衆議院

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第4号 平成17年4月20日(水曜日)

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平成十七年四月二十日(水曜日)

    午前十時二分開議

 出席委員

   委員長 細川 律夫君

   理事 後藤 茂之君 理事 菅  義偉君

   理事 鈴木 恒夫君 理事 津島 恭一君

   理事 長浜 博行君 理事 前田 雄吉君

   理事 松本  龍君 理事 山名 靖英君

      井上 喜一君    石田 真敏君

      今村 雅弘君    遠藤 武彦君

      大野 松茂君    斉藤斗志二君

      坂本 剛二君    柴山 昌彦君

      西川 京子君    萩生田光一君

      橋本龍太郎君    福井  照君

      藤井 孝男君    増田 敏男君

      武藤 嘉文君    山下 貴史君

      山本  拓君    石田 勝之君

      稲見 哲男君    内山  晃君

      加藤 尚彦君    川内 博史君

      末松 義規君    田嶋  要君

      津村 啓介君    中根 康浩君

      長妻  昭君    藤村  修君

      松木 謙公君    松崎 哲久君

      東  順治君    古屋 範子君

    …………………………………

   財務大臣         谷垣 禎一君

   内閣府副大臣       西川 公也君

   財務副大臣       田野瀬良太郎君

   農林水産副大臣      岩永 峯一君

   経済産業副大臣      小此木八郎君

   国土交通副大臣      蓮実  進君

   会計検査院長       森下 伸昭君

   会計検査院事務総局次長  石野 秀世君

   会計検査院事務総局第五局長            船渡 享向君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  千代 幹也君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  中城 吉郎君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  竹内  洋君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  細見  真君

   政府参考人

   (内閣法制局第一部長)  梶田信一郎君

   政府参考人

   (内閣府食品安全委員会事務局長)         齊藤  登君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局食品安全部長)       外口  崇君

   政府参考人

   (社会保険庁長官)    村瀬 清司君

   政府参考人

   (農林水産省消費・安全局長)           中川  坦君

   決算行政監視委員会専門員 奥村 卓石君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月二十日

 辞任         補欠選任

  谷川 弥一君     萩生田光一君

  中山 泰秀君     坂本 剛二君

  平沼 赳夫君     西川 京子君

  岡島 一正君     松木 謙公君

  岡本 充功君     田嶋  要君

  加藤 尚彦君     長妻  昭君

  河村たかし君     藤村  修君

  樽床 伸二君     稲見 哲男君

  橋本 清仁君     津村 啓介君

同日

 辞任         補欠選任

  坂本 剛二君     山下 貴史君

  西川 京子君     平沼 赳夫君

  萩生田光一君     谷川 弥一君

  稲見 哲男君     樽床 伸二君

  田嶋  要君     中根 康浩君

  津村 啓介君     川内 博史君

  長妻  昭君     加藤 尚彦君

  藤村  修君     河村たかし君

  松木 謙公君     岡島 一正君

同日

 辞任         補欠選任

  山下 貴史君     中山 泰秀君

  川内 博史君     橋本 清仁君

  中根 康浩君     岡本 充功君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十九回国会、内閣提出)

 平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十九回国会、内閣提出)

 平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)(第百五十九回国会、内閣提出)

 平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十九回国会、内閣提出)

 平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十九回国会、内閣提出)

 平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)(第百五十九回国会、内閣提出)


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     ――――◇―――――

細川委員長 これより会議を開きます。

 平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)、以上の各件を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各件につきましては、第百六十一回国会におきまして既に説明を聴取いたしておりますので、これを省略いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

細川委員長 引き続き、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官千代幹也君、内閣官房内閣審議官中城吉郎君、内閣官房内閣審議官竹内洋君、内閣官房内閣審議官細見真君、内閣法制局第一部長梶田信一郎君、内閣府食品安全委員会事務局長齊藤登君、厚生労働省医薬食品局食品安全部長外口崇君、社会保険庁長官村瀬清司君及び農林水産省消費・安全局長中川坦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

細川委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長妻昭君。

長妻委員 民主党の長妻昭でございます。

 端的に御答弁を願えれば幸いでございます。

 本日は、十五年度の予備費ということで、まずは、平成十五年度国立病院特別会計療養所勘定における退職手当、これは予備費を使うわけでございますけれども、これは幾らでございますか。

田野瀬副大臣 十五年度の予算額は百八十三億四千八百万、人数にして五千百八十三人でございましたが、決算は三百三十億五百万、人数にして七千二百七十六人でございます。

長妻委員 そうすると、今回ここで承認を求める予備費の金額自体は幾らでございますか。

田野瀬副大臣 不足が見込まれる百四十七億円について、療養所勘定内で三十六億円の流用を行うとともに、療養所勘定予備費一億円及び一般会計予備費百十億円を使用して手当てをさせていただきました。

長妻委員 やはり、退職手当にこれだけ大きな金額を使うというのは、私はちょっと例を知らないわけでございますけれども、今回予想以上に退職の方がふえたということで、多分、定年退職じゃない方がふえたと思うんですが、予期せぬふえた退職者の増加の数というのは何人ぐらいでございますか。

田野瀬副大臣 先ほど申し上げました予算額でいきますと五千百八十三人、決算でいきますと七千二百七十六人、ですから、二千九十三人ふえました。

長妻委員 やはり、予備費というのは安易に使うというのは当然慎まなきゃいけないと思うのでございますが、予期せぬ定年退職以外が二千人も出たということは、これは予想ができなかったわけでございますか。その原因は何でございますか。

田野瀬副大臣 平成十五年度における国立病院特別会計療養所勘定において、退職手当の対象になる方が当初予算と比べて約二千人、先生おっしゃるように増加した理由として、どうして予期できなかったのかということでございますが、平成十六年度から独立行政法人国立病院機構に移行することに伴い、移行後の病院経営の安定化を図るため、人件費予算を抑制するという観点から、業務等の見直しを徹底的に行っていく中で、独法移行後の業務内容等に不安を覚えた看護師さん等の退職希望者が、予期せぬ、すなわち、例年以上に増加した、こういうことでございました。

長妻委員 いろいろな事情はあるというふうに私も思いますけれども、なるべくその精度を高めていくということが必要だと思っておりまして、その意味では、予備費をこういう形でなるべく使わないような、予測などをきちっとしていく、予算の精度を高めていくということが必要だと思います。

 その意味で、関連して、予算の精度を高めるという趣旨の質問をさせていただきますけれども、今手元にお配りした資料でございますが、この一番表でございますけれども、これは社会保険庁につくっていただいた資料でございます。

 これは、社会保険庁が、年金週間というのがございまして、その年金週間のイベントとして、年金週間記念講演及びコンサート、エアロビクス大会、綱引き大会、それぞれ三つのイベントを四十七都道府県全部でやるということで予算をつけておられるわけです。

 こちらに表が書いてございますけれども、平成十年度から十五年度の三つのイベントの予算の総額が約六億円ついてございますけれども、村瀬長官にお伺いしますが、この六億円でございますね、この内容で実際には幾ら使われたのか、教えてください。

村瀬政府参考人 各年度でございますけれども、既に平成十年度からエアロビクスそれから綱引き、コンサートはやっておりませんので、そういう点では一切本件では使われていないということでございます。

長妻委員 先ほどの予備費以上に、六億円予算要求を財務省にして、お金を、現金を財務省がつけて、そしてその六億円が一円も使われていない、こういうばかなことが日本の国で起こるのかということで、いろいろな意味で危機感を持つわけでございます。

 この六億円でございますけれども、これは何で使われていないお金がここに計上されているわけでございますか。

村瀬政府参考人 まず、平成十五年度という例でお話し申し上げたいと思うんですが、年金週間で五億一千八百万の予算をちょうだいしているわけでございますけれども、その予算の内訳の中で七項目要求をさせていただいておりまして、その中の三項目が先ほど委員が指摘された部分でございます。

 結果的に、十五年度、どういう形で使わせていただいたかということをお話し申し上げますと、広報関係の予算という形で三億七千九百万、これは、テレビ、新聞等の広報でございます。それから、作品コンクールということで、年金に関しまして高校生だとか中学生とかからの作品コンクールをやっておりまして、それに三千八百万というのを使わせていただいております。その結果、予算で一億百万、十五年度で残額が残っておりまして、これは決算不用額としてお戻しを申し上げている、こういう形でございます。

長妻委員 いや、私が聞いたのは、質問は、この三つのイベントというのがもう平成十年から全くやられていないにもかかわらず、何でこのイベントの名目で財務省に予算要求をされたのか、され続けたのか。何か虚偽というか、ちょっとおかしな話だと思うんですが、そういうおかしさは認識されないんですか。

村瀬政府参考人 御指摘のとおり、全く使用していない項目を予算項目に入れるということは不適切だというふうに考えております。

 ただ、いろいろな形の中身の中で、例えば、どこかで一カ所やったり二カ所やったりというものを本年度実施したいということで予算要求をするということは、これは許されることだろうというふうに考えております。

長妻委員 いや、どこかで一カ所か二カ所やったというのは、平成十年度からどこかあるんですか、この三つのイベントで。

村瀬政府参考人 先ほど申し上げましたように、十年度以降やっておりませんので、この三項目については不適切だというふうに考えております。

長妻委員 そうしますと、六億円も予算要求をして、では実際に、この六億を何かいろいろな別の広告に使っちゃったという今お話でしたけれども、この六億二百二十四万一千円のうち、余ったお金は幾らですか。ほかで流用しないで、完全に余ったお金は。

村瀬政府参考人 まことに申しわけございませんが、先ほど申し上げましたように、十五年度の予算という観点で金額を申し上げまして、十四年度以降、今手元にございません。

長妻委員 そうすると、この六億のうち、幾らかは広報費に使った、幾らかは余った、こういうことだと思うんですが、それ、後日、精査して提出いただきたいと思うんですが。

 そうすると、これはどういうことなのかと考えますと、やはり、もう明らかにやっていない四十七都道府県全部に予算つけているわけですね。それを、もう全くやっていないのに例年ずっとつけて、四十七都道府県すべてに毎年毎年、そして多く予算要求をして、お金が、予算がつく。そして、それを別のところに使う。これは結局、そうであれば、初めから別の広報のところでまじめに予算要求した方がいいんですよ。何でしないかというと、これは疑念を持つわけですけれども、そっちの方で予算要求すると主計局怖いから、いや、こんな広報費いっぱい要らないよというふうに削られちゃうから、何か別のイベントにまぶして、そして予算要求をして、金をいっぱいつけてもらおう、こういう懸念、疑念が大変あるわけでございます。

 そうしますと、ちょっとお聞きしますけれども、先ほど、過去一回でもあったら、そのまま何か続けてもいいようなお話がありましたけれども、例えばエアロビクス大会、綱引き大会というのは、平成十年以前、一回でもどこかで開かれたということがあるんですか。

