衆議院

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第5号 平成28年4月26日(火曜日)

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平成二十八年四月二十六日(火曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 野田 聖子君

   理事 大見  正君 理事 工藤 彰三君

   理事 三ッ矢憲生君 理事 務台 俊介君

   理事 望月 義夫君 理事 神山 洋介君

   理事 重徳 和彦君 理事 升田世喜男君

   理事 濱村  進君

      石原 宏高君    今枝宗一郎君

      加藤 鮎子君    梶山 弘志君

      金子万寿夫君    金田 勝年君

      神山 佐市君    國場幸之助君

      今野 智博君    坂本 哲志君

      櫻田 義孝君    笹川 博義君

      新谷 正義君    鈴木 憲和君

      武部  新君    谷川 とむ君

      中川 郁子君    中根 一幸君

      丹羽 秀樹君    岡本 充功君

      北神 圭朗君    小山 展弘君

      篠原  豪君    伴野  豊君

      松野 頼久君    本村賢太郎君

      江田 康幸君    中川 康洋君

      大平 喜信君    堀内 照文君

      河野 正美君

    …………………………………

   国務大臣

   (防災担当)       河野 太郎君

   内閣府副大臣       松本 文明君

   財務副大臣        坂井  学君

   農林水産副大臣      伊東 良孝君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   加藤 久喜君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  新井  豊君

   政府参考人

   (文化庁文化財部長)   村田 善則君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           石田  優君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  森  昌文君

   衆議院調査局第三特別調査室長           宇佐美雅樹君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月十一日

 辞任         補欠選任

  泉  健太君     本村賢太郎君

同月二十一日

 辞任         補欠選任

  本村賢太郎君     北神 圭朗君

同月二十六日

 辞任         補欠選任

  木内  均君     武部  新君

  原田 憲治君     石原 宏高君

  奥野総一郎君     本村賢太郎君

  篠原  豪君     松野 頼久君

  浮島 智子君     江田 康幸君

同日

 辞任         補欠選任

  石原 宏高君     原田 憲治君

  武部  新君     木内  均君

  松野 頼久君     篠原  豪君

  本村賢太郎君     奥野総一郎君

  江田 康幸君     浮島 智子君

同日

 理事升田世喜男君同日理事辞任につき、その補欠として重徳和彦君が理事に当選した。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 理事の辞任及び補欠選任

 政府参考人出頭要求に関する件

 災害対策に関する件(平成二十八年熊本地震による被害状況等)


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     ――――◇―――――

野田委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの平成二十八年熊本地震による被害でお亡くなりになられた方々とその御遺族に対しまして、深く哀悼の意を表します。

 また、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げますとともに、負傷された方々が一日も早く御回復されますようお祈り申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 全員の御起立をお願い申し上げます。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

野田委員長 黙祷を終わります。御着席ください。

     ――――◇―――――

野田委員長 この際、理事辞任の件についてお諮りいたします。

 理事升田世喜男君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。

 ただいまの理事辞任に伴う補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野田委員長 御異議なしと認めます。

 それでは、理事に重徳和彦君を指名いたします。

     ――――◇―――――

野田委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。

 この際、平成二十八年熊本地震による被害状況等について、政府から説明を聴取いたします。河野防災担当大臣。

河野国務大臣 平成二十八年熊本地震による主な被害状況及びその対応につきまして御報告いたします。

 まず、このたびの一連の地震により、亡くなられた方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、被災された方々に対し、心よりお見舞い申し上げます。

 また、野田委員長を初めこの委員会の委員の皆様には、発災以来、さまざまな御支援、御協力を賜りましたことを、この場をかりて厚く御礼を申し上げます。

 この地震による被害状況につきましては、これまでに熊本県を中心に死者四十九名の甚大な被害が出ております。

 政府としては、十四日の地震発生直後から、非常災害対策本部を立ち上げ、これまで連日十六回に及ぶ非常災害対策本部会議を開催するとともに、被災地の熊本県庁に非常災害現地対策本部を設置し、被災自治体と緊密に連携しながら、政府一体となって災害応急対策に取り組んでまいりました。

 被災地では、自衛隊、警察、消防、医療部隊など、約三万人規模の実動部隊を動員し、夜を徹して懸命の救命救助活動を行ってきました。依然として、崩壊した土砂の下に取り残された方がいる可能性もあることから、引き続き、捜索救助活動に全力を尽くしてまいります。

 生活インフラについては、博多から熊本までの九州新幹線が運転を再開し、停電も一部地域を除き解消するなど、少しずつ復旧に向けて進んでいます。

 しかし、現地では、まだまだ多くの方々が、避難所や被災地域で不自由な生活を余儀なくされています。政府としては、食料、水など、被災地の備蓄を超える必要物資を要請を待たずに調達、発送してきたところであり、今後は、よりきめ細かく、現場のニーズに応じた物資調達を支援してまいります。また、全国各地から多くのボランティアの方々が駆けつけてくれており、物資の仕分け、運搬、被災家屋の片づけなど、それぞれの特徴を生かして、被災された方々を支えてくれています。被災者生活支援チームをフル回転し、被災者の生活支援に万全を期してまいります。

