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第2号 平成14年3月4日(月曜日)

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平成十四年三月四日(月曜日)
    午前九時九分開議
 出席分科員
   主査 栗原 博久君
      高鳥  修君    藤井 孝男君
      井上 喜一君
   兼務 谷田 武彦君
    …………………………………
   国土交通大臣       扇  千景君
   国土交通副大臣      月原 茂皓君
   政府参考人
   (国土交通省都市・地域整
   備局長)         澤井 英一君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  大石 久和君
   政府参考人
   (国土交通省鉄道局長)  石川 裕己君
   政府参考人
   (国土交通省港湾局長)  川島  毅君
   国土交通委員会専門員   福田 秀文君
   予算委員会専門員     大西  勉君
    ―――――――――――――
分科員の異動
三月四日
 第七分科員谷田武彦君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十四年度一般会計予算
 平成十四年度特別会計予算
 平成十四年度政府関係機関予算
 (国土交通省所管)


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     ――――◇―――――
栗原主査 これより予算委員会第八分科会を開会いたします。
 開会に先立ちまして、民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属の本務員に御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。
 再度事務局をして御出席を要請いたさせますので、しばらくお待ちください。
 速記をとめてください。
    〔速記中止〕
栗原主査 速記を起こしてください。
 御出席を要請いたしましたが、御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 平成十四年度一般会計予算、平成十四年度特別会計予算及び平成十四年度政府関係機関予算中国土交通省所管について、前回に引き続き質疑を行います。
 質疑の申し出がありますので、これを許します。谷田武彦君。
谷田分科員 おはようございます。自民党の谷田武彦でございます。
 幾つかの項目につきまして、順次お尋ねをさせていただきます。
 まず最初は、我が国港湾の国際競争力についてであります。
 世界の物流の主流をなす海上コンテナ輸送において、昨今、近隣アジア諸国の港湾が躍進しているのに対しまして、我が国港湾の国際競争力が低下していると言われております。
 一九八〇年のコンテナ取り扱いランキングでは、神戸港が第四位、十二位に横浜港、十八位に東京港であったものが、二〇〇〇年には、我が国は、二十位以内ではわずかに東京港の十八位だけという状況であります。それに比べてアジアは、二〇〇〇年には、一位香港、二位シンガポール、三位釜山、四位高雄、六位上海と、ずらりと上位を占めております。
 今日、アジアに就航する欧米のコンテナ航路の日本への寄港割合はどんどん減っておるのが現状であります。日本は基幹航路としてではなく、フィーダー航路としてしか位置づけられていないようであります。
 このような現状をどのように御認識いただいておるのか、大臣の御所見を承りたいと存じます。
扇国務大臣 今、谷田先生がお話しになりましたように、本来、海運王国とまで言われました日本でございましたけれども、残念ながら、今、谷田先生がお示しになりましたように、神戸が四位から二十三位と、この二十年間で下落してまいりました。また、横浜、東京、今先生のおっしゃるとおりでございます。
 少なくとも私たちは、国際海上輸送につきまして我が国が重要な位置、役割を占めなければならない、そして、今の物流の中でコンテナが多くなってまいりましたので、特に港湾の活躍というものがなくてはならないものであるということも、私も認識しております。
 このコンテナを取り扱う日本の貨物の量、着実に伸びてはいるんですね。神戸港も、震災で下落しましたけれども、少しは回復しているんです。けれども、その回復の足が遅いということでございまして、躍進します近隣のアジア諸国に比べて相対的には地位が低下しているのは、今御指摘のとおりでございます。そういう意味では、アジアと北米あるいは欧州を結ぶ航路のうち、我が国に寄港しない、そういう航路がふえております。
