衆議院

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第9号 平成20年5月28日(水曜日)

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平成二十年五月二十八日(水曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 玄葉光一郎君

   理事 江崎洋一郎君 理事 後藤田正純君

   理事 実川 幸夫君 理事 菅原 一秀君

   理事 萩生田光一君 理事 笹木 竜三君

   理事 吉田  泉君 理事 古屋 範子君

      井澤 京子君    井脇ノブ子君

      岩屋  毅君    上野賢一郎君

      大塚 高司君    中森ふくよ君

      西本 勝子君    馳   浩君

      福岡 資麿君    松本 洋平君

      山内 康一君    泉  健太君

      田名部匡代君    高井 美穂君

      石井 啓一君    石井 郁子君

    …………………………………

   参考人

   (筑波大学大学院教授)  藤原 靜雄君

   参考人

   (首都大学東京法科大学院教授)          前田 雅英君

   参考人

   (株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ取締役執行役員経営企画部長)      伊東 則昭君

   参考人

   (財団法人インターネット協会副理事長)      国分 明男君

   衆議院調査局第一特別調査室長           金澤 昭夫君

    ―――――――――――――

委員の異動

五月二十八日

 辞任         補欠選任

  菊田真紀子君     高井 美穂君

同日

 辞任         補欠選任

  高井 美穂君     菊田真紀子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 青少年問題に関する件(ネット上の有害情報から子どもを守るための対策)


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     ――――◇―――――

玄葉委員長 これより会議を開きます。

 青少年問題に関する件、特にネット上の有害情報から子どもを守るための対策について調査を進めます。

 本日は、参考人として、筑波大学大学院教授藤原靜雄君、首都大学東京法科大学院教授前田雅英君、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ取締役執行役員経営企画部長伊東則昭君及び財団法人インターネット協会副理事長国分明男君、以上四名の方々に御出席をいただいております。

 参考人の皆様に一言ごあいさつを申し上げます。

 本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人の皆様には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をおっしゃっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 次に、議事の順序について申し上げます。

 まず、参考人の皆様からお一人十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと思います。

 なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了解いただきたいと思います。

 それでは、まず藤原参考人にお願いいたします。

藤原参考人 筑波大学大学院の藤原と申します。よろしくお願いいたします。

 私の専攻は法律学でございまして、研究分野は行政法、情報法でございます。インターネット上の有害情報から子供を守るための対策という課題につきまして、専門との関係でお話をさせていただきます。

 話の内容の概観につきましては、お手元にA4一枚のレジュメをお配りいたしましたので、御利用いただければと存じます。なお、レジュメは、事務局からお送りいただいた論点の主要なものについて、当委員会のこれまでの議事録等を拝見して作成してみました。

 それでは始めさせていただきます。

 まず、レジュメの一をごらんください。原則として、「技術で解決できる問題は技術で」と書いておきました。情報関係の法制を考える際の前提でございますが、この分野では技術の発達が速いこともございまして、また、常に表現の自由と他者の人権との調整の問題が生ずることもあり、技術で解決できる問題は技術、テクノロジーで解決するのがよろしいという原則のようなものがあり、ヨーロッパ等でもよく議論の中で引かれるところでございます。この観点は、我が国の法制を考える場合にも出発点としていいのではないかということで、ここに書かせていただきました。

 以下、この原則を前提にしてお話をさせていただきます。

 二以下は、論点として事務局よりいただいた重要なものについて簡単に触れてございます。

 二をごらんください。事務局から、「どのようなものを十八歳未満の者にとって有害な情報と考えるか、及び有害情報の範囲を国民に明らかにするための方法について」という論点をいただいております。そこで、二で、私は、「有害情報の定義及び外延について」ということで一言申し上げます。

 まず、法律の構成要件の明確性及び法律の実効性の観点からは、ある程度有害情報の内容は明確にすべきではないかと考えております。ただ、表現の自由との関係から、国ではなく事業者が主体的に有害情報に何が当たるかということの詳細を決めるべきではないかと考えております。ですから、御下問の問題につきましては、例えば事業者が対応すべき大枠を具体例により示すなどということをしまして、やはり詳細の基準というものは民間で決めるという方法が穏当なのかなという気がいたします。

 それから、三でございますけれども、これは、施策の理念等の有害情報対策の施策のあり方を明らかにすることについてどう考えるかというお話でございます。

 私が思いますのに、これからの世の中で、有害情報から子供を隔離するということは不可能ではないかと考えております。したがって、徐々に抵抗力と申しますか、免疫力をつけてインターネット社会で健全に育ってもらう、そういう観点が重要なのではないかと考えております。その観点からは、教育を中心にしまして、官民挙げての、また、いわゆる省庁縦割りを打破しての対策が必要ではないかと考えております。したがいまして、できれば施策のあり方を明確にするとともに、そのための司令塔と、その司令塔の役割を明らかにすることが望ましいのではないかと考えております。

 四をごらんください。四は、いわゆるフィルタリングと民間第三者機関のあり方等についてどう考えればいいのかということでございます。

 これは、法制を考えて、法律というものを具体的につくって、今日、私は報道等で拝見しているだけでございますけれども、フィルタリングを普及させて有害情報対策を進めていこうというふうになっているように思われます。であるとしますならば、やはり、まず、フィルタリングとはどういうものなのか、フィルタリングにより閲覧制限される情報は何なのかといった基本的なことが明確に示されるべきではないかと考えております。

 ただ、二でも申し上げましたけれども、有害情報というものについてその詳細あるいは内容に国が関与するということは、いわゆる冒頭で申し上げました表現の自由等の制約という問題をはらみますので、できれば、今日既にそうなっているようでございますけれども、第三者機関たる民間機関にゆだねるべきではないかと考えます。

 ただし、その際、第三者機関の第三者性、ここには「独立した第三者機関たりうるものが、そのように運営されていること」と書いておきましたけれども、この第三者機関の第三者性というものを担保するための枠組みについては、行政の必要最小限の関与はあり得るのかなという気がいたします。

 つまり、第三者機関ということになりますと、複数の者が競って青少年のインターネット環境に対する対策の質を上げてくれるというのが望ましいわけでございますけれども、その場合、やはりやすきに流れると申しますか、お手盛りになってもいけませんので、できる限り第三者機関のあり方は透明にされるべきではないか、運用等についてやはり透明であるべきではないか。それについては、行政が出ていく場合もある。ぎりぎり必要最小限のところで、そのあたりの関与まではできるのではないか。つまり、行き過ぎた関与はもちろん慎まなければならないわけでございますけれども、最後の一線を守るというためには必要最小限のことをしなければならないのが行政ではないかと考えるわけでございます。

 次に、五でございます。これは、有害情報が発信された場合とサイト管理者等に対する措置、つまり有害情報が発信された場合にサイト管理者等に対してどういった措置が必要なのかという難しい問題でございます。

 この場合、サイト管理者というものは場を提供しているわけでございますけれども、私の知る限りでは、多くは個人であるということが前提になるのだと思います。そのことに一定程度留意しなければならないのかなと考えております。

 つまり、もしこれを法的義務とした場合には、恐らく、ここに書いておきましたように、まず個別の判断をめぐる紛争が考えられますし、それから、グレーゾーンをどちらに引き寄せるか、つまり判断がつきかねるところをどちらに引き寄せるかといえば、多分ブラック、危ないんだという方向に引き寄せられるということもあると思います。そうしますと、萎縮という問題が生じ、表現の自由との関連で問題が生ずる可能性も出てくるのではないかと考えるわけでございます。

 でありますから、そこを考えるとしたら、何らかの義務づけは必要なんですけれども、法的義務づけにするということには、今申し上げたような問題点があるということには慎重に考慮しなければならないのであろうかと思っております。

 しかし、何もしないというのもやはりおかしいわけですので、そこでやはり閲覧防止措置をとらせるといったような努力義務規定的なものは課して、何かやらせる方向で働かせる、自主的に動いていただくというようなところが穏当かな、そういうことを今のところは考えております。

 それから次に、違法情報についてでございます。

 これにつきましては、サイト管理者にどういうふうに対処するかという重大な問題があるんですけれども、ただ、その前に、これだけの膨大なインターネットの海の中で、どのようにして発見し、違法情報を発見したときにどういうふうに通知するという、その仕組みはどうなっているんだろう、あるいはその仕組みをどう構築していくのかなというところが気になるところでございます。つまり、今できる発見でありますとか通知の仕組みをまずは徹底させるというところをきちんとしないと、その先の議論になかなか進まないのかなという気がしているところでございます。

 私は法律を専門とする者でございますので、以上、法的な論点について申し上げたわけですけれども、あと、ほかに、フィルタリングの普及のために事業者等にどういうふうに動いていただくかとか、あるいは教育、啓発活動をどのようにするかとか、あるいは関係事業者とか民間団体にどういうふうに支援するかというのは、もしお求めがあれば質疑の中でお話しさせていただきたいと思います。

 原則は、できるだけ民間事業者が自主的に動くような仕組みをつくり、かつ、しかしながら子供を育てるということは国家の一大事業でございますので、できるだけ、先ほど申し上げましたように官民挙げて、また、繰り返しになりますが、省庁の縦割りの弊をなくすような方向で、国全体として取り組むという観点が必要なのかなというふうに考えております。

 私に与えられた時間は十五分ということでございますので、大体十五分に近づいてまいりましたので、私の個人的な意見は、参考人としての意見はこの程度とさせていただきます。

 どうもありがとうございます。(拍手)

玄葉委員長 ありがとうございました。

 次に、前田参考人にお願いいたします。

前田参考人 私は、首都大学東京の法科大学院で刑事法を専攻いたしております。少年犯罪なんかも研究している関係で、日本の治安が物すごく悪くなって、その中で少年の犯罪の占める割合が非常に大きくてということで、ずっと対策を考える中で、やはりそれだけでいいのかと。

 今、少年たちは非常につらい立場に置かれている。その一つがネット社会で、こういう状況に置かれていたらいろいろ問題を起こすのは当然じゃないか、いや、さらに別の意味での被害、出会い系サイトで知らない男と知り合って、どこかで殺されちゃうかもしれないみたいな状況が思った以上に広く起こっているということで、二〇〇〇年の頭にIT戦略本部の情報セキュリティ専門調査委員というのを仰せつかって、その後、二〇〇五年から内閣府の情報セキュリティ政策会議の委員をさせていただいております。その中で、IT社会の持つ問題、特に少年の側にどういう影響を与えるかという観点から勉強させていただいてまいったわけです。

 その一方で、警察庁の方で総合セキュリティ対策会議というのを立ち上げたときに、委員として加わるようにということで、ここ十年ぐらい、セキュリティで、特に、やはり話のかなりの部分は、少年を有害なものからどう守っていくかという検討をしてまいりました。

 私は、東京都が設置している大学ですので、あと、都で、都民の少年をどう守っていくかということで、青少年問題協議会というところがございまして、そこで議論して、一番最初に取り組んだのが、やはりフィルタリングをかけないと、今の少年に野方図に携帯を持たせていいのかというのが、これは、PTAとか現場とか、それから区会議員さん、都会議員さんからほうふつと上がっていたんですね。

 ですから、東京都は、余り自慢してもいけないんですが、国に先行して、携帯を売るときにフィルタリングをデフォルトでつけなきゃいけないというようなことを、条例をつくったんですけれども、ただ、これは罰則規定とか強行規定的なものがなくて、精神的な訓示規定的なものであった面もあって、かなり無視されたんですね。

 ただ、それがやはり決して無駄ではなかったんだと思っています。そういう議論の種がだんだん広がっていって、やはりそれを動かしていくのは、現実に少年が被害に遭うとか問題があって、それをPTAの方々や何かが肌で感じて、何とかしなきゃいけないというところから出てくるんだと思います。先ほど申し上げた情報セキュリティ政策会議なんかでも、携帯会社の社長さんなんかも委員ですので、それから総務省なんかもいろいろ御発言してくださって、やはりフィルタリングは重要じゃないかということで、初めは非常に冷遇されていたのが徐々に徐々に変わってきている。この委員会で正面から取り上げていただけているというのは非常にありがたいということで、ぜひ前に進めていただきたいと思うんです。

 私も項目に沿って御説明申し上げるべきですが、時間の関係がありますので、大きな流れのことを初めに申し上げまして、細かい、御関心のあることを、必要があれば御質問の中でお答えさせていただきたいというふうに考えております。

 その中で、一つ重要なポイントは、やはり官民協力ということがキーワードになるだろう。

 問題は、官民協力のありようを具体的にどうしていくかなんですね。ネットの社会の問題を警察の力とかいろいろなもので取り締まるとかというのは限界があるわけです。先ほど藤原先生がおっしゃったように、膨大な情報にどう対応するか。

 警察組織だって、そんなに人があふれているわけではないんですね。その中で、やはり民の力を使いながらというか、国民全体で何とかしようということで、さっき申し上げた総合セキュリティ対策会議の中で、ホットラインセンターをつくって、国民から問題を集めてそれに対応する組織をつくるということで立ち上げていって、きょう後でお話しいただく国分先生なんかは実際はもう動かして、我々は何もお手伝いをちゃんとはできていないんですけれども、私はかなりうまくいっているんだと思うんですね。もちろん、不十分で、情報が足りないとか、いや、まだこんなものを見逃しているのかという御指摘はあるんですけれども、今までに比べるとやはり非常に前に進んできていると思います。

 そのときのポイントは、官と民のかみ合わせ方なんだと思います。官だけで全部やるというのは無理だ、そのとおりなんですが、では民だけで、予算も何も国からのものも何もなくて、どうぞボランティアでおやりくださいということだけで動くかというと、そうではない。具体的にホットラインセンターのことを私が申し上げ過ぎるのはまずいので、後から御説明あるかと思いますので、また御質問いただければお答えしますけれども、一つのモデルとしてはホットラインセンター的なもの。もちろん、問題が違えば新しいデバイスといいますか、工夫が必要になってくると思いますけれども、そこのところをぜひ御検討いただきたい。

 ただ、法案としては、細かいところのつくり込みということを時間をかけてやっていただかなくても、自然につくっていって、後でまた埋めていくというやり方もあり得ると思います。実際に、官民協力ということで前に進んでいるし、うまくいっているので、それをうまく使って有害情報に関しての規制についても一歩前に出ていただく。

 一歩前に出るのがいいことだというか、規制をすればするほど正しい方向に動くと、そう単純ではもちろんないです。先ほど藤原先生の中にもありましたように、官庁間の縦割りでなくてということは、我々ずっとおつき合いしてきてよくわかるんですが、それぞれ全く正しいと私は思うんですが、総務省の利害と経産省の利害と警察庁の利害は違います。それはそれぞれ、自分たちの利権を守るためにやっているんでも何でもなくて、やはり国民のためを考えて、その分野分野から考えればこういうことが重要だということが出てくるんだと思うんですね。その調整の一つのうまいこといったバランスの代表例がやはりホットラインセンターだった。警察の側はもうちょっと、それから文科省の側だってもうちょっと厳しく介入してほしい、それに対して、いや、これは民間の事業で、事業者がシュリンクしちゃったらインターネットはつぶれますよと。その中で、どういうメンバーをどういう形で出しながらバランスをとっていくか。

 私は、民にすべて任せて民の力で競り合っていけば、例えばフィルタリングの会社なんかもうまくいくんじゃないか、経済合理性で動かせばいい、これは非常に危険だと思いますね。やはりやすきに流れる可能性もある。何らかの歯どめも必要である。だけれども、逆に、正しい有害情報の線はここだというのを国の側でとか上からおろしていくやり方は、これは機能しない。

 ちょっと靴の上から足をかくようなところがありますけれども、一歩おくれますが、民間の代表が集まりながら、しかも国の組織と若干の提携を持ちながら、そして有識者なんかを入れながら議論を進めていくということです。従来、こういう公共とか公のものは公務員がやる、国がやるということだったわけですけれども、そうではなくて、特にネットの有害情報みたいなものは、まさに民と官の融合体のつくり方、これが一番重要だというふうに考えております。一番申し上げたいのはその点なんです。

 あと、具体的な御下問の八つのポイントのうちのやはり一番重要なのは、一番最初の「どのようなものを十八歳未満の者にとって有害な情報と考えるか、及び有害情報の範囲を国民に明らかにするための方法について」ということなんですけれども、ここ一年ずっと、少年を守るといいますか、少年の側から考えたときに、被害とは何なのかということで、これはやはりあらゆる問題につながっていくわけです。

