衆議院

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第12号 平成14年7月3日(水曜日)

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平成十四年七月三日(水曜日)
    午後三時三十一分開議
 出席委員
   委員長 渡海紀三朗君
   理事 岩屋  毅君 理事 桜田 義孝君
   理事 持永 和見君 理事 木下  厚君
   理事 松崎 公昭君 理事 山名 靖英君
   理事 塩田  晋君
      逢沢 一郎君    石田 真敏君
      岩永 峯一君    橘 康太郎君
      谷  洋一君    土屋 品子君
      中野  清君    額賀福志郎君
      馳   浩君    菱田 嘉明君
      村上誠一郎君    森岡 正宏君
      森田  一君    井上 和雄君
      石井 紘基君    金子善次郎君
      今野  東君    手塚 仁雄君
      楢崎 欣弥君    葉山  峻君
      平野 博文君    山田 敏雅君
      神崎 武法君    大森  猛君
      穀田 恵二君    保坂 展人君
      山口わか子君    中村喜四郎君
    …………………………………
   総務大臣         片山虎之助君
   外務大臣         川口 順子君
   農林水産大臣       武部  勤君
   国務大臣
   (内閣官房長官)     福田 康夫君
   国務大臣
   (防衛庁長官)      中谷  元君
   内閣府副大臣       熊代 昭彦君
   外務副大臣        植竹 繁雄君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   厚生労働副大臣      宮路 和明君
   国土交通副大臣      佐藤 静雄君
   内閣府大臣政務官     奥山 茂彦君
   防衛庁長官政務官     木村 太郎君
   防衛庁長官政務官     山下 善彦君
   外務大臣政務官      水野 賢一君
   文部科学大臣政務官    池坊 保子君
   会計検査院長       金子  晃君
   会計検査院事務総局次長  関本 匡邦君
   会計検査院事務総局第一局
   長            石野 秀世君
   会計検査院事務総局第二局
   長            増田 峯明君
   会計検査院事務総局第四局
   長            重松 博之君
   政府参考人
   (内閣官房内閣審議官)  梅津 準士君
   政府参考人
   (防衛庁長官官房長)   山中 昭栄君
   政府参考人
   (防衛庁人事教育局長)  宇田川新一君
   政府参考人
   (防衛施設庁総務部長)  石井 道夫君
   政府参考人
   (総務省行政管理局長)  松田 隆利君
   政府参考人
   (総務省自治行政局選挙部
   長)           大竹 邦実君
   政府参考人
   (法務省刑事局長)    古田 佑紀君
   政府参考人
   (外務省大臣官房長)   北島 信一君
   政府参考人
   (外務省欧州局長)    齋藤 泰雄君
   政府参考人
   (国税庁課税部長)    村上 喜堂君
   政府参考人
   (文部科学省高等教育局長
   )            工藤 智規君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬局食品保
   健部長)         尾嵜 新平君
   政府参考人
   (農林水産省総合食料局長
   )            西藤 久三君
   政府参考人
   (林野庁長官)      加藤 鐵夫君
   政府参考人
   (国土交通省大臣官房長) 風岡 典之君
   決算行政監視委員会専門員 川城 正彰君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月三日
 辞任         補欠選任
  小西  理君     菱田 嘉明君
  中川 秀直君     馳   浩君
  武藤 嘉文君     中野  清君
  山口わか子君     保坂 展人君
同日
 辞任         補欠選任
  中野  清君     武藤 嘉文君
  馳   浩君     中川 秀直君
  菱田 嘉明君     小西  理君
  保坂 展人君     山口わか子君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 歳入歳出の実況に関する件
 行政監視に関する件


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     ――――◇―――――
渡海委員長 これより会議を開きます。
 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。
 この際、お諮りいたします。
 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官梅津準士君、防衛庁長官官房長山中昭栄君、防衛庁人事教育局長宇田川新一君、防衛施設庁総務部長石井道夫君、総務省行政管理局長松田隆利君、総務省自治行政局選挙部長大竹邦実君、法務省刑事局長古田佑紀君、外務省大臣官房長北島信一君、外務省欧州局長齋藤泰雄君、国税庁課税部長村上喜堂君、文部科学省高等教育局長工藤智規君、厚生労働省医薬局食品保健部長尾嵜新平君、農林水産省総合食料局長西藤久三君、林野庁長官加藤鐵夫君、国土交通省大臣官房長風岡典之君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
渡海委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。
    ―――――――――――――
渡海委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。土屋品子君。
土屋委員 自由民主党の土屋品子です。
 今回は、食の安全保障という視点から、食料の安全確保に関する問題、O157の問題、学校給食についてなどの質問をさせていただきます。
 昨年、国内で発生した牛海綿状脳症問題にも代表されますように、私たちの身の回りを考えますと、食の安全確保に関してはさまざまな問題が顕在化してきています。このことは国家にとって根幹をなす問題であり、したがって、政府方針と予算的裏づけは重要であると考えます。
 この十年ほど、食料安全保障に関して行政がとった動きを見ますと、対症療法が中心で、予防措置が未熟に思います。九一年の牛肉・オレンジの輸入自由化、食品添加物全品目の原則表示義務づけ後、九五年の加工食品の期限表示義務づけまで大きな施策はなかったのではないでしょうか。その間に、輸入レモンやワイン、緊急輸入米、ミネラルウオーターなどから農薬やカビ、異物が発見されたのは御存じのとおりです。同じ九五年には米市場の部分開放で輸入も始まり、我が国の食料事情は、自給率の問題を含めて、安全保障という面から真剣に取り組む必要が出てきたわけです。
 この年には総合衛生管理製造過程、HACCPの承認制度も導入されました。そして九六年には、病原性大腸菌O157による食中毒が多発し、社会問題となりました。さらに牛乳の不正表示事件など、食が安心なものでないという認識が国民に根づいた年でもあったわけです。その年に、政府は食品添加物の指定対象を天然添加物にも拡大したわけですが、食の危機管理体制の構築にまでは至っていなかったのではないでしょうか。
 その後、ダイオキシン汚染、九七年や環境ホルモン問題、九八年が起こりましたが、二〇〇〇年にすべての生鮮食品の原産地表示を義務づけるまで政府の対応は局部的で、特に、海外からの輸入品を含めた危険予防対策はとられていなかったかと思います。雪印乳業が食中毒事件を起こしたのもこの年です。
 二〇〇一年には、スナック菓子から未承認遺伝子組み換え作物の混入が発覚して、回収騒ぎにまで発展いたしました。牛海綿状脳症問題と重なり、政府の対策も矢継ぎ早に打ち出されましたが、主なものだけでも、欧州連合諸国からの牛肉、牛肉製品の輸入禁止、遺伝子組み換え食品の表示制度開始や有機農産物認証制度の完全実施、そして当然のことではありますが、BSEの全頭検査も開始しました。政府の対応も臨機応変になり、一定の成果も上がってくることを期待しています。
 二〇〇二年のことしは、アレルギー物質を含む食品の表示を義務づけるなどの措置をとられました。しかし一方で、食肉、加工食品の偽装事件や無認可添加物使用問題、基準値を超えた残留農薬でホウレンソウの回収が相次ぐなど、食の安全という言葉が余りにも空虚に聞こえる事件が続発しています。
 食の安全に限れば、総合的な対処は、食品安全委員会(仮称)の設置に代表される今回の機構改革で改善できる面もあると考えていますが、総合的に長期的視野に立った政策がないと不安で仕方がありません。しかし、現状では統括的に担当する省庁がないということでございますので、今回は個別の身近な問題に関して、各論の対応策がどのように認識され、改善されているのかを後ほど質問させていただきます。
 また、食に関する教育に関しても余りにも関心が低過ぎることに、国民健康上も伝統文化という面からも不安を感じてなりません。単に栄養を摂取するための食事やマスコミの商業主義的な情報に踊らされることなく、本来の食のあり方を見直すという面からも、ぜひ御理解をいただき、前向きな検討をお願いしたく質問する次第です。
 まず最初の質問でございますが、食料安全保障の基本的な考え方について。
 食品衛生法に基づき厚生労働省が定めている農薬の残留許容限度濃度について、二〇〇六年を目標に、二百種ほどの残留農薬基準を新たに設けると発表されたばかりでございますが、農薬は世界で約七百種類とも言われ、現在基準が設定されている農薬二百二十九種と合わせても、基準づくりのおくれは否めません。中国製冷凍ホウレンソウで殺虫剤の基準違反が相次いでいるように、輸入食品の比重が高い我が国にとって食料安保は大変重要です。食料安定供給面から基本的な考えを武部大臣にお伺いしたいと思います。
 また、農水省では、国民の口に入る食料について、原材料も含めた輸入品と国産品の比率をどうとらえているのか、具体的数字でお答え願いたいと思います。
 内閣官房には、食品安全委員会の準備状況と食品安全行政に関する関係閣僚会議の開催状況及びその討議内容について、差しさわりのない範囲で結構でございますので、お答えいただきたいと思います。
 大臣には、きょうはお忙しい中、ありがとうございます。
武部国務大臣 土屋先生の大変高い見識に基づくお話を承りまして、私ども、一層、食料の安全保障、同時に食の安全、安心にかかわる問題に真剣に取り組んでいく必要性を痛感した次第でございます。
 私どもは、国民に対して良質な食料の安定供給を図るという国の基本的な責務に基づきまして食料・農業・農村基本法を定めているわけでございますが、この中では国内の農業生産の増大ということを基本にしておりまして、今四〇%の自給率を、この十年間に四五%に向けて進めていこうというふうに考えているわけでございます。
 しかし同時に、国内農産物だけで国民の求める食料供給ということは不可能でございまして、その際に、今御指摘ありましたような輸入農産物等の検疫等にしっかりした体制をとった上で、輸入及び備蓄等を適切に組み合わせて、食料の安全保障という問題に取り組んでいるわけでございます。
 私も就任以来、安全、安心で良質な食料の供給システムの構築による消費者の信頼確保ということを重要な柱にして取り組んできた所存でございますが、先般、食と農の再生プランというものを発表したわけでございますが、この中では、食の安全と安心の確保ということを第一の柱に位置づけているわけでございます。今後、工程表を取りまとめまして、時間割を決めて、食の安全、安心確保に向けた消費者第一の観点での取り組みについて、食の安全と安心のための法整備あるいは行政組織の再構築及びトレーサビリティーのシステムの導入ということを実施してまいりたい、このように考えているわけでございます。
 とりわけ、食料の自給率の向上という観点から、私は、今先生のお話とも関連するかもしれませんが、フードマイレージという言葉が最近聞かれると思うんですね。つまり、食の安全ということだけではなくて、地球温暖化防止ということを考えますと、輸入品というのは、船とか航空機を使って大量のCO2を排出して、地球温暖化を助長するような形で、日本は輸入ということになるとそういう問題があるわけでございます。
 それからもう一つは、我が国が輸入している農産物、これを水に還元いたしますと四百四十億トンにも及ぶわけでございます。我が国で消費している水は八百八十億トンでございますから、その半分以上に当たる水の量を世界から、略奪しているという言葉が適切かどうかわかりませんけれども、そういうことも忘れてはならない。
 そういったことから、一番いいのは地産地消ということなんだろうと思います。最近では、韓国では身土不二、体と土は一体である、あるいはそれをもじって農都不二、農村と都市は一体だという言葉が大変普及しているそうでございますし、一昨日、イタリアのスローフード協会の副会長さんがおいでになって、私もいろいろ話をしましたが、そういうようなことも考えて、質、量、両面での食料の安定供給ということに私ども農林水産省は努めてまいらなければならない、このように考えている次第でございます。
梅津政府参考人 食品安全に関する関係閣僚会議のこれまでの検討状況についてお尋ねがございましたので、お答えいたします。
 四月五日、五月十日、五月三十一日、六月十一日の四回にわたりまして関係閣僚会議が開かれております。第一回目は、主としてBSEの調査検討委員会の報告書を中心に御議論されております。二回目と三回目で、新たな組織のあり方と、今後の食の安全の確保に関する基本法制のあり方について御議論がされております。
 三回の御議論を踏まえて、去る六月十一日に、今後の食品行政のあり方について取りまとめが行われております。これは、食品安全委員会、仮称でございますけれども、それの設置といたしまして、消費者の健康保護を最優先に、食品安全行政にリスク分析手法を導入して、食品の安全に関するリスク評価を行う委員会を新たに設置するということを柱にした内容と、もう一つは、食品安全基本法、これも仮称でございますが、消費者の保護を基本とした包括的な食品の安全を確保するための法律として食品安全基本法を制定し、あわせて、この基本法に則して、食品の安全にかかわる関連法の検討、所要の改正を行うという取りまとめがされております。このために、先月、内閣官房に準備室が設置されまして、作業を開始したところでございます。
 いずれにしましても、この取りまとめは、消費者保護をより一層重視する観点から、今後の食品安全行政に万全を期する上での基本となるものでございますので、現在、組織と法制度の両面からその具体化作業に取り組んでいるところでございます。
土屋委員 どうもありがとうございました。武部大臣の力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございます。
 次に、O157のその後と今後の対策についてお伺いしたいと思います。
 九六年の堺市学校給食の集団食中毒で病原性大腸菌O157が日本で広く知られるようになってから、もう既に五年以上が経過しました。九六年以降の発生件数と患者数についてお聞かせ願いたいと思います。
尾嵜政府参考人 O157に由来します、食品衛生に関係します食中毒の観点からの数字を申し上げさせていただきます。
 平成八年に八十七件で、患者数が一万三百二十二人でございます。それと、九年が二十五件の発生で患者数が二百十一人、平成十年が十三件で八十八人、平成十一年が六件で三十四人、平成十二年が十四件で百十人、平成十三年が二十四件で三百七十八人、こういう患者数になっておりまして、死亡者が出た年は、平成八年が八名、平成十年が三名、十二年が一名、こういうふうな状況でございます。
