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第2号 平成14年2月26日(火曜日)

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平成十四年二月二十六日(火曜日)
    午後零時三十分開議
 出席委員
   委員長 萩野 浩基君
   理事 金田 英行君 理事 西野あきら君
   理事 松岡 利勝君 理事 吉川 貴盛君
   理事 荒井  聰君 理事 白保 台一君
   理事 一川 保夫君
      岩倉 博文君    倉田 雅年君
      仲村 正治君    林 省之介君
      福井  照君    吉野 正芳君
      渡辺 具能君    生方 幸夫君
      金田 誠一君    川内 博史君
      楢崎 欣弥君    丸谷 佳織君
      赤嶺 政賢君    東門美津子君
    …………………………………
   外務大臣         川口 順子君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当大
   臣)           尾身 幸次君
   内閣府副大臣       熊代 昭彦君
   内閣府大臣政務官     嘉数 知賢君
   外務大臣政務官      今村 雅弘君
   外務大臣政務官      松浪健四郎君
   外務大臣政務官      水野 賢一君
   衆議院調査局第一特別調査
   室長           小倉 敏正君
    ―――――――――――――
委員の異動
二月二十六日
 辞任         補欠選任
  横路 孝弘君     生方 幸夫君
同日
 辞任         補欠選任
  生方 幸夫君     横路 孝弘君
    ―――――――――――――
二月二十六日
 北方領土返還促進に関する請願(鈴木宗男君外六名紹介)(第五〇六号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――
萩野委員長 これより会議を開きます。
 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。
 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、尾身沖縄及び北方対策担当大臣及び川口外務大臣から順次説明を求めます。よろしくお願いします。国務大臣尾身幸次君。
尾身国務大臣 沖縄及び北方対策担当大臣の尾身幸次でございます。
 まず、沖縄対策につきまして所信の一端を申し述べさせていただきます。
 沖縄の米軍施設・区域につきましては、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定に貢献する一方で、在日米軍施設・区域の七五%が沖縄に集中しており、県民の皆様に少なからぬ負担感を与えていることも事実であります。こうした県民の皆様の御負担を軽減するため、その整理、統合、縮小に向けまして、引き続き沖縄に関する特別行動委員会最終報告の着実な実施に努めてまいる所存であります。
 特に、普天間飛行場の移設、返還につきましては、普天間飛行場の移設に係る政府方針に従い累次協議を行ってきたところであり、昨年末に開催された第八回代替施設協議会におきまして、県知事及び名護市長を初め地元地方公共団体の首長の出席のもと、代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針を決定したところであります。今後、この取扱い方針を踏まえ、沖縄県及び地元地方公共団体と引き続き協議を行いつつ、代替施設基本計画の策定に向かって取り組んでまいる所存であります。
 沖縄の振興開発につきましては、沖縄が昭和四十七年に本土に復帰して以来、総額六・八兆円の国費を投入し、社会資本整備を中心に各般の施策を積極的に講じてまいりました。こうした取り組みを通じて、施設整備面を初めとして次第に本土との格差が縮小するなど、着実に成果を上げてきたところであります。
 しかしながら、全国水準の約七割にとどまる一人当たり県民所得水準や高い失業率に示されているように、産業振興や雇用の問題など、沖縄はなお解決しなければならない多くの課題を抱えております。
 このような状況のもとで、本年は沖縄の本土復帰三十周年に当たり、また現行の沖縄振興開発特別措置法が三月末で期限を迎え、沖縄の振興のための新たな法制の整備が求められる節目の時期を迎えております。
 こうした中、政府といたしましては、活力ある産業の振興による自立型経済の構築等を目指し、沖縄の特性を生かした観光、情報通信、製造業、農林水産業など各種の産業の振興、このための基盤となるべき人材の育成等に重点を置くとともに、世界的視野に立脚した科学技術の振興や国際化の推進等新たな分野を加え、今後の沖縄の発展の新しい制度的基盤ともいうべき沖縄振興特別措置法案を今国会に提出させていただいたところであります。
 法案の中でもその整備に努めることとしております沖縄新大学院大学につきましては、昨年夏以来、学識経験者等で構成する沖縄新大学院大学構想検討会におきまして検討を進めております。また、本年一月には、私自身が米英の最先端の大学、研究機関を視察し、多くの方々から本構想に対する積極的評価や建設的な提言をいただいたところであり、改めて自然科学系の国際的大学院大学を沖縄に設置する重要性と有用性を認識いたしました。今後、本構想のさらなる具体化に向け、国際的な第一級の研究者から助言をいただくアドバイザリーコミッティーの開催も予定しているところであり、沖縄の多くの皆様の強い期待にこたえて、世界最高水準の大学院大学を創設すべく取り組んでまいる所存であります。