 強い余震が相次ぎ、避難の長期化も懸念される中で、被災者の方々の心や体のケアにも十分気を配り、避難所の衛生管理を強化するほか、高齢者や障害者など配慮を要する方々のため、ホテルや旅館などの提供を進めております。また、自宅を失った方々に住まいを確保するために、公的な住宅の提供、応急仮設住宅の建設や民間住宅の借り上げを進め、被災者の生活再建について、被災地域と連携しながら、できる限りの支援策を講じてまいります。

 熊本県知事から御要望をいただいておりました激甚災害の指定につきましては、被害状況の迅速な把握に努めた結果、今回の災害を激甚災害として指定する政令を昨日二十五日に閣議決定し、本日二十六日に公布、施行しました。

 引き続き、災害応急対策に全力で取り組むとともに、災害復旧、被災者の生活支援、農林水産業や中小企業など産業の復興など、被災者の方々が一日でも早く安心した生活を取り戻せるよう、被災自治体など関係機関と連携を密にし、政府一丸となって取り組んでまいります。

野田委員長 以上で説明は終わりました。

    ―――――――――――――

野田委員長 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官加藤久喜君、総務省行政評価局長新井豊君、文化庁文化財部長村田善則君、国土交通省大臣官房審議官石田優君及び国土交通省道路局長森昌文君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

野田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

野田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂本哲志君。

坂本(哲)委員 おはようございます。自由民主党の坂本哲志でございます。

 今回の質問の機会を与えていただきました委員の皆様方に、心から感謝を申し上げたいと思います。

 私の選挙区は、被害が甚大でありました南阿蘇、それから西原村、こういった阿蘇地域を抱えます。一方で、現在操業がストップしております本田技研、ソニー、あるいは東京エレクトロン、そして富士フイルム、こういった製造業の集積地でもございます。人的被害あるいは産業的被害、こういったものが非常に大きく、まだ混乱のさなかでございます。

 しかし、そういうさなかにおきまして、今回、熊本地震を激甚に指定していただきました。このことによりまして県民の士気がどれだけ上がるかわかりません。感謝を申し上げたいと思います。

 また、初動に当たりましては、河野大臣を初め松本副大臣、いち早く中央の対策本部、そして現場への、熊本での対策本部、それぞれ設置をしていただきまして、果敢な初動をしていただきました。このことに対しましても深く感謝を申し上げたいと思います。

 さらには、自衛隊、警察、消防、医療チーム、そして他県からの、地方自治体からの派遣団、またボランティアの皆さん方が続々と熊本入りをされ、そしてさまざまな活動をしていただいております。私たちも東日本大震災で一応のことはわかっていたつもりでありますけれども、それぞれの方々の連携あるいはこういったボランティアというものがこれだけありがたいものかと肌で改めて感じるところでございます。

 これからも我が国一体となって震災の復興のために取り組んでまいらなければならないと思っているところでございますので、今後の御協力をよろしくお願い申し上げたいと思います。

 今回の地震の特徴は、何といっても二度にわたる激震があったということであります。四月十四日の震度七、そして一日置いて十六日未明の震度六ということ、なおかつ余震が一日に三十回、四十回、震度五、震度六強の地震が現在も続いております。大分おさまりはしましたけれども、もう既に九百回近くもなっているということであります。そういうことを考えますと、まだ地震は継続中でございますし、被害もやはり継続中でございます。

 そういう中で、規模としては、やはり阪神・淡路大震災、そして東日本大震災、それと同じような地震の規模であり、そして被害の規模であると私たちは思っております。

 そういう中で、死亡者が割かし少なかったということは、地震発生が深夜であったために火災が発生しなかった、あるいは、一度目の地震で屋外に避難をされていたということで、二度目、家屋が崩落する際に、屋外の避難者が多く、倒壊家屋に潰されるということが少なかったということが、死者が割合と少ないというようなことになっておりますけれども、被害そのものは甚大でございます。国土交通省管内で調べましただけでも、その損害額は今のところ三千二百億円ということでございます。

 これをどのようにしてこれから復旧復興していくかということは気の遠くなるような話でございますけれども、特に心配されますのが、財政基盤の弱い市町村が多いということでございます。私の西原村、年間予算は四十億円でございます。南阿蘇村の年間予算は八十七億円でございます。二桁台の億円、この町村というのが非常に多いわけでございます。そういう中で、四百億、あるいは八百億の被害を出して、仮にその市町村が一割負担となったにいたしましても、村の財政規模そのものが負担になってくるというわけでございます。

 今後、ありがたいことに、安倍総理が数千億規模の補正予算、これを編成するということで宣言をしていただきました。与野党こぞって、一日も早いこの補正予算の成立をお願いしたいところでございますけれども、それと同時に、やはり、財政基盤の弱い市町村へいかに負担を軽くするか、このことが最も大切であるというふうに思います。

 そのためには、やはり阪神・淡路大震災、そして東日本大震災並みの特別措置法が必要である。その特別措置法の中で、やはり市町村に対してのきめ細かな、財政的な支援をお願いいたしたい。それが、今後の長期間にわたる復旧復興に至っての、やはり安定感、安心感につながると思っているところでございますので、この特措法をぜひ成立させていただきたい、あるいは制定していただきたいというお願いでございますので、防災大臣としての御答弁をお願いいたしたいと思います。

