衆議院

メインへスキップ



第3号 平成27年5月25日(月曜日)

会議録本文へ
平成二十七年五月二十五日(月曜日)

    午前十時開議

 出席委員

   委員長 石関 貴史君

   理事 伊藤 忠彦君 理事 河野 太郎君

   理事 瀬戸 隆一君 理事 武村 展英君

   理事 山田 賢司君 理事 柚木 道義君

   理事 松浪 健太君 理事 伊藤  渉君

      秋本 真利君    石崎  徹君

      石原 伸晃君    大岡 敏孝君

      神谷  昇君    木原  稔君

      木村 弥生君    小松  裕君

      後藤田正純君    今野 智博君

      白石  徹君    白須賀貴樹君

      新谷 正義君    田所 嘉徳君

      田中 英之君    田畑 裕明君

      中村 裕之君    前川  恵君

      村上誠一郎君    八木 哲也君

      渡辺 孝一君    佐々木隆博君

      原口 一博君    細野 豪志君

      横路 孝弘君    青柳陽一郎君

      石井 啓一君    清水 忠史君

      宮本  徹君    園田 博之君

      浅尾慶一郎君    中村喜四郎君

    …………………………………

   財務大臣         麻生 太郎君

   総務大臣         高市 早苗君

   法務大臣         上川 陽子君

   外務大臣         岸田 文雄君

   防衛大臣         中谷  元君

   国務大臣

   (内閣官房長官)     菅  義偉君

   財務副大臣        菅原 一秀君

   内閣府大臣政務官     越智 隆雄君

   厚生労働大臣政務官    高階恵美子君

   会計検査院事務総局第二局長            村上 英嗣君

   会計検査院事務総局第五局長            平野 善昭君

   政府参考人

   (内閣官房内閣審議官)  山崎 和之君

   政府参考人

   (総務省行政評価局長)  新井  豊君

   政府参考人

   (総務省自治行政局選挙部長)           稲山 博司君

   政府参考人

   (総務省情報流通行政局長)            安藤 友裕君

   政府参考人

   (法務省刑事局長)    林  眞琴君

   政府参考人

   (文部科学省高等教育局長)            吉田 大輔君

   政府参考人

   (資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監)    糟谷 敏秀君

   政府参考人

   (防衛省防衛政策局次長) 鈴木 敦夫君

   政府参考人

   (防衛省地方協力局長)  中島 明彦君

   決算行政監視委員会専門員 平川 素行君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十五日

 辞任         補欠選任

  加藤 鮎子君     石崎  徹君

  鴨下 一郎君     田所 嘉徳君

  島田 佳和君     今野 智博君

  田畑 裕明君     前川  恵君

  西川 公也君     神谷  昇君

  赤松 広隆君     佐々木隆博君

同日

 辞任         補欠選任

  石崎  徹君     中村 裕之君

  神谷  昇君     西川 公也君

  今野 智博君     島田 佳和君

  田所 嘉徳君     鴨下 一郎君

  前川  恵君     田畑 裕明君

  佐々木隆博君     赤松 広隆君

同日

 辞任         補欠選任

  中村 裕之君     加藤 鮎子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 平成二十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)

 平成二十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)

 平成二十五年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)


このページのトップに戻る

     ――――◇―――――

石関委員長 これより会議を開きます。

 平成二十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成二十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成二十五年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)、以上の各件を一括して議題といたします。

 この際、お諮りいたします。

 各件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官山崎和之君、総務省行政評価局長新井豊君、総務省自治行政局選挙部長稲山博司君、総務省情報流通行政局長安藤友裕君、法務省刑事局長林眞琴君、文部科学省高等教育局長吉田大輔君、資源エネルギー庁廃炉・汚染水特別対策監糟谷敏秀君、防衛省防衛政策局次長鈴木敦夫君及び防衛省地方協力局長中島明彦君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石関委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

石関委員長 これより質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柚木道義君。

柚木委員 おはようございます。民主党の柚木道義でございます。

 きょうは、それぞれ閣僚の皆様、とりわけ官房長官におかれましては、きょうは官房長官会見のある日でもございまして、御調整をいただきましてありがとうございます。長官におかれましては、会見に間に合う段階で中座いただけるように、前半は長官を中心に質疑をさせていただければと思っております。

 また、政府参考人の御登録をいただいておりますが、通告をさせていただいておりますし、余り技術的な細かい質問ではなくて、大きな今後の方向性や各大臣の御認識等をお伺いしますので、大臣答弁ということでよろしくお願いをいたします。

 まず、前半、官房長官の方にお伺いをしてまいりたいと思っております。

 きょうの資料の中に、この間、いわゆる放送法上のいろいろな認識、問題、これは個別の番組に対して、テレビ朝日であったりあるいはNHKであったり、自民党の方に幹部の方が聴取をされる、こういった状況であったり、あるいは、いろいろな報道の中で、せんだっても、十五日、衆議院の本会議で我が党の武正議員が官房長官に何点か質問をさせていただいておりますが、長官御自身の報道機関あるいはコメンテーターなどのそういう意味での報道、言論の自由等に対する御認識に対しても議論がこの間なされているところだというふうに認識をしております。

 ここの資料には、この間いろいろな議論、指摘がされていることをつけておりまして、下線を引いているのは、その中でも私自身が問題を認識している部分についてこうさせていただいているわけです。

 長官、さきの十五日の本会議では、例えばテレビ朝日の報道ステーションでコメンテーターの古賀さんに対しての圧力の有無であったり、あるいは、放送法があるから、それをしばらく、今後の局や番組の推移を見守っていきたいとか、あるいは、これまで、報道に対する圧力をかける、かけない、そういった部分の認識に対して問われて、それぞれ、圧力の有無、コメンテーターに対しても、ありません、あるいは放送法についても、当然のことなんですが、報道の自由、自律性、それから公平性、客観性、これがしっかり両立をされて適切な運用がなされるという意味です、そしてまた報道機関への圧力に対しても、過去もこれからもそういった認識は持っていない、これは当たり前のことなんですが、そういった御答弁をなされているわけです。

 その御答弁を踏まえましても、私自身が、この間、報道関係者、あるいは今申し上げたことに対して私なりに取材をさせていただく中で、幾つか確認をさせていただかなければならないと思っております。

 まず、菅官房長官の秘書官がおいでになるわけですが、テレビ朝日の場合は報道ステーションの番組の内容について、これまで、このときピンポイントということではありません、幾つかのそういう番組を個人がごらんになってなのか、場合によっては一緒にごらんになっている場面なのか、それはいろいろな報道や人から聞いた話ですので、私自身は、真実は長官にお伺いするしかないわけですが、その秘書官の方がテレビ朝日の幹部の方に、クレームの電話あるいはメールをしたという報道、あるいは私もこういう話をお聞きしている部分があるわけですが、そういった事実があるのか、あるいはそういった認識は長官におありなのか、お答えいただけますか。

菅国務大臣 まず、その一つの報道、この番組を見てどうかということの指示、そういうことは今まで全くしたことがありません。そして、そういうことも、私自身、命じたことも全くありません。

柚木委員 認識としてということも含めて、事実としてもないという御答弁だったと思うんですね。それはそれで大事な御答弁だと思います。そのような報道、あるいはそういったお話を私自身も伺う中で、真実はどこにあるのかというのは、やはり御本人にまずお聞きをすることしかできないわけでありまして、今そういうふうに御答弁いただいたということが、まず私の中でも一つのベースとなって、今後いろいろな話をお聞きすることがあったときにも、長官はそういった指示もないし、現実にもそういうことはないということだという認識で議論を進めていきたいと思います。

 官房長官におかれましては、これは見方はいろいろあるかもしれませんが、安倍総理も報道関係の方とよく、トップの方と会われたり、会食をされたりというのが首相動静の中で報じられている部分がありますので、見方はいろいろあると思いますが、官房長官におかれましても、報道関係者に御自分の方からアプローチをされたり、あるいは実際に面会をされたり、そういうことを聞くわけですが、そういうことをなされているという私の認識はそれでよろしいでしょうか。

菅国務大臣 私自身からはありません。ただ、今までのつき合いのあった方ですよね、私が官房長官になる以前から。そういう方とは従前どおりおつき合いをしている、そういう程度であります。

柚木委員 今までおつき合いがあった方に対して、こちらからということではないんだけれども、従前のおつき合いの延長で、そういう御答弁ですよね。

 その中には、それぞれ各局、テレビ番組、報道番組等もあるわけですが、例えば報道キャスターと言われる方々というのも含まれますか。

菅国務大臣 昔、政治部、私が政治家になってからつき合っていた方でありますし、専属のキャスターという方はいないというふうに思います。

柚木委員 専属のキャスター、政治部、ちょっと私、どういう意味なのかなと思って聞きましたが、どなたがテレビ番組をごらんになっていても、例えば報道ステーションでいえば当然古舘さんがメーンキャスターだと思いますし、他の各局の番組でも、いわゆるメーンのキャスターの方、あるいはサブのコメンテーター的な方、あるいはその局のアナウンサーの方で同席をされる方等がいるときに、この人はキャスターだな、そういう認識の方は、それぞれ看板キャスターの方も含めているわけですが、そういう報道キャスターの方というのは今の御答弁に含まれるかどうか、もう一遍確認させていただけませんか。

菅国務大臣 そこのテレビ局の中で連日出ているような方は、私はおりません。

柚木委員 だとすると、私がお聞きをしている部分とちょっと違う部分がございます。

 それは、もう少し私自身も精査をさせていただく必要があるのだと今思いましたが、私自身がお聞きをしているのは、皆さんがよく御存じの、各局のいわゆる報道番組、その中でも非常に看板番組のいわばメーンキャスターの方とも長官はお会いになられて、そういうやりとりをされている、そういうことなんです。本当にそういう方とは面会されていませんか。

菅国務大臣 少なくとも私自身は、メーンキャスターの方とそういう形でつき合いはしておりません。

柚木委員 そういう形でつき合いはされていないという、そうすると、ひょっとしたら、長官の御認識はそうでなくても、何らかの形で会われた、そしてあるいはやりとりをされたというのはあるのかなというふうに私自身はちょっと推察をせざるを得ないんですが。

 今の第二次安倍内閣で官房長官に御就任をされて、そういうキャスターの方と面会等、全く物理的にもないということなんですか。それとも、そういう認識じゃない場面ではあったかもしれないということですか。

菅国務大臣 私の方からそういう方にお会いをしたいという形の中で会ったことはありません。

柚木委員 御自分の方から主体的にアプローチをしてお会いしたことはないと。

 それは、そうでない場合に、一対一なのかあるいはそうでない場合なのか、御自分の方からじゃなくてであれば、そういうキャスターの方とやりとりされたことは逆にあるという受けとめ方もできますが、それはそうですか。

菅国務大臣 何人かの方が集まる会、例えばかつての政治部長の会だとか、そういうのに呼ばれて行くことは、これはそれぞれの時代の中でありますけれども、そのメーンキャスターの方と一対一だとか、そういうことはありません。

柚木委員 ありがとうございます。

 なぜこういうことをお伺いするかといいますと、安倍総理御本人が報道関係の、テレビ、新聞のトップの方と会われたり云々というのは、見方はそれぞれあると思いますが、私は、総理であれ官房長官であれ、やはりこれだけ今や衆参ともに巨大与党で、時の最高権力者である総理、あるいは事実上ナンバーツー、副総理もいらっしゃいますが、官邸の中で取り仕切っている官房長官が、そういう場があって、そしてまた場合によってはいろいろな報道、コメント、特にキャスターの方でいえば、直接その方は御自分の認識の中でコメントもされるわけで、そのやりとりの場そのもの、そのやりとりの内容、ともすれば相手方は当然プレッシャーを感じることは容易に想像がつくわけでありまして、やはり私は、そういう部分については、今、放送法の運用をこれだけ報じられている中で、自制を持ってお取り組みいただくことが必要ではないかという認識なんです。そこでそういうことをお伺いしたんですね。