土屋委員 今の数字で見ますと、発生件数が平成八年から九年、十年、十一年と減ってきたわけですけれども、十二年でちょっとふえてきまして、十三年でさらにふえて、ことし十四年は、おとといですか、一昨日の新聞にも載っていましたけれども、既に焼き肉店で三十一人から菌が検出された件と、それから千葉の大学生、十七名の感染が判明しているということで、夏に向かいまして非常に多くなる時期ではないかと思います。
 そういう中で、予防策の緩みがあるのではないかというのを懸念しておりますが、食中毒の中でも特にO157は子供やお年寄りに重い合併症を起こしやすい菌だけに、増加傾向に歯どめをかける必要があるのではないかということで、この辺の監視体制、今後の取り組みについてお聞かせ願いたいと思います。
尾嵜政府参考人 O157によります食中毒対策としまして、一つは、発生時の原因究明の推進ということで、厚生労働省におきます発生情報の収集システムというものをやっておりまして、そういった発生の情報を一元的に集めさせていただきまして、また情報提供する、そういうふうなことをやっておりまして、そういったものの強化をいたしておるところでございます。それと、O157の検査方法の高度化あるいは食品衛生監視員の疫学調査研修の実施、こういったものにつきまして、一つは対策としてやってきておるということでございます。
 二つ目は、こういった食中毒が発生しないための予防の観点から、食中毒予防のための家庭用の手引の普及でございますとか、あるいは大量調理施設の衛生管理指針の普及でございますとか、あるいは食肉の衛生管理の徹底、食材の汚染実態調査、学校給食の施設等の一斉点検、こういったことを行ってきておるわけでございます。
 また、先ほどお話がございました、本年の四月に兵庫県を中心といたしまして、関西地区に二府四県で発生いたしましたO157のケースがございます。
 これにつきましては、牛肉あるいはその内臓肉の多くを屠畜処理した屠畜場及び食肉処理施設におきます衛生管理に問題があったというケースでございまして、こういったものにつきましては、六月二十八日に各都道府県等に対しまして、屠畜場等における衛生管理の徹底について通知をしたところでございます。
 今後ともこういった対策につきまして充実を図ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
土屋委員 予防対策として、先ほどお話をさせていただきましたHACCPの、給食調理現場や食品生産加工現場で導入がどの程度進んでいるか、その実態を把握されているのか、その範囲内で結構ですので、お話を伺えればと思います。
尾嵜政府参考人 先生の最初のお話のところにも出てまいりましたが、平成七年の食品衛生法改正で導入をした制度でございます。HACCP方式によります衛生管理を厚生労働大臣が承認するという制度でございまして、きょう現在までに、乳・乳製品等千六十五件につきまして承認を行っておるというのが実態でございます。数字的にはそういう状況でございます。
土屋委員 どうもありがとうございます。
 それでは次に、地方自治体との連携と国家としての法規制についてお話を伺いたいと思います。
 環境ホルモンの問題は、O157の発生と同じ九六年にアメリカで論文発表され、注目をされたわけですが、九八年から、食にかかわる分野で、学校給食の容器切りかえが全国の自治体に広がりました。そのとき、国としての指導はどうであったのでしょうか。連携をいかに進めるかが被害を最小限にとどめる方策にもつながると考えますが、いかがでしょうか。
 また、二〇〇〇年には、調理用の塩化ビニール製手袋の使用自粛を指導したと聞いておりますが、疑わしい物質のほとんどが危険性の判定できない灰色の状態であるとも伺っている中で、食の分野でのリスクに対する法的規制は今後どのように整備していく方針か、自治体との連携協力のあり方を含めて、お聞かせ願いたいと思います。
宮路副大臣 土屋先生も御存じのように、食品衛生関係の業務のうち、水際と申しますか、輸入食品の検疫問題、これは国の方で、厚生労働省の方で所管をいたしておるわけでありますが、国内における問題は、これは都道府県や政令都市あるいは中核都市の保健所の皆さん、あるいは食肉衛生検査所の皆さんや、屠場を設置しております市町村といったいわゆる地方自治体の皆さんに依存する、そういった方々の力によって食品衛生行政は展開をいたしておるわけでありまして、その意味からも、地方公共団体との綿密な連携なくしてしっかりとした食品衛生行政はできないことは申すまでもないわけであります。
 したがって、先ほどお話がありました、BSEが発生したその後の全頭検査を初めとする各般の対策にいたしましても、また、先ほど環境ホルモンと疑われるフタル酸エステルを含有する塩化ビニール製手袋の食品への使用禁止の問題、あるいはまた、先ほど御指摘のありましたO157の対策にいたしましても、これもすべて、厚生労働省とそして地方公共団体とのしっかりとした連携、あるいは情報交換、意見交換、そういうものをやらないことにはうまくいかないわけでありますので、その点十分私どもとしてもこれまで意を用いてきたところでありますが、今後地方分権がますます進む中で、一層そうした地方公共団体の役割は増してくるわけでありますので、一層の徹底を図っていかなきゃならない、このように考えておるところであります。
 食品衛生法につきましても、先般のBSE問題調査検討委員会の中でも、これは抜本的な見直しと改正が、食の安全の一層の推進という観点から、食品衛生法についてもそうした見直しと改正が強く求められておるわけでありますので、御指摘の地方公共団体との連携というものをさらに一層きちっとしたものとして構築していくという観点からも、見直すべきところを見直して、そして、遺憾のないようにしてまいりたい、かように思っている次第であります。
土屋委員 副大臣、どうもありがとうございました。我々国会議員も、やはり地方自治体との連携について、サポート役に回って頑張りたいと思います。ありがとうございます。
 それから、お願いしていた食品表示の制度については、ちょっと時間がなくなりそうですので、大変申しわけありませんが割愛させていただいて、食育に関する提言を質問させていただきたいと思います。
 人間が生きていく上で必要不可欠な要素である一生の食について、日本食のよさを再認識してもらう意味でも、学校教育との連携は必要不可欠であると考えます。現状の取り組みがどのような実態になっているのでしょうか。また、今後、義務教育の中で、家庭科や総合的学習もしくは社会科で単元として採用していく必要があると思うのですが、いかがでしょうか。また、中央教育審議会でもぜひ正式に取り上げていただけるようお願いしたいと思います。
 フランスでは、幼少期に本物と触れ合うことが大切であるとの考え方から、年に一回はフランス料理のシェフと交流をする機会を設け、学校教育の中で自国の料理を食文化という面からしっかりと取り上げています。強要はできませんが、これと似たような取り組みを検討してはいかがでしょうか。
池坊大臣政務官 今土屋委員が御指摘になりましたように、食事というのはただ御飯を食べるということでなくて、これは日常生活における大切な文化なのではないかと思っております。そして、それは学校教育の中で果たしていく役割も大なるものだというふうに考えておりますので、私ども文部科学省は、小中高等学校において、それぞれの発達段階において、そのような栄養、食品、調理について理解させ、そしてまた、必要な技術を身につけさせるだけでなくて、食事の意義あるいは食生活の文化についても適切に指導するようにいたしております。
 例えば、中学校の教科書においては、規則正しい食事が生活のリズムをしっかりとさせるのだということ、また、食事をするということは人々とのコミュニケーションを図るためにも大変大切であるということ、あるいは、健康においてもよい食習慣をつけなければいけないというようなことの重要性を理解させるようにいたしております。
 また、それとともに、郷土料理の調理などを通して、地域の食材を日常生活のお食事に使うにはどうしたらいいか、そのようなことを考えたり、あるいは、今おっしゃいましたように、小学校においては、我が国の伝統的な日常の食事でございますお米とみそ汁の調理について指導したりいたしております。そして、米食は週三回を目途といたしまして取り入れるようにいたしているところでございます。
 また、フランスでは、フランス料理を本格的に食べる、本物に触れる、京都の小学校では、本物のいい食器を使って食事をしているようなところもございます。これも大変私は有意義なことではないかと思っております。あらゆる場所であらゆることにおいて、これからも食生活については私ども指導していきたいと思っております。
 本年四月には、食に関する指導の一層の充実を図るために、小学校五年と中学一年生を対象とした食生活学習教材及び指導用参考資料を作成、配付したところでございます。これからも一層力を注いでいきたいと思っております。
土屋委員 池坊大臣政務官、ありがとうございます。池坊先生もいろいろな意味で食についていつもいろいろな提言をされていますけれども、これからもどうぞよろしくお願いしたいと思います。
 次に、人材の育成と学校給食との関係についてお伺いいたします。
 食の安全を含む食料安全保障問題の根幹には、担い手となる人材不足の問題があると思います。食に意識を向けてもらうためには、消費者意識の向上や、食に関心を持ってもらうための仕掛けが必要だと考えます。専門家の養成は困難かもしれませんが、学校教育現場で活動のできる人、地域の郷土料理普及活動のリーダーとなれる人、食に関する各種の活動をコーディネートできる人が必要だと思います。これらの人材育成にどのように取り組んでいくのか、予算措置を含めてお考えをお聞きしたいと思います。
 また、学校給食問題について、給食の時間を食に対する興味、関心を持つような動機づけをする機会にしてはどうかと考えています。教科として教えるのではなく、関心を持つこと、きっかけをつくることが大切だと考えます。国家政策として強制はできないでしょうが、給食の原点に返ることが求められているように思います。
 ぜひ、給食を有効活用した食育について、具体的な取り組みをなされているのか、実践例の研究などなされているのか、今後の方針についての各教育委員会との連携を含めた方針をお伺いしたいと思います。
池坊大臣政務官 学校教育の献立の作成に当たっては、学校栄養職員がその指導に当たっております。偏食がないように、それから栄養のバランスがとれた食事をするようにというような工夫をいたしておりますし、先ほど申し上げましたように、週三回お米を使うようにいたしております。
 それからまた、食文化の継承や正しい食習慣を身につけさせるような指導等を行っております。例えば、パンとかめんを使います場合にも、きちっとそのときには栄養のバランスを考えておかずも入れるというようなことをいたしております。
 子供たちは、学校給食があればこそ、家ではわがままをして偏食してしまうけれども、学校だけはきちんと食べるからというような両親の期待もございますので、私も、いつも孫の給食は台所に紙を張ってチェックいたして、安心して見ているところでございます。
 完全給食に向けて、すべての都道府県が学校給食をしてほしいというのが私の願いでございます。それに向けて予算もとり、頑張っていきたいと思っております。
土屋委員 どうもありがとうございます。
 私も栄養士ということで、食に関して非常に、テーマとして政策的に考えているわけですけれども、その中で、今お話があったように、献立の立て方が、栄養的には十分であっても、一汁二菜、一汁三菜とか、そういう主食があって副食がある、副菜があるという形が、栄養士がやっていても崩れている状態が一部で見えるように思いますので、ぜひそこら辺を徹底していただきたいと思います。
 最後になりますが、食の政策とは少し違った取り組みになりますが、ここで一つ提言をさせていただきたいと思います。
 本日の質問にあるような食の安全保障の問題に日本がどう取り組むのかなど、非政府系の独立性の高いシンクタンクをつくって政策提言をさせることも今後は必要なのではないかと考えています。
 安全保障やアジア圏の経済、政治状況を踏まえた外交政策、それらの外部要因を熟知した上での防衛政策や環境立国日本をどうつくっていくのかについてなど、中立な立場を維持しながら政策提言のできるシンクタンクを立ち上げるべきと考えています。各省庁が巨大なシンクタンクであることは当然でありますが、恒常的に政策の提言を求めて外部に依頼を出すことも必要ではないでしょうか。
 今回、質問に先立ち、各省庁から審議会にかかっている費用の総額を資料としていただきましたが、審議会制度のよい面は残しながらも、一部をシンクタンク設立資金に使うことを検討していかなければならないと強く感じました。
 最後に、これからの食の安全保障を一元的に見ることのできるセクションをぜひどこかの省庁につくっていただけるようお願いして、質問を終わりたいと思います。
 本日はどうもありがとうございました。
渡海委員長 次に、塩田晋君。
塩田委員 財務副大臣にお伺いいたします。
 自由党の塩田晋です。
 本日お伺いしたいと思いますのは、入札制度に関しまして、主として財務省のお考えをお聞きしたいと思います。
 入札につきましては、公正を旨とし、自由競争、そして公開、これが何としても守られなければならないことだと思います。その原則にのっとって各省庁で公正に、フリー、フェア、オープンで行われているものと確信しておるところでございますが、昨今、政治家と金との問題等が云々され、いろいろな不祥事件が起こっております。このような不祥事件が起こらないように、各種の財務省所管の法律でいろいろ規制をされて、執行されているところだと思うわけでございますが、まことに残念至極でございますけれども、その合間を縫ってといいますか、いわゆる談合等が行われ、まあこれは公取委員会の問題であると思いますが、談合の問題。そして、偽計業務妨害罪に当たるような、いわゆる予定価格の漏えいでもって、刑事事件として逮捕されて裁かれるといった事態も昨今起こっておるわけでございます。
 やはりこれらを規制する法律というものは会計法であり、また予決令であり、あっせん利得処罰法である。また、大蔵省の関係におきましても、いわゆる予責法、こういったもので規制され、そういった不祥事が起こらないようにやってきておられると思うんですが、そこにやはり欠陥があるからそういった問題がいつまでたっても絶えない、続いて事件が起こるわけでございます。言うならば、もっとそういったところの漏れのないように大蔵省が、今申し上げたあっせん利得法以外の法律につきましては財務省の所管だと思うのです。
 そこで、各省庁に対しての共通的な契約事務取扱規則といったものをもっと厳密に検討して、漏れのないように法整備をすべきではないか、このように考えるのでございますけれども、副大臣、いかがお考えですか。
谷口副大臣 塩田先生、前からこの国の契約のやりようについて大変御関心を持っていらっしゃるということを聞いておるわけでございます。
 今、財務省としてこのような契約のありようについてどのように考えるのかということでございますけれども、先生御存じのとおり、よく調べていらっしゃるわけでございますけれども、現行は各省庁が契約事務を管理するということになっておりますので、今現在、財務省が管理をしておりますのは財務省のかかわるところのみでございまして、それぞれの省庁において、各省庁の事務について詳細を知っておるところで管理するという観点でやっておりますので、財務省は財務省の所管のところを管理しておるというような状況でございます。
塩田委員 財務省は国の予算全体を作成され、また、国会に提出されるわけでございますが、その予算の編成段階におきましては、極端に言うと鉛筆一本、また紙一枚につきましても、みんな単価と員数を掛けてこれを積み上げていくということで、かなり細かく配慮をし、予算を編成して決定しておられると思うのです。