 各地域を回っていますと、本当に、現在、避難者の方々が、それぞれの公民館あるいは体育館に避難をされておられます。家族ばらばらの状態でございます。おじいちゃん、おばあちゃんは体が動けない、お父さん、お母さんは家の後片づけ、そして孫たちは消防団ということで、くたくたになって帰ってきて、そしてそれぞれ隣を気にしながら寝なければならないというようなことが、もう十数日続いているわけでございます。

 仮設住宅は、いつ、どういう形で建設されるのか、そして完成するのか。このめどぐらいは、やはり何としても大臣の口から御答弁いただきたい。その目標があれば、やはり踏ん張れるものだというふうに思います。

 これから熊本は豪雨の季節になります。一時間当たり百ミリ程度の雨量になることも珍しくありません。そして、夏を迎えますと、三十度から三十五度の酷暑でございます。こういう状態になる前に、何としてでも仮設の住宅もお願いしたいと思うわけでございますけれども、これも防災担当大臣の御所見をお願いいたしたいと思います。

河野国務大臣 当面の物資につきましては、予備費をいただいておりますので、これでしっかり対応してまいりたいと思います。

 また、激甚災害の指定につきましては、本日、公布、施行することになりますので、災害復旧に対する国の補助率のかさ上げなどがこれでできるようになります。

 また、二十八年度補正予算の編成に着手しておりますので、地元の自治体に心配のされないよう、しっかり国としては自治体に寄り添ってまいりたいと思っております。

 また、住宅でございますが、今現在、公営住宅九千戸を確保できる見込みでございます。それに加えまして、民間の、いわば借り上げ応急仮設千五百戸、これの用意ができる見込みでございまして、建設する仮設住宅につきましては三千戸、これが、用地が確保でき次第、すぐに着手できるようにスタンバイをしております。

 なるべく、委員おっしゃりますように、暑くならないうちに住環境がいいところへ移っていただけるよう、最大限の努力をしてまいりたいと思います。

坂本(哲)委員 住環境の方は、地元市町村も全力で現在手続をやっているところでございますので、どうか早期の着工、完成をお願いいたしたいと思いますし、そして、最初に言いました特措法の制定、これについても、御指導とこれからの御協力をぜひお願い申し上げたいと思います。

 もう一つでございますけれども、やはり私たちが非常にショックでありましたのは、大分と熊本を結ぶ国道五十七号、そして、そこからちょうど宮崎の方に分岐をいたします国道三二五号、これが丁字路で交差をしているわけでありますけれども、ちょうどそこに山腹崩壊が生じた。そして、かかっている阿蘇大橋が崩落をした。そして、白川ののり面も崩落した。現場に立ちますと大変な状況でございます。

 これは、国道五十七号は直轄工事でございます。一方で、三二五号は県が中心となるわけでありますけれども、これを一体のものとして、国直轄で何としてでも早期復旧復興をお願いしたい。もしそれが技術的に非常に難しいならば、現在中断しております中九州横断道路の、迂回路でございます阿蘇大津道路のトンネル、このトンネルの緊急着工というものもお願いしたいところでございますので、ぜひ一体的な直轄としてのお取り組みをお願いいたしたいと思います。

 そして、もう一つは、やはり私たち熊本県民の心の支えでございます熊本城の崩落であります。一六一〇年代に完成をして、そして四百年、これまで守ってきた熊本城が、石垣、天守閣、そろって崩壊の危機にございます。明治期、西南戦争で天守閣が焼けるさまを見て、熊本の城下の人たちは、本当に膝を折り手を合わせて涙をはらはらと流して、心の支えを失った、それを嘆いたということでございます。熊本城の再建について、何としてでも、心の再建ということでよろしくお願いいたしたいと思います。

 さらに、熊本城だけではありません。全国に四百五十の末社を持ちます阿蘇神社、そして酒田の本間家と並び称せられます豪農屋敷の江藤屋敷、こういった国の重要文化財も、全て崩落、損壊をいたしました。このことについての文化庁のお取り組みをぜひよろしくお願いいたしたいと思いますけれども、それぞれに御答弁をお願いいたしたいと思います。

森政府参考人 お答えいたします。

 阿蘇大橋地区におきまして大規模な斜面崩壊が発生いたしまして、国道五十七号並びに三百二十五号、阿蘇大橋が通行不能となっているところでございます。

 現在、この発災箇所付近では、行方不明者の捜索活動がまだ続けられているところでございまして、私どもとしてもその支援を行っているところではございます。

 しかしながら、これらを戻すには、仮道あるいは仮橋といったようなことによって当面の応急復旧をしていくことになりますけれども、斜面崩壊が余りにも大規模過ぎまして、また、二次災害が発生をするおそれがあるということもございます。本復旧まで時間がかかるということも見込まれますので、今後、砂防担当部局、あるいは熊本県、地方自治体とも相談いたしながら、復旧工法あるいは復旧位置等々につきましての検討をしてまいりたいと考えているところでございます。

