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第1号 平成15年5月19日(月曜日)

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本分科会は平成十五年五月七日(水曜日)委員会において、設置することに決した。
五月十六日
 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。
      石田 真敏君    植竹 繁雄君
      谷  洋一君    津島 恭一君
      宮路 和明君    古川 元久君
      松崎 公昭君    山口わか子君
      江崎洋一郎君    保坂  武君
五月十六日
 宮路和明君が委員長の指名で、主査に選任された。
平成十五年五月十九日(月曜日)
    午前十時一分開議
 出席分科員
   主査 宮路 和明君
      石田 真敏君    植竹 繁雄君
      津島 恭一君    大島  敦君
      川内 博史君    牧野 聖修君
      松崎 公昭君    山口わか子君
      江崎洋一郎君    保坂  武君
   兼務 赤羽 一嘉君 兼務 福島  豊君
   兼務 佐藤 公治君 兼務 山田 正彦君
   兼務 児玉 健次君
    …………………………………
   国土交通大臣       扇  千景君
   国土交通副大臣      吉村剛太郎君
   国土交通大臣政務官    高木 陽介君
   会計検査院事務総局第三局
   長            船渡 享向君
   政府参考人
   (警察庁交通局長)    属  憲夫君
   政府参考人
   (総務省自治財政局長)  林  省吾君
   政府参考人
   (経済産業省大臣官房審議
   官)           市川 祐三君
   政府参考人
   (中小企業庁事業環境部長
   )            斉藤  浩君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 安富 正文君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房官庁
   営繕部長)        春田 浩司君
   政府参考人
   (国土交通省総合政策局長
   )            三沢  真君
   政府参考人
   (国土交通省河川局長)  鈴木藤一郎君
   政府参考人
   (国土交通省道路局長)  佐藤 信秋君
   政府参考人
   (国土交通省住宅局長)  松野  仁君
   政府参考人
   (国土交通省自動車交通局
   長)           丸山  博君
   政府参考人
   (国土交通省海事局長)  徳留 健二君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  洞   駿君
   政府参考人
   (国土交通省北海道局長) 村岡 憲司君
   政府参考人
   (環境省環境管理局長)  西尾 哲茂君
   政府参考人
   (住宅金融公庫総裁)   望月 薫雄君
   決算行政監視委員会専門員 小林 英紀君
    ―――――――――――――
分科員の異動
五月十九日
 辞任         補欠選任
  古川 元久君     大島  敦君
  松崎 公昭君     川内 博史君
  山口わか子君     中川 智子君
同日
 辞任         補欠選任
  大島  敦君     牧野 聖修君
  川内 博史君     松崎 公昭君
  中川 智子君     重野 安正君
同日
 辞任         補欠選任
  牧野 聖修君     古川 元久君
  重野 安正君     山口わか子君
同日
 第一分科員赤羽一嘉君、福島豊君、第二分科員佐藤公治君、山田正彦君及び児玉健次君が本分科兼務となった。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 平成十三年度一般会計歳入歳出決算
 平成十三年度特別会計歳入歳出決算
 平成十三年度国税収納金整理資金受払計算書
 平成十三年度政府関係機関決算書
 平成十三年度国有財産増減及び現在額総計算書
 平成十三年度国有財産無償貸付状況総計算書
 〔国土交通省所管及び住宅金融公庫〕


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     ――――◇―――――
植竹主査代理 これより決算行政監視委員会第四分科会を開会いたします。
 主査所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。
 本分科会は、法務省所管、国土交通省所管及び住宅金融公庫についての審査を行うことになっております。
 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。
 平成十三年度決算外二件中、本日は、国土交通省所管、住宅金融公庫について審査を行います。
 これより国土交通省所管、住宅金融公庫について審査を行います。
 まず、概要説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
扇国務大臣 国土交通省所管の平成十三年度歳入歳出決算につきまして、概要を御説明申し上げます。
 まず、一般会計につきまして申し上げます。
 収納済み歳入額は四百七十三億三百万円余、支出済み歳出額は九兆一千七百七十億八千六百万円余。
 次に、特別会計について申し上げます。
 まず第一に、自動車損害賠償責任再保険特別会計でありますけれども、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は二兆九千六百七十三億五千九百万円余、支出済み歳出額は五千七百二十五億七千万円余。
 第二に、道路整備特別会計でございます。収納済み歳入額は五兆九千三百二十八億七千五百万円余、支出済み歳出額は五兆四百十一億四千九百万円余。
 第三に、治水特別会計でありますが、治水及び特定多目的ダム建設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は二兆一千八百五十億九千三百万円余、支出済み歳出額は一兆八千八百三十九億八千万円余。
 第四に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は五千五百十五億三千万円余、支出済み歳出額は五千百一億一千五百万円余。
 第五に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済み歳入額は六百四十九億八千三百万円余、支出済み歳出額は四百八十四億二千六百万円余。
 第六に、都市開発資金融通特別会計でありますが、収納済み歳入額は千四百二十三億千三百万円余、支出済み歳出額は一千六十一億千五百万円余。
 第七に、空港整備特別会計でありますが、収納済み歳入額は五千五百八十八億九千四百万円余、支出済み歳出額は五千二百八十億九千八百万円余。
 第八に、財務省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち国土交通省所掌分でありますが、支出済み歳出額は四百四十一億二千六百万円余となっております。
 なお、詳細につきましては、お手元に配付してあります平成十三年度決算概要説明書をごらんいただきたいと存じます。
 何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。ありがとうございました。
植竹主査代理 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院船渡第三局長。
船渡会計検査院当局者 平成十三年度国土交通省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。
 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項十三件及び本院の指摘に基づき当局においてその改善の処置を講じた事項三件であります。
 まず、不当事項について御説明いたします。
 検査報告番号二二八号は、夕張シューパロダム建設事業に伴います移転補償額の算定に係る業務委託契約におきまして、実施されていない業務について委託費を支払っていたものでございます。
 同二二九号は、公営住宅家賃対策補助金の経理におきまして、近傍住宅家賃の算定等を誤っていましたため、補助金が過大に交付されていたものでございます。
 同二三〇号は、河川局部改良事業におきまして、設計が適切でなかったため、橋台等の所要の安全度が確保されていない状態になっているものでございます。
 同二三一号は、特定優良賃貸住宅等家賃対策補助金の経理におきまして、入居者負担基準額の算定等を誤ったため、補助金が過大に交付されているものでございます。
 同二三二号は、公営住宅整備事業費補助金の交付額の算定が適切でなかったため、補助金が過大に交付されているものでございます。
 同二三三号は、通常砂防事業におきまして、設計が適切でなかったため、床固め本体の所要の安全度が確保されていない状態になっているものでございます。
 同二三四号は、流域関連公共下水道事業におきまして、水路工の材料費等の積算を誤ったため、工事費が割高となっているものでございます。
 同二三五号は、流域関連公共下水道事業におきまして、施工が設計と相違していたため、通水管の所要の安全度が確保されていない状態になっているものでございます。
 同二三六号は、離島港湾事業におきまして、コンクリートブロックの海上運搬、仮置き工費等の積算を誤ったため、工事費が割高となっているものでございます。
 同二三七号は、道路災害復旧事業におきまして、現場吹きつけのり枠工費の積算を誤ったため、工事費が割高となっているものでございます。
 同二三八号は、タクシーの運行管理、配車システム整備事業におきまして、システム機器をリース契約により借り受けていたため、補助の対象とならないものでございます。
 同二三九号は、職員の不正行為による損害が生じたもので、国土交通省近畿地方整備局福知山工事事務所におきまして、用地課の係長が、用地の取得及びそれに伴う補償の事務、並びに収入印紙保管事務に従事中、補償費及び収入印紙を領得したものでございます。
 同二四〇号は、夕張シューパロダム建設事業に伴う鉄塔の移転補償契約の実施に当たりまして、鉄塔の地中部分が撤去されていないのに、補償額全額を支払ったものでございます。
 次に、本院の指摘に基づきまして当局におきまして改善の処置を講じた事項について御説明いたします。
 その一でございますけれども、道路管理データベースシステムのデータ更新業務に関するものでございますけれども、その実施に当たりまして、道路施設の基礎データの収集作業及びデータシートの作成作業に係る業務につきましては、工事に係る契約とは別の契約で実施しておりましたけれども、工事契約に含めて経済的に実施することといたしますれば、データ更新業務費が節減できたと認められました。これについて指摘したところ、改善の処置がとられたものでございます。
 その二でございますけれども、道路事業の実施におきます公共施設等の移設補償費の算定に関するもので、その算定に当たりまして、事業主体が実際に移設に要した費用を上回る設計金額を復成価格としていたり、財産価値の減耗分を控除しないこととしていたりなどしていたために、補助対象経費が過大になっていると認められました。これについて指摘いたしましたところ、改善の処置がとられたものでございます。
 その三は、空気調和機器の更新工事に係る委託事務の範囲及び委託費の積算に関するものでございまして、航空機の騒音により生ずる障害が著しい区域内の住宅等に設置された空気調和機器を更新する工事を行うに当たりまして、更新要件を満たしているかということの判定等の事務を委託する場合の内容等につきまして明確にしていなかったため必要のない建築平面図等の作成を業者に行わせておりましたり、調査員の労務単価や編成を過大にしていたりなどしておりまして、委託費の積算額が過大になっていると認められたわけでございます。これについて指摘いたしましたところ、改善の処置がとられたところでございます。
 以上をもちまして概要の説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
植竹主査代理 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。扇国土交通大臣。
扇国務大臣 ただいま御指摘ございましたように、平成十三年度の決算におきます会計検査院の御指摘に対しまして国土交通省のとりました措置について御説明を申し上げたいと存じます。
 所管事項に係ります予算につきましては、その適正な執行を図るように常に努力しているところでございますけれども、平成十三年度の決算検査報告におきまして、移転補償契約の履行確認が適切でなかったもの、あるいは積算が過大となっていたものなど、御指摘を受ける事態を生じましたことはまことに遺憾でございます。
 御指摘を受けましたその事項につきましては、速やかに手直し等を行いまして、または国庫補助金を返還させるなどの措置を講じたところでございます。さらに、指摘に係る関係の機関等に対しましては、関係法令の遵守、そして設計審査の徹底、施工の厳正な監督・検査の実施等になお一層努めるように通達を発することなど、注意を喚起したところでございます。
 今後とも、このような御指摘を受けることのないように指導を一層徹底し、事業の適正かつ効率的な執行を図ってまいりたいと存じております。
 以上でございます。
植竹主査代理 この際、お諮りいたします。
 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
植竹主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
植竹主査代理 以上をもちまして国土交通省所管、住宅金融公庫についての説明は終わりました。
    ―――――――――――――
植竹主査代理 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤公治君。
佐藤(公)分科員 自由党の佐藤公治でございます。
 本日、このような時間をいただきましたことを心から感謝申し上げたいと思います。
 扇大臣におかれましては、私ども地元の声を、また現場の声を聞いていただき、前向きな御答弁等をいただけたらありがたいと思います。
 本日は、何点かございますけれども、まず一点は、本四の件でございます。
 私は、まず本四に関して、いろいろと社会全体、国会でも議論がありますが、心からまず感謝を申し上げたいと思います。私ども地元におきましては、本四があるがために、本当に生活が楽になり、便利になり、地元の私たちは大変喜んでいる。そういう中で心から感謝を申し上げ、また別の観点から見れば、本四のおかげで日本における橋梁の技術というものが世界に誇れるものになった、こういったいい部分もやはり考え、認めていくことも、私は、違う側面からは非常に大事なことだと思います。
 その本四に関して、地元のことでかなり細かくなる部分がありますので、扇大臣にはわかりづらい部分もあるかと思います。しかし、ここら辺のあたりを担当局長等に答弁をいただき、そして、全体を見ていただく中で大臣の御答弁を賜れればありがたいと思います。
 なお、委員長、一つお願いがあるんですけれども、ちょっとわかりづらいと思いまして、私、写真を用意してきましたので、大臣に一応これをお渡しさせておいていただければありがたいと思います。
植竹主査代理 結構です。お渡しください。
佐藤(公)分科員 まず一点目としまして、私ども、この本四に大変感謝をし、日常の生活においても便利さを感じながら生活させていただいております。その中で、私の地元でございます尾道市向島というところに二番潟という交差点がございます。ここにおいて、現状使われていない仮設出口、工事用に設置されたランプがあり、この出口、これはもう私がお話しするまでもなく、皆さん御存じのように、愛媛県因島の方から尾道に向かってくるに際しての仮設出口が、当初、工事中に使われておりました。これが今閉鎖をされているわけでございますけれども、端的に言っちゃいますと、この出口のランプを、仮設出口を何とかあけたい、あけていきたいという地元の声を受けて、きょう聞かせていただきたい。何とかこれをあけてもらうことを私たちとしては望んでいるわけでございます。
 しかし、今、本四公団、また国土交通省等、個々にある程度話をしていく中で、これが絶対にあけられない、あけにくいということで話が停滞をしている部分がございます。根拠に関して私も幾つか聞いておりますけれども、どれを聞いても、私自身、また地元の住民にとって納得しがたいものがあることは事実でございます。そしてまた、行政関係に私も聞いても、みんな希望している部分がある。ただ、はなからみんな、国土交通省もしくは本四の方に言ったとしても、これは聞き入れてもらえないんじゃないか、そういう、もう最初からあきらめの気持ちでいながら今日まで時間が経過したことがございます。
 これに関して単刀直入に言わせていただければ、何とかあけていただき、地元の経済、そして住民の利便性を図った上での本四の新たなる交通体系をつくっていただきたくお願い申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
佐藤政府参考人 先生御指摘の出入り口というのは、旧向東の出入り口のことかと思います。因島大橋を供用する際に、島の中の三百十七号の交通渋滞が懸念されたということで、その緩和を図るという観点から、将来撤去する、こういう形で地元自治体の同意を得た上で、向島インターから二番潟の交差点までの本四道路の建設区間を延伸して、先生御指摘のように、工事用道路を少し一般に使えるようにして、仮出口として昭和五十八年の十二月に設置、供用した、こういう経緯がございます。
 その後、平成十一年の五月に新尾道大橋の供用ができる、こういうことになりまして、本四間の交通は、島内に流入することなく本四道路を直接通過することになりましたので、一般国道の三百十七号の渋滞のおそれがなくなった、こういう観点から、地元に事前に廃止の通知を行って向東の出入り口は閉鎖した、こういう経緯でございます。
 この旧の出入り口を再び開放する、この場合には新しい料金所が必要となる、こういうこともございまして、普通の料金体系といいますか、にさせていただくとすれば、用地の追加買収とか料金所の設置、それから料金徴収も含めました維持管理費、こうしたもので約二十五、六億円の費用がかかる、こう見込まれておるわけでございます。
 御存じのように、本四公団につきましては、平成十三年度において当期の損失金が発生しまして、大幅な債務超過に陥っていた、こういう事情もございまして、今般、有利子債務の一部を切り離していただいて、国の道路特定財源、自動車重量税で早期処理を行うことにした。平成十五年の三月に策定しましたコスト削減計画におきましても、管理費を平成十七年度まで二二%削減しよう、さらに定員も、平成八年度末に比べますと四二%の削減、こうした大変厳しい経費の削減努力をしている、こういう事情もございます。
 したがいまして、こうした状況の中で、これからも良好な経営になるように努力をする、こういう必要がございますので、大変厳しい問題ではあるというふうには考えておりますが、地元の公共団体等と、要請があった段階で、費用負担も含めましていろいろな検討を進めてまいりたい、こんなふうに思っているところでございます。
佐藤(公)分科員 もう一度局長の答弁を確認させていただきますけれども、今、地元の要請があればそれは前向きに考えられるというような御答弁にとってよろしいんでしょうか。
佐藤政府参考人 ただいま申し上げましたように、用地の追加買収であるとか、それから料金所の設置、これが、普通の料金体系で考えますと大体二十五億円ぐらいはかかるであろう。それから、年間の、料金徴収も含めました維持管理費を考えますと約一億円ぐらいはかかるんではないか。これは詳細に設計したりしないとわからぬわけではございますが、こういう状況の中で、本四公団がそれを負担するということは、はっきり申し上げて極めて厳しい。したがいまして、こうした費用負担の問題も含めて、地元の要請等検討事項があれば、私どもとしてもそうした要請には、検討しましょう、こういうことは考えたいと思いますが、何分これだけの費用負担というのはなかなか厳しい問題である、こういうふうに認識してはおります。
佐藤(公)分科員 今局長がおっしゃられたのは、まさに今までの行政のあり方の中での四角四面な御答弁だったと思います。実際二十五億円の経費がかかる、今債務超過を本四の方がして、財政的措置で問題が多く積み重なっている、それを考えていけば、まさに局長の答弁はそのとおりかと、もちろん思います。
 しかし、お金のこと、やり方、料金体系、料金所設置場所、こういったものをお金をかけずにできる方法論が幾つかアイデアとしてあり得ると思います。そういったことも議論しているかどうかは私はわかりません。しかし、まず第一点に、私もずっとこの件に関して話をしてきて、料金体系の上で料金所を新たに設置しなきゃいけないというようなことが話としてよく出ますけれども、なぜ料金体系というもの、その根拠、そして、設置をしなくてはいけないその理由をもう少し明確にお述べ願えればありがたいと思います。
佐藤政府参考人 多分先生御指摘のお話は、料金所を設置せずに、向島インターの本線料金所で、次のインターである尾道までは、現在六・六キロで三百円いただいている、これを、途中、今のお話の、仮インターとして使っておりました二番潟交差点までで同一料金を取ることにすると施設整備が簡易にできるではないか、こういうお話かと思います。
 この場合には、約三キロでございますので、六・六キロと三キロの料金を同時に同じ料金で三百円いただく、こういう形にせざるを得ない。それが、お使いいただいておられる皆様の、これはずっと長い間続くものですから、どれだけの御理解がいただけるか。現在は、向島のインターでおりて三百十七号をお使いいただくと、多少遠回りですが、実態としては出入りができる、こういう形になっておりますので、それが多少ショートカットできるという点について、尾道までと同じ料金の三百円をいただき得るか、こういう御議論がまたあります。
 その辺も含めて地元がどんなふうに、利用者の皆様、それから、先ほど申し上げましたように、やはり公共団体がどういうふうな考えで、どんな提案をなさるか、こういった点も大事なことかと思いますので、提案があれば、要請があればまた検討をする、こういう形で考えてまいりたいと思っております。
佐藤(公)分科員 局長がおっしゃられたのは、まさに対距離における料金設定ということがあるから、三百円というので早くおろしてしまったら、百円分しか走っていないじゃないかということで、ある意味で不公平が生じる、こういうお話だったと思います。
 しかし、自分たちが思うことは、これは乗った人たちの選択ではありませんでしょうか。三百円というのは、これはその分損をするから、それだけ、百円分しか走っていないんだからそれは出せない。これはあくまでも皆さん方、国土交通省なり本四の方の押しつけ的な考え方であって、利用者の選択によって、極論から言えば、二百円をむだにしてもここでおりたいというんであればおろしてあげる。そして、まさに本四公団の目的というのは、もう私が言うまでもなく、御存じのように、本州―四国間の交通の円滑化を図り、瀬戸内海地域の地域振興を支え、国土の均衡ある発展と国民経済の発展に資することを目的としている。これがあくことによってどれだけみんなが便利になり、また、どれだけ経済の活性化があり得るのか。
 私は、この二番潟、向東の斜め前に住んでいる住民です。大体週一回ここで街頭を毎週やっている、ここの現場の状況はだれよりも私はわかっているつもりでおります。その人間、そして地元の人間が、ここをあけてくれることがやはり地元経済にとっても非常にありがたい。
 まず一点は、選択だということで、何も、例えば料金所等つけなくても、そこでおろしてあげること、これは僕は、今、現行法でも可能だと思っております。
 そしてもう一つ、では、もしもその分損をしているんであれば、それは不公平じゃないかというんであれば、例えば、その前にある料金所で領収書または通行チケットを発行して渡すことによって、そこでおりた人間は旧尾道大橋を使っても尾道に入れる。その旧尾道大橋の通行料を無料にしてあげる。普通車でいえば百五十円でございます。二百円分の百五十円、残り五十円分に関しては、延伸部分の利用を先取りしているという形でも結構だと思います。
 いろいろな料金体系が考えられる中、また、皆さん方の思いを、その考えを、形を変えて、知恵を絞れば幾らでも私はできると思います。ただ、それを、今までの行政のあり方、法律のあり方、考え方で四角四面に考えたら局長のおっしゃられるような答弁になるかもしれませんが、そこは知恵次第によっては、本四がお金を払わずとも全体がうまく回るような仕組みがつくれるはずでございます。そういった検討すらも最初から私はなかなかしていただけなかったと、ここ二年間思っております。いかがでしょうか、局長。
佐藤政府参考人 今の先生のお話の、簡易な料金体系といいますか、簡易な整備でいろいろな料金体系を考えながら、こういう御議論で申し上げますと、多分必要になるのが、向東のバスストップは多少移設をする、それから減速車線長を確保する必要がある、あるいは予告標識の設置、こういったようなことをいろいろやりまして、やはり費用的には一億五千万円ぐらいは必要になるかな。そして、旧尾道大橋の方は、広島県の道路公社の方で現在管理、供用しているわけでございます。
 そういう意味では、先ほども申し上げましたように、地元の意向というものを、町あるいは市それから県が、公共団体が十分おまとめになりながら、それぞれの役割分担といいますか、こんな形でどうだろう、あんな形でどうだろう、こういうような御提案があった場合に、さてそれでは、こういうことで御検討させていただくようなことになるのかな。
 もともとこうした体系自体は、昭和五十四、五年ごろに、仮の出入り口ではあるが、将来的には、こうした形で、撤去した上で簡潔な体系にしていこうということでやってきたわけでございます。そういう意味では、また公共団体の方で地元の御意向をいろいろおまとめになりながら、御提案があれば、私どもとしてもその検討はするにはやぶさかではない、こういう形になろうかと思っております。
佐藤(公)分科員 まず、具体的な理由としてバス停の移行ということを局長おっしゃいましたけれども、もうこれは写真を見ていただければわかると思います。今現状、バス停において、減速車線ということ、もしくはバス停車線ということで、ちょうど二車線になっております。ちょうどその部分が出口と重なっている。そして、出口の先にバス停があるわけでございます。私は、交通体系上、現状の多少のバス停の移動、それこそ五メートル、十メートル先に動かすだけで十分機能的には安全確保もできるような状況であり、今現状のものをフルにほとんど使ってクリアすることは可能だと思います。
 そういう意味で、安全基準等々、いろいろと公安の関係もあるかもしれませんけれども、現状を見る限りでは、すべて、お金をそんなにかけずしてここをあけることができる。そして、今、県の方で古い尾道大橋は所有をしているわけでございますけれども、ここにおいて、早くおりる方々に領収書もしくはチケットということで、県の方の所有する尾道大橋の方でそれをきちんと受け取り、ただで通し、後で本四の方にそれを請求したことでの百五十円なり二百円のバックということであれば、十分つじつまが通る話になると私は思う部分があります。
 そうしていただけると、実際、今、向島、松山の方から来た車は、延伸部分を使って尾道の北の方から上って、そしてまた下がってこないと尾道市内には入れません。これをあけていただき、そして今の通行体系の新たな料金におけるチケット制等をとらせていただければ、尾道におきましては二方向からの入る入り口ができ上がる。そして、これは本四だけではなくて、ここには渡船が三カ所、四カ所はございます。渡船も利用して、再度領収書によって請求をして、本四とのやりとりによっていろいろな形での尾道に入る入り口を協力してつくらせていただければ、尾道、私ども地元にとっても大変な経済効果を生む、そして渋滞もなくなっていくことに私はなると思います。
 これに関しては、私は、条件がある程度提示をされたのであれば、地元住民、市町村長、県とも一緒になって動く、その条件提示をある程度しながらそれを組み立てていきたいと思っていたんですけれども、なかなかその条件の一歩も出てこないような状態で今日まで来ておりました。こういう部分が、まさに今までどおりのお上主導型のやり方であると私は思います。
 やはり地元住民、経済を大事に、もう少し親切丁寧にしていただければありがたく、前進を期待いたしたいと思いますけれども、今の一連の流れの話を聞かれて、扇大臣、いかがでございますでしょうか。ぜひとも私どもの要望を聞き入れていただき、前向きに検討していただき、後押しを願えればありがたく、私の地元でも扇大臣の大変根強い人気がございますので、その人たちを裏切ることなく、どうか強い後押しを願えればありがたく、お願い申し上げたいと思います。
扇国務大臣 御支援いただくのは結構なんです。それとこれとは別でございまして。
 やはり、少なくとも、全国道路公団四十路線、その中で採算がとれているところというのは五路線しかないんですね。そして、今苦しんでおります。まあつくれつくれと言って、ありがたいことには、全国九千三百四十二キロつくろうという図面はできていますけれども、現段階でまだそこまで至っていない。
 そして他方では、世論調査をしますと、全国世論調査、六〇%の人はもう高速道路要らないと言う。何で六〇%かというと、六〇%引いているんです。できているところの人は要らない。できていないところの四〇%の人は要る。それは当然ですよね。
 そういう、やはり今後、残りの四〇%というものはすべからく採算性が見込めない。けれども、政治的判断でつくりなさいとおっしゃったら、その赤字はどうするのかということで、今大問題で、四公団の見直しをしております。
