衆議院

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第1号 平成19年4月23日(月曜日)

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本分科会は平成十九年四月十日(火曜日)委員会において、設置することに決した。

四月二十日

 本分科員は委員長の指名で、次のとおり選任された。

      佐田玄一郎君    柴山 昌彦君

      鈴木 馨祐君    西本 勝子君

      古屋 圭司君    安井潤一郎君

      吉良 州司君    鉢呂 吉雄君

      古屋 範子君    鈴木 宗男君

四月二十日

 古屋範子君が委員長の指名で、主査に選任された。

平成十九年四月二十三日(月曜日)

    午後一時三十分開議

 出席分科員

   主査 古屋 範子君

      佐田玄一郎君    柴山 昌彦君

      鈴木 馨祐君    西本 勝子君

      藤田 幹雄君    古屋 圭司君

      牧原 秀樹君    安井潤一郎君

      後藤  斎君    篠原  孝君

      津村 啓介君    鉢呂 吉雄君

      平岡 秀夫君    松原  仁君

      鈴木 宗男君

   兼務 福島  豊君

    …………………………………

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   農林水産副大臣      山本  拓君

   国土交通大臣政務官    梶山 弘志君

   国土交通大臣政務官    藤野 公孝君

   会計検査院事務総局第三局長            高山 丈二君

   政府参考人

   (警察庁交通局長)    矢代 隆義君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           大森 雅夫君

   政府参考人

   (国土交通省土地・水資源局長)          松原 文雄君

   政府参考人

   (国土交通省都市・地域整備局長)         中島 正弘君

   政府参考人

   (国土交通省河川局長)  門松  武君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  榊  正剛君

   政府参考人

   (国土交通省鉄道局長)  平田憲一郎君

   政府参考人

   (国土交通省航空局長)  鈴木 久泰君

   参考人

   (独立行政法人住宅金融支援機構理事長)      島田 精一君

   参考人

   (本州四国連絡高速道路株式会社代表取締役社長)  堀切 民喜君

   国土交通委員会専門員   亀井 為幸君

   決算行政監視委員会専門員 藤野  進君

    ―――――――――――――

分科員の異動

四月二十三日

 辞任         補欠選任

  佐田玄一郎君     藤田 幹雄君

  古屋 圭司君     牧原 秀樹君

  吉良 州司君     平岡 秀夫君

  鉢呂 吉雄君     津村 啓介君

同日

 辞任         補欠選任

  藤田 幹雄君     佐田玄一郎君

  牧原 秀樹君     古屋 圭司君

  津村 啓介君     篠原  孝君

  平岡 秀夫君     松原  仁君

同日

 辞任         補欠選任

  篠原  孝君     鉢呂 吉雄君

  松原  仁君     後藤  斎君

同日

 辞任         補欠選任

  後藤  斎君     吉良 州司君

同日

 第二分科員福島豊君が本分科兼務となった。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 平成十七年度一般会計歳入歳出決算

 平成十七年度特別会計歳入歳出決算

 平成十七年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十七年度政府関係機関決算書

 平成十七年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十七年度国有財産無償貸付状況総計算書

 (国土交通省所管及び住宅金融公庫)


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     ――――◇―――――

古屋主査 これより決算行政監視委員会第四分科会を開会いたします。

 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。

 本分科会は、法務省所管、国土交通省所管及び住宅金融公庫についての審査を行うことになっております。

 なお、各省庁の審査に当たっては、その冒頭に決算概要説明、会計検査院の検査概要説明及び会計検査院の指摘に基づき講じた措置についての説明を聴取することといたします。

 平成十七年度決算外二件中、本日は、国土交通省所管及び住宅金融公庫について審査を行います。

 これより国土交通省所管及び住宅金融公庫について審査を行います。

 まず、概要説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣。

冬柴国務大臣 国土交通省所管の平成十七年度歳入歳出決算につきまして、概要を御説明申し上げます。

 まず、一般会計につきまして申し上げます。

 収納済み歳入額は三百七十一億四千五百万円余であります。支出済み歳出額は七兆六千五百四十五億九千七百万円余であります。

 次に、特別会計につきまして申し上げます。

 まず、自動車損害賠償保障事業特別会計でありますが、保障勘定、自動車事故対策勘定及び保険料等充当交付金勘定の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済み歳入額は二千八百六十億六千万円余であります。支出済み歳出額は二千百九十二億六千六百万円余であります。

 このほか、道路整備特別会計、治水特別会計、港湾整備特別会計、自動車検査登録特別会計、都市開発資金融通特別会計、空港整備特別会計並びに財務省と共管の特定国有財産整備特別会計がございますが、これら特別会計の決算の概要及び各事業の詳細につきましては、お手元に配付いたしました平成十七年度決算概要説明書をごらんいただきたいと存じます。

 何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。

古屋主査 次に、会計検査院の検査概要説明を聴取いたします。会計検査院高山第三局長。

高山会計検査院当局者 平成十七年度国土交通省の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項二十六件及び本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項六件であります。

 まず、不当事項について御説明いたします。

 検査報告番号三一六号から三二五号まで、三三〇号及び三三七号の十二件は、補助金の交付額の算定が適切でないものであります。

 同三二六号、三二八号、三二九号、三三一号及び三三三号から三三六号までの八件は、工事の設計が適切でないものであります。

 同三二七号及び三三二号は、工事費の積算が過大となっているものであります。

 同三三八号は、補償費の算定が適切でないものであります。

 同三三九号及び三四〇号は、職員の不正行為により現金が領得されたものであります。

 同三四一号は、分担金の支払いが適切でないものであります。

 次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について御説明いたします。

 その一は、地籍簿の数値情報化経費の積算に関するもの。

 その二は、補助金の交付等を受けて取得していながら公営住宅等が建設されていない土地に関するもの。

 その三は、公共交通移動円滑化設備整備費補助金等の算定に関するもの。

 その四は、除雪工事において使用する凍結防止剤の購入費の積算に関するもの。

 その五は、滑走路等に設置された管路等の埋設深さに関するもの。

 その六は、港湾EDIシステムの稼働に必要な設備の提供等のサービスを受けるための費用の積算に関するものであります。

 これら六件について指摘したところ、それぞれ改善の処置がとられたものであります。

 続いて、平成十七年度住宅金融公庫の決算につきまして検査いたしました結果の概要を御説明いたします。

 検査報告に掲記いたしましたものは、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件であります。

 これは、貸付金に係る、建築物に付されている特約火災保険の解約返還保険料に関するものであります。

 貸付金債権の償却に当たり、任意売却された建築物に付されている特約火災保険を解約し、解約返還保険料を残債権に充当できることが見込まれるのに、債権の回収を図ることについての認識が十分でなかったことなどのため、その解約手続をとっておらず、改善の要があると認められましたので、当局の見解をただしましたところ、住宅金融公庫では、十七年十二月に各支店等に対して通牒を発し、特約火災保険を解約して解約返還保険料を残債権に充当することとする処置を講じたものであります。

 以上、簡単ではございますが、概要の説明を終わります。

 よろしく御審議のほどお願いいたします。

古屋主査 ただいまの会計検査院の指摘に基づき講じた措置について説明を聴取いたします。冬柴国土交通大臣。

冬柴国務大臣 平成十七年度決算における会計検査院の御指摘に対しまして国土交通省のとった措置について御説明申し上げます。

 所管事業に係る予算につきましては、その適正な執行を図るよう常に努力しているところでありますが、平成十七年度の決算検査報告におきまして、補助金を過大に交付しているものなど、御指摘を受ける事態を生じましたことは、まことに遺憾であります。

 御指摘を受けました事項につきましては、国庫補助金を返還させ、または事業の目的を達成するよう手直し工事を施工させるなどの措置を講じたところであります。さらに、関係機関等に対しましては、法令の遵守、設計審査の徹底、施工の厳正な監督・検査の実施等になお一層努めるよう通達を発するなど、注意を喚起したところであります。

 今後とも、このような御指摘を受けることのないよう指導を一層徹底し、事業の適正かつ効率的な執行を図ってまいる所存であります。

古屋主査 次に、島田独立行政法人住宅金融支援機構理事長。

島田参考人 平成十七年度の決算検査報告におきまして、処置済み事項として掲記されております特約火災保険の解約返還保険料につきましては、御指摘の趣旨を踏まえ所要の措置を講じたところであります。

 今後とも、業務の適切な運営に努めてまいる所存であります。

古屋主査 この際、お諮りいたします。

 お手元に配付いたしております決算概要説明等のうち、ただいま説明を聴取した部分を除き、詳細な説明は、これを省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古屋主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

古屋主査 以上をもちまして国土交通省所管及び住宅金融公庫についての説明は終わりました。

    ―――――――――――――

古屋主査 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。藤田幹雄君。

藤田分科員 自由民主党の藤田幹雄でございます。

 本日は、この分科会におきまして、トップバッターとして質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 本日は、国土交通省の関係の質問でございますので、私の地元であります船橋市を中心といたしまして、千葉県の東京湾岸部における道路交通の問題につきまして質問をさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。

 まず一点目でございますが、船橋を中心としたいわゆる千葉県の東京湾岸部というところは、大変交通渋滞が激しいところでございます。この点につきまして、国土交通省としてはどのように認識をしておられるか、まずそこをお聞きしたいと思います。

宮田政府参考人 御指摘のように、湾岸部、千葉県を含む一都三県の渋滞発生量というのは、全国の四分の一に相当してございます。都道府県道以上で三十億人時間、全国でございますが、今申し上げました一都三県では約九億人時間ということで、四分の一でございます。

 特に、湾岸部の幹線道路でございます国道三百五十七号、それから船橋市内の中心部を横断する十四号、これらを南北に接続する道路、平日、休日を問わず大変深刻な状況にあると認識しております。例えば国道三百五十七号におきましては、渋滞による一キロ当たりの損失時間というのが年間十八万人時間に達しておりまして、これは全国平均の約九倍でございます。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 やはり首都圏の中でも渋滞問題の大変深刻な地域であるということを理解させていただくことができました。

 この交通渋滞の問題ですけれども、東京湾岸部の地域におきましては、経済活動や市民の活動等におきまして極めて重大な影響を及ぼしているわけであります。私の選挙区の船橋市でも、週末は特に大変な渋滞でありまして、五キロぐらい進むところを二時間かかったりとかいう、本当にとんでもない渋滞が多々あるわけであります。

 その辺につきまして、まず、この慢性的な交通渋滞というものをどのように認識して、どのように分析しておられるかというところを、二点目お伺いさせていただきたいと思います。

宮田政府参考人 お答えいたします。

 御指摘のように、大変、工場とか商業施設が立地しております。それから、都内と千葉の中心部に挟まれた地域でございますので、そういった通過交通も非常に多いというふうに認識をしております。

 先ほど例示させていただきました三百五十七号でございますが、一日当たり平均交通量が平日で五万二千台、休日で六万台、こういった交通量でございますが、交通容量で見ますと三万五千台ということで、通っている車を大幅に下回っているという状況でございます。特に、主要な幹線道路との平面交差部分、信号がございますので交通容量がさらに低下いたします、ボトルネックが生じております。

 いずれにいたしましても、自動車交通の需要に対応する道路ネットワークが十分でなくて、こういう深刻な交通渋滞が発生している、そういうふうに認識しております。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 確かに、三百五十七号線は片側三車線の道路でありますが、特に週末は道路渋滞が大変激しいのと、あと市街地におきましても、船橋市というところは特に戦火を浴びていないということもありまして、昔の細い農道がそのまま道路になったようなところで、そこも大変渋滞が激しい。つまり、抜け道も全然ないような状態でありまして、ららぽーととかIKEAとか、いろいろな大型チェーン店があるんですけれども、県外からもいっぱい車が来まして、大変な状況であります。

 そこで、三点目でありますけれども、ちょっと話題をかえまして、あかずの踏切という点でまたお伺いをしたいんです。

 船橋市では、京成電鉄が中央に通っておりまして、そこにあかずの踏切が多々ございます。これも渋滞の問題の一つのネックとなっているわけでありますが、全国レベルであかずの踏切の箇所及び改善の方向について、まず一点お伺いしたいと思います。

宮田政府参考人 いわゆるあかずの踏切を初めといたしまして、踏切の問題の解消というのは早期に解決すべき問題だというふうに認識しております。

 お尋ねのありました全国の状況でございますが、踏切交通実態総点検というのを昨年の一月、十八年の一月に開始いたしまして、昨年の八月には一次結果を公表しております。ことしの四月には、全国三万六千カ所踏切がございますが、その調査がすべて終わりましたので、調査結果を公表いたしました。

 その結果でございますが、三万六千カ所のうち、緊急に対策が必要な箇所は全国で二千カ所というふうに調査結果が出ております。このうち、あかずの踏切というのは、都市部を中心に六百カ所存在をしております。

 数が多うございますが、緊急な対策が必要だということで、大きく二つに考え方を分けて対策を講じようとしておりまして、連続立体交差あるいは単独立体交差、こういったものは抜本対策でございますが、こういう抜本対策、時間が長くかかりますけれども、このペースを従来の二倍に上げて対応したいと思っております。

 抜本対策が完了するまで手をこまねくわけにはいかぬとも思います。そういうことで、踏切内の歩道の拡幅でありますとか、あるいは歩行者の立体横断施設の設置でありますとか、賢い踏切、そういった速効対策につきましては、平成二十二年までに今申し上げた全箇所で対策を進めてまいりたいというふうに考えております。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 船橋市、私の選挙区の話をまたさせていただきますけれども、先般ようやく高架化が実現をいたしまして、大分踏切の数も少なくなりました。渋滞もそこで少し緩和をしたわけでありますが、この工事に二十三年という長い歳月が結果的にかかってしまったわけであります。

 確かに、用地買収とか莫大な事業費等々を考えたときに、いたし方ない点もあるわけでありますが、このような高架化、立体化につきまして、国交省としてはどのような策を現在まで講じられてきたか、そして、それによる交通渋滞の緩和というところに関してはどのようにお考えかをお聞かせいただきたいと思います。

中島政府参考人 今委員からお話のございました京成本線船橋駅付近の連続立体交差、これを例にとりまして少しお話し申し上げますと、当事業は、船橋市の海神から宮本までの二・五キロの区間、実に踏切を十六カ所連続して除去するという大変な事業でございまして、時間もかかりましたが、その結果、これも今お話しでございましたが、昨年の十一月に全線の高架切りかえが行われました。

 この区間にいわゆる自動車ボトルネック踏切と言われるものが三つございました。それぞれ、平日毎日、朝夕ラッシュ時には三百メーターから四百メーターの渋滞が生じているという箇所でございますが、結果、これらの渋滞が解消されたと聞いております。

 また、歩行者も非常に多いところでございまして、いわゆる通勤の方、歩行者のボトルネックの踏切というのも二つございまして、これも除去されまして、歩行者の通行の安全も確保されたというふうに思っております。

 このように、連続立体交差事業は、踏切を連続して除去して、大変効果の高い事業だと思っております。そのために、国交省としましては、必要な予算額の確保とあわせて制度の改善、二カ所にわたって措置を講じまして、事業の推進を図っているところでございます。

 若干の例を申し上げさせていただきたいと思います。

 予算制度として最近講じました例は、自動車交通量だけではなくて歩行者にも着目して、採択要件を緩和する。あるいは、施行主体でございますが、原則公共団体、立てかえ施行は、鉄道事業者が行う場合はあってございますが、さらにそれを特別の目的会社、第三セクターなどに拡大した。あるいは、鉄道事業者の取り組みを促進するための無利子貸付制度の創設などの充実を図ったところでございます。

 予算額は、平成十九年度予算におきまして、全体はマイナスの中でございますが、前年度以上の、一・〇五倍の予算を確保したところでございます。

 今後とも、このような措置によりまして積極的に取り組んでいきたい、このように思っております。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 鉄道の連続立体化というのは、交通渋滞を緩和する手段としては大変有効な手段であるというふうに考えております。

 これは、船橋市だけでなく、千葉県に限らず、首都圏各地とか、あと全国各地におきましても、あかずの踏切というのが先般大変な大きな問題になっておったわけであります。都市再生の観点からも、ぜひこのようなあかずの踏切問題を今後とも御対応いただくようにお願いを申し上げる次第であります。

 それで、もう一つ質問をさせていただきたいと思います。

 先般、平成十九年度予算として、東京湾岸部の交通渋滞の緩和そして解消策として、長らく、本当に長い期間の懸案事項であったわけでありますが、湾岸船橋インターの新設工事というのが予算化したというふうに聞いております。そして、それにあわせまして、その近辺にあります三百五十七号線の若松交差点の拡幅工事、これも予算化したというふうに聞いておりまして、我々船橋市民は大変な喜びを持っておるわけであります。

 この工事の概要と、それにあわせました渋滞緩和効果というのをどのようにお考えかというのをお聞かせいただきたいと思います。

宮田政府参考人 まず、湾岸船橋インターチェンジについてお答えを申し上げたいと思います。

 湾岸船橋インターチェンジは、東関東道水戸線につくインターチェンジでございまして、湾岸市川インターと湾岸習志野インターチェンジのちょうど間で、延長がこの間六・五キロであります、その間に設けるということでございます。

 このインターチェンジは、インターチェンジに係る料金所は東日本高速道路株式会社が、それから連結する道路の方は県が施行主体になっておやりになるということで、いわゆる地域活性化インターチェンジでございまして、平成十八年度、昨年度に千葉県の方に連結許可をお出しいたしました。平成十九年度は、設計調査を進めまして、年度後半からは高速道路の拡幅部の橋梁下部工に着手をいたしまして、供用開始は平成二十三年度を予定してございます。

 他方、もう一つのお尋ねの国道三百五十七号若松交差点の改良でございます。

 これも本当に変形交差点でございまして、交差する県道千葉船橋海浜線が南から北に直進できない。橋脚が立っておりまして、そこをどういうふうに通っていくかということで、今までは直進できない変則な構造になっておりました。北へ直進する交通というのは、一たん三百五十七号から東京方面に向かってUターンして戻ってくる。その余分な交通が付加されますので非常に混雑をしまして、朝夕の通勤時間帯には七百メーターを超えるような渋滞でありました。

 このような課題に対応するために、今申し上げました直進できない部分を直進できるように若松交差点を改良いたします。平成十八年度に着手をいたしました。平成十九年度は設計調査を実施いたしまして、平成二十三年度には供用いたしたいと思っております。

 その二つの整備効果のお尋ねでございますが、湾岸船橋インターチェンジの整備によりまして、主に三百五十七号を利用して東京方面に向かう交通というのを東関東自動車道に転換させまして、三百五十七号の負荷を軽減させる。一方、若松交差点の改良工事の整備によりまして、先ほど申し上げました三百五十七号をUターンしなければならない交通、それを三百五十七号から排除することができます。したがいまして、湾岸道路の、三百五十七号の交通渋滞が大幅に緩和するだろうというふうに予測をしております。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 少々時間がまだありますので、実は、ちょっと通告はしていなかったんですけれども、この問題をもう少し掘り下げてお伺いをしたいなと思うんです。

 まず、インターチェンジを新しくつくるということは、一つ危惧をされる点なんですけれども、いわゆるインターチェンジ渋滞というのができないかということがあると思うんですね。

 インターチェンジの場所にもよると思うんです。出たところにすぐ信号があったりとか、あるいは大変交通量の詰まったところに出口があった際に、結局、インターチェンジができても、そこに渋滞が発生したり、あるいは高速道路の側道の部分に渋滞が発生してしまったのでは余り意味がなくなってしまうという千葉県の県議会の先生方の御指摘もあったわけでありますけれども、そのような心配は今後ないのかという点と、インターチェンジの場所をどのような基準で今後決められていくのかというところあたりをもう少しお聞かせいただければと思うんです。

宮田政府参考人 おっしゃるように、インターチェンジがあって、受けの一般道の方が容量が十分でない、あるいは料金所から出たところで接続部分の構造が悪くて渋滞が起こっているというのは東名にも現にありまして、インターチェンジをふやしてそこのところを対応する、一カ所のインターチェンジの負荷を余りかけないように、接続の道路が弱い場合には分散してやるというのが一番大きな効果だろうと思います。インターチェンジも分散するという効果がまずありますので、今まで以上に込むということはないだろうと思います。

 いずれにいたしましても、今先生御指摘のようなことが起こった場合に、県とまた御相談しまして、周辺のネットワークに手を入れる、改良するということも必要かと思います。状況を見て対応してまいりたいと考えております。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 本当に、どのような場所でどのように連結をするかというのがこれから大変重要な問題でありまして、ぜひ付近の、地元の方々の御意見も取り入れていただいて、あと四年あると思いますけれども、そこを考えていただければというふうに思います。

 それと、若松交差点の点でありますけれども、今回、拡幅工事というふうに聞いております。それと、先ほど御答弁いただいたように、確かに今、直進ができないという大変変則な交差点でありまして、私も自分の車であそこを通りかかったときに大変な渋滞に巻き込まれまして、交差点を抜けるだけでもう一時間近くかかってしまうようなことも多々ございます。

 まず、その直進の部分は改良していただくというのは大変よいことだと思うんですが、将来的に、私は県議会の先生とお話をしたんですけれども、立体交差のような形ですか、地下を掘って、どっちかの方を地下を潜らせたりあるいは上を通したりというのが多分抜本的ないい解決策なんじゃないかというお話をしております。

 この若松交差点は渋滞の問題の本当に根本となる場所にありまして、ここが解消されますと、確かに船橋市全体の渋滞は相当大きく解消されるのかなというふうに実際に住んでみて感じるわけでありますが、将来的に、そういった二段構えで、そのような立体的な構想というのをすることは可能であるかどうかというところもお聞かせいただきたいと思うんですが、よろしいでしょうか。

宮田政府参考人 結論を先に申し上げますと、まずは、この交差点を改良した後の状況を見ていろいろ考えてまいりたいと思いますが、そもそも若松交差点は、もう先生御存じのことをお話しするとあれでありますが、上の高速道路の橋脚がありますために、交差点を挟んでずれた線形であります。それを真っすぐにして、橋脚を避けて直進レーンを置こうと。延長もとって、かなり大規模な工事になろうと思います。交差する県道船橋我孫子線、ここの食い違いをなくしまして、直進専用のレーン、それから右折ができる専用レーンというのを追加しますので、この状況を見て、三五七それから交差する県道がどういった改善になるか見きわめてまいりたいと考えております。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 この問題につきましては、私も選挙区におりまして一番陳情項目として多い項目でありまして、本当に多くの方がこれによって不便を感じている。

 御存じのとおり、私の選挙区は、港があって、北の方は農業があってということで、いろいろな産業が一つにある選挙区であります。南の方は、かなり都市部として、いわゆる交通量も激しいですし、大きな道路も多いわけでありますが、北の方に行きますと、一転して農道が多くて、かなり昔の農道をそのまま舗装化したような道路が多々ありまして、そこの連結の問題というところも大変複雑であるわけであります。

 ぜひとも、まず若松交差点を皮切りにしまして、この道路問題を解決して、我々政権与党、自由民主党と公明党さんと組みまして、ぜひ付近の皆様に、与党の仕事としてしっかりとこの問題を解決していきたいという強い決意を持っているわけであります。

