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第7号 平成23年8月31日(水曜日)

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平成二十三年八月三十一日(水曜日)

    午前十一時十分開議

 出席委員

   委員長 高木美智代君

   理事 岡本 英子君 理事 川村秀三郎君

   理事 城井  崇君 理事 高井 美穂君

   理事 湯原 俊二君 理事 棚橋 泰文君

   理事 松浪 健太君 理事 池坊 保子君

      小野塚勝俊君    金子 健一君

      神山 洋介君    川口  浩君

      橘  秀徳君    橋本 博明君

      初鹿 明博君    松岡 広隆君

      山尾志桜里君    山田 良司君

      吉田 統彦君    あべ 俊子君

      馳   浩君    宮本 岳志君

      吉泉 秀男君

    …………………………………

   衆議院調査局第一特別調査室長           金子 穰治君

    ―――――――――――――

本日の会議に付した案件

 閉会中審査に関する件

 青少年問題に関する件

 派遣委員からの報告聴取


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     ――――◇―――――

高木委員長 これより会議を開きます。

 青少年問題に関する件について調査を進めます。

 この際、去る七月十三日、東日本大震災に係る青少年問題に関する実情調査のため、埼玉県加須市に委員派遣を行いましたので、派遣委員を代表いたしまして、私からその概要を報告いたします。

 報告に先立ちまして、このたびの災害によりお亡くなりになられた方々の御冥福を改めて心からお祈り申し上げますとともに、今なお困難に直面されております被災者の皆様方に対し、心からお見舞いを申し上げます。

 それでは、調査の概要について報告いたします。

 派遣委員は、民主党・無所属クラブの川村秀三郎さん、城井崇さん、高井美穂さん、湯原俊二さん、金子健一さん、神山洋介さん、川口浩さん、橘秀徳さん、初鹿明博さん、松岡広隆さん、山田良司さん、吉田統彦さん、自由民主党・無所属の会の棚橋泰文さん、松浪健太さん、あべ俊子さん、公明党の池坊保子さん、社会民主党・市民連合の吉泉秀男さん、そして私、高木美智代の十八名であります。

 まず、皆様御承知かと存じますが、福島県双葉町が埼玉県加須市に避難した経緯について、簡単に説明いたします。

 東京電力福島第一原子力発電所における放射性物質漏えい事故によりまして、隣の大熊町とともに、同原発がある双葉町は、その全域が半径二十キロメートル以内となるため、町全体が避難指示を受けることとなりました。

 そのため、当初は、さいたま市にありますさいたまスーパーアリーナに避難しておりましたが、受け入れ期間に限りがあるということで、三月末に、素早く受け入れ体制を整えてくれました同じ埼玉県の加須市へ、大震災当日七千百四十人であった町の人口のうち、約千二百人の町民とともに、町役場機能ごと移転したというものです。

 なお、その他の双葉町の町民は、福島県内の避難所に避難している町民が最も多いとはいえ、いまだ全国の都道府県、果ては中国などの海外にまで避難している状態であります。

 委員派遣では、まず、双葉町の町民が避難生活を送っております旧埼玉県立騎西高校の校舎を視察しました。

 旧騎西高校では、当初は約千二百人の町民が避難してきたことはお話ししましたが、その後の七月一日現在に至っても、三百五十四世帯九百二十九人の方々が避難生活を送っています。その中で、高校生以下の青少年は百十九世帯百八十九人となっております。

 避難者の方々が生活の本拠としている体育館では、私たちが視察した時間は学校がある時間だったため、高齢者の方や親御さんがほとんどでしたが、実際に避難生活を送っている方々にお話を伺うことができました。

 そこでは、就労への不安などの雇用問題や、原子力発電の事故についての東京電力や政府の対応への不満など、多岐の分野にわたる被災者の方々の本音を聞くことができました。

 その中でも、最も話題に上ったのは、我が子や孫の学校問題、教育問題に悪影響がないようにしてほしいという要望でありました。

 その内容としては、福島県にいつ帰れるかわからない今の状況では、福島県と埼玉県の高校の両方を受験できるようにしてほしいであるとか、サテライト校で学ばせるには不安があるので、通常の学校生活を送ることのできる学校の募集定員をふやしてほしいであるとか、各高校に被災者のための定員の特別枠を設定してほしいなどでありました。

