衆議院

メインへスキップ



第2号 平成21年3月19日(木曜日)

会議録本文へ
平成二十一年三月十九日(木曜日)

    午後零時三十分開議

 出席委員

   委員長 前原 誠司君

   理事 井上 信治君 理事 嘉数 知賢君

   理事 小島 敏男君 理事 仲村 正治君

   理事 松木 謙公君 理事 三井 辨雄君

   理事 江田 康幸君

      安次富 修君    飯島 夕雁君

      清水鴻一郎君    清水清一朗君

      中根 一幸君    西村 明宏君

      橋本  岳君    平口  洋君

      馬渡 龍治君    若宮 健嗣君

      市村浩一郎君    加藤 公一君

      仲野 博子君    丸谷 佳織君

      赤嶺 政賢君

    …………………………………

   外務大臣         中曽根弘文君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 佐藤  勉君

   内閣府副大臣       宮澤 洋一君

   内閣府大臣政務官     岡本 芳郎君

   衆議院調査局第一特別調査室長           大和田幸一君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月十九日

 辞任         補欠選任

  岸田 文雄君     清水鴻一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  清水鴻一郎君     岸田 文雄君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 沖縄及び北方問題に関する件


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

前原委員長 これより会議を開きます。

 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、佐藤沖縄及び北方対策担当大臣及び中曽根外務大臣から順次説明を求めます。佐藤沖縄及び北方対策担当大臣。

佐藤国務大臣 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の佐藤勉でございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信の一端を申し述べます。

 まず、沖縄政策について申し上げます。

 昭和四十七年の本土復帰以来、振興開発のための諸施策を積極的に講じてきた結果、社会資本整備面を中心に次第に本土との格差は縮小し、また、観光や情報通信産業の振興等においても一定の成果を上げておりますが、今日なお沖縄の社会経済は、全国に比べて低い県民所得や高い失業率に示されるように厳しい状況にあります。

 こうした中で、沖縄振興計画の後期展望を踏まえ、仲井眞知事が進める各般の意欲的な取り組みとも連携協力しながら、沖縄の魅力、優位性を生かし、各種産業の一層の振興、人材育成、雇用の安定、重点的、戦略的な社会資本整備などの自立型経済の構築に全力を尽くしてまいります。

 また、世界的な景気後退により、一段と厳しさを増しつつある沖縄の社会経済の状況を踏まえ、関係省庁とも連携し、その対応に遺漏なきを期してまいります。

 リーディング産業である観光業につきましては、国際観光地としてのおきなわブランドの確立など、通年型、滞在型の良質な観光・リゾート地の形成を進めることにより、さらなる振興を図ってまいる所存です。なお、年間入域観光客数は七年連続で最高を更新しましたが、昨今の景気後退の影響を注視する必要があると考えております。

 情報通信産業につきましては、高度人材の育成を図るとともに、沖縄IT津梁パークの中核施設の早期整備など、高度化と集積を目指してまいります。

 沖縄科学技術大学院大学につきましては、世界最高水準の大学院大学の実現のため、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構を中心に先行的研究事業を進めるとともに、恩納村キャンパスの来年度中の一部供用開始を目指し、研究施設等の建設を促進しております。この大学院大学は、将来、民間企業等の集積と一体となった知的クラスターの形成等の核となるものであります。このたび、開学に向けて準備を進めるために必要な法案を提出いたしました。この法案は、平成二十四年度までの開学のために早期成立が不可欠なものであります。

 沖縄の離島につきましては、それぞれの島の持つ魅力を生かした取り組みや離島間の連携による活性化の取り組みの支援を進めるとともに、医療など島の基礎的な生活条件の整備等を行ってまいります。

 なお、現行沖縄振興計画の期間が残り三カ年となることを受け、これまでの沖縄振興特別措置法等に基づく施策の総合的な点検を行い、今後の沖縄振興のあり方について検討を進めてまいります。

