衆議院

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第1号 平成23年2月9日(水曜日)

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平成二十三年二月九日(水曜日)

   午後四時開会

    ─────────────

 委員氏名

  衆議院

   委員長 樽床 伸二君

   理事 齋藤  勁君 理事 三日月大造君

   理事 森本 哲生君 理事 若井 康彦君

   理事 渡辺浩一郎君 理事 岸田 文雄君

   理事 柴山 昌彦君 理事 井上 義久君

      安住  淳君    岡田 克也君

      加藤 公一君    仙谷 由人君

      武正 公一君    津村 啓介君

      手塚 仁雄君    長妻  昭君

      鉢呂 吉雄君    藤井 裕久君

      藤村  修君    古川 元久君

      細野 豪志君    馬淵 澄夫君

      石破  茂君    石原 伸晃君

      大島 理森君    小池百合子君

      谷垣 禎一君    志位 和夫君

  参議院

   委員長 鴻池 祥肇君

   理事 郡司  彰君 理事 辻  泰弘君

   理事 山本 順三君 理事 中西 健治君

      石井  一君    岩本  司君

      大野 元裕君    輿石  東君

      谷岡 郁子君    羽田雄一郎君

      平田 健二君    石井みどり君

      谷川 秀善君    林  芳正君

      松下 新平君    吉田 博美君

      木庭健太郎君    山口那津男君

      亀井亜紀子君

    ─────────────

 出席委員

  衆議院

   委員長 樽床 伸二君

   理事 齋藤  勁君 理事 三日月大造君

   理事 森本 哲生君 理事 若井 康彦君

   理事 渡辺浩一郎君 理事 岸田 文雄君

   理事 柴山 昌彦君 理事 井上 義久君

      安住  淳君    岡田 克也君

      加藤 公一君    仙谷 由人君

      武正 公一君    津村 啓介君

      手塚 仁雄君    長妻  昭君

      鉢呂 吉雄君    藤井 裕久君

      藤村  修君    古川 元久君

      細野 豪志君    馬淵 澄夫君

      石破  茂君    石原 伸晃君

      大島 理森君    小池百合子君

      谷垣 禎一君    志位 和夫君

  参議院

   委員長 鴻池 祥肇君

   理事 郡司  彰君 理事 辻  泰弘君

   理事 山本 順三君 理事 中西 健治君

      石井  一君    岩本  司君

      大野 元裕君    輿石  東君

      谷岡 郁子君    羽田雄一郎君

      平田 健二君    石井みどり君

      谷川 秀善君    松下 新平君

      吉田 博美君    木庭健太郎君

      山口那津男君    亀井亜紀子君

 出席国務大臣

       内閣総理大臣   菅  直人君

       総務大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(地域主権推進))    片山 善博君

       法務大臣     江田 五月君

       外務大臣     前原 誠司君

       財務大臣     野田 佳彦君

       文部科学大臣   高木 義明君

       厚生労働大臣   細川 律夫君

       農林水産大臣   鹿野 道彦君

       経済産業大臣   海江田万里君

       国土交通大臣   大畠 章宏君

       環境大臣

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(防災))        松本  龍君

       防衛大臣     北澤 俊美君

       国務大臣

       (内閣官房長官)

       (内閣府特命担当大臣(沖縄及び北方対策))  枝野 幸男君

       国務大臣

       (国家公安委員会委員長)    中野 寛成君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(「新しい公共」、科学技術政策))   玄葉光一郎君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全、行政刷新))   蓮   舫君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(金融))        自見庄三郎君

       国務大臣

       (内閣府特命担当大臣(経済財政政策、少子化対策、男女共同参画))     与謝野 馨君

 出席内閣官房副長官

       内閣官房副長官  福山 哲郎君

       内閣官房副長官  藤井 裕久君

 委員外の出席者

  衆議院事務局

       国家基本政策委員会専門員    中川 朝男君

  参議院事務局

       常任委員会専門員        諸星 輝道君

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  本日の会議に付した案件

国家の基本政策に関する件


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    ─────────────

   〔樽床伸二君会長席に着く〕

会長(樽床伸二君) これより国家基本政策委員会合同審査会を開会いたします。

 本日は、私が会長を務めさせていただきます。よろしくお願いいたします。

 この際、一言御挨拶を申し上げます。

 衆議院国家基本政策委員長の樽床伸二でございます。

 参議院の鴻池委員長を始め、衆参両院の委員の皆様方の御指導、御協力を賜りまして、その職責を全うしてまいりたいと存じます。よろしくお願い申し上げます。(拍手)

 国家の基本政策に関する件について調査を進めます。

 これより討議を行います。

 討議に当たりましては、申合せに従い、野党党首及び内閣総理大臣は、決められた時間を厳守し、簡潔に発言を行うようお願い申し上げます。

 また、委員及び傍聴議員各位におかれましても、不規則発言等、議事の妨げとなるような言動は厳に慎まれますよう、御協力をお願いいたします。

 発言の申出がありますので、順次これを許します。自由民主党総裁谷垣禎一君。(拍手)

