衆議院

メインへスキップ



第1号 平成25年4月12日(金曜日)

会議録本文へ
本分科会は平成二十五年四月九日(火曜日)委員会において、設置することに決した。

四月十一日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      今村 雅弘君    小池百合子君

      西川 公也君    西銘恒三郎君

      玉木雄一郎君    東国原英夫君

      佐藤 英道君

四月十一日

 西銘恒三郎君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成二十五年四月十二日(金曜日)

    午前九時開議

 出席分科員

   主査 西銘恒三郎君

      今村 雅弘君    小池百合子君

      國場幸之助君    武部  新君

      西川 公也君    藤丸  敏君

      玉木雄一郎君    福田 昭夫君

      東国原英夫君    佐藤 英道君

   兼務 赤嶺 政賢君 兼務 鈴木 克昌君

    …………………………………

   農林水産大臣       林  芳正君

   環境大臣         石原 伸晃君

   農林水産副大臣      江藤  拓君

   外務大臣政務官      城内  実君

   農林水産大臣政務官    長島 忠美君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 山野内勘二君

   政府参考人

   (外務省大臣官房参事官) 正木  靖君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         山下 正行君

   政府参考人

   (農林水産省生産局長)  佐藤 一雄君

   政府参考人

   (農林水産省農村振興局長)            實重 重実君

   政府参考人

   (農林水産技術会議事務局長)           小林 裕幸君

   政府参考人

   (林野庁長官)      沼田 正俊君

   政府参考人

   (水産庁長官)      本川 一善君

   政府参考人

   (海上保安庁次長)    桝野 竜二君

   政府参考人

   (環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長)   梶原 成元君

   政府参考人

   (環境省水・大気環境局長)            小林 正明君

   政府参考人

   (環境省自然環境局長)  伊藤 哲夫君

   農林水産委員会専門員   栗田 郁美君

   環境委員会専門員     仲川 勝裕君

   予算委員会専門員     石崎 貴俊君

    ―――――――――――――

分科員の異動

四月十二日

 辞任         補欠選任

  小池百合子君     武部  新君

  西川 公也君     藤丸  敏君

  玉木雄一郎君     福田 昭夫君

  佐藤 英道君     岡本 三成君

同日

 辞任         補欠選任

  武部  新君     國場幸之助君

  藤丸  敏君     西川 公也君

  福田 昭夫君     玉木雄一郎君

  岡本 三成君     伊藤  渉君

同日

 辞任         補欠選任

  國場幸之助君     小池百合子君

  伊藤  渉君     佐藤 英道君

同日

 第一分科員赤嶺政賢君及び第七分科員鈴木克昌君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成二十五年度一般会計予算

 平成二十五年度特別会計予算

 平成二十五年度政府関係機関予算

 (農林水産省及び環境省所管)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

西銘主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。

 本分科会は、農林水産省及び環境省所管について審査を行うことになっております。

 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。

 平成二十五年度一般会計予算、平成二十五年度特別会計予算及び平成二十五年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。林農林水産大臣。

林国務大臣 平成二十五年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。

 初めに、予算の基礎となっている農林水産施策の基本方針について御説明いたします。

 私は、昨年末に農林水産大臣を拝命し、農林水産政策に携わることとなりました。農は国のもとという言葉があるように、農林水産業は、食料生産のみならず、国土や自然環境の保全、集落機能の維持といった多面的機能の発揮を通じ、国民の暮らしに重要な役割を担っております。農林水産大臣としての任務の重大さに身が引き締まる思いであるとともに、職務に邁進する決意を新たにしているところです。

 現在、農林水産業、農山漁村は、農業生産額の減少や担い手の高齢化など課題が山積しております。一方で、私は、農林水産業は潜在的に非常に大きな可能性を持っていると考えており、その潜在力を最大限に引き出すためには、生産現場みずからが需要の動向を敏感につかんで高付加価値化等を積極的に進めるなど、攻めの農林水産業を推進することが必要だと考えています。

 一月二十九日には、私が本部長となり、攻めの農林水産業推進本部を農林水産省に設置しました。需要サイドのニーズや生産現場の声を徹底的に吸い上げ、施策の具体化を加速してまいります。

 次に、平成二十五年度農林水産予算について御説明いたします。

 平成二十五年度における農林水産予算の総額は、関係府省計上分を含めて、二兆二千九百七十六億円となっております。その内訳は、公共事業費が六千五百六億円、非公共事業費が一兆六千四百六十九億円となっております。

 農林水産予算の編成に当たっては、攻めの農林水産業の展開に向けた第一歩とするため、農林水産基盤の整備、輸出拡大対策や競争力強化対策、経営所得安定対策等に予算を重点的に措置したところでございます。

 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しをいただきまして、御説明を省略させていただきたいと存じます。

 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

西銘主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま林農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西銘主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

西銘主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。

 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願いいたします。

 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。武部新君。

武部分科員 自由民主党の武部新でございます。

 当選して初めての予算委員会の分科会、トップバッターということで、元気に質問させていただきますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 私からは、農林水産分野について質問させていただきます。

 私は、自由民主党の政策理念の最も大切な一つは、頑張る人がちゃんと幸せになれる国やふるさとをつくることだというふうに思っております。努力が報われる、農林水産業においてもこれが一番大切だというふうに思っておりまして、生産者の皆さん方が努力をされ、工夫をされて、おいしくて安全な農産物をつくる、そして、消費者の方々に喜んでいただく、豊作、豊漁がそのまま生産者の皆様方の喜びにつながる、これが一番大切だと思っております。

 しかしながら、天候を相手にする仕事でもございますので、必ずしも、常にうまくいくわけではございません。自分の努力だけではなかなかうまくいかないということも当然あるわけでございまして、そこをどう政府が支援していくか。経営を安定させて、そして、意欲を持ってまた再生産に取り組んでいただくということ、その環境を整えていくことが大事なことだというふうに思っております。

 その上で、林大臣の掲げる攻めの農林水産業の基盤となることが、やはりそこの重要なところになるというふうに思っておりまして、強い農業をつくるという点につきまして質問をさせていただきます。

 北海道は、この何年か非常に天候が不順でして、長雨が続いたり、あるいはひょうが降ったりしておりまして、先般も、てん菜について糖度が基準に満たなくて、私も江藤副大臣のところに乗り込んでいって、糖度の下限を取っ払ってくれという直談判もさせていただきましたけれども、糖度が満たなかったり、作物が、収量が足りなかったりしまして不作であるところも結構ございました。

 現場に行ってみると、ただ、土地改良がちゃんと進んでいるところについては、雨が降っても、すぐに翌日畑に入って防除の作業を進めることができるんですね。まだここは土地改良が進んでいないんだというところについては、しばらくたっても畑に入れないで作業もおくれる、それから品質も劣っているということで、この土地改良が格差を生んでいる部分、側面があるんです。

 それで、やはり生産力を上げるためには、排水等の農業基盤整備について、これを計画的そして継続的にしっかりと進めていく必要があると考えます。これが強い農業づくりにつながっていくと考えますけれども、大臣のお考えを伺いたいと思います。

林国務大臣 お答え申し上げます。

 まさに今、武部先生からお話がありましたように、基盤整備をきちっとする、要するにサプライサイドを強くするということは、具体的な例を挙げていただきましたけれども、農業競争力強化を図る上で大変大事なことだ、こういうふうに思っております。

 農地の集積の加速化や農業の高付加価値化を図るための大区画化や排水対策、それから、水利施設の老朽化も進んでおりますので、こういう中で農業用水を安定供給するために施設を長寿命化していく、こういうような農業生産基盤の整備が非常に大事であるというふうに考えております。

 特に、お地元の北海道、これは全国の農業生産の一割強を産出しておりまして、我が国の食料供給基地として大変重要な地位を占めておる。そして、水田や畑作、それから酪農、畜産といったさまざまな特徴を有する北海道農業の振興には、今委員からもお話がありましたように、これを支える基盤整備が不可欠である、こういうふうに認識をしております。

 こういった認識を踏まえて、このたびの農業農村整備事業の予算については、平成二十四年度補正予算と平成二十五年度予算を合わせて増額を図りまして、十分な予算を確保したところでございまして、北海道を初めとして、基盤整備をしっかりと進めてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

武部分科員 大臣、ありがとうございます。

 今、北海道の農業についても言及していただきましたけれども、北海道につきましては、平均年齢も五十代半ばぐらいで、若い後継者も引き継いで、大変意欲の高い生産者の方が多うございます。また、その意欲のある方々は、北海道も農家数は減っておりますけれども、何とか耕作地の面積は頑張って減らさない努力をされています。

 この意欲のある生産者の皆様方が、耕作放棄地、農家をやめられた方の土地も集積したりしているんですけれども、いかんせん、圃場が分散したりしていますし、また、やめるときに、それほど畑に手を入れないで、そのままやめちゃうというような、少しいい状態じゃない状態で譲られる方もいらっしゃるものですから、その集積した土地についても、これは北海道といえども、やはり区画を大区画化して整理していくということが大事な政策だというふうに思っております。

 先ほども申し上げましたとおり、土地改良事業につきましては、民主党政権におきまして本当に減らされてしまいまして、六割ぐらいカットされましたから、農家の方々も本当にがっかりしていましたが、今回、先ほどお話のあったとおり、予算も大幅に増額していただきましたけれども、今年度、農業、農村の基盤整備に関して、農水省におきましてどんな取り組みをされているか、もう少し具体的にお聞かせ願えればというふうに思います。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 今先生の方からお話がありましたように、生産あるいは出荷を行う場合に、コストの縮減というものは非常に大事でありまして、高付加価値など競争力強化を図る産地に対して、いわゆる強い農業づくり交付金といったものをこれまで交付してきたわけでございまして、これによりましての集出荷施設など共同利用施設の整備を支援してきたわけでございます。

 この交付金につきましては、平成二十五年度当初予算案におきましては、予算額を、平成二十四年度当初の二十一億円から二百四十四億円ということで、平成二十一年度当初と同水準に増額しているところでございます。また、二十四年度当初で設定していた国費要望上限額、これは一億円だったんですが、これを撤廃するといったことなどによりまして、生産現場において攻めの農林水産業の推進に必要な施設整備に対応できるようにしているところでございます。

武部分科員 ありがとうございます。

 局長のお話のとおり、北海道は主業農家が大半でございまして、耕作面積も非常に大きいんですけれども、例えば、今お話にありましたけれども、私の地元のJAきたみらいという農協、八つの農協が合併して、北海道でも一、二を争う大きな農協なんですが、ここも、合併をして、麦類の乾燥貯蔵施設や野菜の集出荷施設などを集約して、生産者の皆さんの負担を減らす努力をされて、そして、付加価値の高いものをつくろうということで大型な施設をつくっております。これも、今局長のお話にありましたとおり、民主党政権下で二十一億になったものが、今度の予算案で二百億を超える予算をつけていただいています。

 今までずっと苦労されたのは、この強い農業づくり交付金が非常に小さいものですから、そういった集約化して大きなものをつくっていくということが、金額も一億というお話がありましたけれども、その上限金額があったものですから、なかなかできないで、非常に現場で苦労されていました。これがまた、今お話にあったとおり、大きな予算を、また自民党政権に戻りまして充実させていただいたおかげで、生産者の意欲もまた、いいものをつくっていこうという意欲につながっていくと思いますし、また、これは農業の構造改善を進めていく上でも大変重要な予算であると思います。

 ですから、これをさらに充実していただけますように、この予算の中でも十分つけていただきましたけれども、その中身もしっかりとやっていただきたいというふうに思います。

 次に、アベノミクスなんですけれども、きのうも株価は一万三千五百円をつけました。そして、為替の方も百円に届く勢いで、日本の景気について市場が非常に好感しておりまして、デフレ脱却に向けて本当に安倍政権は力強いスタートを切っているんだというふうに思います。

 しかしながら、一方で、円安によって配合飼料や農業資材について非常に高騰していまして、特に農業においては、畜産、酪農の生産者の方々の経営を圧迫している要因になりつつあるというふうに思います。今も黒田総裁によってさらなる金融緩和が続くわけでありますので、円安傾向もまだまだ続いていくということが予想されるわけでありまして、配合飼料の価格にも一層影響が出てくるんじゃないかというふうに思います。

 配合飼料の高騰についての対策をしっかりとしていかないことには、これは喫緊の課題だというふうに考えますけれども、政府としてどのような対策をとっておられるかについて御質問させていただきたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 配合飼料につきましては、昨年の六月以降、アメリカの干ばつによりますトウモロコシの不作を背景といたしまして国際相場が非常に急騰しておりまして、その後、高水準で推移しているという状況になっておりまして、さらに昨年十一月以降の円安の進展もありまして価格が高騰しているという状況になっておるところでございます。

 こうした状況のもと、昨年十月以降、いわゆる配合飼料価格安定制度、これが一番基本となる制度でございますが、この異常補填の積立金がございます。その発動基準につきまして、出やすくするというようなことで、その基準の引き下げといったものをまずやっているところでございます。

 また、この基金から何からの総額が少なくなっておりますものですから、二十四年度の予備費ということで約百五十億円、百四十八億円の積み増しといったものを緊急に行ったところでございます。

 さらに、予備費としまして、配合飼料を使われる農家に対しまして、経営が非常に困難になってきますものですから、畜産農家への無担保、無保証人による低利資金の融資、こういった支援を行ってきたところでございます。

 今後とも、配合飼料価格の上昇が畜産経営に及ぼす影響の緩和に努めていきたいというふうに考えているところでございます。

武部分科員 ありがとうございます。機動的にその対策を講じていただきたいというふうに思います。

 また、配合飼料の価格高騰対策も重要であると思うんですけれども、根本的な対策として、しっかりと粗飼料自給率を上げていくということも大事な政策だというふうに思います。北海道の酪農では五六%ぐらい粗飼料を使っておりますし、為替や穀物価格の変動を受けないように安定的に経営を進めていくためには、やはり粗飼料自給率を上げるということは非常に重要だというふうに思っております。

 私の地元の北海道は、土地利用型の酪農経営をされている方が非常に多うございまして、牧草地を使って牛を飼っているという方が大変多くなっています。また、その人方のお話を聞きますと、適切なタイミングで牧草地の草地改良をしたい、いい草をつくるためには品種も大切だけれども、やはり更新もしっかりと適切なタイミングでやりたいんだという声は非常に多いんです。

 草地改良について、高品質で高収量な生産性の高い草地をつくるということは大変重要なことだと思いますけれども、今政府でこの予算でなさっている草地の生産性向上についての取り組みについて伺いたいと思います。

佐藤政府参考人 お答えいたします。

 先生御指摘のとおり、草地というのは、自給飼料であります牧草の供給基盤として非常に大事なものでございます。ただ、これは、長い年月を経過すると、地面が固まって、また雑草が侵入することによりまして次第に生産性が落ちていくというようなことから、定期的に草地更新といったことを行う必要があるものでございます。

 このため、従来から、草地生産性向上対策事業という事業におきまして、土壌分析や優良品種牧草の導入による草地更新の取り組みを支援しているところでございます。二十五年度の当初予算におきましても六億円を計上しておりますが、先ほどもありましたが、二十四年度補正予算におきまして、飼料自給力強化支援事業ということで、百三十一億円の事業でございますが、これによりまして、公共牧場の草地の改修等を支援しているところでございます。

 今後とも、このような事業の実施を通じまして、草地の更新の取り組みを強力に支援してまいりたい、かように考えているところでございます。

武部分科員 ありがとうございます。

 予算についてもそうなんですけれども、やはり、待っていらっしゃる方が非常に多いということと、ニーズに合わせて適切に行っていただけるように、現場の方の声も聞いていただいて対応していただきたいというふうに思います。

 次に、攻めの農林水産業について、特に水産業について御質問をさせていただきます。

 林大臣の掲げる攻めの農林水産業、これの実現には、本当に我々も力を合わせて頑張っていかなければならないというふうに思っております。需要を拡大していくことは本当に大事でありまして、国内においても、少子高齢化で国内のマーケットは縮小していくことが見込まれますが、いかに日本のおいしい水産物あるいは農産物を食べていただく努力をするかということは、総力を挙げてやらなきゃいけないというふうに思っております。

