衆議院

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第2号 平成21年11月26日(木曜日)

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平成二十一年十一月二十六日(木曜日)

    午前九時開議

 出席委員

   委員長 池坊 保子君

   理事 石井登志郎君 理事 小野塚勝俊君

   理事 黒田  雄君 理事 佐藤ゆうこ君

   理事 園田 康博君 理事 菅原 一秀君

   理事 松浪 健太君 理事 高木美智代君

      打越あかし君    大泉ひろこ君

      大山 昌宏君    京野 公子君

      小林 正枝君    道休誠一郎君

      初鹿 明博君    松岡 広隆君

      山崎 摩耶君    山本 剛正君

      柚木 道義君    あべ 俊子君

      馳   浩君    宮本 岳志君

      吉泉 秀男君

    …………………………………

   国務大臣         福島みずほ君

   内閣府副大臣       大島  敦君

   文部科学副大臣      鈴木  寛君

   厚生労働副大臣      細川 律夫君

   厚生労働副大臣      長浜 博行君

   内閣府大臣政務官     泉  健太君

   法務大臣政務官      中村 哲治君

   文部科学大臣政務官    高井 美穂君

   厚生労働大臣政務官    山井 和則君

   政府参考人

   (内閣府政策統括官)   松田 敏明君

   衆議院調査局第一特別調査室長           湯澤  勉君

    ―――――――――――――

委員の異動

十一月二十六日

 辞任         補欠選任

  室井 秀子君     松岡 広隆君

同日

 辞任         補欠選任

  松岡 広隆君     室井 秀子君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 政府参考人出頭要求に関する件

 青少年問題に関する件


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     ――――◇―――――

池坊委員長 これより会議を開きます。

 この際、福島国務大臣、大島内閣府副大臣及び泉内閣府大臣政務官から、それぞれ発言を求められておりますので、順次これを許します。福島国務大臣。

福島国務大臣 おはようございます。

 青少年育成を担当する内閣府特命担当大臣として、一言ごあいさつ申し上げます。

 心身ともに健康で社会的に自立した青少年を育成していくことは、我が国の将来を大きく左右するものであり、政府の最重要課題の一つです。

 若者の社会的自立のおくれや児童虐待、いじめ、少年による重大事件の発生、有害情報のはんらんなどの問題が深刻化している状況に対応するため、青少年育成に係る各種施策を推進してまいります。

 特に、さきの通常国会において成立した子ども・若者育成支援推進法の施行に向けた取り組みを進め、ニートやひきこもりなど、困難を有する若者への支援を行うための地域ネットワークづくりを推進してまいります。

 さらに、青少年インターネット環境整備法に基づき、引き続き、青少年が安全に安心してインターネットを利用できるよう、環境の整備に取り組んでまいります。

 私は、少子化対策や男女共同参画などの分野もあわせて担当しております。青少年育成を担当する大臣として、こうした立場を十分に生かしながら、関係閣僚とも緊密な連携を図りつつ、青少年一人一人がその可能性を最大限に発揮できるよう、関連施策の総合的な推進に全力を尽くしてまいります。

 池坊委員長を初め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願い申し上げます。(拍手)

池坊委員長 次に、大島内閣府副大臣。

大島副大臣 青少年育成を担当する内閣府副大臣の大島敦でございます。

 一人一人の青少年の健やかな成長を保障する社会を実現することは、社会全体で取り組むべき重要な課題であります。

 私といたしましても、福島大臣を支え、青少年育成施策を総合的に推進してまいります。

 池坊委員長を初め、理事、委員各位の御理解と御協力をお願いいたします。

池坊委員長 次に、泉内閣府大臣政務官。

泉大臣政務官 青少年育成を担当する大臣政務官の泉健太でございます。

 我が国の将来を担う青少年の育成は、今後の我が国における最重要課題の一つでもございます。

 私も、大島副大臣とともに福島大臣を支えまして、青少年育成施策の総合的な推進に尽力をしてまいりたいと思います。

 池坊委員長を初め、これまで多くの成果を上げてこられました青少年特別委員会の皆さんの御理解と御協力をよろしくお願い申し上げます。

     ――――◇―――――

池坊委員長 青少年問題に関する件について調査を進めます。

 この際、お諮りいたします。

 本件調査のため、本日、政府参考人として内閣府政策統括官松田敏明君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

池坊委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

池坊委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山本剛正さん。

山本(剛)委員 おはようございます。民主党の山本剛正でございます。

 なりはでかいですが、一回生でございまして、初質問でございますので大変緊張しておりますけれども、この際、忌憚のない御意見をお伺いしたいと思います。

 私からは三点、青少年育成のフレームの部分について御質問を申し上げたいと思います。

 まず、今後の青少年育成についての方向性でございます。

 今まで、青少年の立場に立つということを重要視されていたようで、無論それは大変重要で必要なことだと思っております。子どもに何かを身につけさせたり覚えさせたりするときには、同じ立場に立つことは大変有意なことでございますけれども、しつけや指導を納得させる場合、これは最近の子どもたちの動向を見ていても私が個人的に思うことなんですけれども、やはり大人からの目線が必要なのではないかと考えています。子どもであっても、大人と同じように接して諭すことが自覚という上で大切なように思っています。

 例えば、私はラグビースクールで小学生に指導員として教えていたことがあるんですけれども、そのときに、子どもだからといって、基礎を、子どもはここまでとかいって教えることはないんですね。やはり、大人と同じように基礎をちゃんと教えるのが重要になるんです。線引きするのはいけないのではないか、本当の知識やスキルを身につけさせるには大人の目線で教えていくということも重要なのではないかと思っております。大人と同じことを要求しても、体力的、身体的にはともかく、知識を吸収するという面では、子どもたちはしっかりとそういうときにはこたえてくれました。

 以上の観点から、今後の青少年育成において大人の目線というものをある部分では積極的に取り入れるべきだと考えておりますけれども、いかがでございましょうか。大臣、お答えいただけますか。

福島国務大臣 おっしゃるとおりで、子どもたちがどういうふうに育つか。子どもたちは無限の可能性を持っておりますので、山本委員おっしゃるとおり、子どもたちにできるだけよいものを、あるいは、無限の可能性の中でいろいろ指導したりいろいろなものをプレゼントすることは必要だと考えております。

 その意味では、子どもが社会の一員として自立して生活を送ることができるよう、必要な知識、技能、生活習慣などを身につけさせたり社会的規律を教える場合に、親を初めとする大人がしっかりした見識を持って指導したり、いろいろなものを教えたりプレゼントしたりすることは必要だと考えております。

 ただ、子どもの権利に関する条約が、子どもを権利の客体ではなく権利の主体として、子どもを主体のある人間として見ようというのもまた、子どもの権利に関する条約、児童に関する条約ですが、言っているところもあり、その両方必要だと考えております。

山本(剛)委員 次に、子どもが未来に希望が持てる社会のあり方というものについてお尋ねをいたします。

 子どもが持っている夢の話というのは、非常に晴れやかな気分になることが多々あります。大人になってからなりたいもの、ちょっと調べたら、男子は、昔から、やはり野球選手に代表されるスポーツ選手になりたいと、そしてまた女子の方々は、食べ物屋さん、ケーキ屋さんとかそういうものになりたいという方が多いようでございます。残念ながら政治家というのは全く入っていないのが、私も見ていて残念だったんですけれども。

 子どもたちの夢、かなえてあげたいと思うのは私だけではないと思います。そういう子どもたちを大人の社会に組み込んでいくのではなくて、子どもたちが夢を持ち続けられる社会、ひいては、だれもがいつでも夢を持ち、その夢を追い続けられる社会というものを実現できれば、心の豊かな人々を日本はもっと育てていくことができると私は思っております。

 現実逃避という部分ではなくて、夢を持てる社会づくりというものが今の日本に私は足りないような気がするんですが、大臣の所見をお願い申し上げます。

福島国務大臣 山本委員のおっしゃるとおりで、私は、子どもたちのなりたい職業というのをあるとき見たときに、なりたい職業に正社員というのがあるのを見て、何か胸が痛くなりました。

 つまり、子どもたちも、今、非正規雇用や労働実態を、いろいろな立場で、テレビなどいろいろなものを通じて多分見ていて、将来なりたいもの正社員というのを見たときは、ああ、本当に子どもたち、二十二歳以下の若者では半分が非正規雇用ですから、やはり、高校を出て、大学を出てなかなか正社員になれない現状を子どもたちも何となく察知しているのだというふうに思って、本当にこれは、子どもたちに夢をプレゼントできない大人の責任だというふうに思いました。

 委員おっしゃるとおり、子どもたちが本当に夢を持てる社会をつくることが大人の責任であり、また政治家の責任、政治の責任だと思っております。

 山田昌弘さんの「希望格差社会」というのが数年前に出ましたが、子どもたちが希望に格差を持つ、親の財布の大きさで子どもの未来が決まる、こういうことはなくすべきですし、ブレア内閣が、子どもの貧困ゼロ社会へ、すべての子どもに確かなスタートをというプランを出しましたが、この内閣におきましても、子どもの貧困、女性の貧困、一人親の貧困をなくして、子どもたちがどこの地域でどんな親のもとに生まれようと、やはり希望が持てる政治をつくっていきたいと考えております。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 それでは最後に、今、責任という言葉が出まして、その大人の責任についてお尋ねを申し上げます。

 最初に大人の目線という話を私はさせていただきましたが、物を言うということ、指導するということ、育成するということには、責任が伴うということは当然のことでございます。

 自分の子に親が責任を持つように、また生徒に学校や先生が責任を持つように、大人であるとすれば、社会全体で子どもを育てていかなければならないとするならば、やはり私は、社会の大人たちが社会の子どもたちに何らかの責任をこれから持っていくことも必要なのではないかと考えています。

 そういった社会になれば、子どもも大人もお互いを補完し合い、より成熟した社会を築けると考えますが、その大人の責任、どのようにすれば社会の大人として社会の子どもに責任を持つことができるか、大臣の所見をお尋ね申し上げます。

福島国務大臣 子どもたち、青少年の問題は、当たり前ですが、社会の反映です。そのためにも、家庭、学校、地域などのそれぞれの場面で、一人一人の大人がしっかりした見識と責任を持って青少年の育成に取り組むことが必要だと考えております。

 また、その家族や個人を支える社会のさまざまな仕組みもやはり必要だと考えております。育児の相談や、児童虐待に備えることや、そのことも、一人一人の大人の見識と責任、それから、それを支える社会の仕組み、それを支える政治の仕組みで頑張っていきたいと考えています。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 実は、質問はもうこれで僕は終わりなんですけれども、まだ時間が余っているので、ちょっとつけ加えさせていただきたいと思います。

 一番最初に言いましたが、やはり、子どもを見るときに、子どもの立場に立って考える。もちろん大事なことだということを先ほど大臣からもいただきましたけれども、子どもがこれから伸び伸びと成長していく上で、いわゆる社会の、私たちが何について一番取り組んでいかなければならないのか、今大臣が考える一番大事にしたいというものをちょっと聞かせていただければと思います。

福島国務大臣 そうですね、私自身は、やはり、子どもたち一人一人が、自分は可能性を追求してもいいんだ、しかも安定した気持ちでこの社会の中で生きることが必要だというふうに思っています。ですから、非常に急がば回れで済みませんが、やはり雇用の安定や社会保障の安定、そして家庭の安定というか、そういう環境を政治が全力でつくるべきだと思っています。

 私たちができることは、そういう環境整備であり、一人一人の大人が支えることで、子どもたちが、そういうある程度安定した、失敗しても元気で生きていける社会を、またもう一回生き直せる社会を私たちがつくることで、子どもたちは、ちょっと冒険してみようとか、いろいろなことにチャレンジしてみようとか思えるんじゃないでしょうか。

 また政治の責任になって申しわけないんですが、私は、急がば回れで、やはり雇用や社会保障の安定、この社会で安心して生きていけるということをつくることが、子どもたちが大いに冒険したり暴れたりいろいろなことができるというふうに思っております。

山本(剛)委員 ありがとうございます。

 もう間もなく時間が参りますので私の質問を終わらせていただきますが、私も青少年育成の一端を何とか担っていきたいと思っておりますので、今後ともぜひよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。

池坊委員長 次に、石井登志郎さん。

石井(登)委員 民主党の石井登志郎でございます。

 私も、ぴかぴかの一年生であります。大臣にこの質問の機会を賜りましたことを、委員長並びに皆様に感謝申し上げて、質問に入りたいと思います。

 今、山本委員から環境整備という言葉もありました。そして、大臣の所信の中でもおっしゃられているとおり、青少年の健全な育成環境をつくることは、私たちの責務であることは言うまでもありません。諸先輩方が今日まで本委員会を中心に講ぜられた施策、これに敬意を払うとともに、私なりの視点で質問に入りたいと思います。

 私の視点は、一言で言うと、メディアということであります。

 インターネットに対する対策、いわゆる有害サイトに対するフィルタリングに関しては、前の国会において議員立法で前進が図られたところであります。それに関しましては、これから、そのいい点悪い点あろうと思いますので、通常国会でまた深く議論をしていきたいと思いますが、私がそれよりもきょう取り上げさせていただきたいのは、最大のメディア、テレビに関するものでございます。

 今、ある調査によりますと、子どもは、一日三時間以上、子どもというのは小学校高学年そして中学校、場合によっては幼児でもお母さんと一緒に、いろいろなDVDを含めると三時間以上テレビないし画面を見ているということであります。一年間にすると一千時間ということであります。

 一方で、小学校一年生の一年間の総授業数が七百八十時間、六年生でも九百四十五時間です。平成二十三年度以降に新課程となりますけれども、それでも一年生で八百五十時間、六年生は九百八十時間であります。

 一年間で見ると、生徒が学校で先生と接する時間よりもテレビに接する時間の方がある意味多いわけでありますが、その影響と青少年の育成という点に関しまして、大臣の基本的なお考えをまずお伺いしたいと思います。

福島国務大臣 テレビ番組にはもちろんいいものもあったり、DVDなども、子ども向けのアニメなどもすばらしいものがたくさんあるので、必ずしも長時間見ることがどうかというのはあるかもしれませんが、委員おっしゃったとおり、私も改めて資料を見て、平均三時間以上見ているということには、ちょっとやはり、ショックではありませんが、軽いショックを受けました。

 また、別の統計で、影響を受けているものは何かという質問に関しても、これは、最近の世の中の出来事についての考え方に強い影響を与えているものは何かというので、男の子も女の子もテレビというのが七八・六あるいは八〇%台で、非常に大きな影響を与えているということは大変大きいというふうに思っています。

 ですから、たまにはというか、テレビを消して、もっと読書をする時間、最近、読書の時間が、学校の現場で読書をもっとやろうという取り組みもまた行われているやにも聞いておりますが、読書やいろいろな人とのかかわり、フィールドワークなど、そちらの方も大人たちが応援をしていくべきだと考えています。

石井(登)委員 ありがとうございました。

 大臣の方から、テレビの、青少年の育成に対する影響というのは大変大きいと、思ったとおりのお答えをいただいて大変うれしく思うわけであります。

 一方で、テレビ、その内容に関して政治が物を言うということは、これはまさに表現の自由、憲法にもかかわる極めて重要な問題であります。それを侵すようなことはもちろんあってはいけないのでありますが、一方で、青少年の健全育成という意味で、何も意思を持たないというのもちょっともどかしい気もいたすわけであります。

 そこでお聞きするわけでありますが、テレビが多チャンネル化を目前にした十年ほど前からさまざまな議論があって、そして今、BPOという団体があります。そして、BPOのさまざまな青少年に関する調査というのも自主的に行われているところでございます。

 これは、最近、一週間前に出たもので、「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」というようなことが十一月十七日に発表されました。翌日の新聞では、BPOの中からバラエティー改善だというようなことで、新聞記事も出たわけであります。

 その中で、BPOというような団体、性質を持ちながらも、バラエティーに関して自主的に取り組まれているということは、私が申し上げたような意識を民間の方々もお持ちなんだなというふうにうれしく思ったところでもあります。一方で、これに関しては、バラエティーの改善の余地はあるんだけれども、何となく、温かく見守っていこうというふうに私は読み取れたところでございます。

 冒頭にも申し上げました、表現の自由、そしてメディアを政治が云々言うことは、これはもう本当にあってはならないことであるけれども、一方で、ある統計によると、小学生そして中学生が一番テレビを見ている時間帯というのは、これは大体二十二時から二十三時、そういう時間帯であります。そして、その時間帯に流れているテレビは決して、午前中の教育テレビとかは確かにいい番組もやっています。