 先ほど申し上げたような、出会い系サイトで呼び出されて何だとかというような問題、それから児童買春に走る者はかなり出会い系サイトなんかが大きい、これは事実なんだと思いますけれども、それを広げていくと、少年がネットで詐欺の被害に遭うとか、それから薬物に接する機会、これはサイトでというのはかなり考えられるわけですね。それから、銃器などの禁制品に接する機会を持つ。ある意味でもっと重要なのは、今のこういう社会、子供たちが悩んで、ある意味で生きるということをあきらめて自殺に走る、そのときにサイトが、そういうものがあって、簡単に死ねるよというものがあるだけで大きく振れる可能性があるわけですね。これも被害といえば被害。

 ただ、それからさらにふえて、いろいろな議論をしていくと、ネット社会の中で、裏のネットとかいろいろな局面があると思いますけれども、社会の通常の、リアルな社会と違う規範ができてしまうとか、いろいろな問題がありますが、それらを全部解決するための何かをつくらなきゃいけないと考えるのではなくて、やはり焦点を絞って、今回のものであれば、有害情報の中から子供を守るとすると今まずどういう情報がチェックされなければいけないか。

 考えればいろいろなものがあり得ると思います。そういうとき、やはり私は、法律屋というのは保守的でして、将来こういうものがあるんじゃないかというよりは、現に起こっている問題、よく起こってみんなが議論している問題を積み上げていくという感覚が強いんですね。

 そうしますと、一連の会議で出てきたものとしては、やはりわいせつ絡みで、違法なわいせつ情報がいけないのは決まっているんですが、では刑法に触れないような情報は幾ら流してもいいのか、子供が触れていいのか、小学校のうちからこういうものばかり見ていていいのかというのはあると思うんですね。それが当然入ってくる。刑法上のわいせつ概念には当たらないけれども、子供の性道徳の健全な発展に著しく悪い影響を与えるもの。

 それからもう一つは、残酷、残虐な画像。これも研究会で、バーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会というものの委員長もさせていただいたんですが、どういう影響があるのか、それからゲームをやっているとどれだけ悪くなるのか。これは日本じゅうのその問題の専門家に集まってもらって議論しても、水かけ論です。完全に影響があるという立証も、全くないという立証もあり得ない。何らかの影響があるというのは、みんなある程度は納得している。だけれども、それが因果性があるから、だからこういうものを、このゲームは即、全部否定していいか、そうじゃないんだと思います。やはりその中間で、親が見せたくないようなもの、見せないで済むようなツールを、親に与えるようなものをどうつくっていくかということが重要なんだと思います。

 そのほかに、児童買春に走るようなきっかけになるとか、あと、最近出てきたいじめの問題をどう防ぐかということなんです。そのための施策として、やはり私は、ずっと十年前から、今のようになる前から申し上げているんですが、学年によってはいろいろあり得ると思いますが、フィルタリングがデフォルトになった携帯しか買えないようにしていく。初めは、そんなのは、何てばかばかしいことを言っているんだということだったんですが、今はそんなでもない、リアリティーのある議論になってきているんだと思いますね。

 あと、有害情報を発信したサイト管理者に対しては、これはまたいろいろな技術的なものがあると思いますが、それをとめるためにどうするかというと、やはり表現の自由とかいろいろありますから、大人が見られて子供が見られないものの工夫ですよね。それを、そういう会員制のものみたいな、暗証番号を入れなきゃ見られないところで見るのはいいけれども、一般に流れて子供でも自由に見られているものは、やはりチェックした方がいいんじゃないか。

 フィルタリングにそれを入れるというのは当然なんですが、そのほかに、その中間として、有害情報だということがはっきりしたものについては、そのサイト管理者については一定の措置を講ずる。義務づけの仕方は、それは行政法の専門の藤原先生の御専門の世界ですからあれですが、いろいろな手段があると思うんです。規制というとすぐ罰則とか罰金とかということですけれども、それはもう違うんだと思うんですね。有効な手だてをどう考えていくかということが重要なんだと思います。

 初めの話に戻ってしまうんですが、民間団体が核にないと動きませんので、そのためにやはりその団体育成をどうしていくかということですね。育成しなければやはりだめなんだと思います。事業者団体というのはあるんですが、ある程度大きな部分を占めるようになればいいんですが、それができないうちは、やはりいろいろな制御というのは非常に難しくなるということだと思います。

 今時間ですね。申しわけありません、与えられた時間十五分をちょっと超過したかもしれません。後で御質問に答えて、できる限り説明をさせていただきたいと思います。

 しり切れの形になって申しわけないんですが、以上で私の説明を終わらせていただきます。(拍手)

玄葉委員長 ありがとうございました。

 次に、伊東参考人にお願いいたします。

伊東参考人 NTTドコモの伊東でございます。

 本日は、意見を述べる機会をいただきまして、ありがとうございました。

 私は、事業者としての立場から、ネット上の有害情報から子供を守るためにはどうしたらいいかということに対してどう取り組んでいるかということを中心に、お話をさせていただければというふうに思います。

 ドコモとしましては、ほかの携帯事業者も含めてそうなんですが、最近の携帯がインターネット化しているという状況で、かなり従来の携帯の環境とは変わっている環境に置かれているというふうに認識をしておりまして、特に子供をそういう有害情報等から守ることに対して、何とかしなければならないという意識はもう十分持ち合わせているつもりでございます。

 その点で、ドコモといたしましても、キッズケータイをつくるだとか、あるいはフィルタリングサービスを、五年前から実はやっているんですけれども、始めるだとかということで取り組んでまいりました。ただ、先生方御認識ございますとおり、十分かというと、かなりほど遠いといいましょうか、まだ改善の余地がある状況であるということは認識しておりまして、現在、事業者を挙げて、ないしは関連団体と協力しまして、どう取り組むかということを考えてございます。

 資料を御用意いたしましたけれども、まず、対象となる子供たちに余分な使う機会を与えないように、アクセス制限をするようなサービスをどう普及してきたかということを一ページに書かせていただいております。

 新規の御契約をなさるお客さん、親御さんの名義であろうが本人名義であろうが、この件については本年二月ないしは三月からかなり厳密に運用させていただいておりまして、後ほど述べますけれども、成果もそれなりに出ているというふうに考えております。

 ただ、問題は、既存の携帯をもう既にお持ちのお子さんたちに対してどういう手をとるかというのが結構大きな問題でございまして、既存の契約者に対してどういう措置をとっていくかというのがこれからの大きな課題だというふうに我々は認識してございます。

 資料の二ページでございますが、先ほど申し上げましたとおり、五年ほど前からフィルタリングサービスというのは実はやっているわけでございますけれども、なかなか普及しなかったといいましょうか、正直申し上げて、そんなに積極的に、いわゆる販売というんでしょうか、そういう観点ではセールスはしてこなかったということもございますので、割と自然体に任せてきたというのが実態でございます。

 その結果、二〇〇六年の九月のときには約五十二万という契約がいらっしゃったんですけれども、先ほど申し上げましたような取り組み等を始めまして、新規の契約のお客さんについては、これはまだ推計なんですけれども、半分以上の方については契約いただいているというふうに把握してございます。

 では、すべてでどうなっているかというのが二ページ目の右端にあるんですけれども、これは昨年度末、八年三月末の状況でございますが、百四十九万契約、約百五十万契約のフィルタリングサービスを提供申し上げているということで、全体のパイがなかなか推計できないんですが、市場全体では大体七、八百万、ドコモでは四百万ぐらいのお子様の契約、お子様が使われている場合があるというふうに想定していますので、大体三割強ぐらいはフィルタリングがついているというふうに認識しております。

 特に、今年二月、三月から対策を行って以降なんですけれども、新規のお客さんにつきましては、半分強としか把握していないんですけれども、フィルタリングサービスをつけられている。半分強が多いか少ないかという議論は大いにあるかと思っております。まだ半分ついていないじゃないかという議論もあると思っていますけれども、なかなか、親御さんとお使いになられるお子さんとの関係で、やはりフィルタリングがないサービスを使いたいという親御さんも結構いるようでして、結果的には半分強ぐらいの契約になっているというのが実態でございます。

 三ページのところに、私ども事業者とほかの団体とがどういう関係にあるかということを整理してまいりました。

 現在、右上にあります第三者機関というのが、モバイルに関してはEMAという機関がございますが、これがつい最近発足いたしまして、私どもとどういうふうにコラボレーションしていくかということを今検討中でございます。もうじき方針だとか具体的なリストだとかが出てくるというふうに聞いておりますので、ここの効果というのがもうじきマーケットに出てくるんじゃないかというふうに思っております。

 それと、その下のところにフィルタリングリスト提供会社というのがございまして、これはドコモの場合ではネットスターという会社さんを使わせていただいているわけなんですけれども、ここで実はいわゆるブラックリストと呼ばれるリストをつくっているわけでございます。それを私ども御提供いただきまして、フィルタリングの機能の中にそのリストを埋め込みましてサービスを提供しているということになってございます。

 この三者の関係を強固にしていくというのが今後のフィルタリングを実効たらしめるためのキーになってくるというふうに思っておりますけれども、私どもを含めまして第三者機関に参画させていただいておりまして、極力、先ほど二参考人からの意見にもございましたとおり、我々事業者、民間でできるだけ自主的に、なおかつ効果的な施策を提供申し上げたいという意気込みでやらせていただいております。

 問題は、自主的じゃなくて、効果がシステマチックにあらわれることだと思っていますので、これはかなり気を締めてかからなければならない課題だというふうに認識しております。一番問題は、システムはつくったんですけれども、多分、それをどう運用していくかというのが一番大きな課題になるというふうに考えておりまして、これは、私ども事業者もそうですけれども、実際にフィルタリングのブラックリスト等をつくる会社、それをチェックする第三者機関、これがそれぞれうまく運用していかなければならない。

 現在、ある程度システムはでき上がっているわけなんですけれども、それも多分、運用してみると、必ずしも一〇〇%完璧とは思えないかもしれません。それはある程度カット・アンド・トライということになると思うんですけれども、自浄作用というんでしょうか、自浄機能というんでしょうか、そういうものは今のところまだ持ち合わせているというふうに私ども理解しておりますので、ぜひその成り行きを見ていただければというふうに私どもは考えている次第でございます。

 四ページのところに、ちょっとわかりにくい図で申しわけないんですが、青い全体がとにかく携帯でアクセスできるインターネットの空間だというふうにお考えいただければよろしいかと思うんですけれども、その中に、今回ブラックリストということで、インターネットサイトの中の特定のサイトについて、これは信用に十分たらしめるということで除去するというのが、先ほど言いましたEMAの役割でございます。これを私どもは埋め込ませていただきまして、ブラックリストから、健全であろうと思われる個別のサイトをアクセス可能にするという取り組みを今やっているところでございます。

 それに加えまして、左側に「サイト毎のホワイトリスト登録」というふうに書いてございますけれども、これはEMAの取り組みとはちょっと別に、事業者としての取り組みだというふうに御理解いただければいいと思います。

 ブラックリストには載っかっているんだけれども、その使い方、例えば、私どもの子供に対してはこのリストは絶対安心できるから親として責任を持って提供できる、親権者として責任を持って提供できるというサイトもあるのではないかというふうに思っております。そういうものについては、運用が非常に難しいかもしれないと覚悟はしているんですけれども、親権者ないしは責任者の同意をもとに、ホワイトリストとして閲覧できるようにする仕組みを現在こしらえております。これはもう少し時間がかかるんですけれども、多分、来年の年明け早々には提供できるんじゃないかというふうに、今一生懸命開発しているところでございます。これを入れれば、世間一般的なレベルプラスアルファのお子さんの利用環境はつくることができるということで、かなり個々に応じた利用環境というのが設定できるという前進になるんじゃないかというふうに考えております。

 ただ、先ほどから申し上げているとおり、運用、オペレーションについては結構難しい面があるのかなと。ではどういうオペレーションのもとにそのサイトの登録を許可するのかということが非常に難しい問題だと思っております。最初は、多分かた目にやらざるを得ないかというふうに私は思っているんですけれども、これも運用の中で、カット・アンド・トライでやっていけたらというふうに考えております。

 キッズケータイのお話を五ページ以降はさせていただいております。

 一つ簡単に申し上げますが、私どもキッズケータイを開発した一番当初は、実は、安心、安全というテーマではあったんですけれども、こういうフィルタリングを中心とした安心、安全というよりは、どちらかというと防犯の面を重視したキッズケータイというのをつくってございました。したがいまして、防犯ブザー等、例えば何かあったときにはメールが親御さんに飛んでいくという、割と防犯面の機能がメーンだと我々実は考えていたんですけれども、途中からフィルタリングがあるなというふうに思いまして、フィルタリングの機能もかなり充実してまいりました。

 六ページのところにデザインの絵がかいてありますけれども、最初はだれが見ても小学生が持つ携帯というイメージがございまして、とても高校生が持てないというデザインでありましたけれども、右側の昨年年末に出したのは、割と中高生でも持てるデザインのものを開発したつもりでございます。お子さんもあれを持ちたいなと思えるような端末の魅力というのが、私どももう一つの努力の方向かなというふうに思っております。

 キッズケータイ、静かですけれども結構売れておりまして、約六十万台ぐらいの今契約数がございます。これを今後どうしていくかということを七ページにちょっと簡単に書かせていただきました。コンセプトとしては、今説明申し上げましたとおり、安心、安全というのは追求していくつもりでございます。

 今のキッズケータイにも入っているんですけれども、例えば自分の居場所を親御さんに知らせたくない場合、一番簡単な方法は電池を抜いちゃう方法なんですが、電池が抜けないようにするだとか、そういった工夫を今もしております。これは余りにも禁欲的な方法じゃないかという声も実は聞こえているんですけれども、もう少し受け入れられやすい環境というのもつくっていきたいと思っていますが、バッテリーに関しては、多分この携帯をつくったときの一つのキーになるかというふうに考えております。

 あと、わかりやすさというところで一つ書いておるんですけれども、今回のF801iにも投入しているんですが、携帯によって、これは設定が要るんですけれども、設定でカテゴリーが、クラスが分かれます。例えば、よりきついフィルタリングがかかるような設定もできますし、防犯ブザーだけの設定もできますし、あんしんセットと言っているんですけれども、そういう使いやすさというのを考えたものをつくっていこうかと思っています。

 こういうことで概念を広げておるんですけれども、次機種、今開発中でして、いつ出るかというのはまだちょっとここでは申し上げられないんですけれども、ぜひ近いうちに、デザイン的にも機能的にもより魅力のある、お子様が安全に使える携帯というのを事業者の責任として出していきたいというふうに考えております。

 あと、蛇足になりますが、リテラシーの向上というんでしょうか、やはり、今回、キッズケータイにしてもそうですし、フィルタリングにしてもそうなんですけれども、存在をなかなか知り得ないというところもございまして、それをぜひお子さんないしは保護者の方に知らせる努力というのが重要じゃないかというふうに考えております。

 したがいまして、ケータイ安全教室と言っているんですけれども、我々、学校に出向きまして、昨年まで合計で五千回弱の安全教室というのをやってまいりました。結構好評をいただいておりまして、ことしも随分招請をいただいております。ことしの計画では、これまでの累計と同じ、五千回ぐらい、五千校ぐらいを訪問して、携帯に関する御理解を深めるという努力をさせていただきたいなというふうに思っております。受講人ももう七十万人を超えてございます。

 あと、最後のページなんですが、これも宣伝が、PRがちょっと不足しているかなという反省はあるんですけれども、例えばキッズケータイの、先ほど申し上げました、設定方法でありますとか、フィルタリングの使い方でありますとかということを、どのような御要望にもおこたえできるような専門のデスクを設定してございまして、やや頭打ちといいましょうか、平行なんですけれども、一日にしますと大体百六十件ぐらいの御案内、コールは来ておりますので、かなりその存在価値というのは認知されつつあるのかなというふうに私どもは思っております。もっと、一けたふえるぐらいの案内が来てもしかるべきかなとは思っているんですけれども、これもよくよく宣伝をさせていただきたいなというふうに思っております。