 もう一点、これも通告はしていないわけでありますが、将来の構想といたしまして、第二湾岸道路という話もかなりいろいろな方から質問を受けるわけであります。先ほど冒頭にありましたように、この湾岸地域というのは首都圏の中でも渋滞の大変激しい地域でありまして、将来的にはこのような大きい道路をつくっての解決策というのがあると思うんですが、この辺の構想をどのようにお考えかというのを一点お聞かせいただきたいと思います。

宮田政府参考人 第二湾岸の構想、県を中心にしていろいろ検討をなさってきております。我々もそういう構想があるというのは十分認識しておりますし、国土交通省としてもいろいろな勉強をしてまいっている経過がございます。

 一つは環境、東京湾のいろいろな干潟の環境をどういうふうに考えていくかという問題があったかと記憶しておりますが、そういうものを含めまして、県あるいは地元市町村、やはり環境と調和をして事業を進めるということも重要かと考えておりますので、そういう点も含めて、いろいろな御相談を今から県、市とやっていければと考えております。

藤田分科員 どうもありがとうございます。

 また、私の選挙区では、私が与党の議員としては七年ぶりでありまして、先ほど申し上げたように、大変この渋滞問題というのは奥の深い問題でありまして、すぐに道路の数をふやしたり幅を広げたりということができるかというと、そんな簡単な問題ではないということはあるわけでありますが、大分先送り先送りで、この問題についても二十三年という大変長い年月もかかったわけであります。

 しかしながら、やはり国会議員というのは、このような仕事を予算化して、私に投票していただいた選挙区の方にもやはり与党の議員に入れてよかったなと思っていただけるようなことをどんどんしていきたい、これは国交省とともに活動としてしっかりやっていきたいと思いますので、ぜひとも御相談をさせていただいて、今後とも御対応いただきたいというふうに思うわけであります。

 それでは、最後になりますけれども、冬柴大臣にお伺いさせていただきたいと思います。

 私の選挙区の話を多々申し上げさせていただきましたけれども、慢性な交通渋滞という都市は全国に多くあるわけであります。特に、大臣の御出身の公明党さんは「未来に責任を持つ政治」というキャッチフレーズをお持ちであるわけでありますけれども、未来に向けまして、この渋滞緩和問題につきまして、大臣の意気込みというのをお聞かせいただければと思います。

冬柴国務大臣 渋滞は、時間やエネルギーのロスを引き起こします。経済活動へも多大な損失を与えるとともに、環境問題、交通事故の増加を引き起こすものでもございます。したがいまして、渋滞による経済損失は全国で年間三十五億一千万人時間という大変なことになっておりまして、先ほど道路局長からも答弁いたしましたように、千葉県を含む一都三県ではその四分の一に相当する渋滞が発生しているということであります。渋滞解消により、安全かつ良好な環境を確保することは重要な政治課題である、このように認識をいたしております。

 このため、国土交通省といたしましては、渋滞対策を主要な施策の柱と位置づけているところでありまして、首都圏三環状道路やボトルネック交差点の立体化、改良を初めとした交通容量の拡大、それに加えまして、車から公共交通へ転換を促すため、公共交通の利便性を向上させる駅前広場あるいはバス停の整備、それから複数の踏切を一斉に解消する連続立体交差事業など、総合的な渋滞対策を実施しているところでございます。

 これら取り組みにより、渋滞損失時間を平成十五年から平成十九年度、今日まででございますが、この五カ年で約一割削減するということを目標に進めてまいりました。確実に達成できるというふうに今考えているところでございますが、引き続き渋滞対策に全力を挙げて取り組んでまいる決意でございます。

藤田分科員 冬柴大臣、どうもありがとうございました。

 私も委員会の質問はきょうで三回目でありまして、ふなれな点も多々あったわけでありますが、ぜひ御容赦をいただきたいと思いますし、段取りも多少、通告していない質問も多々ありましたので、それはおわびを申し上げたいと思いますけれども、選挙区におきましても、国会の仕事も、全力で取り組ませていただきたいと思っておりますので、ぜひ今後とも御指導、御鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。

 ありがとうございました。

古屋主査 これにて藤田幹雄君の質疑は終了いたしました。

 次に、平岡秀夫君。

平岡分科員 民主党の平岡秀夫でございます。きょうはよろしくお願いします。

 最初に、ちょっと大臣に、簡単な質問なんですけれどもさせていただきたいと思います。

 私の選挙区というのは、山口県の東の方でございますけれども、今、米軍再編問題で相当地元が揺れ動いておりまして、公明党さんの市会議員さんたちもいろいろな立場をとっておられるものですから、大変事態が複雑になってきているという状況ではあるんですけれども、その複雑にしている一つの要因というのが、愛宕山地域開発事業というのがあるのでございます。

 大臣はその愛宕山地域開発事業というのを聞かれたことはありますか。

冬柴国務大臣 本日、私にではありませんけれども質問通告をしていただいておりまして、岩国の米軍基地をめぐる問題とか、あるいは、これは米軍基地だけではないですけれども、騒音問題で新滑走路を沖合につくるとか、そういうことで関連をいたしまして聞いております。

 この愛宕山というところの市街地開発事業ということで、平たく言えば、神戸と同じように、山を削ってその土砂を盛って空港用地を埋め立てしようという、そのようなものが相当以前から行われているというふうに認識をいたしております。

平岡分科員 知っていただいて大変ありがたく思いますけれども、きょうは質問は大臣を中心にということで私はやっておりまして、技術的なこととか経緯的なことで事実関係みたいな話はほかの人でもいいですよということでございますので、決して大臣に対して質問していないということではございませんから、しっかりと聞いておいていただきたいというふうに思います。

 そこで、この愛宕山地域開発事業について言うと、今大臣がおっしゃられたように、米軍再編の中で、厚木の空母艦載機を岩国に約六十機移駐させよう、その移駐させる先が、今沖合移設事業をしている岩国飛行場に移すんだと。沖合移設事業というのは埋め立てでやっているわけでありますけれども、その埋め立ての土砂をこの愛宕山地域開発事業で生まれた土砂で補充をしてやろうということであります。

 そもそも、この愛宕山地域開発事業についていえば、新住宅市街地開発法に基づいて、そこに良好な宅地をつくって、新しい、環境のいい、福祉も充実した、そういう地域をつくろうということなんですね。そういう意味でいえば、岩国の人たちにとってみればまさにバラ色の話であったはずなんですけれども、空母艦載機がやってくるという一つの問題、プラスこの愛宕山地域開発事業がどうも大きな赤字を抱えてしまいそうだというような事態が発生してきて、そのために米軍住宅に売ったらどうかというようなことまで出てきて、まさに、これまでバラ色の将来を描いていたのが一転して暗黒の事態にまでなりそうだという、本当に深刻な問題になっているわけであります。

 事業実施主体は、県の住宅供給公社というのがやっておるわけでありますけれども、今、山口県の県議会の方では、この愛宕山地域開発事業を中止または転用したらどうかというような形での決議がなされているということで、昨年の十二月にそういう決議がなされたわけであります。

 しかし一方、この問題について関心を持っておられる学者の方の中には、新住宅市街地開発法に基づく開発事業については、これは無限責任を実施主体が負うという構造の中で実施されているのであって、事業の中止とか転用といったようなことを認める明文の規定もないし、そもそもそういう中止というようなことはできないんじゃないかというふうに言っておる方がおられる。

 さらに、中止という概念に当たるかどうかは別としても、先ほど言いましたように、米軍住宅とか米軍施設にこの開発した宅地を利用するというような形で、俗に言えば転用するようなことも考えるべきじゃないか、こういうように言われている。ただ、米軍用の住宅とか施設について、わざわざ新住宅市街地開発法で開発した宅地を使うというのは、そもそもこの法律が予定していないことだろうというふうに思うんですね。

 そういう意味でいくと、この愛宕山地域開発事業、現在行っているものについて、新住宅市街地開発法では事業の中止とか転用ということはできないのではないかという指摘があるのに対しては、どのように国土交通省として考えておられるかという点を明確にしていただきたいというふうに思います。

松原政府参考人 法律の解釈、運用に伴う御質問でございますので、私の方から御答弁を申し上げたいと思います。

 結論から申し上げますと、中止は可能でございます。新住宅市街地開発事業、かなり広い面積でございますので、事業の実施に相当長期間を要しておりまして、その間にいろいろな社会情勢の変化等があることがございます。そういった場合に、その事業の必要性が失われた場合には、これは都市計画事業、都市計画決定、それから事業認可を経て行われる事業でございますので、事業認可の取り消しを行いまして、事業の中止を行うことは可能でございます。

 また、新住宅市街地開発事業ではございませんけれども、同様の事例といたしまして、流通業務団地造成事業というのがございますけれども、これにつきまして、数年前に、都市計画の変更、それとあわせまして事業認可の取り消しを行いまして、事業の中止を行った事例がございます。

 それからもう一つ、転用という御質問がございました。

 この点につきましては、実は、新住宅市街地開発事業は、その目的といたしまして、住宅に困窮する国民のための居住環境の良好な住宅地の相当規模の供給を図るということになっておりまして、住宅に困窮する国民への住宅提供ということになっております。したがいまして、これに反するような、そういった形での転用というものは、新住宅市街地開発法に基づいて行った事業の場合にはあり得ないということでございます。

 ただ、新住宅市街地開発事業の認可が取り消された後にありましては、造成された宅地の処分につきまして、新住宅市街地開発法に基づく制限はございません。

 以上でございます。

平岡分科員 今の答弁者の言葉の中に事業認可の取り消しという言葉が出ておったんですけれども、少なくとも新住宅市街地開発法の中で事業認可という言葉自身はないのでありますけれども、施行計画とか処分計画に対する認可というようなものは載っているんですね。今言われた事業認可の取り消しというのは何法に基づく取り消しということなんでしょうか。そして、それはどういう場合に取り消しが可能というふうに考えておられるのか。

 先ほど、長期間を要する事業であるので、その後の事情の変化によって事業の必要性がなくなった場合には取り消しが可能であるというような言い方でありましたけれども、何か非常に、ある意味では認可制度そのものが一体安定性のあるものなのかどうなのか。事情が変わったら取り消してもいいんですよというような話だと、どんどんどんどんそんなことが多発してしまうというようなおそれもあるような気がするんです。事情が変化したからそれでいいんだというだけの説明で取り消しが可能だというのは、私はちょっと納得がいかないんですけれども、その点をちょっと説明してもらえますか。

松原政府参考人 事業認可の取り消しと申し上げましたのは、新住宅市街地開発法ではございませんで、都市計画法に基づきます都市計画事業の認可でございます。

 実はこの二つの法律は親子の関係になっておりまして、都市計画法に基づく計画に従いましてこの事業が行われるわけでございますけれども、いろいろな手続のうち一部につきましては、都市計画法の方に書いてあるということでございます。事業認可の取り消しと申し上げましたのは、都市計画事業の認可の取り消しでございます。

 どんな場合にこれができるのかということでございますが、これは一言で申し上げるのは非常に困難でございまして、まさに、先ほど申し上げましたように、いろいろな経済社会事情の変化、そういった事業のニーズが弱まった、あるいはかなりの程度減ってきた、そういったようなこと、それから当然のことながら事業の実施主体の採算面ということもございますので、そういったものを総合的に勘案いたしまして、それぞれの立場で御判断をいただき、協議をしながら取り進めていっておるというのが実態でございます。

 以上でございます。

平岡分科員 都市計画法に基づく事業認可の取り消しは、主体はだれが、どういう手続のもとでこの事業認可の取り消しが可能なんですか。

松原政府参考人 まず、申請をいたしますのはまさに事業の実施主体でございますので、事業の施行者と言われている方でございます。この方が発議をされまして、それぞれ、これは都市計画で決まっておりますものですから、一定の事業認可を得ました後、この事業を前提にいろいろなまちづくりが行われますものですから、事業主体がただやめましたよということで直ちにオーケーということになるものではないかと思いますが、周辺自治体ともよく相談をいたしまして、なるべく問題のない形で、当事者が合意できる形で取り進めておるというのが実態でございます。

平岡分科員 私の理解では、都市計画事業の認可というのは、まさに昔で言えば建設大臣が認可をしているということで、今の取り消しの主体というのもまさに大臣ということだと思うんです。

 その場合に、どうやって認可を取り消すかということについて言えば、もととなるべき都市計画というものが変更されて、その都市計画に基づいて考えたところで、この都市計画事業というものがそれに沿わなくなったので取り消していく、そういう手続が必要じゃないかというふうに思うんですけれども、どうですか。今、ちょっと手続のところがどうもはっきりしない。ただ単に時代にそぐわなくなったら、周辺の人の意見を聞いて、それで、ここでいえば都市計画事業の中の市街地開発事業の認可の取り消しが行われるというような印象を受けたんですけれども、ちょっと何か手続としてどうも判然としない。もう一遍しっかりと整理して答弁してもらえますか。

中島政府参考人 都市計画事業として施行するので、まず認可というのをするときには、事業者が国土交通大臣の、県ないしは県の供給公社もそうなんですが、やる場合は大臣の認可を受ける。取り消しというのは、都市計画事業の認可というのは事業者に一定の権能を付与するという行為でございますので、それは取り消せる。法には明文の規定はございませんけれども、唯一あるのは、施行者が違法な行為をした場合、監督処分をもってそれを取り消すという規定がございまして、これは、おまえが悪いから与えたものを取り消すということです。

 本件の場合はそういう場合ではなくて、事情を変更したからというのはいろいろなケースがあるようでございますけれども、本件に即して申しますと、委員がおっしゃったように、そもそも、事業をする前提となる都市計画自体が、状況が変わってきているという要因があると私は思います。つまり、新住事業の都市計画というのは、住宅需要が非常に大きくて住宅事情が逼迫している地域であるという前提でございますので、その上になっている都市計画でございますので、恐らく、十分に県や市町村と議論しているわけではございませんけれども、もしその都市計画の前提が狂ってきているのであれば、都市計画から見直すというのが通常の考え方であろうと思います。

平岡分科員 その都市計画の見直し、変更ということについて言うと、手続としては何が必要になってくるんですか。

 私の理解でいくと、そもそも都市計画をつくる段階では、計画についての公衆への縦覧、そういうものも必要であるし、都市計画審議会の議を経る必要もあるということだというふうに理解していますけれども、当然、今回のこういうケースの場合に都市計画の変更が必要であるということになれば、その変更手続として、先ほど私が言ったような手続というのは当然に経るという、手続が必要になってくるという理解でよろしいんでしょうね。

中島政府参考人 そのとおり、全く同じ手続が必要でございます。

平岡分科員 手続としてはそういうことなんだろうと思うんですけれども、どうも私、今回の一連の流れを見ていて思うのは、もともと地域住民の人たちは、騒音とか、あるいは飛行機事故が起こったときに事故を最小限にとどめるという意味から、できるだけ沖の方に基地があってほしいという願いがあるということ。それにこたえて愛宕山地域開発事業というものをあわせて行うということで、先ほども言いましたように、バラ色の未来を描いていたというのが一転して暗黒の事態に入ってしまったということなんですけれども、この事態を見ると、果たしてこの愛宕山地域開発事業というのは、本来、新住宅市街地開発法が目指している目的に沿って運用されたんだろうか。何か非常に変な目的で運用されて、やはり当時心配されていたように、この宅地開発事業というのがうまくいかなくなって、大きな赤字を抱えるような事態まで来てしまって、その赤字を埋めるために米軍住宅に売らなきゃいけないとか、そんな事態になったのではないかというふうに勘ぐるわけですね。

 そうだとすると、この愛宕山地域開発事業を含む事業計画を認めた人たちというのは、私は、非常に責任が重いんじゃないかというふうに思うんですけれども、まず事務的に、どういうふうに理解すべきなのかということを答えていただいて、責任の問題でもありますから、大臣まで責任があるかどうかちょっとわかりませんけれども、大臣としてどう認識されるかということについても御答弁いただきたいと思います。最初はまず事務方で結構です。

中島政府参考人 当時の事情でございますけれども、私の承知している範囲でお答えしたいと思います。

 沖合移設事業で土砂が要るというのが契機になったということはそのとおりだと思います。しかし、土砂を取った後を必ず住宅にしなきゃいけないということはないわけでありまして、当時の判断としては、やはり移設した後……(平岡分科員「新住宅市街地開発法に基づく事業であっても宅地にしなくてもいいということですか」と呼ぶ)違います。土が取られた後をどうするかという判断を、当時、県なり市が十分されて、その上で、しかるべき都市計画の決定に必要な要件もあり、需要もあり、あるいは必要な手続もとられて、その上で判断されたということであろうと思います。

 ただ、その後、経済社会情勢が変化して、米軍再編の話より以前の問題として、そもそも需要がどうかという議論が出てまいって、その後、見直しを進められている。現時点においても、当都計決定に基づく事業認可をして、事業主体である供給公社を含めて、供給公社と県と市の間でどういう見直しが必要かということについて議論しておられる、そういう状況であるというふうに思っております。

冬柴国務大臣 愛宕山の新住宅市街地開発事業というものは、平成十年、山口県の住宅供給公社から、都市計画法第五十九条第二項に基づく都市計画事業認可の申請がありまして、当時の建設大臣が認可を行ったものでございます。

 都市計画事業の認可に当たりましては、申請手続が法令に違反していないこと、事業の内容が都市計画に適合していること、事業施行の期間が適切であること等、都市計画法第六十一条に規定された認可の基準に基づき、適正に行っているものでございます。

 新住宅市街地開発事業の規模につきましては、沖合移設事業に必要となる土砂の量ではなく、当時の住宅需要に基づいて、山口県により適切に決められているものと我々は考えております。土砂の問題は、その後の問題でございます。

平岡分科員 今の大臣の答弁は、もし仮にだれかこの問題について責任があるとすれば、責任は最終的には、最終的にと言うのは変ですけれども、法律的には、赤字を抱えてしまってその赤字はだれが負担するか。これは今、県と市が二対一で負担するということになっているようでありますから、その法的な責任は赤字をだれが負担するかによってなし遂げられるけれども、そういう赤字が出るような事態まで放置しておったり、あるいはそういう事業計画をつくったことについては県が政治的な責任を負うんだというふうに今答弁されたという理解でよろしいんでしょうか。

冬柴国務大臣 時系列的に判断をしなければならないわけでありまして、認可をしたという時点、申請をしたという時点、時点時点で、それぞれ法に定められた条件をきちっと満たしているかどうか、そういう問題についてだれがきちっと判断をしたかどうかということでありまして、そこがきちっと充足されておれば、その後の事情の変更、契機の変更等によって、多くの第三セクターが過大な債務を負担して、いろいろ整理手続に入らなきゃならないということが、いろいろなところで見聞するところでございますけれども、それは、その時点のその判断というものがどうであったのかということが問われるべきであると思います。そのときに、申請時点あるいは認可時点に法の定めている条件というものを満たしていない、その見方が甘いということであれば別でございますけれども、その時点はその時点で判断しておれば、それはそれで責任を負うべきものではないのではないかというふうに私は思います。

平岡分科員 いずれこの問題が本当に顕在化したときには、その責任もどこにどうあったのかということはしっかりと検証していかなければいけないと思っているので、ぜひ国土交通省におかれても御協力をいただきたいというふうに思います。

 時間がありませんので、次の問題に行きます。

 先ほど話が出ましたけれども、米軍の岩国基地飛行場については、現在、沖合移設事業が進められているわけでありますけれども、もともと、この沖合移設事業についていえば、公有水面埋立法に基づいて、平成八年十一月二十八日に山口県知事から承認書というのが出されておるわけであります。その中には、埋立地の利用計画に変更があれば国は申請をし直すことというふうにされておるわけでありますけれども、先ほど来から議論しているように、もともとは、現有の戦力を前提とした、基地機能を前提としたものを沖に移すというだけであったものが、今や米軍再編の中で、厚木基地の空母艦載機約六十機を岩国基地に移駐させる、あるいはこれとどう関係があるかというのはいろいろ議論がありますけれども、結果的に言えば、岩国基地については民間空港としても利用するという軍民共用の話が出てきているということで、私は、この埋立地の利用計画については随分と変更が生じるということが明らかになってきているのではないかというふうに思うわけであります。

 そうだとすると、これはもう一度、山口県知事が承認書で示しているように、国は申請をし直すべきであるというふうに思うんですけれども、この点についてはいかがでしょうか。

門松政府参考人 事実関係を先に御説明申し上げます。

 まず、お尋ねの利用計画の変更でございますが、山口県知事が承認いたしました承認書の中に留意事項というものがございます。この中に、「添付図書の変更について」の中で、利用計画の概要を表示した図面を変更して実施する場合には山口県知事の承認を受けることというふうになっております。

 山口県からは、当該図書の変更を含めて、変更の承認については、現時点で申請者でございます防衛施設庁広島防衛施設局から具体的な説明はないと聞いております。変更承認が必要かどうかの判断は現在のところできない状況だというふうに聞いております。

 次の御質問、手続につきましては、留意事項に係ります添付図書の変更に該当する場合は、必要に応じまして添付図書及び変更となった理由を付して、変更の申請書が申請者の方から提出され、承認権者でございます山口県が審査して、承認等をすることとなっております。いずれにいたしましても、現時点では申請者である防衛施設庁広島防衛施設局から具体的な説明がないということでございます。変更承認が必要かどうかの判断はできないと考えております。

平岡分科員 ちょっと質問の前提として、いきなり承認書の方から入ってしまったので、今のような答弁になるかもしれませんけれども、公有水面埋立法によりますと、埋立地の用途とかあるいは設計の概要について変更があった場合には、これは免許の変更、そういうことをしなければいけないというふうになっているわけでありますけれども、先ほど私がるる申し上げたような、空母艦載機の受け入れとか民間空港としての利用というのは、こういう埋立地の用途とか設計の概要の変更に当たるんですか、どうでしょうか。

門松政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほどの答弁と同じようになるかと思いますが、埋立地の用途の変更に当たるかどうか、米軍の再編に伴うこの事案が当たるかどうかについては、具体的な申請が上がってきておりませんので、今の時点ではなかなか必要な判断はできないというふうに考えてございます。

平岡分科員 具体的なものが出ていないからということで言われると、もしかしたら、防衛省ですか、まだ防衛施設庁があるようですけれども、防衛施設庁が具体的にそういうものを出してこない限りは何もできないということなんですか。

 それとも、私が自分なりに今までの日米間の協議とか閣議決定の中身とか、あるいはそれに基づくいろいろな政府の方針なんかを見ていれば、大体こんなことかなというふうに、大体内容はわかるわけですね。そうだとするならば、これは変更の許可を受けるべきじゃないかとか、あるいは変更の承認を受けるべきではないかというのはある程度予想はつくのですけれども、そういう予想がつくような段階で、ただ単に事業施行者の申請を待っているということしかできないんですか、どうですか。

門松政府参考人 お答え申し上げます。

 お役所仕事と御批判されるかもしれませんが、具体的な承認申請がございましてから判断をしてまいりたいと思っております。

平岡分科員 ちょっときょうは時間がないので、そんなことでいいのかということだけは私の方からも問題提起をさせておいていただきたいというふうに思います。

 それからもう一つ、先ほど出ました、岩国飛行場の民間空港としての利用再開でありますけれども、この点については、おととしの十月に、米軍再編についての中間取りまとめが出る直前に、民間共用を認めたいという政府としての方針が示されたわけでありますけれども、これについて言うと、民間空港について所管している国土交通省としては、これをさまざまな計画の中でどのように今位置づけられているのか、この点について明確にしていただきたいと思います。

