衆議院

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第2号 平成21年4月6日(月曜日)

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平成二十一年四月六日(月曜日)

    午後三時開議

 出席委員

   委員長 川端 達夫君

   理事 秋葉 賢也君 理事 谷川 弥一君

   理事 寺田  稔君 理事 武藤 容治君

   理事 山口 泰明君 理事 平岡 秀夫君

   理事 横光 克彦君 理事 福島  豊君

      石原 伸晃君    木原 誠二君

      坂井  学君    桜井 郁三君

      菅  義偉君    杉村 太蔵君

      西本 勝子君    額賀福志郎君

      牧原 秀樹君    宮下 一郎君

      矢野 隆司君    安井潤一郎君

      山本  拓君    渡辺 博道君

      渡部  篤君    石川 知裕君

      逢坂 誠二君    金田 誠一君

      小宮山泰子君    津村 啓介君

      寺田  学君    松本 大輔君

      松本  龍君    漆原 良夫君

      鈴木 宗男君    前田 雄吉君

      渡辺 喜美君

    …………………………………

   外務大臣         中曽根弘文君

   財務大臣         与謝野 馨君

   文部科学大臣       塩谷  立君

   厚生労働大臣       舛添 要一君

   経済産業大臣       二階 俊博君

   国土交通大臣       金子 一義君

   防衛大臣         浜田 靖一君

   国務大臣        

   (国家公安委員会委員長)

   (沖縄及び北方対策担当) 佐藤  勉君

   財務副大臣        竹下  亘君

   会計検査院長       西村 正紀君

   会計検査院検査官     重松 博之君

   会計検査院事務総局事務総長官房審議官       太田 雅都君

   会計検査院事務総局第二局長            小武山智安君

   会計検査院事務総局第三局長            河戸 光彦君

   政府参考人

   (内閣府沖縄振興局長)  清水  治君

   政府参考人

   (警察庁刑事局長)    米田  壯君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  関  有一君

   政府参考人

   (外務省北米局長)    梅本 和義君

   政府参考人

   (厚生労働省大臣官房総括審議官)         森山  寛君

   政府参考人

   (厚生労働省医薬食品局長)            高井 康行君

   政府参考人

   (社会保険庁運営部長)  石井 博史君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長)            羽藤 秀雄君

   政府参考人

   (国土交通省道路局長)  金井 道夫君

   政府参考人

   (観光庁長官)      本保 芳明君

   政府参考人

   (防衛省人事教育局長)  渡部  厚君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  井上 源三君

   決算行政監視委員会専門員 菅谷  治君

    ―――――――――――――

委員の異動

四月六日

 辞任         補欠選任

  赤城 徳彦君     西本 勝子君

  棚橋 泰文君     木原 誠二君

  玉沢徳一郎君     渡辺 博道君

  安井潤一郎君     牧原 秀樹君

  岡田 克也君     逢坂 誠二君

  松木 謙公君     石川 知裕君

同日

 辞任         補欠選任

  木原 誠二君     棚橋 泰文君

  西本 勝子君     赤城 徳彦君

  牧原 秀樹君     安井潤一郎君

  渡辺 博道君     玉沢徳一郎君

  石川 知裕君     松木 謙公君

  逢坂 誠二君     岡田 克也君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 分科会設置に関する件

 政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における政府参考人出頭要求に関する件

 分科会における参考人出頭要求に関する件

 平成十九年度一般会計歳入歳出決算

 平成十九年度特別会計歳入歳出決算

 平成十九年度国税収納金整理資金受払計算書

 平成十九年度政府関係機関決算書

 平成十九年度国有財産増減及び現在額総計算書

 平成十九年度国有財産無償貸付状況総計算書


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     ――――◇―――――

川端委員長 これより会議を開きます。

 この際、会計検査院長西村正紀君及び検査官重松博之君から発言を求められておりますので、順次これを許します。西村会計検査院長。

西村会計検査院長 本日四月六日付をもちまして会計検査院長を拝命いたしました西村正紀でございます。

 国の財政事情が厳しい中で、国民の皆様の会計検査院に対する期待は大変大きいものがございます。重い責任を強く感じておるところでございます。

 微力ではございますけれども、誠心誠意務めてまいりますので、よろしく御指導、御鞭撻のほどお願いいたします。(拍手)

川端委員長 次に、重松検査官。

重松検査官 このたび、四月二日付をもちまして会計検査院検査官を拝命いたしました重松博之でございます。

 会計検査院に寄せられます国民の期待も年々大きくなってきております。その責任の重さをひしひしと感じておる次第でございます。

 微力ではございますが、職務を全うするために誠心誠意務めてまいりたいと考えておりますので、皆様方におかれましても、どうぞよろしく御指導、御鞭撻のほどお願い申し上げまして、簡単でございますが、私からのごあいさつとさせていただきます。(拍手)

     ――――◇―――――

川端委員長 平成十九年度決算外二件を一括して議題といたします。

 これより総括質疑を行います。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣府沖縄振興局長清水治君、警察庁刑事局長米田壯君、総務省行政評価局長関有一君、外務省北米局長梅本和義君、厚生労働省大臣官房総括審議官森山寛君、厚生労働省医薬食品局長高井康行君、社会保険庁運営部長石井博史君、資源エネルギー庁省エネルギー・新エネルギー部長羽藤秀雄君、国土交通省道路局長金井道夫君、観光庁長官本保芳明君、防衛省人事教育局長渡部厚君及び防衛省地方協力局長井上源三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

川端委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。寺田稔君。

寺田(稔)委員 自由民主党の寺田でございます。

 きょうは、この決算委員会、十九年度の総括質疑ということで、多少お時間をちょうだいいたしまして、財務大臣初め四大臣にお伺いをするものでございます。

 きょうは、お忙しい中、四大臣にお越しをいただいております。それぞれお聞きをしたいと思いますので、どうか簡潔に、コンパクトな、そしてまた要領を得た答弁の方を冒頭お願い申し上げる次第でございます。

 まず最初に、与謝野大臣にお伺いをいたします。大変多くの役職を兼務されている中、本当に御精励、御苦労さまでございます。

 当委員会としても、行財政改革、非常に重要なテーマとして推進をしてきております。また、各年度の決議においても、必ずこの行財政改革の推進、特に財政構造改革の推進ということについては最重要課題として取り組んできているわけでございます。大臣、常日ごろから申されているとおり、健全な財政を後の世代に残すこと、それはまさに現世代の責務であるというふうに私も認識をするものであります。

 私も二十四年間、財務省に在籍をして、こうした財政構造改革の一端を担わせていただいたわけでありますが、大臣、今年度予算、財政構造改革の推進という点で見るといささか後退感も免れない。

 今まさに百年に一度と言われる大変大きな経済金融危機が到来をしております。これはアメリカ発の三つのショックですね。一つは、証券市場の破綻をもたらしたリーマン・ショック、そして二つ目は、運用サイドの破綻をもたらしたAIGショック、そして、だめ押しともいうべき住宅金融の破綻と金融機関の破綻をもたらしたサブプライム問題、この三つが日本経済を直撃し、マイナス一二%という本当に大きな経済ショックとなっているわけですが、大臣、こうした経済対策の実施、三段ロケット、七十五兆、さらに追加の指示も出ております。これと財政構造改革の両立、優先順位についてどのようにお考えか、まずもって御所見をお伺いいたします。

与謝野国務大臣 多分ことしは例外的な年であると私は思っております。しかしながら、この例外を長く続けるわけにはまいらないと思っておりまして、やはり中期的には財政の健全化というものを真剣に政府もあるいは国会も取り組むべき時期が来ると思っております。

 しかしながら、国会で御承認をいただいた今般の税法の附則には、中期的な財政再建の一つの方法として歳入改革、税制全体の改革ということがうたわれておりまして、近い将来、やはり税制の抜本改革を断行していただく。特に、我々の高齢化社会において、年金、医療、介護等は社会にとって必要不可欠なものでございますので、そういうものの財源を安定的に確保していくということもやはり国会あるいは政府の最も重大な使命であると思っております。

 ことしは例外的な年でございますから、経済対策等にはお金を使わせていただきますけれども、やはり財政規律ということは片時も忘れてはいけない大事な原則であると私は思っております。

寺田(稔)委員 今大臣は、特に歳入面、税の基盤確保と、そしてまた将来の財政バランスの回復について力点を置かれたと思いますが、歳出の質的改善ということも非常に大事であるわけでございます。

 これは、同じお金を出すにせよ、効率的に出す、費用対効果の高い事業に出す。あるいは、トータルコストが逓減するような出し方、これもあるわけですね。例えば国庫債務負担行為のケースですと、これはもう大臣がよく御承知のとおり、単年度減らしても後の負担がふえてくる。これでは全く逓減にならない。また、例えばミッシングリンクのように、仕掛かりの事業を仕掛かりのままで長時間お金を少しずつ出し続けることは、トータルコストの逓増につながってまいります。

 したがって、むしろ前倒しでやること、あるいは防衛で一括購入したように、効率的なお金の使い方にも十分留意をしていただきたいと思うわけですが、そうした観点から見て非常に重要なのが特別会計の改革であります。

 私も三年前、自由民主党行革推進本部の特別会計改革推進委員会の主査として、約十二兆円の節減、そしてまた、さまざまな特会の整理、統廃合を実施いたしました。二十年度において大変大きな進展があったことは大臣も御承知のとおりであります。残念ながら、この二十一年度、今年度、特別会計改革でどのような進展があるのでしょうか。

与謝野国務大臣 特別会計改革につきましては、現在、行政改革推進法及び特別会計に関する法律に基づきまして、十八年度時点で三十一あった特別会計を二十三年度までに十七特別会計に縮減するなどの工程を進めているところでございます。二十一年度時点では二十一特別会計となっております。

 また、特別会計の見直しの対象とすべき事務事業の歳出の額については、十八年度十二兆三千億から二十一年度十兆円にまで縮減しているほか、特別会計財務書類の国会提出等の情報開示の拡充に取り組んでいるところでございます。

 今後とも引き続き、特別会計法で定められた統廃合の工程の着実な推進等、徹底した改革に取り組んでまいりたいと思います。

寺田(稔)委員 今大臣、複数年度にまたがった、あえてでしょうか、広いタイムスパンで言われましたけれども、二十一年度だけ見ると全く統合もありません。そしてまた、確かに予算額の縮減においては若干の前進も見られますが、むしろ後退、すなわち歳出の大幅な拡大も見られるわけでありまして、この特別会計改革、ぜひとも強力に推進をしていただきたい。一般会計に対して三倍の純計ベースの規模があるわけです。やはり純計ベースで縮減をすること、これは大変に重要なことでございます。引き続き意を注いでいただきたいと思います。

 時間の関係で、まだまだお伺いしたいわけですけれども、次に文部科学大臣にお伺いをいたします。

 私も宇宙基本法の提案者の一人でございます。現内閣においては、河村官房長官あるいは石破農水大臣、浜田防衛大臣初め多くの宇宙基本法の提案者、これはしかも野党との共同提案でありまして、宇宙の開発と利用を推進していくこと、しかもこれを効率的にやっていくことは国家戦略上でも極めて大事な点ですが、当然のことながら、効率的な効果的なお金の使い方をしなければならないわけでございます。

 そういった観点から独立行政法人JAXAを見た場合、プロジェクト実施機関としても、また研究機関としても極めて問題の多い機関であると言わざるを得ない。

 大臣、御存じでしょうか、JAXAのいわゆるプロジェクト実施の費用に対する運営費の割合、極めて異常な数字となっております。一般的な比率は約二割なんですね。例えば百のプロジェクトを実施するときに、そのオーバーヘッドコストやランニングコストは大体その二割、二〇であるというのが一般的なプロジェクト実施機関の姿であります。JAXAについて見るとどうでしょう。一つのプロジェクトを実施するための運営経費は、その比率は五〇%、二・五倍なんですね。このことを、大臣、事務方から知らせてもらっていましたですか。

 あるいは、一人当たり人件費は御存じですか。一千万近いんですよ、JAXAの一人当たり人件費。国家公務員の平均給与も御存じかと思いますが、これについて一体どういうふうに考えるか。

 そしてまた、データ処理経費。財務省全体のデータ処理経費は約二百億です。JAXAのデータ処理経費は幾らか御存じでしょうか。それに匹敵する数字なんですよ、百九十五億。これはどう考えても、しかも、データ処理するのはいいんですよ、データ処理するなとは言いません。しかし、その画像データが全く成果物として見えていない。説明責任も果たされていない。一体、処理したデータはどういうふうになっているのか、その開示もないというのが実態でございます。

