衆議院

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第2号 平成19年4月10日(火曜日)

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平成十九年四月十日(火曜日)

    午前九時三十二分開議

 出席委員

   委員長 仙谷 由人君

   理事 鴨下 一郎君 理事 北村 誠吾君

   理事 柴山 昌彦君 理事 渡海紀三朗君

   理事 平田 耕一君 理事 古川 元久君

   理事 松本 大輔君 理事 古屋 範子君

      赤池 誠章君    新井 悦二君

      浮島 敏男君    江藤  拓君

      佐田玄一郎君    坂井  学君

      桜井 郁三君    杉村 太蔵君

      鈴木 馨祐君    玉沢徳一郎君

      冨岡  勉君    西本 勝子君

      福岡 資麿君    藤井 勇治君

      古屋 圭司君    保坂  武君

      茂木 敏充君    矢野 隆司君

      安井潤一郎君    赤松 広隆君

      岩國 哲人君    吉良 州司君

      小宮山泰子君    武正 公一君

      鉢呂 吉雄君    松本  龍君

      三谷 光男君    漆原 良夫君

      遠藤 乙彦君    鈴木 宗男君

    …………………………………

   財務大臣         尾身 幸次君

   国土交通大臣       冬柴 鐵三君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     塩崎 恭久君

   国務大臣

   (経済財政政策担当)   大田 弘子君

   国務大臣

   (国・地方行政改革担当) 渡辺 喜美君

   内閣府副大臣       平沢 勝栄君

   内閣府副大臣       林  芳正君

   財務副大臣        田中 和徳君

   農林水産副大臣      国井 正幸君

   経済産業副大臣      山本 幸三君

   国土交通大臣政務官    藤野 公孝君

   政府特別補佐人

   (公正取引委員会委員長) 竹島 一彦君

   会計検査院事務総局第一局長            諸澤 治郎君

   会計検査院事務総局第二局長            千坂 正志君

   会計検査院事務総局第三局長            高山 丈二君

   会計検査院事務総局第四局長            鵜飼  誠君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  原  雅彦君

   政府参考人

   (内閣府公共サービス改革推進室長)        中藤  泉君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   増田 優一君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局経済取引局長)      松山 隆英君

   政府参考人

   (公正取引委員会事務総局審査局長)        山田  務君

   政府参考人

   (総務省行政管理局長)  石田 直裕君

   政府参考人

   (総務省自治行政局長)  藤井 昭夫君

   政府参考人

   (消防庁次長)      大石 利雄君

   政府参考人

   (法務省民事局長)    寺田 逸郎君

   政府参考人

   (法務省人権擁護局長)  富田 善範君

   政府参考人

   (財務省大臣官房審議官) 古谷 一之君

   政府参考人

   (財務省主計局次長)   鈴木 正規君

   政府参考人

   (財務省国際局長)    篠原 尚之君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           宮坂  亘君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           森山  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           荒井 和夫君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           草野 隆彦君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房審議官)           白石 順一君

   政府参考人

   (厚生労働省職業安定局次長)           鳥生  隆君

   政府参考人

   (厚生労働省年金局長)  渡辺 芳樹君

   政府参考人

   (厚生労働省政策統括官) 薄井 康紀君

   政府参考人

   (農林水産省大臣官房総括審議官)         内藤 邦男君

   政府参考人

   (農林水産省経営局長)  高橋  博君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁原子力安全・保安院長)     広瀬 研吉君

   政府参考人

   (中小企業庁次長)    加藤 文彦君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房長) 竹歳  誠君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           川本正一郎君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房審議官)           大森 雅夫君

   政府参考人

   (国土交通省大臣官房技術審議官)         佐藤 直良君

   政府参考人

   (国土交通省国土計画局長)            渡邊  東君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  宮田 年耕君

   政府参考人

   (国土交通省住宅局長)  榊  正剛君

   参考人

   (東日本高速道路株式会社専務取締役)       村上 喜堂君

   参考人

   (独立行政法人雇用・能力開発機構理事)      河津 浩安君

   決算行政監視委員会専門員 藤野  進君

    ―――――――――――――

委員の異動

三月二十三日

 辞任         補欠選任

  与謝野 馨君     赤池 誠章君

四月十日

 辞任         補欠選任

  坂本 剛二君     広津 素子君

  鈴木 馨祐君     新井 悦二君

  金田 誠一君     三谷 光男君

  玄葉光一郎君     小宮山泰子君

同日

 辞任         補欠選任

  新井 悦二君     鈴木 馨祐君

  小宮山泰子君     玄葉光一郎君

  三谷 光男君     金田 誠一君

    ―――――――――――――

三月十六日

 中央省庁の補助金等交付状況、事業発注状況及び国家公務員の再就職状況に関する予備的調査要請書(平成十八年衆予調第二号)の提出者「松本剛明君外四十五名」は「松本剛明君外四十四名」に訂正された。

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 参考人出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における参考人出頭要求に関する件

 平成十七年度一般会計歳入歳出決算

 平成十七年度特別会計歳入歳出決算

 平成十七年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十七年度政府関係機関決算書

 平成十七年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十七年度国有財産無償貸付状況総計算書

 歳入歳出の実況に関する件

 行政監視に関する件

 中央省庁の補助金等交付状況、事業発注状況及び国家公務員の再就職状況に関する予備的調査についての報告


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     ――――◇―――――

仙谷委員長 これより会議を開きます。

 歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、参考人として東日本高速道路株式会社専務取締役村上喜堂君及び独立行政法人雇用・能力開発機構理事河津浩安君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 引き続き、お諮りいたします。

 両件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官原雅彦君、内閣府公共サービス改革推進室長中藤泉君、公正取引委員会事務総局経済取引局長松山隆英君、公正取引委員会事務総局審査局長山田務君、総務省行政管理局長石田直裕君、消防庁次長大石利雄君、財務省主計局次長鈴木正規君、厚生労働省大臣官房審議官草野隆彦君、厚生労働省職業安定局次長鳥生隆君、農林水産省経営局長高橋博君、国土交通省大臣官房長竹歳誠君、国土交通省大臣官房審議官川本正一郎君、国土交通省大臣官房審議官大森雅夫君及び国土交通省住宅局長榊正剛君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

仙谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。安井潤一郎君。

安井委員 おはようございます。

 質問の時間をとっていただきまして、ありがとうございます。自由民主党東京ブロック比例で出てまいりました安井でございます。

 先週、四月四日の商店会の総会で、十五年務めた商店会長を無事卒業させていただいて、本日のこの質問、商店街の活性化、環境活動等々の御質問をさせていただきたいとも思ったんですが、今切迫しているとまで言われております震災、防災の対策について御質問をさせていただきたいと思います。

 質問を行うに際し、改めまして、今回の能登半島地震に被災された方々にお見舞い申し上げたいと思います。

 さて、地域で指示命令機能を持つのは、準公務員と言われております消防団だけであります。近年、その消防団に定員割れが起こっていると聞かされております。能登半島地震を見てもわかるように、被災された皆さんが安心されるのは地元消防団の皆さんの親身な対応であると私は考えております。

 そこで、消防庁にお伺いいたします。

 年々消防団員が減少している現状に対して、能登半島地震のような大災害時における消防団に求められる役割はますます高くなっていると考えます。消防庁として、消防団の消防団員の増員増強についてどのように取り組んでいかれるのでしょうか、御質問申し上げます。

大石政府参考人 お答えいたします。

 消防団は、地域の安全確保のために、消火活動のみならず、大規模地震等において大変な活躍をされるわけでございまして、このたびの能登半島地震におきましても、数多くの消防団員の方が、火災防御、そして倒壊家屋等の危険防止、警戒活動に活躍をされたところでございます。

 しかしながら、御指摘のように、消防団員は年々数が減少しているわけでございます。消防庁としましては、何とかこの消防団員の数を今後ふやしていきたいということで積極的な取り組みをしております。

 具体的に申し上げますと、平成十七年に、消防団員としてすべての活動に参加することが難しい方でも特定の役割、活動を担っていただく機能別団員制度というものを設けまして、この普及をさらに図っていく考えであります。

 また、消防団員の約七割の方が被雇用者であるという現状がございます。こういう中で、事業所の理解をいただくことが極めて大事でございます。そこで、消防団員が入団しやすく、かつ、消防団員として活動しやすい環境を整備していただくために、昨年度、消防団協力事業所表示制度という制度を創設しました。これは、消防団に協力していただいている事業所を表示して顕彰する制度でございます。それをさらに普及、展開してまいりたいと思っております。

 それから、ことし初めての試みとしまして、消防団員の方が減少いたします時期、一月から三月にかけてなのでありますが、この時期をつかまえて、消防団員入団促進キャンペーンというのを展開させていただきました。今後とも、新聞広告、テレビ等の広報番組等を活用しまして、この消防団員の確保のためのPRを積極的に展開してまいる考えであります。

 さらに、今年度から、団員確保に必要な知識、識見、経験を有する方を消防団員確保アドバイザーとしまして地方団体に派遣するという制度をスタートさせたところでございます。これを活用することによりまして、より多くの消防団員の確保に取り組んでまいりたい、このように考えております。

安井委員 私の地元は新宿区の早稲田であります。私どもの地元の消防団は新宿消防団第七分団、この第七分団に早稲田大学の学生が入団しております。このような取り組みは、地域と地域にある大学との緊密な連携にもつながります。

 日本じゅうに大学町と言われているところは多いと思いますが、早稲田大学の学生が消防団に入団し活動しているように、大学生が積極的に消防団に入団すれば消防団の増員増強につながると思いますが、消防庁はどのようにお考えになられているのか、見解をお聞かせください。

大石政府参考人 お答えいたします。

 地域の防災力の低下が懸念されている中で、若い大学生の方が消防団活動に参加していただくことは、消防団員の確保はもとよりでございますけれども、消防団活動の活性化に大いに寄与するものと考えます。

 新宿消防団におきましては早稲田の学生が団員として活躍をされているということを承っておりまして、私どもとしても、大変喜ばしいことであり、大変評価すべきことだと考えております。

 同様の取り組みといたしまして、愛媛県松山市におきましても、市内の大学生が大規模災害時におきまして、AEDのような機械を活用した応急救護や避難所におけるボランティア団体との連絡調整といった、そういう特定の役割を担う、先ほどお話ししました機能別消防団員になっていただいておる、こういう例もございます。このことが地域の防災力の充実強化につながるものと、私ども大いに期待をしております。

 消防庁では、そういうこともございまして、消防団員確保の一環としまして、昨年一月に、国公立大学、私立大学等の大学関係機関八団体に対しまして大学生等の消防団参加促進の働きかけを行いました。それぞれの大学におきまして、消防団入団のポスターやパンフレットをお配りいただくことをお願いいたしております。また、あわせまして、地方公共団体に対しましても、大学生等の消防団への入団促進に努めていただくようにお願いをしているところであります。

 今後とも、こうした取り組みによりまして、大学生等の入団促進が図れるように努力してまいりたいと考えております。

安井委員 続きまして、国土交通省さんに御質問させていただきます。

 一九九五年の一月十七日に起こりました阪神・淡路の大震災、この大震災の犠牲者、犠牲になられた六千四百人の方の年代別の犠牲者数を棒グラフにしますと、実は、若い方、十八歳から二十四歳までがぽんと立ち上がっております。なぜなのかといいますと、神戸大学の学生、また全国から神戸にお見えになられた大学生の皆さんが、安価な家賃の、そして脆弱な住宅、いわゆる木造アパートで命を落とされております。このアパートのオーナーの皆さんが、今大変強い悔悟の念をお持ちになっております。

 当時、関西では地震はないというのが社会通念のようでありました。もちろん、学校の教科書には大きな断層が走っているということは書かれておりましたが、地元基礎的自治体、町会、商店会も震災への備えの話をしておりません。そのアパートで、親御さんから預かった大事なお子さんを自分の家作で殺してしまったと大変強く反省されております。

 翻って、切迫しているとまで言われている首都圏直下型地震に対して、同様の木造アパート、昭和五十六年以前に建てられた鉄筋アパートについて、倒壊家屋診断を受けたか、耐震補強工事施工の有無を、重要事項説明や不動産屋さんの店頭に張られている物件広告、ホームページ、新聞折り込みチラシ等に記載することはできないでしょうか。

 不動産屋さんの業界でも、本日、理事会で掲示を御許可いただきましたこの本「地震対策マニュアル」、この中にも、だれが見ても危険だとわかる物件をそのままにしておくことに対しては、裁判所でも大家さんに対しての責任が断罪されております。大家さんに対しての責任が断罪されている、この部分がこのマニュアルに書いてあるんですが、なかなか大家さんがこれに対しての耐震補強工事に動いていただけない。

 間違いなくこれは政治的課題だと思うのですが、国交省の見解をお聞かせいただきたいと思います。

川本政府参考人 お答え申し上げます。

 先生御指摘のように、都市の防災性の向上あるいは地域の防災性の向上というものを図るためには、住宅建築物の耐震性能というものを上げていくことが非常に重要な課題であるというふうに私ども承知をいたしております。

 したがいまして、国土交通省におきましては、いわゆる耐震改修促進法の改正をしていただきまして、補助制度あるいは税制の措置というようなことで耐震改修の促進というものを図っておるわけでございますが、あわせまして、御指摘ございましたように、住宅のいわば流通という面におきまして、住宅を借りる方あるいは買おうとする方に対しまして、当該物件の耐震性能というものを十分承知していただく、これもまた大変重要な課題であるというふうに考えております。

 したがいまして、昨年の三月に、私ども、宅地建物取引業法の施行規則を改正いたしました。ここにおきまして、昭和五十六年六月以前に工事着工したもの、いわゆる新耐震基準になっておらない建物につきましては、建物自体につきまして耐震診断を受けたのかどうか、あるいは、耐震診断を受けた場合につきましては、その結果の内容というものを契約前に借り主や買い主というお客様に説明しなきゃいかぬ、いわゆる重要事項説明を義務づけしたところでございます。

 これによりまして、建物を買う、あるいは借りる方が、その物件につきまして十分内容を理解していただくことができるのではないかと思っておりますし、また、それによりまして、大家さんの方につきましても、やはり耐震改修をしなきゃいかぬ、そういったインセンティブにもなるのではないかというふうに考えておりまして、こうした措置を総合的に講じていくことによりまして住宅建築物の耐震性能の向上というものに努めてまいりたいと考えております。

安井委員 阪神・淡路の大震災で亡くなられた六千四百人の犠牲者のうち、発災直後、五時四十六分から六時までのこの間、いわば即死のような状況、ここで亡くなられた、この時間帯で亡くなられた方が五千八百人とお聞きいたしております。この五千八百人の八割が圧迫死、圧死、一二%は焼け死んだと聞かされました。いわば九割以上の方が家に殺されたということであります。

 私が理事長を務めさせていただいておりますNPO法人の東京いのちのポータルサイト、そのメンバーさんたちの御寄稿をいただいて書かせていただいた、つくらせていただいたこの本、「地震で人を殺すな!」この中にも書かれておりますが、耐震補強工事が震災対策の、まず優先順位のトップであろうと。

 現在、壊れてもつぶれないをテーマにした安価な耐震工法が各種出ていると言われております。その工法の検証とPRの徹底がどうも不足しているように思います。

 町場の大工、工務店さんにとっては大きな市場になるとも思われるこの耐震補強工事の促進のために、各地で民間と基礎的自治体が協働しての耐震補強推進協議会という活動が起こっていると言われております。壊れてもつぶれないをテーマにした安価な耐震工法の検証とPRを行う主体として期待されておりますが、国交省としては、このような地域の取り組みをどの程度認識されているのか、また、今後の方向性についての所感をお聞かせください。

榊政府参考人 お答え申し上げます。

 実は、建築物の耐震改修促進法、平成十七年の臨時国会で成立をいたしました。スタートが十八年の一月でございます。補正予算をつけましたのも十七年度の補正予算、ですから、実施がやはり十八年。税制も十八年から始まったということで、実は平成十八年度というのが耐震改修促進の元年だったのではないかというふうに私ども思っております。

 この平成十八年度、緒についたばかりということもありまして、全国的に耐震改修がいろいろなところで起きている、こういう状態にはまだ至っていないというのも実態ではございます。

 耐震改修促進法の中で、私ども、推進協議会をつくっていくのも一つの方法ではないかというようなことで基本方針をつくりまして、その基本方針の中に、推進協議会をつくって、その中で必要な助言、情報提供というのをやっていくのがいいのではないかというようなことでやっていただいております。

 現在、十八の都府県で二十二の協議会ができております。例えば墨田区でございますけれども、昨年六月に、地域の団体、地元の建築設計事務所、それから工務店といったような方々から成ります墨田区耐震推進協議会が設立をされまして、地域ぐるみの耐震補強の促進というものにも取り組んでおられます。

 こういったような形で、公共団体が関係団体と協力いたしまして、普及啓発活動とか新工法の開発普及、こういったような取り組みが重要だろうと思っておりますが、住宅・建築物耐震改修事業によりまして、こういったようなソフトな取り組みにつきましても補助することができるというふうに私ども思っておりまして、そういったような形で地域における取り組みを推進するために、公共団体に対して必要な支援、情報提供というのを行っていきたいというふうに思っております。

 また、簡易な改修という御指摘がございましたけれども、基本的に、やるんだったら一・〇以上でやってほしいというのが私どもの素直な考えではございます。

 そうは言いつつも、一たん改修をするということになると、大変高価になるというような場合には、大規模地震の際に十分な安全性が確保されていない可能性があるということを説明しながら誤解を招かないような形でやっていかれるということであれば、その公共団体の判断でこうした改修に対して支援を行うということも必要ではないかというふうに考えておるところでございます。

安井委員 ありがとうございました。

 おっしゃるように、耐震強度一以下、ここの部分に補助を出すということは、今までの役所言葉で言えば法律違反のところにサポートするということですから難しいことだったのかもしれないんですが、現状をかんがみて、切迫しているとまで言われているこの現状を考えると、できることならば一以上と、局長のお話はわかります。これが何でもいいということになれば、悪徳リフォーム等々と連携が成ってしまう。そのあたりのところを、いわば地元の信用というものを使って、耐震補強推進協議会等々の活動、国の何がしかの担保をいただければというふうに考えております。

 耐震補強工事、ごく安価な部分体で等々の話、こういうところ、今の最新の情報を町場の皆さんに正確にお知らせしなければならないということで、菅総務大臣に会長をお務めいただいて私が事務局長をしております首都圏地震対策議員連盟、今まで六回の勉強会をさせていただいて、もう永田町で話をしている時期ではないということで、きょう、各先生方のお手元にこの資料、「震災対策出張研修会(案)」というのを出させていただきました。

 これで、もう外へ出よう、外へ出て、いわば各地の基礎的自治体の皆さん、そして地元のNPO、商店街、町会の皆さんに今の最新の情報を聞いてもらおう、これが国会議員の務めなのではないだろうかということで、外へ出る、いわば行動する議連ということで、五月、六月、このような形をさせていただきます。この場をおかりして、先生方にもお知らせをさせていただきたいと思いました。

 これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

仙谷委員長 次に、古屋範子君。

古屋(範)委員 公明党の古屋範子でございます。

 本日は、規制改革、また、市場化テストの推進を中心にお伺いをしてまいります。

 初めに、歳出歳入一体改革に関しまして尾身大臣にお伺いをいたします。

 人口減少社会を迎えた日本にとりまして、財政赤字を減らし、また、持続的な経済の成長を維持するためには、新しい経済また社会制度をつくり上げる必要があります。そのために、規制改革の推進は日本の社会にとって極めて重要であると考えております。さらに、財政健全化につきましては、国、地方の無駄や非効率を省くために、抜本的な行政改革を強力に推進し、効率的な政府を実現することが重要であると考えております。

 公明党は、歳出改革に当たりまして、徹底した事業そのものの仕分け、見直しということが大事であると主張してまいりました。そこで、従来型ではない、行政の仕事を見直す新たな仕組みを構築していく必要があると考えます。

 財政健全化に向けて基本方針二〇〇六に具体的な工程表が示されましたが、それはとても生易しいものではございません。また、財務省は先月二十七日、二〇一五年末までに政府が保有する百四十兆円規模の資産を削減する国の資産・債務改革に関する工程表を示されました。これも、資産・債務改革に向けて改革を着実に進めていこうとするものと認識をいたしております。

 初めに、尾身大臣に、今回の工程表についてのそのねらい、資産・債務改革への御決意をお伺いいたします。

尾身国務大臣 資産・債務改革につきましては、財務省といたしまして、行政改革推進法や基本方針二〇〇六を踏まえまして、平成二十七年度末までに、財政融資資金貸付金の圧縮や国有財産の売却、有効活用によりまして、国の資産を約百四十兆円規模で圧縮することとしております。

 既に、十九年度予算編成におきまして、財政融資資金貸付金残高を約二十三兆円圧縮するほか、国有財産につきましても、未利用国有地等の処分に係る歳入二千百六十五億円及び日本アルコール産業株式会社の株式の売却収入に係る歳入百四十億円を計上し、合計二千三百億円余りの計上をしているわけでございまして、この改革に向けて着実に第一歩を踏み出したところでございます。

 このような取り組みにつきまして、先月の二十七日に、財務大臣といたしまして、改革の今後の道筋を明らかにする観点から、工程表として取りまとめて公表いたしました。

 資産・債務改革は、簡素で効率的な政府を実現する観点から極めて重要な課題であると認識しておりまして、引き続き、経済財政諮問会議等とも緊密に連携しつつ、民間の知見も十分に活用しながら、この工程表に沿って、財務大臣として責任を持ってしっかりと改革を進めていきたいと考えております。

古屋(範)委員 債務改革における御決意をお聞かせいただきまして、ありがとうございました。

 続きまして、市場化テストについてお伺いをしてまいります。

 行政の仕事を見直す新たな仕組みとして、市場化テストがございます。市場化テストは、これまで国や自治体など官が担ってきた公共サービス全般につきまして、官と民が対等な立場で競争入札を実施し、どちらが担うのかを決める制度のこと、官民競争入札とも呼ばれております。

 官の業務を民間に開放する仕組みは、自治体の施設の管理運営を民間に委託する指定管理者制度、あるいは、民間の資金、ノウハウで公共施設を建設するPFIとは異なり、行政業務のほとんど全般を対象にしているため、民間が担える業務の範囲が一気に広がるのが市場化テストであると思います。すなわち、小泉前総理の、民でできるものは民へ、この基本姿勢の具体化されたものの一つと言えると思います。

 昨年九月の安倍総理の所信の中で、「公共サービス改革法に基づく市場化テストの積極的な実施により、官業を広く民間に開放し、民間活力を最大限活用します。」と述べられております。

 まず、この市場化テストの目的、意義について大田大臣にお伺いいたします。

大田国務大臣 今、古屋先生御指摘のように、政府が責任を持って担うべき業務であっても、その事業の実施自体は、官が独占するのではなくて、民の創意工夫を生かした方がよい事業がございます。そういう事業につきまして、官と民のどちらがよりすぐれたサービスをより効率的に提供できるかということを判定するのが市場化テストです。官民競争入札もしくは民間競争入札によって、官と民のどちらがいいか、その担い手をチェックするものが市場化テストです。

