衆議院

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第2号 平成13年11月21日(水曜日)

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平成十三年十一月二十一日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 大木  浩君

   理事 金田 英行君 理事 下地 幹郎君

   理事 鈴木 宗男君 理事 宮腰 光寛君

   理事 鍵田 節哉君 理事 川内 博史君

   理事 白保 台一君 理事 一川 保夫君

      相沢 英之君    小渕 優子君

      林  幹雄君    福井  照君

      増原 義剛君    松野 博一君

      吉川 貴盛君    吉田 幸弘君

      吉野 正芳君    荒井  聰君

      楢崎 欣弥君    原口 一博君

      三井 辨雄君    田端 正広君

      赤嶺 政賢君    東門美津子君

    …………………………………

   外務大臣         田中眞紀子君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当大

   臣)           尾身 幸次君

   内閣府副大臣       仲村 正治君

   外務副大臣        植竹 繁雄君

   外務副大臣        杉浦 正健君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   安達 俊雄君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  武田 宗高君

   政府参考人

   (防衛庁防衛局長)    首藤 新悟君

   政府参考人

   (防衛施設庁長官)    伊藤 康成君

   政府参考人

   (外務省大臣官房長)   小町 恭士君

   政府参考人

   (外務省大臣官房審議官) 遠藤  茂君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    藤崎 一郎君

   政府参考人

   (文部科学省大臣官房審議

   官)           玉井日出夫君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長

   )            工藤 智規君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局次

   長)           青木  功君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房審議

   官)           坂野 雅敏君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局次

   長)           太田 信介君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議

   官)           坂山 修平君

   衆議院調査局第一特別調査

   室長           小倉 敏正君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十一日

 辞任         補欠選任

  松岡 利勝君     吉田 幸弘君

  吉野 正芳君     松野 博一君

同日

 辞任         補欠選任

  松野 博一君     吉野 正芳君

  吉田 幸弘君     松岡 利勝君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 沖縄及び北方問題に関する件




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     ――――◇―――――

大木委員長 これより会議を開きます。

 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官安達俊雄君、内閣府沖縄振興局長武田宗高君、防衛庁防衛局長首藤新悟君、防衛施設庁長官伊藤康成君、外務省大臣官房長小町恭士君、外務省大臣官房審議官遠藤茂君、外務省北米局長藤崎一郎君、文部科学省大臣官房審議官玉井日出夫君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、厚生労働省職業安定局次長青木功君、農林水産省大臣官房審議官坂野雅敏君、農林水産省農村振興局次長太田信介君及び国土交通省大臣官房審議官坂山修平君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

大木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

大木委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小渕優子君。

小渕委員 おはようございます。自由民主党の小渕優子でございます。本日は、貴重な質問の時間を与えていただきまして、ありがとうございます。限られた時間でありますので、早速質問に移らせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 まず、米国内で勃発した同時多発テロ事件以降の沖縄における観光産業の影響についてお伺いいたします。

 九月十一日テロ事件以降、沖縄への観光旅行のキャンセルが相次ぎ、現在までに例年と比較して四割ものマイナスと伺っています。

 沖縄は、自然環境に恵まれ、また文化の面でも、歴史の面でも大変豊かなところであります。沖縄にとって観光はまさしくリーディング産業であり、昨年行われました沖縄サミット以降知名度もアップし、さらに人気が加速して、国の中だけでなく国の外からも多くの観光客が訪れていました。そのような状況下でのテロ事件の勃発により、沖縄への観光旅行者の数は急激に落ち込み、沖縄の観光業は大きな痛手をこうむってしまいました。

 この事実に関し、政府におかれましては、各省庁ごと、また連携をしまして、さまざまな対応を検討し、施策を講じていただいていると承知しております。先日は、沖縄に尾身大臣みずから足を運んでいただいたと伺っております。しかし、米軍が駐留し、基地を抱える沖縄についての現状、そして安全性が正確に伝えられていないのではないか、また理解をされていないのではないかという心配もあります。

 今後、こうした安全性をPRするだけでなく、沖縄の観光について、緊急的対策も含めて、政府としてどのように対応していかれるのか。元気を失いつつある沖縄の観光産業振興への取り組みについて、尾身沖縄担当大臣に、実際に沖縄を訪問された際の御感想も含めて御所見を伺いたいと思います。よろしくお願いいたします。

尾身国務大臣 小渕議員のお父様が沖縄サミットを決められたわけでございまして、その後継者として出られた小渕議員がこうやって沖縄の問題について質問されるということは、私にとりましても感無量の思いでございます。

 観光の問題は、テロ発生以来非常に、特に修学旅行のキャンセルが続いておりました。そういうわけで大変心配をし、観光客もかなり減ってきてはいた実情でございます。

 私どもに、現地の方は、沖縄県議会挙げて決議をいたしまして、沖縄は安全である、そのことをアピールしてほしい、こういうことも言っておりますし、また、事柄の性格上、テロに関してはどこが安全でどこが危ないということを簡単に言えるわけではございません。そういうわけで、私ども、全国向けに沖縄への観光にぜひお出かけいただきたいというPRをしているわけでございまして、昨今におきまして、ややキャンセルの動きがとまったかなということを現地からは伺っております。

 しかしながら、ただいまの状況において観光産業に対する大変大きな打撃を受けていることも確かでございまして、資金繰り等について特別の相談窓口を設けるとか、あるいは特別の融資制度を新たに新設するというようなことをいたしまして、このことによる観光産業の打撃を極力軽減するような措置をとっているところでございます。世界全体としてのテロの問題の解決ということが非常に大事な要件になってくると思いますが、徐々に落ちついて、また本当の意味の沖縄の魅力をいろいろな方々に御理解いただける日もいずれ来るのではないかというふうに期待をして、頑張っているところでございます。

小渕委員 ありがとうございました。大臣におかれましては、さらなるお力をいただけますようにお願いを申し上げます。

 今、大臣からお話がありましたように、観光産業への影響が一番著しくあらわれたのが、各学校における修学旅行の相次ぐキャンセルであります。

 中学生、高校生といった大変多感で感受性豊かなときに、すばらしい自然に触れ、文化や歴史を学ぶということは、青少年の育成にとって大変重要で、またすばらしいことなのではないかと思います。

 ただ、心配しておりますことは、学校のような場合、年間行事を、一度行き先を変えたりしました場合、来年度また沖縄に来てくださいと、変更するということがなかなか困難であると聞いています。何かよい方法はないかと考えておりますけれども、ぜひとも来年度、修学旅行の行き先を沖縄にしていただきたいと思っております。それについて何かお考えがありましたら、対応も含めてお聞かせいただきたいと思います。

尾身国務大臣 風評による動きでございまして、なかなか難しいのでございますが、来年だけではなしに再来年の修学旅行の予約もぼちぼち始まっているというふうに伺っておりまして、そのために、日本じゅうに観光キャンペーンに行くとか、いろいろな手を打っております。

 また、世界全体の中でも、今回のこのアフガニスタンの動きに見られるように、根拠地をなくするというような動きもあるわけでございまして、そういう動きと相まって、徐々に落ちついてくるものと期待をしております。

 もとより、沖縄本体そのものは大変自然に恵まれ、また歴史的遺産も多くあるわけでございまして、観光地として非常にすばらしい条件を備えているというふうに考えております。私どもも今後ともPR等については全力を挙げてまいりたいと考えております。

小渕委員 あわせて文部科学省も、どのような取り組みをされるか、御意見をいただけたらと思います。

玉井政府参考人 沖縄への修学旅行に関してでございますけれども、御案内のとおり、私どもとしても、沖縄への修学旅行がきちんと促進されるように、こう思っております。去る十月十六日付で、国土交通省と連携協力を図りながら、各都道府県教育委員会等に対しまして、一つは、今後の沖縄修学旅行の実施に当たり、やはり予定どおりの実施が望まれること、二つ目として、海外への修学旅行の国内への変更を検討する際には沖縄を代替地とすることも検討に値すること、こういう内容の通知を発したところでございます。

 それから、大変重要なのは、実際に今沖縄に修学旅行で行っていらっしゃいますし、そして意義ある活動がなされているわけでございますので、そのことを全国の学校に周知を図るということが大変重要だろう、かように思っております。

 そういう意味で、全国の学校に修学旅行の情報を流しております団体、日本修学旅行協会、それから全国修学旅行研究協会、ここを通じて、私どもとしては、沖縄の今の修学旅行の状況、PRに努めているところでございます。さらに、国土交通省と連携協力し、今月から順次、二百人ぐらいを目途として、中学、高等学校の校長さんやPTA関係者などに沖縄に行っていただく、それで今の沖縄の状況をよく知っていただく、そういう方向で努力をさせていただきたい、かように思っております。

小渕委員 ありがとうございました。

 学校関係者または生徒さんだけでなく、保護者の皆さんにも御理解いただけるように、お力いただけますようにお願いいたします。

 それでは、次の質問に移らせていただきます。

 今、沖縄の失業率は九・四%にも上ると聞いております。ただでさえ全国より高い状態が続いているのに、また、リーディング産業である観光がテロ事件以降著しく後退していることから、私は、さらに失業率が悪化する可能性が高いのではないかと危惧しています。

 特に私が心配していますのは、失業者の中で若い人たち、若年層の占める比率が大変高いという事実であります。多くの若者たちは、このすばらしい沖縄、自分たちのふるさとをこよなく愛し、ここ沖縄で就職することを望んでいます。にもかかわらず、職場がなかったり、また、雇用の場が広がりつつある情報通信産業においても、教育における達成度の面から、沖縄の若い人たちが就職することは容易でないという問題があります。

 沖縄がこれから自立、発展していくためには、この若者たちの力というものがかなり大きな位置を占めてくると思います。さらに言えば、この若い人たちのエネルギーを最大に生かしていかなければ、沖縄の将来は考えられないのではないかと思います。二十一世紀を担う世代が、これからの二十一世紀の、あしたの沖縄を考え築いていく、そのことが沖縄の真の自立へつながっていくのではないかと思います。

 そうした意味で、この若い人たちのエネルギーをこれからどのように活用していくか。雇用の場の創出こそ、沖縄の自立へのビジョンと考えておりますけれども、尾身大臣におかれましても、この件に関しまして御所見を伺えたらと思います。

尾身国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、現在、沖縄の失業率、平均で九・四%ということで、日本全体の五・三%と比べて倍近い失業率でございますし、また、特に若年層については一七・八%という非常に高い失業率でございます。これからの未来を背負って立つ若者がそういう高い失業率の状態にあるということは、まことに憂うべき状態でございまして、特に若い方々が働けるような状況をつくり出す必要があるというふうに考えております。

 観光と並びまして、情報通信の産業を沖縄で育成したいというふうにかねがねずっと私ども、努力をしてまいりまして、この面でも、ここ数年で約四千人の若者が情報通信関係産業で働けるようになって、そういう意味では、大きな成果を上げたというふうに考えております。ただしかし、中長期的には、IT関係の教育を充実するというようなことも含めまして、有能な人材を情報通信関係で育てていくということが、長い目で見て沖縄の発展それから若者の雇用拡大につながるというふうに考えておりまして、そういう面での対策もいろいろととっているところでございます。

 特に、国立の工業高等専門学校をつくるということを今進めておりまして、技術系の現場で第一線で働けるような人材を育てることによって、これからの沖縄の発展を担う若者がしっかりとした技術的知識を持って働けるような体制を整え、そこをまた軸として、そういう産業が沖縄において発展をし、経済が発展をするということが私どもとしては望ましいと考えて、その方向で努力をしているところでございます。

小渕委員 ありがとうございました。

 ぜひとも長期的な視野を持って若い人たちをこれからも育てていただけますように、心からお願いを申し上げたいと思います。

 今お話がありました国立の沖縄工業高等専門学校について、一つ質問をさせていただきたいと思います。

 さまざまな問題を抱える一方で、沖縄にはやはり無限の可能性があると思っています。二十一世紀の新たな沖縄づくりに向け、若い人たちはもちろん、有為な人材育成は最も重要な課題であると思っています。グローバル社会の進展に伴いまして、国際化、高度情報化も進む一方、観光、リゾートは言うまでもなく、沖縄特有の個性あふれる産業の振興も図っていかなくてはならないと思います。

 今お話しいただきましたが、政府におかれましても、沖縄県や現地の経済界などとさまざまな施策について協議を進めていると聞いています。今お話のありました沖縄工業高等専門学校について、私は大きな夢と期待を持っているわけですけれども、それにつきまして、設立準備の状況、また、本件の特色やポイントといいましょうか、重点などがありましたら、さらにお伺いできたらと思っております。

工藤政府参考人 沖縄に国立の高等専門学校をというのは、地元からの強い御要望を受けまして、いろいろな経緯がございました。

 平成十一年の十二月に、ちょうど小渕総理大臣の当時でございましたけれども、「国立高等専門学校設置の確実な実現」を盛り込んだ沖縄県北部地域の振興に関する方針等が閣議決定されまして、それを受けて、平成十二年度から具体的な創設準備を行ってまいってきております。

 その後、これまでの検討で、学科、カリキュラムの内容、方法でございますとか、それに伴う教員構成、さらには用地の確保などの見通しがつきましたので、来年度予算に関しまして、沖縄工業高等専門学校の創設の概算要求をしているところでございます。

 私ども、来年十月にこの学校の設置をいたしまして、平成十六年四月の学生受け入れに向けて遺漏のないように諸準備に取り組んでまいりたいと思ってございます。

 主な特色としましては、関係者の夢の実現ということでいろいろな構想を盛り込んでございますけれども、学科構成も、機械系から情報系、さらには生物系まで含んだ多様なものとなってございまして、地元のニーズそれから将来の発展を見込んですばらしいものにしていくべく、私ども、遺漏なきを期してまいりたいと思っております。

小渕委員 ありがとうございました。

 この沖縄工業高等専門学校ができましたら、ここで育つ若者たちが、さらに自分たちのふるさとに対して理解を深め、情報についての技術もたくさん得ていただき、沖縄の発展に向けてさらに働いてもらえるように、夢と期待でいっぱいでおります。どうぞまたお力いただけますように、お願いを申し上げます。

 質問は以上になりますけれども、私は、今回このような質問の場をいただけたことを本当にうれしく思っております。昨年、サミットが行われましたけれども、これから二十一世紀に向けて、私はまだ未熟で、二十代の国会議員でありますけれども、未来に向けたさらなる沖縄のあり方を一生懸命勉強し、考えていかなくてはならないと思います。尾身大臣を初め皆様方から今後ともいろいろと御指導いただきながら、一生懸命勉強してまいりたいと思います。

 少し時間が早いですけれども、下地先生にかわらせていただきたいと思います。本当に本日はありがとうございました。

大木委員長 次に、下地幹郎君。

下地委員 小渕さんのような人気のある方の後で質問するのは大変でありますけれども、心して頑張ってみたいと思います。

 尾身大臣、タウンミーティングも御苦労さまでございました。またそれと、後援会五百人連れて、沖縄の観光大丈夫だというアピールをしていただいたことにも感謝を申し上げたいなというふうに思っております。田中大臣、タウンミーティングに来ていただけなかった、沖縄の人は残念に思っております。機会を見つけてどうぞ沖縄に来てください。後援会、お待ちしておりますから。

 米軍基地が七五%もあるというふうな意味で、基地による風評被害であることだけは間違いありませんので、そういう意味でもぜひ大臣の方々が姿勢を見せていただくことが非常に大事かなというふうに私は思っておりますので、そのことをぜひお願いをしたいと思っております。

 私は、きょうは、石垣の空港の件について集中的に質問をさせていただきますので、よろしくお願いをしたいと思っております。

 昭和五十年、県単費で二千四百七十万、石垣空港をつくるという調査費を計上しております。そして、きのう役所の方からレクを受けますと、平成二十年から二十五年の間にできるということでありますから、一番遅い方を見ますと、昭和五十年に県単をつけてから、完成するまでに三十八年間の歳月がかかるわけであります。

 白保海上案、カラ岳東案、宮良牧中案、カラ岳陸上案、四つにこの三十八年間で今動いているわけなんです。

 白保海上案のときは、サンゴ礁の問題で、環境問題で断念せざるを得ない。カラ岳東案からは、西銘県政から大田県政にかわるというふうなことと同時に、このカラ岳東案にかかわる飛行場予定地の土地の買収問題で、当時の新聞を見ていただくとでっかく出ていますけれども、県が取引業者を告訴するという前代未聞のことで、この案に対して大田県政が疑問を呈して宮良牧中案に変わるという経過になっております。

 そして、宮良牧中案。それはまた大田県政から稲嶺県政にかわって、いわば宮良牧中案には国費を、八百億ぐらいのお金を投じて土地改良事業をやる、そういうふうなところにまた空港をつくって、上からかぶせるようなやり方、強引なやり方が理解されないというところもあって、稲嶺県政になってこれも断念するということになっている。紆余曲折がある空港なんですね。

 そして、昭和五十年から二十六年、県民の単費でつけたお金が十七億五千万。国費でつけたお金が調査費を含めて七億九千万。二十五億円のお金が投下をされてまだ完成しない。またそれが、建設費じゃない部分で、向こうに行って、調査費をつけてそれがだめになる。特に白保地区の漁業補償は、当時四億五千万払って、今でも払いっ放し。しかし、今度のカラ岳陸上案ではこの漁業補償は関係ないわけでありますから、この四億五千万はある意味では取れる金ではない。そして、当時の白保地区で土地を買う。これも二億一千万買って、その土地も今利用することはできない。言えば、それだけでも六億ぐらいかけているんですね。着工もしないのに非常にコストがかかっているということなんです。

 それで、これは先ほど新聞紙上で見せましたけれども、平成二年の五月三十日、沖縄県が告訴しているわけですから。百二十ヘクタール、二年間で五倍。一九七〇年、沖縄日誠株式会社五億円で購入、一九八七年、国内リゾート株式会社十二億円で購入、一九八九年、センターアートギャラリー三十九億円で購入、一九八九年、光建設七十億、二年間で五倍近くの土地の転がしがあって、これが告訴の材料になっているわけなんです。

 私は、尾身大臣、この石垣空港をやる場合には、三つの定義が必要だと思うんですね。

 稲嶺県政も、できるだけオープンな形で土地の位置の選定だとか、そういうふうなものをやらなければいけないというふうな心がけをしておりますけれども、国においても、補助事業である以上は、県が出してくるからそれをうのみにするというんではなくて、石垣空港はこれから、今まで二十五億円もある意味ではむだにしてきたことを踏まえながら、経済効果というものをしっかりと考えなければいけないというのが一点。そして、白保の地先案のときにつぶされた、そのことも踏まえて、環境問題はしっかりと認識をして持たなければいけないと思うのが二点。三点目は、不透明さがあってはいけないんですね。やはりこの石垣空港の問題では、不透明さがないような、オープンな形で物事の決定が全部なされていかなければいけない、この三つが私は必要だと思っております。

 これから、この空港問題がどんどんどんどん迎えるに当たって、この三つの視点は非常に大事だと思うんですけれども、まずそのところだけ、大臣から答弁いただきたいと思います。

尾身国務大臣 この問題については、長い年月の間にいろいろな意味の紆余曲折があったというふうに聞いております。

 私どもは、地元の意向、沖縄県の意向を体しつつ空港を整備していくというのが基本的な考え方であり、その意味において、地元の状況が、いろいろな原因があろうと思いますが、流動的であったということもこの建設が延びた大きな原因であろうかと思います。

 今後とも、基本的には地元の意向を尊重しながら整備をしていくという基本線を我々としてはとらざるを得ないというふうに考えております。

 それから、環境の問題については、これから環境アセスメントが行われるというふうに聞いておりますが、環境に対する影響はできるだけ少なくするという、これまた基本的な考え方のもとにこれを進めていくことが大切でございます。今その辺、専門家の間でいろいろと議論をしていると思いますが、今おっしゃったようなことで進めてまいりたいというふうに考えております。

 それからもう一つの、オープンな議論で、透明なやり方で進めろという、これもまことにごもっともであると考えております。皆様の理解を得ながら、中長期的に沖縄の発展のために役立つ施設でございますから、透明な議論をしながら、関係者の理解を得ながら進めていくというふうなことが基本であるというふうに考えております。

下地委員 尾身大臣、今、大臣が答弁した、地元の意見を尊重しなければいけない、それはもちろんでありますけれども、国費が、国民の税金が七億五千万つぎ込まれてむだになっている。そういうふうなことを考えると、国の方でしっかりと指導しながらやるというのも、これは必要なんですよ。

 今、公共工事を中止をするだとか延期をする、廃止をするだとかいうふうなことを、国が査定して自治体に言っているという現状を踏まえて、そういうふうなことに関して、やはり私は、国費を投入した以上は国の責任論、これは否めないと思いますから、しっかりとその辺のところは私は考えながらやっていただきたいなと思うんです。

