、ちょうど火山の近くを通り過ぎて二キロほど行かなければいけないところにそのヘリポートがあるということで、せっかくヘリコプターが着いても、二キロという、しかも火山の近くを通るというふうな、ある意味、時間的にも地形的にも距離的にもリスクを冒しながらヘリポートまで行かなければいけないというふうな状況にあるようでございます。
そういった意味におきましても、ヘリポートをぜひこの番屋ケ峰の避難所のそばに設置していただきたいというふうな切なる要望が私の方に届いております。
その点を踏まえまして、これから一時帰島という形は継続して起きてくると私は思っております。そういった意味におきましても、少しでも安全を確保するという趣旨から、ヘリポートを番屋ケ峰の避難所の近傍にぜひつくっていきたいというふうに私はお願いをしたいのですけれども、これに対して、国の方で何かバックアップできるような支援策でありますとかお考えといいますか、そういったものがございましたら、これは管轄は消防庁の方になるようでございますので、ぜひお聞かせいただければと思います。
○室田政府参考人 お答え申し上げます。
今回の口永良部島の噴火に係ります避難につきましては、住民の大半は、番屋ケ峰避難所に避難された後、鹿児島県防災ヘリあるいは町営フェリー等によりまして、町民等百三十七名全員につきまして屋久島への避難が無事に行われたところでございます。
御指摘のヘリポートの整備につきましては、財政支援といたしまして、消防庁所管の消防防災施設整備費補助金あるいは地方財政措置の緊急防災・減災事業債を活用することが可能でございます。
住民の方々が口永良部島に一時帰島された際に、船舶による避難が困難な場合等におきましては、天候の状況を勘案しながらヘリコプターを活用するということも考えられますけれども、避難に係るオペレーションにつきましては、自宅からヘリポートまでの島内におけます移動手段等も含めまして、全体として検討する必要があるのではないかというふうに考えております。
消防庁といたしましては、今後、地元の自治体から具体的な御相談をいただいた際には、関係省庁と連携いたしまして、適切に助言、支援をしてまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。
繰り返しですけれども、一時帰島というのは今後も必ず住民の皆様は望んでくることだと思いますし、私はこれは必要なことだというふうに考えますので、ぜひともお願いをいたします。
最後の質問なんですけれども、今申し上げた一時帰島というのが、これはさまざまな場面でそのニーズというのが出てくるのかとは思われます。もちろん、これまで生活をしてきた場所に自分がいられないということに関する不安であったりとかそういったものというのは、これは精神的にも大変な思いであって、被災者の方のその思いというのは、一日も早く島に帰りたい、その気持ちがやはり一番だと私は思います。
私も熊本の荒尾市という田舎の出身なものでございますけれども、私、実家はそこにありますけれども、そこに帰ることができたら、やはり非常に安心もするし、大変心も落ちつく。先般、昨年の十二月の選挙が終わって初めて帰らせていただきましたけれども、そこにも年老いた母親が一人で住んでおりますが、大変に安心をさせていただいた思いがございます。
そういった意味におきましても、一時帰島に関する住民のニーズというのは極めて高いという意味からしても、これは万全の備えの上、国の方にもしっかりバックアップを、どれだけ長い避難生活になるかわかりませんが、継続的なものになると思いますので、ポイント、ポイントでタイミングよく一時帰島というものが図られるように、ぜひお願いしたいと思います。
その意味におきまして、住民の一時帰島のニーズ、そういった要請について、内閣府が基点となって、それから関係省庁と綿密に連携を図る、これは安全確保の意味で極めて大切だと思います。そして、住民及び一時帰島者の避難体制について、万全の体制を整えて、一時帰島が安全に行われるように、これは私はぜひお願いしたいと思うんです。
今後想定されるさまざまな事柄、いろいろあると思うんです。屋久島のそばの口永良部島ですから、今後、台風シーズンにもなってまいります。そういった意味でも、台風のときは、これはもちろん一時帰島はできないと思いますけれども、海が荒れて船は出せません、そういったものが起こったりするような季節的な要因もあると思います。
そういった今後想定されるさまざまな要因というものをきちっと事前に把握した上で、あくまで住民の皆様が安心して一時帰島していただくということが目的でございますから、そういった点に関して、きめ細やかに、いろいろなことを想定しながら、ぜひこの対応を国の方としてもしっかりバックアップして取り組んでいただければと思います。
最後になりますが、この点に関する山谷大臣の御決意といいますか、そういった思いをお聞かせいただければと思いますので、よろしくお願いいたします。
○山谷国務大臣 一時帰島についてでございますけれども、噴火時に着のみ着のままで緊急避難された口永良部島民の切実な要望に応えるため、屋久島町長の判断により、消防団員等が住民代表として一時帰島して、各住戸の戸締まり、ガス、電気の点検、貴重品の持ち出しなどを行いました。
火山活動が依然として活発な中での上陸となることから、政府としても、気象庁、火山専門家による助言、緊急時の避難収容に備えた自衛隊等のヘリコプター、海上保安庁巡視船の配備などの支援を行いまして、安全確保に万全を期したところでございます。
今、吉田議員からさまざまな現状についての御意見がございましたけれども、本当にそのとおりでございまして、引き続き、火山活動をしっかりと監視して正確な情報提供を行うとともに、避難者の要望にできる限り応えられるよう、関係省庁と一体となって、鹿児島県、屋久島町とも連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。
○吉田(宣)委員 ありがとうございます。力強い御答弁をいただきました。
私も、今回の災害については、現地に足を運んで、今、被災者の方がどう生活をなさっているのか、そういったお声をしっかりお受けして、また、国の方には、御要望といいますか、お願い事でいろいろとさせていただくことが多々あるかと思いますので、ぜひとも、今後ともよろしくお願い申し上げます。
少々時間は早くなりましたが、ここで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○梶山委員長 次に、神山洋介君。
○神山(洋)委員 おはようございます。
本日は、口永良部島の話を含めて、火山対策を中心に議論させていただきたいと思っておりますので、山谷大臣、政務の方々、政府委員の皆様方、よろしく御対応のほどお願いを申し上げます。
まずは、先般、五月の二十九日に噴火をしました口永良部島の島民の皆様方に心からのお見舞いを申し上げたいと思います。
不幸中の幸いと言うべきかどうかわかりませんが、やけどの方一人と体調不良の方が一人いらっしゃったというお話ではありますが、命に別状はなく、島外に脱出をすることができたという意味では大変よかったことだなと思いますし、きょう御参集の方々のみならず、地元の皆様方のさまざまな御協力に心から感謝を申し上げる次第でございます。
さて、口永良部島の噴火についてということでありますが、今後どうしていくのか、島民の方々の生活というところはやはり最大のポイントになろうかと思うわけですが、その前段としては、今回の噴火が一体どのような噴火であって、どの程度の長期化をする可能性があるのかというところは極めて重要なポイントであろうというふうに思っております。
火山学というところの状況から見ても、確実にいつ終わりますという話が言えるものではないということは重々承知をしているわけですが、現在までのさまざまな調査分析の観点の中から、この口永良部島における火山活動の現状をどう評価し、そして、今後どうなっていくであろうということを見通すことができるのかということについて、可能な範囲で結構ですが、まずは御答弁をいただければと思います。
○西出政府参考人 口永良部島では、五月二十九日九時五十九分に爆発的噴火が発生いたしました。この噴火は、昨年八月三日の噴火を超える規模と考えられます。また、今回の噴火は、火山灰に新しいマグマと考えられる溶岩片が含まれることから、マグマ水蒸気噴火であったと考えられます。
現在、連続噴火は停止しておりますが、火山性地震は減少しつつも引き続き発生しており、火山活動の高まった状態が継続しております。五月三十日に開催された火山噴火予知連絡会では、今後も今回と同程度の規模の噴火の可能性があるとの評価を行っており、厳重な警戒が必要です。
気象庁では、今後の火山活動の推移を把握するために、地震、地殻変動、火山ガス等について注意深く監視を行ってまいります。
○神山(洋)委員 ありがとうございました。
今のお話からすれば、一月やそこらですぐさっと終わりになるということが望ましいわけですが、しかし、そういう状況では必ずしもなくて、まだこれからも大きな噴火も予想され得るという意味では、引き続き予断を許すことができないという状況であろうかと思います。
その意味でいえば、この後の幾つか質疑をさせていただく中にかかわる話ではあるわけですが、やはり、望ましいことではありませんが、今回の島民の方々の避難、またそれを受け入れられている屋久島の皆様方のもろもろの対応、地元、町であり、鹿児島県も含めた意味でのさまざまな対応というのは、ある部分、長期化せざるを得ない可能性もあるということを前提としてさまざま対策を講じなければならないということではなかろうかというふうに思います。
そういった際に、これは震災の例を引き合いに出してもそうなのですが、やはり、特に被災、避難をされている住民の方々の立場に立てば、情報ということの大事さ、重要性というのは極めて大きなものがあろうと私は思っております。
リスクコミュニケーションという言葉もありますが、平時においても情報というのはもちろん大事ではありますが、いざこういう緊急を要する場合に、さまざまな情報の正しい伝達ということが、わかってはいながらなかなかできなかったりするということによって、避難をされている方々の心のうちにさまざまな葛藤を巻き起こしたり、場合によっては風評を巻き起こしたり、いろいろな事例が考えられるわけです。
その意味で、情報を住んでいる方々もしくは避難をされている方々にきちんと伝えるということであり、また、対外的にも含めてきちんと正確、迅速な情報を伝達していくということは大事な要素であろうと思っているわけですが、この情報発信をどういう方針に基づいてこれから行われようとしているか、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、情報の的確な発信というのは大変重要であるというふうに考えております。
まず、火山の噴火災害に備えるためには、過去の噴火履歴などの研究実績を踏まえまして、どのような兆候が観測されたときにどのような危険が生じるのか、影響が及ぶ範囲はどのような範囲かということを、きちんと、住民、登山者も含めまして、国民の方々に的確に発信していくことが必要であるというふうに考えております。
そのために、気象庁におきましては、火山監視に基づきまして噴火警戒レベルなどの火山活動情報を発出するとともに、地元の地方公共団体、気象台等が中心となって構成されます火山防災協議会におきまして、ハザードマップの作成、噴火警戒レベルに応じた警戒避難体制の検討がなされているところでございます。
口永良部島におきましては、五月二十三日に震度三の火山性地震が発生したことを受けまして、気象庁において臨時の火山解説情報を公表するとともに、住民説明会におきまして解説を行いました。内閣府でも、鹿児島県、屋久島町とともに、噴火警戒レベルの引き上げに備えた島民の避難等の対応を事前に検討するなど、警戒態勢を強化してまいったところでございます。