 特に、輸出についても、政府におかれましては、日本の農林水産物を、一兆円を目指してやっていくんだという目標を掲げられております。

 特に、海外において、健康ブームということもあって、日本食が非常に注目を浴びているというふうに思うんです。やはり、この日本の食べ物、食文化を海外に伝えていく努力というのはまだまだしなければならないというふうに思いますし、また、逆に、日本の中での消費、魚の消費なんですけれども、これは年々減少していきまして、とうとう肉の消費が逆転しちゃったというような状況にあります。

 しかし、一方で、海外に目を転じますと、海外の方では魚の消費が増加している傾向にあるんですね。この攻めの農林水産業で輸出を拡大していく。では、何を拡大していく、どの品目がスタープレーヤーになるかなというと、私は、やはり水産業に力を入れていくべきじゃないのかなというふうに思っております。

 現在において、輸出の四割が水産物だと思いますけれども、これをさらに拡大していくために、どう促進していくか。政府のお考えをお聞かせいただきたいというふうに思います。

長島大臣政務官 私の方からお答えさせていただきたいと思います。

 先生御指摘のとおり、水産物の輸出額は千六百九十八億円、日本の農林水産物全体の約四割ということでございます。水産業の振興、そして地域の活性化を図っていく上で、私は、水産物の輸出促進というのは非常に重要な役割を担っているというふうに実は考えております。

 一面では、水産物の輸出に当たって、米国、EUといった輸出相手国の衛生基準を満たすことが非常に重要だというふうに実は考えておりまして、二十四年度当初予算及び補正予算において、HACCP取得のための講習会の開催そして技術指導等への支援、そして、水産加工流通施設の改修支援、そして、流通拠点漁港における衛生管理の高度化といったことを支援しながら、体制を整えていただきたい。

 そしてもう一つは、やはり、日本食文化を理解していただくということ、そしてそのことに対するすばらしさを我々が発信していくという両面から、日本の食文化、そして水産業に対する理解を深めていただきながら、輸出促進に努めてまいりたいと思っているところでございます。

武部分科員 ありがとうございます。

 特に、私の地元でありますオホーツク、宗谷は、大変豊かな海、サロマ湖もありますし、水産物について、ある意味、日本を非常にリードしている地域だというふうに思います。また、加工業も、それに合わせて、アメリカ向けの輸出、中国向けの輸出も大変努力なさっておられます。

 特に申し上げたいのが、魚を漁師がとってきて、そのまますぐ消費者のところに回るわけじゃないんですね。一旦、加工で受けて、うちの地元のホタテなんかもそうですけれども、加工して、それから市場に出していくということで、どんなに豊漁でも、水産加工の方でしっかりと受けることができないと市場にも回っていかないということなんです。ですから、加工場の施設整備というのは非常に大事だと思うんですね。

 その一方で、特に地方の方では、我々のオホーツクの方は非常に後継者もいますし、漁業所得も高いんですけれども、一方、水産加工場の方では、かなり労働力不足ですとか、受け手の側の方が大変困っているという状況があるんです。

 この水産加工業の皆様方の経営がしっかりと安定しないと漁業の方も影響が出てまいりますし、今政務官にお答えいただいたように、輸出向けのHACCPの整備を意欲的にやっていくことも大事だと思いますし、また、冷蔵庫も今、鮮度も高いことができるすばらしい冷蔵庫もありますので、設備投資なんかもしっかりとしていかなきゃいけない、機械化もしていかなきゃいけないというふうに思っております。

 これがまた、アベノミクスじゃありませんけれども、設備投資に回っていくことで地方の景気が上がっていくということもあると思いますので、この水産加工業の経営基盤強化というのは重要な点だと思うんですけれども、それに伴う予算措置あるいは政策について伺いたいと思います。

長島大臣政務官 私の方からお答えをさせていただきます。

 武部先生御指摘のとおり、水産加工業というのは、漁場と消費者を結ぶ上で非常に重要な役割を担っていると思います。

 御指摘のとおり、その重要な役割にもかかわらず、少し労働力が不足をしているという現実もやはりあるんだと思うんですが、農林水産省では、川上、いわゆる漁場と消費者を結ぶこと、やはり消費を拡大するために、ことしは鋭意予算を使ってまいりたいと思います。

 国産水産物流通促進事業ということで、中間に民間団体等からその役割を担っていただいて、そこに約十億円ほど手当てをさせていただいて、そこが流通、消費促進を図る、そして加工業の必要性もその中でやはり認識をしていただくということにしていただきたいと思うんです。

 そして、今ほど言ったように、やはりHACCPに対応できること、そして効率的にやっていただけるようなことのために、長期で低利の融資だとか、そのことに対する認識だとか、地域で活性化をするための中心的役割を担うという位置づけをつけていきたいな、そんなふうに考えているところでございます。

武部分科員 ありがとうございます。

 ぜひ、水産加工業も地域の産業の核になっておりますので、元気を出す政策をお願いしたいと思います。

 最後に、先ほども配合飼料の高騰の件につきましてお話しさせていただきましたが、水産業におきましても、円安によって燃油価格が高騰しております。漁師の方の経営も、漁のスタイルによっては違うんでしょうけれども、燃油のコストが全体の二割を超えるような、経営が大変圧迫されていまして、漁価安も響いて、漁に行っても漁に行くだけ赤字になっちゃう、そういうような状況があるように聞いています。

 本当に、漁師の皆様方からすると、これは死活問題だと思うんですね。機動的また効果的な燃油高騰の対策、それから漁業の経営安定に資するような対策を講じる必要があると思いますけれども、農水省のお考えをお聞きしたいと思います。

本川政府参考人 御指摘のとおり、燃油の経費に占める割合は非常に高うございまして、経営の安定を図るためには、漁業経営に与える影響を勘案するということは非常に重要でございます。

 このため、平成二十二年度から、漁業者と国が毎年度積み立てを行って、価格が高騰したときに補填をさしあげる漁業経営セーフティーネット構築事業というのを実施しております。

 この事業につきましては、二十四年度の補正予算と二十五年度当初予算において国の積み立てに必要な額を計上しておりまして、今後の高騰に対しても一定の対応が可能であると考えております。

 今後とも、漁業者の皆様の御意見も伺いながら、漁業燃油価格の動向を注視して、燃油価格の高騰に対しまして適切に対応してまいりたいと考えているところでございます。

武部分科員 ありがとうございます。

 自民党におきましても、燃油高騰対策をより一層充実できないかということをいろいろと議論している最中でございます。今後、円安が続いて、この燃油、それから先ほど申し上げました配合飼料等々、円安が続き日本の経済がよくなることはすばらしいことでありますけれども、一方で、やはり、その影響が出てくるところについて、特に第一次産業の分野について、ぜひとも、しっかりと見ていただいて対策を講じていただきたいと思います。

 先ほども申し上げましたが、農業も林業も水産業も、地方においては、地域経済の核でありまして産業の核であります。農林水産業が元気になることが地方が元気になる、地方が元気になることが日本全体の景気を底上げていくことになるんだというふうに思います。もちろん、大企業等の業績も大切でありますけれども、むしろ、地方の方から日本全体の景気を上げていくんだという気持ちで、生産者の皆様方も頑張っていただいております。

 ぜひとも、その点について、きょうはTPPについては私は申し上げませんでしたけれども、林大臣におかれましては、守るべき国益はしっかりと守っていただいて、そして、攻める農林水産業を思い切って展開していただきますように心から激励、エールを最後に申し上げさせていただいて、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

西銘主査 これにて武部新君の質疑は終了いたしました。

 次に、鈴木克昌君。

鈴木(克)分科員 生活の党の鈴木でございます。

 きょうは、鳥獣害の被害と、それから林業についてお尋ねをしていきたいと思います。

 実は、このテーマは、私は初当選以来ずっと、もう十数回やらせていただいておるテーマでありますが、いずれにしても、なかなか、その方向性というのか解決策というのか、肝心なものが出てきていないという思いで、ことしももう一度この予算分科会で質問をさせていただきたいというふうに思います。

 まず、農林漁業の被害でありますけれども、平成二十三年度でこの鳥獣害の被害は二百二十六億円、このように報告をされておるわけであります。そのうち我が愛知県の被害は四億七千万ということなんですが、カラスによる被害が一億四千万、イノシシによる被害が一億円、鹿による被害が五千万、こういうことであります。

 二十二年度の被害は六億ということでしたから、減ってきているんだ、こういうことでありますけれども、現実、現地では全くそういう感覚ではありません。むしろ、ひどくなってきておる、何でこの数字がこういうふうに下がっていくのかわからないというのが、実は地元の実感であります。

 イノシシについては、言うまでもありませんけれども、水田を掘り起こしたり、あぜを壊したり、本当に激増をしておりますし、それから、鹿の被害が、最近は農業だけではなくて林業にも大変な影響を及ぼしておる、こういう状況でございます。

 そこで、地元愛知県でも、イノシシや猿、鹿などの大型の捕獲おり、それから、わな、わな特区による狩猟免許取得者以外の捕獲活動、それからまた鳥獣害防止措置法による実施等々、また、ハクビシンのような小さい動物のおりだとか、モンキードッグの導入とか、本当にいろいろなことを実はやっておるんですが、どれも決め手になっていないということでございます。

 農家の声をお届けするまでもないかもしれませんけれども、いよいよ収穫だね、来週には収穫をしようかと思うと、猿とかそういった鳥獣に全滅をさせられてしまう。これじゃ、何のために、動物を保護するために作物をつくっているのかというのが本当に実態でございまして、これは、動物愛護とか保護とか、いろいろな観点があるかもしれませんけれども、やはりまず人間を保護してもらわないと、田舎の生活はますます疲弊をしてしまうということだと思いますので、いわゆる被害の状況、そして対策を、国として、政府としてどういうふうに考えてみえるのか、まず最初にお聞きしたいと思います。

長島大臣政務官 事実関係について、私の方から少しお答えをさせていただきたいと思います。

 鈴木先生御心配のとおり、私も中山間地に住んでおりまして、最近、イノシシ、猿、いろいろ被害が拡大していることは、私も実感としてわかります。

 やはり、いろいろな原因が言われています。山林が少し荒れてきたとか、荒廃水田、畑が少しふえてきたとか、そして、農地に人がいなくなってしまったことがやはり動物を異常に人里に近づけているとか、いろいろ言われていると思うんですが、なかなか決め手がないことも事実だと思っています。

 御指摘いただいたとおり、平成二十三年度は二百二十六億円、山林では森林被害が九千四百ヘクタール、そして河川ではカワウの被害ということで、それこそ、どう駆除をしてどう守ったらいいか、逆に言ったら、人間をどう守ったらいいかみたいなところまで来ているんだ、私はそう思います。

 ただ、鳥獣の捕獲、緩衝帯の設置というソフト対策、そして侵入防止柵の整備等のハード対策を、ずっと継続的に、諦めずにやっていくこともやはり一つの方策だと思っておりますし、実は、鳥獣被害防止総合対策交付金は、県に毎年、二十五年度予算でも九十五億円ほど一応交付をしています。

 ただし、決め手になる駆除方法をどうしたらいいかということは、最近、駆除をする立場のハンターの数も減っていたり、免許取得のあり方を議論されたりということもあるのだと思うんですが、全体が、やはり山里を守るという意識の中で、当事者として駆除を進めていくという意識をどう支援していくかということが一番重要なことなんだろうというふうに思っておりますので、予算とは別に、そういった意識づけもこれからは広げてまいりたいと思っているところでございます。

鈴木(克)分科員 今、政務官から、どうやって人間を守るかというお話がありましたけれども、本当にそういうことでありまして、私の地元の新城市では、発想を転換して、市域全体を柵で囲ってしまう、こういう、まさに人間をどう守るかというような施策を実は今試みておるんですね。ただ、やはりそうはいっても、どこかで破られてしまえば、これはもうもとのもくあみなんですね。全部やり直さなければならぬということになってしまうわけですから、本当にこれも非常に苦しいことであります。ある意味では、電気柵が効果が高いということですが、これがまた、維持管理が非常にコストがかかるということもあります。

 そこで、やはりそうはいっても、この被害防止に最も効果的なのは防護柵だということでありますので、何かこの防護柵の設置のあり方についてお考えがあれば、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

佐藤政府参考人 鈴木先生の御質問にお答えします。

 今先生の方からお話ございましたように、この侵入防止柵の設置といったものが一つの有効な手段だと思っておるわけでございますが、その際、やはり、被害を及ぼしている鳥獣の種類、あるいは地域の地形条件、平場でありますとか傾斜地とかいったような地域の地形条件あるいは気象条件、こういったものを踏まえて、整備する柵の種類あるいは構造あるいは場所を適切に決定することが重要というふうに認識しているところでございます。

 このため、この鳥獣被害関係につきましては、何年かやってきておりますものですから、我々農水省でもいろいろな情報や何かをとりまして、こうした情報を踏まえまして、設置者の皆さん方に対して、野生鳥獣被害防止マニュアルの作成や配付を行っております。また、専門家を招きまして地域レベルでの研修会といったものを開催しまして、この設置場所や囲い方のポイント、あるいは適切な維持管理の方法等についての指導、普及、こういうものを今実施しているところでございます。

鈴木(克)分科員 やっていただいていることはわかっておるんですが、なかなかそれが本当に決め手になっていかないということだというふうに思っています。

 次に、ハンターの養成といいますか、その支援についてお伺いしていきたいというふうに思うんです。

 私の地元では、例えば鳥獣被害防止計画というのはもちろんあるわけですけれども、例えば新城市では、平成二十二年で、イノシシが七百頭、ニホンジカが百六十頭という目標を掲げたんですが、とてもじゃないけれどもそんなものではないということで、今、イノシシを千六百頭、そしてニホンジカを五百五十頭にふやしておる、二・五倍ぐらい一挙にふやしておるわけです。それでもまだまだ十分な対策ではない。

 ふやして、いわゆる殺傷といいますか、ということになると、今度、これをどうするか、どう処理をしていくか、ここに非常に問題があるわけです。

 それはさておきまして、まず、そのハンターの養成について、昭和五十年、かなり古い資料ですが、全国で狩猟免許証取得者というのは五十一万八千人いた。それが、二十二年には十九万人に減った。しかも高齢化が非常に進んでいるんですね。もう六十歳以上の人が大半なんですよ。これは、この先を見ていくと、本当に、寒いというのか寂しいというか、大変な状況も考えられるのではないかなというふうに思います。

 狩猟者数の現状と、それから四十年で狩猟者数が大きく減少した原因、ここを政府はどのように考えているのか、それから、ハンター養成に関してどんな施策を考えてみえるのか、環境省、農水省、順次お答えをいただきたいと思います。

伊藤政府参考人 狩猟者の数につきましては、四十年前、昭和四十八年のデータを見ますと、約四十八万人でございました。これが、平成二十二年には約十九万人ということで、四割にまで減少してしまったという状況がございます。

 その原因としましては、狩猟者の高齢化が進む中で、国内の野生鳥獣の肉とか毛皮等の利用が減ったとか、あるいは趣味が多様化したということで、新たに狩猟免許を取得する人が減少している、いろいろな、さまざまな要因があると考えております。狩猟者は捕獲の担い手として極めて重要でございますので、狩猟者の確保及び育成が重要な課題になっている、我々もそう認識しているところでございます。

 環境省では、これまで、狩猟者を含む鳥獣保護管理の担い手の育成及び確保のために、例えば狩猟免許取得促進のためのフォーラム、あるいは地域ぐるみでの捕獲推進に係る研修、さらには鳥獣保護管理の計画策定や捕獲等の専門的知識を有する鳥獣保護管理に係る人材、専門家の登録制度、今百人近く登録してございます、また、鳥獣保護管理の捕獲技術や調査、計画手法の研修など、主に鳥獣行政に従事する地方公共団体の職員を対象とした研修などのいろいろな育成方策も、今実施しているところでございます。

 今後とも、農林水産省を初めとする関係省庁と連携して、鳥獣保護管理の人材の育成に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えている所存でございます。