 将来に夢の持てる二十一世紀の沖縄の自立的発展と豊かな住民生活の実現を目指して、今後は新たな法律のもとで各般の施策に全力で取り組んでまいる決意であります。
 次に、北方領土問題について申し上げます。
 我が国固有の領土である北方領土は、さきの大戦が終戦となった後、旧ソ連軍によって占領され、戦後半世紀以上を経た今もなおロシアの不法な占拠のもとに置かれていることは、まことに遺憾であります。政府といたしましては、北方四島の帰属の問題を解決して日ロ平和条約を締結するという基本方針のもと、強力な外交交渉を推進しているところであります。
 こうした外交努力を支え、成功に導くには、国民の一致した世論の結集が不可欠であります。北方領土の日である二月七日には、萩野委員長、委員の皆様を初め多くの方々の御参加を得て、北方領土返還要求全国大会が開催されました。この日を中心に、全国各地で県民大会、キャラバン、写真パネル展などさまざまな活動が活発に行われております。私は、こうした活動は北方領土の早期返還を求める国民の一致した願いのあらわれと確信しており、四島返還に向けての決意を新たに、国民世論がさらに強力なものとなるよう、すそ野が広く、粘り強い国民運動の推進及び積極的な広報啓発に努めてまいる所存であります。
 また、北方領土問題の解決のための環境整備につきましては、北方四島との交流事業、元島民とその家族の方々による自由訪問の着実な推進に努めることとしております。さらに、元島民の方々に対する援護措置の推進にも最善を尽くしていく所存であります。
 以上、沖縄及び北方対策について私の所信の一端を申し述べました。萩野委員長を初め理事、委員の皆様の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)
萩野委員長 ありがとうございました。
 外務大臣川口順子さん。
川口国務大臣 今般、外務大臣を拝命いたしました川口順子でございます。沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、萩野委員長を初め委員各位に謹んでごあいさつ申し上げるとともに、所信を申し述べたいと思います。
 まず、外務省改革について一言申し述べます。
 私に課せられた第一の責務は、何といっても外務省改革であります。さきに発表しました「開かれた外務省のための十の改革」に基づいて改革を速やかに実施し、国民の皆様の期待に沿った仕事を一日も早くできるよう省内一丸となって全力で努力してまいります。
 以上を申し述べた上で、沖縄に関する事項について申し述べます。
 私は、これまでも環境大臣としての立場から、沖縄の問題には積極的に取り組んでまいりました。今般、外務大臣を拝命し、既に稲嶺沖縄県知事と懇談し、沖縄の抱える諸問題についての御要請を伺いました。また、先般、ブッシュ大統領に同行して訪日されたパウエル米国務長官と初めての日米外相会談を持った際にも、沖縄に関する事項を私より提起し、引き続き緊密に協議していくことで一致いたしました。
 私は、アジア太平洋地域には依然として不安定性と不確実性が存在する中、日米安保体制とこれに基づく米軍の存在は今後とも不可欠であると考えますが、他方で、在日米軍施設及び区域が集中することにより、我が国の平和と安全のために沖縄県の方々が背負ってこられた多大な御負担は十分に認識しております。このような御負担を軽減していくため、SACO、沖縄に関する特別行動委員会最終報告の着実な実施に取り組む等、全力を尽くしてまいる所存です。
 特に、普天間飛行場の移設、返還問題については、昨年末、地元の御意見等も総合的に踏まえ、代替施設協議会として代替施設基本計画主要事項に係る取扱い方針が取りまとめられたことは、大変喜ばしいことと考えております。今後、同方針を踏まえた検討を鋭意推進し、先ほど申し述べた日米外相会談でも一致したとおり、米側とも緊密に協議しつつ、できるだけ早く代替施設基本計画を策定できるよう政府としても取り組んでいく考えです。
 次に、日ロ関係、北方領土問題について申し述べます。
 政府としては、ロシアとの関係において、平和条約交渉、経済分野の協力、国際舞台における協力など、幅広い分野における関係の進展に努めてきており、このことは、先般のイワノフ外務大臣との日ロ外相会談でも再確認したところです。平和条約交渉については、北方四島の帰属の問題を解決することにより平和条約を締結するとの一貫した方針のもと、精力的に交渉に取り組んでまいります。
 北方四島住民支援に関しては、これまで予算委員会において御指摘のあった案件について園部外務省参与に調査をお願いしているところであり、できる限り早く調査結果を出すよう努めます。
 これら諸問題に取り組むに当たり、萩野委員長を初めとする本委員会の委員の皆様の御理解と御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)
萩野委員長 ありがとうございました。
 次に、沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。内閣府副大臣熊代昭彦君。