 ただ、本四だけは残念ながらもう工事ができ上がっていますから、私は、他の三公団と違って、本四はでき上がったものをいかに大事にするか。つくっちゃったものはしようがないんです。三本むだだと私も一時は思いますよ。政治的に二本つくって、真ん中の部分をまた後で、四国一巡の高速道路をつくって、それからでもよかったじゃないか。三本を同時にしなきゃいけなかった理由はどこにあるのか。それは政治判断だとおっしゃれば、私は、政治によって便利になった部分と、むだ遣いだと言われる、あらゆる野党から指摘されますけれども、できちゃっているものを壊すわけにいきませんし。
 くしくも佐藤議員が冒頭におっしゃいました、あの本四の技術、これは世界一です。どこの外国の大統領がいらしても、首相がいらしても、本四をお見せして渡ってみると、すばらしいとおっしゃいます。それほどの技術を、三本むだだけれども、技術はできた。それを世界じゅうに今度発信できるように、いかに赤字でも本四の技術だけは維持していかなきゃいけない。それが財産として残っているんですから。むだはむだかもしれません。赤字でもあります。けれども、できたものに対する技術だけは厳然として日本の財産として残すことが、赤字の中でも唯一の日本のメンツだと私は思っています。
 そういう意味では、本四を最大限利用しようという、また、佐藤議員が今、因島から尾道等々お話しになりました。私もかつて行ったこともありますし、全国区ですから、かなり知っています。お父様の時代からこれはわかっております。けれども、一々のバス停をどうするかというところまでは私が周知するところではございませんけれども、今この写真を拝見しまして、私は、余りにも、二車線なのにバス停が近過ぎるなという、これは素人考えですよ、ぱっと見ただけで、現場が今、私、想像できませんけれども、写真で拝見したところでは、バス停が余りにも近過ぎて、しかも、三車線あればまだいいですけれども、二車線しかないということでは、私は、安全性という面ではぜひ専門家の、道路局長も答えましたけれども、それよりも何よりも、地方自治体の皆さん方がどのように判断されるか。三百円払って、後で五十円分どうこうとおっしゃいますけれども、それが果たして、その手間暇でどれだけ経費がかかるか、そういうことを自治体がちゃんと保証するかということになりますと、これはまた話が別でございます。
 今すべて、何でもむだだと言われておりますので、採算性、便利性、全部がいかにうまくいくか、それをもう少し詰めていただきたいと思っています。
佐藤(公)分科員 今、前向きな答弁をいただいたと私はとらせていただいておきます。
 今までなかなか進まなかったことでも検討の余地があるというように、また、地元の声がきちんとあればそれなりに検討の余地があるというふうにとらせていただきますけれども、大臣、今大臣がおっしゃった本四に関して僕も感謝しているんですよ。技術的にはこれは世界でも大変なものを持っている。これを有効活用していく。これは全然賛成です。それはもう大臣のおっしゃること、全くそのとおりでございます。
 そして、これに関しても、むだなものをつくるというんじゃなくて、地元のためにできる。しかも、これは経済的に、ここの部分の費用負担に関しては地元が負担をして、お金をかけないように、本四に迷惑をかけないような形も十分条件としてあり得ると思います。それぐらい地元が負担しても、僕はこれは有意義なものだと思います。それすらも入り口へ入れさせてもらえなかったんですよ、今まで。ここは僕はおかしいんじゃないかと思います。そこら辺の話し合いを今後ぜひともまた地元の方々ともさせていただきますので、お願いいたしたいと思います。
 確かに、バス停は近いという大臣の御指摘もありましたけれども、これは実際何回もそこを歩いてみますと、安全性に関しては二車線で十分対応し得ると私は思いますが、これは専門的な話になりますので、またさせていただきたいと思います。
 時間があっという間になくなってしまったので、あと二点。
 まず一点は、やはり本四に関してなんですけれども、尾道から向島、因島、生口、島々をめぐるのでしまなみ海道というふうになっていますけれども、まさに今、市町村合併が進んでおります。この島々を入れた一つの大きな市をつくる合併問題ということで、私たちも協議をしておるところでございます。しかし、同じ市になって、生口島の方から尾道までのこの橋の料金だけで往復で二千円以上かかるような現実が存在します。料金の引き下げということを今お話を進めていただく中、これはもう私ども大変感謝をしていることでございまして、地元の住民からしたらば、ぜひとも、同じ市に合併をしていく、なっていくに際して、同じ市の中で行ったり来たりするので二千円、三千円という高額な形での料金体系ということに関しては、どこか地元の皆さん方に対してのこの料金体系の中での、やはり地元住民の生活橋に今なりつつございます、もしくはなっている、これにおける配慮をこの場で陳情をお願い申し上げておきたいと思います。これは二点目。
 三点目なんですけれども、国土交通省の方でも、今、環境に対して非常に厳しい規制がしかれておる部分があると思います。特に建設機械に関して、かれこれ平成三年のときに基準値をつくり、その後建設機材関係に関しての排気ガス規制ということをやっております。
 これに関して二つございますのは、もう時間がないので私の方からどんどんしゃべっちゃいますと、まずは、やはり現場の方で、出先機関の方で環境に関しての説明が非常に不十分な状況、またはなかなか現場の方々も理解し切っていないような状況が、私、現場のいろいろなところから声が聞こえてきます。
 きのう、おとといも私どもいろいろな方々とお話ししましたけれども、たらい回し状態に遭ったり答えがきちっといただけなかったり、しまいには環境の細かい言葉の定義ですらなかなか理解していただけないようなこともあった。こういうことで、現場における教育というか指導というものをきちっと徹底していただきたい。それが一点。
 あともう一点は、建設機械に関して、新たな機械を買う場合には融資制度等がございますが、既存の機械を使っているに際して、排出ガス浄化装置をつける、これは一個二百万ぐらいかかるんですけれども、これをつけるに際しては何も融資制度等がないというような状況の中で、今まで使っていた機械に対しての排出ガス浄化装置、こういったものに対して、中小零細にとってみれば大変な負担でございます。親方商売においては、大事に大事に使ってきた機械を今さら環境のために使えなくなったら仕事が上がったりになります。どうか、その辺の融資制度を考えていただきたい、この点をお願い申し上げ、最後の答弁とさせていただけたらありがたいと思います。
植竹主査代理 時間が迫っておりますので、答弁は簡潔に願います。
丸山政府参考人 環境行政に対して、現場の職員にいろいろ混乱があるのではないかという御指摘でございますけれども、私ども、環境対策、特に自動車の分野につきましては最重要課題として認識しておりまして、現場の職員に対しましても、環境行政のプロとしてふさわしい知識を有するよう、会議、研修等を通じて教育しているところでございます。
 特に、この十月からは、公道を走行いたします建設機械の大半を占めますディーゼル車につきまして、初めて排出ガス規制を導入することといたしております。このようなこともございまして、内部部局とも連絡をとりつつ、現場職員に対する教育、指導を適切に行いまして、御指摘のありましたようなことのないように努めてまいりたいというふうに思っております。
三沢政府参考人 私の方からは、建設機械の融資制度についてお答え申し上げます。
 この融資制度は平成十一年から創設されていまして、そのときの物の考え方は、要するに、既に保有している機械へ後づけ装置をつけるのと新規に購入する場合とでいろいろ需要を比較しますと、新規の建設機械の購入の方が非常に需要が高いということで、より効果的な融資という観点から、創設の経緯といたしましては、後づけを融資対象にしなかったという経緯がございます。
 ただ、先生の今回の御指摘を踏まえまして、そういう排出ガス浄化装置の普及状況とか需要の動向を踏まえつつ、今後とも十分検討していきたいというふうに考えております。
佐藤(公)分科員 どうもありがとうございました。
 以上で終わらせていただきます。
植竹主査代理 これにて佐藤公治君の質疑は終了いたしました。
 次に、大島敦君。
大島(敦)分科員 民主党の大島敦です。
 まず、質問に入る前に、国土交通省の鈴木河川局長にお伺いしたいんですけれども、伊奈備前守忠次という人は知っていますでしょうか。歴史上の人物なんですけれども。知っているか、知らないか。
植竹主査代理 もうちょっと大きな声でお願いします。
大島(敦)分科員 済みません。
 まず、国土交通省の鈴木河川局長にお伺いしたいんですけれども、私の地元には伊奈町というのがございまして、伊奈町のもともとの由来は伊奈備前守忠次という歴史上の人物なんですけれども、存じ上げているでしょうか。
鈴木政府参考人 存じておりません。
大島(敦)分科員 伊奈備前守忠次というのは、関東地域における河川あるいは公共土木にいろいろと携わった人でございまして、公共土木のもともとの由来のある方だと思っております。
 例えば、河川関係ですと、もともと利根川というのは今水戸の方に河口口があるのではなく、本来はもっと西側にあったものを東に持っていった。あるいは荒川。荒川も今の荒川ではなくて、これは入間川につけて荒川を江戸の方に流したというのがありまして、この工事をしたのが伊奈氏なんです。
 伊奈備前守忠次が一代目でございまして、江戸の、一七〇〇年代まで十二代にわたってさまざまな公共土木、例えば見沼用水とかあるいは東京ですと両国橋をつくったり、宝永の大噴火のときはそれのもう一回復興の工事を行った人、これが伊奈氏の経歴でございます。歴史上一たん、これは江戸時代に廃絶、なくなったものですから、なかなか今歴史の中ではそれほど評価はまだされていないんですけれども、歴史をひもとくと、関東をつくった方でございまして、もともと江戸時代の前にはこの関東というのは河川、川は源流は合流したりあるいは分水したり、あるいは至るところに沼があった広大なデルタ地域でして、これが江戸幕府ができて人口がふえる中、デルタ地域を要は新しい新田開発によってその食料を賄ってきた、これが伊奈の経歴でございます。
 やはり、河川あるいは公共土木というのは、町づくりあるいは地域づくりにとって大変重要なものであると思っていまして、また、その権利義務関係というのも、昔、江戸の時代から続く水利権の問題とかいろいろな権利義務関係があって、なかなか早々には解決しないということはよく理解しております。
 前回私は、前回というよりも、今回は決算行政監視委員会の分科会なんですけれども、予算委員会の分科会におきまして、鈴木河川局長の方に武蔵水路の問題について伺っておりまして、鈴木局長の方からは、その武蔵水路の改築については、とりあえず現水路だけを直してやる方法と、もう一つは抜本的につくり直す方法、二つあるという答弁をいただきまして、それについても関係都道府県と調整しながら進めていきたいという御答弁がございました。
 そうしますと、この武蔵水路の改築については、まだ政府としては具体的な計画には入っていない、あるいは、いつごろ着手するかはわからないという理解でよろしいでしょうか。
鈴木政府参考人 そういうことでございます。今、鋭意計画の中身を詰めている状況ということでございます。
大島(敦)分科員 そうしますと、やはり国の事業というのは非常に期間がかかる事業でございまして、例えば、私が昔勤めていた日本鋼管という会社がございまして、扇島があって、その真ん中に今の湾岸が通るということで、計画がされてからできるまで結構な時間、何十年、二、三十年という時間がかかるものですから、恐らく武蔵水路についても、今の政府参考人、鈴木河川局長の御答弁ですと、これからの話ですから、早くても十年とか、あるいは二十年ぐらいかかるという理解でよろしいでしょうか。
鈴木政府参考人 計画が詰まるまでに、今すぐに、あすからというわけにいかないという状況はございます。
 ただ、この計画が詰まれば、これは、二十年かけるとか、そういうようなことではいけないと思っています。できるだけ早くと前回も申し上げたと思いますが、そんなゆっくりのペースではこれはいけないと思っています。
 その間に震災が起こったらどうするのか。あるいは、周辺で内水被害が頻発しております。そういった問題が繰り返していくのを放置しておくのかという問題がございますので、計画が詰まればできるだけ早く工事をやっていく、こういうことになろうかと思います。
大島(敦)分科員 そうしますと、その今の計画が詰まるというのは何年度ぐらいを目途としてイメージされているのか、お聞かせいただければ幸いです。
鈴木政府参考人 これは、いつ、何年度を目途にということではなくて、まさにことしでも、とにかく早く、できるだけ早く進めるということで、今鋭意やっていただいているということでございます。いつを目標にというような、来年とか再来年とか、そういうことじゃございません。とにかく、できるだけ早く詰めて計画を確定しようということで進めていただいております。
大島(敦)分科員 わかりました。できるだけ早くということは、五年とか十年とか、そういう長いロングスパンじゃなくて、本当にあした、あさってにでも、あるいは一、二年後にでも、計画はできるだけ早く詰めたい、そのような御決意で臨まれているということはよくわかりました。
 そうしますと、前回の鈴木河川局長の答弁の中で、私は、分断されている地域の北側について水のはけが非常に悪い、それで、武蔵水路に簡単な排水設備をつくってほしいという要望をしまして、素人考えなんですけれども、予算的にはそんなにかかる金額ではないのかなと思っております。
 そうしますと、そことの関係なんですけれども、私としては、できるだけ、地元住民のことを考えると、簡単な設備でもいいんですけれども、緊急避難的に排水をできるような施設を検討してほしいと思っているんですけれども、いかがでしょうか。
鈴木政府参考人 ただいま委員の方から、前回、私の答弁で分断という話もあったとかいうようなお話もございました。
 この改築については、まさにあそこの地域を、東京に水を運ぶという利水の施設がずっと横断しておりまして、地域を分断しているという要素がございます。この分断という要素まであわせて改築しようということになりますと、この水路を例えば二段河川にしてというような抜本的な、まさに抜本な改築案ということが考えられます。これについて、大変事業費がかかるということで、正直申し上げまして、この案については現時点では、そういう案ですぐに着工するということはやや難しいかな。固まったわけではございませんが、そういう感触でございます。
 それでは、当面、その水路を、いろいろ傷んできておりますので、これを改築するという案になるわけでございます。そして、委員が御指摘のように、そこに内水排除のポンプの口をつけたらいいじゃないかということでございますが、実は、この水路自体は、もともと利水のための水をふだん運ぶという施設でございまして、洪水を受けるという形になっていないものですから、その出口の方でポンプを増強するとかそういう一連の手当てをしないことには、すぐに放流口をつけたら内水を排除できるというものじゃない。
 そういう意味で、この案についても、委員がおっしゃるような部分的な改築ということではできなくて、やはり水路全体として、ポンプなどの施設もあわせた全体としての改築が要るわけでございます。そういったことについて、どちらにしても、これは、大変前から内水排除の問題についても言われているものでございますし、それから、もし関東大震災が来たというふうな場合に、この施設について機能が損なわれることがあってはならないというような観点から、今鋭意進めさせているという状況でございます。
大島(敦)分科員 今、鈴木河川局長がおっしゃられた、これは本来利水が目的であって、私が今御要望したのはその利水以外の目的ですから、全体的な水の利用の中で考えてほしいという答弁だったと思うんです。
 その中で、武蔵水路をとってみても、利水じゃなくてこれは排水というんですかね、その場合にも幾つかの方法があると聞いていまして、まずは利根大堰の源流の、要は、これは注入、注水口というのかな、まずは水の取り入れ口のところを、こちらの水害の発生のおそれがあるときに若干絞って、武蔵水路の水位を下げて、そして排水として使うという方法もあるかと思います。
 これまでですと、たしか二つ、排水口が武蔵水路にあったはずなので、そこのところの運用を機敏にするためにも、抜本的なものをやるのがもちろん将来的には必要かと思うんですけれども、現時点では、緊急避難的にそこの運用というのができないのかなということを検討してほしいと思って質問しているんですけれども、その辺のところを検討する余地はあるのかどうか、ちょっとお聞かせください。
鈴木政府参考人 そういったことをいろいろ検討していかなきゃいけないんですけれども、実は、この施設については、御説明ございましたように利水の施設でございますので、洪水を入れるとあふれてしまうわけです。ですから、そのためにできるだけ、さあ雨が降った、大変だというときには、あらかじめ中の水位を下げておくという運用を実はやっているんです。
 それについて、多分、委員は、それはよくわかっている、その上でさらにそれを改善する余地はないかということでございますので、それはそれで検討してまいりたいと思いますが、基本的には、これについて、やはりきちっとしたハードでもって、内水排除のポンプを一番の最終的な出口のところに設けなきゃいけませんし、今ある幾つかの、複数の川がございますので、そういったものを受けることができるように、川も流さなければいけませんし、そのように考えているところでございます。
 いろいろ各種検討をしてまいりたいと思いますが、できるだけ急がせていきたいと思っております。
大島(敦)分科員 ここのところは押し問答になってしまうんですけれども、これから、まだ五月ですから水の問題はそれほど大きな問題じゃないですけれども、夏を過ぎて台風シーズンになっていきますと、やはり前回も指摘させていただいたんですけれども、多くの方が住み始めている地域なものですから、今まで以上に切実な問題になっておりまして、確かに抜本的な改革とともに、私の言っているちょっと抜け道的な、緊急避難的な措置というのもぜひとってほしいなと思うんです。
 扇大臣としては、河川局長の答弁にあったとおり、やはり抜本的な改革が先なのか、あるいは、地域住民のことを考えれば多少配慮していただいてもいいのかなと思うんですけれども、その点、どう考えればよろしいでしょうか。
扇国務大臣 いつも決算委員会になると大島議員にお会いできるんです。
 最近、異常気象のせいか、集中的に降る量が、今まで想像し得ない量が、一時間に何百ミリという量が、一年分が一度に降るというのが多発しております。
 そういう意味で、今大島議員がおっしゃった、昨年も私はこの話を伺いました。そして、今の河川局長が言いましたように、部分によっては、小手先の対応ではとても追っつかないようなことが、あらゆる点であらゆる地点で発生しています。例を挙げれば、名古屋の集中豪雨、あれは極端な例でございますけれども、極端な例でもそういうことがあるわけですね。
 ですから、そういう意味では、でき得れば、抜本的な改革というものを国土交通省としては他方で考えながら、今おっしゃったように、緊急避難というお言葉を御自身がお使いになりましたけれども、私は、緊急避難的なことも考えているので局長が、いや、来年、再来年と言わずという話をしたんだと思いますけれども。
 私は、基本的には今次の、今の状況を考えますと、やはり抜本的な改革というものを責任を持って国土交通省は考えていかなければ、応急処置で今はよかったけれども、では来年はということにどうしてもなるということを認識しておりますので、これは専門家の、しかも、特に地方自治体の皆さん方の御意見を聞きながら、他方、こっちへ持ってくると反対だとか、川幅を広げるんだったらこれもまた反対だということもあるものですから、その辺のところはよく御意見を聞きながら、でも、私は、結果的には抜本的な改革というものを国土交通省が持ち得なければいけないと思っています。
大島(敦)分科員 ただいま扇大臣が御指摘された点は全く私もそのとおりだと思いまして、今のヒートアイランド現象、それによって異常気象というのは東京都市部でも、例えば、前ですと、マンションの地下にいた方がおぼれ死んでしまったとか、埼玉県あるいは神奈川県、そして千葉県でも、特定の地域での瞬間的な大雨というのが今予想されたり、あるいは現実に降っている状況でございますので、その点は、抜本的な対策というのは新しい国土交通あるいは地域社会での課題だということは認識しておりまして、そこの点も踏まえて、河川局長の方にはぜひ前向きにお願いしたいなと思っております。
 それでは、続きまして、扇大臣の方からは、いつも決算行政監視委員会とか分科会ですということなので、申しわけありません。よく私も存じ上げておりまして、次に、毎回質問させていただいているんですけれども、上尾道路の問題について、今の上尾道路というのは、川田谷のジャンクションまでというのが平成十九年度までということは、前回の道路局長、そして扇大臣の方から力強い御答弁をいただいております。
 それで、桶川市の川田谷までの区間が完成した場合に、県道五十七号、さいたま鴻巣線に流れる交通量の激増が予想される。というのは、大宮からこちらの川田谷まで来て、そこで圏央道とぶつかって終わって、圏央道に流れる分はいいんですけれども、その先にいる部分があるものですから、それがさいたま鴻巣線に流れているわけなんです。
 現在でもさいたま鴻巣線は朝夕は混雑しておりまして、さらにそこが交通の流量がふえますと、近隣の住民に与える影響が非常に大きくなります。特に、その先には結構歴史が長い石戸小学校の正門にもぶつかりまして、当然のことながら、多くの学童が往復する通学路でありますので、いろいろとその地域の社会での摩擦あるいは不安が増すと思います。
 ですから、こちらの方の上尾道路の北半分九キロメートルについても、ぜひ早期の着工、早期の事業化をお願いしたいということを前回もお伺いしているんですけれども、事業化計画についての具体的な取り組みというのはどうなっているでしょうか。
佐藤政府参考人 上尾道路の北の方の事業化はどうか、こういう御質問かと思います。そういう意味では、上尾道路の全体の状況をお話し申し上げながら、個々の展開を一言加えたいと思います。
 上尾道路そのものは、さいたま市から鴻巣市に至ります延長二十キロの、全体事業費で三千億円はかかるかという大きなバイパスであります。そのうち、さいたま市の宮前町から桶川市の川田谷の間の延長十一キロにつきまして、平成七年度までに随時事業化しまして、九年度から用地買収に着手し、この平成十五年四月現在では面積ベースで用地が約三六%完了し、用地買収が済んだところから昨年十四年度から順次工事に着手してきている、こういう状態でございます。十四年度及び十五年度の当初の事業費約五十億円、大変な力を入れながらやっておるところでございます。
 そうしますとということで、残り、北の方の九キロ、これにつきましてどうか、こういうお話でございます。
 この九キロ間につきましても、事業費で考えますと、全体の三千億円のうちの恐らく約千三百億円ぐらいはかかるであろうか、こういう状況でございます。先ほどお話のありました圏央道も含めまして、埼玉県内の重点区間として、圏央道、上尾道路それぞれ年間合計で三百億円近い事業費を投入しながら整備しているところでありますが、この進め方につきまして、全体の進捗状況をにらみながら、この未事業化区間につきましては、現在事業化に向けた調査をいろいろ進めておるところでございますので、全体の進捗状況をにらみながら、今後の早期の展開をできるだけできるような方向で検討をさらに進めてまいりたいと思っております。
大島(敦)分科員 今は非常に便利な時代になっておりまして、各委員の議事録というのが衆議院のインターネットのホームページで検索をすることが可能になっております。例えば、上尾道路という一つのワードを入れますと、今まで過去いろいろな議員が質問した上尾道路に関する議事録を読むことができます。
 私もこの議事録を読んでみますと、例えば平成十三年の三月の予算委員会の分科会におきまして、当時の局長がこういう答弁をしております。「五カ年計画は平成十四年度で終わるわけですけれども、事業化の決定がいつごろまでだと、それだけちょっと」そこのところはちょっと捨象しまして、それで、現在の五カ年計画は、当時、平成十四年度で終わる、平成十五年度からは新しい五カ年計画が発足するんだ、できれば次の五カ年計画内に事業化ができるような準備ができればと考えておるという非常に一歩踏み込んだ答弁をしております。
 恐らく皆さんは、踏み込んだ答弁をしたときには、こういう答弁をしたなということは頭の片隅に置かれているかと思いますので、これを踏まえて、上半分の九キロがどうなっているのか、お答えください。
佐藤政府参考人 そういう意味では、前回の先生の御質問に対しまして大臣からも、十九年度を目途にこの上尾道路と圏央道と、供用を努力していきたい、こういう御回答を申し上げたかと思います。十九年度という意味は、現在が十五年度でございます。新しい五カ年計画という言い方は申し上げませんが、五年間の長期計画と申しますか中期計画と申しますかをこの十五年度に立てることになっております。
 道路整備の場合は、五カ年の事業の量を定めて閣議決定させていただく、しかも、社会資本整備重点計画の中で、全体の計画の中で一緒に計画としてはつくっていく、こういう形になっておりまして、ここは、個別にどこまで出すかという問題はもちろんございますが、考え方としては、これからの五カ年の間に上尾道路の十一キロも供用するという目標にしている、まずそこを申し上げたいと思うんです。
 そうだとしますと、二十キロのうちの残りの九キロについて、これの円滑な事業を進めていくには、そうした進捗状況を見ながら、そういう意味では平成十三年と同じ考えですが、新しい五カ年の中で何とか事業化ができるような、そういう手順を踏んでまいりたいというのが私どもの考え方であるということでございます。
大島(敦)分科員 今、事業化計画の意味なんですけれども、環境問題に対する環境アセスメント、環境問題についてのいろいろな検討というのがなされなければいけないかと思うんですけれども、環境問題についての検討というのは、これは事業計画ができてからのものなのか、事業計画前から取り組めるのか、それについて、一般的な質問なんですけれども、お答えいただければ幸いです。
佐藤政府参考人 そういう意味では、二つ申し上げたいと思うんです。
 都市計画を大体決めさせていただく前に、調査も行い、環境影響評価も十分行って、世の中に御説明申し上げて、そして御理解いただく、これがまず一番大事なことである。
 次に、問題は、事業をやりながら、必要な状況に応じてさらなる調査なりあるいは対策なりを考えてまいらなければいけないわけでございます。これは、一度環境影響評価をしたからもうこれでどんどんと事業を進めればいい、こういうことでは必ずしもなくて、状況に応じて柔軟に対応しながら、よりいい環境のもとで整備を進めさせていただくというような努力をしている。
 いずれにしましても、この両方大事なことだと思っておりまして、それぞれ、現在必要な調査なりあるいは対策を講ずるということを、事業の段階に応じて、常に繰り返しながらやっていくということでございます。
大島(敦)分科員 圏央道の場合についても、局長はよく御承知のとおり、オオタカ等の保護対策検討委員会ができておりまして、それで、この問題については各界の方たちが今協議をされております。
 このような検討会というのは、事業化がされてから恐らく検討会が立ち上がるのであって、事業化がされる前にこのような検討会は立ち上がらないはずでございますから。要は、できるだけ住民の方は、いろいろと地元で聞きますと、家を建てる予定だったんだけれども、計画前に土を盛ったんだけれども、計画ができてから、それを、土をもう一回どかして違うところに家を建てたとか、結構、御承知のとおり、さまざまな道路工事とかで、局長の方は耳にたこができるほど伺っているかと思うんです。そういう問題がございます。
 したがいまして、できるだけ早く事業化しないことにはすべての作業がなかなか進まない。一つ一つの段階を乗り越えないと進まないので、その辺のところで、上半分の九キロメートル、もしも事業化を決定してから、まだそのような作業は意外と時間がかかるものですから、いろいろな方たちがしっかり検討されて納得されるまで。ですから、その点について、もう一度、上半分について具体的にどういうふうに、どんな計画を局長としてはお持ちなのかを伺わせてください。
佐藤政府参考人 そういう意味では、先生の御指摘は、圏央道なんかでも、事業化後オオタカが出て、事業化した後で検討委員会を開いて十分な検討をしていると。そうだとすると、事業化を早くしないと十分な検討もできないんではないか、こういう御指摘かと思います。
 先ほど申し上げましたように、事業化を進める、事業化を前提にしながら今いろいろな調査を進めているところでございます。場合によりましては、事業化しなくても、必要な委員会なり検討委員会なりそうしたものが必要になれば、それは大いにオープンに開いていただいて、そして検討する、こういうことも必要かとは思います。これは何も事業化しなければやらない、こういうことではないとは思っております。
 ただし、事業化してからいろいろな問題が出るということも事実でございますので、先ほど申し上げましたように、十九年度の上尾道路の十一キロの南の方の完成、あるいは圏央道の前後の完成といったことを含めながら、どういうさらなる環境的な面の調査が必要か、今まさしく事態を調査しておるところでございますので、さっき申し上げましたように、十九年度までにそうした事業化が可能なような方向を、そうした調査の中で考えながら検討してまいりたいと思っております。
大島(敦)分科員 時間が来ましたので、できるだけ具体的に早く、地元住民の御要望がたくさんございますので、進めていただくことをお願い申し上げて、私の質問を終了させていただきます。
 ありがとうございました。
植竹主査代理 これにて大島敦君の質疑は終了いたしました。
 次に、児玉健次君。
児玉分科員 日本共産党の児玉健次です。
 大臣もよく御存じですが、冬期間、超硬度のピン、非常に高度な技術で、コバルト、ニッケルその他を含めた超硬度の合金ピンをタイヤに装着して、そして滑りどめにする、そのために舗装道路が削られてしまう。せっかくの道路に深いわだちができる。そして、それが巻き上がって車粉じんとなり降下する。これは、スパイクタイヤが普及した後、大きな社会問題になりました。
 それで、九〇年の六月二十七日にスパイクタイヤ粉じん発生の防止に関する法律、これができて、今指定地域として十八道県、八百十七市町村、山梨、岐阜、鳥取、島根、群馬等も含む非常に広い地域において、粉じん発生の防止に関する法律が施行されています。