 現在、私ども取り組んでいる状況を中心に御説明申し上げましたけれども、先生方の御指導もございまして、私ども事業者ないしは先ほど言いました第三者機関等も含めまして、かなり真剣に取り組んでいるところでございますので、ぜひ先生方の御理解をいただきまして、自主的に、システマチックに取り組める今の取り組みを御支援いただければというふうに思います。

 以上でございます。ありがとうございました。(拍手)

玄葉委員長 ありがとうございました。

 次に、国分参考人にお願いいたします。

国分参考人 インターネット協会の国分でございます。

 今回でこの委員会にお招きいただいたのは三度目になります。もう種が尽きて、こちらの方のいろいろやってきたことを御紹介するのはできないなと思っていましたところ、論点ペーパーをいただきましたので、主にそれに基づいて考え方を述べさせていただきます。

 まず最初に、各論点に入ります前に、このようなテーマで国会でいろいろ御議論いただくというのは、私にとりましては非常に感慨深いものがあります。それは、日本の中で一番最初にフィルタリングソフトの開発とか、格付情報をネット上で提供する、ラベルビューローといいますが、そういうものの開発とかをやって十年以上たちますが、その間にだんだんインターネットが普及して社会のインフラになってきた、最初は技術的な視点でインターネットをとらえていたのですが、今はもう社会そのものであるというふうになってきた結果ではないかと思っております。

 いろいろマスコミ報道にもありますように、このところ常に、いろいろな事件が起こりまして、このところはいじめでありますとか、つい最近ですと硫化水素の問題とか、どんどん問題は解決していかないといけないんですが、スピード感といいますか、そういうものをしっかり持っていかないと、そういうネット上の変化になかなか社会がついていけないのではないかというふうに最近はすごく思っているところであります。

 それで、私どもインターネット協会というのは民間の組織でありますが、こういう問題について政府が初めて具体的にアクションを発表したのは、二〇〇五年、平成十七年六月、三年前ぐらいになりますが、官房長官談話という形で、IT安心会議の名前で、例えばフィルタリングソフトの普及促進でありますとか、自主規制の支援でありますとか、モラル教育の充実、それから相談窓口の充実とかということで、政府としての方針を取りまとめたものを発表された。

 その中の、一番最初にあります「フィルタリングソフトの普及促進」の中には、インターネット協会の名前がしっかり書き込まれておりまして、インターネット協会の協力を得てフィルタリングのソフトを実際に導入するというようなことがありました。それから三年たちまして、ようやく、先ほど伊東参考人のお話にもありましたように、民間の取り組みがどんどん立ち上がってきたわけでありますけれども、何とか、個々の取り組みをさらに全部まとめて国民運動的な形で何か大きな流れをつくらないと、御両親のリテラシーが低いとかいろいろなことが原因として、事件が起こるたびにそういう話が出てきますけれども、個別のそういう話だけじゃなくて、何か大きな流れをつくらなければいけない、そういうふうに考えているところであります。

 それで、ちょっと前置きが長くなりましたが、論点ですが、どのようなものを十八歳未満にとって有害な情報と考えるか、それから有害情報の範囲を国民に明らかにするための方法ということなんですが、どのようなものを有害な情報と考えるかということについては、先ほど前田先生もいろいろ触れられましたけれども、やはり専門家による判断というのが、例えばいろいろフィルタリングの基準作成についても、心理学でありますとか、子供の問題については、米国だと小児科学会のガイドラインとか、そういうところもぜひ協力をいただいて、しっかりしたものを考えなければいけない。

 有害情報の範囲を国民に明らかにする方法ということでいいますと、やはりそのプロセスなんかの透明性を担保しなければいけないんですけれども、ネット上のいろいろなトレンドが速く変わるものですから、なかなか時間がかかる。何か組織的に、そういう時間がかかるものに対して対応できるようなものが必要ではないかというふうに思っております。

 それから、施策の理念等の有害情報対策の施策のあり方を明らかにすることと書いてありますが、これは、先ほど藤原先生も前田先生も言われていましたけれども、やはり官民協力でやらなければいけない。民間は民間で、自主的な取り組みのいろいろな組織とかアクションが立ち上がってきつつあるわけですが、私、ホットラインセンターを運営していてすごく感じるのは、民間というのは、藤原先生も御指摘のように、個人とか一人、二人の会社とか、そういうところが結構多いといいますか、やはり一番違法・有害情報が吹きだまりのようにたまるところでありまして、そういうところも何とかちゃんと実際の有害情報対策の中で位置づけるとすると、コアの部分というのは、民間でしょう部分もありますけれども、やはり官の部分に少しそのコアなものを、実際に内容まで立ち入って作業するかどうかということではなくて、何か組織的にどこか関与があってもいいんじゃないかなというふうに考えております。

 三番目のフィルタリングの基準作成等なんですけれども、その話で、先ほど申し上げましたように、スピード感を持ってどんどん対応する。民間でやるんですけれども、何らかの国の裏打ちといいますか、そういうものがあると普及が速いという点があろうかと思います。

 それから、四番目の有害情報が発信された場合にサイト管理者等に対してどのような措置が必要かということについては、これは違法ではなくて有害の話でいいますと、青少年に有害ということですから、結局、現実社会と同じように、ゾーニングをネット上でどうやって実現するか。やはりそういうサービスを提供する管理者がそういうゾーニングをちゃんと実現できるような形で、民間は民間でガイドラインをつくるなり、何らかの対策が必要ではないか。

 それから、フィルタリングの普及のために携帯電話会社、PCメーカー、ISP等に求める措置については、これは、今すごく感じますことは、個々の事業者がやることはどんどんさらにやっていかなければいけないんですけれども、青少年の問題については、親御さんの問題があるので、ここは地道に、各事業者のところでもいろいろ普及啓発活動をしていかなければならない。先ほど伊東参考人のお話で五千校とかというので、非常にうれしい数字だなというふうに思っておりますが、まさにそういうものをもっともっと広げていく必要があるというふうに思っております。

 それから、違法情報対策については、有害ではなく違法の方は、これはやはりもうちょっと警察に頑張ってもらいたいなというふうに思うわけであります。確かに、どんどん、モグラたたきのように、あっちをたたいてもまた別のところが出てくるとか、そういう現実はあるわけですが、一罰百戒でも二罰百戒でもいいんですけれども、もうちょっとそこは期待したいなというふうに思っております。

 それから、普及啓発活動のあり方については、これは当面、例えばいじめ対策なんかについては、私立の学校なんかで少し財政的に余裕のあるところは、いじめ対策をする会社といいますか、ビジネスが立ち上がっておりますので、そういうところにトライアルとして委託をして、どういう状況かというのを把握、それから、それに対して、非常に誹謗中傷が含まれていれば削除してもらうとか、そういうことがあるということで、そういう形をどんどん広げていく必要があるのではないかと思っております。

 最後に、関係事業者及び民間団体への支援のあり方でございますが、これは、地域なり教育関係者なり親なり、いろいろなセクターの方々がプレーヤーとしておられるわけですから、そういう方々にも、人の話ではなくて自分たちの問題だというふうにとらえて、支援を努力義務とかそういう形で法律等に書いていただけるとよいのではないかというふうに思っております。

 これで終わります。(拍手)

玄葉委員長 ありがとうございました。

 以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。

    ―――――――――――――

玄葉委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。

 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。江崎洋一郎君。

江崎(洋)委員 自由民主党の江崎洋一郎でございます。

 本日は、お忙しい中、参考人の先生方におかれましては、当委員会に御出席を賜り、またお話を聞かせていただく機会をちょうだいいたしました。まことにありがとうございます。

 さて、私は、きょうの参考人の先生方の御意見の中で、事前に御提出させていただいております主な論点の三と八に絞りまして先生方からの御意見を賜りたいと存じますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、昨今、インターネットにおきます有害情報のはんらんが著しい状態にあるということは、皆様御承知のとおりでございます。学校裏サイトが大量に設置されまして、生徒の陰湿ないじめが行われており、その記述の内容は目に余るものがあるわけでございます。また、一方では、つい先月にも、ネット上の掲示板での書き込みをきっかけとしまして硫化水素による自殺が相次いだということは、記憶に新しいところでございます。

 このように、インターネット上に急速にはんらんする有害情報から青少年を守るということは、まさに待ったなしの課題でありまして、国、民間が協力し合って、全力を挙げてスピード感を持って取り組むべきということを私も強く感じている次第でございます。きょうも、参考人の先生方からもこのような御意見を賜りました。

 また、特に子供は、まず携帯電話を通じて親の知らないところで有害情報に触れているケースが多くあります。そして、携帯電話にきちっとフィルタリングをかけることが必要と考えておりますが、携帯電話各社は、最近、フィルタリングを原則青少年に対して提供するということに取り組まれておりますが、なかなかスピード感を持って普及しないという現実もあるわけでございます。

 現在の携帯のフィルタリングというものは、携帯電話会社各社が持っているゲートウエー方式ということでフィルタリングがかかっているわけでございます。利用者それぞれがフィルタリングするレベルをカスタマイズすることができないなど、その利便性が低いという問題も指摘されているわけでございます。その結果、青少年が、利便性の低いフィルタリングだからといってそれを嫌ってしまって、フィルタリングの設定を外してしまうということも起きているということを聞くわけでございます。

 そこで、お伺いしたいわけでございますが、フィルタリングの性能を上げていくという観点から、フィルタリングの基準の策定、これらは、その普及も含めて、必要不可欠と考えているわけでございます。まず最初に国分先生にお伺いいたしますが、インターネット協会ではセーフティーオンライン3というフィルタリング基準も現在策定されておられるわけでございますが、しかし、例えば、携帯用のフィルタリングといっても、製品によってその性能はばらばらという話をよく聞きます。長年有害情報に携わってこられたという立場から、携帯フィルタリングの性能の現状をどのように評価していらっしゃるんでしょうか。

 例えば、すぐれた性能を持ったフィルタリングソフトを認定するなど、フィルタリングソフトに関するわかりやすい判断基準というのを設けて利用者に示していく、そういった考えもあるのではないかと思います。また、事業者間でよりすぐれたソフトをつくろうといった競争も上手に起こしていく、そういった仕組みをつくることも考えられるかと思いますが、どのようにお考えか、御意見を賜りたいと思います。

国分参考人 今のお尋ねのフィルタリングの性能向上等のお話ですが、フィルタリングの開発を始めてからもう十二年ぐらいたつんですが、その間に、初期のものについては、フィルタリングの性能というのはちょっと見かけ倒しだなというふうに思うような時代もありました。

 例えば、米国では、コンシューマーレポートという、消費者の観点に立っていろいろなマーケットに出ている製品をテストしてユーザーに公開する機関があるわけでございますが、そこでフィルタリングソフトを実際にテストしてみたら、六〇%とか七〇%ぐらいしかブロックしないとかいうような結果が出ましたので、私も少し危機感を持ちまして、日本の中で使えるものを、当時、もう五、六年前になりますが、テストして、やはり必ずしも余り性能がよくなかった結果があったということを記憶しております。

 ただ、その後、どんどんフィルタリングの技術進歩もありまして、例えば、ブラックリストだけではなくてキーワードフィルタリングを組み合わせるとか、いろいろな工夫があって、現在は、ブロック率は大体九〇%台には、ブロックしたいものをブロックするというパーセンテージでございますが、それぐらいにはなっているのではないか。ただ、一〇〇%ではないのかといろいろ素朴な疑問を言われる方がおられるんですが、それはこれからもっともっと努力していかないといけない。

 ですから、ある種の製品の評価みたいなものというのは、やはりどこかにあってしかるべきだなというふうに私は思っております。

江崎(洋)委員 ありがとうございました。

 それでは、ある一定の性能の評価ということなのでございますが、一つには、認定していくというような一つの考え方もあろうかと思います。

 例えば、既に民間の皆さんのお力によりまして第三者機関というものが設立されたわけでございます。そういったところが認定したソフトをフィルタリングに使うということも一案であろうと思いますし、また、これら技術力を、先ほどちょっと御意見賜れませんでしたけれども、競争をうまく起こしていくような仕組みというものも、企業間の競争をうまく活用していく、そんな仕組みもあるのではないかと思いますので、また後ほどお伺いしたいと思います。

 そこで、また国分先生にお伺いいたしますが、歴史がまだ浅く、なかなかこのネット業界というのは組織化されていない業界でもございます。その中で、民間団体が第三者機関として、フィルタリングソフトにおいて有害情報を選別する基準を策定して、独力で普及させていくということは並大抵のことではないのかなというふうに心配するわけでございます。

 そこで、直接基準策定等にかかわるということではなく、あくまで民間主導で、他方で後押しをするような形で国が何らかの形で支援していく、そういったことがあればなということで何か御意見が賜れましたら、ひとついただきたいと思います。

 例えば、国が民間団体を指定や登録した上で、有害情報の内容には、先ほどの表現の自由、憲法の問題もございますので、一切国はタッチせず、基準を定める手続だけとる。例えば、どのようなものが有害情報ですよということを民間有識者団体の中で御議論を有識者の方にいただく、その方々からの御意見を議事録として公開するとか、また、基準を策定したものに対してもパブリックコメントを求めて、広く皆さんから御意見を聞くとか、そういった形の上での要件を整えるというようなことで、それが登録あるいは指定の要件などにするような第三者機関、そこが有害情報の基準をつくっていくというような仕組みなどはどうかと思っております。

 そういった国の何らかの支援、そしてそれらの機関に対する財政的支援なども含めて、国と第三者機関のかかわりにはいろいろ議論もございますが、極力関与は、中身には全く関与なし、また、形式的には、形を整えるという意味では、例えば関与をしながら財政的支援をするというような考えもあろうかと思いますが、その点につきまして御意見を賜りたいと思います。

国分参考人 先ほどのお答えの中にちょっとソフトの開発競争についての考えが抜けていましたので、述べさせていただきますが、評価をするだけじゃなくて、例えば、この程度、九十何%程度を目標にする。昔、米国で、車の燃費をリッター当たり何マイル以上にするとか、環境を守るためにある種の目標値を設定したりしてきたということがありますので、そういう形でさらにもっと精度を向上するとか、そういうことはあっていいんじゃないかなというふうに思っております。

 それから、国の関与でありますが、この委員会で以前審議されたと聞いておりますが、出会い系サイト規制法の中に登録誘引情報提供機関というのがありまして、ここは要件を満たせば公安委員会はその登録をしなければならないということになっておりますので、私どもホットラインセンターの運営の中で出会い系サイトというのは一応自分たちの活動のスコープの中へ入っておりますので、あの法律がもし国会を通って施行されれば、一応手を挙げて登録をさせていただいて、公安委員会から必要な情報を開示していただき、さらにホットラインセンターの活動を強化発展させていきたいと思っております。

 そういう観点で、フィルタリングについても、もしそういう形のものがあれば、フィルタリング、まさに私ども十年以上ずっとやってきておりまして、基準策定等ももう既にやってきて、それをどんどんネット上の変化に合わせて見直していくわけですから、そういうことにさらに加速がつくという観点では、非常に私どもにとってはうれしいことであると思っております。

 それともう一つ、いろいろ議論の中で出てこないポイントが、インターネットというのは国際的なネットでありまして、こういう違法・有害情報対策についても、米国、ヨーロッパ、アジア圏のほかの国々、何も先進国だけじゃなくて開発途上国も含めまして、やはりそういう国の社会の中で非常に大きな問題になっているわけでございます。そういう中で、日本がやはりある程度、特にアジア圏ではリーダーシップをとらなければいけないというふうに、いろいろな国の方々とおつき合いするたびに思うわけでございます。

 そういうことで、いろいろな形で国がサポートしていただくということは、従来の活動の延長だけじゃなくて、やはり国際的な観点からも非常に歓迎されるべきことじゃないかなというふうに思っております。

江崎(洋)委員 ありがとうございました。

 続きまして、きょうは唯一事業会社さんとして御参加いただいておりますNTTドコモさんにお伺いいたしますが、このフィルタリングソフト、先ほど国分先生からは、評価としては、フィルタリングの機能というのは九〇%の水準まで達したのではないかと。他方で、携帯のフィルタリングに関しましては、ゲートウエー方式という形での機能によって、パソコン等によるフィルタリングより、機能が残念ながら追いついていないというか、利用者の利便性が確保できていないという部分もあろうかと思います。こういった技術開発につきましても、やはり民間だけでの普及を期待して待っていても、なかなか世の中のスピードに追いついてこれないというのも、今の現実を見ますと、残念ながらそういうふうにも感じるわけであります。