 残念なことに、これは、中国を初めとしますアジア地域の急速な経済成長に加えまして、我が国の港湾のコストを含めたサービスの水準が近隣のアジアの港湾に比べて低いという、これが大問題になっております。
 その意味でも、私たちは、今後、この物流コスト、またそれぞれの日本の国際港湾のあるべき姿はどうあるべきかということを基本的に考えなければならないと思いますし、また、このコストの高さというものを、いかに船を使い、そして港湾を利用するかということによって日本の物流コストというものの低下を図っていくか。そういう意味では、改めて、国際競争力を確保するということに何がどう必要かということを、私たちは今、点検し、実行しているところでございます。
谷田分科員 今大臣もお答えをいただいたところでありますが、国際競争力低下の原因の一つとして、我が国港湾のサービスや料金などにおいて、アジア近隣の港に比べておくれをとっていることが挙げられると思います。
 昨年末、ようやく港湾荷役の元日を除く三百六十四日二十四時間フルオープン化について港運労使間の合意が成立をしたと聞いております。しかし、ワンストップサービスは推進できるのか、あるいは港湾料金は低減できるのかどうか等々、問題は山積をいたしております。
 既に先般の国土交通委員会で大臣の所見が御披瀝をされたところではありますが、いま一度、これらの現状と現在の取り組み、今後の対応策についてお示しをいただきたいと存じます。
扇国務大臣 私どもは、どうすれば国際競争力を維持できるか、そのことに思いをいたしまして、船舶が入港してから貨物をおろします時間がどれくらい国際的に差があるのか、それを検証しておりますところですけれども、日本では、港へ荷物をおろしますのに二、三日かかる。これでは勝負になりません。欧米先進国では、少なくとも近隣も二十四時間というのが常識になっております。
 それでは競争力というものが、まず荷役という、荷物をおろす、何のために港に船が入ったかという原点が見直されなければならないということで、今おっしゃいました手続の簡素化。そして、今はインターネットを使って、港湾に入るときに迅速化されております。国際的に競争力を持たなければならないということで、手続のワンストップサービス、私どもはこれを図っていくということ。インターネットを利用できるようにする。また、そのインターネットを利用するときにお金がかからないようにしなければ意味がございません。
 今まで、港湾の手続の現状、NACCSで六つの省庁に関係しております。一々言うと時間がかかりますので、先生御存じだと思いますけれども。六つの省庁の中で、まず国土交通省、無料でございます。財務省が有料。そして、このNACCSは、厚生労働省も有料でございます。農林水産省もNACCSは使用料を取っております。経済産業省は無料でございます。法務省はもともとありません、無償ですから。
 そういう意味で、これも無償にしようということで、やっと財務省等々の御協力を得まして、私が一月の二十五日の閣僚懇のときに申し上げまして、これが実現の運びになりまして、無料化ということになりました。そういう意味では、私は、一歩前進したかなという感を持たないではございません。二十四時間フルオープンで、しかも料金が、インターネットも無料にして、NACCSも使用料を取らない。調べましたら、一番NACCSにお金を払っていた船会社は、一年間に大体一億円払っている会社がある。これでは国際競争力がとても追いつかないというのが現状でございましたので、これも解消することができて、結論として、二十四時間フルオープン。
 そして、なおかつ日本の港湾の諸料金が、例えばシンガポール、釜山、高雄等のアジアの主要港と競争できるようなところまでやってくるという、そこまでしなければいけないと思いますので、今後、港湾の関係者の皆さんの御努力、一致協力して、入港料ですとか岸壁使用料等の割引を、また免除措置をするというようなことまで、幅広く私たちは指導していき、また御協力を得たいと思っております。
谷田分科員 ありがとうございました。
 十四年度予算におきまして、私の地元であります名古屋港に水深十六メーターの国内最大の大水深コンテナターミナルの整備が位置づけられております。船舶の大型化と寄港地の集約化が進む中で、今後とも我が国港湾の競争力の確保を図っていくためには、引き続き大型の国際コンテナターミナルの整備が不可欠と考えられます。