佐藤政府参考人 農林水産省での取り組みについてお答えいたします。

 私ども農林水産省におきましては、鳥獣被害防止総合対策交付金九十五億円を計上させていただいておりますが、この中で、狩猟免許講習会の開催、あるいは箱わな等の捕獲機材の導入等について支援を行っているところでございます。

 それで、先ほども出ましたが、やはりハンターの方というのが捕獲の担い手の中心となる方でございますので、こうした方々が中心的な担い手となって、鳥獣被害防止措置法に基づきますいわゆる実施隊の設置といったものが促進されるよう、実施隊員に対するメリット措置が必要かということで、猟銃の所持許可の更新の際の技能講習の免除といったような措置を今回新たに講じるといったこと、それと、実施隊を設置する市町村、これが今五百を超えるようになってきたわけですが、こうした市町村に対しましては、私どもの予算の重点的な配分、こういったようなことを今実施しているところでございます。

 以上でございます。

鈴木(克)分科員 いずれにしても、このまま放置をしていけば、本当にどんどん減っていってしまうということです。

 それで、先ほど自然環境局長から話があったんですが、愛知県では、県の職員に狩猟免許を取らせた。十二名を受けさせたんですが、全員合格をして、この人たちがやはり地域へ回って、非常に大きな効果を出しているんですね。

 まず一つは、ハンターになっても生活ができるということが一つで、これはもう根本的な大事なところです。二つ目は、やはり公務員にこういう資格を取らせて、そして実際に捕獲もさせながら、またPRをさせていく。この施策は、私、非常に効果があるんじゃないかなと思っておるんですよ。これはぜひ力を入れてやっていっていただきたいものだというふうに思っています。これは御答弁はいいですけれども、要望にとどめておきたいと思います。

 それから、先ほど申し上げました、新城市でも七百頭を千六百頭にするんだと。問題は、その処分なんですよ。これは理想論を言えば、市場に出して循環をしてなんということですけれども、とてもそんなことができるような状況じゃありません。結論からいうと、やはりこれは焼却処分しかないんですよ。それもまた非常に難しいということで。同じ焼却をするにしても、粉砕処理をして焼却をするというのが非常に効率がいいわけですね。また、今そういうことが、かなり研究が進んできておると思うんですけれども。

 焼却処理施設の技術、これを国としては今どんなふうに考えてみえるのか、御答弁いただきたいと思います。

小林(裕)政府参考人 鳥獣害対策におきましては、今御指摘いただきましたように、まず捕獲する、そして、捕獲した後の鳥獣を効率的に処理するということをしないと一連の作業が完結しないという御指摘であります。全くそのとおりであろうと思います。

 現在、特に鹿、イノシシ、そういう大型鳥獣につきましては、今お話しいただきましたように、解体、破砕をした上で焼却するということが有効な処分方法でございます。これにつきましては、一応のそういう解体、破砕、そして焼却するという関連の技術というものは、既にある程度実用化されているものがございます。また、それにつきましては、今までも、お話ございましたけれども、鳥獣被害防止総合対策交付金において補助の対象にもなっておりまして、実際に導入された地域もございます。

 このことも含めまして、鳥獣害対策全般につきまして、技術面も含めて、間々いろいろと今後課題はあろうかと思います。鋭意取り組んでまいりたいと思います。

鈴木(克)分科員 繰り返しになりますけれども、いわゆる中山間地の人、特に山村の方々は、もちろん、自分で食べるためにつくるという面もあるんですけれども、生きがいとか、そういったあれでやってみえる、健康にもいいしというような。本当に多面的な中山間地の農業の、また独特の味があるわけですよね、日本の文化を支えていただくという意味においても。したがって、鳥獣の被害というのは、経済面以外にも、地域社会にいわゆる深刻なダメージを与えていくということだというふうに思います。

 ここで、最後、大臣にこの問題でお伺いをしたいんですが、先ほど来からの質疑の中で、本当にこういう状況をどのように見てみえ、そしてまた、どんなお考えでこの問題に当たられようとしておるのか、そこをひとつ、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。

林国務大臣 ずっと今やりとりを聞かせていただきまして、鈴木先生、随分この分野にお詳しいんだなということで、改めて感銘を受けておったところでございます。

 実は、私の地元も、山口県でございまして、非常にこの話は出るんですね。自衛隊もいるから使えないのかとかいうような話まで出るぐらいでございまして、本当に、今おっしゃっていただいたように、経済的被害だけじゃなくて、やはりやる気がなくなる。ここまでつくったのをやられちゃってねと、こういう話をよく聞くものですから、それが意欲の減退を通じて耕作放棄地の増加、こういうこともあるいはあるのかなと。

 したがって、今、被害金額も御議論いただきましたけれども、数字にあらわれる以上にやはり深刻な問題である、こういうふうに思っておるわけでございまして、今、事務方からも説明をさせましたように、鳥獣被害防止特別措置法、昨年改正されておりますので、この趣旨も踏まえて、二十四年度補正百二十九億、それから二十五年度予算も九十五億ということで、思い切った予算措置をしてきたところでございます。

 今後とも、生産現場の声に耳を傾けながらしっかりとやっていきたい、こういうふうに思います。

 私の地元では、ちょうど森林と田畑の間に耕作放棄地が出てきまして、ここに放牧する。山口型放牧なんということを言われているんですが。ここに牛なんかがいますと出てきにくくなるみたいなことも、最初は、あんなところに牛を放ってみたいなことを周りから言われていたんですが、効果があるということで、随分これは広がってきておりますので、いろいろな知恵を絞る必要があるな、こういうふうに思います。

 そもそも、昔に比べて、おりてくるようになるというのはなぜだろうかと。これは私の個人的な見解ですが、例えば、もう少し間伐をやって、森の中がきちっとして餌があればというようなこともあるいはあるのかなと思ったりもいたしますので、今御議論賜りましたいろいろな支援に加えて、いろいろな知恵を使う。

 そういう意味でも、現場の方の声に耳を傾けて、先ほど申し上げましたように、意欲の減退等々がないように、皆様が安心して取り組んでいっていただけますように、しっかりと取り組んでまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

鈴木(克)分科員 大臣から、本当に力強い、また、現状をよく御理解いただいた御答弁をいただきました。まさに、現地、現場の皆さんの声というのが一番大事だというふうに思いますので、ひとつ職員の皆さんを叱咤激励していただいて、現地を回ってこい、そして、いい施策があればどんどん持ってこいということでやっていただきたい。

 本当にこれは、私、十三年も毎年やっているんですよ、分科会で。全然進歩がないなと地元では言われておるんですけれども。被害は減っていると言うと、うそを言うな、一遍来てみろと。実際に行ってみると、今大臣がおっしゃったように、本当に数字とはかなり違うんですよね、現状は。

 くどくなりますけれども、このことを申し上げて、お願いしておきたいと思います。

 さて、そういう中で、最後に、許された時間で林業のことについてどうしても伺っていきたいと思います。

 林業の持つ意味というのは、もう言うまでもありません、国土の保全とか水源涵養とか地球温暖化の防止とか、もう本当に多面的な機能を持っておるわけでありますが、しかし、これがまた今非常に危機的な、難しい状況になっています。

 そこで、いろいろあるんですけれども、時間の関係で先へ進みますけれども、自給率なんです。

 木材の自給率は、平成二十三年度で二六・六%ということでありますが、二十三年に閣議決定で、いわゆる森林・林業基本計画で三十二年に五〇%というふうにたしか設定をしたというふうに思うんですが、いわゆる国産材の利用の現状について、本当に五〇パーに向かって進んでいるのかどうか、そのところを踏まえて御答弁いただきたいと思います。

沼田政府参考人 お答え申し上げます。

 鈴木先生御指摘のように、平成二十三年度におきましての木材自給率は二六・六%ということでございまして、森林・林業基本計画に基づきまして平成三十二年に五〇%ということで目標を置いているわけでございますけれども、国産材のこういった利用を拡大していくというのは、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させる、それから森林・林業の再生でありますとか農山村地域の活性化を図っていく上で重要でございますので、こういったことにつきまして、木材の利用の推進に積極的に取り組んでまいりたいというふうに考えております。

 例えば、公共建築物における木材利用の促進でありますとか、そういったものを通じて木材の利用が促進できるように努力してまいりたいと考えているところでございます。

鈴木(克)分科員 今出ました公共建物に対しての木材の使用ということですが、これもやはり、木材需要の圧倒的部分が建築関係で使われるところだというふうに思っています。ところが、公共の建物の木造率というのが非常に低いんですね。全体では木造率は四三・二なんだけれども、公共建物は八・三ということのように聞いています。かなり低いんですね。低いということは、逆に、公共の建物に木材を使うということを義務づけていけば、これがかなりふえていくという可能性が非常にあるわけですよ。

 したがって、そのところについて、二十二年の十月ですか、公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律というのができたというふうに聞いておるんですが、実際にこれを進めていくとやはりいろいろあるんですね。建築基準法による建築規制だとか、それから大断面、長尺、その部分の安定供給の問題、それからそういったものに精通した建築士や設計士、また大工さんといいますか、そういった者、それからまたいわゆる建築コストの低減等、たくさんの課題があるわけですよ。だから、数値を、目標を掲げたからそれでいいという話じゃないと思うんですね。

 実際に公共建築物における木材利用促進をしていくために今後どういうふうにしていくのか、そのところをお聞かせいただきたいと思います。

沼田政府参考人 お答え申し上げます。

 公共建築物における木材利用の促進は、国産材の利用の観点から大変重要なことというふうに認識しております。

 そういったことで、具体的に申し上げますと、耐火性や耐震性を備えました新たな木材製品でありますとか部材の開発、それから、今御指摘ございました大断面の集成材でございますが、こういった加工施設の整備、そして、実は建築士や設計士さんの中でも、木材やそれから木構造に余り詳しくないという方もいらっしゃいますので、そういった方に対する講習会の開催、こういったものに、私どもとしても支援させていただいております。

 また、そういったことに加えまして、実は、耐火規制のある三階建ての学校、これは木造による建築を可能となるように、ただいま国交省が行っております実大火災試験、こういったものに、私どもとしても協力をしているところでございます。

 そういったことに加えまして、低層、三階建て以下でございますけれども、こういった低層の公共建築物につきまして、各省庁におきましても、ぜひ木造化を推進してほしい、こういった要請をしているところでございますので、私どもとしても、このような取り組みを積極的に推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。

鈴木(克)分科員 日本はまさに木の文化の国です。今、学校でも大分木材を使い始めたという御報告があったんですが、コンクリートの教室で教育を受けた子供たちと、木の教室で教育を受けた子供たちと、やはり感性が違うということを言われていますね。やはり、日本人というのは木の文化なんですよ。

 私の地元でも、今もう新しく学校をつくるということになると全部地産地消で、地元材を使うようにということでやっております。全国でそういうふうな動きになっていけば、これは本当に飛躍的に木材の需要というのは高まっていくというふうに思います。需要があれば生産体制も整っていくわけですから、私はやはりそこのところを本気でやってもらいたいというふうに思っております。ぜひ、お願いしたいと思います。

 最後に、木材利用の拡大ということで、もう一度地元の状況を踏まえて申し上げておきたいと思いますが、三河木材の利活用推進に向けた東三河地域の方向性ということで、県としても今いろいろとやっておるんですね。例えば、今言った、公共建築物等による流域一体的な三河材活用の推進とか、三河材活用の入り口づくりと認知の促進とか、木質バイオマス利用推進システムの構築とか、東三河版カーボンオフセットモデルの構築というようなことで、本当に地元としてもできる限りのことをやっております。

 ただ、やはり、国の後押しがないとどうしてもできないんですね、限界があるんです。したがって、本当に、地方の木材利用の拡大に向けた取り組みに対して、国はどのように支援をしていくのか。その辺の覚悟をぜひお伺いをして、私は質問を終わらせていただきたいと思います。

沼田政府参考人 お答え申し上げます。

 地域における木材利用の拡大に向けましては、公共建築物の木造化、これはもちろんのことでありますし、木材加工施設の整備、こういったものに対する支援というものはきちんとやっていきたいと思っております。

 加えまして、バイオマス利用の施設整備、そして、いろいろな木材の用途拡大のための技術開発、こういったものが必要かと思っておりますし、また、この四月からでありますが、木造住宅の建築などの際にポイントを付与する、木材利用ポイント制度というものを始めたところでございます。

 こういったことに加えまして、ただいま鈴木先生からお話がございました、木造であれば落ちつくだとか、あるいは、インフルエンザの場合学級閉鎖になりにくいとか、そういったデータもございますので、そういったものをさらに普及、情報発信していく、こういった取り組みにも努めてまいりたいというふうに考えております。

 いずれにしても、地域における木材利用の拡大というのは、やはり森林・林業の再生でありますとか、森林の多面的機能の発揮というものに必要不可欠だというふうに考えているところでございますので、積極的に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。

鈴木(克)分科員 以上で終わらせていただきます。

 次は、鳥獣害も林業もやらぬでも済むように、ひとつ、変えていただくことを大臣にしっかりお願いをして、私の質問を終わります。

西銘主査 これにて鈴木克昌君の質疑は終了いたしました。

 次に、國場幸之助君。

國場分科員 沖縄一区選出の國場幸之助です。

 初当選以来、初めて質問に立たせていただきます。本日は、貴重な機会をまことにありがとうございます。

 まず、日台漁業協定についてお尋ねをします。

 二日前に、日本側の公益財団法人交流協会と台湾側の亜東関係協会との間で漁業秩序の構築に関する取り決めが合意されました。

 一九九六年の協議開始以来、十七年間、十七回にわたる粘り強い交渉を取りまとめた関係者の皆様には、心から敬意を表します。そして、この四月から六月という時期はクロマグロのシーズンでもありますので、協定締結のタイミングとしても評価に値すると思っております。

 今まで、台湾との間では漁業協定が存在しておりませんでした。今回の協定で、東シナ海に一定のルールが成立したことは喜ばしいことではありますが、沖縄県知事のコメントを見ますと、台湾側に大幅に譲歩した内容となっており極めて遺憾である、今回の合意により台湾漁船との漁場競合の激化が避けられなくなるだけでなく、好漁場の縮小が余儀なくされるという厳しいコメントも寄せられております。また、漁業関係者の方からも懸念する声がたくさん上がっております。

 東シナ海の漁業の秩序構築という政治課題は、漁業の問題だけではなく、日台、日中、そして中国と台湾との関係を初め、領土や安全保障問題も複雑に絡み合う極めて高度な政治判断が求められる分野でもあると思っております。

 今回の日台協定が東シナ海の秩序構築のきっかけとなるように祈念を申し上げまして、以下、質疑を行いたいと思います。

 まず、四月十日に締結をされました日台漁業協定の内容と、水産庁や外務省が交渉締結までどのような取り組みをしてきたのかの経緯、そして今後の課題を明らかにしてください。

本川政府参考人 日台漁業取り決めにおきましては、北緯二十七度以南の水域に適用水域を設定する、その適用水域の一部を特別協力水域として設定いたします。それから、特別協力水域以外の適用水域を法令適用除外水域にする、あるいは、日台漁業委員会を設置して、原則年一回開催をするといったことが定められております。

 これまで十六回にわたって開催をしてきた協議、それが十七回目が開催されて、粘り強い協議が行われて締結に至ったというふうに承知をいたしております。

 今後の課題といたしましては、まず第一に、関係漁業者の方々の御意見を聞きながら、取り決めの発効による影響をしっかり把握していくということが第一の課題であろうと思っております。

 それから、第二点目には、この特別協力水域におきます操業に関する具体的な事項について、日台漁業委員会において協議がされるということでありますから、これに適切に対応していくということが二点目の課題であろうと思います。

 それから、三点目といたしましては、法令適用除外水域につきまして、日台漁業委員会におきまして海洋生物資源の保存や操業秩序に係る協議が行われるということになっておりますので、しっかりとした協議が行われるように対処をしていくということであろうと思います。

