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第7号 平成24年3月21日(水曜日)

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平成二十四年三月二十一日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 福井  照君

   理事 小川 淳也君 理事 大谷 信盛君

   理事 吉良 州司君 理事 瑞慶覧長敏君

   理事 玉城デニー君 理事 秋葉 賢也君

   理事 伊東 良孝君 理事 遠山 清彦君

      小原  舞君    岡本 英子君

      笠原多見子君    川島智太郎君

      木内 孝胤君   木村たけつか君

      黒田  雄君    福嶋健一郎君

      井上 信治君    竹本 直一君

      林  幹雄君    宮腰 光寛君

      赤嶺 政賢君    渡辺 義彦君

      照屋 寛徳君    下地 幹郎君

      浅野 貴博君

    …………………………………

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 川端 達夫君

   内閣府副大臣       石田 勝之君

   内閣府大臣政務官     園田 康博君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   井上 源三君

   衆議院調査局第一特別調査室長           横尾 平次君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十一日

 辞任         補欠選任

  宮腰 光寛君     林  幹雄君

  石田 三示君     渡辺 義彦君

同日

 辞任         補欠選任

  林  幹雄君     宮腰 光寛君

  渡辺 義彦君     石田 三示君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出第二四号)

 沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二五号)


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     ――――◇―――――

福井委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案及び沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案並びに宮腰光寛君外三名提出の沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案を議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 両案審査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官井上源三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

福井委員長 質疑の申し出がありますので、これを許します。下地幹郎君。

下地委員 質疑をやらせていただくこと、心より感謝申し上げたいと思います。

 大臣、山中貞則先生、存じ上げていますか。その先生のイメージを、大臣のわかる範囲で、どういう人なのか、どういう思いを持っているのか、少しお願いします。

川端国務大臣 大先輩の政治家でありますけれども、山中先生ということでいうと、まず、税のプロ中のプロ、今の日本の税制をいろいろ決めていくときの最高のリーダーであったというのと同時に、沖縄に関して本当にリーダーシップを発揮されて、復興に伴った部分の振興に関して大変なリーダーシップのもとに、今ある振興法を含めて、こういう大きな流れをつくられた最大の功労者であると私は思っております。

下地委員 本を読んだことがありますか。「顧みて悔いなし」とか、山中先生が出された本。ありますか。

川端国務大臣 申しわけありません。読んでおりません。

下地委員 僕は読んだ方がよかったと思いますね。十年に一回の法律をつくるということであって、一次、二次、三次、四次、自民党の税制調査会長だけではなくて、復帰前の沖縄の復帰の準備をし、復帰のときの大臣をやり、復帰後の大臣をやられて、この四次にわたる振興開発計画は山中先生が中心になっておつくりになったということであります。国会議員歴四十九年と九カ月、あと三カ月していれば五十年になりましたけれども、消費税のために落選をしてしまいました。

 そして、沖縄に対する思いは強いものがありますけれども、四十九年と九カ月政治家をやって、あなたは政治家として何をやったかと言ったら、一番に沖縄、二番に消費税と言うんです。一番に消費税、二番に沖縄ではないんですよね。これが山中貞則先生なんであります。

 そして、山中先生が一番心がけていたことが四つありました。

 一つには、政治的には、沖縄の政治には絶対に介入しない、選挙には介入しない。そして、みずからも台湾師範学校の出身でありますから、尊敬する政治家を屋良朝苗先生と言い、そして瀬長亀次郎先生を尊敬する、そういうふうなことを沖縄の政治のスタンスでは言っておりました。本土の自民党の政治家の中で、瀬長先生が亡くなっておうちにまで手を合わせに行ったのは山中先生しかいないんではないかと思いますね。

 二つ目に、沖縄県民の視点を忘れるなということをよく言っていました。とにかく基地の中から沖縄の人を一回でも見たことがない。基地の中には四十九年間、一回も入りませんでしたね。それと、有人、無人、離島、全部回られるということと、偉い人からじゃなくて普通の人から話を聞けとよく言っていました。

