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第1号 平成14年3月1日(金曜日)

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本分科会は平成十四年二月二十六日(火曜日)委員会において、設置することに決した。
二月二十八日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      亀井 善之君    中山 正暉君
      持永 和見君    枝野 幸男君
      赤松 正雄君    横光 克彦君
二月二十八日
 亀井善之君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成十四年三月一日(金曜日)
    午前九時一分開議
 出席分科員
   主査 亀井 善之君
      中山 正暉君    持永 和見君
      赤松 正雄君    上田  勇君
    …………………………………
   国務大臣
   (内閣官房長官)
   (男女共同参画担当大臣) 福田 康夫君
   国務大臣
   (国家公安委員会委員長)
   (防災担当大臣)     村井  仁君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      中谷  元君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当大
   臣)
   (科学技術政策担当大臣) 尾身 幸次君
   国務大臣
   (金融担当大臣)     柳澤 伯夫君
   国務大臣
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣
   (規制改革担当大臣)   石原 伸晃君
   内閣官房副長官      安倍 晋三君
   内閣府副大臣       熊代 昭彦君
   内閣府副大臣       松下 忠洋君
   内閣府副大臣       村田 吉隆君
   防衛庁副長官       萩山 教嚴君
   内閣府大臣政務官     奥山 茂彦君
   内閣府大臣政務官     嘉数 知賢君
   内閣府大臣政務官     亀井 郁夫君
   衆議院事務総長      谷  福丸君
   参議院事務総長      川村 良典君
   裁判官弾劾裁判所事務局長 天野英太郎君
   裁判官訴追委員会事務局長 片岡  博君
   国立国会図書館長     戸張 正雄君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      中島 忠能君
   会計検査院長       金子  晃君
   最高裁判所事務総長    堀籠 幸男君
   政府参考人
   (宮内庁次長)      羽毛田信吾君
   内閣委員会専門員     新倉 紀一君
   法務委員会専門員     横田 猛雄君
   財務金融委員会専門員   白須 光美君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月一日
 辞任         補欠選任
  中山 正暉君     中野  清君
  赤松 正雄君     上田  勇君
同日
 辞任         補欠選任
  中野  清君     中山 正暉君
  上田  勇君     斉藤 鉄夫君
同日
 辞任         補欠選任
  斉藤 鉄夫君     赤羽 一嘉君
同日
 辞任         補欠選任
  赤羽 一嘉君     田端 正広君
同日
 辞任         補欠選任
  田端 正広君     赤松 正雄君
同日
 辞任         補欠選任
  赤松 正雄君     赤羽 一嘉君
同日
 辞任         補欠選任
  赤羽 一嘉君     赤松 正雄君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十四年度一般会計予算
 平成十四年度特別会計予算
 平成十四年度政府関係機関予算
 (皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び内閣府所管)


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     ――――◇―――――
亀井主査 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。
 開会に先立ちまして、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属の本務員に御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
 再度事務局をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
亀井主査 速記を起こしてください。
 御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。
 本分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣及び内閣府所管並びに他の分科会の所管以外の事項についての審査を行うことになっております。
 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算及び平成十四年度政府関係機関予算中内閣及び内閣府所管について審査を進めます。