 それで、今度、ターミナルの位置が西側から東側に変わるというふうに言っていますけれども、西側から東側に変わるのでかかる、増になる経費、これが幾らになるのか。

武田政府参考人 御説明を申し上げます。

 ターミナルを東側に移動することによりまして盛り土量の増加等が生じます。このために、西側案に比べまして東側案の方が約五十一億円程度増加するというふうに聞いております。

 その主な内訳でございますが、土木工事関係で三十七億円、それから用地費で八億円、それからアクセス道路関係で六億円というふうに聞いております。

下地委員 この変更の理由は。

武田政府参考人 平成十二年九月から開催されました石垣市長を議長とする地元調整会議におきまして、当初、ターミナル地域を西側に配置した案で検討が進められていたわけでございます。ただ、地元の白保公民館の方から、地域振興策として東側に配置をしてほしいという旨の要請が出されまして、本年五月の第四回会議で審議をした結果、現在の案で決定をされたというふうに聞いております。

下地委員 西側から東側に変わります。西側のときは、海が見えるし、そして飛行場が見えて、海が見えて、ターミナルとしては最高の位置ですよね、上の方から見ると。東側に変わると、海をバックにして、内側を見ながらやる。景観的にはもう全く、石垣にお客さんが着いて、石垣を出るときお客さんが待つ光景を想像してみたらわかると思いますけれども、飛行機が見えながら青い海が見えるターミナル、それが見えないで、後ろを見ながらやる。このことを役所に言ったら、いや、これは工夫しますよと言うけれども、工夫する必要のないところで工夫する必要はないのです。自然の形で見ればいいのですから、これは。

 それで、こういうふうなもので盛り土を含めて、いかに白保公民館の要望があったからといっても、尾身大臣、五十一億円ですよ、増が。五十一億円も増になるようなことを簡単に、はい、そうですかと、要望したからといってやる。今までも時間のロスが三十八年間になる。今までも、取れない、もう捨てたお金がある意味では二十五億円になる。そういうふうなことを踏まえて、国はどういうふうな考えでこのことを、地元から要請があったからといって、大臣は、これは一回でオーケーだ、要望があったらもうそれでいいですというふうなことになされるおつもりですか。

尾身国務大臣 これは、今、局長がお話を申し上げましたように、この白保地区の皆様の要望を踏まえて、沖縄県としてこういう形でやりたいということを私どもの方に提案をされてきたわけでございまして、全体として、長い年月をかけて地元の皆様と相談をしながら進めてきた。その中で、地元も、地元という意味で石垣島の方々も、県もいろいろなことを考えて、先ほどの景観の問題、地域の発展の問題、あるいは空港の使用勝手がいいかどうかという問題などなども含めて総合的に考えて、こういう方向にしたいというお申し出がございましたので、私どもとしても、基本的にはその方向がいいのではないかということで、地元の要望を満たす形で、そのコンセンサスができたところでやる、そういう考え方で今の案を進めていきたいというふうに考えているところでございます。

下地委員 僕は、この五十一億円の増は、沖縄県民からしても、今の財政再建、尾身大臣が支えている小泉総理の政策からしても、これは納得、理解されるものではないなというふうに思っております。地元がそういうふうなことを言ってきても、国の考え方や今の状況から考えて、地元に対してしっかりと指導していくというのが大臣の役割、そして、国税を費やすものの仕事だというふうに私は思っておりますので、そのことはこれからも私は論議をしていく。

 私は、間違いなく、そのことに関しては反対をこれからも明確にして、明確にして、県が初めに決めたとおり、景観的にも予算の問題でも、こういうふうなことがあってはならないことはあってはならない。私は、このことに関しては、これからも自分の政治の哲学の中で進めさせていただきたいというふうに思っておりますから、ぜひ御理解いただきたいなというふうに思っております。

 さて、この二十三年間という時間の中で、どれだけのロスがあったか、それを少し計算をしてみたのですね。空港ができると、生産性の創出効果というのは二百五十八億円あると試算をしております。それが二十三年ですから、五千九百三十四億円。そして、空港ができますと三十万人の方が増になる。それも計算すると六百九十万人。十万円掛けると六千九百億。合計すると一兆二千八百三十四億円の効果があるというふうなことで、この空港を建設することになっているわけですけれども、一兆二千八百三十四億円の中にはダブりがありますから、そこまではいかないにしても、非常に効果のある空港だと思いますね。

 私は、ハワイのオアフ島のホノルル空港、これが二千万人です、隣の島のマウイ島のカフルイ空港が六百万人、ああいうふうな形の空港になり得るぐらいの、石垣というのは自然的な魅力がある。そして、お客さんが、観光客が非常に、沖縄本島や宮古島と違い、また魅力のゾーンとして私はこの空港が相当の役割を持つ。だから、今までみたいに沖縄本島の那覇空港に来てから石垣に来るのじゃなくて、石垣空港に行ってから沖縄本島に上がって帰るというふうな魅力のあるものになると思っているのです。田中大臣も石垣の大ファンのようでありますけれども。

 それで、当初の白保地先案のときには二千五百メートルだったのですね。そして、今、環境問題で二千メートルになって、今度も二千メートルになっておりますけれども、私は、当初の二千五百メートルの案というのは、ジャンボ機もおりられるような、ある意味では相当な、そういう夢が膨らんだ中での物事をつくってきたなと思うのです。

 しかし、環境問題やいろいろな問題で二千メートルになる、中型ジェット機しかとまれないような空港になってしまうのですけれども、この一兆円近く、三十何年間でおくれてきた。取り返すというまではいかなくても、取り返すというまではいかなくても、今までのおくれを何とか挽回するような形をつくるという意味では、二千五百メートルの空港をつくる、これはおもしろいと思いませんか。白保先生も賛成している。

 技術的に二千五百メートルに、今の位置的なものでできるかどうか、まず、局長。

武田政府参考人 御説明させていただきます。

 たしか、この議論の過程でも、沖縄県が設置しました新石垣空港位置選定委員会でそういった二千五百にするという議論が出されたというふうに聞いております。技術的には可能性があるのかなというふうに思いますが、いずれにしましても、事業主体である沖縄県の考え方ということになろうかと思います。

下地委員 時間がないのであれですけれども、技術的に可能だそうです。そして、この石垣の、私は観光客が抱く魅力というのは相当大きなものがあるというふうなことを考えたら、大臣、二千五百メートル、本気でちょっとお考えになったらいかがでしょうか。

尾身国務大臣 大変に、一つの意見としてあり得ると思っております。

 ただ、先ほどのお話のとおり、余りお金がかかるようならば地元の意見を聞かなくてもいいのではないかというふうな御意見も先ほどお伺いをして、それもある種の卓見であるというふうに思っておりますが、地元の沖縄県が二千メートルにしたい、こういうふうに言っております。私どもの方から、余計お金がかかる二千五百メートルにするのはどうかということを中央から申し上げるのも、地元意見尊重という観点からいかがかなというふうに思っている次第でございます。

下地委員 大臣、そうじゃないのですよ。

 あの空港が西側から東側に変わるのはむだなお金だと言っているのであって、そして、この夢のある話は、夢のあるというのは、二千五百にしたらジャンボ機が飛んで、石垣の観光がうまくなるよと、経済効果があるから投資をする話と、意味のない五十一億円と、同じにしたら答弁はおかしくなりますよ。夢をつくって、投資をしても効果がありますよという話と、意味のない五十一億円の話を一緒にして答弁したら、この話はかみ合いませんよ。

 もうちょっと、質問の内容を聞いて、きちっと答えてもらわなければ。

尾身国務大臣 御質問の意味はよくわかっているつもりでありますが、先ほど最初に申し上げましたように、やはり地元の意向を尊重してこの種のものはやることが基本論として一番妥当であるという考え方でございますので、下地委員の考え方も私としてはよく理解をいたしますが、今、私どもとしてはそういう考え方で進めたいということを申し上げざるを得ないわけでございまして、ぜひ御理解をいただきたいと思います。

下地委員 理解できませんけれども、これからやっていきましょう。よろしくお願いします。

大木委員長 次に、原口一博君。

原口委員 民主党の原口一博でございます。

 沖縄並びに北方問題に関して、所轄大臣に数点にわたって御質問申し上げます。先ほどの与党にしておくには惜しいような下地さんの激しい質問の後で、これ以上激しい質問をしなきゃいけないのかと思いを新たにしております。

 まず、沖縄の問題でございますが、先ほど小渕委員からも御指摘があったように、同時多発テロを受けた後の観光産業の落ち込みは本当に深刻なものがございます。私たち民主党も調査団を派遣し、上原先生初め多くの皆さん、そして地元の皆さんから意見を伺ってきました。

 そこで、一つ基本的な認識を尾身大臣に伺いたいと思います。先ほど完全失業率が九・四%、そのうち若年層が一七・八%、本当にこれは塗炭の苦しみだというふうに思いますが、沖縄における失業の実態をどのようにとらえていらっしゃるのか。全国で五・三%、このうちミスマッチによらないものは一・一%、残りは全部がミスマッチでございます。

 一体、沖縄県の失業を分析してみると、ミスマッチによるものは何なのか。この若年層の失業を、ただただ若い人の働く場がない、こういう総論でとらえるべきではない、一人一人の沖縄県民の皆さんの生活に、その目線に立って分析をする必要があると思いますが、尾身大臣の基本的な御認識を伺いたいと思います。

尾身国務大臣 沖縄が、全体の失業率で見ても、それから若年層の失業率で見ても全国一番に高い、しかも、全国平均の倍近くなっているという事実がございまして、私どもとしては、この問題は大変に深刻な問題であるというふうに考えております。もとより、いろいろな意味から見て沖縄の重要性がございますので、政府としては総力を挙げてこの雇用拡大、経済発展を実現していきたいというふうに考えております。

 当面、地域雇用対策のための助成金を今度の補正予算で出しておりますが、全体で三千五百億円が決まっているわけでございます。沖縄としてはその中から七十億円のお金をいただいて、つまり、比例配分よりもはるかに大きい額のお金をいただいて、緊急の雇用対策を進めていくということにしております。

 ただしかし、問題は、長期的な観点から、沖縄経済が本当の意味で自立をして、雇用確保を図られ、発展、振興していくということが大事であると思っておりまして、そういう意味の構造改革的な視点を十分に考えながら振興策を考えていきたい、進めていきたいというふうに考えております。

原口委員 七十億という重点配分、これは私も評価します。

 ただ、お尋ねをしたのは、一七・八の中身なんです。あるいは沖縄全体の九・四の中身、この中の人たちが一体どういう人なのか。政策を打つときには、先ほど下地委員も御指摘をされていましたけれども、その政策の評価、だれがどのように困っているから、そこにどういう政策を打っていくかという明確な指針がなきゃいけない、ベンチマークがなきゃいけないんです。

 私は、少なくともミスマッチによるものが幾らぐらいかわからないでは、実際、今回の補正予算の審議のときも総理と予算委員会で議論をしましたけれども、もととなる数字を持たずに、ただただ金を配ればいいということであれば、三年間やってきた緊急地域雇用対策特別交付金、これのまた轍を踏みますよ。実際に困っている人たちには行かないで、ただただ金が地域に流れた、そして一時的な雇用が発生した、これでは、今、尾身大臣がおっしゃる構造改革には資しませんということを申し上げているわけで、一体、ミスマッチによる雇用というのは沖縄県でどれぐらいなんですか。教えてください。

武田政府参考人 雇用の中身のお尋ねでございますけれども、ミスマッチによる失業というものは、私どもとしては計数は持ち合わせておりません。

原口委員 それだったら、もう審議できないですよ。七十億、今やるとおっしゃったでしょう。基礎的な数字もなくて、あなた、この国会、何の国会ですか。雇用国会ですよ。それぞれの国民がどういうところでどんなふうに困っているか、特にこのテロ対策以降、沖縄県の現状を知っている人であれば、今みたいな答えは出てこない。では、何をもとに、どんな政策をここで審議するんですか。何で持たない。

尾身国務大臣 今のミスマッチの数字については事前通告がございませんでした。したがいまして、特にそのことを意識して調べていないということだけは、ここで申し上げさせていただきたいと思います……(原口委員「いいかげんなことを言わないで、事前通告している」と呼ぶ)したがいまして、今の御質問については、後ほど調べましてお答えをさせていただきたいと思います。

原口委員 委員長……

大木委員長 ちょっとお待ちください。ちょっと速記をとめて。

    〔速記中止〕

大木委員長 速記を起こしてください。

 尾身大臣。

尾身国務大臣 今、資料を見ておりますが、完全失業者の資料をお届けした際に、原口委員から質問がございました沖縄県の九月の完全失業率九・四%のうち、労働力のミスマッチのデータにつきまして、沖縄県における労働力のミスマッチにつきましては、沖縄県において分析しておりませんのでわかりませんという答えを先生にしたと、それで実は御了解をいただいたものというふうに考えていたというのが事務局の説明でございます。

 したがいまして、私自身はミスマッチについての質問があったというふうには理解をしていなかったので、先ほど申し上げましたようなことに、お答えをしたわけでございます。

大木委員長 以上のような事情でありますので、原口先生、そういうふうに御理解いただいて、質問を続けてください。

原口委員 今、大変なことなんですよ。あなたたちは今、ミスマッチ対策を一生懸命厚生労働省で練っているでしょう。データがない。では、それでだれに対して七十億を失業対策としてお引き取りいただくんですか。私は、こういうことが答弁をする側から出てくるとは、正直言って予想していなかった。

 また、データがないということがあるということも、きのうこれは夜中に来たんですよ。これ一枚ファクスで持ってきて、それが答えかと。根本からなっとらん。本当に、ふざけるなと言いたい。そういう役所であれば、なくていい。

 沖縄県民の皆さんが学校を卒業したけれども、就職ができないということをどうして調べないんですか。そのうちミスマッチによるものが幾らかなんていうのは、基本的なことでしょう。私は、こういう姿勢に強く怒りを感じます。

 次に、それでは、多分これも資料がないと言うのかな。沖縄の中小企業は大変厳しい経営状況にあります。資金繰りを初めとする中小企業の経営の状態はどうなっていますか。

尾身国務大臣 中小企業の資金繰りにつきましては、これは必ずしも沖縄に限らないと思いますが、日銀の那覇支店の十月一日付の主要企業短期観測調査結果によりますと、九月時点におきます金融機関の貸し出し態度や資金繰りの状況につきましては、普通とするものが過半数を占めておりまして、特に沖縄において企業の資金繰りが逼迫している状況ではないというレポートが出ております。

 ただし、これは九月実施のものでございまして、同時多発テロに伴います観光客の減少等によります観光関連産業への影響もございまして、沖縄の中小企業の資金繰りにつきましては、かなり厳しくなっているということが相談窓口の状況から見て考えられるわけでございます。

 私ども、これに対しましては、特に観光産業などにつきましては観光客の減少に伴います資金繰りの悪化等もございますので、相談窓口を設け、また緊急金融対策を講じる等の措置を講じて、万全を期しているところでございます。

原口委員 私たちが調査したところによると、地域におけるマネーフローの現状、それから、先日、地元の金融機関が倒産をしましたが、大変厳しい状況にある。このことを踏まえた上での対策というのが必要だと思います。

 尾身大臣は昔、経済閣僚もされていましたから、そのときも議論をしましたが、地域の特殊な事情を抱えている、あるいは一部上場企業と同じBIS基準で全国一律にすべての中小企業が判断をされる、このことについてはいかがなものかということを政府の中でも議論されているし、私たち民主党としても、しっかりとした中小企業の会計基準、あるいはさまざまな金融庁の検査マニュアルについての工夫、これは裁量でやるのではない、しっかりとしたスタンダードをつくるということが、これからの地域の中小企業に対するマネーフローを確保する上で大変大きなことである、私はそのように考えています。

 信用保証協会の特別枠を設けさせていただきました。これに対して、今どのような焦げつきが起こっているのか。一七・八という若年層の失業率からすると、あるいは九・四の失業率からしても、大変なことが起こっているというふうに思います。

 そこで、私は確認をしておきますが、ぜひ、中小企業の金融機関に関する貸し出し態度に対するDIを調査してほしい。そして、先ほど申し上げた失業者の実態についても、沖縄県は、個人保証、自己破産がとても大きいんですよ。そういう中で、どうしてミスマッチ一つデータが出てこないのか。そういうデータを積極的にとって、一人一人の国民、県民に対しての説明、政策の効果についての安心をしっかりとお届けになる、この決意を伺いたい。データを調査しますか。

尾身国務大臣 雇用あるいは金融等についてのデータにつきましては、今後とも極力実態を調査して、万遺漏なきを期してまいりたいと考えております。

 それから、沖縄県の全体の経済の力といいますか、そういうものを強くすることが必要であるというふうに考えております。そういうことも含めて、私どもは、時間はかかりますけれども、沖縄に世界最高水準の大学院大学をつくって、いずれ、沖縄をアジア地域の知的クラスターの中核にしたいというような構想も進めておりますし、また国立工業高等専門学校をつくるというようなことで、技術面でしっかりとした実力を持った若者を育てるということも進めまして、構造改革の線に沿って沖縄経済全体を立ち上げていく、そういう政策をしっかりと打つことが、実を言うと、中長期的には一番大事だというふうに考えておりまして、そういう方向の政策を今全力で進めているところでございます。

原口委員 私は、全体の教育に関しての投資やあるいは構造改革という方向性はしっかりとお示しいただく、その上で、私も、亡くなりました末次一郎先生に御指導をいただいて、沖縄政策についてはもう二十数年、ここにいらっしゃる仲村先生や白保先生、多くの人たちとともに、この状況を突破したい、その思いで頑張ってきました。もう総論はいいんです。個々人の、沖縄の県民一人一人のこの長い間のさまざまな御苦労やあるいは苦しみに根差した、そういう議論をしなきゃいかぬ。

 ぜひ委員長にお願いをしますが、当委員会にできるだけ早い時期に、雇用に関してのもっと詳細なデータを取り寄せていただきますようにお願いを申し上げます。いかがでしょうか。

大木委員長 わかりました。検討します。

原口委員 ありがとうございます。

 沖縄の問題について、もう一つ申し上げます。

 政府においては特殊法人の廃止、民営化を宣言していますが、沖縄振興開発金融公庫、これも廃止、民営化されるのか。公庫法の改正のときにこの委員会で私も議論をさせていただきましたが、同公庫のバランスシートというのは、まさに日本が経験したことのないような不況の中で一体どういうふうになっているのか。基本的な大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。

 聞くところによると、十二月末までにこの特殊法人の改革については、一定の方向が出るそうでございます。それは本当なのか、この公庫は廃止、民営化されるのか、バランスシートはどうなっているのか、基本的なことだけで結構でございますので、大臣にお尋ね申し上げます。

尾身国務大臣 沖縄の公庫につきましては、本土の各政策金融機関が行っております業務を沖縄において一元的に実施をしておりまして、政府の沖縄振興策と一体となって沖縄の振興開発を推進しているという大変大事な役割を果たしているわけでございます。今回の観光の問題につきましても、緊急特別融資等を行っております。

 沖縄は、現在、県民所得が日本全体の平均の七割であり、失業率も二倍近いという経済状況を踏まえ、かつ、沖縄につきましては、来年度から、沖縄振興新法を制定して、さらにこの振興策を国として特にこの地区に限って進めていくという実態にあるわけでございます。国のいわゆる金融機関を補完するものとして、この沖縄金融公庫の果たすべき役割は極めて大事であるというふうに考えております。そういう状況を考えますと、政府の施策を遂行する上において、今後とも沖縄振興開発金融公庫の存在というものは、大変大事な役割を果たしていくというふうに考えております。

 ただ、しかし、全体の国の金融機関の整理の中で、それに合わせた整理も含めまして、さらに一層の合理化などは前向きに進めていかなければならないと考えております。

原口委員 これは廃止、統合されるのですか。

 私たちも、政府系の金融機関九つについての一定の考え方を今まとめています。しかし、この沖縄公庫については、今、大臣がお話しになったような特殊な、また政策的な課題を持っています。ただ、一方で、実際にそのバランスシート、どれぐらい年間不良債権が積み上がっているか、そして、民に対する金融をどのように、この公庫があることによって、沖縄県におけるマネーフローあるいは中小企業の資金繰りにどう資しているのか、それを考えると、私はしっかりとしたお答えをいただきたい、そのように思うのですが、大臣、いかがですか。

尾身国務大臣 これは、特殊法人全体について、つまり一つ一つについて、今、政府として結論が出ていないというのが公式の見解でございます。そういう意味で政府の結論的なものを申し上げるわけにいきませんが、私自身としては、この公庫は今後とも大事な役割を果たしていく必要があるというふうに考えております。

原口委員 私は、テロ以降、さまざまな不安による被害というのを最も受けているのが沖縄県であるというふうに思います。改革の道筋を示すときは、まず守るものを示して、そこに対する道筋をはっきり言わないから、例えば、人間は初めて行くところは遠く感じるのです、不安に感じるのです。今のような沖縄県の状態のときに、公庫に対するお答えがまだ政府としては固まっていませんということは非常に残念であります。