鈴木政府参考人 お答えいたします。

 岩国飛行場の民間空港再開の問題につきましては、平成十七年十月の日米合同委員会において、一日四往復の民間航空機の運航が認められております。また、十八年五月に2プラス2で承認された再編実施のための日米のロードマップに「将来の民間航空施設の一部が岩国飛行場に設けられる。」と記載されております。これに基づいて、現在、米側と外務省、防衛省との間で協議がされておりますけれども、国土交通省としては、その詳細については今のところ承知しておりません。

 私どもの計画といたしましては、平成十五年十月に閣議決定されたものでありますが、社会資本整備重点計画というのがございます。これにおきましては、個別の空港の滑走路の新設・延長事業については位置づけをしておりませんので、岩国飛行場の民間空港再開の問題についても位置づけはございません。

平岡分科員 今の話を聞くと、国土交通省にとってみれば、この岩国飛行場の民間空港としての利用については全く何も関知しておらないということですか。

鈴木政府参考人 先ほどお答えいたしましたとおり、今のところ、米側と外務省、防衛省との間で協議がなされている問題でございまして、この協議につきまして、国土交通省として、一応、民間航空を所管する立場から技術的な助言等は行っておる状況にございます。

平岡分科員 技術的な助言等を行っているという前提としては、当然、その日米間の合意というものは政府として承知しているわけですから、政府の一員である国土交通省も、当然に民間空港としての利用ということが計画として進められているということについて、全く異論はない、異存はないという状態であるということでいいでしょうか。

鈴木政府参考人 今のところ、日米合同委員会に基づきます外務、防衛サイドの問題としてまず取り上げられた問題でございまして、それを受けて、私どもはまた必要な検討をしてまいる問題だと思っております。

平岡分科員 今のは、防衛問題と航空行政とは別問題であって、防衛問題ではその必要性を認めたけれども、航空行政としてはその必要性はこれから判断をしていくべき問題である、そういうふうな答弁ですか。ちょっと今、何か余りにも奥歯に物が挟まったような言い方で、これは国土交通省としては関知しておらぬから、これからつぶすということも、この考え方についてはつぶしていくこともあり得るんだというふうにしか聞こえないですけれども、どうですか。

鈴木政府参考人 岩国の飛行場、基地としての飛行場の共用化の問題でございますので、まずそちらの方の問題がないかどうかというところを協議していただいた後に、私どもでしっかり検討してまいるということで、別に私どもがこれに反対しておるということではございません。

平岡分科員 時間が来たので、ちょっと冬柴大臣に最後、この問題についても多分聞かれていると思いますけれども、地域の住民としては、民間空港としての利用を、かつて、昔、昭和三十年代にあったものですから、ぜひ達成したいというのを悲願として言っているわけですね。その悲願がちょっとまた米軍再編の中で悪用されているというふうに私も感じないわけではないのでありますけれども、国土交通大臣として、岩国空港の民間航空の利用についてはどういうふうにお考えになっておられるか、最後に一言だけお聞かせください。

冬柴国務大臣 一日四往復の共用を認めるということが日米の間で大枠で決められているということでありまして、あとは、民間の運輸事業者である航空会社等がどこへ飛ばしたいとかいうような話になってくると思います。

 私どもは、そういう場合には、民間の航空が利用する施設としての旅客ターミナルをつくるとか、そういうことは国土交通省がやらなければならない仕事だと思いますが、今航空局長がずっと話していますように、大枠はそのように、2プラス2でも合意されているわけですから、それはいいわけですが、個々具体的にいつからという話になりますと、我々というよりは、むしろ民間航空の会社がどこどこの国のどの都市にどのように飛ばしたいとかいう具体的な話になってくるんだろうと思います。

 我々としては、そういうものを受けて、日米関係が解決というか具体的な合意がされれば、もちろん前向きに取り組ませていただきたい、このように思っています。

平岡分科員 以上で終わります。

古屋主査 これにて平岡秀夫君の質疑は終了いたしました。

 次に、津村啓介君。

津村分科員 民主党の津村啓介でございます。

 本日は、決算行政監視に関する分科会という形で、地方自治体の政策要望など、地域の生活に密着した具体的な課題を取り上げやすい機会をいただいたことに、まずもって感謝申し上げます。

 私からは四点の課題について御質問いたします。第一に、瀬戸大橋を初めとする本四架橋の料金問題。第二に、ノリ養殖に関連して、岡山県苫田ダムの緊急放流措置の効果と今後の継続について。第三に、児島湾干拓の評価とユスリカの大量発生の対策。最後に、北京オリンピック開催と関連して、岡山空港の路線充実について。以上四点でございます。

 それでは、早速伺ってまいります。

 本日は、本四高速の堀切社長にお越しいただきました。昨年も就任直後の社長に抱負などをお伺いしたわけでございますけれども、その後ちょうど一年がたちまして、民営化後ということですと一年半ということになります。この間、道路問題への国民の関心は引き続き大変高いと思うわけでありますが、堀切社長は民営化後どのような経営姿勢で会社の経営をされてきたのか、その経営方針についてお伺いいたします。

堀切参考人 お答えいたします。

 本四高速道路株式会社でございますけれども、まず、貴重な社会資本である本州四国連絡高速道路を管理する会社である。一つは、お客様に安全、安心、快適に走っていただく。それからもう一つは、三つのルートに十七の長大橋がかかっておるわけでありますけれども、これを二百年以上にわたって利用されるように万全な維持管理をする。この二つが重要な社会的使命であると私どもは考えております。このような観点から、私どもの仕事は、公団時代に引き続きまして、極めて高い公共性を有している、こういうふうに認識している次第でございます。

 したがって、民営化に際しましては、これらの重要な使命を明確に認識して実践するために経営理念というものを掲げまして、あわせて、社員一人一人がどのように行動すべきかを示す心構えといたしまして行動規範を定めました。民営化の成果が上がるように経営に努めてまいりたい、こういうことでまいった次第でございます。

 以上でございます。

津村分科員 それに関連しまして、民営化の効果をお伺いしたいと思います。

 今お述べになられたような経営方針で、民営化後一年半、経営に当たられたわけですけれども、具体的にどのような効果が上がったと認識をされているのか、国民にどのようなメリットがあったのかという観点からお答えください。

堀切参考人 お答えいたします。

 高速道路事業につきましては、先ほど申し上げましたように、安全、安心、快適な走行の確保、それと万全な維持管理でございます。

 同時に、この機会に、多様な割引料金を導入いたしまして、より多くのお客様に利用していただけるよう工夫しているところでございます。

 具体的には、与島パーキングUターン割引、あるいは宿泊クーポンとのセット販売といたしました本四二橋めぐり割引クーポン、それから、JR新幹線、レンタカー、それと宿泊クーポンとのセット販売をいたしました、しまなみフリー悠遊クーポン、こういう企画割引をいろいろ実施してきたところでございます。

 また、お客様により快適に、より楽しく本四道路を御利用いただくために、サービスエリア、パーキングエリアのリニューアルを行ってまいりました。また、売店あるいはフードコートの改装、トイレの洋式化あるいは美化、こういうところを推進しているところでございます。

 さらに、昨年四月には、魅力あふれるサービスエリアの創造と集客力の向上を目的といたしまして、民間企業とタイアップして淡路SAに大観覧車を誘致いたしました。本年三月末までに約三十七万人のお客様に御利用いただいたところでございます。

 以上でございます。

津村分科員 それでは、少しずつ具体的に伺ってまいります。

 そんな中、本四架橋の交通量ですが、全体に伸びているということをお聞きしているんですけれども、これまで比較的伸び悩んでおりました瀬戸大橋の動向も含めまして、具体的に御教示ください。

堀切参考人 お答えいたします。

 本四道路につきましては、おかげさまで、民営化以降、交通量は堅調でございます。本四三ルート合計いたしまして、県境断面の一日当たり交通量を見ますと、平成十七年度が三万七千二百五十台であったわけでありますが、十八年度は三万八千四百九十八台、約三%の伸びとなっております。機構との協定で想定している交通量の伸びを上回っているような状況でございます。

 特に、それぞれのルートについて申し上げますと、しまなみ海道について非常に伸びが顕著でございまして、県境断面の多々羅大橋では実に一六%の伸びとなっております。これは、生口島及び大島の島内道路が昨年春に開通した影響が大きいものと考えております。

 また、神戸淡路鳴門自動車道、瀬戸中央自動車道につきましても、県境断面交通量は二%の伸びということでございまして、これらは地域の経済活動が非常に活性化しているということではないかと考えている次第でございます。

 以上でございます。

津村分科員 通行量の伸びは地域経済の活性化で今御説明されたということですか。

堀切参考人 おっしゃるとおりでございます。

津村分科員 ここで国土交通大臣にお伺いをいたします。

 料金問題に入っていきたいと思うんですが、ただいま、当初の償還計画に比べて、足元については堅調な通行量の伸びがあるというお話がございました。

 そうした中、道路特定財源の問題に関しまして、昨年の十二月八日に閣議決定がございます。この閣議決定の中で、「国民の要望の強い高速道路料金の引下げなどによる既存高速ネットワークの効率的活用・機能強化のための新たな措置を講ずる」という文言がございまして、その後、いろいろ伺ってみますと、平成十九年中、今年中には高速料金割引に関する社会実験を行う方針というふうに私は理解しております。

 具体的には、物流の効率化とかあるいは大都市圏の高速道路ネットワーク云々、あるいは地方部で国道に並行する高速道路の有効活用等、主に三つのカテゴリーで対象先の選定を進めているやに伺っているわけですが、このゴールとしては、来年度の通常国会で関連法案を提出する、これはもう言明されていらっしゃいますよね。

 そうすると、通常国会、恐らく一月ごろから始まると思うんですが、それまでに関連法案を整えるということになりますと、十九年度といいながら、本年中には恐らく社会実験の成果をさらに分析するという作業まで、そして法案化するという作業までしなきゃいけないので、何カ月程度の社会実験を計画されているのかはわかりませんが、もう四月ですし、もうすぐ五月ですから、そろそろ決まっていてもおかしくはないと思いますし、また、少なくとも、いつごろ決まるのかぐらいは決まっていないと作業が進まないのかなと。

 さらに、対象先はここだとばんと決めても、その後、関係自治体との間で調整をしなければならない。さらには、いきなりあしたから引き下げると言っても、利用者にはそのことが伝わりませんので、やはり十分な周知期間あるいは十分な広報というものが必要ということを考えますと、決定時期についてはそろそろはっきりさせていただきたいということがまず一点。

 それから、減収になる可能性があるわけです。社会実験ですから、思ったほど伸びなければ減収になるわけですけれども、その場合の減収補てんの予算としてはどの程度をお考えなのか。三百六十億円という数字があるのかと思いますけれども、正確に教えていただきたいということが二点目。

 それから、まとめて伺いますが、対象先の選定に当たってはどのような事情を考慮されるのか。例えば、道路会社の規模とかあるいは関連地元自治体の協力姿勢等が勘案されるのか。ここは大変大切なところなので、具体的に教えていただきたいと思います。

冬柴国務大臣 津村議員からもう網羅的に問題点を指摘されました。そのとおりです。

 それで、我々としましては、既存の高速ネットワークの効率的活用と機能強化ということが目的でありまして、新たな出資をしたり新たな投資をしたりするものではありません。でき上がっている道路というものをどう効率的に活用していくかという観点で、国民の非常にニーズの高い道路料金の引き下げということもここでは考えていかなきゃならないのではないかということで、昨年の十二月、道路特定財源に対してどう処理するかという具体策を考えるときに論議をして決めたところでございます。

 具体的には、これは、社会資本整備審議会というものがございまして、そこの道路分科会というところで御論議をいただきまして、そして、先ほど主な内容として三つ挙げられました、大体そういうようなものをメルクマールとして、どこをどうしたらいいのかということを答申をいただきまして、それから関係機関、特に市町村とか都道府県でございますけれども、そこともよく検討を進めて取りまとめようということでございます。

 終点は決まっております。来年の通常国会にそのようなもの、会社になっているわけですから、我々の政策によってその収入が減るというようなことは許されないと思います。したがいまして、その補てんとして三百六十億円を予算として計上しているところでございます。そういうものも含めながら今検討しているところでございまして、終点が決まっておりますので、大体いつごろかは御想像いただけるとおりだと思います。

津村分科員 済みません、想像ができないので伺っておるわけです。これはいろいろな方を巻き込む話ですので、そこは想像ではなくて、ここは国会の質疑の場ですから、もう少し誠実に御答弁いただきたいと思います。

冬柴国務大臣 これは審議会に今お諮りいただいているところでございますから、私から言うことはちょっと越権かと思いますけれども、重ねてのお尋ねでございますので、私の心としては、五月下旬ぐらいには取りまとめていただいて、そして七月ぐらいには中間取りまとめということで進めたいなというふうに思っています。

津村分科員 明確に御答弁いただきまして、ありがとうございます。しかしながら、質問の前半にお答えいただいただけだと思いますので、後段を重ねてお尋ねします。

 私は、選定の基準等についても、これは事前通告もしながらお尋ねをしました。道路会社の規模とかあるいは地元自治体の協力といったものは勘案されるのか否やということをお聞きしました。

冬柴国務大臣 当然考えなければならない問題だと思います。

 詳しくおっしゃいましたので私から言いませんでしたけれども、社会実験を実施する主な内容としては、大都市圏における高速道路ネットワークを有効活用するための割引導入に向けた社会実験、例えば環状道路利用促進あるいは首都、阪神高速の対距離料金制等、そういうものをどう考えたらいいかということが一つです。二番目は、地方部で国道に並行して走る高速道路を有効に活用したいということで、現道の課題を解消、緩和するための割引導入に向けた社会実験をしてはどうかということ。それから三つ目は、物流の効率化を促進するための割引導入に向けた社会実験でございます。

 個々の社会実験の詳細につきましては、社会資本整備審議会の中の道路分科会で御論議をしていただくわけでございますが、その結果、最終的には、関係機関と調整し検討を進める、先ほど申したとおりでございます。

 それで、その結果、各高速道路会社の料金収入状況、それから社会実験の実績の有無ということが、そこでは特段の要件とはなっておりませんけれども、我々としましては、今申し上げたような三つのメルクマールに基づいて検討を進めていただき、関係者と協議を進めてやっていきたいということでございます。

津村分科員 それでは、具体的にお答えいただきましたので、今度は堀切社長にまた質問を戻してまいりたいと思います。

 昨年の当分科会において、社会実験について私がお尋ねしたところ、堀切社長はこういうふうにおっしゃいました。

  先ほど先生の方から社会実験というふうなお話がございました。私は、実はそれにはある程度期待をかけております。つまり、やることによって実際にどの程度走っていただけるのか、それが具体的に収入にどういうふうに影響を及ぼすのか、それを見きわめるということが経営上非常に大事でございまして、それを見きわめた上で次の判断に臨みたい。

これは昨年の御答弁です。

 そういう意味では、今回非常にすばらしいというかチャンスが到来しているというふうにも思えるわけですが、今回の社会実験の機会を本四会社さんとしてどうとらえているか、お答えください。

堀切参考人 お答え申し上げます。

 十九年度、全国で実施される社会実験につきましては、一般的に、既存高速ネットワークの効率的活用、機能強化、そのための措置として行うものであり、その実験結果を踏まえた本格的な料金政策の実施がこれから検討されるというふうに伺っております。

 それで、当社といたしましても、機構への貸付料の支払いに支障のない範囲でお客様ができるだけ利用しやすい料金にするべく、企画割引などの実施に現在努めているところは先ほど申し上げたところでございますが、今回の社会実験につきましては、国土交通省において、先ほどの大臣のお話のように検討されているものと現在のところ認識しておりまして、本四会社といたしましては、関係地方公共団体の意見を今後十分に聞きながら国土交通省と調整してまいりたい、こういうふうに思っております。

 以上でございます。

津村分科員 もう少しだけ伺います、基本的にはよくわかる御答弁なんですけれども。

 先ほど少し具体的に大臣とお話しさせていただいたときに、例えば料金収入の状況とか地方自治体の協力姿勢とかそういったものが、明確に書かれているわけではないけれども、そういうことも当然あるだろうということをおっしゃっていましたが、その料金収入については、先ほど冒頭に触れていただいたように、足元堅調で、しかもそれは経済的なもの、つまり、一時的なものではなくて現在の経済実勢にかなったものであるというお話がありました。

 それからもう一点。地元自治体の協力姿勢ということでいえば、それはきょうの質問の前提にもなっているんですけれども、関係各自治体から、十でしたか、関係地元自治体があると思うんですが、個別の名前は挙げませんけれども、あると。

 先ほど私が御紹介しましたように、昨年、社長は社会実験について非常に意欲的な御発言をされているわけですので、そういった意味で、もちろん、今回の決定権者といいますか、決定されるのは国土交通省さんですので、社会実験をされるかどうかということを聞いているわけじゃないんですが、今回の社会実験について、よい機会と思われているのか、いや、自分たちは余り適当な機会じゃないと思われているのか、それを伺いました。もう一回お尋ねします。

堀切参考人 お答えいたします。

 私どものできる範囲で、できるだけそういう地方公共団体の御要望にこたえるような形で努力してまいりたい、こういうふうに思っております。

津村分科員 ありがとうございます。地方自治体の要望にこたえるように努力していきたいということですね。わかりました。

 少し駆け足で伺っていきますけれども、平成十二年に本四架橋の経済効果を試算されています。かなり経済情勢は変わっていると思うんですが、これを見直す、特に来年は瀬戸大橋の開通二十周年になりますので、本四架橋のあり方というか効果というものを見詰め直すいいチャンスだとも思いますし、日ごろからそういうことは内部的にはされているというような話も仄聞しているんですが、こうした試算を世間に示していくというお気持ちはありませんか。

堀切参考人 整備効果につきましては、平成十二年度に行いましたマクロの調査のような形で、その後五年、八年たっているわけでございますので、新たな観点からいろいろなパラメーターを見ながら、我々としてどういうふうなことが期待できるのか、機会があればそういう計算をしてみたいと思っております。

津村分科員 開通二十周年という一つの機会ということを申し上げたんですが、いい機会だとは思われないということですか。

堀切参考人 そういう二十周年というのはちょうどいい節目でございますので、そういう機会に、我々のこの橋がどういうふうな社会的役割を果たしているのか、あるいは、それが一般的な経済状態とどういうふうな相関を持っているのか、そういうことを改めて考えてみる、それによって今後のいろいろな施策を考えていく絶好のチャンスだというふうに思っておりますので、十分にそのあたりも検討を進めてまいりたいと思っております。

津村分科員 その検討結果の公表についてはどういうお考えですか。

堀切参考人 もちろんその成果については一応公表いたしまして世の中の御批判を仰ぎたい、こういうふうに思っております。

津村分科員 堀切社長への最後の御質問です。

 瀬戸大橋の耐震補強につきまして、昨年の御答弁の中で平成十九年度までに補強を完了するとおっしゃっています。

 そうした中、先日発表された平成十九事業年度事業計画の概要というものを精査といいますか読ませていただきますと、陸上の一般橋梁についてのみ完了するというような記述に私には読めたのですが、まあ状況が変わったのかもしれません、最新の状況につきまして御答弁をお願いしたいと思います。

堀切参考人 お答え申し上げます。

 本四道路は、代替性のない道路であるとともに長大構造物の集合体である、そういうところから、容易にかけかえられるものでない、そこが特徴でございます。したがって、この橋を半永久的な使用に耐えるためには、予防的な維持管理が極めて重要であるというふうに認識しております。

 陸上部の一般橋梁の耐震補強につきましては、緊急輸送道路の橋梁耐震補強三カ年プログラム、これを平成十七年度から実施しているところでありますが、昭和五十五年より古い基準を適用した橋梁につきましては、平成十九年度までに補強を終える予定でございます。

 また、瀬戸大橋の耐震補強につきましては、部分的な損傷による通行どめを防止するとともに、万一損傷した場合にも早期に復旧できるよう対策工事を行うこととしております。トラス橋の段差防止工につきましては、今年度中に対策工事に着手、平成二十年度には工事を完了させる予定で鋭意推進していきたいというところでございます。

 以上でございます。

津村分科員 事情の変更をとがめ立てする趣旨の質問ではありません、確認なんですが、昨年の御答弁では、トラス橋については十九年度中に補強を完了すると明言をされていました。着手をされて、補強が完了するのは来年度ということですか。

堀切参考人 さようでございます。

津村分科員 それでは、第二の質問に移りますので、よろしくお願いします。

 苫田ダムの緊急放流についてでございます。

 過去二年、ノリ養殖に関連して苫田ダムの緊急放流というのが行われております。この児島湾ノリ養殖に与えた影響及びその評価について、農林水産省にお尋ねいたします。

山本(拓)副大臣 今まで先生が御指摘のとおり、降雨量が少なくなりますと、河川からノリ養殖場への栄養分の流入が減少をいたしますので、その結果、ノリの色落ち被害が広がると言われております。そういう中で、平成十八年、平成十九年ともに二月に、岡山県知事の要請により、吉井川水系の苫田ダムからの緊急放流が行われたところであります。

 岡山県からの報告によりますと、昨年のダムの緊急放流が行われた後、ノリ養殖漁場の栄養分の濃度が上昇し、ノリの色合いにも回復が見られ、本年についても、昨年の結果を踏まえ、適時適切にダム放流等により河川水を利用して水産動植物の生育に適した栄養塩類の補給を図るため、緊急放流が行われたという連絡を受けております。

 さらに、平成十九年度からは、国といたしまして、河川から供給される栄養塩を最大限活用するノリ養殖網の配置等の技術開発に着手することといたしておりまして、農林水産省といたしまして、今後とも、県を初め地元の意見を十分伺いつつ、関係省庁と連絡をとりながら、ノリの色落ち対策に努めてまいりたいと考えております。

津村分科員 国土交通大臣に関連してお伺いしたいと思います。

 昨年、本年と二年続けて緊急放流が行われたということで、地元の漁協の皆さんを初め、関係各位は大変感謝申し上げておりまして、実際に漁協の方が、たしか大臣のところにお礼の訪問をされたと思うんですけれども、そういうのをちょっと私も見ておるんです。

 昨年、ことしと二年続けてそれぞれ、今のお話を聞いても、いわば例外的な措置としてされてきたわけですが、それがどういう条件のもとであれば緊急放流というものが今後もお願いができるのかできないのか。こういった行政の裁量に係る部分でもあるんですが、既に二年続けて行われておりますので、そこの予見可能性を高めるためにも、どういう条件でこれが許可されたのか。条件と同時に、今回の決定する際の判断過程について、少し具体的に教えてください。

冬柴国務大臣 ダムというものには、特に利水ということで費用負担というものをしていただいているわけですね。洪水を調節する目的、あるいは特定のかんがい、上水道、工業用水、発電、それぞれそういう目的があってダムがつくられ、保存をされ、その費用を分担していただいているわけです。

 したがいまして、知事の要請があったからということで、すぐ放流するということはできないわけでございまして、これはやはり、利水目的に支障が生じないということが確認されるということがもちろんまず第一ですね。それから第二番目は、そのような関係の利水権者、そういう方々の完全な同意がないとできないということになります。これが要件です。

 しかしながら、こういうことが、非常に感謝をしていただいて、そして効果もあった、このようなお話もいただきますと、この費用負担の枠組みをやはり考えていただかないと、今後、二年続けたからこれが既得権になるようなものではないということだけは申し上げなければならないと思います。費用負担の枠組みというものも考えないと、長い意味でこれはなかなか難しいということになると思います。

