衆議院

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第4号 平成22年5月24日(月曜日)

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平成二十二年五月二十四日(月曜日)

    午後三時五十分開議

 出席委員

   委員長 牧野 聖修君

   理事 岡本 英子君 理事 中林美恵子君

   理事 萩原  仁君 理事 橋本 清仁君

   理事 畑  浩治君 理事 棚橋 泰文君

   理事 西野あきら君 理事 富田 茂之君

      井戸まさえ君    石田 三示君

      石津 政雄君    磯谷香代子君

      勝又恒一郎君    金子 健一君

      桑原  功君    古賀 敬章君

      首藤 信彦君    菅川  洋君

      高井 崇志君    中後  淳君

      花咲 宏基君    平山 泰朗君

      福島 伸享君    福田 昭夫君

      福田衣里子君    森本 哲生君

      横山 北斗君    吉田  泉君

      吉田 公一君    和嶋 未希君

      あべ 俊子君    赤澤 亮正君

      大村 秀章君    岸田 文雄君

      菅  義偉君    高木  毅君

      武部  勤君    松野 博一君

      三ッ矢憲生君    漆原 良夫君

      佐々木憲昭君    服部 良一君

    …………………………………

   総務大臣         原口 一博君

   総務副大臣        渡辺  周君

   総務大臣政務官      階   猛君

   衆議院調査局第二特別調査室長           岩尾  隆君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十四日

 辞任         補欠選任

  太田 和美君     石田 三示君

  柿沼 正明君     勝又恒一郎君

  笠原多見子君     磯谷香代子君

  川越 孝洋君     福田衣里子君

  森本 哲生君     石津 政雄君

  石原 伸晃君     高木  毅君

  二階 俊博君     三ッ矢憲生君

  井上 義久君     漆原 良夫君

  中島 隆利君     服部 良一君

同日

 辞任         補欠選任

  石田 三示君     太田 和美君

  石津 政雄君     森本 哲生君

  磯谷香代子君     笠原多見子君

  勝又恒一郎君     菅川  洋君

  福田衣里子君     川越 孝洋君

  高木  毅君     石原 伸晃君

  三ッ矢憲生君     大村 秀章君

  漆原 良夫君     井上 義久君

  服部 良一君     中島 隆利君

同日

 辞任         補欠選任

  菅川  洋君     柿沼 正明君

  大村 秀章君     二階 俊博君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 委員長不信任動議

 国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一九号)


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     ――――◇―――――

牧野委員長 これより会議を開きます。

 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。

 この際、御報告申し上げます。

 前会の赤澤委員からの提案につきましては、理事会で協議いたしましたが、委員長としては、引き続き誠実に努力させていただくことといたします。

 畑浩治君。

畑委員 動議を提出いたします。

 本案の質疑を終局されることを望みます。

牧野委員長 畑君の動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧野委員長 起立多数。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

牧野委員長 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。赤澤亮正君。

赤澤委員 私は、成規の賛成を得て、政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長牧野聖修君不信任に関する動議を提出いたします。

 委員長には、直ちに理事会で取り扱いを協議していただきたいと思います。よろしくお願いをいたします。私は、牧野委員長は私の動議を直ちに理事会で協議する責任があると思っております。よろしくお願いいたします。

牧野委員長 速記をとめてください。

    〔速記中止〕

牧野委員長 速記を起こしてください。

 ただいま、赤澤亮正君から、成規の賛成を得て、不信任の動議が出されておりますので、本動議は、私の一身上の問題でありますから、不信任の動議が提出されましたので、この際、暫時休憩いたします。

    午後三時五十六分休憩

     ――――◇―――――

    午後四時十四分開議

牧野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。

 赤澤亮正君から、成規の賛成を得て、私、委員長に対する不信任の動議が提出されております。

 本動議は、私の一身上の問題でありますから、この際、本席を理事橋本清仁君に譲ることといたします。

    〔委員長退席、橋本(清)委員長代理着席〕

橋本(清)委員長代理 委員長の指名により、私が委員長の職務を行います。

 これより、赤澤亮正君提出の政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長牧野聖修君不信任に関する動議を議題といたします。