 そういった意味で、もはや国がこういった技術開発に関しても積極的に支援していくべきではないかというふうにも感じるわけでございますが、どのようにお考えになるか、御意見を賜りたいと思います。

伊東参考人 ありがとうございました。

 先ほど国分参考人の方から、フィルタリングの精度が九〇%ぐらいにはなっているという話がございました。それに対して、私ども、今現在運用しているフィルタリングのブロック率というのは一体どのぐらいかということは、実は検証したことがないわけなんですが、今、江崎先生おっしゃられましたとおり、かなりPCに対しては落ちるんじゃないかというふうに自覚しております。

 といいますのは、先生もおっしゃられました、方式は、従来、私どもドコモの中では、iモードという一つのビジネスモデルの中ですべてのことを考えてございました。それで、携帯の持つ機能といわゆるネットワークの持つ機能、先生、ゲートウエーとおっしゃいましたけれども、その機能をどう配分すれば一番効果的に、なおかつCPさん等が自由に使うことができるかということを考えまして今のモデルをつくったわけなんですけれども、結果的に、携帯が非常に小さな端末であるということもございます、処理能力も小さいということもございまして、かなりネット側、ゲートウエー側に機能を置かざるを得ない、そういう方式をとらざるを得なかったのは事実でございます。

 その中で、かなりフィルタリングということについては限定的になってしまう。パソコンがほとんどパソコンのソフトで設定できて、私も使っているんですけれども、かなり細かく設定できまして、ブロックすること、ブロックの効果というんでしょうか、それがあるなというのは自覚できるようなソフトがたくさん出ておりますので、本来、携帯の中にそういったたぐいのソフトを埋め込むことができるのが一つの方法かなと思っております。

 これは、技術開発が進んでおりますので、ある程度時間があればそういった方向もお示しすることができるのかなと思っておりますけれども、きょう、あすという次元ではないというふうに考えておりますので、それは、私ども、みずからの技術開発、ないしは、先生おっしゃられました、国が一つのプロジェクトみたいなのをつくって、メーカーを巻き込んで何か開発するというようなことはあってもよろしいんじゃないかというふうに思っておりますし、それについては歓迎させていただきたいというふうに思います。

 それと、先ほど私どもの発表の中で述べました、いわゆるマイホワイトと私ども言っているんですけれども、ブラックリストの中に、携帯の端末から、これもゲートウエーで制御はするんですが、カスタマイズできるような機能は、これは必須だと思っております。これを今必死でつくっておりまして、それができれば、少なくとも、サイト個々単位でありますので、何かシステマチックに、何かボタンを押せば九〇%ブロック率ができるとかというものではないんですが、自分の責任のもとで見たいものを見る、見せたくないものは見せない、そういった設定ができるように、よりお客さんに使いやすいようにしようというふうに思っております。

 その際、大事なのは、私どもプレゼンでも述べさせていただきましたけれども、結構やはり使い方が難しいんですね。端末で設定することが難しいので、その使い勝手、利便性というのは非常にキーポイントだと思いますので、今後、我々開発する際の参考にさせていただきたいと思います。

 ありがとうございました。

江崎(洋)委員 それでは、ちょっともう時間も限られておりますので、最後に藤原先生、前田先生にお尋ねいたしますが、先ほど、官民協力のお話もいただきました。他方で、民間団体の活動への国の支援ということを考えたときに、やはり表現の自由、官民協力の、要するに、官が関与し過ぎれば表現の自由という壁にぶつかるわけでございます。この表現の自由の重要性は言うまでもなく、表現の自由を守るためにも、基準の内容について、私は、フィルタリングをかける基準については国が関与すべきではないというふうに考えておるわけでございます。

 そこで、他方で、国分参考人にもお聞きした中にございましたが、国が指定や登録をという形で、形式的に民間団体にかかわって支援していくということも考えられるわけでございますが、表現の自由との関係でどのようにこの点をお考えいただくかということが一点。そして、前田先生には、先ほど民間団体の育成というお話もいただきました。この点についてお話を伺わせていただきたいと思います。

藤原参考人 ありがとうございます。

 先生おっしゃるとおりで、釈迦に説法でございますが、一個の法律というのは、多様な異なる利害をぎゅっと圧縮したようなものでございます。それで、異なる利害を圧縮しますから、問題がしみ出てきまして、争いになるわけでございます。

 ここでは、先ほどおっしゃられたように、片方で表現の自由という人類が長くかかって獲得してきた人権と、他方で、子供の人権及び次世代の子供をどのように育成していくかという、これまた大きな利害があるわけです。

 そこで、事後に争訟で、つまり司法ですね、裁判所で問題を片づけるかという点と、しかし、そういう問題が起こらないように、やはりある程度事前に行政が最低限のところは関与すべきだという考え方と出てまいるわけでございますけれども、先ほどおっしゃられたような考え方であれば、表現の自由の中身には一切タッチしなくて、外から、外形的にその機関というものを判断する。それは、先ほど私が申し上げましたように、第三者機関が真に第三者機関たり得るかというその基礎を持っているか、そして、その運営等がきちんとなっているかということを外から見ていこう、そういう制度であると思います。

 利害が対立したときに、その中身、実体が難しいときには、プロセス、手続で見るということになりますので、今のお話は、手続というもので外に出して見ていこうということでありますから、バランスを失したものにはなっていないのではないか、一定の、一つのあり得べき案なのではないかというふうに私は考えます。

前田参考人 民間の団体の育成ということでございますけれども、やはり気になるのは、予算とか、あと情報とかということだと思いますけれども、やはり予算が直に結びつくということは、先ほどおっしゃった表現の自由の問題にもつながってくる。ただ、今のホットラインセンターなんかに関しての予算のつけ方というのは非常に参考になると思うんですけれども、官のお金をこういう団体の活動に全く出せないわけではないということでございます。

 だから、それ以上に重要なのは、フィルタリングに関連しました官の、警察の情報とか、文科省でもいいんですが、いろいろな情報も重要で、そこのつながりをつけていく。そういう組織の中に官の側からある程度選んだ団体を組み込んでいくということでサポートしていくということも実質論としては重要だ。

 非常に抽象的なお答えで恐縮なんですが、これで私のお答えにさせていただきたいと思います。

江崎(洋)委員 ありがとうございました。

 時間が過ぎましたので終わりますが、今、この委員会におきましても青少年を有害情報から守る法案を議論させていただいておりますが、さまざまな知恵を出し合って、完全を求めるのではなく、まず対策の第一歩を踏み出すということを軸足に進めさせていただきたいと思っております。

 参考人の先生方、ありがとうございました。

玄葉委員長 次に、萩生田光一君。

萩生田委員 おはようございます。自由民主党の萩生田光一でございます。

 参考人の先生方には、お忙しい中御出席いただきまして、本当にありがとうございます。先生方のお話を聞いて、問題意識はある意味では我々共通のものがあるなというふうにちょっと安心をしたわけなんです。

 ちょっと時系列的に御説明をしたいんですが、私ども自民党は、今のネット環境からある意味子供たちを守っていかなきゃいけないという思いの中で、党内の青少年特別委員会というところで、高市先生を中心に法案の準備をしていただきました。

 私自身は、自由なネット社会のこれからの成長、発展というものはぜひ望みたいところでありますから、できるならば、政府が強権的な規制をかけたりするのではなくて、本来、法律がなくても、きちんと皆さんがルールを守っていただければいいネット社会ができたはずなんですけれども、よもや何らかの形でルールづくりを再構築しなくてはならない事態に来ていることは、多分多くの国民が感じているところだというふうに思います。

 ですから、そういった意味で、どういう法律にするかを含めて議論を始めた途端に、業界団体の皆さんから物すごい抗議が参りました。文書をもって、簡単に言いますと、法律は要らぬ、自分たちがちゃんとやっているじゃないかという胸を張った意見でありました。幾つもの団体や企業の皆さんとも意見交換をしてきましたけれども、私は、皆さんがおっしゃっているほどちゃんとやっているんだったら、こんな社会問題はきっと起こっていなかったというふうに思うんです。

 先生方からも御指摘がありましたように、ネット社会の言うならばスピードというのは、我々の想像を超えた社会を形成してきたと思いますから、どこまで予見ができたかといえば、これはどなたが責任があるとかだれを責めるという問題じゃないと思います。多くの皆さんがこういう世の中になるということを想定してこの社会を進めてきたとは私たちは思いたくないわけですから。

 しかし、今現在横たわっている問題があって、とりわけ青少年に対してこれだけの悪影響があるんだとすれば、ここはすべてのプレーヤーの皆さんが一度足をとめて、日本としてこのネット社会とどう向き合っていくかという社会づくりをしていかなくてはいけない大事な時期に来ているのじゃないかなと思っていまして、そういった意味で、今回、この国会でこの法律の成立を望んでいる一人でございます。

 そこで、改めて藤原先生と前田先生にお尋ねをしたいと思うんですが、業界の皆さんは、今は多分、きっと気持ちは変わっていて、一定の法律は必要だと思っていらっしゃると思いますけれども、まず、法律の必要性の有無について御意見をいただきたいと思います。

 あわせて、今、江崎先生からも御質問がございましたけれども、私は、政府の関与をどういうふうにしていくかというのが一番のポイントになると思っております。できるだけ民間の皆さんの自主性を信頼して、第三機関によって定義を定めたりしていただくのが大事なことだというふうに思っておりますけれども、他方、それでは国としての責任はどう果たしていくのかということが非常に不明瞭になってしまうんじゃないかと思います。

 今回のこの問題を議論していく中で、縦割り行政の、言うならば悪い部分というのを本当に目の当たりにしました。各省庁が省益で一々一々クレームをつけてくる。また、例えばメディアリテラシーという概念がございますけれども、残念ながら、これだけネット環境が進んでいるにもかかわらず、今回改訂をされた学校教育の指導要領の中には、ネットとの向き合い方というものは項目にはないんですね。学校でインターネットを使っての教育をするということは書いてあっても、ネットを通じてどういう危険が子供たちにあるのかとか、悪影響は何なのかとか、いい点は何なのかというものは残念ながら項目にもございません。

 ですから、それを考えますと、政府が民間の皆さんの力だけを信じて、ただ有害情報について何かいい方法を考えてくださいよと言うのは、余りにも虫がよ過ぎると思います。先ほど官民の協力が必要だという御指摘がありましたけれども、私も全くそのとおりだと思いますので、国も知恵を出し、また、必要な財政的な措置や応援をしながら、ここでやはりきちんとしたネット社会を再構築していくためには、私は国の責任が必要だと思いますから、今回、この法律の中で何らかの関与が必要だと思っているんです。

 そこで、どこかの省に何かを任せるというのではなくて、まさに内閣総理大臣のもとに、関係閣僚、ネットに関係をするすべての大臣がやはり顔を見合わせて、問題があれば直ちに、タイムリーにその問題に対峙できるような対応策を講じることができるような会議体をつくることが必要なんじゃないかなというふうに思っています。

 しかし一方で、お話が繰り返しありますように、そこが何かを、定義を決めたり、そこが直接の規制をするというのは望ましいと思っておりませんから、政府の立ち位置というものをどうしたらいいか今頭を痛めているところでございまして、法律の必要性、そして政府と第三機関の立ち位置について、お二人の先生に御所見をいただきたいと思います。

藤原参考人 どうもありがとうございます。

 それでは、今の御質問に順次答えさせていただきます。

 第一は、子供を守るための法律の必要性という御質問でございました。

 これにつきましては、先ほど来先生が御説明になったような立法事実というのは確かにあるんだろうと思います。つまり、民間事業者の方々としては非常に真摯に、一生懸命かなり前から取り組んでこられた。しかしながら、やはりどこかに漏れがあって、最近になるまでそれが完全に社会には浸透していなかった。そういう意味で言うならば、規律の密度は今後国会の場で議論していただくことでございますけれども、何らかの立法というものが必要であるという事実は存在するのではないかと考えております。

 それから、第二に、政府の立ち位置という御質問でございますけれども、私、先ほど個人としての、参考人としての意見の中で、司令塔のようなものがあるといいということを申し上げたんですけれども、これは実は、統計法という法律の改正で少しお手伝いをさせていただいたときに司令塔という言葉が何度も出てきたので、使わせていただきました。

 つまり、どのぐらいの地位かはともかくとして、例えば統計の場合には、やはりこの問題と一緒で、各省庁それぞれ統計を持っておられて、その各省庁の利害を超えて、何らかの、国の経済的な基礎である、指標である統計を考えていく場所が要る。それと同様の意味で、先生おっしゃいましたように、青少年の問題はもっと重要な国の礎に係ることでございますので、その全体に目配りをするような機関あるいは組織があってもいいのではないかという意味で、司令塔と申し上げました。

 その意味で考えますと、先ほど、相当高いレベルということでいささか驚いたんですけれども、そういう高いレベルのものを置いて、その中で上位の計画をつくって、個々具体的なところは個別の省庁がやるというのは、大きな問題を扱うときには各種行政に見られる手法でございますので、その御提案は一つのあり得べき考え方かなというふうに思いました。

 以上でございます。

前田参考人 私、今、藤原先生がお答えにならなかった部分を中心にお答えしますが、まず第一点は法の必要性ということですが、私の方でも、これは必要だということだと思います。

 どこまでこの時間で詰め切れてということはあるんですが、先ほどから国分先生なんかのお話にもありましたように、フィルタリングにしても、初めのころから見たら隔日の感がある、だが、こちらから見ると遅々としている。一番問題は、国民の意識レベルなんですね。その意味で、法律ができるということは、やはり最大の宣伝といいますか、国民への浸透のツールだと思います。その意味で、もちろん適正な内容の法律ということが前提になるんだとは思いますが、法は必要であるということでございます。

 あと、国がこの問題に対して責任があって、その存在をきっちり示すということはおっしゃるとおりだと思うんですが、それに全く異存はないんですが、ただ、これをやる以上、有効な効果を付与していく施策をするということで責任がある。

 そのときには、まさに先生の問題解消のポイントになるわけですけれども、官と民の力のバランスですね。どこまで官が入るかということなんですけれども、それに関しては、やはり業界を中心にその基準をつくっていって、それに対して官がある程度コントロールして、予算とかある程度影響力を持っていくということが重要で、だから、余りどこの省庁でということを表に出さない方がいい。

 そういうものも含めて、先ほど御指摘にあったように、もっと高いところからということなんですが、やや差しさわりがあるかもしれませんが、ちょっと具体的なことを申しますと、ある意味で高いところの情報セキュリティ政策会議なんかで、有害情報の話も出るわけですね。そのときに、これはリテラシーで、小学校で教えなきゃいけない、では中教審などに入らないのかという議論も出ているんですね。ところが、文科省は入ってきていないんです。ほかの省庁は集まっているんですが、実際上の議論の中には余り加わっていない。

 もう一つ、コンテンツの方をやる内閣の議論があって、その辺の調整は確かにおっしゃるように必要かと思いますけれども、ただ、その議論を進めていく土台となるNISCとかいろいろなものができてきて、情報に関して国がうまくコントロールする方向には進んでいる。

 ですから、この法律なんかも含めて、それをやはり国会としてきっちり承認して、サポートしてというか、押し出していただきたいという感じを持っております。

萩生田委員 ありがとうございます。

 おっしゃるとおりでございまして、この法律ができたからといって、青少年の目の前から有害情報がすべて取り去られる、そういう制度設計には、今の世の中を考えますととてもあり得ないと思うんですね。

 ただ、私、地元でいろいろな機会に、大人の皆さんが集まっているときに、携帯電話をお持ちの方、手を挙げてくださいと言うと、まず九割の人が今お持ちになっています。皆さんの携帯電話からこういう画像やこういう情報が見れますかと聞くと、皆さんが、私の電話からは見れない、こう言うんですよ。そうすると、では皆さんの電話はフィルタリングがかかっているんですかと言うと、フィルタリングって何ですかと大人は必ず答えます。すなわち、たまたまそのアクセスの方法を知らないだけ、あるいは興味がないからそこへ入っていかないだけでありまして、皆さんと同じ電話をもしお子さんやお孫さんが持っていればこういうことに子供たちが接することになりますけれども、それで何も問題がないと思いますかと言うと、多くの皆さんは本当に真剣な思いをするんですね。