谷垣禎一君 菅総理、御就任以来初めての党首討論ですね。この間、内政、外交、この場で議論すべき問題がたくさんたまっているわけですね。総理も、もっと頻繁に開きたい、こういう御意向を持っておられるように仄聞しております。私もそれは大賛成でございますので、今後頻繁にこの場で総理と議論をさせていただきたい、このように思っております。

 そして、今日はまず第一回、いろんな案件ございますけれども、まず社会保障と税の一体改革というところから議論をさせていただきたいと思っております。

 それで、予算委員会の議論を聞いておりますと、この問題の取組、総理の持っておられるスケジュール観ですね。四月には社会保障の改革案をまとめると、それから六月には税制抜本改革を含んだ成案をまとめるんだと、そして九月にはマニフェストの、九月前後ですか、マニフェストの見直しもすると、そして消費税率等を上げる前には解散して国民の信を問うと、こういうことのように承っておりますが、それでよろしいですか。

内閣総理大臣(菅直人君) 谷垣総裁から、最初の、初めての党首討論ということで、私も野党としては党首討論に出たことはありますが、総理としての出席は初めてであります。是非、この党首討論は一方的な質問だけではなくてお互いに討論をするわけで、まさに熟議の国会にふさわしく、その討論を通していろいろな議論が深まっていくような、そういう討論にしていきたいと私自身も思っておりますし、是非、谷垣総裁におかれても、回数も私はもっと開いていいと思っておりましたので、是非とも、そういう建設的な討議になるよう、お互いに努力をさせていただきたいと思っております。

 その上で、まず私の方から申し上げますと、先月の二十五日に施政方針演説を行いました。私の国づくりの理念として、平成の開国、そして最小不幸社会の実現、そして不条理な政治を正すと、こういうことについて申し上げました。今日は、谷垣総裁からの御質問にはもちろんお答えしますと同時に、私からもこういった国づくりの理念についての谷垣総裁としての御意見も是非聞かしていただきたいと、このことを申し上げておきたいと思います。

 そこで、今、社会保障と税の一体改革についてのスケジュール観について質問をいただきました。

 私は、まずこの社会保障と税の一体改革ということそのものの大きなスケジュール観を持たなければならないと思っております。

 それは、今日の高齢化の進展によって毎年一兆円のそうした社会保障の費用が自然増という形で増えている。さらには、子育てや若者層の雇用という問題もこれまで必ずしも十分に保障されてこなかった。そして、孤立化といった人々が居場所と出番を持てないそういう社会にもなっております。

 そういった意味で、私は、今こそこの社会保障と税の一体改革は、どの内閣であっても誰が総理大臣であっても避けては通れない、そういう課題だということをまずスケジュール観として申し上げておかなければならないと思います。

 その上で、今、谷垣総裁からお話がありました点について言えば、ほぼおっしゃるとおりでありまして、四月に向けて社会保障のあるべき姿を今検討をいたしておりますのでそれを提示をし、そして六月には社会保障と税の一体改革のその案を提示をさせていただきたい。

 そして、マニフェストの問題は、これは党を中心に今検討をしていただいておりますが、四年間の衆議院の任期の中の折り返し点が大体参りますので、そのころまでにはマニフェストについて、既にやれたもの、今実行しているもの、中にはなかなか実行がいろんな理由で難しいもの、それらを分析をした上で、どうしても難しいものについては国民の皆さんにしっかりと説明し御理解をいただきたいと、こういうふうに考えているところであります。

谷垣禎一君 総理、もう少し端的に答えていただきたいと思うんですね。

 それで、スケジュール観をおっしゃいました。大きなスケジュール観は私も共有しております。それから、四月に案を作り、社会保障ですね、六月に成案を得る、そして見直しをする、こういうスケジュール観、今お話がありました。

 私、順序が逆なんじゃないかと思うんです。なぜかといいますと、これは後ほどもう少し詳しく申し上げますが、マニフェストが破綻している、このことがいろんなことの背後にある問題です。ですから、この処理を後回しにしようというのは、私は順序が違うんだと思いますよ、まずこのことを申し上げて。

 それから、この社会保障と税の一体改革の議論の中で、この間、我が党の野田毅議員が予算委員会の中で総理に質問して、四月に社会保障、まとめられなかったときは責任を取るのかと聞いて、菅さんがうなずかれたというところがありました。野田さんのおっしゃるのは、それできなかったら責任を取って辞めると言っているのかという問いかけですが、それはいかがでしょうか。

内閣総理大臣(菅直人君) 私は、谷垣総裁の言われることではありますけれども、順序が逆というのは私には全く理解できません。

 つまり、これは是非、最初に私が申し上げたスケジュール観を申し上げました。今、私と谷垣総裁はほぼ同い年に近いところでありまして、この団塊世代の前後にとって社会保障の将来は不安感を持って見ておられます。同時に、私たちのちょうど子供の世代の若い皆さんは、果たして自分たちのときに今のような社会保障の給付が受けられるのかという不信感を多く持っておられます。