 これは、尾身大臣は誠実な方ですから、それ以上お答えになる、ここでできないというのは私もよくわかります。しかし、ぜひ内閣全体の態度として、守るべきものを示してください。改革者であるのだったら、改革者はまず守るところを言うのです。変えるところを言うのじゃないのです。ここからここまでは守ります、しかし、その後については大胆に切り込みます、これが改革者の態度だというふうに思います。

 きょう一枚の写真を持ってきました。視点を変えて少し。

 私は、沖縄の基地の問題についても、三月にラムズフェルド国防長官、白保議員、いらっしゃいますが、整理縮小に向けての一層の努力をお願いし、国防総省、国務省についても、あるいはアーミテージ・レポートを書いたマイケル・グリーンさん初め多くの人たちとも、私たちがもうこれ以上沖縄の基地負担というものを過重にする、あるいは整理縮小のテンポが今のような状況であるということは限界に来ていることを申し上げました。

 その一方で、しっかりとした日米のパートナーシップ、これを、アーミテージ・レポートによると、日米はまさに長い間会話のなかった夫婦、いざとなったときには何を言っていいかわからない、そういう関係になっているのではないかという危惧が出され、そうではなくて、毎日のようにしっかりとお互いの意思や思いというのを伝えられるような密接な関係を築き上げようじゃないかということを、議員同士で確認をして帰ってきたわけであります。

 私は、アメリカに対するユニラテラリズムと申しますか、一国の大きな強さの中で、アメリカに対してもしっかりと言うべきことは言う、そういう外交姿勢が必要である。先日、キッシンジャー博士がお見えになったときも、同じような議論をさせていただきました。

 委員長、一枚写真がありますので、これを皆さんに。

大木委員長 はい。では、大臣の方に見えるように。

原口委員 大臣、これは、ジョルダンのバカア難民キャンプの、日本のODAでつくられた小学校の入り口に大きくかかっている絵でございます。御案内のように、右側は日本の子供、左がジョルダンの子供であります。

 日本の外務省、私たちがこれまで世界に対してやってきたことをしっかりと伝える。バカアの難民キャンプで、一番難民の皆さんが期待をしているのは日本の国でありました。そして、感謝をしているのも日本の国でありました。私は、これからの世界に対する日本の貢献として、教育や医療や世界の人権を守るといったところでしっかりと日本が責任を果たす、このことが必要であるというふうに思っています。これは質問じゃありませんから、どうぞ、後ろをごらんにならなくて結構です。

 そこで、一言だけ沖縄政策の最後に田中大臣に確認をしておきたいのですが、私たち民主党は、環境条項などを加えた平成の条約改正、日米地位協定の改正案、見直しではこの基地の問題というのは、SACOの合意を忠実に守っていく、このことも大事です。しかし、もうそれを超えたところに来ているという意味で、地位協定の改正を提案しています。日米地位協定の改正について田中大臣はどのようなスタンスをお持ちなのか、一言だけお伺いをしたい。

田中国務大臣 今までの議論を伺っていましても、原口先生は本当に沖縄に対する非常に強い思いを持っておられるし、そして同時に、日本がどのようにして自立して社会と、ほかの世界の国々とといいますか、自立的に、協調的に共存していくかというふうな展望を持っていらっしゃるということを大変強く感じました。

 そして、バカアのことを今申しませんけれども、地位協定でございますけれども、これはもう全部御存じのとおりですけれども、運用の改善をいかに機敏に合理的にやっていくかということでございます。しかし、それが十分に機能しないということもあるわけでして、そういう場合には改正も視野に入れていくということを今までも申し上げておりましたけれども、それを多分、委員はもどかしく思っておられて、そこのところまで踏み込むべしと。

 特に、民主党さんがお出しになりました地位協定の見直し論というものもよく見せていただきました。それから、特に環境の問題、環境条項というのでしょうか、そういうことについては、この中で、私もよく読ませていただいたら、たしか三条のAというところ、環境保全という欄ですとか、それから第四条のところでも、環境被害についてとか、大変細かい問題について展望を持ちながら踏み込んでおられるということを感じました。

 したがいまして、環境汚染の問題ですとか、あるいは情報の交換ですとか、そういうことにつきましては、去年の九月から環境の原則に関する共同発表というものを出しまして具体化に取り組んできております。しかし、今後、本当にいろいろなことが起こる、予測のつかないことが起こる可能性もあるというふうに思いますので、本当に立ち行かなくなった場合には、改正も視野に入れていくということを前向きに本当に考えていくべきだというふうに思います。内閣自体が全体で、先ほど労働問題でおっしゃいましたけれども、連帯感を持って、スタンスを持たなければならないというふうに思います。

原口委員 一定の前向きの答弁をいただいたと評価いたします。

 私はぜひ、ドイツもそうですし、お隣の韓国もそうでありますが、沖縄県の、これは私たちが調査団を派遣したとき知事もおっしゃっています、もう改正に踏み込んでくれ。そういう県民の願いを、これは、基地の問題は沖縄県の問題じゃない、日本国の国政の問題であるということを申し上げて、これも写真で恐縮なんですが、イラクの、この頭は自見先生の頭なのでちょっとあれですけれども、予算委員会で派遣をされました。イラクは国連の十一年にも及ぶ経済制裁で医薬品が入らない。しかも十一年前の湾岸戦争のときに劣化ウラン弾、これが大量に使われている。その劣化ウラン弾の影響で、ここに写っているのは小児白血病の子供たちです。劣化ウラン弾、そういうものの影響が最も敏感にあらわれるのは胎児です。そして、私たちが視察をさせていただいたバグダッドの小児中央病院では、こういう子供たちが、医薬品が足りない中で、お母さんと一緒に大変な闘病の生活を続けておられました。

 私は、国連の経済制裁、軍事行動でなければ経済制裁は許されるんだというスタンスには立ちません。経済制裁がどれほど多くの人道的な、そして罪のない子供たちに影響を与えるかということを、もうここいらで精査をするときに来ているというふうに思います。こういう人道に対する兵器、国連の、これは人権委員会の小委員会の中で、一九九六年、しっかりと決議をしているんです。劣化ウラン弾やクラスター爆弾、核爆弾といった人道上問題がある大量無差別殺りく兵器については、国連の人権小委員会は、人権、特に命への権利の享受に不可欠な条件としての国際の平和及び安全と題して決議を出しています。そこには、核兵器、化学兵器、ナパーム、そしてクラスター爆弾、生物兵器及び劣化ウラニウムを含有する兵器などというのがしっかりと列記をされています。これらの兵器の使用がもたらす悲惨な死、苦痛及び傷害、人間の生活及び健康、環境に与える長期的な影響、汚染され、遺棄された装備が生命に対する深刻な危険を明確に示しています。これは国連の決議です。

 さて、どうでしょうか。私たち、沖縄県には劣化ウラン弾がどれぐらい置いてあるのか、それはわからない。しかし、米軍がこれを持ち込んでいることは確認をされています。

 私はキッシンジャー博士との議論の中でもお話をしましたが、一方ではある決議を遵守し、一方ではこの決議は無視するというダブルスタンダードは、国際社会の中で許されないんです。こういう大量殺りく兵器は、世界からなくさなきゃいけない。そして、その使用も、売買も、保持も禁止をする、そういうことを宣言しなきゃいけない、いや、実際に宣言しているんです。いかがでしょうか、外務大臣、こういう兵器に対しての基本的な認識をお伺いいたします。

田中国務大臣 今、原口議員が御指摘になっておられますのは、一九九六年の人権、特に生命に対する権利の享受のための必須条件としての国際平和と安全を指すというふうに思われます。同決議は前文の中で、今、委員がおっしゃったように、大量の非差別破壊兵器の製造、使用等は国際的な人権及び人道法と両立しないということを述べている。そして、その上で、すべての国が劣化ウラン弾やクラスター爆弾等の製造及び拡散を制限することを要請しているということであります。これは御不満かもしれませんけれども、この決議というものは、個人の資格で構成されている小委員会によって作成されたものであって、法的拘束力は有するものではないということも御案内であると思いますが、それを踏まえましても、そういう劣化ウラン弾の問題、それから、今、委員、おっしゃっていませんけれども、デージーカッターの問題もありますし、今回のテロに関連しましてはそういう兵器、それからクラスター爆弾も、あらゆる委員会で指摘をされております。

 そして、そうしたことがまた白血病とかそういうふうなことに関連していくということにはなっております。やはり、これは使わない方向の方がいいということはだれでも、それを賛成する人は、使え使えと言う人がいるわけはないわけでございますが、例えば今回の、例えばですけれども、アフガンでありましても、ずっと米軍はテロを撲滅をするために、そのために目標を軍事施設に絞って、最小限度軍事施設に注意深く目標を選定して投下をしてきたというふうなことも、例えばクラスター爆弾についてもありますので、テロ撲滅という、言ってみればアンチテロリズム、そういう共通の世界の中で、いかに思慮深く使用していかなければならないかという視点が現在あるということはわかっておりますが、他方、今、先生がおっしゃったような御意見があるということは十二分に承知もいたしております。

原口委員 これはアメリカの友人たちにも、私たちは強く言っていることです。今ピンポイントで、アンチテロリズムの考え方の中で、テロは絶対許されない。

 これはイラクの爆撃のときに誤爆をされたアメリア防空ごう、ここには約五百人の女性と子供たちが避難をしていたんですが、ピンポイントの爆撃ということで、ちょっと、これは非常にショッキングな絵なので小さくしている。小さな手形が写っていますが、これは赤ちゃんの手形の肉片なんですね。

 私は、武器を持っていることと、それを使うことはやはり絶対違うと思うんです。そして、その武器も、使っていい武器と絶対使ってはならない武器とがあるということを御指摘申し上げたい。

 最後に、北方の問題についても少し詳しくお話をしたかったんですが、三月のイルクーツクでの会談、そして先日の上海での日ロ首脳会談、私も去年、宮腰議員と一緒にユジノサハリンスクでの日ロの専門家会議、中山元外務大臣と御一緒に、ことしになってからも、日ロの専門家会議でいろいろな議論をしてきました。今、プーチン大統領は非常に支持率が高い。しかも、今回のアフガン問題以降のロシアの国際的な中でのスタンスあるいは地位を見ていると、非常に協力をする、そういう体制にあるというふうに思っています。ロシア、サハリン東方海上における小型機の墜落事件のときも、真っ先に駆けつけていただいた、そういうロシアに対して、私たちは隣人として感謝をささげたい、本当に助けていただいてありがとうございますということを申し上げたいと思います。

 一連の首脳会談、私はイルクーツクでの首脳会談は、あのとき随分批判がありました。レームダックになった総理が一体何をやるんだ、そして何が合意されたんだ、こういう批判もありました。その後、外務省はどういうスタンスで日ロの交渉に臨んでいらっしゃるのか、今後どのような展望をお持ちなのか、基本的なことだけをお尋ねをいたします。

田中国務大臣 今おっしゃったのは、イルクーツクの首脳会談でございますけれども、その成果といたしましては、平和条約の締結問題に関しまして、クラスノヤルスク合意でございますけれども、今後の交渉の新たな基礎を築くというイルクーツク声明というものが発表されたわけでございます。このクラスノヤルスク合意を以降の日ロ両国の努力の結果として総括して、今後の交渉の新たな基礎を築くイルクーツク声明というものが発出された、これが成果でございます。

 そして、現在何をやっているかということを申し上げたいと思いますけれども、首脳レベルでは、七月に、この間ジェノバで、夏、サミットがございましたけれども、そのときに日ロ首脳会談、小泉・プーチン会談が行われましたし、それに先立ちまして、ローマで私と、G8でもって、イワノフ外相との会談も行っております。そのときには、私はイワノフ外相に招かれましてローマにあるロシア公邸に伺ったんですけれども、平和条約の問題について私も率直に切り出しまして、そのときに、イルクーツク首脳会談のことも踏まえてもちろん申しまして、もっと緊密に、フェース・ツー・フェースで話をする関係をつくりたいということをイワノフ大臣からも言われました。その後も何度か電話では話しております。

 さらに、十月に上海で、ついこの間でございますけれども、日ロの首脳会談がありまして、歯舞、色丹の返還の態様の議論と、国後、択捉の帰属の問題の議論を同時かつ並行的に進めていくということでおおむね一致をいたしております。

 毎度この北方四島の問題のときに基本としてありますことは、この四島の帰属の問題をまず解決して、それから平和条約を締結するという私どもの方針は一貫をしておりますので、さらに、精力的にそうしたスタンスで交渉に取り組んでいきたいと思っております。イワノフ外相とは、今回私がニューヨークに行けなかったこともありまして、電話等で頻繁にお話もしております。それを御報告いたします。

原口委員 北方領土の問題は、長い交渉の歴史があります。そして、そこには多くの原則があります。そして、信頼の積み重ねがあります。それをぜひ大事にしながら、本来であれば、今世紀中に起こったことは今世紀中にということが望ましかったわけですが、今、世紀をまたいで、新たな仕切り直しの時期に来ている。ここで一番必要なことは、今、大臣がお話しになりましたように、国際法と正義に基づいて粛々とお互いの信頼関係を深めていくこと、対話や交流を深めていくことだというふうに思います。

 先ほど訪米したときのお話を少し御紹介しましたが、私は、官僚シンジケート、古いビジネスモデルをもう崩すときに来ているというふうに思います。日本が十一年間もどうして経済が立ち直らないのか。少し前まで、アメリカの友人たちと話をすると、それは経済の問題だという議論でありました。しかし、もう今は、そうではない、日本の政治の問題なんだということになっています。

 田中大臣、覚えていらっしゃるでしょうか。私は、官僚シンジケート、古い政治の枠組みあるいは古い官僚依存の枠組みを壊す、このことについては積極的に民主党としても協力したい、あるいは協力をしてくださいというお願いをいたしました。

 外務省の不祥事が続いて、調査、報告は後追いになっています。大臣に予算委員会でお願いした資料も、事務方に一生懸命言ってやっと四枚出てきたんですよという御苦労をお話しになりました。ぜひ、そういう四枚の資料でも結構ですから、私たち国会に出してください。そして、国民の代表である国会議員と一緒に日本の今の古い体質を改善する、そのことについての御協力をお願いしたいと思うんです。

 大臣の御決意を伺って、質問を終わりたいと思います。

田中国務大臣 外務省だけではなくて、長い間の官僚主導、情報がその中に集約していて、そして、政権がくるくるかわり、大臣がかわる。そうしたことの中で、政と官の関係がゆがんでいるということは、もう国民の皆様が、議員じゃなくてもわかっておられることでございますから、みんなで総力を挙げて、役所の皆さんもそれをわかっておられるわけですから、心ある方たちが前に出てくだすって、ともにいい日本をつくるために努力をするようにしたいというふうに思います。

原口委員 終わります。

大木委員長 次に、川内博史君。

川内委員 川内でございます。

 本委員会での質問は、六月以来二回目でございますが、前回同様、尾身、田中両大臣、御答弁をよろしくお願いを申し上げさせていただきます。

 まず、米国で発生をいたしました同時多発テロ、事件発生以降、沖縄が、先ほどから指摘が相次いでおりますように、修学旅行等のキャンセルが相次いでいる、大変な被害を受けている。政府はこれを風評被害というふうに言っているようでありますけれども、各県警の機動隊がにぎにぎしく隊列を組んで、これから沖縄の海兵隊基地の警備に行きますとか、そういうニュースがばんばん流れたりしたわけでございます。

 私は、先ほど下地議員も指摘をしたように、沖縄に米軍基地があるということが、今回のこの観光被害、観光客のキャンセルが相次いだということの大きな原因であるというふうに考えております。両大臣は、今回のこの沖縄の被害について、どのようなことが原因であるのかということについて、まず御答弁をいただきたいと存じます。

尾身国務大臣 政府といたしまして、沖縄を含めてテロ対策には万全を期しているところでございまして、何回か申し上げておりますが、沖縄だけが特に危ないということではないというふうに考えております。

 こういう中で、在沖縄の米軍を代表いたしますグレグソン四軍調整官も、沖縄には具体的なテロの脅威があるわけではないと明言しているところでございますし、また、沖縄の県議会におきましても、十月十五日に全会一致をもちまして、沖縄の県民生活や経済活動は支障なく平常どおり行われていることを全国にアピールして、沖縄の安全についての宣言を採択しているところでございます。

 こういう状況にもかかわらず、修学旅行などを中心としてキャンセルが相次ぎまして、大変に大きな被害、損害が生じているということはまことに残念でございますが、私ども、そういう風評については、安全性についてのPR等を進めながら対応をする以外に、当面、対応の仕方がない。

 しかしながら、私も実は後援会の皆さんと一緒に、五百人ぐらいの方々と一緒に参りましたが、大変喜んでいただいているところでございまして、そういう実績の積み重ねによって徐々に正常化していくことが必要なのかなというふうに考えている次第でございます。

田中国務大臣 沖縄の問題で先ほど来、下地委員それから小渕委員もおっしゃっていたことでして、これは、私は、経済が今うまくいっているというふうにおっしゃったけれども、果たしてそうかどうか。先ほどのお話を聞いていても、沖縄の経済はやはり観光が非常に大きくて、その観光がダメージが大きいということは、やはり経済に、また失業者がふえるということにつながるのが実態ではないかというふうに私は認識しております。

 ただし、このテロ後の問題につきましては、私にもすぐに、ハワイのカエタノという知事が、前知事、私と前から知り合いだったものですから、大臣室にすぐ来られまして、環境、ハワイはもう大変なことだと言ってきましたので、私は、日本には沖縄がある、アメリカのハワイ、日本の沖縄なので、ハワイだけじゃありませんよということを申しました。

 もちろん、今、尾身大臣は、五百人の後援者を連れていかれたと、下地先生も、田中眞紀子も五百人、五千人はいませんけれども、連れていけばいいと思っていらっしゃるかもしれませんけれども、それは対症療法なんですよね。根本的な問題は、まずその風評被害、それもあります。それが大きい。もう一つは、本当に安全であるということを証明しないとだめなんです。ところが、それはやはり基地もありますし、いろいろなことが言われている、議論されている。ですから、それは風評とリンケージしているわけですね。

 ですから、このテロというものが撲滅、完全ではありませんけれども、やはり安全で、そこで、先ほど来、ちょっと話が飛びますが、クラスター爆弾云々あるけれども、テロリズムがなくなるように最善の英知を傾けることが、ハワイだけでなく、沖縄だけでなくて、やはりそれは同時並行で、一つやったら次ではありません、同時並行で、風評もやむように、また観光にも私どもも行く、いろいろなことを同時並行でやっていくことによって実績が証明される。そして、テロの撲滅もやるということではないかというふうに考えております。

川内委員 両大臣、ありがとうございます。

 特に田中大臣、私も、テロが世界じゅうから本当に撲滅をされれば、世界じゅうどこでも安全になるだろうというふうに思うんですけれども、実際に国内の観光動向を見ますと、私の家内の実家は熱海で旅館をやっておるんですが、テロ事件以降、結構お客様がふえたりしているということも聞きますし、奈良や京都はお客様がふえているということを聞きます。だから、テロがあろうがなかろうが、沖縄がいつもお客様であふれ返るというふうな状態になっていないというのは、やはり私は、基地がその根本の原因であるということを政府もしっかりと認識をした上で、SACOの最終合意やあるいは、先ほど原口議員も指摘をしたように、日米地位協定の改定、改正というものに積極的に取り組む。そして、でき得るならば沖縄から基地をなくしていく。縮小だけではなくて、本当に沖縄がバカンスの島として、バケーションの島として世界じゅうから人々が集まるような島になれば、基地がなくてもいいわけですから、そういうようなことに私はしていくべきではないかというふうに思うわけでありますが、ともあれ、現状、そういう風評被害でお客様が減っている。

 今、田中大臣は、自分も行きたいというようなことをちらっとおっしゃいましたけれども、外務大臣就任以降、まだ一度も沖縄に行かれていないというふうに承っております。いつ行くとか、何人連れていくとか、ぜひこの場でお話をいただきたいというふうに思いますが、外務省の中では、田中大臣、田中大臣はもしかしたら人気がないかもしれないですけれども、国民的には物すごい人気のあるお方ですから、田中大臣が沖縄に行けば大変な効果がありますから、ぜひその辺についての御答弁をいただきたいと存じます。

田中国務大臣 喜んでいいのか何なのか、よくわかりませんけれども、幾日に何人でどこということはどうかと思いますが、私は本当に、家族じゅう挙げてスキューバもやりますし、友達もみんなそういうグループなものですから、頻繁に行っておりましたけれども、今度、本当に公務が大変ハードでございます。しかも、国会開会中は国連、G8の総会にも行けなくなってしまったような状態にありますので、そうしたことから推測していただきたいと思いますが、とにかくいつもあこがれて、行きたいというふうに思っていますので、日にちなぞ言わずに、東門先生にも下地先生にも言わずに、突然ぱっと警護官と行くということもあるかと思います。