 大臣、こういうJAXAの実態にかんがみて、JAXAの合理化、効率化、また冗費の削減を強力に進めていただかなければならないと思うわけですが、まずもってこの点について御認識があったかどうか、そして御所見をお伺いします。

塩谷国務大臣 JAXAの予算につきましては、今委員がおっしゃったような状況は把握しているつもりでございますが、宇宙航空分野の研究開発プロジェクトにつきましては、開発プロジェクトに関する経費のほか、これらを支える基盤的な経費として、一つは、打ち上げ射場や大型試験設備、あるいは衛星等の運営のための経費、さらには宇宙開発を支えている基礎的あるいは基盤的な研究経費、さらには人件費や税金、そして光熱費等の間接経費があるわけでございます。

 宇宙開発という非常に膨大な開発をやるための基盤的経費というものがほかよりかなり大きくなるというのはぜひ御理解いただきたいと同時に、五年間で、今、効率化、あるいは人件費についても五%以上の削減、さらには光熱費等の一般的管理費についても五年で一五%以上削減ということで、この実施を確実にしているところでございますが、いずれにしましても、効率については今後とも努力をしてまいりたいと考えております。

寺田(稔)委員 ややすりかえの答弁ですね。

 基盤整備費がかかるのは当たり前です。当然、基礎研究費、あるいは今大臣が言われた新射場の調査費、建設費、これはまさにプロジェクト関係予算なんですね。

 私が問題にしているのはそうじゃなくて、それに対して投入されるマンパワー、人件費あるいは物件費、いわゆるランニングコストとしての運営経費の比率が余りに高過ぎる。一般の独立行政法人あるいは調査研究機関、プロジェクト実施機関に比して二・五倍であるという厳然たる事実であります。

 その他、JAXAについては、実はいろいろな問題があるわけです。縦割り行政の弊害も出ております。今回の宇宙基本法の眼目は、まさにそうした縦割りを排して、政治主導、内閣主導、内閣、内閣官房そして内閣府、これが一体となって宇宙基本計画を策定し、縦割りの弊を排し、正しい方向でもって、税金、血税を使うわけです、宇宙開発を実施、推進していく。そして、利用サイドの活性化を図っていくことでございます。ぜひとも、そうした趣旨に合致した方向に持っていかなければなりません。

 この点については、これから行われる分科会、集中的な審議で、さらなる掘り下げた濃密な議論を展開させていただきたいと思いますし、また、人的問題も浮上してきております。さまざまな人的問題、行為規範の問題等についても、さらに深めた議論を行っております。ぜひとも、大臣、この分科会の方も御出席をいただきたいというふうに思います。

 時間の関係で、まことに駆け足ではございますが、きょうは、お忙しい中、二階経済産業大臣にもお越しをいただいております。

 太陽光発電、大変重要な政策であります。人と自然と環境に優しいエネルギーの開発と、そして低炭素社会を実現する京都議定書に沿ってCO2の六%削減を実現するためにも、これは推進をしなければならない政策であり、今年度予算においても相当な力点が置かれている。担当課長も認めるところであります。

 しかし、まことに残念ながら、その政策の実施の仕方において極めて問題もあるわけです。一たん、これは四年間、何とストップしてしまったわけですね。私もびっくりしました。四年前、NEDO、新エネ機構の補助金がストップをする。私、当時の担当課長にもお伺いをしたら、いやいや、もう十分補助金の効果は上がったんだ、太陽光はもう必要な分だけ普及がなされたという、本当にびっくりするような説明もお伺いをしました。

 確かに、四年前の時点で、我が国はソーラーシステムにおいては最先端でありました。しかし、この四年間のブランク、欠缺によって、世界的にも極めて劣後した、諸外国が一生懸命継続的な予算投入と政策展開を行う中で、この四年間のストップというのは致命的であります。

 やはり継続は力であります。もちろん、今回の予算で必要な予算づけが行われたことは評価をいたしますが、いきなりブレーキを踏んでまたアクセルを吹かすような、政策の継続性、統一性あるいは論理的整合性のないやり方について、大臣いかにお考えか、御所見をお伺いいたします。

二階国務大臣 経済産業省において、仰せのとおり、量産化等のコスト低減を目指して、平成六年度から平成十七年度まで十二年間、住宅用太陽光発電システムの設置費用の一部を助成してまいりました。補助金による需要の拡大と技術開発の成果は着々と上がってまいりまして、助成開始の前の年に比べまして、太陽光発電システムの設置コストは約六分の一の二百三十万円程度に低下をしました。また、導入量は約六十倍まで拡大をしたことなどから、補助金等についても所期の目的は達したものと考え、当時の財務省及び経済産業省の担当者同士の話し合いの末に、平成十七年度で終了するということに相なったようであります。

 しかしながら、太陽光発電は、御承知のとおり、エネルギー源の多様化や日本の得意とする環境技術の活用といった観点からその導入の必要性が高まり、国会の御審議におきましても、各党からそれぞれ太陽光発電の導入について強い御意見、また御支持の声もございました。そしてまた、先般の環境の会議におきましても、二〇二〇年に現状の十倍、二〇三〇年には四十倍という目標が掲げられ、我々としましても、太陽光発電システムの設置の約八割を占める住宅分野での導入を加速化することについて、改めてその必要性を痛感し、昨年度補正予算で、今御意見のとおり、新たに補助金を創設したわけであります。

 したがいまして、今後は、三年から五年が正念場という認識のもとに、補助金などの支援措置や、先般発表させていただいた新たな買い取り制度等も組み合わせて、太陽光発電の導入拡大を強力に推進してまいりたいと思っております。いっときは世界の第一位の水準で推移しておりましたが、今はドイツ等に追い抜かれておりますが、これを回復する努力をこれから懸命に取り組んでいきたいと思っております。

寺田(稔)委員 もちろん、その回復の努力は当然していただきたいわけです。

 しかし、やはり四年前の補助金の打ち切り、財政当局との協議ということも大臣は言われました。もちろん財政当局は、一円でも血税を大事に使うべくという観点から、所期の成果が上がったのではないか、あるいは、当時の特殊法人向け支出の見直しの観点、新エネ機構、NEDOの問題等々から、NEDOの不祥事も起きました、当然そういうふうな主張をするわけですけれども、当然、志の高い、国家百年の計を考える経済産業官僚としては、それに乗ってはいけないわけですよ。過去が失政であった、すなわち、あのときのストップが正しかったとはやはり今の時点で申し上げるわけにはいかないというふうに思います。

 この点について、申しわけないですけれども、もう一言、過去の反省についてお述べをいただきたいと思います。

二階国務大臣 当時の補助金等の額におきましてもだんだんと下がってまいりまして、もうこの程度であれば補助金を打ち切ってもいいのではないか、当時の財務当局やあるいはまた経済産業省の中心的な役割を果たしておった人たちがそういう判断をしたものと思っております。

 我々は、今日の時点において、再びこういうことで太陽光発電に国を挙げて取り組んでいかなきゃいけないような状況になったことからすると、四年間のブランクはやはり痛いと思っておりますから、今議員がおっしゃっておられるとおり、あそこで打ち切るということに対してはもう一考を要したのではないか、過去を振り返って繰り言を言っておってもしようがありませんが、そういうことを私も感じております。

寺田(稔)委員 今大臣からもお言葉がありましたが、この点についてもさらに来る集中的審議、分科会においても議論を深めていきたいと思います。やはり政策の継続性、正しい政策の効果を発現するためにも、そしてせっかく投入したお金の成果を最大限に生かすためにも非常に大事であるというふうなことで、また議論を深めさせていただければと思います。よろしくお願いいたします。

 次に、防衛大臣にお伺いをいたします。この数日間、本当に御苦労さまでございます。

 おとといのこの発射の誤発表の問題もございました。しかし、我がBMDシステムが完璧な追尾体系をとることができたこと、また、米軍のSTSSとの連携の問題、リンケージの問題等を初め、システムとして欠缺がないことは私は十分立証されたんだろうというふうに思います。

 しかし、反省すべき点も多々ございます。昨日においても、若干の発表面、情報伝達面における混乱、国民に対する周知のタイミング、あるいはまた防衛省内における情報の伝達、シビリアンコントロール上の問題、さらには内閣官房との連携の問題等々、検証しなければならない問題は多々あるわけでございますが、現時点において、大臣、この点についてどういうふうにお考えなのか、まずもってお聞かせをいただきたいと思います。

浜田国務大臣 今回の事案に関しましては、土曜日の日の対処については、誤報を出してしまったということは我々とすれば大変遺憾なことでありましたし、大変国民の皆様方に御迷惑をかけたというふうに思っております。

 しかしながら、昨日の発射に関しての態勢というのは、我々とすればできる限りのことをやったというふうに考えております。そしてまた、その中で、いろいろ解析の問題等もありまして、瞬時に見分けるのがなかなか難しいものもございます。そういったものを、やはり今後検証を通じて足らざるところを足していくというのが極めて重要なのかなというふうに思っておりまして、そういった意味合いにおきましては、今後、我が防衛省だけでなく、今お話にありましたように、広報体制そしてまた国民に対する御説明というものを、検証を通じた中で我々もしっかりとやっていきたいというふうに思っておるところでございます。

寺田(稔)委員 今後に生かすためにも、そうした検討も十分に行っていただきたいと思います。

 私も昨日、幕僚監部の現役のメンバー何人かとも意見交換をいたしました。特に空自特有の問題も中では指摘もあるわけです。もちろん今回見逃したわけではないこの航跡について、むしろ本当に神経をとがらせている中でそのようなことが起こった。今回初めてのケースでございますから、私も、これは十分この原因を徹底的に究明して、後にぜひとも生かしていただきたいと思いますし、この点についても後の集中的審議で集中的に審議をいたしたいというふうに思います。ぜひともおつき合いをいただきたいと思います。

 次に、総合取得改革、私も当時の石破大臣のもとで防衛大臣政務官として総合取得改革チームのチーム長を仰せつかり、提言を発出させていただきました。防衛省改革の三つのうちの一つの、一番最初に出された柱であるわけです。

 これもやはり、非常に大事なことは、単発のコストで見るのでなく、いわゆるトータルコスト、ライフサイクルコストをきちんと把握することによって、トータルとしての通常兵器あるいは正面装備、いわゆる兵器の調達の縮減を図る。あるいは、守屋事件に端を発して海外調達の適正化を図る。あるいは、FMS調達、アメリカからの調達の透明化とそして縮減を図る。今、さまざまなオンゴーイングの進捗は見られるわけですが、やはり一番大事なのは、いわゆるLC分析と呼ばれますライフサイクルコストの実現、それも一万を超える全装備品について悉皆的に実施をするのが今年度であるわけでございます。

 この点についての進捗、そしてまた大臣の決意のほどをお伺いいたしたいと思います。

浜田国務大臣 寺田先生にもそういった意味では御尽力をいただいて、総合取得改革につきましては、我々とすればプロジェクトチームの報告書に従って各種施策を実施してまいっているところでございますけれども、特にLCCの管理については、二十年の十月、対象装備品の拡大をいたしましたし、本年度はそれこそライフサイクルコスト管理室を新設して行ってきているところでございます。

 今後も引き続き、この管理につきましては、総合取得改革推進のための施策を着実に推進してまいりたいというふうに思っているところでございます。

寺田(稔)委員 ぜひとも着実に推進をして、約二兆円の防衛調達すべてについてその網をかぶせる、そしてまた効率的な我が国安全保障体制の構築に努めていただきたいと思います。

 そうした中で、やはり我が国は専守防衛ということでありますから、十分な見る目、目が非常に大事です。そうした意味で、防衛省として今後取得すべき、まさに宇宙基本法にも絡みますが、早期警戒衛星等、解像度の向上を含めて大変重要な課題があるわけですが、最後にこの点についての大臣の御決意をお伺いいたしたいと思います。

浜田国務大臣 先生のいろいろな場面場面での御指摘を受けまして、我々もいろいろな形でやっておるわけでございますけれども、今後、中期防そしてまた大綱というのがございますので、その中でしっかりと検討してまいりたいというふうに思っておるところでございます。

寺田(稔)委員 終わります。

川端委員長 次に、福島豊君。

福島委員 大臣、大変御苦労さまでございます。また、副大臣も御苦労さまでございます。

 本日は、私、年金記録の問題についてお尋ねをしたい、そしてまた厚生労働行政のあり方の見直しの問題についてもお聞きをしたいと思っております。

 厚生労働委員会で国民年金法案の審議がスタートいたしておりますけれども、厚生行政にとりまして大変重要な課題について、この決算委員会でも重ねて取り上げさせていただきたいと思っておるわけです。