また、委員御指摘のとおり、現在避難されている方々にとりまして、火山の情報がどうなっているのか、どういう見通しがあるのかということを伝えることは大変重要なことだと考えております。気象庁におきまして、引き続き、正確な情報を伝えるように、私どもとしても取り組んでまいりたいと思います。
また、風評被害ということも懸念されるところでございます。五月六日に噴火警戒レベルが引き上げられました箱根におきましては、噴火した際の影響が大涌谷周辺であるということにかかわらず、風評被害が生じているというふうに伺っておりますので、官房長官、防災担当大臣から国民に対しまして、影響が大涌谷周辺にとどまっており、立ち入り規制など安全のために必要な措置は既に講じられているということで、冷静な対応を呼びかけたところでございます。
いずれにいたしましても、正確な情報を発信するということが極めて大事だと考えておりますので、そのように努めてまいりたいというふうに考えております。
○神山(洋)委員 ぜひそこは配慮を持って、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
今お話しいただいたように、特に避難をされている方からすると、火山の状況がどういう状況にあるのかということ、もしくは、これからどうなるのであろうということに対しては、非常にセンシティブになっていらっしゃるんだと思うわけです。
その意味でいうと、デーリーでさまざまな発表がされることに対しても、我々が思う以上にそこに対しては強く関心をお持ちでウオッチをされていて、表現の一つ、単語の一つ、言葉の一つの違いということの意味をも、やはり個々の被災者の方々もどういうことなんだろうと考えていらっしゃるというのは、もうこれは手にとるように感じるわけでございまして、ぜひそういった細かい部分も含めての配慮をこの場をおかりしてお願い申し上げたいと思います。
今お話しいただいた火山の今後の行方、状況がどうなっていくかということを考えたときには、やはり今の観測体制ということが一つ問題になってくるんだと思うわけです。
これは既に報道もされていますが、今、口永良部島ではもろもろの理由の中で停電が起きていて、停電によってさまざまな観測機器が稼働していないものもあって、一部はバッテリーで稼働しているものもあるというお話です。
きのう、それの御説明もいただきまして、必ずしも今の時点で全く火山の状況を把握することができないというところまでには陥っていないということは確認をさせていただきました。しかし、例えば、今稼働している地震計は八個のうちの三つ、この三つもバッテリーで稼働しているがゆえに、では、あと一週間、一カ月、そのままでもちますかといったらもたないわけでありまして、何日かするとこのバッテリーが切れて観測ができなくなってしまう状況にあるというお話も伺っているわけです。
地震計のみならず、例えば空振計であるとか、火口をウオッチする火口カメラであるとか、さまざまな機器を通じて火山をウオッチされているという状況かと思われます。これをやはり早期に復旧させるということがまずは直近の課題であろうと思いますし、もっと言えば、先ほど冒頭のお話を踏まえれば、ある程度長期化をしていくであろうということを前提として考えたときに、全員が島外に避難をしているという状況の中で観測設備を維持するということは、それのためのバッテリーというか、電源も含めての対応をしなければならないということであるわけです。
まずはこれを応急措置として復旧するということだと思いますけれども、電源を常時稼働させていくということも含めて、ここをどうこれから対応されていこうとするのかという点についてお伺いをさせていただきたいと思います。
○西出政府参考人 六月二日に発生した口永良部島の停電につきましては、現在、九州電力及び関係機関が早期復旧に向けた取り組みを進めていると承知しております。
この停電により、口永良部島での火山の観測体制は、現在は、御指摘のように、予備電源を用いて地震計二台、空振計一台等が稼働しており、六月一日に新たに増設した太陽電池パネルによる地震計を用いて火山活動の観測監視をしております。さらに、屋久島町に気象庁の職員を常駐させまして、上空からの火口観測も行っているところでございます。これらにより、現時点で火山活動の観測監視に支障は出ておりません。
今後、停電が長期化する場合は、太陽電池パネルで稼働している地震計一台及びGNSS三台を用いて観測を継続するとともに、補強策を検討してまいります。
○神山(洋)委員 ここは被災者の方々からすれば、やはり、きょうの火山の状況はどうだったんだ、きょうの島の状況はどうだったんだということで、非常に一番知りたい情報であろうかと思いますし、どれだけ正確であっても正確であるにこしたことはないと思いますので、ぜひそこは、いろいろな困難が伴うことは承知をしておりますので、無理をしてはいけないとも思っておりますが、できるだけ早目のバックアップと、今後の延命策といいますか、長期間それに耐え得るような体制を組んでいただきたいということで要望させていただきたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げます。
先ほど前段の公明党の吉田委員からもお話がありましたが、地域ではいろいろな、お年寄りの方々も含めて、災害のときには、災害弱者、災害要援護者の方々への対応をどうするかということが必ず問題になってくるわけであります。今回も、まだ二十九日からすれば日が浅いという状況の中で、それほどそういった問題が大きくはクローズアップをされていないという状況かもしれませんが、これが一月、二月、三月と長くなっていけばいくほど、そういった部分での細かいケアが必要になっていくということは、過去の災害対策の中からも容易に類推をすることができることではないかというふうに思うわけです。
その項目は挙げれば幾らでも挙げられるわけですが、きょうここで取り上げさせていただきたいのは一点だけでして、子供の話です。
被災者のみならず、特に避難児童のことを考えたときに、心のケアというのは、長期化をした場合にはすごく重要かなと思うわけです。大人であったとしても、日ごろ住んでいる島に住むことができなくて、隣の島とはいえども自分の家ではないところで長期間住むということは、それなりの心理的なストレスを生じるものなわけです。それが、ましてや子供さんになればその影響が非常に大きいというのは、過去の事例からも明らかであろうと思うわけです。
例えば、さきの口永良部島でいえば、小学生十人、中学生六人が在校していたというお話も伺っております。今は屋久島に移って、そこで地元の学校に通っていて、もともと隣の島で、親戚も多くて、友達も実はいたりして、最初の段階でいえば余り問題なく学校に溶け込めているようだというお話も伺っていますが、しかし、それは大人から見た視点かもしれませんし、長引けば長引くほど、いかなる影響が生じるかということはなかなか見えにくいものがある。
そういう意味でいうと、今すぐとまでは申し上げませんが、これから先々の対応を考えたときに、お子さんの、子供のケアというところは、よく忘れられがちであるがゆえに、忘れずにぜひここは御対応いただきたいというふうに思っているわけです。
きょうは厚労省にお越しをいただいていると思いますので、この点についてどうお考えか、御答弁をいただければと思います。
○木下政府参考人 お尋ねいただきました児童の心のケアの問題でございますけれども、今回の噴火に伴いまして避難したお子様方の心のケアにつきましては、現在、町と県の保健師さんたちが避難所を巡回して特にケアに当たっていると承知しております。
一般的に、大規模な災害が発生して避難生活が本当に長期化した場合におきましては、子供ですとか、あるいは子供を支える家族の心身の負担が非常に大きくなるものですから、適切なケアを図ることが非常に重要であります。
政府といたしましては、被災地の心のケアを行う精神医療あるいは精神保健の支援を行います専門的なチームの編成、派遣体制について整備に努めているところでございます。
今回の噴火によります災害で非常に長期化がされる場合におきましては、特に心身への影響が大きくなりますので、県とも十分連携をとりながら、適時適切に対応してまいりたいと考えております。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。地元の方とも連携をしながら、ぜひそこは細かい配慮をお願い申し上げます。
時間も限られておりますので、次に、これは私の地元でもありますが、神奈川県の箱根町大涌谷というところで、このゴールデンウイークから特に火口周辺で火山活動が活発化をしているという件について、これまで、ほかの委員会も含めて累次議論させていただいてまいりましたが、確認も含めて、数点議論させていただきたいと思います。
まずは、先ほどと同様ですが、現在の大涌谷火口付近における火山活動についてどう評価をされているかという点です。もろもろデータを見る限りは、少し小康状態でもあるのかなというふうにも見えますが、現在どう評価をされていますでしょうか。
○西出政府参考人 箱根山大涌谷周辺につきましては、五月六日に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを1から2に引き上げております。その後も火山活動は続いており、大涌谷での蒸気の噴出や周辺での火山性地震、山体の膨らみは現在も継続しております。
なお、火山性微動や低周波地震は観測されておりません。
気象庁では、遠望カメラを大涌谷の近傍に一台、また、噴火を捉える空振計も大涌谷の近傍に一台増設し、監視を強化しております。
今後も大涌谷周辺では、引き続き小規模な噴火に警戒が必要です。このため、気象庁では、引き続きしっかり監視を行い、地元自治体等と連携して対応を行ってまいります。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
火山活動は、ほんの一日や二日で、ああです、こうですと言えないことは重々承知ではありますが、先ほどの口永良部の話も含めてでありますけれども、少しよくなってきたという情報を心待ちにしているという状況ではあります。
これも発生以来ずっと、五月の六日にレベル2に警戒レベルが上がって、五月の七日以降、気象庁さんとも、また関係機関の皆様ともさまざまな形でやりとりをさせていただき続けていますが、この間もいろいろな要望をさせていただいてまいりました。リスクコミュニケーションの観点から、いろいろな表現も工夫をしていただきたいというお願いもさせていただきました。
それは、例えば、箱根山というふうに呼称されるけれども、そんな山はそもそも存在をしない、総称なので、うまくそこは調整をしていただけないかという話であるとか、噴火というけれども、箱根で今想定をされているのは水蒸気爆発であって、溶岩がどろどろ出てくるというものでは今回はないのだということであるとか、さまざま御要望もさせていただく中で、工夫をいただいてきたと思います。
この間、リスクコミュニケーションの観点からさまざま工夫を講じていただいていると思いますので、まずはその点、どういう形で対応いただいたか、よろしくお願い申し上げます。
○西出政府参考人 先ほど申しましたように、大涌谷周辺ではレベルを2に引き上げておりますが、この火山活動が活発化した当初から、地元の自治体、防災機関、観光団体、火山専門家等から成る箱根火山防災協議会におきまして、火山活動の状況や防災上の留意点について、気象庁として丁寧に説明してまいりました。
また、気象庁としては、現在の火山活動の状況では、予想される噴火については小規模な噴火であるということ、警戒が必要な範囲も大涌谷周辺に限られるということから、これらのことを明確にして発表してきたところでございます。報道機関等に対しては、これらのことを正確に理解していただくよう、丁寧な説明や、配付する資料等においても警戒範囲を明示するなど、工夫を行っております。私自身も、記者会見の場でこれらの点に留意して説明しておりました。