川内委員 外務省の事務方の皆さんには、大臣が行きたいというところに行かせてさしあげることができるように、事務をお取り計らいいただきたい。国連総会に出たいと言えば出られるようにしてさしあげるのが事務方の役目でありますから、それをしっかりとやっていただきたいというふうに思うわけでございます。

 私は、何しろ、前回の委員会で、田中外務大臣の秘書官になってもいいというぐらいのことを言った男でありますから、田中大臣には何としても活躍をしていただかなければ、私も自分の立場がなくなってしまいますものですから、運命共同体だと思ってきょうは質問をさせていただくわけでございます。

 まず、この五カ月間、実にさまざまなことがございまして、私は、なぜ外務省の田中大臣のことに関して、こうもいろいろな情報がリークという形で出てくるのかということに関して、大いに怒りを感じております。外務省の事務方の皆さんに申し上げたいんですけれども、田中大臣の足を引っ張っているようでいて、それは実は天につばするようなもので、自分たちを、実は外務省の信頼そのものをおとしめているんだということに私は気づいていただきたいんです。人の悪口を言って人の足を引っ張るというのは、実は自分自身の足を引っ張っていることなんだと。

 本来、外務省というのは、国益をつかさどり、外交交渉をやり、しっかりと国民の生活を守っていくのが役目であるにもかかわらず、こうも情報が簡単に外に漏れる、あるいは漏らすというようなことでは、本来の外交などできるはずはないし、そういう意味で、沖縄の問題に関しても、SACOの最終合意やあるいは日米地位協定の改定などできるはずがないということを国民の皆さんは見抜いてしまうんですよ、外務省のそういう体質を見ることによって。

 それは、人間だから田中大臣も失言もするし、おかしなこともしますよ。人間ですから、皆さん。相田みつをじゃないですけれどもね、「にんげんだもの」という世界ですよ。それを一々取り上げて、外にリークして足を引っ張ろうなんというのは言語道断だ、私は、それが日本の国益を大きく損なっているんだというふうに申し上げたいわけであります。

 この一連の、情報がなぜ漏れるか、そして、だれが漏らしているのかというようなことに関して、外務省の事務方としてどのように対応していくのか、どう受けとめているのかということに関して御答弁をいただきたいと存じます。

小町政府参考人 ただいま先生御指摘の点でございますが、申すまでもなく、秘密保全は外交の生命線でございます。したがって、リークはあってはならないことと考えております。

 外務省におきましては、国家公務員法及び外務公務員法の遵守義務を図るとともに、秘密保全に関する規則などを定めて、外交にかかわる秘密保全の徹底を図ってきておりますし、これからも一層図っていかなくてはいけないと思っております。今後とも、このような努力を続けて、秘密保全に万全を期していきたいと思っております。

 同時に、我が国を取り巻く国際情勢は、御案内のように目まぐるしく変化してきております。テロ等、外交当局として取り組むべき課題が山積しております。これらの課題に取り組むに当たって、大臣と緊密に連絡をとりつつ、大臣を支えていくことは事務方の当然の責務でございます。今後とも、最大限努力してまいります。

川内委員 顔を上げずに原稿を棒読みして、大臣を支えることは事務方の責務でありますと原稿をお読みになられたが、本当にしんからそうお思いになられて、ぜひ日本の外交というものを、世界に冠たる日本国の外交というものを世界に示していただきたいというふうに思うわけであります。

 私は、ついきのうも、毎日新聞か何かだったと思うんですけれども、事務次官が世論調査の結果、一連の外務省のごたごたはだれに責任があるかという世論調査に、外務省の外務官僚に責任があるんだという回答が多かったということに関してどう思うかというマスコミの記者さんの質問に対して、事務次官が、会談へ遅刻したことまで我々の責任にされちゃ困りますなみたいなことをマスコミの前で語られたということを、毎日新聞の記事で読みましたけれども、大体、自分のところの親方のことをおとしめるようなことを平気でマスコミの前で言うこと自体がけしからぬですよ。マスコミなんというのは、おもしろおかしく報道するのが仕事なんですから。それにうまうまと乗っかって外務省の信頼を失墜させる、あるいは田中大臣をおとしめているようで実は外務官僚の皆さん、皆さん自身がおとしめられているんだということに私は一刻も早くお気づきをいただきたいんです。

 今、官房長がお答えになられた。今後は一切そういうことのないようにいたします、外務大臣を支えますと。そのお言葉は、私は本心から出たものであるということを信じさせていただきますし、そしてまた、事務次官もこの席にはお見えをいただいておりませんけれども、そのようにお思いになられていらっしゃるというふうに信じます。

 もう一度、顔を上げて、外務大臣をしっかりと支えてまいりますということをもう一度強く言っていただきたい、本心から言っていただきたいです。

小町政府参考人 先ほども申し上げましたように、今、山積するいろいろな諸課題の中で、外交は非常に難しい局面を迎えてきております。そのあたり、我々としては、事務当局としては、外務大臣の御指導を得ながら、外務大臣をお支えするべく努力してきているつもりでございますけれども、今後とも一層の努力をしていきたいと思っております。

川内委員 大臣もぜひ、私は、大臣は女傑だと思っているんですよ。ある意味では、日本の政治家というのは、内政では権謀術数を弄しますが、外交に出ていくと非常に素直になってしまって、相手の言うことを素直に聞き過ぎてしまって交渉に負けてしまうということがこれまで間々あったと思うんですけれども、大臣は割と天真らんまんに、今、人の言うことを聞かないからだという意見もちょろっと出ましたけれども、そういう意味ではずけずけおっしゃられる方だと思うので、しっかりとチームを組んでやっていただければ、私は、沖縄の問題に関して、米国との交渉に関して大きな成果を上げられる方だということを信じておりますので、ぜひ、事務方の皆さん等、かわいがっていただいて御協力をいただきたい。

 頑張っていただきたいと思うんですが、大臣の御決意をお聞かせいただきたいと存じます。

田中国務大臣 あらゆるアドバイスをいただいておりまして、川内先生からもそうですけれども、総理を初めいろいろな方からおっしゃっていただいて、これは私は本当に謙虚に素直な気持ちで、自分のためと思って受けとめております。

 そして、今までも最善を尽くして自分は政務に精励してきておりますけれども、なお一層私もそういうふうな姿勢でありたいと思います。それから、今おられる外務省の方たちも、皆様私はよく存じ上げていて、むしろ外務大臣なんかになる前からということもありますので、非常に仕事の面でよくサポートしていただいていて、歴代のどの大臣よりも個人的には本当に知っている方が一番外務省では多いんではないかと思うぐらいで、非常に仕事の面では、外交では、一〇〇%以上、若いスタッフもやってくだすっているんです。

 ただし、それがなぜかねじ曲げた形で、変な形で、場合によっては毎日のように外務省から、漏らされるのか漏れるのか、取材している側も変だとか言うんですよね。それは、意図的なもので、何なのか。それがなくなれば、これは機能しますよ、外交も人間関係も。それを、そこのところをしっかりと、私じゃとめられないところなんですね、私がこうしている間も物は起こるわけですから。起こっていてメモが入ってきても、私はここから離れられないじゃないですか。そういうことは、やはり日本の国民の皆様の代表である国会議員が、政党派を超えて、はっきりと追及するなら追及する、やめさせる、今おっしゃったように、外務省をおとしめているんだということを私はずっと言っています。自分のことです。外務省が今このことに、この機密費の問題があって、ここで生まれ変わる、産みの苦しみです。これが改革なんですよ、小泉総理も含めて。それには向かい風もあるし、内部が一番足を引っ張るんです。私に動け動けと言ったって、行け行けと言ってスカートを踏んづけて、目の前の人が踏んづけて動かなくしているわけですから、簡単に言えば。踏むなと言うんですよ。

 私の責任で改革をやります、外務省に関しても。外交もそうです。ですから、責任は私がとりますから、ルールもしっかりつけます。先ほど原口先生がおっしゃったように、改革には、まず守るべきものをはっきり、そしてむだなものは切っていくんだ、それには痛みが伴う、まさしくそのおっしゃった言葉なんですよ。それを今実践するプロセスですから、そして霞が関全体で、なるほどね、あの二〇〇一年の外務省改革、大変だったけれども、あれがモデルだと、あの外務省方式でみんながやろう、そうすれば政治も機能するし役人の皆さんもやはりやりがいがある、世界からも理解される、国民の納税者の方もなるほどねと得心いただけるような改革にしなければならない。

 ですから、毎回毎回必ず一人ずつ、だれかこのことは聞かなきゃいけないという指令が下っているのかどうかわかりませんけれども、そういうふうなこともやはりおやめになって、賢い方はなさらない、そういうことが言われている方はやる、こちらもふむふむと思って見ておりますけれども、やはりポジティブなエネルギー、プラスのことを、たった一回の人生、たった一回の出会いですから、ぜひ最善を尽くしたいと思いますので、御指導いただきたく存じます。

川内委員 今、大臣の強い決意を聞かせていただいて、ぜひぜひ頑張っていただきたいというふうに思いますし、私は、やるべきことは与野党を超えてサポートをしていかなければならないというふうに常々どんなところでも申し上げさせていただいておりますので、事務方の皆さん方もぜひ頑張っていただきたいと思います。どうも苦虫をかみつぶしたような顔を見ていると、大丈夫かなという気もするんですけれども。

 あす大臣はパキスタンへ出発をされるというふうに伺っております。アフガニスタン情勢も大きく転換をしそうでありますし、今後のアフガニスタンの政権の枠組みというものに大きな影響を持つというふうに思われるパキスタンへの今回の訪問、出発を前にされて田中大臣の抱負をお聞かせいただきたいのです。

 また同時に、もう既に開かれておりますけれども、アフガン復興会議にも、私は、緒方貞子さんではなく、日本を代表する外交のリーダーは田中眞紀子であるということで、アフガン復興会議もしっかりと出席をしていただいて、田中大臣に世界をリードしていただきたいというふうに考えております。大臣の御所見を承らせていただき、また同時に、中東アフリカ局長に、このアフガン復興会議あるいは今回のパキスタン訪問について、田中大臣をどのようにサポートをされるおつもりなのかということも、あわせてお聞かせをいただきたいと存じます。

田中国務大臣 パキスタンには国会で御了解が得られた場合に訪問させていただくわけでございますが、もうパキスタン側は大変御熱心で、フセイン駐日といいますか在京大使を通じまして、ムシャラフ大統領との会見でありますとか外務大臣との会見、食事とか、そのほか細かいスケジュール、難民キャンプの視察でありますとか、きちっと時間をとってくださっておりますので、もうこれは最善を尽くして、私も、国会の御了解を得た後に行かせていただく。明日になっておりまして、最善を尽くそうと思っております。

 そして、その目的は、もうとにかくこれだけは、御存じのとおりアフガン情勢は日に日に大きく、どんどん変化をしておりますので、そうした中での正しい情報をしっかりと認識し、そしてアフガニスタンの周辺国家、パキスタンももちろんですけれども、そうしたことを分析し、そうして日本が避難民、被災民の方に対してどのような救援ですとか援助ができるのか。この問題は、一つの国では絶対解決はできません。世界じゅうが手を携えて相協力することによって、この地域に、また周辺国家に幸せと安定をもたらせると思いますので、冷静かつ客観的に情報を分析して、どうやって貢献できるか、そのことについて意見交換をし、具体的に日本が貢献をする。それには、もちろん国民の皆様の御理解を得ながら、情報を開示しながら進めてまいります。

 次に、今御指摘のありましたアフガニスタンの復興会議でございますけれども、これにつきましては、けさもたらされた情報でございますけれども、明年一月、今回はもちろん緒方貞子さんがおいでくだすっていて、行かれる前に私のところにまずおいでくださって、よくお話も伺わせていただきまして、御立派な方でございますので、パウエル長官もお喜びになっておられるというふうに思います。ところが、明年一月の後半にこの復興会議を開催するのですが、その場所が日本ということに決まりました。

 したがいまして、私も非力ではございますけれども、本当にこの間のG8でも、会えなくて、来られなくて残念だと、パウエル長官以下、アイ・ワズ・ベリー・ディスアポインテッドというふうに電話でもおっしゃっておられましたけれども、ほかの大臣方とも連絡をしょっちゅう、行けなくなった、行った後も連絡を、特にG8の方は電話をいただいて頻繁に話をしていますので、日本で、日本のいい貢献であるし第一歩であったと言われるように、役所も一般の方も皆様総力を挙げてお迎えをして実のあるものにしたいというふうに今から思っておりますので、また皆様の御理解と御協力をお願いいたします。

遠藤政府参考人 お答えいたします。

 アフガニスタンの和平及び人道支援につきましては、これまでも我が国は積極的に関与して貢献してきております。今後、先ほど大臣からお話がありましたけれども、復興会議等、国際会議等においても積極的に取り組んでいく所存でございます。このような努力の中で、当然のことながら、事務方として大臣の御指導を得て、しっかりと大臣を支えていく所存でございます。

川内委員 それでは、次の論点に話を移させていただきますけれども、尾身大臣、尾身大臣の御発想による、沖縄県における大学院大学構想についてお尋ねをさせていただきたいと存じます。

 大学改革及び沖縄の新たな発展を目指して、新しい発想を持った国際性のある世界最高水準の大学院大学を沖縄に設置することを目指すということでございますけれども、どうも私には、いま一つ具体的なイメージが持てないわけであります。国立大学はこれからどうなっていくかわかりませんけれども、独立行政法人化していくというような流れのようにも思えますし、そういう中で、国立の大学院大学をおつくりになるのか、それとも私立の大学を国が主導してつくっていくのか、あるいはどういう形態の大学になるのか、具体的なイメージがひとつわいてこないわけでございます。

 この御発想は大臣御自身の御発想であるというふうにも承っておりますし、構想の実現性について大臣はどのようにお思いになられているか、その御決意のほどをまず伺わせていただきたいと存じます。

尾身国務大臣 沖縄に世界最高水準の自然科学系の大学院大学をつくるという構想は、私が考えたことでございまして、これからの沖縄を本当の意味で発展をさせるためには、こういう大学院大学が必要であるというふうに考えて、これを今進めているところでございます。

 内容は、自然科学系でございますのと、その半分以上の学生及び教授陣は日本人でない、外国人に来ていただく。それから、大学院大学でありますけれども、非公務員型にする。そして、世界の大学院大学、いろいろなところと協力をしながらアジア地域における知的クラスターの中核にしていきたいというふうに考えております。

 したがいまして、この大学院大学は、日本に現在存在する大学とは全く異なる形態及び内容にしていって、世界の最高水準の学者、教授陣を集め、研究者を集めていく、日本においては、もちろんトップのものにしていきたいというふうに考えております。

 沖縄でなぜこれをやるかということでございますが、いろいろな条件が沖縄は非常に整っております。一つは、沖縄のいろいろな特殊事情から、政府として、沖縄の振興開発には国を挙げてこれを進めていくという基本スタンスの中で、資金的な手当てを含めて、かなり充実した手当てができるということが一つであります。

 それから、もう一つは、地理的条件がアジアに近い、中国や韓国にも近い。そういう意味で、アジア地域との連携ということも非常にしやすい地区になっているということであります。

 三つ目は、講義も会議も全部英語でやるということにしておりますが、要するに、ファカルティーの子弟の教育が、あそこの米軍の関係の小学校、中学校、高等学校、それからメリーランド大学の分校までございまして、子弟教育が非常にしやすい、そういう意味で、これは沖縄にしかできない、これをぜひ実現していきたいというふうに考えている次第でございます。

川内委員 今、尾身大臣から幾つかの構想の核となるようなところを御答弁いただいたわけでございますけれども、この構想を進めるに当たっては、大学教育の所管官庁である文部科学省の協力を得ることはもう必要不可欠であると私は思います。これまで文部科学省との必要なすり合わせ、あるいは緊密な連携というものがとれているのかどうか、この点についてお伺いをさせていただきたいと存じます。

尾身国務大臣 現在、八月から、沖縄新大学院大学構想検討委員会というのをつくりまして、参議院の有馬先生を、前の東大総長でございますが、座長としてプロジェクトチームをつくって、今、内容の詰めを行っているところでございます。これに先立ちまして、私が、六月に文部科学大臣の遠山大臣のところへお伺いをして、内容を詳しく説明をし、文部科学省としてもぜひ前向きに協力をするというお話をいただいております。

 したがいまして、この検討委員会の中にも琉球大学の学長それから文部科学省の高等教育局長にも参画をしていただいておりますし、前の文部次官の佐藤さんにもメンバーに入っていただいておりまして、文部科学省とは緊密な連絡をとりながら事を進めていきたいと考えております。

 ただしかし、例えば学長か理事長を外国人にするということを考えているわけでございまして、今の国立大学の法律ではそれができないルールになっているわけでございます。この大学院大学につきましては、特別立法をもって最も理想的な形のものをつくるということを、ある段階で立法化していく必要がある、そういう意味で、また関係の皆様の御支援、御理解もお願いをしたいと考えております。

川内委員 その委員会のメンバーの中に琉球大学の学長先生というのか総長というのかも入っていらっしゃると思うのですけれども、沖縄に大学院大学が構想されるということに関して、自分たちの大学は、自分のところの大学は一体どうなるんだろうとか、若干の不安を持っていらっしゃるやにも聞いております。ぜひ、私は、尾身大臣の構想自体はすばらしい構想だというふうに思いますし、日本は人材しか資源がないわけでありますから、しっかりと人間教育、人材教育をしていく、その最高の水準の研究をする人々が沖縄に世界じゅうから集うということは、私も全く異論はございませんけれども、ぜひ、文部科学省との緊密な連携のもとに十分に計画を練っていただきたいというふうにお願いを申し上げさせていただきたいと存じます。

 さて、次に移らせていただきますけれども、沖縄県における観光振興の一つの起爆剤、材料として、カジノ構想を推進していらっしゃるグループがあるというふうに私は承っておりますけれども、政府としてはその事実を承知しておられるかどうか。あるいは、その構想というものに本格的に、東京都の石原都知事なんかは、お台場にカジノ、カジノとずっとおっしゃっていらっしゃるようでありますけれども、沖縄県がそれに本格的に取り組むというようなことになった場合、政府としてはどういうお考えでこの件に関してサポートをしていくおつもりなのか、この点に関してお伺いをさせていただきたいと存じます。

尾身国務大臣 沖縄の経済界の中に、ゲーミング等の、いわゆるカジノでございますが、それを進めて沖縄の観光開発の目玉にしたいという考え方がございまして、いろいろなところでそういうお話をお伺いをしております。現に、沖縄県におかれましても、十四年度の施策といたしまして、これについての調査を始めるということにしておりまして、これを待ちまして沖縄県として意見をまとめていただけるものと考えております。

 私自身は、この問題について、いろいろと関係者、賛否両論、事柄の性格上あると考えておりますが、こういう事柄でございますから、やはり沖縄県の意向を十二分に尊重をする形で対応してまいりたいというふうに今考えて、沖縄県の検討状況あるいは議論の状況を見守っているという状況でございます。

川内委員 ちょっと確認をさせていただきたいんですけれども、沖縄県が本格的にそれにもし取り組むのであれば、前向きに政府としても受けとめたいということでよろしいでしょうか。

尾身国務大臣 これは私自身、個人的にはルーレットも嫌いではありませんから、関心を持っておりますが、しかし、事はやはり沖縄県民全体の皆様がどう考えるかということでございまして、そのことが一番大事だというふうに私は考えております。

 我が国は、こういう問題に関しては、世界全体の流れから見ると、非常に堅実という方向に考え方がなっていると思いますが、いずれにいたしましても、やはり県民の皆様の意向ということが事柄の性格上一番大事だというふうに考えておりまして、その意向がはっきりした段階でそれに即した形で対応していきたいというふうに考えております。

川内委員 県民の皆様方の総意に基づいて判断をしていくということであろうかと思います。

 私の持ち時間ももう残り少なくなってまいりましたので、最後に、やはり沖縄の基地問題にどうしても触れざるを得ないんですけれども、私、前回この委員会で、普天間飛行場の代替施設使用期限について田中大臣にお尋ねをいたしましたら、この使用期限問題についてもしっかりと米国側に伝えた、米国側は認識をしているという返事だった、これから前に転がっていくであろうという御答弁をいただいたわけでございます。

 この使用期限設定問題に関して、去る十三日、ロビン・サコダ米国の国防総省元日本担当部長がわざわざ沖縄にいらっしゃいまして、その御講演の中で、十五年の使用期限について、米国がイエスと言うことは将来どの時点でも想像できない、米国は予測できない将来の約束をする習慣はないと言い放ったそうでありまして、この十五年の使用期限問題について、実現性を否定したということであります。