 それから、第四点目といたしましては、今回の取り決めを踏まえまして、沖縄周辺海域における漁業取り締まりに万全を期する。

 こういったことが当面の課題ではないかと考えているところでございます。

國場分科員 今長官からも、第一の課題として、関係者の声を聞く、このようなことが挙げられておりました。

 日台漁業協定の影響を最も受けるのは地元の漁民であります。協定締結に当たりまして、地元の漁業関係者の声をどのように聞いて今回の協定締結に反映させたのか、この点を明らかにしてください。

本川政府参考人 御指摘のとおり、やはり沖縄の関係の漁業者の方々は直接関係し、かつ高い関心を寄せておられる事柄でございますので、農林水産省としても、漁業者の方々の声にしっかりと耳を傾けさせていただいたということであります。

 具体的には、昨年十一月それから本年二月に、沖縄の漁業者の方々から農林水産大臣に対しまして、交渉に当たっては沖縄県漁業者の意向を十分に配慮することといった要請をいただいております。それから、私も、資源管理部長とともに沖縄県に伺いまして、漁業者と直接意見交換をさせていただきました。

 今回署名された日台漁業取り決めの内容につきましても、取り決めの署名後の四月十日から資源管理部長が沖縄県に伺いまして、現在、地元の漁業者の方々に丁寧に説明をさせていただいておる。昨日は、沖縄本島で漁連の会長さんほか皆様方、それから久米島にも参りまして御説明をし、本日、宮古、あす、石垣と御説明に上がらせていただくということになっているところでございます。

國場分科員 漁民の方から、県漁連の方から、関係者から強い要請のありました、尖閣諸島より南での台湾の操業は認めないという点では成果があったかと思います。

 しかし、尖閣諸島より北の特別協力水域を含む東経百二十五度三十分より東の水域に台湾漁船を入れないでほしいという訴えもあったかと思いますが、この点は酌み取ることができなかったと思いますけれども、この交渉の中身、どのようなやりとりがあって今回の協定になったのか、この点をもう少し詳しく説明をお願いします。

江藤副大臣 これは極めて政治的な部分が多いので、私の方から答弁させていただきます。

 九六年からずっとやってきて、中国が先行しまして、中国漁船は入ってきていたわけですけれども、私も大分地元の方々の御意見を聞きました。ある意味、もうゲリラ的に入ってくるわけですから、マグロのはえ縄ということになれば、縄同士が絡まって、もうどうもならぬ、無秩序になっている。だから、地元の方々の御意見としても、譲り過ぎだ、これはいわゆる外交上の敗北だという厳しい御意見もいただきました。

 他方、しかし、これまでの長い経緯の中で、漁師同士、地元の方々が意見交換をしてきた、行政とも意見交換をしてきたということであるから、これできちっとしたルールづくりができるということであれば、かえってよいのかもしれない。これは評価の分かれるところだと思います。

 ただ、区域について、はみ出している部分があることは、確かに委員のおっしゃるとおりなんですよ。ここは安倍総理の高い御判断があって、余り言うといけないかもしれませんが、いろいろと東シナ海も含めて極東が緊張している中にあって、この尖閣を何としても守っていくんだ、そして、領海、領土を守り、領域も守っていくという高いレベルでの政治判断もおありになって、私たちは農林水産省に所属する人間ですから譲りたくないという気持ちは強くあったわけではありますけれども、地元の方々の御意見も聞きながら、こういう結論になりました。

 御理解をしていただきたいという気持ちはありますけれども、丸のみしてくれとは申しません。諫早の話もありますから、非常に似ているところはあるわけですけれども。部長も十日に行っていただいて意見交換をしました。必要があれば、大臣、私、政務官もぜひ沖縄に行って、引き続き皆様方の御理解をいただく努力をする必要があると思っています。

 そして、あと三十日以内にはこれが発効していくようなタイムスケジュールになっていきますから、急がなければなりません。ですから、漁業協定の場におきましても、この三十日間、来週、なるべく早い時期に、時期はまだ明確にできませんけれども、鋭意、どんどんルールづくりについて努力をしていって、委員のもとにも情報を提供させていただきたい、そう考えております。

國場分科員 御丁寧な答弁、ありがとうございます。

 副大臣からもありましたが、沖縄の漁民の関係者からしますと、台湾側に妥協し過ぎているのではないのか、こういう厳しい声があるのは事実でございます。また、その一方で、今まで秩序がないところに一定のルールが定められたということは、今後、交渉する余地もあるわけでありますし、台湾は日本とも関係の深い友好国ですから、このあたりをルール化していかなければならないと考えております。

 特別協力水域、これは久米島の西の方なんですけれども、この地域は、地元の漁業関係者からも久米西と呼ばれている、マグロ漁に恵まれているすばらしい漁場でもあります。しかし、現状では、クロマグロの時期になりますと、この地域に台湾船が百隻ぐらい密集をしながらはえ縄漁を整然と行いまして、日本の漁船が実質的に入る余地がないぐらいになっているんですね。

 この海域はちょうどこの時期がクロマグロの時期でありますけれども、ルール化をどのように詰めていくのか、この点を教えてください。

本川政府参考人 特別協力水域につきましては、私ども、両協会から、日本及び台湾の漁業者による友好と互恵協力に基づく操業が最大限尊重される、双方の漁業者間で問題が生じないような漁業環境の実現に向けて最大限の努力が行われる、こういった原則のもとに、これから日台漁業委員会で操業の具体的なあり方について協議が行われることになっております。

 まさに、昨日も久米島で漁業者の方々の御意見を伺った、そういうようなものをきちんと踏まえた上で、我々として、最大限の努力をしていけるように対処してまいりたいと考えておるところでございます。

國場分科員 きのう午前中の菅官房長官の記者会見で、日台漁業協定に関する記者会見が行われております。その中で、長官の方から、漁獲高が減るとかいろいろな影響が出た場合には政府として責任を持って対応する、このようなコメントがなされておりますけれども、この会見を大臣は把握していますでしょうか。

林国務大臣 今、國場先生がおっしゃったように、官房長官からも会見でそういうお話もあったところでございまして、実は私も、この委員会の前の閣議後の会見において、同様の趣旨を明らかにしたところでございます。

國場分科員 林大臣や官房長官からありました、政府として責任を持つというのは、どのような意味になるのか。その点をもう少し踏み込んで発言をお願いします。

林国務大臣 官房長官は、取り決めの発効に伴う影響については、今後、関係漁業者の意見も十分に聞いて、しっかり把握した上で、具体的な影響に対しては必要な対策をしっかりと講じてまいりたい、こういうふうに発言をされたというふうに聞いております。

 私も同様の趣旨をけさ発言しておきましたが、今、水産庁の方からありましたように、沖縄に担当部長が赴いておりまして、皆様方の、特に漁業者の意見を聞いておるところでございますので、そういう情報を踏まえて、新しくできるこの委員会できちっとやっていくこと、そして、もし影響が出るようであれば対策を検討すること、これをしっかりとやってまいりたいと思っております。

國場分科員 さまざまな懸念があるとはいえ、日台漁業協定の締結により日台両国の漁業のルールが確立されたことは大きな前進だろうと思います。

 しかし、二〇〇〇年六月に発効されました中国との日中漁業協定、これは、漁業秩序が実質的に崩壊をしておりまして、形骸化しているのではないか、こういうような声も今上がっております。

 今回、日台漁業協定を締結するに当たりまして、日中漁業協定をどのように評価し、総括し、また、その教訓、問題点の克服も含めて、今回の台湾との協定の交渉に臨んだのか、この点をお聞かせください。

本川政府参考人 日中漁業協定におきましては、いわゆる北緯二十七度以南の水域、ここにつきましては、日中双方が、資源の維持が過度の開発により脅かされないことを確保するため協力関係にあることを前提として、それぞれ相手国の国民に対し自国の漁業関係法令を適用しないということになっております。

 このため、例えば中国のサンゴ漁船、こういった方々がそういう水域に入ってサンゴをとっているわけでございますけれども、こういう方々に対する取り締まりは行えないということになっているわけでございます。

 ただ、日中漁業共同委員会という場がございまして、この場でそういうサンゴの問題も含めて協議をいたしておるわけでございます。

 今回におきましても、日台漁業委員会というものを設けまして、そういう場におきましてそれぞれの操業秩序のあり方なりについて継続的に協議をしていく、そのような仕組みをつくって、この水域における日台間の資源保護あるいは操業秩序の維持、こういうことについて取り組める、そのような体制にしたというふうに聞いておるところでございます。

國場分科員 今、長官からサンゴ船のことも言及されましたけれども、中国ではサンゴ船の操業を禁止している、このように聞いております。禁止しているようなことを日本の海で、サンゴを採取するという実態があることは極めてゆゆしき事態であります。この中国のサンゴ船が操業している海は、地元でソネと呼ばれておりまして、ハマダイが豊富にとれる良質な漁場であります。サンゴ船の網で海底を傷つけながら操業していくということで、生態系や環境破壊、これは、はかり知れない深刻な実態があるわけであります。

 今、長官からは、日中漁業共同委員会の場で交渉をしているという答弁があったかと思いますけれども、取り締まりはできないわけですね。取り締まりができなくても、この共同委員会の場でサンゴ船の議論というものをどのように詰めているのか、この点を明らかにしてください。

本川政府参考人 まさに先生おっしゃるように、中国のサンゴ漁船が海底を引きずることによっていろいろな弊害が生じていることは、私どもも承知をしております。

 このため、何とかその操業実態を把握して、共同委員会で具体的に提案をして、中国当局に国内できちっと対応してもらうといったようなことをしていく、そのために、操業実態を少し写真におさめたり、隻数の配置だとかそういったような情報を収集して、日台漁業委員会の場において具体的に先方に提示をし、国内で対応していただけるようにお願いをしてきている、そんな状況にあるわけでございます。

 ただ、このサンゴ漁船といいますのは、サンゴをとる道具は、普通の、適法な底びき網漁業にも使える、そういうものでございまして、海上での臨検なりなんなりをしないと、サンゴの漁業をしておったという実態をなかなか把握できないという問題がございます。中国当局も、この船が帰ったときに港で一定の立ち入りなどをしたとしても、洋上で転載をいたしておりますので、サンゴをとっておったという実態がなかなかわからない、そのような実態にございます。

 なかなか困難な状況でございますが、少しでも進展するように、私どもとして最大限の努力をしていきたいと考えておるところでございます。

國場分科員 それでは、海上保安庁にも同じ質問をしたいんですけれども、海上保安庁のこのサンゴ船操業に対する取り締まり、そして、西銘委員長が自民党の国防部会でも同じような発言をされていたんですが、保安庁は、尖閣諸島の領海内で操業する日本の漁船に対して、中国の公船が近づいた際に、避難勧告をしている、このことも実態があるという答弁があったと理解しているんですけれども、水産業の方々とのもう少しいい連携はとれないのか、この点も含めて答弁をお願いします。

桝野政府参考人 まず、サンゴ漁の話ですが、先生御指摘の地域につきましては、日中漁業協定上、適用除外になっておりますので、現状においては操業を取り締まるということはいたしておりません。

 また、日本の漁船に対して退去命令をしているというようなお話がございましたが、私どもはそういうことはいたしておりませんで、この尖閣の地域に入っている漁船に対して、中国側の公船が日本漁船に接近して安全を脅かすとか、あるいはその操業を妨害するなどの不測の事態が懸念される場合がございますので、情報提供あるいは安全指導等を行っているというのが実態でございます。

國場分科員 水産庁そしてまた海上保安庁からも答弁がありましたとおり、これは、日中漁業協定では今のところ何の対応もできない、そのことが明らかになっていると思います。ですから、この日中漁業協定そのものがサンゴ船に対応することができない。しかも、今後の尖閣を含む領土問題も考慮した際に、ますます中国のさまざまな船がこの水域に入ってくることが予想されるわけでございます。

 ですから、次は外務省にお尋ねしたいんですが、中国のサンゴ船の操業を含めた違法漁業に対して、外交ルートを通して中国政府に申し入れをしたことはあるのか、この点をお尋ねします。

山野内政府参考人 まず、日中漁業協定でございますけれども、日中両国の排他的経済水域全体を対象として締結されて、海洋生物資源の保存及び合理的な利用並びに海上における正常な操業の秩序を維持するために作成されたということでございます。

 先生御指摘のサンゴの件につきましては、二十七度以南の適用除外水域というところについての問題については、日中漁業共同委員会において議論することになっております。と申しますのも、日中漁業協定の第十一条の中で、操業の秩序の維持に関する事項、海洋生物資源の状況及び保存に関する事項、両締約国間の漁業についての協力に関する事項、こういうことは議論するということになってございますので、そこで十分議論しておるところでございます。

 さらに、このサンゴの問題について、日本の国内に非常に強い問題意識があるということは我々承知しておりますので、適切な場で、外交ルートも通じて、この点については申し入れているところでございます。

國場分科員 日中漁業共同委員会の場で強く申し入れているということでありますので、実効性があるような成果をかち取るように、粘り強い交渉を強く要請します。

 二〇〇〇年に締結をされたこの日中漁業協定は、やはり相手国の漁船の操業が違反ではないわけですから、これはもう紳士協定のような中身でしかない、このように捉えております。

 これは外務省にお尋ねしたいんですけれども、中国と日本との外交関係も当時の九〇年代後半とは大分変わりまして、さまざまなそれ以外の政治問題に絡むところもたくさんありますので、この日中漁業協定そのものを見直す時期に来ているのではないのか、このように考えますが、この点についてのお考えをお聞かせください。

山野内政府参考人 日中関係につきましては、先生御指摘のとおり、さまざまな側面がございます。日本にとっては最大の貿易相手国でございます。中国から見れば、日本は最大の投資供与国になってございます。さまざまな微妙な問題があることも事実でございます。そういう中で、政府としては、日中関係について、戦略的互恵関係を深めていくという大局に立った視点から発展させていくという立場でございます。

 漁業協定につきましては、さまざまな事例で、日本の漁民にとって非常に難しいというか、問題が惹起されていることはございますものですから、そこは、日中漁業共同委員会、さらに、場合によっては外交ルートを通じて、東シナ海に漁業の秩序があるということは日中双方にとって非常に重要なことでございますので、あとは、その秩序がしっかり有効なものになっていくように不断の努力を進めていくということに尽きるというふうに思います。

國場分科員 今の答弁を聞く限りにおいては、外務省の認識によりますと、日中漁業協定は問題はない、そのような理解でよろしいんでしょうか。

山野内政府参考人 日中漁業協定の実情において、サンゴの例に見られるように、日本の漁民の方々から見て、この協定の実施の段階で問題を感じておられるということは十分承知しておりますけれども、それを解決していく上で、日中漁業共同委員会という場がありますし、さらに、外交ルートを通じて、そういう問題を解決すべく最大限努力していくということでございます。

國場分科員 今の正式な外交ルート、今のスキームの中の交渉では、実質的にサンゴ船を取り締まることもできない、そして、中国の船が大型化していく、数がふえていく、そこに対して対応できないわけですから、もう少し日本の漁業益、国益を守れるような新たな仕組みというものを再交渉していく時期だと私は考えておりますが、この点についてもう一度答弁をお願いします。

山野内政府参考人 日本と中国の間の漁業の問題については日中漁業協定があるわけでございますけれども、その協定の中に関しては日中漁業共同委員会の中でしっかり議論していく。それを含めて、日中の大きな文脈の中で、漁業の問題も含めて、両国の協力、さらに信頼が増すように、そこはさまざまな考えを持ちながら不断に努力をしていきたいというふうに思っております。

國場分科員 ちょっと、私、新人で、言葉が余り理解できないんですけれども、では、これは見直しはもうしないということなんですね。するということなのか。

 つまり、法令適用除外というものがある限りにおいては、サンゴ船が明らかに環境破壊をしている、沖縄の漁場の良質な環境を破壊しているということは認識はしているわけですよね。ところが、それに対して取り締まりができないということが今問題なんです。

 取り締まりができるようにこれをルール化していく、つまり、協定そのものを見直していくということはするのかしないのか、これでお答えください。

山野内政府参考人 先ほどから答弁申し上げているとおり、日中漁業協定の第十一条で日中漁業共同委員会というものが設置されております。その十一条の中で、日中漁業委員会は、操業の秩序の維持に関する事項、海洋生物資源の状況及び保存に関する事項、両締約国間の漁業についての協力に関する事項ということを話し合うということになっておりますので、サンゴの問題については漁業共同委員会の中で十分議論ができる。その議論を通じて、できるだけ海洋資源が保存されるように努力をしていくということであります。