気象庁としては、今後とも、箱根火山防災協議会と密接に連携しながら、住民や旅行者等に対して、正確でわかりやすい情報提供に努めてまいります。また、報道機関に対しても、引き続き丁寧な説明に努めてまいります。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
さまざま工夫をいただいているのは承知をしておりますので、ぜひそれはこれからもよろしくお願い申し上げます。
さて、この件を受けての観光面での影響というのは非常に甚大なものがありまして、いろいろなお話を伺うと、まとまった数字としては見ておりませんが、例えば、観光にかかわるホテルや旅館ではキャンセルが六割だ、七割だ、土日であってもがらがらだという話を含めてですと、これはごまんとあるという状況でございます。
ここは、観光面の影響をどう認識されているか、また、それに対してどう具体的な対応ができるか。これは限界があることは承知をしておりますが、政務官にお越しをいただいておりますので、その点に関して御答弁いただければと思います。
○鈴木大臣政務官 神山先生の御質問にお答えをさせていただきます。
観光面への影響というところでありますけれども、当然、噴火の警戒レベルの引き上げに伴ってどの程度の影響が出たのか、これは極めて議論を要するところであろうと思います。
また、そういった中で、地元を中心に、今回、風評の被害というものへの懸念があるということは重々承知をしているところであります。もちろん、これは風評ということで、風評が風評を呼ぶような、そういったケースもありますから、そこの取り扱いについては慎重にしていかなくてはいけませんけれども、そうした懸念が共有されているということは、我々もしっかりと共有しているところであります。
そして、その具体的な対策ということでありますけれども、当然、こうした火山の件については、地元の住民の方あるいは観光客の方の安全をどうしっかりと確保できるか、これが一番大事なところでありますけれども、それが過大であり過ぎれば、そうした風評ということにもつながるんだろうと思います。そうした中で、どう正確にそのリスクというものを評価し、分析し、そして発信していくのか、それが一番大事な点なんだろうと思います。
そうした中で、今、長官からもありましたけれども、例えば地域の発信の仕方、表現の仕方についても、誤解がされないような、そうした発信をしていかなくてはいけないと思いますし、あるいは、例えば今、噴煙地以外の地域においては、交通機関についても通常どおり運行されているところでありますし、そして規制についても、箱根のほかの地域については変わっていないという状況であります。
そういった点については、旅行業者であるとかあるいは現地の自治体を通じてしっかりと正確な発信ができるように、観光客の方にも内外問わずきちんとそれが伝わるように、そうした点での努力をさせていただいているところであります。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
なかなかそれは、直接ぼんと何かをするというのは難しいのは承知をしておりますので、ぜひ、そういった面も含めての御対応をこれからもよろしくお願い申し上げます。
以下二点は、最後に大臣と議論させていただく点にも絡むわけですが、今回の箱根の件で、及びこの後議論されるであろう特措法にも絡む話で一つ課題になったのは、警戒レベルを上げることによって予防的措置を行います、立ち入り制限区域を設けますということによって、その時点で経済的な実害が生じてしまう。
つまりは、今までの災害の法律的な枠組みからいえば、実際に発災をして法律上災害になっているという状況、災害ではない状況、今まで二元論でやってきたわけですが、今回の件で明らかになったのは、災害と平時との間のところに、災害になるかもしれないから予防的措置をとりましょうという段階で、経済的な被害が生じてしまう可能性があるということなんだろうと私は思っております。
その意味で、ここまでもさまざま議論させていただく中で、例えば、経済産業省の中小企業対策という観点からいえば、平時の法律のセーフティーネット貸し付けというのがあって、これは予防的措置の中にも準用することは可能ですという話はありましたけれども、プラスオンで被害があったときに、では、それで果たして間に合うのかという議論は今後あるんだろうと思っています。
さはさりながら、現時点でいえば、このセーフティーネット貸し付けを含めた対応ということが、地域経済に対してはやはり一番有効というか、ある中では使える手段ということになるのかもしれません。
地域経済への影響をどう認識されていて、具体的な対応としてはやはりこのセーフティーネット貸し付けに限られるのかなとは思いますが、経済産業省としての、地域の中小企業対策という観点からの具体的な対応を御答弁いただければと思います。
○山際副大臣 委員御案内のとおりに、大涌谷周辺の問題につきまして、特に中小企業、小規模事業者につきましては、その情報を商工会議所等々からきちんと経済産業省としても集めてございます。先ほど御指摘がありましたように、一部の休業状態であったり、あるいはキャンセル、風評被害を懸念する声等々が上がってございます。
そういう中におきまして、金融、資金繰り対策といたしましては、これも御言及がございましたように、セーフティーネット貸し付けも、既にことしの二月に成立いたしました平成二十六年度補正予算によりまして要件が緩和されておりまして、今、神奈川県と箱根町の方には再度このことをきちんと申し上げまして、都道府県からの指定の要請があった場合に、国として速やかにそれを評価するというところまで来てございます。
そういった仕組みを利活用しながら、主に資金繰り対策等々を含めて対応してまいりたいと考えております。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。
加えて、セーフティーネット貸し付けだけではなかなか苦しいよねというのが、正直、これは現場の声ではありますが、では、あと何があるんだろうという話になったときに、売り上げが全く上がらない、減ってしまったという中で、しかし、だからといって従業員さんをすぐには首になんてできないよという中で必ず出てくるのが、やはり雇用調整助成金の話になるわけです。
ただ、御案内のとおり、雇用調整助成金は、経済的な理由が原則でありまして、災害が原因としては適用されないという法のたてつけになっているという状況です。
さはさりながら、この火口周辺区域の規制区域外のところであるとか、そういったところには適用できるのではないかとか、三カ月間対前年度比一〇%売り上げ減というのが要件になっていますが、それを、例えば御嶽山のときのように一カ月に縮減できるんじゃないかとか、厚生労働省さんの現場の方ではさまざま御研究、御対応いただいていることを承知の上で、今具体的にどんな状況か。
きょうは政務官にもお越しをいただいておりますので、御答弁いただければと思います。
○高階大臣政務官 先生今御説明いただきましたとおり、雇用調整助成金、経済上の理由によって事業の縮小、停止を余儀なくされた場合に、雇用者を守る、その措置を事業主が行った部分の経費を助成していくといったような、こういう仕立てになっておりまして、直ちに、自然災害の救済あるいはその被害の予防といったところにダイレクトに使うことが難しいという状況にございます。
ただし、五月六日だったと思いますが、大涌谷火口付近の立ち入り規制の措置がございました。ほぼ一カ月の時間が経過しております。せんだって大臣のところにも御要望いただいたところではございますが、この被害が甚大かつ長期にわたる場合、果たして経済上の理由に当たるかどうかといったような点から、特段の事情があるか否かといったようなことの検討は必要になってくる可能性があると思います。
こういった点で、今後、地域の産業への影響、あるいはニーズ等も踏まえながら、適時適切にその判断を行ってまいりたい、そういうふうに考えております。
○神山(洋)委員 ありがとうございます。前向きかつ柔軟な御答弁をいただき、感謝を申し上げたいと思います。
大臣、お待たせをいたしました。残り三分となりましたが、きょう、これだけは大臣と議論させていただきたいと思ってここまでの議論をさせていただいてきたわけです。
先ほども少し触れましたが、これまでの、現行の災害対策の法律の大まかな枠組みは、平時か災害時かということであるわけです。今回の大涌谷の件でも、噴火はしておりませんので、災害救助法が適用されるという状況には至っておりません。その意味では、適用される法律であり支援のスキームは、ここまでも累次お話のあった、例えばそれはセーフティーネット貸し付けであり、なかなか難しいですけれども雇用調整助成金等といった、平時のスキームなわけです。
これから特措法を、恐らくこの後話が始まって、次のときはその話になるのかなとも思いますが、よくよく考えてみると、予防的措置を一定の期間、ちょっと長い期間とることができる災害の対応というのは、もしかしたらこの火山対策ぐらいなのかなと思うわけです。地震も予知ができるかというと、そこまではっきりした予知はできないだろうという話ですし、台風が来るというのがわかっても、ではそれで経済活動をとめましょうというのは、せいぜい一日、二日なわけです。
しかし、火山の場合は、ある程度の期間、一カ月なのか二カ月なのかいまだにわからないというのが箱根の状況でありますが、起こるかもしれないということで予防的措置をとって、安全第一にする、これは間違っていないと思うんです。安全第一にして、予防的措置をとって、立ち入り制限区域を設けます。立ち入り制限区域を設けることによって、その制限区域内での経済活動が物理的に制約をされることによって経済的な実害が生じるということが、今回、初めてとまでは言いませんが、かなり大きく明らかになったという意味においては、私は、これは実は法の穴だ思っております。
そもそも、災害に対しての、災害による被害をどこまで国家が担保するべきかといったら、これは全て国家が担保すべきだと私も思っておりません。ましてや、そういうリスクがあるという中で、全て国家が面倒を見るべきだ、それは違うと思っています。
しかし、これから、生命を含めてより安全を確保していこうという中で、噴火警戒レベルが上がることによって、予防的措置をあらかじめとって安全をより確保しましょうというときに、それをやることによって経済的な実害が発生してしまうことが自明であったら、果たして、地元の自治体は、では積極的にその予防措置をとろうと思うかというと、やはりそれは難しいんじゃないかというふうに私は思うわけです。
その意味で、きょう、この場の一問一答で全て結論が出るとは思っておりませんが、こうした予防的措置に伴って自明の論理で発生をするであろう経済的損失に対して、一部、一定の公的な負担、バックアップというのはあってしかるべきではないか。ないと、予防的措置を促進することができないんじゃないかと私は考えているわけです。この点、大臣、どうお考えでしょうか。
○山谷国務大臣 災害の発生を未然に防止することはもちろん、災害が発生した場合でも被害を最小化するということは重要であります。災害対策基本法でも、災害対策の基本理念として定められているところであります。
この被害の最小化に当たっては、人命保護を最優先する一方、経済的損失についても極力軽減するということは必要と考えております。このため、経済的損失を軽減する観点からは、まずは、無用の混乱や来訪者の減少などの風評被害を引き起こさないように、正確かつわかりやすい情報を発信するということが極めて重要だと考えております。
実際、大涌谷周辺の火山活動に際しても、官房長官や私の方からも、国民の皆様に、大涌谷以外の箱根町の地域は安全のための必要な措置が確保されていることや、冷静に対応いただくことについて、繰り返し呼びかけているところであります。