 それについての福島県教育委員会からの回答は、委員の皆様のお手元に配付しております。

 その後、場所を移しまして、大橋加須市長ほか加須市側と、井戸川双葉町長ほか双葉町側の双方の方々に加え、避難所での子どもの保護者の方などを交えまして、避難所の実情や、加須市が双葉町を受け入れるに至った経緯などについて説明を受けました。

 説明の最後に、これだけはということで、加須市長及び双葉町長から次のような要望を受けました。

 まず、加須市長からは、今回の事例は二つの県にまたがった出来事であるということで、当初は福島県と埼玉県の行政や教育委員会などが絡んで連携がうまくいったとは言えない状況であった。今回の大震災では、同じようなことが他の避難所でも起きていると思うが、ぜひとも国の方で連携がスムーズにいくような方策をお願いしたい。また、今回の双葉町の支援に係る経費についても国の支援をお願いしたいということでした。

 次に、双葉町長からも、国による避難先への財政支援をぜひともお願いしたいということでした。

 続いて、双葉町の子どもたちも学んでいる加須市立騎西小学校を視察いたしました。

 騎西小学校の校長を初めとした学校関係者から、被災児童の受け入れ状況や健康状況、心のケアなどの生徒指導上の問題などについて説明を受け、質疑応答を行った後、最後に、実際の授業風景などの視察も行いました。

 校長のお話では、加須市及び双葉町の関係者や学校関係者の努力の結果でしょうけど、福島の子どもたちについて、放射線に関するいじめなどは見受けられず、そのような問題はないということでした。ただ、周りに親以外の大人がたくさんいるため、親に甘えたくても甘えられない子どもがいるとか、週末に久しぶりに帰ってきたお父さんと触れ合った子どもが、お父さんが再び仕事に出てしまう月曜日になると泣き出してしまうとか、子どもたちはやはり我慢している面があるとの話もしておりました。

 以上が調査の概要です。

 決して楽観視できる状況ではないにもかかわらず、子どもたちの明るく元気な姿を見るにつけ、その将来のためにも、一日も早い復興に向け、国として考え得る最大限の支援を早急に行う必要があるとの決意を新たにしました。

 当委員会といたしましても、この未曾有の大震災に対して、既存の法律の規定ではとか、担当省庁はとか、国と地方の役割ではとか、そういった壁にとらわれることなく、迅速かつ適切な対策を講ずるよう政府を督励したり、委員会みずからが行動する必要性を感じた次第であります。

 最後に、今回の調査に御協力をいただきました皆様に心から御礼を申し上げ、派遣の報告とさせていただきます。

 大変長くなりましたが、以上、御報告をさせていただきます。

 お諮りいたします。

 委員派遣の詳細な報告書につきましては、これを本日の会議録に参照掲載することに御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

    ―――――――――――――

    〔報告書は本号末尾に掲載〕

     ――――◇―――――

高木委員長 この際、御報告いたします。

 今会期中、本委員会に参考送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、貧困の連鎖を断ち切り、すべての子供の生きる権利、成長し発達する権利の実現を求めることに関する陳情書一件であります。

 また、本委員会に参考送付されました意見書は、お手元に配付いたしておりますとおり、青少年を有害情報から守る携帯電話の利用環境の整備を求める意見書外一件であります。

     ――――◇―――――

高木委員長 次に、閉会中審査に関する件についてお諮りいたします。

 青少年問題に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、閉会中審査案件が付託になりました場合の諸件についてお諮りいたします。

 まず、閉会中、委員派遣を行う必要が生じました場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣期間、派遣地等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 次に、閉会中、委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取する必要が生じました場合には、その出席を求めることとし、日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。

    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

高木委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

 本日は、これにて散会いたします。

    午前十一時十八分散会


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