 しかし、これが一たん予算としてでき上がったとき、これが執行される段階ですね。これらの契約がそれぞれ行われて、工事発注され、物品の購入あるいは売却、あるいはまたサービスの購入等が行われているわけでございますが、これが全部いわゆる契約で行われるわけでございますから、それは公正適切に、またオープンで行われなければならない。それを担保するのが先ほど申し上げた法律でございますけれども、その会計法の建前というのは、こういう場合にはこうするという規定はあっても、各省庁にそれぞれ責任を持たせて執行させるということ、それについての縛りはかなり包括的にあるわけですけれども、そこに今いろいろな問題が起こってくる。
 入札契約につきましては、基本はやはり一般競争入札だ、そして指名競争入札、場合によっては随意契約、こういう形になっておりますが、国の予算全体で、一般競争入札によるものと指名競争入札によるもの、随意契約によるもの、件数、金額等は大体どれぐらいの構成になっているか把握しておられますか、お伺いいたします。
谷口副大臣 今お尋ねでございますけれども、先生おっしゃったように、会計法において、国の契約につきましては原則一般競争入札ということになっておるわけで、限定的に随意契約、また指名入札、こういうことになっておるわけでございます。
 それで、今塩田先生がお聞きになられたことでございますけれども、一体その件数、一般入札、また指名入札、また随意契約の入札の件数はどうかということでございますが、先ほども申し上げましたように、財務省としてこれらをすべて把握しておるわけではありません。
 しかし一方で、WTO政府調達協定に基づき実施をされました政府調達に関する委員会に提出をするための調査をやっておるわけでございますけれども、この調査によりますと、平成十二年度、平成十二年一月一日から十二月末までの一年でございますけれども、この一年間で、会計法の適用のあるすべての機関、これは国の機関でございますけれども、この機関の契約金額ベース、件数ではなくて契約金額ベースで申し上げさせていただきますと、一般、指名競争入札が七七・五%、また随意契約が二二・五%というような状況になっておるわけでございます。
塩田委員 随意契約、金額ベースでいきますと小さいわけですけれども、件数は恐らく随意契約の方がずっと多い。恐らく何十万になるかもわかりませんね、国全体、国だけの予算につきましては。そうでございましょうか。
谷口副大臣 先ほどお話をさせていただきましたように、一般的には一般競争入札が原則でございます。
 また、限定的に随意契約が認められる場合というのが会計法で規定されておるわけでございますけれども、一つは、契約の性質または目的が競争を許さないような場合であるとか、また緊急の必要により競争を付することができない場合、例えば災害の場合等になるわけでございましょうが、このようなことであるとか、また競争に付することが不利と認められるような場合、このような競争することの実益がないと認められる場合には随意契約によることになるということでございます。
 またさらに、政令に具体的に記載されておるわけでございますけれども、先生御存じのとおり、予算決算及び会計令というのがあるわけでございまして、ここは、いわば金額が少額の場合について随意契約が認められるというようなことで、例えば、予定価格が二百五十万円を超えない工事であるとか、予定価格が百六十万を超えない物品の購入など、このような場合には、契約事務の簡素化という観点から、随意契約を行うことができるというようなことになっておるわけでございます。
 先ほど申し上げた定性的な意味合いでの観点から見ますと、事務事業の特質が各省庁でしかよくわからないといったような場合もあるわけでございまして、このような観点で見ていくということになりますと、財務省がすべてを統括するというようなことではなかなか無理がある、なかなか難しいところがあるわけでございます。そういう観点で、今財務省では、随意契約でいきますと七千件を超えるようなことになっておるようでございますけれども、ですから、全省庁合わせますとかなりの件数になるのではないかというように思っております。
塩田委員 随意契約に付すべきものとして、予決令によりますと、九十九条に二十五、ずっと列挙してありますね。今言われました、それは一部だと思うんですけれども。これが全部網羅されているのかなという感じがするんですが、これは物品の購入なり貸し付けなり財産の処分等についてはありますけれども、サービスの購入等については、この九十九条に当たるものはあるんでしょうか。
谷口副大臣 今塩田先生おっしゃったように、予算決算及び会計令に具体的に載っておるわけでございますけれども、この七号のところに、九十九条の七号でございますけれども、「工事又は製造の請負、財産の売買及び物件の賃借以外の契約でその予定価格が百万円を超えないものとするとき。」というようなものがあるわけで、また一方で、先ほども申し上げましたように、定性的な意味合いでの随意契約を締結できるというような規定もあるわけで、そのような観点から随意契約を締結するというようなことが判断されるというように思うわけでございます。
    〔委員長退席、岩屋委員長代理着席〕
塩田委員 会計検査院長にお伺いいたします。
 今財務省に質問いたしました一般競争入札、指名競争入札、また随意契約、それの構成は会計検査院としてはどのように把握しておられるか、お伺いいたします。
金子会計検査院長 会計検査院では、契約事務の執行、それから契約事務の管理について重視しておりまして、個別の検査の中で、どういう契約方式がとられているか、また、会計法令に従って、随契等において、随契をすべき理由に該当するかどうかということは見ております。
 なお、先生御質問の、全契約における各契約方式の割合についてでございますけれども、かつて会計検査院では、公共工事に関して、国、自治体、それから特殊法人等について調査をしたことがあります。その結果につきましては、平成九年度及び十二年度の決算検査報告に掲記をいたしました。しかしながら、国全体の発注契約に関して、正確な数字は会計検査院として把握しておりません。
塩田委員 先ほど申し上げましたように、入札に関しての政治家とお金との関係、あるいは業界との癒着等の問題がどうしても発生しておるわけですね。いつまでたってもこれがやまらない状況が起こっておりますし、競争入札の場合でも、ああいった偽計業務妨害とかあるいは談合とか、いろいろな問題が起こるわけです。
 また、あるケースで、外務省の関係でしたけれども、内部でガイドラインでルールを決めて、入札の際はこうするといって決めたのを、そのルールを変えてしまうということによって特定の業者に請負が入札される、契約が結ばれていくような意図的なことも行われている。これは違法だと思うんですけれども、そういったことが現に役所を巻き込んで行われたということもあるわけです。
 随意契約に至りましては、なお一層、公開性なりあるいは公正性の面で欠けるところがあるというよりは、行政庁の自由裁量の余地がかなり入ってくるわけですし、特定の業者と一たん随意契約すると、ずっとそれが続いて固定化してしまうといったケースも非常に多いわけでございますが、こういった、例えば一番問題だと思うのは、随意契約の問題は余り出ておりませんけれども、随意契約のところで、いわゆる官と業、業者との癒着といいますか、あるいは談合、官民の談合といったことが実際行われているんじゃないかと思うのです。そういったところにその余地があるような、これは制度的な欠陥があると思うんですね。
 いずれにいたしましても、会計検査院としては、次の年度あるいはその次の年度に、随意契約なら随意契約、あるいは一般競争入札の仕方等について重点的に、今年度はこれを重点に検査をするといったような方針を打ち立てて、ひとつ徹底的にこれを検証してもらえないか、そういうふうに思うんですが、いかがですか。
金子会計検査院長 私、委員と同じ認識を持っておりまして、昨年、外務省のプール金の問題が生じましたときに、問題の根本は随契にあるということで、随契は、単に価格の問題だけではなくて、今先生おっしゃったような、発注者とそれから受注者の間の不適切な関係を構成する基礎になるということで、外務省のプール金の問題につきましては、随契を是正させるという措置をとりました。
 その経験から、今年度において、発注に際して適正な契約管理が行われるようにということで、会計検査院では、契約方式にも重点を置いて検査を進めております。今後とも、先生のただいまの御質問もありましたし、契約方式については重点的に検査をしていきたいと考えております。
塩田委員 続いて、会計検査院長にお伺いいたしますが、いわゆる予責法、御存じのとおり、予算執行職員等の責任に関する法律でございますが、これは会計検査院がいろいろな面でタッチするという、最終的な決定は会計検査院の検査の結果によるというところも規定されておるわけですが、今までに、いわゆる予責法によって取り上げられて、結論的に予算執行職員が賠償したというようなケースがありましたでしょうか。
金子会計検査院長 これまでに不当に高い価格で発注したという事例はございます。それについて、会計検査院での取り扱いでございますけれども、過去の事例では、予責法の要件に該当しなかったり、また、非常に高い価格で発注しましたけれども、結果的に、相手方事業者がその差額を国に返納するというような形で国の損害が補てんされているという形で、予責法の要件に該当しないということで、これまで有責というふうにした事例はございません。
塩田委員 実証するのは非常に難しい問題、また、要件がいろいろ定められておりますから、その条件に合うかどうかという問題ですね。故意または過失による場合ということも限定的ですし。
 それはそれといたしまして、財務省にお伺いいたします。
 いわゆる予責法の主管官庁として財務省にお聞きしたいんでございますが、この予責法はかなり厳しいものですよね。各省庁の会計責任者、会計課長が、もし高い価格で発注して国に多大の損害を与えた場合は、みずからが賠償しなければならぬということですね。かなりこれは厳しい法律です。これは厳格にやることは当然考えておられると思いますけれども。
 例えば、随意契約等で五十億とか百億の大きな金額、これは当然競争入札すべきもの、これをしないで分割している。これは平成十年、十一年度の決算の報告書にもあって、外務省に対して会計検査院が指摘されました。分割しているわけですね。それによって三割なりあるいは二割五分の高い価格で発注している。この予責法からいうと明らかにおかしいわけです。
 当然、国に損害を与えた、国民の税金をむだ遣いした、そういう責任はその省庁の会計課長が責任を持っている、それがはっきりすれば賠償しなきゃならぬ、こういうことですね。これについては、分割して、任意のあるいは自由裁量がきくような随意契約に持っていって、特定の業者等に分割して発注している、こういう例があるとすれば、財務省はどのように措置されますか。
    〔岩屋委員長代理退席、委員長着席〕
谷口副大臣 国の契約につきましては、その財源が国民の貴重な財産でございますから、これは公正かつ厳正な手続で、国にとって最も経済的な契約を締結するということが求められておるわけです。今塩田先生おっしゃったような、仮に、ゆえなく分割をするということでこの随意契約を締結するといったことにつきましては、これは極めて悪質なわけでございますから、このようなことは、この随意契約を締結ということにつきましては大きな問題であり、まさにこの予算執行職員等の責任に関する法律が適用されるということになるわけで、その契約事務の責任者、これは各省庁でいきますと会計課長になるんだろうと思いますけれども、そのような人たちがこの損害を弁償するという形になるわけです。
 今先生がおっしゃったような事例は極めて悪質なことでありますので、そういう観点でよく見ていく必要がある。これは、先ほど会計検査院の方からもございましたように、会計法、また政令を厳格に運用していく、会計検査院の検査も含めて、このようなことがないようにやっていかなきゃいかぬ、このように考えております。
塩田委員 ぜひとも厳格にこれを執行していただきたいと思います。
 終わります。
渡海委員長 次に、石井紘基君。
石井(紘)委員 まず最初に、本題の前に、鈴木宗男氏から献金を受けていた方が相当数いらっしゃるんですが、その中でお二人について聞かせていただきたいと思うんですが、この鈴木宗男氏からの献金の額、お一人の佐藤国土交通省副大臣は百万円であった、それからもう一人は、防衛政務官の山下善彦さんは百五十万円であったというふうに報道されているわけでございますが、お二人から、その事実関係とそれからその処理ですかね、どうしたのか、その辺のお話を、簡単で結構でございますので、お伺いしたいと思います。まず、佐藤さんからお願いします。
佐藤副大臣 前回の選挙のときに、鈴木宗男さんは自民党北海道連の会長でありました。道連会長として選挙の最中にそれぞれの事務所を回って激励をして、陣中見舞いを置いていったということを、私ども、事務所に帰ったときに聞きました。それで、私は北海道第四区の自民党の支部でありますから、その支部として処理をさせていただきました。
 その後、鈴木宗男さんの政治献金にいろいろと不明朗な面があるというようなことをお聞きしたものですから、北海道の自民党の国会議員でみんな集まりまして、そして、これは道連会長として陣中見舞いを配られたと。それで、自民党道連として希望者はみんな集めて、そしてお返ししようということになりまして、自民党道連として、その希望者は、返す希望者はみんな集めて、そしてお返しをいたしました。
 以上であります。
山下長官政務官 委員の質問に答えさせていただきたいと思います。
 佐藤副大臣と同じ趣旨の御質問であろうということでございますが、私の場合には、私が政策集団に所属しております。その政策集団の先輩として、後輩議員の政治活動を助けてやろうというような趣旨でいただいたというふうに私は理解をしております。
 なお、処置につきましては、政治資金規正法という法律もございますし、党の支部としての受け入れをさせていただきまして、領収書も発行させていただき、正規の報告書に記載をさせていただいておるわけでございます。
 以上でございます。
石井(紘)委員 ありがとうございました。
 では、本題に入りますが、ロシア支援でもって、外務省が北方三島にディーゼル発電施設を建設した。直接的には支援委員会ということになるんでしょうが、私がこの問題を初めて国会で取り上げましたのが、沖縄北方特別委員会で二月二十七日でございました。そのときは、さらに三井物産との金銭的なつながり、三井物産にかかわる疑惑についても提起をさせていただいたわけでございますが、その三井物産にいよいよいわゆる鈴木疑惑の核心の一つとして強制捜査が入る、これが既に秒読みの段階になっている、そういう時期に当たりまして、この問題の核心をさらについてまいりたい。これは国の予算の執行と重要なかかわりのある問題でございますので、以下、答弁はひとつ誠実に、正直に、そしてまた簡潔にお願いをしたいと思います。
 私は、三井物産の鈴木宗男氏に対する政治献金というものについても既に申し上げたところでありますが、三井物産は、この入札の時期に、ある競合する企業に対して電話を入れたという事実がございます。その電話の内容は、この案件は私どもの方でやらせていただくのでよろしくということでありました。そうした事実がありましたので、私はいろいろと詳しく調査をしてきたわけであります。
 そこで、きょう取り上げる問題は、この三つの発電施設についての予算の問題、つまり、予定価格の設定、それから最低価格の設定、これについてまず聞かなければならないと思います。
 色丹島における最低価格というのはいつ決定をされたのかということをまず教えてください。
齋藤政府参考人 お答えいたします。
 色丹ディーゼル発電施設の最低予定価格でございますが、平成十一年二月五日に決定されたというふうに聞いております。
石井(紘)委員 その平成十一年の二月五日というのは、まさにこの入札の当日であります。
 これは資料もお配りしてございますが、そういたしますと、その他の二島については最低価格はあったんでしょうか。そして、あったとすれば、いつ決められたんでしょうか。