 そして、特に昨今は、家庭ではテレビの台数がふえておりまして、昔は一台、リビングというのがありましたけれども、今はもう、おうちには二台、三台、四台、自分の部屋にもあるというようなところです。

 大変難しい問題でありますが、表現の自由と、一方で青少年の育成、テレビの影響、こうしたことを勘案して大臣はどのようにお考えか、お聞かせいただければと思います。

福島国務大臣 石井委員おっしゃるとおり、テレビの放送の中身に関して公権力が意見を言うことは、憲法二十一条が保障する表現の自由に対する制限であり、公権力が言う、あるいは事前検閲に当たるようなことは、絶対に許されないというふうに思っております。

 BPOという組織ができて、表現の自由は、やはり切磋琢磨で、表現の自由市場の中における切磋琢磨で中身をよくしていくということが大事ですので、確かに今のテレビ番組についていろいろな意見があるかもしれませんが、私も、このBPOのバラエティー番組に関する意見は一つの意見であり、こういう意見などがいろいろな機関やこういう民間のところからどんどん出て、こういう見方もあるということが表現者の方にもぶつけられて、結果的に中身がよくなるようにというふうにも思っています。

 テレビが多くの青少年に影響を有していることは事実であり、制作にかかわる人たちが、やはり子どもたちの心に対して常に影響を与えているんだということを念頭に置きながらテレビ番組をぜひつくっていただきたいと思っています。

 放送倫理・番組向上機構、BPOが、最近のバラエティー番組におけるいじめや差別などに、内輪話や仲間内のばか騒ぎなどについて改善を要望するといった取り組みを積極的に行っていることなどは、引き続きしっかり見守っていきたいと考えております。

石井(登)委員 ありがとうございました。

 実は、私、この質問を用意するときに、私はまだ三十八なんですけれども、昔のテレビ番組はよかったと言おうかと思って、私が生まれた日のテレビ欄を持ってきたんです。

 ただ、見ますと、これをきょう配らなかったのは、余り今と変わりがないもので、私は、昔はよかったというのは大体年をとった人が言うものだと思っていたんですが、今回、自分でどきっとしました。となると、まあまあ私たちが健全に育っているかどうかはさておき、そうした意味では、テレビ欄を見る限り番組の内容がそんなに大きく変わらないのであれば、ただ一方で、先ほど私が申しました二十二時から二十三時という時間帯に、例えば、私、個人的な話でありますが、母親に、テレビを消しなさい、勉強しなさいと怒られたところであります。そうした中で、テレビの内容は変わらない。しかし、もしかしたら、テレビの視聴のスタイルや見ている中身が変わるのかもしれない。表現の自由等々、大変難しい問題であります。

 最後の質問となりますが、私は、昭和四十六年五月二十九日のこれをお渡しすればよかったんですが、はっきり言って余り変わりません、巨人対大洋となっているぐらいでありまして、これを見て、大方三十八年前と変わらないテレビなんだということを申しまして、大臣、何か御所見があれば、最後にお聞かせいただければと思います。

福島国務大臣 私は、テレビのドキュメンタリー番組や、貧困やいろいろなエネルギー問題を扱っていたり、まじめな番組、海外の番組など、実は録画したり愛用してというか、本当に熱意を込めていい番組をつくっている制作者がたくさんいらっしゃるというふうには思っております。

 感想で済みませんが、石井委員がおっしゃったとおり、実は私が子どものときも、多分石井委員が子どものときも、こんな番組けしからぬとか、子どもに見せるには下品だとか、やはりあったような気はします。でも、それも含めて子どもたちは元気に見ていくということもありますので、私は、BPOなどがある程度いろいろな意見を言っていく、あるいは先ほどの山本委員のあれではありませんが、親が、こういう番組はどうだろうとか、こういう番組はいいよねとか、家庭の中でも、一つの部屋に一台じゃなく、大いに議論したり、テレビをもとに家族で議論するようなことになれば、それはいいことではないかというふうには思っております。

 石井委員が昔と余り変わらないとおっしゃったことはそうかもしれません。ただ、番組が、いい番組も、何をいい番組というかはまた難しいですが、ふえるようにと思っております。

石井(登)委員 ありがとうございました。

 質問を終わらせていただきます。

池坊委員長 次に、初鹿明博さん。

初鹿委員 私も一回生で、初めて質問させていただきますので、どうぞよろしくお願いします。

 まずは、福島大臣を初め政務三役の皆さん、御就任おめでとうございます。また、連日の御奮闘、本当に心から敬意を表します。

 特に福島大臣は、少子化担当、また消費者、食品安全、男女共同参画の多岐にわたる分野を担当していて、本当に御苦労が多いことと思います。

 きょうは、薬物乱用防止について、こちらも大臣の担当ということですので、御質問をさせていただきます。

 まず最初に、大臣、これは御存じですよね。これは何かといいますと、ライオンズ国際協会と財団法人麻薬・覚せい剤乱用防止センターが共同で発行している薬物乱用防止教室の講師の認定証です。これは私のものなんですが、ゴールド認定証です。これは、講師の中でも、毎年何回か何年かにわたって実際に小学校や中学校で薬物乱用防止教室の講師を務めた者だけがもらえるものであります。私も、ライオンズクラブに所属をしておりまして、実際に小学校や中学校で講師を務めております。その経験も踏まえて、少し質問をさせていただきたいと思います。

 きょう、ネットでニュースを見ておりましたら、私立校の講師が覚せい剤を所持とか東京外大の学生が密輸で逮捕なんていう記事が出ていました。きのうのニュースですと、皆さんも御存じだと思いますが、のりピーが控訴しないで刑が確定したということで、本当に連日、薬物に関する話題というのは事欠かないような状況が今あると思うんですね。

 そういう状況の中で、やはり薬物乱用防止対策というのを新しい内閣でしっかりと取り組んでいくという姿勢を見せてもらいたいと思うわけですけれども、残念ながら、大臣からいただいた名刺には、その担当だということはどこにも書いていないんですね。

 内閣府のホームページも拝見させていただきました。大臣のところ、担当が書いてあるところにも一切、薬物乱用の担当だということは書いてありません。調べていって、内閣府のホームページを見ていっても、内閣府が薬物乱用防止対策をやっているということにたどり着くのに非常に時間がかかったんですよ。ですから、これは、ホームページ、すぐにでも変えていただきたいなと思います。

 それともう一つ、去年十二月に、薬物乱用防止推進本部ですか、それが薬物乱用対策推進会議になったわけですね。今まで内閣総理大臣が本部長を務めていたものが、昨年十二月に犯罪対策閣僚会議というものができて、銃器対策とあわせて、犯罪対策の下の会議になったということで、ライオンズクラブでこういう活動をしている我々のメンバーみんな、何となく、本部から会議に格下げになってしまったなという、そういう残念な思いをしているんですよ。

 必ずしもそうではないということはわかるんですけれども、やはり、総理大臣が本部長を務めていたものが、大臣だからいけないということではないんですが、大臣がその担当になるということで、ちょっとこれは力の入れ方が変わったんじゃないかなという見え方がしてしまいます。

 そこでお伺いしたいのは、政権がかわって、新しい民主党政権になったわけです。総選挙の最中、総選挙のニュースと同じようにというか同じぐらい、いや、場合によってはそれ以上に酒井法子のニュースが流れていたわけですよね。国民の関心は、どちらかというと薬物の乱用とかそういうことに向いていたと言っても言い過ぎではないような状況だったと思います。

 そういう中で生まれた内閣ですから、薬物乱用防止に対して、しっかりとしたメッセージを国民に対して出すべきだと思いますが、大臣、御所見を伺います。

福島国務大臣 初鹿委員、叱咤激励、本当にありがとうございます。

 実は、内閣府の中の共生政策で自殺対策や薬物乱用対策をやっているのですが、そのことは、ホームページの改善も含め、もっと薬物乱用対策をやっていることを前面に出してやっていきたいというふうに考えています。

 実は、刑事事件が起きているときも記者会見では発言をしたりはしていたんですが、たまたまそういうのがなかなか出なかった面もあるかもしれませんが、おっしゃるとおり、しっかり取り組んでいきますし、ホームページやさまざまな改善もしていきたいというふうに考えています。

 初鹿委員が認定講師をされていらっしゃるということで、私もその認定講師のことはもちろん存じ上げております。

 さっきおっしゃった、総理大臣を本部長にしていたのが変わったんじゃないかということなんですが、これは、政府一体となった総合的対策を機動的にやろうということで組織を変えたというふうに私は聞いております。ですから、薬物乱用について、今やはり非常に大きな問題ですから、内閣府挙げて、政府を挙げてやっていくというふうな私の決意を申し上げたいと思います。

 私自身も、弁護士として、覚せい剤や中毒、あるいは覚せい剤使用の人たちに少なからず会ったり見てきました。フラッシュバックが起きたり、打ってショックで病院に運び込まれたり、命の危険を感ずるほど非常に甚大な被害が生命や身体や精神に対して起きるにもかかわらず、その怖さがしっかりまだ伝わり切れていないところもありますし、それからダルクやいろいろなNGOの活動もありますけれども、まだまだ予防と支援、両方取り組まなければならないことはたくさんあるというふうに思っております。

 頑張ってやっていきますので、どうか御支援をよろしくお願いします。

初鹿委員 私の経験ですと、学校で講師をしていると教員の方に感心されるんですよ、いや、知らなかったな、ああ、そうだったんですかということで。ですから、教員の知識がまだまだ足りないと思いますので、教員に対する、知識を持つような研修というものも充実をした方がいいということをまず指摘させていただきます。

 中学生と小学生を対象に教室を行っているんですが、中学生になると、反抗期もあるのか、だんだんさめてくるんですね。さめてきて、もう聞く姿勢になっていない生徒がかなりいるんです。一方で、もう既にシンナーなどを始めてしまっている子もいるのも実際のところだと思います。ですから、小学校の純粋な段階でこれをしっかり教え込んでいくということは、私は非常に重要だと思うんです。

 ところが、薬物乱用防止教室の開催という文科省が出しているものを見ますと、中学校、高校は年に一回開催するということになっているんですが、小学校に関しては地域の実情に応じてということなんですね。

 この前、ちょっと担当の方とお話をしましたら、地域の実情に応じてというのは、地域によっては薬物と無関係なところもあるだろうと言うんですが、今テレビでこれだけのりピーの事件を放映していたり、インターネットでも簡単にいろいろな情報が手に入るような状況で、地域の実情なんというのはもうないんですよ。小学生はかなりの知識をもう既に有しています。ですから、小学校の段階で年に一回必ずやるということにしていただきたい。

 それと同時に、いただいた資料を見ると、啓発教材というところで、たばこ、酒、シンナーの害ということで一緒になっているんですよ。たばことお酒は大人になったらやっていいものですけれども、シンナーは大人になってもやっちゃいけないものです。これを同列で扱うのは明らかに間違っていると私は思います。ですから、これも改善をしていただきたいと思いますので、これは鈴木副大臣、お願いをいたします。

鈴木副大臣 お答えを申し上げます。

 まず、薬物乱用防止教室は、御指摘のとおり、中高では年一回開催ということになっておりますが、きょうの御議論も受けて、積極的に開催をするように呼びかけてまいりたいというふうに思います。

 それから、シンナーと酒、たばこが同列に扱われているという御指摘でございますが、学習指導要領の解説では明確に書き分けておりまして、「薬物乱用については、」「一回の乱用でも死に至ることがあり、乱用を続けると止められなくなり、心身の健康に深刻な影響を及ぼすこと」、それから「薬物の乱用は法律で厳しく規制されていること」ということが学習指導要領解説には明記をされております。

 これを受けまして、教科書などでは、ここに私も手持ちで小学校五、六年生の教科書を持ってまいりましたが、ここではきちっと明確に書き分けているところでございます。

 啓発教材等々もこの方針に従ってつくられてはおりますけれども、さらにこの方針を明確に徹底していきたいというふうに思っているところでございます。

初鹿委員 時間ももう終わったようなので、簡単に最後に一問いきたいと思います。

 早大の大学生のアンケートというのが三月十八日付の朝日新聞に載っているんですが、「簡単に手に入る」という人が二割、「なんとか手に入る」が三六%で、半分以上が薬物は簡単に手に入るというふうに大学生が言っているんですね。

 そういう状況を踏まえて、文科省は来年度の新入生に対して啓発の資料を七十万部作成して配るということですが、私は、はっきり言って、こういう資料をつくっても無駄だと思うんですよ。大学生はそういうものを見てもちゃんと読まないし、大体我々、自分たちのことを考えれば、入学したときに膨大な資料をもらっても、そんなのは見ないですよ。だから、こういう無駄なところにお金を使うんじゃなくて、きちんと子どものころから教育を行うということに力を入れてもらいたい。

 それと、大学生の間で大麻が蔓延しているのには明らかに理由があります。それは、種を買うことが規制をされていない。インターネットを見ればわかりますけれども、観賞用といって十粒三千円、そして栽培の仕方はこうですよというものが至るところに書き込まれて、それで簡単に手に入るわけですね。これは本当に法律を変えないと防ぎようがないと思います。

 ですので、ぜひ大麻取締法を、取り締まりといっても、これは取り扱いをどうするかということを書いてある法律であって、取り締まるものではないんですよね。だから、その点も踏まえて、薬物の蔓延を防いでいく、乱用を防止していくためにも大麻取締法を改正してもらいたいと思いますので、これは山井政務官、ぜひお答えください。

山井大臣政務官 このインターネット等を用いた薬物の問題に関しては、本当に深刻な事態になってきていると思っております。

 今の委員の質問でありますが、この法規制に関しましては、大麻の種子をまく前であっても不正栽培の予備行為として現行法で処罰が可能でありますし、また、種子を譲り渡す側も不正栽培の幇助や不正栽培のための種子の提供罪として処罰が可能。

 さらに、今回問題になっておりますインターネット等を通じて観賞用と称して大麻の種子を販売していた者を不正栽培の幇助罪等として摘発も行っておりますし、現行法の中でも種子提供の人も逮捕をしておりますが、このようなことも取り締まりを強化していきたいと思います。

 さらに、初鹿委員おっしゃいますように、やはり法規制が緩いのではないかということも非常に重要な御指摘だと受けとめてまいりたいと思います。

初鹿委員 使用も禁止がされていないので、この点もぜひ検討していただきたいなと思います。

 最後に、大臣、ぜひ一回、薬物乱用防止教室を実際に見に来ていただきたいと思います。御案内しますので、よろしくお願いします。

 どうもありがとうございました。

池坊委員長 次に、山崎摩耶さん。

山崎(摩)委員 おはようございます。民主党の山崎摩耶でございます。新人でございますので、きょうは質問初デビューということで、よろしくお願いいたします。

 私は、医療職として長年地域の現場で働いておりましたときに、いろいろな青少年の問題、児童の問題にかかわってまいりまして、やはり、新しい政権が子どもを大切にし、子どもの育ちを社会サービスで社会が育てていく、このコンセプトが非常に重要だということでございますし、この青少年特別委員会においても、さまざまな子どもの問題に私もともに努めてまいりたいというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。

 きょうは、児童虐待のことについて一点と、青少年の薬物乱用について少しお尋ねをしたいというふうに思います。

 まず、児童虐待でございますけれども、依然として虐待が減らない、しかも、二十年の統計を見ますと、速報値で四万二千件を上回っており、虐待死も減少しない。これは、法律ができました平成十二年度の二・三倍にもなっている。この児童虐待防止法、本当に普及してきたのか、そのあたりにかなり問題があるのではないかなというふうに思います。

 法改正に向けて多くの課題があるというふうに思いますが、私、きょうは、母子保健というところとの連動について少しお伺いをしたいというふうに思います。

 社会保障審議会児童部会の方が児童虐待等要保護事例の報告書を出しておりますが、それによりますと、児童虐待の主たる加害者で最も多いのは実母です。しかも、その中で、妊娠期、周産期、ここに課題を多く抱えているお母さんたちが、やはり、妊娠や育児、出産、そのあたりで児童虐待が起こる傾向にあるというふうに報告をしております。