 ただし、二年続けてそのようにしたということは、知事さんのものがあったというだけではなしに、いろいろと調査をして、利水目的に支障は生じないだろうという確認ができたということが一つ。もう一つは、利水権者、費用を負担している人たちの御了解が得られたということがあったわけでございます。

津村分科員 今、費用負担について少し、将来の課題にも触れられましたが、昨年、本年については、今大臣御自身がおっしゃられたように、現在の費用負担者の方々から同意も得られているわけですから、そういった意味では、私も、問題のない、むしろ歓迎されるべき緊急放流だったのかなというふうに思います。

 そういう意味で、今おっしゃられたような条件、同意も含めて満たされれば、緊急放流が行われることは今後ともあり得るということですか。

冬柴国務大臣 だから、そういうとり方をされると困るんです。そうじゃなしに、もちろん同意がなければできませんよ。しかし、その人たちは費用をずっと負担して水をためているわけですね。それを放流するわけですから、それはその人たちのお金がそこへ入っているわけです。そういうことを認識していただかなければいけないということを申し上げているわけでございます。

津村分科員 私が先ほど前段申し上げたのは、そこのことをまさに言っているわけで、同意があればということでもちろんいいわけで、要件というお言葉を使ったのは大臣です。要件というのはそういう意味だと思いますので、この二つのことが、今後とも満たされるとは限らないということはもちろん大臣のおっしゃるとおり、しかしながら、それが満たされた場合に、今後ともそれは検討されることはあるということですね。そうですね。

冬柴国務大臣 それはそのとおりです。

津村分科員 時間が押しておりますので、次の質問に移らせていただきます。

 三点目の質問ですが、児島湾のユスリカ大量発生問題について、これはもう簡潔にお答えいただいて結構なんですけれども、最近の新聞報道等で戦後のいわゆる干拓事業についての評価を取りざたするというか、記事なども時々拝見をしております。

 そうした中で、児島湾干拓事業というものも岡山県で行われたわけですが、現在、その水質も含めて、さまざまな問題というか、状況変化がございまして、そうした中で、児島湖のユスリカという蚊ですね、モスキートですけれども、大量発生問題というのが発生をしております。その現状をどう把握されているのか、また今後の対策についてどういうお考えかということを、時間があれですので、簡潔にお願いします。

山本(拓)副大臣 いわゆる水質につきましては、平成四年から十八年にかけて、国営でしゅんせつ工事を行ってまいりまして、その水質測定の基準につきましては、非常にきれいになった、いわゆる改善度でいけば、全国の湖沼百七十四水域のうち三番目で、飛躍的によくなったというデータは出ております。

 そういう中で、直接の因果関係はわかりませんが、ユスリカの被害についてはよくテレビでも報道されているところでありまして、基本的には県の主催でいわゆる情報交換会がやられておりますが、農林水産省といたしましては、行政関係者、地元住民を対象にした生態についての勉強会などを開いております。

 さらに、直近では岡山県が、専門家を入れて本年三月二十日に新たに児島湖周辺ユスリカ対策研究会を設置いたしまして、まずはその原因究明ということで、岡山県を中心に、専門家の先生も入れまして、その生態系の特定を今急いでいるところでございまして、それが確定いたしますと対策を図れる、農林水産省といたしましてはそれに対して全面的に協力をいたしているのが現状でございます。

津村分科員 最後の質問です。

 国土交通大臣にお尋ねしますが、岡山空港の路線充実について、来年の北京オリンピック開催に合わせまして、北京空港では第三滑走路が開通をするということですが、岡山―北京間の空路開設についての要望というものが県からございます。国土交通大臣に、その開設の見通しと、特に国に係るところでは輸送枠がどうなっているかということが多分ポイントなんだと思いますが、この現状についてお尋ねしたいと思います。

冬柴国務大臣 日中間の航空協定というものは、昨年の七月にも行いまして、旅客については二〇%、そしてカーゴ、貨物については一〇〇%拡大をしましたけれども、人流、物流が大変盛んでありまして、ほとんど枠いっぱいになってまいりました。

 そういうことで、昨年の十二月初め、私は北京へ参りまして、民用航空総局長、楊元元という人ですが、との話し合いによって、もう一度航空協定を早期にやろうではないかということで、今始めているところでございます。

 そういうことで、来月にも実務家の交渉を始めて、やろうと思っておりますので、もし岡山がそういう御希望であれば、またそれは考慮に入ってくるだろうと思います。

津村分科員 前向きな答弁をありがとうございました。

 時間が参りましたので、これで終わります。

古屋主査 これにて津村啓介君の質疑は終了いたしました。

 次に、松原仁君。

松原分科員 続きまして、質問させていただきます。

 きょうは、冬柴大臣、本当に御出席ありがとうございます。

 まず冒頭、JR東日本の計画している大崎短絡線の概要について事務方から御説明をいただきます。

    〔主査退席、柴山主査代理着席〕

平田政府参考人 お答え申し上げます。

 お尋ねの大崎短絡線でございますが、本件はJR東日本において計画されている事業でございます。現在、東京都の条例に基づきましてアセスメントの手続が進められていると伺っております。したがいまして、その具体的な内容につきましては、JR東日本から聴取いたしましたところ、以下のとおりでございます。

 まず、横須賀線の現状でございますが、横浜方面と大宮方面を新宿、池袋経由で結ぶ湘南新宿ラインがございます。この湘南新宿ラインが大崎付近で横須賀線から埼京線へ直通する際、連絡線への進入のため反対側の下り線の線路を平面交差で横断する必要がありまして、これによりまして、横須賀線の輸送力が制限を受けている状況にございます。

 こういった状況を打開するために、JRの方では、横須賀線の上り線から分岐いたしまして大崎駅構内で大崎支線下り線に接続いたします短絡線を整備することによりまして大崎駅付近の平面交差を解消するということと同時に、これに伴います大崎駅構内の一部改良を予定しております。

 平面交差の解消によりまして、横須賀線と湘南新宿ラインの輸送力が増強されまして、当該路線の安定輸送が確保されるとのことでございます。

松原分科員 JR東日本が行うわけでありますが、これは今や民間の会社になっているわけであります。

 そこでまた、今の事務方の方に御認識を伺いたいわけでありますが、そうはいいながら、この鉄道事業者に対する指導、助言というものができるとしたら国土交通省である、こういうことでよろしいですか。

平田政府参考人 答弁の前提といたしまして、現在、アセスメント手続を進めている観点から、JR東日本、それから東京都知事さん、それから品川区長を初めとして関係の都民の方がいらっしゃいますが、この中で、今のアセスメントの手続の状況について、先生にちょっとお話をさせていただきたいと思います。

 ことしの一月から、東京都の条例に基づきます環境影響評価の手続が開始されたところでございます。最初の手続といたしましては、環境影響評価を行う項目、それから調査、予測、評価の手法などをまとめました環境影響評価調査計画書というものを作成する必要がありますが、JR東日本におきまして、ことしの一月にこの調査計画書を東京都に提出してございます。東京都の方が公示、縦覧を行いまして、都民でありますとか関係の区長さんから提出された意見書などを踏まえまして、東京都知事の意見書が作成され、三月にJR東日本に送付されたところでございます。

 この意見書を踏まえまして、JRの方としては、ことしの四月に現地調査に着手をして、今後、環境影響評価書案なるものを作成いたしまして、再び東京都に提出する、東京都が公示、縦覧を行い、都民の皆さん方でありますとか関係区などの意見を求めて、JR東日本においてこの評価書案について説明会を開催するなど、一連の手続が環境アセスメント条例に基づいてとり行われているところでございます。

松原分科員 質問通告に沿った御答弁ですから、ありがとうございます。

 私が今確認したいのは、これから先、今の問題も質疑していきますが、とりあえず、このJR東日本に対して監督、指導、助言ができるのは国土交通省ですね、このことの確認を申し上げたいわけであります。副大臣、お願いします。まあ彼でもいいですよ。

平田政府参考人 JR東日本は鉄道事業者でございます。したがいまして、鉄道行政の一環で必要な場合においては適切な形で指導していきたいと考えております。

松原分科員 そういう中で、今、東京都、品川区、こういろいろとありました。既に先週の段階で事務方に送っているので局長もごらんだと思いますが、品川区長濱野さんから、これは品川区もどこに出していいかというと、飛び越えていきなり国というわけにいきませんから、東京都知事あてにことしの二月十三日に出しているわけですね。大崎短絡線整備事業に係る調査計画書に対する周知地域区長の意見ということで、いろいろなことを項目で書いてあるわけであります。それぞれまた幾ばくか質疑をしながら、大変短い時間でありますから、最後にまた大臣の所見もお伺いしたいと思うんです。

 この評価対象地域の拡大を地元町会長そして区長も要望しているわけであります。二ページの大きな二というところですね。「評価対象地域」「調査計画書では、事業区間から片側約百メートルの範囲とされているが、東京都環境影響評価技術指針では、「鉄道、軌道又はモノレールの騒音及び振動」において高架走行路線の場合、二百メートル程度とする」ことにされている、「少なくともこの範囲については、評価対象地域とされたい。」と。

 私は、地元の方々と話しますと、二百メートルでは足りない、下り勾配ということもあるので、もっとこの評価対象地域は拡大するべきだ、こういうふうな意見もあるわけでありますが、現状はどうなっているのか、それに対してどういう指導をするおつもりか、お答えいただきたい。

平田政府参考人 ただいまの御質問でございますが、環境への影響に関する調査の対象範囲でございますが、本件工事の実施が環境に影響を及ぼすと予想される地域をその対象としておりますが、具体的には東京都及び地元の品川区と調整して対象地域を設定しているということでございます。これによりまして、品川区の東五反田二丁目、それから大崎の一丁目、二丁目、三丁目、大崎五丁目、西品川一丁目から三丁目、広町一丁目から二丁目が調査の対象となってございます。

 それで、先ほど私が申し上げました東京都の環境アセスメント条例では、都知事は環境に影響が及ぶと予想される地域を定めることとされておりまして、これに基づきまして公示が既になされております。この同じ地域を定めて、環境影響の手続を進めているところでございます。

 以上から、調査の対象につきましては、地元自治体の意向を踏まえて適切に設定されるものと判断しているとのことでございます。

松原分科員 ということは、地元区長は二百と、こう言っていますが、地元の町会長、十町会ぐらいですね、それは要望書を上げているわけでありますから、その要望書にある程度沿った形でこれは実現されるというふうに私は今確認をさせていただいたつもりであります。

 次に、これも品川区長から都知事に出している文書の中にありますが、「大気汚染」「工事用車両による大気汚染については、車両台数がわずかであっても、品川区内において二酸化窒素の環境基準が達成されていないことから、工事に当たって最新規制適合車を使用するとともに、車両の集中防止策を検討されたい。」というのが一つ。もう一つが「列車走行に伴う粉じんの飛散を防止するために、軌道全体を囲うなどの飛散防止対策を行い、事前・事後における調査測定を実施し、対策の効果について確認されたい。」こういうことが挙げられております。

 要するに、現場はR百六十で下降していくところなんですね。だから、かなりブレーキは通常より鉄粉が飛び散るだろう。地元住民はそのことについて大変に気を回しているわけでありまして、今の品川区長からの都知事あての要望も極めてがえんずることができるわけでありますが、この点についてはどのようになっているか、お伺いしたい。

平田政府参考人 先ほど、委員、品川区長さんがどこに意見を出していったらいいのかわからないという御発言がございましたけれども、これは、環境アセスメント条例に基づきまして、品川区長の方から意見書を都知事の方に提出されるということになってございます。

 したがって、今委員御指摘の品川区長のさまざまな御意見は、まとめられた形で、去る三月二日に、環境影響評価調査計画書審査意見書なるものが都知事の方からJRの方に提出されているところでございます。

 これによりますと、一般的にいろいろなことが書かれてございますけれども、環境の問題だとか振動の問題等々について十分に、次のステップで、これから進んでまいります環境影響評価書の案の中においてJRの方から明らかにしてもらいたいとか、供用後は湘南新宿ラインの列車本数が増加するとしていることから、鉄道騒音、振動などによります事業区間周辺の生活環境への影響を低減するための措置などについて、環境影響評価書案において明らかにしてもらいたい、こういうような、品川区長さんの御意向を踏まえた形での都知事の審査意見書なるものをJRの方に提出されているところでございます。

 したがいまして、今後のさまざまな局面におきましてJRの方が対応をしていくことになってまいりますけれども、こういうような品川区長の御意見、意見書、それから東京都知事によります調査計画書審査意見書を踏まえて、JRの方において適切に対応がなされるものと考えております。

松原分科員 私が言っているのは、それはシステム的には都知事なんですよ。そんなことはわかっているんですよ。本来であれば直接JR東日本のどこかに出したいけれども、そういう場所がありませんよ、だから都知事の方に出しているんですよということを言っているんですよ。品川区長というのは、行政区の区長であると同時に、品川区のまさに多くの区民の総意を代弁しているわけですから、行政区の区長としては都知事でしょう、品川区全体の区民の総意としては直接本当は働きかけたいところだけれども、それはないですよということを言っているんだよ。

 それで、区長からのこれをずっと読んでいくと大変に時間がかかってしまうと思うので、まだ時間が余れば、少しまたやらせてもらいます。

 私は、今度短絡線をつくることによって、例えば踏切がどれぐらいあかなくなるのかというふうなことも既に事前に、ちょっと直前でしたが、通告をしたわけでありまして、これはJR側の説明はどういうふうになっているのかを含めて、御説明をお願いします。

平田政府参考人 現在、大崎の短絡線の整備事業の付近には、踏切が二カ所存在してございます。住吉踏切と下村踏切でございます。

 それで、大崎短絡線の整備によります影響でございますが、運転ダイヤの設定の仕方にもよるので、今の段階ではなかなかお答え申し上げかねますけれども、JRの方におきましては、地元の御要望を踏まえまして、当該事業による影響を極力少なくするよう、適切に対処されるものと考えております。

 国土交通省といたしましても、地元の要望を踏まえながら、踏切の安全対策を確実に実施するよう指導してまいります。

松原分科員 地元の要望というのは、この短絡線に対してはかなり反対をしているので、その場合、ではどこで妥結するかという議論になると思うんですよ。

 例えば、私は大田区もよく知っているんですが、大田区の京浜急行なんというのはあかずの踏切で、あっちから電車が来たと思うと今度はこっちから来て、これは大変なものなんですよ、大臣。いらいらしているときなんて自分でこじあけて行きたくなるぐらいに、よくぞ日本人は我慢強いと日本人の我慢強さを非常に感じるわけであります。

 これは、局長、例えば、行ったり来たりで何本も何本も来て、三分以上閉まっているとか、五分、六分まで来ると大変だろうと思うんだけれども、率直に、指導する側としては、これだけの地域の声がある中で、どれぐらいの分数に抑える、やはりいって三分だろうとか二分だろうとか、ちょっと言えたら言ってください。

平田政府参考人 具体的な数値は持ち合わせてございません。

松原分科員 具体的な数値は、それは持ち合わせていないのはわかっていますよ。しかし、長い時間これがあかないことは好ましくないということは、今のお話で事実だと思うんですよ。

 だから、どれぐらい、ちょっとJR側からのそれは何かなかったの、後ろに座っている彼ら。全然なかったのか。これはかなり閉まり続けるんじゃないかということを危惧しているんですけれども、これに関して局長は、現地の人たちとの協議の中で、現地の人の納得できるような水準に落ちつけられるというふうな御認識ということでよろしいですか。

平田政府参考人 まずは、先ほど来申し上げておりますけれども、環境アセスメントの手続を粛々と手続に応じてやっていただく。これを受けて、地元の御要望、振動ですとか騒音ですとか、さまざまな御意見があると思います。これを踏まえて、鉄道の事業者であります、整備の主体でありますJRにおいて、いかなる形での対応が可能かということを見きわめていくことが必要ではないかと考えております。

松原分科員 ということは、地元がすんなり合意をして進んでいる話ならともあれ、今私が知っている限りでは、地元町会長、後で話しますが、非常に十町会が反対の声明を上げている、こういう状況であります。

 ですから、実際短絡線が通過したときに、そういった地元の声があれば、その都度そういった声に関しては、もちろん地元の人たちもJRにも言いますけれども、国土交通省としても、こういうふうな中で実行されようとしていることについては、さまざまな修正また助言等があり得る、こういう認識でよろしいですか。

平田政府参考人 繰り返しになって申しわけございませんけれども、現在、環境アセスメントの手続が進捗してございます。地元の住民の方もいろいろな意見をお持ちになられ、区長さんそれから都知事の方の調査計画書についての意見書が提出されているところでございます。

 こういうような手続の中で必要な調整が行われていくことになろうと考えております。

松原分科員 文書は既に皆さんも出しているところで、区長から知事あての文書は、全体に関しての項目、「全般的事項」としては五つですね。さまざまなことを書いてあります。今言った「評価対象地域」の問題では一つ。「大気汚染」で二つ。

 「騒音振動」、これは防音壁をつくるとか、工事の施工に当たって、低騒音、低振動の工法、建設機械の採用や周囲への防音壁の設置など工夫を凝らすというようなこと。三番目は、高速道路の高架部分において、橋脚スパンが長い場合、低周波騒音が発生する例があることから、高架構造部分の固有振動数を算定し、車両通過時に構造物から発生する低周波騒音についても予測評価されたいとか。これは六項目。「日照」が一項目。「電波障害」が一項目。

 「景観」が二項目で、これは、地域景観との調和などを考慮した形状、色彩、材質を選定されたい。また二つ目は、隣接する地域は都市再生特別措置法に基づく都市再生緊急整備地域内であり、当該地域の整備方針である大崎駅周辺地域都市再生ビジョンや、個性的かつ魅力的な都市を創出するための大崎駅西口デザインガイドラインに基づき云々と、こうたくさんあります。

 もちろん、都知事がこれをすべてがえんじて言っているわけじゃないと思うんですよ。ただ、区長が地域では一番のある意味で主宰者であり、責任を持つ区長が、もうこれは局長のところにも渡っていると思うので、言っていることに関してはやはりそれなりに重きを受けとめていただきたいということなんです。

 実は、残り十分わずかということなので申し上げたいんですが、このJR側の説明に関して、十分な説明がされていないんじゃないかというのは、区長サイドも住民も非常にそれを強く認識しているわけでありまして、地元の住民からは、「大崎短絡線整備事業に係る調査計画書について」ということで、代表がたくさんいます。

 西品川新生会会長中村さん、これは一番の当該地区の町会長。品川尚和会会長知井さん、協力睦会会長小林さん、西品川三栄会会長市川さん、西品川三ツ木会会長小河原さん、西品川二丁目会会長宮崎さん、大崎一二三町会会長別府さん、大崎三五町会会長石川さん、大崎居木橋町会会長新井さん、大崎四丁目町会会長石川さん、また、都会議員の自民党の佐藤さん、公明党の区議の若林さん、自民党の区議の本多さん、それから百反の商店会会長、地権者数名という人からも上がっているわけですよ、ちゃんとやってくれと。

 これでちょっとお伺いしたいのは、どうも説明会が不十分なんじゃないかというふうなことがありまして、実は、最終的な裏はまだとっていないんですが、昨年の十一月の半ばに行われたこの短絡線計画説明会において、私もそこにいたわけではありません、憶測というわけではないんですが、複数、三人の方から私、ヒアリングをきょうしました。それぞれ言い方が違うんですよ。ただ、ニュアンスは同じなんです。

 つまり、これは本当にどう言ったかというのは、言った言わないのようにもなりますが、ある人いわく、我々は民鉄さんとは違いますという発言があったと。ある人は、地下化の問題を聞いたときに、民鉄さんだったらやるかもしれませんがと。そのとき、あなた方は民間じゃないんですかと言ったら黙っちゃったと。もう一人の別の人間は、明らかに、民鉄と違って我々はやり通すと言ったと。

 まあ、同じ車を見たって、三人とも見れば違うんだけれども、言いたいことは、どう言ったかわかりませんが、受けとめる方はやはり高飛車だなと。我々は民鉄とは違うという強い認識を持っているというその表現に、みんな、二十人いた地域の人が息をのみ、おいおいと。

 地元町会の皆さんは、何でも反対の人たちじゃないんですよ。十人、みんな町会の会長ですから。はっきり言って、行政を支えている人たちですよ。彼らは言うんですよ、便利になることはいい、しかし、きちっと話をしようと。それを高飛車に、ニュアンスとして、あたかもおれらは民鉄とは違うんだというニュアンスが伝わっている。違うようには言ったと思いますよ、さすがに。しかし、三人聞いたらそういう話だと。

 私は、こういう説明会では地域の納得は得られないと思うんですよ。私は、説明会のあり方として、この辺はやはり少し丁寧にやってほしいと思うんですが、一般論的なことも含め、大臣の御所見をお伺いしたい。

冬柴国務大臣 どのようなことを言われたかは別としまして、こういうことを地域の方に御説明し、御理解いただくというときには丁寧に、納得いただくということが目的ですから、居丈高というのはとんでもない、そういう受け取り方をされるということは言語道断だと思います。

 したがって、その目的は、単にお会いしてお話しするわけではなしに、これから進めようとする事業がいかに公共の福祉に合致する、多くの人々の利益に合致する事業であるかどうかということ。そして、これはまた、鉄道事業としては危険を防止する。この部分は、平面交差をしているところは御存じだと思いますね。それは非常に危険だ、そこで事故が起こっては大変だ、そういうところから短絡線という思想が出てきているわけでありまして、そういうことをじゅんじゅんと、相手がどう言われようと、自分たちの考えを説明し、御理解いただく、これはもう根本的に必要な態度だと思います。それが、私どもが責めを負っている運輸における安全性確保の基本の、イロハのイだと思っています。

 したがいまして、もしそういうようなことを、地域の方々が協力いただいて、行政に対しても、平素この国土交通行政に対して理解いただき、そしてまた協力いただいている方々に対してそういうことを鉄道事業者がもし言ったとするならば、私どもはそれに対しては強く注意をしたいと思います。

松原分科員 大臣の本当に御理解のある発言、感謝をする次第であります。

 この方々は極めて常識的な、自治会長を中心とする皆さんですから、まさにまじめに地域のためにやってきた方々であります。ですから、少なくとも入り口の議論はより丁寧に、アセスが出て、もういいんだよというふうに進められるような話じゃないと思うんです。だれがどういう発言をしたかという裏も大体とっているんですが、この場ではそれは言いません。本当にそういった意味では、きちっとこれはやはり指導をしてもらいたいというふうに思います。

 それと同時に、これも地元の町会長さん複数名からなんですが、やはりさっき言ったように下り勾配である、鉄道の事故が昨今多いものですから、本当のことを言って、大丈夫かなという話なんですよ。R百六十で下り坂だ。きょう質問すると言ったら、松原さん、下り坂だということを強調してくれと地元の人は言っているんですよ、下り坂だと。そうすると、かなり早い段階からぐわっとブレーキ踏んでおかなきゃだめなんじゃないの、鉄粉も飛び散るだろうと。

 そういう中で我々が議論を真剣にしているのに、もう決めたことだから、我々は民鉄さんと違いますみたいなニュアンスが仮に地元の住民に伝わったら、これはもう成るものもできなくなってしまうと思うんですね。