齋藤政府参考人 択捉島、国後島のディーゼル発電施設につきましても最低予定価格は設定されておりましたけれども、これがいつ決定されたかという具体的な日時につきましては、先ほど申し上げました色丹島のような形で具体的に私ども把握できておりません。支援委員会事務局に確認いたしましたけれども、委員会の記録上もそこのところは明らかになっていないということでございました。
石井(紘)委員 それでは決定されていたということにはなりませんね。いつ決められたかわからないけれども決定されていたというのでは、決定したということを裏づけることになりません。
 そこで、お配りをさせていただきました外務省の文書によりますと、予定価格と最低予定価格というものが記載されております。支援委員会事務局長の判が押してございます。
 これによりますと、それぞれ、択捉は三月十六日、国後は三月三十一日の日付になっています。これは、いつ決められたかわからないと言うんですが、この一連のペーパーの四枚目のペーパーは、見ていただきますと、国後島発電施設設置に係る施工業者選定のための入札予定価格調書というものであります。これは平成十一年三月三十一日の日付が打っております。
 どうやら、国後の発電所の入札が行われ、また、発電所建設計画が決められた時期は、少なくとも平成十一年の暮れか、あるいは十二年に入ってからでありますことを考慮しますと、十一年三月三十一日というのは明らかにうそなのではないかと私は思います。この書類は、このペーパーを含めて、それ以外の、択捉についても、これは後でつくられた偽造の書類なんじゃありませんか。
齋藤政府参考人 まず国後島の、先生お配りになられました紙の日付でございますが、平成十一年三月三十一日というのは、先生御指摘のとおり、これは誤りでございまして、事務局に確認いたしましたところ、平成十二年三月三十一日の誤りだということでございました。
 それから、先ほど、択捉と国後について最低予定価格の決定日が記録上明らかでないというふうに私申し上げましたけれども、実は、事務局の決裁用紙というのがございまして、色丹島の場合には、予定価格の決裁を求める起案日がございまして、それから決裁日が十一年二月五日というふうに明記されておりましたので、二月五日に決定されたとわかるわけでございますが、ほかの二つにつきましては決裁日が明記されていないということでございました。
石井(紘)委員 役所で日付を一年間違えて書類をつくるということはあり得ない話じゃありませんか。これは、一年間違えてつくったんじゃなくて、明らかに私は偽造されたものだというふうに考えます。
 といいますのは、今言われた色丹島については、最低価格を決めた日時も、先ほど言われたとおり、決裁をされたのが十一年の二月五日で、入札の当日と。書類も稟議をとったものがございます。しかし、ほかの二件については、稟議をとった書類に日付が一つは入っておりません。二つとも決裁日が入っておりません。そうしたことからいっても、これは非常におかしい。
 さらに申し上げますと、入札の当日に最低価格を決めるということがあるだろうか。こんなことは世の中に全くない。公共団体の発注する工事で入札を行うのに、しかも予算を伴うものに、入札の当日に予定価格や最低価格なるものを決めるということはほとんどあり得ないということです。
 これは参考のために、私が言うんじゃ説得力がないかもしれませんので、国土交通省の場合はたくさんそうした工事の発注をやっておられますので、どんなふうになっているか、一般的で結構でございますので御答弁をお願いします。
風岡政府参考人 国土交通省の場合には、最低制限価格ではなくて、低入札価格調査制度というのが会計法、予決令の制度になっておりますので、それを使っております。それで、先生御指摘の予定価格と最低制限価格の調査基準価格を決める時期でございますが、当然、これは同時に決めることにしております。
 具体的に、それじゃ、予定価格と調査価格は発注日との関係でどういうような実態になっているのかということでございますが、これは、私どもとしましては、当然、工事を発注するに際しましては、発注金額に応じまして工事の発注手法が変わってまいります。したがいまして、入札手続の開始前の段階では、当該工事について概算的な数字を持っておりますが、会計法令に基づく予定価格の決定ということになりますと、積算基準に基づきまして正確に積み上げをすることになりますので、その後時間がかかります。
 おおむねの傾向としましては、入札日前、二、三日前から一週間程度前になるのが通例でございますが、ただ、事務手続の都合上、前日とか当日というのもないわけではありません。
 以上でございます。
石井(紘)委員 よほどのアクシデントで、担当者が急病になったとか、あるいはどこかへ出張して帰れなくなったとか、そういう場合にはあり得ないことじゃない。しかし、少なくとも二、三日前とか、あるいは平均的にも一週間ぐらい、こういう御答弁でしたよね。
 そこで、その最低価格というものは、今の御答弁の中にありましたように、国土交通省はこの価格を下回ったら即だめですよという方式はとっていない。それは、会計法令に基づいてそういうことはできないんだということでよろしいかどうか。一言だけ御答弁、時間がないので。
風岡政府参考人 私どもの発注手続につきましては、会計法、予決令に従って当然やることになりますので、その制度の中では、低入札価格調査制度というやり方に決められておりますので、それに従ってやっております。
石井(紘)委員 そうしますと、この低入札価格調査制度というのは、これは会計法令にございまして、一定の価格を、今の調査基準価格ですか、調整価格というんですか、調査価格というんですか、一般的に。それを下回った場合には調査をするということですよね。
 それで、下回ったから即だめだ、はねるということは、これは会計法令上適法でないということが日本の法令だ、こういうふうに解釈していいと思いますが、時間がないので一言だけ。
風岡政府参考人 国の発注の場合には会計法、予決令でございますが、自治体の発注の場合には地方自治法施行令によりますので、その中では両方の制度がございます。
石井(紘)委員 そういうことでありまして、これは支援委員会ですから、国際機関という形はとっておりますけれども、日本の中央官庁では、そういう法令に基づいて、そうした今外務省が言われたような最低価格というようなことは行えないんだというのが日本の省庁の規則であります。現にお配りをした資料の中にも、これは、外務省がそうした会計法令を引き合いに出しているわけですね。
 これは、お配りした資料の一番最後のページにございますが、建設省通達、予算決算及び会計令第八十五条の基準に基づいて云々というようなことを現に書いておりますし、その他の中央公共工事契約制度運用連絡協議会モデル等々も触れまして、こうした立場でもって、そうした予定価格あるいはその他の調整価格というものを出したんだというふうに言っているわけです。
 ですから、これは、国際機関と仮にいえども、非常につじつまの合わないやり方をとった、そして、色丹島における入札参加業者であったところの伊藤忠商事は、それによってはねられたということになるわけであります。ここは非常に大きな疑惑であります。
 さらにその問題を突っ込んでまいりますと、択捉と国後の場合の最低価格、外務省が出したこの資料によりますと、もし最低価格が本当に設定されていたとしても、ここに書かれているとおりであったとしても、択捉と国後の場合は、掛け率は予定価格の〇・七五をとったと、この最後のページにくどくどと、全く意味不明のことが書き込まれております。これは、私も専門家に照合いたしましたが、全く意味不明だということでございましたが、〇・七五で掛けた。それに対して、色丹の場合には〇・八を掛けて数字を、最低価格なるものを出して伊藤忠をはねた、こういうことであります。
 これは、どうして掛け率が、全く難易度の差はない、条件は、距離の違い以外は、距離の違いについては後で申し上げます。では今申し上げましょうか。距離の違いでいえば、色丹が一番近いんです。一番近い方が一番緩やかでなければ、もしそういう差をつけるんなら緩やかでなければならないのに、一番近いところを一番厳しくした、こういう点も大きな矛盾点なんです。
 そこで、なぜこの掛け率が違うのかということが、もし答弁できるんだったらしていただきたいと思います。
齋藤政府参考人 先生に御満足いただける答弁になるかどうかあれでございますが、ちょっと御説明させていただきたいと思います。
 色丹が最初に実施されたわけでございまして、色丹の場合に十分の八が採用された。それに比べて、インフラが色丹ほど難しくないとかいろいろな事情でほかの二つの案件については十分の七・五が使われた、こういう時系列になっておるわけでございます。
石井(紘)委員 それは事実を正しく認識していない。結局うその答弁になります。
 もう一つ、それじゃ申し上げましょう。
 PCI、パシフィックコンサルタンツインターナショナルが当初出した工事予定価格というものは、これはPCIの報告書に出ております。これは、択捉の場合はほぼ落札価格と似たり寄ったりであります。択捉が五億一千百四十四万で、これがPCIが出した数字です。そして、契約をされた金額はほとんどそれに近いものです。
 しかし、色丹につきましては、いいですか、このPCIが出している数字は九億二千九百万円なんです。消費税を入れても十億八千八百万円なんです。しかるに、この落札価格はこれよりも三億五千万高い金額になっておりますし、また、先ほど申し上げましたように、この積算の根拠は、色丹島だけは出されていないのであります。色丹島については積算の根拠が出されていない。お配りした資料のとおりであります。国後と択捉については積算の各項目についての数字が出ておりますが、これは出されていない。
 したがって、この色丹についてもう一つ申し上げますと、予算の計上は平成十年度の補正予算でなされたわけでありますが、この補正予算で計上された金額は四十億円であります。ちょっと端数がありますが、四十億円であります。そういたしますと、そこからまた割り出しますと、まさに契約された十四億幾らという数字になりますと、十四億四千九百万円という契約価格になりますと、はるかにこの四十億を、これは三つ合わせて四十億なんですけれども、これをはるかにオーバーしてしまうんです。
 役所の予算要求をするのに、実際予定されて見積もられている価格よりも大幅に少ない予算要求をするはずはありません。幾らかもちろんその他の経費もかかるわけですから、当然幾らか乗せた要求をするのが当たり前であります。そういうことを考えますと、実は、当初PCIが出したところの価格九億二千九百万円、これが正しい、実際に見積もられた価格である、この差の三億五千万円は、うやむやのうちに乗せられたものだということを申し上げなければなりません。
 そして、もう時間がなくなってきましたので残念でありますけれども、色丹島の入札では、そのように予定価格を不当に引き上げた上に故意に最低価格というものをでっち上げた、それで実際には最初から予定していた三井物産に落札をさせたという疑いが極めて濃いのであります。PCIの報告、それから東電の調査、この両方の調査では、国後島には二億六千万円かけて修理をすればいいという報告が出たにもかかわらず、これを鈴木議員に報告をしなきゃいけない云々かんぬんという経過の中で、結局は十五億かけて新しいものをつくることにした。この中に鈴木宗男氏の関与があることは、さまざまなこうした外務省の出した資料の中で明らかであります。
渡海委員長 石井委員に申し上げます。
 時間を経過しておりますので、御協力お願いします。
石井(紘)委員 最後に委員長にお願いをしたいのですが、大変これは疑問点が多い問題でございますので、ぜひひとつ特別な審査をこの決算行政監視委員会において行っていただくようにお願いをいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
渡海委員長 後日理事会で協議をさせていただきます。
石井(紘)委員 では、時間が来ましたので終わります。
渡海委員長 次に、金子善次郎君。
金子(善)委員 民主党の金子善次郎でございます。
 最初に、内閣府の奥山政務官、来ていただいているかと存じます。
 奥山政務官でございますが、実はこういう報道がございます。北海道第十三支部名義で百万円、鈴木宗男議員の方から二〇〇〇年選挙の際陣中見舞いとして受理したが、ことし五月鈴木事務所に返却した、こういう報道がなされているところでございます。
 そこで、四点につきまして質問させていただきますので、お答えいただきたいと思います。
 まず、この報道は事実なのかどうか、それが第一点でございます。それから、返却されたとなっておりますが、これはなぜ返されたのかという点でございます。それと、返却金について、どなたの名義の領収書を受け取っておられるか。第四点目でございますが、平成十年以降、北海道第十三支部、鈴木議員の資金管理団体その他の政治団体や鈴木宗男議員個人からの寄附とか献金、パーティー券購入などの資金提供があったかどうかをお伺いしたいと思います。
奥山大臣政務官 お答えを申し上げます。
 報道は事実であります。そして、ちょうど二〇〇〇年の六月の選挙のときに、鈴木議員が私の選挙事務所に来られまして、そして陣中見舞いという形で置いていってもらったわけであります。
 しかしながら、その後、これが鈴木議員個人からの献金だということもあり、法的には問題がないであろうと思いましたが、しかしながら、国民の感覚から考えますと、これは問題ではないかと言われてまいりましたし、私自身も自分の支援者の人といろいろ相談をいたしましたら、やはり返すべきであるということで、お返しをさせていただいたわけであります。
 そして、返しましたのは鈴木議員の秘書の茂木義幸秘書から領収書をいただいたわけであります。
 そして、それ以外には一切ございません。
金子(善)委員 ありがとうございました。
 続きまして、熊代副大臣、おいでいただいているかと存じますが、同じ質問になりますが、熊代副大臣は、二〇〇〇年の選挙に際しまして選挙応援の目的で受け取ったが、ことし三月に返却しているという報道がございます。
 そこで、四点についてお伺いいたします。
 この報道は事実かどうか。それから、なぜ返却されたのか。返却金につきまして、だれ名義の領収書を受け取っておられるか。第四点目でございますが、平成十年以降、北海道第十三支部、鈴木議員の資金管理団体その他の政治団体や鈴木宗男議員個人からの寄附とか献金あるいはパーティー券の購入などの資金提供があったかどうかをお伺いしたいと思います。
熊代副大臣 平成十二年の総選挙のとき、六月十九日に、自由民主党北海道衆議院比例区第一支部より選挙事務所に百万円の寄附をいただいているということでございます。選挙の応援に来ていただいて五分ばかり滞在していただきましてということでございます。私自身は選挙カーに乗っておりましたので知りませんでしたが、調べた結果、そういうことでございます。
 平成十四年三月二十九日に、鈴木代議士の政治資金管理団体である21世紀政策研究会あてに、私の岡山の第二選挙区支部で受けておりましたので、第二選挙区支部から振り込みをいたしました。振り込みをいたしまして、収入印紙つきの振り込み用紙がございます。今会計責任者がちょっと入院中でございますのではっきりいたしませんが、まだ領収書はいただいていないんじゃないかというふうに思いますが、振り込み証がございます。
 なぜ返したかということでございますが、これは選挙応援の陣中見舞いでございまして、大変善意でいただいたものであると思います。しかし、いろいろと問題点も指摘されておりましたので、李下に冠を正さずというような観点から返却をさせていただきました。