村瀬政府参考人 先生の資料にもございますように、過去の実施状況ということで、平成九年度以前につきましては、平成七年度に確認できたということで、先ほど申し上げました、エアロビクス、綱引きの実績はないということでございます。

長妻委員 そうすると、何か先ほど、一回ぐらいあればその後つけてもいいようなお話ですが、何にもないじゃないですか。架空、でっち上げじゃないですか、初めから。

 それで、でっち上げにしては芸が細かいのは、ここなんですよ。こういう予算書、私ちょっと見て発見したわけですよ、これ。与党の方もぜひ御認識いただきたいんですが、私もこういう予算書があるというのは知らなかったんです。これは議員に配られるものじゃありません。これは平成十五年度概算要求書ということで、役所が財務省に予算要求するときに、かなり事細かに書いてあるんです。これは特別会計だけでも何冊もありますけれども、これを我が党の同僚議員に入手してもらって、それで今質問をして、この中を見ると、おかしなものがたくさんあって、そこからピックアップしてたまたま調べると、そういうことが出てくるわけです。

 先ほど、芸が細かいと申し上げましたのは、一度も綱引きやっていないのに、この予算書の中を見ると、例えば綱引きの代金として、ゼッケン作成費、一チーム二十人のが八チームが四十七都道府県ごとにあって、ゼッケン作成費だけで七百八十万、こういう予算要求をしている。綱レンタル料、綱引きの綱をレンタルするということで、一本が一万円で、四十七都道府県で、一都道府県当たり四本レンタルするということで、一年間に百九十万円予算要求している。ここに書いてあります、この予算書に細かく。そして、綱引き大会なのに、審査員の謝礼金。審査員、綱引き大会で要りますかね。綱がどっちかへ行けばわかるんじゃないですか。それも、四十七都道府県で、一都道府県に五人もいるんですよ。一都道府県に五人審査員を、謝礼が書いてあるわけですよ。謝礼が一人二万円ですよ。綱引きの審査員が一都道府県でイベントごとに五人いて、一人二万円の謝礼だということで、一年間四百七十万円予算計上している。

 これは主計局もなめられたものですね。こういう何かいいかげんなものをずっと見過ごしているじゃないですか。こういうことが起こっているわけでございます。

 村瀬長官にお尋ねしますけれども、民間から長官来られたということで、私もかつて民間企業に勤めましたけれども、多少予算をやったことありますが、こういうことは民間企業じゃないですよ。こういうことをやった担当者は、ちょっとやめてもらう可能性高いですよ、民間企業だと。村瀬長官、民間で、感覚的に言うとこれはどうですか、大変な問題だと思うんですが。

村瀬政府参考人 民間といいましても、私、一カ所しか経験しておりませんので、前にいた会社という観点からお話し申し上げますと、前のいた会社ではこういうことはないと思います。

長妻委員 やはり役所も、常識、役所の常識というのはあると思いますよ、それは。だから、役所の常識は、まあ適当に要求してもいいやと。予算というのは、まあ、お金を獲得するための一つの方便だ、こういうようなニュアンスで私に話される公務員の方もいらっしゃいます。ただ、民間の常識ではというか、普通の一般の常識では通用しないと思うんです。ぜひ長官、こういうものを精査して是正するということをここでお約束いただけますか。

村瀬政府参考人 遅まきながら、既に平成十六年度の予算要求に関しましては、こういう項目を外してございます。

長妻委員 それは、いろいろな社会保険庁をめぐる大きな疑惑なりなんなりが噴いて、皆さんいろいろカットされたという流れだと思いますけれども、ぜひ村瀬長官に一度やっていただきたいと思いますのは、こういう十五年度の概算要求書というのが社会保険庁だけで何冊もございます。もう十五年は決算が出ておりますので、ここは決算委員会でございますので、十五年度分だけ一度精査をして見ていただいて、私がちょっと見ただけでこれがあるわけでございますので、そしてそれを国会で御報告いただく、それをお願いしたいと思うんですが、いかがですか。

村瀬政府参考人 精査させていただきます。

長妻委員 ぜひお願いします。

 そのときに、やはりポイントとしては、私も、これはもうひど過ぎるというか論外というか、犯罪的行為だというふうにも思うわけですけれども、例えば、ことしこういう予算をつけた、ただ、たまたま、ことしつけたけれども、ちょっとやらなかった。一年ぐらいは、私もそれはそういうこともあるかなと思いますよ、民間でも。ただ、三年連続やっていないのに例えば予算がついているとか、三年以上、これはもう三年以上どころじゃないですね、三年以上ついているとか、あるいは予算要求して半分以上余っているのが例えば三年以上続くとか、そうすると疑念を持ちますので、そのようなポイントを勘案して、ぜひ精査していただきたいと思うんですが、いかがですか。

村瀬政府参考人 先ほど申し上げましたように、十五年度予算については精査させていただきます。

 それから、十六年度ということでちょっとお話し申し上げたいんですが、十六年の十月から調達委員会というのを立ち上げまして、各予算の執行に対しましては、個別にすべて申請をして、調達委員会内で管理をした上で、適正かどうかということを含めてやっておりますので、その部分では、十六年度の後半以降については、御心配の部分というのは極めて少なくなっているというふうにお考えいただいていいかと思います。

長妻委員 そして、この六億円という金額は、一部は別のに使っちゃって一部は余っているということですけれども、その金額も後でお出しいただくということなんですが、六億円というのは、これは全額が厚生年金、国民年金の保険料なんですね。福祉の増進という項目、条文から支出されているんですけれども、エアロビクス大会とか綱引き大会が国民に対する福祉だというへ理屈で出ているわけですが、ぜひ、年金保険料をこういう非常に実態のない幽霊予算のような形で請求していくというのは、厳に慎んでいただきたい。

 そして、財務省もなめられたものだというふうに先ほど私申し上げましたけれども、これは財務大臣にお伺いしますが、こういうものは全然見破れないんですか。ここにちゃんと明記されていますよ。私みたいなど素人がちょっと見ても何となくわかるわけで、エリートの主計官が見て全然何にもわからないんですか。

田野瀬副大臣 委員おっしゃるように、何年間にもわたり、先ほどおっしゃいましたように、それは一年ぐらいは積算と異なる執行が目的の範囲内で使われるということはあってもいいとしても、何年にもわたる支出実績がない費目を特段の理由もなく積算に含めるのは、これは決してあってはならないことでございます。適当でないと我々も考えるところでございます。

 ただ、執行につきましては、執行官庁に実態を踏まえた要求をしていただく必要があると考えておるところでございます。そんなことで、なかなか、信頼の中で査定をやっておるということからいきますと、見抜けなかったことは我々としてもじくじたるものがあるわけでございますが、今後はしっかりと執行状況を注視し、要求内容と大きく異なっておるということであれば、予算査定においてしっかりとこれから反映してまいりたい、これを機会に今まで以上にしっかりと頑張ってまいりたい、このように考えております。

長妻委員 今の御発言に、日本の国の税金のむだ遣いとか、先進国で見られないほどの税金のむだ遣いがあると私は思うんですけれども、今その一端のお話だったと私は思うんです。

 お役所を信用して、そして予算要求で出てきたものは信頼関係でやるんだと。これは性善説で、それは一つの考え方かもしれませんが、ただ、性善説に立ってはもうやっていけない財政状況でありますし、実際に、性善説に立って何度も期待を裏切られた国民の皆さん、事実もあるわけでございまして、これに日本の予算要求の欠陥が端的に出ていると思うんですね。予算要求項目があっても、それが実際に使われたか使われていないかが全くわからない。

 予算要求の場合は事細かに、さっきゼッケン代が幾らだとか審査員が幾らだとか、事細かな明細を出すんです。ところが、決算書類というのはほとんど、決算幾ら、庁費が丸ごと幾ら。明細を出してくださいと言っても、いや、明細はとっていないと。本当に役所の中でも集計していないということなんですね、それは私は本当に正直に言われているのかどうかはわかりませんけれども。

 ですから、そういう意味では、各課ごとに何か執行をされて、これを見れば端的なんですが、次の年に立てる予算は、これは中学生でもわかると思いますけれども、前の年に予算を立てたけれども、このぐらい余っちゃったね、あるいは全然こういう費目は使わなかったな、では次の年の予算はこれはやめちゃおうとか、普通はそういうふうに考えるわけですが、役所の場合は、実績は無視して、前の年に出した予算と同じもの、あるいは前の年に出した予算の費目と金額をちょっと上乗せして、また次の年に要求する。そして、全然フィードバックがない。

 これは与野党対決の話じゃありませんので、ぜひそういう欠陥システムをきちっと直していくという意味でも、こういう詳細に書いてある予算書の、実際にこれがこの項目ごとに使われたのかどうか。私は全部きちっと使わなきゃけしからぬと言いませんよ、そこまでは言いませんけれども、そういうひどい例がないのか、主計局は各省庁から必ずフィードバックをさせる。

 ですから、ここで赤で書いてもいいんですよ。こういうところにいろいろ、ゼッケン何個とか、実際に使っていないのは赤でチェックして、二年後に戻してもらうとか、そういうような措置を財務省として求めると、これは本当に違いますよ、税金のむだ遣いも含めて。日本の財政にもかなり貢献すると思うんですが、意気込みを、今の発想の御検討でも、ぜひお願いします。

谷垣国務大臣 今委員がおっしゃいましたように、予算のときの要求と、あるいは決算書をどうつくるか、若干精粗の度合いが違うことは事実でございまして、委員がお示しになりましたような概算要求書では目の積算の内訳まで一応やって予算をつけるということにしておりますが、決算の方ではそこまでやっておりませんで、目までやっている、こういうことでございます。

 さらに、今委員の御提言は、さらに細目までもう一回チェックをすれば、きちっと精度が上がるじゃないか、それは翌年の予算でむだ遣いをさらに排除できるじゃないか、その御趣旨は私はよくわかるんですが、他方、率直に申しまして、そこまで全部やると、膨大な作業量になります。

 それからもう一つは、先ほど申し上げましたように、やはり全体の効率性ということも考えなければいけませんから、効率性を考えましたときに、実際、細部の使用方法まで全部縛ってしまうのが本当に効率的な予算の仕方であるかどうかという問題がございます。細部の使い方については、それぞれの執行官庁に責任を持ってもらうということが必要だろうと思うんです。

 そこで、要するに予算執行調査というようなことを始めましたのも、全部にわたってやるとなると物すごい膨大な作業量になりますので、やはりそのときそのときで必要なものを取り上げて、今委員のおっしゃったようなことまでチェックしながら、翌年に生かしていこうという試みを始めているわけでございます。