 政府から説明を聴取いたします。福田内閣官房長官。
福田国務大臣 平成十四年度の内閣及び内閣府関係予算について、その概要を御説明申し上げます。
 内閣所管の平成十四年度における歳出予算要求額は九百五十億六千二百万円でありまして、これを前年度当初予算額一千二十三億四千二百万円に比較しますと、七十二億八千万円の減額となっております。
 要求額の内訳といたしまして、内閣官房には、情報収集衛星のシステム開発、内閣の重要政策に関する総合調整等のための経費として八百三十七億七千四百万円、内閣法制局には、法令審査等のための経費として十億九千百万円、人事院には、人事行政等のための経費として百一億九千七百万円を計上いたしております。
 次に、内閣府所管の平成十四年度における歳出予算要求額は五兆六千五百八十四億三千五百万円でありまして、これを前年度当初予算額五兆六千八百九十九億二千百万円に比較しますと、三百十四億八千六百万円の減額となっております。
 要求額の内訳といたしまして、その主なものについて御説明いたします。
 内閣府本府には、経済財政政策、科学技術政策、沖縄対策、沖縄振興開発、男女共同参画社会の形成の促進、青少年の健全育成、国民生活行政、防災行政、原子力安全対策、北方領土問題の解決促進、国際平和協力業務、化学兵器禁止条約の実施、京都迎賓館(仮称)の建設、政府広報等のための経費として四千百三十四億百万円、宮内庁には、皇室の公的御活動、皇室用財産の維持管理に附帯して必要となる事務等のための経費として百二十一億六百万円、警察庁には、警察庁、その附属機関及び地方機関の経費並びに都道府県警察費補助等のための経費として二千六百三十七億八百万円、防衛本庁には、陸上、海上、航空自衛隊等の運営、武器車両及び航空機等の購入並びに艦船の建造等のための経費として四兆三千八百三億五千八百万円、防衛施設庁には、基地周辺対策事業、在日米軍駐留経費負担及びSACO関連事業等のための経費として五千七百五十三億三千五百万円、金融庁には、金融庁一般行政、金融機関等の監督、証券取引等監視委員会の運営等のための経費として百三十五億二千六百万円を計上いたしております。
 以上をもって、平成十四年度の内閣及び内閣府関係予算の概要の説明を終わります。
 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
亀井主査 以上で説明は終わりました。
 経済財政政策担当大臣以外の大臣は御退席されて結構です。
    ―――――――――――――
亀井主査 内閣府本府について質疑の申し出がありますので、これを許します。上田勇君。
上田(勇)分科員 おはようございます。公明党の上田勇でございます。
 平成十四年度の予算の審議もずっと続いてきまして、大臣もまことに御苦労さまでございます。
 公聴会も終わりまして、きょうから分科会ということで、いよいよ終盤戦を迎えているところでございますけれども、今度の予算委員会、本当にたくさんの課題が議論されました。きょうは、その中でも、特に今度の国会の最も重要な課題とも言えます経済それから雇用の問題につきまして、竹中大臣に御見解を何点かにわたりましてお伺いしたいと思いますので、どうかよろしくお願いをいたします。
 まず最初に、二十七日に、「早急に取り組むべきデフレ対応策」、総合デフレ対策がまとめられまして、公表されたところでございます。
 これに対しては、マスコミ、新聞やテレビでも、肯定的、否定的、さまざまな評価が行われていますが、私は、この総合デフレ対策の内容は、確かに、いろいろな批判があるように、これまで進めてきた施策が中心であって新味がないという指摘というのは一面当たってはいるのでしょうけれども、他方で、不良債権処理の具体的な方針とかスケジュールが示されているという意味におきましては、相当評価できるものではないかというふうに考えているところでございます。
 この公表を受けまして、マーケットも株価が上昇するなど、私は、一定のポジティブな評価をしているのではないかというふうに思いますし、また、昨日は、これに合わせる形で日銀も一層の金融緩和策を決定するなど、政府、日銀挙げてデフレ対策について本腰を入れた取り組みが開始されたというメッセージは大きく伝わっているのではないかというふうに思います。
 そこで、総合デフレ対策の評価についてでありますが、この対策を着実に実行していくことによりまして、このデフレ、実に長期にわたっているわけでありまして、九〇年代半ばから、いっとき消費税の引き上げによります物価上昇はありましたけれども、その期間を除くと物価は下落傾向がずっと続いているわけでありますけれども、この長期にわたりますデフレ傾向に歯どめをかけることができるのか、また、それによりまして景気回復に向けての前提条件をつくることができるのか、その辺の大臣の評価をお伺いいたします。
竹中国務大臣 御指摘のように、デフレの傾向というのは、例えば、GDPデフレーターで見る限り九〇年代の後半からもう五年ぐらい続いている、消費者物価、卸売物価に関しても過去二年はそういう数字が出ているということで、大変厳しい物価の下落傾向が続いています。したがって、デフレの克服そのものも、これは非常に長い戦いになるというふうに思っています。
 先般発表させていただきました「経済財政の中期展望」においては、約二年をめどにこのデフレを克服する、少なくとも二年間ぐらいは一生懸命戦い続けていかなければいけない、そういう課題だと思っております。先日まとめました、その意味でのデフレ対応策というのは、その非常に長い戦いの第一歩になるものであるというふうに思っているわけであります。