 そこで出てきた新しい問題は、歩道や、特に交差点を含む車道で、アイスバーンのようになってしまう。つるつるの道路、まさに北海道などではつるつる路面と言っていますが、女性の中には転倒される方もいる。男性はどっちかというと前に転ぶんだけれども、女性の、特に幾らか年配の方でいえば、後ろに転んでしまって、本当に危険である。
 大臣は舞台の経験がおありだから、歩き方についてはよく訓練されていると思いますけれども、あなたの場合、こういう危険をお感じになったことがありますか。最初に伺います。
扇国務大臣 私は、何度もそういう経験がございます。特に、戦後の今までの衆議院選挙、七割が冬季でございました。私、全国区でございますので、北海道は稚内から沖縄まで選挙の応援に行きまして、十二月の北海道のまさに道なき道を走ったこともございますし、私、都会人でございまして、余り雪を、子供のときには鳥取へ疎開して雪になれているんですけれども、それでも、アイスバーン的なもので、しかも道のないところを歩く怖さ、全部埋まってしまっているんですね。そして、今おっしゃったように、解け始めたところの怖さというものもよく経験しております。
 過去にどうこうしたから防げるものではなくて、毎回これは新しい、その都度その都度アイスバーンの形が違いますので、これはもう毎回が初めての経験ということで、危険は十分に感じたことはございますし、また、転びそうになってあわやという目にも遭いました。
児玉分科員 それは私も同じでして、共通の経験ですね。
 そこで、まず最初に、環境省の政府参考人に確かめたいんです。
 十年少々経過した。これは、突然この法律ができたわけじゃなくて、例えばスパイクタイヤのピンの形状を、一番道路を削るマカロニ状から軽量でなるべく細いものに切りかえていく、それから仙台や札幌その他各地で条例でこの自粛を求める、そういうふうな努力がありました。
 北海道庁の調べによりますと、空から降ってくる粉じんの量を、札幌の月寒中央といいまして、交通量の極めて多い定点で観測をする。一九八八年には、一平方キロ当たりの降下ばいじん量は百三十一・八トンだった。大臣、東京の十一月から四月の一平方キロ当たりの降下ばいじんは二・二トンですから、もちろん、それでも東京の空気がいいとは言えませんが、百三十一・八トンというすさまじいものであった。それが年々少なくなっていって、あなたたちが調査をなさった最後の年である一九九四年、平成六年が十一・二トンになった、まだ東京に比べると多いですがね。十二分の一に減少する。これはやはり劇的な効果だったと私は思うんです。
 それから道路清掃に関して言えば、これもなかなか資料がないので札幌市にお願いをしたら、こういう結果が出ていますね。一九八七年、道路を清掃して集めるじんかいの量は五万六千トンであった。それが一九八七年から九三年、九千トンに激減しています。六分の一以下になっていますね。
 私は端的な二つの資料を提示しただけだけれども、やはりこの粉じん発生の防止に関する法律は一定の効果があったと私は考えているけれども、環境省の見解を聞きたいと思います。
西尾政府参考人 先生御指摘のように、札幌市の豊平区におきましてはかりました降下ばいじん量は、昭和六十三年ごろは百三十一トンということでございまして、ずっと一月一平方キロメートル当たり百トンを超えているというような状況が続いておりましたけれども、スパイクタイヤの法律、これが平成三年四月から実施になったわけでございますが、その後は随分改善をいたしまして、平成六年度の最大値は、一カ月一平方キロメートル当たり十一・二トンというふうに激減しておるわけでございます。
 この後の同じ地点のデータは、このような形ではとっておらないわけでございますけれども、参考になるものとして、浮遊粒子状物質の札幌市の自動車排出ガス局の平均値を見ましても、昭和六十三年ごろに対して三分の二ぐらいまで減りました。
 その後も長期的には低下の傾向もあるということでございますので、この法律におきますスパイクタイヤの使用制限というものが、大気の改善に大きな効果を果たしているというふうに考えております。
児玉分科員 同時に、国道その他の公道の損壊を少なくするという点でも大きな役割を果たしていますね。
 それで、次に国土交通省の村岡参考人にもお聞きをしたいんです。
 冒頭言ったアイスバーン状の路面、昼間はアイスバーンだけれども、夜になると、一見すると黒いアスファルトが乾いているように見えるけれども、表面に一ミリぐらいの薄い氷膜があって、専門家はこれをブラックアイスと言ったりしますが、そういったものが、先ほど述べた歩行者の転倒や自動車のスリップ事故の大きな原因になっている。
 札幌市の消防局の調査によりますと、この法律が施行される前に比べて、施行されて直近の三年間のアイスバーン状の道路転倒を理由とする救急車の出動は、二〇〇〇年度が九百十六件、二〇〇一年が八百二十七件、昨年が八百五十件です。それまでに比べて三倍になっていますね。これはもう扇大臣だけじゃないですよ。滑りかけて、あわやというところでとまったのはよかったけれども。
 そういう中で、一方、スリップ事故の問題ですが、これは北海道警察本部交通部交通企画課の調査ですが、九五年、平成七年の冬期間、北海道で冬期間というのは御承知のように十一月から翌年の三月までですね、その間の自動車事故は一万一千九百四十六件。二〇〇〇年には、車の数がふえたこともありますが、一万四千二十三件で、九五年を一〇〇とすれば一一七・四、一・一七倍になっている。ところが、スリップ事故の方はどうかというと、九五年三千一件、これを一〇〇とすると、同じ二〇〇〇年四千三百三十三件、一四四・四。だから、人身事故の全体は一・一七倍だけれども、スリップ事故の方は一・四四倍になっている。
 そこで、国土交通省として、この凍結路面に対する措置、施策としてどのような取り組みをしているか、その最も代表的なものを端的に示していただきたいと思います。
村岡政府参考人 つるつる路面、特に車道につきましては、スパイクタイヤ禁止後に、自動車の交通量が多い、あるいは発進とか停止が繰り返される都市部の交差点付近は非常に多いというふうに現象としてとらえられております。
 これに対しましては、特に交通安全確保の観点から、適宜、できるだけ細やかな除雪とかあるいは凍結防止剤の散布など、適切な路面管理を行うということが大変大事でございます。さらに、最近では、新たな技術開発に向けました研究というようなことについても取り組んでいるところでございます。
 この問題につきましては、平成十三年四月に従前の北海道開発土木研究所が独立行政法人になりまして、特に、北国の冬場の路面の問題について重点的に取り組んでいるところでございます。特に、IT技術をできるだけ活用いたしました、冬期の路面管理をできるだけリアルタイムで把握するということで新しい情報システムをつくっていくというようなこと、あるいは、それによりまして路面状態をセンサーで感知することによりまして、的確に、例えば赤外線を照射して融雪を行うというようなことも、歩道、車道の境などで部分的にやっております。
 また、舗装面に形成した溝にゴムを充てんするというような特殊舗装の試験もやってございます。さらに凍結防止剤散布というものも、余り多く散布いたしますと環境問題等も引き起こしますので、できるだけ効果的に進めるという意味で、散布車の改善なども進めております。
 これら、つるつる路面の研究開発という面で新しい取り組みは行っておりますが、まだまだ未解明な部分もございますので、今後とも、さまざまな学識経験者等の御意見もいただきながら、継続してこの問題に取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
児玉分科員 今お話がありました北海道開発土木研究所の方たちがどのくらい真剣な研究をなさっているかというのは、幾らか論文を取り寄せて拝見しました。実験室の中につるつる路面をつくっていますね。そしてそこで、大型のスタッドレスのタイヤの場合はどのくらい、そして普通のスパイクタイヤの場合はどうか、小型車、普通車ではどうかと、なかなか見事な研究をなさっている。
 そこで私、言いたいんですが、今、村岡さんのおっしゃった中で、特に道民が非常に今期待しているのは、わだちに路面水がたまらないような舗装、補修。これがあると、そこが文字どおりもうスケートリンクになりますから。それから、滑りどめの舗装、ゴム入り舗装。氷膜があっても、車の重さで路面がきしむと氷が氷でなくなりますから。その他についての研究開発は大いに進めていただくし、今お話のあった遠赤外線照射融雪システム等、これらを、研究開発で実効性があるかどうかという点のテストを含めて、速やかに実用に供していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
村岡政府参考人 路面対策についてはやはり適時適切な対応が必要でございまして、その使い道ということにつきましては、今お話のございましたように、できるだけ新しい技術も取り入れながら、その技術が具体的になる段階で、積極的にそれぞれの箇所に、いろいろ維持管理にはお金のかかる面もございますので、その辺も十分考えながら適切な対応策を考えていきたいというふうに考えております。
児玉分科員 お金がかかるのは当たり前ですけれども、しかし、北海道の国道のわだちとそれから路面の白線、それをつくりかえるのに年々かかっていた予算をあなたは御存じだと思うけれども、それらのことを考えれば、これはやはり惜しむべきものではない、こう思いますね。
 そこで、今お話を聞いていて、私、ちょっと感じたんだけれども、北海道のように、冬期間の路面の温度が平均マイナス五度、一番滑るのがマイナス一度とか二度あたりで、マイナス五度。そういうところでのとりわけ市街地、北海道の交通事故、特に市街地の交通事故の約三分の一は交差点で起きています。残り三分の一が交差点の付近で起きている。これは、きょう見えている警察庁の属さんにも後ほど伺いますけれども、そういう中で、急勾配区間や交差点などでの滑りどめで最も効果があるのはロードヒーティングである。これはもう既に実証済みです。
 例えば、今から十二年前の三月十三日の予算委員会で、この問題を私は当時の、国土交通省でなくて建設省の方と議論をしたことがあったけれども、皆さん自身が、最も効果があるのはロードヒーティングであるというふうに述べていらっしゃる。この部分の補強ですね、メンテナンスのお金が大変だというけれども。
 それで、私どもは、多くの道民の皆さんと力を合わせて、北海道電力に対して、第二融雪用電力、夏は使わないんだから、六カ月分のいわゆる電力料金の基礎部分は納めなくていい、冬の間だけ納める。いろいろな努力をしてきましたが、このロードヒーティングについての努力を一段と強化していただきたい。いかがですか。
村岡政府参考人 冬期の路面対策につきましては、やはり適宜適切な除排雪、凍結防止剤散布といった先ほど申しました対応の中で、さらに排水性舗装の採用ということもやっております。
 今お尋ねがありましたロードヒーティング、お話のありましたとおり、交通量が多くて勾配が急な交差点付近などで、特に交通安全対策として設置しておりまして、建設及び維持管理には多くの費用は要しますけれども、非常に効果の高い対策であるというふうに我々も認識しているところでございます。既に国におきましても、北海道開発局が中心になって行っておりますが、ロードヒーティングの対応面積も従前に比べて格段に拡大をしているということでございます。
 ただ、一方で管理に費用を要するという面もございますので、既にロードヒーティングにつきましても、当初はかなり高価な、割高だというようなことが言われておりましたけれども、やはり気温でございますとか、降雪の状況でございますとか、あるいは路面温度とか路面水分というような状況を最近はITも含めまして適切に情報収集ができますので、それに合わせてロードヒーティングの仕方を工夫することによりまして、かなり節減できるという状況も出てきてございます。
 ほかにも、さまざまな熱源を利用した対応も今いろいろ試験も行っているところでございますので、さまざまなものを組み合わせることによりまして、全体として効率的で、かつ効果的なものというものを努力していきたいというふうに考えているところでございます。
児玉分科員 御努力を強く要請したいと思うんです。
 さて、法律の問題に若干入りたいんです。
 環境省の西尾参考人に私は伺いたいんですが、この法案が国会にかかったのはもう随分以前のことですけれども、そのとき、あなたの先輩である古市大気保全局長と随分繰り返しの議論をいたしました。特に中心的にやったのは、一九九〇年六月一日の環境委員会での論議ですね。そこで私などが申したのは、なぜこの法案で全国全面禁止にしないのかと。法の第七条では、「積雪又は凍結の状態にない部分において、スパイクタイヤの使用をしてはならない。」こうなっていますね。
 あなたもよく御存じだと思いますけれども、例えば青森とか秋田とか、そして釧路などもそうですが、ちょっと裏道に入ると雪が降っていて、そして表に行くともう道路は乾燥しているということがありますし、同じ幹線道路でも、ビルの日陰は氷結状態で、そして日光が当たっているところはまさしく乾燥している、こういう状況があります。
 私は端的に言いたいんですが、環境省及び警察庁の認識として、スパイクタイヤの供給の問題です。あの当時、これが最大の問題になって、そしてタイヤメーカーも大変な御努力をなさって、九〇年の十二月をもって日本におけるスパイクタイヤの生産は中止しました。九一年の三月三十一日に供給を停止したんです。在庫があっても、もうそれは供給しないという決断をしました。これは大きかったと思うんです。そして、当時、私どもも通産省と随分話をしたけれども、通産省自身が努力をなさって、それと並行して、世界で有名なスパイクタイヤの生産者であるミシュラン、ピレリー、韓国のクムホ、こういうところの代表を招いて、国内で供給をしないんだから、あなたの国でつくったものを日本に輸出しないでくれ、これもそれぞれのメーカーは了解をしました。だから、今の瞬間でいえば、正式な形ではスパイクタイヤは供給されていません。
 そういう中で、先ほどの法第七条、「積雪又は凍結の状態にない部分」ここでは使ってはならない。裏返せば、積雪または凍結の状態ではスパイクタイヤを用いることが認められる。この箇所を維持する実効性があるのかという点です。
 そして当時、古市さんと私とで議論して意見が一致したのは、四輪駆動車がふえる必要がある。それから、アンチロックブレーキシステム、ABSと言っていますね、これは最近は標準装備になりました。車がロックしないから安全にとまることができる。スタッドレスタイヤの性能の向上も、これは相当なものがあります。
 そういう中で、依然としてこの第七条の、積雪または凍結の状態では使っていいということを維持することに意味があるか、現にタイヤは供給されていないんだから。どうでしょう。
西尾政府参考人 今先生御指摘の最後の部分でございますが、スタッドレスタイヤの機能も向上している、それから四WD、これも大変普及してきている、アンチロックブレーキシステムも大分普及している、こういったことが確かに相まって、今のいわば脱スパイク社会ということになっているんだと思います。先生、大変詳細を御存じでいらっしゃるわけでございますけれども、そういう脱スパイク社会に向けて事業者も大いに努力をしてきた、その結果が今の状態だということだと思います。
 ただ、法律の方の規定でございますけれども、この法律が制定されますときにもここは大変議論があって、やはり個々の個人に義務をかけて罰条もあるというようなものについて、どこまで書けるのだろうかと。そのときには、いろいろこれからは安全ということも工夫されていくにしても、やはり凍結していたりして非常に心配であるという方の安全の問題と裏腹でございますから、そういう面では法の規制というものは最小限にということで、今のような、積雪、凍結をしていないところでは禁止をするというふうになった。厳密に言っていきますとその境目は大変難しい問題があると思いますが、一方では、やはり脱スパイク社会ということを大いに進めていく、しかし法律の規制というものはぎりぎり、はっきりと悪いようなところを規制するということでこの法律はでき上がったんだと思っております。
 その後、いろいろ社会も進んで脱スパイクも進んでおりますが、この辺の法律というものとそれから社会でのみんなの物の考え方、努力というものとのバランスというのは今むしろうまくいって、それなりに、この法律もあって脱スパイク社会というのが進んでいるんだと思っております。
 ということでございますので、今この法律をきちんと実施していくということが大事だというふうに考えております。
児玉分科員 あなたたちの先輩がこの法案を準備するとき、どんな内容を環境庁としては準備していたか。当時、古市さんが環境委員会で私に対してこう答えていますね。スパイクタイヤの全国的な全面使用禁止、その違反に対します都道府県知事による改善命令、それに従わない場合の直罰を定めたという言い方です。
 それで、最後に属交通局長に伺いたいのですが、委員長、ちょっとお許しをいただければ、これを皆さんに見ていただきたいのですが。
植竹主査代理 はい、結構です。
児玉分科員 そういう中で、正式に輸入はない、日本でもつくっていない、しかし、このような超硬度のピンをそれぞれが打ち込むという形でスパイクタイヤが徐々に装着され出して、まだ恐らく一%台だと私は見ていますけれども、これをこのままにしておくわけにいかない。結局、スパイクタイヤをつけている車の後ろをスタッドレスタイヤの車が走ると、スパイクタイヤの車が制動をかけたとき、後ろのスタッドレスはするすると行きますから、どうしても追突してしまうんですね。
 これに対する、私もさっき環境省がおっしゃったように規制はなるべくしない方がいいと思うけれども、しかし、今若者の中で、このスパイクを装着したタイヤを夏の感覚で運転するケースというのがふえているので、これに対する指導、現状を放置すべきでない、こう考えますが、警察庁としてどうでしょう。
属政府参考人 警察におきましては、スパイクタイヤ粉じんの発生の防止に関する法律第七条に違反する行為、その他刑罰法令に違反する行為がありましたら、その事案の内容に応じまして指導警告、悪質な場合には検挙、そういった適切な措置を講じることとして取り組んでいるところであります。
 また、今後も適正に指導取り締まりを推進していくとともに、粉じん公害防止の観点から、これはやはり広報啓発というのは非常に大事だろうと思います。そういうことで、スパイクタイヤを使用しないように、更新時講習等の機会を通じて運転者教育を徹底するとともに、関係行政機関、団体と協力をしてさらに広報啓発に努めてまいりたいというふうに考えております。
児玉分科員 これは、そういう状況が広がる前に適切な指導をする必要があるだろうと思うんですね。
 私の事務所でこの二月二十日に、札幌の大通にあります地下駐車場、三百八十台収容でそのとき三百台前後が入っていましたが、一つ一つ調べてみると、スパイクが四台、今大臣に見ていただいている弁慶が二台、それからベルト状のスパイクが二台、二・六%に及んでいるんですね。札幌市などの調査では大体一%台だろうと、このところでやはり抑える必要がある。
 北海道警察本部は、私に対してこうおっしゃる。スパイクタイヤ粉じん防止法の七条に違反する事態があれば、看過することなく適切な措置を講ずるよう現場の警察官に指導を行っている。どのような指導をなさって、そして、全国的に見てもこれまで検挙件数というのは二件だと伺っていますけれども、そのあたり、この後の警察庁の取り組みの強化を私は求めたいのですが、いかがですか。
属政府参考人 先ほど来お話が出ておりますけれども、現行の法律ではスパイクタイヤの使用の禁止というのは、これは「舗装が施されている道路の積雪又は凍結の状態にない部分において、スパイクタイヤの使用をしてはならない。」ということでありまして、だから、雪道等で使用することについては現行法では禁止されていない、そういう点がございます。
 実際に積雪あるいは凍結の状態にないような場合にどんどんスパイクタイヤを使った車が走るというのは、大変大きな問題だというふうに認識しておりますので、先生御指摘のような実態についてさらに調べまして、適切に対応するように各都道府県警察を指導してまいりたいというふうに思います。
児玉分科員 時間が参りましたので、最後に扇大臣にお願い、要請があるんですが、積雪寒冷地域で冬期間の国民の生活や社会経済活動を支えるために、除排雪の強化そして路面対策、それらを、先ほど村岡さんからお話のあった新技術の開発研究を含めて、この後取り組みを充実強化していただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
扇国務大臣 今のお話を伺い、また今の新しいものも見せていただきました、弁慶と言うそうでございますけれども。
 少なくとも、環境と安全性と、そして道路の傷みぐあいをいかに節約するかという、その安全性との三位一体ですね。ですから、関係の省庁、警察、環境省そして国土交通省と、いわゆる三位一体で私は実現していかなければならない性格のものであると思っています。また、大変冬期が長い北海道においては特に深刻な問題だと思っていますので、私は、日進月歩、こういう新しいものが出てくるということで、我々も一つの観念で縛られることなく、より三位一体で対処していきたいと思っています。
児玉分科員 ありがとうございました。
植竹主査代理 これにて児玉健次君の質疑は終了いたしました。
 次に、津島恭一君。
津島(恭)分科員 私は、この五月二日、衆議院比例代表選出議員選挙、東北比例区におきまして繰り上げ当選をさせていただきました自由民主党の津島恭一でございます。
 改めて、先ごろお亡くなりになりました御法川先生の御冥福を心からお祈り申し上げたいと思います。
 私は、国会議員になりましてまだ十日ほどしか過ぎておりません。いわば若葉マークをつけたばかりでございますので、多岐にわたりましていろいろと行き届かぬこともあろうかと思いますが、どうぞ寛容と忍耐におきまして御指導いただきますことをまずお願い申し上げたいと思います。
 そこで、私は青森県の津軽の出身でございますので、ふるさとに関することから質問させていただきたいと思います。
 津軽平野を流れます岩木川は、これは平成二年あるいは平成九年に、近年におきましても床上あるいはまた床下浸水といったこと、あるいはまた耕地に対する冠水の被害、こういったものも多く見られております。ただ、その反面、米とリンゴの津軽にありましては、かんがい用水として、あるいはまた渇水対策として、非常に必要な岩木川なのでもあります。
 そこで、津軽ダムによりますところの洪水災害及び渇水被害の軽減が必要だと考えておりますが、津軽ダムの現在の進捗状況はどうなっていますか。このことをお答えください。
鈴木政府参考人 津軽ダムは、御案内のとおりだと思いますが、岩木川沿川地域の洪水調節、下流地域におけるかんがい用水、それから都市用水、具体的には五所川原の上水道それから工業用水、それから弘前市、津軽における広域企業団、こういった上水あるいは発電を目的にして建設中の多目的ダムでございますが、六十三年度に実施計画に着手して以来、平成十二年度には用地補償基準の妥結に至っておりまして、現在、この用地につきましても、水没関係の家屋の九七%が既に移転が完了しております。
 現在、工事用道路等を実施しているところでございまして、工事関係では、平成十四年十二月に工事用道路の一部、下流になるんですが、七・二キロの供用を図っているというところでございまして、鋭意、今後の本体着工へ向けて準備工事を実施しているという状況でございます。
津島(恭)分科員 それでは、少しそれに関連いたしまして、最近、全国でダムの建設の是非というのが非常に話題となっております。ただ、津軽ダムは多目的ダムでありますとともに、地元に根づいた必要性の高いダムである、そしてまた、早期の完成を望んでいるところであります。
 地元西目屋村を初めとする百七十九世帯の水没者の方々、特に、以前に目屋ダムというのができております。そのときにも残念ながら移転を余儀なくされた方々が、今回もまた、再度の移転ということも実は現実として起きているわけであります。そこで、移転先での新しい環境に早くなれていただいて、生活再建等々の万全を期すということも、これも必要かと思います。
 そこで、それらを踏まえて、今後のこの事業の展開、こういったことを少しお答えください。
鈴木政府参考人 ただいまございましたように、水没関係者のうち、かなりの部分、三分の一ぐらいは村内に集団移転されるわけでございます。弘前市も七十戸ほど、岩木町にも三十三戸、その他十戸、村内には五十三戸というようなことで、それぞれ水没の関係者の方々が生活再建を図っているという状況でございます。
 現在、先ほど工事用道路を進めているという御説明を申し上げましたが、実は、この工事用道路というのは、委員多分現地を御案内だと思いますが、この水没関係者の生活再建のために工事用道路というふうにだけ申し上げると、何を言っているのかなと聞こえる部分もあるわけでございますが、これは、現在もう既に一部供用しておりまして、いわば地元の地域振興と申しましょうか、水没関係者の生活再建の道路、そういったものも兼ねた道路でございまして、さらにまた、ダムの直下流のところでもそういうのがまだ残っております。そういったことを鋭意進めながら、一刻も早く本体工事に着工できるように努力してまいりたいというふうに考えております。
津島(恭)分科員 実は、その供用道路は、地元の要望で特にまた二本つけていただいた、これもまた感謝を申し上げたいと思います。
 そこで、次に移らせていただきますが、私ども、この津軽、特に日本海側が中心となってまいるわけでありますが、津軽自動車道並びにその延長線上にあります西津軽能代沿岸道路、このことについて少しお聞きをしたいと思います。
 津軽自動車道は、青森市から始まりまして西津軽郡の鰺ケ沢町まで、これを結びます高規格幹線道路であります。この路線は、おかげさまをもちまして、昨年の秋に浪岡―五所川原間が供用が始まっております。そこで、この鰺ケ沢までのさらに早期の完成をまずお願いいたしたいと思います。
 そして、その鰺ケ沢から始まります、今度は高規格道路、いわゆる先ほど申しました西津軽能代沿岸道路でありますけれども、これが、実は鰺ケ沢町、深浦町、岩崎村、この三町村にまたがる生活道路であり、また産業道路、そしてまた観光道路としても地元に密着をした道路であります。
 例えば、鰺ケ沢町では七里長浜港をさらに活用するために、そしてまた、これは最近テレビ等でよく紹介されておるのでありますが、深浦町には日本海に接した露天風呂である不老不死温泉、これに入りますと、老いず死なずというのがここの温泉であります。そして、その隣でありますが、岩崎村というところには、これはサンタクロースのふるさとでありますフィンランドとの交流をしながらつくったサンタランドというのがあるのであります。
 これらの施設を訪ねるためにも、この道路計画が早期に具体化されることが、この地域の三町村の活性化、そしてまた、広く言いますと津軽の活性化につながるわけでありますから、このことを踏まえて、そして、今現在、深浦町では国道の一〇一号バイパスの整備を行っております。このバイパスを延伸して有効に活用していくことも考えられますが、現在のこのいわゆる西津軽能代沿岸道路の検討状況、そしてまた今後の見通しについて、お答えをお願いいたします。
佐藤政府参考人 二点のお話がございました。
 最初に、津軽自動車道でございます。
 先生御指摘のように、青森から五所川原東まで既に供用が図られて、地元の皆様に御利用をいただいている、こういう状態でございます。五所川原東から鰺ケ沢まで、これにつきましては、現在、鋭意、基本計画でございますので、整備計画の策定に向けましていろいろな調査を進めているところでございます。地元の御協力をいただいて円滑な調査を進め、早く整備計画ができ得るような、計画を固めてまいりたい、こういうふうに考えております。
 それから、鰺ケ沢から南の方と申しますか能代まで、これが西津軽能代沿岸道路として地域高規格に、平成六年の十二月に候補路線に指定をさせていただいているところでございます。
 この西津軽能代沿岸道路は、鰺ケ沢から能代に至ります延長大体九十キロぐらいになろうかという地域高規格道路でありまして、五所川原を中心とする津軽地方生活圏と、能代市を中心とする米代川の流域地方生活圏、これを相互に連絡して、日本海の沿岸地域の交流強化に資する路線、こういうことで地域高規格道路の候補路線に指定させていただいたわけでございます。
 現在、青森県と秋田県で、地域活性化への効果や関連プロジェクトなどの動向を考慮しながら、地域高規格道路として整備を進めることの妥当性、緊急性について基礎的な調査を実施しているところでございます。
 一方で、こうした高規格道路の調査と並行いたしまして、現道の国道一〇一が大変厳しい区間が多い、これも事実でございます。一部区間におきまして、最小曲線半径が三十メートル、最急勾配が九%、こうなりますと、実際、走行していただくべき速度というものが、三十キロぐらいが限界か、こういうようなところもございます。そういう線形不良箇所、あるいは踏切の平面交差箇所における交通渋滞が発生している、こういう状況の区間もございますので、こうした問題を早期に解消するために、現在、青森県におきましては、田野沢バイパス、これが延長一・八キロでございます。それから追良瀬バイパス、この延長が二・四キロ。合計四キロ強のバイパス事業を推進している最中でございます。
 こうした事業の推進もあわせて、総合的に地域高規格道路としての整備の必要性あるいは緊急性といったものを、九十キロ、全体、非常に長うございますので、それぞれの区間をどう重点的にやっていくか、そういうような観点から調査を進めてまいりたい、そんなふうに思っております。
 なお、一言申し上げますと、整備効果の早期発現あるいは整備コストの縮減、こうしたことも大事な私どもの地域づくり、道づくりに求められている、こうしたことにかんがみまして、地域高規格道路につきましても、ややもすると全国一律の構造規格、こういうふうに思われておられたという節もございますので、地域に応じていろいろな道路構造が選択できる、さらに、サービスする速度といいますか、これが六十キロ以上ということであれば、かなりお使いいただけるであろう、そんなことも考えまして、先般、五月二日に、地域に応じた構造を考えていこうというふうに通知を出させていただいたところであります。
 こうしたいろいろな工夫をしながら、地域の実情に合った道路整備の推進、こういう観点から、西津軽能代沿岸道路の計画あるいは構想の具体化を考えてまいりたいと思っております。
津島(恭)分科員 ありがとうございました。