 そういった意味で、今私たちがやらなければならない、我々世代がやらなければならないのは、この問題をある意味では一刻も早くしっかりとした案を作って、そして実行に移すことじゃないでしょうか。

 そういった意味で、逆に私お尋ねしたいんですけれども、四月に社会保障のあるべき姿を提示いたします。六月にそれと税一体の改革案を皆さんにお示しします。そのときには、そのときには谷垣総裁も、これまで案が出ないまま協議をしたいと言ってもそれはできませんと言われていましたから、案を出したときにはちゃんと与野党協議に乗っていただけるんでしょうねということを是非お尋ねをさせていただきます。

谷垣禎一君 総理、私最初に、総理のおっしゃった大きなスケジュール観は共有していると申し上げたでしょう。それで、繰り返さないでいただきたいと思うんですよ。

 それで、その今責任についてはお答えにならなかったですが、私がなぜこれを聞いたかということを申し上げましょう。それは、この税の問題、昨年、参議院選挙のときに菅総理提起されましたね。それでそのときに、一〇%という自民党の案も一つの参考だとおっしゃった。ところが、秋になったらころっと引っ込められてしまったと。それで、また持ち出されたと。

 我々は、総理大臣が本気でこれをおやりになる気があるのかどうか、今度は本気でおやりになるんですかということを問いたいから責任ということを伺ったわけです。それをお答えにならなかったのは非常に残念ですよ。

 それで、もう少し、その今スケジュール、つまり具体的にこの問題をどう進めていくかという菅さんのスケジュールを伺っているわけですが、そのスケジュールを私聞きながら我々の考え方も申し上げたいと思います。

 そこで、もう一つ確認します。責任のことは逃げられた。もう一つ確認します。六月に、六月に税の改革を含む成案を得るとおっしゃったわけですね、作るとおっしゃったわけですね。そうしますと、四月の社会保障の案は、そういう積算の根拠になるような相当詰まったものでなければならないはずです。それは、当然そういうことをお考えになっているんでしょうね。

内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど、私が参議院選挙で確かに消費税のことについて自民党の提起された一〇%ということを参考にしたいということを申し上げたと、それはそのとおりであります。しかし、秋になってそのことをころっと引っ込めたというのは間違っております。

 つまり、簡単に申し上げますが……(発言する者あり)いいですか。簡単に申し上げますが、皆さん、お静かにお聞きください。私が申し上げたのは、消費税について、それを参考にして与野党で協議をしようということを申し上げたつもりでしたが、私の言い方がやや唐突であったために、すぐにでも消費税を引き上げるというふうに誤解を招いたことを、これは私の責任も含めてそのことを感じましたので、参議院選挙で厳しい結果をいただいた中でもう一度党として、党としてこの問題についてしっかりと協議をしてもらいたい、こういうふうに申し上げて、そしてこの間のいろいろな党内の議論も踏み固めた上で、改めて今回、今回この社会保障の考え方を、昨年の暮れには一つの五原則の社会保障の考え方をまとめ、そしてこの四月にそうしたものを踏まえて多くの党や団体の意見もきちっとお聞きした上であるべき姿を提示しようと、このことを申し上げ、併せて六月には税との一体改革案をお示しします。

 ですから、是非、谷垣総裁にもお答えください。私にだけ答えろというのではなくて、谷垣総裁にもお答えください。そういう案をきちっと私たちが出したときにはきちっと与野党協議に乗っていただけるのですかという御質問にきちっとお答えください。

谷垣禎一君 だから、もう少し具体的にスケジュールを聞いてお答えすると言っているでしょう。

 それよりか、菅さん、問題は、今強弁をされましたけど、国民はそう思っていないと思いますよ。やっぱりあの参議院選挙のときに相当迷走されて、その後引っ込めてしまわれたと思っているんです。こういうことはやはり、やっぱりトップリーダーがどれだけやる気かということにかかわってきますから、そこはみんな見ているんですよ。

 だから、私は、職を賭してまでやるおつもりか、あるいはきちっとしたものをお出しになるのかということを聞いたわけですが、その責任については直接お答えにならないし、また四月にどういうものを出すのかということもお答えにならなかった。だから、非常に曖昧だと思うんですよ。

 四月にその社会保障の案はきちっと税の積算根拠になるようなものをお出しになるんですね。じゃ、それ、そこだけ答えてください。

内閣総理大臣(菅直人君) 今、私が分かりやすく国民の皆さんにお伝えしたと思うんです。

 四月までに社会保障のあるべき姿についてしっかりと議論をしてその姿をお示しします。税については、その社会保障のあるべき姿について、そのことを実行していくためにはどれだけの財源が必要で、そしてそれにはどのような形を取ることが可能か、そういうことについて併せた案もお示しをいたしますから、お示しを、六月にお示しをいたしますから、それが出たときには協議に乗られるのかどうかについても是非お答えをいただきたいと思います。

谷垣禎一君 私がお聞きしたのは、四月に出す社会保障の改革案が、要するに税の積算の根拠等々になり得るような具体的なものをお出しになるのかどうかということを聞いたわけです。六月におまとめになるというのは先ほど承りました。もう一回、四月に何をなさるのかお答えいただきたいと思います。