國場分科員 では、サンゴの違法操業、このような環境破壊をしているという実態がわかれば、臨検も含めて、取り締まれる、取り締まる、そういうようなこともルール化できるということで理解してよろしいでしょうか。

山野内政府参考人 二十七度以南の水域自体は法令適用除外の水域でございますので、その限りにおいて、日本国の法令を中国船舶に適用するということは想定されていない海域でございます。

 しかし、その適用除外というものについての考え方として、小渕書簡という書簡がございまして、それは日中間で交換しているわけですけれども、ここは、海洋生物資源の維持が過度の開発によって脅かされないことを確保するため協力関係にあることを前提として法令を適用しないという考え方に立っておるものでございますので、そういうことについては、日中漁業協定の考え方の中に、適用除外の水域であったとしても、そこの資源管理をしっかりするという考え方は内包されておるわけでございます。それをより具体的に話す場として日中漁業共同委員会というものがございますので、そこでしっかり議論していくということでございます。

國場分科員 この法令適用除外というのが問題の本質だと私は主張しておりますので、この点は、実効あらしめるように、従来ではない、もっと踏み込んだスキームの構築というものを交渉してください。

 もう時間がありませんので、最後にTPPについて林大臣から決意表明をいただきたいんですけれども、国境離島の沖縄にとりまして、サトウキビというものは、排他的経済水域を守る、これは死活問題でもあります。

 TPP交渉に臨む重要な閣僚の一人として、離島のサトウキビを守るための決意表明を最後にお聞かせください。

林国務大臣 お答えする前に、今のサンゴの方、やりとりを聞いておりまして、きょうは國場先生はデビュー戦でありますが、すばらしい御質問だなというふうに聞かせていただいておりました。

 基本的な認識として、日中漁業共同委員会の協議プロセスというのがあると外務省が言っておりましたが、中国側も、宝石サンゴ漁業についてはそもそも許可を与えていない、こういうことは言っているわけでありまして、中国側が、いいよいいよ、やれやれということでは決してないわけでございますから、やはりこの枠組みできちっと、決めたことは守るようにということをその場を通じて言っていく、この枠組みの中でしっかりとやれることはやっていくということが大事ではなかろうかと私も思っておったところでございますので、あえて、ちょっと申し上げさせていただきます。

 その上で、サトウキビ、私も沖縄に参ったときに、國場先生も御一緒していただきましたけれども、やはり戦略的な作物ではなかろうか。サトウキビがもしできなかったら、では、ほかのものを植えよう、麦や大豆に転作してくれ、これはなかなかできないわけでございまして、そういった意味では、これをしっかりと守っていかなければいけない、戦略的な、重要な役割がある。

 さらに、製糖工場もございますから、ここでの雇用等も考えれば、これを一生懸命、戦略的なものとして位置づけて、TPPにおいても、党の決議でこれは示されておるところでございますので、もし交渉になれば、しっかりとそれを踏まえて当たってまいりたい、こういうふうに思っておるところでございます。

國場分科員 ありがとうございました。

西銘主査 これにて國場幸之助君の質疑は終了いたしました。

 次に、藤丸敏君。

藤丸分科員 おはようございます。本日はよろしくお願いを申し上げます。

 私は、大きく二つの問題について質問をさせていただきます。

 一つは、TPPについてでございます。二つ目は、攻めの農業政策についてお話をお聞きしたいと思います。

 まずはTPPについてでありますが、私は選挙でTPPは体を張って反対をしますと言って当選をさせていただきました。もちろん、聖域なき関税撤廃は体を張って反対しますと、聖域なき関税撤廃ということをきちっとJ―ファイルどおり言ってまいりました。もちろん六項目も言ってまいりました。

 そこで、まず、私の選挙区の事情を申し上げさせていただきますと、福岡七区で古賀誠先生の地盤であります。北部は、八女茶で有名な、それとか「あまおう」、ナシ、ブドウ、電照菊といった、何でもとれる農村地域であります。もちろん、山林も多くあり、山村地域でもあります。中部はといいますと、平地でありまして、米や大豆、麦が盛んであります。特に大豆は、柳川というところでは福岡県一の生産を誇っておりますが、大豆は関税ゼロでありますので、余り関係ないといえば関係ありません。また、有明海の海もありまして、ノリや水産物も豊富なところであります。そして、南部はといいますと、日本の産業革命の発祥の地の一つであるとも言える大牟田であります。ここは三井グループ、三井鉱山がここから大きくなったと言ってもいいと思います。したがいまして、農業、林業、水産業、工業、何でも一通りそろった地域であります。

 そういうことでありますので、まずはTPPについて質問をいたします。

 私は、あくまで個人的には、TPPは反対であります。

 そもそも、TPPはP4から始まったものであり、オバマ政権が再選を果たすために、アメリカが市場開放を求めたものであるというふうに考えるからであります。アメリカ主導の経済圏をつくって、その後、中国、アジアを迎え入れようということではないかと考えるからであります。

 そこで、自由民主党は、三月十三日、西川委員長を初め、TPPに対する決議をいたしました。その中で、農林水産分野の重要五品目等が確保できないと判断した場合には脱退も辞さないものとするという決議をいたしました。

 そこで、第一の質問でありますが、重要品目等、これは農林水産分野の関税でどれだけの数に当たるものなのかをお聞かせ願いたいと思います。タリフラインの数等もお教え願いたいと思います。

山下政府参考人 タリフラインの数についての事実関係でございますので、私の方からお答えさせていただきます。

 自民党の決議では、米、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物等の農林水産物の重要品目が除外または再協議の対象となるとされております。

 このうち牛肉・豚肉を一つと数えまして、いわゆる五品目ということでございますが、この五品目のタリフラインの数の合計は五百八十六でございます。

藤丸分科員 多分、関税は項目が九千ちょっとあると思います。それで、農産品は八百三十幾つでしたか。それで五百八十六ですから。

 実は、今、地域の農政連にあっちこっち行って僕は説明しているんですけれども、個別に後で、酒を飲む席とかがあっていろいろ聞くと、土地利用型農家、米、麦とかをしているところの人は、やはり、これは大変だと思っています。施設園芸のところは、例えばお茶農家が多いんですが、実はそこは冷静に見ているという状況であります。それで聞かせていただきました。

 次に、外務省にTPPの流れについてお聞きしたいと思います。

 安倍総理の参加表明があり、今は事前交渉中であると思います。参加するためには、参加十一カ国の了解が必要と聞いております。そこで、各国の反応はどうであろうかということをお聞きしたいと思います。

 また、アメリカ議会の九十日ルールはどうなるのか。例えば、九十日が短縮されたケースがあるのかどうか。

 知る限りで結構ですので、第二の質問として、交渉参加の可能性について、既に参加している十一カ国の反応と、今度はアメリカ議会の九十日ルールがもうちょっと短くなる可能性がありや否や。そうすると、例えば七月になるのか九月になるのかとか、あらかたの見当がつき得ますので、そういうことをお聞きしたいと思います。

正木政府参考人 お答えいたします。

 先生の第一の質問のTPPに関して、日本の参加について交渉参加各国の了承がどのような状況かという御質問かと承知いたしました。

 我が国の交渉参加につきましては、既に、ベトナム、ブルネイ、チリ、シンガポール、マレーシアそれからメキシコ、こちらの方からは基本的な支持が得られております。また、その他の国につきましては引き続き協議を継続している、そういう状況でございます。

 それから、先生の第二の御質問の、アメリカ議会のいわゆる九十日ルールという点についてでございます。

 アメリカ政府は、TPP交渉に関しまして、自国の交渉参加のみならず、交渉中に新たな国が参加する際にも、二〇〇七年七月に失効した二〇〇二年大統領貿易促進権限法で定められた手続を実態上踏襲しておりまして、新規交渉参加国との交渉開始の少なくとも九十日前に議会に交渉開始の意図を通知し、議会との協議を行っているというのは、先生の御質問のとおりでございます。

 この九十日という日数が果たして厳格かどうかということは、アメリカの手続でございますので日本政府として確定的にお答えすることはできませんが、今までのさまざまな例を我々どもが承知している限りで拝見いたしますと、原則として議会通知から九十日以上経過した後に各国は交渉に参加しているものと承知しております。

 ただ、一つ例外としまして、マレーシアがTPP交渉に参加するに当たりましては、アメリカ政府が議会に通知後、九十日が経過する前に交渉に参加しております。

 ただ、これは、過去にアメリカとマレーシアのFTAの交渉開始について既に議会等の協議を経ていることによる例外ということで整理されたと承知しておりますので、繰り返しになりますが、原則としまして議会通知から九十日を経過した後に交渉に参加ということになるんだと思います。

藤丸分科員 ありがとうございます。

 次に、また農林水産省に戻って質問をさせていただきます。

 先ほど申し上げましたように、私の選挙区は林業、漁業も盛んであります。奥八女の山の方に入りますと、昨年七月の十三、十四日、九州北部豪雨がありまして、孤立部落ができたり、今も二百人ほど避難をされている状況であります。

 そういう中で、森林組合の方々と話をする中でよく言われるのが、五十年前に材木の関税がゼロになった、そこで林業が立ち行かなくなったんだというふうに言われております。また、有明海の水産物、ノリを初め豊富な地でもありますので、TPPの影響において水産物についてはどうなるのかというのが一つ心配であります。

 そこで、第三番目の質問として、五十年前の木材関税ゼロが林業に及ぼした影響、そして、TPPへの参加によって、水産業に対する影響について質問をさせていただきます。林業、漁業についてであります。よろしくお願いします。

江藤副大臣 それでは、私の方からお答えさせていただきます。

 約五十年前という御指摘ですけれども、実は、丸太につきましてはもう昭和二十年代から……(藤丸分科員「二十年代、もっと前」と呼ぶ)丸太についてはですよ。もっと前から実は関税ゼロに、二十五年か六年ぐらいにはもうなっておりまして、本格的に完全自由化されたのが昭和三十九年でございます。その後、ケネディ・ラウンド、東京ラウンド、MOSS協議それからウルグアイ・ラウンド、そのたびに関税が下がってきました。

 下がってきたのは、丸太は今申し上げましたようにもうその前からゼロですから、製材と合板について下がってまいりました。松、モミ、トウヒというものに、最初のうち、昭和三十九年は一〇%の関税がかかっていたんですが、これがMOSS協議、一九八七年のときに八%に下げられまして、そしてラウンド交渉で四・八に下げられました。そして、合板につきましては、二〇%ありましたものが、これは樹種によってちょっと違うんですけれども、熱帯木材十四種についてはいまだに八・五から一〇%の関税が残っております。ほかのものについては六%の関税が残っております。

 確かに、この完全自由化によって、たしか私が子供のころは、金持ちといえば山主か網元か製材所の息子だったんですよ。もう正直言って皆さん余り今芳しくない状況でありますので、この自由化が与えた影響は大きいと思います。ですから、今後、TPP交渉参加においても、今申し上げましたように、関税は製材とか合板等に残っておりますので、これがゼロということになれば、TPP交渉は影響が出ると思います。

 さらに、漁業についてでございますが、これについても、私たちは攻めの農林水産業ということで今頑張っております。特に海面養殖漁業が非常に厳しい状況にありまして、イエローテールというブリとかカンパチを何とかヨーロッパ向けに輸出をしたいということで、逆にこれは攻める材料にしたいなということで考えております。その意味で、政務官が午前中お答えになりましたけれども、いわゆるちゃんとしたHACCPの認定を受けられるような工場について補助事業を行って、やっていかなければならないと思っています。

 ただ、漁業につきましても、これは関税が一応まだ残っておりますので、下がれば当然影響があるわけですが、ただ、為替の動向を見ますと、八十円から、もう百円に近づいておりますので、その部分で実質的には完全に吸収できる範囲内には入っているのかなという認識を持っております。

藤丸分科員 ありがとうございます。

 TPPはこれで終わりまして、今度は攻めの農業についてお話をお聞きいたします。

 安倍総理の日本を取り戻すという経済再生がありまして、初めからうまくいっていると思っております。選挙直後に、経済再生本部の事務局長をやられている山本幸三先生との話の中で、円は必ず百円はいかせると豪語しておられました。大丈夫かなという気はしたんですが、もう百円近くになってきております。

 私も、議院運営委員会で、黒田日銀総裁候補、その当時候補でありましたので、マネタリーベースについて、二年後、二%を達成した暁にはどのくらいの水準になっていますかということをお聞きしたんです。そのときは、リーマン・ショック後、マネーサプライをふやさなかったので、デフレは脱出できなかったのだろうという旨の話はありました。

 しかし、その後、日銀に入られて、マネタリーベースを、大体百四十弱なんですが、二百八十、倍にするという答えが返されております。日銀の会議の後、倍にするということで、この会見を受けて、まだ金融市場は維持している状況であります。

 そもそも、アメリカ、ヨーロッパでは、リーマン・ショックちょっと前ぐらいから四倍、ヨーロッパでは三倍近く、少しずつインフレを起こさせて、経済を成長させてきていると見ております。

 もう既に、安倍政権復活の兆しが見えたときから、金融市場は先取りが基本ですから、後になってはその分利益が出ないというふうになりますので、金融市場は大体七、八割方終わっていると思っていいと考えております。

 釈迦に説法ですが、日銀が長期国債を買えば、そして当座預金をふやせば、お金はふえます。そうすれば、お金が、円がだぶつきますから、円安に入り、金利も長期国債を買うということで下がり、マネーは、リスクの高い株、外債、不動産に向かうと考えております。輸出は当然有利に働きます。株の時価総額も、見ていると百兆円ぐらい上がってきております。企業の決算も良好に反応すると思います。百兆円のうち、個人と企業は違いますし、企業の中の決算に入る部分ですから、二、三十億というところではないかと考えます。

 財政出動も、二十四年度補正の公共事業がどんどん今公示されて、発注されてきつつありますので、大型の補正を打つと、過去の経験を見ますと、大体半年後から一年ぐらいできいてきますし、昔は、家計にいくのは二年と言っていましたけれども、一年半ぐらいでいくのではないかと考えます。

 そこで、三本目の矢と言われている、一番大事なのが、重要なのが成長戦略であります。

 あと六分ぐらいになってきますので、少し急ぎます。

 成長戦略に向けて、日本経済再生本部の二月二十六日の総理指示概要というものがあります。ここでは、農業について、若い人が働きたいと思うような、攻めの農林水産業の展開に向けて、林農林水産大臣に、従来の発想を超えた大胆な対策の具体化を関係大臣と協力して図ってほしい、その際、農業を産業としての側面だけでなく日本の美しいふるさとを守る機能も大切にすること、そして、流通、IT、金融などの多様な業種との協力、事業提携が加速することに意を砕いてもらいたいと、総理指示が出ております。

 そこで、将来というよりも、未来の農業についてお話をお聞きしたいと思います。

 昭和三十年代は、農家の次男、三男は東京へ大阪へと出ていって、農業人口は減少してまいりました。そして、今、平均年齢は六十六歳であります。また、昔は、農家の嫁さんは働き手の一人として扱われておりました、農家の嫁さんはですね。

 私のおふくろいわく、今は機械化も進み、土地利用型の農家の嫁さんは、田ん中には出らっしゃれんよと。施設園芸では、嫁いで、少し年をとって、欲が出てくればビニールハウスに出ていらっしゃる、「あまおう」とかですね。そういう時代に来ております。時代は、お百姓さんから農家、そしてこれからは、未来の農業では農業経営者になるのではないかと考えております。

 土地利用型、米、麦、大豆であれば、私が考えますには、三十ヘクタールを目指すべきではないかと考えております。施設園芸であれば、家族であれば二反ぐらいしかできないだろうと言われています。一町、二町、一ヘクタール、二ヘクタール、人を雇用して拡大していくという方向に向かわなければならないと考えております。大胆に農家から農業経営者に向かわなければなりません。しかし、そうはいっても、農業は簡単にはできません。農業者にとって大切なものは植物を育てる感覚なのであります。