 私は、ですから、そういった意味では、福知山線と同じような事故が絶対起きないような指導をするということも含めて、大臣の決意もお伺いしたいと思うんです。

冬柴国務大臣 あの福知山事故が二年前の四月二十五日に起こって、あさってで満二年、三回忌ということになるんですね、亡くなった方にしたら。私どもは決してこれを忘れてはならない。我々もこれを絶対に風化させてはならないし、二度と起こしてはならない。

 そのために、我々は運輸安全マネジメント評価という制度をつくりまして、社長から末端の職員まで、運転手だとか整備士はもちろんの話ですけれども、これはもう陸海空、運輸事業に携わる人に対して、ずっとヒアリングして、そして、安全というものをどこまで企業の中で周知するための努力をしているのか、日々しているのかということを我々も確かめ、そしてまた、それに対しては意見を言い、指導もし、今日来ているわけでございます。

 私どもは、もし非常な勾配とそして曲線の中でという御不安があるならば、これはもちろん、区長さんもおっしゃっていますし、それに対して、鉄粉が飛ばないような処置をしなさい、そういう環境評価に対する石原知事の御意見もあります。

 したがいまして、我々としましては、重く受けとめて、これをまた評価の中に、鉄道事業者、JR東日本としても盛り込み、そして皆様方の御意見をまた伺うという手続がそこには予定されております。したがいまして、その段階段階で、我々としてもその意見をもちろん聞いておりますし、指導すべきところはきちっと指導していきたい、このように思います。

松原分科員 ありがとうございます。

 では、最後にもう一回、大変恐縮なんですが、地元の区長は、これについては地元の十町会の会長と全く足並みは乱れていないんですよ、一致しているんです。区長が、そして十町会の町会長。もちろん東京都ですよ、確かに。しかし、現場は品川区であり、十町会です。

 したがって、どうかJR東日本の方々に、この十町会の町会長、そしてその町会の説明に出席される熱心な方々、そして区長、ぜひその方々の御理解を最低限得るために、はっきり言って非常識な方々でありませんから、全力で取り組んでもらいたいと思うので、このことをぜひ、監督官庁としてできる限りの御指導をいただけるということを最後に一言おっしゃっていただいて、質問を終わりたいと思います。

冬柴国務大臣 私は、運輸事業者に対する監督権限はありますし、指導もできます。ただ、今の段階が、環境評価に対する、東京都の定めた条例に基づいて粛々と進められているわけですから、一つはそこで意見の集約というものをしないと、たくさんの関係者の人といろいろなことが出て、かえってこじれても困ります。

 したがいまして、私どもは、そういう利害関係のある方、そして、全然遠いところじゃないわけでありまして、そういうところで、平素、地域の親睦のため、あるいはその安寧のために身を犠牲にして貢献していただいている人たちですから、そういう人たちに御理解をいただくように十分に配慮してほしいということを申し上げることは約束したいと思います。

松原分科員 ありがとうございます。

 冬柴大臣のリーダーシップのもと、私は都市交通が便利になるのはいいと思っています、彼らも反対していません。反対していない以上は妥結点はあるはずです。品川区長という品川区の最高責任者の了解と十町会の会長、彼らは了解しますよ、きちっとすれば。よろしく御指導いただきたい。お願い申し上げまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

柴山主査代理 これにて松原仁君の質疑は終了いたしました。

    〔柴山主査代理退席、主査着席〕

古屋主査 次に、牧原秀樹君。

牧原分科員 自由民主党の牧原秀樹でございます。

 きょうは、決算行政監視委員会の質問の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。

 私は、埼玉の旧大宮、そして与野というところを選挙区にさせていただいております。私が初当選をさせていただきました二〇〇五年、九月十一日が投票日であったわけですが、その翌日の九月十二日以来一年七カ月間、ほぼ毎日、地元にあります十七駅を、いわゆる駅立ちというものをさせていただいております。既に五百八十日ぐらい駅立ちを続けているということになっております。

 毎日一時間程度駅立ちをしておりますと、本当にいろいろな乗降者の方がいらっしゃいます。特に、目の不自由な方、また足の不自由な方、そういう方々が大変な御苦労をされている様子を私は見ております。地元の十七駅の中で、いわゆるバリアフリーというものがなされているところ、そしてなされていないところでは、随分地元の方々の利用状況が異なるなということを改めて感じております。

 より具体的に申し上げますと、特に、区役所とか保健センター、あるいはベビーカーを使う乳幼児を連れた方々が使うような施設のあるところ、こうしたところはぜひとも優先的にバリアフリーを実現していただきたいということを切に願っている次第でございます。

 私の選挙区内ということで具体的に申し上げると、当選したすぐからずっとお願いをし続けておりました、埼京線の与野本町駅。これは快速のとまる駅なんです。そして、区役所があったり保健センターがあったり、また障害者の方々の施設があったり、足の悪い方あるいはベビーカーなどのバリアフリーのニーズが大変高い駅ですが、現在はバリアフリー化されておりません。この駅について、ぜひともバリアフリー化をお願いしたい。

 そしてもう一つは、大宮駅。日本でも乗降者数の大変多い駅ですけれども、ここの東口側にやはりエレベーターがついていないということで大変な御苦労があります。

 この二つの駅につきまして、特にお伺いしたいと思います。

平田政府参考人 お答えいたします。

 与野本町駅につきましては、地元の自治体とJR東日本との協議が調いまして、今年度、国の補助事業によります、エレベーターでありますとか多機能トイレなどの整備を行うこととしております。現在、JR東日本では工事着手に向けた準備を行っているところでございますが、年度内に完成する予定であると承知しております。

 また、委員御指摘の大宮駅につきましては、御案内のとおり、十面十九線のホームを擁する大規模なターミナル駅でございますが、改札内につきましては、すべてのホームと改札階との間にエレベーター、エスカレーターが設置されております。既に段差解消が講じられているところでございます。

 他方、改札外の自由通路につきましては、西口にはエレベーターが設置され、段差の解消が図られているんですが、東口につきましては、車いす対応型エスカレーターのみによる対応となっております。このため、現在、地元のさいたま市とJR東日本におきまして、東口へのエレベーターの設置に向けた協議を行っていると聞いております。

 昨年十二月にバリアフリー新法が施行されたところでございますが、この法律に基づきまして、市町村が基本構想を策定することになってございます。駅及び駅周辺のバリアフリー化を一体的に進めることが可能となっているところであります。今後も、この法律の仕組みを活用するなどいたしまして、地元自治体でありますとか鉄道事業者などの関係者が協力することによって、駅及び駅の周辺の一体的なバリアフリー化が進められるよう考えていきたいと思っております。

牧原分科員 このバリアフリーということ、これは私も車いすを使って町を少し移動してみたりしたこともありました。ほんの、本当にちょっとの段差で、もう絶対越すことができないという壁になってしまいます。まして、公共の交通機関につきましては、国土交通省としても、今新法も含めまして旗振りをしていただいていると思いますけれども、今後ともその方針をぜひとも貫いていただきたいというふうに思っております。

 大宮はJRの町と言われておりまして、旧国鉄の町だったんですが、JR東日本になりましても、大変すばらしい会社になって、サービスが向上をしております。例えば、湘南新宿ラインという、従来の貨物線を使うという斬新なアイデアを用いて、私の地元の駅の大宮もとまって、そして新宿までは今のところわずか三駅で行ってしまう、横浜までもその後三駅ぐらいで行ってしまうという、大変すぐれて便利の上がっているものなんですけれども、山手線でいうとその逆側、つまり東京方面に、JR東日本が高崎線や宇都宮線を東京駅や品川駅に延伸するという計画を、五年ほど前だったと思いますけれども、公表していると思います。

 私も、毎日駅立ちをしているものですから、毎日電車で通っているんですけれども、東京駅また品川駅までの延伸をするということが本当に楽しみで仕方がない一人であるわけです。実際に通ってみますと、上野という駅に全部終点がぶつかるものですから、大変な乗りかえで、危ない思いもしたことがございます。また、あそこに集中するものですから、上野から東京までというのは大変電車が混雑をするという状況にもあります。

 宇都宮線、高崎線を使っている私たちからすると、首を長くして待っているこの延伸計画ですけれども、現状はどのようになっているんでしょうか。そして、国交省としてはどのような立場でこの延伸計画についてお考えになり、そしてかかわっていらっしゃるんでしょうか。ぜひとも教えていただきたいと思います。

平田政府参考人 お答えいたします。

 現在上野どまりとなっております高崎線、宇都宮線それから常磐線を東京駅まで延伸して、東海道線との直通化を可能といたします東北縦貫線構想につきましては、平成十二年の運輸政策審議会の答申におきまして、平成二十七年度までに開業することが適当である路線という形で位置づけられております。

 本路線の整備によりまして、委員御指摘のように、京浜東北線などの混雑の緩和、さらには埼玉方面などと神奈川方面などとを結ぶ広域高速ルートの形成でありますとか、さらには東京、品川での新幹線アクセス向上、羽田空港アクセス向上などの効果が期待されるものと認識しております。

 本計画の具体化につきましては、今お話がございましたように、JR東日本におきまして検討が進められて、平成十四年三月にその計画の概要が公表されているところでございます。

 現在の状況につきましては、JRにおきまして、東京都条例に基づきます環境影響評価の手続を進めておるところでございます。この環境影響評価手続の終了後、JRが線路を増設する工事を行うこととなりますので、鉄道事業法に基づく線路の増設という事業基本計画の変更及び鉄道施設の工事計画につきます変更に係る手続を経て、工事に着手をいたしまして、おおむね五年間で工事を完了させる計画としております。

 今の状況は、JRが作成いたしました環境影響評価の評価書案がございますが、これに対する都民それから関係区長から出された意見書を受けて、JRにおきまして、現在、評価書案に係る見解書をまとめているところでございます。

 いずれにいたしましても、国土交通省といたしましては、今後、アセスメントの手続が終了いたしまして、JRの方から鉄道事業法に基づきます所要の申請がなされた場合においては、適切に対応してまいりたいと考えております。

牧原分科員 今の御説明でよくわかったんですが、もともと発表では、環境アセスメントは二〇〇四年の終わりには終了するというふうになっていたわけです。もう既にことしは二〇〇七年ですから、大変おくれているわけです。したがいまして、その計画に基づいてまちづくりも進んでいるということがあります、その分おくれているということも、ぜひまちづくりも全体的にかかわる国交省としては見続けていただきたいと思います。

 実際、私の地元は、ぜひお越しいただければと思いますけれども、もうマンションがぼんぼんできているという状況で、本当に年に一万人近い人口の増があるところです。この方々が一気にこの電車に乗るということになっておりますので、その辺もぜひ御理解賜ればと思います。

 また、今、人がふえるということを申し上げました。今地元では新駅が、川越線というところの日進駅と指扇駅の間に一つつくられようとしています。この駅、仮称西大宮駅ということでありますけれども、ここにも約一万二千人の住民が新しく住む町がぽんとでき上がるというふうに言われています。ここは実は単線なので、ぜひ複線化していただきたいと思います。こういうことも一応御要望としてお伝えをさせていただきます。

 今申し上げた新しい駅のできる区は、西区という区になっております。私の地元では、自然が一番多い、農業もできるという場所なんですけれども、ここを通っているのが荒川です。この荒川というのは、首都圏の大動脈であって、そして水量も大変豊富な川であることは御承知のとおりでありますけれども、実は、この水量が豊富であるために、ちょっとした雨でたびたび水害が起こります。具体的には、地元の馬宮あるいは宝来といった地区とかで水害が起こるということで、私も雨のたびに地元からの要望も承っている次第でございます。

 ここについては、堤防を延伸していただく計画があるというふうに承っておりますけれども、その現状、そして今後の見通しについて伺えますでしょうか。

門松政府参考人 お答えいたします。

 荒川は、埼玉、東京、日本の中枢を守る重要な河川でございまして、万が一、荒川が破堤いたしますと、この中枢機能が麻痺するわけでございまして、我々にとって重要な仕事であるというふうに思っています。下流から順次上流に向かって堤防を整備してきております。現時点では、左右岸ともに、羽根倉橋から下流はできているというところでございます。

 今、先生御指摘の、さいたま市西区周辺となります羽根倉橋から上流の区間、特に左岸堤でございます、これの事業計画をお尋ねでございます。断面が不足しております本川の堤防でございますが、その整備水準が低い状態にあります。こういう状況を受けまして、平成十七年度より上流十一キロにわたりまして堤防強化に着手しておりまして、平成二十二年度の完成を目指しまして、土地の買収あるいは築堤工事を実施しているところでございます。

牧原分科員 ぜひとも平成二十二年度までの完成を目指して頑張っていただきたいと思います。

 また、今御指摘のありました羽根倉橋、秋ケ瀬公園というところまでは、さらにそのもう一本内側に堤防がございます。実は、この堤防につきましては、この内側にある堤防の場所と今御指摘あった堤防、この間に、私の地元では大変な農業地帯となっていまして、実は大変お米がおいしいという評判もあるところでございます。一部では、ある品評会で一位もとったことがあると言われるように、知られざる名産品になっているわけでございますけれども、この地帯というのもやはり雨が降ると水浸しになってしまう。そういう御要望もあります。ここの堤防の延伸につきましては、どのようにお考えでしょうか。

門松政府参考人 お答えいたします。

 今先生御指摘の農地でございますが、我々、専門用語で堤外民地と言っておりまして、河川の中にある農地でございますけれども、本来、河川区域として国なり県が持たなきゃいけないものでございますが、歴史的な経緯で荒川は民地が多うございまして、それを農地に使われておるというのが実態でございます。

 それからもう一つ、今、本来の堤防の中に、内側に低い堤防がございます。この低い堤防は、川の中のダムといいますか、調節池をつくるために、流れと隔絶して貯留するための施設、小さな堤防、囲繞堤と申しております。その囲繞堤で囲まれたところは、そのほかの、川の中の水害に対する安全度はそれは高うございまして、ぜひそうしてほしいという農民の方のお気持ちはよくわかります。

 ただ、現在、調節池が完成しているのは一番下流の荒川第一調節池ということでございまして、それから上流に向けて、この第一を含めて五つほどつくる予定にしております。その大きな方針、河川整備の基本方針をこの三月に定めたところでございまして、今後、二十年程度で具体的にどういう事業を実施するかという整備計画を策定してまいるところでございまして、この計画の中で、今後の堤防の整備の状況とか整備効果などを勘案して、手順を決めてやってまいりたいと思います。住民の方々の御意見も聞きながらつくってまいりたいと思っています。

 いずれにしましても、非常に厳しい予算の状況でありますので、徹底した重点化を行って、さいたま築堤事業を計画的、重点的に進めてまいりたいと思っております。

牧原分科員 今、最後に局長がおっしゃられたように、地元の住民の方々との話し合いがやはり一番大切だと思います。先ほど大臣も、そういう御指摘をまさにいただいておりました。割と地元の事務所が、これまで自治会長という方々を中心に回られていたわけなんですけれども、ここには土地改良区という団体もありまして、さらにはそれ以外の地権者の方々もいらっしゃいます。したがいまして、できるだけ多くの方々に情報提供、そしてヒアリングを誠実に行っていただきたい、このことを御要望させていただきます。

 もし不便がありましたら、私、間に立ちますので、何なりとおっしゃっていただければと思います。今申し上げた馬宮、植水地区の堤防の話はこれで終わらせていただきます。

 私の地元を通っております一番の幹線道路は、十七号バイパスと言われている国道です。このバイパスは現在、首都高速大宮線が走っておりまして、与野というところまで来ているのですが、そこから右に九十度曲がって、さいたま新都心という方に曲がっていってしまいます。実は、この先、バイパスの上をずっと走っていって、国道十六号との接点であります宮前インターというところまで延伸をしていただきたい。閣議決定もあるというふうに伺っておりますけれども、この高速道路の延伸計画について、現状、いかがなっていますでしょうか。

宮田政府参考人 先生お話しになりましたように、首都高速の大宮線、美女木から与野まで八キロにつきましては、平成十年に開通をしております。

 その先、与野から国道十六号まででございますが、これも御案内のように、新大宮上尾道路の一部区間としまして、平成元年度に高架道路として都市計画決定されております。我々は、都市計画決定を県の方でされたということで、渋滞解消、極めて重要な道路だというふうに認識をしております。

 ただ、例の道路公団の民営化の際に、もう民営化する会社に対して、道路公団に対してはそれまで施行命令というのを大臣から出しておりました、それから首都高速の方には基本計画指示というのを出しておりまして、要は、大臣の方から実施機関としての会社の方に、工事をしてくださいということが仕組み上、担保をされておりました。改革後、会社の自主性にゆだねるということで、まさにここの部分については、だれがどういうふうにつくるかというのが決まっておりません。どういった事業手法で行うか、事業主体をどうしていくかというのが決まっておりません。重要だという認識を持っておりますので、さいたま市と関係機関と検討してまいりたいというふうに考えております。

牧原分科員 宮田局長には、さいたま見沼の開通式のときに御同席をいただきまして、状況はよくおわかりであると思います。何とぞお力添えいただき、私も地元を、ここは道路が大変渋滞するポイントになっておりまして、選挙区内を移動するときも、いつもここのせいでおくれてしまうという状況にもなっております。

 私は、道路というものは、無駄な道路をつくるべきじゃないというふうには思いますけれども、しかし、首都圏の渋滞ということによりましてかなりの人の人生の時間が無駄になっているということは、いつも開通式でごあいさつさせていただくとおりでございまして、今後とも、そうした必要な、未来の世代に残すべき社会資本の整備につきましては、私も応援させていただきますので、ぜひともお願いをしたいと思います。

 その宮前インターの先に、さらに上尾道路というものが今建設中でございます。ここも十七号バイパスの、宮前インターから先の渋滞緩和としては大変重要な地点として期待がされているところでございます。

 現在、私の地元でありますと、内野本郷、また西新井といった一部は開通をしておりますけれども、この開通につきましては、先ほど申し上げました仮称西大宮駅、ぜひ西大宮駅という駅名にしてほしいんですけれども、一万二千人もの方々の町が一気にできます。そうすると、ここは、今のところは本当に狭い、入り組んだ道路が中心となっているところでございます。ぜひともこの駅ができる前にも整備をお願いしたい。特に、今、宮前インターから一部開通の区間の距離というのはそんなにないんですけれども、ここが開通していないということによりまして大幅に迂回をしないといけないということで、新たな渋滞も生んでいるところです。この見通しにつきまして、御説明をいただければと存じます。

宮田政府参考人 先生御指摘のように、この路線、上尾市付近では一日五万六千台の交通量がございまして、埼玉県内で十番目の渋滞の激しい地点でございます。

 この課題に対応するために、上尾道路、国道十七号のバイパスとして計画をしております延長二十・一キロでございますが、さいたま市西区宮前町から桶川市川田谷間十一キロについて、今事業を鋭意推進しているところでございます。

 このうち圏央道に接続する二キロ区間、具体的に言いますと、主要地方道川越栗橋線と圏央道の桶川ジャンクションの間二キロにつきましては、圏央道とあわせて供用をさせるという目標でやっております。圏央道の供用が平成二十一年でございます。

 渋滞交差点が集中します宮前インターから北に四キロ区間につきましても、用地買収と工事を進めているところでございますが、部分的に用地買収が難航している案件がございます。全体の道路構造としてはできないまでも、部分的に、側道でありますとかそういうものがつくれる箇所がございます。そういうものに着目をしまして、地元の住民の方々の利便を図るために、平成十六年から十八年にかけまして、合計二キロについて、用地買収済みの用地を利用して、サービス道路部分、側道のことでありますが、そこの部分を先行的に供用しております。難航しておりますが、いろいろな手段も視野に入れて、用地の取得を鋭意進めてまいりたいと思っております。

 このほかの区間、四・七キロございますが、江川周辺に生育します希少植物がございますので、いろいろな調査、検討をした上で用地取得に着手して、整備が進められるよう努力してまいりたいと考えております。

牧原分科員 少し時間が早いですが、以上で私の質問は終わらせていただきます。

 大臣、また政務官もおいででございます。首都圏の渋滞というのは、私たちみんなが経験して、そして、その時間がもしスムーズにいっていたとしたら、本当に一生分にすると相当の時間をほかのことに使えただろうという時間を私たちは無駄にしているわけです。厳しい予算もあるかと思いますけれども、ぜひともお力添えを賜って、こうした首都圏の整備に御尽力を賜ればとお願いを申し上げ、私からの質問とさせていただきます。

 どうもありがとうございました。

古屋主査 これにて牧原秀樹君の質疑は終了いたしました。

 次に、篠原孝君。

篠原分科員 民主党の篠原孝でございます。

 きょうは、地元の千曲川の水害問題について質問させていただきたいと思います。

 皆様方のお手元に資料をお配りしてあります。七つほどつくってありまして、資料5までは水害関係でございまして、6、7はちょっと軽い質問というか、提案型の質問に使わせていただくものでございます。

 具体的な質問に入る前に、資料の1の飯山盆地、これは長野の一番北の端にあります。千曲川、信濃川に続きまして日本で一番長い川、水害の歴史も相当古いわけでございます。ですから、それとの葛藤の歴史があるわけでございます。

 いろいろな書物を読みあさりまして、いろいろ町の研究者もおりまして、これは今私が持ってきているんですけれども、市川久芳さんという一人の土木技術者が水害の問題に突き当たりまして、本人の家が流されそうになったりしているんですね。二度、三度水害が起きておりまして、これを何とかしなくちゃいけないというので、こんな立派な「闘災の序曲」という、これは前編ですけれども、後編もまだあるんですけれども、災害と闘うという、いろいろな資料を集めまして、こういう冊子をつくって、写真、文章をつくっているわけです。これを何とかしてほしいということを私常々いろいろなところで言われておりまして、ですから、そのことを踏まえまして質問させていただきたいと思います。

 「飯山盆地の千曲川の工事と水害の歴史」、これをちょっと見ていただきたいんです。ちょっと読みにくいかと思いまして、左側が工事、いっぱい水害と闘ってきているんです。右側が水害です。

 見ていただきたいことは、新田開発をしたりするから水害が起きるわけです。もともと人間はそんな水害が起こるところに住んでいなかったわけですけれども、江戸時代、土木工事もできるようになって、新田開発が行われて、百二十五万ヘクタールぐらいだったのが、江戸時代中期には倍の二百五十万ヘクタールになるわけです。そうすると、どうなったかというと、水害に遭いやすくなる。それと闘い始めたのが一六〇〇年代、一七〇〇年代です。

 上の方の工事のところを見ていただきたいんですが、非常に基本的なことをしているんです。一六一五年とか一六三九年のところを見ていただきたいんですが、下流のしゅんせつ、川よけ普請、川普請で二、三万人の人足を使って、湯滝というのは飯山のちょっと南の方なんです、飯山というのは長野県の一番北の端です。それで、しゅんせつが途中で行われなくなった、財政事情が悪化した。今と同じような状況なんですが、一七〇七年を見ていただきたいんです。そうすると、田畑にすぐ冠水し始める。余りひどいので、右側の水害のところを見ていただきたいんですが、これはだらしのない藩主でございますけれども、もうこんなところはやっていられぬと土地を幕府に返上する。違う土地をくれと言って、これは実っています。

 それから左側、その下の一七二〇年ですが、おもしろいんですけれども、あちこちに大名がいる、その大名たちにお金を出させているわけですね、還元するからというので。それで普請をさせているということです。一七〇〇年代が非常に水害が多発しております。しゅんせつをやめたからです。