 先ほどちょっと申しましたように、生活道路という意味は、ある意味でいいますと、道路のわきを人も通れるということもあります。それからまた、岩崎村の方に行きますと、局長御存じかどうかあれでございますが、かなり、山と海、道路の幅も本当に限られているというので、さらなる英知のお示しをいただくということをさらにお願いしたいな、こう思っております。
 そこで、実はもう一つ、高速道路のことについてお願いを申し上げたいな、こう思うのであります。
 先ほどいみじくも扇大臣の方から、高速道路をつくるのに反対の方が六〇%おられる、あるいは残りの賛成は四〇%しかないですよ、こういうお話もございました。その残りの四〇%の代表として一言お願いを申し上げたいと思うのでありますが、我々、青森県、特に地方にありますと、東京との格差というものがあるわけでありますから、この辺を解消するためには、一つは自動車道路であるということはもちろん皆さん御承知のことと思います。
 そこで、東北自動車道を東京から北上してまいりますと、岩手県の安代のジャンクションを境にいたしまして、八戸線、そしてまた青森、これは青森方面へ向かう東北自動車道でありますが、この二つに分かれるわけであります。
 そこで、実は、青森方面の方は、青森から三内まで、今の三内丸山遺跡のあるあたりでありますが、この辺が整備路線として進んでおります。ただ、これも、八戸線の工事として行っているということをまず一つ御理解いただきたいということであります。
 そしてまた、八戸自動車道は、昨年の七月、八戸ジャンクションと八戸北インター、これが供用となりました。既に開通している百石道路あるいは第二みちのく有料道路と接続して、一つに結ぶことができたわけであります。そしてまた、既にみちのく有料道路というのがございまして、これが青森市から天間林間、これを連絡しているわけであります。
 ただ、もともとの地元の要望は、これらをすべて、青森市から八戸市まで環状線型の高速道路ネットワーク、これをつくるということがもともとの願いでありました。いろいろな道路公団の民営化等々の問題がございまして、今の三沢―天間林間が実はこの計画から今のところ欠落している、そういった事実もあるわけであります。
 そこで、青森県というのは、昔から、南部の地域それから津軽、この地域性が、実は二つのお城があったために、どうしても県内が南部、津軽ということで分かれてしまっているということもあるんですね。そこで、これらを解消する、津軽と南部の均衡ある発展を図るためにも、この道路づくり、これが非常に必要だ、こう考えているわけであります。
 そこで、整備計画がまだ具体化していないこの三沢―天間林の問題を早急に整備することが必要だと考えていますが、現状と、そしてこれからの見通し、その考え方を少しお示しください。
佐藤政府参考人 先生御指摘の三沢―天間林間、これは東北縦貫自動車道の八戸線として基本計画が策定されている区間であります。
 この東北縦貫道の八戸線は、岩手の安代で青森線と分かれて、青森県の青森市、八戸を経由して至る、延長が約百六十七キロの高速自動車国道でありますが、青森県の太平洋沿岸地域の産業、経済、文化の交流発展を推進する路線、こういう位置づけでございます。
 その整備状況につきましては、安代から八戸北、これが既に現在八十一キロが供用中である。それから、青森の方から参りまして、青森東―青森ジャンクションの間、この十六キロは、今年度供用すべく整備を進めている、こういうことでございます。残りにつきましては、実は、百石道路あるいは第二みちのく有料、あるいはみちのく有料、こうした形で、既に公社の有料、あるいは道路公団の一般有料として供用している部分がございますので、これにつきましては、高速自動車国道の機能を当分の間これでもって代替していただくという形で何とかお使いいただけるだろう、こう思っております。
 そうなりますと、残る約二十六キロ、三沢―天間林間がどうするか、こういう先生の御指摘かと思います。
 この三沢―天間林間につきましては、平成十三年の一月の十二日、環境影響評価法に基づきまして、方法書の公告縦覧を終了し、現在、環境影響評価の準備書の作成に向けまして、所要の手続を実施しているところであります。要は、都市計画を固めて、そして事業の環境を整えていく、こういう動作をしているところであるわけでございます。猛禽類の調査等、なかなか時間を要しますので、その辺の調査を今しっかりとやらせていただいているところでございます。
 この区間は、言ってみますと、高速自動車国道全体の予定路線一万一千五百二十キロ、この中の既に整備計画が出ております九千三百四十二キロの外側の部分、こういうことでございますので、その整備をどういうふうにしていくか、いろいろ工夫する必要があるということだとは思います。
 いずれにしましても、費用対便益など、十分整備効果を検討しながら、そして、さっき申し上げました、猛禽類の調査であるとか、あるいはその他遺跡の関係とか、そうしたことを十分調査しながら、事業が実施し得るという環境を整えていくということが現時点では一番大事なことか、こう思っておりますし、それから、地元の皆様に十分お使いいただけるような前後のいろいろなプロジェクトとの関係、こうしたこともお互いに努力し合うということが大事なことだと思っておりますので、地元の皆様とお力を合わせながら、そうした開発プロジェクトとの連携といったようなことも一緒にやりながら検討してまいりたい、そういうふうに思っております。
津島(恭)分科員 ありがとうございました。
 実は、その真ん中が欠落しますとサークルにならないということがまず一つありますし、先ほど申しましたように、実は、八戸線ということで、青森―三内ということが整備の計画ということの名前になっております。ですから、当初つくった、考えておった、八戸線からずっと延長して青森へ結ぶということだと、当初の計画はそうなっていたはずでありますので、そこを十二分に御理解していただいて、地元の要望にこたえていただきたいということを再度お願いしたい、こう思っております。
 そこで、実はあと、最後の質問でございますけれども、私ども、子供のころは、特に私もまた青森で育ったものですから、小さいときには、山でセミをとったりカブトムシをとって遊んだり、あるいはまた川でドジョウやフナをとって遊んだ、そしてまた川で泳いだりということもあったと思うのであります。そしてまた、大きな川、小さな川、それぞれの遊び方もまた違ってくる。
 そういった中におきまして、今、国土交通省さんの方でも河川に対しては、魚道をつくったり、あるいは石積みの護岸といったこと、こういった、環境あるいは生物、植物に配慮したということも努力されているようでございます。大変結構なことだと思うのでありますが、自然に触れ合う、そのことは、実はさまざまな生き物が生きている河川にこそできることではないでしょうか。
 そこで、例えば弘前市内の河川における取り組み、そしてまたこれから先の見通し、こういったことについて少しお答えをいただきたいと思うのであります。
鈴木政府参考人 弘前市内の取り組みの状況についてのお尋ねでございました。
 岩木川では、水辺の魅力を最大限に引き出し、そこを訪れたくなるような地域交流の拠点となる、にぎわいのある水辺、こういったことをキーワードに、実は弘前市と一体になって、弘前地区水辺プラザ整備事業というのを進めております。これは直轄でやっております。
 十三年度から既に着手しているわけでございまして、せせらぎ水路や散策路、あるいは船着き場、あるいは自然観察池、こういったものを整備して、先ほどのにぎわいのある水辺というようなことをねらって進めているところでございます。
 また、土淵川というのがございますが、これは平成七年度より、こちらは直轄ではございません、青森県の方におきまして、河川環境を復元、再生させる、そして、親しみあるいは触れ合い、こういったキーワードのもとに河川再生事業を進めているわけでございます。
 今まで、市内のこの川でございますが、ほとんど直立に近いコンクリートのブロックもたくさんございまして、まさに単調な景観でございました。こういったことを、委員が今御指摘ございましたように、自然の素材を使う、石材を使うとか、あるいはそういったことをやることによって生き物に配慮していこうというようなこと。あるいは、もう一つ大事なことは、市の方において中心市街地活性化計画というのをつくっておられるわけでございまして、こういったものときちんと連動しながら、堤防の緩傾斜化、水際における石張り護岸、園路等の整備をやっているという状況でございます。
 いずれにいたしましても、国と地方がきちんと連携しながら、治水の安全の確保、向上ということを当然基本に据えるわけでございますが、環境に優しい、にぎわいのある水辺整備を今後とも進めてまいりたいと考えております。
津島(恭)分科員 大変ありがとうございました。
 初めての質問なものですから、持ち時間を少し余したようでありますけれども、いずれにいたしましても、やはり政治というのは弱いところに光を当てるのが政治だと思います。青森県は、残念ながら、そういった意味ではまだまだ皆様のお力をかりないと大変なことだな、こう考えておりますので、ひとつ今後とも、大臣初め、どうぞ御尽力をお願いしたいと思います。
 ありがとうございました。
植竹主査代理 これにて津島恭一君の質疑は終了いたしました。
 午後二時から本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。
    午後零時十四分休憩
     ――――◇―――――
    午後二時開議
植竹主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。
 主査所用のため、その指名により、私が主査の職務を行います。
 この際、会計検査院当局より発言を求められておりますので、これを許します。会計検査院船渡第三局長。
船渡会計検査院当局者 午前中、平成十三年度の住宅金融公庫につきましての発言を失念いたしまして、まことに失礼をいたしました。おわび申し上げますとともに、再度、改めて発言をさせていただきたいと思います。
 平成十三年度住宅金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。
 よろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
植竹主査代理 国土交通省所管、住宅金融公庫について質疑を続行いたします。赤羽一嘉君。
赤羽分科員 公明党の赤羽一嘉でございます。国土交通委員会の理事でありながら分科会まで質問をすることになりまして、大変恐縮でございますが、緊急のテーマに絞りまして、幾つか質問をさせていただきたいと思います。
 まず一つは、本年三月のイラク戦争の勃発、また四月のSARSの発生ということで、この影響を受けて、経営状況が大変な打撃を受けている航空業界、観光業界、これは大変厳しい状況にあるということで、これらについてどういう対策をとられると考えられているのかということについて、幾つか伺わせていただきたいと思います。
 航空業界の定期航空協会、国土交通省の方にもいろいろお話があると思いますが、先日お話を伺いまして、大変、平時に比べて四割ぐらいになっているというような話もございます。
 航空便の場合は、お客が少なくなっているからといって航空便を全部キャンセルするわけにはいきませんで、最低でも週一便とか確保しなければいけない、そういった大変な状況があるということが一つでございます。
 また、アメリカの前回の九・一一の同時テロ、テロ対策等々についてのアメリカのアメリカ航空業界に対する支援策なんというのを見ておりますと、相当けた違いの金額の支援策をとられている。ある意味では、準国防業界というと変ですけれども、国防産業に準ずるものという扱われ方がして、日本とはちょっと別格なのかもしれませんが。
 私は個人的には、実は三井物産の北京事務所に勤務をしていたときに、天安門事件に遭遇をいたしまして、そういう一大事のときにも、当時は民間航空機が緊急の救援に来てくれた。そういう意味で、航空業界は民間企業でございますけれども、ある意味では大変公的な側面、公的な役割を果たしているという側面もあるわけでありますし、私は、しっかりと、この今の極めて特殊な状況下において、具体的な支援策を早急に手を打っていただきたいというふうに思うものでございます。
 テロのときにもとられました緊急融資制度について、同様の措置を今回もとっていただきたいと強い要望が航空業界からあるようでございますが、この点についての対策についてどのように考えられているのか、お答えをいただきたいと思います。
洞政府参考人 お答え申し上げます。
 先生御指摘のとおり、航空業界、イラク戦争、そしてSARSによって大変大きな影響を受けているところでございます。
 国際線の四月の搭乗実績は前年比約四割減、五月の搭乗実績と六月の予約も、前年度比で約半分程度に落ち込んでおりまして、最大三割近くの減便を強いられているところでございまして、今年度、大手航空各社は大幅な収支悪化が見込まれているところでございます。
 こういう状況にかんがみまして、国土交通省といたしましても、航空会社につきましては、既に航空機へのテロ等によって第三者に損害が発生した場合の政府措置というものを延長しておりますけれども、減便等が臨機応変に行えますように、国際線の発着枠のルールの適用を一時停止して、弾力的に減便の調整ができるように措置しているところでございます。さらに、航空会社の要望を踏まえまして、政府系金融機関による緊急融資、これにつきまして、現在、関係機関との調整を鋭意進めているところでございまして、できるだけ早くこの実現を図ってまいりたいと考えております。
赤羽分科員 今の局長の御答弁にもありますように、政府系の緊急融資制度、今準備されているということでございますので、できるだけ早期に、タイムリーに実現をしていただきたいと強く要望するものでございます。
 また、融資だけではなくて、どうも航空業界の皆さんの要望を聞いておりますと、大変、今回の関連でやりくりが、経営が厳しくなっているということで、現状、航空保安に対してのコストについては二分の一、国が費用を見ておるわけでございますが、さらなる費用発生については、率直に言うと、これ以上はなかなか負担がしにくいというような切実な要望もあるようでございますし、加えまして、着陸料とか航空機燃料税、また航行援助施設利用料等々といった、こういった部分についての利用者負担の減免等の検討を何とかお願いしたい、こういう要望も出ているようでございます。
 公団については空整特会の財源にもなっておりますし、歳出の面とのバランスで非常に難しい部分もあると思いますが、大臣の御答弁にもよくありますように、日本の着陸料はまだまだ高い、こういったことも背景にこれありで、こういったことについての支援策について御検討がどのようにされているか、御答弁をいただければと思います。
洞政府参考人 一点目の航空保安対策についてでございますが、航空会社が一義的な責任を持ってこの対策を行うということで、国におきましては従来から、検査機器の導入の費用あるいは人件費等につきまして半額を負担する支援措置を講じておりまして、十五年度予算におきましても、トータルで四十億円近い予算を組んでいるところでございます。
 現在、航空保安につきましては、いわゆるフェーズEという最もレベルの高い保安体制がしかれているところでございますけれども、今後、さらなるこれ以上の措置がしかれるといった場合には、その状況等に応じまして、その支援の必要性についても検討していきたいと考えております。
 また、着陸料等のいわゆる空港使用料等の問題についてでございます。
 航空会社等の方から、今、着陸料等につきましては、地方路線の維持拡充のための国管理空港の着陸料軽減措置二百三十一億円、それから沖縄路線等の軽減措置も合わせまして、十五年度においては総額で約三百四十四億円の軽減を講じているところでございます。これは今年度限りの措置でございますけれども、これを来年度以降についても引き上げることはどうぞ勘弁してほしい、こういう要望が出ていることは承知してございます。
 先生今御指摘のとおり、着陸料等の収入というものは、片一方で、受益と負担の関係から、空港の維持管理に必要な経費とか、あるいは大都市圏拠点空港の整備等の財源として大変重要な地位を占めているということも考えますと、この取り扱いについては慎重に対処すべき問題でございまして、まずは、旅客需要の動向とか航空会社の経営状況等、今後の動向を十分に注視していく必要があると考えております。
 また、成田と関空の着陸料につきましては、これも、着陸料の設定は空港公団や関空会社が航空会社との交渉を通じて決定するものである、また、これらの成田公団にしろ、関空会社にしても、イラク戦争やSARSの影響によって着陸料収入が減少して、これらの公団、会社の収支状況にもいろいろな深刻な影響を生じていること等を踏まえまして、この点につきましても、あわせて慎重に対応していく必要があると考えております。
赤羽分科員 今回のSARSの問題は、人災というよりも、どちらかというと天災というような側面もありますし、この天災によって発生する費用負担を航空業界が一方的に持つというのはなかなか大変な部分が大きいというふうにも考えます。これはぜひ政府一丸となって、今SARS対策をとられていると思いますが、ここは財政当局が何を言おうと、しっかりしたものを確保していただきたいということを強く要望するところでございます。
 この問題の最後の質問にいたしますが、サッカーのキリンチャレンジカップというのを、毎年国際試合をやるんですが、六月十一日に、当初日本とポルトガルの試合が組まれておりまして、これが変更になってナイジェリアになった、ナイジェリアの試合もまた変更になる、理由は何かというとSARSが危ないから、こういう話なんですね。日本はSARS感染国ではないわけでありまして、こういったことというのは、まさにサッカーの話だけではなくて、観光振興という意味で、ウェルカムプラン21、外客誘致というような大きな政策にも大変ダメージが大きいと思いますので、SARSは日本は感染されていないんだということをしっかりアピールしていく場を持っていくべきではないかというふうに思うのですが、こういったことについてどのようにお考えでしょうか。
三沢政府参考人 先生御指摘のとおり、我が国においてはいまだSARSの発症例が報告されておらず、仮に御指摘のような、我が国がSARSに感染されているという誤解を海外において受けているとすれば、これは大変遺憾なことでございます。
 このことにつきましては、国土交通省も含めましてやはり関係省庁等において、我が国がSARSに関して安全であるという情報を海外に対してきちっと発信していくということが極めて重要であるというふうに考えております。
 特に、私ども国土交通省におきましても、今年度からツーリズムの拡大ということのために、官民一体となってビジット・ジャパン・キャンペーンということに本格的に取り組むということを始めたところでございまして、こういうキャンペーンを通じまして、諸外国に対しまして、SARSの問題も含めまして、安全で魅力的な国であるということをきちんと正しい理解が得られるように積極的に取り組んでいきたいというふうに考えております。
赤羽分科員 大臣にも手を挙げていただいたので、あわせて、今局長の答弁の中に、諸外国が日本も感染国であるという勘違いをされているのであればというふうに、仮定形のように御答弁ありましたが、現実にそういうことでキャンセルになっているわけでありまして、日本で考えている以上に認識はかなり大きな誤解があるというふうにとらえなければ、こういった風評被害というのは最初に食いとめておかなければいけないと思いますので、この点と、政府を挙げてこのSARS対策、広範に取り組んでいくということを、恐らく外務省のことも、厚生労働省もあわせた対策が必要だと思いますので、大臣に総括的に御決意なり御答弁をいただければというふうに思います。
扇国務大臣 赤羽議員がおっしゃるまでもなく、我々は、最大限にまず水際作戦というのを大事にしておりまして、関係閣僚集まりまして、水際作戦の何ができるか。
 それから、感染地域から入るときに水際作戦するよりも、出るときももう既に検査してもらおうということで、赤外線の検査等々、ある地域によりましては援助してほしいということがございまして、御存じのとおり、赤外線で体温をはかるのを国際線の搭乗口で既に出国する前にはかろうということで、そうしますと、あれが一機八百万円するそうでございまして、それが不足しているから送ってほしいと言われまして、国内で増産できるかという話をいたしましたら、これの製造を一番しているのは大連だということでございまして、何のことはない、国内ではなくて大連でつくって国内で売っていたということで、それで八百万円ということで、中国自体がそういう品不足だとおっしゃるんで、日本で調べたら、いや、本当は大連でつくっておりますのでという話になりました。
 いろいろな体温計がありますので、八百万というあの赤外線のみならず、普通の体温計も増産できないかということでフル活動して、なおかつそれを援助対象にしようということになっております。
 台湾にもという話がありましたけれども、台湾はODAの対象国になっていないということで、るる問題はありましたけれども、人道的に今はそのことを言っていられないということで、今おっしゃったように、まず、水際で日本はとめるだけではなくて、日本に入る以前の貴地で既に検査してもらおう、そういうことで念には念を入れてやっております。
 ただ、日本国内で、もしものときもということで、すべからくみんなで、関係閣僚が集まりまして対処しておりますけれども、今疑義が持たれております台湾からの医師の観光ということで、近畿圏で、関空におりてなおかつ近畿を観光したということで、これも今最大限に対処しておりますけれども。
 最初は、バスの運転手さんが入院したというので大騒ぎしましたけれども、これも入院したということよりも、私は隔離する施設を利用したかどうかという方が問題だと思いますので、厚生労働省、大変努力なさいまして、最初は十四床ぐらいしか隔離のベッドがなかったそうですけれども、今はかなりの数に、二百床ぐらいふえておりますので、そういう意味では、対処するときに、今の観光バスの運転手さんのように、入院したといっても、ひとまずは隔離したかどうかということの方がむしろ問題でありまして、ただ入院したということだけでは私は対処にならないという、それほど厳しい感覚を持って我々は対処していこうと思っております。
 そういう意味では、内外、そしてWHOが指定しておりますところ、そして国内のマニュアルというものを、省それから地方自治団体挙げてそれを遂行するということで、今は日本では発症例がないということをずっと続けていけるように最大限の努力をしていきたいと思っております。
赤羽分科員 ぜひ、その総合的な対策に加えまして、冒頭申し上げました、海外に対する、日本は今安全だということも広報宣伝活動を含めてよろしくお願いしたいと思います。
 次に、自動車のNOx・PM法という法律、またこの十月一日から東京都がディーゼル車の規制を始めるわけでございまして、この二つの制度というのは実は根本的な違いというのがありまして、大臣に言うのは釈迦に説法であるわけでございますけれども、NOx・PM法というのは、NOxの値、PMの値が基準値を超えている、公害の度合いが高い地域に所属する事業所が所有するトラックなどに対する規制でございますが、東京都のディーゼル車というのは、対象地域だけじゃなくて東京都に流入される流入車規制がされるわけであります。
 この東京都の規制というのは非常に厳しいルールでございますけれども、やはりこの前東京都の方に聞きましたが、東京都内を走っているトラックの約半数近くが東京都以外のナンバーのトラックだということなんですね。ですから当然、流入車規制をしなければ全く何の意味もないという見解であります。
 東京都のトラックだけが規制を受けても周辺が受けなければこれは全く何の意味もない。私はそちらの考え方の方が正しいというふうにかねてより思っておりますが、これは大変なことで、私は兵庫県でありますが、兵庫県のトラックのディーゼル車も十月一日からは仕事で東京都に行くことができなくなるというようなことで、大変な影響が波及するルール設定になると思います。
 そのことについて、ディーゼル車、トラックを買いかえることについては種々対策もとられているところでございますが、現実には、地元のトラック協会の皆さんというのは零細に近い中小企業の会社が大半で、彼らに言わせると、いろいろな制度設計、融資制度をつくってもらっても信用保証の枠がない、担保もない、相当厳しい状況であるという中で、何とかならないか。中小企業対策で金融機関から貸しはがしを受けた場合は別枠のセーフティーネット保証を設けた、こういうようなことで、今回、ディーゼル車対策でトラックの買いかえをするときに別枠の保証制度をつくってくれないかというような具体的な要望も受けているところでございます。
 何とかならないかなというふうに知恵をひねり出そうと思っていましたが、東京都は、実はこの十月の実施を前に、保証枠は不要で、かつ担保は、購入する、買いかえる新しいトラックを物的担保にして融資できるという、私、相当効果的な新しい制度がこの三月から実施されたというふうに伺っております。
 この制度を、実は先週の週末、地元のトラック協会の総会がありまして御紹介したら、それを絶対につくっていただきたいと。そういうことをすれば、彼らは環境対策の政策、NOx・PM法とかディーゼル車の買いかえというのは協力をしたい、二十一世紀は環境の世紀だから大事にしなければいけない、こういう認識はあるんですね。
 しかし、なかなか先立つものがない、気持ちはあってもお金がないということで、何とか独自の融資制度、まさに東京都のような融資制度が実行できないだろうかという強い要望を聞いて、何とかきょうの決算委員会の分科会で、しっかり扇国土交通大臣にお願いしてこられるように背中を押されてきたわけでございますけれども、やはり東京都がやっているわけですから、ぜひ国も創設すべきだというふうに思いますけれども、この点について御見解をいただきたいと思います。
市川政府参考人 経済産業省でございます。
 自動車NOx・PM法の施行によりまして、本年十月から、年式の古い一部のトラックにつきましては買いかえの必要性とか、それから、先ほどおっしゃいました東京都を初めとするディーゼル車の走行規制の導入によりまして、新車への買いかえとかあるいはPM除去フィルターの設置等が必要になってきているということでございます。
 そのため、都県などにおきましても補助金制度とか制度融資が創設されているほか、国土交通省さんにおきましても、低公害車の導入とか、そのような除去装置の導入につきましての助成制度があるというふうに伺っております。
 それから、制度金融の関係でございますけれども、これにつきましては、自動車NOx・PM法の対象地域であるか、あるいは外であるかということとは別にいたしまして、内外を問わず、排出基準非適合車から適合車に代替する場合におきましては、中小企業関係の金融機関から低利の融資が受けられるということでございます。
 それからもう一つ、信用保証の措置なんでございますけれども、これにつきましては、先生御存じかと思いますが、中小企業信用保険法に基づく八千万円の無担保保証枠がございますが、これは一般の扱いでございまして、運送事業者のような場合におきましては、不況業種であるということでございまして、業種指定をした上で、保証限度枠を二倍にするという扱いもしてございます。
 現実に、この保証枠の使用につきましては、最近、年を追うに従って、これを使うという事例もどんどんふえてきているということでございます。手元の資料で申しますと、信用保証協会が保証を承諾した件数でいいますと、直近のデータによりますと、平成十四年四月から九月までの間におきまして九百件を超える件数がございます。
 そのようなことで、これも相当活用はされてきているということではなかろうかと思います。
 お尋ねの購入車両を担保にしました特別融資制度の創設などの問題につきましては、今申し上げました低利融資制度とかあるいは信用保証制度、それ以外の助成制度などによります対応の状況をまずよく見定めたいと思います。その上で、必要性とか、あるいは具体的な支援策が必要であればどのように組んでいくかということについて検討していきたいというふうに考えております。
赤羽分科員 そんな建前論を聞いているんじゃないんですよ。あなたは必要性を確認してからと言うけれども、私は直接聞いてきているんですよ。ここは国会で、議事録を残す場で、ちゃんとした発言として言っているんですよ。私の発言が全く根拠がないとでもいうような答弁はしないでください。冗談じゃないよ。わざわざ分科会まで、月曜日に出てきてその話をするということは、その必要性があるから言ってきているんですよ。
 東京都でやっている動産の購入車両を物的担保とするようなこと、これは検討できるんですか、できないんですか。不動産じゃないとなかなかできないというようなことを経済産業省中小企業庁は言われているんですよ。東京都でできることが、なぜ国としてできないのか。ちゃんと答弁してくださいよ。
市川政府参考人 私自身、済みません、中小企業庁の金融担当ではございませんが、いろいろこの問題について話を聞いているところをお伝えしたいと思いますけれども、動産としてのこれを担保として認めるかどうかという問題につきましては、幾つかクリアしなくてはいけない点があるようでございます。
 一つは、これを価格としてどのように見るかということにつきまして、非常に減耗が激しいトラックのようなものにつきまして、どのように資産評価をするかということでございます。そのときに、乗用車のようにある程度マーケットが存在しているような場合におきましては、これについてある程度、幾らぐらいということが可能性があるわけでございますけれども、なかなかそのような事例がないという中で、どのようにこれを制度として組んでいくかということについてはちょっと研究が必要だということのようでございます。
赤羽分科員 ですから、では、まず自動車交通局長にお願いしますが、トラック協会にしっかりヒアリングしてくださいよ。役所を動かすだけの説得力がないようでありますから、私の発言が。自動車交通局として、所管としてしっかりヒアリングをして、東京都のこの特別融資制度というのを紹介してください。
 今、経済産業省が説明したのは、全部、第三者連帯保証人とか物的担保、不動産担保が必要だとかということで使いにくいという話なんですよ。保証枠もほとんど使っているということを、わざわざ私は質問のときに説明しているじゃないですか。現状の融資制度がなかなか機能しないから、どうかならないかと。