御指摘の噴火災害が発生していない予防的段階での経済的損失への公費負担についてですが、火山周辺地域は平素から風光明媚な景観や温泉などの火山の恩恵を享受している現状や、実際に被災した場合の融資制度などの既存の救済措置とのバランス等を踏まえまして、さまざまな視点からの慎重な検討が必要だと考えております。
いずれにせよ、火山災害においては、噴火警戒レベルごとに必要な規制や避難を行って、人命保護を第一に対策を講じることが不可欠であると考えております。
○神山(洋)委員 被災者生活再建支援法では、住宅再建という枠に限ってではありますが、私有財産に対してではあるけれども一定の公費負担をしようという一部例外もあるかと思います。
ぜひ、今、慎重に検討をというお話もありましたが、問題意識は共有をさせていただいた中で、慎重に御検討をお願い申し上げまして、私の質疑を終わらせていただきます。
ありがとうございました。
○梶山委員長 次に、河野正美君。
○河野(正)委員 維新の党の河野正美でございます。
先週金曜日、五月二十九日午前九時五十九分、鹿児島県の口永良部島の新岳で大規模な噴火があり、全島民避難となっております。まず冒頭に、被災された方々に心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
維新の党では、当日午後に開かれました幹事長室会議におきまして、松野頼久代表を本部長とする災害対策本部のもとに口永良部島災害対策本部を設置し、私が現地対策本部長を拝命いたしました。その後、直ちに、同じく事務局長になりました鹿児島の山之内毅前代議士が鹿児島県庁に赴きまして、情報収集に当たらせていただきました。
我が維新の党は現場主義をモットーとしている政党でもありますので、今週の日曜日、早速ではありますが、私と山之内前代議士で、口永良部島の方々が避難している屋久島の方を訪問させていただきました。三カ所全ての避難所を訪問し、避難された島民の方、あるいはボランティアの方々、そして、今回、全員無事という大変速やかな全島避難を導かれた消防団の方々のお話を伺ってまいりました。また、屋久島町役場では、荒木耕治屋久島町長とも、お見舞いを申し上げるとともに、意見交換をさせていただきました。また、観光協会の方などともお話をさせていただきました。
現地で伺ったお話、あるいは、その後も山之内前代議士が現地との連絡を継続いたしておりますので、そういった現地の声をもとに、今回、質問させていただきたいと思います。よろしくお願い申し上げます。
まず冒頭、先ほど神山委員の方から風評被害の話が出ておりましたが、確かにその話は伺いまして、口永良部と沖永良部島を混同されている方がおられたりとか、あるいは、屋久島というのは避難をしてきている島ですから安全だということなんですが、数多くのマスコミの方、テレビでよく見るような芸能レポーターみたいな方も来られていて、その方たちからは、屋久島はどれぐらいキャンセルが出たんですかとかいったことを言われる、屋久島は避難してきている方なのにそういったことも言われるということでしたので、そういったことを委員各位、政府の方にも認識をしていただきたいなと思います。
まず初めに、今回の被災地、口永良部島では、昨年八月、ことし五月と、二度にわたり大きな噴火が発生いたしました。
まず、昨年八月以前における口永良部島での噴火に対する備え等をお聞かせいただきたかったんですが、この件は、協議会をつくってしっかりと取り組んでおられたということなので、時間もありますので、割愛させていただきます。
次に、昨年八月の噴火によって、火山を監視する装置なども被害を受けたというふうに聞いております。このときの噴火状況を教えていただきたいと思います。被害が生じれば火山の観測体制も見直さざるを得ず、噴火への備えも変わったのではないかなと思います。火山防災、警戒体制の変化もあわせて、まず簡単にお聞かせいただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のとおり、昨年八月三日に口永良部島の新岳付近で噴火が発生し、気象庁におきまして、噴火警戒レベルを1から3に引き上げたところでございます。
その際、住民の判断によりまして、本村地区に定めていた避難場所ではなく、より安全と判断した番屋ケ峰のNTTの局舎跡に住民が避難されたということから、避難の計画におきましても、番屋ケ峰を避難場所とするように変更したというふうに聞いております。
また、その際、噴火による人的被害、住家被害はともにございませんでしたけれども、気象庁等が設置した火口周辺の観測機器が故障し、また、立入禁止措置のためにその修理もできないという状況が続いておったということでございます。
ただ、山麓に設置しておりました地震計七台、空振計二台等の観測機器が稼働していたほか、気象庁におきまして機動観測班を派遣し、繰り返し現地で観測を行うとともに、屋久島に高感度カメラを設置し、火山活動の変化を把握するための体制を確保したこと、また、ことしの三月以降、火山活動の高まりが見られたということもありまして、気象庁の職員二名の機動観測班を現地に常駐させるという体制をとるなど、監視体制を強化しております。
さらに、五月の二十三日には震度三の火山性地震を観測し、気象庁、地元自治体、火山専門家から成る火山防災協議会におきまして、万一の際の対応を協議し、地元自治体にも伝えていたほか、気象庁において地元説明会を開催しているというふうに承知しております。
○河野(正)委員 ことし五月の爆発的噴火では、島民の皆さん全員の無事が早期から確認され、当時島にいた百三十七名が迅速に島外に避難することができたというふうに伺っております。
これは、単に幸運であったというだけではなく、今お話もありましたように、島民の皆さんが一丸となって、そして、気象庁の方を常駐ということを今お話しされましたけれども、夜などに勉強会を開いていた、日ごろから噴火に備えていたということでございますので、そういった成果ではないかなと思います。島民の中には、本当に気象庁の方に表彰状を贈りたいぐらいだというぐらい感謝されている声もお聞きいたしました。
現時点において、今回の噴火への対応をどのように評価されているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○赤澤副大臣 五月二十九日のこのたびの噴火については、警察、消防、自衛隊、海上保安庁などの関係機関が連携し、迅速な対応を行いました。当日夕方までに在島者百三十七名全員の避難を完了できたのは、委員の御指摘のとおりでございます。
昨年八月の噴火を踏まえて、鹿児島県と屋久島町を中心に気象庁等の関係機関が連携をし、観測体制の強化や避難訓練の実施など事前の準備を行っていたこと、そして、五月二十三日に震度三を観測いたしました。その後も、住民説明会を開催するなどの対応を行ってまいりました。
これも、委員御指摘のとおり、ちょっと幸運なところがあって、天候に恵まれました。ヘリが飛べて、船が着けられるという状態だった。さらには、噴火時刻が午前中だったので、明るいうちに住民避難ができた。これは裏返せば、夜中に起きて、天候が悪くてヘリが飛べない、船が着けられないというと、今よりももう少し事態が長引いたかなというふうに思います。そういう意味で、いろいろなことが合わさって、大噴火にもかかわらず、迅速で冷静な避難につながったものであるという認識をしております。
高い防災意識や避難訓練等の効果を如実に示す模範事例と言えると思いますけれども、やはり先ほどのような好条件ということもあったので、今後とも、各地域において、関係者が緊張感を維持してさらなる連携に努めて、防災意識の向上や避難訓練などの準備を推進する必要があると思っています。
課題についても、御指摘のあるとおり、生活支援、そしてそれを支えるために、政府としては、屋久島町に政府現地連絡調整室を設置しておりまして、生活支援の調整など、全力でサポートを行っております。
一時帰島についても、安全確保ということで、気象庁、火山専門家による助言、緊急時の避難、救出に備えた自衛隊などのヘリコプター、海上保安庁巡視船の配備などの支援を行ったところでございます。
引き続き、再三指摘をいただいております情報提供を適切にやるために、火山活動をしっかり監視し正確な情報提供を行うとともに、避難者の要望にできる限り応えられるよう、屋久島町、鹿児島県と連携してまいります。
○河野(正)委員 やはり、住民の皆さんが日ごろから備えてしっかりとされていたということで、多少の幸運はあった、時間帯等はあったんでしょうけれども、本当に日ごろから備えたことが功を奏したというふうに認識しております。
また、学校の先生方は、そもそも番屋ケ峰に移そうということで避難所を移して、さらに日ごろから、番屋ケ峰の避難所の方向に御自分の車を向けて、いつでも、何かあった場合に子供さんを自家用車に乗せてすぐに避難できるようにしていたということでございますので、やはり現場の努力というのが相当にあったというふうに思っております。
昨年八月三日のお昼十二時半ごろ、今回と同じ新岳が突然噴火しておりますが、そのときの噴火警戒レベルはレベル1、活火山であることに留意ということでありました。特に規制はない状況で、そのときも、幸いに負傷された方はいませんでした。
報道によれば、当日、台風の接近に伴ってフェリーが欠航となり、新岳に登山予定の方々が来島できずに登山者がいなかったということであります。フェリーが通常どおり運航されていたならば、先ほど来ちょっと話も出ておりましたが、御嶽山が噴火したときと同じように、お昼どきの噴火ということで多くの登山者の被害が生じていたかもしれません。そういった点については、幸運であったのかなと思います。
時間もありませんので先に行きますけれども、政府は、昨年十二月、御嶽山における甚大な被害を受け、火山防災対策推進ワーキンググループを設置、ことし三月、「御嶽山噴火を踏まえた今後の火山防災対策の推進について」という報告をまとめられました。この報告をもとに、活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案が提出されているところであります。
この一連の議論において、昨年八月の口永良部島新岳の噴火の経験がきちんと検証され、反映されているのかどうか。今回の口永良部島新岳の噴火を受けて、さらに法案に盛り込むべき事柄はないのか、見解を伺いたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
先ほど来お話ししてございますように、昨年の八月の口永良部島の噴火というのは、日ごろの訓練あるいは協議会を通じた避難計画の策定というものが非常に功を奏した事例であるというふうに考えておるところでございます。
今回の火山防災対策推進ワーキンググループの最終報告、あるいはそれをもとにいたしました活動火山対策特別措置法の一部改正案につきましても、いずれにしましても、そうした準備の大切さあるいは計画策定の大切さということを踏まえまして、火山監視観測体制の整備、情報伝達や適切な避難の重要性、あるいは協議会での協議というようなことをきちんと盛り込んでおるところでございます。
○河野(正)委員 今後の火山を初めとする防災対策に臨む姿勢を、山谷大臣に伺いたいと思います。
○山谷国務大臣 防災対策については事前の備えが重要でありまして、火山防災対策についても、火山ごとに火山防災協議会を設置し、噴火警戒レベルの設定や火山防災マップの作成等に取り組んできたところであります。
また、御嶽山の噴火以前の平成二十五年五月には、有識者による検討の結果、大規模火山災害への提言を取りまとめ、これに基づき、政府が実施する応急対策活動を示す火山防災応急対策対処方針を策定したほか、富士山の噴火等の大規模降灰時の対策についても検討を進めているところであります。