 年金記録問題については、舛添大臣のもと、非常に精力的に今その解決に当たってこられた、このように私は認識をいたしておりますし、大変御苦労されてきたことに心から敬意を表したいというふうに思っております。

 今、現場を回りますと、多くの方は特別便を受け取られまして、返事を出した人も出さない人もおりまして、返事はちゃんと出してくださいね、こういう説明を私は繰り返しておりますけれども、年金記録の問題についての理解はこの間大変に進んだというふうに思っております。しかし、一方で残された課題もあるわけでありまして、何とか早くこの再裁定をやっていただきたい、こういう要望でありますとか、第三者委員会の対応についてもまだまだ国民の不満は大変強いというふうに私は思っております。

 その中で、まだ十分に作業が進捗していないのではないか、このように思われることは、標準報酬の改ざん問題についての対応ということであります。この点については、非常に可能性の高い事案について戸別訪問という形で対応してきていただいておりますけれども、その現状について御報告いただきたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 標準報酬等の遡及訂正事案につきましては、昨年十月十六日から約二万件の戸別訪問調査を開始いたしまして、対象となる方と連絡をとることができないといった訪問が困難な事例を除きまして、本年三月末までにおおむね終了したところでございます。昨年十二月二十一日までに訪問を終えた約一万五千件につきまして、本年に入りまして、一月の十三日ですが、その日までにフォローアップをしております。

 中間的にその時点で整理した結果を申し上げたいと思いますけれども、切り口、三点ございまして、まず一つは、そういった遡及訂正処理なるものが行われた期間において対象の方は事業所においてどういうお立場だったかというのを聞いております。中身でございますが、当時は事業主であったという御回答が八千六十五名、自分は役員であったと思うという御回答が三千二百五十一、従業員であったという御回答が三千八百八十五、それから、わからないという御回答の方が三百一名となってございます。

 また、私どもの方で、これは事実と合っているでしょうかということで年金記録の確認をいただいたその結果の状況でございますけれども、それは当時の事実と相違はないと思うという御回答が四千九百九十七名、事実と違っているという旨の御回答が八千四百八十二名、それから、わからないという御回答が二千二十三名、こうなっております。

 それで、事実と相違しているという御回答をされた方、八千四百八十二名につきましてさらに、記録の訂正の御意思があるかどうかというお尋ねをしてございまして、その回答でございますが、訂正の意思ありという御回答が三千四百八十五、それから、訂正の意思はないという御回答が三千六百七十二、そして、未定というふうに回答された方が千三百二十五名、概括このような結果になってございます。

福島委員 今、実態の御説明がありましたけれども、この中で大切なところは、従業員の方であって、本人が知らないままに標準報酬の改ざんがなされていた。事業主の方は、みずから知ってやった方がほとんどなのだろうと私は思います。こうした従業員の方々の年金の救済をどう行うか、ここのところが非常に大切であります。

 現状までに、従業員であった方で、なおかつ記録に誤りがある、こういった方々に対してどれだけ現実問題として訂正がなされてきているのか、この実態について御報告いただきたいと思います。

石井政府参考人 お答え申し上げます。

 標準報酬の遡及訂正事案についての私どもの取り組みの基本でございますけれども、昨年の十二月の二十五日に、社会保険庁といたしまして、いわゆる救済の方針というものを示させていただいております。

 これは、まさにその日、昨年十二月二十五日から、地方社会保険事務局それから社会保険事務所、これらにおいて即実行に移るように、こういう指示を添えて示したものでございますけれども、内容をかいつまんで申し上げますと、まず御本人が従業員であって、給与明細書などによって申し立て内容に対応する給与実態が確認できるといった一定の条件を満たす場合には、被害者救済を迅速に進めるという観点から、第三者委員会に送付せずに社会保険事務所段階において記録訂正を行う、そういう措置をとるべきであるというふうな内容でございます。

 御指摘の、戸別訪問の対象者のうち社会保険事務所段階で記録訂正を行った件数でございますが、目下、三月末時点での数字の集計作業を進めておりますけれども、最終的な確認を行っている段階というお断りをさせていただいた上ででございますが、おおむね百二十件程度の数値になるものというふうに見ております。

福島委員 先ほど説明がありましたように、三千人を超える方が訂正を希望しておられる、しかし、現実問題として百人程度にとどまると。

 三十一日に行われました年金問題等関係閣僚会議でいろいろと御説明いただきましたけれども、この訂正にかかわって、例えば当時の給与明細であるとか、こういったものがどれだけ残されているんだろうかと。ですから、ここのところは余りハードルを高くしてしまうと、現実問題として訂正が全然進まない。もちろん、この戸別訪問した方々、そしてまた記録の訂正を希望しておられる方々は極めて可能性が高いわけですよ。そこの方々に対して、こうした証拠がどうなんだということを言い始めてしまうと、一歩も進まない。確実に間違っている可能性が高い、しかし訂正が進まない、こういう事態を長く放置しておくわけにはいかないわけです。

 これについて、大臣、どういうふうに今後対応されるのか、お考えをお聞きしたいと思います。

舛添国務大臣 昔のことで、なかなか資料はないということでありますけれども、例えばハローワークを含めて、雇用保険というか、こっち側のデータが残っておれば、それは給料に応じてある料率を掛けて払っているわけですから、ありとあらゆるものを捜す。普通は事業所に行って賃金台帳を見て、どうだ、間違っているんじゃないか、こうやるんですけれども、個人的に、私も昔の給与明細をとっているかというと、とっていない。銀行預金の通帳も全部とっているわけではないということなので、なかなかこれは見つけにくいんですが、厚生労働省、労働省も一緒になりましたから、労働関係からも少しアプローチしてデータ捜しをやりたいと思います。

 そこから先は、ほとんどこの人は大丈夫だろうと思ってもデータがない、これをどうするかというのは、私たち国会の場で一つの政治的判断を下さぬといかぬのじゃないかという気はしていますが、これは皆さんとよく御相談して、モラルハザードがあってもいけません、そういうことも踏まえながら、しかし何とか一日も早い救済をと思って努力を今後とも続けてまいりたいと思います。

福島委員 まずできることからしっかりとやっていただきたいというふうに思っております。

 次に、第三者委員会での判定の問題でありますけれども、その審査のおくれということが言われてまいりました。体制も大分強化していただいて、これは先般の関係閣僚会議で御報告いただいたところであります。その御努力には敬意を表したいと思っておりますが、まだまだ現場でお話をお聞きしておりますと、第三者委員会でどうしても認めていただけない、脱退手当金にかかわる事案が私は多いと思います。

 脱退手当金にかかわる事案は、私も何人かの方から御相談いただいております。会社のサイドは、手当金をお渡ししました、お支払いしました、こういうふうに証言をする。本人は受け取った記憶は全くない。ある意味で水かけ論になるわけです。そして、なかなか第三者委員会としては、証拠がなければそれは認めません、こういう話になってしまっている。こういう事案がたくさん残っているんじゃないかというふうに私は思います。

 これについて、第三者委員会としてどのように今まで判断してきたのか、脱退手当金を受け取ったのか受け取っていないのかということについて何をもって判断しているのか、この点について御説明いただきたいと思います。

関政府参考人 お答え申し上げます。

 通常、第三者委員会に出てまいります事案といいますのは、御本人が保険料を払ったはずだ、しかしながら社会保険庁の方にその記録がないというケースでございまして、その場合には御本人が、当時はこういう状況で私はこう払っただとか、あるいは関係者の証言を聞いてくれというようなことで、本人から積極的にいろいろな資料なり状況の説明をいただく、それで第三者委員会として総合的に判断をしていくというものでございます。

 しかしながら、先生御指摘の脱退手当金の事案につきましては、申立人がもらっていないという主張をされている事案でございまして、もらっていないということをどのように判断していくのかということになるわけでございます。この場合、申立人の方から、御自分の主張を裏づける資料などが提出されるということは通常想定をされませんので、一般的には取り扱いが大変難しい事案ということでございます。

 しかしながら、この脱退手当金事案につきましても、申立人から当時の状況をお聞きするとともに、当時の資料あるいは事業主を含む関係者の証言等、幅広く収集した上で、脱退手当金が支給されたことを疑わせる事情がないか、申立人が脱退手当金を請求したとすることが不自然ではないかといった観点から判断をすることにしております。

 具体的に申し上げますと、一つのケースは、申立人が所持をしておりました被保険者証に、脱退手当金を支給したことを示す「脱」という表示がないというような事情。

 それから、退職して時間を置かずに請求をするというのが通常のケースだと思いますけれども、記録を見ますと、退職をして御結婚なさった後、相当期間経過してから、しかも旧姓で請求をしておる、申立人が請求したとは考えがたいという事情。

 それから、幾つかの会社に勤務をなさっておられまして、複数の被保険者期間があるわけでございますけれども、そのうちの一部の期間についてのみ請求している。通常は、すべての期間について、もうおやめになっているわけですから、幾つかの会社の分全部まとめて請求をするというのが自然だと思いますけれども、一部のみ請求しているということで、ただ、ほかの期間について失念しているということも考えがたいと思いますので、申立人が請求したとはちょっと考えにくいんじゃないか、そういった事情。

 今申し上げましたような事情を根拠といたしまして、申立人が脱退手当金を受給していないと認められるとの判断に立っているところでございます。

 このように、事業主の主張ということだけではなくて、いろいろな資料とか事情を総合的に勘案して判断しているところでございまして、難しい事案ではございますけれども、今後とも、申立人の御主張を酌み取って、公正な判断に努めてまいりたいと思っておるところでございます。

福島委員 今の御説明もありましたけれども、本人が申請して受給していると考えると極めて不自然だ、こういう場合がある。逆に言うと、本人以外の方が申請してお金を受け取っている、こういう実態があるということを認めているわけですよね。ですから、それは、複数の事案があればそれは不自然だという話になるが、たった一回だけの話だったらどっちを信用するのか、こういう話になるんだと僕は思うんですよ。

 今の判断では、第三者委員会は、たった一回の話で、事業主がこれは渡しましたと言ったときには、基本的にそちらの判断の方を信用していると僕は思いますよ。本当にそれでいいのかというふうに私は思うんですね。これは再度検討していただきたいというふうに思っております。

 そして、先般、厚生労働委員会で年金記録問題が取り上げられまして、これは、土曜日、四月四日の朝日新聞でありますけれども、「持ち主判明三百十一万件放置」、こういう大きな見出しで報道されておりました。

 私も地域の方から、えっ、またこんなことがあったんですか、私は大丈夫かしら、こういう御心配をいただいて、いや、そうではないんですよと。これは住民基本台帳でネットワークで調べて、本人が生存しているということが確認されて、しかも年金の受給資格期間に満たない記録である、受給資格期間に該当する場合にはちゃんと通知しています、こういう事案なんですよ、こういうことを御説明させていただいて、ああ、そうですか、こういうふうに言っていただきました。

 この年金記録問題にかかわる報道というのは、確かに今までの社会保険庁のずさんな取り扱いを指摘したということにおいては大変役割を果たしたと思いますけれども、さまざまにその解明が進んでいる現状にあって、いたずらに不安をあおるような報道というのはやはりいかがなものかな、こういうふうに思うわけであります。また、こういった誤解を招くような報道がなされないように、厚生労働省としても説明責任をしっかりと果たしていただく、今までも果たしてきていただいていると思いますけれども、さらに意を用いていただければと思っている次第でございます。

 大臣、何か御発言はございますか。

舛添国務大臣 三月三十一日に開かれた年金に関する関係閣僚会議、これをきちんとフォローしておけば、こういう記事にならないんです。つまり、ずっと過去二年近くこつこつと、順番、工程表に基づいてやってきているわけですよ。まず五千万件、基礎年金番号がわかる人から特別便を送って、やって、もう六千五百万人の方が記録解明できている。いつも、何回もいろいろなところで申し上げている。二つの車輪を回している、特別便、定期便、そういう皆さんの御協力をいただいてチェックしていただく、しかし、それができないものはデータ解析をしながらやる。

 それで、データ解析しないと、年金番号がないんだからだれのものかわからない。送りようがない、年金番号がついていないんだから。データ解析するときに、漢字仮名文字変換があったかな、旧姓があったかなとやって、その中で、では住基ネットでやってみようといって住基ネットをばんと当ててみたら、三百十四万人の人が生存者とわかったから、これを一個一個今やっていっている。そして、二十五年たっているな、早くこの人に知らせないといけないなというのが二万五千人いるから、それをやっている。そういう順序でやっているのに、ばんと三百十四万件だけとって、不明で云々。大体、この書いた記者というのは、ずっと私が努力してやってきたのをフォローしているんですかと。