 したがいまして、決してこれで十分だというふうに思っているわけではございませんが、内閣としての非常に強いデフレ対策に対する決意を示す、それと、政府、日銀がそういった意味での危機感を共有して一歩を踏み出す、そういった土壌をつくれたというところに一定の成果があったのではないかと思います。
 繰り返し申し上げますけれども、これは非常に長い戦いの第一歩でございますので、引き続き検討を深めて、思い切った政策をとっていくことが必要であるというふうに思っております。
上田(勇)分科員 今大臣からも、これは非常に長い戦いになる、その第一歩であるというようなお話がございました。まさに、私もそういうような認識でございます。
 この対応策に盛り込まれているさまざまな施策、不良債権の処理も市場対策の問題も、いずれも非常に重要かつ必要な施策であるというふうに考えておりますけれども、今大臣もおっしゃったように、しかしこれだけでは、今回の対応策に盛り込まれたのは、いわばバブル崩壊以降のこれまでの負の遺産の清算の部分が主体でありまして、これからどうやって日本の経済を再生させていくかという点は、むしろ、これから取り組まなければいけない課題が多いのじゃないかというふうに受けとめております。
 結局は、日本の経済を立て直していくためには、我が国の産業の生産性を向上させて競争力を高めていく、このことが最終的には必要なんだろうというふうに思うわけでありますけれども、ただ、我が国の産業は、労働生産性で見てみますと、労働生産性の上昇率というのは、特に非製造業においては、製造業はまだ生産性も高いし上昇率も高いのですが、非製造業について見ると、九〇年以降、ほとんどゼロ%台と極めて低くなっているわけでありまして、七〇年代、八〇年代は全体の労働生産の上昇率が三%台あったのに比べると、九〇年代以降、極めて労働生産性が落ちているということが言えるのじゃないかというふうに思うのです。
 そうすると、これは国全体の産業の生産性を向上させていく必要があるわけでありまして、まさに、そのことが経済の構造改革ということなのではないかというふうに思います。そういう我が国の産業の生産性、競争力を向上させていくために、具体的に細かい政策云々は別にいたしまして、竹中大臣としてはどのような方向性、方策をとっていくべきか、その辺のお考えの一端をお伺いしたいと思います。
竹中国務大臣 デフレの克服のためにも経済の活性化が重要であるという委員の認識は、全くそのとおりだと思います。
 先般取りまとめました例のデフレ対応策に関しても、このベースにあるのはあくまでも経済活性化である。そのための努力を、昨年の骨太の方針以来、一貫して行ってきたつもりでありますけれども、むしろその中で金融面での取り組みがおくれてきたという認識を持っておりまして、そこに焦点を当てて、今回、デフレ対策を取りまとめたという認識を持っております。したがって、ベースにあるのはあくまでも経済活性化のための政策、それがまさに構造改革にほかならないということであるわけでございます。
 経済財政諮問会議では、そのために、この活性化の中心部分になるであろう税制の改革、それと産業活性化のための戦略的対応、この二点をことし前半の非常に大きな議論のテーマというふうに掲げて、今、取り組んでいるところでございます。
 どういった形で経済活性化がなし得るか、その方向性について意見を述べよということでございます。
 基本的には、骨太の方針に書かせていただきましたように、あの中に七つのプログラムというのがございますけれども、ああいう考え方をさらに深めていくということになるのだと思います。民間でできることは民間で、民営化、規制改革、そういうことによって競争政策を通して活力を引き出すというのが第一のポイントだと思います。
 第二のポイントとしては、リスクをとって挑戦していく人、これは個人であれ、企業であれ、投資家であれ、投資に関して言うとリスクマネーということになりますけれども、そういったチャレンジャーを支援するということが大変重要になるのだと思います。
 同時に、競争政策を通して市場を活性化するということでありますから、一方で、セーフティーネットの整備はしっかりしていかなければいけない。そういうもの全体を組み合わせて、人々がリスクをとる中で経済が活性化されていく、そういうことを目指す必要があるのではないかというふうに思うわけであります。
 そうした中では、当然のことながら、海外の人たちも、海外のすぐれた投資家、優秀な企業が日本に投資してみたいと思うような、そういう環境をつくっていくというのが重要なポイントになってくると思いますし、今申し上げたような観点を含めまして、税制の改革でありますとか産業活性化戦略の中で、今後、議論を急いで深めていきたいというふうに思っております。
上田(勇)分科員 今大臣もちょっと答弁の中で触れられたのですが、私も、日本の経済の構造改革を進めていく上で、海外からの直接投資をもっと増加していくような環境をつくっていくことが極めて重要なのではないかというふうに考えております。アメリカやイギリス、欧米諸国が経済を回復させていく過程では、日本からの投資も含めまして、海外からの直接投資を非常に積極的に誘致して、それがふえていったわけであります。
 ところが、今の日本の投資の現状を見ますと、近年、非常に増加傾向にあるのはあるのですが、そういう欧米先進諸国に比べると、依然としてまだ低い水準であります。海外から資本もお金も集めてくる、そして、すぐれた技術や人材も集めてくる、また、日本にはない新たなビジネスモデルといったものも、海外からの投資をふやすことによって活性化されるのではないかというふうに思っております。