今後も、火山防災対策への備えを充実させるために、平時より取り組みを推進してまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 現在、口永良部島の噴火警戒レベルは、最高のレベル5、避難というふうになっております。私が避難所を回らせていただいた際に、住みなれた島での生活にいつ戻ることができるのか、ほぼ全員の方が、まず第一にこの点を口に出されました。
私どもが訪問した翌日、レベル5のまま、代表者のみではありましたけれども、一時帰島が行われました。まさに町民の大きな声を受けての荒木町長の英断だったというふうに評価をしたいと思います。
過去の噴火の経過などを参考にすると、今後、どの程度の期間、全島避難が必要になると考えるのか、どのようなタイミングでレベルを見直す検討が始まるのか、非常に難しい問題だと思いますが、現時点における見通しを山谷大臣に伺いたいと思います。
○山谷国務大臣 現時点では火山活動は高まった状態が継続しておりまして、今後も同程度の噴火の可能性があるため、しばらくは全島民の避難を継続せざるを得ないという状況にあると考えております。
現段階ではいつ終息するかについては見通すことができませんが、まずは、今後の火山活動の推移を把握するために、地震、地殻変動、火山ガス等について注意深く監視する必要がありまして、気象庁を初めとする関係省庁と連携して、必要な支援を行っていく所存であります。
今後、六月一日のように一時帰島を実施するということがあれば、その際には、六月一日と同様に、政府として必要な支援をしっかりと行ってまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 町長が判断されるというのは、本当に厳しい状況なんだろうなというふうに思いました。
今回の島民の皆さんの避難では、離島まで慌ただしく、家で準備できたのは二、三十分しかなかったというようなお声もありました。ペットを連れて避難した方もおられましたが、多くの方が着のみ着のままで、ペットは島に残したまま避難をされておられます。家族の一員として一緒に行動することを望まれる気持ちは十分に理解できますし、なれない避難先での生活を穏やかにする、心身の安定から考えても、ペットの存在というのは大きいんじゃないかなと思います。
噴火の際に、小動物などのペットも含め、家族単位で避難できるような配慮ができないものでしょうか。我が国におきましては、火山と共生する離島も少なくありません。平時は何かほかの公共施設、例えばホールであるとか保養施設などとして利用しておきながら、有事の際には、避難してこられた方がペットや御家族と一緒に生活できるような施設を、離島の近傍、今回の場合で例えますと屋久島などにあらかじめ建てておくような試みというのができないんでしょうか。伺いたいと思います。
○奥主政府参考人 お答えいたします。
お尋ねの災害時におけるペットの避難についてでございますが、環境省におきましては、自治体等が地域の状況に応じた動物救護体制等を検討する際の参考としていただくため、災害時におけるペットの救護対策ガイドラインを作成しています。
その中におきまして、必要物資の備蓄等、自治体等が平常時から講じることが望ましい対策や、災害時におけるペットとの同行避難について記載されているところでございます。
今般、鹿児島県におきましては、こうしたガイドライン等を参考にしていただきまして、鹿児島県動物愛護管理推進計画及び鹿児島県地域防災計画に基づきまして、同行避難や避難時の動物の飼養管理を適切に実施するため、関係機関と連携して体制整備を図ってきているところでございます。
今般の口永良部島の噴火災害におきましても、これらの計画に基づきまして、六月三日時点の報告によりますと十四頭のペットと聞いておりますけれども、ペットとの同行避難が行われるとともに、避難先でペットに起因したトラブルが発生しないよう、適切な飼養管理、具体的には、県の報告によりますと、避難所におきますケージの設置、餌の提供、あるいは、ボランティアによる獣医師によりますペットの健康診断等が行われておりまして、適切な飼養管理が図られているものと承知しているところでございます。
○河野(正)委員 この次は答弁は結構ですけれども、避難に当たってやむなく残してきたペットなどが動物愛護の観点からどのように考えられるのか。あるいは、これが野生化することになっていけば、種の保存や生態系への影響なども生じてくることになると思いますので、環境省におかれましても、しっかりと注視していただきたいというふうに思っております。
ところで、安倍総理は、今回の噴火災害を受けまして、仮設住宅の建設を示唆したというふうに報道されております。また、昨日の報道によりますと、太田国土交通大臣は、四週間ほどで仮設住宅五十戸を建設できる態勢を整えたというふうに言われているようです。
こうした仮設住宅の建設費が幾らかかるのか、また、一般に、仮設住宅に土地を提供した場合、借地料や補償の費用はどのような仕組みになっているのかをお聞かせいただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
災害救助法に基づく応急仮設住宅の建設に関します基準単価というものは、一戸当たり二百六十二万一千円となってございます。ただ、実際には、国との協議によりまして、この基準単価を超えて建設することもできることとなっておりまして、被災地によりまして、それよりも高い単価によって建設されている例もございます。
なお、仮設住宅につきましては、原則として公有地への建設を予定していることから、建設に当たっての借地料の発生は見込んでございません。
○河野(正)委員 屋久島町では、長期避難時の住まいについて、仮設住宅ありきではなく、県営、町営住宅や民宿、ホテルなどの部屋の借り上げも検討していると伺いました。観光地である屋久島には多くの民宿がございます。被災者には単身の世帯が多いことを考えると、仮設住宅にして家財道具一式を準備するという手続がなくなりますので、民宿などの方が望ましいとの声も伺ってまいりました。
そうした借り上げを含め、避難先における住まいに対する国の支援、どのようなメニューがあるんでしょうか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
避難者の方々に対する住まいの提供のメニューといたしましては、仮設住宅の建設のほかに、民間賃貸物件を借り上げる方式、いわゆるみなし仮設住宅でございますとか、あるいは公営住宅、公務員宿舎、雇用促進住宅などの公的な住宅の活用などが考えられるところでございます。
また、民宿につきましては、配慮が必要な方々のいわゆる二次避難所として活用することが可能でありまして、これまでの災害におきましてもそういった活用がされたところでございます。
ただ、一方で、応急仮設住宅というような形で一定期間安定した住まいの提供、この場合最大二年間の入居が可能となるわけでございますけれども、こういう扱いのときには食事の提供などが災害救助法の対象として認められていないために、民宿の場合、一般的に台所などの生活設備が整えられていないとか、食事の提供を伴わないということで民宿経営者の理解が得られるかといった課題があるものと認識しているところでございます。
いずれにいたしましても、これまでの災害におきまして、公営住宅や民間賃貸住宅の借り上げなどにより対応されているということもございますので、町や県とよく相談しながら対応していきたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 屋久島は、聞きますと、家賃相場が大体月五万円程度だというふうに伺っております。年間にすると六十万円。災害救助法が適用される二年間であれば、合計百二十万円ほどということになります。一方、仮設住宅を建てる場合は、御答弁いただきましたように、一戸当たり二百六十万円ほどかかる。
屋久島では、中学の統廃合が行われまして、そういったことで、使われなくなった校舎がある。リフォームして活用したいということも検討されているようです。財源の少ない我が国におきましては、このように、今ある資源を生かして、知恵を絞り、汗をかく、コストを意識した取り組みは極めて重要じゃないかと思っております。
避難生活での住まいのあり方は、自治体が地域の実情に合わせて選択できるようにすべきというふうに考えますが、政府の見解を伺いたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
委員御指摘のように、既存施設を仮設住宅として活用するということは過去にも事例がございまして、例えば、平成二十四年九月の台風十六号、十七号の被害に対しまして、鹿児島県与論町におきまして、町の情報センター倉庫として活用しておりました旧保育所を改修し、被災者に供与したという例もございます。
現在、屋久島町におきましては、被災者の方々に対しまして、住宅に関する意向調査等を実施していると承知しておりますし、国といたしましても、先ほど申しましたように、町や県と密接に連携しながら、被災者の住まいの確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 ここからちょっと、いろいろと厳しい問題になるかと思いますが、避難されている方は、もう既に仕事をすることができなくなっておられます。現時点で収入がない、島外に進学した子供に仕送りすることもままならないというようなお声があります。
そもそも、離島におきましては、元来仕事が豊富に選択できるわけではありませんし、収入や就労の面で大きな不安を抱えておられます。また、今回の場合、離島である口永良部から離島である屋久島に避難をされたということで、避難先の屋久島においても、離島ですから、潤沢に就労場所があるというわけではございません。
こういった方々の支援について、政府の考え方を伺いたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
突然の火山噴火によりまして、避難を余儀なくされ、仕事を失ったり収入の道を断たれた避難者の方々の気持ちに寄り添いながら、きめ細かく対応していくことが重要だと考えております。
国といたしましては、関係省庁が一体となって、鹿児島県や屋久島町とも緊密に連携しながら、例えば、生活福祉資金の貸し付け、雇用保険の基本手当の支給に関する特別措置など利用可能な制度の周知、あるいはハローワーク等を通じました就労支援対策、あるいは、先ほどもちょっと御質問ありましたけれども、義援金の早期の配付などに努めてまいりたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 屋久島町では、被災された方に被災証明カードのようなものを発行して、生活必需品などを購入できるような取り組みを考えられているようであります。
災害救助法では現物支給が原則とされ、金券などは不可ということでありますけれども、こういったカードも、使途を限定して決めておけば、そういった町の取り組みも可能になるんじゃないかと思いますが、見解を伺いたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
屋久島町におきましては、委員御指摘のとおり、各避難所に口永良部島避難者証という証書を配付いたしまして、当該証書を持参した避難者が購入した食料や生活必需品の代金を町が負担するという仕組みを設けたというふうに聞いております。
ただ、これにつきましては、災害救助法の仕組みによらない独自の制度であるというふうに承知しているところでございます。
災害救助法の制度につきましては、まさに委員御指摘のとおり、現物給付という仕組みになっておりますので、そういった中で運用しているということでございます。
○河野(正)委員 現物支給で、確かに、避難所に行くと、メロンパンが山積みになっていたり、お菓子が山積みになっていたり、鹿児島県ですので焼酎が置いてあったりするんですけれども、健康上の問題がいろいろあるということなので、やはりそれは柔軟に対応されるのがいいんじゃないのかなと思います。