 中国では、上海港を初めといたしまして、大水深のコンテナターミナルを百三十五ターミナルに、また韓国でも、釜山新港や光陽港等で二十六ターミナルにしていこうとしています。
 我が国の国際コンテナターミナルの整備状況と今後の考え方について、お答えをいただきたいと存じます。
扇国務大臣 我が国の国際コンテナターミナルの整備状況、おっしゃるとおりでございます。
 今後輸送力の効率を図ろうというそのために、コンテナ船の大型化が急速に進んでおりますので、世界の主要港におきまして水深十五メートル以上の岸壁の整備が進められておりますのは御存じのとおりでございます。
 韓国では、釜山新港ですとか光陽港では二〇〇六年までに三十六バースになる、また中国では二〇〇五年までに百三十五バースになるということも聞いておりますので、この構想に基づいて、私どもも対抗できるようにしなければならない。ごめんなさい。二〇〇六年までに韓国で二十六バースでございました。言い間違えたようでございます。
 少なくとも私たちは、これに対応できるように、東京湾そして伊勢湾、大阪湾、北部九州の四地域に、国際海上コンテナ輸送の拠点となる中枢の国際港湾を整備していきたいと思っておりますし、また、現在水深十五メートル以上のコンテナターミナルは、十四バースが供用されているのは御存じのとおりでございます。そういう意味で、今後、二〇〇五年までに二十一バースを整備しようと努力しているところでございます。
谷田分科員 現在、北九州港において公共コンテナターミナルの効率的な運営を図るために、民間の資金、経営ノウハウを活用したPFI手法が導入されていると聞いておりますが、そのねらいと現状はどのようなものでしょうか。お答えをいただきたいと思います。
川島政府参考人 世界の主要港におきまして、ハード面の施設整備にあわせて、民間の資金、経営能力等を活用した効率的な港湾運営が進められております。
 こうした状況を踏まえまして、北九州港のひびきコンテナターミナルでは、アジアの主要港に負けないコストとサービスを提供するということを目指しまして、民間の資金、経営能力等を活用できるPFI方式が導入されております。
 現在、港湾管理者であります北九州市と、シンガポール港を拠点に世界の主要港での運営を展開しておりますいわゆるターミナルオペレーターでございますPSA社、これと日本の港湾運送事業者等で構成される企業グループとの間で準備が進められております。平成十五年度の供用開始に向けて、現在準備が進められておるところでございます。
谷田分科員 ありがとうございました。
 我が国の経済の状況を見ますと、御承知のように、デフレが進行し、一方で主要製造業などが、中国を初めとする海外での生産比率を高める動きが加速化しており、産業の空洞化が懸念されております。
 資源小国であり、海外への依存率が高く、臨海部にインフラが集積している我が国におきましては、国際競争力の強化を含め、港湾機能の強化を通じた経済の活性化を図っていくべきだと思いますが、いかがでしょうか。経済産業省にもかかわる話で恐縮でありますが、大臣の御所見を承りたいと思います。
扇国務大臣 我が国の臨海部には多くの産業が集積しております。そういう意味では、今後、港湾を活用した資源の輸入あるいは製品の輸出を通じて我が国の経済発展に寄与してまいりたい、そういうふうに考えておりますけれども、今までも努力してまいりました。
 近年のグローバル化あるいは産業構造の転換の進展によりまして、臨海部においても産業の空洞化が急速に進んでいると認識しておりますので、今おっしゃいましたように、私たちは、今後、港湾、道路等のインフラを集積している臨海部において、低未利用地を活用しよう、そしてまた企業工場を再編していこう、そして付加価値の産業を創出していこう、そういうことで産業の空洞化を克服して経済を活性化させていこう、そのように考えることが一番重要であると思う。
 例えば、北九州は、いわゆる製鉄所用地を再開発として、ペットボトルですとかあるいは家電などをリサイクルする産業だとか、自動車などの高付加価値産業に新たに加えていこう。そのためには、先ほど申しましたように、国際港湾の機能の強化により高コスト構造を是正していかなければならない。あわせて、企業投資をする上で魅力ある環境をつくっていこう。それは、さっき申しました二十四時間フルオープンですとか、あるいは港湾の規制の、少なくとも手続のワンストップ化、そして港湾と幹線道路との結節をよくして、アクセスを、少なくとも十分以内に主要アクセスにつながるようにしていこう。そういう重要な魅力ある環境を整備していこう。それが臨海部において整備しなければいけない重要なことだと私たちは思っております。
