衆議院

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第2号 平成25年5月22日(水曜日)

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平成二十五年五月二十二日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 荒井  聰君

   理事 今津  寛君 理事 関  芳弘君

   理事 西銘恒三郎君 理事 宮腰 光寛君

   理事 宮路 和明君 理事 生方 幸夫君

   理事 百瀬 智之君 理事 遠山 清彦君

      秋元  司君    國場幸之助君

      武部  新君    永山 文雄君

      橋本  岳君    比嘉奈津美君

      堀井  学君    宮崎 政久君

      若宮 健嗣君    渡辺 孝一君

      大西 健介君    石関 貴史君

      阪口 直人君    佐藤 英道君

      杉本かずみ君    赤嶺 政賢君

    …………………………………

   外務大臣         岸田 文雄君

   国務大臣

   (沖縄及び北方対策担当) 山本 一太君

   内閣府副大臣       伊達 忠一君

   外務副大臣        松山 政司君

   内閣府大臣政務官     島尻安伊子君

   外務大臣政務官      あべ 俊子君

   外務大臣政務官      城内  実君

   衆議院調査局第一特別調査室長           横尾 平次君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 沖縄及び北方問題に関する件


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     ――――◇―――――

荒井委員長 これより会議を開きます。

 沖縄及び北方問題に関する件について調査を進めます。

 沖縄及び北方問題に関する政府の施策について、山本沖縄及び北方対策担当大臣及び岸田外務大臣から順次説明を求めます。山本沖縄及び北方対策担当大臣。

山本国務大臣 沖縄及び北方対策を担当する内閣府特命担当大臣の山本一太でございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、所信の一端を申し述べます。

 まず、沖縄政策について申し上げます。

 昭和四十七年の本土復帰以来、沖縄の振興開発のため諸施策を積極的に講じてきた結果、社会資本整備面を中心に本土との格差が縮小し、観光や情報通信産業の振興等においても成果を上げております。

 しかしながら、今日なお沖縄の社会経済は、全国に比べ低い県民所得や高い失業率に示されるように厳しい状況にあります。

 昨年、改正沖縄振興特別措置法が施行されました。民間主導の自立型経済の発展並びに二十一世紀の万国津梁の形成に向け、県の自主性をできる限り尊重しつつ、本法律に基づいて沖縄の振興に真摯に取り組む所存であります。

 沖縄の振興に当たっては、東アジアの中心に位置する地理的特性や、日本一高い出生率、若年人口率といった沖縄の優位性、潜在力を最大限に生かすことが肝要と考えております。こうした視点から、産業の振興を初めとする各種施策の推進に全力で取り組んでまいります。

 とりわけ、国際物流拠点産業は、沖縄の地理的優位性を生かすことのできる、今後の成長産業であります。アジア主要都市を結節する国際物流拠点の形成を図りつつ、高付加価値型の物づくり企業や高機能型の物流企業などの臨空・臨港型産業の集積を図ってまいります。

 また、沖縄のリーディング産業である観光・リゾート産業につきましては、持続的な発展に向け、豊かな自然や独自の文化などを生かしつつ、外国人観光客の誘客拡大と観光の高付加価値化を進めてまいります。

 観光と並ぶリーディング産業である情報通信関連産業につきましては、アジア地域との近接性やリスク分散の観点からも、沖縄が優位性を発揮できる分野であり、一層の集積と高付加価値化を図るため、地域制度を活用してまいります。

 平成二十五年度の沖縄振興予算につきましては、厳しい財政状況のもと、沖縄県の御要望に最大限お応えし、安倍政権の沖縄振興に対する姿勢を如実にお示ししました。総額として三千一億円を計上するとともに、制度創設二年目となる沖縄独自の一括交付金制度につきましても、沖縄振興特別推進交付金(ソフト)と沖縄振興公共投資交付金(ハード)を合わせて千六百十三億円計上いたしました。この一括交付金を活用し、沖縄の実情に即した的確かつ効果的な施策が展開されるよう、引き続き県、市町村と連携を図ってまいります。