今回のような全島避難の際には、島に人が住まなくなってしまうというわけでありまして、盗難などの被害も可能性があるんじゃないかと思います。仮に警備会社と契約されているお宅があったとしても、警報が鳴っても、警備会社の係員は駆けつけることができなくなります。
現在、海上保安庁の巡視船が海上から警備に当たられているかと思いますが、いわゆる火事場泥棒的な被害に遭ってしまった場合、何らかの補償という仕組みはあるんでしょうか。
○島根政府参考人 お答え申し上げます。
現在、鹿児島県警察におきましては、県警察の警備艇により、口永良部島沿岸の警戒を随時実施し、島に近づく不審な船舶等の発見に努めるとともに、漁業関係者に対しまして、不審な船舶等を発見した場合の通報を依頼しているところであります。
盗難に遭った場合の被害を補償する法制度というものにつきまして警察は有しておりませんが、引き続き、状況に応じた各種防犯対策の推進に努めてまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 仮に避難が年単位の長さになってきますと、島で一生を終えたい、あるいは、自己責任でいいから島にとどまりたいんだという住民もいらっしゃるように思います。
現場の方が言われていたのは、一時帰島ということにすると、もう屋久島には戻りたくないと言われて居座っちゃうんじゃないか、そうすると危険だから判断が厳しいとかいうお声も伺いました。
こういった住民の意思はできるだけ尊重しなければいけないというふうに思いますけれども、全島避難のもと、島に戻る可能性について伺いたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
口永良部島では、五月三十日以降、火山性地震は減少し、大きな噴火は見られていないものの、気象庁では、火山活動の高まった状態は継続しており、口永良部島の居住地域では厳重な警戒が必要な状況であると判断して、噴火警戒レベル5を継続しているところでございます。
そういった避難を解除するかどうかという判断につきましては、やはり科学的な判断というのが極めて重要でございますので、気象庁を初めとする関係省庁、火山の専門家と連携いたしまして、観測の強化によります地震、地殻変動、火山ガス等の火山活動注視、あるいはその結果を踏まえた予測判断というものをきちんと行いまして、町長にきちんと伝えていきたいというふうに考えております。
○河野(正)委員 時間がもう余りありませんので、ちょっと質問を飛ばしていきたいと思います。
町役場の方々は休日返上でさまざまな対応に当たられておりますし、そういった意味では、費用負担というのもありますし、人的な負担というのも本当に大きいものだと思います。また、今回の問題に限らず、小さな自治体であれば、避難の方を受け入れるということは非常に多くの労力あるいは人件費がかかってくると思いますので、そういったことも御検討いただきたいと思います。
そして、今回の口永良部島では、実は警察官が一人もおられないというような状況でありました。その中で消防団の方が本当に献身的に頑張っておられまして、常日ごろ、全島民のチェックリストをつくっていた。それで、この方は入院して島の外に出ているとか、そういうのも全部チェックしていた。また、港から出ていかれますので、大体そういうことでチェックができるということでした。さらには、観光客で来られた方については、民宿が責任を持って何人いるということを把握しているということで、チェックリストをもとにやったところ、お一人の方が行方がわからないということで、結果的に、やけどをしている方を海の方から救出に行ったというような報道もありましたけれども、全島避難ができたということであります。
こういったことで、こうした地域活動を支援する取り組みというのはどのようなものがあるんでしょうか。
○赤澤副大臣 消防署や駐在所もない中で、消防団員の方たちがチェックリストをつくって島民の安全確認をしておられたというようなことは、まさに委員御指摘のとおりでありまして、非常に防災意識を高く持って日ごろから対応に努めておられたということで、私どもも評価をしているところでございます。
御指摘のとおり、災害対策においては、行政による公助のみならず、地域の住民などによる自助、共助の精神に基づく防災活動が極めて大切であるというふうに認識をしております。
昨年八月の噴火以降、被災地の口永良部島では、島内の消防団や自主防災組織が中心となって、住民の間では、次の噴火に備えて、異変があったらすぐに避難場所へ避難するという意識づくり、避難準備などに努めていましたし、荒木町長も相当リーダーシップを強く発揮されてきました。今回の速やかな避難行動につながったものと伺っております。
内閣府としては、こうした認識のもとに、地域住民の自主的な防災活動を推進するため、活動のポイントを具体的に示したパンフレットを作成し、配布しております。また、自治体と連携して、防災の日、九月一日、あるいは津波防災の日、十一月五日でございますが、などにおける地域住民参加型の避難訓練に取り組んでおります。
また、災害対策基本法においては、このような地域住民などによる自助、共助の精神に基づく自主的な防災活動の重要性に鑑み、地域住民みずからが防災活動に関する計画を作成する地区防災計画制度が設けられており、昨年の四月一日から法改正の施行が行われて、この制度が動き始めたということでございます。
本制度を広く活用していただくために、モデル地区を選定して優良事例を発掘し、これらの取り組みについて情報提供を行うことを通じて、地域住民による自主的な防災活動の普及をさらに進めてまいりたいと考えております。
○河野(正)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、今回、島の診療所のドクターも一緒に避難をされておりました。四月から赴任されたばかりなので、まだ十分に住民の顔と病状が一致しないというふうにおっしゃっていましたが、やはり身近におられるドクターが一緒に避難しているというのは、住民にとって非常に大きな安心感につながると思います。
離島振興といいますけれども、やはりそういった離島の医療というのを守ることは大切だと思いますし、今後、国土交通省さんを中心に、災害復旧ということでも、島の方の暮らしが、戻れた後のことも考えていただかなければならないのかなと思っております。
我々維新の党も、今後とも、口永良部島の状況を注意深く見守りまして、国政政党として適切に対応させていただきたいと思います。
ありがとうございました。
○梶山委員長 次に、田村貴昭君。
○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。
鹿児島県口永良部島の火山噴火で避難生活を送られている島民の皆さんに心からお見舞いを申し上げます。また、災害対応、そして避難対策に当たられている関係者の皆さんに敬意をあらわしたいというふうに思います。一日も早い火山活動の終息、そして島での生活再開を願いまして、災害対応と被災者の支援について質問をさせていただきたいというふうに思います。
五月二十九日の突然の噴火に全国が驚きました。私もびっくりしました。翌日の三十日に、私は、仁比聡平参議院議員とともに屋久島に入りました。そして、被災者をお見舞いし、住民の方からいろいろな思いを聞いてまいりました。さらに、屋久島町の荒木町長からも、口永良部の島と住民生活のこれからについて、いろいろとお話を伺ったところでございます。
まず大臣に、この災害に対する基本的な認識と構えについてお伺いしようと思ったんですけれども、冒頭お話がありましたので、最後にまた聞かせていただきたいというふうに思います。
最初に、避難所と今後の避難生活の場、このことについて質問したいと思います。
島民百十八人中、きのう現在で四十八世帯七十一人の方が屋久島町の三カ所の避難所に避難されておられます。私どもが入ったときに、避難所は、タイルの上にブルーシートが敷かれて、畳もない、間仕切りもない、場所によっては和式トイレしかない、そうしたところで、一日に、内閣府の方を中心にして、要望をさせていただきました。我が党の鹿児島の県会議員、それから町会議員の方からも地元で要望書を出したところでありますけれども、テレビ報道等で見る限りは、大きく改善されているというふうにお見受けしました。
生活環境の改善は図られているでしょうか、それから、そのことを確認していただいているでしょうか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
現在、屋久島内の三つの避難所に約七十名の方々が避難されているところでございますけれども、当初におきましては、委員御指摘のような状況が見られたところでございます。今、それぞれの避難所におきましては、屋久島町の職員が二名常駐していまして、相談対応を行っているところでございます。
なれない避難生活が少しでも緩和されるように、間仕切りカーテン、仮設洋式トイレの設置、畳の提供等が行われているというふうに伺っており、国としてもそういう状況を把握しているところでございます。
○田村(貴)委員 それでは、避難者の状況について伺いたいと思います。
避難所の島民の方はわかったんですけれども、島外の鹿児島県内で避難生活をされている方は何世帯何人でしょうか。それから、鹿児島県を離れて避難生活を送られている方はどの程度に上っておられますか。掌握されていますか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
避難所以外にも、親戚や知人宅等に身を寄せている方もいらっしゃいまして、屋久島町の調べによりますと、避難所を含む屋久島内の避難者が六十四世帯九十九名、屋久島内を除きます鹿児島県内の避難者が九世帯十五名、鹿児島県外の避難者が三世帯四名、全て合わせますと七十六世帯百十八名というふうに承知しております。
○田村(貴)委員 町が行った、避難所などに身を寄せている五十一世帯からの移転希望調査の結果が報じられています。回答した全世帯が、島外でなく、屋久島での生活を選んだとされています。ここが非常に重要なところだと思います。やはり皆さん、島に帰りたいといったところだと思います。避難生活が二カ月程度の場合、三十世帯が回答されているんですけれども、住宅の希望は、民間賃貸住宅が十一世帯、公営住宅が八世帯、親戚宅などが一世帯、民宿などのその他が十世帯ということでありました。
被災者向けに用意できる公営住宅の戸数はどの程度あるんでしょうか。
○日原政府参考人 屋久島内にございます公営住宅等の公的住宅のうち、現在、修繕することなく入居可能な公的住宅は二十三戸であると承知しています。なお、屋久島町外の、鹿児島県内全て合わせますと三百戸以上ございます。
○田村(貴)委員 鹿児島市内の雇用促進住宅が三十戸あることも伺ったところであります。
そうすると、屋久島町内の公営住宅では足りないといったところになってこようかと思います。
町長さんは、仮設住宅の建設は時間がかかるので、民宿や民間住宅もあるので、こちらの方を確保したい、当初、そういうふうな御意向でありました。応急仮設住宅の設置にかわる民間賃貸住宅の借り上げは可能なんでしょうか。
避難所の生活環境の整備等についてという留意事項が、内閣府から鹿児島県の担当者に対して通知されています。その部分について説明をしていただきたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
噴火の発災日、五月二十九日でございますけれども、内閣府の方から、一日も早く被災者の生活環境を整えることを目的といたしまして、避難所の生活環境の整備等についてという通達を出しております。
当該通知におきましては、住民の避難が長期にわたると見込まれる場合には応急仮設住宅の設置等を検討することとしており、その際の留意点として、速やかにその必要数を把握し、建設事業者団体等の協力を得て応急仮設住宅を建設することということに続きまして、応急仮設住宅の設置にかえて民間住宅の借り上げも可能であることというふうに記載しているところでございます。