 明治時代になりました。飯山市の南側に中野市というところがあります。南の方に須坂、長野と続いていくわけですけれども、農民たちは、この水害をなくすにはしゅんせつ以外にないんだと、泥がたまっているということ。

 これは、長野、飯山の地理に詳しくない方でもすぐおわかりいただけると思います。善光寺平があるわけですね。群馬県の方に降った雨、松本の近くに降った雨もみんな千曲川に来るわけです。そして、長野・新潟県境地方、ここが問題なんですね。狭くなってくるんです。そして新潟へ出て広くなっていく、そういう特殊な川なんです。構造的に長野から新潟へ行くときに水がとまっちゃうんです。これは問題ですから、だれが考えたって、学者が考えなくたってわかることなんです。それがわかっていたんです。

 それで、一九一〇年のところを見ていただきたいんですが、大洪水が起きたりしたので、湯滝という、これは見ていただくとおりお湯がちょっと出ていたんです、滝のように千曲川が流れているというので、そこから地名があるわけですけれども、そこのところをしゅんせつしたりすると速く流れるというので、こういうことをやったんです。そうしたら、水がちゃんと流れるので洪水が起きませんでした。それで堤防工事が始まりました。内務省の大堤防というのができました。

 ところが、一九二〇年代になると、水害の問題からしますと、ちょっといかがわしい動きが出てくるわけですね。せっかくしゅんせつしてきたのに、逆の方向です。ダムを建設しよう、水力発電ですね。当然住民は反対します。

 済みません。これは「県知事が許可」と書いてありますけれども、違います。不許可です、許可せずです。一九二五年にも許可はしない。

 ところが、二度、三度あったんです。許可しなかったのに、一九三九年、西大滝ダムというのが完成するんです。一番狭くなったところにダムをつくるわけです。これは昭和三十年ごろまで日本最大の出力を誇る水力発電所でした。そして現在まで続いていて、どういう水害が起きているかというと、水害の方ばかり、工事の方が少なくなるわけですけれども、皆さんも覚えておられると思います、伊勢湾台風の年なんかがそうなんですけれども、昭和というふうに書いてありませんけれども、水害がぼこぼこ起こるわけです。ダムができて、水が流れなくなったんです。これは詳しく説明するのはやめますけれども。

 今度、一九八七年のところをちょっと見てください。右側ですけれども、中野の大俣地区で堤防完成と一つだけ書いてあるんですが、ここのところも狭くなっている部分。上の方で堤防をつくってはという、イタチごっこなんです。ところが、下流になってくると、長野・新潟県境地方では必ず詰まってしまうというのがあるんですね。

 これは大問題でして、皆さん、全国的には基本高水といったって何のことかわからないんですけれども、長野県民、長野市民というか、長野の北の方の人たちは日常会話で出てくるんです。あの田中知事の大問題、浅川問題というのがありまして、基本高水が何トンだ、毎秒どのぐらい、計画高水流量というのがあるんですね、そういったことが日常会話に出てくるわけです。それだけ水害問題というのは大問題になっているわけです。

 これを見ていきますと、最近違った傾向、私がつくった年表ですけれども、見ていただくとわかるんですが、途中から、下手に土木技術が発達したので、堤防ばかりに頼って、堤防さえつくればいいと。膨大な土砂を持ってきて、そしてその集落、ちょっとずつ救われていくわけです。しかし、水の流れは同じです。流れていかないんですからだめなので、私は、こんなやり方、イタチごっこをしていちゃだめなので、そもそも堤防は要らないというわけじゃないんですけれども、流れていくようにする。

 田中康夫知事を巻き込んで大問題になって、そして不信任案が出たりした浅川治水問題というのがあるんです。それは、ダムを上の方につくって水害を防ごうとしたのに対して、エコロジストなのかどうか知りませんけれども、田中知事はダムは要らないといって反対したわけです。住民は怒って、水害を起こされたらたまらぬと言ったんですけれども、それは千曲川に入る浅川という支流の問題なんです。

 しかし、根本問題は、千曲川がだんだんだんだん土砂がたまって、河床が上になって、そして長野から新潟へ流れていくときに詰まって、そして徐々に徐々に水害が起こりやすくなっているということなんです。これは住民ならだれでも知っていることですし、江戸時代の人も明治の初期の人たちもわかってそういうことをしていたんですが、戦後、しゅんせつに頼らず堤防ばかりになっちゃっているのは問題だと私は思うんですが、河川局長、その点いかがでしょうか。

門松政府参考人 千曲川の河道内の土砂堆積の状況のお尋ねがございました。

 千曲川だけではございませんが、我々が管理しています一級水系につきましては、定期的に河床の変化状況を把握するための測量を行っております。

 千曲川の測量の結果でございますが、いつも水が流れます低水路それから洪水のときに初めて水が乗る高水敷を整備して、ほぼ今のような千曲川の様相ができたのは昭和五十年代以降でございます。飯山地区の河床や高水敷に洪水の流下を阻害するような土砂堆積、これは測量の結果で見ますと、今先生がおっしゃられたのとちょっと違いまして、堆積は生じていないという結果が出ておりまして、当面の整備目標でございます、昭和五十八年の出水が安全に流下するような断面を確保するというのが改修の当面の目標でございまして、その対象洪水については安全度が確保されているというふうに考えております。

 一方、千曲川では、昭和五十七年、五十八年と連続して大きな水害に見舞われましたために、破堤もございました。飯山、戸狩、柏尾地区において、激甚災害対策特別緊急事業などを優先的に実施いたしまして、特にその中で、今先生おっしゃられました堤防の整備を中心に実施してきたところでございます。

 なお、この昭和五十七年と五十八年の洪水でございますが、これと同じ規模の出水が平成の時代になってもございます。平成十六年と十八年、相次いで出水が出ておりますが、当該地区におきましては、先ほど申し上げました河川の改修効果が発揮されまして、以前のような大きな被害は出ていないというふうに理解しております。

 千曲川の河川改修でございますが、通常の河川改修は、下流部から順次上流に向かって築堤などの事業を進めてきているところでございますが、今後とも、千曲川全体の安全度向上のために、無堤地区の解消とか堤防の強化に鋭意取り組んでまいりたいと思っております。

篠原分科員 河川局長の認識と地元の人たちの認識が違うんじゃないかと思います。

 次に、資料の2のところを見ていただきたいんですが、盤石だ、大丈夫だとおっしゃっていますけれども、違うんですね。「飯山盆地の洪水流量と水位」というのを見てください。

 今、平成十六年の話も出ましたが、それから梅雨期の集中豪雨も年表の一番下の方にもありますけれども、見てください。流量がこれだけ、流量は大して変わらないんですけれども、水位は明らかに上がっているんです。わかりますか。流量は大して変わらないのに、水位は上がっているんです。これはどういうことかというと、砂、堆積が多いからです。

 それで、次のページを見てください。

 この市川久芳さんがずっと追っておられるんです、土木技術者です。この写真を見てください。この冊子の中にあるんですが、左側が昭和三十二年です、右側が平成十八年。この中央橋という橋の下のところを見ていただきたいんですが、左側、これは下のところは雪なんですが、この橋げたのところを見てください。右側は今ですけれども、橋げたの下のところがなくなっているんです。三・五メートル土砂がたまっているんです。こういうのをずっと見ているんです、住民は。右側は三・五メートルも土砂がたまってしまっている。これを何とかしなかったら、幾ら堤防をつくったってイタチごっこになるというんです。

 そして、この原因は何かというと、次のページ、四ページをちょっと見ていただくと、下流に西大滝ダムというのがあるんです。戦前、電力が必要だったんですね。もうそれはしようがなかったと思います。反対反対反対の住民運動をやっているんですけれども、水害というのは、毎日のことじゃないからみんな忘れるわけです、二十年か三十年に一回しか起こらないので。それで、ちょっとその集落を外れたところへ行くと、まあいいかということになってしまって、認められて、つくってしまった。

 この西大滝ダムの正面の図ですけれども、時間がないので続けて説明させていただきますと、両側は百メートルちょっとしかないんですね、こういうのがある。狭くなったところ、水が流れにくくなって、水を流したいという住民の希望を踏みにじって、電力が大事だからといってつくった、そのダムはこういうふうになっているんです。

 私は、河川管理施設等構造令というのを見てみました。それで、下のところ、参考のところに径間長という、柱の間の長さが四十メートルなくちゃいけないというのがあるわけですね。こういうのとか、ルールよりもちょっと違っているんですね。つまり、流れにくくなっているんです。土砂を流さなくちゃいけないのに流れにくくなっている。

 私は、この西大滝ダムという、これが唯一の原因じゃないです。これはちょっと細かくなりますが、ほかにも、構造上、急に狭くなったりして出っ張ったところがあるわけです。出っ張ったところはほかに二カ所、立ケ花橋の下、大関橋の下というところにあるんですが、それは自然のものだからしようがない。しかし、人工的につくっている、土砂が流れないようにしている、やはりこれは今もう見直していかなければいけないことじゃないかと思います。

 この西大滝ダムが飯山盆地の水害の原因、先ほどの水量が同じなのに水位が高くなってしまう原因になっていると思うんですが、この点についていかがでしょうか。

門松政府参考人 先生、最初の方で、橋脚の下の写真が、比較の絵がございましたが、昔は自然の流れのままで、普通の水が流れるところと、ちょっと水が出て水が上がる、いわば高水敷と称しているんですけれども、それを余り区別しないで、そのまま自然のままにしておったんですが、最近、人が川の中に入って、普通のときは、雨が降っていないときは、高水敷とちょっと高くして、そこでグラウンドとか何かをつくって遊ぶというような、要するに、複断面方式をとっているのが大河川で多うございます。

 先ほどの橋脚のところはまさに高水敷ということで整備いたしたところでございまして、ふだん、二、三年に一遍ぐらい上がるけれども、それ以外は上がらないところでございまして、多分、そういうことで、何十年か前に撮った写真と比べてそういうふうになっているというのは非常にわかる話でございます。

 ただ、いつも流れる低水路というのはきちっと、私が先ほど申し上げたような疎通能力といいますか、流量を流す断面になっているというふうに御理解いただければと思います。

 それから、西大滝ダムでございますが、西大滝ダムは、飯山盆地の下流約十五キロ、すぐ新潟県に入る手前でございまして、高さが十四メーターちょっとでございます。ダムというか、取水堰と言った方がいいかと思いますが、これが発電のダムでございます。おっしゃるとおりでございます。

 西大滝ダムが洪水時にゲートを全開するために、洪水上昇の影響区間といいますか、その堰があるためにどのぐらい影響が上流に及ぶかというと、大体一キロ程度でございまして、今先生御指摘の、人が住む飯山盆地まで届かない、これはちょっと水利学を御存じになればわかる話でございます。

 ただ、飯山盆地の千曲川における毎年の土砂堆積がどうなっているかということでございますが、我々としては、きちっと定期的に調査しておりますが、著しい堆砂は生じていないというふうに思っております。

篠原分科員 市川さんが心配しているのがよくわかります。僕は、これだけ認識が違うとは思いませんでした。土砂は確実にたまっているんですよ、その写真を見てもわかると思います。順序が逆で、グラウンドや何かに使っているというのは、土砂がたまってきたから、さっき牧原さんも聞いておりましたけれども、農地としてちょうどいいから使っているのであって、かつては違ったのに、土砂がたまってきた、それを農地として使おうというので、順序が逆なんですよ。

 今の西大滝ダムの関係も、これは違っていますよ、僕もそこに住んでいるからわかるんです。さんざん千曲川で遊びましたから、千曲川の変化、市川さんほどよく見ていませんけれども、わかるんです。

 飯山盆地はどういう特徴かというと、非常に危ういところなんです。プレートテクトニクスというのを皆さん御存じだと思いますけれども、太平洋のプレートが押し寄せてきて、日本列島はずんずん押し寄せられている。そして、長野盆地、飯山盆地は沈降しているんです。もう五十万年ぐらい前から沈降が始まって、八百メートル下がったんですよ。しかし、それはみんな山から出てくる土砂で埋まっている。だから、沖積層が物すごく多いんです。そして、ずっとたまり続けているという地理的要因があるわけです。

 今、西大滝ダムも一キロぐらいしか、そのぐらいしか上にまで影響がないんだとおっしゃいますけれども、違います。僕はしょっちゅう、桜もきれいで、今桜は満開です、植えてあるんですよ、見に行きますよ。だけれども、どれだけダム湖があるかというと、これは私は書物でしか知らないんですけれども、かつてはダム湖は八キロ先まであった、ダム湖の先端ですね。今、三・三キロぐらいまでしかない。つまり、土砂がたまっているわけですよ。常識で考えたって、狭いところへいって流れないようにしていたら、土砂がたまっていくのは当たり前だと私は思いますよ。

 今、十五メートル未満だからダムとは言わないというのもありました。これは、河川管理施設等構造令第三条で、基礎地盤から堤頂までの高さが十五メートル未満のものは余り適用しないというふうに言っておられて、堤だとおっしゃいましたけれども、そうしたら、これはダムじゃないんですか。十五メートル未満はダムじゃない、堤のようなものだ、だから影響ないとおっしゃっていましたけれども。

門松政府参考人 河川管理施設等構造令というのがございますが、そこでいいますと、今のそういう十五メーターを境にしてダムというのを規定しておりますが、私はそういうつもりで言ったのではございませんで、皆さん、ダムというと、大体堤高が四十メーターとか五十メーターとか、水もためますけれども砂もためてしまうような、上流にかなり影響するような施設をお思いになるのではないかという前提で、ダムという名前がついていますが、堰にちょっと毛が生えたようなものだということで、非常に感覚的なことで申し上げたところでございます。構造令でどうのこうのというつもりはございませんでした。

篠原分科員 これはやはり、私は何を申し上げたいかというと、一時間ぐらい議論したいんですが三十分しかないからやめますけれども、大臣の方はこれはおわかりになると思います。

 それは、人工的な手を加えてもいいんです。今ミチゲーションといって、もとに戻す、自然に戻すという公共事業も始まっているわけです。典型的な例でして、川をなるべくもとの姿に戻すというようなことをして、景観も維持しながらやっていくべきだと思うんです。

 どうしてかというと、洪水が起こると、上流の方で田んぼが少なくなって、保水能力がなくなったんだ、あそこを河川改修したから急に流れるようになったんだ、これは事実なんです。しかし、下流でダムでとまっているということを忘れている人たちが多いわけですね。

 特に、長野の場合は典型的なんです。もともと地形的に狭くなっているところに、あんなに多くの人たちがいるところにダムをつくっている。そして飯山のところの人たちはその被害を受けるわけです。それはやはり直していかなけりゃいけないんだと思いますけれども、河川法は、環境も考えるといって一九九七年に改正が行われているわけです。私は、こういうところを絶対この方向でいっていただきたいと思うわけですね。

 ダムも今度、二〇一〇年に更新期になっております。そして水力発電も、結構電力会社はいかがわしいことをしていて、四月二十一日の新聞各紙に取り上げられていましたけれども、十五水力発電所を処分。原発に対して日本国民は非常に敏感ですから、原発の改ざんデータ云々というのには敏感ですけれども、水力発電については余りぎゃあぎゃあ言われない。しかし、私は大問題だと思うんですよ。二〇一〇年に向かって、許可を取り消したりされたところもあるようですけれども、考えていっていただきたいと思うんですけれども、大臣いかがでしょうか。

冬柴国務大臣 河道計画というものは、洪水を安全かつ安定して流下させるということを基本として、それぞれの河川の特性に応じて、河道掘削や築堤などの改修方法を組み合わせて立案しているところでございます。

 また、河川環境に対する国民の関心は高く、生物の多様な生息あるいは生育環境の確保など、河川環境の整備や保全は極めて重要であるとも認識をいたしております。

 このため、国土交通省におきましては、平成九年に河川法を改正し、同法の目的について、従前の治水、利水に加えまして、河川環境の整備と保全ということを追加いたしました。例えば、河川事業については、従来のコンクリート護岸を使った単調な河川改修ではなく、川の特性を踏まえ、瀬やあるいはふちをつくる、魚がすみやすい湾処や魚道を整備するなど、可能な限り自然の特性やメカニズムを活用して、川本来が有する良好な環境を創出する多自然川づくりを河川改修を行う際の基本としています。

 さらに、平成十八年十月に、この考え方をさらに徹底するために、多自然川づくり基本指針を定めまして、関係機関に通知したところでもあります。今後とも、河川の景観や自然環境の保全に配慮した治水事業の推進に努めてまいります。

 河道掘削と築堤との関係、先生のなかなか説得力のある質問をずっと拝聴しました。ただ、私、ダムについてあちらこちらで議論があるたびに思うんですけれども、川との闘いの歴史だったんじゃないでしょうか。そういう意味で、上流に貯留する水というものをいかにして下流へ流していくのか。あるいは、それを流し過ぎると下流で大きな被害、下流の方は特によく人口密集がありますので、そういうものをどういうふうに防いでいくのかという英知というものが、一つのダムとかあるいは築堤というもので調整されてきているんだろうと思うんです。

 ダムをつくることによって、土砂がそこに堆積をして、そして今、海岸では砂浜がどんどんどんどん削られていくという現象もあります。そういうものをよく総合考慮しなきゃならないけれども、ただ、特性として、日本の列島というのは非常に長細くて、真ん中に高い山があって、そして流れてくる水はすごく速いわけですね。したがって、運ぶ土砂の量も大変多くて、堆積量も多いわけですから、それを河川掘削だけで本当に洪水を、いわゆる川との闘いに勝つことができるのかどうか。

 これは、いろいろな学説とかそういうものもありましょうし、それから、国土交通省としては、国民の安全と安心を担保する省庁だと私は思っているんですけれども、その観点からも、長い歴史、そしてまた多くの学者とかの意見を聞きながら行政を進めているわけで、現在、河道掘削あるいは築堤あるいはダムというものをいろいろ組み合わせながら、その河川ごとに多くの人の意見を聞きながら計画を立て、整備をしているというふうに思うわけでございます。

 ですから、非常に経験の深い、またそこにお住まいの、千曲川をずっと毎日見ておられる委員の御意見というのは大変貴重だと思うんですけれども、河川局は河川局なりに、今までの長い歴史あるいは多くの学者の意見を踏まえながら、またこの流域における人々の考え方をいろいろ集約しながら、最終的に安心、安全を担保するというのはやはり国の仕事だと思いますので、そういう国の立場として、固有の河川の改修方法というのを考え、審議し、そして決定して、整備をしているというのが、私がそのように信じている次第でございますので、いろいろと御理解をいただきたいし、また貴重な意見はいろいろと聞かせていただきたいと思います。

篠原分科員 もう大臣のおっしゃるとおりでして、官から民とか言っていますけれども逆でして、これは官が絶対責任を持たなくちゃいけないことだろうと思います。そのときにやはり住民の気持ちというのも酌んでやっていただきたいと思います。

 五ページに、私が書いたちゃちなものですけれども、堤防は堤防で役に立っている、ダムはダムで役に立っている。今大臣が触れられました海岸侵食の問題、ちゃんと土砂が行かなくなったから海岸侵食が起きている。信濃川河口でも四百メートルも陸側に後退したというのがあります。こういうのを考えたら、素直に流していくべきじゃないかというのが一つです。

 それから最後、ちょっと時間が超過してしまいますけれども、皆さんお気づきだろうかと思いますが、これは全然違う問題ですけれども、国会と議員会館の間のところの総理官邸のところは、国会議事堂駅前から渡るときに、右側に風力発電と太陽光発電のものができて、それで散水しているんですね。あれはなかなか、ちょっと前に始まったんですけれども、これはどのような目的で設置されたのかというのを御説明いただきたいんです。

宮田政府参考人 お答えいたします。

 平成十七年度、東京都と国が一緒になって行いました。国道二百四十六号の延長としまして三百五十メーター区間、ヒートアイランド対策ということで舗装、舗装に散水をして路面温度を下げる、その散水するポンプの電力を風力発電と太陽光発電でやっております。

 平成十八年度に行いました試験散水ということでいいますと、晴れの日の保水舗装の路面温度が一般的な舗装よりも平均約八度低減をいたしました。引き続き低減の効果を検証してまいりたいというふうに考えております。

篠原分科員 あれはそういうのでやられたんだろうなと思って見ていました。いいことだと僕は思います。

 では、資料の6をちょっと見てください。カラー刷りです。写っているのは私でして、去年ですけれども、これはどこかおわかりだろうと思いますが、第一議員会館の土手のところに私が菜種をまいたんです。菜の花議員連盟の重要な会員でございまして、これは菜の花を循環、今、電力を自前で、ソーラーパネルと風力でという、僕はいい考えだと思います。

 それで、菜種、昔はみんな日本じゅう菜種油で食べていたんです。それを、外国から安いから輸入すればいいんだと、またFTAとかEPAとかやろうとしていますけれども、私はあれは絶対間違いだと思っています。ここでできたものでやれるんだったらやるべきだと思う。菜種を復活する、油でも使え、ディーゼルでも使える、これは循環社会の象徴だと思っています。

 そして、ひそかに菜種を、ひそかにじゃないんですけれども、議員課に頼んだら、今まで長いこと勤めているけれども、そんな土手に菜種をまかせてくれなんて言ってきた変な議員はいないとかいって、見逃せと言ってまいて、見事に咲いています。今もまだちょっと残骸があって咲いています。工事しているところにもいっぱいその辺に咲いていますから見ていただきたいんですが、そこまでやられるんだったら、ぜひ私はあの中央分離帯にことしの秋は菜種をまかせていただきまして、あの中央分離帯というのを、景観も含めて菜種の象徴的なものにしていただきたいと思っています。こういうことをぜひ認めていただきたい、これは後で相談します。

 なぜこういうことを申し上げるかというと、これはいいことでして、その次の7のページを見てください。私は、日本人はやればできると。さっきのダムとの関係も、共生を考えていったら違う方法があると思います。

 これは皆さん、見覚えがありませんか。第一議員会館の下のキャピトル東急の前の工事のところです。これは僕は感心したんですよ。見てください。国土交通省が気がきいていて指導したのかどうか知りませんけれども、二十年前、三十年前、日本の工事中、どういうものだったでしょうか。皆さん、覚えておられますか。黒と黄色のあのグロテスクな工事中という。パリに行ったら、コンクリートの灰色と緑なんです、しまになっている。そしてもっといきなのは、完成した後の図がかいてあって、それで中で工事している。それが前の建物、要するに、景観を崩さないように配慮しながら工事をしている。日本は何て景観を考えない国だと思っていたら、見てください。壁のところに緑があり、かつ、緑だけじゃないんです、ツタを絡ませて、そしてやる。

 心を入れかえて、美観をちゃんと大事にしようと思ったら、日本の方がパリより、フランス人より進むんです。環境との共生は、私は日本人の心の中に備わっているいい特性だと思います。今までつくってつくってやり過ぎた。ちょっと自然を、緑を考えよう、循環を考えようといったらすぐできることなので、ぜひ、風力発電それから太陽光発電をやられるんでしたら、菜種にも御配慮いただくことをお願いいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