 それを全部に及ぼすということはできておりませんけれども、まず始めてみまして、執行調査のようなものがどのような成果を上げてくるか。私どもも、予算の精度を上げる、予算の仕組みを変えていくということについては前向きでなければいけないと思っておりますので、委員の御提言も頭の中に置きながら、予算執行調査のようなものがどういう成果を上げ得るか、私もよく判断させていただきたいと思っております。

長妻委員 そして、これは実は社会保険庁だけの話じゃなくて、私は氷山の一角だと思うんですね。

 今、我が党の細野委員も調べて明らかになったエネ庁の問題、これは三ページ、四ページにございますけれども、三ページを見ていただきますと、電源開発促進対策特別会計、これは電気の販売量に応じてかけられる税金が収入の特別会計でございますが、表を経産省につくっていただきました。大物産展というイベントがございますけれども、そのイベントで、例えばお医者さんを派遣する、こういう予算要求をした。これは、予算要求をしたのは丸をかいています。実際に使われていないのはバツをかいております。予算要求を、お医者さんを派遣するよと言ったけれども、実際何にも使われていないけれども、予算要求はずっとされて、十七年度もされている。

 郷土芸能は、これも十二年度に予算がつきましたけれども、この百五十万円、郷土芸能の方を呼んでギャラを払うというので、一度も使われていないけれども、予算だけはずっと計上されている。十七年度もされている。

 車内広告、これは十二年度には実際に予算が六百万ついてやった。しかし、その次からやらない、またやらない、十四年度もやらない、十五年度、十六年度。また十七年度も予算がついている。多分やらないでしょう。

 出展者説明会、一千八百万。これも十二年度はやったけれども、十三、十四、十五、十六、十七、やっていないけれども予算はついている。

 パンフレット作成、これは十二、十三、十四はやったけれども、十五、十六、十七はやらないということで、非常にいいかげんな形が今も続いているわけでございます。あるいは架空の、さらに悪質なものもあるというふうに細野議員からも聞いております。

 ぜひ副大臣、何でこういうようなのが起こってしまうのか、理由は何でなのかというのを、副大臣なりにお答え願えればと思います。

小此木副大臣 今、東京の大物産展にかかわる積算についてのお話もございました。また、それぞれ例を出して、議員がいろいろお調べになったこと、先日大臣も、さらにこういったものの精査をして、国会に御報告を申し上げるということを経済産業委員会の中でも申し上げたとおりでありますけれども、今、医師ということについて、あるいは郷土芸能、正確に言うとこれは医療体制ということでありまして、お医者さんそのものはつかなかったけれども看護師はついたというようなこともございます。

 そして、この予算参考書というのは見積もりでございまして、その時々の情勢に応じて、政策のより効果的、効率的な実現を図るため、見積もりどおりに予算を執行しない場合もあります。ありますけれども、これまで議論になったとおり、この見積もりとそして決定額といいますか、こういった勘定が合わないというのは、先ほど議員が指摘された民間企業では考えられませんよということは、私自身もよく感じておるところでございまして、これはしっかりと役所の中に入って我々政治家が見ていかなければならない、そして、官僚に対してその指摘をし、おかしいことがあればこちらがまた指摘をしなければならないということであるというふうに思っています。

 いずれにいたしましても、予算の適正を確保するには、予算の見積もり、執行、その執行の結果のフィードバック、こういったプロセスが適切に機能するように取り組んでまいりたいと思います。

長妻委員 民間というお話がありまして、民間であれば、先ほどの社会保険庁の事例などで、架空のものを架空予算で請求してお金がついて、それでそれをやらなければ、その予算はそのままお返しするというのが民間なんですけれども、ほかに一部使ってしまうとか、そういうことはやめるべきだ。

 あと、今ちょっと副大臣のお言葉で気になりましたのは、見積もり、ここの概算要求は見積もりなんだという、ちょっと見積もりというお言葉がありましたけれども、私は、その見積もりという言葉はかなり軽いというか、本当の概要、ラフというイメージですけれども、ただ、ここで公金が査定されてつくわけでございます。お役所の中には確かに単なる見積もりだという意識があるようでございますけれども、これはその上に立つ政治家が、政治主導で、いや見積もりは見積もりだけれども、ただ、公金をもらうための資料なんだから、かなり精査に精査を重ねた資料を今以上に出さなきゃだめだ、こういうことを御指導いただきたいというふうに思うわけです。

 そして、財務省にも、財務省本省自身の点もお伺いしますけれども、五ページに資料をつけさせていただいております。これは、平成十五年度の財務本省の予算、そして財務本省一般行政に必要な経費の事項の各目明細書、これは全国会議員に配られているものでございます。

 庁費というのがありますね。庁費はいろいろな庶務費とか総務費とかそういうものだと思いますけれども、この庁費が、ここで予算が二十億程度ついている。普通庁費とかいろいろ細かく分かれて、それぞれの積算根拠、これを積み上げて二十億にしているんだ、こういうようなことでございますけれども、例えばその横の普通庁費、これが二億六千四百万という予算がついています。この普通庁費は、十五年度決算がもう出ていますけれども、実際に使ったのは幾ら使いましたですか。

田野瀬副大臣 執行段階において、備品費等に分けて使っておるところでございます。それぞれに分かれておりますので、一つ一つの数字は、ちょっと今、持ち合わせておりません。

長妻委員 では聞きます。職員厚生経費が一千五十六万ですけれども、これは実際は幾ら使われましたですか。

田野瀬副大臣 ちょっと細かな数字でございますので、参考人からお答えさせていただいてよろしいでしょうか。(長妻委員「数字だけちょっと、では教えてください」と呼ぶ)

細川委員長 いや、ちょっと待ってください。事前に委員会の許可がなければだめですから。

 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

細川委員長 速記を起こしてください。

 田野瀬財務副大臣。

田野瀬副大臣 職員厚生経費、二千百二十三万一千円でございます。

長妻委員 そうしましたら、例えば一般事務処理費、予算が十億六千六百万ついていますけれども、これは幾ら実際に使われましたですか。

田野瀬副大臣 これもそれぞれ分解されておるようでございます。

長妻委員 私は、実は昨年から聞いているんですね、こういう明細を出してほしいというのを。

 私も、これも日本の大問題だなと思いましたのは、これは全役所そうなんです、財務省だけじゃありません。皆様の、国会議員のもとに各目明細書、こういうのが配られます。分厚いので庁費とかいろいろなので明細がありますけれども、明細ごとの決算数字というのはないというんですね。今たまたま、初めて職員厚生経費だけ出てきましたけれども、ほかは集計できていないんだ、こういうことを言われるんです。ですから、時間を幾らかけても、これは膨大な作業になって徹夜になって倒れちゃうから集計できない、こういうことを言われるんですよ。

 では、これは、それぞれ全部決算を出すということは実際できるんですか、副大臣。

田野瀬副大臣 委員おっしゃるように、歳入歳出決算については、財政法第三十八条第二項の規定により、歳入歳出予算と同一の区分により作成することとされておりまして、歳出決算については、組織別及び項別に作成しております。また、歳入歳出決算の……(長妻委員「調べればできるんですか。調べれば出るんですか」と呼ぶ)それは調べれば出るんですが、先ほど大臣おっしゃられましたように、大変な時間と膨大な資料ということになるわけでございまして、財政当局といたしましては、予算の査定においてはヒアリングにおいて、必要に応じて執行実績を把握するということでございまして、なかなか困難を伴うということをよろしく御理解いただきたいと思います。

長妻委員 ですから、これもびっくりするんですね、民間の感覚でいうと。明細で、予算要求でこういうふうに出ているのに、いや、これは今正直に答えていただいたと思いますよ、これを全部集計すると、本当に何か、徹夜したり大変な膨大になると。

 普通は、集計というか、この枠内で支出していくはずなんですよね。足りなければやりくりもしてもいいでしょう、多少は。ところが、イメージでいうと、この二十兆の庁費が金庫にあって、そして担当者が、庁費でお金ちょうだい、では、これでいいよいいよと。こういうふうにお金を渡して、請求書をもらってお金を払って、金庫に幾ら残ったかで庁費の決算をここの場に出してきて、ただこの明細は、いや、それぞれ払っていて全部これに分類していないからさっぱりわからない、やるとしたら、今からさかのぼって、膨大な作業でたまらぬよと。

 こういうことでは、では、この明細の予算をどういう根拠で出してきたのか。前の年幾ら使ったかがわからなければ、次の年の予算は立てられないわけですよ。今言われたように、明細がばあっと出ていますけれども、これの幾ら使われたかはわからないわけですね、これは十五年度の予算ですけれども。そうすると、十六年度、十七年度、この予算も同じように各目明細が出ていますけれども、それは実績ベースで考えた予算じゃなくて、前の年に出した予算がこのくらいだから、その数字がこのくらいだから次の年もこのくらいにしようと。永遠にチェックされていないんですよ。どんぶり勘定なんですね。それで要らない経費まで使ってしまうようなむだ遣いが発生する温床がかなりあるというふうに私は思います。

 ぜひ、副大臣もそういう感覚がわかられる方だと思いますので、こういうものは、せめてこのぐらいのカテゴリーは決算を毎年出す、こういうような御答弁はいただけますか。

田野瀬副大臣 委員、貴重なせっかくの御指摘でございますので、必要に応じてしっかりと査定してまいりたい、このように考えます。

長妻委員 ぜひほかの省庁も、財務省が率先すれば、ほかの省庁もやると思います。財務省が先頭を切って、税金のむだというか空予算といいますか、そういう予算を、精度を高めていく。決算を予算に反映させると前からずっと言われておりますけれども、なかなか直らない。

 そしてもう一つは、ちょっとこれも、こういう質問をさせていただきますけれども、例えば、地方の財務局も入れて、財務省全体で、平成十五年度、電気代は幾ら使ったのかということはわかりますか。

田野瀬副大臣 一億五千六百万でございます。(長妻委員「それは全国の財務局も入れてでしょうか」と呼ぶ)本省でございます。(長妻委員「全国では、財務省全部で」と呼ぶ)全国については集計が出ておりません。

長妻委員 これも例えばの例で私申し上げましたけれども、ここも日本の問題があると思うのは、これも昨年来ずうっと聞いていて、財務省の本省だけはわかるけれども、全国の財務局も含めて、財務省全体で電気代が一年間幾ら使われたのか、これはわからないと。これを調べる、聞いてくれるなと。調べたら、これは徹夜して、何人も大変なことになるというふうに言われまして、これも問題なんですよ。

 普通、民間企業であれば、各事務所で電気代とか備品とかなんとかというのはパソコンに入れて、オンラインで結んで、もうきのうの電気代から先月のからわかるわけですね。ところが、何か別々に庁費という中から、庁費はブラックボックスですよ、この中からお金を払って、でもさっぱり幾ら払ったのかわからない。集計すると膨大な作業になってしまうと。