○田村(貴)委員 可能であることが確認できました。
次の質問です。
屋久島から外へ避難した人にとって、災害救助法は及ぶのでしょうか。例えば、今、鹿児島市に避難されている方が、やはり屋久島に戻ってきて公営住宅の入居を希望したというような場合は、これは可能だということになるんでしょうか。
○日原政府参考人 災害救助法におきましては、応急的に必要な救助を行うことを目的としておりまして、自力で住まいを確保できない方を対象としております。
したがいまして、通常は避難所に避難された方が対象となりますけれども、発災当初の混乱期におきまして、一旦、知り合いの方のところにお世話になったけれども長くいられないというような事情があって、避難所に戻られたようなケースにつきましては、ケース・バイ・ケースで対象となる場合もございますので、町や県とよく相談していただきたいというふうに思っております。
○田村(貴)委員 先ほど、島内の避難者、それから島外の避難者等々について数字の説明もございました。
せんだって、鹿児島市に避難をされていた方が、やはりみんなと一緒に暮らしたいということで屋久島に戻られてきました。あの映像を見て、やはり島民の思いというのはここにあるんだなということも私は思ったわけですけれども、ここの思いを酌むことが何よりも大事ではないかなというふうに思うわけです。
島民が、今どこにいて、そしてどういう避難生活を送っておられるか、これは今後の支援対策の基本になっていく話でありますので、これは屋久島町と鹿児島県の掌握事項になるかもわかりませんけれども、国の方もしっかりと注意を払って、どこで島民がどういう暮らしをされているのか、これはつかんでいただきたいというふうに思いますけれども、その辺はいかがでしょうか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
屋久島町におきましては、先ほど御説明いたしました百十八名全員の方の連絡先を把握しておりまして、国の方としてもそういった情報を伺っているところでございます。
○田村(貴)委員 きょうの報道によりますと、屋久島町が仮設住宅を建設するとの話も出ているようであります。住まいの確保とその提供については、島民の要求に即して、さまざまな諸規定も弾力的に運用して当たっていただきたいというふうに思います。
いろいろな支援策を講じて今から当たっていかれるんだと思うんですけれども、災害救助法の一般基準で対応できない場合、鹿児島県としてどういう対応があるのか。先ほどの、避難所の生活環境の整備等についての留意事項に照らして、この項目を説明していただきたいというふうに思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
災害救助法に基づく応急救助につきましては、内閣府告示におきまして、いわゆる一般基準というものが実施されておりますけれども、被害の状況によりまして一般基準で対応できない場合がございます。そのために、個々の災害の発生場所、規模、態様等を考慮し、被災の状況に応じて必要な対応ができるように、災害救助法の施行令におきまして、特別基準の設定が可能となっているところでございます。
今回の火山災害におきましても、その旨を先ほどの通知の中で通知しておりますので、一般基準で対応するのが困難な場合には、速やかに私どもに御協議いただき、内閣府としても、協議を受けた際には、状況をしっかりと確認した上で、適切に対応してまいりたいというふうに考えております。
○田村(貴)委員 一般基準で対応ができない場合は、鹿児島県としては、政府に遠慮せずに、そして速やかに相談していいということですね。確認です。そういうことでいいんですか。
○日原政府参考人 お答えいたします。
おっしゃるとおりでございまして、もちろん、運用が適切かどうかという判断はさせていただきますけれども、遠慮なく御協議いただければというふうに思っております。
○田村(貴)委員 わかりました。
次に、なりわいの問題についてお話を続けたいと思います。
島に行きまして、避難所の被災者からいろいろお話を聞いたんですけれども、例えば、運送業を営む方がおられました。多くの車両を持っておられます。しかし、この運送車両というのは、動かさない限りは一円の収入にもならないというわけなんですね。そして、車両を置いておくことで、火山ガスによって損傷を来してしまう、そうしたことも心配されておられました。
きょうはずっと議論が続いているんですけれども、島を出た瞬間に、やはり収入の面に直結していくわけです。野菜とかお米とか、譲り合いの中の島民生活が、島を出た瞬間になくなってしまうところが出てくるわけです。そこにやはり私たちは思いを寄せなければならないというふうに思います。
例えば、この男性が言われたように、トラックなどの車両を口永良部島から搬出することは、これは、一に安全、二に安全ということが大前提であることはわかるんですけれども、こうしたことは可能なのかということについてお伺いしたいと思います。
○日原政府参考人 お答えいたします。
火山活動が依然として高まった状態が続いておりますので、一時帰島というものは極めて限定された、かつ、安全の中でやっていくということで、また、天候の影響もあるわけでございます。
そうした意味で、非常に機会が限られている。要は、何人お帰りいただくのが可能かということは、状況次第だと思っております。
恐らく、そういう大きなものを運ぶということになりますと、私ども、具体的にはそういった要望を直接聞いているわけではございませんけれども、仮にそういうことになるとすれば、フェリーを着けるということが多分必要になってくると思いますので、そういった可能性があるのかどうかということにつきましては、今後、火山の状況をよく見ながら、町とよく相談してまいりたいというふうに考えております。
○田村(貴)委員 それから、きょうも議論に出ているんですけれども、やはり収入の面、それから債務を抱えている人の問題が出てくると思います。例えば融資一つにしても、条件は極めて弾力的に運用していただきたいと思うんですけれども、無利子、無担保、無保証人、こうしたところは基本だと思うんです。それから、仕事のあっせんも、すぐ仕事につきたいという方もたくさんおられると思います。
通告はしていませんけれども、なりわいについて、仕事のあっせんとか、あるいは融資の点とか、債務の相談とか、そうした点についても万全を期していただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○日原政府参考人 被災者の方の御支援のためにいろいろな制度的な仕組みがございますし、それから職業あっせんの仕組み等もございますので、そういった仕組みをまず丁寧によく御説明して御理解いただいた上で、また、そういった制度の活用についても柔軟にいくように、関係省庁とともに対応していきたいというふうに考えております。
○田村(貴)委員 債務を抱えている方の支払い猶予とか返済猶予とか、そうしたことを基本に相談に乗っていただきたいというふうに思うわけであります。
次に、家畜のことについてお伺いしたいというふうに思います。
口永良部島における畜産の現状について、例えば牛の頭数であるとか、現状について少し御説明いただけないでしょうか。
○原田政府参考人 お答えいたします。
ただいま口永良部島には、子牛十三頭を含む牛が六十頭おります。そのほか、豚が二十数頭、鶏も三十羽弱ぐらい、馬が一頭いるというふうに聞いております。
○田村(貴)委員 全国から、この家畜は餌が食べられずに大丈夫なんだろうかと心配の声があるわけなんですけれども、畜産の専門家として、今の状況における家畜の状況はどう見たらいいんでしょうか。
○原田政府参考人 お答えします。
口永良部島では牛は放牧をしておりまして、先日も一時帰島で飼養者の方が帰りましたけれども、草も飲み水も十分あるというところで、牛については当面の餌は確保できております。豚につきましても、先日餌を供給したりしておりますので、当面の飼育管理については継続されているというふうに理解しております。
○田村(貴)委員 その当面が、今度、入島できない期間が長ければ、これは大変なことになるということなんです。
昨日の報道によれば、JA種子屋久が屋久島町に対して、口永良部の子牛を屋久島町の町営牧場に移すことを要請したというふうにあります。
もし畜主さんが子牛などの移動を希望した場合に、農水省は地元と一緒になって移動のバックアップをする立場にあるか。支援をする立場にあるんでしょうか。
○原田政府参考人 お答えいたします。
先ほど御説明した牛の取り扱いにつきましては、現在、鹿児島県と屋久島町が四戸の農家の方といろいろ打ち合わせをしていまして、意向調査をしてございます。牛を屋久島町なりに、本島の方に運びたいというお話がございますれば、先ほどフェリーの話もございましたけれども、そうしたオペレーションがどうできるかということも含めて、よく地元とお話ししながら協力をしていきたいと思っております。
○田村(貴)委員 わかりました。
それから、ペットの話が先ほど出ていました。十四頭という話ですけれども、猫が二匹、島から飼い主のもとに渡ったんですか。飼い主の意向について、お聞きしている範囲でいいですので、教えていただきたいと思います。
○奥主政府参考人 お答えいたします。
今般の口永良部島の噴火におけます被災ペットにつきましては、鹿児島県に確認したところ、六月三日時点で、先ほど先生から御指摘ありましたように、二頭連れ帰ったということでございますから、現在、ペットは二十七頭、犬五頭、猫二十二頭が島に残っているというふうなことでございます。
鹿児島県におきましては、島に残留しておりますペットにつきまして、現在、保護するのか、あるいは現場で給餌を続けるのかにつきまして、飼い主の意向を踏まえながら今後検討していきたいというふうにしているところだと聞いております。
○田村(貴)委員 そこは飼い主の意向が非常に大事だと思うんです。そして、家畜もペットもやはり命が守られるように対策を進めていただきたいというふうに思う次第です。
火山観測について伺います。
気象庁に質問しますけれども、昨年八月の火山噴火で口永良部島の観測機器に障害が生じました。そして、今月二日の停電によってまた障害が発生しています。大丈夫なのかといった率直な声があるわけですけれども、この間の状況と対応について説明をしていただけますでしょうか。
○西出政府参考人 口永良部島では、昨年八月三日の噴火の影響で、気象庁及び関係機関が火口周辺や山腹に設置した地震計七台等のデータが入手できなくなりましたが、地震計七台、空振計二台等が稼働しておりました。このほか、機動観測班を派遣し、繰り返し現地での観測を行うとともに、屋久島に高感度カメラを設置いたしました。また、本年三月からは、機動観測班を現地に駐在させておりました。このような措置により、昨年八月の噴火以降も観測監視に支障があったとは考えておりません。
また、六月二日に発生した停電により、幾つかの地震計等に障害が発生しております。現在は、予備電源を用いて地震計二台、空振計一台等が稼働しており、また、六月一日に新たに増設した太陽電池パネルによる地震計も用いて火山活動の観測監視をしております。さらに、屋久島町に職員を常駐させ、上空からの火口観測を行っております。これらにより、現時点で火山活動の観測監視に支障は出ておりません。
○田村(貴)委員 万全の観測体制をとっていただきたいと思います。火山活動の観測というのは非常に大切であります。
次の質問なんですけれども、島の災害監視、火山活動の観察を、各省庁がヘリコプターを使って行っていると思います。五月二十九日以降の活動を簡単に説明していただけないでしょうか。国土交通省、海上保安庁、防衛省、それぞれに伺いたいと思います。
○池内政府参考人 お答え申し上げます。