 それで、実はこの報道の圧力、場合によってはコメンテーターを含めて言論の圧力という見方がこれだけ報じられるに当たって、自民党の中で、そういう文書を出されたり、あるいは今回、テレビ朝日やNHKの幹部を呼び出されて対応を聴取された方々一人一人に、もっと言うと菅官房長官にも、私は、残念ながらその認識が欠けていると言わざるを得ないのは、皆さんそれぞれ、そんな圧力をかけているというつもりもない、認識もない、事実もないということをおっしゃるんですが、実際、さまざまな外形的な状況、データを見ますと、これはもう圧力がかかっていると言われても仕方がない現実があるのではないかと思うんですね。

 これは、テレビ朝日に関して言えば、番組の関係者の人事、あるいは、古賀さんだけではなくて、これまでもいろいろな番組のコメンテーターの方が突然出演しなくなる。あるいは、そもそも、番組のプロデューサーがそういうキャスティングについては一任されていたのが、局の幹部が許可をしなければコメンテーターの人選もできない。批判的な方がだんだんと、この四月の改編以降も、御本人たちの発言、出られなくなっている、出なくなっている。あるいは、二〇一二年選挙と昨年末選挙の選挙報道を比較すると、四割程度も減少してしまっている。

 実際にそういう面での報道の自粛というのは既に今起こっていて、その起こっていることに対して、いや、そんな認識はない、事実はないというのは、私は、これだけの巨大与党の権力を行使されるという意味においての自覚が余りにも欠けているのではないかと。場合によっては、無責任なそういう認識でそういうことをされるようでは、これは報道や言論の自由のみならず、ひいては国民の知る権利も制限されていくことになりかねないか、そういうふうに思っておるわけであります。

 御本人方の認識ではなくて、実際の報道機関や言論の場のコメンテーター、もっと言うと、この国会での質問についても、戦争法案という言い方に対してのさまざまな議論も含めて、今本当にいろいろな危惧、懸念がされているわけでありまして、ここは、少し真摯に謙虚に、これまでの報道や言論の自由に対するあり方に対して御認識を改めていただきたいと思うんですが、長官、いかがですか。

菅国務大臣 委員が何を言われたいのか、私はよくわからないんです。私は、そうした人事に関して、一言も言ったことはないですよ。そして、メーンのキャスターの方と私は会ったこともない。それは、先ほど申し上げましたけれども、かつてそうした人たちが政治部長のときに、何人かで集まる会に逆に私は呼ばれて行くわけですから。

 そういう中で、その人事が行われたという、そことどうして、何も関係ない私がそれに関与しているようなということは、それは言い過ぎだというふうに私は思います。

柚木委員 長官、ぜひ注意深くお聞きをいただきたいと思うんですね。私は、人事に直接関与をしたとか一言も申していないんです。もっと言うと、関与していないにしても、そんたくという言葉はよく御存じですよね。報道の現場が、あるいは後ろにいらっしゃる役所の皆さんもそうですよ。(発言する者あり)いや、悪意じゃないですよ。やはり、相手があってのことですよ。相手がどう認識をするかを謙虚に真摯に向き合う、今、野党、与党、求められているんじゃないですか。

 相手がどう認識するかにも思いをはせていただいて、いろいろな報道関係者と、どういう場面であれ、会われる、あるいは自民党さんの方で局の幹部を呼び出される、あすは我が身だと、他局、新聞も思っているわけですよ。これは、現場の記者からも幹部からも、私は取材していますよ。勝手に私が思っているんじゃないんですよ。そう思っているんですよ、報道現場が。

 そういうことに対して、やはりより真摯に謙虚に向き合うべきじゃないかということを申し上げているわけであって、長官が直接、報道ステーションの人事に介入したら、とんでもないことですよ、それは。そんなことを言っているんじゃないんですよ。その認識を政府・与党、それぞれお持ちいただくべきじゃないですかということを申し上げているんですよ。

 さらに私も調べていくと、例えば、もう皆さんもよく御存じの、いわゆる世界報道自由度ランキング、これはまさに新聞各紙も取り上げますよね。ワールド・プレス・フリーダム・インデックス。これも、私もちょっと驚きましたけれども、ちょうど民主党政権のとき、十一位。十一位がいいか悪いかはありますよ。しかし、第二次安倍政権になって、二〇一五年段階で六十一位。五十位も順位が急降下している。

 しかも、私も本当にこんなことになっているのかと思ったのは、日本の外国特派員協会、FCCJが、二〇一五年、報道の自由推進賞というものをわざわざ新設して、世界報道の自由の日となることしの五月三日、我が国でいえばある意味最も大事な日ですよね、この日に報道の自由推進賞というものを発表している。世界の目から見ても、あるいは順位から見ても、我が国の報道の自由、言論の自由というものが今大変な危惧、懸念をされている状況にある。

 そして、先ほど申し上げたように、相手があっての話ですから、自分はそんな認識はないんだ、事実もないんだといっても、相手がそれを感じ取って、そのことを、人事も含めて、コメンテーターの人選も含めて対応してしまうことまで、いや、それは自分たちは関与していないんだ、そういう姿勢で、世界が、まさに二〇二〇年東京オリンピック、あるいは、国内においても、あしたから安保法制の本会議での議論が始まるというふうに聞いていますけれども、国民の皆さん、直近の世論調査でも、安保法制でも、二〇ポイント以上、反対、今国会での成立も反対の方が多いわけですよね。

 そういう状況の中で、安保法制だって、報道を通じて国民の皆さんに伝わっていくわけですよね。本当にきっちりと報道されて、国民の皆さんが正確に客観的に判断ができる、報じられるのか、そういう懸念もある中で、私はあえてきょうこういう質問をせざるを得ない。そのことは、非常に私は残念だし、危惧していますよ。

 官房長官、今、そういう世界の報道自由度ランキング、あるいは、新たに外国特派員協会が報道の自由推進賞なんかを創設してまで我が国の報道の自由に懸念を示していること、これも踏まえて、やはりここは謙虚に真摯に、報道や言論の自由に対する認識をもう一度見直していただきたいと思うんですが、いかがですか、官房長官。

菅国務大臣 我が国は、放送法によって、まさに報道の自由、また、憲法によっても報道の自由ということは保障されているわけでありますから、私は、日本の報道が極めて制約されているというふうには思っておりません。いろいろな、例えば、安倍総理を毎日批判しているような新聞紙、これは夕刊紙等もありますけれども、そうしたことに対しても、現実的にそうしたことが行われているんじゃないでしょうか。

 ただ、テレビについては、放送法に基づいて、そこはしっかりと定められておるわけでありますから、そういう中でやはり報道していくということが、ある意味で、私は当然のことだというふうに思っています。

柚木委員 やはり相手があっての話、報道現場、あるいは言論の自由、コメンテーターの方も含めて、もう少しそちらの立場、その先には視聴者、読者、国民の方々がいるわけですから、真摯に向き合っていただきたいと思いますよ。

 一点、ここで一遍法務大臣に伺って、もう一遍長官にこのことも含めて認識を伺いたいんです。

 今私ども、法務委員会にも所属しておりまして、刑事訴訟法、いよいよ今週から審議に入っていくという大きな流れだと思いますが、この中には、これまでの法制審の議論の中、あるいは、我々の政権のときの流れとはまた違う、懸念せざるを得ない流れも出てきている。例えば、盗聴法あるいは司法取引、こういったものが、可視化という、冤罪を生み出さない、村木さんの件も含めて、そういう反省のもとに、そういう議論の方向感の中で、ある意味、あめとむちのような形で出てきている。

 この盗聴法なんかは、この間の法務委員会でも大臣がやりとりされていましたけれども、これは本当に令状主義、司法チェックが全く機能しないような、ほぼ一〇〇%令状も出るし、そういう中で、報道や言論の自由に対しても大変な危惧。これはまさに、当時の通信傍受法、盗聴法が議論をされたときも、日をまたいでの大変な大議論、強行採決になった部分も含めて。その盗聴の対象範囲が、これまでのいわゆる四類型から一般犯罪にまで拡大をされて、通信事業者の方の同席はなくなって、そして、犯罪に無関係なものを大量に傍受しても、この間、きょう刑事局長がいますけれども、後で取り消せばいいんだというぐらいの認識ですよ、消去すれば。

 これは本当に、まさに報道の自由に関しても、取材源の秘匿、もっと言うと、我々政治家と記者の方々がやりとりしていても、私なんかは文科委員会でも、大変残念ですが、今回大臣の、刑事告発されて、受理されて、今地検の特捜部が捜査していますが、政治資金規正法違反の問題とかやりとりしますよ。現場の記者たちはどう言っているか。これは盗聴されていませんよね、いつもと音が違うと。それぐらい今デリケートになっているんですよ。そういう中で、今回、盗聴法の改正。

 法務大臣、本当にこれで報道の自由は守られるんですか、こんな状況で。

上川国務大臣 今回、通信傍受法の改正も含めまして、刑事訴訟法の手続に係る厳正厳格な捜査、公判を通じて国民の皆さんに司法の適正性ということについて信頼をしていただくという、そうした背景の中でお願いをしているところでございます。

 今回御指摘のところでございますが、通信傍受法の方に、対象犯罪が拡大するでありますとか、立会人を一部設けなくてもいい形でのあり方についても御議論いただく、さまざまな改正の案を御提示させていただいているところでありますが、あくまで、厳正にかつ適正にそれぞれの制度が運用することができ、また、公判におきましてもそのことを通して真実の究明がしっかり図ることができるようにしていくという趣旨にのっとった改正案になっているということでございます。

 さまざまな御議論を、また法務委員会の中でも、ぜひともお願いしたいというふうに思っております。

柚木委員 今、ちょうど法務委員会でやりとりされている清水委員もここにおられますよ。私、この間の審議を聞いていても、大臣、そんな楽観的な、もっと言えば無責任な見方をしていて大丈夫ですか。

 まさに報道も、現場がどう受けとめるか。私が申し上げましたのは事実ですよ。もう私と記者との会話ですら心配していますよ、現場の記者は。そういう状況の中で、今後、この盗聴法についても委員会での議論に入っていくという流れにあるわけです。

 この間、安倍政権になって、もちろん安保法制、あした以降、本当に七十年の大転換になり得るような議論ですけれども、それ以外にも、例えば特定秘密保護法、これも共謀罪の先取り、司法取引のような内容も含まれている。そして、今回の、報道と今回の関係でいえば、相手方にとっては放送法の恣意的な解釈、運用、実際に圧力を感じている。皆さんがどう思っているかは別問題なんです。

 そして、盗聴法。もっと言うと、今後、司法取引も、アメリカと違って自分の罪を認めて減刑を求めるんじゃないですよね、他人の罪を、ある意味、人を売って自分を助けようとするという形が今回の司法取引、我が国で初めて導入をされようとしている。そして、共謀罪についても、これまで何度も廃案になったものがまた出てくる。

 こういう特定秘密、盗聴法、司法取引、そして共謀罪、さらに今、放送法の恣意的な解釈、運用について私は議論せざるを得ない状況があると思っていますが、こういったものが合わさると、本当にあしたからの安保法制の議論も大丈夫かなと。一億総監視社会、密告社会、報道は萎縮する社会、盗聴自由化社会、こういうふうになっていくんじゃないかと私は本当に心配していますよ。

 だからこそ、政府の中で、本当に官房長官がまさに安倍政権のかなめとしてこの間尽力されてこられているわけですが、私は、やはり、先ほど海外からの報道の自由度のことも申し上げましたが、世界の国々から、ちゃんと報道や言論の自由が守られ保たれている中でさまざまな懸案に対して対処していく、議論をしていくという姿勢であればまだしも、そういう報道や言論の自由に対しては、少なくとも現場は圧力を感じている。そういう状況の中で、盗聴法の議論も始まる、司法取引も始まる。安保法制の議論は本当に大丈夫なのか、そういうふうに思わざるを得ないんですよ。