 こういう一例で質問したわけですけれども、ぜひ御検討を、解決に向けて御努力をいただきたいというふうに思います。

 そして、財務大臣にこれもお願いを申し上げますけれども、その意味で、先ほど申し上げました十五年度の概算要求書、先ほど社会保険庁だけ精査してくれと言いましたが、これは全省庁の、特別会計も入れて一般会計も入れて、平成十五年度の概算要求書を各省庁に、赤ペンで実際に、人数は、これは全くやらなかった事業だとか、これはやったとか、あるいは、ここは実は百人と書いてあったけれども一人だけだったとか、そういうふうに赤ペンで入れて一度戻させてみる、全省庁、財務省が。それをやると、いろいろな意味でかなり精度が上がっていく。

 別に、間違えたから、予算要求でやらなかったらけしからぬ、そう一律に言うつもりはありませんけれども、そういう措置をぜひ大臣、していただきたいと思うんですが、いかがでございますか。

谷垣国務大臣 事務量等ございますから、全部赤ペンということができるかどうかわかりませんが、やはり予算の精度を上げていくという工夫は、私どもも力の限りしなければならないと思っております。

 先ほど申し上げましたように、予算執行調査のようなものにこの近年取り組み始めたところでございますけれども、さらに精度を上げて、むだ遣いがないようにするにはどうしたらいいか、委員の御提言も含めて、いろいろ私どもも検討させていただきたいと思います。

長妻委員 今の資料をぜひこの委員会に提出いただきたいと思うんですが、委員長、理事会等で御検討いただければと思うんですが。

細川委員長 では、後日、理事会で検討いたします。

長妻委員 そして、会計検査院にも、きょうお出ましいただいていますけれども、十七ページにございますが、会計検査院のこういう概算要求書を見ておりまして、さすがに会計検査院は架空の予算というのはないと思うのでございますが、例えば、大学の先生を呼んでいろいろな勉強会をするということで、平成十五年度の予算要求では四百九十時間、大学の先生を呼ぶから、時給が九千円ぐらいだから四百万の予算を要求した。実際は四十七時間、十分の一しか呼んでいない。ところが、そういう実績にもかかわらず、翌年度も、平成十七年度も同じように四百九十時間で、惰性というか同じような予算要求をされているんですけれども、これはちょっとおかしいと思いますか。

森下会計検査院長 会計検査院といたしましては、限られた人員で最大限の検査成果を上げるために、職員の研修に非常に力を入れているわけでございます。そのために、こういう専門分野の研修として、例えば政府出資法人の財務諸表の検査の研修やら簿記の研修などを計画したわけでございます。

 ただ、講師の側のスケジュールであるとか、あるいは、我々職員の、研修員のスケジュールが実地検査の日程などとうまく調整がつかなくて、予算で想定した時間数に比べて実績が乖離したということになったわけでございます。ただ、この研修は充実する必要があると思っておりますので、今後も、適切な予算措置を講じながら研修の充実に努めていきたいというふうに考えております。

長妻委員 私が申し上げているのは、例えば、四百九十時間本当にやるつもりで予算要求したけれども、いろいろな事情で四十七時間しかとれなかった。ちょっと民間だと余り考えられないんですけれども、そういうこともあったとしても、では、翌年は、同じように四百九十時間で要求するんじゃなくて、やはり実態に近づけるということをしないと、何かいっぱい予算をとるためにそのまま書いていると疑われても仕方がないので、会計検査院ですから、これはぜひしっかりやっていただきたいというふうに思います。

 そしてもう一つ。日本の公共事業のお金がかなり膨張してしまう、そういう日本の仕組みというか構造といいますか、この六ページ目を見ていただきますと、これは国土交通省の皆様方に昨日つくっていただいた資料でございます。

 これは、さきに私が質問主意書を提出しまして、日本の公共事業で、当初の予算から膨れ上がってしまう、これはもうかなり多いんですけれども、初めは例えば百億、ところが、ふたをあけてみて、完成後は二百億、三百億になっている。これはよくある話じゃいけないわけで、そういう意味では、膨張率が高い順に質問主意書を出して、それで御答弁が来たんです。

 その公共事業を今度は工期に注目しまして、工費が、事業費が膨れ上がっているのは、やはり工期がかなり長引いちゃっているんじゃないのかという推定のもと、例えば、国土交通省に資料を出していただきましたけれども、この右にちょっと私の手書きで書いてありますが、一番上は霞ケ浦開発事業、当初八年が二十八年に延びちゃった、こういうものなんですね。八年の予定が二十八年になっちゃった。

 あるいは、七ページを見ていただきますと、つくば開発局の研究学園都市の住宅市街地開発事業、これは四年の予定なんですよ。事業が四年の予定が三十年になっちゃった。そして、手書きで左に四と書いてあるのは、これは、当初の総事業費から完成後四倍に膨れ上がっちゃった。先ほど、六ページの一番上の霞ケ浦は左に九と書いてありますから、当初の事業予定よりも九倍も膨れ上がっちゃった、こういうことなんでございます。

 例えばですけれども、このつくばのケースは何でこんなに工期が長引いちゃったんでございますか。

蓮実副大臣 事業がおくれてしまった理由は、地権者との交渉が非常に難航したわけであります。それから、新都市施設、交通施設の配置を追加した、これが非常に長くかかったという理由であります。

長妻委員 そして、農水省にも資料を出していただきました。農水省は十二ページにございます。

 この十二ページには、これも一番上、母畑という農地の再編整備事業なんですが、これは、右に書いてあるのは、六年の事業予定が三十年になっちゃった。左の十二倍というのは、当初の事業費から十二倍も膨れ上がった。これは、みんな右のところを見ていただきますと、例えば三番目の木曽岬、ここでは四年の予定が三十年になっちゃった、事業費も六倍になった、こういうことでございますが、全部お伺いすると時間がありませんので、母畑、これは何でこんなに延びて、事業費も膨れ上がったんですか。

岩永副大臣 この場合、開田を全面的に中止して、未墾地造成面積を減らそうということで開畑に切りかえた、こういうことでございます。そしてあわせて、区画整理事業に切りかえまして、排水路護岸工事等の追加をしております。そこへ加えて、経済社会情勢の変化によって事業内容が変更されていったということでございまして、社会の影響をもろに受けた例でございまして、金もふえたし工期も長くなったということで、このことについては相当議論がされたわけでございますが、地元のどうしてもやってほしいという強い要請で、三回の計画変更をしました。計画変更については、計画変更審査委員会というものをやって、こういうような結果になったわけでございます。

 それで、私も、先生がこういうふうに質問を出されて、ずっと詳しく調べてみました。しかし、農水省としては、それ以後、農業農村整備事業における時間管理の徹底という要綱だとか、そして、農業農村整備事業コストの構造改革プログラムというのだとか、国営土地改良事業の再評価要綱というものだとか、先生が今御指摘いただいているような部分についてかなり反省し、新たな対応をすべく、要綱を出したり、また徹底した管理システムをつくり上げたりしてきております。

長妻委員 農水省の案件でも、平成に入って着工されたものでもかなり延びて、事業費も三倍になっている例も十三ページにございますので、さらにこれの徹底をいただきたいと思います。

 それで、こういう事例を拝見すると何か疑念が生じてくるのは、初めに小さく産んで大きく育てるという言葉がありますけれども、ちょっと言葉の用法は違いますが、国会や世間には、工期もこのぐらいですよ、総事業費もこのぐらいですと小さく出して、実はふたをあけてみたらどっと金額がでかくなる。世間は、初めは議論しますよ、一番初め、スタートのときは。その後、いろいろ、そのままずるずるいってしまう。実は、お役所の方の本音も聞きました、どなたとは言いませんけれども。最初の工期は、工期の期間、これはスムーズにいっている場合を想定してやはり立案するんですよ、こういうことを正直に言われていました。

 ですから、私は、スムーズにいった場合じゃなくて、ぜひ政治家のトップの方は、最悪のケースとまでは言わないけれども、かなり悪いケース、長引くケースを、先ほど用地の買収とかいろいろわかります、それは。例えば、田んぼから畑に途中で転換しなきゃいけないとか、理由は、いろいろそれはわかる理由もあります。あるいは、地盤がかたかったとか地盤がやわらか過ぎたとかいろいろわかりますが、そういう意味では、過去何回も公共事業をやられているわけですから、かなり悪いケース、悪いケースで事業費がこれだけ膨らんでしまうんじゃないか、あるいは工期もこのぐらい長くなってしまうんではないか、こういうような形でぜひ当初立案していただくと、国民の皆さんにもわかりやすいわけでございます。

 ちなみに、中部国際空港、私も完成前に見てまいりまして社長さんとも話しましたけれども、あそこは、工期はきちっと守った、一日もずれなかった、当初の予定と。そして、総事業費はふえるどころか一千億減っちゃったということで、これはニュースになっちゃうわけですね。こういうふうに普通に守ったり総事業費が減るとニュースになる国というのは、これはどんな国なんですか。

 私も全部すべての公共事業をここに網羅していないですが、かなり多くが、かなり延びてかなりふえるというイメージを持っておりますので、ぜひ、こういう一定以上の長期プロジェクトについては、一番初めの事業費あるいは工期の精査、これを国会でするような、何かそういうような仕組みが必要だと私は思うのでございますが、国土交通副大臣、いかがでございますか。

蓮実副大臣 国土交通省としましては、事業着手前により詳細な現地調査を実施して、設計精度を向上させること、それから、構想段階から合意形成のための手続の積極的な実施に努め、地元関係者、関係行政機関と十分に調整を図る。それとともに、個々の事業について、新規採択時の評価、採択後一定の期間が経過した時点などにおける再評価、事業完成後、事後評価を的確に実施して、これを同種の事業の計画に反映させることなどによりまして、当初の事業計画の段階からできる限り正確に事業費や工期を見積もることができるよう努めてまいりたいと思っております。

長妻委員 まず、国土交通省が公共事業のかなり大きな部分を担っておられるわけでございまして、実態調査をぜひしていただきたいと思うんですね。

 これはほんの一部をピックアップしていただいた資料でございまして、かなり一定の規模以上で結構ですので、実際に工期がどのぐらい延びてしまったのか、その理由は何なのか。私も全部網羅していませんけれども、百ある公共事業のうち、ひょっとすると工期が守られているのはほとんどないかもしれませんよね、私もどの程度かは全く資料がないんで。

 ですから、かなり延びているのか、あるいはほとんどは守られているのか、あるいは延びたとしたらどういう原因なのか、それは共通の原因があって、それは直るものなのか、予算の総事業費の膨張もどういうような傾向があるのか、そしてそれはどういうふうにすれば防げるのか。一度そういう実態調査を国土交通省としてされると、非常に有益な、これは税金のむだ遣い等々をやめろということを言われておりますので、ぜひ一度そういうような実態調査の御検討をしていただきたい。前向きな御答弁をいただけますか。