 提出者の趣旨弁明を許します。赤澤亮正君。

赤澤委員 政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長牧野聖修君不信任に関する動議、

 本委員会は、委員長牧野聖修君を信任せず。

右の動議を提出する、平成二十二年五月二十四日。

 以下、理由を申し述べます。

 まず第一に、委員長牧野聖修君は、国民の求める、そして、かねてより自民党が求める鳩山総理、小沢幹事長、さらには石川、小林両議員の証人喚問の実現に努力をされておられません。

 この四名の証人喚問については、現時点において、求める国民の声が八割前後でございます。このような国民の声を無視して、その証人喚問の実現を求める野党の声にもこたえず議事進行しようとする牧野聖修君の議事運営は、到底、公平、円満なものとは言えません。

 次に、委員長牧野聖修君は、国民の求めるインターネット選挙の解禁に関する法案についての取り扱いをかねてより野党が明らかにするよう求めているにもかかわらず、一切、その努力をしておりません。

 このインターネット解禁に関する法案については、私も指摘をしたところでありますけれども、公布手続、周知期間、そういったことを考えれば、七月十一日と言われております参議院選に間に合わせるには、もう既に公布手続に入っていなければ間に合わない、一月の周知期間がとれないといったような大きな問題があります。

 しかしながら、与党の、あるいはマスコミの報道により、国民は、七月の選挙からインターネット選挙は解禁されるものという期待をもう既に持っております。政治の信頼を失わないために、ぜひこの法案の取り扱いをしっかりと明らかにしていただき、そして、選挙に関するルールでありますから、この衆議院において、この倫選特においてしっかりと審議することが必要である。このような観点に立って、我が自由民主党がその取り扱いを明らかにするように、このことを求めているものでありますが、しかしながら、その努力を委員長牧野聖修君はしておりません。

 このようなことでは、国民の期待にこたえて、参議院選からインターネット選挙を行うことは到底不可能であります。委員長の適格に欠けると言わざるを得ません。

 また第三に、かねてより我が自由民主党は、鳩山総理ほか四名の証人喚問、そしてインターネット選挙を解禁する法案の取り扱いを明らかにすることがこの国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案の審議に入る前提条件であるということを申し上げてまいりました。

 この執行経費についても、しっかりと投票率の向上を実現するための経費配分について慎重議論する必要、そういったものがございます。インターネットの解禁による投票率の向上を目指す、いわば選挙の金とルールにかかわるものでありますから、両輪としてしっかりと議論をしていきたい、こういうことで申し入れをしていたものでございます。

 さらに申し上げれば、この執行経費の法案は、事業仕分けの評決の結果を受けて執行経費を大幅に削減するものでありますが、その削減の内容が投票率向上のための経費を削り過ぎているのではないかといったような疑問もなしとはしません。慎重審議が求められるところであります。

 しかしながら、先週金曜日、五月の二十一日に、委員長牧野聖修君は、職権で本委員会を立て、しかも新しい論点が多々設けられているにもかかわらず、この法案を一時間十五分の審議で採決しよう、採決を強行しようとされたわけであります。

 その際には、私の質疑の最中の理事会開催の申し入れ、そしてまた先ほどの鳩山総理ほか四名の証人喚問、さらにはインターネット選挙を解禁する法案の取り扱いについて明らかにしてほしい、理事会で協議してほしいという申し入れも全く聞き入れていただくことができず、私の審議時間をいたずらに浪費せざるを得なかったというところであります。

 結びになりますけれども、この間の強引な議事運営、これは公平、円満とはほど遠いものであります。今の私どもに課せられた使命は、党派を超えて、党利党略を超えて、政治倫理を確立し、そしてまた投票率の向上などに資する公職選挙法の改正を実現していく、これが本委員会の使命であると思いますが、以上申し上げた理由により、委員長牧野聖修君の議事のもとでは、そのような本委員会の使命を果たせないものであると信じます。

 以上が、本動議を提出した理由でございます。

 委員各位の御賛同を心からお願い申し上げ、趣旨説明といたします。(拍手)

橋本(清)委員長代理 これにて趣旨弁明は終わりました。

 これより討論に入ります。

 討論の申し出がありますので、順次これを許します。畑浩治君。

畑委員 民主党の畑浩治でございます。

 ただいま提出されました牧野聖修委員長の不信任決議案につきまして、民主党、社会民主党を代表しまして、反対の討論を行います。

 牧野委員長は、本日まで、野党各会派の意見を尊重してまいりました。そして、二十一日金曜日の採決を行うことを一たんは延期して、本日に至ったものであります。そもそも、金曜日のこういう運営の中において、自民党理事側の詰め寄りに対しまして丁寧に、そして審議を打ち切らずに対応されたことも皆さん御存じのとおりであります。