 また、国道三百二十五号につきましても、本復旧に向けましたルート検討等、私どもの方から出向いておりますTEC―FORCEという部隊、技術部隊がその支援を行っておりまして、熊本県からは、国直轄によります早期復旧の要望もいただいているところでございます。

 当該地区は、いずれにしましても、熊本県の阿蘇観光エリアの玄関口となります重要な地域でございます。御要請もしっかりと受けとめながら、早期復旧に向けまして全力で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

村田政府参考人 お答え申し上げます。

 文化財の被害でございますが、九州各県から国指定等の文化財につきまして、昨日の時点で百十七件の被害があったとの報告を受けてございます。

 文化庁からも、先週末より熊本県と大分県に被害状況把握のために文化財調査官を派遣いたしまして、お話がございました熊本城、阿蘇神社、江藤家住宅を初め各所の被害の確認に取り組んだところでございます。地域の皆様にとってもかけがえのない文化財の大きな被害を私どもとしても極めて深刻に受けとめているところでございます。

 国指定文化財等の修理につきましては、国が総事業費の五〇%を補助し、さらに所有者の財政状況等に応じて最大八五%まで補助ができることとなっております。加えて、災害復旧の場合には、通常の補助率に加えまして、八五%を上限に二〇%のかさ上げ措置を講じているところでございます。

 文化財の所有者、管理団体や国土交通省等とも連携をいたしまして、熊本城を初め損壊した貴重な国指定等の文化財を早期に修理、復旧ができるよう、文化庁としても最大限の支援に努めてまいりたいと考えているところでございます。

坂本(哲)委員 私たちも全力で取り組んでまいります。委員の皆様方の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

野田委員長 次に、江田康幸君。

江田(康)委員 公明党の江田康幸でございます。

 本日は、私の地元でありますが、熊本県を中心とする地震に関して質問をいたします。

 まず冒頭、今回の地震でお亡くなりになられた皆様の御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族の皆様、被害に遭われた多くの皆様に謹んでお見舞いを申し上げます。

 十四日の夜、熊本地方で震度七の地震が発生いたしました。その緊急速報を聞き、私は、同僚の秋野参議院議員とともに翌十五日早朝に熊本入りし、震源地の益城町へと急行をいたしました。町の至るところで家屋や道路が崩壊し、この地震のすさまじさをかいま見たところでありました。その日深夜に自宅に戻り、就寝につこうとした直後、二回目の震度七のこれまでに経験したことのないすさまじい地震、本震が発生し、熊本県全域にその甚大な被害は広がったわけであります。

 益城町、南阿蘇村、西原村、阿蘇市、熊本市を中心に、死者四十九名、関連死を含めて六十二名、家屋の全壊、半壊、一部損壊、一万棟以上、避難者数は今も五万人、車中泊の人も多数おられます。

 家が全壊、半壊し家に戻れない人、また、余震が怖くて避難所や車中泊を余儀なくされている方、長引く避難所生活では、被災者の疲れは限界を迎えておりまして、高齢者や女性、子供にきめ細かい配慮がさらに必要となってまいります。今後は、避難の長期化を避けるためにも、住宅の確保など被災者の生活支援が極めて重要になってくると思われます。

 本日は、被災者の声、そして自治体の声をもとにこの質問をさせていただきます。今後の居住の確保についてでございます。

 多くの家屋が倒壊している中で、今、被災者が最も心配しているのが、今後の住宅の確保でございます。避難所生活を長期化させないためにも、大変重要であると思います。

 現在、県営住宅、また熊本市の市営住宅、さらには県外の公営住宅を合わせて、三千百戸の公営住宅への申し込みも受け付けているところでありますが、さらに今後は、仮設住宅や、賃貸住宅を借り上げて提供するみなし仮設住宅の供給も始まってくるところであります。

 今後、避難者が自宅に戻れるかどうかの目安になるのが、建物の応急危険度判定にあるかと思います。被害の最も大きかった熊本市、益城町、西原村、南阿蘇村を初め被災八市町村が調査を始めておりますが、これまでに一万一千三百件を調べて、住むことのできない危険と判定されたものが三五%、要注意が三一%、使用可能な調査済みが三三%となりました。

 県や熊本市は、県内外から集った判定士、これは資格を持つ職員の方々が多いわけでありますが、これまでの二百三十人体制から六百人体制へと増員して、この危険度判定をしているわけであります。

 さらに、被災者生活支援を受けるための罹災証明の申請が始まっておりますけれども、その発行には全壊、半壊の判断が当然必要でありまして、職員が調査していくことになります。応急危険度判定の判定士とともに、この専門の職員の十分な確保が必要だと思います。

 これまでも全国の自治体から職員の派遣が行われているところでありますけれども、やはり大規模な被害であるということで、圧倒的にマンパワーが不足しているという状況にございます。全国で、支援できる職員を県と連携して必要な市町村にきちんと派遣する仕組みをさらに強化すべきだと思います。市町村からの要請を待つのではなくて、国が前面に立って、プッシュ型で、実効性のある職員の派遣を調整していただきたい。