 沖縄における米軍の存在は、我が国の安全及びアジア太平洋地域の平和と安定に貢献する一方、在日米軍施設・区域の約七五%が沖縄に集中しており、基地の存在に起因する事件、事故を含め、県民の皆様に大きな御負担をおかけしております。この基地負担を軽減すべく、その整理、統合、縮小に向けて取り組んでまいります。普天間飛行場の移設、返還につきましても、地元の意向をよく伺い、沖縄を担当する大臣として、沖縄との橋渡し役を務めたいと考えております。基地の跡地対策や北部振興などにつきましても、地元の要望を踏まえながら着実に推進するなど、引き続き、関係省庁とも連携しつつ、誠心誠意取り組んでまいる所存です。

 沖縄県における不発弾等対策につきましては、重要な課題と認識し、これまでも、計画的な探査、発掘の実施等を着実に支援し、事故の防止に努めてきたところです。しかしながら、先般の糸満市における爆発事故の発生はまことに遺憾なことであり、この事故等を踏まえ、去る二月十日、新たな安全対策を取りまとめたところであります。この実施に向けて着実に取り組みを進めてまいる所存です。

 次に、北方領土問題について申し上げます。

 二月七日の北方領土の日には、麻生総理出席のもと、多くの皆様の御参加を得て北方領土返還要求全国大会が開催され、この日を中心に全国各地でさまざまな活動が展開されました。

 我が国固有の領土である北方四島が、戦後六十年以上を経た今日に至ってもロシアの不法な占拠下に置かれていることは、まことに遺憾なことであります。

 生まれ故郷を追われた元島民の皆様の四島返還を望む切実な願いを重く受けとめるとともに、この問題の一日も早い解決に向けて、国民一人一人の関心と理解を深め、関係団体と連携しながら返還運動の一層の発展を図り、外交交渉を後押ししていく所存です。

 私としても、昨年十二月に東京・新宿駅で開催した啓発イベントにおいて、元島民の皆様などとともに、国民の皆様に直接北方領土返還への協力を訴えたところであり、引き続き、返還要求運動の声を聞きつつ、次代を担う青少年に対する北方領土教育や後継者育成等により、国民世論の一層の啓発を図ってまいります。

 さらに、元島民への援護措置の推進や、後継船舶の確保を含めた四島交流等事業の推進に努めてまいります。

 前原委員長を初め、理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。ありがとうございました。(拍手)

前原委員長 次に、中曽根外務大臣。

中曽根国務大臣 外務大臣の中曽根弘文でございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、謹んで所信を申し述べます。

 まず、沖縄に関する事項について述べます。

 アジア太平洋地域には、依然として不安定性と不確実性が存在をしております。先般、米国においてオバマ政権が誕生いたしましたが、日米同盟は我が国外交のかなめであり、我が国の安全と地域の平和と安定のため、幅広い分野で信頼関係の強化に努めていくことが今後とも不可欠であります。弾道ミサイル防衛を初めとする日米安保・防衛協力を強化してまいります。

 一方、沖縄には在日米軍の施設及び区域が集中していることにより、沖縄県の方々に多大な負担をおかけしていることは十分に認識をいたしております。

 先般、私は沖縄を訪問いたしましたが、仲井眞知事や関係市町村の方々との懇談や米軍の施設・区域の視察を通じ、沖縄県民の皆様の御負担を改めて実感いたしました。

 在日米軍の兵力態勢の再編は、抑止力を維持しつつ、沖縄の負担の軽減を実現するものです。今後とも、地元の声によく耳を傾けながら、米軍再編の実施、地域の振興等に全力を挙げて取り組んでいく考えであります。

 次に、日ロ関係及び北方領土問題について述べます。

 ロシアはアジア太平洋地域における重要な隣国です。政府はこれまで、日ロ関係をアジア太平洋地域の安定と繁栄に資するような高い次元の関係に引き上げるため、領土交渉を促進するとともに、日ロ行動計画に基づき、幅広い分野での関係の進展に努めてきました。昨年は、三回の首脳会談及び二回の外相会談を行い、本年も、先月麻生総理がサハリンを訪問して首脳会談を行うなど、首脳レベルの政治対話を頻繁に行ってきています。また、両国の貿易額が昨年三百億ドル近くに達するなど、経済面での関係も順調に発展してきております。

 しかしながら、日ロ間の最大の懸案である北方領土問題については、依然として具体的な進展が得られていません。こうした状況は日ロ双方の利益に合致せず、現状を打破する必要があります。