 また、何ら本法案の審議の手続については瑕疵があるものではありません。そして、本法案の審議時間につきましても、過去の類例から見て何ら問題がないものであります。むしろ、時間を十分とっているものであります。そしてまた、これまでも中立公正な運営に努めてまいった。これは、各党各会派が同様に十分御承知のことと思います。

 本日の委員会につきましても、理事会の協議を踏まえまして冒頭の発言を行った次第であります。これは大変、牧野委員長の丁寧な運営、お人柄のなせるわざでございます。そして、自民党の要求に対しても、今後十分に協議を続けると発言しております。何が問題なのでありましょうか。

 それにもかかわらず、自民党がこの段階においてこの議案を提出したことは、まことに遺憾でございます。断じて賛成することはできません。

 よって、牧野聖修委員長の不信任決議案につきましては反対する次第でございます。(拍手)

橋本(清)委員長代理 次に、棚橋泰文君。

棚橋委員 自由民主党の棚橋泰文です。

 私は、赤澤亮正君提出の政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員長牧野聖修君の不信任動議に賛成の立場から討論をいたします。

 牧野聖修君は、強引かつ強硬な委員会運営で、民主主義とほど遠いような委員会運営をこれまでやってまいりました。

 私ども野党は、まず第一に、政治倫理の確立のこの委員会で、疑惑が持たれている、四億円自宅に現金で置いておいたと言われる小沢一郎さん、最低でも県外と言いながら約束を守らずに最低以下と言われている鳩山由紀夫さんの脱税問題等、石川さん、そして日教組の下部団体である北海道教職員組合が主任手当をピンはねしたお金を裏金として回していたのではないかという疑惑がある小林千代美さん、この四人の証人喚問、参考人質疑を数カ月来にわたって求めてきたにもかかわらず、一切、この点については何の進展も見られず、この四人の方は、議員として全く説明責任を果たすことなく、なおかつ議員も辞職することなく居座って、この国会が終わるまで居座り続ける、こういう政治倫理にもとる態度をとっております。

 その四人の方の証人喚問、参考人質疑を要求したにもかかわらず、牧野聖修君は、政府提案の法律に関しては委員会を強行的に立てたのにもかかわらず、委員長の職権でできる証人喚問、参考人質疑には一切応じない、こういう話でございます。

 このような委員会運営を民主主義とあなた方民主党の議員は本当に言えるでしょうか。あなた方の中にも良心があるはずです。どうか、もし良心があるならば、小沢さんのロボットと化さずに、せめてこの不信任案に関しては退席をしてください。あなた方が政治家であるのか小沢ロボットなのかが、この委員会の不信任案に関してのあなた方の態度で問われております。

 理由の第二を申し述べます。(発言する者あり)

橋本(清)委員長代理 静粛に。静粛に。

棚橋委員 委員長、静かにさせてください。

橋本(清)委員長代理 静粛に。皆さん、静粛に。

棚橋委員 理由の第二を申し上げます。

 公職選挙法に関連して、参議院選挙の前に国民により多くの判断材料を持っていただくためのインターネットの解禁に関する協議に関して、これまた、本来ならば民主党が熱心であり、先日の質疑でも原口総務大臣みずからがおっしゃったように、障害を乗り越えてこれに向かってはやっていきたいと言いながら、民主党は、与党となった途端、一切この法案の審議には応じません。

 私どもは、理事会で再三、この執行経費に関する参議院の法律とこのインターネットの公職選挙法の改正と、これをあわせて審議すべきだと強く申し上げたにもかかわらず、先ほどの理事会で、今委員長席に座っている橋本筆頭理事みずからが、小沢幹事長の了解が得られないからこれはやらない。これは一体何なんですか。本当にあなたの政党は民主党なんですか。非民主党と名前を変えてほしい、こういう気がいたします。これが理由の第二でございます。

 理由の第三。この政府提案の参議院のいわゆる執行経費に関する法律を、一時間十五分の形式的な質疑を行うだけで、なおかつ、先週の金曜日の赤澤亮正君の質疑に関して、委員長は、一切答えることなく時間を空費させて、質疑時間を事実上封じました。これは、委員会……(発言する者あり)委員長、静かにさせてください。