 これは、単なる民間委託とは違いまして、官が落札した場合は官の方が民よりすぐれているということの証明にもなりますので、官の仕事全体のサービスの向上にもつながります。つまり、利用者からとってよりよい行政サービスを提供し、なおかつ、簡素で効率的な政府を目指すというもの、この二つを目的にしております。日本では、公共サービス改革法に基づいて実施しております。

古屋(範)委員 今大臣お答えくださいましたように、やはり、公共サービスの質の向上ですとか、また公共サービスの効率化、そしてもう一つは、民間のビジネスチャンスの拡大にも資するものであるというふうに理解をいたしております。

 市場化テストの導入につきまして公明党は、二〇〇四年十二月、当時の行政改革担当大臣に対しまして、行政の透明化や民間活力の活用などの観点から積極的に推進をすべきと申し入れを行い、さらに、制度の本格導入を定めた公共サービス改革法の成立も強く推進をしてまいりました。

 政府は、市場化テストの導入に当たりまして、公共サービスを民間にゆだねられるかどうかを試すモデル事業、二〇〇五年から、ハローワークの一部業務、社会保険庁関連業務、また刑務所等関連など、三分野八業務に実施をされています。

 その実績の検証がまとめられまして、国民年金の収納事業では二年間の通算コストが半減になるなど、市場化テスト導入目的のコスト削減と、また、サービスの質向上で大きな成果が出たことが明らかとなってまいりました。

 このモデル事業の成果につきまして、もう少し詳しく御説明をいただきたいと存じます。

中藤政府参考人 お答えいたします。

 モデル事業につきましては、今御指摘のように、平成十七年度以降、三分野で行っております。

 やや具体的に成果を申しますと、例えば社会保険関連業務について見ますと、国民年金保険料の滞納者に対する納付の督励業務を実施する国民年金保険収納事業におきましては、納付月数等に係るサービスの質、要求水準もおおむね達成されておりますし、経費につきましても、他の事務所に比べまして、今御指摘のように、おおむね半減程度ということで下回っている。さらに、厚生年金保険等の未適用事業所に対する適用促進事業等においても、所定の成果が上がっております。そのほか、年金電話センターの事業につきましても、やはり結果がよいということで出ております。

 また、ハローワーク関連で申しますと、キャリア交流プラザ事業等もございまして、例えばサービスの質の面で、求職者のニーズに応じて平日の開業時間を延長するなど、そういったいわゆる民の工夫というのも取り入れられております。

 昨年、法律が施行され、いわば今年度から本格施行ということでございますが、こうしたモデル事業におきます経験、知見等も活用し、良質かつ低廉な公共サービスの実現に努めてまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 モデル事業において、そうした事業の目的の達成あるいは経費の削減がなされているということでございました。

 このモデル事業、着実に成果を示しているわけでございますが、今後、深刻な財政悪化、また急速な人口減少を考えますと、国、地方自治体の業務、さらにさらに見直しが必要なんだろうというふうに考えます。そして、行政改革のさらなる推進が必要であり、市場化テストの対象業務、この拡大も急がれると考えます。

 しかしながら、各省庁、依然まだまだ消極的であると言われておりまして、対象業務の拡大は大変困難な状況にあると思われます。そこで、対象業務の拡大、また地方自治体への普及等、今後の市場化テストの展開についてのお考えをお示しいただきたいと思います。

中藤政府参考人 お答えいたします。

 このサービスにつきまして市場を拡大していくということは、大変重要な課題と考えております。その際には、国のみならず、今委員御指摘のように、地方公共団体の取り組みを促していくこともあわせて必要だろうと考えております。このため、この公共サービス改革法では、対象とする事業につきまして公共サービス改革基本方針の中で定めておりますが、少なくとも毎年一度は見直して、対象を広げていくということで取り組んでまいりたいと思います。

 さらに、こうした際には、官民競争入札等監理委員会等にも御議論をお願いし、さらには、民間の方々あるいは地方公共団体の方々からの要望等も取り入れて進めてまいることとしております。

 いずれにいたしましても、公共サービスの改革、この法の趣旨等をしっかり根づいていかせることが大事と考えておりますので、しっかりと取り組んでまいりたい。

古屋(範)委員 毎年見直しをしつつ拡大をしていかれるということでございます。しっかりと、地方へ、また他種業務へのさらなる拡大をしていただくことが重要かと考えます。

 先日、この四月六日の経済財政諮問会議におきまして、民間議員よりハローワークの無料職業紹介事業への市場化テスト導入への提案があり、安倍総理も、導入に向け、厚労大臣にも具体的に考えてほしいと具体策の検討を指示をしたと新聞報道で伝えられております。この場で提案をされましたハローワークでの市場化テストの導入の提案につきまして、その詳細をお伺いいたしたいと思います。

中藤政府参考人 お答えいたします。

 このハローワークにつきましては、従来から官民競争入札等委員会、経済財政諮問会議でも議論がなされてきたところでございます。それから、先週四月六日の経済財政諮問会議におきましてもさらに議論が深まったところでございまして、今委員御指摘の点について検討を進めるようにということでございます。

 民間議員提案につきましては、現在十九ある都内のハローワーク、その職業紹介業務について、一部ですね、数カ所、そして、そういった際には従来のネットワークとのしっかりとした連携等を担保し、そういった意味で市場化テストの導入を検討したらいかがかという御提案がなされました。それを踏まえて今後さらに検討が進むものと承知しております。

古屋(範)委員 今、民間議員よりの提案の内容の御説明がございました。

 このハローワークへの市場化テストの導入に関しましては、これまでもさまざまな議論が行われております。昨年十一月十日に行われました公共サービス改革小委員会でも今回と同様な意見が出されており、それに対しまして厚生労働省は、都市部のハローワークの一部が実施する職業紹介事業を対象とすることについては、ILO第八十八号条約では、国の指揮監督のもとで公務員が従事する全国的体系の職業安定組織を設けることが義務づけられており、同条約を批准している我が国としては、これを民間委託することは不可能である、また、ハローワーク付属施設を対象とすることにつきましても、他のハローワークとの全国的ネットワークを構成し、ILO条約上の職業安定組織であることから、市場化テストの対象とすることはできないという主張をされています。

 このILO第八十八号条約、この第二条には、「職業安定組織は、国の機関の指揮監督の下にある職業安定機関の全国的体系で構成される。」とございます。また、同第九条では、「職業安定組織の職員は、分限及び勤務条件について、政府の更迭及び不当な外部からの影響と無関係であり、且つ、当該組織上の必要による場合を除く外、身分の安定を保障される公務員でなければならない。」とございます。

 また、昨年十月二十七日、ILO事務局の労働基準局長より、「民間事業者の成長を理由に、ILO第八十八号条約に規定するセーフティーネットとしての全国ネットワークの公共職業安定機関を民間委託してしまうこと、全国的体系の一部でも民間委託することはあってはならない。」との見解が示されております。

 また、昨日、厚生労働省よりちょうだいいたしました資料にも、この市場化テスト、民間委託への取り組みは、ハローワーク事業の民間委託は、欧米先進諸国と同様、一部につき実施をしている。ハローワーク事業の市場化テストは、欧米先進国では確認されていないが、我が国では、人材銀行、キャリア交流プラザ、求人開拓事業につき実施済みである。また、ILO条約との関係で、ILO条約は、一般の条約と同様、各国に一次的解釈権があるが、他方、ILOに設置された監視機構が各国内での労使の申し立てに対する実質的な準司法的機能を有するという特殊性を持つということから、ILO条約違反に係る申し立てなどが容易に予想される政策については避けるべきだ。それから、ハローワーク事業の包括的民間委託の問題点として、公平、公正性の確保、また、職業紹介、雇用保険、雇用対策の有機的一体性の確保ということを掲げていらっしゃるわけでございます。

 一方で、四月九日付の毎日新聞にはこのようにございます。ハローワークの市場化テスト導入、厚生労働省はまだ抵抗を続けている。この十年間、公共職業紹介の民間開放を拒否してきた。この十年間とは何か。企業が雇用、債務、設備の三つの過剰を抱えてリストラに取り組まざるを得ない時代だった。正規社員が大幅に削減され、新卒者は就職氷河期に苦しみ、失業者は高い水準で推移した。流動化した就職市場に対応するために、公共職業紹介所にも新たな取り組みが要請されていた。そして、結果として、リストラに遭った人々は、フリーター、アルバイト、人材派遣や契約社員など不安定な仕事につかざるを得なくなった。雇用情勢が悪化する中で、ハローワークが懸命に悪化を食いとめようとしている印象はなかったというような厳しい論調もあるわけでございます。

 我が国が直面しておりますこうした労働力の減少の時代にありまして、また少子社会にありまして、この雇用問題、最重要課題であるというふうに認識をいたしております。この若年層の雇用対策、また年長フリーター対策、高齢者、女性の再雇用、これは、我が国が全力を傾注して取り組まなければいけないテーマだろうと思っております。

 そのために、官の側も緊張感を保ちながら、より効率的、創造的な雇用対策を講じていくため、やはり何らかの民間の活力の導入というものは必要ではないかと思うのは私一人ではないと思っております。ハローワークの事業がこうした内外の論議にさらされていくこと、これは、サービスの提供を受ける側にとっても非常にプラスになるのではないかというふうに考えております。

 市場化テストに対しまして、厚労省だけではなく、既得権益を持つ官庁、また労働組合の強い抵抗を受けているのが現状であります。こうした抵抗の克服に加えて、またさまざまな課題が山積をいたしておりますが、その対応が不可欠であります。

 そのためにまず、外部評価の仕組みを確立すること。この市場化テスト法では、官業に対するコストや質を公平かつ適正に審査、評価できる仕組みを設けることとなっておりますが、まだその仕組みが確立をされておりません。また、対象事業の選定、これまで対象事業は民間提案を幅広く受けて選定をしてきていますが、それに加えて、公共サービスの質の向上や効率化など、どの程度寄与できるか等の検証に基づく選定が必要であります。そして、公平性の担保という公共サービスの提供のあり方と、効率性を追求する民間企業の論理との整合性をどのように考慮していく必要があるのかの検討が必要であると思っております。

 これらの課題に対しましてどのような対応を考えていらっしゃるか、お伺いいたします。

中藤政府参考人 お答えいたします。

 市場化テストの実施に当たりまして、外部評価を含めたこの評価あるいは実施状況の点検というのは、これは非常に大切な課題でございます。

 したがいまして、対象事業の選定ですとか実施終了時における事業の評価、そこでどう透明性、中立性、公平性を保っていくかということでございますが、この点につきましては、第三者機関たる官民競争入札等監理委員会がその状況について関与することとなっておりますし、また、サービスの提供が終わった際には、各行政機関の長から内閣総理大臣への報告、さらには委員会への報告、それを踏まえた上での事業の継続、あるいは場合によっては廃止といった仕組みを考えております。

 さらに、二点目の、効率性をいかに確保していくかということでございますが、この効率性につきましては、安かろう悪かろうではこれは当然困りますので、まず、サービスの質の向上と経費の削減を図る、こういった観点から、官民競争入札等監理委員会におきましても、適切な入札参加資格の設定ですとか求める質の明確化、さらには契約の締結解除、あるいは国による監督と、法律上さまざまな措置が定められておりますので、それがしっかり担保されるよう待望しているところでございます。

古屋(範)委員 しっかりとした検証に基づく推進というものをよろしくお願いいたしたいということを要望しておきます。

 最後の質問になりますけれども、この市場化テストにつきましてるる述べてまいりました。私は、この市場化テストを導入する以前の問題として、現在提供されている公共サービスは本当に行政が行うべきかどうかといった範囲の検討も必要であると考えております。

 私たち公明党は、かねてより事業仕分けということを提言しておりまして、この市場化テスト法また行政改革推進法の中で事業仕分けが盛り込まれました。そこで、今後は、国や地方自治体が行っている公共サービス全般につきまして、何をなすべきか、どの公共サービスを提供すべきかという行政の範囲の見直しについて、行政が直接こうしたサービスを行う必要があるのかどうかという事業仕分けをきちんとルール化していくことが必要なんだろうと考えます。

 この点につきまして大田大臣に御所見をお伺いいたします。

大田国務大臣 国、地方の事業を全部棚卸しして仕分けするというのは、利用者からとって、行政サービスをよりよくするという意味でも、財政の無駄を省くという意味でも大変重要だと考えております。

 公共サービス改革法も、この仕分けの趣旨を十分に踏まえたものになっております。まず、政府の事業を、官民競争入札等の対象とする事業と廃止の対象とするべき業務に分けるとなっております。それで、官民競争入札等の対象になるものについては、官が担うのか民が担うのかを選定するとなっております。この選定に当たりましては、民間事業者や地方自治体の意見を聞いて、官民競争入札等監理委員会で調査審議するとなっております。

 このような枠組みで公共サービスの不断の見直しを行って仕分けをするというこの市場化テストは、先生がおっしゃる仕分けの非常に重要なツールになると思いますので、これからも、先生御指摘の趣旨がより生きるように、担当大臣としても精力的に取り組んでまいりたいと考えております。

古屋(範)委員 行政改革の重要なツールである市場化テスト、さらなる推進をお願いいたしまして、質問を終わります。

 ありがとうございました。

仙谷委員長 次に、三谷光男君。

三谷委員 民主党の三谷光男です。

 きょうは、決算行政監視委員会で質問をさせていただきます。大きく二問、農業経営基盤強化特別会計、そして、今回起きました水門談合事案についてお尋ねをいたします。

 まず、農業経営基盤強化特別会計、正確には、ことしから食糧管理特別会計と統合をされまして食料安定供給特別会計、旧農業経営基盤特会というふうに申し上げます。この中でも、農業改良資金、農地保有合理化促進対策費補助金、これに係る社団法人全国農地保有合理化協会の持つ貸し付け用の基金、資金、事業についてお尋ねをいたします。

 同特会とあえて言いますけれども、勘定はそのままでありますので、この同特会については、既に去年も二度にわたって質問をさせていただいています。二月に財務金融委員会、六月に決算行政監視委員会第三分科会、既にきょうの質問の内容、そしてこの二回の質疑の内容についても農水省、財務省にはお知らせをしてありますので、要約をしてお話をいたします。

 まず、同特会でありますけれども、これまでにも会計検査院から、あるいは財政審議会から、決算剰余金の多さを指摘されてきました。決算剰余金は、平成十六年度で八百七億円、平成十七年度で八百十三億円、平成十八年度見込み額が三百五十二億円。平成十八年度予算では、特別会計の剰余金の活用として、同特会から一般会計に二百九十五億円、一般会計への貢献として繰り入れられました。

 お尋ねをいたします。

 一般会計繰入額が十八年度予算で二百九十五億円に、決算剰余金はもっとたくさんありますが、あえてとどまったと申し上げますけれども、二百九十五億円にとどまった根拠を説明していただきたい、農水省。

高橋政府参考人 お答え申し上げます。

 平成十八年度で、旧の農業経営基盤強化措置特別会計の決算剰余金からの一般会計繰入額二百九十五億円の根拠のお尋ねでございます。

 今委員御指摘のとおり、旧の特会、現在の新経営基盤の勘定でございますけれども、国有農地等の管理、処分の事業、それから、今御指摘ございました、担い手に対します農地の売り渡しあるいは貸し付けを行います農地保有合理化事業を支援する措置、そして、担い手が農業技術を円滑に導入できるように行うための農業改良資金、あるいは新規就農者の支援のための資金を都道府県が貸し付ける場合に、原資の一部を無利子で貸し付ける、この三本の事業を大きな柱としているところでございます。そうしまして、このような事業の実施の結果、平成十八年度におきまして一般会計に繰り入れを行ったわけでございます。

 この三つの事業のうち、農地保有合理化事業への支援のための、農地買い入れの支援措置でございますが、これにつきましては、現在、品目横断的安定対策、ことしの四月から本格的な実施になりまして、農政改革の実施ということで、今後、急速に担い手に農地を集積していかなければいけない、そのための担い手の育成確保を急速に行っていく、そのための重要な手段といたしましてこの保有合理化事業がございます。

 そして、この保有合理化事業につきましても、全国協会から都道府県の協会に一定の原資を貸し付けまして、今度はその県の協会から農業者に対しまして資金を貸し付ける。そうしますと、当然のことながら、資金が寝るというのはおかしいわけでありますけれども、資金がそこにとどまりますので、必要な事業量を維持するということで、今後とも、平成二十三年度ぐらいがピークになろうかと思っておりますが、その段階になれば償還金と貸付金との間がちょうど自転するような形になる。それまでの間に必要な資金額、さらに今後積み上げる額が五百十七億円程度必要と判断されております。

 一方で、実は、農業改良資金の方につきましては、近年の金融情勢等々から、これは無利子の資金ではございますけれども、他の一般資金との間での有利性というものが若干薄れている、メリット感が薄れているというようなこともございます。そういったこともありますし、また、償還金が、最近非常に貸付金が短期間で回収するというようなこともございまして、事業規模等の縮小に伴いまして百七十五億円の減少ということが見込まれております。

 したがいまして、今後積むべきものが五百十七億円、それから、今後事業縮小から資金減少が見込まれるものが百七十五億円ということで、十八年度の予算編成時におきまして、十七年度の決算剰余見込み金については当時六百三十七億円を想定しておりました。そこから、今後活用が必要となります五百十七億円から百七十五億円を引きました三百四十二億円、これを確保した上で、残りの二百九十五億円につきまして一般会計に繰り入れることとしたものでございます。

三谷委員 二百九十五億円にとどまった根拠というお尋ねを申し上げたのですが、中身のことには触れられませんでした。

 要するにこういうことです。今までの説明もそうです。財務省にも本当はお聞きをしたいんですが、後でお聞きをいたします。要は、農地保有合理化事業で農地の買い入れ資金、あるいはまた新たに農業用機械をリースするための資金を造成中である、造成が終了する二十三年度までに五百十七億必要だと。今度、改良資金の貸付事業、これは自転できるまで、それが平成二十三年度、必要額は、事業規模を縮小することで減少する、だから五百十七億から百七十五億を差っ引いて三百四十二億が必要だと。十七年度決算剰余金見込み額が、今おっしゃられた六百三十七億円ですから、三百四十二億円を確保して残りが二百九十五億円、こういうお話です。

 中身のことでも、本当に必要なんですかというお尋ねを申し上げたいところですけれども、後でお尋ねをいたします。

 まず、十七年度の決算剰余金見込み額は、今、計算で、その時点での見込み額で六百三十七億円ですが、決算額、実際は八百十三億円です。この差額はどこに行ったんでしょうか。農水省、お答えください。

高橋政府参考人 十七年度の決算剰余金でございますけれども、当初六百三十七億円を見込んでおりましたけれども、最終的には八百十三億円になったわけでございます。

 これの内容でございますけれども、基本的には、先ほど御指摘ございましたように、都道府県等に貸し付けている金銭が早期に返納されてきたということで積み上がった部分が一点。それから、若干執行を留保したということで、事業を見込んでおりました部分につきまして執行を留保したという形で、そこにとどまったものが一つでございます。結果といたしまして、この決算剰余金は特別会計の中で存置しているということでございます。

三谷委員 そのとおり、特別会計の中に存置をして、どこかに紛れ込んでいるんです。申し上げたいのは、一般会計にとっていただきたいんです、とっていただきたい。

 後でもお話を申し上げますが、農業改良資金についてお尋ねをいたします。

 昭和五十九年度までに補助金、税金ですよね、補助金として交付された計六百九十八億円、及び、昭和六十年度から平成十二年度まで一般会計から基盤特会に繰り入れられた五百二十九億、並びに中央競馬会からの納付額三百億円、平成十六年度末までの累計は千五百二十七億円、農業改良資金はこれを貸付財源にしています。

 平成十六年度末の政府貸付残高は三百三十四億です。貸付資金に対する貸付残高の割合は二一・八%、貸付率は二一・八%です。今、決算は十七年度まで。十八年度は、幾ら聞いても見込み額もわからないということでありました。十七年度の貸付残高、さらに減って二百八十三億、貸付率は一八・五%です。年度ごと、数字は変わりますけれども、十六年度、貸付枠四百四十四・八億に対して、貸付金額三二・六億、貸付率は七・三%。平成十五年度、貸付枠四百八十億に対して貸付金額三十一・三億、貸付率が六・五%です。極めて低い貸付率です。

 そのままお尋ねをいたします。これだけの額、これだけの資金が必要なんですか。農水省、お答えください。

高橋政府参考人 お答えいたします。

 今委員が御指摘のとおり、この農業改良資金に対します資金でございますけれども、過去の補助金そして融資、そしてJRA等からの拠出金、合計額が千五百二十七億円となっているわけでございます。このうち、現段階におきまして、都道府県段階に存置しておりますものがおおむね二百六十八億円程度あるわけでございまして、残りの部分につきましては、この基盤特会の中に返還されたわけであります。

 さらに、この中から一般会計に繰り入れを行ったものが二百九十五億円のほか、この改良資金につきましては、先ほど申し上げましたように、資金需要というのが最近ちょっと減ってきておりますので、従来行っておりました一般会計からの繰り入れを停止したと同時に、ここの資金を活用いたしまして、先ほど申し上げましたような農地保有合理化事業等の事業に活用するというような形で利用しているところでございます。

三谷委員 低調になったから、人はかわりますけれども同じ答えをずっと言われておるのですが、一般会計からの繰り入れを停止するというのは、当たり前のことです。私が申し上げているのは、先ほども説明したように、昭和五十九年度からもともとの勘定を引き継ぎました。もとのものも補助金で、税金です。一般会計からの繰入額の積み上げなんです。それから先も、ここまでの累計額、十六年度末までに千五百二十七億円と申し上げましたけれども、全部税金なんです。

 財務省にもお尋ねします。農業改良資金、精査しているんでしょうか。今もお話の中にありました。去年、二百九十五億円、その中にも入っていますよというお話がありました。どれぐらい入っているんでしょうか。

鈴木政府参考人 御指摘のありました件につきましては、会計検査院の指摘も踏まえまして資金需要を精査しておりまして、平成十七年、十八年度におきまして、社団法人全国農地保有合理化協会から、七十七億円、特会の資金を返還され、それを踏まえまして、今般、二百九十五億円の剰余金の繰り入れを行ったということでございます。

三谷委員 今の質問は通告をしていなかったので、その限りにおいては申しわけないと思いますが、精査をされているのかされていないのかということではお答えになっていないと思うんですけれども、どうでしょうか。

鈴木政府参考人 大変申しわけありません。

 毎年度の予算編成におきまして、当然それぞれの特会におきます資金需要を精査させていただきまして、必要な額を超えるものについては一般会計に繰り入れていただくということで毎年毎年努めてまいりたいというふうに思っておりますし、十九年度、十八年度につきましてもそのような形で行っているということでございます。