 もちろん、国防総省の元日本担当部長ということで、現在は担当者じゃないわけですから、実際には今は何の権限もない方なのかもしれないですけれども、ただし、そのポストを経験された方として、何らかの影響力を実務的に持っていらっしゃる方であるとするならば、この方がわざわざ沖縄まで来て発言をされたこの言葉というのは、私は無視できない言葉であるというふうに思うわけでございます。この十五年使用期限問題について、大臣はどのようにお考えになられるか。あるいはまた、きのう私が質問通告をさせていただいたときには、このロビン・サコダの講演を、あくまでも質問取りをされに来たお若い方は御存じなかったわけでありますが、北米局長にもきょうは来ていただいておりますので、この問題について、まず北米局長から、どのようにお考えになられるか、そして大臣に、最後、十五年使用期限問題についての決意をお聞かせいただきたいと思います。

藤崎政府参考人 お答え申し上げます。

 今、委員御自身が質問の中で言われたとおりでございまして、この講演をされましたロビン・サコダ氏は、前政権におきまして国防総省アジア太平洋部の日本部長を務められた方でございます。現在は民間におられる方でございまして、現在、この方がアメリカ政府の見方を代表しておっしゃっているものだというふうには私どもも認識しておりません。

 したがいまして、私どもといたしましては、引き続き、これは一九九九年十二月二十八日の閣議決定でございますけれども、ここで日本政府の基本的な方針を決めているわけでございますが、これに従いまして引き続き対処してまいりたい、こういうのが私どもの考え方でございます。

田中国務大臣 役人答弁で申しわけございません。役人でない私から申し上げさせていただきたいと思います。

 この問題も十五年の使用期限の問題をおっしゃっているわけでございまして、今、北米局長が言いたかったことは、要するに、今おっしゃったサコダさんというのは一私人の立場であるから、公人である役所がコメントはできない。しかし、意見の開陳は自由であるということですけれども、現実問題といたしまして、ブッシュ大統領がこの間の六月でしたか、日米首脳会談、小泉総理となさいましたね、そのときに言っているのは、アメリカの立場ですよ、これは相手の立場ですから、それを全部こちらがオーケーと言ったわけじゃないわけですが、使用期限は困難な問題である、普天間飛行場の移設、返還に関し、よく相談していきたいということをアメリカは言っておられるわけですから、そのアメリカ、交渉は相手があることですから、日本は日本の立場で、やはりそれも踏まえつつ、しっかりと議論をしていきたい、かように考えます。

川内委員 終わります。

大木委員長 次に、白保台一君。

白保委員 先般、予算委員会で尾身大臣に、同時多発テロの後の沖縄県の経済の問題とその対応策、そのことについて大変細かく、詳細に内閣府としての対応策をお伺いいたしました。

 実は、話は変わりますが、同時多発テロが出まして、その後に今度は狂牛病の問題が飛び出してきまして、狂牛病の問題が飛び出してきたときに、ある新聞の夕刊で東京と沖縄に起立不能の牛が発生ということがありまして、私も農水省を厳しく問い詰めたんですが、単に起立不能ということでもって沖縄に狂牛病が発生したんじゃないかという誤解をされる向きもあったり、大変困りました。したがって、九月の牛の競りは大変暴落いたしました。暴落いたしましたが、どうも昨日、一昨日を見ていますと、石垣島の方の競りも大体持ち直したようですし、伊江島の競りも持ち直したようでありまして、何とかこの問題についてはほぼうまいぐあいに持ち直しつつあるのかな、こんなようなことを思って、これは非常に喜んでいる次第です。

 畜産問題についても政府が非常に力を入れて大きく発展させてきたんですが、テロと狂牛病で沖縄観光は大変打撃を受けるような状況にありましたが、これからやはりきちっと対応して、何とか持ち直していかなきゃいけないんだろう、こう思います。

 先般も申し上げましたが、地元の銀行の試算でいきますと、入り込み観光客が一〇%減少した場合には、恐らく六千七百人からの失業者が出るだろう。そして、同時に、これは一・二%の失業率の増加になる。その時点が九・二%ですから、加えますと一〇・四%になる可能性があったわけです。しかし、先日のキャンセルなどを見ていますと、二十一万というふうに言っておりますから、減が大体四%ぐらいかな、一割はいかない。そうすると、失業率が〇・六%ぐらいのかさ上げかな。そうすると、今、そのときの九・二%を足しますと、九・八%ぐらいまで上がっていく可能性があるのかな、私自身の頭の中ではこういうような計算をしているんです。

 しかも、今は、三次振計の最終年でございまして、これからまた新しい振興策を策定していかなきゃならない、こういう非常に重要な時期に差しかかっておりますが、三次振計、そしてまた振興策その他への影響があるのかどうかという問題も考えるんですが、その辺のことについては、大臣、いかがでしょうか。

尾身国務大臣 まず、狂牛病の発生は沖縄にはなかったということを明確に申し上げさせていただきます。

 観光の問題がテロで影響を受けておりまして、これについて私ども、いろいろ、沖縄観光キャンペーンその他できるだけの対策をとっているところでございまして、アフガン状況の進展も背景として、やや持ち直す方向に行くのかなというふうに期待をしているところでございます。

 そういう中で、ポスト三次振計につきましては、例えば情報通信産業、観光産業、あるいは金融特区の問題等々、長期にわたって沖縄が発展できるような基盤をしっかりつくるという観点から私ども今検討を進めているところでございまして、来年度から発足をしなければいけないわけでございますが、全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。

白保委員 さて、先ほどから出ておりますように、雇用の問題、失業の問題、これは沖縄が抱える極めて重要な、喫緊に解決をしなきゃならない問題です。

 そういった中で、構造的な問題を申し上げますと、実は、九月の求人数が大体三千人なんですよ。そして、この三千人の中で、県外求人数が二千人弱です。もう二千人になるぐらいですね。それで、県内の求人数が大体千人ちょっとです。ですから、大まかに言いますと、三分の二が県外求人数、三分の一が県内求人数。そして、三千人求人数がありまして、就職したのが三百六十人ぐらいです。

 先ほどミスマッチの話もございましたが、これだけの求人数があるんですが、どうしても県外求人数が大きいんです。これはもうずっと構造的にそうです。したがって、国内経済が極めて好調なときには、県内には働き手はいないんじゃないかというぐらい、みんな外へ外へと出ていきます。これは、県内にそれだけの吸収する能力がない。しかし、良好な、有能な労働力は十分あるんです。ですから、国内の経済が悪くなりますと、勢い県内の失業率が上がっていく、こういう状況にあるわけですね。これはもう大体、構造的に続いています。

 したがって、先ほどから大臣がおっしゃるように、いろいろな将来の新しい仕事を探して、中長期的な観点に立って手を打っていかれる、非常に大事なことだと思います。これは、将来的に言うならば、県内の求人数をふやしていく、そしてまた安定的な雇用の場をつくる。そういう意味では、おっしゃる、その中長期的な視野に立ったところの、大学院大学もそうですし、高等専門学校もそうですし、またIT産業を展開していく、中長期的に見れば極めて重要なことだと思います。

 ただ、問題は、当面するところのこの失業率の高さの問題で、それでは、今目の前にあるこれだけの高失業率はどうするのかということになってくると、緊急地域雇用創出特別交付金、そういったことでも、先般の予算委員会でも御答弁いただきましたが、非常に沖縄に配分を考慮されておられるというところも大体わかっております。これはもう、高失業率ですから当然のことだと思いますが、そういう中で、当面の問題で、こういった問題についてどうしたものかということを政府としてどのように考えていらっしゃるのか、お聞きしたいと思います。

尾身国務大臣 当面、観光が、やはり修学旅行キャンセルの影響を受けて非常に落ち込んでいるという状況でありまして、私ども、観光を中心とする中小企業の方々への特別金融対策等をとっているところでございます。

 同時に、雇用につきましては、厚生労働省の予算でありますが、三千五百億円の緊急地域雇用対策を補正予算で計上したところでございますが、沖縄としては、比例配分から見ると、その数字の倍ぐらいの七十億という予算を沖縄に振り向けていただくということを決めていただいて、これで緊急の雇用対策をやっていくということでございます。例えば赤土の問題とか臨時の教職員の増加とか、そういうことで対応させていただいているわけでございまして、当面、それで対応する。

 しかしながら、中長期にわたっては、先ほどのお話にありましたように、観光・リゾート産業の振興とか、あるいはIT関連の産業とか、教育の充実、科学技術の振興などを通じて、本当に沖縄の中で雇用が増大するような対応をしていきたいと考えております。

白保委員 そこで、九月末現在で、来年の新卒、来年四月から就職しなきゃならない人たちですが、全国的に高校生の内定率というのが非常に下回っているんですね。高校生が昨年の五・五%、これは全国の話ですが、五・五%下回っております。大学生が、ちょっと持ち直して一・五%ぐらい上回っているというふうに言われておりますが、特に沖縄の高校生が五・九%、内定率ですよ、五・九%で、昨年から一・四%落ち込んでいる。このテロの後に内定取り消しというのが幾つか出てまいりましたので、恐らくそういったことも影響が出てきているのかな、こう思うんです。

 大体、沖縄の高校生の就職内定というのは、かなりスロースターターで、いつもぎりぎりまでいって、四月になって、五月になって就職などというのが出てきたりでありますから、一概に比べるということはなかなか難しい面もあるんですが、それにしても、五・九%、一・四%の落ち込みというのは大変深刻な問題だな、こう思っています。

 それで、厚生労働省の方がおられると思いますが、先般の予算委員会でも、坂口厚生労働大臣には若干、若年層の就職、こういった問題で、幾つかのメニューがあるけれども、この中の一つ、どういう形で若年層が就職していくのかということを御答弁いただきました。

 というのは、先般申し上げましたが、十五歳から二十四歳が何と二二・六%。二十九歳までは一八%ですよ。十五歳から二十四歳までのその十歳の年の間、これがもう二二・六%という高失業率にある。こういう状況では、いろいろなメニューがあっても、メニューを用意しても、なかなか行き届いていないんじゃないかと思いますので、どういった形で対応をされているのか、このことをお聞きしたいと思います。

青木政府参考人 ただいま沖縄県を含む厳しい雇用環境についてお話があったわけでございます。

 若い方の就職、特に新規学卒者の方々の就職環境、かなり厳しい状況で推移しておりまして、大学生は若干昨年よりいいのですが、高校生は大変厳しい環境でございます。

 そういう中で、二つ要素があるというふうに考えております。一つは、厳しい経済環境の中で求人求職がなかなかマッチしないという問題。もう一つは、よく言われていることでございますけれども、若年者の方々のいわば職業意識といったものについて、なかなか身についていないので定着しなかったり、あるいはフリーターになってしまっているというようなこともございます。そういったことも含めて、先生お触れになりました、先般、私どもの大臣が答弁いたしました若年者のトライアル雇用、これを今回補正予算でお認めいただきまして、着実に実施をしてまいりたいと思います。

 それ以外の対策といたしましては、職業意識の形成に関しましては、文部科学省と連携をいたしまして、学校に、まだ就職活動を始める前から、職業意識についてのセミナーとかあるいは講習会をきっちりやっていくという正しい認識の確立と、それから、御自分ではっきりした目的意識を持って社会に出る準備をしていただくための活動、インターンシップというようなことも今回拡充して、経済団体の御協力をいただきまして、そのような機会の拡大をしてまいりたいというふうに思います。

 さらに、沖縄県につきましては、内定率が大変低うございますけれども、私どもの出先でございます労働局、それから沖縄県及び県の教育委員会、そういったところが一体となりまして、特に、県内の求人はもちろん、県外の求人についても合同面接会あるいは職場見学会といったものも実施をしながら、これから卒業に向かって一人でも多くの方々が内定を得ることができるように頑張っているところでございます。

白保委員 今、新卒者の方に話が大分いったようですが、現実の失業率というのは、先ほども申し上げましたように、十五歳から二十四歳で二二・六%、五人に一人強が職を失っておるという状況にありますので、その辺のことについてもしっかりと取り組んでいただきたいということを強く申し上げておきます。

 次に、騒音問題懇話会というのが発足をいたしました。これは、嘉手納爆音訴訟が原告勝訴という形を受けて、当時の野呂田防衛庁長官は、こういったことがたびたび起こるようでは困る、何らかの方法を考えなきゃいけないということを言われまして、その後、いわゆる公平補償を求める会というものができて、嘉手納の周辺にいらっしゃいます訴訟を起こさなかった方たちが、私たちは、国のやっていることに対して一々憲法論争や安保論争やそういったことを挑むのではなくして、爆音訴訟で勝った皆さん方と同じように私たちも同じ爆音を受けているんだから、当然同じような公平な補償があっていいんだというグループが活動を始めました。

 そして、私もたびたび予算委員会やこの委員会でもこのことを申し上げてまいりましたが、先般、爆音訴訟の問題が一つの機縁となって、厚木の方でアンケート調査を行いました。厚木の方でアンケート調査を行って、またそれをもとにして、今度は騒音問題懇話会というものが発足をいたしまして、民間の皆さん方、有識者の皆さん方が集まって、そこで議論を、議論というよりも意見を出されている、こういうふうに伺っております。

 このことについて、防衛施設庁が来られておりますが、答弁を求めます。

伊藤政府参考人 まさに今先生御指摘のとおりの経過でございまして、先般、九月の二十八日に第一回の会合を行ったわけでございますが、民間の六人の有識者の方をお願いいたしまして、飛行場周辺における環境整備の在り方に関する懇談会というものを開催させていただいております。

 第一回は先ほどのように九月二十八日、第二回が十月二十九日にやっておりまして、一つの大きな問題は、まさに今先生御指摘の公平補償という問題でございます。現段階では、まだ、従来の判例、判決がどのようになっているか、あるいはまた、ただいま御指摘の厚木の周辺におきますところの騒音調査の概要ですとか、そういったことの御説明を私どもの方からしておる段階でございまして、その中でいろいろと御質問等をいただいております。それらについてもまたお答えをするということでございまして、月一回ペースぐらいでやりまして、できれば来春ぐらいまでに、何らかの、幅広い見地からの御意見を賜ればというふうに思っている次第でございます。

白保委員 今、来春までに結論を得たいというふうに言われましたが、その中で、現地からの意見を聞きたい、こういう話ですが、いわゆる公平補償を求める会の皆さん方の意見も聞くことができる、聞くという話ですか。

    〔委員長退席、下地委員長代理着席〕

伊藤政府参考人 委員の先生方には、現地の視察あるいは生の声というものをお聞きしたいという御希望があります。現在調整中でございますので、具体的にどういうふうになるということをお答えできませんが、できれば、広く皆様方の御意見を聞かせていただければありがたいというふうに思っております。

白保委員 そこで、来春までには結論を得たいということですが、このスタートが公平補償を求めるということですから、その方向に結論が行く、こういうふうに理解していいですね。

伊藤政府参考人 これは、たった今と申しますか、二月前に御議論を始めていただいたばかりでございます。私は、委員の先生方をお願いして、その御意見を承る立場でございますので、今、その結論と申しますか、それについて申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。

白保委員 次の質問に移りたいと思いますが、その前に、一言だけもう一度申し上げておきたいと思います。

 そもそも野呂田長官は、公平補償という思想をもってこの問題については対応すべし、このように考えて言われてきたわけです。したがって、私どもとしては、当然その方向に行くであろうということを期待しております。

 次の問題に移りますが、赤土の問題です。

 本委員会でも、委員会視察でもって石垣等の赤土の現場を見てまいったわけでありますが、この赤土問題については、見過ごすことができない環境破壊というものが非常に大きく出てきています。したがって、私も予算委員会でも、自然再生型の公共事業というものを行って、やっていかなきゃいけないんじゃないか、制度としてこういったものもつくっていかなきゃいけないんじゃないかということも申し上げてまいりました。

 赤土問題に対してどのような取り組みがなされているか。これは、十四年の概算要求でも、新規や拡充やそういった努力をされていることは多としますが、現実問題として、目の前にあるこの問題について、既に石垣市の中では協議会等もつくって対応策に非常に取り組んでおるわけでございますので、皆さん方の方からの答弁をいただきたいと思います。時間が余りなくなってしまいましたものですから、きちっと簡潔に御答弁いただきたい。

    〔下地委員長代理退席、委員長着席〕

太田政府参考人 農地からの赤土の流出に関する御質問でございましたが、平成五年度に、水質保全対策事業の中に耕土流出防止型というものを創設いたしまして、排水路あるいは沈砂池等の整備、のり面の保護、あるいはグリーンベルト、さらに農地の勾配の修正等々の対策を積極的に推進しておるところでございます。

 この事業の実施に当たりましては、国頭マージなどの浸食を受けやすい沖縄の特殊の土壌といった土地の条件、さらには亜熱帯特有の厳しい、あるいは激しい降雨などの気象条件に配慮し、また、堆砂土砂の排除などの管理のしやすさ等を考慮いたしまして、地域の実情に応じた沈砂池の規模、構造としているところでございます。さらに、赤土流出の緊急度に応じまして、広域的な視点から、沈砂池の整備等の赤土流出防止対策をより効果的に実施できるような手法につきまして、現在検討を進めておるところでございます。

 今後とも、耕土等の流亡を防止する裸地対策や、地力増進等の営農面等の対策と一層連携を図りながら、県、市町村、地元関係機関等とともに、この赤土流出の防止に取り組んでまいりたいというように考えております。

武田政府参考人 赤土問題でございますけれども、この問題につきましては、沖縄県におきましても赤土流出防止条例を定めるなど積極的に取り組んでおられますけれども、国といたしましても、例えば公共事業の実施に当たっての赤土流出防止マニュアルの作成等、あるいは、農地に関しましては、今農水省の方から御説明がありました耕土流出防止型水質保全対策事業というものを推進するとか、あるいは、基礎的な取り組みでございますけれども、赤土流出状況の把握とか流出防止の調査検討、あるいは流域住民が主体となった取り組み等を支援するということで、関係行政機関との連絡協調体制もとっております。

 また、来年度予算要求におきましても、沖縄県のほぼ全域におきます赤土堆積の状況を現況調査を要求するといったこと、あるいは、赤土流出防止では地域の関係者の協力というのが大変重要でございますので、総合的な対策のために、地域の関係者が一体となった体制を確立するようなモデル的な取り組みといったものも考えておるところでございます。

仲村副大臣 農地や公共工事によって海に赤土が流れて、いろいろ、サンゴの死滅などに非常に悪い影響を出しておりますが、その原因は、公共工事の場合はそれなりの赤土流出防止対策をきちっととっていると思いますが、農地からの流出の原因は、まず畑の区画が非常に大きくなったということ、それで機械を使っての耕作をしている。特に国頭マージの場合は粒子が細かいんです。機械で破砕する、砕土するあれが非常に細かくなるものですから、大雨が降ると全部海に流れてしまうということで、これはやはり土地改良事業のときに一定の間隔で沈砂池をつくっておけば防げたと思うんですが、もう土地改良が済んでいるわけですから、やはりこれから沈砂池をつくるとなると、その用地買収というのが問題になってくるわけです。

 ただ、それを今の時点でどう防ぐかということは、少々傾斜になっている地域でも、傾斜に平行して畝を切るのではなくて、横に畝を切ればある程度防げるということを私は考えております。いずれにしても、抜本的な対策としてはやはり沈砂池をつくるということだと思いますので、その点については検討していかなくちゃならない、このように思っております。

白保委員 余り時間がありませんので最後の問題に入りますが、その前に、いろいろと新規拡充、赤土対策について、農水省、振興局、いろいろと手を打っていただいております。おりますが、問題は、きちっと現況調査をやって、局地的にこれはどうだということを、環境アセス、そういったものが明確に出てきませんと、効果的な、効率的な成果というものを上げられませんので、観光立県でありますし、海浜を汚濁していくというのは許される問題ではありませんし、そういった面での対応をしっかりと求めておきたいと思います。

 最後になりますが、実は十七、十八と二日間、池袋のサンシャインでアイランダー二〇〇一というのが開かれまして、大変島に理解を示す人たち、離島の人たちがどう離島の振興をやるかということで、アイランダー二〇〇一というのを、離島振興センターや国土交通省の皆さん、一生懸命御努力をしてこられました。私自身も、沖縄からどれぐらい出ているかなということでのぞいてみましたら、渡嘉敷村の村長が陣頭指揮で、渡嘉敷村、そしてまた座間味村の二つがアイランダー二〇〇一に出ておりました。

 しかし、残念なことに、こういう財政状況の中で、島を主張したい、こういうふうに思っていながらも、なかなか島を主張することが難しい、そして断念せざるを得ないという人たちも多くあります。アイランダー二〇〇一に触れれば、その島のよさというものもよくわかるわけですし、また離島振興にもつながっていくわけでございますので、政府の方がぜひ一層の御努力で支援をしていただきたい。国土交通省の答弁を求めたいと思います。

坂山政府参考人 まず、お礼を申し上げたいと思います。白保議員には、本当にお忙しい中、アイランダーにお運びいただきまして、まことにありがとうございます。主催者の一人といたしまして深く感謝申し上げます。