 私は、やはり新聞記者諸君も含めてしっかり勉強してもらわないと、メディアの質が高くないと国民の生活を守れませんから。たくさん批判があっていいんです。政権に対する批判はどんどんやってください。しかしながら、状況をよく把握して、事実を把握した上でやらなきゃ、クオリティーペーパーという以上はクオリティーを高めてもらわないとだめだと思いますので、幾らでも議論しますよ。それから、厚生労働委員会で長妻委員と私と議論している、そこだけつまみ食いしてやってもしようがない。長妻さんもよく全体をわかっている。私もよく全体をわかっている。全体をよくわかった同士が議論しているところを何もわかっていない記者が書いたら、こうなる。

 ですから、これは別にメディア批判しているんじゃないんです。みんなで日本をよくするためには、新聞記者の皆さんも一生懸命やはり全体像をとらえる努力をしてください、批判は御自由ですよ、そういうことであります。

福島委員 最後に、厚生労働行政の在り方に関する懇談会、先般最終報告が出されましたが、厚生労働行政についてはさまざまな批判がなされてきたところであります。抜本的な改革を進めるべきである、このように私は思っております。

 何分割するとかしないとかという問題以上に、幾つかこの中でも指摘をされておりますけれども、さまざまな政策決定にかかわる情報の公開性をどう高めるのか、そしてまた、国民の参加をどう進めていくのか、各種施策に関してPDCAサイクルをどう徹底していくのか、こういったようなことについて、組織のあり方というものを徹底して見直す必要がある。

 そしてまた、直近の課題でありますと、例えば少子化対策。今、担当大臣を置いていただいて、厚生労働省との連携のもとでやっていただいておりますけれども、今これに対して政府を挙げてどのように取り組んでいくのか、最重要課題と言っても過言ではありません。そうした課題に対して効率的に取り組む。そしてまた、民間の人材も活用した体制をどうつくっていくのか、これも重要な課題。

 そしてまた、非正規労働者の問題につきましても、例えば能力開発局と職業安定局とそれぞれ、実は、生活をどう保障するのかという話になると職業安定局になる、そして片方で、次の就労に向けてどうやって技能を開発するか、こうすると能力開発局になる、そしてまた、派遣元の雇用主がちゃんと労働基準法を守っているのかという話になると労働基準局になる。ここでも縦割りがありまして、必ずしも非正規の労働者ということに対して集中的に対応する体制にもなかなかなっていない、こういう課題もあると思います。

 この懇談会の報告を受けて、大臣として、具体的にこれから厚生労働省をどう変えていくんだ、こういうプロセスに入っていかなければいけないと思っておりますけれども、その点についての決意と方向性について御説明いただければと思います。

舛添国務大臣 今委員が御言及なさったこの懇談会の最終報告の前に、年末に中間報告が出ました。今おっしゃったように、そこにもう方向性が示してありますので、それに基づいて二月二十四日に改革の工程表をつくりました。これで一つ一つ変えていこうということで、この二月にも公表しましたので、フォローしていって、途中で検証しながらやっていく。

 基本的には、やはりこれだけ大きな省になりましたので、大臣のガバナンスを高めるために、大臣直属の機構を設ける必要があるだろう。私も一部取り入れていますけれども、そういうことをきちんとやっていく。

 それと、どうしても、医療なら医療提供側、これとはしょっちゅう、そういう視点に立つんですけれども、サービスを受ける側の国民の方を向いているんですかということが指摘されているので、国民の、サービスを受ける側の視点から行政を立て直すということが必要だというふうに思って、大変すばらしい、いい提案、忌憚ない意見をいただきましたので、工程表に基づいてきちんと成果を出し、一部既に出ていますし、それを逐一公表しながら検証して、よりよい厚生労働行政、そして、それを担える役所にしたいと思っております。

福島委員 以上で終わります。ありがとうございました。

川端委員長 次に、逢坂誠二君。

逢坂委員 民主党の逢坂誠二でございます。

 きょうは、少しの時間をいただきまして、質疑をさせていただきたいと思います。

 まず最初に、日本の大学、薬学部の定員の問題について少しお伺いをしたいと思います。

 お手元に資料を用意させていただきました。これは文部科学省が作成した資料でございますけれども、薬学部の入学定員の推移でございます。平成十四年から平成二十年までということで記載がございます。平成十四年は四十六大学で八千百十名という定員でございましたけれども、平成二十年、七十三大学で一万三千四百九十四名ということで、この資料にもありますとおり、十四年度からの七年間で約一・五倍に薬学部の入学定員がふえているわけであります。

 これは文科省が書いている文言でございますけれども、「薬剤師の供給過剰が懸念される」、そういうようなことを文科省は指摘しているわけですね。私は、この指摘はまさにもっともだというふうに思っておりまして、こういう状況が続けば、いわゆる薬学教育の質の劣化というんでしょうか、そういうことも起こるでありましょうし、少子化の中で大学の経営難ということも現にもう起きてきていることであります。あるいはまた、大学を卒業した後に卒業生の専門性を発揮するという場がちゃんと確保されるのかどうかという点も、相当に問題があるのではないかなというふうに思っています。

 資料はお配りいたしませんでしたけれども、全国の薬学部を持つ大学の薬学部の定員、それぞれの大学の定員も眺めてみました。そうすると、国立大学法人は大体八十名とか七十名とか、多くても百名程度の定員なわけですね。ところが、私立の薬学部を見ますと、例えばこれですと、三百八十名という定員があったり、あるいは三百六十名という定員があったりする。私自身、薬学部の出身でありますけれども、これぐらいの定員で、今、薬学部が六年制になって、本当に十分な教育環境を整えられるのか、相当コストもかかるだろうなというふうに思うわけであります。

 そこで、まず最初に塩谷文部科学大臣にお伺いをしますけれども、懸念をされるというふうに文科省の資料で書いてありますけれども、どういうことを心配しているのか、文科省としても心配をしているということが書かれているわけですので、どんな懸念を持っているのかということ。それともう一つが、これほどの短期間の間になぜこんなに薬学部の定員増を認めたのか。この二点、まず文科大臣にお伺いします。

塩谷国務大臣 ただいま御指摘いただきましたように、逢坂委員はまさにその専門の委員でございますので、薬学について大変詳しいと思っておりますが、私どもも、今御指摘のとおり、入学定員が今一・五倍になっている、それに伴ってどれだけ需要があるかという点、あるいは就職等の環境がこのままどういうふうになっていくかということで、やはり大変な懸念を持っているわけです。

 この経緯については、平成十六年に規制改革推進に関する第一次答申を踏まえて、収容定員の増を伴う大学、学部の設置認可にかかわる抑制方針を基本的に撤廃したということで、設置基準に定める大学としての要件を満たすものについては原則認めたという準則主義に転換したことから始まっておりまして、そのために、医薬分業率の向上や、あるいは医薬系の資格に対する学生のニーズが高まったことも背景にあると思っております。

 いずれにしても、薬学部の定員が増加しているところは現状御案内のとおりでございまして、今後としては、薬学系人材養成の在り方に関する検討会というものを今設置しまして、しっかりと、我が省としても厚生労働省と連携をとりながら検討していかなきゃならぬと考えているところでございます。

逢坂委員 今お伺いすると、いわゆる規制改革の中でやったということでありますけれども、規制改革をして、どんどん設置基準に合ってさえいればやるということでありますけれども、逆にそのことが薬学教育の劣化を招くということは相当懸念されているわけですね。

 しかも、薬学部が六年制になって、さらに専門性を高めようという今まさにこの時期でありますから、大臣、これは相当にやはり腰を据えて、今後、このままでいいのかどうか、早急にまた考え直さなければいけない。大学の経営自体にも相当な悪影響を及ぼすということなわけですね。しかも、少ない学生が入って大きな設備を準備している大学が途中で何か変なことになった場合に、それは入った学生に罪はないわけですね。だから、その点も含めて、文科大臣、しっかりとこれは対応していただきたいなというふうに思います。

 そこで、舛添大臣にお伺いするんですが、実は、大学の開設についてお伺いすると、開設そのものについては、厚生労働省と余り調整というか協議というか、いわゆる医療のあり方全体のデザインがこうであるから、例えば薬学部出身者がこの程度必要で、その中でこうやって許可をするというようなことが必ずしも十分に協議をされていないというふうに伺っているんですが、私はそれではまずいというふうに思うんですね。まさに厚生労働行政、医薬をどうするかというのは舛添大臣の所管でありますから、文科省ともっと密接に、これまでやってこないとするならばやらなきゃいけないというふうに思うんですが、そのあたりを含めて、いかがでしょうか。

舛添国務大臣 今の逢坂委員の話を聞いていて、私もやはりそのとおりだなと思っていますのは、私が大臣になって、御承知のように医師不足の問題、これは直属の検討会で検討を進め、相当変えられるところは変えました。それから、看護師についても、先般、これは同じようなことをやりました。

 ただ、薬剤師というか、この方々、よく三師会なんといって、医師会、歯科医師会、薬剤師会、常にこの三師会で動いているのに、今の人材育成についてはほとんど文部科学省と我々がそれほど密接でない。医師不足の検討会のときに、要するにコメディカルをどう使うかということでスキルミックスの話をしたときに、例えば虎の門病院の薬剤部長に来ていただいて、あそこは薬剤師さんが相当お医者さんを助けてやっている、これはいいモデルだなというような検討はしていますけれども、あくまで医師不足の一環でしかないので。

 需給見通しに関する検討会は持っていますけれども、委員がおっしゃるように、薬剤師についても、育成の段階からやはり文部科学大臣とよく相談する機会があっていいと思いますので、今の委員の御提案を受けて、どういう形でできるか、これは早急に検討させていただきたいと思います。

逢坂委員 文科大臣、厚労大臣、ぜひ、これは最終的には国民の不利益につながるということでございますので、両者で協議をして、あるべき姿を早急につくり上げていただきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。

 それでは、お二人の大臣、これで私のこの分野の質問は終わりますので、どうもありがとうございます。

 それでは次に、お配りをしたペーパーの二枚目をごらんいただきたいと思います。お配りをしたペーパーの二枚目、これは国土交通省のホームページから引用したものでございますけれども、御案内のとおり、先月三十一日に、国道の費用便益評価を見直したことによりまして、全国の国道の約二十路線程度について、予算計上はしているけれども、事業の実施を凍結するということが発表されたわけであります。

 これについて、金子大臣、実は地元で相当大きな反響がございまして、普通こういうものというのは事前に地元にも連絡があって、こういう事情でこうこうこうなってこんな段階なんだ、だからこれは凍結ということも検討せざるを得ないというようなことがきちんとやはり説明があってしかるべきだという声が非常に強いわけですね。

 きょうも地元の首長さんたち、関係の首長さんたちが来られまして、本当にびっくりした、突然のことなんだ、一体どうなっているんだということなんですが、まず国土交通省にお伺いしたいんですけれども、この点、事前に地元関係団体、自治体含めて、きちんと説明をして発表したのかどうか、このあたりについてお伺いをいたします。

金井政府参考人 お答えをいたします。

 三月三十一日に、先生御指摘のとおり、十八カ所の点検結果について発表させていただいたとおりでございますけれども、公表前に都道府県についてはすべて御説明をいたしました。それから、市町村でございますが、地元の方でアポをとって回りましたけれども、公表の三月三十一日までに二十四の市町村、それから公表後の四月一日以降に五つの市町村、全部で対象は二十九市町村あると理解をしておりますが、ほとんど事前に御説明をしたということで、一部間に合わなかったところがあるということで、大変恐縮でございます。

逢坂委員 局長、確かに説明をしたというふうにおっしゃっておるようでございますけれども、きょう来られた町村長さんが言っていたのは、三月三十日の午後に突然やってきて、実はこうこうこうでこれをあした発表しますという説明だったと。これは事前の説明とかというレベルのものではない、全く入り込む余地も工夫の余地も何もない中で、あした発表しますからよろしくみたいなニュアンスだったというふうに伺っているんです。

 地元の首長さんたちは、それぞれの事業について、地元の住民の皆さんにも説明し、協力を仰いで、しかも今後の見通しなんかも当然事前にも説明している。その中で、皆さんもう、全く地元に対して今まで言っていることと違うというようなことになってしまって、やはり大混乱なわけですね。

