衆議院

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第2号 平成23年5月25日(水曜日)

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平成二十三年五月二十五日(水曜日)

    午後零時三十分開議

 出席委員

   委員長 北村 誠吾君

   理事 小林 興起君 理事 佐々木隆博君

   理事 瑞慶覧長敏君 理事 玉城デニー君

   理事 仲野 博子君 理事 秋葉 賢也君

   理事 伊東 良孝君 理事 遠山 清彦君

      浅野 貴博君    石関 貴史君

      石原洋三郎君    大泉ひろこ君

      木内 孝胤君    杉本かずみ君

      福嶋健一郎君    福田 昭夫君

      山岡 達丸君    若井 康彦君

      井上 信治君    岸田 文雄君

      橘 慶一郎君    赤嶺 政賢君

      照屋 寛徳君

    …………………………………

   外務大臣         松本 剛明君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 枝野 幸男君

   外務副大臣        高橋 千秋君

   内閣府大臣政務官     園田 康博君

   外務大臣政務官      山花 郁夫君

   外務大臣政務官      徳永 久志君

   衆議院調査局第一特別調査室長           金子 穰治君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十五日

 辞任         補欠選任

  宮腰 光寛君     橘 慶一郎君

同日

 辞任         補欠選任

  橘 慶一郎君     宮腰 光寛君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――

北村委員長 これより会議を開きます。

 議事に入るに先立ちまして、委員会を代表して一言申し上げます。

 このたびの東日本大震災によりお亡くなりになられた方々とその御遺族の方々に対しまして、深く哀悼の意を表しますとともに、被災者の皆様に心からお見舞いを申し上げます。

 これより、お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。

 御起立願います。――黙祷。

    〔総員起立、黙祷〕

北村委員長 黙祷を終わります。御着席願います。

     ――――◇―――――

北村委員長 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、枝野沖縄及び北方対策担当大臣及び松本外務大臣から順次説明を求めます。枝野沖縄及び北方対策担当大臣。

枝野国務大臣 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣として、沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信の一端を申し述べます。

 まず、沖縄政策について申し上げます。

 沖縄振興特別措置法による十カ年の沖縄振興計画の実施期間は、残り一年足らずとなりました。本土復帰以来、社会資本整備面を中心に本土との格差は次第に縮小し、沖縄は着実な発展を遂げてきましたが、沖縄の経済社会は、全国に比べて低い県民所得や高い失業率に示されるように、今なお厳しい状況にあります。私は、大臣就任直後に沖縄を訪問し、知事、県議会議長から地元の声をお聞きいたしました。現在、次期法制のあり方を含めた新たな沖縄振興策について、沖縄政策協議会や沖縄振興審議会等での議論を踏まえつつ、ことしの夏ごろをめどに骨子を取りまとめるべく、鋭意検討を進めております。

 平成二十三年度は、現行の沖縄振興計画の総仕上げを行う非常に重要な年であり、沖縄振興予算について、十年ぶりに前年度を上回る予算額を確保したところであります。沖縄がその潜在力を発揮し、自立的かつ持続的な発展を実現するため、政府と沖縄が一体となって、沖縄の魅力や優位性を生かし、各種産業の一層の振興、人材の育成、雇用の安定、重点的、戦略的な社会資本整備などに全力を尽くしてまいります。

 沖縄におけるリーディング産業である観光は、我が国の成長戦略においても大きな柱の一つであり、沖縄は、観光立国推進の牽引役としてさらなる成長を遂げることが期待されます。成長著しいアジアとの近接性や、豊かな自然、独特の文化といった沖縄の特性を最大限に活用し、外国人観光客の誘致や、付加価値の高い観光・リゾート地の形成に取り組んでまいります。

 沖縄における観光と並ぶリーディング産業である情報通信関連産業につきましては、近年、コールセンターから高度なビジネス・プロセス・アウトソーシングやソフト開発企業など、より付加価値の高い業態への拡大が始まっています。沖縄IT津梁パークを初め、これまでに整備した産業基盤を積極的に活用しつつ、技術の高度化や人材育成などの支援を充実してまいります。

 このほか、国際航空物流拠点の形成に向けた取り組みや、亜熱帯気候の特色を生かした農林水産業の振興など、各種の振興策を進めてまいります。とりわけ、中長期的な沖縄経済の自立を見据えた取り組みとして、各分野の発展を支え、沖縄の将来を担う人材の育成が重要であると考えており、海外への留学、企業派遣を支援し、国際的、専門的な人材の育成を図ってまいります。

 沖縄科学技術大学院大学につきましては、本年三月、大学設置等認可申請を行い、来年秋の開学に向け、開学準備の仕上げという段階に入っております。この大学院大学が世界最高水準の教育研究の拠点として、また、研究機関や民間企業が集積する知的クラスターの核として、成果を着実に生み出し、沖縄の振興に資するよう、適切かつ積極的に支援してまいります。