 これに関して、先月サハリンにて行われた日ロ首脳会談では、この問題を我々の世代で解決すること、そして、これまでに達成された諸合意及び諸文書を基本としつつ、メドベージェフ大統領が指示を出した、新たな、独創的で、型にはまらないアプローチのもとで、四島の帰属の問題の最終的な解決につながるよう作業を加速すべく、追加的な指示を出すことで一致いたしました。

 私も、昨年十一月の日ロ外相会談において、ラブロフ外務大臣に対し、領土交渉についても経済分野等に見られる質的な進展に見合うような進展を図らなければならない旨、強く申し入れいたしました。その上で、外相レベルにおいても北方領土の帰属の問題を最終的に解決するために前進する決意で一致をしています。

 私としては、今後も政治対話の機会を十分に生かし、北方領土の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針に従い、これまでの会談の結果も踏まえ、領土問題の最終的解決に向けて具体的進展を図るべく、強い意思を持ってロシア側との交渉を行っていく所存であります。

 これらの諸問題に取り組むに際し、前原委員長を初め本委員会の皆様の御指導と御協力を賜りますようお願い申し上げ、私の所信とさせていただきます。(拍手)

前原委員長 次に、沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。宮澤内閣府副大臣。

宮澤副大臣 平成二十一年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。

 初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。

 内閣府における沖縄関係の平成二十一年度予算の総額は、二千四百四十六億九千三百万円、前年度当初予算額に対し九五・九%となっております。

 このうち、基本的政策企画立案等経費の予算額は、二百四十四億四千九百万円となっております。

 沖縄の自立型経済の構築等を目指すため、情報通信産業をより高度化するための沖縄IT津梁パーク整備事業に係る経費及び文化資源を発掘、育成し、質の高い観光・リゾート地を形成するための経費とともに、県内雇用環境の改善を図るための戦略プログラムを推進するための経費及び沖縄の将来を担う人材を育成するための経費等を計上いたしました。また、沖縄科学技術大学院大学の開学に向けて、独立行政法人沖縄科学技術研究基盤整備機構が進める先行的研究事業等に係る経費を計上いたしました。

 さらに、米軍再編等に伴う米軍施設等の返還をも見据えた駐留軍用地跡地の利用推進に係る経費及び北部地域の特別振興対策に係る経費等を計上いたしました。

 次に、沖縄振興開発事業費等の予算額は、二千二百二億四千四百万円となっております。

 その大宗を占める公共事業予算につきましては、空港、港湾、道路等の総合的な交通体系の整備を初め、防災・減災対策及び学校、医療施設の整備など、緊急性や重要性の高い事業について、着実な推進を図ることとし、沖縄の持続的発展を支える基盤づくりのための所要の予算を計上いたしました。

 また、恩納村において進行中の沖縄科学技術大学院大学のキャンパス整備に係る経費のほか、沖縄の置かれた特殊な諸事情を踏まえ、不発弾処理対策事業等の戦後処理に係る経費を拡充し、さらに、離島、僻地の医師確保対策に係る経費等を計上いたしました。

 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。

 内閣府北方対策本部の平成二十一年度予算総額は、十億三千七百万円、前年度当初予算額に対しまして九八・三%となっております。

 このうち、北方対策本部に係る経費は、二億八百万円、前年度当初予算額に対し九六・五%であり、元島民後継者対策に資する推進経費や、返還要求運動をすそ野の広い国民運動として定着させるため、国民の北方領土問題に関する意識を分析するための経費等を計上いたしました。

 次に、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は、八億二千九百万円、前年度当初予算額に対し九八・七%であり、北方領土問題の解決促進のため、全国的な規模で行う啓発事業、後継船舶の確保を含めた四島交流等事業及び北方地域元居住者に対する援護措置等を行う業務等に係る所要の経費を計上いたしました。

 以上で平成二十一年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。よろしくお願いいたします。

前原委員長 以上で説明の聴取は終わりました。

 次に、岡本内閣府大臣政務官から発言を求められておりますので、これを許します。岡本内閣府大臣政務官。

岡本大臣政務官 内閣府大臣政務官の岡本芳郎でございます。

 佐藤大臣、宮澤副大臣の御指導のもと、沖縄政策及び北方領土問題の解決に全力で取り組んでまいります。

 前原委員長を初め、理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

前原委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十六分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.