 官房長官、ちなみに、例えば日本版NSCや内閣情報調査室、これは内閣、内閣官房の所管。盗聴法が仮に成立すると、このNSCや内調などでは、例えば盗聴法の枠組みだと、さっき申し上げたように、四類型から一般犯罪まで盗聴対象を拡大、NTT事業者は立ち会わなくてもいい、そして、盗聴した相手に対して、その盗聴内容が全く違法なものでなくても、この間清水さんがやりとりしたとおりですよ、全く違法性がないことを、例えば九十日間、三千時間ぐらい盗聴して、いや、問題はなかった、後から消去するからいいんですと局長は答弁されましたが、そういう対象に、例えば報道機関、記者、あるいは我々政治家、NSCとかあるいは内調とかでは対象になるんですか、盗聴法が成立したら。あるいは今でもなっているんですか。NSCや内調の話ですよ。今でもなっているんですか。

上川国務大臣 平成十一年に通信傍受法が御議論をなされた折にも、そうした御指摘が多々あったというふうに承っております。その国会答弁及びその後の通達によりまして、報道機関が使用している電話は原則として傍受の実施の対象とはしないということでございます。

 たまたま被疑者の方が使用している電話に報道機関の方が電話をかけてきた場合に、それが取材のための通信であることが判明をするということになりましたら、直ちにその傍受はとめなければならない、こうした内容になっておりますので、報道機関の取材活動そのものを通信傍受の対象とするということにつきましては想定をされていないということでございます。

柚木委員 今、清水さんからちょっと声がありましたけれども、そもそも第三者機関等がしっかりチェックをする体制になっていません、日本は。国会に報告していますけれども、その事案、具体的にどういう事案なのかわかりません、どういう事件なのか。

 そして、今、たまたまというところがポイントなんですけれども、官房長官、本当にぜひ、ドイツのメルケル首相がCIAからの盗聴とか、いろいろな、世界的にも盗聴の、日本もその対象になる。安倍さんはされていないという御答弁ありましたけれども、日本も対象になっている。そういうことで、今、本当に世界の中でもこういうあり方でいいのかというのが議論になっている中で、我が国が逆に、盗聴自由化、盗聴天国のような流れになっていくということが、東京オリンピックも控えている中で、もっと言うと、かつて緒方事件もありましたよ。政党の幹部役員、これは裁判では認められているのに、いまだに政府の、警察庁とか認めていない、こういう矛盾。

 私は、これは本当に報道や言論の自由は大丈夫なのかと、国民の皆さん、これから安保法制の議論も始まっていく中で、心配されていると思いますよ。

 長官の会見の時間がありますので、私、最後に一つ、ぜひお願いを申し上げたいんですよ。

 こういう状況が進めば、本当に私はいつか来た道を戻っていきかねないと思いますよ。我々が誰よりもそういう部分を早く察知して、歯どめをかける役割を果たさなきゃいけない。これは与野党共通していると思いますよ。

 ぜひ、今回放送法の、後ほど法務大臣にもお尋ねしますが、この恣意的な運用について、私は、放送局の独立性を担保するために、中立的な機関、これはBPOのことも聞きますよ、そういう体制にしていくべきだと思いますし、やはり刑訴法の中の、盗聴法や司法取引、放送法、そして秘密保護法、共謀罪、こういうものと相まって、非常に報道や言論の自由が損なわれていくという部分についてはぜひ認識をいただいて、閣法の法案提出権は官房長官が窓口でいらっしゃいますから。

 最後、安保法制。あしたから本会議で審議に入るかもしれません。最後に伺いたいのはこのことなんですよ。

 私、びっくりしたのは、自民党の国対委員長さんが、強行採決は状況次第と日経新聞のインタビューに答えているんですね。とんでもない話ですよ。まだ審議入りしていない。ぜひ官房長官、政府の法案提出の責任者として、この国会中とか夏までとか、反対が二〇ポイント以上多いんですよ。そういう、この国会、夏までとかいうようなスタンスで臨まないんだ、国民の皆さんにちゃんと説明を尽くすんだ、そういうことを最後に御答弁いただけませんか。

菅国務大臣 政府の責任というのは、国民の生命、自由、また財産も含めて、守ることに政府の責任があるわけであります。

 そういう中で、今回、閣議決定をして国会に法案を提出させていただきました。国会でぜひさまざまな問題にしっかりと御議論をいただいて、そこは国会に判断を委ねるのが政府の立場であります。

柚木委員 少なくとも期限を区切っての強行採決、そういうものはやらないんだという認識を、丁寧な議論をやるんだということを、私は今、そういう姿勢で臨むというふうに認識を述べていただいたと思いますが、これは今後も、さまざまな機会を通じて、関係閣僚の皆さんともやりとりをさせていただいてまいりますので、そのことを強く求めて、会見は四十五分からですよね、御退室をいただければと思います。長官、ありがとうございました。

 続いて、法務大臣、今長官が御退室になられる前に少し私は申し上げたんですが、放送法、当然、この間、官房長官もですけれども述べられているように、報道の自由、自律性、そして他方で、報道の公平性、客観性、それぞれについて述べられているわけであります。

 しかし、今本当に私が大事だと思うのは、やはり、これだけ実際の報道現場で、現場の記者や局の幹部、私もこういうことを伺うからには、それぞれ話を聞いております。受け手があっての話ですよ。受け手があっての、現場の。その先には視聴者・国民がいる。そういう中で、私は、やはり放送法自体が、五年ごとに国が、総務相がその放送の許認可権を有している、そういう部分も含めて、私は、やはりこれは、アメリカ、イギリスなども同様に、独立した、あるいは中立的な機関がそういう許認可権についても有するべく、放送法、電波法を改正するということの方が、むしろ皆さんの、そういう報道の現場や国民から見た懸念、疑念を持たれずに済むと思うんですよ。

 放送法の改正をそういう視点で御議論をいただけるという認識、総務大臣、ございませんか。

高市国務大臣 まず、先ほどから委員がおっしゃっているさまざまなことがございます。あたかも、政府・与党の方から、放送現場に対して圧力をかけているといった前提に立っての御質問でございますけれども、例えば安全保障法制、これに対する世論調査の結果、きのう一部発表されているのを私も見ました。非常に、今、世論調査が政府・与党にとっては厳しい結果になっている。これはやはり、私は報道が自由に国民にさまざまなことをお伝えしている、決して政権寄りの報道じゃないことの一つの証左だと思って見ておりました。

 また、そんたくをしているんじゃないかというお話もございましたけれども、私は、放送人、ジャーナリストにはしっかりした矜持があると思っております。政府においても、与党においても、まず憲法に定める表現の自由、報道の自由、さらには放送法に定める放送番組編集の自由を最大限尊重するということは当然のことでございますし、放送事業者におかれましては、やはり放送法の規定にあるとおり、三条、「何人からも干渉され、又は規律されることがない。」という前提に立って、しかしながら、その自由が保障されているのはなぜかというと、政治的に公平であり、報道は真実を曲げない、意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにする、四条に定められているような原則に立って、自律的に放送番組を編集する、こういう前提があるわけでございますので、ちょっと委員がおっしゃったことについて、私と前提となる考え方が違います。

 第三者委員会または独立委員会を設けるべきではないかということですけれども、我が国は、日本国憲法の第五章内閣におきまして、内閣に行政権の主体としての地位を認めております。そして議院内閣制でございます。ですから、内閣の一員である各省の大臣が、責任を持って、それぞれの所管する分野の行政を執行するということになっております。

 また、放送における表現の自由は、日本国憲法第二十一条及び放送法第三条によって担保されておりますし、また放送法第四条などによりまして、先ほど申し上げましたが、放送事業者の自主的な規律によって放送番組の適正を図るという仕組みになっております。ですから、総務大臣が責任を持って放送行政を執行する現行の体制が不適当なものであるとは考えておりませんし、独立の行政委員会を設ける必要はないと思っております。

 戦後、我が国において行政委員会を広く導入された時期があったんですが、責任の所在が不明確であるなどの理由によりまして、昭和二十七年以降その多くが廃止されてしまったという経緯がございます。

柚木委員 総務大臣、認識の違いでは済まされないんですよ、認識の違いでは。

 安倍総理が予算委員会で、きょうおられますけれども、細野委員とのやりとりだったと思いますが、自分にも言論の自由があるんだと。それは、ジャーナリストや記者に矜持があって当たり前ですよ。当たり前ですよ、そんなもの。それを権力側は、では、何のために立憲主義、放送法三条も今触れられましたけれども、そういうものがあるのか。それが今脅かされている、侵されているという認識があるからこそ問わざるを得なくて聞いたら、私にも言論の自由があるんだと。総理大臣ですよ。(発言する者あり)今のようなやじが飛ぶことが私は問題だと思っているんですよ。

 総理大臣が、もちろんいろいろな場面で御自分の考えを述べられる場面はあっていいですよ。しかし、今放送法の運用も、本当に私は懸念していますよ。皆さん地元で、この週末も回っているでしょう、私も運動会を回りましたけれども。平和のこととか報道のこととか、みんな心配していますよ。心配しているんですよ、国民の皆さんも。だから取り上げざるを得ないんですよ。認識の違いでは済まされないんですよ。

 これは、私、もっと心配なのは、やはり、私は独立的な、中立的な機関を設けるべきだと思うし、BPOに対しても政府が関与する、あり得ないですよ。これは、本当にそんなことをやっていたら、報道の自由ランキングどころじゃなくて、二〇二〇年にオリンピックをやるんでしょう、恥ずかしいですよ、本当に。

 ぜひ大臣、今、放送法改正とか第三者機関の認識はないと言われましたから、では、せめてBPOまで政府の関与下に置くというようなことは、これは本当に慎んでいただきたいと思いますけれども、総務大臣、御答弁いただけますか。

高市国務大臣 まず、BPOまで政府の関与下に置くなどという事実はございません。

 それから、世界の国々が日本の放送の自由度のランキングが低いと考えている、そういう印象を与える発言をされましたけれども、世界報道自由度ランキング、これは、国境なき記者団、パリで設立されましたジャーナリストのNGOが発表したものであります。

 ジャーナリストがそう思っているかもしれないということでございますけれども、日本国におきましてはしっかりと、放送行政に係る規律の制定、改廃に当たりましては国会で、特に法律の制定や改正は国会で御審議をいただくということは当然ですし、省令などの下位法令の制定、改廃につきましても、総務省ではちゃんと、パブリックコメントを通じて国民の皆様から意見を聴取した上で、電波監理審議会に諮問をして、その答申を踏まえて最終的な意思決定を行っております。

 委員がおっしゃるような形の、BPOにも関与する、こういった形で総務省が偏った行政を行ったことはございません。

柚木委員 では、ぜひ四ページ目の資料を。

 四ページ目の資料、「BPOに政府関与検討」、これはうそなんですね。これは、「放送局から独立」ではないでしょう、政府・与党から独立、政治から独立をでしょう。関与ないと言ったんだから、そういうふうな形で今後私は議論を注視していますよ。

 もう時間がないので、あと、法務大臣、これはぜひお聞きしたいんですけれども、盗聴法も大問題ですけれども、司法取引もこれは本当に大問題ですね。先ほどアメリカとの違いを申し上げましたけれども、自分の罪を認めていろいろな形のやりとりというのはあっても、私もなるほどなと思うところもないわけじゃないですけれども、人のことを陥れて自分の罪が軽くなるような、これは本当にモラルハザードが蔓延しますよ。

 テロ対策とかいろいろなことは必要ですよ。だけれども、私は一点伺いたいのは、美濃加茂市長さんが三月に無罪判決を受けていますけれども、あれもまさに司法取引が問題になって、これは、首長とか、議員の皆さんだって本当にこのままいくと例外じゃないですよ。

 司法取引、これは、私も確かに、文科委員会で大臣の政治資金規正法違反のことを追及させていただきました。刑事告発されて、受理されて今捜査が進んでいる。捜査の過程の中で、逆に私は心配しちゃいますよ。関係者、司法取引とかになっちゃったら、下村さんはちょっと私の中では政治資金規正法違反だという認識を持っていますが、しかし、今後そういう対象になったときに、議員とか首長とかは司法取引の対象になるんですか。法務大臣、いかがですか。