橋本(清)委員長代理 静粛に。

棚橋委員 これは、委員会の質疑を形式的なものにするもので、本当に、参議院の執行経費に関する法律改正案のみならず、四人の証人喚問、参考人質疑、あるいは、インターネットによって国民の多くの方にさらに多くの判断材料を持っていただきながら参議院選挙等の各種選挙に応じていただく、こういうものに一切応ずることなく、政府提出の法案を、与党あるいは政府の言いなりのまま、いや、小沢さんの言いなりのまま、この議会で、委員会でロボットと化して形式的に通すだけの役割をしておりました。このような委員長を、私どもは、民主主義国家の委員長としては認められません。

 以上三点が、牧野聖修君不信任案に対して、私、賛成する理由でございます。

 どうか、民主党の議員の中にも良心を持っている方がいらっしゃるはずです。小沢さんが怖いのではありません。あなた方が恐れなければいけないのは有権者です。どうか……(発言する者あり)だまれという言葉を、委員長、あの委員を注意してください。だまれと言いました。

橋本(清)委員長代理 静粛になさってください。

棚橋委員 あなた、名前、何というんですか。だまれと私に言いましたね。だまるんですか、私は。委員長、注意してください。

橋本(清)委員長代理 棚橋泰文君、討論をお続けください。

 皆さんも静粛になさってください。

棚橋委員 まず、委員長、私、討論している最中にだまれと言われたんです。だまれと言われた方に……(発言する者あり)

橋本(清)委員長代理 静粛になさってください。

棚橋委員 注意してください。委員長のこれは義務です。これをやらないと、あなたも委員長としておかしいことになりますよ。だまれと言った委員に注意してください。

橋本(清)委員長代理 皆さん、静粛に。

棚橋委員 正式な討論時間の中でやっている委員に向かってだまれと言った民主党委員に注意をしてください。委員長。

橋本(清)委員長代理 静粛になさってください。(棚橋委員「よろしいですか」と呼ぶ)はい。

 棚橋君も討論をお続けください。

棚橋委員 何よりも、そういう観点から、今回の四人の証人喚問、小沢一郎さん、鳩山由紀夫さん、石川さん、小林千代美さん、これに全く応じない。このまま委員会を閉じることが見え見えの強行採決。そして、インターネットに関連しても、全く国民に知らせる気がない。そして、一時間十五分の形式的な審議で政府から言われた法律をロボットと化してこれを通す。こういう姿勢の牧野聖修君の委員長としての資格に民主主義国家の議員として多くの疑いを持たざるを得ないと言わざるを得ません。

 以上が、私が牧野聖修君不信任の動議に賛成する理由でございます。

 どうか皆さん、良心を持って賛成していただきますようお願い申し上げます。(拍手)

橋本(清)委員長代理 これにて討論は終局いたしました。

 採決いたします。

 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

橋本(清)委員長代理 起立少数。よって、本動議は否決されました。

 委員長の復席をお願いいたします。(拍手)

    〔橋本(清)委員長代理退席、委員長着席〕

牧野委員長 ただいま信任をいただきまして、まことにありがとうございました。(拍手)

     ――――◇―――――

牧野委員長 引き続き、内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、議事を進めます。

 討論を続行いたします。引き続き、赤澤亮正君。

赤澤委員 私は、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、ただいま議題となっております本法律案について、反対の立場で討論をいたします。

 この執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案については、内容的に見まして、事業仕分けの結果、評決の結果を受けて、大幅な削減を執行経費について図るというのが内容となっております。そこについては、私どもも、投票率の向上に資するような重要な予算がいたずらに、事業仕分けの結果を受けて、政治的な配慮で削られていないかという疑義があるということも委員会の審議において申し上げた上で、慎重審議が必要だ、十分な時間をとって審議をしていただきたいということを委員長に再三申し上げておりますが、しかしながら、今回、例えていえば、衆議院あるいは参議院、それぞれ八十億ぐらい選挙執行経費を削るという、過去にないような大きな執行経費の大幅見直し、そういう法案であるにもかかわらず、一時間十五分の審議時間しかとっておりません。全く選挙の重要性ということを考慮していない、そのような手続の運びであると断ぜざるを得ないところでございます。