 そういう意味で、こうした海外からの直接投資をふやしていくことが結局は国内の産業競争力を高めることにもなるというふうに思いますし、また、こうした海外からの直接投資が新たな雇用を生み出すということも考えられるというふうに思っております。
 ところが、いろいろと海外の企業家の方などからの御意見を伺うと、日本は実は制度としては相当自由になっているし、オープンになっているのですけれども、まだいろいろな障害があると。では、具体的に何かというと、なかなかそれが出てこないのですけれども、なかなか日本には直接投資がしにくい環境にあるというようなことをよく伺います。
 そこで、そうしたさまざまな規制の見直しとか税制の見直しなどの対策を講じていく必要があるのだろうと思いますけれども、大臣、具体的な提案がございましたら御見解を伺えればというふうに思います。
竹中国務大臣 これは大変重要な問題であると同時に、非常に難しい問題であるというふうに認識しています。これだけ大きなマーケットで、労働力だって優秀な労働力があるし、現地で資本調達することも可能なはずなのに、どうしてなかなか海外の企業が日本に来ないのだろうか。
 たまたま、きのう、インテルの社長さんとお目にかかる機会があったのですが、世界で子会社、関連会社が五百社あるうちに、日本には実はまだ十一社しかないのですよというお話を伺いました。日本の経済規模からいうと、五百社のうち百社が日本にあってもいいぐらいなのに、十一社しかないのですよと。これはなかなか根深い問題だと思います。
 規制もかなり緩和されてきている、しかし、いろいろな習慣とか慣習とかを含めると、なかなか海外の企業が入ってきにくい風土のようなものがあって、それは一歩ずつ、一つ一つ糸をほどいていくように根気よくやるしかないのかなというふうにも思います。
 また、もう一つ、これまで大企業が年功序列、終身雇用の中で人材を囲っていて、なかなか人材があるようで手に入らないというような、海外進出企業のアンケート調査もあるようでございます。
 そういった条件が、今、これも雇用の制度の変化とともに非常に大きく変わりつつあるところでありますので、そういった様子を見ながら、規制改革に象徴されるように、オープンで透明でわかりやすい経済社会システムにしていくこと、これが一番重要なことなのかなというふうに思っております。
上田(勇)分科員 今大臣もおっしゃったように、従来、十数年前というのは、確かに、いろいろな規制があって、事実上、なかなか海外から直接投資が難しかった。今は、それもほとんどなくなって、諸外国と比べても、そういう制度上の障害というのはほとんど同レベルになっているのですが、なかなか外から投資が来ないということであります。
 今大臣から、商慣習とか文化の問題、労働慣行の問題などの言及もあったのですが、そういったことはなかなかすぐに変えられることではないので、諸外国と同レベルの制度というよりも今はむしろ直接呼び込まなければいけないわけでありますので、欧米諸国に比べても海外からの直接投資が入りやすいような環境、同じレベルというよりも、むしろ、入りやすいような環境をつくっていかなければいけないのではないかというふうに思います。具体的には、いろいろ多岐にわたることでありますので、ここではお話をいたしませんけれども、一つ一つそういう方向でお互いに検討させていただければというふうに思っておりますので、どうかよろしくお願いいたします。
 次に、為替の問題について御見解をお伺いしたいと思います。
 ここのところ、ずっと円安の傾向が続いておりまして、エコノミストの中には、こうした円安を進めることがデフレ対策の決め手になるのだというような意見の方もたくさんいらっしゃるのですけれども、確かにそういう面があるとは思います。
 ただ、これは、輸入製品の物価が上がるという面とか、輸出競争力が高まるというような面もあるのでしょうけれども、やはり円安ということ自体は、国の経済力に対する海外からの評価が下がっているというようなことにもなるし、また、この円安の傾向が長く続くと、先ほど申し上げました直接投資についても、消極的な面が出てくるのではないかというような懸念もあるのですが、今続いている円安が我が国の経済に与える影響について、大臣はどのように分析されているのか、また、こうした為替の今後の動向というのは大体どうあるべきというふうに考えておられるのか、御見解があれば伺いたいと思います。
竹中国務大臣 これは委員にはもう言うまでもないことでありますけれども、為替レートそのものは、決して政府がどうこうできる問題ではなくて、マーケットの需給で決まっている一つの結果、実態の反映であるということになるわけであります。
 今まさに御指摘になりましたように、為替レートが高いこと、低いこと、それぞれ、非常に複雑な影響を経済には及ぼすと思うのです。円が例えば一割程度、少し前に比べると安くなっている。それによって、輸出産業は刺激を受ける。輸入物価も下げどまって、デフレにストップをかけるかもしれない。しかし、長期的に見ると、円が下がるということは、一国の経済そのものの信認が下がるということでもあり、日本人の労働力、労働価値そのものが世界で低く評価されるということでもあるわけですから、これはコインの両面のような効果があるのだと思います。
 円安の効果はいかんという御質問でございますので、一つ、直接的な見方だけ申し上げさせていただきたいと思うのですが、マーケットの需給の結果として円が例えば一〇%下がったとして、そのときに日本に何が起こるだろうか。
 輸出のウエートというのは、非常に大ざっぱに考えまして、GDPの一〇%ぐらい、一割ぐらいのウエートを占めます。その一割のウエートを占めるものの、輸入の価格が一割上がるということでありますから、非常に単純に考えて、一〇%掛ける一〇%で一%、国内の物価を一%ぐらい上げる、デフレを一%ストップさせるという効果が長期的にはあるということになると思います。