内閣総理大臣(菅直人君) 何度も同じことをお尋ねになり、同じことを答えるしかありません。

 社会保障のあるべき姿ということは、かなり多岐にわたっております。もちろん、医療や介護や年金や、あるいは広い意味では、これは議論もありましたけれども、子ども手当そのものは、これは無駄の削減による財源で行うというのがマニフェストでありますけれども、子育てという問題については広い意味の福祉にも入っております。また、例えば雇用の問題も入っておりますし、孤立した人々をいかに居場所と出番を、そういうものを確保するかという、そういうことも社会保障に入っております。そういうあるべき姿について、四月にきちっと提案をさせていただきます。

 しかし、それについての財源的な措置をどうするかということについては、更に議論を深めて六月に提示するというのは、これまでも何度も申し上げてきた、施政方針でも申し上げてきたことであって、そのことを、同じ答弁を繰り返すのは当然じゃないでしょうか。

谷垣禎一君 菅さんね、もう少し端的に答えていただきたいんですよ。

 それで、それで、今伺ったことから、じゃ、まあなかなか分かりにくかったけれども、要は、六月にきちっと数字もまとめる、したがって四月に出す社会保障の改革案は、そういったもののたたき台に十分なり得るものを四月にまとめられる、このような理解でよろしいですね。

 そうしますと、一応そう理解しまして次に行きますと、平成二十一年度の税制改正法の附則百四条というのがございますね。これは、菅総理も、この附則は尊重しなければならない、こういうふうに今までもおっしゃってこられた。そこで、この百四条に従いますと、平成二十三年度中に消費税を含む税制抜本改革案を国会に出さなければならないということをこれは義務付けているわけですね。

 それで、そうしますと、常識的に考えればこの通常国会中にはお出しにならないんじゃないかと思いますが、秋の臨時国会か、あるいは来年の通常国会にこの法案をお出しにならなければならないということになりますね。そして、今やっておられる年金改革の法案では二十四年度にやるんだと、これはつまり、法案を出すということではなくて、そこまでにその財源を、実施しなきゃならないということをつまり年金改革の中では言っているんだろうと思います。

 そうすると、平成二十四年度以降にやると、実施するということになるわけですが、菅総理は同時に、衆院任期後に引き上げるという御答弁もあるんですね。そうすると、そうすると、そこはどういうふうに理解したらいいんでしょうか。いつから、つまり平成二十四年度中にやるのか、あるいは二十五年度になることも、二十五年になることもあるのか、そこをちょっとお答えください。

内閣総理大臣(菅直人君) この百四条という法案は、もちろん御存じのとおり、自公政権時代に法案として成立をしているわけでありまして、法律として成立している以上、私たちの内閣も、基本的にはこの法律が変わらない限りはこれに沿って進めていきたいと、このように考えております。そういう意味では、二十三年度末までに何らかのこの問題についての法的な対応をしなければならないと思っております。

 その上で、今いろいろな日程のことで、実施時期と、あるいはもしかしたら選挙のことをお尋ねなのかもしれませんけれども、私なり我が党が申し上げているのは、例えば消費税を含む大きな税制改正を行う、それを実施する場合には、少なくともそれを実施する前には国民の皆さんに判断を仰ぐと、そのことを申し上げてきたわけでありまして、二十三年度末に案を出してそれが成立したとしても、例えば共通番号、税と社会保障の共通番号の整備等々いろいろなことも予想されますので、実施する段階に至った場合にはそれよりも前に必ず国民の皆さんに判断を仰ぐと、このように考えているということは、これまでも明確に申し上げてあります。

谷垣禎一君 いや、余り明確に答えておられなかったんですよ。そこのところは、要するにその任期、衆院任期後に引き上げるということもおっしゃったり、かなり曖昧だったんですね。ぼかしておられたんじゃないかと私は正直言って思います。

 しかし、いずれにせよ、二十三年度までに法制上の措置を講ずる、これはされるわけですよね。そうしますと、このマニフェスト、菅さんたちがお作りになって戦われたマニフェストの基本構造は、これは消費税をやるという前提にはなっていないと思います。むしろ、いろいろな無駄を排除することによってできるんであって、消費税はやらないという前提に立っていたはずです。そうしますと、いずれにせよ任期中に、二十三年度中におやりになるということは、そのままやればこれはマニフェスト違反ですよ。

 それで、マニフェスト違反を、私、野党も一緒に協議になって片棒を担げと、菅さんのおっしゃっていることはそういうことなんですね。それで、私は、そういう、何というんですか、八百長相撲を一緒に角番に立ったから取ってくれみたいな話は、これは私は乗れません。それで、それで、それでですよ、国民との約束違反を手伝えというのは私は筋違いだと思います。それで、まずは、まずは消費税率を引き上げるという新しいマニフェストをお作りになって、そうして国民の声をお聞きになることが必要じゃないかと思いますよ。