 三番目に、特別の上に特別をやるなということを言っていまして、一つ言えば、特別の上に特別をやると沖縄が自立できないと言っているんです。

 昔よく、十年前のときの論議をしますけれども、デューティーフリーショップをつくったときも、世界のデューティーフリーショップで消費税が入っているのは一個もないので、先生、消費税をこのデューティーフリーショップから取ってもらえませんかと言ったら、それはもう絶対にだめだ、デューティーフリーショップは認めるけれども、消費税を取るというような特別の上の特別はやらないと言って、最後までやりませんでした。

 金融特区のときも、金融特区の中でキャプティブを認めてくれませんかと言ったら、おまえ、それをやったら、金融特区じゃなくて、眠っていても沖縄にお金が集まって、将来の沖縄のためにはならぬよと言って、キャプティブも最後まで認めませんでしたね。

 そして、オリオンビールの酒税に関しても、十年前は、三十年間やってオリオンビールが自立できない、泡盛が自立できないというのは残念だと言って、山中先生は、もうこれ以上税をオリオンビールにやっても泡盛にやっても自立ができなかったらやめようというようなことを言っておりましたけれども、最終的に、アサヒビールとオリオンビールと間に入って、アサヒビールも入れながら、もし税の恩恵がなくなってもオリオンビールが自立できるようにという体制づくりをしてやられたということが十年前の私の思い出であります。

 今回の税制改正を見て非常に思うことなんですけれども、四つ目は、かわいそうだという問題で沖縄のことをやるなと言っていまして、基地問題だとか基地の負担で、沖縄振興法とは別で、そういうものだったら別枠でやりなさいというようなことを言っておりましたけれども、そういうことを基準にしながら沖縄振興法を四次にわたりつくってきたのが山中先生だと思うんです。

 しかし大臣、今回、三月三十一日でもう終わろうとしています。目標年次がことしですけれども、四兆五千億円のGDP、県内総生産をやろうと思いましたけれども、ことし四兆円でしたね。県民所得も二百七十万ですけれども二〇四万でした。失業率も四・一%でしたけれども七・四ありますね。これで四次連続、一次、二次、三次、四次で目標数値全部達成していないんです。これが私たちが真剣に悩まなければいけないところなんです。

 しかも、金融特区は企業がゼロ、情報通信特区は認定企業がゼロ。那覇自貿特区においても、十六社入っていると言っていますけれども、私も見てきましたけれども、この前、那覇自貿にカメラのスタンドが入っているんですよ。製造業のところにそういうような企業が入って十六社と言っていますけれども、まともにあの税制でうまくいっているとは考えられませんね。

 沖縄電力にもあれだけの措置をしていますけれども、安い電力料金を供給できることはありませんでした。揮発油税においても、離島の燃料を沖縄本島と同じ燃料価格にしようということでありましたけれども、この法律は全く稼働せずに、いつでも北大東から南大東から与那国まで、沖縄本島より二十円高い。こういうふうな所得の低いところで燃料が高いという状況は今回も変わりませんでした。もちろんオリオンビールも泡盛もシェアは減っております。

 これを踏まえて今度の法律をどうつくるかということを考えていかなければいけないというふうに思うんですけれども、今回大臣がおやりになった振興法は、本来ならば、特別地域も、これだけ企業が入っていなければもう特別地域をやめた方がいいという声が出てくるけれども、今回税率を見直して上げたんですよね。そして、前まで大臣がおやりになるような認定も、沖縄県知事に全部任せることになったんですよ。観光特区もそのようにやりました。

 私は、今回の法律を見ていると、金融特区も専ら条件を外して税率を上げる、宮古、石垣、久米島においても那覇空港と同じように着陸料の税制の緩和を行う、デューティーフリーショップも今度、海からのものにも対応できるし、この小さいデューティーフリーショップが今度石垣にも本部にもできるような形になる。そういうふうなことに加えて、一括交付金が一千五百七十億円今回ついておりますけれども、今回の法律を自分でつくってみて、何か自分でやり残したことがあるのかな、もっとやらなければいけないことがあるのかな、そういうふうなものは、大臣、お考えになるところはありますか。