 国土交通省は、それができるようになりました。今までの運輸省の港湾と道路をつくる建設省とが一つになった国土交通省ですから、今後一層国土交通省としてできることという範囲が広がってまいりましたので、よりこの改善に向けて、一本になってやれるということを自信を持っておりますので、ぜひ今後も御協力いただき、御教授いただきたいと思っております。
谷田分科員 ありがとうございました。
 次の質問に移りますが、大臣、お急ぎでしたら、どうぞ御退席をいただいて結構でございます。
 次の質問は、下水道整備についてであります。
 我が国の下水道の普及率は六二%に達しておりますが、例えば、一〇%しか普及していない和歌山県を初めといたしまして、残る地域の普及を急ぐとともに、普及が進んだ都市部におきましても、浸水対策や、特に合流式下水道の改善を進める必要があると思います。
 私の地元の名古屋市は、普及率九七%でありますが、多くが合流式であります。平成十二年九月に東京都のお台場海浜公園にオイルボールが漂着をし、水環境の悪化が顕在化したのですが、大都市を中心に全国約二百都市で採用されております合流式下水道は、汚水と雨水とを一緒の管渠で集めることから、雨がたくさん降りますと、処理できない下水が水域に放流され、水質汚濁問題を引き起こしております。
 根本的対策といたしましては、汚水と雨水を別々の管で集める分流式下水道に移行すべきでありますが、私の地元にもありますが、例えば大規模な雨水貯留施設を整備することも必要であると思います。国土交通省では、昨年六月、合流式下水道改善対策検討委員会を設置され、先月末、最終取りまとめをされたと聞いております。
 合流式下水道の改善を進めることは、良好な水辺空間を復活させるという都市再生の観点からも重要と考えますが、国土交通省として、どのような取り組みを行ってきたのか、また、今後の取り組みがどうなのか、お教えをいただきたいと思います。
澤井政府参考人 合流式下水道についてでございますが、今御指摘のとおり、我が国の下水道では、おおむね昭和五十年代以降は分流式を採用しておりますが、それ以前から実施しております名古屋市など百九十二都市においては合流式を採用しております。
 御指摘のように、昨年六月には学識経験者等をメンバーといたします委員会を設置して対策のあり方を議論いただき、先月の委員会で報告をまとめていただいたところであります。この報告を踏まえまして、合流式下水道を採用している都市におきまして改善計画を策定いただきますとともに、平成十四年度予算におきましては、計画的に合流式下水道改善事業を進める都市に対して国庫補助対象を拡充する合流式下水道緊急改善事業制度を新たに設けるなど、合流式下水道の改善対策を重点課題と位置づけて取り組んでいきたいと考えております。
 具体的な対策といたしましては、まず、当面の緊急的な対策として、ごみや汚物の流出を防止するスクリーンを設置する、あるいは汚濁負荷が特に高い降雨初期の雨水を一時貯留して降雨終了後に処理場へ送水する、そういった施設を設置する、さらには、御指摘のように、長期的、抜本的対策としての下水道の分流化など、さまざまな対策が今後必要だと考えております。また、水道水源あるいは水浴場など、重要な水域に関係するところを優先的に実施していくという観点も重要と考えています。
 このように、対策と実施箇所それぞれにつきまして、緊急度、優先度を勘案し、総合的に対策を推進してまいりたいと考えております。
谷田分科員 ありがとうございました。
 普及率が高い都市におきましても、今まで述べてまいりますように、下水道は大変多くの課題を抱えておるわけでございます。浸水対策や合流式下水道改善対策あるいは老朽化した施設の改築、更新などに、ひとつ今後とも積極的に取り組んでいただきたいと思います。下水の普及率が一〇〇%でもまだまだやることはいっぱいあるわけでありますから、どうぞ頑張っていただきたいと思います。
 時間がなくなってしまいましたので、次の質問に移らせていただきます。
 私の地元のことで恐縮でありますが、名古屋環状二号線、自動車専用部と一般部、国道三〇二号につきまして簡単にお尋ねをいたします。
 名古屋の環状二号線は、東南部がまだ整備がされておりません。御承知のように、二〇〇五年には愛知で日本国際博覧会、愛知万博が開催をされるわけでありますが、この名古屋環状二号線は、その万博会場への主要なアクセス道路となるわけでございます。これは掘り割り方式でおつくりをいただくわけでございまして、大変工事に時間がかかることは承知をいたしておるわけでありますが、御承知のように、一時ちょっといろいろなことがあってストップをかけられたような状況もございまして、果たしてこの環状二号線の整備が万博に間に合うのであろうか、地元は大変心配をいたしておるわけであります。