 私も農家だったものですから、そこまで余り出なかったんですが、よくナスビにトンをつけたり、やっておりました。それで、リヤカーで曲がったナスとか大きいナスを持っていって、おばあちゃんと、半分おこぼれをもらって、中学、高校は裕福な農家であり、まだ私が中学、高校ぐらいのときは農業は豊かだったんですよ。私は大学へ行かなくて、フェアレディZを買ってくれとぐれたんですが、おやじが、そういう魂胆では農業はできないということで、浪人して大学に行った次第であります。

 そこで、施策の話でありますが、時間がありませんので、農家から農業経営者になるに当たり、大胆な施策、また、土地利用型の農家と施設園芸農家では違うと思いますね。三十ヘクタール、片や一ヘクタールもしくは二ヘクタールということになります。大胆な施策を成長戦略として打つべきではないかと考えますので、今農水省が考えられている大胆な施策の説明をお願いいたします。

 これは土地利用型と園芸農家、質問四と五を一緒にさせていただきます。

長島大臣政務官 私の方からお答えさせていただきたいと思います。

 戦後、日本の農業が非常に大きな役割を果たしてきて、そして、今先生御指摘のとおり、我々のところもそうですけれども、やはり農地が拡大をしないために、次男、三男、そして兄弟の方は都会に、今は喜んで就職をする時代ですが、当時はやむを得ず都会に職を求めて行ったという時代が、私の青年時代に実はありました。

 そして、私も大学のテーマが農業経済学でございまして、当時心配をされた農業は、日本の農業は将来的には三ちゃん農業になる。つまり、農業後継者がいなくなって、田んぼにはじいちゃん、ばあちゃん、母ちゃんしかいなくなるよと。そんな場面を想定しながら農業施策をやっていくことが必要だということが、私の当時、昭和四十年代ですけれども、大学時代から言われてきたことであります。

 今、先生御指摘のとおり、土地集約型、効率よく農業をやるということと、そして意欲を持って農業後継者として若い人たちが育ってくれる、両面のやはり施策が必要なんだと思うんです。

 二十ヘクタール以上の農家を目的にしてまいりましたが、先生御指摘のように、三十ヘクタール以上の農家を農業後継者にどう託していけるか。農水省は、ことし、出し手と受け手、つまり、出し手が信頼して出しやすい環境、そして受け手が信頼して借りやすい環境、あるいは求めやすい環境をつくるために、中間のプラットホームに少し支援をしながら農地集約を図ってまいりたい。

 そのことの中で、若手の後継者が効率的な農業を誇りを持ってやっていただけるような、交付金等を創設しながら支援をしてまいりたいなというふうに実は思っております。

 ただし、私は中山間地の代表選手です。日本の農地の平野部、平地農地の面積は、多分五〇%ちょっとに満たないぐらいだと思うんです。そこのところは、やはりきちんと、帰農、さっき先生がおっしゃったように、大地を耕しながら物を植えて育てる喜び、収穫する喜び、そしてそのことを国民の皆さんから喜んでもらえる喜びというものを農家の誇りとして持てるような、私も農家ですから、家族につくったものをおいしいなと言ってもらったときのあの喜びを全農家が持てるような農業というのはこれからもやはり必要なんだと思います。効率化を図りながら、省力化を図りながら、そんなことをかなえていきたいと思います。

 施設園芸のことについては、多分、燃油とかがいろいろな意味で高騰しているときに、バイオマスとか木質ペレットとかというエネルギーに代替しながら、少しずつ費用を縮減しながら、また面積が拡大できるような、施設を拡大できるような形での後継者育成が望ましいと思っております。そのために、スーパーL資金とかいろいろな支援方法を考えてまいりたいと考えているところでございます。

藤丸分科員 ありがとうございました。

 終わります。

西銘主査 これにて藤丸敏君の質疑は終了いたしました。

 次に、赤嶺政賢君。

赤嶺分科員 日本共産党の赤嶺政賢です。

 きょうは、林農水大臣に質問をさせていただきます。

 まず最初に、諫早湾干拓の問題です。

 来る四月十四日は、潮受け堤防が閉じられて十六年目の日を迎えることになります。かつては宝の海と呼ばれ豊かだった有明海は、潮受け堤防の締め切りの結果、死の海と呼ばれるようになり、漁民を苦しめております。

 長崎県の瑞穂漁協、雲仙市にあります。そこの石田組合長が長崎の県議会で、呼ばれて意見を陳述しておりますが、石田さんはこのように語っております。

 一番水揚げが多かったタイラギ漁は一九九三年から操業停止となり、いわばことしで二十年間の連続休業だ。私たち瑞穂漁協は、一九九七年の堤防締め切り以後、国、県の方針に従い、いつかは必ずよくなることを願い、十二年間じっと耐え、諫早湾の漁場再生を願ってきましたが、その願いは夢と消えました。これだけ漁民が苦しんでいるのに、干拓事業による影響は一切ないと否定し、国、県は、開門すると漁業被害が出るといいながら、被害が出るという汚染水を今も排出し続けています。道理に合わないではありませんかと。

 かつて開門に反対し、漁場はいつかよくなるのではないかと、国、県の説明を信じてきた漁協長がこのように述べ、そして、瑞穂漁協は開門を早くやるべきだという立場に変わったわけであります。

 福岡高裁判決が命じた開門、漁民は最後の希望をこれに託しています。一日も早い開門が求められているわけですが、佐賀県の方からは、ノリの漁期の冬場の開門は避けてほしい、このように、ノリの漁期の最盛期は避けてほしいと述べて、十二月開門ではなく開門の前倒しを訴えております。原弁団も、漁協の組合員も減り続け、自殺者も相次いでいる、漁業者の努力も限界だとして、十月一日開門を強く訴えております。

 政府は、これらの要求をどのように受けとめておりますか。

林国務大臣 今お話がありました諫早湾干拓事業の排水門につきましては、委員から御指摘がありましたように、福岡の高裁判決、これが確定をしておりますので、国は本年の十二月までに開門すべき義務をこの判決によって負っているところでございますが、開門に当たっては、ノリ養殖を初めとして、漁業への悪影響が生じないようにすることが不可欠という認識をしておるところでございます。

 今お話がありましたように、佐賀県等の関係者の皆様からは、ノリ養殖の収穫期と重ならないようにするため、開門時期を前倒しすることができないかという要請をいただいておるところでございますが、まず、この判決によって十二月まで、こういうふうにされておりますので、開門の期限を前倒しするということについて、現実問題として、長崎側の地元の関係者の理解を得る、これが非常に困難だというふうに考えられること、それからもう一つ、海水淡水化施設の設置など、開門準備のための工事に一定の期間を要しますことから、開門時期を前倒しするということは困難なもの、こういうふうに考えておるところでございます。

 我が省といたしましては、調整池の水位を現状と変えない制限開門の方法、環境アセスメントのケースの三―二というものでございますが、これを提案させていただいておりまして、この方法であれば、諫早湾を越えて影響が及ぶことが想定されないというふうには考えておりますけれども、これに加えて、開門は一カ月かけて慎重に行い、緩やかな操作を行いながら調整池に徐々に海水を入れていく、また、汚濁防止膜を設置する、二十四時間体制で監視を行いまして、海域に異常がもし認められるようなことがあれば直ちに開門は中断する、こういうふうなことでやろうということにしておりまして、開門に当たって漁業被害が生じることのないように万全を期してまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

赤嶺分科員 今、大臣の説明の中で、前倒し開門はなかなか準備が間に合わない、そういうお話がありました。

 海水の淡水化のことになるわけですけれども、私たちは、本当にできないのかということで、いろいろ政府に説明を求めてきました。

 水源の確保についてでありますが、政府が原弁団に提出をいたしました資料を見ますと、畑作地域である中央干拓地で八万九千八百立方、これは、十月の必要な水量が十一月の六倍、十二月の二十八倍の水を要するということで、十月の必要な水量というのが異常に高いんですね。一見して、何でこれだけの量が必要なのかというぐあいに考えるんですが、その具体的な根拠を示していただけますか。

實重政府参考人 お答え申し上げます。

 具体的には、必要な数量につきましてでございますけれども、干拓地、これは中央干拓地と小江干拓地でございますけれども、十月から十二月にかけての暫定的に必要となる水量で十二万三千トン。それから、干拓地の周辺水域、周辺の水田、釜ノ鼻地区におきまして三万六千トン。合わせまして十六万トンの営農用水が、十月から十二月にかけての暫定的な期間だけでも必要と考えております。

 これは、特に、今委員御指摘の十月の水量が多いわけでございますけれども、周辺の水田におきましては、従来からの米の品種のヒノヒカリが九月いっぱいぐらいまで水が必要でございますけれども、近年では、より品質のよい品種ということで、にこまるという品種の作付が大変増加してきておりまして、にこまるにつきましては十月中旬まで水田に水が必要となりますので、実際、このにこまるの作付がふえているということを考えますと、さらに必要な水量が増加する可能性もあるというぐあいに見ているところでございます。

赤嶺分科員 私が今聞いたのは、中央干拓地で十月の必要水量が、十一月の六倍、十二月の二十八倍。中央干拓地で何でこんなに十月、水が必要なのかということであります。

實重政府参考人 過去の実績から見まして、いろいろ、雨が多い年もあれば少ない時期もございます。そういう中で、地元の方々が、一定程度の水量が確保されて安心をされるという水量が必要だというぐあいに思っております。

 そういう意味で、ここに示させていただいております十月、十一月、十二月の必要水量は、平成二十一年、二十二年、二十三年、二十四年の実績値でございます。

赤嶺分科員 中央干拓地、今の水量というのは、ハウスでこれだけ必要ということですか、それとも露地で必要だということですか。どっちが中心ですか。

實重政府参考人 委員御案内のとおり、中央干拓地は広大な農地でございます。露地野菜もございますし、ハウス、施設園芸もございますけれども、大部分につきましては露地野菜ということでございます。

赤嶺分科員 露地でこれだけの水量、本当にどうなのかという検証を求めていきたいと思います。

 先ほど、釜ノ鼻地区の水田のお話がありました。従来は九月いっぱいで終わっていたものが、品種の改良によって十月の中旬まで水が必要だということでしたが、十月の中旬までそうなんですか。十月の上旬までというお話もありますが、十月の何日ごろまで必要なのか、明確に答えていただけますか。

實重政府参考人 これはまた、年によっても場所によっても違うと思いますので、具体的に何日までということを申し上げにくいのでありますけれども、地元のJAが発行しております、にこまるについての暦、栽培カレンダーがございますが、これによりますと、十月中旬ぐらいを水を落とす時期、しかも、それも慎重に見きわめながら、品質管理のために場合によっては遅い時期もあり得るというような形で指導されているというように承知しております。

赤嶺分科員 現場を見た方からは、十月は転作の準備もあり、田んぼに水は入っていないはずだというような情報も我々に寄せられております。

 これも、JAの資料を見てやるのではなくて、本当にことし十月に開門をやろうという立場から物事を見ていくというその意味での検証も改めて求めておきたいと思います。

 それで、十月の開門要求に応えるための農水省との話し合いで、応急的な水源確保として、干拓地の中にある潮遊池の活用も検討したかどうかを原弁団は求めております。潮遊池については検討したんですか。そして、どのぐらいの水量があるんですか。

實重政府参考人 潮遊池についてお話をさせていただく前に、先ほど十月についての、水田について御指摘ございました。

 この地域でヒノヒカリとにこまるという二つの品種が栽培されておりますけれども、遅くまで水の必要となっているにこまるの栽培が今二割ぐらいにふえてきているということでございます。

 これは、九州地方は最近、米についての高温障害が多数発生しておりまして、高温に対してにこまるは強い、また、品質がよくて食味にすぐれているというようなことで、かなり急速にふえてきておりますので、今後さらに、にこまるの面積がふえる可能性もあろうというように思っております。

 今御指摘の潮遊池でございますけれども、潮遊池は、調整池の淡水とは異なりまして、従来の堤防から干拓地までのところの水路でございます。これは主に、雨が降った場合の排水をためておくところでございます。そういう意味で、容量はそう大きくございませんで、また、現段階でもかなり塩分濃度が高い状況でございます。

 干拓地堤防と農地の間の、排水を貯留している水路でありますので、潮遊池の水全体でも十分な水量を確保することは困難と見込まれまして、また、開門した後は、これは、堤防の方は全部締めるわけでございます、樋門は全部閉めるわけでございますが、堤防の堤体を通しまして塩分が急速に浸透してくるということがシミュレーション上明らかになっておりまして、そういう意味で、潮遊池、今の排水をためているところの水は農業用水としては適当な塩分濃度にならない、非常に高い塩分濃度になってしまうというぐあいに見ているところでございます。

赤嶺分科員 私、短期開門調査のときの、皆さんが発行した「開門調査のお知らせ」というパンフレットを見てみました。あのときも水源がやはり大きな問題になっていたわけですよね。

 そのときに、皆さんが出したパンフの中で、「潮遊池からの農業用水は今までどおり使えます。」と。塩分についても対策をとります、これで足りない場合は応急的な措置をとります、こう書いてあるんですね。短期開門調査のときは潮遊池も水源として検討していた。

 何で、今それが検討できないんですか。

實重政府参考人 潮遊池、今申し上げたように、排水のためてあるところでございます。短期開門調査は平成十四年に行いまして、約一カ月間、短期だけ開門いたしました。

 先ほど申し上げましたように、今回も開門いたしますと、樋門を閉めるわけでございますけれども、私どものシミュレーションで見ますと、大体二週間程度で塩分濃度が急速に上がってくるということでございます。そういう意味で、短期開門調査のときには日数自体が少なかったわけでございますので、当分の間は水が使えるということだったと思います。

 さらに今回、精細なシミュレーションをした結果、そういう形で塩分濃度の上昇というものが出てきておりますので、それに基づいて考えていく必要があるというぐあいに思っております。

赤嶺分科員 潮遊池を実際に水源として検討していて、これがあるから大丈夫だという説明を短期開門調査のときにはやっていたけれども、短期開門調査というのは一カ月ですよね。今度、十月開門で必要なものは、十二月には、皆さん、淡水化のプラントができ上がるというわけですから、二カ月の水ですよ。一カ月と二カ月にどのぐらいの違いがあるか。

 やはり、改めて、潮遊池も水量についても、そして水源として使えないかどうかということも強く求めたいと思います。

 先ほど大臣は、長崎の理解が得られないというお話がありました。これから長崎の理解を得ていく必要があると思うんですが、漁民の立場は、開門しても農業もやっていける、漁業もやっていけるという立場で、きちんと、先ほど大臣が答弁なさったように、開門しても特段の被害が海に出るわけではないとか、水源地の確保とか、いろいろなパンフレットをつくって、これは当時のものですが、地域の懇談会等もやっているんですね。

 「開門調査の内容は以下のとおりです。調査データを公表します。」ということで、「排水門からの流入と排水の方法を工夫します。」とか、さっきの潮遊池ですよ、いかに安全に水源として確保するかというようなものもありますし、防災機能も開門しても今までどおりであります、湾内の漁場に被害が生じないようにします、「調整池の塩水は約一ケ月で淡水に戻ります。潮遊池からの農業用水は今までどおり使えます。」とか、こういうパンフレットをつくって、やはり不安を与えないような説明をして、長崎側の理解も得る、農家の理解も得る、漁民の理解も得る。

 これが、つくるつくるといいながら、いつまでにできるのかという見通しもないんですが、この点、早くつくって早く長崎側の理解を得るような努力をすべきじゃないかと思いますが、これは大臣、いかがですか。

實重政府参考人 今、再度、潮遊池について御指摘をいただきましたので、これも含めて御説明を補足させていただきます。

 平成十四年の短期開門調査におきましては、四月に開門をいたしておりまして、一カ月以内の開門だったわけでございますけれども、この地域は田植えが主に六月でございまして、四月の時期にはまだ水がほとんど水田に必要ないというようなこともございました。

 今回、仮に今要請されておりますような十月ということになりますと、十六万トンという大量の水が必要でございますし、開門は五年間ということでございますので、そういうことを踏まえる必要があると思っております。