 しかし、その長期的な効果はすぐには出ませんので、今までのモデルの分析等々から見ると、大体、一年目ではその三分の一ぐらいの効果が出てくる。そういうような効果はある。その意味では、デフレの傾向にストップをかけるという短期的な効果は、これは働くのだと思います。しかし、それが長期的にいいことかどうかというのは、御指摘のとおりの問題がございます。
 マーケットの需給によって決まる為替レートについて、その短期的な効果ということに関しては、私自身は、今申し上げたような、特にデフレという観点から物価に対する影響を予測、予想しております。
上田(勇)分科員 ありがとうございます。
 次に、雇用のことについてお伺いをいたします。
 この雇用の問題というのが極めて深刻でありまして、失業率がずっと過去最高の値を更新を続けている中でありまして、こうした傾向について、一部の識者の見方というのは、失業率の上昇というのは構造改革の過程でやむを得ないことであって、どうしても雇う側のニーズと労働者の能力や状況というのが合わない、ミスマッチが生じるんだ、そういうことで、構造改革の過程で一時的に雇用環境が悪化するということは避けて通れないことであるというような見方があるわけでありまして、確かにそういう面も非常に大きいのだというふうに私も思います。
 しかし、この雇用の問題というのは、やはり社会的に見ると非常に重要な問題でありますし、政治的にも非常に大きな課題なわけであります。
 今、いろいろな雇用環境の悪化があるのですけれども、中高年の皆さんの雇用環境、これも非常に厳しいものがありますが、その中でも私が非常に懸念しているのは、二十代の若年層の雇用状況。これが、推計されているところでも、十五歳から二十四歳の失業率はもう既に二けたになっていると言われておりますので、そういう意味では非常に深刻であるし、この上にさらに、アルバイトで働いている人、いわゆるフリーターだとかいうような必ずしも安定した就業環境でない人たちも含めると、雇用環境というのは相当悪くなっているというふうに思います。
 身近なところで見ていても、新卒で就職が決まらない、あるいは、二十代で転職を志しても実際はなかなか安定した職業につけないというような形というのを耳にするわけでありまして、今の日本の雇用環境、これはミスマッチによる雇用環境もあるのですけれども、実際は、こういった新しく労働市場に出てくる人たちが仕事につけない、そういう意味で、国全体の生産力、雇用吸収力が相当低下しているというような感じがいたします。
 こうした若者が安定した職業につけないということは、将来、こうした人たちが労働力の中核になっていくわけでありますので、そういう意味では、将来の日本の労働力について、これはまだ非常に高い評価を受けているわけでありますけれども、その辺も非常に懸念されるわけでありますし、それがひいては社会の活力を低下させて、安定も脅かすというようなことにもなるのじゃないかというふうに思います。
 そこで、特にこうした高卒、大卒の若者の就業環境、雇用環境の改善に向けて、お考えがあればお伺いしたいと思います。
竹中国務大臣 失業、雇用の問題というのは、経済政策の中で、はっきり言いまして、最も重要な課題であるという認識を強く持っております。特に若年の方々、今特に問題になっているのは高校卒、新卒の就職難の話でありますけれども、これは、若者の将来、さらには、まさに日本経済の将来全体を考えると、経済問題を超えて社会的な問題として注目して対応していかなければいけない重要問題であると思います。
 ミスマッチの話と若年の問題、ただ、若年の失業率がなぜ高いかということを詳細に見ていくと、実はその中にミスマッチがあるという点も、これまた重要な問題なんだと私は思うのですね。私も大学で若者を見てきましたけれども、会社が求める若者に対する能力と、若者が今の時点で備え持っている能力ないしは技能の間に、やはりギャップがある。
 それは、これまでの企業というのは、真っ白なといいますか、そういう若者を雇って、自分の社内で教育投資を行って労働力に仕上げていくというシステムを持っていたわけですけれども、そういうことはもう社内ではできなくなった、だから、これは社会に出てくる前に学校、家庭等々でやっておいてくださいね、そういう切りかわりが今進んでいるのだと思うのですね。そのためには、若者に関しては、ベースにあるライフスタイルとか、そういう問題もあるにせよ、これは教育機関の強化ということが最大の解決策の一つではないかというふうに思うのですね。
 そのためには、特に大学改革、高校改革、高等教育改革というのが大変重要になると思います。これは長期的に人的資源を蓄積するという構造改革のまさに中心テーマにもなってくるわけで、産業活性化戦略を議論していると申し上げましたが、その中でも人材育成というのを、高校、大学の機能の強化に絞って、思い切った政策議論にしていきたいというふうに思っています。
上田(勇)分科員 ありがとうございます。
 もう一点だけ、雇用の問題についてお伺いしたいのです。
 現在、特に製造業の各企業が大変なリストラを進めておりまして、それは生産性を向上させるために必要なことなんですけれども、その雇用をどこで吸収するかということが今一番大きな問題だと思います。