 さて離島地域は、先生おっしゃっていますように、豊かな自然環境、地域資源に恵まれていますものの、その地理的条件の制約などから他地域との総合的な交流が困難であり、地域の活性化や観光振興等の面において多くの課題を抱えております。こうしたことから、国土交通省では、離島地域の総合的な交流を広範に展開することによりまして、離島における参加、連携、交流の推進を支援し、離島地域の活性化を図る取り組みを行ってきております。議員御指摘のアイランダーにつきましても、こうした取り組みの一環として平成五年度から開始し、今年度まで合計九回開催してきております。離島から都市部を中心とした他の地域に情報発信する場を提供するということとともに、離島と離島、離島と離島以外の他の地域との交流を深めることをも目的としております。

 おかげさまで、この事業は開催時期、それから場所も定着してまいりまして、出展していただける参加の島の数で約百の島、それからアイランダーへの来場者で一万人を超える、そういう状況になってきておりまして、離島観光、それからUターン、Jターン、Iターン、また島への定住化の促進等に関する情報発信への意欲を高める場として効果を上げてきております。現実に、このアイランダーを通じてIターンをされた方が増加しておりますし、そのうちの一人が、今回のアイランダーに島の代表として参加されております。

 なお、現行離島振興法が平成十四年度末に期限を迎えることを踏まえまして、国土交通省といたしまして、今後の離島振興のあり方について検討を進めているところでありますが、アイランダーのような、都市住民と離島住民との交流や離島同士の交流、それから離島へのU、J、Iターンの推進など、地域の知恵や主体性を生かした交流を活発化させる取り組みについてさらに充実させてまいりたいと考えております。

白保委員 終わります。終わりますが、もう少し応援をしてもらいたい。理念はいいけれども、もっと財政的な応援をしっかりやってもらいたい、そのことを強く申し上げておきます。

大木委員長 次に、一川保夫君。

一川委員 自由党の一川保夫でございます。

 もう私の前に五人質問されましたので、関心あるテーマはある程度出尽くしておりますけれども、私なりに問題を整理して質問させていただきたいと思います。

 まず第一に、外務大臣にお伺いするわけですけれども、今月の十日、十一日と、WTOの閣僚会議の中で、中国と台湾が正式にWTO加盟が承認されたというニュースが流れました。私は、そのときに、このニュースを聞くときに、この沖縄という県をすぐ思い出したわけですけれども、そのことに関連してちょっと二点ほど御質問するわけです。

 今回、中国は十五年前からこういう申請をされていたというふうにもお聞きしていますけれども、十五年ぶりにWTOに加盟になった、また台湾もほぼ同時に加盟になった。いよいよ国際経済の舞台で両国がその実力を試すということになるわけでして、かねてから、両国といいますか、中国と台湾とのいろいろな、経済的な交流も含め、我が国と大変な行き来があったわけでございますけれども、外務大臣は、中国、台湾がWTOに正式に加盟した、こういったことに対して、我が国の外交上どういう所見を持っておられるかということをまず一点お聞きしたい。

 それとあわせまして、これから本格的に、新ラウンドが立ち上がって、三カ年間ぐらいをかけての交渉事が具体的に始まるわけですけれども、それに向けての外務省としての基本的な態度をお聞かせ願いたい、そのように思います。

植竹副大臣 ただいま委員のお尋ねでございますが、実は、私が外務省を代表しまして、経産省の平沼大臣、また農水大臣とともに出てまいりましたので、私から委員お尋ねの点についてお答え申し上げます。

 今回、十四日、閣僚会議がございました。ドーハにおける会議におきまして新たな多角的貿易交渉の開始が決定されたということは、本当に歓迎するものであります。特に、今お話しのように、中国と台湾が加盟されたということは、我が国の隣人としての国でございますので、大変歓迎すべきことであったかと思います。

 そして、今お話しのように、いよいよ交渉が三年の間に行われるわけでございます。三年後行われるわけでございますが、今回決まりました農業問題、あるいはアンチダンピング問題ほか五項目につきましては、今後いろいろ交渉経緯がなされるわけでございます。そういう意味におきまして、この新ラウンド交渉に積極的に参加し、開発途上国の関心やその懸念にも配慮しながら、世界貿易の一層の自由化に向けまして努力してまいりたいと考えております。

一川委員 ちょっと答弁としては物足りないわけですけれども、要するに、我が国と大変に関係のある中国なり台湾が正式にこういう国際機関に加盟したということに対する問題意識というのを、もっとしっかりと受けとめていただきたい。

 特に中国とかかわりのある問題ですけれども、今回、セーフガードの本格発動がいろいろと議論されている真っ最中でございます。これも、農産物三品目の暫定発動が行われてきたわけですね。二百日間そういった状況を見てきたわけですけれども、そういったしっかりとした反省も見られない、そういう国が今度正式にWTOに加盟されるわけです。

 当然ながら、国際ルールをしっかりと遵守する中で、国際的な経済の中で中国も発展されると思いますし、また発展してほしいわけですけれども、我が国の外交姿勢としても、そういう面ではしっかりとした問題意識を持つ中で、関係省庁が幾つかございますね、先ほどおっしゃいましたように、経済産業省なり農林水産省なりまた財務省なり、いろいろとかかわっている官庁も多いわけです。しかし、やはり一番窓口としてかかわっていただくのは外務省だろうというふうに私は思いますので、そういった面で、この問題について、大臣、もう一度いかがですか。大臣自身の御所見をどうぞ。

田中国務大臣 私も、ドーハに先立ちますシンガポールでのWTOの非公式会議に出席してまいりました。そして、もうずっとこのセーフガードの問題、今、委員御指摘でございましたけれども、こうしたことが、今後、中国だけではなくていろいろな国との関係で出てくるわけで、日本だけではなく多国間もあると思いますので、中国が国際ルールの遵守をしてくれるということ、いろいろな国際ルールにのっとってやっていくということは、非常に大事なことであるというふうに思いますけれども、このセーフガードに関して申しますれば、内閣がいつも言っていますことは、やはり粘り強く話し合い、交渉を続けていくということでありますし、また、中国、台湾が入りましたこと、一日違いで台湾が加盟したこと、ちょっと最初の質問のお答えになりますけれども、こうしたことは国際社会として歓迎すべきものであると考えます。

一川委員 そこで、尾身大臣にちょっと御所見をお伺いするわけです。

 今までの問題に関連しまして、以前からこの委員会の場でもいろいろと話題になっておりますけれども、沖縄の地理的な特性というものを生かして、米軍の問題の話題が非常に多いわけですけれども、こういった安全保障の問題は当然大事な課題ですけれども、それ以外の課題として、沖縄のこういった立地特性を生かす中での振興策みたいなものを考えていった場合に、歴代の大臣、外務大臣も含めまして、お話の中には、国際交流拠点的な位置づけとして沖縄の振興策を図っていきたいというようなお話がたびたび出てくるわけですし、当然、これからの沖縄の振興の中でも、そういう大きなテーマで動かれると思います。今ほどの、中国なり台湾が正式にそういった国際機関に加盟するという中で、沖縄という地理的な特性を生かせば、国際交流拠点としての発展の可能性というのはやはり十分あるわけでございますので、そのあたりに対する大臣の御所見をお伺いしたいなというふうに思います。

尾身国務大臣 今、一川委員おっしゃるとおり、WTOへの中国、台湾の加盟に伴って、これらの国々との経済的、文化的な関係が沖縄におきましても非常に強くなるというふうに考えております。

 そういう中で、先日の沖縄サミットにおきましても、国際会議、国際コンベンション等をできるだけ沖縄に誘致しようということを決定しておりまして、そういう点でも、アジアにおける地理的条件が非常に整っているわけでございますから、特に中国、台湾との関係が経済的に強くなるということによって沖縄の地理の重要性が高まるものというふうに考えて、私ども大変期待しているところでございます。

 そういう中で、私が、世界有数の大学院大学を沖縄につくるという構想を今進めているところでございますが、これは、アジア地域の方々も含めて、外国の学生を入れる、研究者を入れるということで考えておりまして、これから、中国、台湾あるいはアジアの国々が世界全体の経済の発展の中で大きな役割を果たしてくると予想されるわけでございまして、そういう中におきます沖縄の地理、場所、位置が非常にいい条件を整えることになったというふうに考えております。経済的、文化的な交流をさらに一層進めていくという考え方のもとで、いろいろな施策を推進してまいりたいと考えております。

一川委員 ぜひそういった方向で具体的な施策を展開していただきたいな、そのように思っております。

 沖縄問題は、こういった特別委員会まで設けて議論している以上は、やはり沖縄県の県内問題は要するに日本全体の課題だというような位置づけで議論しながら、沖縄の発展は日本の発展だというような方向で物事を推進すべきだなというふうに私は思っております。

 そういう観点で、先ほどちょっといろいろな質問の中で、沖縄の観光客が今回の同時多発テロの影響も受けて最近非常に減ってきたという話題を聞くと、ちょっと冷静に考えると不思議だなと思うのは、沖縄というのは日本の安全保障の一つの大きな拠点だというふうに従来から位置づけされているわけですね。先ほどの川内委員のやりとりの中でも、沖縄に米軍基地があるから危ないのだというやりとりがございました。私は、それは逆じゃないか、むしろ日本列島全体の中で沖縄は最も安全ではないかと。

 米軍基地が集中していること自体は問題はありますけれども、現実、米軍基地の相当部分が沖縄に集中している、我が国政府も沖縄のそういった安全保障における位置づけというのは相当重要視しているわけですね。今回みたいなテロ騒動で、沖縄が危ないというようなことが風評的にも広がるということは、私は、政府としての対応がおかしいのではないかなと。先ほど言いましたように、日本全体の中でも最も沖縄は安全でありますよ、皆さん御心配要りませんというぐらいにむしろ宣言すべきじゃないかなというふうに思いますけれども、両大臣、いかがですか。

田中国務大臣 今、委員がお尋ねになりましたことには幾つかのファクターが入っていると思いますけれども、きょう午前中からの沖縄に関する御議論を踏まえましても、それから今おっしゃったようなWTOの問題、それから三つ目におっしゃったのはテロの問題、観光が減ってきているというふうな問題、あと基地の問題、四つぐらいのポイントをおっしゃったと思います。

 包括的にお答えをいたしますと、私は、まずテロに対するその後の観光が減っている、それから午前中の議論の中で、沖縄の失業率が九・四%である、若年層に特に著しいということは、やはり沖縄が基本的に観光立地県である、もちろん基地の問題はありますが、それが、やはり観光の面で不安があるとかいうことが、風評被害もあって人が行かなくなる、したがって職を失って失業者がふえる、そういう三段論法になろうかというふうに思います。

 テロに関する脅威ということを言いますと、九月十一日以降は、委員先ほどおられなかったかと思いますが、ハワイのカエタノという知事が私のところに陳情に来られて、ハワイも観光客が激減している、日本からもっと観光客を呼んでほしい、来てくださいとお話しに来られました。この間、チュニジアの外務大臣と会いまして食事をしましたら、チュニジアも、すばらしいのだけれども、どうも僕たちの国の地域は危険だと思われている、大変な観光のリゾートだと言われました。それで、テロの脅威というものは、沖縄だけではなくて、世界じゅうが何かのときに自分自身もその対象になり得るということをまず考えなければいけない、これを一点として整理しなきゃならないのです。

 それから、失業の問題と、今度沖縄に絞って申しますけれども、それについては、経済の発展も、やはり安全であるということが証明されなければいけないわけですし、それはほかの、ハワイの話とチュニジアの観光でも同じことだと思いますね。ですから、それはやはり観光立地県でありますから、そこのところは私たちも一生懸命証明をしてみせなきゃいけない。それはテロの根絶ということと私は非常に緊密にリンケージしているというふうに思っております。

 ですから、二月の、私ども小泉内閣ができる前の二月二十七日だったと思いますけれども、今の前の質問にちょっとリンケージいたしますけれども、沖縄につきまして、今委員がおっしゃったように、沖縄というとすぐ基地というふうに思われるけれども、国際交流の重要な拠点としてもっと活用できるすばらしいファクターがあるということをおっしゃっています。地政学上のこと、利便性、美しさ、独特の文化等。したがいまして、今、尾身大臣もおっしゃったように、大学院大学をつくろうとかいろいろな構想があります。したがって、そうした拠点としてアピールしていくことによって、結果的には失業もなくなり、経済にも貢献をし、さらにリゾートとしてもまた充実していく、そういうトータルで見ていくということが、外交だけではなくて、すべての政治家のマインドの中に、心の中にあるべきではないかというふうに感じております。

尾身国務大臣 我々はテロ対策に万全を尽くしているところでございますが、テロという事柄の性格上、どこが安全でどこが危ないというようなことを軽々しく判断はできないというふうに考えております。

 そういう中で、沖縄につきましては、四軍調整官のグレグソンさんも、今沖縄について特別に危ないというわけではないということを明言しておりますし、また沖縄の県議会も満場一致で安全性を宣言しているという状況でございます。そういう中で、今、一川委員おっしゃいましたように、私は、米軍基地があるからむしろ安全であるという見方も大いにうなずけるものと考えております。

 さりながら、やはりマスコミの風評等があって、旅行のかなりがキャンセルされたというようなこともございました。私も先日、後援会の方々五百人に沖縄に行っていただいて、安心に、安全に、かつ大変楽しく旅行をしていただきました。皆さんも大変喜んでいただきましたが、今ならば沖縄は大変安くサービスもよく旅行できるわけでございますので、大いにPRをして、国民の皆様に、今がチャンスでございますから、沖縄を訪問して楽しんでいただきたいと願っている次第でございます。

一川委員 私自身、地元が石川県の小松というところなんですけれども、小松空港から那覇空港にも一つの航空路線がありますので、従来から割と利用率の高い路線でございますけれども、両大臣にもそのあたりの問題意識を十分持っていただいていると思いますので、私たちもそれぞれの地域で、沖縄の安全性というものを理解を求めながら、沖縄の振興のために少しでも役立てばいいなというふうに思っている次第です。

 次の話題、私は、実は赤土問題もちょっと質問しようとしたのだけれども、先ほど白保先生がやりましたので、この問題は非常に重要な問題であり課題であるわけですけれども、対策というのはそうたくさんあるわけじゃありませんので、質問をこれ以上余りしません。

 ただ、私自身の思いとしては、現地をこの前見せていただいたわけですけれども、赤土の流出は、農業はもちろん今一番話題になっておりますけれども、いろいろな公共事業等も工事中にはそれなりに出てくる可能性のある問題でございますし、またいろいろな民間のそういう活動の中、あるいはいろいろな米軍の演習の中でもそういうものが出てくるかもしれません。しかし、基本的には、今農業を営む中あるいは農地の方からの流出が非常に目立つわけでございます。先ほど仲村副大臣も沈砂池等を設けたらどうかというようなお話もございました。私も、現地を見ている限りには、当然そういうハード的な対策もあわせて大事なわけですけれども、やはり広く整備された農地を有効に使って年じゅう何かを作付していく営農体系というのがある面では非常に重要な課題ではないかなと。

 サトウキビの作付が終わると、しばらくの期間何も使われないで、農地がそのまま、雨が降ると表土が流されてしまうという現象があるわけでして、そこに何かを植えつけするということとか、あるいはまた、がらっと変えて、もうサトウキビの栽培から要するに放牧地に変えてしまう、そこに常に牧草を植えてしまうという中で、今石垣島なんかが振興していますような肉牛をもっともっとふやしたらどうかなというようなことも考えられるのではないかと思いますので、これは御答弁は結構ですから、私の意見として言わせていただきたいと思います。

 さて、その次に、これからの沖縄振興のことについてちょっと尾身大臣にお伺いするわけですけれども、私は先日、沖縄県民の意識調査というものを、内閣府で実施されたものをちょっと見まして、その中で、経済社会の全体の評価についてのいろいろなアンケートというか、調査の結果が出ておりました。

 それを見てあれっと思ったのは、沖縄の経済社会が順調に発展していますかというような問いに対して、ほぼ順調に発展しているというふうに答えた方が、平成六年の調査の段階では七五・七%いた、それが今回、ことしの二月ごろの調査では六二・五%にその割合が大幅に低下したというのが出ておりました。

 これは十分考察をしておりませんから軽率なことは言えませんけれども、私なりにちょっと感じたのは、沖縄のこれからの経済社会に対する見方というのは、当時と今と県民の意識も相当転換してきているなという感じを受けるわけですね。経済不況が長期化しているという背景の中でのことですから、いろいろなことが出てくるかと思いますけれども、これからの沖縄の経済社会はどうあるべきかということについて、県民の皆さん方もいろいろと問題意識を持って悩んでおられるなという感じも受けるわけでございますので、この調査結果というのは、そういう面では非常によく分析、評価された方がよろしいんではないかなというふうに思います。この結果、今、私がお話ししたわけですけれども、大臣はどのように受けとめていらっしゃいますか。

尾身国務大臣 今お話しのとおり、順調に発展しているというふうに認識をしている沖縄の皆様の比率が減っているというのが事実でございまして、これはやはり、一つには社会資本等の整備もかなり進んできていたことの裏側ではないかという見方もできると思いますが、もう一つは、やはり不況が平成六年当時と比べて深刻化している、日本全体もそうなんでございますが、深刻化しているということがこの結果に反映しているかと思う次第でございます。

 さはさりながら、九・四%というような高い失業率でございますので、私どもは、短期的にも中長期的にも雇用を拡大し、そして沖縄経済を発展させていくために全力を尽くす必要があり、また、そのように努力をしてまいりたいと考えている次第でございます。

 在日米軍基地の七五%を〇・五%の面積の沖縄が支えているといいますか、そこに存在をしているということによる沖縄県民の皆様に対する負担も非常に重いわけでございますし、これは国の命題として、沖縄発展のために努力をするというのが当然のことであり、県民の皆様の期待にこたえて頑張ってまいりたいと思う次第でございます。

一川委員 今後の振興の方向づけについての基本的なお話を今されたと思います。私自身も、沖縄が復帰されてもう三十年近くなって、やはりこれまでどっちかというと社会資本のハード的な面を整備してきたわけですけれども、これから、俗に言うソフト的な面につけて、沖縄の県民の方々がより充実した生活ができるように、また活力のある産業が発展しますように、振興計画をしっかりと見直していただきたいなというふうにも思っております。

 また、沖縄でも沖縄本島、本島の中でも南部と北部で大分現状も違いますし、人口の集積度も違います。それから、ましてや島嶼部がたくさんございますけれども、それぞれ大変重要な課題をたくさん抱えているわけでございますので、やはり相当きめ細かな計画を持ちながら対応していかないと、沖縄全体でどうのこうのという議論を余りしちゃいますと、ますます格差を助長する危険性がありますので、そのあたりに対する配慮をよろしくお願い申し上げたい。

 また、一方では、先ほどの調査を見ておりますと、産業廃棄物施設の整備をやってほしい、そういう意見も相当載っているということは、限られた面積の中でいろいろな活動を活発にすればするほど環境に対する負荷が大きくなるわけですから、やはり環境保全対策ということも沖縄の場合には大変重要な問題ではないかというふうに思いますので、あわせてぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。

 そこで、これはちょっと通告のない話題でございますけれども、尾身大臣はお持ちかどうか知りませんけれども、私は前に質問したんですけれども、これは二千円札なんです。私はいつも守り神のつもりで二千円札は一枚持っているんです。前々回の委員会だと思うんですけれども、前の橋本大臣のころに、このお札はなぜつくったのかという意味合い、一応いろいろとあると思うんですけれども、二〇〇〇年というミレニアムの記念の年に沖縄でサミットが開かれた、我が国には二の倍数の紙幣とか貨幣がないということも含めて、外国では非常に利用価値がある単位だということがあって、国民の利便性も高めたい、いろいろな多目的の中でこれができ上がってきておると思いますけれども、私はこのお札を見るたびに、この表に沖縄の守礼の門の図柄が入っているわけです。しかも、二〇〇〇年という二十一世紀に今入るその段階では非常に記念すべき紙幣だと私は思うんですね。この前この委員会で確かめたところ、一億三千万枚、要するに国民に一枚ぐらいしか流通していないんです。私は、そんなものは紙幣として本当に本格的に流通していると言えるのかなと。本格的にやるのであれば、やはりもっと、せめて五千円札ぐらいの枚数を流通させたらどうかなというふうに思いますし、それが、このお札を見て、沖縄を思い出し、沖縄に一遍行ってみたいということにもなるわけでございますので、沖縄担当大臣としてはそのあたりにも十分関心を持っていただいて、ぜひ財務省の方に働きかけをよろしくお願い申し上げたいと思います。それで私の質問を終わりますけれども、どうぞ大臣、御所見があったらお願いします。

尾身国務大臣 沖縄について大変温かい御質問をいただきまして、本当に心から感謝を申し上げます。

 この南北問題あるいは離島の問題等につきましても、私も最西端の、一番西側の与那国島にも参りましたが、やはりあそこにその島があることによって日本という国の領土がそこまでいっている、そういう意味において、私は、離島は日本という国家にとって大変大事であるというふうに考えておりまして、きめの細かい振興策を隅々まで進めていくということが私どもの責務であるというふうに考えております。