 また、国として、空港や港湾、主要幹線道路など産業の一層の発展等を支える社会資本整備の推進を図ってまいります。

 特に、那覇空港は国内外の観光客の受け入れや国際物流拠点の形成のために極めて重要な拠点的空港でありますが、処理能力の限界に近づきつつあります。那覇空港滑走路増設事業につきましては、安倍総理の指示のもと、関係各省と調整を行い、初年度(平成二十五年度)の国費として百三十億円を計上し、新規事業化するとともに、工期を七年から実質五年十カ月に短縮することといたしました。

 沖縄科学技術大学院大学については、各分野のすぐれた研究者はもとより、十八の国・地域から三十四名の極めて優秀な学生を集め、昨年九月に開学したところであります。沖縄の振興と自立的発展、世界の科学技術の向上を図るため、沖縄のすばらしい自然の中で、国際的に卓越した科学技術に関する教育研究やその環境の整備を推進することにより、本大学院大学がイノベーションの国際的拠点に成長するよう、引き続き支援してまいります。

 沖縄における農業につきましては、亜熱帯気候の特色等を生かし、必要な生産基盤の整備による生産性の向上等を図ってまいります。

 沖縄における不発弾対策につきましては、重要な課題と認識し、対策の一層の充実を図り、着実に取り組みを進めてまいります。

 さらに、潤いのある豊かな住民生活の実現のため、子育ての支援や人材育成及び雇用の促進、離島対策などにつきましても、課題の克服に向けて取り組んでまいります。

 私は、大臣就任に当たり、安倍総理から、できるだけ頻繁に沖縄に足を運び、沖縄の方々のお気持ち、御意見をしっかりお聞きするよう指示を受けました。就任後約五カ月で、五回沖縄を訪問するとともに、知事と十三回にわたる懇談を重ねてまいりました。沖縄視察の際は、沖縄の現状や課題について各方面から率直な御意見を伺うことができました。そこで私が感じたのは、沖縄の限りない可能性であります。沖縄の優位性や潜在力を生かして、強く自立した沖縄を実現するとともに、沖縄を日本経済のフロントランナーとすべく、各種施策を力強く推進してまいります。

 沖縄における基地負担の問題につきましては、国土面積の約〇・六%の沖縄県内に全国の約七四%の在日米軍専用施設・区域が依然として集中しており、また、このような状況について、引き続き厳しい声があることは承知しております。政府としては、このような沖縄の基地負担の現状を軽減することが、最優先で取り組むべき課題であると認識しております。

 普天間飛行場につきましては、住宅や学校等が密集している中に存在しており、固定化を回避し、一刻も早いその危険性の除去を図ることが必要と認識しております。引き続き、沖縄県民の皆様の声によく耳を傾け、信頼関係の再構築のための努力を続けながら、政府の方針を誠実に御説明し、御理解を得るための最大限の努力を行うことが必要であると認識しております。また、先般、嘉手納以南の土地の返還に係る統合計画が日米間で合意されたところですが、基地返還後の跡地利用につきましては、跡地利用特措法に基づき、着実に推進してまいります。

 次に、北方領土問題について申し上げます。

 今年一月、私は根室・納沙布岬を訪問しました。近くて遠い四島の返還を願う元島民の方々の強い望郷の思いを改めて胸に刻み、全国民の問題として、北方領土問題の解決に向けた決意を新たにいたしました。

 二月七日の北方領土返還要求全国大会には、安倍総理が出席され、領土問題の最終的解決に向けて進展が得られるよう、引き続き、強い意思を持って交渉を進めていくと述べられました。北方対策担当大臣としては、関係団体と密接に連携しながら、外交交渉を後押しする国民世論の啓発に全力で取り組んでまいる所存です。特に、次代を担う若い世代に対し、北方領土問題の正しい理解と関心を高めるための施策の一環として、情報発信手段であるソーシャル・ネットワーキング・サービスの活用や、民間企業と連携した啓発の推進など、きめ細やかに取り組んでまいります。