 やはり社会全体でこのネットをどうするかということを知っていただくのが非常に大事でありまして、私も、今、前田先生がおっしゃったように、ある意味では国民啓蒙的な意味で、今回のこの法律は、例えば、いろいろ穴があいていたり、すき間があったりすると思うんです。外国のサーバーに対してどうするんだとかという技術的な問題は当然出てくると思います。しかし、そうじゃなくて、そういう危険性があるんだということを社会全体が皆さんで同じ方向に向かって向き合うということが私は大事だと思っていまして、そういった意味では、これは与野党を超えて何とか成立をさせたいなと思っているところなんです。

 そこで、きょうは、業界を代表して、NTTの伊東さん、お出かけをいただきました。こういう法律ができて、一定の何かルール化ができますと、社会としてコストを負担していただかなくてはならないことがきっとあるんだろうというふうに思いますから、企業の皆さんにとっては、もしかしたら業界の発展の足を踏む、そういう法律になるのかという危惧があるかもしれないんですが、私は、今まではとにかく、コンテンツ業界もそうでしょうし、あるいは通信情報の業界もそうでしょうし、販売を目的に頑張ってこられたと思いますけれども、これからは、やはり社会に対してきちんと責任を果たすという意味で、それぞれの会社の技術力をもう一度還元していただきたいと思っているんです。

 フィルタリングの説明はよくわかりました。ただ、フィルタリングを専門的に扱っている業者というのが、率直に言って二つぐらいしかなくて、それでブラックかホワイトか、いろいろ問題がある、大ざっぱ過ぎてこれはお客さんから文句が出る、いろいろあるんですけれども、私は、こういうことになるんだったら、NTTを含めて、日本を代表するそういった技術業界がもっと真剣にフィルタリング機能の技術向上のために研究をもっと早くからしていれば、日本の技術をもってすれば、もっといいフィルタリングがとっくにでき上がっていたんじゃないかと思えてならないわけでありまして、これからの取り組みに期待をしたいと思います。

 そこで、キッズケータイの御説明がありました。私は、申しわけないんですけれども、あのキッズケータイをどうデザインをちょっと変えても、女子高生が喜んであれを買うとはとても思えないし、また、我が家にも女子高生がいるんですけれども、あれを買うと言えば、娘から大きな反乱が起こるんだと思います。

 問題は、フィルタリングをかけるかけない、いろいろあります。それから、子供たちも、未成年という法律のくくりだと十八歳以下全く同じ扱いですけれども、小学生には小学生、中学生には中学生、高校生には高校生にとって必要な情報や、あるいはその年代には見せない方がいいであろう情報というのがきっとあるんだと思うんです。ここを私は第三機関の皆さんに、これから手を挙げていただくんだとすれば、いい制度設計をしていただきたいなと思います。

 子供が成長に応じて危険と向き合ったり、危険を感知するということも時には必要なんだと思いますから、すべて目隠しして、大人になったらさあネット社会へ飛び出せというのでは、これは逆に子供たちを危険にさらすことになるんだと思いますから、そういった意味での必要性があると思います。

 ですから、私は党内でもよく議論をしたのは、一体自分が大人になるまでに親に自転車を何台買いかえてもらったかということを考えるんですね。やっと補助輪なしで乗れるようになったときには二十インチのタイヤの自転車を買ってもらう、体の成長に合わせてそのタイヤを大きくしたり、あるいはギアがついたりする、そういうものを求めて親に負担をかけてきたと思うんですよ。ところが、今どういう状態かといいますと、二十五段ギアで足が地につかないような自転車に子供たちが乗って高速道路の上を走っているような状況がまさに今のネットの状態じゃないかと私は思うんです。

 ですから、メーカーの皆さんに、キッズホンか大人のホンかという選択じゃなくて、私は、十二歳以下の小学生は小学生が幾つものデザインの中から選ぶ、そういう努力をしたらいいと思う。中学生になったら中学生のジュニアハイスクールホンというのがあって、そこには中学生にふさわしいフィルタリング機能が最初から入っていて、そしてそれぞれ皆さんが選べばいい。そうすると、中学三年のときに買った電話を高校入学したときに買いかえてくれと、おまえ、去年買ったばっかりじゃないかと言ったときに、いや、あれはジュニアハイスクールホンだから高校生が持っていたらおかしいと言われると、親はきっともう一台買わなきゃならないんだと思うんです。私は、ビジネスのチャンスだって、皆さんがきちんと襟を正して頑張っていただければ幾らでもあるんじゃないかと思っていまして、この点の取り組みをぜひ期待したいというふうに思います。

 そこで、余り時間がないので、伊東さんには、これから業界のリーダーとして、NTT、一体どうやってこのフィルタリングの向上、そういったものに取り組んでいく御決意なのか、その決意をお聞かせいただきたいと思いますし、国分先生は、専門的に第三機関としてもう今までもこういった業界を見てきました。これから新しく設立される第三機関はどういう視点が一番大事なのか、これから第三機関に選ばれるとすれば、また我々が選ぶとすれば、何が最低限必要な条件なのか、その点を御指摘いただきたいと思います。

伊東参考人 いろいろと御示唆ありがとうございます。

 最初に触れられた中で、社会的なコスト負担というお話がございました。これについては、私ども、一会社として反省しているところもあるんですが、昨今、マーケットが余りにも爆発的に出てきたということで対応に四苦八苦していたという面は否めない面があると思っていまして、最近少し落ちついてまいりましたので、もう一度足元を見て、携帯事業会社として何をすべきかということを考え直しております。

 宣伝になりますが、その一端が、今回、私ども、ドコモ新宣言というのを出させていただいたんですけれども、そういったものでもう一度お客様とのコミュニケーションのあり方を見直そうじゃないかということで取り組ませていただいておりまして、先生おっしゃるとおり、社会的なコスト負担に対して積極的に我々も関与していきたいというふうに思っております。まずはそれを付言させていただきます。

 あと、キッズケータイにつきましての御質問でございますけれども、すごくいいアイデアといいましょうか、いい示唆をいただいたというふうに思っておりまして、実は中でもそういう議論はしております。

 方法としては、ハード的にそれぞれ世代別に分けてしまうという方法と、ハードは全部あるんだけれども、ソフトを、例えば設定の仕方によってランクを分けてしまう、クラスを分けてしまうというやり方と、二つの方法があると思っていまして、今どちらかというと、先ほどちょっと説明した電池の問題とかブザーをつけるだとかというハード的な問題もあるものですから、ちょっとハード的な解決方法に固まっていたような嫌いがあるかもしれません。そこは反省でございます。

 世代別に何か設定をすれば、事前設定をすればそれがある機能を果たすという携帯というのは私どもも必要だと思っていまして、それはぜひ研究をしていきたいというふうに思っております。そんなに長い期間がかからずにそういった概念が出てくるんじゃないかというふうに思っておりますので、その辺は期待していただければというふうに思います。

 ありがとうございました。

国分参考人 第三者機関の視点からどういうことがまず考えられなければならないかということでございますが、昔はインターネットというのはやはり技術者が使うもので、もちろん、その当時からも社会の一部ではありましたけれども、今はもう社会そのものになっておりますので、やはりどうしてもサービスを提供する側は、こういう設定もすれば何ができるとかということに走りがちなんですけれども、普通の方々は、先ほど先生が御紹介されたように、皆さん、携帯を持っていても、それがどういうふうに設定するとどんなことができるというのは十分理解していない。

 インターネットの初期のころ、消費者団体の方々といろいろな会議で同席する機会がありまして、その当時、消費者団体の方々は、パソコンなんか、あれ、難しくて、もうちょっとわかりやすくしてほしいと盛んに言われて、例えばテレビのようにというふうに言われたんですね、テレビは電源を入れてボタンを押せば見えますから。

 だから、何かそこら辺で意識のギャップが少しあって、インターネットの世界を普通の人たちのところへちゃんと定着させるといいますか、そこら辺の社会の中での理解とコンセンサスみたいなものを得なければ、本当に一握りの人たちがいろいろやっているということになりますので、まさに、先ほどから何度も申し上げておりますように、国民運動といいますか、社会の中でのこういうものの大きさといいますか、将来に対して重要なテーマであるということを認識していただくことがやはり一番最初に考えなきゃいけないことだというふうに思っております。

萩生田委員 時間が参りましたので終わりますけれども、本当は前田先生たちに、違法情報との対峙の仕方をどうしようかということも聞こうと思っておりました。有害のみならず、違法情報が蔓延しているのも我が国の実態でございまして、これは国分さんが、警察庁、もっとしっかりせいという御発言が先ほどありましたけれども、では、警察庁だけが頑張れば解決するかというと、そういう問題でもない。

 もし今回のこの法律が上手にスタートすれば、国民みんながネットのいい点、悪い点、心配な点、こういったものに向き合うと、いずれそういったことについてもやはり機運が高まってくるんだと思いますから、初めの一歩として、我々立法府も努力をしたいと思いますので、引き続き民間の皆さんの御協力をお願いして、質問を終わりたいと思います。

 ありがとうございました。

玄葉委員長 次に、泉健太君。

泉委員 民主党の泉健太でございます。

 本日は、四先生、本当に勉強になる御指摘、御示唆をたくさんいただきまして、ありがとうございます。

 すべての先生が専門家ですので、どの先生にもお伺いしたいことばかりでありますけれども、私も、前提でお話をすれば、やはりネット社会というのは果たして本当に一般の実社会に比べて自由という考え方であっていいのだろうかということも考えます。フロンティアというものは、それは宇宙にしろ海にしろ、当初は、法律、ルールというものは発生をしなかった、だけれども、そこに参画をする人間がふえてくればふえてくるほど、一般化をすればするほど、やはりそこにはルールが必要であり、そしてそれは、いずれ実社会と同じ水準のルールにまで至っていくものではないのかというふうにもまた考えるわけです。

 その意味では、いわゆるネット社会は自由だ、ネットには法規制は入れるべきではない、こういう考え方がどこかのフロンティア思想として存在をしている、それは我々の永遠の理想みたいなものかもしれないんですが、常にそれが一般化していく中でやはりルールというものが必要になってくる、そういう考え方を私は持つべきではないかというふうに思っております。

 そういったことで、先ほど前田参考人からもお話がありましたが、東京都での取り組みを御紹介いただきました。実は、私の地元、京都市においても、昨年末に百一の団体が集まりまして、携帯電話の利用について、子どもの「携帯」利用に関する連絡会議というものをつくらせていただきました。その中で、共同のアピールも発表したわけですが、やはり問題になったのが、法的根拠がなかなかないということでの、例えばフィルタリングの導入の義務化ということについて、当初案には盛り込まれてあったわけですが、なかなかこの段階では、先ほど言いましたように法的根拠がないということで、導入促進の義務・強化という、少し表現をやわらかくした形で今スタートしておるということでありますが、ことしの三月には、京都市の方からも第一次集約分として、約三万六千名の保護者の方々、教育関係者の方々の署名もいただいております。そういった取り組みも、この法の成立によってやはりまた進展をしていくことというのを私は期待したいというふうに思っております。

 まず、先ほどから他の先生方からも御指摘がありましたけれども、第三者機関のあり方ということについて、私も、前田先生、藤原先生にお伺いをしたいというふうに思います。

 今、我々政治の側でも、さまざまな案というか、考え方を出させていただいておりますけれども、一つ、この第三者機関というものがどれだけ独立性を持ったものになるのかというところはやはり気になるところでありまして、先ほど藤原先生の方は、第三者機関の第三者性を担保するための枠組みについては行政の必要最小限の関与があり得る、あり得るという表現をなされた。この辺がやはり難しいところでして、場合によっては、この行政の必要最小限の関与がないと言うとおかしいんですけれども、ないケースもそれはやはり想定されるだろうし、我々が例えば法をつくるに当たって、法に何かしらの例示というか、例えばフィルタリングの基準例示みたいなものを法の中ではさせていただくけれども、実際には、後はすべて自主性に任せるというような方法もあるかと思います。

 その辺もう少し、藤原先生には、あり得るという表現について、さらに深く、どうお考えであるのか、そして前田先生の方には、この藤原先生の御意見についてどのようなお考えを持たれているか、お願いいたします。

    〔委員長退席、笹木委員長代理着席〕

藤原参考人 どうもありがとうございます。

 先ほど先生が言われた、実社会とインターネットの世界の関係でございますけれども、基本的には、リアルな世界でだめなものはやはりバーチャルな世界でもだめであるし、リアルな世界で守られるべき価値はバーチャルな世界でも守られるべきである、おっしゃるとおりだと思っております。

 そこで、法的枠組みとして、第三者機関をどう構成するか、行政がそれにどう関与していくかということでございますけれども、あり得ると申し上げましたのは、規律の密度あるいは内容等にも係ることですけれども、原則は、表現の自由に係る場面ではやはり自主自律が望ましいかと思っております。

 しかしながら、先生も御示唆されましたように、中身には全く関与しないという前提で、当該第三者機関が、例えばお手盛りにならないようにでありますとか、逆に、健全な技術競争等をやっていただいて子供の環境に対する影響がプラスに転じるというようなことをねらうということになりますと、第三者機関自体にも頑張っていただいた方がいいわけでございます。

 やすきに流れない方がいいと先ほど申し上げましたけれども、そうであるとすると、先ほどもお答えしたんですけれども、中身の実体について関与できないという場合には、実体で勝負できなければ手続で勝負するということで、第三者機関の成り立ちであるとか、有識者が関与するとか、運営について外部の人間はどのぐらい入るとか、あるいは、きちんと最低限の条件は守られているかとか、そういった、まさしく形式要件、外形的な基準として第三者機関たるにふさわしく、また、第三者機関として透明性を保って運用できるかという、そこだけを見るような要件を定めていくという方法もあり得るのかなということでございます。

 つまり、全く任せてしまう、先ほど先生言われましたように、関与は一切ないというのも一つのあり方であろうかと思いますけれども、しかしながら、行政というのは、必要最小限のときには、だれもしてくれないときには、やはり行政が出ていかなきゃいけない場面があると思うんです。その最後の一線はどこかというのを、国会等の議論あるいは本日の議論等を通じて決めるということでございますので、そういう意味で、必要最小限の、形式的に、中身にはタッチしないということで、自主自律を損なわないという原則を担保するという形でならあり得るのではないか、そういう意味でございます。

前田参考人 藤原先生の御意見とほとんど変わらないんですが、こういう第三者機関をつくるというときには、もうかるから民間が自然に立ち上がるんじゃなくて、やはり住民が、先ほどの例、京都も東京も本当に同じで、あのころを思い出すんですけれども、法的根拠がないことを何でやるんだとか、業者の利害を締めつけるのはどうするんだということはあったけれども、片一方では、父兄やなんかの物すごい声があるわけですね。その上ででき上がっていくわけで、この問題もそれがあって、それを継続的に生かしていくためには、やはり公共性を担保するような公的なものは、私は最低限、絶対どこかにはないといけないと。

 ただ、何が有害かというのを国が決め、お上が決めて、トップダウンでおりてくる、これはまずいよね、それはそのとおりだと思うんですね。ただ、それとは両者は矛盾しないのであって、あと、国がその組織を継続的に担保するためのありようというのはいろいろあって、さっき申し上げたように、ホットラインセンターというのは非常にすぐれた例だと思うんですが、今度のカテゴリー選択の第三者機関というのは、少しまたそれを修正するということもあり得ると思います。

 ただ、申し上げておきたいのは、この手の問題というのは、やはりこれをやるプレーヤーの数が決まっていて、実際にいる人の中とか、それから今ある省庁の力関係、そういうものの具体的な妥協の形でしかあり得ない。だから、理念としてこういうものが正しいとかと言ってみても、やはり現実にこういうものが必要でつくるんだとすると、今ある中でどういうものをつくるのが一番合理的かという、どうしても法律屋というのはそういう発想をしがちなんですが、そうならざるを得ないと思っています。

 だから、基本的にはもう先生のお考え、おっしゃること、全く私は異存がございません。

泉委員 ありがとうございます。

 私が冒頭に申し上げた、フロンティアが一般化をしていくという話がありましたが、確かにどのフロンティアも当初はルールがない状況ですから、やはりいろいろな不法行為というか、違法行為というか、そういったものが起こり得るわけですね。例えば、初めて海を渡った、そして新大陸を見つけた人たちは、それは行った先を植民地にしたり、あるいはさまざまなものを略奪したり、あるいはその地を領地として独占をしたり、そういったさまざまなことはやはり起こり得る。また、宇宙に関しても、それはルールをつくらなければ、例えば商業利用から、さらには軍事利用、宇宙の独占ということにもつながっていったりする。そういうことはやはりどの社会にもあるんだろうなと。