 総理も、昨日、被害認定や罹災証明の発行を最優先として、全国の自治体に職員の追加派遣を要請すると明言されたところでありますけれども、大臣、政府の見解を明らかにしていただきたいと思います。

河野国務大臣 昨日、四月二十五日時点で、自治体間の広域応援協定のスキームで千名以上の職員に現地にお入りをいただいているところでございます。熊本市につきましては指定都市市長会が応援をし、その他の市町村につきましては九州知事会からの応援をいただいております。

 このスキームで対応できないニーズにつきましては、総務省が地方三団体と連携をして、全国的な見地から応援要請をし、入っていただくことになっております。

 罹災証明の発行ですとか、さまざまな業務がこれからマンパワーが必要になってまいりますので、政府としても、しっかりとこれに対応できるよう、人的派遣に努めてまいりたいと思います。

江田(康)委員 私が言っているのは、市町村からの要請を待つだけではなくて、やはり国が前面に立つ、そういうことが今必要不可欠になっていると思われますので、大臣、さらに進めていただきますように、よろしくお願いを申し上げます。

 次に、仮設住宅の確保が大変に重要になっております。

 先日、西原村に県内で初めて五十戸の仮設住宅の建設が始まりました。五月上旬にも着工して、六月中の完成を目指すと聞きます。西原村は、全壊三百四十四戸、半壊千八十七戸、合計千四百三十一戸、これは全戸数の七五%、七割五分に当たる甚大な被害であります。こういうところもあるわけでありまして、当面、西原村は二百戸の建設を求めているというところであります。

 県内全体では、全壊が一千六百九十六棟、半壊が一千六百十棟、被害家屋数が一万棟以上に上ります。県は二千八百戸以上の仮設住宅の建設を見越しているところでありますけれども、今後、各市町村で必要となる仮設住宅の建設戸数は、これは決定されてくるわけでありますけれども、大臣、この必要数は必ず確保していただくという強いメッセージを発していただきたいと思うわけであります。

 また、現在、最長二年の仮設住宅の入居期間の延長も、弾力的に行うべきと考えますけれども、大臣の見解をお伺いいたします。

河野国務大臣 熊本県が四月二十日に既に“すまい”支援プロジェクトチームを立ち上げまして、被災された方々の住宅の手当てについて、今着々と現地で計画を練っているところでございます。

 仮設建設は三千戸がスタンバイしておりますし、民間の借り上げも千五百戸が手当てされております。また、公営住宅も九千戸が対応できるということでございますので、必要な戸数をしっかり確保できるように努力してまいります。

江田(康)委員 短い時間で大変急いでおりまして、申しわけございません。

 次に、最後になりますけれども、被災者生活再建支援制度の拡充について質問をさせていただきたいんです。

 県内の被害家屋数は、先ほども申しましたように、全壊、半壊を含めて一万棟以上と推計をしておるんですが、今言われました仮設住宅の建設とともに、被害家屋の再建が最大の課題になってくるわけであります。

 被災者生活再建支援制度は、全壊で家を新築する方、また半壊で大規模改修する方、そして賃貸住宅に移る方など、最大三百万円の支援金が支給されているわけでありますが、熊本は、これまで実は大きな地震は全くなかったんです。多くの方は地震保険にも加入してはおりません。そういう意味で、国の被災者生活支援制度のさらなる拡充、それと総合的な支援がセットで必要になってくるかと思います。避難を長期化させないためにも、被災を受けた住宅の再建を幅広く支援することも重要と考えます。

 被災を受けた集合住宅やマンションに居住する方への支援もこの対象になっているかと思いますけれども、大臣の強いリーダーシップに期待をしたいと思いますが、大臣の見解をお伺いいたします。

河野国務大臣 この被災者生活再建支援制度の支援金の給付が一刻も早くきちんと行われるように、政府としては全力を挙げてまいります。

江田(康)委員 時間が参りました。

 四月十八日の安倍総理への緊急要請で公明党は激甚災害の早期指定を申し入れておりましたけれども、昨日の閣議で激甚災害の指定が決定いたしました。現地においては、復旧復興の大きな追い風となってまいります。心から御礼を申し上げますとともに、さらに、河野大臣におかれましては、被災者の支援、復旧復興に国の総力を挙げて取り組んでいただきますことを心からお願い申し上げまして、質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

野田委員長 次に、松野頼久君。

松野(頼)委員 松野頼久でございます。

 大臣、今、同僚の熊本出身のお二人の先生方からいろいろな質問が出ています。私も、地元ということで、きょうは質問に立たせていただきました。

 これまで政府がいろいろな支援をしていただいていること、地元を代表いたしまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。

 きのうは激甚災害に指定をしていただいたということですけれども、ただ、発生当時から地元では、激甚災害は一刻も早く指定してもらいたい、こういう声が充満をしていたんですが、きのうということで、若干ちょっと遅かったのではないのかなというふうに思っているんです。以前に白川で氾濫があったときに、当時は私は与党におりましたけれども、たしか二、三日で激甚災害に指定をしたという経験があるんですが、これだけ時間がかかった理由をちょっとお聞かせいただけないでしょうか。