 だから、今の説明というのも、どの程度説明されたんですか。それは把握していますか。

金井政府参考人 一応ちょっと経緯を再び御説明させていただきますと、交通量、それから事業評価のやり方を、昨年十一月に委員会の議を経て決めさせていただきました。

 それから、交通量配分のためのOD表というのがございます。全国のどこからどこまでどのくらいの車が行くか、それを一月十三日にぎりぎり作成をいたしました。その結果に基づきまして、交通量の配分であるとか事業評価のBバイCを算出させていただきましたので、一応、点検という意味で、BバイCの値だけを今回ぎりぎり年度末に間に合わすことができた。

 大変申しわけないところでございますが、通常、再評価というところまでやって、例えばコスト縮減をやって、さらにこの事業が継続すべきなのかどうか、そこの判断まで通常いたしますけれども、今回そこまで間に合わなかったということで、説明がぎりぎりになり、さらに、非常に駆け足でやりましたもので、十分な御説明資料ができなかったということは申しわけないと思っておりますが、一応、お約束どおり、BバイCについて年度内に点検をし、今後しかるべく速やかに再評価をするというプロセスでやらせていただきたいと思いますので、御理解のほどお願いできればと思います。

逢坂委員 局長、やはり、皆さんが考える以上に、道路の継続事業を突然天から降ってきたようにとめられるということは、地元の混乱は非常に大きいわけですね。新規のものがことしやれるかやれないかということであるならば、それはそれなりに納得をするわけでありますけれども、やはり、前日の午後に来てあしたこれを発表いたしますでは、もう本当に信じられないというようなことだというふうに思います。

 ぜひ今後こういうことのないようにしていただきたい。やはり利害関係者に十分な説明ができる体制がなければ、これはうまくいくものもいかなくなってしまいますし、せっかく地元で期待されている皆さんも、何だこれはということになってしまいます。しかも、こんなことをやってしまうと誤った情報が流れる可能性もありますので、もう二度と道路はやらないんじゃないかみたいに思っている、ここまで工事が進んでいるのにこれでとめるのかみたいな声まできょう首長さんたちからも寄せられまして、ぜひそこには今後配慮をしていただきたいと思います。

 そこで、いわゆる費用便益評価でございますけれども、私は、この費用便益評価というものを道路整備の一つの考え方にしていくことは、それは頭から否定するものではございません。しかしながら、現在のこの費用便益評価というものが、本当に道路をつくるべきかつくらざるべきかを判断するのに十分なのかどうかという点なんですけれども、まず政府参考人にお伺いしますけれども、費用便益評価について簡単に説明いただけますか。

金井政府参考人 道路事業でいいます費用便益でございますが、現在、コストは事業費用をそのまま、将来の管理費も含めて計算をさせていただきます。それから、便益でございますが、いわゆる三便益と言っておりまして、時間とかコストとか事故の減少、そういったものをできるだけ簡単に評価させていただいて、それをもってBバイCを出させていただくというやり方をやらせていただいております。

 今、先生の御指摘にありましたとおり、それは極めて過小評価ではないかという御指摘はたびたびいただいております。そのほかにいろいろな効果があるのではないかという御指摘もいただいておりますが、とりあえず、貨幣換算が簡単にできる、間違いなくできるという判断基準に基づいて、若干コンサーバティブではございますけれども、そのような基準で現在やらせていただいておるということでございます。

逢坂委員 若干コンサーバティブという言葉を使いましたけれども、余り私は英語がよくわからないので、後で日本語に直して説明をしていただきたいと思いますけれども。

 局長にお伺いしますけれども、道路整備をするときに、幅員の狭い道路と幅員の広い道路、どっちがコストが高いでしょうか。それからもう一つ、道路の構造、縦の構造ですね、道路の路盤が浅い道路と路盤の深い道路、どっちがコストが高いですか。局長、一般論として。

金井政府参考人 コンサーバティブと申し上げましたが、若干過小評価になることが多いのではないかということで申し上げました。

 それから、先生御指摘のとおり、特に積雪寒冷地に行きますと、堆雪幅ということで、幅員の余分にかかることがある。それから、路面が凍るということで、少し舗装の厚さであるとか路盤の厚さを高くとる必要がある。そのような場合、当然事業費は高くなるものと認識をいたしております。

逢坂委員 そうなんですね。例えば、同じ経済効果をもたらそうと思っても、北海道における道路というのは、堆雪スペース、のけた雪を一時置いておくスペースというのはどうしても必要になる。そうしなければ、夏と同じ幅員が確保できないということになるわけですね。

 それから、今、路面が凍るというふうに言いましたけれども、実は、北海道の道路は路面が凍るのではないんですね。要するに、道路の、地面の下が凍って土が盛り上がってくるわけです。だから、路面が凍るのではなくて、下からぐわあっと突き上げるように盛り上がってくる。これを、凍上抑制という言い方をするわけですが、北海道の言葉で言うと、しばれる、しばれ上がりを防止するための工夫が要るわけですね。そのために路盤を深く掘って、たくさん砂利を入れてそれを抑制するというようなことをやるわけです。

 それからもう一つ、当然除雪経費がかかるし、道路は、ただ除雪するだけではなくて、どこから道路の端なんだ、どこからが道路の外なんだということを、雪が積もりますから、それを明確にしておく棒を立てなければいけない。これは、一般的にはデリネーターという言い方をしている。正確にはデリニエーターというんでしょうか、こういうものも必要になるわけでありまして、当然、そうなれば、さっきの話からすればBバイCのCの部分ですね。これは、同じ経済効果をもたらそうと思っても、Cの部分は北海道においてはどうしても高どまりになる傾向があるというふうに思うんですが、改めてその点どうですか。

 それともう一つは、こういうものが、ちゃんと便益費用分析の中でそれが考慮されるような仕組みになっているんでしょうか。どうですか。

金井政府参考人 お答え申し上げます。

 費用については、委員御指摘のとおり、さっき路面と申し上げましたが路盤が正しいと思いますけれども、路盤の凍上その他の理由により、積雪寒冷地であるとか、それから中山間地、当然道路構造が厳しくなりますので、そういった点からコストが高くなるというのは当然の帰結であると思っております。

 それからもう一点、それがBバイCにどう反映されるかということでございますけれども、さっき申し上げましたとおり、現在やっております道路の評価というものは極めて貨幣換算化が適切にできるという観点からやっておりますので、そういう、例えば中山間地とか積雪寒冷地とか、いわゆる条件が不利になるということを直接配慮するような規定には現時点ではなっておりません。

 これも先生御承知のとおり、例えばヨーロッパですとドイツでやっておりましたけれども、旧東ドイツの投資では、そのままBバイCを割り増し係数を掛ける、地域係数と言っておりましたけれども、そういったことまで含めてマニュアル化したこともございます。ただ、現在、またいろいろ議論があってその地域係数はやめているようでありますけれども、やはりいろいろ議論を経て、そういう条件不利地域のBバイCの値を適切に見直していくということは当然必要であると思っておりまして、私どももその線に沿って努力をしたいと思っております。

逢坂委員 局長に続けてお伺いしますけれども、今まさに過小評価であるという話がございましたけれども、私が子供のころに住んでいた地域のすぐそばにある集落がありまして、そこは実は船じゃないと行けないんですね。半島に突き出たところの岬の向こう側にあるようなところでした。そこに道路をつくるということで、国民の安全とか快適さ、快適までいかないけれども、今までよりは利便性が高まってきたということがあるわけです。

 でも、そういうところに今のこのBバイCの考え方で道路をつくろうといったら、多分、BバイCは〇・一とか二とかにしかならないのかもしれないんですね。でも、やはりそういうところだからこそ逆にまた道路は必要になるわけでございまして、ぜひ局長さん、過小だということをお認めになるのであれば、きちんと少しでも要素を入れ込みながら、客観的な視点で道路はこれがつくれるかつくれないかというような判断ができるようにまた御努力いただきたいというふうに思うんです。

 それで、今回のBバイCの中に、例えば、すぐそばに火山がある、噴火をしたときの代替路あるいは避難路だというようなことなんというのは盛り込まれるのかどうか。一本国道はあるんだけれども、噴火をすれば一本だけでは全く避難の用にはならないというようなこともあるわけでございまして、そういったことは加味されているのかどうか。あるいは、地域に病院がない、救急搬送としてはどうしてもこの道路は、そんなに頻度はないけれども使わざるを得ないというようなこともあるわけでございますが、局長さん、こういう要素というのは盛り込まれているんでしょうか。

金井政府参考人 御指摘の要素、いろいろ盛り込んでいくことは非常に必要であると思っております。

 例えば、病院について、命の道という言葉が最近随分広がってまいりましたけれども、高速道路の関係で病院への搬送時間が十分、二十分短縮して随分命が救われたとか、特に災害時に非常にとまることが多い地域において、やはり災害時にあっても、大雨、洪水、そんなときにあっても交通が確保された、それから、特に今火山の関係を御指摘いただきましたけれども、火山の関係、そういったものについて正確に評価していくことは必要だと思っております。

 現在、マニュアルとしてそれらを定量的に数値化した式はございませんけれども、この間、専門の先生方にも御議論いただいて、そういう要素を入れた提案をしていただくことは可能になっております。現に、地域から、命の道であるとか防災であるとか観光であるとかいろいろなことについて、こういう効果があるからこういう提案をしたいというお申し出もたくさんいただいておりますので、そういった提案は大事にさせていただいて、ぜひうまく評価して、最終的には定式化することも含めて、前向きに検討させていただければと思っております。

逢坂委員 そこで、今回BバイCが一に満たないとされた十八路線の今後についてでありますけれども、局長、今後これはどういうスケジュールで見直しをされる予定になっておりますか。

金井政府参考人 今後でございますが、まず、事業主体の方で再評価という手続をやらせていただきます。

 これは主に、さっきも御指摘いただきましたが、できるだけコストを縮減する。これは、発注額を単に縮減するということではなくて、よく一・五車線というような概念もございますけれども、計画面も含めてできるだけコストを縮減する。

 それから、Bについても、今、地域のいろいろ御提案があればぜひ賜って、新しいBバイCを出して、事業を継続するのかどうか判定できるようにして、それを、例えば整備局であれば事業評価監視委員会、専門の先生方に入っていただいた委員会がございますので、その中で再度御審議をいただいて今後の事業の方向を決定する、そういうプロセスを……(逢坂委員「日程的にはいかがですか」と呼ぶ)

 事業評価監視委員会は今まで四半期に一度やっておりますけれども、そうは言わず、できるだけ早く御審議いただけるように努力をしたいというふうに現在検討中でございます。

逢坂委員 そこで、金子大臣、今のやりとりを聞いていただきまして、BバイCの評価というのは私は否定をするものではない、これはある種大事な一つの指標であろうとは思うんですけれども、必ずしもこれは完全ではないわけですね。完全な判定基準というのができるかどうかという議論もいろいろあろうかと思いますが。

 そこで、国土交通省のホームページから私が先ほど資料の二で引っ張ったペーパーを見ていただきたいんです。この中に、これは下から二つ目の段落になりますか、「点検の結果、B/Cの値が一以下の事業については、既に支払いが約束済みのもの等を除き平成二十一年度の事業執行を当面見合わせることとし、」という書き方があるんですが、この「事業執行を当面見合わせる」という書き方は極めてきついのではないか。新聞報道などによっては、先ほどの話にもつながるかもしれませんけれども、あたかももうこの事業がやられないかのごとくの報道をしているところもあるわけですね。

 そこで、資料の三をごらんいただきたいんですけれども、資料の三の一番下に、以下のように私はこれを修正すべきではないかというふうに思うんですね。「点検の結果、B/Cの値が一以下の事業については、既に支払いが約束済みのもの等を除き、速やかに、コスト縮減など事業内容の見直し等の検討を行い、再評価を実施して事業の継続を検討する予定です。」ということに、この「見合わせる」というところに妙に力点を置いているような、ここはなくたって意味が十分通ずるわけですから、こういう発表だってしかるべきだったのではないかと思うんですが、大臣、こういうふうに直されたらいかがですか。大臣、いかがですか。

金子国務大臣 逢坂議員からも、きょうは、道路の事業継続についてそれなりの一定の御理解をいただけたと思っておりまして、大変力強く感じさせていただいております。

 ただ、数次の国会の議論を通じまして、無駄な道路はつくらない、費用と便益についてしっかりした考え方を持って、そして事業評価をした上で事業を実施すべしという国会での議論があったことは、これも逢坂委員よく御存じのとおりだろうと思っております。