 最近の厳しい雇用情勢に対応し、沖縄県と連携しながら、雇用の安定に取り組みます。

 県土の均衡ある発展を図る観点から、離島地域の活性化や、基礎的な生活条件の整備などきめ細かに離島対策を講じるとともに、本島北部地域につきましても、引き続き、産業の振興や定住条件の整備等を行ってまいります。

 沖縄県における不発弾等対策につきましては、重要な課題と認識し、対策の一層の加速化を図りつつ、着実に取り組みを進めてまいります。

 沖縄には在日米軍施設・区域が集中し、基地の存在に起因する事件事故を含め、県民の皆様に大きな御負担をおかけしております。この基地負担を軽減すべく、その整理、統合、縮小に向けて取り組むことが重要な課題であると認識しております。普天間飛行場の移設問題につきましては、沖縄県民の皆様の思いを受けとめながら、政府の方針のもと、関係閣僚と連携し、真摯に取り組んでまいる所存です。また、基地が返還された跡地の利用につきましても、地元の要望を受けとめながら、しっかりと検討してまいります。

 次に、北方領土問題について申し上げます。

 私は二月に根室管内を訪れ、上空及び納沙布岬から北方領土を視察し、北海道本島と北方四島がまさに指呼の間にあることを実感するとともに、高齢化の進む元島民の方々や地元関係者のお話を直接伺い、みずからのふるさとに帰りたくても帰れない方々の切実な思いを痛感し、改めて、全国民の問題として、この北方領土問題の解決に向けた決意を新たにしたところです。

 私は北方対策担当大臣として、北方四島の帰属の問題を最終的に解決して日ロ平和条約を締結するという我が国の一貫した基本方針のもと、この問題が一日も早く解決されるよう、関係団体と緊密に連携し、北方領土返還に向けた環境整備に取り組み、外交交渉を全力で後押ししてまいる所存です。

 平成二十三年度の内閣府北方対策本部予算は、前年度の二倍近い額を計上し、北方領土問題の解決に向けた取り組みをさらに強化することといたしました。この予算により、国民各界各層が北方領土問題を正しく理解し、すそ野の広い返還要求運動が展開されるよう努めるとともに、とりわけ次代を担う青少年に対する北方領土教育等を通じた国民世論の一層の啓発に取り組んでまいります。

 また、ビザなし交流や自由訪問の推進を通じた北方四島住民との相互理解の増進及び元島民の方々への援護措置の充実に引き続き取り組んでまいります。

 北村委員長を初め理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)

北村委員長 次に、松本外務大臣。

松本(剛)国務大臣 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、謹んで所信を申し述べます。

 まず、沖縄に関する事項について述べます。

 日米同盟は日本の外交、安全保障の基軸であり、特に、日米安保体制はその中核をなしております。アジア太平洋地域には依然として不安定、不確実な要素が存在しており、在沖縄米軍を含む在日米軍は、我が国の安全を確保する抑止力として重要な役割を果たしております。

 一方、沖縄県に在日米軍施設・区域が過度に集中している現実、及び普天間飛行場の移設問題に係る一昨年の政権交代時からの経緯については、沖縄県におわびを申し上げなければなりません。

 その上で、政府としては、昨年五月の日米合意を着実に実施していく方針であり、同時に沖縄の負担の軽減にも全力を挙げて取り組み、沖縄の皆様の御理解を得られるよう誠心誠意努力いたします。

 今月二十八日には、私は沖縄県を訪問し、仲井真知事と会談することとしております。沖縄の皆様の声をしっかりとお伺いし、沖縄の負担の軽減に全力を挙げて取り組む考えです。

 次に、日ロ関係及び北方領土問題について述べます。

 ロシアとは、アジア太平洋地域におけるパートナーとしてふさわしい関係を構築するため、あらゆる分野において協力と連携を深めていきたいと考えます。

 そのためにも、北方領土問題を解決しなければなりません。この問題が未解決のままであるために、日ロ間の協力関係が本来あるべき姿になっていないことは大変残念なことです。また、高齢化している元島民の方々のお気持ちをお察ししますと、これ以上の猶予はもはや許されません。

 三月十四日、G8外相会合の際にパリで行われた日ロ外相会談において、私とラブロフ外相は、領土問題について日ロの立場の違いを確認しつつ、静かな雰囲気で議論をすることにつき改めて一致しました。

 今月十五日、イワノフ副首相及び関係閣僚が国後島及び択捉島を訪問しました。私は翌十六日にベールイ駐日大使を招致の上、このような訪問は日本の原則的立場と相入れず、また、我が国国民の感情を傷つけるものであるとして遺憾の意を表明するとともに、このような訪問を繰り返さないよう求めました。さらには、昨二十四日、韓国の国会議員が国後島を訪問したことを受け、韓国に対して、遺憾の意を表明するとともに、日本政府の考えを強く申し入れました。

 今後とも、日本側として主張すべきことは、しっかりと主張するとともに、領土交渉そのものについては、両国の間で合意の上作成された諸合意及び諸文書並びに法と正義の原則を基礎として、日ロ間の最大の懸案である北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針にのっとり、粘り強くロシア側と交渉を行っていく所存です。