 それで、私どもも、私どもも、既に菅さん御承知のように、昨年の参議院選挙では、当面一〇%消費税は必要だという案を掲げて、そうして選挙をいたしました。衆議院選挙のマニフェストはこれから作りますが、当然それを踏まえたものになります。ですから、菅さんたちも真面目におやりになれば、多分方向性はそんな違わないものになるだろうと私は思っています。

 だから、選挙、そうやってきちっと新しいマニフェストをお作りになって、そうして国民の声をお聞きになった後、これは菅さんと私の間で全てが一致するわけじゃないと思いますが、しかし、基本的にこの問題は一致したということになったら、選挙の後、勝った方がそれをやって、負けた方も負けたから腹いせだなんというようなことはもうやめにする、お互いにきちっと国民の信を得たからそれをやっていこうということができるじゃありませんか。私は、それが一番のこの問題を解決する近道だと。

 やっぱり、今、どうも約束したことが全然守られていないという政治不信があるんですよ。それで、そのときに税が必要だといってお願いをするというのは、私はやっぱり政治の筋道として違うと思いますよ。やっぱり手順を踏んで、国民になるほどと、これは与野党が両方で頑張らなきゃならない課題じゃないですか。

 それから、更にこのことを申し上げます。

 私は、この今審議している平成二十三年度予算、これは財源を集めるのに相当苦労されたでしょう。で、まあ一応案を作って、今審議している最中ですね。しかし、来年はなかなか私組めないんじゃないかと思いますよ。もう埋蔵金云々なんてなかなか、だからこそ菅さんは税制改革を提起されたということでもあるんだと思うんですよ。

 野党としても、この問題はどうしたら乗り越えていけるのか、平成二十四年度予算どうして組めるのか、真剣に考えなきゃいけません。そのための一番近道がこれなんですね。もう一回きちっとお互いに正直言って信を問おう、そしてその後、お互いに同じ方向をやっているんだったら一緒に協力できることは協力してやっていく。協議、協議とおっしゃるが、そのときにそういう形でやっぱりしっかり協議ができる道も開けるんですよ。私は、それが近道だと思います。

 それからもう一つですね、もう一つ、まああんまり私ばっかり言ってもいけませんが、もう一つ申し上げますと、ちなみに先ほど我々は消費税一〇%既に掲げたと申しました。それで、それはこれからもそれを踏まえてやっていきますが、今、社会保障と税の問題、いろいろ菅さん取り組んでおられますね。我々も既にやってきて、もう成案があるんですよ。で、結局、メンバーもほぼ、その審議しているメンバーもほぼ同じですから、似たようなものができると思いますよ、私はね。それから、それに加えて、財政再建健全化法という法案なんかも出しました。

 だから、我々の考え方は既に明確にしておりますので、どうぞ我々のレベルまで早く追い付いていただきたい、このように思います。

内閣総理大臣(菅直人君) いろいろたくさん言われますので、私も一つ一つ申し上げなければなりません。

 まず、今の谷垣総裁の答弁といいましょうか、お話を聞いていると、お話を聞いていると、結局のところは、いかに私たちが四月、六月に案を出しても、それでは議論には乗れないと、解散をしてそれが終わらなければ乗れないという、こういうお答えのように聞こえましたが、私はそれは、先ほど申し上げたように、解散をするということは、その後の政局がどうなるかはもちろん誰にも分かりません。つまりは、この長年積み残してきたこの課題を更に私は先送りすることになると思うから、この段階できちんと案を出しますから、そうしたらあるときには案がないから議論に乗れないとおっしゃっていたじゃないですか。案を出したときにも議論に乗れないというのは、私は基本的に言っていることが違ってきていると、こういうことをまず一点申し上げておきます。

 その上で、もう一点、もう一点申し上げます。

 私は、さきの参議院のときに、先ほども申し上げましたように、自由民主党が提起された一〇%というものを参考にしてということを申し上げました。そして、厳しい参議院の結果をいただいた上で改めて考えました。やはりこの問題は、単に税だけの議論を先行させてはこれは国民の理解を得られない、手順が重要だ、順序が重要だ、そのためにはまずあるべき社会保障の姿をきちんと国民の皆さんに提示をして、そして、その社会保障の姿を実現する上で、どうした財源がどういう税制の上で必要になるかということを、それを併せて提案をして、そしてその中で御理解をいただかなければならない。そういうことで、四月と六月というこの日程を決めて皆さんに提案をいたしているわけであります。それなのに、そういう議論もしないまま、まず解散だと言うのは、私は国民の利益よりも党の利益を優先されている提案だとしか思えませんが、いかがですか。

谷垣禎一君 総理ね、総理ね、急がば回れという言葉は御存じでしょう。今もあなたおっしゃった、手順ということをおっしゃった。それで、その菅さんの考えておられる手順は、まず社会保障との一体改革、まずそれをきちっと議論していくんだというのが手順だとおっしゃった。しかし、それだけでは足らないんですよ。

 要するに、私は、菅総理は市民運動からたたき上げてきた運動家としては尊敬していますよ。それから、政策に関しては、いろいろこれ今そうやって取り組んでおられるでしょう、苦労しておられると思いますよ。だけど、大事なのは、やっぱり国民との信頼関係だと私は思いますよ。