 東京都は、どうかしたいということで、こういった新しい制度設計をしているわけだから。それを、そんな遠い先のような話じゃなくて、この十月から東京のディーゼル条例というのは始まるわけですし、何とか具体的なことで自動車交通局として腰を上げさせていただきたいと思います。
丸山政府参考人 ただいま経済産業省の方からお話ございましたけれども、トラックにつきましては、中小企業の資金の融通につきましては、別枠として、トラック事業を含む不況業種につきましては、セーフティーネット保証、他の業種に比べて極めて手厚い方策が国としてもとられておるところでございます。
 私どもといたしましては、トラック事業を含めました中小企業全体につきまして、資金調達が阻害されるかどうか、そこが一番重要なところでございまして、事業者等の要望も踏まえまして、引き続き、関係方面に必要な働きかけを行っていきたいというふうに思っております。
赤羽分科員 具体的に要望を聞くという段取りにはなっているんですか。
丸山政府参考人 具体的にいついつ要望を聞くということではございませんけれども、私ども、絶えず業界と接触をしながら、今先生からお話がございました要望については、把握に努めておるところでございます。
赤羽分科員 何かアンケートをやるとかという話、部会では言われていましたけれども、そういったことはないんですか。
丸山政府参考人 アンケートの件も含めまして、絶えず、業界の要望につきまして、事業者の要望を踏まえて働きかけを行っていきたいというふうに思っております。
赤羽分科員 局長、半年前なんだし、トラックというのは何千万もするような大変なあれで、トラック業界の協力を得られなかったら、NOx・PM法も何も全部、全く法律として機能しなくなるわけですから。法律だけ残って、ばたばたと業界がつぶれていくということが喜ばしいわけではないわけだから。そういう抽象的なことじゃなくて、やるならやる。そんな、絶えず聞いていますからみたいなことを言わないで、しっかりした答弁をしてくださいよ。やる、どういうふうにやるのか。絶えず聞いていますから、絶えず聞いているんだったら、こんな問題なんか起こらないじゃないですか。
 東京都ではこういう制度設計をしている、国ではまだ準備していない、そのことについて、所管の局長としてどのようにアクションを起こそうとしているのか。何だ、東京は変わったことをやっているなと思っているんですか。そんなことないでしょう。
 東京都だけの問題じゃないということを僕は言っているわけですよ。流入車規制というのはそういうことでしょう。全国各地、全部対象になるわけですよ。現状は、一都三県のところでしか特別な融資制度というのはとられていないわけですよ。そういうことがあってもいいんですか。それは東京都の条例だから関係ないと言ってしまえば、それでおしまいなんだけれども、そうは言えないでしょう、やはり国の局長として。どうですか。
丸山政府参考人 東京都が、信用保証枠が不要で、物的担保を購入車両の所有権とする制度をつくっているということは、私どもとしても承知しておるところでございます。
 ただ、国として、これまでNOx・PM法に対して何もやってこなかったかということではなくて、例えば、取得税につきましての優遇でございますとか、あるいは中小企業金融公庫等によります低利融資制度を講じてきたところでございます。さらに、先ほど来申し上げておりますけれども、不況業種、特にトラック事業につきましては、セーフティーネット保証が設けられておるところでございます。
 東京都の制度に類するようなものがさらにこれ以上必要かどうかということにつきましては、今後、事業者の要望を踏まえながら、引き続き、関係方面とも話をしながら詰めていきたいというふうに考えております。
赤羽分科員 禅問答みたいなことをやっていてもしようがないので。
 だから、そのようなことはわかった上で、現状はきついという声が出ているから、所管としてしっかりトラック業界と、ではヒアリングしてください。それをうちの部会でいいからちゃんと報告してください。それはできますね。
丸山政府参考人 ヒアリングはさせていただきたいと思っています。(赤羽分科員「報告も」と呼ぶ)その際、あわせて御報告をさせていただきます。
赤羽分科員 済みません。きょうは、環境省にも来ていただいて、また道路局長にもおいでいただいて、実は、阪神高速の新しい開通のところで、特定区間料金の導入ということについてちょっといろいろ地元の問題をお願いしたかったわけでございますけれども、時間がないのでまた別の機会にさせていただきたいと思います。
 ありがとうございました。
    〔植竹主査代理退席、主査着席〕
宮路主査 これにて赤羽一嘉君の質疑は終了いたしました。
 それでは次に、石田真敏君。
石田分科員 自由民主党の石田でございます。
 まず、私の地元の和歌山県の紀伊丹生川ダム建設計画の中止に伴う問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。
 紀伊丹生川ダムの建設計画というのは、昭和五十四年の予備調査に始まりまして、平成元年度からは実施計画調査が継続して実施をされてきたところでございますけれども、平成十四年八月に国土交通省が中止を決定したということでございます。
 その後、我々あるいは地元の皆さん方の要望の中で、近畿地方整備局の呼びかけによりまして、国、地元市町、それに県も入っていただいて、旧紀伊丹生川ダム地域振興協議会が昨年の九月に発足をいたしております。
 この協議会でいろいろと議論をいただいておるわけでございますけれども、それを踏まえまして、何点かにわたって、まず質問をさせていただきたいと思います。
 まず一点目は、行政需要費の補償の問題でございます。
 国の方としては、その協議会の中で、これの支弁につきまして、そういう方向で御検討いただくということでございますけれども、いろいろ調べてみますと、今までに、中止になったのではなくて、建設をする途中でそういう支払いがあったということでございますが、そういう既存の制度というのがあるということでございますが、今回は事情が多少違います。
 その上で、従来どおりの規定を適用されますと、少し問題が出てくる場合もあるわけでございまして、私のお願いといいますか要望といたしましては、既存の制度にとらわれない柔軟な対応をしていただきたいということでございます。
 例えば、今までの規定でいきますと、市町村にダム対策の組織があるとか、あるいは人件費に限るとか、また移転家屋を伴わない場合は補償対象としないというような、いろいろそういう規定を設けておられたようなんですけれども、この協議会に入っております町の中には、そういう組織を持っておらないとか、水没家屋のないというような町もあるわけでございます。
 しかし、大いに関係するということで、当初、昭和五十四年からもう既にさまざまな会議にも出席し、職員を派遣し、地域の夜の会合なんかにも出席をさせているということで、この規定どおりの市町同様にこの問題について取り組んできているというようなこともございまして、こういうあたりも十分勘案をいただいて、従来の制度だけではない柔軟な対応を考えていただけないかということでございますが、このあたりについて御答弁をお願いしたいと思います。
鈴木政府参考人 紀伊丹生川ダムに係る行政需要についてのお尋ねでございます。
 今御指摘ございましたように、従来の運用の中には、一部、人件費以外はだめだとか、いろいろな運用があった事例もあったことは承知しておりますが、公共補償の基準要綱がちゃんとございまして、そういったものの中で、今おっしゃったことが精緻にきちっとどうかというのはあれですが、基本的に、伺った感じとしては、公共補償基準要綱に合致するものの中で措置できると考えております。
 今後、地元から具体的な話を伺った上で、要綱に基づいてきちんと対応してまいりたいと考えております。
石田分科員 ありがとうございます。十分、地元は二十数年間にわたって前向きに協力するということでやってまいっておりますので、そのあたりのことを勘案いただきたいというふうに思います。
 次に、このダムを中止するということに基づきまして、何点か地元の問題がございます。
 その一つは道路の問題でございまして、実は国道三百七十一号の改修ということがございます。これは、関係市町村にとりましては、霊場高野山に通ずる東の玄関口といいますか、唯一の道なんですね。それをこのダムの問題が起こる以前から改修をしてもらいたいということで陳情をしておったわけなんです。
 ところが、昭和五十年にこのダムの建設計画が発表された。そのときに、そのダム建設の関連の周辺整備としてこの道路をやろうということで完全二車線の絵をかかれたわけなんですね。
 それで、地元としては、それだったら我々の夢がかなうということで、ダム建設にも協力をするし、いずれ、平成十六年には高野山、熊野が世界遺産登録をしていただけるような、そういう進みぐあいになってきておるわけなんですが、そういうことを目指して、何としてでも道路建設をということでやってきたわけなんです。
 ところが、先ほども申し上げましたように、昨年、ダムが中止になったということになりますと、道路の問題もとまってしまう。それじゃ、この二十数年間、高野山へいい道をつけていただく、そのためにダムも協力もして、いろいろな、そういう思いが一体どうなってしまうのかということなんですよ。地元としては、それだったら、二十数年前にかかっておけば、今はある程度の姿形になったんじゃないか、そういう大変な夢破れたというような思いがあるわけです。
 協議会の中では、そういう問題について、県の方からの案としては、部分改修をしましょうというような案を出していただいているんです。しかし、地元のお話を聞きますと、それでは対向できない道がまだたくさん残るんだそうですね。これだったら、何が世界遺産登録かということにもならないとも限らないんです。
 そういうような今出ている案では、地元の二十数年前からずっと描いてきた夢と今の現実との落差が余りにも大きいという問題もあるわけでございまして、こういうことについて国交省としてどういうふうに考えておられるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
鈴木政府参考人 この紀伊丹生川ダムの中止に伴いまして、おっしゃるように多大な御迷惑を地元におかけしているわけでございまして、その問題についてどのように、事業は、御案内のように、もうことしから事務所も畳んでおります。事業費もなくなっているわけでございますが、では、終わったから、はい、さようならというわけにいかないということで、現場の事務所長が今まで対応しておりましたが、事務所長は現在は局の方に発令いたしまして、この問題もきちんと責任を持って対応できるように、今までの事務所長が、別の立場にはなりますが、そういったことに対応できるようにということで対応しているわけでございます。
 それから、委員先ほどございましたように、この協議会は、現場の地方整備局の河川部長が直接、現場に任せるのではなくて局として直轄で、関係の和歌山県それから九度山町等々の地方公共団体と相談しながらやるという体制をつくっているわけでございます。
 そういった協議会の中で、協議会は、前条の目的を達成するため、次の事業を行うという中の一つとして、紀伊丹生川ダム関連地域の地域振興対策のあり方及び対策方針に関すること、これを前条の目的を達成するため、協議会は、紀伊丹生川ダム計画の中止に伴う当該ダム関連地域の地域振興対策に関して検討、協議する、そういう目的のもとに行うことになっています。
 現在までに、協議会を一回、幹事会を三回開催させていただいているところでございまして、その中で一番大きな課題の一つが、三百七十一号の改修の問題でございます。この中で、今、協議会の中でしっかりと検討が進められているところでございますので、今後とも、皆様方の御意見、御要望を伺いながら、地方整備局、県、関係市町と連携して対応を進めていきたいと考えております。
石田分科員 ありがとうございます。
 とにかく、地元にとってはその夢と現実の落差が大き過ぎるんですよ。本当に大きいということを十分わかっていただいて、いや、もうどうせダムをつくらなくなったんだから、日常生活上に通れたらいいじゃないですかというような、そんなものではないということだけは十分に御理解をいただきたいというふうに思います。
 それから、地元の問題の二点目は、やはり水没予定地域の皆さん方の問題です。
 これはもう大変大きな問題でございまして、私も地元の人と話をしましたけれども、本当に長い間、地域を二分するような議論の中でやってきた。そして、お国がすることだしというようなことの中で、地域のことも考えてこのダムに賛成をしていこうということで、皆さん意思統一をやってこられたわけですね。
 そういう中でどういうことがあるかというと、まず、自分が生まれ育ったところが水没するということがあります。同時に、そんな中で我々は今後どういうふうな生活設計を描けるのかというようなこと、そういうことを二十数年間ずっとその地域の人は考えながら生活をされてきたわけなんですよ。
 そんな中でどういう問題が起こっているかというと、まず、家屋に手を入れない。当然ですね。水没する家屋に手を入れてよくしようという人はいないわけなんです。あるいは田畑もそうですね。山林もそうです。そういうものは、もういずれ水没する、残念だけれども水没するから、まあ、それまでの期間使えればいいというような形でやってきたわけですね。
 ところが、急にやめますと言われて、さあ、どうするかということなんですよ。もう二十数年の時間がかかると、そのころに四十代、五十代だった方は皆さん老齢になられているんですよ。子供さんも、水没するところに生活していない、みんな出ていっているんですよ。それでは、そこに残った人は、我々は一体どうしたらいいのかということなんですよ。そういう問題が地域で起こっているということなんです。そのことをぜひ私は御理解いただきたい。本当に切実な問題です、これは。
 そして、今その人たちは、では、我々はこれからどうやっていくんだということなんですよ。まさしくこの二十数年間、四十代、五十代が働き盛りで、もう今七十歳とかになられた、この失われた時間というのは取り戻せないんですよ。そして、今、荒れ果てた土地と荒れ果てた田畑と荒れ果てた家しか残っていない。しかし、その人らに対して、今の状況では、今までのルールでは何の手だてもないんじゃないですか。しかし、こんなことでいいんですか。
 私は先ほども言いましたけれども、その地域の方は、お国のやることだからということもあったんですよ。しかし、二十何年たってみたら、残ったのは何にもなかった。私は、これは通らないと思うんですよ。こういうことについてどういうふうにされるのか。今までのルールの話だけでは無理、あるいは今までのルールの継ぎはぎだけでは対応できないと思います。では、どうするのか、お聞かせいただきたいと思います。
鈴木政府参考人 今伺っておりまして、私も、中止した当時、地方整備局長をしておりまして、この問題に当たったときのことをまざまざと思い出しながら伺っておりました。事務所長が現場の一軒一軒を回っておわびしていく中で、私のところに参りまして、よほど灰皿でも投げられて追い返される方が楽だ、そうしてほしかったというぐらい、非常に苦しい思いのうちを私に言っておりました。
 そういったことを踏まえて、私どもとしては、役所としてできること、それぞれのことには限界がございますが、いろいろな知恵を集めながら何とか対応していくことができないかということで、先ほど言ったような協議会を設けているわけでございます。
 この協議会の中には、先ほどは省略いたしましたが、紀伊丹生川ダム水没予定地域関係住民からの要望の対応に関すること、単に地域振興対策ということだけではなくて、そういったことも扱うこととしておりまして、現に、先ほど協議会、幹事会の進行状況を申し上げましたが、そういったものの中にも既にいろいろな問題が出てきております。
 こういった中で、検討協議を現在進めているところでございますので、今後とも地域の皆様の御意見、御要望を伺いながら、先ほどと同じことになりますが、地方整備局、和歌山県、関係市町が連携して、何とか、どういうことをやっていったらいいのかということについて粘り強く御相談してまいりたいと考えております。
宮路主査 扇大臣、何かございませんですか、今のお話をお聞きになっておられて。
扇国務大臣 質問者にしてください。
石田分科員 ありがとうございました。
 そういうふうに協議をいただいているということなんですが、決して対象者というのは、何百人も何百戸もあるわけじゃないんです。それだけに、国として十分に対応できる範囲の方だ、そういう方に対してすら何の手だてもできないということだったら、これは私は、これからいろいろなことをやっていく上で信頼感がなくなるというふうに思うんです。
 ですから、本当に一部の方が困っておられるということなんで、ひとつそういうことも十分に考慮をいただいて御検討いただきたい、あるいは、これからの協議に臨んでいただきたいということをお願いしておきます。
 もう一点、地元の問題につきましてなんですが、紀伊丹生川というのはどういう目的でつくられるかというと、治水とそれから利水です。それで、今回の中止は、主に利水という面で、費用対効果が悪いということで中止を決定されたわけなんですね。しかし、治水という問題についてはまだ残っておるわけなんです。現実に下流域の対象になっている一市二町以外の町で、私たちは心配だという声があります。
 では、治水の問題について、どういう計画で、いつごろ、どういうふうな対策をされるのか、それをお聞かせいただきたいと思います。
鈴木政府参考人 ダムは中止いたしましたが、治水上の、治水対策の必要性がなくなったわけではないわけでございまして、御指摘のように、これを進める必要がございます。
 現在、新しい治水計画の策定に向けて、紀伊丹生川ダムの中止を踏まえて、河川整備基本方針及び河川整備計画の策定作業を鋭意進めているところでございます。
 平成十三年の六月には、紀の川流域委員会、これは河川法の規定に基づいてそういったものをつくる必要があるわけでございますが、それを設置し、これまでに十四回の会議を開催し、紀の川の河川整備のあり方について御意見を伺ってきているわけでございます。
 その中で、堤防の整備、河床の掘削、あるいは本川の中に大きな井堰がございまして、これが大きな洪水の阻害になっているというわけでございまして、その改築によって大幅に河積が、川の断面積がふえるわけでございますので、さまざまな治水手法について検討を進めているところでございます。
 いずれにしましても、河川法の手続にのっとってこの計画を一刻も早く決定し、計画に基づいて治水対策を推進してまいりたいと考えております。
石田分科員 この治水の問題については、本当に皆さんが不安を持ってやっておられるわけですから、これについても早く対応していただきたい。ダムのことは、話がなければ、もう既に治水対策が進んでいる話なんですから、それをダムができるということで待っていたわけですね。先ほど来の話はみんなそうなんですよ。ところが、それが国交省の、あえていえば利水との関係の費用対効果の見直しの中ですぱっととまったわけですから。それは住民がかかわってとまった問題ではないということです。
 だから、その点については、私は先ほどから四点について申し上げましたけれども、十分そういう立場を踏まえて対応していただきたいということをお願いしておきます。
 時間がありませんので、次の問題へ移らせていただきたいと思います。
 関西国際空港についての問題でございます。
 これは以前にも私、質問をさせていただきまして、特に関西空港と羽田間のシャトル便、四月のダイヤ改正で大変な空白の時間ができてしまいました。これは緊急に質問をさせていただきました。おかげで、航空当局の大変な御尽力をいただきまして、実は、きょう初めて臨時便が飛びまして、私は実は地元からそれに乗ってきました。ありがとうございました。
 そして、六月、七月、八月と新しいダイヤを組んでいただけるということで、少し改善をされたわけでございますけれども、次に九月のダイヤ改正で、もう一段善処をいただけるというふうにお聞きをいたしておりまして、感謝を申し上げながら、この九月ダイヤ改正に向けて、今の関西空港の状況について少し、これは大臣にもぜひお聞きをいただいて、御答弁をいただきたいというふうに思います。
 まず、今、関西空港の問題については、大臣もよく御存じのように、伊丹空港との問題というのが非常に大きな問題としてあるわけでございます。そんな中で、では、関西空港と伊丹空港、どういう状況になっているか。
 まず便数で見てみますと、便数は伊丹空港はふえています。ところが、関西空港は便数がどうなったかといいますと、平成六年の開港後、関西空港で一日当たりの便数が一番多かったのは平成八年です。そのときに一日八十四便です。ところが、去年、平成十四年には六十八便に下がりました。そして、ことしは関西空港は五十三便なんです。伊丹空港は一日の便数がふえているんです。ところが、関西空港は、八十四便だったものが六十八便になり、五十三便になった。
 そして就航、飛んでいっている都市ですね、就航している都市は、伊丹空港は変わりはないんです。関西空港は、平成八年に国内の三十三都市へ行っていました。ところが平成十四年、去年は二十二都市になった。さらに、ことしは十九都市になっているんです。
 そして今、関西空港は、離発着十六万回と言われる中で、去年の実績を見ますと十一万回、つまり五万回の余裕があるんです。ところが、伊丹空港は離発着回数がふえていっているんですよ。このことを私はぜひ御理解をいただきたいというふうに思います。
 そして、その就航便数あるいは就航都市数、そういうものの中身をもう少し詳しく申し上げます。
 羽田、関西空港は十四便、伊丹は二十七便です。鹿児島、関西空港は二便、伊丹は十一便です。仙台、関西空港はゼロです、伊丹は十二便。宮崎、関西空港は二便、伊丹は六便。これは二〇〇三年四月ダイヤです。熊本は関西空港が一便で、伊丹が十便。長崎は関西空港が一便で、伊丹が七便。大分は関西空港が一便で、伊丹が四便。佐賀は関西空港がゼロで、伊丹が二便です。
 さらに千キロを超える長距離路線、以前はこれは関西空港が担うと言われていたんですが、今、旭川、関西空港ゼロ、伊丹が一便。それから奄美、関西空港ゼロ、伊丹が一便です。
 そして、関西空港へ来られるような方は、恐らくトランジットで新潟とか出雲へ行きたいんだろうと私は思うんです。ところが、新潟は関西空港ゼロ、伊丹が六便。出雲は関西空港ゼロ、伊丹が三便なんです。こういう状況なんです。
 そして、先ほど申し上げましたけれども、関空と羽田のシャトル便について見ましても、これは前にも申し上げましたけれども、関西空港から羽田へ飛ぶ便、朝の八時から十五時まで、去年は四便だったものが、今現在二便になっているんです、今現在二便。羽田から関西空港へ飛んでくる便、朝の八時からお昼の十二時まで三便だったものが一便になっているんです。そして十四時から十九時の間に二便だったものが、十四時から二十時の間に二便なんです。
 これは、私は今いろいろなことを申し上げましたが、まず、今の関西空港と伊丹空港の実情について御感想をおっしゃっていただきたい。こんな状況について、どういうふうな感想を持っておられるのかをおっしゃっていただきたい。
 それから、関西空港を日本の三大国際拠点空港として位置づけておられる国交省として、こういう状況にどう対応されるのか、そのこともお聞かせをいただきたい。
 そして、以上のような状況を踏まえて、この次の九月のダイヤ改正、あるいはそれ以降のダイヤ改正にどう臨んでいかれるのか、お聞かせいただきたいと思います。
洞政府参考人 関西国際空港の機能を十全に発揮させるためには、国内線ネットワークを拡充して、乗り継ぎ利便の確保を図るということも極めて重要な課題であると認識してございますが、一方において、先生よく御存じのとおり、航空運送事業の規制緩和の中で、国内線のネットワークの設定等が基本的に航空会社の判断にゆだねられている。要するに、需要というものを勘案して、航空会社が便数を幾つ張るかということを決めるということに方針転換をしたわけでございまして、こういった二つの相矛盾する課題の実現に非常に難しい面があるということは事実でございます。
 そういう中にあって、私どもといたしましても、地元や関空会社による、いろいろ航空会社に対する誘致や要請活動等の努力を支援してきているところでございます。また、本年三月に関空会社が経営改善計画というものをつくりまして、大型機がだめなら小型機で、需要が少ないなら少ないなりに、小型機によって関空に乗り入れていただいて便数を確保していく。あるいは国内線も、国際線との乗り継ぎをスムーズにするために、国際線の便名、コードシェアをつけて、乗り継ぎの利便性というのを国民にアピールして、そして関空経由でいろいろな国、地方へ行ってもらう等々の働きかけなど、国内線、国際線の乗り継ぎ利便の拡充を掲げて積極的に取り組むこととしているところでございます。
 また、私どもとしましても、成田空港への参入が困難な外国航空会社に対しては、関空へぜひ乗り入れてくださいということを積極的に、たとえ日本のエアラインが余り行きたがらないようなところでも、そういうエアラインもどんどん誘致してきて関空会社に入れていく。そして、ほかの日本国内の空港からも、国内ネットワークを乗り継いで、関空を経由して当該国への利便が向上する等の方策によって、国内ネットワークの充実に資するような、そういう側面的な努力といいますか、一つ一つの効果というのは直ちにすぐ大きな効果をもたらすものじゃございませんけれども、そういう努力の積み重ねをしているところでございます。
 今後とも、地元も含めまして関空会社とともに、そういう国内ネットワークの充実に結びつくような施策のあり方につきまして、一層の利用促進を図る観点から、徹底したプロモーション活動とか需要喚起策を強化するなどして、引き続き指導、また一緒に努力してまいりたいと考えております。
 また、九月のダイヤはどうなるんだという御指摘でございますけれども、先生御指摘のとおり、関西―羽田につきましては、ことしの四月、五月のダイヤ設定において約七時間の空白時間帯が生じるという事態が発生いたしました。
 このため、本年の三月末に、航空会社に対しまして、国際拠点空港発着の国内路線に係ります発着時間の設定に際しましては、利用者利便の確保の観点から、当該路線の総便数、当該路線の発着空港の運用時間などを考慮して、設定後の発着時間が利用者によって利用しやすく、かつ、長時間の空白時間帯が生じないようにあらかじめ調整を行うよう指導したところでございまして、この結果といいますか、エアラインはこの六月ダイヤから改善を図る旨表明して、一定の改善が見られたところでございます。
 御指摘の九月ダイヤにつきましても、航空会社の適切な対応というものを期待しているところでございます。
石田分科員 もう時間がないので予定していた質問はカットしますけれども、最後に大臣、私は今、関西空港と伊丹空港の比較をしました。これはどんどん悪くなっていっているんですよ。ところが、今、航空局長さんは、需要に任せてというような言い方をされたんですよ。
 国交省は、国際拠点空港というのは日本の中で成田と中部空港と関西空港以外ないんでしょう、その国際拠点空港を育てていく、そういう意味からいって、今のような成り行き任せでいいんですか。大臣、お答えいただきたいと思います。
扇国務大臣 もともと関空の問題は、関空をつくるときの伊丹との約束に端を発するんです。御存じのとおり、昭和四十四年以降、何回も伊丹空港廃止という訴訟が起こりました。そして、関空をつくったときには、伊丹を廃止するとちゃんと明記してある。ところが、まあ、名前は出せませんが、関空ができたときに、ある大臣が、いや、伊丹は存続していいよということに決まったときからおかしくなっているんです。
 そして、今回の四月改正以前も、関空がお昼は四時間空白がありました。これでも私はいけないと言っていたんです。そして、小泉内閣で、二〇一〇年、外国からの観光客を五百万弱から一千万目標にしよう、国際空港にお客が来てくれなければ倍増できないんです。
 ところが、私は四月の一日からのダイヤを見たら、四時間の空白で怒っているのに、七時間空白になっている。冗談じゃない。幾ら届け出制でいいからといっても、空港行政の基本的なものをあなたたちは黙って聞いていたんですか、なぜ最初に私の耳に入れなかったんだと言って、私は大問題にしたんですけれども、やっと一便、民間が努力してくれて、きょう、乗ってきてくだすったということですから、石田議員もわかったと思います。
 基本的には、関西の三空港をどうするか、関空、伊丹、神戸。なおかつ、まだ神戸が加わりますから、そうすると、伊丹はもう国際便が飛んでいないんですから、第一種じゃなくなるんですよ。第二種に降格してもいいんじゃないか。そして、今まで、伊丹の今日までの整備費というのは一千百億円です。ところが、周辺整備費というのは六千四百億使っている。千百億の整備費で、周辺の飛行機の飛ぶのに関係のないところに六千四百億使って、そしてなおかつ、一年間に約百億弱、ことしでとったら八十六億でしょうか、いまだに周辺整備費に払っている。それで、いや、あっちが一種だ、こっちが二種だ、いや、飛行機の便が足りない。それは、幾ら規制緩和で航空会社の需要に任せますといっても、基本的な指導をしなかったら、そんなものはよくならないんですよ。
 そしてなおかつ、関空に言わせていただければ、第三セクターが通って、地元の財界、地方自治体、そして関係者が集まって第三セクター、なぜ空港へ行くのに橋、千七百二十円取るんですか。往復の料金で片道領収くれと言ったって、くれないんですよ。
 そんな航空行政をしていたのでは、それはおかしいので、その根本的な空港行政というものを、だから私は、二十一世紀のグランドデザインをつくろうと言ったのはそこにあるんです。
 ですから、狭いところで、三空港で、管制の安全性も確保できない。なおかつ利便性も、国際線で成田国際空港に着いて国内線に乗りかえるためにはまた時間と金がかかる、成田と羽田でもうたくさん、同じことをまた関西がしようと。しかも、第三セクターだとおっしゃるのなら、経済界のトップが入っているんですから、やっと、何月でしたか、私がそのことを昨年申し上げて、ことしになって初めて、関西の経済界とそして地元と全部でこの三空港のあり方懇談会というのができたんです。
 私は、石田議員がおっしゃることはわからなくはありませんけれども、第三セクターで、国が規制緩和というときに、余りにも規制をかけるというのはまた怒られますから。少なくとも私は、地元の三者会談、この三空港の懇談会というものを立ち上げて、関西の経済界とともに、周域の経済のあり方、あるいは国際拠点として関西への旅行客の誘導、アクセスのあり方、全部考えていただきたいというのが私の思いでございますし、また、そうでなければ関西の経済は復興しません。