 現場の助産師ですとか市町村の保健師等に伺いますと、やはり、産後のうつですとか、早期の、周産期のかかわりで虐待が予防できる、そういう知見もたくさんあるわけですね。

 そうしますと、この事案の早期発見のためには、児童相談所だけではなく、市町村の保健センターですとか保健所、医療機関などとの連携がやはり地域で非常に重要になるのではないか。特に、母子手帳ですとか、妊娠、乳幼児の健診の未受診の情報ですとか、妊娠、周産期におけるハイリスクの発見ですとか、定期的な訪問ケアですとか、こういった、予防という対策がまだまだ、ある種、手薄、不十分ではないか。同時に、虐待死、これも、事態の想定もかなり重要でありますし、医療機関などから保健福祉課への情報の提供、これもうまく流れていないようである。

 こういったことを勘案しまして、児童福祉法二十五条の二で、虐待の早期発見、予防の対策として、地方公共団体に要保護児童対策地域協議会の設置をしたわけでございます。

 そこで、厚労省の山井政務官にちょっとお尋ねをしたいと思いますが、現段階で市町村での連絡協議会の設置状況は、これは努力義務でございますので、どのようになっているか、具体的なところを少しお伺いしたい。特に、地域によるばらつきですとか、この協議会の中で、保健医療部門、医療機関などとの、また保健所等との連携が実際にどのように講じられているか、そのあたりについて山井政務官にお答えをお願いしたいと思います。

山井大臣政務官 山崎委員にお答え申し上げます。

 今までから、保健師、看護師の分野のオピニオンリーダーであった山崎委員が今回初当選をされたことに、非常にうれしく、大いに期待をしております。

 まさに、この児童虐待の防止のためには、母子保健との連携というのが一番重要であると思っております。現在の地域協議会の設置率は、平成二十年四月一日現在で九四・一%、法定の地域協議会のうち九一・八%の割合で母子保健を担当する課が参画をいたしております。

 以上です。

山崎(摩)委員 どうもありがとうございました。一〇〇%ではないということで、鋭意努力をしていただきたいというふうに思いますし、やはり、子どもの福祉を考えますときに、保健医療連携が非常に重要になるということ、また改めて申し上げておきたいと思います。

 次に、そういったことで、児童虐待の問題は、その早期発見、危機介入、治療、親子の調整、自立と、多くの支援策が必要でございますが、やはり貧困というものが大きな背景にある。貧困の連鎖ですとか、虐待もやはり世代で連鎖がある。

 こういうことを考えますと、引き続き、子どもの安全な、また健全な育ちを社会でどのように支えていくか、このあたりにつきまして、担当の福島大臣の御決意をぜひ伺いたいというふうに思います。

福島国務大臣 青少年育成と少子化対策を担当する大臣として、総合的な対策をきちっとやることで、子どもに対する虐待をなくしていきたいと思っています。また、子ども手当の支給や保育所や学童クラブの充実など、子どもが貧困で苦しまないようにというところも、しっかり経済的支援も含めてやっていきたい、これを成功させたいというふうに考えています。

 一月末に子ども・子育てビジョンを、少子化担当として、内閣府として発表する予定です。数値目標も含めたビジョンを発表する予定です。

 それで、最近いろいろな方と話をしているのですが、おっしゃるとおり、保健師さんたちの活躍、産前、それから生まれるとき、産後、それから助産師さん、助産院の役割も大きいですし、それから、地域の保育所が、働いているお母さん、お父さんのためだけではなく、おうちで子どもを見ていらっしゃるお母さんが一時保育ができたりあるいは悩みの相談ができるような、保育所を地域のそういうネットワークにできないかと思っています。

 また、一月末に子ども・子育てビジョンを発表するのと前後して、各自治体でどのような子育て支援をやっているか。今質問が出ましたが、自治体の取り組みも応援し、かつ、お互いに刺激を持ってもらおうということで、この間福井に行きましたら、子育てマイスターの制度があって、五百人ほど、保健師さんや学校カウンセリングの方や皆さん、登録されているんですね。そういう試みもありますし、世田谷の人たちの話を聞くと、出産直後のケアハウスのようなものもやっていらっしゃる。

 各地で実はいろいろな取り組みもありますので、いろいろなところを応援していく、あるいは情報交換をしていく、自治体を励ます、それで国が総合的な施策をやっていきたいと考えております。

山崎(摩)委員 大臣、どうもありがとうございました。そのビジョンが、ぜひ地域の隅々まで子どものためにしっかり働いていけるようなものにしていただきたいというふうに思います。今後ともよろしくお願いいたします。

 次の質問は、先ほども出ましたが、青少年の薬物乱用についてお伺いをしたいというふうに思います。

 麻薬、覚せい剤等の薬物乱用の問題も、先ほどありましたように、芸能界ののりピー事件初め、まだまだ現在大きな社会問題になっております。

 特に、大学生ですとか小中高校生の問題、本年四月には、千葉の高校生が大麻の種子を購入して栽培してそれを売っていたというような事犯もあったりいたしますので、こうしたことが実はすべての青少年の犯罪の温床になっているのではないかというふうに思うわけです。

 インターネットを通じていろいろなドラッグも入手しやすい。薬事法を改正して規制を強化したということは当然ですが、まだまだそういう意味では青少年が薬物に手を出しやすい環境にあるのではないか。こういったところで、大変重要視、問題視をしているわけでございます。

 民主党でも、二〇〇四年以来、プロジェクトチーム等でおやりになってきていますけれども、やはりそれが政策の中に具体に反映されてこなかった。新政権になりましたので、私は、文科省を含めて関係省庁が、やはりこの問題は、いち早くキャッチアップをして、きっちり取り締まりをしていただきたいというふうに思うわけです。

 先ほどもちょっと質問がございましたけれども、文科省は特に未成年、児童生徒の薬物乱用の実態についてどのように把握をしていらっしゃるのか先般事務方に伺いましたら、厚労省や警察庁のデータに基づくものだと、文科省自体が余り取り組んでいらっしゃらないような御回答があったものですから、ここはぜひ副大臣に文科省自身による正確な実態調査を求めたいというふうに思いますが、そのあたりはいかがでございましょうか。

鈴木副大臣 実態調査、実態把握をやることは極めて重要だと思っております。したがいまして、警察庁、厚生労働省などとさらに密接に連携をしてやっていきたい。

 それから、意識調査、要するに、犯罪なりそうした問題事案が起こってしまった結果の把握は警察庁とか厚生労働省でありますが、そこに潜在するさまざまな問題については、これは文部科学省がさらに意識調査等々をきちっとやっていくということは大事だと思いますし、把握だけではなくて、対策をしっかりやっていかなければいけないのではないかなというふうに思っております。

山崎(摩)委員 どうもありがとうございました。その対策をしっかりぜひおやりいただきたいというふうに思います。

 その対策の一環で一番大事なのが、啓発、教育だと思います。

 ここに、例の小中学、高校生用の「かけがえのない自分 かけがえのない健康」というパンフレットがありまして、先ほど出ました、酒、たばこと同列に実は薬物もこのパンフレットの中に書き込まれている。

 薬物に関しては、これは犯罪でございますので、「わたしの健康」という単元のくくりではなく、別単元で、しかもパンフレットも別刷りできっちり、これは犯罪である、絶対だめだといったようなことで、健康の障害ではないというところの位置づけで、ぜひ啓発、教育のパンフレットもおつくりいただきたいし、指導要綱もそのように変えていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。

池坊委員長 申し合わせの時間が経過しておりますので、よろしいですか。

山崎(摩)委員 一言だけお答えいただければ。いかがでしょうか。

鈴木副大臣 さっきも御説明申し上げましたように、指導要領及び解説上は書き分けております。

 それから、教材等については、きょうの御趣旨を踏まえて、さらによりよいものにはしていきたいというふうに思っております。

山崎(摩)委員 どうもありがとうございました。今後ともよろしくお願いいたします。

池坊委員長 次に、大泉ひろこさん。

大泉委員 民主党の大泉ひろこでございます。

 まず最初に、福島大臣、青少年育成担当そして少子化対策担当大臣として就任されましたこと、まことにおめでとうございます。また、大島副大臣、泉政務官、三人の御陣容で、青少年育成に大変期待が持てるというふうに思っております。

 福島大臣は、弁護士として、子どもや女性の権利については深く考察してこられたというふうに思いますので、本格的な少子化大臣、青少年育成担当大臣が誕生したと私は思っております。

 今は二〇〇九年ですけれども、二十年前の一九八九年に一・五七ショックというのが起きまして、少子化対策、少子化という言葉が人口に膾炙されてまいりましたが、政府としての対応は、一九九五年のエンゼルプランからでございます。それからずっと少子化対策が行われてきておりますけれども、残念ながら、高齢社会対策に比べますと、やはり見劣りする対策がずっと行われてきたのではないかなと思います。

 現に、OECD諸国の中で、子どもへの公的負担というのは、アメリカに次いで低いのが日本と韓国という状況にございます。それを新政権がはね返すべく、子ども手当を創設するということは大変喜ばしいことでございまして、大臣におかれましても、この子ども手当が直接に子どもに行くような形に制度を仕組んでいただきたいということをお願い申し上げたいと思います。

 そして、私は、少子社会対策というのは、子どもをふやす視点だけではだめだというふうに思っています。既に一・五七ショックから二十年たっておりますので、今の子どもたちは少子社会そのものに住んでおります。その少ない子どもを一人残らず立派に育てるというのも少子化対策の役割というふうに考えます。その意味で、少子化対策は出生率中心あるいは保育対策中心でありましたけれども、児童虐待法の成立以来、保護を要する児童の対策、要保護児童対策も少子化対策に位置づけられるようになったのは大変歓迎いたしたいと思います。

 そこで福島大臣に伺いたいんですけれども、出生率に直接結びつかない要保護児童対策を少子化対策の大きな柱として今後も推進していかれるかどうか、所見を伺います。

福島国務大臣 大泉委員は、厚生省に入られて、ユニセフのインド事務所に行かれ、また山口県の副知事も務められ、そのいろいろな経歴の中できょうの御質問がきっとあると思います。

 少子化対策、いわゆる出生率をどうするかということも実は少子化担当大臣としては重要ですが、おっしゃったように、要保護の子どもたちがみんなハッピーに生きていけるような社会をつくることが大事だと思っています。

 ですから、一つは、児童福祉法が昨年改正されましたけれども、家庭的な環境における養育の立場から、例えば少し家族的な、養護施設だけではなくて、少し家で見られるようなという新しい取り組みが始まったり、それから厚生労働省も、里親の制度をより応援するという立場になっております。

 また、養護施設の子どもたちが、例えば、望めばもっと大学に行けるように、今なかなか大学進学率が低いですから、要保護というか、いろいろな子どもたちが、望めばやはり能力を発揮したりハッピーに生きていけるような制度を、少子化担当あるいは青少年育成としても頑張っていきたいと考えています。

大泉委員 積極的な御答弁、大変ありがとうございます。

 今、大臣のお言葉で児童養護施設について言及されましたので、山井政務官に伺いたいと思います。

 要保護児童対策の現状でございますけれども、児童養護施設では、最近、虐待理由で措置された児童が多いというふうに聞いておりますが、その割合と、どんな対策をとっておられるか。

 また、重ねて、児童養護施設は専門性を持っていると政務官はお考えかどうか。虐待に関する専門性ととらえていただいて結構でございますけれども、もしその専門性を持っているとすれば、入所児童だけじゃなくて地域に生かすことも必要だと思うんですけれども、御所見を伺いたいと思います。

山井大臣政務官 大泉議員、ありがとうございます。厚生労働省で家庭福祉課長も務められた大泉議員、まさに虐待された子どもたちの本当の代弁者として大活躍をしていただけると思います。

 今御指摘ありましたように、児童養護施設では、被虐待児、虐待経験を持つお子さんが五三・四%になっておりまして、そういう意味では、今までの、貧困な子どもたちということから大きくその性格が変わってきております。

 そんな中で、心理療法担当職員による心理療法の実施、個別担当職員を配置すること、また家庭支援専門相談員を配置することというふうな形で手厚くその支援を強化しておりますが、先ほどおっしゃいましたように、その専門性ということで、やはり、単に預かるということだけではなくて、こういうメンタルで非常に傷ついている子どもたちを支えていくために、家庭支援専門員を配置したり、心理療法担当職員を置いたり、こういうことの数をふやしていっております。

 同時に、おっしゃいますように、虐待経験のある子ども、あるいは虐待のおそれのある子どもは、施設の中だけにいるのではなくて、地域に今非常にふえているわけですから、委員御指摘のように、ショートステイの実施、あるいは夜間のトワイライトステイの実施、また、児童養護施設には児童家庭支援センターというものを六十七カ所設置して地域の方々の支援も行っているところでありまして、それを強化していきたいと思っております。

大泉委員 ありがとうございます。児童養護施設も随分よくなってきたという感じがいたしました。

 もう一つ、要保護の施設で、情緒障害児短期治療施設、情短施設というものがございますが、これは、児童養護施設に比べますと、もっとスタッフが豊かというか、心理療法士も置いているということでございます。今、全国で三十一カ所でございますが、この施設をふやしていくおつもりがございましょうか。

 また、児童養護施設も、今おっしゃったように半数以上が被虐待児となりましたならば、情短施設に近づけたスタッフの体制にまで持っていくおつもりがあるかどうか、山井政務官、御所見を伺います。

山井大臣政務官 委員御指摘のように、情緒障害児短期治療施設というのは、やはり、虐待を受けた子どもたちに非常にふさわしい施設だと思っております。

 この施設をふやすことについては、今、来年一月をめどに子ども・子育てビジョンというものを策定する予定でありますが、その中で数値目標を設定して、ふやしていきたいと思っております。

 さらに、被虐待児はこの短期治療施設だけではなく一般の児童養護施設にふえているわけですから、委員御指摘のように、専門性のあるスタッフをふやすなど、一般の児童養護施設もこの情緒障害児短期治療施設に近づける方向で検討してまいりたいと思います。

大泉委員 ありがとうございます。大変積極的な御答弁で、私は、十五年前、児童家庭局の課長をしていたときに、情短施設をふやしたいと言うと、ジョータンじゃないと言われたのを思い出します。

 再び福島大臣に伺いたいと思います。

 青少年を育成するというお立場から、青少年の育成には家庭と教育の現場と社会がそれぞれ責任があるというふうに思いますけれども、数々の問題の中で、教育の現場にいる教員の方がいわゆるモンスターペアレンツに悩まされているというのも、青少年育成の阻害要因の一つになっているのじゃないかというふうに思います。

 その解決策として、教員の地位向上というのがあるというふうに思います。

 教育大国のフィンランドでは、先生は堂々としておられる。その堂々としている背景には、給与が高い、教育学部も非常に難しい学部であるということでございます。

 青少年育成担当大臣として伺いたいのですけれども、日本の教員は金銭的にも恵まれて堂々としていられるか、ちょっと御判断を伺いたい。

 もう一つ、安倍政権のときに教育再生会議というのがございましたが、私は、この教育再生会議というのは大山鳴動してネズミ一匹で、そのネズミは何かというと、教員免許の更新だというふうに思っているんです。前の政権の遺物というか結果は再考の余地もあるのじゃないかと思うんですけれども、あわせて御答弁いただけますでしょうか。

福島国務大臣 私はフィンランドには行ったことがないんですが、いろいろな方たちから、フィンランドの教育について、行った方からお話を聞いたり、レクチャーを受けたり、本を読んだりしています。やはり、学校の先生が社会の中で尊敬をされている、学校の先生が非常にいい職業であり社会から尊敬されているというデータがあって、それが学校の先生の質の向上にもつながっているし、学校の先生が子どもたちに対していい教育をプレゼントできるというふうに思っております。そのためには、学校の先生を支える労働条件や仕組み、それも私は必要だというふうに考えています。

 ただ、免許更新制については、ちょっと私のテリトリーからは外れてしまうのですが、これは全く私の個人的な私見で済みませんが、学校の先生たちにとって、やはり、すごく忙しくて事務作業もふえたのに免許更新制でまた行かなくちゃいけなくて、とても負担で大変だという話も聞きます。

 その意味では、日本の学校の先生たちの、本当にみんなから尊敬され、資質の向上もあり、子どもの教育に専念できるような環境をやはり政治がつくるべきだというふうに個人的には思っております。

大泉委員 質疑時間は終わっておりますが、鈴木副大臣にも一言、免許更新制とモンスターペアレンツ対策についてお伺いできればと思います。

鈴木副大臣 モンスターペアレンツという言葉は我々はなるべく使わないようにしておりますが、理にかなわない要望を行う保護者対策については、やはり、対応者を一人にしない、チームでやるということと、教育委員会を初めとしてサポートをしっかり入れる。それから、最近は、弁護士とか医師を入れました専門家チームを配置している教育委員会もかなりふえております。そうしたことも含めてのマニュアルというものをつくっております。