上川国務大臣 今委員からお触れになりました具体的な事例ということでございまして、それに関連した御質問ということになりますと、なかなか、答弁をすることを差し控えなければいけないということでございますが、合意制度そのものを今回の刑事訴訟法の対象に加えさせていただき、そして、真相の究明に資するという中で捜査の多様化を図ることができるような、ぎりぎりの手法という形の中で今回提案をさせていただき、御審議を仰ぐということでございますので、そうした捜査の適正化、そして公判の中で、大変的確な公判ができるように、こうした趣旨にのっとった形で、極めて限定的に、なおかつ厳正な手続の中で実行をしていくという趣旨の中で御議論をいただきたいというふうに思っております。

柚木委員 時間が来たので終わりますが、これは本当に政治家は自分で自分の首を絞めることになりかねませんよ。本当にこれは注意してやっていただかないと、一億総密告社会になりかねませんよ。自分が人を売れば罪が軽くなるんですから。これは……(発言する者あり)そういう、認識が甘いんですよ。現場で何が起こっているか、私も取材して言っているんですから。

 ぜひ、そういう部分をこれから議論させていただきますが、今回、私は本当なら汚染水対策、これも全然、我々がいろいろな形で指摘、要求したことになっていない。そういう議論をしたかったですよ。

 今の予備費、賛成できないという認識でいますよ。でも、それ以上に、今の目の前の大きな、あした以降の流れも含めて、このままでいいのかという本当に強い危機感をお伝え申し上げて、質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

石関委員長 次に、田畑裕明君。

田畑委員 おはようございます。自民党の田畑裕明でございます。

 決算行政監視委員会で質問する機会をいただきまして、委員長並びに理事の先生方、また委員の先生方にも感謝申し上げ、質問に入らせていただきたいと思います。

 本日は、平成二十五年度一般会計予備費等について質問をさせていただきたいと思います。

 憲法や財政法で定めるとおり、予見しがたい予算の不足に充当するため、内閣は予備費を計上し、事後に国会の承認を得るということが定められているわけでございます。

 平成二十四年度までの直近の四年間は、一般会計予備費予算額は、経済危機対策、また地域活性化枠等も設定をし、本予算、補正予算でも対処できない事態に機動的に、また迅速性を持って対応する手だてがなされてきたところでもあります。

 しかしながら、今審議をいたします二十五年度は、平時に戻った予備費が計上され、一般会計の予備費の使用総額は約二百五十四億円と報告を受けているところであります。

 そこで、中身の中で、まず、安全保障会議設置法等の一部を改正する法律の施行に伴い必要な経費十一億六百四十八万円余についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 これは、御承知のとおり、安全保障会議設置法等の一部を改正する法律が平成二十六年一月の七日に施行されたことに伴い、国家安全保障局の設置等に要する費用の不足を補うものということであります。

 いわゆるNSCは、政府の外交・安全保障政策の司令塔である国家安全保障会議の事務局機能を担う組織として発足をし、これで一年四カ月が経過をしているところでございます。外交・安全保障政策の立案や緊急事態への対応をめぐる総合調整役としての存在感を高めつつあり、今もってしても、四大臣会合を二週間に一度開催し、これまで、集団的自衛権の行使の解釈変更における閣議決定であったりですとか、先般の日中首脳会談の実現など、重要政策の調整を支えてきたと評価をしたいと考えています。

 これまでの設置における活動をどのように評価しているのか、まず、政府参考人にお聞きをしたいと思います。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 御指摘のように、国家安全保障局は、昨年一月七日に発足いたしまして、それ以降、総理、副総理、官房長官等の閣僚の御意向を体し、外交、安全保障に関する諸課題について、関係省庁間の縦割りを排し、政策に関する企画立案、総合調整を戦略的な視点から遂行するという業務を行っております。

 具体的には、装備移転三原則の策定、それから、今御指摘がございましたように、昨年七月一日の安全保障法制の整備に関する閣議決定に基づきまして今般国会に提出させていただきました平和安全法制の法案策定等の安全保障に関する制度面の整備について、調整役としての役割を担っております。

 また、世界各地域における情勢、特に、厳しさを増すアジア情勢、またウクライナ等の地域情勢に関し、国家安全保障会議での議論の積み重ねを通じ、政府としての一体的な対応をつくっていただく上での役割も担っております。

 また、宇宙やサイバー空間の新たな安全保障上の問題等につきましても、関係省庁と協力して政策の策定に取り組んでいるところでございます。

 国家安全保障局といたしましては、引き続き、国家安全保障会議が外交、安全保障に関する諸課題について省庁間の縦割りを排し、政治的に強力なリーダーシップを発揮していただくよう、その政策を推進するようにしっかり支えていきたいと考えております。

田畑委員 ありがとうございます。

 あしたから衆議院でも、切れ目のない安全保障、平和の法案の審議も始まろうかというところでありますが、インテリジェンスの収集ですとか分析、これは当然とても大切であるわけでありますので、司令塔としての機能を遺憾なくこれからも発揮をしていただきたいと期待を申し上げます。

 現在は、その体制、七十名余の体制であるということでございますが、今ほど御答弁もありましたが、さまざまな事案に対して迅速に対応しなければいけないわけでありますし、そういった重要性を鑑みますと、さらなる人員の拡充であったりですとか、機能の発揮をするに対しての懸念もあるのではなかろうかと思いますが、組織の拡充についての見解を参考人にお聞きをしたいと思います。

山崎政府参考人 ただいま、五月二十五日、きょう時点で、国家安全保障局には七十三名の職員が勤務をしております。昨年一月発足以降、発足時にも七十名程度の職員がおりましたけれども、与えられた人員の中で課せられた役割を果たすべく、日々努力をしているところでございます。

 国民の御期待に応え、国家安全保障局が与えられた任務を遂行していくために、体制が常に整備されていくことが重要であるというふうに考えておりまして、今後とも、必要に応じ、体制整備を検討していきたいと考えております。

田畑委員 ありがとうございます。

 我々与党とすれば、やはりその辺はちびることなくというか、堂々と仕事ができる体制をまた我々もバックアップをしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。

 続いて、経産省所管の汚染水対策に必要な経費の関係について質問をさせていただきたいと思います。

 この予備費の使用総額は二百五億余りということでございます。汚染水対策として行う凍土方式の遮水壁の構築及び高性能な多核種除去設備の実現のための必要な経費を民間団体等に補助金として支出をするものというふうに御説明を聞いているところであります。

 まず一点目といたしましては、東京電力福島第一発電所の汚染水対策は、今もって、この時間も現場でも、もちろん壮絶に対処されているわけであります。なかなかゴールが見えない中での関係各位の御努力にも敬意を表するわけでありますが、住民の不安、そしてまた、国際社会からの、しっかりとしたこの日本の取り組みを示すためにも、一刻も早い措置がしっかり望まれるところであります。

 まずは、ここで、凍土方式の遮水壁等の事業に予備費を計上することになりました経緯であったり、予備費の使用が不可欠であったということについての見解といいますか、理由をお聞かせいただきたいと思います。

糟谷政府参考人 東京電力福島第一原子力発電所におきましては、高濃度汚染水が滞留している原子炉建屋に地下水が流入しまして、汚染水がふえているわけであります。このために、地下水の建屋への流入量を減らして汚染水の増加を抑える対策が必要でございます。

 このために、平成二十五年の五月に汚染水処理対策委員会で、陸側遮水壁として凍土方式でやるのが適当であるということを選定いただいたところであります。

 その一方で、平成二十五年の四月には、地下貯水槽から汚染水が漏えいしているのが見つかって公表をされたり、また同年の七月には、汚染された地下水が港湾内に流出していることが判明をいたしまして、東京電力から公表をいたしましたり、さらに八月には、タンクから三百トンの高濃度汚染水が漏えいしているということがわかって公表しましたり、そういうことが続いたわけであります。

 他方で、高濃度汚染水は、多核種除去設備、ALPSといいますが、これで浄化を進めておりましたが、平成二十五年の三月に稼働を開始した設備が六月に停止をしまして、汚染水の浄化処理能力も増強する必要があるということが認識をされていたところでございます。

 このために、平成二十五年の九月に、原子力災害対策本部におきまして汚染水問題に関する基本方針を決定いたしまして、その中で、技術的難易度が高い凍土方式の陸側遮水壁、また、より高性能な多核種除去設備について、最大限のスケジュールの前倒しを目指して、まずは予備費を活用して早期の事業開始を促すというふうに決定をしたものでございます。

 この決定を踏まえまして、九月十日の閣議決定により、前倒しの発注に必要な裏づけとなる事業費分につきまして、これは全体の事業費の約四割余りでありますけれども、予備費を使用させていただくということにしたものでございます。

 なお、それ以外の事業費につきましては、平成二十五年度の補正予算として計上いたしまして、国会で御審議をいただいたところでございます。

田畑委員 ありがとうございます。

 汚染水の対策、さまざまな、まさに予備費ということで、予見しがたい事案があり、それにやはり迅速に、やむを得ずというのは表現がおかしいかもしれませんが、しっかり対応するためにこういうふうに前倒し発注の財源として活用したということであろうかと思います。

 しかしながら、さまざま、汚染水対策、一部にはやはり後手に回っている、なおさら住民の不安が増大をしているというような事柄もあるのではなかろうかと思いますので、これは二十五年度ということになりますけれども、有効かつしっかりとした対策ができるようにこれからも取り組んでいただきたいと思います。

 あわせて、今のお話にもありましたが、四月三十日から凍土方式の遮水壁の試験凍結が開始をされたところでもありますが、いま一度、今後のこの遮水壁の取り組みの事業の進捗見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。

糟谷政府参考人 凍土方式の陸側遮水壁につきましては、汚染源に水を近づけないという対策の一つでありまして、これができますと、建屋への地下水の流入量を大幅に低減できるというふうに期待をしております。

 現在、先行して山側を凍結するという計画で、山側の工事は約九九%完了をしております。今回、四月三十日から始めました試験凍結では、十八カ所を凍結いたしまして、全体のシステムがちゃんと稼働することですとか、地下水への影響がどうかというようなことを確認することとしております。

 今後、本格的に凍結を開始するに当たりましては、残る工事を完了させた上で、原子力規制委員会の認可が必要でございます。原子力規制委員会の方で、安全面で問題がないかということを慎重に審査を受けております。しっかりと試験凍結を実施して、今後の本格凍結に向けてしっかりと準備が進められるよう、東京電力を指導してまいります。

田畑委員 ありがとうございます。

 もう一方では、ALPS、多核種除去設備の既設、増設、高性能の機器の導入ということがあわせて行われ、処理がなされてきているということであります。

 東電の資料もいろいろお聞かせをいただいておりましたが、本年一月においては、これにより、これまで二十七万立方メートルの濃縮塩水が処理されているということであります。しかしながら、地下水への流入等、新たに発生をしている濃縮塩水について等も懸念がされ、早期の処理が求められるわけであります。

 いろいろな除去についての御報告もいただいているところでありますが、いま一度、今後の見通し等について、東電等の指導のあり方、現況についても含め、お聞かせをいただきたいと思います。

糟谷政府参考人 汚染水はタンクにためております。もともと、六十万トン余りの水、もしくはそれを処理した、汚染水を処理したものが今タンクにございます。

 このタンクから万一漏えいしたときのリスクを少しでも避けるために、多核種除去設備などの水処理設備によって浄化を進めております。現在のところ、タンク解体時に処理することとしているタンクの底部の残水などを除きまして、全ての濃縮塩水について、つまり高濃度汚染水について、五月中に一回は処理をできる見通しとなっております。貯蔵している濃縮塩水の処理を一回行った後も、必要に応じて、再浄化ですとか、また、日々発生する汚染水もございますので、この処理も行ってまいります。

 地下水流入等により増大する汚染水の量は、現在、日量三百トンから四百トンぐらいでありますが、浄化設備の処理能力はそれを上回るものでありますので、既にタンクの中にたまっている高濃度汚染水を浄化しますと、今後高濃度汚染水をタンクにためるということはしなくていいような形にできるというふうに考えております。

田畑委員 ありがとうございます。

 今の、今後ためなくていいという、その今後というのは、時期的なことを含めて、いま一度ちょっと御答弁をいただきたいと思います。

糟谷政府参考人 現在タンクの中にたまっております高濃度汚染水につきましては、タンクの底に、どうしてもポンプでくみ上げられない残水などを除きまして、五月中に一回は処理をする予定でございます。それが終わりますと、タンクの中にためているのは少なくとも一回は処理をした水でございます。