 それで、案がないから駄目だと言われたけど、案を出しても駄目だと言うのかとお問いかけがあったけれども、問題は、その案が国民との信頼関係から見てどうかということですよ。マニフェストの基礎を踏みにじるようなものだったら、片棒担げと、マニフェスト違反の共犯に、あんた、なってくれと。冗談じゃありません。私のお答えはそういうことであります。

 菅さん、急がば回れでありますから、是非急がば回れでやってください。

 それで、じゃ、まあこの問題はまた後延々やらなきゃならないかもしれませんが、(発言する者あり)答えがありますか。じゃ、どうぞどうぞ。

内閣総理大臣(菅直人君) 実は、二〇〇九年のマニフェストに……(発言する者あり)

会長(樽床伸二君) 御静粛にお願いします、御静粛に。

内閣総理大臣(菅直人君) いいですか。二〇〇九年のマニフェストに加えて、二〇一〇年の参議院のときにもこのマニフェストを提案をいたしました。

 二〇一〇年のマニフェストにおいては、ここにちゃんと書いてあります。つまり、全体は長いですから、「早期に結論を得ることをめざして、消費税を含む税制の抜本改革に関する協議を超党派で開始します。」ということを書いて、それで皆さんにも提案をいたしたわけであります。

 そういった意味で、現在のスタンスは、その消費税に関しては、まずは、消費税から始めるのではなくて、社会保障のあるべき姿を皆さんにお示しし、それに必要な財源の中には当然消費税のことも含まれますので、そういうものも含めて協議をいたしましょうというのは、既に参議院の選挙のときの私のマニフェストにきちんと申し上げていることでありまして、そのことが国民に対する何かごまかしだということは全く当たりませんので、そのことだけは明確に申し上げておきます。

谷垣禎一君 菅さんね、そんな強弁しても駄目ですよ。(発言する者あり)

会長(樽床伸二君) 御静粛にお願いします、御静粛に。

谷垣禎一君 国民はそういうふうに思ってないんです。そして、明らかに衆議院のときのマニフェストは消費税はやらないというのが大前提だった、そういうことですよ。

 それで、なぜこういう議論が起こってくるかと。先ほど申し上げたことですが、結局マニフェストに根本的欠陥がある。これ、私、三つ申し上げたいと思うんですよ。

 一つは、マニフェストの施策はやっぱり無駄を排除することによってできると、こういう大きな柱があった。できてないですよね。無駄排除でできたのはこの二年間で二・六兆円ですよ。それじゃ、全体、二年間で十二・六兆やってといったって、大きな乖離があるじゃないですか。それはとても行き着けませんよ。

 それから二番目。そうやって無駄を探して排除し財源を見付けても、結局ばらまきのために使ってしまうから、全然財政体質の改善につながらない。だから国債の格付も落ちるんですよ。

 それから、もう一つの最大の問題点。毎年、社会保障一兆増えますね。マニフェストひっくり返してみても、どうやってこの一兆円増に対応していくかというのは何も書いてないですよ。だから、財政が、このままにしておけば、この菅さんたちのマニフェストは財政破壊のマニフェストですよ。だから、これから見直せと言っているんですよね。

 もう時間も参りましたから、最後に一つだけお伺いしたい。小沢さんの証人喚問問題です。

 私ども野党六党は、これは衆議院予算委員会の公聴会を設定するまでにきちっと返事をしてもらいたい、このように申し上げております。そして、この三年来、このこと三年越しに我々これを要求してきたわけです。もうこれいいかげんに解決して、こういう問題を乗り越えていきましょうよ。菅さんがリーダーであるならば、この場で、自分がきちっと解決を付ける、ここでおっしゃってください。

内閣総理大臣(菅直人君) 先ほど、マニフェストについて、相変わらずばらまきという言葉を使われました。しかし、ばらまきではないんです。このマニフェストは、従来の政権でできなかった新たな政策を掲げたんです。そして、その中で現実に進んでいることも幾つもあります。例えば農業政策でも、かつてはどちらかといえば価格政策でありましたけれども、欧米は昔から所得政策を中心です。そういった意味で、農業の戸別所得補償も提示をいたしました。(発言する者あり)

会長(樽床伸二君) 御静粛にお願いします、御静粛に。

内閣総理大臣(菅直人君) 子ども手当についても議論はありますけれども、議論はありますけれども、従来は子供に対する手当てが相対的に非常に薄かったわけでありますから、それに対してきちんと手当てをしようというのは新しい政策なんです。高校の無償化も実行いたしました。ですから、それがばらまきというのは私は当たっていない。つまり、政策選択であって、じゃ、よりもっといい政策が何かということをお示しされるべきであって、十二月二十七日の皆さんの基本方針には自分たちとしての予算案をお示しすると書いてありますが、残念ながら、その後お示しいただいたという私には記憶はありません。