 そういう意味で、国会で出ました費用便益、特に、費用というものはどういうものかという細かい議論まで出されました、それも全部専門家に、国会ではこういう意見が出ています、コストとしてはこういうものも出ていますということを含めて、評価委員会で議論してもらいました。そして、費用と便益の考え方を整理して、道路財源は一般化されますので、二十一年度の事業について、直轄についてはすべて事業評価をする。これも、逢坂委員、予算委員会でちゃんとやるんだなという御指摘をいただいておりましたけれども、その事業、これは点検をさせていただきまして、その結果、十八路線について一以下という数字が出てきたところであります。

 ただ、おっしゃいますように、費用便益という、今出てきている特にコスト計算がすべてだと私も思っておりません。やはり地域事情もいろいろあるなと。今、防災、火山帯の話がありました。それから、島の道路というお話もありました。決して、雪が降るから、積雪地帯だからという特例だけじゃなくて、やはり、中山間地、山の中とかいろいろな、全国各地区で、今行われております費用便益計算だけでは対応できないところというのはあります。

 そういうところについては、今御指摘を既に委員もしていただいておりますけれども、地域の皆様方から、こういう考え方に基づいて道路をつくるという、あるいは、こういう考え方なら道路はいいではないかと。BバイCは、もとより費用便益が一を超えるようにコストを下げるという最大限の努力はしますけれども、それでもなお到達しない場合どうするんだというのが、次の我々政治家に課せられた一つの大きな取り組み。そういう中で、地域の皆様方あるいは国会の皆様方で、こういうものはいいではないかという一つのコンセンサスというものが、またこれから我々が直面しなければいけない問題だと思っております。

 このBバイCの計算方法とそれに基づく道路をつくるかどうかという決断というのは、各国とも違います。ある国は、BバイCが悪くても政治が決断すればいい、こういう先進国もありますし、それは我々がこれから取り組まなければいけない課題だと思っております。

 その上で、少し説明が長くなりましたけれども、今委員がおっしゃっていただいた文章についてなんですが、道路財源一般化というのに際しまして事業評価をやらせていただきました。そういう意味で、この十八路線については、道路局長が答弁しましたように、最大限、地域とも相談をして、一を上回るようにしていきたい、やっていきたいと思います。なるべく早い機会にこれが事業化、継続できるように最大限やっていきたいと思っております。

 この表現についてどうするかということにつきましては、道路財源一般化の法案を国土交通委員会で可決させていただきました。修文もしていただきました。その際に、これについての表現をどうするかということについては、やはり地域に負担を与えない、それは逢坂委員と同じ、みんな与野党とも意見が一致しまして、これについては修文をしていこうと。どういう修文にするかということは、きょうの逢坂委員の御意見も聞いた上で修正させていただこうと思っております。

逢坂委員 大臣、誤解があるといけないんですけれども、私は、必要な道路はつくるべきだという、どちらかといえば積極論者であります。ただ、コストは必要以上にかけないで、でも必要な道路はしっかりつくっていかなきゃならない。それは、地域に暮らしていて、私も自治体で二十二年仕事をしていて、道路の重要性というのは、場合によってはほかの方よりも痛切に感じている部分があります。そして、過疎地であったり山間地であればあるほど、これは重要な局面があるわけでございますので、大臣、ぜひきょうの答弁を踏まえて、一を下回るところは一をうまく上回れるように、場合によってはほかの要素も入れ込んで考えていっていただければというふうに思います。

 質疑の時間が終わりましたけれども、一言だけ。

 実は、今回の経済の状況の中で、外国人観光客が大変厳しい状況になっている。観光立国推進計画によると、平成二十二年までに一千万人にする目標だということなんですけれども、今、外国人観光客、日本へ来る方が急激に落ち込んでおるんですが、このことに対して一言だけ観光庁長官の方からお願いしたいと思います。

川端委員長 時間が過ぎておりますので、簡潔に御答弁をお願いします。

本保政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、昨年の後半から落ち込みが始まりまして、ことしの分は二月までの合計で約三割の減ということでありますので、できるだけの対策をということで、効果のあるプロモーションということで、影響を受けていない層、例えば中高所得者でありますとかリピーター、こういうところに対するプロモーションを一つ打っております。

 それからもう一つは、可能性が高い中国マーケットへの訴求ということで、この夏からでも、個人の富裕層の方が個人で来れるようにビザの緩和措置を検討してまいりまして、関係省庁でこれがまとまりましたので、広州それから上海、北京、こういうところからスタートでございますが、こういうものを活用して誘客に努めてまいりたいと思っております。

逢坂委員 以上で終わります。どうもありがとうございます。

川端委員長 次に、平岡秀夫君。

平岡委員 民主党の平岡秀夫でございます。

 きょうは、たくさん質問を用意し過ぎちゃって余り時間がとれないので、端的な答弁でお願いいたしたいと思います。

 まず最初に、厚生労働大臣に対して、肺がん治療薬イレッサの問題について昨年の二月の二十六日に予算委員会でちょっと質問をさせていただきまして、そのときは大臣からかなりいろいろな、ちゃんと調査をするとか検討するとかという御答弁をいただいたんですけれども、その後の推移を見ていると、余り事態が進んでいないなというのが私の実感でございます。厚生労働大臣もいろいろとお忙しい仕事がたくさんあるということであろうかと思いますけれども、一つだけ確認をさせていただきたいというふうに思います。

 予算委員会で私が、ゲフィチニブ、商品名ではイレッサですけれども、使用に関するガイドラインの作成委員の中に薬品製造会社と経済的利害関係のある者がいるのではないかという質問をしまして、大臣から、「少し状況を調べた上で、きちんと公表できるものはしたいと思います。」と答弁をいただきました。

 その後、昨年の三月の十二日、そして十月の二日に質問主意書を提出いたしまして、その後どうなっているのかというふうに聞いたんですけれども、昨年の十月の十日にいただいた答弁書では、「厚生労働省としては、本年十月三日に、改めて文書により、同学会」、これは日本肺癌学会ですけれども、「に対して回答するよう促したところである。」というところで終わっているんですね。

 私が調査をして公表してほしいということを依頼したことについては今どうなっているのか、このことについて確認を求めたいと思います。

舛添国務大臣 今、平岡委員おっしゃったように、まず、三月二十六日に日本肺癌学会に対して、今の、ゲフィチニブ使用に関するガイドライン作成委員会と薬品会社との経済的関係について回答してくれと。ところが、それがまた来ない。十月三日にも改めて文書により回答を依頼したところですが、まだ今のところは来ておりません。

 では国が直接調べたらどうかというんですが、実はこれは今まさに裁判で係争中のマターであって、結局、ガイドラインの人選も肺癌学会がやっていますし、私どもが直接にやるということは、これはやはり裁判の内容について問題がありますので、そういう意味で、学会の方に、きちんと回答してください、回答した場合は公表しますよと文書でやっているんですけれども、まだ来ません。十月三日ですから、あれからもう半年になりますので、再度その要請をしたいと思っております。

平岡委員 裁判が進んでいるから何もできないというんじゃ、役所として価値はないと私は思いますよ。確かに、今問題になっていることはそうです。

 それで、私は、その利害関係があること自体がいいか悪いかということを言っているんじゃないんですよ。ちゃんとそういうことを公表していかなければいけないということについて大臣にお願いをした。だから、そのことについてしっかりと公表するという前提でちゃんと調査をしていただきたい。それだけで、あと、いいか悪いかという話は、政治資金収支報告書の中身に書いてあることがいいことなのか悪いことなのかというのは国民が判断すると同じように、それは見た人が判断をするということだというふうに思いますので、大臣も積極的な答弁をいただきましたので、しっかりとフォローしていただきたいというふうに思います。

 では、舛添大臣は結構でございます。

 次に、これは防衛大臣にお聞かせいただきたいと思います。

 実は、私、昨年のこの決算委員会と先月の二十五日の内閣委員会でも聞いた話でありますけれども、必ずしも答弁が十分でないということで、きょう大臣に直接お伺いしたいということであります。

 質問した中身は、参議院選挙に関連して、自民党の全国比例区で出馬された佐藤正久さんが自衛隊を退職された後、自衛隊の部隊長が部隊の施設に佐藤さんを呼んで、自分の部下たちに佐藤さんの講話を聞かせた。防衛省で調べていただいただけでも、実に六十五回もそういう部外講師として話をしているということがあるわけですね。私は、このような事態というのは、やはりかなり問題がある事態じゃないかというふうに思っているんです。

 これについては、国家公務員法上の問題については、確かに形式的な話として、防衛省さんが言っておられること、それはそのとおりかもしれない。しかし、この前も言いましたように、人事教育局長が出した通知の中にも、これは公職選挙法上の問題があるということで、立候補予定者については政治的内容を含む講話をさせるようなことをやってはいけないということで明確に書かれているということですね。そのことについて防衛省としてどうお考えになるのか、このことを大臣からしっかりと答弁していただきたいというふうに思います。

浜田国務大臣 先生の御指摘、何度も我々は伺っておるわけでございますけれども、しかし今回、今先生からお話があったように、政治的な部分というよりも、我々とすれば、常に佐藤議員の講話というのはイラクにおける活動等に対して知見を述べておるということでございまして、そういった意味では、政治的な意図があってそういったことをしているということではないというふうに我々は考えております。

 ただ、先生の御指摘のように誤解をいろいろな形で受けるようなところもあるかもしれませんが、我々としては、その部分はそのようなことがないように、今までの講演というものに対してはそういうふうな政治的な部分というのは一切入っていないというふうに我々は認知しているところでございますので、御指摘の点については当たらないというふうに思っているところであります。

平岡委員 大臣、それでは、政治的部分が入っていない、政治的部分という表現は人事教育局長の通知では政治的内容というふうに表現していると思いますけれども、政治的部分が入っていないということはどうやって確認したんですか。確認できているんですか。

浜田国務大臣 我々とすれば、各講話については聞いておりますけれども、しかしながら、これはあくまでも体験を語っているということでありますので、政治的な内容はなかったというふうに思っているところであります。

平岡委員 大臣、イラクに対する自衛隊の派遣というのはこの国会でも相当議論がされて、野党の多くはイラク派遣については問題があるということで反対をした法案ですよね。それについて話をするということが政治的内容を含んでいないということは、私はこれはおかしいと思います。政治的内容を含んでいないということの意味合いだけじゃなくて、さっきも言ったように、客観的に、六十五回もそういうのを自衛隊の施設内で講話をさせるということの持っている影響力、選挙に与える影響力、これはしっかりと実力部隊である自衛隊は考えなきゃいけない、このように私は思うんですよ。

 では、ついでに聞きますけれども、六十五回もこういう政治的な内容を含んでいないと言われている講話をさせたほかに、同様の、政治的な内容を含んでいないということから、参議院の全国比例とか、参議院の立候補予定者に自衛隊の施設の中で講話をさせた例というのはあるんですか。

浜田国務大臣 それは聞いておりません。

平岡委員 これは私もちゃんと前に調べてもらったんですよ。そういう例はないというふうに事務方からも報告を受けていますよ。にもかかわらず、佐藤正久さんだけは六十五回もこんなのをやらせるというのは、やはり政治的意図をもろに感じますよ、私は。こんなことを二度と繰り返してもらっては困る。そのことを込めて、きょう、私はさらに防衛省の反省を促したいというふうに思います。

 次に、防衛大臣に、ちょっと追加的に質問した部分についてお聞かせいただきたいと思います。

 実は空母艦載機の移駐というのが、厚木から岩国に行くということになっていますけれども、その際に、空母艦載機の訓練の施設というものをどこにつくるのかというのがかなり問題になっておりまして、日米合意の中では、〇九年七月、ことしの七月ですね、またはその後のできるだけ早い時期に空母艦載機の恒久的な施設の場所を選定するんだというふうになっているわけです。七月といえばもう間もない時期ですよね。

 そういう状況の中で、在日米海軍のケリー司令官が先月の三十日の記者会見で、岩国エリアに恒久的な訓練スペースを見つけるということで日本政府との協議がうまく進んでいるというふうに述べたという報道がされているということでありますけれども、この件について、防衛大臣あるいは外務大臣、どう認識されておられますでしょうか。

浜田国務大臣 我々とすれば、今御指摘のあった報道というのは承知をしておりますけれども、今現段階において、我々は当然今まで、今先生御指摘になったように協議は続けてやらせていただいておりますけれども、岩国というような、恒久的なという部分については、そのような話にはなっておらないということを私どもとしては今言えるところでございます。

平岡委員 先ほど言いましたように、ことしの七月またはその後のできるだけ早い時期に選定をするんだというふうに言っているわけですね。今、その検討状況というのはどういう状況ですか。