 一部には、サービス産業でその雇用が吸収できるのではないかというような話もあるのですが、これは先ほどもちょっとお話をさせていただきましたけれども、日本のサービス産業は労働生産性が非常に低いわけですね。しかも、その上昇率も非常に低いということになってくると、今まで、製造業だけじゃないですけれども、いろいろな条件のいい雇用があったのが、その吸収するところというのは条件の非常に悪い雇用環境になるのじゃないか。つまり、新しい職場はできるかもしれないけれども、それは、今までに比べると、条件も相当悪いし、賃金も悪いというような職場になってしまうのではないかということが懸念されるのです。そういう意味で、今、特に製造業を中心としたリストラの吸収先をサービス産業に求めることになると、まさにこれまで以上に所得の格差も拡大するし、ひいては社会構造にもいろいろな影響が出てくるのではないかというふうに思うのです。
 そういう意味では、今、仕事を失った方々の新たな雇用先ということが非常に重要になってくるのだというふうに思うのですけれども、これはどういうようなところがその目玉になってくるのだろうか。その辺、なかなか難しい問題かもしれませんけれども、御意見があれば伺いたいと思います。
竹中国務大臣 これは確かに本当に難しい問題であります。こういう点で、坂口厚生労働大臣、大変御苦労なさっているわけでありますけれども、結果からいいますと、私は、諸外国の産業構造とか諸外国におけるライフスタイルの変化等々を参考事例にする限り、結果的にはいわゆるサービス産業で雇用されていくという形になっていくのだ、結局はそういうところになるのだと思います。
 ただし、今委員御指摘された中で大変重要なポイントは、しかし、サービス産業というのは生産性が低いのじゃないのかと。結局、その点をいかに克服できるかということだと思うのですね。サービス業といってもいろいろなサービス業があって、非常に付加価値の高いサービス業が現実には存在していて、よく見ると、我々がイメージしているこれからの新しいサービス業というのは付加価値が結構高い。これは介護にしても付加価値の非常に高いものであります。雇用というのは一人一人がどの程度の高い付加価値を生み出していけるかということでありますから、アメリカの場合は、それを自営業で、就業者がふえた場合に、ある時期、増加の三分の二ぐらいが自営業だったという時期もあったわけでありまして、一人一人が付加価値を生み出す力をつけていく、それが結果的に新しいサービス産業を形成していく、そういう形に結びつけていかなければいけないのではないかと思います。
 その意味では、今後、坂口大臣、今大変御苦労なさっていらっしゃいますけれども、教育訓練のための施策をさらに講じていく、これは積極的労働市場政策と言われるものでありますけれども、そういう方向が模索されるべきなのではないかと考えております。
上田(勇)分科員 もうこれで時間でございますけれども、小泉内閣の経済運営の方針、これは構造改革なくして成長なしという基本方針でございまして、私も、まさに長期的に見たときには避けて通れないというか、それしかないのだというふうに思います。あとは、要は、いかにしてそれを円滑に実施していくか、そのかじ取りが今、非常に難しくもまた重要な局面を迎えているのだというふうに思いますので、その経済運営に当たりましての中心者でございます竹中大臣に、またぜひ御尽力をいただきますこと、また、御活躍を期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
 どうもありがとうございました。
亀井主査 これにて上田勇君の質疑は終了いたしました。
    ―――――――――――――
亀井主査 次に、皇室費について審査を進めます。
 政府から説明を聴取いたします。羽毛田宮内庁次長。
羽毛田政府参考人 平成十四年度における皇室費の歳出予算について、その概要を御説明申し上げます。
 皇室費の平成十四年度における歳出予算要求額は七十億一千二百八十五万八千円でありまして、これを前年度当初予算額七十六億一千八百四十六万円と比較いたしますと、六億五百六十万二千円の減少となっております。
 皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。
 以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十三億七千八百六万三千円、皇族に必要な経費三億一千七十九万五千円であります。
 次に、その概要を御説明いたします。
 内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。
 宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費六億八千三百五十七万円、皇室用財産維持管理等に必要な経費五十六億九千四百四十九万三千円でありまして、前年度に比較して六億八百四十四万八千円の減少となっております。
 皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度に比較して二百八十四万六千円の増加となっております。これは、寛仁親王第一女子彬子女王が平成十三年十二月御成年に達せられたことに伴うものであります。
 以上をもちまして平成十四年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。
 よろしく御審議くださいますようお願いいたします。
亀井主査 以上で説明は終わりました。
 それでは、御退席くださって結構です。
    ―――――――――――――
亀井主査 次に、国会所管について審査を進めます。
 まず、衆議院関係予算の説明を聴取いたします。谷衆議院事務総長。