 二千円札の問題も、守礼の門の図柄があるわけでございまして、私としてもできるだけ大切にしていきたい。残念ながら、なかなか私の手元に現物が参らないという実態もございますが、大切にしてまいりたいと思う次第でございます。

 大変にお励ましのお言葉をいただきましたことに心から感謝を申し上げます。

一川委員 ありがとうございました。

大木委員長 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺委員 日本共産党の赤嶺政賢でございます。

 最初の質問ですが、沖縄観光の問題です。

 深刻な被害が直撃をしておりまして、これまでも多々論議をされてきたわけです。これまでの政府の対応策というのは、沖縄観光は安全だというキャンペーンだとか、修学旅行への補助を行うだとか、国際会議の招聘、観光関連産業への低利融資、こういうことをさまざまやってきたわけですが、残念ながら、結果としては焼け石に水でありました。ことし受けた被害は回復不能であります。キャンセルがだんだん少なくなってきているというお話もありましたけれども、それは修学旅行のシーズンを越したからキャンセルする対象が少なくなっていただけで、例年、修学旅行から得られる経済的ないろいろな利益というのはもうもとに戻らない状態になりました。ですから、決して楽観などせずに、ことしの被害は回復不能で、来年戻るかどうかが最大のかぎを握っている、そのためにどんな対策をとるのか迫られていると思います。

 それで、基地の安全宣言を言いながら一方では基地の警備員の派遣を増大するとか、これは沖縄で開かれた政務官会議でも大分問題になったようですけれども、また、テロの間じゅう、基地を抱えている周辺自治体では訓練が激化して騒音被害が増大をしているとか、安全宣言と現実が逆行しているような形で進んでいるわけですね。今回の観光被害、ここは、やはり基地のほとんどを沖縄に集中させた政府の安保政策のゆがみの結果だと私は思いますが、尾身大臣はこれをお認めになりますか。

尾身国務大臣 テロ対策については私ども万全を尽くして頑張っているところでございますが、事柄の性格上、どこが安全だ、どこが危ないというようなことは軽々しく言えるものではないと考えております。

 在沖縄米軍を代表するグレグソン調整官も、沖縄に具体的なテロの脅威があるわけではないというふうに明言をしておりますし、また、共産党を含めた沖縄の県議会も満場一致で、沖縄は安全である、支障なく平常業務が行われているのでぜひお客様に来てほしいというアピールをしているところでございます。

 私ども、そういう中で、もとより警備には万全を尽くしてまいりますが、風評的なものに対してどう対処するかということも実は大変大事でございまして、沖縄の観光のお客様ができるだけ来るように、いろいろなところで政府としてもキャンペーンをしているところでございます。修学旅行等についても、一応キャンセルがおさまったと聞いておりますが、しかし、来年、再来年の予約が今度はしっかりとれるような対応を、文部科学省の協力もいただきながら進めているところでございます。

 在沖縄米軍基地を撤去したらいいではないかということに関しましては、私どもは共産党とは意見が異なっておりまして、この米軍基地の存在というものが日本及びアジア地区の安全と平和に極めて大事な役割を果たしている、そういうことをしっかり踏まえた上で、しかしながら、同時に沖縄の県民の皆様の負担を軽減する方向で、SACO合意の線に沿って、整理、縮小、統合を進めているところでございます。

赤嶺委員 基地の負担の重圧について、共産党はそう言うんだがそれは共産党の意見だと尾身大臣が認識しているなら、こんなことでは沖縄の問題には対処できませんよということを一言言っておきたいと思います。県民みんなが、基地の重圧の苦しみを解決したいという願いは共通であります。党派を超えて共通であります。

 同時に、キャンセルがおさまったと言いますけれども、先ほども申し上げましたように、修学旅行の一番いい季節の一番ピークが過ぎて、キャンセルする対象が少なくなったというだけで、被害はもとに戻りません。だから、テロは全国どこでも、世界どこでも起こり得るから、沖縄が安全だと言っているのに危険だと思うのは風評だと言っているのは、これも認識の甘さであって、沖縄は安全だというアピールは、沖縄の人であれば、これも党派を超えて、みんなが全国にアピールしたいことです。そういう基地の危険、重圧を覚えていても、日常的には暮らしているわけですから、それは当然であります。しかし同時に、沖縄は安全だという中で、では本当にその中で、基地の危険や、そういう政府が努力すべき課題はないのかといえば、それは全然違うと思うんです。

 先ほど、沖縄が危険というわけではないというアメリカ高官の発言もありましたけれども、私は、沖縄の修学旅行に、毎年、沖縄学習で一年がかり、二年がかり、学校で子供たちと一緒に沖縄の歴史や文化を学び、そして沖縄の修学旅行を成功させるために本当に精魂込めて働いている現場の先生方から、今度、この修学旅行中止の問題でいろいろな手紙をいただきました。

 ここにも、沖縄修学旅行中止校からの緊急報告とあるんです。それで、この人たちは最後の最後まで、沖縄は安全だから行こうじゃないかといって、生徒にも父母にも説得をしていた。ところが、中止を決断した理由として、十月十二日、FBIから、数日中にアメリカと海外の米軍基地にテロの可能性があるとの報道が流れたことがある。それまでは沖縄が危ないというのは風評でしかないと考え、中止にすべきでないと考えていた教員の中にも動揺が起きてしまった。もうとめられなかったと。あす沖縄に行くという日を前にアメリカのFBIがこういう発表をして、もうこの動揺を抑え切れなかった、こういうぐあいに具体的にあらわれて、具体的に修学旅行生が減ったんですよ。アメリカの政府高官がとりわけ沖縄だけ危ないわけじゃないと言って、ふえたということではないんです。

 ですから、沖縄に基地が集中しているがゆえに、そこから起こるいろいろな問題で今回の観光被害が起きたんだということをきちんと認識していただきたいと思います。

 それで、それにかかわってもう一つ、安全宣言という中で、一方では、今度のテロ問題を通じて、基地の実態は深刻なものがあります。まず、テロの後に沖縄の基地は厳戒態勢がとられました。厳戒態勢における訓練の一つということで、テロや報復戦争に関連した訓練が、今、沖縄では激化しています。例えば嘉手納飛行場は、十一月に入り、七十デシベル以上、これは法律を超える騒音ですね、これが一日平均百五十四・八回を記録、十月が九十三・四回ですから、明らかにふえております。しかも、十一月の八日には二百十七回を嘉手納基地の周辺で記録しております。

 北谷の辺土名町長は、十一月の二日に、アメリカの空母艦載機による騒音は耐えがたい、通常嘉手納基地にいる戦闘機ではなくて、テロと報復戦争を目的に空母艦載機が沖縄の近くまでやってきて、そして北谷町の上空、民間地を低空飛行している、これは耐えがたいということで、在沖米艦隊活動司令部に民間地上空での艦載機の訓練中止を申し入れました。

 また、住宅地を低空で旋回し、住民の苦情というのが沖縄の中部一帯で本当に集中しております。宜野湾市の比嘉市長も、普天間飛行場の司令官に騒音軽減を要請しました。これも空母艦載機です。同司令官は、その申し入れに対して、厳戒態勢下での訓練の一つだ、だからすぐに取りやめることはできない、こう述べているわけですね。

 政府は、こういう基地被害、騒音被害をちゃんと調査をして認識しているのか。私は、沖縄は安全だという安全宣言を裏づける上でも、空母艦載機による外来機の訓練の中止を申し入れるべきだと思いますが、いかがですか。

伊藤政府参考人 ただいま御指摘の航空機の騒音でございますが、確かに、いわゆる七十デシベル以上の騒音の発生回数というものは増加している傾向が見られると承知しております。

 米軍は、これらの航空機の飛行につきましては、いわゆる通常の訓練であるというふうに説明をしているところでございますが、私どもとしては、飛行訓練に際しまして、騒音規制措置、これは合同委員会で決められているところでございますが、騒音規制措置を遵守して飛行するよう申し入れているところでもございますし、また、米側もそのように指導しているというふうに承知をしているところでございます。

赤嶺委員 民間住宅地上空での訓練の騒音被害の話をすると、いつもそんな答弁が返ってきますけれども、今度の騒音被害が通常の月より拡大しているのは、明らかに米軍の通常の訓練ではないんですよ。テロ報復戦争による、新たな空母艦載機による訓練なんです。これも認識しておられないようであります。

 それから、騒音規制措置を求めたいと言っておりますが、米軍は、訓練はしばらく必要だ、だから続けたいと言っております。皆さんは、騒音規制措置だとか、民間地住宅上空での低空飛行訓練、そういう中止を申し入れましたか。

伊藤政府参考人 訓練の目的、内容がいかなるものであるかということにつきましては、私どもはこれを判定する立場にはないわけでございまして、米側に問い合わせ、米側の回答によるしかないわけでございまして、そのような意味で、通常訓練であるという回答を得ているところでございます。

 それから、飛行場周辺におきます騒音ということでございますが、御承知のとおり、これはゼロにするわけにはなかなかまいらないものでございまして、住宅防音その他の対策で補わざるを得ない面もあるということでございます。

赤嶺委員 民間地住宅上空での訓練は、アメリカが通常の訓練だと言いましたから、そうだと思っていますと。ところが、私、きょうは時間がないので読み上げませんが、北谷の町長の申し入れ文書、宜野湾市の市長の申し入れ文書、はっきり、テロ報復戦争による空母艦載機が急に飛来したことによって爆音が増大している、こう言っているんですよ。協定を破るのはもういつでも空母艦載機の外来機なんです。だから、皆さんが騒音防止協定があるだの何だのと言ったって、それを守らないことを前提に空母艦載機、外来機が嘉手納基地や普天間基地にやってきて、これだけの爆音被害をつくり出しているんですよ。

 ですから、尾身大臣、本当に安全だということを日本全体にアピールしたいのであれば、そういう危険な事態をやはりいち早く対策をとる、きちんと申し入れをする。そして、何も防音施設を民間につくるんじゃなくて、民間地住宅上空を飛ぶな、報復テロで外来機が沖縄に来るな、ただでさえ基地の負担は重いじゃないか、こういうことは政府は言って当たり前だと私は思います。

 それで、沖縄観光の回復の取り組みというのは、大臣もおっしゃったように、本格的にはこれからです。来年、再来年の修学旅行生が戻ってくるかどうかです。今回のテロによる観光の激減は基地災害であり、国は災害補償をすべきだという意見もあります。これは共産党の意見ではありません。これは、そういう観光関連産業団体が明確に稲嶺知事に文書で主張していることであります。だから、私は本当に、沖縄観光振興について、具体的に観光客が戻ってくるまで政府は責任をとるべきだと思います。この点を、本当に戻ってこさせるという対策をどのように考えておられるのか。

 それから、二十一世紀の沖縄振興ということ、平和で豊かな沖縄の発展ということを考えてみた場合に、米軍基地と観光の振興は両立しないという立場で、この立場を認識すべきだと思います。これは認識の違いだということになるかもしれませんが、現に来年、再来年、沖縄に観光客を戻すことについては、これは政府にとっても私たちにとっても大変大事な課題であると思いますので、まず、政府が本当に来年、再来年、こういう対策で戻していくというような施策がありましたら、それについて御答弁をいただきたいと思います。

尾身国務大臣 私ども、主として本土における沖縄観光キャンペーンを通じ、またあらゆる機会を通じて、私ども自身も、私自身も、機会あるごとに沖縄に伺って、安全性についての実感を持ち、そしてそれをPRしていくということが大変大事であるというふうに考えております。

 もう一つは、現在行われておりますアフガニスタンにおけるいわゆる同時多発テロ及びその関連のものに対するしっかりとした対応をして、この本拠を撲滅する、そして世界全体がテロの脅威に心配をして日々不安な気持ちで暮らすそのもとを断ち切るということも、私どもとしては大変大事であるというふうに考えている次第でございまして、そちらの方にも全力を尽くさなければならないと思っております。

赤嶺委員 テロ報復戦争による犠牲を沖縄がかぶっても、基地がある以上、安保がある以上、それはやむを得ないんだというような立場はぜひ改めて、米軍基地と沖縄の観光振興は両立しないという認識を強めていただくことを指摘して、お隣に仲村副大臣もいらっしゃいますけれども、立場は違え、そういう認識発言を私も日々耳にしているところでありますから、それが県民の願いだということで、次の質問に移りたいと思います。

 次の質問なんですけれども、政府は、六月の第七回の普天間基地代替施設の移設協議会で名護市への新しい基地を建設する上で三工法八案を提示して、それ以来、この案の絞り込みを沖縄側に強く求めてきました。稲嶺知事は、せんだって記者会見をしまして、年内に最終案を提示するということを表明して、防衛施設庁長官もこれを歓迎するという新聞の報道がありました。年内に絞り込みたいということで、国と県の意向が明確になってきているわけです。

 こういう中で、名護市の市の企画部長の名前で、三工法八案の中で、リーフの外の沖合の建設は困難だ、つまり海上のずっと向こうの沖合での建設は困難だ、これは国も県も市もこの認識は一致しているんだ、このように言い出しています。辺野古の部落に文書でも送っているということを確認しております。リーフの中に基地をつくるのは、地元の人たちが騒音公害などで絶対に認められないと言っていますから、この発言は、事実上リーフの上に基地をつくる三つの案の中から何かを選ばなければいけないという意思表明になっています。

 政府はこれまで地元の頭越しには場所は決めないとしてきたわけですが、政府は名護の企画部長と同じ認識なのでしょうか。そして、その認識を、辺野古や豊原や久志の地域にそのまま押しつけるつもりでしょうか。また、そういうやり方で年内に案を絞ろうということなのでしょうか。

伊藤政府参考人 先生御指摘の名護市の企画部長名の文書というものを私は今手元に持っておりませんが、私が承知いたしますところでは、先般の代替施設協議会で私ども防衛庁が御報告いたしましたいわゆる三工法八案でございますが、そのそれぞれについていろいろとコメントをしております。検討のために留意事項というようなことをお示ししております。

 その中で、例えば埋め立て方式のリーフ外案につきましては、護岸の設置場所は水深、波浪とも我が国最大級の規模であり、また非常に複雑な地形であることから、設計波や砕波の影響について水理模型実験で確認が必要であるというような留意事項を申し述べておるわけでございます。そのほか、ポンツーン工法あるいはくい式桟橋工法についても、それぞれの特徴を踏まえました留意事項というものを申し述べておりますし、それぞれの工法ごとにどのくらいの期間が必要であるか、またその経費はどのくらいかということは、既に三工法八案のときにお示ししたわけでございますが、恐らくそこに示されました留意事項あるいは期間等につきまして、改めて述べたものであろうと私は承知しております。

赤嶺委員 僕は、今、伊藤長官は大変重大な答弁をしていらっしゃると思いますよ。つまり、三工法八案をよくお読みください、念入りに読んでいくと、そこには注意事項が書いてあるでしょう、そこには、リーフの沖合につくるのは時間もかかるし工法も蓄積がないし経費もかかる、そういう文書を読めば、おのずから国の姿勢はどこにつくりたいかはっきりしているのではありませんか、このように先ほどの答弁を解釈しても間違いではないような答弁をしておりますよ。

 それで、やはり沖合は、金がかかるし、時間がかかるし、そして困難だ、こういう認識を国自身がお持ちなんですか。年末に絞るに当たって、そういうものは選択肢の中に入れるなという認識をお持ちなんですか。

伊藤政府参考人 代替施設協議会におきます議論を私から御答弁申し上げていいかどうか、ちょっとあれでございますけれども、私が承知しておる限り、代替施設協議会の中でいろいろな条件についての御議論がございました。その中には、できるだけ工期が早いというようなこともあったように記憶しております。申しわけございませんが、今ちょっと資料を持っておりませんので全部正確に御説明できませんけれども、そういう議論の積み上げの中での資料として、この三工法八案について、いろいろな留意事項、あるいは期間、経費等についても御説明をしたということでございます。

赤嶺委員 既に、三工法八案ではなくて、三案は捨てられて、三工法五案になっている。しかし、地元の人たちは、たとえ基地に賛成だという人でも、沖合のずっと向こうにつくってほしいという人たちが現に圧倒的なんです。私は、基地に賛成している人たちにも、きのうからおとといにかけてずっと電話をして、御意見も聞いてみました。いろいろな意見を持っていますが、みんな沖合の向こうなんです。それで、今回の三工法、五案と言ってもいいですし、八案と言ってもいいのですが、どれをとっても納得がいかないと思うのですよ。

 橋本前総理が、普天間基地の代替施設をつくろうというときに最初に言い出したのは、県民の安全及び生活の質にも配慮する、こういうことを言ったのです。安全と生活の質、つまり騒音は避けたい、だから海上基地だ、それもヘリポートだ、それも撤去可能なものだ、このように言いました。しかし、撤去可能なヘリポートといっても、SACO合意の最終報告では長さは千五百メートルで、我々は、そんなヘリポートがあるか、実際にはアメリカの新型戦闘機に備えた滑走路づくりだ、台湾や朝鮮半島をにらんだ出撃基地づくりだといって、住民投票では、その海上基地は名護市民の圧倒的多数から選択されませんでした。あのときに、住民の安全や生活の質に配慮するとして出された海上ヘリポートでさえ、当時は住民投票では不信任、反対が多数という結果が出たのです。

 ところが、今度の三工法八案というのはどうですか。全長が、千五百メートルが、今ではもう二千七百メートルになっていますよ。撤去可能だと言ってきたのが、これを担保する十五年期限というようなのは、全くアメリカが合意しておりません。撤去可能というのも、このSACO合意から見れば、今で見ればまやかしであった。同時に、二百ヘクタールの埋め立て案までありますからね、撤去可能なんというようなことは言えないわけですよ。

 SACOが建前としてきた基地の整理縮小というのは、もはや、今度の三工法八案あるいは三工法五案では失っていると思いますよ。当時、海上、沖合のヘリポートであれば部落の中に騒音被害は起きないだろうと思って、信じて、それで、日本全国の安保の必要性があるのであればといって賛成をした人が、何で今ごろリーフの上なんだと。リーフというのは先祖代々沖縄の島を守ってきた大切な宝だ、こういうリーフを壊して賛成ということは絶対に自分はやりませんということで意見書も出しましたという基地賛成派もいらっしゃるのですよ。

 もうSACO合意が前提としていた基地の整理縮小ではなくて、基地の機能強化、固定化、永久化になっている、規模が拡大している。こういうのを基地の整理縮小とは言わないと思いますけれども、いかがですか。

尾身国務大臣 普天間基地の移設、返還につきましては、平成十一年の十一月に稲嶺知事が、移転先の候補地を表明された際に、移設に当たって整備すべき条件の一つとして、代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用飛行場として、将来にわたって地域及び県民の財産になり得るものであることという考え方を示されたところでございます。

 その後、これを踏まえた平成十一年十二月二十八日の閣議決定「普天間飛行場の移設に係る政府方針」におきまして代替施設協議会が設けられ、それを中心として今検討が続けられているという状況にあるわけでございまして、私どもは、この今の案はSACO合意の基本的なラインに沿ったものであるというふうに考えております。

赤嶺委員 面積が拡大したのは何か民間空港が出てきたからだというぐあいにおっしゃりたいのでしょうけれども、しかし、その民間空港とて需要予測が全く立てられていないものですよ。専門家からも、とにかく、年間の利用客二十万という需要予測自体が正しいかどうか検証しなければいけない、二〇一〇年の旅客需要の予測は不確定要素だと。

 そして、副知事は、今度の県議会で、あそこの軍民共用というのは、採算性が先にあって移設するわけではない、採算性なんか考えなくていいのだと。県議会答弁ですよ。あそこは市場ベースで軍民共用の振興策ではなく、政策的な支援によってそこが成り立つような形に持っていこう、これも県議会答弁ですよ。つまり、需要予測も成り立たない、ただ基地をつくれば政府が応援するから飛行場をつくろうと。これは、空港をつくっても利用者はいない、そうしたら必然的に米軍が利用することになっていくじゃないですか。

 そういう、本当にこの今の政府のやり方。地方空港をつくる場合には、需要予測をもっと正確に、もっとオープンに、そして需要予測が立たないものはつくらない、国土交通省の調査結果ですよ、ここにも冊子を持ってきておりますが。そういうことがあるにもかかわらず、基地をつくり、つくるために民間空港を言い出し、しかし、その民間空港は名護市はだれも言ったことがないよという異議が唱えられて、きょうは急遽説明会も開かれるらしいのですが、中で、面積が大きくなり、固定化し、そして永久化していく。

 だから、SACO合意は絶対に基地の整理縮小ではない、基地の整理縮小に本格的に取り組まない限り今回のような観光被害はさらに拡大をするということを指摘しまして、時間が来ましたので質問を終わりたいと思います。