井上政府参考人 お答えを申し上げます。

 いわゆる恒常的な空母艦載機の着陸訓練施設、これはFCLPと呼んでおりますけれども、先ほど委員御指摘のとおり、平成十八年の五月のロードマップに書いてございますけれども、「二〇〇九年七月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする。」というふうにされているところでございまして、これを受けまして、現在、米軍の運用上の所要などにつきまして日米間で協議を行っているところでございます。

 私ども、現時点におきまして、恒常的なFCLP施設の設置場所を特定しているわけではございませんが、その選定に当たりましては、米軍の運用上の所要と騒音等の環境に及ぼす影響等を考慮しながら作業を進めているという状況でございます。

平岡委員 多分、その協議の状況を踏まえてケリー司令官が先ほど私が冒頭申し上げたようなことを言っていると思うんですね。

 これまでも、米軍再編について言えば、本当に住民の皆さんには何も知らされないで、新聞には時々リークされて、リークされた中身について問い合わせると、いや、そんなことは全く決まっていませんというふうに言い逃れて、最後に、こうやって決まりましたということで、いきなりどんと押しつけてくる、これが今までの日本の政府のやり方ですよ。こんなやり方を私は決して認められないとこれまでも何度か申し上げました。

 そこで、確認しますけれども、私は二〇〇六年の十一月七日の衆議院の安保委員会で久間防衛大臣に対して質問をし、そして同じく二〇〇六年の十二月二十一日のマスコミ報道にも安倍総理が答えているわけでありますけれども、空母艦載機訓練施設は岩国基地にはつくらないというふうに明言をされておられます。私は、ケリー司令官の発言というのは、この答弁あるいは安倍元総理の、当時総理ですけれども、総理の発言に反しているというふうに思うんですけれども、どうでしょうか。

浜田国務大臣 この点につきましては、米側に確認したところ、御指摘のケリー司令官の発言は、恒常的な空母艦載機着陸訓練施設について、ロードマップにより二〇〇九年の七月またはその後のできるだけ早い時期に選定するということを目標とされていることから、現在、米軍の運用上の所要などについて日米間で協議を行っていることを述べたものであって、報道のような発言はないと聞いております。

 そして、我々とすれば、今先生の御指摘のあった当時の久間長官の発言にそのまま、明言しておられたことについては我々もそれを踏襲しているということであります。

平岡委員 踏襲しているということでありますから、それを守っているということですね。もう一度確認してください。久間防衛庁長官の発言は今も政府の方針であることを確認してください。

浜田国務大臣 現時点で、我々とすれば候補地を特定しておりません。従来から申し上げるとおり、岩国飛行場及びこの近郊をFCLP施設の整備場所とする考えはないということであります。

平岡委員 現時点のところというような、将来の言いわけを前提に置いての答弁でありますから、私は決して信用できていないというような状況にあるように思いますけれども、引き続き、この問題についてはフォローしていきたいというふうに思います。

 次に、沖縄の金武町の伊芸区で起こった被弾事件について質問したいと思います。

 昨年の十二月の十日に発生した被弾事件について米軍の報告書が出たわけですけれども、その報告書では、流弾、流れ弾ですね、とキャンプ・ハンセンの実弾演習場の訓練との関係を否定したと報じられていますけれども、国家公安委員長、これはどういう根拠で関係を否定しているんですか。

佐藤国務大臣 お答えを申し上げます。

 お尋ねの報告書は、本年四月一日、沖縄県警、沖縄県、外務省及び沖縄防衛局の関係者に示されたものであると承知をしております。

 当該報告書におきましては、被害者と目撃者が沖縄県警に示したとされる事件の日時と演習場での実弾訓練が実施された期間が一致しないこと、弾道学の専門家による解析の結果、実弾訓練で発射される実弾が演習場から伊芸区の方向に跳弾として流出することは統計学的にも確率が極めて低いこと等を根拠として、発見された弾しんが演習場で行われた実弾訓練との関係がないものと結論づけたものであると報告を受けております。

平岡委員 その報告を受けて、これから県警としてはどういう捜査をするつもりなんですか。そのままでは、地元住民の人たちは全く納得しないですよね。実弾はナンバープレートにはまっているというような状況の中で、関係はありませんと言われたって、そんなことをだれが信用しますか。

 県警としてしっかりと捜査をしなければいけないというふうに私は思うんですけれども、どうですか、今後の捜査方針。

佐藤国務大臣 沖縄県警察におきましては、米軍側の報告書等の内容を精査するとともに、さらに捜査を進めていくというふうに報告を受けております。

平岡委員 そんな一般論で言われてもちょっとあれですけれどもね。

 私が聞いたところによると、昨年の十二月に県警から米軍に対して質問書を出し、そして、ことしの二月にもまた質問書を出したけれども、回答がなかなか返ってこなかった。四月の二日に返ってきたというような話もあったようでありますけれども。そんなまどろっこしいような対応しかできない今の状況というのは、私は、日本と米軍との間のいろいろな地位関係というものが警察の円滑な捜査を邪魔しているんじゃないかというふうに思うんですよ。

 この点について、日米地位協定等が邪魔しているというような認識はありますか。

佐藤国務大臣 お答え申し上げます。

 沖縄県警におきましては、米軍に対して引き続き照会を行うなど、所要の捜査活動を行っていくものと承知をしておりまして、いずれにいたしましても、警察といたしましては、現行法体系の枠組みの中で法を執行すべきものであると承知しております。

平岡委員 警察としては現行法制度の枠内でとしか言いようがないのかもしれませんけれども、私はまさに、警察が必要な捜査ができないというのが日米地位協定の問題として存在しているというふうに思います。

 ちょっと質問が戻りますけれども、先ほど日時が食い違っているということが米軍の一つの根拠になっていると言われましたけれども、この点について県警としてはどう考えているか。これは政府委員でも結構です。その点について、何か食い違うような話もまたちょっと聞いているので、答弁願いたいと思います。

米田政府参考人 この事件、昨年の十二月十三日の午後七時半ごろに警察は認知をいたしました。その際、いろいろ事情聴取をした結果、最初に目撃した日時が十二月の十一日ごろという話でございました。ただ、その後、さらに詳しい事情聴取をした結果、その前日、十二月十日であるというように変化いたしまして、県警としては十二月十日であるということを認識しております。

 それで、十二月十一日であるというように認識した時点で米軍の方にも通報をしております。しかしながら、その後、再三にわたりまして、沖縄県警からは米軍に対しましてこれは十二月十日であるというように申し向けているところでございます。

平岡委員 どこかで米軍と警察との間で情報が錯綜しているのかもしれません。

 私は、先ほど申し上げましたように、この問題について言えば、地元住民の人たちは、これはキャンプ・ハンセンの射撃場から来た弾にほかならないとみんな思っているわけですよ。それにもかかわらず、その関係を否定し、何もしないというような状況になってきていることに対する、米軍に対する不信感というものが相当出てきていると思うんですね。警察はしっかりと捜査していただきたい。

 そして、外務大臣にもお伺いしたいと思うんですけれども、真相がはっきりとしていない、特に米軍がその関係を否定しようとしているという状況、それから、安全対策と言われているものも、具体的な中身については全く日本側に知らされていないような状況にあるんだろうと私は思うんですね。こうした真相が解明され、安全対策についても、しっかりと安全対策が確保されているという状況が確保されるまではこういった射撃訓練はすべきではない、してほしくないということをちゃんと要請すべきだと思いますけれども、外務大臣、いかがでしょうか。

中曽根国務大臣 この流弾被疑事案につきましては、外務省から、この事案が発生後、在京米国大使館に対しまして、訓練の安全が確保されるまでの間は関連する訓練を中止するよう申し入れをしておりまして、これに対しまして、米側からは、改めて訓練における安全対策に万全を期することとした旨の回答がございました。

 そのような中、この四月の一日に、在沖縄海兵隊は、先ほどからお話ありますけれども、米側の調査結果を発表したわけでございます。今回発表されましたのは米側の調査結果でございまして、本件事案につきましては引き続き日本側警察当局で捜査を継続中でございますので、外務省といたしましては、その結果を見つつ適切に対応していきたい、そういうふうに考えております。

 米側に対しましては、引き続き、日本側捜査への協力を申し入れをしたところでございます。

平岡委員 捜査への協力も当然でありますけれども、住民の皆さんが不安に思っているというこの事実をしっかりと外務省も認識して、米軍に対して、ちゃんと真相が解明され、そして安全対策が確認できない限りは射撃訓練を行うべきでないという姿勢をしっかりと貫いていただきたいと思います。

 せっかくきょうは外務大臣に来ていただきましたので、北朝鮮の飛翔体発射の問題についてちょっとだけお聞きしたいというふうに思います。

 日本時間の本日未明に、日本政府等が安保理の非公式協議の開催を求めて開催されて、新決議案の採択を目指したけれども、何か結果としては余りうまくいかなかったような話も聞いておりますけれども、この安保理の非公式協議の結果というのはどういう結果になっているのかということをまず教えていただきたいと思います。

中曽根国務大臣 北朝鮮の飛翔体の発射という大変遺憾な事態が発生したわけでございますが、国連安保理での会議の開催をいち早く我が国が要請いたしました。そして、会議に先立ちまして各国と緊密な連携をとることが大切だろう、そういうふうに思いましたところから、韓国、アメリカのクリントン、あるいは中国、フランス、ロシア、イギリス、オーストラリア等の外相と電話会談を精力的に行ったところでございます。

 当然のことながら、それぞれの会談におきまして、北朝鮮が発射を強行したことは非常に遺憾なことである、これは地域の平和と安定を損なうものであって、安保理決議違反であって、我々としては容認することはできないと、強く各国に我が国の立場をお話をいたしました。安保理において緊密に連携をして強いメッセージを出すことが大事だと、我が方からは各国に事前の話をしたところでございます。

 今委員からお話ありましたように、安保理、これは非公式協議でございましたけれども、我が国から改めて北朝鮮の発射について説明をし、安保理決議違反である、そして、決議を採択することが望ましいとの立場を表明いたしました。この会議は非公開でございまして、各国の具体的な発言の内容につきましてはお答えを差し控えさせていただきますが、いろいろな意見が表明されたと聞いております。

 協議後の記者会見におきまして、安保理の議長国でありますメキシコから、安保理は、深刻な事態に対応するため緊急の非公式協議を開催し、北朝鮮による発射によって生じた懸念に耳を傾けた、それから、安保理メンバー国はこの関連で意見交換及び情報の交換を行った、そしてさらに、安保理メンバー国は、本件の緊急性にかんがみ、安保理の責務に従い、安保理としての適切な対応につき協議を継続するということで合意をした旨の発言を議長が行ったところでございます。

 今後の議論の結果につきましては現時点で予断することはできませんけれども、我が国としては決議が望ましいとの立場であり、これは米国等とも全く一致した考えでございます。

 いずれにいたしましても、国際社会が一致して行動することが大事なわけでございまして、各国と連携をとりながら対応していきたいと思っております。

平岡委員 時間が来たので簡単に終えますけれども、中国が発射を決議案とする見方に否定的な姿勢を示したというふうにも言われているんですけれども、中国がそういう姿勢を示しているその理由は何ですか。

川端委員長 外務大臣、簡潔にお願いいたします。

中曽根国務大臣 中国のそういう理由ということなので、ちょっと推測の域を脱しませんが、中国は、やはり我が国と同様に、この地域の安定あるいは平和を乱すような行為、そして緊張が高まるような行為に対しては懸念を有しておるわけでございまして、そういう点は我々と一緒でございます。

 安保理の対応につきましては、中国は、慎重かつつり合いのとれたものであるべきという、それが中国の立場である、そういうようなコメントも出しておるところでございますが、これは、通信衛星の打ち上げであると北朝鮮が事前に言っていたということも関係するかもしれません。

 いずれにせよ、安保理が一致した強いメッセージが出るように今後も努力をしていきたいと思っております。

平岡委員 質問を終わります。

川端委員長 次に、松本龍君。

松本(龍)委員 今も沖縄の話が出ましたけれども、私も沖縄の問題について質問をしたいというふうに思います。

 事の正確を期すために新聞記事を読ませていただきます。

 ことしの一月十四日午前八時二十分ごろ、糸満市小波蔵の老人ホーム沖縄偕生園裏の歩道で、水道工事中に不発弾と見られる爆発事故があった。ショベルカーを操作していた重機オペレーター古波蔵純さんが顔や頭に重傷を負い、県立南部医療センターに運ばれた。また、同園に前日から短期入所していた男性が右かかとにガラス片で切ったと見られる軽いけがをした。爆発の衝撃で同園の窓ガラス百枚以上が割れた。糸満署が現場検証し、事故原因などを調べている。