河野国務大臣 激甚災害の指定は、復旧に必要な費用を積み上げて、一定金額以上になれば指定をするものでございますので、遅かったとは全く考えておりません。

松野(頼)委員 大体、細かく積み上げるような災害ではなかったのではないかというふうに思うんですが、いずれにしても、きのう指定をしていただいたということで、大変感謝をしているところです。

 今るるお話がございましたが、今回、今のところ、きのうの十三時半現在で確認されている状況ですが、益城町で全壊が千二十六棟、西原村で全壊が三百四十四棟、嘉島町で百十五棟、熊本市で四十棟、宇土市で百二十二棟。一棟とか二棟とか一桁のところの町村もまだあるんですけれども、それは割愛をさせていただいて、大体、きのうの一時半現在でこれぐらいの全壊というものがあるんですね。やはり全壊となると、本当にこれは自宅に帰れないという状況であります。

 そこで、結構地元からいろいろな要望が出ているのは、国家公務員住宅であいているところがあるということなので、まずそれを国のレベルで開放してもらえないだろうか、県営住宅、市営住宅の方は自治体が今もうスタートしていますので、ぜひ国の方では国家公務員住宅を開放してもらいたいという声があるんですが、大臣、その辺のお考えはいかがでございましょうか。

河野国務大臣 現地に近いところにあります国家公務員住宅は、今、被害状況を点検しておりまして、被害がなかったところから使っていただく準備を進めております。どのようにしていくかは、熊本県を初め現地と相談をしているところでございます。

松野(頼)委員 大体どれぐらいの規模、何棟ぐらいあるんでしょうか。財務省にも、きょうは理財局にも来ていただいていますので、ぜひお答えいただければありがたいと思います。

坂井副大臣 どのくらいの規模感かということでございますが、熊本県内に、今、棟そのものがお住まいで、あいている空き家、空き部屋というものが大体二百戸程度あるということで考えておりまして、今大臣から答弁ありましたように、順次調査をして、その情報を精査しているところでございます。

松野(頼)委員 例えば、合同宿舎というのが東町というところにある。東町北住宅、南住宅、防衛省所管の宿舎等、こういうところがその二百戸以外にまだ使用することは可能ではないか。一旦廃止をしているけれども、まだ建物がしっかり建っている、この震災でも外観からは傷んでいないというような住宅がまだ残っているということなんですけれども、その辺を開放してもらうわけにはいかないんでしょうか。

坂井副大臣 基本的には廃止済みの宿舎となっているものでございます。廃止済み宿舎になったという理由は、一つはやはり大分古くなってきていることや、耐震性能が十分でないというようなことが挙げられておりまして、今御指摘をいただいたような物件も、中には、斜めになってしまったものでありますとか、壁にクラックが入っているようなものもございますので、まずは、近々に使えると思われる二百戸を優先的に今調べているところでございます。

松野(頼)委員 きのう、若干、財務省とお話をさせていただいて、水槽からやりかえなきゃいけないとか、相当な掃除をしなきゃいけないとかいう理由もあるというふうに聞いていますが、避難所にずっといるという状況、特にお年寄りなんかは非常に厳しい状況ですから、四角四面に考えずに、そこは柔軟にぜひ対応していただいて、使えるものはもう大至急開放してもらうというような柔軟な対応をお願いできればというふうに思います。

 続きまして、先ほど江田先生からもお話がありましたように、被災者支援法に基づいて、全壊の場合は最大三百万、半壊の場合は最大二百五十万という支援金が出るということが決まっています。この上乗せというのは、可能性はあるんですか。

河野国務大臣 支給は一刻も早くやりたいと思いますが、上乗せについてはまだ検討しておりません。

松野(頼)委員 これは検討の余地があると考えていいんですか。それとも、もうこれが上限であるということなんでしょうか。

河野国務大臣 これが上限であると考えていただいていいと思います。

松野(頼)委員 多分そうだと思います。

 あと、罹災証明をとるのに今非常に混雑しているとか、まだ、南阿蘇なんかでは罹災証明を発行するところまでいっていないとかいうこともありますので、ぜひ、なるべく早く罹災証明を出していただいて、というのは、現地で、全壊で、本当にもう道路まで倒れかかっているけれども、本当に通行人や子供たちに被害が及ぶのではないかというような状況の家も、まだ罹災証明等が出ない、国の支援がどれぐらいあるのかわからないという状況で、まだ取り壊せないという状況もあるんですね。

 ですから、一刻も早くこれは、自治体も混乱している状況はわかりますけれども、国の方でバックアップをしていただいて、罹災証明が出て、取り壊せるような状態にぜひしていただきたい、このこともお願いを申し上げる次第でございます。

 あと、地元から要望が来ているのは、農業、酪農に対して、今とても収入が見込めないという状況です。農業、酪農に関して、これからどういう支援をしていただけるのかということも聞きたいということでありますので、きょうは農水省からも来ていただいていますので、今後どういう見通しになるのかということをちょっとお話しいただければありがたいと思います。