 それで、教員の免許更新の問題でございますが、これはマニフェストでも、教員免許更新制度自体を見直していくと。我々が野党時代に提出をいたしました法律では、専門免許状というようなことで、むしろポジティブに教員の方々がさらに研さんをしていただく。その中で、理にかなわない要望を行う保護者対策も、例えば学校経営という専門職の中でこうしたこともとらえてまいりたいというふうに考えております。

 給与の話でございますが、委員おっしゃるとおり、一時間当たりの給与額で見ますと、既に、一般行政職を一〇〇といたしますと、小中学校の教員職というのは八七でございます。警察職が一〇九・五、こういうことでございます。フィンランドの場合は一般公務員の大体一・五倍ぐらいの年収を持っているということなどからも、もちろん同じ問題意識で改善をしてまいりたいと思いますが、と同時に、やはり中身の濃い養成課程を経て、さらに自己研さんを続けていただくことによって、おのずからその教員に対する尊敬の念というものは生まれていくということでございます。

 そういう観点からも、教員の研修、そして専門免許状制度の設計を初めとした、自己研さんなり、さらに教員がどんどん資質を向上していくということを川端政務三役チームでは最重点課題として、来年、まず検討会をやります。そして、次期通常国会にきちっとした考え方あるいは必要な法案というものをお示ししたい、そういうスケジュールで今検討に取り組んでいるところでございます。

大泉委員 ありがとうございました。以上で終わります。

池坊委員長 次に、吉泉秀男さん。

吉泉委員 おはようございます。社会民主党の吉泉秀男です。

 本委員会において質問の機会を与えていただきました委員長初め委員の皆様に感謝を申し上げながら、早速、質問に入らせていただきたいと存じます。

 初当選させていただいてから、早いものでもう三カ月がたとうとしております。私は、選挙区が山形でございますので、夜の会合などで上京するときに夜行寝台を使うことが非常に多いのでございます。この三カ月でホームレスと言われる人たちが上野駅周辺にまた多くなってきたな、そういうふうに率直に感じております。地方と違い都市では、職場を失う、このことは、まさに住む場所も失う、こういう厳しい現実を目の前にしているところでもございます。

 こういう状況を見たときに、この人たちの子どもや家族はどうなっているんだろうか、こういう思いが走るのでございます。ましてや、来春、高校、大学を卒業する人たちの就職状況、大変厳しい現実、昨年度よりももっと内定率が低くなってきている、こういう状況の中で、高校、大学、就職浪人がことしまた多く出てくるのではないか、こういう心配もされます。

 雇用問題だけではなく、インターネット、携帯電話を介したいじめ問題など、子ども、若者をめぐる社会の変化は非常に目覚ましく、その対応も、一生懸命やっているわけでございますけれども、後手後手に回り、追いつかない状況になっているんだろう、こういうふうに自分自身思っております。

 私は、福島大臣が所信表明されたように、子どもの健やかな成長を社会全体で支えていく、こういう視点から、子ども、若者への支援の拡充に向けて関係府省の枠を超えた横断的な取り組みが本当に今望まれる、こういうふうに思っております。次代を担う子ども、若者を取り巻く社会経済の環境が極めて厳しい現実、子どもたちの成長に及ぼす影響、このことが大きく、政府の青少年施策全般を所管する大臣に、私たち、期待するものがただただ大きくあるというふうに思っております。

 そうした意味で、青少年を取り巻く環境の認識、さらには、こうしたことに積極的に取り組む姿勢、福島大臣の意気込み、改めて、このことをまずお伺いさせていただきたいと存じます。

福島国務大臣 吉泉委員にお答えをいたします。

 委員御指摘のとおり、現在の厳しい雇用状況、不況、景気の悪化の中で、高校生を初めとする若者の就職環境が深刻化をしています。

 また、ニートなどの若者の社会的自立のおくれや、先ほどからも出ております児童虐待、いじめ、少年による重大事件の発生や有害情報のはんらんなど、さまざまな問題があり、大人を取り巻く状況も厳しいですが、子どもを取り巻く状況は大変厳しくなっていると認識しております。

 このため、青少年育成を担当する大臣として、少子化対策、それから男女共同参画などの分野もあわせて担当する立場を十分に生かしながら、各関係諸省庁、関係閣僚とも緊密な連携をとって、関連施策の総合的な推進を全力的にやってまいります。

吉泉委員 まさしく今、若者、特に高校、大学、学校を出て学んだことを本当に四月から生かそう、こういうふうに張り切っている若者に対して社会の門を閉じる、こういう社会であってはならぬだろうというふうに私は思っております。

 ましてや、三人に一人が非正規、こういう現実、こういった状況の中で、私はやはり、社会を変えて、安心して暮らせる、こういうふうな社会を築いていくために、福島大臣の積極的な取り組みを含めながら、私どもも御指導をいただきながら頑張っていきたい、こういうふうに思っているところでございますので、大臣、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと存じます。

 次に、政権交代の前の通常国会で、現在の子ども、若者が置かれている厳しい現実を踏まえ、子ども・若者育成支援推進法が成立をいたしまして、次代を担う子ども、若者の育成に関する国の基本理念とともに、ニートやひきこもりなど社会生活を営む上で困難を抱える者に対する支援体制を整備することが法律上明記された、このことについては大変大きな前進だ、こういうふうに思っておりますし、この関係者の皆様に、まずもって心から感謝と敬意を表させていただきたいと存じます。

 来年度から施行されるこの子ども・若者育成支援推進法では、ニートやひきこもりなど社会生活を営む上で困難を抱える者に対して、最も身近な行政機関である市町村にワンストップの相談窓口とともに子ども・若者育成支援協議会を設置し、ここに、福祉、教育、医療、雇用などの関係機関が参加をし、アウトリーチなどの具体的な支援を行う、このことが法律上明記をされているわけでございます。

 そしてまた、大臣も今回の所信表明の中で、積極的にネットワークを推進する、こう言明をされたわけでございますけれども、しかし、私は、すべての市町村に、ニートやひきこもりの状態にある者に対する相談、さらには支援、このノウハウがあるとは言いがたい、こういう状況にあるのではないだろうか、こう心配をしているところでございます。最悪の場合は絵にかいたもちとなる、そういう可能性も否定はできないだろう、こういうふうに思っております。

 そうした現在の状況の中で、市町村が設置する相談窓口や子ども・若者育成支援協議会、この設置、運営等々、現状はどうなっているのか。そしてまた、今の政府の段階でマニュアルの策定、こういった部分を含めて積極的な参画を促す、私はこういう取り組みが今求められているんだろうというふうにも思っているところでございます。そうした立場で、大島副大臣の現在までの取り組み状況について、まずお伺いをさせていただきたいと存じます。

大島副大臣 吉泉委員からの御指摘、まことにありがとうございます。

 ニート、ひきこもり、不登校、そして、発達障害を持たれた精神疾患のある子どもあるいは青少年。

 多分、吉泉先生もそうだと思うんですけれども、地域を歩いていると、ひきこもりの子どもを抱えていらっしゃって、もう二十代を過ぎ、三十代になっていて、どういうところに相談していいかと、よく聞かれます。なかなか相談窓口がないんです。では、精神科のお医者さんに行ったら解決するかというと、解決しない。ずっとそのひきこもり状態が続いてしまう。もう自分の年も七十を超えようとしている、どうしようかと、悩んでいらっしゃる方は非常に多い。

 不登校についても同じだと思います。学校によっては、高校で不登校の特別クラスを持っていらっしゃって、中学から不登校を迎えられて、それをうまくその教育課程に乗せる試みで成果を上げている学校もありますけれども、なかなか、悩まれているお父さん、お母さん、そして御家族の方が多い事実は、吉泉委員の御指摘のとおりだと思います。

 それで、この間の国会で子ども・若者育成支援推進法ができて、子ども・若者育成支援地域協議会を、これは施行が来年の四月一日からですから、それ以降各都道府県そして市町村につくりなさいよということで、一応法的な枠組みはできました。しかしながら、日本の中で、こういうニート、ひきこもり、そして不登校、発達障害の精神疾患を持たれた青少年、子どもたちに専門的な知見を持っている方が少ないことも事実だと思うんです。ですから、今は、お母さん、お父さん方、御家族の方が集まられて、自主的にそういうグループをつくっているところもあるかと思います。ですから、一つは前進かと思います。

 これまでも、内閣府といたしましては、もう三年目になるんですけれども、地域における若者支援のための体制整備モデル事業というのを行ってきておりまして、その成果の普及、協議会の設置、運営方法の策定、それをもとにして行っているところでございまして、さらに、教育、福祉、保健、雇用等の分野にまたがる連携の具体例を示すなど、各地方公共団体に対し関係省庁と協力して必要な助言や支援を行うこととはしているんですけれども、やはり、魂をこの組織の中に、協議会の中に吹き込むのが非常に大切だと思っています。

 ですから、内閣府としても、その協議会に魂を吹き込むべく積極的に取り組んでいきたいと考えております。以上です。

吉泉委員 やはり、私どもも相当相談も受けます。そしてまた、私たちが地域を回っていく中で、そういう家庭と直面をします。

 そして、最近多くなってきているのが、学校を出て、一、二カ月ぐらいでそこをやめちゃって、そこから再就職しようということの中で一生懸命ハローワークへ行っても、もうない。ということで、一年、二年、これが続いて、もう外に出られない。こういう二十代の人たちがふえてもきている。こういう現実もございます。

 今、ニート、十五歳から三十四歳で、十九年の十月一日現在で六十三万人、こういう資料が出ています。そして今、こういう若者というものが、まさに、学校を出て社会の門を閉ざされて、そこから今のひきこもりになってきている若者が本当にふえているな、こういうふうに思っております。

 来年の四月一日から、それぞれ協議会、推進の協議会ができるわけでございますけれども、その中において、そういった部分について、魂を入れて、ぜひ効果のある、政府としての、各市町村に対する、さらには県段階に対する取り組みというものについてよろしくお願いをまず申し上げたい、こう思っております。

 ありがとうございました。

 次に、保育所の児童の待機、このことについてお伺いをさせていただきたいというふうに思います。

 次代の社会の担い手である子どもたちの健やかな成長を支援するために、エンゼルプラン、緊急保育対策等五カ年事業、これを契機にこの間数々の少子化対策、次世代育成支援対策を講じてきたわけでございますけれども、残念ながら、待機児童の解消には至っておりません。

 資料によりますと、二十一年四月で待機児童数がもう二万人を超え、二年続けて増加をしてきております。そして、この待機児童の中でも、ゼロ歳から二歳の低年齢児が待機児童の全体の約八二%を占める、こういう状況になっております。

 そして、この問題は、単に首都圏などの人口集中地域だけではなく、共稼ぎ世帯、核家族が当たり前のようになりつつある地方にとっても、深刻な大きな問題として今出てきているところでございます。

 私は、自治体の厳しい財政事情、こういった部分でもやはり幾つかの問題が、ゼロ作戦を進めていく上で課題というものがいっぱいあるんだろうというふうに思っておりますけれども、低年齢児の待機児童が多い理由に、やはり職員の配置基準や設備の基準、こういった部分なんかもあるのではないかなというふうにも思っております。

 そうした意味の中で、この児童解消に向けて、この間の取り組み状況、そしてまた今後の対応策について、山井厚生労働大臣政務官にお伺いをさせていただきます。よろしくお願いします。

山井大臣政務官 吉泉委員、御指摘ありがとうございます。

 委員御指摘のように、二万人を超える待機児童のうちの八二%がゼロから二歳児になっております。

 平成二十年二月から新待機児童ゼロ作戦ということで取り組んでおりますが、まだまだ不十分な部分がございまして、その意味では、平成二十二年度の概算要求においては、質の高い保育所等の整備についてさらに推進するという考え方に基づき、事項要求をしております。

 福島大臣もおっしゃっていますように、子ども手当とセットで、現金給付と現物給付、しっかりと質の高い保育所の整備をしていかないとだめだと思っておりまして、つきましては、子ども・子育てビジョンが福島大臣のリーダーシップのもと、一月をめどに策定されるということになっておりますけれども、今後五カ年間で、新たな数値目標というものをつくって、質の向上とともに数の整備についても取り組んでまいりたいと思います。

吉泉委員 ありがとうございました。

 ただ単に保育所だけでなくて、小学校の低学年の子どもを対象とした放課後児童クラブ、これもやはり今大きな課題になっております。

 それぞれ地方にとっても、各市町村の中でこのことを積極的に今やってきているところでもございますし、それを支えていくボランティアも含めながらいろいろな御努力がなされている、こういった部分についても自分自身把握をしているところでもございます。

 そうした意味の中で、これからのいわゆる子ども・子育て応援プランの後期プラン、この策定に向けて今準備がなされているんだろうというふうに思っておりますけれども、もう時間がないのでありますけれども、このところの今の進捗状況を含めながら、この現状がどうなっているのか、山井政務官にお伺いさせていただきます。

山井大臣政務官 吉泉委員御指摘のように、この放課後児童クラブ、学童保育というものの重要性がますますふえてきております。このことに関しましては、二十二年度の概算要求においても事項要求をしておるところであります。

 具体的には、先ほども申し上げました子ども・子育てビジョン、福島大臣のリーダーシップのもと進められておりますこの子ども・子育てビジョンの中で、来年一月をめどに策定を予定しておりますが、今まで、放課後児童クラブといいますと、保護者の方が働いているケースが中心でしたけれども、これからは、逆に、こういう放課後児童クラブを利用することができれば新たに就労することができるというような潜在的なニーズにも対応できるように、今まで以上にスピードアップをして数をふやしていきたい。

 同時に、指導員の方々の処遇も今までから非常に低いと問題になっておりましたので、質の向上とともに、職員の方々の待遇の改善も目指して努力をしていきたいと思います。

吉泉委員 持ち時間が二十分という状況でありまして、なかなか突っ込んだ部分までできない、そういう質問になってしまったことをおわびを申し上げながら、自分の持ち時間の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

池坊委員長 次に、馳浩さん。

馳委員 おはようございます。自由民主党の馳浩です。

 今の山井政務官の答弁を聞いていて思ったんですね。これだけ重要であるならば、事項要求ではなくて、具体的な数字をもって要求を出してほしかったなと。

 これは、ある意味で言えば、私は、応援というか、皆さんも恐らく地元選挙区等で、学童保育、放課後児童クラブ、あるいは文科省がやっている放課後子どもプランですか、こういったことに対する要望は数多くあると思うのですよね。

 子ども手当の金をもうちょっとそっちへ回せよと言いたいところではありますが、要は、放課後児童クラブの重要性を認識し、これを支援することが子育て支援にもつながるという明確な政策として打ち出すことによって、やはり場所を手当てしないと保護者の負担も重くなりますし、指導員の皆さんの報酬も平均すると百五十万から二百万ですから、こういったことにもさらに力を入れていただきたいと思いますが、福島大臣、どうですか。

福島国務大臣 ありがとうございます。

 先ほど山井政務官からもありましたが、とにかく子ども手当の創設の成功はしたいのですが、少子化対策としては、やはり、子育て支援としての保育所や学童クラブの充実、場合によっては、不妊治療に対する支援の拡充や妊婦健診なども、ずっと恒常的になるようにというふうなことを考えております。

 ですから、ぜひ与野党超えて、保育所、学童クラブの予算獲得に向けても一緒に頑張っていきたいと思っております。

馳委員 何かうまくまとめられてしまいました。

 私が言いたかったのは、事項要求じゃだめですよというこの部分なんですね。具体的な数字を出していかないと現場の方々は不安を感じておられる、そういうことです。

 さて、私の方の質問に入りますが、十一月、今月は児童虐待防止月間でありまして、まず、直近一年間の児童虐待に関する統計の実態を、数字を見ながら各担当者に質問させていただきたいと思います。

 まず最初の数字を聞きます。

 実は、この青少年対策特別委員会の委員長提案で成立をしたのが児童虐待防止法、いわゆる議員立法です。平成十二年に成立をいたしました。では、平成十一年に児童虐待だということで通報された件数は何件で、昨年かおととしか、出てきている数字で結構ですが、直近、これは児童虐待だということで通報されて処理をした件数を、まず教えていただきたいと思います。