 この事件が一月十四日に起こったわけですけれども、事務方で結構ですけれども、その後の対応、あるいは、今までこれらに類する事故が何件あったのか等々をお願いしたいと思います。

清水政府参考人 お答え申し上げます。

 まず、これまでの不発弾等の事故の件でございますが、沖縄県下におきまして、本土復帰以来、これまでにございました不発弾等の爆発事故で死傷者が発生したものでございますが、政府として現時点で把握している限りにおきまして、今般の糸満市不発弾爆発事故のほかに十六件ございます。

 このうち、これまでの対応でございますが、政府において対応いたしましたのは、昭和四十九年、多数の死傷者がございました那覇市小禄での事故でございまして、沖縄県、那覇市とともに、政府において被害者等に見舞金の支給を行ったところでございます。また、その後、探査発掘事業等について、沖縄県について拡充等を行ってきたところでございます。

 また、先生御指摘の、今般一月の糸満市の事故の発生後、この糸満市の不発弾事故への対応も含めまして、また、今後の不発弾等による不慮の事故に対応するために、佐藤大臣の指揮のもとで対策を取りまとめ、二月十日でございますが、不発弾等に関する新たな安全対策の取りまとめを行い、これに基づきまして、沖縄県に沖縄県不発弾等対策安全基金の創設を行ったところでございます。これを踏まえまして、今般の糸満市の事故で重傷を負われた方に対しては見舞金を、また、被災いたしました特別養護老人ホームに対しては支援金を支給することとしているところでございます。

松本(龍)委員 沖縄戦最後の激戦地であった糸満でこの事件が起きた、しかも、戦後六十数年たって、わずか二十五歳の青年がまさに戦争の犠牲者になって重傷を負ったということは、非常に象徴的な出来事と思いますし、私は怒りを禁じ得ないというふうに思っております。

 また、五十メートル離れた老人ホーム、話を聞きましたけれども、八時二十分の出来事で、朝食でみんな同じ場所に集まっていたからガラスが当たらなかった、これが部屋にいたら、ある部屋では飛んできたガラスが向こう側の壁に突き刺さっていたということを聞きましたけれども、まさに、そういうことを聞いたときに、この事件は大変な大きな事故だったんだ、事件だったんだなと私は想像を絶するくらいに思っております。

 佐藤大臣があらゆる努力をされて十億円の基金をつくられてきた、このことは、今まで六十数年放置された事柄に対して一筋の光明、道筋をつけたというふうに私は思い、高く評価をしています。一日も早く、被害者に対する補償、あるいは壊れた建物に対する補償をお願いしたいと思いますが、大臣の答弁をお願いします。

佐藤国務大臣 お答えを申し上げます。

 今般の事故で重傷を負われた古波蔵さんに、まずもってお見舞いを申し上げたいというふうに思います。

 先生御指摘の見舞金につきましては、その障害の基準が、現在労災認定の審査中でございまして、確定していないところでもありますが、労災認定がなされ、障害の基準が確定をいたしますれば、当該基準に基づき、直ちに支給を行うというふうに考えております。

 また、被災をした特別養護老人ホームにつきましても、現在、沖縄県から糸満市に対して補助金を交付するための諸手続の整備を行っていると伺っておりまして、その後、糸満市が客観的に障害状況の調査を行い、当該調査の結果に基づきまして支援金の支給を行う考えであります。

 いずれにいたしましても、沖縄県等々と連携をいたしまして、先生の御趣旨に沿うように、できるだけ早く見舞金や支援金の支払いを行ってまいる所存でございます。

松本(龍)委員 新しいスキームで対処されたということは評価しますけれども、まだまだ多くの課題が残っております。

 まず、不発弾の処理ですけれども、公共事業なら面倒を見るけれども民間はできないという状況がある、二分の一という状況があります。これは、危険を取り除くということに着目をすれば公共も民間もないわけで、さらに、発見された不発弾の数は民間が四割あるわけです。そういう意味では、国家の責任として、戦後処理として、民間もしっかり、不発弾の処理に対して予算措置も含めて面倒を見ていかなければならないと私は考えていますけれども、大臣はどういうふうにお考えですか。

佐藤国務大臣 お答えを申し上げます。

 不発弾等による不慮の事故を防ぐためには、民間工事についても、先生おっしゃられるように、磁気探査に積極的に取り組むなどの安全対策を行っていただくことが必要だというふうに基本的には思っております。

 民間工事における不発弾探査について国が補助することは困難でありますが、民間工事における安全対策への環境整備を行いたいと考えております。具体的には、不発弾等情報をデータベース化して民間事業者と共有化するとともに、民有地も含めて実施している広域探査事業を加速するなどの取り組みを行ってまいりたいと思います。

 要は、民間の開発が見通せるという場合には、例えばその道路等々の探査をそこに集中させる、そして、民間の土地等々をまたぐような形で、例えば電磁波が通るわけでありますから、その場所等々については不発弾が見通せるようなこと等々も積極的に考えていきたいという考え方のもとに、今のところそういう考え方でやらせていただこうというふうに思っております。

松本(龍)委員 今の答弁はちょっと不十分だと思います。

 やはり、民間もしっかり磁気探査をするというモチベーションをどんどん上げていって、スピードを上げていく、そして、広域的に効率的にやっていく、このことが今一番重要なんだろうというふうに考えておりますから、ぜひ、民間の場合もそういうモチベーションを高めていただきたいというふうに思っております。

 この糸満のケースで、私ずっと地元紙を読ませていただいて、教訓になるのは、この糸満の場合は、岩盤がかたかったから、あるいはその情報がなかったから磁気探査をしなかったというふうに言われております。さらに、ここでは六カ月前に道路工事をやっております。そして、その後の水道工事ですから、道路工事をやった後の水道工事で磁気探査をするケースは余りなかった、想定できなかったと地元の人たちは言っていますけれども、道路工事は六十センチぐらいで、まさに水道工事はもっと深くなるわけですね。ですから、そういう誤った感覚を与えてはいけない。

 そういう意味では、民間にもしっかりそういうことを周知していきながら、データベースの作成もそうですけれども、やはりスピードを上げて、今から七十年かかるというふうに言われています、二千三百から二千五百トンの不発弾が残っているというふうに言われておりますので、磁気探査のあるいは広域的な探査をやっていく。さらには、疑わしきは実施するという、このことをルール化していく、さらには義務化をしていく。そして、予算措置も含めて磁気探査の義務化をしていく。そのこともあわせて進めていただきたいと思いますけれども、お答えを願います。

佐藤国務大臣 今先生がおっしゃられたこと等々、私も同じ気持ちでこのことに当たらせていただきました。いろいろ知恵を絞って、スピードという観点でも考えさせていただきました。

 そこで、そういうルールを決めて探査をさせていただくということはもちろんでありますけれども、意気込みとしては、沖縄全土を探査できるような意気込みでこれからスピードアップをしてやっていこうというつもりでやりたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

松本(龍)委員 意気込みはしっかりお伺いをしました。本当にそのとおりにやっていただきたいと思います。

 政治の要諦というのは、皆さんプロですから御承知だと思いますけれども、安心、安全を提供するのが政治家の使命でありますけれども、その前に一番大事なのは、不安や恐怖を取り除くということが私は一番大事なことだろうというふうに思っています。これなくして政治の要諦はない、それがやはり沖縄に集中しているということをしっかり御認識いただきたいというふうに思っております。

 私は、対人地雷の禁止条約ができたときに、十二年前ですけれども、これはアメリカとのいろいろな関係をおもんぱかって及び腰になっていたんですけれども、当時の小渕恵三外務大臣が政治判断をされて、この条約に署名をされました。クラスター爆弾は、不発にさせて爆弾をばらまいてそれで殺傷しようというわけですから、物すごく非人道的な爆弾でありますけれども、私はおととしの五月にこの委員会で、やめるように、そしてノルウェーの意気込みにしっかり乗るようにということを言いましたけれども、一年たってやっと福田総理が決意をされました。

 まさに政治決断でいろいろなことができる、リーダーシップでいろいろなことができるということを目の当たりにしたわけですけれども、大臣、その辺のところをもう一度しっかり意気込みの中身をお話し願いたいと思います。

佐藤国務大臣 今の先生から御示唆をいただいた件については、私も同じ気持ちで取り組ませていただいているつもりでございます。

 特に、今度の爆弾の事件についても、正直、今まで基金がなかったこと自体不思議だというふうに私は感じたものですから、早急にこの基金を何とかできないかということを総理に相談させていただきました。

 総理の御決断は、即それは対処しろという御判断をいただきまして対処させていただいたということもかんがみて、今先生がおっしゃられたように、やる気になればある程度のことはできるんだということを自信を持って感じさせていただいておりますので、そういう観点に基づいて頑張ってまいりたいというふうに思っております。

松本(龍)委員 基金の創設については、本当にガードをこじあけていただいたというふうに思っております。

 この事故に関して私はずっと会議録を読みましたけれども、沖縄の国会議員初め、いろいろな方々が大きな声を上げてそこに結びついてきたということも否めないというふうに思っております。そういう意味では、沖縄出身の国会議員の皆さんの声は質問というよりは悲痛の叫びであります。

 まさに、沖縄というところにどれだけ多くの混乱が戦中戦後含めて集積をしているかということを考えたときに、例えば、私は初めて知ったんですけれども、第二次世界大戦で沖縄に使用された砲弾は二十万トンと言われています。そして、沖縄を除く本土に使用されたのは十六万トンです。つまり、国土のわずか〇・六%のところに落とされた砲弾が、本土の、九九・四%のところに落とされた砲弾よりも多い。これは、やはりこれが沖縄問題なんだということをしっかり認識していきながら、先ほど流れ弾の話もありましたけれども、こういう不発弾の脅威。

 あるいはほかにも、一九九五年に少女が米兵に暴行されました。今、地位協定の話がありましたけれども、本当に地位協定の問題、例えば暴行しても、ひき逃げをしても、窃盗しても、強盗しても、つまり日本の裁判で裁かれない。そして、彼らがアメリカの軍事裁判にかけられて、どういう量刑になったのか、それでどういう禁錮で出てきているのか、そういうこともまだわかりませんよね。

 ですから、そういうことも含めてしっかり沖縄の問題のウオッチをしていただきたいというふうに思っております。

 私も娘がいますけれども、九五年のときに少女の暴行事件が起きてずっと沖縄に行ったんですけれども、日本の新聞はほとんど書かれていないのに、沖縄の新聞はやはり怒りを込めて毎日のように報道されました。つまり、それだけ温度差があるということをしっかり腹に入れて、大臣の改めての決意を伺って質問を終わりたいと思います。

佐藤国務大臣 先日の予算委員会で照屋先生の御質問の中で、おまえは鉄の暴風という言葉を知っているかという質問がございました。

 私は正直そういう言葉があることすら知らなかったということではございましたが、事務局から本をいただいて読ませていただき、沖縄の認識を新たにさせていただいたところでもございまして、今先生のおっしゃられた御質問に対しては真摯に受けとめさせていただいて、これからも頑張ってまいりたいというふうに思っております。

松本(龍)委員 ありがとうございました。終わります。

    ―――――――――――――

川端委員長 この際、分科会設置の件についてお諮りいたします。

 平成十九年度決算外二件審査のため、四個の分科会を設置することとし、分科会の区分は

 第一分科会は、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、内閣府(本府、警察庁、金融庁)、外務省、環境省所管のほか、他の分科会所管以外の国の会計

 第二分科会は、総務省、財務省、文部科学省、防衛省所管

 第三分科会は、厚生労働省、農林水産省、経済産業省所管

 第四分科会は、法務省、国土交通省所管

以上のとおりといたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科員の配置及び主査の選任、また、委員の異動に伴う分科員の補欠選任並びに主査の辞任及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 なお、分科員の配置及び主査の選任につきましては、追って公報をもって御通知いたします。

 次いで、お諮りいたします。

 分科会審査の際、最高裁判所当局から出席説明の要求がありました場合には、これを承認することとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科会審査の際、政府参考人の出席を求める必要が生じました場合には、出席を求めることとし、その取り扱いは、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 次に、分科会審査の際、日本銀行及び独立行政法人等の役職員から意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人として出席を求めることとし、その人選等諸般の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

川端委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

 分科会審査は、来る二十日月曜日及び二十一日火曜日の二日間行います。

 次回は、来る十三日月曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後五時十分散会


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