川端国務大臣 冒頭、山中先生の四つの大きな物の考え方を御紹介いただきました。やはり大変深いお話だなというふうに承りました。先生がやってこられた節目節目でのそういういろいろな振興の流れの中で、一つはやはり、ある意味でキャッチアップしようという、社会資本整備ということにおいては相当な部分の成果があったんだというふうに思っておりますが、もちろんまだまだこれは切りがない話ですけれども。

 そういう中で、今回特に考えようと、この十年、振興法のというときには、一つはやはり、いろいろお話をしても、先生が言われるように、いろいろな意味で、例えば、道路整備とかそういうふうなもの、社会資本の整備は進んできたけれども、成果という意味では、税制、特区の話にしても、あるいは電力料金にしても、ガソリン代にしても、県民の生活という実感から見ると、成果がそんなに顕在化していないのではないかというのがやはり非常に大きなテーマでした。

 そういう意味で、一つは、きめ細かく、いろいろおっしゃる部分でいうと、先ほど言いましたように、沖縄県としては、できるだけ自立しなければいけないんだという意味で、自分たちが考えるということをやらせてほしい、自由度をふやしてほしい、自主的にやらせてほしいというのが非常に強い要望でありました。同時に、もう一つは、財政的な部分もしっかり、そのためにはお金が要るからということでありました。

 ただ、私として、こういういろいろなこと、今考えられる御要望の部分は、相当な部分で政府の中で調整をしてやらせていただいた、下地先生にもいろいろアドバイスを受けてやらせていただいたけれども、やはり、先ほど御指摘のように、私として今気になっているのは、諸施策はやれることは最大限に今考えてやらせていただいたけれども、これが本当にどう成果に結びつくかということの検証と改善というんですか、チェックと言ったらちょっと言葉が違いますけれども、見守っていく中で、本当に沖縄が自立していくという目的のために有効であるのかどうか不断の見直しをしていくということが一番の課題だというふうに私は思っております。

下地委員 大臣のおっしゃるとおりで、僕は、第六次とかそういうふうな振興開発計画というのはもうあり得ないと思うんですよ。だから、今回、指定も県知事がやるようにしたし、一括交付金もこれだけふやしたし、こういうふうなところで、自立ができるかどうかは沖縄にかかっていて、もう国が関与すべきではないというふうに僕は逆に思っていて、成果の是非はもう沖縄県民にあると思うんですよ。

 今回、修正協議が出ていますけれども、私は、疑問を持って、なかなか納得できないんですよね。基金をつくられると言うけれども、十二月の段階で概算要求二千四百億、それが二千九百億にまでなった。今までのこの国の仕組みの中で、概算要求が、二千四百億がこれだけ二〇%近く伸びた予算というのはないと思うんですよね。

 しかし、そのときにも知事にお聞きして、大丈夫ですか、できますねと言ったら、できますと。昔は、稲嶺さんのときの二〇〇一年のときには三千四百億ありましたから、そのときもきちっと消化しましたよ、稲嶺知事は。これぐらいのことはできるはずなのに、スタートを切る前から基金をつくって、何かもう、できなくなったら回しておきましょうみたいな、弱音のような、そういうようなものを一々国の法律でつくる必要があるのかどうなのか、私は非常に疑問だ。県知事が自分でやらせてくれと言ったから、やってみなさいよと言えばいいだけの話だと僕は思うんです。

 それに加えて、国際物流拠点でありますけれども、今回は、那覇空港も、那覇港湾も、自由貿易地域も、那覇自貿まで特自貿にして、所得税の減免措置をやって税率を上げた。今、さっき言ったように、ゼロなんですよ。今は、特自貿なんかは、五市町村に拡大をするとかしないとかという話じゃなくて、今のところを全部埋めてどう効果を出すかということをやるのが大きなポイントであって、これを拡大することが何の意味があるのか私はわからない。