 ただ、その水の中にもいろいろと濃いもの薄いものございますので、それについては引き続き浄化をしていきますが、建屋の中から送ってきた高濃度の汚染水をそのままタンクにためるということは、五月中に終えるその処理が終わりますと、六月以降は、一回は処理をした上でタンクにためるということが可能になる見通しでございます。

田畑委員 ありがとうございました。

 続いて、予備費ではなくて、今度は違う項目のことでありますが、子供の貧困対策について議論をさせていただきたいと思います。

 これまでも、国会において、諸先輩方、議員の皆さん方の御尽力によって、子供の貧困に対する法律等が制定をされてきて、特に今年度からは、いろいろな省庁においても具体的な施策が動き出しているところであります。これまでの取り組みに御尽力された各議員の先輩方にも敬意を表させていただきたいと思う次第でございます。

 あわせて、子どもの貧困対策法の立法、そしてそれに伴って、政府では貧困に対する大綱が決定をされてきているところであります。その中において、ちょっと生活の支援についてお伺いをさせていただきたいと思います。

 さまざま、やはり、家庭環境を含め、生きづらさを抱えた子供たちというのを、そういったような声をしっかり受けとめて、その小さな声も、解決に向けて、当然政府としても、我々政治家として解決に努力をしていかなければならないと強く感じるところであります。

 そんなとき、地域に入れば、いろいろな、児相を含めた相談の施設、行政の窓口等々、多種多様なセクターがそういった役割を担っている。もちろん、中にはボランティアの皆さん方等も、多くの皆さんがそういった活動を担っているわけであります。支援する人員の確保であったりですとか、養護施設の体制の整備、児童相談所の相談体制の機能の強化であったり、もちろん、そうしたところに勤められる相談の職員の皆さんの資質の向上であったり、メンタルヘルスであったり、そうしたことは当然実態に即して臨機応変に対応をしていかなければいけないと感じます。

 多くは、地方自治体にそんなようなことを担っていただかなければいけない、そういう現状であろうかと思いますが、これまでのそうした施設を含めた、人員的な整備も含めた体制についての評価ですとか課題点についてお伺いをしたいと思います。

 あわせてでありますが、大綱に基づいて、各地方自治体、都道府県においては行動計画の制定というものに努めるべきだということが定められており、各都道府県で、二十六年、二十七年度と二カ年、それぞれ進捗の度合いが異なりますが、二十七年度には四十七都道府県全てで、そうした努力目標である行動計画、行動の指標というものがそろうというふうに認識をしているところであります。

 子供の貧困率一六・三%というのが先進諸国の中でも高いといったようなことが指摘もされるわけでありますが、いろいろ地方自治体の話を聞けば、子供の貧困という一くくりの話の中では、非常にざくっとした中で、具体的な捉え方の指標としては非常にわかりにくい部分が地方自治体レベルではあるというふうにもお話を聞くわけであります。

 もちろん大綱の中では、公表された中に二十五の指標というものがうたわれ、それが一つのメルクマールというふうにはなっているわけでありますが、まだまだ国の旗振り、そしてまた地方自治体との実態の捉え方の指標に関する相違というようなものがあるのではなかろうかなというのを、私自身は問題意識を持っているわけであります。

 その中でも一人親の貧困率というのも突出して高いわけでもあります。国としてはこれまでも相対的な貧困率ということを一つの指標としているわけでありますが、どうでしょうか、ここからは、新たな指標の開発であったりですとか、より地域に踏み込んだ地域別ごとの指標の策定といったようなことを通じて、きめ細やかな貧困対策といったことを国を挙げて行っていくべきだとも考えるわけでありますし、当然、地方自治体との連携、またそこに対する支援といった体制も整えていかなければいけないと思うわけであります。

 もろもろのこと、今申し上げました、前段ではそうした支援体制についての見解また課題点、そして地方自治体とのいろいろな連携について、これは通告の中では高階政務官の御答弁というふうにもお聞きをしていますが、お任せしますが、御答弁をちょっとお願いしたいと思います。

高階大臣政務官 越智政務官と分担しながら、お答えをさせていただきたいと思います。

 私の方からは、施設の体制整備、あるいは相談に当たる職員の資質向上、そして相談機能強化の三点についてお答えをさせていただきたいと思います。

 まず、社会的養護施設の体制整備につきましてですが、平成二十七年度の予算においては、施設での家庭的な養育環境を推進するために、児童養護施設等における職員配置の改善、目標をおおむね児童四人に対して一人、これを達成していくための人員配置のかさ上げといったようなことを進めてまいります。

 また、地域支援の拠点として、この機能を充実する観点から、児童養護施設及び乳児院におきます里親支援担当職員、この方々は地域の中に出向いて里親あるいはファミリーホームへの相談支援を行っていただくわけですけれども、こういった配置箇所数、昨年は百八十三カ所でした。今度は二百二十一カ所に拡充をさせていただきたいということで、予算を計上させていただいております。

 また、一人親家庭等への相談職員の資質向上、このための母子・父子自立支援員の方々の研修の費用につきましては、母子家庭等対策総合支援事業七十四億円の内数として、所要額一千二百億円を計上してございます。

 三点目の児童相談所の相談機能の強化につきましてですが、平成二十七年度の予算におきましては、夜間、休日の相談体制を充実すること、このために、夜間の人員体制を、二名だったところを四名にふやしていただく、あるいは休日の人員体制を、一名のところを二名にふやしていただく、こういったような取り組みを進めていただくべく予算措置をしております。

 また、児童や保護者のSOSの声をいち早くキャッチするために、児童相談所の全国共通ダイヤル、これが七月から稼働する予定になっておりまして、いち早くということで一八九の三桁の番号を取得させていただいております。

 こうしたさまざまな取り組みを各自治体で積極的に取り組んでいただくためにも、各自治体の御要望もしっかりお聞きいたしまして、大綱の充実した実施に向けて、また子供の健やかな育ちを支えるための環境整備に努めてまいりたいと考えております。

越智大臣政務官 御質問ありがとうございます。

 私の方からは、今御質問がございました子供の貧困の実態把握に向けてというところで、指標の話がございましたけれども、新たな指標の開発、また地域別に踏み込んだ指標、この部分と、あと、地方自治体との連携支援、この点についてお答えさせていただきたいと思います。

 政府としましては、昨年の八月に策定しました子供の貧困対策に関する大綱におきまして、子供の貧困対策を総合的に推進するに当たり、関係施策の実施状況や対策の効果等を検証、評価するための子供の貧困に関する二十五の指標を掲げております。委員御指摘のとおりでございます。その中で、相対的貧困率についても二十五の指標に含まれているところでございます。

 子供を取り巻く貧困の実態をより的確に把握するために、この二十五の指標のみならず、ほかに信頼性のある指標にはどのようなものがあるのかということについて、大綱でもこの調査については書かれているわけでありますけれども、新たな指標の開発に向けた調査研究の実施についても検討してまいりたいというふうに考えております。

 具体的には、実は、平成二十七年度に予算をとりまして、諸外国における子供の貧困対策、特に指標の実態について調査研究を進めているというところでございます。

 また、子どもの貧困対策の推進に関する法律によりまして、都道府県には、子どもの貧困対策計画の策定について努力義務が課されております。御指摘のとおりでございます。国と協力しつつ、地域別の指標など、当該地域の状況に応じた施策を策定し実施していただきたいというふうに政府としては考えているところでございます。

 政府としましても、子供の貧困対策について国を挙げて取り組む、そのために地方公共団体との連携支援にしっかりと取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。

 以上でございます。

高階大臣政務官 済みません。先ほどの答弁の中で一点、誤った説明をしてしまったところがございまして、修正させていただきます。

 一人親家庭のところでございますが、七十四億円の内数の一千二百億と申してしまいました。一千二百万の間違いでございますので、訂正させてください。

田畑委員 両政務官、御答弁ありがとうございます。

 子供の生活の支援、そしてまた、その先にある学習の支援、これは本当に、我々が思っている以上に、やはり子供の学力の落ち度というか、それについていけなくて社会からのドロップアウトにつながっていくというのも心配されるところでありますから、国を挙げて、そしてまた地方自治体と連携をして、現在もやっていらっしゃるのは当然だと思うわけでありますけれども、地域の実態に即して、これは確実に、着実に目標に従って行っていただきたいなと思います。

 あわせて、生活困窮者自立支援法、こちらについてもちょっと触れたいと思いますが、その中で、保護者に対する就労の支援といったようなことも、二十六年度は、二百五十四の自治体でモデル事業が展開をされたところであります。その成果であったりですとか、特に、親の就労準備の支援事業であったり、家計相談、こういったようなことについても、社会的自立をしっかり促していくこと、これも子供の貧困にも直結する事柄でなかろうかと思いますが、その支援体制構築に向けて高階政務官にお聞きをしたいと思います。

高階大臣政務官 今ほどお尋ねいただきましたモデル事業、昨年は二百五十四自治体で実施していただいておりますが、実際にデータが収集できました百十七自治体の状況について成果を御報告申し上げたいと思います。

 一年間で二万二千五百七件の相談がございました。このうち、自立支援のための計画目標期間が到達して評価ができた、そういうケースが四千七十三件ございまして、このうち二千七百三十件におきまして何らかの経済的な変化が起こっている。

 例えば、就労につながったという方が全体の三四%いるなどの成果が出ております。また、そのほかにも、自立のための意欲が向上したとか、あるいは、社会参加の機会が増加したといったような成果がそれぞれ上がってきていることが報告されております。

 今年度の予算におきましては、自治体で事業を着実に実施していただけるように、関係予算全体で四百億円を確保したところでございまして、四月に全国で制度が開始されたところでございますから、現在、全国でこの実施体制について調査を進めさせていただき、取りまとめを進めているところでございます。

 また、ことしの実施について昨年度中に調査を実施しておりまして、お尋ねの就労準備支援事業、これはことし二百九十七の自治体で実施予定であるとの回答をいただいておりますし、また、家計相談支援事業につきましては二百六十一の自治体で実施される見込みとなっております。

 福祉事務所の設置自治体九百一のうちのおおむね三分の一のところでこれらの事業を実施していただけるということですので、この実施状況の調査を踏まえまして、自治体にさらなる積極的な事業の実施についても働きかけを進めてまいりたいと考えております。

田畑委員 ありがとうございます。

 最後、文科省にもちょっとお聞きをしたいと思います。

 中学生等の学習支援についてでありますが、今年度からは、国からの補助事業として制度が新たに進んでいっているものだと認識をしているわけであります。これまでも、幾つかのモデル事業で、学習支援については、生活保護世帯におけるそういった支援によって高校の進学率も向上がなされたとも資料等で御説明を聞いているわけでありますが、あわせて、各種の奨学金の充実を図ったりとか、教育費の私的負担を軽減する施策といったことも一考することが必要ではなかろうかと思います。

 その辺についての見解をお聞きしたいと思います。

吉田政府参考人 お答えいたします。

 文科省として、意欲と能力のある学生生徒が経済的理由により進学等を断念することがないように、経済的負担の軽減に取り組むことが重要であると考えております。

 高校段階としては、御承知の授業料負担の軽減のための高等学校等就学支援金制度を設けているほか、平成二十六年度から、低所得世帯の生徒に対しまして返済不要の高校生等奨学給付金を創設いたしまして、平成二十七年度からは、補助対象の拡大や給付額の増額等の拡充を行ってきているところでございます。

 また、大学段階では、日本学生支援機構の実施しております奨学金の中でも、無利子奨学金の拡大を図りますとともに、所得に応じて柔軟な返還を可能といたします所得連動返還型奨学金制度の創設に向けまして、現在、制度設計を行っているところでございます。

 また、返還の免除ということにつきましても、大学院レベルでございますけれども、無利子奨学金の貸与を受けた学生の中で特に優秀な成績をおさめました大学院生に対しましては、業績優秀者返還免除制度といったものを設けておりますし、また、学部も含めまして各大学におきまして授業料減免を実施しておりまして、平成二十七年度予算におきましても、国立大学、私立大学ともに増額を図っているところでございます。