 その上で、最後の御質問にお答えを申し上げます。

 私は、谷垣さんがおっしゃった広い意味で政治と金の問題、あるいは小沢さんをめぐる問題も何とか越えていかなければならない大きな課題だと私自身思って、この間もやってまいりました。特に、党の代表選の折にはクリーンでオープンな政治というものを掲げて、そして多数の支持をいただいて、党の運営については、党の運営については、例えば組織活動費も、そうした形の不明瞭な使い方はやめようと、改めて現在の幹事長と話をいたしました。また、企業と団体献金についても法案をまとめておりますので、是非ともこれについても与野党協議の中で法案成立に向けて御協力をいただきたいと、こう思っております。

 その上で、小沢元代表の件については、私も、国会での説明は私は必要だという認識を持っております。しかし、国会についてどのように扱うかということは、これは国会の中でお決めをいただかなければなりません。その上で申し上げますと、今、小沢元代表に私ももう一度話をしたいということを申し入れておりまして、近々こういった問題についてもきちっと話し合って方向性を定めていきたいと、このように考えていることをしっかりとこの場で申し上げておきます。(拍手)

会長(樽床伸二君) これにて……

谷垣禎一君 委員長。

会長(樽床伸二君) もう時間が、時間が来ておりますので。

谷垣禎一君 もう菅さん、それなら是非ですね……

会長(樽床伸二君) 時間がもう終了しております。

谷垣禎一君 是非、小沢さんと話してきちっと解決してください。

 それから、マニフェスト問題は……

会長(樽床伸二君) 時間が終了しております。時間が終了しております。

谷垣禎一君 マニフェスト問題は予算委員会でしっかりやりましょう。(拍手)

会長(樽床伸二君) これにて谷垣君の発言は終了いたしました。

 次に、公明党代表山口那津男君。(拍手)

山口那津男君 公明党代表の山口那津男でございます。

 菅総理就任以来、八か月余りたちました。ようやくこの党首討論が実現したことを喜ばしく思います。

 時間が十分しかありませんので、簡潔にかみ合った御答弁をお願いしたいと思います。

 この国会での論議を聞いておりますと、この民主党のマニフェストというものがいかに中身のないいいかげんなものであるかということが明らかになってまいりました。例えば、民主党のマニフェストの柱の一つである年金案、この柱は年金制度を一元化するというのが一つ、もう一つは全部消費税によって月額七万円の最低保障年金を創設すると、この二つが柱でしたね。しかし、これを問われて、一元化については大変難しいとお答えになった。また、最低保障年金の中身については具体的な数字が固まっていないとおっしゃった。中身がないではありませんか。

 いいですか。ここからが大事なんです。与野党協議をしようというのですから、我々公明党は既に昨年の十二月に具体的な案を既に提案しているんです。与野党の与がないんですよ、与党民主党の案がないんですよ。先ほどから、与野党協議の重要性を菅総理自らが強調されておられますね。そして、四月に案を出すとおっしゃっている。しかし、何を出すのか。私は、谷垣さんとの討論を聞いていてもよく分かりませんでした。

 大事なことは、民主党という与党の案を出すことなんですよ。そうでなければ、我々の党としての協議ができないじゃありませんか。与野党協議というのは政党間の案を出し合って比べながら議論をして、そして合意を見出していくと。政府の役割は、その協議の結果を受け止めて実施可能なものにこれをつくり上げる、これが政府の責任ですよ。その前に、その前に与党民主党の案を出していただくことが必要なんです。だけれども、今までのところ、その中身が全くないと言わざるを得ません。

 これは、民主党の案って、できないんじゃないんですか、マニフェストのとおり。できないから、政府・与党として出しますと、こうやって曖昧にして、政府の案を隠れみのにして逃げおおせようと、そう考えているんじゃありませんか。

 もしそうでないとするならば、民主党の案、マニフェストに沿った具体的な案を出せるのか出せないのか、はっきり答えてください。

内閣総理大臣(菅直人君) まず、私も初めての党首討論ということで、大変開けたことを良かったと思っております。

 その上で、先ほど我が党の年金の案について幾つかの御指摘をいただきました。

 一元化ということについて私が予算委員会等で申し上げたのは、難しい問題があるという認識をお示しをいたしましたが、だからやめるということは一切本当に申し上げておりません。それは、御指摘のあったように、自営業者、あるいはそういう方の場合に被用者保険とは制度が違いますので、そういった方の負担をどうするか。これは各国においてもいろいろ例があります。そういった難しい問題がありますということは、ちゃんと議事録を見ていただければ分かりますけれども、そういう指摘について、それは難しい問題がありますと言ったことであります。

 それから、最低保障年金についても、七万円という額を含めてきちっと提示をいたしております。確かに、御指摘のように、七万円をどの範囲の人にどれだけ支給するかというところまではまだ組み立てておりませんけれども、少なくとも、少なくとも比例報酬に加えて最低保障年金というものを上乗せをするという、そういう考え方についてはきちんと提示をいたしてきたところであります。