古屋主査 これにて篠原孝君の質疑は終了いたしました。

 次に、後藤斎君。

後藤(斎)分科員 大臣、大変お疲れさまでございます。

 今、菜種の黄色い話になったんですが、大臣、ちょうどこの四月で国鉄分割二十周年、JRがスタートして二十年になります。あわせて、私の地元でもあります山梨のリニアの実験線がスタートしてというかいろいろな実験をし始めて、ちょうど十年目になります。ですから、二十年、十年ということで、ある意味では節目の時期にこの決算委員会で大臣とお話ができることを大変うれしく思っています。

 私、いつもこの決算委員会か予算委員会の分科会で、地元のこのリニアを初め中部横断道、いろいろなことの確認を年に一度させていただいております。ことしは、特にそういう二十周年、十周年といろいろな節目の年でもありますが、去年リニアの問題をお話しさせていただいてから、三つ大きなリニアに関する出来事が起こっています。

 一つは、今実験線の主体でもあるJR東海の会長が、ちょうど二十周年のインタビューを受けた際に、これからはみずからが、もし無利子融資ができれば、八兆かかるJR東海の中央リニアをもっと前向きにしていきたいというお話もなさっているようでありますし、あわせて昨年は、今十八キロある実験線を四十二キロ、一応フルの実験線にするということで、三千五百億の予算額をこれから計上していくというお話もございました。

 あわせて、イノベーション25ということで、これはある前閣僚の方が、こんな報告書は、政府の報告書の中で初めてこんな悪いのを見たというふうに新聞で酷評している方もいらっしゃいましたが、この中にもちょうどリニアが、なぜこれは東京―大阪間五十分か、ちょっとスピードアップを二五年になるとしているようなんですが、東京―成田を十五分、東京―大阪が五十分。あわせて、これは今の環境問題を含めて、エネルギーが五〇%減少し、CO2排出量も七〇%減少する、こういう試算も前提に対応なさっています。

 あわせて、四月八日に二期目の当選を果たした神奈川の松沢知事が、首都圏八都県市で成田―羽田をリニアで結ぼうということを、これはマニフェストで提案をなさっています。

 そういうことも含め、大臣、やはりいろいろな意味の節目、実験線ができてちょうど十年もたちますし、もちろん技術的にまだまだ改良しなきゃいけない点もたくさんあるというふうには承知しています。ただし、先週の新聞だと思いますが、中国では、北京―上海を新幹線を通すのに、二千数百キロあるので、新幹線を通しても十時間かかる。非常に長い距離でありますが、このリニアというものが二五年よりも前倒しができて、なおかつ、いろいろな緊急時の問題も実験線の早期実現の中でクリアにして、やはり国家プロジェクトでやる。ただ、国も自治体ももちろん財政難ということでありますから、葛西会長がお話をされているように、もし政府が無利子融資してくれればみずからでできるというような力強い発言もあります。

 それについて、大臣、私は毎年これを確認させていただいていますが、冬柴大臣におかれましても、ぜひ実験線の早期実現、これはJR東海が主体でありますが、あわせて、実用化に向けて、ぜひ強い決意で、国家プロジェクトというような位置づけも含めてお願いをしたいと思いますが、その点についてはいかがでしょうか。

冬柴国務大臣 私もリニアには、参りまして、乗って感心しました。その乗り心地がいいのと、加速がすごいのと、すごいスピードでした。それも過去最高のスピードだったらしいんですね、私が乗ったときは。すばらしい技術だというふうに思います。

 ただ、これは中国へ行ったときに、だれとは申しませんけれども、朱鎔基首相が大変この導入に熱心で、それで上海に入れたわけですけれども、最近、日本の技術者というのはすばらしい、技術者のかがみだということで絶賛しているというんですね。

 というのは、自分も乗った、あれは完全にでき上がっている、しかし、我々がそれを導入したいと言ったときに、まだ我々としては残された実験があるということを言って売らなかった。我々は、ドイツの、あれはシーメンスですかね、入れましたけれども、日本がそのような大きなプロジェクトをこちらが非常に懇切丁寧にお願いしているのに断ったということは、技術者としてはかがみだということを今言っているということを聞きまして、ああ、そうかなと。

 それで、我々のこの問題、私も乗せていただいたし、すばらしいと思っているんですけれども、これをどうするのかということについては、超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会というものが、もちろん御存じのとおりですが、ありまして、今後の技術開発の方向性についての提言をいただいているわけでございます。

 この提言では、評価委員会は、平成二十八年度までに実用化の技術を確立することを目指すとともに、将来、技術評価を行い、その結果を踏まえ、必要に応じて技術を改善していくこととするという提言をいただいているわけでございます。

 この提言を踏まえまして、鉄道総研それからJR東海及び鉄道・運輸機構から、技術開発の期間を平成二十八年度までとする技術開発の基本計画等の変更申請がありまして、ことし一月にこれを承認したところでございます。

 国土交通省としましては、平成二十八年度までに、他の交通機関に対して一定の競争力を有する超高速大量輸送システムとして実用化の技術を確立することを目指す所存でございます。

 なお、いろいろな方が、これを使って幹線鉄道を整備すべきだという意見を言われるんですが、我々、中央新幹線については、全国新幹線鉄道整備法に基づく基本計画路線として、現在、地形や地質等の調査を実施中でございます。

 それから、基本計画路線である中央新幹線の整備につきましては、現下の厳しい財政状況等の中で、今後の経済、社会の動向、東海道新幹線の輸送状況及び他の整備新幹線の整備状況等を勘案しつつ、長期的に検討すべき課題であるというふうに、余り御納得いただけないかもわかりませんけれども、そのような大きな流れの中で、整備新幹線というのは今北海道も東北もそれから九州も進めておりますが、これを政府・与党申し合わせに基づいて確実に実施するということが今当面の問題で、それだけで財政面では筒いっぱいになっているわけです。

 それ以上に広げるという場合には、新しい財源を見つけてくるということが必要でございますし、中央新幹線については、これをどのようなもので、従来のものでやるのか、それともリニアでやるのかは、まだ国としては決まっていないという段階でございます。

 しかし、リニアがあそこまで成熟しているということは、非常に私にとっても日本の国にとっても誇りであり、またこれを育てていくべきだというふうに思っています。

後藤(斎)分科員 大臣、先ほどのイノベーション25の中間取りまとめ、二月二十六日、これは高市大臣が担当大臣でありますが、その冒頭に、二〇二五年までに日本が目指すべきイノベーションの姿について、学界、産業界の有識者の英知を集め、来年二月末ですが、その際に、この中間取りまとめをもとに、総合科学技術会議等を活用し、これを実現する戦略的な政策のロードマップを策定する。

 これは総理から昨年指示があったというふうなことが冒頭にありますが、大臣、今のような財源の問題もありますけれども、あくまでもこの評価委員会の提言も平成二十八年度までにという、大臣、までですから、前倒してはいけないという、まだそういう縛りはないはずなので、あわせて、先ほども触れさせていただいたように、JR東海の葛西会長も、自主財源でもというようなお話も、これは私が直接確認しているわけではありませんが、報道ではそういうふうなお話もされています。

 大臣がお話しされた諸事情というのはよくわかりますが、ぜひ前向きに目標に向かって、やはりできることはきちっとしていく。そうでないと、多分、あと十年たっても同じようなお答えだと私もちょっとげんなりしてしまいますので、きょうは局長ほかたくさんの幹部の方もおいでいただいておりますので、ぜひ前向きに対応をお願いしたいというふうに要望しておきたいと思います。

 次に、これも例年質問させていただいておりますが、これは中央リニアではありません。今、中央線、「かいじ」とか「あずさ」とか、三月十八日からJR東は全面禁煙、喫煙車両がなくなったという、私にとっては少し残念なんですが、これは時代の流れなのでやむを得ないんですが。これも中央線を、新宿―甲府間、六十分で行こうということで、一月二十一日に新しい知事になられた横内山梨県知事も非常に関心を持って対応なさっています。前知事の山本知事も、この問題については、昨年鉄道局長とお話をさせていただいた際には、まだまだ地元の要望は弱いよ、あくまでも実施主体はJR東さんだよというお話を伺っています。

 それ以降、いろいろ地元の甲府市やJR、「あずさ」の終点の松本市も広域で少し住民運動をしていこうということで、昨年の十二月十九日にJR中央線の高速化推進連絡会というのを設置されているようであります。そして、第二回をことしの三月十六日にやり、来年の二月から三月、ちょうど一年弱でありますが、中央線の関連市町村の方々もお集まりいただいて、その同盟会を東京で設立しようということで、今いろいろな準備を各自治体がやられています。

 そういう中で、もちろんいろいろな問題点は、複々線の問題であるとかあると思うんですが、ぜひこれについても、昨年こういう地域でもそういう声が上がっているということを踏まえて、現時点で国土交通省は、このJR、「あずさ」ということでも結構ですが、中央線の高速化についてどのような御見解をお持ちか、お答えをいただきたいと思います。

平田政府参考人 お答えいたします。

 JR中央線の新宿―甲府間の高速化の状況でございますが、これまで、JRの方が施設改良や新型車両でございます「スーパーあずさ」の導入等に取り組んできてございます。その結果、現在の表定速度でありますけれども、新宿―八王子間につきましては時速八十キロ、八王子―甲府間につきましては時速九十六キロメートルとなっておりまして、新宿―甲府間の所要時間につきましては、昭和六十二年と比較いたしますと約十一分ほど短縮されて、現在では最速一時間二十三分となっているところでございます。

 在来幹線鉄道の高速化につきましては、今委員御指摘のとおりでございまして、基本的には、輸送需要の動向、収支採算性などを総合的に勘案した上で、事業者の経営判断により行われるべきものでございまして、まずは、沿線自治体と鉄道事業者との間で十分な検討を行い、費用負担を含めて、案件の成熟度を高めていただくということが重要ではないかと考えております。

 JR中央線の今後のさらなる高速化につきましては、JRによりますと、中央線の高尾以西につきましては、多数の狭いトンネル、それから小半径曲線、急勾配があるということなどから、さらに抜本的なスピードアップを目指すためには短絡線などの巨額の設備投資が必要であるということでございます。

 通常、こういったようなケースでありますと、委員御案内のように、県が中心となって、沿線自治体、それから事業者などと相談をしながら十分に検討していただくことになります。JR中央線の高速化につきましては、山梨県が中心となって、県レベルでの広域的な期成同盟会の設立に向けた事務レベルでの連絡会が昨年十二月に立ち上がったところと聞いております。

 今後、こうした取り組みによりまして、関係者による検討が進んで、案件の成熟度を高めていただくことを期待しております。

後藤(斎)分科員 もう一点、今度は道路の方にお話を移らせていただきます。昨年もお聞きをしておりますが、中部横断道の話であります。

 昨年二月の国幹審において、富沢から六郷という部分が新直轄、二十八キロメートル、すなわち、新直轄方式と有料道路方式で、同時並行で整備するということで決定をいただいたところでもあります。それから一年ちょっとしかたっておりませんから、まだまだ、用地買収であるとかそういう諸手続を県また関係市町村と協力しながらやっているというお話であります。

 これについて、新直轄が決まっても、この事業費というのが今どうなっているのかちょっとよくわからない点がありまして、道路というのは、これはすべての委員が、特にこういう地元の要望のときは、あるものはつなげて、できるだけ早期にという二つは、異口同音にお話をしているところでありますが、この点についても、新直轄で決定をされたものの、なかなかその財源論が決定されていないという話を聞いております。この点について、ぜひ前向きにお答えをいただきたい。

 あわせて、北杜市、インターでいうと長坂インターというのが中央道にございまして、そこから長野県の佐久、これはまだ整備計画区間へ格上げがされていない基本計画の部分でありますが、どのような条件が満たされれば整備計画へ格上げになるのか。

 あわせて二点についてお答えをいただきたいと思います。

宮田政府参考人 お答えいたします。

 まず、新直轄区間、富沢―六郷インター、二十八キロについてお答えを申し上げたいと思います。

 平成十七年度に事業着手をいたしまして、平成十九年度には調査、設計及び全体の三割程度までの用地買収を行いたいというふうに考えております。事業費でございますが、十八年度当初事業費は十億でございました。十九年度、今年度の当初事業費は二十億ということで考えております。倍増でございます。

 これからも一生懸命、効率的な事業の進捗に努めてまいりたい、こう思っております。

 二番目のお尋ねの長坂―八千穂間、三十八キロでございます。

 平成九年に基本計画の決定を見ております。御案内のように、道路公団の民営化に伴いまして、そのときに整備計画が出ておりました九千三百四十二キロ、これを超えては、会社でやるか、あるいは新直轄でやるか、そういうことが具体的には決まっておりません。会社で行う場合は、今までは施行命令あるいはプール制で償還期間は延びていく、これがいずれも、償還期間四十五年、それから施行命令は大臣の方から出さない、自主的に対応していただくということでございますので、今からそういう事業手法とか事業主体、そういうものを一生懸命検討していきたいと思います。

 そういった場合の、整備計画に上げていくための条件というお尋ねもございました。やはり、有料主体でありますと採算性というのが一番目の条件になると思いますし、直轄でやっていくといったときには費用対効果がどういうふうになるかというのが条件になろうかと思います。

後藤(斎)分科員 局長、先ほどお答えいただいたように、新直轄の部分も、十八年度、十九年度、倍増になっている。これは大変ありがたいことなんですが、一方で、昨年国幹審で議論をされ決定をされたときに、中日本道路株式会社も平成二十八年から二十九年と一応目標を、今まではいつかというのがなかなか見えにくかった部分が、昨年から、国交省さんの直接の事業にしても、中日本、西日本、東日本、いろいろな高速道路株式会社についても、目標を決めるようになりました。あと百キロくらい実は残っていまして、二十億だと、ちょっと何年かかるか逆算すると、もう二、三十年かかってしまうんじゃないか。

 ですから、目標を置いた以上は、先ほどのリニアもそうなんですが、やはりその目標に向けて当然財源というのが、ないそでは振れないということもあると思うんですが、その辺についてはぜひきちっと。

 だから本当は、二十七年とか二十八年、二十九年とあるのであれば、今後十年間の総額の予算というのが、昔だったら計画でできたんでしょうけれども、今はそういう時代ではないので、なかなか大臣といえども、総額、十年間の予算をこうつけるよと言ったら大変世の中的に、何でというふうにクエスチョンマークがつく部分があるかもしれませんが、やはり総額がないと、単年度の予算、どのくらい支出をしていくか、予算を計上するかということが決まってこないと思うので、その点についてはどのようにお考えか、簡単で結構ですからお答えいただけますか。

宮田政府参考人 重要な御指摘をいただきました。まさに、昨年末に閣議決定いたしました道路特定財源に関する見直しの具体策、そこの部分に触れていただいていると思います。真に必要な道路整備は計画的に進める、そのために中期計画をつくるということでございますので、私ども、中期計画を早くつくりまして、年内に政府で決定していただくようにお願いを申し上げている次第でございます。

後藤(斎)分科員 ぜひその中で、優先的とはなかなかお願いをしにくいんですが、必要な道路だというふうに地元では特に思っておりますので、静岡と長野、新潟まで縦軸の、本当に横断という部分では、中部横断道は余りない高速道路の体系だと思いますので、これからの国土形成計画の中においても多分重要な位置づけになると思いますので、ぜひその点も含めて御検討をお願いしたいと思います。

 次に、もう少しマイナーにというか小さい議論になるんですが、山梨のちょうど甲府を中心として、新山梨環状線という道路体系が、環状ですから円になって、今工事が進んでいます。

 特に、中部横断道に併設というか、その下を上手に使って、その新山梨環状線の西区間は既に完成をしておりまして、今南部区間の整備が、来年度、十九年度の末ですかに向けて工事が着々と、再来年度ですか、二十一年の三月開通予定ということですから、進んでおりますが、東部区間と北部区間、ですから東と北、上と右の方がまだまだ、環境アセスであるとか地域の皆さんの同意ということで、なかなか進んでいない状況であります。

 これは、県が対応する部分と、国交省が、特に北部区間については直轄で対応なさるという仕組みの整理はされておるんですが、これについても、やはり円で結んでという環状線の本来の機能を発揮するために大変必要だということで、これも本当にもう二十年近く、長い時間軸をかけて今に至っています。

 これも昨年、大体十年以内に東部区間、北部区間も完成予定だということで、パブリックコメントも含めて提案をされているところでありますが、現在において、新山梨環状線、東部区間と北部区間、今後の見通しについてお答えをいただければと思います。

宮田政府参考人 委員がお話しになりましたように、西部区間はできておる、南部区間は事業が進捗をしております。その次に手順が進んでおりますのが北部区間十五キロでございまして、都市計画決定に向けまして、平成十七年三月に環境影響評価の手続に着手をいたしました。平成十八年三月、昨年の三月から環境現況調査を進めております。早く調査を終えて都市計画決定をするということだろうと思います。

 それから、東部区間九キロでございますが、これがもう少し手前の段階ということで、住民の方々に情報を広く公開して意見を伺って計画づくりに反映する、いわゆるPI、パブリックインボルブメントという方式を取り入れまして、平成十七年五月にそのための協議会を設立して、おおむねのルート位置や基本的な道路構造について議論を進めております。平成十八年八月、昨年の八月には環境影響評価の手続に着手したところでございます。追っかけ進めてまいりたいと考えております。

 いずれにいたしましても、早期完成に向けて、山梨県と協力いたしまして計画の取りまとめを図ってまいりたいというふうに考えております。

後藤(斎)分科員 ぜひそれについても早期に、全部早期、早期でと失礼かもしれませんが、前向きにお願いしたいと思います。

 道路についてもう一つだけ、これは国母の交差点で、もう少しまたミクロの世界なんですが、二十号線、現甲府バイパスと昭和通りという県道があるんですが、そこが山梨県有数の渋滞。特に、渋滞損失時間という、最近国交省も県も、道路行政の中で、渋滞見える化プランとか交通安全見える化プランとか、いろいろなことで見える指標で優先順位を検討していただいています。その中でも、特に渋滞損失では県内平均の三十五倍であるとか、事故が、最大事故という定義だそうですがワーストワン、県内平均の五十一倍、運転中にひやっとした体験箇所でもワースト一位という地域であります。

 これは以前も、十年、二十年前からこの渋滞が指摘をされ、地下道を掘って渋滞緩和をしようとか立体化をして渋滞緩和をしようとか、いろいろなお話がありましたが、基本的には平面の中でやるということが四年ほど前に決められて、まだなかなか工事が進んでおらないんですが、先ほど指摘した見える化の中でも、本当に県内でも悪いナンバーワンの地域であります。

 それについては、国交省としてどのような取り組みを今なさって、この渋滞解消の見通しも含めて、端的で結構ですが、あわせてお答えいただけますか。

宮田政府参考人 ただいま御指摘の国母交差点でございますが、確かに県民アンケートでもナンバーワンの渋滞が激しいところという御指摘をいただいております。

 改良事業を進めます。国道二十号に左折レーンを設置する、それから、交差する地方道、市道に右折レーンを設置するということで、十九年度は用地買収それから一部の工事に着手をしたいと考えておりまして、今申し上げました工事を平成二十年度に完成させたいというふうに考えております。

後藤(斎)分科員 大臣、最後に、もうまとめの時間に入ってしまいましたので。

 今、都市と地方の格差であるとか、実際、東京では本当に、五十階、六十階建てビルが民間のお金でどんどん、にょきにょき、今でもまだ何十棟と建っております。一方で、田舎というか地元の方に行きますと、確かにマンションの一部、全国チェーンをしている業界の部分では、そういう新規のある程度大きなものもできていますが、平成四年が建設投資ということでは八十四兆円をマークして、それから十五年たちました。現在ではその半額ぐらいだというふうに言われています。あわせて、政府投資、国と地方自治体の建設投資というのも、平成七年をピークに減少し続けて、今は半減をされているというふうに言われています。

 平成十九年度予算においても、国交省もそうです、国もそうですし、地方自治体も、もっと削っていかなきゃならないということで、いろいろなプランをつくりながらやっています。

 ただ、御案内のとおり、地方では建設業というのは地場産業の大きなウエートをまだまだ占めていますし、雇用人口においても、まだ就業人口の一割、六百万に近い方がお仕事をされている、これも事実であります。

 実は大臣、私、たまたまですが、地元の建設新聞みたいなものをちょっと読んでいましたら、いろいろな御努力をいろいろな部分で大臣がされているのはわかるんですが、これは質問通告してありませんが、四月二日のほとんどの事業の中で、六件あるんですが、例えば一件だけ御紹介しますと、甲府河川国道河川工事技術補助業務ということで、公募型プロポーザル、入札したのが関東建設弘済会、予定価格が四億六千二百万、落札価格が四億六千万という数字で、ほとんど、九九・何%で落ちています。

 これはほとんど随契に近い契約手法だということで、これは社団法人で、関東整備局ですか、これと連動して、幾つも全国にエリアがあるそうなんですが、やはり中小企業の経営者の方、特にそこで働く方も含めて、冒頭申し上げました、まだ地域で本当に大きな役割を果たしているものの、やはり時代の流れの中で、公共事業にコストをかけられないという、この国や地方自治体の大きな流れは当然のことなんですが、その努力をこういう形で、社団法人の、まあ技術力が当然あるという前提だと思うんですが、これを見ると、地元で努力をしている中小企業の建設業者の方は、国が発注する分で何でまだ随契が残っているんだとお考えになっている方もやはりたくさんいるようなんです。別に百人にアンケートをとったわけじゃありませんが、そういう指摘もございます。

 こういう部分で、これからはやはり、地方、特に中小の建設業者の方が先行きが見えない中でまだ御努力をされるという前提で、どのようにこれから国土交通省が、建設業全体を育成するという観点も含めて、その役割を担っている大臣として、どんな形で、地方、特に中小企業の建設業の方に将来に対して希望を与えるような施策をということで、最後にお答えをお願いします。

冬柴国務大臣 地域の建設業というものは、整備がおくれています社会資本の整備等の担い手としても大変重要でありますし、また、先ほどもおっしゃいましたように、地域の雇用の機会を大きく提供しているという意味でも大変大きな働きをしておられます。また、私ども地震に遭遇したときに、自分の家が壊れているのに、復興住宅の建設のために、あるいはその電気工事のために駆けずり回っておられた建設業、電気工事業の人たちの姿を私は知っていまして、非常に大事だというふうな認識をいたしております。

 しかしながら、おっしゃったように、我が国土交通省における公共事業予算も、ピークの平成十年、十四兆九千億ありましたけれども、今年度、これが六兆九千億と半分以下に減っています。したがいまして、この公共事業に経営の大きい部分を依拠していました中小企業建設業者は塗炭の苦しみをしていらっしゃるということを知っております。

 我々としましては、これは何とかしなきゃいけないということで、今御指摘いただいた発注方法、それはちょっと古い話じゃないかなと僕は思うんですけれども、今発注は、随意契約というのはごく一部のものを除いてやめました。そして、来年度からはこれを、六千万以上のものは全部一般競争入札とするというところまで決めておりまして、入札機会もふえることだと私は信じております。

 それで、入札のときに、一般競争入札と総合評価方式とかボンドとかあるんですが、総合評価方式をとってほしいということも申しています。ただこれは、国がやっているような手続でやりますと大変面倒くさいわけでございまして、簡易な形で地方都市でもこれを採用していただけるような方式というものを提示いたしまして、これの採用をお願いしているわけですが、その中に、例えば、本店がその地域にあるかどうかとか、あるいはその地域でどのように裨益をしていただいているかというものを評価の項目の中に入れることにいたしております。