 それから、そのほかの寄附はないかというお話でございましたが、調べてみましたならば、平成十年二月十八日、私の経済・保健福祉研究会、これは講演をやる政治資金パーティーでございますけれども、講師として御参加いただきまして、鈴木宗男代議士個人から十万円の御寄附をいただいております。それから、第二十二回の経済・保健福祉研究会、十年十月の二日でございますが、これは日本のNPO法の施行と出版を祝う会でございますけれども、会費として十万円をいただいております。それから、三十二回経済・保健福祉研究会、これは社会部会長及び副幹事長就任を祝う会でございますけれども、鈴木宗男代議士個人から五万円をいただいております。合計で二十五万円でございます。これは御指摘ございまして、二十万円以下でございますから報告はしていないわけでございますが、領収書を見ましたらそういうことでございました。
 ということでございますので、これも大変善意で、合法的な御寄附ではございますが、先ほど申し上げました李下に冠を正さずということであれば、お返ししなければならないと考えているところでございます。
金子(善)委員 ありがとうございました。副大臣、政務官、お忙しいでしょうから、御退席いただきたいと思います。
 実は、外務省のそもそもの一連のいろいろな不祥事が発覚いたしまして、そのスタートを切ったのが、いわゆる松尾元室長による機密費の詐取事件が国民の前に明らかになったということでございますが、ちょうど一年半の経過がございます。この間、いろいろな問題が出てきたわけでございますが、国民の納得できる結論と申しますか、そういうものが得られるかどうか、検証をさせていただきたい、このように思います。
 まず最初に、瀋陽総領事館事件についてお伺いをいたします。
 外務大臣にお伺いしたいと思いますが、既に事実関係を調査した報告書というものは出されているわけでございますが、この事件の総括的なまとめと申しますか、そういう報告書を作成するお気持ちがあるのかどうか、これはきちっとした報告書を作成していただきたい、このように考えておりますけれども、その点、大臣、いかがでございますか。
川口国務大臣 瀋陽の総領事館で発生いたしました事件につきまして、調査結果を五月の十三日に発表いたしましたが、その後、本事件への対応についてはさまざまな御批判をいただいたところでございます。
 このような御批判を真摯に受けとめまして、改めて問題点を精査するとともに、今後の改善策、そして関係者の処分につきまして検討を行っておりますというのが今の状況でございます。
金子(善)委員 ということは、総括的な報告書はつくられる、こういうふうに理解してよろしいんでしょうか。
川口国務大臣 報告書という名前が適切かどうかよくわかりませんけれども、先ほど申しましたように、改めて問題点の精査はいたしまして、それに基づいて今後の改善策を考えているということでございます。
金子(善)委員 今大臣が触れられたわけでございますけれども、処分についても考えているというようなことを今御答弁されたわけでございますけれども、今度の一連の動きを見ておりますと、これは普通の国民が納得できるという観点から考えますと、いわゆる外務省の内規に基づく処分という程度では済まされないんではないかという気さえしているところでございますが、処分という場合にどういうような基本的な考え方を持っておられるのかということと、いつ処分されるのか、それについてお伺いしたいと思います。
川口国務大臣 これは今、中で検討をいたしているところでございますので、それ以上に詳しいことは、少し話を煮詰めました後でというふうに思います。
金子(善)委員 次に、松尾元室長によります内閣官房報償費詐取事件につきまして、官房長官にお伺いをしたいと存じます。
 まず、国としての債権額の特定という点でございますが、実は、松尾元室長がかかわった総理大臣の外国訪問というものは四十六回に上っております。この松尾室長に渡っておりました報償費というものは約十億円を超える額に上っていると。実は、起訴されたものは十四回分でございまして、さらに昨年の十一月の段階で被害額が特定されていたのは十九回分、もちろんこの起訴分の十四回を含めたものでございますが、十九回分の四億五千万円でございます。残り二十七回分、これはどうなっているのか、被害金額は確定されたのかどうか、これについてお伺いしたいと存じます。
福田国務大臣 この松尾元室長の事件につきましては、御指摘のとおり、内閣官房の債権として把握している額は約四億五千万円でございます。これは、平成九年以降の総理外国訪問十九回分についてのものでございます。
 そして、松尾元室長在任中の残る二十七回の総理外国訪問につきましても、これはまだ確認されておりません。実は、相当な時間の経過もありまして損害額の把握が困難な面もありますけれども、かねてより外務省等に協力をお願いして、松尾元室長が実際にホテルに支払った宿泊費の把握に努めておるところでございまして、引き続き、可能な限り損害額の把握に努めてまいりたいと考えているところでございます。
金子(善)委員 納税者である国民に納得してもらえるような、そういう姿勢で臨んでいただきたい、このようにお願いを申し上げます。
 そこで、国税当局にちょっとお伺いいたします。
 松尾元室長、あるいは室長からマンション等の贈与を受けておりました女性に対してどういう措置、申告漏れに対しまして課税あるいは回収というものが進んでいるのかどうか、これについてお伺いしたいと思います。
村上政府参考人 お答えいたします。
 松尾元室長に対する税務調査並びに松尾元室長から贈与を受けておられたという女性に対する税務調査、そういったことを、国税当局が課税を行ったという報道があることはもちろん承知しておりますが、御質問の件は個別にわたる事柄でございますので、具体的な答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
金子(善)委員 そういうような答弁になると思っておりましたが、この事件は、外務省の一室長が十億円にも及ぶ税金を詐取した、こういうケースでございます。こういうものについてもいわゆる守秘義務というようなことで、通り一遍のそうした国会での答弁はいかがなものかと私は思います。要は、少なくとも、きちっと措置をしているとかしていないとか、その程度の答弁は当然できるのではないか、またすべきものというふうに私は思います。
 いずれにいたしましても、国民の納税意識、そういうものを失わせるというようなことにつながっては守秘義務も何も、いわゆる国民全体に対する影響は大きいものがあると私は思います。これは注意を喚起しておきたい、このように思います。
 それから、松尾元室長への損害賠償の状況でございますが、実はこれは外務省の報告に基づいているものでございますが、昨年十一月の段階で、銀行口座一億九千万円及びマンション約三千万円について仮押さえ済みという報告がなされているわけでございます。仮押さえをしているわけですから、もう国庫への回収は当然終わっていると思いますが、この点はどうでしょうか。
福田国務大臣 内閣官房としてこれまで回収した額は、同人の所有するマンションの売却、それから同人名義の銀行預金など、合計三億四百九十八万円ということになっております。
金子(善)委員 質問したいことは、もうきちっとそれは仮押さえを、さっき外務省ということを申し上げて恐縮だったわけですが、仮押さえをしているということでございますから、その後の手続がきちっとなされていて、国庫へそれが回収されているのかということをお聞きしているわけでございます。
福田国務大臣 ただいま申し上げましたのは、これは収納額として三億四百九十八万円、こういうことになっております。
金子(善)委員 きちっとしたことについてはまた後ほど、いろいろな形で私どもとしても把握していきたいと思いますが、長官がおっしゃりたいと思いましたのは、この中に含まれているんじゃないかというような御趣旨と受けとめておりますけれども、実際、一つ一つの仮押さえということになりますと法的な手続がきちっとなっているわけでございますので、本当はもう少し明確にお答えいただきたかったわけでございます。その点につきましては、改めていろいろな形でこちらとしても調査させていただきたいと思います。
 それと、ほかの財産等については法務省と協議、調整中ということが、これも報告として言われているわけでございますが、その法務省との協議、調整ということについてはどうなったのか、それについてお伺いしたいと思います。
福田国務大臣 内閣官房の債権として把握している債権額の回収につきましては、これまで可能なものはすべて回収を行いました。残りの債権も、引き続き回収に向けて努力をしてまいりたいと思っておるところでございます。
金子(善)委員 今長官の方から可能な限りというようなお話でございましたが、この弁償を受けられないという金額についてはどういうふうにお考えになっておられますか。
福田国務大臣 これはそういう努力をして極力回収したい、こういうように考えておるところでございまして、その努力をするという以外にないわけでございます。
金子(善)委員 これはもともと国民の税金でございます。本人の支払い能力がないからといって、多額の税金がこういう形で失われるということは大変問題だと思います。これは、納税者である国民は納得できないのではないかというふうに思います。
 そこで、これにつきまして関連でお伺いしたいと思いますが、実は、官房長官は、平成十二年十月から十三年六月まで官房長官給与九カ月分を返納されたというようなことでございますが、いわゆる事務方の職員の責任問題はどのように理解をされているんでしょうか。
福田国務大臣 総理の外国訪問に際しまして、在外公館を擁し、そして現地情報に精通した外務省との役割分担という、そういう考え方でもって必要な経費の支払いを行ってまいったわけでございます。
 その際、松尾元室長が行った見積書作成等の行為は、これは外務省内部の組織的チェックを受けていなかったということが外務省の調査で明らかになったわけでございますが、内閣官房として、当時の状況を振り返ってみて、こうした実態を外部から把握するということは極めて困難であったということでございまして、内閣官房の事務遂行について行政上の責任を問うことは適当でない、こういう判断に基づきまして、結果責任として私が、ただいま御指摘のとおりの処罰を受けたということであります。
金子(善)委員 実は、今長官はそういう答弁をなさったわけでございますけれども、かなりずさんな取り扱いだったということははっきりいたしております。例えばヨルダンの訪問では、宿泊がなかったにもかかわらず宿泊の差額を得るというような一つの例がございます。これは何らかの責任が問われて当たり前ではないかというのが普通の国民の理解ではないかというふうに私は思います。そこで、再考を求めたいというふうに思います。
 そこで、委員長にお願いを申し上げたいと思います。
 実は、いろいろな資料関係でございますが、内閣官房、外務省に対しまして、松尾元室長の預金口座等いろいろ資料を要求した経過がございます。ただ、捜査中として提出をできないというようなことがございました。判決は確定してございますので、これから私どもとしても全体を把握するために資料を要求していきたい、このように考えておりますので、委員長のお取り計らいをよろしくお願い申し上げたいと思います。
渡海委員長 資料の中身を検討させていただいて対応を御報告させていただきます。
金子(善)委員 時間の関係もございますので、渡切費の問題につきまして質問させていただきたいと思います。
 四月八日の外務省の官房長の答弁では、四月の時点で残額を確定し、その時点で国庫に返納する手続をとりたいと述べておられるわけです。ちなみに、小町前官房長は昨年の十二月五日に、平成十二年度末の渡切費の繰越金額は三十一億九千万円と答えております。
 こういう状況の中で、平成十三年度の執行残額というのを確定が終わったのかどうか。それから、幾つの在外公館から報告が来たのか、それぞれの金額が幾らであったか。そして、国庫への返還手続というものが既にとられたのかどうか。この点につきまして質問したいと思います。
北島政府参考人 渡切費につきましては本年度予算から計上を取りやめたわけですが、昨年度に属する債務の支払いが終了する本年四月末に、各在外公館において渡切費の帳簿を締め切っております。
 これまでに在外公館から本省に対しまして、各公館における残額が報告されております。この報告によりますと、渡切費の残額でございますが、全体でおおむね三十億円程度となる見込みでございます。
 現時点におきまして、外務省の本省におきまして、各公館からの残額の報告額と各公館の渡切費帳簿残額を照合する等の確認作業を行っておりまして、今後、鋭意作業を進めまして、残額を確定し次第、残額を国庫に返納するということを考えております。
金子(善)委員 続きまして、水谷元デンバー総領事の公金の不正流用事件について質問させていただきたいと思います。
 実は、これは四月八日のこの委員会の第二分科会で指摘をしました。梅田公使が、公金口座でない館の口座というものがあるということを言われたわけでございますが、これは確認されたのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
 公金口座でない館の口座があるということを梅田公使が発言をされているわけです。これはどういうものなのかというようなことで大分議論をさせていただいたわけでございますが、これは確認をされたのかどうか。
北島政府参考人 お答え申し上げます。
 御指摘の口座は、在デンバー総領事公邸用建物の修繕費等として、総領事館が家主より受領した約二十万ドルを管理するため、便宜上、総領事館名義で開設された非公金口座でございますが、確認しております。この非公金口座は、平成十二年三月に閉じられております。
金子(善)委員 終わります。ありがとうございました。
渡海委員長 次に、木下厚君。
木下委員 民主党の木下厚でございます。
 まず最初に、鈴木宗男議員から寄附金を受けていた、そう報道されております木村太郎防衛政務官並びに水野賢一外務政務官に御出席をいただきまして、次の四点についてお伺いさせていただきます。
 まず、鈴木議員からもらった金額、あるいはその経緯、さらに返却の有無、もし返却したとすればなぜ返却したのか。四点目が、その報道された金額以外に、平成十年以後、それ以外の寄附金あるいはパーティー券があったらお知らせいただきたいと思います。
 まず、木村防衛政務官からお願いします。
木村長官政務官 去る三月七日、参議院の予算委員会の場で民主党の福山委員からも質問がありましてお答え申し上げましたが、平成十二年におきまして、我が党の北海道衆議院比例区第一支部から私どもの青森県第四選挙区支部に、平成十二年四月二十七日五百万、八月九日百万の二回にわたって、合計六百万の寄附を受けております。
 二点目においては、同じ党の先輩、後輩という交流や、また選挙区において隣接道県という交流、そういった交流の中で御寄附をいただいたと思っております。
 三点目においては、二年前の政党支部間の寄附でありまして、基本的には全く別の事柄と思っていますが、この件で国民や地元の皆様にいささかも心配をかけることは私の本意ではなく、よって去る三月二十日返却し、地元市を通じても説明し、報道もされているところであります。
 四点目につきましては、全くそのほかございません。
 以上です。
    〔委員長退席、岩屋委員長代理着席〕
水野大臣政務官 今御質問の点につきまして、鈴木宗男衆議院議員から資金提供を受けたというのは、いかなる形をとりましても一切ございません。
 実は、私もその一部報道で、鈴木議員が資金提供したというリストに私の名前、水野賢一が載っていたのがございまして、事実としてそういう資金提供というのは一切ないですから、私自身もそれは驚いて問い合わせ、調べてみたところ、結局は、結論から申すと、私と同じ千葉県選出のとある自民党の国会議員に対して寄附が行っていたのが、私と人違いで、取り違えられていたということですから、それはその報道の機関も認めて、翌週号に訂正記事みたいなものを出しているんです。
 ですから、結論から言うと、一切資金提供はないということですし、今の四点の質問、返却などももちろんございませんし、ということになります。
木下委員 そうすると、平成十年度以後も全くないということでございますね。
水野大臣政務官 全くございません。
木下委員 ありがとうございました。お忙しいでしょうから、どうぞ御退席いただいて結構でございます。