 先ほど伊東参考人がおっしゃいましたけれども、余りにも急激にこのネット社会が広がってきたという中で対応が追いつかなかったという部分は、確かにこれはいたし方のない、人間のさがと言ってもいいことだというふうに思います。ただ一方で、我々はそういった過去の学んできた歴史があるわけですから、このネット社会については早急に対策を打つ必要があるということであると思います。

 そこで、伊東参考人の方には、今お二人の先生からお話がありましたが、この第三者機関、最小限の国の関与ということの中でも、やはり最低限、国はどこかで出ていかなくてはならないんだというお考えがございました。先ほど伊東参考人の方から配られた資料の中にも第三者機関の図が載っておりますけれども、民間の側として、国の関与というものはどこまであるべきなのかということをお答えいただきたい。

 そしてまた、先ほど私が紹介させていただいた京都市の事例でいいますと、やはり法的根拠がなかったという中で、このフィルタリングの義務化というところには踏み切れなかったわけですが、もちろん法律、今後成立をしていくわけですけれども、そういった中で、やはりフィルタリングのまず義務化というものはさせていただきながら、その中で、例えば親が特別に認めた場合については、それは例外として外すというような形であったり、やはりこの義務化ということについては一歩前に進んでいくべきではないかというふうにも思うわけですが、この二点についてお答えいただけますでしょうか。

伊東参考人 事業者としてというか、業界としてどう考えるかということをまず申し上げたいんですけれども、これは一般論になるかもしれませんが、特にインターネットの過去の進化の歴史を見ましても、携帯の今の発展の状況を見ましても、どうマーケットが発展するかということがまだまだつかみ得ない状況であります。

 その中で、かなり今回のような有害インターネット情報の問題だとかということが出てきています。それは、ある程度自然的に出てくるといいましょうか、進化の過程で、先生おっしゃられた、フロンティアが一般になる過程でどの場合においても出てきている問題だというふうに思います。それをどう片づけるかということでして、手をつけなくていいということは我々も全然思っていませんので、当然何らかの方法で有効的な手をつけなければならないと思っております。

 そのときに、ごく一般論としてのお話なんですけれども、どうも私ども、法律というとかなり重たいプレッシャーを受けまして、即規制という方に行ってしまうわけなんです。今、先生おっしゃられたようなソフトな関与ということでは、我々は別にあらがうつもりもございませんし、世の中の流れだというふうに認識するつもりでございますけれども、どうもそういうイメージがありますので、各参考人の先生がおっしゃられているような、過度な関与じゃない関与の仕方というのは、ではどういうことがあるんだろうかという議論だというふうに私は現実的には思っております。

 もちろん、それぞれ、例えば地方自治体だとか行政等に応じて地域性もありますし、あるいはコミュニケーションの形というのはそれぞれ違うものですから、何か起こすときにその法的根拠等がなければ起こしにくいというのも事実だと思いますから、そのもとになるような何らかの枠組みというのは、それはあってもいいのかなと。

 前例として、迷惑メールの問題があったんですけれども、あのときも同じような経緯をたどっているというふうに私は理解をしております。では、今、迷惑メールは全くなくなったのかというと、そんなことはない、まだかなり出ています。ただ、社会全体の迷惑メールに対する取り組みというのはもう随分きつい目で見るようになってきましたし、そういった意味では、先生おっしゃられるような法的ないわゆるPR効果というんでしょうか、一つのきっかけになるということはあると思いますので、そういった意味の法定化、宣伝、喧伝のためのPR効果というのは十分あるなというふうに思っておりますが、くどいようですけれども、どうも即規制というイメージが出てくることに対しては、今、我々がやっていることを少しごらんになっていただきたいという気持ちが強いわけでございます。

 以上でございます。

泉委員 重ねて伊東参考人、恐縮なんですけれども、いただいた資料の四ページの中の、サイトごとのホワイトリスト登録、これは親権者の同意のもとにということでありましたけれども、これはもう少し具体的に、私は、例えばどんなものがあるのかということをお伺いしたいと思います。

    〔笹木委員長代理退席、委員長着席〕

伊東参考人 まだ設計中でございまして、具体的にこういうサービスにするということまで出ておりません。例えば有料化にするのか、あるいは登録法、先ほど申し上げたとおり、オペレーションをどうするのか、親御さん、親権者の確認をどうするのかという非常に難しいプロシージャーがあるというふうに理解しておりまして、サービスとして御披露できるというのはもう少し時間がかかるだろうなというふうに思っております。

 今考えていますのは、概念的に申し上げますと、今回、議論の中で、ブラックリストで、例えばある政党さんのホームページが全く見られなくなってしまうだとか、お子さんに政党のホームページを見せることが必要かどうかというのは別な議論があるかもしれませんけれども、当然、それはとっても構わないだろうというサイトというのは、やはり幾つかあると思うんです。

 今の私どもが採用しているブラックリスト方式ですと、カテゴリーということで、かなり大ざっぱな五十のカテゴリーの中で制限しておりますので、ではこれはSNSに当たるのか、これは掲示板に当たるのか、これは何に当たるんだということを突き詰めていったときには、グレーな部分というのがどうしても出てしまうんですね。グレーというのは、白にするのか黒にするのかといったときに迷うところでございますけれども、今、どちらかというとグレーは黒にという基本的な考え方でリストをつくっております。

 その中で、では宗教的なものだとか政治的なものだとか、あるいは学校裏サイトというのは非常に問題がたくさんあるんですけれども、これは裏サイトというふうに呼ばれるようなたぐいのサイトかもしれないけれども、絶対大丈夫だというのもあるかもしれません。そういったものは、サイト単位にURLを投入いたしまして、それをあけるといいましょうか、かぎをあける、そういうユーザーによって選択できるような方式があるんじゃないかというふうに思っております。これは一つの我々事業者にとってみても売りのサービスになるんじゃないかというふうに思っておりまして開発しております。

泉委員 それでは、国分参考人からは、警察もっと頑張れというような御指摘もありましたが、私もいろいろとお話を聞いていますと、例えば、警察からもというか、実際にはインターネット協会ですとかからになるのかもしれませんけれども、この削除要請ですね、ホットラインセンター等での削除要請、それについて、現在でいいますと、例えば、違法サイトでは一五%ほどが要請を拒否される、そして有害サイトでは二五%、四分の一が拒否をされるというような状況がございます。

 そういった御苦労もありますし、警察の本来業務でいえば、やはり違法情報に関する捜査並びに削除ということが本来であるというふうに私は思うんですが、ちょっと我々の言葉の使い方でも、子供にとって有害な情報と、一般的な有害、大人の社会における有害情報と言われるものでは、これはやはり少し性質が異なるわけでして、では子供にとって有害な情報まですべて警察が削除要請ですとか分析をするというのは、これはもうとてもじゃないですが警察の枠を超えているというふうに私は思います。言ってみれば世の中に落ちているたくさんのごみみたいなものをすべて警察がきれいにしなさいというのはやはり無理があるというふうに思っております。

 その意味では、現在のホットラインセンターで情報を受け付けて分析、判定、そしてまたサイト開設者に要請をするというようなことで、警察の頑張りというものが果たしてどこまでのものを指すんだろうか。また、地方の警察署にそういった人たちを細かく配置することよりも、ある程度大きなところに、数カ所にそれなりの人数を配置するということに恐らくなっていくのではないのかなというふうに思うんですが、その辺の現状の体制、そしてまた、それをどの辺まで持っていくべきなのか。

 これは、もう時間がございませんので、国分参考人と前田参考人の方から、もし御指導があればいただきたいというふうに思います。

国分参考人 警察の取り組みについては私がお答えする立場にはないので、ホットラインセンターから見るとどういうふうに見えるかということでしか申し上げられないんですけれども、先ほど御指摘のように、一五%ぐらいは削除されないという現実がございます。拒否というふうな言われ方をされましたけれども、拒否というような感じじゃなくて、無視というような感じなんですね。

 今御説明しているのは違法な情報で、子供に対して有害な部分は、ホットラインセンターとしては、ホットラインセンター自身で対応はできないので、通報者の内容を分析して別途リストをつくって、フィルタリング事業者三社に毎月配っています。

 最初の警察絡みの話は違法な方の話なんですけれども、なぜそうなるかというと、私、いろいろな場で、ネットの管理ということに対して管理者がやはりちゃんとしてくださいと。ですから、一五%ぐらい削除されないというのは、私の理解では管理者がサボっているんだというふうに思うんですね、意図的に削除しないのではなくて。有名な2ちゃんねるも、明らかに違法なものについては現在はきっちり対応してくれていますので。

 だから、今まで、子供、あるいは大人も含めて利用者のリテラシーの話をいろいろしてきたんですが、一方、掲示板に代表されるようなああいうものに対応するために、今度は管理者のトレーニングとか、場合によっては資格的なものとか、管理者に対する何かそういう対策を考えると、ネット上の平和度といいますか、それが大分上がるのではないかというふうに思っております。

 以上でございます。

前田参考人 私も、警察の施策をとやかく申し上げる立場ではないんですが、ただ、やはり著作権侵害なんかを見ていますと、明らかな違法な情報なんかについて警察はもっと対応する人員をふやすとかそういう問題もあるかもしれません。

 ただ、先生御指摘のように、あらゆる問題、青少年の有害情報まで全部警察がというのは無理だと、おっしゃるとおりだと思うんですね。それは大人の有害情報、違法情報もある部分そうなんだと思うんです。そのためにホットラインセンターというのをつくって、その分、国分先生たちに大変な御負担があるわけですけれども、ただ、それを国民全体がある程度支える。

 それは、やはり各地方の県警に置くのは不合理で、全国まとめれば合理的だと、おっしゃるとおりなんですが、ある意味ではもっと合理的なのは、国民全体の目で、ネットで見られるものをやはり有機的に官と結びつけながらやっていくということで、その意味で、先ほど申し上げたように、今度の第三者機関なんかもそういう結びつきの一つとして、軸に官がないとうまくいかないのではないか、継続性という意味でも。

 ただ、おっしゃるとおり、全部を国で負って、全部官でやるという時代は終わっている。特にネットの問題はそこの典型的な部分だと考えております。

泉委員 ありがとうございました。

玄葉委員長 次に、高井美穂さん。

高井委員 民主党の高井美穂と申します。

 私は、この違法・有害情報の民主党の方のプロジェクトチームの事務局長として、この間十七回ほど勉強会を重ねて、いろいろな関係各位の皆様に意見を聞いて、民主党案としての一つの方向性を出させていただきました。

 実は私がこの問題に関心を持ったのは、三年前に、当時東京都の副知事であられた竹花さんという、元警察庁生活安全局長でございますか、その方から問題を聞きまして、これはと。私も小さい子供がおりましたもので、そのときから懸念を持ち、いろいろなことを調べる中で、二年前に民主党の議員立法案として法律を一本出しました。

 それは、今、伊東参考人などが努力されていることよりももっと前の段階で、契約するときに、子供の場合は、フィルタリングソフトがありますよということを必ず契約書の中に入れてくれという法案で、大変シンプルな法案だったんですが、その当時、青少年特別委員会でも質疑をしたりする中で、本当に関係の皆さんの御努力により、ここまで多くの皆さんが関心を持ち、対応が進んできたということに私は心から感謝を申し上げたいと思います。

 とりわけ業界の皆様に対しては、伊東参考人のお話にもあったとおり、本当にここまで御努力をされてこられた、かなりいいフィルタリングができつつある、この流れをとめないようにするためにもある種の法案化ということが必要ではないかという問題意識から、質問を申し上げたいと思います。

 私が検討してきた民主党案は、藤原先生、前田先生、両参考人がおっしゃっていただいたとおりの問題意識でつくったつもりでございます。同じ考えで進めてきたつもりです。

 二つの大きな目的というか、柱がございまして、まず何といっても、子供が有害情報を閲覧する機会をできるだけ減らす、フィルタリングのいいものをつくり提供していくということが一つ。そしてもう一つは、何といっても情報選別能力を身につけるということであります。これはもちろん、子供の教育に、生きる力の最たるものになると私は思うんですが、子供にとって必要であるのは当然として、大人にも必ず必要だと思っています。

 さっき、最後に国分参考人が言われたとおり、発信する側の方もリテラシー教育をぜひしていただきたいと思いますし、今まで、リテラシー、横文字は余り好きではないんですが、情報を選別して自分に役立てて使う能力ということに対する教育施策ということが少しおくれてきたのではないか。インターネットの発展に比べて、使う方を進める一方で、それをどう使うかという教育がおくれてきたというか、取り組みが全体でなされなかったのではないかというふうに思っております。

 本当に、省庁縦割りという話もございましたけれども、それぞれに、全部の省庁がかかわり、大人も子供もすべてがかかわる形でリテラシー教育ということを進めていくためにも、ぜひ今国会で何とか法案化をしたいというふうに考えています。

 きょう、実は、法文のこともありまして、前田参考人と藤原参考人を中心にお聞きをしたいと思っているんですが、官民のかみ合わせによる機能の発揮、まさに私たちが気を払ってきたのはそこでありまして、ホットラインセンター、私も見に行きましたが、まさにうまく機能しているというふうに感じています。

 問題は、御指摘がありましたけれども、やはりマンパワーが圧倒的に足りないということなんだろうと思います。つまり、もちろん警察庁からの財政支援もありますけれども、今行くと、一カ月前に通報されたものを処理しているということで手いっぱいだということでございました。これは、まさに法案化ができれば、マンパワーが足りないということは、皆さん、見に行った方、関係の方は御承知ですので、それに対して支援が得られるだろうと思っておりますし、そうすべきであるというふうに思っています。

 そこで、警察も恐らくこの分野にマンパワーが足りなくて、違法と有害は別だと私は思っておりまして、違法な情報は本当に取り締まるべくマンパワーをふやしていく、警察の方にも努力をしていくべく国会の方が働きかけ、立法府の方で頑張っていかなければならないというふうに思っているんですが、そのホットラインセンター等の民間の第三者機関のあり方について、この点をまず一点お伺いしたいと思っています。

 いろいろ議論がありましたが、このホットラインセンターは今の状態でもうまく機能しております。これを、法案化するという今の議論の中に、先ほど来お話があった、例えば指定法人にする、登録法人にする、もしくはそういう形をとらないで民間と連携しながら支援をするという枠組み、いろいろな形があると思います。

 私たちはその最後の部分で考えておりまして、例えば、今やっているホットラインセンターをわざわざ登録にしなければ今の取り組みが進んでいかないのかとも思いませんし、登録にするべきなのかどうか。また、出会い系サイト規制法というネットに関する初めての法案が通りましたが、御承知だと思いますが、この中は登録法人になっております。そうなると、登録法人に対して守秘義務であったり改善命令であったり、さまざまな罰則もここにかんでくるわけでございます。それについて、さまざまな民間団体を想定する中で、必ずしも登録をさせていくべきなのかどうなのか。

 例えば、PTAなどが取り組んでいる協議会等も一つの民間団体に想定されると思いますし、もちろんEMAやI―ROIなど、こういう団体も想定されると思いますが、この点、まずは藤原参考人にお聞きしたいと思うんですが、いかがでございますでしょうか。

藤原参考人 ありがとうございました。

 ただいま先生おっしゃいましたように、官民の組み合わせが大変重要である。今の現状を見ていると、民間はマンパワーが圧倒的に足りないので、そこを支援すべきである、どこかに力を注がなければならないというのはおっしゃるとおりだと思います。

 それを前提としまして、民間の第三者機関のあり方で、現状のホットラインセンターは十分うまくやっているのだから、それについて関与の仕組みは不必要なのではないかという御指摘と、もう片方で、出会い系の場合は登録である、それともう一つ、さまざまな民間事業者が考えられるという、三つおっしゃられたと思うんですけれども、まさにその点で、恐らく現在のうまくいっているものが逆に動きにくくなるような指定の仕方だとか要件を定める必要は今はないと私は思います。