 こういった奨学金あるいは給付型の支援制度は大変重要な課題だと思っておりますので、引き続き取り組みを進めてまいりたいと考えております。

田畑委員 御答弁ありがとうございます。

 子供の貧困対策、これは、生活困窮者支援法と、もちろん生保の改正も含めて、内閣府、また厚労省、文科省も含めて、一体となって連携をしてぜひ取り組んでいただきたいなと思う次第であります。

 麻生大臣にはちょっと質問できませんでしたが、別の機会でまた議論をさせていただきたいと思います。

 以上で質問を終わります。ありがとうございました。

石関委員長 次に、青柳陽一郎君。

青柳委員 維新の党の青柳陽一郎でございます。

 本日は、本委員会で三十分の時間をいただきました。ありがとうございます。

 それでは、早速、質問、議論に移ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いします。

 まずは、そもそも、この決算審査のあり方について、せっかくなので麻生大臣からコメントをいただきたいと思いますが、この決算審査のおくれの課題です。

 本日審議されている予備費も平成二十五年度の予備費でありまして、既に平成二十六年度分も提出されているわけであります。本予算の決算については、平成二十四年度分もまだ終わっていないという状況です。

 大臣もせっかく忙しい時間を割いていただくのに、この決算審査というのは形骸化しているんじゃないかと言わざるを得ないと思います。決算審査というものを何とか実効性あるものにして、さらに、予算編成にも生かしていけるようなものにしていかなければいけないというのは、これは党派を超えた課題であると思います。

 そして、この決算改革、これはまさに我々国会議員の仕事であり、国会で解決する課題であるとは思うんですけれども、麻生大臣に、決算審査の重要性と決算改革について、御所見、コメントをいただきたいと思います。よろしくお願いします。

麻生国務大臣 国会におきます決算審議とか、また、いわゆる決算結果などを次年度の予算編成を実行していくに当たって反映させていく、いわゆる予算の効率化とか、またひいては財政の健全化という観点から、これは極めて重要であることははっきりしております。会社でも予算よりは決算の方が大事ですから。会社をやっておられたんでしょうから、そこらのところはよくおわかりのところだと思いますので、予算よりは決算。予算が大事なのは国会ぐらいです。

 しかしながら、国会における決算審査の進め方とか審議等につきましてはいろいろ御意見があるのはわかっておりますし、民主党のときの三年間分は丸々とまっていましたから。国会において御判断をいただくべきところなんだと思っておりますので。これはかかって国会での審議の話の内容でありますので、政府といたしましては、いわゆる国会の審議のあり方をどうのこうのと言う立場にはないということだろうと存じます。

青柳委員 おっしゃるとおりでありますけれども、私は麻生大臣の御所見を、せっかくの機会だったので伺いたかったと思いますが、今まさに御答弁いただいた、効率化、健全化、これはこの後質疑させていただきたいと思います。

 これまでもこの決算行政監視委員会で、決算審査のおくれについて、前委員長、きょう出席していただいていますが、松浪委員長時代にも、決算改革についてずっと取り組んできておられます。ぜひ、石関委員長にも、決算改革について取り組んでいただけるものだと思いますが、引き続き御尽力をいただきたいと思います。

 次に、各府省も、これまで政策評価、歳出の見直しと削減に当然取り組んできていると思います。ただ、我が党としては、まだこの歳出削減、歳出の見直しについては切り込み不足だと指摘せざるを得ないと思います。

 そこで、これまで各省庁で行われている、そして総務省で取りまとめている政策評価、さらにもう一つが行革大臣のもとで行われている行政事業レビュー、この二つの線があるわけですが、これがしっかりと機能してPDCAサイクルがしっかり回っているのかということについて、麻生大臣にもお伺いしたいと思います。

 麻生大臣自身もこれまで予算委員会の答弁等でも、PDCAサイクルをしっかり回していくことは重要だというふうに答弁されておりますけれども、現在の安倍内閣、PDCAサイクルがきっちり機能して予算編成にそれが反映されているというふうに麻生大臣はお考えになられているかどうか、お伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 予算がどのように使われてどのような成果を上げたか、いわゆる最近はやりのプラン・ドゥー・チェック・アンド・アクション、略してPDCAという言葉が最近はやっていますけれども、これは極めて重要なものだ、私どもはそう思っております。

 財政当局の立場からいきますと、予算の使い方とか資金の流れとか、そういったものをチェックするいわゆる行政事業のレビュー、また各府省庁が政策の検証を行う、各省庁で行ういわゆる政策の評価、そして、財務省の予算担当の職員、いわゆる主計局等々らが予算の執行状態を調査する予算の執行調査等々、こういったものが幾つかあるんですが、こういったものを利用して的確に予算に反映していかにゃならぬところなんです。

 具体的な例を挙げさせていただければ、昨年の行政事業レビュー、通称秋のレビューというものにおきましては、必要性とか効率性とか有効性の観点から、四十七事業をチェックさせていただいております。その結果で、概算要求、概算ですよ、決算じゃない、概算要求の段階から、約一千億程度のものを削減させていただいております。

 例えば、例で挙げれば、産学官共同で、五十の大学に一億円ずつというプランがありました。これは、産業界のニーズの把握は十分じゃないんじゃありませんかというようなことを申し上げて、結果として、五十というのを、二校だけ選ばせていただいて、基礎的な調査の経費一億円のみを手当てするということにいたしましたので、五十億が、マイナス一億で四十九億円にいたしたりしております。

 また、予算の執行調査の話ですけれども、これは、専門家の意見等々を使わせていただいて、調査の質の向上を図って、七十五件の調査を実施しております。調査結果を踏まえまして、二十七年度の予算においては、二十六年度に比べて三百七十九億円を削減いたしております。

 例えば、国際エネルギー消費効率化技術・システム実証事業、これは、エネ庁、経産省所管のところですけれども、こういうところは、実証事業を終了した後、それが海外にとか民間に売れるとか、いろいろな話をできることになっているんですが、私どもから見て、本当に商売が成り立ちますかと。そういった点から、商売が成り立ちそうなものに限定して、私どもからして、普及、展開の見込みが高いものに重点化するということで、八十五億円を削減しておりますので、二百二十億から八十五を引きまして百三十五億円という形で削減をさせていただいたといったのが事例であります。

青柳委員 詳細な御答弁、ありがとうございます。

 歳出の見直し、歳出削減に取り組んでおられるということは当然だと思うんですけれども、結局、安倍内閣になってからは、予算編成が百兆円を突破するのが常態化しているという状況の中で財政健全化をしていかなきゃいけないということなので、この点、もう一度後ほど触れたいと思います。

 総務省に伺いたいと思います。

 今大臣からも答弁のありました政策評価と行政事業レビューについて、私は、作業プロセスを一本化、一体化させる取り組みが必要だと思います。これについて、前大臣時代にも、作業プロセス、連携しているというお話はありました。私は、連携からもう一歩進めて一体化させるべきだと思っておりますが、現在、この政策評価と行政事業レビューの連携がどこまで進んでいるのか。

 そして、その連携によって、これまでわからなかった事業の無駄や、政策効果に疑問があれば、それに対して勧告権が認められているということもあるそうですが、こうした権限がどこまで行使されているのかについて伺いたいと思います。

 そしてもう一点は、これは当然、政策評価、行政事業レビュー、両方、外部のチェックが必要だと思います。内々の評価で、自分たちがやった事業について、これは必要ないというふうに自分たちで評価するというのは当然少ないと思いますので、外部の視点が必要だと思いますが、こうした外部の視点がどこまで取り入れられているのか。

 この三点について伺いたいと思います。

新井政府参考人 まず一点目でございます。政策評価と行政事業レビューの連携状況でございます。

 施策レベルを対象といたします政策評価と、各施策の達成手段となる事務事業、こちらを対象といたします行政事業レビューにつきましては、両者を関連づけて、施策と事務事業の状況を一体的に把握、見直しできるようにすることが重要と考えてございます。

 このため、総務省としては、行政事業レビューを担当する行政改革推進本部等が連携いたしまして、政策評価と行政事業レビューの相互活用に取り組んできているところでございます。

 具体的には、平成二十五年度から、政策評価の事前分析表と行政事業レビューシートの間での事業名と事業番号の共通化、あるいは、例えば、有識者における会合、有識者の意見を聞く機会を合同で開催するなど、実施プロセスを相互連携することなどに取り組んでおるところでございます。

 また、今年度からは、行政改革推進会議におきまして、秋のレビューの充実強化や重点課題検証の新設を行う。その中で、政策評価に係るデータ等を積極的に活用するなど、両者の一層の連携を進めるということにしているところでございます。

 二点目でございますが、勧告の活用というところでございます。

 勧告につきましては、総務省が行う政策評価、これは、各府省に共通する事項であるとか、あるいは、各府省の政策を、複数の省庁がやっておって、それを総合的に実施しなくちゃいけない、統一・総合性評価と申し上げておりますが、こういったものを総務省において行うときには、勧告という形で行っているというところでございます。

 一般的に政策評価といいますと、各府省が行うということでございまして、これについては、各府省がそれぞれを見直しするという形で実施しているものでございまして、総務省の勧告というものではないというところでございます。

 三点目、第三者の意見表明ということでございますが、先ほども申し上げましたとおり、行政事業レビューにいたしましても、政策評価にいたしましても、最終的な成果物を出す段階におきましては、必ず外部の意見を聞く、それを評価書に反映する、こういう形で実施してきているところでございまして、第三者意見というのはそういう形で反映されているというところでございます。

青柳委員 それでは、今御答弁いただきましたけれども、仮に、共通の政策目標があって、これに各省が取り組んできました、これが事務事業評価、政策評価で、効果が薄い、余り効果がないのではないかという評価になった場合に、どのような権限が行使されて、その予算に対してどうやってとめることができるのかについて御説明いただけますか。

新井政府参考人 今申し上げましたとおり、政策評価につきましては、各府省が行うもの、それと総務省が行うもの、両方ございます。

 各府省が行うものにつきましては、ある意味、各府省がみずから見直しを行うという作業でございまして、各府省の見直しの結果を概算要求に反映してくる。例えば、公共事業の中で、長い時間がたっているのに終わっていないとか、着手していないとか、そういうものにつきましては、各府省が見直しを行って、その事業をどうするか、中には、休止してしまうといったようなものもございます。

 それに対して、総務省の行う統一性・総合性評価の中におきましては、全体的な評価、事業を評価して、その効果が上がっているかどうか、こういうことを申し上げるということでございます。

 その中で、例えば、一部の事業について、これは余り効果が上がっていないんじゃないかというときには、例えば、昨年、消費者関係の政策評価をやりました。そのときに、地方の消費者施策に対する交付金の話がございましたが、これについては、効果がうまく把握されていないということで、しっかり効果を把握して、それを交付金の配分に反映しろ、こんな話もございました。

 あるいは、相当昔になりますが、リゾート法の評価、こういったものをやったときには、さすがに、リゾート法につきまして、余り効果が上がっていないではないかということで、効果が上がっていないという旨を報告し、その結果、最終的には取りやめになる、こういったこともございました。

青柳委員 今御答弁いただきましたけれども、私は、さらに、この政策評価、事務事業評価、行政事業レビューを一本化させて、外部の意見を当然きちんと入れてくださっておりますけれども、外部の意見、厳しい目で見ていただいて、そこに権限を与えて、そういう取り組みを今後もう一歩進めていただきたいと思っているところでございます。

 続きまして、麻生大臣にもう一度伺いますけれども、先ほど来御答弁していただいておりますが、歳出削減と財政の健全化について伺いたいと思います。

 先般、経済財政諮問会議が開催されまして、麻生大臣は、その際、歳出を聖域なく見直す、財政健全化は歳出歳入双方の改革が必要だというふうに述べられております。これは全くそのとおりだと思います。