 さて、本題に入らせていただきますが、実は、けさほど文部科学委員会で、例の帝京大学の医学部の問題について質問させていただきました。ただ、時間がなかったものですから、一部質問が残ったもので、慌てて急遽お願いして出席していただいて、質問させていただきます。
 さて、御承知のように、この帝京問題というのは大変根が深いものがあります。旧文部省が八一年に、合格発表前の寄附金は禁止という通達を出したにもかかわらず、医学部の入学に際して、合格発表前に多額の寄附金を集めていたということで、昨年十二月、大変大きな新聞報道になりました。
 その後、先般には、今度は帝京大学関連の財団が税務調査を受け、そして、巨額な所得隠しが発覚し、追徴課税を受けました。その件でございます。
 私が質問したいのは、実は、この帝京大学には多額の国庫補助金が入っております。私が調べただけでも、帝京大学だけで年間十六億円、そして、帝京大学を含む大学あるいは高校、中学、小学校、これに対しては、実に毎年四十億から五十億円の国庫補助並びに地方交付金が出費されている。そして、五年間で二百四十四億円に達している。そうした大学が、寄附金を集め、財団にプールして、それを流動資金として株式投資をやったり市債を買ったり、さまざまな活動をしている。
 こうしたことが今回問題になったわけですが、実は、帝京大学の冲永荘一総長が現在住んでいる品川区旗の台の土地は、計約千五百三十七平方メートルあります。このうち三分の二に当たる約九百九十二平方メートルは、昭和三十年十一月に、冲永総長の次男冲永佳史氏が理事長を務める学校法人冲永学園に寄附をしています。これは恐らく、お父さんが亡くなって、遺産相続が大変だというので寄附されたんだろうと思う。そして、残りの三分の一に当たる約五百四十五平方メートルは、昭和六十年六月に、やはり学校法人冲永学園にこれは売却しています。
 ところが、冲永学園に寄附したり売却したその現在の土地に、理事長、総長一家が豪邸を建てて、今も住んでいるわけでございます。これはまさに学園を私物化している。もし住むのであれば、当然、土地代等を冲永学園に支払わなければならないだろうと思うんですが、これについて文部科学省、どう調査をされましたか。
工藤政府参考人 御指摘の品川区の居宅でございますけれども、これは初代理事長でございます冲永荘兵衛氏の所有であったものが、同氏から昭和三十一年に学校法人冲永学園に寄贈されたということでございます。この学校法人冲永学園は短大等のほかに幼稚園も経営してございまして、同敷地内で幼稚園を経営しながら、この居宅につきましては、冲永総長の居宅としてのほかに、幼稚園及び学園の倉庫として使用されているということでございまして、冲永氏はその賃料として月額十三万円をお支払いしているということを承知してございます。
木下委員 支払われているとすれば、その支払い証明書をぜひ提示してもらいたい。しかし、あれだけの豪邸で十三万円というのは、これは余りにも少な過ぎる。あそこの土地からいえば、あるいは土地価格からいえば、もっと膨大な金額になるはずです。その辺も含めて再調査、並びに、やはり問題があるということを指摘しておきます。きちんと、世間相場、あの付近の土地代に当たる、あるいはそれだけの相応のお金をやはり支払うべきだと思いますが、いかがでしょうか。
工藤政府参考人 同所を私存じませんのであれでございますが、大学の方からの説明では、東京国税局の税務調査もされておりまして、この十三万円という月額に特に問題の指摘はなされていないということでございます。
 御指摘がありました振り込みなどの証拠をどうするかということでございますが、私どもも提出を求めたのでございますが、提出できないという連絡でございました。再度、先生からの御指摘もございますので、改めて要請してみたいと思います。
木下委員 ぜひ提出を要求してください。
 さて、次の問題に移りたいと思います。
 先ほど石井議員の方から国後島のディーゼル発電施設について質問がありました。私もずっとこの問題を追及してきたわけですが、先ほど来指摘がありましたように、このディーゼル発電は、平成十年十一月のPCI調査と平成十一年八月の東京電力の調査では改修とされていた。ところが、これが突然新設となって、そして総額二十一億円の金額に膨れ上がった。なぜ突然改修から新設になったか。それを決裁したのが実は平成十一年の十二月七日、その決裁書を私も再三資料要求していましたが、やっと出てきました。
 この中身を見てびっくりしたんですが、この中で、実は、平成十一年十月二十五日の決裁書に、その前日二十四日の午前九時より約五十分間、国後島の行政府倉庫の二階において鈴木宗男議員と南クリル地区長のゼーマさん、さらにはサハリン州渉外課長のノーソフさんとの会談があります。その会談を見ますと、サハリン州のノーソフ渉外課長は、何としても地熱発電でやりたいということを申し上げています。そして、こう発言しています。エリツィン大統領によって定められた連邦レベルの計画であって、その実施項目の中で大きな意味を持っているのは南クリルでの地熱発電である、こう言っているわけですね。
 これに対して鈴木議員は、日本の支援は連邦計画の枠組みの問題ではない、連邦計画はそれとしてロシア連邦がきちんと実施すべきものである、サハリン州は国後島においてディーゼル発電施設を設置することに反対なのか。
 いわばこれは鈴木さんのことですから、恐らくかなり恫喝に近い。文章にするとこうなっていますが、私は人間が優しいものですからこれ以上強く読めないんですが、恐らく、鈴木さんの発言からいうとかなり強く、ディーゼル発電施設を設置することは反対なのかということで、ノーソフさんを、恫喝と言ってはあれですが、されている。そして、それに対してクリルのゼーマ地区長も積極的にディーゼル発電を一生懸命鈴木さんにお願いしているわけですね。サハリン州のノーソフさんだけが、これはエリツィンの構想だから地熱発電にしたいんだということを言っているのに、鈴木さんとゼーマさんが一喝して、そして最終的に国後島にディーゼル発電所を設置することになった。
 この経緯について、ちょっと、どういうやりとりがあったのか、もう一度確認したいと思うんですが。
齋藤政府参考人 お答えいたします。
 先生御指摘のとおり、平成十年から十一年にかけまして実施されました調査によりますと、発電機増強の必要はないですとか、あるいは補修で対応したらどうかという提案がなされていたことは、事実そのとおりでございます。他方、これに先立ちまして行われた調査の中には、それとやや趣の異なる内容のものがあったということもございます。
 そういった技術的な観点からの調査結果を踏まえつつも、二〇〇〇年までに平和条約を締結するよう全力を尽くすというクラスノヤルスク合意を経まして、交渉のモメンタムを一層高めるために支援が拡大されていった、そういう中で国後島のディーゼル発電施設の設置が必要であるという政策的判断が当時なされた、こういうことであろうと思います。
 先ほど先生が御議論なさいましたゼーマさんとノーソフさんでございますか、これは私の理解するところでは、ノーソフさんは連邦政府の代表ということで同席していたわけでございますし、ゼーマさんは現地の責任者ということで発言しているわけでございますが、この連邦政府の計画、これは地熱を推進したいという計画に基づくものであったようでございますけれども、それと現地、ゼーマさんの主張しておりましたディーゼル発電の方がいいではないかという、地元と連邦政府との間の方針の違いというものがあったというふうに私は理解しているわけでございます。
    〔岩屋委員長代理退席、委員長着席〕
木下委員 もちろん、方針の違いがあったからこういう議論になったと思うんですが、結局、最終的にそういう形で結論を出したのは鈴木さんじゃないですか。
 外務省さんがこの問題について調査報告書を出しました。この中では、国後島のディーゼル発電所については鈴木宗男さんの関与は認められないという表現になっています。しかし、違うじゃないですか。これだけはっきりディーゼル発電に反対なのかという形で、要するに、向こうの州のあれを一喝しているわけですよ。関与がなかったどころじゃなく、最終的な決断をしたのは鈴木さんじゃないですか。そして、その結果が、この平成十一年十二月七日、ロシア支援室での決裁書決定、これになったんじゃありませんか。どうですか、もう一度。
齋藤政府参考人 ゼーマ南クリル地区長から、鈴木議員を含む我が方支援団に対しましてディーゼル発電施設の設置要請がなされたというのは、御提出させていただきました資料にもあるとおりでございまして、これは、鈴木議員個人に対して要請があったというよりは、鈴木議員を含む我が方支援団に対してゼーマ南クリル地区長から要請があったというふうに我々は理解しておりまして、そういったことから、先ほど申し上げました経緯を踏まえまして、国後島に対しましてディーゼル発電施設を供与した、こういうふうに理解しております。
木下委員 もちろん、最終的にはそれは支援委員会にお願いするのは当然としても、出席者が、そのとき我が方からは東郷欧亜局長、それから佐藤情報分析主任分析官、いつものメンバーが参加している。この三人でそろって、しかも、その中で鈴木さんがディーゼルに反対なのかと声を荒げた、これで一喝したんじゃないですか。最終的に支援委員会がその鈴木発言に動かされて、そしてそれから約一カ月半後、十二月七日にロシア支援室で新しいディーゼル発電を決める。一連の流れでしょう、違いますか。
齋藤政府参考人 大変くどいようで恐縮でございますが、これは北海道東方沖地震の後に、ディーゼル発電機を供与してほしいという当時の国後島のポキージンという地区長からのディーゼル発電機要請がございまして、それから先ほど私が申し上げましたような経緯を経て、川奈においてディーゼル発電機を供与するという意図表明を行ったわけでございます。このノーソフさんというのは、同席していた彼は連邦政府の代表ということであれしていたということで、立場が違ったということで、そもそも地熱に対しては、調査団を出して専門的に調査した結果、技術的にもなかなか困難な問題があるということで、当初の要請どおりディーゼル発電施設を供与したというのが私どもが理解しているところでございます。
木下委員 時間がありませんので、次の問題に移らせていただきます。
 先般、五月二十九日の外務委員会で、国際委員会の一つである日露核兵器廃棄協力委員会、これについて大臣に質問させていただきました。この中で、今日までに合計で二百五十億九千六百万円日本が拠出をしている、しかし実際に使われたのは八十九億円、約九十億円、約百六十二億円がプールされている。この問題を指摘しました。これに対して外務大臣は、これらの国際委員会を廃止する方向で検討するという話でした。
 そして、先般の新聞では、核廃棄協力委廃止という新聞報道が出ましたが、これは決定されたことでございますか、大臣。
川口国務大臣 御指摘の四つの非核化委員会につきまして、現在抜本的な見直し作業を行っているところでございます。これを廃止するという結論があったということはございませんで、ロシアの政府と相談をしながら、できるだけ早く、ただし非常に抜本的な見直しをしたいということを考えているわけでございます。
木下委員 実は、先般のサミットで小泉首相は、ロシアの核解体支援に、アメリカの要請から二億ドルの拠出を表明しています。
 しかし、先ほど言いましたように、この日ロの核廃棄協力委、ロシア側の対応のまずさからこれも十分に使い切れなかった、百六十何億円もプールしていながら、そして一方ではここを見直すと言いながら、また新たに、アメリカから言われて二億ドルの拠出をする。こういう小泉首相の発言に対して、外務大臣、どうお考えでございますか。
川口国務大臣 おっしゃった問題につきまして、これはG8グローバルパートナーシップという名前で呼ばれているものでございますけれども、これが今回のG8サミットで大量破壊兵器等の拡散に対しまして対処をするために、G8グローバルパートナーシップが合意されたわけでございます。
 今委員がおっしゃった実行に当たっての諸問題、これについては、外務大臣のG8の会合においても私からかなり強く意見を申し上げてまいりました。このパートナーシップにつきまして、これは安全保障、テロ対策を含む不拡散及び環境保全の三点で大きな意義があるということでございます。我が国は、このような認識に基づいて、当面二億ドル余の貢献を行うということにしたわけでございますけれども、これに係る事業を実施する上でどうやってやっていくのか、委員がおっしゃったような問題も含めまして、指針を議論いたしまして、指針が合意されたということを受けまして、事業の実施上の諸困難が解決されるということを前提にしてこれが決定されたということでございます。
 それで、二億ドル余というふうに申し上げましたけれども、これは、一億ドルを余剰プルトニウム処分のためにG8が新たに設立する国際機関に拠出をするということといたしております。そして、この国際機関へ拠出をする分以外の一億ドル余につきましては、G8が、新たな枠組みのもとでの関係国の実施上の困難を除去する努力等を見きわめながら、非核化協力委員会の抜本的な見直し作業を行う中で具体的には考えていくということでございます。
 したがいまして、委員がおっしゃった問題点については、G8の中で十分にシェアをし、十分に議論をしてこれを解決していこう、そういうことで動いているわけでございます。
木下委員 時間ですので終わりにさせていただきますが、くれぐれも核廃棄協力委の失敗を繰り返さないように、大事なお金でございますので、ぜひ慎重に、ロシア側の対応を見きわめながら慎重にやっていただきたい、これだけ要請して終わりにします。
 ありがとうございました。
渡海委員長 次に、大森猛君。
大森委員 日本共産党の大森猛です。
 きょうは、鈴木宗男議員のあっせん収賄事件問題について質問をいたします。
 今回の事件に関連して、造材業者やまりんの盗伐問題を調査してみて大変びっくりしたんですが、やまりんと政治家、林野庁、営林署のただならない、そういう関係が本当に深いものだということをその中で知りました。そういう中で、きょうは、大変限られた時間のために、やまりんと政治家との関係についてお聞きをしたいと思います。
 最初に官房長官に伺いますが、鈴木議員の被疑事実でも明らかなように、総理大臣官邸内の内閣官房副長官室で、やまりん会長らから請託を受け、わいろを受け取った疑いが持たれております。憲法六十五条では、「行政権は、内閣に属する。」こうなっており、行政府の頂点に立つのが総理大臣であり、総理官邸は総理大臣が日常的に業務を行う場所で、文字どおり権力の中枢であります。その場所が汚職の舞台に使われたということについて、官房長官の見解をまずお聞きしたいと思います。
福田国務大臣 現職の国会議員があっせん収賄罪で逮捕される、こういう事態は政治に対する国民の信頼を損なうものでございまして、極めて遺憾に思っております。
大森委員 今回、今度の国会で政治と金の問題が大きな問題となったわけでありますけれども、そういう中で、小泉総理は、公共事業受注企業からの献金制限を表明されました。それから大分たちまして、会期も残すところもう一カ月を切ったわけであります。法案として影も形も出てきておりません。新聞では、まずは大ぶろしき、抵抗勢力と調整、果実はわずかというような形でやゆする、そういう論調もあらわれております。この公共事業受注企業の献金も含めて、献金制限問題、そのわずかな果実すら出ていないわけであります。
 官房長官として、総理、小泉首相のこういう言明というのはそれほど軽いものなのかという思いがいたしますが、この点はいかがでしょうか。
福田国務大臣 政治資金のあり方というものは、民主主義のコストをどのように国民に負担していただくかという観点から考えなければいけない問題と思っておりますが、公共事業受注企業からの献金などにつきましては、国民の疑惑を招くことがないように、法整備も含め、もう一段踏み込んだ仕組みを考えることが必要である、総理がこういうお考えをお持ちでございまして、現在、与党において具体的な検討を進めるように求めているところでございます。各党各会派から幅広い合意が得られる成案の作成に向け、引き続き努力をしてまいりたいと思います。