 また、業者の、格付と言ったらあれですけれども、これについても、そういう問題をもう少し大きく評価したらどうかということも、そういうふうに進めて、地方の中小企業の方もひとしく入札、落札の機会は与えられるようにしたい。できれば、余り大口になりますと、ランクがありますから、この金額を分離発注とか分割発注というような形で工夫をして、その土地の中小企業の建設業者も入札資格があるように配慮していただきたいというようなことも申しているところでございます。

 そのほか、建設だけでは分母が少なくなっていますから、したがって、いろいろな、福祉とかあるいは農林水産とかそういうような場面にも、地域で長くいらっしゃるわけですから、こういうところで進んでやられることについても我々は支援したいということで、政策を進めていきたいと思っております。

後藤(斎)分科員 大臣がお答えいただきましたように、税の適正執行というのは当然のことでありますけれども、地方のという視点もぜひお願いしたいのと、ちなみに、先ほどお話をしたのは、ことしの四月十七日の新聞で、四月二日の部分で、新しい分、ちょっとまたそれは事務的にやりとりさせていただきます。

 以上で終わります。ありがとうございます。

古屋主査 これにて後藤斎君の質疑は終了いたしました。

 次に、福島豊君。

福島分科員 大臣、大変御苦労さまでございます。

 私の地元、門真市、守口市、大阪府でございますが、大阪市の旭区、鶴見区、その地域の課題につきまして、何点かお尋ねをさせていただきたいというふうに思っております。

 まず初めに、第二京阪道路の整備につきましてお尋ねいたしたいと思います。

 ようやく門真市域におきましても橋脚の建設等がスタートいたしました。これは、門真から寝屋川、枚方、京都に向かいますと渋滞が大変慢性的に起こっているわけでありまして、そうした渋滞を解消するために極めて重要な道路である。と同時にまた、門真の南部地域のまちづくりにおいても中核的な存在となるわけでありまして、この第二京阪道路の供用開始によりまして、門真自身の姿も大きく変わっていくだろうというふうに考えられるわけであります。

 平成二十一年に供用開始ということになっておりますが、今後の見通し、また周辺の整備等も含めまして、着実に、そしてまた予定どおりにやっていただきたい、その思いでございます。大臣が青春時代を過ごされた門真でございますので、ぜひ一日も早く供用開始、また周辺の整備を完成していただきたい。この点について御見解をお聞きしたいと思います。

冬柴国務大臣 第二京阪道路は、名神高速道路、近畿自動車道及び京滋バイパスと一体となって京阪神地域の広域幹線道路網を形成するとともに、一般国道一号の慢性的な交通渋滞の緩和、また、交通安全の確保等を目的とする京都市伏見区から大阪府門真市に至る二十八・三キロメートルの道路でございます。

 このうち、巨椋池インターチェンジから枚方東インターチェンジの間の十・五キロにつきましては、平成十五年三月、供用を開始したところでございますが、さらに、京都府内の阪神高速油小路線から巨椋池インターチェンジの〇・九キロメートルにつきましては、十九年度供用を目標に工事を推進しているところでございます。

 また、大阪府に残る枚方東インターチェンジから門真ジャンクションの十六・九キロメートルにつきましては、用地交渉が、非常に難航案件が残っているのでございます。土地収用法に基づく事業認定の告示を昨年の八月に受けまして、平成二十一年度供用を目標にぜひ供用を開始したい、懸命に努力をさせていただいているところでございます。

 今後は、平成十九年度末までに用地取得をおおむね完了するとともに、主要な工事をすべて発注する等、平成二十一年度の一日も早い全線供用を目指して、鋭意事業の推進に努めてまいる所存でございます。

 また、都市計画道路の寝屋川大東線を初めとする周辺地域から第二京阪道路に接続する道路、たくさんありますね、これにつきましても、第二京阪道におくれることがないように、供用できるように調整を図りつつ、大阪府及び沿線自治体による整備が進められているところでございます。

 ちなみに、六十一件、今難渋しているところがあるんです。うち門真市は三十一件でございまして、ぜひ、地域選出の代議士として、収用じゃなしに、この周辺の発達のために皆さんが、我々はもう予算も確保し、これは実際は予定より二年おくれちゃうんですね。その主な案件がこの六十一件でございまして、そのうち半分が門真市だということがありますので、我々は収用してでもきちっとやらせていただくという決意ではおりますけれども、それはもう最後の最後のことでございまして、ぜひ、その事情を皆様方に御喧伝いただきたいと私は思います。

福島分科員 大臣の御指摘のとおりでございまして、地元自治体としてもしっかりと、事業が円滑に進むように努力していかなきゃいけないということは事実だと思います。今までもるるお話ししてまいりましたけれども、引き続きそうした地元の取り組みを促してまいりたいと思いますし、そしてまた国としてもしっかりとやっていただきたい、このことを要望いたす次第でございます。

 そしてまた、第二京阪道路の問題というのは、淀川左岸線からの延伸の問題と直結するわけであります。第二京阪道路は近畿道とジャンクションをつくりますけれども、そこからさらに環状線として淀川左岸線と接続する。これは、既にそうした構想につきまして、有識者の検討会議において、どういった方式がいいのかということについて、方向性が一定示されているということでございます。この点について、着実に今後の道路整備の中で位置づけていただきたいという要望が一つでございます。

 一方でまた、大阪市を初めとしまして、懸念しておりますのは、地下化という方向性が検討会議の方で示されておりまして、非常にコストがかかるのではないか、こういう話があろうかと思います。そのときの地元の負担のあり方についてもぜひ十分御配慮いただきたいというふうに思っております。

 そしてまた、第二京阪道路と近畿道のジャンクション、そこから西に向かいますと、北側には花博が行われた鶴見緑地公園というのが今存在いたしております。そこは大阪の環境の一つのシンボルというようなところがありまして、そういう意味では、周辺住民は、こうした道路につきましても環境に十分配慮していただきたい、こういう御要望があるところも事実でございます。

 地元負担の問題や環境についての配慮、こういったことを踏まえながら、しかし、なおかつ着実にそうした方向性を示していただきたい、このように思っているわけでありますけれども、政府としての御見解をお聞きしたいと思います。

宮田政府参考人 お答えをいたします。

 先ほど御質問のありました、第二京阪道路が近畿道にぶつかりまして、そこの中を抜ける道路ということで極めて重要な道路だと認識しております。

 委員お話しになりましたように、十六年の三月に淀川左岸線延伸部有識者委員会を設置しておりまして、パブリックインボルブメント方式を取り入れて、必要性や概略ルート、構造などについて検討を進めてきております。昨年の十二月十五日に委員会より、トンネル構造を主体としたおおむねのルート案、推奨すべき計画案として示していただいております。

 今後は、いただいた提言を踏まえまして、都市計画手続の着手に向けた調整を速やかに進めてまいりたいと思います。

 それと並行して、おっしゃいますように、環境への配慮でありますとか、あるいはどういう事業手法で、どういう役割分担でやるかということを関係自治体と詰めていく必要がありますので、一生懸命その辺もやってまいりたいと考えております。

福島分科員 よろしくお願いいたします。

 そしてまた、この道路の整備に関連してきますのは、大阪市の旭区内の国道一号線、これは都市計画におきまして、幅四十メートルに拡幅をする、これは戦後余り時日を経ない時期にこうしたものが定められたわけでございます。自後、非常に長い年月がたったのでありますけれども、いまだに拡幅ということについては事業化されておらない。周辺の住民の方々、土地を所有の方々は、人口密集地帯でございますから、やはりできるだけ高度に土地利用したい、こういう要望が強い。そしてまた、これは私も亀井先生が大臣でありましたときにも質問させていただきまして、足かけ十年ぐらいになりますけれども、何とか見直しができないものか、こういうことを問いかけておるわけであります。

 昨今、都市計画道路につきましては、日本も人口減少社会に入りまして、これからの道路の交通の需要というのはどの程度になるのかということも含め、都道府県、そしてまた政令市もさまざまな検討を行っているところでございます。

 ぜひとも、こうした淀川左岸線から第二京阪道路への連結ということも前提としながら、都市計画の見直しにつきまして前向きな御指導をいただけるようにということで要望させていただく次第でございますが、この点についての政府の御見解をお聞きしたいと思います。

宮田政府参考人 御指摘のように、昭和二十一年に四十メーターの幅員で都市計画決定をされておりまして、ずっと現況二十四メーターの幅員でつくっております。四車線に対しまして一日当たり三万一千台ということでございまして、今のところ目立った渋滞は起こっていないということでありますし、第二京阪ができますれば今後も大きな交通状況の変化はないだろうと我々は考えております。

 こうしたことも勘案いたしまして、国土交通省といたしましては、大阪府、大阪市と一緒になりまして、都市計画の変更も含めて、今後の当該区間の道路計画について検討してまいりたいと考えております。

福島分科員 よろしくお願いをいたします。

 そしてまた、近畿道のことについてちょっとお尋ねいたしたいと思います。

 二点ございますが、まず一点目は、昨今、ETCの導入によりまして、高速道路の料金のさまざまな課金体系の見直しということが行われているわけであります。私も、阪神高速に乗りますと、払い戻し料金、こういうふうにETCの機械がしゃべりますと、よかったなという思いを強くしているわけでありまして、ぜひともさまざまな工夫をしていただいて、利用者にとって本当に理解していただけるような、そういう取り組みをぜひとも進めていただきたい、このように思うわけであります。

 守口は、名神高速吹田ジャンクションから近畿道に移りまして向かいますと、摂津南というところでおりるわけであります。摂津南でおりましても、近畿道は定額料金で、一律五百円でございますので、五百円を支払わなきゃいけない、こういうことになっております。ただ、平均的には十二キロ強ですか、これが五百円に相当する距離でありまして、吹田ジャンクションから摂津南までですと大体その半分ぐらいの距離しかないわけであります。そういう意味では、非常に割高感がある。しかも、これに併走します中央環状道路は非常に渋滞いたしますので、したがって、上を利用したいという人も多いわけであります。しかし、利用するとやはり五百円取られる、こういう話になります。

 出口が狭いという道路の構造上の問題があって、料金所はなかなか設けにくいところが近畿道には多々あるというふうに伺っておりますけれども、しかし、出口のところにETCの機械を設置することによって、今言ったような払い戻しのようなことが可能になるんじゃないかというふうに私もしばらく思っておりました。

 これも、実は近畿道の会社がどう判断するか、こういう話になるわけでありますけれども、この点についても、今後の高速道路の課金体系の見直しの中で適切な御指導をしていただけるように要望いたしたいと思っておりますが、政府の御見解をお聞きしたいと思います。

宮田政府参考人 御指摘のとおり、平均十二キロのところを六・九キロということでございまして、吹田―摂津南間は非常に割高感が強い、そういう御指摘は承知をしております。他方、確かに下も込んでおりますが、近畿道は十万台近く交通量がありまして、まけるとまた近畿道もたくさん込むというジレンマもございます。

 最初に御指摘いただきました、いろいろなネットワークを強化して、全体をどう走りやすくするか、そこの中で料金をどうセットするかということでございますが、確かにETCが普及してきておりますので、出口にETCの装置を置くということも可能になってきております。昨年十二月に閣議決定されました道路特定財源の見直しに関する具体策の四番目でも、国民の期待の強い既存ネットワークの有効活用を図るための料金値下げということもございます。

 ことしは料金実験ということも考えておりますので、全体の中で考えてまいりたいというふうに考えております。

福島分科員 また、近畿道と阪神高速の連結の問題でございます。

 阪神高速の守口線と近畿道は接続を実はいたしておりません。そしてまた、この地域というのは慢性的な渋滞地域になっております。昨年でございますけれども、都市再生地域の第一回目に指定をしていただきました大日の三洋電機の工場跡地に大規模なショッピングモール及びマンション等の建設が進みまして、そのオープニングがなされました。そうしたことに伴う道路の渋滞ということも発生いたしております。

 こういったことを考えますと、少しでも高速道路から下におりてくる車両の数を減らす必要がある。そういったことから、大阪府議会におきましても、地元の柏原議員等がこうした御指摘をいたしました。ぜひとも、高速道路の間での接続を進めて、阪神高速の守口線、そしてまた近畿道の直接のジャンクションをつくることによって渋滞を緩和すべきである、こういう指摘がありまして、そしてまた、国幹審でも一定の方向が示されているわけであります。この点についてぜひとも早期に整備をしていただきたい。

 私も、毎週毎週、伊丹空港に向かうときに渋滞の中をくぐり抜けて行ったり来たりいたしておりまして、ぜひ渋滞の解消を図っていただきたいというのが周辺住民の要望でもあるし、また、渋滞地域であるがゆえに、大変、排気ガスによる大気の環境の悪化ということもあるわけでありまして、一日も早い整備をお願いしたい。この点について政府のお考えをお聞きしたいと思います。

宮田政府参考人 委員御指摘になりましたように、昨年の二月に開催されました国幹会議で、この守口ジャンクション、西日本高速道路株式会社と阪神高速道路株式会社に事業許可を出しております。整備計画を策定して事業許可を行ったということでございまして、現在、大阪府におきまして、十九年度内の都市計画決定に向けて関係機関との調整を行っております。事業許可では、平成二十五年度を目途に完成するということでございます。一日も早い完成ができるように努めてまいりたいと考えております。

福島分科員 本日、警察庁にもお越しいただいておりますが、この周辺の道路の構造が非常に複雑になっているということがあります。とりわけ、阪神高速の守口線の上がり口、そしてまたおり口のところがありまして、そこのところは実は歩道橋が全体をまたぐような形で整備されておりまして、下には歩道はありません。

 しかしながら、高齢化が進むようになりまして、非常に長い歩道橋でありまして、多くの地元の住民の方は、そこを利用せずにといいますか、利用するのも大変だということでございますけれども、下を歩いて、また自転車で、周辺の状況をうかがいながら、車が出てくるか出てこないか、これをうかがいながら渡っている、こういう実態がある。日に数百人の方が渡っておられるようでございますけれども、安全性ということから考えるとやはり憂慮すべき事態である、こういう指摘が地元ではなされております。

 構造的に非常に複雑でありまして、どのような構造にできるのかということについては、いろいろな考え、また御指摘もあろうと思いますが、そうした地元の状況につきまして、きちっと府の方におきまして調査の上、またしかるべき対応を進めるようにということで、ぜひ国から指導していただきたい、それが私どもの思いでございまして、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。

矢代政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の交差点につきまして大阪府警に確認いたしましたところ、この場所については、交差点改良、部分的な改良になりますが、これをお願いいたしまして、それを前提として横断歩道を設置する方向で検討を行っているということでございます。したがいまして、御指摘の問題は大阪府警において適切に対応されるものと承知しております。

福島分科員 大変ありがとうございます。

 続きまして、次は川の問題について入りたいと思いますが、私の地域には淀川が流れております。淀川につきましては、扇大臣のときにも、淀川の舟運、船による運航ということでございますが、最近、さまざまな形で注目されております。河川を生活に生かしていく。特に、緊急時におきます物資の輸送ということについて河川が果たす役割というのは、極めて大きなものがあるわけであります。

 現在、緊急用の船着き場の整備ということで鋭意お取り組みをいただいておりますが、その状況について御説明いただきたいと思います。

門松政府参考人 お答えいたします。

 淀川におきます緊急用の船着き場の整備状況と、この船着き場を整備する目的をちょっと御紹介いたしたいと思いますが、一つは、災害時における河川施設災害に対する非常復旧工事のためのものだということ、あるいは、これも災害時でございますが、沿川地域の避難者の救援活動あるいは救援物資の輸送等々、緊急時における対応として河川管理者がみずから川の中に船着き場を設けるというものでございます。

 緊急の船着き場でございますが、陸上からのアクセス、あるいは地元の淀川河川事務所の出張所の付近などの緊急対応上有効である箇所を選定いたしまして、高槻市あるいは枚方市など九カ所を選定して船着き場を設置しているところでございます。

 また、現在、河川の巡視、災害時の施設点検用として、中流域の枚方地区において船舶の停泊地の整備を進めているところでございます。

福島分科員 二つお願いしたいことがございます。

 大阪は水の都というふうに呼ばれておりますけれども、こうした舟運を活用することによってやはり地域の振興を図っていきたい、こういう思いもございます。こうした船着き場の目的につきまして今御説明が局長の方からございましたが、平時においてその活用をどう図るのかということについてもさまざまに御検討いただけないかというのが地域の要望でございます。

 そしてまた、大阪市の旭区、実は旭区には船着き場がございません。地元の旭区の旭工業会青年経営者協議会という青年の経営者の有志の方々の会がありますが、こんな要望を取りまとめているところでございます。

 阪神大震災以降、河川の災害時における利用につきましては、見直されているところです。旭区内、特に淀川沿川沿いでは、広域避難場所として、区内四カ所のうち二カ所、また収容避難場所として、区内二十一カ所中、近接地、徒歩五分以内に十二カ所あります。この状況を見ますと、区内の船着き場としての災害時におけるニーズは高いものがあると思われます。しかしながら、船着き場の整備が、ただいま御説明ありましたように進んでいるけれども、旭区にはその計画がないということから、ぜひ何としても整備をしていただきたい、こういう要望があります。

 これについて、直接お答えを求めるわけではありませんが、平時における活用も含め、今後のそうした船着き場の活用について政府の御見解をお聞きしたいと思います。

門松政府参考人 お答えいたします。

 この緊急用の船着き場のそもそものきっかけは、先生も御承知のとおり、阪神・淡路大震災をきっかけにして輸送路の一つとして重要な位置づけをしてきたところでございますが、そういう異常が発生しなければ無用の長物なのかと言われても困るわけでございまして、できているものを有効に地域の活性化のために使っていただくというのは河川管理者の仕事の一つでございますので、そういった意味からも、通達を出して、積極的に活用するよう努力せよという指示も出しているところでございます。

 現在、さらに今申し上げました九カ所をもう少し拡大しないかというお話もございましたが、これも、今とりあえず九カ所でやってみたいと思っていますが、これを運用していく途中で、こういった地元の声がさらに高まれば検討してまいりたいというふうに思っております。

福島分科員 大変ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 最後に一点、福祉との関係でお尋ねをしたいわけであります。

 昨今来、医療制度改革また介護制度改革を進めております。その一つの大きな流れは、高齢化がさらに進む超高齢社会の中にありまして、今までのように施設ばかりに頼っているわけにはいかない、これは非常に大きな流れだと思います。

 そもそも介護保険のスタートは、在宅介護をいかに進めるか、こういうところにあったわけでありますけれども、その流れは、昨年の医療制度改革の中におきましても、療養病床の見直しということで、医療においても在宅医療を進めていく。

 現在、百十万人ほど死亡者の方がおられるんでしょうか。それが、遠くない将来には百六十万人、さらにまたそれを超える水準になっていく。そういったときに、終末期を一体どこで迎えるのか、こういうことが改めて問い直されているという現状だと思います。

 そうした意味では、施設の中で終末を迎えるのか、みとるのか。そればかりが道ではない。自宅で終末を迎えるということも、安心してそれが迎えられるような環境づくりをしなければいけない。今まで以上に医療、介護と住宅政策の共同ということが問題になっていると思います。

 ただ、その中にありまして、さまざまに、公営住宅の整備ですとか、地域におきましては住宅の整備のいろいろな計画があるわけでありますけれども、こうした医療、介護のニーズとそうした住宅整備のニーズ、これを客観的に、やはり一つの方向性というものを地域地域が持つ必要があるんじゃないかと私は思っております。具体的な数字としてどう考えていくのかということが問題になっているんじゃないかと思います。

 住宅セーフティーネット法案もいろいろと検討されているようでありますけれども、そうしたことの内実をどのようにその地域で確保していくのか、そしてこのことが、また逆に言いますと、医療でありますとか介護におきます見直しについて、地域の住民の方々、例えば介護難民という言葉がありましたけれども、こういう言葉が生まれてくるのは、住宅の整備そのものについて具体的なイメージというのがなかなかまだ持ちにくいというところにあるのだろうというふうに私は思っております。

 そういう意味では、厚生労働省と国土交通省の連携を今まで以上に図っていただきたいし、具体的な方向性を地方自治体に示していただいて、その地域に密着した事情はそれぞれ違いますから、計画というものをつくるようにぜひとも促していただきたい、このように思うわけでありますが、この点についての御見解をお聞きしたいと思います。

榊政府参考人 委員御指摘のように、高齢者が自宅で安心して生活ができるということが非常に重要だと思っておりまして、そのためには住宅のバリアフリー化を進めるのがまず基本で、その次に福祉施策との連携といったようなことが重要だろうと思っております。

 まず、住宅のバリアフリー化ですが、実は、公的賃貸住宅については、十五年ぐらい前から新規整備は原則だ、既存ストックについてもやっていくというようなことですとか、住宅金融支援機構でバリアフリー化された住宅について金利優遇措置などをやってきたということですが、それでもいわばスピードが遅いということもございまして、今年度からバリアフリーの改修促進税制をつくりまして、一日も早くバリアフリーができるようにということをやってまいってきております。

 それから、福祉施策との連携という意味では、シルバーハウジング・プロジェクトというのをつくっておりまして、公共賃貸住宅とライフサポートアドバイザーによる支援サービスの提供を一緒にやるというようなことで、これは大体八百団地ぐらいやってきた。それから、公営住宅の建てかえ時には、デイサービスセンターみたいな福祉施設の併設の原則化ということをやっておりまして、これも大体千百団地ぐらいできてきたかというふうに思っております。さらに、平成十七年からは、高齢者用の専用賃貸住宅の登録制度といったようなことをやりまして、バリアフリー化を進めておるところですが、ここと福祉施設を連携していこうとか、公営住宅についてもグループホームを認める、こういったような施策をとってきたところでございます。

 現在、セーフティーネット法案という議員立法の動きもございますが、私どもとしては、公的賃貸住宅制度の再編をいたしまして、地域優良賃貸住宅制度というのをつくりまして、高齢者世帯、障害者世帯といったような、各地域における住宅の確保に特に配慮を要する世帯に重点化した整備費の助成を通じまして、民間事業者による良質な賃貸住宅の供給の促進ということをやっていこうということと同時に、この賃貸住宅の供給の促進自体がいわゆる厚生労働省との連携に即したものとなっていく、こういうふうに思っております。

 それから、御指摘ございました療養病床の再編に伴う地域ケア体制の整備というところでございますけれども、これも当然のことながら、私どもと福祉部局が連携していくというのが当然の前提だというふうに思っております。

 今回、厚生労働省が都道府県に対して、地域ケア体制整備構想の基本的考え方を示す指針案というのをつくりましたけれども、実は、その指針案の作成のときには、私どもの担当官も参画をさせていただきまして、つくらせていただいております。

 現在検討中の指針案におきましても、特に、見守りに配慮した住まいの量の見込みを示すということになっておりまして、そういった意味で、介護関係の方は厚生労働省を中心に、私どもの方は見守りに配慮した住まいの量の見込みといったような、私どもの方のお仕事ということでございますので、そういったところをうまく連携しながら、構想の策定なりその推進について指導していきたいというふうに考えているところでございます。

福島分科員 以上で時間が終わりました。

 いろいろと御指摘いたしましたが、ぜひよろしくお願いいたしたいと思います。どうもありがとうございました。

古屋主査 これにて福島豊君の質疑は終了いたしました。

 次回は、明二十四日午前十一時から本分科会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時五十三分散会


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