三谷委員 再三申し上げますけれども、先ほど申し上げた、極めて低い貸付率です。もとの原資になっているものは税金です、補助金なんです。精査してください、それでとってください。それはお願いします。

 それから、先ほどの局長のお話の中にもございました品目横断的な、先ほどは農地保有合理化事業のお話の中で言われました、改良資金の方でも少しふえると去年も答弁をされておられるんですけれども、資金需要はふえたんですか、去年から。

 つまり、こういうふうにふえるものがありますということの中に、今も局長がお話をされた品目横断的なものにもこの改良資金を使うんだと。あるいは、そのときには、既に三千ノミネートがある、手が挙がっている、こういう答弁がありましたけれども、本当なんですか。

高橋政府参考人 品目横断的経営安定対策を初めといたします農政改革は、農業の担い手を急速につくり上げていくということでございます。したがいまして、そのために必要な支援措置としての金融というものは、非常に重大な役割を持っているというふうに考えております。

 先ほど来申し上げております農業改良資金でございますけれども、御承知のとおり、都道府県が高度な技術の導入等に対しまして無利子の資金を支援するということでございますけれども、一般的な金利情勢等から、他の資金との間のメリット感、先ほどの繰り返しで恐縮でございますけれども、そういったことから、若干この部分が減ってきているのは事実でございます。

 ただ、先ほどの農政改革の推進のためには、やはりこういう無利子資金制度の積極的な活用ということは非常に重要でございまして、そのために、昨年もお答えいたしましたのは、従来、農業改良資金の対象としておりませんでした集落営農組織というのがございます。これは、農業の担い手の中で、個別の農業経営、家族農業経営のほかに、集落の複数の農家が共同いたしまして、共同的な形態としての営農組織をつくり上げる、それも地域の一つの担い手として認定をしましてメリット措置を講じていこう、その一つとして、この農業改良資金、従来対象になっていなかったものを対象にするということであります。

 また、十九年度におきましては、さらにこの改良資金につきましては、地方公共団体がさまざまな独自な農業政策、国の補助とは別に地方団体独自の財源のもとに積極的な政策を行っておりますが、ややもしますと、従来、この地方の独自の行政施策と改良資金との間で連携ができていなかった。したがって、今回は、この独自の補助政策の補助残部分についても、十九年度からこの改良資金を充てて連携ができるようにしようと思っています。

 ただ、申し上げておりますように、集落営農組織につきましても、この農政改革の本格的実施はことしからでございます。したがって、例えば、集落営農組織の昨年の実績でございますけれども、これについては全体で百六十万円弱の融資実績だというふうに聞いております。ただ、ことしの段階では、まだ相当程度の数が上がってくるのではないかというふうに、具体の事例も、まだちょっと正式に貸し付け実行しておりませんので、申し上げられませんが、そういったものが上がってきているのも事実でございます。

三谷委員 初めて具体的な数字が出ましたけれども、ことしはまだ百六十万円程度だと。だけれども、これは、去年私の質問に対して局長が答弁で言われたことなんですよ。同じような話をまた、ことしはそういう見込みになりますと。

 そして、品目横断的な安定対策、担い手対策、これは今の政策目的ですので、確かに、納得はしませんけれども、多少は納得しやすいということはありますけれども、数字は上がってこないんです、全く。

 では、今の、七%、八%の低貸付率、極めて低調な貸付率です。原資は税金。上がっているとはとても思えない。

 財務大臣、ぜひとも、この農業改良資金、精査していただいて、今後、不要不急なお金は、この特会の中からでも、引き続き、一般会計、一般財源の方にとっていただきたいと思います。お考えをお願いいたします。

尾身国務大臣 全国農地保有合理化協会は、都道府県等の農地保有合理化法人に対しまして無利子貸し付け等を行うために、その原資となる資金を、農業経営基盤強化措置特別会計から資金拠出によりまして造成してきたところでございます。

 この基金につきましては、先ほど説明をいたしましたとおり、十七年度以降、累次の見直しを実施して、一般会計及び特別会計でございますが、国庫に対しまして約九十億円の返還を行ってきております。現下の厳しい財政状況にかんがみますると、公益法人に設置された基金のうち使用見込みの低い資金については、引き続き、可能な限り国庫への返納を行うことが適当であると考えております。

 全国農地保有合理化協会に造成された基金につきましても、今後とも不断の見直しを行ってまいりたいと考えております。

 さらに、今般の特別会計改革の趣旨を踏まえまして、特別会計の余剰金の使途及び水準を精査し、必要な水準を超える場合には一般会計への繰り入れを行うなど、財政資金の効率的利用に努めてまいりたいと考えております。

三谷委員 可能な限り国庫に戻す、返納するとおっしゃいました。ぜひともお願いを申し上げます。

 農地保有合理化促進対策費補助金についてお尋ねをいたします。

 簡単に申し上げます。会計検査院の指摘、特定検査対象にも十六年度なっています。同特会の決算剰余金、平成十三年度千二百三十一億円ありました。十六年度には八百七億に、四百二十四億円も減りました。だけれども、その主な要因は、社団法人全国農地保有合理化協会に交付された農地保有合理化促進対策費補助金の大幅増によるものだというふうに指摘をされています。私もそのとおりだと思います。そして、その交付額、平成十三年度五十二・七億、ずっと上がっていきまして、十六年度二百三十八・二億、大幅にふえています。

 農地保有合理化促進対策費補助金には、今申し上げた全国協会分と都道府県分があります。簡単に言うと、事業は都道府県が行う、あるところから、全国協会が資金を一元的に管理、調達することになったので、ふえることはわかります。全国協会分がふえることはわかる。しかし、これも検査院の報告で指摘をされているところですが、全国協会に対する補助金の支出額が、全国協会から都道府県公社に対する貸付金の増加額、助成金支出額を毎年度継続して上回り、その結果、この全国協会の保有する預金及び債券の金額が毎年度増加している状況は問題だと。私も問題だと思います、検査院もそう指摘。増加した十六年度末、全国協会の預金及び債券の保有額は四百九十四億円。

 資金の流れからすると、要は、これは、使われなかった、全国協会での基金の使われなかった、寝たお金にも相当をいたします。資金の移しかえにも見えます。有用な事業ならばそこで行われる事業が基金を造成しているんです、たくさんたくさん、政策目的にもかなって。あるいは、今、資金は使われていないけれども、本当は必要な事業で使われているんだ、必要な資金なんだということならいいんですけれども、これは必要な資金なんでしょうか。十六年度末の基金総額は七百七十一億円、貸付残高はここでも二百七十七億円。

 したがって、先ほどの現有基金、預金、債券、四百九十四億、十七年度は上がったというんです。上がったといっても、基金総額がふえて七百九十五億円、貸付残高は三百五十七億、現有基金は四百三十七億です。その分、遊んでいるんです。基金額がなぜこれだけ必要なのか、農水省、理由を教えてください。

高橋政府参考人 この全国農地保有合理化協会が行っております保有合理化事業は、基本的には、担い手に農地を集積するために、今後離農される方々等から農地を買ったりあるいは借り入れたりしたものを、担い手の方に売り渡しあるいは貸し付けをするという事業に対しまして、必要な資金を都道府県を通じて提供していくというものでございます。

 これにつきましては、先ほど来農政改革の話をさせていただいているわけでございますけれども、今後の日本の農業の構造をきちんと強いものにしていくためには、現在あります農地面積の中の約七割から八割については、担い手と言われているような力強い経営体にこれを集積させていかなければならない。それに対しまして、現状のこういう担い手の方々への集積率というものが、それの目標の約半分程度でございます。

 したがいまして、今後、早急にここの部分の農地の流動化をかけていくためには、それに必要な事業量を確保していかなきゃいけないということで、昨年、たしか、現行の農地保有合理化事業、毎年一万八千ヘクタール程度、さらには二万ヘクタール程度を目標にしたいというような御答弁をさせていただいておりますけれども、さらに、その後、私どもが、今年の農政改革、品目横断の実施に伴いまして、これをさらに加速化させていく必要があるだろうということで、そのために必要な資金規模といたしまして、先ほど申し上げましたように、今後とも必要な規模を積んでいく必要があるだろう。

 それで、委員御指摘の、確かに、平成十六年度末現在では、基金総額に対しまして貸付残高二百七十七億でございました。また、十七年度末は、基金総額、ここの部分、若干増加いたしまして七百九十五億でございますけれども、貸付残高は、このような近年の流動化の動きを反映いたしまして三百五十七という形で、総額の増加額よりも残高増加額はふえております。

 十八年度でございますけれども、まだこれは精査中ではございますけれども、私どもの見込みにおきましては、この貸し付けはさらにふえていくだろうというふうに考えておりまして、ここの部分をふやしていくことが一つの流動化の大きな実績の評価にもなると私どもは思っておりますので、そのために必要な資金を確保してまいりたいというふうに思っているところでございます。

三谷委員 去年は流動化という言葉は使われませんでしたけれども、同じ意味のことをお話しされました。でも、数字は上がっているんでしょうか。納得できるような、一〇〇%じゃないにしても、八〇%ぐらいまで上がっていくとかいうような話になっているんでしょうか。なっていないですよね。一・八万ヘクタールを二万ヘクタールに、この話も去年もされました、そうですよね。それは私もわかっています。だけれども、内容はほとんど変わっていないんです、時間がありませんからこのお尋ねはしませんけれども。

 当時の中川農水大臣が、その決算行政監視委員会分科会で最後にこうおっしゃっています。もっとやらなきゃだめ、結果的に余っているから戻さなきゃいけない、片方の財布がきついんだから、みずからきちっと、みずからきちっとです、そこにたまっているお金は、全国協会、特会に寝て遊んでいるお金は徹底して排除しなければならない、こう答弁されているんですよ。そのとおりにはなっていないです。なっていない。きょう、農水大臣、委員会があるということで、お尋ねはできませんけれども、みずからきちっと、まさに寝て遊んでいるお金は徹底して排除してください。財務省にもあるいは財務大臣にもお願いします。

 先ほどのお話のとおり、この農地保有合理化促進対策費補助金及びその事業、全国協会のこの基金、可能な限り、ぜひとも、もうあえて取り戻してくださいという言葉を使わせていただきます。返納に向けて可能な限り精査をいただいて、取り戻していただきたい。

 そして、お尋ねしたいことがあったんですけれども、時間が随分超過をいたしましたので、基盤特会のお話はここら辺にいたしまして、今回も大変大きな事件となっております国土交通省を巻き込みました水門工事談合事案のことについてお尋ねをいたします。

 ちょっと時間の関係もございますので、一問、竹島公正取引委員長にお尋ねを申し上げます。既に先般の集中審議の中でもお尋ねをされたことです。あえて問わせていただきたい。

 道路公団の橋梁工事談合事件の際には刑事告発がなされました、あるいは、防衛施設庁関係の談合事案についても告発が行われました。この水門工事の談合事件ではどうして刑事告発をされないのでしょうか、御説明をお願いいたします。

竹島政府特別補佐人 お答えいたします。

 公正取引委員会は、国民生活に重大な影響があって、それが悪質であるというような場合、また、もう一つは、公正取引委員会が行う行政処分だけでは談合なりカルテルをやめてもらえないというようなことで、それだけでは不十分である、具体的には累犯のような業者の場合でございますが、抽象的ではございますが、こういう二つの告発方針というものを持っておりまして、これに該当するかどうかを個々の事案ごとに判断をさせていただいております。

 水門談合事件、確かに大きな事件であるといえば大きな事件なんですが、たまたまこれについて刑事告発しなかったということは、一つは、今お話にございました鉄橋の談合事件というものがございまして、これは刑事告発をいたしたわけでございますが、それを見て水門の方はやめたわけでございます。違反行為の時期がダブっている、それから違反行為に参加している業者も相当数ダブっている、一方では刑事告発をきちんとさせていただいているというようなこともございましたものですから、あえて水門について刑事告発をするまでもないだろうという判断をいたしまして、行政処分だけにさせていただきました。

 ただ、官製談合事件でもございましたので、これは、官製談合防止法に基づきまして国土交通大臣の方に改善措置方をお願いしたということでございます。

三谷委員 竹島委員長、きょうは御無理を願いましてありがとうございました。五十五分までということで聞いておりますので、ありがとうございました。

 今のお尋ねを申し上げましたのは、実は先般の国土交通委員会での集中審議、私も、委員ではないんですけれども、聞かせていただいていました。このお尋ねもございました。あえてもう一度このお尋ねをいたしましたのは、今の公取委員長のお話でありますけれども、橋梁談合事件と時期がダブっています、談合の関係企業が相当ダブっていることもあって、鉄橋について告発したことをもって水門も談合をやめているという事情もあるというお答えもございました。いろいろなことを勘案して告発しない決定をした、そしてまた官製談合でもあるのでという、それで改善要求ということだろうと思います。

 ただ、あえてもう一度問わせていただきましたのは、この四月からの改正入札談合等関与行為防止法のずっと前の話ですから、これがあれば、まさに官製談合であるならば、捕まえることができます。おっしゃりたかったのは、受注側、民側の判断がまずありきだ。

 そこで、私が思いますのは、要は、今のお話というのは、民側、受注側の悪質さ、悪質さとあえて申し上げますけれども、これまでの旧道路公団あるいは防衛施設庁談合事件、ダブっていることもあって、表現は適切ではありませんけれども、軽微に、少し軽いものだというふうに見ていると私は受けとめています。にもかかわらず、あえて、初めて中央省庁に向けて、国交大臣に向けて改善措置要求をしている。

 そして、さらに言えば、個人名こそ伏されているものの、特定されます。もう既に名前が出ています。技監の名前、あるいは元国土地理院長のお名前、あるいは地方整備局の職員の方々の名前もほとんど特定をされます。これらを含む特定の職員の関与について、あえて記して、命令の中に記して踏み込んでいるというのは、私はむしろ官側の、民をそのように見て、普通なら、旧道路公団の話も、民の告発があって、共同正犯で告発であります。そのときにも、今の改正法はなかったわけですから、官側の関与の病巣は根が深いのかなということを思うわけであります。

 一方で、この構造が私も大変わかりづらいんです。旧道路公団の橋梁談合事件あるいは防衛施設庁の官製談合事件、例えば、どうして幹部職員がこういうことに関与をしたのかわからない。全体の構図、構造というものが霧がかかって大変見えづらい。徹底した内部調査による真相究明がどうしても急がれます。

 冬柴大臣にお伺いをいたします。一月から、早くから入札談合防止対策検討委員会、設置をされました。新聞に一月の六日に出て、その直後、すぐに設置をされました。なかなかお話をしていただけないんですけれども、調査の状況、話せる限りで結構です、大変大事なことです。特に真相の中身、事案にかかわって、ここに記されていることだけでも全部やりなさい、この際、全部やりなさいという方も先般の集中審議の中にもありました。そうまで申しません。かかわっているところだけでも、今晴れない霧をきちんと晴らさなきゃいけない。そのために、現況、可能なだけお話しいただけませんでしょうか。お願いします。

冬柴国務大臣 私ども国土交通省は、国の発注業務の大半と言ってもいいぐらいを扱わせていただいている官庁だけに、談合は許さないということを、私もまだ就任半年しか過ぎませんけれども、当初からそのように申していました。

 いわんや官がこれに絡む、言語道断だということで私は申し上げていたわけでございますが、先ほど委員から御指摘のように、一月のたしか七日だったと思いますが、日刊新聞で特定の職員の名前まで挙げて、顔写真が七日には載りました。八日は休みでしたが、私は九日に登庁するとともに、幹部職員全部に集まっていただきまして、これは徹底的に究明しなければならない、その原因、動機、そして背景、こういうものに迫らなければ再発防止策というのはとれないだろうということで、それについて入札談合対策検討委員会というものをつくりました。これには、省を挙げてやりましょうと。

 ただ、省の中の人間だけでは、監査員あるいは監察員という者はおりますけれども、それではだめだ、外部の、一般の国民の方が聞いていただいても御納得いただけるような方にお入りをいただいて、そしてこれを徹底的に調べようじゃないかということを申し上げました。そして、そのような九人の方々、例えば高等裁判所の長官経験者、あるいは地方検察庁特捜部の検察官、それからまた公正取引委員会の事務局長歴任者、あるいは弁護士、あるいは学者という人たち九人にお願いをいたしまして、ここへ入っていただきました。

 そして、その方たちに入っていただいて、大事な方、名前が出た人、そういうような人たちにつきましては詳しく事情を聞きました。もちろん強制捜査権はありませんけれども、我々はOBについても、職員についてはもちろんのこと、過去十年間このようなところに携わった人たちをさかのぼって聞くことにいたしました。総勢約六百人でございます。それは、三月の三十一日現在で一巡聞きました。ほとんど聞きました。

 ところが、公正取引委員会から、今まで調べられた、これはある程度強制力もありますが、調書をいただきました。そして、それを詳細に読み合わせました。それについては、我々が調べた本人の調書もありますし、それから談合した相手方、業界の人たち、そういう人たちの話もあります。そういうものを詳細に読み比べますと、微妙に違います。したがいまして、我々は、これを今度はそういう専門家に分析していただいて、専門家のチームでその相違点をきわめようという作業に入ろうとしているところでございます。我々は、それによって背景、動機というものをきわめて、そして適切な防止策というものをやろうというところでございます。

 ちょっと長くなって申しわけありませんが、職員に対しても、コンプライアンスの確立というそんな言葉ではだめだ、人生誤るぞということを私は本当に申し上げました。例えば、雇用契約関係であれば懲戒免職になります。退職金は支払われません。年金も減額されます。そしてまた、刑事問題では、いわゆる入札関与罪ということで刑法上処罰されるだけではなしに、今回は、新しく法律ができましたけれども、それは不遡及で適用されませんが、五年以下の懲役とか二百五十万円以下の罰金というものが科せられるおそれがあるんだ。あるいは、民事で損害賠償を要求されることもあるんですよ、逮捕されて有罪判決を受けることもあるんですよ、御家族を巻き込んで人生誤ることになるんだからやめてほしい、やめなければならない、こういうことも申し上げています。

 業界の人に対しても、我々は相当ペナルティーを強化いたしました。我々は、有罪が確定するまでは業法上の営業停止処分はできませんけれども、これが公正取引委員会の勧告があった人たちに対しては、直ちに入札停止処分をいたしました。入札停止処分につきましても、従来のものよりは相当重くこれからはやりますということも申し上げております。

 ペナルティーも、このようなものに関与した会社に対しては、我々は損害賠償の予約ということで、契約額の一〇%を損害賠償請求いたしますということも申しておりますし、それから営業停止処分も今までよりも倍、そして、代表者がもし絡んでいるということがわかれば一年の営業停止処分をいたします、このようなことも申し上げまして今やっているところでございます。

 それから、再就職につきましても、こういうことに絡んだ会社に対しては再就職はしない、させない、してはいけないということも内部で決めております。コンプライアンスが確立されたと認められるまではそういうことは一切、一人も行かさないということもしているわけでございますが、調査を今やっている途中でございますから、これに対しては人の名誉も物すごく絡む部分がありますので、この程度のことで御勘弁をいただきたいと思います。

三谷委員 まさに、まずは真相究明、解明をしなければならない、それが先決の話だと思います。そして、今も大臣、再就職のことまで触れられて、まさに不正行為の防止策のことも少し触れられました。それは私は評価をいたします。

 また、きょう、大変申しわけありません、村上東日本高速道路会社専務にわざわざ来ていただきました。お聞きをするのは、一つは、事案は違いますけれども、日興コーディアル。やった粉飾決算の悪質さは悪質であります、だけれども、出てきた特別調査報告書の内容は、よくやった、よく調べた内容が出ています。日野元金融庁長官を初めといたしまして、私も読んでびっくりするような内容でした。

 旧日本道路公団、今の承継三社の出されたものを私も評価しています。一つには、真相に向けて調査をした調査報告書の内容、あるいは防止のための対策、大変評価をしています。ここまでのことをやっていただきたい。それも聞き切れませんでしたけれども、いついつを目途に、これがありませんので、ぜひそこのところも風化をしない形で行っていただきたいと思います。

 申しわけありません。せっかく来ていただきましたので、村上専務、簡潔にちょっとこの調査報告書の中身をお答えいただきたいと思います。これで終わります。

村上参考人 日本道路公団を引き継ぎました高速道路三社におきましては、公正取引委員会からの改善措置要求を受けまして改善措置を決定いたしまして、今現に実施しているところであります。

 改善措置は非常に多岐にわたりますが、一つには、指名競争入札を原則廃止しまして条件つき一般競争を実施するといった入札契約制度の改善、こういったものがございます。

 もう一つの柱は、コンプライアンスの徹底といった内部統制の問題。

 三番目の大きな柱は、再就職規制であります。これにつきましては、原則として、役員につきましては退職後無期限、それから幹部社員につきましては退職後五年間、競争入札の相手先の企業への再就職を自粛させていただいております。ただし、再就職しようとする者が対象企業におきまして研究開発あるいは海外事業といった入札契約に携わらないことが明白な業務に従事し、引き続き入札契約に携わらないことが保証される場合には、外部委員を半数以上とする再就職審議委員会に諮った上で例外的に再就職を認める、こういった厳格な運用をさせていただいているところでございます。

三谷委員 質問時間を超過しました。申しわけありません。これで質問を終わります。

仙谷委員長 次に、小宮山泰子君。

    〔委員長退席、古川(元)委員長代理着席〕

小宮山(泰)委員 民主党の小宮山泰子でございます。

 民主党の要請で、二つの予備的調査が衆議院調査局によって行われまして、このほど報告書が提出されました。一つは、決算行政監視委員会の命令による補助金等の交付状況、事業発注状況、公務員の再就職に関する予備的調査報告書であって、もう一つは、総務委員会命令による独立行政法人に関する予備的調査の報告書であります。

 国民の皆さんが一生懸命働いて納めていただいた税金の無駄遣いをなくす、そういった無駄遣いを許すようなことがあってはなりませんので、そういう視点を持ちまして、私も、武正座長のころからですか、独立行政法人に関する民主党内のチームにかかわってまいりました。

 公務員の天下り問題につきましては、先ほども三谷委員の方からもいろいろと提言もありましたけれども、さまざまな報道がございまして、最近では、要職にあった公務員退職者が再就職先で談合にかかわっていたという水門の工事の談合などの事例は、行政への不信感を増大させてしまっているということでもあり、再発防止が大変重要なことになるんだと思います。

 この談合というのが繰り返し行われているということに関しても、また、OBになったらこういうことをするんだということが何となく当たり前のような雰囲気になってしまっては、せっかく夢を持ち、そして国のためにまじめに働きたい、役に立ちたいと思って入ってこられた優秀な日本の頭脳でもあります官僚の皆様方にとっても、本当に不幸なことであります。こういったことは、再発防止を徹底するようにしていかなければいけないと思います。

 先ごろ、三月三十日の各紙にもありましたけれども、天下り先の四千五百団体、そして二万七千八百人、これは前年度比では五千七百人ふえて、そして随意契約は約九八%、補助金や業務委託の省庁支出の六割であるという見出しが新聞紙上で躍っておりました。