 それから、今御指摘のパンフレットでございますけれども、四月五日に行われました諫早開門訴訟の原告、弁護団と農水省担当者の協議におきまして、原告、弁護団の方々から、長崎県関係者の方々に説明をし、説得をするためのパンフレットを作成するべきではないかという御提案をいただいたものと承知しております。

 長崎の関係者の皆様に対しましては、従来から、環境アセスメントの素案、準備書、評価書といった三つの段階ごとに対策についての概要資料をつくりまして直接御説明を申し上げましたし、また、長崎関係者からの質問に対しまして、口頭また文書、両方で丁寧に回答を行って、説明を行ってきたところでございます。しかしながら、開門に向けての長崎関係者の御懸念が大変強くございまして、いまだ納得を得るに至っておりません。

 原告、弁護団からの御提案でありますので、簡潔でわかりやすいパンフレットをつくりまして、理解を得るように努めていきたいと考えておりまして、できるだけ速やかにパンフレットを作成したいと考えております。

赤嶺分科員 短期開門調査のときは四月だったから潮遊池の水が使えていたけれども、今度は十月だからというのは理屈に合わないですよ。きちんと調査することを求めたいと思います。

 それで、大臣、本当に漁民の方が、これ以上開門が延ばされると、もう漁業から抜けていく人たちがどんどん出てきて、漁業が続けられないという悲鳴が上がっています。一日も早い短期開門調査、これを強く求めたいと思います。

 あともう一つ、日台民間漁業取り決めの問題がありますので、この問題に質問を移します。

 一昨日、日台民間漁業取り決めがありました。これまで日台間には漁業に関する取り決めは存在せず、無秩序な状態が続いてきました。漁具の切断や盗難などのトラブルが繰り返され、漁業者が安心して操業できるよう、ルールづくりが切実に求められていました。

 しかし、今回の合意の中身は、沖縄県内を初めとする漁業者の意向を反映したものとは到底言えません。沖縄県や県漁連は、漁業者の意向を十分に尊重し、日台間の地理的中間線を基本に交渉することを繰り返し要請してきましたが、その内側、先島諸島北方の広大な海域で台湾漁船の操業を認めるものとなっています。

 外務省の城内政務官、伺いますが、一体なぜ、どういう判断でこのような合意に至ったのか、説明していただけますか。

城内大臣政務官 赤嶺政賢先生の御質問にお答えします。

 日台民間漁業取り決めにつきましては、これはあくまでも、民間団体である交流協会と亜東関係協会がこれまで累次にわたり協議を重ねてきたというふうに承知しております。

 当然、これまでも、沖縄県の漁業関係者の方々からも、外務省に対して累次に陳情というか要請をいただいているところでございます。

 いずれにしましても、関係者の間で十分議論した上で、そして漁業者の皆さんの声も反映した上で、今回、四月十日にこの日台民間漁業取り決めが署名されたというふうに承知しております。

赤嶺分科員 何か、民間ベースであって外務省はということで、ちょっと、外から眺めているような答弁でしたけれども。

 先島諸島の北方の水域というのは、マグロの好漁場であります。日本の主張するEEZ内でもありますし、これまで、この海域で操業する台湾漁船は取り締まりの対象でした。

 メディアでは中国漁船がという話がよく出るんですが、あの海域で漁業を支配しているのは台湾漁船であります。その取り締まりの対象であったものが、今回、法令適用除外水域として、日本の国内法を適用せず、台湾漁船の操業を認めることになりました。

 この海域では、既に多くの県内漁業者が、トラブルを避けるために操業を自粛することを余儀なくされております。今回の合意というのは、この現状を追認するものではありませんか。

城内大臣政務官 今回の取り決めの署名について申し上げますけれども、いずれにしましても、両民間団体が話し合い、話し合いを積み重ねてきて、そして沖縄県の漁民の方の声も踏まえて署名に至ったものであり、実際の操業秩序の問題等ございますけれども、それについてはまた別個の問題というふうに理解しております。

赤嶺分科員 県内の漁業者は、せめて、今操業を行っている先島諸島の南方の海域、尖閣は北方の海域ですが、南方の海域での台湾漁船の操業は認めないようにしてほしいという要望をしておりました。ところが、この海域というのは、北方、尖閣諸島付近でマグロ漁ができなくなったので地元は南方に移ってきたんですが、今度の取り決めでは、南方は取り決めの対象地域にはされていません。これまでと同じように台湾漁船の操業があり得るということであります。

 こうした漁業をめぐる交渉というのは、互恵の精神に基づいて、当事者である漁業者の意向を十分に尊重しながら進めるべき問題です。

 報道によると、今回の合意の背景として、領土問題をめぐって中台間にくさびを打つ狙いがあったなどと報じられておりますが、これだけの県内漁業者の利益を譲り渡しておきながら領有権を云々するのは、本末転倒ではないかと言わざるを得ません。

 最後に、水産庁に伺いますが、昨日、水産庁の須藤資源管理部長が沖縄県を訪れ、特別協力水域について、百隻以上の台湾漁船が操業している実態がある、将来的に台湾の漁船の数を少なくするルールづくりをしていくと述べています。具体的にどのようなことを考えているんですか。

本川政府参考人 特別協力水域につきましては、まさに双方の主張が最後までなかなか一致しなかった場所であると聞いております。台湾側も操業実態を非常に強く主張し、日本側も、久米島を中心とする沖縄本島の方も含めて、そこでの操業実態があるということで、この水域について最後まで難しい問題があったということでございまして、その水域については、御承知でございましょうが、日台の漁業委員会という場所で、これから、まさにそれぞれの操業実態なり協力関係を尊重しながら協議をしていくというふうになると伺っております。

 我々は、きのう、須藤が久米島へお伺いし、本日宮古へお伺いし、あす石垣島にもお伺いするというようなことでございます。そこでの意見交換を踏まえて、帰ってまいりまして、きちんと現状を把握した上で、そこの水域における操業秩序の確立に向けて適切な協議が行われるように対処してまいりたいというふうに考えております。

赤嶺分科員 漁業実態ということを言い出せば、台湾の漁船は沖縄の漁船よりも非常に大型ですから、同じ漁場に近づいていくのが怖いということで、好漁場でありながら、だんだん避けていく。その結果、尖閣の海域は台湾の漁船が多くなって、沖縄のマグロ漁船は入れなくなっているという実態なんですね。これを追認した。そして、改めて久米島の好漁場も台湾に譲った。

 いわば台湾側は、自分たちが主張しているよりも大きな海域、これを獲得したわけです。もちろん、ルールがない状態で漁民同士がトラブルを起こすことは絶対にやりたくないということで、漁民の側もルールづくりを求めてきました。そして、本当に相互の互恵の関係でうまくまとめようじゃないかとしていたのに、今度の結果は、一方的に日本が譲った。

 この譲った背景に、メディアを見ると、尖閣問題で日台連携を強化するためにということで、沖縄の漁民を切り捨てたというぐあいに言われても弁解の余地がないような、今回の日台の漁業交渉だったと思うんです。

 やはり、沖縄の漁民の安心、安全な操業を守る上でも、漁場を守る上でも、農水省ももっと努力していただきたいということを申し上げまして、最後に、このことで一言ありましたら、農水大臣、御答弁をお願いします。

林国務大臣 今、主に外務省と先生にやりとりしていただきましたが、今お話のあったように、秩序を維持するということでずっとやってきたところでございまして、今回、いろいろな御意見もあるのも承知をしておりますけれども、こういう取り決めが設けられて、そして日台漁業委員会を設けることになった、こういうことでございます。

 したがって、今お話がありましたように、操業ルールについてこの委員会において協議が行われることになるということでありますから、地元の漁業者の方々の声を受けとめて、ここでしっかりと協議がなされるように対処をしてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。

赤嶺分科員 終わります。

西銘主査 これにて赤嶺政賢君の質疑は終了いたしました。

    ―――――――――――――

西銘主査 環境省所管について、政府から説明を聴取いたします。石原環境大臣。

石原国務大臣 平成二十五年度環境省所管一般会計予算及び特別会計予算について、その概要を御説明いたします。

 まず、予算の基礎となっている環境政策の基本的な考え方について御説明いたします。

 今、環境省は、東日本大震災からの復旧復興、低炭素社会の創出、安全、安心な生活環境の確保という三つの課題を抱えております。この三つの課題にどのように現実的な答えを見出し、現場で着実に実行に移していくか。この平成二十五年度は、環境省の真価が問われる、まさに正念場の年と考えております。

 一つ目の柱、震災からの復旧復興については、まず、福島復興の大前提となる除染を加速化するとともに、除染を進めるために必要不可欠な中間貯蔵施設の設置に向け、最大限の努力をしてまいります。また、災害廃棄物の処理、放射性物質で汚染された廃棄物の処理、住民の健康管理や健康不安対策、三陸復興国立公園の整備についても着実に進めます。

 二つ目の柱、低炭素社会の創出については、原発事故の後、地球温暖化の話題は埋没し、環境外交での日本の発言力も著しく低下しております。これを取り戻すため、二五%削減目標をゼロベースで見直すとともに、我が国のすぐれた環境技術を生かした攻めの地球温暖化外交戦略をつくります。

 また、低炭素社会創出のためのファイナンス・イニシアチブ、つまり、金融メカニズムを活用して民間資金を環境投資に呼び込む仕組みづくりや、再生可能エネルギーの導入加速化を進めます。

 三つ目の柱、環境行政の原点である安心、安全な生活環境の確保や、循環型社会、自然共生社会の実現に関しても、PM二・五による大気汚染への対策、小型家電リサイクル法の効果的な運用、トキを初めとする絶滅危惧種の保全などに着実に取り組みます。

 また、原子力規制委員会は、放射線モニタリングの充実強化、事故の教訓や国際基準を踏まえた原子力規制の実現、原子力防災対策の充実強化などに取り組みます。

 これらの施策を実行するための平成二十五年度環境省所管一般会計予算及び特別会計については、一般会計予算では総額二千五百八十四億八千万円を計上しております。

 次に、特別会計予算につきましては、エネルギー対策特別会計に総額一千二百十二億九千二百万円、東日本大震災復興特別会計に、復興庁所管予算として総額七千六百十六億六千九百万円を計上しております。

 なお、委員のお手元に資料が配付されておりますが、環境省所管一般会計予算及び特別会計予算の主要施策については、お許しを得て説明を省略させていただきます。

 よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。

西銘主査 この際、お諮りいたします。

 ただいま石原環境大臣から申し出がありました環境省関係予算の主要施策の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

西銘主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

西銘主査 以上をもちまして環境省所管についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

西銘主査 質疑に入るに先立ちまして、政府当局に申し上げます。

 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、これを許します。福田昭夫君。

福田(昭)分科員 民主党の福田でございます。

 きょうは、若いころ、旧今市市長時代にお世話になった石原大臣に質問する機会を得ることができて、大変喜んでおります。

 今、安倍政権、絶頂のようでございますけれども、上がれば下がるのが自然の摂理でありますから、ぜひ、石原大臣におかれましては捲土重来を期して頑張っていただきたい、そう思っております。

 さて、きょうは放射性指定廃棄物の最終処分場などについて質問させていただきますが、まず、環境省が二月の二十五日に発表した、指定廃棄物の最終処分場候補地の選定に係る経緯の検証及び今後の方針について、お伺いをいたします。

 今回、この経緯の検証をした結果、「これまでの指定廃棄物の最終処分場候補地の選定プロセスを大幅に見直すこととした。」、こう書いてありますが、どこをどういうふうに大幅に見直したのか、お答えをいただきたいと思います。

梶原政府参考人 お答えいたします。

 指定廃棄物の最終処分場につきましては、昨年の九月に、栃木県及び茨城県の最終処分場の候補地として、それぞれ矢板市及び高萩市の国有林野につきまして地元に提示をさせていただいたところでございますけれども、地元から強い反発がございまして、地元への説明ができない、そういったような状態になっておりました。

 昨年十二月の政権交代を受けまして、これまでの最終処分場の候補地選定の取り組みについて検証を行ったということでございます。その結果、改めるべきところは改めるということで、大きく三つの点で改めております。

 一つは、まず、市町村長会議の開催を通じた共通理解の醸成。専門家によります、選定基準のことから具体的な選定地の調査の状況についてまで、一連の関与をしていただく。三番目には、提示に当たって地元の候補地の詳細な調査を行うという形で改めさせていただいているところでございます。

 また、この改める方針につきましては、二月の二十五日に公表させていただきまして、その後直ちに、井上副大臣並びに秋野環境大臣政務官から、関係の五県、具体的には、宮城県、茨城県、栃木県、群馬県、千葉県の各知事、それと、矢板、高萩両市の市長さんのところに御報告を申し上げたところでございます。

 この方針につきましては一定の御理解を得て、現在、各県で市町村長の首長さんにお集まりいただいた会議を開催していただくとともに、三月の十六日には第一回目の有識者会合を開かせていただいたということでございます。

福田(昭)分科員 一定の見直しはしたと思いますけれども、しかし、候補地の選定手順、評価項目、評価基準あるいは選定結果の提示方法、さらには、処理する指定廃棄物の性状や施設の内容、安全性については、何一つ見直しをしていないわけですね。

 ただ、今お答えをいただいたように、市町村長に詳しく説明する機会を設けますよ、専門家による評価を実施しますよ、候補地の安全性に関する詳細調査を実施しますよということを決めただけであって、具体的な選定手順とか評価項目とか評価基準とか、こういう本当に根本的なことは実は何も見直していないわけですね。それはいかがですか。

梶原政府参考人 今、先生御指摘の選定の手順あるいは候補地の評価に当たります評価の項目でありますとか、あるいは評価の考え方につきましては、指定廃棄物処分等の有識者会議というものを三月の十六日に立ち上げてございます。その際に、第一回目、三月十六日の会議におきましては、まず、最終処分場の構造あるいは維持管理に関する安全性の確保についての考え方を御審議賜り、それについておおむね了解をいただいているところでございまして、さらには、今先生御指摘の手順、基準、項目につきましても、今後、順次専門家の方々に改めて評価をしていただく、それで見直すということにしておるところでございます。

福田(昭)分科員 今申し上げたように、結局、具体的なものは何も書いていないわけですね。ただ、市町村長会議をやりますよ、専門家による評価を入れますよ、候補地の安全性に関する詳細調査をやりますよ、提示をする前に。それだけの話なんですね。ですから、これでは、手続を選定手順にのっとって進めていけば、また同じように矢板が、高萩が選ばれるんじゃないか。そうですね。地元の人ももう、今からそう予想しているんですよ。どうですか。

梶原政府参考人 今後の選定結果について、現時点において予断を持って判断することは適切ではないと思いますが、考え方といたしましては、先ほど申し上げましたように、まず、安全性の基本的な考え方から始まり、施設の構造、維持管理の考え方、さらには、選定のやり方そのものにつきましても、基準の項目とか基準そのものも含めて議論することとしております。その上で、さらには、各県の首長さんにお集まりいただいた市町村長会議を通じて、地元の御意向も賜りながら進めていくということで考えてございます。

 ただ、一点だけ申し上げますと、そのときに、あらかじめどこどこを除くということではなくて、全県下を対象として考えていくということでございます。

福田(昭)分科員 局長の説明はよく理解できますが、しかし、実際の評価項目などを何も変えなければまた同じようになるということは、誰もが想像していることでありまして、多分、そういうことから、石原大臣も、これは昨年の十二月二十八日ですか、記者会見をして、選定手続を検証してみたけれども、新しい方針を打ち出したけれども、矢板を除くわけではないと、こういうことは大臣も、また井上副大臣もはっきり明言をしておりますし、そうしたことを踏まえて、実は、矢板の反対同盟の皆さんは、これはもう基本方針を変えなくてはだめだ、基本方針を変えてもらう、そういう要望を出そうという決議をして、多分環境省に届けたと思いますけれども、そうしたことを覆すだけの理屈はないんじゃないんですか。いかがですか。