蓮実副大臣 当初の見込みより事業費がふえた、あるいは工期が延びた公共事業が多数存在することは先生御指摘のとおりであります。

 これらの事業につきましてその要因を分析したところ、個々の事業により異なる点はありますけれども、共通な要因でございますが、これは用地補償あるいは漁業補償、土地所有者との調整、それが当初想定した以上に期間がかかってしまったこと、事業着手後に、詳細な現地調査によりまして、事前の調査ではわからなかった軟弱地盤の改良など、施工方法を見直さざるを得なかったということ、あるいは、事業着手後に経済情勢の変化が生じたために、道路の幅を広げるとか、規格や事業内容を変更せざるを得なかったということが要因であります。(長妻委員「実態調査は、今後の」と呼ぶ)

 実態調査は、個々の事業につきましては、事業費を増額したり工期を延長する場合には、事業計画の変更といった手続の中で個々にその要因をチェックしております。その上で、国土交通省としては、先ほど述べましたとおり、共通する要因は既に把握しておりますので、対処していきたいと思っております。(長妻委員「では、後で資料をいただけますか」と呼ぶ)はい。ありがとうございます。

長妻委員 この議論を聞いていて、財務大臣、お金を管理する財務大臣としては。

谷垣国務大臣 私の地元にもいろいろ公共事業がございまして、おくれてしまうことがあるんですね。今国土交通副大臣がおっしゃいましたけれども、一番私どもしばしば経験するのは、地元調整に時間がかかって用地買収なんかが進まない。

 その対策は国土交通大臣もおっしゃいました。私どもも、予算を査定するに当たりましては、今、公共事業コスト構造改革、五年間で一五%減らそうということでやっているんですが、先ほど国土交通大臣がおっしゃいましたように、事前調査、もう少しやりようがあるのではないかとか、事業の計画や執行の段階でもいろいろ工夫していただくことがあると思います。

 それから、もう一つ我々として考えなきゃならないのは、やはりいろいろな御要望があって、総花的に予算をつけていって、初めから相当長期間かかるというのはございますね。あれはやはり、事業の後の進捗が見込まれる、進んでいくというようなものに例えば重点化してやっていくとかいうような工夫も、全体の公共事業のコストを下げていく上では必要なことじゃないか。

 ここらも含めまして、実際やってみますと用地調整なんというのは難しいことが多いんですが、少しでも効率的に使えるような工夫は、私どもも一生懸命やらせていただきたいと思っております。

長妻委員 最後に、会計検査院にお尋ねしますけれども、これも懸案になっておりました、もう多少忘れ去られておりますけれども、社会保険庁の不祥事がございまして、カワグチ技研というところで必要のないプリンターを買ったり簡易計算機を買ったりして、逮捕者も出ました。

 そうしたときに、日本には予算執行責任法というのがあって、おかしな予算を執行した官僚の方が自分で弁償しなきゃいけない、こういう予算執行責任法、予責法という法律がございまして、会計検査院が認定すれば、その官僚の方は自腹でお金を払わなきゃいけなくなるんです。私は、カワグチ技研のケースはそれに適合すると思っているんです。

 ですから、こういう事例を、きちっと会計検査院が機能を果たすと、ほかの官僚の皆さんも、ああ、これは変なことをしたら自分の金で弁償しなきゃいけないのかと。そういうことでかなり規律が高まると思うんですが、このカワグチ技研、まだ検討中でございますか。

森下会計検査院長 ただいまお尋ねのありましたカワグチ技研の検査報告事項は不当事項として取り上げたわけでございます。したがいまして、弁償責任があるかどうかについて検討を今行っているところでございます。

 このカワグチ技研の案件といいますか、この不当事項につきましては、弁償責任の検定というのは、国家公務員の中で、ある会計というものを処理する職員あるいは予算執行を行う職員という法律で定められた身分の職員に対する責任の追及の制度でございます。したがいまして、そういった個人責任を追及するということで、先ほどの予責法などで厳格な要件が要求されております。したがって、今慎重な検討が求められているというものでございます。

 さらに、この件につきましては、弁償責任の検定の対象となると思料されます予算執行職員は、社会保険庁本庁それから地方の社会保険事務局等、これが三百三十九カ所あるかと思いますが、そこの職員でございまして、かなり膨大な数の県の職員に対して説明を聞いたりしながら検討していかなければならないということで、現在鋭意取り組んでいるところでございます。

長妻委員 財政が苦しい苦しいと言うんであれば、やはりその前に、そういう税金のむだ遣いや、本当にきちっとした予算執行を、必要な経費を使う分にはこれはだれも怒らないと思いますから……

細川委員長 長妻委員、時間が来ておりますので。

長妻委員 ぜひそれを御認識いただきたいと思います。

 どうもありがとうございました。

細川委員長 次に、川内博史君。

川内委員 おはようございます。民主党の川内博史でございます。

 きょうは、委員長、与野党の理事の先生方にお許しをいただきまして、この委員会での発言をさせていただきたいというふうに思います。

 私は、郵政公社並びに郵政民営化についての問題、さらにBSE全頭検査の問題について、関係の役所の皆様方に御質問をさせていただきたいというふうに考えております。

 まず、郵政公社の問題についてでございますが、きょうは、西川副大臣、さらに民営化を内閣官房で担当されていらっしゃる中城審議官においでをいただきました。ありがとうございます。

 まず、西川内閣府副大臣に確認をさせていただきます。

 西川内閣府副大臣は、内閣府の副大臣として、「内閣府本府の事務のうち経済財政政策及び国民生活関係の政策を担当する」さらに、それとともに「郵政民営化担当大臣を補佐していただきたい。」という総理大臣からの指示書を受けていらっしゃるというふうに思います。

 郵政民営化担当大臣を補佐する内閣府副大臣であり、郵政民営化担当副大臣ではないということを御確認させていただきたいと思います。

西川副大臣 就任するに当たりまして、総理大臣から竹中郵政担当大臣を補佐するように、こういう指示を受けております。

川内委員 郵政民営化担当副大臣ではないということを、今、言外にお認めになられました。

 さらに、西川副大臣は内閣府に属していて、内閣官房には属していらっしゃいません。したがって、内閣官房に属する郵政民営化準備室を直接に指示あるいは指揮あるいは命令するお立場にはあられないということも確認をさせていただきたいと思います。

西川副大臣 今の御質問で、郵政民営化担当副大臣か、こういうお尋ねでありましたが、私は、総理大臣から郵政民営化担当大臣である竹中大臣を補佐するようにと受けた、ここまで申し上げましたが、ということは、私どもは郵政民営化担当副大臣である、こう理解をしています。

川内委員 法的なことを、私は内閣の見解を、政府の見解を今お伺いしております。

 正確に言うならばという話を私はしておりまして、郵政民営化担当大臣を補佐する内閣府副大臣というのが正しい言い方であって、郵政民営化担当副大臣という言い方は正しくありませんねということを確認しているんです。これを郵政民営化担当副大臣とおっしゃられれば、これは大変に大きな問題が生ずると思われますが。

千代政府参考人 副大臣の法的な根拠をちょっとお聞きになられましたものですから、その点についてお答えしたいと思います。

 内閣府は、内閣府設置法第三条第一項におきまして、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けることを任務としておりまして、それを根拠といたしまして、内閣総理大臣から西川副大臣に対しまして、「郵政民営化担当大臣を補佐していただきたい。」という旨の指示がありましたので、これをもちまして郵政民営化担当副大臣だというふうに考えておるところでございます。

川内委員 西川内閣府副大臣は郵政民営化担当副大臣でもある、法的に郵政民営化担当副大臣でもあるということでいいですか。

千代政府参考人 繰り返して恐縮でございますが、内閣府設置法第三条第一項におきまして、内閣府は内閣の重要政策に関する内閣の事務を助けるということを任務といたしておりますので、これを根拠にいたしまして郵政民営化担当副大臣であるというふうに、かように考えてございます。

川内委員 もう一回確認させてください。

 内閣府は内閣を助けることが法律に書いてあるので、指示書に郵政民営化担当大臣を補佐しなさいという指示が出ている、したがって、西川内閣府副大臣は法的に郵政民営化担当副大臣でもある、これでいいですね。わかりやすく、私は国民の皆さんにもよくわかるように説明をしなきゃいけませんから。どうぞ。

千代政府参考人 そのように解してございます。

川内委員 そうすると、郵政民営化担当副大臣でもあるということは、西川大臣は内閣官房にも属しているという理解でよろしいですか。

千代政府参考人 西川副大臣は内閣府の副大臣であるというふうに考えてございます。

川内委員 郵政民営化担当の副大臣でもあるというふうに御説明があったので、郵政民営化担当副大臣ということは内閣官房にも所属しているというふうに理解してよろしいんでしょうかということをお聞きしているんですけれども。

千代政府参考人 西川副大臣は内閣府の副大臣でございますが、その任命に当たりまして、小泉総理から「郵政民営化担当大臣を補佐していただきたい。」という指示がございましたので、これを受けまして郵政民営化担当副大臣である、かように考えておるところでございます。

川内委員 どうも僕は余り頭がよくないものですからよくわからないんですけれども、では、なぜ指示書に郵政民営化担当副大臣というふうに総理はお書きにならなかったんでしょうか。この指示書を書いたのはどなたなんでしょうか。その経緯をちょっと御説明いただけますか。

千代政府参考人 指示書は、総理の命によりまして事務方で書いたものでございます。

川内委員 総理の命によって書かれた指示書には、西川内閣府副大臣のことは「郵政民営化担当大臣を補佐していただきたい。」と書いてございます。郵政民営化担当副大臣とは書いてございませんね。なぜ郵政民営化担当副大臣というふうにお書きにならなかったんですかということを聞いているんです。

 先ほど、法的な根拠はあるんだ、郵政民営化担当副大臣という法的な根拠があるんだというふうにおっしゃるので、法的な根拠があるのであればそのようにお書きになればよかったというふうに思うんですが、いかがですか。

千代政府参考人 繰り返しでございますが、内閣府設置法三条一項の書き方は、「内閣府は、内閣の重要政策に関する内閣の事務を助ける」、「助ける」という表現をしておりますものでございますから、これを受けまして、総理の指示にも「郵政民営化担当大臣を補佐していただきたい。」という旨の表現になっておる、かように解してございます。

川内委員 「助ける」というふうに書いてあるから補佐するというふうに書いたと。

 そうすると、内閣府の副大臣が補佐しなさい、助けなさいという指示が出たら、それはすなわち郵政民営化担当副大臣であるということを意味するというのはだれが決めたんですか。どこで決めたんですか。どういうふうに法的に根拠を説明されるんですか。

千代政府参考人 法的には、もう何度も繰り返しになりますから省きますが、私どもとしましては、この総理の「郵政民営化担当大臣を補佐していただきたい。」という指示に基づきまして郵政民営化担当副大臣であるというふうに考えておるところでございます。