 しかしながら、一方におきまして、先ほど必要最小限、可能性と申し上げましたのは、恐らく、さまざまなものが出てくると、ある部分ではお手盛りになったり、ある部分では一番低いレベルに合わせるということは大いにあり得ることだと思いますので、中身には一切タッチしないけれども、外という部分だけで、それもかなりの部分が形式的要件になるかもしれませんけれども、先生がおっしゃられた中で、実質的な、いわゆる許認可を思わせるような関与ではなくて、ある意味で、まさしく、ここは最低限の基準をクリアしておりますとか、そういうことの公的な認証、説明といったような部分の関与の仕方もあろうかと思います。

高井委員 まさにその最低限というのをどこのラインに設けるかという話に今度はなってくるんだろうと思うんですね。

 登録の方ですと、それがどういう要件に当たるのか、そういう意味ではある程度枠が決まってきてしまって、例えばそれから漏れる民間団体はまさにノータッチになってしまうのではないかということも実は少し懸念しているわけであります。

 まさに、中身にはタッチしない、自主自律ということが原則でしたら、それを、例えば登録法人、指定法人であるとちょっときつくなってくるので、もうちょっと緩やかな形でできるような枠組みがいいのではないかというふうに思っているんですね。

 どうしても間接的に個別に中身の最低基準、例えばフィルタリングソフトウェアがちゃんとできているかどうかを最低基準ということで判断するということになれば、それもある種、国の判断が最後のところでかかってくる。個別のサイトを判断するということになりはしないかというふうな懸念を持つわけであります。

 この点において、私たちは法案の中に、まさに藤原参考人が御指摘になったようにフィルタリングの定義というのをきちんと入れようと思っていまして、閲覧制限される情報を定義ではなく例示として入れたいというふうに考えております。

 その中で、民間団体をどういう位置づけにするかというのは最大のポイントでありますが、同じ点、前田参考人はいかがお考えになられるでしょうか。

前田参考人 藤原先生の御説明と全く同じなんですが、ただ、今の問題に関連して申し上げますと、今のホットラインセンターみたいなものは立ち上げのところからいろいろ議論して一つのものになっていく。それに対して、このフィルタリングなんかに関してのものだと幾つか出てくる可能性がある。そうすると、その中でのコントロールというのは、やはりおのずと違ってくると思うんですね。

 中身に対してノータッチであるということをずっと徹底するためには一切公とつながりを切ってしまうというふうにつながっちゃうと、私はやはりちょっと反対なんですね。さっき申し上げたように、国民が、現実に問題になって、それについてやはり何らかの情報を得て、責任を持ってやっている国の機関なんかの情報もつながらなきゃいけない。ただ、それを直にトップダウンでいくというのも問題。

 その混合系として今ホットラインセンターみたいなものがあるわけですけれども、今度つくるものに関して言えば、将来どういう団体が出てきてどういうような利害関係が出てきそうだとか、お金でやすきに流れるみたいなものになっちゃまずいとかというような考慮を踏まえて登録制にするというのは一つの考え方。それは具体的な事実にのっとった作業をしていただくということで、そこのところはある程度登録制みたいなものもあり得べしというふうに考えているということですね。

高井委員 済みません、重ねてもう一つだけ。

 では、登録制ということであれば、罰則等も入ってきてしまうのはある意味仕方がないというふうにお考えになりますでしょうか。

前田参考人 ですから、罰則みたいなものを、どこまで義務を課すかということもバランスなんですけれども、やはり守るために、そういう危惧感があるといいますか、そういう危険性があるのであれば罰則というのはあり得ると思いますが、今回の場合にそれを考えるということは、私は余り考えてこなかったんですけれども。

 ですから、どの程度まで関与するかというのは、関与すると即罰則というのは必ずしも、その中間にいろいろな段階があり得るというふうに考えております。

高井委員 少し誤解があってはいけないので、私も罰則には反対なんですが、登録機関で国がお墨つきを与えている以上、その登録機関がきちんと秘密保持をしないとか、業務に対してちゃんと適切なことができていないというときには罰則がかかるというふうに、出会い系サイト規制法の登録機関の枠組みがこういうふうになっておりますので、もしかしたらそれに近い形にならざるを得ないのではないかということを逆に懸念しているわけであります。

前田参考人 実は出会い系サイトの法案をつくる審議会みたいなものの座長も私はやらせていただいていたので、その辺はある程度勉強したつもりなんですけれども、出会い系サイトのものというのは、これとはまるで違って、相当問題のあるものも含む。それによって青少年を即引きずり込む危険性を持ったものであって、やはり言うことを聞かないとチェックを入れなきゃいけないという色彩が非常にあるところです。

 今回の、今問題になっているものというのは、その意味でいえば、大分中身が違う。法律というのはすべて一律でなきゃいけないかというと、そうじゃなくて、やはり具体的に想定される問題に合わせて、登録であればそれに対してのサンクション、担保するものというのは動き得るというふうに考えております。

高井委員 では、最後の質問になりますけれども、違法情報、有害情報ということに対して対応が異なるべきだと私は思っておりますので、それについてお伺いをしたいと思っています。

 つまり、最後に国分参考人が言われたとおり、本当に、違法は違法なので、何といっても警察にきちんと頑張ってもらうことが原則だというふうに考えている方であります。その対応する人員をふやすことはもちろんですが、やはりインターネットのサービスプロバイダーの皆さんやサイト開設者の皆さんに、違法な情報を書き込んだ者の住所など、警察から通報があったり第三者機関から通報があったら、開示する、知らせるように努力するということは、有害ではなく違法の場合は、明らかに掲示したことが違法である情報という構成要件がきちんとしているものであれば、やはり協力をしてもらう必要があると思っています。

 むしろこれは、現行の法の枠組みの中でも、例えば、何度通知しても削除に応じない、それが明らかに違法であるというふうに警察が判断して逮捕に踏み込みたい場合には、その書いた者の情報を教えない場合は共犯で逮捕するということもできる枠組みになっていると思います。

 だからこそ、それはそれで別の枠組みで考えたいと思うんですが、一方、有害の方は、国がやはり決めるのが当然難しいことですので、罰則のような強い措置は無理だと思いまして、サイト開設者の努力義務として、有害情報が掲載されているということを知った場合には、やはり閲覧防止措置をきちんと講じるよう努力しなければならない。まさに、藤原参考人がこの中で御指摘になられているような形での法の枠組みを私たちも考えておりまして、その点は、業界関係者の皆さんもまじめな方はできるだけ削除に応じてくれているということでありますので、機能すると思うんですが、この意見に対してはいかがでしょうか。

 では、藤原参考人からお願いいたします。

藤原参考人 私も、基本的に先生のおっしゃるとおりだと思います。物事には刑事で対応するもの、行政的に対応するもの、それから民事の賠償等で対応するものがございますけれども、先ほどもおっしゃられたように、違法の場合は刑法の幇助をもっときちんと徹底すればいいじゃないか、そしてまた、有害情報の場合は閲覧防止等についての努力義務で対応できるではないかというのは、私もそのように思います。

高井委員 では、ちょっとここで伊東参考人にお伺いをしたいんですけれども、その点、今申し上げた違法な情報に対する対応ということに関しては、業界の皆さんも、やはりきちんと、警察から通報があったら努力するという方向で、情報を開示するなり、まさに共犯で逮捕されるようなことがないよう努力されていると思うんですが、もちろん、NTTドコモのような大きな会社はそういう対応をきちんとしておられると思いますが、やはり警察の力を強めていくという対応でよろしいと思うかどうか、一言御意見をお伺いしたいと思っています。

伊東参考人 今議論されている脈絡で申し上げて、インターネットの中身、サイトの中身について違法だったらどうするかというもし議論だとしたならば、私どもキャリアとしてはそれは知り得ない、そういう情報だと思っております。もし何かの機会で気がついたことがありましたら、当然、そういうアクションというのはとってもしかるべきとは思うんですけれども、知っちゃいけないというんでしょうか、多分、そういう立場に私どもキャリアとしてはなっていると思います。

 ただ、一般論として申し上げるとしたならば、違法なものを放置するというのは、これは責任の放棄だと思っていますので、できる限りの部分は協力するというのは当然のことだというふうに考えております。

高井委員 警察から通報があったり、どうしてもその書き込みの相手が見つからないということが、なかなか警察が違法情報に即対応し切れないということの原因だと思うんです。むしろ、国分参考人の方にお聞きした方がよかったかもしれませんけれども、ありがとうございました。

 それで、一言だけ最後に質問したいんですけれども、この間、福田総理が、子供に携帯を持たせない方がいいというふうなお話を教育再生懇で御発言されたようであります。この二十六日にまとめた第一次報告書の文章を、議事録を拝見したんですけれども、余り子供に携帯を、低学年の子供にはよくないから持たせるかどうかも議論するべきだというふうなお話があり、新聞報道に大きく書かれていたと思います。

 この点、法律家としても、前田参考人に最後にお聞きしたいんですけれども、こういうふうに国が一律に、やはり何か、持つか持たないかなども議論する、また、何らかの枠組みをかけることがいいことなのかどうなのかということを、法律家の立場からお考えをお聞かせ願います。

前田参考人 憲法もあるわけで、それが好ましくないといえばそうなんですが、ただ、規制しなきゃいけないだけの立法事実があれば規制するということですね。

 私は、まさにそのために、やはり親が安心して持てるフィルタリングのついた携帯がプリベールしている、存在しているということが大事で、それがなくて、いや、何とかかんとかいって結局できないじゃないか、じゃ、親は持たせられないから、だったら大きな危険性があるなら全部禁止だよという方向に行かないためにも、ぜひこの法案をつくっていただきたいというふうに思っております。

高井委員 わかりました。ありがとうございました。

 以上で終わります。

玄葉委員長 次に、石井啓一君。

石井(啓)委員 公明党の石井啓一でございます。

 私は、まず、子供たちにインターネットとのつき合い方をどういうふうに指導していくかという教育面について、参考人お四方にそれぞれお伺いしたいと思うんです。

 有害情報や違法情報に接しないように指導するということは当然のことでございますけれども、インターネット特有の使い方といいますか、それによって生じる弊害というのはあると思うんですね。本来、情報伝達、情報交換、自己紹介の手段として開始されたインターネットでありますけれども、面と向かってなかなかできそうにない悪口やあるいはいじめに使われるなど、匿名で書き込みができるということによってインターネット特有の弊害が生じているという面があると思います。

 事実、いろいろな事件も報道されておりまして、一カ月前の事件でありましたけれども、プロフで知り合った面識のない少年が、悪口を書かれたことに怒って相手を呼び出して、金属バットで殴って意識不明の重体に陥らせた、こういう事件も報道されております。また、他人に成り済ましてメールを発信することができる、そのことによって悪口、いじめが行われる、こういった実態も報道されておりまして、私は、インターネットとどういうふうにつき合っていくか、使っていくかということについて、やはり丁寧に子供たちに指導していかなければいけないというふうに思っておりますが、そのあり方について御意見を伺わさせていただければと思います。

藤原参考人 ありがとうございます。

 今のインターネットを子供にどのように利用させていくか、どのようにつき合わせていくかという問題でございますけれども、恐らく、およそ世の中には、子供をどこまで大人として扱うかという問題と、逆に、大人をどこまで子供のように扱うかという問題があると考えておるんですけれども、一つは、匿名性であるがゆえの危険ですね、先生おっしゃったように。例えば、個人情報を流してしまえば、インターネットに流れたものの回復は実はほぼ不可能に近いというような事実はちゃんと子供に教えておかなければなりませんし、他方、成り済ましの問題等については、これは技術的に実は対応できる部分がございますので、それをまずきちんと教えなければならないと思っております。

 そして、総論的なことをお答えさせていただければ、先ほどの意見の中でも申し上げたんですけれども、隔離するのではなく、上手に使うように小さなうちから徐々に免疫力、抵抗力をつけさせていく方向がよろしいのではないかと私自身は考えております。

 ですから、年齢相応に、先ほど自転車の乗り方の例えを御提示いただきましたけれども、自転車であってもバイオリンのようなものであっても年相応に使っていくわけですから、そのような教育を官民挙げてしていくべきではないか、そのように考えております。

前田参考人 インターネットに先生が御指摘のような問題性があって、さっきちらっと申し上げたんですが、やはりその傾向が若者の規範の喪失とかにつながるというような議論もあると思うんですね。

 ただ、もうインターネットというのが我々の社会の生活というか、日々の生活の中で不可避のものである。だとすると、もう方向性としては、その悪いところを直すか、あとはそれにならないように教育ということなんですけれども、要するに、いろいろな問題につながるんです。

 一つだけ申し上げますと、やはり、匿名性、匿名性といいますけれども、ネットの社会、ある意味では調べればわかるということで、子供にとっても、悪いことはやり放題だとか、人に迷惑かけなくて何でもできるみたいな感覚にならないような教育をしていくというのが、ある意味で、今のところ一番重要なところだと私は考えております。

伊東参考人 携帯の世界でいいますと、まずインターネットでこういったソサエティーといいましょうか、社会ができまして、それを追っかけている、追いついているという状況だというふうに考えています。ですから、PCインターネットの世界で起こってきている問題点がどんどん携帯の世界に侵食してきているというんでしょうか、そういう段階じゃないかなというふうに思っております。

 正直申し上げますと、もともと携帯はこういうふうにインターネット化するなんという想定は余りしていませんで、単なるもしもし、はいはい的、ないしはせいぜいメールぐらいの通信手段じゃないかなというふうに思っていたのが、結局、音楽携帯になったり、インターネットと直接つながったり、高速になるためにそれがさくさく感でできて、簡単にできるようになったり、全くインターネットとほぼ同じような使い方ができるような時代になってしまったわけなんです。

 これは、私ども事業者の責任問題というのもあるかもしれませんけれども、世の中が、結果的にはお客さんが求めていたという意味で、余りネガティブにとらえずに、ポジティブにとらえる面を我々としては尊重したいというふうに思って、対応してまいりました。

 ただ、同時に、影の部分が出ているのはもう事実でございますから、私どもの宣伝になりますけれども、ドコモにモバイル社会研究所というのをつくりまして、社会科学的な問題点を追求する、大学の先生等と一緒になって追求することをやっております。その中に、リテラシーの問題でありますとか、あるいは子供の使い方の問題でありますとか、そういうテーマを社会科学的に切り刻んでいくといいましょうか、深掘りしていくという研究をやっておりますので、会社がやっているんですけれども、ドコモがやっているというんじゃなくて、親から独立した機能としてそういうのを運用しております。

 そういうところから出てきたものを会社としても取り入れていくといいましょうか、参考にしていく。そういう影の部分を、共存しながらと言ったらちょっと言い過ぎになるかもしれませんが、余り抑えつけずに、影の部分をうまくコントロールしながら進化していくというのが今の時代の要請じゃないかなというふうに思っております。要するに、運用というんでしょうか、使い方で、ある意味では対症療法的になるかもしれませんけれども、やっていく時代かなというふうに考えております。

国分参考人 御指摘のような、インターネットと子供がどうやってつき合うかというところが非常に大切なんですけれども、実は、子供だけじゃなくて大人も同様のことがいろいろありまして、インターネットの初期のころから、ネットを経由してコミュニケーションをとるというのは普通のフェース・ツー・フェースのコミュニケーションの半分もいかないというような研究結果もありまして、特に、感情をネットを通して伝えようとするのには非常に限界があるんですね。

 それで、ネットでコミュニケーションすると、文章ですごくきつい、送った方は必ずしもそういう認識ではないけれども、受け取った方が非常にきついと思って、それに対してまたきつい返事をすると、だんだん増幅をして、ついに爆発する。これはこういうメディアなものですから、そういうものとのつき合い方を子供のころから教えなければならないというふうに思っております。

石井(啓)委員 ありがとうございます。

 もう一つ、私の前の質問で出たんですけれども、私も教育再生懇談会の報告についてちょっと皆様に御質問しようと思っていたのですが、前田参考人にお答えをいただいたので、それ以外の三人の参考人にお伺いしたいと思います。

 五月二十六日に政府の教育再生懇談会で第一次報告が出されまして、「子供を有害情報から守る」ということで幾つか提言がされているんですけれども、一つは「携帯電話利用についての教育を推進し、必要のない限り小中学生が携帯電話を持つことがないよう、保護者、学校はじめ関係者が協力する。小中学生が持つ場合には、通話機能等に限定したものが利用されることを推進する。機能を限定した携帯電話の開発と普及に携帯電話事業者も協力する」、こういうかなり厳しい提言が出されておりまして、このことにつきまして、御意見あるいは御感想というのをお伺いしたいと思います。