梶原政府参考人 繰り返しになって大変恐縮でございますが、基本的には、先ほどから繰り返して申し上げておりますけれども、手順そのものから始まって見直すということにしております。したがいまして、あらかじめどこにというよりも、改めて選定のプロセスを開始するということでございます。

 また、基本方針というところは、恐らく、先生、発生した各県ごとに処理をするということの点についておっしゃっておられると思いますけれども、その点につきましては、現実問題として、どこかの一カ所へ持っていくということはなかなか難しいというふうに考えてございまして、各県ごとの処理という形で今お願いをさせていただいてございます。

福田(昭)分科員 局長の答えはよくわかるんですが、皆さんが発表した二ページを見ると、こう書いてあるんですね。「最終処分場等を確保することの必要性を説明し、そのための協力を」五県の知事にですよ、「要請した上で、必要な情報の提供を受け具体的な候補地の選定作業を開始」して、選定するに当たっては、「選定手順、評価項目、評価基準及び選定結果の提示方法については、環境省の災害廃棄物安全評価検討会に付して専門家の意見を聞くとともに、関係県にも意見を聞き、さらには栃木県、茨城県及び宮城県の全市町村の担当課長等を対象とした説明会を開催し、意見を聞いた上でとりまとめ、選定作業を進めてきた。」これだけ丁寧なことをやってきたんですね。それでもなお、実は、高萩や矢板からは反対の声が上がってきたということです。

 では、このときに、本当に、栃木県の知事がどういう対応をとってきたのか、あるいは、茨城県の知事がどういう対応をとってきたのか、そして、矢板の市長や高萩の市長がどういう対応をとってきたのか。栃木県の知事などは、私は知らなかった、こう言っています。そんなことはあるんですか。これだけの説明会をやってきて、知事も知っていたはずでしょう。いかがですか。

梶原政府参考人 前政権のときの、前回の矢板を選んだときの経緯に関する御質問でございます。

 今委員おっしゃられるように、まず県の課長さんに集まっていただきまして、こうこうこういうやり方で絞り込んでいきますよといったような手順あるいは絞り込みの基準について御説明し、それで県下の地図情報等を県からもいただきながら、矢板市に絞り込んだところでございます。

 その結果の提示に当たりましては、ちょっとその細かな経緯が今手元にないんですが、私の記憶が正しければ、当日、県の方に対して、矢板という形で発表したいということを申し上げて、時間を賜って知事のところに行き、さらには、それから数時間後には矢板市長さんの方に御説明をしたということでございます。

 それと、もう一点、前回の反省というのが、まず、やり方について、各市町村の課長の方々にお集まりいただいて御説明申し上げたんですが、このような案件につきましては、意思決定権者である市町村長の方々に直接言うべきであるという御意見も賜っておりまして、今回、改めて首長さんの方々にお集まりいただき、現地の責任者の方々から具体的な現地の状況をお聞きしながら、また、選定の状況につきまして御報告しながら、今後の候補地の選定を進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。

福田(昭)分科員 栃木県の場合は、昨年の四月の十八日に福田富一知事が、当時の環境副大臣に対して、できる限りの協力をしますということで、今お話に挙げたような地図情報などを環境省に提供してくれたわけでしょう。さらに、七月の十九日には市町村の担当者を集めて説明会をやったわけでしょう。

 そうすると、それぞれ、もちろん県庁の職員は知事に対して、市町村の職員は市町村長に対してきちっと報告をしているはずでしょう。復命をしているはずですよね。そうすると、それでも市町村長の理解は足りなかった、こういうことなんですか。

梶原政府参考人 二点、今のはあると思っております。

 一点目は、まず、課長さんたちをお集めして御説明申し上げたのは、選定結果の御説明をしたわけではなくて、選定をする仕方についての御説明を申し上げた次第でございます。その点につきましてまず一点あるということと、第二点目は、選定結果の提示をしたときに、矢板市長さんの方からは寝耳に水というふうなことを言われております。

 つまり、言いたいことは、一点目は、まず、課長さんたちにやり方をお伝えしたということで、やり方自体は必ずしも首長さんのところには上がっていなかった。さらには、結果については、大変申しわけないと思っておりますけれども、当日御説明をしたということで、十分な事前の御連絡をしていなかったということでございます。

福田(昭)分科員 市町村長まで十分な報告が行っていなかったということで、市町村長会議もそれぞれ県ごとにやろうということの方針ですけれども、そうした中で、先日、いろいろなところで開いていると思いますが、栃木県の例をとれば、全く話にならなかった、とてもとても県内に一つつくろうというような話には全くならなかった、こういう話を伺っていますが、よその県はいかがですか。

梶原政府参考人 市町村長にお集まりいただいた会議は、先ほど先生から御指摘のように、まず栃木県で開催しておりますが、そのほかには宮城県と千葉県で開催をさせていただいております。

 まず、宮城県の方では、既に昨年十月二十五日の段階で県が主催していただいて第一回目の市町村長会議を開催していただいております。これには環境省が出席しておりませんけれども、その場で最終処分場を県内で一カ所設置するという方向で合意がとれているというふうにお聞きしております。

 それで、三月二十八日に、私ども井上環境副大臣並びに秋野環境大臣政務官が出席していただいて、最終処分場の安全性並びに選定手順等に関する今後の進め方に関する基本的な考え方等について御説明を申し上げたところでございます。その際、各市町村長さんの方からは、最終処分場の施設の安全性につきましては一定の御理解を賜ったということではありますけれども、あわせて地域振興策を検討すべきである、あるいは風評被害も考慮すべきである、地域特有の条例も考慮してほしいなどの御意見を賜っております。

 また、千葉県につきましては、四月十日に第一回の市町村長会議を開催させていただいております。会議におきましては、施設の安全性について一定の御理解をいただいた上で、例えば候補地の選定に当たっては、県内で指定廃棄物を出している、そういったような発生源を念頭に進めるべきであるとか、あるいは指定廃棄物の保管がない地域では住民の理解が得られないのではないかといったような御意見をいただいているところでございます。

 また、千葉県におきましては、県の方から、例えば千葉県の地理的、地形的な特性を踏まえて、候補地の選定の考え方について県としても考えたい、それについては国が協力してほしいということを言われておりますし、また県主催で事務レベルの会議も開催する、それで、より市町村長会議の理解を進めるといったようなことも提案され、了承されているところでございます。

福田(昭)分科員 石原大臣、どうですか。この三つの、市町村長会議だとか、専門家の評価だとか、あるいは事前に詳細調査を実施するとか、この程度の選定のプロセスの見直しで、本当にこれは、場所は決まると思いますか。いかがですか。

石原国務大臣 この問題は決まるかということではなくて、決めないと困るのは県民の皆様である。そのことを念頭に置いて、今、市町村の首長さん方と意見交換をやっとスタートさせていただいた。これを加速化させていくということに尽きるのではないかと認識しているところでございます。

福田(昭)分科員 私は、非常に甘いと思うんですね。私は、首長として、市長、知事として、住民の反対運動、大きな反対運動というのを五つ体験をしてきました。その体験から申し上げますと、矢板の皆さんの反対運動のエネルギーというのは物すごいものがありますよ。絶対許さない。ですから、あれだけ盛り上がった反対運動を説得するというのは、これは尋常なことではできません。

 そうした中で、どこかで住民の意見を聞くというのは、多分どこにもないんですよね。ですから、仮に市町村長がオーケーを出しても、その該当する場所の住民が絶対うんと言いませんよ、これは。一般の家庭廃棄物、一般廃棄物ならわかりますよ。これでさえ反対運動が起きる日本です。

 ですから、今回はまさに、目にも見えない、においもない、風評被害が末代まで続く、放射性指定廃棄物ですよ。そうしたら、そう簡単にその地域の人たちが納得するわけがありません。しかも、矢板にしても高萩にしても、自然環境豊かな美しい場所ですよ。なぜわざわざそんなところを汚す必要があるんだと。こういう、その地域の人たちの怒りは物すごいものがあります。したがって、この程度の見直しで、私は、同意が得られるものではないと思っています。

 時間がなくなっちゃいますので、先に行きたいと思います。各県の現状等については大体伺いましたので、その先へ行きたいと思います。

 それでは、一番肝心な福島県がどうなっているんでしょうか。福島県も、十万ベクレル未満の指定廃棄物の最終処分場をつくらなくちゃならないんですが、これはどうなっていますか。

梶原政府参考人 福島県におきましても、指定廃棄物、八千ベクレルを超える廃棄物を抱えております事業所あるいは自治体が多数存在をしております。さらには、そういったようなところでは焼却灰等の保管場所が逼迫し、さらに今後もふえるということでございます。そのために、一刻も早く、福島県におきましてもその処分を進める必要がございます。

 福島県内で発生いたします十万ベクレル以下の指定廃棄物につきましては、双葉地方の町村、福島県、それと国の意見交換の場所におきまして、環境省から、富岡町にございます民間の管理型処分場で処分をしたいという形で説明をしているところでございます。指定廃棄物の速やかな処分が行えるよう、関係者の方々と相談をして進めていきたいというところでございます。

福田(昭)分科員 それでは、中間貯蔵施設についてはどんなふうになっているんですか。これは簡潔にお答えください。

小林(正)政府参考人 福島県の、除染また十万ベクレルを超える指定廃棄物の処理の推進に必要不可欠な中間貯蔵施設、これにつきましては、中身とともに、また安全性についての配慮も重要でございまして、現在、事前調査の段階でございます。地権者の了承を得て、できるだけ早期にボーリング調査に着手をしていきたいと考えております。

 その上で、施設の具体的なイメージをお示しし、地元の理解を得ていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

福田(昭)分科員 今、福島県の十万ベクレル未満の最終処分場、指定廃棄物もまだまだ決まらない。そして十万ベクレルを超える中間貯蔵施設もなかなか決まらない。なぜ決まらない、その理由だと思いますが、私は、福島の知事やあるいは町長さんたちが反対しているんだと思うんですね。

 先日の新聞記事でありますが、楢葉町で中間貯蔵施設の現地調査に入った、そのときの町長さんのコメント、これが象徴的にあらわしていると思います。松本町長は、施設が建設されても、汚染土受け入れは町内で生じたものに限り、一キログラム当たり十万ベクレル超の高線量の汚染土を搬入しない保管庫とすると言っているんです。国は中間貯蔵施設をつくるための調査に入ったんですよ。しかし、町長さんは、それ以下の、未満の指定廃棄物の保管庫ならいいよと言っているんですよ。全くですよ。今、十万ベクレル未満の指定廃棄物は富岡町に置くように進めていると言っていましたけれども、中間貯蔵施設をお願いしている楢葉町の町長さんが、それはだめよ、こういうコメントを出しているんですね。

 ですから、そういった意味では、福島のこの放射性指定廃棄物の問題でさえまだまだ整理されていない、全く、どこに行ってしまうんだかわからない、そういう状況なんじゃないですか。

 時間がなくなってきましたので、これはここでとめておいて、また、次の機会にしっかりやらせていただきたいと思っています。

 そうした中で、大臣、実は、我が政権時代でありましたが、昨年の九月に、大熊町の千七百名を超える皆さんが、私たちの土地を政府が買い上げて中間貯蔵施設をぜひつくってくれと要望を出した要望書があるんですが、御存じですか。

小林(正)政府参考人 大熊町も中間貯蔵施設の候補地として調査の対象になっているところでございます。今、議会、またいろいろなところの御意見を承っておりまして、いろいろな皆様方から、むしろ、極力広くこれを買い上げてほしい、そのときの条件は何なのか、そういうことも明らかにせよというような御要望も承っておりますし、また、このままもう少し慎重に考える、さまざまな御意見をいただいているところでございます。

福田(昭)分科員 では、大臣は今の話を聞いていないですね。

石原国務大臣 今局長が答弁したような話は伺っております。

 具体的に、千七百人、どなたかというところまでは掌握しておりません。

福田(昭)分科員 どうでしょう、大臣。この千七百名もの署名を集めてきた方々の代表と会ってみませんか。この人たちが何て言っているか。

 昨年ですけれども、矢板の処分場問題が問題になったときに、指定廃棄物は福島第一原発の空き地へ持っていけ、あの敷地は広大で、三百五十ヘクタールもあって、北の部分は七号機、八号機の建設予定地で、今でもほとんど空き地なんですよ、瓦れきや伐採木などが一部置いてありますけれども、そこへ持っていけ、排出者責任だということで私が話をしましたら、賛否両論ありましたけれども、実は大熊町や富岡町の皆さんからも、福田の考えに賛成だ、こういう話が入ってきて、私はじっくり話を聞きました。

 千七百名も署名を集めた代表の方と話をしましたが、その方が何と言っていたか。福田さん、俺たちももう帰れないことはよくわかっているよ、だから早く政府が決断をしてほしい。しかも、今の東電の損害賠償では、とてもとても俺たちが第二の住みかをつくれるだけの賠償金は手に入らない。これでは、俺たち、どうしていいかわからない。したがって、ぜひ俺たちの土地をまともな値段で政府が買い上げて、我々の土地に中間貯蔵施設をつくってくれていいよ。そのときは、福田さん、栃木県の、関東地方の指定廃棄物もみんな受け入れたっていいよ、何も第一原発の敷地じゃなくていいよと、私にそう言っています。

 そういう人たちと本当に環境省は議論をしていないんじゃないですか。町長さんや町会議員、あるいは知事、県会議員とは話をしているかもしれません。しかし、本当に、これから自分たちの将来をどうしようと考えている、避難をしている人たちと膝を交えて話していますか。話していないんじゃないですか。どうですか。

小林(正)政府参考人 御指摘ございます、いろいろな幅広い意見にぜひ耳を傾けていきたいと考えているところでございますが、今の全体のプロセスは、福島県とも相談をいたしまして、どういう施設ができ、どういう影響があるか、これを明らかにするために、まずは調査をすべし、こういうことでございまして、これはもう一昨年、特に具体的には昨年の夏から、具体的に調査ということで地元と御相談をしているところでございます。

 そういう中で、施設どうこうという以前に、まず、調査を通じて具体的な中身を明らかにし、広く町民、県民の理解を深めて、その上で判断をしていこうというのが、県それから双葉郡全体の大きな方針でございまして、それに沿ってやっているということをぜひ御理解いただければありがたいと思います。

福田(昭)分科員 私も、福島の知事や町長や県会議員や町会議員が反対するのはよくわかります。だって、実際、あそこに指定廃棄物の中間貯蔵施設ができたりすると、大体そこら辺は住めなくなるわけですよ、基本的に。そうしたら、自分の町がなくなっちゃうかもしれない、福島県がちっちゃくなっちゃうかもしれない、そう考えたら、いいよなんて絶対言えませんよ、知事にしても、町長にしても。しかし、実際の県民や市民、町民の皆さんは苦しんでいるんですよ。

 もう帰れないということも、それは事故当初は、怒り心頭ですから、とんでもないと怒っていたと思います。しかし、時間がたつにつれて、彼らもよく放射性セシウムなどの勉強をしているんですよ。我々より詳しいです。とてもとても、もうこれからは住めないよと。

 この問題も次の環境委員会で詳しくやらせていただきますが、住民意向調査をやっているでしょう。それを見ればよくわかるでしょう。帰りたいという人がどこの町も一割、多くても二割ですよ、今の時点で。それこそ、今回の賠償がどんなふうになるのかとか、それから中間貯蔵施設がどうなるのか、あるいは避難指示区域、三区分に分けていますけれども、ほぼできてきたんですかね、帰還困難区域だとか。

西銘主査 時間です。

福田(昭)分科員 そういうものがしっかり決まってくれば、それぞれの、まだ決められない人たちも意思決定してくると思うんですよ。

 私に話があるのは、もう引っ越している、避難している人たち、七十代、八十代が大部分だ、早くしてくれなくちゃみんな亡くなっちゃうよ、政府の早い決断を期待する、してほしい、こう要望していますよ。

 地元の、そういう人たちと話し合う機会をぜひ持つべきだということをきょうは提案して、質問を終わります。大変ありがとうございました。

西銘主査 これにて福田昭夫君の質疑は終了いたしました。

 次回は、来る十五日月曜日午前九時より開会し、引き続き農林水産省及び環境省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十三分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.