川内委員 であると考えているということは、法的には厳密に言えば郵政民営化担当副大臣というふうには言えないんじゃないですか。

 だって、私も、財務大臣、いつの日か与党になってこれをもらいたいわけですよ。本当は副大臣じゃなくて大臣に任命するというものをもらいたいわけですけれどもね。これは陛下からいただく正式な文書でしょう。恐らく日本で一番ありがたい文書だと思いますよ。

 これには「内閣府副大臣に任命する」と書いてあるんですね。郵政民営化担当副大臣に任命すると書いていないんですよ。それを郵政民営化担当副大臣でありますとここで強弁するのは、少しおかしいんじゃないですか。

千代政府参考人 内閣府の副大臣の任命は、今まさにお示しされました官記に基づいてされるものでございますが、具体的な、副大臣がどういう仕事をするかといいますのは、内閣府設置法に基づきまして内閣総理大臣から指示をする、こういうことになってございますので、それに基づきまして郵政民営化担当副大臣というものを指示したということとなってございます。

細川委員長 川内委員に申し上げます。

 書類を示す場合には、事前に理事会の承諾を得て示すようにお願いいたします。

 その件については許可をいたします。

川内委員 ありがとうございます。委員長の御配慮に心から感謝を申し上げます。

 私が繰り返し申し上げているのは、正式に言うならばということを申し上げているんですよ。俗称として、郵政民営化担当副大臣とおっしゃるのは、これは自由ですよ。しかし、正式な会議の場とかあるいは公式な書類とかに郵政民営化担当副大臣というふうに書くのは、いささか言葉の省略が過ぎやしませんかと。郵政民営化担当大臣を補佐する内閣府副大臣というふうにおっしゃるのが正確な言い方でしょうということを申し上げているんですよ。どうですか。

千代政府参考人 御指摘もあるところでございますけれども、繰り返しになりますが、我々といたしましては、郵政民営化担当副大臣であると考えてございます。

川内委員 では、副大臣の位置づけというものをちょっと教えていただけますか。

千代政府参考人 内閣府設置法十三条二項に、内閣府の副大臣は、「内閣官房長官又は特命担当大臣の命を受け、政策及び企画をつかさどり、政務を処理する。」かように規定されてございます。

川内委員 それでは、内閣府副大臣西川先生に対する指示書は、「経済財政政策及び国民生活関係の政策を担当するとともに、」と書いてあります。さらに、「郵政民営化担当大臣を補佐していただきたい。」と。担当と補佐の違いを説明してください。

千代政府参考人 その点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、補佐するの方は、内閣府設置法三条一項に基づきまして、内閣府が内閣を助けるという規定があることを受けまして、補佐するという表現を使ってございます。

 それから、担当するにつきましては、内閣府の副大臣は、内閣府の所掌する四条各号に掲げる事務、これは経済財政担当などが書いてあるところでございますけれども、それを担当するということから、書き分けているということでございます。

川内委員 余りこの問題で長くやっていてもしようがない。

 では、霞が関の論理としては、西川先生は、内閣府副大臣であるとともに、法的にも郵政民営化担当副大臣であるということを、国務大臣たる谷垣財務大臣に、政府見解として確認していただきたいと思います。

谷垣国務大臣 私は、内閣府の副大臣がどういう法的関係になっているのか明確に説明する能力に欠けておりますが、西川副大臣は郵政民営化を担当しておられる副大臣だというふうに考えております。

川内委員 今、郵政民営化を担当しておられる副大臣という、非常に微妙な言い回しをされたわけでありますが、きのうの役所のレクとはちょっとお答えが、きのうは役所の皆さん素直に認められたんですよ。郵政民営化担当副大臣という言い方は正確な言い方ではありません、俗称でございますと。私の指摘に対して、そうだとおっしゃられたので、この辺は割とすんなりいくかなと思ったんですが、やはり当日になるとそれは認めちゃまずいなというふうに思われたのでしょう。では、いいです。また次の機会にこの辺は、私も副大臣とは何ぞやというところをさらに勉強させていただいて、お話をさせていただきたいというふうに思います。(発言する者あり)いや、大臣になりますから、大臣に。

 さらに、総務委員会の竹中大臣の欠席の問題であります。

 竹中大臣は、先日の四月十四日の総務委員会の答弁で、再三にわたって、政府側の情報の収集、伝達について不十分な点があったというふうにおっしゃっていらっしゃいます。ここの政府側とは具体的にはだれのことかということをお答えいただきたいと思います。

西川副大臣 政府側とはだれのことかということでありますが、私が郵政民営化を担当する副大臣といたしまして、委員会でどういう質問が出て、どのようなケースで答える場合が想定されるか、こういうことでありますので、私がそういうことで受けとめておったというふうに解釈していただきたいと思います。

川内委員 西川副大臣お一人ですか、政府側というのは。

西川副大臣 郵政の民営化準備室からはたくさんの情報が審議官等を通して私のところへ入ってきます。必要なものは大臣にも上げていきますけれども、私のところでこれはとめておいてもいい、こういう判断のときは私の方が受けとめるということでありまして、政府がだれだといったら、それは大臣でもあり、私でもあり、審議官でもあり、準備室の皆さんだ、こう考えていただきたいと思います。

川内委員 事務方の情報を取りまとめるのは審議官だという今御発言がありました。そうすると、政府側というものを言いあらわすならば、西川副大臣、さらに、きょう来ていただいております中城審議官ということになろうかと思いますが、中城審議官、よろしいでしょうか。

中城政府参考人 西川副大臣から御答弁ありましたように、西川副大臣とともにこうした情報伝達の責任を担っていると考えております。

川内委員 きょうは、内閣法制局にも来ていただいておりますので、若干、憲法の解釈を、一般論で結構ですから、お答えをいただきたいというふうに思います。

 憲法六十三条に、「内閣総理大臣その他の国務大臣は、」「何時でも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」というふうに明記をされております。

 一般に、国務大臣が国会に出席を求められているにもかかわらず出席をしないということは、憲法に違反する行為であるというふうに考えられますが、一般論です、よろしいでしょうか、この解釈で。

梶田政府参考人 お答えいたします。

 一般論として申し上げたいと思いますが、ただいまお話ございましたように、憲法六十三条におきまして、「国務大臣は、」「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」こう規定されております。

 したがいまして、委員会から国務大臣が出席を求められた場合におきましては、一般に、出席しなければならないものでございまして、国務大臣が出席しない場合には、憲法第六十三条の規定に違反することになるというふうに思います。

川内委員 憲法六十三条だけではなく、憲法九十九条には、国務大臣の憲法の尊重擁護義務というものが定められております。したがって、六十三条に違反するということは、自動的に九十九条にも違反するということでよろしいでしょうか。

梶田政府参考人 そのとおりでございます。

川内委員 さらに法制局の見解をお聞きしたいんですけれども、一般に、憲法に反する行動をとった国務大臣の責任について、何か御見解がおありになれば述べていただきたいというふうに思います。

梶田政府参考人 お答えいたします。

 ただいまのお尋ねは、国務大臣が憲法第六十三条の出席義務に違反した場合という前提でのお尋ねだろうと思いますが、先ほどもお答え申し上げましたように、委員会から出席を求められた場合におきましては、国務大臣は出席する義務がございます。国務大臣が出席しない場合には、一般に憲法第六十三条に違反することになるというふうに考えてございますが、第六十三条に規定された出席義務に違反した場合に、その国務大臣がどのような責任を負うかという点につきましては、憲法上特段の規定は設けられていないというふうに考えております。

川内委員 もちろん、日本国憲法に違反しようとも、罰則規定があるわけではないし、日本国憲法の、最高の法規に違反したという事実だけが残る、さらには、政治的な責任をどうとるのかというところになってくるんだろうというふうに思います。だからこそ、この竹中大臣問題は、事実がどうだったのかというものがしっかりと国会で議論をされなければならない事柄であるというふうに思います。

 そうでなければ、大臣が委員会に出席しなくても、後でごめんなさいと謝ればいいんだということになっちゃうわけですから、そのようなことは国権の最高機関として許されないというふうに思いますし、この竹中大臣の問題というのは、私は、関係者の皆さんがしっかりと事実をお述べになり、その事実に照らし合わせて違反があったのかどうかということに関してさらに詳細な議論をしていくべきだというふうに考えております。

 そこで、一点、実川総務委員長が議院運営委員会あてにこんな文書を出していらっしゃいます。「四月五日の総務委員会に竹中国務大臣の出席要請があったにもかかわらず、出席がなかったため、委員会の質疑を行うことができなかった。」、これは総務委員長の直筆の書面であります。「総務委員会に竹中国務大臣の出席要請があったにもかかわらず、」と。委員会としては出席要請をしたんだということを、これは明確に委員会の意思をあらわす文書であります。

 それは、途中経過の中でいろいろのことはあったかもしれない。関係者の情報のやりとり、連絡、そしてまた情報のそご、いろいろなことがあったかもしれないが、国会の意思としては、総務委員会に竹中国務大臣の出席を求めるという明確な意思があったとこの書類は証明をしているわけであります。したがって、先ほど法制局の第一部長にも御見解をお示しいただきましたが、委員会が大臣に出席を求めた場合には出席をしなければならない、しない場合には憲法に反するということになるわけです。

 しかし、政府側の今の御見解というのは、調整中だったんだ、情報の収集、伝達に不十分な点があったことは認めると。それは、政府側の今のところの、いわば私ども野党から言わせれば言いわけであります。事実としてあるのは、委員会が大臣に出席を求めたという事実がある、それに出席をしなかったという事実がある。そのことに対して、今のところ、どなたも責任をとっていらっしゃらない。

 この点に関して、これは重大な、総務委員長のペーパーで、委員会が大臣に出席を求めたと書いてあるわけですから、出席しなかった、そのことに対する責任、これは竹中大臣がおとりになるのか、西川大臣がおとりになるのか、それとも事務方がおとりになるのか、いろいろな責任のとられ方があると思いますが、まず、これはこれで終わりではない、その責任の所在というものは明らかにしていくという、当事者であらせられたわけですから西川副大臣の御見解を賜りたいというふうに思います。

西川副大臣 御指摘いただきましたけれども、先日の委員会でも私申し上げましたが、与野党間の協議をやっておって、一時は大臣を、主務委員会ではありませんが、総務委員会に出席要請をしよう、こういう議論をしておったことも理解しています。しかし、それは金曜日の段階でありまして、四月一日だったかと思いますが、結局、週明けて持ち帰って再度協議をさせていただく、こういうことを私ども承っておりました。

 そして、その再度協議をする席上において、事情を私どもの中城審議官の方から、一刻の猶予も今ならないときであり、できれば後日、別な日に竹中大臣が出席をして質疑をさせていただけないか、もしそれが不可能であれば、副大臣である私に対応させていただけないか、あるいは政府委員で対応していただけないか、こういうことをお願いしておったわけでありまして、私どもは、週明けの月曜日に正式に決まる、こう理解しておったところでございます。