谷事務総長 平成十四年度の衆議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度の国会所管衆議院関係の歳出予算要求額は六百九十億八百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、八億九千七百万円余の増額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、六百六十一億千三百万円余を計上いたしております。
 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の事務を処理するために必要な経費であります。
 その増加した主なものは、新議員会館建設に係る民間資金等活用事業調査経費及び民間資金等を活用した赤坂議員宿舎整備等事業事務費を計上しているほか、議員秘書保険料の増額によるものでございます。
 第二は、本院の施設整備に必要な経費といたしまして、二十八億八千八百万円余を計上いたしております。
 この主なものは、議事堂本館のセキュリティー施設及び変電施設整備、第一議員会館昇降機改修費及び本館等庁舎の諸整備等に要する経費でございます。
 第三は、国会予備金に必要な経費といたしまして、前年度同額の七百万円を計上いたしております。
 なお、別途、赤坂議員宿舎整備等事業を実施するため、民間資金等活用衆議院施設整備等事業として、国庫債務負担行為を要求しております。
 以上、簡単ではありますが、衆議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
亀井主査 次に、参議院関係予算の説明を聴取いたします。川村参議院事務総長。
川村参議院事務総長 平成十四年度参議院関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国会所管参議院関係の歳出予算額は四百二十六億四千八百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三億四千四百万円余の減額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、国会の運営に必要な経費でありまして、四百一億八千百万円余を計上いたしております。
 この経費は、議員関係の諸経費、職員の人件費並びに事務局及び法制局の所掌事務を処理するために必要な経費であります。前年度に比較し二億八千百万円余の増額となっておりますが、これは、主として、議員秘書保険料の増額、人件費所要額の増額、新議員会館建設に係る民間資金等活用事業調査経費の計上等によるものであります。
 第二は、参議院施設整備に必要な経費でありまして、二十四億六千百万円余を計上いたしております。前年度に比較し六億二千五百万円余の減額となっておりますが、これは、主として、平成十四年度概算要求の基本的方針に基づく公共投資関係費(施設費)の一律減及び平成十三年度第一次補正予算に三億一千四百万円余を計上したことによるものであります。
 主な施設整備として、傍聴参観テレビ中継施設の本体工事、本館構内の監視カメラ整備、清水谷議員宿舎昇降機の改修等がございます。
 第三は、国会予備金に必要な経費でありまして、前年度同額の五百万円を計上いたしております。
 以上、平成十四年度参議院関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
亀井主査 次に、国立国会図書館関係予算の説明を聴取いたします。戸張国立国会図書館長。
戸張国立国会図書館長 平成十四年度国立国会図書館関係の歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国立国会図書館関係の歳出予算要求額は二百六十二億六千七百万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、四十一億一千百万円余の減額となっております。
 次に、その概要を御説明申し上げます。
 第一は、管理運営に必要な経費であります。その総額は二百十二億一千万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三十一億七千六百万円余の増額となっております。
 これは、主として、平成十四年度に開館を予定しております関西館の開館準備・運営経費及び同じく十四年度に全面開館を予定しております国際子ども図書館の運営経費並びに書庫内資料の再配置等東京本館の整備経費を計上したことによるものでございます。
 第二は、科学技術関係資料の収集整備に必要な経費でありまして、八億七百万円余を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと、九千百万円余の増額となっております。
 第三は、施設整備に必要な経費でありまして、四十二億五千万円を計上しております。これを前年度予算額と比較いたしますと、七十三億八千万円余の減額となっております。
 これは、主として、国際子ども図書館の改修工事及び関西館職員宿舎建設工事が前年度に終了したこと等に伴い生じた減額であります。
 以上、平成十四年度国立国会図書館関係の歳出予算について御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
亀井主査 次に、裁判官弾劾裁判所関係予算の説明を聴取いたします。天野裁判官弾劾裁判所事務局長。
天野裁判官弾劾裁判所参事 平成十四年度裁判官弾劾裁判所関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国会所管裁判官弾劾裁判所関係の歳出予算要求額は一億二千二百五十二万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、三十二万円余の減少となっております。