 また、先般、北方四島交流事業の見直しについてを取りまとめたところであり、今後、この見直し方針に基づき、相互理解の増進を図り、領土問題の解決に寄与するという本来の目的を実現するための戦略的な北方四島交流事業の推進に努めるとともに、元島民の方々への援護措置の充実にも取り組んでまいります。

 荒井委員長を初め理事、委員の皆様方の一層の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)

荒井委員長 次に、岸田外務大臣。

岸田国務大臣 外務大臣の岸田文雄でございます。

 沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たり、御挨拶を申し上げるとともに、所信を申し述べます。

 まず、沖縄に関する事項について述べます。

 我が国を取り巻く安全保障環境が一層厳しさを増す中、我が国の外交、安全保障の基軸たる日米同盟の強化が不可欠です。特に、在沖縄米軍を含む在日米軍の抑止力は、我が国の安全、ひいては地域の平和と安全の確保に不可欠です。

 普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編については、現行の日米合意に従って進めながら、沖縄の負担軽減を実現いたします。

 先月五日、日米両政府は、七年越しの課題であった嘉手納以南の土地の返還計画を発表いたしました。この計画は、返還時期と返還に向けた具体的な段取りについて初めて明らかにしたものであり、沖縄の負担軽減を進めるとの日米両政府の強い決意を示すものです。今後は、この計画を着実に実行してまいります。また、普天間飛行場の固定化はあってはなりません。負担軽減を早期に、かつ、具体的に目に見える形で実現するため、沖縄の方々の声によく耳を傾け、信頼関係を構築しながら、全力で取り組んでまいります。

 沖縄にある尖閣諸島についても一言申し上げます。

 日中関係は、我が国にとり最も重要な二国間関係の一つであり、大局的観点から戦略的互恵関係を推進していきます。我が国固有の領土である尖閣諸島をめぐる情勢については、我が国の領土、領海、領空は断固として守り抜くとの決意で冷静に取り組みつつ、中国側に対しては、意思疎通を通じて、事態をエスカレートさせないよう、自制を強く求めます。

 次に、日ロ関係及び北方領土問題について述べます。

 ロシアとは、戦略的視点に立って、アジア太平洋地域のパートナーとしてふさわしい関係を構築すべく、あらゆる分野における協力の進展を目指します。

 今日、残念ながら、日ロ関係は本来の潜在力に見合うほど十分に発展しておりません。その背景に北方領土問題があることは明白です。

 先月末、安倍総理は日本の総理大臣として十年ぶりに公式訪ロし、プーチン大統領との会談を行いました。両首脳は、戦後六十七年を経て日ロ間で平和条約が締結されていない状態は異常であるとの認識を確認した上で、双方に受け入れ可能な解決策を作成する交渉を加速化させるとの指示を両国外務省に共同で与えることで合意しました。

 北方領土問題に関する日ロ両国の立場には大きな隔たりがありますが、政府としては、北方四島の帰属の問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、強い意思を持ってロシアとの交渉を粘り強く進めていく考えです。私としても、元島民の方々の思いを胸に、交渉の前進を図ります。元島民、北方四島隣接地域の方々はもちろん、全ての国民から政府の取り組みに対する理解と力強い支持をいただくことでしっかりとした交渉を展開し得ると考えます。

 以上の諸問題に取り組むに当たり、荒井委員長を初め委員各位の御指導、御鞭撻のほど、心からお願い申し上げます。

 以上です。

荒井委員長 次に、沖縄及び北方関係予算について説明を求めます。伊達内閣府副大臣。

伊達副大臣 内閣府副大臣の伊達忠一でございます。

 山本大臣の御指導のもと、沖縄政策及び北方領土問題の解決促進に全力を傾注してまいりたいと思いますので、荒井委員長を初め理事、委員の皆さんの御指導、御鞭撻をよろしくお願いいたします。