藤原参考人 私、まだその記事を拝見していないんですけれども、外国に行っておりましたので。

 今の御質問は、要するに、小中学生のような年齢の者を、先ほど私申し上げましたけれども、子供をどこまで大人として扱うか、あるいは端境期にある子供たちをもっと小さい子供のように扱うのかという問題とも絡むと思いますけれども、原則としては、親というものが決定権を子供については持っておりますので、やはり親が教育のもとで子供と話し合って決めていくのが原則かな、私はそういう感想を今抱いております。

伊東参考人 今、藤原参考人が申し上げられた、親というキーワードが出てきたんですけれども、私も最小限のコミュニティーは家庭じゃないかというふうに思っておりまして、家庭の中で子供のポジショニングというんでしょうか、どう使わせるかということを決めるというのが一番最優先じゃないかというふうに思っております。

 家庭それぞれ事情がありますので、悪いことをあえて使わせる家庭なんというのはないと思いますけれども、それぞれ、例えば共働きだとかあるいは塾に行くだとか、いろいろ事情がございますので、それに応じて使えるようにする、使えるものをつくるというのが前提になるかと思います。

 そういう意味で、先ほど御説明申し上げましたけれども、安心、安全を簡単に御提供申し上げるような仕組みは、これは事業者の義務として御提供申し上げなきゃいけないのかなと考えておりまして、その開発はさせていただきたいというふうに思っております。

国分参考人 携帯電話のようなものは、うまく使えば非常に便利で、悪く使うこともできて、子供たちがいろいろ犠牲になったりする。そういう現実の中で、先ほど伊東参考人が言われたように、ではそういうものをやめたら、持たせないようにするのがいいのかというと、私はもともとバックグラウンドは技術なので、文明の利器は、むしろそれを適切に活用できるように子供たちに教えていかなければいけないと。

 ですから、先ほどの御質問の、子供がインターネットとどうやってつき合うかということにも関係するんですが、危険な部分があるとすると、例えば今度の立法措置もとっていただいて、あるいは携帯電話のシステムなりハードウエアも改善してもっと危険を減らすとか、いろいろな前向きの中で、親がよくわからないからとりあえず持つのを少し自粛しましょうというとらえ方だったらまだわかるんですけれども、むしろ前向きに、こういう文明の利器はどんどん活用できるように、現在不十分であればそれをどんどん改良していくべきではないかというふうに思っております。

石井(啓)委員 確かにそうだと思うんですね。これまでは余りにも親、保護者が無警戒に携帯を子供たちに与え過ぎて、気がついたらとんでもないことになっているということが、こういう何か持たせない方がいいんだというような提言につながってきちゃっているのかなというような感想を持ちまして、むしろ、皆さん方がおっしゃるように、親もきちんと学んで、子供たちと一緒に上手な使い方をしていくということの方がやはり重要なんじゃないかなというふうに私は思いました。

 最後でございますけれども、必ずしもネットではないのですけれども、藤原参考人、前田参考人にお伺いしたいと思うんですが、有害ゲーム対策です。

 子供たちの健全育成ということを考えますと、性的な内容や非常に残忍な暴力的な内容を含む有害ゲームということも、有害というのは子供たちにとって有害ということの問題も大切なんではないかというふうに思っております。最近の児童による凶悪犯罪につながっているのではないかというふうな指摘もございまして、有害ゲーム対策のあり方に対して何か御意見等ございますれば、お伺いをいたしたいと存じます。

藤原参考人 有害ゲーム対策ということをこれまで専門的に考えたことはないんですけれども、もしその対策を考えるのであれば、きょうのこの午前中の質疑の中でも出ている、一つにはやはり憲法上のほかの権利との調整を具体的に詰めて考えてみる必要があるのかな、そういう感想を抱いております。

前田参考人 先ほど申し上げましたバーチャル社会のもたらす弊害から子どもを守る研究会は、むしろゲームだったんですね。いろいろ見て、ひどいものはあるんですが、ただ、むしろこの問題の先駆的なものという面もあって業界団体が非常にしっかりしていて、世間の声を受けとめて、非常にいろいろな指定、Xとかランキングをして、子供にある程度の距離に近づけないように努力はしている。

 まだ不十分だということはあるかもしれませんけれども、やはりそこのところは、官が直接ここはだめとか処罰するというのではなくて、自主規制をするという形である程度進んでいるのではないか。先生の御懸念のとおり、不十分なところはあるかもしれませんけれども、ただ、その方向で監視もまだ続いているというふうに考えております。

石井(啓)委員 では、以上で終わります。

 ありがとうございました。

玄葉委員長 次に、石井郁子さん。

石井(郁)委員 日本共産党の石井郁子でございます。

 きょうは、参考人として御出席いただきまして、貴重な御意見をお述べくださいました。本当にありがとうございます。

 私も端的に本題に入りたいと思いますけれども、本日提示されております論点の第一番目、やはりここが重要ではないかということを陳述の中でも御指摘をいただいたかというふうに思います。

 何をもって有害とするかということなんですが、総務省の検討会では、違法・有害情報を四つに分類していますよね。違法な情報としては、権利侵害情報、児童ポルノなどその他の違法情報、違法ではないがいわゆる有害な情報として、人を自殺に誘引する情報のような公序良俗に反する情報、それとアダルト情報のような青少年に有害な情報という分け方をされていたかというふうに思うんです。

 そこで、国分参考人と伊東参考人に初めにお伺いしたいのは、こういう違法・有害情報に、現場でいわば業界として対応されていらっしゃるわけですね。フィルタリング、レーティングなどの機能を通して一定の線引きをされてきているかというふうに思いますけれども、業界が自主的に行っている、そういう場合の何を有害とされて扱っていらっしゃるのかということと、その判断の基準をどう考えていらっしゃるのかということと、しかし、それをする上でもいろいろ困難さというか、難しさもあるんだろうというふうに思うんですが、その辺をお聞かせいただければというふうに思います。

伊東参考人 最初にお断り申し上げておきますけれども、私ども、ISPではございませんので、具体的にコンテンツを出すということではないんですが、実は私ども、iモードというサービス、ビジネスモデルの中に、公式コンテンツ、公式サイトというサイトを運営しています。これは、ISPではないんですが、管理者になっているといいましょうか、行司役をやっているというサービスがあるんですが、そこに関しましては、かなり厳しい選択条件といいましょうか、入会条件というのが立っております。

 二十ぐらいの条件があるんですけれども、主に大きいのは、今先生おっしゃいました、総務省が四つの基準をつくられておりましたけれども、やはり公序良俗だとかアダルトだとか、あるいは私どもにとって、事業者ですので、ビジネスですので、やはりたくさんの人がアクセスしてもらいたい、そういう内容を備えているだとかということを選定して、いわゆる公式サイトというのをつくらさせていただいています。

 結構評判が悪うございまして、実際、公式サイトに入ればやはりアクセスしやすくなりますので、CPさん、コンテンツプロバイダーさんは、できるだけ入りたい、入りたいというふうに言ってきているんですけれども、結構審査が厳しいものですから、もっとあけたらどうかという声も聞いているんですけれども、結構かたくなにその条件を守って運営させていただいております。

 今現在、iモードの公式コンテンツのサイトは大体一万サイトぐらいございまして、かなり基準が厳格に適用された運営を行われているというふうに考えております。

国分参考人 どのようなものを有害な情報と考えるかということにつきましては、現在、ホットラインセンターの方で有害というふうにとらえているのは、社会の安定とか公序良俗に反する情報です。必ずしも青少年に有害という観点でとらえているわけではありません。

 一方、フィルタリングソフトの方は、やはり青少年に有害という観点からブラックリストをつくる、そういう位置づけになっておりまして、ホットラインセンターを運営する大分前から、フィルタリングソフトの技術開発、それからそういうフィルタリングのソフトとかブラックリストをユーザーに無償で配布するとかということをやっておりましたので、その有害情報の基準、セーフティーオンラインというものをまず規定して、実際にブラックリストを作成する段階では、レーティング基準に基づいた作業マニュアルを用意しております。

 実際にその作業をする人は、やはりいわゆる普通のレーティング基準だけでは非常に判断に困ることが多いものですから、もうちょっと詳しい作業マニュアルを用意しております、レベルが一なのか、二なのか、三なのかというあたりは。日々いろいろ現実のネット上の情報と照らし合わせて、そういうものも改定をしていかなければならないというのが現状でございます。

石井(郁)委員 どうもありがとうございます。

 この問題なんですけれども、冒頭の意見陳述の中で、前田参考人からは、親が見せたくないものは見せないという発言がありまして、私も、ある面でそうなんですよね。本当に、親として、こんなものを見ているのか、見たらたまらないというようなことがいわばネット上にあふれている状況があるというふうに思うんですね。

 ただ、問題は、それをどのように明示するかという段階になりますと、ある程度具体的に言わないとなかなか削除が困難だ、こうなってくると思うんですが、そうすると、表現の自由との間の問題が出てこざるを得ないということになるかと思うんですね。

 そういう点で、有害情報というものの定義を法律で規定する、あるいは例示をするというようなことに伴う問題点なんですね、これをやはりどう考えたらいいのかということの整理が要るかなというふうに思いまして、先ほどもいろいろお述べいただきましたけれども、藤原参考人と前田参考人に、この点で重ねてお伺いしたいと思います。

藤原参考人 ありがとうございます。

 今、先生おっしゃいました、あいまいであるとあいまいなりの問題があり、詳細にすると今度は詳細なりの問題があるというのはおっしゃるとおりだと思います。

 ただ、法律をやっている者の観点からしますと、構成要件そのものはだれが読んでもわかるのが望ましいわけなんですけれども、しかしながら、それをどういうふうに具体的なレベルに、先ほど来議論があるように落としていくかというお話だと思います。

 そこで、やはり大枠は法律で示す。ただ、具体的に例示して、紛れのないような形での、具体例という形での大くくりを示して、後は民間の事業者が、今後たくさんできるのが望ましいと思っているんですけれども、その民間の事業者が詳細に基準をつくる。第三者機関ができるだけたくさん情報を集めて、できるだけたくさん集めた情報の中から類型化、蓄積をしていく。とにかく経験に基づいて、スタートさせたものから小分類に至るまで、具体的事例を積み重ねるというのが重要なのかなというふうに思っております。

前田参考人 また同じことになってしまうんですが、法律の世界というのは概念が明確ですべてかっちりやっているように見えまして、私の専門は刑法で、犯罪というのは罪刑法定主義であって明確でなきゃいけないはずなんですけれども、どうしても解釈が入るんですね。どの程度からが傷害かとかというのだって、やはり裁判官の判断が入ってきちゃう。

 ただ、それに比べれば、有害というのはもっとアバウトだと、おっしゃるとおりだと思うんですが、やはり効果との関係で、どの程度明確にしなければいけないかというのは違ってき得る。

 あと、問題は、何のために明確化するかなんですね。使う側とか利用者の側で、どういうことをしたら処罰されるとか、怒られるでもいいんですが、それがある程度常識的に判断できる、そのために、法律の世界というのは、やはりそれは動きますので、具体的な事例の積み上げを類型化する中で明確化していく。やはり寸分たがわずきっちりした線を言葉で定義するというのは、これはかなり難しいと思います、もちろん、できる限り明確にするというのは責務だと思うんですけれども。

 その中で、ですから、ここで問題になっているような有害情報というのがあいまいだから、使えないから前に進めないということではないんじゃないか。今まで積み重ねられてきたものとか、現に相当な作業量を踏まえてホットラインセンターなんかやっていらっしゃるんですね、例えばわいせつならこの程度のもの。現場を見ていただけるとよくわかるんですが、そういうものをある程度明確にすることによって、国民も安心して第三者機関というものに信頼を寄せることができるし、それが得られれば明確性が得られたというふうに考えていいのではないかと考えております。

石井(郁)委員 諸外国でも違法・有害情報についてのガイドライン作成などが行われているというふうに思いますが、この点で、国分参考人、インターネット協会での調査をちょっと拝見したんですけれども、そういう諸外国のガイドラインの作成の内容などについて、もしお聞かせいただけたらと思うんですね。そのガイドラインというのは法令によるものなのかどういうものなのかということと、そのガイドラインを作成するときに行政機関がどういう参加、関与をしているのかというような点について、いかがでしょうか。

国分参考人 違法・有害情報に対するガイドラインといいますか、レーティング基準のようなものは、国ごとというよりも、ICRA、インターネット・コンテント・レーティング・アソシエーションという国際的な組織があって、そういうところで決めるとか、それから、それより前ですと、米国で、RSACiというゲームのソフトの評価を昔やっていたところが、大学の先生等の学識経験者を巻き込んでそういう基準をつくるとかというものはございます。おのおのの国で、やはり子供たちにアダルトはだめだとかというのは、アジア圏でも各国でかなり国が決めているところもあると思います。

 ただ、これまでのフィルタリングの方との関係でいいますと、やはり国というよりは、民間の国際的な組織がある程度そういう基準をつくって、オープンで皆さんに使ってもらおう、そんな状況だと思っております。

石井(郁)委員 では、最後、もう一点だけ伺わせていただきます。

 きょう第三者機関ということがいろいろ出ておりますけれども、これはドコモさんの三ページにございましたけれども、ここで言う「第三者機関の設置要件」、そしてこの第三者機関が今現実にどのような役割というか、どういう体制で、どんな機能を発揮しているのかということを、もう少しイメージが具体的にわかるようにちょっと御説明いただければというふうに思います。

伊東参考人 具体的な運用について、詳細は存じ上げないので、申しわけありません、概括で御容赦いただければというふうに思っております。

 EMA、有限責任中間法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構というのが四月にできまして、私ども事業者も、KDDI、ソフトバンクも含めて発起人に名を連ねております。基本的には、コンテンツを作成するアソシエーションがあるんですけれども、そこが中心となりまして第三者の機関をつくる。有識者を中に入れまして、堀部先生が責任者をされているんですけれども、それで運用を始められました。

 今、一番最初に、先ほど申し上げましたとおり、ドコモでいいますと、ネットスターがいわゆるブラックリストをつくりまして、それを我々運用させていただいているんですけれども、そのブラックリストの中に実はカテゴリーとして入っているんだけれども、例えば共産党さんのホームページがもし入っていたとしたならば、それは外してもいいよというお墨つきをこのEMAが審査していただきまして与えまして、それでネットスターに対して、あるホームページをブラックリストから外しなさいという情報が流れてきます。それをそっくりそのままドコモが採用しますので、ユーザーの方はそのサイトをアクセスすると閲覧できるようになる、そういう仕組みになっております。

 これはホームページ単位で、サイト単位で運用されるというふうになっておるんですけれども、どういうホームページが要件を満たしているかということについては、EMAの中で議論をして決めていく。今はサイト単位ということで動いているんですけれども、先ほどちょっと申し上げました、五十幾つ、カテゴリーという見方があるんです。伝言板だとかあるいはSNSサイトだとか、そういったカテゴリーが五十ぐらいあるんですけれども、それも見直しをするということも含めて、新たなブラックリストのシステムというのをEMAがつくっていく。夏にもできるというふうに聞いておりますけれども、それができると、我々はそれを早速適用いたしまして、運用していきたいというふうに考えております。

石井(郁)委員 いろいろありがとうございました。

 子供たちがネット機能を持つ携帯を、本当にもうほとんどの子供が持っている。しかも、これほど多機能、高機能の携帯というのは、世界では日本の子供たちだけが持っているということも当委員会で明らかになりましたけれども、そういう中でどうやって本当に子供たちの健全な成長、発達を助けていくかということは、今私たちに問われているいわば新しい試みというか、新しい挑戦かなというふうにも思っておりまして、努力をしたいというふうに考えております。

 少し時間がありますけれども、きょうは参考人の御意見、本当にありがとうございました。

玄葉委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。

 参考人の皆様に一言御礼を申し上げます。

 参考人の皆様には、貴重な御意見をお述べいただきまして、本当にありがとうございました。特に、本日は、立法に当たっての主な論点というのを事前に送付させていただいて、それに従って御意見をおっしゃっていただいた、特に御礼を申し上げたいと思います。いただきました御意見、参考にさせていただいて、これから立法なりに当たっていきたいというふうに考えております。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。ありがとうございました。

 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時五十八分散会


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