大森委員 果実が本当にきちんと実るように、しっかりこれは力を入れてやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。
 官房長官も実は最後まできょうの議論を聞いていただきたいんですが、日程の都合もあるようですから、よく肝に銘じていただいて、お帰りいただいて結構だと思います。
 鈴木議員の本院に提出した弁明書に添付されたやまりん社長の山田哲氏の陳述書では、八月四日及び五日の日に、自民党の松岡代議士や松下代議士にも献金している、こう述べられております。ここで言う松岡議員というのは松岡利勝氏であります。松下議員とは松下忠洋氏。松岡議員側はやまりんからの献金二百万円、松下議員側は五十万円の受領も認めております。
 法務省の方、きょう来ていただいておりますが、捜査の過程で、松岡、松下両氏への献金の事実は、これは把握をされていたでしょうか。
古田政府参考人 お尋ねの点につきましては、個別の案件に関する捜査機関の具体的な捜査の内容そのものでございますので、恐縮でございますが、法務当局からお答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
大森委員 松岡議員の資金管理団体は松岡利勝新世紀政経懇話会、政党支部は、自民党熊本県第三選挙区支部の支部長についております。政治資金規正法十二条第一項では、年間五万円を超える寄附については収支報告書に記載することになっております。
 そこで、総務省に伺いますが、鈴木宗男議員へのわいろは、これは、やまりん、コマバ、天倉林業、山田哲氏、山和道路、道東通商、山洋建設、山一物産、北日本工業からの寄附の形をとっておりますけれども、松岡氏の資金管理団体及び政党支部九八年の収支報告書に、これらの企業、個人からの寄附の記載があるでしょうか。お尋ねしたいと思います。
大竹政府参考人 松岡利勝議員の資金管理団体でございます松岡利勝新世紀政経懇話会につきまして、平成十年分の収支報告書を確認いたしましたところ、ただいま御指摘のございました会社等からの寄附を受けた旨の記載はございません。
 また、同議員が代表者でございます自由民主党熊本県第三選挙区支部の平成十年分の収支報告書につきまして、熊本県選挙管理委員会に確認いたしましたところ、御指摘の会社等から寄附を受けた旨の記載はないとの報告を受けております。
大森委員 松下忠洋氏の資金管理団体は松洋会であります。政党支部、これは九八年当時は自民党鹿児島県第三選挙区支部になりますけれども、総務省にこれも伺いたいと思います。
 松下氏の資金管理団体松洋会、これは九八年の収支報告書の訂正がされたと聞いておりますけれども、訂正がされたかどうか、そして、その内容についてお聞きしたいと思います。
大竹政府参考人 松下忠洋議員の資金管理団体でございます松洋会から、本年六月二十四日に、平成十年分の収支報告書につきまして訂正がなされております。
 その内容でございますけれども、平成十年八月五日にやまりん株式会社から五十万円寄附を受けた旨追加するという訂正でございます。
大森委員 広くマスコミの前で、松下、松岡両氏側ともこれは献金の事実を認めているわけであります。松岡氏の場合には、献金額は二百万円、今なお訂正もされていない。もちろん、訂正しても、これは資金管理団体及び政党支部に対しての献金の関係で、政治資金規正法十二条違反になると思うわけでありますけれども、そこで、このことを指摘して法務省にもう一度お伺いしたいんですが、鈴木宗男議員に対するやまりん側からの五百万円の提供をわいろと認定した、この被疑事実はどういうものか、これを明らかにしていただきたいと思います。
古田政府参考人 お尋ねは、鈴木宗男議員に対する被疑事実の内容ということで理解いたしますが、被疑事実の要旨を申し上げますと、鈴木議員は、多田秘書と共謀の上、衆議院議員及び内閣官房副長官であった平成十年八月四日ごろ、内閣官房副長官室において、やまりん株式会社会長らから林野庁幹部職員に対し、同社が行政処分を受けなかった場合に購入することができたのと同量の林産物を競争参加資格停止期間終了後に随意契約で購入できるように取り計らうよう働きかけてもらいたい旨のあっせん方の請託を受け、この請託がその行政処分の実効性を失われるようにあっせんすることの請託であることを知った上で承諾し、即時その場で同会長らから、そのあっせんをすることの報酬として供与されるものであることを知りながら、現金五百万円の供与を受けたというものでございます。
大森委員 行政処分を受けたやまりんに対して林野庁が便宜を図るよう働きかけるということであったわけでありますけれども、これまでの捜査の中でも、あるいはさまざまな報道の中でも、鈴木宗男議員と林野庁の関係はいろいろ指摘をされております。
 今申し上げた松岡、松下両議員、これと林野庁の関係はどういうものであったかということでありますけれども、やまりんという北海道の業者が、松岡議員について言えば熊本県、それから松下議員について言えば鹿児島県、そういう議員に献金をしたということはどういう意味を持つことか。この辺、同じ政治家である農水大臣、松岡、松下両議員と林野庁との関係をどのようにお考えになるのか。これは農水大臣にお聞きしておきたいと思います。
武部国務大臣 個別具体的な件につきましては私の今の立場でお答えするのは適当ではない、かように存じますので、御理解をいただきたいと思います。
大森委員 これは農水大臣の所管の分野で起こっている汚職の事件であるわけでありますから、しっかりと事実関係も見て判断を持たなくちゃいけないということが言えると思うんですけれども。
 実は、この鈴木宗男議員と同様、松岡、松下両議員も林野庁との具体的な接点があるわけですね。自民党の林政調査会国有林野問題小委員会、こういうものがあるわけでありますけれども、このメンバーは確定をしているわけです、しっかり確定しているわけですね。九四年十一月二十一日付の衆議院公報、これを見ますと、小委員会の委員長は松岡利勝氏、委員の一人に鈴木宗男氏がなっております。その後、鈴木氏が小委員長に就任して、九七年九月二十六日付の衆議院公報によると、小委員長は鈴木氏から松岡氏になっております。そして、同日、林政調査会、これは林政基本問題小委員会でありますが、その委員長に松下忠洋氏が就任しているわけですね。
 やまりんから献金を受けた鈴木氏以外の松岡、松下両氏が自民党の国有林野問題での要職について、与党のそういう国有林野に直接かかわる委員会の委員長でありますから、当然林野行政に強い影響力を持っているということが言えると思うんですが、法務省はこういう事実については掌握をされているでしょうか。
古田政府参考人 法務省と申しますよりは捜査当局という御趣旨かと思いますけれども、先ほども申し上げましたとおり、個々の案件で捜査当局がどのような点についてどう把握しているかというふうなことにつきましては、捜査機関の具体的な捜査内容にかかわることでございますので、お答えは差し控えたいと存じます。
大森委員 私ども、自由民主党年報、平成八年、九年、ずっと調べさせていただいたわけなんですけれども、絶えず国有林野にかかわる小委員会が開かれております。これは林野庁も何らかの形で出席しているということが当然予測されるわけでありますけれども、そういう意味では、一般の国会議員としてというよりもはるかに、この両議員については、林野庁に対する、率直に言えば職務権限等があり得るということになると思います。
 松岡氏について、私ども、九六年、九七年、九八年、それぞれ調査をしてみました。松岡氏について言いますと、九六年、やまりんから三十六万円、それから九七年、コマバが十二万円、やまりんが三十六万円で、合計、やまりん側から四十八万円ですね。ところが、九八年については、松岡議員側も認めているように二百万円と、もう一気に献金額がはね上がっているわけですね。その裏に何かがあると考えるのは、これは当然だと思うんですね。この点で法務省に重ねて見解をお聞きしたいと思います。
古田政府参考人 個々の事案におきまして何らかの犯罪の嫌疑があるかどうかは、証拠関係に基づきまして捜査機関が判断することでございますので、法務当局といたしましてはお答えを差し控えたいと存じます。
大森委員 じゃ、農水省に伺いたいと思うんですが、農水省は、この鈴木氏の問題で六月三日に調査チームを立ち上げたと聞いております。
 六月二十五日付の朝日の夕刊によりますと、松岡議員は現金受領後、林野庁に対し、行政処分が終わったら損失を取り戻してやってほしいと働きかけをしていた、こういう報道もされているわけですね。
 そこで、農水省、こういう働きかけの事実があったかどうか、あったとすればどういうものだったか、これをお聞きしたいと思います。
加藤政府参考人 今お話があったようなことについては聞いていないところでございますが、現在、農林水産省におきましては調査チームを発足させまして、やまりん盗伐事件に関連して、鈴木議員からの働きかけの有無及びこれに対する林野庁の対応が適切であったかどうかを中心として調査を進めてきているところでございます。
 当該調査では、行政庁としての適正な対応に関連する事実関係をできる限り把握するよう努めることにしておりまして、そのような観点から厳正に調査してまいりたいというふうに考えているところでございます。
大森委員 聞いていなかったという御回答でありますけれども、今私が指摘してきたいろいろな点からも、あるいは一連のマスコミ報道からも、鈴木宗男議員だけじゃなくて松岡議員なども働きかけをしていた、こういう報道もされているわけですよ。当然これは同じ観点で我々は調査をしなくちゃならないと思うわけです。
 今、鈴木宗男議員の働きかけ等だけ調査ということに絞っているのか、それとも、これからこれを広げて、さらにこういう点も含めて調査をするのか、それをはっきりしていただきたいと思います。
加藤政府参考人 今申し上げましたように、今回の調査におきましては、行政庁としての適正な対応に関連する事実関係をできる限り幅広く把握するように努めたいというふうに考えておりまして、そのような観点から必要な調査は行っていきたいというふうに考えておるところでございます。
大森委員 本日私が指摘した点も含めて、これはぜひ調査をしていただきたいと思います。
 法務省に重ねて伺いますけれども、今るる指摘をしましたように、まず、山田哲氏が二人に対し献金をしたと言明している。これは衆議院の議院運営委員会に提出した文書の中できちんと言っているわけで、それだけ重みも深いと思います。しかも同時に、もう広くマスコミに対して、この二人の議員の側も受領を認めているということであります。さらに、鈴木議員と同時期に献金、資金提供をしている。報道によれば、あっせん収賄の共同容疑で逮捕された鈴木議員の政策秘書である多田容疑者からの口添えで二人に会っているということも報道されているわけです。
 そういう意味で、この二人に対する献金、これはもう鈴木議員と同趣旨のものに相当するんじゃないか。二人、そういう立場から今後対応していくべきだと思いますけれども、そういう点で、捜査中、法務省として個別の案件で申し上げられないということじゃなくて、これだけもう状況的には明らかになっているわけでありますから、きちんと対応する、その方向を示していただきたいということと、二人に対してこういう面からも当然事情聴取等をやっておられると私は思うんですけれども、それもあわせて御回答をお聞きしたいと思います。
古田政府参考人 重ねてのお答えになりまして恐縮ではございますけれども、個別の案件で犯罪の嫌疑があるかどうかは、それぞれの証拠関係で捜査当局において判断すべきものでございますので、法務当局としてはお答えは差し控えたいと存じます。
 なお、もとより、一般論として申し上げれば、証拠関係及び法律に照らして犯罪の嫌疑があると認められるものについては、捜査当局において適正に対処するものと考えております。
大森委員 さまざま指摘した点からも、ぜひしっかりとこれは対応していただきたいと思います。
 そこで、農水大臣にさらにお聞きをしたいんですが、これは私どもの独自の調査で、九七年でありますが、帯広で東北海道造林事業協議会の会合が行われました。この協議会の会長は、やまりん会長の山田勇雄氏であります。この会合で参加者全員に、鈴木議員の資金管理団体21世紀政策研究会の入会申込書が配られたそうであります。会合には、営林局職員、これは帯広の営林支局でありますけれども、姿を見せ、世話になっているので協力してほしいというようなことまで言われたということであります。
 この会合に参加した業者の一人は、入会申込書には驚いた、うちはその場で入らなかったが、後日、別の会社に営林局の人間から入ってくれと電話があった、営林局に逆らうと仕事を干される、それで仕方なく入会した、このように証言をしているわけですね。
 これは、当然、特定の政治団体の入会勧誘に営林署の職員が関与していたということになるわけで、これが本当に事実なら大変重大なことだと思うんですね。これはきちんと農水省としても調査をすべきだと思いますけれども、農水大臣、いかがでしょうか。
武部国務大臣 今お話しの件につきましては私は具体的なことは承知しておりませんが、やまりん盗伐事件に関する問題につきましては、先ほど長官が答弁しましたように、審議官をトップとする調査委員会を設置しております。これは、行政当局が適正に対応しているかどうかということについても調査することにいたしておりますので、そのことも考えに入れて調査チームの調査を進めさせていただきたい、このように考えております。
大森委員 林野庁長官に、今私が指摘した点についての調査について、これはぜひ御回答をお願いしたいと思うんですが、大臣、林野庁、国有林をめぐる政官業の関係、本当にひどいものが、歴史的に見ても、本当に深く、幅広く存在するということを申し上げて、私は、引き続きこの問題はいろいろな立場で追及もしていきたいと思いますが、ぜひしっかり厳正なこれらの調査をやっていただきたいということを要求したいと思います。
 今具体的に指摘したこの東北海道造林事業協議会での会合の件、これは私どもの調査でも明らかになっておりますし、同時に一部報道もされているわけであります。実際にこういう営林署の職員がかかわっているところで入会申し込み等が行われていたら、事は大変ゆゆしきことでありますから、ぜひ具体的に調査をしていただきたいということを要求して、御回答をお聞きしたいと思います。
加藤政府参考人 先ほど申し上げましたように、行政庁としての適正な対応に関連する事実関係については幅広く把握に努めたいというふうに考えておりまして、今大臣からお話がございましたとおり、我々としましても必要な調査はしていくということで考えているところでございますので、そのことも念頭に置きながら考えていきたいと思います。
大森委員 ぜひ全面的な調査を行ってこの委員会に御報告をお願いしたいということで、委員長にもその旨お願いを申し上げたいと思います。
 以上で終わります。
渡海委員長 次に、保坂展人君。
保坂委員 社会民主党の保坂展人です。
 本日は、防衛庁のリスト問題について、去る六月五日、当委員会で質疑をさせていただいたことを踏まえてお尋ねをしたいと思います。
 防衛庁のリスト問題、かなり深刻な不安を投げかけました。一言で言うと、請求をしたら、逆に調査をされてしまう。そして、要注意人物であるとかかなり請求を頻繁にかけてくる人間だということでリストアップされたり、またそれがコンピューターネットワークに載ってしまったりする。言ってしまえば、これでは怖くて情報公開請求などできないではないかと。防衛庁は、今回の問題で、この国民の不安をまずは解消する責務を負ったんだろうというふうに思います。
 本委員会で中谷防衛庁長官に提出をお願いした文書については、少し時間はかかりましたけれども、委員長の御高配もあって、ほぼ、プライバシーに対する配慮など施されて、私の手元にきのうまでに届いてまいりました。
 そこで、具体的にお聞きをしていきたいんですけれども、まず一番最初に、当初問題になった海上自衛隊の三等海佐の作成されたリストなのですが、これは当初、百四十二名の五十二名分の部分が墨塗りをされて、例えばこういうものがあるという形で出てきたわけですけれども、今委員各位に資料をお配りしていますけれども、この二ページ目に、実は開示請求件数のベストランキング表というようなものまで入っていたということが改めてわかったわけなんです。