大木委員長 次に、東門美津子君。

東門委員 私の質問を、早目に外務大臣へしてくれとの申し出がありましたので、何か次の日程があられるようで、先に外務大臣の方からお願いいたします。

 まず、SACO関連ですけれども、政府におかれましては、年内にも代替施設協議会を開催するという予定になっていますか。まず、そこからお聞かせください。

尾身国務大臣 代替施設協議会につきましては、現在地元で八案につきまして検討中でございまして、その検討結果がある程度めどが立った段階で開催をすることになろうと考えております。今、どういうタイミングにするかということについては決まっておりません。

東門委員 今、移設候補地の地元の住民から、軍民共用の二千六百メートル滑走路は規模が大き過ぎる、そういう反発があることはもう御承知のことだと思いますが、その大き過ぎるものが十五年後には撤去されるのか、民間専用空港にかわるのか、それとも、十五年どころか二十年あるいは三十年、五十年と、もう見通しが立たずに半永久的に基地であり続けるのか。それは、地元住民が判断をするにはあらゆる条件を勘案する必要があると思います。

 中でも、この基地をつくると何年後まであるのかという使用期限の問題は一番重要な判断材料であり、県民全体が注目しているところです。美しい海を埋めるという大変に重い判断を、地元の皆さんになるべく早く、できれば年内にも決めてほしいとおっしゃるからには、政府の側もある程度の見通しを持って、十五年問題はいつごろまでにめどが立ちますと、それぐらいは約束していただかなければフェアではないと思いますが、外務大臣、どうでしょうか。先ほどもどなたかの、川内委員でしたか、委員からの御質問に、十五年は相手があることですからとおっしゃっていたようにちょっと記憶しておりますけれども、ただし、県民が、地元住民が態度を決めていく上でも、私は使用期限の問題はとても大事なことだと思います。大臣の御答弁、よろしくお願いいたします。

田中国務大臣 代替施設協議会の話、先ほどもお尋ねがございましたけれども、この使用期限の問題は、すべて、まず基本的には平成十一年の閣議決定というのがございますから、ですから、この使用期限の問題というものは、それに従って適切に対処をしていかなければならないというふうに思っております。

 それから、先ほどの代替施設協議会のことですけれども、尾身大臣がお答えになりましたけれども、地元で御意見を十二分に伺いながら、基本計画の早期の策定に向けて努力をしている最中でございます。

東門委員 平成十一年の閣議決定に沿ってということなんですけれども、では、その中では十五年の使用期限問題はどのように扱われているんでしょうか、述べられているんでしょうか。大臣、お願いします。

田中国務大臣 使用期限問題でございますけれども、政府といたしましては、代替施設の使用期限については、国際情勢もありまして厳しい問題があると認識を有しております。したがって、沖縄県知事及び名護市長からの要請がなされたことを重く受けとめておりまして、これを米国政府との話し合いの中で取り上げるとともに、国際情勢の変化に対応して、本代替施設を含めまして、在沖縄米軍兵力構成等の軍事態勢につきまして、アメリカ政府と協議していくということといたしております。

 これが平成十一年の閣議決定でございます。

東門委員 その中で、米国政府との話し合いの中では、知事あるいは名護市長の要請を重く受けとめてという段もありますね。それを、御両人ともやはり十五年は譲れないとおっしゃっているんですよ。そういう中で、米国側との交渉をしていかれる、協議を重ねていかれるとおっしゃっているわけですから、そこのところはどれくらい協議をして、例えば、先ほどの大臣の御発言の中に、ブッシュ大統領が極めて困難であるとおっしゃったというその場だけに限るのか、そこで終わっているのか、その後もそういうことについて努力が重ねられているのか、お聞かせいただきたいと思います。

田中国務大臣 今、東門委員がおっしゃった、午前中の議論の中でブッシュ大統領の発言を申しましたので繰り返しませんけれども、それはアメリカの意見でございまして、日本は日本の皆様の御意見、今こちらにおっしゃった、先ほどおっしゃった知事でございますとか名護市長でございますとか県民の皆様の御意見ですね、それらを踏まえまして、相手のあることでございますから、交渉事というのは一〇〇%こちらの言うことだけが通るわけでもございませんけれども、十二分に誠実に、粘り強く話し合いを持っていきたい、かように考えております。

東門委員 一〇〇%こちらの言い分だけが通じない、通らないということは事実でしょうけれども、一〇〇%あちらの言い分だけが通らなければいけないということもないですよね。確かめておきます。

田中国務大臣 粘り強く、お互いに目を見て、意見をよく聞いて、よく議論を続けていきたい、かように考えます。

東門委員 何かお話を伺っていると、朝からずっと、これまでもそうなんですけれども、政府の方としては十五年の使用期限については約束できない、そういう印象を受けるのですよ。そういう約束できないとの見通しであるならば、あるいは世界情勢によるので十五年後はどうなるかわからないというようなことならば、それはそれで地元住民が判断していくための材料になると思うのですね。ただし、今、政府はその説明責任すら果たしていないと私は思います。それを県民に対して、要するに知事さんや名護市長に対して、県民に理解させるためにも、今こういう状況ですよ、こういう理由で十五年使用期限はだめなんですよということを説明されているかどうか、お願いいたします。

田中国務大臣 沖縄大使もおりますので、なお一層督励いたします。

東門委員 今の御答弁は、沖縄県民に対して政府としての説明責任を果たしておられると大臣は思っておられるのでしょうか。

大木委員長 尾身大臣。

東門委員 いやいや、これは今の、済みません、尾身大臣、ちょっと待ってください。

尾身国務大臣 沖縄県民に対する説明というお話でございましたから、私が沖縄の担当でございますから、今委員長の御指名もございましたから……

大木委員長 済みません、東門先生、ちょっと待ってください。尾身大臣のをまず聞いてから。

尾身国務大臣 先ほど外務大臣のお話にもございましたように、両国の首脳会談におきましても、小泉総理、ブッシュ大統領との間の会談でもこの問題を取り上げておりまして、難しい困難な問題であるという返事はいただいているところでございます。

 この点につきましては、国際情勢の変化に対応いたしまして、この代替施設を含め、また沖縄にある米軍の兵力構成等の軍事態勢につきましても、今後とも米国側と外務大臣などを中心として話し合いを進めていきたい、そういう話を沖縄の方に私どもは十分に説明をしております。

田中国務大臣 前後しましたけれども、先ほど来言っていることの繰り返しになりますけれども、やはり粘り強く交渉しております。ブッシュ大統領と小泉総理のときもそうでございますし、私がパウエル長官と話をしているときもそうでございますので、これは、やはり沖縄県の皆様がすぐ気に入ったような方向には交渉事はいかないかもしれませんけれども、お気持ちはよくわかっておりますから、交渉をしていると申し上げます。

 ただ、それが沖縄の皆様に対して十二分に説明がいっていないのであれば、また沖縄大使も督励いたしますということを申しました。

東門委員 その件につき、十五年使用期限問題について、仲村副大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。かねてから副大臣は、十五年使用期限は絶対に譲れない線だとおっしゃっていたように私は記憶しておりますが、いかがでしょうか。

仲村副大臣 平成十一年の十一月に、稲嶺知事が普天間基地の移設先をキャンプ・シュワブ沿岸にお決めになったときの条件の一つに、使用期限十五年ということが入っておりまして、そして、平成十一年十二月二十八日の閣議決定の中で、先ほどお話がありましたように、稲嶺沖縄県知事、岸本名護市長の要請を重く受けとめてアメリカとの交渉をする、こういうことでございます。

 そこで、これは外交交渉ですから、一回言って、相手がだめだと言ったからここで日本は引き下がるということではない。外交交渉というものは、やはり粘り強く実現を目指して頑張ることが政府の責任だ、こういうふうに思っております。例えば、ウルグアイ・ラウンドの決定でも、WTOでも十六年ぶりに決定したのですよ。国際の約束というのはそういうものですから、我が国としては、ぜひ稲嶺知事、名護市長の要請を重く受けとめて対米交渉を続けていかなければならない、このように思っております。

東門委員 よくわかりました。

 ですけれども、では、粘り強く外交交渉は続けていく、何十年でも続けられるのかもわからないのですが、その間にここはどんどん進んでいく、見切り発車をするということにもとられると思うのですが、どうでしょうか、大臣。

仲村副大臣 それは、名護市の方からも七つの条件が出ております。今、一つ一つ詰めて、クリアされているところでありますけれども、まだ幾つか残っておりますので、その点も同時並行的に、工法を決める中で処理していかなければならない課題であると考えております。

東門委員 外務大臣、一応、これから尾身大臣にお聞きしたいと思いますので、どうぞ。ありがとうございました。

 尾身大臣に、沖縄の観光産業について、朝からずっと続いておりますけれども、私もやはりその件について質問をさせていただきたいと思います。

 まず、沖縄は観光立県をアピールしておりまして基幹産業は観光であるということ、と同時に、沖縄には七五%の在日米軍専用施設が集中しているというこの二点、それは事実であるとの御認識でしょうか。

尾身国務大臣 在日米軍基地の七五%が沖縄にあることは事実でございますし、沖縄の大きな産業としてこれから観光産業が大きな役割を果たすというふうに私も考えております。

東門委員 この二点は、私は沖縄というときに真っ先に出てくる点だと思うのですね、観光、それから基地ということは。

 ただ、この二つの特徴が、沖縄の振興開発、経済発展というその視点から、どのような影響をもたらしているかということをお伺いしたいと思うのですが、基地の集中ということと観光、それは両立するという見解でございましょうか。

尾身国務大臣 今沖縄にある在日米軍基地は、日米安全保障条約に基づきまして、日本及びアジア地域の平和と安定に大きな貢献をしている、そういうふうに考えている次第でございます。ただしかし、その基地の存在が沖縄県民の皆様に大きな負担となっていることも事実でございまして、それを踏まえて、私どもはSACO合意に基づいて沖縄基地の整理、縮小、統合を図っていく、普天間基地の代替施設への移転もその一環であるというふうに考えている次第でございます。

 そういう中におきまして、観光でございますが、この沖縄の美しい自然と豊かな文化遺産等を背景として、観光は徐々に、昨今観光者の数がふえてきておりまして、特に沖縄サミット以後も一段と観光客の数がふえて、リピーターもふえているということでございまして、私どもは、これを一層振興させていきたいと思っている次第でございます。

 ただ、観光だけではございませんで、私の方は、いわゆるIT産業とか、あるいは大学院大学の創設等を含めて、もうちょっと幅の広い沖縄の振興ということも考えて、アジアの一つの経済の中核として、あるいは知的クラスターとして発展をさせていくというビジョンも片方で描きながら、全体として立体的にこの振興を進めてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

東門委員 私は基地と観光との両立についてお伺いしたのですけれども、沖縄の観光についていいますと、確かにこれまでは年を追うごとにかなり上昇してきていたと思います。間違いのない事実です。

 しかし、今、九月十一日以降、ぴたっととまっているどころか、下降ぎみであるという事実もありますね。そういう中では、在日米軍が七五%も沖縄に集中している、そういうことによって、国際情勢、殊に同盟国の情勢に非常に影響を受けるのです、沖縄の観光は。それは間違いのない事実だと思います。何か事あるごとに警備が厳重になる、騒音が一層ひどくなる、そういうようなことはこれまでにもたびたびありました。今回のテロ発生後の観光業界及び県経済への影響はとても深刻である、これはもう、私が申し上げる前に尾身大臣がよく御存じのことなんです。

 ただ、私の質問は、大臣、この影響は一過性のものでしょうか、それとも、観光を支えている沖縄の基盤は、その特殊性ゆえに、基地が集中しているという特殊性ゆえに、不安定あるいは脆弱であるということだとお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。

尾身国務大臣 今申し上げましたが、観光客が徐々に増大をしている、特に沖縄サミット以後これが顕著であるということは、基地の存在のもとにおいてそういうことが実現をしていたわけでございますから、私どもはその線に沿って観光をさらに伸ばしていきたいと考えている次第でございまして、これは沖縄の方々もそのように願っているところであると考えております。

 テロとの関連につきましては、今アフガニスタンでテロ撲滅のための厳しい闘いが行われておりまして、全体としてはタリバンに対する攻撃が成功している、そして、もう少しでテロ及びその支援者の本拠を崩壊させることができるという状況になっていると私は認識をしております。

 そういうことが実現をしてまいりますと、あのアメリカにおける同時多発テロの根源、根元が断ち切れるわけでございます。世界全体として見て今飛行機の旅行が非常に少なくなっているとかいう状況の中で、これは沖縄の観光を平常に戻すためにも、私は、世界全体の中でのテロ撲滅の闘いでぜひとも勝利をしなければならない。それが解決しない限り、沖縄に限らず、世界全体、日本も含めて、観光の産業はもとに戻らない、そういう意味で、今大変大事な局面にあるというふうに考えております。

東門委員 観光、飛行機がというお話でしたけれども、私は、実は昨日ですか、アメリカから帰ってまいりました。そちらのお話を聞きますと、確かにしばらくは客がぐっと減ったけれども、もうほとんど満席状態、私が行ったときも満席でした、帰るときに少し少なかったのですが、そういう状況になってきている。要するに、テロが起こった当のアメリカでも、もちろんあれはニューヨークでありますけれども、サンフランシスコ、アメリカ本国でも、そういう飛行機の観光客が戻りつつあるという中で、沖縄はまだまだですね。それはもう御存じだと思います。観光客もしかり、修学旅行もしかりです。

 そういう中で、実は社民党も、先週末ですか、沖縄へ調査団を送りまして、業界の皆さんと、あるいは県庁の皆さんといろいろなところで話してきて、その報告が入っておりますけれども、本当に業界の皆さんは悲鳴を上げておられる。航空会社の方もホテル業者の方も、周辺で働いているバスも、皆さん悲鳴を上げておられる。これが、日曜日から月曜日までですから、本当についきのう、おとといの話なんですよ。

 そういう中で、ではなぜ沖縄はそうなのかというと、やはり本当に基地、これは欠かせない。やはり基地があるから皆さんが、本土の修学旅行がキャンセルになる、あるいは観光客も沖縄行きは控える、そのかわり熱海に行きましょう、奈良へ行きましょう、京都へ行きましょう、北海道は飛行機で行くんですけれども、そこへ行きましょうということになっているのではないかと私は思うんです。

 ですから、私は、現在の状況ですね、基地と切り離して考えられないと思うんですよ。昨年のサミット以降、観光客はどんどんふえてきていたというお話ですが、それ以前からふえ続けていたのは私もよく知っております。沖縄はやはり観光立県ですから、観光をどんどんアピールしながら、ぜひ沖縄へいらっしゃいということをやってきた結果、いいところまで、本当に沖縄の観光はこれでいけるというところまで来ていたときの今回の事件なんですね。日本全国で沖縄だけにそういう現象があるということを私は目をつぶってはいけないと思うんです。いかがでしょうか。

尾身国務大臣 ちょっと、私は、事実関係として、例えばハワイの旅行客が非常に減っている、全体として航空機を利用する方が激減をしていて、世界じゅうで航空機の会社が幾つかつぶれるというような事態が起こっているというふうに考えております。ですから、そういうことがやはりかなりあるということも事実であろうというふうに考えます。

 それから、沖縄について、基地を守るために警察官が行ったというようなこともありまして、そういうことが一つの風評となり、またマスコミの流れに乗って、危ないというような意識を国民に植えつけてしまったということもあろうかと思っているわけでございます。私も先日、私の後援会の方々五百人に沖縄に行っていただきましたが、やはり来てよかった、サービスもいいし、料金も安いし、料金は本当に三割ぐらい安くなっている、よかったということで、そういういろいろな人が来て、沖縄の現実を見て、豊かな自然に触れ、文化遺産に接することによって、また徐々に正常化してくる。私自身はそのことのために全力を尽くしてまいりたいと考えております。

東門委員 大臣のおっしゃるのはわかるんですよ。機動隊をぱっと沖縄に送ったために風評被害ということもあろうかと思われるというお話でしたけれども、でも、政府が、警察を沖縄にそれだけ送ったということは、やはり危険区域であるということを思ったから送られたわけですよ。これは沖縄から発したんじゃなくて、政府が発した情報なんです。それをはっきりと私は大臣にはわかっていただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。政府が発したんです、これは。沖縄は危険区域ですよというのを出したんですよ。違いますか。

尾身国務大臣 これは、日本全土でテロに対する万全の対策をとるということでやっているわけでございまして、私どもは、他方で、沖縄の方々が、沖縄は安全だからぜひお客に来てください、観光に来てくださいと言っている、そのこともよくPRをしながら、国民の皆様に御理解をいただきたい。東門先生も沖縄の方でございますから、その辺のお気持ちはよくおわかりの上でお話しいただいていると思いますが、私自身は、何回も自分でテロ以後も沖縄に行った、その体験を踏まえながら、しっかりと国民全体に本当の現状、安全で、空気も水もきれいだ、そういう沖縄の現状を正確に理解をしていただくために全力で頑張っているところでございます。

東門委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 次の質問ですけれども、この沖縄の観光との関連で、今策定中だと思います、沖縄振興新法ですね、その中では、基地の集中によって影響を受けやすい沖縄観光についてはどのような振興開発の視点が盛り込まれることになっていますか。今どのように観光を盛り込んでいくか、それがやはり沖縄の経済をさらに支えていくんだという視点でなされるのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。

尾身国務大臣 今沖縄に、空港にあります特別免税店を空港以外のところにもつくれるようなことにしようということ、それから、これは当面の課題でございますが、修学旅行の生徒が行くときの飛行機賃を二千円引き下げる、その負担は国の方でするというようなことを今やっております。そのほか、観光関係の方々に対する緊急融資も行いまして、これによって、受ける影響を極力回避する、そういう努力をしているところでございます。

 中長期的には、私は、観光産業のさらなる拡大ということも必要であると思いますが、沖縄で第二次産業あるいは第三次産業を起こして、例えばIT産業とかあるいは科学技術のセンターにするとか、そういう産業を起こして、本当の意味での自立経済といいますか、雇用の場というものをつくり上げる、そして、やはり地理的条件がむしろ有利であるという利点、アジアと近い、アジアのセンターになり得るという利点も生かして、何としても一人当たり所得、今七割ぐらいなんでありますけれども、それを日本の国内の全体の平均よりも高くしていきたいというのが私の希望でございまして、そういうことをはっきりと意識しながら政策を進めてまいりたいと思っております。

東門委員 最後の質問になります。

 お伺いしますけれども、沖縄振興開発政策なんですけれども、復帰からもう三十年です。沖縄振興開発計画は、三次にわたりました。その間、政府は六兆四千億円、他省庁分も合わせると約十兆円をかけて、沖縄の本土との格差是正、あるいは基地依存、財政依存からの脱却を目指す、自立的発展のための基礎条件の整備を進めてこられたと思います。

 しかし、経済自立のかぎを握るとされました製造業の産業別総生産の構成比は、復帰時、一九七二年の一〇・七%から、九七年度には五・三%と半減しております。全国平均二三・三%の四分の一にも届いていないというのが現状ですね。それから、財政への依存度も同じで、復帰時二三・五%から三一・七%と逆に高まっている。依存度は全国平均一七・四%の約二倍ということでございます。

 これほどの経済成長を遂げた日本が、なぜその産業経済政策を沖縄の発展に生かせないのだろうかとこれまでも常々思っておりましたが、専任大臣を擁して、六兆円余の巨費を投じて振興策に当たってこられた沖縄開発庁、今は内閣府になられましたけれども、その費用対効果、それは一体どうなっているのか、それをどのように受けとめておられるのか、大臣の御見解を賜りたいと思います。

尾身国務大臣 いわゆるインフラの整備、道路とかそういう意味のインフラの整備をかなり進めてきたと思います、六兆円余りの。しかし、これからはやはり自立できる経済をつくっていかなきゃいけない、そういう意味で第二次産業というのも大変大事だと思っております。

 ところが、それをつくろうと思うときに、よく気がついてみたら、やはり沖縄における教育、人材育成というのが、特に自然科学系でどうもちょっと弱い。工業専門高校をつくったりすることもしておりまして、ですから、私の方はそういうことを考えながら、まだいわゆる工場誘致もなかなか埋まらないということでございますが、そういう状況の中で、やはりいい人材を育て、いい大学をつくって、そしてここで知的な集積地としての沖縄を必ず実現をしていきたいというふうに考えている次第でございまして、今までのやり方はそれなりに効果があったと思いますが、今度は、魚よりも釣り糸、釣り針が欲しいという稲嶺知事の考え方を体現するような政策を実現してまいりたいと考えております。

 そういう意味で、東門議員におかれましても、ぜひ御協力をよろしくお願い申し上げます。

東門委員 沖縄の人間ですから、沖縄の自立経済を目指すためにはやはり全力で頑張りたいと思いますが、振興新法が策定されて、それが多分十年ぐらいの時限になるのでしょうか、そのときには、沖縄の経済は本当に自立できる、もうその緒についていると、目に見えるような形であらわれてくることを私は大臣に期待したいと思います。

 振興新法がそのように策定されることを期待して、実効あるものにしていけることを期待して、質問を終わります。ありがとうございました。

大木委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後一時十一分散会




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