 それと、雇用だとかニートだとか、無医村のところでは、離島の妊婦の補助の拡大だとか、こういうふうなものは、沖縄県に一括交付金を上げたんです。一括交付金を上げて配慮規定をつくるのは沖縄県の趣旨とは違うんです。必要なことは自分の一括交付金でやる、国がやれと言わなくても自分でやるというのが一括交付金の趣旨であるにもかかわらず、何でこんなにいっぱい配慮規定をつけて、沖縄県にこれをやらなきゃいけない、あれをやらなきゃいけないと国が言う必要があるのか、私には非常にわからない。

 離島航空に関しても、久米島も石垣も、そして宮古も今度税制措置をつくって本土からの直行便が下がるようになった。予算措置も、十七億円の予算をつくって離島の船会社に対しても補助が出るようになった。そこに改めて補助制度を設けるとかなんとかと書いてあるけれども、果たしてこれが何の意味があるのか。

 揮発油税を延長すると書いてありますけれども、四十年間やって、離島のガソリンは安くならなかった。だから、安くなるように今度仕組みをつくって、船運賃だけではなくて、陸上の補助までやりながら離島の方々の燃料費を安くしようと。

 今は、事業者にそのまま利益が行っていて、島民にはずっと行っていないんですよ。だから、三年に区切って、三年間で成果がなければ、事業者にだけ利益が行くんだったら意味がありませんねといってこの法律をつくっているわけだから、それも今回ちゃんと、陸上輸送に関してもコスト削減のためにやる、海上輸送に関してもやる、今回はガソリンスタンドで、国の制度でこれだけ安くなったよという数字も出しましょうというようなことをおっしゃっている。

 今、この修正案を見て、説得力が全くない。これは、山中先生がおっしゃっているような、特別の上に特別をつくったら本当の意味の沖縄の自立ができないというのと、かわいそうだという理論で沖縄を見たら沖縄振興法はだめになるというようなことに値するものだから、今度の修正協議にも附帯決議にも賛成しない、私はそういうふうに言っているんです。

 大臣、大臣がおつくりになった修正前の制度は、私は立派だと思う。私は、そういう意味でも、民主党は、自分たちがつくって、大臣を送ってつくったものを簡単に修正するようなことではだめですよ。まとまればいいというものじゃない。私は、安易な修正じゃなくて、もっときちっと物事をやっていくという強い姿勢があるべき姿だと思っていますけれども、大臣、それはいかがですか。

川端国務大臣 この法律をつくるときには、沖縄県の皆さんとのいろいろな意見交換と同時に、与党の皆さん、下地幹事長も含めていろいろ御相談をさせていただいて、我々としては最善ということでつくらせていただきました。

 その後、この法案の取り扱いを含めて、現在精力的に与野党で政党間協議が進められておるというふうには伺っておりまして、その中身について私の立場から今どうこう言う立場ではございません。いずれにしても、もう期限は迫っておりますので、そういう部分では、いいものが期限内ででき上がって、四月一日から新しい十年に向けて沖縄がスタートできることを期待しておるところでございます。

下地委員 最後になりますけれども、沖縄県はちゃんと基金は一円も残さず執行しますよ。それぐらいできる県ですから、それはぜひ申し上げておきたいと思うし、十年後の姿は、失業率三%台、そして県民所得三百万、そういうふうな数字は、この法律のもとに県民は努力して確実に成果を上げるというふうに思っておりますから、できるだけ沖縄県民にやらす。仲井真知事が堂々とできるような予算と税の仕組みになっている。責任は最後は沖縄です。もう国の手はこの法律で離れました。後は県民が頑張る姿を見ておいていただきたい。

 十年前の復帰三十周年のときの政府と沖縄県の式典で山中先生がお話をなされて、今度は私はもう観覧席から見ている、中でサッカーボールを蹴るのも走るのも沖縄県民で、私の出る幕はもうなくなったというようなことを御挨拶で言っておりましたけれども、まさにそうならなければいけないということを最後に申し上げて、私の質問を終わります。