 また、渡辺大臣も頑張っていらっしゃると思いますけれども、さまざまな省庁等、委員会等でのお話や質疑の中では、まあ余り再々就職のあっせんなどという話はないようなことも答弁の中でいろいろあったようにも思いますが、その割には、渡辺大臣の行革相調査によれば、天下りあっせんも認めるというようなことも出てきて、今、ある意味、この点に関しては大きな動きが出ているんだと思いますので、頑張っていただきたいなと思います。

 民間企業においては、法令遵守というのは本当に頑張っていらっしゃいます。守らせる立場にある行政がこれをやらなければ、やはり法治国家としても恥ずかしいことでもあります。ぜひこの点は、この衆議院において、私今非常に緊張しておりますのは、やはりもともと予算委員会とあわせてこの決算の委員会の審議というのは非常に重いものがあると思っておりますので、その点、質問をしていきたいと思います。

 公共調達におけます随意契約に関して本日は質問をしていきたいと思いますが、公共調達においては競争入札が原則であり、予算、税金が不適切に使われないように、随意契約については会計法、予算及び会計令で厳しく制限されているというふうに認識をしております。

 そこで、まず最初ですけれども、先ほども話しましたけれども、当決算行政監視委員会の予備的調査が出されました。報道もされておりますけれども、その中において、国家公務員の再就職状況を見ますと、国家公務員の再就職者がいる公益法人など調査対象法人が正確には四千五百七十六法人で、国家公務員の当該法人への再就職者は二万七千八百八十二人、うち取締役相当の役員となっている者は一万一千八百八十八人、当該法人への政府からの補助金等の金銭の交付については四千五十九件、四兆八百八十六億円にも上っていると。つまり、当該法人の契約ベースでいえば、全体の契約が八千四百九十五件、うち随意契約が七千四百七十件で、八八%が随意契約となりまして、その割合は非常に高くなっております。契約額で見ますと、総額一兆八千三百十三億円のうち、千万円単位を繰り上げると一兆八千二億円ということになりまして、計算すると、契約総額のうち九八%が随意契約ということが、本当に信じられない数字なんですが、調査結果から明らかにされています。

 そこで、行政を管理する立場であります官房長官には、今回の調査結果について、このような現状についての御所見を伺っていきたいと思います。

 衆議院の調査は、統一の調査票に基づき各府省が記入したものをそのまま集計したものであり、政府が同じような調査をしても同じ答えが返ってくる性質のものだとは認識しておりますけれども、国家公務員の再就職先である公益法人等の随意契約の比率が極めて高い結果というものに関してどのような感想をお持ちなのか、お伺いいたします。

塩崎国務大臣 小宮山先生御指摘の公共調達に関しての随意契約、このお尋ねでございました。

 衆議院の方で調査局が調べられたという資料を今手元にいただいて拝見をさせていただきましたが、まず第一に、政府として、この衆議院の調査局が調べたものについて、政府として取りまとめたものではございませんので、その中身についてのコメントは差し控えたいと思うわけであります。

 一般的に申し上げますと、随意契約については、いろいろな問題があったということで、これまでも、各府省で見直せということでやってまいりました。随意契約でなきゃどうしてもいけないようなもの、例えばライセンス生産をしているとか、そういうようなものについてはやむを得ないにしても、やはり一般競争入札でやるべきだということで、その方向で改める作業をずっとやってきているところでございます。したがって、この見直し作業は着実に進めていかなければいけないと思っておりますし、この随意契約の適正化、透明化というのは、努めていかなければ、引き続いてやっていかなきゃならないというふうに考えております。

 さっきいただいたこの資料をちょっと見てみると、若干、随意契約と呼ぶにふさわしいのかどうかというものもあるなという感じがいたしております。例えば、かつて言っていた政府系金融機関、国民生活金融公庫とかこういうところに財政融資資金貸し付けというのがありますが、これも一応随契というふうにジャンル分けされています。

 皆さん御案内のように、この財投改革で、財投機関の資金調達は財投機関債ないしは財投債でファイナンスしたものを貸し付けるという、かつては基本的には運用部からの貸し付けだけだったわけでありますけれども、それを改めたわけでありまして、それが一緒に入っているということで、例えばこれ、財政融資資金貸し付けが約一・一兆円入っているんですね。ですから、随意契約として整理された一・八兆のうち一・一兆がそういうものであるのは、そもそも随契というのか何と言っていいのか、ちょっと微妙で、もう少し精査をした資料に基づいて、本当に問題のある随契というものは何なのかということを見てもいいのかなという印象は持ちました。

小宮山(泰)委員 官房長官は、政府公共調達に関して、適正化に対しての責任をお持ちになる立場でありますので、随契と言われるものの中身が明確ではない、ある意味、あいまいであるというようなことを今おっしゃったんだと思います。私もそう思います。

 公共調達適正化に関する関係省庁連絡会議からの資料を見ても、随意契約といっても、それを中身を分けていらっしゃいますが、平成十七年度ベースでの見直し後というのを考えてみても、競争性のない随意契約というところを見ても、では今までは何だったんだろうと思うような、非常にわかりづらいというよりかは、今までよくこれで競争性のない随意契約と言っていたなと思うようなことが二兆一千八百四十四億円、件数にして三万百十三件もあるというふうに記述がありまして、そのほかのところが企画競争であったり競争入札等というところで、非常に小さい割合になっています。ある意味、今までどんぶりで随意契約というのを見ていた、だからこそ、こんなに多くの割合を、競争入札ということではなく、随意契約というのでどんどん肥大化していってしまっていたのではないかなという思いがしております。

 時間の関係もございますので、今ありましたが、そうはいっても、国家公務員の再就職先、天下り先となっている公益法人と政府との契約において、契約額で九八%、ある意味、限りなく一〇〇%に近い随意契約が占めているというこの現状に関しては、やはりまじめに検討をするべきだと思っております。

 これから、再就職に関しての人材バンクというんでしょうか、そういったこともされていくということを考えますと、この随意契約をしているところに、本当に再就職というのをあっせんしていいものなのか。こういった形がそのまま制度として残ったままで、その制度がどんどん進んでいってしまって、またあいまいなところが残ってしまうのでは元も子もないし、その点に関して、あそこを通してやったんだよと言われたら、せっかく優秀な方が、もっともっといろいろなところにするにもかかわらず、確かに、人材を要求されて、各省庁の取りまとめだとは伺いますけれども、こういう人材が欲しいと望まれて行ったかもしれません。こういう人がいるから何となく次お願いしますといって、押しつけたことはないと言うけれども、やはり、この随意契約との関係を見てくると、何となく、望まれているというか、この人、このあたりに望まれているなというのは、長年のあうんの呼吸ができてしまっているんじゃないかということは、どうしても疑念は晴れません。

 その点に関しまして、今後、政府の契約のあり方に関して、特に国家公務員と天下り先との契約の公正さというものをいかに担保していくかということ、それに関しての御見解を伺いたいと思います。これは官房長官なのかな、行革担当大臣ですか、よろしくお願いいたします。

渡辺国務大臣 御指摘の、公共調達の適正化については、先ほど官房長官からも答弁いたしましたように、政府としては積極的に進めております。

 随意契約三・四兆円のうち二・一兆円、約六割強でございますが、これを一般競争入札に移行することを本年の一月に決定いたしております。随意契約というのが、御指摘のようないろいろな問題の温床になっていることからすれば、こういうものは競争性のある公共調達にかえていくというのは当然のことであるかと思います。

 一方、天下り先になっているではないか、こういう御指摘でございました。

 今のいわゆる天下りというのは、各省庁が予算と権限を背景に人事の一環として行う、そういう天下りあっせん、これを我々としては全面的に禁止をする、こういう方向で今最終的な詰めを行っているところでございます。したがって、こういう国家公務員法の改正ができれば、今までのパラダイムががらっと大転換していくわけであって、我々としては、こういった問題が解決をしていくということを考えているところでございます。

小宮山(泰)委員 何となく今ふと思ったのですが、天下りと再就職の違いというのはどこにあるのかなと。やはり、そこが一番の問題なんだと思います。

 そうなって考えますと、天下りというのは、ある意味、省庁を背負っていく。再就職というのは、個人の能力で次なるステージに。人生、一つの職業に一生ついているということは、そうそう今あり得ませんので、省庁に勤めていたからといって、それだけで一生、当然、定年までいらっしゃる方もいるでしょうし、定年の前に次の再就職をされる方もいる。そこによって、再就職と言われるのか、天下り、渡り鳥と言われてしまうのかというのは、大きな違いがあると思います。その点は、恐らく明確にしていかなければいけないと思います。

 例えば、今年度予算額では、内閣官房長官のおひざ元のところでも、所管公益法人との契約の件数八六%、契約額でも九九%が随意契約になっていたりということもありますし、また、随意契約の見直し結果というので、今年度予算、これはいろいろ分割されるということは聞いておりますが、大体百九億円が見直しで一応反映されているというふうに伺っております。

 先ほども、明確に何が、随意契約と言えるものかどうかというような官房長官のお話もありました。この随意契約という言葉で、どんぶりで、ある意味、ざっくりとやっているからこそわかりづらくなっている部分もあるとは思いますけれども、この点に関しては、これだけ随意契約、あしき慣習なのか仕方がないのかわかりませんけれども、この点に関して、税金の無駄遣いを、先ほど言いました、基本的には一般競争入札にしていくんだと言われる中で、これだけ削減ができるのではないかというような、きちんとした目標を掲げるべきだと思うのですが、その点に関しては、いかがお考えでしょうか。

塩崎国務大臣 今の、目標を掲げたらどうかという御提案、お気持ちはよくわかりますし、私も同感ですが、何の目標かというのを少しはっきりしていただいた方がいいんじゃないかと思っています。

 我々のところでは、今、随意契約の残っているのが、競争性のない随意契約、合計三・四兆残っているんですね。二・一兆、これを一般競争入札に移行しようとか、そういうような形での目標というのは我々も掲げながらやってきているわけであります。

 今おっしゃったのは税金の無駄遣いという話でありますが、その随契にすることと、税金の無駄遣いになっているかどうかというのは、またちょっと別な問題だと思うんですね。

 例えば、談合しているがゆえに高い価格で発注しちゃっている公共事業が仮にあるとすれば、本来、競争原理に基づいて落札されるべき値段と、談合しているがゆえに落ちてしまったと称する値段との間の金額が無駄遣いと観念すべきだろうと思うんです。ですから、そういうところで少し、目標を仮に掲げるとするならば、何を目標にすべきなのかということを明確にしていただいた方がわかりやすいと思います。

    〔古川(元)委員長代理退席、委員長着席〕

小宮山(泰)委員 御同意はいただきまして、ありがとうございます。

 何がと言われましても、結局のところ、無駄だと思う観点が、国民と、私たちが考えているのと、省庁の方からの答弁とを見ていますと、後ほどまた伺いますけれども、随意契約の根拠等聞いていきますと、正直申し上げまして、これで本当に無駄がないと言えるんだろうかという部分が、そういった場面に多々出会うことがございます。

 やはり、その点に関して、何が無駄であるのか、しっかりと行政評価ができないというものに関しては、行政がやるべきこと、公がやるべきこと、そして本当の意味で民間がやるべきことというものの区切りが今ないからこそ、その点に関しての目標が政府の方も掲げられないのではないかという思いがしてなりません。ぜひその点に関しては、これから検討もしていただきたいと思います。国民が本当に苦しんで必死に働いて納めていただいている税金です。その点に関して、真摯に対応していただきたいと思います。

 ちなみに、渡辺大臣に、見直しをしたということでお伺いしたいんですが、財務省の担当がまとめ役で、内閣官房で各省庁官房長の会議において随意契約の見直しを一月に決められた、それで四月以降は、自主性に任せて各省庁が行っていくということでよろしいんでしょうか。

 財務省の担当者が各省庁に対してきちっとチェックができる体制が今もできているならばいいんですが、私も今回いろいろ調べていったときに、それはあの省庁です、これはあの省庁ですといって、ある意味、内閣官房のところでしっかりとまとめてやればいいのですが、内閣府の方で本当に取りまとめという形ですべて情報がきちんとチェックできる体制ができていればいいのですが、そこに関しては司令塔で終わっていまして、最終的チェックという体制にまだなっていないのではないかという懸念を持っております。

 その点に関して、この四月以降の体制に関しましてはどうなっていくのか、大臣にお伺いしたいと思います。

渡辺国務大臣 私が担当しております行革本部は、残念ながら、随意契約のチェックの権能まで与えられておりません。

小宮山(泰)委員 それであるならば、契約、本旨というか、もとはすべて税金でありますので、一括してすべて渡辺大臣に、その辺もきちんとすべて行革というもとでやっていただいた方がよろしいんじゃないかと思うんですが、その点はいかがお考えでしょうか。

鈴木政府参考人 先ほど官房長官から御説明申し上げましたように、ことしの一月に内閣官房で、私ども財務省がお手伝いをいたしまして、各省の随意契約に、移行していくという計画を取りまとめたところでございます。

 今後、この計画に沿いまして各省で努力していただくことになるわけですが、当然ながら、それぞれの年にどれだけのところまで進捗したかということは、きちんとフォローアップした上で、内閣官房で再び集計いたしまして、公表していくということにしております。

小宮山(泰)委員 時間の関係がありますので、ぜひ大臣、しっかり頑張っていただいて、やはりかなり風当たりは強そうでございますが、どっしりと立っていらっしゃるようでございますので、この点に関しては頑張っていただきたいなということは、エールは送らせていただきます。

 そうはいいましても、やはり国家公務員制度の改正ということである意味かかわっていかれるわけですけれども、人事院が作成いたしました資料によりますと、フランスでは、国家公務員の再就職について倫理審査会で審査する制度もありますし、またアメリカでは、退職後、関連の例えば防衛産業とかゼネコンに就職しても国の機関との接触を禁止するという規定もあります。それは多分、大臣、大変よく御研究されたことと思います。

 そして、公務員制度改革においては、今回の衆議院調査局の調査で明らかになったような現状を考えていけば、公務員の再就職と倫理の問題というのはしっかりともう一度見直すべきであると思います。接触禁止であったりということも含めまして、やはり能力のある方々には、国内や世界じゅうで、さらに、日本政府で働いたということがステータスになり、そういう意味ではどんどん活躍をしていただきたいという思いは私もございますので、この点に関しまして、大臣の御所見がありましたらお聞かせください。

渡辺国務大臣 一度役人になると死ぬまで役人なんだという発想もあるのかもしれませんけれども、役人になって定年まで役人を勤め上げるというルートはもちろん結構だと思います。一方、もう役人になったら民間人になっちゃいけないんだ、こういうのも変だと思うんですね。民間人から役人になるというルートがあったっていいわけでございまして、民間人から役人に、役人からまた民間人に戻るなんという発想は、今の時代においては非常に必要だと思うんですね。

 例えば、私、ついこの間まで金融庁の副大臣をやっておりました。私が担当した中で、例の多重債務者問題、貸金業法等の大改正を行ったわけでございます。そのときに、民間出身の任期つき採用の森雅子さんという弁護士がいまして、彼女が課長補佐をやっていたんですね。この発想は、我々もう本当に、目からうろこの話が山のようにございました。なかなか我々でも気がつかないポイントを、実にそういった民間から来た任期つき採用の弁護士が提案をしてくるというようなことは、まさに今の時代においては非常に必要だと思うのでございます。

 一方、今のような年功序列がなくなれば、例えば今回の国家公務員法改正においては、能力・実績主義というものを導入しようといたしております。もう既に各省において評価が行われているんですが、今は、残念ながら、この評価が給料と昇進に結びついていないという現状がございます。これを結びつけようじゃないかということを考えているんですね。そういたしますと年功序列が崩れてくるわけですよ。早い話が、イメージとして申し上げれば、三十代で局長になれちゃう、四十そこそこで事務次官になれちゃうなんという時代が来るわけなんですね。

 ですから、そういうことを考えれば、そういう有能な人材が、民間に行くとか国際機関に行って活躍するとか、あるいは政治家になるとか、いろいろなことがあったっていいのではないか。人材の流動化というのが図られていけば、まさに小宮山委員御指摘のように、非常に有効な人材活用ができていくのではないかと考えるのでございます。

小宮山(泰)委員 非常に熱いのはわかるんですが、私が質問させていただいたのは、公務員の再就職と倫理の問題であります。公務員の働き方の問題とその後の活躍については恐らく共通認識なんだと思いますので、その点に関しては、熱意があるというのは理解はいたします。

 先ほども言ったとおり、やはり随意契約というものを取り上げてみても、日本の公務員をされた、またそういった天下りと言われるような人たちというのが、ある意味、その情報を持っているからこそ有益なのであって、ワイドショーのようなものとかでもいろいろやりますけれども、結局、それがなかったら別に要らない人、お荷物であるというような、そういった意味では、まじめにやって本当に能力のあるほかの公務員に対しても非常に失礼な話だし、日本政府というものの、ある意味、各省庁の信頼というものを下げる結果になってしまうということを言っているわけであります。その点に関しては、やはり接触禁止であったりとか、もっと倫理観を強めることが必要だということを指摘させていただきます。

 まだまだその点に関しては本当に緩いんだと思いますので、今、大臣、意図して違うことを答弁されたのかとうがってしまうような、そういったふうにとられても仕方がないのではないかと思いますので、ぜひその点は心して対応していただきたいと思います。

 それでは、きょう、厚生労働省所管の独立行政法人雇用・能力開発機構につきましても質問させていただきたいと思います。

 ここは、何年か前、雇用保険の関係でも随分と話題になりました。今もたまに話題に、無駄遣いというとよく取り上げられる私のしごと館を所管しているところであり、また、ここは、全国に雇用促進住宅や職業能力開発総合大学校や公共職業能力開発施設や各都道府県センターなど、また、ポリテクセンターやアビリティガーデンという、そういう意味でも本当に無駄遣いの象徴になったような、そういった施設を持っている大きな団体でもあります。

 ここも、これは天下りというんでしょうね、再就職というよりかは天下りというんだと思いますが、非常に多いですし、予算額自体も、七千億という予算を組んだりという意味では、非常に大きな額を扱うところでもあります。そして、役員報酬、理事長になっては年間二千万を超す報酬が支払われるということにおいても、今官僚の雇用専門という話もありますが、そう思ってしまうほどにこの独立行政法人雇用・能力開発機構、どこのだれの雇用と能力を開発しているのかと疑問に思ってしまうことが多々ございます。

 この点に関して質問してまいりますけれども、この機構にかかわる個別の業務運営並びに財務及び会計に関する省令がありますが、さらに、独立行政法人雇用・能力開発機構業務方法書の第二十五条に契約方式が定めてあります。

 厚生労働省の方、同条の三、四ではどのように規定されているか、御説明いただけますか。簡潔にお願いいたします。

草野政府参考人 お答えいたします。

 随意契約の基準に関する規程等、会計規程でございますが、その中で、「随意契約の要件」といたしまして二十六条がございます。この中で「契約事務責任者は、会計規程第二十六条第五項の規定により、次に掲げる場合において、随意契約によることができる。」となっておりまして、(一)から(七)まで七項目ございます。

 例えて言いますと、「予定価格が二百五十万円を超えない工事若しくは製造をさせ、又は予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。」あるいは「予定賃借料の年額又は総額が八十万円を超えない物件を借り入れるとき。」等々と規定されているところでございます。

小宮山(泰)委員 会計規程なわけで、「契約の方法」という、これに照らし合わせて随意契約ができるかということを定めるわけでありますけれども、いろいろと見ていくと、本当にこれで随意契約とすることができる規定があるのか、資料提出していただきましたら、第二十六条は五項までは出していただいたんですが、実際にはその後もあるわけで、なぜ全部いただけなかったのかなと不思議な思いもしたり、説明するのには途中までしか使っていなかったり、その後のことを見ますと、随意契約理由というのは、後の項目から見ると、再就職者が在籍した民間法人への随意契約の内訳の説明を受けますと、非常に疑義ある点も多々見受けられます。

 時間がないのでちょっと先に進みますけれども、独立行政法人雇用・能力開発機構の河津さんにも来ていただきましたので、まず、先ほどから話が出ておりますけれども、民主党が要請して調査局にまとめてもらいました独立行政法人についての報告書によりますと、支出件数七千五百四十件中六千五百四十三件が随意契約ということになりまして、この法人におきまして八三%は随意契約ということになっておりますが、なぜこれだけ随意契約が高いのかということを御説明ください。

河津参考人 お答えいたします。

 今回、私の機構の方で随意契約の件数の中に、よらざるを得ないというふうに実は考えております事案として、一点目が、職業能力開発施設の敷地の借り上げの問題がございます。これは地方公共団体等々からお借りをしておるわけでございまして、代替性のないようなものでございます。それから二点目に、職業訓練用機器のリースの問題でございます。初年度、競争入札により契約をした、二年度以降はリース契約を随意契約として整理したものというのがございます。それから、競争入札に付したんですけれども入札者や落札者がないというようなことで、施行中の工事の追加、変更等の工事の契約もございます。さらに、一番多いのが、職業訓練を専門学校だとか各種学校等に委託をして訓練をする制度がございます。その場合は、専門学校や各種学校など受託希望者を募りまして、その講師、設備、機器などについての評価を行いまして契約相手方を決定しているというのが、実は五千三百十一件ございます。

 これらの件数をふやしますと、実は八六・五%という随意契約の率になっておるということでございます。この点では御理解いただきたいと思います。

小宮山(泰)委員 御理解いただいてもと言いたいところなんですが、支出の概要、全部で総件数七千五百四十件の中において、これが私のしごと館で必要なのかなと思うクラシックカーの展示であったりとか、これが扱えるところが非常に少ないので、だから随意契約になったという御説明をいただきました。

 そして、今、受講申し込み、本当にこの中で、多くのいろいろな業者さんに対して、いろいろな講座、ネールアーティストからCADから、ありとあらゆるものの講座を設けていらっしゃいます。

 私もちょっとホームページで見ましたら、三月二十日現在ということで、これは埼玉だったんですよね、受講コース、かなりたくさんございます。A4判にして七ページを私はプリントアウトしてきたんですが、それを見ても多種多様ですね。機械のことからセキュリティー管理だったりとか、いろいろあるんですが、大体定員十人ぐらいのものでも、年間のものがありますが、申込者数が定員の五〇%に満たない場合は中止となると、まあ中止とはまだ書いてはいないんですが、三〇%を占めない場合はまだ募集人員は多数であると書いてあるんですが、すべて多数となっておりまして、ということは、十人の教室でいくと三人も集まっていないのかなということになります。

 こういった意味では、これだけの稼働率が本当にあるのか、そして頼んでいるのは、ある意味、私たちもよく知っているような大きな資格試験の専門学校であったり、そういったいろいろなところに随意契約で委託をされています。これ自体は、もしかするともう民間でやるべきことであって、この雇用・能力開発機構でやらなくても本来いいのではないか、こういったことをもっと本当は精査するべきであると思います。