 平成二十五年度内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算について、概要を御説明いたします。

 初めに、沖縄関係予算について御説明します。

 内閣府における沖縄関係の平成二十五年度予算総額は、三千一億三千八百万円、前年度当初比一〇二・二%となっております。

 沖縄振興に資する事業を県が自主的な選択に基づいて実施できる制度である沖縄独自の一括交付金については、一千六百十三億一千百万円を計上しております。

 このうち、経常的経費に係る沖縄振興特別推進交付金については、前年度と同額の八百三億四千万円を計上しています。

 また、投資的経費に係る沖縄振興公共投資交付金については、前年度より三十八億五千六百万円増額し、八百九億七千百万円を計上しています。

 沖縄における社会資本を整備するため、国直轄事業を中心とした公共事業関係費等を計上しました。

 その中で、那覇空港滑走路増設事業に新規着手することとし、初年度の国費として百三十億円を計上しました。

 また、北部地域の連携促進と自立的発展の条件整備として、産業振興や定住条件の整備等を行う北部振興事業のための経費を計上しています。

 さらに、沖縄になお多く残る不発弾の処理を進めるための経費を計上しています。

 加えて、昨年九月に開学した沖縄科学技術大学院大学において、国際的に卓越した科学技術に関する教育研究を行うとともにその環境の整備を推進するための経費を計上しました。

 また、沖縄振興開発金融公庫が行う新事業創出促進のための出資金の財源として、追加出資を行うこととしました。

 さらに、新たな公共交通システムのあり方の検討のため、これまでの調査結果等を踏まえ、より詳細な検討を行う調査を実施するための経費を計上いたしました。

 続きまして、北方対策本部予算について御説明いたします。

 内閣府北方対策本部の平成二十五年度予算総額は、十六億四千七百万円、前年度当初比で九〇・〇%となっております。

 このうち、北方対策本部に係る経費は、二億四百万円であり、北方領土隣接地域を訪れる修学旅行生等への学習機会の拡充経費、民間企業と連携した国民世論の啓発に関する調査経費等を計上しました。

 また、独立行政法人北方領土問題対策協会に係る経費は、十四億四千三百万円であり、四島交流等事業の新船「えとぴりか」を有効活用した、青少年を対象とした洋上研修等実施経費、羅臼国後展望塔研修室の増築を行い、修学旅行生等への教育環境の整備経費等を計上しました。

 以上で、平成二十五年度の内閣府沖縄関係予算及び北方対策本部予算の説明を終わらせていただきます。

 よろしくお願いいたします。

荒井委員長 以上で説明の聴取は終わりました。

 次に、松山外務副大臣、島尻内閣府大臣政務官、あべ外務大臣政務官及び城内外務大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。松山外務副大臣。

松山副大臣 外務副大臣の松山政司でございます。

 本委員会が扱う沖縄及び北方四島に関する問題は、我が国の外交にとって極めて重要なものでございます。

 岸田外務大臣を補佐しまして、外務副大臣としての職責を全うすべく、全力で取り組んでまいります。

 荒井委員長を初め委員各位の御指導、御協力、心からお願い申し上げます。

荒井委員長 次に、島尻内閣府大臣政務官。

島尻大臣政務官 内閣府大臣政務官の島尻安伊子でございます。

 山本大臣、伊達副大臣の御指導のもと、沖縄政策及び北方領土問題の解決に全力で取り組んでまいります。

 荒井委員長を初め理事、委員の皆様方の御指導、御鞭撻をよろしくお願い申し上げます。

荒井委員長 次に、あべ外務大臣政務官。

あべ大臣政務官 外務大臣政務官のあべ俊子でございます。

 外務大臣政務官としての責任を果たすべく、岸田外務大臣をお支えしてまいります。

 荒井委員長を初め委員各位の御支援と御協力を心からお願い申し上げます。

荒井委員長 次に、城内外務大臣政務官。

城内大臣政務官 外務大臣政務官の城内実でございます。

 外務大臣政務官としての職責を全うすべく、岸田外務大臣を補佐してまいります。

 また、荒井委員長を初めとした委員各位の御支援と御協力をよろしくお願い申し上げます。

荒井委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前九時十八分散会


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