 私どもの今考えておることは、情報の伝達が非常にうまくいかなかった面もありますので、今後そういうことがないようにして委員会の要請にこたえていく、こういうことに努めていきたい、こういう状況で私どもはこれからの仕事を取り組んでいこう、こういうことを事務当局ともしっかり話し合いをしたところでございます。

川内委員 西川副大臣、憲法に反する行動が事実としてあったということに関して、今後はそのようなことがないようにいたしますということでは、私はとても、はい、そうですか、では今後はそういうことがないようにしてくださいね、お互いにそうしましょうねということでは終わらない問題であるというふうに思っております。したがって、この問題に関しては、さらに同僚議員とともにしっかりと問題点を詰めさせていただきたいというふうに思います。

 それでは、続いて郵政民営化の、昨日、やじと怒号の中で自民党さんの中では執行部一任ということが決まったのか、決まらないのか、よくわからないわけでありますが……(発言する者あり)決まったんですね、今、決まったと一言言われてしまいましたが、そういう状況だというふうに承っております。

 さらに、私どもは、まだ法案が示されておりませんので何とも言いようがない状況ではありますが、ただ、平成十七年の四月四日に「郵政民営化法案について」という文書が出されておりまして、この文書は、総務省、財務省、国土交通省、内閣官房、金融担当、それから郵政民営化担当、この六大臣によって合意された文書であるというふうにお聞きをしておりますが、この「郵政民営化法案について」という文章は政府の方針であるというふうに理解をしてよろしゅうございますでしょうか。

中城政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘の四月四日の「郵政民営化法案について」につきましては、これまでの与党との議論も踏まえまして、郵政民営化法案を作成するに当たっての主要な論点について政府の案というものを関係閣僚間で合意をし、最終的には総理の御裁断をいただいて取りまとめたものでございます。

川内委員 そうしますと、私は、実は郵政公社維持論者でございまして、財務大臣、郵政公社というのは公務員の中で一番優秀な公務員集団だというふうに思っておりまして、税金は一円も使いませんし、国に迷惑をかけているわけではないわけですね。地方に住むじいちゃん、ばあちゃんにも非常に信頼されているわけですよ。彼らはサボれないですからね、赤いバイクに乗って、緑の制服を着て。普通の銀行員や生命保険の人たちは、朝会社を出たら、大体喫茶店でモーニングを食べてから営業に行くわけですからね。ところが、郵政公社の皆さんは非常にまじめに一生懸命頑張っていらっしゃる。そういう状況の中で、一円も税金を使わない。

 一方、我が党の長妻議員がずっとこの間追及をされている最悪の公務員集団である社会保険庁というのもあるわけですね。どちらかというと、社会保険庁を解体して、年金の事務とかあるいは国民年金の徴収とか国民年金基金の運営を、まじめな、そして優秀な郵政公社に任せる、それで郵政公社を守り育てていくという方がずっと国民的な利益になるし、行政改革、年金改革の趣旨にも沿うというふうに考えているんです。

 ところが、今政府がおやりになっていらっしゃることというのは、全くこの逆の方に向かいつつあるのではないかというふうに大変な危惧を覚えておりまして、そこで、この「郵政民営化法案について」という、今政府の方針に限りなく近いという審議官の御説明があったわけでありますが、このペーパーについて幾つか聞かせていただきたいというふうに思います。

 「郵政民営化法案について」、このペーパーの「1 郵便局の設置(利便性への配慮)」というところに1、2とあります。「郵便局があまねく全国で利用されることを旨として郵便局を配置することを法律上義務付ける。」昨日の御説明では、この「郵便局」というのは郵便局会社あるいは郵便会社のことであって、郵便貯金銀行や郵便保険会社のことではない、法律上義務づける、あまねく全国で利用されることを旨として義務づけられる利便性への配慮には、郵便貯金や簡易保険は含まれないということでございましたが、そのとおりでよろしゅうございますでしょうか。

細見政府参考人 お答えいたします。

 郵便局につきましては、基本的には今具体的な法案の中身で検討しているところでございますが、郵便局というのは、基本的には郵便局会社、いわゆる窓口ネットワーク会社というところに所属するものだというふうに認識をしておりまして、郵便局会社が設置基準に基づいて郵便局を設置する、こういう考え方でございます。

川内委員 今私が御質問で申し上げた、郵便貯金銀行あるいは郵便保険会社はこの郵便局の設置基準の中には入らないということでよろしいですよね。

細見政府参考人 郵便局がどのような業務を提供するかということにつきましては、もちろん郵便の窓口業務ということはあるわけでございますが、具体的な、郵便貯金あるいは簡易保険といったものをどのように今後とも継続して提供できるかということについてはさまざまな議論が今行われているところだというふうに考えております。

 私どもといたしましては、そうしたサービスもできるだけ皆さんに提供できるような枠組みをいろいろ考えていきたい、こういうふうに考えているところでございます。

川内委員 さらに、2で「具体的な設置基準は省令で定める」と書いてございます。昨日の御説明では恐らく総務省令になるのではないかということでありましたが、さらにその前にお聞きしたときは、総務省と金融庁で相談してやるのではないかというような御説明もありました。

 この省令というのは具体的にはどこどこ省令になりそうなのかということをお尋ねいたします。

細見政府参考人 この点につきましても、現在法案で具体的内容を詰めているところでございますが、現在の考え方といたしましては、郵便局会社については総務大臣が主務大臣になるということを想定いたしておりまして、郵便局の設置基準については総務省令になるということが想定されているところでございます。

川内委員 「特に過疎地については法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定する。」と書いてございます。過疎地の定義は、「省令策定時に十分協議する。」と書いてあるんですが、私は、これは政府の方針ですから、過疎地というものをどのように定義するかというのは法案化のときにしっかりと、あらあらのところぐらいはお示しをいただかなければならぬことだというふうに思うんです。

 過疎地の定義については過疎地域自立促進特別措置法に規定されているわけでありますけれども、平成十七年一月現在でいうと千六十七市町村、人口では平成十二年の国勢調査で八百十二万人、全人口の六・四%に当たる過疎地というのがこの過疎地に当たると。それとも、さらに離島振興特別措置法とか、我が国にはいわゆる過疎地域に配慮したさまざまな法律があるわけでありますが、この過疎地というものがどのような定義になりそうなのか。

 さらには、「協議する。」ということですが、協議の主体、だれとだれが協議するのかということもあわせてお答えをいただきたいと思います。

細見政府参考人 お答えいたします。

 過疎地の範囲につきましては、この「郵政民営化法案について」で書いてございますとおり、省令策定時に十分協議するということでございます。

 具体的にどのようなものが考えられるかということでありますが、過疎地域自立促進特別措置法の過疎地域というのが基本となることは間違いないと思いますが、いずれにせよ、これを基本として具体的な検討を進めていきたいということでございます。

 だれがどのように協議するかということにつきましては、まだ具体的に何かが決まっているということではございませんで、これから法案ができまして、それからまた考えていくということだと思っております。

川内委員 さらに、「郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とする」というこの言葉についてお聞きいたします。

 郵便局ネットワークという言葉ですが、これは平成十六年三月三十一日現在の二万四千七百十五の郵便局の総体を郵便局ネットワーク、二万四千七百十五局すべてを指して郵便局ネットワークといっているという理解でよろしいでしょうか。

細見政府参考人 「郵政民営化法案について」におきましては、「特に過疎地については」と書いてございますが、「法施行の際、現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨とすることを規定する。」こう書いてございます。

 これは、現在の公社法の施行規則第二条におきまして「法の施行の際現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨として、」という規定がされていることを踏まえまして、過疎地におきまして郵便局ネットワークの水準を維持していくという観点から、このような表現を使ったものでございます。

 いずれにいたしましても、省令案を検討する中で具体的に検討していくということでございます。

川内委員 今、日本郵政公社法施行規則第二条という言葉が出ました。この第二条に、「公社は、法の施行の際現に存する郵便局ネットワークの水準を維持することを旨として、次に掲げる基準に適合するよう郵便局を設置しなければならない。」一、二、三と書いてあります。

 一 法第十九条第一項第一号から第五号までに掲げる業務及びこれらに附帯する業務に係る役務に対する地域住民の需要に適切に対応することができるよう設置されていること。

 二 いずれの市町村(特別区を含む。)についても一以上の郵便局が設置されていること。

 三 交通、地理その他の事情を勘案して地域住民が容易に利用することができる位置に設置されていること。

 これらの日本郵政公社法施行規則第二条、一、二、三を参考にして設置基準を今後考える、参考にする、踏まえるということでよろしいでしょうか。もう一回確認させてください。

細見政府参考人 具体的な設置基準、今後検討するということでございますが、その際には、現在の設置基準、今お読みいただいた三点も十分参考にしながら、その具体的内容を検討していきたいというふうに考えております。

川内委員 それでは、この「郵政民営化法案について」の「(3)貯金、保険のユニバーサルなサービスの提供」というところです。「貯金、保険のユニバーサルなサービスの提供」、ユニバーサルサービスとユニバーサルなサービスの違いを教えてください。

竹内政府参考人 大変難しい御質問でございますが、そこの下に書いてございますように、円滑な業務運営や健全性確保の観点から、郵便貯金銀行は、みなし銀行免許に当たりまして、自立するまでの間、安定的な代理店契約をするということで、郵便貯金銀行、郵便保険会社には、ユニバーサルサービス義務そのものは法律的には課すことになっておりませんが、しかしながら、代理店契約、保険募集等の委託契約を、移行期間中、郵便貯金銀行、郵便保険会社への業務委託を確実に担保するということから、みなし免許の条件として、今申し上げました業務委託契約を担保する、つけるという形で、ユニバーサルなサービスが実質的に担保されるのではないかということではなかろうかと思います。

川内委員 貯金、保険については、移行期間中はユニバーサルサービスになるかもしれないが、移行期間の後はユニバーサルサービスを担保するものではないという理解でよろしいでしょうか。

竹内政府参考人 お答えいたします。

 法律的な義務としては、ユニバーサル義務そのものを課すものではございません。しかしながら、再度申し上げますように、移行期間中につきましては、免許の条件としてつけます、安定的な代理店契約、保険募集契約というものをつけることによりまして、業務委託が実効的に担保される、実質的な担保という形になろうと理解しております。

川内委員 そうすると、この「郵政民営化法案について」の(3)は、私は不正確だと思いますよ。移行期間中は貯金、保険のユニバーサルなサービスの提供というふうに、移行期間中はという言葉をつけないと、「貯金、保険のユニバーサルなサービスの提供」と書いていると、ずっとユニバーサルなサービスの提供が行われるというように国民は勘違いするじゃないですか。正確に言葉をお使いになられた方がいいと思いますよ。