 私はそれほど考えていますので、ぜひその辺は、石田議員、関係の国会議員ともども、なぜ伊丹が関空ができたときに残ったかというところにさかのぼって論議してほしいと思います。
石田分科員 どうもありがとうございました。大臣とともに頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
宮路主査 これにて石田君の質疑は終了いたしました。
 次に、福島豊君。
福島分科員 大臣、まことに御苦労さまでございます。ただいまのお話、私も大阪の議員でございますので、本当にしっかりと受けとめたいと思って聞かせていただいた次第でございます。
 また、本日は、地元の問題で幾つかお尋ねをしたいと思っております。
 第二京阪道路という道路、今、国におきましても積極的に取り組んでいただいております。この第二京阪道路というのは大阪と京都を結ぶ道路でございますけれども、この大阪と京都の間というのは十四車線、これは国土交通省でつくられた資料でございますけれども、二十三万三千台に対して十四車線しかないということで、慢性的な渋滞があるわけでございます。
 私も国道一号線沿いに住んでおりますので、この国道一号線の渋滞ということは、政治家になりましてから十年、ずうっと実感をしながら生活してまいりました。そしてまた、何とかこの渋滞を解消する。いずれにしましても、大阪も京都も経済の中心地でございますから、渋滞を解消することによって経済的な効果というものも極めて大きなものがある。十年間、毎年のように、かつては建設省、そして今は国土交通省でございますけれども、陳情してまいりました。
 そして、今年の春から、枚方というところがありますけれども、京都から枚方東まで供用開始をしていただきました。大変うれしく思っております。
 しかしながら、これは、大阪から京都に行くときは便利になりましたけれども、京都から大阪に参りますと、そこでまた一号線に出なければなりませんので、やはり渋滞が続くという事態は改善をしていないわけでございます。そういう意味で、何としても一日も早くこの第二京阪道路というものが全線において供用の開始をしていただけるように、切に願っておるところでございます。
 まず初めに、この第二京阪道路の事業につきまして、その進捗状況と今後の見通しについてお尋ねをいたしたいと思います。
佐藤政府参考人 第二京阪道路は、京阪神地域の広域幹線道路ネットワークを形成するとともに、先生今御指摘のように、国道一号の慢性的な交通渋滞、これを緩和して、交通安全の確保を目的として、延長が二十七・四キロでございます。全体事業費は約九千七百億円という幹線道路の計画でございます。
 昭和五十八年度に事業化しまして、既に、平成十五年三月三十日、巨椋池インターから枚方東インターまで十・五キロでございますが、部分供用を図ったところでございます。
 問題は、これから、残る枚方東インターから門真ジャンクションまで十六・九キロございます。これにつきまして用地買収を推進しているところでございまして、この五月一日現在で用地買収の率は七九%、約八割、こういうことでございます。
 十五年度より、寝屋川市域及び門真市域で本線の高架橋の橋脚工事や擁壁工事など、非常に時間を要する工事を早目に着手しようということで今年度予定しておるところでございまして、平成十九年度全線供用を目指して事業を推進してまいる所存でございます。
福島分科員 残された区間につきましては、ただいまも局長から御説明がありましたように、できるところから早目にぜひ着手をしていっていただきたい。そのことによって地元の理解といいますか期待もまた高まってくるわけでございまして、ぜひよろしくお願いいたしたいと思っております。
 そしてまた、このことは実は地元の地域のさまざまな都市インフラの整備とも密接に関係をいたしております。
 この第二京阪道路の最後の部分は門真市というところになるわけでございますが、門真というのは昔はレンコン畑ばかりのところであったわけでございます。大阪湾というのは昔は海で、上町台地がある、松下電器がありますけれども上町台地のほかは海で、内水域と言うのですね、川の水が流れ込んできてたまる。そういうところが、ですからレンコンを栽培するには適していた。逆に言いますと、大変水はけの悪い地域なんですね。ですから、この数年間でも、集中豪雨になりますと床下浸水とかがかなり頻発をしております。そういった床下浸水等の被害が起こりますと、何とか下水道、もっとしっかりと整備をしてもらえないかという話があるわけでございます。
 門真というのは、町の、市の南北の大体三分の二ぐらいまで京阪電鉄が走っておりまして、そこから北側というのは下水道の整備が非常に進んでいる。その南側というのは、国道百六十三号線もありますけれども、南の方というのはやはり進捗状況が悪い。それは、先ほど申しましたようにかつてレンコン畑、水田もございますけれども、そういう地域であったということもありますけれども、一つには、第二京阪道路の建設ということを前提として、下水道としても大きな幹線を埋設してそこに集中させようという基本的な考え方があるわけでございます。
 当然、道路の下の空間というものは有効に使うべきでございますから、そういうものを一体として進めていくということは大変大切なことだと思いますが、ただ、この第二京阪道路、もっと早くできるものだとみんな思っていたわけでございますけれども、なかなか進まない。いろいろな状況がございます。国も一生懸命努力していただいているということは大変よくわかっておりますけれども、そういうものの整備も同時に進めなければいけないという観点がございますので、ですから、できるところから早くやっていただきたいという要望が地元としてもあるわけでございます。
 二問目は、この下水の計画も含めて、十九年ということでございますけれども、どういうぐあいに進んでいくのか、お考えをお聞きしたいと思います。
佐藤政府参考人 先生御指摘のように、門真市域の国道百六十三号以南の地域が公共下水道の整備がおくれている、こういうことでございまして、門真市によって公共下水道の整備が進められているところではございます。しかしながら、このうち中部排水区につきましては、第二京阪道路の整備とあわせて、第二京阪道路の地下空間に敷設する、こういう計画になっているということでございます。
 先ほど申し上げましたように、ようやく用地買収の方も八割近くなってきた、こういう状況でございますので、あわせた事業として両事業の円滑な遂行を図っていく必要があるだろう、こういうことで、実は門真市と近畿整備局との間で受委託の協定を昨年締結いたしました。今年度から、道路の敷地内につきましては道路事業者によって現地工事に着手しようということで予定しているところでございます。
福島分科員 よろしくお願いをいたします。
 そしてまた、この第二京阪道路建設の構造として大変大切な点は、ジャンクションを、インターチェンジをたくさんつくっていただいて、地域にとりましては非常に利便性の高い道路にしようという考え方で設計をしていただいているところだというふうに思っております。もとより渋滞を緩和するということで大変大きな意味合いがあるわけでございますから、地域からのアクセスがしやすい道路であるということは高く評価する点だと思います。
 ただ一方では、アクセスする道路そのものがまだまだ十分な道路幅を持っていない、そういうような状況のところもあるわけでございます。枚方東まで供用開始されましたけれども、そこのアクセス道路の混雑というようなことも指摘をされているわけでございます。
 それは門真南まで全線供用開始をされた場合にでも、やはりアクセス道路の問題ということは地域住民にとりましては大変大切な課題でございます。同時に大阪府も力を入れているというふうに私は伺っておりますけれども、国としてもこのアクセス道路の整備についてどのような考えでおられるのか、お聞きをしたいと思います。
佐藤政府参考人 第二京阪道路の大阪府域におきます主要なアクセス道路、これにつきましては、府道の大阪中央環状線、それから国道の百七十号及び国道百六十八号などの幹線道路と接続する計画になっております。
 府道の大阪中央環状線、それから国道百七十号の現況の交通量は、それぞれ一日当たり九万三千台及び四万四千台、こういうことでございますので、大変交通混雑している状況であります。したがいまして、第二京阪道路の交通とアクセス道路との合流部である交差点部、これをスムーズに交通処理がなされるように対策が必要である、こう考えております。
 そういう意味で、第二京阪道路の供用に合わせまして、この大阪中央環状線と百七十号につきましては第二京阪と立体交差化を図る、これによってスムーズな交通処理を図るというふうに考えております。それから、百六十八号につきましては、現況が二車線で非常に脆弱であるという問題がございますので、天の川バイパスというものをアクセス道路として今年度新規に事業着手いたしまして、第二京阪道路の供用に合わせまして整備を図る、こういう予定にしております。
 さらに、その他、第二京阪道路沿線地域からのアクセス道路として、都市計画道路の寝屋川大東線など六路線の整備を大阪府と寝屋川市が行っているところでありまして、関係機関とこうした事業調整を十分密接にしながら連携して、アクセス道路、第二京阪道路ともに整備が進む、こういう形で進めてまいりたいと思っております。
福島分科員 よろしくお願いいたします。
 そしてまた、第二京阪道路につきましては、「緑立つ道」というネーミングをつけていただきまして、地元沿線の住民の意向も十分反映した上で環境に配慮した道路とする、構造とする、そういう考え方を示していただいているわけでございます。ここのところも大変大切なお話だというふうに私は思っております。
 また、植樹帯につきましても、環境を守るために十分なものをつくろうという考え方もお示しのようでございますけれども、この点について再度詳しく御説明いただければと思います。
佐藤政府参考人 第二京阪道路の整備に当たりましては、先生御指摘のように、緑立つ、こういうことで、平成四年度から、学識経験者等で構成される「緑立つ道」デザイン委員会を開催いたしております。総合的な道路景観、デザインのあり方などに関しまして提言を取りまとめて、これを踏まえて具体的な構造の設計、施工を進めているところであります。
 このうち、門真ジャンクション付近におきましては、地下鉄の長堀鶴見緑地線の整備、あるいはなみはやドームの整備にあわせまして、約八百メートルの区間につきまして、「緑立つ道」のモデル整備区間として環境施設帯を先行整備して、平成十一年度までに供用したところであります。
 門真ジャンクションの部分、あるいはまた一般の部分につきまして、それぞれ環境施設帯を設ける、こういう形で、おおむね二十メーターから二十五メーターの環境施設帯が設けられる、そしてその中に植樹帯を設ける、こういう計画にしております。
 地元の皆様と十分な御意見交換をしながら、緑豊かで快適な道路環境の創造、こうしたことを念頭に第二京阪道路の整備は推進してまいりたいと思っております。
福島分科員 よろしくお願いいたします。
 そして、次にお尋ねをしたいことは淀川左岸線の延伸でございます。
 この淀川左岸線は、第二京阪道路の終点になります門真南でございますけれども、そこと接続をされる。ですから、第二京阪道路で流れてきた車両というものが、このままですと、中央環状線、そしてまた近畿自動車道、そこのところに流れ込むしかないわけでございます。ですから、これを、本当に渋滞を解消するという意味では、淀川左岸線の延伸によってスムーズな流れをつくるということが大切な課題であるというふうに思っております。
 この淀川左岸線につきましては、平成十三年の都市再生プロジェクトとして、二次決定でございますけれども、このように定められております。「淀川左岸線延伸部について、都市計画決定を早急に実現する」ということになっているわけでございます。これは、大変大きな経済効果も生み出すプロジェクトである、そういう意味合いも含めて都市再生本部で決定をいただいたというふうにも承知をしておるわけでございます。
 このプロジェクトについて、現在の検討状況、そしてまた今後どうなるのか、こういうことをお聞きしたいわけでございます。
 そしてまた、地元の住民の思いとしましてはどういうものがあるかといいますと、ここは、花博をやった、今は鶴見緑地公園というふうになっておりますけれども、会場に隣接をするわけでございます。鶴見緑地公園というのは、さまざまな環境教育の拠点としても、何しろ緑豊かな地域でございまして、そういうものとしても市民に親しまれている地域でございます。そういう意味では、この淀川左岸線の延伸についても、先ほど「緑立つ道」ということを申しましたけれども、やはり十分に環境に配慮をしたような設計をする必要がある。例えば、地下化というような要望も出ているように私は伺っております。
 これは、財政との兼ね合いでございますので、お金がかかるということも私は承知をいたしておるつもりでございますけれども、そういう制約条件の中でも、ぜひ一つの選択肢として積極的に御検討いただければと思っているわけでございます。
 検討状況並びにまた今後の見通しにつきまして、御説明いただきたいと思います。
佐藤政府参考人 淀川左岸線の延伸部と申しておりますが、これは、阪神高速で今事業中の淀川左岸線の一期、二期、これが延長、合計で十キロございますが、総事業費は約三千七百億円かかろうかという大きな事業でございますが、これと第二京阪が接続する、こういうことだと思っております。延長で申し上げれば、おおむね十キロ近く、九キロぐらいになるのでございましょうか、これは通るルートにもよりますので、まだ確定しているわけではございませんが。
 そこで、先生御指摘のように、平成十三年の八月の都市再生本部で都市再生プロジェクトとして位置づけられた、こういうことになっておるわけでございます。
 これを受けまして、現在、国土交通省と大阪府、大阪市、それから関係公団から成る都市再生環状道路整備促進委員会なるものを平成十四年の一月に設置いたしまして、そして、ルートや構造などにつきまして、地下化というような御議論も含めて検討を進めているところでございます。
 先生御指摘のように、鶴見緑地公園も存在する、こういうことでもございますし、緑豊かな地域、こういうことでございますから、あるいはまた、既に相当の市街化も部分的には進んでいる、こういうことでもございますので、良好な都市空間が形成されている、こういう状況に対して、環境に配慮しながらいろいろな観点からの検討を進める必要があるだろう、こういうふうに思っております。
 そういう意味では、この都市再生環状道路整備促進委員会、ここの場の話し合いを今大急ぎで進めているところではございますが、この調整を急ぎながら環境にも十分配慮して計画の具体化に向かって努力してまいる、こういう所存でございます。
福島分科員 一日も早い計画の決定をよろしくお願いいたしたいと思います。
 最後に、淀川のお話をいたしたいと思います。
 先般の世界水フォーラム、大成功で、本当に大臣御苦労さまでございました。近畿圏にとりましても、これは大変うれしい出来事でございました。
 その中で、世界水フォーラムで、水と交通分科会「淀川舟運 茶の道川の道」というような、これはNPOの淀川二十一世紀ビューローというものがこういう会合も一緒にいたしておりました。大臣は、ぜひこのパンフレットをごらんになっていただきたいと思いまして、ちょっとお渡しします。
 私、淀川のすぐほとりに住んでおりまして、地元におりますときは、毎日毎日この淀川を眺めながら暮らしております。川というのはいろいろな意味を持っている。そのビューローでやりました淀川の舟運というのは、この歴史をたどると、茶の道と言われますように、大阪から京都、これが淀川が交通の大きなパイプとして存在をしたわけでございますね。文化もこの川を通って伝わっていったということが言えるわけでございます。
 今、大阪は、水の都としてそのあり方を見直そう、そういう動きが出ております。専らこれは例えば道頓堀川ですとか、かつての水の都の面影を取り戻そうということでございますけれども、もう少し視野を広げますと、近畿圏、この大阪、京都、また滋賀と、かつて川の道でつながっていた、そういうものを再発見するということも大変大切なのではないかというふうに思っております。
 その一つの具体的なイメージとしては、例えば舟運、舟で運ぶ、こういうものを見直していくということも大変大切なことではないかというふうに思っております。大臣、その一番表のところにかいてあります、三十石船といいまして、一番下のものは。その三十石船が行ったり来たりをしていたということなんですね。そういうものを、地域の再発見ということで見直していこう。これは、もちろん観光立国ということにもつながってくるんだろうと私は思います。
 河川の整備、防災という観点も今まで大きな柱としてございましたけれども、それを舟運といったことも含めて取り組んでいただくことが必要じゃないか、そんなふうに思っておりますけれども、御認識をお聞きしたいと思います。
鈴木政府参考人 淀川の河川整備における河川舟運の取り組みについてのお尋ねでございます。
 今、詳しく御説明を、御意見ございましたので、余計なことは省略いたしますが、河川管理者としては、特に、阪神大震災において、あのときに、実は河川の舟運ということが、都市、地域全体の防災機能という観点から大変重要だということに改めて気がついたということでございます。
 もう一つ、実はそれに先駆けて、河川管理者として、今まで日本全国でいろいろな舟運があったわけでございますが、淀川でいうと、もう四十年以上前からほとんどなくなってしまって、ごくごく一部、土砂を運んだり、伏見港のあたりでちょこちょこと観光的なことをやっていたりというようなことになってしまったということではございますが、この河川の舟運ということについて、特に、エネルギー、輸送のエネルギーの問題、静脈物流の問題、観光、御指摘の歴史、文化あるいは都市の魅力とかといろいろなキーワードは幾らでもあるんですが、そういった点からこの河川の舟運というものを見直すべきだろう、このようなことを随分いろいろ議論してまいりました。
 河川管理者としては、先ほど言いました阪神・淡路大震災を契機に、淀川で申し上げますと、現在十一カ所の防災船着き場というものを整備しておりまして、さらに、七カ所が整備されており二カ所が実施中ということでございます。
 こういったことをやっていく中で、肝心かなめの淀川大堰というのがあるわけでございまして、ここのところを、閘門をつくらないことには海までつながらないということでございまして、こういったこともきちんとやっていこう。河川管理者としては、そういった、船が通れるような条件整備をきちんとしていくというようなこと、そういう中で、地元、大阪市だけではなく、枚方市もそうでございますし、舟運の復活ということにいろいろな意味で大変御熱心な地方公共団体があるわけでございますので、そういったところで、河川管理者がやるかどうかという、いろいろな交通整理といいましょうか役割分担はございますけれども、そういったものをよく相談しながら、河川が持っている舟運の機能の復活ということも私たちの重要な仕事の一部だと認識をしているところでございます。
福島分科員 舟運の再発見ということで、阪神・淡路大震災を契機としていろいろと御検討、そしてまた現実的な取り組みをいただいている、このことに対して感謝を申し上げたいと思っております。
 そしてまた、さらに言いますと、河川の管理ということで、今まで防災であった、そしてまた災害に対しての舟運ということが再発見されてきた。そしてまた、もう一つ先まで行きますと、河川というものは、その地域の住民にとりましては大変大きな財産である、多面的な価値を持った財産であるということが言えるんだろうと思うんですね。
 今でも河川敷、私の住んでいるすぐ隣の河川敷はいろいろな運動等に活用させていただいておりますけれども、そういったことをさらに超えて、その地域における文化的な側面を持った財産として、河川を総合的にどう活用していくのか、防災また舟運ということにとどまらずに、総合的にどう活用していくのか。これが、二十一世紀の河川事業として膨らみを今後持たせていく必要があるんじゃないかと思っておりますけれども、お考えをお聞きしたいと思います。
鈴木政府参考人 全く御指摘のとおりでございまして、河川の持っているさまざまな機能、中には、失われてしまって、そんな機能もあったんだなと忘れているようなものもあるんですが、そういったことをきちんと再発見していくというようなことをやってまいりますと、ますます河川が地域で愛されてといいましょうか、川と地域との関係がますます相乗効果でよくなっていくという事例が全国にたくさんあるわけでございまして、そういったことをきちんと考えながら、具体的には、淀川の場合には、さまざまなそういった視点を入れながら、今、整備計画というものを策定中でございますので、その中にきちんと織り込みながら河川整備を進めてまいりたいと考えております。
福島分科員 淀川に関して、もう少し細かなことを言いたいと思います。
 局長は、イタセンバラというのは御存じですか。ちっちゃな魚なんですが、明治時代に河川の防災機能を高めるということで、湾処というものをつくったわけですね。つくったころには、そんなこと思いもよらなかったんでしょうけれども、そこにアシがたくさん生えて、そこでそういった小さな魚もすんでいる。
 これは、学校の先生が一生懸命研究していまして、いろいろなところで講演をいただいたりして、そういう意味では非常に川というのは奥深い命を持ったものだなという思いがいたしておりますし、そしてまたフィッシング、最近またフィッシングもいろいろと見直しをされておりますけれども、環境教育という視点もあるなとかというようなことも言われているわけでございますね。私も釣り振興に地元でも一生懸命頑張っておるんですけれども、そういうものとも川はリンクしているということがあると思うんですね。
 今、総合計画を立てておられるということでございましたけれども、淀川について、具体的にこんなイメージがもっとあるよということがありましたら、もう少しお話を聞けるといいんですけれども、よろしくお願いいたします。
鈴木政府参考人 ただいま、湾処に生息しているイタセンバラの話がございました。
 おっしゃるように、よく御存じのことだと思いますが、湾処というのは、もともとそういう目的でつくったものではございませんで、当時、オランダの技師デ・レーケがこちらにやってまいりまして、淀川の治水をいろいろ考えたわけでございます。その中で、治水上の問題もございましたし、当時はまだ河川の舟運ということが大きな役割としてあったわけでございます。その舟運を確保するために、ふだんの水はなるべく真ん中の方に多くの水を流して船が通りやすくするという要請があって、なおかつ、洪水は洪水で通すという、そのためにああいう湾処というものを、水制の一種でございますが、つくったわけでございます。それが、結果的に今、長い時間たってみると、まさにイタセンバラというような固有種がすむような、大変貴重な結果になっているわけでございます。
 私どもといたしましては、当初、そういったことにいろいろ戸惑いも覚えながら河川整備を進めてきたわけでございますが、現在では、やはりそういったものをきちんと保全することが大事だ、ただ、治水上の要請というのを、これを横に置いておくわけにはいかないということで、残せるものは残します、どうしても埋めなきゃいけないものは、実は、同じようなものを人工的につくっても、そういった環境は再生できるというような今自信がかなり出てきています。現地でもそんな実験をやっております。
 そういったこともだんだん知見として蓄積してきておりますので、私たちは、大臣いつもおっしゃるわけですが、治水、利水、環境、利水の中には舟運というような要素も含めて考えていただければいいと思いますが、そういったことを三位一体として、きちんと、どれもおろそかにすることなく進めていきたいと考えております。
福島分科員 いろいろと御説明いただきまして本当にありがとうございました。
 大阪にとりまして、都市再生、関空の問題もございますけれども、もっと、淀川というのは地味な話題かもしれませんけれども、私はやはり大阪の魅力を高めていくためには、淀川の魅力を高めるということも大切だというふうに思っているところでございます。
 大臣には、大変激務の中ではございますけれども、国土交通行政の中で、大阪も大切だという思いでぜひ取り組んでいただければとお願いをいたしまして、大臣、一言ありましたら。
扇国務大臣 今、これを見せていただきまして、大変、水フォーラムが成功したことを喜んでいただいてありがたかったと思いますけれども、水フォーラムで、ただ淀川のみならず、淀川の、いかに大切かというものを改めて再確認したというのが、水フォーラムの大きな私は役目であったと思います。
 今、淀川の舟運に関してのパンフレットをいただきましたけれども、私たちは、少なくとも、水というものを余り今までお金で買ったことがなかったのに、最近は飲み水も、ボトルで、お金で買うというような状況になってまいりました。二〇二五年には、私たちも、今、少なくとも、安全な水を確保できない人が十二億人いる、なおかつ、少なくとも、不衛生な状況のもとに置かれている人、そういう人たちが二十四億人いるということから考えますと、淀川というのは、御存じのとおり、滋賀県の山から入ってきて、琵琶湖に行って、そして京都、大阪、兵庫、あらゆる人たちの飲み水にも供しているということで、海運のみならず、私は、人類の、近畿圏の大変な重要な役割を果たしているということで、しかも、環境ということから考えれば、川は、少なくとも、川で運ぶというのは公害が起こらないということで改めて見直されているところでございますし、大阪も、水の都ということで、あらゆる川をきれいにしようという運動が今起こっております。
 阪神が優勝する、勝ったと言っちゃ飛び込んでいますけれども、汚いんですけれども、あれもきれいにしようということで、みんな飛び込めるような水をということをやっておりますので、そういう意味では、改めて、二十一世紀、川のありようというものを見直すための大きな水フォーラムの成果というものがあったと思いますので、私たちもそのように努力していきたいと思っております。
福島分科員 どうもありがとうございました。
宮路主査 福島君の質疑は終了いたしました。
 次に、山田正彦君。
山田(正)分科員 扇大臣にお聞きしたいんですが、いわゆる日本の離島とか、日本はまた島国でもございますし、船の航路の問題で、もともと非常に不便をかこっているわけです。その中で、平成十二年に、いわゆる離島航路の免許制が許可制になった。これは大臣、大臣がもともとおっしゃっておりました、いわゆる規制緩和、そういう趣旨で、いわゆる改革の一環としてなされたものかどうか、お聞きしたいと思います。
扇国務大臣 今、山田議員から久々に御質問をいただきました。
 海上運送法、今おっしゃったとおり、これは十二年でございましたけれども、十月に規制緩和をいたしました。海上運送法、少なくとも、旅客船の海上の運送事業につきまして、御存じのとおり、参入の許可あるいは運賃制度、そういうもの自体も、これは法律でございますけれども、従来は、安定的なサービスの供給をしようという目的のために、ある程度、航路のネットワークの維持の観点から、逆に規制をしていたというのが本来であったと思います。
 これは、需要に対して輸送力が著しく供給過剰にならないようにという、需給規制という言い方が正しいかどうかわかりませんけれども、ある程度そういう意味合いも受けて、調整の規制をかけて参入を制限していたのは、山田議員のおっしゃるとおりでございますけれども、これをまず、市場原理の導入によりまして事業者間の競争というものを促進しながら、なおかつ利便性でサービスの向上に努めようということで規制緩和が始まったのは山田議員も御存じのとおりでございますけれども、平成十一年の六月に改正を行いました、これによって。
 そして、安全性等の一定の要件を満たしていれば、なおかつ許可制ですから、簡単に参入できる、競争が起こる、そういうつもりで私たちもこれを改正したところでございますけれども、これが平成十二年の十月から施行されたということで、現在、この改正によりまして、参入事業者の数は大変ふえているんですね。
 これがいいかどうかは後で論議されると思いますけれども、平成十二年に、改正前でございますけれども、改正前は三百八十二業者あったわけですけれども、平成十四年に、昨年ですけれども、四百六十業者にふえております。要するに、七十八業者増加したわけですね。
 ですから、私は、ある意味では競争原理が働いたと言えるかもしれませんけれども、今後、これらが一層、海上輸送というものの活性化あるいは効率化に寄与すればいいなと思っているのが現在でございます。
山田(正)分科員 自由な競争をできる限り目指して、そして規制緩和した、そうとってよろしいでしょうか。
扇国務大臣 そのとおりでございますし、今申し上げましたとおり、数を見ても、ある程度フリーになって多くの皆さんが参入したなと言えることは、数の上でも言えると思います。
山田(正)分科員 二年前から、五島航路、対馬航路についていろいろ相談があったんですが、新規参入したくてもなかなかできない、そして断念せざるを得なかったと。
 どういうことかといいますと、まず一つは、許可制のもとでの着岸施設の安全性。そこで、桟橋等は、いわゆる港湾は地方自治体が管理しているわけですが、その中でA社が今まで使用しておった。ところが、新規のB社が参入に当たってその桟橋を利用したいと。ところが、A社が今までやっておったものだから、B社をなかなか入れないで、そして私のところに相談に来たという例があったんですが、こういうことが行われて自由競争と言えるかどうか。大臣、いかがですか。
扇国務大臣 今、山田議員がおっしゃったようなことは、私はあり得ることだと思います。それは、今までのこの業界の、私の言葉が悪ければ、自分たちのテリトリーはこうだという、長年のいわゆるバースの権利というものも保持し、なおかつ仕事をしてきた人たちが、特に港湾関係においては全国たくさんあるということは、山田議員も御承知のとおりでございます。
 ただ、今、山田議員がおっしゃったように、今までのバース、少なくとも自分たち、A社ならA社が利用していたものを、B社が入りたいけれども、A社がどういうぐあいでだめなのか、入らせないのか、入れないのかということでは、私は、競争が解消されたということが地方の運輸局において確実に確認されればいいですけれども、今おっしゃったように、どういう理由でA社がB社の参入を阻止しているのか、その理由がいろいろあろうと思います。