 本当に随意契約が非常に多いということもありますし、職業訓練委託という表現でありますと九九・九%は随意契約とか、また、タクシーの借り上げが随意契約となっていますけれども、理由として伺いましたのも、タクシー保有台数については、これは横浜の例ですけれども、横浜市内、ほかにも保有台数の多い会社があるにもかかわらず、中小タクシー会社にも参入の機会を与えたらいいのにと思いますけれども、この点に関しても随意契約ということが随分起こっています。

 先ほどから、随意契約の言葉、いろいろそれにそぐわないものも入るんじゃないかとおっしゃいましたけれども、その質というものも問われるんだと思います。民間は頑張っています、法令遵守であるというところも含めまして。

 こういった随意契約が非常に多いところだからこそ、また、本当にここでやらなければいけないのか、この機構が雇用している人数も非常に多いわけですから、そして、ここから再就職した、四十二件の支出先というのも、これも、全部四十二件丸々随意契約が成っているということを考えてみても、このあり方というものはもう一度見直すべきだと思いますが、その点はいかがでしょうか。

河津参考人 お答えいたします。

 随意契約の適正化につきまして、機構といたしましては、国の取り組みを踏まえまして、一般競争入札の範囲の拡大だとかあるいは契約のあり方の見直しを現在進めているところでございます。

 具体的な取り組みといたしましては、指名競争だとかあるいは随意契約等々で可能な額の工事契約でありましても、工事の内容や契約時期等から、可能なものについては一般競争入札に付してきております。

 二番目としましては、職業訓練の委託につきましても、訓練の内容だとかあるいは実施の時期、地域等を考慮いたしまして、一部の訓練コースにつきましては試行的に一般競争入札に付してきております。この試行を踏まえまして、今後広げていきたいというふうに思っておるところでございます。

 それから、業務システム等の評価、企画業務などの契約の一部につきましても、企画競争を導入してきているというところでございます。

 今後とも、これらの取り組みも踏まえまして、一般競争入札の範囲の拡大だとかあるいは契約のあり方の見直し等を進めてまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。

小宮山(泰)委員 ここの法人の概要として挙げられているのが、「すべての働く方々がその能力を発揮し雇用と生活の安定が図られる社会の実現をめざして」とありますが、社会じゃなくてここは機構なんじゃないかと思うときもあります。

 独立行政法人を拝見させていただいて、いろいろ見ていると、やはり不透明なところもあるし、あいまいなことが多々あります。消防に関しては、やはりこれは民間ではだめだというか、適応し切れないということで、今、国の方に制度が戻ってきたりしておりますし、この独立行政法人自体というものも、私自身、これは個人の考えではありますが、ある意味、本当の意味で民間になる、してしまう、一段階前の状態。

 そして、この中でいえば、職業能力開発総合大学校、この大学資格が出る部分と、公共能力開発施設ということでの職業能力開発大学校と、総合がついているかついていないかで随分とその卒業生の資格も違います。

 こういったことを精査してみても、本当の意味で、この辺はすべて切り離して民間の団体にしてしまうか、もしくは、本当に必要な部分であるならば国に戻すというようなことをこの組織、独立行政法人に関してはする。これから、ある意味、随意契約だ何だとか、いろいろな契約を一般競争にしたからすべてがクリアになるわけではない。もっともっと、こういう民間の分野に入ってしまっている法人ならば、民間でやればいいんですよ。

 それは、提供しているところは民間の方たちが提供していて、実際、その人たち自身も広告費やいろいろ使って提供しているわけですから、そして、もちろん、この団体も広告費を使って受講生を集めているという構図は、全く民間と一緒ならば、この点はきちんともう一回精査をし、組織の見直しをするべきだということを訴えさせていただきます。

 こうやって天下りがたくさんある一方で、公共の、私たちの税金を使っていくという使い道においては、全くまた別の方向もあります。人によっては何千万も、独立行政法人の役員さんとか理事さんとか理事長さんたちを見ると、年収平均千七百万とかそういったような方がどんどん出てくる。ここは二千万を超しますよね、二千ちょっと超すくらいですよね。やはり、そうやって見ると、本当にこれでいいんだろうかという思いがしています。

 これの一方で、公共事業における労働賃金のピンはね防止策というものが必要になってくるんだと思います。

 これは国交省の管轄になるかと思いますが、公共工事で工事費の積算の根拠となる賃金が、大工、左官、とび工や型枠工など職種別に定められておりまして、公共工事は、元請から下請、孫請と、次第に労働賃金が低下するというのが当たり前のように行われております。その結果かもしれません、大手ゼネコンは好景気と言われております。

 政府の発表にあっても好景気になってきたとよく言われますけれども、地元に帰ってよくよく聞いてみれば、中小企業や、また一人親方の建設業の方は、収入は下がったまま、非常に苦しいし、この仕事を大手からもらったけれども、受けるとマイナスになるから受けられない、そういった話もよく耳にいたします。

 公共工事の原資は税金であって、労働賃金の部分も公的な資金の一部であるというふうに私は考えております。積算の根拠となっている労働賃金が、元請から次から次へと下請に出されていく間にピンはねされていってもいいとは私は考えません。

 イギリスでは一八九一年の公正な賃金決議以来、また、フランスでは一八九九年のミルラン命令、アメリカにおいては一九四一年のデービス・ベーコン法によって、公共事業における下請賃金のピンはねを法的に規制をされています。アメリカの法律には、元請が請け負った公共工事においては、下請の賃金を少なくすれば元請の工事を停止させるという非常に厳しい条項さえ設けています。日本は批准しておりませんけれども、このことはILOの第九十四号条約でも、公共事業、公共契約の国際基準というふうに伺っております。

 国土交通省は、公共事業において労働賃金部分がピンはねされていることに対してどのような指導をされているか、伺います。

大森政府参考人 お答え申し上げます。

 公共工事における労働賃金の適切な支払いを確保するためには、下請代金の適正な支払いを確保することが重要であると認識しております。

 この下請代金は、先生御指摘の労働賃金を当然含むものでございますが、この賃金の決め方につきましては、原則として当事者間の契約によって定められるものでございます。ただし、不当に低い下請金額を制限する観点から、建設業法第十九条の三におきましては、公共工事の下請についても、労働賃金を含む通常認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならないとされております。

 このような建設業法の法令の遵守につきましては、毎年度、元請、下請双方に対して実態調査を実施しておりまして、必要に応じて職員による立入調査も行っております。本年度からは、特に各地方整備局等におきまして建設業法令遵守推進本部を設けて、さらなる徹底を行っているところであります。

 さらに、最近の公共工事、特に極端な低価格受注に関しましては、入札契約手続の中で特別な調査を実施しております。品質の確保がなされないおそれがある価格で労働等の調達を見込んでいる場合については契約をしないというようなこととしているところでございます。

 今申し上げましたさまざまな取り組みを通じて、労働環境の改善、また公共工事の適切な執行の確保に努めてまいりたいと思います。

小宮山(泰)委員 ぜひ適切にしていただきたいと思います。

 この問題は、公共調達の適正化に関する問題でもあります。税金を原資として、公共事業の積算根拠となっている労働賃金がピンはねされてはいけないと考えますので、ぜひ内閣としても、この点に関しては指導強化を要請させていただきたいと思います。

 民主党は、独自に、天下りやなれ合い談合などのそういう随意契約をなくしていくという作業、調べる作業や、そして提言等もさせていただき、地道に取り組んでおりますけれども、やはり、談合をなくして、公正な競争入札、公正な競争の中において、拡大することによって、国民の税金が適正に支出されて、無駄遣いと言われないような、そういった政治をしていかなければならないと考えております。そのためにも、事実をもっと明らかにするためには政権交代が必要だと思いますし、これからもしっかりと努力していくことをお伝えさせていただきまして、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

仙谷委員長 この際、暫時休憩いたします。

    正午休憩

     ――――◇―――――

    午後二時六分開議

仙谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 平成十七年度決算外二件を一括して議題といたします。

 総括質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官原雅彦君、内閣府政策統括官増田優一君、総務省自治行政局長藤井昭夫君、法務省民事局長寺田逸郎君、法務省人権擁護局長富田善範君、財務省大臣官房審議官古谷一之君、財務省主計局次長鈴木正規君、財務省国際局長篠原尚之君、厚生労働省大臣官房審議官宮坂亘君、厚生労働省大臣官房審議官森山寛君、厚生労働省大臣官房審議官荒井和夫君、厚生労働省大臣官房審議官白石順一君、厚生労働省年金局長渡辺芳樹君、厚生労働省政策統括官薄井康紀君、農林水産省大臣官房総括審議官内藤邦男君、資源エネルギー庁原子力安全・保安院長広瀬研吉君、中小企業庁次長加藤文彦君、国土交通省大臣官房技術審議官佐藤直良君、国土交通省国土計画局長渡邊東君及び国土交通省道路局長宮田年耕君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

仙谷委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江藤拓君。

江藤委員 本日は質問の機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。両大臣におかれましては、大変お忙しい中にこうやって御出席を賜りまして、まことにありがとうございます。

 それでは、時間も大変限られておりますので、早速質問に入らせていただきたいと思います。

 まずは、道路特定財源の一般財源化に向けて、今後どうあるべきか、どのような方向に進んでいくべきか、その大臣の御所見を伺わせていただきたいと思います。私としましては、そのような御意見を、今後の党内での税調の議論であったり、いろいろな国会での議論に生かしていきたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 安倍総理大臣は、所信表明演説で特別会計の根本的な見直しを明言されました。そして、道路特定財源につきましては、今の暫定税率を維持したままで、一般財源化を前提としてこれを見直していく、そして国民の理解を求めていくということを申し述べられました。こういったことが議論の俎上に上るその背景としてあるのは、やはり、国の財政が極めて厳しいということがあることを私も理解しております。

 国と地方の借金を合わせれば、もう一千兆円を超えてしまう。確かに、景気は回復して国の税収もふえてはまいりました。しかし、そうはいっても、これから長期、短期の金利も当然上がっていくわけですから、国債の償還等を考えれば、決して手放しで喜べるようなことではない。そして、財政を再建しなければ、私たちが次の世代に大きな負の遺産を残してしまうことになる。プライマリーバランスを早く黒字化して、そういうことをしていくことで将来に明るい展望を開く、財政を再建する。これについては、都会に住む人間も、そして私のように田舎に住んでいる人間も、ひとしく理解をしております。

 しかし、こういった議論を聞いている中で、私の中でどうしてもひっかかってしまう、どうしても納得のいかない点が幾つかありますので、その点について大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。

 まずは、簡単に言いまして、国が整備をすべき道路の整備はもう既に終了したんだ、だから一般財源化していいんだ、財政の観点から一般財源化を論じることはわかりますが、道路の整備があたかもすべて終わったかのようなそういう主張に対しては、私は大変違和感を感じます。そういうことであれば、当然、道路特定財源で集めた皆様方の税金は余っている、お金は余っているんだからやはり一般財源化も当然だ、そういうふうに議論がそちらに展開していくわけでありますけれども、このような意見、そのようなとらえ方、考え方に対して、冬柴国土交通大臣、どのようにお考えになられるのか、御所見をお聞かせいただきたいと思います。

冬柴国務大臣 私、国土交通大臣に就任させていただきまして六カ月余りになりますが、ほとんど毎日、与野党を問わず、代議士さん、参議院議員さんがいろいろな方をお連れになりまして国土交通大臣の部屋へ要請に来られますが、その過半は、道路整備を急げ、ここをつくってくれ、あそこをつくってくれという、もうほとんどがそれですね。私は、つくるべき道路は既に整備が終わったというようなことを言われる方の話を聞きますと、この方は現実を知っておられないんじゃないか、机上の空論をやっておられるんじゃないか、そんな思いをするほどでございます。

 そしてそれは、全く白地のところからここへつくってくれというんじゃなしに、過去において閣議決定をして、始点、終点はこことここ、そしてこういう名前の道路をつくりますというようなことを閣議決定しているんですね。そしてそれが、いわゆる高速自動車道路の整備計画として法律でも規定されて、その別表にも記載されているというものがいまだにできていないものがあるわけです。その整備率は、この十八年度末で六五%しか整備されていません。すなわち、三五%整備されていないわけであります。

 したがいまして、私はこの昨年末の道路特定財源についての具体策を決めさせていただいた当事者でもございますけれども、私どもは、いわゆる現行税率、すなわち暫定税率を維持しつつ、一般財源化の方向で納税者に十分説明をし、その御理解を得つつ具体策をつくる、こういう話でございました。

 それは、暫定税率というのは、例えば一番直近では、平成十五年に、今の暫定税率を維持するためにこれこれの事業量の道路の整備をいたしますという約束をして、暫定税率を平成十九年の末まで決めてあるわけですね。それは負担と受益のバランスがとれているわけです。したがって、納税者の方は納得をしてやっていただいていると私は思うわけです。

 したがって、税率を維持しつつとこういうふうに言った途端に、やはり、それに対するこれは負担をお願いするわけですから、それに対しては、我々はこういう受益、すなわち道路整備をいたしますというものを示さないと、私は御納得いただけないんじゃないかということをるる申し上げまして、そして具体策のような形がとられたわけでありまして、そのとおりに閣議決定をいただいているわけでございます。

江藤委員 大臣、本当にありがとうございます。

 正直申しまして、余り地方の道路のことを党内でも強く言いますと、最近、若干肩身の狭いような雰囲気がないでもありませんでございまして、大臣からこのようなお言葉をいただいて、非常に元気づけられた思いがいたします。また堂々と党内でも議論を展開していきたいというふうに思っております。

 今、六五%のお話もありました。全く終わっておりません。例えば国道の改良率なんかを見てみますと、全国ではもう既に九〇%を改良率は超えております。だけれども、一〇%弱はまだ残っているわけです。

 では、どこにこの一〇%が残っているかというと、ほとんどが地方に偏在をしている。そして、私の宮崎県のことを言わせていただくと、国道の改良率はまだ七八%にも到達しておりません。ましてや、私の選挙区の国道三百八十八号線、そういった道路に至っては、改良率はまだ五〇%にも到達していない。

 そして、私が住んでおります日向市から美郷町を抜けて諸塚、椎葉へと抜ける三百二十七号線、これは、台風十四号のつめ跡もまだ消えない、非常に災害のあった道路であるんですけれども、諸塚を過ぎますと、向こうから対向車が来たら、どちらかの車が百メートル、二百メートルバックをして、そして離合帯に避難をして、それでもドアミラーをぶつけるような状況でやっとすれ違える。相手がバスだったり工事車両、トラックだったりした場合は、本当に命がけです。もう落ちてしまうんじゃないか、タイヤぎりぎりです、こっちは谷底ですから。

 そういうようなところに住んでいる人間にとって、道路整備は終わったんだと大上段に構えて言われますと、それを国民の理解をと言われても、それは到底無理だというふうに私も思っております。

 それから、先ほど申しました所信表明を受けまして、道路特定財源を考えていくプロジェクトチームが党内でつくられました。ここでは激しい議論がずっと展開されてきました。私は、昨年は無所属でしたから参加できませんでしたが、復党後は参加をさせていただいて、私なりに一生懸命意見を述べさせていただいております。

 そして、四月の二日から、国土交通省は国民に対してアンケート調査を今行っております。何の目的でするかというと、真に必要な道路とは何ぞやということを国民に問うんだということでアンケート調査をして、その結果をもとに、十九年中にはいわゆる新しい道路整備の中期計画を策定して、それに基づいて道路を今度はつくっていこうという方針を決められております。

 ここで言う真に必要な道路、これをどのように定義づけするのか、これをどのようにとらえるのか、そのことによってこれからの国道形成が大きく変わってくると思います。なかんずく、私のような田舎に住んでいる人間にとっては、大変な変化、大変なダメージを受けることももしかしてあるかもしれない。

 ですから、大臣に重ねてお尋ねするのもまた同じ答えになるかもしれませんが、大臣の目から見て、この真に必要な道路というものは、イメージとしてどのようなものを考えていらっしゃいますか。どうぞお答えをいただければありがたいと思います。

冬柴国務大臣 実は、その真に整備が必要な道路という言葉は、昨年末の道路特定財源の閣議決定の冒頭に書かれている言葉でもあるわけでございますが、それに引き続きまして、真に必要な道路は整備を進める。その進める内容について、私は、それだけでは納税者に御納得がいただけないんじゃないかというふうに思いました。そういうことから、この十九年中、度じゃなしに、十九年中にこの中期の道路整備計画をきちっと示すということを引き続いて書いていただきました。

 したがいまして、それが内容になると思うんですが、この真に必要な道路というものをどんなものかという判断をするときに、白地図からスタートするということはほとんど不可能です。今までの過去の歴史というものがあります。

 例えばこれは、昭和三十二年に国土開発幹線自動車道建設法というものが定められまして、そしてそれが、昭和六十二年に道路審議会等の答申を受けて閣議決定がされた。そのときには、将来、一万四千キロの高規格幹線道路網を整備するということが六十二年の閣議決定で決められているわけでございます。そして、そのうち一万一千五百二十キロの部分につきましては、先ほど言いました国土開発幹線自動車道建設法一部改正法ということで、自動車道の名前と始点と終点、そして主な経由地、そういうものが別表でずっと書かれてあります。それが、足しますと一万一千五百二十キロになります。

 それからもう一つ、同じ日に、すなわち閣議決定をした六十二年六月三十日でございますが、その日に、閣議決定に基づきまして二千四百八十キロの一般国道の自動車専用道路を特定して、将来それを整備するということが決定されまして、当時の建設大臣の決定、そしてそれを、各利害関係人、すなわち各知事とかに通知をしてあるわけです。したがって、これが合計一万四千キロになります。

 したがって、これを離れて真に必要な道路というものを考えるということは大変難しいわけです。それは、みんな期待がありまして、地方では一日千秋の思いで待っておられる方があるわけですね。

 したがいまして、こういうものを一つの大きなメルクマールとしながらも、しかし、六十二年からは日もたっております。したがって、現時点においてこれがどうなのかということをもう一度見直すべく、今おっしゃいましたように、全市町村にもアンケートを求めたり、いろいろな調査をし、我々の方の道路局では、中期のビジョンをつくるために一生懸命今努力しているというところでございます。

 ただし、これをいつ、どういうふうなスピードでつくっていくかということは、昨年の十二月に閣議決定されました道路特定財源の見直しに関する具体策というものを踏まえながらこれを行っていかなければならないわけでありまして、この十九年中に今後の具体的な道路整備の姿を示した中期的な計画を作成して、それに基づいて国民の幅広い意見を伺いながら、着々とこの整備を進めていかなければならない、そのように私は信じております。

江藤委員 大臣、大変ありがとうございました。

 本当に利便性を高めることも大事です。都市機能をもっと充実したものにしなきゃいけない。しかし、地方の特に僻地においては、生きるか死ぬか、この道が通るかどうかでこの集落が残るか残らないかぎりぎりのところに来ていますので、そこら辺に温かい目をやはり政治は向けるべきだと私は考えております。

 そして私は、ここで思い出すのは、やはり道路公団民営化のとき、あのときに、道路公団が民営化されたら、私の田舎の東九州自動車道、これはもうできないんじゃないか、そういう失望感、絶望感が広がりました。しかし、そこでやはり政治が知恵を出して、新直轄、一年間に約二千億円内外、これを十五年で三兆円、国の責任で採算が合わないところはつくりますよ。このことでかえって整備のスピードが上がりました。これがやはり政治の力、政治の知恵だと思います。

 ですから、今回の一般財源化の議論の中でも、国民の理解を得るという視点でこのようなすばらしい知恵をぜひ大臣を中心に出していただきたい、このことをお願いしたいと思います。

 それで、大臣には、本当は平成十七年度の国交省の直轄工事の契約金額について、入札制度改革について質問を予定しておったんですけれども、あと十分ぐらいしかありませんが、平沢副大臣にも実は質問を予定しておりますので、分科会の方でまた改めて質問に立たせていただきます。本当にきょうはありがとうございました。

 それでは、引き続きまして平沢副大臣に質問をさせていただきます。

 私が聞きたいのは、激甚災害法の中にある局地激甚災害、この問題について問題点を指摘させていただきたいと思います。

 平成の大合併によりまして、市町村の数は三千二百三十二から千八百二十二に減りました。我が宮崎県でも四十四から三十一、隣の大分では五十八から十八に減っております。合併特例法がありますから、平成二十二年度までは、災害が起こったときには、前の村であったり町であったり、そういう単位で局激の指定が受けられます、五年間の間だけはですね。しかし、五年間を過ぎてしまうとこの特例がなくなってしまいますので、今度は分母がやたらにでかくなって、大分みたいに五十八から十八に行政単位がでかくなってしまいますと、合併前の一部の地域で災害が起こったときに、合併しなければ局地激甚災害の指定を受けて救済がされたのに、合併したがゆえに救いの手を差し伸べてもらうことができなかったということであれば、これは大問題だと私は思うわけであります。

 合併の議論のときに私の地元でも大変な議論がありました。合併するべし、合併しない方がいい、両方とも自分たちのふるさとを愛したゆえの激しい議論でした。そして、合併を選んだその市町村の最終的な判断は、合併するしか生き残る手段がないんだ、合併するしか道はない、生き残るために合併するというのがその判断の基準でした。もしこのまま放置しておくと、合併しなければ局激の指定が受けられたのに、合併したがゆえに助けてもらえなかったということであれば、必ず将来、やはり合併しなかった方がよかったじゃないかという議論が出てしまうと思います。

 ですから、まだ時間的余裕がありますので、党内でももまなければなりません。しかし、副大臣におかれましては、ぜひこの点についてリーダーシップを発揮していただきたいと思いますし、どのようなお考えをお持ちになっているか、お聞かせいただきたいと思います。

平沢副大臣 激甚災害制度というのは、御案内のとおり、災害が発生した場合に地方公共団体が行う災害復旧事業というのを、国庫補助のかさ上げなど特別の財政助成措置を講ずることによって財政負担を軽減してやろうというものでございまして、今御指摘の合併市町村につきましては、市町村の合併の特例等に関する法律におきまして激変緩和措置についても規定されているわけでございます。

 そういう中で、合併年及びこれに続く五年間は、今御指摘ありましたように、合併が不利益にならないように措置されているわけでございますけれども、問題はその後でございまして、他の措置、例えば地方交付税の算定、こういったものと同じように、従来と同じような制度に沿って運用するということになっていることについてはまず御理解いただきたいと思いますけれども、激甚災害の指定基準につきましては、これまでもいろいろと見直しをしてきているわけでございまして、これは、災害の事情等を踏まえて行ってきたものでございます。

 近年では、平成十二年に公共土木施設関係あるいは中小企業関係について行いましたし、また、本年二月にも、水産業共同利用施設について基準の見直しを行ったところでございます。

 今御指摘がありましたように、過疎地の財政力の弱いところにつきましては、この合併市町村の今のあり方でいいのかどうかにつきましては、御指摘の点は十分理解できますので、随時これから適切な見直しを行いまして、制度の運用に努めていきたいと考えております。