 この諮問会議では歳出と歳入の改革についてさまざまな意見や議論があったことと承知しておりますけれども、麻生大臣御自身が、財政健全化に向けて具体的に、今議論しているので言えないかもしれないんですが、せっかくの機会なので、歳入、これは何を変えていくのか、歳出、具体的に何を見直していくのか、この両方について、今、麻生大臣御自身がやるべきだと考えられている歳出と歳入の改革について御所見をお伺いしたいと思います。

麻生国務大臣 景気がよくなるとずっと景気がいいように思うのが、人間。景気が悪いとずっと景気が悪いように続いていくんだと思っちゃうものなんですけれども、そんなことはありません。経済というのは常に上がり下がりがありますから、今景気が何となくよくなってきているものだから、歳入がえらくふえていくというように思いがちなんですけれども、そんなことはないんです。

 したがって、きちんとある程度以上のことの歳入を、今のあれで三%増ということで、二〇二〇年で比べて二十二兆円増ということになっていますけれども、それ以上の歳入増を期待するというのは、ちょいと立て方としてはいかがなものか、まずこれが第一点。

 それから、今のその三%のもので見ましても、今の歳出の増をこのままいき、歳入もこういった状況でいきましても、九・四兆円の差が二〇二〇年には出るということを内閣府で見ておりますので、私どもとしては、少なくともその歳出というものを抑えるということを考えますと、歳出の中の全国家予算の約三分の一が社会保障ということになりますので、この社会保障にメスを入れざるを得ないということになろうと思っております。

 安倍内閣のこの三カ年間の間で、生活保護の見直し等々で、これで六・五%減。それから診療報酬の改定を昨年やらせていただいておりますが、これが一・三六%の引き下げ。診療報酬本体にも、しかもそれは戻しておりませんから、それは純減です。それから介護報酬の改定、これは平成二十七年度にやらせていただいておりますけれども、これは介護士の処遇改善等々をやらせていただく一方で、全体としては二・二七%減ということで、社会保障全体を見直すということで、歳出の重点化、効率化を進めさせていただいた結果、毎年よく言われる自然増が八千億とか一兆円とかいうのが概算要求の段階で出ますけれども、結果としては、ことしは八千億の要求に対して四千億ぐらいのものでこれがとまっておりますので、財政健全化計画というものの中においても、具体的かつ実効性のある内容というものを示す必要があろうと考えております。

 したがいまして、これからいろいろ取り組まないかぬ問題はいっぱいあるんだと思います。よく言われるジェネリック、ジェネリックというのは後発医薬品の件ですが、後発医薬品というのは今日本では四七%を切っていると思います。四六・何%しか今ジェネリックは使われておりませんけれども、ヨーロッパで七〇、八〇%、アメリカで多分これは九〇%ぐらい後発医薬品を使っていると思いますので、私どもとしては、まずは目標として六〇%ぐらいにジェネリックを使わせていただくということで、公的保険給付範囲というものを見直させていただく。

 それから、いわゆる負担能力に応じた形で医療・介護サービスというものの負担のあり方というものを見直して、資産がある方、所得のある方等々は七十五になってもいろいろな負担に応じていただくことにはいかぬだろうか。いろいろな改革というものをやっていかなきゃならぬと思って、結果として、今この三年間やってきた努力をずっとこのままの程度、これはマイナスではありませんから、この内閣でも確実に予算を伸ばしてきた上で、我々は、今の景気というものを見た場合に、今の予算程度の伸びまでに抑え込めるということをあと五年間続けさせていただくと、PBバランスという基礎的財政収支のバランスは九・四兆円からかなり圧縮ができる。さらにいろいろな努力が要るとは思いますけれども、そういったことができるのではないかというように考えて、この六月に試案というものを財政諮問会議で出していただけるものと思っております。

青柳委員 ありがとうございます。

 歳出削減しなければ財政健全化はあり得ないと思いますので、今御答弁されたように、この六月にはしっかりそうした姿勢が答申であらわれているということを願っております。

 それでは、残された時間で平成二十五年度の予備費について一つ一つ伺ってまいりたいと思います。

 まずは、先ほどもありましたけれども、NSC関連予算十一億円強の支出について伺いたいと思います。この予備費で十一億円、二十六年度予算で八億円というのがNSCで計上されているわけですが、一つは、これで十分なのかということでございます。

 そもそも目的としているのは、縦割り行政を排して、重要な情報を一元化して、内閣の重要な決定に寄与していくということだと思います。例えば、先日、五月二十一日にISILテロ事件の検証委員会の報告書が取りまとめられたわけですけれども、その中でも、情報収集能力がまだ弱い、情報収集の強化、あるいは情報収集機関をさらに新しく設置すべきだという意見も出されたというふうに伺っております。

 NSCが、縦割りを排して、必要な情報収集を行って、有意な情報を上げていくということで十分機能できているのかについて伺いたいと思います。

山崎政府参考人 お答え申し上げます。

 国家安全保障会議及び国家安全保障局のインテリジェンス、情報との関係でございます。

 国家安全保障会議は、御指摘のとおり、総理、副総理等のリーダーシップのもと、外交・安全保障政策の司令塔として、関係省庁が収集、分析した種々の情報を一元的に集約して、それをもって多角的、総合的な議論を行う場でございます。

 また、安全保障局につきましては、その事務局として、関係省庁から提供された情報を活用し、外交・安全保障政策に資するよう組み立てていくという仕事をしております。

 このように、国家安全保障会議及び国家安全保障局は、関係省庁から提供された情報をもとに政策を企画立案、審議するための機関でございまして、みずからがインテリジェンス情報を収集する情報機関ではございません。いわば、安全保障会議及び保障局は、インテリジェンス機関が収集した情報のユーザーという立場にございます。

 この面から、先生から御指摘ございました、今回の邦人殺害テロ事件の対応に関する検証委員会の報告書でも、政府の情報の収集、集約、分析能力の一層の強化に取り組む必要性ということが指摘されておりますけれども、このような強化が行われることは、国家安全保障会議及び保障局としても、その情報に基づいて活動しておりますので、非常にプラスになるというふうに考えております。

 今後とも、国家安全保障会議及び保障局といたしましては、必要な経費は確保しつつ、その与えられた任務を執行していくように努力していきたいと考えております。

青柳委員 今の御答弁は、私は全く情けない話だなと思いますよ。せっかくNSCをつくって、各省庁から上げられた情報をまとめて上に上げるだけですとしか聞こえないわけですね。みずから情報をとり、みずから情報を分析するという答弁ではないんです。各省庁から上げられてきた情報を上げるとしか全く聞こえませんでしたので、ですから、今回のISILでもこういうような報告書が出てしまうんだろうと思いますよ。

 せっかくつくったのですから、みずから情報をとり、みずから情報を分析し、みずから情報を上げるという機能も私は持った方がいいのではないかなと思っております。そうしなければ、実際に有意な情報になっていかないんじゃないかと思いますので、指摘させていただきたいと思います。

 次に、原発汚染水の対策予算についても伺いたいと思います。

 この汚染水対策は予備費で二百五億円強が支出されておりますけれども、この原発の汚染水対策について、国がやるべき仕事と東電がやるべき仕事の役割分担、そしてその責任の所在がどこにあるのかについて、まずは伺いたいと思います。

糟谷政府参考人 まず、役割分担ということでございますけれども、例えば凍土壁につきまして言いますと、事業主体は東京電力及び鹿島建設でございます。ただ、国としても、事業者任せにすることなく、前面に出て責任を持って対応をしておるところでございます。

 具体的には、陸側の遮水壁の工法につきまして、汚染水処理対策委員会で専門家を集めて検討を行った結果、凍土方式の遮水壁がさまざまな観点から最適であろうということを判断、選定し、さらにその財政措置を講じ、また、事業が始まった後も事業の進捗点検を行うとともに、土木工学とか水理学等の産官学の専門家を集めて技術的な助言を行うなど、こうした対応を進めてきております。

 汚染水対策は前例のない取り組みではありますが、地下水の建屋への流入を抑制するために重層的な対策を講じているところでございます。地下水バイパス、サブドレーン、それから敷地舗装など、凍土方式の遮水壁と同様に、建屋の中に地下水を入れない、抑制する効果がある対策を重層的に講じてきているところであります。

 それから、凍土方式の遮水壁を進める中でも、単にいきなり工事をやって凍らせてみるということではなくて、昨年、福島第一原発のサイトの中で十メートル四方の小規模の遮水壁をつくりまして、実際に凍結させてみて、ちゃんと凍るということ、それから地下に配管等が埋まっていてもちゃんと施工ができるということ、こういうことを確認して進めております。

 また、万一凍らないときに備えて、補助工法、グラウトを入れるというような土木工法によって、地下水の流れを抑えて、最終的にはちゃんと壁をつくって地下水を流入させないようにする、そういうことができるように、とにかく、東京電力それから鹿島建設を指導して、国としても責任を持って対応しているところでございます。

青柳委員 ということは、凍土遮水壁の工法でやっていこうということは検討委員会で決められて、国が決めたというふうに理解しました。

 ということは、この凍土遮水壁の事業が最終的にうまくいくかいかないかは、いつ誰が判断し、そして万々が一この凍土遮水壁の方式がうまく機能しなかったということになれば、これは誰が責任をとられるのか。そして、今、予備費も投入され、本予算も投入されていますけれども、さらに、どこかの時点で判断しなければ、この予算がずっと投入され続けることになると思うんです。

 ですから、もう一度繰り返しますけれども、いつどの時点でこの事業の可否、是非を決めていくのか、誰が判断するのか、万々が一うまくいかなければどなたが責任をとられるのかについて、明確に御説明をいただきたいと思います。

糟谷政府参考人 凍土方式の陸側遮水壁の目的は、原子炉の建屋等への地下水の流入を抑制すること、それによって汚染水の増大を抑制することでございます。

 効果が得られているかどうかということにつきましては、したがって、建屋への地下水の流入量がどうなっているかということを、ちゃんと減っているかどうかということを確認しながら行うことになります。

 現時点で、万一これがうまくいかなかったらどうするか、そういうことを言う前に、しっかりと効果を上げて、対策を挙げて、重層的な対策によって地下水の流入量をしっかりと減らしてまいりたい、国も前面に立ってしっかりとそういう成果を上げてまいりたいというふうに考えております。

青柳委員 もう時間が来ましたのでやめますが、全く私の質問には答えられていないと思います。誰も責任をとるとは、誰が責任をとるとは言っていない。いつの時点でこれをやめるのか、続けるのかとも言っていないということで、大変残念な答弁でございました。

 以上申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございます。

石関委員長 次に、宮本徹君。

宮本(徹)委員 日本共産党の宮本徹です。

 二〇一三年度の一般会計予備費は、NSCの設置などに予備費を支出しております。この間、NSC、国家安全保障会議が司令塔となって、地球規模で日米の戦争協力体制づくりが進んでおります。その一環として、今月、横田基地にオスプレイ配備が通報されました。きょうは、オスプレイの横田配備について質問します。

 岸田大臣は、先日の外務委員会での私の質問に対して、地元の懸念が存在することは承知していると答弁されました。地元の懸念とは何でしょうか。

岸田国務大臣 お尋ねの地元の懸念につきましては、例えば、これは二〇一三年七月ですが、横田基地周辺市町基地対策連絡会から要望書をいただいております。航空機騒音や航空機の墜落、部品落下といった事故への懸念に言及されておられます。

 また、このたびCV22オスプレイの配備につきまして外務省及び防衛省が周辺自治体に説明をさせていただきました際に、安全性や周辺環境への影響等について説明してほしいという要望をいただいております。

 また、このほか、同連絡会からは、五月十八日のハワイにおける米海兵隊のMV22オスプレイ着陸失敗事故を受けて、二十日の日ですが、周辺住民のオスプレイの安全性への懸念が大きくなっているとして、米軍への申し入れ及び地元自治体に対する迅速、正確な情報提供を求める、こうした内容の要望書をいただいております。

 政府としましては、こうした声を踏まえながら、安全面に最大限の配慮を払う、あるいは地元に与える影響を最小限にとどめる、こうした観点から、米側と必要な協議を行っていきたいと考えます。