 以上の諸問題に取り組むに当たり、北村委員長を初め委員各位の御指導と御協力を賜りますようお願い申し上げます。(拍手)

北村委員長 次に、沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。園田内閣府大臣政務官。

園田大臣政務官 内閣府大臣政務官の園田康博でございます。

 枝野大臣、福山副長官の御指導のもと、沖縄政策及び北方領土問題の解決に全力で取り組んでまいります。

 北村委員長を初め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。(拍手)

 平成二十三年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、その概要を御説明いたします。

 初めに、沖縄関係予算について御説明いたします。

 内閣府における沖縄関係の平成二十三年度予算総額は、二千三百一億五百万円、前年度当初比一〇〇・一%となっております。

 このうち、基本的政策企画立案等経費は、三百三十四億千五百万円となっております。

 沖縄の自立型経済の構築を図るため、国際性豊かな人材育成のための経費、外国人観光客の受け入れ環境整備のための経費、アジアIT研修センターの整備のための経費、国際航空物流ハブを活用した県産品輸出拡大のための経費、島嶼型スマートグリッド構築のための経費等を計上いたしました。あわせて、若年者を中心とした雇用対策や、離島地域、本島北部地域の活性化のための経費を計上するとともに、厳しい経済情勢等にかんがみ、沖縄特別振興対策調整費等を特別に十五億円増額いたしました。

 また、沖縄科学技術大学院大学の来年秋の開学に向け、先行的研究事業への支援や最先端の研究設備の整備、知的クラスター形成に向けた研究拠点の構築等に係る経費を計上いたしました。

 さらに、米軍施設等の返還を見据えた駐留軍用地跡地の利用推進に係る経費等を計上しております。

 加えて、沖縄振興計画の期間が残り一年となることを受け、今後の沖縄振興のあり方について検討を行うための沖縄振興総合調査費を計上するとともに、鉄軌道等導入可能性の検討のための調査費を計上いたしました。

 次に、沖縄振興開発事業費等の予算額は、千九百六十六億八千九百万円となっております。

 その大宗を占める公共事業予算につきましては、空港、港湾、道路等の総合的な交通体系の整備を初め、防災・減災対策及び学校、医療施設の整備など、緊急性や重要性の高い事業について、着実な推進を図ることとし、沖縄の持続的発展を支える基盤づくりのための所要の予算を計上いたしました。

 さらに、沖縄の置かれた特殊な諸事情を踏まえ、不発弾等対策経費を拡充したほか、離島、僻地の医師確保対策に係る経費等を計上いたしました。

 また、地域自主戦略交付金が創設されることに伴い、沖縄県の要請や沖縄振興特別措置法の趣旨を踏まえ、他の都道府県分とは明確に区別した沖縄振興自主戦略交付金を創設し、三百二十一億四千八百万円を計上いたしました。

 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。

 内閣府北方対策本部の平成二十三年度予算総額は、北方領土問題をめぐる諸般の情勢にかんがみ、国民世論の一層の啓発を図るため、二十億七千三百万円、前年度当初比一七六・四%となっております。

 このうち、北方対策本部に係る経費は、五億五百万円であり、多様なメディアを活用した世論啓発のための経費や、北方領土隣接地域への修学旅行の実施を通じた北方領土教育機会の拡充のための経費等を計上いたしました。

 また、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は、十五億六千八百万円であり、全国各地における啓発活動の実施のための経費、北方領土問題に対する国民の理解を深めるための各種啓発コンテンツの作成経費、北方領土問題啓発施設の充実のための経費等を計上いたしました。

 以上で、平成二十三年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わります。よろしくお願いをいたします。

北村委員長 以上で説明の聴取は終わりました。

 次に、高橋外務副大臣、山花外務大臣政務官及び徳永外務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。高橋外務副大臣。

高橋副大臣 外務副大臣の高橋千秋でございます。

 本委員会においては、我が国の外交にとって極めて重要な沖縄及び北方四島に関する問題を扱うことになります。

 松本外務大臣を補佐し、外務副大臣としての職責を全うすべく、全身全霊をもって取り組んでまいります。

 北村委員長を初め本委員会の皆様の御指導と御協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

北村委員長 次に、山花外務大臣政務官。

山花大臣政務官 外務大臣政務官の山花郁夫でございます。

 外務大臣政務官としての職責を果たすべく、松本剛明外務大臣を補佐してまいります。

 北村委員長を初めといたしまして、当委員会の皆様の御指導と御協力をいただきますよう、よろしくお願い申し上げます。(拍手)

北村委員長 次に、徳永外務大臣政務官。

徳永大臣政務官 外務大臣政務官を拝命いたしております参議院議員の徳永久志でございます。

 基地問題そして領土問題の解決に向けて、松本大臣を補佐し、懸命に取り組んでまいります。

 北村委員長を初め先生方にはよろしく御指導賜りますようお願いを申し上げます。(拍手)

北村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四十七分散会


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