細川副大臣 馳委員にお答えをいたします。

 馳委員が青少年の健全育成に本当に御尽力をされておられることは承知をいたしております。

 今御質問がありました児童虐待の件数でありますが、まず、直近では、平成二十年、四万二千六百六十四件でございます。そして、平成十一年は一万一千六百三十一件でございます。平成二年は一千百一件。これは、統計をとり始めた一番最初でございます。

馳委員 やはり、法律ができて、未然の予防、そして早期発見、早期対応という認識が保育所とか小学校とか病院とか関係機関に周知をされてここまでふえてきたんだと思いますし、特に平成十六年の改正のときに、これは我々も大変苦労したのですけれども、「と思われる」規定を入れたことによって、しっかりと、近隣の皆さん方にも通報いただくようになった、また、市町村の通報受け入れ態勢も整ってきたことが一つの効果をあらわしていると思っております。

 では次に、直近の数字で結構ですから、細川副大臣、加害者は、だれが一番パーセンテージとして多いでしょうか。

細川副大臣 済みません、統計上何件かということは出ておりませんけれども、母親の虐待が一番多いところであります。

馳委員 実母なんですね。実のお母さんが一番多いんですね。

 では続いて、被害児。カテゴリーが多分分けられているはずですが、〇―三歳児、あるいは三歳から五歳児、あるいは小学校、中学校、こういうカテゴリーがあると思いますが、一番パーセンテージの多いのは、どのカテゴリーでしょうか。

細川副大臣 お答えをいたします。

 虐待を受けた子どもの年齢構成でございますけれども、小学生が一番多くて、全体の三七・一%でございます。

馳委員 では、高井政務官にお伺いしますね。

 〇―三歳児やいわゆる保育所、幼稚園に通っているお子さんももちろん大変な事態ではあるんですが、カテゴリーで見ると、小学生が件数が一番多いんですよ。

 私は、文部科学省に対して、再三再四要求もし、督励もしてきたつもりではありますが、児童虐待に対する関係機関の間での連携や取り組みについて極めて慎重過ぎる。なかなか家庭の取り組みに学校の方から口を差し挟めないのかなと思いながらも、そもそも、児童虐待防止法という法律があり、そして養護者に対する支援もあり、児童相談所の機能もあり、関係機関と要保護児童地域連絡協議会をつくらなければいけませんよというふうな規定もある中で、余りにも小学校としての取り組みが十分ではないのではないか。

 これを立法して以来、これは議員立法ですから、再三再四、文部科学省の児童生徒課に対して、しっかりしろよ、全国の教育長会議ばかりじゃなくて、課長レベルまでおろしたりして、認識を持って、例えば不登校児対応の中で、虐待の疑いを持って、明確に、対面による家庭訪問をするなり、ちゃんとしなさいよと督励してきたにもかかわらず、なかなかこの数字が減っていないんですよ。

 あなたも、児童虐待防止法の立法の作業チームとして努力をされ、大変頑張ってこられました。政務官として、今後は指導する立場として、この数字を見ながら、あなたの見識を問いたいと思います。

高井大臣政務官 馳委員と一緒に、児童虐待防止法の改正の際にいろいろな勉強会を超党派で立ち上げていただいて、それに私も一緒に加わって勉強させていただいたことを本当にこの間のように思い出します。

 それから後も、今、細川副大臣からもお話があったとおり、いろいろ、児童虐待の件数、死亡事例等もふえてきている中で、私も、この問題に関しては、本当に生涯をかけて取り組んでいかなくてはならないと。私自身の子どもも小学校一年生になりましたので、改めて、そうした弱い立場の子どもたちが自分のせいではなく苦しめられている状況を本当に何とかしなくてはいけないという強い意思を持っているところであります。

 御指摘ございました学校関係のことなんですけれども、馳委員も御承知のとおり、防止法改正の中で、さまざまな、警察等の力もかりながらも、個々にできるだけ接触を図り、児童を救い出すということを第一に思いながら改正に当たらせていただいたわけでございますけれども、学校側といたしましても、やはり、担任の先生や周りの御近所の状況等、そういうことをよく見ていれば、必ず虐待の状況、兆候というのはわかるのではないかと私は思っております。

 ただ、大きな問題として、教員が一人で、また校長が行ったとしても、なかなか親御さんたちも会ってくれない、出てきてくれない、そういう状況がある中で、やはり、地域関係者と連携をしながら、児童相談所はもちろんでございますが、時には警察の力もかりたりすることもあるかもございません、不幸なことに。しかし、いろいろな最大限の努力をする中で、早期に児童虐待を発見し、できるだけ、また、その親御さんのさまざまなメンタルケアも含めて、一歩進めるべく、省を挙げて、ほかの省とも連携をしながら取り組んでまいりたいというふうに思います。

馳委員 高井政務官には、これは私からのお願いですが、いまだに被害児童として小学生の年齢構成が一番多いというこの現実を踏まえた対応をしていかなければならないということを省内に指導し、そして効果を上げることができるように取り組んでいただきたいと思います。

 次の質問に移ります。

 昨年の四月に改正児童虐待防止法が施行されまして、新たに臨検制度が導入をされました。臨検制度に基づく、あるいはその前に実施をされている出頭、再出頭の執行状況は、現状どうなっておるでしょうか。

細川副大臣 お答えをいたします。

 去年の四月から施行されております児童虐待法の改正の法律、これは馳委員が大変努力されて、議員立法で成立をいたしまして、昨年四月から施行されたところでございます。その中で、新たに臨検、捜索制度というものが設けられました。

 これについてちょっと御説明申し上げますと、長期間、児童の安全が確認されずに、呼び出しをかけても全く応じないなど、それまでの仕組みでは対応できないようなケースにしっかり対応するために、保護者の家に強制的に入っていく、そういう手段を講じることができるというような改正でございます。

 具体的には、所定の場所で面会を求める出頭要求、これにまず保護者が応じないということ、それからもう一つは、当該児童の安全の確認や安全の確保のために行う立入調査というのを拒否した場合、さらに再出頭にも応じないような場合に、裁判所の許可状を得て、それで強制的に臨検、捜索ができる、こういう制度がつくられたところでございます。

 そこで、いろいろな執行状況を申し上げますと、まず、出頭要求、前段の出頭要求を行ったのは何例かと申し上げますと、二十八ケース。それから、出頭要求に応じなかったもののうち立入調査を行ったのは八ケースであります。それから、立入調査を拒否したのでその後に再出頭要求を行ったのは三ケース。そして、その再出頭要求に応じなくて、先ほどの臨検、捜索、ここまでいったのが二ケースでございます。

 それで、この臨検、捜索を行った二つのケースにつきましては、職権によりまして一時保護されまして、その後、強制措置による施設入所となっているところであります。

馳委員 委員の先生方も気がついたように、臨検という制度は、児童相談所の職員がかぎをぶち壊してでも児童の保護のため居所に立ち入る。憲法第三十五条のいわゆる住居不可侵という規定があるにもかかわらず、やはり児童の保護、安全確認のためにはこういう制度が必要であるということで、児童相談所の職員が警察の援助を受けながらこういった強制的な立ち入りをすることができるようにしたんですよ。

 大臣、どうしてここまで、我々、議員立法をした立場としては、憲法の規定を、ハードルを越えてまで臨検制度をつくったか。なぜだと思いますか。

福島国務大臣 きょう馳委員から出されております厚労省作成のものを見ましても、例えば、立入調査後、死亡確認あるいは出頭要求に応じないなどあります。

 つまり、児童虐待防止法が改正された経緯に関しては、やはり、親がすぐ応じてくれればいいんだけれども、子どもは元気です、大丈夫です、何も問題ありませんというふうに玄関のドアでシャットアウトされれば、それ以上中に入れない。結局、何か問題があるんじゃないかと思いながら、子どもの様子すら、例えば学校の先生や周りの人たちが確認できないということがこれあり。

 ですから、臨検というのがなかなか強硬手段であるという面はあるんですが、やはり玄関のドアを打ち破ってまでも子どもの命を救おうということだと考えています。

馳委員 そのとおりなんですよ。

 これを立法するときに、二つの方法を我々は考えたんですよ。警察官に捜索させるために、立入調査拒否罪を重くして、いわゆる警察権力でやらせようか、いや、そもそも福祉にかかわる問題であるので、経緯をよく理解している児童相談所の職員にやらせて、ただ、相手もあることなので、警察の援助を求めながら臨検制度をやろうかと、二つの方法を考えたんですけれども、最終的には、子の福祉を優先させるという観点から、同時に、立ち入り拒否、立ち入り拒否といっても、警察がどかどかっと入っていって、子どもがぴんぴんしている可能性もあるので、そうすると、子どもを救うよりも先に立ち入り拒否をした親の方をとっ捕まえなきゃいけなくなるので、それは本来の児童虐待防止の趣旨とは違うねという仕分けの中で、法務省と最高裁判所を随分と説き伏せてこの制度をつくったんですよ。

 つまり、その心は一つしかないんです。児童虐待による死亡事例は一件もあってはならないという各政党の代表者の皆さん方の強い決意でこの臨検制度をつくったということをぜひ大臣にも御理解いただきたいと思いますし、細川副大臣にも、そういった経緯があってこの臨検制度があるということの御理解をぜひいただきたいと思っています。

 次の質問に移ります。

 同じく昨年の法改正から、児童相談所などの安全確認義務が、努力義務から法的な義務に改正をされました。児童相談所の安全確認については、運営指針によると、通告から四十八時間以内に目視などによる安全の確認が必要であります。これがしっかりと守られているのか。通報があったにもかかわらず虐待死させてしまう事件が何件も報道されているが、いかがでしょうか。

 あるいは、行政用語で言う、速やかに確認をするという速やかにというのは、大体、四十八時間以内なんですよ。さらに言うと、土日を挟むものですから、それは児童相談所の職員さんだって休日ということもありますから、通報があって、事案を確認し、家庭訪問をしということになると、速やかに、四十八時間以内にはちゃんとやろうね、こういうふうなことを現場に伝えているわけであります。

 どうですか。法改正されて、法的義務になりました。罰則はもちろんかけていませんよ、罰則をかけると大変なことになりますから。しかし、法的な義務としてやってくださいよとなっていますが、実際に、児童相談所はこの規定に対応できているんでしょうか。

細川副大臣 お答えをしたいと思います。

 今、委員の御説明がありましたように、昨年四月からの改正児童虐待防止法、これによりまして、通告を受けた場合には、それまで面会等をしなければいけなかったことが、努力義務が、法的な義務として規定されたということでございます。

    〔委員長退席、園田(康)委員長代理着席〕

 それを受けまして、児童相談所運営指針というものを作成いたしまして、このように指針には規定をされております。「通告受理後、各自治体ごとに定めた所定時間内に実施する」。この当該所定時間、これはどういうふうにするかといいますと、「各自治体ごとに、地域の実情に応じて設定することとするが、迅速な対応を確保する観点から、「四十八時間以内とする」ことが望ましい。」と、こういうことを児童相談所の運営指針に掲げまして、局長から通達を出したところでございます。

 そこで、四十八時間以内に目視などによって安全確認をしなければならない、こういう通達を出して義務化の実行をしているところでありますけれども、これは各児童相談所などで実行されていると思いますが、委員の御指摘がありましたような大変痛ましい事件も起きているところでございます。したがって、迅速な面会がされずに亡くなるような痛ましい事件が起こったことも十分に反省をいたしまして、今後、四十八時間以内に面会をする、これを徹底周知していかなければならないというふうに思っております。

 厚生労働省の社会保障審議会児童部会の専門委員会でもこの点について取りまとめておりまして、死亡事例等の報告も受けて検証をいたしまして、一つは、迅速かつ的確な情報収集とアセスメントの徹底、二つ目は、これらを支えます児童福祉司等の人員の充実、研修等による専門性の向上ということが報告をされ、指摘をされておるところでございます。

 したがって、厚生労働省といたしましては、これらの検証の報告の周知を徹底してまいりたいということで、研修等の機会にこれらを報告いたしまして、二度とこういうことが起こらないように進めてまいるようにしたいと思います。

    〔園田(康)委員長代理退席、委員長着席〕

馳委員 結局、児童相談所の職員、あるいは相談員、スタッフの増員と、最後に細川副大臣がおっしゃったように、やはり、研修をして専門性を高めるということが必要なんですね。

 僕は、この法律に基づく安全確認というふうな作業は、退職警官などを活用しながら、悲惨な状況にある子どもを、状況を確認し、救い出すべきは救い出すという職員と、一時保護とか児童施設に収容した子どもたち、あるいはその親に対する支援、親子再統合に向けての相談と、切り分けた方がいいと思うんですよ。

 児童相談所の職員がおれから子どもを奪いやがってという部分と、そんな職員に親子、家族再統合のための指導なんてされたくないということで、なかなか児童相談所の職員も大変だし、親から見ても、どうやって子育てをしていかなければいけないかということを冷静に受けとめて対応していくということ。そう考えると、職員の専門性、人員増というのは避けては通れないし、これは大いに主張していくべきだと思って、応援のつもりで私はしゃべっているんです。

 細川さん、児童相談所の体制、今、中核市でも児童相談所を設立できるようになりまして、横須賀や金沢市でみずから設置をして取り組んでおります。よりきめ細かくその体制を整えていくべきだと私は思っていますが、いかがでしょうか。

細川副大臣 馳委員の御主張されております御意見、もっともだというふうに思います。厚生労働省といたしましても、人員をふやしていく、こういうことに努力をいたしておるところでございます。

 特に、児童相談所におきます中核的な存在であります児童福祉司、この人数は、平成二十年の四月現在で二千三百五十八人となっておりまして、児童虐待防止法が施行される前の平成十一年と比べますと一・九倍、約二倍となっているところでございます。

 そして、地方交付税の措置などを充実させまして、各自治体におきまして児童福祉司の配置の充実を図ってきたところでありますけれども、厚生労働省といたしましても、先ほど委員が言われましたように、さらに児童福祉司もふやすように頑張っていきたいというふうに思っております。

 それからまた、委員の言われます、児童相談所とそれから子どもと親を区別してということも、貴重な御意見だと思いますし、そういう意味では、児童福祉司をふやすというだけではなくて、さらに、マンパワーをふやすという意味では、教員のOBとかあるいは警察のOBというような、そういう外部の人にもいろいろと御協力をいただくということも大事かというふうに思っておりまして、そういうところの人材を活用するところに補助などもいたしまして、それらのマンパワーを活用するということを進めているところでございます。

 児童福祉法の改正によりまして、ことし四月より保護者指導業務の委託先を拡大したところでもございまして、委員のおっしゃるように充実をさせていきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いいたします。

馳委員 次に、親権の問題について入りたいと思います。

 昨年の改正のときに附則を二つ設けまして、今の民法によりますと、親権については全部喪失するかそのまま生きるかということで、虐待している親の権利ばかりが強くて、なかなか子どもの権利利益を守ってあげることができない現状にあるんですね。

 法務省から来ていただいておりますので、中村政務官、附則の二条で、政府に対して、親権制度の見直しの検討をすべき、こういうふうに規定をいたしましたが、現状、取り組み状況をまずお伝えいただきたいと思います。

中村大臣政務官 お答えいたします。

 現在の取り組みということでございますので、その範囲でお答えをさせていただきます。

 今、馳委員がおっしゃったように、馳委員の御努力もあり、附則の二条で、政府は、同法律施行後三年以内に、児童虐待の防止等を図り、児童の権利利益を擁護する観点から、親権に係る制度の見直しについて検討を行い、その結果に基づいて必要な措置を講ずるという規定を入れていただきました。

 そういうことでありますので、法務省としては、この改正附則の趣旨を踏まえまして、関係省庁等と連携をいたしまして、この親権に係る制度の見直しについて所要の検討を行っております。

 具体的には、学者、家庭裁判所判事、弁護士、児童相談所関係者及び関係省庁の担当者で構成される児童虐待防止のための親権制度研究会を六月から開催させていただいております。

馳委員 ちょっと説明しますが、児童福祉法二十八条の入所措置等には、親権の一部制限、一時停止の効果はあります。児童虐待防止法の面会、通信制限なども、個別的な一部制限、一時停止規定でもあります。しかし、一般法の民法に親権の一部制限、一時停止の規定がありませんし、そもそも我が国の民法の運用解釈は、親権の権利面ばかりが強調されております。これでは、児童の権利利益の擁護を第一に考える家族法としての価値体系に反するものであると私は考えています。

 そこで、民法の親権を再定義して、イギリスのように、親権の義務的側面である親の養育責任を明確に規定すべきではないかと思います。その上で、親の養育責任を果たしていない場合に、家裁の審判などを通じて親権の一部制限、一時停止をしていく制度にすべきではないかと考えています。