江藤委員 大変前向きな御答弁をいただきまして、ありがとうございます。ぜひ、そのような方針でよろしくお願いしたいと思います。

 残り時間が五分を切りましたので、少し早口で質問させていただきます。

 昨年の九月に私の選挙区の延岡で大変な竜巻が起こりました。テレビ等でも、電車がひっくり返っている姿を委員の皆さん方もごらんになったと思います。そして、私もすぐ現地に駆けつけて、その悲惨な状況をこの目で見てまいったわけでありますけれども、本当にすさまじい状況でした。ベイルートとか、まるで戦場みたいです。もう爆撃をしたような状況。そして、災害特別委員会の委員の皆様方も視察に訪れてくださいました。私もまぜていただきました。

 しかし、結局どういうことであったかというと、この延岡に国から差し伸べられた助けの手というのは、災害救助法と被災者生活再建支援法のこの二法で、局地激甚災害の指定は受けられませんでした。それは、竜巻は局地的にびゃあっと走っていきますから、やられたところはもう徹底的にけちょんけちょんにやられていますけれども、やられていないところはほとんど災害を受けていない。

 今の局激の算定基準、今回の死亡は三名、負傷者百四十三名、たくさんおりました。しかし、この局激の指定を受けるためには、この被害金額が、当該市町村の一年間の中小企業所得推定額、この一割を超えなければだめだというふうになっています。しかし、今回の竜巻は商店街を通りました。商店街は大ダメージです。完成寸前のアーケードもやられてしまいました。それらのものに対しては、非常にただでさえ中心市街地は疲弊しております。そういうところに竜巻が来た。局激で中小企業に対するいわゆる特別の融資制度、これでぜひお金を借りたいと思っても、今の算定基準では対象にならない。最近は、宮崎だけじゃなくて、北海道とかいろいろなところで、この間も鳥取だったでしょうか、竜巻が起こっております。

 ですから、この際、激甚災害の中に局地激甚災害があります、そしてその下に、今のこの激甚災害法というものは台風とか地震を想定しているわけですけれども、この日本列島にあっては、竜巻というものも想定した基準、そういうものも一度考えてみる必要があるんではないかと私は考えますが、副大臣の御見識をお伺いします。

平沢副大臣 今御指摘がありましたように、局地激甚災害の指定というのは被災地方公共団体の財政力等を勘案して行うものでございまして、したがいまして、市町村、これが単位で行われるわけでございますけれども、御指摘は、市町村より小さな単位でやったらどうかということでございます。

 市町村より小さな単位で行う場合には、その財政力を把握することが難しいということがありまして、現行制度ではなかなか難しいんだということで考えておりまして、ただ、御指摘の御趣旨は非常によくわかりますので、御趣旨を踏まえまして、今後の検討課題とさせていただきたいと思います。

江藤委員 副大臣、大変ありがとうございました。

 それでは、やはりこの竜巻に関しまして、被災者生活再建支援法についてちょっとお尋ねをさせていただきたいと思います。

 平成十七年度の被災者再建支援法の給付金額、総額で国費として二十億一千六百七十六万円支給されておりますが、我が宮崎県で、台風十四号が発生しましたので、約半分の十億八千五百二十二万円、我が宮崎県がちょうだいいたしました。大変助かりました。これは、ありがたい、いい制度だと思っております。

 しかし、この竜巻の場合は若干やはり問題があります。今回も、先ほど申し上げましたように、非常に被災件数が多い。全壊、半壊、一部損壊を合わせると千二百九十四世帯被災しましたので、これを全部一気に査定するとなると大変時間がかかります。ですから、基本的に、市役所の職員と建築士の先生方がペアを組んで外見でこの判断をする。これは仕方がない側面があるのはよくわかります。しかし、竜巻の場合は、窓あたりから風が吹き込んできて、中で暴れて天井を吹き抜けていく。外観では本当の被害の状況がわからないんですね。そういう御指摘をさせていただきましたら、そういう不満があったら、再審査の申請をしたらいいじゃないかという話がありましたけれども、中には気が弱い人もいるんですよ。再審査してほしいとよう言わぬ人もいます。お年寄りで、ああ、お上がそう言うんだからもうしようがないやとあきらめてしまう人もいる。

 ですから、今回のこの生活再建支援法の際に、査定するときには、先ほども指摘したように、地震とか台風、そういうものを想定したこの査定の仕方ではなくて、竜巻のときには、やはり家の中に踏み込んで、もっと細かく、新しい基準を設けるなりして査定をしていくべきだというふうに私は感じておりますが、副大臣の御見識をお伺いしたいと思います。

平沢副大臣 住家の被害の認定につきましては、建築の専門家の協力もいただきながら市町村が行っているわけでございますけれども、昨年九月に延岡市で発生しました竜巻被害では大変に大きな被害が出たわけでございまして、内閣府としても担当官を派遣して被害状況をつぶさに調査したところでございまして、今御指摘がありましたように、大体外見でやるわけでございますけれども、屋根や外壁の損傷が大きい住宅では、住宅の内部まで雨が吹き込んで被害が拡大しているものも相当あったわけでございます。

 延岡市のケースでは、そういった雨水の浸入等も考慮しまして、竜巻被害の実情に応じた柔軟な運用が行われたものと聞いておりますけれども、いずれにしましても、屋根に著しい損傷があるといった場合には、その外見だけじゃなくて、床上浸水の場合と同じように、内部立ち入りによる調査もあわせて行う必要があるんじゃないかということも考えておりまして、竜巻による被害の特性に着目した審査法のあり方については、今後改めて検討して、自治体に周知徹底を図っていきたいと考えております。

江藤委員 ありがとうございました。これで終わります。

仙谷委員長 次に、赤池誠章君。

赤池委員 自由民主党の赤池誠章でございます。

 今回、貴重な時間をちょうだいいたしました。本当にありがとうございます。

 先日、三月の二十五日に能登半島でマグニチュード六・九、震度六強という本当に大きな地震が発生をいたしました。被災者の方々、そして現在でも避難所に暮らしている方々に対してお見舞いを申し上げますと同時に、きょうはそれに関連をして、国土づくり、国土形成計画について質問をさせていただきたいというふうに思います。

 今回の能登半島の地震のみならず、既に新潟中越地震、そして阪神淡路大地震など大規模な自然災害が起こるたびに、当然、災害に強い国土づくりということが議論をされ、そして、政府におかれましても各種さまざまな対策を打ってきているわけなんですが、今後も、東海沖地震、そして東海沖地震に関連をして富士山噴火ということも歴史的には連動するかもしれない。また、東海沖に関連して東南海・南海ということで、連鎖的に太平洋岸でも大規模な地震が起きるかもしれない。当然、今回の能登半島、大きな地震の割にはそれでも被害が少なかったというのも、人口の集中度合いという問題もあると思います。そういう面では、今後予想される太平洋岸、まさに日本の大動脈、政治経済の中枢機関が集中したところにそのような大規模な震災が起こったらどうなるのか、本当に待ったなしの状態ではないかなというふうに考えております。まさに何か起こってからでは本当に遅いという状況ではないかと思います。

 そんな中で、災害に強い国土づくりを見てみますと、それなりにやってきているとはいいながら、根本のところで、残念ながら理念とか発想とかという側面で物足りなさを感じております。残念ながら局所的であったり後手後手に回ったり、それは私ども政治家みずからが当然反省をしなければいけないところでもあるんですが、なぜそういう形での場当たり的、局所的、後手後手に回るのか、その根本の発想をもう一度考える必要があるのではないかと思っております。

 スイス政府発行の「民間防衛」というマニュアルがございます。これは実は日本語訳が三十年前に出ているんですが、現在でも新装版、新しくして、ロングセラーということで売れ続けております。その日本語の副題に「あらゆる危険から身をまもる」ということが書かれているわけであります。つまり、民間防衛、国民保護、戦争に備えるということから、すべての災害初めあらゆる危険を守っていこうという発想がそこにはあるということでありますし、逆に災害だけ取り出して対策を打つということの方が不自然な状況に陥ると。そういう面では、国際的先進地域においては、有事、戦争というものを前提にして、どのように身を守っていくかということが根本ではないかと思っております。

 そういう面では、今般、国土形成計画法が平成十七年に改正をされて、現在、今年度中に国土形成計画が策定をされ、そしてそれに沿って、また二段階で広域計画が策定をされる。その計画策定の中に、今指摘をしたような災害に強いという文言はあったとしても、根幹であるそういった有事、防衛的な側面の理念があるやなきや、また議論がどのように行われているのか、ぜひお伺いをしたいと思います。

藤野大臣政務官 お答え申し上げます。

 今、先生お尋ねの国土形成計画と、有事の関係を含んで国民の安心、安全の確保という観点で、どういう取り組みをしているかという観点からお答え申し上げたいと思うわけでございます。

 国土形成計画、これは国土の利用、整備、保全といったようなことの総合的かつ基本的な計画ということで、国民の安心、安全の確保の観点からやっておるわけでございますけれども、直接的に軍事上の有事といったものを正面から取り扱うという体系には建前なっておりませんが、計画事項の中でございます「震災、水害、風害その他の災害の防除及び軽減に関する事項」、こういうものを取り上げまして、その対応をしっかりやっていこうということで、計画部会の中間取りまとめにおきましても具体的に、交通、情報通信ネットワークのリダンダンシー、言葉は迂回ルートというような意味ですが、こういうようなものの確保、あるいは各機関における事業継続計画の策定の推進など、防災対策の取り組みをお示しいただいておりまして、これらの取り組みをしっかりやっていくということが、今先生御指摘の有事への対応の観点からも大変有益だというふうに考えております。

 今後、この取りまとめ案をベースにいたしまして、今年中の全体計画、全国計画の閣議決定に向けまして、鋭意調査審議を進めてまいりたい、このように思っております。

赤池委員 今、政務官からお話をいただきました。

 もともと昭和三十七年から、全国総合開発計画というところから第五次にわたって議論が進んで、平成十七年に大改正ということですので、もともとの発想に、総合開発計画という名前のとおり、そういった視点が入りにくかったという側面はよくわかるわけでありますけれども、昨今の北朝鮮のミサイルや核兵器の開発実験を初め、また国全体の法制度の中でも、平成十五年、十六年、武力攻撃事態関連法や国民保護法、そしてそれに基づいて国民保護計画が策定をされているという状況からかんがみますと、やはり単に従来の開発という発想じゃなくて、今回、新たに国民生活の安全、安心という条項を法律の中にも、第一条、目的、第三条、理念にもそういった項目が入っているわけで、残念ながら、第二条には計画項目としてそれが災害対策しか載っていないということから、なかなか国土形成計画の策定の中でも議論ができていないという現状はやむを得ない部分があるとはいえ、やはり政治というのは、本当に最悪のことから想定して積み上げていかなければいけない。また、有事というのは、そのスケールの面において国土全体に、また国民意識全体に及ぼすものでありますから、それさえきちっとできていれば、自然災害、さまざまな各種災害に対しても、その応用編や基本的なやりくりの中で対応ができてくるということではないかというふうに思っております。

 そういう面では、災害に対しての余裕性、リダンダンシーという発言も出ましたし、事業継承計画、いわゆるBCPということも計画に取り込まれているのはよくよく承知をしておるわけですけれども、ぜひ今後の策定の中で、専門家がいないということもあるのかもしれませんが、国土形成計画法の第六条第五項には、関係省庁にいろいろ聞いてもいいということがございます。そういう面では、専門家に聞くのももちろんですが、防衛省を初め、また国土交通省の中には海上保安庁という、海上の警備の部分も持っているわけですから、ぜひそういったところの省庁間、十分意見を聞いて、よりよい国土形成計画づくり、災害に強い、そして国民の安全、安心に資する国土づくりを、今年度中に策定をされる国土形成計画にぜひ反映をしていただきたいというふうに思っております。

 その関連で具体的にお伺いしたいというのが、中間取りまとめの中にも、また全国総合開発の歴史そのものがそうだと思うんですが、いわゆる一極集中の是正。中間取りまとめの中には、一極、東京集中、それから一軸、太平洋岸を中心とした日本の国土軸、いわゆる一極一軸型の国土構造を変えていくということが盛り込まれているわけでございます。

 そんな中で、先日、JR東海の担当の方と議論、話をする機会がございました。JR東海は、今月四月一日、東海のみならず、JRが民営化されてちょうど二十年に当たるということもありますし、そして順調にそれぞれ業績を伸ばされているわけなんですが、昨年、JR東海は山梨リニア実験線、今まで十八キロだったのを、三千五百億円以上のお金をJR東海が出して、四十三キロに及ぶ実験線をJR東海が全線開通をさせる。これは、七年かけて実験をして、さらに三年、約十年で実用化のめどを立てるということを掲げております。

 そして、今年度の設備投資計画の中に初めて、東海道新幹線が、御案内のとおり、今、一時間に十三本、これが最高十五本まで伸ばすとはいいながら、いよいよ満杯になってきた。さらに、先ほどお話ししたような東海沖地震の問題もあるということで、東海道新幹線のバイパス化を初めて事業計画、設備投資計画の中に盛り込んだということであります。そして、JR東海の葛西敬之会長は長期ビジョンとして、十年でリニア実験線を物にして、さらに十年で実用化するということをJR東海の長期ビジョンとして掲げて、既にマスコミ各社のインタビューにも答えているという状況がございます。

 そういう中で、公共性の高いJR東海とはいえ、一民間会社がそこまで、当然、自分の会社の将来にかかわるとはいえ、それがそのまま、冒頭述べた一極一軸構造を変え、多軸型、多極型の広域ブロックの国土形成に資する重要な役割である高速交通網、それを超電導リニアでやろうということを一民間会社が長期ビジョンに掲げておきながら、肝心かなめの国土形成計画、政府がどのように書き込んでくるのかということは、大変大きな問題になってくるのではないかというふうに思っております。

 既に五全総、平成十年の計画の中にも、それなりに位置づけてはいるんですが、今現在策定されている国土形成計画に、具体的に一体どのような形で超電導リニア、一極一軸構造を変えていく切り札として世界に冠たる技術開発の華である超電導リニアを盛り込んでいくか、これは本当に大きな課題ではないかというふうに思っておりますので、ぜひその辺、お伺いをさせていただきたいと思います。

渡邊(東)政府参考人 お答えいたします。

 一極一軸型の国土構造を変えていくということは、これは大変重要な課題だというふうに思っております。また、超電導磁気浮上式鉄道につきましては、昨年十二月の超電導磁気浮上式鉄道実用技術評価委員会の提言を踏まえまして、平成二十八年度までに実用化のための技術の確立を目指すということで、そのために鉄道総研や今お話しのJR東海等関係機関におきまして技術開発を進めているということでございます。

 また、御指摘の国土形成計画中間取りまとめにおきましては、多様で自立的な広域ブロックから成る広域ブロックが相互に交流、連携していく、そういった国土構造を目指して、大量な、それでまた高速で人を輸送する、そういった技術の戦略的な活用を検討するということとされたところでございます。

 国土形成計画におきます超電導リニアの位置づけにつきましては、こういった中間取りまとめでの議論、それから現在の技術開発の状況、こういったものを踏まえまして、国土審議会の方で調査審議を進めていきたいというように考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

赤池委員 局長の発言としては、それ以上言いにくいのはよくわかるわけでありますけれども、安倍内閣がイノベーション25ということで中間取りまとめを二月にも発表しております。そのイノベーションの中の代表例として、超電導リニアが取り上げられております。そして、二〇一一年に技術的に見込みをつけて二〇二一年には実用化できるということを、イノベーション25の中で、安倍内閣の中でもう既にそこまで、中間取りまとめとはいえ書き込んでいるということがございます。

 そういうことと連動させて、私の地元の山梨県、また私の地元だけではなくて全国市長会、議長会、それから阪神の、奈良、大阪の方から国土形成計画に超電導リニアをちゃんと位置づけてくれという要望も出ているということであります。

 そういうことから考えると、単に技術開発をしますとか早期解決を目指すではなく、やはり超電導リニアこそが、一極一軸構造を変える、そして世界に向けて日本の環境に優しい技術をアピールできる。また、安倍内閣の「美しい国、日本」、美しいというのは正しくて強いという国土形成の意味にもなると思いますし、新経済成長路線のシンボル的な存在としてこれをどう位置づけるかというのは、大変重要な課題、問題ではないかというふうに思っています。

 そういう面では、少なくとも前回の平成十年の国土グランドデザインの位置づけ以上にはきちっと書き込んでいただけるかどうか、局長、確認でもう一回お願いします。

渡邊(東)政府参考人 お答えいたします。

 超電導リニアにつきましては、これまでも全総計画の中で位置づけられてきたことは承知しております。

 また、最近の技術の進歩というものも当然ございますし、また、先ほどもお触れいただきましたけれども、新しい国土形成計画におきましては提案制度というものを持っておりまして、これは国土形成計画、全国計画に対して都道府県、政令市から計画提案ができるというものでございまして、これにつきましては、山梨県、神奈川県それから奈良、愛知、岐阜、こういったところからリニアにつきましての御提言をいただいているところでございます。

 こういったいろいろな状況を踏まえまして、これからしっかり検討していきたいというふうに思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

赤池委員 ぜひ、活発な議論の中で、きちっとした位置づけをしていただきたいと思います。

 超電導リニアというのが、全国新幹線鉄道整備法、いわゆる整備新幹線の、中央新幹線の枠組みという形で位置づけられていると、どうしても順番という問題が出て、これまた大変な政治的な問題になるというふうに思っておりまして、そういう面では、国土形成計画の中で位置づけて、超電導リニア整備法みたいな形で新法の中でやっていかないと、これはなかなか難しい問題かなというふうにも感じておりますし、その問題に関しましては、また党内で、またさまざまな形で私自身も勉強し、そしてアピールをしていきたいというふうに考えております。

 きょうは貴重な質問時間をいただきまして、本当にありがとうございました。

仙谷委員長 次に、岩國哲人君。

岩國委員 民主党の岩國哲人でございます。

 民主党を代表いたしまして、尾身財務大臣初め各大臣に質問させていただきます。

 まず最初に、尾身大臣の御認識もお伺いしたいと思いますけれども、この決算行政監視委員会という委員会について、いろいろな委員会がたくさんございますけれども、どういう認識を持っていらっしゃるのか。

 私は、予算委員会の委員でもございますけれども、いろいろな委員会の中でも、国会として国民に対して一番大切な委員会、少なくともその一つではないかと思います。税金の使い方が適切であったかどうか、あるいは、官、いわゆる行政が適切な国民へのサービスを行っているのかどうか、公平、公明な行政が行われているか。これは、恐らく国会が、立法府が、行政府との関係において、その接点に立ち、国民に対する義務を果たすべき一番大切な委員会ではないか、また、きょう御出席の理事また委員の方もそういう認識を持っていらっしゃる、私はそのように思います。

 尾身大臣御承知のように、今から約十年前に決算委員会が今の決算行政監視委員会に強化されました。その理由は何だったのか、大臣の御認識を伺いたいと思います。

尾身国務大臣 予算委員会におきまして、予算を毎年審議をいただき御決議をいただくわけでございますが、結果としてその予算が本来の趣旨に沿って適切に使われたかどうか、そういうことをしっかりと議会から見ていただく、そういう意味で、この決算行政監視委員会、大変大事な委員会であるというふうに考えております。

岩國委員 そういう認識をお持ちの大臣の御出席でこの委員会はきょう開かれておりますけれども、私は、そうした、予算の適正な執行が行われているのか、あるいは行政が公平であったかどうか、国民に対する義務を果たしておったかどうか、いろいろな観点から質問を申し上げたいと思いますけれども、残念ながら、それぞれの省庁の大臣の御出席がいただけない。これは大変残念かつ遺憾に思います。

 大臣の役割は何か。これはもう釈迦に説法ですけれども、要するに、民の立場から官を、国民を代表して行政機構をしっかりと監視、監督し、そして指導する、その任にある大臣がこの場におられなくて、その大臣と直接の質疑ができない。結局は、それで担当の官僚、局長さん初め皆さんに御苦労だと思いますけれども、監督される立場の人に監督すべき大臣が適切な仕事をしておったかどうかを私はお伺いしなければならないというのは、大変おかしな委員会になっているんだと思います。

 これは、こういう日程になってしまった以上はやむを得ないことでありますけれども、国会としての最も大切な機能あるいは義務というものを放棄していると非難、批判されかねないようなこの委員会の開催日程については、委員長、また大臣、各党代表の理事さんにもぜひとも私は御一考をお願いしたい、そのように思います。

 最も大切な委員会でありながら、その委員会の機能をみずから薄めるような日程をなぜこのように組まなければならないのか。いや、大所高所からの国会日程があって、ほかに重要法案があってと、各党いろいろな御説明をされることだと思いますけれども、しかし、国民は、この役所のお金の使い方はおかしい、あるいは役所の仕事ぶりがおかしい、いろいろな疑いの目を、疑惑そして不信感を高めているときであるがゆえに、不信感は単に政治家だけが不信の対象になっているのではなくて、行政、役所も大きく不信の対象になりつつある。県庁の裏金づくりもそうです。

 大臣だけにこういうことを、苦言を申し上げるのは大変恐縮ですけれども、大臣も含め委員長も各理事さんも、この決算行政監視委員会という大切な委員会をどういう時期にどういう環境において開くべきかということを、ぜひとも御一考、御再考いただきたいということを申し上げまして、私の質問に入らせていただきます。

 まず、原発事故について経産省にお伺いしたいと思います。

 原発事故については、東京電力だとかあるいは北陸電力だとか、いろいろな電力会社の名前が挙がっております。そして、あっと驚くように、何年も前のものが大事に大事に隠ぺいされておった。何カ月前ではなくて、何年間もこの隠ぺいが功を奏しておった。その間、この国会も国民もそういう危険な事故が起きておったということを知らされないままに来ております。

 今、世界各国において、温暖化防止、気候の変化、クライメートチェンジということは、どこの国会でも政府でも取り上げられる大切な問題になっています。その中で、あるいは有力な解決策の一つかもしれないと期待されている原子力発電について、このように、もともと危険な要素がありながら、しかも危険な事故がそのまま隠ぺいされてきたということは大変ゆゆしき問題だと私は思います。

 そこで、経済産業省にお伺いしますけれども、こうした原子力発電の事故に対する検査、監督の機能はどこに存在するのか、まず端的にそれをお答えいただきたいと思います。

広瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力発電施設に対します検査は、経済産業省原子力安全・保安院が担当をいたしております。

岩國委員 それでは、原子力安全・保安院は経済産業省から独立した機構ですか、それとも経済産業省の監督指揮下にある組織ですか。

 この質問は私はあえて申し上げますが、原子力発電を推進したいという立場の経済産業省と、そして今度のような事故を監督する立場、言ってみれば証券市場の推進を一生懸命応援しなければならない財務省、そういったような立場と、それを監督、そして不正な事件を摘発する、アメリカでいえばSEC、これはSECが完全に独立しているからこそあれだけの機能を発揮してきているわけです。