 その上で、改めて党の案を出すのかという趣旨の御質問だと思います。

 今、我が民主党と内閣は、政府、与党が一緒になったそうした検討の会議をつくっておりまして、この四月にお示しするのは、党としてももちろん合意をいただける中身でなければなりませんけれども、党と内閣として両方が責任を持って、最終的には内閣の立場で決定をしてお示しをしたいと、このように考えております。

山口那津男君 政府とは違った民主党の案をはっきり出してくださいと、こうやって申し上げているんです。政府・与党として出すと、あくまでそうおっしゃるんであれば、政府・与党の案が民主党の案と全く異なったものであれば、それは政府が責任を負うということになるんですよ。その重み分かっていますか。民主党の案をまず出すべきだ、明快な答えがない、それを指摘しておきたいと思います。

 さて、その上でもう一つ、財源の案についても、これは柱でしたね。国家予算、総予算が二百七兆円ある、だからこの平成二十三年度までに十二・六兆円の財源を生み出す。しかし、結果は政府の説明によれば三・六兆円ですよ。三割にも満たないんです。到底できっこないじゃないですか。こういった、この柱となる二つの年金案と財源案で既に破綻をしているわけです。国民との約束を破ったということになるんです。

 鳩山前総理は、このマニフェストが実現できなければ責任を取りますと言って選挙を戦ったんですよ。そこまで言ったから政権交代を託したんです、国民は。それが実現できないとなれば、これは国民との契約違反なんですから、国民の側からすれば契約を解除する権利があるということなんです。

 いいですか。鳩山さんは責任を取ると言った。では、菅総理はこの契約違反の責任をどのようにお取りになりますか。明確にお答えください。

内閣総理大臣(菅直人君) 議院内閣制における政権というものについての考え方はいろいろあります。例えばイギリスの場合は、新たな政権ができれば、一応任期の満了までを一つの単位にして、その中でやれたことに対して国民から最終的には任期満了の近くで信を問うというのが大体の恒例のやり方になっております。

 そういった意味で、昨年、一昨年、今から一年半前に政権交代になりまして、基本的にまずマニフェストは四年間の間に実現するというこの基本的な構造になっております。その上で、その上で、既に進行しているもの、例えば高校の無償化とか、まだ道半ばではありますが子ども手当ですとか、あるいは農業戸別所得補償とか、これまでの政権では取り得なかった新たな政策を順次現在進めているんです。

 ですから、そのことをしっかりと見ていただき、そして折り返し点の来る九月ごろまでには、どこまでがやれたか、どこまでが今着手中か、しかし、この問題についてはどうしてもいろんなその後の変化の中で難しいとなれば、そのことについて検証して国民の皆さんにお示しする。

 私は、任期が終わるまでのその四年間の実績の中で判断をするというように、政権交代を繰り返すように我が国もなってきているわけですから、そういう在り方が望ましい議会制民主主義であると、このように考えております。

山口那津男君 ああだこうだ言い訳ばかりで、なぜ実現していないのか、これはもう国民から見れば、実現の見通しがないということははっきりしているんですよ。ならば、契約に違反した責任を総理としてどうお取りになるか、これを国民に明らかにすべきなんですよ。信頼がなければ……(発言する者あり)

会長(樽床伸二君) 不規則発言を慎まれるようお願いします。

山口那津男君 先ほど谷垣総裁からも指摘がありましたが、国民の信頼がなければ、これから大きな改革をやろう、そんなことはできるわけがないじゃないですか。総理がこの点について厳しく深く責任を自覚することがなければ、国民は到底付いていけませんよ。そのことを厳しく申し上げておきます。

 そして、最後に申し上げますが、政治とお金の問題、不条理を正すとおっしゃったのは菅総理御自身ですね。小沢さんの問題は国会で説明責任を果たす、これが第一歩なんです。いまだに実現できていないじゃありませんか。野党六党は小沢さんの証人喚問を求めているんです。これをやるかやらないか、民主党の代表として決断すればいいだけの話なんです。

 証人喚問に応じるのか応じないのか、民主党代表としてこの場ではっきりお答えください。

内閣総理大臣(菅直人君) 小沢元代表の件について御質問いただきました。

 私、先ほども申し上げましたけれども、小沢元代表としてやはり国会の場で説明をされるべきだと、その認識は今も変わっておりません。その上で、この問題については、長年いろいろな場面を私も承知をいたしておりますけれども、やはり与野党でいろいろな党の意見もあります。与党の中にもいろいろ意見をお持ちになっている党もあります。そういうことを含めて、これは国会の中でしっかり議論をして、いずれかの場で御説明をいただくように私どもも努力をしていきたいと。

 加えて、先ほども申し上げましたが、近々、小沢元代表にもお会いをして私たちの考え方については、私の考え方についてはきちっとお伝えしたいと、このように考えております。(拍手)

会長(樽床伸二君) 時間が参りましたので。

山口那津男君 これで終わりますが、決意もリーダーシップも全くないということがはっきりしたということを申し上げたいと思います。

 終わります。ありがとうございました。(拍手)

会長(樽床伸二君) これにて山口君の発言は終了いたしました。

 以上をもちまして、本日の合同審査会は終了いたしました。

 これにて散会いたします。

   午後四時四十九分散会


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