 民法に先んじる形でありますが、我々児童虐待防止法の改正チームとして、改正法の第四条六項で親責任の規定を新設しております。

 読ませていただきます。「児童の親権を行う者は、児童を心身ともに健やかに育成することについて第一義的責任を有するものであって、親権を行うに当たっては、できる限り児童の利益を尊重するよう努めなければならない。」と、民法に先んじて、児童虐待防止法において、親には責任があるんですよということを明確にさせていただきました。

 ちなみに、親権親権と言いますが、身上監護権と財産管理権の二つの概念があって、身上監護権のうちの監護教育権、居所指定権、懲戒権、職業許可権、この四つが親権のカテゴリーとして法律上認められているわけなんですね。

 私は、今、親責任の問題も含めて詳しく説明をさせていただきました。

 政務官、これは法律のことですから、実は政治が余り出しゃばっちゃいけない問題でもあるんですよ。ただし、先ほど来私が指摘してきたように、いまだにこういう悲惨な児童虐待の事案が多くある中で、親権について、民法の改正をにらみながら議論をもっと深めなければいけないんじゃないかなと。そういう観点から政務官としての所見を伺いたいと思います。

中村大臣政務官 きのうの法務委員会での御質問にもありましたように、議員としても、なかなか家庭の問題に国家としてどこまで踏み込んでいっていいのかという問題はあるけれども、現状の状況を見たときに、やはり最低限国家が関与しなくてはならないという問題意識、おっしゃっておりましたけれども、その問題意識に関しましては、私も思いを共有するところでございます。

 民法八百二十条は、「親権を行う者は、子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。」と規定をしておりまして、民法自体は義務性も規定をしているということは、法文上明らかでございます。それによって児童虐待のような親権の濫用というのは許されないということは、この民法八百二十条の規定でも明らかであるというふうに私たちは考えております。しかし、今、馳議員がおっしゃったように、児童虐待防止法四条六項のところで詳細にこの親権の再定義のような規定を設けていただいておることも認識をしております。

 そこで、このようなことも踏まえて、今、検討会で検討をさせていただいているということでございます。これは現在、九回の予定で七回目まで終わっておりまして、一月にこの検討の結果を公表する予定でございます。その結果を踏まえまして、しかし、これをどうするかということはまた法務の政務三役会議で話し合いますので、そういった馳議員の思いも、私、しっかりと受けとめておる、自覚をしておりますから、そういう上で、民法等法務省所管の法律を改正する必要があると考えた場合には、法制審議会に諮問の上、その答申を得て所要の法案を提出したいと考えております。

馳委員 児童虐待の悲惨な状況を考えると、子どもは親の持ち物じゃないんですよという考えに立って議論をして進めていかなきゃいけないなと思うんですね。

 懲戒権、しつけだといって何でもやってもいいというものではないんですよ。これは皆さんも御理解していただけると思います。親として、子どもを保護、養護、育成する、また教育をする責任があるんですよ、その責任をあなたは果たしていないんじゃないんですかという概念が現在の親権には、親権といって親の権利ばかり強調されて、本来果たすべき責任の部分が、その側面がちょっと薄い、いや、欠けていると強調しますけれども、現状ではそう言わざるを得ない。

 政務官、実務的なことなので、どこまでお答えになれるかわかりませんが、親権を喪失させるまでに審判においてどれだけの時間とか手続がかかるんでしょうか。平均して、親権を喪失させるまでに何カ月、何年ぐらいかかるものなんですか。

 こういった問題、福島大臣が多分お詳しいかもしれません。親権を喪失させるというのは大変なことでしょう。どうですか、ちょっと事務的な話ですけれども。

福島国務大臣 突然の質問なのでちょっと正確性を欠くんですが、私の記憶では、やはり親権を喪失させるというのは、親の側からの抵抗も非常に大きかったり、親のプライドや、その後の子どもとの関係もありますので、件数が非常に少ない。ですから、親権の喪失よりも、さっき馳委員おっしゃったような、一時停止だとか、あるいは、親権はそのままにしておいて、里親やいろいろな制度をダブルで使っていくとか、そういうことも必要だと思います。

 しかし、余りにひどい児童虐待の場合は、親権喪失はきちっと民法の中に規定があるわけですから、件数は少ないんですけれども、それは試みられてもいいというふうには私は考えております。

 何件か今ちょっと申し上げられなくて、済みません。

中村大臣政務官 非常に申しわけないんですけれども、これは家裁で判断していることなので、裁判所を呼んで聞いていただければと思います。よろしくお願いします。

馳委員 いやいや、それでいいんですよ、実は。

 つまり、家裁、裁判に係るので、親権を喪失するにはお互いの言い分を裁判所で判定しなきゃいけないので、物すごい時間と膨大な労力がかかるというのは、これは皆さんおわかりいただけたと思います。

 したがって、私がなぜこのことを言うかというと、実は、児童虐待防止法を改正するに当たっての議論の中で出てきたのは、医療ネグレクトの問題なんですよ。親の宗教的な考え方とか、あるいは親としてのいろいろな思い込みもあるんでしょう。お医者さんが必要な手術あるいは輸血、診療を行おうと思っても、なかなかそれを認めてもらえないということで、ではどうしたらよいのだろうかという、医療ネグレクトのこういった観点からも、親権についての一部のあるいは一時的な、はっきり言えば監護教育権、こういったところですかね、やはり制限をすることによって子どもを救い上げなければいけないんじゃないんだろうかという議論があったんですよ。

 実際に私たちも法改正を担当して、実質上、児童養護施設に入ったお子さんの面会の制限、通信の制限、つきまといや徘回をして子どもをおどかしたり不安な思いにさせちゃいけませんよというふうな規定を盛り込みましたし、そういう対応を今現場でもとっていると思いますが、そうなると、児童相談所の所長や職員さんに過大な負担をまたかけてしまうんですね。

 ひどい親は、どんどん押しかけてきて、何で会わせないんだ、おれの子どもだろう、おまえに何の権利があるんだと、こういうことが全国で起きているんですよ。そうしたときに、児童相談所の所長さんが、いや、一応法律にこうありますから面会は制限します、通信の制限はします、つきまといしないでください、徘回もしないでください、子どもが児童養護施設から学校に通ってまた戻ってくる間に姿を見せないでくださいと言うことは、知事の判断で、児童相談所の所長の権限ですることは一応できるようにはしたんですよ。

 しかしながら、この医療ネグレクトの問題などを考えると、余りにも現場の職員さん方に負担をかけ過ぎるんですよ。したがって、親権というものについて議論をより深めていかなければいけないんじゃないんですかという提言を、これは実は平成十六年の改正のときにも我々しましたけれども、法務省はてこでも動かなかった。

 私は歴史を話しているのであって、この実情は高井政務官もよく御存じだと思います。

 したがって、平成二十年の法改正のときにも随分と法務省とぎりぎり詰めた、最高裁判所と詰めたんだけれども、最初に申し上げた立入調査の実効性を高めるための臨検制度、これはつくることがようやくできたんだけれども、親権の制限についてはなかなかハードルを越えることが私たちもできなくて、では、これはまた持ち越して三年後の見直し条項にしましょうねと言って今現在。したがって、平成二十三年にはこの問題について一定の方向性を出しておかなければならない、こういう経緯があるんですよ。

 親権の問題が出ましたので、大臣、この委員会が始まる前に立ち話で申しわけありませんでしたが、ハーグ条約の問題であります。共同親権の問題であります。

 私が先ほど申し上げたように、我が国も、子どもの権利利益を最優先に考えるということを考えれば、離婚した後も共同親権を持つということについて、やはり一定の議論をした上での方向性を出すべきではないのかな。先進国の中においても、我が国の民法の親権の制度というのはちょっと議論が煮詰まっていない。

 また、私はあえて言いますよ。法務省は、実態調査もしないで、共同親権について必要ない、こういうふうな議論があると、私はそういう判断を持っているんですよ。これは、その根拠を申し上げれば、民主党の藤末議員が政府に対する質問主意書を出した中での法務省の答弁でも明確でありました。

 したがって、ここは一応議論の場でありますので、共同親権の問題、ハーグ条約を批准すべきかどうかの問題、また、離婚をした後の面接交渉権の問題等について、やはり、青少年の問題を所管する大臣という立場からも、別に越権行為という意味じゃなくて、大臣という立場からも、どういう議論の方向性をすることが望ましいのかということについての大臣の見解をお伺いしたいと思います。

福島国務大臣 御質問ありがとうございます。

 日本は離婚後、単独親権、どちらかにしないと未成年の場合だめですから、実際、離婚事件を担当しますと、どちらが親権をとるか非常にバトルが起きたり、あるいは面接交渉もなかなかうまくいかない。子どもをとる、とられるみたいな関係になってしまいがちなことは、実際あるところです。

 スウェーデンを初め諸外国では、共同親権で成っていたり、面接交渉を、どこの国も悩んでいますが、結構ルール化したりというところもありますので、そういう外国の法律を参考にして日本でも検討をしたらどうかというふうに思っております。

 夫と妻であることはやめたけれども、子どもにとってパパでありママでありということは離婚後も変わらないわけですから、できればパパとママ、父親と母親が離婚後も子どもに関しては責任を持つという関係がもっともっと一般化するようにと思っております。

 ハーグ条約に関して御質問がありました。

 御存じ、これは、アメリカ国内においても国際的にも非常に議論になっているところです。それで、これは法務大臣と外務大臣の間で、とりわけハーグ条約の批准については協議をするということの確認がされておりますので、政府内において積極的な協議がなされるようにと思っております。

馳委員 民法、そして親権について規定をされた時代はいつですか。この法律ができたのはいつですか。つまり、その時代のいわゆる夫婦あるいは家族に対する社会的背景と現代では全く違ってきているのではないでしょうか。

 政務官、民法、そして親権の規定ができたのはいつですか。

中村大臣政務官 突然の質問でしたので、何年何月という答えはなかなか難しいと思いますけれども、現行憲法ができまして親族法、身分法が改正されておりますので、基本的に、そのときに民法の大改正がありましたので、そのころだと思っております。

 ただ、八百二十条、先ほど申し上げましたように、親に対しては、権利だけじゃなくてもちろん義務もあるということはきちっと明定をされておりまして、そこに関しては、基本的な考え方は定められている。

 ただ、今おっしゃったように、親権の一時停止の問題等に関しては、それは新しい問題として出てきているということですので、だからこそ、馳議員の御努力もあり、二十三年までにきちっと検討しなさいということもありまして、私たちは今研究会をつくって検討させていただいている。その結果は一月に出ますので、その結果をもとに、私たちも、法務省の政務三役もきちっと議論をさせていただいて、法制審にかけるかどうかの議論をさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

馳委員 今行われている議論は、法制審議会にかけるか、かけないかという、まだこの段階なんですよ。実は、児童虐待防止法の附則に親権は見直すという規定があって、これを法制審議会にかけるかどうかという、まだその段階なんですよ。したがって、政務官には、ぜひ法制審議会にかけて、この議論を国民的議論に僕はしていただきたい。

 我々立法チームは、いろいろな事案を分析しながら、また厚生労働省にも報告をいただきながら、児童養護施設を視察したりしながら、これはやはり国の形を動かしていかなければならないなということで取り組んできた。その一つの我々の結論として、親権についての議論を深め、変えていかなければだめだよな、現代の置かれている家族制度の中で見直しをしなければいけないなという、その思いのことを理解していただきたいと思います。

 せっかくですから、最後に、高井さん、あなたも一生懸命、何十回も私たちとひざを突き合わせてこの議員立法に取り組んでいただいて、大きな御指導をいただきました。きょうの議論を聞いていて、また文部科学省の政務官として、あなたの見解を伺って、私の質問を終わります。

池坊委員長 高井文部科学大臣政務官、時間が経過しておりますので、簡潔によろしくお願いいたします。

高井大臣政務官 まさに気持ちは共有するところでございます。高い御見識に基づく御意見を賜りまして、本当に感謝を申し上げたいと思います。

 私も政府の一員として、さまざまな先ほど来問題があった件、できるだけ取り組んでまいりたいと思いますので、これからもまた御指導や御援助や、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 ありがとうございました。

馳委員 終わります。

池坊委員長 次に、高木美智代さん。

高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。

 私は、まず、何点か、ぜひ進めていただきたいこと、また、手を打っていただきたいこと、これは、まさに与野党問わずであると思っております。その内容につきまして、簡潔に質問をさせていただきます。少し盛りだくさんになっておりますので、答弁も簡潔にお願いできればありがたいと思っております。

 十一月十二日から昨日まで、女性に対する暴力をなくす運動の期間でございました。けさ、福島大臣の記事も拝見をいたしております。

 DV法の第三次改正に向けまして要望が寄せられております。近年、顕在化してきたデートDVにつきましては、大学生などは一時保護も保護命令も申請することができない、退学を余儀なくされている、こうしたことへの、交際相手への対処等も喫緊の課題でございます。しかしながら、一方で、こうした一時保護を担っている民間シェルターにつきましては、財政難のために次々と閉鎖に追い込まれているという実態も伺っております。

 これは、都道府県が一時保護の処遇決定権を持っている、そのために、市町村が独自に保護をしたような場合、被害当事者を一時保護対象と認めずに委託料を支払わない、こういうケースがふえているということが原因と思われます。行政の担当者から、好きでやっているからと、このように言われた民間シェルターの方のお声もありました。行政の相談電話が定時でオフになる、そこから民間シェルターの方たちの闘いが始まる、こういうお話を伺いながら、この当事者を支える経費、そしてまた、民間シェルターの方たちの体力も含めて、バーンアウト寸前であるという悲鳴があります。

 保育所等と同様に、運営費そのものを国が補助するなど何らかの支援が必要ではないかと思っております。大臣の見解をお伺いしたいと思います。

福島国務大臣 御質問ありがとうございます。

 民間団体が地方自治体とともに果たしている役割は本当に大きいと思いますし、個人的ですが、そういうNGOのアドバイザー、ローヤーをずっとしてきたので、NGOの皆さんの苦労や、それから、とりわけ最近、取り組めば取り組むほど閉めなくちゃいけない、窮乏化しているという現状などは、本当に、ゆゆしき事態というか、何とかしなければと思っております。

 言っていただいたように、女性に対する暴力撤廃日がきのうでありまして、東京タワーが初めて紫色になるというキャンペーン、あなたは一人じゃないというキャンペーンを、内閣府を挙げて、政府を挙げてやってきたところです。

 一つは、おっしゃったとおり、婦人相談所からの一時保護の委託を受けた民間シェルターに対しては、DV防止法に基づいて都道府県が一時保護委託費を支給し、その半額を国が負担していること、それから、地方自治体による民間シェルターに対する財政支援は、地方交付税法における特別の財政需要として特別交付税の算定基準に盛り込まれているということはあるのですが、これだけではやはり不十分だという声もあり、どうやってNGOを応援できるか考えていきたいというふうに考えています。御存じ、地方自治体から民間シェルターへの財政的援助は、平成二十年度で一億一千三百万三千九百八十円、やはり少ないと正直思っております。

 きのう、知事会に出席いたしまして、ドメスティック・バイオレンスに関する取り組みや、市町村、NGOと連携して取り組んでくださるよう要請をいたしましたが、そういうこともあわせてやっていきたいと考えております。

高木(美)委員 大変共有した問題意識をお持ちいただきまして、私は、これから始まる第二次補正予算、恐らくこの内容の検討も既に始まっているかと思いますが、こうした中に盛り込んでいただくこともあるのではないか。

 まさにこれは、生命と権利を守る一番の、人権擁護の大事な民間シェルターでございますので、ここが閉められてしまっては、夜間、緊急時、どのように対応していくのか、これが危ぶまれると思っております。

 あわせまして、一時保護の実態、民間シェルターがどのように活用されているのか、この実態も把握をしていただきたいと思います。

 韓国、アメリカは民間シェルターが主流、日本では、行政と民間と両方、時には競合しているという状況もありますが、中には、行政のシェルターで、八畳の部屋に二家族が保護されていたようなケースもあるとか、こうしたお声も聞いております。

 ぜひこの実態把握もあわせてお願いしたいと思いますが、先ほど申し上げました第二次補正とあわせまして、再度、大臣の答弁を求めます。

福島国務大臣 各都道府県にあります配偶者暴力防止相談センター、それから、今は市町村もかなり取り組んでくださっているんですが、そこの両方を応援していくことが必要だと思っております。