国土交通省におきましては、九州地方整備局の防災ヘリ、はるかぜ号等によりまして、噴火当日の五月二十九日から六月一日の間に計六回、火砕流及び降灰の発生状況とそれに伴う影響を調査するために、映像を撮影しております。
撮影した映像は、NHKそれから民放各社や内閣府等関係機関にリアルタイムで配信しております。また、屋久島町役場につきましても、九州地方整備局の小型画像伝送装置等を配備いたしまして、五月三十一日からリアルタイムで配信しております。さらに、ヘリで撮影いたしました録画映像や写真につきましては、屋久島町を通じまして、避難者の方々にもごらんになっていただいております。
○秋本政府参考人 海上保安庁でございますが、二十九日、噴火当日、ヘリコプターにて、口永良部島の被害状況調査を実施するとともに、避難住民六名を屋久島に搬送しておりますが、三十日以降については、ヘリコプターによる状況調査の実績はございません。
○笠原政府参考人 お答えいたします。
防衛省・自衛隊では、五月二十九日の十時四十分に鹿児島県知事から災害派遣要請を受けまして、以降、航空機延べ四十四機、人員延べ約四百三十名により情報収集、避難支援等を実施したほか、緊急事態に備えてヘリコプターを待機させるなど、発災当初から万全の態勢で対応したところでございます。
この中で、陸上自衛隊のUH1、これはヘリ映伝機でございますが、口永良部島上空等で四回にわたり情報収集に当たっており、火山の状況等の映像を、自衛隊の関係部隊に配信するとともに、政府全体としての状況把握のために、官邸や内閣府にも配信をしたところでございます。
○田村(貴)委員 それぞれの省庁がヘリを飛ばして観測、そして映像も撮っておられるという答弁でありました。
山谷大臣、ここで私はちょっと提案したいと思うんですけれども、被災者にとって、被災島民にとって、何といっても知りたいのは島のことなんですよね。新岳の様子はどうなっているか、家は、それから牧場は大丈夫なのかといったところだと思うんです。そして、各省庁のヘリコプターによる空撮情報、動画、そうしたものを被災者それから屋久島町民の方が見ることができるようにしたらどうかというふうに考えるわけであります。
朝であるとか、それから仕事が終わった夜の時間に、一定の時間に避難所あるいは役場などで定期的にその映像を提供する、そして、必要な人に解説するといったことがいいのではないかなというふうに思うんですけれども、生の情報とか、それから客観的な観測状況を提供することは重要な被災者支援につながる、私はそういうふうに考えます。
ぜひ、各省庁のコーディネートを大臣にお願いしたい、実現を図っていただきたいと思いますけれども、いかがでしょうか。
○山谷国務大臣 自然豊かで風光明媚な観光地としても知られる口永良部島は、島民の皆様にとって、長く生活を営み続けてきた大切な島であり、かけがえのないふるさとであります。
当面は身一つで島を離れて不便な避難生活を強いられている島民の皆様の御心情をしっかりと受けとめて、住まい確保など避難生活の環境整備に取り組んでいくことが重要だと考えております。
依然として火山活動が高まった状態が続いておりまして、避難生活の長期化も懸念されておりますが、引き続き、火山活動をしっかり監視して、正確な情報提供に努めてまいりたいと思います。
現在の課題は、不便な避難生活を強いられている島民の皆様の不安を和らげて、生活を支援することと考えております。引き続き、火山活動をしっかりと監視して正確な情報提供を行う、要望にできる限り応えるということが大切でございますが、先ほど申したように、ヘリコプターからのさまざまな情報提供も含めて、各省庁一体となるように私もコーディネートを頑張ってまいりたいと思います。
○田村(貴)委員 コーディネートを頑張っていただきたい。御答弁ありました、お願いしたいと思います。
そのときに、ただ映像を見るだけではわからないので、火山とか気象の専門家が解説をすることがやはり大事だと思います。リアルに、ここはこういう状況なんだよ、ここはちょっと終息しているとか、そういう情報がやはり島民にとってはありがたい話だというふうに思うんですけれども、専門家に解説してもらうという点では、気象庁、どういうふうにお考えになりますか。
○西出政府参考人 現在、気象庁では職員を屋久島町に駐在させておりますので、その者がこれまでも火山活動状況等について住民に直接説明するということを行ってまいりました。その一環で、専門的な見地から御協力できればと考えます。
○田村(貴)委員 各省庁の空撮情報、そういう動画を住民の方に供する場ができたら、ぜひ解説の仕事をお願いしたいというふうに思います。
ちょっと時間がなくなってきたんですけれども、原子力規制庁の方に何問か用意していたんですけれども、一つだけお尋ねします。
火山などの自然現象による影響で、新規制基準では、九州電力はこの口永良部島に対しては防護措置を講じなければならない、調査、検討をしなければならないというふうにされているわけです。その影響を評価し、防護措置は講じたわけなんでありますけれども、では九州電力は、日常の火山活動の監視、モニタリングを、百六十キロ圏内、百五十四キロの口永良部島において実際のモニタリング活動をしているんでしょうか。
○櫻田政府参考人 お答えいたします。
原子力規制庁は、原子力発電所の安全審査ということで、新規制基準の適合性審査を行いました。その過程において、九州電力が行っている火山影響評価の妥当性を確認したところでございます。
その中で、九州電力は川内原発周辺の火山でモニタリングを行うというものがございますけれども、それは、非常に大きな、カルデラといいますけれども、そういったものが起きるかどうかということを確認する、現状はその可能性はないというふうに考えてございますけれども、その状態に変化がないということを確認するためのモニタリングは行うということにしてございますが、その対象には口永良部島は入っていないということでございまして、口永良部島とかそのほかの通常の火山のモニタリングについては行っていないというふうに承知をしてございます。
○田村(貴)委員 百六十キロ圏内の防護措置を定めているにもかかわらず、監視対象としていない、モニタリング調査をしていないんだから、私は、規制庁は九州電力をやはり指導すべきだというふうに思います。
あわせて、火山活動、活発です。それから、九州は超巨大噴火の痕跡であるカルデラが集中しています。桜島は、ことしもう六百回を超える爆発的噴火があって、観測開始以来最速のペースとなっています。非常に心配なことがいろいろあっているわけなんです。こんなときに原発再稼働は絶対に認められないということも、この場で申し上げさせていただきたいというふうに思います。
大臣、最後に、私も島を訪れて一番痛感したのは、やはり、みんな島を愛している、そして、太古の昔から人の営みがあった口永良部島において、こんな大きな爆発的噴火があったんだけれども、やはり島に帰りたいといった思いを皆さんから聞きました。そこがやはり大事であるかというふうに思います。
一時入島は可能だとしても、しかし、島での生活はしばらくできません。そのしばらくというのが年単位となったら、島民の皆さんの複雑な思い、これは想像を絶するというふうに思うわけであります。島の歴史をここで絶やしてはならないと避難所で言われたお母さんの言葉、私、まだ脳裏をよぎっています。何人からも聞きました。島民の皆さんの今の悔しさ、そして残念な思い、そして島での生活再開への強い願いに心を寄せて取り組んでいただきたいというふうに思います。
島での生活再開が実現できるまで、政府として惜しみない支援をしていただきたい。大臣としての決意を最後にお聞きしたいと思います。
○山谷国務大臣 本当に、島を愛する気持ち、切実なものがあると思っております。その避難の皆様のお心に寄り添いながら、きめ細かいサポートをしていきたいと思います。
○田村(貴)委員 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
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○梶山委員長 次に、内閣提出、活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
趣旨の説明を聴取いたします。山谷防災担当大臣。
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活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案
〔本号末尾に掲載〕
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○山谷国務大臣 ただいま議題となりました活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
本法律案は、昨年九月に発生した御嶽山噴火災害を教訓に、また、火山災害の特殊性を踏まえ、活動火山対策の総合的な推進に関する基本的な指針の策定について定めるとともに、住民、登山者などの安全を確保するための警戒避難体制を整備する等の措置を講ずることにより、活動火山対策の強化を図ることを目的とするものであります。
以上が、この法律案を提出する理由であります。
次に、本法律案の内容について、その概要を御説明いたします。
第一に、基本指針の策定についてであります。
内閣総理大臣は、活動火山対策の総合的な推進に関する基本的な指針を定めなければならないこととしております。
第二に、警戒地域の指定及び火山防災協議会についてであります。
内閣総理大臣は、火山の爆発の蓋然性を勘案して、警戒避難体制を特に整備すべき地域を火山災害警戒地域として指定することができることとしております。また、警戒地域の指定があったときは、都道府県及び市町村は、都道府県知事及び市町村長、気象台、地方整備局、自衛隊、警察、消防、火山専門家等から成る火山防災協議会を組織することとしております。
第三に、地域防災計画に定めるべき事項等についてであります。
警戒地域の指定があったときは、地方防災会議は、火山防災協議会の意見を聞いた上で、地域防災計画において、火山現象の発生及び推移に関する情報の収集及び伝達並びに予警報の発令及び伝達、住民等がとるべき立ち退きの準備等の避難のための措置、避難場所及び避難経路、救助に関する事項など警戒避難体制の整備に関する事項を定めなければならないこととしております。また、市町村長は、火山現象に関する情報の伝達方法、避難場所及び避難経路に関する事項などを記載した印刷物を配布することとしております。
第四に、避難確保計画の作成についてであります。
警戒地域内の集客施設や要配慮者が利用する施設の所有者または管理者は、施設利用者の円滑かつ迅速な避難の確保を図るための計画を作成するとともに、これに基づき避難訓練を行うこととしております。
第五に、登山者等に関する情報の把握等についてであります。
地方公共団体は、登山者等に関する情報の把握に努めるとともに、登山者等は火山の爆発のおそれに関する情報の収集等に努めるものとしております。
このほか、研究機関相互間の連携の強化並びに火山専門家の育成及び確保に努めることとするとともに、登山者を明記するなど本法案の内容を踏まえた目的規定の改正を行うこととしております。
その他、所要の規定の整備を行うこととしております。
以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。
何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。
○梶山委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。
次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
午後零時四分散会