宮本(徹)委員 地元からは、騒音に加えて、墜落そして部品落下による事故の懸念があるとおっしゃられました。そして、その懸念は、ちょうど一週間前のMV22オスプレイのハワイでの死亡事故を受けて、ますます大きくなっております。

 MV22オスプレイは、二〇一二年のときは事故率一・九三と説明がありましたけれども、今度の事故で二・五以上になると思います。どんどん事故率が、使えば使うほど上がっているという状況になります。そして、CV22は、それよりもさらに事故率ははるかに高いわけであります。

 中谷大臣、五月十二日及び十五日に、先ほど岸田さんからもお話がありましたけれども、防衛省、外務省、一緒に自治体に説明に回りました。その際に、安全性について説明しろということ以外にもいろいろな意見が出たと思いますが、どういう意見が出たと報告を受けているでしょうか。

中谷国務大臣 五月十五日に、関係する自治体に伺いまして、内容の説明を行ったところでございます。

 今般の説明に対して、関係する自治体からは、十分な説明責任を果たすことなく配備を行うことがないよう、再三にわたる要請を行ってきたにもかかわらず、このような突然の申し入れについてはまことに遺憾である、そして、安全性、施設整備、騒音、訓練、運用等に関するものであったが、この説明をもって十分な説明がなされたとは考えていない、今後さらなる具体的な説明を求めるなどの御意見があったところでございます。

宮本(徹)委員 もっといろいろな意見が出たと思うんですけれども、市の三分の一が横田基地となっているのが福生市でありますが、福生市からどういう意見があったと聞いていますか。

中島政府参考人 お答え申し上げます。

 先ほど外務大臣、防衛大臣から申し上げましたように、十二日、十五日の両日、福生市の方に伺って、今般のCV22の配備に関する御説明を申し上げたところでございますけれども、基本的に、今回の説明を聴取していただいたところでございまして、意見につきましては先ほど大臣が申し述べたとおりでございます。

宮本(徹)委員 いや、福生の市長は、これ以上の基地機能の強化は受け入れられない、自衛隊の航空総隊司令部を受け入れるときに、これ以上の基地機能の強化はしないという約束だったんだ、こういう趣旨の意見が出されたんじゃないんですか。大臣、報告を受けていないですか。

中谷国務大臣 地元の御懸念ということでございまして、私の方には、先ほど御説明をした内容の報告をいただいております。

宮本(徹)委員 いや、本当に、地元の自治体からの意見が伝わっていないというのは非常に驚きなわけです。

 これは、私、福生市が以前出した文書を持ってきましたけれども、自衛隊の航空総隊司令部の横田への移転の際、二〇一一年一月、加藤市長から総理大臣、防衛大臣宛てに抗議・申し入れ書が出ているわけでありますよね。

 これをちょっと読みますけれども、「今後、これ以上の態様の変化や基地機能の強化については、絶対容認できない旨、市民や議会に説明(公約)してきている。 今後、さらなる部隊、航空機の移駐がされないことの確約をいただきたい。」というのが、航空総隊司令部が横田基地につくられるときに出されて、それに対して返事をしているわけですよね。この文書の存在は知っていますよね、大臣。

中島政府参考人 今委員が御指摘いただきましたような文書の存在については承知しておりますが、ちょっと今、手元に資料がございませんので、細部については御容赦いただきたいと思います。

宮本(徹)委員 質問通告をしているのに何なのかなというふうに思いますけれども。これ以上、基地機能の強化はしないという約束、口頭了解があったというふうに福生市長はおっしゃっているわけですよ。

 こういう福生市長との約束を破るというのは信義則にもとるんじゃないですか。

中谷国務大臣 このCV22、これは、我が国の配備というのは、事態の発生時の日米両国の対応能力を向上させるというのみならず、日米の高度な共同対処能力を対外的に示すことによって我が国への侵略を思いとどまらせる効果もありまして、日米同盟の抑止力、対処力を向上させるものでございます。

 また、首都直下型地震とか南海トラフの地震などにおきまして、米軍の大規模災害における対応能力を大いに向上させるということで、意味があるということでございます。

 こういった点を御説明した上で、前回から、私どもに対して地元から、安全性、施設整備、騒音、訓練、運用等に関するものであった説明に対して、十分な説明がなされたと考えていないというような点の御指摘があったということでございます。

宮本(徹)委員 いや、今のこのやりとりを聞いていますと、大臣にはこういう文書が以前出されて、そこで、この文書に基づいて市長とのやりとりがあったということも伝わっていないという話じゃないんですか。中島さん、大臣に伝えてあるんですか。

中島政府参考人 お答え申し上げます。

 航空自衛隊の司令部の横田配備からの一連の経緯につきましては、その経緯、それから今般のCV22の横田配備に係る経緯を含めまして、大臣の方には御報告申し上げているところでございます。

宮本(徹)委員 大臣、今の話だと知っているということですけれども、知っているということでいいんですね。

中谷国務大臣 私の方には、地元からこのような御意見が求められているということでありまして、今後、米政府に対しても、地元にかかわるものを初めとしてさらなる情報提供を求めて、得られた情報については自治体へ丁寧に説明をしていくというような報告を受けております。

宮本(徹)委員 いや、そうじゃなくて、今回、その安全性について云々じゃなくて、二〇一一年の航空総隊司令部が横田基地に移転するときのやりとりを大臣は聞いていないんじゃないですかと聞いているんですよ。

中谷国務大臣 そのような内容につきましては、報告を受けております。

 今回、地元から、説明をしたところ、まだまだ不十分であるというような御意見があったというふうな報告をいただいております。

宮本(徹)委員 では、二〇一一年のやりとりの報告を受けているんだったら、信義則にもとるじゃないですか。そういう認識はないんですか。

中谷国務大臣 総合的に判断をしていくわけでございますが、この必要性等について説明をいたしますし、また、この状況等につきましても引き続き地元に対して説明をして、御理解をいただくようにしてまいりたいと思っております。

宮本(徹)委員 自治体の首長は直接住民の安全を守る責任を持っているから、航空総隊司令部が来るときも非常に強い態度で福生の市長は臨んでいたはずです。今回もその経過を伝えているはずであります。自治体との約束をほごにしておきながら、アメリカの意向を優先していくというのは異常としか言いようがないということを強く批判しておきたいと思います。

 それで、政府は普天間の危険性の除去ということを言いますが、横田基地の周辺には、普天間基地同様、住宅密集地が広がっております。三キロ圏内には三十四もの学校があります。そして、アメリカ国内では、基地周辺の安全対策として、住宅などの設置を禁止しているクリアゾーンだとか、事故危険地域、APZ1ですね。横田の場合は、この地域にも学校もあります、住宅もたくさんあります、特養もあります。そこにMV22よりもずっと事故率の高いCV22を持ってくるというのは、人命の軽視としか言いようがないと思います。

 普天間の危険性の除去と言うんでしたら、横田の危険性も除去すべきなんですよ。CV22を横田基地に配備するということは、除去すべき危険性を、沖縄に加えて東京・横田にも広げることになるわけですよ。全く矛盾していると思いますよ。政府の言う普天間の危険性というのは一体何なんですか。

中谷国務大臣 普天間の危険性というのは、市街地の真ん中に基地が存在をし、そのことについて、この危険性の除去をするために移転を進めておりますけれども、その市街地の真ん中に基地が存在をするということでございます。

宮本(徹)委員 そうですよね、市街地の真ん中にあるのが危険性で、除去しなきゃいけないと言っているわけですよ。横田基地も市街地のど真ん中にあるじゃないですか。除去すべきなんですよ。何でこんなものをアメリカに言われて受け入れるんですか、大問題ですよ。

 航空機から部品の落下事故が横田でも繰り返されております。一歩間違えれば大惨事になりかねない。今は小学校の運動会のシーズンですけれども、騒音で先生の声が聞こえなくなって練習がしばしば中断する、こういうことも起きているわけです。そして、三年前からは、アメリカ軍の特殊部隊のパラシュート降下訓練も横田基地で行われるようになっているわけですよね。C130は危険回避の飛行をしながらパラシュート部隊が降下していく。住宅地の密集地の真ん中でやっているわけですね、現在。CV22が来たらCV22がそういう危険な訓練を横田でやるんじゃないか、こういう心配が広がっているわけですよ。

 中谷大臣が心を寄せるべきは、アメリカではなくて、基地負担に苦しむ住民なんじゃないんですか。

中谷国務大臣 その一方で、我が国の安全を守るという点におきましては、自衛隊もそうでございますが、常時訓練をし、また活動をするという必要性もございますので、そういった観点で、その機能等につきましての必要性というものは我々も地元の皆様方に説明をして、御理解をいただくようにしております。

宮本(徹)委員 中谷大臣は、普天間の危険性の除去、住宅地の真ん中だと言いながら、住宅密集地の真ん中の横田基地にCV22を持ってくることに矛盾を感じられないんですか。除去すべき危険性として言っているものと同じじゃないですか。

石関委員長 申し合わせの時間が経過しておりますので、簡潔にお願いします。

中谷国務大臣 沖縄の件につきましては、過去の経緯もございまして、普天間の危険性を除去すると。これは政府も地元も米国も一致した意見で進めている事業でございます。

 横田につきましては、我が国の安全を確保する上におきまして、今回のCV22、これの配置等について通報を受けまして、政府としても、その必要性におきましては、そこに存在をするということについては必要であると認識をいたしております。

宮本(徹)委員 これに矛盾を感じないというのはどうかしているというふうに思います。

 大体、今我が国の防衛ということをおっしゃいますけれども、CV22は特殊部隊の輸送部隊ですよね。対テロ作戦、これに参加するんだと自治体に配っている防衛省の資料にも書いてありますよ。アフガンやイラクに行っている特殊部隊のどこが日本の防衛なのか。日本の防衛と全く関係ないんじゃないですか。

 対テロ戦争の出撃拠点にするために、危険なオスプレイを横田に配備することは許されないと重ねて厳しく申し上げまして、私の質問を終わります。

石関委員長 これにて各件についての質疑は終局いたしました。

    ―――――――――――――

石関委員長 これより平成二十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)外二件について、一括して討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、これを許します。清水忠史君。

清水委員 私は、日本共産党を代表して、平成二十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省庁所管使用調書は賛成、平成二十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省庁所管使用調書は反対、平成二十五年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書及び各省庁所管経費増額調書は反対の態度表明を行います。

 平成二十五年度特別会計予備費総調書の農業共済再保険は、自然災害等に由来する対応により、賛成とします。

 次に、平成二十五年度一般会計予備費の国家安全保障局、いわゆるNSC設置経費についてです。

 我が党は、NSC設置を目的とする安全保障会議設置法一部改正案が秘密保護法と一体をなすものであり、集団的自衛権行使などのための戦争の司令塔づくりは断じて認められないとして、反対してきました。NSC設置経費を予備費で支出したことは到底容認できません。

 福島原発の汚染水対策経費二百五億円は、東京電力を支えてきた大株主や原子力産業が負担するのが筋です。しかも、多くの専門家が凍土方式遮水壁構築の有効性に疑問を示している中で百三十五億円も支出し、国民負担を求めることは容認できません。

 平成二十五年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書は、災害対応の緊急性の高い河川、道路工事の必要な支出は認めます。しかし、国会審議を必要とする当初予算等で対応すべき事業の増額支出も見受けられ、我が党の態度は反対といたします。

 以上です。(拍手)

石関委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

石関委員長 これより採決に入ります。

 まず、平成二十五年度一般会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)、平成二十五年度特別会計予算総則第二十条第一項の規定による経費増額総調書及び各省各庁所管経費増額調書(承諾を求めるの件)の両件について採決いたします。

 両件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石関委員長 起立多数。よって、両件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 次に、平成二十五年度特別会計予備費使用総調書及び各省各庁所管使用調書(承諾を求めるの件)について採決いたします。

 本件は承諾を与えるべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

石関委員長 起立多数。よって、本件は承諾を与えるべきものと決定いたしました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました各件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

石関委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

石関委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時十分散会


このページのトップに戻る
衆議院
〒100-0014 東京都千代田区永田町1-7-1
電話(代表)03-3581-5111
案内図

Copyright © Shugiin All Rights Reserved.