伊東副大臣 九州、熊本県下は、大変に農家の皆様もお困りになっておられるわけでございます。農地の地割れあるいは液状化、さらには選果場の破損や農業用ハウスの損傷、あるいは乳業工場の操業停止、畜舎等の損壊、死亡牛の発生、また、一部のため池のひび割れ、林地の荒廃あるいは林道施設の損壊など、多数の被害が生じているところであります。

 農水省といたしましては、本省の担当課長あるいは農業土木技術職員、森林土木技術職員、水産庁職員を現地に派遣いたしまして、速やかに被害状況の全容を把握するとともに、今般の激甚災害の指定を受け、関係自治体と連携をとりながら、一日も早い経営再開に向けて、迅速かつ的確な復旧を図ってまいりたいと考えているところでございます。

 以上でございます。

松野(頼)委員 ちょっと漠然とした話だというふうに今受け取りました。

 要は、公共インフラに対してはどういう補助メニューがある、個人に対してはどういう補助メニューがあるということを割と的確に出していただいて、それを生産者の皆さんのもとにきちっと届くような形にしていただきたいというふうに思います。

 そういう中で、例えば、個人、生産者に対する支援というのは何かあるんでしょうか。

伊東副大臣 基本的には、生産者に対しましては、お入りいただいている共済保険等々があるわけでありますが、国といたしましては、全般的な水利施設でありますとか、あるいはカントリーエレベーターの補修でありますとか、さらにはまた、水田に流入した土砂を除去することでありますとか、一つ一つ、その農家の置かれている状況等々に鑑みまして復旧に当たってまいりたいと考えているところでもあります。

 農業用ハウスあるいはイチゴの栽培棚など、内部施設が相当破損しているところもたくさんあるわけでございまして、これらを一件一件しっかり調査し、その対策を講じてまいりたい、こう考えております。

松野(頼)委員 いろいろ政府に本当にやっていただいていることに心から感謝を申し上げるのと同時に、被災者の皆さんは本当に大変心配な状況であるのと同時に、農業に関してもぎりぎりの状況で農業を営んでいるという状況ですので、ぜひ、さまざまな支援を駆使していただいて、そして、それがなるべく現地に告知されるようにお努めいただければ幸いでございます。

 きょうはお時間をいただきまして、ありがとうございました。感謝申し上げます。

野田委員長 次に、大平喜信君。

大平委員 日本共産党の大平喜信です。

 まず冒頭、改めて、今度の地震で犠牲になった方、被害に遭われた方への心からのお悔やみとお見舞いを申し上げたいと思います。

 先日の日曜日、私も現場に伺いました。その中で最も感じたことは、避難所の環境改善が急務だということです。

 内閣府が四月十五日に発出した避難所の整備についての通知、このようには現場ではなっていない、このことを痛感いたしました。避難所ごとに何が課題になっているのかをつかみ、その課題を解決する手だてを打つためにも、避難所の現場で動ける人員を国の責任でさらに確保し、配置すべきだと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

河野国務大臣 避難所の管理運営が今最も急がれるし、大切であるというのはそのとおりだと思います。

 今、避難所には、ほかの自治体からの応援の職員あるいはボランティアといった方にお入りをいただいて、運営の手伝いをしていただいているところでございます。

 また、避難所のニーズを細かく吸い上げられるように、情報システムを搭載したタブレットを配付いたしまして、それぞれの避難所のニーズをきちんと共有できるようにシステムを稼働させるところでございますので、政府としては万全の対応をしてまいりたいと思っております。

大平委員 現場に伺いまして、避難所格差という言葉を聞きました。発災後十日たっても、いまだに食事の提供はおにぎり一個、パンが一枚、こういう避難所だって少なくありません。また、報道でもあるように、益城町の総合体育館では千二百五十人が避難をされ、メーンの体育館の耐震性が問題で避難者を収容することができず、エントランスや廊下にすし詰めになって寝ておられる、そんな現状がある。まさに通知の内容とはほど遠い状況になっている。そのためにも、現場で動ける人をつけるということが今最も急務だと訴えたいと思います。

 具体的にもう一点伺います。

 一般の避難所に、本来、福祉避難所に入るべきであろう障害者や高齢者の方たちなどが少なからずおられました。中には、一般的な対応では命の危険すら脅かされる、そういう方もおられました。一般避難所にも看護師や介護士など専門的な知識を持った人たちの配置が急務だと感じました。福祉避難所ではありませんが、災害救助法に言う特別基準の設定を含めて、一般避難所にもそうした配置をすることは、大臣、可能ですよね。

河野国務大臣 現場の避難所の状況はさまざまでございますので、現地でかなり弾力的にいろいろなことを運用していただかなければならないと思います。

 一般の避難所においても、福祉スペースを設置した場合には福祉避難所と同じ扱いが可能になります。

 また、支援を必要とされている方には、ホテルや旅館を二次避難所として今あっせんをしているところでございます。それなりの数のお申し出がありますので、これは現地でマッチングをして、そうした支援が特に必要な方につきましては、避難所からホテルや旅館にお移りをいただいているところでございますので、これをしっかりと周知徹底してまいりたいと思っております。