 だんだん船が大きくなって、あるいは桟橋の深さがどうだとか、その会社は、A社よりもB社の方が大きい船を持っているとか、いろいろ条件はあろうと思いますけれども、既存の事業者が事業間の調整に応じない場合には、岸壁の利用実態というものを調査して、少なくとも不必要か、あるいはそれが悪意的なのかということは、私は、地方の運輸局というものがその事情を聞いて指導をするようにすべきであろうと思いますので、そういう場合は、地方運輸局にぜひその事情をお知らせいただきたいと思います。
山田(正)分科員 大臣、実態においては、本当は桟橋で発着時間をずらせば全く問題ないし、航路についても安全性、これは許可制の条件になっているようですが、いわゆる航路が、広い海ですから、仮にA地点とB地点をお互いに競合するとしても、時間がちょっとずれれば安全性には問題ないわけですから、衝突の可能性なんてあり得ないわけですが、そういったことを理由にしながらなかなか新規参入を許さない。こういった実態というものを、大臣、よく調査してというか、実態をよく知っていただきたい、そう思っています。
 一番問題なのは、大臣、今回のいわゆる規制緩和、自由な競争をと目指したこの運送法において、問題は指定区間。指定区間があるんですが、いわゆる指定区間の規制そのもの、海上運送法によりますとかなり厳しくなっております。例えば四条の六、ここに「指定区間を含む航路に係るものにあつては、当該指定区間に係る船舶運航計画が、当該指定区間に係る離島その他の地域の住民が日常生活又は社会生活を営むために必要な船舶による輸送を確保するために適切なものであること。」「適切なもの」ですね。いわゆる裁量の範囲。かなりこれで実は規制がかかっているわけです。
 例えば、ここに指定航路の例があります。長崎県の壱岐、対馬から福岡、ここに行く場合に、壱岐としては直接博多に高速艇で結べば一時間以内で行けるはずなんです。ところが、その新規参入が許されないで、この指定区間においては壱岐と博多間、対馬間、いわゆる壱岐だけでなく対馬にもその航路は寄らなければいけない。壱岐と博多だけで自由に航行できない。そして、対馬はまた対馬と博多だけでは自由に航行できない。いわゆる壱岐、博多、対馬を経由して、しかも一日三便以上、旅客三百人、乗用車三十三台、もしくは一日二便、乗用車二十台、旅客七十五人、これをしなければいけない。かつて免許制のときにはそういう規制はなかったわけです。
 大臣、これは規制緩和じゃなくて規制強化と言えませんか。
徳留政府参考人 お答え申し上げます。
 指定区間制度につきましては、規制を緩和して、自由な航路運営といいますか旅客船事業ができるということにしたわけでございますが、ただ、一定のところにおきましては、船舶の離島航路その他地域の住民の日常生活または社会生活を営むために必要な船舶の輸送を確保する必要があるというような地域については、都道府県知事の御意見を伺った上で国土交通大臣が指定する、こういう制度でございます。
 御指摘の福岡―壱岐―対馬航路につきましても……(山田(正)分科員「手短に、結論だけでいいです」と呼ぶ)はい。
 地元の知事の御意見を伺った上で、平成十二年十月に指定区間として指定をしたものでございます。
 福岡と壱岐、対馬という……(山田(正)分科員「経過はわかっていますから、これはいわゆる規制強化につながらないのか、そういうことですから、それを答えてください」と呼ぶ)はい。
 これは規制緩和の中で一応、いいとこ取りといいますか、クリームスキミングの防止ということでこういった制度をつくったものでございまして、この制度がなければ、ある特定のところだけを航路維持して、結果として全体の足が確保できない、こういう趣旨のもとに、規制緩和の中で最小限必要なことではないかということで設定された制度でございます。
山田(正)分科員 免許制から許可制になる前にはこういう規制があったかなかったか、それだけ一言お答えください。
徳留政府参考人 ございませんでした。
山田(正)分科員 それから、局長にもう一回お聞きしたいんですが、この法律の中の二条の十一、「この法律において「指定区間」とは、船舶以外には交通機関がない区間又は船舶以外の交通機関によることが著しく不便である区間であつて、」となっております。
 ところが、局長、いわゆる壱岐と福岡間、あるいは対馬と福岡間なんですが、壱岐の場合には九九%、九十一万九千人が船を利用して福岡に行っているわけです。対馬の場合には三二%、十七万三千人しか船を使っていない。六八%、三十六万七千人は飛行機で福岡に行っております。それであったら、この法律に言う指定区間、いわゆる「船舶以外には交通機関がない区間又は船舶以外の交通機関によることが著しく不便である区間」とはならないのではないのか。この対馬間の、いわゆる指定区間と定めているのは、この法律第二条の十一項に明らかに違反しているのではないのか。一言でお答えいただきたい。
宮路主査 簡潔に答弁してください。
徳留政府参考人 今のお尋ねの件でございますが、航空路線がある場合の規定でございますが、私どもの考え方でございますが、航空路線を利用すると、船舶を利用する場合に比べて、運賃または所要時間においておおむね二倍以上となったり、就航率が極端に低かったりするなど、旅客輸送または貨物輸送について一部不便となる場合というふうに考えております。
山田(正)分科員 局長、この法律を読んでいただきたい。いいですか、「船舶以外の交通機関によることが著しく不便である」。ところが、六八%、約七割が船でなく飛行機を使っているわけです。そうであったら、当然これは指定区間から外れなきゃいけないじゃないですか。大臣、今私の質問を聞いておられたと思うんです。
扇国務大臣 今おっしゃったとおり、私も今これを拝見しております。また、局長とのやりとりを拝聴しておりますけれども、少なくとも私は、やはりどの比率を見るかということが大事なことだろうと思います。
 ある意味では、飛行機を使える人、そして離島の場合は、船を少なくとも一日に一便は確保するとか、そういう意味では、やはり飛行機を利用できない人もあるし、また荷物によっては飛行機よりも船の方がいい、荷物が大きくて、なおかつ時間が、飛行機よりも船で運んだ方がいいという選択肢も私は離島の皆さんにもあろうと思いますから、今、山田議員がおっしゃったように、必ずしも、何%飛行機に行っちゃっているから、これは今の法律の「著しく不便である」という、また船舶以外の交通機関がない区間ということに当てはまるかどうかということは、当てはまるからといって船が全部、一便もなくなっては、私は離島の皆さんに申しわけありませんので、そういう意味では、離島の皆さん方の選択方法も、選択肢があるということも大事ではないかなというふうに今拝聴していまして感じました。
山田(正)分科員 大臣、最初の、いわゆる自由な航路を保障するということで、船の航路そのものは当然なくなるわけはないわけです。ところが、指定区間を設定したのは、いわゆる利便性を考えて規制をしたというわけです。ところが、対馬の島民の七割は船でなく飛行機を使って博多と行き来している。壱岐の島民の九九%は船で行き来して、飛行機は使っていない。いいですか。それなのに、このいわゆる指定区間というのは、対馬、壱岐、博多、この三つを寄港していかなければいわゆる航路を認めない。大変な規制が、免許制から逆に許可制に移ってやっているわけなんですよ。これはおかしいと思われませんか。
扇国務大臣 局長が来ておりますから、詳しいことは地方の運輸局でわかるんだろうと思いますけれども、私が今拝聴し、なおかつこの航路がおかしいではないかということに関しては、私は、必ずしもそうは言えないんじゃないかなと。あるいは、例えば人によっては、そこに寄ることによって、いきなり博多に行くよりも、島と島との関連で、お互いの生活向上のための物流もあるでしょうし、どの程度かは私、今、知識的には余り詳しくありませんけれども、壱岐と対馬の、そして博多と、こういう三角形の中での物流もあろうと私は思います。
 ただ、一番私たちが懸念しておりますことは、競争が自由になると、なるべく競争で新規参入もということに私たちは心を砕いたわけですけれども、そのことによって、採算性の合わないところはすべて便が減ったりというようなことが、むしろ私はあってはならないというふうに考えておりますので、それが規制ととられるのか、あるいはそれが利便性と思えるのか、あるいはその辺のところは解釈の相違もあろうと思いますけれども、新規参入がそのことによって抑えられているというふうには、私は今解釈できないと思っていますけれども。
山田(正)分科員 大臣は事情をよくわからないんでしょうが、私がまず言いたいのは、この二条の十一項、船のほかに交通機関がないとか、そのほかの交通機関が随分不便であるとか、そういった場合には指定区間として航路制限をすることができますよという例外的な規定であることは、大臣、間違いないですね。いかがですか。(扇国務大臣「そのとおり」と呼ぶ)そのとおりですね。
 そうであれば、飛行機が七割ぐらい利用されている、いわゆる航路以外の交通機関が十分機能しているところでは、このいわゆる指定区間というのは、法律上、この二条十一項に違反することになりやしませんか、大臣。
扇国務大臣 これをもって違反するかどうかということよりも、私が先ほどから申しておりますように、離島に関しては、安全の基準だけではなくて、一定の回数を確保することが離島にとっては大事であるという基本的なことを私は申し上げたつもりでございます。
山田(正)分科員 実は、国土交通省にはちょっと送っておったんですが、これは、この法案ができてすぐですが、「壱岐航路の指定区間解除を」、壱岐の新聞なんですが、県議会でも質問されているし、壱岐の四つの町があるわけですが、その町長さん方も、この壱岐の指定区間はどうしても解除してほしい。というのは、壱岐としては、福岡まで高速艇で行けば、自由化すればそれこそ一日に五便でも十便でも通わすことができて、そして、一々福岡に寄宿せずとも壱岐から学校に行けるし、お勤めだって、壱岐からそのまま福岡の仕事場に通えるわけです。実際に、そういう高速艇でもって参入しようという業者も運輸局に申請を出しているわけです。壱岐の町長さん方も壱岐の住民も、みんながそれを希望しているわけです。ところが、この指定区間があるがために、この規制があるがためにできないで、今日もみんなが困っているわけです。そういった事情を知った上でも、大臣。
徳留政府参考人 お答え申し上げます。
 先ほど申し上げましたように、指定区間というものは、そういういろいろな、足を確保する、あるいは貨物の輸送を確保するということで、都道府県知事の御意見を伺った上で指定をしておるものでございます。
 そういうことで、平成十二年の十月に、壱岐―福岡と壱岐―対馬間の航路はセットとして、需要の少ない対馬の航路の維持を図るために比較的需要の多い壱岐航路と組み合わせたものではないかと考えておりますが、こういうことで知事さんの御回答もいただいて、指定をしたところでございます。
 その後、いろいろな、先生おっしゃったようなことがございますが、私ども、地元の事情によく精通し、また日ごろから地元の方の足の確保あるいは貨物の確保をされております県の方々からも一度お話を伺ってみたいというふうに思っておるところでございます。
 指定区間というものは、一度指定されれば一生ずっとということではございません。当然、状況に応じて随時見直すということにしておるところでございます。
 以上でございます。
山田(正)分科員 大臣、今局長からそういう答弁がありましたが、大臣としても、この指定航路の解除を検討してみたい、そういうお考えはいただけませんか。
扇国務大臣 私は、地元の声を聞くというのをすべからく優先しております。
 ですから、今局長が言いましたように、知事さんによく事情を聞いて海運局とお話をしたということでございますので、一度決めたものはずっと永遠に決まるということではなくて、改善の余地ありと本人が言っておりますので、今後、知事さんと、また地元の壱岐、対馬、そして博多、三者の地元の皆さんの意見をよく聞いて、利便性のために規制緩和して、それが逆の方向が出ているということは大変残念なことだと思いますので、ぜひ地元の意見も聞いて、勘案していくというのが一番いいことだと私は思っています。
山田(正)分科員 大臣、ぜひこういう規制、いわゆる指定区間制度、これは今壱岐と対馬の、そして福岡の話を例に挙げましたが、そのほかの航路、例えば五島の福江―長崎間においても、新規の参入がいわゆる指定区間規制のためにされなかった。また、新規に参入しようという会社は、一日に三便も、そして大きな、旅客三百人、乗用車三十三台、そういったものを積めなければ新規参入できないんだとか、そして、これはあらゆる離島の航路、いわゆる鹿児島とかあるいは熊本とか、あらゆるところでそういった規制がなされているわけですが、そういったことについても、大臣、よく調査して、そしてこの規制については、常々大臣が言っている規制緩和、そして自由競争の導入、これに著しく反している。
 ぜひ御検討いただきたいと思います。大臣、いかがでしょうか。
扇国務大臣 規制緩和が何のためにあるか、行政改革は何のためにあるか、すべからく、私たちは国民に奉仕し、なおかつ国民の利便性を図るために我々はそれをしているわけでございまして、逆に、それで逆効果が出ているということ自体も私は解せない、私自身。
 そういう面もございますので、今おっしゃったように、壱岐―対馬―博多のみならず、あらゆる島がございますので、特に離島に関しては、私は、そういうことをもう一度、この法律によって規制緩和して、利便性を図ったつもりが逆に利便性を損ねているという点に関しては、再点検する必要ありと今感じております。
山田(正)分科員 局長にもう一つだけお聞きして終わりたいと思っておりますが、実は、壱岐―対馬間に九郵という会社が就航しております。
 ところが、先般、壱岐で大問題になったのですが、航路一社独占のために、福岡から午後の七時台に出す便、これを廃止したいと申し入れたわけです。当然、壱岐のいわゆる航路協議会、町長さんが会長さんでやっておりますが、猛反対して署名運動まで起こったやに聞いております。
 ところが、一方的に壱岐航路の夕方の便の廃止を強行した。事実上の終便繰り上げとなったわけですが、この新聞に大きく、「「航路一社独占解消へ署名」の声」そういう記事が載っているわけですが、住民にとってこの一社独占というのは大変厳しい結果を意味しているということ。
 ところが、先般、私は石垣島に行ってきたのですが、石垣島においてはまさに二社で競争しておりまして、竹富島に行くのに十五分間隔で船を出して競争し、さらに小浜島へ行くのに三十分置きに船を出して競争し、非常に競争が促されて、利便性が島民にとっては大変豊かになった。聞いてみますと、まさに競合路線、いわゆる自由化がなされている。
 そういった意味で、非常に離島の航路問題というものについて、局長、ひとつこれからの改善、前向きな姿勢での何らかのお話をいただければ、今すぐそうしろというわけではありませんが、お願いいたします。
宮路主査 時間が経過していますから、簡潔に答弁してください。
徳留政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘のとおり、地元の方々の御意見を伺いながら、実情をよく調べた上で対応していきたいと思います。
 ありがとうございました。
山田(正)分科員 では、終わります。
宮路主査 これで山田君の質疑は終了いたしました。
 次に、川内博史君。
川内分科員 時間も押しているようでございますので、早速始めさせていただきます。川内でございます。
 私は、五月七日の国土交通委員会でお伺いを一度させていただいたんですが、労務単価のことについて、きょうはちょっと、もう少し掘り下げてお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。
 私の手元に平成十五年度設計業務委託等技術者単価というのがございまして、主任技術者から理事、技師長、主任技師、技師(A)、(B)、(C)、技術員という形で、設計業務に携わる皆さん方の労務単価がそれぞれ段階的に記されているんですけれども、私が聞き及ぶところによりますと、土木設計、土木の設計に携わる設計技術者の皆さん方については、この表に基づいてそれぞれの職種での設計の積算というものが行われているというふうにお聞きしておりますが、それでよろしいでしょうか。
安富政府参考人 今先生おっしゃいましたように、平成十五年の設計業務委託等技術者単価というのがございまして、これに基づいて土木設計の積算を行っておりますが、具体的には、例えば道路詳細設計など、それぞれの業務につきまして、技術者を職種ごとに区分して、その職種の技術者単価と当該業務を遂行する必要な職種ごとの人工を掛けていわゆる積算するというような形で、実情の業務態勢を積算に反映するという形になっておるところでございます。
川内分科員 それでは、建築設計に携わる設計技術者については、どのように積算をされていらっしゃるのか、教えてください。
春田政府参考人 建築設計技術者の積算についてお尋ねがございました。
 平成十五年度に発注する建築設計業務におきましては、土木と同様に、平成十五年度設計業務委託等技術者単価を用いて積算しております。
 ただし、先ほどお話のありましたように、技術者単価につきましては、職種、いわゆる能力レベルごとではなくて、代表的な能力レベルの単価を用いることとしております。その単価に適合した業務人日数、いわゆる人工でございますが、これを乗ずる方式で直接人件費の積算をしているところでございます。
川内分科員 私が聞いたところによると、建築設計に携わる皆さんは、技師(C)の基準日額で人工数を掛けて積算をしているというふうにお聞きしているんですが、それでよろしいですか。
春田政府参考人 そのとおりでございます。
 ただし、今申しましたように、その技師(C)が仮にやったとしたと想定した場合の業務数を勘案しているということでございます。
川内分科員 今お尋ねをしたように、土木と建築では積算の仕方が若干違うわけでありますが、建築については技師(C)の皆さん方がすべての業務をやられるとすればということで、当然日数が多く掛けられるというふうに今御説明があったかと思います。
 それでは、この標準業務人・日数早見表という、多分これに基づいて日数をお掛けになられるんだというふうに思うんですけれども、この表はいつおつくりになられたか、そしてまたどのぐらいの割合で改定をされているのかということを教えていただけますか。
春田政府参考人 これにつきましては、昭和五十四年に設定したというふうに思っております。その後も工事費が変動いたしますので、それに伴って、業務人日数が伴って変動をするということで、その調整もしてきております。
川内分科員 つい最近はいつおやりになられたのですか。
春田政府参考人 毎年度積算基準を制定しておりますので、毎年度の工事費の変動等勘案しながら調整をしてきております。
川内分科員 そうすると、ここのところ労務単価全体について非常に低下傾向にあるというふうに先日の委員会でも申し上げさせていただいたわけでありますが、大体ピーク時から二割労務単価が引き下げをされているわけであります。
 例えば、土木設計であれば、それぞれの職種に応じてその労務単価を積算するわけでありますから、正確に実勢が反映をされる、ある程度正確に実勢を反映するというふうに考えられると思うんですが、建築の設計の場合には、主任技術者の労務単価の引き下げられている割合と、技師(C)の職種の皆さんの労務単価が引き下げられている割合が違っていれば、この業務人日数を掛け合わせたとしても、土木設計よりは若干の不合理が生じるのではないかというふうに考えられるわけでありますけれども、その辺についての合理的な御説明はございますでしょうか。
春田政府参考人 ただいまお話のありましたように、確かにそういう傾向は、もしそういう変動が、ばらつきがあるとあろうかと思います。それにつきましては、これからもしっかりモニターをしながら、必要があれば調整をしていきたいというふうに考えております。
川内分科員 では、今、現状でばらつきがあるというか、土木設計に比べて建築設計については若干の不合理がある、そういう認識を国土交通省としても持っているということでよろしいですね。
春田政府参考人 仮にそういうことがあればということで申し上げましたので、基本的には土木の技術者の単価を随分しっかりと追跡しておりますので、それとそう変わるものではないと思っておりますが、必要があればそういう調整もしていきたいということでございます。
川内分科員 恐らく、少なくとも私がいただいている資料によれば、技師(C)の皆さん方の労務単価の引き下げの割合の方が、主任技術者とか理事とか技師長の皆さん方の労務単価の引き下げの割合より、さらに大幅に引き下げられているというふうに私は思うんですけれども、その辺ちょっと、正確に今後調査をしていただいた上で、不合理のないようにしていただければというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。
 時間もございませんので、今前向きな御答弁いただいておりますので、もうこれ以上は申し上げません。
 さらに、前回の国土交通委員会で質問をさせていただいた件に関してでありますが、国土交通省発注の公共事業の中小企業事業者への発注に関しまして、過去五カ年における国土交通省所管の中小企業事業者向け工事の契約実績というものを具体的な数値を挙げて御説明いただけますでしょうか。
安富政府参考人 国土交通省の工事につきましての中小企業向け契約実績の比率は、平成九年度、四九・一%、平成十年度、四九・九%、平成十一年度、五〇・五%、平成十二年度、五一%、平成十三年度、五〇・一%という形で、五〇%前後になっているところでございます。
川内分科員 大体五〇%を挟んで推移しているという御説明であろうかと思います。
 本日は、参考人、中小企業庁の方からも御出席をいただいているわけでございますが、中小企業者向けの事業の受注の確保に関する法律、「中小企業者に関する国等の契約の方針の作成等」というところで、第四条に、中小企業者の受注の機会の増大を図るための方針を作成し、これを閣議で決定するというふうに法律の中に定められているわけですね。
 これは、前回の国土交通委員会でも高木さんの方から御説明ありました官公需法ですけれども、その中に、「中小企業者の受注の機会の増大を図るため」と、受注の機会の増大を図るため、受注させるんだ、ふやすんだということが書いてあるわけでございますが、実際にはここ五カ年間、先ほど御説明があったように、ほとんど中小企業者向けの発注というものはふえていないという実態があるわけでございます。
 そこで、まずこの法律の解釈についてでありますけれども、この官公需法第四条に、「中小企業者の受注の機会の増大を図るための方針を作成する」というふうに書いてありますが、この受注の機会の増大を図るという方針は、現状の水準を維持するという意味でこういう文言が書かれているのか、それとも純粋に、受注の機会の増大を図るんだということで書かれているのか。法律の目的というようなところを、中小企業庁の方から御説明をいただきたいというふうに思います。
斉藤政府参考人 今御指摘の官公需法では、まず第三条に、国等が中小企業の受注の機会の増大を図るよう努めなければならないという責務規定がございます。その責務規定を国として受けまして、今御指摘の各般の対策をやっているところでございます。
 若干、具体的にどういうことをやっているかというのを、具体例に即して御説明をさせていただきますと、まず、すべての前提になりますのが、各省の御協力をいただきまして、毎年の契約目標額というものを具体的に定めております。これを、今御指摘がありました閣議決定という形で、我々の努力目標として明確に設定をさせていただいております。
 その目標を達成するために、どのようなことをやっているかというのを、二、三、具体例で申し上げますと、例えば、中小企業の方々、共同して何とか大企業に対抗していこうということで、官公需適格組合制度というのを設けております。あるいは、情報戦で不利にならないようにということで、中小企業団体を通じまして、発注情報をどんどん提供する。あるいは、発注の仕方につきましても、分割発注を活用する。細かい点で言えば、中小企業者の方、技術力がある場合には、それを入札の際に格上げの材料として使ってください。
 そういう非常にきめ細かく、各般にわたる対策を具体的に講ずることによりまして、官公需において中小企業者の方々の受注の機会ができるだけ拡大されていくようにということで努めているところでございます。
川内分科員 具体的なその施策が有効に機能をしていれば、このような数字には恐らくならないのではないかというふうに思うんです。もうちょっとふえてもいいはずだというふうに思います。
 さらに、じゃ、政府全体として、中小企業者向けの契約実績というものがどのように推移をしているのかということについて教えていただけますか。
斉藤政府参考人 実績が出ておりますのは、平成十三年度まででございます。平成十三年度におきます中小企業向けの実績額としましては、五兆五千百四十五億円ということでございます。これを五年前、平成八年と比較いたしますと、平成八年が四兆九千五百九十四億円、それからさらに五年さかのぼりまして平成三年ということになりますと、三兆八千九百四十三億円ということでございます。
 この結果、全体に占めます中小企業者に回る分といいますか、比率ということもとっておりますが、比率につきましては、平成三年の三七・三%から、平成八年には三九・六%に上がりまして、平成十三年、直近におきましては、その比率が四五・一%ということで、逐年、拡充、拡大してきているところでございます。
川内分科員 平成三年のところまでは私もレクのときに教えていただけなかったので、ちょっと盲点をつかれて、なるほどふえているなと認めざるを得ないので、若干質問に窮するところでありますけれども。
 平成三年というのは日本経済全体がまだまだ調子のいいときで、それほど官需に頼らずとも、民需だけで十分やっていけた時代でありまして、今、経済がこういう状況であればこそ、官の部分が頑張っていただかなければ、地方経済あるいは中小企業経済というのはもちませんよという意味で私は申し上げているわけでございます。ぜひ、その辺のところを御理解いただきたいというふうに思います。
 それでは、国土交通省の中小企業向け受注対策あるいは地元対策について、前回もお伺いをしておりますけれども、もう一度、地元経済育成のためにも、あるいは中小企業者育成のためにも、しっかりと、今少なくとも、先ほど御説明をいただいた平成九年から十三年までの国土交通省の中小企業者向け契約実績というところでは、ほとんど数字が動いていないわけでありますから、これをさらに上に動かすために頑張るという御決意を聞かせていただきたいというふうに思います。
安富政府参考人 先生が御指摘のとおり、地方経済は現在非常に厳しい状況にございます。その地域の経済、雇用を支えるという意味でも、地元の中小建設業者の振興、育成というのが我々は非常に重要だと思っております。
 そのために、先ほど来よりお話が出ておりますが、官公需法というのに基づきまして中小企業者に関する契約の方針というのを定めまして、受注機会の確保に努めているところでございます。
 さらに具体的に申しますと、例えば、一方ではコスト縮減という要請があるわけでございますが、可能な限り、本体工事と設備工事を分けて分離発注をしていくとか、あるいは、工事の施工箇所を分割することによって分割発注をして、中小企業者の方々が受注できるような形にしていく。
 さらには、予定価格に相応する企業、それぞれの発注予定工事については行うわけでございますが、このランク別の発注についての発注区分をもう少し下位ランク者にも配慮をしてやっていくというようなこと。
 さらに、技術的に難易度が比較的低い工事につきましては、本来なら上位ランク工事に当たる場合でも、下位ランク業者の参入を認める、いわゆる食い上がりというのがございますが、こういう方法をとる。
 さらには、経常JVで、中小、中堅が行います経常JVについては、競争参加資格審査上の加算措置を一〇%ほど上げるといったような形で、いろいろな手だてを講じて、発注の参入機会の拡大ということに努めてまいっております。
 そういう意味で、これからも、一方でコスト縮減とか競争激化とかいうことがございますが、その中でいかに中小企業者の発注機会の確保に努めるかということで、我々も考えていきたいというふうに考えております。
川内分科員 ぜひよろしくお願いをしたいというふうに思います。
 次に、一月の施政方針演説の中で、総理が、海外から日本への旅行者数を倍増させるという数値目標を掲げておられたわけでありますが、これを実現するために、今現在、五百万人弱ですか、それを倍増させるというと大変なことだというふうに思うんです。
 勇ましいのは大変結構ですし、私のかみさんの実家なども観光産業に従事をしていますから、海外からの旅行者がふえることは大変ありがたいことであるかもしれませんが、本当かなという思いもあるわけでございまして、具体的に、どのようにしてふやしていくのかというその一端を、きょうはちょっと御説明をいただきたいというふうに思います。
扇国務大臣 第三次産業の基幹産業として観光を位置づける、そして、今おっしゃった倍増は二〇一〇年が目標でございます。今二〇〇三年でございますから、あと七年でございます。
 それで、倍増しようと言っているさなかにSARSというような問題が出て、これは予定外のことですから、ちょっと話していると長くなりますので、別に置かせていただいて。
 基本的にこの観光キャンペーン、倍増計画、一千万人誘致ということに対して、少なくとも国土交通省、総理から言われまして、私ども何をしているかということだけは御認識賜り、また、御協力も賜りたいと思います。
 そういうことで、本年、訪日、いわゆる外国から来る、訪日ツーリズム元年、こういうことを位置づけておりまして、これは三つございます。
 国際空港、そしてアクセス鉄道とか道路の整備等の受け入れ体制の整備、これが一つ。二つ目には、観光コスト高の是正。三つ目には、韓国、米国、中国などを対象とした、日本の観光魅力を戦略的に海外に発信するためのビジット・ジャパン・キャンペーンをしようという三点でございます。
 これをまず組んで、官民一体となって、国土交通大臣を本部長とするということで、「ようこそジャパン」、これをキャッチフレーズに決めまして、私の名刺にも「ようこそジャパン」というのをちゃんと張ってございます。
 そして、このキャッチフレーズのもとに、何をするかということをおっしゃいましたけれども、これは、五つばかり、ざっと言わせていただきます。
 具体的には、海外へのミッションの派遣など、トップセールスをしよう。私も海外へ行って誘致しよう、日本へ来てくださいということで、これがトップセールス。