 ありがとうございました。

    ―――――――――――――

福井委員長 この際、お諮りいたします。

 ただいま議題となっております宮腰光寛君外三名提出の修正案について、提出者全員から撤回の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

福井委員長 これにて両案に対する質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

福井委員長 この際、先刻の理事会において協議いたしましたとおり、両案に対する修正案を委員長から提出いたします。

    ―――――――――――――

 沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案

 沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案

    〔本号末尾に掲載〕

    ―――――――――――――

福井委員長 まず、沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 本修正案は、沖縄の振興及び自立的発展を推進するため、特別措置の一層の充実を図る修正を行おうとするものでございます。

 以下、修正案の概要について御説明申し上げます。

 第一に、国際物流拠点産業集積地域の指定要件として、国際物流拠点産業の用に供する土地の確保が容易である地域等を明記するとともに、税関、検疫機関等に係る業務体制の整備等に関する国の努力義務の規定を設けること。

 第二に、漁業者が安全にかつ安心して水産業を営むことができるよう、安全対策の強化その他必要な措置に関する国の努力義務の規定を設けること。

 第三に、観光等の産業の振興のために必要な分野における高度な知識または技術を有する人材の育成及び確保並びに起業を志望する者への支援に関する国及び地方公共団体の努力義務の規定を設けること。

 第四に、自然環境の保全及び再生に資する生態系の維持または回復等に関する国及び地方公共団体の努力義務の規定を設けること。

 第五に、青少年であって障害を有するものその他社会生活を円滑に営む上で困難を有するものの修学または就業を支援するための援助の実施に関する国及び地方公共団体の努力義務の規定を設けること。

 第六に、沖縄の均衡ある発展のための特別措置として、無医地区以外の医療過疎地区における医療の充実に関する配慮規定を設けることとし、新たな公共交通機関のあり方についての調査及び検討の対象として、鉄道及び軌道の整備を明記すること。

 第七に、沖縄県は、沖縄の振興に資する事業等に充てる経費の全部または一部を支弁するため、基金を設けることができることとし、国は、特段の事情がある事業等と認めるときは、当該基金の財源に充てるために必要な資金として交付金を交付することができること。

 第八に、不発弾等の処理の促進を図るため、その調査、探査、発掘、除去等に関する施策の充実に関する配慮規定を設けること。

 第九に、所有者不明土地の実態についての調査及びその結果に基づく必要な措置に関する規定を設けること。

 以上が、本修正案の概要でございます。

 次に、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、その概要を御説明申し上げます。

 本修正案は、沖縄の自立的な発展及び潤いのある豊かな生活環境の創造に資するため、駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置の一層の充実を図る修正を行おうとするものであります。

 以下、修正案の概要について御説明申し上げます。

 第一に、法律の題名を沖縄県における駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する特別措置法に改めることとし、目的規定を修正すること。

 第二に、駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に当たっては、当該土地の返還を受けた所有者等の生活の安定が図られるよう必要な配慮がなされること等、基本理念に関する規定を追加すること。

 第三に、国は、基本理念にのっとり、駐留軍用地跡地の有効かつ適切な利用の推進に関する施策を総合的に策定し、及び実施する責務を有することを明記すること等、国及び地方公共団体の責務に関する規定を修正すること。

 第四に、国は、日米合同委員会において返還が合意された駐留軍用地の区域の全部について、返還後において当該土地を利用する上での支障の除去に関する措置を所有者等に引き渡す前に講ずることを明記すること等、返還実施計画等に関する規定を修正すること。

 第五に、国による駐留軍用地についての調査及び測量の実施に関するあっせんに関する規定を修正すること。

 第六に、給付金の支給に関する規定を修正し、給付金の額について、引き渡し日の翌日以降当該土地を使用できないことを理由として国から支払いを受けた補償金の額を控除しないこととすること。