 時間もどんどん迫ってまいりましたので、ひとつこのあたりで、本当のことと申しますか、どのようなめどを持っていらっしゃるのか、お示しをいただきたいと思います。
大石政府参考人 名古屋環状二号線は、地域の生活を支える幹線道路でございます。早期整備が必要であるという認識は先生と同じでございます。
 名古屋南から高針間十二キロメートルにつきましては、一月末現在で必要な用地の九九%について取得済みあるいは契約済みでございまして、一部区間につきましては工事に着手いたしたところでございます。
 当該区間につきましては、今お話がございましたように、愛知万博までの開通が強く要望されているということはよく認識いたしておりまして、今後とも、残る用地の確保と、これは残件は約六件でございますが、工事の順次着工に努め、万博に間に合わせるよう努力したいと考えてございます。
 しかしながら、用地残件に含まれる物件には、大型補償物件、工場等に係るものがございまして、これの交渉状況や現在の工事着手状況等を勘案いたしますと、平成十七年三月二十五日と予定されております愛知万博までの供用はかなり厳しい状況であると認識をいたしております。
 今後、用地取得及び物件の収去に努力するとともに、工期の短縮に資する工法上の工夫などを図ることにより、一日も早い供用に向けて事業の展開をしてまいりたいと考えております。
谷田分科員 万博に間に合わせたいんだけれどもなかなか厳しいよというお答えで、もっと率直に言っていただくと、まあ、ここで断定をしていただくわけにはいかないんでしょうが、間に合わない危険性はかなりあるよというふうに認識をしていいんでしょうかね。これはこれ以上聞きませんが、今の時点では、ひとつ一日も早い整備をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。
 次に、歩道上におけるオープンカフェについてお尋ねをいたします。
 名古屋には、若宮大通り、そして久屋大通りという二本の百メーター道路がございます。特に久屋大通りというのは、これはとても歩道が広うございまして、大変立派な道でありますが、ただ、ここには残念ながらふだんは放置自転車がずらりと並んでおりまして、とても有効な道路活用がされているとは言えないわけであります。
 そこで、名古屋市は、新しい取り組みといたしまして、一時的にではございますが、秋の名古屋祭りに合わせまして、歩行者休憩施設としてオープンカフェを歩道上に設置いたしました。お手元に写真がお配りをしてあります。ちょっとごらんになりにくいと思いますが、上の方が通常の状況、これは自転車がたくさんありますね。下の方が、実際に設置をし、市民の皆さんに御利用いただいておるところを写真に撮ったものであります。
 ただ、このオープンカフェにつきましては、現行の道路交通法に違反するよということで警察からクレームがつきました、道路上には道路附属物として固定したものでなければならないと。それで、笑い話なんですが、テーブルをガムテープでとめたりして、これは本当の話なんですよ、ちょっと、柔軟な対応をしたようなこともあったわけでありますが、市民の皆さんは大変喜んでいただきました。非常にいい反応があったわけであります。
 道路を有効利用し、なおかつ市民に喜んでもらえる試みとして、できればイベントににぎわいを求めるための一時的な設置だけではなくて、今後恒常的にやっていきたいと希望しておるわけであります。
 愛知県警は、本庁は本庁同士で、地方は地方同士で協議をすればよいと言っていらっしゃるわけでありますが、国土交通省と警察庁との協議というのは果たしてあったのかどうか。もしあったとするならば、その内容はどのようなものなのか。
 名古屋市に対しましては、国土交通省は、道路管理者が判断すればいいことだと言って、ある意味では大変御支援をいただいておるわけでありますが、国土交通省としての御見解をお示しいただきたいと存じます。
大石政府参考人 道路に一定の物件を設け、継続して道路を使用しようとする場合には、道路管理者の許可が必要でございます。例えば、今お話がございましたように、イベント等の際の道路上へのオープンカフェの設置につきましても、法令等による一定の基準を満たし、道路の構造または交通に支障を及ぼすおそれがないと認められる場合には、個別の事案に即し、その設置が認められるものと考えております。このように、道路法の精神は消極でございます。