大平委員 伺いまして、一般避難所におられる方の中で、つまり、ボランティアで来られた看護師さんが声をかけて初めてわかった問題、入れ歯をせぬまま逃げてここまで来て、しかし、おにぎりが支給されたけれども入れ歯をしていないから食べられない、何とかお茶で流し込んで食べた、そんなお話も伺ったりしました。まさにマンパワーの必要性、とりわけ専門職の、持った方たちの必要性というのを痛感しましたので、ぜひ確保していただきたいというふうに思います。

 被害の全容把握はいまだこれからであり、これも大きな急務だというふうに思いました。県や熊本市の報告も、家屋被害や屋外避難の避難者の数なども、私自身もそうですけれども、避難者の実感からもまだほど遠いものになっている。実態が正確につかめてこそ、先ほど住まいの問題もありました、対策もかみ合ったものになる。今何戸被害があっているのか、こういうものがきちんと正確につかめないと、やはりその対策もかみ合ったものにならないというふうに思いますので、国も、県や市、町と一体になって被害の全容の把握を急ぐということを求めまして、私の質問を終わりたいと思います。

野田委員長 次に、河野正美君。

河野(正)委員 おおさか維新の会の河野正美でございます。

 まず冒頭、改めまして、今回の地震によってとうとい命を失われた方々の御冥福をお祈り申し上げたいと思います。また、被害に遭われた方にお見舞いを申し上げたいと思います。また、今なお行方不明の方がいらっしゃいますので、ぜひとも一刻も早く救出されることを願っているところでございます。

 私も、四月十四日の日に福岡の自宅に戻りまして、戻った直後に地震に遭いました。すぐ幹事長の方から電話がかかってきまして、十五日、すぐ現地を見られるような状況にしてくれということで、現地に陸路で向かいまして、空路でやってきました下地代議士、我が党の室井参議院議員とともに三名で、お邪魔にならないように現地に歩いて入っていきまして、益城町の現場を見て回りました。消防団の方がおられましたので、どの辺が被害が大きいのかをお聞きしまして、本当にずっと半日かけて歩いて回ってきました。

 一昨日、福岡県内で東九州道の開通式が予定されておりましたけれども、これが中止ということになりましたので、また個人的にずっと車で湯布院あるいは阿蘇の方を見て回ってまいりました。

 本当に今、二次災害を何とかしておかなければならない。先ほど来お話がありましたように、雨が激しい状況が予想されておりますので、これから本当に、倒壊寸前の家屋であるとか、緩んだ地盤がまたすべってしまうというようなこともあるんじゃないかなと思います。

 家の中で下を向いたまま黙ってうつむいておられた方々の表情であるとか、私、精神科医でありますので、そういった表情が忘れられませんし、また、余震が怖いからということで家の中に入ることができないという方々もたくさん見てまいりました。

 そして、湯布院の方では、休日にもかかわらず、かつて平日でもこんなにすいているところは見たことがないというぐらい閑散とした町並みを見てきまして、九州の復旧復興というのはこれから大変な問題があるのかなというふうに思ったところでございます。

 現地に行ってみなければわからないことがたくさんあると思います。先ほど河野大臣の方からいろいろ政府としての報告をいただきましたけれども、現地に行かれた松本副大臣に、現地に行かれて受けた御感想というか、いろいろ印象、課題等についてお聞かせ願いたいと思います。

松本副大臣 まず、亡くなられた方々の御冥福をお祈りし、被災した方々に心からのお見舞いを申し上げるわけであります。

 私も十五日に現地に入りまして、十六日早朝の大地震を私自身が経験をさせていただきました。現地の大変な被害というものを目の当たりにしまして、これは大変だなということを実感してまいりました。

 今般の熊本地震対応につきましては、現地対策本部を熊本県庁に設置して、そして、十六日未明の本震に伴う被害拡大にも引き続いて対応をしているところであります。

 現地対策本部では、現地での情報収集ということも重要でありますが、それだけではなくて、政府が熊本県、市町村と一体となって応急対策を進められるよう調整を行っているところであります。

 具体的には、県との緊密な連携を図るために、現地対策本部と県の災害対策本部との合同会議によって最新の被害状況、対応状況をみんなで共有する、そして、救助活動、医療提供、物資調達など、各分野ごとに協議をしながら全力で取り組んできたところであります。

 また、被害現場の現状確認に努めるということ、現場主義に徹してやらなければ見えてこないところがある、それを河野大臣にきちっと伝えなくちゃいけない、これも現地対策本部の重要な役目だ、こう認識をいたしております。

 また、政府が決めていただいた避難所に向けたプッシュ型の支援、これがきちっと避難所に届いているのかどうかといった確認、そして、トイレなどの住環境整備、ボランティアによる円滑な支援活動、これの国、県、NPOとの調整などに努めてきたところであります。

 引き続いて、国、県、市町村、民間事業者、NPO、ボランティアなどが一体となって、被災者の方々が一日でも早く、少しでも安心を持っていただく、勇気を持っていただく、このことに努力をしてまいりたいと考えております。

河野(正)委員 我がおおさか維新の会といたしましての要望、提案につきましては、既に安倍総理に提出させていただいたところでございます。まだまだ現地は混乱しているとも伺っておりますので、しっかりとした対応をお願いしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

野田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時五十二分散会


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