 そして、民間のNGOもそうですし、その次のステップハウスも今なかなか大変な状況なので、どう応援できるかしっかり考えていき、取り組みたいと考えております。

高木(美)委員 ぜひよろしくお願いいたします。

 私は、この青少年問題に関する特別委員会、ここは本来であれば青少年問題ということでございますが、今、厚生労働委員会の方が法案審査が過密になっておりますので、少子化対策、また子育て支援、なかなか論議し切れないという状況があると考えております。できましたら、福島大臣に御出席をいただきながら、この場で活発な少子化対策に関する問題、また青少年問題も含めまして論議をさらに進めていってはどうか、このように考えている一人でございます。

 そこで、きょうは、あえて少子化対策を少し質問させていただきます。

 お手元に資料を配らせていただきました。これは、先般、OECDが提言を寄せたものでございます。

 ここに、グラフが一ページ目にあります。OECD諸国における教育機関に対する公財政教育支出という内容で、三本のグラフが一カ国であります。一番右が日本ですが、右側のバッテン印のグラフが高等教育にかける支出、また真ん中が小学校、中学校、いわゆる義務教育、そしてその左の黒いところが初等教育前に関するもの、いわゆる就学前教育と言われるグラフでございます。

 これをごらんいただきまして一目瞭然ですが、日本におきましては、初等教育前の就学前教育の支出につきましては諸国に比べまして一番低いレベルにあるというのが現状でございます。そしてまた、高等教育につきましては、同様の国がアメリカであり、また、もっと低いのが韓国である。

 こういうことも含めまして、私は、しつこいようですが、子育て応援特別手当、これは先般、内閣委員会のときに福島大臣にも質問をさせていただいたところでございますが、やはり、こういう手当というのは、これを解消しようとして第一歩をしるしたものでございますが、何らかの形で就学前教育につきましては手だてを講じなければいけないと思っております。

 こういう就学前教育、そしてまた、この内容につきましても、次のページに、提言がOECDから出されております。

 子ども手当に関するものが一番上にございます。四角の囲みの中の最初のポツですが、「就学前教育と保育に対する公的支出を増加するとともに、「子ども手当」案は、その目的と対象を再検討すべきである。」このような提言が寄せられております。

 その背景といたしまして、もう一つおめくりいただきたいのですが、これは男女共同参画に関する世論調査、平成十九年八月に調査されたものです。

 これは一般国民に関する調査でございますが、例えば、棒グラフの二つ目は、保育の施設、サービス、また高齢者、病人の施設や介護サービスを充実する、また三つ目は、子育てや介護中であっても仕事が続けられるよう支援をする、これが、ここでは五十数%になっておりますが、三十歳から三十九歳という年齢に限って見ますと、ここには掲載を避けておりますが、七〇%近くなる、このようなデータもございます。

 福島大臣がいつもおっしゃっていらっしゃる、また私もそれは全く同感でございますが、子ども手当だけにお金を割くのではなく、所得制限なり何らかの制限を設けて、その分をやはり、保育そしてまた先ほどお話もありました学童保育所、こうしたことにつきまして、放課後の児童の支援等につきましても割いていくべきではないか、総合的なパッケージが必要なのではないかと考えております。

 こういうことにつきまして、これは十一月十七日付の朝日新聞の世論調査ですが、衆議院選挙でマニフェストに掲げた政策について、柔軟に見直してもよいと思うという方が何と国民の七七%という状況でございます。

 こういうことを踏まえまして福島大臣はどのようにお考えか、お願いをいたします。

福島国務大臣 子育て支援についていつも御質問ありがとうございます。

 子ども手当の創設は、これは三党合意の中に入っておりまして、どういう制度設計でいくか、今精力的に厚生労働省と少子化担当でやっておりまして、子ども手当の創設の成功は何としてもやっていきたい、経済的支援をしっかりやって、子育てをする人たちを応援したいというふうに考えています。

 そして、おっしゃっていただいたように、保育所や学童クラブの充実も必要なことですし、男女共同参画担当大臣としても、日本の女性のM字型雇用、一たん妊娠、出産でやめる人が七割いる、これを何とか台形に持ち込んで、女性が当たり前に働いて、当たり前に子どもを食べさせるだけの賃金をきっちり得られることができるような社会を全力でつくっていきたいと考えています。

高木(美)委員 子ども手当の所得制限、ぜひ頑張っていただきたいと思います。

 それで、あと重ねて私は、例えば、子ども手当を子どもに直接支給をする、社会全体で支えるという考え方のもとに直接支給するのであれば、義務教育費の給食費それから副教材費につきまして特別徴収をするべきではないか、実はこういう提案を多くの方からいただいております。

 大臣がどこまで御存じか伺いたいと思いますが、給食費それから副教材費がどのように徴収をされているのか、これの答弁を求めます。

福島国務大臣 先ほど申し上げましたように、子ども手当をどうしていくかは今議論の最中です。今高木委員おっしゃったとおり、給食費や副教材費をどうするかという意見もあるんですね。

 例えば、給食費などを払わない方がいらっしゃれば子ども手当と相殺したらどうかという意見もあるんですが、これは御存じ、法律的にはそういうものを相殺することはやはり問題があるというふうにも言われておりまして、私自身も、給食費を払っていないからその分を減らしますということは、いろいろな問題等もあり、これはまだ私の個人的な見解ですが、やはり難しいのではないか。あるいは、一々やると事務経費も大変だという話もありまして、子ども手当の支給をきっちりやり、そして給食費や副教材費の免除ももちろん同時並行ですし、また、ぜひ経済的理由で払わなかった人たちがしっかりそこで払っていただけるように、そう思っております。

高木(美)委員 私が今申し上げましたのは、給食費は、口座で引き落としもしくは振り込みという学校が多いようです。一方で、副教材費は、お子さんが自分で学校に持っていって集める、こういうケースが多いんです。

 この副教材費を払わないお子さん、払えないお子さん、ここでやはりお子さんたちの、先ほど福島大臣がおっしゃっていた、親の所得によってお子さんの心に深い傷が残る、うちは貧しいんだ、だから自分はここまでしかやれないんだ、そういう意識を少しでも芽生えさせるということは、それは違うのではないか。私は、そういったことを解消するためにも、特別徴収ということを法律にきちんと盛り込んでやるべきではないかと考えます。これにつきましては、御検討をしていただければと思います。

 続きまして、先ほど来お話ございますが、保育所の待機児童ゼロにつきまして何点か質問をさせていただきます。

 まず、沖縄の問題でございます。

 私は、十月の中旬、沖縄に伺いまして、そこで多くの方たちと懇談をさせていただきました。実は、沖縄の保育所は約四割が認可外という保育所でございます。待機児童は全国第二位とも言われ、三位とも言われ、また認可外保育施設への入所者数は今二万五千人という人数です。大変深刻な問題でありまして、早期の解決が求められてまいりました。

 このような保育所を整備して良質な保育を提供するということは、若年労働力を確保することができる、これはまさに沖縄振興に資するものであるという観点から、集中して保育所の認可化を推進していこうということで、特別振興対策調整費におきまして、二十一年度から三年間にわたって三千人を認可に入れていこう、こういう目標が立てられました。しかしながら、沖縄県が作成した計画では、目標の三分の一の何と千六十五名、十五施設で終わりそうな状況があります。

 そこで、地元から強い要望といたしまして、老朽施設が多いにもかかわらず今あるこの調整費におきましては施設整備の改善は七百万円が上限になっている、これは、例えば引っ越しとか新しく改築をする、こうしたことには使えない、ここをぜひとも安心こども基金と同様の使い勝手に変えていただきまして沖縄の認可化の促進を図ってもらいたい、こういう要望がございました。

 上限額、安心こども基金では、約一億円と聞いております。引っ越し、また新築等が可能になります。

 まず沖縄の、一つの県でございますけれども、今、普天間の基地問題等もあり、私は、やはり国としてもこの沖縄の保育の良質な提供推進をしっかりと進めていく段階ではないか、このように考えております。

 この問題につきまして、長浜副大臣から答弁をお願いいたします。

長浜副大臣 御質問いただきました。

 今の問題につきまして、内閣府所管の沖縄振興対策調整費は、先生おっしゃられましたように、認可外保育施設を認可化するためであり、既存の建物を改修するためのものであり、私ども厚生労働省所管の安心こども基金は、既存建物の改修のほか、新設整備も含め、補助対象としているものでございます。

 このようなことから、それぞれの補助基準費は、沖縄振興対策調整費は、先生おっしゃられたように七百万円であり、安心こども基金は、沖縄県において平均的な九十人定員の保育所を新設整備する場合とすれば、一億四千八百万円となっております。また、補助率についても申し上げれば、沖縄振興対策調整費は、国が十分の八、県が十分の一、市町村が十分の一でありますが、安心こども基金は、沖縄県の場合、国が四分の三、市町村が八分の一、社会福祉法人等の事業者が八分の一。

 事実関係だけを申し上げました。ありがとうございます。

福島国務大臣 御質問ありがとうございます。

 沖縄は、出生率は日本で一番目ですが、待機率が日本全国一位で、待機児童数は東京、神奈川に次いで三位という状況で、沖縄の待機児童の解消は、超党派で、あるいは県会議員や市長さんや、いろいろな方から要請を強く受けているところです。

 ですから、今私たちが考えているのは、沖縄振興計画に基づき、昨年度に約九億円規模の予算がありますので、それを何とか、認可外保育施設の認可化をするために保育所入所待機児童対策特別事業基金を沖縄県に設置し、取り組みを支援しているところです。

 おっしゃるとおり、無認可から認可にするときの、例えば七百万円援助をする、これの要件をどうするかとか、これは、沖縄振興の内閣府のところと、私の少子化対策と、両方力を出し合って、この九億円を沖縄の待機児童解消のために何とかうまく制度設計できないか、これは県とも力を合わせて、一肌も二肌も、肩を脱いで頑張ってまいります。

高木(美)委員 福島大臣から大変力強い、一肌も二肌もというお話をちょうだいいたしました。

 大臣、お願いなんですが、恐らく、この中身の細かい設定は、厚生労働省のところで、今、長浜副大臣に御答弁いただきましたが、ここで詳細の設計をされていると私は承知しております。ぜひ三位一体で、沖縄の振興のために早期の解決が図られますように、なおかつ、先ほど長浜副大臣からありましたように、県の負担、そして法人の負担、ここがいかに少なく、国負担でしっかりとできるか、その道を考えていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

 続きまして、長浜副大臣に重ねて質問させていただきます。

 保育所の利用につきまして、これはお母様たちからの要望ですが、現下の雇用状況の中で、次の仕事を見つけるまでの猶予の期間の設定なんですが、自治体に任されておりまして、一カ月また三カ月、さまざまな期間設定がございます。これは、現下の厳しい経済雇用状況から、パートを突然打ち切られたとか、そういう話があり、一カ月間に次の職場を見つけるということは本当に無理だと悲鳴が上がっております。

 ここを配慮する通知、これも平成十二年に出されたと伺っておりますが、今の状況をかんがみて、再度配慮する通知等を地方自治体にお出しいただけないか、答弁を求めます。

長浜副大臣 先生の御指摘のように、離職し、就職活動をしている保護者の児童については、その期間や求職活動の実態に留意しつつ、一般に保育の実施義務の対象である保育に欠ける事由に当たっているということで、これを周知を図ろうというふうにしております。

 先生が御指摘ありましたように、平成十二年に私どもの課長通知を出させていただいて、保護者が求職中の場合について、これは保育に欠けるという案件に該当するので周知を図られたいということを申し上げているところでございます。

 御指摘にあったように、二万五千人の待機児童の中においても、地域においてもさまざまな状況の違いがあります。そういう意味においては、地域の自主性に任せなければいけない部分と、そうではなくて、最低限、国として、きょうは先生のお時間の関係がありますので、児童福祉法並びにそれに伴うところの児童福祉法施行令について申し上げることは時間的にはないと思いますが、強いて言えば、児童福祉法施行令の第六号、一号から五号までさまざまな案件が書いてあるんですが、六号、「前各号に類する状態にあること。」ということの解釈の中において、失業中、あるいは求職中のことが求められております。これが、先生もおっしゃられましたように、各自治体において、全く認められないとか、三カ月、六カ月とかの期間の違いがあります。これについては、もう一度この通知の確認等、周知を徹底していきたいと思っております。

高木(美)委員 ありがとうございます。よろしくお願いいたします。

 もう一点、長浜副大臣に答弁を求めます。

 待機児童ゼロに向けまして、東京都など一部地域に限って、保育所の設置基準を一時的に緩和するという法改正を通常国会で行う方針だと伺っております。認証保育所を広げるということは、実は、これを推進してきた東京都でも関係者の間で大きな疑問の声があります。あくまでも緊急的な一時避難であって、これを全国に広げるということは大変つらい思いがあるという状況でございます。

 また、基準の緩和によって子どもへの影響が検証されなければいけない、こういう段階も今来ていると思います。

 先般、報道によりますと、赤ちゃんの急死を考える会による保育施設での死亡事例の分析につきましては、一九六一年以降、死亡事故二百四十件、そのうち八五%は無認可の施設で起きている。また、最近、認可施設におきましても、二〇〇一年までの四十一年間は十五件であった、しかし、二〇〇二年からは、この七年間で二十二件発生をしている。

 私は、こうした死亡事例につきましては、ぜひとも国に報告を義務づける、これを実施していただきまして、また、必要であれば検証もすべきであると思います。いずれにしても、実態調査を行っていただきまして、その上で、慎重にこうした設置基準の緩和に踏み出すべきではないかと考えますが、副大臣の答弁を求めます。

長浜副大臣 先生から御指摘がありました。例えば、地方分権推進委員会第三次勧告によりますと、保育所の基準については、廃止または条例委任するというような、私どもにとりましては大変厳しい内容でございました。現在もこれは関係省庁との折衝が続いているところでございます。

 と申し上げますのは、今申し上げましたように、私どもといたしましては、基本的に国が最低基準を確保しなければいけないという義務を負っていると思っておりますので、正直に申し上げまして、なかなか御要望どおりにはいけないのではないかという御返答をしたところ、さらに検討するようにという指示でございます。

 先生がおっしゃられました東京都の場合においては、私どもは、今回の極めて例外的な要素の中に、東京等、これは、人口が密集している、あるいは待機児童の数が多い、あるいは駅前地域における地価が大変高い等々の状況の中で考えているところでございますけれども、第三次勧告の理念は尊重しますけれども、先ほど申し上げましたように、基本的には私どもの基準を守りながら、しかし、参酌する事項あるいは標準とする事項に関しましては、しっかりと地方において条例をつくって担保していただく、こういう状況の中で話し合いを進めていきたいというふうに思っております。

 それから、先生がおっしゃられました死亡事例の調査の実施等々を考えたらどうだということもあります。これは検討させていただきたいと思っております。

高木(美)委員 時間が迫ってまいりました。それでは、高井政務官に質問させていただこうと思っております。

 事業仕分けの中で、子どもゆめ基金、それから子ども読書運動、この事業につきまして、国の事業としては廃止、このような評価結果でございました。

 そもそも、この事業仕分けにつきましては、先般、菅大臣、そこで伺いました話では、利害関係者はそのメンバーの中には入れない、仕分け人にはしない、こういう基準でやっていらっしゃるということですが、実は、うちの草川参議院議員が質問主意書を提出しましたときに、「各評価者が行う評価は、それぞれの意見の表明に過ぎない。」こういうふうな答弁書が返ってまいりました。しかしながら、この評価の結果につきましては、かなり縛られているような、そのような発言も承っております。

 そこで、この子どもゆめ基金、また子ども読書運動、これにつきまして今後どのようにお考えになるのか、高井政務官の答弁を求めます。

高井大臣政務官 今の事業仕分け、行政刷新会議が主体でやっております、いろいろな予算編成の過程を一般の方々にもよく見てもらい、一つの事業についてああいう形で議論をする、そして結論を出すという形をとっておりますけれども、それは大事な、あくまでも参考意見でございまして、最終的には、我々政務三役が文科省の予算については責任を持って決めるということになります。

 御指摘があった子どもゆめ事業、それから読書活動について、当時のワーキングチームの場所でも、この読書活動や体験活動が重要ではない、必要ではないという意見は一切ございませんでした。ただ、基金としてやるのがいいのか、また、本当は地方自治体に直接やってもらうのがいいのではないか、独法を通じてお金を配分する、こういう形がいいのか、さまざまな議論が出ていましたことは事実でございます。