 第七に、支障除去措置の実施期間中の補償金に関する規定を追加すること。

 第八に、市町村総合整備計画に関する規定を修正し、同計画において定める事項について、良好な景観の形成に関する事項を追加すること。

 第九に、国有財産の譲与等に関する規定を追加すること。

 第十に、特定振興駐留軍用地跡地及び大規模振興拠点駐留軍用地跡地の指定の規定にかえ、拠点返還地の指定の規定を定めること。

 第十一に、内閣総理大臣は、政令で定める面積以上の拠点返還地を指定した場合は、国の取り組み方針を定めなければならないこと。

 第十二に、国の取り組み方針と県総合整備計画との関係に関する規定を追加すること。

 第十三に、特定跡地給付金及び大規模跡地給付金について、特定給付金として一本化し、特定給付金の支給の限度となる期間は、当該駐留軍用地跡地における土地の使用または収益が可能となると見込まれる時期を勘案して政令で定める期間とすること。

 第十四に、駐留軍用地跡地利用協議会に関する規定を修正し、同協議会について、その名称を駐留軍用地跡地利用推進協議会とすること。

 以上が、本修正案の概要でございます。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

    ―――――――――――――

福井委員長 これより両案及び両修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 初めに、沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、委員長提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

福井委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

福井委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

福井委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、玉城デニー君外六名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党、新党きづな、社会民主党・市民連合及び新党大地・真民主の七派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。遠山清彦君。

遠山委員 公明党の遠山清彦でございます。

 提出者を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    沖縄振興特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に留意し、今後の沖縄振興の推進に遺漏なきを期すべきである。

 一 政府は、沖縄振興予算における公共事業関係費については、沖縄県及び市町村の自主性を拡大するため、今後、一括交付金の対象となる経費の一層の拡大を検討すること。

 二 政府は、沖縄県における直轄事業の実施に当たっては、地元企業の受注機会の拡大に十分配慮すること。

 三 政府は、離島に住所を有する妊産婦の通院及び宿泊に対する支援、離島との航路・航空路による人の往来又は物資の流通の確保に対する支援及び離島の区域外の高等学校に進学した生徒の通学に対する支援については、今後、離島振興法においてこれらの支援に係る規定が設けられた場合は、沖縄県が他の離島に係る財政措置に比べて不利となることのないよう、必要な措置を講ずること。

 四 政府は、揮発油税・地方揮発油税の軽減措置に関しては、三年後の期限において、沖縄県の県民生活や企業活動に影響を与えることのないよう、期限の延長その他の必要な措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

福井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

福井委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

    ―――――――――――――

福井委員長 次に、沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。

 まず、委員長提出の修正案について採決いたします。

 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

福井委員長 起立総員。よって、本修正案は可決されました。

 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除く原案について採決いたします。

 これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

福井委員長 起立総員。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。

    ―――――――――――――

福井委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、瑞慶覧長敏君外七名から、民主党・無所属クラブ、自由民主党・無所属の会、公明党、日本共産党、新党きづな、社会民主党・市民連合、国民新党・新党日本及び新党大地・真民主の八派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。

 提出者から趣旨の説明を求めます。遠山清彦君。

遠山委員 提出者を代表いたしまして、本動議について簡潔に御説明申し上げます。

 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。

    沖縄県における駐留軍用地の返還に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)

  政府は、本法の施行に当たり、沖縄県及び市町村が駐留軍用地跡地の利用推進のための公共事業を行う際には、過大な地方負担を生じさせることのないよう、適切な措置を講ずること。

以上であります。

 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。

福井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

福井委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。

 この際、両附帯決議につきまして、沖縄及び北方対策担当大臣から発言を求められておりますので、これを許します。川端沖縄及び北方対策担当大臣。

川端国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、十分にその趣旨を尊重して努力してまいる所存でございます。

    ―――――――――――――

福井委員長 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました両案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

福井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

福井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時三十一分散会


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