 そういう点から、原子力安全・保安院というのは、完全に経済産業省から、また経済産業大臣の指揮、影響から分離独立しているかどうか、その点を御確認いただきたいと思います。

広瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力安全・保安院は、経済産業省の中の一つの組織でございますので、経済産業大臣のもとでその業務を果たしております。原子力安全・保安院は、経済産業省の中で、特別な機関として、専ら原子力安全、産業保安を担当しておる組織でございます。

岩國委員 遠い席から何回も何回も出ていただいて大変気の毒に思いますけれども。

 経済産業省というその立場と今の原子力安全・保安院の任務とは矛盾していると私は思うんですね。決して原子力安全・保安院というところが原子力発電の推進を妨害する役目を負っているとは言いませんけれども、原子力発電をどんどんどんどん推進したいという役割を担い、その予算を持っている経済産業省と、そこが事故を起こした場合に、いろいろな関係した企業、メーカー、そういうところが何をしているかということを、完全に独立した立場でなければ、経済産業省が監督し指導し、場合によっては補助金を交付しているような企業がいろいろな不正を行った場合に、経済産業省の立場というのは非常にまた難しい。

 しかし、ある意味ではこういう事故を摘発すべき、国民の安全のための警察と言えるこの原子力安全・保安院というのは、こういう大臣の監督や影響のもとにあるのは私はおかしいのではないかと思います。今まで、そういう意見は外部からも内部からも一遍も出たことはありませんか。どうぞお答えください。

広瀬政府参考人 お答え申し上げます。

 原子力安全・保安院は、経済産業省の中で、原子力安全、産業保安の任務に当たっております。私ども、特に原子力安全の分野の業務につきましては、内閣府に原子力安全委員会という組織がございまして、私どもの原子力安全・保安院の原子力安全の業務が適切かどうかということを常に監視していただいております。

岩國委員 原子力発電四季報というのを私はたまたま受け取って、その最後のページに「原子力発電所関連の主な不祥事」、これは、自分たちの業界の不祥事をみずからこういう四季報に載せるというのは非常に珍しいし、大変賢明だなと思われるかもしれないけれども、これは、やむにやまれず、新聞がどんどん書いていることを、自分たちの言葉で書きかえてここへ掲載されただけだろうと私は思います。現に、今までこういう事故が内部であっても、一切外部に公表しないページがここにできております。

 それを見ますと、これは随分古いものの不祥事がずらずら並べられておられるんですね。原子力安全・保安院が、あなたが先ほどおっしゃったように十分機能しているのであれば、なぜこういうことが起きたのか。おかしいじゃありませんか。偽装された報告書を見抜けないような能力しかないようなところが、どうして国民の安全を守ることができるのか。

 繰り返しになりますけれども、こうした偽装報告書あるいは手抜き検査等が官の側にもあったかもしれないという想定のもとに、私は、民間の東京電力社長、その他民間企業の代表とともに原子力安全・保安院の院長もこの場へ来て、この決算委員会で参考人としてぜひ真実を語っていただきたい。委員長、ぜひ参考人要求を理事会でお諮りいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。

仙谷委員長 理事会で協議します。

岩國委員 ありがとうございます。

 次に、県庁の裏金について質問いたします。これは総務省の担当か検査院の担当になるんでしょうか。

 日本の各地で知事選が行われ、そして終了しました。新しい知事さんが、あるいは今までの現職の知事さんがこれからまた任につかれるわけですけれども、この中で、各県庁の裏金について、私は以前にもこの決算委員会で質問したことがあります。四十七都道府県全部ではなかった、しかし、かなり疑惑度の高いところについては、問題のありそうなところについては限定して、そのときに報告書を出されたことがあります。

 今現在、四十七都道府県、どこの県を検査しても、裏金の残高はもう既にゼロになっているかどうか、潔白宣言はできるのか、残高ゼロ宣言はできるのか。担当の省、お答えいただけませんか。

仙谷委員長 だれ、どなたに。

岩國委員 これはレク取りのときは総務省にたしかお伺いしておったと思うんですけれども。

 失礼、会計検査院です。

仙谷委員長 会計検査院、来ていらっしゃいますか。

 先生、会計検査院は呼ばれていないですよ。

岩國委員 私の部屋の手落ちだったかもしれませんけれども、会計検査院、この質問はレクでは話しておりますけれども、おいでいただいていないようですから、今からでは……(発言する者あり)来ていただいていますか。では、来ていらっしゃるんだったら……(発言する者あり)政府参考人としてではなくて。そうですか。

 それでは、私が一方的に意見だけ申し上げて、答弁を求めないことにいたします。

 こうした知事選が終了し、これからの地方の時代、そして新しい知事、市長に対する期待もまた一段と高まっているはずですけれども、しかし、役所の中の裏金という問題について、依然として、どこでもそういう裏金があるんではないかという疑惑はいまだに尾を引いております。都庁にしてもそうです。特に岐阜県といえば、ああ、あの裏金で有名なと、大変気の毒ですけれども、岐阜県という名前がよく出てくる。

 私は、一遍この決算委員会でこそ、予算委員会とかその他の委員会ではなく、決算委員会で、岐阜県の知事さん初め、いろいろと既にそういう裏金の存在を認められたところの知事さんに、ここで、どういう方法で裏金がつくられたのか、どういう方法でそれをなくしたのか、それについて参考人としてお話しいただきたいと思います。これもぜひ委員長としてお取り上げいただきたい。理事会でお取り計らいをお願いいたします。

仙谷委員長 理事会で協議いたします。

岩國委員 ありがとうございます。

 次に、中小企業対策についてお伺いいたします。

 お手元にお配りしました資料をごらんいただきたいと思います。その中で、農業関係予算と、そして中小企業関係の予算、これを見ていただきますと、資料1をごらんください。

 左の方は、これは、いわゆる中小企業と言われるところが毎年どれだけ税金を払ってきたか、平成に入ってからの十七年分をそこにまとめております。それを一〇〇とした場合に、政府の予算の中で中小企業対策費として計上されたものは、当初予算ベースですけれども、どれだけの金額であったか。一〇〇とした場合に、そこに書いてありますように、三とか四とか五とか。一〇〇の税収に対して、政府からのお返しというとおかしいんですけれども、中小企業頑張れという対策費は、百円の税金を払うと、一円玉三つがちゃりんといって返ってくる、この程度の話なんですね。

 これに対して、今度、右側の農業の方をごらんください。農業所得者の税収は毎年どれだけだったか。それを、その税収一〇〇に対して農業関係予算はどれだけであったか。これを見ますと、大体百円玉一個に対して一万円札が返ってくる、こういう比率になるんです。これはもちろん、農業に対してはいろいろな事情もあり、あるいはそうした過疎対策等も含めて、農業に対しては、私が育った島根県もそうですけれども、私も小さいときから農業をやっておりましたから、農業といわゆる中小企業とはいろいろな意味で環境も違います。しかし、そういう環境の違い、あるいは国策の上でのいろいろな配慮というものを考慮しましても、江戸時代では士農工商という言葉さえありましたけれども、商業部門に対する、特に中小企業に対する配慮と農業関係の予算の金額と、余りにもその差が大き過ぎるんではないか。

 我々がこの決算委員会で対象にしております平成十七年度のこの数字、これをごらんいただきましても、中小企業は百円の税金を納めると五円の対策費。農業関係は百円の税金を納めると一万一千九十五円の対策費がいただける。百円玉が五円玉で返ってくるところと、百円玉が一万円札に化けて返ってくるところと、これは余りにも差がひど過ぎるんではないかと思います。

 経済産業省、御意見があればお答えいただけませんか。これは中川産業大臣にも私は同じような質問をかつてしたことがあります。どうぞお答えください。

山本(幸)副大臣 お答えいたします。

 税収と中小企業対策費あるいは農業関係の税収と農業対策費、御指摘のような比率になっております。また、その点について先生から中川元大臣に質問された経緯もよく存じておりますが、そのときも大臣が答えられましたけれども、我々が中小企業をしっかりと支えなければいけないということは非常に重要なことだと考えておりまして、この点については、昨年度は三位一体改革で少し落ちたんですけれども、今年度の予算編成で我々全力を挙げて頑張りまして、金額として少ないとはいえ三・四%伸ばさせていただいた。そういう努力は必死でやっているところでございます。

 まさに、そうした予算面あるいは今度は資金面の点からも、中小企業を支援するような施策をしっかりとやっていきたいと思っておりますし、今般の国会でも、地域の中小企業の資源を活用して事業化する場合には支援するというような法案も出しておりますし、そうした形でしっかりと中小企業対策を進めてまいりたいと考えております。

岩國委員 山本副大臣の選挙区であります福岡へ私も呼んでいただいて、たくさん中小企業の方も周りにいらっしゃった。そのころのその方たちの御苦労と、今は全く変わっていないどころか、今の方がむしろ困っている、苦しんでいらっしゃる方が多いんじゃないですか。ほかの選挙区のことを申し上げて恐縮ですけれども。

 私の選挙区の横浜市の緑区、青葉区、こういったところは人口はふえています。いろいろな条件にはまだ恵まれている方ではありますけれども、そういうところの法人会の方たちのお話を伺いますと、こうしたほかの予算に比べて中小企業対策費は余りにもまだ少な過ぎるんではないか、あるいは税制についての配慮も少な過ぎるんではないか。

 平成十七年度については、このように平成十六年、平成十五年等から見ても、ほとんど伸びない予算であり、決算であったわけです。

 これを踏まえて、山本副大臣のおっしゃるように、党内でもいろいろ議論しているとかどうとかおっしゃいますけれども、私は平成十七年に中川大臣に質問しているんです。そして、そのことを既に指摘しました。それから二年間、多数党である自民党はどういう配慮をされたのか。それはことしの予算にどのように反映されているのか。

 税制については抜本的な改革をと私は塩川財務大臣にも予算委員会で質問したことがあります。塩川財務大臣は、中小企業については、いわゆる大きな法人、大企業とは違った税制を検討することが必要ではないかと。いわゆる個人企業と言われるようなところは、一般家計と、ほとんど家計の延長、一つの変形という言葉を使って財務大臣は私に答弁されました。

 であるならば、一般企業とは切り離して、例えば米国でも議論されております一律二〇%、フラットタックス、二割さえ税金として納めれば八割は自由に使える、そのような簡明化した、生き生きとした、単純な、そういう税制にまず限定してそれを始めてみるという発想は経済産業省にはないものかどうか。まずその点をお伺いしたいと思います。

山本(幸)副大臣 お答えいたします。

 予算については、今年度予算で伸ばさせていただいていることで、努力をしているつもりでございますし、税制改正も、十八年度、十九年度で、かなり中小企業については抜本的な改正を行ったと私どもは認識しております。

 例えば、中小企業関係者から大変要望が強かった中小同族会社に対する留保金課税制度の撤廃あるいは減価償却制度の抜本的見直しを含めた設備投資関係税制の拡充、事業承継税制の拡充などが実現しているわけでありまして、かなり抜本的な改正を行ったと思っております。

 ただ、御指摘のフラットタックスの観点についてはまだこれからでございますが、法人税の抜本改革について、本年秋以降、税体系の抜本的改革をやるということになっておりますので、その中で、私どもも先生の御指摘も踏まえて議論もしていきたいと思います。ただ、個人所得税等のバランスもございますので、その辺を踏まえてしっかりと議論してまいりたいと思っております。

岩國委員 こうした平成十七年度の決算を我々はここで審議させていただいておりますけれども、しかし、その平成十七年度のときの議論というものが二年たってまだ十分に生かされていないというのは、恐らくここで議論したことは、あと二年してもまた同じことをおやりになるんじゃないかと。現に、そんなことが延々と続いている。

 私のお配りしたその資料を見てください。もうほとんど二十年間、中小企業の方たちは、百円の税金を払って受け取るのは三円か四円か、せいぜい五円玉ですよ。こういう状態をいつまで続けるのか。これで本当に、日本の法人数の九九・七%を占めている、雇用の七一%、言ってみれば日本そのものと言っていいぐらいのウエートを持っているところでありながら、〇・三%にしかすぎない大企業にはいろいろな意味で優遇が行われ、九九・七%というほとんどすべての日本の会社に対しての対策費は、私は、これでは少な過ぎる。予算面での限度があるならば、税制面でもっとしっかりと、ああ、日本へ行けばとにかく会社を起こしやすい、日本へ行ったら店を持ちやすい、そして、長寿高齢化の時代、六十歳で、六十五歳で定年になられた方が、自分たちでも三人寄れば文殊の知恵、三人寄れば、経理担当、営業担当、技術担当、三人の仲間で新しい会社がどんどん起こせる、会社の数がどんどんふえていく、そのような中小企業対策であり、また税制が必要ではないかと私は思うんです。

 私は、自分でこの数字をじっと眺めながら、そして私自身、出雲市という農業地帯の市長を務めてまいりましたけれども、しかし、私は農業をもっともっと下げろということを言っているのではなくて、農業と中小企業と、同じ汗を流し、一生懸命苦労している仲間でありながら、これほどの格差というのが認められていいものかどうか。今この国会では格差問題ということが一つの大きなテーマでありますけれども、地域格差に加えて、東京を一〇〇とすれば、地方は六〇、五五、五〇、沖縄のようについに五〇を割ったところもあります、島根県のように五二のところでとまって、来年、再来年には五〇を割るようなところもあります。

 この地域格差に加えて職業格差、職業によって、これだけ国の予算の配分が違ってくる。百円玉が五円玉にしか返ってこないところと、百円玉が一万円札になって返ってくる職業、この差は二千倍ですよ。激しい、驚くようなこの格差、職業によってこれだけの国の配慮、あるいは税制の待遇の上で二千倍の差というものが、いつになったらこれが縮まっていくんですか。二年たっても縮まらない、恐らくあと二年しても同じことを私はここで言わなきゃいけないかもしれない。

 永久に日本というのは、この二千倍の職業差別というものを維持していくのかどうか。これは政治の大きな問題ではないかと思います。特にこれから長寿高齢社会で、自分たちでも会社を起こそうという人たちは、農業をやるのか、あるいは中小企業、会社をつくるのか、これも、大きな二千倍のこの差を見せられたのでは、恐らく足がすくむのではないかとさえ思います。

 そのことを強く要望して、次の質問に移らせていただきます。

 医療格差ということも大変問題になっておりますけれども、私は、この新年、各地の新年会に出席して、その中で、お医者さんの保険医協会、病院協会、医師会、お医者さんの関係の新年会ほど暗い話を聞かされたことはありませんでした。尾身大臣も御存じのように、お医者さんというのはめったに社会に対する不平不満、政治に対する愚痴、批判はなさらない団体、組織であると私はイメージしてきましたし、昨年まではそのとおりでした。しかし、ことしの新年会の様子は随分雰囲気が変わって、知事に対し、あるいは政令都市の場合には市長に対し、あるいは政府に対し、あるいは政党に対し、いろいろな不平不満、批判というものが飛び出しております。

 これは、急にお医者さんの生活だけが苦しくなったのではなくて、患者さんとの会話の中で、そして患者さんをずっと診てこられたお医者さんたちが、やむにやまれずついにそういうことを発言してこられたと私は思います。日本の医療行政に対して医療の現場からの批判が非常に強くなってきている、こういうことについて厚生省に私は質問をしたいと思います。

 新しい医療関係の制度、これは二年前から始まった医療費を圧縮するための医療制度の改革という中で、お医者さんの診療報酬、そして病院の収入というものがどういう影響を受けてきているのか、それはこの平成十七年度から始まったのか、平成十八年度から始まっているのか、既にこの平成十七年度の決算、予算の中に、その新しい医療改革というものは数字的に、予算的に、もうこの中に入っておったのかどうか、その点をまずお伺いしたいと思います。

    〔委員長退席、古川(元)委員長代理着席〕

白石政府参考人 お答えいたします。

 医療費の支払いの大宗を占めております健康保険の診療報酬につきましては、平成十八年の四月一日に過去の中では相当大きな規模でありますマイナスの改定を行っております。したがいまして、今の御質問にお答えする形で申し上げますれば、直近の診療報酬改定の影響というものは十七年度の決算に影響はない、このように考えております。

岩國委員 こうした医療制度の改革の方向が、医療現場から見ると、将来の国の医療費負担というものが非常に過大視されているんじゃないか、そのような批判も私は聞いております。そうした点について、医療費の将来推計というものを厚生労働省が発表された。その中では、二〇一五年の国民医療費を約四十七兆円、二〇二五年度六十五兆円、そういう推計をし、そして、医療制度改革を行った場合には六十五兆円になるはずのものが、約十兆円減って五十六兆円にとどまる、そういう抑制効果をアピールしておられるわけです。

 しかし、平成十八年四月から始まった診療報酬の改定、医療費の改定というものが病院の経営あるいは医師の収入というものも直撃し、その結果がことしの一月の新年の賀会のときに発言がもう出てきていると思うんです。十二カ月を待たず、十カ月そこそこで、いろいろな病院がなくなった、そして医師の数が減ってきた、そこの病院に勤めておったお医者さんがおられなくなった、そうした影響が出てきておりますけれども、厚生労働省ではそういう統計をしっかりとまとめておられるはずですが、どれだけ全国において医師の数が変化したのか。二番目に、いわゆる病院というものの数がどれだけ減っていったのか。この二つの数字を、この一年間、約一年間についてまとめたデータがあれば、答えていただきたいと思います。

白石政府参考人 病院の数の方からまず申し上げますと、大体九千五百前後、ちょっとうろ覚えで恐縮でございますが、ここ数年間、少しずつ減っているという形で推移をしております。大きな変化がここ一年にあったわけではございません。

 それから、医師の数でございますけれども、毎年リタイアされる方と新規に七、八千人の医師国家試験に合格した方の差がございますので、大体毎年三千五百人から四千人ぐらいのオーダーでお医者さんの数は増加しておる。

 ただ、お医者さんの数にちょっと敷衍して申し上げれば、そのお医者さんというものが必ずしも全国に均等に就職しているわけではございませんで、各都道府県の中でも、やはり県庁所在地を中心にしたところと郡部の間では、人口当たりの勤務しているお医者さんの数というのには相当な差がございます。

岩國委員 こうした医療格差というものが全国的に広がり、しかも、格差そのものが拡大しているという認識は厚生省もお持ちだろうと私は思います。しかし、それは地方にだけ起きている問題ではなくて、東京のすぐそばの神奈川県でさえもそれは起きております。地方から見れば、神奈川県はもう十分首都圏。

 その中で、神奈川県の保険医協会理事長の平尾さんが、論文の中で、厚生省の将来の国民医療費負担というものは過大に推計されているんじゃないかという指摘と、そしてもう一つは、神奈川県だけではなくて全国各地で、地域的にはありますけれども、各市町単位でそうした医療費の増加というものを抑制し、患者負担を減らし、診療報酬を上げ、そして、国民医療費を減らすという方向に向けての、診療報酬そのものは国が決めることですからできませんけれども、そうした、国全体で患者負担を減らし、診療報酬を上げ、しかし、国民医療費を減らす、この三つのセットでいろいろな努力をされている。ぜひ私は、この論文を皆さんもお読みいただきたいと思います。これは、神奈川県の保険医協会の理事長、平尾理事長のものですけれども。

 全国各地でどういう取り組みがされているか、それを積み重ねていけば、長野県の例については皆さんもよく御承知だと思いますけれども、それを一つ一つ積み重ねることによって、決して将来の六十五兆円という恐ろしい数字だけ、それを早目にブレーキをかけなきゃいかぬ、そういう、皆さんも、焦り、思い、緊迫感というのをお持ちだからこそ、早目早目に、こういう対応をされたと思います。

 しかし、ブレーキのかけ方によっては、結局、医療行政あるいは安心できる日本の医療の仕組みというものを壊しかねない。壊してしまっては、ブレーキを早くかけ過ぎて車がだめになったというんじゃ何にもならないわけですね。車を壊さない程度にブレーキはかけなきゃならないので、どういう方向に持っていくのか、皆さんの方でぜひとも早急に再検討をしていただきたいと私は思います。

 私は、出雲市長を務めましたときに、昔は衣食住ということを言いました。着るもの、食べるもの、住むところ、衣食住、だれでもわかることですね。私は、その言葉をかえて、治療の、医者の医にかえ、食べる食は職業の職。いいお医者さんがいて、いい職業がある、そして住む環境があれば。私は、この医職住を私の政策公約、マニフェストに掲げて市長選挙を戦いました。

 いろいろな御協力をいただいて、出雲市には国立の医科大学もあり、県立の中央病院があり、その屋上からヘリコプターが出たり入ったりする。僻地のためにも非常に活躍し、それでは開業医さんは大きな病院が来たから減ったかというと、開業医さんの数は人口当たりでも一位です、県内では。その上、難病研究所もある。易しい病気はすぐ近所の開業医さんに、ちょっと難しければ県立中央病院に、もっともっと難しければ医大の附属病院、もっともっともっと難しければ難病研究所もある。出雲市はおかげさまで、どこへも行かなくても、出雲市の中で簡単な病気から難しい病気まで全部手当てを受けられる。

 県立中央病院が新設されたとき、私は言いました。安心して病気になってください。あの建物を見ていれば、けんけんしてでも行けるところ、もう安心して病気になってください、私はそう言って歩きました。私が安心して病気になれと言うものですから、余り病気にならなくなってしまった。私はこういうことも大切だと思うんですね。医療制度が充実している、お医者さんも多い、いつでも安心して病気になれると思うと、人間というのは逆に病気が減っていくものなんです。そういう心のある医療行政というのもやっていただきたい。

 これは、自民党の青木幹雄先生が参議院でおっしゃいました。隠岐島というところはお医者さんがいなくなる、赤ちゃんを産むのにその出雲市のヘリコプターで、昔は赤ちゃんはコウノトリが運んできましたけれども、今は出雲市ではヘリコプターが赤ちゃんを運ぶ。それでもいいんです、そういうことに役に立てば。

 そういう、地域地域に合った医療行政というもの、神奈川県には神奈川県の、そして地方の県には地方の県に合ったような医療行政を、急ブレーキさえ踏めばスピードは落ちて安全運転になるんだ、それは本当に安全運転なのか、それこそが危険運転なのではないか、そのように私は思います。医療行政のあり方について、この十七年度決算だけにとどまらず、十八年から始まった新しい予算的な措置も含めて、全面的な、早急な見直しというものは国民全員の願いではないかと私は思います。ぜひそういう方向でお願いしたいと思います。

 次に、いわゆる二重国籍といいますか重国籍についてお伺いしたいと思います。

 これは、担当は法務省、おいでいただいていると思いますけれども、フランス、スイスに在住しておられる日本人の方からのいろいろな請願、陳情が相次いで来ていると思います。

 最近は、これは日本に限らず世界の流れですけれども、留学生がどんどん外国へ出かける。留学した結果として、あるいは海外勤務の結果として、あるいは企業そのものが海外へ移転した結果として、こういう国際結婚というものがふえ、また外国でお生まれになる赤ちゃんも多くなってきています。