熊代副大臣 このたび、仲村前副大臣の後を受けまして、沖縄及び北方対策を担当する内閣府の副大臣を拝命いたしました熊代昭彦でございます。萩野委員長初め理事の諸先生方、また委員の先生方に大変お世話になると思います。どうかよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、平成十四年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。
 内閣府における沖縄関係の平成十四年度予算の総額は、三千百八十六億五千百万円、前年度当初予算額に対し九一・三%となっており、平成十三年度補正予算を含めた一体予算としては、三千五百二十三億二千二百万円、前年度当初予算額に対して一〇一・〇%となっております。
 このうち、基本的政策企画立案等経費の予算額は、二百七十四億九千万円、前年度当初予算額に対して一〇九・九%となっており、沖縄振興計画推進調査費、沖縄の観光をデジタル映像により訴えるデジタルアーカイブ(仮称)整備事業及び沖縄での情報通信関連企業の起業、進出を進めるためのIT産業振興設備整備事業を初めとする沖縄における産業振興関係経費、普天間飛行場等駐留軍用地跡地利用推進関係経費、沖縄懇談会事業、沖縄北部特別振興対策事業等の実施経費等を計上しております。
 次に、沖縄振興開発事業費の予算額は、二千八百四十五億二千三百万円、前年度当初予算額に対して九〇・八%となっております。その内容は、交通体系の整備、水資源の開発、住宅、上下水道、都市公園等の生活環境施設の整備、農林水産業や教育、文化の振興、保健医療対策等、産業振興や生活環境の改善に資する公共投資を中心とするものであり、その中で沖縄工業高等専門学校(仮称)の建設、平良港外貿ターミナルの整備を初めとする新規事業や沖縄都市モノレールの整備、国立組踊劇場の建設等継続事業に係る所要の予算が計上されております。
 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。
 内閣府北方対策本部の平成十四年度予算総額は、十億九千九百万円、前年度当初予算額に対して九三・八%となっております。
 このうち、北方領土問題対策に必要な経費は、九億六千二百万円、前年度当初予算額に対し九二・四%となっており、衛星画像に基づく北方地域の土地利用状況分析等の北方地域総合実態調査経費を計上しております。
 次に、北方領土問題対策協会補助経費は、九億一千万円、前年度当初予算額に対して九三・〇%となっており、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業、北方四島交流事業、北方地域元居住者に対する援護措置等を行うものであり、その主なものとしては、次代を担う世代の人材育成として青少年に対する研修等の実施、元島民三、四世(小中学生)向けの北方領土問題解説資料の作成など、事業に係る所要の予算を計上しております。
 以上で平成十四年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。何とぞよろしくお願い申し上げます。
萩野委員長 以上で説明の聴取は終わりました。
 次に、嘉数内閣府大臣政務官、今村外務大臣政務官、松浪外務大臣政務官及び水野外務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。内閣府大臣政務官嘉数知賢君。
嘉数大臣政務官 このたび沖縄北方対策担当内閣府大臣政務官を拝命いたしました嘉数知賢でございます。
 尾身大臣、熊代副大臣御指導のもと、課題解決に全力で取り組みたいと思います。萩野委員長を初め理事、委員各位の御指導をよろしくお願いいたします。(拍手)
萩野委員長 外務大臣政務官今村雅弘君。
今村大臣政務官 このたび外務大臣政務官を拝命いたしました今村雅弘でございます。
 沖縄及び北方四島の問題、我が国にとって大変重要な課題であると認識いたしております。萩野委員長を初め諸先生方の御指導をよろしくお願いいたしまして、ごあいさつといたします。(拍手)
萩野委員長 外務大臣政務官松浪健四郎君。
松浪大臣政務官 先月、外務大臣政務官に就任させていただきました松浪健四郎でございます。萩野委員長初め委員各位に謹んで一言ごあいさつを申し上げます。
 外務大臣政務官としての職務を全うするため、川口外務大臣の指導のもと、沖縄及び北方四島に関連する問題に全力を尽くし取り組む決意でおります。萩野委員長を初め本委員会の皆様方の御指導と御協力をいただきますようよろしくお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。よろしくお願いいたします。(拍手)
萩野委員長 外務大臣政務官水野賢一君。
水野大臣政務官 先月、外務大臣政務官に就任いたしました水野賢一でございます。
 川口外務大臣の指導のもと、全力を尽くしていきたいと考えております。萩野委員長を初めとする委員の先生方の御指導と御協力をよろしくお願い申し上げます。(拍手)
萩野委員長 次回は、明二十七日水曜日、大変朝早い時間から皆さんに御迷惑をおかけいたしますけれども、午前八時十分理事会、午前八時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後零時四十八分散会


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