 この意見をしっかりと踏まえた上で、我々も、読書活動や体験活動が本当に大事な活動であることは、委員と同じく、意識を共有しているつもりでございますので、しっかり検討してまいりたいと思っております。

高木(美)委員 やはり、国の政策という視点が私は大事だと思っております。地方自治体は、財政難の中で、どうしても喫緊の、足元の事業が中心になってしまう。その中で未来への投資をどのようにしていくのか。特に、今、科学技術の問題につきましては、昨日もノーベル賞の科学者の方たちが遺憾の意を表明していらっしゃいました。しかし、こうした豊かな心をはぐくんでいく、ここのところはなかなかこういう事業仕分けにそぐわないというふうに、私は全く考えを一にしております。

 特に教育につきましては、心の砂漠化との闘争であると言った哲人がおりまして、私は本当にそのとおりだと思います。心の砂漠化を防ぎ、豊かなものをどのように、その中から、正義感であるとか、またさまざまな心を育てていくのか。

 しかも、これから、子ども読書につきましては、子ども読書年を来年二〇一〇年に迎えるわけでございます。そしてまた、その中にありまして、子どもたちの読書離れが深刻な中で、今、朝の十分間の子ども読書運動、これも、やっていらっしゃる学校が何と二万五千八百七十八校まで拡大をしてきている。ブックスタートも六百六十九の自治体が実施をしている。こうしたことは国でなければできない事業であると私は思っております。

 先ほどお話ありましたように、独法を通じてやるのかどうするのか。ただ、無駄を省くということとその事業をきちっと守っていくということとは、これは立て分けながら進めていくべきであると思い、政務三役の皆様のしっかりとした御判断をお願いしたいと思っております。

 それでは、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

池坊委員長 次に、宮本岳志さん。

宮本委員 大臣、大変お久しぶりでございます。日本共産党の宮本岳志です。

 大臣は朝の所信的あいさつでも、心身ともに健康で社会的に自立した青少年を育成していくことは、我が国の将来を左右する、そして政府の最重要課題だというふうに位置づけられたと思います。ところが、我が国の現状は、高校卒業予定者の就職先も決まらない、自立どころか働く場所さえ保障できないという状況が今広がっております。

 きょうは、私、福島大臣と政治家としての大きな議論をしたいと思っておるんです。

 私は、この間、求人倍率が〇・二六と大変深刻な青森県、そして私の地元大阪で、高校の新卒者の就職の問題を、労働局や県当局、高等学校の教職員組合の先生方から子細に実態をお伺いしてまいりました。

 まず、福島大臣に基本認識を問いたいんです。

 この新規学卒者の就職問題というのは、雇用問題一般には解消できない問題だ、一人一人の子どもたち、若者たちの未来と人生にかかわる問題でありますから、一人の子どもも路頭に迷わせてはならない、つまり、たとえ社会全体の雇用が悪かったとしても、この新規卒業者の進路の保障というのは絶対に放置するわけにいかない問題だ、こういう問題意識は共有していただいておるでしょうか。

福島国務大臣 第二のロストジェネレーションをつくらないように、高校や大学を卒業して新卒の段階でなかなか求人が得られない、そんな状況をなくすべく、政府挙げて頑張ってまいります。

宮本委員 そういう認識の共有はできると思うんです。ところが、今深刻なのは、そもそも求人がないということなんですね。

 私、ここに持ってきたのは、青森県が知事、労働局長、教育長三者の連名で十月の十四日に発出した、県内の経済団体向けの要請書、「新規高等学校卒業予定者に対する求人の拡大について」というものでありますけれども、これによりますと、求人がこのまま低水準で推移し続ければ、高校卒業とともに失業状態となる若者が生じ、本県経済社会に深刻な事態を招くというふうに述べております。

 この求人がないということを一体どう解決するのか、これは具体論で言えば一番大事なことだと思うんです。要するに、一般論でなく、高校卒業生の就職先、求人をどう確保していくか、この点について、少し大臣の御所見を伺いたいと思います。

福島国務大臣 緊急雇用対策本部の中で、先日、緊急雇用の提言が出されました。

 なかなか困難ではありますが、第一次産業や、あるいはグリーンエナジーというグリーン産業の問題、あるいは福祉や教育、医療部門などでどうやってそこに雇用をつくっていくのか。あるいは、今議論しているのは、例えばエコ住宅、住宅のところなどで、大規模な建設業ではなく、地元の、地域の建設業などをきちっと応援することで、地元で採用される若者をどうやってふやすのか。地方分権的な産業育成と、そこでの雇用創出が本当に必要だと思っています。

 そして、政府は、緊急雇用対策本部のもとに新卒者支援チームを設置して、高校生に対する就職支援についても、内閣府、文部科学省、厚生労働省、経済産業省が一体となって取り組んでいくこととしています。

 私としても、青少年育成の観点から、新卒者支援の強化を訴えていきたいと考えています。

宮本委員 十月の二十三日に緊急雇用対策が出された。それから、そのもとに新卒者のチームを置いておられる。私もそれは伺っておるんです。ただ、問題は、現に今起こっていることはどういう問題なのかということを、ひとつ、きょうは現地で私がつかんできたことを御紹介したいと思うんです。

 青森、大阪の現場で調査してみて愕然としたことがございます。それは、大企業の求人減のひどさなんですよ。

 青森の弘前のキヤノン関連工場、ここの状況も聞きましたけれども、工場立ち上げの二〇〇七年、おととしには、新規高卒者も含めて千人の求人が必要だと。このときには、もう県を挙げて大わらわで人をかき集めたというんです。ところが、昨年の高卒採用は百人だったんですけれども、ことしはわずか二十人。だから、自分たちが工場をつくるときには、千人要るとなったら県を挙げてやれと言っておきながら、経済状況が悪くなると、こういうふうにがくっと減らしてしまっているんですね。

 昨年比で、青森県の電子部品製造部門における高卒者求人、これは、ことしの落ち込みは百四十二人と労働局から聞きましたから、百四十二人のうち、このキヤノン一社が大半を占めている。だから、大都市部ならどの会社がこの原因かとはわかりにくいんですけれども、青森なんかに行きますと、もろにキヤノンの八十がこの分野の百四十二人の大きな原因だとはっきり目に見てわかるわけですよ。

 私の地元、大阪・堺のシャープの工場では、昨年、百八十名の高卒予定の求人を出したんですけれども、ことしは百二十名、六十名の減ということになっております。このシャープの工場には、雇用の確保を口実に、大阪府からは四百億円近い補助金が出される、地元堺市からは二百四十億円もの減税を受ける。なぜかといえば、雇用の確保のためです。ところが、この至れり尽くせりの支援を受けながら、景気が悪くなったら新規高卒者の求人を減らすというのでは、これはもう、大阪府や堺市に対する約束違反だと言わなければなりませんね。

 そこで、大臣にお伺いするんですけれども、一般論ではなくて、つまり、こういう大企業に対して、きちっと雇用を確保してほしい、特に新規卒業者の雇用を減らすことはやめてほしい、こういうことをはっきり物を言うべきだと私は思うんですが、福島大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

福島国務大臣 企業に社会的責任があることは、それは確かだと思っています。確かに企業は、経営や採算やいろいろな、またそっちの企業の原理というのがあることは理解ができますが、他方、企業の社会的責任というのもあるわけですし、自治体挙げて誘致をしてきた、あるいはいろいろな援助をしてきたという今までの経過もあります。

 それで、十月二十三日に取りまとめた緊急雇用対策においては、経済団体、業界団体等に対する求人拡大の要請等を推進していくことが盛り込まれています。ですから、私は緊急雇用対策本部の一員でもありますので、新卒者支援チームの取り組みを後押しするとともに、関係省庁とも連携しながら、大企業に対し、新卒者雇用について理解を求めてまいります。

宮本委員 福島大臣らしい御答弁だと思っておりますけれども。

 大臣は、ことし二月二日の参議院本会議、私、当時おりませんでしたけれども、そこで代表質問をされまして、企業の社会的責任ということについて触れられておりますね。

 「自動車や電機などの日本を代表する大手製造業十六社だけでも、内部留保はこの六年間で十七兆円から三十三兆円に増えています。大企業は多額の内部留保を持ちながら、例えば日系ブラジル人の人たちなども真っ先に首を切られ、家族が路頭に迷い、子供たちは学校に行けなくなり、ブラジルなどに帰りたくても費用がないなどの人道上も許し難いことが今起きています。」とその当時言われましたけれども、日系ブラジル人の方々にも大変なことが起こっていますが、我々の子どもたち、日本の高校生が、内部留保をため込んだ大企業の人減らしによって本当に働き場所を持てないという状況が現場で起こっているわけですよね。ですから、私は、はっきり大企業にやはり物を言う必要があるというふうに思います。

 この国会、十一月の四日、衆議院の予算委員会で、我が党の笠井亮議員が鳩山首相に、大企業に対して毅然とした態度で物を言うべきだ、こう迫ったんですね。そうしたら、鳩山首相からも、そのように頑張りたいというお答えをいただきましたから、私はこの際、やはり大企業そのものに対して、雇用をしっかり確保せよ、社会的責任を果たせということを政府として物を言うべきだと思うんですけれども、これに対する大臣のお考えをお聞かせいただけますか。

福島国務大臣 ありがとうございます。

 いろいろな経済団体やいろいろな人たちと意見を交換したりする機会は大変あります。そのときに、少子化、男女共同参画、ワーク・ライフ・バランスやいろいろな要請ももちろんしております。

 ですから、今この経済不況の折ですが、みんながやはり雇用を確保することに頑張らなければ購買力も出ないわけですから、これは大企業に対しても新卒者雇用についてしっかり理解を求めてまいります。

宮本委員 やはり、はっきりと大企業に物を言うことが大事だというふうに思いますね。

 あわせて、これも少し紹介したいんですけれども、実はこの間、緊急雇用対策で、各県で合同求人説明会というものが持たれております。それで、私の地元大阪でも高校卒業生対象の合同求人説明会というのが開かれているんですね。府立体育館を会場にやったと。労働局から詳しい中身を聞かせていただきました。ことしは大変だったと。労働局が必死になって企業をかき集めても、参加した企業は、大阪でですよ、八十四社にとどまり、昨年比で三割減だったと。なかなか企業が集まらなかったというんですね。

 それで、ここに当日配付された合同求人説明会の求人企業の冊子をお持ちしたんですけれども、その八十四社、私は中身を見て驚きました。大企業というものは一社もないんです。八十四社すべて中小企業ですよ。大阪でですよ。大阪に大企業は山のようにありますけれども、労働局が必死になって集めても、そうして出てくれるのはやはり中小企業であって、大企業は本当に冷たい態度だと思うんですね。

 それで、大企業にはっきり物を言うというのは先ほどから繰り返し問いましたけれども、同時に、こうして大変な経営環境の中でやはり雇おうということで頑張ってくださっている中小企業、こういう方々に対しては今度はしっかりと応援をして支えていかなきゃならないというふうに思うんですけれども、その点は、大臣、いかがでしょうか。

福島国務大臣 何か中小企業支援策まで言うとちょっと私は自分の範囲外かもしれませんが、十月二十三日に取りまとめた緊急雇用対策においても、中小企業等を広く対象とする就職面接会等の積極的開催により未内定者とのマッチング機会の提供等を推進していくとありますし、また、この内閣は、貸し渋り・貸しはがし法案を初め、中小企業をどう応援していくのかという視点はある内閣だというふうに思っております。

 ですから、全体的に景気をどうしていくのか、景気の戦略、大企業の社会的責任、中小企業支援策、それとあわせてやっていきたいというふうに考えています。

宮本委員 先ほどおっしゃったような新卒者支援チームというものも立ち上がっているわけですから、そういうチームをしっかり活用していただいて、具体的にどう手を打つかということが今大事だと思うんですね。即効性ある対策が要ると思うんです。

 それで、国は今やっとそのチームとかというのが立ち上がってきているという状況ですけれども、目の前に高校生を見ている地方自治体は、もうそんなことを言っていられない、既に取り組みを始めておられます。

 宮城や秋田では、県の取り組みとして、高校生を採用する企業に奨励金を出すということをやり始めておられますし、京都では、十二月に高校生緊急支援センターを立ち上げて、府として、短期雇用で府が雇うというか雇用を創出して、そして職業訓練を行うというような支援も始めようとしているわけですね。

 だから、一刻も早くやはり国が乗り出して、今、目の前で行き先も決まらないという高校生たちをどう救うのかということをしっかりやる必要があると思うんですよ。

 それで、あと残り五分間で大臣とぜひ議論したいのは、それでもだめだったら、最後どうなるのかということなんですよ、その子どもたちは。

 というのは、私、高校の先生方からつぶさに話をお伺いして、現場の先生がおっしゃったことで心に本当に突き刺さることがあるんです。

 教師としては、そうやって就職先がなかなか決まらなかったり進路が決まらない子どもに対して、心配するな、何とかなる、こう言ってやりたい。そう言ってやれれば、どれほど子どもたちも安心できるか。教師としてその言葉を本当に言ってやりたいと思うんだが、今、実はそういう言葉をかけられない状況がある。何ともならない可能性があるじゃないか。頑張って就職先も探す、進学できないかといろいろやってみるけれども、家庭的な経済状況もある。しかし、心配するな、最後の最後、進学も決まらず、就職も決まらなかったら、こういうプログラムもちゃんと用意されているよ、国はというか、公は決して見捨てないんだということを言ってやれないということほどつらいことはないというふうにおっしゃるんですね。

 だから、こういう現場の声にこたえるためには、たとえ最後まで就職が決まらなかったとしても、職業訓練を受けながらちゃんと生活を保障する、そういう制度を用意するとか、あるいは、秋田のように、就職難で就職から進学に進路変更した場合には進学する学校の入学金を公的に出す、それは入学金だけでいいのか、授業料も給付制で出してほしいということもあるでしょうけれども、安心して次のステップに進めるように、ちゃんと国が責任を果たしますよということを用意する必要があると思うんですが、この点、大臣いかがでしょうか。

福島国務大臣 おっしゃるとおりで、私も、高校や大学、あるいは中退してなかなか就職がうまくいかない子どもたちの話を聞くと、一たん社会に出るときになかなかないと、次にまた就職が困難になるという話は大変聞いております。

 今おっしゃったような、職業訓練期間中にある程度生活費なりを出すということは、今はたしか制度としてありますが、ただ、この制度がちょっと使いづらいという話も当事者の皆さんから聞いているところです。つまり、職業訓練校に行ったときに何かの生活保障を一部もらえるんだけれども、それをもっととれるようにしてもらえないかという声も私は聞いておりますので、今委員がおっしゃったような取り組みも、この緊急雇用対策本部でしっかり議論し、厚生労働省、経済産業省、また文科省などともしっかり議論をしていきたいというふうに考えています。

 新卒者支援チームが就活支援キャンペーンとして、就職説明会の積極的な開催及び周知の徹底、経済団体、業界団体に対する求人拡大の要請なども行うというふうにしておりますので、こういうことも政府を挙げて特にやっていきたいと考えています。

宮本委員 職業訓練を受けながら生活保障という制度もあるというお話なんですが、僕も知っておりますけれども、だからこそ、一番最初に確認したんですね。今、失業者の方はいっぱいおりますから、そういう方々にそういうことを一般的にやっているのは知っているんですよ。問題は、高校卒業の時点で路頭に迷うということはつくってはならないという立場で、その方々に焦点を当てた、安心してくれというメッセージが要るということを私は申し上げたいんです。

 それで、時間が来ましたのでこれで最後の問いにしますけれども、大臣、ひとつ、これから来年三月末に向けて、本当に自分の進路が決まるだろうかと心配している、不安に思っている子どもたちや、また現場の先生方に対して、心配するな、今度の政権はあなた方の未来を何とかする、何としても守り抜く、そういう言葉を聞かせていただいて、私の質問を終わりたいと思います。

福島国務大臣 きょうのこの青少年特別委員会は、子どもたちにどんな未来を、安心を与えることができるのかという質問から始まり、最後に、子どもたちに安心だと言ってくれという質問で終わるということです。

 内閣を挙げて、子どもたちに、青少年にきちっと希望と安心を与えられるよう、すべての閣僚を挙げて、とりわけ私自身も青少年担当として、三役合わせて力いっぱい頑張ってまいります。

宮本委員 ありがとうございました。

池坊委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。

    午後零時四分散会


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