 そこで、国籍という、ややこしい、しかし一人一人にとっては大切な問題が激増しているわけですよ。この問題について、日本は、そうした日本国籍のほかに外国の国籍を持つという方向に緩和しつつあるのか、逆に、外国の国籍は持たせないという、いわゆる純血主義というんですか、方向に動いているのか、どちらの方で行政は対応しておられるのか、お聞かせいただけませんか。

    〔古川(元)委員長代理退席、委員長着席〕

寺田政府参考人 おっしゃるとおり、非常に国際的な、人的な交流というのが盛んになっております。国際結婚で見ますと、もう毎年、増加の傾向にございまして、十年前に比べますと何倍というようなオーダーでこれがふえてきているわけでございます。

 私どもの関係で申しますと、国籍法というのは、常にそれぞれの国が国籍を与えるという形で、専権事項で決めておりますので、当然のことながら、二重国籍ということが今おっしゃるとおり起こっているわけでございます。

 しかし、私ども日本の政策といたしましては、かつて国籍法の改正をした際に、それまでは、父が日本人の子供が日本人であるということになっていたわけでございますけれども、父または母が日本人である子が日本人であるという、父母両系主義と申しますが、そういう主義に変換した際に、二重国籍が非常にふえるだろうと予想されたものでございますので、日本といたしましては、これをできるだけ防止したいということで、国籍の選択の制度というのを設けまして、二十になりますと、二十二歳までの間に、二重国籍の方はどちらかの国籍をお選びいただくような仕組みを、その際に国籍法の中に組み込んだわけでございます。

 もともと、帰化等の要件を見ましても、日本の国籍を取得する、すなわちこれが帰化でございますが、する際には、外国の国籍を離脱していただくというのを原則にしておりますので、我が国の国籍法としてはかなり徹底した重国籍排除の考え方であろうと言えると思います。

岩國委員 日本という国は、私も海外から日本を随分長いこと見ておりましたけれども、いわゆる資源に乏しい国です。石油もない、石炭もない、鉄鉱石も少ない。そういう資源の乏しい日本で、たった一つの資源は人間という資源だ、私はそう思い続けてきました。これからの日本の国際化というときに、どこかの国に資源を売ってあげるというようなことはとてもできません。人間だけが日本の財産ではないか。

 そういう考えに立脚すれば、海外で活躍されていらっしゃる日本人の方が、そういう国籍のしがらみとか、あるいは日本の国籍法ということが、海外で生活し、あるいは海外で子供をお育てになるときに、それがしがらみになって、マイナスになるようではいけない。海外へ出かけていく人にはいろいろな苦労もあります。その御苦労を少しでも軽減し、そして家族が幸せに暮らせるように、そして、御当人だけではなくて、そのお子さんも含めて、相手の奥さんも含めて、日本の国籍法というものがよその国と比較して非常におくれているということが、海外における、日本の顔をし、日本のために、そして会社のために努力していらっしゃる人たちの障害や負担になってはならないと私は思うんです。その思いは寺田局長も恐らく同じ思いであられると思いますけれども。

 そこで、資料3としてお配りしました、これを見てください。これは「諸外国における重国籍に関する法制度」。これを見ますと、日本のところには丸印、イギリスはペケ印、カナダもイタリアもフランスもロシアもみんなペケ印。丸とペケというこの記号は、丸というのは普通はいいことをしたときに丸をつけるものなんですね。これはちょっと記号のつけ方が逆じゃありませんか。

 これは、重国籍を認めてほしいという人に対してどういう対応をしておるかというときに、私はこの印を見たとき、ああ、日本は丸だ、ところが文字を読んでみて、要するに、これは非常に厳しいというところに丸がついておって、そしてヨーロッパ諸国のように、お互いに国境が接近し、そういう交流が非常に数が多いところにおいては重国籍を認めていこう。重国籍を認めているところにペケ印がついているんですね。それを認めないよというところに丸印がついている。こういう理解でよろしいんですか。私の理解がもし間違っていれば、この記号のつけ方は。そして、この記号のつけ方は、よその国も同じような記号のつけ方をしているのかどうか、同じような観点から。お答えください。

寺田政府参考人 これは私どもで重国籍の法制度を説明する際に、外国の国籍を取った場合に、その国の国籍を失うかどうかということを基準に考えておりますので、失うものが丸、つまりこれは二重国籍を認めないものが丸、失わない、つまり二重国籍も容認するというのがバツというふうになっておりまして、これはたまたま、当然喪失をするかどうかということを基準に考えているものでこういうことになってございますので、当然のことながら、常に二重国籍を認めるかどうかということでマル・バツが一律に決まっているものではございません。

岩國委員 これは実際に国民の立場、あるいはこういうことについていろいろと悩んでいらっしゃる立場の方からいえば、この丸印とペケ印は全く私は逆だと思いますよ、赤信号と青信号が。

 そして、それは喪失するという表現をされましたけれども、喪失させるわけでしょう、法によって。私は別に失いたくないんですと窓口でおっしゃったら、失わなくていいのか。そうではなくて、喪失させるんでしょう、強制的に。私は日本国籍を取得したい、しかし、今フランスに住んでいるから、フランス国籍のほかに日本国籍もといった場合に、あなたは日本国籍を取ったらフランス国籍は持ってはいけませんよ。フランス国籍を喪失するということは、言葉をかえれば、きついんですけれども、もう一つの国籍を奪い取るということでしょう、国が。奪われるということですよ、窓口にあらわれた人から見れば。

 そういう非常にきついというか、そういう法制度に対して、これはいろいろな各国に住んでいらっしゃる日本人の方からいろいろな請願とか陳情というのは毎年のように来ているんじゃないかと思いますけれども、この十年間でどれぐらいの件数、どれぐらいの人数の方が実際に国に対して異議というか陳情をされたのか、簡単な数字で結構ですから、お答えいただけませんか。特にどの国からそういうことが非常に多くなってきているのかもあわせてお答えください。

寺田政府参考人 まず、国でございますけれども、これは二重国籍を比較的認めやすいというスタンスをとっておられる国に国籍を置いておられる方々、すなわちフランスでございますとかそういうヨーロッパの国、あるいはカナダ、オーストリア、そういうようなところが中心でございます。

 人数でございますけれども、これは団体の請願も来ておりますので、確定的には申し上げられませんけれども、請願そのものとしては、ここ三年間に二十ぐらいの規模で来ておりまして、私ども推測するところでは、トータルとして、関係者は約一万人ぐらいの方が請願をなさったというように理解をいたしております。

岩國委員 それでは、今現在、日本に居住している人の中に重国籍を持っていらっしゃる方はどれぐらいあると思っておられるか、それが一つ。

 それから、先般、四月四日の新聞で私も知りましたけれども、高さんとおっしゃる御家族、ある国に拉致された。ある国というか、報道では北朝鮮ということになっておりますけれども、拉致された。そして、その高さんは二重国籍の方だったんですか、それとも日本国籍だけだったんですか、それとも北朝鮮の国籍を持っておられたのか、その三つの中のどれだったのか、それをお答えいただけませんか。

寺田政府参考人 まず、重国籍の人数でございますけれども、先ほど申しましたように、昭和五十九年に法改正がございまして、それから二重国籍ということが激増しているわけでございますけれども、私どもが推定している範囲では、現在まで約五十万人の方が日本とほかの国との重国籍をお持ちだというように理解をいたしております。ほとんど九割以上の方が、生まれたときに重国籍でいらして、それをそのままお続けになっておられる、こういうことであろうかと考えております。

 それから、先ほどの特定の問題について、どういう問い合わせがあって、どういう回答をしたかということでございますが、私どもも、この国籍についてはいろいろなお問い合わせが関係者の方からございます。関係者の、御本人あるいは代理人がおいでになった場合には、どういう国籍の関係になって、どことどことの二重国籍だということを当然のことながら前提にいろいろお話を申し上げますけれども、非常にプライバシーにわたることでございますので、関係者以外の、つまり御本人以外の方々に対しましては、基本的にはこれはどういう関係にある、どういう国籍状態にあるということは申し上げないということにいたしておりますので、恐縮でございますが、その点については差し控えさせていただきたいと思います。

岩國委員 何度もお出かけいただいて恐縮ですけれども、この特定の事件を新聞では北朝鮮国籍と。それは、日本で生まれて日本の国籍を取得しないという意思表示をされたから一つの国籍だけを持っておられたのか。

 また、こういう特定の国に限らず、二重国籍、日本以外の国籍を持っていらっしゃる方は、一元的にどこの役所にそれはきちっと整理されているのか。

 三番目に、警察庁はそういうデータを持っているのか。外務省が持っているとは思いませんけれども、法務省にはそろっているのか、両方にあるのか、法務省にしかないのか。

 そして、新聞報道では北朝鮮となっておりますけれども、これが事実でないとするならば、法務省は、各メディアに対して、事実でないことを事実であるかのごとく国民に報道することについて当然注意をされなきゃいかぬと思うんです。あのように報道されているということは、何らかの裏づけがあったのか。

 まとめて聞きます。

 そういうメディアに対して、問い合わせがあったときに、法務省にきちっとした重国籍に関する資料、名簿があるとするならば、外部からの問い合わせに対してはお答えになっておるのかどうか。外部、それは他の官庁あるいは官房長官からの電話だったら、それは四月四日の十一時に答えましたとか、警察から、これも答えます。メディア、答えません。それでは、親族、自分の父親が二重国籍かどうか、自分の父親の国籍を実のお子さんが問い合わされた場合もそれは拒否されるのか、ちゃんとその情報は提供されるのか。親子、親族の間での問い合わせに対して、日本の国籍に関する情報提供というのはどのようになっているのか。それをお答えいただけませんか。

寺田政府参考人 これは、先ほども推測では申し上げたわけでございますけれども、基本的には、日本国籍があるかどうかということは戸籍の記載によって把握できるわけでございますし、戸籍の副本というのは法務局にも保管してございますので、市町村あるいは法務局においては、日本国籍を有している者かどうかは当然のことながらわかるわけでございます。

 その中には、生まれたときに、相手方の、妻が日本人であれば、国際結婚であれば外国人のだんなさんということになるわけでございますけれども、その国籍法によってそこの国の国籍も取得するかどうかも、これは法務局では外国法の調査によってわかる仕組みになってございますので、基本的に、ある者が日本国籍とどちらかの重国籍を有するかどうかということは、法務局では把握できる状態にあるわけでございます。

 これをどう関係者の方に情報開示するかということでございますけれども、先ほど申しましたように、御本人には当然のことながらこれを御説明することはしばしばございます。また、官庁の問い合わせでございますけれども、そういったものも行政目的として、当然国家公務員法の守秘義務というものがかかった状態になるわけでございますけれども、情報を提供する場合もございます。

 問題は、最後におっしゃいました親子兄弟でございますが、これは御本人の推測的な意思というものが明らかになっているという場合にはオープンにする場合、情報を提供する場合もございます。それ以外の方には、先ほど申しましたように、基本的に非常に高度なプライバシーに属することでございますので、報道機関を含めましてこれは情報提供しないというスタンスでこれまで対応してきているところでございます。

岩國委員 そうした御本人がカナダの国籍を、あるいは台湾の国籍を、フィリピンの国籍を持っているということも、それは出生のときあるいは結婚のときに必ずしも適切に報告されるかどうか。あるいは、報告を忘れた場合、あるいは場合によっては隠ぺいされた場合、いろいろなケースがあり得ると思いますけれども、法務省が持っておられるデータそのものが不備なものも少しはあるのではないかと私は思います。

 その点について、時間の制約もありますから次の観点に移りますけれども、こうした国籍をもう一つ持つということは、決して差別の対象になるものではないし、かといって特別な尊敬の対象になるものでもないと私は思いますけれども、今まで入学とか就職とかそういうときに、ある別の国の国籍を持っているということをもって差別されたというような事件があったかどうか。そういう相談なりあるいは情報なりを法務省の方で持っておられるかどうか。人権尊重、人権保護という観点から、重国籍というのが日本という社会の中ではどういうふうな問題を起こしているのか、あるいは全く問題を起こさないで、重国籍を受け入れる社会的雰囲気はもう十分に雇用者の方でも学校の面でも整っているというように見ておられるかどうか。どうぞ、お答えいただけますか。

富田政府参考人 お答えいたします。

 法務省の人権擁護機関は、差別等の人権侵害を受けた被害者からの申告を受けるなどした場合に、救済手続を開始し、所要の調査を遂げた上、適切な措置を講じているところでありますが、平成十六年から十八年までの過去三年間に、重国籍者であることを理由として就学や就職の場面において差別的取り扱いを受けたとの被害申告を受け、救済手続を開始した事案は承知しておりません。

 人権擁護上、差別する雰囲気があるかどうかというお尋ねがございましたけれども、今のところその点は、人権擁護機関では具体的には承知しておりません。ただ、一般的には、人権に関する相談につきましては、人権相談所あるいはインターネットによる受け付けシステム等、あるいは窓口を通じて、差別等の人権侵害を受けた被害者等からの相談や被害の申告を受け付けております。また、ポスターやホームページ等で、一般的には差別等の人権侵害を受けた被害者等からの訴えを積極的に呼びかけております。

 今後とも、これらの手段を通じまして、そのような差別的取り扱いの疑いのある事案に接した場合には速やかに救済手続を開始し、適切に対処していく所存でございます。

岩國委員 最近三年間においてそういう事案は承知していないという御答弁がそのとおりであるとすれば、もう既に日本は十分そういった点においては国際社会の中で成熟した社会になりつつあるという一つの根拠になり得るのではないか、そのように私は思います。

 次に、質問をかえまして、こういった戸籍法、あるいは住民票、日本ではいろいろな手続、役所へ行かなきゃいけない仕事は非常に多いわけですけれども、それをICカードその他のカード化することによって役所の業務をもっともっと簡素化してはどうかということを私は以前から考えてまいりました。出雲市でも、総合福祉カードということで、ICカードを使って個人の住所、血液型、アレルギー、持病、かかりつけのお医者さんの名前、電話番号、ファクス、そういうものを入れておけば、どこへ行っても同じような検査や同じような質問、特に高齢化しますと、おばあさんが一人でお医者さんへ行っても、自分で自分のことが答えられない。そのときに、お嫁さんがいつも一緒に行く。しかし、お嫁さんは今はもうどんどん共稼ぎで職場へ行っていらっしゃる。おばあちゃんは、結局お嫁さんが帰ってくる土曜日まで待たないとお医者さんにも行けない。お医者さんに自分一人でも行けるようにということで、そういう体に関する情報を一枚のカードにする。

 この普及がなかなか進まなかったのは、全国統一番号というものが整備されなかったから。しかし、住民基本番号というものが、法律が新しく整備し、そして各地でそのような環境が整ってきたと私は思います。

 この住基カードについては、その後どのように進んでいるのか。また、住基カードという役所へ行ったときに何か証書をもらうだけのカードではなくて、もっと治療にも。基本的なデータはその中へ入っている。もちろんプライバシーには十分配慮し、何を入れてはいけないか、どこまでは入れていいのか、それぞれの自治体で工夫されるべきだと私は思いますけれども、そうした工夫をしたその前提で、いろいろなショッピングにも、あるいはその他の運転免許証にも、あるいは年金を受け取るための年金カードにも、複合的なそうした多目的の住基カード、あるいは名前はもっと別の名前の方がいいと思いますけれども、そういう住基カード、住民カードというものはどの程度今普及しつつあるのか。

 二番目に、今現在の数字はまだ低くても、そういう取り組みがいろいろなところで、複合的な、持って便利な、持って安心な、そういう一枚のカード、男ならポケットに、女性ならハンドバッグの中にそれ一枚あれば、いざという災害のときに、阪神大震災のときには六千人以上の方が亡くなられました。そして各地で治療、手当てを待つ人が行列、そういうときに一々、血液検査、アレルギー、そういうことを聞いているうちに、もう次々と行列の中で倒れていかれたのです。こういう救急救命カードにもなる。意識を失ったときにも、その一枚のカードが、自分の家と自分の家族と、そしてかかりつけのお医者さんの名前、電話番号、ファクス、そういうのが打ち込んであるがゆえに命を守ることができた。救急救命カード、災害対策に、あるいは年金の受け取りに、いろいろな健康診断のためにも、運転免許証に、あるいはパスポートも兼ねるような、そういうもっと多目的、複合的なカードの普及が必要だと私は思います。

 それでなかったら、何であの法律をいろいろな議論をしながら成立させたのか。その成果が上がっていないではありませんか。あのとき、その成立に一番熱心だった、当時の自治省、今の総務省の松浦さんが、今は島根県の松江市の市長をしておられるはずですけれども、一番熱心だった人の松江市ではどれぐらい進んでいるのか、それも含めてお答えください。

藤井政府参考人 幾つかお尋ねがございました。

 まず、普及状況ということでございますが、この制度は平成十五年八月から始まっているわけですが、平成十六年三月には二十五万枚、平成十七年には五十四万枚、平成十八年三月末では九十一万枚、それから平成十八年八月現在では百九万枚ということで、まだ数は少ないですが、徐々に増加しているというふうに認識しております。

 それから、二点目に、住基カードの多目的利用の状況についてお尋ねがございました。

 御案内のとおり、住基カードは、本来は窓口の本人確認とかあるいは公的個人認証サービスの電子証明書の格納機能、これが本来の機能なんですが、それ以外にもいろいろな、空きスペースを使って多目的に使えるということで、多目的利用を推進してきているところでございます。

 ただ、多目的といっても、現在、実際やられている使われ方というのは、例えば、証明書の自動交付とか、印鑑登録とか、図書館カードとか、申請書の自動作成とか、あるいは公共施設の予約、こういったものが多うございまして、中には、地域通貨、あるいは健康診断、それから災害時救急医療、こういったものにも使うというようなことを工夫しておられる地方公共団体もございますが、これはまだまだごく少数ということでございます。

 こういう多目的な利用を図っている団体も、まだ全体的には数は少ないんですが、徐々にふえてきております。例えば、平成十六年三月には六十三団体だったのが、十七年には八十一団体、十八年には百二団体、十八年八月には百十四団体ということで、まだまだ数は少ないですけれども、こういう多目的利用がなされるとやはり住基カードも普及するという状況にございまして、私どもとしては熱心にこれをさらに進めていきたいと思っているところです。

 ただ、御質問の中に、さらに運転免許証とか、あるいは健康保険証のことがあったかどうか、ちょっと気がつきませんでしたが、そういうほかの制度とのいわば共同利用というようなところも御指摘がございましたが、ここまでいきますと結構、発行主体が違うとか、あるいは実際の使われ方が違うとか、あるいは使う方が違うとか、更新期間が違うとか、いろいろやはりクリアすべき課題がまだまだ残っているものですから、私どもとしてはまだ引き続きそういったことについては検討していく必要がある、そういう認識でございます。

 それから、松江市の住基カードの交付数でございますが、昨年八月末現在で二千百七十枚というふうに承知しております。

 以上でございます。

岩國委員 ありがとうございました。

 しかし、もっともっと総務省としては、こういうせっかく新しい法律ができてインフラ整備ができたわけですから、持って安心、使って便利、あなたの命を守る一枚のカード、どんどんどんどん、最近思いがけないところで災害が次々と出てきているでしょう。だからこそ、この法律をつくっておいてよかった、この一枚のカードが自分の命を守ってくれる、この一枚のカードがスクリーンの上で自分の家族との出会いもつけてくれる、そういうような災害対策にも今早急にその普及を進めていただかねば、中途半端なことではどうにもならないんじゃないかと私は思います。

 また、一生懸命進められた当事者の方が市長を務めている松江市でたった二千何枚、これもおかしな話です。自分がそういう法律をつくり、制度をつくられたんだったら、そのお手本を示すぐらいの勢いで松江市を積極的に私は指導していただきたい、そのことをお願いし、最後の一問。

 尾身財務大臣に、先ほど、平成十七年度の為替市場への介入、これは平成十七年は行われませんでしたね。平成十六年までは活発に行われておった。なぜ十七年に行われなかったのか。十七、十八、十九と、その後、為替市場への介入というのは政府の予算にも決算にも顔を見せておりません。全くフリーズの状態。その理由は何だったのか。

 そして、この為替についてアメリカから批判が出ております。今の百二十円という円安は日本の企業に対する隠れた補助金ではないか、輸出産業に対する隠れた援助ではないか、一ドル九十円が適切だ、こういう意見が出てきておりますけれども、百二十円が九十円になった場合に、日本の経済に対する、特に輸出企業の利益に対するインパクトはどれぐらいになるのか。なぜ三年間その介入をおやめになったのか。次に、九十円にという圧力で九十円になった場合には、企業の利益に対する影響はどうなるのか。

 この二つ、端的にお願いします。

尾身国務大臣 私どもとしては、為替相場は経済のファンダメンタルズを反映すべきであると考えておりますが、その具体的な水準はマーケットが決めるものであるというふうに考えております。

 為替の介入もやったケースがございますが、これは、市場に過度の変動や無秩序な動きがあり、経済の活動に大きな悪影響があるという場合に実施されるものであるというふうに考えておりまして、我が国のこれまでのそういう実例につきましても、こういう考え方に基づいて行ったというふうに考えております。

 為替が変わることが、経済あるいは企業利益、国民生活に、具体的な影響がどういうものであるかということについて定量的に申し上げることは難しいと思っておりますが、一方で、製品の国際競争力にはプラスになる反面、仮に円安ということになれば、コストの増という点で、またその面の負担もかかってくるわけでございますから、そういう点を総合的に考えなければいけないと思っております。

 ただ、全体として、これはまさにマーケットメカニズムにゆだねるのが基本であるというふうに私どもは考えているところでございます。

岩國委員 時間が終わりましたので、終了いたします。ありがとうございました。

 委員長に重ねてお伺いいたしますが、この決算委員会のあり方について、それから参考人要求についても理事会でお諮りいただきますようにお願いいたします。ありがとうございました。

仙谷委員長 その旨取り扱います。

    ―――――――――――――

仙谷委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 平成十七年度決算外二件審査のため、四つの分科会を設置することとし、区分としては

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(本府、警察庁、金融庁)、外務省、環境省所管のほか、他の分科会所管以外の国の会計

 第二分科会は、内閣府(防衛庁・防衛施設庁)、総務省、財務省、文部科学省所管

 第三分科会は、厚生労働省、農林水産省、経済産業省所管

 第四分科会は、法務省、国土交通省所管

以上のとおりといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、分科員の配置及び主査の選任につきましては、追って公報をもって御通知いたします。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合には、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科会審査の際、日本銀行及び独立行政法人等の役職員から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人として出席を求めることとし、その人選等諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

仙谷委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 分科会審査は、来る二十三日月曜日及び二十四日火曜日の二日間行います。

     ――――◇―――――

仙谷委員長 この際、御報告いたします。

 去る平成十八年十一月二十二日、調査局長に命じました中央省庁の補助金等交付状況、事業発注状況及び国家公務員の再就職状況に関する予備的調査につきまして、去る三月二十九日、報告書が提出されましたので、御報告いたします。

 なお、報告書につきましては、同日、私から議長に対し、その写しを提出いたしました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時十四分散会


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