 しかしながら、先生の御指摘にございましたように、道路を町中の公共空間として地域の方々に積極的に提供し、御利用いただき、町のにぎわいを取り戻していただく、あるいはそのために活用していただくというのは極めて貴重な御意見というように認識いたしておりまして、道路の構造と円滑な交通への影響というものは当然考慮する必要がございますが、今後、公安委員会、警察庁など、関係省庁とも協議しながら、先生の御指摘を踏まえ、前向きに検討してまいりたいと考えてございます。
 中央省庁同士で協議があったのかということにつきましては、我々の段階では、今のところ十分な協議があったとは認識いたしておりませんで、今後そのような精神で省庁間で協議したいと考えております。
谷田分科員 大変前向きなお答えをいただきまして、満足をいたしております。どうぞよろしくお願いをいたします。
 それでは、最後の質問に移りますが、リニア中央新幹線についてお尋ねをいたします。
 中央新幹線は、我が国の高速交通ネットワークの一つのかなめとなる路線でございまして、超電導磁気浮上式リニアモーターカーの導入路線として大きな期待が寄せられておるところであります。
 実は、名古屋市も毎年のように予算要望でこのリニア中央新幹線を取り上げさせていただいておるわけでございまして、中には、中枢機能を名古屋市内に設置してくださいとか、あるいは中央新幹線の名古屋駅は現在の名古屋駅の近くにつくってくださいとか、かなり先走った御要望までさせていただいておるわけでありますが、どうも聞いておりますと、まだ実験線自体も完全にできていない、半分以下のところでまだ実験をしておるというような状況だそうでございますが、果たしてこのリニア中央新幹線が近い将来実現をしていくのであろうかどうか、大変な危惧を抱いておるわけであります。
 そこで、今日どのような状況にあるのか、今後の展望はどのようなものなのか、お教えをいただきたいと思います。
石川政府参考人 リニア中央新幹線でございますけれども、二つの側面がございます。
 一つが、いわゆる中央新幹線としての側面でございます。中央新幹線につきましては、現在、全国新幹線鉄道整備法に基づきまして、基本計画路線として定められてございます。これに従いまして、現在、地形、地質等の調査を実施中ということでございます。
 それからもう一つ、リニアという観点で申し上げますと、リニアモーターカーの技術実験、技術開発ということにつきましては、平成九年四月から山梨のリニア実験線で走行試験を開始してございます。これにつきましては、有人による最高速度五百五十二キロ、二編成によるすれ違い相対速度千三キロというスピードを達成してございます。
 平成十二年三月の実用技術評価委員会におきまして、平成九年から三年間の走行実験などの実用技術評価というものが行われまして、「長期耐久性、経済性の一部に引き続き検討する課題はあるものの、超高速大量輸送システムとして実用化に向けた技術上のめどは立ったものと考えられる。」という評価をいただいております。
 つまり、長期耐久性あるいはコスト低減、これらの問題が残されております。これらの残された課題を克服するために、引き続き山梨実験線において走行実験を行っているところでございます。
谷田分科員 ありがとうございました。
 このリニア中央新幹線は、私の名古屋にとりましては、二十一世紀の国土のグランドデザインで位置づけられております先端的産業技術の世界的中枢、地域の中核都市としてその役割を果たしていくために必要不可欠な路線であります。そして、それとともに、災害に強い国土づくりが緊急な課題となっております中、万一、災害のときには、これは東海道新幹線にかわる路線としてぜひとも整備しなければならないものだと思います。ぜひとも、この早期実現に向けて今後とも御努力をいただくよう、お願いをしたいと思います。
 ちょうど時間になりました。以上で私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
栗原主査 これにて谷田武彦君の質疑は終了いたしました。
 この際、暫時休憩いたします。
    午前九時四十五分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時開議
栗原主査 休憩前に引き続き会議を開きます。
 民主党・無所属クラブ及び社会民主党・市民連合所属の本務員の御出席が得られません。やむを得ず議事を進めます。
 他に質疑の申し出がありません。
 これにて本分科会所管の審査はすべて終了いたしました。
 これにて散会いたします。
    午後五時一分散会


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