 法案の中身についての疑義がまだ十分審議を尽くされていないということに加えまして、先ほどからいろいろな機会に申し上げておりますとおり、手続的に見ても、長らく我が自由民主党が求めております国民の八割が求める鳩山総理、そして小沢幹事長、石川、小林両議員の証人喚問といったことが一切取り扱われていない。実現を見ていない。そしてまた、今国民が七月の参議院選挙から解禁されると思っているインターネット選挙、これの実現のための法案の取り扱いも定かでない。こういうことであります。

 我が自由民主党がこの法案の審議入りとして、条件として求めていた鳩山総理ほか四人の証人喚問、さらにはインターネット選挙の取り扱い、これが全く明らかにされないまま、強行的に職権で審議入りをした、その手続上の疑義も看過できないものがあります。

 この委員会においては、党派を超えて、党利党略を超えて、しっかりと政治倫理を確立するための政治と金の問題の議論、さらには投票率の向上を実現するための執行経費の問題、インターネット選挙の問題、まだまだ審議を続けなきゃいけないことがたくさんあるわけであります。

 にもかかわらず、この段階で審議を打ち切って採決を行うということについては、我が党として、到底看過できないと言わざるを得ません。

 以上が、この国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案、採決に反対をする討論とさせていただきます。

 ありがとうございました。(拍手)

牧野委員長 次に、佐々木憲昭君。

佐々木(憲)委員 私は、日本共産党を代表して、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案に反対の立場で討論を行います。

 今回の改正で、執行経費の基準は〇七年改定よりさらに大幅な削減となり、地方公共団体委託費は、衆議院総選挙で八十三・五億円、一三・五%の削減、参議院通常選挙で八十一億円、一五・六%の削減となります。とりわけ、投票所経費、開票所経費は二割から三割の大幅な削減となっております。

 その理由は、事業仕分けの評価を反映したからであります。事業仕分けの議論では、コスト削減のため投開票の時間を削減すべきだという意見が多く出されました。これは本末転倒であります。

 この間、私が質問で確認したように、投票所数は著しく減っており、投票所が遠くなった有権者も少なくありません。しかも、九八年から投票環境向上のためということで投票時間が二時間延長されたにもかかわらず、逆に投票時間を短縮している投票所がふえ、〇九年衆議院選挙では約三割もの投票所で閉鎖時間の繰り上げが行われています。

 投票時間変更の理由として、地域住民の生活パターンや交通状況が挙げられていますが、期日前投票を挙げる市町村もあると言われています。しかし、これらの理由は成り立ちません。期日前投票を創設した目的は、有権者が投票しやすい環境を整えることだったのであり、投票時間の短縮はそれに逆行するものであります。しかも、投票所数や投票時間が自治体によって不均衡になれば、全国一律で行われる国政選挙において、投票機会の公平が確保されなくなると言わざるを得ません。

 開票所についても、市町村合併の影響で激減しております。開票所が遠くなったことを投票時間繰り上げ閉鎖の理由に挙げている市町村もあります。これも本末転倒であります。

 今回、開票時間の基準を四時間から三時間に短縮することが盛り込まれています。〇七年の参議院選挙で開票時間が三時間以内であった自治体は、わずか二五・五六%にすぎません。これを見ても、今回の改定が実態に即しているのかどうか疑問であります。

 公職選挙法にも明記されているように、選挙管理委員会が開票を迅速に行うことは当然のことであり、合理的な方法を広げることは必要であると考えます。しかし、コスト削減ありきで選管をあおるのはいかがなものでしょうか。

 開票作業は、何より正確さが求められております。それなくして、選挙の公正性、信頼性は確保されません。

 今回の改定で、投票所、開票所経費が大幅に減らされれば、投票所、開票所の減少、投票時間の短縮、開票時間短縮の競争にさらに拍車をかけることは必至であります。民主主義の根幹である選挙の公平性、公正性を担保できなくなるおそれさえあり、今回の改定には反対であります。

 以上で、討論といたします。

牧野委員長 これにて討論は終局いたしました。

    ―――――――――――――

牧野委員長 これより採決に入ります。

 内閣提出、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。

 本案に賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。

 お諮りいたします。

 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに賛成の諸君の起立を求めます。

    〔賛成者起立〕

牧野委員長 起立多数。よって、そのように決定いたしました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は附録に掲載〕

    ―――――――――――――

牧野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後四時三十九分散会


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