 それから二つ目には、海外でのテレビ、新聞、雑誌、これによって広告をしよう。今まで余りそういうことにお金を使ったことのない日本ですけれども、これをやろうという、PR。
 三つ目には、メディア、旅行会社関係者の招聘。外国の人たちに、こんなにいいところがありますよということで、まず旅行関係業者を招聘しよう。これもしたことがありませんので、三つ目に挙げております。
 それから四つ目には、海外におきます旅行博のイベントへの出展をしよう。いろいろなイベントがあるんですけれども、そこまで今まで手が回りませんでしたけれども、これは海外の大使館等々に御協力をいただいて、各国の博覧会に、せめて宣伝だけでもしようというのが四つ目でございます。
 最後の五つ目には、訪日ツアー専門職員の養成をしよう。日本はそれができておりませんで、口下手でございまして、案内下手でございまして、何とかそういう専門家、国際的に各国語ができて、なおかつ日本をPRできる、そういう人たち、また、外国から来たときに、その人たちが専門的にその国の人たちの言葉で案内できる、そういう人たちを養成しよう。
 この五つを基本柱として、五月の十六日でございましたけれども、閣議におきまして、全大臣をメンバーとする観光立国関係閣僚会議、名前はちょっといかめしいんですけれども、そのとおりでございまして、それが設置されまして、ビザの要件の緩和、これも、法務省あるいは外務省等々と全部一体にならなければビザの要件というのは緩和できませんので、それもしようというようなこと。出入国の手続、CIQの時間がかかる、今成田で、御存じのとおり、一時間外国人は並んでいます。飛んでくるのが一時間半くらいで、一時間成田で並んで、成田から羽田まで、また国内線に乗りかえるのに一時間半かかったんじゃ、とても申しわけないということで、まず通関を早くしようということで、これは協力体制を組んでおります。
 そういう今申し上げましたようなことで、何とか倍増、目標でございますから、SARSのような突発的なこともありますけれども、目標に努力して、各省庁連携をとって、官民一体となりたいと思いますので、奥様が、実家とおっしゃいましたか、そういうことをしていらっしゃるのであれば、ぜひ「ようこそジャパン」の宣伝に御協力賜りたいし、また協力もしていただきたいと思います。
川内分科員 私も、できたら「ようこそジャパン」と名刺に入れさせていただきたいというふうに思うんですが……(扇国務大臣「シール」と呼ぶ)シール、そのこと自体を全く我々知らされておりませんで、今大臣がおっしゃられて、なるほどな、そういうシールを張っていらっしゃるのかということを気づくぐらいですから、まず、関係をしているみんなにそういうことからお始めになられたらどうかな――ありがとうございます。恐縮です。「ようこそジャパン」、いいですね、何か。こんな、言葉でヨイショしてもしようがないですけれどもね。
 こういうことというのはみんなでやれることだと思うんですよね。それは、全然党派関係なく、たくさんの皆さんに外国から来ていただこうというわけですから、ぜひ、どんどん関係のところに協力を求められれば、私なども協力をさせていただきたいというふうに思います。
 今、ちょっとビジット・ジャパン・キャンペーンというものに非常に興味を引かれたんですけれども、その事務局の体制について、どういう事務局がつくられているのかということについて御説明をいただきたいというふうに思います。
三沢政府参考人 ビジット・ジャパン・キャンペーンの体制でございます。
 これについては、先ほど大臣も申し上げましたように、扇大臣を本部長とするビジット・ジャパン・キャンペーン実施本部というのを設置しておりますが、この実施本部というのは、例えば、旅行業、宿泊業界等の観光業界、あるいは航空、鉄道等の運輸業界、それからマスコミ、広告業等の関係業界、それから役所でいいますと国土交通省のみならず外務省等々の公的機関が一体となって事業を推進するという官民一体となった体制でございます。
 この体制の中で、また執行委員会というのを設けまして事業の執行を管理しておりますが、さらにその下に日常的な事務の執行を行う組織として、四月一日にビジット・ジャパン・キャンペーン事務局というのを立ち上げております。
 この事務局では、事務局長さんに旅行会社の出身者の方になっていただきまして、そのもとで、旅行会社、鉄道会社、航空会社、ホテル会社あるいは社団法人の日本観光協会、国際観光振興会あるいは国土交通省からの出身者、こういった人たちから成る常勤の事務局員で構成しております。
 それから、事務局の中で、これは各市場ごとに相当違いますので、市場ごとにまた部会を設けて、具体的にこの市場だったらこういう事業をやろう、こういう検討も進めるということにしておりまして、その部会の中にはさらに広い分野から非常勤職員の事務局員というのも集めておりまして、こういう形でこれから精力的に議論をしていくという体制をとっております。
川内分科員 ぜひ頑張っていただきたいというふうに思います。もちろん大臣のお働き、トップセールスも大変重要なところであろうと思いますが、事務局が非常に重要になるというふうに思いますけれども、背広がたくさん集まっても、余りおもしろい議論とかおもしろいアイデアというのはなかなか出ないわけでありまして、そういう意味では、若い女性だけで事務局をつくらせるとか、最近は、海外に旅行に行くのも、若い女の子たちや、あるいは女性同士のグループというのが主流だそうですから、海外からいらしていただくのも、女性だけでいろいろアイデアを出していただいてお考えいただくというのも一つの方法かなと。
 今、大変にはやっているビジネスホテルなども、女性だけのスタッフで運営をしているというようなビジネスホテルなどが大変に大当たりをして、どんどんチェーン展開をしているようでありますし、とにかく背広は下支えをするというところで頑張っていただきたいというふうに御提言を申し上げまして、私の質問を終わります。
 ありがとうございました。
宮路主査 これにて川内博史君の質疑は終了しました。
 次に、牧野聖修君。
牧野(聖)分科員 民主党の牧野聖修でございます。
 大臣、副大臣そして当局の皆さん、きょうは一日御苦労さまでございます。いよいよこの分科会、きょうの最後のバッターになりましたので、ぜひ気楽に楽しく審議をさせていただきたいと思いますので、よろしくどうぞお願いを申し上げます。
 私たち国会議員は、世界の中の日本、日本の中の地域、そんなことを大所高所から議論させていただいてきているわけでありますが、どういうわけか、この決算の分科会は、議員にとって卑近な問題とか地元の問題等々が議論される場になっているようでございまして、いろいろな立場の中で政治活動をしている身にとっては大変ありがたい、そういう論戦の場になっていると思います。
 昨年も私は決算委員会の分科会では、この国土交通省のお時間をいただきまして質問させてもらいました。そのときに、私の地元の道路整備のことについて若干質問させていただき、あるいは、私は応援団のつもりでおりますが、木造住宅の振興のことについての質問をさせていただいたわけでございます。
 よく、本省とかいろいろなところに大勢の人を、陳情団を引き連れて、名刺を持ってぐるぐる回って頭を下げて帰ってくるというのも、一つの、一般の人が行政当局に働きかける方法なのかなとは思いますが、こういう委員会の場で質問というものを通しながら提案したりあるいは要望したりするというのもこれまたいいものだな、こういうふうに思っておりますので、御理解をいただいて、若干、私の住んでおるところの問題についてきょうも引き続き質問をさせていただきたい、こういうふうに思っております。
 去年は、国道三六二の整備促進のことについて質問させてもらいました。それから、丸子池田線のことについても質問させてもらいました。力強い御答弁をいただいて、大変ありがたく思っております。
 そして一年間たちまして、私も、自分の生活しているところでございますから、その事業の進捗状況がどういう状況であるかというのは時々見て回っているわけであります。それから、きょうこうして、改めて一年たって質問をさせていただくということになりまして、関係している地元の皆さんがどんなふうに国の行政とかそういうものを見ているのかというものを聞いて回りました。それから、関係行政当局に、どうなんだということを聞いて回りました。そうしましたら、一様に、非常に好感を持って事業の進捗に対して受けとめておられるということを感じてまいりまして、大変自分としてもうれしく思っております。
 したがいまして、この委員会で質問を通して要望したりしていることが着実に実現方に向けて努力していただいている姿勢には、心から、評価をさせていただきながら感謝申し上げたい、こういうふうに思っております。
 それで、ことしも、大変恐縮ではありますが、同じ立場で同じような問題について質問させていただきたい、こう思いまして、この機会をいただいたわけであります。
 最初に、一般国道の整備のことについて質問させていただきたいと思いますが、去年も質問してことしも質問をして、同じようなことを何で質問しているんだ、県知事や市長や大勢の皆さんともよく話し合っているし、地元でもいろいろな話をしながら進めているというお気持ちでおられるかもしれませんが、四月一日をもちまして、静岡市は清水市と合併いたしまして七十一万の人口になりまして、全国で一番面積の広い地方都市になったわけでございます。そのことによりまして、ありとあらゆるところで行政需要が非常に高まっております。そのことを、わずかな期間でありますが、私も肌身を通して実感しておりますので、その中で、特に今からお願いをし、質問する案件につきましては、地域住民、行政当局も非常に熱心に考えておられる案件でありますので、その点のことについて、釈迦に説法のような感じもするわけでありますが、質問させていただきますので、前向きな答弁をいただければ、こういうふうに思っております。
 最初に、一般国道百五十号線の整備のことについて質問をさせていただきます。
 もうこの道路の重要性については、私が言うまでもなく、清水から浜松まで抜けていく産業道路であり、生活道路であり、そして観光道路になっております。私も、昨日、もう一度改めて、質問するこの道路を、ずっと車を自分で運転して走ってまいりました。久能海岸あるいは高松海岸等々がありますが、その横を本当に、昔では考えられないくらいの快適なスピードで車を走らせることができる、そういう新道が着々とつくられて、大変喜んでおります。
 それから、余分なことでありますが、海岸線にはテトラポッドをたくさん入れていただきまして、大分昔は、静岡の浜はなくなってしまった、そういう状況だったんですが、テトラポッドをずっと入れていただくことによって、失われた海岸が戻ってまいりました。それで、きのうは、浜行きですね、戻ってきた砂浜で大勢の人が非常に楽しんでおりました。そういう姿を見て、一つ一つこうした行政が実を結んでいるということを本当にうれしく思った次第であります。
 ただ、先ほど申し上げましたように、合併をしましたので行政需要が非常に高くなってきているということと、それから、先ほども丸子池田線のことについても触れましたが、確かに着実に進んでいるんだけれども、世の中の社会の進展が非常に早いものですから、もっとテンポアップしてくれないかという気持ち、要望は以前よりちょっと強いんじゃないかなという感じがしております。
 そういうことを踏まえまして、大変恐縮ですが、清水からずっと走ってまいりますと、西島の地域になりますと急にもとの道に戻るということになりまして、これがまた実に狭隘。そこまで非常に快適に進んできたのが、そこで急に渋滞の中にはまってしまう。それから、地域の人が、わずかな道を渡るのになかなか道を横切ることができないというくらい非常に不便をしているし、危険な状態でもありますので、このことについて、どんな整備状況になっておられるのか。
 それから、さらに行きますと広野という地域がありますが、そこからは焼津市境の間の四車線化というものを市も先頭になってずっと要望しております。日本坂トンネル等の完成見通しもできまして、これまた非常に関係の皆さんは喜んでおりますが、ぜひこの件につきまして、どんな状況になっておられ、どういう展望でおられるのか、まずもってお伺いいたします。
    〔主査退席、石田主査代理着席〕
佐藤政府参考人 国道百五十号の特に渋滞する箇所二カ所のお話、こういうことであります。
 百五十号は、静岡市から浜松市に至る延長百二十六キロの幹線道路でございますが、先生御指摘のように、静岡市の西島から中島のあたり、これが大体一日当たり二万七千台、普通は、二車線の道路ですと一万台走ると渋滞が出てまいりますので、そういう意味では大変渋滞している箇所、こういうことでございます。
 ここにつきましては、西島から中島間一・四キロの整備について、静岡バイパスとして平成元年度から事業化している一部として事業を進めているところでありまして、平成十三年度から用地買収に着手しまして、今用地買収を推進中であります。
 全体事業費は百四十億円という、短い距離ではありますが、なかなか事業費のかかる道路、こういうことでございまして、この一・四キロ、用地買収をできるだけ進めていこうということで、厳しい予算の状況ではありますが、重点的整備を進めてきている、こういうことであります。
 さらに、この静岡バイパスの全体の中の下島から西島まで〇・九キロにつきましては、十二年度までに既に四車線整備を完了している、こういうことでございますので、残ります一・四キロ、これを大急ぎで整備したい、こういうふうに考えております。
 それからもう一つ、広野から焼津市境までの四車線化のお話がございました。
 ここにつきましても大変な渋滞状況で、ここは三万台を超えておるということでございますので、平成八年度から、新日本坂トンネル、こう仮称しておるようでございますが、延長が五・二キロで、そのうちのトンネル延長が三・一キロ、これにつきましては、直轄事業として権限代行で事業を進めている、こういう状態でございます。
 全体の事業費が二百十億円ほどかかる、これもなかなかの事業でございますが、ことしの夏に全線の四車線化を完了させる、こういう目標で今最後の詰めをしておるところでございます。
牧野(聖)分科員 本当に、実際のところをよく御理解いただいているわけでございますので、これ以上口角泡を飛ばして議論をするという余地のない状況でございますので、今の点につきましてもぜひ力強く推進していただきますように、この場をおかりいたしまして要望させていただきます。
 次に、国道三百六十二号、三六二の整備状況、特に昨年も私は質問させてもらいました。大分力強く御答弁いただいて、行政当局も大変喜んでおります。
 しかしながら、さりとて合併しているという新しい状況がありまして、また、私もそちらの方に住んでおりますので、そうすると、渋滞が県内では極めて顕著な二カ所を出すとそこが入るわけですので、この三六二の整備と、それから安西橋の四車線化、このことについて、どんなふうな状況で、どんなつもりになっておられるのか、まことに恐縮ですが、御答弁ください。
佐藤政府参考人 三百六十二号は、愛知県の豊川市を起点といたしまして、静岡市に至る延長百六十キロの幹線道路でありますが、全体の九割に当たる百四十五キロが静岡県内を通過している、こういう幹線道路であります。
 先生御指摘の静岡市の羽鳥それから安西橋の四車化事業、これにつきましては、平成十二年の八月に都市計画決定を、約二キロでございますが、してございます。
 ここも、大変恐縮でございますがなかなか渋滞の箇所でございまして、非常に狭いところですが、二万二千台の交通が行き来している、こういう状態でございますので、平成十四年度から、安西橋を含めた〇・七キロについて、羽鳥安西拡幅として事業化いたしました。
 これも、〇・七キロですが、九十億円ほどかかるんじゃないか、こういう事業でございまして、今年度から用地買収に着手する予定でございます。
 この区間、おおむね二キロでございますが、重点的にまずやっていこう、こういうことで、残る一・三キロにつきましても、この事業化した区間の進捗状況や交通の状況を見ながら事業化の時期を引き続き検討してまいりたいと思っております。できるだけ重点的な整備に心がけてまいりたいと思っております。
牧野(聖)分科員 地域の住民として、また地域の代表として我々も政治活動をしているわけでございますので、できるだけ一生懸命バックアップさせていただきますので、ぜひ力強くテンポアップして事業の推進をしていただくようにお願いさせてもらいます。
 それからもう一点、道路関係でありますが、静清バイパスの立体化の早期完成ということで質問通告させていただきました。
 先ほど言いましたように、私、きのうもこのバイパス、ずっと自分で運転して走ってきました。静岡では、急がば回れということわざのように、急がば国道一号線という言葉もあるくらいバイパスへ入ると渋滞してしまって、かえって遅くなってとんでもないことになるということがたびたびあるんですよ。ですから、急ぐときはバイパスへ行かないで国道一号へ行く、そういう皮肉な笑い話もあるくらいです。
 このバイパスができて、当初非常に喜んでいたんですが、今言いましたように、交通状況の変化等々によりまして非常に渋滞のときが多いものですから、このことについての四車線化とか立体交差化とか、いろいろな問題があろうかと思いますが、この点について、どんな状況で、どんな進展ぐあいにさせていきたいのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
佐藤政府参考人 国道一号の静清バイパスの件でございます。
 静清バイパスは、全体の延長が二十四キロ、静岡市清水興津東町から丸子二軒家間、約二十四キロでございます。このうち、清水興津東町の方の約六キロは四車線化ができている。残りの、おおむねで言えば十八キロが、これから四車線化や立体化をせねばいかぬ。ここは専用道路のようなタイプでつくらせていただいてもおりますので交通容量的にはかなりあるんでございますが、それにしましても、四万台を超える交通量が二車線の道路に走っていただいている、こういう状況でございますので、非常に渋滞が激しいということではございます。
 ということで、平成八年度までに全線の暫定供用は二車線としてはやっておるわけでございますが、交通混雑の著しい地区の立体交差化であるとか四車線化であるとか、これを進めていこう、こういうことで、現在、特に、平面構造で交通混雑の著しい昭府地区の高架橋工事を、平成十九年度暫定供用を目途に推進しているところでございます。
 さらに、鳥坂インターから能島インターの間及び千代田上土インターから賤機山トンネル付近の四車線化工事を推進している最中でございますし、賤機山トンネルそのものの下り線、二期線側の整備を初めとしまして、その他の区間の四車線化につきましても、交通状況等を見ながら重点的に順次進めていきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
 何分、先生御指摘のように大変交通量の多いところでございまして、二車線の道路で往復四万台以上走るというのはなかなかのハードな使われ方でございますので、よくよく様子を見ながら、できるだけ重点的な整備を進めてまいりたい、そのように思っております。
牧野(聖)分科員 長い間の懸案でバイパスができたわけでありますが、その後の交通状況の変化に伴いまして大変な渋滞になっているものですから、現実についてはもう十分御理解をいただいていると思いますので、ぜひ、さらに御努力いただいて早期に完成できるように、問題が解決できるようにお力添えを賜りたい、こういうふうに思っております。
 地元の皆さんを大勢連れて役所に行って、名刺を置いて頭を下げて帰ってくるというのも一つの方法かと思いますけれども、僕は議員として、この決算委員会とかこういう場で、やはり議事録に残るような形で正式に提言しながら訴えさせてもらって、それに対しての御答弁をいただいて、そしてまた、その進捗状況についてはお互いに議論し合っていくという関係がいいかと思っているものですから、この場をかりて議論させていただきました。
 去年の実例からいくと、誠意を持ってお答えしていただいているということは私も感じておりますので、感謝を申し上げながら、さらなる御努力をお願いして、この問題は終わらせていただきたいと思います。
 次の方に移らせていただきたいと思います。
 どちらかというと、この問題については大臣とお話をさせてもらいたいと思って、きょうは再度来ました。去年、一年前のことですから、もう大臣も記憶にはなかろうかと思いますけれども、私は、木造建築の大工さんの応援団長のようなつもりでいるんです。ですから、在来工法による住宅、純日本風的な建築とか日本建築とか、そういった住宅の振興というものを何とか進めていきたい、こういうふうに思っているわけでありますが、着工件数総体、もうずっと下がってきておりますし、その中における木造住宅の着工件数もやはりずっと下がってきているわけです。
 大臣、去年いろいろな例を挙げられまして、力強く、木造住宅の振興策には我々も力を入れていくと言っておられましたので、ありがたく思い、さらなる期待をしているわけであります。多分いろいろな努力をされていると思いますが、出てきた数字というのは大変厳しい数字が出てきておりますので、これまた釈迦に説法かもしれませんけれども、どういうふうに対応されていくのか、そのことをお聞かせいただきたいということで質問させていただくわけであります。
 全体の総戸数が、平成十二、十三、十四と、百二十一万三千、百十七万三千、そして去年が百十四万五千、こういうふうになってきまして、着実に減ってきています。その中で木造の着工件数が、平成十二、十三、十四と、五十四万八千、五十一万四千、五十万六千、着実に減っているんです。
 これにはいろいろな原因があろうかと思いますけれども、私が一番危惧するのは、こういう状態がずっと続いていくと、技術を持っている大工さんが組み立て屋で終わってしまうんですよ。自分の若いときから培ってきた木造に対する見識とか技術を生かせないまま終わっていってしまうんですね。それでは日本文化の大変な損失になると私は思います。
 技術の継承とかあるいは錬磨ということも大切なことでございますので、そういう意味からすると、木造の在来工法による住宅の振興というのは大きな問題だと思いますが、大臣、その辺の考え方はどうでしょうか。
扇国務大臣 これは、昨年もそうでございますけれども、牧野議員が大変日本の、特に国産木材、木材といっても外材がありますから、特に国産木材についての振興を図っていきたいということをおっしゃいました。
 また、私もいろいろな法案の中で、少なくともシックハウス症候群、これが国土交通委員会でも議題になりました。シックハウス症候群というものもあって、ペンキを塗ったり、いわゆる合板の張り合わせののりによってシックハウス症候群が起こるというようなことで、本来の、木材を使った、特に国産、そういうものを使えばシックハウス症候群も防げる。学校等々あらゆる面で国内の木材を新たに使う、自宅だけではなくて、自家用のうちだけではなくて公共用にも木材を使うということが、そういった、近年起こっておりますシックハウス症候群等々を回避できる。
 なおかつ、今おっしゃった日本の大工さん等々の技術を保全する、そういう意味でも大事であるということで、件数としては、今御自身がおっしゃいましたように、純粋の木造建築の件数が減ってきてはおりますけれども、シックハウス症候群等々が起きてみますと、やはり木材がよかったなという木材回帰への気持ちも出てまいります。
 現実的に肉体に対する対応というものも、木材のよさというものが、まして、磨けば光る木材を使うということに対しては、改めて回帰傾向にあると私は思っておりますので、あながち、牧野議員がおっしゃったように数が減るからということだけではなくて、回帰傾向にあるということも、見直すという認識ができたことだけでも大きいと私は思っています。
牧野(聖)分科員 昨年も、大臣からは非常に関心を持った、しかも決意に満ちた答弁をいただいて、私も非常に心強く思っているわけであります。
 同じようなことを言って大変恐縮ですが、昨年大臣に、本当は文化庁長官に来ていただいて話をすれば一番いいんだけれども、僕は文化財の振興とかお城の振興のことを提言させてもらったんですが、文化庁長官は国会に出てこないんですよ。だから、話をするところがない。
 それで、ちまちまとした話をしてもしようがないので、これは観光行政にかこつけて、観光振興にかこつけて大臣に私は言うわけですけれども、先ほど川内議員も言っておりましたけれども、木造の技術を継承し、振興させて、そして、それに伴う材料とかそういうものも守っていく、技術も守る、それから、木の文化を大切にする、国内産材をたくさん使う。そういうことを総合的にしていきますと、私は、文化財の保護とかそういうものは、外材で文化財はできませんので、国内産材でなくちゃできませんから、そういう意味では非常にいい施策だと思うんですよ。
 その中で特にきょうは、一年前に引き続いて同じことを提言しますが、日本のお城、これを大臣、率先して、国が先頭に立って復元していただくような動きをしていただきたい、こういうふうに思います。そうすれば、国内産材をたくさん使っていただくことになりますし、大工さんも技術を磨くいい機会になりますし、それから観光資源として、世界からお城ツアーなんというのをできるわけですよ。ですから、そういう意味で、そのことを閣僚の一人として真剣に受けてほしいんですよ。それで、与野党問わず、議員の皆さんにもいろいろ提言してほしい。僕も応援団になります。
 そこで、私、全国で大規模木造の建設によるお城の計画が今どのくらいあるかというのを調べてみましたら、十一カ所ありました。本当はもっとあるかもしれません。金沢城、福井城、駿府城、名古屋城、高山城、安土城、二条城、津山城、萩城、高松城、福岡城。十一のお城の天守閣の復元、周辺整備のそういう計画が地方にあります。その金額を全部足してみたら、何と千五百九十億円ですよ。千五百九十億円で十一のお城が完成するんですよ。これを高いと見るか安いと見るかはその人の政治センスなんですけれども、大臣の力をもってしたら、一年に千五百九十億といったらそれは大変かもしれないけれども、十年計画だったら百五十九億ですよ。五年計画にしてもその倍ですよ。全部を国で持たなくても、半分国で持つというだけでも安いものですね。
 それによって、国内産材の材木も使われ、技術も磨かれ、観光開発になる。こういう施策を国の公共事業として、公共事業というか国の事業として率先して進めていくということが今の時代必要じゃないかと思うんですけれども、大臣、どうですか、私の提言。
扇国務大臣 ユニークといいますか、新たな発見といいますか、牧野議員が観光にひっかけて木造の話をするということで、私は大変いいことだと思っております。
 例を少し挙げさせていただきます。
 観光資源ということをおっしゃいましたので、現段階で、ちょっと手元にある資料でございますけれども、お城とか天守閣の復元について、例えば、昭和六十年には宮崎県の綾城が、平成五年には静岡県の掛川城、御存じでしょう、木造復元されております。その結果、宮崎県の綾町に、昭和六十年代に四十万人だった観光客が、天守閣の復元によりまして、平成十二年には百十万人に観光客がふえているんですね。
 そういう意味でも、私は、今、牧野議員が観光にひっかけて質問するとおっしゃいましたけれども、堂々たる質問でございまして、この数字をもってしても、観光というものが、今、お城の復元、そして、技術だけではなくて、これほど大きな貢献をしているという例が如実に見ていただけると思います。
 また、平成十三年に地元の木材を大量に用いて復元されました金沢城、今例を挙げられました、これのように、地域材を利用したお城の復元というのは、高度な木材の建築技術の継承にも大変寄与しています。私、金沢城も行ってまいりました。これも私は大きな観光の資源になっていると思っております。
 また、各地域におきましては、その地域の特性を踏まえまして、多様な地域の資源を活用しながら幅広くこれを利用していこうということで、それぞれの地域の独自の観光目標というものを進めていただくことを私たちは奨励していこう、また、後押ししていこうということで、できれば愛知万博のときに名古屋城そのものを一つのパビリオンにしようというふうに私は提案をして、そうすると、そのもの自体がパビリオンとして外国の皆さんに見ていただけるというふうに考えたんですけれども、私も牧野議員と同じように、お城というもの、外国にない日本の大変いい観光資源だと思っております。
 そういう意味では、国土交通省も、四省庁統合したわけでございますから、そのメリットを生かしまして、広域観光に係るいわゆる支援プログラムというものを策定する中にこのお城というもの、それから、特にお願いしたいことは、御宣伝いただきたいんですけれども、歴史的な建築物とかその周辺の環境整備等々、伝統的な木造作業、それをする木造住宅、建築技術の継承ということを必要としまして、平成十五年から、ことしですけれども、大工育成塾、これを国の補助で開始します。ですから、大工さんたちの育成塾というものを国の助成でするということで、これは大変、私、牧野議員も御宣伝いただきたいし、地域からも御協力いただきたいと思います。
 国が大工さんの育成をしようということで始めておりますので、これも地元と協力し、なおかつ、全国的に観光の取り組みにぜひお城も入れて、日本独特の建築技術というものを宣伝し、また、見た目にも、コンクリートは六十年の寿命だといいますけれども、木造は何百年続いております。三百年の歴史を持っている木造建築物もございますので、そういう意味では、大変独特の技法でもって、木材の流通というものと木材のよさ、温かさ、そういうものを、この国会内もこれは全部国内材でございます、そういう木材の使われ方というものもぜひしなければならないと思っていますので、私は、牧野議員は遠慮をしないで堂々と、観光にひっかけてと言わないで、本題として木材のよさというものを見直していただきたい、また御協力も賜りたいと思います。
牧野(聖)分科員 時間が来ましたので、質問はこれでやめます。
 私の気持ちを大臣に御理解していただいて、大変力強い答弁をいただいたことを感謝申し上げます。
 我々も議員という立場で、応援団で頑張りますので、大臣もぜひ先頭に立って御尽力くださいますようお願いいたしまして、質問を終わります。ありがとうございました。
石田主査代理 これにて牧野聖修君の質疑は終了いたしました。
 次回は、明二十日午後五時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後五時八分散会


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