 中谷防衛庁長官にお尋ねしますが、こういったいわばデータといいましょうか、このリスト問題が表面化してから、この文書も含めて、存在をしたということは、いつお知りになったんでしょうか。
中谷国務大臣 一連のリストにつきましては拝見をいたしておりまして、内局のLAN等も含めまして見ておりました。そのリスト等につきましても割と早い段階で見たような記憶がありますが、それがそのランキング表であるということまでは気がつきませんでした。
保坂委員 私、今回、防衛庁の方からお出しいただいた三等海佐の作成されたリストのうち、特にこれは問題があるなというふうに思ったのは、やはりこのベストランキング表ですね。
 多分、「軍」と書いてありますから、軍事ジャーナリストか軍事評論家だと思いますけれども、その方が九十五件だ、続いて、どこかの新聞社の方が八十九件だ、マスコミが続いて、大学院生で五十九件やっているのもおると。
 こういう表というのは、やはり注意喚起を促す、そういう作用をしたんじゃないかという点と、もう一点、これは不服申し立ての資料もございますよね。今お配りしたものの中にちょっと手違いでないのですが、防衛庁の方から出していただいたものの中には不服申し立ての方々の一覧がございます。これらが陸海空それぞれどのようにリンクしているのか、このような一覧表がつくられていたわけです。
 防衛庁長官、率直に、やはりこういったリストにオンブズマンとかあるいは市民運動家とか、そういうことの記載がまず問題になったわけですけれども、さらに絞ってベストランキングとか、さらに不服を申し立ててくる人の一覧というものまであるということについて、どうお考えでしょうか。これは、私は大変大きな問題がまた出たと思いますが、いかがですか。
中谷国務大臣 まず、今回のリストの件につきましては、開示請求をされた方々に御迷惑をおかけし、また国民の皆さんに御不安を与えたという点で、大変反省をいたしておりますし、申しわけなく思っております。
 この一覧表、何種類かつくっているわけでございますが、当然のことながら、不必要な情報等、記入すべきでもございませんし、また、必要以上に本人のことをせんさくしてリストをつくるということはよくないことでございまして、今後このようなことがないように改善をいたしたいと思っております。
 なぜつくったのであろうかという点でございますけれども、この三等海佐の証言によりますと、開示請求状況の分析を行う上でこれらの情報を活用できるかもしれないと考え、そして、海上自衛隊に対する開示請求を予測できるのではないかと考え、そしてまた、開示請求に対して迅速かつ的確に行政文書の特定を行うためには、開示請求者の背景を知ることが有効ではないかと考えたことでございますが、このようなことは情報公開業務等に必要ないことでございまして、事務手続といたしまして、開示請求があった場合に、それを事務的に淡々と行うべきであると考えております。
保坂委員 総務大臣、冒頭からお見えになっていただいたので、こういった開示請求者のベストランキング表というのは、やはり情報公開法の精神、理念に反するというふうに私は思うのですが、大臣の見解を問いたいと思います。
片山国務大臣 どういう意図、目的でおつくりになったかわかりませんが、好ましいことではないと私も思います。
保坂委員 私、この防衛庁のリスト問題ということで表面化した問題が、防衛庁の一人の三等海佐の問題というふうに語られましたけれども、もうちょっと構造的なものなのかなと考えました。
 そして、前回の質疑でお尋ねをしたように、実はマニュアル、手引ですね、この中に、例えば何か応対をしたときの記録を残すというようなものがあるのではないかと推測をして、これを入手いたしましたところ、前回述べたように、防衛庁のものにはこういった記載があったわけですね。応接記録をつくるのが望ましいという記載がございました。
 それに従って、当時の官房長も、そして防衛庁長官にも答弁いただいたんですが、このお配りした資料の一枚目にございますけれども、例えばどういう応接記録があったのですかという例をあるだけ、相当大部にわたります、全部ではありませんけれども、わかりやすい例を一つ二つ、今御見解を問いたいと思います。
 例えば、この「情報公開窓口応接記録」というふうにあるものは、これは宮城地連に保存されていたものだということなんですが、名前のところに市民オンブズマンというのがはっきり入っていますよね。そして電話の通話時間も、十三時二十五分から二十九分、十三時五十分から十三時五十一分と、かなり細かい記載ですね。そして、これに対してはヘルプデスクは使用時間一分と、分単位で計測しながら対応しているのかということを考えさせるわけです。
 もう一枚、これは札幌地連のものですが、「情報公開業務日報」とございます。ここには、陸幕情報公開室の二佐から問い合わせがあった、そして、特命事項に従事中というふうにあるのですが、これは防衛庁の方から、例えばこの特命事項というのはどういうことだったのか、簡単にお答えできますか。
山中政府参考人 御指摘の「情報公開業務日報」に記載をされております、陸幕情報公開室の二佐からの問い合わせの事項がございます。その中で、特命事項に従事中と。この特命事項というのは、総務課の業務を手伝うという内容だということを確認いたしております。
保坂委員 それでは、もう一つ伺います。
 同じ札幌の七月十七日の資料の中で、これはお配りできていませんけれども、ここには、本日は都合が悪いのであすの十時に伺うという事務連絡的な業務日報なんですが、秘密保全検査巡視〇九二五、こういうふうにあるんですが、これはどういうことでしょうか。
山中政府参考人 お尋ねの特記事項の中の記述でございますが、これは一般的な秘密保全の検査に関する記述でございまして、数字は時間ではないかというふうに考えております。
保坂委員 その情報公開室、何人も国民の権利として情報公開請求できるというところに、秘密保全という視点でどういうやりとりがあったのか、これはきょうはこれ以上言いませんけれども、もう一点、九月十二日の札幌地連のものを見ると、これは情報公開の請求者だと思いますけれども、郵便局を退職後、市のパークゴルフ場の役員?息子が二佐の自衛隊員らしい、現在の不況から息子の再就職が不安、こういうような特記事項が書かれているんですね。
 やはり余分な記載としか思えないんですが、いかがですか。どうしてこういう記載が生まれちゃったんでしょうか。
山中政府参考人 御指摘の平成十三年の九月に作成をいたしました業務日報においては、確かにそのような事項が記載をされておりますが、これは開示請求者の個人的な事情等にかかわる事柄でございまして、こういった事項を記載するというのは適切ではないと考えております。
保坂委員 長官に伺いますけれども、私は、今回、個人の発意で始まったことと当初言われましたけれども、実はこの方はきっとまじめに仕事をされた方なのではないのかなというふうにも思えるんですね。応接記録をつくりなさいとあり、そこにこういう記載があるのであれば、今のベストランキングというところまでつながっていってしまう、いわば、この制度に対する根本的な理解不足というのがあったのではないかと思います。今の応接記録の内容を二、三引きましたけれども、どのように考えられますか。
中谷国務大臣 海自三佐のつくったリスト等につきましては、極めて不適切で、行き過ぎで、違法でございます。よくないと思います。
 この窓口の応接記録ということにつきましては、私も情報公開業務をやったことはございませんが、推測するところによりますと、窓口でその方との応答等を記録して、その情報公開要求があった文書が、的確に探し当て、そしてそれが申し込まれた方にとって適切であるようなものであるためにそれに記録をしたのではないかなというふうに感じるわけでございますが、必要か必要でないものか、また個人のプライバシーをそういったものに残すかどうか、今後適切な業務ができるように、部内で検討して改善をしていきたいと考えております。
保坂委員 長官、端的に伺いますが、この、郵便局を退職後ゴルフ場の役員、そしてまた息子の話等々書かれるのは、やはり不適切な記載でないかと思うんですね。見解を求めたいと思います。
中谷国務大臣 そこまで書くのは不適切であると考えます。ただ、そういったことがやりとりとしてあったということで、後々それが必要であるかどうか、この点につきましては、私も業務の内容を知り得ませんが、必要ではないような気がするわけでございます。
保坂委員 総務大臣いかがですか、同じ質問。応接記録にそういった、郵便局退職後ゴルフ場役員等々のことを記載するというのはいかがなものかと思うのですが、いかがですか。
片山国務大臣 必要なものは、それは残すということはある。連絡先だとかあるいは開示請求に絡むようなことはありますが、今お話を聞く限りなら、必ずしも適切でないですね。
保坂委員 きょう総務大臣に来ていただいたのは、実は前回の質疑の中で、私も急遽質問を用意して、全部の資料を当たれなかったものですから、まず防衛庁のつくったこちらの手引を見て、ばあっと見て、そこに応接記録というものがあるので、これは何だろう、これが恐らく何か今回のこととちょっと結びついているのではないかなというふうに考えたわけなんですね。そこで、前回、情報公開法に基づいてこの制度を主管している総務省にお尋ねをしたんです。
 総務省は、マニュアルの原本となるような情報公開事務処理の手引というのを作成して、各省庁でさまざまな勉強会をやったり研修をやったりシミュレーションを試みたりして万全の準備を積み上げてきましたと。前回の答弁の中では、いろいろ丁寧にやりましたが、応接要録までつくれというような指示はしていません、こう答えられた。したがって、これは防衛庁の、独自に応接要録をつくれというふうになったんなら問題だということで、この記録を出してほしいというふうに要求をしたんですが、その後、総務省の行政管理局の施行準備室のつくった手引を見ると、ちゃんとあるんですね、これ。開示請求が再度あり得ることから、必要に応じ応接記録を作成することが望ましいと。
 これは、前回の答弁は根本的に間違っていたんじゃないか。いかがですか。これは、そのとおりに基づいて新聞記事などにもなっていますからね。総務省はそんなものはつくるなと言って、防衛庁が独走してつくった、こういう話になっていますから、修正するんなら修正してください。
松田政府参考人 お答え申し上げます。
 先般の委員御指摘に対する私の答弁でございますが、御質問の内容が、情報公開法に基づく開示請求者につきまして、開示請求手続における応接記録を作成すべきじゃないか、そういうことを周知しているのではないかというお尋ねでございました。何か開示請求者につきましての記録をつくるように私どもの方から言っているのではないかという御質問の趣旨と受けとめまして、そのようなことまで指示をしているということではございませんというふうに答弁申し上げたわけでございます。
 なお、先生今御指摘のように、情報公開窓口におきます懇切丁寧な対応ということで、開示請求に関する具体的な手続や、自分の知りたい事柄を行政機関がどのような形で持っているか、そういう相談とか案内というのはあるわけでございまして、その段階につきまして、再度の問い合わせとか事後の開示請求があり得るということで、必要に応じ応接記録を作成することが望ましいと先生御指摘の手引に書かせていただいておるところでございまして、あくまで懇切丁寧な対応のためということでございます。
保坂委員 やはり総務省としてはもっと正確に答弁をしていただかないと、これは議論が、防衛庁だけが独走したという話になっちゃうんですね。
 もう時間がありませんので総務大臣にお聞きをいたしますが、総務省のこの手引に、応接記録という形でやはりあるわけですね、その言葉が、今局長が言われたように。それは、とりあえず一般論として、窓口に来る人の記録なんだということなんですが、大臣が把握している、各省庁でこういった応接記録ということを入れ込んだ手引をつくっている省庁、わかるところで結構ですが、どういうところがございますか。
片山国務大臣 全部承知しておりませんが、応接記録とはっきり各省庁のマニュアルで書いたのは少ないと思います。
 今局長が言いましたように、相談だとか案内については、これは後々の連絡の必要もありますから、そういうものは応接記録がある方が望ましいんじゃないか、こういうことをうちの方の手引ですか、それには書いているようでございまして、受け付け一般、全部応接記録をつくれなんというようなことは言っているつもりはないわけであります。
保坂委員 これはちょうど二十四時間ほど前に、総務省としてこれは把握すべきじゃないかといって聞いているんですね。私の調べでも、例えば外務省なんてかなり詳しく出していますよ。応対録という形ですけれどもね。外務省なんかは、開示決定にかかわる決裁書を起案する際に必ず応対録をつけろとやっていますね。警察庁にも同様の記載があります。法務省にもございますね。ないところもある。このぐらいやはり総務省として把握をしておく必要があるでしょう。現在どのぐらい把握をしているのか、していなければ、きちっと委員会に報告をしていただきたい。
松田政府参考人 各省におかれましては、私どものお示ししました手引にのっとって、それなりにマニュアル、手引的なものをおつくりになっているところが多うございます。その状況は一通り把握いたしております。
 内容的には、先ほど申し上げましたように、私どもの手引にのっとったものが中心でございますが、それぞれその機関特有の事情に合わせて工夫をされたマニュアルもございます。全体状況は把握しております。
保坂委員 それでは、時間がなくなりましたので、防衛庁長官に一点だけ。
 前回、六月五日に、新潟の斎藤弁護士のかかわる件において改めて調査を要望したと思います。先刻の議論では、翌日に指示をされたということですが、これは報告書には掲載されていませんね。これからその結果をきちっとお示しいただけるのかどうかに絞って長官にお答えいただきたいと思います。
中谷国務大臣 報告書につきましては、今回の違法なリスト事案、これに対しての報告書でございます。
 新潟の件につきましては、この決算行政監視委員会におきまして、六月五日に保坂議員よりしっかり調査していただきたい旨の御質問がありまして、私の方からは、改めて陸上自衛隊に対して調査を命じ、六月六日に再度報告を受けたところでありますが、今回の調査におきましては、現駐屯地司令は元駐屯地司令の不祥事について知っていたのかどうか、また、元駐屯地司令と元三等陸佐のやりとりは電話だけだったかどうかという点について、調査を命じたところでございます。
 前者につきましては、現駐屯地司令は、行政開示請求手続が行われる平成十三年十二月十一日から十九日の間は元駐屯地司令の不祥事を承知しておらず、十二月二十五日ごろ元三等陸佐から聞いて初めて知ったものであるということでありました。
 また、この元駐屯地司令と元三等陸佐のやりとりは電話だけかということでございますが、これは、電話での会話の際に開示請求の話をしたということはございました。それに加えまして、この二十三日、これは会合があった翌日でございますが、元駐屯地司令と元三等陸佐が参加した際に直接の会話を行ったということでございました。
保坂委員 質問を終わるに当たって委員長にお願いをしたいのですが、先ほど総務省に求めましたけれども、情報公開の手引の中に応接記録などの記載がどのように各省庁あるのかということを総務省として把握をして、私、その資料をぜひお願いをしたいということを求めたいと思うのですが、いかがですか。
渡海委員長 わかりました。検討させていただきます。
保坂委員 それでは終わります。どうもありがとうございました。
渡海委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。
    午後六時四十二分散会


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