 この要求額は、裁判官弾劾裁判所における裁判長の職務雑費、委員旅費及び事務局職員の給与に関する経費、その他の事務処理費並びに裁判官弾劾法に基づく裁判官の弾劾裁判に直接必要な旅費及び庁費であります。
 以上、簡単でありますが、裁判官弾劾裁判所関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
亀井主査 次に、裁判官訴追委員会関係予算の説明を聴取いたします。片岡裁判官訴追委員会事務局長。
片岡裁判官訴追委員会参事 平成十四年度裁判官訴追委員会関係歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度国会所管裁判官訴追委員会関係の歳出予算要求額は一億三千九百四十七万円余でありまして、これを前年度予算額と比較いたしますと、七百五十二万円の増加となっております。
 この要求額は、裁判官訴追委員会における委員長の職務雑費及び事務局職員の給与に関する経費並びに訴追事案の審査に要する旅費、その他の事務費であります。
 以上、簡単でありますが、裁判官訴追委員会関係歳出予算の概要を御説明申し上げました。
 よろしく御審議のほどをお願いいたします。
亀井主査 以上で説明は終わりました。
 それでは、御退席くださって結構です。
    ―――――――――――――
亀井主査 次に、裁判所所管について審査を進めます。
 最高裁判所当局から説明を聴取いたします。堀籠事務総長。
堀籠最高裁判所長官代理者 平成十四年度裁判所所管歳出予算について御説明申し上げます。
 平成十四年度裁判所所管歳出予算の総額は三千百七十一億四百万円でありまして、これを前年度当初予算額三千百九十七億八千五百万円と比較いたしますと、差し引き二十六億八千百万円の減少となっております。
 次に、平成十四年度歳出予算のうち、主な事項について御説明申し上げます。
 まず、人的機構の充実、すなわち、裁判官、書記官及び家裁調査官の増員であります。
 司法制度改革を推進するに当たり、裁判所の人的充実が強く求められていることを踏まえ、増加し、かつ複雑困難化している民事関係事件等の適正かつ迅速な処理を図るため、裁判官四十五人、書記官四十五人、家裁調査官五人、合計九十五人の増員及び振りかえによる書記官二百人の増加をすることとしております。
 他方、平成十四年度には四十三人の定員を削減することとしておりますので、差し引き五十二人の純増となります。
 次は、司法の体制の充実強化に必要な経費であります。
 まず、裁判関係経費の充実を図るため、百九十五億八千万円を計上しております。
 その内容について申し上げますと、第一に、民事訴訟・調停事件の充実を図るための経費として六十三億七千八百万円を計上しております。この中には、民事調停委員手当、民事裁判事務処理システム経費等が含まれております。
 第二に、刑事訴訟事件の充実を図るための経費として七十六億八千三百万円を計上しております。この中には、国選弁護人報酬、刑事裁判事務処理システム経費等が含まれております。
 第三に、家庭事件の充実を図るための経費として五十五億一千九百万円を計上しております。この中には、家事調停委員手当、成年後見制度運営協議会開催経費等が含まれております。
 また、裁判所施設の整備を図るため、裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百六億五千万円を計上しております。
 以上が、平成十四年度裁判所所管歳出予算の概要であります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
亀井主査 以上で説明は終わりました。
 それでは、御退席くださって結構です。
    ―――――――――――――
亀井主査 次に、会計検査院所管について審査を進めます。
 会計検査院当局から説明を聴取いたします。金子会計検査院長。
金子会計検査院長 平成十四年度会計検査院所管の歳出予算について御説明いたします。
 会計検査院の平成十四年度予定経費要求額は百七十二億六百四十七万余円でありまして、これは、日本国憲法第九十条及び会計検査院法の規定に基づく、本院の検査業務及び一般事務処理を行うために必要な経費であります。
 この要求額の内容について申し上げますと、人件費として百三十九億五千六百万円、旅費として八億三千八百万円、その他の経費として二十四億一千二百万円を計上いたしました。
 これらには、会計検査機能を充実強化するため、行財政改革の動向に適切かつ機動的に対応した検査を遂行するための検査要員の増強等、有効性検査、情報通信技術を活用した検査及び海外検査等の充実を図るための検査活動充実強化経費、検査活動に資する研究及び検査能力向上のための研修の充実を図るための研究・研修経費が含まれております。
 以上、簡単でありますが、会計検査院の平成十四年度予定経費要求額の概要の御説明を終わります。
 よろしく御審議のほどお願いいたします。
亀井主査 以上で説明は終わりました。
 それでは、御退席くださって結構です。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前十時休憩
     ――――◇―――――
    〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕


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