 しかも、ちょっとその辺、僕はよくわからないんですが、代理店契約を結ぶのは、銀行と窓口会社、保険会社と窓口会社が代理店契約を結ぶわけですね。それは会社同士が結ぶわけであって、全国のネットワークを保障するものではこれはないわけですから、ユニバーサルサービスとは全く結びつかない議論ですよね。そうじゃないですか。ユニバーサルなサービスとは結びつかない議論じゃないですか。

竹内政府参考人 まず、おっしゃっております郵便貯金銀行と郵便窓口会社との関係でございますが、まず第一に、確かにおっしゃっているように、会社と会社との間の契約であるということはおっしゃるとおりでございます。

 ただし、郵便貯金銀行、郵便保険会社のビジネスモデルということで契約というものを考えていただきますと、全国津々浦々をカバーする郵便局ネットワーク、これを活用すること自体が非常にここのビジネスとして大事なところでございますので、まさに、個々の郵便局というよりも、全国あまねくある郵便局を利用するというところにこの会社の経営戦略等があるわけでございますから、もちろん、移行期間中においては、自立するまでの間、安定的な代理店契約、保険募集契約を結ぶということを免許の条件とすることによって実質的に業務委託が担保されるとともに、移行期間終了後でも、考えていただきましても、既にそれまでの間に全国の郵便局ネットワークを通じましてかなりのブランドバリューというものができているわけでございますので、移行期間終了後も、郵便局会社にとっても郵便貯金銀行にとっても利用者にとっても、この業務委託契約が引き続き続くということがメリットになるということでございますので、通常の経営判断として考えれば、このような契約が引き続き続くと考えるのが合理的であろうと考えております。

川内委員 今るる憶測を、あるいは推測をお述べになられたわけでありますが、私がお聞きしているのは、政府の方針としての法的なことを今ずっとお聞きしているわけで、ここであなたに演説されて、ああ、なるほど、そうですかと私が感動するわけはないわけですよ。

 ユニバーサルなサービスとユニバーサルサービスは違うということを今一つ確認させていただいた。さらに、ユニバーサルなサービスを提供するというのも移行期間に限ってのことであって、それはユニバーサルなサービスを担保するものでもないし、義務づけるものでもないということですよね。以上を確認させていただいたということでよろしいですか。間違っていたら言ってくださいね。

竹内政府参考人 法律的な義務という点では、おっしゃっているように、郵便貯金銀行、郵便保険会社にユニバーサルなサービス義務そのものを課すものではございません。

川内委員 事ほどさように、郵便局ネットワークというのは、現在では郵政公社というのは、財務大臣、僕は貯金と保険の稼ぎで郵便業務の赤字を、若干の赤字をカバーしながら頑張っていらっしゃると思うんですよ。それが全く切り離されてしまったら、これは立ち行かなくなるというのは目に見えていますよね。そういう中で、何でこんなことを血道を上げておやりになられようとするのか、どうにも理解しがたいんですよね。ほかにやることはいっぱいあるのになと。

 あえて大臣に見解を求めることはいたしませんが、なぜならば、あと十分しかなくて、BSEもちょっとやりたいものですからなんですが、きょうはとりあえず、政府としては多分郵政民営化法案を出してくるでしょうから、私はそれに徹底的に対決をしますということだけ宣言させていただいて、BSEの問題に移らせていただきたいというふうに思います。

 まず、確認をさせていただきます。

 昨年の十月に、日米局長級会合で米国からの牛肉の輸入を再開するというような約束があったやに聞いておりますが、これは国際約束ではない、法的拘束力を持つ約束ではないということを確認させてください。

中川政府参考人 お答え申し上げます。

 昨年十月の日米局長級会合におきましては、今後の両国の専門家及び実務者による詳細な検討作業、あるいは、日本におきましては食品安全委員会によります審議など、両国におきます必要な手続が完了されることを条件に、牛肉貿易を再開するとの認識を両国で共有したということでございます。その中身を記者発表いたしました。

 この共同記者発表は、日米両国政府が共有している認識を示すものでございまして、両国を法的に拘束するという性格のものではないということでございます。

川内委員 いや、私がお聞きしたのは、その最後の部分だけをお聞きしたかったんですが。

 牛肉の輸入を再開するというのは国際約束ではないということをもう一度確認させてください。

中川政府参考人 法的に拘束するというような意味においての国際約束ではありませんけれども、ただ、この枠組みのもとで両国が必要な手続、科学に基づくさまざまな検証をしながら手続を着実に進めていく、そういうことにおきましては、それは着実にやっていくべきものであるというふうに考えております。

川内委員 いや、だから、私が言っているのは、必要な手続とかは、これは今進めていらっしゃることでしょうから、それはそれで政府がおやりになればいいと思うんです。

 だから、一般の世間の受けとめとしては、あの十月の局長級会合で何か約束したんじゃないかというふうに思っているので、それは、あの時点ではまだ約束は成立していないんだ、これからいろいろやることがあるんだということを確認したいんですね。だから、約束ではないということだけ確認をしたかったんです。

 では、正当に手続が進んでいるのかということを検証させていただきたいというふうに思いますが、昨年九月に食品安全委員会が中間とりまとめというものを発表されて、そこからいろいろなことがスタートをしているわけであります。

 私、前回の農林水産委員会の質問で、この中間とりまとめの法的な位置づけというのは何ですかということをお聞きいたしましたならば、食品健康影響評価である、食品安全委員会がみずから行う食品健康影響評価であるというふうにおっしゃっていらっしゃいます。この見解について、変わっていないかどうか、確認をさせてください。

齊藤政府参考人 お答えいたします。

 委員の御指摘でございますけれども、みずから評価ということで変わってございません。

川内委員 いや、そういう略語を使わないでくださいよ、ここは正式な場ですから。食品健康影響評価ですかと聞いているんです。

齊藤政府参考人 食品健康影響評価でございます。

川内委員 食品安全委員会あるいは食品安全委員会の下に設けられているプリオン専門調査会の中で、この中間とりまとめが食品健康影響評価でありますということがいつオーソライズされましたか、あるいは議論されましたか。

齊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 前回も御説明申し上げましたように、食品安全委員会設立の当初から、BSEの問題、非常に重要な問題でございますので、プリオン専門調査会におきましては、十五年の八月の設置の時点から、いろいろな議論をするということで議論をしてまいったわけでございます。

 これにつきまして、いろいろな検討を経て、具体的には、委員、前回御指摘ございましたけれども、昨年の二月以降にかなり具体的な議論を進めてきた。そして、その結果、リスク評価として取りまとめて、昨年の九月の時点におきましてこれが中間とりまとめという形で取りまとめられたわけでございます。

 これは九月の六日の専門調査会で取りまとめられた。これを九月九日、食品安全委員会に報告をいたしたわけでございます。食品安全委員会としてこれを認めて、これを食品健康影響評価として、これを関係各省にお示しした、そういう経過でございます。

川内委員 いや、だから、私が聞いたのは、食品安全委員会としてこの中間とりまとめが食品健康影響評価であるということが議事録の中のどこに書いてありますかということを聞いているんですよ。議事録を示してくださいよ。どこに書いてありますか。私、全部持っていますから。

 段階のどの部分で、これを食品健康影響評価として世の中に出します、皆さん、いいですねと委員会のどの部分で言っているかということを示してください。ないでしょう。ないと言わなきゃだめですよ。

齊藤政府参考人 九月六日にプリオン専門調査会第十四回をやっております。そのときに、事実の関係でございますけれども、これにつきまして御議論をいただいております。その中で、これがリスク評価であるということにつきまして、そのとき御議論をいただいておるわけでございます。これをまた広く公表すべきであるということも、ここで御議論をいただいております。

 これはリスク評価でございますので、そういう観点からいたしますと、この時点でこれが健康影響評価という形として位置づけられている、このように理解しております。

川内委員 うそをついちゃだめですよ。第十五回のプリオン専門調査会、十月二十六日、食品安全委員会事務局の村上評価課長は、この中間とりまとめは何だと専門委員に聞かれて、「官庁用語として特別な意味があるわけではございませんけれども、」と言っているじゃないですか。何をでたらめなことを言っているんですか。

 食品健康影響評価というのは、食品安全基本法の中に定められた法律用語ですよ。食品健康影響評価という法律に定められたものをやるんですということを食品安全委員会のメンバーもプリオン専門調査会のメンバーも一切認識していないですよ。事務局も、ただ単にまとめたものです、食品健康影響評価ではありません、ただ単に取りまとめたと言っているだけじゃないですか。それを今になって食品健康影響評価だと。

 すべて牛肉の問題はここからスタートするんですからね、中間とりまとめから。科学的知見に基づくとか言っていて、あなた方事務局が物すごい政治的なことをしているんじゃないですか。

齊藤政府参考人 お答え申し上げます。

 九月九日、食品安全委員会におきまして審議を行いました後、これにつきまして、通常行われる食品健康影響評価の評価書と同様の様式をもちまして関係省庁に通知をいたしております。そういう意味で、食品健康影響評価でございます。

 委員ただいま御指摘の、中間とりまとめというのはどういうことかということについての御議論であろうかと思いますが、この中間とりまとめという言葉について特段の意味があるかということでは、そこは特段の意味がない、そういう趣旨のお答えであろう。要するに、最終的な評価であるかどうか、そういうような形で問われたときに、これが中間というのがどういう意味を持つものであるか、このような議論があったということについては私も記憶に残ってございます。

川内委員 時間が参って、この後採決だそうで、鈴木与党筆頭が早く終われと無言の圧力をかけていらっしゃるので、きょうはこの辺にいたしますが、とにかく食品安全委員会、あるいは食品安全委員会プリオン専門調査会のメンバーの先生方は、実に真摯な御議論をされていらっしゃいますよ。しかし、その議論を都合のいいように曲げて、安全委員会事務局が牛肉輸入再開事務局になっているんじゃないですか。全く中間取りまとめなどという政治的な行為をしていらっしゃる。

 食品健康影響評価であるということなんか、どこにも出ていないですからね。それを今になって、これは食品健康影響評価ですと。食品安全委員会が決めるんじゃないですか。食品安全委員会でもプリオン専門調査会でも、どこでもどの場でも、この中間取りまとめが食品健康影響評価であるという議論はされておりません。

 この問題は引き続き、私は全頭検査維持派ですから、何としてもこれを守るために、これもまた頑張っていきたいということだけ申し上げて、終わらせていただきます。ありがとうございます。

細川委員長 これにて各件についての質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

細川委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。

 平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その1)(承諾を求めるの件)、平成十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(その2)(承諾を求めるの件)、平成十五年度特別会計予算総則第十四条に基づく経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(その2)(承諾を求めるの件)の各件について採決いたします。

 各件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

細川委員長 起立多数。よって、各件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

細川委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

細川委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十二分散会


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